資格道場
学習状況 お問い合わせ ログイン 無料登録
📄 本試験 過去問題

電験3種 2021年度(令和3年度) 法規

13問 ・ 目安 正答率60% ・ 2021年8月22日実施

電験三種(第三種電気主任技術者)の2021年度(令和3年度) 法規試験で実際に出題された全13問を、1問ずつその場で答え合わせしながら演習できます。2021年8月22日実施・合否の目安は正答率60%(演習の目安)。各問に正解と、なぜその選択肢になるのかの解説を付けています。

本試験の合格基準:理論・電力・機械・法規の科目ごとに合否判定。各科目100点満点中原則60点以上で科目合格、4科目すべて合格で試験合格。

この回:令和3年度・法規:合格基準は100点満点中60点以上(試験センターの公表値)。

出典:令和3年度第三種電気主任技術者試験の結果について(令和3年10月22日)。このページの「目安 正答率60%」は演習の目安で、本試験の採点方法とは異なります。

この回は 一般財団法人 電気技術者試験センター が公開する本試験問題を、当サイトがその場で答え合わせできる一問一答形式に再編し、公式には付いていない「正解の根拠・各選択肢の解き方」の解説を追記したものです。原題の出典は各問に明記しています。

過去問の解答結果は学習記録・段位には反映されません。過去問は出題当時の法令・制度にもとづく問題を含むため、段位は継続して最新化している一問一答・模擬試験だけで判定しています。過去問を解かなくても段位で不利になることはありませんので、実力試しとして気軽にお使いください。

この回の問題は,令和3年4月1日(2021年4月1日)現在で効力のある法令にもとづいて作成されています(原本の注記)。それ以降の法改正により、現行の条文・数値と異なる場合があります。

問 1
次の文章は,「電気事業法」に基づく調査の義務及びこれに関連する「電気設備技術基準の解釈」に関する記述である。 a) 一般用電気工作物と直接に電気的に接続する電線路を維持し,及び運用する者(以下,「 (ア) 」という。)は,その一般用電気工作物が経済産業省令で定める技術基準に適合しているかどうかを調査しなければならない。ただし,その一般用電気工作物の設置の場所に立ち入ることにつき,その所有者又は (イ) の承諾を得ることができないときは,この限りでない。 b) (ア) 又はその (ア) から委託を受けた登録調査機関は,上記a)の規定による調査の結果,電気工作物が技術基準に適合していないと認めるときは,遅滞なく,その技術基準に適合するようにするためとるべき (ウ) 及びその (ウ) をとらなかった場合に生ずべき結果をその所有者又は (イ) に通知しなければならない。 c) 低圧屋内電路の絶縁性能は,開閉器又は過電流遮断器で区切ることができる電路ごとに,絶縁抵抗測定が困難な場合においては,当該電路の使用電圧が加わった状態における漏えい電流が (エ) mA以下であること。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:4
(ア) 電気事業法57条1項が「一般用電気工作物と直接に電気的に接続する電線路を維持し、及び運用する者」を電線路維持運用者と定義している。設問の定義文がそのまま条文の言い回しなので、ここは一般送配電事業者等ではない。 (イ) 同項ただし書は「その所有者又は占有者の承諾を得ることができないとき」としている。土地や建物に立ち入る話なので、現に占めている人=占有者の承諾が要る。使用者ではない。 (ウ) 同条2項は「技術基準に適合するようにするためとるべき措置及びその措置をとらなかった場合に生ずべき結果」を通知させている。工事方法まで指定させるものではない。 (エ) 電気設備技術基準の解釈14条は、絶縁抵抗測定が困難な場合の低圧屋内電路について、漏えい電流1 mA以下であることを求めている。 電線路維持運用者/占有者/措置/1となり答(4)。 漏えい電流の1 mAは、絶縁抵抗を測る代わりの判定値として決められている。100 Vの電路なら 100/0.001=100 kΩ にあたり、電技58条が定める絶縁抵抗値(対地電圧150 V以下で0.1 MΩ)と同じ水準になる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 法規 問1
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 2
「電気工事業の業務の適正化に関する法律」に基づく記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:1
電気工事業を営もうとする者は、経済産業大臣又は都道府県知事の登録を受けなければならない(電気工事業法3条1項)。許可ではなく登録であり、また大臣だけでなく、営業所が一つの都道府県にしかなければ知事の登録になる。したがって(1)が誤りで、これが答になる。 もう一つ、(1)は「電気事業法に規定する電気工事」としているが、電気工事業法でいう電気工事は電気工事士法に規定するものである。この点でも誤っている。 他の記述を確かめる。(2)登録の有効期間は5年で、続けるには更新の登録を受ける(3条3項)。(3)営業所ごとに絶縁抵抗計、接地抵抗計、回路計などを備える(10条)。(4)営業所と施工場所ごとに標識を掲げる(25条)。(5)営業所ごとに帳簿を備えて記載・保存する(26条)。 許可・認可・登録・届出の区別は電気の法令でくり返し問われる。電気工事業は登録、電気事業のうち小売は登録、一般送配電事業は許可、というように制度ごとに違うので、名前で覚えるより制度ごとに押さえる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 法規 問2
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 3
次の文章は,「電気設備技術基準」の電気機械器具等からの電磁誘導作用による人の健康影響の防止における記述の一部である。 変圧器,開閉器その他これらに類するもの又は電線路を発電所,変電所,開閉所及び需要場所以外の場所に施設する場合に当たっては,通常の使用状態において,当該電気機械器具等からの電磁誘導作用により人の健康に影響を及ぼすおそれがないよう,当該電気機械器具等のそれぞれの付近において,人によって占められる空間に相当する空間の (ア) の平均値が, (イ) において (ウ) 以下になるように施設しなければならない。ただし,田畑,山林その他の人の (エ) 場所において,人体に危害を及ぼすおそれがないように施設する場合は,この限りでない。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:4
電気設備技術基準27条の2(電気機械器具等からの電磁誘導作用による人の健康影響の防止)の条文である。 (ア)(イ)(ウ) 規制されるのは磁束密度の平均値で、商用周波数において200 μT以下と定められている。この200 μTは、国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)が示す一般の人に対する50/60 Hzの参考レベルに合わせたものである。 (エ) ただし書は「田畑、山林その他の人の往来が少ない場所」としている。「居住しない場所」ではない。人が住んでいなくても行き来があれば規制の対象になる、という書き方である。 磁束密度/商用周波数/200 μT/往来が少ないとなり答(4)。 単位からも絞り込める。(ウ)の候補のうちA/mは磁界の強さの単位で、Tは磁束密度の単位である。(ア)と(ウ)は必ず対になるので、この二つが食い違っている組合せは選べない。 「商用周波数において」という限定にも意味がある。人体への影響は周波数によって大きく変わるので、全周波数に一律の値を当てはめることはしない。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 法規 問3
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 4
「電気設備技術基準の解釈」に基づく高圧及び特別高圧の電路に施設する避雷器に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし,いずれの場合も掲げる箇所に直接接続する電線は短くないものとする。
正解:2
電気設備技術基準の解釈37条1項が、避雷器を施設しなければならない箇所を四つ挙げている。 一 発電所又は変電所若しくはこれに準ずる場所の架空電線引込口(需要場所の引込口を除く。)及び引出口 二 架空電線路に接続する配電用変圧器の高圧側及び特別高圧側 三 高圧架空電線路から電気の供給を受ける受電電力が500 kW以上の需要場所の引込口 四 特別高圧架空電線路から電気の供給を受ける需要場所の引込口 第一号は引込口と引出口の両方を挙げている。したがって引出口を「施設することを要しない」とする(2)が誤りで、これが答になる。 他の記述を確かめる。(1)引込口は第一号にあたる。(3)受電電力50 kWは第三号の500 kW以上に届かないので、施設は要らない。(4)500 kWは第三号にちょうど当たる(「以上」なので500 kWを含む)。(5)特別高圧架空電線路からの受電は第四号にあたり、電圧の上限は付いていないので60 000 V以下も含まれる。 雷は線路を伝わって入ってくるので、線路が設備に入る所(引込口)と出る所(引出口)の両方で受け止める必要がある。第一号が二つ並べているのはそのためで、片方だけと覚えていると(2)を正しいと読んでしまう。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 法規 問4
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 5
次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」における発電機の保護装置に関する記述である。 発電機には,次に掲げる場合に,発電機を自動的に電路から遮断する装置を施設すること。 a) 発電機に (ア) を生じた場合 b) 容量が500 kV·A以上の発電機を駆動する (イ) の圧油装置の油圧又は電動式ガイドベーン制御装置,電動式ニードル制御装置若しくは電動式デフレクタ制御装置の電源電圧が著しく (ウ) した場合 c) 容量が100 kV·A以上の発電機を駆動する (エ) の圧油装置の油圧,圧縮空気装置の空気圧又は電動式ブレード制御装置の電源電圧が著しく (ウ) した場合 d) 容量が2 000 kV·A以上の (イ) 発電機のスラスト軸受の温度が著しく上昇した場合 e) 容量が10 000 kV·A以上の発電機の (オ) に故障を生じた場合 f) 定格出力が10 000 kWを超える蒸気タービンにあっては,そのスラスト軸受が著しく摩耗し,又はその温度が著しく上昇した場合 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:3
電気設備技術基準の解釈42条1項(発電機の保護装置)の条文である。 (ア) 発電機に過電流を生じた場合。発電機の巻線を焼かないための最も基本的な保護である。 (イ) 圧油装置とガイドベーン・ニードル・デフレクタは、いずれも水車の水量や噴流を制御する装置の名前である。したがって水車。 (ウ) 制御に使う油圧や電源電圧は、下がると制御ができなくなる。だから「著しく低下した場合」に遮断する。上昇ではない。 (エ) 圧縮空気装置とブレード制御装置は風車のものである。ブレード(羽根)の角度を変えて回転を抑えるのは風車の制御である。 (オ) 容量10 000 kV·A以上では、発電機の内部に故障(層間短絡や地絡)を生じた場合に遮断する。外部の故障は他の保護装置が受け持つ。 過電流/水車/低下/風車/内部となり答(3)。 数値は 500 kV·A(水車)→100 kV·A(風車)→2 000 kV·A(水車発電機のスラスト軸受)→10 000 kV·A(内部故障)→10 000 kW(蒸気タービン)の順に並んでいる。最後だけ単位がkWであることに注意する。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 法規 問5
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 6
次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」に基づく高圧架空電線に適用される高圧保安工事及び連鎖倒壊防止に関する記述である。 a) 電線はケーブルである場合を除き,引張強さ (ア) kN以上のもの又は直径 (イ) mm以上の硬銅線であること。 b) 木柱の風圧荷重に対する安全率は,2.0以上であること。 c) 支持物に木柱,A種鉄筋コンクリート柱又はA種鉄柱を使用する場合の径間は (ウ) m以下であること。また,支持物にB種鉄筋コンクリート柱又はB種鉄柱を使用する場合の径間は (エ) m以下であること(電線に引張強さ14.51 kN以上のもの又は断面積38 mm²以上の硬銅より線を使用する場合を除く。)。 d) 支持物で直線路が連続している箇所において,連鎖的に倒壊するおそれがある場合は,技術上困難であるときを除き,必要に応じ,16基以下ごとに,支線を電線路に平行な方向にその両側に設け,また,5基以下ごとに支線を電線路と直角の方向にその両側に設けること。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:2
電気設備技術基準の解釈70条(高圧保安工事)の条文である。 (ア)(イ) 高圧保安工事の電線は、ケーブルを除き、引張強さ8.01 kN以上のもの又は直径5 mm以上の硬銅線とされている。この二つは同じ太さの電線を強さで言うか直径で言うかの違いで、対になっている。5.26 kNと直径4 mmが対で、こちらは高圧架空電線の一般の規定(65条・66条ほか)に出てくる値である。保安工事はそれより一段強い電線を求める、と押さえる。 (ウ)(エ) 径間は、木柱・A種鉄筋コンクリート柱・A種鉄柱が100 m以下、B種鉄筋コンクリート柱・B種鉄柱が150 m以下、鉄塔が400 m以下である。A種は根入れだけで支える柱、B種は基礎で支える柱で、丈夫なぶんB種のほうが長い径間を許される。 8.01/5/100/150となり答(2)。 (エ)の括弧書きは、引張強さ14.51 kN以上又は断面積38 mm²以上の硬銅より線を使えばこの制限を外せる、という意味である。電線が丈夫なら径間を長くできる、という同じ考え方が繰り返し出てくる。 d)の連鎖倒壊防止は、平行な方向が16基以下ごと、直角の方向が5基以下ごとである。数字が逆にならないよう、倒れる向きを想像して覚える。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 法規 問6
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 7
次の文章は,「電気設備技術基準」における,特殊場所における施設制限に関する記述である。 a) 粉じんの多い場所に施設する電気設備は,粉じんによる当該電気設備の絶縁性能又は導電性能が劣化することに伴う (ア) 又は火災のおそれがないように施設しなければならない。 b) 次に掲げる場所に施設する電気設備は,通常の使用状態において,当該電気設備が点火源となる爆発又は火災のおそれがないように施設しなければならない。 ① 可燃性のガス又は (イ) が存在し,点火源の存在により爆発するおそれがある場所 ② 粉じんが存在し,点火源の存在により爆発するおそれがある場所 ③ 火薬類が存在する場所 ④ セルロイド,マッチ,石油類その他の燃えやすい危険な物質を (ウ) し,又は貯蔵する場所 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:5
a)は電気設備技術基準68条、b)は69条の条文である。 (ア) 68条は「粉じんによる当該電気設備の絶縁性能又は導電性能が劣化することに伴う感電又は火災のおそれがないように」としている。絶縁が劣化して起きるのは、まず人が触れたときの感電である。短絡ではない。 (イ) 69条一号は「可燃性のガス又は引火性物質の蒸気」である。腐食性のガスは設備を傷めるが、点火源で爆発する話ではないので、この条の対象ではない。 (ウ) 四号は「セルロイド、マッチ、石油類その他の燃えやすい危険な物質を製造し、又は貯蔵する場所」である。作る場所と置いておく場所の両方を挙げている。 感電/引火性物質の蒸気/製造となり答(5)。 68条と69条は狙いが違う。68条は粉じんで絶縁が劣化することによる感電・火災、69条は電気設備そのものが点火源になる爆発・火災である。同じ「粉じん」でも、68条は絶縁の劣化、69条二号は爆発のおそれ、と別々に規定されている。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 法規 問7
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 8
「電気設備技術基準の解釈」に基づく住宅及び住宅以外の場所の屋内電路(電気機械器具内の電路を除く。以下同じ)の対地電圧の制限に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:2
電気設備技術基準の解釈143条(電路の対地電圧の制限)の問題である。 (2)が扱っているのは、住宅と店舗・事務所・工場等が同一の建造物内にある場合に、住宅以外の場所へ電気を送るための屋内配線である。この場合に認められる対地電圧は300 V以下であって、400 V以下ではない。したがって(2)が誤りで、これが答になる。施設方法(人が触れるおそれのない隠ぺい場所に合成樹脂管工事、金属管工事又はケーブル工事)のほうは正しく書かれており、電圧の数値だけが差し替えられている。 他の記述を確かめる。(1)住宅の屋内電路は対地電圧150 V以下が原則である。(3)住宅の太陽電池モジュールに接続する負荷側の屋内配線は、地絡遮断装置を施設し、ケーブル工事で接触防護措置を施すなどの条件のもとで直流450 V以下まで認められる。(4)常用電源として用いる蓄電池も同じく直流450 V以下で、個々の蓄電池の出力が10 kW未満であること、地絡遮断装置を施設すること、人が触れるおそれのない隠ぺい場所に合成樹脂管工事等で施設することが条件になる。(5)住宅以外の場所の屋内に施設する家庭用電気機械器具に電気を供給する屋内電路は300 V以下である。 数値だけを差し替える出題なので、150 V(住宅)/300 V(住宅以外・同一建造物の住宅以外の部分)/直流450 V(太陽電池・蓄電池)という三段を先に押さえておくと、(2)の400 Vがどの段にも無いことにすぐ気づける。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 法規 問8
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 9
次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」における分散型電源の低圧連系時及び高圧連系時の施設要件に関する記述である。 a) 単相3線式の低圧の電力系統に分散型電源を連系する場合において, (ア) の不平衡により中性線に最大電流が生じるおそれがあるときは,分散型電源を施設した構内の電路であって,負荷及び分散型電源の並列点よりも (イ) に,3極に過電流引き外し素子を有する遮断器を施設すること。 b) 低圧の電力系統に逆変換装置を用いずに分散型電源を連系する場合は, (ウ) を生じさせないこと。 c) 高圧の電力系統に分散型電源を連系する場合は,分散型電源を連系する配電用変電所の (エ) において,逆向きの潮流を生じさせないこと。ただし,当該配電用変電所に保護装置を施設する等の方法により分散型電源と電力系統との協調をとることができる場合は,この限りではない。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:1
a)b)は電気設備技術基準の解釈226条(低圧連系時の施設要件)、c)は228条(高圧連系時の施設要件)の条文である。 (ア) 単相3線式で中性線に電流が流れるのは、両側の負荷が釣り合っていないときである。したがって負荷の不平衡。 (イ) 遮断器を置くのは、負荷と分散型電源の並列点よりも系統側である。系統側に置いてはじめて、中性線が断線したときに構内全体を切り離せる。負荷側では分散型電源が残ってしまう。 (ウ) 逆変換装置(インバータ)を使わない発電設備は、系統に合わせた細かい制御ができないので、逆潮流を生じさせないことが条件になる。逆充電は、系統が停電しているのに分散型電源が線路を充電してしまう別の現象で、ここで禁じているものではない。 (エ) 高圧連系では、配電用変電所の配電用変圧器において逆向きの潮流を生じさせないこととされている。引出口ではなく変圧器を基準にするのは、変圧器を逆方向に電力が抜けると系統側の保護と協調が取れなくなるためである。 負荷/系統側/逆潮流/配電用変圧器となり答(1)。 c)にはただし書があり、配電用変電所に保護装置を施設するなどして協調が取れれば逆潮流を認める。太陽光発電の高圧連系が広がった今は、この例外のほうが実務では普通になっている。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 法規 問9
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 10
次のa)〜e)の文章は,図の高圧受電設備における保護協調に関する記述である。 これらの文章の内容について,適切なものと不適切なものの組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 a) 受電設備内(図中A点)において短絡事故が発生した場合,VCB(真空遮断器)が,一般送配電事業者の配電用変電所の送り出し遮断器よりも早く動作するようにOCR(過電流継電器)の整定値を決定した。 b) TR2(変圧器)の低圧側で,かつMCCB2(配線用遮断器)の電源側(図中B点)で短絡事故が発生した場合,VCB(真空遮断器)が動作するよりも早くLBS2(負荷開閉器)のPF2(電力ヒューズ)が溶断するように設計した。 c) 低圧のMCCB2(配線用遮断器)の負荷側(図中C点)で短絡事故が発生した場合,MCCB2(配線用遮断器)が動作するよりも先にLBS2(負荷開閉器)のPF2(電力ヒューズ)が溶断しないように設計した。 d) SC(高圧コンデンサ)の端子間(図中D点)で短絡事故が発生した場合,VCB(真空遮断器)が動作するよりも早くLBS3(負荷開閉器)のPF3(電力ヒューズ)が溶断するように設計した。 e) GR付PAS(地絡継電装置付高圧交流負荷開閉器)は,高圧引込ケーブルで1線地絡事故が発生した場合であっても動作しないように設計した。
問10の図
正解:1
保護協調の考え方は一つだけで、事故が起きた場所にいちばん近い保護装置だけが動き、その上位は動かない、というものである。停電の範囲を事故のあった部分に閉じ込めるためである。 a) 適切。受電設備内(A点)の事故は需要家の中の事故なので、需要家のVCBが先に動くべきである。配電用変電所の遮断器が先に動くと、同じ線路につながる他の需要家まで停電してしまう。 b) 適切。B点はTR2の低圧側でMCCB2の電源側だから、この区間を切り離せるのはPF2である。VCBが先に動くとTR1側やSC側まで止まる。 c) 適切。C点はMCCB2の負荷側なので、MCCB2が動けば足りる。PF2が先に溶断すると、その回路だけでなくTR2の系統全体が止まってしまう。「溶断しないように設計した」で正しい。 d) 適切。D点はSCの端子間なので、SCの分岐を切り離すPF3が先に溶断すべきである。 e) 不適切。GR付PASは、その負荷側(需要家側)で地絡が起きたときに動作して需要家を系統から切り離すための装置である。高圧引込ケーブルはGR付PASの負荷側にあるので、そこで1線地絡が起きたら動作しなければならない。動作しないように設計するのは誤りである。 a〜d適切、e不適切となり答(1)。 eだけが地絡の話で、他は短絡の話である。短絡の保護は「下位が先に動く」で通せるが、地絡の保護は「自分の受け持ち範囲で起きたら必ず動く」で考える。GR付PASが動かなければ、需要家の地絡で配電用変電所の地絡継電器が動作し、同じ線路の他の需要家まで停電することになる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 法規 問10
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 11(a)
図のように既設の高圧架空電線路から,高圧架空電線を高低差なく径間30 m延長することにした。 新設支持物にA種鉄筋コンクリート柱を使用し,引留支持物とするため支線を電線路の延長方向4 mの地点に図のように設ける。電線と支線の支持物への取付け高さはともに8 mであるとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 電線の水平張力が15 kNであり,その張力を支線で全て支えるものとしたとき,支線に生じる引張荷重の値[kN]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
問11(a)の図
正解:4
支線は、支持物の高さ8 mの点から地面の4 mの地点へ斜めに張られている。したがって支線の長さは √(8²+4²)=√80≒8.944 m。 支線に生じる引張荷重をT[kN]とすると、そのうち水平方向の成分だけが電線の水平張力と釣り合う。水平成分は、支線の長さに対する水平距離の比を掛けたものだから T×4/√80=15。 これを解いて T=15×√80/4=15×8.944/4≒33.5 kN。 最も近いのは34で答(4)。 支線は斜めに張るので、電線を引く力より大きな力を負担することになる。この問題では 8.944/4≒2.24 倍で、15 kNに対して33.5 kNである。 (2)の15は、支線の張力が電線の張力と同じだと考えた場合。斜めであるぶん必ず大きくなるので、15より小さい(1)や15そのものは候補から外れる。 (3)の30は、支線の長さではなく高さを使って 8/4=2 を掛けてしまった場合の値である(15×2=30)。使うのは「支線の長さ÷根開き」=√80/4≒2.24 のほうである。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 法規 問11(a)
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 11(b)
図のように既設の高圧架空電線路から,高圧架空電線を高低差なく径間30 m延長することにした。 新設支持物にA種鉄筋コンクリート柱を使用し,引留支持物とするため支線を電線路の延長方向4 mの地点に図のように設ける。電線と支線の支持物への取付け高さはともに8 mであるとき,次の問に答えよ。 〔小問(b)〕 支線の安全率を1.5とした場合,支線の最少素線条数として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 ただし,支線の素線には,直径2.9 mmの亜鉛めっき鋼より線(引張強さ1.23 kN/mm²)を使用し,素線のより合わせによる引張荷重の減少係数は無視するものとする。 (小問(a)より,電線の水平張力15 kNを支えるとき支線に生じる引張荷重は約33.5 kNである。)
問11(b)の図
正解:3
安全率1.5とは、実際に掛かる荷重の1.5倍まで耐えられるようにする、ということである。したがって支線に必要な引張強さは 33.5×1.5≒50.3 kN。 つぎに素線1本が受け持てる力を出す。直径2.9 mmの断面積は π×(2.9/2)²=π×1.45²≒6.61 mm²。 引張強さが1.23 kN/mm²なので、1本あたり 1.23×6.61≒8.13 kN。 必要な条数nは n≧50.3/8.13≒6.19。 素線は本数なので切り上げて7条。答(3)。 (2)の5は安全率を掛け忘れた場合に近い(33.5/8.13≒4.12→5)。安全率は必要強度を増やす側に効くので、掛けるのであって割るのではない。 断面積を出すときに半径ではなく直径を使うと π×2.9²≒26.4 mm² となり、1本で26.4×1.23≒32.5 kNとなって2条で足りることになってしまう。円の面積は半径の2乗である。 電気設備技術基準の解釈61条は、架空電線路の支線について安全率2.5以上(引留支持物に使うものは1.5以上)、素線を3条以上より合わせたものであることなどを定めている。この問題の1.5と、答が3条以上であることは、その規定に沿っている。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 法規 問11(b)
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 12(a)
「電気設備技術基準の解釈」に基づいて,使用電圧6 600 V,周波数50 Hzの電路に使用する高圧ケーブルの絶縁耐力試験を実施する。次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 高圧ケーブルの絶縁耐力試験を行う場合の記述として,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:4
電気設備技術基準の解釈15条により、最大使用電圧7 000 V以下の電路は、最大使用電圧の1.5倍の交流電圧を電路と大地との間に連続して10分間加えて耐えることが求められる。ケーブルを使う電路では、交流に代えてその2倍の直流電圧で試験してよいとされている。 まず最大使用電圧を出す。公称電圧6 600 Vは1 000 Vを超え500 kV未満なので 6 600×1.15/1.1=6 900 V。 交流の試験電圧は 6 900×1.5=10 350 V。 直流で行うならこの2倍で 10 350×2=20 700 V。 加える時間は交流と同じく連続して10分間である。したがって答(4)。 (2)は直流なのに交流の値10 350 Vのままにした場合、(3)は電圧は正しいが時間を1分としてしまった場合である。10分間という時間は交流でも直流でも変わらない。 (5)は誤り。ケーブルは静電容量が大きく、交流だと大きな充電電流を流すために大きな試験装置が要る。直流ならその電流が流れないので、現場ではむしろ直流試験が使われる。この問題の(b)は、あえて交流で行った場合にどれだけの容量が要るかを計算させている。 1.15/1.1という係数は、公称電圧に対する最大使用電圧の比として解釈1条に定められている。6 600 Vなら6 900 V、というのは覚えてしまってよい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 法規 問12(a)
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 12(b)
「電気設備技術基準の解釈」に基づいて,使用電圧6 600 V,周波数50 Hzの電路に使用する高圧ケーブルの絶縁耐力試験を実施する。次の問に答えよ。 〔小問(b)〕 高圧ケーブルの絶縁耐力試験を,図のような試験回路で行う。ただし,高圧ケーブルは3線一括で試験電圧を印加するものとし,各試験機器の損失は無視する。また,被試験体の高圧ケーブルと試験用変圧器の仕様は次のとおりとする。 【高圧ケーブルの仕様】 ケーブルの種類:6 600 Vトリプレックス形架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル(CVT) 公称断面積:100 mm²,ケーブルのこう長:220 m 1線の対地静電容量:0.45 μF/km 【試験用変圧器の仕様】 定格入力電圧:AC 0-120 V,定格出力電圧:AC 0-12 000 V 入力電源周波数:50 Hz この絶縁耐力試験に必要な皮相電力の値[kV·A]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 (小問(a)より,交流で行う場合の試験電圧は10 350 Vである。)
問12(b)の図
正解:4
絶縁耐力試験で流れるのは、ケーブルの対地静電容量を充電する電流である。抵抗分は無視できるので、皮相電力はそのまま試験電圧と充電電流の積になる。 まず静電容量を出す。1線あたりは 0.45 μF/km×0.22 km=0.099 μF。 3線一括で試験電圧を加えるので、3線が並列になり C=0.099×3=0.297 μF。 交流の試験電圧は小問(a)より10 350 Vである。充電電流は I=2πfCV=2π×50×0.297×10⁻⁶×10 350≒0.966 A。 皮相電力は P=VI=10 350×0.966≒9 995 V·A≒10 kV·A。答(4)。 3線一括という条件を読み落として1線分だけで計算すると 10 kV·A の1/3の約3.3 kV·Aとなり、どの選択肢にも合わない。並列にした容量はそのまま足し合わせる。 こう長220 mを0.22 kmに直すところも落としやすい。静電容量の単位がμF/kmなので、長さはkmに揃える。 なお試験用変圧器の定格出力は12 000 Vなので、10 350 Vを出すことはできる。この仕様は、試験電圧が出せるかどうかを確かめさせるために書かれている。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 法規 問12(b)
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 13(a)
需要家A〜Cにのみ電力を供給している変電所がある。 各需要家の設備容量と,ある1日(0〜24時)の需要率,負荷率及び需要家A〜Cの不等率を次に示す値とする。この記載に基づき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 ・需要家A:設備容量800 kW,需要率55 %,負荷率50 % ・需要家B:設備容量500 kW,需要率60 %,負荷率70 % ・需要家C:設備容量600 kW,需要率70 %,負荷率60 % ・需要家A〜Cの不等率:1.25 〔小問(a)〕 3需要家A〜Cの1日の需要電力量を合計した総需要電力量の値[kW·h]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:2
需要率は「最大需要電力÷設備容量」なので、まず各需要家の最大需要電力を出す。 A:800×0.55=440 kW B:500×0.60=300 kW C:600×0.70=420 kW つぎに負荷率は「平均需要電力÷最大需要電力」なので、1日の需要電力量は 最大需要電力×負荷率×24 h で求まる。 A:440×0.50×24=5 280 kW·h B:300×0.70×24=5 040 kW·h C:420×0.60×24=6 048 kW·h 合計すると 5 280+5 040+6 048=16 368 kW·h。 最も近いのは16 370で答(2)。 (5)の27 840は、負荷率を掛け忘れて最大需要電力1 160 kWが24時間続いたとした場合の値である(1 160×24=27 840)。 (3)の20 460は、正しく求めた16 368にさらに不等率1.25を掛けてしまった場合の値である(16 368×1.25=20 460)。 不等率1.25はこの小問では使わない。不等率は3需要家の最大需要が同時には起きないことを表す値で、変電所側から見た合成最大需要電力を出すときに使う。電力量の合計には関係しない。 需要率・負荷率・不等率はどれも比だが、掛ける相手が違う。需要率は設備容量に、負荷率は最大需要電力に掛け、不等率は各最大需要の和を割る。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 法規 問13(a)
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 13(b)
需要家A〜Cにのみ電力を供給している変電所がある。 各需要家の設備容量と,ある1日(0〜24時)の需要率,負荷率及び需要家A〜Cの不等率を次に示す値とする。この記載に基づき,次の問に答えよ。 ・需要家A:設備容量800 kW,需要率55 %,負荷率50 % ・需要家B:設備容量500 kW,需要率60 %,負荷率70 % ・需要家C:設備容量600 kW,需要率70 %,負荷率60 % ・需要家A〜Cの不等率:1.25 〔小問(b)〕 変電所から見た総合負荷率の値[%]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし,送電損失,需要家受電設備損失は無視するものとする。 (小問(a)より,3需要家の1日の総需要電力量は約16 368 kW·hである。)
正解:4
総合負荷率は、変電所から見た平均需要電力を、変電所から見た合成最大需要電力で割った値である。 まず各需要家の最大需要電力を出す。 A:800×0.55=440 kW,B:500×0.60=300 kW,C:600×0.70=420 kW 和は 440+300+420=1 160 kW。 不等率は「各最大需要電力の和÷合成最大需要電力」なので、合成最大需要電力は 1 160/1.25=928 kW。 一方、変電所から見た1日の電力量は総需要電力量に等しい(送電損失を無視するため)。したがって 総合負荷率=16 368/(928×24)×100=16 368/22 272×100≒73.5 %。 最も近いのは73で答(4)。 不等率で割るのを忘れて1 160 kWのまま計算すると 16 368/(1 160×24)×100≒58.8 % となり(2)の59に落ちる。不等率は1より大きいので、割ることで合成最大需要電力は各最大需要の和より小さくなる。3軒の最大需要が同時刻に重ならないぶん、変電所が備えるべき容量は小さくてよい、という意味である。 負荷率は分母が最大需要電力で分子が平均需要電力なので、必ず100 %以下になる。求めた値が100 %を超えたら、どこかで分母と分子を取り違えている。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 法規 問13(b)
報告ありがとうございました。内容を確認します。

この回の最終更新:

掲載の過去問題は 一般財団法人 電気技術者試験センター の著作物です。同機関が公表する試験問題を、教育目的での利用に許諾・使用料を要しないとする同機関の方針に従い、出典を明記して掲載しています。無断転載を許可するものではありません。解説は当サイトが独自に作成したものです。