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電験3種 2024年度下期(令和6年度下期) 法規

13問 ・ 目安 正答率60% ・ 2025年3月23日実施

電験三種(第三種電気主任技術者)の2024年度下期(令和6年度下期) 法規試験で実際に出題された全13問を、1問ずつその場で答え合わせしながら演習できます。2025年3月23日実施・合否の目安は正答率60%(演習の目安)。各問に正解と、なぜその選択肢になるのかの解説を付けています。

本試験の合格基準:理論・電力・機械・法規の科目ごとに合否判定。各科目100点満点中原則60点以上で科目合格、4科目すべて合格で試験合格。

この回:令和6年度下期・法規:合格基準は100点満点中60点以上(筆記方式の公表値)。

出典:令和6年度第三種電気主任技術者下期試験の結果について(令和7年4月18日)。このページの「目安 正答率60%」は演習の目安で、本試験の採点方法とは異なります。

この回は 一般財団法人 電気技術者試験センター が公開する本試験問題を、当サイトがその場で答え合わせできる一問一答形式に再編し、公式には付いていない「正解の根拠・各選択肢の解き方」の解説を追記したものです。原題の出典は各問に明記しています。

過去問の解答結果は学習記録・段位には反映されません。過去問は出題当時の法令・制度にもとづく問題を含むため、段位は継続して最新化している一問一答・模擬試験だけで判定しています。過去問を解かなくても段位で不利になることはありませんので、実力試しとして気軽にお使いください。

この回の問題は,令和6年4月1日(2024年4月1日)現在で効力のある法令にもとづいて作成されています(原本の注記)。それ以降の法改正により、現行の条文・数値と異なる場合があります。

問 1
「電気事業法」に基づく,一般用電気工作物に該当するものは次のうちどれか。 なお,(1)~(5)の電気工作物は,その受電のための電線路以外の電線路により,その構内以外の場所にある電気工作物と電気的に接続されていないものとする。
正解:5
一般用電気工作物の条件は二つある。低圧(600 V以下)で受電していること,そして同じ構内に置く発電設備が「小規模発電設備」だけであり,しかもそれが小規模事業用電気工作物に当たらないことである。この観点で順に見る。(1)と(3)は受電電圧が6.6 kV=高圧なので,受電電力の大小にかかわらず自家用電気工作物になる。(2)は低圧受電だが,内燃力発電設備が小規模発電設備といえるのは10 kW未満のときで,15 kWはこれを超えるため自家用になる。(4)も低圧受電で,太陽電池7 kW・風力15 kWはどちらも小規模発電設備の範囲(太陽電池50 kW未満・風力20 kW未満)に入るものの,風力発電設備は出力にかかわらず小規模事業用電気工作物に区分されるため,一般用電気工作物にはならない。残る(5)は低圧受電で,太陽電池5 kWは10 kW未満なので小規模事業用電気工作物にも当たらず,一般用電気工作物である。答(5)。令和5年3月の改正で太陽電池10 kW以上50 kW未満と風力20 kW未満が「小規模事業用電気工作物」という区分に切り出された点が,この問題の分かれ目になっている。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 法規 問1
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 2
「電気工事士法」においては,電気工事の作業内容に応じて必要な資格を定めているが,作業者の資格とその電気工事の作業に関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。
正解:3
不適切なのは(3)である。自家用電気工作物に係る「非常用予備発電装置工事」とネオン工事は特種電気工事に指定されており,これらに従事するには第一種電気工事士免状ではなく,経済産業大臣の認定を受けた特種電気工事資格者認定証が必要になる。第一種電気工事士だからといって自動的に従事できるわけではない。他は適切である。(1)の第一種電気工事士は最大電力500 kW未満の自家用電気工作物の電気工事に従事でき,250 kWはその範囲内である。(2)は一般用電気工作物なので第二種電気工事士の担当範囲。(4)は「ネオン工事」という語に引かれやすいが,特種電気工事になるのは自家用電気工作物に係るネオン工事であり,一般用電気工作物のネオン用分電盤は第二種電気工事士で差し支えない。(5)の認定電気工事従事者は,自家用電気工作物のうち600 V以下で使用する設備の電気工事(簡易電気工事)に従事できるので,200 Vの電動機の接地工事は範囲内である。答(3)。「自家用か一般用か」「低圧部分か否か」「特種か簡易か」の三つの軸で切り分けるのがこの分野の要点になる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 法規 問2
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 3
次の文章は,「電気設備技術基準」に関する記述である。 電路は,大地から (ア) しなければならない。ただし,構造上やむを得ない場合であって通常予見される使用形態を考慮し危険のおそれがない場合,又は (イ) による高電圧の侵入等の異常が発生した際の危険を回避するための (ウ) その他の保安上必要な措置を講ずる場合は,この限りでない。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:3
これは電気設備技術基準(省令)第5条第1項の条文で,「電路は、大地から絶縁しなければならない。ただし、構造上やむを得ない場合であって通常予見される使用形態を考慮し危険のおそれがない場合、又は混触による高電圧の侵入等の異常が発生した際の危険を回避するための接地その他の保安上必要な措置を講ずる場合は、この限りでない。」とある。電路と大地の関係を定める大原則なので(ア)は「絶縁」であり,「離隔」や「遮断」ではない。ここで(1)(2)(5)が落ちる。ただし書の後半は,高圧側と低圧側が触れ合う「混触」で高電圧が低圧側に侵入する事故を想定し,その危険を逃がすために「接地」を施す場合を例外にしたものである。B種接地工事がまさにこれに当たり,接地は絶縁の原則の例外として位置づけられている。よって(イ)=混触,(ウ)=接地となり(4)も消えて(3)が残る。答(3)。「絶縁が原則,接地は例外」という条文の骨格を押さえておくと確実に選べる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 法規 問3
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 4
公称電圧 6 600 V の三相 3 線式中性点非接地方式の架空配電線路(電線はケーブル以外を使用)があり,そのこう長は 20 km である。この配電線路に接続される柱上変圧器の低圧電路側に施設される B 種接地工事の接地抵抗値[Ω]の上限として,「電気設備技術基準の解釈」に基づき,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 ただし,高圧電路と低圧電路の混触により低圧電路の対地電圧が 150 V を超えた場合に,1 秒以内に自動的に高圧電路を遮断する装置を施設しているものとする。 なお,高圧配電線路の 1 線地絡電流 I₁[A]は,次式によって求めるものとする。 I₁ = 1 + (V/3 × L − 100)/150 [A] V は,配電線路の公称電圧を 1.1 で除した電圧[kV] L は,同一母線に接続される架空配電線路の電線延長[km]
正解:4
順に代入していく。V は公称電圧を1.1 で割った値なので V=6.6/1.1=6 kV。L は「電線延長」であり,こう長そのものではなく電線の総延長を指すから,三相3 線式のこう長20 km では L=20×3=60 km となる。これを式に入れて I₁=1+(6/3×60−100)/150=1+(120−100)/150=1.13 A。1 線地絡電流は小数点以下を切り上げるので I₁=2 A である。B 種接地工事の接地抵抗値の上限は,原則が150/I₁ Ωで,混触時に低圧電路の対地電圧が150 V を超えた場合の自動遮断が「1 秒を超え2 秒以内」なら300/I₁ Ω,「1 秒以内」なら600/I₁ Ωまで緩和される。本問は1 秒以内なので上限は600/2=300 Ω。答(4)。誤りやすい点は二つで,一つは L にこう長20 km をそのまま入れてしまうこと(この場合 I₁=1 A となり600 Ωで(5)を選ぶ),もう一つは緩和の段階を取り違えて300/I₁=150 Ωとし(2)を選ぶことである。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 法規 問4
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 5
次の文章は,「電気設備技術基準」における,電気機械器具等からの電磁誘導作用による影響の防止に関する記述の一部である。 変電所又は開閉所は,通常の使用状態において,当該施設からの電磁誘導作用により (ア) の (イ) に影響を及ぼすおそれがないよう,当該施設の付近において, (ア) によって占められる空間に相当する空間の (ウ) の平均値が,商用周波数において (エ) 以下になるように施設しなければならない。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:5
電気設備技術基準(省令)第27条の2第2項の条文で,「変電所又は開閉所は、通常の使用状態において、当該施設からの電磁誘導作用により人の健康に影響を及ぼすおそれがないよう、当該施設の付近において、人によって占められる空間に相当する空間の磁束密度の平均値が、商用周波数において二百マイクロテスラ以下になるように施設しなければならない。」とある。この条は通信設備への障害ではなく,人体の健康を守るために設けられた規定である点が要で,(ア)=人,(イ)=健康となり(1)(3)(4)が落ちる。残る(2)と(5)の差は評価量と数値で,条文が採っているのは「磁束密度」で単位はテスラ,限度は200 μTである。ICNIRP(国際非電離放射線防護委員会)のガイドラインを踏まえた値で,商用周波数の磁界に対する一般公衆の参考レベルに相当する。よって(5)。答(5)。同じ第27条の2の第1項は変圧器や開閉器などの電気機械器具について同じ200 μTの制限を定めており,電界ではなく磁界の話であること,単位がA/mではなくμTであることをまとめて押さえておくとよい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 法規 問5
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 6
次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」に基づく地中電線と他の地中電線等との接近又は交差に関する記述である。 高圧地中電線と特別高圧地中電線とが接近又は交差する場合において,次に該当する場合,地中電線相互の離隔距離を 0 m 以上で施設することができるとされているが,その条件として不適切なものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:4
不適切なのは(4)である。地中電線どうしを接触させてよいのは,一方の事故による火災や損傷がもう一方に及ばないことが構造的に担保される場合に限られる。解釈が認めているのは,(ア)それぞれの地中電線が不燃性の被覆を有するか堅ろうな不燃性の管に収められている場合,(イ)いずれかの地中電線が不燃性の被覆を有するか堅ろうな不燃性の管に収められている場合,(ウ)それぞれの地中電線が自消性のある難燃性の被覆を有するか堅ろうな自消性のある難燃性の管に収められている場合,そして(エ)地中電線相互の間に堅ろうな耐火性の隔壁を設ける場合である。埋設標識は掘削工事による損傷を防ぐための表示であって,電線相互の延焼や損傷の波及を防ぐ機能はまったく持たないため,離隔距離を0 mにする根拠にはならない。他の(1)(2)は上記(ウ)に,(3)(5)は上記(イ)に該当し,いずれも適切である。答(4)。「不燃性なら片方だけでよいが,自消性のある難燃性ならそれぞれに必要」という要求水準の差も併せて覚えておきたい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 法規 問6
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 7
次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」における再閉路時の事故防止に関する記述である。 高圧又は特別高圧の電力系統に分散型電源を連系する場合(スポットネットワーク受電方式で連系する場合を除く。)は,再閉路時の事故防止のために,分散型電源を連系する変電所の引出口に (ア) を施設すること。ただし,次のいずれかに該当する場合は,この限りでない。 a)逆潮流がない場合であって,電力系統との連系に係る保護リレー,計器用変流器,計器用変圧器,遮断器及び制御用電源配線が,相互予備となるように2 系列化されているとき。ただし,次のいずれかにより簡素化を図ることができる。 ① 2 系列の保護リレーのうちの1 系列は, (イ) (2 相に設置するものに限る。)のみとすることができる。 ② 計器用変流器は, (イ) を計器用変流器の末端に配置する場合,1 系列目と2 系列目を兼用できる。 ③ 計器用変圧器は,不足電圧リレーを計器用変圧器の末端に配置する場合,1 系列目と2 系列目を兼用できる。 b)高圧の電力系統に分散型電源を連系する場合であって,次のいずれかに適合するとき ① 分散型電源を連系している配電用変電所の遮断器が発する遮断信号を,電力保安通信線又は電気通信事業者の専用回線で伝送し,分散型電源を解列することのできる転送遮断装置及び能動的方式の (ウ) を設置し,かつ,それぞれが別の遮断器により連系を遮断できること。 ② 2 方式以上の (ウ) (能動的方式を1 方式以上含むもの。)を設置し,かつ,それぞれが別の遮断器により連系を遮断できること。 ③ 能動的方式の (ウ) 及び整定値が分散型電源の運転中における配電線の最低負荷より小さい (エ) を設置し,かつ,それぞれが別の遮断器により連系を遮断できること。 ④ 分散型電源設置者が専用線で連系する場合であって,連系している系統の自動再閉路を実施しないとき 上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:3
(ア)は,再閉路の直前に線路が本当に無電圧になっていることを変電所の引出口で確かめる装置なので「線路無電圧確認装置」である。分散型電源が系統から切り離されずに残っていると,再閉路の瞬間に位相の合わない電圧どうしがぶつかって機器を壊すため,この確認が要る。ここで(1)(2)(5)が落ちる。残る(3)と(4)の差は(イ)と(エ)にある。(イ)は,逆潮流がない場合に2 系列のうち1 系列を簡素化できる保護リレーで,逆潮流がない運用では「電力が逆向きに流れていない=供給が続いている」ことを電力の不足で捉えるため「不足電力リレー」が使われる。周波数低下リレーではない。(ウ)は,能動的方式・受動的方式といった言い方をすることから「単独運転検出装置」と決まる。(エ)は,配電線の最低負荷より小さい整定値を持たせる点から,逆方向の電力を検出する「逆電力リレー」である。よって(3)。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 法規 問7
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 8
次の文章は,「電気設備技術基準」及び「電気設備技術基準の解釈」に基づく移動電線の施設に関する記述である。 a)移動電線を電気機械器具と接続する場合は,接続不良による感電又は (ア) のおそれがないように施設しなければならない。 b)高圧の移動電線に電気を供給する電路には, (イ) が生じた場合に,当該高圧の移動電線を保護できるよう, (イ) 遮断器を施設しなければならない。 c)高圧の移動電線と電気機械器具とは (ウ) その他の方法により堅ろうに接続すること。 d)特別高圧の移動電線は,充電部分に人が触れた場合に人に危険を及ぼすおそれがない電気集じん応用装置に附属するものを (エ) に施設する場合を除き,施設しないこと。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:4
a)は電気設備技術基準(省令)第56条第2項で,「接続不良による感電又は火災のおそれがないように施設しなければならない」とある。接続不良で怖いのは接触抵抗の増大による発熱・発火なので(ア)=火災であり,(2)(3)(5)が落ちる。b)は同省令第66条第1項で,「高圧の移動電線又は接触電線に電気を供給する電路には、過電流が生じた場合に、当該高圧の移動電線又は接触電線を保護できるよう、過電流遮断器を施設しなければならない」とある。空白が「が生じた場合」と「遮断器」の両方に入るので(イ)=過電流となり,ここで(1)も消えて(4)が残る。c)の高圧の移動電線と電気機械器具の接続は,抜け落ちや接触不良を許さないため「ボルト締め」その他の方法で堅ろうに行う。差込み接続器は低圧の移動電線用である。d)の特別高圧の移動電線は原則として施設できず,例外は電気集じん応用装置に附属するものを「屋内」に施設する場合に限られる。答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 法規 問8
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 9
次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」における電動機の過負荷保護装置の施設に関する記述である。 屋内に施設する電動機には,電動機が焼損するおそれがある過電流を生じた場合に (ア) これを阻止し,又はこれを警報する装置を設けること。ただし,次のいずれかに該当する場合はこの限りでない。 a)電動機を運転中,常時, (イ) が監視できる位置に施設する場合 b)電動機の構造上又は負荷の性質上,その電動機の巻線に当該電動機を焼損する過電流を生じるおそれがない場合 c)電動機が単相のものであって,その電源側電路に施設する (ウ) 遮断器の定格電流が 15 A( (エ) 遮断器にあっては,20 A)以下の場合 d)電動機の出力が (オ) kW 以下の場合 上記の記述中の空白箇所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:3
保護装置は人の操作を待たずに働かなければ意味がないので(ア)=「自動的に」であり,(2)(4)が落ちる。ただし書a)は,装置がなくても人が見ていれば異常に気付けるという趣旨なので,主語は現場でその電動機を扱う「取扱者」である。「管理者」ではないので(5)も消える。残る(1)と(3)の差は(ウ)(エ)(オ)にある。c)は,遮断器一般の定格電流の上限を15 Aとしたうえで,配線用遮断器の場合だけ20 Aまで認めるという書き方になっているので,前が「過電流」遮断器,括弧内が「配線用」遮断器の順になる。(1)はこれが逆で,「配線用遮断器の定格電流が15 A(過電流遮断器にあっては20 A)」と読めてしまい,一般と例外の関係が崩れる。(オ)は0.2 kWで,これは家庭用の小型電動機程度の出力である。よって(3)。答(3)。2 kWとする(2)(4)(5)は,適用除外の範囲が広くなりすぎる点からも見当が付く。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 法規 問9
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 10
次の文章は,計器用変成器の変流器に関する記述である。その記述内容として誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:5
誤りは(5)である。変流器は定格負担の範囲内で使う限り,二次側につながる機器の抵抗(負担)が多少変わっても変流比はほぼ一定に保たれるよう設計されている。だからこそ電流計や保護リレーを取り替えても指示値が変わらず,計測器として使える。負担が定格を大きく超えると鉄心が飽和して誤差が増すが,それは「変流比が負担で変化するから電流計の選択に注意が必要」という一般論とは別の話であり,記述としては誤りである。他は正しい。(1)は変流器の原理そのもの。(2)(3)(4)は互いに関係していて,通電中に二次側が開放されると一次電流のすべてが励磁電流として働いて鉄心が深く飽和し,二次巻線に高い尖頭電圧が現れて絶縁が破壊されるおそれがある。だから二次回路には開放につながる開閉器やヒューズを入れてはならず,電流計をやむを得ず交換するときは先に二次側端子を短絡し,交換後に短絡を外すという手順を踏む。答(5)。「短絡は可,開放は厳禁」が変流器の鉄則で,計器用変圧器とは正反対である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 法規 問10
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 11(a)
最大使用水量 15 m³/s,有効落差 20 m の流込式水力発電所がある。 この発電所が利用している河川の流量 Q が図のような年間流況曲線(日数 d が 100 日以上の部分は,Q=−0.05d+25[m³/s]で表される。)であるとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。ただし,水車及び発電機の効率はそれぞれ 90 %及び 95 %で,流量によって変化しないものとする。 〔小問(a)〕 この発電所で年間に溢水が発生する日数の合計として,最も近いのは次のうちどれか。 ただし,溢水とは河川流量を発電に利用しないで無効に放流することをいう。
問11(a)の図
正解:3
溢水は,河川の流量が発電所の最大使用水量を上回り,使い切れない分を無効に放流するときに起こる。したがって Q が15 m³/s を超えている日数を数えればよい。日数100 日以上の範囲では Q=−0.05d+25 なので,Q>15 となる条件は −0.05d+25>15,すなわち 0.05d<10 より d<200 である。日数100 日未満の範囲は流況曲線がさらに上にあり,流量はいずれも20 m³/s を超えているので当然15 m³/s を上回っている。よって d=0 から200 までのすべての日で溢水が発生し,合計は200 日となる。答(3)。境界の d=200 では Q=15 m³/s とちょうど最大使用水量に等しく,全量を発電に使えるので溢水しない。流況曲線は「その流量以上の日が何日あるか」を横軸に取ったグラフなので,Q=15 と交わる日数がそのまま溢水日数になる,と読み替えると速い。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 法規 問11(a)
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 11(b)
最大使用水量 15 m³/s,有効落差 20 m の流込式水力発電所がある。 この発電所が利用している河川の流量 Q が図のような年間流況曲線(日数 d が 100 日以上の部分は,Q=−0.05d+25[m³/s]で表される。)であるとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。ただし,水車及び発電機の効率はそれぞれ 90 %及び 95 %で,流量によって変化しないものとする。 〔小問(b)〕 この発電所の年間可能発電電力量[GW·h]の値として,最も近いのは次のうちどれか。
問11(b)の図
正解:1
出力は P=9.8QHη_tη_g で,H=20 m,η_t=0.90,η_g=0.95 だから P=9.8×20×0.90×0.95×Q≒167.6Q[kW]となる。年間を二つに分けて計算する。小問(a)より d=0〜200 日は流量が最大使用水量を上回っているので使用水量は15 m³/s に張り付き,出力は167.6×15≒2 514 kW で一定。この期間の電力量は 2 514×200×24≒1.207×10⁷ kW·h である。d=200〜365 日は河川流量をそのまま使うので Q=−0.05d+25 に従って直線的に減り,d=200 で15 m³/s,d=365 で6.75 m³/s。直線なので平均は(15+6.75)/2=10.875 m³/s であり,平均出力は167.6×10.875≒1 823 kW,日数は165 日だから電力量は 1 823×165×24≒7.22×10⁶ kW·h。両者を足して 1.207×10⁷+0.722×10⁷=1.929×10⁷ kW·h=19.3 GW·h。答(1)。落とし穴は,前半でも河川流量をそのまま積分してしまうことで,使えるのは最大使用水量までである点を忘れると値が大きくなり(3)〜(5)に寄ってしまう。また9.8 の係数や効率の掛け忘れ,日数から時間への24 倍も確認したい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 法規 問11(b)
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 12(a)
図は三相 3 線式高圧電路に変圧器で結合された変圧器低圧側電路を示したものである。低圧側電路の一端子には B 種接地工事が施されている。この電路の一相当たりの対地静電容量を C とし接地抵抗を R_B とする。 低圧側電路の線間電圧 200 V,周波数 50 Hz,対地静電容量 C は 0.1 μF として,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 ただし, (ア) 変圧器の高圧電路の 1 線地絡電流は 5 A とする。 (イ) 高圧側電路と低圧側電路との混触時に低圧電路の対地電圧が 150 V を超えた場合は 1.3 秒で自動的に高圧電路を遮断する装置が設けられているものとする。 〔小問(a)〕 変圧器に施された,接地抵抗 R_B の抵抗値について「電気設備技術基準の解釈」で許容されている上限の抵抗値[Ω]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
問12(a)の図
正解:4
B 種接地工事の接地抵抗値の上限は,高圧側の1 線地絡電流 I₁ を用いて三段階に定められている。原則は150/I₁ Ω,混触時に低圧電路の対地電圧が150 V を超えた場合に「1 秒を超え2 秒以内」に自動的に高圧電路を遮断する装置があれば300/I₁ Ω,「1 秒以内」に遮断できれば600/I₁ Ωである。本問の遮断時間は1.3 秒なので,1 秒は超えるが2 秒以内であり,適用されるのは300/I₁ Ωの区分になる。I₁=5 A だから上限は300/5=60 Ω。答(4)。1.3 秒を「1 秒以内」と読み違えると600/5=120 Ωとなり選択肢に無いので気付けるが,原則の150/5=30 Ωを選んで(2)に落ちる誤りは起こりやすい。遮断装置が速いほど混触時に低圧側が高電圧にさらされる時間が短くなるため,接地抵抗を大きくしてよい,という緩和の向きを押さえておくとよい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 法規 問12(a)
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 12(b)
図は三相 3 線式高圧電路に変圧器で結合された変圧器低圧側電路を示したものである。低圧側電路の一端子には B 種接地工事が施されている。この電路の一相当たりの対地静電容量を C とし接地抵抗を R_B とする。 低圧側電路の線間電圧 200 V,周波数 50 Hz,対地静電容量 C は 0.1 μF として,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 ただし, (ア) 変圧器の高圧電路の 1 線地絡電流は 5 A とする。 (イ) 高圧側電路と低圧側電路との混触時に低圧電路の対地電圧が 150 V を超えた場合は 1.3 秒で自動的に高圧電路を遮断する装置が設けられているものとする。 〔小問(b)〕 接地抵抗 R_B の抵抗値を 10 Ωとしたときに,R_B に常時流れる電流 I_B の値[mA]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 ただし,記載以外のインピーダンスは無視するものとする。
問12(b)の図
正解:1
B 種接地を施した線は大地とほぼ同電位になるので,その線につながる対地静電容量には電圧が掛からず電流は流れない。電流を流すのは残り2 線の対地静電容量で,どちらも接地点に対して線間電圧200 V が掛かっている。1 線分の充電電流の大きさは I=2πfCV=2π×50×0.1×10⁻⁶×200≒6.28×10⁻³ A=6.28 mA。ここで大切なのは2 本のベクトル合成である。図の低圧側は変圧器の巻線が三角形に描かれており,その1 頂点を接地しているので,残り2 線の対地電圧は大きさが等しく位相差は120°ではなく60°になる。よって合成電流は I_B=2×6.28×cos(60°/2)=2×6.28×0.866≒10.9 mA。答(1)。位相差を120°と思い込むと合成が6.28 mA となって答が半分近くになり,逆に単純に2 倍して12.6 mA としても値がずれる。なお R_B=10 Ωでの電圧降下は10×0.0109≒0.11 V と無視できる大きさで,接地点をほぼ大地電位とみなした前提と矛盾しない。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 法規 問12(b)
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 13(a)
受電電圧 6 kV,契約電力 500 kW の自家用電気工作物の受電設備がある。「電気設備の技術基準の解釈」に基づき,周波数 50 Hz の交流電源を使用して受電設備の高圧電路の絶縁耐力試験を行うとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 ただし,高圧電路の最大使用電圧は 6 900 V とし,3 線一括した高圧電路と大地との間の静電容量は 0.2 μF とする。 〔小問(a)〕 絶縁耐力試験における対地充電電流[A]の値として,最も近いのは次のうちどれか。
正解:4
まず試験電圧を決める。最大使用電圧が7 000 V 以下の交流電路では,絶縁耐力試験の試験電圧は最大使用電圧の1.5 倍と定められているので,6 900×1.5=10 350 V である。次にこの電圧を静電容量に加えたときの充電電流を求める。I=2πfCV=2π×50×0.2×10⁻⁶×10 350=6.283×10⁻⁵×10 350≒0.65 A。答(4)。最大使用電圧6 900 V をそのまま使うと0.43 A となり(2)を選ぶことになるので,試験電圧に換算する手順を必ず入れること。1.5 倍という倍率は最大使用電圧7 000 V 以下の場合の値で,7 000 V を超え15 000 V 以下の中性点接地式電路では0.92 倍,7 000 V を超えるその他の電路では1.25 倍(最低10 500 V)と変わるので,電圧区分とセットで覚える必要がある。なお試験電圧は連続10 分間加えることとされている。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 法規 問13(a)
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 13(b)
受電電圧 6 kV,契約電力 500 kW の自家用電気工作物の受電設備がある。「電気設備の技術基準の解釈」に基づき,周波数 50 Hz の交流電源を使用して受電設備の高圧電路の絶縁耐力試験を行うとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 ただし,高圧電路の最大使用電圧は 6 900 V とし,3 線一括した高圧電路と大地との間の静電容量は 0.2 μF とする。 〔小問(b)〕 この試験に使用する試験装置に必要な容量[kV·A]の値として,最も近いのは次のうちどれか。
正解:3
試験装置に必要な容量は,試験電圧と充電電流の積で求まる皮相電力である。小問(a)より試験電圧は10 350 V,充電電流は0.65 A だから,P=10 350×0.65≒6.73×10³ V·A=6.7 kV·A となり,最も近いのは7 kV·A。答(3)。ここで注意したいのは,負荷が純粋な静電容量なので有効電力はほとんど発生せず,装置に求められるのは無効電力を供給できるだけの容量だという点である。したがって力率を掛けて小さく見積もってはならない。式をまとめると P=2πfCV² と書けるので,試験電圧の2 乗に比例して容量が急に増えることも読み取れる。実務では容量を抑えるために,試験回路と並列に補償リアクトルを入れて充電電流を打ち消す方法が使われる。最大使用電圧6 900 V をそのまま使うと6 900×0.43≒3.0 kV·A となって(1)に落ちるので,(a)と同じく試験電圧への換算を忘れないこと。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 法規 問13(b)
報告ありがとうございました。内容を確認します。

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