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電験3種 2021年度(令和3年度) 理論

18問 ・ 目安 正答率60% ・ 2021年8月22日実施

電験三種(第三種電気主任技術者)の2021年度(令和3年度) 理論試験で実際に出題された全18問を、1問ずつその場で答え合わせしながら演習できます。2021年8月22日実施・合否の目安は正答率60%(演習の目安)。各問に正解と、なぜその選択肢になるのかの解説を付けています。

本試験の合格基準:理論・電力・機械・法規の科目ごとに合否判定。各科目100点満点中原則60点以上で科目合格、4科目すべて合格で試験合格。

この回:令和3年度・理論:合格基準は100点満点中60点以上(試験センターの公表値)。

出典:令和3年度第三種電気主任技術者試験の結果について(令和3年10月22日)。このページの「目安 正答率60%」は演習の目安で、本試験の採点方法とは異なります。

この回は 一般財団法人 電気技術者試験センター が公開する本試験問題を、当サイトがその場で答え合わせできる一問一答形式に再編し、公式には付いていない「正解の根拠・各選択肢の解き方」の解説を追記したものです。原題の出典は各問に明記しています。

過去問の解答結果は学習記録・段位には反映されません。過去問は出題当時の法令・制度にもとづく問題を含むため、段位は継続して最新化している一問一答・模擬試験だけで判定しています。過去問を解かなくても段位で不利になることはありませんので、実力試しとして気軽にお使いください。

問 1
次の文章は,平行板コンデンサに関する記述である。 図のように,同じ寸法の直方体で誘電率の異なる二つの誘電体(比誘電率ε_r1の誘電体1と比誘電率ε_r2の誘電体2)が平行板コンデンサに充填されている。極板間は一定の電圧V[V]に保たれ,極板Aと極板Bにはそれぞれ+Q[C]と−Q[C](Q>0)の電荷が蓄えられている。誘電体1と誘電体2は平面で接しており,その境界面は極板に対して垂直である。ただし,端効果は無視できるものとする。 この平行板コンデンサにおいて,極板A,Bに平行な誘電体1,誘電体2の断面をそれぞれ面S₁,面S₂(面S₁と面S₂の断面積は等しい)とすると,面S₁を貫く電気力線の総数(任意の点の電気力線の密度は,その点での電界の大きさを表す)は,面S₂を貫く電気力線の総数の (ア) 倍である。面S₁を貫く電束の総数は面S₂を貫く電束の総数の (イ) 倍であり,面S₁と面S₂を貫く電束の数の総和は (ウ) である。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
問1の図
正解:1
二つの誘電体は横に並んでいて,どちらも同じ極板に挟まれている。つまり同じ電圧Vが同じ距離dにかかっているので,電界の大きさは E=V/d で両方とも同じである。 (ア) 電気力線の密度はその点の電界の大きさを表す,と問題文が断っている。電界が同じで断面積も等しいのだから,貫く電気力線の総数も等しい。よって1倍。 (イ) 電束密度は D=εE で,電界が同じなら誘電率に比例する。断面積も等しいので,貫く電束の総数の比は誘電率の比そのもの,すなわち ε_r1/ε_r2 倍。 (ウ) 電束についてのガウスの法則から,閉曲面を貫く電束の総数はその中の電荷に等しい。極板Aが持つ電荷は+Qなので,そこから出る電束の総数はQである。誘電率で割ったりはしない。 1/ε_r1/ε_r2/Q となり答(1)。 電気力線と電束を混同しないことがこの問題のすべてである。電気力線は電界(E)を,電束は電束密度(D)を表すもので,誘電体が横に並ぶ配置ではEが共通・Dが誘電率に比例する。誘電体が縦に重なる配置なら逆にDが共通・Eが誘電率に反比例する。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 理論 問1
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 2
二つの導体小球がそれぞれ電荷を帯びており,真空中で十分な距離を隔てて保持されている。ここで,真空の空間を,比誘電率2の絶縁体の液体で満たしたとき,小球の間に作用する静電力に関する記述として,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:3
二つの点電荷の間に働く静電力は F=Q₁Q₂/(4πεr²) で,誘電率εに反比例する。真空を比誘電率2の液体で満たすと ε=2ε₀ になるので,力の大きさは1/2倍になる。 向きは電荷の符号で決まるものであり,まわりの媒質を変えても変わらない。同符号なら反発,異符号なら引き合うままである。よって答(3)。 (4)の1/4倍は,誘電率が距離のように二乗で効くと考えた場合の値。クーロンの法則で二乗になっているのは距離だけで,誘電率は一乗である。 なお導体小球の電荷は保持されたままなので,電荷Q₁・Q₂は変わらない。液体に浸すと表面に分極電荷が現れて電界を弱め,その結果として力が1/2になる,と考えてもよい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 理論 問2
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 3
次の文章は,強磁性体の応用に関する記述である。 磁界中に強磁性体を置くと,周囲の磁束は,磁束が (ア) 強磁性体の (イ) を通るようになる。このとき,強磁性体を中空にしておくと,中空の部分には外部の磁界の影響がほとんど及ばない。このように,強磁性体でまわりを囲んで,磁界の影響が及ばないようにすることを (ウ) という。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:4
(ア)(イ) 強磁性体は透磁率が空気の数百倍から数万倍あるので,磁束にとって通りやすい道になる。磁束は通りやすいほうへ集まるので,強磁性体の内部を通るようになる。 (ウ) 強磁性体で囲むと磁束がその壁の中を回って流れ,内側の空間には入ってこない。これを磁気遮へいという。 通りやすい/内部/磁気遮へいとなり答(4)。 静電遮へいは導体で囲んで電界を遮ることで,中の電位を一定にする(金属の箱の中では静電気の影響を受けない)ものである。磁界を遮るには導体ではなく透磁率の高い強磁性体が要る,という違いがこの問題の要点である。 なお磁気遮へいは静電遮へいほど完全ではない。磁束を「通さない」のではなく「壁のほうへ迂回させている」だけなので,強い磁界の中では壁が飽和して漏れてくる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 理論 問3
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 4
次の文章は,電磁誘導に関する記述である。 図のように,コイルと磁石を配置し,磁石の磁束がコイルを貫いている。 1. スイッチSを閉じた状態で磁石をコイルに近づけると,コイルには (ア) の向きに電流が流れる。 2. コイルの巻数が200であるとする。スイッチSを開いた状態でコイルの断面を貫く磁束を0.5 sの間に10 mWbだけ直線的に増加させると,磁束鎖交数は (イ) Wbだけ変化する。また,この0.5 sの間にコイルに発生する誘導起電力の大きさは (ウ) Vとなる。ただし,コイル断面の位置によらずコイルの磁束は一定とする。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
問4の図
正解:4
(イ) 磁束鎖交数は巻数と磁束の積 NΦ である。ΔΦ=10 mWb=0.01 Wb なので Δ(NΦ)=200×0.01=2 Wb。 (ウ) 誘導起電力の大きさはファラデーの法則から |e|=Δ(NΦ)/Δt=2/0.5=4 V。 (ア) レンツの法則で向きを決める。図の磁束の矢印は左を向いており,磁石のN極がコイル側にある。磁石が近づくと,この左向きの磁束が増える。コイルはそれを打ち消そうとするので,コイルの内部に右向き(磁石のほうへ向かう向き)の磁束を作る電流を流す。 右手の親指を右向きに合わせると,指はコイルの上側で手前へ回る。図の巻き方を見ると,導線は上を越えて手前へ回り,そこから右下へ降りていく。この向きにたどると電流は右端まで進み,右側のリード線を下向きに出ていく。これが②である。 ②/2/4 となり答(4)。 (イ)を0.01としているのは磁束そのものの変化で,巻数を掛け忘れた値。磁束鎖交数は巻数倍であることに注意する。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 理論 問4
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 5
次の文章は,熱電対に関する記述である。 熱電対の二つの接合点に温度差を与えると,起電力が発生する。この現象を (ア) 効果といい,このとき発生する起電力を (イ) 起電力という。熱電対の接合点の温度の高いほうを (ウ) 接点,低いほうを (エ) 接点という。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:1
(ア) 二種類の金属をつないだ回路の二つの接合点に温度差を与えると起電力が生じる現象をゼーベック効果という。ペルチェ効果はその逆で,電流を流すと接合点で熱の吸収・発生が起こる現象である。効果の名前は,温度差から電気が出るのがゼーベック,電気から温度差が出るのがペルチェ,と向きで覚えるとよい。 (イ) このとき生じる起電力は熱起電力と呼ぶ。誘導起電力は磁束の変化で生じるもので,別の現象である。 (ウ)(エ) 温度の高いほうの接合点を温接点,低いほうを冷接点という。「高接点」「低接点」という言い方はしない。 ゼーベック/熱/温/冷 となり答(1)。 熱電対は温接点を測りたい場所に置き,冷接点の温度を基準にして温度を測る。冷接点の温度が分からないと測定値が定まらないので,実際の計器では冷接点補償という仕組みが入っている。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 理論 問5
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 6
直流の出力電流又は出力電圧が常に一定の値になるように制御された電源を直流安定化電源と呼ぶ。直流安定化電源の出力電流や出力電圧にはそれぞれ上限値があり,一定電流(定電流モード)又は一定電圧(定電圧モード)で制御されている際に負荷の変化によってどちらかの上限値を超えると,定電流モードと定電圧モードとの間で切り替わる。 図のように,直流安定化電源(上限値: 100 A, 20 V),三つの抵抗(R₁=R₂=0.1 Ω,R₃=0.8 Ω),二つのスイッチ(SW₁, SW₂)で構成されている回路がある。両スイッチを閉じ,回路を流れる電流I=100 Aの定電流モードを維持している状態において,時刻t=t₁[s]でSW₁を開き,時刻t=t₂[s]でSW₂を開くとき,I[A]の波形として,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 (選択肢は原本から切り出した波形のグラフで示す。下の説明は補助。)
問6の図
正解:2
SW₁はR₂と,SW₂はR₃と並列に入っている。スイッチを閉じている間はその抵抗が短絡され,回路から消える。各段階で回路の抵抗と,そのとき100 Aを流すのに要る電圧を出していけばよい。 両方閉じているとき: 回路にあるのはR₁だけで0.1 Ω。100 Aを流すのに要る電圧は 100×0.1=10 V で上限の20 V以内だから,定電流モードのまま100 A。 t₁でSW₁を開くと: R₁+R₂=0.2 Ω。100 Aを流すのに要る電圧は 100×0.2=20 V。ちょうど上限だが超えてはいないので,まだ定電流モードで100 Aを維持できる。 t₂でSW₂を開くと: R₁+R₂+R₃=1.0 Ω。100 Aを流すには100 V要ることになり,上限の20 Vを大きく超える。ここで定電圧モードに切り替わり,出力は20 Vに固定される。電流は 20/1.0=20 A。 したがって波形は「t₂まで100 A,t₂以降20 A」となり答(2)。 t₁でちょうど20 Vになるところがこの問題の仕掛けである。「超えると切り替わる」と書かれているので,等しいだけでは切り替わらない。ここを超えたと読むとt₁で下がる(4)を選んでしまう。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 理論 問6
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 7
図のように,起電力E[V],内部抵抗r[Ω]の電池n個と可変抵抗R[Ω]を直列に接続した回路がある。この回路において,可変抵抗R[Ω]で消費される電力が最大になるようにその値[Ω]を調整した。このとき,回路に流れる電流Iの値[A]を表す式として,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
問7の図
正解:4
電池n個を直列にすると,起電力は nE,内部抵抗は nr になる。 可変抵抗Rで消費される電力が最大になるのは,Rが電源側から見た内部抵抗に等しいとき(最大電力の定理)なので R=nr。 このときの電流は I=nE/(nr+nr)=nE/(2nr)=E/(2r)。答(4)。 nが約分されて消えるのがこの問題の要点である。電池を何個直列にしても,最大電力を取り出しているときの電流はE/(2r)で変わらない。増えるのは電圧のほうで,その結果として取り出せる電力はn倍になる。 最大電力の定理を使わずに R=nr を代入し忘れると(5)のようにRを0とみなした形になり,Rでの消費電力は零になってしまう。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 理論 問7
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 8
図1の回路において,図2のような波形の正弦波交流電圧v[V]を抵抗5 Ωに加えたとき,回路を流れる電流の瞬時値i[A]を表す式として,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし,電源の周波数を50 Hz,角周波数をω[rad/s],時間をt[s]とする。
問8の図
正解:5
図2から電圧の式を読み取る。振幅は100√2 V。零を横切って上がっていくのが ωt=π/4 のところなので,位相はπ/4だけ遅れている。したがって v=100√2 sin(ωt−π/4)。 角周波数は周波数から ω=2πf=2π×50=100π rad/s。 回路は抵抗だけなので電流は電圧と同位相で,オームの法則をそのまま瞬時値に当てはめられる。 i=v/R=(100√2/5) sin(100πt−π/4)=20√2 sin(100πt−π/4)。答(5)。 50πとしている(1)(2)は ω=2πf の2を落とした場合。振幅を20としている(2)(3)は,100√2を実効値と取り違えて√2で割ってしまった場合である。図2の縦軸に書かれている100√2は波形の頂点の値,すなわち最大値なので,そのまま5で割ればよい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 理論 問8
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 9
実効値V[V],角周波数ω[rad/s]の交流電圧源,R[Ω]の抵抗R,インダクタンスL[H]のコイルL,静電容量C[F]のコンデンサCからなる共振回路に関する記述として,正しいものと誤りのものの組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 (a) RLC直列回路の共振状態において,LとCの端子間電圧の大きさはともに0である。 (b) RLC並列回路の共振状態において,LとCに電流は流れない。 (c) RLC直列回路の共振状態において交流電圧源を流れる電流は,RLC並列回路の共振状態において交流電圧源を流れる電流と等しい。
正解:1
(a) 誤り。直列共振で零になるのは,コイルとコンデンサの端子電圧の「和」である。互いに180°位相が違うので打ち消し合って零に見えるだけで,一つずつ測ればどちらにも電源電圧のQ倍という大きな電圧が現れている。Qが大きい回路では電源電圧の何十倍にもなり,素子の耐圧が問題になるほどである。 (b) 誤り。並列共振で零に近づくのは電源から流れ込む電流である。コイルとコンデンサの枝の間では,互いに逆向きの電流が行き来する循環電流が流れ続けている。 (c) 正しい。直列共振ではリアクタンスが打ち消し合ってインピーダンスがRだけになるので,電源電流は V/R。並列共振ではコイルとコンデンサの合成インピーダンスが無限大になり,電流はRの枝だけを流れるのでやはり V/R。どちらも同じ値になる。 誤り/誤り/正しい となり答(1)。 直列共振は「電圧が拡大される」,並列共振は「電流が拡大される」と対にして覚えると,(a)と(b)の誤りが同じ型であることが見える。どちらも「打ち消し合って合計が零になる」だけで,個々の素子の電圧や電流が零になるわけではない。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 理論 問9
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問 10
開放電圧がV[V]で出力抵抗が十分に低い直流電圧源と,インダクタンスがL[H]のコイルが与えられ,抵抗R[Ω]が図1のようにスイッチSを介して接続されている。時刻t=0でスイッチSを閉じ,コイルの電流i_L[A]の時間に対する変化を計測して,波形として表す。R=1 Ωとしたところ,波形が図2であったとする。R=2 Ωであればどのような波形となるか,波形の変化を最も適切に表すものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 ただし,選択肢の図中の点線は図2と同じ波形を表し,実線はR=2 Ωのときの波形を表している。 (選択肢は原本から切り出したグラフで示す。下の説明は補助。)
問10の図
正解:4
RL直列回路にスイッチを入れたときの電流は i_L=(V/R)(1−e^(−t/τ)),時定数は τ=L/R である。押さえるのは最終値 V/R と時定数 L/R の二つだけでよい。 まず図2から回路の値を読む。R=1 Ωで最終値が3 Aなので V=3 V。3 Aの63.2 %である約1.9 Aに達するのが約1 sなので τ≒1 s,したがって L≒1 H。 R=2 Ωにすると,最終値は V/R=3/2=1.5 A。 時定数は L/R=1/2=0.5 s。 最終値は半分になり,時定数も半分になるので立ち上がりは速くなる。答(4)。 (5)は最終値だけ正しく,立ち上がりを遅くしている。抵抗を大きくすると時定数 L/R は小さくなるので,むしろ速くなる。RC回路の時定数 CR が抵抗を大きくすると長くなるのと逆向きなので,混同しやすいところである。 (1)(3)は最終値が変わらないとしているが,最終値はコイルが短絡と同じになった状態の値で V/R そのものだから,Rを2倍にすれば必ず半分になる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 理論 問10
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 11
半導体に関する記述として,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:2
(2) 正しい。キャリヤの濃度に偏りがあると,濃いほうから薄いほうへ拡散して電流が流れる。その大きさは濃度の傾き(濃度勾配)に比例する。 (1) 誤り。単元素の半導体はゲルマニウム(Ge)とシリコン(Si)で,インジウムリン(InP)とガリウムヒ素(GaAs)が化合物半導体である。組合せが入れ替わっている。 (3) 誤り。不純物を加えるとキャリヤが増えるのだから,電流が流れやすくなり抵抗率は大きく下がる。これがドーピングの目的そのものである。 (4) 誤り。真性半導体でも,光や熱でエネルギーをもらうと共有結合が切れて電子と正孔が対で発生する。この性質を使ったのが光導電セルやサーミスタである。 (5) 誤り。ドリフト電流の大きさは電界に比例する。反比例では,電界を強くするほど電流が減ることになり,オームの法則と噛み合わない。 答(2)。 半導体を流れる電流には,電界で運ばれるドリフト電流と,濃度差で広がる拡散電流の二種類がある。(2)と(5)はその二つの比例関係を問うていて,どちらも「比例」が正しい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 理論 問11
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 12
図のように,x方向の平等電界E[V/m],y方向の平等磁界H[A/m]が存在する真空の空間において,電荷−e[C],質量m[kg]をもつ電子がz方向の初速度v[m/s]で放出された。この電子が等速直線運動をするとき,vを表す式として,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし,真空の誘電率をε₀[F/m],真空の透磁率をμ₀[H/m]とし,重力の影響を無視する。 また,電子の質量は変化しないものとする。図中の◉は紙面に垂直かつ手前の向きを表す。
問12の図
正解:3
等速直線運動をするということは,電子に働く力の合計が零だということである。働く力は二つだけなので,それらがつり合う条件を書けばよい。 電界による力は F_E=qE で,電荷が−eだから大きさ eE,向きは電界と逆すなわち−x方向。 磁界による力(ローレンツ力)は F_B=qv×B である。磁束密度は B=μ₀H で+y方向,速度は+z方向だから,v×B の向きは ẑ×ŷ=−x̂。電荷が負なのでさらに反転して+x方向。大きさは evμ₀H。 つり合いの式は eE=evμ₀H となり,両辺をeで割って v=E/(μ₀H)。答(3)。 単位で確かめてもよい。E[V/m] を μ₀H[T] で割ると (V/m)/(V·s/m²)=m/s となり,速度の単位になる。(2)のE/Hは m/s にならないので,計算するまでもなく除外できる。 この構成は速度選別器と呼ばれ,決まった速さの荷電粒子だけをまっすぐ通す装置として使われる。速さが違う粒子は力がつり合わず曲げられる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 理論 問12
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 13
図は,電界効果トランジスタ(FET)を用いたソース接地増幅回路の簡易小信号交流等価回路である。この回路の電圧増幅度A_v=|v_o/v_i|を近似する式として,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし,図中のS,G,Dはそれぞれソース,ゲート,ドレインであり,v_i[V],v_o[V],v_gs[V]は各部の電圧,g_m[S]はFETの相互コンダクタンスである。また,抵抗r_d[Ω]は抵抗R_L[Ω]に比べて十分大きいものとする。
問13の図
正解:1
入力側はゲートとソースの間だけなので v_gs=v_i である。 出力側は,大きさ g_m v_gs の電流源に r_d と R_L が並列につながった形になっている。電流源が流す電流はこの二つの並列合成抵抗を通るので v_o=g_m v_gs×(r_d R_L)/(r_d+R_L)。 したがって A_v=|v_o/v_i|=g_m×(r_d R_L)/(r_d+R_L)。 ここで r_d≫R_L という条件を使う。分母の r_d+R_L は r_d とみなせるので A_v≒g_m×(r_d R_L)/r_d=g_m R_L。答(1)。 並列合成抵抗は「小さいほうに近づく」ので,r_d が十分大きければ R_L だけが残る,と考えても同じ結論になる。 (2)のg_m r_d は逆に R_L のほうが十分大きい場合の形で,条件が逆である。(3)は並列を直列と取り違えた形。並列合成が和になることはない。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 理論 問13
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 14
図のブリッジ回路を用いて,未知の抵抗の値R_x[Ω]を推定したい。可変抵抗R₃を調整して,検流計に電流が流れない状態を探し,平衡条件を満足するR_x[Ω]の値を求める。求めた値が真値と異なる原因が,R_k(k=1, 2, 3)の真値からの誤差ΔR_kのみである場合を考え,それらの誤差率 ε_k=ΔR_k/R_k が次の値であったとき,R_xの誤差率として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 ε₁=0.01, ε₂=−0.01, ε₃=0.02
問14の図
正解:5
まず平衡条件を書く。図の左の枝は上からR₁・R₂,右の枝は上からR_x・R₃で,検流計は両枝の中点をつないでいる。検流計に電流が流れない条件は R₁/R₂=R_x/R₃ すなわち R_x=R₁R₃/R₂。 掛け算と割り算だけでできた式なので,誤差率は足し引きで伝わる。分子にあるものは足し,分母にあるものは引く。 ε_x=ε₁+ε₃−ε₂=0.01+0.02−(−0.01)=0.04。答(5)。 符号に注意する。ε₂が−0.01であることと,R₂が分母にあることの二つの「マイナス」が重なって,結果は足す向きに効く。R₂が実際より小さいと,R₂で割って求めるR_xは大きく出る,と考えても同じである。 単純に3つを足すと 0.01−0.01+0.02=0.02 で(3)になる。分母のものは引く,という点だけが分かれ目になっている。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 理論 問14
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 15(a)
図のように,線間電圧400 Vの対称三相交流電源に抵抗R[Ω]と誘導性リアクタンスX[Ω]からなる平衡三相負荷が接続されている。平衡三相負荷の全消費電力は6 kWであり,これに線電流I=10 Aが流れている。電源と負荷との間には,変流比20:5の変流器がa相及びc相に挿入され,これらの二次側が交流電流計Ⓐを通して並列に接続されている。この回路について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 交流電流計Ⓐの指示値[A]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
問15(a)の図
正解:2
変流器の変流比は 20:5=4:1 なので,一次側の10 Aに対して二次側には 10×5/20=2.5 A が流れる。これがa相・c相それぞれの二次電流である。 つぎに電流計を流れるのがどちらの向きの和かを図で確かめる。a相の変流器の二次側はk端子が左の線に,l端子が右の線につながっており,c相の変流器も同じくk端子が左,l端子が右につながっている。同じ極性で並列にしてあるので,電流計にはa相とc相の二次電流のベクトル和が流れる。 対称三相では İ_a+İ_b+İ_c=0 なので İ_a+İ_c=−İ_b となり,その大きさは1相分と同じである。したがって電流計の指示は2.5 Aとなる。答(2)。 単純に2.5+2.5=5.0とすると(4)を選ぶが,二つの電流は120°ずれているので算術和にはならない。逆に極性を逆にして接続すると İ_a−İ_c となり,大きさは√3倍の4.33 Aで(3)になる。図のk・lの向きを読むことがこの問題の要点である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 理論 問15(a)
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 15(b)
図のように,線間電圧400 Vの対称三相交流電源に抵抗R[Ω]と誘導性リアクタンスX[Ω]からなる平衡三相負荷が接続されている。平衡三相負荷の全消費電力は6 kWであり,これに線電流I=10 Aが流れている。電源と負荷との間には,変流比20:5の変流器がa相及びc相に挿入され,これらの二次側が交流電流計Ⓐを通して並列に接続されている。この回路について,次の問に答えよ。 〔小問(b)〕 誘導性リアクタンスXの値[Ω]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
問15(b)の図
正解:1
抵抗とリアクタンスがY結線されているので,1相分に分けて考える。 まず抵抗を出す。三相の消費電力は3相分の合計なので P=3I²R より R=6 000/(3×10²)=20 Ω。 つぎに1相分のインピーダンスの大きさを出す。Y結線なので1相にかかるのは相電圧で 400/√3≒230.9 V, これを線電流で割って Z=230.9/10≒23.1 Ω。 リアクタンスは直角三角形の残りの辺なので X=√(Z²−R²)=√(23.1²−20²)=√(533.3−400)=√133.3≒11.5 Ω。答(1)。 (2)の20.0は抵抗R,(3)の23.1はインピーダンスZの値で,どちらも途中で出てくる数字である。求めるのはリアクタンスなので,二乗して引いて平方根を取る一手間が残っている。 (4)の34.6は 400/√3 を √3 倍した値,(5)の60.0は 6 000/(10²) で3相分を1相分に直し忘れた値である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 理論 問15(b)
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問 16(a)
図のように,電源E[V],負荷抵抗R[Ω],内部抵抗R_v[kΩ]の電圧計及び内部抵抗R_a[Ω]の電流計を接続した回路がある。この回路において,電圧計及び電流計の指示値がそれぞれV₁[V],I₁[A]であるとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。ただし,電圧計と電流計の指示値の積を負荷抵抗R[Ω]の消費電力の測定値とする。 〔小問(a)〕 電流計の電力損失の値[W]を表す式として,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
問16(a)の図
正解:4
電流計は内部抵抗R_aを持ち,そこに指示値I₁がそのまま流れている。抵抗に電流が流れれば熱になるので,電力損失は P=I₁²R_a。答(4)。 電流計の両端の電圧が分かっていないのだから,V₁を使う形にはならない。V₁は電圧計が測っている値で,電流計と負荷抵抗の直列部分にかかる電圧である。電流計だけにかかる電圧ではない。 (1)や(2)のようにV₁をR_aで割ると,電流計に流れていない大きな電流を仮定したことになる。(3)の第1項 V₁²/R_v は電圧計のほうの電力損失で,これは電流計の損失ではない。 計器の内部抵抗による損失は,電流計なら I²R_a,電圧計なら V²/R_v と,測っている量から素直に決まる。どちらの計器の話かを取り違えないこと。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 理論 問16(a)
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問 16(b)
図のように,電源E[V],負荷抵抗R[Ω],内部抵抗R_v[kΩ]の電圧計及び内部抵抗R_a[Ω]の電流計を接続した回路がある。この回路において,電圧計及び電流計の指示値がそれぞれV₁[V],I₁[A]であるとき,次の問に答えよ。ただし,電圧計と電流計の指示値の積を負荷抵抗R[Ω]の消費電力の測定値とする。 〔小問(b)〕 今,負荷抵抗R=320 Ω,電流計の内部抵抗R_a=4 Ωが分かっている。この回路で得られた負荷抵抗R[Ω]の消費電力の測定値V₁I₁[W]に対して,R[Ω]の消費電力を真値とするとき,誤差率の値[%]として最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
問16(b)の図
正解:5
図の接続を確かめる。電圧計は電源と並列で,電流計と負荷抵抗の直列部分にかかる電圧を測っている。電流計は負荷抵抗と直列なので,そこを流れる電流I₁は負荷抵抗を流れる電流そのものである。電圧計に流れる電流は電流計を通らないので,I₁には影響しない。 したがって測定値は V₁I₁=I₁(I₁R_a+I₁R)=I₁²(R+R_a), 真値は I₁²R。 誤差率は (測定値−真値)/真値=I₁²R_a/(I₁²R)=R_a/R=4/320=0.012 5=1.25 %。 最も近いのは1.2で答(5)。 誤差の正体は,電流計の内部抵抗での電圧降下まで負荷の電圧として数えてしまっていることである。したがって誤差率は R_a/R という単純な比になり,電圧計の内部抵抗R_vも電源電圧も関係しない。 この接続では負荷抵抗が小さいほど誤差が大きくなる。逆に電圧計を負荷と並列にする接続では,負荷抵抗が大きいほど誤差が大きくなる。測る抵抗の大きさで接続を選ぶ理由がここにある。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 理論 問16(b)
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問 17(a)
図のように,極板間の厚さd[m],表面積S[m²]の平行板コンデンサAとBがある。コンデンサAの内部は,比誘電率と厚さが異なる3種類の誘電体で構成され,極板と各誘電体の水平方向の断面積は同一である。コンデンサBの内部は,比誘電率と水平方向の断面積が異なる3種類の誘電体で構成されている。コンデンサAの各誘電体内部の電界の強さをそれぞれE_A1,E_A2,E_A3,コンデンサBの各誘電体内部の電界の強さをそれぞれE_B1,E_B2,E_B3とし,端効果,初期電荷及び漏れ電流は無視できるものとする。また,真空の誘電率をε₀[F/m]とする。両コンデンサの上側の極板に電圧V[V]の直流電源を接続し,下側の極板を接地した。次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 コンデンサAにおける各誘電体内部の電界の強さの大小関係とその中の最大値の組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
問17(a)の図
正解:4
コンデンサAは3種類の誘電体が縦に重なっていて,同じ電束が3層を順に貫いている。断面積も同じなので電束密度Dはどの層でも共通で,電界は E=D/ε となり誘電率に反比例する。 比誘電率は上から2,3,6なので E_A1>E_A2>E_A3。 つぎに最大値E_A1を出す。各層の電界は E_A1=D/(2ε₀),E_A2=D/(3ε₀),E_A3=D/(6ε₀)。 電圧は各層の電界と厚さの積の合計だから V=D/(2ε₀)×(d/6)+D/(3ε₀)×(d/3)+D/(6ε₀)×(d/2) =Dd/ε₀×(1/12+1/9+1/12)=Dd/ε₀×10/36=5Dd/(18ε₀)。 よって D=18ε₀V/(5d) となり E_A1=D/(2ε₀)=9V/(5d)。答(4)。 直列につないだコンデンサで,容量の小さい素子ほど大きな電圧が分担されるのと同じ話である。誘電率が小さい層ほど電界が強くなるので,絶縁破壊はいちばん誘電率の低い層から起きる。 (3)のようにどの層も V/d になるのは,誘電体が横に並んでいるコンデンサBのほうである。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 理論 問17(a)
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問 17(b)
図のように,極板間の厚さd[m],表面積S[m²]の平行板コンデンサAとBがある。コンデンサAの内部は,比誘電率と厚さが異なる3種類の誘電体で構成され,極板と各誘電体の水平方向の断面積は同一である。コンデンサBの内部は,比誘電率と水平方向の断面積が異なる3種類の誘電体で構成されている。コンデンサAの各誘電体内部の電界の強さをそれぞれE_A1,E_A2,E_A3,コンデンサBの各誘電体内部の電界の強さをそれぞれE_B1,E_B2,E_B3とし,端効果,初期電荷及び漏れ電流は無視できるものとする。また,真空の誘電率をε₀[F/m]とする。両コンデンサの上側の極板に電圧V[V]の直流電源を接続し,下側の極板を接地した。次の問に答えよ。 〔小問(b)〕 コンデンサA全体の蓄積エネルギーは,コンデンサB全体の蓄積エネルギーの何倍か,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
問17(b)の図
正解:2
どちらのコンデンサにも同じ電圧Vがかかっているので,蓄積エネルギー ½CV² の比は静電容量の比そのものになる。それぞれの合成容量を出せばよい。 コンデンサAは3層が縦に重なっているので直列である。各層は C_A1=2ε₀S/(d/6)=12ε₀S/d,C_A2=3ε₀S/(d/3)=9ε₀S/d,C_A3=6ε₀S/(d/2)=12ε₀S/d。 逆数の和をとって 1/C_A=(d/(ε₀S))(1/12+1/9+1/12)=(d/(ε₀S))×10/36 C_A=18ε₀S/(5d)=3.6ε₀S/d。 コンデンサBは3区画が横に並んでいるので並列である。 C_B1=2ε₀(S/6)/d=(1/3)ε₀S/d,C_B2=3ε₀(S/3)/d=ε₀S/d,C_B3=6ε₀(S/2)/d=3ε₀S/d。 和をとって C_B=(1/3+1+3)ε₀S/d=(13/3)ε₀S/d≒4.333ε₀S/d。 したがって C_A/C_B=3.6/4.333≒0.83。答(2)。 同じ誘電体を同じ量だけ使っていても,縦に重ねるか横に並べるかで容量が変わる。直列は容量が小さくなる向きに効くので,Aのほうが小さくなるのは計算する前から見当がつく。1を超える(4)(5)はその時点で除外できる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 理論 問17(b)
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問 18(a)
発振回路について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 図1は,ある発振回路のコンデンサを開放し,同時にコイルを短絡した,直流分を求めるための回路図である。図中の電圧V_C[V]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 ただし,図中のV_BE並びにエミッタ接地トランジスタの直流電流増幅率h_FEをそれぞれV_BE=0.6 V,h_FE=100とする。
問18(a)の図
正解:4
電流帰還バイアス回路の直流動作点を,上から順に求めていく。 ベース電圧は6.8 kΩと3.0 kΩの分圧で決まる。ベース電流は小さいので無視できるとして V_B=9×3.0/(6.8+3.0)=9×3.0/9.8≒2.76 V。 エミッタ電圧はここからV_BEを引いて V_E=2.76−0.6=2.16 V。 エミッタ電流は1.4 kΩにかかる電圧から I_E=2.16/1 400≒1.54 mA。 コレクタ電流はエミッタ電流のうちベース電流を除いた分で I_C=I_E×h_FE/(h_FE+1)=1.54×100/101≒1.52 mA。 コレクタ電圧は電源から2.1 kΩでの電圧降下を引いて V_C=9−1.52×10⁻³×2 100≒9−3.20=5.8 V。 最も近いのは6で答(4)。 h_FE=100は十分大きいので I_C≒I_E としても 9−1.54×2.1≒5.77 V となり,答は変わらない。この種の問題ではベース電流を無視してよいかどうかを最初に見積もっておくと速い。 なお発振回路のコンデンサを開放しコイルを短絡するのは,交流分を取り除いて直流分だけを残す常套手段である。ここで求めた動作点の上に,小問(b)の交流の振る舞いが乗ることになる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 理論 問18(a)
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問 18(b)
発振回路について,次の問に答えよ。 〔小問(b)〕 図2は,ある発振回路のトランジスタに接続されている,電極間のリアクタンスを示している。ただし,バイアス回路は省略している。この回路が発振するとき,発振周波数f₀[kHz]はどの程度の大きさになるか,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 ただし,発振周波数は,図に示されている素子の値のみにより定まるとしてよい。
問18(b)の図
正解:4
図2は,コイル1個とコンデンサ2個をトランジスタの電極間に配したコルピッツ発振回路である。発振周波数を決めているのは,コイルと,直列につながった2個のコンデンサの合成容量である。 2個のコンデンサはどちらも1 μFで,直列だから C=1×1/(1+1)=0.5 μF。 発振周波数は共振周波数に等しく f₀=1/(2π√(LC))=1/(2π√(5×10⁻⁶×0.5×10⁻⁶))。 根号の中は 2.5×10⁻¹² で,平方根は 1.58×10⁻⁶。したがって f₀=1/(2π×1.58×10⁻⁶)≒1.0×10⁵ Hz=100 kHz。答(4)。 2個のコンデンサを直列とみて合成するところが要点である。並列と取り違えて2 μFとすると,√の中が4倍になって周波数は半分の約50 kHzになり,やはり(4)に近いが,考え方としては誤りである。 桁だけで答えられる問題でもある。5 μHと0.5 μFの組合せは √(LC)≒1.6×10⁻⁶ s で,周波数は10⁵ Hz台。選択肢は10倍刻みなので,桁が合うのは100 kHzだけである。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 理論 問18(b)
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