📄 本試験 過去問題
電験3種 2020年度(令和2年度) 法規
13問 ・ 目安 正答率60% ・ 2020年9月13日実施
電験三種(第三種電気主任技術者)の2020年度(令和2年度) 法規試験で実際に出題された全13問を、1問ずつその場で答え合わせしながら演習できます。2020年9月13日実施・合否の目安は正答率60%(演習の目安)。各問に正解と、なぜその選択肢になるのかの解説を付けています。
本試験の合格基準:理論・電力・機械・法規の科目ごとに合否判定。各科目100点満点中原則60点以上で科目合格、4科目すべて合格で試験合格。
この回:令和2年度・法規:合格基準は100点満点中60点以上(試験センターの公表値)。
出典:令和2年度第三種電気主任技術者試験の結果について(令和2年10月23日・令和3年2月26日訂正)。このページの「目安 正答率60%」は演習の目安で、本試験の採点方法とは異なります。
この回は 一般財団法人 電気技術者試験センター が公開する本試験問題を、当サイトがその場で答え合わせできる一問一答形式に再編し、公式には付いていない「正解の根拠・各選択肢の解き方」の解説を追記したものです。原題の出典は各問に明記しています。
過去問の解答結果は学習記録・段位には反映されません。過去問は出題当時の法令・制度にもとづく問題を含むため、段位は継続して最新化している一問一答・模擬試験だけで判定しています。過去問を解かなくても段位で不利になることはありませんので、実力試しとして気軽にお使いください。
この回の問題は,令和2年4月1日(2020年4月1日)現在で効力のある法令にもとづいて作成されています(原本の注記)。それ以降の法改正により、現行の条文・数値と異なる場合があります。
問 1
次の文章は,「電気事業法」及び「電気事業法施行規則」に基づく主任技術者に関する記述である。
a) 主任技術者は,事業用電気工作物の工事,維持及び運用に関する保安の (ア) の職務を誠実に行わなければならない。
b) 事業用電気工作物の工事,維持及び運用に (イ) する者は,主任技術者がその保安のためにする指示に従わなければならない。
c) 第3種電気主任技術者免状の交付を受けている者が保安について (ア) をすることができる事業用電気工作物の工事,維持及び運用の範囲は,一部の水力設備,火力設備等を除き,電圧 (ウ) 万V未満の事業用電気工作物(出力 (エ) kW以上の発電所を除く。)とする。
上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:4
(ア) 電気事業法43条は主任技術者に「保安の監督」の職務を課している。主任技術者は自ら作業や検査を行う人ではなく、保安を監督する立場である。この一語で(1)(3)(5)が外れる。
(イ) 同条は「事業用電気工作物の工事、維持又は運用に従事する者は、主任技術者がその保安のためにする指示に従わなければならない」としている。「関係する者」ではなく、実際に手を動かす「従事する者」が対象である。
(ウ)(エ) 電気事業法施行規則56条の表により、第3種電気主任技術者免状で監督できるのは、一部の水力設備・火力設備等を除き、電圧5万V未満の事業用電気工作物(出力5 000 kW以上の発電所を除く)である。
監督/従事/5/5 000となり答(4)。
第1種は制限なし、第2種は電圧17万V未満、第3種は5万V未満(出力5 000 kW以上の発電所を除く)という三段構えになっている。第3種だけは電圧のほかに発電所の出力という条件も付く点が特徴である。
(イ)を「関係」としてしまうと、範囲が広すぎて条文と合わない。指示に従う義務を負うのは、その工事や運用に実際に従事している人である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 法規 問1
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 2
自家用電気工作物の事故が発生したとき,その自家用電気工作物を設置する者は,「電気関係報告規則」に基づき,自家用電気工作物の設置の場所を管轄する産業保安監督部長に報告しなければならない。次の文章は,かかる事故報告に関する記述である。
a) 感電又は電気工作物の破損若しくは電気工作物の誤操作若しくは電気工作物を操作しないことにより人が死傷した事故(死亡又は病院若しくは診療所 (ア) した場合に限る。)が発生したときは,報告をしなければならない。
b) 電気工作物の破損又は電気工作物の誤操作若しくは電気工作物を操作しないことにより, (イ) に損傷を与え,又はその機能の全部又は一部を損なわせた事故が発生したときは,報告をしなければならない。
c) 上記a)又はb)の報告は,事故の発生を知ったときから (ウ) 時間以内可能な限り速やかに電話等の方法により行うとともに,事故の発生を知った日から起算して30日以内に報告書を提出して行わなければならない。
上記の記述中の空白箇所(ア)〜(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:4
(ア) 電気関係報告規則3条1項一号は「死亡又は病院若しくは診療所に入院した場合に限る」としている。通院して治療を受けただけでは報告の対象にならない。線引きを「入院したかどうか」に置いているところが要点である。
(イ) 同項の号は「他の物件に損傷を与え、又はその機能の全部又は一部を損なわせた事故」としている。公共の財産に限られてはおらず、他人の物件であれば対象になる。
(ウ) 報告は二段構えで、まず事故の発生を知ったときから24時間以内に電話等で速報し、そのうえで知った日から起算して30日以内に報告書を提出する。48時間ではない。
に入院/他の物件/24となり答(4)。
「24時間以内に速報、30日以内に報告書」はこの規則の代表的な数字で、そのまま覚えてしまってよい。速報は電話等でよく、書面は後から出す、という順序も押さえておく。
なお報告先は、自家用電気工作物の設置の場所を管轄する産業保安監督部長である。設置者の本社の所在地ではない点にも注意する。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 法規 問2
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 3
次の文章は,「電気設備技術基準」及び「電気設備技術基準の解釈」に基づく使用電圧が6 600 Vの交流電路の絶縁性能に関する記述である。
a) 電路は,大地から絶縁しなければならない。ただし,構造上やむを得ない場合であって通常予見される使用形態を考慮し危険のおそれがない場合,又は混触による高電圧の侵入等の異常が発生した際の危険を回避するための接地その他の保安上必要な措置を講ずる場合は,この限りでない。
電路と大地との間の絶縁性能は,事故時に想定される異常電圧を考慮し, (ア) による危険のおそれがないものでなければならない。
b) 電路は,絶縁できないことがやむを得ない部分及び機械器具等の電路を除き,次の①及び②のいずれかに適合する絶縁性能を有すること。
① (イ) Vの交流試験電圧を電路と大地(多心ケーブルにあっては,心線相互間及び心線と大地との間)との間に連続して10分間加えたとき,これに耐える性能を有すること。
② 電線にケーブルを使用する電路においては, (イ) Vの交流試験電圧の (ウ) 倍の直流電圧を電路と大地(多心ケーブルにあっては,心線相互間及び心線と大地との間)との間に連続して10分間加えたとき,これに耐える性能を有すること。
上記の記述中の空白箇所(ア)〜(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:5
(ア) 電気設備技術基準5条2項は「電路と大地との間及び電線相互間の絶縁性能は、事故時に想定される異常電圧を考慮し、絶縁破壊による危険のおそれがないものでなければならない」としている。異常電圧を考慮するのだから、問題になるのは絶縁破壊であって漏えい電流ではない。漏えい電流が出てくるのは、低圧電路で絶縁抵抗の測定が困難な場合の代替判定(1 mA以下)である。
(イ) 電気設備技術基準の解釈15条により、最大使用電圧7 000 V以下の電路の交流試験電圧は最大使用電圧の1.5倍である。公称電圧6 600 Vの最大使用電圧は
6 600×1.15/1.1=6 900 V
なので
6 900×1.5=10 350 V。
(ウ) 電線にケーブルを使う電路では、交流の試験電圧に代えてその2倍の直流電圧で試験してよい。1.5倍でも1.25倍でもない。
絶縁破壊/10 350/2となり答(5)。
(イ)の9 900は 6 600×1.5 と、公称電圧をそのまま1.5倍した値である。試験電圧は公称電圧ではなく最大使用電圧を基準にするので、まず1.15/1.1を掛けて6 900 Vにしてから1.5倍する。
ケーブルで直流を認めているのは、静電容量が大きく交流だと大きな充電電流を流す装置が要るためである。直流ならその電流が流れないので、現場では直流試験がよく使われる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 法規 問3
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 4
次の文章は,「電気設備技術基準」に基づく架空電線路からの静電誘導作用又は電磁誘導作用による感電の防止に関する記述である。
a) 特別高圧の架空電線路は, (ア) 誘導作用により弱電流電線路(電力保安通信設備を除く。)を通じて (イ) に危害を及ぼすおそれがないように施設しなければならない。
b) 特別高圧の架空電線路は,通常の使用状態において, (ウ) 誘導作用により人による感知のおそれがないよう,地表上1 mにおける電界強度が (エ) kV/m以下になるように施設しなければならない。ただし,田畑,山林その他の人の往来が少ない場所において, (イ) に危害を及ぼすおそれがないように施設する場合は,この限りでない。
上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:1
電気設備技術基準27条の条文である。二つの誘導作用がどちらの場面で出てくるかを分けて覚える。
(ア) 弱電流電線路を通じて危害が及ぶのは、電線に流れる電流がつくる磁界による電磁誘導作用である。通信線に誘導電圧が生じ、それに触れた人が感電する経路である。
(イ) 対象は「人体」である。取扱者に限らず、通信線に触れる一般の人が想定されている。
(ウ) 電線の高い電圧がつくる電界によって、その下にいる人が電気を感じるのは静電誘導作用である。地表上1 mの電界強度で規制しているのも、電界そのものを問題にしているからである。
(エ) 電界強度の上限は3 kV/mである。5 kV/mではない。
電磁/人体/静電/3となり答(1)。
(ア)と(ウ)は必ず入れ替わりの関係になる。「電流→磁界→電磁誘導→通信線」「電圧→電界→静電誘導→地表の人」と、原因から順にたどると取り違えない。
ただし書が「田畑、山林その他の人の往来が少ない場所」となっているのは、27条の2(電磁誘導作用による人の健康影響の防止)のただし書と同じ言い回しである。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 法規 問4
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 5
「電気設備技術基準の解釈」に基づく地中電線路の施設に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:2
電気設備技術基準の解釈120条は、高圧又は特別高圧の地中電線路を管路式により施設する場合、需要場所に施設するものを除き「おおむね2 mの間隔で地中電線路の物件の名称、管理者名及び電圧を表示すること」と定めている。表示するのは電圧であって許容電流ではない。したがって(2)が誤りで、これが答になる。
表示の目的は、他の工事で掘り返したときに何の線かが分かるようにすることである。危険の度合いを知るには電圧が要り、許容電流を知っても掘る側の役には立たない、と考えれば筋が通る。
他の記述を確かめる。(1)管路式では、電線を収める管は車両その他の重量物の圧力に耐えるものであることが求められる。(3)暗きょ式でも同じく、暗きょが重量物の圧力に耐えることが求められる。(4)暗きょ式では、火災のときに被害が広がらないよう、地中電線に耐燃措置を施すか、暗きょに自動消火設備を施設する。(5)直接埋設式の埋設深さは、車両その他の重量物の圧力を受けるおそれがある場所では1.2 m以上、その他では0.6 m以上である。1.5 mはこれを満たしており、さらに堅ろうなトラフに収めているので適合する。
数字は「管路式の表示は2 m間隔」「直接埋設式の深さは1.2 m/0.6 m」と、施設方式ごとに整理して覚える。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 法規 問5
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 6
次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」に基づく低圧屋内配線の施設場所による工事の種類に関する記述である。
低圧屋内配線は,次の表に規定する工事のいずれかにより施設すること。ただし,ショウウィンドー又はショウケース内,粉じんの多い場所,可燃性ガス等の存在する場所,危険物等の存在する場所及び火薬庫内に低圧屋内配線を施設する場合を除く。
上記の表の空白箇所(ア)〜(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:1
電気設備技術基準の解釈156条の表である。表の列は左から、がいし引き・合成樹脂管・金属管・金属可とう電線管・金属線ぴ・金属ダクト・バスダクト・ケーブル・フロアダクト・セルラダクト・ライティングダクト・平形保護層の順に並んでいる。空欄の(ア)(イ)(ウ)は5番目から7番目にあたるので、金属線ぴ・金属ダクト・バスダクトである。答(1)。
表の○印からも確かめられる。
(ア)は「展開した場所の乾燥した場所で300 V以下」と「点検できる隠ぺい場所の乾燥した場所で300 V以下」にしか○が付いていない。使える場所がいちばん狭い。金属線ぴは細い樋に電線を納めるもので、300 Vを超える電路や湿気の多い場所には使えない。
(イ)は(ア)の二つに加えて300 V超過にも○が付く。金属ダクトは金属線ぴより丈夫なので、300 Vを超えても使える。
(ウ)は(イ)の場所に加えて「展開した場所の湿気の多い場所又は水気のある場所で300 V以下」にも○が付いている。バスダクトは屋外用の形のものがあり、湿気のある展開した場所でも使える。
三つとも金属の樋やダクトに電線や導体を納める工事で、使える範囲が「金属線ぴ<金属ダクト<バスダクト」の順に広がっている。○の数を数えるだけで順序が決まる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 法規 問6
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 7
次の文章は,「電気設備技術基準」及び「電気設備技術基準の解釈」に基づく引込線に関する記述である。
a) 引込線とは, (ア) 及び需要場所の造営物の側面等に施設する電線であって,当該需要場所の (イ) に至るもの
b) (ア) とは,架空電線路の支持物から (ウ) を経ずに需要場所の (エ) に至る架空電線
c) (オ) とは,引込線のうち一需要場所の引込線から分岐して,支持物を経ないで他の需要場所の (イ) に至る部分の電線
上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:3
三つの用語の関係を、電線がたどる順に並べて考える。
(ア) a)は引込線の定義で、その一部として空を渡ってくる部分を挙げている。これが架空引込線である。cの(オ)に連接引込線が入るので、(ア)は架空引込線に決まる。
(イ) 引込線の終点は、需要場所の引込口である。引込口は電線が建物の中へ入る場所を指す。
(ウ) 架空引込線は「架空電線路の支持物から他の支持物を経ずに」需要場所へ至る。途中に別の電柱が立っていれば、そこから先は別の区間になる。「他の需要場所」ではない。
(エ) 架空引込線の終点は取付け点である。取付け点は電線を造営物に留める場所で、そこから引込口までは造営物の側面等を伝う。この違いがa)とb)で書き分けられている。
(オ) 一つの需要場所の引込線から分岐して、支持物を経ないで隣の需要場所へ渡す電線が連接引込線である。
架空引込線/引込口/他の支持物/取付け点/連接引込線となり答(3)。
(イ)と(エ)は取り違えやすい。空を渡ってきて建物に留まるのが取付け点、そこから壁を伝って中へ入るのが引込口、と電線の道順で覚える。
連接引込線は低圧に限って認められており、幅5 mを超える道路を横断しないこと、屋内を通過しないことなどの条件がある(解釈116条)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 法規 問7
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 8
次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」に基づく特殊機器等の施設に関する記述である。
a) 遊戯用電車(遊園地の構内等において遊戯用のために施設するものであって,人や物を別の場所へ運送することを主な目的としないものをいう。)に電気を供給するために使用する変圧器は,絶縁変圧器であるとともに,その1次側の使用電圧は (ア) V以下であること。
b) 電気浴器の電源は,電気用品安全法の適用を受ける電気浴器用電源装置(内蔵されている電源変圧器の2次側電路の使用電圧が (イ) V以下のものに限る。)であること。
c) 電気自動車等(カタピラ及びそりを有する軽自動車,大型特殊自動車,小型特殊自動車並びに被牽引自動車を除く。)から供給設備(電力変換装置,保護装置等の電気自動車等から電気を供給する際に必要な設備を収めた筐体等をいう。)を介して,一般用電気工作物に電気を供給する場合,当該電気自動車等の出力は, (ウ) kW未満であること。
上記の記述中の空白箇所(ア)〜(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:1
(ア) 電気設備技術基準の解釈189条は、遊戯用電車に電気を供給する変圧器について、絶縁変圧器であることと1次側の使用電圧が300 V以下であることを求めている。150 Vではない。
(イ) 同解釈198条は、電気浴器用電源装置の2次側電路の使用電圧を10 V以下としている。人が湯に浸かった状態で電気を通すので、他の規定よりずっと低い値になっている。
(ウ) 同解釈199条の2は、電気自動車等から供給設備を介して一般用電気工作物に電気を供給する場合、電気自動車等の出力を10 kW未満としている。10 kW以上になると一般用電気工作物の枠を超えるためである。
300/10/10となり答(1)。
三つの数字はいずれも「人が触れる危険の度合い」と「制度の区分」から決まっている。遊戯用電車は屋外の設備なので300 V、電気浴器は人が水中で触れるので10 V、電気自動車は一般用電気工作物の上限に合わせて10 kW未満、と結びつけて覚える。
(ウ)の10 kWは、太陽電池発電設備が一般用電気工作物として扱われる出力の区切りとも同じ考え方である(小規模事業用電気工作物の区分が設けられた現在は10 kW以上50 kW未満の扱いが変わっているが、この問題は令和2年4月1日現在の法令に基づく)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 法規 問8
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 9
次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」における配線器具の施設に関する記述の一部である。
低圧用の配線器具は,次により施設すること。
a) (ア) ように施設すること。ただし,取扱者以外の者が出入りできないように措置した場所に施設する場合は,この限りでない。
b) 湿気の多い場所又は水気のある場所に施設する場合は,防湿装置を施すこと。
c) 配線器具に電線を接続する場合は,ねじ止めその他これと同等以上の効力のある方法により,堅ろうに,かつ,電気的に完全に接続するとともに,接続点に (イ) が加わらないようにすること。
d) 屋外において電気機械器具に施設する開閉器,接続器,点滅器その他の器具は, (ウ) おそれがある場合には,これに堅ろうな防護装置を施すこと。
上記の記述中の空白箇所(ア)〜(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:5
電気設備技術基準の解釈150条(配線器具の施設)の条文である。
(ア) 「充電部分が露出しないように施設すること」である。ただし書が「取扱者以外の者が出入りできないように措置した場所」を除外していることからも分かる。取扱者しか入れない場所なら露出していても構わない、という趣旨なので、本文は露出そのものを禁じているはずである。「取扱者以外の者が容易に開けることができない」を(ア)に入れると、ただし書と意味が重なってしまう。
(イ) 接続点に加わってはいけないのは張力である。電線を引っ張る力が接続点にかかると、時間とともに接触が緩んで発熱や断線につながる。異常電圧は接続の仕方で防げるものではない。
(ウ) 屋外の器具に防護装置を施すのは、損傷を受けるおそれがある場合である。感電を防ぐための規定は(ア)がすでに受け持っている。
充電部分が露出しない/張力/損傷を受けるとなり答(5)。
(ア)とただし書の関係を読むのが決め手になる。ただし書は本文の例外なので、本文はただし書より広い禁止でなければならない。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 法規 問9
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 10
次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」に基づく分散型電源の高圧連系時の系統連系用保護装置に関する記述である。
高圧の電力系統に分散型電源を連系する場合は,次により,異常時に分散型電源を自動的に解列するための装置を施設すること。
a) 次に掲げる異常を保護リレー等により検出し,分散型電源を自動的に解列すること。
① 分散型電源の異常又は故障
② 連系している電力系統の (ア)
③ 分散型電源の単独運転
b) (イ) が運用する電力系統において再閉路が行われる場合は,当該再閉路時に,分散型電源が当該電力系統から解列されていること。
c) 「逆変換装置を用いて連系する場合」において,「逆潮流有りの場合」の保護リレー等は,次によること。
次の表に規定する保護リレー等を受電点その他故障の検出が可能な場所に設置すること。
【表】検出する異常 → 保護リレー等の種類
・発電電圧異常上昇 → 過電圧リレー
・発電電圧異常低下 → 不足電圧リレー
・系統側短絡事故 → 不足電圧リレー
・系統側地絡事故 → (ウ) リレー
・単独運転 → 周波数上昇リレー/周波数低下リレー/転送遮断装置又は単独運転検出装置
上記の記述中の空白箇所(ア)〜(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:5
電気設備技術基準の解釈229条(高圧連系時の系統連系用保護装置)の条文である。
(ア) 検出すべき異常は「連系している電力系統の短絡事故又は地絡事故」である。高低圧混触事故は柱上変圧器で高圧と低圧が触れる事故で、ここで挙げられている系統側の事故の型ではない。
(イ) 電力系統を運用して再閉路を行うのは一般送配電事業者である。発電事業者は発電所を運転する立場で、配電線の再閉路を行う主体ではない。再閉路の瞬間に分散型電源が残っていると、位相の合わないまま投入されて機器を壊すので、それまでに解列しておくことが求められる。
(ウ) 系統側の地絡事故を検出するのは地絡過電圧リレー(OVGR)である。地絡が起きると系統の零相電圧が上がるので、それを見て検出する。欠相リレーは相が欠けたことを見るもので、地絡の検出には使わない。
短絡事故又は地絡事故/一般送配電事業者/地絡過電圧となり答(5)。
表の並びにも意味がある。系統側短絡事故を不足電圧リレーで見るのは、短絡すると電圧が下がるからである。系統側地絡事故は電圧が下がるとは限らず、零相電圧が現れるので、別のリレーが要る。この対比を押さえると(ウ)は迷わない。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 法規 問10
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 11(a)
電気工作物に起因する供給支障事故について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。
〔小問(a)〕 次の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
① 電気事業法第39条(事業用電気工作物の維持)において,事業用電気工作物の損壊により (ア) 者の電気の供給に著しい支障を及ぼさないようにすることが規定されている。
② 「電気関係報告規則」において, (イ) を設置する者は, (ア) の用に供する電気工作物と電気的に接続されている電圧 (ウ) V以上の (イ) の破損又は (イ) の誤操作若しくは (イ) を操作しないことにより (ア) 者に供給支障を発生させた場合,電気工作物の設置の場所を管轄する産業保安監督部長に事故報告をしなければならないことが規定されている。
③ 図1に示す高圧配電系統により高圧需要家が受電している。事故点1,事故点2又は事故点3のいずれかで短絡等により高圧配電系統に供給支障が発した場合,②の報告対象となるのは (エ) である。
正解:5
(ア) 電気事業法39条は、事業用電気工作物の損壊により一般送配電事業者の電気の供給に著しい支障を及ぼさないようにすることを求めている。送電事業ではない。配電線を通じて他の需要家へ電気を送っているのは一般送配電事業者だからである。
(イ) 電気関係報告規則3条は「自家用電気工作物を設置する者は…」と書き起こしている。事業用電気工作物という広い言い方ではなく、自家用電気工作物に限っている。
(ウ) 対象は電圧3 000 V以上の自家用電気工作物である。6 600 Vの高圧受電はもちろん含まれる。6 000 Vではない。
(エ) 図1で保安上の責任分界点は事故点1のすぐ先にあり、事故点1は一般送配電事業者側、事故点2と事故点3は高圧需要家の自家用電気工作物の側にある。②の報告は「自家用電気工作物が原因で一般送配電事業者に供給支障を発生させた場合」なので、報告対象になるのは事故点2又は事故点3である。事故点1は一般送配電事業者自身の設備の事故なので、需要家が報告する話ではない。
一般送配電事業/自家用電気工作物/3 000/事故点2又は事故点3となり答(5)。
3 000 Vという数字は、高圧の下限6 600 Vより低く設定されている。高圧受電の需要家はすべて対象になる、という押さえ方でよい。
責任分界点がどこにあるかを図で確かめることが(エ)の決め手になる。分界点より需要家側で起きた事故だけが、需要家の報告対象になる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 法規 問11(a)
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 11(b)
電気工作物に起因する供給支障事故について,次の問に答えよ。図1は高圧配電系統図,図2は過電流継電器の連動遮断特性,図3は地絡継電器の連動遮断特性である。
〔小問(b)〕 次の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
① 受電設備を含む配電系統において,過負荷又は短絡あるいは地絡が生じたとき,供給支障の拡大を防ぐため,事故点直近上位の遮断器のみが動作し,他の遮断器は動作しないとき,これらの遮断器の間では (ア) がとられているという。
② 図2は,図1の高圧需要家の事故点2又は事故点3で短絡が発生した場合の過電流と遮断器(遮断器A及び遮断器B)の継電器動作時間の関係を示したものである。 (ア) がとられている場合,遮断器Bの継電器動作特性曲線は, (イ) である。
③ 図3は,図1の高圧需要家の事故点2で地絡が発生した場合の零相電流と遮断器(遮断器A及び遮断器B)の継電器動作時間の関係を示したものである。 (ア) がとられている場合,遮断器Bの継電器動作特性曲線は, (ウ) である。また,地絡の発生箇所が零相変流器より負荷側か電源側かを判別するため (エ) の使用が推奨されている。
正解:4
(ア) 事故点にいちばん近い上位の遮断器だけが動作し、それより上位は動作しない、という関係を保護協調という。同期協調という用語は無い。
(イ)(ウ) 遮断器Bは需要家の受電点にあり、遮断器Aは配電用変電所にある。事故点2・事故点3はどちらも遮断器Bより負荷側なので、Bが先に動かなければならない。同じ電流に対して動作時間が短いほう、すなわちグラフで下側にある曲線が遮断器Bの特性である。
図2では曲線2が曲線1より下にあるので、遮断器Bは曲線2。
図3では曲線4が曲線3より下にあるので、遮断器Bは曲線4。
どちらも「下が下位の遮断器」と読めばよい。
(エ) 零相変流器を通る零相電流は、地絡が自分の負荷側で起きても電源側(他の需要家側)で起きても流れる。どちらで起きたかを見分けるには、零相電圧との位相関係を見る必要があり、それを行うのが地絡方向継電器(DGR)である。地絡距離継電器という機器はこの用途では出てこない。
保護協調/曲線2/曲線4/地絡方向継電器となり答(4)。
(エ)がなぜ要るかを押さえておく。地絡方向継電器を使わないと、同じ配電線につながる他の需要家で起きた地絡(もらい事故)でも自分の遮断器が動いてしまい、無用の停電を招く。高圧受電設備でDGR付きの地絡保護が推奨されるのはこのためである。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 法規 問11(b)
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 12(a)
次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」に基づく変圧器の電路の絶縁耐力試験に関する記述である。
変圧器(放電灯用変圧器,エックス線管用変圧器等の変圧器,及び特殊用途のものを除く。)の電路は,次のいずれかに適合する絶縁性能を有すること。
① 表の中欄に規定する試験電圧を,同表の右欄で規定する試験方法で加えたとき,これに耐える性能を有すること。
② 日本電気技術規格委員会規格 JESC E7001(2018)「電路の絶縁耐力の確認方法」の「3.2 変圧器の電路の絶縁耐力の確認方法」により絶縁耐力を確認したものであること。
上記の記述に関して,次の問に答えよ。
〔小問(a)〕 表中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:4
電気設備技術基準の解釈16条の表である。
(ア) 表の区分の境目は7 000 Vである。これは電気設備技術基準が定める高圧と特別高圧の境目(交流7 000 V)と同じで、絶縁耐力の規定もここで段が変わる。6 900 Vは公称電圧6 600 Vの最大使用電圧であって、区分の境目ではない。
(イ) 最大使用電圧7 000 V以下の試験電圧は、最大使用電圧の1.5倍である。
(ウ) その値が500 V未満となる場合は500 Vとする、という下限が付いている。低い電圧の変圧器でも最低500 Vはかける、という趣旨である。
(エ) 7 000 Vを超え60 000 V以下で、中性点接地式電路に接続する15 000 V以下のもの以外は、最大使用電圧の1.25倍である。こちらには10 500 Vという下限が付いている。
7 000/1.5/500/1.25となり答(4)。
倍率は「7 000 V以下が1.5倍、それを超えると1.25倍」と、電圧が高いほど倍率が下がる。高い電圧の設備にそのまま1.5倍をかけると過酷になりすぎるためである。中性点接地式で15 000 V以下のものが0.92倍とさらに低いのも同じ考え方で、中性点が接地されていて対地電圧が上がりにくいことを見込んでいる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 法規 問12(a)
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 12(b)
次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」に基づく変圧器の電路の絶縁耐力試験に関する記述である。
変圧器(放電灯用変圧器,エックス線管用変圧器等の変圧器,及び特殊用途のものを除く。)の電路は,次のいずれかに適合する絶縁性能を有すること。
① 表の中欄に規定する試験電圧を,同表の右欄で規定する試験方法で加えたとき,これに耐える性能を有すること。
② 日本電気技術規格委員会規格 JESC E7001(2018)「電路の絶縁耐力の確認方法」の「3.2 変圧器の電路の絶縁耐力の確認方法」により絶縁耐力を確認したものであること。
上記の記述に関して,次の問に答えよ。
〔小問(b)〕 公称電圧22 000 Vの電線路に接続して使用される受電用変圧器の絶縁耐力試験を,表の記載に基づき実施する場合の試験電圧の値[V]として,最も近いものを次の(1)〜(5)から一つ選べ。
(小問(a)より,表の空欄は(ア)7 000,(イ)1.5,(ウ)500,(エ)1.25である。)
正解:1
まず公称電圧から最大使用電圧を求める。1 000 Vを超え500 kV未満の電路では
最大使用電圧=公称電圧×1.15/1.1
なので
22 000×1.15/1.1=23 000 V。
つぎに表のどの区分に当たるかを見る。23 000 Vは7 000 Vを超え60 000 V以下である。この区分のうち0.92倍が適用されるのは「最大使用電圧が15 000 V以下であって、中性線に多重接地する中性点接地式電路に接続するもの」に限られる。23 000 Vは15 000 Vを超えているので当てはまらず、「上記以外のもの」として1.25倍になる。
試験電圧は
23 000×1.25=28 750 V。
10 500 V未満という下限には引っかからない。答(1)。
(2)の30 250は、最大使用電圧に直さず 22 000×1.25×1.1 のように係数を取り違えた場合などに出る値である。まず1.15/1.1を掛けて23 000 Vにする、という一手を飛ばさないこと。
(3)の34 500は 23 000×1.5 で、7 000 V以下の区分の倍率を当てはめてしまった場合の値である。区分を先に決めてから倍率を選ぶ。
1.15/1.1という係数は覚えてしまってよい。6 600 V→6 900 V、22 000 V→23 000 V、66 000 V→69 000 Vと、公称電圧に対する最大使用電圧はよく出てくる組合せである。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 法規 問12(b)
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 13(a)
図に示すように,高調波発生機器と高圧進相コンデンサ設備を設置した高圧需要家が配電線インピーダンスZ_Sを介して6.6 kV配電系統から受電しているとする。
コンデンサ設備は直列リアクトルSR及びコンデンサSCで構成されているとし,高調波発生機器からは第5次高調波電流I₅が発生するものとして,次の(a)及び(b)の問に答えよ。
ただし,Z_S,SR,SCの基本波周波数に対するそれぞれのインピーダンス Ż_S1,Ż_SR1,Ż_SC1 の値は次のとおりとする。
Ż_S1=j4.4 Ω,Ż_SR1=j33 Ω,Ż_SC1=−j545 Ω
〔小問(a)〕 系統に流出する高調波電流は高調波に対するコンデンサ設備インピーダンスと配電線インピーダンスの値により決まる。
Z_S,SR,SCの第5次高調波に対するそれぞれのインピーダンス Ż_S5,Ż_SR5,Ż_SC5 の値[Ω]の組合せとして,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:5
周波数がn倍になると、誘導性リアクタンスはn倍、容量性リアクタンスは1/nになる。
誘導性は X_L=ωL=2πfL なので周波数に比例する。
容量性は X_C=1/(ωC)=1/(2πfC) なので周波数に反比例する。
第5次高調波なのでn=5とすると
Ż_S5=j4.4×5=j22 Ω(配電線は誘導性)
Ż_SR5=j33×5=j165 Ω(直列リアクトルは誘導性)
Ż_SC5=−j545/5=−j109 Ω(コンデンサは容量性)
となり答(5)。
(1)は容量性も5倍してしまった場合(545×5=2 725)である。誘導性と容量性で向きが逆になることがこの小問の要点で、片方だけ1/5にする。
(2)(3)は √5≒2.24 で割ったり掛けたりした場合の値に近い。リアクタンスは周波数に比例(または反比例)するのであって、平方根は出てこない。
第5次でのコンデンサ設備全体(SRとSCの直列)のインピーダンスは
j165−j109=j56 Ω
となり、誘導性になる。直列リアクトルを入れておくと、第5次高調波に対してコンデンサ設備が誘導性になり、系統と共振しない。これが直列リアクトルを付ける理由で、小問(b)の計算にもこの j56 Ω を使う。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 法規 問13(a)
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 13(b)
図に示すように,高調波発生機器と高圧進相コンデンサ設備を設置した高圧需要家が配電線インピーダンスZ_Sを介して6.6 kV配電系統から受電しているとする。
コンデンサ設備は直列リアクトルSR及びコンデンサSCで構成されているとし,高調波発生機器からは第5次高調波電流I₅が発生するものとして,次の問に答えよ。
ただし,Z_S,SR,SCの基本波周波数に対するそれぞれのインピーダンス Ż_S1,Ż_SR1,Ż_SC1 の値は次のとおりとする。
Ż_S1=j4.4 Ω,Ż_SR1=j33 Ω,Ż_SC1=−j545 Ω
〔小問(b)〕 「高圧又は特別高圧で受電する需要家の高調波抑制対策ガイドライン」では需要家から系統に流出する高調波電流の上限値が示されており,6.6 kV系統への第5次高調波の流出電流上限値は契約電力1 kW当たり3.5 mAとなっている。
今,需要家の契約電力が250 kWとし,上記ガイドラインに従うものとする。
このとき,高調波発生機器から発生する第5次高調波電流I₅の上限値(6.6 kV配電系統換算値)の値[A]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
ただし,高調波発生機器からの高調波は第5次高調波電流のみとし,その他の高調波及び記載以外のインピーダンスは無視するものとする。
なお,上記ガイドラインの実際の適用に当たっては,需要形態による適用緩和措置,高調波発生機器の種類,稼働率などを考慮する必要があるが,ここではこれらは考慮せず流出電流上限値のみを適用するものとする。
(小問(a)より,第5次高調波に対して Ż_S5=j22 Ω,Ż_SR5=j165 Ω,Ż_SC5=−j109 Ω である。)
正解:4
まずガイドラインから、系統へ流してよい第5次高調波電流の上限を求める。
250 kW×3.5 mA/kW=875 mA=0.875 A。
つぎに、高調波発生機器から出た電流I₅がどう分かれるかを見る。I₅は受電点で二手に分かれ、一方はコンデンサ設備(SRとSCの直列)へ、他方は配電線インピーダンスを通って系統へ流れる。並列に分かれるので、電流は相手のインピーダンスに比例して分配される。
コンデンサ設備の第5次インピーダンスは
j165−j109=j56 Ω
配電線側は
j22 Ω
したがって系統へ流れる分は
I_系統=I₅×56/(56+22)=I₅×56/78≒0.718 I₅。
これが0.875 A以下でなければならないから
I₅≦0.875/0.718≒1.22 A。
最も近いのは1.2で答(4)。
分流の比を逆に取ると I₅×22/78≒0.282 I₅ となり、上限は 0.875/0.282≒3.1 A になってしまう。並列回路では「電流は相手側のインピーダンスに比例して分かれる」——自分の側のインピーダンスが小さいほど多く流れる、という向きを確かめる。
コンデンサ設備のインピーダンスが j56 Ω と系統側の j22 Ω より大きいので、高調波の7割強は系統へ出ていくことになる。直列リアクトルを入れて誘導性にしてあるおかげで共振は避けられているが、高調波を吸い込む働きまでは期待できない、ということでもある。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 法規 問13(b)
報告ありがとうございました。内容を確認します。
この回の最終更新:
掲載の過去問題は 一般財団法人 電気技術者試験センター の著作物です。同機関が公表する試験問題を、教育目的での利用に許諾・使用料を要しないとする同機関の方針に従い、出典を明記して掲載しています。無断転載を許可するものではありません。解説は当サイトが独自に作成したものです。