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電験3種 令和元年度 機械

18問 ・ 目安 正答率60% ・ 2019年9月1日実施

電験三種(第三種電気主任技術者)の令和元年度 機械試験で実際に出題された全18問を、1問ずつその場で答え合わせしながら演習できます。2019年9月1日実施・合否の目安は正答率60%(演習の目安)。各問に正解と、なぜその選択肢になるのかの解説を付けています。

本試験の合格基準:理論・電力・機械・法規の科目ごとに合否判定。各科目100点満点中原則60点以上で科目合格、4科目すべて合格で試験合格。

この回:令和元年度・機械:合格基準は100点満点中60点以上(試験センターの公表値)。

出典:令和元年度第三種電気主任技術者試験の結果について(令和元年10月18日)。このページの「目安 正答率60%」は演習の目安で、本試験の採点方法とは異なります。

この回は 一般財団法人 電気技術者試験センター が公開する本試験問題を、当サイトがその場で答え合わせできる一問一答形式に再編し、公式には付いていない「正解の根拠・各選択肢の解き方」の解説を追記したものです。原題の出典は各問に明記しています。

過去問の解答結果は学習記録・段位には反映されません。過去問は出題当時の法令・制度にもとづく問題を含むため、段位は継続して最新化している一問一答・模擬試験だけで判定しています。過去問を解かなくても段位で不利になることはありませんので、実力試しとして気軽にお使いください。

問 1
直流電源に接続された永久磁石界磁の直流電動機に一定トルクの負荷がつながっている。電機子抵抗が1.00 Ωである。回転速度が1 000 min⁻¹のとき,電源電圧は120 V,電流は20 Aであった。 この電源電圧を100 Vに変化させたときの回転速度の値[min⁻¹]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 ただし,電機子反作用及びブラシ,整流子における電圧降下は無視できるものとする。
正解:4
永久磁石界磁なので磁束Φは一定である。トルクは T=kΦI_a なので、負荷トルクが一定なら電機子電流も一定に保たれる。つまり電圧を変えても電流は20 Aのままである。ここが出発点になる。 1回目の運転での誘導起電力は E₁=120−20×1.00=100 V。 電源電圧を100 Vにしたときは、電流が同じ20 Aなので E₂=100−20×1.00=80 V。 磁束が一定のとき回転速度は誘導起電力に比例する(E=kΦN)から N₂=1 000×80/100=800 min⁻¹。答(4)。 (5)の1 000は電圧を下げても回転速度が変わらないとした場合。(1)の200のように大きく下がるのは、電流まで比例して変わると考えた場合に出る。 「一定トルクの負荷」という条件がこの問題の要である。負荷トルクが一定→電機子電流が一定→抵抗降下も一定、という順に決まるので、誘導起電力は電源電圧と同じだけ(20 V)下がる。100 Vから80 Vへ、つまり20 %の低下なので、回転速度も20 %下がって800 min⁻¹になる。 電源電圧の低下率(120→100で16.7 %)と回転速度の低下率(20 %)が違うことに注意する。抵抗降下20 Vは電圧によらず一定なので、誘導起電力のほうが割合として大きく下がる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 機械 問1
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問 2
直流機の電機子反作用に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:2
電機子電流がつくる磁束のベクトルは、界磁電流がつくる磁束のベクトルと同じ向きではなく直角(90°ずれた向き)になる。電機子巻線はブラシを境に電流の向きが変わるので、その磁束は磁極と磁極の中間の向き、すなわち界磁磁束と直交する向きに現れる。これを交差磁化作用という。したがって「同じ向きとなる」とする(2)が誤りで、これが答になる。 直交するので、単純な増磁や減磁ではなく、磁極の片側で磁束が増え反対側で減る「偏り」が生じる。鉄心の磁気飽和があるため、増える側の増加分より減る側の減少分のほうが大きくなり、全体としては減磁の傾向になる。この点でも(2)の説明は当たらない。 他の記述を確かめる。(1)電機子電流がつくる磁束によって励磁磁束が変化する現象が電機子反作用である。(3)補償巻線は界磁磁極片に設け、電機子電流を逆向きに流して電機子反作用磁束を打ち消す。(4)補極は磁極と磁極の中間に置き、電機子電流を流して整流を助けるとともに反作用を緩和する。(5)ブラシを中性軸のずれに合わせて移動させれば、整流時の火花を減らせる。 (3)と(4)はどちらも「電機子電流を流す」点が共通している。電機子反作用は電機子電流に比例して変わるので、同じ電流で打ち消せば負荷が変わっても効き目が保たれる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 機械 問2
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問 3
4極の三相誘導電動機が60 Hzの電源に接続され,出力5.75 kW,回転速度1 656 min⁻¹で運転されている。このとき,一次銅損,二次銅損及び鉄損の三つの損失の値が等しかった。このときの誘導電動機の効率の値[%]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 ただし,その他の損失は無視できるものとする。
正解:3
まず滑りを求める。同期速度は N_s=120×60/4=1 800 min⁻¹ なので s=(1 800−1 656)/1 800=144/1 800=0.08。 つぎに二次銅損を求める。誘導電動機では 出力:二次銅損=(1−s):s の関係があるので P_c2=P_o×s/(1−s)=5 750×0.08/0.92=500 W。 設問より一次銅損も鉄損もこれと等しいので、損失の合計は 500×3=1 500 W。 入力は P_i=5 750+1 500=7 250 W となり、効率は η=5 750/7 250≒0.793=79.3 %。答(3)。 二次銅損だけを損失として計算すると η=5 750/6 250=92 % となって選択肢に無い。三つの損失が等しい、という条件を使って3倍する。 (5)の88.5は損失を2つぶんだけ数えた場合に近い(5 750/(5 750+1 000)≒85.2 %)ほどではないが、損失の数え落としは効率を高く見積もる向きにずれる。 滑りから二次銅損を出す関係は、二次入力P₂を1としたとき 出力=1−s、二次銅損=s と分けられることによる。s=0.08 なら二次銅損は出力の 0.08/0.92≒8.7 % で、5 750 Wの8.7 %が500 Wである。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 機械 問3
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問 4
次の文章は,誘導機の速度制御に関する記述である。 誘導機の回転速度n[min⁻¹]は,滑りs,電源周波数f[Hz],極数pを用いて n=120· (ア) と表される。したがって,誘導機の速度は電源周波数によって制御することができ,特にかご形誘導電動機において (イ) 電源装置を用いた制御が広く利用されている。 かご形誘導機ではこの他に,運転中に固定子巻線の接続を変更して (ウ) を切り換える制御法や, (エ) の大きさを変更する制御法がある。前者は,効率はよいが,速度の変化が段階的となる。後者は,速度の安定な制御範囲を広くするために (オ) の値を大きくとり,銅損が大きくなる。 巻線形誘導機では, (オ) の値を調整することにより,トルクの比例推移を利用して速度を変える制御法がある。 上記の記述中の空白箇所(ア),(イ),(ウ),(エ)及び(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:5
(ア) 同期速度は N_s=120f/p で、実際の回転速度は滑りのぶんだけ遅い n=(1−s)N_s である。まとめると n=120(1−s)f/p となる。sf/p では滑り分の速度になってしまい、s=0(無負荷)で回転が止まることになって成り立たない。 (イ) 周波数を変える制御では、周波数だけでなく電圧も一緒に変えないと磁束が過大になる。可変電圧可変周波数、すなわちVVVF電源装置を使う。CVCFは定電圧定周波数で、無停電電源装置などに使う別のものである。 (ウ) 固定子巻線の接続を変更して切り換えるのは極数である。極数を2倍にすれば同期速度は半分になる。相数は三相のまま変えられない。極数は整数なので速度は段階的にしか変わらず、設問の「速度の変化が段階的となる」と合う。 (エ) 大きさを変更する制御法として挙がるのは一次電圧である。かご形では二次側に外から手を出せないので、二次電圧を変えることはできない。 (オ) 一次電圧制御で安定に速度を変えられる範囲を広げるには、二次抵抗を大きめに設計して、トルク曲線を右下がりの領域が広い形にする。そのぶん二次銅損が増える。また巻線形では二次抵抗を外から調整でき、比例推移を使って速度を変えられる。 (1−s)f/p/VVVF/極数/一次電圧/二次抵抗となり答(5)。 (オ)は最後の段落「巻線形誘導機では、(オ)の値を調整することにより、トルクの比例推移を利用して」から決まる。比例推移は二次抵抗と滑りの比で決まる性質なので、ここは二次抵抗以外にない。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 機械 問4
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問 5
次の文章は,星形結線の円筒形三相同期電動機の入力,出力,トルクに関する記述である。 この三相同期電動機の1相分の誘導起電力E[V],電圧V[V],電流I[A],VとIの位相差をθ[rad]としたときの1相分の入力P_i[W]は次式で表される。  P_i=VI cosθ また,EとVの位相差をδ[rad]とすると,1相分の出力P_o[W]は次式で表される。EとVの位相差δは (ア) といわれる。  P_o=EI cos(δ−θ)=(VE/x)· (イ) ここでx[Ω]は同期リアクタンスであり,電機子巻線抵抗は無視できるものとする。 この三相同期電動機の全出力をP[W],同期速度をn_s[min⁻¹]とすると,トルクT[N·m]とPの関係は次式で表される。  P=3P_o=2π(n_s/60)T これから,Tは次式のようになる。  T=(60/2πn_s)·3P_o=(60/2πn_s)·(3VE/x)· (イ) 以上のことから,0≦δ≦π/2の範囲においてδが (ウ) なるに従ってTは (エ) なり,理論上π/2[rad]のとき (オ) となる。 上記の記述中の空白箇所(ア),(イ),(ウ),(エ)及び(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:4
(ア) 誘導起電力Eと端子電圧Vの位相差δは負荷角と呼ばれる。負荷が重くなるほどδが大きくなるので、この名がついている。力率角は電圧Vと電流Iの位相差θのことで、設問の中でθとして別に定義されている。 (イ) 電機子巻線抵抗を無視した円筒形同期機の1相分の出力は P_o=(VE/x)sinδ である。δ=0(無負荷)で出力が零になることからも sinδ が正しいと分かる。cosδ ではδ=0で最大になってしまい、無負荷なのに出力があることになる。 (ウ)(エ) 0≦δ≦π/2 の範囲で sinδ は単調に増える。したがってδが大きくなるに従ってトルクも大きくなる。 (オ) δ=π/2 で sinδ=1 となり、トルクは最大値をとる。これが脱出トルク(停動トルク)で、これを超える負荷をかけると同期を保てなくなる。 負荷角/sinδ/大きく/大きく/最大値となり答(4)。 (イ)が決まれば(ウ)(エ)(オ)は sinδ のグラフを思い浮かべるだけで決まる。0からπ/2までは増え続け、π/2で1になる。 δがπ/2を超えるとsinδは減り始めるので、トルクも減る。負荷が増えているのにトルクが減るため加速度的に同期を失う——これが脱出(脱調)である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 機械 問5
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問 6
次の文章は,一般的なブラシレスDCモータに関する記述である。 ブラシレスDCモータは, (ア) が回転子側に, (イ) が固定子側に取り付けられた構造となっており, (イ) が回転しないため, (ウ) が必要な一般の直流電動機と異なる。しかし,何らかの方法で回転子の (エ) を検出して, (イ) への電流を切り換える必要がある。この電流の切り換えを, (オ) で構成された駆動回路を用いて実現している。ブラシレスDCモータは, (オ) の発達とともに発展してきたモータであり,上記の駆動回路が重要な役割を果たすモータである。 上記の記述中の空白箇所(ア),(イ),(ウ),(エ)及び(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:5
(ア)(イ) ブラシレスDCモータは、回転子側に永久磁石、固定子側に電機子巻線を置く。一般の直流電動機とはちょうど逆の配置である。電機子巻線が回らないので、電流を送り込むためのブラシが要らない——これがブラシレスと呼ばれる理由である。 (ウ) 一般の直流電動機では、回る電機子巻線に電流を送り、かつ電流の向きを切り替えるためにブラシと整流子が要る。スリップリングは巻線形誘導機や同期機で回転子へ電流を出し入れするもので、向きを切り替える働きは持たない。 (エ) ブラシと整流子の代わりに電流を切り換えるには、回転子の磁石が今どこを向いているかを知る必要がある。したがって検出するのは回転位置である。回転速度だけ分かっても、どの巻線に流すかは決められない。ホール素子やエンコーダ、あるいは巻線に生じる誘起電圧から位置を求める。 (オ) 切り換えは半導体スイッチ(トランジスタやMOSFET)で構成した駆動回路が行う。機械スイッチでは高速な切り換えに耐えられない。 永久磁石/電機子巻線/ブラシと整流子/回転位置/半導体スイッチとなり答(5)。 「ブラシと整流子の仕事を、位置検出+半導体スイッチで置き換えた直流電動機」と押さえると、五つの空欄がひとつながりに決まる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 機械 問6
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問 7
次の文章は,電気機器の損失に関する記述である。 a コイルの電流とコイルの抵抗によるジュール熱が (ア) であり,この損失を低減するため,コイルを構成する電線の断面積を大きくする。 交流電流が並列コイルに分かれて流れると,並列コイル間の電流不平衡からこの損失が増加する。この損失を低減するため,並列回路を構成する各コイルの鎖交磁束と抵抗値,すなわち,各コイルのインピーダンスを等しくする。 b 鉄心に交流磁束が通ると損失が発生する。その成分は (イ) と (ウ) の二つに分類される。前者は,交流磁束によって誘導された電流が鉄心を流れてジュール熱として発生する。そこで,電気抵抗が高い強磁性材料や,表面を絶縁膜で覆った薄い鉄板を積層した積層鉄心を磁気回路に用いて,電流の経路を断つことで損失を低減する。後者は,鉄心の磁束が磁界の履歴に依存するために発生する。この (ウ) を低減するために電磁鋼板が磁気回路に広く用いられている。 c 上記の電磁気要因の損失のほか,電動機や発電機では,回転子の運動による軸受け摩擦損や冷却ファンの空気抵抗による損失などの (エ) がある。 上記の記述中の空白箇所(ア),(イ),(ウ)及び(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:1
(ア) コイルの電流と抵抗によるジュール熱は銅損である。電線の断面積を大きくすれば抵抗が下がり、銅損が減る。鉄損は鉄心に生じる損失で、コイルの抵抗とは関係しない。 (イ) 交流磁束によって鉄心の中に誘導された電流(渦電流)が流れて生じるのが渦電流損である。設問が「薄い鉄板を積層して電流の経路を断つ」と書いているとおり、成層することで渦電流の回る道を細かく分断して減らす。 (ウ) 磁束が磁界の履歴に依存すること、すなわちヒステリシスによって生じるのがヒステリシス損である。電磁鋼板(ケイ素鋼板)はヒステリシスループの面積が小さく、この損失を減らせる。 (エ) 軸受けの摩擦や冷却ファンの空気抵抗による損失は機械損である。電磁気とは無関係に、回っていること自体から生じる。 銅損/渦電流損/ヒステリシス損/機械損となり答(1)。 鉄損は(イ)と(ウ)の合計であって、その内訳を問うているのが b の文である。「鉄損=渦電流損+ヒステリシス損」と押さえておけば、(イ)や(ウ)に鉄損が入らないことが分かる。 対策も分けて覚える。渦電流損は「薄く積層して絶縁する」、ヒステリシス損は「材料を変える(電磁鋼板)」である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 機械 問7
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問 8
2台の単相変圧器があり,それぞれ,巻数比(一次巻数/二次巻数)が30.1,30.0,二次側に換算した巻線抵抗及び漏れリアクタンスからなるインピーダンスが(0.013+j0.022) Ω,(0.010+j0.020) Ωである。この2台の変圧器を並列接続し二次側を無負荷として,一次側に6 600 Vを加えた。この2台の変圧器の二次巻線間を循環して流れる電流の値[A]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし,励磁回路のアドミタンスの影響は無視するものとする。
正解:3
巻数比がわずかに違うため、二次側の起電力に差が生じる。その差が二つの変圧器のインピーダンスを通して循環電流を流す。 二次側の起電力は 巻数比30.1の変圧器:6 600/30.1≒219.27 V 巻数比30.0の変圧器:6 600/30.0=220.00 V で、その差は 220.00−219.27=0.73 V。 循環電流はこの差の電圧が、二つの変圧器のインピーダンスの直列和にかかって流れる。 Ż=(0.013+j0.022)+(0.010+j0.020)=0.023+j0.042 Ω |Ż|=√(0.023²+0.042²)=√0.002293≒0.0479 Ω。 したがって I=0.73/0.0479≒15.3 A。答(3)。 二次側は無負荷なので、負荷電流は流れず、この循環電流だけが二つの二次巻線のあいだをぐるぐる回る。負荷に何も出していないのに巻線には電流が流れ、銅損だけが増えることになる。 インピーダンスを直列に足すところが要点である。循環電流から見ると、二つの変圧器が輪になってつながっているので、両方のインピーダンスを通ることになる。片方だけで割ると 0.73/0.0255≒28.6 A となって(4)に近い値が出る。 巻数比の差はわずか0.33 %だが、インピーダンスが小さいため15 Aもの電流が流れる。並行運転で巻数比(変圧比)をそろえることが求められる理由がここにある。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 機械 問8
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問 9
変圧器の試験方法の一つに温度上昇試験がある。小形変圧器の場合には実負荷法を用いるが,電力用等の大形変圧器では返還負荷法を用いる。返還負荷法では,外部電源から鉄損と銅損に相当する電力のみを供給すればよいので試験電源が比較的小規模なものですむ。単相変圧器におけるこの試験の結線方法及び図中に示す鉄損,銅損の供給方法として,次の(1)〜(5)のうちから正しいものを一つ選べ。ただし,T₁,T₂は試験対象となる同じ仕様の変圧器,T₃は補助変圧器である。 (選択肢は原本から切り出した結線図で示す。)
正解:2
返還負荷法(back-to-back法)は、同じ仕様の変圧器2台を向かい合わせにして、負荷をつながずに定格の磁束と定格の電流を同時に流す試験である。満たすべき条件は二つだけである。 ① 鉄損を出すため、2台の一次巻線を並列にして定格電圧を加える。両方の鉄心に定格の磁束が通り、それぞれに定格の鉄損が生じる。 ② 銅損を出すため、2台の二次巻線を直列にして閉ループを作り、そのループに補助変圧器T₃で小さな電圧を注入する。2台の二次起電力が打ち消し合う向きにつなげば、ループに残る起電力は零なので、T₃で加えた電圧とループのインピーダンスだけで電流が決まる。この電流を定格値に合わせれば、定格の銅損が生じる。 (2)はこの二つを両方満たしている。一次側は、電源の一方の端子が2台の一次巻線の同じ側(極性を表す黒丸の側)に、もう一方の端子が反対側にそれぞれつながっており、確かに並列である。二次側は、T₁の二次からT₃を経てT₂の二次へ戻る一つの輪になっており、輪をたどるとT₁は黒丸側から、T₂は黒丸と反対側から入るので、二つの起電力は互いに打ち消し合う。答(2)。 他の図は、①②の少なくとも一方を満たしていない。 (1) 一次側は(2)と同じく並列。二次側は、T₃の両端からT₁とT₂の二次巻線へそれぞれ分かれてつながる並列で、2台を通る一つの輪になっていない。 (3) 一次側は、T₁の黒丸の無い側とT₂の黒丸の無い側がつながり、電源から見て2台が直列。二次側は一つの輪だが、輪をたどるとT₁もT₂も黒丸側から入るので、二つの起電力は加わり合う向きになる。 (4) 一次側は(3)と同じく直列。二次側は(1)と同じく並列。 (5) 一次側は(2)と同じく並列。二次側は(3)と同じく、起電力が加わり合う向きの輪になっている。 一次巻線が直列だと、2台それぞれに定格電圧がかからず、定格の鉄損にならない。二次巻線がT₃に並列だと、T₃の電圧が2台の二次巻線に同じようにかかるだけで、2台を通って回る定格電流を流せない。二次の起電力が加わり合う向きだと、2台ぶんの起電力がそのまま輪に残って過大な電流が流れてしまう。 この方法の利点は、外部電源が鉄損と銅損の合計だけを負担すれば足りることである。定格容量が何万kV·Aあっても、試験電源は損失ぶん(数%)で済む。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 機械 問9
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問 10
次の文章は,単相サイリスタ整流回路に関する記述である。 図1には純抵抗負荷に接続された単相サイリスタ整流回路を示し,T₁〜T₄のサイリスタはオン電圧降下を無視できるものとする。また,図1中の矢印の方向を正とした交流電源の電圧 v=V sin ωt [V]及び直流側電圧v_dの波形をそれぞれ破線及び実線で図2に示す。 図2に示した交流電圧の位相において,π<ωt<2πの位相で同時にオン信号を与えるサイリスタは (ア) である。 交流電圧1サイクルの中で,例えばサイリスタT₄からT₂へ導通するサイリスタが換わる動作を考える。T₄がオンしている状態から位相πで電流が零になると,T₄はオフ状態となる。その後,制御遅れ角αを経てT₂にオン信号を与えると,電流がT₂に流れる。このとき既に電流が零になったT₄には,交流電圧vが (イ) として印加される。すなわち, (ウ) であるサイリスタは,極性が変わる交流電圧を利用してターンオフすることができる。 次に交流電圧と直流側電圧の関係について考える。サイリスタT₂とT₃がオンしている期間は交流電源の (エ) と直流回路のN母線が同じ電位になるので,このときの直流側電圧v_dは (オ) と等しくなる。 上記の記述中の空白箇所(ア),(イ),(ウ),(エ)及び(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
問10の図
正解:3
(ア) 単相ブリッジでは、電源電圧が正の半サイクルでT₁とT₄、負の半サイクルでT₂とT₃が組になって導通する。π<ωt<2πは負の半サイクルなのでT₂とT₃である。設問の後半に「サイリスタT₂とT₃がオンしている期間は」とあることからも確かめられる。 (イ) T₂とT₃がオンすると、A端子がN母線に、B端子がP母線につながる。T₄はN母線とB端子の間にあるので、その両端にかかるのは v_N−v_B=v_A−v_B=v である。この期間のvは負なので、T₄には逆電圧が加わっていることになる。逆電圧が加わればサイリスタは確実にオフを保てる。 (ウ) サイリスタはゲート信号でオンにはできるが、自分でオフにすることはできない。すなわちオン制御デバイスである。だから外部から極性が変わる交流電圧をもらってターンオフする(他励式・自然転流)。オンオフ制御デバイスはGTOやIGBTのことで、それらならゲートでオフにできる。 (エ) T₂はN母線とA端子をつなぐので、A端子とN母線が同じ電位になる。 (オ) 同時にT₃がB端子とP母線をつなぐので v_d=v_P−v_N=v_B−v_A=−v となる。すなわち交流電圧の逆方向電圧−vである。 T₂とT₃/逆電圧/オン制御デバイス/A端子/交流電圧の逆方向電圧−vとなり答(3)。 負の半サイクルでv_dが正になるのは、v_d=−v と符号が反転しているためである。図2の実線が正の山を二つ描いているのはこの働きによる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 機械 問10
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問 11
かごの質量が250 kg,定格積載質量が1 500 kgのロープ式エレベータにおいて,釣合いおもりの質量は,かごの質量に定格積載質量の50 %を加えた値とした。このエレベータの電動機出力を22 kWとした場合,一定速度でかごが上昇しているときの速度の値[m/min]はいくらになるか,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし,エレベータの機械効率は70 %,積載量は定格積載質量とし,ロープの質量は無視するものとする。
正解:3
ロープ式エレベータでは、かご側と釣合いおもり側の質量の差だけを電動機が持ち上げればよい。 かご側の質量は 250+1 500=1 750 kg。 釣合いおもりの質量は 250+1 500×0.5=1 000 kg。 差は 1 750−1 000=750 kg。 速度をv[m/s]とすると、巻上げに要る動力は 750×9.8×v[W] で、これを機械効率0.7で割ったものが電動機出力22 kWに等しい。 750×9.8×v/0.7=22 000 v=22 000×0.7/(750×9.8)=15 400/7 350≒2.10 m/s。 設問は[m/min]を問うているので60を掛けて 2.10×60≒126 m/min。答(3)。 (2)の94は、機械効率を掛けてしまった場合の値に近い(22 000×0.7 ではなく 22 000/0.7 …ではなく、逆に0.7を分母から分子へ移す取り違え)。電動機のほうが出す側なので、必要な動力を効率で割るのではなく、電動機出力に効率を掛けたものが有効な動力になる。式で書けば 22 000×0.7=15 400 W が実際に持ち上げに使える動力である。 (5)の377は m/s のまま60を掛けずに…ではなく、釣合いおもりを考えずに1 750 kg で計算した場合などに出る。釣合いおもりの効果が、この問題の中心である。 釣合いおもりを「かご+積載の50 %」にするのは、無負荷のときと満載のときの電動機の負担をならすためである。満載時は750 kg分、無負荷時は逆向きに750 kg分となり、どちらも同じ大きさになる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 機械 問11
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問 12
次の文章は,太陽光発電システムに関する記述である。 太陽光発電システムは,太陽電池アレイ,パワーコンディショナ,これらを接続する接続箱,交流側に設置する交流開閉器などで構成される。 太陽電池アレイは,複数の太陽電池 (ア) を通常は直列に接続して構成される太陽電池 (イ) をさらに直並列に接続したものである。パワーコンディショナは,直流を交流に変換する (ウ) と,連系保護機能を実現する系統連系用保護装置などで構成されている。 太陽電池アレイの出力は,日射強度や太陽電池の温度によって変動する。これらの変動に対し,太陽電池アレイから常に (エ) の電力を取り出す制御は,MPPT(Maximum Power Point Tracking)制御と呼ばれている。 上記の記述中の空白箇所(ア),(イ),(ウ)及び(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:5
(ア)(イ) 太陽電池の単位は小さいほうからセル→モジュール→ストリング→アレイである。セルは1枚のpn接合で、これを何十枚も直列にして板状にまとめたものがモジュール(パネル)。モジュールをさらに直並列に組んだものがアレイである。したがって(ア)がセル、(イ)がモジュールになる。 (ウ) パワーコンディショナの中で直流を交流に変えるのはインバータである。整流器は交流を直流に変える逆の装置で、ここでは働きが合わない。 (エ) MPPTのMaximum Power Pointは「最大電力点」で、日射強度や温度が変わっても常に最大の電力を取り出せる動作点を追いかける制御である。「最小」では発電する意味がない。 セル/モジュール/インバータ/最大となり答(5)。 (エ)は英語の名前そのものが答になっている。Maximum Power Point Tracking=最大電力点を追いかける、と読める。 太陽電池の出力は電圧と電流の積で、電圧を上げすぎても下げすぎても電力は小さくなる。その山の頂上を探し続けるのがMPPT制御である。日射が変われば山の位置も動くので、追いかけ続ける必要がある。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 機械 問12
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問 13
図1に示すR-L回路において,端子a-a′間に5 Vの階段状のステップ電圧v₁(t)[V]を加えたとき,抵抗R₂[Ω]に発生する電圧をv₂(t)[V]とすると,v₂(t)は図2のようになった。この回路のR₁[Ω],R₂[Ω]及びL[H]の値と,入力をv₁(t),出力をv₂(t)としたときの周波数伝達関数G(jω)の式として,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
問13の図
正解:4
図2から二つの値を読み取る。 最終値:v₂は1.00 Vに落ち着いている。入力は5 Vなので、抵抗の分圧比は R₂/(R₁+R₂)=1.00/5=0.2。 時定数:一次遅れの応答は時定数のところで最終値の63 %に達する。図2は0.63 Vになる時刻が0.02 sなので τ=L/(R₁+R₂)=0.02 s。 この二つを満たす組合せを探す。 (4)は R₂/(R₁+R₂)=1/(4+1)=0.2 ✓、τ=0.1/5=0.02 s ✓。 (3)は分圧比 2/10=0.2 で合うが、τ=0.1/10=0.01 s となって図2と合わない。 (1)(2)は分圧比が 20/100=0.2、10/50=0.2 で合うものの、それぞれ τ=0.2/100=0.002 s、τ=1.0/50=0.02 s。(2)は時定数も合うが分圧比が…と見えるが、Gの分子が0.5になっており分圧比0.2と食い違う。 伝達関数も確かめる。 G(jω)=v₂/v₁=R₂/(R₁+R₂+jωL)={R₂/(R₁+R₂)}/{1+jωL/(R₁+R₂)}=0.2/(1+j0.02ω)。 (4)のGと一致する。答(4)。 Gの分子が定常ゲイン(=分圧比0.2)、分母のωの係数が時定数(=0.02)である。図2から読んだ二つの値がそのままGの二つの数字になる、という対応を押さえておくと、選択肢を一つずつ計算しなくても絞れる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 機械 問13
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問 14
2進数AとBがある。それらの和がA+B=(101010)₂,差がA−B=(1100)₂であるとき,Bの値として,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:2
2進数のまま計算してもよいが、いったん10進数に直すほうが確実である。 A+B=(101010)₂=32+8+2=42 A−B=(1100)₂=8+4=12 和と差が分かっているので B={(A+B)−(A−B)}/2=(42−12)/2=15。 15を2進数に直すと 15=8+4+2+1=(1111)₂。答(2)。 ついでにAも求まる。A=(42+12)/2=27=(11011)₂ である。確かめると 27+15=42 ✓、27−15=12 ✓ で、どちらも設問と合う。 2進数のまま解くこともできる。(101010)₂−(1100)₂=(11110)₂ で、これを1桁右へずらす(2で割る)と (1111)₂ になる。2進数では右シフトが2で割ることにあたるので、この解き方も短い。 (5)の(11110)₂は、2で割る前の (A+B)−(A−B) の値そのものである。最後に2で割る手順を忘れるとここに落ちる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 機械 問14
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問 15(a)
並行運転しているA及びBの2台の三相同期発電機がある。それぞれの発電機の負荷分担が同じ7 300 kWであり,端子電圧が6 600 Vのとき,三相同期発電機Aの負荷電流I_Aが1 000 A,三相同期発電機Bの負荷電流I_Bが800 Aであった。損失は無視できるものとして,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 三相同期発電機Aの力率の値[%]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:2
三相の有効電力は P=√3 V I cosθ なので、力率について解くと cosθ=P/(√3 V I)。 発電機Aの値を入れる。 cosθ_A=7 300×10³/(√3×6 600×1 000) =7.30×10⁶/(1.1432×10⁷)≒0.639=63.9 %。 最も近いのは64で答(2)。 分母の √3×6 600=11 431.5 をまず出しておくと、この問題全体を通して使い回せる。発電機Bの力率も同じ式で cosθ_B=7.30×10⁶/(11 431.5×800)≒0.798=79.8 % となり、小問(b)で使う。 2台とも同じ7 300 kWを分担しているのに電流が違うのは、力率が違うからである。電流の大きい発電機Aのほうが力率が低く、無効電力を多く受け持っていることになる。並行運転では、有効電力の分担は原動機の出力で、無効電力の分担は界磁の強さ(励磁)で決まる。 (5)の80は発電機Bの力率の値である。どちらを問われているかを取り違えないこと。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 機械 問15(a)
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問 15(b)
並行運転しているA及びBの2台の三相同期発電機がある。それぞれの発電機の負荷分担が同じ7 300 kWであり,端子電圧が6 600 Vのとき,三相同期発電機Aの負荷電流I_Aが1 000 A,三相同期発電機Bの負荷電流I_Bが800 Aであった。損失は無視できるものとする。次の問に答えよ。 〔小問(b)〕 2台の発電機の合計の負荷が調整の前後で変わらずに一定に保たれているものとして,この状態から三相同期発電機A及びBの励磁及び駆動機の出力を調整し,三相同期発電機Aの負荷電流は調整前と同じ1 000 Aとし,力率は100 %とした。このときの三相同期発電機Bの力率の値[%]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 ただし,端子電圧は変わらないものとする。 (小問(a)より,調整前の力率は発電機Aが約63.9 %,発電機Bが約79.8 %である。)
正解:1
合計の負荷が変わらないので、有効電力の合計と無効電力の合計がそれぞれ調整の前後で等しい。この二つを保存量として追う。 まず調整前の値を出す。√3×6 600=11 431.5 として 発電機A:cosθ_A=0.639、sinθ_A=√(1−0.639²)≒0.770   Q_A=11 431.5×1 000×0.770≒8 797 kvar 発電機B:cosθ_B=0.798、sinθ_B≒0.602   Q_B=11 431.5×800×0.602≒5 508 kvar 合計は P=7 300×2=14 600 kW,Q=8 797+5 508≒14 306 kvar。 つぎに調整後を考える。発電機Aは1 000 Aで力率100 %なので P_A=11 431.5×1 000×1.0≒11 432 kW,Q_A=0。 合計が変わらないから P_B=14 600−11 432=3 168 kW,Q_B=14 306−0=14 306 kvar。 したがって発電機Bの力率は cosθ_B=P_B/√(P_B²+Q_B²)=3 168/√(3 168²+14 306²) =3 168/14 652≒0.216=21.6 %。 最も近いのは22で答(1)。 発電機Aが無効電力を出さなくなったぶん、無効電力の全部を発電機Bが引き受けることになる。しかも有効電力の分担は3 168 kWまで減るので、力率が極端に悪くなる。 並行運転では、励磁を強めた発電機が無効電力を多く受け持つ。この問題は、発電機Aの励磁を弱めて力率1にした結果、発電機Bにしわ寄せが行く様子を数字で追っている。 有効電力と無効電力を別々に保存する、という手順を崩さないこと。皮相電力どうしを足し引きしても答は出ない。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 機械 問15(b)
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問 16(a)
図は直流昇圧チョッパ回路であり,スイッチングの周期をT[s]とし,その中での動作を考える。ただし,直流電源Eの電圧をE₀[V]とし,コンデンサCの容量は十分に大きく出力電圧E₁[V]は一定とみなせるものとする。 半導体スイッチSがオンの期間T_on[s]では,E−リアクトルL−S−Eの経路とC−負荷R−Cの経路の二つで電流が流れ,このときにLに蓄えられるエネルギーが増加する。Sがオフの期間T_off[s]では,E−L−ダイオードD−(CとRの並列回路)−Eの経路で電流が流れ,Lに蓄えられたエネルギーが出力側に放出される。次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 この動作において,Lの磁束を増加させる電圧時間積は (ア) であり,磁束を減少させる電圧時間積は (イ) である。定常状態では,増加する磁束と減少する磁束が等しいとおけるので,入力電圧と出力電圧の関係を求めることができる。 上記の記述中の空白箇所(ア)及び(イ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
問16(a)の図
正解:1
リアクトルの磁束の変化は「かかる電圧×その時間」で決まる。これを電圧時間積という。したがって、オンの期間とオフの期間でLの両端に何ボルトかかるかを見ればよい。 Sがオンの期間:Lの一方の端は電源E₀に、もう一方はSを通して電源の負側につながる。したがってLには電源電圧E₀がそのままかかり、電流が増えて磁束が増加する。電圧時間積は E₀·T_on。 Sがオフの期間:電流はダイオードDを通って出力側へ流れる。Lの入口側は電源E₀、出口側は出力電圧E₁なので、Lにかかる電圧は E₀−E₁ である。昇圧チョッパでは E₁>E₀ なのでこれは負、すなわち磁束を減らす向きである。減少させる大きさは (E₁−E₀)·T_off。 したがって答(1)。 定常状態では増加分と減少分が等しいので E₀T_on=(E₁−E₀)T_off。 これを整理すると E₀T=E₁T_off、すなわち E₁=E₀·T/T_off=E₀/(1−α) となり、昇圧チョッパのよく知られた式が出てくる(αは通流率 T_on/T)。この式が小問(b)で使う関係である。 (2)のようにオフ期間の電圧をE₁とすると、Lの入口にある電源E₀を無視したことになる。Lの両端の電位差を、入口と出口の両方を見て決める。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 機械 問16(a)
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問 16(b)
図は直流昇圧チョッパ回路であり,スイッチングの周期をT[s]とし,その中での動作を考える。ただし,直流電源Eの電圧をE₀[V]とし,コンデンサCの容量は十分に大きく出力電圧E₁[V]は一定とみなせるものとする。 半導体スイッチSがオンの期間T_on[s]では,E−リアクトルL−S−Eの経路とC−負荷R−Cの経路の二つで電流が流れ,このときにLに蓄えられるエネルギーが増加する。Sがオフの期間T_off[s]では,E−L−ダイオードD−(CとRの並列回路)−Eの経路で電流が流れ,Lに蓄えられたエネルギーが出力側に放出される。次の問に答えよ。 〔小問(b)〕 入力電圧E₀=100 V,通流率α=0.2のときに,出力電圧E₁の値[V]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 (小問(a)より,定常状態では E₀·T_on=(E₁−E₀)·T_off が成り立つ。)
問16(b)の図
正解:2
小問(a)で得た関係 E₀T_on=(E₁−E₀)T_off を整理する。両辺にE₀T_offを足すと E₀(T_on+T_off)=E₁T_off すなわち E₀T=E₁T_off。 通流率は α=T_on/T なので T_off=(1−α)T であり E₁=E₀/(1−α)。 数値を入れると E₁=100/(1−0.2)=100/0.8=125 V。答(2)。 (1)の80は E₀×(1−α)=100×0.8 とした場合で、降圧チョッパの式(E₁=αE₀)とも違う別の値である。昇圧チョッパなので出力は必ず入力より高くなる。100 Vより低い(1)は、この時点で外れる。 (5)の500は E₀/α=100/0.2 とした場合の値である。分母は α ではなく 1−α で、オフの期間の割合にあたる。 通流率が大きいほど 1−α が小さくなり、出力電圧は高くなる。α=0.2 では1.25倍、α=0.5 なら2倍、α=0.8 なら5倍である。ただし実際には損失があるため、通流率を上げ続けても際限なく昇圧できるわけではない。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 機械 問16(b)
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問 17(a)
電気給湯器を用いて,貯湯タンクに入っている温度20 ℃,体積0.37 m³の水を85 ℃に加熱したい。水の比熱容量は4.18×10³ J/(kg·K),水の密度は1.00×10³ kg/m³であり,いずれも水の温度に関係なく一定とする。次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 貯湯タンク内の水の加熱に必要な熱エネルギーQの値[MJ]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:2
熱量は Q=m c ΔT で求める。まず体積から質量を出す。 m=0.37 m³×1.00×10³ kg/m³=370 kg。 温度差は ΔT=85−20=65 K。 したがって Q=370×4.18×10³×65 =370×271 700 ≒1.005×10⁸ J=100.5 MJ。 最も近いのは101で答(2)。 単位の直しが二か所ある。体積[m³]に密度を掛けて質量[kg]にすること、そして最後にJをMJへ(10⁶で割る)直すことである。 温度差は摂氏でもケルビンでも同じ値になる。85 ℃−20 ℃=65 ℃差=65 Kであって、絶対温度に直してから引く必要はない。比熱容量の単位が J/(kg·K) なので、そのまま65を掛けてよい。 (1)の51は温度差を約32(=65の半分)とした場合などに出る値である。ΔTは引き算であって、絶対温度どうしの比ではない。 水を1 kg、1 K上げるのに約4.2 kJ、という値は覚えておくと桁の確認に使える。370 kgを65 K上げるなら 370×65=24 050 kg·K ぶんで、これに4.2 kJを掛けると約101 MJ になる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 機械 問17(a)
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問 17(b)
電気給湯器を用いて,貯湯タンクに入っている温度20 ℃,体積0.37 m³の水を85 ℃に加熱したい。水の比熱容量は4.18×10³ J/(kg·K),水の密度は1.00×10³ kg/m³であり,いずれも水の温度に関係なく一定とする。次の問に答えよ。 〔小問(b)〕 電気給湯器としてCOP(成績係数)が4.0のヒートポンプユニットを用いた。この加熱に要した時間は6時間であった。ヒートポンプユニットの消費電力Pの値[kW]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし,ヒートポンプ式電気給湯器の貯湯タンク,ヒートポンプユニット,配管などの加熱に必要な熱エネルギーは無視し,それらからの熱損失もないものとする。また,ヒートポンプユニットの消費電力及びCOPは,いずれも加熱の開始から終了まで一定とする。 (小問(a)より,加熱に必要な熱エネルギーは約101 MJである。)
正解:3
COP(成績係数)は「取り出した熱エネルギー÷投入した電気エネルギー」である。したがって必要な電気エネルギーは W=Q/COP=100.5×10⁶/4.0≒25.1×10⁶ J=25.1 MJ。 これを6時間で消費したので、消費電力は P=W/t=25.1×10⁶/(6×3 600) =25.1×10⁶/21 600≒1 163 W≒1.16 kW。答(3)。 6時間を秒に直すところが要点である。6×3 600=21 600 s とする。時間のまま割ると 25.1×10⁶/6≒4.19×10⁶ となり、単位がJ/hになってしまう(これをさらに3 600で割ればWになる)。 COPが4.0とは、電気1に対して熱を4取り出せるという意味である。ヒートポンプは熱をつくるのではなく、外気の熱を汲み上げて運ぶので、投入した電気より多くの熱が得られる。電気ヒータ(COP=1相当)に比べて1/4の電力で済む。 (4)の1.26は、COPで割らずに…ではなく別の取り違えで出る値だが、COPを掛けてしまうと 100.5×4/21 600≒18.6 kW と桁が変わるので、その誤りにはすぐ気づける。COPは電気を減らす側に効く、と向きを押さえておく。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 機械 問17(b)
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問 18(a)
論理関数について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 論理式 X·Y·Z+X·Ȳ·Z̄+X̄·Y·Z+X·Ȳ·Z を積和形式で簡単化したものとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:2
与えられた四つの項が1になる組合せ(X, Y, Z)を書き出す。 X·Y·Z → (1,1,1) X·Ȳ·Z̄ → (1,0,0) X̄·Y·Z → (0,1,1) X·Ȳ·Z → (1,0,1) この四つをまとめる。 (1,1,1)と(0,1,1)はXだけが違うので、Xを消して Y·Z にまとめられる。 (1,0,0)と(1,0,1)はZだけが違うので、Zを消して X·Ȳ にまとめられる。 したがって F=X·Ȳ+Y·Z。答(2)。 8通りすべてで確かめる。 000→0,001→0,010→0,011→1,100→1,101→1,110→0,111→1。 元の式でも 011(X̄YZ)、100(XȲZ̄)、101(XȲZ)、111(XYZ)の四つだけが1なので、完全に一致する。 (1)の X·Y+X·Z は 110 で1になってしまうが、元の式は110で0なので当たらない。1になる組合せを書き出してから照合すると、こうした食い違いがすぐ見つかる。 変数が1つだけ違う項どうしをまとめる、というのが簡単化の基本である。カルノー図を書けば、隣り合う1のマスを2つずつ囲む操作にあたる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 機械 問18(a)
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問 18(b)
論理関数について,次の問に答えよ。 〔小問(b)〕 論理式 (X+Y+Z)·(X+Y+Z̄)·(X+Ȳ+Z) を和積形式で簡単化したものとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:1
最初の二つの因数をまとめる。A=X+Y とおくと (A+Z)(A+Z̄)=A+Z·Z̄=A+0=A なので (X+Y+Z)(X+Y+Z̄)=X+Y。 残りと合わせて F=(X+Y)(X+Ȳ+Z)。 さらに整理する。B=X とおいて分配法則を使うと (X+Y)(X+Ȳ+Z)=X+Y(Ȳ+Z)=X+(Y·Ȳ+Y·Z)=X+Y·Z。 これを和積形式に戻すと X+Y·Z=(X+Y)(X+Z)。答(1)。 0になる組合せで確かめてもよい。各因数が0になるのは (X+Y+Z)=0 → (0,0,0) (X+Y+Z̄)=0 → (0,0,1) (X+Ȳ+Z)=0 → (0,1,0) の三つだけで、それ以外は1である。 一方 (X+Y)(X+Z) が0になるのは、X=0 かつ(Y=0 または Z=0)のときで、(0,0,0)・(0,0,1)・(0,1,0) の三つ。完全に一致する。 和積形式の簡単化は、積和形式の裏返しである。「Zだけが違う二つの和項はZを消してまとめられる」という関係が、積和のときの「Zだけが違う二つの積項はZを消してまとめられる」に対応している。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 機械 問18(b)
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