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電験3種 2022年度下期(令和4年度下期) 機械

18問 ・ 目安 正答率60% ・ 2023年3月26日実施

電験三種(第三種電気主任技術者)の2022年度下期(令和4年度下期) 機械試験で実際に出題された全18問を、1問ずつその場で答え合わせしながら演習できます。2023年3月26日実施・合否の目安は正答率60%(演習の目安)。各問に正解と、なぜその選択肢になるのかの解説を付けています。

本試験の合格基準:理論・電力・機械・法規の科目ごとに合否判定。各科目100点満点中原則60点以上で科目合格、4科目すべて合格で試験合格。

この回:令和4年度下期・機械:合格基準は100点満点中60点以上(試験センターの公表値)。

出典:令和4年度第三種電気主任技術者下期試験の結果について(令和5年4月18日)。このページの「目安 正答率60%」は演習の目安で、本試験の採点方法とは異なります。

この回は 一般財団法人 電気技術者試験センター が公開する本試験問題を、当サイトがその場で答え合わせできる一問一答形式に再編し、公式には付いていない「正解の根拠・各選択肢の解き方」の解説を追記したものです。原題の出典は各問に明記しています。

過去問の解答結果は学習記録・段位には反映されません。過去問は出題当時の法令・制度にもとづく問題を含むため、段位は継続して最新化している一問一答・模擬試験だけで判定しています。過去問を解かなくても段位で不利になることはありませんので、実力試しとして気軽にお使いください。

問 1
直流機の構造に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:3
(3)が誤り。分巻発電機も直巻発電機も,界磁巻線を電機子と同じ回路につないで自分の発生電圧で界磁電流をまかなう自励式である。他励式は界磁巻線に別の電源から電流を流すもので,分巻・直巻・複巻はすべて自励式に分類される。 (1) 界磁が固定子側,電機子巻線と整流子が回転子側にある。これが直流機の基本の構成である。正しい。 (2) 電機子は回転して磁界を横切るので鉄心の中の磁束が交番し,渦電流損が生じる。これを減らすため薄い電磁鋼板を積み重ねた積層鉄心にする。正しい。 (4) 電機子電流の作る起磁力が主磁束の分布をゆがめるのが電機子反作用で,補償巻線(磁極片の溝に入れ電機子電流と逆向きの起磁力を作る)と補極(中性軸上の小磁極)で打ち消す。正しい。 (5) 電動機と発電機では電機子反作用の向きも電機子電流の向きも同時に逆になるので,両方を打ち消し合って接続方法は変えなくてよい。正しい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 機械 問1
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 2
三相誘導電動機が滑り2.5 %で運転している。このとき,電動機の二次銅損が188 Wであるとすると,電動機の軸出力[kW]の値として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし,機械損は0.2 kWとし,負荷に無関係に一定とする。
正解:1
誘導電動機では,二次入力P₂・二次銅損P_c2・機械出力P_mの間に P₂ : P_c2 : P_m = 1 : s : (1−s) の関係がある。 まず二次入力を出す。P_c2=sP₂ より P₂=188/0.025=7 520 W。 機械出力は P_m=(1−s)P₂=0.975×7 520=7 332 W。 軸出力は機械出力から機械損を引いたものなので 7 332−200=7 132 W≒7.1 kW。答(1)。 機械損0.2 kWを引き忘れると7.3 kWとなり(2)を選んでしまう。二次入力→機械出力→軸出力と,どの段階の量かを追うことが要点である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 機械 問2
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 3
次の文章は,三相誘導電動機の構造に関する記述である。 三相誘導電動機は,(ア)磁界を作る固定子及び回転する回転子からなる。 回転子は,(イ)回転子と(ウ)回転子との2種類に分類される。 (イ)回転子では,回転子溝に導体を納めてその両端が(エ)で接続される。 (ウ)回転子では,二次電流を(オ),ブラシを通じて外部回路に流すことができる。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 選択肢は「(ア) / (イ) / (ウ) / (エ) / (オ)」の順に示す。
正解:4
(ア) 三相巻線に三相交流を流すと,大きさが一定で向きが回る回転磁界ができる。これが誘導電動機の原理の出発点で,単相の交番磁界ではそのままでは始動できない。 (イ)(ウ) 回転子はかご形と巻線形の2種類。溝に導体(バー)を納めて両端をリングでつなぐのがかご形で,構造が簡単で丈夫なため広く使われる。 (エ) かご形のバーの両端をつなぐリングを端絡環という。スリップリングは巻線形で外部回路につなぐための部品なので,ここには入らない。 (オ) 巻線形は回転子に三相巻線を持ち,その端子をスリップリングとブラシを介して外へ引き出す。外部に抵抗をつないで始動特性や速度を調整できる。整流子は直流機の部品である。 答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 機械 問3
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 4
次の文章は,三相同期電動機の位相特性に関する記述である。 図は三相同期電動機の位相特性曲線(V曲線)の一例である。同期電動機は,界磁電流を変えると,電機子電流の端子電圧に対する位相が変わり,さらに,電機子電流の大きさも変わる。図の曲線の最低点は力率が1となる点で,図の破線より右側は(ア)電流,左側は(イ)電流の範囲となる。また,電動機の出力を大きくするにつれて,曲線は(ウ) → B → (エ) の順に変化する。 この位相特性を利用して,三相同期電動機を需要家機器と並列に接続して無負荷運転し,需要家機器の端子電圧を調整することができる。このような目的で用いる三相同期電動機を(オ)という。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 選択肢は「(ア) / (イ) / (ウ) / (エ) / (オ)」の順に示す。
問4の図
正解:4
(ア)(イ) 破線は力率1の点をつないだ線で,その右側は界磁電流を増やした過励磁の領域である。過励磁では電機子電流が端子電圧より進み,コンデンサのようにふるまう。左側は不足励磁で遅れ電流となる。したがって右側が進み,左側が遅れ。 (ウ)(エ) 出力が大きいほど必要な電機子電流も大きくなるので,曲線は上へ移動する。図でいちばん下がC,中央がB,いちばん上がAなので,出力を大きくすると C → B → A の順に変化する。 (オ) 無負荷で運転して励磁の加減により進み・遅れの無効電力を自在に出し入れし,系統の電圧を調整する同期電動機を同期調相機という。静止形無効電力補償装置(SVC)は半導体を使った別の装置で,回転機ではない。 答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 機械 問4
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 5
定格出力8 000 kV・A,定格電圧6 600 Vの三相同期発電機がある。この発電機の同期インピーダンスが4.73 Ωのとき,短絡比の値として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:3
短絡比は百分率同期インピーダンス(単位法の同期インピーダンス)の逆数である。 まず百分率同期インピーダンスを出す。三相で容量P[V・A],線間電圧V[V]を使うと %Z = P Z / V² なので %Z = 8 000×10³×4.73/(6 600)² = 3.784×10⁷/4.356×10⁷ = 0.869(=86.9 %)。 短絡比は K = 1/0.869 ≒ 1.15。答(3)。 %Zをそのまま答えにすると0.869で,選択肢にある0.665や0.384とは違うが,逆数を取るのを忘れる誤りに注意する。短絡比が1を超える機械は同期インピーダンスが小さく,電圧変動が小さい代わりに鉄機械として大きくなる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 機械 問5
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 6
次の文章は,小形交流モータに関する記述である。 モータの固定子がつくる回転磁界中に,永久磁石を付けた回転子を入れると,回転子は回転磁界(ア)で回転する。これが永久磁石同期モータの回転原理である。 永久磁石形同期モータは,回転子の構造により,(イ)磁石形同期モータと(ウ)磁石形同期モータに分類される。(イ)磁石形同期モータは,構造的に小型化・高速化に適しており,さらに(エ)トルクが利用できる特徴がある。 (エ)トルクは,固定子と回転子の鉄心(電磁鋼板)との間に働く回転力のことである。この回転力のみを利用したモータは,永久磁石形同期モータに比べて,材料コストが(オ)という特徴がある。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 選択肢は「(ア) / (イ) / (ウ) / (エ) / (オ)」の順に示す。
正解:4
(ア) 永久磁石の回転子は回転磁界に引かれて同じ速度(同期速度)で回る。回転磁界より遅れて回るのは誘導モータで,同期モータは滑らない。 (イ)(ウ) 回転子の表面に磁石を貼るのが表面磁石形(SPM),鉄心の中に埋め込むのが埋込磁石形(IPM)である。埋め込むと遠心力で磁石が飛ばないので高速化でき,鉄心の形も自由になるので小型化に向く。 (エ) 鉄心の磁気抵抗(リラクタンス)が回転位置で変わることで生じる回転力をリラクタンストルクという。埋込磁石形は磁石のトルクに加えてこれも使える。コギングトルクは無通電でも生じる回転むらのことで,むしろ抑えたい量である。 (オ) リラクタンストルクだけを使うシンクロナスリラクタンスモータは永久磁石を使わないので,希土類磁石が要らず材料コストが低い。 答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 機械 問6
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 7
次の文章は,交流機における電機子巻線法に関する記述である。 電機子巻線法には,1相のコイルをいくつかのスロットに分けて配置する(ア)と,集中巻がある。(ア)の場合,各極各相のスロット数は(イ)となる。 (ア)において,コイルピッチを極ピッチよりも短くした巻線法を(ウ)と呼ぶ。この巻線法を採用すると,(エ)は低くなるが,コイル端を短くできることや,(オ)が改善できるなどの利点があるため,一般的によく用いられている。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 選択肢は「(ア) / (イ) / (ウ) / (エ) / (オ)」の順に示す。
正解:1
(ア)(イ) 1相のコイルを複数のスロットに分けて置くのが分布巻で,各極各相のスロット数q(毎極毎相スロット数)が2以上になる。q=1になるのが集中巻である。「分散巻」という語は使わない。 (ウ) コイルピッチを極ピッチより短くするのが短節巻,等しくするのが全節巻である。 (エ)(オ) 短節巻にすると,コイルの両辺の起電力の位相がずれるぶんベクトル和が小さくなるので,誘導起電力は基本波でわずかに低くなる。その代わり,高調波の成分が大きく減って電圧波形が正弦波に近づき,コイル端(コイルエンド)も短くできて銅量と抵抗が減る。したがって(エ)が誘導起電力,(オ)が電圧波形。 答(1)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 機械 問7
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 8
単相変圧器がある。定格二次電圧200 Vにおいて,二次電流が250 Aのときの全損失が1 525 Wであり,同様に二次電圧200 Vにおいて,二次電流が150 Aのときの全損失が1 125 Wであった。この変圧器の無負荷損の値[W]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:4
変圧器の全損失は,負荷によらず一定の無負荷損(鉄損)P_iと,電流の2乗に比例する負荷損(銅損)の和である。負荷損の比例定数をkとすると 1 525 = P_i + k×250² 1 125 = P_i + k×150² 2式の差をとると 400 = k(62 500−22 500) = 40 000k → k = 0.01 これを2式目に入れて P_i = 1 125 − 0.01×22 500 = 1 125 − 225 = 900 W。答(4)。 電圧が同じ200 Vに保たれているので鉄損が両方で等しい,という点が連立できる理由である。2式目の銅損225 Wを引くところを1式目の銅損625 Wと取り違えると1 525−625=900 Wと偶然同じ値になるが,計算の筋道としては両式が同じP_iを与えることを確かめておくとよい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 機械 問8
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 9
変圧器に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:5
(5)が誤り。対応が逆になっている。励磁コンダクタンス(実部)に流れるのは電圧と同相の鉄損電流で,ここで消費される電力が鉄損に対応する。励磁サセプタンス(虚部)に流れるのが90°遅れの磁化電流で,こちらは磁束を作るための無効分だから電力を消費しない。サセプタンスで損失が発生するという記述自体が成り立たない。 (1) 鉄心の磁気飽和とヒステリシスにより,正弦波電圧を加えても励磁電流はひずみ,第3次を中心とする奇数次の高調波を含む。正しい。 (2) 励磁電流は,鉄損電流(電圧と同相)と磁化電流(電圧よりπ/2遅れ)に分けられる。正しい。 (3) ヒステリシス損は周波数に比例し,渦電流損は周波数と板厚それぞれの2乗に比例する(=(f×t)の2乗に比例)。だから鉄心を薄い板の積層にする。正しい。 (4) 鉄損と銅損が等しいとき効率が最大になる。鉄損は電圧・周波数一定なら負荷によらず一定,銅損は負荷電流の2乗に比例する。正しい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 機械 問9
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 10
図に示す出力電圧波形v_Rを得ることができる電力変換回路として,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし,回路中の交流電源は正弦波交流電圧源とする。 選択肢は原本から切り出した回路図で示す(下の説明は補助)。
問10の図
正解:3
波形の読み取りが要点になる。正の半サイクルにも負の半サイクルにも出力があり,しかもどちらも波の途中から立ち上がっている。つまり ・出力は交流のまま(整流されていない) ・点弧角を持つ位相制御がかかっている の2つが同時に成り立つ回路を選ぶ。 これができるのは,サイリスタを逆並列に接続して負荷と直列に入れた交流電力調整回路で,(3)がこれにあたる。正の半サイクルは一方のサイリスタ,負の半サイクルはもう一方が受け持ち,それぞれ点弧角を遅らせることで実効値を調整する。答(3)。 (1)のダイオード1個は単相半波整流で,正の半サイクルだけが位相制御なしに出る。(2)のサイリスタ1個は正の半サイクルだけが位相制御される。(4)のダイオードブリッジは全波整流で出力は正だけ,(5)のサイリスタブリッジも位相制御された全波整流で出力は正だけになる。負の出力がある時点で(1)(2)(4)(5)は消える。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 機械 問10
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 11
電動機で駆動するポンプを用いて,毎時80 m³の水をパイプへ通して揚程40 mの高さに持ち上げる。ポンプの効率は72 %,電動機の効率は93 %で,パイプの損失水頭は0.4 mであり,他の損失水頭は無視できるものとする。このとき必要な電動機入力[kW]の値として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし,水の密度は1.00×10³ kg/m³,重力加速度は9.8 m/s²とする。
正解:4
まず単位をそろえる。毎時80 m³は Q=80/3 600≒0.022 22 m³/s。 全揚程は,実際に持ち上げる高さに損失水頭を足したものだから H=40+0.4=40.4 m。 水に与える動力(水動力)は P_w=ρgQH=1 000×9.8×0.022 22×40.4≒8 798 W。 これをポンプ効率と電動機効率で割り戻すと電動機入力になる。 P=8 798/(0.72×0.93)=8 798/0.669 6≒13 139 W≒13.1 kW。答(4)。 毎時を毎秒に直さないと3 600倍ずれる。また損失水頭0.4 mを足すこと,効率で割る(掛けない)ことの3点が落としやすい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 機械 問11
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 12
電気加熱に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:5
(5)が誤り。誘導加熱で渦電流が流れるのは「導電性の物体」であって,強磁性体に限らない。アルミニウムや銅のような非磁性の金属も誘導加熱できる。強磁性体の場合は渦電流損に加えてヒステリシス損も生じるので発熱しやすい,というだけである。対象を強磁性体に限定している点が誤り。 (1) 抵抗加熱はジュール熱I²Rを使う。電熱線がこれにあたる。正しい。 (2) アーク加熱には,被加熱物自体を電極の一方にする直接式と,アークの熱を放射で伝える間接式がある。正しい。 (3) 波長が長いほど「遠」赤外である。遠赤外ヒータの最大放射束の波長(数μm)は,赤外電球(1μm前後)より長い。正しい。 (4) 誘電加熱は交番電界の中で誘電体の分子が振られることによる誘電損で発熱させる。電子レンジがこれである。正しい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 機械 問12
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 13
次の文章は,電気通信に関する記述である。 電気通信において,信号に変換された情報を伝える媒体を伝送路と呼ぶ。伝送路などから混入し,送りたい信号を変化させてしまうことがある不要な成分を(ア)という。 身近な通信手段の一つとして電話がある。地域間をまたがる電話網において多数の通話を効率的に中継するために,1本の伝送路を用いて同時に多数の通話を伝送する技術を(イ)という。 無線通信では,送りたい情報を信号波と呼ばれる電気信号に変換した後,送信機によって,周波数のより高い搬送波と呼ばれる信号と合成し,(ウ)を作る。(ウ)を作り出したり,受信機において(ウ)から信号波を取り出す方式はいくつかある。 アナログ信号をディジタル信号に変換するA-D変換においては,アナログ信号の最高周波数に対して,その2倍以上の周波数で(エ)を行えば,(エ)された信号から元のアナログ信号を再現できる。これを(エ)定理という。 画像や音声,ビデオなどの情報をそのまま記録・伝送しようとすると,データのサイズが大きくなるために,データの(オ)が行われる。静止画像の代表的な(オ)方法としてJPEGという国際標準規格がある。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 選択肢は「(ア) / (イ) / (ウ) / (エ) / (オ)」の順に示す。
正解:3
(ア) 伝送路から混入して信号を乱す不要な成分は雑音(ノイズ)である。側波帯は変調によって搬送波の上下にできる周波数帯のことで,不要成分ではない。 (イ) 1本の伝送路で多数の通話を同時に運ぶ技術が多重化である。輻輳は回線が混み合って通じにくくなる状態を指す言葉で,技術の名前ではない。 (ウ) 信号波と搬送波を合成してできる波が変調波である。 (エ) 標本化定理(サンプリング定理)は,最高周波数の2倍を超える周波数で標本化すれば元の波形を復元できるというもの。量子化は標本化した値を段階に丸める次の処理で,2倍という条件が出てくるのは標本化のほうである。 (オ) データのサイズを小さくするのが圧縮で,JPEGは静止画の代表的な圧縮方式。伸長は圧縮したものを元に戻す逆の処理である。 答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 機械 問13
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 14
次の文章は,メカトロニクスの概要と構成要素に関する記述である。 メカトロニクスは(ア)技術,(イ)技術,情報技術を統合した技術である。これにより,メカニズム(機構)によってつくられた従来の(ア)に,マイクロコンピュータなどの(イ)部品を組み込んで,高性能で多機能な機械装置が実現できる。 メカトロニクス製品の構成要素には,(ウ),(エ),(オ)及びインタフェースがある。(ウ)は,機械の圧力,力,速度,加速度,温度などの物理量を計測する。(エ)は,電気,油圧,空気圧などのエネルギーを機械的な動きに変換する。(オ)は,(ウ)で計測した情報を処理して(エ)への指令を生成する制御装置としての役割を果たす。インタフェースは,(ウ)や(エ)の扱う電気信号と(オ)が処理できるディジタル信号との変換を担当する。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 選択肢は「(ア) / (イ) / (ウ) / (エ) / (オ)」の順に示す。
正解:4
メカトロニクス(mechatronics)という語自体が mechanics(機械)と electronics(電子)を合わせたものである。本文も「メカニズム(機構)によってつくられた従来の(ア)に,マイクロコンピュータなどの(イ)部品を組み込んで」と書いているので,(ア)が機械,(イ)が電子と決まる。 (ウ) 圧力・力・速度・加速度・温度といった物理量を計測するのはセンサ。 (エ) 電気・油圧・空気圧のエネルギーを機械的な動きに変えるのはアクチュエータ。 (オ) センサの情報を処理してアクチュエータへ指令を出す制御装置はコンピュータ。 答(4)。 センサ→コンピュータ→アクチュエータという情報の流れと,その間をつなぐインタフェース(A-D/D-A変換)という構成で覚えるとよい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 機械 問14
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 15(a)
図は,抵抗,インダクタンス,キャパシタンスで構成されたRLC回路である。入力電圧V̇_iに対し,抵抗RとインダクタンスLを直列に通したあと,キャパシタンスCの両端から出力電圧V̇_oを取り出す。次の問に答えよ。 〔小問(a)〕 図において,入力電圧V̇_iに対する出力電圧V̇_oの伝達関数G(jω)(=V̇_o/V̇_i)を求め,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
問15(a)の図
正解:2
出力はCの両端から取り出すので,R・L・Cの直列回路の分圧と同じ形になる。 G(jω)=Z_C/(R+jωL+Z_C),ただし Z_C=1/(jωC)。 分母・分子に jωC を掛けると G(jω)=1/(jωCR+(jω)²LC+1)=1/(1−ω²LC+jωCR)。 (jω)²=−ω² なので符号が負になる点が要点である。答(2)。 伝達関数は無次元でなければならないので,√(LC)が分子にある(3)(4)は次元が合わずその時点で消える。また ω→0 で G→1(直流ではCが開放でRとLに電圧降下が無い)にならない式も違うので,(5)も消える。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 機械 問15(a)
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 15(b)
図は,抵抗,インダクタンス,キャパシタンスで構成されたRLC回路である。入力電圧V̇_iに対し,抵抗RとインダクタンスLを直列に通したあと,キャパシタンスCの両端から出力電圧V̇_oを取り出す。次の問に答えよ。 〔小問(b)〕 図において,R=1 Ω,L=0.01 H,C=100 μFとした場合,(a)で求めた伝達関数を表すボード線図(ゲイン特性図)として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 (小問(a)より,伝達関数は G(jω)=1/(1−ω²LC+jωCR) である。) 選択肢は原本から切り出したゲイン特性図で示す(下の説明は補助)。
問15(b)の図
正解:4
3つの点を確かめれば1つに絞れる。 【低い周波数】ω→0で G→1/1=1 なので 0 dB。低域が0 dBで平らになるのは(4)と(5)だけで,−20 dBから始まる(1)(2)(3)はここで消える。 【山の位置】分母の実部が0になるのは 1−ω²LC=0 のときで ω=1/√(LC)=1/√(0.01×100×10⁻⁶)=1/√(10⁻⁶)=1 000 rad/s。 【山の高さ】そのとき G=1/(jωCR) だから |G|=1/(1 000×100×10⁻⁶×1)=1/0.1=10 → 20 log₁₀10=20 dB。 1 000 rad/sに約20 dBの山ができるので(4)。(5)は山が無く,これは共振しない場合の形である。答(4)。 R=1 Ωが小さいために共振が鋭く出る。Rを大きくすると山は低くなり(5)の形に近づく。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 機械 問15(b)
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 16(a)
図1は,IGBTを用いた単相ブリッジ接続の電圧形インバータを示す。直流電圧E_d[V]は,一定値と見なせる。出力端子には,インダクタンスL[H]で抵抗値R[Ω]の誘導性負荷が接続されている。この電圧形インバータの出力電圧v_0,出力電流i_0が図2のようになった。インバータの動作モードを図2に示す①〜④として本モードは周期T[s]で繰り返されるものとする。なお,上下スイッチの短絡を防ぐデッドタイムは考慮しない。次の問に答えよ。 〔小問(a)〕 図2に示した区間①〜④において電流が流れているデバイスの組合せとして正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 選択肢は「① / ② / ③ / ④」の順に示す。
問16(a)の図
正解:2
出力電圧v_0の符号と出力電流i_0の符号を組にして読む。誘導性負荷なので電圧が切り替わっても電流はすぐには向きを変えず,その間はダイオードが電流を受け持つ。 【区間①】v_0=+E_d,i_0<0。電圧と電流の向きが逆なので,電流は負荷から電源へ戻っている。この向きに流せるのは還流ダイオードのD₁とD₄。 【区間②】v_0=+E_d,i_0>0。電圧と電流が同じ向きで電源から負荷へ電力が流れるので,Q₁とQ₄が導通する。 【区間③】v_0=−E_d,i_0>0。また向きが逆なのでD₂とD₃が受け持つ。 【区間④】v_0=−E_d,i_0<0。同じ向きなのでQ₂とQ₃が導通する。 答(2)。 「電圧と電流の符号が同じならトランジスタ,違えばダイオード」と押さえると,(3)や(5)のようにダイオードが1つも出てこない組合せは誘導性負荷ではありえないと分かる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 機械 問16(a)
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 16(b)
図1は,IGBTを用いた単相ブリッジ接続の電圧形インバータを示す。直流電圧E_d[V]は,一定値と見なせる。出力端子には,インダクタンスL[H]で抵抗値R[Ω]の誘導性負荷が接続されている。この電圧形インバータの出力電圧v_0,出力電流i_0が図2のようになった。インバータの動作モードを図2に示す①〜④として本モードは周期T[s]で繰り返されるものとする。なお,上下スイッチの短絡を防ぐデッドタイムは考慮しない。次の問に答えよ。 〔小問(b)〕 電源電圧E_dが100 V,インダクタンスLを2 mHとし,抵抗Rを1 Ωとすると,区間①②の電流は−I_p[A]からI_p[A]まで時定数τ[s]で増加する。τに最も近い値を次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
問16(b)の図
正解:2
抵抗とインダクタンスが直列につながった回路の電流は,時定数 τ=L/R で指数関数的に変化する。数値を入れると τ=2×10⁻³/1=0.002 s。答(2)。 電源電圧E_d=100 Vは時定数には関係しない。時定数を決めるのはLとRだけで,E_dは最終的に落ち着く電流の大きさ(E_d/R)のほうに効く。 なお時定数はτ=L/RであってR/Lではない。逆にすると1/0.002=500となり選択肢に無いので気づける。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 機械 問16(b)
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問 17(a)
【問17と問18は選択問題です。どちらか一方を選んで解答します(本試験では両方解答すると採点されません)。】 どの方向にも光度が等しい均等放射の点光源がある。この点光源の全光束は3 000 lmである。この点光源を図のように配置した。水平面から点光源までの高さは2 mであり,点光源の直下の点AとBとの距離は1.5 mである。次の問に答えよ。 〔小問(a)〕 この点光源の平均光度[cd]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
問17(a)の図
正解:2
光度は,単位立体角当たりに出る光束のことである。どの方向にも光度が等しい均等放射の点光源なら,全光束Fは全立体角4π[sr]に均等に配られるので I=F/(4π)=3 000/(4×3.141 6)=3 000/12.566≒238.7≒239 cd。答(2)。 全立体角は4πであって2πでも1でもない。2πで割ると477 cd((4)),πで割ると955 cd((5))になるので,どの立体角で割るかがこの問題の分かれ目である。半球にしか光が出ない場合は2πで割るが,この問題は「どの方向にも」なので全球の4πを使う。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 機械 問17(a)
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問 17(b)
【問17と問18は選択問題です。どちらか一方を選んで解答します(本試験では両方解答すると採点されません)。】 どの方向にも光度が等しい均等放射の点光源がある。この点光源の全光束は3 000 lmである。この点光源を図のように配置した。水平面から点光源までの高さは2 mであり,点光源の直下の点AとBとの距離は1.5 mである。次の問に答えよ。 〔小問(b)〕 水平面B点における水平面照度の値[lx]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 (小問(a)より,この点光源の平均光度は約239 cdである。)
問17(b)の図
正解:3
水平面照度は,距離の逆2乗の法則に入射角の余弦を掛けた E=(I/r²)cosθ で求める(θは水平面の法線=鉛直方向と,光の入射方向とのなす角)。 点光源からB点までの距離は,高さ2 mと水平距離1.5 mの直角三角形の斜辺だから r=√(2²+1.5²)=√6.25=2.5 m。 入射角の余弦は,鉛直方向の成分を斜辺で割って cosθ=2/2.5=0.8。 したがって E=(238.7/2.5²)×0.8=(238.7/6.25)×0.8=38.19×0.8≒30.6≒31 lx。答(3)。 cosθを掛け忘れると38 lx,rを2 mや1.5 mと取り違えると別の値になる。3-4-5の直角三角形の相似(1.5:2:2.5)になっているので,cosθ=0.8,sinθ=0.6と暗算できる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 機械 問17(b)
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問 18(a)
【問17と問18は選択問題です。どちらか一方を選んで解答します(本試験では両方解答すると採点されません)。】 30件分の使用電力量のデータ処理について,次の問に答えよ。 〔小問(a)〕 図1は,30件分の使用電力量の中から最大値と30件分の平均値を出力する一つのプログラムの流れ図を示す。図1中の(ア)〜(エ)に当てはまる処理として,正しいものを組み合わせたのは次のうちどれか。 選択肢は「(ア) / (イ) / (ウ) / (エ)」の順に示す。
問18(a)の図
正解:4
(ア)(イ) 初期化とループの開始値は組で考える。直前に s←d[1] として最大値の候補に1件目を入れているので,合計tも1件目を入れて t←d[1] とし,ループは2件目から回すのが筋が通る。逆に t←0 とするなら i は1から回さなければならない。選択肢のうち組として矛盾がないのは (t←d[1], 2) の(3)(4)だけで,(2)は t←0 なのに i を2から回すのでd[1]が合計に入らず,(1)(5)は i の開始値が0で配列d[1]〜d[30]の範囲から外れる。 (ウ)(エ) 求めているのは最大値なので,「今の候補sより大きい値が来たら候補を入れ替える」=条件は d[i]>s,処理は s←d[i]。(3)は条件が d[i]<s(最小値を探す形)で,しかも処理が d[i]←s と配列のほうを書き換えてしまうので誤り。 答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 機械 問18(a)
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問 18(b)
【問17と問18は選択問題です。どちらか一方を選んで解答します(本試験では両方解答すると採点されません)。】 30件分の使用電力量のデータ処理について,次の問に答えよ。 〔小問(b)〕 図2は,30件の使用電力量を大きい順(降順)に並べ替える一つのプログラムの流れ図を示す。図2中の(オ)〜(キ)に当てはまる処理として,正しいものを組み合わせたのは次のうちどれか。ただし,wは一時的な退避用の変数と考えよ。 選択肢は「(オ) / (カ) / (キ)」の順に示す。
問18(b)の図
正解:2
(オ) 大きい順(降順)に並べるので,前のほう(添字の小さいほう)に大きい値が来ていなければならない。i<j の関係で d[i] が d[j] より小さければ順序が逆なので入れ替える。条件は d[i]<d[j]。 (カ)(キ) 2つの値の入れ替えは,退避用の変数を使って次の3段階で行う。 1. w←d[i](図2に書かれている) 2. d[i]←d[j]((カ)) 3. d[j]←w((キ)) (1)や(3)のように2段階目で d[j]←d[i] としてしまうと,d[i]の値がd[j]に上書きされて両方が同じ値になり,元のd[j]の値が失われる。退避したwを最後にどちらへ戻すかも含め,順序が決まっている。 答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 機械 問18(b)
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