運行管理者(旅客)の点呼 完全ガイド【対面・電話・遠隔・中間点呼】
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点呼は運行管理者の業務の中核であり、運行管理者(旅客)試験では道路運送法関係・実務分野の両方から毎回のように出題される最重要テーマです。業務前・業務後・中間点呼の3種類それぞれの報告・確認事項、対面原則と遠隔点呼・電話点呼の例外の階層、アルコール検知器の備付け義務、記録の1年保存、さらに貸切バスの運行指示に関わる録音・録画の90日保存まで、試験で問われる論点を体系的に整理します。
※試験の最新情報は運行管理者試験センターを、労働時間関係の改善基準告示は厚生労働省ポータルをご確認ください。
点呼とは【旅客自動車運送事業運輸規則24条】
点呼は、旅客自動車運送事業運輸規則24条に定められた、運転者の健康状態・酒気帯びの有無・車両の状態などを確認し、安全確保のために必要な指示を行う手続きです。運行の安全の起点となる業務であり、原則として営業所で対面により行います。点呼には業務前点呼・業務後点呼・中間点呼の3種類があります。
点呼3種類の要否と報告・確認事項
| 種類 | 実施タイミング | 主な報告・確認事項 | 方法 |
|---|---|---|---|
| 業務前点呼 | 業務を開始しようとするとき | ①酒気帯びの有無 ②疾病・疲労・睡眠不足等により安全な運転をすることができないおそれの有無 ③日常点検の実施またはその確認 | 対面が原則(+必要な指示) |
| 業務後点呼 | 業務を終了したとき | ①自動車・道路・運行の状況の報告 ②酒気帯びの有無 ③交替した運転者に対する通告の内容(交替時) | 対面が原則 |
| 中間点呼 | 一般貸切旅客自動車運送事業で夜間・長距離の運行を行うなど、業務前・業務後の点呼のいずれも対面等で行えない業務の途中に少なくとも1回 | ①酒気帯びの有無 ②疾病・疲労・睡眠不足等の有無(+必要な指示) | 電話その他の方法 |
報告・確認事項は「どの点呼に何が入るか」の入替えが定番です。日常点検の確認は業務前だけ、自動車・道路・運行の状況の報告は業務後だけ、酒気帯びの確認はすべての点呼で共通、と対比で覚えてください。旅客では、貸切バスの夜間・長距離運行のように業務前・業務後のいずれの点呼も対面で行えないケースで中間点呼が必要になる、という文脈まで押さえておきましょう。
対面原則と例外の階層【遠隔点呼・電話等】
点呼の方法には次の階層があります。
- ① 対面:大原則。営業所または車庫で運行管理者等が直接行います。
- ② 対面による点呼と同等の効果を有する方法(遠隔点呼等):国土交通大臣が定める、カメラ・モニター等の機器と施設・環境の要件を満たした方法です。対面と同等の扱いとなります。
- ③ 電話その他の方法:運行上やむを得ない場合に限って認められる例外です。遠隔地で業務を開始・終了するため、営業所で対面等の点呼を行えない場合がこれに当たります。
ここで注意したいのが「運行上やむを得ない場合」の範囲です。車庫と営業所が離れている、早朝・深夜で点呼を行う者が営業所にいないといった事業者側の事情は「運行上やむを得ない場合」には該当せず、電話点呼で代替することはできません。この論点は繰り返し出題されています。
なお、安全性優良事業所(Gマーク営業所)等を対象に、国土交通大臣が定めた機器を用いて営業所間などで行う「IT点呼」の制度もあります。遠隔点呼と混同しないよう、名称だけでも区別しておきましょう。
アルコール検知器の義務
酒気帯びの有無の確認は、運転者の状態を目視等で確認するとともに、アルコール検知器を用いて行わなければなりません。検知器について試験で問われるのは次の2点です。
- 営業所ごとに備え付ける:「事業用自動車ごとに設置」ではありません。電話点呼の場合は、運転者に携帯させた検知器等を使用させます。
- 常時有効に保持する:故障していないか定期的に確認し、正常に作動する状態を保つ義務があります。
また、アルコール検知器の使用は対面・電話・遠隔いずれの点呼でも必要です。道路交通法上の基準値(呼気中アルコール濃度)を下回っていても、酒気を帯びていることが確認された運転者を業務に就かせることはできません。「基準値未満なら乗務可」は誤りです。
点呼の記録と保存【1年間】
点呼を行ったときは、点呼を行った者と受けた運転者の氏名、自動車の登録番号等、点呼の日時・方法、報告・確認した事項、指示した事項などを記録し、1年間保存しなければなりません。保存期間を「3年間」とする引っかけがあるため、点呼記録=1年と正確に覚えてください。
貸切バスの録音・録画【90日保存】
旅客特有の論点として、一般貸切旅客自動車運送事業者には、電話等で行った点呼や運行指示の内容を録音・記録し、一定期間保存する義務が課される場面があります。貸切バスに関して国土交通大臣が定める方法で行った点呼・指示等の記録(録音・録画を含む)は、90日間保存するのが原則です。点呼記録の「1年」と、貸切バス関係の録音・録画の「90日」を取り違えさせる出題に注意しましょう。
試験での引っかけどころまとめ
- 中間点呼の要否:中間点呼が必要なのは、業務前・業務後の点呼のいずれも対面等で行えない業務の場合だけです。片方でも対面等で行えるなら中間点呼は不要です(貸切バスの夜間長距離運行が典型例)。
- 報告・確認事項の入替え:業務後点呼に「日常点検の確認」を混ぜる、業務前点呼に「道路・運行の状況の報告」を混ぜる選択肢は誤りです。
- 電話点呼の適用範囲:車庫と営業所が離れている・深夜早朝で点呼執行者が不在、は「運行上やむを得ない場合」に当たりません。
- 検知器の備付け単位:営業所ごとであり、自動車ごとではありません。常時有効に保持する義務もセットで問われます。
- 酒気帯びの判断:基準値未満でも酒気帯びが認められれば業務不可です。
- 保存期間の混同:点呼記録は1年間、貸切バスの録音・録画は90日間です。
点呼とあわせて、もう一つの目玉テーマである改善基準告示2024年改正まとめも早めに固めておきましょう。関連する制度用語は用語集で横断的に確認できます。
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