📄 本試験 過去問題
電験3種 2022年度下期(令和4年度下期) 法規
13問 ・ 目安 正答率60% ・ 2023年3月26日実施
電験三種(第三種電気主任技術者)の2022年度下期(令和4年度下期) 法規試験で実際に出題された全13問を、1問ずつその場で答え合わせしながら演習できます。2023年3月26日実施・合否の目安は正答率60%(演習の目安)。各問に正解と、なぜその選択肢になるのかの解説を付けています。
本試験の合格基準:理論・電力・機械・法規の科目ごとに合否判定。各科目100点満点中原則60点以上で科目合格、4科目すべて合格で試験合格。
この回:令和4年度下期・法規:合格基準は100点満点中60点以上(試験センターの公表値)。
出典:令和4年度第三種電気主任技術者下期試験の結果について(令和5年4月18日)。このページの「目安 正答率60%」は演習の目安で、本試験の採点方法とは異なります。
この回は 一般財団法人 電気技術者試験センター が公開する本試験問題を、当サイトがその場で答え合わせできる一問一答形式に再編し、公式には付いていない「正解の根拠・各選択肢の解き方」の解説を追記したものです。原題の出典は各問に明記しています。
過去問の解答結果は学習記録・段位には反映されません。過去問は出題当時の法令・制度にもとづく問題を含むため、段位は継続して最新化している一問一答・模擬試験だけで判定しています。過去問を解かなくても段位で不利になることはありませんので、実力試しとして気軽にお使いください。
この回の問題は,令和4年4月1日(2022年4月1日)現在で効力のある法令にもとづいて作成されています(原本の注記)。それ以降の法改正により、現行の条文・数値と異なる場合があります。
問 1
次の文章は,電気事業法に基づく保安規程に関する記述である。
保安規程は,電気設備規模等によって記載内容が異なり,特定発電用電気工作物の小売電気事業等用接続最大電力の合計が(ア)万kW(沖縄電力株式会社の供給域内にあっては10万kW)を超える大規模な事業者の場合には保安規程に記載すべき事項が多くなっている。
空欄(ア)と上記の大規模な事業者のみが保安規程に記載すべき事項の組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
選択肢は「(ア) / 大規模な事業者のみが保安規程に記載すべき事項」の順に示す。
正解:2
保安規程に記載すべき事項は電気事業法施行規則50条に定められている。基本の記載事項はすべての事業者に共通で,一定規模を超える事業者にはさらに追加の事項が求められる,という二段構えになっている。
その境目が,特定発電用電気工作物の小売電気事業等用接続最大電力の合計200万kW(沖縄電力の供給区域内では10万kW)である。したがって(ア)は200。
追加される事項として問われているのは「保安規程の定期的な点検及びその必要な改善に関すること」である。
他の選択肢に挙がっている「事業用電気工作物の工事,維持又は運用に関する業務を管理する者の職務及び組織に関すること」と「発電所の運転を相当期間停止する場合における保全の方法に関すること」は,どちらも規模によらずすべての事業者が記載すべき基本の事項なので,「大規模な事業者のみが」という条件に当てはまらない。
答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 法規 問1
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 2
電気設備の安全を確保するためには,「電気設備技術基準」への適合を確認する必要がある。「電気設備技術基準」に規定されているものとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:4
電気設備技術基準が適用されるのは電気工作物である。電気事業法38条と施行令1条により,次のものは電気工作物から除かれる。
・船舶,車両又は航空機に設置されるもの
・鉱山保安法などの適用を受けるもの
・電圧30 V未満の電気的設備であって,30 V以上の電気的設備と電気的に接続されていないもの
これに当てはめると,(1)船舶の客室屋内配線と(3)航空機に搭載される発電機は,設置される場所によって除外される。(2)乾電池使用のEMSと(5)自動車の24 Vオルタネータは電圧が30 V未満で,しかも(5)は車両に設置されるものなので二重に除外される。
残る(4)電気浴器は建物に設置される普通の電気工作物で,電気設備技術基準の解釈にも「電気浴器等の施設」として規定がある。答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 法規 問2
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 3
次の文章は,「電気設備技術基準」における高圧又は特別高圧の電気機械器具の危険の防止に関する記述である。
a)高圧又は特別高圧の電気機械器具は,(ア)以外の者が容易に触れるおそれがないように施設しなければならない。ただし,接触による危険のおそれがない場合は,この限りでない。
b)高圧又は特別高圧の開閉器,遮断器,避雷器その他これらに類する器具であって,動作時に(イ)を生ずるものは,火災のおそれがないよう,木製の壁又は天井その他の(ウ)の物から離して施設しなければならない。ただし,(エ)の物で両者の間を隔離した場合は,この限りでない。
上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
選択肢は「(ア) / (イ) / (ウ) / (エ)」の順に示す。
正解:5
電気設備技術基準9条(高圧又は特別高圧の電気機械器具の危険の防止)の条文がそのまま問われている。
(ア) 感電を防ぐ規定なので,触れてよいのは「取扱者」である。「技術者」という語は電技のこの条文では使われていない。
(イ) 開閉器・遮断器・避雷器が動作したときに生じ,火災の原因になるのはアークである。過電圧は火災の話ではない。
(ウ) 離して施設しなければならないのは,燃えるおそれのある物=可燃性の物(木製の壁や天井)である。
(エ) その間を隔てるのは,燃えない物=耐火性の物である。難燃性は燃えにくいというだけで,隔離材として条文が求めるのは耐火性である。
答(5)。
(ウ)と(エ)は「可燃性の物から離す/耐火性の物で隔てる」という対になっており,どちらも「耐火性」や「難燃性」にすると意味が通らなくなる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 法規 問3
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 4
次の文章は,「電気設備技術基準」及び「電気設備技術基準の解釈」に基づく電気供給のための電気設備の施設に関する記述である。
架空電線,架空電力保安通信線及び架空電車線は,(ア)又は(イ)による感電のおそれがなく,かつ,交通に支障を及ぼすおそれがない高さに施設しなければならない。
低圧架空電線又は高圧架空電線の高さは,道路(車両の往来がまれであるもの及び歩行の用にのみ供される部分を除く。)を横断する場合,路面上(ウ) m以上にしなければならない。
上記の記述中の空白箇所(ア)〜(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
選択肢は「(ア) / (イ) / (ウ)」の順に示す。
正解:2
前半は電気設備技術基準25条1項で,「架空電線,架空電力保安通信線及び架空電車線は,接触又は誘導作用による感電のおそれがなく,かつ,交通に支障を及ぼすおそれがない高さに施設しなければならない」と定めている。よって(ア)は接触,(イ)は誘導作用。電線に直接触れる場合だけでなく,近づいただけで静電誘導・電磁誘導により感電するおそれも防ぐ趣旨である。
後半は電気設備技術基準の解釈68条で,低圧・高圧架空電線が道路を横断する場合の高さは路面上6 m以上と定められている。よって(ウ)は6。
答(2)。
5 mは横断歩道橋の上に施設する低圧架空電線の高さ(路面上3 m)などと混同しやすい数値だが,道路横断は6 mである。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 法規 問4
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 5
次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」に基づく低高圧架空電線等の併架に関する記述の一部である。
低圧架空電線と高圧架空電線とを同一支持物に施設する場合は,次のいずれかによること。
a)次により施設すること。
① 低圧架空電線を高圧架空電線の(ア)に施設すること。
② 低圧架空電線と高圧架空電線は,別個の(イ)に施設すること。
③ 低圧架空電線と高圧架空電線との離隔距離は,(ウ) m以上であること。ただし,かど柱,分岐柱等で混触のおそれがないように施設する場合は,この限りでない。
b)高圧架空電線にケーブルを使用するとともに,高圧架空電線と低圧架空電線との離隔距離を(エ) m以上とすること。
上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
選択肢は「(ア) / (イ) / (ウ) / (エ)」の順に示す。
正解:4
電気設備技術基準の解釈80条(低高圧架空電線等の併架)の規定である。
(ア) 電圧の高い電線を上に,低い電線を下に置くのが原則である。万一切れて落ちたときに高圧が低圧に触れる(混触)ことを避けるため,低圧架空電線は高圧架空電線の下に施設する。
(イ) 同じ支持物に施設するのだから「別個の支持物」ではありえない。分けるのは腕金類(うでがね)である。
(ウ) 併架するときの離隔距離は0.5 m以上。
(エ) 高圧側にケーブルを使えば混触のおそれが小さくなるので,離隔距離は0.3 m以上まで縮められる。
答(4)。
0.5 mと0.3 mは「裸電線どうしは0.5 m,ケーブルを使えば0.3 m」という関係で覚えると取り違えにくい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 法規 問5
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 6
次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」に基づく高圧屋内配線に関する記述である。
高圧屋内配線は,(ア)工事(乾燥した場所であって展開した場所に限る。)又はケーブル工事により施設すること。
ケーブル工事による高圧屋内配線で,防護装置としての金属管にケーブルを収めて施設する場合には,その管に(イ)接地工事を施すこと。ただし,接触防護措置(金属製のものであって,防護措置を施す設備と電気的に接続するおそれがあるもので防護する方法を除く。)を施す場合は,D種接地工事によることができる。
高圧屋内配線が,他の高圧屋内配線,低圧屋内配線,管灯回路の配線,弱電流電線等又は水管,ガス管若しくはこれらに類するもの(以下この問において「他の屋内電線等」という。)と接近又は交差する場合は,次のa),b)のいずれかによること。
a)高圧屋内配線と他の屋内電線等との離隔距離は,(ウ)((ア)工事により施設する低圧屋内電線が裸電線である場合は,30 cm)以上であること。
b)高圧屋内配線をケーブル工事により施設する場合においては,次のいずれかによること。
① ケーブルと他の屋内電線等との間に(エ)のある堅ろうな隔壁を設けること。
② ケーブルを(エ)のある堅ろうな管に収めること。
③ 他の高圧屋内配線の電線がケーブルであること。
上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
選択肢は「(ア) / (イ) / (ウ) / (エ)」の順に示す。
正解:1
電気設備技術基準の解釈168条(高圧配線の施設)の規定である。
(ア) 高圧屋内配線に使えるのは,がいし引き工事(乾燥した場所であって展開した場所に限る)とケーブル工事の2つだけである。合成樹脂管工事は低圧用で高圧には使えない。
(イ) 高圧の設備を収める金属管なので,接地工事はA種である。C種・D種は低圧用で,A種は高圧・特別高圧の機械器具の鉄台や金属製外箱に施す。
(ウ) 他の屋内電線等との離隔距離は15 cm以上。ただし相手ががいし引きの裸電線なら30 cm以上とより厳しくなる,という括弧書きの対比が本文中にある。
(エ) 隔壁や管に求められるのは耐火性である。難燃性は燃えにくいだけで,火をさえぎる性能とは別である。
答(1)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 法規 問6
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 7
次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」に基づく低圧屋内配線の金属ダクト工事に関する記述である。
a)ダクトに収める絶縁電線の断面積(絶縁被覆の断面積を含む。)の総和は,ダクトの内部断面積の(ア) %以下であること。ただし,電光サイン装置,出退表示灯その他これらに類する装置又は制御回路等(自動制御回路,遠方操作回路,遠方監視装置の信号回路その他これらに類する電気回路をいう。)の配線のみを収める場合は,(イ) %以下とすることができる。
b)ダクト相互は,堅ろうに,かつ,(ウ)に完全に接続すること。
c)ダクトを造営材に取り付ける場合は,ダクトの支持点間の距離を3 m(取扱者以外の者が出入りできないように措置した場所において,垂直に取り付ける場合は,6 m)以下とし,堅ろうに取り付けること。
d)低圧屋内配線の(エ)電圧が300 V以下の場合は,ダクトには,D種接地工事を施すこと。
e)低圧屋内配線の(エ)電圧が300 Vを超える場合は,ダクトには,C種接地工事を施すこと。ただし,(オ)防護措置(金属製のものであって,防護措置を施すダクトと(ウ)に接続するおそれがあるもので防護する方法を除く。)を施す場合は,D種接地工事によることができる。
上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
選択肢は「(ア) / (イ) / (ウ) / (エ) / (オ)」の順に示す。
正解:1
電気設備技術基準の解釈162条(金属ダクト工事)の規定である。
(ア)(イ) ダクトに収める電線の断面積の総和は,内部断面積の20 %以下。ただし電光サイン装置や制御回路等の配線だけなら電流が小さく発熱が問題になりにくいので50 %以下まで許される。32 %・48 %という数字はこの条文には出てこない。
(ウ) ダクト相互の接続に求められるのは,堅ろうであることに加えて電気的に完全であること。接地の効き目を通すために,ダクト全体が電気的に一体でなければならない。e)の括弧書きで「ダクトと(ウ)に接続するおそれがある」と使われていることからも,電気的が入ると分かる。
(エ) 接地工事の種別を分けるのは使用電圧300 Vの境目である。対地電圧が基準になるのは屋内電路の対地電圧の制限(解釈143条)などで,ここではない。
(オ) 300 Vを超える場合にD種で済ませられる緩和条件は,接触防護措置を施すことである。簡易接触防護措置はこれより緩い措置なので,この緩和には使えない。
答(1)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 法規 問7
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 8
次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」に基づく分散型電源の系統連系設備に関する記述である。
a)逆変換装置を用いて分散型電源を電力系統に連系する場合は,逆変換装置から直流が電力系統へ流出することを防止するために,受電点と逆変換装置との間に変圧器(単巻変圧器を除く)を施設すること。ただし,次の①及び②に適合する場合は,この限りでない。
①逆変換装置の交流出力側で直流を検出し,かつ,直流検出時に交流出力を(ア)する機能を有すること。
②次のいずれかに適合すること。
・逆変換装置の直流側電路が(イ)であること。
・逆変換装置に(ウ)を用いていること。
b)分散型電源の連系により,一般送配電事業者が運用する電力系統の短絡容量が,当該分散型電源設置者以外の者が設置する遮断器の遮断容量又は電線の瞬時許容電流等を上回るおそれがあるときは,分散型電源設置者において,限流リアクトルその他の短絡電流を制限する装置を施設すること。ただし,(エ)の電力系統に逆変換装置を用いて分散型電源を連系する場合は,この限りでない。
上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
選択肢は「(ア) / (イ) / (ウ) / (エ)」の順に示す。
正解:4
電気設備技術基準の解釈220条以降の分散型電源の系統連系設備に関する規定である。
(ア) 直流が系統へ流れ出すのは変圧器の偏磁などを招くので,検出したら交流出力を停止させる。抑制では流出が続いてしまう。
(イ)(ウ) 変圧器を省くための条件は,直流側電路が非接地式であること,または逆変換装置に高周波変圧器を用いていることのいずれかである。どちらも直流が系統側へ流れる経路を断つ/絶縁するという意味を持つ。中性点接地式では直流の流出経路ができてしまうので条件にならない。高周波チョッパは絶縁しないので同様である。
(エ) 短絡電流を制限する装置の免除は,低圧の電力系統に逆変換装置を用いて連系する場合である。逆変換装置は短絡時にも定格程度の電流しか流さないうえ,低圧の系統では影響が限られるためである。
答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 法規 問8
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 9
次の文章は,図に示す高圧受電設備において全停電作業を実施するときの操作手順の一例について,その一部を述べたものである。
a)(ア)を全て開放する。
b)(イ)を開放する。
c)地絡方向継電装置付高圧交流負荷開閉器(DGR付PAS)を開放する。
d)(ウ)を開放する。
e)断路器(DS)の電源側及び負荷側を検電して無電圧を確認する。
f)高圧電路に接地金具等を接続して残留電荷を放電させた後,誤通電,他の電路との混触又は他の電路からの誘導による感電の危険を防止するため,断路器(DS)の(エ)に短絡接地器具を取り付けて接地する。
g)断路器(DS),開閉器等にはそれぞれ操作後速やかに,操作禁止,投入禁止,通電禁止等の通電を禁止する表示をする。
上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
選択肢は「(ア) / (イ) / (ウ) / (エ)」の順に示す。
正解:3
停電操作は負荷側から電源側へ向かって順に切っていく。図の結線をたどると,電源側から DGR付PAS → DS → VCB → 母線 → LBS1〜3 → 変圧器等 → MCCB1・MCCB2 の順に並んでいる。
a)まず低圧側の負荷を切るので,配線用遮断器(MCCB)を全て開放する。図にMCCB1とMCCB2の2つがあり,「全て」という言い方に合う。
b)次に高圧の遮断器である真空遮断器(VCB)を開放する。
c)続いて受電点のDGR付PASを開放する。
d)最後に断路器(DS)を開放する。断路器は電流を遮断する能力を持たないので,必ず無負荷・無電圧にしてから開くという原則がここに表れている。逆に(1)(2)(4)のようにPASより前にDSを開くと,電流が流れている状態で断路器を開くことになり危険である。
f)短絡接地器具は,誤ってPASが投入されたり,並行する配電線からの誘導で電圧が現れたりしても作業者が感電しないよう,作業箇所に対して電源側にあたる断路器(DS)の電源側に取り付ける。
答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 法規 問9
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 10
次の文章は,電気事業法及び電気事業法施行規則に基づく広域的運営に関する記述である。
電気事業者は,毎年度,電気の供給並びに電気工作物の設置及び運用についての(ア)を作成し,電力広域的運営推進機関(OCCTO)を経由して経済産業大臣に届け出なければならない。
具体的には,直近年における(イ)見通し,発電,受電(融通を含む。)等の短期的な内容に関するものと,長期(イ)見通し,電気工作物の(ウ)及びその概要,あるいは他者の電源からの長期安定的な調達等長期的な内容に関するものとがある。
また,電気事業者は,電源開発の実施,電気の供給等その事業の遂行に当たり,広域的運営による電気の(エ)のために,相互に協調しなければならないことが定められている。
広域的運営による相互協調の具体的な例として,A地方に太陽電池発電や風力発電などの発電量を調整できない再生可能エネルギーが大量に導入された場合において,A地方における電圧,周波数を維持する観点から,A地方で消費しきれない電気を隣接するB地方に融通するといった(オ)事業者間の広域運営による相互協調がある。
上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
選択肢は「(ア) / (イ) / (ウ) / (エ) / (オ)」の順に示す。
正解:3
(ア) 電気事業法29条により,電気事業者が毎年度作成して届け出るのは供給計画である。「需要計画」という制度はない。
(イ) 短期・長期のいずれについても立てるのは需要見通しである。需要をどう見込むかが計画の出発点になる。
(ウ) 長期的な内容として挙がるのは電気工作物の新増設とその概要である。補修計画は日々の保安の話で,長期の供給力を示す供給計画の中身としてはそぐわない。
(エ) 電気事業法28条は「広域的運営による電気の安定供給を確保するため」に相互に協調しなければならないと定めている。コスト低減ではない。
(オ) 電圧・周波数を維持しながら地方をまたいで電気を融通するのは,送配電網を運用する一般送配電事業者どうしの協調である。発電事業者は電気を作るだけで系統の運用はしない。
答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 法規 問10
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 11(a)
高圧架空電線において,電線に硬銅線を使用して架設する場合,電線の設計に伴う許容引張荷重と弛度について,次の問に答えよ。
ただし,径間S[m],電線の引張強さT[kN],電線の重量による垂直荷重と風圧による水平荷重の合成荷重がW[kN/m]とする。
〔小問(a)〕 「電気設備技術基準の解釈」によれば,規定する荷重が加わる場合における電線の引張強さに対する安全率が,R以上となるような弛度に施設しなければならない。この場合Rの値として,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:4
電気設備技術基準の解釈66条(低高圧架空電線の引張強さに対する安全率)は,架空電線の安全率を電線の種類で分けて定めている。
・硬銅線又は耐熱銅合金線 … 2.2以上
・その他の電線(アルミ電線,鋼心アルミより線など) … 2.5以上
この問題は硬銅線を使用する場合なので,R=2.2。答(4)。
硬銅線は伸びにくく切れやすい性質があるが,それでも2.2という比較的小さい安全率でよいのは,強度のばらつきが小さく管理しやすいためである。数字は「硬銅・耐熱銅合金は2.2,それ以外は2.5」と対で覚える。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 法規 問11(a)
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 11(b)
高圧架空電線において,電線に硬銅線を使用して架設する場合,電線の設計に伴う許容引張荷重と弛度について,次の問に答えよ。
ただし,径間S[m],電線の引張強さT[kN],電線の重量による垂直荷重と風圧による水平荷重の合成荷重がW[kN/m]とする。
〔小問(b)〕 弛度の計算において,最小の弛度を求める場合の許容引張荷重[kN]として,正しい式を次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
(小問(a)より,硬銅線の安全率Rは2.2である。)
正解:1
安全率Rは「電線の引張強さTを,実際にかけてよい荷重の何倍に取るか」を表す。したがって許容引張荷重は引張強さを安全率で割った
許容引張荷重=T/R [kN]
である。
弛度(たるみ)は D=WS²/(8×許容引張荷重) で表され,分母の許容引張荷重が大きいほど弛度は小さくなる。安全率の範囲内で使える最大の張力がT/Rなので,これを使ったときに弛度が最小になる。答(1)。
T×R((2))では引張強さより大きな荷重を許すことになり,安全率の意味と逆になる。(3)(4)のS×WはS[m]×W[kN/m]で単位はkNになるが,これは径間全体にかかる荷重であって許容できる引張荷重ではない。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 法規 問11(b)
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 12(a)
定格容量500 kV・A,無負荷損500 W,負荷損(定格電流通電時)6 700 Wの変圧器を更新する。更新後の変圧器はトップランナー制度に適合した変圧器で,変圧器の容量,電圧及び周波数仕様は従来器と同じであるが,無負荷損は150 W,省エネ基準達成率は140 %である。次の問に答えよ。
ただし,省エネ基準達成率は次式で与えられるものとする。
省エネ基準達成率[%]=基準エネルギー消費効率/(W_i+W_C40)×100
ここで,基準エネルギー消費効率(判断の基準となる全損失)は1 250 Wとし,W_iは無負荷損[W],W_C40は負荷率40 %時の負荷損[W]とする。
〔小問(a)〕 更新後の変圧器の負荷損(定格電流通電時)の値[W]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:5
与えられた式に数値を入れて,まず負荷率40 %時の負荷損W_C40を求める。
140=1 250/(150+W_C40)×100
150+W_C40=1 250/1.40=892.9
W_C40=742.9 W。
負荷損は電流の2乗,すなわち負荷率の2乗に比例するので,定格電流通電時の負荷損は
W_C40/0.4²=742.9/0.16≒4 643≒4 640 W。答(5)。
0.16で割るところを0.4で割ると1 857となり(1)の1 860に近い値が出てしまう。負荷損は負荷率の2乗に比例するという点がこの問題の要点である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 法規 問12(a)
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 12(b)
定格容量500 kV・A,無負荷損500 W,負荷損(定格電流通電時)6 700 Wの変圧器を更新する。更新後の変圧器はトップランナー制度に適合した変圧器で,変圧器の容量,電圧及び周波数仕様は従来器と同じであるが,無負荷損は150 W,省エネ基準達成率は140 %である。次の問に答えよ。
ただし,省エネ基準達成率は次式で与えられるものとする。
省エネ基準達成率[%]=基準エネルギー消費効率/(W_i+W_C40)×100
ここで,基準エネルギー消費効率(判断の基準となる全損失)は1 250 Wとし,W_iは無負荷損[W],W_C40は負荷率40 %時の負荷損[W]とする。
〔小問(b)〕 変圧器の出力電圧が定格状態で,300 kW遅れ力率0.8の負荷が接続されているときの更新前後の変圧器の損失を考えてみる。この状態での更新前の変圧器の全損失をW₁,更新後の変圧器の全損失をW₂とすると,W₂のW₁に対する比率[%]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし,電圧変動による無負荷損への影響は無視できるものとする。
(小問(a)より,更新後の変圧器の定格電流通電時の負荷損は約4 640 Wである。)
正解:3
まず負荷率を出す。負荷損は電流(皮相電力)で決まるので,有効電力300 kWを力率で割って皮相電力に直す。
S=300/0.8=375 kV・A
負荷率=375/500=0.75。
全損失は無負荷損(負荷によらず一定)と負荷損(負荷率の2乗に比例)の和なので
更新前 W₁=500+6 700×0.75²=500+3 769=4 269 W
更新後 W₂=150+4 643×0.75²=150+2 612=2 762 W
比率は
W₂/W₁=2 762/4 269≒0.647=64.7 %。最も近いのは65で答(3)。
300 kWをそのまま500 kV・Aで割って負荷率0.6としてしまうと値がずれる。負荷損に効くのは電流であり,力率で割って皮相電力に直してから比を取る。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 法規 問12(b)
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 13(a)
図に示すような,相電圧Ė_R[V],Ė_S[V],Ė_T[V],角周波数ω[rad/s]の対称三相3線式高圧電路があり,変圧器の中性点は非接地方式とする。電路の一相当たりの対地静電容量をC[F]とする。
この電路のR相のみが絶縁抵抗値R_G[Ω]に低下した。このとき,次の問に答えよ。
ただし,上記以外のインピーダンスは無視するものとする。
〔小問(a)〕 次の文章は,絶縁抵抗R_G[Ω]を流れる電流İ_G[A]を求める記述である。
R_Gを取り除いた場合
a−b間の電圧V̇_ab=(ア)
a−b間より見たインピーダンスŻ_abは,変圧器の内部インピーダンスを無視すれば,Ż_ab=(イ)となる。
ゆえに,R_Gを接続したとき,R_Gに流れる電流İ_Gは,次式となる。
İ_G=V̇_ab/(Ż_ab+R_G)=(ウ)
上記の記述中の空白箇所(ア)〜(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
選択肢は「(ア) / (イ) / (ウ)」の順に示す。
正解:1
テブナンの定理で解く問題である。
(ア) R_Gを取り除いた健全な状態では,対称三相で対地静電容量も三相とも等しいから,変圧器の中性点Oは大地と同電位になる。したがってa点(R相)とb点(大地)の間の電圧は,R相の相電圧そのもの,すなわちĖ_Rである。線間電圧ではないので√3は付かない。
(イ) a−b間から見たインピーダンスは,電源を短絡して求める。すると三相の対地静電容量C[F]が3つ並列に見えるので,合成静電容量は3C[F],インピーダンスは
Ż_ab=1/(j3ωC)[Ω]。
容量性リアクタンスは 1/(jωC) の形であって jωC ではないので,(5)は形からして違う。
(ウ) これらをテブナンの式に入れると
İ_G=Ė_R/{1/(j3ωC)+R_G}
分子・分母に j3ωC を掛けて
İ_G=j3ωCĖ_R/(1+j3ωCR_G)。
答(1)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 法規 問13(a)
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 13(b)
図に示すような,相電圧Ė_R[V],Ė_S[V],Ė_T[V],角周波数ω[rad/s]の対称三相3線式高圧電路があり,変圧器の中性点は非接地方式とする。電路の一相当たりの対地静電容量をC[F]とする。
この電路のR相のみが絶縁抵抗値R_G[Ω]に低下した。このとき,次の問に答えよ。
ただし,上記以外のインピーダンスは無視するものとする。
〔小問(b)〕 次の文章は,変圧器の中性点O点に現れる電圧V̇_O[V]を求める記述である。
V̇_O=(エ)+R_Gİ_G
ゆえにV̇_O=(オ)
上記の記述中の空白箇所(エ)及び(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
(小問(a)より,İ_G=j3ωCĖ_R/(1+j3ωCR_G) である。)
選択肢は「(エ) / (オ)」の順に示す。
正解:1
(エ) 大地(b点)を基準にして,中性点Oまでたどる。大地からR_Gを通ってa点(R相)へ上がると電位はR_Gİ_Gだけ上がり,そこからR相の巻線を逆にたどって中性点Oへ戻ると相電圧Ė_Rだけ下がる。したがって
V̇_O=−Ė_R+R_Gİ_G
となり,(エ)は−Ė_Rである。
(オ) ここに(a)で求めたİ_Gを代入する。
V̇_O=−Ė_R+R_G×j3ωCĖ_R/(1+j3ωCR_G)
=Ė_R×{−(1+j3ωCR_G)+j3ωCR_G}/(1+j3ωCR_G)
=−Ė_R/(1+j3ωCR_G)
分子でj3ωCR_Gどうしが打ち消し合って−1だけが残るのがこの計算の要点である。答(1)。
R_Gが非常に大きい(完全絶縁に近い)とV̇_O→0,R_Gが0(完全地絡)とV̇_O→−Ė_Rとなり,R相が大地電位まで引き下げられて中性点が相電圧ぶんずれる,という物理的に妥当な極限になっている。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 法規 問13(b)
報告ありがとうございました。内容を確認します。
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