消防設備士甲種2類の過去問の傾向と対策【泡薬剤・混合方式・膨脹比・製図】
消防設備士甲種2類(泡消火設備)の過去問から見える出題傾向と対策を解説します。筆記45問+実技7問(鑑別5+製図2)の構成で、泡消火薬剤3種と混合方式4種の取り違え、膨脹比、フォームヘッドの放射量、製図(系統図)が合否を分けます。効率的な演習の進め方まで紹介します。
※受験料・試験日程・合格基準・法令の数値は改定される場合があります。最新情報は必ず一般財団法人 消防試験研究センターの公式サイトでご確認ください。
試験構成と合格基準
- 筆記: 消防関係法令・基礎的知識(機械・電気)・構造機能整備で45問
- 実技: 鑑別5問+製図2問(合計7問)
- 試験時間: 3時間15分(195分)
- 合格基準: 各科目40%以上 かつ 全体60%以上・実技60%以上
甲種2類が扱うのは泡消火設備です。駐車場・自動車の修理/整備場・危険物施設・飛行機格納庫・指定可燃物取扱所など、水では消火困難で油火災に適する場所が対象になります。泡消火薬剤・混合方式・放出口の性能値と構造が、筆記・実技を通じた得点源かつ落とし穴になります。
頻出パターンと対策
1. 泡消火薬剤3種の取り違え(最頻出の罠)
甲種2類で最も狙われるのが、泡消火薬剤の種類と特徴の混同です。3種の特徴を正確に押さえましょう。
| 薬剤 | 特徴 |
|---|---|
| たん白泡消火薬剤 | 動物性たん白の加水分解物。安定した泡を形成する。 |
| 合成界面活性剤泡消火薬剤 | 合成界面活性剤が主成分。高発泡にも使用できる。 |
| 水成膜泡消火薬剤(AFFF) | フッ素系界面活性剤。油面に水成膜を形成し、消火速度が速い。 |
「水成膜=AFFF=油面に水成膜・消火が速い」「合成界面活性剤=高発泡にも使える」という特徴の対応が定番の出題です。加えて、アルコールなど水溶性液体の火災には耐アルコール型(水溶性液体用)泡消火薬剤を用いる点も押さえましょう。一般の泡薬剤は水溶性液体では泡が消えてしまうため、という理由まで理解しておくと確実です。
2. 混合方式(プロポーショナー)4種の混同
薬剤と水を混ぜる混合方式の4種も、名称と仕組みを入れ替える出題が頻出です。
| 方式 | 仕組み | 規模の目安 |
|---|---|---|
| ポンプ・プロポーショナー方式 | ポンプ吐出側の水の一部を吸込側に戻す途中で薬剤を混合する。 | 中規模 |
| プレッシャー・プロポーショナー方式 | 圧力タンクとベンチュリ管を利用して混合する。 | 中規模 |
| ライン・プロポーショナー方式 | 管路のベンチュリ管で薬剤を吸引して混合する。 | 小規模向け |
| プレッシャーサイド・プロポーショナー方式 | 薬剤専用ポンプで薬剤を圧入して混合する。 | 大規模向け |
特にライン・プロポーショナー(管路のベンチュリで吸引・小規模)とプレッシャーサイド・プロポーショナー(専用ポンプで圧入・大規模)を入れ替える出題が定番です。「専用ポンプで圧入=プレッシャーサイド=大規模」の対応を軸に整理すると混同しにくくなります。
3. 膨脹比と発泡区分(施行規則18条)
製図・計算で頻出なのが膨脹比です。定義と区分を正確に覚えます。
- 膨脹比=発生した泡の体積 ÷ 泡水溶液の体積(施行規則18条)
- 低発泡=膨脹比20以下(放出口はフォームヘッド)
- 高発泡=膨脹比80以上1000未満(高発泡用泡放出口・全域放出方式/局所放出方式)
「膨脹比の分母は泡水溶液(泡消火薬剤と水の混合液)である」点と、低発泡20以下/高発泡80以上1000未満という境界値がそのまま問われます。20と80、1000未満といった数値の暗記が得点に直結します。
4. フォームヘッドの放射量(施行規則18条)
1平方メートル当たり毎分の放射量は、用途と薬剤の組み合わせで問われます。
| 対象 | 薬剤 | 放射量(L/min・㎡) |
|---|---|---|
| 道路・自動車の修理/整備・駐車の用に供する部分 | 水成膜泡消火薬剤 | 3.7 |
| 指定可燃物を貯蔵・取り扱う防火対象物 | たん白泡消火薬剤 | 6.5 |
| 指定可燃物を貯蔵・取り扱う防火対象物 | 水成膜泡消火薬剤 | 6.5 |
駐車場の水成膜泡=3.7、指定可燃物=6.5の対応を混ぜないようにしましょう。用途(駐車場か指定可燃物か)と数値をセットで暗記します。
5. 放出口・設備方式の知識
泡放出口の種類と設備方式も頻出です。次の対応を整理してください。
- フォームヘッド:低発泡用。スプリンクラーヘッドに類似。
- フォームチャンバー:屋外貯蔵タンクの側板に設置する固定泡放出口。
- 高発泡用泡放出口:全域放出方式・局所放出方式で用いる(アスピレーター型・送風機型)。
- 消火原理=窒息作用+冷却作用:泡が可燃物表面を覆って酸素を遮断(窒息)し、あわせて冷却する。油火災(第4類危険物)に有効。
なお水噴霧消火設備は第1類、泡消火設備は第2類です。区分の混同は定番の引っかけなので注意しましょう。
6. 実技:鑑別と製図
鑑別(5問)は機器(泡放出口・プロポーショナー・弁類・混合器など)の写真や図から名称・用途を答えます。製図(2問)は系統図の作成・読み取りが中心で、混合方式の構成や放出口の配置が問われます。製図対策は甲種2類最大の関門で、ここを手を動かして反復できているかが合否を分けます。
効率的な演習の進め方
- テキストで泡薬剤3種・混合方式4種を表に整理:特徴・仕組み・規模を一覧化して暗記する。
- 一問一答で数値を反復:当サイトの甲種2類 一問一答で、膨脹比(20以下/80以上1000未満)や放射量(3.7/6.5)を短時間で何度も確認。
- 取り違えポイントを重点演習:ライン/プレッシャーサイドの混同、駐車場と指定可燃物の放射量、水噴霧(1類)との区分を集中的に潰す。
- 製図を過去問形式で仕上げ:系統図の作図・読み取りを繰り返し、実技の得点を安定させる。
関連情報
2類の核心である泡消火薬剤3種と混合方式4種の徹底解説で構造を深掘りし、独学が不安な方は通信講座比較をご覧ください。
消防設備士甲種2類 一問一答 →