資格道場
学習状況 お問い合わせ ログイン 無料登録
📄 本試験 過去問題

電験3種 2023年度下期(令和5年度下期) 機械

18問 ・ 目安 正答率60% ・ 2024年3月24日実施

電験三種(第三種電気主任技術者)の2023年度下期(令和5年度下期) 機械試験で実際に出題された全18問を、1問ずつその場で答え合わせしながら演習できます。2024年3月24日実施・合否の目安は正答率60%(演習の目安)。各問に正解と、なぜその選択肢になるのかの解説を付けています。

本試験の合格基準:理論・電力・機械・法規の科目ごとに合否判定。各科目100点満点中原則60点以上で科目合格、4科目すべて合格で試験合格。

この回:令和5年度下期・機械:合格基準は100点満点中60点以上(筆記方式の公表値)。

出典:令和5年度第三種電気主任技術者下期試験の結果について(令和6年4月16日)。このページの「目安 正答率60%」は演習の目安で、本試験の採点方法とは異なります。

この回は 一般財団法人 電気技術者試験センター が公開する本試験問題を、当サイトがその場で答え合わせできる一問一答形式に再編し、公式には付いていない「正解の根拠・各選択肢の解き方」の解説を追記したものです。原題の出典は各問に明記しています。

過去問の解答結果は学習記録・段位には反映されません。過去問は出題当時の法令・制度にもとづく問題を含むため、段位は継続して最新化している一問一答・模擬試験だけで判定しています。過去問を解かなくても段位で不利になることはありませんので、実力試しとして気軽にお使いください。

問 1
直流機の電機子反作用に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:2
誤りは(2)である。電機子巻線は界磁磁極の間を回るので,電機子電流がつくる磁束は界磁磁束と同じ向きではなく直交する。これを交差磁化作用という。向きが直交しているため,界磁磁束は片側で強められ反対側で弱められて分布が偏り,電気的中性軸が発電機では回転方向へ,電動機では回転方向と逆へずれる。「同じ向きになるので増磁・減磁になる」という説明は成り立たない。 他は正しい。(3)補償巻線は磁極片に溝を切って設け,電機子電流と逆向きの起磁力で反作用磁束を打ち消す。(4)補極は主磁極の間に置いて電機子と直列に電流を流し,整流を助けるとともにブラシ位置での反作用の影響を打ち消す。(5)中性軸のずれに合わせてブラシを移動させれば整流時の火花を減らせる。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 機械 問1
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 2
界磁に永久磁石を用いた小形直流電動機がある。この電動機の電機子に12 V の電圧を加えたところ,無負荷の状態で3 000 min⁻¹ で回転した。この電圧を維持したまま負荷を与えて,2 A の電機子電流を流したところ,損失が3 W 発生した。この時の回転数[min⁻¹]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 ただし,ブラシの接触による電圧降下及び電機子反作用は無視できるものとし,損失は電機子巻線の銅損しか存在しないものとする。
正解:2
無負荷では電機子電流がほぼ流れないので,そのときの逆起電力は端子電圧に等しく12 V である。 負荷時の損失3 W はすべて電機子巻線の銅損だから,電機子抵抗は  R_a=3/2²=0.75 Ω である。したがって負荷時の逆起電力は  E=12−2×0.75=10.5 V となる。界磁が永久磁石なので磁束は一定で,回転速度は逆起電力に比例する。よって  n=3 000×10.5/12=2 625 min⁻¹ である。 損失3 W を電圧降下3 V と取り違えると 3 000×(12−3)/12=2 250 となり(1)を,電機子抵抗0.75 Ω をそのまま電圧降下とみなすと 3 000×(12−0.75)/12=2 813 となり(3)を選ぶことになる。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 機械 問2
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 3
次の文章は,誘導機の速度制御に関する記述である。 誘導機の回転速度 n[min⁻¹]は,滑り s,電源周波数 f[Hz],極数 p を用いて n=120· (ア) と表される。したがって,誘導機の速度は電源周波数によって制御することができ,特にかご形誘導電動機において (イ) 電源装置を用いた制御が広く利用されている。 かご形誘導機ではこの他に,運転中に固定子巻線の接続を変更して (ウ) を切り換える制御法や, (エ) の大きさを変更する制御法がある。前者は,効率はよいが,速度の変化が段階的となる。後者は,速度の安定な制御範囲を広くするために (オ) の値を大きくとり,銅損が大きくなる。 巻線形誘導機では, (オ) の値を調整することにより,トルクの比例推移を利用して速度を変える制御法がある。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:5
同期速度は N_s=120f/p で,回転子はこれより滑り s だけ遅れて回るから  n=N_s(1−s)=120(1−s)f/p である。したがって(ア)は (1−s)f/p となる。 (イ)かご形の周波数制御にはVVVF(可変電圧可変周波数)インバータを使う。CVCFは定電圧定周波数の電源装置で,周波数を変えないので速度制御にはならない。 (ウ)固定子巻線の接続を運転中に変更して切り換えるのは極数である。極数を変えれば同期速度が段階的に変わるので,速度は飛び飛びになる。 (エ)(オ)もう一つの制御法は一次電圧制御である。トルクは電圧の2 乗に比例するので電圧を下げれば滑りが増えて速度が下がるが,滑りの大きい領域まで安定に運転するには二次抵抗を大きくとる必要があり,そのぶん二次銅損が増える。 最後の一文は巻線形誘導機の比例推移で,調整するのはやはり二次抵抗である。(オ)は前後どちらも同じ語が入るので,一次抵抗としている選択肢は成り立たない。答(5)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 機械 問3
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 4
あるかご形三相誘導電動機を定格電圧でY-Δ始動したところ,始動トルクは60 N·m であった。また,Δ結線での全電圧始動時(定格電圧)の始動トルクは定格運転時の240 %である。この電動機の定格運転時のトルクの値[N·m]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:5
Y-Δ始動では,始動時にY結線にすることで各相に掛かる電圧が線間電圧の 1/√3 になる。トルクは電圧の2 乗に比例するので,Y結線での始動トルクはΔ結線で全電圧始動したときの  (1/√3)²=1/3 になる。したがってΔ結線で全電圧始動したときの始動トルクは  60×3=180 N·m である。これが定格運転時のトルクの240 %にあたるから,定格トルクは  180/2.4=75 N·m となる。 Y-Δ始動の1/3 を掛け戻すのを忘れて 60/2.4=25 とすると(2)を選ぶことになる。問題文の60 N·m が「Y-Δ始動したときの値」であることに注意したい。答(5)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 機械 問4
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 5
円筒形三相同期電動機において,電動機の励磁電流を調整して,遅れ力率 θ で運転しているものとする。このとき,供給電圧 V̇[V],電機子電流 İ_M[A]としたとき,誘導起電力 Ė[V],並びに同期リアクタンスによる電圧降下 jx_sİ_M[V]の関係を示すベクトル図として,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 なお,同期リアクタンスの大きさに対して巻線抵抗は十分小さいとみなせるものとする。
正解:3
巻線抵抗を無視すると,同期電動機の1 相分の関係式は  V̇=Ė+jx_sİ_M である。ここから次の三つを満たす図を探せばよい。 ① jx_sİ_M は İ_M を90°進めた向きなので,İ_M と直角に交わる。 ② Ė と jx_sİ_M を足すと V̇ になる(V̇ の先端に jx_sİ_M の先端が重なる)。 ③ 遅れ力率なので İ_M は V̇ より θ だけ遅れる。 この三つをすべて満たすのは(3)である。 (1)は Ė が V̇ より大きく,しかも V̇ より進んでいる。これは Ė=V̇+jx_sİ_M という同期発電機の関係を描いたもので,電動機のベクトル図ではない。同期電動機では,遅れ力率で運転しているとき誘導起電力は供給電圧より小さくなる(不足励磁)。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 機械 問5
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 6
回転速度600 min⁻¹ で運転している極数10 の同期発電機がある。この発電機に極数8 の同期発電機を並行運転させる場合,極数8 の発電機の回転速度[min⁻¹]の値として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:3
同期発電機を並行運転するには,まず周波数が等しくなければならない。回転速度と極数と周波数の関係は  n=120f/p なので,極数10 の機が600 min⁻¹ で回っているときの周波数は  f=pn/120=10×600/120=50 Hz である。極数8 の機もこの50 Hz に合わせる必要があるから,その回転速度は  n=120×50/8=750 min⁻¹ となる。 並行運転で「そろえる」のは回転速度ではなく周波数である。極数が違えば同じ周波数でも回転速度は違うことに注意したい。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 機械 問6
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 7
次の文章は,電気機器の損失に関する記述である。 a コイルの電流とコイルの抵抗によるジュール熱が (ア) であり,この損失を低減するため,コイルを構成する電線の断面積を大きくする。   交流電流が並列コイルに分かれて流れると,並列コイル間の電流不平衡からこの損失が増加する。この損失を低減するため,並列回路を構成する各コイルの鎖交磁束と抵抗値,すなわち,各コイルのインピーダンスを等しくする。 b 鉄心に交流磁束が通ると損失が発生する。その成分は (イ) と (ウ) の二つに分類される。前者は,交流磁束によって誘導された電流が鉄心を流れてジュール熱として発生する。そこで,電気抵抗が高い強磁性材料や,表面を絶縁膜で覆った薄い鉄板を積層した積層鉄心を磁気回路に用いて,電流の経路を断つことで損失を低減する。後者は,鉄心の磁束が磁界の履歴に依存するために発生する。この (ウ) を低減するために電磁鋼板が磁気回路に広く用いられている。 c 上記の電磁気要因の損失のほか,電動機や発電機では,回転子の運動による軸受け摩擦損や冷却ファンの空気抵抗による損失などの (エ) がある。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:1
(ア)コイルの抵抗によるジュール熱は銅損である。断面積を大きくすれば抵抗が下がるという対策の説明とも合う。 (イ)(ウ)鉄心に交流磁束が通って生じる鉄損は,渦電流損とヒステリシス損の二つに分かれる。前者は磁束の変化が鉄心内に起電力を誘導し,その電流がジュール熱になるもので,薄い鉄板を絶縁して積層し電流の経路を断てば小さくできる。後者は磁化の履歴(B-H 曲線が描くループの面積)に対応する損失で,ヒステリシス損の小さい電磁鋼板を使えば減らせる。「磁界の履歴に依存する」という記述がそのままヒステリシスの定義になっている。 (エ)軸受け摩擦損や風損は電磁気に由来しない損失で,まとめて機械損という。 よって(1)。答(1)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 機械 問7
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 8
変圧器の一次側(巻数 N₁)の諸量を二次側(巻数 N₂)に換算した場合の簡易等価回路の換算係数に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし,この変圧器の巻数比(N₁/N₂)を a とする。
正解:5
一次側の量を二次側へ換算するときの係数は,電圧が 1/a 倍,電流が a 倍,インピーダンスが (1/a)/a=1/a² 倍である。励磁電流も電流の一種なので a 倍でよい。 誤りは(5)である。アドミタンスはインピーダンスの逆数だから,インピーダンスが 1/a² 倍になるなら励磁アドミタンスは a² 倍になる。「1/a² 倍」は逆である。 換算係数を覚えていなくても,二次側から見た電圧が 1/a になり電流が a になることからZ=V/I が 1/a² に,Y=I/V が a² になると導ける。答(5)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 機械 問8
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 9
変圧器の規約効率を計算する場合,巻線の抵抗値を75 ℃の基準温度の値に補正する。 ある変圧器の巻線の温度と抵抗値を測ったら,20 ℃のとき1.0 Ω であった。この変圧器の75 ℃における巻線抵抗値[Ω]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 ただし,巻線は銅導体であるものとし,T[℃]と t[℃]の抵抗値の比は,(235+T):(235+t) である。
正解:3
銅導体の抵抗は(235+温度)に比例するので,75 ℃と20 ℃の抵抗の比は  R₇₅/R₂₀=(235+75)/(235+20)=310/255=1.2157 である。20 ℃で1.0 Ω だったから  R₇₅=1.0×1.2157≒1.22 Ω となる。 温度が上がれば金属の抵抗は増えるので,1 Ω より大きくなるはずである。比を逆にとって 255/310=0.82 とすると(2)を選ぶことになるが,それでは温度上昇で抵抗が下がることになり物理的におかしい。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 機械 問9
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 10
電力変換装置では,各種のパワー半導体デバイスが使用されている。パワー半導体デバイスの定常的な動作に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:2
誤りは(2)である。サイリスタはいったん点弧すればゲート電流を取り去っても順方向の電流は流れ続けるが,逆方向には電流を流せない(逆阻止形)。逆方向の電圧が加わると電流は零になって消弧し,次に点弧するにはあらためてゲート電流が要る。「順方向の電流に続いて逆方向の電流を流せる」というのはトライアックなど双方向デバイスの性質である。 他は正しい。(1)ダイオードは自分では制御できず,印加電圧の極性だけで導通・非導通が決まる。(3)パワーMOSFET は構造上ボディーダイオードを内蔵するので,ゲートがオフでも逆方向には流れる。(4)IGBT はゲート電圧でオンもオフも制御できる。(5)逆並列ダイオードを付けると,IGBT にとって逆向きの電流はそのダイオードが受け持つ。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 機械 問10
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 11
電動機ではずみ車を加速して,運動エネルギーを蓄えることを考える。 まず,加速するための電動機のトルクを考える。加速途中の電動機の回転速度を N[min⁻¹]とすると,そのときの毎秒の回転速度 n[s⁻¹]は①式で表される。   (ア) ……① この回転速度 n[s⁻¹]から②式で角速度 ω[rad/s]を求めることができる。   (イ) ……② このときの電動機が1 秒間にする仕事,すなわち出力を P[W]とすると,トルク T[N·m]は③式となる。   (ウ) ……③ ③式のトルクによってはずみ車を加速する。電動機が出力し続けて加速している間,この分のエネルギーがはずみ車に注入される。電動機に直結するはずみ車の慣性モーメントを I[kg·m²]として,加速が完了したときの電動機の角速度を ω₀[rad/s]とすると,このはずみ車に蓄えられている運動エネルギー E[J]は④式となる。   (エ) ……④ 上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:5
(ア)N は1 分あたりの回転数なので,毎秒に直すには60 で割って n=N/60 とする。 (イ)1 回転が2π rad だから,毎秒の回転数に2π を掛けて ω=2π×n。 (ウ)回転の仕事率は P=Tω なので,トルクは T=P/ω。出力が同じならトルクは角速度に反比例するので,T=Pω では速く回るほどトルクが大きいことになり,おかしい。 (エ)回転体の運動エネルギーは,並進運動の (1/2)mv² の質量 m を慣性モーメント I に,速度 v を角速度 ω に置き換えた (1/2)Iω₀² である。 (エ)で I と ω₀ のどちらを2 乗するかを取り違えると,単位が[kg²·m⁴·rad/s]となって[J]にならない。答(5)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 機械 問11
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 12
誘導加熱に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:4
誤りは(4)である。誘導加熱で被加熱物に流れる渦電流は表皮効果を受け,周波数が高いほど表面近くに集中する。電流の浸透深さは周波数の平方根に反比例するので,高い周波数ほど加熱されるのは内部ではなく表面である。表面焼入れのように表面だけを加熱したいときは高い周波数を,内部まで加熱したいときは低い周波数を選ぶ。 他は正しい。(2)被加熱物自体に渦電流が流れてジュール熱になるのが誘導加熱の原理で,外から熱を伝えるのではない。(3)(5)浸透深さは透磁率が高く抵抗率が低いほど小さくなり,同じ電流でも狭い断面に集中して発熱しやすい。強磁性体の鉄は透磁率が非常に高いので,非磁性で導電率の高い銅やアルミより加熱されやすい。IH 調理器で鉄鍋が使えてアルミ鍋が使いにくいのはこのためである。答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 機械 問12
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 13
図に示すようなフィードバック制御系がある。閉ループ周波数伝達関数 W(jω)=C(jω)/R(jω) のボード線図の折線近似ゲイン特性として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし,ω は角周波数[rad/s]を表す。
問13の図
正解:4
前向き要素は K と 1/(jωT) の直列だから K/(jωT),フィードバックは直結(1)である。したがって閉ループ伝達関数は  W(jω)={K/(jωT)}/{1+K/(jωT)}=K/(K+jωT)=1/(1+jωT/K) となる。これは折点角周波数が ω=K/T の一次遅れ要素で,ω が小さいところでは W≒1,すなわち0 dB である。 よって折線近似は,0 dB の水平線が ω=K/T まで続き,そこから −20 dB/dec で下がる形になる。これを表すのは(4)である。 注意したいのは,低域のゲインが 20log₁₀K ではなく0 dB になる点である。開ループのゲインは K だが,閉ループにすると分子と分母の K が打ち消し合って直流ゲインが1 になる。20log₁₀K の水平部を描いた図はいずれも開ループの形である。答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 機械 問13
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 14
入力信号がA,B 及びC,出力信号がX の論理回路が次の真理値表を満たしているとき,X の論理式として,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
問14の図
正解:5
真理値表で X=1 になるのは (A,B,C)=(0,0,0),(0,0,1),(0,1,0),(1,0,0) の4 通りで,残りの4 通りは X=0 である。並べ替えると「1 の個数が0 個または1 個のとき X=1,2 個以上のとき X=0」という規則になっている。 正解は(5)の X=Ā·B̄+B̄·C̄+C̄·Ā である。8 通りすべてで確かめると  000→1,001→1,010→1,100→1(いずれかの項が1 になる)  011→0,101→0,110→0,111→0(どの項も0 になる) となり真理値表と完全に一致する。 この式は,多数決を表す A·B+B·C+C·A(1 が2 個以上で1)のちょうど否定になっている。 (3)の X=Ā·B+B̄·C+C̄·A は (0,0,0) を入れるとすべての項が0 になって X=0 となり,真理値表の1 行目から外れる。選択肢は否定の位置が少しずつ違うだけなので,1 行だけでも合わない行を見つければ消去できる。答(5)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 機械 問14
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 15(a)
定格出力15 kW,定格周波数60 Hz,4 極の三相誘導電動機があり,トルク一定の負荷を負って運転している。この電動機について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 定格回転速度1 746 min⁻¹ で運転しているときの滑り周波数の値[Hz]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:2
4 極・60 Hz の同期速度は  N_s=120×60/4=1 800 min⁻¹ である。定格回転速度が1 746 min⁻¹ だから滑りは  s=(1 800−1 746)/1 800=54/1 800=0.03 となる。滑り周波数は二次側に誘導される電流の周波数で,一次周波数に滑りを掛けたものだから  f₂=s·f₁=0.03×60=1.80 Hz である。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 機械 問15(a)
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 15(b)
定格出力15 kW,定格周波数60 Hz,4 極の三相誘導電動機があり,トルク一定の負荷を負って運転している。この電動機について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(b)〕 インバータにより一次周波数制御を行って,一次周波数を40 Hz としたときの回転速度[min⁻¹]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 ただし,滑り周波数は一次周波数にかかわらず常に一定とする。
正解:1
小問(a)で求めたとおり滑り周波数は1.8 Hz で,これが一次周波数によらず一定である。一次周波数を40 Hz にしたときの同期速度は  N_s=120×40/4=1 200 min⁻¹ で,このときの滑りは  s=f₂/f₁=1.8/40=0.045 となる。したがって回転速度は  n=1 200×(1−0.045)=1 146 min⁻¹ である。 一定なのは滑り「周波数」であって滑り s ではない点が要点である。s=0.03 のまま計算すると 1 200×0.97=1 164 となり(2)を選ぶことになる。同期速度が下がると同じ滑り周波数でも滑りの割合は大きくなる。答(1)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 機械 問15(b)
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 16(a)
図1 に示す降圧チョッパの回路は,電圧 E の直流電源,スイッチングする半導体デバイスS,ダイオードD,リアクトルL,及び抵抗 R の負荷から構成されている。また,図2 には,図1 の回路に示すダイオードD の電圧 v_D と負荷の電流 i_R の波形を示す。次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 降圧チョッパの回路動作に関し,図3 ~図5 に,実線で示した回路に流れる電流のループと方向を示した三つの電流経路を考える。図2 の時刻 t₁ 及び時刻 t₂ において,それぞれどの電流経路となるか。正しい組合せを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
問16(a)の図
正解:1
ダイオードD の電圧 v_D を手がかりにする。 S がオンの間はD が逆バイアスされて非導通になり,D の両端には電源電圧がそのまま現れて v_D=E となる。このとき電流は E→S→L→R→E と流れるので,電流経路は図3 の(A)である。 S がオフになると,リアクトルL が電流を流し続けようとしてD が導通する(還流)。D が導通しているあいだ v_D はほぼ0 V で,電流は L→R→D→L のループを回るから,電流経路は図4 の(B)である。 図2 で時刻 t₁ は v_D=E の期間,時刻 t₂ は v_D=0 V の期間にあるので,t₁ が(A),t₂ が(B)となる。よって(1)。 図5 の(C)は電源をS とD で短絡してしまう経路で,正常な動作では現れない。答(1)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 機械 問16(a)
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 16(b)
図1 に示す降圧チョッパの回路は,電圧 E の直流電源,スイッチングする半導体デバイスS,ダイオードD,リアクトルL,及び抵抗 R の負荷から構成されている。また,図2 には,図1 の回路に示すダイオードD の電圧 v_D と負荷の電流 i_R の波形を示す。次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(b)〕 電圧 E が100 V,降圧チョッパの通流率が50 %,負荷抵抗 R が2 Ω とする。デバイスS は周期 T の高周波でスイッチングし,リアクトルL の平滑作用により,図2 に示す電流 i_R のリプル成分は十分小さいとする。電流 i_R の平均値 I_R[A]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
問16(b)の図
正解:2
リアクトルは定常状態で直流電圧を消費しないので,負荷抵抗に掛かる電圧の平均値はv_D の平均値に等しい。v_D は通流率 d の期間だけ E になる方形波だから  V_R=dE=0.5×100=50 V である。リプルが十分小さいので電流の平均値は  I_R=V_R/R=50/2=25.0 A となる。 方形波を実効値で扱って E√0.5=70.7 V とすると 70.7/2=35.4 A になり(3)を選ぶことになるが,問われているのは平均値である。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 機械 問16(b)
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 17(a)
【選択問題】問17及び問18は選択問題であり,どちらか一方を選んで解答する(本サイトでは学習用に両方を収録しています)。 どの方向にも光度が等しい均等放射の点光源がある。この点光源の全光束は15 000 lm である。この点光源二つ(A 及びB)を屋外で図のように配置した。地面から点光源までの高さはいずれも4 m であり,A とB との距離は6 m である。次の(a)及び(b)の問に答えよ。ただし,考える空間には,A 及びB 以外に光源はなく,地面や周囲などからの反射光の影響もないものとする。 〔小問(a)〕 図において,点光源A のみを点灯した。A の直下の地面A′点における水平面照度の値[lx]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
問17(a)の図
正解:2
均等放射なのでどの方向にも同じ光度をもつ。全光束を全立体角4π[sr]で割れば光度が求まるから  I=F/(4π)=15 000/(4π)=1 193.7 cd である。A′点は光源A の真下にあり,距離は高さそのものの4 m,光は真上から垂直に当たるので入射角の補正は要らない。したがって  E=I/r²=1 193.7/4²=74.6 lx となり,最も近いのは75 lx である。 全光束を4π で割らずに 15 000/4²=937 のように扱うと桁が合わない。光度[cd]と光束[lm]の違いに注意したい。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 機械 問17(a)
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 17(b)
【選択問題】問17及び問18は選択問題であり,どちらか一方を選んで解答する(本サイトでは学習用に両方を収録しています)。 どの方向にも光度が等しい均等放射の点光源がある。この点光源の全光束は15 000 lm である。この点光源二つ(A 及びB)を屋外で図のように配置した。地面から点光源までの高さはいずれも4 m であり,A とB との距離は6 m である。次の(a)及び(b)の問に答えよ。ただし,考える空間には,A 及びB 以外に光源はなく,地面や周囲などからの反射光の影響もないものとする。 〔小問(b)〕 図において,点光源A を点灯させたまま,点光源B も点灯した。このとき,地面C 点における水平面照度の値[lx]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
問17(b)の図
正解:3
C 点はA とB のちょうど中間なので,A の直下A′からは水平に3 m,高さは4 m である。したがって光源A からC 点までの距離は  r=√(3²+4²)=5 m となる。水平面照度は入射角 θ の余弦を掛けるので,cosθ=4/5=0.8 として  E_A=(I/r²)cosθ=(1 193.7/5²)×0.8=47.75×0.8=38.2 lx である。B からC 点までも高さ4 m・水平3 m でまったく同じ条件だから,二つの光源による照度を足して  E=38.2×2=76.4 lx となり,最も近いのは76 lx である。 cosθ を掛け忘れると 47.75×2=95.5 となり(4)を選ぶことになる。水平面照度は光が斜めに当たるほど小さくなる。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 機械 問17(b)
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 18(a)
【選択問題】問17及び問18は選択問題であり,どちらか一方を選んで解答する(本サイトでは学習用に両方を収録しています)。 図1 は,調節計の演算回路などによく用いられるブロック線図を示す。次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 図2 は,図1 のブロック G₁(jω) の詳細を示し,静電容量 C[F]と抵抗 R[Ω]からなる回路を示す。この回路の入力量 V₁(jω) に対する出力量 V₂(jω) の周波数伝達関数G₁(jω)=V₂(jω)/V₁(jω) を表す式として,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
問18(a)の図
正解:5
図2 はコンデンサ C が直列に,抵抗 R が並列(出力端に並ぶ側)に入った回路なので,出力は分圧で決まる。C のインピーダンスは 1/(jωC) だから  G₁(jω)=R/{R+1/(jωC)} である。分母と分子に jωC を掛けて整理すると  G₁(jω)=jωCR/(1+jωCR) となる。よって(5)。 確かめとして,ω→0(直流)では分子が0 になって G₁→0,ω が十分大きいと G₁→1 に近づく。直流を通さず高い周波数を通す高域通過特性で,コンデンサが直列に入った回路の振る舞いと一致する。C と R を入れ替えた低域通過回路なら 1/(1+jωCR) になるので,(2)はその形である。答(5)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 機械 問18(a)
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 18(b)
【選択問題】問17及び問18は選択問題であり,どちらか一方を選んで解答する(本サイトでは学習用に両方を収録しています)。 図1 は,調節計の演算回路などによく用いられるブロック線図を示す。次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(b)〕 図1 のブロック線図において,閉ループ周波数伝達関数 G(jω)=X(jω)/Y(jω) で,ゲイン K が非常に大きな場合の近似式として,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 なお,この近似式が成立する場合,この演算回路は比例プラス積分要素と呼ばれる。
問18(b)の図
正解:3
図1 は前向き要素が K,フィードバック要素が G₁(jω) の閉ループなので  G(jω)=K/{1+K·G₁(jω)} である。K が非常に大きいとき分母の1 は K·G₁ に比べて無視できるから  G(jω)≒K/{K·G₁(jω)}=1/G₁(jω) となる。すなわちフィードバック要素の逆数だけで決まり,K の値によらなくなる。 小問(a)の G₁(jω)=jωCR/(1+jωCR) を代入すると  1/G₁(jω)=(1+jωCR)/(jωCR)=1+1/(jωCR) である。よって(3)。 第1 項の1 が比例要素,第2 項の 1/(jωCR) が積分要素にあたる(jω で割ることが時間領域の積分に対応する)。これが問題文にある「比例プラス積分要素」の意味である。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 機械 問18(b)
報告ありがとうございました。内容を確認します。

この回の最終更新:

掲載の過去問題は 一般財団法人 電気技術者試験センター の著作物です。同機関が公表する試験問題を、教育目的での利用に許諾・使用料を要しないとする同機関の方針に従い、出典を明記して掲載しています。無断転載を許可するものではありません。解説は当サイトが独自に作成したものです。