📄 本試験 過去問題
電験3種 2023年度上期(令和5年度上期) 機械
18問 ・ 目安 正答率60% ・ 2023年8月20日実施
電験三種(第三種電気主任技術者)の2023年度上期(令和5年度上期) 機械試験で実際に出題された全18問を、1問ずつその場で答え合わせしながら演習できます。2023年8月20日実施・合否の目安は正答率60%(演習の目安)。各問に正解と、なぜその選択肢になるのかの解説を付けています。
本試験の合格基準:理論・電力・機械・法規の科目ごとに合否判定。各科目100点満点中原則60点以上で科目合格、4科目すべて合格で試験合格。
この回:令和5年度上期・機械:合格基準は100点満点中60点以上(筆記方式の公表値)。
出典:令和5年度第三種電気主任技術者上期試験の結果について(令和5年9月12日)。このページの「目安 正答率60%」は演習の目安で、本試験の採点方法とは異なります。
この回は 一般財団法人 電気技術者試験センター が公開する本試験問題を、当サイトがその場で答え合わせできる一問一答形式に再編し、公式には付いていない「正解の根拠・各選択肢の解き方」の解説を追記したものです。原題の出典は各問に明記しています。
過去問の解答結果は学習記録・段位には反映されません。過去問は出題当時の法令・制度にもとづく問題を含むため、段位は継続して最新化している一問一答・模擬試験だけで判定しています。過去問を解かなくても段位で不利になることはありませんので、実力試しとして気軽にお使いください。
問 1
次の文章は,直流機の構造に関する記述である。
直流機の構造は,固定子と回転子とからなる。固定子は, (ア) ,継鉄などによって,また,回転子は, (イ) ,整流子などによって構成されている。
電機子鉄心は, (ウ) 磁束が通るため, (エ) が用いられている。また,電機子巻線を収めるための多数のスロットが設けられている。
六角形(亀甲形)の形状の電機子巻線は,そのコイル辺を電機子鉄心のスロットに挿入する。各コイル相互のつなぎ方には, (オ) と波巻とがある。直流機では,同じスロットにコイル辺を上下に重ねて2 個ずつ入れた二層巻としている。
上記の記述中の空白箇所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:1
直流機では磁界をつくる界磁が固定子側,導体が回転する電機子が回転子側にある。整流子が回転子側に挙げられていることからも,(イ)が電機子だと分かる。したがって(ア)界磁,(イ)電機子。
(ウ)(エ)電機子は回転しているので,鉄心から見れば磁束の向きが次々に入れ替わる交番磁束になる。交番磁束が通ると渦電流が流れて損失になるので,薄い電磁鋼板を絶縁して重ねた積層鉄心を使って渦電流の経路を断つ。鋳鉄は塊なので渦電流を止められない。
(オ)電機子巻線のつなぎ方は重ね巻と波巻の2 種類である。「直列巻」という語はここでは使わない。よって(1)。答(1)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 機械 問1
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 2
界磁に永久磁石を用いた小形直流電動機があり,電源電圧は定格の12 V,回転を始める前の静止状態における始動電流は4 A,定格回転数における定格電流は1 A である。定格運転時の効率の値[%]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
ただし,ブラシの接触による電圧降下及び電機子反作用は無視できるものとし,損失は電機子巻線による銅損しか存在しないものとする。
正解:4
静止しているときは逆起電力が0 なので,電源電圧がそのまま電機子抵抗に加わる。したがって始動電流から電機子抵抗が求まり
R_a=12/4=3 Ω
である。
定格運転時は電機子電流が1 A だから,損失(銅損)は
P_c=1²×3=3 W
入力は
P_in=12×1=12 W
であり,損失が銅損だけなので出力は
P_out=12−3=9 W
となる。よって効率は
η=9/12=0.75=75 %
である。
「始動電流は逆起電力が0 のときの電流」という一点で電機子抵抗が出せるのがこの問題の要点である。答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 機械 問2
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 3
次の文章は,三相誘導電動機の誘導起電力に関する記述である。
三相誘導電動機で固定子巻線に電流が流れると (ア) が生じ,これが回転子巻線を切るので回転子巻線に起電力が誘導され,この起電力によって回転子巻線に電流が流れることでトルクが生じる。この回転子巻線の電流によって生じる起磁力を (イ) ように固定子巻線に電流が流れる。
回転子が停止しているときは,固定子巻線に流れる電流によって生じる (ア) は,固定子巻線を切るのと同じ速さで回転子巻線を切る。このことは原理的に変圧器と同じであり,固定子巻線は変圧器の (ウ) 巻線に相当し,回転子巻線は (エ) 巻線に相当する。回転子巻線の各相には変圧器と同様に (エ) 誘導起電力を生じる。
回転子が回転しているときは,電動機の滑りを s とすると, (エ) 誘導起電力の大きさは,回転子が停止しているときの (オ) 倍となる。
上記の記述中の空白箇所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:5
(ア)三相巻線に三相電流を流すと回転磁界ができる。これが誘導電動機の出発点で,単相の交番磁界ではない。
(イ)回転子電流がつくる起磁力は,レンツの法則により回転磁界を弱める向きに働く。これを打ち消すように固定子側に電流が流れて磁束を保つ(変圧器の一次電流と同じ働き)。
(ウ)(エ)電源につながる固定子巻線が変圧器の一次,誘導される回転子巻線が二次にあたる。
(オ)回転子が回ると,回転磁界と回転子の相対速度が滑り s の分だけになるので,二次誘導起電力は停止時の s 倍になる。同時に二次周波数も sf₁ になる。
よって(5)。1−s は回転速度の同期速度に対する比であって起電力の比ではない。答(5)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 機械 問3
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 4
定格出力36 kW,定格周波数60 Hz,8 極のかご形三相誘導電動機があり,滑り4 %で定格運転している。このとき,電動機のトルク[N·m]の値として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし,機械損は無視できるものとする。
正解:2
まず同期速度を求める。
N_s=120f/p=120×60/8=900 min⁻¹
滑り4 %なので実際の回転速度は
N=900×(1−0.04)=864 min⁻¹
である。角速度に直すと
ω=2πN/60=2π×864/60=90.5 rad/s
トルクは出力を角速度で割って
T=P/ω=36 000/90.5=398 N·m
となる。
同期速度900 min⁻¹ のまま計算すると 36 000/(2π×900/60)=382 N·m となり(1)を選ぶことになる。軸に現れるトルクは実際の回転速度で割る点に注意したい。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 機械 問4
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 5
三相同期発電機の短絡比に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:3
短絡比 K_s と同期インピーダンス%Z の間には K_s≒1/%Z(単位法)の関係があるので,短絡比が小さい機械は同期インピーダンスが大きい((5)は正しい)。
誤りは(3)である。同期インピーダンスが大きいほど負荷電流による内部の電圧降下が大きくなるので,電圧変動率は大きくなる。「小さくなる」は逆である。
他は正しい。短絡比の小さい機械は,界磁を弱くして巻線(銅)を多く使う設計になるため(4)銅機械と呼ばれ,鉄心が小さくてすむので(1)外形寸法が小さく安価になる。ただし同期インピーダンスが大きいぶん(2)安定度は悪く,短絡電流は小さい。逆に短絡比の大きい鉄機械は,寸法も価格も大きいが安定度に優れる。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 機械 問5
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 6
次のような三相同期発電機がある。
1 極当たりの磁束 0.10 Wb
極数 12
1 分間の回転速度 600 min⁻¹
1 相の直列巻数 250
巻線係数 0.95
結線 Y(1 相のコイルは全部直列)
この発電機の無負荷誘導起電力(線間値)の値[kV]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし,エアギャップにおける磁束分布は正弦波であるものとする。
正解:4
まず周波数を求める。
f=pN/120=12×600/120=60 Hz
1 相当たりの誘導起電力は,変圧器と同じ形の式に巻線係数を掛けて
E=4.44 k_w f N Φ=4.44×0.95×60×250×0.10=6 327 V
となる。
Y 結線なので線間値は相電圧の√3 倍だから
V=√3×6 327=10 959 V≒11.0 kV
である。
√3 倍を忘れると6 327 V となって(3)の6.33 kV を選ぶことになる。「線間値」と明記されている点を見落とさないようにしたい。答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 機械 問6
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 7
電動機と負荷の特性を,回転速度を横軸,トルクを縦軸に描く,トルク対速度曲線で考える。電動機と負荷の二つの曲線がどのように交わるかを見ると,その回転数における運転が安定か不安定かを判定することができる。誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:4
安定か不安定かは,動作点から少しずれたときに元へ戻るかどうかで決まる。速度が上がったときに電動機トルクが負荷トルクより小さくなれば減速して戻るので安定,逆なら加速し続けて戻らないので不安定である。
誤りは(4)である。かご形誘導電動機に定トルク負荷をつなぐと確かに2 点で交わりうるが,安定なのは最大トルクより高速側の交点だけで,低速側の交点は不安定である。不安定な点では運転を続けられないので,「加速時と減速時によって安定な動作点が変わる」ということはない。低速側の交点は,起動時に通過するだけの点である。
他は正しい。(2)(3)(5)はいずれも「電動機は右下がり・負荷は右上がり」で交わる組合せで,この形は必ず安定になる。答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 機械 問7
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 8
三相変圧器の並行運転に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:3
誤りは(3)の後半である。角変位は Y-Y と Δ-Δ が0°,Δ-Y と Y-Δ が30°になる。並行運転できるのは角変位が等しい組合せどうしなので
・Δ-Y と Y-Y … 30°と0° → 並行運転できない
・Δ-Δ と Δ-Y … 0°と30° → 並行運転できない
となり,設問の記述はできる/できないが入れ替わっている。正しく並行運転できるのは Y-Y と Δ-Δ,あるいは Δ-Y と Y-Δ の組合せである。
(3)の前半(角変位が違うと循環電流が流れる)と,他の選択肢はいずれも正しい。並行運転の条件は「極性が同じ」「変圧比が等しい」「角変位が等しい」「%インピーダンスが等しい」「抵抗とリアクタンスの比が等しい」の5 つで,この設問はそれを1 つずつ確認する構成になっている。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 機械 問8
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 9
定格容量50 kV·A の単相変圧器において,力率1 の負荷で全負荷運転したときに,銅損が1 000 W,鉄損が250 W となった。力率1 を維持したまま負荷を調整し,最大効率となる条件で運転した。銅損と鉄損以外の損失は無視できるものとし,この最大効率となる条件での効率の値[%]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:4
変圧器の効率が最大になるのは「銅損=鉄損」のときである。鉄損は負荷によらず一定,銅損は負荷率 a の2 乗に比例するから
a²×1 000=250 → a²=0.25 → a=0.5
すなわち半分の負荷のときに最大効率になる。
このときの出力は力率1 なので
P=50 000×0.5×1=25 000 W
損失は銅損250 W と鉄損250 W の合計500 W だから
η=25 000/(25 000+500)=0.980=98.0 %
である。
全負荷のままで計算すると 50 000/(50 000+1 250)=97.6 % となり(3)を選ぶことになるが,問われているのは最大効率となる条件での値である。答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 機械 問9
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 10
パワー半導体スイッチングデバイスとしては近年,主にIGBT とパワーMOSFET が用いられている。通常動作における両者の特性を比較した記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:1
誤りは(1)である。逆方向に電流が流れるのはパワーMOSFET の方で,構造上ボディーダイオードが内蔵されているためゲートがオフでも逆方向には流れる。IGBT にはこのような内蔵ダイオードがなく,逆方向には電流を流せない。そのためインバータなどで還流経路が必要な場合は,IGBT に逆並列ダイオードを外付けする。
他は正しい。(2)パワーMOSFET は電圧駆動形でゲート電圧でオンする。(3)ユニポーラ(多数キャリアだけ)なので少数キャリアの蓄積がなく高速だが,オン抵抗の関係で大電流には向かない。(4)IGBT はバイポーラなので蓄積キャリアが抜けきるまでテイル電流が流れ,オフに時間がかかる。(5)SiC はシリコンより絶縁破壊電界とバンドギャップが大きく,高耐圧・高耐熱にできる。答(1)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 機械 問10
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 11
図に示すように,電動機が減速機と組み合わされて負荷を駆動している。このときの電動機の回転速度 n_m が1 150 min⁻¹,トルク T_m が100 N·m であった。減速機の減速比が8,効率が0.95 のとき,負荷の回転速度 n_L[min⁻¹],軸トルク T_L[N·m]及び軸入力 P_L[kW]の値として,最も近いものを組み合わせたのは次のうちどれか。
正解:2
減速機は回転速度を下げてトルクを上げる装置なので,まず向きを押さえる。
n_L=n_m/8=1 150/8=143.8 min⁻¹(減速するので割る)
9 200 は逆に8 を掛けた値で,減速機の役割と逆になる。
電動機の出力は
P_m=T_m ω_m=100×2π×1 150/60=12 043 W
減速機の効率が0.95 だから負荷の軸入力は
P_L=12 043×0.95=11 441 W≒11.4 kW
である。軸トルクは
T_L=P_L/ω_L=11 441/(2π×143.8/60)=760 N·m
となる。
減速比8・効率0.95 なので,トルクはおよそ8×0.95=7.6 倍の760 N·m になる。11.9 という値は逆に8 で割ったもので,減速機がトルクを増やす向きと合わない。よって(2)。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 機械 問11
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 12
次の文章は,光の基本量に関する記述である。
光源の放射束のうち人の目に光として感じるエネルギーを光束といい単位には (ア) を用いる。
照度は,光を受ける面の明るさの程度を示し,1 (イ) とは被照射面積1 m² に光束1 (ア) が入射しているときの,その面の照度である。
光源の各方向に出ている光の強さを示すものが光度である。光度 I (ウ) は,立体角 ω[sr]から出る光束を F (ア) とすると I=F/ω で示される。
物体の単位面積から発散する光束の大きさを光束発散度 M (エ) といい,ある面から発散する光束を F,その面積を A[m²]とすると M=F/A で示される。
光源の発光面及び反射面の輝きの程度を示すのが輝度であり,単位には (オ) を用いる。
上記の記述中の空白箇所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:3
光の4 つの基本量を単位で区別する問題である。
(ア)光束はルーメン[lm]。
(イ)照度は1 m² に1 lm が入射したときの明るさで,ルクス[lx](=lm/m²)。
(ウ)光度は I=F/ω なので[lm/sr]だが,これに固有の名称としてカンデラ[cd]が与えられている。選択肢に[lm/sr]と[cd]の両方があるが,光度の単位として問われれば固有の名称である[cd]を答えるのが正しい。
(エ)光束発散度は M=F/A なので[lm/m²]。照度と次元は同じだが,入射する光束か発散する光束かで区別され,記号も[rlx](ラドルクス)が使われることがある。
(オ)輝度は単位投影面積当たりの光度なので[cd/m²]。
よって(3)。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 機械 問12
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 13
図1 に示すR-L 回路において,端子a,a′間に単位階段状のステップ電圧 v(t)[V]を加えたとき,抵抗 R[Ω]に流れる電流を i(t)[A]とすると,i(t)は図2 のようになった。この回路の R[Ω],L[H]の値及び入力を a,a′間の電圧とし,出力を R[Ω]に流れる電流としたときの周波数伝達関数 G(jω)の式として,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:1
図2 から2 つの量を読み取る。
① 十分に時間が経ったときの電流(最終値)は0.1 A。このときコイルは短絡と同じなので,入力1 V に対して
R=1/0.1=10 Ω
② 最終値の63 %にあたる0.063 A に達する時刻が時定数である。図2 では t=0.01 s なので
τ=L/R=0.01 → L=0.01×10=0.1 H
となる。
周波数伝達関数は,入力電圧に対する電流なのでインピーダンスの逆数で
G(jω)=1/(R+jωL)=1/(10+j0.1ω)
である。分母から10 をくくり出すと
G(jω)=0.1/(1+j0.01ω)
となり,(1)と一致する。
(4)は分母が 10+j0.01ω で,jω の係数が L=0.1 でなく0.01 になっており誤り。同じ式でも書き方が変わるので,くくり出した形まで確かめる必要がある。答(1)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 機械 問13
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 14
次のフローチャートに従って作成したプログラムを実行したとき,印字されるA,B の値として,正しい組合せを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:3
初期値は A=10,B=2 である。ループは「A←A+B」→「A≦40 か判定」→YES なら「B←B²+1」してループの先頭へ戻る,という順序になっている。判定が A の更新の直後にある点に注意して1 周ずつ追う。
1 周目:A=10+2=12。12≦40 なので YES → B=2²+1=5
2 周目:A=12+5=17。17≦40 なので YES → B=5²+1=26
3 周目:A=17+26=43。43≦40 は成り立たないので NO → 印字へ
このとき A=43,B=26 である。よって(3)。
判定が NO になった時点で B の更新は行われないので,B=26²+1=677 まで進めてしまうと(2)を選ぶことになる。ループを抜ける回の B は更新されない点が要点である。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 機械 問14
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 15(a)
定格一次電圧3 000 V,定格二次電圧が3 300 V の単相単巻変圧器について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。なお,巻線のインピーダンス,鉄損は無視できるものとする。
〔小問(a)〕 この単相単巻変圧器の二次側に負荷を接続したところ,一次電圧は3 000 V,一次電流は100 A であった。この変圧器の直列巻線に流れる電流値[A]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:4
単巻変圧器は,一次と二次で共通に使う分路巻線と,二次側にだけ足される直列巻線からできている。直列巻線に流れるのは二次電流である。
巻線のインピーダンスと鉄損を無視するので入力と出力の皮相電力は等しく
3 000×100=3 300×I₂
I₂=3 000×100/3 300=90.9 A
となる。
これが直列巻線に流れる電流である。
なお分路巻線に流れるのは一次電流と二次電流の差 100−90.9=9.1 A で,(1)の9.09 はその値である。どちらの巻線を問われているかを取り違えないようにしたい。昇圧の単巻変圧器では,直列巻線に大きい方(二次側)の電流が流れる。答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 機械 問15(a)
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 15(b)
定格一次電圧3 000 V,定格二次電圧が3 300 V の単相単巻変圧器について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。なお,巻線のインピーダンス,鉄損は無視できるものとする。
〔小問(b)〕 この変圧器の自己容量[kV·A]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:2
単巻変圧器の自己容量(固有容量)は,直列巻線が受け持つ容量のことで,「直列巻線の電圧×直列巻線の電流」で求める。
直列巻線に加わる電圧は二次電圧と一次電圧の差だから
3 300−3 000=300 V
流れる電流は小問(a)の90.9 A なので
自己容量=300×90.9=27 270 V·A≒27.3 kV·A
である。
負荷に供給される線路容量は 3 300×90.9=300 kV·A で,自己容量はその1/11 しかない。このように単巻変圧器は,一次と二次の電圧差が小さいほど小形・軽量にできるのが特長である。線路容量の方を答えてしまわないよう,何の容量を問われているかを確かめたい。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 機械 問15(b)
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 16(a)
図1 は,単相インバータで誘導性負荷に給電する基本回路を示す。負荷電流 i_o と直流電流 i_d は図示する矢印の向きを正の方向として,次の(a)及び(b)の問に答えよ。
〔小問(a)〕 出力交流電圧の1 周期に各パワートランジスタが1 回オンオフする運転において,図2 に示すように,パワートランジスタ S₁~S₄ のオンオフ信号波形に対して,負荷電流 i_o の正しい波形が(ア)~(ウ),直流電流 i_d の正しい波形が(エ),(オ)のいずれかに示されている。その正しい波形の組合せを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:1
誘導性負荷なので,電圧の向きが変わっても電流はすぐには追随せず,指数関数的に変化する。
S₁,S₄ がオンになる半周期の初めでは,前の半周期から続く電流がまだ負の向きに流れている。その後ゼロを横切って正に転じ,半周期の終わりで正の最大になる。この形を描いているのは(ア)である。(イ)は位相が半周期ずれており,(ウ)は半周期の初めで既に正の最大になっていていずれも誘導性負荷の応答になっていない。
直流電流 i_d は,負荷電流が負の期間は還流ダイオードを通って電源へ戻るので負の値をとり,電流が正に転じるとトランジスタを通って電源から流れ出すので正になる。つまり各半周期の初めに負,そこから増加して半周期の終わりに正の最大となる形で,これは(エ)である。(オ)は正の最大から始まって減っていく形で向きが逆である。
よって(ア)と(エ)の組合せ,(1)が正しい。i_d が負になる期間があること自体が,インバータが負荷から電源へエネルギーを返している(回生している)ことを表している。答(1)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 機械 問16(a)
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 16(b)
図1 は,単相インバータで誘導性負荷に給電する基本回路を示す。負荷電流 i_o と直流電流 i_d は図示する矢印の向きを正の方向として,次の(a)及び(b)の問に答えよ。
〔小問(b)〕 単相インバータの特徴に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:4
誤りは(4)の後半である。ダイオードを逆並列に接続する目的は,負荷のインダクタンスに蓄えられたエネルギーを直流電源へ戻す経路(還流経路)をつくることで,ここまでは正しい。
しかし,パワートランジスタやIGBT は自己消弧形のデバイスで,ゲート信号を切れば自分でオフできる。ダイオードが導通して得られる逆電圧でオフさせているわけではない。逆電圧を外から加えて消弧させる「強制転流」が必要なのはサイリスタの話であって,自己消弧形デバイスを使う本問の回路には当てはまらない。
他は正しい。(1)電圧形インバータでは直流側を定電圧源として扱うので高周波インピーダンスが低いこと(=平滑コンデンサがあること)が要求される。(5)力率が低いほど電流の位相が電圧より遅れ,電圧と電流の向きが逆になる期間が長くなるのでダイオードの導通時間が長くなる。答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 機械 問16(b)
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 17(a)
【選択問題】問17及び問18は選択問題であり,どちらか一方を選んで解答する(本サイトでは学習用に両方を収録しています)。
熱伝導について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。
断面積が2 m²,厚さが30 cm,熱伝導率が1.6 W/(m·K)の両表面間に温度差がある壁がある。ただし,熱流は厚さ方向のみの一次元とする。
〔小問(a)〕 この壁の厚さ方向の熱抵抗 R の値[K/W]に最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:2
熱抵抗は電気抵抗と同じ形の式で表される。電気抵抗が R=ρl/A=l/(σA) であるのに対し,熱抵抗は
R=L/(λA)
である(L は厚さ,λ は熱伝導率,A は断面積)。
厚さ30 cm=0.30 m,λ=1.6 W/(m·K),A=2 m² を代入して
R=0.30/(1.6×2)=0.30/3.2=0.093 8 K/W
となる。
厚さを30 cm のまま代入すると 30/3.2=9.4 となって桁が合わない。また熱伝導率と断面積のどちらかを掛け忘れると(3)や(5)の値になる。電気回路との対応(起電力↔温度差,電流↔熱流,電気抵抗↔熱抵抗)を覚えておくと式を忘れても組み立てられる。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 機械 問17(a)
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 17(b)
【選択問題】問17及び問18は選択問題であり,どちらか一方を選んで解答する(本サイトでは学習用に両方を収録しています)。
熱伝導について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。
断面積が2 m²,厚さが30 cm,熱伝導率が1.6 W/(m·K)の両表面間に温度差がある壁がある。ただし,熱流は厚さ方向のみの一次元とする。
〔小問(b)〕 この壁の低温側の温度 t₂ が20 ℃ のとき,この壁の熱流 Φ が100 W であった。このとき,この壁の高温側の温度 t₁ の値[℃]に最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:4
熱回路のオームの法則は「温度差=熱流×熱抵抗」である。小問(a)の R=0.093 8 K/W を使って
t₁−t₂=Φ×R=100×0.093 8=9.38 K
したがって高温側の温度は
t₁=20+9.38=29.4 ℃
となる。
温度差はケルビンでもセルシウス度でも同じ値なので,9.38 K をそのまま20 ℃ に足してよい。
熱抵抗を掛けずに 100/R のように割ってしまうと桁がまったく変わってしまう。熱流が電流,温度差が電圧に対応することを確かめてから代入したい。答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 機械 問17(b)
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 18(a)
【選択問題】問17及び問18は選択問題であり,どちらか一方を選んで解答する(本サイトでは学習用に両方を収録しています)。
図は,マイクロプロセッサの動作クロックを示す。マイクロプロセッサは動作クロックと呼ばれるパルス信号に同期して処理を行う。また,マイクロプロセッサが1 命令当たりに使用する平均クロック数を CPI と呼ぶ。1 クロックの周期 T[s]をサイクルタイム,1 秒当たりの動作クロック数 f を動作周波数と呼ぶ。
次の(a)及び(b)の問に答えよ。
〔小問(a)〕 2.5 GHz の動作クロックを使用するマイクロプロセッサのサイクルタイムの値[ns]として,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:3
サイクルタイムは動作周波数の逆数である。
T=1/f=1/(2.5×10⁹)=4×10⁻¹⁰ s
ナノ秒に直すと1 ns=10⁻⁹ s だから
T=4×10⁻¹⁰/10⁻⁹=0.4 ns
となる。
2.5 GHz は1 秒間に25 億回のクロックということなので,1 回あたりは1 ns より短い。この感覚があれば(4)の250 ns や(5)の400 ns は桁が大きすぎると分かる。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 機械 問18(a)
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 18(b)
【選択問題】問17及び問18は選択問題であり,どちらか一方を選んで解答する(本サイトでは学習用に両方を収録しています)。
図は,マイクロプロセッサの動作クロックを示す。マイクロプロセッサは動作クロックと呼ばれるパルス信号に同期して処理を行う。また,マイクロプロセッサが1 命令当たりに使用する平均クロック数を CPI と呼ぶ。1 クロックの周期 T[s]をサイクルタイム,1 秒当たりの動作クロック数 f を動作周波数と呼ぶ。
次の(a)及び(b)の問に答えよ。
〔小問(b)〕 CPI=4 のマイクロプロセッサにおいて,1 命令当たりの平均実行時間が0.02 μs であった。このマイクロプロセッサの動作周波数の値[MHz]として,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:4
CPI は1 命令に何クロックかかるかを表すので,1 命令当たりの実行時間はサイクルタイムのCPI 倍になる。
0.02 μs=2×10⁻⁸ s=4×T
T=2×10⁻⁸/4=5×10⁻⁹ s
動作周波数はその逆数だから
f=1/(5×10⁻⁹)=2×10⁸ Hz=200 MHz
である。
CPI で割るのを忘れて 1/(2×10⁻⁸)=50 MHz としたり,逆に4 を掛けてしまったりしやすい。「1 命令=4 クロック」なので1 クロックは実行時間の1/4,と押さえれば迷わない。答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 機械 問18(b)
報告ありがとうございました。内容を確認します。
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