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消防設備士甲種2類の用語集|泡消火設備の頻出用語を読み方付きで解説

消防設備士甲種2類(泡消火設備)の学習でつまずきやすい専門用語を、読み方付きでまとめた用語集です。泡消火薬剤の種類、膨脹比などの数値、混合装置、泡放出口、泡の安定性を示す指標など、筆記・実技の両方で問われる基本語を押さえておくと、テキストの読み込みや製図の理解が一気にスムーズになります。

※受験料・試験日程・合格基準・法令の数値は改定される場合があります。最新情報は必ず一般財団法人 消防試験研究センターの公式サイトでご確認ください。

泡・薬剤に関する基本用語

泡水溶液(あわすいようえき)
泡消火薬剤と水を混合した液のことです。この泡水溶液に空気を混ぜて発泡させたものが、実際に火面を覆う「泡」になります。膨脹比を計算する際の基準となる液で、泡消火設備の消火剤の元となる重要な用語です。
膨脹比/発泡倍率(ぼうちょうひ/はっぽうばいりつ)
発生した泡の体積を、泡になる前の泡水溶液の体積で割った値です。「泡の体積÷泡水溶液の体積」で表され、この値が小さいほど水分を多く含む重い泡、大きいほど軽くかさのある泡になります。低発泡・高発泡を区分する基準として消防法施行規則18条に定められています。
低発泡(ていはっぽう)
膨脹比が20以下の泡を指します。水成膜泡などがこれに当たり、泡放出口にはフォームヘッドが用いられます。駐車場や危険物施設など、油面を膜状に覆って消火する用途に向きます。
高発泡(こうはっぽう)
膨脹比が80以上1000未満の泡を指します。合成界面活性剤泡などで大量のかさのある泡をつくり、高発泡用泡放出口から放出して防護区画を泡で満たす全域放出方式や局所放出方式で使われます。飛行機格納庫など大空間の消火に適します。
たん白泡消火薬剤(たんぱくあわしょうかやくざい)
動物性たん白の加水分解物を主原料とする泡消火薬剤です。粘り気があり安定した泡をつくるのが特徴で、油火災に対する耐久性に優れます。
合成界面活性剤泡消火薬剤(ごうせいかいめんかっせいざいあわしょうかやくざい)
合成界面活性剤を主成分とする泡消火薬剤です。低発泡から高発泡まで幅広く使えるのが特徴で、高発泡の消火にも用いられます。
水成膜泡消火薬剤/AFFF(すいせいまくあわしょうかやくざい/エーエフエフエフ)
フッ素系界面活性剤を主成分とする泡消火薬剤で、AFFF(Aqueous Film-Forming Foam)とも呼ばれます。油面上に水成膜(薄い水の膜)を形成して可燃性蒸気の発生を抑え、消火速度が速いのが特徴です。
耐アルコール型泡消火薬剤(たいアルコールがたあわしょうかやくざい)
アルコールなどの水溶性液体(水溶性の可燃物)の火災に用いる泡消火薬剤です。水溶性液体用泡消火薬剤とも呼ばれ、通常の泡が消えてしまう水溶性液体の火災でも泡を保てるよう工夫されています。
混合率(こんごうりつ)
泡水溶液に含まれる泡消火薬剤原液の割合です。3%型・6%型があり、例えば3%型は原液3に対して水97の割合で混合します。薬剤ごとに定められた混合率を守ることが適正な発泡の条件です。
25%還元時間(にじゅうごパーセントかんげんじかん)
泡に含まれる泡水溶液のうち25%が泡から水として排出(還元)されるまでの時間です。泡の安定性・保水性を示す指標で、この時間が長いほど泡が崩れにくく安定していることを意味します。

混合装置・泡放出口に関する用語

プロポーショナー(混合装置)(こんごうそうち)
水と泡消火薬剤を規定の混合率で混ぜ、泡水溶液をつくる装置の総称です。混合方式には、ポンプ・プロポーショナー方式、プレッシャー・プロポーショナー方式、ライン・プロポーショナー方式、プレッシャーサイド・プロポーショナー方式の4種があり、設備の規模や構成に応じて選ばれます。
ポンプ・プロポーショナー方式
ポンプ吐出側の水の一部を吸込側に戻す途中で、泡消火薬剤を混合する方式です。
プレッシャー・プロポーショナー方式
圧力タンクとベンチュリ管を利用して、水の圧力で泡消火薬剤を送り出し混合する方式です。
ライン・プロポーショナー方式
管路の途中に設けたベンチュリ管で、泡消火薬剤を吸引して混合する方式です。構造が簡単で小規模な設備に向きます。
プレッシャーサイド・プロポーショナー方式
泡消火薬剤専用のポンプで薬剤を圧入し、水と混合する方式です。大規模な設備に向きます。
フォームヘッド(ふぉーむへっど)
低発泡の泡を放出する泡放出口で、スプリンクラーヘッドに似た形状です。道路・自動車の修理整備・駐車の用に供する部分や、指定可燃物を扱う場所などに設けられ、床面積あたりの放射量が薬剤の種類ごとに規則で定められています。
フォームチャンバー(ふぉーむちゃんばー)
屋外の貯蔵タンクの側板に設置する固定式の泡放出口です。石油などを貯蔵する屋外タンクの火災に備え、タンク内の液面に泡を送り込んで消火します。
高発泡用泡放出口(こうはっぽうようあわほうしゅつぐち)
高発泡(膨脹比80以上1000未満)の泡を放出する泡放出口です。アスピレーター型・送風機型があり、防護区画を泡で満たす全域放出方式や、対象物に向けて放出する局所放出方式で用いられます。
冠泡体積(かんぽうたいせき)
高発泡の全域放出方式で、防護区画の床面から防護対象物の最高位より上方の一定の高さまでを泡で満たす体積のことです。この体積に膨脹比の種別に応じた放出量を乗じて、必要な泡水溶液量を算定します。
アスピレーター型(あすぴれーたーがた)
高発泡用泡放出口の型式の一つで、泡水溶液の噴流によって周囲の空気を自然に吸い込み、発泡ネットで泡をつくるものです。送風機を用いない点で、ファンで空気を強制的に送り込む送風機型と区別されます。
送風機型(そうふうきがた)
高発泡用泡放出口の型式の一つで、送風機(ファン)で空気を強制的に発泡ネットへ送り込み、膨脹比の大きい泡を大量に発生させるものです。空気を自然吸引するアスピレーター型とは発泡の駆動方法が異なります。
フォームウォーター・スプリンクラーヘッド
泡消火薬剤混合液による泡放射と、水の散水の両方の機能をもつ放出口です。飛行機格納庫などに用いられ、フォームヘッド(低発泡用)やフォームチャンバー(屋外タンク用)とは用途が異なります。
ベンチュリ管(べんちゅりかん)
管路の一部を絞って流速を高め、生じる負圧を利用する管です。ライン・プロポーショナー方式では管路の途中のベンチュリ管で泡消火薬剤を吸引し、プレッシャー・プロポーショナー方式では圧力タンクとともに用いられます。
標準放射量(ひょうじゅんほうしゃりょう)
固定式の泡放出口が有効に消火するために放射すべき量の基準です。施行令15条により、固定式の泡放出口は防護対象物の形状・構造・性質等に応じ、標準放射量で有効に消火できるよう必要な個数を適当な位置に設けます。

設備方式・設置場所に関する用語

固定式(こていしき)
フォームヘッドなどの泡放出口を配管で固定設置し、放出口から泡を放射する方式です。施行令15条により、防護対象物の形状等に応じ標準放射量で有効に消火できるよう放出口を配置します。ホースを人が操作する移動式と対になる区分です。
移動式(いどうしき)
ホース接続口にホース・ノズルを接続し、人が操作して防護対象物へ泡を放射する方式です。操作者が煙にさらされるため、火災時に煙が著しく充満するおそれのある場所以外に設けるのが原則です。
全域放出方式(ぜんいきほうしゅつほうしき)
主に高発泡用泡放出口から膨脹比の大きい泡を発生させ、防護区画全体を短時間で満たして窒息作用により消火する方式です。地下駐車場や飛行機格納庫など、大空間をまるごと防護する用途に用いられます。
局所放出方式(きょくしょほうしゅつほうしき)
防護区画全体を泡で満たすのではなく、防護対象物に向けて泡を放出して消火する方式です。全域放出方式・移動式とあわせて泡消火設備の放出方式の区分を構成します。
ホース接続口(ほーすせつぞくこう)
移動式の泡消火設備でホースを接続する接続口です。施行令15条により、防護対象物の各部分から一のホース接続口までの水平距離が定められた距離以下となるように設け、各部分へ有効に放射できるようにします。
指定可燃物(していかねんぶつ)
火災が発生した場合に拡大が速やかであるなど、火災予防上の危険が大きいものとして政令で定められた可燃物です。これを貯蔵・取り扱う防火対象物では、水成膜泡・たん白泡ともフォームヘッドの放射量が1平方メートル当たり毎分6.5リットルと、道路・駐車場等(水成膜泡で毎分3.7リットル)より高く定められています。

加圧送水装置・機器に関する用語

加圧送水装置(かあつそうすいそうち)
水源の水を加圧して混合装置・配管へ送り出す装置です。高架水槽・圧力水槽・ポンプの各方式がありますが、泡消火設備では電動機駆動のポンプが最も一般的に用いられます。
渦巻ポンプ(うずまきぽんぷ)
羽根車(インペラ)の高速回転で生じる遠心力によって水の速度エネルギーを高め、渦巻室(ケーシング)で圧力エネルギーに変換して送水する遠心ポンプです。消火設備の加圧送水装置として広く用いられます。
フート弁(ふーとべん)
ポンプの吸水管の先端(水源側)に取り付ける逆止弁で、ポンプ停止中も吸水管内の水を保持して再始動時の呼び水を確保します。ろ過用のストレーナを兼ねることが多い機器です。
呼水槽(こすいそう)
水源がポンプより低い位置にある場合に、ポンプ内および吸水管内を常に水で満たしておくために設ける水槽です。フート弁と組み合わせて用い、ポンプの空転を防ぎます。フート弁との名称の取り違えを狙う出題があります。
全揚程(ぜんようてい)
実際の揚水高さ(実揚程)に、配管やバルブでの摩擦損失水頭と必要放水圧力に相当する水頭を加えたものです。差し引くのではなく加える点が問われます。ポンプの能力計算の基本となる値です。
キャビテーション
ポンプ吸込側などで局所的に圧力が飽和蒸気圧より低下し、水が気化して気泡が発生・崩壊して振動・騒音・壊食を招く現象です。吸込揚程が過大な場合や水温が高い場合に起きやすく、吸込揚程を小さくする(水源をポンプに近づける等)ことで防止します。
一斉開放弁(いっせいかいほうべん)
起動装置の操作等によって開き、放出区域の全ヘッドへ一斉に送水するための放出弁です。配管内の流水を検知して信号を発する流水検知装置とは役割が異なり、両者の取り違えを狙う出題があります。
流水検知装置(りゅうすいけんちそうち)
配管内の水の流れを検知して電気信号を発し、ポンプの起動やベルの鳴動につなげる装置です。放出弁である一斉開放弁と混同しないよう、役割の違いを押さえておきましょう。

電気の基礎に関する用語

フレミングの左手の法則(ふれみんぐのひだりてのほうそく)
磁界・電流・力の三者の向きの関係を示し、磁界中の導体に電流が流れたときに受ける力(電磁力)の向きを求める法則です。電動機(モータ)が回転する原理の説明として出題されます。
力率(りきりつ)
交流回路で皮相電力に対する有効電力の割合を表す値で、電圧と電流の位相差の余弦(cosθ)に等しくなります。1に近いほど無効分が少なく、電力が効率よく利用されていることを示します。
絶縁抵抗(ぜつえんていこう)
電気機器や配線の絶縁物を通じて漏れる電流の流れにくさを表す指標です。値が大きいほど漏れ電流が少なく絶縁が良好で、低下は漏電や地絡の原因となります。「小さいほど良好」とする逆の記述がひっかけの定番です。
三相誘導電動機(さんそうゆうどうでんどうき)
固定子巻線がつくる回転磁界で回転子を回す電動機で、ポンプの駆動などに用いられます。回転磁界と回転子の速度差(すべり)があることでトルクが生じ、すべりがゼロではトルクは発生しません。

点検器具・法令に関する用語

比重計(ひじゅうけい)
液体の比重を測る器具で、泡消火薬剤原液の性状点検などに用います。水素イオン濃度を測るpH計、発泡性能を確認する発泡試験器と、測定対象の対応を問う出題があります。
pH計(ぴーえいちけい)
水素イオン濃度(酸性・アルカリ性の度合い)を測定する器具です。泡消火薬剤の劣化や変質の確認に用いられ、比重を測る比重計とは対象が異なります。
発泡試験器(はっぽうしけんき)
発生した泡の膨脹比や25%還元時間など、発泡性能を確認するために用いる器具です。発泡倍率と25%還元時間の試験は、いずれも泡消火薬剤の性能を評価するために行います。
着工届(ちゃっこうとどけ)
消防用設備等の工事に着手しようとする日の10日前までに、消防長又は消防署長へ提出する届出です(消防法17条の14)。提出義務者は工事に当たる甲種消防設備士本人で、関係者が行う設置届と名宛人が異なります。
設置届(せっちとどけ)
消防用設備等の設置工事完了後に、防火対象物の関係者が消防長又は消防署長へ届け出て検査を受ける手続です(消防法17条の3の2)。着工届(甲種消防設備士・着工10日前)と義務者・時期を対比して覚えます。
点検結果報告(てんけんけっかほうこく)
消防用設備等の定期点検の結果を消防長又は消防署長へ報告する制度です(消防法17条の3の3)。報告周期は特定防火対象物が1年に1回、非特定防火対象物が3年に1回です。一定規模以上では点検を消防設備士又は消防設備点検資格者に行わせます。
型式承認(かたしきしょうにん)
検定対象の消防用機械器具等について、その型式が基準に適合する旨を承認する検定制度の第1段階で、総務大臣が行います。個々の製品を確認する型式適合検定と、実施主体の組合せがよく問われます。
型式適合検定(かたしきてきごうけんてい)
個々の製品が型式承認を受けた型式に適合するかを確認する検定で、日本消防検定協会又は登録検定機関が行います。これに合格し合格表示が付されて初めて、販売や販売目的の陳列が可能になります。
消防設備士(甲種・乙種)(しょうぼうせつびし)
甲種は消防用設備等の工事・整備・点検を行うことができ、乙種は整備・点検に限られ工事はできません。泡消火設備は第2類の区分で、工事には甲種第2類の免状が必要です。政令で定める軽微な整備は資格がなくても行えます。
防火管理者(ぼうかかんりしゃ)
一定の防火対象物で管理権原者が定め、消防計画の作成、消火・避難訓練の実施、消防用設備等の点検整備の監督などを行う者です(消防法8条)。型式適合検定は検定機関の業務であり、防火管理者の業務ではありません。
特定防火対象物(とくていぼうかたいしょうぶつ)
百貨店・飲食店・病院など、不特定多数の者が出入りする防火対象物です。消防用設備等の点検結果の報告は1年に1回とされ、非特定防火対象物(3年に1回)より周期が短く定められています。

関連情報

各用語が試験でどう問われるかは難易度・合格率の解説勉強法・参考書ガイドで確認できます。素朴な疑問はよくある質問にまとめています。

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