📄 本試験 過去問題
電験3種 2022年度上期(令和4年度上期) 機械
18問 ・ 目安 正答率60% ・ 2022年8月21日実施
電験三種(第三種電気主任技術者)の2022年度上期(令和4年度上期) 機械試験で実際に出題された全18問を、1問ずつその場で答え合わせしながら演習できます。2022年8月21日実施・合否の目安は正答率60%(演習の目安)。各問に正解と、なぜその選択肢になるのかの解説を付けています。
本試験の合格基準:理論・電力・機械・法規の科目ごとに合否判定。各科目100点満点中原則60点以上で科目合格、4科目すべて合格で試験合格。
この回:令和4年度上期・機械:合格基準は100点満点中55点以上に引き下げ(試験センターの公表値。原則60点)。
出典:令和4年度第三種電気主任技術者上期試験の結果について(令和4年9月5日)。このページの「目安 正答率60%」は演習の目安で、本試験の採点方法とは異なります。
この回は 一般財団法人 電気技術者試験センター が公開する本試験問題を、当サイトがその場で答え合わせできる一問一答形式に再編し、公式には付いていない「正解の根拠・各選択肢の解き方」の解説を追記したものです。原題の出典は各問に明記しています。
過去問の解答結果は学習記録・段位には反映されません。過去問は出題当時の法令・制度にもとづく問題を含むため、段位は継続して最新化している一問一答・模擬試験だけで判定しています。過去問を解かなくても段位で不利になることはありませんので、実力試しとして気軽にお使いください。
問 1
次の文章は,直流電動機の運転に関する記述である。
分巻電動機では始動時の過電流を防止するために始動抵抗が (ア) 回路に直列に接続されている。
直流電動機の速度制御法には界磁制御法・抵抗制御法・電圧制御法がある。静止レオナード方式は (イ) 制御法の一種であり,主に他励電動機に用いられ,広範囲の速度制御ができるという利点がある。
直流電動機の回転の向きを変えることを逆転といい,一般的には,応答が速い (ウ) 電流の向きを変える方法が用いられている。
電車が勾配を下るような場合に,電動機を発電機として運転し,電車のもつ運動エネルギーを電源に送り返す方法を (エ) 制動という。
上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:4
(ア) 始動の瞬間は回転していないので逆起電力が零で,電機子には定格の何倍もの電流が流れる。これを抑えるために始動抵抗は電機子回路に直列に入れる。界磁回路に入れても電機子電流は抑えられない。
(イ) 静止レオナード方式は,サイリスタなどの静止形の変換器で電機子に加える直流電圧を変えるもの。したがって電圧制御法の一種である。
(ウ) 逆転させるには電機子電流か界磁電流のどちらかの向きを反転させればよいが,界磁回路はインダクタンスが大きく電流の向きがすぐには変わらない。応答が速いのは電機子電流のほうである。
(エ) 電動機を発電機として働かせ,得た電力を電源へ返す制動が回生制動である。発電制動は同じく発電機として働かせるが,電力を抵抗で熱に捨てる方式で,電源に送り返さない。
電機子/電圧/電機子/回生となり答(4)。
(ウ)を界磁とすると(5)を選ぶ。界磁を反転させても逆転はできるが,時間がかかるうえ界磁を弱める過程で無励磁に近づき電機子電流が過大になる危険がある。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 機械 問1
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問 2
Δ結線された三相誘導電動機がある。この電動機に対し,Δ結線の状態で拘束試験を実施したところ,下表の結果が得られた。この電動機をY結線に切り替え,220 Vの三相交流電源に接続して始動するときの始動電流の値[A]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし,磁気飽和による漏れリアクタンスの低下は無視できるものとする。
正解:1
まず拘束試験の結果から巻線1相分のインピーダンスを出す。Δ結線では,1相分にかかる電圧は線間電圧そのままの43.0 V,1相分に流れる電流は線電流の1/√3 で
9.00/√3≒5.196 A。
したがって1相分のインピーダンスは
43.0/5.196≒8.28 Ω。
つぎにY結線で220 Vにつなぐ。Y結線では1相分にかかるのは相電圧なので
220/√3≒127.0 V,
Y結線では線電流=相電流だから
127.0/8.28≒15.3 A。答(1)。
Δ結線のまま220 Vにつないだときの線電流は 9.00×(220/43.0)≒46.0 A で,これが(3)である。Y結線にするとその 1/3 になる(15.3≒46.0/3)というのが,Y-Δ始動で始動電流を1/3に抑えられる理由そのものである。(2)の26.6は46.0を√3で割った値で,1/3ではなく1/√3にしてしまった場合。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 機械 問2
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問 3
次の文章は,三相巻線形誘導電動機の構造に関する記述である。
三相巻線形誘導電動機は, (ア) を作る固定子と回転する部分の巻線形回転子で構成される。
固定子は, (イ) を円形又は扇形にスロットとともに打ち抜いて,必要な枚数積み重ねて積層鉄心を構成し,その内側に設けられたスロットに巻線を納め,結線して三相巻線とすることにより作られる。
一方,巻線形回転子は,積層鉄心を構成し,その外側に設けられたスロットに巻線を納め,結線して三相巻線とすることにより作られる。始動時には高い電圧にさらされることや,大きな電流が流れることがあるので,回転子の巻線には,耐熱性や絶縁性に優れた絶縁電線が用いられる。一般的に,小出力用では,ホルマール線や (ウ) などの丸線が,大出力用では, (エ) の平角銅線が用いられる。三相巻線は,軸上に絶縁して設けた3個のスリップリングに接続し,ブラシを通して外部(静止部)の端子に接続されている。この端子に可変抵抗器を接続することにより, (オ) を改善したり,速度制御をすることができる。
上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:5
(ア) 三相巻線に三相交流を流すと回転磁界ができ,これが回転子に電流を誘導して回す。誘導電動機の原理そのものである。
(イ) 鉄心は渦電流損を抑えるため薄い電磁鋼板(けい素鋼板)を積み重ねて作る。高張力鋼板は構造材で磁気回路には使わない。
(ウ)(エ) 回転子巻線には耐熱性・絶縁性の高い電線が要る。小出力の丸線ではホルマール線やポリエステル線,大出力の平角銅線ではガラス巻線が使われる。ビニル線やエナメル線は耐熱性が足りない。
(オ) スリップリングを通して二次側に可変抵抗器を入れられるのが巻線形の特長で,二次抵抗を大きくすると比例推移により最大トルクの生じる滑りが大きいほうへ移る。その結果,始動時のトルクが大きくなり始動電流も抑えられる=始動特性が改善する。抵抗で熱を捨てるので効率はむしろ悪くなる。
回転磁界/電磁鋼板/ポリエステル線/ガラス巻線/始動特性となり答(5)。
(オ)を効率とするのは,二次抵抗を入れる目的を取り違えている。抵抗を挿入して良くなるのは始動特性であって効率ではない。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 機械 問3
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問 4
次の文章は,三相同期発電機の並行運転に関する記述である。
ある母線に同期発電機Aを接続して運転しているとき,同じ母線に同期発電機Bを並列に接続するには,同期発電機A,Bの (ア) の大きさが等しくそれらの位相が一致していることが必要である。 (ア) の大きさを等しくするにはBの (イ) 電流を,位相を一致させるにはBの原動機の (ウ) を調整する。位相が一致しているかどうかの確認には (エ) が用いられる。
並行運転中に両発電機間で (ア) の位相が等しく大きさが異なるとき,両発電機間を (オ) 横流が循環する。これは電機子巻線の抵抗損を増加させ,巻線を加熱させる原因となる。
上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:2
(ア) 並行運転の条件は,起電力の大きさ・位相・周波数・波形が一致していること。「大きさが等しく位相が一致」と書かれているので入るのは起電力である。有効電力は並列にしたあとに分担が決まる量で,つなぐ前の条件ではない。
(イ) 起電力の大きさは磁束で決まるので,界磁電流で調整する。
(ウ) 位相(と周波数)は回転速度で決まるので,原動機の回転速度を調整する。極数は機械の構造で決まっていて運転中に変えられない。
(エ) 位相が合った瞬間を知らせる計器が同期検定器(シンクロスコープ)である。
(オ) 起電力の位相が同じで大きさだけ違うと,その差の電圧が2台の内部インピーダンス(ほぼリアクタンス)に加わる。リアクタンスに流れる電流は電圧より90°遅れるので,起電力に対しては無効分となり,無効横流が循環する。
起電力/界磁/回転速度/同期検定器/無効となり答(2)。
位相が違って大きさが同じときに流れるのは有効横流(同期化電流)で,遅れている機を進ませ進んでいる機を遅らせるように働く。どちらがずれているかで横流の種類が変わる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 機械 問4
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 5
定格出力1 500 kV·A,定格電圧3 300 Vの三相同期発電機がある。無負荷時に定格電圧となる界磁電流に対する三相短絡電流(持続短絡電流)は,310 Aであった。この同期発電機の短絡比の値として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:3
短絡比は「無負荷で定格電圧を出す界磁電流のときの三相短絡電流」を「定格電流」で割った値である。したがって先に定格電流を出す。
I_n=1 500×10³/(√3×3 300)≒262 A。
よって
K_s=310/262≒1.18。答(3)。
三相の皮相電力は S=√3VI なので,定格電流は √3 で割って求める。ここで √3 を掛けてしまうと 1 500×10³×√3/3 300≒787 A となり,短絡比が0.39付近になって選択肢から外れる。
短絡比は同期インピーダンス(単位法)の逆数でもある。水車発電機は0.9〜1.2程度,タービン発電機は0.5〜0.7程度で,短絡比が大きいほど電機子反作用が小さく電圧変動率も小さい代わりに機械が大きくなる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 機械 問5
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 6
ステッピングモータに関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:4
無通電のまま回転子の位置を保つ力(ディテントトルク)は,永久磁石と固定子の鉄心の間の磁気吸引力で生じる。可変リラクタンス形は名前のとおり永久磁石を持たず,鉄心のリラクタンス(磁気抵抗)の変化だけでトルクを出す形式なので,通電をやめると保持する力が働かない。したがって(4)が誤りで,これが答になる。
無通電でも保持力があるのは永久磁石形とハイブリッド形である。
他の記述を確かめる。(1)1パルスで決められたステップ角だけ回るのがこのモータの定義。(2)回転速度はパルス周波数に比例し,パルスを止めれば止まる。(3)始動トルクは大きいが,負荷が大きすぎるとパルスに追随できなくなり脱調する。(5)入力パルス数がそのまま回転角になるので,角度センサなしの開ループで位置決めができる。これがプリンタなどで使われる理由である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 機械 問6
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 7
電源電圧一定の下,トルク一定の負荷を負って回転している各種電動機の性質に関する記述として,正しいものと誤りのものの組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
(ア) 巻線形誘導電動機の二次抵抗を大きくすると,滑りは増加する。
(イ) 力率1.0で運転している同期電動機の界磁電流を小さくすると,電機子電流の位相は電源電圧に対し,進みとなる。
(ウ) 他励直流電動機の界磁電流を大きくすると,回転速度は上昇する。
(エ) かご形誘導電動機の電源周波数を高くすると励磁電流は増加する。
正解:5
(ア) 正しい。巻線形誘導電動機では,トルクが同じなら二次抵抗と滑りの比 r₂/s が一定に保たれる(比例推移)。二次抵抗を大きくすれば滑りも同じ割合で大きくなる。
(イ) 誤り。同期電動機の位相特性(V曲線)では,力率1.0の点から界磁電流を増やす(過励磁)と電機子電流は進み,減らす(不足励磁)と遅れになる。小さくしたのだから遅れである。
(ウ) 誤り。他励直流電動機の回転速度は N=(V−I_a R_a)/(kΦ) で,磁束Φに反比例する。界磁電流を大きくすればΦが増えるので回転速度は低下する。界磁を弱めて速度を上げるのが弱め界磁制御である。
(エ) 誤り。電圧を一定にしたまま周波数を高くすると,磁束は Φ∝V/f で減る。励磁電流はこの磁束を作る電流なので減少する。励磁回路のインピーダンスが ωL で大きくなる,と考えても同じ結論になる。
正しい/誤り/誤り/誤りとなり答(5)。
(ア)だけが正しい,という形である。(イ)(ウ)は「増やしたらどうなるか」の向きを取り違えやすいので,それぞれ V曲線と N=(V−I_aR_a)/(kΦ) を思い出して確かめるとよい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 機械 問7
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 8
単相変圧器の一次側に電流計,電圧計及び電力計を接続して,短絡試験を行う。二次側を短絡し,一次側に定格周波数の電圧を供給し,電流計が40 Aを示すように一次側の電圧を調整したところ,電圧計は80 V,電力計は1 000 Wを示した。この変圧器の一次側からみた漏れリアクタンスの値[Ω]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
ただし,変圧器の励磁回路のインピーダンスは無視し,電流計,電圧計及び電力計は理想的な計器であるものとする。
正解:3
短絡試験では二次側を短絡しているので,測っているのは巻線のインピーダンス(抵抗と漏れリアクタンスの直列)だけになる。
インピーダンスの大きさは電圧計と電流計から
Z=80/40=2.00 Ω。
抵抗分は電力計から
r=P/I²=1 000/40²=0.625 Ω。
漏れリアクタンスは直角三角形の残りの辺なので
x=√(Z²−r²)=√(2.00²−0.625²)=√3.609≒1.90 Ω。答(3)。
(4)の2.00はインピーダンスの大きさそのもの,(1)の0.63は抵抗分である。求めるのはリアクタンスなので,二乗して引いて平方根を取る一手間が要る。
なお電力計が示す1 000 Wは巻線の銅損に相当する。無負荷試験の電力計が鉄損を示すのと対になっている。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 機械 問8
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 9
いろいろな変圧器に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:3
スコット結線変圧器は,三相を二つの単相に変換する変圧器である。T変圧器はM変圧器の中央タップから立ち上げて巻数比を √3/2 にしてあり,これによって二次側に得られる二つの単相電源の位相差は90度になる。「位相差180度」とする(3)が誤りで,これが答になる。
位相差が90度だからこそ,二つの単相負荷(電気鉄道のき電区間)に振り分けたときに三相側の不平衡を小さくできる。180度では単に逆位相の同じ相であり,二相にはならない。
他の記述を確かめる。(1)単巻変圧器の分路巻線と直列巻線の説明のとおり。(2)V結線の利用率は √3/2≒0.866。(3以外の)(4)計器用変圧器(VT)の定格二次電圧は110 Vまたは110/√3 Vに統一されている。(5)変流器(CT)の二次側を開放すると鉄心が飽和して二次に高電圧が現れ危険なので,使用中は必ず短絡か計器を接続しておく。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 機械 問9
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 10
図1は直流チョッパ回路の基本構成図を示している。降圧チョッパを構成するデバイスを図2より選んで回路を構成したい。(ア)〜(ウ)に入るデバイスの組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
ただし,図2に示す図記号の向きは任意に変更できるものとする。
正解:4
図2のデバイスは,Aがダイオード,Bがインダクタ(コイル),Cがトランジスタ(スイッチ)である。
降圧チョッパは,電源とインダクタの間にスイッチを置き,スイッチがオフの間もインダクタの電流を流し続けるための還流ダイオードを,スイッチとインダクタの接続点から入力側の負極へ向けて入れる構成をとる。
図1に当てはめると,電源側からいちばん近い(ア)がスイッチ=C,そこから出力コンデンサへ向かう直列の(イ)がインダクタ=B,接続点から下へ降りている(ウ)が還流ダイオード=Aとなる。
C/B/Aで答(4)。
(ア)にインダクタを置いた(1)(2)では,電源が常にコンデンサとつながったままでスイッチが無く,出力電圧を下げられない。(ア)にダイオードを置いた(5)も同じで,チョッパとして動作しない。
なお昇圧チョッパは,電源に直列なのがインダクタで,スイッチを接続点から下へ入れる。並びが入れ替わるだけなので,どちらが電源に直列かで見分けられる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 機械 問10
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 11
かごの質量が250 kg,定格積載質量が1 500 kgのロープ式エレベータにおいて,釣合いおもりの質量は,かごの質量に定格積載質量の40 %を加えた値とした。このエレベータで,定格積載質量を搭載したかごを一定速度100 m/minで上昇させるときに用いる電動機の出力の値[kW]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし,機械効率は75 %,加減速に要する動力及びロープの質量は無視するものとする。
正解:3
ロープ式エレベータでは,かごと釣合いおもりが滑車を挟んで綱引きをしている。電動機が持ち上げるのは両者の差だけである。
釣合いおもりの質量は
250+1 500×0.4=250+600=850 kg。
定格積載時のかご側は
250+1 500=1 750 kg。
差は 1 750−850=900 kg。
速度は 100 m/min=100/60≒1.667 m/s。
必要な機械動力は
900×9.8×1.667≒14 700 W。
機械効率75 %で割って電動機の出力は
14 700/0.75=19 600 W=19.6 kW。答(3)。
(2)の14.7は効率で割る前の値である。電動機が出す側なので,損失のぶんだけ大きくなる=効率で割る。
釣合いおもりを積載質量の40 %ぶん重くしてあるのは,満載と空かごのどちらでも差が小さくなるようにするためで,これがロープ式が省エネな理由である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 機械 問11
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 12
次の文章は,ナトリウム−硫黄電池に関する記述である。
大規模な電力貯蔵用の二次電池として,ナトリウム−硫黄電池がある。この電池は (ア) 状態で使用されることが一般的である。 (イ) 極活性物質にナトリウム, (ウ) 極活性物質に硫黄を使用し,仕切りとなる固体電解物質には,ナトリウムイオンだけを透過する特性がある (エ) を用いている。
セル当たりの起電力は (オ) Vと低く,容量も小さいため,実際の電池では,多数のセルを直並列に接続して集合化し,モジュール電池としている。この電池は,鉛蓄電池に比べて単位質量当たりのエネルギー密度が3倍と高く,長寿命な二次電池である。
上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:4
(ア) ナトリウム−硫黄電池(NAS電池)は,ナトリウムと硫黄をどちらも溶融させて使うため,約300 ℃の高温に保って運転する。
(イ)(ウ) イオン化傾向の大きいナトリウムが電子を出す側なので負極,硫黄が電子を受け取る側なので正極である。
(エ) 仕切りにはナトリウムイオンだけを通すセラミックスであるベータアルミナを使う。多孔質ポリマーは高温に耐えられないうえ,イオンを選ぶ性質もない。
(オ) セル当たりの起電力は約2 Vで,選択肢では1.7〜2.1 Vが当てはまる。1.2〜1.5 Vはニッケル水素電池やニカド電池の値である。
高温/負/正/ベータアルミナ/1.7〜2.1となり答(4)。
(イ)(ウ)は「活性物質」という言い方に惑わされやすいが,イオン化しやすい金属のほうが負極という原則で決まる。鉛蓄電池で鉛が負極,二酸化鉛が正極なのと同じ見方でよい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 機械 問12
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 13
文字や音声,画像などの情報を電気信号や光信号に変換してやりとりすることを電気通信といい,様々な用途や場所で利用されている。電気通信に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:4
電波は波長が長いほど障害物の陰へ回り込みやすく(回折しやすく),広い範囲に届く代わりに直進性が弱い。逆に周波数が高く波長が短い電波ほど直進性が強く,パラボラアンテナなどで特定の方向へ絞って飛ばせる。「周波数の低い,すなわち波長の長い電波は直進性が強い」とする(4)は逆であり,これが答になる。
実際,長波や中波は建物の陰にも届いて遠くまで放送できるのに対し,衛星通信やレーダのように方向を絞りたい用途にはマイクロ波(周波数の高い電波)を使う。
他の記述を確かめる。(1)有線と無線の区別のとおり。(2)ディジタル方式が雑音に強いのは,波形が多少崩れても0か1かを判定し直せるため。(3)光ファイバはコア(屈折率が高い)とクラッド(低い)の境界で全反射させて光を閉じ込める。電磁誘導を受けないので漏話に強い。(5)パリティチェックの説明のとおりで,1の個数を奇数(奇数パリティ)または偶数(偶数パリティ)にそろえる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 機械 問13
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 14
次の文章は,電子機械の構成と基礎技術に関する記述である。
ディジタルカメラや自動洗濯機など我々が日常で使う機器,ロボット,生産工場の工作機械など,多くの電子機械はメカトロニクス技術によって設計・製造され,運用されている。機械にマイクロコンピュータを取り入れるようになり,メカトロニクス技術は発展してきた。
電子機械では,外界の情報や機械内部の運動状態を各種センサにより取得する。大部分のセンサ出力は電圧または電流の信号であり時間的に連続に変化する (ア) 信号である。電気,油圧,空気圧などのエネルギーを機械的な動きに変換するアクチュエータも (ア) 信号で動作するものが多い。これらの信号はコンピュータで構成される制御装置で (イ) 信号として処理するため,信号の変換器が必要となる。 (ア) 信号から (イ) 信号への変換器を (ウ) 変換器,その逆の変換器を (エ) 変換器という。センサの出力信号は (ウ) 変換器を介してコンピュータに取り込まれ,コンピュータで生成されたアクチュエータへの指令は (エ) 変換器を介してアクチュエータに送られる。その間必要に応じて信号レベルを変換する。このような,センサやアクチュエータとコンピュータとの橋渡しの機能をもつものを (オ) という。
上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:2
(ア) 「時間的に連続に変化する」と書かれているのでアナログ信号である。
(イ) コンピュータが扱えるのは離散的な値なのでディジタル信号。
(ウ) アナログからディジタルへ変換するのだから A-D変換器。
(エ) その逆なので D-A変換器。
(オ) センサやアクチュエータとコンピュータの間をつなぐ部分をインタフェースという。ネットワークは機器どうしを結ぶ通信路のことで,橋渡しの機能そのものを指す語ではない。
アナログ/ディジタル/A-D/D-A/インタフェースとなり答(2)。
(3)との違いは(オ)だけ,(5)との違いは(ウ)(エ)の向きだけである。センサ側は「取り込む」のでA-D,アクチュエータ側は「送り出す」のでD-Aと,信号の流れる向きで決まる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 機械 問14
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 15(a)
図は,出力信号yを入力信号xに一致させるように動作するフィードバック制御系のブロック線図である。次の(a)及び(b)の問に答えよ。
〔小問(a)〕 図において,K=5,T=0.1として,入力信号からフィードバック信号までの一巡伝達関数(開ループ伝達関数)を表す式を計算し,正しいものを次の(1)〜(5)から一つ選べ。
正解:2
この系はループが二重になっている。まず内側から片付ける。
制御対象は 1/(jωT) に単位帰還(負)がかかっているので,内側の閉ループ伝達関数は
(1/(jωT))/(1+1/(jωT))=1/(1+jωT)。
一巡伝達関数は,外側のループを1周する経路の伝達関数を掛け合わせたものである。経路は「制御器K → 内側の閉ループ → 帰還(係数1)」なので
K×1/(1+jωT)=5/(1+jω×0.1)。答(2)。
内側の帰還を忘れて K×1/(jωT) としてしまうと,分母に定数項が出ず選択肢に無い形になる。逆に内側の帰還を外側と混ぜて K/(1+K/(jωT)) のように扱うと分母に6が出て(3)(4)(5)のような形になるが,これは外側の閉ループを作ってしまっている。問われているのは閉ループではなく一巡伝達関数である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 機械 問15(a)
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 15(b)
図は,出力信号yを入力信号xに一致させるように動作するフィードバック制御系のブロック線図である。次の問に答えよ。
〔小問(b)〕 (a)で求めた一巡伝達関数において,ωを変化させることで得られるベクトル軌跡はどのような曲線を描くか,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
(小問(a)より,一巡伝達関数は 5/(1+jω0.1) である。選択肢は原本から切り出した図で示す。)
正解:3
一巡伝達関数 G=5/(1+j0.1ω) について,ωを0から∞まで動かしたときの値を3点だけ押さえれば形が決まる。
ω=0 のとき G=5/1=5。実軸上の5.0が出発点である。
ω=∞ のとき 分母が無限大になるので G→0。原点に収束する。
ω=10 のとき 分母は 1+j1 で,大きさ√2,偏角+45°。分母の偏角は分数では符号が反転するので G の偏角は −45°,大きさは 5/√2≒3.54。
分母が「1+虚数」の形なので,ωがどんな値でも偏角は必ず0°から−90°の間にある。したがって軌跡は実軸より下(虚軸が負)の半円になる。
出発点が5.0,下半分,ω=10で−45°を通る——この3つを満たすのは(3)である。答(3)。
上半分に描いた(1)(2)は,分母の虚数の符号を分子へ移すときに符号を反転させ忘れた場合。0.83から始まる(2)(4)(5)は,(a)で分母に6が出る形(5/6≒0.83)を選んでしまった場合に対応している。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 機械 問15(b)
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 16(a)
図1は,IGBTを用いた単相ブリッジ接続の電圧形インバータを示す。直流電圧E_d[V]は,一定値と見なせる。出力端子には,インダクタンスL[H]の誘導性負荷が接続されている。
図2は,このインバータの動作波形である。時刻t=0 sでIGBT Q₃及びQ₄のゲート信号をオフにするとともにQ₁及びQ₂のゲート信号をオンにすると,出力電圧v_aはE_d[V]となる。t=T/2[s]でQ₁及びQ₂のゲート信号をオフにするとともにQ₃及びQ₄のゲート信号をオンにすると,出力電圧v_aは−E_d[V]となる。これを周期T[s]で繰り返して方形波電圧を出力する。
このとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。
ただし,デバイス(IGBT及びダイオード)での電圧降下は無視するものとする。
〔小問(a)〕 t=0 sにおいてi_a=−I_p[A]とする。時刻t=T/2[s]の直前ではQ₁及びQ₂がオンしており,出力電流は直流電源からQ₁→負荷→Q₂の経路で流れている。t=T/2[s]でIGBT Q₁及びQ₂のゲート信号をオフにするとともにQ₃及びQ₄のゲート信号をオンにした。その直後(図2で,t=T/2[s]から,出力電流が0 Aになるt=t_r[s]までの期間),出力電流が流れるデバイスとして,正しい組合せを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:4
負荷はインダクタンスなので,電流の向きは瞬時には変えられない。t=T/2 の直前に流れていた向き(Q₁→負荷→Q₂の向き)が,直後もそのまま続く。
一方で電圧のほうは瞬時に反転して −E_d になる。つまり,電流の向きは前のまま,電圧は逆向き——この状態で電流が通れるのは,Q₃・Q₄と逆並列に付けられたダイオードだけである。
実際に経路を追う。電流は負荷を出て,直流電源の正極側へ戻らなければならない。Q₄と逆並列のD₄がその向きを通す。負荷へ入る側は,直流電源の負極側から供給される必要があり,Q₃と逆並列のD₃がその向きを通す。
したがって流れるのはD₃とD₄である。答(4)。
この期間,電流は電源へ向かって流れているので,インダクタンスに蓄えられていたエネルギーが電源へ返されている(回生)。電流が零になるt=t_rを過ぎると向きが反転し,そこから先はQ₃とQ₄が電流を受け持つ。
ゲート信号をオンにしたQ₃・Q₄がすぐに電流を流すと考えて(2)を選びやすいが,スイッチは向きの合った電流しか流せない。誘導性負荷のインバータで還流ダイオードが必ず付いているのはこのためである。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 機械 問16(a)
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 16(b)
図1は,IGBTを用いた単相ブリッジ接続の電圧形インバータを示す。直流電圧E_d[V]は,一定値と見なせる。出力端子には,インダクタンスL[H]の誘導性負荷が接続されている。
図2は,このインバータの動作波形である。時刻t=0 sでIGBT Q₃及びQ₄のゲート信号をオフにするとともにQ₁及びQ₂のゲート信号をオンにすると,出力電圧v_aはE_d[V]となる。t=T/2[s]でQ₁及びQ₂のゲート信号をオフにするとともにQ₃及びQ₄のゲート信号をオンにすると,出力電圧v_aは−E_d[V]となる。これを周期T[s]で繰り返して方形波電圧を出力する。次の問に答えよ。
ただし,デバイス(IGBT及びダイオード)での電圧降下は無視するものとする。
〔小問(b)〕 図1の回路においてE_d=100 V,L=10 mH,T=0.02 sとする。t=0 sにおける電流値を−I_pとして,t=T/2[s]における電流値をI_pとしたとき,I_pの値[A]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:3
0 sから T/2 までの間,負荷にかかる電圧は一定のE_d=100 Vである。負荷はインダクタンスだけなので
v=L(di/dt) より di/dt=E_d/L=100/(10×10⁻³)=10 000 A/s。
電流は一定の傾きで増えていく。これが図2の電流波形が三角波になっている理由である。
経過時間は T/2=0.02/2=0.01 s なので,電流の増加量は
10 000×0.01=100 A。
この間に電流は −I_p から +I_p へ変わるので,増加量は 2I_p にあたる。
2I_p=100 より I_p=50 A。答(3)。
増加量の100 Aをそのまま答えると(5)になる。−I_pから+I_pへの変化なので,振れ幅はI_pの2倍であることに注意する。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 機械 問16(b)
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問 17(a)
消費電力1.00 kWのヒートポンプ式電気給湯器を6時間運転して,温度20.0 ℃,体積0.370 m³の水を加熱した。ここで用いられているヒートポンプユニットの成績係数(COP)は4.5である。次の(a)及び(b)の問に答えよ。
ただし,水の比熱容量と密度は,それぞれ,4.18×10³ J/(kg·K)と1.00×10³ kg/m³とし,水の温度に関係なく一定とする。ヒートポンプ式電気給湯器の貯湯タンク,ヒートポンプユニット,配管などの加熱に必要な熱エネルギーは無視し,それらからの熱損失もないものとする。また,ヒートポンプユニットの消費電力及びCOPは,いずれも加熱の開始から終了まで一定とする。
〔小問(a)〕 このときの水の加熱に用いた熱エネルギーの値[MJ]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
正解:5
まず給湯器が消費した電力量を求める。
1.00 kW×6 h=6.00 kW·h。
1 kW·h=3.6 MJ なので
6.00×3.6=21.6 MJ。
成績係数(COP)は「取り出せた熱エネルギー」÷「投入した電気エネルギー」なので,水に与えた熱は
21.6×4.5=97.2 MJ。答(5)。
(1)の21.6は投入した電気エネルギーのほうである。ヒートポンプは電気を熱に変えるのではなく,外気の熱を汲み上げて運ぶ機械なので,取り出せる熱は投入した電気よりCOP倍だけ大きくなる。ここでCOPを掛けるか割るかを取り違えると 21.6/4.5=4.8 となり,選択肢から外れる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 機械 問17(a)
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 17(b)
消費電力1.00 kWのヒートポンプ式電気給湯器を6時間運転して,温度20.0 ℃,体積0.370 m³の水を加熱した。ここで用いられているヒートポンプユニットの成績係数(COP)は4.5である。次の問に答えよ。
ただし,水の比熱容量と密度は,それぞれ,4.18×10³ J/(kg·K)と1.00×10³ kg/m³とし,水の温度に関係なく一定とする。ヒートポンプ式電気給湯器の貯湯タンク,ヒートポンプユニット,配管などの加熱に必要な熱エネルギーは無視し,それらからの熱損失もないものとする。また,ヒートポンプユニットの消費電力及びCOPは,いずれも加熱の開始から終了まで一定とする。
〔小問(b)〕 加熱後の水の温度[℃]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
(小問(a)より,水の加熱に用いた熱エネルギーは97.2 MJである。)
正解:5
水の質量は体積と密度から
0.370×1.00×10³=370 kg。
熱量と温度上昇の関係は Q=mcΔT なので
ΔT=Q/(mc)=97.2×10⁶/(370×4.18×10³)=97.2×10⁶/(1.5466×10⁶)≒62.8 K。
加熱前が20.0 ℃だったので,加熱後は
20.0+62.8=82.8 ℃。答(5)。
最後に初めの温度を足し忘れると62.8となり,どの選択肢にも一致しない。求められているのは上昇分ではなく加熱後の温度である。
なお比熱容量の単位が J/(kg·K) なので,質量は kg,熱量は J にそろえてから割る。MJ のまま割ると10⁶倍ずれる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 機械 問17(b)
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問 18(a)
以下の論理回路について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。
〔小問(a)〕 図1に示す論理回路の真理値表として,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
(選択肢は原本から切り出した真理値表で示す。)
正解:5
図1はNANDだけで組んだ回路である。順にたどる。
まず入力AとBを受けるNANDの出力を P とすると P=NAND(A,B)。
つぎの2つのNANDは,それぞれ NAND(A,P) と NAND(B,P) を出す。この2つをさらにNANDで受けたものがS₁で,整理すると S₁=A⊕B(排他的論理和)になる。
一方C₁は,Pを入力を短絡したNAND(すなわちインバータ)に通したもので C₁=NOT(P)=A·B(論理積)である。
したがって真理値表は
A=0,B=0 → S₁=0,C₁=0
A=0,B=1 → S₁=1,C₁=0
A=1,B=0 → S₁=1,C₁=0
A=1,B=1 → S₁=0,C₁=1
となり答(5)。
これは1桁の2進加算を行う半加算器で,S₁が和,C₁が桁上げにあたる。0+1=1,1+1=10 という結果と一致していることを確かめられる。
S₁の列がすべて0の(1)(2)や,どちらか一方だけ1の(3)(4)は,排他的論理和になっていないので消せる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 機械 問18(a)
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 18(b)
以下の論理回路について,次の問に答えよ。
〔小問(b)〕 図1に示す論理回路を2組用いて図2に示すように接続して構成したとき,A,B及びC₀の入力に対する出力S₂及びC₂の記述として,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
(小問(a)より,図1の回路は半加算器で,S₁=A⊕B,C₁=A·B である。)
正解:2
図2は半加算器を2組つなぎ,最後に2つの桁上げをまとめた全加算器である。1組目でAとBを足してS₁とC₁を作り,2組目でS₁とC₀を足してS₂と2つ目の桁上げを作る。最後のNAND2段は論理和として働き,2つの桁上げのどちらかが1ならC₂=1になる。
したがって出力は
S₂=A⊕B⊕C₀,C₂=A,B,C₀のうち1が2個以上あれば1,
すなわち A+B+C₀ を2桁の2進数で表したものになる。
各選択肢を確かめる。
(1) 0+0+0=0 なのでS₂=0,C₂=0。C₂=1としているので誤り。
(2) 0+1+0=1 なのでS₂=1,C₂=0。記述と一致するので正しい。
(3) 1+0+0=1 なのでS₂=1,C₂=0。記述と逆で誤り。
(4) 1+0+1=2=2進数で10 なのでS₂=0,C₂=1。記述と逆で誤り。
(5) 1+1+1=3=2進数で11 なのでS₂=1,C₂=1。S₂を0としているので誤り。
答(2)。
全加算器は「入力3つの1の個数を数え,その個数を2進2桁で出す回路」と見ると速い。1の個数が奇数ならS₂=1,2個以上ならC₂=1である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 機械 問18(b)
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