📄 本試験 過去問題
電験3種 2023年度上期(令和5年度上期) 法規
13問 ・ 目安 正答率60% ・ 2023年8月20日実施
電験三種(第三種電気主任技術者)の2023年度上期(令和5年度上期) 法規試験で実際に出題された全13問を、1問ずつその場で答え合わせしながら演習できます。2023年8月20日実施・合否の目安は正答率60%(演習の目安)。各問に正解と、なぜその選択肢になるのかの解説を付けています。
本試験の合格基準:理論・電力・機械・法規の科目ごとに合否判定。各科目100点満点中原則60点以上で科目合格、4科目すべて合格で試験合格。
この回:令和5年度上期・法規:合格基準は100点満点中60点以上(筆記方式の公表値)。
出典:令和5年度第三種電気主任技術者上期試験の結果について(令和5年9月12日)。このページの「目安 正答率60%」は演習の目安で、本試験の採点方法とは異なります。
この回は 一般財団法人 電気技術者試験センター が公開する本試験問題を、当サイトがその場で答え合わせできる一問一答形式に再編し、公式には付いていない「正解の根拠・各選択肢の解き方」の解説を追記したものです。原題の出典は各問に明記しています。
過去問の解答結果は学習記録・段位には反映されません。過去問は出題当時の法令・制度にもとづく問題を含むため、段位は継続して最新化している一問一答・模擬試験だけで判定しています。過去問を解かなくても段位で不利になることはありませんので、実力試しとして気軽にお使いください。
この回の問題は,令和5年4月1日(2023年4月1日)現在で効力のある法令にもとづいて作成されています(原本の注記)。それ以降の法改正により、現行の条文・数値と異なる場合があります。
問 1
次のa)~c)の文章は,主任技術者に関する記述である。
その記述内容として,「電気事業法」に基づき,適切なものと不適切なものの組合せについて,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
a) 事業用電気工作物(小規模事業用電気工作物を除く。以下同じ。)を設置する者は,事業用電気工作物の工事,維持及び運用に関する保安の監督をさせるため,主務省令で定めるところにより,主任技術者免状の交付を受けている者のうちから,主任技術者を選任しなければならない。
b) 主任技術者は,事業用電気工作物の工事,維持及び運用に関する保安の監督の職務を誠実に行わなければならない。
c) 事業用電気工作物の工事,維持又は運用に従事する者は,主任技術者がその保安のためにする指示に従わなければならない。
正解:4
三つとも電気事業法43条の条文そのままである。
a) 同条1 項「事業用電気工作物を設置する者は,事業用電気工作物の工事,維持及び運用に関する保安の監督をさせるため,主務省令で定めるところにより,主任技術者免状の交付を受けている者のうちから,主任技術者を選任しなければならない」
b) 同条4 項「主任技術者は,事業用電気工作物の工事,維持及び運用に関する保安の監督の職務を誠実に行わなければならない」
c) 同条5 項「事業用電気工作物の工事,維持又は運用に従事する者は,主任技術者がその保安のためにする指示に従わなければならない」
したがって三つとも適切で(4)が正解である。
この条文は「選任する義務(設置者)」「誠実に職務を行う義務(主任技術者)」「指示に従う義務(従事者)」という三者の役割分担でできている。主体と義務の組合せを入れ替えた出題が繰り返されるので,誰の義務かをそろえて覚えたい。答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 法規 問1
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 2
次の文章は,「電気関係報告規則」に基づく事故の定義及び事故報告に関する記述である。
a)「電気火災事故」とは,漏電,短絡, (ア) ,その他の電気的要因により建造物,車両その他の工作物(電気工作物を除く。),山林等に火災が発生することをいう。
b)「破損事故」とは,電気工作物の変形,損傷若しくは破壊,火災又は絶縁劣化若しくは絶縁破壊が原因で,当該電気工作物の機能が低下又は喪失したことにより, (イ) ,その運転が停止し,若しくはその運転を停止しなければならなくなること又はその使用が不可能となり,若しくはその使用を中止することをいう。
c)「供給支障事故」とは,破損事故又は電気工作物の誤 (ウ) 若しくは電気工作物を (ウ) しないことにより電気の使用者(当該電気工作物を管理する者を除く。)に対し,電気の供給が停止し,又は電気の使用を緊急に制限することをいう。ただし,電路が自動的に再閉路されることにより電気の供給の停止が終了した場合を除く。
d) 感電により人が病院 (エ) した場合は事故報告をしなければならない。
上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:4
電気関係報告規則1 条2 項の定義と3 条1 項の報告対象がそのまま出ている。
(ア)電気火災事故の原因として並ぶのは「漏電,短絡,せん絡」である。せん絡(閃絡)はフラッシオーバのことで,電気的な要因の代表として列挙されている。「絶縁低下」は破損事故の説明に出てくる語で,ここではない。
(イ)破損事故は「機能が低下又は喪失したことにより,直ちに,その運転が停止し…」と続く。故障してすぐ止まる(あるいは止めざるを得なくなる)ことが要件である。
(ウ)供給支障事故は「破損事故又は電気工作物の誤操作若しくは電気工作物を操作しないことにより」で,人の操作ミスや操作忘れが原因になる場合を指している。
(エ)感電の事故報告は「死亡した場合又は病院若しくは診療所に入院した場合」が対象である。通院して治療を受けただけでは報告対象にならない。
よって(4)。答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 法規 問2
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 3
「電気設備技術基準」では,過電流からの電線及び電気機械器具の保護対策について,次のように規定している。
(ア) の必要な箇所には,過電流による (イ) から電線及び電気機械器具を保護し,かつ, (ウ) の発生を防止できるよう,過電流遮断器を施設しなければならない。
上記の記述中の空白箇所(ア)~(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:5
電気設備に関する技術基準を定める省令14条(過電流からの電線及び電気機械器具の保護対策)そのままの条文で,「電路の必要な箇所には,過電流による過熱焼損から電線及び電気機械器具を保護し,かつ,火災の発生を防止できるよう,過電流遮断器を施設しなければならない」とある。
したがって(ア)電路,(イ)過熱焼損,(ウ)火災となる。
過電流遮断器が守るものは二つあり,一つは電線と機器そのもの(過熱焼損からの保護),もう一つはその先にある火災の防止である。感電を防ぐのは漏電遮断器の役目なので,(ウ)に「感電事故」を入れると器具の役割が入れ替わる。「配線」「幹線」は電気使用場所の用語で,省令の一般規定で使われるのは「電路」である。答(5)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 法規 問3
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 4
次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」に基づく太陽電池モジュールの絶縁性能に関する記述の一部である。
太陽電池モジュールは,最大使用電圧の1.5 倍の直流電圧又は (ア) 倍の交流電圧( (イ) V 未満となる場合は, (イ) V)を充電部分と大地との間に連続して (ウ) 分間加えたとき,これに耐える性能を有すること。
上記の記述中の空白箇所(ア)~(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:1
太陽電池モジュールの絶縁耐力試験は「最大使用電圧の1.5 倍の直流電圧又は1 倍の交流電圧(500 V 未満となる場合は500 V)を,充電部分と大地との間に連続して10 分間加える」と定められている。したがって(ア)1,(イ)500,(ウ)10 となる。
押さえどころは三つある。第一に,交流で試験する場合の倍率は1 倍で,直流の1.5 倍より小さい(交流は波高値が実効値の√2 倍あるため)。第二に,計算値が低くても最低500 V は加えるという下限がある。第三に,加える時間は10 分間で,1 分間ではない。
絶縁耐力試験の時間は,回転機や変圧器なども含めて10 分間が原則である。答(1)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 法規 問4
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 5
次の文章は,「電気設備技術基準」に基づく支持物の倒壊の防止に関する記述の一部である。
架空電線路又は架空電車線路の支持物の材料及び構造(支線を施設する場合は,当該支線に係るものを含む。)は,その支持物が支持する電線等による (ア) ,10 分間平均で風速 (イ) m/s の風圧荷重及び当該設置場所において通常想定される地理的条件, (ウ) の変化,振動,衝撃その他の外部環境の影響を考慮し,倒壊のおそれがないよう,安全なものでなければならない。ただし,人家が多く連なっている場所に施設する架空電線路にあっては,その施設場所を考慮して施設する場合は,10 分間平均で風速 (イ) m/s の風圧荷重の (エ) の風圧荷重を考慮して施設することができる。
上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:3
電気設備に関する技術基準を定める省令32条1 項そのままの条文である。「その支持物が支持する電線等による引張荷重,十分間平均で風速四十メートル毎秒の風圧荷重及び当該設置場所において通常想定される地理的条件,気象の変化,振動,衝撃その他の外部環境の影響を考慮し,倒壊のおそれがないよう,安全なものでなければならない。ただし,人家が多く連なっている場所に施設する架空電線路にあっては,…十分間平均で風速四十メートル毎秒の風圧荷重の二分の一の風圧荷重を考慮して施設することができる」とある。
したがって(ア)引張荷重,(イ)40,(ウ)気象,(エ)2 分の1 となる。
風速40 m/s は解釈58条の甲種風圧荷重(980 Pa)の根拠にもなっている値である。また人家が多く連なっている場所では風が建物に遮られるため,半分の風圧で設計してよいという緩和が認められている。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 法規 問5
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 6
次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」における地中電線と他の地中電線等との接近又は交差に関する記述の一部である。
低圧地中電線と高圧地中電線とが接近又は交差する場合,又は低圧若しくは高圧の地中電線と特別高圧地中電線とが接近又は交差する場合は,次のいずれかによること。ただし,地中箱内についてはこの限りでない。
a) 地中電線相互の離隔距離が,次に規定する値以上であること。
① 低圧地中電線と高圧地中電線との離隔距離は, (ア) m
② 低圧又は高圧の地中電線と特別高圧地中電線との離隔距離は, (イ) m
b) 地中電線相互の間に堅ろうな (ウ) の隔壁を設けること。
c) (エ) の地中電線が,次のいずれかに該当するものである場合は,地中電線相互の離隔距離が,0 m 以上であること。
① 不燃性の被覆を有すること。
② 堅ろうな不燃性の管に収められていること。
d) (オ) の地中電線が,次のいずれかに該当するものである場合は,地中電線相互の離隔距離が,0 m 以上であること。
① 自消性のある難燃性の被覆を有すること。
② 堅ろうな自消性のある難燃性の管に収められていること。
上記の記述中の空白箇所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:1
離隔距離は低圧と高圧の間が0.15 m,特別高圧が絡む場合が0.3 m である。電圧が高いほど広くとる,という関係で覚えられる。
(ウ)隔壁に求められるのは耐火性である。ここで防ごうとしているのは事故時のアーク放電による他の電線の焼損なので,耐圧性ではなく火に耐える性能が必要になる。
(エ)(オ)が本問の要点である。不燃性(燃えない)の被覆・管は自消性のある難燃性(燃え広がりにくい)より性能が高いので,不燃性なら「いずれか一方」がそうであれば0 m まで近づけてよい。一方,性能の劣る自消性のある難燃性の場合は「それぞれ(両方とも)」がその条件を満たさなければ0 m にできない。
性能が高い方が条件がゆるい,という対応で(エ)いずれか・(オ)それぞれと決まる。よって(1)。答(1)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 法規 問6
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 7
次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」における分散型電源の低圧連系時及び高圧連系時の施設要件に関する記述である。
a) 単相3 線式の低圧の電力系統に分散型電源を連系する場合において, (ア) の不平衡により中性線に最大電流が生じるおそれがあるときは,分散型電源を施設した構内の電路であって,負荷及び分散型電源の並列点よりも (イ) に,3 極に過電流引き外し素子を有する遮断器を施設すること。
b) 低圧の電力系統に逆変換装置を用いずに分散型電源を連系する場合は, (ウ) を生じさせないこと。ただし,逆変換装置を用いて分散型電源を連系する場合と同等の単独運転検出及び解列ができる場合は,この限りではない。
c) 高圧の電力系統に分散型電源を連系する場合は,分散型電源を連系する配電用変電所の (エ) において,逆向きの潮流を生じさせないこと。ただし,当該配電用変電所に保護装置を施設する等の方法により分散型電源と電力系統との協調をとることができる場合は,この限りではない。
上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:1
(ア)単相3 線式で中性線に大きな電流が流れる原因は,上下の負荷の不平衡である。分散型電源そのものの不平衡ではない。
(イ)中性線の過電流から系統を守るのが目的なので,遮断器は並列点よりも系統側に置く。負荷側に置くと,並列点から系統側の区間を保護できない。
(ウ)逆変換装置(インバータ)を使わない同期発電機などは,単独運転の検出と解列が確実にできないため逆潮流を生じさせてはならない。逆充電は系統が停電しているのに分散型電源が系統側を加圧してしまう状態で,別の概念である。
(エ)高圧連系では,配電用変電所の配電用変圧器において逆向きの潮流を生じさせないことが求められる。変圧器を逆方向に電力が流れると,変電所側の保護協調が崩れるおそれがあるためである。
よって(1)。答(1)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 法規 問7
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 8
次の文章は,「電気設備技術基準」における,電気使用場所での配線の使用電線に関する記述である。
a) 配線の使用電線( (ア) 及び特別高圧で使用する (イ) を除く。)には,感電又は火災のおそれがないよう,施設場所の状況及び (ウ) に応じ,使用上十分な強度及び絶縁性能を有するものでなければならない。
b) 配線には, (ア) を使用してはならない。ただし,施設場所の状況及び (ウ) に応じ,使用上十分な強度を有し,かつ,絶縁性がないことを考慮して,配線が感電又は火災のおそれがないように施設する場合は,この限りでない。
c) 特別高圧の配線には, (イ) を使用してはならない。
上記の記述中の空白箇所(ア)~(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:5
電気設備に関する技術基準を定める省令57条そのままの条文である。1 項は「配線の使用電線(裸電線及び特別高圧で使用する接触電線を除く。)には,感電又は火災のおそれがないよう,施設場所の状況及び電圧に応じ,使用上十分な強度及び絶縁性能を有するものでなければならない」,2 項は「配線には,裸電線を使用してはならない」,3 項は「特別高圧の配線には,接触電線を使用してはならない」である。
したがって(ア)裸電線,(イ)接触電線,(ウ)電圧となる。
b) の「絶縁性がないことを考慮して」という言い回しが(ア)を決める手がかりになる。絶縁性がないのは裸電線だからである。また(ウ)は「施設場所の状況及び◯◯に応じ」と並ぶので,強度と絶縁性能を左右する要素=電圧が入る。答(5)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 法規 問8
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 9
次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」に基づく住宅及び住宅以外の場所の屋内電路(電気機械器具内の電路を除く。以下同じ)の対地電圧の制限に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:2
誤りは(2)である。屋内電路の対地電圧の上限は,交流では住宅が150 V 以下,それ以外が300 V 以下という体系になっている。住宅と店舗等が同一建造物内にある場合に住宅以外の場所へ電気を供給する屋内配線でも上限は300 V 以下で,400 V という数値はこの体系のどこにも現れない。隠ぺい場所に金属管工事で施設するという条件を満たしても,400 V まで許されるわけではない。
他は正しい。(1)住宅の原則は150 V 以下。(3)(4)太陽電池モジュールや常用電源の蓄電池に接続する負荷側の屋内配線は,地絡遮断装置の施設など所定の条件を満たせば直流450 V 以下まで認められる。直流に高い値が認められているのは,直流の方が同じ電圧での危険度が低いことによる。(5)住宅以外の場所で家庭用電気機械器具に供給する場合は,簡易接触防護措置を施すことを条件に300 V 以下とされている。
150/300/450 という三段階を押さえておけば,400 が紛れ込んでいることに気づける。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 法規 問9
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 10
ある工場のある日の9 時00 分からの電力推移がグラフのとおりであった。この工場では日頃から最大需要電力(正時からの30 分間ごとの平均使用電力のことをいう。以下同じ。)を300 kW 未満に抑えるように負荷を管理しているが,その負荷の中で,換気用のファン(全て5.5 kW)は最大8 台まで停止する運用を行っている。この日9 時00 分からファンは10 台運転しているが,このままだと9 時00 分からの最大需要電力が300 kW 以上になりそうなので,9 時20 分から9 時30 分の間,ファンを何台かと,その他の負荷を10 kW 分だけ停止することにした。ファンは最低何台停止させる必要があるか,次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
なお,この工場の負荷は全て管理されており,負荷の増減は無いものとする。
正解:3
最大需要電力は「正時からの30 分間ごとの平均使用電力」なので,9 時00 分から9 時30 分までの30 分間の平均を300 kW 未満にすればよい。
9 時00 分から9 時20 分までの20 分間は310 kW のままである。9 時20 分から9 時30 分までの10 分間の電力を P とすると
(310×20+P×10)/30 < 300
6 200+10P < 9 000 → P < 280 kW
となる。つまり後半10 分間で 310−280=30 kW を超える削減が必要である。
その他の負荷で10 kW 分を停止するので,ファンで 30−10=20 kW を超えて削減しなければならない。ファン1 台が5.5 kW だから
5.5n > 20 → n > 3.63
したがって最低4 台である。
要点は,30 分間の平均を見るので後半10 分間だけ大きく下げればよいという点である。3 台では 10+16.5=26.5 kW の削減にとどまり,平均が (310×20+283.5×10)/30=301.2 kW となって300 kW を下回らない。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 法規 問10
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 11(a)
ある事業所内におけるA 工場及びB 工場の,それぞれのある日の負荷曲線は図のようであった。それぞれの工場の設備容量が,A 工場では400 kW,B 工場では700 kW であるとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。
〔小問(a)〕 A 工場及びB 工場を合わせた需要率の値[%]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:3
需要率は「最大需要電力÷設備容量」である。合わせた需要率を求めるので,二つの工場の需要電力を時間帯ごとに足してから最大値をとる。
0〜6 時:A 100+B 600=700 kW
6〜12 時:A 200+B 300=500 kW
12〜18 時:A 200+B 400=600 kW
18〜24 時:A 100+B 600=700 kW
したがって合成の最大需要電力は700 kW である。設備容量の合計は 400+700=1 100 kW だから
需要率=700/1 100×100=63.6 %
となる。
各工場の最大値を単純に足して 200+600=800 kW としてはいけない。A の最大(6〜18 時)とB の最大(0〜6 時,18〜24 時)は時間帯が違うので,同時に起きない分だけ合成の最大は小さくなる。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 法規 問11(a)
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 11(b)
ある事業所内におけるA 工場及びB 工場の,それぞれのある日の負荷曲線は図のようであった。それぞれの工場の設備容量が,A 工場では400 kW,B 工場では700 kW であるとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。
〔小問(b)〕 A 工場及びB 工場を合わせた総合負荷率の値[%]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:4
総合負荷率は「平均需要電力÷最大需要電力」である。まず1 日の電力量を求める。合成需要電力は小問(a)で出したとおり6 時間ごとに700/500/600/700 kW だから
W=(700+500+600+700)×6=2 500×6=15 000 kW·h
平均需要電力は
15 000/24=625 kW
最大需要電力は700 kW なので
総合負荷率=625/700×100=89.3 %
となる。
負荷率が高いほど設備を平準的に使えていることを意味し,需要率63.6 %・負荷率89.3 %というこの事業所は「設備には余裕があるが,使っている時間帯の偏りは小さい」状態だと読める。答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 法規 問11(b)
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 12(a)
図は三相3 線式高圧電路に変圧器で結合された変圧器低圧側電路を示したものである。低圧側電路の一端子にはB 種接地工事が施されている。この電路の一相当たりの対地静電容量を C とし接地抵抗を R_B とする。
低圧側電路の線間電圧200 V,周波数50 Hz,対地静電容量 C は0.1 μF として,次の(a)及び(b)の問に答えよ。
ただし,
(ア) 変圧器の高圧電路の1 線地絡電流は5 A とする。
(イ) 高圧側電路と低圧側電路との混触時に低圧電路の対地電圧が150 V を超えた場合は1.3 秒で自動的に高圧電路を遮断する装置が設けられているものとする。
〔小問(a)〕 変圧器に施された,接地抵抗 R_B の抵抗値について「電気設備技術基準の解釈」で許容されている上限の抵抗値[Ω]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:4
B 種接地工事の接地抵抗値の上限は,高圧側の1 線地絡電流 I_g[A]と高圧電路を遮断するまでの時間で決まる。
・1 秒以内に自動遮断 … 600/I_g
・1 秒を超え2 秒以内に自動遮断 … 300/I_g
・上記以外 … 150/I_g
本問の遮断時間は1.3 秒で「1 秒を超え2 秒以内」にあたるから
R_B ≦ 300/5=60 Ω
となる。
1.3 秒という数値を見て600/I_g=120 Ω としたり,遮断装置がない場合の150/I_g=30 Ω としたりしやすい。「1 秒以内」「2 秒以内」「それ以外」の3 段階のどこに入るかを必ず確認したい。早く遮断できるほど危険にさらされる時間が短いので,許容される接地抵抗も大きくてよい,という関係になっている。答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 法規 問12(a)
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 12(b)
図は三相3 線式高圧電路に変圧器で結合された変圧器低圧側電路を示したものである。低圧側電路の一端子にはB 種接地工事が施されている。この電路の一相当たりの対地静電容量を C とし接地抵抗を R_B とする。
低圧側電路の線間電圧200 V,周波数50 Hz,対地静電容量 C は0.1 μF として,次の(a)及び(b)の問に答えよ。
ただし,
(ア) 変圧器の高圧電路の1 線地絡電流は5 A とする。
(イ) 高圧側電路と低圧側電路との混触時に低圧電路の対地電圧が150 V を超えた場合は1.3 秒で自動的に高圧電路を遮断する装置が設けられているものとする。
〔小問(b)〕 接地抵抗 R_B の抵抗値を10 Ω としたときに,R_B に常時流れる電流 I_B の値[mA]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
ただし,記載以外のインピーダンスは無視するものとする。
正解:1
B 種接地線には,低圧電路の対地静電容量を通って流れる充電電流が常時流れている。
接地されているのは低圧側の一端子なので,その端子の対地電圧は0 V である。残る2 端子の対地電圧は,接地点から見れば線間電圧そのもので200 V になる。したがって各相の対地静電容量を流れる充電電流の大きさは
I=2πfCV=2π×50×0.1×10⁻⁶×200=6.28 mA
である。
この2 つの電流を合成する。接地点を基準にとった2 つの電圧ベクトルのなす角は60°なので,合成は単純な和ではなく
I_B=2×6.28×cos30°=2×6.28×0.866=10.9 mA
となり,最も近いのは11 mA である。
ここを120°として合成すると 6.28 mA のままになり,単純に2 倍すると12.6 mA になる。接地点を頂点とする三角形で考えると角度が60°になる点が要点である。なお R_B の10 Ω による電圧降下はごくわずかで,電流の大きさには影響しない。答(1)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 法規 問12(b)
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 13(a)
人家が多く連なっている場所以外の場所であって,氷雪の多い地方のうち,海岸地その他の低温季に最大風圧を生じる地方に設置されている公称断面積60 mm²,仕上り外径15 mm の6 600 V 屋外用ポリエチレン絶縁電線(6 600 V OE)を使用した高圧架空電線路がある。この電線路の電線の風圧荷重について「電気設備技術基準の解釈」に基づき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。
ただし,電線に対する甲種風圧荷重は980 Pa,乙種風圧荷重の計算で用いる氷雪の厚さは6 mm とする。
〔小問(a)〕 低温季において電線1 条,長さ1 m 当たりに加わる風圧荷重の値[N]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:3
氷雪の多い地方のうち海岸地その他の低温季に最大風圧を生じる地方では,低温季に適用するのは甲種風圧荷重と乙種風圧荷重のいずれか大きい方である。両方を計算して比べる。
甲種風圧荷重は電線の外径そのままに980 Pa を掛けて
980×(15×10⁻³)×1=14.7 N
乙種風圧荷重は,厚さ6 mm の氷雪が周囲に付着した状態を考えるので見かけの外径が 15+6×2=27 mm になり,風圧は甲種の半分の490 Pa を使って
490×(27×10⁻³)×1=13.2 N
となる。大きい方は甲種の14.7 N である。
氷雪が付いて太くなる効果(1.8 倍)より,風圧が半分になる効果の方が大きいため,この外径では甲種が勝つ。乙種の13.2 N は(2)にそのまま置かれているので「低温季だから乙種」と決めつけないよう注意したい。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 法規 問13(a)
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 13(b)
人家が多く連なっている場所以外の場所であって,氷雪の多い地方のうち,海岸地その他の低温季に最大風圧を生じる地方に設置されている公称断面積60 mm²,仕上り外径15 mm の6 600 V 屋外用ポリエチレン絶縁電線(6 600 V OE)を使用した高圧架空電線路がある。この電線路の電線の風圧荷重について「電気設備技術基準の解釈」に基づき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。
ただし,電線に対する甲種風圧荷重は980 Pa,乙種風圧荷重の計算で用いる氷雪の厚さは6 mm とする。
〔小問(b)〕 低温季に適用される風圧荷重が乙種風圧荷重となる電線の仕上り外径の値[mm]として,最も大きいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:2
小問(a)と同じ比較を,外径 d[mm]を未知数にして行う。
甲種風圧荷重=980×d×10⁻³
乙種風圧荷重=490×(d+12)×10⁻³ (氷雪6 mm が両側に付くので直径は12 mm 増える)
乙種が適用されるのは乙種の方が大きいときだから
490(d+12) ≧ 980d
d+12 ≧ 2d
d ≦ 12
となる。したがって乙種が適用される外径は12 mm 以下で,最も大きいのは12 mm である。
境界がちょうど「氷雪が付いて直径が2 倍になる太さ」になっているのが面白いところで,細い電線ほど氷雪が付いたときの太さの増え方が相対的に大きいため乙種が効いてくる。小問(a)の15 mm はこの12 mm を超えているので甲種が適用され,結果が一致する。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 法規 問13(b)
報告ありがとうございました。内容を確認します。
この回の最終更新:
掲載の過去問題は 一般財団法人 電気技術者試験センター の著作物です。同機関が公表する試験問題を、教育目的での利用に許諾・使用料を要しないとする同機関の方針に従い、出典を明記して掲載しています。無断転載を許可するものではありません。解説は当サイトが独自に作成したものです。