ドローン国家資格 一等「操縦者及び運航体制」出題ポイント解説
一等無人航空機操縦士「操縦者及び運航体制」分野は二等の論点(行動規範・気象・CRM・健康管理)に加え、カテゴリーIII運航体制(第三者上空での補助者なし飛行に対応する組織的安全管理体制)が一等独自項目として出題されます。
※受験料・試験日程・合格基準・法令の数値は改定される場合があります。最新情報は必ず無人航空機操縦士試験案内サイトの公式情報でご確認ください。
1. 操縦者の行動規範
- 酒気帯び・飲酒: 操縦は厳禁。発覚で技能証明取消の対象
- 薬物・睡眠不足・過労: 判断力低下の主因、運航中止判断が重要
- 健康管理: 当日の体調確認(自己点検)を必ず実施
- 遵法意識: 法令違反は本人・所属組織の信用を毀損
- カテゴリーIII操縦者: より高度な自己管理+組織的健康チェック義務
2. プリフライトチェック
離陸前の必須確認項目:
- 機体外観・プロペラ・ローターアーム
- バッテリー残量・固定状態
- センサーキャリブレーション(IMU・コンパス)
- 送信機(プロポ)の電池残量・スティック動作
- GPS受信状況・ホームポイント設定
- 飛行エリアの安全確認(人・物件・障害物)
- 気象条件(風速・降雨・視程)の最終確認
- カテゴリーIII: ADS-B受信・遠隔監視システム動作確認・パラシュート機構確認
チェックリストでの実施が原則。記録保管も推奨。
3. CRM(Crew Resource Management)
複数名運航時の役割分担・情報共有・意思決定の体制。操縦者・補助者・観察者の役割を明確化、緊急時の指揮命令系統を事前合意。重大事故防止の核となる考え方です。カテゴリーIII運航では遠隔管理者(リモートマネージャー)を含めた組織的CRMが要求。
4. 気象条件の判断
- 風速: 機体性能の最大風速以下+安全マージン(一般に5-7m/s以下推奨)
- 突風: 平均風速だけでなくガストファクター(最大瞬間風速)を考慮
- 降雨: 多くの機体は非防水。霧雨でも電気系統故障リスク
- 視程: 目視可能距離を確保(霧・PM2.5等で低下)
- 落雷: 雷注意報発令時は飛行中止
- 気温: 低温(バッテリー性能低下)・高温(モーター過熱)双方に注意
- カテゴリーIII目視外飛行: ルート全域の気象予報・実況確認(複数地点)
5. 補助者の役割と配置(カテゴリーII以下)
補助者は『操縦者を支援する要員』。主な役割:
- 周辺の第三者・物件の監視
- 第三者への注意喚起・立入制限
- 緊急時の通報(消防・警察)
- 操縦者への情報伝達(風向・障害物等)
6. カテゴリーIII運航体制(一等独自重点)
カテゴリーIII(第三者上空・補助者なし目視外飛行)では補助者を配置しない代わりに以下の代替手段が必須:
- 遠隔監視システム: GPSテレメトリ・ライブ動画でルート全域監視
- ADS-B受信: 有人機の位置情報を受信し衝突回避
- 遠隔管理者(リモートマネージャー): 中央指令室から複数機体運航を管理
- 自動飛行制御: 事前計画ルートを自律飛行+異常検知で自動帰還
- 緊急介入手順: 異常検知時の手動切替・不時着判断のSOP
- 組織的安全管理体制(SMS:Safety Management System): 運航前リスク評価・運航中監視・運航後記録分析の循環
7. 運航マニュアル
飛行計画・手順・緊急対応をまとめた文書。許可申請時の添付資料で、運航前に必ず確認・遵守。事故発生時の責任所在の明確化にも資する。カテゴリーIIIではCONOPS(Concept of Operations)として組織レベルで策定。
8. 飛行記録
- 日時・場所・操縦者・機体ID・飛行時間・飛行モードの記録
- 異常事象・緊急時対応の特記事項
- カテゴリーIII: 自動記録機能で改ざん不可なログ保管
- 保管期間: 最低3年(事故時の調査用)
関連記事
- 当サイトの一等無人航空機操縦士 一問一答で操縦者及び運航体制章75問を演習
- 過去問傾向は過去問の傾向と対策を参照
- 用語の定義整理は用語集を参照
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