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電験3種 2024年度上期(令和6年度上期) 理論
18問 ・ 目安 正答率60% ・ 2024年8月18日実施
電験三種(第三種電気主任技術者)の2024年度上期(令和6年度上期) 理論試験で実際に出題された全18問を、1問ずつその場で答え合わせしながら演習できます。2024年8月18日実施・合否の目安は正答率60%(演習の目安)。各問に正解と、なぜその選択肢になるのかの解説を付けています。
本試験の合格基準:理論・電力・機械・法規の科目ごとに合否判定。各科目100点満点中原則60点以上で科目合格、4科目すべて合格で試験合格。
この回:令和6年度上期・理論:合格基準は100点満点中60点以上(筆記方式の公表値)。
出典:令和6年度第三種電気主任技術者上期試験の結果について(令和6年9月30日)。このページの「目安 正答率60%」は演習の目安で、本試験の採点方法とは異なります。
この回は 一般財団法人 電気技術者試験センター が公開する本試験問題を、当サイトがその場で答え合わせできる一問一答形式に再編し、公式には付いていない「正解の根拠・各選択肢の解き方」の解説を追記したものです。原題の出典は各問に明記しています。
過去問の解答結果は学習記録・段位には反映されません。過去問は出題当時の法令・制度にもとづく問題を含むため、段位は継続して最新化している一問一答・模擬試験だけで判定しています。過去問を解かなくても段位で不利になることはありませんので、実力試しとして気軽にお使いください。
問 1
図1に示すような,空気を含む二つの誘電体からなる平行平板電極がある。この下部電極を接地し,上部電極に電圧を加えたときの電極間の等電位線の分布を示す断面図として,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
ただし,誘電体の導電性及び電極と誘電体の端効果は無視できるものとする。
参考までに固体誘電体を取り除いた,空気中平行平板電極の場合の等電位線の分布を図2に示す。
正解:5
境界面に垂直な電界では電束密度 D が空気側と固体側で共通になる。E=D/ε だから,比誘電率が1の空気と6の固体では電界の比が E_空気:E_固体=6:1 となり,空気側のほうが6倍強い。等電位線は電界が強いところほど密になる(同じ電位差を短い距離で稼ぐため)から,上側の空気層で線が密に,下側の固体層では疎になる。この見え方をしているのは(5)だけである。答(5)。図2は誘電体が空気だけの場合で,電界が一様なので等電位線も等間隔に並んでいる。これと見比べると,固体を入れたことで空気層の間隔が狭まり固体層で広がる,という変化が(5)に表れていることが確認できる。上下が逆になっている(3)は比誘電率の大きいほうが電界が強いと誤解した場合の図,全体が等間隔の(1)は誘電体の違いを無視した場合の図であり,どちらも E=D/ε の関係と矛盾する。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 理論 問1
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問 2
空気中に孤立した半径 a[m]の導体球に帯電できる最大の電荷の値[C]として,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし,空気の絶縁耐力及び誘電率はそれぞれ E_m[V/m]及び ε₀[F/m]とする。
正解:4
電荷 Q を帯びた半径 a の導体球がつくる電界は,球の外側では点電荷と同じで E=Q/(4πε₀r²) と表せる。もっとも強いのは球の表面 r=a のときで E=Q/(4πε₀a²)。この値が空気の絶縁耐力 E_m を超えると空気が絶縁破壊してコロナ放電が起こり,それ以上は電荷を保持できない。したがって限界は Q/(4πε₀a²)=E_m すなわち Q=4πε₀a²E_m[C]となる。答(4)。次元でも確かめられる。ε₀[F/m]×a²[m²]×E_m[V/m]=F·V=C となり電荷の単位に一致するのは(4)だけで,(3)は F·V·m⁻¹×m²…と合わず,(5)は m が一つ余る。分母に E_m が来る(1)(2)は,絶縁耐力が大きいほど帯電できる電荷が小さくなるという物理的にあり得ない関係になっている。半径が大きいほど表面の電界が緩むので蓄えられる電荷が a² に比例して増える,という結論も直感と合う。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 理論 問2
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問 3
磁気に関する量とその単位記号(SI 基本単位及び組立単位による表し方)の組合せとして,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:2
誤りは(2)で,磁束の単位は V/s ではなく V·s である。ファラデーの法則 e=−dΦ/dt は「磁束を時間で微分すると電圧になる」という関係なので,逆に磁束は電圧に時間を掛けた量であり,Wb=V·s となる。割り算と掛け算が入れ替わっている点だけの誤りで,見落としやすい。他は正しい。(1)はインダクタンスの定義 L=NΦ/I から Wb/A で,これがそのまま H の定義でもある。(3)は磁界の強さがアンペアの周回積分則 H=I/(2πr) などで電流÷長さとして出てくるので A/m。(4)の磁気抵抗は磁気回路のオームの法則 R_m=F/Φ=(AT)/Wb で,Wb/A=H の逆数だから H⁻¹ と書ける。(5)の透磁率は B=μH より μ=B/H=(Wb/m²)/(A/m)=Wb/(A·m)=H/m。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 理論 問3
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問 4
図のように,A,B 2本の平行な直線導体があり,導体 A には 1.2 A の,導体 B にはそれと反対方向に 3 A の電流が流れている。導体 A と B の間隔が l[m]のとき,導体 A より 0.3 m 離れた点 P における合成磁界が零になった。l の値[m]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
ただし,導体 A,B は無限長とし,点 P は導体 A,B を含む平面上にあるものとする。
正解:2
無限長直線電流が距離 r につくる磁界の強さは H=I/(2πr) である。点 P は導体 A から見て B とは反対側にあるので,P から B までの距離は 0.3+l[m]になる。二つの電流は互いに逆向きだから,P では A による磁界と B による磁界が逆向きになり,大きさが等しければ打ち消し合って零になる。よって 1.2/(2π×0.3)=3/(2π×(0.3+l)),すなわち 1.2/0.3=3/(0.3+l)。左辺は4 だから 0.3+l=3/4=0.75 となり l=0.45 m。答(2)。注意したいのは,P が A と B の間ではなく外側にあることで,同じ向きの電流なら外側では打ち消し合わないから成立しない。「電流が逆向き」という条件が,外側の点で合成磁界が零になり得る前提になっている。また B までの距離を l と取り違えると 1.2/0.3=3/l から l=0.75 となり(4)を選んでしまう。0.3 m を足し忘れないこと。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 理論 問4
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問 5
図の直流回路において,抵抗 R=10 Ωで消費される電力の値[W]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:1
下側の共通線を0 V とし,R の左端を V_x,右端を V_y として節点方程式を立てる。左の節点では (60−V_x)/40=V_x/40+(V_x−V_y)/10,右の節点では (80−V_y)/60+(V_x−V_y)/10=V_y/60。それぞれ分母を払うと 3V_x−2V_y=30 と 3V_x−4V_y=−40 になり,辺々引いて 2V_y=70 から V_y=35 V,これを戻して V_x=100/3≒33.3 V。R に流れる電流は I=(V_x−V_y)/10=(33.3−35)/10≒−0.167 A で,向きは右から左である。消費電力は向きによらず P=I²R=0.167²×10≒0.28 W。答(1)。二つの電源の電圧が60 V と80 V と大きいのに R の電力が1 W にも満たないのは,両側の分圧がほぼ釣り合って R の両端に約1.7 V しか掛からないためである。60 V と80 V の差20 V がそのまま R に掛かると考えて 20²/10=40 W などとすると桁から外れる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 理論 問5
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問 6
図の回路において,抵抗 R[Ω]には電流 0.3 A が流れている。抵抗 R の値[Ω]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:1
6 Ωの右側の節点を M,右端の節点を N(下の共通線を0 V とすると N も0 V)とし,M からNへ向かう二つの枝を考える。上の枝は3 V の電池と R で電流0.3 A,下の枝は4 V の電池と1 Ωで電流 I₁ とする。それぞれの枝で M から N までの電位差を書くと V_M+3−0.3R=0 と V_M+4−I₁=0 になる。二式から 3−0.3R=4−I₁,すなわち I₁=1+0.3R。一方,9 V の電源から流れ出る電流は二つの枝の和 0.3+I₁ で,これが6 Ωを通るので V_M=9−6(0.3+I₁)。これを上の枝の式に代入すると 9−1.8−6I₁=0.3R−3 から I₁=1.7−0.05R。二つの I₁ を等しいと置いて 1+0.3R=1.7−0.05R,0.35R=0.7 より R=2.0 Ω。答(1)。このとき I₁=1.6 A,全電流1.9 A,V_M=−2.4 V となり,各枝の式がすべて成り立つことも確かめられる。電池が枝の途中に入っているので,単純な合成抵抗ではなくキルヒホッフの法則で解く必要がある。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 理論 問6
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問 7
起電力が E[V]で内部抵抗が r[Ω]の電池がある。この電池に抵抗 R₁[Ω]と可変抵抗 R₂[Ω]を並列につないだとき,抵抗 R₂[Ω]から発生するジュール熱が最大となるときの抵抗 R₂ の値[Ω]を表す式として,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:3
R₂ の側から回路を見ると,電池と内部抵抗 r,それに並列な R₁ をまとめて一つの等価電源とみなせる。テブナンの定理でその内部抵抗を求めると,起電力を短絡して r と R₁ の並列,すなわち rR₁/(r+R₁) になる。最大電力の整合条件は「負荷抵抗=電源側の内部抵抗」だから,R₂=rR₁/(r+R₁) のときに R₂ で消費される電力(=ジュール熱)が最大になる。答(3)。式で確かめてもよい。R₂ の電力は P₂=E²R₁²R₂/(rR₁+rR₂+R₁R₂)² と書けるので,R₂ で微分して零と置くと rR₁=R₂(r+R₁) が得られ,同じ結果になる。R₁ が無いとき(R₁→∞)は R₂=r となって単純な整合条件に一致することも確認できる。(4)(5)は分母が負になり得て抵抗として意味をなさない場合があり,物理的にあり得ない形である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 理論 問7
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問 8
図のように,二つの LC 直列共振回路 A,B があり,それぞれの共振周波数が f_A[Hz],f_B[Hz]である。これら A,B をさらに直列に接続した場合,全体としての共振周波数が f_AB[Hz]になった。f_A,f_B 及び f_AB の大小関係として,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:3
直列共振周波数は f=1/(2π√(LC)) である。回路AはL とC なので f_A=1/(2π√(LC)),回路Bは2L とC なので f_B=1/(2π√(2LC))=f_A/√2 となり f_B < f_A。AとBを直列にすると,インダクタンスは足し算で L+2L=3L,静電容量は直列なので逆数の和から C×C/(C+C)=C/2 になる。したがって f_AB=1/(2π√(3L×C/2))=1/(2π√(1.5LC))=f_A/√1.5。√1.5≒1.22 は √2≒1.41 より小さいので f_A/√1.5 > f_A/√2,すなわち f_B < f_AB < f_A。答(3)。要点は,直列接続でインダクタンスは3倍になる一方,静電容量は半分になるので LC 積は3×0.5=1.5倍にとどまり,Bの2倍ほどには増えないことである。コンデンサの直列は容量が減る(合成が小さくなる)という点を,抵抗やコイルの直列と混同しないこと。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 理論 問8
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問 9
次式に示す電圧 e[V]及び電流 i[A]による電力の値[kW]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
e=100 sin ωt+50 sin(3ωt−π/6) [V]
i=20 sin(ωt−π/6)+10√3 sin(3ωt+π/6) [A]
正解:2
ひずみ波の電力は,周波数の等しい成分どうしの積の和で求まる。周波数が違う成分どうしは1周期で平均すると零になるので,基本波は基本波と,第3調波は第3調波とだけ組み合わせればよい。各成分の電力は(電圧の振幅×電流の振幅÷2)×cos(位相差)である。基本波は位相差が 0−(−π/6)=π/6 なので (100×20/2)cos30°=1 000×0.866=866 W。第3調波は位相差が (−π/6)−(+π/6)=−π/3 なので (50×10√3/2)cos60°=433×0.5≒216.5 W。合計すると 866+216.5≒1 082.5 W=1.08 kW。答(2)。落とし穴は二つある。一つは実効値に直さずに振幅のまま掛けてしまうことで,÷2(実効値に直せば÷√2 が二つ)を忘れると倍の値になる。もう一つは基本波の電圧と第3調波の電流のような異なる周波数どうしを掛けてしまうことで,これらは平均電力に寄与しない。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 理論 問9
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問 10
図の回路のスイッチ S を t=0 s で閉じる。電流 i_S[A]の波形として最も適切に表すものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
ただし,スイッチ S を閉じる直前に,回路は定常状態にあったとする。
正解:3
まずスイッチを閉じる直前の状態を押さえる。S が開いていると電流の通り道はコンデンサを含む枝だけで,直流の定常状態ではコンデンサに電流が流れないから回路電流は零,コイルの電流も零である。抵抗にも電圧降下がないので,コンデンサには電源電圧1 V が掛かったままになっている。次に S を閉じると,S の左側の節点が下の共通線と同電位になる。左側の枝はコイルの過渡現象で i_L=1−e^(−t)[A]となり,時定数 L/R=1 s で0 A から1 A へ向かって立ち上がる。一方,コンデンサ側は充電されていた1 V が放電する向きに電流を流し,時定数 CR=2 s で −e^(−t/2)[A]と減衰する。S を流れる電流は節点で分けると i_S=i_L−i_cap=1−e^(−t)+e^(−t/2) になる。t=0 では 1−1+1=1 A,t→∞ では1 A,途中の t=2ln2≒1.39 s で最大の1.25 A をとる。つまり「1 A から始まり,いったん1 A を超えて山を作り,また1 A に戻る」波形で,これに当たるのは(3)である。答(3)。零から立ち上がる(2)(4)はコイル電流だけを見てコンデンサの放電を忘れた形,下に凹む(1)は放電電流の向きを逆に取った形になる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 理論 問10
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問 11
バイポーラトランジスタと電界効果トランジスタ(FET)に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:4
誤りは(4)で,制御方式が逆である。バイポーラトランジスタはベース電流でコレクタ電流を制御する「電流制御素子」,FET はゲート電圧でドレーン電流を制御する「電圧制御素子」である。他はこの違いから導かれる性質で,いずれも正しい。(3)はバイポーラがベース電流を必要とするため入力インピーダンスが低く,FET はゲートが絶縁またはpn接合の逆バイアスで電流をほとんど流さないため高いこと。(1)はベース電流を流し続けるぶんバイポーラのほうが消費電力が大きくなること。(2)はFET のゲート絶縁膜が非常に薄く静電気で絶縁破壊しやすいのに対し,バイポーラは電流駆動で入力側の耐圧に余裕があること。(5)は名前の由来そのもので,バイポーラ(bipolar=両極性)は自由電子と正孔の両方がキャリヤとして働き,FET はユニポーラ(unipolar=単極性)でどちらか一方しか使わない。答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 理論 問11
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問 12
真空中に置かれた平行電極板間に,直流電圧 V[V]を加えて平等電界 E[V/m]を作り,この陰極板に電子を置いた場合,初速零で出発した電子が陽極板に到達したときの速さは,v[m/s]となった。このときの電子の運動エネルギーは,電子が陽極板に到達するまでに得るエネルギーに等しいと考えられ,次の式が成立する。
(1/2)mv² = (ア)
ただし,電子の電気素量を e[C],電子の質量を m[kg]とする。
したがって,この式から電子の速さ v[m/s]は, (イ) で表される。
上記の記述中の空白箇所(ア)及び(イ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:2
電荷 q が電位差 V の間を移動するときに得るエネルギーは qV である。電子の電荷の大きさは電気素量 e だから,陰極板から陽極板まで加速された電子が得るエネルギーは eV[J]。これが運動エネルギーに変わるので (1/2)mv²=eV となり(ア)=eV。eE は電子が受ける「力」[N]であってエネルギーではなく,力にさらに極板間距離を掛けて初めてエネルギーになるので(4)(5)は次元が合わない。2eV とする(3)は係数が余分である。あとは (1/2)mv²=eV を v について解くだけで,v²=2eV/m より v=√(2eV/m)[m/s]。答(2)。√(4eV/m) としてしまうのは (1/2) を移項するときに2 で割ってしまう典型的な誤りである。なお E と V は E=V/d の関係にあるので,極板間距離 d が与えられていれば eEd と書いても同じことになるが,本問では d が与えられていないため eV の形でなければ表せない。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 理論 問12
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 13
図1は,静電容量 C[F]のコンデンサとコイルからなる共振回路の等価回路である。このようにコイルに内部抵抗 r[Ω]が存在する場合は,インダクタンス L[H]と抵抗 r[Ω]の直列回路として表すことができる。この直列回路は,コイルの抵抗 r[Ω]が,誘導性リアクタンス ωL[Ω]に比べて十分小さいものとすると,図2のように,等価抵抗 R_p[Ω]とインダクタンス L[H]の並列回路に変換することができる。このときの等価抵抗 R_p[Ω]の値を表す式として,正しいのは次のうちどれか。
ただし,I_c[A]は電流源の電流を表す。
正解:3
直列回路 r+jωL のアドミタンスをとると Y=1/(r+jωL)=(r−jωL)/(r²+(ωL)²) である。並列回路のアドミタンスは 1/R_p+1/(jωL_p) だから,実部どうしを等しいと置いて 1/R_p=r/(r²+(ωL)²),すなわち R_p=(r²+(ωL)²)/r。ここで題意より r ≪ ωL なので分子の r² は無視でき,R_p≒(ωL)²/r となる。答(3)。単位でも確かめられる。(ωL)² はΩ²で,これをΩで割るとΩになり抵抗の単位に合う。(1)は無次元,(2)(4)(5)はΩにならないので式の形だけで除外できる。この変換で大切なのは,r が小さいほど R_p は「大きく」なるという向きである。損失の小さいコイルほど並列に置いた等価抵抗は大きくなり,共振の鋭さ(Q値)が高くなる。実際 Q=ωL/r=R_p/(ωL) の関係があり,(1)の ωL/r はその Q そのものなので抵抗の式としては誤りである。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 理論 問13
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 14
電気計器に関する記述として,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:3
正しいのは(3)である。ホイートストンブリッジは既知の抵抗と可変抵抗で橋絡回路を組み,検流計の振れが零になる平衡条件から未知抵抗を求める方式で,指示計器の目盛の読み取り誤差が入らないため中抵抗を精密に測定できる。他は誤り。(1)は理由づけが逆で,1本だけをクランプするのは往復の電流が打ち消し合わないようにするためである。2本まとめてクランプすると行きと帰りの磁界が相殺して指示が零になってしまう。(2)は電子電圧計の特徴が逆で,増幅器を前置するため入力(内部)抵抗は「大きく」,被測定回路への影響が小さいことが利点である。(4)と(5)は説明が入れ替わっている。接地抵抗計は接地電極と大地との間の抵抗を,絶縁抵抗計(メガー)は屋内配線や機器の絶縁抵抗を測る計器である。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 理論 問14
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 15(a)
図の交流回路において,回路素子は,インダクタンス L のコイル又は静電容量 C のコンデンサである。この回路に正弦波交流電圧 v=500 sin(1 000t)[V]を加えたとき,回路に流れる電流は,i=−50 cos(1 000t)[A]であった。このとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。
〔小問(a)〕 回路素子の値として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:4
まず素子の種類を電流の位相から見分ける。−cos(1 000t)=sin(1 000t−π/2) と書き換えられるので,電流は電圧より90°遅れている。電流が電圧より遅れるのはインダクタンスの性質なので,素子はコイルであり(1)(2)(3)は落ちる。次に大きさを求める。リアクタンスは電圧と電流の振幅の比で ωL=500/50=10 Ω。角周波数は式から ω=1 000 rad/s なので L=10/1 000=0.01 H=10 mH。答(4)。要点は,位相のずれの向きを符号だけで判断せず sin の形に直して確かめることである。もし i=+50 cos(1 000t)=50 sin(1 000t+π/2) なら電流が90°進むのでコンデンサになり,1/(ωC)=10 から C=100 μF となって別の答になる。100 mH とする(5)は ω=1 000 を100 と読み違えた場合の値である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 理論 問15(a)
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 15(b)
図の交流回路において,回路素子は,インダクタンス L のコイル又は静電容量 C のコンデンサである。この回路に正弦波交流電圧 v=500 sin(1 000t)[V]を加えたとき,回路に流れる電流は,i=−50 cos(1 000t)[A]であった。このとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。
〔小問(b)〕 この回路素子に蓄えられるエネルギーの最大値 W_max の値[J]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
ただし,インダクタンスの場合には (1/2)Li² の,静電容量の場合には (1/2)Cv² のエネルギーが蓄えられるものとする。
正解:3
小問(a)より素子はインダクタンスで L=10 mH=0.01 H である。コイルに蓄えられるエネルギーは W=(1/2)Li² だから,電流が最大になる瞬間に最大となる。電流の式 i=−50 cos(1 000t) の振幅は50 A なので,W_max=(1/2)×0.01×50²=(1/2)×0.01×2 500=12.5 J。答(3)。ここで使うのは電流の「振幅(最大値)」であって実効値ではない点が要点である。実効値 50/√2≒35.4 A を使うと (1/2)×0.01×35.4²≒6.25 J となり(2)を選んでしまうが,問われているのは瞬時値の最大なので振幅をそのまま入れる。実効値を使った値がちょうど半分になるのは,実効値の2乗が振幅の2乗の半分だからで,(2)と(3)はこの取り違えを見分けるために並べられている。なお蓄積エネルギーは電流が零になる瞬間には零で,1周期の間に0 Jと12.5 Jの間を往復する。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 理論 問15(b)
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 16(a)
直流電流の測定範囲の拡大について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。
〔小問(a)〕 直流電流計 I の最大目盛は 100 A,直流電流計 II の最大目盛は 50 A,直流電流計 III の最大目盛は 50 A である。この3台の直流電流計を並列に接続し,ある回路に接続したところ,直流電流計 I の指示値は 90 A,直流電流計 II の指示値は 40 A,直流電流計 III の指示値は 35 A であった。この接続において計測できる最大電流の値[A]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:4
3台を並列にすると,回路の全電流は各計器の内部抵抗の逆比で分流する。内部抵抗は変わらないので,全電流を何倍にしても各計器の指示値は同じ比のまま大きくなる。いまの状態では全電流が 90+40+35=165 A で,各計器の目盛に対する余裕は I が90/100=90 %,II が40/50=80 %,III が35/50=70 %である。全電流を増やしていくと,いちばん余裕のない I が最初に振り切れる。I が100 A に達するのは全体を 100/90 倍にしたときだから,そのときの全電流は 165×100/90≒183 A。これがこの接続で測れる最大電流である。答(4)。単純に3台の最大目盛を足して 100+50+50=200 A とすると(5)を選ぶことになるが,分流の比は内部抵抗で決まっていて目盛どおりには分かれないので,全部が同時に振り切れることはない。現状の165 A をそのまま答とする(3)も,まだ余裕があるのに上限としてしまう誤りである。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 理論 問16(a)
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 16(b)
直流電流の測定範囲の拡大について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。
〔小問(b)〕 次に,直流電流計 I,直流電流計 II,直流電流計 III の3台を並列に接続した状態で,別の回路に接続した。この回路を流れる電流の値は 150 A であった。このとき,各電流計が指示した値は,直流電流計 I = (ア) A,直流電流計 II = (イ) A,直流電流計 III = (ウ) A であった。
上記の記述中の空白箇所(ア)~(ウ)に当てはまる最も近い数値の組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:5
並列接続のまま別の回路につないでも,各計器の内部抵抗は変わらないので分流の比は小問(a)のときと同じ 90:40:35 のままである。この比は簡単にすると 18:8:7 で,和は33。全電流150 A をこの比で分けると,直流電流計 I が 150×18/33≒81.8 A,II が 150×8/33≒36.4 A,III が 150×7/33≒31.8 A となる。答(5)。三つの値を足すと 81.8+36.4+31.8=150.0 A と全電流に一致することで検算できる。選択肢はすべて同じ三つの数値の並べ替えなので,計算そのものより「どの計器がいちばん多く流れるか」を取り違えないことが要点である。内部抵抗がもっとも小さい(最大目盛が100 A と大きい)I にいちばん多く流れる,と考えれば(ア)が最大値になるのは自然で,(1)~(3)のように I がいちばん小さくなることはない。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 理論 問16(b)
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問 17(a)
【選択問題】問17及び問18は選択問題であり,どちらか一方を選んで解答する(本サイトでは学習用に両方を収録しています)。
図1の端子 a−d 間の合成静電容量について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。
〔小問(a)〕 端子 b−c−d 間は図2のようにΔ結線で接続されている。これを図3のようにY結線に変換したとき,電気的に等価となるコンデンサ C の値[μF]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:5
Δ-Y 変換はインピーダンスで考えるのが確実である。三つとも等しい場合,Y結線1相のインピーダンスはΔ結線1辺の1/3になる(Z_Y=Z_Δ/3)。コンデンサのインピーダンスは 1/(jωC) なので,1/(jωC_Y)=(1/3)×1/(jωC_Δ) を解くと C_Y=3C_Δ となる。つまり静電容量は3分の1ではなく「3倍」になる。C_Δ=3 μF だから C=3×3=9.0 μF。答(5)。抵抗のΔ-Y 変換で 1/3 倍になる感覚のまま 3/3=1.0 μF としてしまうのが最大の落とし穴で,これが(1)に用意されている。静電容量はインピーダンスの逆数に比例する量なので,インピーダンスが小さくなる向き=容量が大きくなる向き,と覚えておくとよい。別の確かめ方として,端子間から見た容量で比較してもよい。図2で b−c 間から見ると 3 μF と(3 μF と3 μF の直列=1.5 μF)の並列で4.5 μF,図3では 9 μF と9 μF の直列で4.5 μF となり,たしかに一致する。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 理論 問17(a)
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問 17(b)
【選択問題】問17及び問18は選択問題であり,どちらか一方を選んで解答する(本サイトでは学習用に両方を収録しています)。
図1の端子 a−d 間の合成静電容量について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。
〔小問(b)〕 図3を用いて,図1の端子 b−c−d 間をY結線回路に変換したとき,図1の端子 a−d 間の合成静電容量 C₀ の値[μF]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:3
小問(a)より,b−c−d のΔ結線は各9 μF のY結線に置き換えられる。中性点を N とすると,回路は「a から9 μF で b へ,b から9 μF で N へ」という経路と,「a から18 μF で c へ,c から9 μF で N へ」という経路が並列になり,その先に N から d への9 μF が直列につながる形になる。上の経路は 9 と9 の直列で 9×9/(9+9)=4.5 μF,下の経路は 18 と9 の直列で 18×9/(18+9)=6 μF。二つは並列なので足して 4.5+6=10.5 μF。最後に N−d 間の9 μF と直列だから C₀=10.5×9/(10.5+9)=94.5/19.5≒4.8 μF。答(3)。直列は積÷和,並列は和,という順序を間違えないことと,Y変換で現れる中性点 N が d とは別の点であることを見落とさないのが要点である。N と d を同一視して 10.5 μF をそのまま答にしたり,最後の直列を忘れると値が倍近くずれる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 理論 問17(b)
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問 18(a)
【選択問題】問17及び問18は選択問題であり,どちらか一方を選んで解答する(本サイトでは学習用に両方を収録しています)。
無線通信で行われるアナログ変調・復調に関する記述について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。
〔小問(a)〕 無線通信で音声や画像などの情報を送る場合,送信側においては,情報を電気信号(信号波)に変換する。次に信号波より (ア) 周波数の搬送波に信号波を含ませて得られる信号を送信する。受信側では,搬送波と信号波の二つの成分を含むこの信号から (イ) の成分だけを取り出すことによって,音声や画像などの情報を得る。
搬送波に信号波を含ませる操作を変調という。 (ウ) の搬送波を用いる基本的な変調方式として,振幅変調(AM),周波数変調(FM),位相変調(PM)がある。
搬送波を変調して得られる信号からもとの信号波を取り出す操作を復調又は (エ) という。
上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:2
搬送波は信号波を遠くまで運ぶための「乗り物」で,音声帯域よりはるかに高い周波数を使う。アンテナの寸法が波長で決まり,低い周波数のままでは実用的な大きさで放射できないからである。(ア)=高いとなり(4)(5)が落ちる。受信側が最終的に取り出したいのは中身の情報,すなわち「信号波」の成分なので(イ)=信号波で(3)も消える。残る(1)と(2)の差は(ウ)で,AM・FM・PM はいずれも正弦波の搬送波について,その振幅・周波数・位相のどれを変化させるかで分類したものである。正弦波は振幅・周波数・位相の三つの要素だけで決まるので,変調できる要素もこの三つに尽きる。三角波ではこの分類が成り立たないので(1)も消えて(2)が残る。(エ)は復調の別名で「検波」。増幅は信号を大きくするだけで中身を取り出す操作ではない。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 理論 問18(a)
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問 18(b)
【選択問題】問17及び問18は選択問題であり,どちらか一方を選んで解答する(本サイトでは学習用に両方を収録しています)。
無線通信で行われるアナログ変調・復調に関する記述について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。
〔小問(b)〕 図1は,トランジスタの (ア) に信号波の電圧を加えて振幅変調を行う回路の原理図である。電圧 v₁,v₂,v₃ の波形を同時に計測したところ図2のいずれかであった。このとき,電圧 v₁ の波形は (イ) ,v₂ の波形は (ウ) ,v₃ の波形は (エ) である。図2のグラフより振幅変調の変調率を計算すると約 (オ) %となる。
ただし,図2のそれぞれの電圧波形間の位相関係は無視するものとする。
正解:5
図1では二つの電圧源がトランジスタのベース側の回路に入っており,ベースに加える電圧を変化させてコレクタ電流の振幅を変える構成になっている。したがって(ア)=ベースで,(1)(2)(4)が落ちる。波形は周波数と形で見分ける。図2(a)は周期の長いなめらかな正弦波で,これが低い周波数の信号波,図2(c)は細かく詰まった一定振幅の正弦波で高い周波数の搬送波,図2(b)は搬送波の振幅が信号波に合わせて膨らんだり縮んだりしている変調波(AM波)である。出力 v₃ が変調波でなければならないので(エ)=図2(b)となり,(3)も消えて(5)が残る。残る二つは v₁=図2(c)=搬送波,v₂=図2(a)=信号波である。変調率は包絡線の最大値 A_max と最小値 A_min から m=(A_max−A_min)/(A_max+A_min) で求める。図2(b)には包絡線の振れ幅が8 V と4 V と示されているので m=(8−4)/(8+4)=4/12≒0.33,すなわち約33 %。答(5)。差だけを見て(8−4)/8=50 %としたり,比 4/8 の逆をとって67 %とする誤りが(3)(2)(4)に用意されている。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 理論 問18(b)
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