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電験3種 2025年度上期(令和7年度上期) 機械

18問 ・ 目安 正答率60% ・ 2025年8月31日実施

電験三種(第三種電気主任技術者)の2025年度上期(令和7年度上期) 機械試験で実際に出題された全18問を、1問ずつその場で答え合わせしながら演習できます。2025年8月31日実施・合否の目安は正答率60%(演習の目安)。各問に正解と、なぜその選択肢になるのかの解説を付けています。

本試験の合格基準:理論・電力・機械・法規の科目ごとに合否判定。各科目100点満点中原則60点以上で科目合格、4科目すべて合格で試験合格。

この回:令和7年度上期・機械:合格基準は100点満点中55点以上に引き下げ(筆記方式の公表値。原則60点)。

出典:令和7年度第三種電気主任技術者上期試験の結果について(令和7年10月14日)。このページの「目安 正答率60%」は演習の目安で、本試験の採点方法とは異なります。

この回は 一般財団法人 電気技術者試験センター が公開する本試験問題を、当サイトがその場で答え合わせできる一問一答形式に再編し、公式には付いていない「正解の根拠・各選択肢の解き方」の解説を追記したものです。原題の出典は各問に明記しています。

過去問の解答結果は学習記録・段位には反映されません。過去問は出題当時の法令・制度にもとづく問題を含むため、段位は継続して最新化している一問一答・模擬試験だけで判定しています。過去問を解かなくても段位で不利になることはありませんので、実力試しとして気軽にお使いください。

問 1
直流電動機に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:5
直流機のトルクはT=kΦIaで表される。直巻電動機は界磁巻線が電機子と直列で界磁電流が負荷電流Iaに等しく、未飽和領域では界磁磁束ΦがIaに比例する。したがってT=kΦIa∝Ia²となり、トルクは負荷電流の2乗に比例する。磁束が負荷電流に比例するとした前半は正しいが、「トルクも負荷電流に比例する」と続けた(5)が誤りで、これが正解。この2乗特性ゆえに低速時に大トルクを出しクレーンや巻上機に適するという(1)は正しい。ほかは(2)分巻界磁巻線に直列の界磁抵抗器で界磁電流と磁束を加減する界磁制御法、(3)負荷増加でIaが増えRaIaぶん逆起電力が下がり速度がわずかに落ちる定速度電動機、(4)直巻界磁磁束と分巻界磁磁束の和が和動・差が差動という複巻機の定義で、いずれも正しい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 機械 問1
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 2
界磁に永久磁石を用いた小形直流電動機があり,電源電圧は定格の12 V,回転を始める前の静止状態における始動電流は4 A,定格回転数における定格電流は1 A である。定格運転時の効率の値[%]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 ただし,ブラシによる電圧降下及び電機子反作用は無視できるものとし,損失は電機子巻線による銅損しか存在しないものとする。
正解:2
界磁が永久磁石なので界磁回路の損失はなく、損失は電機子銅損だけとみなせる。静止状態では逆起電力E=0だから始動電流Is=V/Raであり、電機子抵抗はRa=12/4=3Ωと求まる。定格運転では入力Pin=VI=12×1=12W、銅損Pc=I²Ra=1²×3=3Wであり、残りが機械的出力となってPout=12-3=9W。よって効率はη=Pout/Pin=9/12=0.75、すなわち75%で(2)が正解である。同じ計算はη=(V-RaI)/V=1-RaI/V=1-I/Isとも整理でき、定格電流と始動電流の比1/4を1から引くだけで0.75が得られる。銅損を始動電流4 Aで4²×3=48 Wとすると入力12 Wを超えてしまうので、損失は必ず定格運転時の電流1 Aで計算する。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 機械 問2
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 3
三相かご形誘導機に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:4
かご形回転子の製法には、溶融アルミを鉄心の溝と端絡環に一体で鋳込むアルミダイカスト形と、銅などの棒状導体を溝に納めて端絡環にろう付け・溶接する組立形がある。一体鋳込みができるのは中小容量までで、大容量機では大きな二次電流に見合う導電率と機械的強度が要るため、銅バーを用いた組立形が広く使われる。したがって「大容量の電動機にはアルミダイカスト回転子が広く用いられている」とした(4)が誤りで、これが正解。ほかは、(1)二次巻線・スリップリング・ブラシが不要で構造が簡単・安価、(2)小水力や風力で誘導発電機が実用されている、(3)回転速度が同期速度を超える発電運転ではs=(Ns-n)/Nsが負、(5)棒状導体の回転子は堅牢で過酷な使用に耐える、といずれも正しい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 機械 問3
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 4
一般的な三相かご形誘導電動機がある。 出力が大きい定格運転条件では,誘導機の等価回路の電流は,「二次電流≫励磁電流」であるから,励磁回路を省略しても特性をほぼ表現できる。さらに,「二次抵抗による電圧降下≫その他の電圧降下」となるので,一次抵抗と漏れリアクタンスを省略しても,おおよその特性を検討できる。 このような電動機でトルク一定負荷の場合に,電流80 A の定格運転から電源電圧と周波数を共に5 %下げて回転速度を少し下げた。このときの電動機の電流の値[A]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:3
励磁回路と一次抵抗・漏れリアクタンスを省いた簡易等価回路の二次電流はI=V/(r₂′/s)=sV/r₂′。二次入力はP₂=I²(r₂′/s)=sV²/r₂′、同期角速度はω_s∝fだから、トルクT=P₂/ω_s∝sV²/fとなる。電圧と周波数を共に0.95倍してトルクを元と等しく保つ条件は、s′(0.95V)²/(0.95f)=sV²/fより0.95s′=s、すなわちs′=s/0.95。このとき電流はI′=s′×0.95V/r₂′=(s/0.95)×0.95V/r₂′=sV/r₂′=Iとなり、80Aのまま変わらない。よって(3)。V/f一定でトルクが同じなら磁束も滑り角周波数も不変、と見ても同じである。電流も電圧に比例すると誤れば80×0.95=76Aで(2)に落ちる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 機械 問4
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 5
2 台の同期発電機を並列運転するためには,両発電機の(ア)に加えて,電圧の大きさ及び(イ)が一致していなければならない。発電機の並列に際し,これらの条件が一つでも満足されていなければ,並列と同時にじょう乱が発生するので,(ウ)を用いてこれらの3 条件が一致した同期状態にあることを確認したうえで並列する必要がある。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:3
同期発電機を並列運転する条件は、起電力の大きさ・位相・周波数が一致することである。本文は電圧の大きさと(イ)を別に挙げているので、(ア)には周波数が入る。(1)と(4)の回転速度は、極数が異なれば速度が違っても周波数は一致しうるため条件にならず、(2)の力率は並列後の無効電力分担にかかわる量で投入時の条件ではない。(イ)は電圧の大きさと並べて一致を問う文脈だから、(2)と(4)の方向ではなく位相である。(ウ)は三条件がそろった同期状態を一括して確かめる計器なので同期検定器(シンクロスコープ)であり、(1)の電流計、(4)の電圧計、(5)の周波数計はいずれも単一の量しか示せず、三条件の同時確認には使えない。よって(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 機械 問5
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 6
定格出力7 500 kV·A,定格電圧(線間電圧)3 300 V の星形結線三相同期発電機がある。また,定格電流に等しい持続短絡電流を流すのに必要な界磁電流は200 A,無負荷で定格電圧を発生するのに必要な界磁電流は240 A であった。発電機の出力端で三相短絡事故が発生したときに発電機の巻線に流れる持続短絡電流の実効値[A]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:2
短絡比は Ks=(無負荷で定格電圧を発生する界磁電流)/(定格電流に等しい持続短絡電流を流す界磁電流)=240/200=1.2 である。定格電流は In=S/(√3・V)=7 500×10³/(√3×3 300)=1 312 A。定格電圧を発生する励磁のまま出力端で三相短絡したときの持続短絡電流は Is=Ks×In=1.2×1 312=1 575 A となり、最も近い1 600の(2)が正解である。同期リアクタンスの単位法値 xs=1/Ks=0.833 を用いて Is=In/xs としても同じ値になる。なお短絡比を逆向きに 200/240=0.833 と置くと 0.833×1 312=1 093 A となり(1)の1 100に落ちるので、比の分母と分子に注意する。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 機械 問6
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 7
次の文章は,スイッチトリラクタンスモータ(SRM)に関する記述である。 一般に,SRM の構造は,固定子の巻線が(ア),回転子の形状が(イ)となっている。固定子の巻線に流す電流をスイッチで切り替えると,(イ)の回転子が,固定子の磁極に引き付けられて回転する。 このモータは,回転子の構造が簡単で強固であるため,(ウ)に適している。また,ネオジムなどの(エ)を使用せず,鉄心と巻線のみで磁気回路を構成できる特長を有する。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:3
SRMは固定子も回転子も突極の鉄心だけででき、回転子には巻線も永久磁石もない。励磁された固定子磁極が回転子の突極を引き付けるリラクタンストルクで回るので(イ)は突極形であり、(1)と(4)の円筒形では突極性がなくトルクが生じない。固定子は各突極に直接巻線を巻くから(ア)は集中巻で、(2)の分布巻は誤りである。回転子が単純で強固なため遠心力に耐え、磁石の飛散や減磁も心配がないので(ウ)は高速回転に適し、(2)と(5)の低速回転はこの特長の説明にならない。ネオジムは(エ)希土類磁石であり、(1)と(5)の軟磁性体は鉄心そのものだから「使用せず」が成り立たない。よって(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 機械 問7
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 8
次の文章は,太陽光発電設備におけるパワーコンディショナに関する記述である。 近年,住宅に太陽光発電設備が設置され,低圧配電線に連系されることが増えてきた。連系のためには,太陽電池と配電線との間にパワーコンディショナが設置される。パワーコンディショナは(ア)と系統連系用保護装置とが一体になった装置である。パワーコンディショナは,連系中の配電線で事故が生じた場合に,太陽光発電設備が(イ)状態を継続しないように,これを検出して太陽光発電設備を系統から切り離す機能をもっている。パワーコンディショナには,(イ)の検出のために,電圧位相や(ウ)の急変などを常時監視する機能が組み込まれている。ただし,配電線側で発生する(エ)に対しては,系統からの不要な切り離しをしないよう対策がとられている。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:3
太陽電池の直流を交流に変えて系統へ送り出すのは逆変換装置(インバータ)であり、(4)と(5)の整流装置は交流を直流に変える逆向きの装置なので(ア)は逆変換装置である。系統側の事故で配電線が停止したのに発電設備だけが局所負荷へ給電し続ける状態が単独運転で、(1)と(4)の自立運転は解列したうえで自家用負荷へ意図的に給電する正常な機能だから、検出して切り離す対象ではない。単独運転の受動的検出は電圧位相跳躍や周波数変化率をみるので(ウ)は周波数であり、(2)の発電電力は常時監視する量ではない。(エ)は配電線事故に伴う瞬時電圧低下で、(1)(4)(5)の停電は本来解列すべき事象である。よって(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 機械 問8
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 9
ある変圧器の負荷力率100 %における全負荷効率は98 %である。この変圧器の負荷力率80 %における全負荷効率[%]の値として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:3
全負荷すなわち定格電圧・定格電流での運転であれば、鉄損も銅損も力率には関係しないので、全損失は力率が変わっても同じである。定格容量をS、全負荷時の全損失をWとすると、力率100 %では出力がSだから η=S/(S+W)=0.98 となり、W=S(1/0.98−1)=0.0204S。力率80 %では出力が0.8Sに減るのに損失はWのままなので、η=0.8S/(0.8S+0.0204S)=0.8/0.8204=0.975、すなわち97.5 %の(3)が正解である。効率が力率に比例すると考えて0.98×0.8=0.784とすると(1)、逆に0.8/0.98=0.816とすると(2)に落ちる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 機械 問9
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 10
図のような直流チョッパがある。 直流電源電圧E=400 V,平滑リアクトルL=1 mH,負荷抵抗R=10 Ω,スイッチS の動作周波数f=10 kHz,通流率d=0.6 で回路が定常状態になっている。D はダイオードである。このとき負荷抵抗に流れる電流の平均値[A]として最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
問10の図
正解:2
図はスイッチSが上辺にあり、還流ダイオードDが縦に並列、その先にリアクトルLと負荷Rが続く典型的な降圧チョッパである。定常状態ではLの1周期平均電圧が0になるため、負荷側の平均電圧はDの両端に現れる方形波の平均値に等しく、Vo=dE=0.6×400=240 Vとなる。よって負荷電流の平均値はI=Vo/R=240/10=24.0 Aで、正解は(2)である。L=1 mHとf=10 kHzは平均値には効かず、リプルΔI=(E-Vo)dT/L=9.6 Aの半分4.8 Aが平均24 Aより小さいこと、つまり電流連続を確かめるための数値である。通流率を掛け忘れると400/10=40.0で(1)、オフ期間の比(1-d)を使うと0.4×400/10=16.0で(3)に落ちる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 機械 問10
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 11
巻上機によって電動機出力4 kW で質量900 kg の物体を一定速度で巻き上げているときの巻上速度の値[m/s]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし,機械効率は90 %,ロープの質量及び加速に要する動力については考慮しないものとする。なお,重力加速度は9.8 m/s² とする。
正解:2
一定速度での巻上げなので加速に要する動力は不要で、荷を吊り上げる仕事率だけを考えればよい。荷に加える力はF=mg=900×9.8=8820 Nである。電動機出力4 kWのうち機械効率90 %の分だけが荷に伝わるから、荷に届く動力はPη=4000×0.9=3600 W。一定速度vではPη=Fvが成り立つので、v=Pη/(mg)=3600/8820=0.408 m/sとなり、最も近い0.41すなわち(2)が正解である。効率を掛け忘れて4000/8820とすると0.4535で(3)の0.45、効率を二重に掛けて3600×0.9/8820とすると0.367で(1)の0.37になる。ηは荷に届く動力が電動機出力より小さくなる向きに使う、と確かめれば取り違えを防げる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 機械 問11
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 12
図に示すような幅6 m,奥行き8 m の長方形の駐車場の四隅に柱を立て,各柱の地上から5 m の頂点に全光束5 000 lm のランプを設置した。駐車場の中心O の水平面照度[lx]の値として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 ただし,各ランプは均等光源とする。
問12の図
正解:4
均等光源なので光度はI=F/(4π)=5000/(4π)=398 cdである。図では対角線の交点がOだから、各柱からOまでの水平距離は対角線の半分、すなわち√(6²+8²)/2=10/2=5.0 mとなる。ランプの取付高さはh=5 mなので、ランプからOまでの距離はr=√(5²+5²)=7.07 m、入射角の余弦はcosθ=h/r=5/7.07=0.707である。1灯あたりの水平面照度はE₁=I·cosθ/r²=398×0.707/50=5.63 lxで、四隅の4灯を重ね合わせてE=4×5.63=22.5 lxとなり正解は(4)。cosθを掛け忘れると4×398/50=31.8で(3)、1灯分で止めると5.6で(5)になるので、傾きの補正と灯数の二点を必ず確認したい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 機械 問12
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 13
一般のフィードバック制御系においては,制御系の安定性が要求され,制御系の特性を評価するものとして,(ア)特性と過渡特性がある。 サーボ制御系では,目標値の変化に対する追従性が重要であり,過渡特性を評価するものとして,(イ)応答の遅れ時間,立上り時間,(ウ)などが用いられる。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:3
(ア)は「制御系の特性を評価するもの」として過渡特性と並べられているので、その対概念である定常特性が入る。追従性は次の文でサーボ制御系の性質として別に述べられており、(ア)に「追従」と書く(2)と(4)はここで落ちる。(イ)は続く遅れ時間・立上り時間がいずれも単位ステップ入力に対する応答で定義される量なので、ステップである。「インパルス」と書く(4)と(5)は不適で、インパルス応答は伝達関数の同定などに使う。(ウ)も同じくステップ応答から読む過渡特性の指標だから行過ぎ量(オーバーシュート)となる。「定常偏差」と書く(1)と(5)は、十分時間が経った後に残る誤差=定常特性の指標なので過渡特性には該当しない。残るのは(3)である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 機械 問13
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 14
図の論理回路に,図に示す入力A,B 及びC を加えたとき,出力X として正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
問14の図
正解:3
回路は上側のANDにAとCが、下側のANDにBとCをNOTで反転したものが入り、両出力をORしているのでX=A·C+B·(Cを反転したもの)となる。つまりCが1の区間はAがそのままXに現れ、Cが0の区間はBがそのまま現れる。入力図の縦破線3本がCの変化点で、Cは0→1→0→1と変わるから区間は四つに切れる。第1区間(C=0)はBのパルスが1個出る。第2区間(C=1)はAのパルスが2個出て、この間にあるBのパルスは出ない。第3区間(C=0)はBのパルスが1個で、ここにあるAのパルスは出ない。第4区間(C=1)はAのパルスが2個で、Bだけが立つパルスは出ない。合計6個になる波形は(3)だけであり、(1)と(5)は5個、(2)と(4)は4個しかない。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 機械 問14
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 15(a)
三相誘導電動機について,次の(a)及び(b)に答えよ。 〔小問(a)〕 一次側に換算した二次巻線の抵抗r₂′と滑りsの比 r₂′/s が,他の定数(一次巻線の抵抗r₁,一次巻線のリアクタンスx₁,一次側に換算した二次巻線のリアクタンスx₂′)に比べて十分に大きくなるように設計された誘導電動機がある。この電動機を電圧Vの電源に接続して運転したとき,この電動機のトルクTと滑りs,電圧Vの関係を表す近似式として,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 ただし,kは定数である。
正解:4
L形等価回路のトルクは T = (3/ω_s)·V²(r₂′/s)/{(r₁+r₂′/s)²+(x₁+x₂′)²} である。r₂′/s が r₁, x₁, x₂′ に比べて十分大きいと、分母は (r₂′/s)² が支配的になり (r₁+r₂′/s)²+(x₁+x₂′)² ≒ (r₂′/s)² と近似できる。代入すると T ≒ (3/ω_s)·V²(r₂′/s)/(r₂′/s)² = 3V²s/(ω_s·r₂′) となり、r₂′ と同期角速度 ω_s は定数だから T = kV²s。トルクは電圧の2乗と滑りの積に比例し、比例推移の直線部に対応する。よって正解は (4)。分母を定数扱いして分子の r₂′/s だけを残すと T = kV²/s となり (3) を選ぶ誤りになる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 機械 問15(a)
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 15(b)
三相誘導電動機について,次の(a)及び(b)に答えよ。 〔小問(b)〕 上記(a)で示された条件で設計された定格電圧220 V,同期速度1 200 min⁻¹の三相誘導電動機がある。この電動機を電圧220 V の電源に接続して,一定トルクの負荷で運転すると,1 140 min⁻¹の回転速度で回転する。この電動機に供給する電源電圧を200 V に下げたときの電動機の回転速度[min⁻¹]の値として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 ただし,電源電圧を下げたとき,負荷トルクと二次抵抗は変化しないものとする。
正解:2
(a)で求めたとおり、この電動機のトルクは T = kV²s と近似できる。定格220 V での滑りは、同期速度1 200 min⁻¹ と回転速度1 140 min⁻¹ から s₁ = (1 200−1 140)/1 200 = 0.05。負荷トルクも二次抵抗も不変だから V²s が一定になる。よって 220²×0.05 = 200²×s₂ より s₂ = 0.05×(220/200)² = 0.0605。回転速度は N = 1 200×(1−0.0605) = 1 127.4 min⁻¹ となり、(2) 1 127 が最も近い。電圧比を逆に取り 0.05×(200/220)² = 0.0413 とすると 1 150 min⁻¹ となって (1) を選ぶので注意する。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 機械 問15(b)
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 16(a)
図のように他励直流機を直流チョッパで駆動する。電源電圧はE = 200 V で一定とし,直流機の電機子電圧をVとする。IGBT Q₁及びQ₂をオンオフ動作させるときのスイッチング周波数は500 Hz であるとする。なお,本問では直流機の定常状態だけを扱うものとする。次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 この直流機を電動機として駆動する場合,Q₂をオフとし,Q₁をオンオフ制御することで,Vを調整することができる。電圧V₁の平均値が150 V のとき,1 周期の中でQ₁がオンになっている時間の値[ms]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
問16(a)の図
正解:2
図でQ₁は上アーム、Q₂は下アームであり、V₁はレグ中点と負母線間の電圧である。Q₂をオフにしてQ₁だけをオンオフする力行運転は降圧チョッパ動作で、Q₁オン時は電源が直結され V₁ = E = 200 V、Q₁オフ時は電機子電流が下アームの還流ダイオードを環流するので V₁ = 0 V となる。したがって通流率をDとすれば V₁ の平均値は V₁av = ED である。スイッチング周波数が500 Hz なので1周期は T = 1/500 = 2×10⁻³ s = 2 ms。V₁av = 150 V より D = 150/200 = 0.75 だから、Q₁のオン時間は t_on = DT = 0.75×2 = 1.50 ms となり正解は (2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 機械 問16(a)
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 16(b)
図のように他励直流機を直流チョッパで駆動する。電源電圧はE = 200 V で一定とし,直流機の電機子電圧をVとする。IGBT Q₁及びQ₂をオンオフ動作させるときのスイッチング周波数は500 Hz であるとする。なお,本問では直流機の定常状態だけを扱うものとする。次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(b)〕 Q₁をオフしてQ₂をオンオフ制御することで,電機子電流の向きを(a)の場合と反対にし,直流機に発電動作(回生制動)をさせることができる。この制御において,スイッチングの1 周期の間でQ₂がオンになっている時間が0.4 ms のとき,この直流機の電機子電圧Vの値[V]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
問16(b)の図
正解:4
回生制動ではQ₁をオフしQ₂をオンオフする。電機子電流は(a)と逆向きに直流機から中点へ流れ、Q₂オン時は電流がQ₂を通って負母線へ流れ V₁ = 0 V、Q₂オフ時は上アームの還流ダイオードを通って電源へ回生され V₁ = E = 200 V となる。これは昇圧チョッパ動作で、通流率D₂に対し V₁av = E(1−D₂)。周期は 1/500 = 2 ms、Q₂のオン時間0.4 ms より D₂ = 0.4/2 = 0.2 なので V₁av = 200×(1−0.2) = 160 V。定常状態では平滑リアクトルの平均電圧が0だから、電機子電圧は V = V₁av = 160 V で (4) が正解。E/(1−D₂) = 250 V と逆に取ると (2) になる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 機械 問16(b)
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 17(a)
熱効率が70 %で一定の電熱装置について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 0 ℃の氷5 kg を加熱したところ30 min ですべて0 ℃の水になった。融解熱が334 kJ/kg のとき電熱装置の消費電力の値[kW]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:2
0 ℃の氷を0 ℃の水に変えるのに要する熱量は、温度が変わらないので融解潜熱だけであり、Q = m·L = 5 kg × 334 kJ/kg = 1 670 kJ である。これを30 min = 1 800 sで与えるので、水が実際に受け取る有効熱出力は P_out = 1 670 kJ ÷ 1 800 s = 0.928 kW になる。熱効率70 %は消費電力のうち70 %が有効熱になるという意味だから、消費電力は P_in = P_out ÷ 0.7 = 0.928 ÷ 0.7 = 1.33 kW となり、最も近い(2) 1.4 kWが正解である。0.7で割るのを忘れると0.928 kWのままとなり(1) 0.9 を選んでしまうので注意したい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 機械 問17(a)
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 17(b)
熱効率が70 %で一定の電熱装置について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(b)〕 電熱装置の消費電力が1.7 kW のとき,0 ℃の水5 kg が50 ℃になるのに要する時間[min]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし,水の比熱は4.2 kJ/(kg·K)とする。
正解:2
0 ℃の水5 kgを50 ℃まで上げるのは温度変化を伴う顕熱なので、Q = m·c·ΔT = 5 kg × 4.2 kJ/(kg·K) × 50 K = 1 050 kJ である。熱効率70 %より、消費電力1.7 kWのうち水に伝わる有効熱出力は P_out = 1.7 kW × 0.7 = 1.19 kW となる。よって所要時間は t = Q ÷ P_out = 1 050 kJ ÷ 1.19 kW = 882 s、分に直すと882 ÷ 60 = 14.7 min であり、最も近い(2) 15 minが正解である。効率を掛け忘れて1 050 ÷ 1.7 = 618 s = 10.3 min とすると(1) 11 に落ちる。ここでは融解熱は使わない。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 機械 問17(b)
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 18(a)
図は,出力信号y を入力信号x に一致させるように動作するフィードバック制御系のブロック線図である。次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 図において,K = 2,T = 0.5として,入力信号からフィードバック信号までの一巡伝達関数(開ループ伝達関数)を表す式を計算し,正しいものを次の(1)~(5)から一つ選べ。
問18(a)の図
正解:2
一巡伝達関数(開ループ伝達関数)は主フィードバックを切り、入力から帰還信号まで一巡する経路の伝達関数である。求める手順は、内側のマイナループを先にまとめることである。制御対象1/(jωT)はその出力を直前の加え合わせ点へ負帰還しているから、この内側閉ループは {1/(jωT)} ÷ {1 + 1/(jωT)} = 1/(1 + jωT) にまとまる。これに制御器のKを直列に掛けて G = K/(1 + jωT) となり、K = 2、T = 0.5を代入すると G = 2/(1 + jω0.5)。よって(2)が正解である。Kを掛け忘れると(3)、主フィードバックまで閉じてy/xを求めると2/(3 + jω0.5)すなわち(5)になる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 機械 問18(a)
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 18(b)
図は,出力信号y を入力信号x に一致させるように動作するフィードバック制御系のブロック線図である。次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(b)〕 (a)で求めた一巡伝達関数において,ω を変化させることで得られるベクトル軌跡はどのような曲線を描くか,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
問18(b)の図
正解:3
(a)より一巡伝達関数は G(jω) = 2/(1 + jω0.5) である。分母を有理化すると G = 2(1 − jω0.5)/(1 + 0.25ω²)となり、虚部は常に負だから軌跡は下半平面にある。これで上半平面に描かれた(1)(2)が消える。次にω = 0を代入すると G = 2/1 = 2.0で、実軸との交点は2.0である。交点を0.67(= 2/3)としている(4)(5)も消え、(3)だけが残る。仕上げに位相を確かめると、偏角 −arctan(0.5ω)が−45°になるのは0.5ω = 1すなわちω = 2 rad/sで、このとき G = 1 − j1。(3)の−45°方向の点の表示ω = 2 rad/sと一致する。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 機械 問18(b)
報告ありがとうございました。内容を確認します。

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