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電験3種 2020年度(令和2年度) 理論

18問 ・ 目安 正答率60% ・ 2020年9月13日実施

電験三種(第三種電気主任技術者)の2020年度(令和2年度) 理論試験で実際に出題された全18問を、1問ずつその場で答え合わせしながら演習できます。2020年9月13日実施・合否の目安は正答率60%(演習の目安)。各問に正解と、なぜその選択肢になるのかの解説を付けています。

本試験の合格基準:理論・電力・機械・法規の科目ごとに合否判定。各科目100点満点中原則60点以上で科目合格、4科目すべて合格で試験合格。

この回:令和2年度・理論:合格基準は100点満点中60点以上(試験センターの公表値)。

出典:令和2年度第三種電気主任技術者試験の結果について(令和2年10月23日・令和3年2月26日訂正)。このページの「目安 正答率60%」は演習の目安で、本試験の採点方法とは異なります。

この回は 一般財団法人 電気技術者試験センター が公開する本試験問題を、当サイトがその場で答え合わせできる一問一答形式に再編し、公式には付いていない「正解の根拠・各選択肢の解き方」の解説を追記したものです。原題の出典は各問に明記しています。

過去問の解答結果は学習記録・段位には反映されません。過去問は出題当時の法令・制度にもとづく問題を含むため、段位は継続して最新化している一問一答・模擬試験だけで判定しています。過去問を解かなくても段位で不利になることはありませんので、実力試しとして気軽にお使いください。

問 1
図のように,紙面に平行な平面内の平等電界E[V/m]中で2 Cの点電荷を点Aから点Bまで移動させ,さらに点Bから点Cまで移動させた。この移動に,外力による仕事W=14 Jを要した。点Aの電位に対する点Bの電位V_BA[V]の値として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 ただし,点電荷の移動はゆっくりであり,点電荷の移動によってこの平等電界は乱れないものとする。
問1の図
正解:3
平等電界の中では、電位は電界の向きに測った距離だけで決まる。電界に垂直な向きへどれだけ動いても電位は変わらない。この一点を押さえると計算はごく短くなる。 まず外力の仕事から点Cと点Aの電位差を出す。ゆっくり動かしているので、外力の仕事はそのまま位置エネルギーの増加になり W=q(V_C−V_A)。 したがって V_C−V_A=14/2=7 V。 つぎに図の寸法を電界の向き(右向き)に沿った成分だけで読む。点Aから点Bへは電界と逆向きに1.0 m、点Bから点Cへは電界の向きに0.3 m進んでいる。0.4 mは電界に垂直な向きなので電位には効かない。したがって点Aから見た点Cは、電界と逆向きに正味 1.0−0.3=0.7 m の位置にある。 電界と逆向きに距離dだけ進むと電位はEdだけ上がるので V_C−V_A=E×0.7=7 → E=10 V/m。 求める V_BA は点Aから電界と逆向きに1.0 m進んだ点なので V_BA=E×1.0=10 V。答(3)。 (4)の14は、仕事14 Jを電荷2 Cで割り忘れた値である。電位は「1 Cあたりの位置エネルギー」なので必ず電荷で割る。 (2)の7は V_C−V_A の値そのもので、問われている V_BA ではない。BとCでは電界方向の位置が0.3 mずれているぶんだけ電位が違う。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 理論 問1
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問 2
四本の十分に長い導体円柱①〜④が互いに平行に保持されている。①〜④は等しい直径を持ち,図の紙面を貫く方向に単位長さあたりの電気量+Q[C/m]又は−Q[C/m]で均一に帯電している。ただし,Q>0とし,①の帯電電荷は正電荷とする。円柱の中心軸と垂直な面内の電気力線の様子を図に示す。ただし,電気力線の向きは示していない。このとき,①〜④が帯びている単位長さあたりの電気量の組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
問2の図
正解:2
電気力線は正電荷から出て負電荷に入る。したがって2本の円柱が電気力線で直接つながっていれば、その2本は必ず逆の符号である。向きが描かれていなくても、つながっているかどうかだけで符号の関係が決まる。 図を見ると、①と③のあいだに何本もの電気力線が束になって渡っている。したがって③は①と逆で−Qである。 同じように②と③のあいだにも束がある。③が−Qなので②は+Qである。 ④は①との間に、上を大きく回り込む電気力線でつながっている。したがって④は①と逆で−Qである。 ①+Q/②+Q/③−Q/④−Qとなり答(2)。 確かめとして電荷の総和を見ると +Q+Q−Q−Q=0 で釣り合っている。総和が零なら遠方に電界が残らず、すべての電気力線が四本の円柱のあいだで閉じる。図で外へ広がっている線も、描かれていない外側で戻ってきていることになる。 (1)のようにすべて同符号だと、電気力線どうしは反発するだけで円柱と円柱をつなぐ束はできない。図に束が描かれている時点で、同符号だけの組合せは外れる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 理論 問2
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問 3
平等な磁束密度B₀[T]のもとで,一辺の長さがh[m]の正方形ループABCDに直流電流I[A]が流れている。B₀の向きは辺ABと平行である。B₀がループに及ぼす電磁力として,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
問3の図
正解:3
四つの辺を一つずつ見る。導体に働く力はF=IlB sinθで、電流と磁界が平行な辺には力が働かない。 辺ABと辺CDはB₀と平行(一方は逆向き)なので、どちらも力は零である。 辺BCと辺DAはB₀と直角なので、それぞれ大きさ F=IhB₀[N] の力を受ける。この二つの辺では電流の向きが互いに逆なので、力の向きも逆になる。フレミングの左手の法則で確かめると、一方は紙面から手前へ、もう一方は紙面の奥へ向く。 大きさが等しく向きが逆で、作用線がずれている二つの力は偶力である。合力は零なので、ループが平行移動することはない。 偶力のモーメントは「力×二つの作用線の間隔」で、間隔は辺ABの長さhだから M=IhB₀×h=Ih²B₀[N·m]。答(3)。 合力が零になることが先に分かるので、(1)(2)のように「力」を答とする選択肢はこの時点で外れる。 これはそのまま直流電動機の原理である。コイルは磁界の中で回そうとするトルクを受け、平行移動はしない。単位も、力なら[N]、偶力のモーメントなら[N·m]と選択肢に書き分けられているので、そこからも確かめられる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 理論 問3
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問 4
磁力線は,磁極の働きを理解するのに考えた仮想的な線である。この磁力線に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:4
磁力線と磁束線は別のもので、この問題はその区別を問うている。 磁力線の密度が表すのは磁界の強さH[A/m]であって、磁束密度B[T]ではない。磁束密度を表すのは磁束線の密度である。したがって(4)が誤りで、これが答になる。両者は B=μH で結ばれており、透磁率μの違いを含むかどうかが違う。 他の記述を確かめる。(1)磁力線はN極から出てS極に入る、と決められている。(2)m[Wb]の磁極からは m/μ 本の磁力線が出入りする。磁束線なら m 本である。この二つの本数の違いが、そのまま密度の違い=HとBの違いになる。(3)磁力線の接線の向きがその点の磁界の向きを表す。(5)磁力線は同じ向きどうしが並ぶと横に押し合い、途中で交わることはない。交われば、その点で磁界の向きが二つあることになってしまう。 (2)が正しいことと(4)が誤りであることは同じ話の裏表である。1本あたりの重みが 1/μ になっているのだから、密度に μ を掛けなければ磁束密度にならない。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 理論 問4
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問 5
次に示す,A,B,C,Dの四種類の電線がある。いずれの電線もその長さは1 kmである。この四つの電線の直流抵抗値をそれぞれR_A[Ω],R_B[Ω],R_C[Ω],R_D[Ω]とする。R_A〜R_Dの大きさを比較したとき,その大きさの大きい順として,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし,ρは各導体の抵抗率とし,また,各電線は等断面,等質であるとする。 A:断面積が9×10⁻⁵ m²の鉄(ρ=8.90×10⁻⁸ Ω·m)でできた電線 B:断面積が5×10⁻⁵ m²のアルミニウム(ρ=2.50×10⁻⁸ Ω·m)でできた電線 C:断面積が1×10⁻⁵ m²の銀(ρ=1.47×10⁻⁸ Ω·m)でできた電線 D:断面積が2×10⁻⁵ m²の銅(ρ=1.55×10⁻⁸ Ω·m)でできた電線
正解:4
抵抗は R=ρL/A で求める。長さはどれも1 km=1 000 mで共通なので、ρ/A の大小だけを比べればよい。 A:8.90×10⁻⁸×1 000/(9×10⁻⁵)=8.90×10⁻⁵/(9×10⁻⁵)≒0.989 Ω B:2.50×10⁻⁸×1 000/(5×10⁻⁵)=2.50×10⁻⁵/(5×10⁻⁵)=0.500 Ω C:1.47×10⁻⁸×1 000/(1×10⁻⁵)=1.47×10⁻⁵/(1×10⁻⁵)=1.47 Ω D:1.55×10⁻⁸×1 000/(2×10⁻⁵)=1.55×10⁻⁵/(2×10⁻⁵)=0.775 Ω 大きい順に C(1.47)>A(0.989)>D(0.775)>B(0.500) となり答(4)。 銀は抵抗率が最も小さいのに抵抗は最も大きい。断面積が他の1/2〜1/9しかないためである。「抵抗率が小さい=抵抗が小さい」と早合点すると、Cを最後に置いてしまう。抵抗率と断面積を必ずセットで見る。 計算は 10⁻⁸×1 000=10⁻⁵ とまとめてしまうと、どの行も 10⁻⁵ どうしの割り算になって指数が消える。桁を書き並べるより間違えにくい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 理論 問5
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問 6
図のように,三つの抵抗R₁=3 Ω,R₂=6 Ω,R₃=2 Ωと電圧V[V]の直流電源からなる回路がある。抵抗R₁,R₂,R₃の消費電力をそれぞれP₁[W],P₂[W],P₃[W]とするとき,その大きさの大きい順として,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
問6の図
正解:2
R₂とR₃は並列で、その組がR₁と直列になっている。並列部分の合成抵抗は 6×2/(6+2)=1.5 Ω なので、回路全体は 3+1.5=4.5 Ω である。 Vは与えられていないが、大小を比べるだけなので都合のよい値でよい。V=4.5 Vとすると全電流は1 Aになる。 R₁には全電流1 Aが流れるので P₁=1²×3=3 W。 並列部分にかかる電圧は 1×1.5=1.5 V なので P₂=1.5²/6=0.375 W,P₃=1.5²/2=1.125 W。 大きい順に P₁(3)>P₃(1.125)>P₂(0.375) となり答(2)。 数を入れずに考えることもできる。並列の2本には同じ電圧がかかるので、P=V²/R より抵抗の小さいR₃のほうが大きい。したがって必ず P₃>P₂ である。またR₁は全電流を受け持ち、しかも抵抗が並列合成の1.5 Ωより大きいので P₁ が最大になる。この二つでP₁>P₃>P₂と決まる。 直列に並ぶ素子は電流が同じなので P=I²R で抵抗の大きいほうが大きく、並列に並ぶ素子は電圧が同じなので P=V²/R で抵抗の小さいほうが大きい。使い分けを間違えると順序が逆になる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 理論 問6
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問 7
図のように,直流電源にスイッチS,抵抗5個を接続したブリッジ回路がある。この回路において,スイッチSを開いたとき,Sの両端間の電圧は1 Vであった。スイッチSを閉じたときに8 Ωの抵抗に流れる電流Iの値[A]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
問7の図
正解:1
ブリッジの平衡していない枝に流れる電流を求める問題なので、テブナンの定理を使う。Sと8 Ωの直列枝を外し、その両端から見た等価電源を作る。 開放電圧は、設問が「Sを開いたときSの両端間の電圧は1 V」と与えてくれているので E₀=1 V である。 内部抵抗は、電源を短絡して枝の両端から見た抵抗になる。電源を短絡すると、上側の節点から見て 1 Ωと4 Ωが並列、下側の節点から見て 2 Ωと3 Ωが並列になり、それが直列につながる。 R₀=1×4/(1+4)+2×3/(2+3)=0.8+1.2=2.0 Ω。 したがってSを閉じたときの電流は I=1/(2.0+8)=0.10 A。答(1)。 (3)の1.0は、内部抵抗を無視して 1 V を 1 Ω 相当で割ったような扱いをした場合に出る。8 Ωだけで割っても 0.125 で、これも選択肢には無い。内部抵抗2 Ωを足すかどうかで答が変わるので、必ず求める。 開放電圧が与えられているので、電源電圧5 Vや各抵抗の分圧を追いかける必要はない。実際に確かめると、Sを開いたときは上の枝が1+4=5 Ω、下の枝が2+3=5 Ωで、どちらにも1 Aが流れ、Sの両端の電位差は 1×1−1×2 の大きさで1 Vとなり、設問の条件と合う。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 理論 問7
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問 8
図のように,静電容量2 μFのコンデンサ,R[Ω]の抵抗を直列に接続した。この回路に,正弦波交流電圧10 V,周波数1 000 Hzを加えたところ,電流0.1 Aが流れた。抵抗Rの値[Ω]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
問8の図
正解:4
まず回路全体のインピーダンスを電圧と電流から出す。 Z=V/I=10/0.1=100 Ω。 つぎに容量性リアクタンスを求める。 X_C=1/(2πfC)=1/(2π×1 000×2×10⁻⁶)≒79.6 Ω。 抵抗とコンデンサの直列なので Z=√(R²+X_C²) が成り立ち R=√(Z²−X_C²)=√(100²−79.6²)=√(10 000−6 336)=√3 664≒60.5 Ω。答(4)。 (5)の79.6はX_Cそのもので、抵抗ではない。求めるのはRなので、Zから直角三角形の残りの辺として取り出す。 直列回路では R と X_C を単純に足し引きしてはいけない。100−79.6=20.4 とすると(2)になるが、抵抗とリアクタンスは位相が90°違うので、大きさは二乗して足す。この「引いてしまう」誤りをそのまま選択肢にしてあるので注意する。 確かめとして力率を見ると cosθ=R/Z=60.5/100=0.605 で、抵抗とリアクタンスが同じくらいの回路として無理のない値になっている。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 理論 問8
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問 9
図のように,R[Ω]の抵抗,インダクタンスL[H]のコイル,静電容量C[F]のコンデンサと電圧V̇[V],角周波数ω[rad/s]の交流電源からなる二つの回路AとBがある。両回路においてそれぞれω²LC=1が成り立つとき,各回路における図中の電圧ベクトルと電流ベクトルの位相の関係として,正しいものの組合せを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし,ベクトル図における進み方向は反時計回りとする。 (選択肢は原本から切り出したベクトル図で示す。各図とも左が回路A,右が回路Bである。)
問9の図
正解:2
ω²LC=1 は ωL=1/(ωC) と同じで、コイルとコンデンサのリアクタンスの大きさが等しい共振の条件である。 回路A(直列)を見る。直列共振ではリアクタンスが打ち消し合ってインピーダンスはRだけになり、電流İは電源電圧V̇と同相になる。この電流を基準にすると、V̇_R=Rİ は電流と同相だからV̇とも同相で右向き。V̇_L=jωLİ は電流より90°進むので上向き。V̇_C=−j(1/ωC)İ は90°遅れるので下向き。大きさは V̇_L と V̇_C が等しく、足すと零になる。 回路B(並列)を見る。並列では電圧V̇が共通なのでV̇を基準にする。İ_R=V̇/R は同相で右向き。İ_L=V̇/(jωL) は電圧より90°遅れるので下向き。İ_C=jωCV̇ は90°進むので上向き。 したがって回路Aは「上がV̇_L・下がV̇_C」、回路Bは「上がİ_C・下がİ_L」となる。この組合せは(2)だけである。答(2)。 (1)は回路Aは合っているが回路BでİとCの上下が逆になっている。コイルは電流が遅れ、コンデンサは電流が進む、という向きを取り違えたものである。 直列と並列で上下が入れ替わることが、この問題のすべてである。直列は電流が共通なので「コイルの電圧が進む」、並列は電圧が共通なので「コンデンサの電流が進む」と、何を基準にしているかをそのつど確かめる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 理論 問9
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問 10
図の回路のスイッチを閉じたあとの電圧v(t)の波形を考える。破線から左側にテブナンの定理を適用することで,回路の時定数[s]とv(t)の最終値[V]の組合せとして,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 ただし,初めスイッチは開いており,回路は定常状態にあったとする。
問10の図
正解:2
設問の指示どおり、破線から左側をテブナンの等価回路に置き換える。 開放電圧は、コンデンサを外した状態で1 Ωにかかる電圧である。10 Vが3 Ωと1 Ωで分圧されるので E₀=10×1/(3+1)=2.5 V。 内部抵抗は、電源を短絡して破線の位置から見た抵抗なので、3 Ωと1 Ωの並列で R₀=3×1/(3+1)=0.75 Ω。 したがって、スイッチを閉じたあとの回路は「2.5 Vの電源+0.75 Ωの抵抗+1 Fのコンデンサ」と同じである。 時定数は τ=R₀C=0.75×1=0.75 s。 最終値は、十分時間がたつと充電電流が零になり抵抗での電圧降下も零になるので、開放電圧そのままで v(∞)=2.5 V。答(2)。 (1)の10 Vは電源電圧をそのまま最終値としたもの。3 Ωがあるので、コンデンサの電圧が電源電圧まで上がることはない。 (3)の4 sは、内部抵抗を3+1=4 Ωと直列に足してしまった場合の値である。テブナンの内部抵抗は電源を短絡して求めるので、3 Ωと1 Ωは並列になる。 なお「初めスイッチは開いており定常状態」という条件から、スイッチを閉じる直前のコンデンサの電圧は0 Vである。0 Vから2.5 Vへ、時定数0.75 sで近づいていく。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 理論 問10
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問 11
次の文章は,可変容量ダイオード(バリキャップやバラクタダイオードともいう)に関する記述である。 可変容量ダイオードとは,図に示す原理図のように (ア) 電圧V[V]を加えると静電容量が変化するダイオードである。p形半導体とn形半導体を接合すると,p形半導体のキャリヤ(図中の●印)とn形半導体のキャリヤ(図中の○印)がpn接合面付近で拡散し,互いに結合すると消滅して (イ) と呼ばれるキャリヤがほとんど存在しない領域が生じる。可変容量ダイオードに (ア) 電圧を印加し,その大きさを大きくすると, (イ) の領域の幅dが (ウ) なり,静電容量の値は (エ) なる。この特性を利用して可変容量ダイオードは (オ) などに用いられている。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
問11の図
正解:1
(ア) 可変容量ダイオードは逆方向電圧を加えて使う。順方向にすると電流が流れてしまい、コンデンサとして働かない。 (イ) pn接合面付近でキャリヤが打ち消し合ってできる、キャリヤのほとんど無い領域を空乏層という。反転層はMOSトランジスタのゲート下にできる別の領域で、ここでは出てこない。 (ウ) 逆方向電圧を大きくすると、キャリヤがさらに接合面から引き離されるので、空乏層の幅dは広くなる。 (エ) 空乏層は平行板コンデンサの誘電体にあたる。C=εS/d なので、dが広くなれば静電容量は小さくなる。ここが「電圧で容量を変える」という働きの中心である。 (オ) 電圧で容量が変わるので、共振周波数を電圧で選べる。無線通信の同調回路(受信機の選局)に使われる。光通信の受光回路に使うのはフォトダイオードで、別のダイオードである。 逆方向/空乏層/広く/小さく/無線通信の同調回路となり答(1)。 (ウ)と(エ)は C=εS/d で必ず逆向きに動く。「広く」なのに「大きく」としている(3)は、この式と食い違うので、式を書けばその場で外せる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 理論 問11
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 12
次のような実験を真空の中で行った。 まず,箔検電器の上部アルミニウム電極に電荷Q[C]を与えたところ,箔が開いた状態になった。次に,箔検電器の上部電極に赤外光,可視光,紫外光の順に光を照射したところ,紫外光を照射したときに箔が閉じた。ただし,赤外光,可視光,紫外光の強度はいずれも上部電極の温度をほとんど上昇させない程度であった。 この実験から分かることとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
問12の図
正解:5
紫外光のときだけ箔が閉じた、という一点から光電効果だと分かる。光電効果は、金属に当たる光の振動数がある値(限界振動数)を超えたときにだけ電子が飛び出す現象で、赤外光・可視光では起きず紫外光で起きた、という結果と合う。電子が飛び出せば電荷が減り、箔を開かせていた反発力が無くなって閉じる。したがって(5)が正しい。 他の記述を確かめる。 (1) 電子が飛び出して電荷が減ったのだから、もとの電荷は負でなければならない。正に帯電していたら、飛び出そうとする電子は引き戻されるうえ、電子が出れば正電荷はさらに増えて箔は開いたままになる。したがって「正であった可能性もある」は誤り。 (2) 光電効果が起きるかどうかを決めるのは光の振動数であって強度ではない。紫外光を弱くすると飛び出す電子の数が減って閉じるまでの時間は延びるが、まったく閉じなくなることはない。 (3) 熱電子は金属を高温にしたときに出るもので、しかも「吸収された」では箔が閉じる説明にならない。設問は温度がほとんど上がらない強度だと断っている。 (4) 電極の電気抵抗が下がっても、真空中では電荷の逃げ道が無いので箔は閉じない。 光電効果は「強度ではなく振動数で決まる」という点が要である。(2)はまさにそこを取り違えさせるために置かれている。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 理論 問12
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 13
演算増幅器及びそれを用いた回路に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
問13の図
正解:5
図1は入力を非反転入力(+端子)に加えているので正相増幅回路で、その電圧増幅度は A=1+R_F/R_S である。 ここでR_S=0 Ω(短絡)、R_F=∞ Ω(開放)とすると R_F/R_S は無限大になり、増幅度は1にならない。ボルテージホロワ(増幅度1)にするには、逆にR_Fを0 Ω(短絡)にするか、R_Sを∞ Ω(開放)にする。したがって(5)が誤りで、これが答になる。 他の記述を確かめる。(1)演算増幅器は内部にトランジスタを持つ能動素子なので、正負の電源が要る。(2)入力インピーダンスは非常に大きく、理想的には無限大として扱う。だから+端子や−端子には電流が流れ込まないとみなせる。(3)帰還をかけずに使えば、二つの入力の大小で出力が飽和まで振れる比較器になる。(4)図1は入力が+端子で正相増幅回路、図2は入力がR_Sを通って−端子に入り+端子が接地されているので逆相増幅回路である。 (4)が正しいことを確かめておくと、(5)が図1=正相増幅回路についての記述だとはっきりする。増幅度の式 1+R_F/R_S を書いてから0と∞を代入すれば、迷わずに判定できる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 理論 問13
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 14
物理現象と,その計測・検出のための代表的なセンサの原理との組合せとして,不適切なものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:1
電磁誘導に関するファラデーの法則は、磁束の変化が起電力を生むという法則で、光を検出する原理にはならない。光を検出するのは、光電効果を使う光電管や、半導体のpn接合で光起電力を生じる太陽電池・フォトダイオード、光で抵抗が変わる光導電効果を使うCdSセルなどである。したがって(1)が不適切で、これが答になる。 他の組合せを確かめる。 (2)超音波と圧電現象。圧電素子は力を加えると電圧を生じ、逆に電圧を加えると変形する。この両方向の性質で超音波の送信と受信ができる。超音波センサや魚群探知機の原理である。 (3)温度とゼーベック効果。二種類の金属をつないで両端に温度差をつけると起電力が生じる。熱電対の原理で、温度計として広く使われる。 (4)圧力とピエゾ抵抗効果。半導体にひずみを与えると抵抗率が変わる。ダイヤフラムの変形を抵抗変化として読む半導体圧力センサの原理である。 (5)磁気とホール効果。電流を流した導体や半導体に磁界を加えると、電流と磁界の両方に垂直な向きに電圧が生じる。ホール素子として磁界の測定や回転位置の検出に使われる。 なお電磁誘導そのものは、回転速度の検出(発電機式のタコジェネレータ)や電流の検出(変流器)には使える。使えない相手が「光」だという点がこの問題の要である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 理論 問14
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 15(a)
図のように,線間電圧(実効値)200 Vの対称三相交流電源に,1台の単相電力計W₁,X=4 Ωの誘導性リアクタンス3個,R=9 Ωの抵抗3個を接続した回路がある。単相電力計W₁の電流コイルはa相に接続し,電圧コイルはb−c相間に接続され,指示は正の値を示していた。この回路について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 ただし,対称三相交流電源の相順は,a,b,cとし,単相電力計W₁の損失は無視できるものとする。 〔小問(a)〕 R=9 Ωの抵抗に流れる電流I_abの実効値[A]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
問15(a)の図
正解:2
抵抗はΔ結線なので、そのままでは線電流と枝の電流が違って扱いにくい。Δ結線をY結線に直してから解く。 ΔをYに直すと抵抗は1/3になるので R_Y=9/3=3 Ω。 1相分のインピーダンスは、線路の誘導性リアクタンスと直列になって Ż=3+j4,|Ż|=√(3²+4²)=5 Ω。 1相分の電圧(相電圧)は E=200/√3≒115.5 V なので、線電流は I=115.5/5≒23.1 A。 Δ結線の枝に流れる電流は線電流の1/√3だから I_ab=23.1/√3≒13.3 A。答(2)。 (4)の23.1は線電流そのもので、Δの枝の電流ではない。Δ結線では線電流のほうが√3倍大きいので、最後に必ず√3で割る。 (3)の17.3は 200/(√3×…) のように相電圧と線間電圧を取り違えた場合などに近い値である。Y換算したあとの1相分にかかるのは相電圧115.5 Vであって、線間電圧200 Vではない。 Δ-Y変換で抵抗を1/3にすると同時に、最後に電流を√3で割る——この二つは対になっている。片方だけ忘れると3倍または1/3倍ずれる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 理論 問15(a)
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問 15(b)
図のように,線間電圧(実効値)200 Vの対称三相交流電源に,1台の単相電力計W₁,X=4 Ωの誘導性リアクタンス3個,R=9 Ωの抵抗3個を接続した回路がある。単相電力計W₁の電流コイルはa相に接続し,電圧コイルはb−c相間に接続され,指示は正の値を示していた。この回路について,次の問に答えよ。 ただし,対称三相交流電源の相順は,a,b,cとし,単相電力計W₁の損失は無視できるものとする。 〔小問(b)〕 単相電力計W₁の指示値[kW]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 (小問(a)より,1相分のインピーダンスはŻ=3+j4で線電流は約23.1 Aである。)
問15(b)の図
正解:3
単相電力計の指示は「電圧コイルにかかる電圧」×「電流コイルを流れる電流」×「その二つの位相差の余弦」である。電圧コイルはb−c相間、電流コイルはa相なので、V̇_bc と İ_a の関係を求める。 相電圧を V̇_a=E∠0°,V̇_b=E∠−120°,V̇_c=E∠120°(E≒115.5 V)とすると V̇_bc=V̇_b−V̇_c=E(∠−120°−∠120°)=200∠−90° V。 線間電圧の大きさは200 Vで、位相はV̇_aより90°遅れている。 一方、a相の電流は İ_a=V̇_a/Ż=115.5∠0°/(5∠53.13°)=23.1∠−53.13° A。 インピーダンス角は tan⁻¹(4/3)=53.13°である。 二つの位相差は −90°−(−53.13°)=−36.87° なので W₁=200×23.1×cos(−36.87°)=200×23.1×0.8≒3 700 W=3.70 kW。答(3)。 位相差が 36.87° になるのは、電圧コイルの V̇_bc がもともと90°遅れていて、そこから電流の遅れ53.13°を差し引くからである。つまりこの接続の指示は 200×23.1×cos(90°−53.13°) で、cos(90°−θ)=sinθ を使えば「線間電圧×線電流×sin(インピーダンス角)」とも書ける。無効電力を1台の電力計で測る接続として知られている形である。 (1)の0は、電圧コイルと電流コイルが直交して指示が零になる場合の値で、負荷が純抵抗(θ=0)のときにそうなる。この回路は誘導性なので零にはならない。 設問が「指示は正の値を示していた」と断っているのは、位相差が90°を超えて負にならないことを教えるためである。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 理論 問15(b)
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問 16(a)
最大目盛150 V,内部抵抗18 kΩの直流電圧計V₁と最大目盛300 V,内部抵抗30 kΩの直流電圧計V₂の二つの直流電圧計がある。ただし,二つの直流電圧計は直動式指示電気計器を使用し,固有誤差はないものとする。次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 二つの直流電圧計を直列に接続して使用したとき,測定できる電圧の最大の値[V]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:4
直動式の電圧計は、内部に流れる電流で針が振れる。最大目盛は「内部抵抗にその電流が流れたときの電圧」なので、まず各計器が満目盛になるときの電流を出す。 V₁:150/18 000≒8.33 mA V₂:300/30 000=10 mA 直列につなぐと両方に同じ電流が流れる。したがって流せる電流は小さいほうの8.33 mAが上限で、これを超えるとV₁が振り切れてしまう。 8.33 mAのとき、それぞれの読みは V₁:150 V(満目盛) V₂:8.33×10⁻³×30 000=250 V となり、測定できる最大の電圧は 150+250=400 V。答(4)。 (5)の450は、両方が同時に満目盛になると考えて 150+300 とした値である。直列では電流が共通なので、満目盛電流の違う二つが同時に振り切れることはない。 (2)の225は、二つの内部抵抗の比から分圧だけを考えた場合などに出る値である。決め手は電圧の比ではなく、許される電流の小さいほうである。 感度(満目盛電流)が違う計器を直列にするときは、必ず感度の低いほう=満目盛電流の小さいほうが上限を決める、と覚える。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 理論 問16(a)
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問 16(b)
最大目盛150 V,内部抵抗18 kΩの直流電圧計V₁と最大目盛300 V,内部抵抗30 kΩの直流電圧計V₂の二つの直流電圧計がある。ただし,二つの直流電圧計は直動式指示電気計器を使用し,固有誤差はないものとする。次の問に答えよ。 〔小問(b)〕 次に,直流電圧450 Vの電圧を測定するために,二つの直流電圧計の指示を最大目盛にして測定したい。そのためには,直流電圧計 (ア) に,抵抗 (イ) kΩを (ウ) に接続し,これに直流電圧計 (エ) を直列に接続する。このように接続して測定することで,各直流電圧計の指示を最大目盛にして測定をすることができる。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:2
二つの計器を直列にして両方を満目盛にできれば、測れる電圧は 150+300=450 V になり、ちょうど目的に合う。問題は、満目盛電流がV₁は8.33 mA、V₂は10 mAと違うことである。 そこで、電流の多いほうを主線に置き、少ないほうには余った電流を横へ逃がしてやる。すなわちV₁に抵抗を並列に接続し、その抵抗に差の電流を流す。 逃がすべき電流は 10−8.33≒1.667 mA。 この抵抗にはV₁と同じ150 Vがかかるので R=150/(1.667×10⁻³)≒90 000 Ω=90 kΩ。 したがって(ア)V₁、(イ)90、(ウ)並列、(エ)V₂となり答(2)。 (1)のように直列に入れると、その抵抗ぶんだけ電圧を食うだけで電流は分けられず、V₁を満目盛にできない。分流させたいのだから並列である。 (4)の18 kΩは、V₁の内部抵抗と同じ値を並列にした場合で、そのときは電流がちょうど半分ずつに分かれて逃がす電流が8.33 mAになってしまう。必要なのは1.667 mAなので、内部抵抗の5倍にあたる90 kΩになる。 検算をすると、90 kΩと18 kΩの並列は15 kΩ。ここに10 mAを流すと 150 V となり、V₁は確かに満目盛である。合計の電圧は 150+10×10⁻³×30 000=150+300=450 V で条件に合う。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 理論 問16(b)
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問 17(a)
図のように,誘電体の種類,比誘電率,絶縁破壊電界,厚さがそれぞれ異なる三つの平行板コンデンサ①〜③がある。極板の形状と大きさは同一で,コンデンサの端効果,初期電荷及び漏れ電流は無視できるものとする。上側の極板に電圧V₀[V]の直流電源を接続し,下側の極板を接地した。次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 各平行板コンデンサへの印加電圧の大きさが同一のとき,極板間の電界の強さの大きい順として,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
問17(a)の図
正解:5
平行板コンデンサの内部は平等電界なので、電界の強さは E=V/d で決まる。印加電圧Vが同じなら、厚さdが薄いほど電界は強い。比誘電率も絶縁破壊電界も、この小問には関係しない。 図から厚さを読むと ①4.0 mm、②1.0 mm、③0.5 mm である。同じ電圧Vを加えたときの電界は ①:V/4.0,②:V/1.0,③:V/0.5=2V となり、大きい順に ③>②>① である。答(5)。 厚さの順序をそのまま裏返しただけなので、比誘電率1・2・4という並びに引きずられて①>②>③としないこと。比誘電率が効くのは静電容量 C=ε₀ε_r S/d のほうで、電界の強さには現れない。 誘電体の中の電界が V/d で決まる、というのは「電圧は電界を距離で積分したもの」という関係そのものである。誘電体を入れると同じ電圧でも蓄えられる電荷は増えるが、電界の強さは変わらない。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 理論 問17(a)
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問 17(b)
図のように,誘電体の種類,比誘電率,絶縁破壊電界,厚さがそれぞれ異なる三つの平行板コンデンサ①〜③がある。極板の形状と大きさは同一で,コンデンサの端効果,初期電荷及び漏れ電流は無視できるものとする。上側の極板に電圧V₀[V]の直流電源を接続し,下側の極板を接地した。次の問に答えよ。 〔小問(b)〕 各平行板コンデンサへの印加電圧をそれぞれ徐々に上昇し,極板間の電界の強さが絶縁破壊電界に達したときの印加電圧(絶縁破壊電圧)の大きさの大きい順として,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
問17(b)の図
正解:2
電界の強さは E=V/d なので、これを逆に解くと絶縁破壊が起きる電圧は V=(絶縁破壊電界)×(厚さ) である。図の値をそのまま掛ける。 ①:10 kV/mm×4.0 mm=40 kV ②:20 kV/mm×1.0 mm=20 kV ③:50 kV/mm×0.5 mm=25 kV 大きい順に ①(40)>③(25)>②(20) となり答(2)。 小問(a)では厚さの薄い③が最も電界が強かったが、絶縁破壊電圧では①が最大になる。同じ図から逆の順序が出てくるところがこの問題の狙いである。電界の強さは薄いほど有利に見えるが、耐えられる電圧は「絶縁破壊電界×厚さ」なので、厚さが効いてくる。 ②と③の順序が入れ替わる点にも注意する。③は絶縁破壊電界が②の2.5倍あるが、厚さが半分なので、積は 25 kV と 20 kV でわずかに③が上になる。どちらか一方の値だけ見て決めると取り違える。 (5)は小問(a)の答をそのまま持ってきた場合の並びである。同じ①〜③でも問われているものが違うので、必ず掛け算をやり直す。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 理論 問17(b)
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問 18(a)
図1に示すエミッタ接地トランジスタ増幅回路について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 ただし,I_B[μA],I_C[mA]はそれぞれベースとコレクタの直流電流であり,i_b[μA],i_c[mA]はそれぞれの信号分である。また,V_BE[V],V_CE[V]はそれぞれベース−エミッタ間とコレクタ−エミッタ間の直流電圧であり,v_be[V],v_ce[V]はそれぞれの信号分である。さらに,v_i[V],v_o[V]はそれぞれ信号の入力電圧と出力電圧,V_CC[V]はバイアス電源の直流電圧,R₁[kΩ]とR₂[kΩ]は抵抗,C₁[F],C₂[F]はコンデンサである。なお,R₂=1 kΩであり,使用する信号周波数においてC₁,C₂のインピーダンスは無視できるほど十分小さいものとする。 〔小問(a)〕 図2はトランジスタの出力特性である。トランジスタの動作点をV_CE=(1/2)V_CC=6 Vに選ぶとき,動作点でのベース電流I_Bの値[μA]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
問18(a)の図
正解:3
図1の回路で、コレクタ側はV_CC=12 VからR₂=1 kΩを通ってコレクタにつながっている。したがって直流について V_CC=I_C R₂+V_CE が成り立ち、これを電流について書くと I_C=(V_CC−V_CE)/R₂=(12−V_CE)/1 [mA] となる。これが図2に引くべき直流負荷線である。 動作点は V_CE=6 V と指定されているので I_C=(12−6)/1=6 mA。 図2の出力特性で (V_CE, I_C)=(6 V, 6 mA) を通る曲線を読むと I_B=30 μA の曲線である。答(3)。 図2は曲線が10 μAごとに描かれ、I_Cはおよそ 10 μAあたり2 mA の間隔で並んでいる(10 μA→2 mA、20 μA→4 mA、…)。6 mAはちょうど30 μAの高さである。 電流増幅率でいえば h_FE=I_C/I_B=6 mA/30 μA=200 にあたる。この値が図2全体で保たれていることも、読み取りが正しいことの確かめになる。 V_CE を V_CC の半分に選ぶのは、出力電圧が上にも下にも同じだけ振れるようにするためである。小問(b)はその振れ幅を求める問題になっている。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 理論 問18(a)
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問 18(b)
図1に示すエミッタ接地トランジスタ増幅回路について,次の問に答えよ。 ただし,I_B[μA],I_C[mA]はそれぞれベースとコレクタの直流電流であり,i_b[μA],i_c[mA]はそれぞれの信号分である。また,V_BE[V],V_CE[V]はそれぞれベース−エミッタ間とコレクタ−エミッタ間の直流電圧であり,v_be[V],v_ce[V]はそれぞれの信号分である。さらに,v_i[V],v_o[V]はそれぞれ信号の入力電圧と出力電圧,V_CC[V]はバイアス電源の直流電圧,R₁[kΩ]とR₂[kΩ]は抵抗,C₁[F],C₂[F]はコンデンサである。なお,R₂=1 kΩであり,使用する信号周波数においてC₁,C₂のインピーダンスは無視できるほど十分小さいものとする。 〔小問(b)〕 小問(a)の動作点において,図1の回路に交流信号電圧v_iを入力すると,最大値10 μAの交流信号電流i_bと小問(a)の直流電流I_Bの和がベース(B)に流れた。このとき,図2の出力特性を使って求められる出力交流信号電圧v_o(=v_ce)の最大値[V]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 ただし,動作点付近においてトランジスタの出力特性は直線で近似でき,信号波形はひずまないものとする。 (小問(a)より,動作点のベース電流はI_B=30 μA,V_CE=6 Vである。)
問18(b)の図
正解:3
ベース電流は動作点の30 μAを中心に、最大値10 μAの信号が重なるので 20 μA 〜 40 μA のあいだを振れる。この両端で動作点がどこまで動くかを、直流負荷線 I_C=(12−V_CE)/1 [mA] の上で追う。 I_B=40 μAのとき、図2から I_C=8 mA。負荷線より V_CE=12−8×1=4 V。 I_B=20 μAのとき、図2から I_C=4 mA。負荷線より V_CE=12−4×1=8 V。 したがって V_CE は 6 V を中心に 4 V〜8 V を振れる。振幅(最大値)は v_o=8−6=6−4=2.0 V。答(3)。 (5)の3.0は、振れ幅そのもの(8−4=4 V)の半分ではなく別の取り方をした場合に出る値である。求められているのは最大値=振幅なので、全振幅4 Vの半分の2 Vになる。 入力の10 μAに対して出力が2 Vなので、増幅の様子も確かめられる。I_Bが10 μA増えるとI_Cは2 mA増え、それがR₂=1 kΩで2 Vの電圧になる、という筋道である。 ベース電流が増えるとコレクタ電流が増え、R₂での電圧降下が増えるので V_CE は下がる。入力と出力の位相が逆になるのがエミッタ接地増幅回路の特徴で、この計算にもそれが表れている。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 理論 問18(b)
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