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電験3種 2021年度(令和3年度) 機械

18問 ・ 目安 正答率60% ・ 2021年8月22日実施

電験三種(第三種電気主任技術者)の2021年度(令和3年度) 機械試験で実際に出題された全18問を、1問ずつその場で答え合わせしながら演習できます。2021年8月22日実施・合否の目安は正答率60%(演習の目安)。各問に正解と、なぜその選択肢になるのかの解説を付けています。

本試験の合格基準:理論・電力・機械・法規の科目ごとに合否判定。各科目100点満点中原則60点以上で科目合格、4科目すべて合格で試験合格。

この回:令和3年度・機械:合格基準は100点満点中60点以上(試験センターの公表値)。

出典:令和3年度第三種電気主任技術者試験の結果について(令和3年10月22日)。このページの「目安 正答率60%」は演習の目安で、本試験の採点方法とは異なります。

この回は 一般財団法人 電気技術者試験センター が公開する本試験問題を、当サイトがその場で答え合わせできる一問一答形式に再編し、公式には付いていない「正解の根拠・各選択肢の解き方」の解説を追記したものです。原題の出典は各問に明記しています。

過去問の解答結果は学習記録・段位には反映されません。過去問は出題当時の法令・制度にもとづく問題を含むため、段位は継続して最新化している一問一答・模擬試験だけで判定しています。過去問を解かなくても段位で不利になることはありませんので、実力試しとして気軽にお使いください。

問 1
次の文章は,直流電動機に関する記述である。ただし,鉄心の磁気飽和,電機子反作用,電機子抵抗やブラシの接触による電圧降下は無視できるものとする。 分巻電動機と直巻電動機はいずれも界磁電流を電機子と同一の電源から供給できる電動機である。分巻電動機において端子電圧と界磁抵抗を一定にすれば,負荷電流が増加したとき界磁磁束は (ア) ,トルクは負荷電流に (イ) する。直巻電動機においては負荷電流が増加したとき界磁磁束は (ウ) ,トルクは負荷電流の (エ) に比例する。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:1
直流電動機のトルクは T=kΦI_a で,磁束Φと電機子電流I_aの積に比例する。分巻と直巻で違うのは,磁束が負荷電流とどう結びついているかだけである。 分巻電動機では界磁巻線が電機子と並列につながっている。端子電圧と界磁抵抗が一定なら界磁電流も一定なので,界磁磁束は負荷電流によらず一定である(ア)。したがって T=kΦI_a のΦが定数となり,トルクは負荷電流に比例する(イ)。 直巻電動機では界磁巻線が電機子と直列につながっているので,界磁電流はそのまま負荷電流に等しい。磁気飽和を無視するという条件があるので,磁束は負荷電流に比例して増加する(ウ)。したがって T=kΦI_a のΦもI_aに比例し,トルクは負荷電流の2乗に比例する(エ)。 一定で/比例/増加し/2乗となり答(1)。 直巻電動機の始動トルクが大きく,電車やクレーンに使われてきたのは,このトルクが電流の2乗で効くという性質による。ただし無負荷になると磁束が小さくなって回転速度が跳ね上がる(無負荷では危険なので直結する)という裏返しの性質も同じ式から出てくる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 機械 問1
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 2
ある直流分巻電動機を端子電圧220 V,電機子電流100 Aで運転したときの出力が18.5 kWであった。 この電動機の端子電圧と界磁抵抗とを調節して,端子電圧200 V,電機子電流110 A,回転速度720 min⁻¹で運転する。このときの電動機の発生トルクの値[N·m]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 ただし,ブラシの接触による電圧降下及び電機子反作用は無視でき,電機子抵抗の値は上記の二つの運転において等しく,一定であるものとする。
正解:2
まず1回目の運転から電機子抵抗を割り出す。出力18.5 kWは電機子が発生する機械的動力 E I_a に等しいので,逆起電力は E₁=18 500/100=185 V。 端子電圧との差が電機子抵抗での電圧降下だから 220−185=35 V=100×R_a より R_a=0.35 Ω。 つぎに2回目の運転を見る。 E₂=200−110×0.35=200−38.5=161.5 V。 発生する機械的動力は P=E₂I_a=161.5×110≒17 765 W。 回転速度720 min⁻¹ を角速度に直すと ω=2π×720/60=75.4 rad/s。 トルクは動力を角速度で割って T=17 765/75.4≒236 N·m。答(2)。 1回目の運転は電機子抵抗を求めるためだけに使う。回転速度も磁束も違うので,1回目のトルクを比で持ち込むことはできない。 回転速度を rad/s に直さずに 17 765/720≒24.7 としてしまうと,単位が合わないまま小さすぎる値になる。min⁻¹ は1分あたりの回転数なので,60で割って2πを掛ける。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 機械 問2
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 3
一定電圧,一定周波数の電源で運転される三相誘導電動機の特性に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:2
比例推移は,二次抵抗r₂と滑りsの比 r₂/s が同じならトルクも同じになる,という性質である。したがって二次抵抗を大きくすると,最大トルクを生じる滑りは同じ割合だけ大きくなる。「小さくなり」とする(2)が誤りで,これが答になる。 始動特性が良くなる,という結論のほうは正しい。滑りが1(停止状態)に近いところへ最大トルクが移ってくるので,始動時に大きなトルクが出せるようになる。誤っているのは滑りが動く向きだけである。 他の記述を確かめる。(1)銅合金は銅より抵抗率が高いので二次抵抗が増え,定格負荷時の二次銅損が増えて効率は下がる。(3)巻線形なら外部抵抗を始動時だけ大きくし,運転時に小さくできるので,始動トルクと効率を両立できる。(4)(5)かご形では外から抵抗を変えられないので,導体の形で「始動時は高抵抗・運転時は低抵抗」を自動的に実現する。二重かご形は断面積の違う二層の導体で,深溝かご形は深い溝に入れた平たい導体の表皮効果で,どちらも同じ狙いである。 (1)と(3)〜(5)はいずれも「二次抵抗をどう扱うか」という一つの話でつながっている。二次抵抗は大きいほど始動に有利で,小さいほど運転時の効率に有利,という取引がこの問題の背景にある。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 機械 問3
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 4
次の文章は,誘導電動機の分類における,固定子と回転子に関する事項に関する記述である。 a. 固定子の分類 三相交流を三相巻線に流すと (ア) 磁界が発生する。この磁界で運転される誘導電動機を三相誘導電動機という。一方,単相交流では (イ) 磁界が発生する。この (イ) 磁界は,正逆両方向の (ア) 磁界が合成されたものと説明される。したがって,コンデンサ始動形単相誘導電動機では,コンデンサで位相を進めた電流を始動巻線に短時間流すことによって始動トルクの発生と回転方向の決定が行われる。 b. 回転子の分類 巻線形誘導電動機では,回転子溝に巻線を納め,その巻線を (ウ) とブラシを介して外部抵抗回路に接続し, (エ) 電流を変化させて特性制御を行う。かご形誘導電動機では,回転子溝に導体棒を納め, (オ) に導体棒を接続する。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:1
(ア)(イ) 三相巻線に三相交流を流すと,大きさが一定で向きだけが回る回転磁界ができる。単相では向きが変わらず大きさだけが増減する交番磁界になる。交番磁界は,逆向きに回る二つの回転磁界の和として書けるので,設問の「正逆両方向の(ア)磁界が合成されたもの」という説明ともつながる。 (ウ) 巻線形の回転子巻線を外へ引き出すのはスリップリングである。整流子は直流機で電流の向きを切り替えるためのもので,役割が違う。 (エ) 外部抵抗で変えるのは回転子側の電流,すなわち二次電流である。 (オ) かご形の導体棒は,両端で端絡環(エンドリング)につながれて閉回路になる。継鉄は磁路をつくる鉄の部分で,導体をつなぐものではない。 回転/交番/スリップリング/二次/端絡環となり答(1)。 交番磁界だけでは始動トルクが出ない(正逆のトルクが釣り合う)ため,単相機ではコンデンサで位相をずらした電流を別の巻線に流して回る向きを決める。設問のコンデンサ始動形の説明はそのための仕掛けである。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 機械 問4
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問 5
次の文章は,三相同期電動機に関する記述である。 三相同期電動機が負荷を担って回転しているとき,回転子磁極の位置と,固定子の三相巻線によって生じる回転磁界の位置との間には,トルクに応じた角度δ[rad]が発生する。この角度δを (ア) という。 回転子が円筒形で2極の三相同期電動機の場合,トルクT[N·m]はδが (イ) [rad]のときに最大値になる。さらにδが大きくなると,トルクは減少して電動機は停止する。同期電動機が停止しない最大トルクを (ウ) という。 また,同期電動機の負荷が急変すると,δが変化し,新たなδ'に落ち着こうとするが,回転子の慣性のために,δ'を中心として周期的に変動する。これを (エ) といい,電源の電圧や周波数が変動した場合にも生じる。 (エ) を抑制するには,始動巻線も兼ねる (オ) を設けたり,はずみ車を取り付けたりする。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:5
(ア) 回転子磁極と回転磁界のずれの角度は負荷角(δ)と呼ばれる。力率角は電圧と電流の位相差のことで,別の角度である。 (イ) 円筒形の同期機のトルクは T∝sinδ で表される。sinδ が最大になるのは δ=π/2 のときで,このとき最大トルクとなる。π ではトルクは零に戻ってしまう。 (ウ) この最大トルクを超えると同期を保てなくなるので,脱出トルク(脱出トルク=停動トルク)という。 (エ) 負荷角がδ'のまわりで振動する現象が乱調(ハンチング)である。同期外れは振動ではなく,同期を失って止まってしまう状態を指す。 (オ) 乱調を抑えるのは制動巻線である。回転子の表面に入れた棒で,回転磁界に対して回転子がずれると誘導電流が流れて制動力を生む。かご形と同じ働きをするので,始動巻線も兼ねられる。 負荷角/π/2/脱出トルク/乱調/制動巻線となり答(5)。 (オ)を界磁巻線とすると(3)を選ぶが,界磁巻線は磁極を作るためのもので,振動を抑える働きはない。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 機械 問5
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問 6
定格出力3 000 kV·A,定格電圧6 000 Vの星形結線三相同期発電機の同期インピーダンスが6.90 Ωのとき,百分率同期インピーダンス[%]はいくらか,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:4
百分率同期インピーダンスは,定格電流を流したときの同期インピーダンスでの電圧降下が,1相分の定格電圧(相電圧)に対して何%かという値である。 定格電流は I_n=3 000×10³/(√3×6 000)≒288.7 A。 星形結線なので1相分の電圧は相電圧で E_n=6 000/√3≒3 464 V。 したがって %Z=Z I_n/E_n×100=6.90×288.7/3 464×100≒57.5 %。答(4)。 三相ならまとめて %Z=PZ/V²×100 と書ける。実際 3 000×10³×6.90/6 000²×100=57.5 % で同じ値になる。√3 が二度出てきて打ち消し合うので,こちらのほうが計算間違いが少ない。 相電圧ではなく線間電圧6 000 Vで割ると 6.90×288.7/6 000×100≒33.2 % となり(3)を選ぶ。星形結線では1相にかかるのは線間電圧の 1/√3 である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 機械 問6
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問 7
電源の電圧や周波数が一定の条件下,各種電動機では,始動電流を抑制するための種々の工夫がされている。 a. 直流分巻電動機 電機子回路に (ア) 抵抗を接続して電源電圧を加え始動電流を制限する。回転速度が上昇するに従って抵抗値を減少させる。 b. 三相かご形誘導電動機 (イ) 結線の一次巻線を (ウ) 結線に接続を変えて電源電圧を加え始動電流を制限する。回転速度が上昇すると (イ) 結線に戻す。 c. 三相巻線形誘導電動機 (エ) 回路に抵抗を接続して電源電圧を加え始動電流を制限する。回転速度が上昇するに従って抵抗値を減少させる。 d. 三相同期電動機 無負荷で始動電動機(誘導電動機や直流電動機)を用いて同期速度付近まで加速する。次に,界磁を励磁して (オ) 発電機として,三相電源との並列運転状態を実現する。そののち,始動用電動機の電源を遮断して同期電動機として運転する。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:1
(ア) 電流を制限したいのだから,抵抗は電機子と直列に入れる。並列に入れても電機子に流れる電流は減らない。 (イ)(ウ) Y-Δ始動である。運転時はΔ結線の電動機を,始動のあいだだけY結線につなぎ替える。Y結線にすると1相にかかる電圧が線間電圧の1/√3になり,始動電流はΔのときの1/3に下がる。速度が上がったらΔに戻して本来の性能で運転する。 (エ) 巻線形はスリップリングを通して二次回路(回転子側)に抵抗を入れられる。ここが巻線形の特長で,一次側に入れるのでは電圧まで下がってトルクも落ちてしまう。 (オ) 界磁を励磁して電源と並列運転にする状態は,同期発電機の並行運転そのものである。誘導発電機では界磁を励磁するという操作が出てこない。 直列/Δ/Y/二次/同期となり答(1)。 (イ)(ウ)は「Δで運転する機械をYで始動する」と覚える。設問の最後に「回転速度が上昇すると(イ)結線に戻す」とあるので,(イ)が運転時の結線=Δだと文からも決まる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 機械 問7
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問 8
ブラシレスDCモータに関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:5
ブラシレスDCモータは,ブラシと整流子での摩擦損や接触抵抗による損失が無く,回転子に永久磁石を使うので二次側で電流を流す必要もない。したがって効率は高い。実際にエアコンのコンプレッサや送風機,冷蔵庫,洗濯機など,省エネ性能が求められる家電に広く使われている。「効率がよくないため利用されていない」とする(5)が誤りで,これが答になる。 他の記述を確かめる。(1)固定子の巻線電流と回転子の永久磁石でトルクを作る,というのが基本構造。(2)ブラシと整流子の代わりに,ホール素子などで回転子の位置を検出して通電する巻線を電子的に切り替える。(3)機械的な接触部分が無いので火花が出ず,電気雑音が少なく寿命も長い。(4)そのかわり位置検出とインバータ制御の回路が要るので,周辺回路は複雑になる。 (3)(4)は表と裏の関係にある。ブラシを無くしたぶんの利点と,それを電子回路で肩代わりする代償が,そのまま並べて書かれている。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 機械 問8
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問 9
定格容量500 kV·Aの三相変圧器がある。負荷力率が1.0のときの全負荷銅損が6 kWであった。このときの電圧変動率の値[%]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし,鉄損及び励磁電流は小さく無視できるものとし,簡単のために用いられる電圧変動率の近似式を利用して解答すること。
正解:3
電圧変動率の近似式は ε≒p cosθ+q sinθ で,pは百分率抵抗降下,qは百分率リアクタンス降下である。 負荷力率が1.0なので cosθ=1,sinθ=0 となり,リアクタンス分は効かない。したがって ε≒p。 百分率抵抗降下は,定格電流を流したときの巻線抵抗での損失(=全負荷銅損)が定格容量の何%かという値なので p=6/500×100=1.2 %。 したがって ε≒1.2 %。答(3)。 力率が1.0のときだけこの単純な形になる。たとえば力率0.8(遅れ)なら sinθ=0.6 なので q の値も要り,qが分からなければ答は出せない。この問題が「力率1.0」と断っているのは,qを与えずに解けるようにするためである。 全負荷銅損の6 kWをそのまま百分率にすればよく,√3や相数を持ち込む必要はない。定格容量も銅損も三相ぶんの値どうしなので,比を取る時点で打ち消し合う。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 機械 問9
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問 10
巻上機によって質量1 000 kgの物体を毎秒0.5 mの一定速度で巻き上げているときの電動機出力の値[kW]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし,機械効率は90 %,ロープの質量及び加速に要する動力については考慮しないものとする。
正解:4
物体を持ち上げるのに要る動力は,重力に逆らう力と速度の積である。 mgv=1 000×9.8×0.5=4 900 W。 これは巻上機の出口で必要な動力なので,機械効率90 %で割り戻すと電動機の出力になる。 4 900/0.9≒5 444 W≒5.4 kW。 最も近いのは5.5で答(4)。 (3)の4.9は効率で割る前の値である。電動機が出す側なので,途中の損失のぶんだけ大きくなる=効率で割る。掛けてしまうと 4 900×0.9=4 410 W となり(2)の4.4に落ちる。 一定速度で巻き上げているので加速に要する動力は零であり,設問の但し書きどおり考えなくてよい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 機械 問10
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 11
図は昇降圧チョッパを示している。スイッチQ,ダイオードD,リアクトルL,コンデンサCを用いて,図のような向きに定めた負荷抵抗Rの電圧v₀を制御するためのものである。これらの回路で,直流電源Eの電圧は一定とする。また,回路の時定数は,スイッチQの動作周期に対して十分に大きいものとする。回路のスイッチQの通流率γとした場合,回路の定常状態での動作に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
問11の図
正解:3
昇降圧チョッパの出力電圧の大きさは,通流率γを使って |v₀|=E×γ/(1−γ) と表される。この比 γ/(1−γ) が1になるのが γ=0.5 のときで, γ<0.5 なら γ/(1−γ)<1 で降圧, γ>0.5 なら γ/(1−γ)>1 で昇圧 となる。(3)はこれが逆になっているので誤りで,これが答になる。 他の記述を確かめる。(1)Qがオンの間は電源からLへ電流が流れ,磁気エネルギーが蓄えられる。このときDは逆バイアスで導通しない。(2)Qがオフになるとその電流の行き場がDを通る経路しかなくなり,Lに蓄えられたエネルギーがCとRへ放出される。(4)昇降圧チョッパは入力と逆極性の電圧が出るのが特徴で,図のv₀は最初からその向きに定めてあるので平均値は正になる。(5)定常状態ではLの電流が一周期で元に戻るので,v_L=L(di/dt) を一周期積分した値は零,すなわち平均電圧は零である。 γ=0.5 が昇圧と降圧の境目になる,というのが昇降圧チョッパの唯一の目印である。降圧チョッパなら |v₀|=γE で常に降圧,昇圧チョッパなら |v₀|=E/(1−γ) で常に昇圧なので,この境目は出てこない。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 機械 問11
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 12
次の文章は,鉛蓄電池に関する記述である。 鉛蓄電池は,正極と負極の両極に (ア) を用いる。希硫酸を電解液として初充電すると,正極に (イ) ,負極に (ウ) ができる。これを放電すると,両極とももとの (ア) に戻る。 放電すると水ができ,電解液の濃度が下がり,両極間の電圧が低下する。そこで,充電により電圧を回復させる。過充電を行うと電解液中の水が電気分解して,正極から (エ) ,負極から (オ) が発生する。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:4
(ア)(イ)(ウ) 鉛蓄電池は,放電しきった状態では正極も負極も硫酸鉛になっている。ここから充電すると,正極が二酸化鉛に,負極が鉛に変わる。設問は「両極に(ア)を用い,初充電すると正極に(イ),負極に(ウ)ができる」「放電すると両極とももとの(ア)に戻る」と書いているので,(ア)が放電状態の硫酸鉛,(イ)(ウ)が充電状態の二酸化鉛と鉛である。 (エ)(オ) 過充電になると,電極の反応が終わったあとの電流が水の電気分解に使われる。電気分解では陽極(正極)に酸素,陰極(負極)に水素が出る。したがって正極から酸素ガス,負極から水素ガスである。 硫酸鉛/二酸化鉛/鉛/酸素ガス/水素ガスとなり答(4)。 (エ)(オ)を逆にしている選択肢が多いが,水の電気分解で水素が2倍出るのは陰極側,と中学理科で習う関係がそのまま使える。鉛蓄電池では陰極が負極にあたる。 なお放電すると水ができて電解液(希硫酸)の濃度が下がるので,比重を測れば充電状態が分かる。これが鉛蓄電池で比重計を使う理由である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 機械 問12
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 13
次の文章は,図に示す抵抗R,並びにキャパシタCで構成された一次遅れ要素に関する記述である。 図の回路において,入力電圧に対する出力電圧を,一次遅れ要素の周波数伝達関数として表したとき,折れ点角周波数ω_cは (ア) rad/s である。ゲイン特性は,ω_cよりも十分低い角周波数ではほぼ一定の (イ) dB であり,ω_cよりも十分高い角周波数では,角周波数が10倍になるごとに (ウ) dB 減少する直線となる。また,位相特性は,ω_cよりも十分高い角周波数でほぼ一定の (エ) °の遅れとなる。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
問13の図
正解:2
この回路の周波数伝達関数は G(jω)=1/(1+jωCR) で,時定数は T=CR=0.001×10=0.01 s である。 (ア) 折れ点角周波数は時定数の逆数なので ω_c=1/(CR)=1/0.01=100 rad/s。 (イ) ω_cより十分低いところでは分母がほぼ1,すなわち |G|≒1 である。デシベルでは 20log₁₀1=0 dB。 (ウ) ω_cより十分高いところでは |G|≒1/(ωCR) となり,ωに反比例する。角周波数が10倍になると大きさは1/10になるので,20log₁₀(1/10)=−20 dB。すなわち10倍ごとに20 dB減少する。 (エ) 位相は −tan⁻¹(ωCR) で,ωが十分大きいと −90°に近づく。したがって90°の遅れ。 100/0/20/90となり答(2)。 (エ)を45としている選択肢があるが,45°の遅れになるのは ω=ω_c のちょうど折れ点のところである。設問は「十分高い角周波数で」と断っているので90°になる。 ゲインが0 dB というのは倍率1のことである。20 dBと書いている選択肢は倍率10を意味し,抵抗とコンデンサだけの回路で入力より大きな出力が出ることになってしまう。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 機械 問13
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 14
2進数,10進数,16進数に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:5
(5) を確かめる。(3D)₁₆ は 3×16+13=61 である。一方 (111011)₂ は 32+16+8+2+1=59 で,61 と一致しない。61 を2進数にすると (111101)₂ なので,下2桁が入れ替わっている。したがって(5)が誤りで,これが答になる。 16進数の1桁は2進数の4桁にそのまま対応するので,3→0011,D→1101 と置き換えて 00111101,先頭の0を落として 111101 と求めるのが速い。 他の記述を確かめる。(1)16進数で16倍することは1桁左へずらすことなので (6)₁₆→(60)₁₆。10進数で10倍すると桁が一つ増えるのと同じである。(2)(1010101)₂=64+16+4+1=85,(57)₁₆=5×16+7=87 なので(57)₁₆のほうが大きい。(3)(1011)₂=8+2+1=11。(4)10進数の12は16進数でCである(10がA,11がB,12がC)。 16進数と2進数の変換は,4桁ずつ区切って対応させるのが定石である。10進数を経由すると桁を間違えやすい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 機械 問14
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 15(a)
定格容量が10 kV·Aで,全負荷における銅損と鉄損の比が2:1の単相変圧器がある。力率1.0の全負荷における効率が97 %であるとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。ただし,定格容量とは出力側で見る値であり,鉄損と銅損以外の損失は全て無視するものとする。 〔小問(a)〕 全負荷における銅損は何[W]になるか,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:2
力率1.0の全負荷なので,出力は P=10 kV·A×1.0=10 000 W。 効率は 出力/(出力+損失) なので,損失を W とおくと 0.97=10 000/(10 000+W)。 これを解いて 10 000+W=10 000/0.97≒10 309 W, W≒309 W。 銅損と鉄損の比が2:1なので,銅損は損失全体の2/3である。 309×2/3≒206 W。答(2)。 (3)の200は 10 000×0.03×2/3 のように,損失を「出力の3 %」として計算した場合の値である。効率は 出力/入力 なので,損失は出力の3 %ではなく入力の3 %にあたる。分母が10 000ではなく10 309になる,というわずかな違いがここに出る。 残りの1/3が鉄損で 309×1/3≒103 Wである。小問(b)はこの鉄損を使うので,ここで銅損と鉄損の両方を出しておくとよい。 手順は「まず損失の合計を出し,そのあと2:1に分ける」の順で固定する。先に比を使って分けようとすると,何を分けているのかが分からなくなる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 機械 問15(a)
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 15(b)
定格容量が10 kV·Aで,全負荷における銅損と鉄損の比が2:1の単相変圧器がある。力率1.0の全負荷における効率が97 %である。次の問に答えよ。ただし,定格容量とは出力側で見る値であり,鉄損と銅損以外の損失は全て無視するものとする。 〔小問(b)〕 負荷の電圧と力率が一定のまま負荷を変化させた。このとき,変圧器の効率が最大となる負荷は全負荷の何[%]か,最も近いものを(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 (小問(a)より,全負荷における銅損は約206 W,鉄損は約103 Wである。)
正解:3
変圧器の効率が最大になるのは,負荷によって変わる銅損と,負荷によらず一定の鉄損が等しくなるときである。 銅損は電流の2乗,すなわち負荷率αの2乗に比例するので,負荷率αのときの銅損は 206α²[W]。 鉄損は103 Wで一定。等しいとおくと 206α²=103 α²=0.5 α=√0.5≒0.707=70.7 %。答(3)。 全負荷での銅損が鉄損の2倍あるので,負荷を下げて銅損を半分にしたところで釣り合う。その負荷率が √(1/2) になる,という関係である。 (2)の50.0は α²=0.5 のα²のほうを答にしてしまった場合。求めているのは負荷率そのものなので平方根を取る。 (4)の100は「全負荷が最も効率が良い」と考えた場合だが,変圧器は一般に全負荷よりやや軽い負荷で効率が最大になるよう設計される。この問題の70.7 %という値はその典型である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 機械 問15(b)
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問 16(a)
抵抗RとリアクトルLとを直列接続した負荷に電力を供給する単相半波ダイオード整流回路を図1に示す。また図1に示した回路の交流電源の電圧波形v(t)を破線で,抵抗Rの電圧波形v_R(t)を実線で図2に示す。ただし,ダイオードDの電圧降下及びリアクトルLの抵抗は無視する。次の(a)及び(b)の問に答えよ。 ただし,必要であれば次の計算結果を利用してよい。 ∫₀^α sinθ dθ=1−cos α, ∫₀^α cos θ dθ=sin α 〔小問(a)〕 以下の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 図1の電源電圧v(t)>0の期間においてダイオードDは順方向バイアスとなり導通する。v(t)とv_R(t)が等しくなる電源電圧v(t)の位相をωt=θ_mとすると,出力電流i_d(t)が増加する電源電圧の位相ωtが0<ωt<θ_mの期間においては (ア) ,ωt=θ_m以降については (イ) となる。出力電流i_d(t)は電源電圧v(t)が負となってもv(t)=0の点よりもωt=βに相当する時間だけ長く流れ続ける。すなわち,Lの磁気エネルギーが (ウ) となるωt=π+βで出力電流i_d(t)が0となる。出力電圧v_d(t)の平均値V_dは電源電圧v(t)を0〜 (エ) の区間で積分して一周期である2πで除して計算でき,このときLの電圧v_L(t)を同区間で積分すれば0となるので,V_dは抵抗Rの電圧v_R(t)の平均値V_Rに等しくなる。
問16(a)の図
正解:1
電源電圧は抵抗とリアクトルで分け合うので v(t)=v_L(t)+v_R(t) である。またリアクトルの電圧は v_L=L(di_d/dt) なので,v_L の符号がそのまま電流が増えているか減っているかを表す。 (ア) 0<ωt<θ_m の期間は,図2で破線のv(t)が実線のv_R(t)より上にある。したがって v_L=v−v_R>0 で,電流は増加している。 (イ) ωt=θ_m を過ぎると v(t) が v_R(t) を下回るので v_L<0 となり,電流は減少に転じる。図2でv_R(t)が最大になるのがちょうどθ_mであることとも合う。 (ウ) リアクトルに蓄えられた磁気エネルギーは ½Li_d² なので,電流が0になるのはエネルギーが0になったときである。「最大」ではない。 (エ) 電流が流れているのは 0 から π+β までの区間なので,積分区間はそこになる。 v_L(t)>0/v_L(t)<0/0/π+β となり答(1)。 電源電圧が負になっても電流が流れ続けるのは,リアクトルが蓄えたエネルギーを吐き出しているからである。そのぶんだけ導通期間が半周期より長くなり,βという角度で表されている。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 機械 問16(a)
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問 16(b)
抵抗RとリアクトルLとを直列接続した負荷に電力を供給する単相半波ダイオード整流回路を図1に示す。また図1に示した回路の交流電源の電圧波形v(t)を破線で,抵抗Rの電圧波形v_R(t)を実線で図2に示す。ただし,ダイオードDの電圧降下及びリアクトルLの抵抗は無視する。次の問に答えよ。 ただし,必要であれば次の計算結果を利用してよい。 ∫₀^α sinθ dθ=1−cos α, ∫₀^α cos θ dθ=sin α 〔小問(b)〕 小問(a)において,電源電圧の実効値100 V,β=π/6のときの出力電圧v_d(t)の平均値V_d[V]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 (小問(a)より,積分区間は0〜π+βである。)
問16(b)の図
正解:3
電源電圧の瞬時値は v=√2×100×sinθ である。電流が流れているのは 0 から π+β までなので,その区間で積分して一周期の2πで割る。 V_d=(1/2π)∫₀^(π+β) √2×100×sinθ dθ。 設問で与えられた ∫₀^α sinθ dθ=1−cos α を使うと V_d=(√2×100/2π)×{1−cos(π+β)}。 ここで cos(π+β)=−cos β なので V_d=(√2×100/2π)×(1+cos β)。 β=π/6 だから cos β=√3/2≒0.866。 √2×100/(2π)=141.4/6.283≒22.51 なので V_d≒22.51×1.866≒42 V。答(3)。 (4)の45は β=0 としたとき,すなわち抵抗だけの単相半波整流の平均値 √2×100/π≒45 V である。リアクトルがあるぶん導通期間が延び,そのあいだ電源電圧が負になるので,平均値は45 Vより下がる。この大小関係を先に押さえておくと,(5)の90(全波整流の値に近い)が候補から外れる。 cos(π+β)=−cos β の符号を落として (1−cos β) としてしまうと 22.51×0.134≒3 となり(1)になる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 機械 問16(b)
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問 17(a)
熱の伝わり方について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 (ア) は,熱媒体を必要とせず,真空中でも熱を伝達する。高温側で温度T₂[K]の面S₂[m²]と,低温側で温度T₁[K]の面S₁[m²]が向かい合う場合の熱流Φ[W]は,S₂F₂₁σ( (イ) )で与えられる。 ただし,F₂₁は, (ウ) である。また,σ[W/(m²·K⁴)]は, (エ) 定数である。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:3
(ア) 熱の伝わり方には伝導・対流・放射の三つがある。このうち媒体を必要とせず真空中でも伝わるのは電磁波として伝わる熱放射だけである。熱伝導は物質の中を伝わるので真空では起こらない。太陽の熱が宇宙空間を越えて届くのがこの熱放射である。 (イ) 放射で出る熱量は絶対温度の4乗に比例する(ステファン・ボルツマンの法則)。二つの面のあいだの正味の熱流は,それぞれが出す量の差なので T₂⁴−T₁⁴ となる。 (ウ) F₂₁ は,面S₂から出た放射のうち面S₁に到達する割合を表す係数で,形態係数(形状因子)と呼ぶ。二つの面の向き合い方だけで決まる幾何学的な量である。 (エ) σ はステファン・ボルツマン定数(約5.67×10⁻⁸ W/(m²·K⁴))である。プランク定数は量子論に出てくる別の定数で,単位も違う。 熱放射/T₂⁴−T₁⁴/形態係数/ステファン・ボルツマンとなり答(3)。 σの単位が W/(m²·K⁴) と設問に書かれているので,これに面積[m²]と温度の4乗[K⁴]を掛けて[W]になる,と単位からも(イ)が4乗だと確かめられる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 機械 問17(a)
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問 17(b)
熱の伝わり方について,次の問に答えよ。 〔小問(b)〕 下面温度が350 K,上面温度が270 Kに保たれている直径1 m,高さ0.1 mの円柱がある。伝導によって円柱の高さ方向に流れる熱流Φの値[W]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 ただし,円柱の熱伝導率は0.26 W/(m·K)とする。また,円柱側面からのその他の熱の伝達及び損失はないものとする。
正解:3
熱伝導による熱流は Φ=λ A (T₂−T₁)/L で求まる。λは熱伝導率,Aは熱が通る断面積,Lは熱が通る距離である。 断面積は直径1 mの円なので A=π×(0.5)²≒0.785 m²。 温度差は 350−270=80 K,距離は高さの0.1 m。したがって Φ=0.26×0.785×80/0.1=0.26×0.785×800≒163 W。答(3)。 (4)の653は,半径ではなく直径を使って A=π×1²≒3.14 m² としてしまった場合の値である(0.26×3.14×80/0.1≒653)。円の面積は半径の2乗なので,直径1 mなら半径は0.5 mで,面積はちょうど1/4になる。 距離0.1 mは分母である。掛けてしまうと桁が二つ小さくなる。薄い板ほど熱がよく流れる,という向きで確かめられる。 小問(a)の熱放射が温度の4乗で効くのに対し,熱伝導は温度の差そのものに比例する。同じ「熱の伝わり方」でも式の形が違うので,どちらを問われているかを最初に確かめる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 機械 問17(b)
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問 18(a)
情報の一時的な記憶回路として用いられるフリップフロップ(FF)回路について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 FF回路に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし,(1)〜(4)における出力とは,反転しないQのことである。
正解:2
JK-FFは,RS-FFで禁止されていた「両方の入力が1」の状態に意味を持たせたものである。J=K=1のときは出力を保持するのではなく,クロックのたびに出力を反転する(トグル動作)。したがって「出力を保持する」とする(2)が誤りで,これが答になる。 J=K=0のときが保持である。JK-FFの動作をまとめると,(0,0)で保持,(1,0)でセット(1を出力),(0,1)でリセット(0を出力),(1,1)で反転となる。 他の記述を確かめる。(1)RS-FFはR=1・S=0でリセットして0を,R=0・S=1でセットして1を出力する。両方1にすると出力が定まらないので禁止されている。(3)T-FFはクロックごとに出力を反転する。JK-FFのJとKを両方1に固定したものと同じ動作である。(4)D-FFはクロックのタイミングで入力Dの値をそのまま取り込んで出力する。(5)T-FFを数珠つなぎにすればカウンタに,D-FFを並べればレジスタになる。 (2)が誤りである一方,(3)のT-FFが「反転する」と正しく書かれている。JK-FFのJ=K=1がまさにT-FFと同じ動作だと気づけば,(2)と(3)が食い違っていることから答にたどり着ける。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 機械 問18(a)
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問 18(b)
情報の一時的な記憶回路として用いられるフリップフロップ(FF)回路について,次の問に答えよ。 〔小問(b)〕 クロックパルスの立ち下がりで動作する二つのT-FFを用いた図の回路を考える。この回路において,クロックパルスCに対する回路の出力Q₁及びQ₂のタイムチャートとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 (選択肢は原本から切り出したタイムチャートで示す。下の説明は補助。)
問18(b)の図
正解:5
T-FFはクロックが入るたびに出力を反転する。図の回路では,1段目のクロック端子C₁に外部のクロックパルスCが,2段目のクロック端子C₂に1段目の出力Q₁が入っている。どちらも立ち下がりで動作する。 1段目を追う。Q₁はCが1から0へ落ちるたびに反転するので,Q₁の周期はCの2倍になる。 2段目を追う。Q₂はQ₁が1から0へ落ちるたびに反転する。Q₁が立ち下がるのはCの立ち下がり2回に1回なので,Q₂の周期はQ₁のさらに2倍,すなわちCの4倍になる。 Q₁=0,Q₂=0 から始めると, 1回目の立ち下がり: Q₁が0→1(Q₁は上がるのでQ₂は変わらない) 2回目: Q₁が1→0,これを受けてQ₂が0→1 3回目: Q₁が0→1,Q₂は変わらない 4回目: Q₁が1→0,Q₂が1→0 となる。 この動きに合っているのは,Q₁がクロックの立ち下がりごとに反転し,Q₂がQ₁の立ち下がりごとに反転している(5)である。答(5)。 これは2ビットの非同期カウンタ(リプルカウンタ)で,Q₂Q₁を2桁の2進数として読むと 00→01→10→11→00 と数え上がっていく。周波数で見れば1段ごとに半分になる分周回路でもある。 選択肢を絞るときは,まずQ₁の周期がクロックの2倍になっているかを見て,つぎにQ₂の周期がQ₁の2倍になっているかを見る。この二つだけで一つに決まる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 機械 問18(b)
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