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📄 本試験 過去問題

電験3種 2020年度(令和2年度) 機械

18問 ・ 目安 正答率60% ・ 2020年9月13日実施

電験三種(第三種電気主任技術者)の2020年度(令和2年度) 機械試験で実際に出題された全18問を、1問ずつその場で答え合わせしながら演習できます。2020年9月13日実施・合否の目安は正答率60%(演習の目安)。各問に正解と、なぜその選択肢になるのかの解説を付けています。

本試験の合格基準:理論・電力・機械・法規の科目ごとに合否判定。各科目100点満点中原則60点以上で科目合格、4科目すべて合格で試験合格。

この回:令和2年度・機械:合格基準は100点満点中60点以上(試験センターの公表値)。

出典:令和2年度第三種電気主任技術者試験の結果について(令和2年10月23日・令和3年2月26日訂正)。このページの「目安 正答率60%」は演習の目安で、本試験の採点方法とは異なります。

この回は 一般財団法人 電気技術者試験センター が公開する本試験問題を、当サイトがその場で答え合わせできる一問一答形式に再編し、公式には付いていない「正解の根拠・各選択肢の解き方」の解説を追記したものです。原題の出典は各問に明記しています。

過去問の解答結果は学習記録・段位には反映されません。過去問は出題当時の法令・制度にもとづく問題を含むため、段位は継続して最新化している一問一答・模擬試験だけで判定しています。過去問を解かなくても段位で不利になることはありませんので、実力試しとして気軽にお使いください。

問 1
次の文章は,直流他励電動機の制御に関する記述である。ただし,鉄心の磁気飽和と電機子反作用は無視でき,また,電機子抵抗による電圧降下は小さいものとする。 a 他励電動機は, (ア) と (イ) を独立した電源で制御できる。磁束は (ア) に比例する。 b 磁束一定の条件で (イ) を増減すれば, (イ) に比例するトルクを制御できる。 c 磁束一定の条件で (ウ) を増減すれば, (ウ) に比例する回転数を制御できる。 d (ウ) 一定の条件で磁束を増減すれば,ほぼ磁束に反比例する回転数を制御できる。回転数の (エ) のために (ア) を弱める制御がある。 このように広い速度範囲で速度とトルクを制御できるので,直流他励電動機は圧延機の駆動などに広く使われてきた。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:1
他励電動機の基本の式は二つだけである。 トルク T=kΦI_a(磁束と電機子電流の積) 回転数 N≒V_a/(kΦ)(電機子電圧を磁束で割る。電機子抵抗の降下は小さいので無視) (ア) 磁束Φを作るのは界磁電流である。磁気飽和を無視するので、磁束は界磁電流に比例する。 (イ) 磁束が一定なら T=kΦI_a より、トルクは電機子電流に比例する。したがってトルクを操作するのは電機子電流である。 (ウ) 磁束が一定なら N≒V_a/(kΦ) より、回転数は電機子電圧に比例する。したがって速度を操作するのは電機子電圧である。 (エ) 同じ式で電機子電圧を一定にしたまま磁束を減らすと、回転数は上がる。これが弱め界磁制御で、定格を超える高速域を得るために使う。 界磁電流/電機子電流/電機子電圧/上昇となり答(1)。 他励電動機は界磁と電機子を別々の電源でまかなえるので、トルクと速度をそれぞれ独立に操作できる。これが圧延機のように広い速度範囲と大きなトルクが要る用途で使われてきた理由である。 「弱め界磁で回転数が上がる」ことは N≒V_a/(kΦ) の分母が小さくなる、と式で確かめられる。感覚で「磁束を弱めたら遅くなりそう」と思い込むと(エ)を低下にしてしまう。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 機械 問1
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 2
界磁に永久磁石を用いた小形直流発電機がある。回転軸が回らないよう固定し,電機子に3 Vの電圧を加えると,定格電流と同じ1 Aの電機子電流が流れた。次に,電機子回路を開放した状態で,回転子を定格回転数で駆動すると,電機子に15 Vの電圧が発生した。この小形直流発電機の定格運転時の効率の値[%]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 ただし,ブラシの接触による電圧降下及び電機子反作用は無視できるものとし,損失は電機子巻線の銅損しか存在しないものとする。
正解:3
二つの試験から、電機子抵抗と誘導起電力をそれぞれ取り出す。 回転軸を固定してあるので誘導起電力は生じない。加えた3 Vはすべて電機子抵抗での降下になるから R_a=3/1=3 Ω。 電機子回路を開放して定格回転数で回すと電流が流れないので、測った15 Vがそのまま誘導起電力である。 E=15 V。 定格運転(発電機として1 Aを流す)では、端子電圧は誘導起電力から電機子抵抗の降下を引いて V=E−I R_a=15−1×3=12 V。 出力は P_out=V I=12×1=12 W。 入力(軸から受け取る機械動力)は、損失が銅損だけなので P_in=E I=15×1=15 W。 したがって η=12/15=0.80=80 %。答(3)。 銅損は I²R_a=1²×3=3 W で、15−12=3 W と一致する。この確かめをしておくと計算の取り違えに気づける。 発電機なので、誘導起電力から抵抗降下を引いたものが出口の電圧になる。電動機ならば逆に、端子電圧から抵抗降下を引いたものが誘導起電力になる。どちらの機械かで引き算の向きが変わる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 機械 問2
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 3
三相かご形誘導電動機の等価回路定数の測定に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 ただし,等価回路としては一次換算した一相分の簡易等価回路(L形等価回路)を対象とする。
正解:4
拘束試験(短絡試験)では、回転子を回らないように固定するので滑りが1になり、二次側はほとんど短絡した状態になる。ここに定格電圧を加えると始動時と同じ大きな電流(定格の数倍)が流れて巻線を焼いてしまう。そのため実際には、定格電流程度が流れるように電圧を下げて印加する。「定格一次電圧を印加して」とする(4)が誤りで、これが答になる。 他の記述を確かめる。(1)巻線抵抗は静止状態で直流で測る。交流だとリアクタンスが混ざる。測った値は、絶縁材料の耐熱クラスで決められた基準巻線温度(75 ℃・115 ℃など)へ換算する。抵抗は温度で変わるので、そろえないと比較できない。(2)三相なので端子間の測定値は3通りあり、その平均から1相分を求める。(3)無負荷試験は定格周波数の定格電圧をかけて無負荷で回す。ここは定格電圧でよい。(5)無負荷試験では二次側にほとんど電流が流れないので励磁回路の定数(サセプタンス・コンダクタンス)が、拘束試験では励磁電流が相対的に小さくなるので漏れリアクタンスと二次抵抗が求まる。 無負荷試験は「定格電圧・無負荷」、拘束試験は「低電圧・定格電流」と対にして覚える。変圧器の無負荷試験・短絡試験とまったく同じ考え方である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 機械 問3
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 4
次の文章は,回転界磁形三相同期発電機の無負荷誘導起電力に関する記述である。 回転磁束を担う回転子磁極の周速をv[m/s],磁束密度の瞬時値をb[T],磁束と直交する導体の長さをl[m]とすると,1本の導体に生じる誘導起電力e[V]は次式で表される。  e=vbl 極数をp,固定子内側の直径をD[m]とすると,極ピッチτ[m]は τ=πD/p であるから,f[Hz]の起電力を生じる場合の周速vは v=2τf である。したがって,角周波数ω[rad/s]を ω=2πf として,上述の磁束密度瞬時値b[T]を b(t)=B_m sin ωt と表した場合,導体1本あたりの誘導起電力の瞬時値e(t)は,  e(t)=E_m sin ωt  E_m= (ア) B_m l となる。 また,回転磁束の空間分布が正弦波でその最大値がB_mのとき,1極の磁束密度の (イ) B[T]は B=(2/π)B_m であるから,1極の磁束Φ[Wb]は Φ=(2/π)B_m τ l である。したがって,1本の導体に生じる起電力の実効値は次のように表すことができる。  E_m/√2=(π/√2)fΦ=2.22fΦ よって,三相同期発電機の1相あたりの直列に接続された電機子巻線の巻数をNとすると,回転磁束の空間分布が正弦波の場合,1相あたりの誘導起電力(実効値)E[V]は,  E= (ウ) fΦN となる。 さらに,電機子巻線には一般に短節巻と分布巻が採用されるので,これらを考慮した場合,1相あたりの誘導起電力Eは次のように表される。  E= (ウ) k_w fΦN ここでk_wを (エ) という。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:3
(ア) 設問の途中に v=2τf と書いてあるので、e=vbl に代入すればよい。 e(t)=2τf×B_m sin ωt×l となり、最大値は E_m=2τf B_m l。したがって(ア)は2τfである。2πfは角周波数ωであって周速ではない。 (イ) B=(2/π)B_m は、正弦波の半周期(1極ぶん)にわたる平均値である。正弦波の平均値は最大値の2/π(約0.637)倍という、よく出てくる関係そのものである。最大値ならB_m自身、実効値なら B_m/√2 で、どちらも(2/π)B_mにはならない。 (ウ) 直前に「1本の導体に生じる起電力の実効値」が 2.22fΦ と示されている。1回の巻き(1ターン)は導体2本ぶんなので、N巻では導体が2N本になり E=2×2.22fΦN=4.44fΦN。 したがって(ウ)は4.44である。ここが2.22のままだと導体1本ぶんのままになってしまう。 (エ) 短節巻による短節係数と分布巻による分布係数を掛け合わせたものを巻線係数という。k_wは両方を含むので、片方だけの名前では足りない。 2τf/平均値/4.44/巻線係数となり答(3)。 4.44という数は π√2 に等しく(π×1.414≒4.44)、変圧器の起電力の式 E=4.44fΦN とまったく同じ形である。同期発電機でも変圧器でも、巻数と磁束と周波数から起電力を出す式は同じ係数になる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 機械 問4
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 5
図はある三相同期電動機の1相分の等価回路である。ただし,電機子巻線抵抗は無視している。相電圧V̇の大きさはV=200 V,同期リアクタンスは x_s=8 Ωである。この電動機を運転して力率が1になるように界磁電流を調整したところ,電機子電流İの大きさIが10 Aになった。このときの誘導起電力Eの値[V]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
問5の図
正解:4
電機子巻線抵抗を無視しているので、1相分の関係は V̇=Ė+j x_s İ すなわち Ė=V̇−j x_s İ である。 力率が1なので、電機子電流İは相電圧V̇と同相である。したがって j x_s İ はV̇に対して90°進んだ向きになり、V̇とは直角である。 直角な二つのベクトルの差なので、大きさは三平方の定理で求まる。 E=√(V²+(x_s I)²)=√(200²+(8×10)²)=√(40 000+6 400)=√46 400≒215 V。答(4)。 (1)の120は 200−80 と引き算してしまった場合の値である。V̇と j x_s İ は直角なので、そのまま引くことはできない。 (5)の280は 200+80 と足してしまった場合に近い。ベクトルが同じ向きのときだけ足し引きできる。 力率1に調整すると誘導起電力が端子電圧より大きくなる、というのは同期電動機の位相特性(V曲線)で「過励磁側」にあたる状態である。界磁電流をさらに増やせば進み力率、減らせば遅れ力率になる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 機械 問5
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 6
次の文章は,交流整流子モータの特徴に関する記述である。 交流整流子モータは,直流直巻電動機に類似した構造となっている。直流直巻電動機では,加える直流電圧の極性を逆にしても,磁束と電機子電流の向きが共に (ア) ので,トルクの向きは変わらない。交流整流子モータは,この原理に基づき回転力を得ている。 交流整流子モータは,一般に始動トルクが (イ) ,回転速度が (ウ) なので,電気ドリル,電気掃除機,小型ミキサなどのモータとして用いられている。なお,小容量のものでは,交流と直流の両方に使用できるものもあり, (エ) と呼ばれる。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:5
(ア) 直巻電動機は界磁巻線と電機子巻線が直列につながっている。電源の極性を逆にすると、界磁電流も電機子電流も同時に逆向きになるので、磁束と電機子電流の向きが「共に逆になる」。トルクは両者の積で決まるので、二つとも符号が変われば積の符号は変わらず、トルクの向きは同じままである。交流を加えても回り続けるのはこのためである。 (イ) 直巻の特性なので、トルクは電流の2乗に比例する。始動時は電流が大きいので始動トルクは大きい。 (ウ) 直巻電動機は負荷が軽いほど回転が上がる性質があり、交流整流子モータは1万min⁻¹を超えるような高速で使われる。電気掃除機や電気ドリルが高い音を立てて回るのはこのためである。 (エ) 交流でも直流でも使えるものをユニバーサルモータという。ブラシレスDCモータは整流子もブラシも持たない別の機械で、交流をそのまま加えて回るものではない。 逆になる/大きく/高速/ユニバーサルモータとなり答(5)。 (ア)を「変わらない」としてしまうと、そもそも交流で回る理屈が立たない。極性が変わっても積が変わらない、という点がこのモータの原理である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 機械 問6
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問 7
電動機と負荷の特性を,回転速度を横軸,トルクを縦軸に描く,トルク対速度曲線で考える。電動機と負荷の二つの曲線が,どのように交わるかを見ると,その回転数における運転が,安定か不安定かを判定することができる。誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:4
安定かどうかは、交点から速度が少しずれたときに元へ戻る向きの力が働くかどうかで決まる。速度が上がったときに「電動機トルク<負荷トルク」になれば減速して戻るので安定、逆なら不安定である。 (4)の状況を見る。かご形誘導電動機のトルク曲線と定トルク負荷が2点で交わるとき、低速側の交点は電動機の曲線が右上がりの部分にある。ここで速度が少し上がると電動機トルクが増えてさらに加速するので、戻らない=不安定である。高速側の交点は右下がりの部分にあり、速度が上がると電動機トルクが減るので戻る=安定である。つまり安定な動作点は高速側の1点だけで、加速時と減速時で変わるものではない。したがって(4)が誤りで、これが答になる。 他の記述を確かめる。(1)トルクの大小で加減速が決まり、一致する点で速度が定まる、という判定の前提そのもの。(2)巻線形で二次抵抗を大きくすると、最大トルクが低速側へ移り、運転域が右下がりになる。そこへ右上がりの負荷が交われば安定である。(3)直流分巻電動機は速度が上がるとトルクが下がり、送風機は速度が上がるとトルクが上がるので、交点は安定。(5)かご形も最大トルクより高速の領域は右下がりなので、送風機を安定に駆動できる。 (2)(3)(5)はいずれも「電動機は右下がり・負荷は右上がり」で安定という同じ形をしている。(4)だけが右上がりの領域を含んでおり、そこが不安定になる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 機械 問7
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問 8
変圧器の構造に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:2
(2)は、ケイ素と絶縁皮膜がそれぞれ減らす損失が入れ替わっている。 ケイ素を数%加えるのは、鉄心の保磁力を下げてヒステリシス損を減らすためである(同時に抵抗率も上がるので渦電流損にも効くが、狙いはヒステリシス損)。 表面を絶縁皮膜で覆って薄い鋼板を重ねる(成層する)のは、鋼板をまたぐ渦電流の通り道を断って渦電流損を減らすためである。 設問はこの二つを逆に書いているので(2)が誤りで、これが答になる。 他の記述を確かめる。(1)巻線は電気抵抗の小さい軟銅線を使い、鉄心に直接巻く方法と、あらかじめ円筒状・板状に巻いておいてはめ込む方法がある。(3)冷媒による分類は油入式・乾式・ガス冷却式である。(4)変圧器油は絶縁と冷却の両方を担うので、絶縁耐力が高く、化学的に安定で、引火点が高く、流動性がよく比熱が大きいことが求められる。(5)温度変化で油が膨張・収縮すると外気が出入りし、湿気と酸素が油を劣化させる。これを防ぐため、油面の変動を受け持つコンサベータと、吸い込む空気の水分を取るブリーザ(吸湿呼吸器)を設ける。 渦電流損は「薄く成層して絶縁する」、ヒステリシス損は「材料を変える(ケイ素鋼・アモルファス)」と、対策の種類で覚え分けると取り違えない。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 機械 問8
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 9
一次線間電圧が66 kV,二次線間電圧が6.6 kV,三次線間電圧が3.3 kVの三相三巻線変圧器がある。一次巻線には線間電圧66 kVの三相交流電源が接続されている。二次巻線に力率0.8,8 000 kV·Aの三相誘導性負荷を接続し,三次巻線に4 800 kV·Aの三相コンデンサを接続した。一次電流の値[A]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし,変圧器の漏れインピーダンス,励磁電流及び損失は無視できるほど小さいものとする。
正解:2
損失も励磁電流も無視できるので、一次側の電力は二次側と三次側の電力の合計に等しい。有効分と無効分に分けて足す。 二次の誘導性負荷(8 000 kV·A、力率0.8遅れ)は 有効分 P=8 000×0.8=6 400 kW 無効分 Q=8 000×0.6=4 800 kvar(遅れ) 三次のコンデンサ4 800 kV·Aは進みの無効分だけなので P=0,Q=−4 800 kvar 合計すると P=6 400 kW,Q=4 800−4 800=0 kvar。 無効分がちょうど打ち消し合うので、一次側から見た皮相電力は S=√(6 400²+0²)=6 400 kV·A(力率1)。 したがって一次電流は I=6 400×10³/(√3×66×10³)≒56.0 A。答(2)。 (3)の70.0は、無効分の打消しを考えずに 8 000 kV·A のまま計算した場合の値に近い(8 000×10³/(√3×66×10³)≒70.0)。三次のコンデンサを入れた意味がそこにある。 (4)(5)は電圧を6.6 kVで割った場合の桁である。一次電流を問われているので、割るのは66 kVである。 有効分と無効分に分けてから足す、という手順を崩さないこと。皮相電力どうしを 8 000−4 800 と引くと3 200 kV·Aとなって別の値になる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 機械 問9
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 10
パワー半導体スイッチングデバイスとしては近年,主にIGBTとパワーMOSFETが用いられている。両者を比較した記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:2
パワーMOSFETは、ゲートの電圧で電流の通り道を作る電圧駆動形である。またユニポーラ(多数キャリアだけで動く)なので、少数キャリアが溜まって消えるまで待つキャリア蓄積効果が無く、スイッチングが速くて損失も小さい。設問はこの三つをすべて逆に書いているので(2)が誤りで、これが答になる。 電流駆動形でキャリア蓄積効果があるのはバイポーラトランジスタのほうである。 他の記述を確かめる。(1)IGBTもゲート・エミッタ間の電圧で制御する電圧駆動形である。(3)ユニポーラのMOSFETは、高耐圧にすると通り道の抵抗(オン抵抗)が急に大きくなる。少数キャリアの注入で導電率が上がるバイポーラ形に比べると、高耐圧域ではオン状態の抵抗が高い。(4)IGBTは、入口をMOSFETにして駆動を楽にし、出口をバイポーラにして低いオン電圧を得た組合せである。(5)SiC(炭化ケイ素)は絶縁破壊電界がシリコンより1桁高いので、同じ耐圧なら層を薄くでき、オン抵抗を大幅に下げられる。 (3)と(5)はつながっている。ユニポーラの弱点である高耐圧でのオン抵抗を、材料を変えて克服したのがSiCデバイスである。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 機械 問10
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 11
慣性モーメント50 kg·m²のはずみ車が,回転数1 500 min⁻¹で回転している。このはずみ車に負荷が加わり,2秒間で回転数が1 000 min⁻¹まで減速した。この間にはずみ車が放出した平均出力の値[kW]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし,軸受の摩擦や空気の抵抗は無視できるものとする。
正解:3
はずみ車が蓄えている回転の運動エネルギーは W=(1/2)Jω² である。減った分がそのまま外へ放出されたエネルギーになる。 まず回転数を角速度に直す。 ω₁=2π×1 500/60≒157.1 rad/s ω₂=2π×1 000/60≒104.7 rad/s エネルギーの差は ΔW=(1/2)×50×(157.1²−104.7²) =25×(24 680−10 962) ≒25×13 718≒342 900 J。 これを2秒で放出したので、平均出力は P=342 900/2≒171 000 W≒171 kW。答(3)。 (5)の343は、2秒で割るのを忘れてエネルギー342 900 J(≒343 kJ)をそのまま答にした場合の値である。問われているのは出力なので、必ず時間で割る。 エネルギーは角速度の2乗に比例するので、回転数が1 500から1 000へ(2/3倍に)下がると、残るエネルギーは(2/3)²=4/9になる。差は5/9で、全体の半分より多い。回転数が1/3しか下がっていないのにエネルギーは半分以上出る、というのがはずみ車の効きどころである。 min⁻¹をrad/sに直すときは60で割って2πを掛ける。ここを飛ばすと桁がまるごとずれる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 機械 問11
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 12
教室の平均照度を500 lx以上にしたい。ただし,その時の光源一つの光束は2 400 lm,この教室の床面積は15 m×10 mであり,照明率は60 %,保守率は70 %とする。必要最小限の光源数として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:3
光束法の式は E=F N U M/A で、Eは平均照度[lx]、Fは光源1つの光束[lm]、Nは光源数、Uは照明率、Mは保守率、Aは面積[m²]である。 これをNについて解くと N=E A/(F U M)。 数値を入れる。面積は 15×10=150 m² なので N=500×150/(2 400×0.6×0.7) =75 000/1 008≒74.4。 光源は個数なので切り上げて75個。答(3)。 「以上にしたい」「必要最小限」と書かれているので、74個では500 lxに届かない。必ず切り上げる。 照明率と保守率はどちらも1未満なので、掛け忘れると必要な光源数を少なく見積もることになる。両方とも落として 75 000/2 400≒31 とすると、(1)の30に落ちる。 照明率Uは、光源から出た光のうち作業面に届く割合。保守率Mは、汚れや光源の劣化で落ちるぶんをあらかじめ見込む係数である。どちらも「実際にはこれだけしか使えない」という割引なので、必要数を求めるときは分母に入る。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 機械 問12
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 13
熱の伝導は電気の伝導によく似ている。下記は,電気系の量と熱系の量の対応表である。 【電気系と熱系の対応表】 ・電圧 V[V] ←→ (ア) [K] ・電気量 Q[C] ←→ 熱量 Q[J] ・電流 I[A] ←→ (イ) [W] ・導電率 σ[S/m] ←→ 熱伝導率 λ[W/(m·K)] ・電気抵抗 R[Ω] ←→ 熱抵抗 R_T (ウ) ・静電容量 C[F] ←→ 熱容量 C (エ) 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:2
電気と熱の対応は「何が流れ、何が押しているか」で決まる。電気では電圧が押して電流が流れる。熱では温度差が押して熱流が流れる。 (ア) 電圧に対応するのは温度差θで、単位は表のとおり[K]。 (イ) 電流に対応するのは熱流Φで、単位は[W]。熱流は1秒あたりに流れる熱量なので、J/s=Wになる。 (ウ) 熱抵抗は、オームの法則 R=V/I と同じ形で R_T=θ/Φ と定義される。単位は[K]÷[W]=[K/W]。 (エ) 熱容量は、静電容量 C=Q/V と同じ形で C=Q/θ と定義される。単位は[J]÷[K]=[J/K]。 温度差θ/熱流Φ/[K/W]/[J/K]となり答(2)。 単位は定義式から作れるので、覚えていなくてもその場で出せる。熱抵抗は「温度差を熱流で割る」、熱容量は「熱量を温度差で割る」と、対応する電気の式に当てはめればよい。 この対応があるので、熱の問題を電気回路として解くことができる。直列につながった二つの層の熱抵抗は足し算になり、放熱器の設計などで実際にこの考え方が使われる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 機械 問13
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 14
入力信号A,B及びC,出力信号Xの論理回路の真理値表が次のように示されたとき,Xの論理式として,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 【真理値表】A,B,C,X の順に示す。 ・0,0,0,0 ・0,0,1,1 ・0,1,0,0 ・0,1,1,1 ・1,0,0,0 ・1,0,1,1 ・1,1,0,1 ・1,1,1,1
正解:5
真理値表でX=1になる行を並べると 001・011・101・111・110 の5行である。 このうち 001・011・101・111 はどれもC=1の行で、Cが1ならAとBが何であってもX=1になっている。したがってCの項がそのまま含まれる。 残る 110 はC=0でA=1・B=1の行なので、A·Bの項が要る。 したがって X=A·B+C。答(5)。 確かめとして8通りすべてを代入する。 000→0+0=0,001→0+1=1,010→0+0=0,011→0+1=1, 100→0+0=0,101→0+1=1,110→1+0=1,111→1+1=1。 真理値表と完全に一致する。 選択肢の中でCが単独の項として現れているのは(3)と(5)だけである。(3)は A·B̄+C+Ā·B で、000を入れると 0+0+0=0 と合うが、100を入れると A·B̄=1 となってX=1になり、真理値表の0と食い違う。 C=1の行がすべて1になっていることに最初に気づけば、残りは110の1行だけを説明すればよくなり、式は一気に短くなる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 機械 問14
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問 15(a)
定格出力45 kW,定格周波数60 Hz,極数4,定格運転時の滑りが0.02である三相誘導電動機について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 この誘導電動機の定格運転時の二次入力(同期ワット)の値[kW]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:4
誘導電動機では、二次入力P₂・二次銅損P_c2・機械的出力P_oのあいだに P₂:P_c2:P_o=1:s:(1−s) という関係がある。したがって P_o=(1−s)P₂ すなわち P₂=P_o/(1−s)。 定格出力45 kW、滑り0.02なので P₂=45/(1−0.02)=45/0.98≒45.9 kW。 最も近いのは46で答(4)。 二次入力は同期ワットとも呼ばれ、同期速度で回ったと仮定したときの出力にあたる。実際には滑りのぶんだけ二次銅損として失われるので、機械的出力は必ずそれより小さい。したがって答は45 kWより大きくなるはずで、(1)〜(3)は候補から外れる。 二次銅損は P₂−P_o=45.9−45=0.9 kW で、P₂の2 %=滑りそのものの割合になっている。 なお定格周波数60 Hzと極数4は、この小問では使わない。同期速度 N_s=120×60/4=1 800 min⁻¹ は小問(b)で使う。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 機械 問15(a)
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問 15(b)
定格出力45 kW,定格周波数60 Hz,極数4,定格運転時の滑りが0.02である三相誘導電動機について,次の問に答えよ。 〔小問(b)〕 この誘導電動機を,電源周波数50 Hzにおいて,60 Hz運転時の定格出力トルクと同じ出力トルクで連続して運転する。この50 Hzでの運転において,滑りが50 Hzを基準として0.05であるときの誘導電動機の出力の値[kW]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:1
出力は「トルク×角速度」なので、トルクが同じなら出力は回転速度に比例する。二つの運転での回転速度を出して比を取ればよい。 60 Hz運転の同期速度は N_s=120×60/4=1 800 min⁻¹ 滑り0.02なので回転速度は N=1 800×(1−0.02)=1 764 min⁻¹。 50 Hz運転の同期速度は N_s'=120×50/4=1 500 min⁻¹ 滑り0.05なので N'=1 500×(1−0.05)=1 425 min⁻¹。 トルクが同じだから P'=45×1 425/1 764≒36.4 kW。 最も近いのは36で答(1)。 トルクで確かめてもよい。60 Hz運転のトルクは T=45 000/(2π×1 764/60)≒244 N·m。 50 Hz運転では P'=244×2π×1 425/60≒36 400 W となり同じ値になる。 (3)の45は出力が変わらないとした場合。周波数を下げると同期速度が下がるので、同じトルクでは出力も下がる。 (5)の56は回転速度の比を逆に取った場合の値である(45×1 764/1 425≒55.7)。 (4)の54は、滑りを考えずに同期速度の比だけを逆に取った場合の値である(45×1 800/1 500=54)。 いずれも「速度が下がるのだから出力も下がる」という向きを先に押さえておけば外せる。 「滑りが50 Hzを基準として0.05」という断り書きは、滑りを1 500 min⁻¹に対して測る、という意味である。1 800 min⁻¹に対して測るのではない。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 機械 問15(b)
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問 16(a)
図1は,直流電圧源から単相インバータで誘導性負荷に交流を給電する基本回路を示す。負荷電流i_o(t)と直流側電流i_d(t)は図示する矢印の向きを正の方向として,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 各パワートランジスタが出力交流電圧の1周期Tに1回オンオフする運転を行っている際のある時刻t₀から1周期の波形を図2に示す。直流電圧がE[V]のとき,交流側の方形波出力電圧の実効値として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
問16(a)の図
正解:4
図2のとおり、S₁とS₄がオンの前半(t₀からt₀+T/2)は出力に+Eが、S₂とS₃がオンの後半(t₀+T/2からt₀+T)は−Eが加わる。したがって出力電圧は+Eと−Eを半周期ずつ繰り返す方形波である。 実効値は瞬時値の2乗の平均の平方根なので、2乗すると+Eの区間も−Eの区間も E² になり、平均もE²である。 √(E²)=E。 つまり実効値はEそのもので答(4)。 方形波は、大きさが常にEで符号だけが変わる波である。2乗すれば符号が消えて一定値になるので、実効値は最大値と等しくなる。正弦波のように 1/√2 が付くことはない。 正弦波なら実効値は最大値の 1/√2≒0.707 倍になるが、それは大きさが時間とともに変わるからである。方形波は大きさが変わらないので、その割引が入らない。 1周期の平均値のほうは、+Eの半周期と−Eの半周期が打ち消し合って零になる。実効値と平均値を取り違えないこと。 設問が「方形波出力電圧の実効値」と書いていることも手がかりになる。この方形波を正弦波に分解したときの基本波の実効値は 2√2E/π≒0.90E で別の値であり、ここで問われているのは波形全体の実効値である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 機械 問16(a)
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問 16(b)
図1は,直流電圧源から単相インバータで誘導性負荷に交流を給電する基本回路を示す。負荷電流i_o(t)と直流側電流i_d(t)は図示する矢印の向きを正の方向とする。各パワートランジスタが出力交流電圧の1周期Tに1回オンオフする運転を行っている際のある時刻t₀から1周期の波形を図2に示す。次の問に答えよ。 〔小問(b)〕 負荷電流i_o(t)の波形が図3の(ア)〜(ウ),直流側電流i_d(t)の波形が図3の(エ),(オ)のいずれかに示されている。それらの波形の適切な組合せを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
問16(b)の図
正解:1
まず負荷電流i_o(t)を決める。負荷は抵抗とインダクタンスの直列なので、電圧が+Eに切り替わっても電流はすぐには変われず、指数関数的に増えていく。t₀で+Eが加わるので、i_oはそこから増加し、半周期の終わり(t₀+T/2)で最大になる。後半は−Eが加わるので減少に転じ、t₀+Tで最小(負の最大)になる。 つまり「t₀で最小、t₀+T/2で最大」という形である。図3で(ア)がこの形をしている。(イ)は上下が逆、(ウ)は最大・最小の位置が半周期ずれている。 つぎに直流側電流i_d(t)を決める。前半はS₁とS₄が導通しているので、直流電源から見た電流は負荷電流そのもので i_d=i_o。後半はS₂とS₃が導通し、電源から見ると負荷電流が逆向きに見えるので i_d=−i_o である。 前半は、i_oが負から正へ増えるので、i_dも負から始まって正へ増える。後半は、i_oが正の最大から減っていくので、i_d=−i_o は負の最大から始まって正へ増える。したがってi_dは半周期ごとに「負から始まって正へ増える」を繰り返す、周期T/2の波形になる。 図3で(エ)がこの形である。(オ)は各半周期が正から始まって負へ減っており、逆になっている。 したがって(ア)と(エ)の組合せで答(1)。 i_dが負になる区間があるのは、負荷のインダクタンスに蓄えられたエネルギーが電源へ返っている時間である。そのときは還流ダイオードが導通している。誘導性負荷のインバータでダイオードを逆並列に付けるのは、この戻る電流の通り道を用意するためである。 i_dの周期が出力の半分になることも手がかりになる。(エ)(オ)はどちらも周期T/2で描かれており、そこは共通なので、向きだけを比べればよい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 機械 問16(b)
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問 17(a)
図は,ある周波数伝達関数W(jω)のボード線図の一部であり,折れ線近似でゲイン特性を示している。次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 図のゲイン特性を示す周波数伝達関数として,最も適切なものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
問17(a)の図
正解:5
一次遅れ要素 K/(1+jωT) のボード線図は、低い周波数で 20log₁₀K の一定値、折れ点角周波数 ω=1/T から −20 dB/dec で下がる直線、という形になる。図から二つの値を読み取ればよい。 低周波での値は40 dBである。20log₁₀K=40 より K=100。したがって分子は100で、40ではない。 折れ点はω=2である。ω=1/T より T=1/2=0.5。したがって分母は 1+j0.5ω である。 よって W(jω)=100/(1+j0.5ω)。答(5)。 確かめとして、0 dBと交わる角周波数を計算する。折れ点ω=2から−20 dB/decで下がるので、40 dB下がるには2デケード(100倍)進む必要があり、ω=2×100=200 である。図でも直線がω=200で0 dBを横切っており、一致する。 (3)の 100/(1+jω) は分子は合っているが折れ点がω=1になり、図の2と合わない。 (4)の 100/(1+j0.005ω) は折れ点が ω=1/0.005=200 になってしまう。図の200は0 dBと交わる点であって、折れ点ではない。この二つの点を取り違えると(4)を選ぶことになる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 機械 問17(a)
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問 17(b)
図は,ある周波数伝達関数W(jω)のボード線図の一部であり,折れ線近似でゲイン特性を示している。次の問に答えよ。 〔小問(b)〕 図のゲイン特性を示すブロック線図として,最も適切なものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし,入力をR(jω),出力をC(jω)として,図のゲイン特性を示しているものとする。 (小問(a)より,図のゲイン特性を示す周波数伝達関数は W(jω)=100/(1+j0.5ω) である。)
問17(b)の図
正解:4
負帰還のループは、前向きの伝達関数をG、帰還の伝達関数をHとすると G/(1+GH) になる。それぞれの選択肢でこれを計算し、最後の定数倍を掛けて 100/(1+j0.5ω) と一致するものを探す。 (4)を計算する。前向きが 1/(jω)、帰還が2なので G/(1+GH)=(1/(jω))/(1+2/(jω))=1/(jω+2)。 分母を2でくくると 1/{2(1+j0.5ω)}=0.5/(1+j0.5ω)。 これに200を掛けて 200×0.5/(1+j0.5ω)=100/(1+j0.5ω)。 求める伝達関数と一致する。答(4)。 他の選択肢も同じ手順で確かめる。 (1):1/(jω+1)×40=40/(1+jω)。分子も折れ点も違う。 (2):1/(jω+1)×100=100/(1+jω)。分子は合うが折れ点がω=1。 (3):1/(j0.005ω+1)×100=100/(1+j0.005ω)。折れ点がω=200。 (5):1/(jω+0.5)×200=400/(1+j2ω)。分子も折れ点も違う。 積分要素 1/(jω) に定数の負帰還を掛けると一次遅れになる、というのがこの問題の型である。帰還のゲインHが分母の定数項になるので、H=2 で 1/(jω+2)、すなわち時定数0.5の一次遅れが得られる。折れ点を2にしたければ帰還ゲインを2にする、と覚えるとよい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 機械 問17(b)
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問 18(a)
図は,n個の配列の数値を大きい順(降順)に並べ替えるプログラムのフローチャートである。次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 図中の(ア)〜(ウ)に当てはまる処理の組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
問18(a)の図
正解:5
このフローチャートは、iを1からn−1まで、jをi+1からnまで動かし、条件を満たしたときにa[i]とa[j]を入れ替える、という形をしている。 (ア) 大きい順(降順)に並べたいので、前にあるa[i]が後ろのa[j]より小さければ入れ替える。したがって条件は a[i]<a[j] である。a[i]>a[j] にすると小さい順(昇順)になってしまう。この時点で(1)(2)は外れる。 (イ)(ウ) 入れ替えの直前に m←a[i] があるので、mにはa[i]の値が退避されている。つぎにやるべきことは、a[i]にa[j]を入れ、そのあとa[j]にmを入れることである。 (イ) a[i]←a[j] (ウ) a[j]←m この順でなければならない。(イ)を a[j]←a[i] にすると、a[j]がa[i]で上書きされてa[j]の元の値が消え、そのあと(ウ)で a[i]←m としてもa[i]は元の値に戻るだけで、何も入れ替わらない。 a[i]<a[j]/a[i]←a[j]/a[j]←m となり答(5)。 変数を1つ使う入れ替えは「退避→片方を上書き→退避した値を反対側へ」の3手順で、順番を変えると値が消える。m←a[i] があらかじめ書かれているので、残り2手順の向きは一通りに決まる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 機械 問18(a)
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問 18(b)
図は,n個の配列の数値を大きい順(降順)に並べ替えるプログラムのフローチャートである。次の問に答えよ。 〔小問(b)〕 このプログラム実行時の読込み処理において,n=5とし,a[1]=3,a[2]=1,a[3]=2,a[4]=5,a[5]=4とする。フローチャート中のXで示される部分の処理は何回行われるか,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 (小問(a)より,判定は a[i]<a[j] のとき Xの3行 m←a[i],a[i]←a[j],a[j]←m を実行して入れ替える。)
問18(b)の図
正解:3
Xは入れ替えの3行なので、a[i]<a[j]が成り立った回数を数えればよい。配列は初め [3, 1, 2, 5, 4] である。 i=1(a[1]と後ろを順に比べる)  j=2:3<1 か → 偽。  j=3:3<2 か → 偽。  j=4:3<5 か → 真。入れ替えて [5, 1, 2, 3, 4]。(1回目)  j=5:5<4 か → 偽。 i=2  j=3:1<2 か → 真。[5, 2, 1, 3, 4]。(2回目)  j=4:2<3 か → 真。[5, 3, 1, 2, 4]。(3回目)  j=5:3<4 か → 真。[5, 4, 1, 2, 3]。(4回目) i=3  j=4:1<2 か → 真。[5, 4, 2, 1, 3]。(5回目)  j=5:2<3 か → 真。[5, 4, 3, 1, 2]。(6回目) i=4  j=5:1<2 か → 真。[5, 4, 3, 2, 1]。(7回目) 合計7回。答(3)。最後の配列は [5, 4, 3, 2, 1] で、確かに降順に並んでいる。 (5)の10は比較そのものの回数である。n=5のとき比較は 4+3+2+1=10 回行われるが、そのうち入れ替えが起きたのは7回だけである。Xは入れ替えの処理なので、条件が真になった回数を数える。 入れ替えるたびにa[i]の値が変わるので、次の比較では新しい値を使うことになる。i=1のときにa[1]が3から5に変わった結果、j=5の比較が偽になっている。表を書いて1行ずつ追うのが確実である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 機械 問18(b)
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