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電験3種 2023年度下期(令和5年度下期) 理論

18問 ・ 目安 正答率60% ・ 2024年3月24日実施

電験三種(第三種電気主任技術者)の2023年度下期(令和5年度下期) 理論試験で実際に出題された全18問を、1問ずつその場で答え合わせしながら演習できます。2024年3月24日実施・合否の目安は正答率60%(演習の目安)。各問に正解と、なぜその選択肢になるのかの解説を付けています。

本試験の合格基準:理論・電力・機械・法規の科目ごとに合否判定。各科目100点満点中原則60点以上で科目合格、4科目すべて合格で試験合格。

この回:令和5年度下期・理論:合格基準は100点満点中60点以上(筆記方式の公表値)。

出典:令和5年度第三種電気主任技術者下期試験の結果について(令和6年4月16日)。このページの「目安 正答率60%」は演習の目安で、本試験の採点方法とは異なります。

この回は 一般財団法人 電気技術者試験センター が公開する本試験問題を、当サイトがその場で答え合わせできる一問一答形式に再編し、公式には付いていない「正解の根拠・各選択肢の解き方」の解説を追記したものです。原題の出典は各問に明記しています。

過去問の解答結果は学習記録・段位には反映されません。過去問は出題当時の法令・制度にもとづく問題を含むため、段位は継続して最新化している一問一答・模擬試験だけで判定しています。過去問を解かなくても段位で不利になることはありませんので、実力試しとして気軽にお使いください。

問 1
極板間が比誘電率 ε_r の誘電体で満たされている平行平板コンデンサに一定の直流電圧が加えられている。このコンデンサに関する記述 a〜e として,誤っているものの組合せを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 ただし,コンデンサの端効果は無視できるものとする。 a.極板間の電界分布は ε_r に依存する。 b.極板間の電位分布は ε_r に依存する。 c.極板間の静電容量は ε_r に依存する。 d.極板間に蓄えられる静電エネルギーは ε_r に依存する。 e.極板上の電荷(電気量)は ε_r に依存する。
正解:1
本問の要は「一定の直流電圧が加えられている」という条件である。電圧を固定したまま誘電体を入れ替える設定なので、決まっている量から順に追う。極板間隔を d、電圧を V とすると、誘電体が一様に満たされているとき極板間の電界は E=V/d で一定になる。ここに ε_r は現れない。電位分布も極板からの距離に比例して V を分け合うだけなので、やはり ε_r に無関係である。したがって a と b が誤りで、答(1)。残る c・d・e はいずれも ε_r に依存する。静電容量は C=ε₀ε_r A/d で ε_r に比例し、静電エネルギーは W=½CV² なので C を通じて依存し、極板上の電荷も Q=CV なので同じく依存する。取り違えやすいのは、「電荷一定」の設定に読み替えてしまうことである。極板に電荷 Q を与えて電源を切り離した場合は、E=Q/(ε₀ε_r A) となって電界も電位差も ε_r に依存し、答えが正反対になる。「電圧一定なら電界が決まり、電荷が変わる」「電荷一定なら電界が変わる」という対比で整理しておくと、この種の問題を安定して解ける。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 理論 問1
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 2
次の文章は,帯電した導体球に関する記述である。 真空中で導体球 A 及び B が軽い絶縁体の糸で固定点 O からつり下げられている。真空の誘電率を ε₀[F/m],重力加速度を g[m/s²]とする。A 及び B は同じ大きさと質量 m[kg]をもつ。糸の長さは各導体球の中心点が点 O から距離 l[m]となる長さである。 まず,導体球 A 及び B にそれぞれ電荷 Q[C],3Q[C]を与えて帯電させたところ,静電力による (ア) が生じ,図のように A 及び B の中心点間が d[m]離れた状態で釣り合った。ただし,導体球の直径は d に比べて十分に小さいとする。このとき,個々の導体球において,静電力 F= (イ) [N],重力 mg[N],糸の張力 T[N],の三つの力が釣り合っている。三平方の定理より F²+(mg)²=T² が成り立ち,張力の方向を考えると F/T は d/(2l) に等しい。これらより T を消去し整理すると,d が満たす式として, k(d/(2l))³=√(1−(d/(2l))²) が導かれる。ただし,係数 k= (ウ) である。 次に,A と B とを一旦接触させたところ AB 間で電荷が移動し,同電位となった。そして A と B とが力の釣合いの位置に戻った。接触前に比べ,距離 d は (エ) した。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
問2の図
正解:1
(ア)は電荷の符号で決まる。Q と 3Q はどちらも同符号なので働くのは反発力であり、これで(2)(5)が落ちる。図でも2球が左右に開いた状態で釣り合っており、引き合っていれば近づくはずである。(イ)はクーロンの法則そのもので、F=Q·3Q/(4πε₀d²)=3Q²/(4πε₀d²)。電荷が Q と 3Q なので積は 3Q² であり、Q² としている(4)はここで消える。(ウ)は与えられた関係から T を消す。F/T=d/(2l) より T=2lF/d、これを F²+(mg)²=T² に入れると (mg)²=F²(4l²−d²)/d²、すなわち mg=F√(4l²−d²)/d となる。一方、問題の式は k(d/2l)³=√(1−(d/2l)²)=√(4l²−d²)/(2l) と書き直せるので、k=4l²√(4l²−d²)/d³。ここへ √(4l²−d²)/d³=4πε₀mg/(3Q²) を代入すると k=16πε₀l²mg/(3Q²) が得られる。答(1)。(エ)は接触後の電荷を考える。同じ大きさの導体球どうしを接触させると電荷は等分され、各球 (Q+3Q)/2=2Q になる。積は 4Q² で接触前の 3Q² より大きいので、同じ距離なら反発力は強くなり、釣り合う位置は外側へ移って d は増加する。「等分される」のは2球が同じ大きさだからで、大きさが違えば電位が等しくなるように分配される点も押さえておきたい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 理論 問2
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 3
次の文章は,強磁性体の応用に関する記述である。 磁界中に強磁性体を置くと,周囲の磁束は,磁束が (ア) 強磁性体の (イ) を通るようになる。このとき,強磁性体を中空にしておくと,中空の部分には外部の磁界の影響がほとんど及ばない。このように,強磁性体でまわりを囲んで,磁界の影響が及ばないようにすることを (ウ) という。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:4
強磁性体は透磁率 μ が真空の数百〜数万倍あり、磁気回路でいえば磁気抵抗が極端に小さい。電流が抵抗の小さい経路に集まるのと同じで、磁束は強磁性体を通りやすいため、その内部に吸い寄せられるように集中する。よって(ア)=通りやすい、(イ)=内部で、(1)(2)(3)が落ちる。残る(4)と(5)の違いは(ウ)だけである。磁束が壁の中を回り込んで通ってしまうため中空部にはほとんど磁束が入らず、これを利用して外部磁界の影響を遮る手法を磁気遮へいという。答(4)。静電遮へいは導体で囲んで内部の電界を零にするもの(静電シールド・ファラデーケージ)で、扱う量が電界であり原理も異なる。導体は電荷が表面に移動して内部の電界を打ち消すのに対し、磁気遮へいは磁束を打ち消すのではなく迂回させている点が本質的に違う。そのため磁気遮へいは完全ではなく、強い磁界や低周波では透磁率の高い材料(パーマロイなど)を多層にするなどの工夫が要る。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 理論 問3
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 4
図のように,透磁率 μ₀[H/m]の真空中に,無限に長い直線状導体 A と 1 辺 a[m]の正方形のループ状導体 B が距離 d[m]を隔てて置かれている。A と B は xz 平面上にあり,A は z 軸と平行,B の各辺は x 軸又は z 軸と平行である。A,B には直流電流 I_A[A],I_B[A]が,それぞれ図示する方向に流れている。このとき,B に加わる電磁力として,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 なお,xyz 座標の定義は,破線の枠内の図で示したとおりとする。
問4の図
正解:2
ループの4辺を1本ずつ見ていく。直線導体 A がつくる磁界の大きさは距離 r で B=μ₀I_A/(2πr) であり、B の左辺と右辺では距離が違うので力が打ち消し合わずに残る。まず向きを押さえる。図で A の電流は下向き(−z)、B の A に近い左辺は上向き(+z)で互いに逆向きである。平行電流は同じ向きなら引き合い、逆向きなら反発するので、左辺には A から離れる向き、すなわち+x 方向の力が働く。大きさは F=I_B a B=μ₀I_AI_Ba/(2πd)。右辺は電流が下向き(−z)で A と同じ向きになるため引き合い、−x 方向に μ₀I_AI_Ba/(2π(a+d)) の力を受ける。距離が遠いぶんこちらは小さい。上辺と下辺は x 軸に平行で、磁界も電流も対称なので大きさが等しく向きが逆になり、互いに打ち消し合って残らない。したがって合力は左辺と右辺の差で、μ₀I_AI_Ba/(2π)×{1/d−1/(a+d)}=μ₀I_AI_Ba²/(2πd(a+d)) の+x 方向。答(2)。誤答の作られ方が明快で、向きだけを逆にしたのが(3)、1/d−1/(a+d) を 1/d+1/(a+d) と足してしまうと分子が a(a+2d) になり(4)(5)になる。「近いほうが強い」ので合力は必ず A から遠ざかる向き(反発)になる、と先に決めてしまえば符号で迷わない。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 理論 問4
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 5
図に示す直流回路は,100 V の直流電圧源に直流電流計を介して 10 Ωの抵抗が接続され,50 Ωの抵抗と抵抗 R[Ω]が接続されている。電流計は 5 A を示している。抵抗 R[Ω]で消費される電力の値[W]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。なお,電流計の内部抵抗は無視できるものとする。
問5の図
正解:5
R の値を求めなくても、R に掛かる電圧と流れる電流だけで電力が出せる。電流計の 5 A は回路全体を流れる電流なので、直列の 10 Ωでの電圧降下は 5×10=50 V。したがって並列部(R と 50 Ω)に掛かる電圧は 100−50=50 V である。50 Ωの抵抗に流れる電流は 50/50=1 A なので、残りが R に流れる電流で 5−1=4 A。よって P=50×4=200 W。答(5)。念のため R を求めると R=50/4=12.5 Ωで、P=I²R=4²×12.5=200 W と一致する。落とし穴は、電源電圧 100 V がそのまま R に掛かると考えてしまうことで、この場合 100×4=400 W となって選択肢にない。10 Ωでの降下を引く手順を飛ばさないこと。また 5 A を R の電流と早合点して 50 Ω側の 1 A を引き忘れると P=50×5=250 W となり、これも選択肢にないので気づける。電流計の内部抵抗を無視してよいのは、電流計が直列に入るため内部抵抗があるとそのぶん電圧降下が増えてしまうからで、ただし書きはその配慮である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 理論 問5
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 6
図のような直流回路において,抵抗 6 Ωの端子間電圧の大きさ V の値[V]として,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
問6の図
正解:4
電源が2つあるので、6 Ωの上側の節点を未知数 V とする節点方程式(ミルマンの定理)を立てるのが速い。下側の導線を基準(0 V)にとる。6 Ωを下向きに流れる電流は V/6、21 V 側の枝から流れ込む電流は (21−V)/5、14 V 側の枝から流れ込む電流は (14−V)/10 である。節点で流入と流出が等しいので V/6=(21−V)/5+(14−V)/10。 両辺を 30 倍すると 5V=6(21−V)+3(14−V)=126−6V+42−3V=168−9V。したがって 14V=168、V=12 V。答(4)。検算しておくと、21 V 側の枝は (21−12)/5=1.8 A、14 V 側の枝は (14−12)/10=0.2 A、合計 2.0 A が 6 Ωに流れて 6×2.0=12 V となり、ぴたりと合う。重ね合わせの理で解くこともできるが、電源が2つでも節点が1つしかないこの形では節点方程式が最短である。誤りやすいのは、2つの電源を単純に足したり引いたりして 21−14=7 V としてしまうことで、これが(3)に用意されている。電源はそれぞれ別の抵抗を介して同じ節点につながっているので、抵抗の重みを付けた平均になる、と捉えるとよい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 理論 問6
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 7
図のように,抵抗,切換スイッチ S 及び電流計を接続した回路がある。この回路に直流電圧 100 V を加えた状態で,図のようにスイッチ S を開いたとき電流計の指示値は 2.0 A であった。また,スイッチ S を①側に閉じたとき電流計の指示値は 2.5 A,スイッチ S を②側に閉じたとき電流計の指示値は 5.0 A であった。このとき,抵抗 r の値[Ω]として,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 ただし,電流計の内部抵抗は無視できるものとし,測定誤差はないものとする。
問7の図
正解:5
3つの測定値を、回路の状態が単純なものから順に使うのがこつである。まず S を開いたときは R₁ と R₂ の直列だけなので、100/(R₁+R₂)=2.0 より R₁+R₂=50 Ω。次に S を②側に閉じると、②は R₂ の両端を導線で結ぶ位置にあるので R₂ が短絡され、回路は R₁ だけになる。100/R₁=5.0 より R₁=20 Ω、したがって R₂=30 Ω と個別の値が確定する。最後に S を①側に閉じると r が R₂ と並列になるので、100/(R₁+R₂r/(R₂+r))=2.5。合成抵抗は 100/2.5=40 Ωだから R₂r/(R₂+r)=40−20=20。30r/(30+r)=20 を解いて 30r=600+20r、10r=600、r=60 Ω。答(5)。この問題の分かれ目は、図の①と②のどちらが短絡側かである。②が R₂ を飛び越して下の導線に戻る配線、①が r を経由する配線であり、これを逆に読むと R₁ と R₂ が入れ替わって r=20 Ωなどの別の値になる。指示値が 2.0→2.5→5.0 と増えていることからも、②のほうが抵抗が最も小さい状態(=短絡)だと確かめられる。検算すると①側では合成 20+20=40 Ω、電流 100/40=2.5 A で条件に一致する。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 理論 問7
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 8
図のような交流回路において,電源の周波数を変化させたところ,共振時のインダクタンス L の端子電圧 V_L は 314 V であった。共振周波数の値[kHz]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
問8の図
正解:2
RLC 直列回路の共振では、コイルとコンデンサのリアクタンスが打ち消し合って回路のインピーダンスが抵抗 R だけになる。したがって流れる電流は I=V/R=1/0.5=2 A である。このとき L の端子電圧は V_L=ωLI なので、314=ωL×2 より ωL=157。L=10 mH=0.01 H だから ω=157/0.01=15 700 rad/s。周波数に直すと f=ω/(2π)=15 700/6.283≒2 499 Hz≒2.5 kHz。答(2)。C の値が与えられていないのに解けるのは、共振条件 ωL=1/(ωC) によって C が消えるからである。「C が無いから解けない」と止まらないこと。また、電源電圧が 1 V しかないのに L の端子電圧が 314 V もあるのは誤植ではない。直列共振では L と C にそれぞれ電源電圧の Q 倍(ここでは Q=ωL/R=157/0.5=314 倍)の電圧が現れ、両者が逆位相で打ち消し合っているためである。この共振による電圧の増大が直列共振回路の重要な性質で、実務では絶縁破壊の原因にもなる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 理論 問8
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 9
次式に示す電圧 e[V]及び電流 i[A]による電力の値[kW]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 e=100 sin ωt+50 sin(3ωt−π/6)[V] i=20 sin(ωt−π/6)+10√3 sin(3ωt+π/6)[A]
正解:2
ひずみ波の電力は、同じ次数の成分どうしだけが有効電力を生み、次数の違う成分の積は1周期で平均すると零になる。したがって基本波の電力と第3調波の電力を別々に求めて足せばよい。基本波は、実効値が電圧 100/√2、電流 20/√2 で、位相差は 0−(−π/6)=π/6 なので cos(π/6)=0.866。P₁=(100/√2)×(20/√2)×0.866=1 000×0.866=866 W。第3調波は、実効値が 50/√2 と 10√3/√2 で、位相差は (−π/6)−(+π/6)=−π/3 なので cos(−π/3)=0.5。P₃=(50/√2)×(10√3/√2)×0.5=(500√3/2)×0.5=125√3≒217 W。合計 866+217=1 083 W≒1.08 kW。答(2)。よくある誤りは、振幅のまま掛けて 1/2 を忘れることと、位相差の符号を取り違えることである。位相差は電圧の位相から電流の位相を引いた値で、第3調波は −π/6−π/6=−π/3 であって 0 ではない。また基本波だけで止めると 866 W≒0.87 kW となり(1)の 0.95 に引き寄せられる。なお力率を求めたい場合は、電圧・電流それぞれの実効値を各次数の二乗和平方根で出してから P/(VI) とする必要があり、単純に cos の平均ではない点も注意したい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 理論 問9
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 10
図のように,電圧 E[V]の直流電源,スイッチ S,R[Ω]の抵抗及び静電容量 C[F]のコンデンサからなる回路がある。この回路において,スイッチ S を 1 側に接続してコンデンサを十分に充電した後,時刻 t=0 s でスイッチ S を 1 側から 2 側に切り換えた。2 側に切り換えた以降の記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 ただし,自然対数の底は,2.718 とする。
問10の図
正解:5
2 側に切り換えた後は電源から切り離され、充電済みのコンデンサが抵抗を通して放電する RC 回路になる。端子電圧は v_C=E·e^(−t/(RC))、電流は図の向きを正として i=−(E/R)·e^(−t/(RC)) と表せる。(1)は時定数 τ=RC なので C に比例し、正しい。(2)も τ=RC が大きいほど指数関数の減衰が緩やかになるので正しい。(3)は t=τ のとき e^(−1)=1/2.718=0.368 だから v_C=0.368E となり、正しい。(4)は電流の向きの問題である。充電時(1 側)は電源から図の i の向きに電流が流れるが、放電時は逆向きになるので i は負となり、v_R=Ri も負になる。よって正しい。残る(5)が誤りである。t=0 ではコンデンサの端子電圧が E のままなので、抵抗に掛かる電圧も E で i=−E/R。ここに C は現れず、初期電流は C に関係しない。答(5)。C が効くのは「どれだけ長く流れ続けるか」であって「最初にどれだけ流れるか」ではない、という区別が本問の核心である。同じ理由で、放電で失われる全エネルギー ½CE² は C に比例するが、初期電流は C によらない。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 理論 問10
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 11
FET は,半導体の中を移動する多数キャリアを (ア) 電圧により生じる電界によって制御する素子であり,接合形と (イ) 形がある。次の図記号は接合形の (ウ) チャネル FET を示す。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
問11の図
正解:1
FET(電界効果トランジスタ)は、3つの電極のうちゲートに加えた電圧がつくる電界でチャネルの幅を変え、ドレイン-ソース間に流れる多数キャリアの量を制御する素子である。ドレインとソースは電流の出入口であって制御端子ではないので、(ア)=ゲートで(2)(3)(4)が落ちる。(イ)は FET の分類で、pn 接合の逆バイアスで空乏層を広げる接合形(JFET)と、酸化膜を挟んでゲートを絶縁した MOS 形の2つに大別される。MSI は集積度の区分(中規模集積回路)、DIP はパッケージの形状を指す用語で、いずれも FET の種類ではない。これで(5)も消えて(1)が残る。(ウ)は図記号のゲートに付いた矢印の向きで決まる。矢印が内側(チャネルに向かう向き)なら n チャネル、外側に向いていれば p チャネルである。掲載の図記号は矢印がチャネル側を向いているので n チャネルであり、答(1)。矢印の向きは「ゲートの p 形領域からチャネルの n 形領域へ向かう pn 接合の順方向」を表していると覚えると、向きと形名が結び付けやすい。バイポーラトランジスタが電流(ベース電流)で制御するのに対し、FET は電圧で制御し入力インピーダンスが非常に高い、という違いも押さえておきたい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 理論 問11
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 12
次の文章は,真空中における電子の運動に関する記述である。 図のように,x 軸上の負の向きに大きさが一定の電界 E[V/m]が存在しているとき,x 軸上に電荷が −e[C](e は電荷の絶対値),質量 m₀[kg]の 1 個の電子を置いた場合を考える。x 軸の正方向の電子の加速度を a[m/s²]とし,また,この電子に加わる力の正方向を x 軸の正方向にとったとき,電子の運動方程式は m₀a= (ア)  ……① となる。①式から電子は等加速度運動をすることがわかる。したがって,電子の初速度を零としたとき,x 軸の正方向に向かう電子の速度 v[m/s]は時間 t[s]の (イ) 関数となる。また,電子の走行距離 x_dis[m]は時間 t[s]の (ウ) 関数で表される。さらに,電子の運動エネルギーは時間 t[s]の (エ) で増加することがわかる。 ただし,電子の速度 v[m/s]はその質量の変化が無視できる範囲とする。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
問12の図
正解:5
(ア)は符号の処理が肝である。電界は x 軸の負の向き、電子の電荷も負(−e)なので、電子が受ける力 F=qE は負×負で正の向きになり、大きさは eE。よって m₀a=eE で、(2)(4)の ½eE や(3)の eE² は次元も合わない。①式の右辺が定数なので加速度 a=eE/m₀ は一定、すなわち等加速度運動である。初速度が零なら v=at なので速度は時間の一次関数、走行距離は x=½at² なので二次関数となる。運動エネルギーは ½m₀v²=½m₀(at)²=½m₀a²t² だから、時間の2 乗に比例して増加する。したがって(ア)eE、(イ)一次、(ウ)二次、(エ)2 乗で答(5)。(1)と(5)の違いは(エ)だけである。速度が一次だからといってエネルギーも一次と早合点すると(1)に落ちる。エネルギーは速度の2乗に比例するので、v∝t なら E_k∝t² になる。別の見方をすると、電子が距離 x 進む間に電界がした仕事は eEx であり、x∝t² なのでやはりエネルギーは t² に比例する、と確かめられる。なお「質量の変化が無視できる範囲」というただし書きは、速度が光速に近づくと相対論的効果で質量が増し等加速度でなくなるためである。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 理論 問12
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 13
図に示すように二つの増幅器を縦続接続した回路があり,増幅器 1 の電圧増幅度は 10 である。今,入力電圧 v_i の値として 0.4 mV の信号を加えたとき,出力電圧 v_o の値は 0.4 V であった。増幅器 2 の電圧利得の値[dB]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
問13の図
正解:3
まず全体の電圧増幅度を求める。0.4 V/0.4 mV=0.4/0.0004=1 000 倍である。縦続接続では増幅度が掛け算になるので、増幅器1が 10 倍なら増幅器2の増幅度は 1 000÷10=100 倍。電圧の利得を dB で表すときは 20 log₁₀ を使うので、G=20 log₁₀100=20×2=40 dB。答(3)。最大の落とし穴は、電力の 10 log₁₀ と混同することである。10 log₁₀100=20 dB となって(2)に落ちる。電圧・電流は 20 log、電力は 10 log と覚える。もう一つは、全体の 1 000 倍をそのまま dB にして 20 log₁₀1 000=60 dB としてしまうことで、これが(5)に置かれている。問われているのは増幅器2だけの利得である。利得を dB で扱う利点は、縦続接続の掛け算が足し算になることで、実際 増幅器1の 20 log₁₀10=20 dB と増幅器2の 40 dB を足すと全体の 60 dB になり、検算になる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 理論 問13
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 14
固有の名称をもつ SI 組立単位の記号と,これと同じ内容を表す他の表し方の組合せとして,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:5
それぞれ定義式に戻して確かめる。(1)ファラド F は静電容量の単位で、Q=CV より C=Q/V だから C/V で正しい。(2)ワット W は仕事率の単位で、単位時間当たりのエネルギーだから J/s で正しい。(3)ジーメンス S はコンダクタンスの単位で、抵抗の逆数すなわち I/V だから A/V で正しい。(4)テスラ T は磁束密度の単位で、単位面積当たりの磁束だから Wb/m² で正しい。(5)ウェーバ Wb は磁束の単位である。ファラデーの電磁誘導の法則 e=−dΦ/dt を変形すると Φ=∫e dt となり、Wb=V·s(ボルト秒)であって V/s ではない。したがって(5)が誤りで、答(5)。掛けるか割るかを迷ったら、「1 Wb の磁束が 1 秒で消えると 1 V の起電力が生じる」と具体的に考えるとよい。V=Wb/s なので、両辺に s を掛けて Wb=V·s となる。同じ要領で他の単位も確認でき、例えばヘンリー H は Φ=LI から Wb/A=V·s/A と表せる。単位の組立を暗記するのではなく、必ず定義式から導く習慣をつけておけば、この種の問題は落とさない。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 理論 問14
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問 15(a)
抵抗 R[Ω],誘導性リアクタンス X[Ω]からなる平衡三相負荷(力率 80 %)に対称三相交流電源を接続した交流回路がある。次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 図1 のように,Y 結線した平衡三相負荷に線間電圧 210 V の三相電圧を加えたとき,回路を流れる線電流 I は 14/√3 A であった。負荷の誘導性リアクタンス X の値[Ω]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
問15(a)の図
正解:3
Y 結線では、1 相分に掛かるのは線間電圧ではなく相電圧で 210/√3 V、そして相電流は線電流と等しく 14/√3 A である。1 相分のインピーダンスはこの比なので Z=(210/√3)÷(14/√3)=210/14=15 Ω。分母分子の √3 が約分で消えるため、値がきれいに求まる。力率が 80 %=cosθ=0.8 だから sinθ=0.6 で、誘導性リアクタンスは X=Z sinθ=15×0.6=9 Ω。答(3)。ついでに R=Z cosθ=15×0.8=12 Ωも求まり、これは(b)で使う。R²+X²=12²+9²=225=15² と確かめられる。間違いやすいのは、線間電圧 210 V をそのまま相電圧として Z=210/(14/√3)=25.98 Ωとしてしまうことで、このとき X=15.6 となり(5)の 15 に引き寄せられる。Y 結線は電圧が 1/√3、Δ 結線は電流が 1/√3、と対で覚えておくと取り違えにくい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 理論 問15(a)
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問 15(b)
抵抗 R[Ω],誘導性リアクタンス X[Ω]からなる平衡三相負荷(力率 80 %)に対称三相交流電源を接続した交流回路がある。次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(b)〕 図1 の各相の負荷を使ってΔ結線し,図2 のように相電圧 200 V の対称三相電源に接続した。この平衡三相負荷の全消費電力の値[kW]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
問15(b)の図
正解:4
手順は「電源の相電圧→線間電圧→Δ 負荷の相電圧→相電流→電力」の順に進める。電源は Y 結線で相電圧が 200 V と与えられているので、線間電圧は 200√3 V である。Δ 結線した負荷の各相には線間電圧がそのまま掛かるので、負荷1相分の電圧は 200√3≒346.4 V。1 相分のインピーダンスは(a)と同じ Z=15 Ω、抵抗分は R=Z cosθ=15×0.8=12 Ωである。相電流は I_p=200√3/15≒23.09 A。全消費電力は 3 相分の抵抗損の合計だから P=3I_p²R=3×(200√3/15)²×12。(200√3/15)²=120 000/225=533.3 なので P=3×533.3×12=19 200 W=19.2 kW。答(4)。力率を使う式でも同じで、P=3×V_p×I_p×cosθ=3×346.4×23.09×0.8≒19 200 W となる。最大の落とし穴は、電源の相電圧 200 V をΔ 負荷の相電圧として使うことである。この場合 P=3×(200/15)²×12=6 400 W=6.4 kW となり、選択肢の(1)8 に近い値になってしまう。「Δ 負荷に掛かるのは線間電圧」という対応を、図で電源とΔ 負荷の結線をたどって確認してから計算に入りたい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 理論 問15(b)
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問 16(a)
図のように,電源 E[V],負荷抵抗 R[Ω],内部抵抗 R_v[kΩ]の電圧計及び内部抵抗 R_a[Ω]の電流計を接続した回路がある。この回路において,電圧計及び電流計の指示値がそれぞれ V₁[V],I₁[A]であるとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。ただし,電圧計と電流計の指示値の積を負荷抵抗 R[Ω]の消費電力の測定値とする。 〔小問(a)〕 電流計の電力損失の値[W]を表す式として,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
問16(a)の図
正解:4
電流計で失われる電力は、電流計の内部抵抗 R_a で消費される分だけである。電流計には指示値 I₁ がそのまま流れているので、損失は素直に P=I₁²R_a。答(4)。他の選択肢がなぜ誤りかを見ておく。(1)の V₁²/R_a は、電圧計の指示値 V₁ が電流計の両端の電圧であるかのように扱っているが、V₁ は電流計と負荷抵抗を直列にした部分に掛かる電圧なので、これを R_a で割っても意味のある量にならない。(2)はそこからさらに正しい項を引いており、二重に誤っている。(3)の V₁²/R_v は電圧計の電力損失であって電流計のものではなく、両者を足すのは「計器全体の損失」であり問いに合わない。(5)は電流計の内部抵抗と電圧計の内部抵抗を同じ電流で扱っており、そもそも電圧計には I₁ は流れない。本問の接続では、電圧計が電源側に、電流計が負荷と直列に入っている。この配置では電流計の内部抵抗による電圧降下が測定値に上乗せされるので、測定値は真値より大きく出る。この性質が(b)につながる。計器の損失は「電流計は I²R_a、電圧計は V²/R_v」と、流れる量・掛かる量に対応させて覚えるとよい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 理論 問16(a)
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問 16(b)
図のように,電源 E[V],負荷抵抗 R[Ω],内部抵抗 R_v[kΩ]の電圧計及び内部抵抗 R_a[Ω]の電流計を接続した回路がある。この回路において,電圧計及び電流計の指示値がそれぞれ V₁[V],I₁[A]であるとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。ただし,電圧計と電流計の指示値の積を負荷抵抗 R[Ω]の消費電力の測定値とする。 〔小問(b)〕 今,負荷抵抗 R=320 Ω,電流計の内部抵抗 R_a=4 Ωが分かっている。この回路で得られた負荷抵抗 R[Ω]の消費電力の測定値 V₁I₁[W]に対して,R[Ω]の消費電力を真値とするとき,誤差率の値[%]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
問16(b)の図
正解:5
測定値と真値をそれぞれ式にしてから比を取る。電圧計の指示値 V₁ は電流計と負荷抵抗の直列部に掛かる電圧なので V₁=I₁(R+R_a)、したがって測定値は V₁I₁=I₁²(R+R_a) である。一方、求めたい真値は負荷抵抗だけの消費電力 I₁²R である。誤差は測定値−真値=I₁²R_a、すなわち電流計の内部抵抗で消費される分がそのまま上乗せされている。誤差率は真値に対する割合なので 誤差率=I₁²R_a/(I₁²R)=R_a/R=4/320=0.0125=1.25 %≒1.2 %。答(5)。分母を測定値にとる流儀でも R_a/(R+R_a)=4/324=1.23 %となり、いずれにせよ選択肢は(5)になる。この結果が示すのは、誤差率が電流の大きさによらず抵抗の比だけで決まるということである。I₁ が約分で消えるため、負荷が軽くても重くても誤差率は同じ 1.25 %になる。実務では、負荷抵抗が電流計の内部抵抗に比べて十分大きいときはこの接続(電流計を負荷側に入れる)が有利で、逆に負荷が小さいときは電圧計を負荷と並列にする接続に替える。どちらの接続でも計器の内部抵抗ぶんの誤差は避けられないので、接続の選択は負荷抵抗との大小関係で決めるというのが要点である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 理論 問16(b)
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問 17(a)
【選択問題】問17及び問18は選択問題であり,どちらか一方を選んで解答する(本サイトでは学習用に両方を収録しています)。 図1 の端子 a–d 間の合成静電容量について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 端子 b–c–d 間は図2 のようにΔ結線で接続されている。これを図3 のように Y 結線に変換したとき,電気的に等価となるコンデンサ C の値[μF]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
問17(a)の図
正解:5
Δ–Y 変換はインピーダンスの関係として Z_Y=Z_Δ/3 が成り立つ(3つとも等しい場合)。ここで扱うのがコンデンサであることに注意する。容量 C のコンデンサのインピーダンスは Z=1/(jωC) なので、Z が 1/3 になるということは C が 3 倍になるということである。すなわち C_Y=3C_Δ。Δ 側が 3 μF なので、Y 側は 3×3=9.0 μF。答(5)。ここが本問最大の落とし穴で、抵抗の Δ–Y 変換の感覚のまま 3 μF÷3=1.0 μF としてしまうと(1)に落ちる。抵抗は 1/3、コンデンサは 3 倍と向きが逆になるのは、容量がインピーダンスの分母に入るためである。確かめ方として、端子間から見た合成容量で検証できる。Δ では b–c 間から見ると 3 μF と、直列の 3+3 μF(=1.5 μF)が並列で 4.5 μF。Y では b と c の 9 μF が直列で 4.5 μF となり一致する。この「2端子間の合成容量が両者で等しい」という確認を1組でも行えば、3 倍か 1/3 かで迷わずに済む。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 理論 問17(a)
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問 17(b)
【選択問題】問17及び問18は選択問題であり,どちらか一方を選んで解答する(本サイトでは学習用に両方を収録しています)。 図1 の端子 a–d 間の合成静電容量について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(b)〕 図3 を用いて,図1 の端子 b–c–d 間を Y 結線回路に変換したとき,図1 の端子 a–d 間の合成静電容量 C₀ の値[μF]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
問17(b)の図
正解:3
(a)の結果を使って、b–c–d のΔ(各 3 μF)を中性点 n をもつ Y(各 9 μF)に置き換える。すると回路は次のように整理できる。端子 a から出る経路は2つで、上側は 9 μF を通って b へ、下側は 18 μF を通って c へ向かう。b と c はそれぞれ 9 μF で中性点 n につながり、n からさらに 9 μF で d に至る。まず a→b→n の経路は 9 μF と 9 μF の直列なので 9×9/(9+9)=4.5 μF。a→c→n の経路は 18 μF と 9 μF の直列で 18×9/(18+9)=162/27=6.0 μF。この2つは a と n の間で並列なので合わせて 4.5+6.0=10.5 μF。最後に n–d 間の 9 μF と直列になるので、C₀=10.5×9/(10.5+9)=94.5/19.5≒4.85 μF≒4.8 μF。答(3)。誤答の(2)4.5 と(4)6.0 は、途中で求まる 2 つの枝の値がそのまま置かれている。並列にまとめる段階や最後の直列を忘れると、これらを選んでしまう。コンデンサは直列が積÷和、並列が和で抵抗と逆になるため、どちらの計算をしているかを常に意識すること。Δ のままでは b–c 間の 3 μF が橋絡していて直並列に分解できないが、Y に直すと中性点を経由する素直な直並列回路になる。これが Δ–Y 変換を使う意味である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 理論 問17(b)
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問 18(a)
【選択問題】問17及び問18は選択問題であり,どちらか一方を選んで解答する(本サイトでは学習用に両方を収録しています)。 図1 は,飽和領域で動作する接合形 FET を用いた増幅回路を示し,図中の v_i 並びに v_o はそれぞれ,入力と出力の小信号交流電圧[V]を表す。また,図2 は,その増幅回路で使用する FET のゲート-ソース間電圧 V_gs[V]に対するドレーン電流 I_d[mA]の特性を示している。抵抗 R_G=1 MΩ,R_D=5 kΩ,R_L=2.5 kΩ,直流電源電圧 V_DD=20 V とするとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 FET の動作点が図2 の点 P となる抵抗 R_S の値[kΩ]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
問18(a)の図
正解:4
この回路は自己バイアス(ソースバイアス)方式である。ゲートは R_G を通して接地されており、接合形 FET のゲート電流はほぼ零なので R_G には電圧降下が生じず、ゲートの電位は 0 V になる。一方、ソースにはドレーン電流 I_d が R_S を通って流れるので、ソースの電位は I_d R_S だけ持ち上がる。したがってゲート-ソース間電圧は V_gs=(ゲート電位)−(ソース電位)=0−I_d R_S=−I_d R_S となり、負のバイアスが自動的に得られる。これが「自己バイアス」と呼ばれる理由である。図2 の動作点 P は V_gs=−1.8 V、I_d=1.8 mA だから、1.8=1.8×10⁻³×R_S より R_S=1 000 Ω=1 kΩ。答(4)。n チャネル接合形 FET は V_gs が負の領域で使うため、わざわざ負電源を用意しなくてもソース抵抗だけでバイアスできる点が利点である。なお R_S には交流的には C_S が並列に入っており、信号周波数ではソースが接地されたのと同じになる。直流のバイアスだけを R_S で決め、交流の負帰還は C_S で打ち消すという役割分担になっている。この C_S を外すと利得が下がる(電流帰還バイアスの負帰還が効く)ので、(b)の等価回路に R_S が現れないのはこのためである。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 理論 問18(a)
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問 18(b)
【選択問題】問17及び問18は選択問題であり,どちらか一方を選んで解答する(本サイトでは学習用に両方を収録しています)。 図1 は,飽和領域で動作する接合形 FET を用いた増幅回路を示し,図中の v_i 並びに v_o はそれぞれ,入力と出力の小信号交流電圧[V]を表す。また,図2 は,その増幅回路で使用する FET のゲート-ソース間電圧 V_gs[V]に対するドレーン電流 I_d[mA]の特性を示している。抵抗 R_G=1 MΩ,R_D=5 kΩ,R_L=2.5 kΩ,直流電源電圧 V_DD=20 V とするとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(b)〕 図2 の特性曲線の点 P における接線の傾きを読むことで,FET の相互コンダクタンスが g_m=6 mS であるとわかる。この値を用いて,増幅回路の小信号交流等価回路をかくと図3 となる。ここで,コンデンサ C₁,C₂,C_S のインピーダンスが使用する周波数で十分に小さいときを考えており,FET の出力インピーダンスが R_D[kΩ]や R_L[kΩ]より十分大きいとしている。 この増幅回路の電圧増幅度 A_v=|v_o/v_i| の値として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
問18(b)の図
正解:1
図3 の等価回路では、FET は大きさ g_m v_i の電流源で表され、その電流が R_D と R_L に分かれて流れる。FET の出力インピーダンスは十分大きいとしているので、電流源から見た負荷は R_D と R_L の並列である。並列合成は R_D∥R_L=5×2.5/(5+2.5)=12.5/7.5≒1.667 kΩ。出力電圧はこの合成抵抗に電流 g_m v_i が流れて生じるので v_o=g_m v_i×(R_D∥R_L)。したがって A_v=|v_o/v_i|=g_m×(R_D∥R_L)=6×10⁻³×1 667≒10。答(1)。誤りやすいのは、R_D と R_L を直列とみて 6×10⁻³×7 500=45 としたり、R_D だけで 6×10⁻³×5 000=30 として(2)を選ぶことである。図3 で R_D と R_L が電流源の両端に並んでいることを確認すれば、並列だとすぐ分かる。なお、i_d の向きから分かるとおり出力電圧の位相は入力に対して反転する(ソース接地増幅回路の特徴)が、設問は絶対値を問うているので符号は答えに影響しない。また相互コンダクタンス g_m は I_d–V_gs 特性の接線の傾き ΔI_d/ΔV_gs であり、動作点をずらすと値が変わる。動作点を(a)で決めてから g_m を読む、という順序に意味がある。原本には「※ 下線部訂正 I_d → i_d」という公式の訂正注記があり、図3 の電流記号は小信号を表す小文字の i_d が正しい。本サイトでは訂正後の表記で収録している。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 理論 問18(b)
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