1級建築施工管理技士(第一次検定)「建築学・共通」出題ポイント解説
1級建築施工管理技士(第一次検定)「建築学・共通」の出題ポイントを整理。環境工学・構造力学・一般構造・建築材料・建築設備・共通分野の頻出論点を体系化して解説します。1級は2級より計算・数値基準が高度なため、原理の理解と代表値の暗記を両立させましょう。
※受験料・試験日程・合格基準・出題範囲は改定される場合があります。最新情報は必ず建設業振興基金の公式情報でご確認ください。
出題傾向
- 分野: 環境工学・構造力学・一般構造・建築材料・建築設備・共通(測量・積算・契約約款)
- 出題形式: 四肢択一式の知識問題が中心。構造力学では応力・反力・全塑性モーメント等の計算問題が出題される
- 合格目標: 第一次検定は全体で60%以上(36問以上)の正答が必要
- 1級は2級より踏み込んだ理論・数値が問われるため、原理から理解しておく
頻出論点1: 環境工学 - 日照・採光・伝熱
- 日照: 夏至は太陽高度が高く南面の日射量が小さい。冬至は太陽高度が低く南面の日射量が大きい。日影規制は冬至日の真太陽時8時〜16時を基準に検討
- 採光: 昼光率は室内のある点の照度と全天空照度の比。直射日光を除いた天空光で評価する。昼光率は時刻によらずほぼ一定
- 伝熱: 熱貫流率(U値)が小さいほど断熱性能が高い。熱伝導率は金属>普通コンクリート>木材>断熱材の順。中空層は厚さ20〜30mm程度で断熱効果が頭打ちになる
頻出論点2: 環境工学 - 結露・換気・音・色彩
- 結露: 表面結露は表面温度が露点温度を下回ると発生。内部結露の防止には防湿層を断熱材の室内(高温)側に設ける
- 換気: 必要換気量は二酸化炭素濃度を基準に算定(室内CO2許容濃度0.1%=1,000ppm)。第1種は給排気とも機械、第2種は給気のみ機械(正圧)、第3種は排気のみ機械(負圧)
- 音: 残響時間は室容積に比例し吸音力に反比例(セービンの式)。床衝撃音はL値が小さいほど遮音性能が高い。透過損失は壁が重いほど大きい(質量則)
- 色彩: マンセル表色系は色相・明度・彩度で表す。膨張色は明度の高い暖色系、収縮色は明度の低い寒色系
頻出論点3: 構造力学 - 反力・応力・曲げモーメント
- 力のつり合い条件: ΣX=0、ΣY=0、ΣM=0。反力は支点まわりのモーメントのつり合いから算定
- 支点: 移動支点(ローラー)は鉛直反力のみ、回転支点(ピン)は鉛直・水平反力、固定支点は反力+モーメント反力
- 単純ばり: 中央集中荷重PではM=PL/4、等分布荷重wではM=wL²/8(いずれも中央で最大)
- 片持ばり: 先端集中荷重PではM=PL、等分布荷重wではM=wL²/2(固定端で最大)
- 曲げモーメント図(BMD)・せん断力図(SFD)の形状を理解する
頻出論点4: 構造力学 - 座屈・断面の性質・全塑性モーメント
- 座屈: 弾性座屈荷重(オイラー座屈)は断面二次モーメントに比例し、座屈長さの2乗に反比例。両端ピンの座屈長さは部材長と等しい
- 断面の性質: 断面二次モーメントは長方形でI=bh³/12。断面係数Z=I/y。曲げ応力度σ=M/Z
- 全塑性モーメント: 断面全体が降伏点に達したときの曲げ耐力。塑性断面係数Zpを用いてMp=σy・Zp。長方形断面ではZp/Z=1.5(形状係数)
頻出論点5: 一般構造 - 地盤・基礎
- 地盤: 砂質地盤は液状化、粘性土地盤は圧密沈下のおそれ。N値が大きいほど地盤は堅固。標準貫入試験でN値を測定
- 直接基礎: 良質地盤が浅い場合に採用。独立基礎・布基礎・べた基礎
- 杭基礎: 支持杭は先端を支持層に到達させ、摩擦杭は周面摩擦で支持。打込み杭・埋込み杭・場所打ちコンクリート杭がある
- 異種基礎の併用は不同沈下を招きやすく原則避ける
頻出論点6: 一般構造 - RC造・S造・SRC造・木造
- RC造: 圧縮はコンクリート、引張は鉄筋が負担。柱主筋は4本以上、帯筋(フープ)・あばら筋(スターラップ)でせん断補強。耐震壁が水平力に有効
- S造: 鋼材は強度が高く靱性に富むが火災に弱く座屈・たわみに注意。耐火被覆や局部座屈対策が必要
- SRC造: 鉄骨を鉄筋コンクリートで被覆。RC造より靱性に富み、S造より剛性が高い
- 木造: 引張筋かいは厚さ1.5cm幅9cm以上、圧縮筋かいは厚さ3cm幅9cm以上。継手・仕口は金物で補強
頻出論点7: 一般構造 - 耐震・免震・制振
- 耐震: 建物自体の強度・靱性で地震力に抵抗する。耐震壁・ブレースの増設など
- 免震: 積層ゴムなどの免震装置を基礎部に設け、地盤と建物を絶縁して揺れを伝えにくくする。建物の固有周期を長くする
- 制振: ダンパー等の制振装置で地震・風によるエネルギーを吸収し、揺れを低減する
頻出論点8: 建築材料
- コンクリート: 圧縮に強く引張に弱い(引張強度は圧縮強度の1/10程度)。水セメント比が小さいほど強度・耐久性が高い。ヤング係数は圧縮強度が大きいほど大
- 鋼材: 引張試験で降伏点・引張強さを示す。炭素量が増すと強度は上がるが靱性・溶接性は低下。ヤング係数は約2.05×10⁵N/mm²で強度によらず一定
- 木材: 含水率が小さいほど強度が高い。気乾状態の含水率は約15%。繊維方向の強度が大きい
- 防水・建具・断熱: アスファルト防水・シート防水・塗膜防水。複層ガラスは断熱性に優れ、Low-E複層ガラスは遮熱・断熱性能が高い
頻出論点9: 建築設備・共通(測量・積算・契約約款)
- 給排水: 給水方式は水道直結直圧・受水槽・高置水槽方式等。排水トラップの破封防止に通気管を設ける
- 空調・電気・防災: 単一ダクト方式・ファンコイルユニット方式。受変電設備・自動火災報知設備・非常用照明・避雷設備の役割を理解
- 昇降機: ロープ式・油圧式エレベーター。火災時管制運転・地震時管制運転
- 測量: トラバース測量・水準測量・GNSS測量。誤差の種類(過失・定誤差・偶然誤差)
- 積算・契約約款: 数量積算基準による拾い出し。公共工事標準請負契約約款の条項を確認
効果的な学習法
建築学・共通は範囲が広いものの、各論点の原理・代表的な数値・用語を押さえれば1級でも得点しやすい分野です。構造力学の計算は公式の暗記だけでなく導出過程を理解しましょう。当サイトの一問一答で繰り返し演習し、知識を定着させてください。あわせて建築施工の出題ポイントへ進むと、構造の知識が施工の理解に直結します。
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