📄 本試験 過去問題
電験3種 2020年度(令和2年度) 電力
17問 ・ 目安 正答率60% ・ 2020年9月13日実施
電験三種(第三種電気主任技術者)の2020年度(令和2年度) 電力試験で実際に出題された全17問を、1問ずつその場で答え合わせしながら演習できます。2020年9月13日実施・合否の目安は正答率60%(演習の目安)。各問に正解と、なぜその選択肢になるのかの解説を付けています。
本試験の合格基準:理論・電力・機械・法規の科目ごとに合否判定。各科目100点満点中原則60点以上で科目合格、4科目すべて合格で試験合格。
この回:令和2年度・電力:合格基準は100点満点中60点以上(試験センターの公表値)。
出典:令和2年度第三種電気主任技術者試験の結果について(令和2年10月23日・令和3年2月26日訂正)。このページの「目安 正答率60%」は演習の目安で、本試験の採点方法とは異なります。
この回は 一般財団法人 電気技術者試験センター が公開する本試験問題を、当サイトがその場で答え合わせできる一問一答形式に再編し、公式には付いていない「正解の根拠・各選択肢の解き方」の解説を追記したものです。原題の出典は各問に明記しています。
過去問の解答結果は学習記録・段位には反映されません。過去問は出題当時の法令・制度にもとづく問題を含むため、段位は継続して最新化している一問一答・模擬試験だけで判定しています。過去問を解かなくても段位で不利になることはありませんので、実力試しとして気軽にお使いください。
問 1
ダム水路式発電所における水撃作用とサージタンクに関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:3
サージタンクは、水撃作用による圧力の変動を水面の上下で吸収する水槽である。水面が自由に上下できなければ役に立たないので、差動式・小孔式・水室式はいずれも上部が大気に開放された構造である。「いずれも密閉構造である」とする(3)が誤りで、これが答になる。
密閉構造をとるのは空気室式(エアチャンバ)で、閉じ込めた空気の圧縮性を使って圧力変動を吸収する。設問が挙げた三つの中には入っていない。
他の記述を確かめる。(1)負荷が急に変わると水車の使用水量が急変し、水圧管の中の流速が変わって圧力の急上昇・急降下が起きる。これが水撃作用である。(2)水撃作用の大きさは、動かす水の量(水圧管が長いほど多い)と、流速を変える速さ(弁の閉鎖時間が短いほど急)で決まるので、どちらも大きくなる向きに働く。(4)圧力水路と水圧管の接続箇所にサージタンクを置くと、圧力の変動が水面の昇降に逃げるので、上流の圧力水路まで衝撃が伝わらない。(5)差動式はライザ(上昇管)で急な圧力をまず受け止め、そのあと小穴を通してゆっくり水位を戻す。応答が速く、しかも水面の振動が長引かない。
水撃作用を抑えるには「弁をゆっくり閉じる」か「圧力の逃げ道を作る」かで、後者がサージタンクである。上部が開いているのは、その逃げ道が大気につながっている、ということにほかならない。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 電力 問1
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 2
次の文章は,汽力発電所の復水器の機能に関する記述である。
汽力発電所の復水器は蒸気タービン内で仕事を取り出した後の (ア) 蒸気を冷却して凝縮させる装置である。復水器内部の真空度を (イ) 保持してタービンの (ア) 圧力を (ウ) させることにより, (エ) の向上を図ることができる。なお,復水器によるエネルギー損失は熱サイクルの中で最も (オ) 。
上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:3
(ア) タービンで仕事をし終えて出てくる蒸気は排気である。抽気は、途中の段から給水加熱などのために一部を取り出す蒸気のことで、別のものである。
(イ)(ウ) 復水器の真空度を高く保つほど、タービンの排気圧力は低くなる。タービンが取り出せる仕事は入口と出口の熱落差で決まるので、出口の圧力が低いほど熱落差が大きくなる。
(エ) それによって上がるのは熱効率である。利用率は設備をどれだけ使ったかを表す別の指標で、真空度とは関係しない。
(オ) 復水器では、蒸気の凝縮熱が冷却水に捨てられる。この量は投入した熱の半分ほどにもなり、熱サイクルの中で最も大きい損失である。
排気/高く/低下/熱効率/大きいとなり答(3)。
(イ)と(ウ)は必ず逆向きに動く。「真空度が高い=圧力が低い」という言い換えなので、両方とも同じ向きに書いてある選択肢は外せる。
復水器の損失が最も大きいというのは、裏を返せば、ここを改善すれば効率が上がるということでもある。冷却水の温度が低い冬のほうが真空度を高くとれて効率が上がる、という季節変動もここから出てくる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 電力 問2
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 3
次のa)〜e)の文章は,汽力発電所の保護装置に関する記述である。
これらの文章の内容について,適切なものと不適切なものの組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
a) 蒸気タービンの回転速度が定格を超える一定値以上に上昇すると,自動的に蒸気止弁を閉じて,タービンを停止する非常調速機が設置されている。
b) ボイラ水の循環が円滑に行われないとき,水管の焼損事故を防止するため,燃料を遮断してバーナを消火させる燃料遮断装置が設置されている。
c) 負荷の緊急遮断等によって,ボイラ内の蒸気圧力が一定限度を超えたとき,蒸気を放出させて機器の破損を防ぐため,蒸気加減弁が設置されている。
d) 蒸気タービンの軸受油圧が異常低下したとき,タービンを停止させるトリップ装置が設置されている。
e) 発電機固定子巻線の内部短絡を検出・保護するために,比率差動継電器が設置されている。
正解:1
c)だけが不適切である。蒸気圧力が一定限度を超えたときに蒸気を放出して機器を守るのは安全弁であって、蒸気加減弁ではない。蒸気加減弁はタービンに送る蒸気の量を加減して出力を調整する弁で、圧力を逃がす働きは持たない。
他の記述を確かめる。
a) 適切。非常調速機(非常用ガバナ)は、定格速度を1割ほど超えると蒸気止弁を閉じてタービンを止める。負荷を急に失うとタービンは一気に加速するので、この保護が要る。
b) 適切。ボイラ水の循環が滞ると、水管が空焚きに近い状態になって焼損する。燃料遮断装置で燃料を止め、バーナを消火する。
d) 適切。軸受の油圧が下がると潤滑が切れて焼き付くので、トリップ装置でタービンを止める。
e) 適切。比率差動継電器は、巻線に入る電流と出る電流の差を見て内部故障を検出する。外部故障では入りと出が等しいので動作せず、内部短絡のときだけ動作する。
a適切・b適切・c不適切・d適切・e適切となり答(1)。
弁の名前を取り違えさせる出題である。安全弁は「限度を超えたら逃がす」、加減弁は「出力に合わせて絞る」と、目的で覚え分ける。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 電力 問3
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 4
次の文章は,原子燃料に関する記述である。
核分裂は様々な原子核で起こるが,ウラン235などのように核分裂を起こし,連鎖反応を持続できる物質を (ア) といい,ウラン238のように中性子を吸収して (ア) になる物質を (イ) という。天然ウラン中に含まれるウラン235は約 (ウ) %で,残りは核分裂を起こしにくいウラン238である。ここで,ウラン235の濃度が天然ウランの濃度を超えるものは,濃縮ウランと呼ばれており,濃縮度3 %から5 %程度の (エ) は原子炉の核燃料として使用される。
上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:2
(ア) 核分裂を起こして連鎖反応を続けられる物質を核分裂性物質という。ウラン235のほか、プルトニウム239、ウラン233がこれにあたる。核分裂生成物は分裂したあとにできる破片のことで、別のものである。
(イ) それ自身は核分裂しにくいが、中性子を吸収して核分裂性物質に変わる物質を親物質という。ウラン238は中性子を吸収してプルトニウム239になるので親物質である。トリウム232も親物質で、ウラン233に変わる。
(ウ) 天然ウランに含まれるウラン235は約0.7 %で、残りの99.3 %はウラン238である。
(エ) 濃縮度3〜5 %程度のものを低濃縮ウランといい、軽水炉の燃料になる。高濃縮ウランは20 %以上のものを指し、原子炉の一般的な燃料には使われない。
核分裂性物質/親物質/0.7/低濃縮ウランとなり答(2)。
0.7 %という値は覚えておく。天然ウランのままでは軽水炉で連鎖反応を保てないので濃縮が要る、という話の前提になる数字である。
「親物質」という呼び方は、そこから核分裂性物質が生まれるという関係を表している。この変換を積極的に行うのが高速増殖炉である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 電力 問4
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 5
次の文章は,太陽光発電に関する記述である。
太陽光発電は,太陽電池の光電効果を利用して太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換する。地球に降り注ぐ太陽光エネルギーは,1 m²当たり1秒間に約 (ア) kJに相当する。太陽電池の基本単位はセルと呼ばれ, (イ) V程度の直流電圧が発生するため,これを直列に接続して電圧を高めている。太陽電池を系統に接続する際は, (ウ) により交流の電力に変換する。
一部の地域では太陽光発電の普及によって (エ) に電力の余剰が発生しており,余剰電力は揚水発電の揚水に使われているほか,大容量蓄電池への電力貯蔵に活用されている。
上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:3
(ア) 地表に降り注ぐ太陽光は、晴天時でおよそ1 kW/m²である。1 kW=1 kJ/s なので、1 m²あたり1秒間に約1 kJ になる。太陽電池の性能を表すときの基準(1 kW/m²)としてもよく出てくる値である。
(イ) 結晶シリコン太陽電池のセル1枚の電圧は0.5〜0.6 V程度で、選択肢の中では1 Vが近い。10 Vものセルは存在しない。だから何十枚も直列にして使える電圧まで上げる。
(ウ) 直流を交流に変え、系統に合わせて出力するのはパワーコンディショナ(インバータと保護・制御をまとめたもの)である。逆流防止ダイオードは、太陽電池のストリング間で電流が逆流しないようにする部品で、交流には変えられない。
(エ) 太陽光が発電するのは日中なので、余剰が出るのも日中である。その余りを揚水発電の揚水や蓄電池に回して、夕方以降に使う。
1/1/パワーコンディショナ/日中となり答(3)。
(ア)と(イ)は桁を1桁ずらした値が選択肢に並んでいる。1 kW/m²と、セル1枚が約0.5 V——この二つを覚えていれば迷わない。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 電力 問5
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 6
架空送電線路に関連する設備に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:1
一様な微風で電線の背後にカルマン渦ができ、電線が上下に振動する現象は微風振動である。サブスパン振動は別のもので、多導体の風下側の電線が風上側の電線の後流(うず)を受けて、スペーサとスペーサのあいだ(サブスパン)で振動する現象を指す。したがって(1)が誤りで、これが答になる。
名前は違うが、対策としてダンパで振動エネルギーを吸収する、という後半の記述自体は微風振動について正しい。現象の名前だけが差し替えられている。
他の記述を確かめる。(2)多導体にすると見かけの電線半径が大きくなって電線表面の電界が下がり、コロナ放電が抑えられる。スペーサは素導体の間隔を保つとともに、ギャロッピング(着氷雪した電線が風で大きく揺れる現象)の抑制にも役立つ。(3)アークホーンはがいし連の両端に付ける金具で、アークをがいしから離れた位置に飛ばしてがいしの破損を防ぐ。(4)架空地線の遮へい角は小さいほど電線が架空地線の陰に入るので、雷撃を受けにくい。(5)鉄塔に雷が落ちると鉄塔の電位が上がり、電線との間で逆向きに絶縁破壊が起きる。これが逆フラッシオーバで、鉄塔の接地抵抗を下げれば電位の上昇が抑えられる。
微風振動・サブスパン振動・ギャロッピングは、いずれも風による電線の振動だが、起こる条件が違う。微風振動は弱い風、サブスパン振動は多導体、ギャロッピングは着氷雪と、区別して覚える。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 電力 問6
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 7
真空遮断器に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:5
真空遮断器は密閉された真空バルブの中で接点を開閉するので、動作音はごく小さい。一方、空気遮断器は圧縮空気を大気へ吹き出してアークを消すため、破裂音のような大きな騒音を出す。したがって「空気遮断器に比べて動作時の騒音が大きい」とする(5)が誤りで、これが答になる。むしろ逆で、騒音が小さいことが真空遮断器の利点の一つである。
他の記述を確かめる。(1)真空は絶縁耐力が高く、電流が零になった瞬間に電極間の絶縁が急速に回復する。この性質で消弧している。(2)真空遮断器は電流を強制的に切る力が強いぶん、電流が零になる前に切ってしまう(電流裁断)ことがあり、そのとき高い開閉サージが出る。誘導性の機器(電動機や変圧器)を守るために避雷器やサージアブソーバを付けることがある。(3)構造が単純で小形軽量、電極の消耗も少なく保守が容易である。(4)消弧媒体としてSF₆ガスも油も使わないので、ガスの管理や油の交換が要らず、多頻度の開閉にも耐える。
SF₆ガスは温室効果が非常に大きい気体なので、使わずに済むことは環境面の利点でもある。この点でも真空遮断器は高圧の分野で標準的な機器になっている。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 電力 問7
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 8
定格容量20 MV·A,一次側定格電圧77 kV,二次側定格電圧6.6 kV,百分率インピーダンス10.6 %(基準容量20 MV·A)の三相変圧器がある。三相変圧器の一次側は77 kVの電源に接続され,二次側は負荷のみが接続されている。三相変圧器の一次側から見た電源の百分率インピーダンスは,1.1 %(基準容量20 MV·A)である。抵抗分及びその他の定数は無視する。三相変圧器の二次側に設置する遮断器の定格遮断電流の値[kA]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:4
基準容量がどちらも20 MV·Aにそろえてあるので、百分率インピーダンスはそのまま足せる。
%Z=10.6+1.1=11.7 %。
二次側の基準電流(定格電流)は
I_n=20×10⁶/(√3×6 600)≒1 750 A。
三相短絡電流は基準電流を百分率インピーダンスで割って
I_s=1 750/0.117≒14 950 A≒15 kA。
遮断器の定格遮断電流は、この短絡電流以上でなければならない。選択肢のうち15 kA以上で最も小さいのは20.0 kAなので答(4)。
計算値が選択肢にそのまま無いのは、定格遮断電流が標準値(8・12.5・16・20・25・31.5・40 kAなど)から選ばれるためである。「計算した短絡電流を上回る標準値を選ぶ」という手順まで含めて問われている。
基準電流をどちら側で出すかで答はまったく変わる。一次側の定格電流は 20×10⁶/(√3×77 000)≒150 A で、これを使うと短絡電流は 150/0.117≒1 300 A=1.3 kA にしかならない。遮断器を置くのは二次側なので、6.6 kVで基準電流を出す。
電源側の1.1 %を足し忘れると 1 750/0.106≒16.5 kA となるが、これでも20 kAを選ぶことになる。ただし足し忘れは他の問題では答が変わるので、基準容量がそろっているかを確かめてから足す習慣をつける。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 電力 問8
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 9
次の文章は,避雷器に関する記述である。
避雷器は,雷又は回路の開閉などに起因する過電圧の (ア) がある値を超えた場合,放電により過電圧を抑制して,電気施設の絶縁を保護する装置である。特性要素としては (イ) が広く用いられ,その (ウ) の抵抗特性により,過電圧に伴う電流のみを大地に放電させ,放電後は (エ) を遮断することができる。発変電所用避雷器では, (イ) の優れた電圧−電流特性を利用し,放電耐量が大きく,放電遅れのない (オ) 避雷器が主に使用されている。
上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:2
(ア) 避雷器が動作するかどうかを決めるのは過電圧の波高値(ピーク値)である。波頭長は波形が立ち上がるまでの時間で、大きさを表す量ではない。
(イ) 特性要素には酸化亜鉛(ZnO)素子が広く使われる。SF₆は遮断器の消弧媒体や絶縁ガスで、避雷器の特性要素ではない。
(ウ) ZnO素子は、電圧が低いうちはほとんど電流を流さず、ある電圧を超えると急に電流を流すという非線形の抵抗特性を持つ。この鋭い折れ曲がりがあるからこそ、常時の電圧では動作せず、過電圧のときだけ放電できる。
(エ) 放電したあとも系統の電圧が加わり続けるので、そのまま電流が流れ続けると事故になる。この電流を続流といい、避雷器はこれを遮断できなければならない。ZnOは非線形性が強いので、常時電圧に戻れば電流はほぼ零になり、続流を自然に断てる。
(オ) その性質のおかげで直列ギャップが不要になり、ギャップレス避雷器が主流になっている。ギャップが無いので放電の遅れも生じない。
波高値/ZnO/非線形/続流/ギャップレスとなり答(2)。
(ウ)と(オ)はつながっている。非線形性が優れているから続流を自力で切れ、だからギャップが要らない、という筋道である。「線形」としている(4)は、この筋道と食い違う。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 電力 問9
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 10
次の文章は,架空送電線路に関する記述である。
架空送電線路の線路定数には,抵抗,作用インダクタンス,作用静電容量, (ア) コンダクタンスがある。線路定数のうち,抵抗値は,表皮効果により (イ) のほうが増加する。また,作用インダクタンスと作用静電容量は,線間距離Dと電線半径rの比D/rに影響される。D/rの値が大きくなれば,作用静電容量の値は (ウ) なる。
作用静電容量を無視できない中距離送電線路では,作用静電容量によるアドミタンスを1か所又は2か所にまとめる (エ) 定数回路が近似計算に用いられる。このとき,送電端側と受電端側の2か所にアドミタンスをまとめる回路を (オ) 形回路という。
上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:1
(ア) 線路定数は、抵抗・作用インダクタンス・作用静電容量・漏れコンダクタンスの四つである。がいし表面などを通って漏れる電流を表すのが漏れコンダクタンスで、架空送電線ではふつう無視できるほど小さい。
(イ) 表皮効果は交流で起きる。周波数が高いほど電流が導体の表面に片寄り、電流の通る断面が実質的に狭くなって抵抗が増える。直流では起きない。
(ウ) 作用静電容量は C=2πε/ln(D/r) の形で表され、D/rが大きくなると分母のln(D/r)が大きくなるので、静電容量は小さくなる。電線どうしが離れるほど互いの静電結合が弱くなる、と考えても同じである。なお作用インダクタンスは L=0.4605 log₁₀(D/r)+0.05 の形で、こちらはD/rが大きくなると増える。二つは逆向きに動く。
(エ) アドミタンスを1か所または2か所にまとめてしまう扱いを集中定数回路という。分布定数回路は、線路に沿って連続的に分布しているものとして扱うやり方で、長距離送電線に使う。
(オ) 2か所にまとめる回路がπ形、1か所にまとめる回路がT形である。文字の形が回路図の形をそのまま表している。πは縦棒が2本、Tは縦棒が1本である。
漏れ/交流/小さく/集中/πとなり答(1)。
(オ)は「πは足が2本」と覚えると取り違えない。設問は「2か所にまとめる回路」と言っているので、π形になる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 電力 問10
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 11
我が国における架空送電線路と比較した地中送電線路の特徴に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:5
(5)は架空と地中が入れ替わっている。架空送電線路の絶縁は空気なので、アークが消えれば絶縁は自然に回復する。だから再閉路(いったん切ってすぐ入れ直す)が成り立つ。一方、地中送電線路のケーブルは固体絶縁体なので、いったん絶縁破壊すると穴が残り、自然に回復することはない。復旧には事故点を探して切り継ぐ工事が要り、時間もかかる。したがって(5)が誤りで、これが答になる。
他の記述を確かめる。(1)ケーブルと管路の工事が要るので建設費は架空よりずっと高いが、都市部では用地や景観、保安の面から地中化が進んでいる。(2)風雨・雷・着氷雪といった気象の影響を受けず、地面の中を通るので通信線への静電誘導・電磁誘導も小さい。(3)ケーブルは導体と金属シースが薄い絶縁体をはさんで近接しているので、作用静電容量が架空線よりはるかに大きく、そのぶん充電電流も大きい。導体どうしが近いので作用インダクタンスは小さい。(4)ケーブルは絶縁体の中で誘電体損が、金属シースに流れる電流でシース損が生じる。架空線は空気中なのでコロナ損が生じるが、誘電体損もシースも無い。
(3)の「充電電流が大きい」ことは、地中送電線路の送電距離が制限される理由でもある。長くすると充電電流だけで導体の許容電流を食ってしまう。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 電力 問11
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 12
高圧架空配電線路を構成する機材とその特徴に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:5
高圧カットアウトには箱形と円筒形の二種類がある。「箱形の一種類のみ」とする(5)が誤りで、これが答になる。箱形は磁器製の箱の中にヒューズ筒を収めたもの、円筒形は円筒状の磁器の中にヒューズを納めたもので、どちらも柱上変圧器の一次側に取り付けて、過負荷や短絡から変圧器と配電線路を守る。
他の記述を確かめる。(1)配電用の支持物は、遠心成形でコンクリートを締め固めた鉄筋コンクリート柱(コン柱)が主流である。回しながら成形するので中が空洞になり、軽くて強い。(2)導体は硬銅線のほか、軽くて張力に強い鋼心アルミより線(ACSR)も使われる。(3)単相変圧器2台のV結線で三相200 Vをつくり、そのうち1台から中性線を出して単相3線式100/200 Vも同時に供給する、という使い方は配電でよく見られる。(4)柱上開閉器には気中開閉器(PAS)や真空開閉器があり、手動式と、地絡や過電流を検出して自動で動く自動式がある。
配電線路の機材は名前と形が結びつきにくいが、「二種類あるものを一種類と言い切る」形の誤りは典型なので、断定した記述に出会ったら数を思い出す。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 電力 問12
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 13
次の文章は,スポットネットワーク方式に関する記述である。
スポットネットワーク方式は,22 kV又は33 kVの特別高圧地中配電系統から2回線以上で受電する方式の一つであり,負荷密度が極めて高い都心部の高層ビルや大規模工場などの大口需要家の受電設備に適用される信頼度の高い方式である。
スポットネットワーク方式の一般的な受電系統構成を特別高圧地中配電系統側から順に並べると, (ア) ・ (イ) ・ (ウ) ・ (エ) ・ (オ) となる。
上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:5
系統側から順に、断路器 → ネットワーク変圧器 → プロテクタヒューズ → プロテクタ遮断器 → ネットワーク母線 の順に並ぶ。答(5)。
順序は役割から決まる。まず入口で回線を切り離すのが断路器。つぎに特別高圧を負荷が使える電圧まで下げるのがネットワーク変圧器。その二次側に、変圧器の内部故障などに備えるプロテクタヒューズを置く。さらにネットワーク母線側との間にプロテクタ遮断器を置き、逆電力が流れたとき(=その回線が停電したとき)に自動で切り離す。最後に、複数回線の出力を並列につなぐのがネットワーク母線である。
最後がネットワーク母線になる、という点が決め手になる。母線は各回線を束ねる場所なので、必ずいちばん負荷側にある。母線を先頭に置く(2)や、途中に挟む(1)(3)は、この時点で外れる。
この方式は、2回線以上で受電して母線で並列に運転するので、1回線が停電しても無停電で供給を続けられる。都心部の高層ビルなどで使われるのはそのためである。プロテクタ遮断器は、停電した回線へ他の回線から電力が逆流するのを検出して切り離す働きを受け持つ。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 電力 問13
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 14
我が国のコンデンサ,電力ケーブル,変圧器などの電力用設備に使用される絶縁油に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:1
誘電正接(tanδ)は絶縁体の中で熱になってしまう割合を表す量で、大きいほど誘電体損が増える。変圧器でもケーブルでもコンデンサでも、損失は小さいほうがよいので、誘電正接は小さいものが適している。「コンデンサに使用する場合には大きいものが適している」とする(1)が誤りで、これが答になる。
他の記述を確かめる。(2)熱膨張率が小さいほど温度変化による油量の増減が少なくて済み、粘度が小さいほど油がよく流れて熱を運ぶ。比熱と熱伝導率が大きいほど熱をよく受け取ってよく伝える。いずれも冷却と安定運転に有利な性質である。(3)古くから鉱油系が使われてきたが、難燃性や低損失性が求められる用途では合成絶縁油が使われる。近年は生分解性の高い植物性絶縁油の採用も進んでいる。(4)変圧器の油は絶縁だけでなく冷却も担う。油が対流して熱を放熱器へ運ぶ。(5)水分や不純物が入ると絶縁性能が落ち、部分放電が起きると油が分解して水素やメタンなどのガスが出る。油中ガス分析は変圧器の内部異常を早期に見つける代表的な診断方法である。
(5)にあるとおり、絶縁油は「調べれば設備の中の状態が分かる」材料でもある。誘電正接も、油そのものの劣化を測る指標として使われる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 電力 問14
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 15(a)
ある河川のある地点に貯水池を有する水力発電所を設ける場合の発電計画について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。
〔小問(a)〕 流域面積を15 000 km²,年間降水量750 mm,流出係数0.7とし,年間の平均流量の値[m³/s]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:4
降った雨のうち、蒸発や地下浸透で失われずに川へ出てくる割合が流出係数である。まず1年間に川へ流れ出る水の体積を出す。
流域面積は 15 000 km²=15 000×10⁶ m²=1.5×10¹⁰ m²。
年間降水量は 750 mm=0.75 m。
年間の流出量は
1.5×10¹⁰×0.75×0.7=7.875×10⁹ m³。
これを1年の秒数で割れば平均流量になる。1年は
365×24×60×60=31 536 000 s≒3.15×10⁷ s。
したがって
Q=7.875×10⁹/3.15×10⁷≒250 m³/s。答(4)。
単位をそろえるところが山になる。km²は10⁶ m²、mmは10⁻³ mであり、この二つを掛けるので、桁を1つでも間違えると10倍・100倍ずれる。面積は10⁶を掛ける、降水量は1000で割る、と手順を固定するとよい。
1年の秒数 3.15×10⁷ s は、この分野でくり返し使うので覚えてしまってよい。「1年は約3 000万秒」と押さえておけば、桁の確認にも使える。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 電力 問15(a)
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 15(b)
ある河川のある地点に貯水池を有する水力発電所を設ける場合の発電計画について,次の問に答えよ。
〔小問(b)〕 この水力発電所の最大使用水量を小問(a)で求めた流量とし,有効落差100 m,水車と発電機の総合効率を80 %,発電所の年間の設備利用率を60 %としたとき,この発電所の年間発電電力量の値[kW·h]に最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
(小問(a)より,年間の平均流量は約250 m³/sである。)
正解:4
まず最大出力を求める。水力発電の出力は
P=9.8QHη[kW]
で、Qは流量[m³/s]、Hは有効落差[m]、ηは総合効率である。
P=9.8×250×100×0.8=196 000 kW。
つぎに年間発電電力量を求める。設備利用率60 %とは、この最大出力で1年間ずっと運転したと仮定した電力量の60 %を実際に発電する、という意味である。1年は8 760時間なので
W=196 000×8 760×0.6≒1.03×10⁹ kW·h。
最も近いのは1 000 000 000で答(4)。
(5)の1 300 000 000は、総合効率80 %を掛け忘れた場合の値である。効率を入れずに 9.8×250×100=245 000 kW としてしまうと、245 000×8 760×0.6≒1.29×10⁹ kW·h となって(5)になる。効率は出力を減らす向きに効くので、掛け忘れると必ず大きく出る。
9.8という係数は重力加速度で、水の密度1 000 kg/m³と合わせて「1 m³/sの水が1 m落ちると9.8 kW」という関係を表している。単位を追うと 1 000[kg/m³]×9.8[m/s²]×Q[m³/s]×H[m]=9 800QH[W]=9.8QH[kW] となる。
8 760時間(=365×24)も、この分野で毎回使う数字である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 電力 問15(b)
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 16(a)
こう長25 kmの三相3線式2回線送電線路に,受電端電圧が22 kV,遅れ力率0.9の三相平衡負荷5 000 kWが接続されている。次の(a)及び(b)の問に答えよ。ただし,送電線は2回線運用しており,与えられた条件以外は無視するものとする。
〔小問(a)〕 送電線1線当たりの電流の値[A]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし,送電線は単導体方式とする。
正解:3
まず負荷が要求する電流の合計を出す。三相の電力は P=√3VI cosθ なので
I=P/(√3V cosθ)=5 000×10³/(√3×22×10³×0.9)≒145.8 A。
これは受電端に流れ込む電流の合計である。送電線は2回線で運用しているので、この電流が2回線に等しく分かれる。したがって1線当たりは
145.8/2≒72.9 A。答(3)。
(5)の145.8は2回線に分ける前の値である。設問が「送電線1線当たり」と断っているので、必ず回線数で割る。
「1線当たり」という言い方に注意する。三相3線式では1回線が3本の電線でできているが、その3本には同じ大きさの電流が流れるので、3で割る必要は無い。割るのは回線数の2だけである。
(1)の42.1は、さらに√3で割ってしまった場合に近い値(145.8/(2×√3)≒42.1)である。線電流と相電流の関係は、Y結線かΔ結線かという負荷側の話であって、ここでは出てこない。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 電力 問16(a)
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 16(b)
こう長25 kmの三相3線式2回線送電線路に,受電端電圧が22 kV,遅れ力率0.9の三相平衡負荷5 000 kWが接続されている。次の問に答えよ。ただし,送電線は2回線運用しており,与えられた条件以外は無視するものとする。
〔小問(b)〕 送電損失を三相平衡負荷に対し5 %以下にするための送電線1線の最小断面積の値[mm²]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし,使用電線は,断面積1 mm²,長さ1 m当たりの抵抗を1/35 Ωとする。
(小問(a)より,送電線1線当たりの電流は約72.9 Aである。)
正解:4
許される送電損失は
5 000×0.05=250 kW=250 000 W。
損失が生じるのは電線1本ごとで、三相3線式が2回線なので合計6本ある。1線の抵抗をR[Ω]、1線の電流を72.9 Aとすると
損失=6×72.9²×R≦250 000。
72.9²≒5 314 なので
6×5 314×R=31 886R≦250 000 → R≦7.84 Ω。
つぎに断面積を出す。1 mm²・1 m当たりの抵抗が 1/35 Ω なので、こう長25 km=25 000 mの1線の抵抗は
R=(1/35)×25 000/A=714.3/A [Ω]。
これが7.84 Ω以下でなければならないから
714.3/A≦7.84 → A≧91.1 mm²。
最も近いのは92で答(4)。
電線の本数を数え違えると答が変わる。三相3線式1回線で3本、それが2回線なので6本である。3本と数えると R≦15.7 Ω となって A≧45.6 → (2)の46に落ちる。
断面積は「大きいほど抵抗が小さい」ので、求めた下限より大きい値を選ぶ。91.1 mm²に対して92 mm²は上回っており、74 mm²では足りない。「最小断面積」と問われているので、条件を満たす中で最も小さいものを選ぶ。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 電力 問16(b)
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 17(a)
図のような系統構成の三相3線式配電線路があり,開閉器Sは開いた状態にある。各配電線のB点,C点,D点には図のとおり負荷が接続されており,各点の負荷電流はB点40 A,C点30 A,D点60 A一定とし,各負荷の力率は100 %とする。
各区間のこう長はA−B間1.5 km,B−S(開閉器)間1.0 km,S(開閉器)−C間0.5 km,C−D間1.5 km,D−A間2.0 kmである。
ただし,電線1線当たりの抵抗は0.2 Ω/kmとし,リアクタンスは無視するものとして,次の(a)及び(b)の問に答えよ。
〔小問(a)〕 電源A点から見たC点の電圧降下の値[V]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし,電圧は相間電圧とする。
正解:4
開閉器Sが開いているので、ループは切れていて二つの行き止まりの線路になっている。C点へ電力が届く経路は A→D→C の一つだけである。
各区間に流れる電流を、末端から数えて求める。
D−C間:C点の負荷30 Aだけが流れる。
A−D間:D点の負荷60 AとC点の負荷30 Aの合計90 Aが流れる。
三相3線式の電圧降下(相間電圧=線間電圧で見た値)は
v=√3×Σ(I×R)
で求める。区間ごとの抵抗は 0.2 Ω/km×こう長 なので
A−D間:90×0.2×2.0=36 V相当
D−C間:30×0.2×1.5=9 V相当
合計45を√3倍して
v=√3×45≒77.9 V。答(4)。
(2)の45.0は√3を掛け忘れた値である。三相3線式で線間電圧の降下を求めるときは√3を掛ける、と決めておく。
(5)の90.0は、三相3線式の√3ではなく単相2線式の係数2を使ってしまった場合の値である(2×45=90)。行きと帰りの2本ぶんを数える単相2線式と、√3倍になる三相3線式とを取り違えないこと。
開閉器Sが開いているという条件が、この小問のすべてである。閉じていればB側からも電流が回り込み、電流の分け方が変わる。それを問うのが小問(b)である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 電力 問17(a)
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 17(b)
図のような系統構成の三相3線式配電線路があり,開閉器Sは開いた状態にある。各配電線のB点,C点,D点には図のとおり負荷が接続されており,各点の負荷電流はB点40 A,C点30 A,D点60 A一定とし,各負荷の力率は100 %とする。
各区間のこう長はA−B間1.5 km,B−S(開閉器)間1.0 km,S(開閉器)−C間0.5 km,C−D間1.5 km,D−A間2.0 kmである。
ただし,電線1線当たりの抵抗は0.2 Ω/kmとし,リアクタンスは無視するものとして,次の問に答えよ。
〔小問(b)〕 開閉器Sを投入した場合,開閉器Sを流れる電流iの値[A]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:2
開閉器Sを投入するとA点を電源とするループになる。ループの中を一周したときの電圧降下の合計は零になる、という条件から電流の分かれ方が決まる。
A点からB側へ流れ出る電流をx[A]とおき、A→B→S→C→D→Aの向きに電流を追う。
A−B間:x
B−S間:x−40(B点で40 A取られる)
S−C間:x−40
C−D間:x−40−30=x−70
D−A間:x−70−60=x−130
抵抗はどの区間も 0.2 Ω/km なので、電圧降下の和を零とおくと、共通の0.2は消えて「電流×こう長」の和が零になる。
1.5x+1.0(x−40)+0.5(x−40)+1.5(x−70)+2.0(x−130)=0
こう長の合計は 1.5+1.0+0.5+1.5+2.0=6.5 km、定数項は 40+20+105+260=425 なので
6.5x=425 → x≒65.4 A。
開閉器Sを流れるのはB−S間と同じ電流なので
i=x−40=65.4−40≒25.4 A。答(2)。
(5)の65.4はxそのもの、すなわちA点からB側へ出る電流である。問われているのはSを流れる電流なので、B点の負荷40 Aを引く。
この解き方は「ループの一周の電圧降下は零」というキルヒホッフの第二法則そのものである。抵抗率が全区間で同じなら、抵抗の代わりにこう長を使ってよいので計算が軽くなる。
答が正であることは、電流が図に描かれた向き(BからSを通ってCへ)に流れることを意味する。負になったら向きが逆だったということになる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 電力 問17(b)
報告ありがとうございました。内容を確認します。
この回の最終更新:
掲載の過去問題は 一般財団法人 電気技術者試験センター の著作物です。同機関が公表する試験問題を、教育目的での利用に許諾・使用料を要しないとする同機関の方針に従い、出典を明記して掲載しています。無断転載を許可するものではありません。解説は当サイトが独自に作成したものです。