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電験3種 2023年度下期(令和5年度下期) 電力

17問 ・ 目安 正答率60% ・ 2024年3月24日実施

電験三種(第三種電気主任技術者)の2023年度下期(令和5年度下期) 電力試験で実際に出題された全17問を、1問ずつその場で答え合わせしながら演習できます。2024年3月24日実施・合否の目安は正答率60%(演習の目安)。各問に正解と、なぜその選択肢になるのかの解説を付けています。

本試験の合格基準:理論・電力・機械・法規の科目ごとに合否判定。各科目100点満点中原則60点以上で科目合格、4科目すべて合格で試験合格。

この回:令和5年度下期・電力:合格基準は100点満点中60点以上(筆記方式の公表値)。

出典:令和5年度第三種電気主任技術者下期試験の結果について(令和6年4月16日)。このページの「目安 正答率60%」は演習の目安で、本試験の採点方法とは異なります。

この回は 一般財団法人 電気技術者試験センター が公開する本試験問題を、当サイトがその場で答え合わせできる一問一答形式に再編し、公式には付いていない「正解の根拠・各選択肢の解き方」の解説を追記したものです。原題の出典は各問に明記しています。

過去問の解答結果は学習記録・段位には反映されません。過去問は出題当時の法令・制度にもとづく問題を含むため、段位は継続して最新化している一問一答・模擬試験だけで判定しています。過去問を解かなくても段位で不利になることはありませんので、実力試しとして気軽にお使いください。

問 1
次の文章は,水力発電の理論式に関する記述である。 図に示すように,放水地点の水面を基準面とすれば,基準面から貯水池の静水面までの高さ H_g[m]を一般に (ア) という。また,水路や水圧管の壁と水との摩擦によるエネルギー損失に相当する高さ h₁[m]を (イ) という。さらに,H_g と h₁ の差 H=H_g−h₁ を一般に (ウ) という。 今,Q[m³/s]の水が水車に流れ込み,水車の効率を η_w とすれば,水車出力 P_w は (エ) になる。さらに,発電機の効率を η_g とすれば,発電機出力 P は (オ) になる。ただし,重力加速度は9.8 m/s² とする。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
問1の図
正解:3
放水地点の水面(基準面)から貯水池の静水面までの高さが総落差 H_g,水路や水圧管の摩擦で失われるエネルギーを高さに換算したものが損失水頭 h₁,実際に水車が使える落差 H=H_g−h₁ が有効落差である。水車出力は P_w=9.8QHη_w[kW],発電機出力は P=9.8QHη_wη_g[kW]で,[kW]を10³倍すれば[W]になる。この問題は(エ)(オ)では答が決まらないことに注意したい。9.8QHη_w[kW]と9.8QHη_w×10³[W]は同じ値なので,(1)(3)(4)(5)の(エ)(オ)はすべて同じことを述べている。したがって(ア)(イ)(ウ)の用語だけで判断することになり,「実効落差」「自然落差」「基準落差」「位置水頭」「圧力水頭」「速度水頭」はいずれもここでの正式な呼び名ではない。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 電力 問1
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 2
定格出力1 000 MW,速度調定率5 %のタービン発電機と,定格出力300 MW,速度調定率3 %の水車発電機が電力系統に接続され,前者は80 %出力,後者は60 %出力にて定格周波数(50 Hz)でガバナフリー運転を行っている。 負荷が急変して,系統周波数が0.2 Hz 低下したとき,タービン発電機と水車発電機の出力[MW]の組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 ただし,このガバナフリー運転におけるガバナ特性は直線とし,次式で表される速度調定率に従うものとする。また,この系統内で周波数調整を行っている発電機はこの2 台のみとする。 速度調定率={(n₂−n₁)/nₙ}÷{(P₁−P₂)/Pₙ}×100 [%] P₁:初期出力[MW],P₂:変化後の出力[MW],Pₙ:定格出力[MW] n₁:出力 P₁ における回転速度[min⁻¹],n₂:変化後の出力 P₂ における回転速度[min⁻¹],nₙ:定格回転速度[min⁻¹]
正解:4
速度調定率の式を出力について解くと (P₁−P₂)/Pₙ={(n₂−n₁)/nₙ}×100÷(速度調定率)となる。回転速度の変化率は周波数の変化率に等しいので (n₂−n₁)/nₙ=−0.2/50=−0.004 である。 タービン発電機:(P₁−P₂)/1 000=−0.004×100/5=−0.08 より P₁−P₂=−80 MW。初期出力は1 000×0.8=800 MW だからP₂=800+80=880 MW。 水車発電機:(P₁−P₂)/300=−0.004×100/3=−0.1333 より P₁−P₂=−40 MW。初期出力は300×0.6=180 MW だからP₂=180+40=220 MW。 周波数が下がれば発電機は出力を増やす(負荷を分担しに行く)ので,出力が初期値より小さくなる(1)は符号を取り違えた値である(実際 800−80=720,180−40=140 と一致する)。(3)の867・213は定格周波数を60 Hz として計算した値,(5)の933・204は2台の速度調定率を入れ替えて計算した値で,いずれも本問の条件とは合わない。答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 電力 問2
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 3
次の文章は,汽力発電所の復水器に関する記述である。 汽力発電所の復水器は,タービンの (ア) を冷却し水に戻して復水を回収する装置である。内部の (イ) を保持することで,タービンの入口蒸気と出口蒸気の (ウ) を大きくし,タービンの (エ) を高めている。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:3
復水器が受け取るのはタービンを出た後の排気蒸気である。抽気蒸気はタービンの途中段から取り出して給水加熱器へ送る蒸気で,復水器の対象ではない。復水器は蒸気を冷却して体積の小さい水に戻すことで内部を高真空に保ち,タービン出口の圧力を大気圧よりはるかに低く下げる。こうして入口蒸気と出口蒸気の圧力差(熱落差)を大きくすることで,同じ蒸気からより多くの仕事を取り出せるので熱効率が高くなる。タービンの回転速度は系統周波数と極数で決まるもので,復水器の真空度で変えるものではない。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 電力 問3
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 4
軽水炉で使用されている原子燃料に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:3
誤りは(3)である。軽水炉は減速材と冷却材に軽水(普通の水)を使う。軽水は中性子を吸収しやすいため天然ウラン(ウラン235 が約0.7 %)のままでは連鎖反応を維持できず濃縮が必要になるが,必要な濃縮度は3~5 %程度の低濃縮ウランである。濃縮度90 %程度の高濃縮ウランは研究炉や核兵器で扱う領域であり,商用の軽水炉では使わない。他の記述は正しい。(1)核分裂性物質はウラン235・プルトニウム239,(2)二酸化ウランの粉末を焼き固めたペレットを被覆管に詰めて使う,(4)ウラン238 は中性子を吸収してプルトニウム239 に変わるので親物質(親核種)と呼ばれる,(5)天然ウランの組成はウラン235 が約0.7 %で残りはほぼウラン238 である。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 電力 問4
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 5
分散型電源に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:5
誤りは(5)である。燃料電池は水素と酸素が結合して水になる反応(酸化反応)を利用するが,これは熱を出す発熱反応であり,吸熱反応ではない。燃料電池はこの化学反応のエネルギーを燃焼させずに直接電気エネルギーとして取り出す装置で,回転部分がないため負荷変動への応答が早いという記述自体は正しい。他は正しい。(4)については,交流でケーブル送電すると線路の静電容量に常時充電電流が流れて調相設備による補償が要るが,直流では定常状態で静電容量に電流が流れないためその補償が不要になる。答(5)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 電力 問5
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 6
次の文章は,変圧器のY-Y 結線方式の特徴に関する記述である。 一般に,変圧器のY-Y 結線は,一次,二次側の中性点を接地でき,1 線地絡などの故障に伴い発生する (ア) の抑制,電線路及び機器の絶縁レベルの低減,地絡故障時の (イ) の確実な動作による電線路や機器の保護等,多くの利点がある。 一方,相電圧は (ウ) を含むひずみ波形となるため,中性点を接地すると, (ウ) 電流が線路の静電容量を介して大地に流れることから,通信線への (エ) 障害の原因となる等の欠点がある。このため, (オ) による三次巻線を設けて,これらの欠点を解消する必要がある。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:3
中性点を接地する主な目的は,1 線地絡時に健全相の対地電圧が跳ね上がるのを防ぐこと(異常電圧の抑制)と,地絡電流を確実に流して地絡保護リレーを動作させることである。避雷器は雷サージを大地に逃がす機器で,中性点接地によって動作が確実になるものではないから(イ)は保護リレーになる。 Y-Y 結線の欠点は励磁電流に含まれる第三調波の行き場がないことにある。第三調波は各相同相(零相)で,Δ結線があれば結線内を循環できるが,Y-Y にはその経路がないため相電圧が第三調波を含むひずみ波形になる。中性点を接地すると第三調波電流が線路の静電容量を通って大地に流れ,並行する通信線に電磁誘導障害を与える。これを避けるため,第三調波を循環させる経路としてΔ結線の三次巻線(安定巻線)を設ける。したがってY-Y-Δ結線として使うのが一般的である。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 電力 問6
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 7
次の文章は,配電線路の電圧調整に関する記述である。誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:3
誤りは(3)である。電力用コンデンサは,それを接続した点から電源側の区間に流れる無効電流を打ち消す。したがって負荷にできるだけ近いところ,つまり低圧配電線路ごとに接続した方が,無効電流の流れる区間が短くなり,線路損失と電圧降下の低減効果が大きい。上流の高圧配電線路にまとめて接続すると,低圧配電線路を流れる無効電流はそのまま残るので効果が小さくなる。他は正しい。(4)は電線を太くすると1 線当たりの抵抗が下がるため電圧降下が小さくなること,(5)は電圧を直接変える方式と無効電力潮流を変える方式の2 通りがあることを述べている。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 電力 問7
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 8
架空送電線路の構成要素に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:2
誤りは(2)である。トーショナルダンパは,電線に生じた上下方向の振動を減衰しやすいねじり振動に変換して振動エネルギーを吸収する器具で,目的は微風振動の抑制である。着雪防止を狙った器具ではない。難着雪対策には難着雪リングやねじれ防止ダンパが,ギャロッピングによる短絡防止には(4)の相間スペーサが用いられるので,この選択肢は他の器具の役割を混ぜた記述になっている。他は正しい。(1)アークホーンはアークをがいし本体から離れた電極間に飛ばしてがいしの破損を防ぐもの,(3)アーマロッドはクランプ付近の電線に同材質の補強線を巻いて素線切れやアークによる溶断を防ぐもの,(5)埋設地線は塔脚接地抵抗を下げて,鉄塔電位の上昇による逆フラッシオーバを抑えるものである。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 電力 問8
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 9
次の文章は,送電線路における架空地線に関する記述である。 送電線路の鉄塔の上部に十分な強さをもった (ア) を張り,鉄塔を通じて接地したものを架空地線といい,送電線への直撃雷を防止するために設置される。 図において,架空地線と送電線とを結ぶ直線と,架空地線から下ろした鉛直線との間の角度 θ を (イ) と呼んでいる。この角度が (ウ) ほど直撃雷を防止する効果が大きい。 架空地線や鉄塔に直撃雷があった場合,鉄塔から送電線に (エ) を生じることがある。これを防止するために,鉄塔の接地抵抗を小さくするような対策が講じられている。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
問9の図
正解:1
架空地線は雷電流を鉄塔経由で大地へ流すためのものなので,導電性が必要であり裸線を張る(絶縁電線では役に立たない)。架空地線と送電線を結ぶ直線と鉛直線のなす角 θ を遮へい角といい,これが小さいほど送電線が架空地線の傘の内側に深く入るので,直撃雷を防ぐ効果(遮へい効果)が大きい。 架空地線や鉄塔に落雷すると雷電流が塔脚接地抵抗を流れて鉄塔の電位が急上昇し,鉄塔側から送電線側へ向かって絶縁が破れることがある。通常と向きが逆になるのでこれを逆フラッシオーバという。塔脚接地抵抗を小さくすれば鉄塔の電位上昇が抑えられるので,埋設地線などで接地抵抗を下げる対策が採られる。答(1)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 電力 問9
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 10
我が国の地中送電線路に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:3
誤りは(3)の最後の一文である。誘電体損は絶縁体の誘電正接 tanδ に比例するが,架橋ポリエチレン(CV ケーブル)の tanδ は油浸紙(OF ケーブル)より1 桁小さい。したがって誘電体損は一般にCV ケーブルの方が小さく,OF ケーブルの方が大きい。記述は逆である。同じ(3)の前半,すなわち抵抗損とシース損が導体電流に起因する損失であること(シース損は導体電流がつくる磁束によってシースに生じる),誘電体損が電圧と同位相の電流成分に起因する損失であることは正しい。他の選択肢はいずれも正しい記述である。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 電力 問10
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 11
直流送電に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:3
誤りは(3)である。交流は1 周期に2 回,電流が零になる瞬間(電流零点)があるので,その瞬間をねらえばアークを消して遮断できる。ところが直流には電流零点がないため,アークがいつまでも続いて消えにくく,高電圧大電流の遮断は交流よりはるかに難しい。このため直流遮断器は,強制的に電流零点をつくる回路を組み込むなど構造が複雑で高価になる。他は正しい。(2)は直流には位相の概念がなく同期安定度の制約を受けないこと,(4)は変圧器が電磁誘導を利用するため直流ではそのまま電圧を変えられないこと,(5)は交直変換器のスイッチング動作で高調波が発生し,交流側にフィルタが必要になることを述べている。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 電力 問11
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 12
両端の高さが同じで径間距離250 m の架空電線路があり,電線1 m 当たりの重量は20.0 N で,風圧荷重はないものとする。 今,水平引張荷重が40.0 kN の状態で架線されているとき,たるみ D の値[m]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:2
たるみ D は D=WS²/(8T) で求められる。W は電線1 m 当たりの荷重[N/m],S は径間距離[m],T は水平引張荷重[N]である。 W=20.0 N/m,S=250 m,T=40.0 kN=40 000 N を代入すると D=20.0×250²/(8×40 000)=1 250 000/320 000=3.90 m となる。単位の取り違えに注意したい。引張荷重が kN で与えられているので,N に直さずに計算すると答が1 000 倍ずれる。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 電力 問12
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 13
単相2 線式及び単相3 線式の線路での電力損失について,次の問に答えよ。 下図のように,単相100 V の抵抗負荷に単相2 線式及び単相3 線式の低圧配電方式で送電する。負荷の総容量は同一であり,3 線式の場合,負荷は図のように線間に均等分割されるものとする。単相2 線式での線路の抵抗損を1 とすると,単相3 線式の線路の抵抗損は 1/5 であった。このとき,単相2 線式での線路の1 線当たりの抵抗に対して,単相3 線式での線路の1 線当たりの抵抗はどのような大きさとなるか。最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
問13の図
正解:4
単相2 線式の1 線当たりの抵抗を r₂,単相3 線式の1 線当たりの抵抗を r₃ とする。負荷の総容量を P_L,電圧を100 V とすると,単相2 線式の線電流は I=P_L/100 で,往復2 線に流れるので抵抗損は 2I²r₂ である。 単相3 線式では負荷が線間に P_L/2 ずつ均等分割されるので,各線間の電圧も100 V であり電流は I/2 になる。上下が平衡しているため中性線には電流が流れず,外側2 線だけに I/2 が流れる。したがって抵抗損は 2×(I/2)²×r₃=(1/2)I²r₃ である。 両者の比が 1/5 だから {(1/2)I²r₃}÷(2I²r₂)=r₃/(4r₂)=1/5 r₃/r₂=4/5=0.8 となる。中性線に電流が流れないことを見落として3 線分の損失を数えると答が変わってしまうので注意したい。答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 電力 問13
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 14
電線の導体に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:5
誤りは(5)である。硬銅線は軟銅線より引張強度が大きいので,自らの重みと張力に耐える必要がある架空送電線・架空配電線の導体として実際に広く使われてきた。曲げにくいという性質は事実だが,それは「使われることはない」理由にはならない。 他は正しい。(1)地中ケーブルは管路の中を引き入れたり曲げたりするので,伸びと可とう性に優れる軟銅線を使う。(3)鋼心アルミより線(ACSR)は,引張強度を鋼心が,導電を周囲のアルミが受け持つ構造で,同じ抵抗の銅線より軽くて外径が大きく,コロナ対策にも有利になる。(4)アルミの導電率は銅の約6 割だが密度は約3 割なので,同じ抵抗・同じ長さで比べると断面積を大きくしてもなおアルミの方が軽い。答(5)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 電力 問14
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 15(a)
ある需要端の負荷に対し,水力発電所1 か所と重油専焼汽力発電所1 か所によって電力を供給する場合において,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 水力発電所の最大使用水量20 m³/s,総落差200 m,損失水頭7 m,水車と発電機の総合効率85 %,年間の設備利用率60 %としたとき,この発電所の年間発電電力量[GW·h]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正解:3
有効落差は総落差から損失水頭を引いて H=200−7=193 m である。最大使用水量で運転したときの出力は P=9.8×Q×H×η=9.8×20×193×0.85=32 154 kW≒32.2 MW となる。年間の設備利用率60 %とは,最大出力で1 年間運転した場合の電力量の60 %を実際に発電したという意味なので,年間発電電力量は W=32 154×8 760×0.60=1.69×10⁸ kW·h=169 GW·h である。最も近いのは170 GW·h。損失水頭を引かずに総落差200 m のまま計算すると175 GW·h になり,(4)を選んでしまうので,有効落差を使うことを忘れないようにしたい。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 電力 問15(a)
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 15(b)
ある需要端の負荷に対し,水力発電所1 か所と重油専焼汽力発電所1 か所によって電力を供給する場合において,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(b)〕 需要端の負荷に供給する最大電力が100 MW,年負荷率60 %の場合,汽力発電所における重油の年間の消費量[kL]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 ただし,この汽力発電所の発電端熱効率は40 %で運転出力に関わらず一定とする。使用する重油の発熱量は39 100 kJ/L とし,発電所から需要端までの送電損失,発電所内損失は無視するものとする。
正解:3
需要端が1 年間に必要とする電力量は,最大電力に年負荷率と年間時間を掛けて W=100 000 kW×8 760 h×0.60=5.256×10⁸ kW·h=525.6 GW·h である。このうち小問(a)で求めた169 GW·h を水力が分担するので,汽力発電所の分担は 525.6−169.0=356.6 GW·h=3.566×10⁸ kW·h となる。1 kW·h=3 600 kJ なので,発電端熱効率40 %で必要な燃料の熱量は Q=3.566×10⁸×3 600÷0.40=3.21×10¹² kJ である。重油の発熱量が39 100 kJ/L だから消費量は V=3.21×10¹²÷39 100=8.21×10⁷ L=82 100 kL となり,最も近いのは82 000 kL である。水力の分担を差し引かずに需要端の全量を汽力で発電したとして計算すると約121 000 kL になり(5)を選ぶことになるので,小問(a)の結果を使う点に注意したい。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 電力 問15(b)
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 16(a)
図のような系統において,昇圧用変圧器の容量は30 MV·A,変圧比は11 kV/33 kV,百分率インピーダンスは自己容量基準で7.8 %,計器用変流器(CT)の変流比は400 A/5 A である。系統の点F において,三相短絡事故が発生し,1 800 A の短絡電流が流れたとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 ただし,CT の磁気飽和は考慮しないものとする。 〔小問(a)〕 系統の基準容量を10 MV·A としたとき,事故点F から電源側をみた百分率インピーダンスの値[%]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
問16(a)の図
正解:2
百分率インピーダンスは,基準電流を短絡電流で割って求めることができる。基準容量10 MV·A,33 kV 系統の基準電流は I_n=10×10⁶÷(√3×33×10³)=175 A である。短絡電流が1 800 A なので,事故点から電源側をみた百分率インピーダンスは %Z=(I_n/I_s)×100=(175/1 800)×100=9.7 % となる。 なお変圧器の7.8 %は自己容量30 MV·A 基準なので,10 MV·A 基準に換算すると7.8×(10/30)=2.6 %である。全体の9.7 %からこれを引いた約7.1 %が電源側の内部インピーダンスに相当する。変圧器の値を換算せずにそのまま足したり,短絡電流から求める手順を飛ばしたりすると答が合わないので注意したい。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 電力 問16(a)
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 16(b)
図のような系統において,昇圧用変圧器の容量は30 MV·A,変圧比は11 kV/33 kV,百分率インピーダンスは自己容量基準で7.8 %,計器用変流器(CT)の変流比は400 A/5 A である。系統の点F において,三相短絡事故が発生し,1 800 A の短絡電流が流れたとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 ただし,CT の磁気飽和は考慮しないものとする。 〔小問(b)〕 過電流継電器(OCR)を0.09 s で動作させるには,OCR の電流タップ値を何アンペアの位置に整定すればよいか,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 ただし,OCR のタイムレバー位置は3 に整定されており,タイムレバー位置10 における限時特性は図示のとおりである。
問16(b)の図
正解:4
順序は「CT 二次電流を求める → タイムレバーを換算する → 限時特性図で倍数を読む → タップ値を求める」となる。 ① 短絡電流1 800 A は変流比400 A/5 A のCT を通ると,二次側では  1 800×5/400=22.5 A になる。 ② OCR の動作時間はタイムレバー位置に比例する。タイムレバー位置3 で0.09 s ということは,図が描かれているタイムレバー位置10 では  0.09×10/3=0.30 s に相当する。 ③ 限時特性図で動作時間0.30 s を読み取ると,タップ整定電流の倍数は5 倍である。 ④ 二次電流22.5 A がタップ値の5 倍になればよいので,タップ値は  22.5÷5=4.5 A となる。②のタイムレバー換算を忘れて0.09 s のまま図を読もうとすると,図の範囲外になって解けない。答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 電力 問16(b)
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 17(a)
図のような単相3 線式配電線路がある。系統の中間点に図のとおり負荷が接続されており,末端のAC 間に太陽光発電設備が逆変換装置を介して接続されている。各部の電圧及び電流が図に示された値であるとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 ただし,図示していないインピーダンスは無視するとともに,線路のインピーダンスは抵抗であり,負荷の力率は1,太陽光発電設備は発電出力電流(交流側)15 A,力率1 で一定とする。 〔小問(a)〕 図中の回路の空白箇所(ア)~(ウ)に流れる電流の値[A]の組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
問17(a)の図
正解:2
太陽光発電設備はA-C 間に接続され,交流側15 A を送り出している。すなわちA 点へ15 A が流れ込み,同じ15 A がC 点から流れ出す。これを踏まえて各節点で電流の出入りを合わせればよい。 上側外線の中間点:この点からA 点側へ向かう区間には,A 点から中間点へ向かって15 A が流れている。一方この点では上側負荷が20 A を消費する。したがって電源側から流れ込む(ア)は  (ア)=20−15=5 A となる。太陽光発電が負荷の一部を肩代わりしている形である。 下側外線の中間点:C 点へ15 A が流れ出し,この点で下側負荷が15 A を消費する。下側負荷の15 A は中性線から供給されるので,電源側から流れる(ウ)は  (ウ)=15−15=0 A となる。 中性線:上側負荷20 A と下側負荷15 A の差が流れるので  (イ)=20−15=5 A である。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 電力 問17(a)
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問 17(b)
図のような単相3 線式配電線路がある。系統の中間点に図のとおり負荷が接続されており,末端のAC 間に太陽光発電設備が逆変換装置を介して接続されている。各部の電圧及び電流が図に示された値であるとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 ただし,図示していないインピーダンスは無視するとともに,線路のインピーダンスは抵抗であり,負荷の力率は1,太陽光発電設備は発電出力電流(交流側)15 A,力率1 で一定とする。 〔小問(b)〕 図中AB 間の端子電圧 V_AB の値[V]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
問17(b)の図
正解:4
電源の中性点を電位の基準(0 V)にとると,電源の上側端子は+105 V である。ここからA 点,B 点の電位を順にたどる。 上側外線:電源から中間点までの区間には小問(a)の(ア)=5 A が負荷へ向かって流れるので,中間点の電位は 105−5×0.1=104.5 V。中間点からA 点までの区間には15 A がA 点から中間点へ向かって流れる(向きが逆)ので,A 点の電位はさらに 15×0.1=1.5 V 高くなり  V_A=104.5+1.5=106.0 V となる。 中性線:電源から中間点までの区間には(イ)=5 A が電源へ向かって流れるので,中間点の電位は 5×0.1=0.5 V だけ高く+0.5 V。中間点からB 点までの区間には電流が流れない(B 点には何も接続されていない)ので  V_B=0.5 V である。 したがって  V_AB=106.0−0.5=105.5 V となる。太陽光発電の逆潮流によって末端A 点の電位が電源電圧105 V より高くなっている点がこの問題の要点である。答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 電力 問17(b)
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