📄 本試験 過去問題
電験3種 2024年度上期(令和6年度上期) 法規
13問 ・ 目安 正答率60% ・ 2024年8月18日実施
電験三種(第三種電気主任技術者)の2024年度上期(令和6年度上期) 法規試験で実際に出題された全13問を、1問ずつその場で答え合わせしながら演習できます。2024年8月18日実施・合否の目安は正答率60%(演習の目安)。各問に正解と、なぜその選択肢になるのかの解説を付けています。
本試験の合格基準:理論・電力・機械・法規の科目ごとに合否判定。各科目100点満点中原則60点以上で科目合格、4科目すべて合格で試験合格。
この回:令和6年度上期・法規:合格基準は100点満点中60点以上(筆記方式の公表値)。
出典:令和6年度第三種電気主任技術者上期試験の結果について(令和6年9月30日)。このページの「目安 正答率60%」は演習の目安で、本試験の採点方法とは異なります。
この回は 一般財団法人 電気技術者試験センター が公開する本試験問題を、当サイトがその場で答え合わせできる一問一答形式に再編し、公式には付いていない「正解の根拠・各選択肢の解き方」の解説を追記したものです。原題の出典は各問に明記しています。
過去問の解答結果は学習記録・段位には反映されません。過去問は出題当時の法令・制度にもとづく問題を含むため、段位は継続して最新化している一問一答・模擬試験だけで判定しています。過去問を解かなくても段位で不利になることはありませんので、実力試しとして気軽にお使いください。
この回の問題は,令和6年4月1日(2024年4月1日)現在で効力のある法令にもとづいて作成されています(原本の注記)。それ以降の法改正により、現行の条文・数値と異なる場合があります。
問 1
次の文章は,「電気事業法」における事業用電気工作物の技術基準への適合に関する記述の一部である。
a)事業用電気工作物を設置する者は,事業用電気工作物を主務省令で定める技術基準に適合するように (ア) しなければならない。
b)上記a)の主務省令で定める技術基準では,次に掲げるところによらなければならない。
① 事業用電気工作物は,人体に危害を及ぼし,又は物件に損傷を与えないようにすること。
② 事業用電気工作物は,他の電気的設備その他の物件の機能に電気的又は (イ) 的な障害を与えないようにすること。
③ 事業用電気工作物の損壊により一般送配電事業者又は配電事業者の電気の供給に著しい支障を及ぼさないようにすること。
④ 事業用電気工作物が一般送配電事業又は配電事業の用に供される場合にあつては,その事業用電気工作物の損壊によりその一般送配電事業又は配電事業に係る電気の供給に著しい支障を生じないようにすること。
c)主務大臣は,事業用電気工作物が上記a)の主務省令で定める技術基準に適合していないと認めるときは,事業用電気工作物を設置する者に対し,その技術基準に適合するように事業用電気工作物を修理し,改造し,若しくは移転し,若しくはその使用を (ウ) すべきことを命じ,又はその使用を制限することができる。
上記の記述中の空白箇所(ア)~(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:2
電気事業法第39条第1項は「事業用電気工作物を設置する者は、事業用電気工作物を主務省令で定める技術基準に適合するように維持しなければならない」と定める。設置したあと使い続ける間ずっと基準に適合させ続ける義務なので(ア)は「維持」であり、「設置」とした(1)(3)(5)はここで落ちる。②の障害は電磁誘導などによるものを想定しており、条文は「電気的又は磁気的な障害」である。熱的な障害ではないので(イ)=磁気となり(4)も消えて(2)が残る。c)は同法第40条(技術基準適合命令)で、主務大臣は修理・改造・移転のほか「その使用を一時停止すべきことを命じ、又はその使用を制限することができる」とある。「禁止」ではなく期間を区切った「一時停止」である点が要点で、恒久的に使用を禁じるのではなく基準に適合させるまでの措置という位置づけになっている。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 法規 問1
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 2
「電気関係報告規則」に基づく,事故報告に関して,受電電圧 6 600 V の自家用電気工作物を設置する事業場における事故事例のうち,事故報告に該当しないものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:4
該当しないのは(4)である。電気関係報告規則が求める報告は、感電などによる死傷事故、電気火災事故、他の物件への損傷事故、主要電気工作物の破損事故、供給支障事故などに限られる。需要設備の誘導電動機は主要電気工作物には当たらず、しかもこの事例では人が死傷しておらず、火災も供給支障も起きていない。単に自分の設備を壊しただけでは報告対象にならない。他は該当する。(1)は電気工作物の破損に伴って第三者の物件に損傷を与えた事故、(2)は感電により死傷(入院を要する負傷)した事故で、電圧の高低や作業者本人かどうかを問わない。(3)は電気工作物が原因の電気火災事故。(5)は一般送配電事業者への供給支障事故であり、火災や死傷者がなくても報告が要る。答(4)。「自分の設備が壊れただけか、それとも人・他人の物件・供給に影響したか」で切り分けるのがこの分野の要点になる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 法規 問2
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 3
「電気設備技術基準」では,「光ファイバケーブル」及び「光ファイバケーブル線路」の定義を次のように規定している。
a)「光ファイバケーブル」とは,光信号の伝送に使用する伝送媒体であって,保護 (ア) で保護したものをいう。
b)「光ファイバケーブル線路」とは,光ファイバケーブル及びこれを (イ) し,又は保蔵する工作物(造営物の屋内又は (ウ) に施設するものを除く。)をいう。
上記の記述中の空白箇所(ア)~(ウ)に記入する字句として,正しいものを組み合わせたのは次のうちどれか。
正解:3
電気設備技術基準(省令)第1条の定義そのままである。光ファイバケーブルは光ファイバ素線を「保護被覆」で覆ったものを指すので(ア)=被覆。装置や器具ではないから(1)(2)(5)が落ちる。線路のほうは、ケーブル本体に加えて、それを「支持し、又は保蔵する工作物」(電柱・管路・とう道など)まで含めた概念である。(イ)=支持となり、「保護」とした(4)も消えて(3)が残る。括弧書きの除外は「造営物の屋内又は屋側に施設するもの」で、建物の中や壁面に沿わせた部分は線路に含めないという趣旨である。(ウ)=屋側。屋外や屋上ではない点に注意したい。答(3)。光ファイバケーブル線路が電気設備技術基準の対象になるのは、電線路と同じ支持物に共架されるなど電気工作物と近接して施設されることがあるためで、感電や漏電の危険とは別の観点から規定が置かれている。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 法規 問3
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 4
「電気設備技術基準の解釈」に基づく,高圧の機械器具(これに附属する高圧電線であってケーブル以外のものを含む。以下同じ。)の施設について,発電所,蓄電所又は変電所,開閉所若しくはこれらに準ずる場所以外の場所において,高圧の機械器具を施設することができる場合として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:3
誤りは(3)である。工場等の構内に施設する場合であっても、認められるのは機械器具の周囲に適当なさく・へい等を設けたうえで危険である旨の表示をする方法であり、「高圧用機械器具である旨の表示」をするだけでは足りない。表示は人に注意を促すにすぎず、物理的に充電部分へ近づけない措置がなければ感電を防げないからである。他は正しい。(1)はさく・へい等の高さと、そこから充電部分までの距離の和を5 m以上とし危険表示をする方法で、条文どおり。(2)は屋内で取扱者以外が出入りできないよう措置した場所。(4)はコンクリート製の箱又はD種接地工事を施した金属製の箱に収めて充電部分を露出させない方法。(5)は充電部分が露出しない機械器具について、さく・へい等で人が接近・接触しないようにする方法である。答(3)。「表示だけで済む選択肢は疑ってかかる」というのがこの手の問題の見分け方になる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 法規 問4
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 5
次の文章は,「発電用風力設備に関する技術基準を定める省令」に基づく風車の安全な状態の確保に関する記述である。
a)風車は,次の場合に安全かつ自動的に停止するような措置を講じなければならない。
① (ア) が著しく上昇した場合
② 風車の (イ) の機能が著しく低下した場合
b)発電用風力設備が一般用電気工作物又は小規模事業用電気工作物である場合には,上記a)の記述は,同記述中「安全かつ自動的に停止するような措置」とあるのは「安全な状態を確保するような措置」と読み替えて適用するものとする。
c)最高部の (ウ) からの高さが 20 m を超える発電用風力設備には, (エ) から風車を保護するような措置を講じなければならない。ただし,周囲の状況によって (エ) が風車を損傷するおそれがない場合においては,この限りでない。
上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:3
風車を自動停止させなければならないのは、まず「回転速度が著しく上昇した場合」である。強風で回転数が上がりすぎると遠心力でブレードが破壊されるため、機械の安全に直結する量として回転速度が挙げられている。発電電圧ではないので(2)(4)が落ちる。もう一つは「風車の制御装置の機能が著しく低下した場合」で、ピッチ角制御などが効かなくなれば回転速度を抑えられなくなるからである。圧油装置ではないので(5)も消える。残る(1)と(3)の差は(ウ)だけで、高さの起点は「地表」である。ロータ最低部を起点にすると風車ごとに基準がばらついてしまう。最高部の地表からの高さが20 mを超える設備には「雷撃」から風車を保護する措置(受雷部やダウンコンダクタ)が要る。風車は高所に突き出た構造物で落雷を受けやすく、ブレードは複合材で導電性が低いため直撃すると破損しやすい。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 法規 問5
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 6
次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」に基づく高圧架空引込線の施設に関する記述の一部である。
a)電線は,次のいずれかのものであること。
① 引張強さ 8.01 kN 以上のもの又は直径 (ア) mm 以上の硬銅線を使用する,高圧絶縁電線又は特別高圧絶縁電線
② (イ) 用高圧絶縁電線
③ ケーブル
b)電線が絶縁電線である場合は,がいし引き工事により施設すること。
c)電線の高さは,「低高圧架空電線の高さ」の規定に準じること。ただし,次に適合する場合は,地表上 (ウ) m 以上とすることができる。
① 次の場合以外であること。
・道路を横断する場合
・鉄道又は軌道を横断する場合
・横断歩道橋の上に施設する場合
② 電線がケーブル以外のものであるときは,その電線の (エ) に危険である旨の表示をすること。
上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:4
高圧架空電線に使う硬銅線の太さは直径5 mm以上で、これは引張強さ8.01 kN以上という条件と対になっている。低圧の直径4 mm以上(引張強さ5.26 kN以上)と混同しやすいので、電圧区分ごとに覚えておきたい。(ア)=5となり(2)(3)が落ちる。②は電柱から需要家へ引き下ろす区間に使う「引下げ用高圧絶縁電線」で、引上げ用という電線は無い。(イ)=引下げで(5)も消える。残る(1)と(4)の差は高さで、原則は低高圧架空電線の高さの規定(道路横断6 m以上など)に従うが、道路・鉄道・横断歩道橋を避けたうえで危険表示をすれば地表上3.5 m以上まで下げられる。2.5 mでは人が触れるおそれがあり認められない。(エ)は表示を付ける位置で、地上から見上げて気付けるよう電線の「下方」に付ける。答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 法規 問6
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 7
次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」に基づく高圧連系時の系統連系用保護装置に関する記述である。
「逆変換装置を用いて連系する場合」において,「逆潮流有りの場合」の保護リレー等は,次によること。表に規定する保護リレー等を受電点その他異常の検出が可能な場所に設置すること。
〔表 高圧連系時の保護リレー〕検出する異常/種類/補足事項の順に,
・ (ア) 異常上昇 / 過電圧リレー / ※1
・ (ア) 異常低下 / 不足電圧リレー / ※1
・ (イ) 短絡事故 / 不足電圧リレー / ※2
・ (イ) 地絡事故 / (ウ) リレー / ※3
・ (エ) / 周波数上昇リレー / ※4
・ (エ) / 周波数低下リレー
・ (エ) / 転送遮断装置又は (エ) 検出装置 / ※5 ※6
※1:分散型電源自体の保護用に設置するリレーにより検出し,保護できる場合は省略できる。
※2: (ア) 異常低下検出用の不足電圧リレーにより検出し,保護できる場合は省略できる。
※3:構内低圧線に連系する場合であって,分散型電源の出力が受電電力に比べて極めて小さく, (エ) 検出装置等により高速に (エ) を検出し,分散型電源を停止又は解列する場合又は地絡方向継電装置付き高圧交流負荷開閉器から,零相電圧を (ウ) リレーに取り込む場合は,省略できる。
※4:専用線と連系する場合は,省略できる。
上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:5
過電圧リレーと不足電圧リレーが検出するのは自分側、すなわち「発電電圧」の異常上昇・異常低下である。※1に「分散型電源自体の保護用に設置するリレーにより検出し、保護できる場合は省略できる」とあることが決め手で、自分の発電設備の保護と重なるからこそ省略できる。(ア)=発電電圧となり(3)(4)が落ちる。一方、不足電圧リレーで検出するもう一つの異常は「系統側短絡事故」で、系統側の事故で電圧が落ちたことを捉えて解列する。(イ)=系統側。系統側の地絡事故は、非接地系では零相電圧が現れることを利用して「地絡過電圧リレー」で検出する。電流差動リレーは送電線の主保護などに使うもので高圧連系の標準構成には入らないので(1)も消える。残る(2)と(5)の差は(エ)で、周波数リレーや転送遮断装置と並んで検出するのは「単独運転」である。逆充電は逆潮流の無い場合に問題となる別の現象で、ここでは当たらない。答(5)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 法規 問7
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 8
次の文章は,「電気設備技術基準」における低圧の電路の絶縁性能に関する記述である。
電気使用場所における使用電圧が低圧の電路の電線相互間及び (ア) と大地との間の絶縁抵抗は,開閉器又は (イ) で区切ることのできる電路ごとに,次の表の左欄に掲げる電路の使用電圧の区分に応じ,それぞれ同表の右欄に掲げる値以上でなければならない。
〔表〕電路の使用電圧の区分/絶縁抵抗値
・ (ウ) V以下 / (エ) (接地式電路においては電線と大地との間の電圧,非接地式電路においては電線間の電圧をいう。以下同じ。)が 150 V以下の場合 / 0.1 MΩ
・ (ウ) V以下 / その他の場合 / 0.2 MΩ
・ (ウ) V を超えるもの / (オ) MΩ
上記の記述中の空白箇所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:3
電気設備技術基準(省令)第58条の表そのままである。測るのは電線どうしの間と「電路」と大地との間で、区切りの単位は「開閉器又は過電流遮断器で区切ることのできる電路ごと」。配線用遮断器や漏電遮断器と限定していないので(1)(2)(5)が落ちる。電圧の区分は300 Vが境で、300 V以下はさらに対地電圧150 V以下かどうかで0.1 MΩと0.2 MΩに分かれ、300 Vを超えるものは0.4 MΩである。400 Vを境にしている選択肢は誤り。括弧書きの定義が「接地式電路においては電線と大地との間の電圧」とあることから(エ)は「対地電圧」で、公称電圧や最大使用電圧ではない。ここで(4)も消えて(3)が残る。答(3)。0.1/0.2/0.4という三つの値と、150 V・300 Vという二つの境目はそのまま実務の絶縁抵抗測定の判定基準になるので、数値ごと覚えておきたい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 法規 問8
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 9
次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」における配線器具の施設に関する記述の一部である。
低圧用の配線器具は,次により施設すること。
a) (ア) ように施設すること。ただし,取扱者以外の者が出入りできないように措置した場所に施設する場合は,この限りでない。
b)湿気の多い場所又は水気のある場所に施設する場合は,防湿装置を施すこと。
c)配線器具に電線を接続する場合は,ねじ止めその他これと同等以上の効力のある方法により,堅ろうに,かつ,電気的に完全に接続するとともに,接続点に (イ) が加わらないようにすること。
d)屋外において電気機械器具に施設する開閉器,接続器,点滅器その他の器具は, (ウ) おそれがある場合には,これに堅ろうな防護装置を施すこと。
上記の記述中の空白箇所(ア)~(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:4
a)の原則は「充電部分が露出しないように施設すること」である。ただし書が「取扱者以外の者が出入りできないように措置した場所」を例外にしていることから、本則が感電防止のための露出禁止だと読み取れる。(ア)=充電部分が露出しないとなり(2)(3)(5)が落ちる。c)の接続点に加わってはいけないのは「張力」で、電線を引っ張る力が接続点にかかると緩みや外れが生じ、接触抵抗の増大から発熱・発火につながる。異常電圧ではない。d)は屋外の器具についてで、雨がかりや飛来物、車両の接触などで「損傷を受ける」おそれがある場合に堅ろうな防護装置を施すという趣旨である。感電のおそれならa)で既に手当てされているので重複する。ここで(1)も消えて(4)が残る。答(4)。a)~d)はそれぞれ感電・湿気・機械的な力・外傷という別々のリスクに対応しており、どの条件がどのリスクに対応するかで整理すると迷いにくい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 法規 問9
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 10
図はある配電用変電所の送り出し遮断器 A から需要家構内の主遮断器までの電路を表したものである。図中に✕印で示した地点で短絡事故が発生した場合の遮断器 A と,区分開閉器 B(SOG 機能付 PAS)の動作の記述として,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
ただし,遮断器 A の配電系統及びこれに接続する全ての需要家構内に分散型電源は無いものとする。
なお,本問で SOG 機能付 PAS とは,過電流蓄勢トリップ付地絡トリップ形トリップ装置付過電流ロック形高圧気中負荷開閉器をいう。
正解:1
SOG機能付PASの「過電流ロック形」という名称が答を決める。区分開閉器Bは負荷開閉器であって短絡電流を遮断する能力を持たないので、短絡電流を検知しても自らは開かず、逆に開かないようロックする。まず配電用変電所の送り出し遮断器Aが短絡電流を遮断して線路を停電させ、無電圧になったところでBが開路して事故点を切り離す。その後Aが再閉路すると、事故を起こした需要家だけが切り離された状態で他の需要家への送電が復旧する。したがって「Aが開路→Bが開路→Aが閉路」の順で(1)が正しい。答(1)。Bが先に開くとした(2)、同時に開くとした(3)は、負荷開閉器に短絡遮断能力がないという前提と矛盾する。(4)ではBが開かないため再閉路したときに再び短絡してしまい、(5)はそもそも短絡電流をBが遮断できないので成り立たない。なお地絡事故の場合は事情が異なり、Bは地絡を検出して自ら開路する(Gの動作)ので、短絡(S・O)と地絡(G)で挙動が違う点も押さえておきたい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 法規 問10
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 11(a)
変電所から三相 3 線式 1 回線の専用配電線で受電している需要家がある。この配電線路の電線 1 条当たりの抵抗及びリアクタンスの値は,それぞれ 3 Ω及び 5 Ωである。この需要家の使用電力が 8 000 kW,負荷の力率が 0.8(遅れ)であるとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。
〔小問(a)〕 需要家の受電電圧が 20 kV のとき,変電所引出口の電圧[kV]の値として,最も近いのは次のうちどれか。
正解:3
まず線電流を求める。三相電力の式 P=√3 V I cosθ より I=8 000×10³/(√3×20 000×0.8)≒288.7 A。次に三相3 線式の電圧降下の近似式 ΔV=√3 I(R cosθ+X sinθ) を使う。力率0.8 遅れなので sinθ=0.6 であり、R cosθ+X sinθ=3×0.8+5×0.6=2.4+3.0=5.4 Ω。よって ΔV=√3×288.7×5.4≒2 700 V=2.7 kV。送電端である変電所引出口の電圧は 20+2.7=22.7 kV。答(3)。落とし穴は二つある。一つはリアクタンス分を忘れて ΔV=√3 IR cosθ=1 200 V とすること、もう一つは sinθ を掛けずに R+X=8 Ωとしてしまうことで、いずれも選択肢の別の値に近づく。遅れ力率ではリアクタンス分の寄与が抵抗分より大きくなることも多く、本問でも3.0 Ωと2.4 Ωで逆転している。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 法規 問11(a)
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 11(b)
変電所から三相 3 線式 1 回線の専用配電線で受電している需要家がある。この配電線路の電線 1 条当たりの抵抗及びリアクタンスの値は,それぞれ 3 Ω及び 5 Ωである。この需要家の使用電力が 8 000 kW,負荷の力率が 0.8(遅れ)であるとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。
〔小問(b)〕 需要家にコンデンサを設置して,負荷の力率を 0.95(遅れ)に改善するとき,この配電線の電圧降下の値[V]の,コンデンサ設置前の電圧降下の値[V]に対する比率[%]の値として,最も近いのは次のうちどれか。
ただし,この需要家の受電電圧[kV]は,コンデンサ設置前と同一の 20 kV とする。
正解:2
使用電力8 000 kWと受電電圧20 kVは変わらず、力率だけが0.8 から0.95 に上がる。線電流は I′=8 000×10³/(√3×20 000×0.95)≒243.1 A と小さくなる。力率0.95 に対する sinθ′は √(1−0.95²)=√0.097 5≒0.312 4。よって R cosθ′+X sinθ′=3×0.95+5×0.312 4≒2.85+1.562=4.412 Ω。電圧降下は ΔV′=√3×243.1×4.412≒1 858 V。小問(a)の2 700 V と比べて 1 858/2 700≒0.688、すなわち68.8 %。答(2)。ここで大切なのは、力率改善で減るのが電流だけではないという点である。電流は0.8/0.95≒84.2 %にしか下がらないが、リアクタンス分に掛かる sinθ が0.6 から0.312 へ半分近くまで落ちるため、両方の効果が重なって電圧降下は約69 %まで下がる。電流比だけで見積もると(4)の81.7 に近い値になってしまうので、sinθ の変化を必ず織り込むこと。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 法規 問11(b)
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 12(a)
三相 3 線式の高圧電路に 300 kW,遅れ力率 0.6 の三相負荷が接続されている。この負荷と並列に進相コンデンサ設備を接続して力率改善を行うものとする。進相コンデンサ設備は図に示すように直列リアクトル付三相コンデンサとし,直列リアクトル SR のリアクタンス X_L[Ω]は,三相コンデンサ SC のリアクタンス X_C[Ω]の 6 %とするとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。
ただし,高圧電路の線間電圧は 6 600 V とし,無効電力によって電圧は変動しないものとする。
〔小問(a)〕 進相コンデンサ設備を高圧電路に接続したときに三相コンデンサ SC の端子電圧の値[V]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:5
直列リアクトルSRと三相コンデンサSCは直列につながっているので、同じ電流が流れる。設備全体のリアクタンスは、誘導性のX_Lと容量性のX_Cが打ち消し合って X_C−X_L=X_C−0.06X_C=0.94X_C(容量性)になる。電源電圧6 600 Vがこの0.94X_Cに掛かって電流が決まり、そのうちSCの端子には X_C 分の電圧が現れるから、V_SC=6 600×X_C/(0.94X_C)=6 600/0.94≒7 021 V。答(5)。ポイントは、直列リアクトルを入れるとコンデンサの端子電圧が電源電圧より高くなるという点で、約6 %高い電圧に耐えられる定格のコンデンサを選ぶ必要がある。分母と分子を取り違えて 6 600×0.94=6 204 V としたり、6 600×1.06=6 996 V と単純に6 %増しにすると(4)に近づいてしまう。直列リアクトルを6 %入れるのは、第5 調波に対して回路全体を誘導性にして高調波の拡大を防ぐためで、この端子電圧上昇はその代償である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 法規 問12(a)
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 12(b)
三相 3 線式の高圧電路に 300 kW,遅れ力率 0.6 の三相負荷が接続されている。この負荷と並列に進相コンデンサ設備を接続して力率改善を行うものとする。進相コンデンサ設備は図に示すように直列リアクトル付三相コンデンサとし,直列リアクトル SR のリアクタンス X_L[Ω]は,三相コンデンサ SC のリアクタンス X_C[Ω]の 6 %とするとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。
ただし,高圧電路の線間電圧は 6 600 V とし,無効電力によって電圧は変動しないものとする。
〔小問(b)〕 進相コンデンサ設備を負荷と並列に接続し,力率を遅れ 0.6 から遅れ 0.8 に改善した。このとき,この設備の三相コンデンサ SC の容量の値[kvar]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:3
まず設備全体で打ち消すべき無効電力を求める。有効電力は300 kWで変わらず、力率0.6 のときの遅れ無効電力は Q₁=P tanθ₁=300×(0.8/0.6)=400 kvar、力率0.8 に改善した後は Q₂=300×(0.6/0.8)=225 kvar。差の 400−225=175 kvar が進相コンデンサ設備が供給すべき無効電力である。ここで注意したいのは、これは直列リアクトルSRを含めた設備全体の値だという点である。SRとSCには同じ電流Iが流れるので、設備全体は I²(X_C−X_L)=175 kvar、SC単体は I²X_C である。X_C−X_L=0.94X_C だから、SC単体の容量は 175/0.94≒186 kvar となる。答(3)。直列リアクトルが誘導性の無効電力を消費するぶん、SCはそれより大きい容量を持たせなければ目標の175 kvarを確保できない、と考えると分かりやすい。175 をそのまま答にすると(1)の170 に、6 %増しの 175×1.06≒186 でも同じ値になるが、正しくは 0.94 で割る形である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 法規 問12(b)
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 13(a)
変圧器によって高圧電路に結合されている低圧電路に施設された使用電圧 100 V の金属製外箱を有する空調機がある。この変圧器の B 種接地抵抗値及びその低圧電路に施設された空調機の金属製外箱の D 種接地抵抗値に関して,次の(a)及び(b)の問に答えよ。
ただし,次の条件によるものとする。
(ア) 変圧器の高圧側の電路の 1 線地絡電流は 5 A で,B 種接地工事の接地抵抗値は「電気設備技術基準の解釈」で許容されている最高限度の 1/3 に維持されている。
(イ) 変圧器の高圧側の電路と低圧側の電路との混触時に低圧電路の対地電圧が 150 V を超えた場合に,0.8 秒で高圧電路を自動的に遮断する装置が設けられている。
〔小問(a)〕 変圧器の低圧側に施された B 種接地工事の接地抵抗値[Ω]の値として,最も近いのは次のうちどれか。
正解:4
B 種接地工事の接地抵抗値の上限は、高圧側の1 線地絡電流 I₁ を用いて三段階に定められている。原則は150/I₁ Ω、混触時に低圧電路の対地電圧が150 V を超えた場合に「1 秒を超え2 秒以内」に自動遮断できれば300/I₁ Ω、「1 秒以内」に遮断できれば600/I₁ Ωである。本問の遮断時間は0.8 秒なので1 秒以内に当たり、最高限度は600/5=120 Ω。実際にはその1/3 に維持されているという条件なので 120/3=40 Ω。答(4)。二段階の計算を求められている点が要点で、遮断時間の区分を1 秒超と読み違えると300/5=60、その1/3 で20 Ωとなって(2)に落ちる。また最高限度をそのまま答にすると120 Ωで選択肢に無く、1/3 を掛け忘れたことに気付ける。この40 Ωという値は小問(b)でそのまま使う。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 法規 問13(a)
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 13(b)
変圧器によって高圧電路に結合されている低圧電路に施設された使用電圧 100 V の金属製外箱を有する空調機がある。この変圧器の B 種接地抵抗値及びその低圧電路に施設された空調機の金属製外箱の D 種接地抵抗値に関して,次の(a)及び(b)の問に答えよ。
ただし,次の条件によるものとする。
(ア) 変圧器の高圧側の電路の 1 線地絡電流は 5 A で,B 種接地工事の接地抵抗値は「電気設備技術基準の解釈」で許容されている最高限度の 1/3 に維持されている。
(イ) 変圧器の高圧側の電路と低圧側の電路との混触時に低圧電路の対地電圧が 150 V を超えた場合に,0.8 秒で高圧電路を自動的に遮断する装置が設けられている。
〔小問(b)〕 空調機に地絡事故が発生した場合,空調機の金属製外箱に触れた人体に流れる電流を 10 mA 以下としたい。このための空調機の金属製外箱に施す D 種接地工事の接地抵抗値[Ω]の上限値として,最も近いのは次のうちどれか。
ただし,人体の電気抵抗値は 6 000 Ωとする。
正解:5
空調機の内部で地絡が起きると、電源→D 種接地抵抗 R_D→大地→B 種接地抵抗 R_B→変圧器という経路で地絡電流が流れる。二つの接地抵抗の直列回路に対地電圧100 V が掛かるので、外箱の対地電位は分圧で V_D=100×R_D/(R_D+R_B) となる。この電位に人体(6 000 Ω)が触れるから、人体電流は I=V_D/6 000。これを10 mA以下にするには V_D≦0.01×6 000=60 V であればよい。小問(a)より R_B=40 Ωなので、100R_D/(R_D+40)≦60 を解いて 100R_D≦60R_D+2 400、40R_D≦2 400、R_D≦60 Ω。答(5)。要点は、危険を決めるのが地絡電流そのものではなく外箱の対地電位だという点である。R_D を小さくするほど分圧で外箱の電位が下がり、人体に掛かる電圧が下がって安全になる。なお人体抵抗6 000 Ωは R_D に比べてはるかに大きいので、人体が並列に入っても分圧の関係はほとんど変わらず、上の近似で差し支えない。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 法規 問13(b)
報告ありがとうございました。内容を確認します。
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