電験三種(第三種電気主任技術者) 全分野の一問一答
📖 電験三種(第三種電気主任技術者)「全分野」の全1440問と解説(一覧)
電験三種(第三種電気主任技術者)の全分野に関する一問一答(全1440問)の正解と解説の一覧です。上の一問一答で実際に解いてから、ここで復習・確認できます。
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問1.水力発電所の理論水力Pは、流量Q×有効落差Hで求められる(係数なし)。
正解:×(誤り)
解説:誤り。P=「9.8×Q×H[kW]」(係数9.8が必要、重力加速度由来)。
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問2.水力発電所の効率は、(発電機出力)÷(理論水力)で表される総合効率が用いられる。
正解:○(正しい)
解説:総合効率=水車効率×発電機効率で表されます。
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問3.火力発電所のランキンサイクルは、空気を作業流体とする熱サイクルである。
正解:×(誤り)
解説:誤り。ランキンサイクルは「蒸気(水)」を作業流体(空気はブレイトンサイクル等)。
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問4.火力発電所の熱効率は、再熱・再生サイクルの採用により向上する。
正解:○(正しい)
解説:再熱・再生サイクルは熱効率を向上させる代表的な方法です。
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問5.コンバインドサイクル発電は、ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせた発電方式で、単独の火力発電より熱効率が低い。
正解:×(誤り)
解説:誤り。コンバインドサイクルは従来型火力より熱効率が高く、60%近くを達成します。
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問6.原子力発電では、ウラン238が中性子放出により核分裂を起こす。
正解:×(誤り)
解説:誤り。原子炉では「ウラン235」が中性子吸収で核分裂(ウラン238は核分裂連鎖を起こさない)。
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問7.太陽光発電は、太陽電池のpn接合部分で光起電力効果を利用して発電する。
正解:○(正しい)
解説:太陽光発電の原理: 太陽電池のpn接合部分で光起電力効果により光エネルギーを電気エネルギーに変換。出力は直流のためパワーコンディショナで交流変換が必要。
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問8.風力発電の理論出力は風速の2乗に比例する。
正解:×(誤り)
解説:誤り。風力発電の出力は風速の3乗に比例します(P=(1/2)ρAv³)。
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問9.硬銅より線(HDCC)は、軟銅線より引張強度が低い。
正解:×(誤り)
解説:誤り。硬銅は「軟銅より引張強度が高い」(送電線用は強度重視)。
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問10.鋼心アルミより線(ACSR)は、軽量で強度が高いため、長径間の送電線に用いられる。
正解:○(正しい)
解説:ACSRは中心に鋼線、周囲にアルミ線で、軽量かつ高強度です。
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問11.送電電圧を高くすると、必要な電流が増加し送電損失が増える。
正解:×(誤り)
解説:誤り。送電電圧高で「電流減少→損失減少」(記述が逆)。
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問12.電力損失は送電電流に比例する(1次比例)。
正解:×(誤り)
解説:誤り。電力損失は「電流の2乗に比例」(P=I²R、1次比例ではない)。
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問13.架空送電線の電線表面における電位傾度が空気の絶縁破壊強度を超えると、コロナ放電が発生する。
正解:○(正しい)
解説:コロナ放電は電位傾度が臨界値(空気では約30kV/cm)を超えたときに発生します。
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問14.コロナ放電が発生すると、電力損失・雑音・オゾンの発生などの問題が起こる。
正解:○(正しい)
解説:コロナ損失、ラジオ雑音、オゾン、亜酸化窒素の発生などが問題となります。
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問15.多導体方式は、コロナ放電を増加させる効果がある。
正解:×(誤り)
解説:誤り。多導体方式は「コロナ放電抑制」効果(導体表面の電界強度低下)。
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問16.架空送電線路のがいしは、電線と鉄塔を絶縁するために用いられる。
正解:○(正しい)
解説:がいしの役割は電線を支持しつつ絶縁することです。
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問17.架空地線(GW)は、落雷から送電線を保護する目的で電線の下部に張られる。
正解:×(誤り)
解説:誤り。架空地線は送電線の上部に張られ、雷を誘引して送電線を保護します。
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問18.変圧器は電磁誘導の原理により交流電圧を変成する機器である。
正解:○(正しい)
解説:変圧器は電磁誘導の原理(ファラデーの法則)で交流電圧を変換。一次・二次の電圧比は巻数比 V1/V2=N1/N2 に等しい。直流では電磁誘導が起きないため動作しない。
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問19.単相3線式は、100Vのみを供給できる方式である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。単相3線式は「100Vと200V両方供給可」(中性線がある)。
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問20.三相4線式と三相3線式を比べると、三相3線式は中性線があり単相負荷も供給できる。
正解:×(誤り)
解説:誤り。中性線があるのは「三相4線式」(記述が逆)。
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問21.配電線路の電圧降下は、線路の抵抗と電流の積(抵抗降下)と、リアクタンスと電流の積(リアクタンス降下)の和で近似される。
正解:○(正しい)
解説:ΔV≒I(Rcosφ+Xsinφ)の近似式です。
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問22.力率改善には、負荷と直列にコンデンサを設置する。
正解:×(誤り)
解説:誤り。力率改善コンデンサは「負荷と並列」接続(直列ではない)。
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問23.地中電線路はケーブルを用いるため、架空電線路に比べてコロナ放電が発生しやすい。
正解:×(誤り)
解説:誤り。地中電線路(ケーブル)ではコロナ放電は発生しません。架空送電線特有の現象です。
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問24.CVケーブル(架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル)は、耐熱性と絶縁性能に優れ、地中配電によく使われる。
正解:○(正しい)
解説:CVケーブルは現在の地中送配電の主流です。
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問25.遮断器は平常時の負荷電流のみを開閉する装置である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。遮断器は「平常時電流+短絡等の故障電流も遮断」可能。
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問26.断路器は、負荷電流や故障電流を遮断する能力を持つ。
正解:×(誤り)
解説:誤り。断路器は無電流時に回路を開閉する機器で、電流遮断能力はありません。
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問27.避雷器は、雷などによる異常電圧から電力機器を保護するために設置される。
正解:○(正しい)
解説:避雷器は雷サージ・開閉サージから機器を保護します。
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問28.計器用変圧器(VT)は、低電圧を高電圧に変換する。
正解:×(誤り)
解説:誤り。VTは「高電圧→低電圧」(計器用、降圧変換)。
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問29.変流器(CT)は、小電流を大電流に変換する装置である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。CTは「大電流→小電流」(5Aや1A)に変換(昇電流ではない)。
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問30.直接接地方式は、地絡電流が小さく健全相の電位上昇が大きい。
正解:×(誤り)
解説:誤り。直接接地は「地絡電流大・電位上昇小」(記述が逆)。
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問31.パーセントインピーダンス(%Z)は、基準容量における定格電圧に対する電圧降下の割合で表される。
正解:○(正しい)
解説:%Zは短絡容量計算などで広く使用される無次元量です。
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問32.短絡容量は、基準容量にパーセントインピーダンスを乗じて求められる。
正解:×(誤り)
解説:誤り。短絡容量は「基準容量÷パーセントインピーダンス」(乗じるではなく割る)。
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問33.揚水式水力発電は、電力需要の少ない夜間に水をくみ上げ、昼間のピーク時に発電する方式である。
正解:○(正しい)
解説:揚水発電はピーク電源・負荷平準化に使われます。
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問34.ペルトン水車は、低落差・大水量の発電に適している。
正解:×(誤り)
解説:誤り。ペルトン水車は「高落差・小水量」用(衝動水車)。低落差はカプラン等。
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問35.負荷率は、最大電力÷平均電力で計算する。
正解:×(誤り)
解説:誤り。負荷率は「平均電力÷最大電力」(記述が逆)。
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問36.有効落差100m、流量10m³/sの水力発電所の理論水力[kW]はいくらか。
- ア.9800
- イ.1000
- ウ.980
- エ.10000
正解:ア.9800
解説:P=9.8QH=9.8×10×100=9800[kW]。
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問37.理論水力10000kWの水力発電所で、水車効率85%・発電機効率95%のときの発電所出力[kW]として最も近いものはどれか。
- ア.7500
- イ.8075
- ウ.9000
- エ.9500
正解:イ.8075
解説:P=10000×0.85×0.95=8075[kW]。
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問38.水力発電所の水車の種類と用途の組み合わせとして誤っているものはどれか。
- ア.ペルトン水車―高落差・小水量
- イ.フランシス水車―中落差・中水量
- ウ.クロスフロー水車―超高落差・超大水量
- エ.カプラン水車―低落差・大水量
正解:ウ.クロスフロー水車―超高落差・超大水量
解説:クロスフロー水車は小型・中低落差向けであり、超高落差・超大水量用ではありません。
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問39.火力発電所の熱効率を向上させる方法として不適切なものはどれか。
- ア.蒸気温度・蒸気圧を高くする
- イ.再熱サイクルを採用する
- ウ.再生サイクルを採用する
- エ.復水器真空度を低くする
正解:エ.復水器真空度を低くする
解説:復水器は真空度を高くすることで熱効率が上がります。
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問40.同じ電力を送電するとき、電圧を2倍にすると送電線の電力損失は何倍になるか。
- ア.1/4倍
- イ.1/2倍
- ウ.2倍
- エ.4倍
正解:ア.1/4倍
解説:P=VIより電圧2倍で電流1/2倍、損失I²Rは1/4倍。
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問41.コロナ放電の防止対策として、不適切なものはどれか。
- ア.多導体化
- イ.がいし数を減らす
- ウ.電線の太径化
- エ.電線表面の平滑化
正解:イ.がいし数を減らす
解説:がいし数はコロナ放電防止とは関係ありません(絶縁設計)。
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問42.単相3線式配電で、電圧線―中性線間の電圧が100V、電圧線―電圧線間の電圧は通常何Vか。
- ア.100
- イ.141
- ウ.200
- エ.173
正解:ウ.200
解説:単相3線式は中性線を挟んで±100V、電圧線間は200Vです。
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問43.力率0.8(遅れ)、100kWの負荷を力率1に改善するために必要な進相コンデンサの容量[kvar]として最も近いものはどれか。
- ア.25
- イ.50
- ウ.100
- エ.75
正解:エ.75
解説:Q=Ptanφ=100×(√(1-0.64)/0.8)=100×(0.6/0.8)=75[kvar]。
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問44.基準容量10MVA、%Z=5%のときの短絡容量[MVA]はいくらか。
- ア.200
- イ.20
- ウ.50
- エ.2
正解:ア.200
解説:P_s=基準容量/(%Z/100)=10/0.05=200[MVA]。
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問45.送電電圧の高圧化による利点として、誤っているものはどれか。
- ア.電力損失の減少
- イ.絶縁設計が容易になる
- ウ.送電容量が増大する
- エ.同じ電力を送るための電流が小さくなる
正解:イ.絶縁設計が容易になる
解説:電圧が高くなるほど絶縁設計は厳しくなります。
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問46.架空送電線の中性点接地方式のうち、1線地絡時の地絡電流が最も小さくなるものはどれか。
- ア.直接接地方式
- イ.抵抗接地方式
- ウ.消弧リアクトル接地方式
- エ.非接地方式のうち直接接地方式
正解:ウ.消弧リアクトル接地方式
解説:消弧リアクトル接地は対地静電容量と共振させ地絡電流を最小化します。
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問47.変電所の保護装置の組み合わせとして、誤っているものはどれか。
- ア.過電流継電器―短絡・過負荷保護
- イ.地絡継電器―地絡事故の保護
- ウ.比率差動継電器―変圧器の内部故障保護
- エ.距離継電器―機器過熱保護
正解:エ.距離継電器―機器過熱保護
解説:距離継電器は送電線故障の方向・距離判定に用います。機器過熱は熱継電器等です。
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問48.水力発電所で、流量5m³/s、有効落差80m、総合効率85%の発電所出力[kW]として最も近いものはどれか。
- ア.3332
- イ.3000
- ウ.2800
- エ.3920
正解:ア.3332
解説:P=9.8×5×80×0.85=3332[kW]。
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問49.24時間の電力需要で、最大電力6000kW、平均電力3600kWの需要家の負荷率[%]はいくらか。
- ア.40
- イ.60
- ウ.50
- エ.75
正解:イ.60
解説:負荷率=平均/最大=3600/6000=0.6=60%。
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問50.電力系統の需給バランスが崩れたとき、系統周波数はどのように変化するか。
- ア.需要>供給で上昇
- イ.常に一定
- ウ.需要>供給で低下
- エ.需要<供給で低下
正解:ウ.需要>供給で低下
解説:需要が供給を上回ると発電機が減速し周波数は低下します。
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問51.火力発電は、化石燃料(石炭・石油・天然ガス)を燃やして得られる熱で蒸気を作り、タービンを回して発電する方式である。
正解:○(正しい)
解説:火力発電:日本の主力電源、ベースロード〜ミドル運用。CO2排出が課題で再エネ・原子力との組合せ重視。
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問52.水力発電は、水の位置エネルギーを利用して発電する方式で、再生可能エネルギーに分類される。
正解:○(正しい)
解説:水力発電:CO2排出ゼロ、長寿命・安定供給。日本の電源構成で約7-8%。揚水式は需給調整用。
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問53.原子力発電は、核分裂反応の熱でタービンを回す方式で、CO2排出が少ないが安全管理が極めて重要である。
正解:○(正しい)
解説:原子力発電:高出力・低CO2だが、放射性廃棄物・事故リスクが課題。日本は2011年福島事故後、再稼働進行中。
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問54.ガス絶縁開閉装置(GIS)は、遮断器・断路器・母線などを接地した金属容器に収め、SF6ガスで絶縁したもので、変電所の縮小化に用いられる。
正解:○(正しい)
解説:SF6ガスの高い絶縁耐力により充電部間の距離を縮められ、気中絶縁の開閉設備より大幅に小型化できる。充電部が接地した金属容器に収まるため、塩害やじんあいの影響も受けにくい。
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問55.風力発電は、風の運動エネルギーを電力に変換する発電方式で、洋上風力が大規模化のトレンドである。
正解:○(正しい)
解説:風力発電:陸上・洋上の2タイプ。洋上は大型化・効率向上。風況に依存し出力変動大、系統安定化が課題。
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問56.変圧器は、電磁誘導により直流電圧の大きさを変換する装置である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。変圧器は「交流電圧」を変換(直流では電磁誘導が起きないため動作しない)。
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問57.送電損失低減のため、遠距離送電は低電圧で送電するのが一般的である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。遠距離送電は「高電圧」が一般的(電流減少で損失低下)。
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問58.配電方式の三相3線式は、3本の電線で三相交流を送電する方式で、商業・工業向けが主である。
正解:○(正しい)
解説:三相3線式:動力用(モーター駆動)。三相4線式:商用+単相両用、住宅でも使用。
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問59.フェランチ現象は、重負荷時に線路のリアクタンスによる電圧降下で、受電端電圧が送電端電圧より低くなる現象である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。フェランチ現象は、軽負荷時や無負荷時に線路の静電容量による進み電流が流れ、受電端電圧が送電端電圧より高くなる現象である。対策として受電端に分路リアクトルを設ける。
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問60.高圧(600V超〜7,000V以下)の電気設備は、特別な技術基準と保安管理が必要である。
正解:○(正しい)
解説:電気事業法:低圧(600V以下)・高圧(600V超7,000V以下)・特別高圧(7,000V超)。電圧区分で技術基準・保安体制が異なる。
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問61.地中送電は架空送電より建設コストが安い。
正解:×(誤り)
解説:誤り。地中送電は「建設コストが高い」(架空より高価、メンテも難)。
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問62.保護継電器は、電力系統の事故(短絡・地絡)を検出し、遮断器に動作命令を送る装置である。
正解:○(正しい)
解説:保護継電器:過電流・差動・距離・地絡等の種類。事故拡大防止、人身保護、設備保護の役割。
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問63.日本の系統周波数は、東日本が60Hz、西日本が50Hzである。
正解:×(誤り)
解説:誤り。東日本(おおむね静岡県富士川・新潟県糸魚川以東)が50Hz、西日本が60Hzで、両者は周波数変換所で連系している。
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問64.スマートグリッドは、従来型の電力網のことをいう。
正解:×(誤り)
解説:誤り。スマートグリッドは「ICT活用の次世代電力網」(従来型ではない)。
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問65.蓄電池(リチウムイオン電池等)は、再エネの出力変動を吸収する電力系統の安定化に活用されている。
正解:○(正しい)
解説:系統用蓄電池:需給調整・周波数調整・再エネ平準化。Tesla・テスラ Powerwall等の家庭用も普及。
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問66.500kVや275kVの送電電圧は、電技省令の電圧区分ではいずれも特別高圧にあたる。
正解:○(正しい)
解説:電技省令2条は電圧を低圧・高圧・特別高圧の3種に区分し、7,000Vを超えるものはすべて特別高圧とする。500kV・275kVなどを「超高圧」と呼ぶのは慣用的な呼び方で、法令上は特別高圧に含まれる。
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問67.原子力発電所の運転で発生する放射性廃棄物の最終処分(高レベル廃棄物)は、地層処分が国際的に主流とされる。
正解:○(正しい)
解説:高レベル放射性廃棄物:地下300m以深に地層処分。日本ではNUMO(原子力発電環境整備機構)が処分地選定中。
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問68.再エネを大量導入しても、電力系統への運用上の影響はない。
正解:×(誤り)
解説:誤り。再エネ大量導入は「出力変動・慣性低下」等の運用課題が生じる。
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問69.直流送電(HVDC)は、すべての場面で交流送電より不利である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。HVDCは「長距離送電・系統間連系で交流より有利な場合あり」(不利ではない)。
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問70.コージェネレーションは、発電と同時に発生する排熱を有効利用するシステムで、総合効率が高い。
正解:○(正しい)
解説:コージェネ:発電+熱利用で総合効率70-90%。ガスタービン・燃料電池・エンジン等。エネファーム(家庭用燃料電池)も該当。
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問71.送電損失を低減する基本原理として正しいものはどれか。
- ア.低電圧で送電
- イ.高電流で送電
- ウ.高電圧で送電(電流を減らす)
- エ.電圧と電流を同時に上げる
正解:ウ.高電圧で送電(電流を減らす)
解説:送電損失=I²R。電圧を上げて電流を減らすと損失大幅減。超高圧500kV送電が長距離送電の標準。
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問72.次の発電方式のうち、CO2排出量が最も少ないものはどれか。
- ア.石炭火力
- イ.LNG火力
- ウ.石油火力
- エ.水力
正解:エ.水力
解説:水力(再生可能エネルギー)はCO2をほとんど排出しない。火力は石炭>石油>LNGの順に排出量が多い。
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問73.日本の電力系統の周波数として正しい組合せはどれか。
- ア.東日本50Hz・西日本60Hz
- イ.東日本60Hz・西日本50Hz
- ウ.全国60Hz統一
- エ.全国50Hz統一
正解:ア.東日本50Hz・西日本60Hz
解説:東日本50Hz・西日本60Hz。明治期に異なる規格を採用、現在も継続。境界(静岡・新潟付近)に周波数変換所あり。
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問74.次のうち、力率改善のための装置として正しいものはどれか。
- ア.抵抗器
- イ.コンデンサ(進相用)
- ウ.インダクタ
- エ.ヒューズ
正解:イ.コンデンサ(進相用)
解説:進相コンデンサ:誘導性負荷(モーター等)の遅れ無効電力を打ち消し、力率を1に近づける。
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問75.次のうち、電圧階級の関係として正しいものはどれか。
- ア.特別高圧 < 低圧
- イ.高圧 < 低圧
- ウ.低圧 < 高圧 < 特別高圧
- エ.すべて同じ
正解:ウ.低圧 < 高圧 < 特別高圧
解説:電技省令2条の電圧区分:低圧(交流600V以下・直流750V以下)<高圧(それを超え7,000V以下)<特別高圧(7,000V超)。「超高圧」は特別高圧の中の慣用的な呼び方で、法令上の区分ではない。
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問76.送電線路定数には、抵抗・インダクタンスの2要素のみがある。
正解:×(誤り)
解説:誤り。線路定数は「抵抗R・インダクタンスL・静電容量C・漏れコンダクタンスG」の4要素。
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問77.送電線の電圧降下は、線路の抵抗とリアクタンスの両方の影響を受ける。
正解:○(正しい)
解説:電圧降下:ΔV ≈ √3 I (R cosφ + X sinφ)(三相)。力率により抵抗・リアクタンスの寄与が異なる。
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問78.電力系統の短絡電流計算は、相座標のみで行われる。
正解:×(誤り)
解説:誤り。短絡計算は「対称座標法(正相・逆相・零相)」が用いられる。
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問79.系統の周波数上昇は、需要が供給を上回る場合に発生する。
正解:×(誤り)
解説:誤り。周波数「低下」が需要超過時(上昇は供給超過時)。記述が逆。
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問80.系統の電圧低下は、送電線路の通過電力増加・無効電力不足等で発生する。
正解:○(正しい)
解説:電圧低下:ΔV ∝ 通過電力。進相コンデンサ・SVR等で電圧調整。重負荷時の電圧降下対策が必要。
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問81.系統安定度(同期安定度)は、外乱発生時に同期発電機が同期を維持できる能力で、定態安定度と過渡安定度がある。
正解:○(正しい)
解説:系統安定度:定態安定度(定常運転継続)・過渡安定度(事故時の脱調回避)。系統設計の重要指標。
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問82.電力系統の中性点接地方式には、直接接地・抵抗接地・消弧リアクトル接地・非接地等がある。
正解:○(正しい)
解説:中性点接地:地絡電流の制限・地絡検出の容易性等で方式選定。日本の高圧配電は基本的に非接地(または高抵抗接地)。
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問83.揚水発電は、昼間の余剰電力で水を汲み上げ夜間に発電する。
正解:×(誤り)
解説:誤り。揚水は「夜間(余剰)に汲み上げ、昼間ピーク時に発電」(昼夜が逆)。
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問84.架空送電線のねん架は、各相の電線の位置を一定区間ごとに入れ替えて、各相のインダクタンスや静電容量を平衡させるために行う。
正解:○(正しい)
解説:各相と大地・他相との距離の違いで生じる線路定数の不平衡を防ぎ、中性点の残留電圧や近くの通信線への誘導障害を減らす。
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問85.スマートメーターは、電力使用量を遠隔検針・時間帯別計量できる電子式計器である。
正解:○(正しい)
解説:スマートメーター:双方向通信・30分値計測。電力自由化・需給最適化(DR)・新電力対応の基盤。
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問86.デマンドレスポンス(DR)は、需要側で電力使用を調整して電力需給バランスに貢献する仕組みである。
正解:○(正しい)
解説:DR:ピーク時の節電要請(ネガワット)・需要シフト等。蓄電池・空調制御・EVなどを活用。
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問87.VPP(仮想発電所)は、分散型エネルギー資源(太陽光・蓄電池・需要家設備等)をICTで集約制御し、仮想的な発電所として機能させる仕組みである。
正解:○(正しい)
解説:VPP(Virtual Power Plant):分散エネルギーリソースの集約活用。アグリゲーター(束ねる事業者)が市場取引等を実施。
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問88.架空電線のたるみは、径間の2乗に比例し、電線の水平張力に反比例する。
正解:○(正しい)
解説:たるみは D=WS²/(8T)(W:電線1mあたりの荷重、S:径間、T:水平張力)。径間が2倍になるとたるみは4倍になる。
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問89.架空配電線の活線作業は、いかなる場合も認められない。
正解:×(誤り)
解説:誤り。活線作業は「特殊な保護具使用で実施可能」(無電圧が原則だが)。
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問90.電力の周波数調整は、一段階のみで行われる。
正解:×(誤り)
解説:誤り。周波数調整は「3階層(一次・二次・三次)」(ガバナ・LFC・EDC)。
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問91.P-Q平面(有効電力P-無効電力Q)は、発電機の運転特性を可視化するためのグラフである。
正解:○(正しい)
解説:P-Q曲線:発電機容量制限・電機子電流制限・界磁電流制限・原動機出力制限・安定度限界等で運転可能領域が決まる。
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問92.送電線の自然インピーダンス負荷(SIL)は、線路の特性インピーダンスと一致する負荷で、無効電力収支がゼロとなる。
正解:○(正しい)
解説:SIL(Surge Impedance Loading):容量性Q生成と誘導性Q消費がバランスする状態。電圧プロファイルが平坦になる理想的な負荷。
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問93.フリッカは、長期的な電圧変動による現象である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。フリッカは「急激な電圧変動」による照明等への影響(短期的)。
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問94.保護リレーは、事故発生後に手動で起動する装置である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。保護リレーは「事故を自動検出し遮断器に動作命令」を送る(手動ではない)。
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問95.電力系統での連系線は、隣接する電力系統間を接続して相互融通を可能にする送電設備である。
正解:○(正しい)
解説:連系線:日本では北海道-東北・東北-東京・東京-中部(FC、周波数変換)等。相互融通で経済性・信頼性を向上。
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問96.次のうち、電力系統の周波数調整の最も短い時間スケール(数秒〜数分)の調整方式はどれか。
- ア.EDC
- イ.LFC
- ウ.ガバナフリー
- エ.揚水発電起動
正解:ウ.ガバナフリー
解説:ガバナフリー(一次調整):数秒〜数分の最速応動。LFC(二次)・EDC(三次)と階層化。
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問97.次のうち、電力品質指標として正しいものはどれか。
- ア.発電所数
- イ.発電量・送電量・配電量
- ウ.電気料金・契約電力
- エ.停電時間・電圧変動・周波数変動・高調波
正解:エ.停電時間・電圧変動・周波数変動・高調波
解説:電力品質指標:停電時間・電圧変動率・周波数変動・高調波・フリッカ等。日本は世界最高水準の品質。
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問98.次のうち、揚水発電所の往復効率(投入電力に対する発電電力)に近い値はどれか。
- ア.70〜80%
- イ.50〜60%
- ウ.30〜40%
- エ.95%以上
正解:ア.70〜80%
解説:揚水発電:往復効率約70〜80%。蓄電池より大容量・低コストで電力貯蔵可能。
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問99.次のうち、デマンドレスポンス(DR)の例として正しいものはどれか。
- ア.発電所を増設する
- イ.ピーク時に空調を弱める
- ウ.送電電圧を下げる
- エ.需要家の契約を解除する
正解:イ.ピーク時に空調を弱める
解説:DR:ピーク時の需要家側調整(節電・シフト)。需給逼迫時に効果的、ネガワット取引で報酬も。
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問100.VPP(仮想発電所)の説明として正しいものはどれか。
- ア.送電線や変電所を増強せずに、送電できる容量を仮想的に増やす仕組み
- イ.複数の発電事業者が出資して、大型の発電所を共同で建設・運営する仕組み
- ウ.分散型のエネルギーリソースを束ねて制御し、発電所と同等の機能を提供する仕組み
- エ.発電所の運転を計算機上で模擬し、運転員の訓練に用いる仕組み
正解:ウ.分散型のエネルギーリソースを束ねて制御し、発電所と同等の機能を提供する仕組み
解説:VPP(バーチャルパワープラント、仮想発電所)は、分散型エネルギーリソースの保有者や第三者が、それらを制御することで発電所と同等の機能を提供することをいう。分散型エネルギーリソースには、需要家の受電点より内側にある太陽光などの発電設備・蓄電池などの蓄電設備・需要設備と、系統に直接つながる発電設備・蓄電設備が含まれ、これらを束ねて制御する事業者をアグリゲーターという。送電できる容量を増やす仕組み、大型発電所の共同運営、運転訓練用の模擬装置は、どれもVPPではない。
根拠: 資源エネルギー庁「VPP・DRに関する用語一覧」 バーチャルパワープラント(VPP)、需要家側エネルギーリソース(DSR)、分散型エネルギーリソース(DER)、アグリゲーターの定義
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問101.次の文章は,水力発電所の種類に関する記述である。 水力発電所は (ア) を得る方法により分類すると,水路式,ダム式,ダム水路式があり,(イ) の利用方法により分類すると,(ウ) ,調整池式,貯水池式,揚水式がある。 一般的に,水路式はダム式,ダム水路式に比べ (エ) 。また,貯水ができないので発生電力の調整には適さない。ダム式,ダム水路式発電では,ダムに水を蓄えることで (イ) の調整ができるので,電力需要が大きいときにあわせて運転することができる。 河川の自然の流れをそのまま利用して発電する方式を (ウ) 発電という。貯水池などを持たない水路式発電所がこれに相当する。 1 日又は数日程度の河川流量を調整できる大きさの池を持ち,電力需要が小さいときにその池に蓄え,電力需要が大きいときに放流して発電する方式を (オ) 発電という。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,最も適切なものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア)落差 (イ)流速 (ウ)自然放流式 (エ)建設期間が長い (オ)ダム式
- 2.(ア)流速 (イ)落差 (ウ)自然放流式 (エ)建設期間が短い (オ)ダム式
- 3.(ア)落差 (イ)流量 (ウ)流込み式 (エ)高落差を得にくい (オ)調整池式
- 4.(ア)流量 (イ)落差 (ウ)流込み式 (エ)高落差を得やすい (オ)調整池式
- 5.(ア)落差 (イ)流量 (ウ)流込み式 (エ)建設費が安い (オ)貯水池式
正解:3.(ア)落差 (イ)流量 (ウ)流込み式 (エ)高落差を得にくい (オ)調整池式
解説:落差を得る方法で分類するので(ア)は落差、流量の利用方法で分類するので(イ)は流量となり、この段階で「流速」や「落差」を(イ)に入れる(1)(2)(4)は消去できる。河川の自然の流れをそのまま使うのが流込み式(ウ)、1日〜数日分の河川流量を調整できる池を持つのが調整池式(オ)なので、残る(3)(5)のうち(オ)が調整池式の(3)が正解。(5)の貯水池式は季節単位の大容量調整用で「1日又は数日」という記述に合わない。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 電力 問1
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問102.水力発電所の水圧管内における単位体積当たりの水が保有している運動エネルギー[J/m³]を表す式として,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 ただし,水の速度は水圧管の同一断面において管路方向に均一とする。また,ρは水の密度[kg/m³],v は水の速度[m/s]を表す。
- 1.1/2 ρv²
- 2.1/2 ρ²v
- 3.2ρv
- 4.√(2ρv)
- 5.1/2 ρ²v²
正解:1.1/2 ρv²
解説:運動エネルギーは(1/2)mv²で表され、単位体積当たりにするには質量m[kg]を密度ρ[kg/m³]に置き換えればよく、(1/2)ρv²となる。単位も kg/m³ ×(m/s)² = J/m³ と一致し、次元的にもこの式だけが J/m³ になる((1/2)ρ²v²などはρやvの次数が過剰で J/m³ にならない)。よって正解は(1)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 電力 問2
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問103.次のa)〜e)の文章は,汽力発電所の保護装置に関する記述である。 これらの文章の内容について,適切なものと不適切なものの組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 a) 蒸気タービンの回転速度が定格を超える一定値以上に上昇すると,自動的に蒸気止弁を閉じて,タービンを停止する非常調速機が設置されている。 b) ボイラ水の循環が円滑に行われないとき,水管の焼損事故を防止するため,燃料を遮断してバーナを消火させる燃料遮断弁が設置されている。 c) 負荷の緊急遮断等によって,ボイラ内の蒸気圧力が一定限度を超えたとき,蒸気を放出させて機器の破損を防ぐため,蒸気加減弁が設置されている。 d) 蒸気タービンの軸受油圧が異常低下したとき,タービンを停止させるトリップ装置が設置されている。 e) 発電機固定子巻線の内部短絡を検出・保護するために,比率差動継電器が設置されている。
- 1.(a)適切 (b)適切 (c)不適切 (d)適切 (e)不適切
- 2.(a)不適切 (b)不適切 (c)適切 (d)適切 (e)不適切
- 3.(a)不適切 (b)不適切 (c)不適切 (d)不適切 (e)適切
- 4.(a)適切 (b)適切 (c)不適切 (d)適切 (e)適切
- 5.(a)不適切 (b)適切 (c)適切 (d)不適切 (e)適切
正解:4.(a)適切 (b)適切 (c)不適切 (d)適切 (e)適切
解説:a)は過速度時に蒸気止弁を閉じる非常調速機、b)は循環不良時の燃料遮断弁、d)は軸受油圧低下時のトリップ装置、e)は固定子巻線内部短絡を検出する比率差動継電器で、いずれも適切な記述。c)はボイラ蒸気圧力が上昇したとき蒸気を放出して機器を守るのは「安全弁」であり、「蒸気加減弁」はタービンへの蒸気量を調整して出力を制御する弁なので不適切。したがって a適切・b適切・c不適切・d適切・e適切 の(4)が正解。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 電力 問3
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問104.日本において将来に向けた検討がなされている新型炉に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.高速増殖炉では,ウラン 238 が速度の遅い熱中性子を吸収して核分裂を起こし,プルトニウム 239 に転換される。
- 2.高速増殖炉では,燃料の核分裂により消費したプルトニウム 239 の量より多くのプルトニウム 239 が生成される。
- 3.高温ガス炉では,不活性なヘリウムガスを冷却材,黒鉛を減速材として使用する。
- 4.核融合炉では,ウランなどの核分裂物質ではなく,軽い原子である水素やヘリウムの核融合反応を利用する。
- 5.核融合炉では,プラズマ状態にした重水素の原子核をきわめて高速で衝突させて,核融合反応を利用する。
正解:1.高速増殖炉では,ウラン 238 が速度の遅い熱中性子を吸収して核分裂を起こし,プルトニウム 239 に転換される。
解説:(1)は誤りで、高速増殖炉は速度の速い高速中性子を利用し、ウラン238は中性子を「吸収(捕獲)」してプルトニウム239に転換される(核分裂を起こすのではない)ため、「遅い熱中性子を吸収して核分裂を起こし」という点が二重に誤っている。(2)の増殖比が1を超える点、(3)のヘリウム冷却・黒鉛減速の高温ガス炉、(4)(5)の重水素などによる核融合はいずれも正しい記述。よって誤っているものは(1)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 電力 問4
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問105.中小水力や風力発電に使用されている誘導発電機の特徴について,同期発電機と比較した記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.構造が簡単で,励磁装置が不要である。
- 2.始動,系統への並列などの運転操作が簡単である。
- 3.回転磁界と回転子の速度に差がある。
- 4.単独で発電することができず,電力系統に並列して運転する必要がある。
- 5.系統への並列時の突入電流が小さい。
正解:5.系統への並列時の突入電流が小さい。
解説:誘導発電機は同期発電機と違い励磁装置が不要で構造が簡単、同期化操作もいらず運転操作が容易で、すべりにより回転磁界と回転子に速度差があり、励磁電流を系統から得るため単独発電はできない((1)〜(4)は正しい特徴)。誤りは(5)で、誘導発電機は誘導電動機と同様に系統への投入(並列)時に大きな突入電流が流れる(同期発電機は同期投入するため突入はほぼない)ので「突入電流が小さい」は逆。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 電力 問5
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問106.次の文章は,避雷器に関する記述である。 避雷器は,雷又は回路の開閉などに起因する過電圧の (ア) がある値を超えた場合,放電により過電圧を抑制して,電気施設の絶縁を保護する装置である。特性要素としては (イ) が広く用いられ,その (ウ) の抵抗特性により,過電圧に伴う電流のみを大地に放電させ,放電後は (エ) を遮断することができる。発変電所用避雷器では, (イ) の優れた電圧-電流特性を利用し,放電耐量が大きく,放電遅れのない (オ) 避雷器が主に使用されている。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア)波高値 (イ)ZnO (ウ)非線形 (エ)続流 (オ)ギャップレス
- 2.(ア)波頭長 (イ)ZnO (ウ)非線形 (エ)制限電圧 (オ)ギャップレス
- 3.(ア)波高値 (イ)SF₆ (ウ)線形 (エ)制限電圧 (オ)直列ギャップ付き
- 4.(ア)波高値 (イ)ZnO (ウ)線形 (エ)続流 (オ)直列ギャップ付き
- 5.(ア)波頭長 (イ)SF₆ (ウ)非線形 (エ)続流 (オ)直列ギャップ付き
正解:1.(ア)波高値 (イ)ZnO (ウ)非線形 (エ)続流 (オ)ギャップレス
解説:避雷器は過電圧の波高値(ア)が放電開始電圧を超えると放電して過電圧を抑制し、特性要素には酸化亜鉛ZnO(イ)が広く使われ、その非線形(ウ)の抵抗特性で異常電圧時のみ電流を大地へ流し放電後の続流(エ)を遮断する。ZnOの優れた電圧-電流特性を利用し放電耐量が大きく放電遅れのないギャップレス(オ)避雷器が発変電所で主流なので、正しい組合せは(1)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 電力 問6
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問107.6.6 kV 非接地方式配電線及び高圧受電設備の保護に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.高圧受電設備における地絡保護装置は,零相変流器により零相電流を検出して動作させる地絡過電流継電器や,接地用変圧器により零相電圧を検出して零相電流と零相電圧を組み合わせて動作させる地絡方向継電器が用いられる。
- 2.配電線の保護方式として,故障遮断による供給支障を極力少なくする目的で,故障遮断後に電源側から健全な区間を選別して再送電する時限順送式故障区間分離方式がある。
- 3.高圧受電設備における地絡保護装置において,地絡過電流継電器は無方向性のため,構内の高圧ケーブルのこう長が短い場合は外部事故時に大きな零相電流が流れて不要動作することがある。
- 4.地絡事故の保護のため,配電用変電所において各配電線に地絡方向継電器と地絡過電圧継電器を組み合わせて設置される。
- 5.短絡事故の保護のため,配電用変電所において各配電線に過電流継電器が設置される。
正解:3.高圧受電設備における地絡保護装置において,地絡過電流継電器は無方向性のため,構内の高圧ケーブルのこう長が短い場合は外部事故時に大きな零相電流が流れて不要動作することがある。
解説:非接地系のもらい事故(構外地絡)では対地静電容量に流れる充電電流が零相電流となり、その大きさはケーブルこう長が長い(対地静電容量が大きい)ほど大きくなる。したがって無方向性の地絡過電流継電器が外部事故で不要動作しやすいのはこう長が長い場合で、(3)の「こう長が短い場合は大きな零相電流が流れて不要動作」は逆で誤り。ZCT/接地用変圧器による地絡検出、時限順送式区間分離、DGRとOVGRの組合せ、OCRによる短絡保護を述べた他肢はいずれも正しい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 電力 問7
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問108.架空送電線路に関連する設備に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.架空送電線を鉄塔などに固定する絶縁体としてがいしが用いられている。アークホーンをがいしと併設することで,雷撃等をきっかけに発生するアーク放電からがいしを保護することができる。
- 2.架空送電線への雷撃を防止するために架空地線が設けられており,遮へい角が小さいほど雷撃防止の効果が大きい。
- 3.超高圧の架空送電線では,スペーサを用いた多導体化により,コロナ放電の抑制が図られている。スペーサはギャロッピングの防止にも効果的である。
- 4.電線に一様な微風が吹くと,電線の背後に空気の渦が生じて電線が上下に振動するサブスパン振動が発生する。振動エネルギーを吸収するダンパを電線に取り付けることで,この振動による電線の断線防止が図られている。
- 5.鉄塔又は架空地線に直撃雷があると,鉄塔から送電線へ逆フラッシオーバが起こることがある。埋設地線等により鉄塔の接地抵抗を小さくすることで,逆フラッシオーバの抑制が図られている。
正解:4.電線に一様な微風が吹くと,電線の背後に空気の渦が生じて電線が上下に振動するサブスパン振動が発生する。振動エネルギーを吸収するダンパを電線に取り付けることで,この振動による電線の断線防止が図られている。
解説:一様な微風で電線の背後にカルマン渦が生じて電線が上下に振動する現象は「微風振動」で、ダンパで振動エネルギーを吸収して断線を防ぐ。(4)はこれを「サブスパン振動」と誤って呼んでおり誤り(サブスパン振動は多導体のスペーサ間で生じる別現象)。アークホーンによるがいし保護、遮へい角が小さいほど雷遮へい効果が大、多導体スペーサによるコロナ抑制・ギャロッピング防止、埋設地線で接地抵抗を下げ逆フラッシオーバ抑制、を述べた他肢は正しい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 電力 問8
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問109.架空送電線路の雷害対策に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.二回線送電線路で,両回線の絶縁に格差を設け,二回線にまたがる事故を抑制する方法を不平衡絶縁方式という。
- 2.架空地線を多条化することで,架空地線と電力線間の結合率が増加し,鉄塔雷撃時に発生するアークホーン間電圧が抑制できるので,逆フラッシオーバの発生が抑制できる。
- 3.鉄塔塔脚の接地抵抗を低減させることで,電力線への雷撃に伴う逆フラッシオーバの発生を抑制できる。
- 4.送電用避雷装置は雷撃時に発生するアークホーン間電圧を抑制できるので,雷による事故を抑制できる。
- 5.直撃雷から架空送電線を遮へいする効果を大きくするためには,架空地線の遮へい角を小さくする。
正解:3.鉄塔塔脚の接地抵抗を低減させることで,電力線への雷撃に伴う逆フラッシオーバの発生を抑制できる。
解説:誤りは(3)。鉄塔塔脚の接地抵抗を低減して抑えられるのは「鉄塔(頂部)や架空地線への雷撃」で鉄塔電位が上昇して起こる逆フラッシオーバであり、記述のように「電力線への雷撃」に伴うものではない。電力線への直撃雷は遮へい失敗による通常のフラッシオーバであって逆フラッシオーバではないため、対象を取り違えた(3)が誤り。(1)不平衡絶縁、(2)架空地線の多条化による結合率増加、(4)送電用避雷装置、(5)遮へい角を小さくする、はいずれも正しい雷害対策である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 電力 問9
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問110.地中ケーブルの布設方法には,大別して直接埋設式,管路式,暗きょ式などがある。これらに関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.工事費が安く,工事期間が短い布設方法は,一般に直接埋設式,管路式,暗きょ式の順である。
- 2.直接埋設式では,管路あるいは暗きょといった構造物を伴わないが,地中送電線路内での事故発生に対する事故復旧は一般に管路式,暗きょ式と比較して時間を要する。
- 3.直接埋設式での電力ケーブルの外傷被害等を受けるリスクは,一般に管路式や暗きょ式と比べて高い。
- 4.暗きょ式,管路式は,直接埋設式と比べると,将来の電力ケーブル増設が容易である。
- 5.管路式では,一般に直接埋設式,暗きょ式と比較して熱放散が良いため,電力ケーブルの多条数布設に対して送電容量の制約を受けにくい。
正解:5.管路式では,一般に直接埋設式,暗きょ式と比較して熱放散が良いため,電力ケーブルの多条数布設に対して送電容量の制約を受けにくい。
解説:誤りは(5)。管路式は管内に空気層があって熱がこもりやすく、直接埋設式や暗きょ式に比べてむしろ熱放散が悪いため、多条布設では送電容量(許容電流)の制約を受けやすい。よって「熱放散が良く制約を受けにくい」とする(5)は事実と逆で誤り。(1)工事費・工期は直接埋設<管路<暗きょ、(2)直接埋設は事故復旧に時間を要する、(3)外傷リスクが高い、(4)暗きょ・管路は増設が容易、はいずれも正しい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 電力 問10
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問111.直流送電に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.非同期連系ができ,異周波数間の系統連系が可能である。
- 2.送電線のリアクタンスの影響がなく交流の安定度による制約が無いため,電線の許容電流限度まで送電できることから大電力の長距離送電が可能である。
- 3.直流は零点を通過しないため,故障時に生じる大電流を遮断できる直流遮断器の開発に課題がある。
- 4.直流電圧の最大値は同じ実効値の交流電圧より高くなるため,絶縁レベルを増加させる必要がある。
- 5.送受電端に交直変換装置が必要となり,他励式の場合は変換装置から発生する高調波対策が必要となる。
正解:4.直流電圧の最大値は同じ実効値の交流電圧より高くなるため,絶縁レベルを増加させる必要がある。
解説:誤りは(4)。同じ実効値なら交流電圧の最大値(波高値)は√2倍(約1.41倍)となり、一定値である直流電圧の最大値のほうがむしろ低い。したがって直流は同じ絶縁レベルでより高い実効値を送れる(絶縁を低減できる)のが利点であり、「直流の最大値が高く絶縁レベルを増加させる必要がある」とする(4)は逆で誤り。(1)非同期・異周波数連系、(2)安定度制約がなく許容電流まで送電可、(3)零点がなく直流遮断器に課題、(5)交直変換装置と他励式の高調波対策、はいずれも正しい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 電力 問11
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問112.定格容量 20 MV·A,一次側定格電圧 77 kV,二次側定格電圧 6.6 kV,百分率インピーダンス 10.6 %(基準容量 20 MV·A)の三相変圧器がある。三相変圧器の一次側は 77 kV の電源に接続され,二次側は負荷のみが接続されている。三相変圧器の一次側から見た電源の百分率インピーダンスは,1.1 %(基準容量 20 MV·A)である。抵抗分及びその他の定数は無視する。三相変圧器の二次側に設置する遮断器の定格遮断電流の値[kA]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.260.0
- 2.6.0
- 3.20.0
- 4.2.6
- 5.1.5
正解:3.20.0
解説:電源と変圧器を直列に合成した二次側から見た百分率インピーダンスは 1.1%+10.6%=11.7%(基準容量20 MV·A)。二次側の定格電流は Iₙ=20×10⁶ ÷(√3×6.6×10³)≒1750 A なので、二次側三相短絡電流は Iₛ=Iₙ ÷(11.7÷100)=1750 ÷ 0.117 ≒ 1.50×10⁴ A =約15 kA となる。遮断器の定格遮断電流はこの短絡電流以上をカバーする標準値から選ぶため、15 kA を上回る20 kA が適切となり、正解は(3)である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 電力 問12
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問113.定格容量 200 kV·A の変圧器に,出力 P が 120 kW,遅れ力率 cosθ が 0.6 の負荷が接続されている。変圧器の定格容量の範囲内で,この負荷と並列に遅れ力率 cosθ が 0.6 の負荷を増設すると共に,進相コンデンサを接続して遅れ力率 cosθ を 0.8 に改善したい。増設できる負荷(力率 cosθ が 0.6)の皮相電力 S′[kV·A]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.93.3
- 2.120
- 3.66.7
- 4.160
- 5.40
正解:3.66.7
解説:進相コンデンサは有効電力を消費しないので、改善後の力率0.8で変圧器を定格200 kV·Aいっぱいまで使えば有効電力はP=200×0.8=160 kW。増設できる負荷の有効電力は160−120=40 kWで、この負荷は力率0.6だから皮相電力S′=40÷0.6≒66.7 kV·A、よって(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 電力 問13
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問114.磁性材料に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.鉄,ニッケル,コバルト及びこれらの合金は強磁性体である。
- 2.強磁性体に交番磁界を加えると,ヒステリシス損と渦電流損とを含む鉄損が生じて発熱する。
- 3.交番磁界に対して,強磁性体中の磁束の周りに起電力が生じることでヒステリシス損が発生する。
- 4.ヒステリシス損は,交番磁界の大きさと強磁性体中の磁束密度の大きさとの関係を示す軌跡曲線の囲む面積と交番磁界の周波数に比例する。
- 5.渦電流損は,厚さが薄く,表面を電気絶縁処理した強磁性体を,磁束方向に対して平行に積層する構造とすることで低減することができる。
正解:3.交番磁界に対して,強磁性体中の磁束の周りに起電力が生じることでヒステリシス損が発生する。
解説:ヒステリシス損はB-H曲線(磁化の軌跡)が囲む面積と交番磁界の周波数に比例する損失であり、(3)がいう「磁束の周りに起電力が生じて電流が流れることによる損失」は渦電流損の発生機構である。したがって発生原因を取り違えた(3)が誤り((1)(2)(4)(5)は正しい)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 電力 問14
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問115.最大出力 600 MW の重油専焼火力発電所がある。重油の発熱量は 44 000 kJ/kg で,潜熱は無視するものとして,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 45 000 MW·h の電力量を発生するために使用された重油消費量が 9.1×10³ t であるときの発電端効率の値[%]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.37.8
- 2.38.7
- 3.39.6
- 4.40.5
- 5.41.4
正解:4.40.5
解説:発生電力量45 000 MW·hをkJに換算すると45 000×3.6×10⁶=1.62×10¹¹ kJ(1 MW·h=3.6×10⁶ kJ)、投入熱量は重油9.1×10³ t=9.1×10⁶ kgより9.1×10⁶×44 000=4.004×10¹¹ kJ。発電端効率η=発生電力量÷投入熱量×100=1.62×10¹¹÷4.004×10¹¹×100≒40.5 %、よって(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 電力 問15(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問116.最大出力 600 MW の重油専焼火力発電所がある。重油の発熱量は 44 000 kJ/kg で,潜熱は無視するものとして,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(b)〕 最大出力で 24 時間運転した場合の発電端効率が 45.0 % であるとき,発生する二酸化炭素量の値[t]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 なお,重油の化学成分は重量比で炭素 85.0 %,水素 15.0 %,原子量は炭素 12,酸素 16 とする。炭素の酸化反応は次のとおりである。 C+O₂→CO₂
- 1.6.83×10²
- 2.6.83×10³
- 3.8.16×10³
- 4.9.18×10³
- 5.1.08×10⁴
正解:3.8.16×10³
解説:24時間の発生電力量=600 MW×24 h=14 400 MW·h=5.184×10¹⁰ kJ、効率45.0 %より投入熱量=5.184×10¹⁰÷0.45=1.152×10¹¹ kJ、重油量=1.152×10¹¹÷44 000≒2.618×10⁶ kg。炭素は重量比85.0 %で炭素量=0.85×2.618×10⁶≒2.225×10⁶ kg、C+O₂→CO₂より生成CO₂=炭素量×(44÷12)=2.225×10⁶×3.667≒8.16×10⁶ kg=8.16×10³ t、よって(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 電力 問15(b)
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問117.三相3線式1回線の専用配電線がある。変電所の送り出し電圧が6 600 V,末端にある負荷の端子電圧が6 450 V,力率が遅れの70 %であるとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 ただし,電線1線当たりの抵抗は0.5 Ω/km,リアクタンスは0.4 Ω/km,線路のこう長は5 kmとする。また,送電端電圧と受電端電圧との相差角は小さいものとする。 〔小問(a)〕 この負荷に供給される電力 W₁ の値[kW]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.369
- 2.180
- 3.123
- 4.213
- 5.240
正解:4.213
解説:線路の全抵抗R=0.5×5=2.5 Ω、全リアクタンスX=0.4×5=2.0 Ω。三相の電圧降下は近似式 v≒√3·I(Rcosθ+Xsinθ) で表せ、これが Vs−Vr=6600−6450=150 V に等しい。cosθ=0.7、sinθ=√(1−0.7²)=0.714 なので Rcosθ+Xsinθ=2.5×0.7+2.0×0.714=3.178 となり、負荷電流 I=150/(√3×3.178)≒27.25 A。供給電力は W₁=√3·Vr·I·cosθ=√3×6450×27.25×0.7≒213 kW で、答えは(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 電力 問16(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問118.三相3線式1回線の専用配電線がある。変電所の送り出し電圧が6 600 V,末端にある負荷の端子電圧が6 450 V,力率が遅れの70 %であるとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 ただし,電線1線当たりの抵抗は0.5 Ω/km,リアクタンスは0.4 Ω/km,線路のこう長は5 kmとする。また,送電端電圧と受電端電圧との相差角は小さいものとする。 〔小問(b)〕 負荷が遅れ力率80 %,W₂[kW]に変化したが線路損失は変わらなかった。W₂ の値[kW]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.141
- 2.243
- 3.274
- 4.415
- 5.334
正解:2.243
解説:線路損失 3I²R が変わらない条件から、負荷電流 I は27.25 Aのまま不変であることがポイント。力率が遅れ0.8になると Rcosθ+Xsinθ=2.5×0.8+2.0×0.6=3.2 となり、電圧降下 v'=√3×27.25×3.2≒151 V で(a)とほぼ同じ、受電端電圧も Vr'≒6600−151≒6450 V に保たれる。したがって W₂=√3·Vr'·I·cosθ'=√3×6450×27.25×0.8≒243 kW(=W₁の0.8/0.7倍)となり、答えは(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 電力 問16(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問119.図のような,A点及びB点に負荷を有する三相3線式高圧配電線がある。電源側S点の線間電圧を6 600 Vとするとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 ただし,配電線1線当たりの抵抗及びリアクタンスはそれぞれ0.3 Ω/kmとする。 〔小問(a)〕 S−A間に流れる電流の有効成分の値[A]として,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.160
- 2.240
- 3.220
- 4.200
- 5.140
正解:3.220
解説:各負荷電流を有効分(I·cosθ)と無効分(I·sinθ)に分解して合成する。A点は有効=200×0.8=160 A・無効=200×0.6=120 A、B点は有効=100×0.6=60 A・無効=100×0.8=80 A。S−A間にはA・B両負荷の電流の和が流れるので、有効成分=160+60=220 A(無効成分は120+80=200 A)となり、答えは(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 電力 問17(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問120.図のような,A点及びB点に負荷を有する三相3線式高圧配電線がある。電源側S点の線間電圧を6 600 Vとするとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 ただし,配電線1線当たりの抵抗及びリアクタンスはそれぞれ0.3 Ω/kmとする。 〔小問(b)〕 B点における線間電圧の値[V]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.6 020
- 2.5 770
- 3.6 460
- 4.6 130
- 5.6 260
正解:1.6 020
解説:電圧降下を区間ごとに v=√3(R·I有効+X·I無効) で求めて合算する。各区間の抵抗・リアクタンスは R=X=0.3×2=0.6 Ω。S−A間は合成電流(有効220 A・無効200 A)で v₁=√3×(0.6×220+0.6×200)=√3×252≒436 V、A−B間はB負荷のみ(有効60 A・無効80 A)で v₂=√3×(0.6×60+0.6×80)=√3×84≒145 V。合計降下 436+145=581 V をS点電圧から差し引き、Vb=6600−581≒6020 V となって、答えは(1)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 電力 問17(b)
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問121.次の文章は,水車の比速度に関する記述である。 比速度とは,任意の水車の形(幾何学的形状)と運転状態(水車内の流れの状態)とを (ア) 変えたとき, (イ) で単位出力(1 kW)を発生させる仮想水車の回転速度のことである。 水車では,ランナの形や特性を表すものとしてこの比速度が用いられ,水車の (ウ) ごとに適切な比速度の範囲が存在する。 水車の回転速度を n[min⁻¹],有効落差を H[m],ランナ1 個当たり又はノズル1 個当たりの出力を P[kW]とすれば,この水車の比速度 n_s は,次の式で表される。 通常,ペルトン水車の比速度は,フランシス水車の比速度より (エ) 。 比速度の大きな水車を大きな落差で使用し,吸出し管を用いると,放水速度が大きくなって, (オ) やすくなる。そのため,各水車には,その比速度に適した有効落差が決められている。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.(ア)一定に保って有効落差を (イ)単位流量(1 m³/s) (ウ)出力 (エ)大きい (オ)高い効率を得
- 2.(ア)一定に保って有効落差を (イ)単位落差(1 m) (ウ)種類 (エ)大きい (オ)キャビテーションが生じ
- 3.(ア)相似に保って大きさを (イ)単位流量(1 m³/s) (ウ)出力 (エ)大きい (オ)高い効率を得
- 4.(ア)相似に保って大きさを (イ)単位落差(1 m) (ウ)種類 (エ)小さい (オ)キャビテーションが生じ
- 5.(ア)相似に保って大きさを (イ)単位流量(1 m³/s) (ウ)出力 (エ)小さい (オ)高い効率を得
正解:4.(ア)相似に保って大きさを (イ)単位落差(1 m) (ウ)種類 (エ)小さい (オ)キャビテーションが生じ
解説:比速度は,ある水車を形は変えずに大きさだけ縮小し,落差1 m で出力1 kW を出すようにしたときの回転速度である。したがって(ア)は「相似に保って大きさを」,(イ)は「単位落差(1 m)」となる。 (ウ)比速度はランナの形状を表す指標なので,ペルトン・フランシス・斜流・プロペラといった水車の種類ごとに適した範囲がある。 (エ)比速度の順はペルトン<フランシス<斜流<プロペラである。ペルトンは高落差・小流量向きで比速度が小さい。 (オ)比速度の大きな水車を高落差で使うと放水速度が上がり,吸出し管の入口付近で圧力が下がって水が局所的に沸騰し,キャビテーションが生じやすくなる。これがランナを壊食するので,比速度ごとに適した落差の上限が決められている。よって(4)。答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 電力 問1
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問122.排熱回収形コンバインドサイクル発電方式と同一出力の汽力発電方式とを比較した記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.コンバインドサイクル発電方式の方が,熱効率が高い。
- 2.汽力発電方式の方が,単位出力当たりの排ガス量が少ない。
- 3.コンバインドサイクル発電方式の方が,単位出力当たりの復水器の冷却水量が多い。
- 4.汽力発電方式の方が大形所内補機が多く,所内率が大きい。
- 5.コンバインドサイクル発電方式の方が,最大出力が外気温度の影響を受けやすい。
正解:3.コンバインドサイクル発電方式の方が,単位出力当たりの復水器の冷却水量が多い。
解説:誤りは(3)である。排熱回収形コンバインドサイクルでは,出力の大部分をガスタービンが受け持ち,蒸気タービンは排熱ボイラで回収した分だけを担う。復水器で捨てる熱は蒸気タービン側だけなので,同じ出力で比べると単位出力当たりの復水器冷却水量は汽力発電より少ない。「多い」は逆である。 他は正しい。(1)熱効率はコンバインドサイクルの方が高い。(2)ガスタービンは大量の空気を吸い込むので排ガス量は多くなり,汽力の方が少ない。(4)汽力はボイラ給水ポンプや通風機など大形の所内補機が多く所内率が大きい。(5)ガスタービンは吸い込む空気の密度で出力が変わるため,外気温が高いと出力が下がる。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 電力 問2
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問123.次の文章は,火力発電所に関する記述である。 火力発電所において,ボイラから煙道に出ていく燃焼ガスの余熱を回収するために,煙道に多数の管を配置し,これにボイラへの (ア) を通過させて加熱する装置が (イ) である。同じく煙道に出ていく燃焼ガスの余熱をボイラへの (ウ) 空気に回収する装置が, (エ) である。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア)給水 (イ)再熱器 (ウ)燃焼用 (エ)過熱器
- 2.(ア)蒸気 (イ)節炭器 (ウ)加熱用 (エ)過熱器
- 3.(ア)給水 (イ)節炭器 (ウ)加熱用 (エ)過熱器
- 4.(ア)蒸気 (イ)再熱器 (ウ)燃焼用 (エ)空気予熱器
- 5.(ア)給水 (イ)節炭器 (ウ)燃焼用 (エ)空気予熱器
正解:5.(ア)給水 (イ)節炭器 (ウ)燃焼用 (エ)空気予熱器
解説:煙道の余熱を回収する装置は二つあり,何を温めるかで区別する。 節炭器(エコノマイザ)はボイラへ送る給水を温める装置で,燃料(石炭)の節約になることからこの名がある。したがって(ア)給水,(イ)節炭器。 空気予熱器はボイラへ送る燃焼用空気を温める装置である。したがって(ウ)燃焼用,(エ)空気予熱器。 紛らわしいのが過熱器と再熱器で,どちらも蒸気を温めるものである。過熱器は飽和蒸気を過熱蒸気にする装置,再熱器は高圧タービンで仕事を終えた蒸気をもう一度温めて中圧タービンへ送る装置で,いずれも「煙道の余熱回収」という文脈の装置ではない。よって(5)。答(5)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 電力 問3
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問124.1 kg のウラン燃料に3.5 %含まれるウラン235 が核分裂し,0.09 %の質量欠損が生じたときに発生するエネルギーと同量のエネルギーを,重油の燃焼で得る場合に必要な重油の量[kL]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 ただし,計算上の熱効率を100 %,使用する重油の発熱量は40 000 kJ/L とする。
- 1.13
- 2.17
- 3.70
- 4.1.3×10³
- 5.7.8×10⁴
正解:3.70
解説:核分裂したウラン235 の質量は 1 kg×0.035=0.035 kg で,このうち0.09 %が質量欠損になるから Δm=0.035×0.0009=3.15×10⁻⁵ kg である。アインシュタインの式 E=Δmc² に c=3×10⁸ m/s を入れると E=3.15×10⁻⁵×(3×10⁸)²=2.835×10¹² J=2.835×10⁹ kJ となる。重油の発熱量が40 000 kJ/L だから V=2.835×10⁹/40 000=7.09×10⁴ L=70.9 kL で,最も近いのは70 kL である。 ウラン燃料1 kg のうち実際に核分裂するのは35 g,さらにそのうち質量に変わるのはわずか0.03 g ほどだが,それでも重油70 kL 分のエネルギーになる。3.5 %と0.09 %を掛け忘れると桁が大きく外れる。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 電力 問4
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問125.風力発電に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.風力発電は,風の力で風力発電機を回転させて電気を発生させる発電方式である。風が得られれば燃焼によらずパワーを得ることができるため,発電するときにCO₂を排出しない再生可能エネルギーである。
- 2.風車で取り出せるパワーは風速に比例するため,発電量は風速に左右される。このため,安定して強い風が吹く場所が好ましい。
- 3.離島においては,風力発電に適した地域が多く存在する。離島の電力供給にディーゼル発電機を使用している場合,風力発電を導入すれば,そのディーゼル発電機の重油の使用量を減らす可能性がある。
- 4.一般的に,風力発電では同期発電機,永久磁石式発電機,誘導発電機が用いられる。
- 5.風力発電では,翼が風を切るため騒音を発生する。風力発電を設置する場所によっては,この騒音が問題となる場合がある。この騒音対策として,翼の形を工夫して騒音を低減している。
正解:2.風車で取り出せるパワーは風速に比例するため,発電量は風速に左右される。このため,安定して強い風が吹く場所が好ましい。
解説:誤りは(2)である。風車で取り出せるパワーは P=(1/2)ρAv³×C_p で表され,風速 v の3 乗に比例する。「風速に比例する」は誤りである。風のもつ運動エネルギーが (1/2)mv² で,単位時間に風車を通過する空気の質量 m がさらに v に比例するため,掛け合わせて3 乗になる。 この3 乗という依存性は実務上とても重要で,風速が2 倍になれば取り出せるパワーは8 倍になる。風力発電の立地で風速が重視されるのはこのためで,「安定して強い風が吹く場所が好ましい」という後半の記述自体は正しい。 他の選択肢はいずれも正しい記述である。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 電力 問5
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問126.配電線路の開閉器類に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.配電線路用の開閉器は,主に配電線路の事故時又は作業時に,その部分だけを切り離すために使用される。
- 2.柱上開閉器には気中形,真空形,ガス形がある。操作方法は,手動操作による手動式と制御器による自動式がある。
- 3.高圧配電方式には,放射状方式(樹枝状方式),ループ方式(環状方式)などがある。ループ方式は結合開閉器を設置して線路を構成するので,放射状方式よりも建設費は高くなるものの,高い信頼度が得られるため負荷密度の高い地域に用いられる。
- 4.高圧カットアウトは,柱上変圧器の一次側の開閉器として使用される。その内蔵の高圧ヒューズは変圧器の過負荷時や内部短絡故障時,雷サージなどの短時間大電流の通過時に直ちに溶断する。
- 5.地中配電系統で使用するパッドマウント変圧器には,変圧器と共に開閉器などの機器が収納されている。
正解:4.高圧カットアウトは,柱上変圧器の一次側の開閉器として使用される。その内蔵の高圧ヒューズは変圧器の過負荷時や内部短絡故障時,雷サージなどの短時間大電流の通過時に直ちに溶断する。
解説:誤りは(4)である。高圧カットアウトに内蔵する高圧ヒューズは,雷サージのような短時間の大電流では溶断しない特性(タイムラグヒューズ)にしてある。雷サージのたびに溶断していては,健全な変圧器まで頻繁に停電してしまうからである。一方で,変圧器の過負荷や内部短絡のように電流が続く故障では確実に溶断して変圧器を切り離す。 つまり「溶断すべき故障」と「耐えるべき一過性の大電流」を時間で区別しているのがこのヒューズの要点で,雷サージで「直ちに溶断する」という記述はその設計思想と正反対である。 他は正しい。(3)ループ方式は両方向から電力を供給できるので事故時の停電範囲を小さくでき,負荷密度の高い都市部で使われる。答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 電力 問6
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問127.次の文章は,変電所の計器用変成器に関する記述である。 計器用変成器は, (ア) と変流器とに分けられ,高電圧あるいは大電流の回路から計器や (イ) に必要な適切な電圧や電流を取り出すために設置される。変流器の二次端子には,常に (ウ) インピーダンスの負荷を接続しておく必要がある。また,一次端子のある変流器は,その端子を被測定線路に (エ) に接続する。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア)主変圧器 (イ)避雷器 (ウ)高 (エ)縦続
- 2.(ア)CT (イ)保護継電器 (ウ)低 (エ)直列
- 3.(ア)計器用変圧器 (イ)遮断器 (ウ)中 (エ)並列
- 4.(ア)CT (イ)遮断器 (ウ)高 (エ)縦続
- 5.(ア)計器用変圧器 (イ)保護継電器 (ウ)低 (エ)直列
正解:5.(ア)計器用変圧器 (イ)保護継電器 (ウ)低 (エ)直列
解説:計器用変成器は,電圧を変換する計器用変圧器(VT・PT)と電流を変換する変流器(CT)の総称である。設問が「(ア)と変流器とに分けられ」と書いているので,(ア)には計器用変圧器が入る。CT は変流器そのものなので(ア)には入らない。 (イ)取り出した電圧・電流を使うのは計器と保護継電器である。遮断器や避雷器は測定値を受け取る機器ではない。 (ウ)変流器の二次側を開放すると,一次電流のすべてが励磁電流として働いて鉄心が飽和し,二次側に高電圧が現れて絶縁破壊や感電の危険がある。これを避けるため,二次端子には常に低インピーダンスの負荷(電流計や継電器,または短絡)をつないでおく。 (エ)変流器は測定したい電流をそのまま通す必要があるので,被測定線路に直列に接続する。並列につなぐのは電圧を測る計器用変圧器である。よって(5)。答(5)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 電力 問7
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問128.次に示す配電用機材(ア)~(エ)とそれに関係の深い語句(a)~(e)とを組み合わせたものとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.(ア)−(c) (イ)−(d) (ウ)−(e) (エ)−(a)
- 2.(ア)−(c) (イ)−(d) (ウ)−(a) (エ)−(e)
- 3.(ア)−(c) (イ)−(d) (ウ)−(a) (エ)−(b)
- 4.(ア)−(d) (イ)−(c) (ウ)−(a) (エ)−(b)
- 5.(ア)−(d) (イ)−(c) (ウ)−(e) (エ)−(a)
正解:3.(ア)−(c) (イ)−(d) (ウ)−(a) (エ)−(b)
解説:一つずつ結び付けていけばよい。 (ア)ギャップレス避雷器 −(c)酸化亜鉛(ZnO)。酸化亜鉛素子は電圧が低いとほとんど電流を流さない非直線抵抗特性をもつため,直列ギャップなしで避雷器を構成できる。 (イ)ガス開閉器 −(d)六ふっ化硫黄(SF₆)。消弧能力と絶縁耐力に優れるSF₆ ガスを封入している。 (ウ)CV ケーブル −(a)水トリー。架橋ポリエチレン絶縁体に水分と電界が作用すると樹枝状の劣化(水トリー)が進行する。CV ケーブル特有の絶縁劣化現象である。 (エ)柱上変圧器 −(b)鉄損。柱上変圧器は負荷の有無にかかわらず常時励磁されているので,年間を通じた損失では鉄損(無負荷損)の占める割合が大きい。アモルファス鉄心が使われるのもこの鉄損を減らすためである。 残る(e)ギャロッピングは架空電線が着氷雪と風で大きく振動する現象で,配電用機材ではなく架空送電線の話題である。よって(3)。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 電力 問8
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問129.次の文章は,コロナ損に関する記述である。 送電線に高電圧が印加され, (ア) がある程度以上になると,電線からコロナ放電が発生する。コロナ放電が発生するとコロナ損と呼ばれる電力損失が生じる。コロナ放電の発生を抑えるには,電線の実効的な直径を (イ) するために (ウ) する,線間距離を (エ) する,などの対策がとられている。コロナ放電は,気圧が (オ) なるほど起こりやすくなる。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア)電流密度 (イ)大きく (ウ)単導体化 (エ)大きく (オ)低く
- 2.(ア)電線表面の電界強度 (イ)大きく (ウ)多導体化 (エ)大きく (オ)低く
- 3.(ア)電流密度 (イ)小さく (ウ)単導体化 (エ)小さく (オ)高く
- 4.(ア)電線表面の電界強度 (イ)小さく (ウ)単導体化 (エ)大きく (オ)低く
- 5.(ア)電線表面の電界強度 (イ)大きく (ウ)多導体化 (エ)小さく (オ)高く
正解:2.(ア)電線表面の電界強度 (イ)大きく (ウ)多導体化 (エ)大きく (オ)低く
解説:コロナ放電は電線のまわりの空気が絶縁破壊する現象なので,引き金になるのは(ア)電線表面の電界強度である。電流密度は関係しない。 電界強度は電線が細いほど強くなる(曲率が大きいほど電界が集中する)ので,対策は実効的な直径を(イ)大きくすること。そのために1 相を複数の電線で構成する(ウ)多導体化を行う。単導体化では逆効果である。 線間距離を(エ)大きくすると,同じ電圧でも導体間の静電容量が小さくなって電線表面の電界強度が下がるので,これもコロナ対策になる。 (オ)空気の絶縁耐力は密度に比例するので,気圧が低い(=空気が薄い)ほどコロナは起こりやすい。高地の送電線でコロナが問題になりやすいのはこのためである。よって(2)。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 電力 問9
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問130.地中送電線路の線路定数に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.架空送電線路の場合と同様,一般に,導体抵抗,インダクタンス,静電容量を考える。
- 2.交流の場合の導体の実効抵抗は,表皮効果及び近接効果のため直流に比べて小さくなる。
- 3.導体抵抗は,温度上昇とともに大きくなる。
- 4.インダクタンスは,架空送電線路に比べて小さい。
- 5.静電容量は,架空送電線路に比べてかなり大きい。
正解:2.交流の場合の導体の実効抵抗は,表皮効果及び近接効果のため直流に比べて小さくなる。
解説:誤りは(2)である。表皮効果は交流電流が導体の表面近くに集中する現象,近接効果は隣り合う導体の磁界によって電流分布が偏る現象で,どちらも電流の通る断面を実質的に狭めるので,交流の実効抵抗は直流より大きくなる。「小さくなる」は逆である。 他は正しい。(3)銅の抵抗は温度に比例して増える。(4)(5)地中ケーブルは導体と金属シースの間隔が数mm と極めて近いのに対し,架空送電線は数m 離れている。この距離の違いから,インダクタンスは地中の方が小さく,静電容量は地中の方がはるかに大きくなる。静電容量が大きいことが,地中送電で充電電流や誘電体損が問題になる理由である。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 電力 問10
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問131.22(33)kV 配電系統に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.6.6 kV の配電線に比べ電圧対策や供給力増強対策として有効なので,長距離配電の必要となる地域や新規開発地域への供給に利用されることがある。
- 2.電気方式は,地絡電流抑制の観点から中性点を直接接地した三相3 線方式が一般的である。
- 3.各種需要家への電力供給は,特別高圧需要家へは直接に,高圧需要家へは途中に設けた配電塔で6.6 kV に降圧して高圧架空配電線路を用いて,低圧需要家へはさらに柱上変圧器で200~100 V に降圧して,行われる。
- 4.6.6 kV の配電線に比べ33 kV の場合は,負荷が同じで配電線の線路定数も同じなら,電流は 1/5 となり電力損失は 1/25 となる。電流が同じであれば,送電容量は5 倍となる。
- 5.架空配電系統では保安上の観点から,特別高圧絶縁電線や架空ケーブルを使用する場合がある。
正解:2.電気方式は,地絡電流抑制の観点から中性点を直接接地した三相3 線方式が一般的である。
解説:誤りは(2)である。中性点を直接接地すると1 線地絡時に非常に大きな地絡電流が流れるので,「地絡電流抑制の観点から」という理由と結び付かない。22(33)kV 配電系統では,地絡電流を抑えるために中性点を抵抗接地とするか非接地とするのが一般的である。 直接接地方式は,地絡時の健全相の電圧上昇を抑えて機器の絶縁を軽減できる利点があるため187 kV 以上の超高圧系統で使われる方式で,目的が正反対である。 他は正しい。(4)は電圧が5 倍(6.6→33)になれば同じ電力を送るのに電流は 1/5 でよく,損失は電流の2 乗に比例するので 1/25 になる,という関係を述べたもので計算どおりである。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 電力 問11
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問132.こう長2 km の三相3 線式配電線路が,遅れ力率85 %の平衡三相負荷に電力を供給している。負荷の端子電圧を6.6 kV に保ったまま,線路の電圧降下率が5.0 %を超えないようにするための負荷電力[kW]の最大値として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 ただし,1 km1 線当たりの抵抗は0.45 Ω,リアクタンスは0.25 Ω とし,その他の条件は無いものとする。なお,本問では送電端電圧と受電端電圧との相差角が小さいとして得られる近似式を用いて解答すること。
- 1.1 023
- 2.1 799
- 3.2 117
- 4.3 117
- 5.3 600
正解:2.1 799
解説:こう長2 km なので1 線当たりの抵抗とリアクタンスは R=0.45×2=0.9 Ω,X=0.25×2=0.5 Ω である。力率85 %より cosθ=0.85,sinθ=√(1−0.85²)=0.5268。 許される電圧降下は ΔV=6 600×0.05=330 V で,三相の近似式 ΔV=√3 I(R cosθ+X sinθ) から 330=√3×I×(0.9×0.85+0.5×0.5268)=√3×I×1.0284 I=330/(√3×1.0284)=185.3 A となる。このときの負荷電力は P=√3×6 600×185.3×0.85=1.80×10⁶ W≒1 800 kW で,最も近いのは1 799 kW である。 最後に力率を掛け忘れると √3×6 600×185.3=2 118 kV·A となり,皮相電力の値である(3)を選ぶことになる。問われているのは有効電力[kW]である。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 電力 問12
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問133.一次側定格電圧と二次側定格電圧がそれぞれ等しい変圧器A と変圧器B がある。変圧器A は,定格容量 S_A=5 000 kV·A,パーセントインピーダンス%Z_A=9.0 %(自己容量ベース),変圧器B は,定格容量 S_B=1 500 kV·A,パーセントインピーダンス%Z_B=7.5 %(自己容量ベース)である。この変圧器2 台を並行運転し,6 000 kV·A の負荷に供給する場合,過負荷となる変圧器とその変圧器の過負荷運転状態[%](当該変圧器が負担する負荷の大きさをその定格容量に対する百分率で表した値)の組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.過負荷となる変圧器:変圧器A 過負荷運転状態[%]:101.5
- 2.過負荷となる変圧器:変圧器B 過負荷運転状態[%]:105.9
- 3.過負荷となる変圧器:変圧器A 過負荷運転状態[%]:118.2
- 4.過負荷となる変圧器:変圧器B 過負荷運転状態[%]:137.5
- 5.過負荷となる変圧器:変圧器A 過負荷運転状態[%]:173.5
正解:2.過負荷となる変圧器:変圧器B 過負荷運転状態[%]:105.9
解説:並行運転の負荷分担は,同じ基準容量に換算した百分率インピーダンスの逆比になる。基準を6 000 kV·A にそろえると %Z_A=9.0×6 000/5 000=10.8 % %Z_B=7.5×6 000/1 500=30.0 % となる。分担は逆比だから P_A:P_B=1/10.8:1/30.0=30.0:10.8 P_A=6 000×30.0/40.8=4 412 kV·A,P_B=6 000×10.8/40.8=1 588 kV·A である。それぞれの定格容量に対する比を出すと 変圧器A:4 412/5 000=88.2 % 変圧器B:1 588/1 500=105.9 % となり,過負荷になるのは変圧器B である。よって(2)。 自己容量ベースの%Z が小さい変圧器ほど「よく電流を流す」ので負担が重くなりやすい。容量の大きいA が過負荷になると思い込まないよう,必ず共通ベースに換算してから比べたい。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 電力 問13
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問134.アモルファス鉄心材料を使用した柱上変圧器の特徴に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.けい素鋼帯を使用した同容量の変圧器に比べて,鉄損が大幅に少ない。
- 2.アモルファス鉄心材料は結晶構造である。
- 3.アモルファス鉄心材料は高硬度で,加工性があまり良くない。
- 4.アモルファス鉄心材料は比較的高価である。
- 5.けい素鋼帯を使用した同容量の変圧器に比べて,磁束密度が高くできないので,大形になる。
正解:2.アモルファス鉄心材料は結晶構造である。
解説:誤りは(2)である。アモルファス(amorphous)とは「非晶質」という意味で,原子が規則正しく並んでいない構造をいう。溶けた金属を急速に冷やして結晶化させずに固めることで得られる。「結晶構造である」は語の意味と正反対である。 この不規則な構造のおかげで磁化の向きを変えるときの抵抗が小さく,ヒステリシス損が減る。さらに板厚が数十μm と非常に薄いので渦電流損も小さく,結果として(1)のとおり鉄損がけい素鋼帯の1/3 程度になる。 一方で(3)硬くてもろく加工しにくい,(4)高価である,(5)飽和磁束密度がけい素鋼帯より低いため同じ容量なら鉄心断面を大きくとる必要があり変圧器が大形になる,という短所がある。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 電力 問14
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問135.石炭火力発電所が1 日を通して定格出力600 MW で運転されるとき,燃料として使用される石炭消費量が150 t/h,石炭発熱量が34 300 kJ/kg で一定の場合,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 ただし,石炭の化学成分は重量比で炭素が70 %,水素が5 %,残りの灰分等は燃焼に影響しないものと仮定し,原子量は炭素12,酸素16,水素1 とする。燃焼反応は次のとおりである。 C+O₂ → CO₂ 2H₂+O₂ → 2H₂O 〔小問(a)〕 発電端効率の値[%]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.41.0
- 2.41.5
- 3.42.0
- 4.42.5
- 5.43.0
正解:3.42.0
解説:燃料が1 時間に持ち込む熱量を求める。石炭150 t/h=150 000 kg/h だから Q=150 000×34 300=5.145×10⁹ kJ/h である。これを1 秒当たりに直すと 5.145×10⁹/3 600=1.429×10⁶ kJ/s=1 429 MW となる。発電端出力が600 MW なので,発電端効率は η=600/1 429=0.420=42.0 % である。 要点は kJ/h を kJ/s(=kW)に直すために3 600 で割ることで,ここを飛ばすと桁が合わない。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 電力 問15(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問136.石炭火力発電所が1 日を通して定格出力600 MW で運転されるとき,燃料として使用される石炭消費量が150 t/h,石炭発熱量が34 300 kJ/kg で一定の場合,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 ただし,石炭の化学成分は重量比で炭素が70 %,水素が5 %,残りの灰分等は燃焼に影響しないものと仮定し,原子量は炭素12,酸素16,水素1 とする。燃焼反応は次のとおりである。 C+O₂ → CO₂ 2H₂+O₂ → 2H₂O 〔小問(b)〕 1 日に発生する二酸化炭素の重量の値[t]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.3.8×10²
- 2.2.5×10³
- 3.3.8×10³
- 4.9.2×10³
- 5.1.3×10⁴
正解:4.9.2×10³
解説:1 日の石炭消費量は 150 t/h×24 h=3 600 t で,このうち炭素は重量比70 %だから 3 600×0.70=2 520 t である。燃焼反応 C+O₂ → CO₂ より,炭素1 mol(12 g)から二酸化炭素1 mol(44 g)ができる。重量比は 44/12 になるので W=2 520×44/12=9 240 t≒9.2×10³ t となる。 水素の燃焼(2H₂+O₂ → 2H₂O)で生じるのは水であって二酸化炭素ではないので,水素5 %は今回の計算に入れない。炭素の重量をそのまま答えると2 520 t となり(2)に近い値になってしまうので,44/12 倍を忘れないようにしたい。答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 電力 問15(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問137.図のように,定格電圧66 kV の電源から三相変圧器を介して二次側に遮断器が接続された系統がある。この三相変圧器は定格容量10 MV·A,変圧比66/6.6 kV,百分率インピーダンスが自己容量基準で7.5 %である。変圧器一次側から電源側をみた百分率インピーダンスを基準容量100 MV·A で5 %とするとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 基準容量を10 MV·A として,変圧器二次側から電源側をみた百分率インピーダンスの値[%]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.2.5
- 2.5.0
- 3.7.0
- 4.8.0
- 5.12.5
正解:4.8.0
解説:百分率インピーダンスは基準容量に比例するので,基準を10 MV·A にそろえる。 電源側は100 MV·A 基準で5 %だから %Z_S=5×10/100=0.5 % 変圧器は自己容量10 MV·A 基準で7.5 %なので,そのまま %Z_T=7.5 % である。二次側から電源側をみると両者が直列になるから %Z=0.5+7.5=8.0 % となる。 基準容量をそろえずに 5+7.5=12.5 とすると(5)を選ぶことになる。基準容量が10 倍違えば%Z も10 倍違うので,必ず換算してから足す。答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 電力 問16(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問138.図のように,定格電圧66 kV の電源から三相変圧器を介して二次側に遮断器が接続された系統がある。この三相変圧器は定格容量10 MV·A,変圧比66/6.6 kV,百分率インピーダンスが自己容量基準で7.5 %である。変圧器一次側から電源側をみた百分率インピーダンスを基準容量100 MV·A で5 %とするとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(b)〕 図のA 点で三相短絡事故が発生したとき,事故電流を遮断できる遮断器の定格遮断電流の最小値[kA]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし,変圧器二次側からA 点までのインピーダンスは無視するものとする。

- 1.8
- 2.12.5
- 3.16
- 4.20
- 5.25
正解:2.12.5
解説:まず基準容量10 MV·A・6.6 kV での基準電流を求める。 I_n=10×10⁶/(√3×6 600)=874.8 A 三相短絡電流は基準電流を百分率インピーダンス(小問(a)の8.0 %)で割って I_s=874.8/0.08=10 935 A≒10.9 kA である。 遮断器はこの電流を遮断できなければならないので,定格遮断電流は10.9 kA 以上であることが必要になる。選択肢のうちこれを満たす最小のものは12.5 kA である。よって(2)。 10.9 kA に最も近いのは(1)の8 kA ではなく,「遮断できる最小値」を問われている点が要点である。8 kA では短絡電流を切れない。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 電力 問16(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問139.三相3 線式高圧配電線の電圧降下について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 図のように,送電端S 点から三相3 線式高圧配電線でA 点,B 点及びC 点の負荷に電力を供給している。S 点の線間電圧は6 600 V であり,配電線1 線当たりの抵抗及びリアクタンスはそれぞれ0.3 Ω/km とする。 〔小問(a)〕 S-A 間を流れる電流の値[A]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.405
- 2.420
- 3.435
- 4.450
- 5.465
正解:5.465
解説:S-A 間には,A 点・B 点・C 点すべての負荷電流が流れる。力率が異なるのでベクトル(有効分と無効分に分けて)合成する。 A 点:200 A,力率0.8(遅れ)→ 有効分 200×0.8=160 A,無効分 200×0.6=120 A B 点:100 A,力率0.6(遅れ)→ 有効分 100×0.6=60 A,無効分 100×0.8=80 A C 点:200 A,力率1.0 → 有効分 200 A,無効分 0 A 有効分と無効分をそれぞれ足すと 有効分の合計=160+60+200=420 A 無効分の合計=120+80+0=200 A したがって I=√(420²+200²)=√216 400=465.2 A となる。 力率を無視して 200+100+200=500 A としたり,有効分だけを足して420 A としたりすると誤る。(2)の420 はちょうど有効分の合計なので,そこで止めないよう注意したい。答(5)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 電力 問17(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問140.三相3 線式高圧配電線の電圧降下について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 図のように,送電端S 点から三相3 線式高圧配電線でA 点,B 点及びC 点の負荷に電力を供給している。S 点の線間電圧は6 600 V であり,配電線1 線当たりの抵抗及びリアクタンスはそれぞれ0.3 Ω/km とする。 〔小問(b)〕 A-B における電圧降下率の値[%]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.4.9
- 2.5.1
- 3.5.3
- 4.5.5
- 5.5.7
正解:2.5.1
解説:電圧降下率は「その区間の電圧降下÷受電端電圧」なので,A 点とB 点の電圧を順に求める必要がある。 ① S-A 間(2 km,R=X=0.6 Ω)を流れるのは小問(a)の電流で,有効分420 A・無効分200 A。 ΔV_SA=√3(R×420+X×200)=√3×(0.6×420+0.6×200)=√3×372=644 V V_A=6 600−644=5 956 V ② A-B 間(4 km,R=X=1.2 Ω)を流れるのはB 点の負荷だけで,100 A・力率0.6(有効分60 A・無効分80 A)。 ΔV_AB=√3(1.2×60+1.2×80)=√3×168=291 V V_B=5 956−291=5 665 V ③ 電圧降下率は受電端であるB 点の電圧を分母にとって ΔV_AB/V_B×100=291/5 665×100=5.1 % となる。 分母を送電端の6 600 V にすると 291/6 600=4.4 %,A 点電圧にすると 291/5 956=4.9 %となって(1)を選んでしまう。電圧降下率の分母は受電端電圧である点が本問の要点である。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 電力 問17(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問141.次の文章は,水力発電の理論式に関する記述である。 図に示すように,放水地点の水面を基準面とすれば,基準面から貯水池の静水面までの高さ H_g[m]を一般に (ア) という。また,水路や水圧管の壁と水との摩擦によるエネルギー損失に相当する高さ h₁[m]を (イ) という。さらに,H_g と h₁ の差 H=H_g−h₁ を一般に (ウ) という。 今,Q[m³/s]の水が水車に流れ込み,水車の効率を η_w とすれば,水車出力 P_w は (エ) になる。さらに,発電機の効率を η_g とすれば,発電機出力 P は (オ) になる。ただし,重力加速度は9.8 m/s² とする。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.(ア)総落差 (イ)損失水頭 (ウ)実効落差 (エ)9.8QHη_w×10³[W] (オ)9.8QHη_wη_g×10³[W]
- 2.(ア)自然落差 (イ)位置水頭 (ウ)有効落差 (エ)(9.8QH/η_w)×10⁻³[kW] (オ)(9.8QHη_g/η_w)×10⁻³[kW]
- 3.(ア)総落差 (イ)損失水頭 (ウ)有効落差 (エ)9.8QHη_w×10³[W] (オ)9.8QHη_wη_g×10³[W]
- 4.(ア)基準落差 (イ)圧力水頭 (ウ)実効落差 (エ)9.8QHη_w[kW] (オ)9.8QHη_wη_g[kW]
- 5.(ア)基準落差 (イ)速度水頭 (ウ)有効落差 (エ)9.8QHη_w[kW] (オ)9.8QHη_wη_g[kW]
正解:3.(ア)総落差 (イ)損失水頭 (ウ)有効落差 (エ)9.8QHη_w×10³[W] (オ)9.8QHη_wη_g×10³[W]
解説:放水地点の水面(基準面)から貯水池の静水面までの高さが総落差 H_g,水路や水圧管の摩擦で失われるエネルギーを高さに換算したものが損失水頭 h₁,実際に水車が使える落差 H=H_g−h₁ が有効落差である。水車出力は P_w=9.8QHη_w[kW],発電機出力は P=9.8QHη_wη_g[kW]で,[kW]を10³倍すれば[W]になる。この問題は(エ)(オ)では答が決まらないことに注意したい。9.8QHη_w[kW]と9.8QHη_w×10³[W]は同じ値なので,(1)(3)(4)(5)の(エ)(オ)はすべて同じことを述べている。したがって(ア)(イ)(ウ)の用語だけで判断することになり,「実効落差」「自然落差」「基準落差」「位置水頭」「圧力水頭」「速度水頭」はいずれもここでの正式な呼び名ではない。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 電力 問1
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問142.定格出力1 000 MW,速度調定率5 %のタービン発電機と,定格出力300 MW,速度調定率3 %の水車発電機が電力系統に接続され,前者は80 %出力,後者は60 %出力にて定格周波数(50 Hz)でガバナフリー運転を行っている。 負荷が急変して,系統周波数が0.2 Hz 低下したとき,タービン発電機と水車発電機の出力[MW]の組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 ただし,このガバナフリー運転におけるガバナ特性は直線とし,次式で表される速度調定率に従うものとする。また,この系統内で周波数調整を行っている発電機はこの2 台のみとする。 速度調定率={(n₂−n₁)/nₙ}÷{(P₁−P₂)/Pₙ}×100 [%] P₁:初期出力[MW],P₂:変化後の出力[MW],Pₙ:定格出力[MW] n₁:出力 P₁ における回転速度[min⁻¹],n₂:変化後の出力 P₂ における回転速度[min⁻¹],nₙ:定格回転速度[min⁻¹]
- 1.タービン発電機:720 MW 水車発電機:140 MW
- 2.タービン発電機:733 MW 水車発電機:147 MW
- 3.タービン発電機:867 MW 水車発電機:213 MW
- 4.タービン発電機:880 MW 水車発電機:220 MW
- 5.タービン発電機:933 MW 水車発電機:204 MW
正解:4.タービン発電機:880 MW 水車発電機:220 MW
解説:速度調定率の式を出力について解くと (P₁−P₂)/Pₙ={(n₂−n₁)/nₙ}×100÷(速度調定率)となる。回転速度の変化率は周波数の変化率に等しいので (n₂−n₁)/nₙ=−0.2/50=−0.004 である。 タービン発電機:(P₁−P₂)/1 000=−0.004×100/5=−0.08 より P₁−P₂=−80 MW。初期出力は1 000×0.8=800 MW だからP₂=800+80=880 MW。 水車発電機:(P₁−P₂)/300=−0.004×100/3=−0.1333 より P₁−P₂=−40 MW。初期出力は300×0.6=180 MW だからP₂=180+40=220 MW。 周波数が下がれば発電機は出力を増やす(負荷を分担しに行く)ので,出力が初期値より小さくなる(1)は符号を取り違えた値である(実際 800−80=720,180−40=140 と一致する)。(3)の867・213は定格周波数を60 Hz として計算した値,(5)の933・204は2台の速度調定率を入れ替えて計算した値で,いずれも本問の条件とは合わない。答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 電力 問2
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問143.次の文章は,汽力発電所の復水器に関する記述である。 汽力発電所の復水器は,タービンの (ア) を冷却し水に戻して復水を回収する装置である。内部の (イ) を保持することで,タービンの入口蒸気と出口蒸気の (ウ) を大きくし,タービンの (エ) を高めている。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア)抽気蒸気 (イ)真空度 (ウ)圧力差 (エ)回転速度
- 2.(ア)排気蒸気 (イ)温度 (ウ)温度差 (エ)効率
- 3.(ア)排気蒸気 (イ)真空度 (ウ)圧力差 (エ)効率
- 4.(ア)抽気蒸気 (イ)真空度 (ウ)温度差 (エ)回転速度
- 5.(ア)排気蒸気 (イ)温度 (ウ)温度差 (エ)回転速度
正解:3.(ア)排気蒸気 (イ)真空度 (ウ)圧力差 (エ)効率
解説:復水器が受け取るのはタービンを出た後の排気蒸気である。抽気蒸気はタービンの途中段から取り出して給水加熱器へ送る蒸気で,復水器の対象ではない。復水器は蒸気を冷却して体積の小さい水に戻すことで内部を高真空に保ち,タービン出口の圧力を大気圧よりはるかに低く下げる。こうして入口蒸気と出口蒸気の圧力差(熱落差)を大きくすることで,同じ蒸気からより多くの仕事を取り出せるので熱効率が高くなる。タービンの回転速度は系統周波数と極数で決まるもので,復水器の真空度で変えるものではない。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 電力 問3
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問144.軽水炉で使用されている原子燃料に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.中性子を吸収して核分裂を起こすことのできる核分裂性物質には,ウラン235 やプルトニウム239 がある。
- 2.ウラン燃料は,二酸化ウランの粉末を焼き固め,ペレット状にして使用される。
- 3.ウラン燃料には,濃縮度90 %程度の高濃縮ウランが使用される。
- 4.ウラン238 は中性子を吸収してプルトニウム239 に変わるので,親物質と呼ばれる。
- 5.天然ウランは約0.7 %のウラン235 を含み,残りはほとんどウラン238 である。
正解:3.ウラン燃料には,濃縮度90 %程度の高濃縮ウランが使用される。
解説:誤りは(3)である。軽水炉は減速材と冷却材に軽水(普通の水)を使う。軽水は中性子を吸収しやすいため天然ウラン(ウラン235 が約0.7 %)のままでは連鎖反応を維持できず濃縮が必要になるが,必要な濃縮度は3~5 %程度の低濃縮ウランである。濃縮度90 %程度の高濃縮ウランは研究炉や核兵器で扱う領域であり,商用の軽水炉では使わない。他の記述は正しい。(1)核分裂性物質はウラン235・プルトニウム239,(2)二酸化ウランの粉末を焼き固めたペレットを被覆管に詰めて使う,(4)ウラン238 は中性子を吸収してプルトニウム239 に変わるので親物質(親核種)と呼ばれる,(5)天然ウランの組成はウラン235 が約0.7 %で残りはほぼウラン238 である。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 電力 問4
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問145.分散型電源に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.太陽電池で発生した直流の電力を交流系統に接続する場合は,インバータにより直流を交流に変換する。連系保護装置を用いると,系統の停電時などに電力の供給を止めることができる。
- 2.分散型電源からの逆潮流による系統電圧上昇を抑制する手段として,分散型電源の出力抑制や,電圧調整器を用いた電圧の制御などが行われる。
- 3.小水力発電では,河川や用水路などでの流込み式発電が用いられる場合が多い。
- 4.洋上の風力発電所と陸上の系統の接続では,海底ケーブルによる直流送電が用いられることがある。直流送電では,ケーブルを用いて送電する場合でも,定常的な充電電流が流れないため,その補償が不要である。
- 5.一般的な燃料電池発電は,水素と酸素との吸熱反応を利用して電気エネルギーを作る発電方式であり,負荷変動に対する応答が早い。
正解:5.一般的な燃料電池発電は,水素と酸素との吸熱反応を利用して電気エネルギーを作る発電方式であり,負荷変動に対する応答が早い。
解説:誤りは(5)である。燃料電池は水素と酸素が結合して水になる反応(酸化反応)を利用するが,これは熱を出す発熱反応であり,吸熱反応ではない。燃料電池はこの化学反応のエネルギーを燃焼させずに直接電気エネルギーとして取り出す装置で,回転部分がないため負荷変動への応答が早いという記述自体は正しい。他は正しい。(4)については,交流でケーブル送電すると線路の静電容量に常時充電電流が流れて調相設備による補償が要るが,直流では定常状態で静電容量に電流が流れないためその補償が不要になる。答(5)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 電力 問5
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問146.次の文章は,変圧器のY-Y 結線方式の特徴に関する記述である。 一般に,変圧器のY-Y 結線は,一次,二次側の中性点を接地でき,1 線地絡などの故障に伴い発生する (ア) の抑制,電線路及び機器の絶縁レベルの低減,地絡故障時の (イ) の確実な動作による電線路や機器の保護等,多くの利点がある。 一方,相電圧は (ウ) を含むひずみ波形となるため,中性点を接地すると, (ウ) 電流が線路の静電容量を介して大地に流れることから,通信線への (エ) 障害の原因となる等の欠点がある。このため, (オ) による三次巻線を設けて,これらの欠点を解消する必要がある。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア)異常電流 (イ)避雷器 (ウ)第二調波 (エ)静電誘導 (オ)Δ結線
- 2.(ア)異常電圧 (イ)保護リレー (ウ)第三調波 (エ)電磁誘導 (オ)Y結線
- 3.(ア)異常電圧 (イ)保護リレー (ウ)第三調波 (エ)電磁誘導 (オ)Δ結線
- 4.(ア)異常電圧 (イ)避雷器 (ウ)第三調波 (エ)電磁誘導 (オ)Δ結線
- 5.(ア)異常電流 (イ)保護リレー (ウ)第二調波 (エ)静電誘導 (オ)Y結線
正解:3.(ア)異常電圧 (イ)保護リレー (ウ)第三調波 (エ)電磁誘導 (オ)Δ結線
解説:中性点を接地する主な目的は,1 線地絡時に健全相の対地電圧が跳ね上がるのを防ぐこと(異常電圧の抑制)と,地絡電流を確実に流して地絡保護リレーを動作させることである。避雷器は雷サージを大地に逃がす機器で,中性点接地によって動作が確実になるものではないから(イ)は保護リレーになる。 Y-Y 結線の欠点は励磁電流に含まれる第三調波の行き場がないことにある。第三調波は各相同相(零相)で,Δ結線があれば結線内を循環できるが,Y-Y にはその経路がないため相電圧が第三調波を含むひずみ波形になる。中性点を接地すると第三調波電流が線路の静電容量を通って大地に流れ,並行する通信線に電磁誘導障害を与える。これを避けるため,第三調波を循環させる経路としてΔ結線の三次巻線(安定巻線)を設ける。したがってY-Y-Δ結線として使うのが一般的である。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 電力 問6
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問147.次の文章は,配電線路の電圧調整に関する記述である。誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.太陽電池発電設備を系統連系させたときの逆潮流による配電線路の電圧上昇を抑制するため,パワーコンディショナには,電圧調整機能を持たせているものがある。
- 2.配電用変電所においては,高圧配電線路の電圧調整のため,負荷時電圧調整器(LRA)や負荷時タップ切換装置付変圧器(LRT)などが用いられる。
- 3.低圧配電線路の力率改善をより効果的に実施するためには,低圧配電線路ごとに電力用コンデンサを接続することに比べて,より上流である高圧配電線路に電力用コンデンサを接続した方がよい。
- 4.高負荷により配電線路の電圧降下が大きい場合,電線を太くすることで電圧降下を抑えることができる。
- 5.電圧調整には,高圧自動電圧調整器(SVR)のように電圧を直接調整するもののほか,電力用コンデンサや分路リアクトル,静止形無効電力補償装置(SVC)などのように線路の無効電力潮流を変化させて行うものもある。
正解:3.低圧配電線路の力率改善をより効果的に実施するためには,低圧配電線路ごとに電力用コンデンサを接続することに比べて,より上流である高圧配電線路に電力用コンデンサを接続した方がよい。
解説:誤りは(3)である。電力用コンデンサは,それを接続した点から電源側の区間に流れる無効電流を打ち消す。したがって負荷にできるだけ近いところ,つまり低圧配電線路ごとに接続した方が,無効電流の流れる区間が短くなり,線路損失と電圧降下の低減効果が大きい。上流の高圧配電線路にまとめて接続すると,低圧配電線路を流れる無効電流はそのまま残るので効果が小さくなる。他は正しい。(4)は電線を太くすると1 線当たりの抵抗が下がるため電圧降下が小さくなること,(5)は電圧を直接変える方式と無効電力潮流を変える方式の2 通りがあることを述べている。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 電力 問7
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問148.架空送電線路の構成要素に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.アークホーン : がいしの両端に設けられた金属電極をいい,雷サージによるフラッシオーバの際生じるアークを電極間に生じさせ,がいし破損を防止するものである。
- 2.トーショナルダンパ : 着雪防止が目的で電線に取り付ける。風による振動エネルギーで着雪を防止し,ギャロッピングによる電線間の短絡事故などを防止するものである。
- 3.アーマロッド : 電線の振動疲労防止や,アークによる電線損傷,溶断防止のため,クランプ付近の電線に同一材質の金属を巻き付けるものである。
- 4.相間スペーサ : 強風による電線相互の接近及び衝突を防止するため,電線相互の間隔を保持する器具として取り付けるものである。
- 5.埋設地線 : 塔脚の地下に放射状に埋設された接地線,あるいは,いくつかの鉄塔を地下で連結する接地線をいい,鉄塔の塔脚接地抵抗を小さくし,逆フラッシオーバを抑止する目的等のため取り付けるものである。
正解:2.トーショナルダンパ : 着雪防止が目的で電線に取り付ける。風による振動エネルギーで着雪を防止し,ギャロッピングによる電線間の短絡事故などを防止するものである。
解説:誤りは(2)である。トーショナルダンパは,電線に生じた上下方向の振動を減衰しやすいねじり振動に変換して振動エネルギーを吸収する器具で,目的は微風振動の抑制である。着雪防止を狙った器具ではない。難着雪対策には難着雪リングやねじれ防止ダンパが,ギャロッピングによる短絡防止には(4)の相間スペーサが用いられるので,この選択肢は他の器具の役割を混ぜた記述になっている。他は正しい。(1)アークホーンはアークをがいし本体から離れた電極間に飛ばしてがいしの破損を防ぐもの,(3)アーマロッドはクランプ付近の電線に同材質の補強線を巻いて素線切れやアークによる溶断を防ぐもの,(5)埋設地線は塔脚接地抵抗を下げて,鉄塔電位の上昇による逆フラッシオーバを抑えるものである。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 電力 問8
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問149.次の文章は,送電線路における架空地線に関する記述である。 送電線路の鉄塔の上部に十分な強さをもった (ア) を張り,鉄塔を通じて接地したものを架空地線といい,送電線への直撃雷を防止するために設置される。 図において,架空地線と送電線とを結ぶ直線と,架空地線から下ろした鉛直線との間の角度 θ を (イ) と呼んでいる。この角度が (ウ) ほど直撃雷を防止する効果が大きい。 架空地線や鉄塔に直撃雷があった場合,鉄塔から送電線に (エ) を生じることがある。これを防止するために,鉄塔の接地抵抗を小さくするような対策が講じられている。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.(ア)裸線 (イ)遮へい角 (ウ)小さい (エ)逆フラッシオーバ
- 2.(ア)絶縁電線 (イ)遮へい角 (ウ)大きい (エ)進行波
- 3.(ア)裸線 (イ)進入角 (ウ)小さい (エ)進行波
- 4.(ア)絶縁電線 (イ)進入角 (ウ)大きい (エ)進行波
- 5.(ア)裸線 (イ)進入角 (ウ)大きい (エ)逆フラッシオーバ
正解:1.(ア)裸線 (イ)遮へい角 (ウ)小さい (エ)逆フラッシオーバ
解説:架空地線は雷電流を鉄塔経由で大地へ流すためのものなので,導電性が必要であり裸線を張る(絶縁電線では役に立たない)。架空地線と送電線を結ぶ直線と鉛直線のなす角 θ を遮へい角といい,これが小さいほど送電線が架空地線の傘の内側に深く入るので,直撃雷を防ぐ効果(遮へい効果)が大きい。 架空地線や鉄塔に落雷すると雷電流が塔脚接地抵抗を流れて鉄塔の電位が急上昇し,鉄塔側から送電線側へ向かって絶縁が破れることがある。通常と向きが逆になるのでこれを逆フラッシオーバという。塔脚接地抵抗を小さくすれば鉄塔の電位上昇が抑えられるので,埋設地線などで接地抵抗を下げる対策が採られる。答(1)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 電力 問9
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問150.我が国の地中送電線路に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.地中送電線路は,電力ケーブルを地中に埋設して送電する方式である。同じ送電容量の架空送電線路と比較して建設費が高いが,都市部においては用地の制約や,保安,景観などの点から地中送電線路が採用される傾向にある。
- 2.主な電力ケーブルには,架橋ポリエチレンを絶縁体としたCV ケーブルと,絶縁紙と絶縁油を組み合わせた油浸紙を絶縁体としたOF ケーブルがある。OF ケーブルには油通路が設けられており,絶縁油の加圧によりボイドの発生を抑制して絶縁強度を確保するための給油設備が必要である。
- 3.電力ケーブルの電力損失において,抵抗損とシース損はケーブルの導体に流れる電流に起因した損失であり,誘電体損は電圧に対して絶縁体に流れる同位相の電流成分に起因した損失である。CV ケーブルとOF ケーブルの誘電体損では,一般にOF ケーブルの方が小さい。
- 4.電力ケーブルの布設方法において,直接埋設式は最も工事費が安く,工期が短いが,ケーブル外傷等の被害のリスクが高く,ケーブル布設後の増設も難しい。一方で,管路式と暗きょ式(洞道式)は,ケーブル外傷等のリスク低減やケーブル布設後の増設にも優れた布設方式である。中でも暗きょ方式は,電力ケーブルの熱放散と保守の面で最も優れた布設方式である。
- 5.地中送電線路で地絡事故や断線事故が発生した際には,故障点位置標定が行われる。故障点位置標定法としては,地絡事故にはパルスレーダ法とマーレーループ法が適用でき,断線事故にはパルスレーダ法と静電容量測定法が適用できる。
正解:3.電力ケーブルの電力損失において,抵抗損とシース損はケーブルの導体に流れる電流に起因した損失であり,誘電体損は電圧に対して絶縁体に流れる同位相の電流成分に起因した損失である。CV ケーブルとOF ケーブルの誘電体損では,一般にOF ケーブルの方が小さい。
解説:誤りは(3)の最後の一文である。誘電体損は絶縁体の誘電正接 tanδ に比例するが,架橋ポリエチレン(CV ケーブル)の tanδ は油浸紙(OF ケーブル)より1 桁小さい。したがって誘電体損は一般にCV ケーブルの方が小さく,OF ケーブルの方が大きい。記述は逆である。同じ(3)の前半,すなわち抵抗損とシース損が導体電流に起因する損失であること(シース損は導体電流がつくる磁束によってシースに生じる),誘電体損が電圧と同位相の電流成分に起因する損失であることは正しい。他の選択肢はいずれも正しい記述である。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 電力 問10
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問151.直流送電に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.系統連系のための直流送電では,交直変換所の設置が必要となる。
- 2.交流送電のような同期安定度の問題がないので,長距離送電に適している。
- 3.直流の高電圧大電流の遮断は,交流の場合より容易である。
- 4.直流は,変圧器で簡単に昇圧や降圧ができない。
- 5.交直変換器からは高調波が発生するので,フィルタ設置等の対策が必要である。
正解:3.直流の高電圧大電流の遮断は,交流の場合より容易である。
解説:誤りは(3)である。交流は1 周期に2 回,電流が零になる瞬間(電流零点)があるので,その瞬間をねらえばアークを消して遮断できる。ところが直流には電流零点がないため,アークがいつまでも続いて消えにくく,高電圧大電流の遮断は交流よりはるかに難しい。このため直流遮断器は,強制的に電流零点をつくる回路を組み込むなど構造が複雑で高価になる。他は正しい。(2)は直流には位相の概念がなく同期安定度の制約を受けないこと,(4)は変圧器が電磁誘導を利用するため直流ではそのまま電圧を変えられないこと,(5)は交直変換器のスイッチング動作で高調波が発生し,交流側にフィルタが必要になることを述べている。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 電力 問11
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問152.両端の高さが同じで径間距離250 m の架空電線路があり,電線1 m 当たりの重量は20.0 N で,風圧荷重はないものとする。 今,水平引張荷重が40.0 kN の状態で架線されているとき,たるみ D の値[m]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.2.1
- 2.3.9
- 3.6.3
- 4.8.5
- 5.10.4
正解:2.3.9
解説:たるみ D は D=WS²/(8T) で求められる。W は電線1 m 当たりの荷重[N/m],S は径間距離[m],T は水平引張荷重[N]である。 W=20.0 N/m,S=250 m,T=40.0 kN=40 000 N を代入すると D=20.0×250²/(8×40 000)=1 250 000/320 000=3.90 m となる。単位の取り違えに注意したい。引張荷重が kN で与えられているので,N に直さずに計算すると答が1 000 倍ずれる。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 電力 問12
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問153.単相2 線式及び単相3 線式の線路での電力損失について,次の問に答えよ。 下図のように,単相100 V の抵抗負荷に単相2 線式及び単相3 線式の低圧配電方式で送電する。負荷の総容量は同一であり,3 線式の場合,負荷は図のように線間に均等分割されるものとする。単相2 線式での線路の抵抗損を1 とすると,単相3 線式の線路の抵抗損は 1/5 であった。このとき,単相2 線式での線路の1 線当たりの抵抗に対して,単相3 線式での線路の1 線当たりの抵抗はどのような大きさとなるか。最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.0.27 倍
- 2.0.4 倍
- 3.0.53 倍
- 4.0.8 倍
- 5.1.25 倍
正解:4.0.8 倍
解説:単相2 線式の1 線当たりの抵抗を r₂,単相3 線式の1 線当たりの抵抗を r₃ とする。負荷の総容量を P_L,電圧を100 V とすると,単相2 線式の線電流は I=P_L/100 で,往復2 線に流れるので抵抗損は 2I²r₂ である。 単相3 線式では負荷が線間に P_L/2 ずつ均等分割されるので,各線間の電圧も100 V であり電流は I/2 になる。上下が平衡しているため中性線には電流が流れず,外側2 線だけに I/2 が流れる。したがって抵抗損は 2×(I/2)²×r₃=(1/2)I²r₃ である。 両者の比が 1/5 だから {(1/2)I²r₃}÷(2I²r₂)=r₃/(4r₂)=1/5 r₃/r₂=4/5=0.8 となる。中性線に電流が流れないことを見落として3 線分の損失を数えると答が変わってしまうので注意したい。答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 電力 問13
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問154.電線の導体に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.地中ケーブルの銅導体には,伸びや可とう性に優れる軟銅線が用いられる。
- 2.電線の導電材料としての金属には,資源量の多さや導電率の高さが求められる。
- 3.鋼心アルミより線は,鋼より線の周囲にアルミ線をより合わせたもので,軽量で大きな外径や高い引張強度を得ることができる。
- 4.電気用アルミニウムの導電率は銅よりも低いが,電気抵抗と長さが同じ電線の場合,アルミニウム線の方が銅線より軽い。
- 5.硬銅線は軟銅線と比較して曲げにくく,電線の導体として使われることはない。
正解:5.硬銅線は軟銅線と比較して曲げにくく,電線の導体として使われることはない。
解説:誤りは(5)である。硬銅線は軟銅線より引張強度が大きいので,自らの重みと張力に耐える必要がある架空送電線・架空配電線の導体として実際に広く使われてきた。曲げにくいという性質は事実だが,それは「使われることはない」理由にはならない。 他は正しい。(1)地中ケーブルは管路の中を引き入れたり曲げたりするので,伸びと可とう性に優れる軟銅線を使う。(3)鋼心アルミより線(ACSR)は,引張強度を鋼心が,導電を周囲のアルミが受け持つ構造で,同じ抵抗の銅線より軽くて外径が大きく,コロナ対策にも有利になる。(4)アルミの導電率は銅の約6 割だが密度は約3 割なので,同じ抵抗・同じ長さで比べると断面積を大きくしてもなおアルミの方が軽い。答(5)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 電力 問14
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問155.ある需要端の負荷に対し,水力発電所1 か所と重油専焼汽力発電所1 か所によって電力を供給する場合において,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 水力発電所の最大使用水量20 m³/s,総落差200 m,損失水頭7 m,水車と発電機の総合効率85 %,年間の設備利用率60 %としたとき,この発電所の年間発電電力量[GW·h]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.15
- 2.30
- 3.170
- 4.175
- 5.200
正解:3.170
解説:有効落差は総落差から損失水頭を引いて H=200−7=193 m である。最大使用水量で運転したときの出力は P=9.8×Q×H×η=9.8×20×193×0.85=32 154 kW≒32.2 MW となる。年間の設備利用率60 %とは,最大出力で1 年間運転した場合の電力量の60 %を実際に発電したという意味なので,年間発電電力量は W=32 154×8 760×0.60=1.69×10⁸ kW·h=169 GW·h である。最も近いのは170 GW·h。損失水頭を引かずに総落差200 m のまま計算すると175 GW·h になり,(4)を選んでしまうので,有効落差を使うことを忘れないようにしたい。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 電力 問15(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問156.ある需要端の負荷に対し,水力発電所1 か所と重油専焼汽力発電所1 か所によって電力を供給する場合において,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(b)〕 需要端の負荷に供給する最大電力が100 MW,年負荷率60 %の場合,汽力発電所における重油の年間の消費量[kL]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 ただし,この汽力発電所の発電端熱効率は40 %で運転出力に関わらず一定とする。使用する重油の発熱量は39 100 kJ/L とし,発電所から需要端までの送電損失,発電所内損失は無視するものとする。
- 1.13 000
- 2.33 000
- 3.82 000
- 4.114 000
- 5.120 000
正解:3.82 000
解説:需要端が1 年間に必要とする電力量は,最大電力に年負荷率と年間時間を掛けて W=100 000 kW×8 760 h×0.60=5.256×10⁸ kW·h=525.6 GW·h である。このうち小問(a)で求めた169 GW·h を水力が分担するので,汽力発電所の分担は 525.6−169.0=356.6 GW·h=3.566×10⁸ kW·h となる。1 kW·h=3 600 kJ なので,発電端熱効率40 %で必要な燃料の熱量は Q=3.566×10⁸×3 600÷0.40=3.21×10¹² kJ である。重油の発熱量が39 100 kJ/L だから消費量は V=3.21×10¹²÷39 100=8.21×10⁷ L=82 100 kL となり,最も近いのは82 000 kL である。水力の分担を差し引かずに需要端の全量を汽力で発電したとして計算すると約121 000 kL になり(5)を選ぶことになるので,小問(a)の結果を使う点に注意したい。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 電力 問15(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問157.図のような系統において,昇圧用変圧器の容量は30 MV·A,変圧比は11 kV/33 kV,百分率インピーダンスは自己容量基準で7.8 %,計器用変流器(CT)の変流比は400 A/5 A である。系統の点F において,三相短絡事故が発生し,1 800 A の短絡電流が流れたとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 ただし,CT の磁気飽和は考慮しないものとする。 〔小問(a)〕 系統の基準容量を10 MV·A としたとき,事故点F から電源側をみた百分率インピーダンスの値[%]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.5.6
- 2.9.7
- 3.12.3
- 4.29.2
- 5.37.0
正解:2.9.7
解説:百分率インピーダンスは,基準電流を短絡電流で割って求めることができる。基準容量10 MV·A,33 kV 系統の基準電流は I_n=10×10⁶÷(√3×33×10³)=175 A である。短絡電流が1 800 A なので,事故点から電源側をみた百分率インピーダンスは %Z=(I_n/I_s)×100=(175/1 800)×100=9.7 % となる。 なお変圧器の7.8 %は自己容量30 MV·A 基準なので,10 MV·A 基準に換算すると7.8×(10/30)=2.6 %である。全体の9.7 %からこれを引いた約7.1 %が電源側の内部インピーダンスに相当する。変圧器の値を換算せずにそのまま足したり,短絡電流から求める手順を飛ばしたりすると答が合わないので注意したい。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 電力 問16(a)
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問158.図のような系統において,昇圧用変圧器の容量は30 MV·A,変圧比は11 kV/33 kV,百分率インピーダンスは自己容量基準で7.8 %,計器用変流器(CT)の変流比は400 A/5 A である。系統の点F において,三相短絡事故が発生し,1 800 A の短絡電流が流れたとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 ただし,CT の磁気飽和は考慮しないものとする。 〔小問(b)〕 過電流継電器(OCR)を0.09 s で動作させるには,OCR の電流タップ値を何アンペアの位置に整定すればよいか,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 ただし,OCR のタイムレバー位置は3 に整定されており,タイムレバー位置10 における限時特性は図示のとおりである。

- 1.3.0 A
- 2.3.5 A
- 3.4.0 A
- 4.4.5 A
- 5.5.0 A
正解:4.4.5 A
解説:順序は「CT 二次電流を求める → タイムレバーを換算する → 限時特性図で倍数を読む → タップ値を求める」となる。 ① 短絡電流1 800 A は変流比400 A/5 A のCT を通ると,二次側では 1 800×5/400=22.5 A になる。 ② OCR の動作時間はタイムレバー位置に比例する。タイムレバー位置3 で0.09 s ということは,図が描かれているタイムレバー位置10 では 0.09×10/3=0.30 s に相当する。 ③ 限時特性図で動作時間0.30 s を読み取ると,タップ整定電流の倍数は5 倍である。 ④ 二次電流22.5 A がタップ値の5 倍になればよいので,タップ値は 22.5÷5=4.5 A となる。②のタイムレバー換算を忘れて0.09 s のまま図を読もうとすると,図の範囲外になって解けない。答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 電力 問16(b)
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問159.図のような単相3 線式配電線路がある。系統の中間点に図のとおり負荷が接続されており,末端のAC 間に太陽光発電設備が逆変換装置を介して接続されている。各部の電圧及び電流が図に示された値であるとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 ただし,図示していないインピーダンスは無視するとともに,線路のインピーダンスは抵抗であり,負荷の力率は1,太陽光発電設備は発電出力電流(交流側)15 A,力率1 で一定とする。 〔小問(a)〕 図中の回路の空白箇所(ア)~(ウ)に流れる電流の値[A]の組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.(ア)5 (イ)0 (ウ)15
- 2.(ア)5 (イ)5 (ウ)0
- 3.(ア)15 (イ)0 (ウ)15
- 4.(ア)20 (イ)5 (ウ)0
- 5.(ア)20 (イ)5 (ウ)15
正解:2.(ア)5 (イ)5 (ウ)0
解説:太陽光発電設備はA-C 間に接続され,交流側15 A を送り出している。すなわちA 点へ15 A が流れ込み,同じ15 A がC 点から流れ出す。これを踏まえて各節点で電流の出入りを合わせればよい。 上側外線の中間点:この点からA 点側へ向かう区間には,A 点から中間点へ向かって15 A が流れている。一方この点では上側負荷が20 A を消費する。したがって電源側から流れ込む(ア)は (ア)=20−15=5 A となる。太陽光発電が負荷の一部を肩代わりしている形である。 下側外線の中間点:C 点へ15 A が流れ出し,この点で下側負荷が15 A を消費する。下側負荷の15 A は中性線から供給されるので,電源側から流れる(ウ)は (ウ)=15−15=0 A となる。 中性線:上側負荷20 A と下側負荷15 A の差が流れるので (イ)=20−15=5 A である。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 電力 問17(a)
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問160.図のような単相3 線式配電線路がある。系統の中間点に図のとおり負荷が接続されており,末端のAC 間に太陽光発電設備が逆変換装置を介して接続されている。各部の電圧及び電流が図に示された値であるとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 ただし,図示していないインピーダンスは無視するとともに,線路のインピーダンスは抵抗であり,負荷の力率は1,太陽光発電設備は発電出力電流(交流側)15 A,力率1 で一定とする。 〔小問(b)〕 図中AB 間の端子電圧 V_AB の値[V]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.104.0
- 2.104.5
- 3.105.0
- 4.105.5
- 5.106.0
正解:4.105.5
解説:電源の中性点を電位の基準(0 V)にとると,電源の上側端子は+105 V である。ここからA 点,B 点の電位を順にたどる。 上側外線:電源から中間点までの区間には小問(a)の(ア)=5 A が負荷へ向かって流れるので,中間点の電位は 105−5×0.1=104.5 V。中間点からA 点までの区間には15 A がA 点から中間点へ向かって流れる(向きが逆)ので,A 点の電位はさらに 15×0.1=1.5 V 高くなり V_A=104.5+1.5=106.0 V となる。 中性線:電源から中間点までの区間には(イ)=5 A が電源へ向かって流れるので,中間点の電位は 5×0.1=0.5 V だけ高く+0.5 V。中間点からB 点までの区間には電流が流れない(B 点には何も接続されていない)ので V_B=0.5 V である。 したがって V_AB=106.0−0.5=105.5 V となる。太陽光発電の逆潮流によって末端A 点の電位が電源電圧105 V より高くなっている点がこの問題の要点である。答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 電力 問17(b)
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問161.水力発電所に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.衝動水車にはペルトン水車などがある。
- 2.ペルトン水車の水圧管の先端ノズル内にはニードル弁があり,通常運転時は出力変化に応じて流量調整を行う。
- 3.故障発生時などでペルトン水車を急停止させるときは,ニードル弁でノズルから出る噴流を急速に止めると同時にデフレクタを停止位置にして噴流を完全に遮断する。
- 4.小水力発電は,主に流れ込み式,水路式が多く,比較的小規模な発電設備で発電を行う。一般河川の水のエネルギーの利用だけでなく,農業用水,上下水道など低落差あるいは少流量の水のエネルギーも活用している。
- 5.クロスフロー水車は小水力発電で多く用いられ,円筒状のランナの軸に直角方向から流水が流入しランナ内を貫通して流出する水車である。ガイドベーンを有し低流量時でも効率低下が小さい。
正解:3.故障発生時などでペルトン水車を急停止させるときは,ニードル弁でノズルから出る噴流を急速に止めると同時にデフレクタを停止位置にして噴流を完全に遮断する。
解説:誤りは(3)である。ペルトン水車を急停止させるときは,まずデフレクタ(そらせ板)を噴流の前に出してバケットから水をそらし,そのあとニードル弁を時間をかけてゆっくり閉じる。ニードル弁を急速に閉じると,水圧管内を流れていた水の運動量が行き場を失って圧力が跳ね上がり,水撃作用(ウォータハンマ)で水圧管を破損するおそれがあるからである。デフレクタは,弁をゆっくり閉じている間の水を逃がすために設けられた装置であり,「ニードル弁で急速に止める」という記述はこの役割分担と正反対になっている。他は正しい。(1)は衝動水車の代表がペルトン水車であること,(2)は通常運転時の流量調整をニードル弁が担うこと,(4)は小水力発電が農業用水や上下水道の低落差・少流量も利用すること,(5)はクロスフロー水車の構造と,低流量時でも効率低下が小さいという特徴を述べたもので,いずれも正しい。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 電力 問1
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問162.総落差200 m,ポンプ水車・発電電動機1 台よりなる揚水発電所がある。揚水時・発電時共に流量は100 m³/s,損失水頭は揚水・発電共に総落差の2.5 %,ポンプ効率・水車効率共に85 %,発電効率・電動機効率共に98 %とし,損失水頭及び上記4 種の効率は,揚程,落差,出力,入力の変化によらず一定とする。 揚水時の電動機入力[MW]と,発電時の発電機出力[MW]の組合せとして,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.電動機入力[MW]:235 発電機出力[MW]:163
- 2.電動機入力[MW]:235 発電機出力[MW]:159
- 3.電動機入力[MW]:241 発電機出力[MW]:163
- 4.電動機入力[MW]:241 発電機出力[MW]:159
- 5.電動機入力[MW]:229 発電機出力[MW]:167
正解:4.電動機入力[MW]:241 発電機出力[MW]:159
解説:損失水頭は総落差の2.5 %なので 200×0.025=5 m である。ここで揚水と発電で符号が逆になる点が要点になる。揚水時は総落差に損失を「足した」全揚程 200+5=205 m まで水を持ち上げなければならず,しかも効率で割ることになるので P=9.8×100×205/(0.85×0.98)≒200 900/0.833≒241 000 kW=241 MW。発電時は総落差から損失を「引いた」有効落差 200−5=195 m しか使えず,効率を掛けるので P=9.8×100×195×0.85×0.98≒191 100×0.833≒159 000 kW=159 MW。答(4)。損失の符号を両方とも同じ向きにすると235 MW と163 MW の組((1))に寄ってしまう。揚水は「余分に持ち上げる」,発電は「目減りする」と覚えておけば向きを間違えない。なお 241 MW を入れて159 MW しか戻らないので,この設備の総合効率は159/241≒66 %で,実際の揚水発電所の70 %前後という値とも整合する。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 電力 問2
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問163.一般的な排熱回収方式のガスタービンコンバインドサイクル発電を,同一出力の汽力発電と比較した記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.コンバインドサイクル発電の方が,始動・停止時間が短い。
- 2.コンバインドサイクル発電の方が,負荷変化に対する追従性が高い。
- 3.コンバインドサイクル発電の方が,熱効率が高い。
- 4.コンバインドサイクル発電の方が,外気温の最大出力に与える影響が小さい。
- 5.コンバインドサイクル発電の方が,温排水量が少ない。
正解:4.コンバインドサイクル発電の方が,外気温の最大出力に与える影響が小さい。
解説:誤りは(4)で,外気温の影響はコンバインドサイクルのほうが「大きい」。ガスタービンは空気を吸い込んで圧縮するため,吸気の密度が出力を左右する。夏場に外気温が上がると空気が膨張して密度が下がり,同じ体積を吸い込んでも質量流量が減るので最大出力が低下する。汽力発電はボイラで燃料を燃やして蒸気を作る方式で,吸気密度に出力が直結しないため影響は小さい。他は正しい。(1)(2)は,ガスタービンが小さな熱容量で素早く起動・負荷変化できるためで,(3)は高温のガスタービンで発電したうえに排熱で蒸気タービンも回すため熱効率が高くなること,(5)は発電量に占める蒸気タービンの割合が小さいぶん復水器で捨てる熱が減り,温排水量が少なくなることを述べている。答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 電力 問3
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問164.1 g のウラン235 が核分裂し,0.09 %の質量欠損が生じたとき,発生するエネルギーを石炭に換算した値[kg]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし,石炭の発熱量を25 000 kJ/kg とする。
- 1.32
- 2.320
- 3.1 600
- 4.3 200
- 5.6 400
正解:4.3 200
解説:質量欠損は 1 g の0.09 %だから Δm=1×0.0009=9×10⁻⁴ g=9×10⁻⁷ kg。アインシュタインの質量とエネルギーの関係 E=Δmc² に光速 c=3×10⁸ m/s を入れると,E=9×10⁻⁷×(3×10⁸)²=9×10⁻⁷×9×10¹⁶=8.1×10¹⁰ J=8.1×10⁷ kJ。これを石炭の発熱量25 000 kJ/kg で割って 8.1×10⁷/2.5×10⁴=3 240 kg。最も近いのは3 200 kg で答(4)。注意点は二つある。一つは質量を kg に直すことで,g のまま入れると10³倍ずれる。もう一つは c を2 乗することで,掛け忘れると桁が大きく変わる。得られた結果は「わずか1 g のウランが石炭3 t 分に相当する」という意味で,核燃料のエネルギー密度が化石燃料と比べて桁違いに大きいことを端的に示している。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 電力 問4
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問165.燃料電池の原理と特徴に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.燃料は外部から供給され,直接,交流電力を発生する。
- 2.電解質により,りん酸形,溶融炭酸塩形,固体高分子形などに分類される。
- 3.水の電気分解と逆の化学反応を利用した発電方式である。
- 4.発電時の排熱を空調や給湯に活用できる。
- 5.天然ガスやメタノールを改質して発生させた水素を燃料として利用できる。
正解:1.燃料は外部から供給され,直接,交流電力を発生する。
解説:誤りは(1)で,燃料電池が直接発生するのは「直流」電力である。水素と酸素の化学反応で電子が一方向に流れるので,そこに交流が生じる余地はない。系統に連系したり家庭で使ったりするには,インバータで直流を交流に変換する必要がある。他は正しい。(2)は電解質の種類による分類で,りん酸形・溶融炭酸塩形・固体高分子形のほか固体酸化物形がある。(3)は原理そのもので,水の電気分解が「電気を加えて水を水素と酸素に分ける」のに対し,燃料電池は「水素と酸素から水を作って電気を取り出す」逆反応である。(4)は反応熱を回収して給湯や空調に使うコージェネレーションの考え方で,家庭用燃料電池はこれによって総合効率を高めている。(5)は水素をそのまま貯蔵するのが難しいため,都市ガスやLPガスを改質器で水素に変えて使う方式が実用化されていることを述べている。答(1)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 電力 問5
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問166.次の文章は,ガス絶縁開閉装置(GIS)に関する記述である。 ガス絶縁開閉装置(GIS)は,金属容器に遮断器,断路器,母線などを収納し,絶縁耐力及び消弧能力の優れた (ア) を充填したもので,充電部を支持するスペーサなどの絶縁物には,主に (イ) が用いられる。また,気中絶縁の設備に比べて GIS には次のような特徴がある。 ① コンパクトである。 ② 充電部が密閉されており,安全性が高い。 ③ 大気中の汚染物等の影響を受けないため,信頼性が (ウ) 。 ④ 内部事故時の復旧時間が (エ) 。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア)SF₆ガス (イ)エポキシ樹脂 (ウ)低い (エ)短い
- 2.(ア)SF₆ガス (イ)エポキシ樹脂 (ウ)高い (エ)長い
- 3.(ア)窒素ガス (イ)磁器がいし (ウ)低い (エ)長い
- 4.(ア)窒素ガス (イ)エポキシ樹脂 (ウ)高い (エ)短い
- 5.(ア)SF₆ガス (イ)磁器がいし (ウ)高い (エ)短い
正解:2.(ア)SF₆ガス (イ)エポキシ樹脂 (ウ)高い (エ)長い
解説:GIS に充填するのは六ふっ化硫黄(SF₆)ガスである。空気の2〜3倍の絶縁耐力を持ち,しかもアークを消す能力(消弧能力)に優れているため,遮断器を小型にできる。窒素ガスにはこの消弧能力がないので(3)(4)が落ちる。充電部を金属容器の中で支えるスペーサには,金型で複雑な形に成形でき機械的強度と絶縁性を両立できるエポキシ樹脂が使われる。磁器がいしは気中絶縁の設備で使うもので,容器内部の支持には向かないため(5)も消える。残る(1)と(2)の差は(ウ)(エ)で,大気中の塩分や塵埃の影響を受けないぶん信頼性は「高い」。ここで(1)が落ちて(2)が残る。ただし内部で事故が起きると,ガスを回収して容器を開け,点検・修理してから再びガスを充填し直す必要があるため,復旧時間は気中絶縁より「長い」。これがGISのほぼ唯一の弱点で,本問はそこを問うている。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 電力 問6
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問167.配電線路の電圧維持に有効な対策として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.負荷時タップ切換変圧器や負荷時電圧調整器で変電所の送り出し電圧を調整する。
- 2.力率改善用コンデンサを設置する。
- 3.太い配電線に張り替える。
- 4.配電線のこう長を延長する。
- 5.柱上変圧器を負荷の中心に設置する。
正解:4.配電線のこう長を延長する。
解説:誤りは(4)である。三相3 線式の電圧降下は ΔV=√3 I(R cosθ+X sinθ) で表され,抵抗 R もリアクタンス X も線路の長さに比例する。こう長を延長すれば R も X も増えるので電圧降下は大きくなり,電圧維持にとってはむしろ逆効果になる。他は正しい対策である。(1)は変電所の送り出し電圧そのものを負荷に応じて上下させる方法で,最も基本的な手段。(2)の力率改善用コンデンサは遅れ無効電流を減らし,上式の sinθ に掛かる X の寄与を小さくすることで電圧降下を抑える。(3)は電線を太くして単位長さ当たりの抵抗を下げる方法。(5)は柱上変圧器を負荷の重心に置くことで,高圧側・低圧側それぞれの亘長を短くし,結果として電圧降下を小さくする方法である。答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 電力 問7
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問168.架空送電線の振動の特徴と対策に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.送電線の上下配列にオフセットを設けて,電線どうしが接触しないようにする方法がある。
- 2.電線に当たる一様な微風により,電線の背後に空気の渦が生じ,電線が上下に振動する現象を微風振動といい,これを抑制する方法としてダンパの取付けがある。
- 3.電線に付着した氷雪の断面が非対称になり,これに風が当たることで発生する揚力の影響で,電線が振動する現象をギャロッピングといい,多導体では発生しにくい。
- 4.多導体の送電線に風速10 m/s を超える風が当たることで,多導体の素導体が不安定になり電線が振動する現象をサブスパン振動という。
- 5.電線に付着した氷雪が脱落し,その反動で電線がはね上がる現象をスリートジャンプという。
正解:3.電線に付着した氷雪の断面が非対称になり,これに風が当たることで発生する揚力の影響で,電線が振動する現象をギャロッピングといい,多導体では発生しにくい。
解説:誤りは(3)の後半で,ギャロッピングは多導体のほうが「発生しやすい」。多導体はスペーサで束ねられているため,付着した氷雪を含めた断面全体が一体となってねじれに対して安定な形をとりにくく,単導体のように電線が自由に回転して着雪を落とすことができない。その結果,非対称な断面のまま風を受けて揚力が働き,大振幅の低周波振動が起こりやすくなる。ギャロッピングの原理を述べた前半(氷雪の非対称断面と揚力)自体は正しいので,「多導体では発生しにくい」という一節だけが誤りである点に注意したい。他は正しい。(1)のオフセットは,スリートジャンプやギャロッピングで電線が上下に動いても上下相が接触しないよう,あらかじめ水平方向にずらして配列する方法。(2)の微風振動はカルマン渦による小振幅・高周波の振動で,ダンパやアーマロッドで抑える。(4)のサブスパン振動は多導体特有の現象,(5)のスリートジャンプは着雪の脱落による跳ね上がりである。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 電力 問8
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問169.電力系統に現れる過電圧(異常電圧)はその発生原因により,外部過電圧と内部過電圧とに分類される。前者は,雷放電現象に起因するもので雷サージ電圧ともいわれる。後者は,電線路の開閉操作等に伴う開閉サージ電圧と地絡事故時等に発生する短時間交流過電圧とがある。 各種過電圧に対する電力系統の絶縁設計の考え方に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.絶縁協調とは,送電線路や発変電所に設置される電力設備等の絶縁について,安全性と経済性のとれた絶縁設計を行うために,外部過電圧そのものの大きさを低減することである。
- 2.避雷器は,過電圧の波高値がある値を超えた場合,特性要素に電流が流れることにより過電圧値を制限して電力設備の絶縁を保護し,かつ,続流を短時間のうちに遮断して原状に自復する機能を持った装置である。
- 3.架空送電線路の絶縁は,外部過電圧に対しては,必ずしも十分に耐えるように設計されるとは限らない。
- 4.送電線路の絶縁及び発変電所に設置される電力設備等の絶縁は,いずれも原則として,内部過電圧に対しては十分に耐えるように設計される。
- 5.発変電所に設置される電力設備等の絶縁は,外部過電圧に対しては,避雷器によって保護されることを前提に設計される。その保護レベルは,避雷器の制限電圧に基づいて決まる。
正解:1.絶縁協調とは,送電線路や発変電所に設置される電力設備等の絶縁について,安全性と経済性のとれた絶縁設計を行うために,外部過電圧そのものの大きさを低減することである。
解説:誤りは(1)である。絶縁協調とは,過電圧そのものを小さくすることではなく,系統を構成する各機器の絶縁強度を,避雷器の保護レベルを基準として合理的に「協調」させることをいう。つまり,避雷器がどの電圧で動作して過電圧を抑えるかを決め,それより高い絶縁強度を各機器に持たせ,しかも過剰に高くしすぎないことで安全性と経済性を両立させる設計思想である。雷そのものの大きさを人間が減らすことはできないので,「外部過電圧そのものの大きさを低減する」という記述は成り立たない。他は正しい。(2)は避雷器の動作原理と,続流を切って自復する機能を述べたもの。(3)は,雷は非常に大きな過電圧をもたらすため送電線の絶縁で完全に耐えさせるのは不経済で,架空地線や避雷器で守る前提とすること。(4)は開閉サージなど内部過電圧は系統電圧の数倍程度に収まるので,これには十分耐える設計とすること。(5)は保護レベルが避雷器の制限電圧で決まることを述べており,(1)が誤りである理由の裏返しになっている。答(1)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 電力 問9
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問170.次の文章は,マーレーループ法に関する記述である。 マーレーループ法はケーブル線路の故障点位置を標定するための方法である。この基本原理は (ア) ブリッジに基づいている。図に示すように,ケーブル A の一箇所においてその導体と遮へい層の間に地絡故障を生じているとする。この場合に故障点の位置標定を行うためには,マーレーループ装置を接続する箇所の逆側端部において,絶縁破壊を起こしたケーブル A と,これに並行する絶縁破壊を起こしていないケーブル B の (イ) どうしを接続して,ブリッジの平衡条件を求める。ケーブル線路長を L,マーレーループ装置を接続した端部側から故障点までの距離を x,ブリッジの全目盛を1 000,ブリッジが平衡したときのケーブル A に接続されたブリッジ端子までの目盛の読みを a としたときに,故障点までの距離 x は (ウ) で示される。 なお,この原理上,故障点の地絡抵抗が (エ) ことがよい位置標定精度を得るうえで必要である。 ただし,ケーブル A,B は同一仕様,かつ,同一長とし,また,マーレーループ装置とケーブルの接続線,及びケーブルどうしの接続線のインピーダンスは無視するものとする。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.(ア)ホイートストン (イ)遮へい層 (ウ)aL/500 (エ)十分低い
- 2.(ア)シェーリング (イ)導体 (ウ)2L−aL/500 (エ)十分高い
- 3.(ア)シェーリング (イ)遮へい層 (ウ)2L−aL/500 (エ)十分高い
- 4.(ア)ホイートストン (イ)導体 (ウ)aL/500 (エ)十分低い
- 5.(ア)ホイートストン (イ)導体 (ウ)aL/500 (エ)十分高い
正解:4.(ア)ホイートストン (イ)導体 (ウ)aL/500 (エ)十分低い
解説:マーレーループ法は,故障ケーブルと健全ケーブルの導体抵抗を二辺,装置内のすべり抵抗を残り二辺とするホイートストンブリッジそのものである。シェーリングブリッジは誘電正接(tanδ)を測るための交流ブリッジで用途が違うので(2)(3)が落ちる。反対側の端部で接続するのは電流を流す経路となる「導体」どうしで,遮へい層ではないため(1)も消える。平衡条件は,装置側から故障点までの導体抵抗が距離 x に比例し,故障点から遠端を回って健全ケーブルを戻ってくる経路が (L−x)+L=2L−x に比例することから,a:(1 000−a)=x:(2L−x)。これを解くと x=2La/1 000=aL/500 となる。残る(4)と(5)の差は(エ)だけで,地絡抵抗が高いとブリッジに流れる電流が小さくなって平衡点の検出が鈍り,測定精度が落ちる。したがって地絡抵抗は「十分低い」ことが必要である。答(4)。実務では抵抗の高い故障点をあらかじめ焼き切って低抵抗化してから測定することがあり,これも同じ理由による。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 電力 問10
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問171.送配電方式として広く採用されている交流三相方式に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.電源側をY結線としたうえで,中性線を施設して三相4 線式とすると,線間電圧と相電圧の両方を容易に取り出して利用できるようになる。
- 2.同一材料の電線を使用して,同じ線間電圧で同じ電力を同じ距離に,同じ損失で送電する場合に必要な電線の総重量は,三相3 線式でも単相2 線式と同等である。
- 3.回転磁界が容易に得られるため,動力源として三相誘導電動機の活用に便利である。
- 4.三相回路が平衡している場合,三相交流全体の瞬時電力は時間に無関係な一定値となり,単相交流の場合のように脈動しないという利点がある。
- 5.発電機では,同じ出力ならば,単相の場合に比べるとより小形に設計できて効率がよい。
正解:2.同一材料の電線を使用して,同じ線間電圧で同じ電力を同じ距離に,同じ損失で送電する場合に必要な電線の総重量は,三相3 線式でも単相2 線式と同等である。
解説:誤りは(2)で,三相3 線式に必要な電線の総重量は単相2 線式の3/4 で済む。これは三相方式が採用されている最大の経済的理由である。確かめてみると,送電電力 P,線間電圧 V が同じとき,単相2 線式の電流は I₁=P/V,三相3 線式は I₃=P/(√3V)。同じ損失にするという条件から 2I₁²R₁=3I₃²R₃ となり,これに電流を代入すると R₃=(2/3)×(I₁/I₃)²R₁=(2/3)×3R₁=2R₁。抵抗が2 倍でよいということは断面積が半分でよく,本数は2 本から3 本に増えるので,総重量の比は (3×0.5)/(2×1)=3/4 になる。他は正しい。(1)は三相4 線式で200 V と100 V を同時に取り出せること,(3)は三相電流が自然に回転磁界を作るので誘導電動機が始動装置なしで回ること,(4)は平衡三相の瞬時電力の和が一定になり,脈動によるトルク変動が生じないこと,(5)は同じ体積の発電機で三相のほうが大きな出力を取り出せることを述べている。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 電力 問11
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問172.図のように高低差のない支持点 A,B で,径間長 S の架空送電線において,架線の水平張力 T を調整してたるみ D を10 %小さくし,電線地上高を高くしたい。この場合の水平張力の値として,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし,両側の鉄塔は十分な強度があるものとする。

- 1.0.9²T
- 2.0.9T
- 3.T/√0.9
- 4.T/0.9
- 5.T/0.9²
正解:4.T/0.9
解説:たるみは D=WS²/(8T) で表される。W は電線の単位長さ当たりの荷重,S は径間長で,どちらもこの問題では変わらない。したがって D と T は反比例の関係にあり,たるみを0.9 倍にするには張力を 1/0.9 倍にすればよい。すなわち新しい水平張力は T/0.9 である。答(4)。2 乗が付く(1)(5)や,平方根が付く(3)を選んでしまうのは,D の式で S が2 乗されていることに引きずられた誤りで,T は分母に1 乗で入っているだけである。また 0.9T とする(2)は比例と反比例を取り違えたもので,張力を緩めればたるみは大きくなるから向きが逆になる。実務的には,たるみを1 割減らすために張力を約1 割増やすことになり,そのぶん電線と支持物にかかる力が増える。問題文が「両側の鉄塔は十分な強度があるものとする」とわざわざ断っているのは,この張力増加を鉄塔が受け止められる前提を置いているからである。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 電力 問12
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問173.こう長20 km の三相3 線式2 回線の送電線路がある。受電端で33 kV,6 600 kW,力率0.9 の三相負荷に供給する場合,受電端電力に対する送電損失を5 %以下にするための電線の最小断面積の値[mm²]として,計算値が最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 ただし,使用電線は,断面積1 mm²,長さ1 m 当たりの抵抗を 1/35 Ωとし,その他の条件は無視する。
- 1.14.3
- 2.23.4
- 3.24.7
- 4.42.8
- 5.171
正解:4.42.8
解説:まず負荷全体の線電流を求める。I=6 600×10³/(√3×33 000×0.9)≒128.3 A。2 回線が並列に負荷を分担するので,1 回線1 線当たりの電流はその半分の 64.15 A になる。許される損失は受電端電力の5 %で 6 600×0.05=330 kW。損失は2 回線×3 線=6 本ぶんだから,6I²R≤330×10³ より R≤330 000/(6×64.15²)≒330 000/24 690≒13.37 Ω。次に断面積に直す。1 mm²・1 m 当たり 1/35 Ωだから,長さ20 km=20 000 m,断面積 A[mm²]の電線の抵抗は R=(1/35)×20 000/A=571.4/A。これが13.37 Ω以下であればよいので A≥571.4/13.37≒42.7 mm²。最も近いのは42.8 で答(4)。落とし穴は「2 回線」の扱いで,電流を半分にすることと,損失の本数を6 本とすることの両方を忘れずに反映させる必要がある。1 回線として計算すると171 mm²((5))になり,ちょうど4 倍ずれる。電流が半分になれば損失は1/4 になるので,同じ損失なら抵抗を4 倍まで許せる,という関係がこの差になっている。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 電力 問13
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問174.電気絶縁材料に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.気体絶縁材料は,液体,固体絶縁材料と比較して,一般に電気抵抗率及び誘電率が低いため,固体絶縁材料内部にボイド(空隙,空洞)が含まれると,ボイド部での電界強度が高められやすい。
- 2.気体絶縁材料は,液体,固体絶縁材料と比較して,一般に絶縁破壊強度が低いが,気圧を高めるか,真空状態とすることで絶縁破壊強度を高めることができる性質がある。
- 3.内部にボイドを含んだ固体絶縁材料では,固体絶縁材料の絶縁破壊が生じなくても,ボイド内の気体が絶縁破壊することで部分放電が発生する場合がある。
- 4.固体絶縁材料は,熱や電界,機械的応力などが長時間加えられることによって,固体絶縁材料内部に微小なボイドが形成されて,部分放電が発生する場合がある。
- 5.固体絶縁材料内部で部分放電が発生すると,短時間に固体絶縁材料の絶縁破壊が生じることはなくても,長時間にわたって部分放電が継続的又は断続的に発生することで,固体絶縁材料の絶縁破壊に至る場合がある。
正解:1.気体絶縁材料は,液体,固体絶縁材料と比較して,一般に電気抵抗率及び誘電率が低いため,固体絶縁材料内部にボイド(空隙,空洞)が含まれると,ボイド部での電界強度が高められやすい。
解説:誤りは(1)で,「電気抵抗率が低い」という部分が事実に反する。気体の体積抵抗率は液体や固体の絶縁材料よりむしろ高く,空気はほぼ絶縁体として扱える。低いのは誘電率のほうで,空気の比誘電率はほぼ1,固体絶縁材料は2〜6 程度ある。ボイド部の電界が高くなる理由もこの誘電率の差にあり,境界面で電束密度 D が共通になるため E=D/ε より誘電率の小さいボイド側の電界が強くなる。結論(ボイド部での電界強度が高められやすい)は正しいのに,その理由づけに誤った性質が混ぜてあるという構成なので,肢全体をまとめて正誤判定せず語ごとに見る必要がある。他は正しい。(2)は気体の絶縁破壊強度が低いこと,および加圧か真空化のどちらでも強度を高められること(GISは前者,真空遮断器は後者を利用)を述べている。(3)(4)(5)はボイドから始まる劣化の道筋で,微小なボイドの内部で部分放電が起き,それが長期間続くことでトリーが進展し,やがて固体全体の絶縁破壊に至るという実際の劣化過程を順に説明したものである。答(1)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 電力 問14
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問175.水車の種類,回転速度と比速度の関係について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 ある水車を有効落差200 m,水車出力85 000 kW で運転するときの水車の比速度が100 m·kW であった。このときの水車の回転速度とこの水車に対し一般に用いられる水車の種類との組合せとして,最も適切なものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.水車の種類:フランシス水車 回転速度[min⁻¹]:217
- 2.水車の種類:カプラン水車 回転速度[min⁻¹]:217
- 3.水車の種類:カプラン水車 回転速度[min⁻¹]:258
- 4.水車の種類:フランシス水車 回転速度[min⁻¹]:258
- 5.水車の種類:ペルトン水車 回転速度[min⁻¹]:258
正解:4.水車の種類:フランシス水車 回転速度[min⁻¹]:258
解説:比速度の定義式は n_s=n P^(1/2)/H^(5/4) である。n を求めるために変形すると n=n_s H^(5/4)/P^(1/2)。数値を入れると P^(1/2)=85 000^(1/2)≒291.6,H^(5/4)=200^(1.25)=200×200^(0.25)≒200×3.761≒752.1。よって n=100×752.1/291.6≒258 min⁻¹。水車の種類は有効落差200 m と比速度100 m·kW から判断する。ペルトン水車は比速度がおよそ10〜25 と低く,カプラン水車は200 前後と高い。フランシス水車はその中間でおよそ50〜350,落差も数十〜300 m 程度を受け持つので,落差200 m・比速度100 という条件はフランシス水車に当てはまる。答(4)。計算では H の指数が5/4 である点を落としやすく,1 乗のままにすると n≒69 となって選択肢から外れる。落差が高いほど,また出力が大きいほど比速度は小さくなるので,高落差ではペルトン,低落差大流量ではカプラン,という対応もあわせて押さえておきたい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 電力 問15(a)
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問176.※ この問題は本試験ではB問題の小問(b)として出題されたものです。解答に必要な条件が小問(a)にあるため,小問(a)を併せて示します(答えるのは小問(b)です)。 水車の種類,回転速度と比速度の関係について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 ある水車を有効落差200 m,水車出力85 000 kW で運転するときの水車の比速度が100 m·kW であった。 〔小問(b)〕 この水車を同期発電機と直結し,50 Hz の電力系統に接続して,同様に有効落差200 m,水車出力85 000 kW で運転する場合,小問(a)の回転速度に最も近い回転速度で運転できる同期発電機の磁極数とそのときの回転速度による比速度の組合せとして,最も適切なものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.磁極数:28 比速度[m·kW]:83
- 2.磁極数:28 比速度[m·kW]:97
- 3.磁極数:26 比速度[m·kW]:89
- 4.磁極数:24 比速度[m·kW]:83
- 5.磁極数:24 比速度[m·kW]:97
正解:5.磁極数:24 比速度[m·kW]:97
解説:同期発電機を系統に直結する以上,回転速度は同期速度 N=120f/p に限られる。50 Hz では N=6 000/p となり,磁極数は偶数だから取り得る値は飛び飛びになる。小問(a)の258 min⁻¹ に近いものを探すと,p=24 で250 min⁻¹(差8),p=26 で230.8 min⁻¹(差27),p=22 で272.7 min⁻¹(差15)となり,最も近いのは p=24 の250 min⁻¹ である。この回転速度で比速度を計算し直すと n_s=250×291.6/752.1≒96.9,すなわち約97 m·kW。答(5)。磁極数を26 や28 とした肢は,同期速度が258 から遠ざかるので条件に合わない。要点は,水車側の計算で出た258 min⁻¹ をそのまま使えるわけではなく,発電機の磁極数という整数の制約で実現できる回転速度が決まり,それに合わせて比速度も変わるという点である。回転速度が258 から250 へ約3 %下がったぶん,比速度も100 から97 へ同じ割合で下がっている(比速度は n に比例するため)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 電力 問15(b)
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問177.定格容量80 MV·A,一次側定格電圧33 kV,二次側定格電圧11 kV,百分率インピーダンス18.3 %(定格容量ベース)の三相変圧器 T_A がある。三相変圧器 T_A の一次側は33 kV の電源に接続され,二次側は負荷のみが接続されている。電源の百分率内部インピーダンスは,1.5 %(系統基準容量ベース)とする。ただし,系統基準容量は80 MV·A である。なお,抵抗分及びその他の定数は無視する。次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 将来の負荷変動等は考えないものとすると,変圧器 T_A の二次側に設置する遮断器の定格遮断電流の値[kA]として,最も適切なものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.5
- 2.8
- 3.12.5
- 4.20
- 5.25
正解:5.25
解説:基準容量が両方とも80 MV·A で揃っているので,百分率インピーダンスはそのまま足せる。電源1.5 %+変圧器18.3 %=19.8 %。二次側の定格電流は I_n=80×10⁶/(√3×11 000)≒4 199 A。三相短絡電流は I_s=I_n×100/%Z=4 199×100/19.8≒21 200 A=21.2 kA となる。遮断器はこの短絡電流を確実に切れなければならないので,定格遮断電流は21.2 kA 以上の標準値を選ぶ。選択肢の中で21.2 kA を上回るのは25 kA だけであり,20 kA では足りない。答(5)。ここでの要点は二つある。一つは百分率インピーダンスを足す前に基準容量が揃っているか確認することで,本問は問題文がわざわざ「系統基準容量は80 MV·A」と断ってそのまま足せるようにしている。もう一つは,計算値そのものではなく,それを上回る標準定格を選ぶという遮断器選定の考え方で,21.2 kA に最も近い20 kA を選ぶと能力不足になる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 電力 問16(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問178.定格容量80 MV·A,一次側定格電圧33 kV,二次側定格電圧11 kV,百分率インピーダンス18.3 %(定格容量ベース)の三相変圧器 T_A がある。三相変圧器 T_A の一次側は33 kV の電源に接続され,二次側は負荷のみが接続されている。電源の百分率内部インピーダンスは,1.5 %(系統基準容量ベース)とする。ただし,系統基準容量は80 MV·A である。なお,抵抗分及びその他の定数は無視する。次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(b)〕 定格容量50 MV·A,百分率インピーダンスが12.0 %(定格容量ベース)の三相変圧器 T_B を三相変圧器 T_A と並列に接続した。40 MW の負荷をかけて運転した場合,三相変圧器 T_A の負荷分担の値[MW]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし,三相変圧器群 T_A と T_B にはこの負荷のみが接続されているものとし,抵抗分及びその他の定数は無視する。
- 1.15.8
- 2.19.5
- 3.20.5
- 4.24.2
- 5.24.6
正解:3.20.5
解説:並列運転する変圧器の負荷分担は,共通の基準容量に換算した百分率インピーダンスの逆比になる。まず基準を80 MV·A に揃える。T_A は定格容量が80 MV·A なのでそのまま18.3 %。T_B は定格容量50 MV·A ベースで12.0 %だから,80 MV·A ベースに直すと 12.0×80/50=19.2 %になる。分担の比は 1/18.3 : 1/19.2 で,共通の分母を払うと 19.2 : 18.3 となる。合計は37.5 なので,T_A の分担は 40×19.2/37.5=20.48≒20.5 MW。答(3)。落とし穴は換算を忘れることで,18.3 %と12.0 %をそのまま逆比にすると 12.0:18.3 から T_A の分担が 40×12.0/30.3≒15.8 MW となり,(1)を選んでしまう。この場合,容量の小さい T_B のほうが多く負担するという不自然な結果になるので気付ける。換算後の値で見ると T_A と T_B のインピーダンスがほぼ等しく,容量比とは無関係にほぼ半分ずつ分担していることが分かる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 電力 問16(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問179.図のような系統構成の三相3 線式配電線路があり,開閉器 S は開いた状態にある。各配電線の B 点,C 点,D 点には図のとおり負荷が接続されており,各点の負荷電流は B 点40 A,C 点30 A,D 点60 A 一定とし,各負荷の力率は100 %とする。 各区間のこう長はA−B間1.5 km,B−S(開閉器)間1.0 km,S(開閉器)−C間0.5 km,C−D間1.5 km,D−A間2.0 km である。 ただし,電線1 線当たりの抵抗は0.2 Ω/km とし,リアクタンスは無視するものとして,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 電源 A 点から見た C 点の電圧降下の値[V]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし,電圧は線間電圧とする。

- 1.41.6
- 2.45.0
- 3.57.2
- 4.77.9
- 5.90.0
正解:4.77.9
解説:開閉器 S が開いているので,C 点へは A→D→C の経路だけで電気が流れる。区間ごとに流れる電流を数えると,A−D 間には D 点の60 A と C 点の30 A を合わせた90 A,D−C 間には C 点の30 A だけが流れる。抵抗は 0.2 Ω/km なので A−D 間(2.0 km)が0.4 Ω,D−C 間(1.5 km)が0.3 Ω。三相3 線式で力率100 %のときの線間電圧の降下は ΔV=√3 Σ(IR) で求まるから,ΔV=√3×(90×0.4+30×0.3)=√3×(36+9)=1.732×45≒77.9 V。答(4)。よくある誤りは √3 を掛け忘れて45.0 V とするもので,これが(2)に用意されている。また区間電流を取り違えて A−D 間にも30 A しか流さないと ΔV=√3×(30×0.4+30×0.3)≒36.4 V となり値が大きくずれる。分岐のある配電線では,電源に近い区間ほど下流のすべての負荷電流が重なって流れる,という数え方が要点になる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 電力 問17(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問180.図のような系統構成の三相3 線式配電線路があり,開閉器 S は開いた状態にある。各配電線の B 点,C 点,D 点には図のとおり負荷が接続されており,各点の負荷電流は B 点40 A,C 点30 A,D 点60 A 一定とし,各負荷の力率は100 %とする。 各区間のこう長はA−B間1.5 km,B−S(開閉器)間1.0 km,S(開閉器)−C間0.5 km,C−D間1.5 km,D−A間2.0 km である。 ただし,電線1 線当たりの抵抗は0.2 Ω/km とし,リアクタンスは無視するものとして,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(b)〕 開閉器 S を投入した場合,開閉器 S を流れる電流 i の値[A]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.20.0
- 2.25.4
- 3.27.5
- 4.43.8
- 5.65.4
正解:2.25.4
解説:開閉器を投入すると A を起点にした環状(ループ)配電線路になる。A から B 側へ流れ出す電流を x,D 側へ流れ出す電流を y とすると,負荷の合計から x+y=40+30+60=130 A。B 点で40 A が分かれるので B→S→C 間には x−40 が流れ,これが求める i である。D 点で60 A が分かれるので D→C 間には y−60 が流れる。ループのどちらを回っても A から C までの電圧降下は等しいから,1.5x+(1.0+0.5)(x−40)=2.0y+1.5(y−60)(抵抗率0.2 Ω/km は両辺で共通なので約せる)。整理すると 3x−60=3.5y−90。ここに x=130−y を代入して 390−3y=3.5y−30,6.5y=420,y≒64.6 A。よって x≒65.4 A となり,i=x−40≒25.4 A。答(2)。ループ配電では「どちらの経路を通っても両端間の電位差は同じ」という条件が方程式の要になる。なお x≒65.4 という値そのものは(5)に用意されており,A から流れ出す電流と開閉器を流れる電流を混同すると引っかかる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 電力 問17(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問181.水力発電に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.電圧の大きさや周波数は,自動電圧調整器と調速機を用いて制御される。
- 2.カプラン水車は,プロペラ水車の一種で,流量に応じて羽根の角度を調整することができるため,部分負荷での効率の低下が少ない。
- 3.発電所で発電された電力は,発電電圧を主変圧器で昇圧した後,送電される。この主変圧器には発電機側にY結線,系統側にΔ結線のものが多く用いられる。
- 4.ペルトン水車は,水の衝撃力で回転する衝動水車の一つである。
- 5.水車発電機の回転速度は,汽力発電と比べて小さいため,発電機の磁極数は多くなる。
正解:3.発電所で発電された電力は,発電電圧を主変圧器で昇圧した後,送電される。この主変圧器には発電機側にY結線,系統側にΔ結線のものが多く用いられる。
解説:誤りは(3)で,主変圧器の結線が逆である。発電所の主変圧器は一般に発電機側をΔ結線,系統側をY結線とする。系統側をYにするのは中性点を引き出して接地でき,地絡保護と異常電圧の抑制ができるからで,発電機側をΔにするのは第3調波の励磁電流をΔ内で循環させて系統に流出させないためである。他の肢は正しい。(1)は発電機の端子電圧を自動電圧調整器(AVR),回転速度=周波数を調速機(ガバナ)で制御するという基本どおり。(2)のカプラン水車は可動羽根プロペラ水車で,流量に応じて羽根角度を変えられるので部分負荷でも効率が落ちにくい。(4)のペルトン水車はノズルから噴出する水の衝撃力でバケットを回す衝動水車である。(5)は N=120f/p の関係で,回転速度が小さいほど磁極数 p が多くなるという意味で正しい。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 電力 問1
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問182.汽力発電において,熱効率の向上を図る方法として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.高温高圧の蒸気を使用する。
- 2.復水器の真空度を高める。
- 3.再熱サイクルを利用する。
- 4.給水加熱器で抽気温度を上げる。
- 5.節炭器で排ガス温度を下げる。
正解:4.給水加熱器で抽気温度を上げる。
解説:誤りは(4)。給水加熱器はタービンの途中から抽気した蒸気で「給水」を温める装置であり,上げるのは給水温度であって抽気温度ではない。抽気温度はタービンのどの段から抜くかで決まる量で,給水加熱器で操作するものではない。給水温度が上がればボイラで加える熱量が減り,これが再生サイクルによる効率向上の中身である。他は正しい。(1)(2)はランキンサイクルの効率が入口蒸気の温度・圧力と復水器の真空度(=排気圧力)で決まることから,(3)の再熱サイクルは膨張途中の蒸気を再びボイラで加熱して湿り度を下げつつ平均受熱温度を上げるもの,(5)の節炭器(エコノマイザ)は煙道の排ガス余熱で給水を予熱し,結果として排ガス温度を下げて損失を減らす装置である。答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 電力 問2
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問183.次の文章は,汽力発電所における蒸気タービンの分類に関する記述である。 衝動タービンは,高温・高圧の蒸気が羽根に衝突するときに生ずる衝動力によってランナを回転させるもので,タービンのノズルを通る間に蒸気の圧力が (ア) し,高速度となってノズルから噴出する。この噴出した蒸気を前面の羽根に衝突させることにより,ランナを回転させる。羽根を通過する蒸気の通路の断面積が一様であり,羽根の出入口の蒸気の圧力は (イ) 。衝動タービンは蒸気の圧力が (ウ) のものに適する。 反動タービンは,衝動力と蒸気が回転羽根を離れるときの反動力を利用するもので,固定羽根で膨張させた蒸気を羽根に衝突させてランナを回転させるとともに,ランナの内部で蒸気を (エ) させ,排気するときの反動力を利用してランナを回転させる。反動タービンは,蒸気の圧力が (オ) のものに適する。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア)上昇 (イ)等しい (ウ)高圧 (エ)膨張 (オ)中低圧
- 2.(ア)上昇 (イ)異なる (ウ)中低圧 (エ)凝縮 (オ)高圧
- 3.(ア)上昇 (イ)等しい (ウ)中低圧 (エ)膨張 (オ)高圧
- 4.(ア)降下 (イ)異なる (ウ)中低圧 (エ)凝縮 (オ)高圧
- 5.(ア)降下 (イ)等しい (ウ)高圧 (エ)膨張 (オ)中低圧
正解:5.(ア)降下 (イ)等しい (ウ)高圧 (エ)膨張 (オ)中低圧
解説:ノズルは蒸気の圧力エネルギーを速度エネルギーに変える部品なので,通過する間に圧力は「降下」して流速が上がる。よって(ア)=降下で,(1)~(3)は同時に落ちる。衝動タービンは羽根の中で膨張させないので,羽根の出入口で圧力は「等しい」=(イ)。ここで(4)の「異なる」も消え(5)が残る。用途は,衝動タービンが1段で大きな熱落差を扱えるため高圧部に,反動タービンは膨張を段階的に行い低圧の大容量蒸気を効率よく扱えるため中低圧部に適するので(ウ)=高圧,(オ)=中低圧。反動タービンはランナ内部でも蒸気を「膨張」させ,噴き出す反動力を使うので(エ)=膨張である。実機ではこの性質から高圧段に衝動段,低圧段に反動段を配した組合せが多い。答(5)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 電力 問3
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問184.原子力発電に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.原子力発電所では,ウラン235 を2~4 %まで濃縮した高濃縮ウランを使い,エネルギーを取り出している。
- 2.放射線にはα線,β線,γ線などがあり,放射線を出す能力を放射能といい,放射能を有する物質を放射性物質と呼ぶ。
- 3.原子燃料の原子核に,エネルギー値が低く速度の遅い中性子を衝突させると,核分裂を起こす。
- 4.原子燃料の核分裂により発生した1 個以上の熱中性子が,別の原子核を分裂させる反応が連続的に持続する現象を連鎖反応という。
- 5.減速材は,核分裂によって新たに生じたエネルギー値が高い高速中性子のエネルギーの一部を吸収させて,低速の熱中性子を得るために用いる。
正解:1.原子力発電所では,ウラン235 を2~4 %まで濃縮した高濃縮ウランを使い,エネルギーを取り出している。
解説:誤りは(1)で,濃縮度の呼び方が逆である。天然ウラン中のウラン235 は約0.7 %しかなく,軽水炉ではこれを2~4 %程度に高めて使うが,この程度のものは「低濃縮ウラン」と呼ぶ。高濃縮ウランは一般に20 %以上を指し,商業用の軽水炉では使わない。数値そのもの(2~4 %)は正しいので,「2~4 %」と「高濃縮」が結び付かない点だけが誤りである。他は正しい。(2)は放射線・放射能・放射性物質の定義そのもの。(3)と(5)は対になっており,核分裂で飛び出すのは高速中性子だが,そのままでは次の核分裂を起こしにくいので,減速材(軽水・重水・黒鉛)との衝突でエネルギーを失わせて熱中性子にし,低速の中性子として次の核分裂を起こさせる。(4)はその連鎖反応の定義である。答(1)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 電力 問4
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問185.次の文章は,地熱発電及びバイオマス発電に関する記述である。 地熱発電は,地下から取り出した (ア) によってタービンを回して発電する方式であり,発電に適した地熱資源は (イ) に多く存在する。 バイオマス発電は,植物や動物が生成・排出する (ウ) から得られる燃料を利用する発電方式である。燃料の代表的なものには,木くずから作られる固形化燃料や,家畜の糞から作られる (エ) がある。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア)蒸気 (イ)火山地域 (ウ)有機物 (エ)液体燃料
- 2.(ア)熱水の流れ (イ)平野部 (ウ)無機物 (エ)気体燃料
- 3.(ア)蒸気 (イ)火山地域 (ウ)有機物 (エ)気体燃料
- 4.(ア)蒸気 (イ)平野部 (ウ)有機物 (エ)気体燃料
- 5.(ア)熱水の流れ (イ)火山地域 (ウ)無機物 (エ)液体燃料
正解:3.(ア)蒸気 (イ)火山地域 (ウ)有機物 (エ)気体燃料
解説:地熱発電は生産井から噴出した熱水と蒸気を気水分離器で分け,「蒸気」でタービンを回す。熱水は流れそのものでタービンを回すのではなく還元井へ戻すか,バイナリー発電の熱源にするので(ア)=蒸気となり,(2)(5)が落ちる。地熱資源はマグマ由来の熱を必要とするため「火山地域」に偏在し,日本の地熱発電所も東北・九州の火山帯に集中する。(イ)=火山地域で(4)も消える。バイオマスは生物由来の「有機物」資源を指す語であり,(ウ)=有機物。残る(1)と(3)の差は(エ)だけで,家畜の糞をメタン発酵させて得られるのはメタンを主成分とするバイオガス=「気体燃料」である。液体燃料はサトウキビ等から作るバイオエタノールや廃食用油由来のバイオディーゼルが該当し,糞からは作らない。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 電力 問5
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問186.次の文章は,調相設備に関する記述である。 一般に電力系統では,受電端電圧を一定に保つため,調相設備を負荷と (ア) に接続して無効電力の調整を行っている。 電力用コンデンサは力率を (イ) ために用いられ,分路リアクトルは力率を (ウ) ために用いられる。 同期調相機は,その (エ) を加減することによって,進み又は遅れの無効電力を連続的に調整することができる。 静止形無効電力補償装置は, (オ) でリアクトルに流れる電流を調整することにより,無効電力を高速に制御することができる。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア)並列 (イ)進める (ウ)遅らせる (エ)界磁電流 (オ)半導体スイッチ
- 2.(ア)直列 (イ)遅らせる (ウ)進める (エ)電機子電流 (オ)半導体整流装置
- 3.(ア)並列 (イ)遅らせる (ウ)進める (エ)電機子電流 (オ)半導体スイッチ
- 4.(ア)直列 (イ)進める (ウ)遅らせる (エ)電機子電流 (オ)半導体整流装置
- 5.(ア)並列 (イ)遅らせる (ウ)進める (エ)界磁電流 (オ)半導体スイッチ
正解:1.(ア)並列 (イ)進める (ウ)遅らせる (エ)界磁電流 (オ)半導体スイッチ
解説:調相設備は母線と大地の間,すなわち負荷と「並列」に入れて無効電力だけをやりとりする。直列に入れるのは直列コンデンサなど別の目的の機器なので(ア)=並列で(2)(4)が落ちる。負荷は普通は誘導性で力率が遅れているから,電力用コンデンサはこれを打ち消して力率を「進める」向きに働く。逆に軽負荷時にケーブルや長距離線路の充電電流で力率が進みすぎるときは,分路リアクトルを入れて「遅らせる」。よって(イ)=進める,(ウ)=遅らせるとなり,これが逆の(3)(5)も消えて(1)が残る。同期調相機は無負荷運転の同期電動機で,「界磁電流」を過励磁にすると進み,不足励磁にすると遅れの無効電力を出すので(エ)=界磁電流。静止形無効電力補償装置(SVC)はサイリスタなどの「半導体スイッチ」の点弧角でリアクトル電流を連続的に変え,機械的な開閉なしに高速制御する。答(1)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 電力 問6
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問187.次の文章は,計器用変成器に関する記述である。 計器用変成器において,変流器の二次端子は,常に (ア) 負荷を接続しておかねばならない。特に,一次電流(負荷電流)が流れている状態では,絶対に二次回路を (イ) してはならない。これを誤ると,二次側に大きな (ウ) が発生し (エ) が過大となり,変流器を損傷する恐れがある。また,一次端子のある変流器は,その端子を被測定線路に (オ) に接続する。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア)高インピーダンス (イ)短絡 (ウ)電圧 (エ)鉄損 (オ)直列
- 2.(ア)低インピーダンス (イ)短絡 (ウ)誘導電流 (エ)銅損 (オ)並列
- 3.(ア)高インピーダンス (イ)短絡 (ウ)誘導電流 (エ)銅損 (オ)直列
- 4.(ア)低インピーダンス (イ)開放 (ウ)電圧 (エ)鉄損 (オ)直列
- 5.(ア)高インピーダンス (イ)開放 (ウ)電圧 (エ)銅損 (オ)並列
正解:4.(ア)低インピーダンス (イ)開放 (ウ)電圧 (エ)鉄損 (オ)直列
解説:変流器(CT)は電流源として働き,二次側には電流計など「低インピーダンス」の負荷をつなぐ。電圧計のような高インピーダンス負荷をつなぐのは変圧器形の計器用変圧器(VT)で,CTでは逆である。よって(ア)=低インピーダンスとなり(1)(3)(5)が落ちる。一次電流が流れたまま二次回路を「開放」すると,一次電流の全部が励磁電流として働いて鉄心が深く飽和し,二次巻線に高い「電圧」(尖頭値で数kVに達することもある)が現れる。同時に鉄心の磁束変化が大きくなって「鉄損」が過大となり,発熱で焼損する。ここで(イ)=開放が決まり(2)も消える。CTは線路電流をそのまま測る機器なので,一次端子は被測定線路に「直列」に入れる。並列に入れるのはVTである。なお二次側で作業するときは短絡してから外すのがCT取扱いの鉄則で,「短絡はよいが開放は厳禁」という点がVTと正反対である。答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 電力 問7
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問188.送配電線路や変電所におけるがいしの塩害とその対策に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.がいしの塩害に対する基本的な対策は,がいしの沿面距離を伸ばすことや,がいし連の直列連結個数を増やすことである。
- 2.がいしの塩害発生は,海塩等の水溶性電解質物質の付着密度だけでなく,塵埃などの不溶性物質の付着密度にも影響される。
- 3.がいしの塩害は,フラッシオーバ事故に至らなくても可聴雑音や電波障害の原因にもなる。
- 4.がいしの塩害対策として,絶縁電線の採用やがいしの洗浄,がいし表面へのはっ水性物質の塗布等がある。
- 5.がいしの塩害による地絡事故は,雷害による地絡事故と比べて再閉路に失敗する場合の割合が多い。
正解:4.がいしの塩害対策として,絶縁電線の採用やがいしの洗浄,がいし表面へのはっ水性物質の塗布等がある。
解説:誤りは(4)で,「絶縁電線の採用」はがいしの塩害対策ではない。塩害はがいし表面に付いた塩分が湿気を含んで導電性の皮膜となり,沿面で放電が進展して起こる現象なので,対策はがいし側で行う。電線を絶縁電線にしても,がいし表面の汚損はまったく減らない(絶縁電線は樹木接触や鳥獣害・混触対策として採用されるものである)。同じ肢に並ぶ「がいしの洗浄」「はっ水性物質(シリコーンコンパウンド等)の塗布」はいずれも正しい塩害対策なので,肢全体をまとめて正誤判定せず,語ごとに見ることが必要になる。他は正しい。(1)の沿面距離の延長・連結個数の増加(過絶縁)や耐霧がいし・長幹がいしの採用は基本対策である。(2)は塩分だけでなく塵埃など不溶性物質が水分を保持して汚損を助長するため。(3)は汚損部分の部分放電が可聴雑音・電波障害を生む。(5)は塩分の付着が事故後も残るため再閉路しても再びフラッシオーバしやすく,一過性の雷害に比べ再閉路成功率が低い。答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 電力 問8
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問189.次の文章は,我が国の高低圧配電系統における保護について述べた文章である。 6.6 kV 高圧配電線路は,60 kV 以上の送電線路や送電用変圧器に比べ,電線路や変圧器の絶縁が容易であるため,故障時に健全相の電圧上昇が大きくなっても特に問題にならない。また,1 線地絡電流を (ア) するため (イ) 方式が採用されている。 一般に,多回線配電線路では地絡保護に地絡方向継電器が用いられる。これは,故障時に故障線路と健全線路における地絡電流が (ウ) となることを利用し,故障回線を選択するためである。 低圧配電線路で短絡故障が生じた際の保護装置として (エ) が挙げられるが,これは,通常,柱上変圧器の (オ) 側に取り付けられる。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア)小さく (イ)非接地 (ウ)同位相 (エ)高圧カットアウト (オ)二次
- 2.(ア)大きく (イ)接地 (ウ)逆位相 (エ)ケッチヒューズ (オ)一次
- 3.(ア)大きく (イ)非接地 (ウ)逆位相 (エ)高圧カットアウト (オ)二次
- 4.(ア)小さく (イ)非接地 (ウ)逆位相 (エ)高圧カットアウト (オ)一次
- 5.(ア)小さく (イ)接地 (ウ)同位相 (エ)ケッチヒューズ (オ)一次
正解:4.(ア)小さく (イ)非接地 (ウ)逆位相 (エ)高圧カットアウト (オ)一次
解説:6.6 kV配電線路は絶縁が容易なので健全相の電圧上昇を許容でき,そのかわり1線地絡電流を「小さく」抑えて通信線への誘導障害や人体・機器への影響を減らす「非接地」方式を採る。ここで(ア)=小さく,(イ)=非接地が決まり,(2)(3)が落ちる。地絡方向継電器は零相電圧と零相電流の位相関係で故障回線を選ぶ装置で,故障回線では大地から電源へ向かう向き,健全回線では線路の対地静電容量を充電する向きに零相電流が流れるため,両者の位相は「逆位相」になる。同位相では区別できないので(ウ)=逆位相となり(1)(5)も消えて(4)が残る。(エ)(オ)は肢の組合せで決まるが,中身も確認しておくと,柱上変圧器には一次側に高圧カットアウト(PC)が取り付けられ,そのヒューズが変圧器の過負荷・内部故障だけでなく低圧側の短絡故障も遮断する。ケッチヒューズは低圧引込線に取り付ける保護具で,柱上変圧器に付くものではない。答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 電力 問9
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問190.電圧6.6 kV,周波数60 Hz,こう長2 km の交流三相3 線式地中電線路がある。ケーブルの心線1 線当たりの静電容量を0.5 μF/km とするとき,このケーブルの心線3 線を充電するために必要な三相無負荷充電容量の値[kV·A]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.5.5
- 2.8.2
- 3.16.4
- 4.28.4
- 5.49.3
正解:3.16.4
解説:こう長2 km なので心線1 線当たりの静電容量は C=0.5×2=1.0 μF。三相の無負荷充電容量は,1 相分の容量を3 倍して Q=3×2πf C(V/√3)² と書けるが,(V/√3)²の3 倍で√3 の2 乗が約分され,結局 Q=2πf C V² と,線間電圧をそのまま使う簡単な形になる。数値を入れると Q=2π×60×1.0×10⁻⁶×(6 600)²=376.99×10⁻⁶×4.356×10⁷≒1.64×10⁴ V·A=16.4 kV·A。答(3)。よくある取り違えは,相電圧 6 600/√3≒3 810 V を使って Q=2πfCV²=5.5 kV·A としてしまう形で,これは選択肢(1)に用意されている。「三相充電容量=2πfCV²(V は線間電圧)」と,線間電圧のまま代入できる形で覚えておくと,√3 の扱いで迷わない。またこう長を掛け忘れて C=0.5 μF とすると答が半分の8.2 kV·A になり,これも(2)として用意されている。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 電力 問10
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問191.高圧受電設備を構成する機器に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.避雷器(LA)は受電設備の引込口などに設置され,雷及び開閉などによる異常電圧が回路に侵入したとき,大地に放電させるものであり,A 種接地工事が施されている。
- 2.高圧交流負荷開閉器(LBS)は負荷電流,変圧器の励磁電流,線路電流など負荷開閉器の定格電流以下の開閉に使用する。
- 3.遮断器(CB)は機器の点検・修理の際,その部分を電源から開放し,あるいは回路の接続を変更する目的で用いる。
- 4.計器用変成器(VCT)は受電設備において,需要家の受電電圧と使用電流を扱いやすい低電圧・小電流に変換する装置である。電力量計と組み合わせて,取引電力量を計量する。
- 5.高圧進相コンデンサ(SC)は進み力率の無効電力を消費(すなわち,遅れ無効電力を供給)し,力率を改善する働きをもつ。
正解:3.遮断器(CB)は機器の点検・修理の際,その部分を電源から開放し,あるいは回路の接続を変更する目的で用いる。
解説:誤りは(3)で,これは遮断器ではなく断路器(DS)の説明である。「点検・修理の際に電源から切り離す」「回路の接続を変更する」という目的で使うのは断路器で,断路器は電流を遮断する能力をもたないため必ず無負荷にしてから操作する。遮断器(CB)は負荷電流はもちろん短絡電流のような事故電流も遮断できる機器で,保護継電器と組み合わせて事故回路を切り離す役割を負う。他は正しい。(1)の避雷器は引込口近くに設置し,A 種接地工事(接地抵抗10 Ω以下)を施して異常電圧を大地へ逃がす。(2)のLBSは定格電流以下の負荷電流の開閉ができる開閉器で,限流ヒューズと組み合わせて短絡保護を分担させる使い方が一般的である。(4)のVCTはVT(計器用変圧器)とCT(変流器)を一つの箱に収めたもので,電力量計と組んで取引用計量に用いる。(5)は表現がやや込み入っているが,コンデンサは遅れ力率の負荷が必要とする遅れ無効電力を肩代わりして供給する(=進み無効電力を消費する)機器であり,記述どおりで正しい。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 電力 問11
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問192.三相3 線式交流送電線があり,電線1 線当たりの抵抗が R[Ω],受電端の線間電圧が V_r[V]である。今,受電端から力率 cosθ の負荷に三相電力 P[W]を供給しているものとする。 この送電線での3 線の電力損失を P_L とすると,電力損失率 P_L/P を表す式として,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 ただし,線路のインダクタンス,静電容量及びコンダクタンスは無視できるものとする。
- 1.RP/(3(V_r cosθ)²)
- 2.RP/(V_r cosθ)²
- 3.RP²/(V_r cosθ)²
- 4.3RP/(V_r cosθ)²
- 5.3RP²/(V_r cosθ)²
正解:2.RP/(V_r cosθ)²
解説:三相電力の式 P=√3 V_r I cosθ から線電流は I=P/(√3 V_r cosθ)。3 線分の電力損失は P_L=3I²R であるから,P_L=3R×P²/(3(V_r cosθ)²)=RP²/(V_r cosθ)² となる。ここで3 と(√3)²=3 がちょうど約分される点が要点で,これを忘れると(5)の 3RP²/(V_r cosθ)² を選ぶことになる。求めるのは損失そのものではなく損失「率」なので,さらに P で割って P_L/P=RP/(V_r cosθ)²。答(2)。P が2 乗のまま残っている(3)(5)は損失率ではなく損失の式であり,次元を見るだけでも除外できる。この結果は「損失率は送電電力に比例し,電圧と力率の2 乗に反比例する」という送電の基本則そのもので,送電電圧を高くするほど損失が急速に減ることを表している。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 電力 問12
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問193.図のように高低差のない支持点A,B で支持されている径間 S が100 m の架空電線路において,導体の温度が30 ℃のとき,たるみ D は2 m であった。 導体の温度が60 ℃になったとき,たるみ D の値[m]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 ただし,電線の線膨張係数は1 ℃につき1.5×10⁻⁵ とし,張力による電線の伸びは無視するものとする。

- 1.2.05
- 2.2.14
- 3.2.39
- 4.2.66
- 5.2.89
正解:3.2.39
解説:電線の実長 L はたるみ D と径間 S から L=S+8D²/(3S) で近似できる。30 ℃のときは L=100+8×2²/(3×100)=100+0.106 667=100.106 667 m。温度が30 ℃上がると線膨張により L′=L(1+αΔt)=100.106 667×(1+1.5×10⁻⁵×30)=100.106 667×1.000 45≒100.151 715 m となる。この伸びをすべてたるみに置き換えて L′=S+8D′²/(3S) を D′ について解くと,8D′²/300=0.151 715 より D′²=5.689 3,D′≒2.39 m。答(3)。要点は,伸びるのは電線の実長であって径間ではないこと,そして伸び量そのものは45 mm程度とごく小さいのに,たるみは2 m から2.39 m へ約0.39 m も増えることである。L−S=8D²/(3S) が D の2 乗に比例するため,実長がわずかに伸びるだけでたるみは大きく変化する。たるみが線膨張と同じ0.045 %しか増えないと考えて 2×1.000 45≒2.00 m とすると(1)に,実長の伸びをそのままたるみに足して 2.045 m としても(1)付近となり誤答する。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 電力 問13
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問194.送電線路及び配電線路で導電材料として利用される銅に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.銅は,20 ℃では銀に次いで最も導電率の高い金属である。
- 2.導体の導電率は,20 ℃での標準軟銅の導電率を100 %として比較した百分率で表される。
- 3.電線やケーブルの導体材料に使用される銅は,一般に電気銅を精製したものが用いられる。
- 4.軟銅線は,硬銅線を焼きなますことで製造され,硬銅線と比較して可とう性はよくなり,導電率は低くなる。
- 5.一般にCV ケーブルの銅導体には軟銅線が用いられ,架空送電線の銅導体には硬銅線が用いられる。
正解:4.軟銅線は,硬銅線を焼きなますことで製造され,硬銅線と比較して可とう性はよくなり,導電率は低くなる。
解説:誤りは(4)で,導電率の大小が逆である。硬銅線を焼きなまして軟銅線にすると,加工でひずんだ結晶が回復して電子が散乱されにくくなるため,導電率は「高く」なる。実際,導電率の基準である標準軟銅を100 %とすると硬銅線は97 %程度で,軟銅線のほうが上である。同じ肢の前半にある「可とう性はよくなる」は正しく,焼きなましで軟らかくなり曲げやすくなる一方,引張強さは下がる。他は正しい。(1)は20 ℃での導電率が銀>銅>金>アルミニウムの順であること。(2)は導電率を標準軟銅比の百分率(%IACS)で表すという定義そのもの。(3)は電解精錬で得た電気銅(純度99.99 %級)を素材にすること。(5)は,曲げて敷設するCV ケーブルには可とう性の高い軟銅線を,張力がかかり続ける架空送電線には引張強さの大きい硬銅線を使うという用途の違いで,(4)で述べた「軟らかいが強度は低い」という性質の裏返しになっている。答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 電力 問14
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問195.重油専焼火力発電所が出力1 000 MW で運転しており,発電端効率が41 %,重油発熱量が44 000 kJ/kg であるとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 ただし,重油の化学成分(重量比)は炭素85 %,水素15 %,炭素の原子量は12,酸素の原子量は16 とする。 〔小問(a)〕 重油消費量の値[t/h]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.50
- 2.80
- 3.120
- 4.200
- 5.250
正解:4.200
解説:発電端効率は「発電機出力÷燃料の発熱量」なので,必要な入熱は 1 000 MW÷0.41≒2 439 MW=2.439×10⁶ kJ/s。重油1 kg で44 000 kJ が得られるから,毎秒の消費量は 2.439×10⁶÷44 000≒55.4 kg/s。時間当たりに直すと 55.4×3 600≒1.995×10⁵ kg/h=約200 t/h。答(4)。ここでの要点は,効率で「割る」ことと,kJ/s=kW という単位の対応である。効率を掛けてしまうと 1 000×0.41÷44 000×3 600≒33.5 t/h となり選択肢に無く,誤りに気付ける。また秒→時の3 600 倍を忘れると55 kg となって桁が3 つずれる。答が約200 t/h=1 日約4 800 t という値は,100 万kW級の重油専焼火力の実績とも矛盾しない大きさである。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 電力 問15(a)
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問196.重油専焼火力発電所が出力1 000 MW で運転しており,発電端効率が41 %,重油発熱量が44 000 kJ/kg であるとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 ただし,重油の化学成分(重量比)は炭素85 %,水素15 %,炭素の原子量は12,酸素の原子量は16 とする。 〔小問(b)〕 1 日に発生する二酸化炭素の重量の値[t]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.9.5×10³
- 2.12.8×10³
- 3.15.0×10³
- 4.17.6×10³
- 5.28.0×10³
正解:3.15.0×10³
解説:小問(a)の200 t/h から,1 日の重油消費量は 200×24=4 800 t。このうち炭素は重量比85 %なので 4 800×0.85=4 080 t。炭素はすべて完全燃焼して二酸化炭素になるとすると,C+O₂→CO₂ の反応で炭素1 mol(12)からCO₂ 1 mol(12+16×2=44)が生じるから,重量は44/12≒3.67 倍になる。したがって二酸化炭素の発生量は 4 080×44/12≒1.50×10⁴ t=15.0×10³ t。答(3)。落とし穴は二つある。一つは水素15 %分で,水素が燃えて生じるのは水であって二酸化炭素ではないから,4 800 t 全量を炭素として計算してはいけない(そうすると4 800×44/12=17.6×10³ tとなり,これが誤答(4)として用意されている)。もう一つは44/12 の分子・分母の向きで,逆にすると 4 080×12/44≒1 113 t と桁違いになる。水素15 %分を差し引くこと,炭素をCO₂に換算するとき44/12 を掛けること,この二つを両方通して初めて15.0×10³ t にたどり着く。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 電力 問15(b)
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問197.図1 のようなT 形回路(1 相分)があり,抵抗 r=20 Ω,リアクタンス x=80 Ω,アドミタンス Y=0.000 7 S である。V_r1=150 kV,I_r=400 A,負荷の力率(遅れ)cosθ_r=√3/2 のとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 V_c[kV]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.134.2
- 2.152.3
- 3.161.9
- 4.172.0
- 5.180.4
正解:3.161.9
解説:図1 は1 相分の等価回路なので,V_r1=150 kV も求める V_c も1 相分の電圧として扱う。受電端電圧を基準にとると V̇_r1=150 000∠0° V,負荷力率は cosθ_r=√3/2 すなわち位相30°の遅れだから İ_r=400∠−30°=346.41−j200 A である。中央のアドミタンスまでの直列インピーダンスは Ż/2=(20+j80)/2=10+j40 Ω。よって V̇_c=V̇_r1+İ_rׯ/2 で,İ_rׯ/2=(346.41−j200)(10+j40)=(3 464.1+8 000)+j(13 856.4−2 000)=11 464+j11 856 V。したがって V̇_c=161 464+j11 856 V となり,大きさは √(161 464²+11 856²)≒161 900 V=161.9 kV。答(3)。この問題で最も間違えやすいのは,150 kV を線間電圧と読んで √3 で割ったり掛けたりすることで,そうすると171 kV や93 kV といった値になり,(4)などを選ぶことになる。「(1 相分)」と明記された等価回路では,図中の電圧はすべてその1 相の電圧である。また İ_r を実数のまま扱い,大きさどうしを足して V_c=150 000+400×|Ż/2|=150 000+400×41.23≒166 kV としてしまうと,どの選択肢とも合わない。力率が遅れているぶん電圧降下の向きが V̇_r1 と揃わないので,必ず複素数で加える。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 電力 問16(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問198.図1 のようなT 形回路(1 相分)があり,抵抗 r=20 Ω,リアクタンス x=80 Ω,アドミタンス Y=0.000 7 S である。V_r1=150 kV,I_r=400 A,負荷の力率(遅れ)cosθ_r=√3/2 のとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(b)〕 V_s1[kV]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.145.9
- 2.155.4
- 3.160.6
- 4.170.1
- 5.180.7
正解:4.170.1
解説:小問(a)で求めた V̇_c=161 464+j11 856 V を使う。中央の枝に流れる電流は İ_c=Ẏ V̇_c=j0.000 7×(161 464+j11 856)=−8.3+j113.0 A(アドミタンスは容量性なので進み電流になる)。送電端電流はこれと負荷電流の和で İ_s=İ_r+İ_c=(346.41−j200)+(−8.3+j113.0)=338.1−j87.0 A。送電端電圧は V̇_s1=V̇_c+İ_sׯ/2 で,İ_sׯ/2=(338.1−j87.0)(10+j40)=(3 381+3 479)+j(13 524−870)=6 860+j12 655 V。よって V̇_s1=168 324+j24 511 V,大きさは √(168 324²+24 511²)≒170 100 V=170.1 kV。答(4)。要点は,中央のアドミタンスを通る電流の分だけ送電端側の電流が受電端側と異なることである。これを無視して İ_s=İ_r のまま計算すると V_s1≒174.5 kV となり,正解から4 kV以上ずれる。İ_c は V̇_c より90°進んだ電流で,30°遅れている負荷電流 İ_r とは向きが大きく異なるため,大きさの単純な足し算ではなく複素数で合成しなければならない。合成後の İ_s は大きさ349 A で İ_r の400 A より小さくなっており,容量分が遅れ電流を打ち消していることが読み取れる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 電力 問16(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問199.送電線のフェランチ現象に関する問である。三相3 線式1 回線送電線の一相が図のπ形等価回路で表され,送電線路のインピーダンス jX=j200 Ω,アドミタンス jB=j0.800 mS とし,送電端の線間電圧が66.0 kV であり,受電端が無負荷のとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 受電端の線間電圧の値[kV]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.66.0
- 2.71.7
- 3.78.6
- 4.114
- 5.132
正解:2.71.7
解説:受電端が無負荷なので,直列リアクタンス jX を流れる電流は受電端側の並列アドミタンス jB/2 を充電する電流だけであり,İ=j(B/2)V̇_r となる。1 相分で立式すると V̇_r=V̇_s−jX·İ=V̇_s−jX·j(B/2)V̇_r=V̇_s+(XB/2)V̇_r。ここで XB/2=200×0.800×10⁻³/2=0.08 だから V̇_r(1−0.08)=V̇_s,すなわち V_r=V_s/0.92 となる。送電端の相電圧は 66.0/√3≒38.105 kV なので受電端の相電圧は 38.105/0.92≒41.418 kV,線間電圧に直すと 41.418×√3≒71.7 kV。答(2)。線間どうしの比も同じ1/0.92 倍なので,66.0/0.92≒71.7 kV と線間電圧のまま計算しても同じ結果になる。受電端電圧が送電端より高くなるこの現象がフェランチ現象で,長距離送電線や地中ケーブル系統の軽負荷時に生じ,対策として分路リアクトルを投入する。符号を誤って V_r=V_s/(1+0.08) とすると61.1 kV と送電端より低くなり,フェランチ現象の定義そのものと矛盾するので,計算結果が送電端電圧を上回っているかで検算できる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 電力 問17(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問200.送電線のフェランチ現象に関する問である。三相3 線式1 回線送電線の一相が図のπ形等価回路で表され,送電線路のインピーダンス jX=j200 Ω,アドミタンス jB=j0.800 mS とし,送電端の線間電圧が66.0 kV であり,受電端が無負荷のとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(b)〕 1 線当たりの送電端電流の値[A]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.15.2
- 2.16.6
- 3.28.7
- 4.31.8
- 5.55.1
正解:4.31.8
解説:π形回路の送電端電流は,直列枝を流れる電流と送電端側の並列アドミタンス jB/2 を流れる電流の和である。直列枝の電流は受電端側のアドミタンスを充電する電流に等しく,小問(a)で求めた受電端の相電圧41.418 kV を使って 41 418×0.400×10⁻³≒16.57 A。送電端側の並列枝には送電端の相電圧38.105 kV が掛かるので 38 105×0.400×10⁻³≒15.24 A。両者はどちらも電圧より90°進んだ電流で向きが同じなので単純に足せて,İ_s≒16.57+15.24=31.8 A。答(4)。B/2=0.400 mS を B のまま0.800 mS として使うと2 倍の値になり,また送電端側の並列枝を忘れると16.6 A となって(2)を選ぶことになる。受電端側の枝の電流のほうが大きいのは,フェランチ現象で受電端電圧のほうが高いためで,(a)の結果と整合している。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 電力 問17(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問201.水力発電所の理論水力 P は位置エネルギーの式から P=ρgQH と表される。ここで H[m]は有効落差,Q[m³/s]は流量,g は重力加速度=9.8 m/s²,ρは水の密度=1 000 kg/m³ である。以下に理論水力 P の単位を検証することとする。なお,Pa は「パスカル」,N は「ニュートン」,W は「ワット」,J は「ジュール」である。 P=ρgQH の単位はρ,g,Q,H の単位の積であるから,kg/m³·m/s²·m³/s·m となる。これを変形すると,(ア)·m/s となるが,(ア) は力の単位 (イ) と等しい。すなわち P=ρgQH の単位は (イ)·m/s となる。ここで (イ)·m は仕事(エネルギー)の単位である (ウ) と等しいことから P=ρgQH の単位は (ウ)/s と表せ,これは仕事率(動力)の単位である (エ) と等しい。ゆえに,理論水力 P=ρgQH の単位は (エ) となるが,重力加速度 g=9.8 m/s² と水の密度ρ=1 000 kg/m³ の数値 9.8 と 1 000 を考慮すると P=9.8 QH[ (オ) ]と表せる。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア)kg·m (イ)Pa (ウ)W (エ)J (オ)kJ
- 2.(ア)kg·m/s² (イ)N (ウ)J (エ)W (オ)kW
- 3.(ア)kg·m/s² (イ)Pa (ウ)J (エ)W (オ)kW
- 4.(ア)kg·m (イ)N (ウ)J (エ)W (オ)kW
- 5.(ア)kg·m/s² (イ)N (ウ)W (エ)J (オ)kJ
正解:2.(ア)kg·m/s² (イ)N (ウ)J (エ)W (オ)kW
解説:単位を素直に約せば決まる。ρgQH の単位は kg/m³·m/s²·m³/s·m=kg·m²/s³ であり、これを問題文の形「(ア)·m/s」に合わせて m/s で割ると (ア)=kg·m/s² になる。(ア)を kg·m とする(1)(4)は s² が消え次元が合わない。運動方程式 F=ma より力の単位は N=kg·m/s² だから (イ)=N であり、Pa は N/m²=圧力の単位なので(3)は不可。力×距離の N·m=J が仕事、J/s=W が仕事率だから (ウ)=J、(エ)=W となり、この二つが逆の(1)(5)も消える。最後にρ=1 000、g=9.8 を代入すると P=9 800QH[W]=9.8QH[kW] で (オ)=kW。よって(2)である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 電力 問1
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問202.汽力発電設備において,タービン出力が 175 MW,蒸気タービンの効率が 92 %で,タービン入口における蒸気のエンタルピーが 32 500 kJ/kg,復水器入口における蒸気のエンタルピーが 30 800 kJ/kg であるとき,このタービンの使用蒸気量の値[t/h]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.86
- 2.112
- 3.248
- 4.341
- 5.403
正解:5.403
解説:タービン出力は「熱落差×蒸気量×タービン効率」で決まる。蒸気量を Z[kg/s]とすると P=Z(i₁-i₂)η_T だから Z=P/{(i₁-i₂)η_T}。熱落差は i₁-i₂=32 500-30 800=1 700 kJ/kg、出力は 175 MW=175 000 kW、η_T=0.92 だから Z=175 000/(1 700×0.92)=175 000/1 564≒111.9 kg/s。問われている[t/h]へは 3 600 を掛け 1 000 で割ればよく、111.9×3.6≒403 t/h。よって(5)。(2)の112は kg/s のまま換算し忘れた値、(4)の341は効率で除さず乗じた 175 000×0.92÷1 700×3.6≒341 に一致する。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 電力 問2
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問203.汽力発電設備において,水,蒸気,燃焼ガスが,ボイラ及びタービンを構成する主要設備を通過する一般的な順序の記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.水:給水ポンプ → 節炭器 → 蒸気ドラム
- 2.蒸気:蒸気ドラム → 過熱器 → 高圧タービン
- 3.蒸気:再熱器 → 低圧タービン → 復水器
- 4.燃焼ガス:火炉 → 過熱器 → 節炭器
- 5.燃焼ガス:節炭器 → 電気集じん装置 → 空気予熱器
正解:5.燃焼ガス:節炭器 → 電気集じん装置 → 空気予熱器
解説:燃焼ガスは温度の高い伝熱面から順に熱を渡し、最後に空気予熱器で残る熱を燃焼用空気へ回収してから、除じん・脱硫を経て煙突へ抜ける。すなわち火炉→過熱器・再熱器→節炭器→空気予熱器→電気集じん装置→煙突が一般的な順序で、(5)は空気予熱器と電気集じん装置が入れ替わっているため誤り。予熱器を集じんより手前に置くのは、熱回収で効率を上げると同時にガス温度を集じん装置が耐えられる程度まで下げる意味がある。他は正しく、(1)給水は給水ポンプで昇圧後に節炭器で予熱してドラムへ、(2)ドラムの飽和蒸気は過熱器を経て高圧タービンへ、(3)高圧タービン排気は再熱器で再加熱して低圧タービン→復水器へ向かう。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 電力 問3
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問204.次の文章は,原子力発電における原子燃料サイクルに関する記述である。 天然ウランには主に質量数235と238の同位体があるが,原子力発電所の燃料として有用な核分裂性物質のウラン235の割合は,全体の0.7%程度にすぎない。そこで,採鉱されたウラン鉱石は製錬,転換されたのち,遠心分離法などによって,ウラン235の濃度が軽水炉での利用に適した値になるように濃縮される。その濃度は (ア) %程度である。さらに,その後,再転換,加工され,原子力発電所の燃料となる。 原子力発電所から取り出された使用済燃料からは, (イ) によってウラン,プルトニウムが分離抽出され,これらは再び燃料として使用することができる。プルトニウムはウラン238から派生する核分裂性物質であり,ウランとプルトニウムとを混合した (ウ) を軽水炉の燃料として用いることをプルサーマルという。 また,軽水炉の転換比は0.6程度であるが,高速中性子によるウラン238のプルトニウムへの変換を利用した (エ) では,消費される核分裂性物質よりも多くの量の新たな核分裂性物質を得ることができる。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア)3~5 (イ)再処理 (ウ)MOX燃料 (エ)高速増殖炉
- 2.(ア)3~5 (イ)再処理 (ウ)イエローケーキ (エ)高速増殖炉
- 3.(ア)3~5 (イ)再加工 (ウ)イエローケーキ (エ)新型転換炉
- 4.(ア)10~20 (イ)再処理 (ウ)イエローケーキ (エ)高速増殖炉
- 5.(ア)10~20 (イ)再加工 (ウ)MOX燃料 (エ)新型転換炉
正解:1.(ア)3~5 (イ)再処理 (ウ)MOX燃料 (エ)高速増殖炉
解説:空欄ごとに決め手がある。(ア)天然ウラン中のウラン235は0.7%で、軽水炉ではこれを3~5%程度まで高めて使う。10~20%は研究炉や高速炉が扱う高濃縮側で軽水炉用ではないから(4)(5)は消える。(イ)使用済燃料を溶解してウランとプルトニウムを分離抽出する工程の名称は「再処理」であり、「再加工」という工程は存在しないので(3)(5)も落ちる。(ウ)ウランとプルトニウムの混合酸化物燃料がMOX燃料。イエローケーキは製錬段階で得る粗製ウラン酸化物(U₃O₈)でプルトニウムを含まず混合燃料ではないから(2)は不可。(エ)高速中性子でウラン238をプルトニウムへ変え増殖比1超を狙うのが高速増殖炉で、新型転換炉は転換比1未満。残る(1)が正解である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 電力 問4
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問205.次の文章は,バイオマス発電に関する記述である。 バイオマス発電は,植物等の (ア) 物から得られる燃料を利用した発電と定義することができ,燃料の代表的なものには,木くずから得られる (イ) やさとうきびから得られるエタノールがある。植物から燃料を得る場合,その植物に吸収される (ウ) 量と発電時の (ウ) 発生量を同じとすることができれば,環境に負担をかけないエネルギー源となる。バイオマス発電の設備は,一般的に (エ) である。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア)無機 (イ)固形化燃料 (ウ)二酸化炭素 (エ)小規模分散型
- 2.(ア)無機 (イ)メタン (ウ)窒素化合物 (エ)小規模分散型
- 3.(ア)有機 (イ)メタン (ウ)窒素化合物 (エ)大規模集中型
- 4.(ア)有機 (イ)メタン (ウ)二酸化炭素 (エ)大規模集中型
- 5.(ア)有機 (イ)固形化燃料 (ウ)二酸化炭素 (エ)小規模分散型
正解:5.(ア)有機 (イ)固形化燃料 (ウ)二酸化炭素 (エ)小規模分散型
解説:正解は(5)。空欄ごとに消去法が効く。(ア)バイオマスは動植物に由来する生物資源を指すので『有機』物であり、無機物とする(1)(2)はここで脱落する。(イ)木くずから得られる代表的燃料は木質ペレットやチップなどの固形化燃料である。メタンは家畜ふん尿や生ごみのメタン発酵で生じるバイオガスの主成分であって木くずの代表例ではないから、(3)(4)も誤りとなる。(ウ)植物が成長中の光合成で吸収した二酸化炭素と燃焼時に放出する二酸化炭素が同量なら大気中の量は増えない、というカーボンニュートラルの考え方を述べた箇所であり、窒素化合物では吸収と発生の対応が成り立たない。(エ)燃料の収集半径や輸送コストの制約から大規模集中化しにくく、一般に小規模分散型の設備となる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 電力 問5
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問206.ガス絶縁開閉装置に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.絶縁性能の高いガスを用いることで装置を小形化でき,気中絶縁の装置を用いた変電所と比較して,変電所の体積と面積を大幅に縮小できる。
- 2.我が国では,ガス絶縁開閉装置の保守や廃棄の際,絶縁ガスの大部分は回収されている。
- 3.ガス絶縁開閉装置の絶縁ガスは,大気圧以下のSF₆ガスである。
- 4.ガス絶縁開閉装置の金属容器内部に,金属異物が混入すると,絶縁性能が低下することがあるため,製造時や据え付け時には,金属異物が混入しないよう,細心の注意が払われる。
- 5.ガス絶縁開閉装置の充電部を支持するスペーサにはエポキシ等の樹脂が用いられる。
正解:3.ガス絶縁開閉装置の絶縁ガスは,大気圧以下のSF₆ガスである。
解説:誤りは(3)。絶縁媒体がSF₆ガスである点は正しいが、封入圧力は大気圧以下ではなく、正しくは大気圧より高い0.3~0.5 MPa程度に加圧されている。SF₆の絶縁耐力は圧力にほぼ比例して高まるため、加圧して初めて小形化に必要な絶縁性能が得られるからである。他は正しい。(1)絶縁距離を大幅に詰められるので、気中絶縁の変電所に比べ体積・面積を大きく縮小でき、これがガス絶縁開閉装置採用の主目的である。(2)SF₆は温室効果が二酸化炭素の約2万3千倍と大きく、我が国では保守・廃棄時に回収・再利用する運用が定着している。(4)容器内に金属異物が入ると電界が集中して部分放電を生じ絶縁性能が低下する。(5)充電部を支持する絶縁スペーサにはエポキシ樹脂が用いられる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 電力 問6
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問207.分散型電源の配電系統連系に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.大規模太陽光発電等の分散型電源が連系した場合,配電用変電所に設置されている変圧器に逆向きの潮流が増加し,配電線の電圧が上昇する場合がある。
- 2.太陽光発電や燃料電池発電等の電源は,電力変換装置を用いて電力系統に連系されるため,高調波電流の流出を抑制するフィルタ等の設置が必要になることがある。
- 3.分散型電源からの逆潮流による系統電圧の上昇を抑制するために,受電点の力率は系統側から見て進み力率とする。
- 4.比較的大容量の分散型電源を連系する場合は,専用線による連系や負荷分割等配電系統側の増強が必要になることがある。
- 5.分散型電源からの逆潮流等により他の低圧需要家の電圧が適正値を維持できない場合は,ステップ式自動電圧調整器(SVR)を設置する等の対策が必要になることがある。
正解:3.分散型電源からの逆潮流による系統電圧の上昇を抑制するために,受電点の力率は系統側から見て進み力率とする。
解説:誤りは(3)。逆潮流時は配電線を系統側へ向かって有効電力が流れ、線路抵抗による電圧降下の向きが反転して受電点の電圧が上昇する。これを抑えるには分散型電源側で無効電力を吸収する必要があり、正しくは受電点の力率を系統側から見て遅れ力率(系統連系規程では原則85%以上)とする。進み力率にすると無効電力が系統へ流出して電圧上昇をかえって助長するので、記述は向きが逆である。他は正しい。(1)大量連系では配電用変電所の変圧器を逆向きに潮流が流れ配電線電圧が上がり得る。(2)太陽光や燃料電池はインバータ連系のため高調波電流を生じフィルタ等を要する。(4)大容量連系では専用線連系や負荷分割等の系統増強が要る。(5)電圧の逸脱にはSVR設置等で対処する。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 電力 問7
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問208.架空送電線路の構成部品に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.鋼心アルミより線は,アルミ線を使用することで質量を小さくし,これによる強度の不足を,鋼心を用いることで補ったものである。
- 2.がいしは,電線と鉄塔などの支持物との間を絶縁するために使用する。雷撃などの異常電圧による絶縁破壊は,がいし内部で起こるように設計されている。
- 3.架空送電線におけるねん架とは,送電線各相の作用インダクタンスと作用静電容量を平衡させるために行われるもので,ジャンパ線を用いて電線の配置を入れ替えることができる。
- 4.電線の微風振動やギャロッピングを抑制するために,電線にダンパを取り付け,振動エネルギーを吸収する方法がとられる。
- 5.送電線やがいしを雷撃などの異常電圧から保護するための設備に架空地線がある。架空地線には,光ファイバを内蔵し電力用通信線として使用されるものもある。
正解:2.がいしは,電線と鉄塔などの支持物との間を絶縁するために使用する。雷撃などの異常電圧による絶縁破壊は,がいし内部で起こるように設計されている。
解説:誤りは(2)。がいしが電線と支持物を絶縁するという前段は正しいが、絶縁破壊の設計思想が逆である。磁器の内部で貫通破壊を起こすとがいしは再使用できない永久故障となり停電が長引くため、正しくは内部の絶縁耐力を沿面フラッシオーバ電圧より高くしておき、異常電圧時には表面の空気中で先に閃絡が起こるよう設計する。他は正しい。(1)鋼心アルミより線は軽量なアルミを導体に使い、不足する引張強度を中心の鋼より線で補う。(3)ねん架は各相の作用インダクタンスと作用静電容量を平衡させる目的で行い、ねん架鉄塔のジャンパ線により電線の配置を入れ替える。(4)ダンパは微風振動やギャロッピングの振動エネルギーを吸収する。(5)光ファイバ複合架空地線は通信線を兼ねる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 電力 問8
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問209.次の文章は,架空送電線路に関する記述である。 架空送電線路が通信線路に接近していると,通信線路に電圧が誘導されて設備やその取扱者に危害を及ぼす等の障害が生じるおそれがある。この障害を誘導障害といい,次の2種類がある。 ① 架空送電線路の電圧により通信線路に誘導電圧を発生させる (ア) 障害。 ② 架空送電線路の電流が,架空送電線路と通信線路間の (イ) を介して通信線路に誘導電圧を発生させる (ウ) 障害。 三相架空送電線路が十分にねん架されていれば,平常時は,電圧や電流によって通信線路に現れる誘導電圧は (エ) となるので0 Vとなる。三相架空送電線路に (オ) 事故が生じると,電圧や電流は不平衡になり,通信線路に誘導電圧が現れ,誘導障害が生じる。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア)磁気誘導 (イ)誘導リアクタンス (ウ)ファラデー (エ)大きさの差 (オ)三相短絡
- 2.(ア)静電誘導 (イ)自己インダクタンス (ウ)電磁誘導 (エ)大きさの和 (オ)1線地絡
- 3.(ア)静電誘導 (イ)相互インダクタンス (ウ)電磁誘導 (エ)ベクトルの和 (オ)1線地絡
- 4.(ア)磁気誘導 (イ)相互インダクタンス (ウ)電荷誘導 (エ)ベクトルの和 (オ)三相短絡
- 5.(ア)磁気誘導 (イ)誘導リアクタンス (ウ)ファラデー (エ)ベクトルの差 (オ)2線地絡
正解:3.(ア)静電誘導 (イ)相互インダクタンス (ウ)電磁誘導 (エ)ベクトルの和 (オ)1線地絡
解説:(エ)を軸に消去するのが速い。ねん架された平衡三相では各相の電圧・電流の大きさは等しいので、零になるのは位相を含めたベクトルの和である。大きさの差とする(1)、大きさの和とする(2)、ベクトルの差とする(5)はいずれも零にならないので落ち、残る(3)と(4)は(ア)で決まる。①は電圧が原因、すなわち送電線と通信線の間の静電容量を通じた分圧で誘導電圧が生じるので静電誘導であり、磁界によるとする磁気誘導は誤りで(3)が正しい。(イ)は電流が両線路間の相互インダクタンスを介して起電力を生む意味であり、自己インダクタンスでは通信線側に電圧は現れない。(ウ)はその電磁誘導、(オ)は零相分が生じて不平衡になる1線地絡で、三相短絡は平衡故障のため零相分が出ない。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 電力 問9
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問210.地中送電線路に使用される各種電力ケーブルに関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.OFケーブルは,絶縁体として絶縁紙と絶縁油を組み合わせた油浸紙絶縁ケーブルである。OFケーブルには油通路が設けられており,絶縁油の加圧によりボイドの発生を抑制して絶縁強度を確保するための給油設備が必要である。
- 2.CVケーブルは,絶縁体として架橋ポリエチレンを使用したケーブルである。架橋ポリエチレンは,ポリエチレンの分子構造を架橋反応により立体網目状分子構造とすることで,熱可塑性を大幅に向上させた絶縁材料である。
- 3.CVケーブルは,OFケーブルと比較して給油設備が不要であり,保守性に優れている。一方で,水トリーの発生による絶縁劣化があるため,CVケーブルには金属シースや遮水層を設ける場合がある。
- 4.CVTケーブルは,単心CVケーブル3条をより合わせたトリプレックス形CVケーブルであり,3心共通シース形CVケーブルと比較してケーブルの熱抵抗が小さいため電流容量を大きくできるとともに,ケーブルの接続作業性がよい。
- 5.OFケーブルは,油圧の常時監視によって金属シースや鋼管の欠陥,外傷などに起因する漏油を検知することで,油圧の異常低下による絶縁破壊事故の未然防止を図ることができる。
正解:2.CVケーブルは,絶縁体として架橋ポリエチレンを使用したケーブルである。架橋ポリエチレンは,ポリエチレンの分子構造を架橋反応により立体網目状分子構造とすることで,熱可塑性を大幅に向上させた絶縁材料である。
解説:誤りは(2)。架橋反応で直鎖のポリエチレンを立体網目状につなぐと、加熱しても軟化・流動しなくなる。つまり熱可塑性は失われて熱硬化性に変わり、その結果として常時許容温度が90℃まで高められるのであって、「熱可塑性を大幅に向上させた」は効果が逆で誤りである。他は正しい。(1)OFケーブルは油浸紙絶縁で、油通路から絶縁油を加圧してボイド(空隙)の発生を抑えるため給油設備を要する。(3)CVは給油設備が不要な反面、水分侵入による水トリーで劣化するので金属シースや遮水層を設ける。(4)CVTは単心3条をより合わせた形で心線が分離し放熱しやすく、熱抵抗が小さいので電流容量を大きくできる。(5)油圧の常時監視は漏油検知の手段である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 電力 問10
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問211.100/200 V 単相3線式配電方式に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.単相200 V 負荷の使用が可能である。
- 2.配電容量が等しい場合,100 V 単相2線式配電方式より電線の銅量が少なくてすむ。
- 3.バランサは,電源の近くに設ける方が効果が大きい。
- 4.負荷の分布によっては,負荷電圧が不平衡になることがある。
- 5.中性線が断線すると,異常電圧を発生することがある。
正解:3.バランサは,電源の近くに設ける方が効果が大きい。
解説:誤りは(3)。バランサは巻数比1:1の単巻変圧器を両電圧線間に接続し、不平衡分を上下の回路で分担させて負荷電圧の不平衡と中性線電流を抑えるものである。正しくは不平衡の生じている負荷端、すなわち電源から遠い末端に設けるほど効果が大きい。電源の近くに置いても、そこから負荷までの線路には不平衡電流が流れたままで、電圧降下の差を是正できない。他は正しい。(1)外線間に200 Vが得られる。(2)同一電力・同一損失なら単3の外線電流は単2の半分ですみ、銅量は単2の約37.5%となる。(4)上下の負荷が偏れば両電圧は不平衡になる。(5)中性線が断線すると両側の負荷が直列になり、インピーダンスの大きい側に異常な高電圧が現れる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 電力 問11
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問212.ある架空電線路の支持点間は200 m,たるみは3.0 m である。この架空電線路の電線と単位長さあたりの重量が同じ電線を用い,この架空電線路と同じ水平方向の引張強さで支持点間240 m を架線する。このときの電線の実長L[m]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし,いずれの架空電線路においても二つの支持点の高さは同一とする。
- 1.240.04
- 2.240.05
- 3.240.14
- 4.240.21
- 5.240.25
正解:4.240.21
解説:支持点が等高のときのたるみは D=wS²/(8T) で表され、単位長さあたりの重量 w と水平張力 T が等しい本問では、たるみ D は径間 S の2乗に比例する。よって径間240 m のたるみは D=3.0×(240/200)²=4.32 m となる。実長は L=S+8D²/(3S) で求められるので、L=240+8×4.32²/(3×240)=240+149.2992/720=240.207 m となり、最も近い240.21 が正解である。たるみを径間に比例させ D=3.0×1.2=3.6 m としてしまうと L=240+8×3.6²/720=240.144 m となって240.14 に落ちる。たるみが S ではなく S² に比例することが本問の要点である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 電力 問12
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問213.三相3線式配電線により遅れ力率70 %,W₁[kW]の負荷に電力を供給している。負荷が遅れ力率91 %,W₂[kW]に変化したが線路損失は変わらなかった。W₂はW₁の何倍か。最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし,負荷の端子電圧は変わらないものとする。
- 1.0.77
- 2.1.3
- 3.2.3
- 4.1.1
- 5.1.7
正解:2.1.3
解説:三相3線式の線路損失は P=3I²r で表される。線路抵抗 r は変わらないから、損失が変化しないということは線電流 I が変化しないということである。一方、負荷の電力は W=√3VIcosθ で表され、端子電圧 V も線電流 I も不変であるから、送れる電力は力率 cosθ にのみ比例する。よって W₂/W₁=cosθ₂/cosθ₁=0.91/0.70=1.30 となり、約1.3倍が正解である。力率の比を逆にとって 0.70/0.91=0.77 とする誤りが多いが、電流が同じであれば力率が改善したほうが大きな電力を送れるのだから、答えは必ず1より大きい側になると押さえておきたい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 電力 問13
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問214.六ふっ化硫黄(SF₆)ガスに関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.アーク放電の消弧能力は,空気よりも優れている。
- 2.比重は空気よりも大きく,化学的に安定した不燃性のガスであるが,特有の臭いがある。
- 3.オゾン層への影響は無視できるが,地球温暖化への影響が大きいガスである。
- 4.ガス遮断器やガス絶縁変圧器の絶縁媒体として利用される。
- 5.絶縁破壊電圧は,同じ圧力の空気と比較すると高い。
正解:2.比重は空気よりも大きく,化学的に安定した不燃性のガスであるが,特有の臭いがある。
解説:六ふっ化硫黄は無色・無臭・無毒のガスである。(2)は比重が空気の約5倍で化学的に安定な不燃性という前半は正しいが、「特有の臭いがある」が誤りで、正しくは臭いがない。漏えいしても臭気では気付けず、空気より重いため低所やピットに滞留する点が保安上の注意点である。他の記述は正しい。(1)電子を捕獲して負イオンをつくる性質によりアークの消弧能力は空気の約100倍あり、(5)絶縁破壊電圧も同じ圧力の空気の2~3倍である。この性質から(4)ガス遮断器やガス絶縁変圧器の絶縁媒体に使われる。(3)塩素を含まないためオゾン層は破壊しないが、GWP が約23900 と大きく排出抑制の対象である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 電力 問14
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問215.図の流況曲線を持つ河川の全流量を使用できる調整池式水力発電所において,発電所の使用流量[m³/s]と調整池の有効貯水容量[m³]について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 1 日単位の調整運転を行う場合,上記流況曲線の渇水量8 m³/s において,1 日に6 時間の運転を可能とする最大の使用流量[m³/s]と,当該時間外に調整池に流入する貯水量[m³]の組合せとして,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 ここで,当該6 時間の最大使用流量での運転以外の時間は,水車・発電機を停止して調整池に河川の全流量を貯水するものとする。

- 1.最大使用流量[m³/s]:22.8,貯水量[m³]:410 400
- 2.最大使用流量[m³/s]:28.8,貯水量[m³]:518 400
- 3.最大使用流量[m³/s]:34.8,貯水量[m³]:518 400
- 4.最大使用流量[m³/s]:28.8,貯水量[m³]:410 400
- 5.最大使用流量[m³/s]:32.0,貯水量[m³]:518 400
正解:5.最大使用流量[m³/s]:32.0,貯水量[m³]:518 400
解説:渇水量8 m³/sは1日中流入し続けるので、1日の総流入量は8×86 400=691 200 m³になる。運転しない18時間分がそのまま池にたまり、これが問われている貯水量で、8×18×3600=8×64 800=518 400 m³である。注意すべきは運転中の6時間も8 m³/sの流入が続く点で、使える水量は518 400+8×21 600=691 200 m³、つまり1日分の全流入量に等しい。これを6時間=21 600 sで使い切るときが最大の使用流量だから、691 200÷21 600=32.0 m³/sである。貯留分だけを6時間で割ると518 400÷21 600=24.0 m³/sとなり選択肢に無い。よって組合せは(32.0, 518 400)の(5)となる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 電力 問15(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問216.※ この問題は本試験ではB問題の小問(b)として出題されたものです。解答に必要な条件が小問(a)にあるため,小問(a)を併せて示します(答えるのは小問(b)です)。 図の流況曲線を持つ河川の全流量を使用できる調整池式水力発電所において,発電所の使用流量[m³/s]と調整池の有効貯水容量[m³]について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 1 日単位の調整運転を行う場合,上記流況曲線の渇水量8 m³/s において,1 日に6 時間の運転を可能とする最大の使用流量[m³/s]と,当該時間外に調整池に流入する貯水量[m³]を求めた。 ここで,当該6 時間の最大使用流量での運転以外の時間は,水車・発電機を停止して調整池に河川の全流量を貯水するものとする。 〔小問(b)〕 上記流況曲線で200 日以上発生する流量において,小問(a)の最大使用流量で1 日8 時間の運転を可能とするための有効貯水容量[m³]として,最も小さいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.420 000
- 2.500 000
- 3.440 000
- 4.460 000
- 5.520 000
正解:5.520 000
解説:流況曲線は1年の流量を大きい順に並べた曲線で、横軸200日の位置で読む流量が、年間200日以上発生する流量である。図では200日の破線が流量14 m³/sの破線と曲線上で交わるから、対象の流量は14 m³/sとなる。(a)で求めた最大使用流量32.0 m³/sで1日8時間運転すると流入だけでは足りず、不足分を池から取り崩す。取崩し量は(32.0−14)×8×3600=18×28 800=518 400 m³。残る16時間の流入は14×16×3600=806 400 m³あり518 400 m³を上回るので、翌日までに貯め直せる。必要な有効貯水容量は518 400 m³以上で、これを満たす最小の選択肢は520 000 m³。500 000では足りず(5)が正答である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 電力 問15(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問217.変電所に設置された一次電圧66 kV,二次電圧22 kV,容量50 MV·A の三相変圧器に,22 kV の無負荷の線路が接続されている。その線路が,変電所から負荷側500 m の地点で三相短絡を生じた。 三相変圧器の結線は,一次側と二次側がY-Y 結線となっている。 ただし,一次側からみた変圧器の1 相当たりの抵抗は0.05 Ω,リアクタンスは7 Ω,故障が発生した線路の1 線当たりのインピーダンスは(0.20+j0.45) Ω/km とし,変圧器一次電圧側の線路インピーダンス及びその他の値は無視するものとする。次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 短絡電流の値[kA]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.21.8
- 2.10.5
- 3.12.6
- 4.6.5
- 5.17.3
正解:3.12.6
解説:変圧器のインピーダンスは一次側からみた値なので、二次側で計算するには巻数比a=66/22=3の2乗、すなわち9で割って換算する。R=0.05/9=0.00556 Ω、X=7/9=0.778 Ωとなる。この÷9を忘れると答えは合わない。線路は500 m=0.5 kmだから(0.20+j0.45)×0.5=0.10+j0.225 Ω。合計はZ=0.106+j1.003 Ωで、|Z|=√(0.106²+1.003²)≒1.008 Ω。三相短絡電流は相電圧で計算し、E=22 000/√3=12 702 Vだから、Is=12 702/1.008≒12 600 A=12.6 kAとなり(3)が正答。線間電圧のまま22 000/1.008とすると21.8 kAとなり(1)に落ちる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 電力 問16(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問218.変電所に設置された一次電圧66 kV,二次電圧22 kV,容量50 MV·A の三相変圧器に,22 kV の無負荷の線路が接続されている。その線路が,変電所から負荷側500 m の地点で三相短絡を生じた。 三相変圧器の結線は,一次側と二次側がY-Y 結線となっている。 ただし,一次側からみた変圧器の1 相当たりの抵抗は0.05 Ω,リアクタンスは7 Ω,故障が発生した線路の1 線当たりのインピーダンスは(0.20+j0.45) Ω/km とし,変圧器一次電圧側の線路インピーダンス及びその他の値は無視するものとする。次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(b)〕 短絡前に,22 kV に保たれていた三相変圧器の母線の線間電圧は,三相短絡故障したとき,何kV に低下するか。電圧の値[kV]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.8.70
- 2.2.72
- 3.5.37
- 4.1.34
- 5.4.71
正解:3.5.37
解説:母線は変圧器の二次側にあり、故障点はそこから500 m先である。したがって短絡中の母線電圧は、短絡電流が線路インピーダンスに生じさせる電圧降下に等しい。線路は0.5 km分で0.10+j0.225 Ω、大きさは|Z_line|=√(0.10²+0.225²)≒0.2462 Ω。(a)で求めた短絡電流12.6 kA(12 597 A)を掛けると相電圧は12 597×0.2462≒3 102 V、線間電圧はその√3倍で3 102×√3≒5 372 V=5.37 kVとなり(3)が正答。全インピーダンス|Z|≒1.008 Ωとの分圧比で22×0.2462/1.008≒5.37 kVとしても同じ値になる。500 mを1 kmと取り違えると8.70 kVとなり(1)に落ちる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 電力 問16(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問219.定格容量750 kV·A の三相変圧器に遅れ力率0.9 の三相負荷500 kW が接続されている。 この三相変圧器に新たに遅れ力率0.8 の三相負荷200 kW を接続する場合,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 負荷を追加した後の無効電力の値[kvar]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.472
- 2.525
- 3.339
- 4.392
- 5.610
正解:4.392
解説:力率が異なる負荷は皮相電力どうしを足せないので、有効電力ごとに無効電力Q=P tanθを求めて加算する。遅れ力率0.9の500 kWでは、cosθ=0.9からsinθ=√(1−0.9²)=0.436、tanθ=0.436/0.9=0.4843となり、Q₁=500×0.4843=242 kvar。遅れ力率0.8の200 kWはtanθ=0.6/0.8=0.75でQ₂=200×0.75=150 kvar。どちらも遅れで向きが同じだから単純加算でき、Q=242+150=392 kvarで(4)が正答である。合成後の700 kWを一つの力率で扱うのは誤りで、0.9とみれば700×0.4843=339 kvarで(3)、0.8なら700×0.75=525 kvarで(2)になる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 電力 問17(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問220.定格容量750 kV·A の三相変圧器に遅れ力率0.9 の三相負荷500 kW が接続されている。 この三相変圧器に新たに遅れ力率0.8 の三相負荷200 kW を接続する場合,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(b)〕 この変圧器の過負荷運転を回避するために,変圧器の二次側に設置が必要な最小の電力用コンデンサ容量の値[kvar]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.70
- 2.256
- 3.203
- 4.123
- 5.50
正解:4.123
解説:コンデンサは無効電力だけを打ち消し有効電力は変えないので、P=700 kWのままである。皮相電力を定格750 kV·A以下に収める条件は√(700²+Q′²)≦750で、Q′≦√(750²−700²)=√72 500=269.3 kvarとなる。(a)で求めた現状の無効電力は392.2 kvarだから、必要な最小容量はQc=392.2−269.3=122.9≒123 kvarとなり(4)が正答。補償後の力率は700/750=0.933である。なお現状の皮相電力S=√(700²+392.2²)=802.4 kV·Aから定格を引き802.4−750=52.4 kvarとするのは誤りで、これは(5)の50を選ぶ形になる。無効分は有効分と直角に合成されるためである。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 電力 問17(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問221.水力発電所に用いられるダムの種別と特徴に関する記述として,最も不適切なものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.重力ダムとは,コンクリートの重力によって水圧などの外力に耐えられるようにしたダムであって,体積は大きくなるが,構造が簡単で安定性が良い。我が国では,最も多く用いられている。
- 2.アーチダムとは,水圧などの外力を両岸の岩盤で支えるようにアーチ型にしたダムであって,両岸の幅が広く,岩盤が丈夫なところに作られ,コンクリートの量を節減できる。
- 3.ロックフィルダムとは,岩石を積み上げて作るダムであって,内側には,砂利,アスファルト,粘土などが用いられている。ダムは大きくなるが,資材の運搬が困難で建設地付近に岩石や砂利が多い場所に適している。
- 4.アースダムとは,土壌を主材料としたダムであって,灌漑用の池などを作るのに適している。軟弱な地盤でも作れるという利点がある。ダムの高さは50 mを超えるものもある。
- 5.取水ダムとは,水路式発電所の水路に水を導入するため河川に設けられるダムであって,ダムの高さは低く,越流形コンクリートダムなどが用いられている。
正解:2.アーチダムとは,水圧などの外力を両岸の岩盤で支えるようにアーチ型にしたダムであって,両岸の幅が広く,岩盤が丈夫なところに作られ,コンクリートの量を節減できる。
解説:アーチダムは、水圧をアーチの形で両岸の岩盤へ伝えて支える構造である。したがって適するのは河谷の幅が狭く、両岸の岩盤が堅固な場所で、「両岸の幅が広く」は逆である。幅が広いとアーチが成立せず、外力を岩盤に逃がせない。ほかの4つは正しい記述で、とくに(3)のロックフィルダムは現地で得られる岩石や砂利を主材料にできるため、資材の運搬が難しい山間部に向く。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 電力 問1
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問222.ある地域の面積が6 500 km²,平均海抜750 mで,この地域の年間降水量を1 100 mmとしたとき,この地域全体での理論的包蔵水力(電力量換算値[TW·h])として最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし,包蔵水力の計算において,その地域の水の流出係数を1とする。
- 1.1.7
- 2.6.0
- 3.30
- 4.150
- 5.15
正解:5.15
解説:まず年間の水量を出す。面積 6 500 km²=6.5×10⁹ m² に降水量 1 100 mm=1.1 m を掛けて、流出係数が1なので V=7.15×10⁹ m³。この水が平均海抜750 mの高さにあるとみなして位置エネルギーを求めると、W=ρgVH=1 000×9.8×7.15×10⁹×750=5.26×10¹⁶ J。電力量に直すには 1 W·h=3 600 J で割って 5.26×10¹⁶/3 600=1.46×10¹³ W·h=14.6 TW·h。よって最も近いのは15。単位の換算(km²→m²、mm→m、J→W·h)を1つでも取り違えると桁がずれるので、順に確かめながら計算するとよい。答(5)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 電力 問2
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問223.次の文章は,火力発電所の復水器に関する記述である。 火力発電所の復水器は,蒸気タービンの排気を冷却水で冷やし,排気を (ア) させて水に戻し,復水を回収する装置である。内部の (イ) を保持することで,タービンの入口蒸気と出口蒸気の (ウ) を大きくし,蒸気タービンの (エ) を高めている。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 選択肢は「(ア) / (イ) / (ウ) / (エ)」の順に示す。
- 1.凝縮 / 真空度 / 圧力差 / 効率
- 2.凝縮 / 真空度 / 圧力差 / 回転速度
- 3.膨張 / 温度 / 温度差 / 回転速度
- 4.凝縮 / 温度 / 温度差 / 効率
- 5.膨張 / 真空度 / 温度差 / 回転速度
正解:1.凝縮 / 真空度 / 圧力差 / 効率
解説:復水器はタービンの排気を冷却水で冷やして凝縮させ、水に戻して回収する装置である。蒸気が水になると体積が急激に小さくなるため、内部は高い真空になる。この真空度を保つとタービン出口の圧力が下がり、入口蒸気との圧力差(=熱落差)が大きくなるので、取り出せる仕事が増えて蒸気タービンの効率が高まる。回転速度は系統の周波数と極数で決まるものなので(エ)には当てはまらない。答(1)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 電力 問3
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問224.次の文章は,原子核に関する記述である。 原子核は,正の電荷をもつ (ア) と電荷をもたない中性子とが結合したものである。原子核の質量は, (ア) と中性子の個々の質量の合計より (イ) 。この差を (ウ) といい,結合時にはこれに相当する結合エネルギーが放出される。この質量の差をm[kg],真空中の光の速度をc[m/s]とすると,放出されるエネルギーE[J]は (エ) に等しい。 原子力発電は,ウラン等原子燃料の (オ) の前後における原子核の結合エネルギーの差を利用したものである。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 選択肢は「(ア) / (イ) / (ウ) / (エ) / (オ)」の順に示す。
- 1.陽子 / 大きい / 質量増加 / mc² / 核融合
- 2.陽子 / 小さい / 質量欠損 / mc² / 核分裂
- 3.電子 / 大きい / 質量増加 / mc / 核融合
- 4.陽子 / 小さい / 質量欠損 / mc / 核分裂
- 5.電子 / 小さい / 質量欠損 / mc / 核分裂
正解:2.陽子 / 小さい / 質量欠損 / mc² / 核分裂
解説:原子核をつくるのは正の電荷をもつ陽子と、電荷をもたない中性子である(電子は原子核の外を回っている)。原子核の質量は、ばらばらの陽子と中性子の質量の合計より小さく、その差を質量欠損という。結合するときにこの差の分がエネルギーとして放出され、その大きさはアインシュタインの関係式 E=mc² で表される。原子力発電はウランなどの核分裂の前後で結合エネルギーが変わることを利用している。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 電力 問4
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問225.次の文章は,電池及びその関連技術に関する記述である。 電池には,充電することによって繰り返し利用できる (ア) がある。その代表的なものに (イ) が挙げられ,携帯電子機器,電気自動車,電力貯蔵設備などのさまざまな用途で活用されている。蓄電能力の高い (ア) やその他の蓄電機器を,電力貯蔵設備として風力発電や太陽光発電と併せて用いることで,出力の (ウ) ができる。 (エ) は大電力貯蔵用の機器として用いられている。 (エ) の (オ) は,鉛蓄電池に比べて3倍程度高い。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 選択肢は「(ア) / (イ) / (ウ) / (エ) / (オ)」の順に示す。
- 1.二次電池 / リチウムイオン電池 / 平滑化 / 空気亜鉛電池 / 単位質量あたりのエネルギー密度
- 2.一次電池 / リチウムイオン電池 / 短絡抑制 / 空気亜鉛電池 / 単位質量あたりのエネルギー密度
- 3.二次電池 / 酸化銀電池 / 短絡抑制 / 空気亜鉛電池 / 起電力
- 4.二次電池 / リチウムイオン電池 / 平滑化 / ナトリウム・硫黄電池 / 単位質量あたりのエネルギー密度
- 5.一次電池 / 酸化銀電池 / 平滑化 / ナトリウム・硫黄電池 / 起電力
正解:4.二次電池 / リチウムイオン電池 / 平滑化 / ナトリウム・硫黄電池 / 単位質量あたりのエネルギー密度
解説:充電して繰り返し使えるのが二次電池(蓄電池)で、その代表がリチウムイオン電池である。風力や太陽光は天候で出力が変動するので、蓄電池と組み合わせると出力の平滑化ができる。大電力の貯蔵にはナトリウム・硫黄電池(NAS電池)が使われ、その単位質量あたりのエネルギー密度は鉛蓄電池のおよそ3倍である。一次電池は使い切りで充電できないので(ア)には当てはまらない。答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 電力 問5
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問226.変圧器のV結線方式に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.同一の単相変圧器2台を使用して三相平衡負荷に供給している場合,変圧器の利用率は √3/3 となる。
- 2.電灯動力共用方式の場合,共用変圧器には電灯と動力の電流が加わって流れるため,一般に動力専用変圧器の容量と比較して共用変圧器の容量の方が大きい。
- 3.単相変圧器2台で三相が得られる。
- 4.同一の単相変圧器3台をΔ結線とした場合と比較すると,供給することのできる電力は √3/3 倍となる。
- 5.単相変圧器を用いたΔ結線方式と比較して,変圧器の電柱への設置が簡素化できる。
正解:1.同一の単相変圧器2台を使用して三相平衡負荷に供給している場合,変圧器の利用率は √3/3 となる。
解説:V結線の利用率は、出力 √3VI を変圧器2台の合計容量 2VI で割って √3/2≒0.866 である。したがって(1)の √3/3≒0.577 は誤り。ここで紛らわしいのが(4)で、Δ結線3台の出力 3VI に対するV結線の出力 √3VI の比は √3/3≒0.577 となり、こちらは正しい。同じ √3/3 という値が「Δとの出力比」としては正しく「利用率」としては誤り、という点がこの問題の分かれ目である。答(1)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 電力 問6
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問227.配電用変電所における6.6 kV配電線の一般的な保護に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.配電線の事故時には,配電線引出口遮断器は,事故遮断して一定時間の後に再閉路継電器により自動再閉路される。
- 2.地絡事故の検出のため,配電線引出口には地絡過電圧継電器が設置される。
- 3.主要変圧器の二次側を遮断させる過電流継電器の動作時限は,各配電線を遮断させる過電流継電器の動作時限より長く設定される。
- 4.地絡事故の保護のため,各配電線に地絡方向継電器が設置される。
- 5.短絡事故の保護のため,各配電線に過電流継電器が設置される。
正解:2.地絡事故の検出のため,配電線引出口には地絡過電圧継電器が設置される。
解説:地絡過電圧継電器(OVGR)は零相電圧を検出するもので、母線に接地形計器用変圧器(EVT)と組で置かれる。零相電圧は系統全体に現れるため、これだけでは事故がどの配電線で起きたか分からない。そこで各配電線の引出口には零相変流器と組になった地絡方向継電器(DGR)を置き、事故回線を選択して遮断する。これは(4)に正しく書かれている。したがって(2)の「配電線引出口には地絡過電圧継電器」が誤り。なお(3)は上位の保護ほど動作を遅らせる保護協調の考え方で正しい。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 電力 問7
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問228.架空送電線路で用いられる電線の太さを決定する際に考慮すべき項目として,特に関係のない事項はどれか。次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.機械的強度
- 2.コロナ放電の抑制
- 3.電圧降下
- 4.線路損失
- 5.雷・開閉サージの波高
正解:5.雷・開閉サージの波高
解説:電線を太くすると、断面積が増えて機械的強度が上がり、表面の電位の傾きが下がってコロナ放電が起きにくくなり、抵抗が下がって電圧降下と線路損失が小さくなる。いずれも電線の太さで決まる事柄である。一方、雷サージや開閉サージの波高値は、雷の大きさや遮断器の動作で決まるもので、電線を太くしても小さくならない。これは絶縁設計(がいし個数・避雷器の設置など)で扱う。答(5)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 電力 問8
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問229.非接地方式の電線路に1線地絡が発生した場合の現象として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.地絡電流は直接接地方式に比べて大きい。
- 2.健全相の電位が上昇する。
- 3.電線路のこう長が長いほど地絡電流は大きい。
- 4.間欠アークが発生し,異常電圧を発生するおそれがある。
- 5.通信線の誘導障害は,抵抗接地方式に比べて小さい。
正解:1.地絡電流は直接接地方式に比べて大きい。
解説:非接地方式では中性点が大地とつながっていないので、1線地絡が起きても電流の通り道は電線路の対地静電容量しかない。流れるのは小さな充電電流だけである。これに対し直接接地方式は大地を通る低インピーダンスの回路ができて大きな短絡電流が流れる。したがって(1)の「大きい」は逆で誤り。地絡電流が小さいことが、(5)の誘導障害が小さいことの理由にもなっている。(3)はこう長が長いほど対地静電容量が増えるため正しい。答(1)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 電力 問9
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問230.地中送電線路の電力ケーブルで発生する損失に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.電力ケーブルの抵抗損は,導体自身を流れる交流電流によって生じる交番磁界の影響で,導体を流れる電流密度分布に偏りが発生するという表皮効果によって大きくなる。導体の断面積が大きいほど表皮効果の影響が大きいため,分割導体や素線絶縁導体を採用することで抵抗損を低減することができる。
- 2.電力ケーブルの抵抗損は,近接して配置されるケーブル導体を流れる交流電流によって生じる交番磁界の影響で,導体を流れる電流密度分布に偏りが発生するという近接効果によって大きくなる。電力ケーブルの相間距離が短いほど近接効果の影響が大きいため,電力ケーブルの相間距離を離すことで抵抗損を低減することができる。
- 3.電力ケーブルの誘電損は,印加される交流電圧と同位相の電流成分が絶縁体にわずかに流れることで生じる。この誘電損は,絶縁体の誘電率及び誘電正接に比例し,印加電圧の2乗に比例するため,印加電圧が同じ場合には誘電率及び誘電正接の小さい絶縁体を使用することで誘電損を低減することができる。
- 4.電力ケーブルのシース回路損は,導体を流れる交流電流によって生じる交番磁界の影響で,金属シースの長手方向に電流が誘導されることで生じる。クロスボンド接地方式の採用によって,3相の各電力ケーブルの金属シースに流れる誘導電流どうしが打ち消し合う効果が得られるため,シース回路損を低減することができる。
- 5.電力ケーブルの渦電流損は,導体を流れる交流電流によって生じる交番磁界の影響で,金属シース内に渦電流が誘導されることで生じる。厚さの薄い金属シースの採用によって交番磁界の影響を小さくすることや,導電率の高い金属シースの採用によって渦電流による発熱を小さくすることで,渦電流損を低減することができる。
正解:5.電力ケーブルの渦電流損は,導体を流れる交流電流によって生じる交番磁界の影響で,金属シース内に渦電流が誘導されることで生じる。厚さの薄い金属シースの採用によって交番磁界の影響を小さくすることや,導電率の高い金属シースの採用によって渦電流による発熱を小さくすることで,渦電流損を低減することができる。
解説:渦電流損を減らすには、シースを薄くして渦電流の流れる断面を狭めるという(5)前半の考え方は正しい。しかし材料は導電率の低い(抵抗率の高い)ものを選ぶ。導電率が高いほど同じ誘導起電力に対して渦電流が大きく流れ、損失は増えてしまう。したがって「導電率の高い金属シースの採用によって渦電流による発熱を小さくする」は誤り。ほかの4つはケーブルの損失(抵抗損の表皮効果と近接効果、誘電損、シース回路損)の説明として正しい。答(5)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 電力 問10
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問231.スポットネットワーク方式及び低圧ネットワーク方式(レギュラーネットワーク方式ともいう)の特徴に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.一般的に複数回線の配電線により電力を供給するので,1回線が停電しても電力供給を継続することができる配電方式である。
- 2.低圧ネットワーク方式では,供給信頼度を高めるために低圧配電線を格子状に連系している。
- 3.スポットネットワーク方式は,負荷密度が極めて高い大都市中心部の高層ビルなど大口需要家への供給に適している。
- 4.一般的にネットワーク変圧器の一次側には保護装置としてネットワークプロテクタが設置され,二次側には断路器が設置される。
- 5.スポットネットワーク方式において,ネットワーク変圧器一次側で単一故障が発生したときでも停電は発生しない。
正解:4.一般的にネットワーク変圧器の一次側には保護装置としてネットワークプロテクタが設置され,二次側には断路器が設置される。
解説:ネットワークプロテクタ(プロテクタヒューズとプロテクタ遮断器の組)は、ネットワーク変圧器の二次側に置かれる。配電線側で事故が起きたときに、健全な回線からネットワーク母線を通って事故回線へ電力が逆流するのを検出して切り離すためで、二次側でないとその役目を果たせない。一次側に置かれるのは断路器である。したがって(4)は一次側と二次側が入れ替わっていて誤り。答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 電力 問11
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問232.1バンクの定格容量20 MV·Aの三相変圧器を3バンク有する配電用変電所がある。変圧器1バンクが故障した時に長時間の停電なしに故障発生前と同じ電力を供給したい。 この検討に当たっては,変圧器故障時には,他の変電所に故障発生前の負荷の7 %を直ちに切り換えることができるとともに,残りの健全な変圧器は,定格容量の120 %まで過負荷で運用できるものとする。 力率は常に95 %(遅れ)で変化しないものとしたとき,故障発生前の変電所の最大総負荷の値[MW]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.24.5
- 2.42.4
- 3.49.0
- 4.63.6
- 5.73.5
正解:3.49.0
解説:1バンクが故障すると残りは2バンクで、120 %まで過負荷運用できるので、担える容量は 20×2×1.20=48 MV·A である。一方、故障前の総負荷のうち7 %は他の変電所へ移せるので、この変電所が持つのは残りの93 %。故障前の総負荷を S[MV·A] とすると 0.93S≤48 より S≤51.6 MV·A。力率95 %なので電力に直すと P=51.6×0.95=49.0 MW。単位が MV·A と MW で異なる点、7 %を引くのであって足すのではない点に注意する。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 電力 問12
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問233.一次電圧6 600 V,二次電圧210 V/105 Vの柱上変圧器がある。図のような単相3線式配電線路において三つの抵抗負荷が接続されている。負荷1の電流は55 A,負荷2の電流は60 A,負荷3の電流は45 Aである。L₁とN間の電圧Va[V],L₂とN間の電圧Vb[V],及び変圧器の一次電流I₁[A]の値の組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 ただし,変圧器から低圧負荷までの電線1線当たりの抵抗を0.06 Ωとし,変圧器の励磁電流とインピーダンス,低圧配電線のリアクタンス,及びC点から負荷側線路のインピーダンスは考えないものとする。 選択肢は「Va[V] / Vb[V] / I₁[A]」の順に示す。

- 1.98.6 / 96.2 / 3.12
- 2.99.3 / 98.4 / 3.26
- 3.98.6 / 96.2 / 3.26
- 4.99.3 / 99.0 / 3.26
- 5.99.3 / 98.4 / 3.12
正解:2.99.3 / 98.4 / 3.26
解説:図から、負荷1はL₁-N間(55 A)、負荷2はL₂-N間(60 A)、負荷3はL₁-L₂間(45 A)に接続されている。各電線を流れる電流は、L₁が 55+45=100 A、L₂が 60+45=105 A、中性線が 55-60 の差で 5 A である。変圧器の中性点を電位0とすると、C点では L₁側が 105-100×0.06=99.0 V、L₂側が -105+105×0.06=-98.7 V、中性線が -5×0.06=-0.3 V。したがって Va=99.0-(-0.3)=99.3 V、Vb=-0.3-(-98.7)=98.4 V。一次電流は電力の釣り合いから求める。負荷の消費電力は 55×99.3+60×98.4+45×(99.3+98.4)=20 262 W、線路損失は 100²×0.06+105²×0.06+5²×0.06=1 263 W なので、二次側の入力は 21 525 W。一次電流は 21 525/6 600=3.26 A。中性線の電流が2つの負荷電流の差になること、負荷3が線間200 V側であることがこの問題の要点。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 電力 問13
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問234.電気設備に使用される電気絶縁材料に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.ガス遮断器などに使用されるSF₆ガスは,大気圧よりも高い圧力で使用され,同じ圧力の空気と比較して絶縁破壊強度が高く,アーク放電が発生した際の消弧能力にも優れる。SF₆ガスは,反応性が非常に小さく安定した不燃性のガスであるが,大気中に排出されると,地球温暖化への影響が大きいガスである。
- 2.変圧器の絶縁油は,鉱油系絶縁油,合成絶縁油,植物性絶縁油の3種類があり,鉱油系絶縁油が主流である。絶縁油は,変圧器内部を絶縁する役割のほかに,変圧器内部で発生する熱を対流等によって放散冷却する役割があるため,粘度が高い方がよい。
- 3.CVケーブルに使用される架橋ポリエチレン絶縁体は,ポリエチレンの分子構造を架橋反応により立体網目状分子構造とした絶縁体であり,絶縁特性と耐熱変形性の双方に優れている。
- 4.OFケーブルに使用される油浸紙絶縁体は,多層に巻き上げた絶縁紙の積層体に絶縁油を含浸させた絶縁体であり,大気圧よりも高い油圧を加えることで絶縁破壊強度を高めている。
- 5.がいしに使用される絶縁体は,一般に磁器,ガラス,ポリマの3種類があり,我が国では磁器がいしが主流である。最近では,軽量性や耐衝撃性などの観点から,内側に高い機械強度と絶縁強度を有するガラス繊維強化プラスチック製のコア材を配置し,その外側にポリマ製の笠付き外被で覆ったポリマがいしの利用が進んでいる。
正解:2.変圧器の絶縁油は,鉱油系絶縁油,合成絶縁油,植物性絶縁油の3種類があり,鉱油系絶縁油が主流である。絶縁油は,変圧器内部を絶縁する役割のほかに,変圧器内部で発生する熱を対流等によって放散冷却する役割があるため,粘度が高い方がよい。
解説:絶縁油には絶縁と冷却の2つの役割がある。冷却は油の対流によって熱を運ぶ働きなので、粘度は低い方がよく循環して熱をよく運ぶ。粘度が高いと対流が鈍って冷却の役に立たない。したがって(2)の「粘度が高い方がよい」は誤り。ほかの4つはSF₆ガス、架橋ポリエチレン、油浸紙、がいしの説明として正しい。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 電力 問14
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問235.下記の条件で運転する揚水発電所について答えよ。 ただし,水の密度を1 000 kg/m³,重力加速度を9.8 m/s²とする。また,簡単のため,運転中の総落差,損失水頭,流量,効率は変わらないものとする。 総落差:H₀=450 m/発電時使用水量:Qg=50 m³/s/揚水量:Qp=40 m³/s/発電損失水頭:H₀の3 %/揚水損失水頭:H₀の3 %/発電運転時の発電機及び水車の効率合計(掛け算):ηgηt=90 %/揚水運転時の電動機及びポンプの効率合計(掛け算):ηmηp=85 %/発電運転時間:Tg=8時間 〔小問(a)〕 この揚水発電所について,発電出力[kW]と揚水入力[kW]の組合せとして,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 選択肢は「発電出力[kW] / 揚水入力[kW]」の順に示す。
- 1.192 500 / 201 300
- 2.198 500 / 207 500
- 3.204 400 / 201 300
- 4.198 500 / 213 750
- 5.192 500 / 213 750
正解:5.192 500 / 213 750
解説:発電のときは損失水頭のぶん有効落差が減るので H=450×(1-0.03)=436.5 m。出力は Pg=ρgQgH×ηgηt=1 000×9.8×50×436.5×0.90=1.925×10⁸ W=192 500 kW。揚水のときは逆に損失水頭のぶん余計に汲み上げる必要があるので H=450×(1+0.03)=463.5 m。入力は Pp=ρgQpH÷(ηmηp)=1 000×9.8×40×463.5÷0.85=2.1375×10⁸ W=213 750 kW。損失水頭を発電では引き、揚水では足すこと、効率を発電では掛け、揚水では割ることが要点である。答(5)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 電力 問15(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問236.下記の条件で運転する揚水発電所について答えよ。 ただし,水の密度を1 000 kg/m³,重力加速度を9.8 m/s²とする。また,簡単のため,運転中の総落差,損失水頭,流量,効率は変わらないものとする。 総落差:H₀=450 m/発電時使用水量:Qg=50 m³/s/揚水量:Qp=40 m³/s/発電損失水頭:H₀の3 %/揚水損失水頭:H₀の3 %/発電運転時の発電機及び水車の効率合計(掛け算):ηgηt=90 %/揚水運転時の電動機及びポンプの効率合計(掛け算):ηmηp=85 %/発電運転時間:Tg=8時間 なお,この揚水発電所の発電出力は192 500 kW,揚水入力は213 750 kWである。 〔小問(b)〕 この揚水発電所について,発電運転8時間を行う場合の揚水所要時間[時間]と,揚水に使用した電力量を発電電力量に変換する変換効率[%]の組合せとして,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 選択肢は「揚水所要時間[時間] / 変換効率[%]」の順に示す。
- 1.8 / 72.0
- 2.8 / 76.5
- 3.10 / 72.0
- 4.10 / 74.2
- 5.10 / 76.5
正解:3.10 / 72.0
解説:まず水の量で考える。発電運転8時間で使う水は 50×8=400 m³/s·h に相当し、これを揚水量40 m³/s で汲み上げ戻すので、所要時間は 50×8÷40=10時間。次に電力量を比べる。発電電力量は 192 500×8=1 540 000 kW·h、揚水電力量は 213 750×10=2 137 500 kW·h。変換効率は 1 540 000÷2 137 500=0.720=72.0 %。揚水は発電より時間がかかるので、単純に出力の比を取ると誤る。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 電力 問15(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問237.架空電線路の径間,電線の長さ及びたるみに関して答えよ。 〔小問(a)〕 径間をS[m],電線のたるみをD[m]とするとき,電線の長さL[m]を示す式として,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.S + 8D²/(3S)
- 2.S + 8D/(3S)
- 3.S + 3D²/(8S)
- 4.S + 3D/(8S)
- 5.S + D²/(3S)
正解:1.S + 8D²/(3S)
解説:たるんだ電線の実長は、径間 S より少しだけ長くなり、その増分はたるみ D の2乗に比例する。式は L=S+8D²/(3S) である。D が長さの単位をもつので、増分の項も長さの単位でなければならず、D²/S の形になっていないと単位が合わない。この点で(2)と(4)は式の形からして誤りと分かる。答(1)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 電力 問16(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問238.架空電線路の径間,電線の長さ及びたるみに関して答えよ。なお,径間をS[m],たるみをD[m]とするとき電線の長さは L=S+8D²/(3S) [m] で表される。 〔小問(b)〕 電線の単位長当たりの重量を10 N/m,実長を50.01 mとする。この電線を径間50.00 mで設置したときの電線の水平引張強さ[kN]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.2.34
- 2.2.55
- 3.2.77
- 4.7.22
- 5.16.7
正解:4.7.22
解説:まず実長と径間の差からたるみを出す。L-S=8D²/(3S) より 50.01-50.00=0.01=8D²/(3×50)。これを解くと D²=0.01×150/8=0.187 5、D=0.433 m。次にたるみの式 D=WS²/(8T) を水平引張強さ T について解くと T=WS²/(8D)=10×50²/(8×0.433)=25 000/3.464=7 218 N≒7.22 kN。(a)の式でDを求めてから、たるみと張力の式に入れる二段構えになっている。答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 電力 問16(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問239.図のように,電圧線及び中性線の抵抗がそれぞれ0.15 Ω及び0.20 Ωの100/200 V単相3線式配電線路に,力率が100 %で電流がそれぞれ75 A及び50 Aの二つの負荷が接続されている。この配電線路にバランサを接続した場合について答えよ。 ただし,負荷電流は一定とし,線路抵抗以外のインピーダンスは無視するものとする。 〔小問(a)〕 バランサに流れる電流の値[A]として,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.8.3
- 2.10.0
- 3.12.5
- 4.15.0
- 5.25.0
正解:3.12.5
解説:バランサは巻数比1対1の単巻変圧器で、これを負荷端に入れると2つの電圧線の電流が等しくならされる。ならされたあとの電圧線電流は2つの負荷電流の平均で (75+50)/2=62.5 A。バランサ自身に流れるのは、もとの電流と平均との差なので (75-50)/2=12.5 A である。この結果、中性線の電流は0になる。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 電力 問17(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問240.図のように,電圧線及び中性線の抵抗がそれぞれ0.15 Ω及び0.20 Ωの100/200 V単相3線式配電線路に,力率が100 %で電流がそれぞれ75 A及び50 Aの二つの負荷が接続されている。この配電線路にバランサを接続した場合について答えよ。 ただし,負荷電流は一定とし,線路抵抗以外のインピーダンスは無視するものとする。なお,バランサに流れる電流は12.5 Aである。 〔小問(b)〕 バランサを接続したことによる線路損失の減少量の値[W]として,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.57
- 2.69
- 3.86
- 4.103
- 5.172
正解:5.172
解説:接続前の線路損失は、上側の電圧線が 75²×0.15=843.75 W、下側の電圧線が 50²×0.15=375 W、中性線が差の 25 A で 25²×0.20=125 W、合計 1 343.75 W。接続後は両方の電圧線が 62.5 A に等しくなるので 62.5²×0.15×2=1 171.875 W、中性線は電流が0なので0 W、合計 1 171.875 W。減少量は 1 343.75-1 171.875=171.9≒172 W。中性線の損失が丸ごと無くなることが効果の大きい理由である。答(5)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 電力 問17(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問241.水力発電に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.水管を流れる水の物理的性質を示す式として知られるベルヌーイの定理は,エネルギー保存の法則に基づく定理である。
- 2.水力発電所には,一般的に短時間で起動・停止ができる,耐用年数が長い,エネルギー変換効率が高いなどの特徴がある。
- 3.水力発電は昭和30年代前半まで我が国の発電の主力であったが,現在ではエネルギーの安定供給と経済性及び地球環境への貢献の観点から多様な発電方式が運用されており,我が国における水力発電の近年の発電電力量の比率は20 %程度である。
- 4.河川の1日の流量を,年間を通して流量の多いものから順番に配列して描いた流況曲線は,発電電力量の計画において重要な情報となる。
- 5.総落差から損失水頭を差し引いたものを一般に有効落差という。有効落差に相当する位置エネルギーが水車に動力として供給される。
正解:3.水力発電は昭和30年代前半まで我が国の発電の主力であったが,現在ではエネルギーの安定供給と経済性及び地球環境への貢献の観点から多様な発電方式が運用されており,我が国における水力発電の近年の発電電力量の比率は20 %程度である。
解説:(3)が誤り。我が国の水力発電が発電電力量に占める比率は近年おおむね1割弱で,20 %もない。昭和30年代前半までは水力が主力(水主火従)だったという前半の記述は正しいが,比率の数値が実態と合わない。 (1) ベルヌーイの定理は,位置・圧力・速度の各エネルギーの和が一定という式で,エネルギー保存の法則そのものである。正しい。 (2) 水力発電所は起動・停止が数分で済み,設備の耐用年数が長く,水のエネルギーを電気に変える効率も8割以上と高い。正しい。 (4) 流況曲線は1年365日の流量を大きい順に並べたもので,どれだけの期間どれだけの流量が使えるかが読めるので発電計画に使う。正しい。 (5) 総落差から水路や水圧管での損失水頭を引いたものが有効落差で,これが水車に働く。正しい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 電力 問1
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問242.次の文章は,水車に関する記述である。 水圧管の先端がノズルになっていると,有効落差は全て(ア)エネルギーとなり,水は噴流となって噴出し,ランナのバケットにあたってランナを回転させる。このような水の力で回転する水車を(イ)水車という。 代表的なものとして(ウ)水車があり,(エ)で,流量の比較的少ない場所に用いられ,比速度は(オ)。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 選択肢は「(ア) / (イ) / (ウ) / (エ) / (オ)」の順に示す。
- 1.運動 / 衝動 / ペルトン / 高落差 / 大きい
- 2.圧力 / 反動 / フランシス / 低落差 / 大きい
- 3.位置 / 反動 / カプラン / 高落差 / 大きい
- 4.圧力 / 衝動 / フランシス / 低落差 / 小さい
- 5.運動 / 衝動 / ペルトン / 高落差 / 小さい
正解:5.運動 / 衝動 / ペルトン / 高落差 / 小さい
解説:ノズルから噴出させるということは,落差の持つ位置エネルギーをすべて噴流の速度,すなわち運動エネルギーに変えるということ。(ア)は運動。 その噴流をバケットに当てて,水の勢い(衝撃)だけで回すのが衝動水車である。(イ)は衝動。反動水車は羽根の前後の圧力差も使うので,水が羽根を満たしている必要がある。 衝動水車の代表がペルトン水車。(ウ)はペルトン。 ペルトン水車は高落差・小流量の地点に向く。(エ)は高落差。 比速度は「同じ形の水車を落差1 m・出力1 kWになるように縮めたときの回転速度」で,高落差の水車ほど小さくなる。ペルトン水車の比速度は12〜23 m・kW程度で,水車の中で最も小さい部類である。(オ)は小さい。 答(5)。 比速度の大小はおおよそ ペルトン<フランシス<斜流<カプラン の順で,落差の高い順と逆になる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 電力 問2
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問243.ガスタービン発電と汽力発電を組み合わせたコンバインドサイクル発電方式を,同一出力の汽力発電方式と比較した記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.熱効率が高い。
- 2.起動・停止時間が短い。
- 3.蒸気タービンの出力分担が小さいので,復水器の冷却水量が少ない。
- 4.最大出力が外気温度の影響を受けやすい。
- 5.大型所内補機が多いので,所内率が大きい。
正解:5.大型所内補機が多いので,所内率が大きい。
解説:(5)が誤り。コンバインドサイクルでは蒸気タービン側の分担が小さくなるぶん,ボイラ給水ポンプや通風機といった大型の所内補機が小さくて済む。したがって所内率はむしろ小さくなる。 (1) ガスタービンの排熱で蒸気を作って二段階に使うので,同じ出力の汽力より熱効率が高い。正しい。 (2) 大きなボイラを暖める必要がないので起動・停止が速く,需給変動への追従に向く。正しい。 (3) 蒸気タービンの出力分担が小さければ復水器で捨てる熱も少なくなるので,冷却水量が少なくて済む。正しい。 (4) ガスタービンは空気を吸い込んで圧縮するので,外気温度が上がると空気密度が下がって出力が落ちる。汽力より外気温度の影響を受けやすい。正しい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 電力 問3
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問244.次の文章は,原子炉の型と特性に関する記述である。 軽水炉は,(ア)を原子燃料とし,冷却材と(イ)に軽水を用いた原子炉であり,我が国の商用原子力発電所に広く用いられている。この軽水炉には,蒸気を原子炉の中で直接発生する(ウ)原子炉と蒸気発生器を介して蒸気を作る(エ)原子炉とがある。 軽水炉では,何らかの原因により原子炉の核分裂反応による熱出力が増加して,炉内温度が上昇した場合でも,燃料の温度上昇にともなってウラン238による中性子の吸収が増加する(オ)により,出力が抑制される。このような働きを原子炉の固有の安全性という。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 選択肢は「(ア) / (イ) / (ウ) / (エ) / (オ)」の順に示す。
- 1.低濃縮ウラン / 減速材 / 沸騰水型 / 加圧水型 / ドップラー効果
- 2.高濃縮ウラン / 減速材 / 沸騰水型 / 加圧水型 / ボイド効果
- 3.プルトニウム / 加速材 / 加圧水型 / 沸騰水型 / ボイド効果
- 4.低濃縮ウラン / 減速材 / 加圧水型 / 沸騰水型 / ボイド効果
- 5.高濃縮ウラン / 加速材 / 沸騰水型 / 加圧水型 / ドップラー効果
正解:1.低濃縮ウラン / 減速材 / 沸騰水型 / 加圧水型 / ドップラー効果
解説:(ア) 商用の軽水炉が使うのはウラン235を3〜5 %程度に濃縮した低濃縮ウランである。高濃縮ウランは研究炉や軍事用のもの。 (イ) 軽水は冷却材であると同時に,中性子の速度を落として核分裂を起こしやすくする減速材でもある。核分裂には速い中性子ではなく遅い(熱)中性子が要るので,「加速材」という語自体が原子炉には出てこない。 (ウ)(エ) 原子炉の中で直接蒸気を作るのが沸騰水型(BWR),一次冷却水を加圧して沸騰させず,蒸気発生器を介して二次側で蒸気を作るのが加圧水型(PWR)である。 (オ) 燃料の温度が上がるとウラン238の中性子吸収の共鳴ピークが温度で広がり,中性子をよけいに吸うようになって反応が抑えられる。これをドップラー効果という。ボイド効果は冷却材が沸騰して泡(ボイド)ができることで減速材が減り反応が抑えられる別の働きで,燃料温度の話ではない。 答(1)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 電力 問4
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問245.各種発電に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.太陽光発電は,太陽電池によって直流の電力を発生させる。需要地点で発電が可能,発生電力の変動が大きい,などの特徴がある。
- 2.地熱発電は,地下から取り出した蒸気又は熱水の気化で発生させた蒸気によってタービンを回転させる発電方式である。発電に適した地熱資源を見つけるために,適地調査に多額の費用と長い期間がかかる。
- 3.バイオマス発電は,植物などの有機物から得られる燃料を利用した発電方式である。さとうきびから得られるエタノールや,家畜の糞から得られるメタンガスなどが燃料として用いられている。
- 4.風力発電は,風のエネルギーによって風車で発電機を駆動し発電を行う。プロペラ型風車は羽根の角度により回転速度の制御が可能である。設定値を超える強風時には羽根の面を風向きに平行になるように制御し,ブレーキ装置によって風車を停止させる。
- 5.燃料電池発電は,水素と酸素との化学反応を利用して直流の電力を発生させる。発電に伴って発生する熱を給湯などに利用できるが,発電時の振動や騒音が大きい。
正解:5.燃料電池発電は,水素と酸素との化学反応を利用して直流の電力を発生させる。発電に伴って発生する熱を給湯などに利用できるが,発電時の振動や騒音が大きい。
解説:(5)が誤り。燃料電池はタービンや発電機のような回転する部分を持たず,水素と酸素の化学反応で直接発電するので,振動や騒音は小さい。住宅に置けるのはこの静かさがあってこそである。 (1) 太陽電池が出すのは直流で,屋根の上など需要地点にそのまま置ける。日射に左右されるので出力の変動は大きい。正しい。 (2) 地熱発電は蒸気でタービンを回す。どこに使える地熱資源があるかは掘ってみないと分からず,調査に費用も年月もかかる。正しい。 (3) さとうきび由来のエタノール,家畜の糞尿から得るメタンガスは,いずれも代表的なバイオマス燃料である。正しい。 (4) プロペラ型はピッチ角(羽根の角度)で回転速度を調整でき,強風時には羽根を風と平行に向けて風を受け流し(フェザリング),ブレーキで止める。正しい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 電力 問5
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問246.定格値が一次電圧66 kV,二次電圧6.6 kV,容量30 MV・Aの三相変圧器がある。一次側に換算した漏れリアクタンスの値が14.5 Ωのとき,百分率リアクタンスの値[%]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.3.3
- 2.5.8
- 3.10.0
- 4.17.2
- 5.30.0
正解:3.10.0
解説:百分率リアクタンスは,定格電流を流したときのリアクタンスによる電圧降下が定格電圧の何 %になるかを表す。三相で線間電圧V[V],容量P[V・A]を使うと %X = P X / V² × 100 と書ける(%X=√3 I X/(V/√3)×100 に I=P/(√3V) を入れると同じ式になる)。 数値を入れると %X = 30×10⁶ × 14.5 / (66×10³)² × 100 = 4.35×10⁸/(4.356×10⁹) × 100 = 9.99 ≒ 10.0 %。答(3)。 一次側に換算した値と一次側の定格電圧・容量を組で使うことが要点。二次側の6.6 kVを混ぜて計算してはいけない(百分率で表すと一次側で計算しても二次側で計算しても同じ値になる)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 電力 問6
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問247.次の文章は,変圧器の結線方式に関する記述である。 変圧器の一次側,二次側の結線にY結線及びΔ結線を用いる方式は,結線の組合せにより四つのパターンがある。このうち,(ア)結線はひずみ波の原因となる励磁電流の第3高調波が環流し,吸収される効果が得られるが,一方で中性点の接地が必要となる場合は適さない。(イ)結線は一次側,二次側とも中性点接地が可能という特徴を有する。(ウ)結線及び(エ)結線は第3高調波の環流回路があり,一次側若しくは二次側の中性点接地が可能である。(ウ)結線は昇圧用に,(エ)結線は降圧用に用いられることが多い。 特別高圧系統では変圧器中性点を各種の方法で接地することから,(イ)結線の変圧器が用いられるが,第3高調波の環流の効果を得る狙いから(オ)結線を用いた三次巻線を採用していることが多い。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし,(ア)〜(エ)の左側は一次側,右側は二次側の結線を表す。 選択肢は「(ア) / (イ) / (ウ) / (エ) / (オ)」の順に示す。
- 1.Y−Y / Δ−Δ / Y−Δ / Δ−Y / Δ
- 2.Δ−Δ / Y−Y / Δ−Y / Y−Δ / Δ
- 3.Δ−Δ / Y−Y / Y−Δ / Δ−Y / Δ
- 4.Y−Δ / Δ−Y / Δ−Δ / Y−Y / Y
- 5.Δ−Δ / Y−Y / Δ−Y / Y−Δ / Y
正解:2.Δ−Δ / Y−Y / Δ−Y / Y−Δ / Δ
解説:第3高調波が環流できるのはΔ結線の閉じた回路の中だけで,中性点を出せるのはY結線だけ,という2点で整理する。 (ア) 第3高調波が環流して吸収されるが中性点が出せない=両側ともΔの Δ−Δ 結線。 (イ) 一次側・二次側とも中性点接地ができる=両側ともYの Y−Y 結線。ただしΔが無いので第3高調波の逃げ場がなく,そのままでは電圧波形がひずむ。 (ウ)(エ) 片側がΔで片側がYなら,Δ側で環流でき,Y側で中性点接地ができる。昇圧用は発電機側(低圧側)をΔにして送電側(高圧側)をYにするので Δ−Y,降圧用はその逆で Y−Δ。 (オ) Y−Y結線の弱点を補うために,第3高調波を環流させる目的でΔ結線の三次巻線を足す。これがY−Y−Δ結線である。 答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 電力 問7
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問248.架空送電線路の構成要素に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 選択肢は「名称 : 説明」の形で示す。
- 1.アークホーン : がいしの両端に設けられた金属電極をいい,雷サージによるフラッシオーバの際生じるアークを電極間に生じさせ,がいし破損を防止するものである。
- 2.トーショナルダンパ : 着雪防止が目的で電線に取り付ける。風による振動エネルギーで着雪を防止し,ギャロッピングによる電線間の短絡事故などを防止するものである。
- 3.アーマロッド : 電線の振動疲労防止やアークスポットによる電線溶断防止のため,クランプ付近の電線に同一材質の金属を巻き付けるものである。
- 4.相間スペーサ : 強風などによる電線相互の接近及び衝突を防止するため,電線相互の間隔を保持する器具として取り付けるものである。
- 5.埋設地線 : 塔脚の地下に放射状に埋設された接地線,あるいは,いくつかの鉄塔を地下で連結する接地線をいい,鉄塔の塔脚接地抵抗を小さくし,逆フラッシオーバを抑止する目的等のため取り付けるものである。
正解:2.トーショナルダンパ : 着雪防止が目的で電線に取り付ける。風による振動エネルギーで着雪を防止し,ギャロッピングによる電線間の短絡事故などを防止するものである。
解説:(2)が誤り。ダンパは名前のとおり電線の振動を抑える器具で,着雪防止を目的とするものではない。トーショナルダンパは,電線の上下方向の振動を,減衰させやすいねじれ方向の振動に変えてエネルギーを吸収するものである。 着雪対策に使うのは難着雪リングやスパイラルロッドといった別の器具で,ギャロッピングによる相間の短絡を防ぐのは(4)の相間スペーサである。なお名前のよく似た「ねじれ防止ダンパ」は着雪対策の器具なので,紛らわしい。 (1) アークホーンはがいし連の上下に付けた角状の電極で,フラッシオーバのアークをがいし本体から離れた電極間で起こさせ,がいしの熱破損を防ぐ。正しい。 (3) アーマロッドはクランプ付近の電線に同じ材質の金属を巻き付け,振動による疲労断線とアークによる溶断を防ぐ。正しい。 (5) 埋設地線(カウンターポイズ)は塔脚接地抵抗を下げ,鉄塔電位の上昇による逆フラッシオーバを防ぐ。正しい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 電力 問8
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問249.交流三相3線式1回線の送電線路があり,受電端に遅れ力率角θ[rad]の負荷が接続されている。送電端の線間電圧をV_s[V],受電端の線間電圧をV_r[V],その間の相差角はδ[rad]である。 受電端の負荷に供給されている三相有効電力[W]を表す式として,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 ただし,送電端と受電端の間における電線1線当たりの誘導性リアクタンスはX[Ω]とし,線路の抵抗,静電容量は無視するものとする。
- 1.(V_s V_r/X) sin δ
- 2.(√3 V_s V_r/X) cos θ
- 3.(√3 V_s V_r/X) sin δ
- 4.(V_s V_r/X) cos δ
- 5.V_s V_r/(X sin δ) × cos θ
正解:1.(V_s V_r/X) sin δ
解説:1相分で考える。相電圧は線間電圧の1/√3 なので E_s=V_s/√3,E_r=V_r/√3。抵抗を無視したリアクタンスだけの線路では,1相の有効電力は P₁=(E_s E_r/X) sin δ で表される(送電端と受電端の相電圧のなす角がδ)。 三相合計はこれを3倍して P=3×(V_s/√3)(V_r/√3)/X × sin δ=3×V_s V_r/(3X) × sin δ=(V_s V_r/X) sin δ。 答(1)。 √3 が消えるのがこの式の特徴で,線間電圧をそのまま入れて係数を付けない形になる。また電力を決めるのは相差角δであって負荷の力率角θではないので,θを含む(2)や(5)は形からして違う。δ=0のとき電力が0になる必要があるため,cos δ の(4)も除ける。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 電力 問9
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問250.地中送配電線の主な布設方式である直接埋設式,管路式及び暗きょ式について,各方式の特徴に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.直接埋設式は,他の方式と比較して工事費が少なく,工事期間が短い。
- 2.管路式は,直接埋設式と比較してケーブル外傷事故の危険性が少なく,ケーブルの増設や撤去に便利である。
- 3.管路式は,他の方式と比較して熱放散が良く,ケーブル条数が増加しても送電容量の制限を受けにくい。
- 4.暗きょ式は,他の方式と比較して工事費が多大であり,工事期間が長い。
- 5.暗きょ式は,他の方式と比較してケーブルの保守点検作業が容易であり,多条数の布設に適している。
正解:3.管路式は,他の方式と比較して熱放散が良く,ケーブル条数が増加しても送電容量の制限を受けにくい。
解説:(3)が誤り。管路式はケーブルと土壌の間に管と空気の層が入るため熱が逃げにくく,3方式の中で熱放散は最も悪い。条数が増えるとお互いの発熱で温度が上がり,送電容量の制限を受けやすくなる。 (1) 直接埋設式はケーブルを直接土中に埋めるだけなので,工事費も工事期間も最も小さい。正しい。 (2) 管路式は管の中を通すのでケーブルが外から傷つけられにくく,掘り返さずに引き入れ・引き抜きができるので増設や撤去に便利である。正しい。 (4)(5) 暗きょ式は人が入れるトンネルや洞道を作るので工事費も期間もかかるが,そのぶん保守点検がしやすく,多条数を通せる。正しい。 熱放散が最も良いのは暗きょ式(換気ができる),次いで直接埋設式(土に直接触れる)で,管路式が最も悪いという順で覚えるとよい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 電力 問10
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問251.次の文章は,電力の需要と供給に関する記述である。 電力の需要は1日の間で大きく変動し,一般に日中に需要が最大となる。一方で,(ア)の大量導入に伴って,日中の発電量が需要を上回る事例も報告されている。需要電力の平準化や,電力の需給バランスの確保のために,(イ)発電が用いられている。また近年では,(ウ)電池などの電力貯蔵装置の技術が向上している。 天候の急変時や発電所の故障発生時にも周波数を標準周波数へと回復させるために,(エ)が確保されている。部分負荷運転中の水力発電機や(オ)発電機などが(エ)の対象となる。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 選択肢は「(ア) / (イ) / (ウ) / (エ) / (オ)」の順に示す。
- 1.ベース供給力 / 流込み式 / 燃料 / 運転予備力 / 原子力
- 2.ベース供給力 / 揚水式 / 蓄 / 運転予備力 / 原子力
- 3.ベース供給力 / 流込み式 / 燃料 / ミドル供給力 / 火力
- 4.太陽光発電 / 揚水式 / 燃料 / ミドル供給力 / 火力
- 5.太陽光発電 / 揚水式 / 蓄 / 運転予備力 / 火力
正解:5.太陽光発電 / 揚水式 / 蓄 / 運転予備力 / 火力
解説:(ア) 日中の発電量が需要を上回る(出力制御が必要になる)事例を起こしているのは太陽光発電の大量導入である。日中に発電が集中するという性質がそのまま理由になっている。 (イ) 余った電力で水をくみ上げ,必要なときに落として発電することで需要を平準化するのは揚水式である。流込み式は川の流量そのままに発電するので調整には使えない。 (ウ) 電力貯蔵装置は蓄電池。「燃料電池」は貯蔵装置ではなく発電装置である。 (エ) 天候の急変や発電所の故障に対し,10分程度以内に出力を上げて周波数を回復させるために確保しておく余力が運転予備力である。ミドル供給力は日中の需要増を担う電源の区分の名前で,予備力のことではない。 (オ) 運転予備力の対象になるのは,部分負荷で運転していてすぐ出力を上げられる水力発電機や火力発電機である。原子力は一定出力での運転が基本で,出力の上げ下げによる調整には使わない。 答(5)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 電力 問11
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問252.次の文章は,配電線路の電圧調整に関する記述である。 配電線路より電力供給している需要家への供給電圧を適正範囲に維持するため,配電用変電所では,(ア)などによって,負荷変動に応じて変電所二次側母線電圧を調整している。高圧配電線路においては,柱上変圧器の(イ)によって低圧配電線路の電圧調整を行っていることが多い。また,高圧配電線路のこう長が長い場合や分散型電源が多く接続されている場合など,電圧変動が大きく,配電用変電所の(ア)や柱上変圧器の(イ)によっても供給電圧を許容範囲に抑えることが難しい場合は,(ウ)や,開閉器付電力用コンデンサなどを高圧配電線路に施設することがある。さらに,電線の(エ)によって電圧降下を軽減する対策をとることもある。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 選択肢は「(ア) / (イ) / (ウ) / (エ)」の順に示す。
- 1.負荷時電圧調整器 / タップ調整 / バランサ / 細線化
- 2.計器用変成器 / 取替 / ステップ式自動電圧調整器 / 細線化
- 3.負荷時電圧調整器 / タップ調整 / ステップ式自動電圧調整器 / 太線化
- 4.計器用変成器 / タップ調整 / ステップ式自動電圧調整器 / 細線化
- 5.負荷時電圧調整器 / 取替 / バランサ / 太線化
正解:3.負荷時電圧調整器 / タップ調整 / ステップ式自動電圧調整器 / 太線化
解説:(ア) 変電所で負荷変動に応じて二次側母線電圧を自動で変えるのは負荷時電圧調整器(LRA)や負荷時タップ切換変圧器である。計器用変成器は電圧・電流を計器用に小さくする測定用の機器で,調整はしない。 (イ) 柱上変圧器の電圧調整は,一次側の巻線に出したタップを選び直すタップ調整で行う。柱上変圧器そのものを取り替えるわけではない。 (ウ) 線路の途中に置いて電圧を段階的に持ち上げるのがステップ式自動電圧調整器(SVR)である。バランサは単相3線式の電圧不平衡を直す機器で,こう長が長いことによる電圧降下の対策ではない。 (エ) 電圧降下は電線の抵抗に比例するので,電線を太くする太線化で軽減する。細線化では抵抗が増えて逆効果になる。 答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 電力 問12
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問253.低圧ネットワーク方式(レギュラーネットワーク方式ともいう)では,給電線である複数の特別高圧配電線路から,ネットワーク変圧器を経て,低圧配電線路に電力が供給される。低圧ネットワーク方式に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.一般的に,ネットワーク変圧器二次側に,保護装置としてネットワークプロテクタが設置されており,ネットワーク変圧器一次側の遮断器やヒューズを省略することができる。
- 2.低圧配電線路を格子状に接続したネットワークから,各需要家に供給する。
- 3.給電線のうちの一つに事故が発生すると,他の健全な給電線に供給系統を切り替える間,低圧配電線路が停電する。
- 4.樹枝状配電線路と比較して電圧変動や電力損失を小さくすることができる。
- 5.建設費が高くなるので,大都市のような需要家の多い地域で用いられる。
正解:3.給電線のうちの一つに事故が発生すると,他の健全な給電線に供給系統を切り替える間,低圧配電線路が停電する。
解説:(3)が誤り。低圧ネットワーク方式は,複数の給電線から常時同時に供給しておく方式である。1回線が事故になっても,その回線のネットワークプロテクタが自動で切り離すだけで,残りの健全な回線から供給が続く。切替えの待ち時間も停電も生じない(無停電供給)というのが,この方式を採る最大の理由である。 (1) 二次側のネットワークプロテクタが逆電力を検出して自動遮断・自動投入を行うので,一次側の遮断器やヒューズを省ける。正しい。 (2) 低圧側を格子(ネットワーク)状につないで各需要家に供給する。正しい。 (4) 複数方向から供給されるので,1本の線に流れる電流が減り,電圧変動も電力損失も小さくなる。正しい。 (5) 変圧器も保護装置も回線数だけ必要で建設費が高いため,需要密度の高い大都市の中心部に限って使われる。正しい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 電力 問13
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問254.次の文章は,絶縁油の性質に関する記述である。 絶縁油は変圧器やOFケーブルなどに使用されており,一般に絶縁破壊電圧は同じ圧力の空気と比べて高く,誘電正接が(ア)絶縁油を用いることで絶縁油中の(イ)を抑えることができる。電力用機器の絶縁油として古くから(ウ)が一般的に用いられてきたが,より優れた低損失性や信頼性が求められる場合には(エ)が採用されている。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 選択肢は「(ア) / (イ) / (ウ) / (エ)」の順に示す。
- 1.大きい / 部分放電 / 植物油 / 鉱油
- 2.小さい / 発熱 / 鉱油 / 合成油
- 3.大きい / 発熱 / 植物油 / 鉱油
- 4.小さい / 部分放電 / 鉱油 / 合成油
- 5.小さい / 発熱 / 植物油 / 合成油
正解:2.小さい / 発熱 / 鉱油 / 合成油
解説:(ア)(イ) 誘電正接 tanδ は絶縁物に交流電圧をかけたときにどれだけ損失(誘電損)が生じるかを表す量で,値が小さいほど損失が小さい。誘電損はそのまま熱になるので,tanδ の小さい油を使えば絶縁油中の発熱を抑えられる。部分放電はボイド(気泡)や異物が原因で起きるもので,tanδ の大小で決まるものではない。 (ウ)(エ) 電力用機器の絶縁油として古くから使われてきたのは石油から精製した鉱油である。より低損失で信頼性の高い性能が要る場合には,アルキルベンゼンなどの合成油が使われる。植物油は環境負荷の小ささから近年使われ始めたもので,「古くから一般的」ではない。 答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 電力 問14
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問255.復水器での冷却に海水を使用する汽力発電所が出力600 MWで運転しており,復水器冷却水量が24 m³/s,冷却水の温度上昇が7 ℃であるとき,次の問に答えよ。 ただし,海水の比熱を4.02 kJ/(kg・K),密度を1.02×10³ kg/m³,発電機効率を98 %とする。 〔小問(a)〕 復水器で海水へ放出される熱量の値[kJ/s]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.4.25×10⁴
- 2.1.71×10⁵
- 3.6.62×10⁵
- 4.6.89×10⁵
- 5.8.61×10⁵
正解:4.6.89×10⁵
解説:冷却水が持ち去る熱量は「質量流量×比熱×温度上昇」で求める。 まず体積流量を質量流量に直す。24 m³/s×1.02×10³ kg/m³=24 480 kg/s。 したがって Q=24 480×4.02×7=24 480×28.14≒6.89×10⁵ kJ/s。答(4)。 体積流量のまま比熱を掛けると 24×4.02×7=675 となり桁が合わない。密度を掛けて質量に直す手順が要る。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 電力 問15(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問256.復水器での冷却に海水を使用する汽力発電所が出力600 MWで運転しており,復水器冷却水量が24 m³/s,冷却水の温度上昇が7 ℃であるとき,次の問に答えよ。 ただし,海水の比熱を4.02 kJ/(kg・K),密度を1.02×10³ kg/m³,発電機効率を98 %とする。 〔小問(b)〕 タービン室効率の値[%]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 ただし,条件を示していない損失は無視できるものとする。 (小問(a)より,復水器で海水へ放出される熱量は約6.89×10⁵ kJ/sである。)
- 1.41.5
- 2.46.5
- 3.47.0
- 4.47.5
- 5.48.0
正解:3.47.0
解説:タービン室効率は,タービンが取り出した機械出力を,タービン室に入った蒸気の熱量で割った値である。 まずタービンの出力を出す。発電機出力600 MWは発電機効率98 %を通ったあとの値なので,タービンの出力は 600×10³/0.98≒612 245 kW(=kJ/s)。 次に入った熱量を出す。示されていない損失は無視してよいので,タービン室に入った熱はタービンの出力と復水器で捨てた熱に分かれたと考える。 612 245+688 867≒1 301 112 kJ/s。 したがって タービン室効率=612 245/1 301 112≒0.4706=47.1 %。最も近いのは47.0で答(3)。 発電機効率で割る(掛けるのではない)向きに注意する。600 MWをそのまま分子にすると 600 000/1 288 867≒46.6 %となり(2)を選んでしまう。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 電力 問15(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問257.電線1線の抵抗が6 Ω,誘導性リアクタンスが4 Ωである三相3線式送電線について,次の問に答えよ。 〔小問(a)〕 受電端電圧を60 kV,送電線での電圧降下率を受電端電圧基準で10 %に保つものとする。この受電端に,力率80 %(遅れ)の負荷を接続する。この場合,受電可能な三相皮相電力の値[MV・A]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.28.9
- 2.42.9
- 3.50.0
- 4.60.5
- 5.86.6
正解:3.50.0
解説:受電端電圧基準の電圧降下率10 %なので,許される電圧降下は v=0.10×60×10³=6 000 V。 三相3線式の電圧降下の近似式は v=√3 I(R cosθ+X sinθ) で,力率80 %(遅れ)だから cosθ=0.8,sinθ=0.6。 6 000=√3×I×(6×0.8+4×0.6)=√3×I×7.2 I=6 000/(1.732×7.2)≒481.1 A。 三相皮相電力は S=√3 V_r I=1.732×60×10³×481.1≒50.0×10⁶ V・A=50.0 MV・A。答(3)。 電圧降下の式に力率が入る点が要点で,cosθだけで計算して sinθ の項を落とすと 6×0.8=4.8 となり I が大きく出てしまう。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 電力 問16(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問258.電線1線の抵抗が6 Ω,誘導性リアクタンスが4 Ωである三相3線式送電線について,次の問に答えよ。 〔小問(b)〕 受電端に接続する負荷の条件を,遅れ力率60 %,三相皮相電力65 MV・Aに変更することになった。この場合でも,受電端電圧を60 kV,送電線での電圧降下率を受電端電圧基準で10 %に保ちたい。受電端に設置された調相設備から系統に供給すべき無効電力の値[Mvar]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.12.0
- 2.20.5
- 3.27.0
- 4.31.5
- 5.47.1
正解:2.20.5
解説:電圧降下は,有効電力と無効電力を使うと v=(P R+Q X)/V_r と書ける(P,Qは三相分,V_rは線間電圧)。ここでQは送電線を流れる無効電力である。 許される電圧降下は(a)と同じ 6 000 V なので,送電線に流してよい無効電力Qは 6 000=(P×6+Q×4)/(60×10³) P=65×0.6=39 MWだから 6 000×60×10³=39×10⁶×6+4Q 3.6×10⁸=2.34×10⁸+4Q → Q=3.15×10⁷=31.5 Mvar。 一方,負荷が消費する無効電力は Q_L=65×√(1−0.6²)=65×0.8=52 Mvar。 差の 52−31.5=20.5 Mvar を受電端の調相設備(電力用コンデンサ)から出せば,送電線を流れる無効電力が31.5 Mvarに収まる。答(2)。 (4)の31.5は「送電線に流してよい無効電力」そのもので,調相設備が出す量ではない。求めるのは負荷の52 Mvarとの差である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 電力 問16(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問259.図のように配電用変圧器二次側の単相3線式低圧配電線路に負荷A及び負荷Bが接続されている場合について,次の問に答えよ。ただし,変圧器は,励磁電流,内部電圧降下及び内部損失などを無視できる理想変圧器で,一次電圧は6 600 V,二次電圧は110/220 Vで一定であるものとする。また,低圧配電線路及び中性線の電線1線当たりの抵抗は0.06 Ω,負荷A及び負荷Bは純抵抗負荷とし,これら以外のインピーダンスは考慮しないものとする。 〔小問(a)〕 変圧器の電流を測定したところ,一次電流が5 A,二次電流I_aとI_bの比が2:3であった。二次側低圧配電線路及び中性線における損失の合計値[kW]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.2.59
- 2.2.81
- 3.3.02
- 4.5.83
- 5.8.21
正解:3.3.02
解説:まず二次側の電流を出す。理想変圧器なので一次側の電力がそのまま二次側へ渡る。 一次側の電力=6 600×5=33 000 W。 二次側は110 Vの巻線が2つで,それぞれI_a,I_bが流れるので 110(I_a+I_b)=33 000 → I_a+I_b=300 A。 I_a:I_b=2:3なので I_a=120 A,I_b=180 A。 中性線には両者の差が流れる。I_n=180−120=60 A。 損失は3本の電線それぞれの I²R の合計だから P=0.06×(120²+180²+60²)=0.06×(14 400+32 400+3 600)=0.06×50 400=3 024 W≒3.02 kW。答(3)。 中性線の分(0.06×60²=216 W)を忘れると 2 808 W=2.81 kWとなり(2)を選んでしまう。単相3線式では負荷が不平衡なぶんが中性線に流れる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 電力 問17(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問260.図のように配電用変圧器二次側の単相3線式低圧配電線路に負荷A及び負荷Bが接続されている場合について,次の問に答えよ。ただし,変圧器は,励磁電流,内部電圧降下及び内部損失などを無視できる理想変圧器で,一次電圧は6 600 V,二次電圧は110/220 Vで一定であるものとする。また,低圧配電線路及び中性線の電線1線当たりの抵抗は0.06 Ω,負荷A及び負荷Bは純抵抗負荷とし,これら以外のインピーダンスは考慮しないものとする。 〔小問(b)〕 低圧配電線路の中性線が点Fで断線した場合に負荷Aにかかる電圧の値[V]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 (小問(a)より,断線前の電流は I_a=120 A,I_b=180 A,中性線の電流は60 Aである。)

- 1.88
- 2.106
- 3.123
- 4.127
- 5.138
正解:4.127
解説:断線前の状態から,まず負荷A・Bの抵抗値を出す。 中性線には,負荷B側へ余分に流れる60 Aが変圧器側から負荷側へ向かって流れているので,負荷側の中性点は変圧器の中性点より 60×0.06=3.6 V 低い。 負荷Aにかかる電圧は 110−120×0.06+3.6=110−7.2+3.6=106.4 V。よって R_A=106.4/120≒0.8867 Ω。 負荷Bにかかる電圧は 110−180×0.06−3.6=110−10.8−3.6=95.6 V。よって R_B=95.6/180≒0.5311 Ω。 中性線が断線すると,負荷Aと負荷Bは220 Vに対して直列につながる形になる。回路全体の抵抗は 0.06+0.8867+0.5311+0.06≒1.5378 Ω 流れる電流は I=220/1.5378≒143.1 A。 負荷Aにかかる電圧は V_A=143.1×0.8867≒126.8 V。最も近いのは127で答(4)。 断線すると,抵抗の大きい側(軽い負荷側)に高い電圧がかかる。負荷Aは断線前の106 Vから127 Vへ上がっており,機器が過電圧で壊れうる。これが単相3線式で中性線の断線を特に警戒する理由である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 電力 問17(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問261.水力発電に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.水車発電機の回転速度は,汽力発電と比べて小さいため,発電機の磁極数は多くなる。
- 2.水車発電機の電圧の大きさや周波数は,自動電圧調整器や調速機を用いて制御される。
- 3.フランシス水車やペルトン水車などで用いられる吸出し管は,水車ランナと放水面までの落差を有効に利用し,水車の出力を増加する効果がある。
- 4.我が国の大部分の水力発電所において,水車や発電機の始動・運転・停止などの操作は遠隔監視制御方式で行われ,発電所は無人化されている。
- 5.カプラン水車は,プロペラ水車の一種で,流量に応じて羽根の角度を調整することができるため部分負荷での効率の低下が少ない。
正解:3.フランシス水車やペルトン水車などで用いられる吸出し管は,水車ランナと放水面までの落差を有効に利用し,水車の出力を増加する効果がある。
解説:吸出し管は,ランナを出た水の速度エネルギーを回収し,ランナから放水面までの落差も利用するための管である。使えるのは水がランナを満たして流れる反動水車,すなわちフランシス水車・プロペラ水車・カプラン水車に限られる。 ペルトン水車は,ノズルから噴射した水をバケットに当てて回す衝動水車である。ランナは空気中にあって水に浸っていないので,吸出し管を付けることができない。したがって「フランシス水車やペルトン水車などで用いられる」とする(3)が誤りで,これが答になる。 他の記述を確かめる。(1)水車は汽力のタービンより回転が遅いので,同じ周波数を出すには磁極数を増やす(N=120f/p)。(2)電圧は自動電圧調整器,周波数は回転速度なので調速機で制御する。(4)遠隔監視制御による無人化は我が国の水力発電所で一般的である。(5)カプラン水車は羽根の角度を変えられるので,流量が減っても効率が落ちにくい。 衝動水車か反動水車かで吸出し管の有無が決まる,というのがこの問題の要点である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 電力 問1
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問262.次の文章は,火力発電所のタービン発電機に関する記述である。 火力発電所のタービン発電機は,2極の回転界磁形三相 (ア) 発電機が広く用いられている。 (イ) 強度の関係から,回転子の構造は (ウ) で直径が (エ) 。発電機の大容量化に伴い冷却方式も工夫され,大容量タービン発電機の場合には密封形 (オ) 冷却方式が使われている。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.同期 / 熱的 / 突極形 / 小さい / 窒素
- 2.誘導 / 熱的 / 円筒形 / 大きい / 水素
- 3.同期 / 機械的 / 円筒形 / 小さい / 水素
- 4.誘導 / 機械的 / 突極形 / 大きい / 窒素
- 5.同期 / 機械的 / 突極形 / 小さい / 窒素
正解:3.同期 / 機械的 / 円筒形 / 小さい / 水素
解説:(ア) 発電所で系統に電気を送る発電機は同期発電機である。誘導発電機は風力などで使うが,大容量の火力には用いない。 (イ)(ウ)(エ) 2極機は50 Hzで3 000 min⁻¹,60 Hzで3 600 min⁻¹という高速で回る。突極形は磁極が飛び出しているため遠心力に耐えられない。そこで機械的強度を確保するために,表面がなめらかで風損も小さい円筒形(非突極形)とし,遠心力は半径に比例するので直径を小さくして軸方向に長くする。水力の水車発電機が低速で直径の大きい突極形になるのと,ちょうど逆になる。 (オ) 大容量機の冷却には,空気より熱伝導率が高く密度が小さい(風損が小さい)水素が使われる。水素は漏れると危険なので密封形にする。 同期/機械的/円筒形/小さい/水素となり答(3)。 (イ)を熱的強度と読むと(2)を選んでしまうが,回転子の形を決めているのは高速回転による遠心力,すなわち機械的強度である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 電力 問2
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問263.ある汽力発電設備が,発電機出力19 MWで運転している。このとき,蒸気タービン入口における蒸気の比エンタルピーが3 550 kJ/kg,復水器入口における蒸気の比エンタルピーが2 500 kJ/kg,使用蒸気量が80 t/hであった。発電機効率が95 %であるとすると,タービン効率の値[%]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.71
- 2.77
- 3.81
- 4.86
- 5.90
正解:4.86
解説:タービン効率は「タービンが取り出した仕事」÷「蒸気がタービンに持ち込んだ熱量」である。分母と分子をそれぞれ作る。 分母。使用蒸気量は 80 t/h=80 000 kg/h=80 000/3 600≒22.22 kg/s。タービン入口と復水器入口の比エンタルピーの差は 3 550−2 500=1 050 kJ/kg だから 22.22×1 050≒23 333 kW=23.33 MW。 分子。発電機出力19 MWは発電機の効率95 %を通ったあとの値なので,タービンの出力は 19/0.95=20 MW。 よってタービン効率は 20/23.33≒0.857=86 %。答(4)。 発電機効率で割り戻すのを忘れると 19/23.33≒0.814 で(3)の81を選ぶ。19 MWは発電機の出口の値であって,タービンの出口の値ではない。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 電力 問3
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問264.沸騰水型原子炉(BWR)に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.燃料には低濃縮ウランを,冷却材及び減速材には軽水を使用する。
- 2.加圧水型原子炉(PWR)に比べて原子炉圧力が低く,蒸気発生器が無いので構成が簡単である。
- 3.出力調整は,制御棒の抜き差しと再循環ポンプの流量調節により行う。
- 4.制御棒は,炉心上部から燃料集合体内を上下することができる構造となっている。
- 5.タービン系統に放射性物質が持ち込まれるため,タービン等に遮へい対策が必要である。
正解:4.制御棒は,炉心上部から燃料集合体内を上下することができる構造となっている。
解説:BWRは炉心で直接蒸気を作る。炉心の上部には気水分離器と蒸気乾燥器が置かれていて,制御棒を上から入れる場所がない。そのためBWRの制御棒は炉心の下部から上へ押し込む構造になっている。「炉心上部から」とする(4)が誤りで,これが答になる。 上から挿入するのはPWRである。PWRは炉心で沸騰させないので上部に気水分離器が要らず,制御棒を重力で落として止めることもできる。 他の記述を確かめる。(1)軽水炉なので燃料は低濃縮ウラン,冷却材と減速材はどちらも軽水。(2)BWRは沸騰させるぶん圧力が低く(約7 MPa。PWRは約15 MPa),蒸気発生器が要らない。(3)制御棒に加えて再循環流量でボイド量を変えて出力を調整できるのがBWRの特徴。(5)炉心の蒸気がそのままタービンへ行くので,タービン側にも遮へいが要る。 上から入れるか下から入れるかは,炉心の上に何があるかで決まる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 電力 問4
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問265.次の文章は,風力発電に関する記述である。 風力発電は,風のエネルギーによって風車で発電機を駆動し発電を行う。風車は回転軸の方向により水平軸風車と垂直軸風車に分けられ,大電力用には主に (ア) 軸風車が用いられる。 風がもつ運動エネルギーは風速の (イ) 乗に比例する。また,プロペラ型風車を用いた風力発電で取り出せる電力は,損失を無視すると風速の (ウ) 乗に比例する。風が得られれば電力を発生できるため,発電するときに二酸化炭素を排出しない再生可能エネルギーであり,また,出力変動の (エ) 電源とされる。 発電機には誘導発電機や同期発電機が用いられる。同期発電機を用いてロータの回転速度を可変とした場合には,発生した電力は (オ) を介して電力系統へ送電される。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.水平 / 2 / 2 / 小さい / 増速機
- 2.水平 / 2 / 3 / 大きい / 電力変換装置
- 3.水平 / 3 / 3 / 大きい / 電力変換装置
- 4.垂直 / 3 / 2 / 小さい / 増速機
- 5.垂直 / 2 / 3 / 大きい / 電力変換装置
正解:2.水平 / 2 / 3 / 大きい / 電力変換装置
解説:(ア) 大型の風力発電機はほとんどがプロペラ型で,回転軸が地面と平行な水平軸風車である。垂直軸風車は風向きを選ばない利点があるが,大電力用には普及していない。 (イ) 運動エネルギーは ½mv² なので風速の2乗に比例する。 (ウ) 電力は単位時間当たりのエネルギーで,1秒間に風車を通り抜ける空気の質量そのものが風速に比例する。したがって 2乗×1乗 で風速の3乗に比例する。(イ)と(ウ)が違う数字になるのがこの問題の要点である。 (エ) 風は人が制御できないので出力の変動は大きい。 (オ) 可変速運転では発電される電力の周波数が系統と合わない。いったん直流に変換してから系統の周波数の交流に戻す電力変換装置(コンバータとインバータ)を介して連系する。 水平/2/3/大きい/電力変換装置となり答(2)。 増速機は風車の遅い回転を発電機の回転に上げる機械部品で,電力を系統へ送る装置ではない。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 電力 問5
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問266.電力系統の電圧調整に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.線路リアクタンスが大きい送電線路では,受電端において進相コンデンサを負荷に並列することで,受電端での進み無効電流を増加させ,受電端電圧を上げることができる。
- 2.送電線路において送電端電圧と受電端電圧が一定であるとすると,負荷の力率が変化すれば受電端電力が変化する。このため,負荷が変動しても力率を調整することによって受電端電圧を一定に保つことができる。
- 3.送電線路での有効電力の損失は電圧に反比例するため,電圧調整により電圧を高めに運用することが損失を減らすために有効である。
- 4.進相コンデンサは無効電力を段階的にしか調整できないが,静止型無効電力補償装置は無効電力の連続的な調整が可能である。
- 5.電力系統の電圧調整には調相設備と共に,発電機の励磁調整による電圧調整が有効である。
正解:3.送電線路での有効電力の損失は電圧に反比例するため,電圧調整により電圧を高めに運用することが損失を減らすために有効である。
解説:送電線路の損失は 3I²R で,線電流は I=P/(√3V cosθ) だから電圧に反比例する。これを2乗した形で損失に効くので,損失は電圧の2乗に反比例する。「電圧に反比例する」とする(3)が誤りで,これが答になる。 電圧を高めに運用すると損失が減る,という結論そのものは正しい。誤っているのは効き方の書き方で,電圧を2倍にすれば損失は1/2ではなく1/4になる。 他の記述を確かめる。(1)進相コンデンサを入れると進み電流が流れ,リアクタンスによる電圧降下を打ち消す向きに働くので受電端電圧が上がる。(2)電圧降下は有効分だけでなく無効分にもよるので,力率を調整すれば受電端電圧を保てる。(4)コンデンサは入切なので段階的,静止型無効電力補償装置(SVC)は連続的に調整できる。(5)発電機の励磁を強めれば無効電力を出し,弱めれば吸収するので電圧調整に使える。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 電力 問6
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問267.図に示す過電流継電器の各種限時特性(ア)〜(エ)に対する名称の組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.反限時特性 / 反限時定限時特性 / 定限時特性 / 瞬時特性
- 2.反限時定限時特性 / 反限時特性 / 定限時特性 / 瞬時特性
- 3.反限時特性 / 定限時特性 / 瞬時特性 / 反限時定限時特性
- 4.定限時特性 / 反限時定限時特性 / 反限時特性 / 瞬時特性
- 5.反限時定限時特性 / 反限時特性 / 瞬時特性 / 定限時特性
正解:1.反限時特性 / 反限時定限時特性 / 定限時特性 / 瞬時特性
解説:まず4つの名称の意味を押さえる。定限時特性は電流の大きさによらず動作時間が一定,反限時特性は電流が大きいほど動作時間が短くなる,反限時定限時特性はその両方で,小さい電流では反限時,大きい電流では一定値に落ち着く。瞬時特性は動作時間がほぼ零である。 図の水平な2本のうち,上の約2 sの線が(ウ),0付近の線が(エ)である。動作時間が一定なので(ウ)が定限時特性,値がほぼ零の(エ)が瞬時特性。ここまでは(1)と(2)で同じで,分かれ目は曲線2本の対応である。 ここで注意が要る。2本の曲線は動作電流倍数が4に近いところで交差している。左端だけを見て対応づけると取り違えるので,矢印が指した曲線を右端まで目でたどること。(ア)が指しているのは左端で高いほうの曲線で,これは交差したあと下側へ抜けて右端で約0.8 sまで下がり続ける。電流が大きいほど動作時間が短くなる一方なので反限時特性である。(イ)が指しているのは左端で低いほうの曲線で,交差したあと上側になり,右端では約2.6 sで平らになる。大電流側で一定値になるので反限時定限時特性である。 反限時特性/反限時定限時特性/定限時特性/瞬時特性となり答(1)。 反限時定限時特性は,事故電流が非常に大きくても遮断器の動作時間より短くならないよう下限を設けたもので,実際の系統でよく使われる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 電力 問7
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問268.受電端電圧が20 kVの三相3線式の送電線路において,受電端での電力が2 000 kW,力率が0.9(遅れ)である場合,この送電線路での抵抗による全電力損失の値[kW]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 ただし,送電線1線当たりの抵抗値は9 Ωとし,線路のインダクタンスは無視するものとする。
- 1.12.3
- 2.37.0
- 3.64.2
- 4.90.0
- 5.111
正解:5.111
解説:まず線電流を出す。三相の電力は P=√3VI cosθ なので I=P/(√3V cosθ)=2 000×10³/(√3×20×10³×0.9)≒64.2 A。 損失は3線ぶんなので 3I²R=3×64.2²×9≒111×10³ W=111 kW。答(5)。 (3)の64.2は線電流の値[A]であって損失ではない。ここで止めると単位が違うまま答えてしまう。(2)の37.0は1線当たりの損失 I²R≒37 kW で,3を掛け忘れた値である。 なお三相の損失は 3I²R で,1線分を3倍する。√3 を掛けるのは電力の式であって損失の式ではない。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 電力 問8
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問269.送電線路のフェランチ効果に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.受電端電圧の方が送電端電圧よりも高くなる現象である。
- 2.短距離送電線路よりも,長距離送電線路の方が発生しやすい。
- 3.無負荷や軽負荷の場合よりも,負荷が重い場合に発生しやすい。
- 4.フェランチ効果発生時の線路電流の位相は,電圧に対して進んでいる。
- 5.分路リアクトルの運転により防止している。
正解:3.無負荷や軽負荷の場合よりも,負荷が重い場合に発生しやすい。
解説:フェランチ効果は,送電線路の対地静電容量に流れる進み電流が線路のリアクタンスに作用して,受電端の電圧を押し上げる現象である。この進み電流を打ち消すのが負荷の遅れ電流なので,負荷が軽いほど進み電流が目立ち,フェランチ効果が起きやすい。「負荷が重い場合に発生しやすい」とする(3)が誤りで,これが答になる。 実際に起きるのは,深夜など需要が少ない時間帯や,長距離のケーブル系統を無負荷で充電したときである。 他の記述を確かめる。(1)受電端が送電端より高くなる,というのが現象の定義そのもの。(2)線路が長いほど対地静電容量が大きく,進み電流も大きくなるので起きやすい。(4)静電容量に流れる電流なので位相は電圧より進む。(5)分路リアクトル(遅れ無効電力を吸わせる)を入れて進み電流を打ち消すのが対策である。 進相コンデンサは逆に進み電流を増やすので,フェランチ効果の対策にはならない。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 電力 問9
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問270.次の文章は,架空送電線の振動に関する記述である。 架空送電線が電線と直角方向に毎秒数メートル程度の風を受けると,電線の後方に渦を生じて電線が上下に振動することがある。これを微風振動といい, (ア) 電線で,径間が (イ) ほど,また,張力が (ウ) ほど発生しやすい。 多導体の架空送電線において,風速が数〜20 m/sで発生し,10 m/sを超えると激しくなる振動を (エ) 振動という。 また,その他の架空送電線の振動には,送電線に氷雪が付着した状態で強い風を受けたときに発生する (オ) や,送電線に付着した氷雪が落下したときにその反動で電線が跳ね上がる現象などがある。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.重い / 長い / 小さい / サブスパン / ギャロッピング
- 2.軽い / 長い / 大きい / サブスパン / ギャロッピング
- 3.重い / 短い / 小さい / コロナ / ギャロッピング
- 4.軽い / 短い / 大きい / サブスパン / スリートジャンプ
- 5.重い / 長い / 大きい / コロナ / スリートジャンプ
正解:2.軽い / 長い / 大きい / サブスパン / ギャロッピング
解説:(ア)(イ)(ウ) 微風振動は,電線の後方にできるカルマン渦が電線を上下に揺らす現象である。揺れやすいのは,軽くて動きやすい電線,径間が長くて支点が遠い場合,張力が大きくて張り詰めている場合である。ギターの弦を思い浮かべると,細くて長くて強く張った弦ほど振動しやすいのと同じ関係になる。 (エ) 多導体では,風上側の素導体の後方にできた渦が風下側の素導体を揺らす。スペーサとスペーサの間(サブスパン)を単位として起きるのでサブスパン振動という。コロナは振動ではなく放電現象なので当てはまらない。 (オ) 氷雪が付いて断面が翼のような形になった電線が強風を受け,揚力で大きく上下に踊る現象がギャロッピングである。設問の最後にある「付着した氷雪が落下したときに跳ね上がる現象」はスリートジャンプで,これは(オ)とは別の現象として並べて書かれている。 軽い/長い/大きい/サブスパン/ギャロッピングとなり答(2)。 (オ)にスリートジャンプを入れてしまうと,そのすぐ後ろの説明と同じ内容が二度出てくることになる。文のつながりからも消せる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 電力 問10
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問271.地中送電線路の故障点位置標定に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.故障点位置標定は,地中送電線路で地絡事故や断線事故が発生した際に,事故点の位置を標定して地中送電線路を迅速に復旧させるために必要となる。
- 2.パルスレーダ法は,健全相のケーブルと故障点でのサージインピーダンスの違いを利用して,故障相のケーブルの一端からパルス電圧を入力してから故障点でパルス電圧が反射して戻ってくるまでの時間を計測し,ケーブル中のパルス電圧の伝搬速度を用いて故障点を標定する方法である。
- 3.静電容量測定法は,ケーブルの静電容量と長さが比例することを利用し,健全相と故障相のそれぞれのケーブルの静電容量の測定結果とケーブルのこう長から故障点を標定する方法である。
- 4.マーレーループ法は,並行する健全相と故障相の2本のケーブルに対して電気抵抗計測に使われるブリッジ回路を構成し,ブリッジ回路の平衡条件とケーブルのこう長から故障点を標定する方法である。
- 5.測定原理から,地絡事故にはパルスレーダ法とマーレーループ法が適用でき,断線事故には静電容量測定法とマーレーループ法が適用できる。
正解:5.測定原理から,地絡事故にはパルスレーダ法とマーレーループ法が適用でき,断線事故には静電容量測定法とマーレーループ法が適用できる。
解説:マーレーループ法はホイートストンブリッジの応用で,故障相と健全相を先端で短絡してループを作り,導体の抵抗が長さに比例することを使って故障点までの距離を出す。したがって導体がつながっていることが前提になり,導体が切れている断線事故には使えない。「断線事故には静電容量測定法とマーレーループ法が適用できる」とする(5)が誤りで,これが答になる。断線事故に使えるのは静電容量測定法とパルスレーダ法である。 他の記述を確かめる。(1)地中線は目で見て故障点を探せないので,位置標定が復旧時間を左右する。(2)パルスレーダ法は反射までの往復時間と伝搬速度から距離を出す。(3)静電容量はケーブルの長さに比例するので,健全相と比べれば断線点までの長さが分かる。(4)ブリッジの平衡条件とこう長から故障点までの距離を求める,というのがマーレーループ法の説明そのものである。 どの方法が使えるかは,測るのに何がつながっている必要があるかで決まる。抵抗を測る方法は導体が切れていたら使えない。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 電力 問11
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問272.次の文章は,配電線路に用いられる柱上変圧器に関する記述である。 柱上に設置される変圧器としては,容量 (ア) のものが多く使用されている。 鉄心には,けい素鋼板が多く使用されているが, (イ) のために鉄心にアモルファス金属材料を用いた変圧器も使用されている。 また,変圧器保護のために, (ウ) を柱上変圧器に内蔵したものも使用されている。 三相3線式200 Vに供給するときの結線には,Δ結線とV結線がある。V結線は単相変圧器2台によって構成できるため,Δ結線よりも変圧器の電柱への設置が簡素化できるが,同一容量の単相変圧器2台を使用して三相平衡負荷に供給している場合,同一容量の単相変圧器3台を使用したΔ結線と比較して,出力は (エ) 倍となる。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.10〜100 kV·A / 小型化 / 漏電遮断器 / 1/√3
- 2.10〜30 MV·A / 低損失化 / 漏電遮断器 / √3/2
- 3.10〜30 MV·A / 低損失化 / 避雷器 / √3/2
- 4.10〜100 kV·A / 低損失化 / 避雷器 / 1/√3
- 5.10〜100 kV·A / 小型化 / 避雷器 / √3/2
正解:4.10〜100 kV·A / 低損失化 / 避雷器 / 1/√3
解説:(ア) 柱上変圧器は数軒から数十軒に供給するもので,容量は10〜100 kV·A程度である。MV·A級は変電所に置く変圧器の大きさで,電柱には載らない。 (イ) アモルファス金属は無方向性で磁区の動きが良く,けい素鋼板より鉄損(とくに無負荷損)が大幅に小さい。柱上変圧器は負荷が軽い時間帯も含めて年中通電しているので,無負荷損の削減が効く。目的は低損失化である。 (ウ) 柱上変圧器を雷サージから守るため,避雷器を内蔵したものが使われる。漏電遮断器は低圧の需要家側で人身と漏電を守る器具で,柱上変圧器に内蔵するものではない。 (エ) V結線は単相変圧器2台で √3×(1台の容量)の三相出力が得られる。Δ結線は3台で 3×(1台の容量)。同じ容量の変圧器で比べると √3/3=1/√3≒0.577倍。 10〜100 kV·A/低損失化/避雷器/1/√3 となり答(4)。 選択肢の√3/2≒0.866は,V結線の「利用率」=出力÷変圧器2台ぶんの容量の値である。ここで問われているのは台数の違う2つの結線の出力の比なので,利用率とは別の数字になる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 電力 問12
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問273.高圧架空配電線路又は高圧地中配電線路を構成する機材として,使用されることのないものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.柱上開閉器
- 2.CVケーブル
- 3.中実がいし
- 4.DV線
- 5.避雷器
正解:4.DV線
解説:DV線は「引込用ビニル絶縁電線」(Drop wire, Vinyl)の略で,電柱から家屋へ引き込む低圧の架空引込線に使う電線である。高圧の配電線路には使わない。答(4)。 他の4つを確かめる。(1)柱上開閉器は高圧配電線を区分・開閉するために電柱に取り付ける。(2)CVケーブル(架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル)は高圧地中配電線路の主力である。(3)中実がいしは中身の詰まった磁器のがいしで,高圧架空配電線の支持に使われる。(5)避雷器は雷サージから機器を守るため高圧配電線路に設置する。 名前に付いた記号で用途が分かる電線がある。DVは引込用(低圧),OWは屋外用(低圧),OCは屋外用架橋ポリエチレン絶縁電線(高圧)である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 電力 問13
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問274.我が国の電力用設備に使用されるSF₆ガスに関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.SF₆ガスは,大気中に排出されると,オゾン層への影響は無視できるガスであるが,地球温暖化に及ぼす影響が大きいガスである。
- 2.SF₆ガスは,圧力を高めることで絶縁破壊強度を高めることができ,同じ圧力の空気と比較して絶縁破壊強度が高い。
- 3.SF₆ガスは,液体,固体の絶縁媒体と比較して誘電率及び誘電正接が小さいため,誘電損が小さい。
- 4.SF₆ガスは,遮断器による電流遮断の際に,電極間でアーク放電を発生させないため,消弧能力に優れ,ガス遮断器の消弧媒体として使用されている。
- 5.SF₆ガスは,ガス絶縁開閉装置やガス絶縁変圧器の絶縁媒体として使用され,変電所の小型化の実現に貢献している。
正解:4.SF₆ガスは,遮断器による電流遮断の際に,電極間でアーク放電を発生させないため,消弧能力に優れ,ガス遮断器の消弧媒体として使用されている。
解説:電流を流している電極を引き離せば,どんな媒体の中でも必ずアーク放電が生じる。SF₆ガスの長所はアークを起こさないことではなく,電子を捕まえる性質(電子付着性)が強くアークを速やかに消せることである。「アーク放電を発生させないため」とする(4)が誤りで,これが答になる。 他の記述を確かめる。(1)SF₆は塩素を含まないのでオゾン層は壊さないが,地球温暖化係数が二酸化炭素の約2万倍と大きく,京都議定書の対象ガスである。(2)気体の絶縁耐力は圧力とともに高くなり,SF₆は同じ圧力の空気の2〜3倍の絶縁破壊強度がある。(3)気体なので誘電率も誘電正接も小さく,誘電損は無視できる。(5)絶縁距離を短くできるのでガス絶縁開閉装置(GIS)にでき,変電所を大幅に小型化できる。 「〜しないため優れている」という書き方が出てきたら,本当に起きないのか,それとも起きたあとの処理が上手いのかを分けて考えるとよい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 電力 問14
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問275.揚水発電所について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 ただし,水の密度を1 000 kg/m³,重力加速度を9.8 m/s²とする。 〔小問(a)〕 揚程450 m,ポンプ効率90 %,電動機効率98 %の揚水発電所がある。揚水により揚程及び効率は変わらないものとして,下池から1 800 000 m³の水を揚水するのに電動機が要する電力量の値[MW·h]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.1 500
- 2.1 750
- 3.2 000
- 4.2 250
- 5.2 500
正解:5.2 500
解説:まず水を持ち上げるのに必要な仕事を出す。水の質量は 1 800 000 m³×1 000 kg/m³=1.8×10⁹ kg。 位置エネルギーの増加は mgH=1.8×10⁹×9.8×450=7.938×10¹² J。 これはポンプと電動機を通ったあとに水が得たエネルギーなので,電動機が受け取る電力量は両方の効率で割り戻す。 7.938×10¹²/(0.90×0.98)=7.938×10¹²/0.882=9.0×10¹² J。 1 MW·h=3.6×10⁹ J だから 9.0×10¹²/(3.6×10⁹)=2 500 MW·h。答(5)。 揚水では効率で「割る」。発電では効率を「掛ける」。向きを取り違えると 7.938×10¹²×0.882 となって約1 945 MW·hになり,(3)や(4)の付近に落ちてしまう。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 電力 問15(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問276.揚水発電所について,次の問に答えよ。 ただし,水の密度を1 000 kg/m³,重力加速度を9.8 m/s²とする。揚程は450 m,ポンプ効率は90 %,電動機効率は98 %である。 〔小問(b)〕 この揚水発電所において,発電電動機が電動機入力300 MWで揚水運転しているときの流量の値[m³/s]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.50.0
- 2.55.0
- 3.60.0
- 4.65.0
- 5.70.0
正解:3.60.0
解説:電動機が受け取った300 MWのうち,実際に水を持ち上げるのに使われるのは両方の効率を掛けたぶんである。 300×0.98×0.90=264.6 MW。 流量Q[m³/s]の水を揚程H[m]だけ持ち上げるのに要る動力は ρgQH なので 264.6×10⁶=1 000×9.8×Q×450=4.41×10⁶×Q Q=264.6×10⁶/(4.41×10⁶)=60.0 m³/s。答(3)。 小問(a)では効率で割り,ここでは効率を掛ける。どちらも「電動機の入力側」と「水が得るエネルギー」のどちらが分かっているかで向きが決まる。ここは入力300 MWが分かっているので掛ける側になる。 効率を掛け忘れて 300×10⁶/4.41×10⁶≒68.0 とすると(5)の70.0に近づく。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 電力 問15(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問277.定格容量80 MV·A,一次側定格電圧33 kV,二次側定格電圧11 kV,百分率インピーダンス18.3 %(定格容量ベース)の三相変圧器T_Aがある。三相変圧器T_Aの一次側は33 kVの電源に接続され,二次側は負荷のみが接続されている。電源の百分率内部インピーダンスは,1.5 %(系統基準容量ベース)とする。ただし,系統基準容量は80 MV·Aである。なお,抵抗分及びその他の定数は無視する。次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 将来の負荷変動等は考えないものとすると,変圧器T_Aの二次側に設置する遮断器の定格遮断電流の値[kA]として,最も適切なものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.5
- 2.8
- 3.12.5
- 4.20
- 5.25
正解:5.25
解説:二次側から見た電源までの百分率インピーダンスは,どちらも80 MV·A基準なのでそのまま足せる。 %Z=1.5+18.3=19.8 %。 三相短絡容量は P_s=80/0.198≒404 MV·A。 二次側は11 kVなので,三相短絡電流は I_s=404×10⁶/(√3×11×10³)≒21.2 kA。 遮断器はこの短絡電流を切れなければならないので,定格遮断電流は21.2 kA以上の標準値を選ぶ。選択肢のうち21.2 kAを上回る最小の値は25 kAである。答(5)。 (4)の20 kAは21.2 kAを下回るので,短絡したときに遮断できない。「最も適切なもの」とあっても,計算値に最も近い値ではなく,計算値以上でいちばん小さい標準値を選ぶ。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 電力 問16(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問278.定格容量80 MV·A,一次側定格電圧33 kV,二次側定格電圧11 kV,百分率インピーダンス18.3 %(定格容量ベース)の三相変圧器T_Aがある。三相変圧器T_Aの一次側は33 kVの電源に接続され,二次側は負荷のみが接続されている。電源の百分率内部インピーダンスは,1.5 %(系統基準容量ベース)とする。ただし,系統基準容量は80 MV·Aである。なお,抵抗分及びその他の定数は無視する。次の問に答えよ。 〔小問(b)〕 定格容量50 MV·A,百分率インピーダンスが12.0 %(定格容量ベース)の三相変圧器T_Bを三相変圧器T_Aと並列に接続した。40 MWの負荷をかけて運転した場合,三相変圧器T_Aの負荷分担の値[MW]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし,三相変圧器群T_AとT_Bにはこの負荷のみが接続されているものとし,抵抗分及びその他の定数は無視する。
- 1.15.8
- 2.19.5
- 3.20.5
- 4.24.2
- 5.24.6
正解:3.20.5
解説:並列に接続した変圧器の負荷分担は,百分率インピーダンスの逆比になる。ただし比べる前に基準容量をそろえなければならない。 T_Bの12.0 %は自分の定格容量50 MV·A基準の値なので,80 MV·A基準に直すと 12.0×80/50=19.2 %。 T_Aは18.3 %のままでよい。したがって P_A=40×(1/18.3)/{(1/18.3)+(1/19.2)}=40×19.2/(18.3+19.2)=40×19.2/37.5≒20.5 MW。答(3)。 電源の内部インピーダンス1.5 %は2台に分かれる前の共通部分なので,分担の比には効かない。 基準容量をそろえずに 40×12/(18.3+12)≒15.8 とすると(1)を選ぶ。百分率インピーダンスは「自分の定格容量に対する値」なので,容量の違う機器どうしをそのまま比べてはいけない。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 電力 問16(b)
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問279.三相3線式1回線の専用配電線がある。変電所の送り出し電圧が6 600 V,末端にある負荷の端子電圧が6 450 V,力率が遅れの70 %であるとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 ただし,電線1線当たりの抵抗は0.45 Ω/km,リアクタンスは0.35 Ω/km,線路のこう長は5 kmとする。 〔小問(a)〕 この負荷に供給される電力P₁の値[kW]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.180
- 2.200
- 3.220
- 4.240
- 5.260
正解:4.240
解説:線路定数はこう長5 kmを掛けて R=0.45×5=2.25 Ω,X=0.35×5=1.75 Ω(1線当たり)。 三相3線式の電圧降下の近似式は V_s−V_r=√3 I(R cosθ+X sinθ)。 cosθ=0.7 なので sinθ=√(1−0.7²)≒0.714。電圧降下は 6 600−6 450=150 V だから 150=√3×I×(2.25×0.7+1.75×0.714)=√3×I×2.825 I=150/(1.732×2.825)≒30.7 A。 負荷に供給される電力は,負荷の端子電圧で計算する。 P₁=√3×6 450×30.7×0.7≒240×10³ W=240 kW。答(4)。 電圧降下の式に使うRとXは「1線当たりの値」で,√3を掛けるのは三相のためである。ここに3を掛けたり,送り出し電圧6 600 Vで電力を計算したりすると値がずれる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 電力 問17(a)
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問280.三相3線式1回線の専用配電線がある。変電所の送り出し電圧が6 600 V,末端にある負荷の端子電圧が6 450 V,力率が遅れの70 %であるとき,次の問に答えよ。 ただし,電線1線当たりの抵抗は0.45 Ω/km,リアクタンスは0.35 Ω/km,線路のこう長は5 kmとする。 〔小問(b)〕 負荷が遅れ力率80 %,P₂[kW]に変化したが線路損失は変わらなかった。P₂の値[kW]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 (小問(a)より,変化前の線電流は約30.7 A,供給電力P₁は240 kWである。)
- 1.254
- 2.274
- 3.294
- 4.314
- 5.334
正解:2.274
解説:線路損失は 3I²R で,Rは変わらない。損失が変わらないということは,線電流の大きさも変わらないということである。したがって I₂=I₁≒30.7 A。 つぎに新しい端子電圧を出す。cosθ=0.8 なら sinθ=0.6 なので,電圧降下は √3×30.7×(2.25×0.8+1.75×0.6)=√3×30.7×2.85≒151 V。 V_r2=6 600−151≒6 449 V。変化前の6 450 Vとほとんど変わらない。 よって P₂=√3×6 449×30.7×0.8≒274×10³ W=274 kW。答(2)。 端子電圧がほぼ同じで電流も同じなら,電力の比は力率の比そのままになる。240×(0.8/0.7)≒274 kW と暗算しても同じ値になる。 「線路損失が変わらない」を「電力が変わらない」と読み違えないこと。損失を決めているのは電流であって,電力ではない。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 電力 問17(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問281.次の文章は,水力発電所の種類に関する記述である。 水力発電所は (ア) を得る方法により分類すると,水路式,ダム式,ダム水路式があり, (イ) の利用方法により分類すると,流込み式,調整池式,貯水池式,揚水式がある。 一般的に,水路式はダム式,ダム水路式に比べ (ウ) 。貯水ができないので発生電力の調整には適さない。ダム式発電では,ダムに水を蓄えることで (イ) の調整ができるので,電力需要が大きいときにあわせて運転することができる。 河川の自然の流れをそのまま利用して発電する方式を (エ) 発電という。貯水池などを持たない水路式発電所がこれに相当する。 1日又は数日程度の河川流量を調整できる大きさを持つ池を持ち,電力需要が小さいときにその池に蓄え,電力需要が大きいときに放流して発電する方式を (オ) 発電という。自然の湖や人工の湖などを用いてもっと長期間の需要変動に応じて河川流量を調整・使用する方式を貯水池式発電という。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.落差 / 流速 / 建設期間が長い / 調整池式 / ダム式
- 2.流速 / 落差 / 建設期間が短い / 調整池式 / ダム式
- 3.落差 / 流量 / 高落差を得にくい / 流込み式 / 揚水式
- 4.流量 / 落差 / 建設費が高い / 流込み式 / 調整池式
- 5.落差 / 流量 / 建設費が安い / 流込み式 / 調整池式
正解:5.落差 / 流量 / 建設費が安い / 流込み式 / 調整池式
解説:(ア)(イ) 水力発電所の分類には二つの軸がある。水路式・ダム式・ダム水路式は,どうやって落差を作るかによる分類。流込み式・調整池式・貯水池式・揚水式は,流れてくる水(流量)をどう使うかによる分類である。 (ウ) 水路式は,川の上流から長い水路で水を導いて落差を得る方式で,大きなダムを造らないので建設費は安い。そのかわり水を貯めておけないので出力の調整には向かない。設問の次の文が「貯水ができないので発生電力の調整には適さない」と続いているので,ここには短所ではなく長所が入る流れである。 (エ) 河川の自然の流れをそのまま使うのが流込み式(自流式)。 (オ) 1日から数日ぶんの水を貯められる池を持つのが調整池式。もっと長い期間を賄えるのが貯水池式で,設問の最後にそう書かれている。 落差/流量/建設費が安い/流込み式/調整池式となり答(5)。 (3)の「高落差を得にくい」は事実として逆である。水路式はむしろ長い水路で高い落差を稼ぐ方式で,ダム式のほうが落差はダムの高さに制限される。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 電力 問1
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問282.図で,水圧管内を水が充満して流れている。断面Aでは,内径2.2 m,流速3 m/s,圧力24 kPaである。このとき,断面Aとの落差が30 m,内径2 mの断面Bにおける流速[m/s]と水圧[kPa]の最も近い値の組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 ただし,重力加速度は9.8 m/s²,水の密度は1 000 kg/m³,円周率は3.14とする。 (選択肢は「流速[m/s] / 水圧[kPa]」の順に示す。)

- 1.3.0 / 318
- 2.3.0 / 316
- 3.3.6 / 316
- 4.3.6 / 310
- 5.4.0 / 300
正解:3.3.6 / 316
解説:流速は連続の式(同じ時間に通り抜ける水の量は等しい)から求める。断面積は内径の2乗に比例するので v_B=v_A×(2.2/2)²=3×1.21=3.63 m/s。 水圧はベルヌーイの定理から求める。圧力・速度・位置の三つのエネルギーの合計が保存されるので p_B=p_A+ρg(z_A−z_B)+ρ(v_A²−v_B²)/2。 各項を計算する。 位置による分: 1 000×9.8×30=294 000 Pa=294 kPa 速度による分: 1 000×(3²−3.63²)/2=1 000×(9−13.18)/2≒−2 090 Pa≒−2.1 kPa したがって p_B=24+294−2.1≒316 kPa。答(3)。 流速が上がったぶん圧力はわずかに下がるが,落差30 mによる294 kPaのほうが桁違いに大きい。この問題では速度の項を忘れても318 kPaとなり,(1)を選んでしまう。 断面積は内径の2乗で効くので,内径が2.2 mから2 mへ約9 %小さくなると流速は21 %増える。(1)(2)のように流速が変わらないことはない。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 電力 問2
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問283.汽力発電におけるボイラ設備に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.ボイラを水の循環方式によって分けると,自然循環ボイラ,強制循環ボイラ,貫流ボイラがある。
- 2.蒸気ドラム内には汽水分離器が設置されており,蒸発管から送られてくる飽和蒸気と水を分離する。
- 3.空気予熱器は,煙道ガスの余熱を燃焼用空気に回収することによって,ボイラ効率を高めるための熱交換器である。
- 4.節炭器は,煙道ガスの余熱を利用してボイラ給水を加熱することによって,ボイラ効率を高めるためのものである。
- 5.再熱器は,高圧タービンで仕事をした蒸気をボイラに戻して再加熱し,再び高圧タービンで仕事をさせるためのもので,熱効率の向上とタービン翼の腐食防止のために用いられている。
正解:5.再熱器は,高圧タービンで仕事をした蒸気をボイラに戻して再加熱し,再び高圧タービンで仕事をさせるためのもので,熱効率の向上とタービン翼の腐食防止のために用いられている。
解説:再熱器は,高圧タービンで仕事をして温度が下がった蒸気をボイラへ戻して温め直し,つぎに低圧タービンへ送るためのものである。戻す先は低圧タービンであって,同じ高圧タービンではない。したがって「再び高圧タービンで仕事をさせる」とする(5)が誤りで,これが答になる。 蒸気を温め直す目的は二つある。一つは熱効率の向上。もう一つは,低圧タービンの出口で蒸気が湿りすぎて水滴が翼を傷めるのを防ぐことで,設問にある「タービン翼の腐食防止」がこれにあたる。この二つの目的は正しく書かれていて,戻す先だけが違う。 他の記述を確かめる。(1)水の循環のさせ方で自然循環・強制循環・貫流の三つに分かれる。(2)蒸気ドラム内の汽水分離器が蒸気と水を分ける。(3)空気予熱器は煙道ガスの余熱を燃焼用空気に移す。(4)節炭器(エコノマイザ)は同じ余熱を給水に移す。(3)と(4)は,余熱を空気に回すか給水に回すかの違いで,どちらもボイラ効率を上げるためのものである。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 電力 問3
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問284.次の文章は,電気集じん装置に関する記述である。 火力発電所で発生する灰じんなどの微粒子は,電気集じん装置により除去される。典型的な電気集じん装置は,集じん電極である (ア) の間に放電電極である (イ) を置いた構造である。電極間の (ウ) によって発生した (エ) 放電により生じたイオンで微粒子を帯電させ,クーロン力によって集じん電極で捕集する。集じん電極に付着した微粒子は一般的に,集じん電極 (オ) 取り除く。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.線電極 / 平板電極 / 高電圧 / コロナ / に風を吹きつけて
- 2.線電極 / 平板電極 / 大電流 / アーク / を槌でたたいて
- 3.平板電極 / 線電極 / 大電流 / アーク / に風を吹きつけて
- 4.平板電極 / 線電極 / 高電圧 / コロナ / を槌でたたいて
- 5.平板電極 / 線電極 / 大電流 / コロナ / を槌でたたいて
正解:4.平板電極 / 線電極 / 高電圧 / コロナ / を槌でたたいて
解説:(ア)(イ) 微粒子を受け止める集じん電極は,広い面積が要るので平板電極。放電させる側は,先端に電界を集中させたいので細い線電極にする。この組合せは逆にできない。 (ウ)(エ) 線電極のまわりに強い電界を作るために高電圧を加え,コロナ放電を起こす。アーク放電は電極間が短絡状態になる激しい放電で,集じん装置では避けるべきものである。また電気集じん装置に流れる電流はごく小さく,「大電流」ではない。 (オ) 平板に積もった灰は,槌でたたいて(槌打ち)振り落とし,下のホッパに集める。風を吹きつけると,せっかく捕らえた灰がまた飛散してしまう。 平板電極/線電極/高電圧/コロナ/を槌でたたいて となり答(4)。 電気集じん装置は「高い電圧はかけるが電流はほとんど流さない」機器である。(ウ)を大電流とする選択肢はこの点で消せる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 電力 問4
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問285.原子力発電に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.原子力発電は,原子燃料の核分裂により発生する熱エネルギーで水を蒸気に変え,その蒸気で蒸気タービンを回し,タービンに連結された発電機で発電する。
- 2.軽水炉は,減速材に黒鉛,冷却材に軽水を使用する原子炉であり,原子炉圧力容器の中で直接蒸気を発生させる沸騰水型と,別置の蒸気発生器で蒸気を発生させる加圧水型がある。
- 3.軽水炉は,天然ウラン中のウラン235の濃度を3〜5 %程度に濃縮した低濃縮ウランを原子燃料として用いる。
- 4.核分裂反応を起こさせるために熱中性子を用いる原子炉を熱中性子炉といい,軽水炉は熱中性子炉である。
- 5.沸騰水型原子炉の出力調整は,再循環ポンプによる冷却材再循環流量の調節と制御棒の挿入及び引き抜き操作により行われ,加圧水型原子炉の出力調整は,一次冷却材中のほう素濃度の調節と制御棒の挿入及び引き抜き操作により行われる。
正解:2.軽水炉は,減速材に黒鉛,冷却材に軽水を使用する原子炉であり,原子炉圧力容器の中で直接蒸気を発生させる沸騰水型と,別置の蒸気発生器で蒸気を発生させる加圧水型がある。
解説:軽水炉という名前は,減速材にも冷却材にも軽水(普通の水)を使うことから来ている。したがって「減速材に黒鉛」とする(2)が誤りで,これが答になる。 黒鉛を減速材に使うのは黒鉛減速炉で,イギリスのガス冷却炉やチェルノブイリで知られるRBMKなどが該当する。日本の商用炉はすべて軽水炉である。 他の記述を確かめる。(1)核分裂の熱で蒸気を作りタービンを回す,という基本の流れ。(3)天然ウランのウラン235は0.7 %しかないので,3〜5 %まで濃縮して使う。(4)水で減速して遅くなった中性子(熱中性子)で核分裂を起こすので熱中性子炉である。(5)沸騰水型は再循環流量でボイド(泡)の量を変えて出力を調整でき,加圧水型は沸騰させないのでこの手が使えず,ほう素濃度で調整する。 沸騰水型と加圧水型の違いは,蒸気を炉心で直接作るか,別置の蒸気発生器で作るかである。この点は(2)の後半に正しく書かれていて,誤っているのは減速材の一語だけになっている。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 電力 問5
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問286.分散型電源に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.太陽電池で発生した直流の電力を交流系統に接続する場合は,インバータにより直流を交流に変換する。連系保護装置を用いると,系統の停電時などに電力の供給を止めることができる。
- 2.分散型電源からの逆潮流による系統電圧上昇を抑制する手段として,分散型電源の出力抑制や,電圧調整器を用いた電圧の制御などが行われる。
- 3.小水力発電では,河川や用水路などでの流込み式発電が用いられる場合が多い。
- 4.洋上の風力発電所と陸上の系統の接続では,海底ケーブルによる直流送電が用いられることがある。ケーブルでの直流送電のメリットとして,誘電損を考慮しなくてよいことなどが挙げられる。
- 5.一般的な燃料電池発電は,水素と酸素との吸熱反応を利用して電気エネルギーを作る発電方式であり,負荷変動に対する応答が早い。
正解:5.一般的な燃料電池発電は,水素と酸素との吸熱反応を利用して電気エネルギーを作る発電方式であり,負荷変動に対する応答が早い。
解説:燃料電池は水素と酸素から水ができる反応を使う。これは水の生成熱を放出する発熱反応であり,そのエネルギーの一部を電気として取り出している。「吸熱反応」とする(5)が誤りで,これが答になる。吸熱反応なら外から熱を与え続けなければ進まず,発電にはならない。 後半の「負荷変動に対する応答が早い」は正しい。回転する機械を持たない化学反応なので,出力の追従は速い。 他の記述を確かめる。(1)太陽電池は直流を出すのでインバータで交流に変換し,系統が停電したときは連系保護装置で切り離す(単独運転の防止)。(2)逆潮流が増えると系統の電圧が上がるので,出力抑制や電圧調整器で抑える。(3)小水力は貯める設備を持たない流込み式が多い。(4)直流には周波数が無いので,交流のように絶縁体の中で誘電損が生じない。長い海底ケーブルでは充電電流も問題になるため,直流送電が選ばれる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 電力 問6
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問287.次の文章は,変電所の計器用変成器に関する記述である。 計器用変成器は, (ア) と変流器とに分けられ,高電圧あるいは大電流の回路から計器や (イ) に必要な適切な電圧や電流を取り出すために設置される。変流器の二次端子には,常に (ウ) インピーダンスの負荷を接続しておく必要がある。また,一次端子のある変流器は,その端子を被測定線路に (エ) に接続する。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.主変圧器 / 避雷器 / 高 / 縦続
- 2.CT / 保護継電器 / 低 / 直列
- 3.計器用変圧器 / 遮断器 / 中 / 並列
- 4.CT / 遮断器 / 高 / 縦続
- 5.計器用変圧器 / 保護継電器 / 低 / 直列
正解:5.計器用変圧器 / 保護継電器 / 低 / 直列
解説:(ア) 計器用変成器は,電圧を落とす計器用変圧器(VT)と,電流を小さくする変流器(CT)の二つに分けられる。設問が「(ア)と変流器とに分けられ」と書いているのだから,ここに入るのは計器用変圧器である。CTは変流器そのものなので同じものを並べることになり,当てはまらない。 (イ) 取り出した電圧や電流を使うのは,計器と保護継電器である。避雷器や遮断器は電気を測る機器ではない。 (ウ) 変流器の二次側は開放してはならない。開放すると鉄心が飽和して二次端子に高電圧が現れ危険なので,常に低インピーダンスの負荷(電流計など)か短絡状態にしておく。 (エ) 変流器は流れている電流を測るのだから,被測定線路に直列に入れる。並列に入れるのは電圧を測る計器用変圧器のほうである。 計器用変圧器/保護継電器/低/直列 となり答(5)。 (ウ)と(エ)は,電流計の使い方(直列につなぐ・端子を開放しない)と同じ考え方で決まる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 電力 問7
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問288.変電所の断路器に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.断路器は消弧装置をもたないため,負荷電流の遮断を行うことはできない。
- 2.断路器は機器の点検や修理の際,回路を切り離すのに使用する。断路器で回路を開く前に,まず遮断器で故障電流や負荷電流を切る必要がある。
- 3.断路器を誤って開くと,接触子間にアークが発生し,焼損や短絡事故を生じることがある。
- 4.断路器の種類によっては,短い線路や母線の地絡電流の遮断が可能な場合がある。
- 5.断路器の誤操作防止のため,一般にインタロック装置が設けられている。
正解:4.断路器の種類によっては,短い線路や母線の地絡電流の遮断が可能な場合がある。
解説:断路器は消弧装置を持たないので,電流を切る能力はほとんどない。種類によって開閉できるのは,無負荷の短い線路や母線の充電電流,変圧器の励磁電流といった,ごく小さい電流に限られる。地絡電流は事故時に流れる大きな電流なので,断路器では切れない。したがって(4)が誤りで,これが答になる。 他の記述を確かめる。(1)消弧装置が無いので負荷電流は遮断できない。これが断路器と遮断器のいちばんの違いである。(2)断路器は「電流が流れていない状態で回路を切り離す」ための機器なので,先に遮断器で電流を切ってから開く。(3)電流が流れているのに開くとアークが継続し,焼損や短絡に至る。(5)この誤操作を防ぐため,遮断器が開いていないと断路器を操作できないインタロックが設けられている。 (2)(3)(5)はいずれも「電流が流れているうちに断路器を開いてはならない」という一つのことを別の面から述べたもので,そこから外れているのは(4)だけである。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 電力 問8
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問289.1台の定格容量が20 MV·Aの三相変圧器を3台有する配電用変電所があり,その総負荷が55 MWである。変圧器1台が故障したときに,残りの変圧器の過負荷運転を行い,不足分を他の変電所に切り換えることにより,故障発生前と同じ電力を供給したい。この場合,他の変電所に故障発生前の負荷の何%を直ちに切り換える必要があるか,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし,残りの健全な変圧器は,変圧器故障時に定格容量の120 %の過負荷運転をすることとし,力率は常に95 %(遅れ)で変化しないものとする。
- 1.6.2
- 2.10.0
- 3.12.1
- 4.17.1
- 5.24.2
正解:4.17.1
解説:変圧器の容量は皮相電力で表されるので,負荷も皮相電力に直してから比べる。 総負荷の皮相電力は 55/0.95≒57.9 MV·A。 1台故障すると残りは2台で,それぞれ定格の120 %まで運転できるので 2×20×1.2=48 MV·A。 不足分は 57.9−48=9.9 MV·A。 切り換える割合は,故障発生前の負荷に対する比なので 9.9/57.9≒0.171=17.1 %。答(4)。 力率は変わらないので,皮相電力の比はそのまま有効電力の比に等しい。したがって MW のまま計算しても同じ答になる(48×0.95=45.6 MW,(55−45.6)/55≒17.1 %)。 力率で割るのを忘れて 55 と 48 をそのまま比べると (55−48)/55≒12.7 % となり(3)に近づく。変圧器の容量と負荷の電力は単位が違うので,どちらかにそろえてから引き算する。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 電力 問9
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問290.次の文章は,がいしの塩害とその対策に関する記述である。 風雨などによってがいし表面に塩分が付着すると, (ア) が発生することがあり,可聴雑音や電波障害,フラッシオーバの原因となる。これをがいしの塩害という。がいしの塩害対策は,塩害の少ない送電ルートの選定,がいしの絶縁強化,がいしの洗浄,がいし表面への (イ) 性物質の塗布が挙げられる。 懸垂がいしにおいて,絶縁強化を図るには,がいしを (ウ) に連結する個数を増やす方法や,がいしの表面漏れ距離を (エ) する方法が用いられる。 また,懸垂がいしと異なり,棒状磁器の両端に連結用金具を取り付けた形状の (オ) がいしは,雨洗効果が高く,塩害に対し絶縁性が高い。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.漏れ電流 / はっ水 / 直列 / 長く / 長幹
- 2.過電圧 / 吸湿 / 直列 / 短く / ピン
- 3.漏れ電流 / 吸湿 / 並列 / 短く / 長幹
- 4.過電圧 / はっ水 / 並列 / 長く / 長幹
- 5.漏れ電流 / はっ水 / 直列 / 短く / ピン
正解:1.漏れ電流 / はっ水 / 直列 / 長く / 長幹
解説:(ア) 塩分が湿気を含むとがいし表面が導電性を帯び,表面を伝う漏れ電流が流れる。この電流が部分的な放電を起こして雑音や電波障害を生み,やがてフラッシオーバに至る。過電圧は外から加わるもので,塩分の付着によって発生するものではない。 (イ) がいし表面にシリコーンコンパウンドなどのはっ水性物質を塗ると,水が玉になって連続した水膜ができず,漏れ電流の道が切れる。吸湿性の物質を塗ったら逆効果である。 (ウ) 懸垂がいしは1個ずつ数珠つなぎにして使うので,個数を増やすのは直列である。 (エ) 表面を伝う距離が長いほど漏れ電流が流れにくくなるので,漏れ距離は長くする。 (オ) 棒状磁器の両端に金具を付けた形は長幹がいし。ひだが外に張り出していて雨で洗われやすく,塩害地域に向く。ピンがいしは配電用の小さいがいしで,形が違う。 漏れ電流/はっ水/直列/長く/長幹 となり答(1)。 (エ)は絶縁を強くしたいのだから距離は長くする,と考えれば迷わない。「短く」としている選択肢は,設問の「絶縁強化を図るには」と噛み合わない。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 電力 問10
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問291.地中送電線路に使用される電力ケーブルの許容電流に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.電力ケーブルの絶縁体やシースの熱抵抗,電力ケーブル周囲の熱抵抗といった各部の熱抵抗を小さくすることにより,ケーブル導体の発熱に対する導体温度上昇量を低減することができるため,許容電流を大きくすることができる。
- 2.表皮効果が大きいケーブル導体を採用することにより,導体表面側での電流を流れやすくして導体全体での電気抵抗を低減することができるため,許容電流を大きくすることができる。
- 3.誘電率,誘電正接の小さい絶縁体を採用することにより,絶縁体での発熱の影響を抑制することができるため,許容電流を大きくすることができる。
- 4.電気抵抗率の高い金属シース材を採用することにより,金属シースに流れる電流による発熱の影響を低減することができるため,許容電流を大きくすることができる。
- 5.電力ケーブルの布設条数(回線数)を少なくすることにより,電力ケーブル相互間の発熱の影響を低減することができるため,1条当たりの許容電流を大きくすることができる。
正解:2.表皮効果が大きいケーブル導体を採用することにより,導体表面側での電流を流れやすくして導体全体での電気抵抗を低減することができるため,許容電流を大きくすることができる。
解説:表皮効果とは,交流では電流が導体の表面付近に偏って流れる現象である。中心部が使われなくなるぶん実効的な断面積が減るので,交流での電気抵抗はむしろ大きくなる。「電気抵抗を低減できる」とする(2)が誤りで,これが答になる。 対策はその逆で,導体を細い素線に分けて絶縁したり,中空にしたりして表皮効果を小さくする。 他の記述を確かめる。許容電流は,導体の温度が許容値を超えない範囲で決まる。だから「発熱を減らす」か「熱を逃げやすくする」ことが,そのまま許容電流を増やす手になる。(1)は熱の逃げ道の抵抗を下げる話,(3)は絶縁体そのものの誘電損による発熱を減らす話,(4)は金属シースに流れる電流(シース回路電流)による発熱を減らす話,(5)は隣のケーブルからもらう熱を減らす話で,いずれも正しい。 (2)だけが「熱を減らす」ではなく「抵抗が下がる」という主張になっていて,しかもその主張自体が逆である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 電力 問11
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問292.単相3線式配電方式は,1線の中性線と,中性線から見て互いに逆位相の電圧である2線の電圧線との3線で供給する方式であり,主に低圧配電線路に用いられる。100/200 V単相3線式配電方式に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.電線1線当たりの抵抗が等しい場合,中性線と各電圧線の間に負荷を分散させることにより,単相2線式と比べて配電線の電圧降下を小さくすることができる。
- 2.中性線と各電圧線の間に接続する各負荷の容量が不平衡な状態で中性線が切断されると,容量が大きい側の負荷にかかる電圧は低下し,反対に容量が小さい側の負荷にかかる電圧は高くなる。
- 3.中性線と各電圧線の間に接続する各負荷の容量が不平衡であると,平衡している場合に比べて電力損失が増加する。
- 4.単相100 V及び単相200 Vの2種類の負荷に同時に供給することができる。
- 5.許容電流の大きさが等しい電線を使用した場合,電線1線当たりの供給可能な電力は,単相2線式よりも小さい。
正解:5.許容電流の大きさが等しい電線を使用した場合,電線1線当たりの供給可能な電力は,単相2線式よりも小さい。
解説:電線1線当たりの供給電力を比べる。許容電流をIとすると, 単相2線式(100 V)は 100I の電力を2本で送るので1線当たり 50I。 単相3線式(100/200 V)は,平衡していれば中性線に電流が流れず,200I の電力を3本で送るので1線当たり 200I/3≒66.7I。 約1.33倍で単相3線式のほうが大きい。「単相2線式よりも小さい」とする(5)が誤りで,これが答になる。電線を節約できることが単相3線式を使う理由の一つである。 他の記述を確かめる。(1)平衡していれば中性線に電流が流れないので,往復2本ぶんの電圧降下が片道1本ぶんで済む。(2)中性線が切れると二つの負荷が200 Vに直列につながる形になり,抵抗の大きい側(容量の小さい側)に高い電圧がかかる。これが単相3線式で中性線にヒューズを入れてはいけない理由である。(3)不平衡だと中性線にも電流が流れ,そのぶん損失が増える。(4)電圧線どうしで200 V,電圧線と中性線で100 Vが取れる。 (2)の「容量が大きい」は「消費電力が大きい=抵抗が小さい」ということで,直列にしたとき電圧が低く分配される側にあたる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 電力 問12
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問293.次の文章は,我が国の高低圧配電系統における保護に関する記述である。 6.6 kV高圧配電線に短絡や地絡などの事故が生じたとき,直ちに事故の発生した高圧配電線を切り離すために, (ア) と保護継電器が配電用変電所の高圧配電線引出口に設置されている。 樹枝状方式の高圧配電線で事故が生じた場合,事故が発生した箇所の変電所側直近及び変電所から離れた側の (イ) 開閉器を開放することにより,事故が発生した箇所を高圧配電線系統から切り離す。 柱上変圧器には,変圧器内部及び低圧配電系統内での短絡事故による過電流保護のために高圧カットアウトが設けられているほか,落雷などによる外部異常電圧から保護するために,避雷器を変圧器に対して (ウ) に設置する。 (エ) は低圧配電線から低圧引込線への接続点などに設けられ,低圧引込線で生じた短絡事故などを保護している。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.高圧ヒューズ / 区分 / 直列 / 配線用遮断器
- 2.遮断器 / 区分 / 並列 / ケッチヒューズ(電線ヒューズ)
- 3.遮断器 / 区分 / 直列 / 配線用遮断器
- 4.高圧ヒューズ / 連系 / 並列 / ケッチヒューズ(電線ヒューズ)
- 5.遮断器 / 連系 / 直列 / ケッチヒューズ(電線ヒューズ)
正解:2.遮断器 / 区分 / 並列 / ケッチヒューズ(電線ヒューズ)
解説:(ア) 事故を検出するのが保護継電器で,実際に電流を切るのが遮断器である。設問が「(ア)と保護継電器が」と並べているので,ここには遮断器が入る。高圧ヒューズは継電器と組み合わせて使うものではない。 (イ) 樹枝状の高圧配電線を区切って事故区間を切り離すために付けるのは区分開閉器である。連系開閉器は,常時は開いていて別の配電線とつなぎ替えるためのもので,役割が違う。 (ウ) 避雷器は,異常電圧が来たときにそれを大地へ逃がす機器なので,守る対象と並列(対地間に)に入れる。直列に入れたら常時の電流が通れない。 (エ) 低圧引込線の保護に使うのはケッチヒューズ(電線ヒューズ)である。配線用遮断器は需要家の屋内側に置くもので,引込線の接続点に設けるものではない。 遮断器/区分/並列/ケッチヒューズ となり答(2)。 (ウ)は,避雷器が「ふだんは電流を流さず,異常時だけ流す」機器だと考えれば並列と決まる。直列に入れる機器は常時電流が通るものに限られる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 電力 問13
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問294.送電線路に用いられる導体に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.導体の導電率は,温度が高くなるほど小さくなる傾向があり,20 ℃での標準軟銅の導電率を100 %として比較した百分率で表される。
- 2.導体の材料特性としては,導電率や引張強さが大きく,質量や線熱膨張率が小さいことが求められる。
- 3.導体の導電率は,不純物成分が少ないほど大きくなる。また,単金属と比較して,同じ金属元素を主成分とする合金の方が,一般に導電率は小さくなるが,引張強さは大きくなる。
- 4.地中送電ケーブルの銅導体には,伸びや可とう性に優れる軟銅より線が用いられ,架空送電線の銅導体には引張強さや耐食性の優れる硬銅より線が用いられている。一般に導電率は,軟銅よりも硬銅の方が大きい。
- 5.鋼心アルミより線は,中心に亜鉛めっき鋼より線を配置し,その周囲に硬アルミより線を配置した構造を有している。この構造は,必要な導体の電気抵抗に対して,アルミ導体を使用する方が,銅導体を使用するよりも断面積が大きくなるものの軽量にできる利点と,必要な引張強さを鋼心で補強して得ることができる利点を活用している。
正解:4.地中送電ケーブルの銅導体には,伸びや可とう性に優れる軟銅より線が用いられ,架空送電線の銅導体には引張強さや耐食性の優れる硬銅より線が用いられている。一般に導電率は,軟銅よりも硬銅の方が大きい。
解説:硬銅は,銅を冷間加工して硬くしたものである。加工によって結晶の並びが乱れ,そこで電子が散乱されるため,導電率は軟銅より小さくなる。標準軟銅を100 %としたとき硬銅はおよそ97 %である。したがって「軟銅よりも硬銅の方が大きい」とする(4)の最後の一文が誤りで,これが答になる。 (4)の前半,地中ケーブルには曲げやすい軟銅より線を,架空送電線には強い硬銅より線を使う,という使い分けは正しい。誤っているのは最後の一文だけである。 他の記述を確かめる。(1)温度が上がると格子振動が激しくなって電子が散乱され,導電率は下がる。導電率は標準軟銅を100 %とした百分率で表す。(2)電気をよく通し,強く,軽く,伸び縮みしにくいことが求められる。(3)不純物も結晶の乱れも電子を散乱させるので,純度が高いほど導電率は高く,合金にすると導電率は下がるが強度は上がる。(5)鋼心アルミより線(ACSR)は,導電率の低いアルミを太くして使うかわりに軽くし,足りない引張強さを中心の鋼心で補う構造である。 (3)と(4)は同じ原理を述べている。合金化も加工硬化も「結晶を乱して強くする」代わりに「導電率を下げる」という取引になっていて,強さと導電率は両立しにくい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 電力 問14
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問295.ある火力発電所にて,定格出力350 MWの発電機が下表に示すような運転を行ったとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。ただし,所内率は2 %とする。 〔小問(a)〕 0時から24時の間の送電端電力量の値[MW·h]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.4 660
- 2.5 710
- 3.5 830
- 4.5 950
- 5.8 230
正解:2.5 710
解説:まず表から発電端の電力量を積み上げる。出力と時間の積を足していけばよい。 0〜7時 130×7=910 7〜12時 350×5=1 750 12〜13時 200×1=200 13〜20時 350×7=2 450 20〜24時 130×4=520 合計 5 830 MW·h。 これは発電機の端子で測った電力量なので,発電所の中で使う電力(所内電力)を差し引くと送電端の電力量になる。所内率が2 %だから 5 830×(1−0.02)=5 830×0.98≒5 710 MW·h。答(2)。 (3)の5 830は発電端の電力量そのもので,所内率を引く前の値である。所内率は「発電端に対する割合」なので,掛けるのは0.98であって,1.02で割るのではない。 (5)の8 230は,時間の重みを付けずに出力を単純に足すなどした場合に出てくる値。表の各段の時間の長さが違うので,かならず時間を掛けてから足す。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 電力 問15(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問296.ある火力発電所にて,定格出力350 MWの発電機が下表に示すような運転を行ったとき,次の問に答えよ。ただし,所内率は2 %とする。 〔小問(b)〕 0時から24時の間に発熱量54.70 MJ/kgのLNG(液化天然ガス)を770 t消費したとすると,この間の発電端熱効率の値[%]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 (小問(a)より,この間の発電端電力量は5 830 MW·hである。)

- 1.44
- 2.46
- 3.48
- 4.50
- 5.52
正解:4.50
解説:熱効率は「取り出した電気エネルギー」÷「投入した燃料の熱エネルギー」である。問われているのは発電端熱効率なので,分子には送電端ではなく発電端の電力量を使う。 分子。1 MW·h=3 600 MJ なので 5 830×3 600=2.099×10⁷ MJ。 分母。770 t=770 000 kg だから 54.70×770 000≒4.212×10⁷ MJ。 したがって 2.099×10⁷/4.212×10⁷≒0.498=49.8 %。最も近いのは50で答(4)。 分子に送電端の5 710 MW·hを使うと 48.8 % となり(3)の48に近づいてしまう。発電端熱効率と送電端熱効率は分子が違うだけなので,どちらを問われているかを最初に確かめる。 単位をそろえるところが山になる。MW·h は電力量,MJ/kg は単位質量当たりの熱量なので,1 MW·h=3 600 MJ と t=1 000 kg の二つの換算を通してから割る。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 電力 問15(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問297.支持点の高さが同じで径間距離150 mの架空電線路がある。電線の質量による荷重が20 N/m,線膨張係数は1 ℃につき0.000 018である。電線の導体温度が−10 ℃のとき,たるみは3.5 mであった。次の(a)及び(b)の問に答えよ。ただし,張力による電線の伸縮はないものとし,その他の条件は無視するものとする。 〔小問(a)〕 電線の導体温度が35 ℃のとき,電線の支持点間の実長の値[m]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.150.18
- 2.150.23
- 3.150.29
- 4.150.34
- 5.151.43
正解:4.150.34
解説:まず−10 ℃のときの実長を求める。径間S,たるみDのときの実長は L=S+8D²/(3S) で近似できるので L=150+8×3.5²/(3×150)=150+98/450≒150.218 m。 つぎに温度が−10 ℃から35 ℃へ45 ℃上がったぶん,電線が熱で伸びる。 L'=L(1+αΔT)=150.218×(1+0.000 018×45)=150.218×1.000 81。 伸びは 150.218×0.000 81≒0.122 m なので L'≒150.218+0.122=150.34 m。答(4)。 伸びる量はわずか12 cmほどだが,これがたるみでは大きな差になる(小問(b)で使う)。実長の変化は小さくても,たるみは平方根で効くので敏感に変わる。 (5)の151.43は,線膨張係数を10倍にするなど桁を誤った場合の値。0.000 018×45=0.000 81 は1 %にも満たない伸びである。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 電力 問16(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問298.支持点の高さが同じで径間距離150 mの架空電線路がある。電線の質量による荷重が20 N/m,線膨張係数は1 ℃につき0.000 018である。電線の導体温度が−10 ℃のとき,たるみは3.5 mであった。次の問に答えよ。ただし,張力による電線の伸縮はないものとし,その他の条件は無視するものとする。 〔小問(b)〕 (a)と同じ条件のとき,電線の支持点間の最低点における水平張力の値[N]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 (小問(a)より,35 ℃のときの実長は約150.34 mである。)
- 1.6 272
- 2.12 863
- 3.13 927
- 4.15 638
- 5.17 678
正解:2.12 863
解説:実長からたるみを逆に求め,そこから水平張力を出す。 実長の式 L=S+8D²/(3S) をDについて解くと D=√(3S(L−S)/8)。 35 ℃のときの実長は150.339 mなので L−S=0.339 m, D=√(3×150×0.339/8)=√19.09≒4.37 m。 水平張力は,たるみの式 D=wS²/(8T) を T について解いて T=wS²/(8D)=20×150²/(8×4.37)=450 000/34.96≒12 870 N。 最も近いのは12 863で答(2)。 たるみが3.5 mから4.37 mへ約25 %増えたことで,張力はほぼその逆比だけ下がっている。−10 ℃のときの張力は 20×150²/(8×3.5)≒16 070 N なので,暖まると張力が緩むという実感どおりの結果になる。 (5)の17 678付近は,たるみを35 ℃のものに更新せず3.5 mのまま使った場合に近い値。温度が変わればたるみも変わるので,(a)で求めた実長からたるみを求め直す一手間が要る。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 電力 問16(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問299.図のように,高圧配電線路と低圧単相2線式配電線路が平行に施設された設備において,1次側が高圧配電線路に接続された変圧器の2次側を低圧単相2線式配電線路のS点に接続して,A点及びB点の負荷に電力を供給している。S点における線間電圧を107 V,電線1線当たりの抵抗及びリアクタンスをそれぞれ0.3 Ω/km及び0.4 Ω/kmとしたとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。なお,計算においては各点における電圧の位相差が十分に小さいものとして適切な近似を用いること。 〔小問(a)〕 B点におけるS点に対する電圧降下率の値[%]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし,電圧降下率はB点受電端電圧基準によるものとする。

- 1.1.57
- 2.3.18
- 3.3.30
- 4.7.75
- 5.16.30
正解:2.3.18
解説:A点とB点の負荷はどちらも力率1.0なので,リアクタンスによる電圧降下は効かず,抵抗分だけを見ればよい。単相2線式なので電流は行きと帰りの2本を流れ,電圧降下は2倍になる。 S→A間は 15+5=20 Aが流れ,距離0.2 kmだから ΔV₁=2×20×(0.3×0.2)=2.4 V。 A→B間は 5 Aが流れ,距離0.3 kmだから ΔV₂=2×5×(0.3×0.3)=0.9 V。 合計の電圧降下は 2.4+0.9=3.3 V で,B点の電圧は 107−3.3=103.7 V。 電圧降下率はB点の受電端電圧を基準にすると指定されているので 3.3/103.7×100≒3.18 %。答(2)。 (3)の3.30は電圧降下の値[V]そのもの,あるいは基準を100 Vにした場合の値。基準をS点の107 Vにすると 3.3/107≒3.08 % となり,どちらとも違う。何を基準にするかで答が変わるので,設問の但し書きを読み落とさないこと。 単相2線式で2を掛け忘れると1.65 Vとなり,率は約1.59 %で(1)に近づく。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 電力 問17(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問300.図のように,高圧配電線路と低圧単相2線式配電線路が平行に施設された設備において,1次側が高圧配電線路に接続された変圧器の2次側を低圧単相2線式配電線路のS点に接続して,A点及びB点の負荷に電力を供給している。S点における線間電圧を107 V,電線1線当たりの抵抗及びリアクタンスをそれぞれ0.3 Ω/km及び0.4 Ω/kmとしたとき,次の問に答えよ。なお,計算においては各点における電圧の位相差が十分に小さいものとして適切な近似を用いること。 〔小問(b)〕 C点に電流20 A,力率0.8(遅れ)の負荷が新設されるとき,変圧器を移動して単相2線式配電線路への接続点をS点からS'点に変更することにより,B点及びC点における線間電圧の値が等しくなるようにしたい。このときのS点からS'点への移動距離の値[km]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.0.213
- 2.0.296
- 3.0.325
- 4.0.334
- 5.0.528
正解:3.0.325
解説:移動距離をx[km]とする。図のとおりC点からS点までは0.7 kmなので,S'点から見るとC点までが 0.7−x,A点までが 0.2+x,B点までが 0.5+x になる。 C点側の電圧降下を出す。C点の負荷は20 A,力率0.8(遅れ)なので sinθ=0.6 であり,抵抗とリアクタンスの両方が効く。 ΔV_C=2×20×{0.3(0.7−x)×0.8+0.4(0.7−x)×0.6} =2×20×(0.7−x)×(0.24+0.24)=19.2(0.7−x)。 B点側の電圧降下を出す。こちらは力率1.0なので抵抗だけ。 S'→A間は20 Aで距離 0.2+x,A→B間は5 Aで距離0.3だから ΔV_B=2×20×0.3(0.2+x)+2×5×0.3×0.3=12(0.2+x)+0.9=12x+3.3。 両点の電圧が等しくなるのは電圧降下が等しいときなので 19.2(0.7−x)=12x+3.3 13.44−19.2x=12x+3.3 10.14=31.2x x≒0.325 km。答(3)。 C点側だけ力率が0.8で,リアクタンス分が効いてくるのがこの問題の要点である。0.3×0.8+0.4×0.6=0.48 と,1 km当たりの実質的な抵抗が0.3ではなく0.48に増えていることになる。ここを力率1.0のまま計算すると,係数が19.2ではなく12となり x≒0.408 km になって選択肢から外れる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 電力 問17(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問301.ダム水路式発電所における水撃作用とサージタンクに関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.発電機の負荷を急激に遮断又は急激に増やした場合は,それに応動して水車の使用水量が急激に変化し,流速が減少又は増加するため,水圧管内の圧力の急上昇又は急降下が起こる。このような圧力の変動を水撃作用という。
- 2.水撃作用は,水圧管の長さが長いほど,水車案内羽根あるいは入口弁の閉鎖時間が短いほど,いずれも大きくなる。
- 3.水撃作用の発生による影響を緩和する目的で設置される水圧調整用水槽をサージタンクという。サージタンクにはその構造・動作によって,差動式,小孔式,水室式などがあり,いずれも密閉構造である。
- 4.圧力水路と水圧管との接続箇所に,サージタンクを設けることにより,水槽内部の水位の昇降によって,水撃作用を軽減することができる。
- 5.差動式サージタンクは,負荷遮断時の圧力増加エネルギーをライザ(上昇管)内の水面上昇によってすばやく吸収し,そのあとで小穴を通してタンク内の水位をゆっくり通常のタンク内水位に戻す作用がある。
正解:3.水撃作用の発生による影響を緩和する目的で設置される水圧調整用水槽をサージタンクという。サージタンクにはその構造・動作によって,差動式,小孔式,水室式などがあり,いずれも密閉構造である。
解説:サージタンクは、水撃作用による圧力の変動を水面の上下で吸収する水槽である。水面が自由に上下できなければ役に立たないので、差動式・小孔式・水室式はいずれも上部が大気に開放された構造である。「いずれも密閉構造である」とする(3)が誤りで、これが答になる。 密閉構造をとるのは空気室式(エアチャンバ)で、閉じ込めた空気の圧縮性を使って圧力変動を吸収する。設問が挙げた三つの中には入っていない。 他の記述を確かめる。(1)負荷が急に変わると水車の使用水量が急変し、水圧管の中の流速が変わって圧力の急上昇・急降下が起きる。これが水撃作用である。(2)水撃作用の大きさは、動かす水の量(水圧管が長いほど多い)と、流速を変える速さ(弁の閉鎖時間が短いほど急)で決まるので、どちらも大きくなる向きに働く。(4)圧力水路と水圧管の接続箇所にサージタンクを置くと、圧力の変動が水面の昇降に逃げるので、上流の圧力水路まで衝撃が伝わらない。(5)差動式はライザ(上昇管)で急な圧力をまず受け止め、そのあと小穴を通してゆっくり水位を戻す。応答が速く、しかも水面の振動が長引かない。 水撃作用を抑えるには「弁をゆっくり閉じる」か「圧力の逃げ道を作る」かで、後者がサージタンクである。上部が開いているのは、その逃げ道が大気につながっている、ということにほかならない。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 電力 問1
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問302.次の文章は,汽力発電所の復水器の機能に関する記述である。 汽力発電所の復水器は蒸気タービン内で仕事を取り出した後の (ア) 蒸気を冷却して凝縮させる装置である。復水器内部の真空度を (イ) 保持してタービンの (ア) 圧力を (ウ) させることにより, (エ) の向上を図ることができる。なお,復水器によるエネルギー損失は熱サイクルの中で最も (オ) 。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.抽気 / 低く / 上昇 / 熱効率 / 大きい
- 2.排気 / 高く / 上昇 / 利用率 / 小さい
- 3.排気 / 高く / 低下 / 熱効率 / 大きい
- 4.抽気 / 高く / 低下 / 熱効率 / 小さい
- 5.排気 / 低く / 停止 / 利用率 / 大きい
正解:3.排気 / 高く / 低下 / 熱効率 / 大きい
解説:(ア) タービンで仕事をし終えて出てくる蒸気は排気である。抽気は、途中の段から給水加熱などのために一部を取り出す蒸気のことで、別のものである。 (イ)(ウ) 復水器の真空度を高く保つほど、タービンの排気圧力は低くなる。タービンが取り出せる仕事は入口と出口の熱落差で決まるので、出口の圧力が低いほど熱落差が大きくなる。 (エ) それによって上がるのは熱効率である。利用率は設備をどれだけ使ったかを表す別の指標で、真空度とは関係しない。 (オ) 復水器では、蒸気の凝縮熱が冷却水に捨てられる。この量は投入した熱の半分ほどにもなり、熱サイクルの中で最も大きい損失である。 排気/高く/低下/熱効率/大きいとなり答(3)。 (イ)と(ウ)は必ず逆向きに動く。「真空度が高い=圧力が低い」という言い換えなので、両方とも同じ向きに書いてある選択肢は外せる。 復水器の損失が最も大きいというのは、裏を返せば、ここを改善すれば効率が上がるということでもある。冷却水の温度が低い冬のほうが真空度を高くとれて効率が上がる、という季節変動もここから出てくる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 電力 問2
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問303.次のa)〜e)の文章は,汽力発電所の保護装置に関する記述である。 これらの文章の内容について,適切なものと不適切なものの組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 a) 蒸気タービンの回転速度が定格を超える一定値以上に上昇すると,自動的に蒸気止弁を閉じて,タービンを停止する非常調速機が設置されている。 b) ボイラ水の循環が円滑に行われないとき,水管の焼損事故を防止するため,燃料を遮断してバーナを消火させる燃料遮断装置が設置されている。 c) 負荷の緊急遮断等によって,ボイラ内の蒸気圧力が一定限度を超えたとき,蒸気を放出させて機器の破損を防ぐため,蒸気加減弁が設置されている。 d) 蒸気タービンの軸受油圧が異常低下したとき,タービンを停止させるトリップ装置が設置されている。 e) 発電機固定子巻線の内部短絡を検出・保護するために,比率差動継電器が設置されている。
- 1.a 適切 / b 適切 / c 不適切 / d 適切 / e 適切
- 2.a 不適切 / b 不適切 / c 不適切 / d 不適切 / e 適切
- 3.a 適切 / b 適切 / c 不適切 / d 適切 / e 不適切
- 4.a 不適切 / b 適切 / c 適切 / d 不適切 / e 適切
- 5.a 不適切 / b 不適切 / c 適切 / d 適切 / e 不適切
正解:1.a 適切 / b 適切 / c 不適切 / d 適切 / e 適切
解説:c)だけが不適切である。蒸気圧力が一定限度を超えたときに蒸気を放出して機器を守るのは安全弁であって、蒸気加減弁ではない。蒸気加減弁はタービンに送る蒸気の量を加減して出力を調整する弁で、圧力を逃がす働きは持たない。 他の記述を確かめる。 a) 適切。非常調速機(非常用ガバナ)は、定格速度を1割ほど超えると蒸気止弁を閉じてタービンを止める。負荷を急に失うとタービンは一気に加速するので、この保護が要る。 b) 適切。ボイラ水の循環が滞ると、水管が空焚きに近い状態になって焼損する。燃料遮断装置で燃料を止め、バーナを消火する。 d) 適切。軸受の油圧が下がると潤滑が切れて焼き付くので、トリップ装置でタービンを止める。 e) 適切。比率差動継電器は、巻線に入る電流と出る電流の差を見て内部故障を検出する。外部故障では入りと出が等しいので動作せず、内部短絡のときだけ動作する。 a適切・b適切・c不適切・d適切・e適切となり答(1)。 弁の名前を取り違えさせる出題である。安全弁は「限度を超えたら逃がす」、加減弁は「出力に合わせて絞る」と、目的で覚え分ける。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 電力 問3
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問304.次の文章は,原子燃料に関する記述である。 核分裂は様々な原子核で起こるが,ウラン235などのように核分裂を起こし,連鎖反応を持続できる物質を (ア) といい,ウラン238のように中性子を吸収して (ア) になる物質を (イ) という。天然ウラン中に含まれるウラン235は約 (ウ) %で,残りは核分裂を起こしにくいウラン238である。ここで,ウラン235の濃度が天然ウランの濃度を超えるものは,濃縮ウランと呼ばれており,濃縮度3 %から5 %程度の (エ) は原子炉の核燃料として使用される。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.核分裂性物質 / 親物質 / 1.5 / 低濃縮ウラン
- 2.核分裂性物質 / 親物質 / 0.7 / 低濃縮ウラン
- 3.核分裂生成物 / 親物質 / 0.7 / 高濃縮ウラン
- 4.核分裂生成物 / 中間物質 / 0.7 / 低濃縮ウラン
- 5.放射性物質 / 中間物質 / 1.5 / 高濃縮ウラン
正解:2.核分裂性物質 / 親物質 / 0.7 / 低濃縮ウラン
解説:(ア) 核分裂を起こして連鎖反応を続けられる物質を核分裂性物質という。ウラン235のほか、プルトニウム239、ウラン233がこれにあたる。核分裂生成物は分裂したあとにできる破片のことで、別のものである。 (イ) それ自身は核分裂しにくいが、中性子を吸収して核分裂性物質に変わる物質を親物質という。ウラン238は中性子を吸収してプルトニウム239になるので親物質である。トリウム232も親物質で、ウラン233に変わる。 (ウ) 天然ウランに含まれるウラン235は約0.7 %で、残りの99.3 %はウラン238である。 (エ) 濃縮度3〜5 %程度のものを低濃縮ウランといい、軽水炉の燃料になる。高濃縮ウランは20 %以上のものを指し、原子炉の一般的な燃料には使われない。 核分裂性物質/親物質/0.7/低濃縮ウランとなり答(2)。 0.7 %という値は覚えておく。天然ウランのままでは軽水炉で連鎖反応を保てないので濃縮が要る、という話の前提になる数字である。 「親物質」という呼び方は、そこから核分裂性物質が生まれるという関係を表している。この変換を積極的に行うのが高速増殖炉である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 電力 問4
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問305.次の文章は,太陽光発電に関する記述である。 太陽光発電は,太陽電池の光電効果を利用して太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換する。地球に降り注ぐ太陽光エネルギーは,1 m²当たり1秒間に約 (ア) kJに相当する。太陽電池の基本単位はセルと呼ばれ, (イ) V程度の直流電圧が発生するため,これを直列に接続して電圧を高めている。太陽電池を系統に接続する際は, (ウ) により交流の電力に変換する。 一部の地域では太陽光発電の普及によって (エ) に電力の余剰が発生しており,余剰電力は揚水発電の揚水に使われているほか,大容量蓄電池への電力貯蔵に活用されている。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.10 / 1 / 逆流防止ダイオード / 日中
- 2.10 / 10 / パワーコンディショナ / 夜間
- 3.1 / 1 / パワーコンディショナ / 日中
- 4.10 / 1 / パワーコンディショナ / 日中
- 5.1 / 10 / 逆流防止ダイオード / 夜間
正解:3.1 / 1 / パワーコンディショナ / 日中
解説:(ア) 地表に降り注ぐ太陽光は、晴天時でおよそ1 kW/m²である。1 kW=1 kJ/s なので、1 m²あたり1秒間に約1 kJ になる。太陽電池の性能を表すときの基準(1 kW/m²)としてもよく出てくる値である。 (イ) 結晶シリコン太陽電池のセル1枚の電圧は0.5〜0.6 V程度で、選択肢の中では1 Vが近い。10 Vものセルは存在しない。だから何十枚も直列にして使える電圧まで上げる。 (ウ) 直流を交流に変え、系統に合わせて出力するのはパワーコンディショナ(インバータと保護・制御をまとめたもの)である。逆流防止ダイオードは、太陽電池のストリング間で電流が逆流しないようにする部品で、交流には変えられない。 (エ) 太陽光が発電するのは日中なので、余剰が出るのも日中である。その余りを揚水発電の揚水や蓄電池に回して、夕方以降に使う。 1/1/パワーコンディショナ/日中となり答(3)。 (ア)と(イ)は桁を1桁ずらした値が選択肢に並んでいる。1 kW/m²と、セル1枚が約0.5 V——この二つを覚えていれば迷わない。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 電力 問5
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問306.架空送電線路に関連する設備に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.電線に一様な微風が吹くと,電線の背後に空気の渦が生じて電線が上下に振動するサブスパン振動が発生する。振動エネルギーを吸収するダンパを電線に取り付けることで,この振動による電線の断線防止が図られている。
- 2.超高圧の架空送電線では,スペーサを用いた多導体化により,コロナ放電の抑制が図られている。スペーサはギャロッピングの防止にも効果的である。
- 3.架空送電線を鉄塔などに固定する絶縁体としてがいしが用いられている。アークホーンをがいしと併設することで,雷撃等をきっかけに発生するアーク放電からがいしを保護することができる。
- 4.架空送電線への雷撃を防止するために架空地線が設けられており,遮へい角が小さいほど雷撃防止の効果が大きい。
- 5.鉄塔又は架空地線に直撃雷があると,鉄塔から送電線へ逆フラッシオーバが起こることがある。埋設地線等により鉄塔の接地抵抗を小さくすることで,逆フラッシオーバの抑制が図られている。
正解:1.電線に一様な微風が吹くと,電線の背後に空気の渦が生じて電線が上下に振動するサブスパン振動が発生する。振動エネルギーを吸収するダンパを電線に取り付けることで,この振動による電線の断線防止が図られている。
解説:一様な微風で電線の背後にカルマン渦ができ、電線が上下に振動する現象は微風振動である。サブスパン振動は別のもので、多導体の風下側の電線が風上側の電線の後流(うず)を受けて、スペーサとスペーサのあいだ(サブスパン)で振動する現象を指す。したがって(1)が誤りで、これが答になる。 名前は違うが、対策としてダンパで振動エネルギーを吸収する、という後半の記述自体は微風振動について正しい。現象の名前だけが差し替えられている。 他の記述を確かめる。(2)多導体にすると見かけの電線半径が大きくなって電線表面の電界が下がり、コロナ放電が抑えられる。スペーサは素導体の間隔を保つとともに、ギャロッピング(着氷雪した電線が風で大きく揺れる現象)の抑制にも役立つ。(3)アークホーンはがいし連の両端に付ける金具で、アークをがいしから離れた位置に飛ばしてがいしの破損を防ぐ。(4)架空地線の遮へい角は小さいほど電線が架空地線の陰に入るので、雷撃を受けにくい。(5)鉄塔に雷が落ちると鉄塔の電位が上がり、電線との間で逆向きに絶縁破壊が起きる。これが逆フラッシオーバで、鉄塔の接地抵抗を下げれば電位の上昇が抑えられる。 微風振動・サブスパン振動・ギャロッピングは、いずれも風による電線の振動だが、起こる条件が違う。微風振動は弱い風、サブスパン振動は多導体、ギャロッピングは着氷雪と、区別して覚える。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 電力 問6
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問307.真空遮断器に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.真空遮断器は,高真空状態のバルブの中で接点を開閉し,真空の優れた絶縁耐力を利用して消弧するものである。
- 2.真空遮断器の開閉サージが高いことが懸念される場合,避雷器等を用いて,真空遮断器に接続される機器を保護することがある。
- 3.真空遮断器は,小形軽量で電極の寿命が長く,保守も容易である。
- 4.真空遮断器は,消弧媒体としてSF₆ガスや油を使わない機器であり,多頻度動作にも適している。
- 5.真空遮断器は経済性に優れるが,空気遮断器に比べて動作時の騒音が大きい。
正解:5.真空遮断器は経済性に優れるが,空気遮断器に比べて動作時の騒音が大きい。
解説:真空遮断器は密閉された真空バルブの中で接点を開閉するので、動作音はごく小さい。一方、空気遮断器は圧縮空気を大気へ吹き出してアークを消すため、破裂音のような大きな騒音を出す。したがって「空気遮断器に比べて動作時の騒音が大きい」とする(5)が誤りで、これが答になる。むしろ逆で、騒音が小さいことが真空遮断器の利点の一つである。 他の記述を確かめる。(1)真空は絶縁耐力が高く、電流が零になった瞬間に電極間の絶縁が急速に回復する。この性質で消弧している。(2)真空遮断器は電流を強制的に切る力が強いぶん、電流が零になる前に切ってしまう(電流裁断)ことがあり、そのとき高い開閉サージが出る。誘導性の機器(電動機や変圧器)を守るために避雷器やサージアブソーバを付けることがある。(3)構造が単純で小形軽量、電極の消耗も少なく保守が容易である。(4)消弧媒体としてSF₆ガスも油も使わないので、ガスの管理や油の交換が要らず、多頻度の開閉にも耐える。 SF₆ガスは温室効果が非常に大きい気体なので、使わずに済むことは環境面の利点でもある。この点でも真空遮断器は高圧の分野で標準的な機器になっている。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 電力 問7
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問308.定格容量20 MV·A,一次側定格電圧77 kV,二次側定格電圧6.6 kV,百分率インピーダンス10.6 %(基準容量20 MV·A)の三相変圧器がある。三相変圧器の一次側は77 kVの電源に接続され,二次側は負荷のみが接続されている。三相変圧器の一次側から見た電源の百分率インピーダンスは,1.1 %(基準容量20 MV·A)である。抵抗分及びその他の定数は無視する。三相変圧器の二次側に設置する遮断器の定格遮断電流の値[kA]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.1.5
- 2.2.6
- 3.6.0
- 4.20.0
- 5.260.0
正解:4.20.0
解説:基準容量がどちらも20 MV·Aにそろえてあるので、百分率インピーダンスはそのまま足せる。 %Z=10.6+1.1=11.7 %。 二次側の基準電流(定格電流)は I_n=20×10⁶/(√3×6 600)≒1 750 A。 三相短絡電流は基準電流を百分率インピーダンスで割って I_s=1 750/0.117≒14 950 A≒15 kA。 遮断器の定格遮断電流は、この短絡電流以上でなければならない。選択肢のうち15 kA以上で最も小さいのは20.0 kAなので答(4)。 計算値が選択肢にそのまま無いのは、定格遮断電流が標準値(8・12.5・16・20・25・31.5・40 kAなど)から選ばれるためである。「計算した短絡電流を上回る標準値を選ぶ」という手順まで含めて問われている。 基準電流をどちら側で出すかで答はまったく変わる。一次側の定格電流は 20×10⁶/(√3×77 000)≒150 A で、これを使うと短絡電流は 150/0.117≒1 300 A=1.3 kA にしかならない。遮断器を置くのは二次側なので、6.6 kVで基準電流を出す。 電源側の1.1 %を足し忘れると 1 750/0.106≒16.5 kA となるが、これでも20 kAを選ぶことになる。ただし足し忘れは他の問題では答が変わるので、基準容量がそろっているかを確かめてから足す習慣をつける。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 電力 問8
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問309.次の文章は,避雷器に関する記述である。 避雷器は,雷又は回路の開閉などに起因する過電圧の (ア) がある値を超えた場合,放電により過電圧を抑制して,電気施設の絶縁を保護する装置である。特性要素としては (イ) が広く用いられ,その (ウ) の抵抗特性により,過電圧に伴う電流のみを大地に放電させ,放電後は (エ) を遮断することができる。発変電所用避雷器では, (イ) の優れた電圧−電流特性を利用し,放電耐量が大きく,放電遅れのない (オ) 避雷器が主に使用されている。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.波頭長 / SF₆ / 非線形 / 続流 / 直列ギャップ付き
- 2.波高値 / ZnO / 非線形 / 続流 / ギャップレス
- 3.波高値 / SF₆ / 線形 / 制限電圧 / 直列ギャップ付き
- 4.波高値 / ZnO / 線形 / 続流 / 直列ギャップ付き
- 5.波頭長 / ZnO / 非線形 / 制限電圧 / ギャップレス
正解:2.波高値 / ZnO / 非線形 / 続流 / ギャップレス
解説:(ア) 避雷器が動作するかどうかを決めるのは過電圧の波高値(ピーク値)である。波頭長は波形が立ち上がるまでの時間で、大きさを表す量ではない。 (イ) 特性要素には酸化亜鉛(ZnO)素子が広く使われる。SF₆は遮断器の消弧媒体や絶縁ガスで、避雷器の特性要素ではない。 (ウ) ZnO素子は、電圧が低いうちはほとんど電流を流さず、ある電圧を超えると急に電流を流すという非線形の抵抗特性を持つ。この鋭い折れ曲がりがあるからこそ、常時の電圧では動作せず、過電圧のときだけ放電できる。 (エ) 放電したあとも系統の電圧が加わり続けるので、そのまま電流が流れ続けると事故になる。この電流を続流といい、避雷器はこれを遮断できなければならない。ZnOは非線形性が強いので、常時電圧に戻れば電流はほぼ零になり、続流を自然に断てる。 (オ) その性質のおかげで直列ギャップが不要になり、ギャップレス避雷器が主流になっている。ギャップが無いので放電の遅れも生じない。 波高値/ZnO/非線形/続流/ギャップレスとなり答(2)。 (ウ)と(オ)はつながっている。非線形性が優れているから続流を自力で切れ、だからギャップが要らない、という筋道である。「線形」としている(4)は、この筋道と食い違う。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 電力 問9
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問310.次の文章は,架空送電線路に関する記述である。 架空送電線路の線路定数には,抵抗,作用インダクタンス,作用静電容量, (ア) コンダクタンスがある。線路定数のうち,抵抗値は,表皮効果により (イ) のほうが増加する。また,作用インダクタンスと作用静電容量は,線間距離Dと電線半径rの比D/rに影響される。D/rの値が大きくなれば,作用静電容量の値は (ウ) なる。 作用静電容量を無視できない中距離送電線路では,作用静電容量によるアドミタンスを1か所又は2か所にまとめる (エ) 定数回路が近似計算に用いられる。このとき,送電端側と受電端側の2か所にアドミタンスをまとめる回路を (オ) 形回路という。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.漏れ / 交流 / 小さく / 集中 / π
- 2.漏れ / 交流 / 大きく / 集中 / π
- 3.伝達 / 直流 / 小さく / 集中 / T
- 4.漏れ / 直流 / 大きく / 分布 / T
- 5.伝達 / 直流 / 小さく / 分布 / π
正解:1.漏れ / 交流 / 小さく / 集中 / π
解説:(ア) 線路定数は、抵抗・作用インダクタンス・作用静電容量・漏れコンダクタンスの四つである。がいし表面などを通って漏れる電流を表すのが漏れコンダクタンスで、架空送電線ではふつう無視できるほど小さい。 (イ) 表皮効果は交流で起きる。周波数が高いほど電流が導体の表面に片寄り、電流の通る断面が実質的に狭くなって抵抗が増える。直流では起きない。 (ウ) 作用静電容量は C=2πε/ln(D/r) の形で表され、D/rが大きくなると分母のln(D/r)が大きくなるので、静電容量は小さくなる。電線どうしが離れるほど互いの静電結合が弱くなる、と考えても同じである。なお作用インダクタンスは L=0.4605 log₁₀(D/r)+0.05 の形で、こちらはD/rが大きくなると増える。二つは逆向きに動く。 (エ) アドミタンスを1か所または2か所にまとめてしまう扱いを集中定数回路という。分布定数回路は、線路に沿って連続的に分布しているものとして扱うやり方で、長距離送電線に使う。 (オ) 2か所にまとめる回路がπ形、1か所にまとめる回路がT形である。文字の形が回路図の形をそのまま表している。πは縦棒が2本、Tは縦棒が1本である。 漏れ/交流/小さく/集中/πとなり答(1)。 (オ)は「πは足が2本」と覚えると取り違えない。設問は「2か所にまとめる回路」と言っているので、π形になる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 電力 問10
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問311.我が国における架空送電線路と比較した地中送電線路の特徴に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.地中送電線路は,同じ送電容量の架空送電線路と比較して建設費が高いが,都市部においては保安や景観などの点から地中送電線路が採用される傾向にある。
- 2.地中送電線路は,架空送電線路と比較して気象現象に起因した事故が少なく,近傍の通信線に与える静電誘導,電磁誘導の影響も少ない。
- 3.地中送電線路は,同じ送電電圧の架空送電線路と比較して,作用インダクタンスは小さく,作用静電容量が大きいため,充電電流が大きくなる。
- 4.地中送電線路の電力損失では,誘電体損とシース損を考慮するが,コロナ損は考慮しない。一方,架空送電線路の電力損失では,コロナ損を考慮するが,誘電体損とシース損は考慮しない。
- 5.絶縁破壊事故が発生した場合,架空送電線路では自然に絶縁回復することは稀であるが,地中送電線路では自然に絶縁回復して再送電できる場合が多い。
正解:5.絶縁破壊事故が発生した場合,架空送電線路では自然に絶縁回復することは稀であるが,地中送電線路では自然に絶縁回復して再送電できる場合が多い。
解説:(5)は架空と地中が入れ替わっている。架空送電線路の絶縁は空気なので、アークが消えれば絶縁は自然に回復する。だから再閉路(いったん切ってすぐ入れ直す)が成り立つ。一方、地中送電線路のケーブルは固体絶縁体なので、いったん絶縁破壊すると穴が残り、自然に回復することはない。復旧には事故点を探して切り継ぐ工事が要り、時間もかかる。したがって(5)が誤りで、これが答になる。 他の記述を確かめる。(1)ケーブルと管路の工事が要るので建設費は架空よりずっと高いが、都市部では用地や景観、保安の面から地中化が進んでいる。(2)風雨・雷・着氷雪といった気象の影響を受けず、地面の中を通るので通信線への静電誘導・電磁誘導も小さい。(3)ケーブルは導体と金属シースが薄い絶縁体をはさんで近接しているので、作用静電容量が架空線よりはるかに大きく、そのぶん充電電流も大きい。導体どうしが近いので作用インダクタンスは小さい。(4)ケーブルは絶縁体の中で誘電体損が、金属シースに流れる電流でシース損が生じる。架空線は空気中なのでコロナ損が生じるが、誘電体損もシースも無い。 (3)の「充電電流が大きい」ことは、地中送電線路の送電距離が制限される理由でもある。長くすると充電電流だけで導体の許容電流を食ってしまう。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 電力 問11
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問312.高圧架空配電線路を構成する機材とその特徴に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.支持物は,遠心成形でコンクリートを締め固めた鉄筋コンクリート柱が一般的に使用されている。
- 2.電線に使用される導体は,硬銅線が用いられる場合もあるが,鋼心アルミ線なども使用されている。
- 3.柱上変圧器は,単相変圧器2台をV結線とし,200 Vの三相電源として用い,同時に変圧器から中性線を取り出した単相3線式による100/200 V電源として使用するものもある。
- 4.柱上開閉器は,気中形,真空形などがあり,手動操作による手動式と制御器による自動式がある。
- 5.高圧カットアウトは,柱上変圧器の一次側に設けられ,形状は箱形の一種類のみである。
正解:5.高圧カットアウトは,柱上変圧器の一次側に設けられ,形状は箱形の一種類のみである。
解説:高圧カットアウトには箱形と円筒形の二種類がある。「箱形の一種類のみ」とする(5)が誤りで、これが答になる。箱形は磁器製の箱の中にヒューズ筒を収めたもの、円筒形は円筒状の磁器の中にヒューズを納めたもので、どちらも柱上変圧器の一次側に取り付けて、過負荷や短絡から変圧器と配電線路を守る。 他の記述を確かめる。(1)配電用の支持物は、遠心成形でコンクリートを締め固めた鉄筋コンクリート柱(コン柱)が主流である。回しながら成形するので中が空洞になり、軽くて強い。(2)導体は硬銅線のほか、軽くて張力に強い鋼心アルミより線(ACSR)も使われる。(3)単相変圧器2台のV結線で三相200 Vをつくり、そのうち1台から中性線を出して単相3線式100/200 Vも同時に供給する、という使い方は配電でよく見られる。(4)柱上開閉器には気中開閉器(PAS)や真空開閉器があり、手動式と、地絡や過電流を検出して自動で動く自動式がある。 配電線路の機材は名前と形が結びつきにくいが、「二種類あるものを一種類と言い切る」形の誤りは典型なので、断定した記述に出会ったら数を思い出す。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 電力 問12
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問313.次の文章は,スポットネットワーク方式に関する記述である。 スポットネットワーク方式は,22 kV又は33 kVの特別高圧地中配電系統から2回線以上で受電する方式の一つであり,負荷密度が極めて高い都心部の高層ビルや大規模工場などの大口需要家の受電設備に適用される信頼度の高い方式である。 スポットネットワーク方式の一般的な受電系統構成を特別高圧地中配電系統側から順に並べると, (ア) ・ (イ) ・ (ウ) ・ (エ) ・ (オ) となる。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.断路器 / ネットワーク母線 / プロテクタ遮断器 / プロテクタヒューズ / ネットワーク変圧器
- 2.ネットワーク母線 / ネットワーク変圧器 / プロテクタヒューズ / プロテクタ遮断器 / 断路器
- 3.プロテクタ遮断器 / プロテクタヒューズ / ネットワーク変圧器 / ネットワーク母線 / 断路器
- 4.断路器 / プロテクタ遮断器 / プロテクタヒューズ / ネットワーク変圧器 / ネットワーク母線
- 5.断路器 / ネットワーク変圧器 / プロテクタヒューズ / プロテクタ遮断器 / ネットワーク母線
正解:5.断路器 / ネットワーク変圧器 / プロテクタヒューズ / プロテクタ遮断器 / ネットワーク母線
解説:系統側から順に、断路器 → ネットワーク変圧器 → プロテクタヒューズ → プロテクタ遮断器 → ネットワーク母線 の順に並ぶ。答(5)。 順序は役割から決まる。まず入口で回線を切り離すのが断路器。つぎに特別高圧を負荷が使える電圧まで下げるのがネットワーク変圧器。その二次側に、変圧器の内部故障などに備えるプロテクタヒューズを置く。さらにネットワーク母線側との間にプロテクタ遮断器を置き、逆電力が流れたとき(=その回線が停電したとき)に自動で切り離す。最後に、複数回線の出力を並列につなぐのがネットワーク母線である。 最後がネットワーク母線になる、という点が決め手になる。母線は各回線を束ねる場所なので、必ずいちばん負荷側にある。母線を先頭に置く(2)や、途中に挟む(1)(3)は、この時点で外れる。 この方式は、2回線以上で受電して母線で並列に運転するので、1回線が停電しても無停電で供給を続けられる。都心部の高層ビルなどで使われるのはそのためである。プロテクタ遮断器は、停電した回線へ他の回線から電力が逆流するのを検出して切り離す働きを受け持つ。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 電力 問13
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問314.我が国のコンデンサ,電力ケーブル,変圧器などの電力用設備に使用される絶縁油に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.絶縁油の誘電正接は,変圧器,電力ケーブルに使用する場合には小さいものが,コンデンサに使用する場合には大きいものが適している。
- 2.絶縁油には,一般に熱膨張率,粘度が小さく,比熱,熱伝導率が大きいものが適している。
- 3.電力用設備の絶縁油には,一般に古くから鉱油系絶縁油が使用されているが,難燃性や低損失性など,より優れた特性が要求される場合には合成絶縁油が採用されている。また,環境への配慮から植物性絶縁油の採用も進められている。
- 4.絶縁油は,電力用設備内を絶縁するために使用される以外に,絶縁油の流動性を利用して電力用設備内で生じた熱を外部へ放散するために使用される場合がある。
- 5.絶縁油では,不純物や水分などが含まれることにより絶縁性能が大きく影響を受け,部分放電の発生によって分解ガスが生じる場合がある。このため,電力用設備から採油した絶縁油の水分量測定やガス分析等を行うことにより,絶縁油の劣化状態や電力用設備の異常を検知することができる。
正解:1.絶縁油の誘電正接は,変圧器,電力ケーブルに使用する場合には小さいものが,コンデンサに使用する場合には大きいものが適している。
解説:誘電正接(tanδ)は絶縁体の中で熱になってしまう割合を表す量で、大きいほど誘電体損が増える。変圧器でもケーブルでもコンデンサでも、損失は小さいほうがよいので、誘電正接は小さいものが適している。「コンデンサに使用する場合には大きいものが適している」とする(1)が誤りで、これが答になる。 他の記述を確かめる。(2)熱膨張率が小さいほど温度変化による油量の増減が少なくて済み、粘度が小さいほど油がよく流れて熱を運ぶ。比熱と熱伝導率が大きいほど熱をよく受け取ってよく伝える。いずれも冷却と安定運転に有利な性質である。(3)古くから鉱油系が使われてきたが、難燃性や低損失性が求められる用途では合成絶縁油が使われる。近年は生分解性の高い植物性絶縁油の採用も進んでいる。(4)変圧器の油は絶縁だけでなく冷却も担う。油が対流して熱を放熱器へ運ぶ。(5)水分や不純物が入ると絶縁性能が落ち、部分放電が起きると油が分解して水素やメタンなどのガスが出る。油中ガス分析は変圧器の内部異常を早期に見つける代表的な診断方法である。 (5)にあるとおり、絶縁油は「調べれば設備の中の状態が分かる」材料でもある。誘電正接も、油そのものの劣化を測る指標として使われる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 電力 問14
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問315.ある河川のある地点に貯水池を有する水力発電所を設ける場合の発電計画について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 流域面積を15 000 km²,年間降水量750 mm,流出係数0.7とし,年間の平均流量の値[m³/s]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.25
- 2.100
- 3.175
- 4.250
- 5.325
正解:4.250
解説:降った雨のうち、蒸発や地下浸透で失われずに川へ出てくる割合が流出係数である。まず1年間に川へ流れ出る水の体積を出す。 流域面積は 15 000 km²=15 000×10⁶ m²=1.5×10¹⁰ m²。 年間降水量は 750 mm=0.75 m。 年間の流出量は 1.5×10¹⁰×0.75×0.7=7.875×10⁹ m³。 これを1年の秒数で割れば平均流量になる。1年は 365×24×60×60=31 536 000 s≒3.15×10⁷ s。 したがって Q=7.875×10⁹/3.15×10⁷≒250 m³/s。答(4)。 単位をそろえるところが山になる。km²は10⁶ m²、mmは10⁻³ mであり、この二つを掛けるので、桁を1つでも間違えると10倍・100倍ずれる。面積は10⁶を掛ける、降水量は1000で割る、と手順を固定するとよい。 1年の秒数 3.15×10⁷ s は、この分野でくり返し使うので覚えてしまってよい。「1年は約3 000万秒」と押さえておけば、桁の確認にも使える。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 電力 問15(a)
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問316.ある河川のある地点に貯水池を有する水力発電所を設ける場合の発電計画について,次の問に答えよ。 〔小問(b)〕 この水力発電所の最大使用水量を小問(a)で求めた流量とし,有効落差100 m,水車と発電機の総合効率を80 %,発電所の年間の設備利用率を60 %としたとき,この発電所の年間発電電力量の値[kW·h]に最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 (小問(a)より,年間の平均流量は約250 m³/sである。)
- 1.100 000 000
- 2.400 000 000
- 3.700 000 000
- 4.1 000 000 000
- 5.1 300 000 000
正解:4.1 000 000 000
解説:まず最大出力を求める。水力発電の出力は P=9.8QHη[kW] で、Qは流量[m³/s]、Hは有効落差[m]、ηは総合効率である。 P=9.8×250×100×0.8=196 000 kW。 つぎに年間発電電力量を求める。設備利用率60 %とは、この最大出力で1年間ずっと運転したと仮定した電力量の60 %を実際に発電する、という意味である。1年は8 760時間なので W=196 000×8 760×0.6≒1.03×10⁹ kW·h。 最も近いのは1 000 000 000で答(4)。 (5)の1 300 000 000は、総合効率80 %を掛け忘れた場合の値である。効率を入れずに 9.8×250×100=245 000 kW としてしまうと、245 000×8 760×0.6≒1.29×10⁹ kW·h となって(5)になる。効率は出力を減らす向きに効くので、掛け忘れると必ず大きく出る。 9.8という係数は重力加速度で、水の密度1 000 kg/m³と合わせて「1 m³/sの水が1 m落ちると9.8 kW」という関係を表している。単位を追うと 1 000[kg/m³]×9.8[m/s²]×Q[m³/s]×H[m]=9 800QH[W]=9.8QH[kW] となる。 8 760時間(=365×24)も、この分野で毎回使う数字である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 電力 問15(b)
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問317.こう長25 kmの三相3線式2回線送電線路に,受電端電圧が22 kV,遅れ力率0.9の三相平衡負荷5 000 kWが接続されている。次の(a)及び(b)の問に答えよ。ただし,送電線は2回線運用しており,与えられた条件以外は無視するものとする。 〔小問(a)〕 送電線1線当たりの電流の値[A]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし,送電線は単導体方式とする。
- 1.42.1
- 2.65.6
- 3.72.9
- 4.126.3
- 5.145.8
正解:3.72.9
解説:まず負荷が要求する電流の合計を出す。三相の電力は P=√3VI cosθ なので I=P/(√3V cosθ)=5 000×10³/(√3×22×10³×0.9)≒145.8 A。 これは受電端に流れ込む電流の合計である。送電線は2回線で運用しているので、この電流が2回線に等しく分かれる。したがって1線当たりは 145.8/2≒72.9 A。答(3)。 (5)の145.8は2回線に分ける前の値である。設問が「送電線1線当たり」と断っているので、必ず回線数で割る。 「1線当たり」という言い方に注意する。三相3線式では1回線が3本の電線でできているが、その3本には同じ大きさの電流が流れるので、3で割る必要は無い。割るのは回線数の2だけである。 (1)の42.1は、さらに√3で割ってしまった場合に近い値(145.8/(2×√3)≒42.1)である。線電流と相電流の関係は、Y結線かΔ結線かという負荷側の話であって、ここでは出てこない。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 電力 問16(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問318.こう長25 kmの三相3線式2回線送電線路に,受電端電圧が22 kV,遅れ力率0.9の三相平衡負荷5 000 kWが接続されている。次の問に答えよ。ただし,送電線は2回線運用しており,与えられた条件以外は無視するものとする。 〔小問(b)〕 送電損失を三相平衡負荷に対し5 %以下にするための送電線1線の最小断面積の値[mm²]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし,使用電線は,断面積1 mm²,長さ1 m当たりの抵抗を1/35 Ωとする。 (小問(a)より,送電線1線当たりの電流は約72.9 Aである。)
- 1.31
- 2.46
- 3.74
- 4.92
- 5.183
正解:4.92
解説:許される送電損失は 5 000×0.05=250 kW=250 000 W。 損失が生じるのは電線1本ごとで、三相3線式が2回線なので合計6本ある。1線の抵抗をR[Ω]、1線の電流を72.9 Aとすると 損失=6×72.9²×R≦250 000。 72.9²≒5 314 なので 6×5 314×R=31 886R≦250 000 → R≦7.84 Ω。 つぎに断面積を出す。1 mm²・1 m当たりの抵抗が 1/35 Ω なので、こう長25 km=25 000 mの1線の抵抗は R=(1/35)×25 000/A=714.3/A [Ω]。 これが7.84 Ω以下でなければならないから 714.3/A≦7.84 → A≧91.1 mm²。 最も近いのは92で答(4)。 電線の本数を数え違えると答が変わる。三相3線式1回線で3本、それが2回線なので6本である。3本と数えると R≦15.7 Ω となって A≧45.6 → (2)の46に落ちる。 断面積は「大きいほど抵抗が小さい」ので、求めた下限より大きい値を選ぶ。91.1 mm²に対して92 mm²は上回っており、74 mm²では足りない。「最小断面積」と問われているので、条件を満たす中で最も小さいものを選ぶ。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 電力 問16(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問319.図のような系統構成の三相3線式配電線路があり,開閉器Sは開いた状態にある。各配電線のB点,C点,D点には図のとおり負荷が接続されており,各点の負荷電流はB点40 A,C点30 A,D点60 A一定とし,各負荷の力率は100 %とする。 各区間のこう長はA−B間1.5 km,B−S(開閉器)間1.0 km,S(開閉器)−C間0.5 km,C−D間1.5 km,D−A間2.0 kmである。 ただし,電線1線当たりの抵抗は0.2 Ω/kmとし,リアクタンスは無視するものとして,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 電源A点から見たC点の電圧降下の値[V]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし,電圧は相間電圧とする。

- 1.41.6
- 2.45.0
- 3.57.2
- 4.77.9
- 5.90.0
正解:4.77.9
解説:開閉器Sが開いているので、ループは切れていて二つの行き止まりの線路になっている。C点へ電力が届く経路は A→D→C の一つだけである。 各区間に流れる電流を、末端から数えて求める。 D−C間:C点の負荷30 Aだけが流れる。 A−D間:D点の負荷60 AとC点の負荷30 Aの合計90 Aが流れる。 三相3線式の電圧降下(相間電圧=線間電圧で見た値)は v=√3×Σ(I×R) で求める。区間ごとの抵抗は 0.2 Ω/km×こう長 なので A−D間:90×0.2×2.0=36 V相当 D−C間:30×0.2×1.5=9 V相当 合計45を√3倍して v=√3×45≒77.9 V。答(4)。 (2)の45.0は√3を掛け忘れた値である。三相3線式で線間電圧の降下を求めるときは√3を掛ける、と決めておく。 (5)の90.0は、三相3線式の√3ではなく単相2線式の係数2を使ってしまった場合の値である(2×45=90)。行きと帰りの2本ぶんを数える単相2線式と、√3倍になる三相3線式とを取り違えないこと。 開閉器Sが開いているという条件が、この小問のすべてである。閉じていればB側からも電流が回り込み、電流の分け方が変わる。それを問うのが小問(b)である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 電力 問17(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問320.図のような系統構成の三相3線式配電線路があり,開閉器Sは開いた状態にある。各配電線のB点,C点,D点には図のとおり負荷が接続されており,各点の負荷電流はB点40 A,C点30 A,D点60 A一定とし,各負荷の力率は100 %とする。 各区間のこう長はA−B間1.5 km,B−S(開閉器)間1.0 km,S(開閉器)−C間0.5 km,C−D間1.5 km,D−A間2.0 kmである。 ただし,電線1線当たりの抵抗は0.2 Ω/kmとし,リアクタンスは無視するものとして,次の問に答えよ。 〔小問(b)〕 開閉器Sを投入した場合,開閉器Sを流れる電流iの値[A]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.20.0
- 2.25.4
- 3.27.5
- 4.43.8
- 5.65.4
正解:2.25.4
解説:開閉器Sを投入するとA点を電源とするループになる。ループの中を一周したときの電圧降下の合計は零になる、という条件から電流の分かれ方が決まる。 A点からB側へ流れ出る電流をx[A]とおき、A→B→S→C→D→Aの向きに電流を追う。 A−B間:x B−S間:x−40(B点で40 A取られる) S−C間:x−40 C−D間:x−40−30=x−70 D−A間:x−70−60=x−130 抵抗はどの区間も 0.2 Ω/km なので、電圧降下の和を零とおくと、共通の0.2は消えて「電流×こう長」の和が零になる。 1.5x+1.0(x−40)+0.5(x−40)+1.5(x−70)+2.0(x−130)=0 こう長の合計は 1.5+1.0+0.5+1.5+2.0=6.5 km、定数項は 40+20+105+260=425 なので 6.5x=425 → x≒65.4 A。 開閉器Sを流れるのはB−S間と同じ電流なので i=x−40=65.4−40≒25.4 A。答(2)。 (5)の65.4はxそのもの、すなわちA点からB側へ出る電流である。問われているのはSを流れる電流なので、B点の負荷40 Aを引く。 この解き方は「ループの一周の電圧降下は零」というキルヒホッフの第二法則そのものである。抵抗率が全区間で同じなら、抵抗の代わりにこう長を使ってよいので計算が軽くなる。 答が正であることは、電流が図に描かれた向き(BからSを通ってCへ)に流れることを意味する。負になったら向きが逆だったということになる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 電力 問17(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問321.我が国の水力発電所(又は揚水発電所)に用いられる水車(又はポンプ水車)及び発電機(又は発電電動機)に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.ガイドベーン(案内羽根)は,その開度によってランナに流入する水の流量を変え,水車の出力を調整することができる水車部品である。
- 2.同一出力のフランシス水車を比較すると,一般に落差が高い地点に適用する水車の方が低い地点に適用するものより比速度が小さく,ランナの形状が扁平になる。
- 3.揚水発電所には,別置式,タンデム式,ポンプ水車式がある。発電機と電動機を共用し,同一軸に水車とポンプをそれぞれ直結した方式がポンプ水車式であり,水車の性能,ポンプの性能をそれぞれ最適に設計できるため,国内で建設される揚水発電所はほとんどこの方式である。
- 4.水車発電機には突極形で回転界磁形の三相同期発電機が主に用いられている。落差を有効に利用するために,水車を発電機の下方に直結した立軸形にすることも多い。
- 5.調速機は水車の回転速度を一定に保持する機能を有する装置である。また,自動電圧調整器は出力電圧の大きさを一定に保持する機能を有する装置である。
正解:3.揚水発電所には,別置式,タンデム式,ポンプ水車式がある。発電機と電動機を共用し,同一軸に水車とポンプをそれぞれ直結した方式がポンプ水車式であり,水車の性能,ポンプの性能をそれぞれ最適に設計できるため,国内で建設される揚水発電所はほとんどこの方式である。
解説:揚水発電所の三つの方式を並べると次のようになる。 別置式:発電機と電動機を別々に持ち、水車とポンプも別々に持つ。 タンデム式:発電機と電動機を共用し、同一軸に水車とポンプをそれぞれ直結する。水車とポンプを別々の機械にできるので、それぞれの性能を最適に設計できる。 ポンプ水車式:1台の機械(ポンプ水車)が水車とポンプを兼ねる。機器が1台で済むので小形・安価になり、国内で建設される揚水発電所はほとんどこの方式である。 (3)は「同一軸に水車とポンプをそれぞれ直結した方式」というタンデム式の説明に、ポンプ水車式という名前を付けてしまっている。「水車の性能、ポンプの性能をそれぞれ最適に設計できる」のもタンデム式の特徴で、ポンプ水車式は1台で兼ねるぶんそれぞれの最適化はできない。したがって(3)が誤りで、これが答になる。 他の記述を確かめる。(1)ガイドベーンは開度で流量を変え、出力を調整する。(2)比速度が小さいほど高落差向きで、ランナは扁平(径が大きく幅が狭い形)になる。(4)水車発電機は低速で回るので極数が多く、突極形の回転界磁形が使われる。落差を使い切るため水車を下に置く立軸形が多い。(5)調速機は回転速度=周波数を、自動電圧調整器は電圧を一定に保つ。 設問の後半「国内で建設される揚水発電所はほとんどこの方式である」はポンプ水車式について正しい。名前と説明の対応だけが入れ替えられている。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 電力 問1
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問322.次の文章は,水車の構造と特徴についての記述である。 (ア) を持つ流水がランナに流入し,ここから出るときの反動力により回転する水車を反動水車という。 (イ) は,ケーシング(渦形室)からランナに流入した水がランナを出るときに軸方向に向きを変えるように水の流れをつくる水車である。一般に,落差40 m〜500 mの中高落差用に用いられている。 プロペラ水車ではランナを通過する流水が軸方向である。ランナには扇風機のような羽根がついている。流量が多く低落差の発電所で使用される。 (ウ) はプロペラ水車の羽根を可動にしたもので,流量の変化に応じて羽根の角度を変えて効率がよい運転ができる。 一方,水の落差による (ア) を (エ) に変えてその流水をランナに作用させる構造のものが衝動水車である。 (オ) は,水圧管路に導かれた流水が,ノズルから噴射されてランナバケットに当たり,このときの衝動力でランナが回転する水車である。高落差で流量の比較的少ない地点に用いられる。 上記の記述中の空白箇所(ア),(イ),(ウ),(エ)及び(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.圧力水頭 / フランシス水車 / カプラン水車 / 速度水頭 / ペルトン水車
- 2.速度水頭 / ペルトン水車 / フランシス水車 / 圧力水頭 / カプラン水車
- 3.圧力水頭 / カプラン水車 / ペルトン水車 / 速度水頭 / フランシス水車
- 4.速度水頭 / フランシス水車 / カプラン水車 / 圧力水頭 / ペルトン水車
- 5.圧力水頭 / ペルトン水車 / フランシス水車 / 速度水頭 / カプラン水車
正解:1.圧力水頭 / フランシス水車 / カプラン水車 / 速度水頭 / ペルトン水車
解説:反動水車と衝動水車の違いは、ランナに入る水が何を持っているかで決まる。 (ア) 反動水車ではランナが水で満たされており、水は圧力水頭を持ったままランナに入る。ここから出るときの反動力で回る。 (イ) ケーシング(渦形室)から半径方向に入った水が、ランナを出るときに軸方向へ向きを変える——これはフランシス水車の説明である。落差40〜500 mの中高落差用で、国内で最も多く使われている。 (ウ) プロペラ水車の羽根を可動にして、流量の変化に応じて角度を変えられるようにしたものがカプラン水車である。 (エ) 衝動水車では、圧力水頭をノズルで速度水頭に変えてから、その噴流をランナに当てる。 (オ) ノズルから噴射された流水がランナバケットに当たる水車がペルトン水車で、高落差・小流量の地点に用いられる。 圧力水頭/フランシス水車/カプラン水車/速度水頭/ペルトン水車となり答(1)。 (ア)と(エ)は「圧力水頭を速度水頭に変える」という一つの文の中で対になっているので、片方が決まればもう片方も決まる。反動水車は圧力を持ったまま、衝動水車は速度に変えてから——これが二つの水車の分かれ目である。 落差の順にペルトン(高)→フランシス(中高)→カプラン・プロペラ(低)と並ぶ。設問が示す落差40〜500 mが(イ)の手がかりになる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 電力 問2
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問323.汽力発電所における熱効率向上方法として,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.タービン入口蒸気として,極力,温度が低く,圧力が低いものを採用する。
- 2.復水器の真空度を高くすることで蒸気はタービン内で十分に膨張して,タービンの羽根車に大きな回転力を与える。
- 3.節炭器を設置し,排ガス温度を上昇させる。
- 4.高圧タービンから出た湿り飽和蒸気をボイラで再熱させないようにする。
- 5.高圧及び低圧のタービンから蒸気を一部取り出し,給水加熱器に導いて給水を加熱させ,復水器に捨てる熱量を増加させる。
正解:2.復水器の真空度を高くすることで蒸気はタービン内で十分に膨張して,タービンの羽根車に大きな回転力を与える。
解説:熱効率は、入口と出口の熱落差をどれだけ大きくできるかで決まる。 (2)は正しい。復水器の真空度を高くすると出口の圧力が下がり、蒸気がタービンの中で十分に膨張できる。熱落差が大きくなるので効率が上がる。 他の記述はいずれも向きが逆である。 (1)タービン入口の蒸気は、温度も圧力も高いほど熱落差が大きくなって効率が上がる。低くするのは逆。 (3)節炭器(エコノマイザ)は、煙道の排ガスの余熱で給水を加熱する装置である。熱を回収するのだから排ガス温度は下がる。上昇させるのでは熱を捨てていることになる。 (4)高圧タービンから出た蒸気をボイラへ戻して再び加熱するのが再熱サイクルで、これによって効率が上がり、低圧タービンでの湿り度も下げられる。再熱させないようにするのは逆。 (5)抽気して給水を加熱するのが再生サイクルである。給水があらかじめ温まっているぶんボイラで加える熱が減り、復水器に捨てる熱量は減少する。増加させるのでは効率が下がる。 汽力発電の効率向上策は「入口を高温高圧に」「出口を低圧に」「捨てる熱を回収する」の三つに整理できる。(3)(5)は三つ目の回収、(1)は一つ目、(2)は二つ目、(4)は再熱にあたり、正しい向きに書かれているのは(2)だけである。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 電力 問3
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問324.1 gのウラン235が核分裂し,0.09 %の質量欠損が生じたとき,これにより発生するエネルギーと同じだけの熱量を得るのに必要な石炭の質量の値[kg]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 ただし,石炭の発熱量は2.51×10⁴ kJ/kgとし,光速は3.0×10⁸ m/sとする。
- 1.16
- 2.80
- 3.160
- 4.3 200
- 5.48 000
正解:4.3 200
解説:まず質量欠損を求める。1 gの0.09 %なので Δm=1×10⁻³×0.09×10⁻²=9×10⁻⁷ kg。 つぎにアインシュタインの関係式でエネルギーに直す。 E=Δm c²=9×10⁻⁷×(3.0×10⁸)² =9×10⁻⁷×9×10¹⁶ =8.1×10¹⁰ J=8.1×10⁷ kJ。 最後に石炭の発熱量で割る。 8.1×10⁷/(2.51×10⁴)≒3 227 kg。 最も近いのは3 200で答(4)。 単位の直しを二度行うところが山になる。1 gは10⁻³ kg、0.09 %は0.09×10⁻²=9×10⁻⁴。掛けると9×10⁻⁷ kgである。またJをkJに直すために1 000で割る必要がある。 (5)の48 000は質量欠損を1 g(10⁻³ kg)のままにして計算した場合の桁に近い。0.09 %を掛け忘れると1 000倍以上ずれる。 ウラン1 gが石炭3トン分に相当する、という結果は原子力の特徴をよく表している。化学反応と核反応ではエネルギーの桁が百万倍ほど違う。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 電力 問4
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問325.ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせたコンバインドサイクル発電に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.燃焼用空気は,空気圧縮機,燃焼器,ガスタービン,排熱回収ボイラ,蒸気タービンを経て,排ガスとして煙突から排出される。
- 2.ガスタービンを用いない同容量の汽力発電に比べて,起動停止時間が短く,負荷追従性が高い。
- 3.ガスタービンを用いない同容量の汽力発電に比べて,復水器の冷却水量が少ない。
- 4.ガスタービン入口温度が高いほど熱効率が高い。
- 5.部分負荷に対応するための,単位ユニットの運転台数の増減が可能なため,部分負荷時の熱効率の低下が小さい。
正解:1.燃焼用空気は,空気圧縮機,燃焼器,ガスタービン,排熱回収ボイラ,蒸気タービンを経て,排ガスとして煙突から排出される。
解説:コンバインドサイクル発電では、燃焼ガスの流れと蒸気の流れが分かれている。 燃焼用空気(燃焼ガス)は、空気圧縮機 → 燃焼器 → ガスタービン → 排熱回収ボイラ → 煙突 と流れる。排熱回収ボイラでは、燃焼ガスの熱で別系統の水を蒸気に変えるだけで、燃焼ガス自体は蒸気タービンへは入らない。蒸気タービンを回すのは、その蒸気のほうである。 したがって「蒸気タービンを経て」とする(1)が誤りで、これが答になる。 他の記述を確かめる。(2)ガスタービンは起動が速いので、汽力発電に比べて起動停止時間が短く、負荷の変化にも追従しやすい。(3)出力の一部をガスタービンが受け持つぶん蒸気タービンが小さくなるので、復水器で捨てる熱も少なく、冷却水量が少なくて済む。(4)ガスタービンの熱効率は入口温度が高いほど高い。材料の耐熱温度が上がるにつれて効率も上がってきた。(5)小容量のユニットを複数並べる構成が多く、部分負荷では台数を減らして残りを定格近くで運転できる。そのため部分負荷でも効率が落ちにくい。 (3)と(5)はどちらもコンバインドサイクルの利点だが、理由が違う。(3)は熱の分担、(5)は運転台数の自由度による。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 電力 問5
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問326.ガス絶縁開閉装置に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.ガス絶縁開閉装置の充電部を支持するスペーサにはエポキシ等の樹脂が用いられる。
- 2.ガス絶縁開閉装置の絶縁ガスは,大気圧以下のSF₆ガスである。
- 3.ガス絶縁開閉装置の金属容器内部に,金属異物が混入すると,絶縁性能が低下することがあるため,製造時や据え付け時には,金属異物が混入しないよう,細心の注意が払われる。
- 4.我が国では,ガス絶縁開閉装置の保守や廃棄の際,絶縁ガスの大部分は回収されている。
- 5.絶縁性能の高いガスを用いることで装置を小形化でき,気中絶縁の装置を用いた変電所と比較して,変電所の体積と面積を大幅に縮小できる。
正解:2.ガス絶縁開閉装置の絶縁ガスは,大気圧以下のSF₆ガスである。
解説:ガス絶縁開閉装置(GIS)のSF₆ガスは、大気圧より高い圧力(0.4〜0.5 MPa程度)で封入される。気体の絶縁耐力は圧力が高いほど大きくなるので、加圧することで初めて装置を小さくできる。「大気圧以下」とする(2)が誤りで、これが答になる。 他の記述を確かめる。(1)充電部を金属容器の中心に保持するスペーサには、エポキシ樹脂などの固体絶縁物が使われる。(3)容器の中に金属の粉や切りくずが残っていると、電界で動いて絶縁を壊すきっかけになる。製造・据付けのときに異物が入らないよう細心の注意が払われる。(4)SF₆は温室効果が二酸化炭素の2万倍以上と非常に大きいため、保守や廃棄のときは大気へ放出せず回収する。(5)絶縁距離を短くできるので、気中絶縁の変電所に比べて体積も面積も大幅に小さくなる。都市部の変電所で使われる理由である。 (2)と(5)はつながっている。加圧して絶縁耐力を高めているからこそ小形化できるのであって、大気圧以下では気中絶縁より不利になってしまう。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 電力 問6
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問327.次の文章は,変電所の主な役割と用途上の分類に関する記述である。 変電所は,主に送電効率向上のための昇圧や需要家が必要とする電圧への降圧を行うが,進相コンデンサや (ア) などの調相設備や,変圧器のタップ切り換えなどを用い,需要地における負荷の変化に対応するための (イ) 調整の役割も担っている。また,送変電設備の局所的な過負荷運転を避けるためなどの目的で,開閉装置により系統切り換えを行って (ウ) を調整する。さらに,送電線において,短絡又は地絡事故が生じた場合,事故回線を切り離すことで事故の波及を防ぐ系統保護の役割も担っている。 変電所は,用途の面から,送電用変電所,配電用変電所などに分類されるが,東日本と西日本の間の連系に用いられる (エ) や北海道と本州の間の連系に用いられる (オ) も変電所の一種として分類されることがある。 上記の記述中の空白箇所(ア),(イ),(ウ),(エ)及び(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.分路リアクトル / 電圧 / 電力潮流 / 周波数変換所 / 電気鉄道用変電所
- 2.負荷開閉器 / 周波数 / 無効電力 / 自家用変電所 / 中間開閉所
- 3.分路リアクトル / 電圧 / 電力潮流 / 周波数変換所 / 交直変換所
- 4.負荷時電圧調整器 / 周波数 / 無効電力 / 自家用変電所 / 電気鉄道用変電所
- 5.負荷時電圧調整器 / 周波数 / 有効電力 / 中間開閉所 / 交直変換所
正解:3.分路リアクトル / 電圧 / 電力潮流 / 周波数変換所 / 交直変換所
解説:(ア) 調相設備として進相コンデンサと並べられるのは分路リアクトルである。軽負荷時に線路の静電容量で電圧が上がりすぎるのを、遅れ無効電力を吸って抑える。負荷時電圧調整器は変圧器のタップを動かす機器で、調相設備ではない。 (イ) 調相設備や変圧器のタップで調整するのは電圧である。周波数は発電機の出力で調整するもので、変電所の設備では変えられない。 (ウ) 開閉装置で系統を切り換えて調整するのは電力潮流(どの経路にどれだけ電力を流すか)である。局所的な過負荷を避けるために経路を変える、という文脈にも合う。 (エ) 東日本(50 Hz)と西日本(60 Hz)の連系には周波数変換所が使われる。佐久間・新信濃・東清水の三か所がこれにあたる。 (オ) 北海道と本州は海底ケーブルで結ばれており、直流で送electricityしているため両端に交直変換所が要る。北本連系設備である。 分路リアクトル/電圧/電力潮流/周波数変換所/交直変換所となり答(3)。 (エ)と(オ)は「周波数が違うのか、海を渡るのか」で見分ける。周波数が違えば周波数変換所、長距離の海底ケーブルなら直流送電で交直変換所である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 電力 問7
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問328.図1のように,定格電圧66 kVの電源から三相変圧器を介して二次側に遮断器が接続された三相平衡系統がある。三相変圧器は定格容量7.5 MV·A,変圧比66 kV/6.6 kV,百分率インピーダンスが自己容量基準で9.5 %である。また,三相変圧器一次側から電源側をみた百分率インピーダンスは基準容量10 MV·Aで1.9 %である。過電流継電器(OCR)は変流比1 000 A/5 Aの計器用変流器(CT)の二次側に接続されており,整定タップ電流値5 A,タイムレバー位置1に整定されている。図1のF点で三相短絡事故が発生したとき,過電流継電器の動作時間[s]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 ただし,三相変圧器二次側からF点までのインピーダンス及び負荷は無視する。また,過電流継電器の動作時間は図2の限時特性に従い,計器用変流器の磁気飽和は考慮しないものとする。

- 1.0.29
- 2.0.34
- 3.0.38
- 4.0.46
- 5.0.56
正解:3.0.38
解説:百分率インピーダンスを足すには基準容量をそろえる必要がある。電源側が10 MV·A基準なので、変圧器の値もそこへ換算する。 %Z_T=9.5×10/7.5≒12.67 %。 合計は %Z=12.67+1.9=14.57 %。 6.6 kV側の基準電流(10 MV·Aに対する電流)は I_n=10×10⁶/(√3×6 600)≒874.8 A。 三相短絡電流は I_s=874.8/0.1457≒6 005 A。 CTの変流比が1 000 A/5 Aなので、二次側に流れる電流は 6 005×5/1 000≒30.0 A。 整定タップ電流値が5 Aなので、動作電流の倍数は 30.0/5=6.0 倍。 図2の限時特性で倍数6.0のときの動作時間を読むと約3.8 sである。ただし図2はタイムレバー位置10の特性で、この継電器はタイムレバー位置1に整定されている。動作時間はタイムレバー位置に比例するので 3.8×1/10=0.38 s。答(3)。 最後のタイムレバーの換算が要点である。図のキャプションに「タイムレバー位置10」と書いてあることを見落として3.8 sと答えると、選択肢のどれにも当たらない。 基準容量の換算も落としやすい。自己容量基準の%Zは「その機器の定格容量を基準にした値」なので、他の値と足す前に共通の基準へ直す。基準容量を大きくすると%Zも大きくなる(容量に比例する)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 電力 問8
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問329.架空送電線路の構成部品に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.鋼心アルミより線は,アルミ線を使用することで質量を小さくし,これによる強度の不足を,鋼心を用いることで補ったものである。
- 2.電線の微風振動やギャロッピングを抑制するために,電線にダンパを取り付け,振動エネルギーを吸収する方法がとられる。
- 3.がいしは,電線と鉄塔などの支持物との間を絶縁するために使用する。雷撃などの異常電圧による絶縁破壊は,がいし内部で起こるように設計されている。
- 4.送電線やがいしを雷撃などの異常電圧から保護するための設備に架空地線がある。架空地線には,光ファイバを内蔵し電力用通信線として使用されるものもある。
- 5.架空送電線におけるねん架とは,送電線各相の作用インダクタンスと作用静電容量を平衡させるために行われるもので,ジャンパ線を用いて電線の配置を入れ替えることができる。
正解:3.がいしは,電線と鉄塔などの支持物との間を絶縁するために使用する。雷撃などの異常電圧による絶縁破壊は,がいし内部で起こるように設計されている。
解説:がいしは、異常電圧が加わったときに表面(沿面)でフラッシオーバが起こるように設計されている。内部で絶縁破壊が起きると、がいしそのものが壊れて交換が必要になるうえ、破片が落下する危険もある。表面での放電なら、アークが消えれば絶縁が回復して使い続けられる。したがって「がいし内部で起こるように設計されている」とする(3)が誤りで、これが答になる。 さらに、がいし連の両端にアークホーンを取り付けて、アークをがいしから離れた位置に飛ばす工夫もされている。 他の記述を確かめる。(1)鋼心アルミより線(ACSR)は、軽くて導電率のよいアルミを外側に、強度を受け持つ鋼線を中心に置いた複合構造である。(2)ダンパは電線に取り付けて振動エネルギーを吸収し、微風振動などによる断線を防ぐ。(4)架空地線は電線の上に張って雷を受け止める。近年は光ファイバを内蔵したもの(OPGW)が通信線を兼ねる。(5)ねん架は各相の位置を入れ替えて、三相のインダクタンスと静電容量を平衡させる。実際にはジャンパ線で電線の配置を入れ替える。 がいしは「表面で放電させて本体を守る」、架空地線とアークホーンも「守りたいものから離れたところで放電させる」という同じ考え方でできている。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 電力 問9
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問330.次の文章は,コロナ損に関する記述である。 送電線に高電圧が印加され, (ア) がある程度以上になると,電線からコロナ放電が発生する。コロナ放電が発生するとコロナ損と呼ばれる電力損失が生じる。そこで,コロナ放電の発生を抑えるために,電線の実効的な直径を (イ) するために (ウ) する,線間距離を (エ) する,などの対策がとられている。コロナ放電は,気圧が (オ) なるほど起こりやすくなる。 上記の記述中の空白箇所(ア),(イ),(ウ),(エ)及び(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.電流密度 / 大きく / 単導体化 / 大きく / 低く
- 2.電線表面の電界強度 / 大きく / 多導体化 / 大きく / 低く
- 3.電流密度 / 小さく / 単導体化 / 小さく / 高く
- 4.電線表面の電界強度 / 小さく / 単導体化 / 大きく / 低く
- 5.電線表面の電界強度 / 大きく / 多導体化 / 小さく / 高く
正解:2.電線表面の電界強度 / 大きく / 多導体化 / 大きく / 低く
解説:(ア) コロナ放電は、電線のまわりの空気が絶縁破壊して起きる。きっかけになるのは電線表面の電界強度であって、電流密度ではない。コロナは電流ではなく電圧の現象である。 (イ)(ウ) 電線が太いほど表面の電界はゆるやかになるので、実効的な直径を大きくすればコロナは起きにくい。それを実現するのが多導体化で、数本の電線をスペーサで束ねて1本の太い電線のように見せる。単導体化は逆に細くする方向で、対策にならない。 (エ) 線間距離を大きくすると、電線どうしの間の電界がゆるやかになり、コロナ開始電圧が上がる。 (オ) 気圧が低いほど空気の分子が少なく絶縁耐力が下がるので、コロナは起こりやすくなる。標高の高い山間部の送電線でコロナが問題になるのはこのためである。 電線表面の電界強度/大きく/多導体化/大きく/低くとなり答(2)。 (イ)(ウ)(エ)はすべて「電界をゆるやかにする」という一つの目的でつながっている。太くする・離す、のどちらも電界を下げる方向である。 コロナが起きると電力損失のほかに、電波障害や騒音も生じる。超高圧の送電線で多導体が標準になっているのは、コロナ対策としての意味が大きい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 電力 問10
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問331.我が国の電力ケーブルの布設方式に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.直接埋設式には,掘削した地面の溝に,コンクリート製トラフなどの防護物を敷き並べて,防護物内に電力ケーブルを引き入れてから埋設する方式がある。
- 2.管路式には,あらかじめ管路及びマンホールを埋設しておき,電力ケーブルをマンホールから管路に引き入れ,マンホール内で電力ケーブルを接続して布設する方式がある。
- 3.暗きょ式には,地中に洞道を構築し,床上や棚上あるいはトラフ内に電力ケーブルを引き入れて布設する方式がある。電力,電話,ガス,上下水道などの地下埋設物を共同で収容するための共同溝に電力ケーブルを布設する方式も暗きょ式に含まれる。
- 4.直接埋設式は,管路式,暗きょ式と比較して,工事期間が短く,工事費が安い。そのため,将来的な電力ケーブルの増設を計画しやすく,ケーブル線路内での事故発生に対して復旧が容易である。
- 5.管路式,暗きょ式は,直接埋設式と比較して,電力ケーブル条数が多い場合に適している。一方,管路式では,電力ケーブルを多条数布設すると送電容量が著しく低下する場合があり,その場合には電力ケーブルの熱放散が良好な暗きょ式が採用される。
正解:4.直接埋設式は,管路式,暗きょ式と比較して,工事期間が短く,工事費が安い。そのため,将来的な電力ケーブルの増設を計画しやすく,ケーブル線路内での事故発生に対して復旧が容易である。
解説:直接埋設式は、掘った溝にケーブルを埋めてしまう方式なので、工事期間が短く工事費が安いのは正しい。しかしそのぶん、あとから増設したり事故点を直したりするには、そのつど地面を掘り返さなければならない。したがって「将来的な増設を計画しやすく、事故発生に対して復旧が容易である」は逆で、(4)が誤りとなる。 増設や復旧が容易なのは、あらかじめ管路とマンホールを用意しておく管路式や、人が入れる洞道を持つ暗きょ式である。 他の記述を確かめる。(1)直接埋設式では、コンクリート製トラフなどの防護物にケーブルを収めてから埋めるやり方がある。(2)管路式は管路とマンホールを先に埋設し、ケーブルはマンホールから引き入れて、マンホール内で接続する。(3)暗きょ式には洞道を掘る方式のほか、電力・電話・ガス・上下水道をまとめて収容する共同溝も含まれる。(5)条数が多いときは管路式・暗きょ式が向く。ただし管路式で多条数にすると互いの発熱で温度が上がり、送電容量が落ちる。熱がこもりにくい暗きょ式が選ばれるのはそのためである。 三方式は「工事の手間」と「あとの使いやすさ」の取引になっている。安く早く済むのが直接埋設式、あとが楽なのが暗きょ式、その中間が管路式である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 電力 問11
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問332.配電線路に用いられる電気方式に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.単相2線式は,一般住宅や商店などに配電するのに用いられ,低圧側の1線を接地する。
- 2.単相3線式は,変圧器の低圧巻線の両端と中点から合計3本の線を引き出して低圧巻線の両端から引き出した線の一方を接地する。
- 3.単相3線式は,変圧器の低圧巻線の両端と中点から3本の線で2種類の電圧を供給する。
- 4.三相3線式は,高圧配電線路と低圧配電線路のいずれにも用いられる方式で,電源用変圧器の結線には一般的にΔ結線とV結線のいずれかが用いられる。
- 5.三相4線式は,電圧線の3線と接地した中性線の4本の線を用いる方式である。
正解:2.単相3線式は,変圧器の低圧巻線の両端と中点から合計3本の線を引き出して低圧巻線の両端から引き出した線の一方を接地する。
解説:単相3線式で接地するのは、低圧巻線の中点から引き出した中性線である。両端から引き出した線(電圧線)を接地してしまうと、100 Vと200 Vを取り出すという方式の意味が壊れ、対地電圧も200 Vになって危険になる。したがって(2)が誤りで、これが答になる。 中性線を接地すると、両端の電圧線の対地電圧はどちらも100 Vに収まり、電圧線どうしの間からは200 Vが取り出せる。これが(3)の「3本の線で2種類の電圧を供給する」ということである。 他の記述を確かめる。(1)単相2線式は一般住宅や商店向けで、低圧側の1線を接地する。(3)上のとおり正しい。(4)三相3線式は高圧・低圧のどちらにも使われ、変圧器の結線はΔ結線かV結線が一般的である。V結線は単相変圧器2台で三相を作るやり方で、柱上でよく見られる。(5)三相4線式は3本の電圧線と接地した中性線からなる。 (2)と(3)は同じ単相3線式の説明で、(3)が正しいことを認めれば、両端を接地しては2種類の電圧が成り立たないと気づける。二つの選択肢を突き合わせて読むと矛盾が見える。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 電力 問12
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問333.図に示すように,電線A,Bの張力を,支持物を介して支線で受けている。電線A,Bの張力の大きさは等しく,その値をTとする。支線に加わる張力T₁は電線張力Tの何倍か。最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 なお,支持物は地面に垂直に立てられており,各電線は支線の取付け高さと同じ高さに取付けられている。また,電線A,Bは地面に水平に張られているものとし,電線A,B及び支線の自重は無視する。

- 1.1/2
- 2.√2/2
- 3.√2
- 4.2
- 5.2√2
正解:5.2√2
解説:二段階に分けて考える。まず平面図(上から見た図)で電線の張力を合成し、つぎに立体図で支線の傾きを考える。 平面図では、電線Aの張力Tが左向き、電線Bの張力Tが下向きで、互いに直角である。二つの合力は左下向きで、大きさは √(T²+T²)=√2 T。 支持物を引き倒そうとするのがこの力なので、支線はこれと逆向き(右上45°)に同じ大きさ√2 Tで引き返さなければならない。ただしこれは水平方向の成分である。図に45°と書かれているのも、合力が二つの電線のちょうど中間の向きになることを示している。 つぎに立体図を見る。支線は支持物(鉛直)と30°の角をなしているので、支線の張力T₁のうち水平方向の成分は T₁ sin30°=T₁/2。 これが√2 Tに等しいから T₁/2=√2 T → T₁=2√2 T。答(5)。 (3)の√2は平面図での合成だけで止めた場合の値である。支線は斜めに張られているので、水平成分を出すためにさらにsin30°で割る必要がある。 角度が支持物(鉛直)から測って30°である点に注意する。水平から測ったのだと勘違いしてcos30°を使うと、T₁=2√2/√3 T となって選択肢に合わない。図の30°がどことどこの間の角かを必ず確かめる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 電力 問13
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問334.電気絶縁材料に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.気体絶縁材料は,液体,固体絶縁材料と比較して,一般に電気抵抗率及び誘電率が低いため,固体絶縁材料内部にボイド(空隙,空洞)が含まれると,ボイド部での電界強度が高められやすい。
- 2.気体絶縁材料は,液体,固体絶縁材料と比較して,一般に絶縁破壊強度が低いが,気圧を高めるか,真空状態とすることで絶縁破壊強度を高めることができる性質がある。
- 3.内部にボイドを含んだ固体絶縁材料では,固体絶縁材料の絶縁破壊が生じなくても,ボイド内の気体が絶縁破壊することで部分放電が発生する場合がある。
- 4.固体絶縁材料は,熱や電界,機械的応力などが長時間加えられることによって,固体絶縁材料内部に微小なボイドが形成されて,部分放電が発生する場合がある。
- 5.固体絶縁材料内部で部分放電が発生すると,短時間に固体絶縁材料の絶縁破壊が生じることはなくても,長時間にわたって部分放電が継続的又は断続的に発生することで,固体絶縁材料の絶縁破壊に至る場合がある。
正解:1.気体絶縁材料は,液体,固体絶縁材料と比較して,一般に電気抵抗率及び誘電率が低いため,固体絶縁材料内部にボイド(空隙,空洞)が含まれると,ボイド部での電界強度が高められやすい。
解説:気体は絶縁材料の中でも電気抵抗率が非常に高い部類で、液体や固体と比べて低いということはない。「電気抵抗率及び誘電率が低い」とする(1)が誤りで、これが答になる。 誘電率が低いことのほうは正しく、また「ボイド部での電界強度が高められやすい」という結論も正しい。直列に並んだ誘電体では、誘電率の低いほうに電界が集中するためである。誤りは電気抵抗率についての部分だけである。 他の記述を確かめる。(2)気体の絶縁破壊強度は液体や固体より低いが、気圧を高めれば分子の密度が上がって電子が加速しにくくなり、逆に真空にすれば衝突する相手がいなくなるので、どちらの向きでも絶縁破壊強度を高められる。GISが加圧SF₆を、真空遮断器が真空を使うのはこの性質による。(3)ボイドの中の気体は誘電率が低いので電界が集中し、まず気体が破壊して部分放電になる。固体そのものはまだ壊れていない。(4)熱・電界・機械的応力が長く加わると、固体の中に微小なボイドができて部分放電のもとになる。(5)部分放電がすぐに全体の絶縁破壊につながるわけではないが、長く続くと固体が徐々に侵食され、最後には絶縁破壊に至る。 (3)(4)(5)は「ボイドができる → 部分放電が起きる → 長い時間をかけて絶縁破壊に至る」という一つの筋道になっている。(1)の後半もその入口を説明しており、誤っているのは前半の物性の記述だけである。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 電力 問14
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問335.復水器の冷却に海水を使用し,運転している汽力発電所がある。このときの復水器冷却水流量は30 m³/s,復水器冷却水が持ち去る毎時熱量は3.1×10⁹ kJ/h,海水の比熱容量は4.0 kJ/(kg·K),海水の密度は1.1×10³ kg/m³,タービンの熱消費率は8 000 kJ/(kW·h)である。 この運転状態について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 ただし,復水器冷却水が持ち去る熱以外の損失は無視するものとする。 〔小問(a)〕 タービン出力の値[MW]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.350
- 2.500
- 3.700
- 4.800
- 5.1 000
正解:3.700
解説:熱消費率8 000 kJ/(kW·h)とは、1 kWの出力を1時間得るのに8 000 kJの熱を使うという意味である。一方、1 kW·hは3 600 kJに等しい。 タービン出力をP[kW]とすると、1時間あたりに 入る熱:8 000P[kJ/h] 出力になる分:3 600P[kJ/h] である。復水器冷却水が持ち去る熱以外の損失は無視できるので、差がそのまま復水器で捨てられる。 8 000P−3 600P=4 400P=3.1×10⁹ P=3.1×10⁹/4 400≒7.05×10⁵ kW=705 MW。 最も近いのは700で答(3)。 1 kW·h=3 600 kJ という換算が要点である。ここを落として「8 000Pがそのまま捨てられる」としたり、逆に「3 600Pが捨てられる」としたりすると答が大きくずれる。 熱効率で確かめると η=3 600/8 000=0.45=45 % となり、汽力発電所として無理のない値である。捨てられる熱の割合は55 %で、投入した熱の半分以上が復水器から海へ出ていくことになる。 海水の流量・比熱・密度はこの小問では使わない。小問(b)で温度上昇を求めるときに使う。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 電力 問15(a)
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問336.復水器の冷却に海水を使用し,運転している汽力発電所がある。このときの復水器冷却水流量は30 m³/s,復水器冷却水が持ち去る毎時熱量は3.1×10⁹ kJ/h,海水の比熱容量は4.0 kJ/(kg·K),海水の密度は1.1×10³ kg/m³,タービンの熱消費率は8 000 kJ/(kW·h)である。次の問に答えよ。 ただし,復水器冷却水が持ち去る熱以外の損失は無視するものとする。 〔小問(b)〕 復水器冷却水の温度上昇の値[K]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.3.3
- 2.4.7
- 3.5.3
- 4.6.5
- 5.7.9
正解:4.6.5
解説:熱量・質量・比熱・温度差の関係は Q=m c ΔT である。時間の単位が毎時で与えられているので、質量流量も1時間あたりに直す。 体積流量は30 m³/sなので、1時間では 30×3 600=1.08×10⁵ m³/h。 密度1.1×10³ kg/m³を掛けて質量流量は 1.08×10⁵×1.1×10³=1.188×10⁸ kg/h。 温度上昇は ΔT=Q/(m c)=3.1×10⁹/(1.188×10⁸×4.0) =3.1×10⁹/(4.752×10⁸)≒6.5 K。答(4)。 秒と時間の取り違えが唯一の落とし穴である。流量は毎秒、熱量は毎時で与えられているので、どちらかにそろえなければならない。秒にそろえるなら 3.1×10⁹/3 600≒8.61×10⁵ kJ/s、質量流量は 30×1.1×10³=3.3×10⁴ kg/s で、ΔT=8.61×10⁵/(3.3×10⁴×4.0)≒6.5 K と同じ値になる。 発電所の温排水は取水口と放水口で7 K程度の温度差、という実務上の目安ともよく合う。求めた値が桁違いに大きければ、時間の換算をどこかで落としている。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 電力 問15(b)
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問337.送電線のフェランチ現象に関する問である。三相3線式1回線送電線の一相が図のπ形等価回路で表され,送電線路のインピーダンスjX=j200 Ω,アドミタンスjB=j0.800 mSとし,送電端の線間電圧が66.0 kVであり,受電端が無負荷のとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 受電端の線間電圧の値[kV]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.66.0
- 2.71.7
- 3.78.6
- 4.114
- 5.132
正解:2.71.7
解説:受電端が無負荷なので、受電端に流れ込む電流は受電端側のアドミタンスjB/2に流れるものだけである。1相分で考える。 送電端の相電圧は E_s=66.0/√3≒38.11 kV。 受電端の相電圧をE_rとすると、jXを流れる電流は İ=j(B/2)E_r=j0.400×10⁻³ E_r。 したがって E_s=E_r+jX·İ=E_r+j200×j0.400×10⁻³ E_r =E_r(1+j²×0.08)=E_r(1−0.08)=0.92 E_r。 これを解いて E_r=38.11/0.92≒41.42 kV。 線間電圧に直すと 41.42×√3≒71.7 kV。答(2)。 受電端の電圧が送電端より高くなっている。これがフェランチ現象で、線路の静電容量に流れる進み電流が線路のリアクタンスを通るとき、電圧を押し上げる向きに働くために起きる。 (1)の66.0は電圧が変わらないとした場合。無負荷でも充電電流が流れるので、必ず受電端のほうが高くなる。 j²=−1 の扱いが要点である。j200×j0.400×10⁻³=−0.08 と符号が負になり、1から引くことになる。ここを+にしてしまうと 38.11/1.08≒35.3 kV と、逆に下がる結果になってしまう。 係数0.92はちょうど 1−XB/2 である。XとBが大きいほど、つまり線路が長いほどフェランチ現象は強く現れる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 電力 問16(a)
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問338.送電線のフェランチ現象に関する問である。三相3線式1回線送電線の一相が図のπ形等価回路で表され,送電線路のインピーダンスjX=j200 Ω,アドミタンスjB=j0.800 mSとし,送電端の線間電圧が66.0 kVであり,受電端が無負荷のとき,次の問に答えよ。 〔小問(b)〕 1線当たりの送電端電流の値[A]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 (小問(a)より,受電端の線間電圧は約71.7 kVである。)

- 1.15.2
- 2.16.6
- 3.28.7
- 4.31.8
- 5.55.1
正解:4.31.8
解説:π形等価回路では、アドミタンスが送電端側と受電端側に半分ずつ置かれている。送電端電流は、この二つに流れる電流の合計になる。受電端は無負荷なので、それ以外に電流の行き先はない。 相電圧はそれぞれ E_s=66.0/√3≒38.11 kV,E_r=71.7/√3≒41.42 kV。 受電端側のアドミタンスに流れる電流は I₁=(B/2)E_r=0.400×10⁻³×41 420≒16.57 A。 送電端側のアドミタンスに流れる電流は I₂=(B/2)E_s=0.400×10⁻³×38 110≒15.24 A。 どちらも同じ向き(進み90°)なので、そのまま足して I_s=16.57+15.24≒31.8 A。答(4)。 (2)の16.6は受電端側のぶんだけ、(1)の15.2は送電端側のぶんだけの値である。π形等価回路では両端にアドミタンスがあるので、送電端電流は両方の和になる。 二つの電流を単純に足してよいのは、どちらもコンデンサに流れる電流で位相がそろっているからである。位相の違う成分どうしなら二乗して足す必要がある。 B/2=0.400 mS を使うこと。設問で与えられたjB=j0.800 mSは線路全体の値で、片側には半分ずつ置かれる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 電力 問16(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問339.三相3線式配電線路の受電端に遅れ力率0.8の三相平衡負荷60 kW(一定)が接続されている。次の(a)及び(b)の問に答えよ。 ただし,三相負荷の受電端電圧は6.6 kV一定とし,配電線路のこう長は2.5 km,電線1線当たりの抵抗は0.5 Ω/km,リアクタンスは0.2 Ω/kmとする。なお,送電端電圧と受電端電圧の位相角は十分小さいものとして得られる近似式を用いて解答すること。また,配電線路こう長が短いことから,静電容量は無視できるものとする。 〔小問(a)〕 この配電線路での抵抗による電力損失の値[W]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.22
- 2.54
- 3.65
- 4.161
- 5.220
正解:4.161
解説:まず線電流を求める。三相の電力は P=√3 V I cosθ なので I=P/(√3 V cosθ)=60×10³/(√3×6 600×0.8)≒6.56 A。 つぎに1線当たりの抵抗を出す。 R=0.5×2.5=1.25 Ω。 三相3線式なので電線は3本あり、電力損失は P_loss=3I²R=3×6.56²×1.25 =3×43.0×1.25≒161 W。答(4)。 3を掛けるのを忘れると 43.0×1.25≒54 W となって(2)に落ちる。三相3線式では3本の電線それぞれで損失が生じるので、必ず3倍する。 (5)の220は抵抗を 0.5×2.5 ではなく別の取り方をした場合などに出る。こう長2.5 kmに1 kmあたりの抵抗0.5 Ωを掛けて1.25 Ωとする、という手順を固定する。 リアクタンス0.2 Ω/kmはこの小問では使わない。電力損失を生むのは抵抗だけで、リアクタンスは電圧降下には効くが電力は消費しない。リアクタンスは小問(b)で使う。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 電力 問17(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問340.三相3線式配電線路の受電端に遅れ力率0.8の三相平衡負荷60 kW(一定)が接続されている。次の問に答えよ。 ただし,三相負荷の受電端電圧は6.6 kV一定とし,配電線路のこう長は2.5 km,電線1線当たりの抵抗は0.5 Ω/km,リアクタンスは0.2 Ω/kmとする。なお,送電端電圧と受電端電圧の位相角は十分小さいものとして得られる近似式を用いて解答すること。また,配電線路こう長が短いことから,静電容量は無視できるものとする。 〔小問(b)〕 受電端の電圧降下率を2.0 %以内にする場合,受電端でさらに増設できる負荷電力(最大)の値[kW]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし,負荷の力率(遅れ)は変わらないものとする。
- 1.476
- 2.536
- 3.546
- 4.1 280
- 5.1 340
正解:1.476
解説:電圧降下率2.0 %以内なので、許される電圧降下は 6 600×0.02=132 V。 三相3線式の電圧降下の近似式は v=√3 I(R cosθ+X sinθ) である。1線当たりの値は R=0.5×2.5=1.25 Ω,X=0.2×2.5=0.5 Ω。 力率0.8(遅れ)なので cosθ=0.8、sinθ=0.6 だから R cosθ+X sinθ=1.25×0.8+0.5×0.6=1.0+0.3=1.3 Ω。 したがって √3 I×1.3≦132 → I≦132/(√3×1.3)≒58.6 A。 この電流のときに送れる三相電力は P=√3×6 600×58.6×0.8≒536×10³ W=536 kW。 すでに60 kWが接続されているので、さらに増設できるのは 536−60=476 kW。答(1)。 (2)の536は増設分ではなく、電圧降下率2.0 %のときに送れる全電力である。設問は「さらに増設できる負荷電力」を問うているので、既設の60 kWを引く。ここを引き忘れると(2)を選ぶことになる。 電圧降下の近似式で、リアクタンスの項 X sinθ を落とすと 1.25×0.8=1.0 となり、I≦60.9 A、P≒557 kW、増設分497 kW と少し大きく出る。遅れ力率の負荷ではリアクタンスも電圧降下に効くので、両方の項を入れる。 電圧降下率は受電端電圧を基準にした割合である。6 600 Vの2.0 %で132 Vという値をまず出しておくと、あとは電流の上限を求めるだけになる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 電力 問17(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問341.電気事業法は、電気事業の運営や電気工作物の保安を目的として制定された法律である。
正解:○(正しい)
解説:電気事業法1条の目的規定: 電気事業の運営を適正かつ合理的にし、電気工作物の保安を確保する。電気主任技術者制度・自家用電気工作物規制の根拠法。
根拠: 電気事業法 第1条 (出典: e-Gov法令検索)
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問342.電気事業法における「電気工作物」には、発電・送電・変電・配電・電気使用のために設置する機械・器具・電線路などが含まれる。
正解:○(正しい)
解説:電気事業法2条1項18号の電気工作物の定義です。
根拠: 電気事業法 第2条 (出典: e-Gov法令検索)
-
問343.電気工作物は、事業用電気工作物と一般用電気工作物に区分される。
正解:○(正しい)
解説:電気事業法38条により区分されます。事業用はさらに電気事業の用・自家用に分かれます。
根拠: 電気事業法 第38条 (出典: e-Gov法令検索)
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問344.一般用電気工作物は、600Vを超える電圧で受電する需要設備も含まれる。
正解:×(誤り)
解説:誤り。一般用電気工作物は600V以下で受電するものに限られます(電気事業法38条1項)。
根拠: 電気事業法 第38条 (出典: e-Gov法令検索)
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問345.自家用電気工作物の保安規程は、内部保管のみで届出は不要である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。保安規程は「主務大臣に届出」が必要(電気事業法)。
-
問346.自家用電気工作物の設置者は、主任技術者を選任しなければならない。
正解:○(正しい)
解説:電気事業法43条で電気主任技術者の選任義務があります。
根拠: 電気事業法 第43条 (出典: e-Gov法令検索)
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問347.第三種電気主任技術者の保安監督範囲は、電圧10万V未満の電気工作物である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。第三種は「5万V未満」(出力5千kW以上発電所除く)。10万Vではない。
-
問348.第二種電気主任技術者の保安監督範囲は、電圧5万V未満の電気工作物である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。第二種は「17万V未満」(5万V未満は第三種)。
-
問349.第一種電気主任技術者は、500kW未満の電気工作物の保安監督に限定される。
正解:×(誤り)
解説:誤り。第一種は「すべての事業用電気工作物の保安監督」が可能(500kW未満限定ではない)。
-
問350.低圧とは、直流300V以下、交流300V以下の電圧をいう。
正解:×(誤り)
解説:誤り。低圧は「直流750V以下、交流600V以下」(300Vではない)。
-
問351.高圧とは、直流7000V超、交流7000V超の電圧をいう。
正解:×(誤り)
解説:誤り。高圧は「直流750V超〜7000V以下、交流600V超〜7000V以下」(7000V超は特別高圧)。
-
問352.特別高圧とは、3000Vを超える電圧をいう。
正解:×(誤り)
解説:誤り。特別高圧は「7000V超」(3000Vではない)。
-
問353.電気工作物は、人体に危害を及ぼし、又は物件に損傷を与えるおそれがないように施設しなければならない。
正解:○(正しい)
解説:電技4条: 電気工作物は人体に危害を及ぼし又は物件に損傷を与えるおそれがないようにすることが基本原則。設備設計・施工の根本的な要求事項。
根拠: 電気設備に関する技術基準を定める省令 第4条 (出典: e-Gov法令検索)
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問354.電気設備は他の電気設備その他の物件の機能に電気的又は磁気的な障害を与えないように施設しなければならない。
正解:○(正しい)
解説:電技5条の電気的・磁気的障害の防止の規定です。
根拠: 電気設備に関する技術基準を定める省令 第5条 (出典: e-Gov法令検索)
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問355.電路は、原則として大地から絶縁しなければならない。
正解:○(正しい)
解説:電技5条1項の規定です。ただし中性点接地等の例外があります。
根拠: 電気設備に関する技術基準を定める省令 第5条 (出典: e-Gov法令検索)
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問356.A種接地工事の接地抵抗値は、原則として100Ω以下である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。A種は「10Ω以下」(100ΩはD種)。
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問357.B種接地工事は、変圧器の高圧電路と高圧電路を結合する場合に施す接地である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。B種は「高圧電路と低圧電路を結合する場合に低圧側中性点等」に施す接地。
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問358.C種接地工事の接地抵抗値は、原則として500Ω以下である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。C種は「10Ω以下」(500Ω以下緩和はD種で自動遮断あり時)。
-
問359.D種接地工事の接地抵抗値は、原則として10Ω以下である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。D種は「100Ω以下」(10Ω以下はA・C種)。
-
問360.低圧屋内配線の使用電圧が300V以下の場合、合成樹脂管工事は湿気の多い場所には施設できない。
正解:×(誤り)
解説:誤り。合成樹脂管工事(硬質塩化ビニル電線管等)は湿気の多い場所・水気のある場所にも施設できます。
-
問361.地絡遮断装置は、地絡事故時に手動で電路を遮断する装置である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。地絡遮断装置は「自動的に遮断」(手動ではない、検出と遮断を自動化)。
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問362.過電流遮断器は、過電流(過負荷電流・短絡電流)から電路を保護するために施設される。
正解:○(正しい)
解説:電技14条・電技解釈33-37条の規定です。
根拠: 電気設備に関する技術基準を定める省令 第14条 (出典: e-Gov法令検索)
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問363.電気事業法における「電気事業者」には、一般送配電事業者・送電事業者・配電事業者・特定送配電事業者・発電事業者などが含まれる。
正解:○(正しい)
解説:2016年の電力システム改革を経た現行区分です。
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問364.電気事業者の電圧維持義務は、需要家受電点で標準電圧の±20V以内である(100V系)。
正解:×(誤り)
解説:誤り。100V系は「標準電圧の±6V以内」(±20Vは過大)。
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問365.周波数の維持について、一般送配電事業者は、供給する電気の周波数を標準周波数に等しい値に維持するように努めなければならない。
正解:○(正しい)
解説:電気事業法26条1項と同法施行規則38条2項。維持されず使用者の利益を阻害しているときは、経済産業大臣が必要な措置を命ずることができる(同条2項)。
根拠: 電気事業法 第26条 (出典: e-Gov法令検索)
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問366.電気工事士法では、一般用電気工作物の電気工事は誰でも従事できる。
正解:×(誤り)
解説:一般用電気工作物の工事は「電気工事士でなければ従事不可」(誰でもは誤り)。
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問367.自家用電気工作物の最大電力500kW未満の工事は、第二種電気工事士でも行える。
正解:×(誤り)
解説:誤り。500kW未満自家用は「第一種電気工事士」(第二種では不可)。
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問368.電気用品安全法は、電気用品の製造・輸入・販売等を規制し、危険及び障害の発生を防止することを目的とする。
正解:○(正しい)
解説:正しい。電気用品安全法は、電気用品の製造・販売等を規制するとともに、電気用品の安全性の確保について民間事業者の自主的な活動を促進することで、電気用品による危険及び障害の発生を防止することを目的としている(同法1条)。輸入も規制の対象で、電気用品の製造又は輸入の事業を行う者は、事業開始の日から30日以内に経済産業大臣への届出が必要である。
根拠: 電気用品安全法 第1条 / 電気用品安全法 第3条 (出典: e-Gov法令検索)
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問369.特定電気用品には、丸形PSEマークの表示が必要である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。特定電気用品は「菱形PSE」、特定電気用品以外が「丸形PSE」。
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問370.電気主任技術者は、電気工作物の工事・維持及び運用に関する保安の監督を職務とする。
正解:○(正しい)
解説:電気事業法43条の主任技術者の職務の規定です。
根拠: 電気事業法 第43条 (出典: e-Gov法令検索)
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問371.電気主任技術者を選任しない場合、一定の要件のもと、保安法人への保安業務委託が認められている。
正解:○(正しい)
解説:電気事業法43条但書・施行規則の外部委託承認制度です。
根拠: 電気事業法 第43条 (出典: e-Gov法令検索)
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問372.電気事業法における発電用電気工作物の工事計画の事前届出は、一部の事業用電気工作物(一定規模以上の発電所新設等)について義務付けられている。
正解:○(正しい)
解説:電気事業法48条・施行規則の工事計画届出の規定です。
根拠: 電気事業法 第48条 (出典: e-Gov法令検索)
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問373.自家用電気工作物の設置者は、感電により人が死傷する事故が発生した場合、電気工作物の設置の場所を管轄する産業保安監督部長へ報告しなければならない。
正解:○(正しい)
解説:電気関係報告規則3条1項の表 第1号。感電または電気工作物の破損・誤操作等により人が死傷した事故(死亡または病院・診療所に入院した場合に限る)は、電気事業者・自家用電気工作物の設置者とも「電気工作物の設置の場所を管轄する産業保安監督部長」に報告する。報告は事故を知った時から24時間以内に電話等で速報し、知った日から30日以内に様式第13の報告書を提出する(同条2項)。★経済産業大臣に報告するのは、出力90万kW以上の水力発電所や電圧30万V以上の変電所などに属する主要電気工作物の破損事故(同表第5号)や、2以上の号に該当して報告先が異なる事故(同項後段)に限られる。★保安規程の届出(電気事業法42条)や主任技術者の選任届(同法43条3項)の相手方は「主務大臣」で、同法113条の2により原子力以外は経済産業大臣。事故報告の相手方とは別なので混同しないこと。
根拠: 電気事業法 第42条 / 電気関係報告規則 第3条 (出典: e-Gov法令検索)
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問374.需要率は、最大需要電力を設備容量で除した値であり、100%を超えることもある。
正解:×(誤り)
解説:誤り。需要率=最大需要/設備容量で、通常1(100%)以下となります。
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問375.不等率は、合成最大需要電力÷各個別最大電力の合計で、1以下となる。
正解:×(誤り)
解説:誤り。不等率は「個別最大電力の合計÷合成最大電力」で「1以上」(記述が逆、需要分散性)。
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問376.交流における低圧の範囲として、正しいものはどれか。
- ア.300V以下
- イ.750V以下
- ウ.600V以下
- エ.1000V以下
正解:ウ.600V以下
解説:電技2条:交流の低圧は600V以下です。
根拠: 電気設備に関する技術基準を定める省令 第2条 (出典: e-Gov法令検索)
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問377.特別高圧の電圧区分として、正しいものはどれか。
- ア.600Vを超え7000V以下
- イ.7000V以上
- ウ.750Vを超え7000V以下
- エ.7000Vを超える
正解:エ.7000Vを超える
解説:電技2条:特別高圧は7000Vを超えるものです。
根拠: 電気設備に関する技術基準を定める省令 第2条 (出典: e-Gov法令検索)
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問378.第三種電気主任技術者の保安監督範囲として、正しいものはどれか。
- ア.電圧50000V未満の事業用電気工作物(出力5千kW以上の発電所を除く)
- イ.電圧5000V未満の事業用電気工作物(出力5千kW以上の発電所を除く)
- ウ.電圧170000V未満の事業用電気工作物
- エ.すべての事業用電気工作物
正解:ア.電圧50000V未満の事業用電気工作物(出力5千kW以上の発電所を除く)
解説:施行規則56条:第三種は電圧5万V未満(出力5千kW以上の発電所除く)の監督が可能です。
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問379.A種接地工事の接地抵抗値として、原則正しいものはどれか。
- ア.50Ω以下
- イ.10Ω以下
- ウ.100Ω以下
- エ.500Ω以下
正解:イ.10Ω以下
解説:電技解釈17条: A種接地工事は10Ω以下が原則。高圧機器の鉄台等の接地に施す。B種は変圧器低圧側中性点、C種(D種)は低圧機器で抵抗値が異なる。
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問380.D種接地工事の接地抵抗値として、原則正しいものはどれか。
- ア.10Ω以下
- イ.50Ω以下
- ウ.100Ω以下
- エ.500Ω以下
正解:ウ.100Ω以下
解説:電技解釈17条:D種は100Ω以下(0.5秒以内に動作する漏電遮断器設置の場合500Ω以下)。
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問381.電気事業法において、一般用電気工作物の受電電圧の上限として、正しいものはどれか。
- ア.100V
- イ.200V
- ウ.7000V
- エ.600V
正解:エ.600V
解説:一般用電気工作物は600V以下で受電するものです(電気事業法38条)。
根拠: 電気事業法 第38条 (出典: e-Gov法令検索)
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問382.標準電圧100Vにおける電圧の維持すべき値として、正しいものはどれか。
- ア.101V±6V(95V〜107V)
- イ.95V以上105V以下
- ウ.100V±10V
- エ.110V±20V
正解:ア.101V±6V(95V〜107V)
解説:電気事業法施行規則38条:100V系は101V±6V(95〜107V)、200V系は202V±20V(182〜222V)です。
根拠: 電気事業法施行規則 第38条 (出典: e-Gov法令検索)
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問383.設備容量500kW、最大需要電力300kWの需要家の需要率[%]はいくらか。
- ア.40
- イ.60
- ウ.50
- エ.70
正解:イ.60
解説:需要率=最大需要/設備容量=300/500=0.6=60%。
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問384.各需要家の最大需要の合計が600kW、合成最大需要が400kWのときの不等率はいくらか。
- ア.0.67
- イ.1
- ウ.1.5
- エ.2
正解:ウ.1.5
解説:不等率=各最大の合計/合成最大=600/400=1.5。
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問385.自家用電気工作物の設置者が、電気主任技術者を選任せずに業務を外部へ委託し、承認を受ける場合の委託先として正しいものはどれか。
- ア.登録電気工事業者
- イ.一般送配電事業者
- ウ.登録安全管理審査機関
- エ.電気保安法人
正解:エ.電気保安法人
解説:電気事業法施行規則52条2項により、電圧7,000V以下で受電する需要設備などの自家用電気工作物は、保安管理業務の委託契約を要件を満たす者と結び、産業保安監督部長等の承認を受ければ、電気主任技術者を選任しないことができる。委託先の要件は52条の2に定められ、要件を満たす個人事業者か、保安業務従事者などの要件を満たす法人(いわゆる電気保安法人)である。登録電気工事業者・一般送配電事業者・登録安全管理審査機関であることは、委託先の要件ではない。
根拠: 電気事業法施行規則(平成七年通商産業省令第七十七号) 第52条 / 電気事業法施行規則(平成七年通商産業省令第七十七号) 第52条_2 (出典: e-Gov法令検索)
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問386.電気工事士法における、一般用電気工作物の電気工事を行うのに必要な資格として、正しいものはどれか。
- ア.第一種または第二種電気工事士
- イ.電気主任技術者
- ウ.電気工事施工管理技士
- エ.電気用品取扱主任者
正解:ア.第一種または第二種電気工事士
解説:一般用電気工作物の工事は第一種または第二種電気工事士ができます。
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問387.PSEマークのうち、特定電気用品に表示されるのはどれか。
- ア.丸形PSE
- イ.菱形PSE
- ウ.三角形PSE
- エ.四角形PSE
正解:イ.菱形PSE
解説:特定電気用品は菱形PSE、その他の電気用品は丸形PSEです。
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問388.B種接地工事の目的として、正しいものはどれか。
- ア.雷サージによる電路の機器の絶縁破壊の防止
- イ.機器の金属製外箱の漏電による感電の防止
- ウ.高低圧の混触による低圧側の電位上昇の防止
- エ.電磁誘導による通信線への障害の防止
正解:ウ.高低圧の混触による低圧側の電位上昇の防止
解説:B種接地工事は、高圧又は特別高圧の電路と低圧の電路を結合する変圧器の低圧側の中性点(低圧側の使用電圧が300V以下で中性点に施しにくい場合は低圧側の1端子)に施す。変圧器の内部で高低圧が混触したとき、低圧側に高い電圧が侵入して低圧側の機器の損傷・感電・火災が起きるのを防ぐのが目的である(電技省令12条)。機器の金属製外箱の接地は、漏電したときの感電を防ぐもので、機器の電圧に応じてA種・C種・D種接地工事を施す。雷サージから機器を守るのは避雷器で、高圧の電路の避雷器にはA種接地工事を施す。通信線への誘導障害の防止も、B種接地工事の目的ではない。
根拠: 電気設備に関する技術基準を定める省令 第12条 / 国土交通省大臣官房官庁営繕部「公共建築工事標準仕様書(電気設備工事編)令和7年版」 第2編 第13節 接地 2.13.1 A種接地工事を施す電気工作物(高圧の機器の金属製外箱、高圧又は特別高圧の電路に施設する避雷器)・2.13.2 B種接地工事(高圧電路と低圧電路とを結合する変圧器の低圧側中性点。施工し難い場合は低圧側の一端子)・2.13.3 C種/2.13.4 D種(使用電圧300V超/300V以下の機器の金属製外箱)(PDF 83〜84ページ) (出典: e-Gov法令検索)
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問389.電技解釈において、使用電圧300Vを超える低圧の電気機器金属製外箱に施すべき接地工事はどれか。
- ア.A種
- イ.B種
- ウ.D種
- エ.C種
正解:エ.C種
解説:C種接地工事(10Ω以下)が原則です。漏電遮断器設置で500Ω以下も可。
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問390.電気事業法において、電気主任技術者免状の種類として存在しないものはどれか。
- ア.第四種電気主任技術者
- イ.第二種電気主任技術者
- ウ.第三種電気主任技術者
- エ.第一種電気主任技術者
正解:ア.第四種電気主任技術者
解説:電気事業法第44条第1項が定める主任技術者免状のうち、電気主任技術者免状は第1種・第2種・第3種の3種類だけである(同項第1号〜第3号)。「第四種」は存在しない。なお同項には、ほかにダム水路主任技術者免状(第1種・第2種)とボイラー・タービン主任技術者免状(第1種・第2種)も定められている。
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問391.住宅の屋内電路(電気機械器具内の電路を除く)の対地電圧は、原則として150V以下でなければならない。
正解:○(正しい)
解説:電技解釈143条1項。ただし、定格消費電力2kW以上の電気機械器具とこれだけに供給する屋内配線を所定の方法で施設する場合などは、対地電圧を300V以下とすることができる(同項ただし書)。
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問392.電気主任技術者は、ボランティアの民間資格である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。電気主任技術者は「国家資格」(ボランティアではない)。
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問393.A種接地工事の接地線には、原則として直径1.6mm以上の軟銅線を使用すればよい。
正解:×(誤り)
解説:誤り。電技解釈17条1項2号ロにより、A種接地工事の接地線は引張強さ1.04kN以上の容易に腐食し難い金属線又は直径2.6mm以上の軟銅線とする。直径1.6mm以上の軟銅線でよいのはC種・D種接地工事である。
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問394.電気工事士は、電気工事士法に定める電気工事の作業に従事するときは、電気工事士免状を携帯していなければならない。
正解:○(正しい)
解説:電気工事士法5条2項。特種電気工事資格者と認定電気工事従事者も、作業に従事するときはそれぞれの認定証を携帯しなければならない。
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問395.自家用電気工作物には、保安規程の届出と電気主任技術者の選任が義務付けられる。
正解:○(正しい)
解説:自家用電気工作物:高圧・特別高圧で受電する工場・ビル等。保安規程作成・主任技術者選任・経産省への届出が義務。
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問396.電気工事士法は、電気工事の作業者の資格と業務範囲を定める法律である。
正解:○(正しい)
解説:電気工事士法は電気工事の作業に従事する者の資格と義務を定める(1条)。第一種は最大電力500kW未満の需要設備などの自家用電気工作物と一般用電気工作物等、第二種は一般用電気工作物等(一般用と小規模事業用)の工事に従事できる(3条)。
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問397.電気用品の製造又は輸入の事業を行う者は、電気用品の区分に従い、事業開始の日から30日以内に経済産業大臣に届け出なければならない。
正解:○(正しい)
解説:電気用品安全法3条。届け出た者(届出事業者)は電気用品を技術基準に適合させ(8条)、特定電気用品については販売する時までに登録を受けた者の適合性検査を受ける(9条)。
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問398.電気設備技術基準は、法律として国会が定めたものである。
正解:×(誤り)
解説:誤り。電気設備技術基準は「省令」(経済産業省令、法律ではない)。
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問399.登録電気工事業者は一般用電気工事の業務を行う営業所ごとに主任電気工事士を置かなければならないが、第二種電気工事士であれば免状の交付を受けた直後から主任電気工事士になることができる。
正解:×(誤り)
解説:誤り。電気工事業法19条1項により、主任電気工事士は第一種電気工事士か、第二種電気工事士免状の交付を受けた後に電気工事に関し3年以上の実務経験を有する第二種電気工事士でなければならない。
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問400.D種接地工事は、500V以下の電気機器接地で接地抵抗50Ω以下が必要である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。D種は「300V以下」(500Vではない)、原則「100Ω以下」(50Ωではない)。
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問401.漏電遮断器は、電気回路に漏電が発生した際に自動的に電源を遮断する装置である。
正解:○(正しい)
解説:漏電遮断器(ELB/ELCB):感度電流30mA・動作時間0.1秒以内が一般家庭用。人体保護・火災防止。
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問402.電気使用場所の屋内配線は、原則として電気設備技術基準に基づく工事方法(金属管工事・合成樹脂管工事等)で行う必要がある。
正解:○(正しい)
解説:屋内配線工事方法:金属管・合成樹脂管・ケーブル・金属線ぴ・がいし引き等。場所・電圧で施工方法を選定。
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問403.電力会社との需給契約で、契約電力50kW未満から高圧契約となる。
正解:×(誤り)
解説:誤り。高圧契約は「50kW以上」が一般(50kW未満は低圧)。
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問404.電気事業法上、発電事業を営もうとする者は、経済産業大臣に届け出なければならない。
正解:○(正しい)
解説:電気事業法27条の27により、発電事業は届出制で、発電用電気工作物の設置場所・原動力の種類・出力などを経済産業大臣に届け出る。発電所の工事は、公共の安全上特に重要なものは工事計画の認可(47条)、それ以外の一定のものは工事計画の届出(48条)の対象となる。
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問405.電力小売の家庭向け全面自由化は、2010年4月から開始された。
正解:×(誤り)
解説:誤り。家庭向け全面自由化は「2016年4月」(2010年ではない、2000年からは大規模需要家のみ)。
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問406.電気主任技術者は、選任先以外の事業所も自由に保安監督できる。
正解:×(誤り)
解説:誤り。主任技術者の保安監督は「選任先の事業所に限定」(自由ではない)。
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問407.事業用電気工作物の保安規程は、保安管理体制・点検計画・事故時の対応等を定めた設置者の自主保安の規程である。
正解:○(正しい)
解説:電気事業法42条1項により、設置者が組織ごとに保安規程を定めて使用開始前に主務大臣(自家用で一の産業保安監督部の管内のものは権限の委任により産業保安監督部長)に届け出る。
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問408.第二種電気工事士は、低圧600V超の電気工作物の工事もできる。
正解:×(誤り)
解説:誤り。第二種は「低圧600V以下」のみ(600V超は不可)。
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問409.電気主任技術者は、5年に1回の技能講習が法定義務である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。研修・自己学習は「望ましいが法定義務ではない」(5年講習義務は他資格)。
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問410.電気事業法に基づく電気主任技術者の選任は、事業用電気工作物の保安監督業務を遂行するためのものである。
正解:○(正しい)
解説:電気事業法43条1項により、設置者は保安の監督をさせるため主任技術者を選任し、選任・解任したときは主務大臣に届け出る(同条3項)。一の産業保安監督部の管内のものは権限の委任により産業保安監督部長が受け付ける。
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問411.自家用電気工作物で感電により人が死亡し、又は病院に入院した事故が起きたとき、設置者が事故の発生を知った時から電話等の方法で行う報告(速報)の期限はどれか。
- ア.48時間以内
- イ.24時間以内
- ウ.72時間以内
- エ.7日以内
正解:イ.24時間以内
解説:電気関係報告規則3条2項により、事故の発生を知った時から24時間以内可能な限り速やかに電話等で報告し、知った日から起算して30日以内に報告書を提出する。報告先は電気工作物の設置の場所を管轄する産業保安監督部長である。
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問412.電技解釈で、高圧架空電線路から電気の供給を受ける需要場所の引込口に避雷器を施設しなければならないのは、受電電力がいくら以上の場合か。
- ア.50kW
- イ.100kW
- ウ.500kW
- エ.2,000kW
正解:ウ.500kW
解説:電技解釈37条1項3号により、受電電力500kW以上の需要場所の引込口又はこれに近接する箇所に避雷器を施設する。高圧・特別高圧の電路の避雷器にはA種接地工事を施す(同条3項)。
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問413.電気工事士の資格と工事可能範囲の組合せとして正しいものはどれか。
- ア.第二種:最大電力500kW未満の自家用電気工作物と一般用電気工作物等
- イ.第一種:最大電力2000kW未満の自家用電気工作物と一般用電気工作物等
- ウ.第一種:最大電力500kW未満の自家用電気工作物と一般用電気工作物等
- エ.第二種:最大電力2000kW未満の自家用電気工作物と一般用電気工作物等
正解:ウ.第一種:最大電力500kW未満の自家用電気工作物と一般用電気工作物等
解説:電気工事士法の自家用電気工作物からは、発電所・変電所・最大電力500kW以上の需要設備などが除かれ、その工事は第一種電気工事士でなければ従事できない。一般用電気工作物等(一般用電気工作物と小規模事業用電気工作物)の工事は、第一種または第二種電気工事士が従事できる。したがって第一種は最大電力500kW未満の自家用電気工作物と一般用電気工作物等、第二種は一般用電気工作物等に限られる。区分の値は500kWで2000kWではない。なお、ネオン工事などの特殊電気工事には特種電気工事資格者の認定が別に要る。
根拠: 電気工事士法 第2条 / 電気工事士法 第3条 / 電気工事士法施行規則 第1条の2 (出典: e-Gov法令検索)
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問414.電気事業法における電気工作物の区分として正しいものはどれか。
- ア.商用と非商用
- イ.家庭用と工業用
- ウ.低圧と高圧
- エ.一般用と事業用
正解:エ.一般用と事業用
解説:電気工作物:①一般用(住宅・商店等)②事業用(自家用+電気事業用)。法令上の正式区分。
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問415.電力小売全面自由化が実施されたのはいつか。
- ア.2016年4月
- イ.2010年4月
- ウ.2000年4月
- エ.2020年4月
正解:ア.2016年4月
解説:2016年4月:家庭含む電力小売全面自由化。2020年4月には法的分離(送配電と発電・小売の分社化)。
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問416.事業用電気工作物の保安規程は、市町村長に届け出る義務がある。
正解:×(誤り)
解説:誤り。保安規程は主務大臣(経済産業大臣)に届け出る(電気事業法42条1項)。自家用で一の産業保安監督部の管内のものは権限の委任により産業保安監督部長が受け付ける。市町村長ではない。
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問417.事業用電気工作物の工事、維持又は運用に従事する者は、電気主任技術者がその保安のためにする指示に従わなければならない。
正解:○(正しい)
解説:電気事業法43条5項の規定。なお保安規程を定めて届け出るのは設置者(42条1項)で、主任技術者は保安の監督の職務を誠実に行う(43条4項)。
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問418.電気主任技術者の外部委託承認制度は、自家用電気工作物の規模等に応じて、外部の電気保安法人等に保安監督を委託できる仕組みである。
正解:○(正しい)
解説:外部委託承認:小規模事業者向け。電気保安協会・登録保安管理事業者等に委託可能。
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問419.電気使用安全月間は、毎年1月で防寒安全啓発を行う。
正解:×(誤り)
解説:誤り。電気使用安全月間は「毎年8月」(感電・電気火災防止啓発)。1月ではない。
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問420.低圧電路の絶縁抵抗値は、対地電圧150V以下では1.0MΩ以上が必要である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。150V以下は「0.1MΩ以上」(1.0MΩではない、150〜300V 0.2MΩ、300V超 0.4MΩ)。
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問421.高圧電路の絶縁抵抗判定基準は、メガーで0.5MΩ以上を目安とする。
正解:×(誤り)
解説:誤り。電技省令58条の絶縁抵抗値は低圧電路の基準(300V以下で対地電圧150V以下0.1MΩ、その他0.2MΩ、300V超0.4MΩ)で、高圧電路に法令上の絶縁抵抗値の定めはない。高圧電路の絶縁性能は絶縁耐力試験(電技解釈15条)で確認する。
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問422.電気工作物の絶縁耐力試験は、最大使用電圧の0.5倍で1分間印加する。
正解:×(誤り)
解説:誤り。絶縁耐力試験は「最大使用電圧の1.5倍程度で10分間」(0.5倍・1分ではない)。
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問423.接地工事のA種・B種・C種・D種の各接地抵抗値は、それぞれ10Ω以下・適合計算値・10Ω以下・100Ω以下が原則である。
正解:○(正しい)
解説:接地抵抗:A種10Ω以下、B種は系統条件で計算、C種10Ω以下(漏電遮断器でD種扱いなら500Ω以下)、D種100Ω以下。
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問424.事業用電気工作物(小規模事業用電気工作物を除く)の設置者は、保安規程を変更したときは、変更した日から1年以内に変更した事項を届け出ればよい。
正解:×(誤り)
解説:誤り。電気事業法42条2項により、保安規程を変更したときは、遅滞なく、変更した事項を主務大臣に届け出なければならない(自家用で一の産業保安監督部の管内のものは、権限の委任により産業保安監督部長が受け付ける)。
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問425.自家用電気工作物(最大電力500kW未満の需要設備など)の電気工事の作業には、原則として第一種電気工事士の資格が必要である。
正解:○(正しい)
解説:電気工事士法3条1項。ただし電圧600V以下で使用する部分の簡易電気工事は認定電気工事従事者も従事でき(同条4項・施行規則2条の3)、ネオン工事・非常用予備発電装置工事は特種電気工事資格者が必要(同条3項)。500kW以上の需要設備は同法の自家用電気工作物から除かれる。
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問426.電気工事業者は、電気工事業法により都道府県知事または経済産業大臣の登録を受ける必要がある。
正解:○(正しい)
解説:電気工事業法:登録電気工事業者制度。営業所ごとに主任電気工事士配置、5年ごとに更新登録。
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問427.電気用品安全法のPSEマークは、特定電気用品(菱形PSE)と特定電気用品以外(丸形PSE)の2種類がある。
正解:○(正しい)
解説:PSEマーク:菱形PSE(特定電気用品116品目、第三者認証要)・丸形PSE(その他の電気用品341品目、自主検査)。
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問428.電気事業者は一般送配電事業者のみが該当する。
正解:×(誤り)
解説:誤り。電気事業者には「一般送配電・送電・配電・特定送配電・発電・小売電気事業者」等多数。
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問429.小売電気事業者(新電力・PPS等)は、電気事業法により経済産業大臣の登録を受けて事業を行う。
正解:○(正しい)
解説:小売電気事業:登録制(許可制ではない)。発電・送配電・小売の3部門に区分された電力自由化の柱。
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問430.電気事業の託送料金は、一般送配電事業者の送配電網利用に対して支払う料金で、料金規制対象である。
正解:○(正しい)
解説:託送料金:総括原価方式で算定、経産省認可。新電力等が一般送配電事業者の網を利用する際の料金。
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問431.電気事業者は、電気の供給を受ける一般需要家から需要種別(電灯・動力・業務用電力等)に応じた料金を徴収する。
正解:○(正しい)
解説:電気料金区分:電灯(家庭用)・動力(小規模事業)・業務用電力・産業用電力等。負荷率・契約電力等で料金設定。
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問432.事故報告は、感電による軽傷も含めて全件報告が必要である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。事故報告は「死傷事故・主要機器破損・1万kW以上供給支障」等の重大事故に限定(軽傷全件ではない)。
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問433.産業保安監督部は経済産業省の地方支分部局で、自家用電気工作物の保安規程の届出の受理など、電気事業法に基づく電気保安の事務を行う。
正解:○(正しい)
解説:経済産業省設置法9条は地方支分部局として経済産業局と産業保安監督部(ほか那覇産業保安監督事務所)を置き、同12条で産業保安監督部が保安の事務を分掌する。電気事業法施行令47条(権限の委任)により、保安規程の届出や主任技術者の選任届の多くは産業保安監督部長が受け付ける。
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問434.電気保安管理業務は、自家用電気工作物の安全確保のため定期巡視・点検・測定・記録等を実施する業務である。
正解:○(正しい)
解説:電気保安管理:日常点検・月次点検・年次点検等。電気主任技術者または委託先電気保安法人が実施。
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問435.電気事業法上、一般送配電事業者は、供給する電気の電圧及び周波数の値を経済産業省令で定める値に維持するように努めなければならない。
正解:○(正しい)
解説:電気事業法26条1項(配電事業者・特定送配電事業者に準用)。電圧は同法施行規則38条1項で標準電圧100Vは101V±6V、200Vは202V±20Vを超えない値、周波数は同条2項で標準周波数に等しい値とされる。
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問436.低圧電路(対地電圧150V以下)の絶縁抵抗値の最低基準はどれか。
- ア.0.1MΩ以上
- イ.0.05MΩ以上
- ウ.0.2MΩ以上
- エ.0.4MΩ以上
正解:ア.0.1MΩ以上
解説:電技施行規則:対地電圧150V以下→0.1MΩ以上、150V超300V以下→0.2MΩ以上、300V超→0.4MΩ以上。
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問437.電気使用安全月間は何月か。
- ア.1月
- イ.8月
- ウ.4月
- エ.12月
正解:イ.8月
解説:電気使用安全月間は8月。1981年から経済産業省主導で実施。
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問438.次の接地工事のうち、高圧又は特別高圧用機器の金属製外箱等に施すのはどれか。
- ア.C種接地
- イ.B種接地
- ウ.A種接地
- エ.D種接地
正解:ウ.A種接地
解説:A種接地工事は高圧・特別高圧用機器の金属製外箱や避雷器などに施す(接地抵抗10Ω以下)。C種は300Vを超える低圧、D種は300V以下の低圧、B種は変圧器の高低圧混触防止のための接地。
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問439.電気工事業者の登録は、原則何年ごとに更新が必要か。
- ア.1年
- イ.3年
- ウ.10年
- エ.5年
正解:エ.5年
解説:電気工事業者の登録は5年ごとに更新。営業所ごとに主任電気工事士配置義務あり。
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問440.電気用品安全法で、届出事業者が特定電気用品を販売する時までに受けなければならない適合性検査を行うのはどれか。
- ア.都道府県知事の指定を受けた者
- イ.経済産業大臣の登録を受けた者
- ウ.一般送配電事業者が指名した者
- エ.電気保安協会が推薦した者
正解:イ.経済産業大臣の登録を受けた者
解説:電気用品安全法9条1項により、届出事業者は特定電気用品を販売する時までに、経済産業大臣の登録を受けた者(登録検査機関)の適合性検査を受け、証明書の交付を受けて保存しなければならない。
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問441.2023年(令和5年)3月の電気事業法改正により、出力10kW以上50kW未満の太陽電池発電設備は「小規模事業用電気工作物」に区分された。
正解:○(正しい)
解説:正しい。2023年3月20日施行の改正により、従来は一般用電気工作物だった10kW以上50kW未満の太陽電池発電設備等が、事業用電気工作物の一区分である「小規模事業用電気工作物」となった。
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問442.小規模事業用電気工作物は、一般用電気工作物の一区分として新設されたものである。
正解:×(誤り)
解説:誤り。正しくは、小規模事業用電気工作物は「事業用電気工作物」の一区分である(2023年3月施行)。
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問443.小規模事業用電気工作物に該当するのは、太陽電池発電設備では出力10kW以上50kW未満、風力発電設備では出力20kW未満のものである。
正解:○(正しい)
解説:正しい。これらは2023年3月の電気事業法改正で小規模事業用電気工作物に区分された。
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問444.小規模事業用電気工作物の設置者には、技術基準適合維持義務に加え、基礎情報の届出が義務付けられている。
正解:○(正しい)
解説:正しい。小規模事業用電気工作物には、技術基準適合維持義務・基礎情報の届出・(一定規模の)使用前自己確認などが課される。
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問445.出力50kW以上の太陽電池発電設備が、小規模事業用電気工作物に区分される。
正解:×(誤り)
解説:誤り。正しくは、小規模事業用電気工作物に区分される太陽電池発電設備は出力10kW以上50kW未満である。50kW以上のものは自家用電気工作物となる。
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問446.事業用電気工作物が技術基準に適合していないと認めるとき、その設置者に修理・改造・移転若しくは使用の一時停止を命じ、又は使用を制限することができるのはどれか(電気事業法40条)。
- ア.電気主任技術者
- イ.一般送配電事業者
- ウ.市町村長
- エ.主務大臣
正解:エ.主務大臣
解説:電気事業法40条(技術基準適合命令)。命令を出すのは主務大臣で、原子力発電工作物以外は経済産業大臣である。電気主任技術者は保安の監督を行う者で、命令の権限はない。
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問447.次の文章は,「電気事業法」における,電気の使用制限等に関する記述である。 (ア) は,電気の需給の調整を行わなければ電気の供給の不足が国民経済及び国民生活に悪影響を及ぼし,公共の利益を阻害するおそれがあると認められるときは,その事態を克服するため必要な限度において,政令で定めるところにより,(イ) の限度,(ウ) の限度,用途若しくは使用を停止すべき (エ) を定めて,小売電気事業者,一般送配電事業者若しくは登録特定送配電事業者(以下「小売電気事業者等」という。)から電気の供給を受ける者に対し,小売電気事業者等の供給する電気の使用を制限すべきこと,又は (オ) 電力の容量の限度を定めて,小売電気事業者等から電気の供給を受ける者に対し,小売電気事業者等からの (オ) を制限すべきことを命じ,又は勧告することができる。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア)経済産業大臣 (イ)使用電力量 (ウ)使用最大電力 (エ)区域 (オ)受電
- 2.(ア)内閣総理大臣 (イ)供給電力量 (ウ)供給最大電力 (エ)区域 (オ)送電
- 3.(ア)経済産業大臣 (イ)供給電力量 (ウ)供給最大電力 (エ)区域 (オ)送電
- 4.(ア)内閣総理大臣 (イ)使用電力量 (ウ)使用最大電力 (エ)日時 (オ)受電
- 5.(ア)経済産業大臣 (イ)使用電力量 (ウ)使用最大電力 (エ)日時 (オ)受電
正解:5.(ア)経済産業大臣 (イ)使用電力量 (ウ)使用最大電力 (エ)日時 (オ)受電
解説:「電気の使用制限等」を定める電気事業法第34条の条文。需給調整を行わなければ供給不足が国民経済及び国民生活に悪影響を及ぼし公共の利益を阻害するおそれがあるとき、(ア)経済産業大臣が、必要な限度で政令に従い、(イ)使用電力量の限度・(ウ)使用最大電力の限度・用途・使用を停止すべき(エ)日時を定めて電気の使用を制限し、又は(オ)受電電力の容量の限度を定めて(オ)受電を制限すべきことを命じ・勧告できる。監督官庁は経済産業大臣で、制限の対象は電気を「使用(受電)」する側なので(5)が正しい。
根拠: 電気事業法 第34条 (出典: e-Gov法令検索)
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 法規 問1
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問448.自家用電気工作物を (ア) する者は,自家用電気工作物において感電死傷事故が発生したときは,「電気関係報告規則」に基づき,事故の発生を知った時から (イ) 時間以内可能な限り速やかに事故の発生の日時及び場所,事故が発生した電気工作物並びに事故の (ウ) について(速報),電話等の方法により行うとともに,事故の発生を知った日から起算して (エ) 日以内に様式第13の報告書(詳報)を所轄産業保安監督部長へ提出して行わなければならない。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア)管理 (イ)12 (ウ)概要 (エ)7
- 2.(ア)設置 (イ)24 (ウ)原因 (エ)7
- 3.(ア)設置 (イ)24 (ウ)概要 (エ)30
- 4.(ア)設置 (イ)48 (ウ)概要 (エ)30
- 5.(ア)管理 (イ)48 (ウ)原因 (エ)60
正解:3.(ア)設置 (イ)24 (ウ)概要 (エ)30
解説:電気関係報告規則第3条に基づく事故報告の手続。自家用電気工作物を(ア)設置する者は、感電死傷事故等が発生したとき、事故の発生を知った時から(イ)24時間以内に可能な限り速やかに、日時・場所・事故の(ウ)概要を電話等で速報するとともに、事故を知った日から起算して(エ)30日以内に様式第13の報告書(詳報)を所轄産業保安監督部長へ提出しなければならない。速報24時間・詳報30日が基本数値で、(3)が正しい。
根拠: 電気関係報告規則 第3条 (出典: e-Gov法令検索)
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 法規 問2
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問449.次の文章は,「電気設備技術基準」における,電気設備の保安原則に関する記述の一部である。 a) 電気設備の必要な箇所には,異常時の (ア) ,高電圧の侵入等による感電,火災その他人体に危害を及ぼし,又は物件への損傷を与えるおそれがないよう,(イ) その他の適切な措置を講じなければならない。ただし,電路に係る部分にあっては,この基準の別の規定に定めるところによりこれを行わなければならない。 b) 電気設備に (イ) を施す場合は,電流が安全かつ確実に (ウ) ことができるようにしなければならない。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア)電位上昇 (イ)絶縁 (ウ)遮断される
- 2.(ア)過熱 (イ)接地 (ウ)大地に通ずる
- 3.(ア)過電流 (イ)絶縁 (ウ)遮断される
- 4.(ア)電位上昇 (イ)接地 (ウ)大地に通ずる
- 5.(ア)過電流 (イ)接地 (ウ)大地に通ずる
正解:4.(ア)電位上昇 (イ)接地 (ウ)大地に通ずる
解説:電気設備技術基準第10条・第11条(電気設備の接地)の条文。第10条は、異常時の(ア)電位上昇や高電圧の侵入等による感電・火災その他の危害・損傷のおそれがないよう、(イ)接地その他の適切な措置を講じることを求め、第11条は、(イ)接地を施す場合に電流が安全かつ確実に(ウ)大地に通ずることができるようにすることを求める。保安原則の中心は接地により電流を確実に大地へ逃がすことなので、(4)が正しい。
根拠: 電気設備に関する技術基準を定める省令 第10条 (出典: e-Gov法令検索)
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 法規 問3
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問450.次の文章は,電気設備の接地に関する記述であるが,「電気設備技術基準の解釈」から判断して不適切なものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.使用電圧 200 V の機械器具の鉄台に施す接地工事の接地抵抗値を 90 Ωとした。
- 2.使用電圧 100 V の機械器具を屋内の乾燥した場所で使用するので,その機械器具の鉄台の接地工事を省略した。
- 3.使用電圧 440 V の機械器具に電気を供給する電路に動作時間が 0.1 秒の漏電遮断器が施設されているので,その機械器具の鉄台の接地工事の接地抵抗値を 300 Ωとした。
- 4.水気のある場所で使用する使用電圧 100 V の機械器具に電気を供給する電路に動作時間が 0.1 秒の漏電遮断器が施設されているので,その機械器具の鉄台の接地工事を省略した。
- 5.使用電圧 3 300 V の機械器具の鉄台に施す接地工事の接地線に,直径 2.6 mm の軟銅線を使用した。
正解:4.水気のある場所で使用する使用電圧 100 V の機械器具に電気を供給する電路に動作時間が 0.1 秒の漏電遮断器が施設されているので,その機械器具の鉄台の接地工事を省略した。
解説:電気設備技術基準の解釈(機械器具の鉄台等の接地=第29条ほか)から不適切なものを選ぶ問題で、正解は(4)。(4)は、漏電遮断器の施設による接地工事の省略が認められるのは「水気のある場所以外」に限られ、水気のある場所では動作時間0.1秒以下の漏電遮断器を設けても省略できないため不適切。他は適切で、(1)使用電圧200VはD種接地で100Ω以下(90Ωは可)、(2)対地電圧150V以下の機械器具を乾燥した場所で使用する場合は省略可、(3)使用電圧440VはC種接地で0.5秒以内動作の漏電遮断器施設により500Ω以下でよく300Ωは可、(5)高圧3300VはA種接地で接地線は直径2.6mm以上の軟銅線を要し2.6mmは可。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 法規 問4
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問451.「電気設備技術基準」では,低圧電線路の絶縁性能として,「低圧電線路中絶縁部分の電線と大地との間及び電線の線心相互間の絶縁抵抗は,使用電圧に対する漏えい電流が最大供給電流の (ア) を超えないようにしなければならない。」と規定している。 今,定格容量 75 kV·A,一次電圧 6 600 V,二次電圧 105 V の単相変圧器に接続された単相2線式105 V 1回線の低圧架空配電線路について,上記規定に基づく,この配電線路の電線 1 線当たりの漏えい電流 [A] の許容最大値を求めることとする。 上記の記述中の空白箇所(ア)に当てはまる語句と漏えい電流 [A] の許容最大値との組合せとして,最も適切なのは次のうちどれか。
- 1.(ア) 1 000 分の 1 漏えい電流[A]の許容最大値 0.714
- 2.(ア) 1 000 分の 1 漏えい電流[A]の許容最大値 1.429
- 3.(ア) 1 500 分の 1 漏えい電流[A]の許容最大値 0.476
- 4.(ア) 2 000 分の 1 漏えい電流[A]の許容最大値 0.357
- 5.(ア) 2 000 分の 1 漏えい電流[A]の許容最大値 0.179
正解:4.(ア) 2 000 分の 1 漏えい電流[A]の許容最大値 0.357
解説:本問は電気設備技術基準第22条(低圧電線路の絶縁性能)の規定で、絶縁部分を流れる漏えい電流は「最大供給電流の2000分の1」を超えてはならないと定められており、(ア)=2000分の1となる。最大供給電流は変圧器の定格容量を二次電圧で割った値で、I=75 000 V·A÷105 V≒714.3 Aである。単相2線式105 V1回線なのでこの負荷電流がそのまま最大供給電流となり、漏えい電流の許容最大値は714.3 A×(1/2000)≒0.357 Aと求まる。よって(ア)=2000分の1、許容最大値0.357 Aの組合せとなり、正解は(4)である。なお、2線あるからと2で割って0.179 A(選択肢(5))とするのは誤りで、規定は最大供給電流の1/2000をそのまま1線当たりの許容値とする点に注意する。
根拠: 電気設備に関する技術基準を定める省令 第22条 (出典: e-Gov法令検索)
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 法規 問5
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問452.次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」における,高圧屋側電線路を施設する場合の記述の一部である。 高圧屋側電線路は,次により施設すること。 a) (ア) 場所に施設すること。 b) 電線は, (イ) であること。 c) (イ) には,接触防護措置を施すこと。 d) (イ) を造営材の側面又は下面に沿って取り付ける場合は, (イ) の支持点間の距離を (ウ) m(垂直に取り付ける場合は, (エ) m)以下とし,かつ,その被覆を損傷しないように取り付けること。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア) 点検できる隠蔽 (イ) ケーブル (ウ) 1.5 (エ) 5
- 2.(ア) 展開した (イ) ケーブル (ウ) 2 (エ) 6
- 3.(ア) 展開した (イ) 絶縁電線 (ウ) 2.5 (エ) 6
- 4.(ア) 点検できる隠蔽 (イ) 絶縁電線 (ウ) 1.5 (エ) 4
- 5.(ア) 展開した (イ) ケーブル (ウ) 2 (エ) 10
正解:2.(ア) 展開した (イ) ケーブル (ウ) 2 (エ) 6
解説:本問は電気設備技術基準の解釈第111条(高圧屋側電線路の施設)の規定である。高圧屋側電線路は感電等の危険が大きいため、まず(ア)展開した場所に施設することが求められ、隠蔽場所や点検できない場所には施設できない。電線は(イ)ケーブルであること(絶縁電線は不可)とされ、これに接触防護措置を施す。ケーブルを造営材の側面又は下面に沿って取り付ける場合の支持点間の距離は(ウ)2 m以下、垂直に取り付ける場合は(エ)6 m以下と規定されている。したがって、展開した/ケーブル/2/6の組合せが正しく、正解は(2)である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 法規 問6
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問453.次の文章は,電気設備の技術基準の解釈に基づく国際規格の取り入れに関する記述である。 需要場所に施設する低圧で使用する電気設備を,「電気設備技術基準の解釈」の第 3 条から第 217 条までの規定(以下「従来方式」という。)によらず,国際電気標準会議(IEC)60364 規格の規定(以下「IEC 関連規定」という。)により施設する場合は次により施設すること。 a) IEC 関連規定により施設する場合において,一般送配電事業者,配電事業者又は特定送配電事業者の電気設備と直接に接続する場合は,これらの事業者の低圧の電気の供給に係る設備の (ア) の施設と整合がとれていること。 b) 同一の電気使用場所においては,IEC 関連規定と従来方式とを混用して低圧の電気設備を施設しないこと。ただし,次のいずれかに該当する場合は,この限りでない。この場合において,IEC 関連規定に基づき施設する設備と従来方式に基づき施設する設備を同一の場所に施設するときは,表示等によりこれらの設備を識別できるものとすること。 ① 変圧器(IEC 関連規定に基づき施設する設備と従来方式に基づき施設する設備が異なる変圧器に接続されている場合はそれぞれの変圧器)が (イ) 高圧電路に接続されている場合において,当該変圧器の低圧回路に施す接地抵抗値が (ウ) Ω以下であるとき ② 「電気設備技術基準の解釈」第 18 条第 1 項(工作物の金属体を利用した接地工事)の規定により,IEC 関連規定に基づき施設する設備及び従来方式に基づき施設する設備の接地工事を施すとき 上記の記述中の空白箇所(ア)~(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア) 接地工事 (イ) 接地式 (ウ) 0.2
- 2.(ア) 地絡保護 (イ) 接地式 (ウ) 10
- 3.(ア) 接地工事 (イ) 非接地式 (ウ) 0.2
- 4.(ア) 地絡保護 (イ) 非接地式 (ウ) 2
- 5.(ア) 接地工事 (イ) 非接地式 (ウ) 2
正解:5.(ア) 接地工事 (イ) 非接地式 (ウ) 2
解説:本問は電気設備技術基準の解釈第218条(国際規格の取り入れ、IEC 60364規格による施設)の規定である。IEC関連規定で施設する設備を事業者の設備と直接接続する場合は、その低圧供給設備の(ア)接地工事の施設と整合がとれていることを要する(保安の基礎となる接地系を合わせる趣旨)。また混用禁止の例外①では、変圧器が(イ)非接地式高圧電路に接続され、かつ当該変圧器の低圧回路に施す接地抵抗値が(ウ)2 Ω以下であることが条件とされる。したがって、接地工事/非接地式/2の組合せが正しく、正解は(5)である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 法規 問7
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問454.次の文章は,「電気設備技術基準」に基づく感電,火災等の防止に関する記述である。 a)低圧又は高圧の架空電線には,(ア)のおそれがないよう,使用電圧に応じた絶縁性能を有する絶縁電線又はケーブルを使用しなければならない。ただし,通常予見される使用形態を考慮し,(ア)のおそれがない場合は,この限りでない。 b)移動電線を電気機械器具と接続する場合は,接続不良による(イ)のおそれがないように施設しなければならない。 c)燃料電池発電設備が(ウ)である場合には,運転状態を表示する装置を施設しなければならない。 d)常用電源の停電時に使用する非常用予備電源(需要場所に施設するものに限る。)は,(エ)に施設する電路であって常用電源側のものと電気的に接続しないように施設しなければならない。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア)感電 (イ)感電又は火災 (ウ)一般用電気工作物 (エ)需要場所以外の場所
- 2.(ア)感電又は火災 (イ)感電又は火災 (ウ)自家用電気工作物 (エ)需要場所
- 3.(ア)感電 (イ)火災 (ウ)自家用電気工作物 (エ)需要場所以外の場所
- 4.(ア)感電又は火災 (イ)火災 (ウ)自家用電気工作物 (エ)需要場所以外の場所
- 5.(ア)感電 (イ)火災 (ウ)一般用電気工作物 (エ)需要場所
正解:1.(ア)感電 (イ)感電又は火災 (ウ)一般用電気工作物 (エ)需要場所以外の場所
解説:正解は(1)。「電気設備技術基準」の感電・火災等の防止に関する規定で、(ア)は低圧・高圧の架空電線を絶縁電線やケーブルとする趣旨から、人が触れたときの「感電」のおそれを防ぐもの。(イ)は移動電線と機器の接続不良が発熱・漏電を招くため対象は「感電又は火災」の両方であり、(ウ)は運転状態を表示する装置を義務づける対象が、専任の電気主任技術者を置かない小規模設備すなわち「一般用電気工作物」である燃料電池発電設備の場合。(エ)は非常用予備電源を常用電源側と切り離す規定で、停電時の逆充電が電力会社側へ波及しないよう「需要場所以外の場所」に施設する電路と電気的に接続させない。これらをすべて満たす組合せは(1)である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 法規 問8
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問455.次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」に基づく,電気自動車等※1から一般用電気工作物に電気を供給するための設備等の施設に関する記述である。 電気自動車等から供給設備※2を介して,一般用電気工作物に電気を供給する場合にあっては,電気自動車等と供給設備とを接続する電路(電気機械器具内の電路を除く。)の対地電圧は,150 V以下であること。ただし,次により施設する場合はこの限りでない。 a)対地電圧が,直流(ア) V以下であること。 b)供給設備が,低圧配線と直接接続して施設すること。 c)直流電路が,(イ)こと。 d)直流電路に接続する電力変換装置の交流側に(ウ)を施設すること。 e)電気自動車等と供給設備とを接続する電路に(エ)を生じたときに自動的に電路を遮断する装置を施設すること。 f)電気自動車等と供給設備とを接続する電路の電線が切断したときに電気の供給を自動的に遮断する装置を施設すること。 ※1 電力により作動する原動機を有する自動車(カタピラ及びそりを有する軽自動車,大型特殊自動車,小型特殊自動車並びに被牽引自動車を除く。)をいう。 ※2 電力変換装置,保護装置又は開閉器等の電気自動車等から電気を供給する際に必要な設備を収めた筐体等をいう。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア)750 (イ)非接地である (ウ)絶縁変圧器 (エ)短絡
- 2.(ア)450 (イ)非接地である (ウ)絶縁変圧器 (エ)地絡
- 3.(ア)300 (イ)接地されている (ウ)開閉器 (エ)地絡
- 4.(ア)450 (イ)非接地である (ウ)開閉器 (エ)短絡
- 5.(ア)300 (イ)接地されている (ウ)絶縁変圧器 (エ)短絡
正解:2.(ア)450 (イ)非接地である (ウ)絶縁変圧器 (エ)地絡
解説:正解は(2)。「電気設備技術基準の解釈」に基づく、電気自動車等(V2H等)から一般用電気工作物へ電気を供給する設備の規定で、対地電圧150V以下の原則に対する例外条件を問うもの。(ア)は認められる対地電圧の上限で直流「450」V以下、(イ)は地絡電流を抑えて絶縁変圧器方式を成立させるため直流電路が「非接地である」こと、(ウ)は電力変換装置の交流側で系統と直流側を電気的に分離する「絶縁変圧器」を施設すること。(エ)は非接地の直流電路で異常を確実に検出し保護するため「地絡」を生じたときに自動的に電路を遮断する装置を要する。よって(ア)450・(イ)非接地である・(ウ)絶縁変圧器・(エ)地絡の(2)が正しい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 法規 問9
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問456.図は,高圧受電設備の単線結線図の一部である。 図の空白箇所(ア)〜(ウ)に設置する機器又は計器として,正しいものを組み合わせたのは次のうちどれか。

- 1.(ア)地絡継電器 (イ)過電圧継電器 (ウ)周波数計
- 2.(ア)過電圧継電器 (イ)過電流継電器 (ウ)周波数計
- 3.(ア)過電流継電器 (イ)地絡継電器 (ウ)周波数計
- 4.(ア)過電流継電器 (イ)地絡継電器 (ウ)力率計
- 5.(ア)地絡継電器 (イ)過電流継電器 (ウ)力率計
正解:5.(ア)地絡継電器 (イ)過電流継電器 (ウ)力率計
解説:正解は(5)。単線結線図の上部で(ア)は、頂部の零相変流器(ZCT、○─//)がとらえる零相電流と、コンデンサ形接地電圧検出装置(コンデンサ+計器用変圧器を接地して得る零相電圧)の双方が入力される位置にあり、地絡時に受電用開閉器をトリップさせる「地絡(方向)継電器」である。(イ)は主回路の計器用変流器(CT)の二次側に直列に入り、過電流時に遮断器を動作させる「過電流継電器」で、零相回路に置かれる(ア)の地絡継電器とは検出する電流が異なる。(ウ)は電流計(A)・電力計(W)と同じ計器群にあり、破線の丸印がCT(電流)とVT(電圧)の両方から給電される位置に置かれるため「力率計」であって、電圧のみで動作し電圧計側に置かれる周波数計ではない。以上より(ア)地絡継電器・(イ)過電流継電器・(ウ)力率計の(5)となる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 法規 問10
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問457.接地極及び接地抵抗測定について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 図1は大地抵抗率 ρ[Ω·m]の土壌に埋設された棒状接地極の概略図である。この接地極の接地抵抗 R[Ω]は①式で示されるものとする。 R=ρ/(2πL)·ln(4L/d) ……① ただし,L:接地極の長さ[m] d:接地極の直径[m] π:円周率 であり,ln(4L/d)は 4L/d の自然対数を示す。 ここで,x=4L/d と置いて①式を書き直すと②式となる。 R=(2ρ/(πd))·ln(x)/x ……② 〔小問(a)〕 ②式中の ln(x)/x は,L≫d として 200≦x≦1000 の範囲で図2の値となる。 今,ρ=150 Ω·m, d=14×10⁻³ m の条件で R を 100 Ω以下としたいとき,これを実現するための L の最小長さ[m]として,最も近いものを次の(1)〜(5)から一つ選べ。ただし,ρ は深さによらず一定とする。

- 1.0.7
- 2.1.0
- 3.1.2
- 4.1.5
- 5.2.0
正解:4.1.5
解説:②式を R≤100 Ω に当てはめると ln(x)/x ≤ 100·πd/(2ρ)=100×π×0.014/(2×150)≒0.0147 となる。図2でこの値を与える x を読み取ると、曲線が 0.0147 を横切る点は x≒410 で、x=4L/d より L=xd/4=410×0.014/4≒1.44 m。選択肢のうちこれを満たす最小の長さは 1.5 m で(このとき x=4×1.5/0.014≒429、ln(x)/x≒0.0141、R≒96 Ω≤100 で成立。一方 1.2 m では x≒343、R≒116 Ω>100 で不足)、答えは(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 法規 問11(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問458.接地極及び接地抵抗測定について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(b)〕 直読式接地抵抗計を用いて,接地抵抗を測定する場合,被測定接地極 E に対する,二つの補助接地極 S(電圧用)及び H(電流用)の地表面配置として,最も適切なものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.

- 2.

- 3.

- 4.

- 5.

正解:4.
解説:直読式接地抵抗計は電位降下法によるので、被測定接地極 E・電位用補助極 S・電流用補助極 H を一直線上に十分離して並べ、電位用 S を E と H のほぼ中間(電位が平坦になる領域)に置くのが原則である。したがって E—S—H を直線に E-S=10 m、S-H=10 m で配置する(4)が最も適切。(1)(2)は三極が直線に並ばず、(3)は E-H-S の順で電流極 H が中間かつ間隔が 4 m・2 m と近すぎ、(5)は被測定極 E が中間で E-H=2 m と近すぎるため、いずれも電極相互の干渉で誤差が大きく不適である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 法規 問11(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 - 1.
-
問459.「電気設備技術基準の解釈」に基づいて,最大使用電圧が 6.9 kV の電路に接続する,導体断面積 100 mm²,長さ 800 m の高圧 CV ケーブル(単心)の絶縁耐力試験を交流で実施する場合について,次の(a)及び(b)に答えよ。 ただし,周波数は 50 Hz,ケーブルの対地静電容量は 1 km 当たり 0.45 μF とする。 〔小問(a)〕 ケーブルに試験電圧を印加した場合の充電電流[A]の値として,最も近いのは次のうちどれか。
- 1.0.78
- 2.1.17
- 3.1.46
- 4.2.34
- 5.3.51
正解:2.1.17
解説:電技解釈より最大使用電圧 7000 V 以下の交流の試験電圧は最大使用電圧の 1.5 倍で、V=6.9×1.5=10.35 kV。ケーブルの対地静電容量は C=0.45 μF/km×0.8 km=0.36 μF=0.36×10⁻⁶ F。試験電圧は導体と金属遮へい層の間(対地)に加わるので、充電電流は I_c=2πfCV=2×π×50×0.36×10⁻⁶×10350≒1.17 A となり、答えは(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 法規 問12(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問460.「電気設備技術基準の解釈」に基づいて,最大使用電圧が 6.9 kV の電路に接続する,導体断面積 100 mm²,長さ 800 m の高圧 CV ケーブル(単心)の絶縁耐力試験を交流で実施する場合について,次の(a)及び(b)に答えよ。 ただし,周波数は 50 Hz,ケーブルの対地静電容量は 1 km 当たり 0.45 μF とする。 〔小問(b)〕 図のような試験回路でケーブルの絶縁耐力試験を行う場合,試験用変圧器の容量を 5 kV·A としたとき,補償リアクトルの必要最少の設置台数として,正しいのは次のうちどれか。 ただし,試験電圧を印加したとき,1 台の補償リアクトルに流すことができる電流(電流容量)は 270 mA とする。

- 1.1台
- 2.2台
- 3.3台
- 4.4台
- 5.5台
正解:3.3台
解説:試験用変圧器が供給できる電流は容量÷定格二次電圧より I_T=5000/11000≒0.455 A(=455 mA)。補償リアクトルは充電電流(進み電流)を打ち消す遅れ電流を分担し、n 台で 0.27n[A] を受け持つので、変圧器の負担分 I_c−0.27n[A] が I_T 以下となる必要がある。n=2 では 1.17−0.54=0.63 A>0.455 で不足、n=3 では 1.17−0.81=0.36 A≤0.455 で成立するため、必要最少は 3 台で、答えは(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 法規 問12(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問461.図のように高圧架空電線と低圧架空電線を併架する A 種鉄筋コンクリート柱がある。この電線路の引留箇所において下記の条件で支線を設けるものとする。 (ア) 高低圧電線間の離隔距離を 2 m とし,高圧電線の取り付け高さを 10 m,低圧電線と支線の取り付け高さをそれぞれ 8 m とする。 (イ) 高圧電線の水平張力は 9 kN,低圧電線の水平張力は 4 kN とし,これらの全荷重を支線で支えるものとする。 このとき,次の(a)及び(b)に答えよ。 〔小問(a)〕 支線に生じる引張荷重[kN]の値として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.13.0
- 2.15.3
- 3.19.1
- 4.25.4
- 5.38.1
正解:4.25.4
解説:まず支線の形を確認すると、柱の取付点(高さ8 m)・柱の根元・支線の地上取付点(根元から水平6 m)がつくる直角三角形の斜辺が支線長で、√(8²+6²)=√100=10 mと図に一致する。次に柱の根元まわりのモーメントのつり合いを立てると、電線張力による転倒モーメントは 9 kN×10 m+4 kN×8 m=90+32=122 kN·m で、これを支線張力Tの水平分力 T×(6/10) が高さ8 mで支えるので 122=T×(6/10)×8=4.8×T となる。これを解くと T=122/4.8≒25.4 kN。したがって正解は(4)25.4 kNである。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 法規 問13(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問462.図のように高圧架空電線と低圧架空電線を併架する A 種鉄筋コンクリート柱がある。この電線路の引留箇所において下記の条件で支線を設けるものとする。 (ア) 高低圧電線間の離隔距離を 2 m とし,高圧電線の取り付け高さを 10 m,低圧電線と支線の取り付け高さをそれぞれ 8 m とする。 (イ) 高圧電線の水平張力は 9 kN,低圧電線の水平張力は 4 kN とし,これらの全荷重を支線で支えるものとする。 このとき,次の(a)及び(b)に答えよ。 〔小問(b)〕 「電気設備技術基準の解釈」によれば,支線に亜鉛めっき鋼より線(素線の引張強さ 1.23 kN/mm²)を使用し,素線本数を 7 本とする場合,最も小さい素線直径[mm]として適切な値を,次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし,支線の安全率を 1.5 とし,素線のより合わせによる引張荷重の減少係数は無視するものとする。

- 1.2.0
- 2.2.3
- 3.2.6
- 4.2.9
- 5.3.5
正解:3.2.6
解説:支線に必要な引張強さは、(a)の引張荷重に安全率を掛けて 25.4 kN×1.5≒38.1 kN となる。亜鉛めっき鋼より線は素線7本・引張強さ1.23 kN/mm²なので、素線1本の断面積を A[mm²] とすると必要条件は 7×A×1.23≥38.1 であり、A≥38.1/(7×1.23)≒4.43 mm² が得られる。断面積を直径に直すと d=√(4A/π)=√(4×4.43/π)≒2.37 mm となり、選択肢の中でこの値以上の強度を満たす最小の直径は2.6 mmである(2.3 mmだと断面積約4.15 mm²で強度は約35.8 kN<38.1 kNとなり不足する)。よって正解は(3)2.6 mmである。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 法規 問13(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問463.次のa)~c)の文章は,主任技術者に関する記述である。 その記述内容として,「電気事業法」に基づき,適切なものと不適切なものの組合せについて,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 a) 事業用電気工作物(小規模事業用電気工作物を除く。以下同じ。)を設置する者は,事業用電気工作物の工事,維持及び運用に関する保安の監督をさせるため,主務省令で定めるところにより,主任技術者免状の交付を受けている者のうちから,主任技術者を選任しなければならない。 b) 主任技術者は,事業用電気工作物の工事,維持及び運用に関する保安の監督の職務を誠実に行わなければならない。 c) 事業用電気工作物の工事,維持又は運用に従事する者は,主任技術者がその保安のためにする指示に従わなければならない。
- 1.a)不適切 b)適切 c)適切
- 2.a)不適切 b)不適切 c)適切
- 3.a)適切 b)不適切 c)不適切
- 4.a)適切 b)適切 c)適切
- 5.a)適切 b)適切 c)不適切
正解:4.a)適切 b)適切 c)適切
解説:三つとも電気事業法43条の条文そのままである。 a) 同条1 項「事業用電気工作物を設置する者は,事業用電気工作物の工事,維持及び運用に関する保安の監督をさせるため,主務省令で定めるところにより,主任技術者免状の交付を受けている者のうちから,主任技術者を選任しなければならない」 b) 同条4 項「主任技術者は,事業用電気工作物の工事,維持及び運用に関する保安の監督の職務を誠実に行わなければならない」 c) 同条5 項「事業用電気工作物の工事,維持又は運用に従事する者は,主任技術者がその保安のためにする指示に従わなければならない」 したがって三つとも適切で(4)が正解である。 この条文は「選任する義務(設置者)」「誠実に職務を行う義務(主任技術者)」「指示に従う義務(従事者)」という三者の役割分担でできている。主体と義務の組合せを入れ替えた出題が繰り返されるので,誰の義務かをそろえて覚えたい。答(4)。
根拠: 電気事業法 第43条 (出典: e-Gov法令検索)
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 法規 問1
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問464.次の文章は,「電気関係報告規則」に基づく事故の定義及び事故報告に関する記述である。 a)「電気火災事故」とは,漏電,短絡, (ア) ,その他の電気的要因により建造物,車両その他の工作物(電気工作物を除く。),山林等に火災が発生することをいう。 b)「破損事故」とは,電気工作物の変形,損傷若しくは破壊,火災又は絶縁劣化若しくは絶縁破壊が原因で,当該電気工作物の機能が低下又は喪失したことにより, (イ) ,その運転が停止し,若しくはその運転を停止しなければならなくなること又はその使用が不可能となり,若しくはその使用を中止することをいう。 c)「供給支障事故」とは,破損事故又は電気工作物の誤 (ウ) 若しくは電気工作物を (ウ) しないことにより電気の使用者(当該電気工作物を管理する者を除く。)に対し,電気の供給が停止し,又は電気の使用を緊急に制限することをいう。ただし,電路が自動的に再閉路されることにより電気の供給の停止が終了した場合を除く。 d) 感電により人が病院 (エ) した場合は事故報告をしなければならない。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア)せん絡 (イ)直ちに (ウ)停止 (エ)で治療
- 2.(ア)絶縁低下 (イ)制御できず (ウ)操作 (エ)に入院
- 3.(ア)せん絡 (イ)制御できず (ウ)停止 (エ)で治療
- 4.(ア)せん絡 (イ)直ちに (ウ)操作 (エ)に入院
- 5.(ア)絶縁低下 (イ)制御できず (ウ)停止 (エ)で治療
正解:4.(ア)せん絡 (イ)直ちに (ウ)操作 (エ)に入院
解説:電気関係報告規則1 条2 項の定義と3 条1 項の報告対象がそのまま出ている。 (ア)電気火災事故の原因として並ぶのは「漏電,短絡,せん絡」である。せん絡(閃絡)はフラッシオーバのことで,電気的な要因の代表として列挙されている。「絶縁低下」は破損事故の説明に出てくる語で,ここではない。 (イ)破損事故は「機能が低下又は喪失したことにより,直ちに,その運転が停止し…」と続く。故障してすぐ止まる(あるいは止めざるを得なくなる)ことが要件である。 (ウ)供給支障事故は「破損事故又は電気工作物の誤操作若しくは電気工作物を操作しないことにより」で,人の操作ミスや操作忘れが原因になる場合を指している。 (エ)感電の事故報告は「死亡した場合又は病院若しくは診療所に入院した場合」が対象である。通院して治療を受けただけでは報告対象にならない。 よって(4)。答(4)。
根拠: 電気関係報告規則 第1条 (出典: e-Gov法令検索)
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 法規 問2
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問465.「電気設備技術基準」では,過電流からの電線及び電気機械器具の保護対策について,次のように規定している。 (ア) の必要な箇所には,過電流による (イ) から電線及び電気機械器具を保護し,かつ, (ウ) の発生を防止できるよう,過電流遮断器を施設しなければならない。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア)幹線 (イ)過熱焼損 (ウ)感電事故
- 2.(ア)配線 (イ)温度上昇 (ウ)感電事故
- 3.(ア)電路 (イ)電磁力 (ウ)変形
- 4.(ア)配線 (イ)温度上昇 (ウ)火災
- 5.(ア)電路 (イ)過熱焼損 (ウ)火災
正解:5.(ア)電路 (イ)過熱焼損 (ウ)火災
解説:電気設備に関する技術基準を定める省令14条(過電流からの電線及び電気機械器具の保護対策)そのままの条文で,「電路の必要な箇所には,過電流による過熱焼損から電線及び電気機械器具を保護し,かつ,火災の発生を防止できるよう,過電流遮断器を施設しなければならない」とある。 したがって(ア)電路,(イ)過熱焼損,(ウ)火災となる。 過電流遮断器が守るものは二つあり,一つは電線と機器そのもの(過熱焼損からの保護),もう一つはその先にある火災の防止である。感電を防ぐのは漏電遮断器の役目なので,(ウ)に「感電事故」を入れると器具の役割が入れ替わる。「配線」「幹線」は電気使用場所の用語で,省令の一般規定で使われるのは「電路」である。答(5)。
根拠: 電気設備に関する技術基準を定める省令 第14条 (出典: e-Gov法令検索)
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 法規 問3
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問466.次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」に基づく太陽電池モジュールの絶縁性能に関する記述の一部である。 太陽電池モジュールは,最大使用電圧の1.5 倍の直流電圧又は (ア) 倍の交流電圧( (イ) V 未満となる場合は, (イ) V)を充電部分と大地との間に連続して (ウ) 分間加えたとき,これに耐える性能を有すること。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア)1 (イ)500 (ウ)10
- 2.(ア)1 (イ)300 (ウ)10
- 3.(ア)1.1 (イ)500 (ウ)1
- 4.(ア)1.1 (イ)600 (ウ)1
- 5.(ア)1.1 (イ)300 (ウ)1
正解:1.(ア)1 (イ)500 (ウ)10
解説:太陽電池モジュールの絶縁耐力試験は「最大使用電圧の1.5 倍の直流電圧又は1 倍の交流電圧(500 V 未満となる場合は500 V)を,充電部分と大地との間に連続して10 分間加える」と定められている。したがって(ア)1,(イ)500,(ウ)10 となる。 押さえどころは三つある。第一に,交流で試験する場合の倍率は1 倍で,直流の1.5 倍より小さい(交流は波高値が実効値の√2 倍あるため)。第二に,計算値が低くても最低500 V は加えるという下限がある。第三に,加える時間は10 分間で,1 分間ではない。 絶縁耐力試験の時間は,回転機や変圧器なども含めて10 分間が原則である。答(1)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 法規 問4
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問467.次の文章は,「電気設備技術基準」に基づく支持物の倒壊の防止に関する記述の一部である。 架空電線路又は架空電車線路の支持物の材料及び構造(支線を施設する場合は,当該支線に係るものを含む。)は,その支持物が支持する電線等による (ア) ,10 分間平均で風速 (イ) m/s の風圧荷重及び当該設置場所において通常想定される地理的条件, (ウ) の変化,振動,衝撃その他の外部環境の影響を考慮し,倒壊のおそれがないよう,安全なものでなければならない。ただし,人家が多く連なっている場所に施設する架空電線路にあっては,その施設場所を考慮して施設する場合は,10 分間平均で風速 (イ) m/s の風圧荷重の (エ) の風圧荷重を考慮して施設することができる。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア)引張荷重 (イ)60 (ウ)温度 (エ)3 分の2
- 2.(ア)重量荷重 (イ)60 (ウ)気象 (エ)3 分の2
- 3.(ア)引張荷重 (イ)40 (ウ)気象 (エ)2 分の1
- 4.(ア)重量荷重 (イ)60 (ウ)温度 (エ)2 分の1
- 5.(ア)重量荷重 (イ)40 (ウ)気象 (エ)2 分の1
正解:3.(ア)引張荷重 (イ)40 (ウ)気象 (エ)2 分の1
解説:電気設備に関する技術基準を定める省令32条1 項そのままの条文である。「その支持物が支持する電線等による引張荷重,十分間平均で風速四十メートル毎秒の風圧荷重及び当該設置場所において通常想定される地理的条件,気象の変化,振動,衝撃その他の外部環境の影響を考慮し,倒壊のおそれがないよう,安全なものでなければならない。ただし,人家が多く連なっている場所に施設する架空電線路にあっては,…十分間平均で風速四十メートル毎秒の風圧荷重の二分の一の風圧荷重を考慮して施設することができる」とある。 したがって(ア)引張荷重,(イ)40,(ウ)気象,(エ)2 分の1 となる。 風速40 m/s は解釈58条の甲種風圧荷重(980 Pa)の根拠にもなっている値である。また人家が多く連なっている場所では風が建物に遮られるため,半分の風圧で設計してよいという緩和が認められている。答(3)。
根拠: 電気設備に関する技術基準を定める省令 第32条 (出典: e-Gov法令検索)
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 法規 問5
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問468.次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」における地中電線と他の地中電線等との接近又は交差に関する記述の一部である。 低圧地中電線と高圧地中電線とが接近又は交差する場合,又は低圧若しくは高圧の地中電線と特別高圧地中電線とが接近又は交差する場合は,次のいずれかによること。ただし,地中箱内についてはこの限りでない。 a) 地中電線相互の離隔距離が,次に規定する値以上であること。 ① 低圧地中電線と高圧地中電線との離隔距離は, (ア) m ② 低圧又は高圧の地中電線と特別高圧地中電線との離隔距離は, (イ) m b) 地中電線相互の間に堅ろうな (ウ) の隔壁を設けること。 c) (エ) の地中電線が,次のいずれかに該当するものである場合は,地中電線相互の離隔距離が,0 m 以上であること。 ① 不燃性の被覆を有すること。 ② 堅ろうな不燃性の管に収められていること。 d) (オ) の地中電線が,次のいずれかに該当するものである場合は,地中電線相互の離隔距離が,0 m 以上であること。 ① 自消性のある難燃性の被覆を有すること。 ② 堅ろうな自消性のある難燃性の管に収められていること。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア)0.15 (イ)0.3 (ウ)耐火性 (エ)いずれか (オ)それぞれ
- 2.(ア)0.15 (イ)0.3 (ウ)耐火性 (エ)それぞれ (オ)いずれか
- 3.(ア)0.1 (イ)0.2 (ウ)耐圧性 (エ)いずれか (オ)それぞれ
- 4.(ア)0.1 (イ)0.2 (ウ)耐圧性 (エ)それぞれ (オ)いずれか
- 5.(ア)0.1 (イ)0.3 (ウ)耐火性 (エ)いずれか (オ)それぞれ
正解:1.(ア)0.15 (イ)0.3 (ウ)耐火性 (エ)いずれか (オ)それぞれ
解説:離隔距離は低圧と高圧の間が0.15 m,特別高圧が絡む場合が0.3 m である。電圧が高いほど広くとる,という関係で覚えられる。 (ウ)隔壁に求められるのは耐火性である。ここで防ごうとしているのは事故時のアーク放電による他の電線の焼損なので,耐圧性ではなく火に耐える性能が必要になる。 (エ)(オ)が本問の要点である。不燃性(燃えない)の被覆・管は自消性のある難燃性(燃え広がりにくい)より性能が高いので,不燃性なら「いずれか一方」がそうであれば0 m まで近づけてよい。一方,性能の劣る自消性のある難燃性の場合は「それぞれ(両方とも)」がその条件を満たさなければ0 m にできない。 性能が高い方が条件がゆるい,という対応で(エ)いずれか・(オ)それぞれと決まる。よって(1)。答(1)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 法規 問6
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問469.次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」における分散型電源の低圧連系時及び高圧連系時の施設要件に関する記述である。 a) 単相3 線式の低圧の電力系統に分散型電源を連系する場合において, (ア) の不平衡により中性線に最大電流が生じるおそれがあるときは,分散型電源を施設した構内の電路であって,負荷及び分散型電源の並列点よりも (イ) に,3 極に過電流引き外し素子を有する遮断器を施設すること。 b) 低圧の電力系統に逆変換装置を用いずに分散型電源を連系する場合は, (ウ) を生じさせないこと。ただし,逆変換装置を用いて分散型電源を連系する場合と同等の単独運転検出及び解列ができる場合は,この限りではない。 c) 高圧の電力系統に分散型電源を連系する場合は,分散型電源を連系する配電用変電所の (エ) において,逆向きの潮流を生じさせないこと。ただし,当該配電用変電所に保護装置を施設する等の方法により分散型電源と電力系統との協調をとることができる場合は,この限りではない。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア)負荷 (イ)系統側 (ウ)逆潮流 (エ)配電用変圧器
- 2.(ア)負荷 (イ)負荷側 (ウ)逆潮流 (エ)引出口
- 3.(ア)負荷 (イ)系統側 (ウ)逆充電 (エ)配電用変圧器
- 4.(ア)電源 (イ)負荷側 (ウ)逆充電 (エ)引出口
- 5.(ア)電源 (イ)系統側 (ウ)逆潮流 (エ)配電用変圧器
正解:1.(ア)負荷 (イ)系統側 (ウ)逆潮流 (エ)配電用変圧器
解説:(ア)単相3 線式で中性線に大きな電流が流れる原因は,上下の負荷の不平衡である。分散型電源そのものの不平衡ではない。 (イ)中性線の過電流から系統を守るのが目的なので,遮断器は並列点よりも系統側に置く。負荷側に置くと,並列点から系統側の区間を保護できない。 (ウ)逆変換装置(インバータ)を使わない同期発電機などは,単独運転の検出と解列が確実にできないため逆潮流を生じさせてはならない。逆充電は系統が停電しているのに分散型電源が系統側を加圧してしまう状態で,別の概念である。 (エ)高圧連系では,配電用変電所の配電用変圧器において逆向きの潮流を生じさせないことが求められる。変圧器を逆方向に電力が流れると,変電所側の保護協調が崩れるおそれがあるためである。 よって(1)。答(1)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 法規 問7
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問470.次の文章は,「電気設備技術基準」における,電気使用場所での配線の使用電線に関する記述である。 a) 配線の使用電線( (ア) 及び特別高圧で使用する (イ) を除く。)には,感電又は火災のおそれがないよう,施設場所の状況及び (ウ) に応じ,使用上十分な強度及び絶縁性能を有するものでなければならない。 b) 配線には, (ア) を使用してはならない。ただし,施設場所の状況及び (ウ) に応じ,使用上十分な強度を有し,かつ,絶縁性がないことを考慮して,配線が感電又は火災のおそれがないように施設する場合は,この限りでない。 c) 特別高圧の配線には, (イ) を使用してはならない。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア)接触電線 (イ)移動電線 (ウ)施設方法
- 2.(ア)接触電線 (イ)裸電線 (ウ)使用目的
- 3.(ア)接触電線 (イ)裸電線 (ウ)電圧
- 4.(ア)裸電線 (イ)接触電線 (ウ)使用目的
- 5.(ア)裸電線 (イ)接触電線 (ウ)電圧
正解:5.(ア)裸電線 (イ)接触電線 (ウ)電圧
解説:電気設備に関する技術基準を定める省令57条そのままの条文である。1 項は「配線の使用電線(裸電線及び特別高圧で使用する接触電線を除く。)には,感電又は火災のおそれがないよう,施設場所の状況及び電圧に応じ,使用上十分な強度及び絶縁性能を有するものでなければならない」,2 項は「配線には,裸電線を使用してはならない」,3 項は「特別高圧の配線には,接触電線を使用してはならない」である。 したがって(ア)裸電線,(イ)接触電線,(ウ)電圧となる。 b) の「絶縁性がないことを考慮して」という言い回しが(ア)を決める手がかりになる。絶縁性がないのは裸電線だからである。また(ウ)は「施設場所の状況及び◯◯に応じ」と並ぶので,強度と絶縁性能を左右する要素=電圧が入る。答(5)。
根拠: 電気設備に関する技術基準を定める省令 第57条 (出典: e-Gov法令検索)
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 法規 問8
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問471.次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」に基づく住宅及び住宅以外の場所の屋内電路(電気機械器具内の電路を除く。以下同じ)の対地電圧の制限に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.住宅の屋内電路の対地電圧を150 V 以下とすること。
- 2.住宅と店舗,事務所,工場等が同一建造物内にある場合であって,当該住宅以外の場所に電気を供給するための屋内配線を人が触れるおそれがない隠ぺい場所に金属管工事により施設し,その対地電圧を400 V 以下とすること。
- 3.住宅に設置する太陽電池モジュールに接続する負荷側の屋内配線を次により施設し,その対地電圧を直流450 V 以下とすること。・電路に地絡が生じたときに自動的に電路を遮断する装置を施設する。・ケーブル工事により施設し,電線に接触防護措置を施す。
- 4.住宅に常用電源として用いる蓄電池に接続する負荷側の屋内配線を次により施設し,その対地電圧を直流450 V 以下とすること。・直流電路に接続される個々の蓄電池の出力がそれぞれ10 kW 未満である。・電路に地絡が生じたときに自動的に電路を遮断する装置を施設する。・人が触れるおそれのない隠ぺい場所に合成樹脂管工事により施設する。
- 5.住宅以外の場所の屋内に施設する家庭用電気機械器具に電気を供給する屋内電路の対地電圧を,家庭用電気機械器具並びにこれに電気を供給する屋内配線及びこれに施設する配線器具に簡易接触防護措置を施す場合(取扱者以外の者が立ち入らない場所を除く。),300 V 以下とすること。
正解:2.住宅と店舗,事務所,工場等が同一建造物内にある場合であって,当該住宅以外の場所に電気を供給するための屋内配線を人が触れるおそれがない隠ぺい場所に金属管工事により施設し,その対地電圧を400 V 以下とすること。
解説:誤りは(2)である。屋内電路の対地電圧の上限は,交流では住宅が150 V 以下,それ以外が300 V 以下という体系になっている。住宅と店舗等が同一建造物内にある場合に住宅以外の場所へ電気を供給する屋内配線でも上限は300 V 以下で,400 V という数値はこの体系のどこにも現れない。隠ぺい場所に金属管工事で施設するという条件を満たしても,400 V まで許されるわけではない。 他は正しい。(1)住宅の原則は150 V 以下。(3)(4)太陽電池モジュールや常用電源の蓄電池に接続する負荷側の屋内配線は,地絡遮断装置の施設など所定の条件を満たせば直流450 V 以下まで認められる。直流に高い値が認められているのは,直流の方が同じ電圧での危険度が低いことによる。(5)住宅以外の場所で家庭用電気機械器具に供給する場合は,簡易接触防護措置を施すことを条件に300 V 以下とされている。 150/300/450 という三段階を押さえておけば,400 が紛れ込んでいることに気づける。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 法規 問9
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問472.ある工場のある日の9 時00 分からの電力推移がグラフのとおりであった。この工場では日頃から最大需要電力(正時からの30 分間ごとの平均使用電力のことをいう。以下同じ。)を300 kW 未満に抑えるように負荷を管理しているが,その負荷の中で,換気用のファン(全て5.5 kW)は最大8 台まで停止する運用を行っている。この日9 時00 分からファンは10 台運転しているが,このままだと9 時00 分からの最大需要電力が300 kW 以上になりそうなので,9 時20 分から9 時30 分の間,ファンを何台かと,その他の負荷を10 kW 分だけ停止することにした。ファンは最低何台停止させる必要があるか,次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 なお,この工場の負荷は全て管理されており,負荷の増減は無いものとする。

- 1.0
- 2.2
- 3.4
- 4.6
- 5.8
正解:3.4
解説:最大需要電力は「正時からの30 分間ごとの平均使用電力」なので,9 時00 分から9 時30 分までの30 分間の平均を300 kW 未満にすればよい。 9 時00 分から9 時20 分までの20 分間は310 kW のままである。9 時20 分から9 時30 分までの10 分間の電力を P とすると (310×20+P×10)/30 < 300 6 200+10P < 9 000 → P < 280 kW となる。つまり後半10 分間で 310−280=30 kW を超える削減が必要である。 その他の負荷で10 kW 分を停止するので,ファンで 30−10=20 kW を超えて削減しなければならない。ファン1 台が5.5 kW だから 5.5n > 20 → n > 3.63 したがって最低4 台である。 要点は,30 分間の平均を見るので後半10 分間だけ大きく下げればよいという点である。3 台では 10+16.5=26.5 kW の削減にとどまり,平均が (310×20+283.5×10)/30=301.2 kW となって300 kW を下回らない。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 法規 問10
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問473.ある事業所内におけるA 工場及びB 工場の,それぞれのある日の負荷曲線は図のようであった。それぞれの工場の設備容量が,A 工場では400 kW,B 工場では700 kW であるとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 A 工場及びB 工場を合わせた需要率の値[%]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.54.5
- 2.56.8
- 3.63.6
- 4.89.3
- 5.90.4
正解:3.63.6
解説:需要率は「最大需要電力÷設備容量」である。合わせた需要率を求めるので,二つの工場の需要電力を時間帯ごとに足してから最大値をとる。 0〜6 時:A 100+B 600=700 kW 6〜12 時:A 200+B 300=500 kW 12〜18 時:A 200+B 400=600 kW 18〜24 時:A 100+B 600=700 kW したがって合成の最大需要電力は700 kW である。設備容量の合計は 400+700=1 100 kW だから 需要率=700/1 100×100=63.6 % となる。 各工場の最大値を単純に足して 200+600=800 kW としてはいけない。A の最大(6〜18 時)とB の最大(0〜6 時,18〜24 時)は時間帯が違うので,同時に起きない分だけ合成の最大は小さくなる。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 法規 問11(a)
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問474.ある事業所内におけるA 工場及びB 工場の,それぞれのある日の負荷曲線は図のようであった。それぞれの工場の設備容量が,A 工場では400 kW,B 工場では700 kW であるとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(b)〕 A 工場及びB 工場を合わせた総合負荷率の値[%]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.56.8
- 2.63.6
- 3.78.1
- 4.89.3
- 5.91.6
正解:4.89.3
解説:総合負荷率は「平均需要電力÷最大需要電力」である。まず1 日の電力量を求める。合成需要電力は小問(a)で出したとおり6 時間ごとに700/500/600/700 kW だから W=(700+500+600+700)×6=2 500×6=15 000 kW·h 平均需要電力は 15 000/24=625 kW 最大需要電力は700 kW なので 総合負荷率=625/700×100=89.3 % となる。 負荷率が高いほど設備を平準的に使えていることを意味し,需要率63.6 %・負荷率89.3 %というこの事業所は「設備には余裕があるが,使っている時間帯の偏りは小さい」状態だと読める。答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 法規 問11(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問475.図は三相3 線式高圧電路に変圧器で結合された変圧器低圧側電路を示したものである。低圧側電路の一端子にはB 種接地工事が施されている。この電路の一相当たりの対地静電容量を C とし接地抵抗を R_B とする。 低圧側電路の線間電圧200 V,周波数50 Hz,対地静電容量 C は0.1 μF として,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 ただし, (ア) 変圧器の高圧電路の1 線地絡電流は5 A とする。 (イ) 高圧側電路と低圧側電路との混触時に低圧電路の対地電圧が150 V を超えた場合は1.3 秒で自動的に高圧電路を遮断する装置が設けられているものとする。 〔小問(a)〕 変圧器に施された,接地抵抗 R_B の抵抗値について「電気設備技術基準の解釈」で許容されている上限の抵抗値[Ω]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.20
- 2.30
- 3.40
- 4.60
- 5.100
正解:4.60
解説:B 種接地工事の接地抵抗値の上限は,高圧側の1 線地絡電流 I_g[A]と高圧電路を遮断するまでの時間で決まる。 ・1 秒以内に自動遮断 … 600/I_g ・1 秒を超え2 秒以内に自動遮断 … 300/I_g ・上記以外 … 150/I_g 本問の遮断時間は1.3 秒で「1 秒を超え2 秒以内」にあたるから R_B ≦ 300/5=60 Ω となる。 1.3 秒という数値を見て600/I_g=120 Ω としたり,遮断装置がない場合の150/I_g=30 Ω としたりしやすい。「1 秒以内」「2 秒以内」「それ以外」の3 段階のどこに入るかを必ず確認したい。早く遮断できるほど危険にさらされる時間が短いので,許容される接地抵抗も大きくてよい,という関係になっている。答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 法規 問12(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問476.図は三相3 線式高圧電路に変圧器で結合された変圧器低圧側電路を示したものである。低圧側電路の一端子にはB 種接地工事が施されている。この電路の一相当たりの対地静電容量を C とし接地抵抗を R_B とする。 低圧側電路の線間電圧200 V,周波数50 Hz,対地静電容量 C は0.1 μF として,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 ただし, (ア) 変圧器の高圧電路の1 線地絡電流は5 A とする。 (イ) 高圧側電路と低圧側電路との混触時に低圧電路の対地電圧が150 V を超えた場合は1.3 秒で自動的に高圧電路を遮断する装置が設けられているものとする。 〔小問(b)〕 接地抵抗 R_B の抵抗値を10 Ω としたときに,R_B に常時流れる電流 I_B の値[mA]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 ただし,記載以外のインピーダンスは無視するものとする。

- 1.11
- 2.19
- 3.33
- 4.65
- 5.192
正解:1.11
解説:B 種接地線には,低圧電路の対地静電容量を通って流れる充電電流が常時流れている。 接地されているのは低圧側の一端子なので,その端子の対地電圧は0 V である。残る2 端子の対地電圧は,接地点から見れば線間電圧そのもので200 V になる。したがって各相の対地静電容量を流れる充電電流の大きさは I=2πfCV=2π×50×0.1×10⁻⁶×200=6.28 mA である。 この2 つの電流を合成する。接地点を基準にとった2 つの電圧ベクトルのなす角は60°なので,合成は単純な和ではなく I_B=2×6.28×cos30°=2×6.28×0.866=10.9 mA となり,最も近いのは11 mA である。 ここを120°として合成すると 6.28 mA のままになり,単純に2 倍すると12.6 mA になる。接地点を頂点とする三角形で考えると角度が60°になる点が要点である。なお R_B の10 Ω による電圧降下はごくわずかで,電流の大きさには影響しない。答(1)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 法規 問12(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問477.人家が多く連なっている場所以外の場所であって,氷雪の多い地方のうち,海岸地その他の低温季に最大風圧を生じる地方に設置されている公称断面積60 mm²,仕上り外径15 mm の6 600 V 屋外用ポリエチレン絶縁電線(6 600 V OE)を使用した高圧架空電線路がある。この電線路の電線の風圧荷重について「電気設備技術基準の解釈」に基づき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 ただし,電線に対する甲種風圧荷重は980 Pa,乙種風圧荷重の計算で用いる氷雪の厚さは6 mm とする。 〔小問(a)〕 低温季において電線1 条,長さ1 m 当たりに加わる風圧荷重の値[N]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.10.3
- 2.13.2
- 3.14.7
- 4.20.6
- 5.26.5
正解:3.14.7
解説:氷雪の多い地方のうち海岸地その他の低温季に最大風圧を生じる地方では,低温季に適用するのは甲種風圧荷重と乙種風圧荷重のいずれか大きい方である。両方を計算して比べる。 甲種風圧荷重は電線の外径そのままに980 Pa を掛けて 980×(15×10⁻³)×1=14.7 N 乙種風圧荷重は,厚さ6 mm の氷雪が周囲に付着した状態を考えるので見かけの外径が 15+6×2=27 mm になり,風圧は甲種の半分の490 Pa を使って 490×(27×10⁻³)×1=13.2 N となる。大きい方は甲種の14.7 N である。 氷雪が付いて太くなる効果(1.8 倍)より,風圧が半分になる効果の方が大きいため,この外径では甲種が勝つ。乙種の13.2 N は(2)にそのまま置かれているので「低温季だから乙種」と決めつけないよう注意したい。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 法規 問13(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問478.人家が多く連なっている場所以外の場所であって,氷雪の多い地方のうち,海岸地その他の低温季に最大風圧を生じる地方に設置されている公称断面積60 mm²,仕上り外径15 mm の6 600 V 屋外用ポリエチレン絶縁電線(6 600 V OE)を使用した高圧架空電線路がある。この電線路の電線の風圧荷重について「電気設備技術基準の解釈」に基づき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 ただし,電線に対する甲種風圧荷重は980 Pa,乙種風圧荷重の計算で用いる氷雪の厚さは6 mm とする。 〔小問(b)〕 低温季に適用される風圧荷重が乙種風圧荷重となる電線の仕上り外径の値[mm]として,最も大きいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.10
- 2.12
- 3.15
- 4.18
- 5.21
正解:2.12
解説:小問(a)と同じ比較を,外径 d[mm]を未知数にして行う。 甲種風圧荷重=980×d×10⁻³ 乙種風圧荷重=490×(d+12)×10⁻³ (氷雪6 mm が両側に付くので直径は12 mm 増える) 乙種が適用されるのは乙種の方が大きいときだから 490(d+12) ≧ 980d d+12 ≧ 2d d ≦ 12 となる。したがって乙種が適用される外径は12 mm 以下で,最も大きいのは12 mm である。 境界がちょうど「氷雪が付いて直径が2 倍になる太さ」になっているのが面白いところで,細い電線ほど氷雪が付いたときの太さの増え方が相対的に大きいため乙種が効いてくる。小問(a)の15 mm はこの12 mm を超えているので甲種が適用され,結果が一致する。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 法規 問13(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問479.次の文章は,「電気事業法施行規則」に基づく自家用電気工作物を設置する者が保安規程に定めるべき事項の一部に関しての記述である。 a) 自家用電気工作物の工事,維持又は運用に関する業務を管理する者の (ア) に関すること。 b) 自家用電気工作物の工事,維持又は運用に従事する者に対する (イ) に関すること。 c) 自家用電気工作物の工事,維持及び運用に関する保安のための (ウ) 及び検査に関すること。 d) 自家用電気工作物の運転又は操作に関すること。 e) 発電所又は蓄電所の運転を相当期間停止する場合における保全の方法に関すること。 f) 災害その他非常の場合に採るべき (エ) に関すること。 g) 自家用電気工作物の工事,維持及び運用に関する保安についての (オ) に関すること。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア)権限及び義務 (イ)勤務体制 (ウ)巡視,点検 (エ)指揮命令 (オ)記録
- 2.(ア)職務及び組織 (イ)勤務体制 (ウ)整備,補修 (エ)措置 (オ)届出
- 3.(ア)権限及び義務 (イ)保安教育 (ウ)整備,補修 (エ)指揮命令 (オ)届出
- 4.(ア)職務及び組織 (イ)保安教育 (ウ)巡視,点検 (エ)措置 (オ)記録
- 5.(ア)権限及び義務 (イ)勤務体制 (ウ)整備,補修 (エ)指揮命令 (オ)記録
正解:4.(ア)職務及び組織 (イ)保安教育 (ウ)巡視,点検 (エ)措置 (オ)記録
解説:自家用電気工作物の保安規程に定める事項は,電気事業法施行規則50条3項に列挙されている。設問のa)〜g)はその1号〜7号をそのまま並べたもので,条文では次のようになっている。 一 業務を管理する者の職務及び組織に関すること 二 従事する者に対する保安教育に関すること 三 保安のための巡視,点検及び検査に関すること 四 運転又は操作に関すること 五 発電所又は蓄電所の運転を相当期間停止する場合における保全の方法に関すること 六 災害その他非常の場合に採るべき措置に関すること 七 保安についての記録に関すること したがって(ア)職務及び組織,(イ)保安教育,(ウ)巡視,点検,(エ)措置,(オ)記録となる。「権限及び義務」は主任技術者に関して使われる語(同条2項3号)で,業務を管理する者の項目ではない。保安規程は届け出るものであって,中身の項目として「届出」が入るわけでもない。答(4)。
根拠: 電気事業法施行規則 第50条 (出典: e-Gov法令検索)
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 法規 問1
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問480.次の文章は,「電気工事業の業務の適正化に関する法律」に規定されている電気工事業者に関する記述である。 この法律において,「電気工事業」とは,電気工事士法に規定する電気工事を行う事業をいい,「 (ア) 電気工事業者」とは,経済産業大臣又は (イ) の (ア) を受けて電気工事業を営む者をいう。また,「通知電気工事業者」とは,経済産業大臣又は (イ) に電気工事業の開始の通知を行って, (ウ) に規定する自家用電気工作物のみに係る電気工事業を営む者をいう。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア)承認 (イ)都道府県知事 (ウ)電気工事士法
- 2.(ア)許可 (イ)産業保安監督部長 (ウ)電気事業法
- 3.(ア)登録 (イ)都道府県知事 (ウ)電気工事士法
- 4.(ア)承認 (イ)産業保安監督部長 (ウ)電気事業法
- 5.(ア)登録 (イ)産業保安監督部長 (ウ)電気工事士法
正解:3.(ア)登録 (イ)都道府県知事 (ウ)電気工事士法
解説:電気工事業法3条1項は「二以上の都道府県の区域内に営業所を設置してその事業を営もうとするときは経済産業大臣の,一の都道府県の区域内にのみ営業所を設置してその事業を営もうとするときは当該営業所の所在地を管轄する都道府県知事の登録を受けなければならない」と定める。したがって(ア)は登録,(イ)は都道府県知事である。「承認」「許可」ではない点,相手方が産業保安監督部長ではない点に注意したい。 (ウ)については,同法2条5項が「『自家用電気工作物』とは電気工事士法2条2項に規定する自家用電気工作物をいう」と定めており,定義の出どころは電気工事士法である。なお自家用電気工作物のみを扱う場合は登録ではなく通知(同法17条の2)で足り,これが通知電気工事業者である。答(3)。
根拠: 電気工事士法 第2条 / 電気工事業の業務の適正化に関する法律 第3条 (出典: e-Gov法令検索)
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 法規 問2
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問481.次の文章は,「電気設備技術基準」に関する記述である。 電路は,大地から (ア) しなければならない。ただし,構造上やむを得ない場合であって通常予見される使用形態を考慮し危険のおそれがない場合,又は (イ) による高電圧の侵入等の異常が発生した際の危険を回避するための (ウ) その他の保安上必要な措置を講ずる場合は,この限りでない。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア)離隔 (イ)事故 (ウ)遮断
- 2.(ア)離隔 (イ)短絡 (ウ)遮断
- 3.(ア)絶縁 (イ)短絡 (ウ)離隔
- 4.(ア)絶縁 (イ)混触 (ウ)接地
- 5.(ア)遮断 (イ)混触 (ウ)接地
正解:4.(ア)絶縁 (イ)混触 (ウ)接地
解説:電気設備に関する技術基準を定める省令5条1項(電路の絶縁)そのままの条文である。「電路は,大地から絶縁しなければならない。ただし,構造上やむを得ない場合であって通常予見される使用形態を考慮し危険のおそれがない場合,又は混触による高電圧の侵入等の異常が発生した際の危険を回避するための接地その他の保安上必要な措置を講ずる場合は,この限りでない。」とあり,(ア)絶縁,(イ)混触,(ウ)接地となる。 「混触」は高圧側と低圧側の巻線が触れ合うなどして低圧側に高電圧が現れる現象で,これを避けるためにB種接地工事を施す。つまりこのただし書きは「絶縁の原則を外して接地する」ことを認める規定であり,(ウ)に「遮断」や「離隔」を入れると,接地という具体的な措置を指す文意にならない。答(4)。
根拠: 電気設備に関する技術基準を定める省令 第5条 (出典: e-Gov法令検索)
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 法規 問3
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問482.「電気設備技術基準の解釈」に基づく,高圧の機械器具(これに附属する高圧電線であってケーブル以外のものを含む。以下同じ。)の施設について,発電所,蓄電所又は変電所,開閉所若しくはこれらに準ずる場所以外の場所において,高圧の機械器具を施設することができる場合として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.人が触れるおそれがないように,機械器具の周囲に適当なさく,へい等を設け,当該さく,へい等の高さと,当該さく,へい等から機械器具の充電部分までの距離との和を5 m 以上とし,かつ,危険である旨の表示をする場合
- 2.工場等の構内において,機械器具の周囲に高圧用機械器具である旨の表示をする場合
- 3.屋内であって,取扱者以外の者が出入りできないように措置した場所に施設する場合
- 4.機械器具をコンクリート製の箱又はD種接地工事を施した金属製の箱に収め,かつ,充電部分が露出しないように施設する場合
- 5.充電部分が露出しない機械器具を人が接近又は接触しないよう,さく,へい等を設けて施設する場合
正解:2.工場等の構内において,機械器具の周囲に高圧用機械器具である旨の表示をする場合
解説:誤りは(2)である。解釈21条は,発電所等以外の場所で高圧の機械器具を施設できる場合を限定列挙しているが,工場等の構内について求めているのは「機械器具の周囲に人が触れるおそれがないようにさく,へい等を設けること」などの物理的な防護であって,表示だけで足りるとはしていない。「高圧用機械器具である旨の表示をする」だけでは,人が充電部分に近づくことを何も妨げない。 他は正しい。(1)はさく・へい等の高さと充電部分までの距離の和を5 m 以上とし危険表示をする場合,(3)は屋内で取扱者以外が出入りできないよう措置した場所,(4)はコンクリート製の箱又はD種接地工事を施した金属製の箱に収めて充電部分を露出させない場合,(5)は充電部分が露出しない機械器具に接触防護の措置を施す場合で,いずれも条文にある。ここでの判断基準は「人が充電部分に触れられない状態が実際に作られているか」であり,(2)だけがそれを満たしていない。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 法規 問4
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問483.次の文章は,「電気設備技術基準」における(地中電線等による他の電線及び工作物への危険の防止)及び(地中電線路の保護)に関する記述である。 a) 地中電線,屋側電線及びトンネル内電線その他の工作物に固定して施設する電線は,他の電線,弱電流電線等又は管(以下,「他の電線等」という。)と (ア) し,又は交さする場合には,故障時の (イ) により他の電線等を損傷するおそれがないように施設しなければならない。ただし,感電又は火災のおそれがない場合であって, (ウ) 場合は,この限りでない。 b) 地中電線路は,車両その他の重量物による圧力に耐え,かつ,当該地中電線路を埋設している旨の表示等により掘削工事からの影響を受けないように施設しなければならない。 c) 地中電線路のうちその内部で作業が可能なものには, (エ) を講じなければならない。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア)接触 (イ)短絡電流 (ウ)取扱者以外の者が容易に触れることがない (エ)防火措置
- 2.(ア)接近 (イ)アーク放電 (ウ)他の電線等の管理者の承諾を得た (エ)防火措置
- 3.(ア)接近 (イ)アーク放電 (ウ)他の電線等の管理者の承諾を得た (エ)感電防止措置
- 4.(ア)接触 (イ)短絡電流 (ウ)他の電線等の管理者の承諾を得た (エ)防火措置
- 5.(ア)接近 (イ)短絡電流 (ウ)取扱者以外の者が容易に触れることがない (エ)感電防止措置
正解:2.(ア)接近 (イ)アーク放電 (ウ)他の電線等の管理者の承諾を得た (エ)防火措置
解説:a)は電気設備に関する技術基準を定める省令30条(地中電線等による他の電線及び工作物への危険の防止)で,「他の電線等と接近し,又は交さする場合には,故障時のアーク放電により他の電線等を損傷するおそれがないように施設しなければならない。ただし,感電又は火災のおそれがない場合であって,他の電線等の管理者の承諾を得た場合は,この限りでない。」とある。「交さする場合には」と並ぶのだから(ア)は「接触」ではなく「接近」であり,地中で電線が損傷する原因は短絡電流そのものではなく,故障時に生じるアーク放電の熱である。 c)は同省令47条2項(地中電線路の保護)で「地中電線路のうちその内部で作業が可能なものには,防火措置を講じなければならない」とある。洞道のように人が中に入れる地中電線路では,火災が起きると逃げ場がなく被害が大きくなるため防火措置が求められる。(エ)を「感電防止措置」とすると条文と異なる。答(2)。
根拠: 電気設備に関する技術基準を定める省令 第30条 (出典: e-Gov法令検索)
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 法規 問5
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問484.架空電線路の支持物に,取扱者が昇降に使用する足場金具等を地表上1.8 m 未満に施設することができる場合として,「電気設備技術基準の解釈」に基づき,不適切なものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.監視装置を施設する場合
- 2.足場金具等が内部に格納できる構造である場合
- 3.支持物に昇塔防止のための装置を施設する場合
- 4.支持物の周囲に取扱者以外の者が立ち入らないように,さく,へい等を施設する場合
- 5.支持物を山地等であって人が容易に立ち入るおそれがない場所に施設する場合
正解:1.監視装置を施設する場合
解説:解釈53条は,架空電線路の支持物に取扱者が昇降に使用する足場金具等を施設する場合は地表上1.8 m 以上に施設することを原則とし,例外として次の4つを挙げている。 ・足場金具等が内部に格納できる構造である場合 ・支持物に昇塔防止のための装置を施設する場合 ・支持物の周囲に取扱者以外の者が立ち入らないように,さく,へい等を施設する場合 ・支持物を山地等であって人が容易に立ち入るおそれがない場所に施設する場合 したがって(2)~(5)はいずれも条文どおりで,列挙されていない(1)が不適切である。 この規定の狙いは,取扱者以外の者(特に子ども)が支持物によじ登れないようにすることにある。監視装置は登った後に気づくための設備であって,登れないようにする措置ではないので1.8 m 未満に足場金具を設ける理由にはならない。答(1)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 法規 問6
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問485.「電気設備技術基準の解釈」に基づく分散型電源の系統連系設備に係る用語の定義に関する記述として,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.単独運転とは,分散型電源を連系している電力系統が事故等によって系統電源と切り離された状態において,当該分散型電源が発電を継続し,線路負荷に無効電力を供給している状態をいう。
- 2.自立運転とは,分散型電源が,連系している電力系統から解列された状態において,当該分散型電源設置者の構内負荷にのみ電力を供給している状態をいう。
- 3.逆充電とは,分散型電源設置者の構内から,一般送配電事業者が運用する電力系統側へ向かう有効電力の流れをいう。
- 4.受動的方式の単独運転検出装置とは,分散型電源の有効電力出力又は無効電力出力等に平時から変動を与えておき,単独運転移行時に当該変動に起因して生じる周波数等の変化により,単独運転状態を検出する装置をいう。
- 5.能動的方式の単独運転検出装置とは,単独運転移行時に生じる電圧位相又は周波数等の変化により,単独運転状態を検出する装置をいう。
正解:2.自立運転とは,分散型電源が,連系している電力系統から解列された状態において,当該分散型電源設置者の構内負荷にのみ電力を供給している状態をいう。
解説:正しいのは(2)である。自立運転は系統から切り離された(解列された)分散型電源が自分の構内負荷だけに電力を供給している状態で,停電時に非常用電源として使う運転がこれにあたる。 他はいずれも定義が入れ替わっているか,語が置き換わっている。 (1)単独運転で供給しているのは有効電力である。無効電力では負荷は働かない。 (3)構内から系統側へ向かう有効電力の流れは逆潮流の定義である。逆充電は,系統が電源から切り離された状態で分散型電源が系統側を加圧してしまう状態をいう。 (4)と(5)は受動的方式と能動的方式が逆である。受動的方式は何もせずに単独運転移行時に自然に生じる電圧位相や周波数の変化を捉える方式,能動的方式はあらかじめ出力に小さな変動を与えておき,その変動が単独運転になったときに増幅されて現れるのを捉える方式である。「能動」=こちらから働きかける,と結び付けて覚えるとよい。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 法規 問7
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問486.次の文章は,「電気設備技術基準」における電気さくの施設の禁止に関する記述である。 電気さく(屋外において裸電線を固定して施設したさくであって,その裸電線に充電して使用するものをいう。)は,施設してはならない。ただし,田畑,牧場,その他これに類する場所において野獣の侵入又は家畜の脱出を防止するために施設する場合であって,絶縁性がないことを考慮し, (ア) のおそれがないように施設するときは,この限りでない。 次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」における電気さくの施設に関する記述である。 電気さくは,次のa)~f)に適合するものを除き施設しないこと。 a) 田畑,牧場,その他これに類する場所において野獣の侵入又は家畜の脱出を防止するために施設するものであること。 b) 電気さくを施設した場所には,人が見やすいように適当な間隔で (イ) である旨の表示をすること。 c) 電気さくは,次のいずれかに適合する電気さく用電源装置から電気の供給を受けるものであること。 ① 電気用品安全法の適用を受ける電気さく用電源装置 ② 感電により人に危険を及ぼすおそれのないように出力電流が制限される電気さく用電源装置であって,次のいずれかから電気の供給を受けるもの ・電気用品安全法の適用を受ける直流電源装置 ・蓄電池,太陽電池その他これらに類する直流の電源 d) 電気さく用電源装置(直流電源装置を介して電気の供給を受けるものにあっては,直流電源装置)が使用電圧 (ウ) V 以上の電源から電気の供給を受けるものである場合において,人が容易に立ち入る場所に電気さくを施設するときは,当該電気さくに電気を供給する電路には次に適合する漏電遮断器を施設すること。 ① 電流動作型のものであること。 ② 定格感度電流が (エ) mA 以下,動作時間が0.1秒以下のものであること。 e) 電気さくに電気を供給する電路には,容易に開閉できる箇所に専用の開閉器を施設すること。 f) 電気さく用電源装置のうち,衝撃電流を繰り返して発生するものは,その装置及びこれに接続する電路において発生する電波又は高周波電流が無線設備の機能に継続的かつ重大な障害を与えるおそれがある場所には,施設しないこと。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア)感電又は火災 (イ)危険 (ウ)100 (エ)15
- 2.(ア)感電又は火災 (イ)電気さく (ウ)30 (エ)10
- 3.(ア)損壊 (イ)電気さく (ウ)100 (エ)15
- 4.(ア)感電又は火災 (イ)危険 (ウ)30 (エ)15
- 5.(ア)損壊 (イ)電気さく (ウ)100 (エ)10
正解:4.(ア)感電又は火災 (イ)危険 (ウ)30 (エ)15
解説:(ア)は電気設備に関する技術基準を定める省令74条(電気さくの施設の禁止)の条文で,「絶縁性がないことを考慮し,感電又は火災のおそれがないように施設するとき」とある。裸電線に充電して使うのだから,守るべきは人の感電と火災であって「損壊」ではない。 (イ)〜(エ)は解釈192条による。表示は「危険である旨」であり,「電気さくである旨」ではない(そこに電気さくがあることは見れば分かる。伝えるべきは危険であること)。 漏電遮断器が必要になるのは電源装置が使用電圧30 V 以上の電源から供給を受ける場合で,その定格感度電流は15 mA 以下,動作時間は0.1秒以下である。一般の住宅などで使う漏電遮断器は定格感度電流30 mA が標準だが,電気さくは人が直接触れることを前提とするため,その半分の15 mA というより厳しい値が求められている。30と15の数字を取り違えないよう注意したい。答(4)。
根拠: 電気設備に関する技術基準を定める省令 第74条 (出典: e-Gov法令検索)
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 法規 問8
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問487.次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」に基づく,ライティングダクト工事による低圧屋内配線の施設に関する記述として,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.ダクトの支持点間の距離を2 m 以下で施設した。
- 2.造営材を貫通してダクト相互を接続したため,貫通部の造営材には接触させず,ダクト相互及び電線相互は堅ろうに,かつ,電気的に完全に接続した。
- 3.ダクトの開口部を上に向けたため,人が容易に触れるおそれのないようにし,ダクトの内部に塵埃が侵入し難いように施設した。
- 4.5 m のダクトを人が容易に触れるおそれがある場所に施設したため,ダクトにはD種接地工事を施し,電路に地絡を生じたときに自動的に電路を遮断する装置は施設しなかった。
- 5.ダクトを固定せず使用するため,ダクトは電気用品安全法に適合した附属品でキャブタイヤケーブルに接続して,終端部は堅ろうに閉そくした。
正解:1.ダクトの支持点間の距離を2 m 以下で施設した。
解説:正しいのは(1)である。解釈165条4項は「ダクトの支持点間の距離は2 m 以下とすること」と定めている。 他は同じ条文のどれかに反している。 (2)同項は「ダクトは,造営材を貫通しないこと」と定めている。貫通部で造営材に接触させないよう気をつけても,貫通そのものが認められない。 (3)開口部は下に向けるのが原則で,上向きにできるのは簡易接触防護措置を施し,かつ日本産業規格に適合する特定の場合に限られる。塵埃が侵入し難いようにするのはその場合に追加で求められる条件であって,それだけで上向きにしてよい理由にはならない。 (4)地絡遮断装置を省略できるのはダクトに簡易接触防護措置を施す場合だが,この記述は「人が容易に触れるおそれがある場所」と自ら述べているので省略できない。なおD種接地工事を省略できるのは対地電圧150 V 以下かつダクトの長さが4 m 以下の場合で,5 m では省略できない。 (5)同項は「ダクトは,造営材に堅ろうに取り付けること」と定めており,固定せずに使うことはできない。答(1)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 法規 問9
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問488.次の文章は,計器用変成器の変流器に関する記述である。その記述内容として誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.変流器は,一次電流から生じる磁束によって二次電流を発生させる計器用変成器である。
- 2.変流器は,二次側に開閉器やヒューズを設置してはいけない。
- 3.変流器は,通電中に二次側が開放されると変流器に異常電圧が発生し,絶縁が破壊される危険性がある。
- 4.変流器は,一次電流が一定でも二次側の抵抗値により変流比は変化するので,電流計の選択には注意が必要になる。
- 5.変流器の通電中に,電流計をやむを得ず交換する場合は,二次側端子を短絡して交換し,その後に短絡を外す。
正解:4.変流器は,一次電流が一定でも二次側の抵抗値により変流比は変化するので,電流計の選択には注意が必要になる。
解説:誤りは(4)である。変流器の変流比は一次巻線と二次巻線の巻数比でほぼ決まり,二次側につなぐ計器の抵抗(負担)を変えても変流比そのものが変わるわけではない。負担が過大になると鉄心が飽和して誤差(比誤差・位相角)が大きくなるが,それは誤差の増加であって「変流比が変化する」のとは別の話である。 他は正しい。変流器は一次電流によって二次電流を決める機器なので,二次側を開放すると一次電流のすべてが励磁電流として働き,鉄心の磁束が飽和するまで増えて二次巻線に高い電圧が現れる。これが(3)の異常電圧で,絶縁破壊や作業者の感電につながる。そのため(2)のとおり二次側に開閉器やヒューズを入れてはならず,(5)のとおり通電中に計器を外すときは先に二次側を短絡しておく。短絡しても二次電流が流れるだけで危険はない。答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 法規 問10
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問489.図は,線間電圧 V[V],周波数 f[Hz]の中性点非接地方式の三相3線式高圧配電線路及びある需要設備の高圧地絡保護システムを簡易に示した単線図である。高圧配電線路一相の全対地静電容量を C₁[F],需要設備一相の全対地静電容量を C₂[F]とするとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 ただし,図示されていない負荷,線路定数及び配電用変電所の制限抵抗は無視するものとする。 〔小問(a)〕 図の配電線路において,遮断器が「入」の状態で地絡事故点に一線完全地絡事故が発生し地絡電流 I_g[A]が流れた。このとき I_g の大きさを表す式として,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 ただし,間欠アークによる影響等は無視するものとし,この地絡事故によって遮断器は遮断しないものとする。

- 1.(2/√3)Vπf√(C₁²+C₂²)
- 2.2√3Vπf√(C₁²+C₂²)
- 3.(2/√3)Vπf(C₁+C₂)
- 4.2√3Vπf(C₁+C₂)
- 5.2√3Vπf√(C₁C₂)
正解:4.2√3Vπf(C₁+C₂)
解説:中性点非接地方式で一線が完全地絡すると,健全2相の対地電圧が線間電圧まで上がり,対地静電容量を通って流れる充電電流が地絡電流になる。結果として地絡電流は,全対地静電容量に相電圧が加わったときの充電電流の3倍として求められる。 I_g=3ωC(V/√3)=3×2πf×(C₁+C₂)×V/√3 3/√3=√3 だから I_g=√3×2πf(C₁+C₂)V=2√3πfV(C₁+C₂) となり(4)である。 要点は二つある。第一に,配電線路側の C₁ と需要設備側の C₂ は大地を通して並列に働くので単純に和をとる((2)や(5)のように2乗和や積の平方根にはならない)。第二に,与えられている V は線間電圧なので相電圧に直すため √3 で割る必要がある。この割り算を掛け算にしてしまうと(1)や(3)の形になる。答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 法規 問11(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問490.※ この問題は本試験ではB問題の小問(b)として出題されたものです。解答に必要な条件が小問(a)にあるため,小問(a)を併せて示します(答えるのは小問(b)です)。 図は,線間電圧 V[V],周波数 f[Hz]の中性点非接地方式の三相3線式高圧配電線路及びある需要設備の高圧地絡保護システムを簡易に示した単線図である。高圧配電線路一相の全対地静電容量を C₁[F],需要設備一相の全対地静電容量を C₂[F]とするとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 ただし,図示されていない負荷,線路定数及び配電用変電所の制限抵抗は無視するものとする。 〔小問(a)〕 図の配電線路において,遮断器が「入」の状態で地絡事故点に一線完全地絡事故が発生し地絡電流 I_g[A]が流れた。 ただし,間欠アークによる影響等は無視するものとし,この地絡事故によって遮断器は遮断しないものとする。 〔小問(b)〕 小問(a)の地絡電流 I_g は高圧配電線路側と需要設備側に分流し,需要設備側に分流した電流は零相変流器を通過して検出される。上記のような需要設備構外の事故に対しても,零相変流器が検出する電流の大きさによっては地絡継電器が不必要に動作する場合があるので注意しなければならない。地絡電流 I_g が高圧配電線路側と需要設備側に分流する割合は C₁ と C₂ の比によって決まるものとしたとき,I_g のうち需要設備の零相変流器で検出される電流の値[mA]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 ただし,V=6 600 V,f=60 Hz,C₁=2.3 μF,C₂=0.02 μF とする。

- 1.54
- 2.86
- 3.124
- 4.152
- 5.256
正解:2.86
解説:まず小問(a)の式に数値を入れて地絡電流を求める。C₁+C₂=2.32 μF=2.32×10⁻⁶ F だから I_g=2√3×π×60×6 600×2.32×10⁻⁶=10.0 A となる。 この電流は大地から配電線路側の C₁ と需要設備側の C₂ に分かれて戻るので,静電容量に比例して分流する。零相変流器を通るのは需要設備側の分だから I₂=I_g×C₂/(C₁+C₂)=10.0×0.02/2.32=0.0862 A=86 mA である。 この問題は,需要設備の外で起きた地絡でも自分の零相変流器に電流が流れることを示している。地絡継電器の整定値をこの値より小さくしてしまうと,構外事故でも遮断器が動作して不必要に停電させることになる。分流の比を C₁ 側で計算すると 10.0×2.3/2.32=9.9 A となり選択肢に無いので,どちら側を問われているかを取り違えないようにしたい。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 法規 問11(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問491.三相3線式の高圧電路に300 kW,遅れ力率0.6 の三相負荷が接続されている。この負荷と並列に進相コンデンサ設備を接続して力率改善を行うものとする。進相コンデンサ設備は図に示すように直列リアクトル付三相コンデンサとし,直列リアクトルSR のリアクタンス X_L[Ω]は,三相コンデンサSC のリアクタンス X_C[Ω]の6 %とするとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 ただし,高圧電路の線間電圧は6 600 V とし,無効電力によって電圧は変動しないものとする。 〔小問(a)〕 進相コンデンサ設備を高圧電路に接続したときに三相コンデンサSC の端子電圧の値[V]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.6 410
- 2.6 795
- 3.6 807
- 4.6 995
- 5.7 021
正解:5.7 021
解説:直列リアクトルSR とコンデンサSC は直列につながっているので,設備全体のリアクタンスは両者の差になる。X_L=0.06X_C だから X=X_C−X_L=X_C−0.06X_C=0.94X_C である(コンデンサの方が大きいので全体としては容量性のまま)。 同じ電流が両方に流れるので,電圧はリアクタンスに比例して分配される。設備全体に線間電圧6 600 V が加わるから,SC の端子電圧は V_SC=6 600×X_C/(0.94X_C)=6 600/0.94=7 021 V となり(5)である。 直列リアクトルはコンデンサと逆向きの電圧を分担するので,コンデンサの端子電圧は回路電圧より高くなる。これが直列リアクトル付コンデンサの定格電圧を6 600 V より高く選ぶ理由で,6 600 V より小さい(1)〜(4)を選ぶと物理的におかしい。答(5)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 法規 問12(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問492.三相3線式の高圧電路に300 kW,遅れ力率0.6 の三相負荷が接続されている。この負荷と並列に進相コンデンサ設備を接続して力率改善を行うものとする。進相コンデンサ設備は図に示すように直列リアクトル付三相コンデンサとし,直列リアクトルSR のリアクタンス X_L[Ω]は,三相コンデンサSC のリアクタンス X_C[Ω]の6 %とするとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 ただし,高圧電路の線間電圧は6 600 V とし,無効電力によって電圧は変動しないものとする。 〔小問(b)〕 進相コンデンサ設備を負荷と並列に接続し,力率を遅れ0.6 から遅れ0.8 に改善した。このとき,この設備の三相コンデンサSC の容量の値[kvar]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.170
- 2.180
- 3.186
- 4.192
- 5.208
正解:3.186
解説:まず必要な進み無効電力を求める。有効電力300 kW は変わらないので,力率0.6 のときの遅れ無効電力は Q₁=300×(0.8/0.6)=400 kvar 力率0.8 に改善した後の遅れ無効電力は Q₂=300×(0.6/0.8)=225 kvar である。したがって進相コンデンサ設備が供給すべき進み無効電力は Q=400−225=175 kvar となる。 ここで問われているのは設備全体の175 kvar ではなく,三相コンデンサSC 単体の容量である。設備の無効電力は SR と SC の差し引きで175 kvar になっているので,SC 単体は直列リアクトルが打ち消している分だけ大きい。小問(a)で見たとおり設備全体のリアクタンスは 0.94X_C だから Q_SC=Q×X_C/(0.94X_C)=175/0.94=186 kvar となり(3)である。 175 kvar のまま答えると(1)を選ぶことになる。直列リアクトルを入れると,同じ改善効果を得るのに必要なコンデンサ容量は約6 %大きくなる。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 法規 問12(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問493.電気工作物に起因する供給支障事故について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 次の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 ① 電気事業法第39条(事業用電気工作物の維持)において,事業用電気工作物の損壊により (ア) 者又は配電事業者の電気の供給に著しい支障を及ぼさないようにすることが規定されている。 ② 「電気関係報告規則」において, (イ) を設置する者は, (ア) ,配電事業又は特定送配電事業の用に供する電気工作物と電気的に接続されている電圧 (ウ) V 以上の (イ) の破損又は (イ) の誤操作若しくは (イ) を操作しないことにより (ア) 者,配電事業者又は特定送配電事業者に供給支障を発生させた場合,電気工作物の設置の場所を管轄する産業保安監督部長に事故報告をしなければならないことが規定されている。 ③ 図1に示す高圧配電系統により高圧需要家が受電している。事故点1,事故点2又は事故点3のいずれかで短絡等により高圧配電系統に供給支障が発した場合,②の報告対象となるのは (エ) である。

- 1.(ア)一般送配電事業 (イ)自家用電気工作物 (ウ)6 000 (エ)事故点1又は事故点2
- 2.(ア)送電事業 (イ)事業用電気工作物 (ウ)3 000 (エ)事故点1又は事故点3
- 3.(ア)一般送配電事業 (イ)事業用電気工作物 (ウ)6 000 (エ)事故点2又は事故点3
- 4.(ア)送電事業 (イ)事業用電気工作物 (ウ)6 000 (エ)事故点1又は事故点2
- 5.(ア)一般送配電事業 (イ)自家用電気工作物 (ウ)3 000 (エ)事故点2又は事故点3
正解:5.(ア)一般送配電事業 (イ)自家用電気工作物 (ウ)3 000 (エ)事故点2又は事故点3
解説:①電気事業法39条2項3号は「事業用電気工作物の損壊により一般送配電事業者又は配電事業者の電気の供給に著しい支障を及ぼさないようにすること」と定めている。したがって(ア)は一般送配電事業である。 ②電気関係報告規則3条1項の表12号は,「一般送配電事業者の…電気工作物と電気的に接続されている電圧3 000 V 以上の自家用電気工作物の破損又は自家用電気工作物の誤操作若しくは自家用電気工作物を操作しないことにより一般送配電事業者,配電事業者又は特定送配電事業者に供給支障を発生させた事故」を,設置の場所を管轄する産業保安監督部長への報告対象としている。したがって(イ)は自家用電気工作物,(ウ)は3 000 である。高圧受電が6 600 V なので6 000 と書きたくなるが,条文の数値は3 000 V である。 ③報告義務を負うのは自家用電気工作物を設置する者,つまり高圧需要家である。図1で保安上の責任分界点より需要家側にあるのは事故点2 と事故点3 で,事故点1 は分界点より電源側=一般送配電事業者の配電線側なので需要家の自家用電気工作物ではない。よって(エ)は事故点2又は事故点3となる。答(5)。
根拠: 電気事業法 第39条 / 電気関係報告規則 第3条 (出典: e-Gov法令検索)
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 法規 問13(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問494.電気工作物に起因する供給支障事故について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(b)〕 次の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 ① 受電設備を含む配電系統において,過負荷又は短絡あるいは地絡が生じたとき,供給支障の拡大を防ぐため,事故点直近上位の遮断器のみが動作し,他の遮断器は動作しないとき,これらの遮断器の間では (ア) がとられているという。 ② 図2は,図1の高圧需要家の事故点2又は事故点3で短絡が発生した場合の過電流と遮断器(遮断器A及び遮断器B)の継電器動作時間の関係を示したものである。 (ア) がとられている場合,遮断器B の継電器動作特性曲線は, (イ) である。 ③ 図3は,図1の高圧需要家の事故点2で地絡が発生した場合の零相電流と遮断器(遮断器A及び遮断器B)の継電器動作時間の関係を示したものである。 (ア) がとられている場合,遮断器B の継電器動作特性曲線は, (ウ) である。また,地絡の発生箇所が零相変流器より負荷側か電源側かを判別するため (エ) の使用が推奨されている。

- 1.(ア)同期協調 (イ)曲線2 (ウ)曲線3 (エ)地絡距離継電器
- 2.(ア)同期協調 (イ)曲線1 (ウ)曲線3 (エ)地絡方向継電器
- 3.(ア)保護協調 (イ)曲線1 (ウ)曲線4 (エ)地絡距離継電器
- 4.(ア)保護協調 (イ)曲線2 (ウ)曲線4 (エ)地絡方向継電器
- 5.(ア)保護協調 (イ)曲線2 (ウ)曲線3 (エ)地絡距離継電器
正解:4.(ア)保護協調 (イ)曲線2 (ウ)曲線4 (エ)地絡方向継電器
解説:(ア)事故点に最も近い上位の遮断器だけが動作して停電範囲を最小に抑える関係を保護協調という。「同期協調」という用語はない。 (イ)(ウ)遮断器B は高圧需要家の受電用で,配電用変電所の遮断器A より事故点に近い。保護協調がとれているとは,同じ事故電流に対してB がA より先に動作することである。したがってB の特性曲線は,どちらの図でも動作時間が短い側の曲線を選べばよい。図2では下側の曲線2,図3では下側(左側)の曲線4 がそれにあたる。A が先に動作すると,事故と関係のない他の需要家まで停電してしまう。 (エ)地絡方向継電器(DGR)である。零相変流器だけでは自分の構内の地絡か構外の地絡かを区別できないが,零相電圧と零相電流の位相関係を見れば電流がどちら向きに流れているかが分かり,負荷側の地絡か電源側の地絡かを判別できる。小問(a)の問11で見たように,構外の地絡でも自分の零相変流器には電流が流れるので,この方向判別が不必要な停電を防ぐ鍵になる。「地絡距離継電器」は事故点までの距離を測る発想の継電器で,ここでの用途とは異なる。答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 法規 問13(b)
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問495.次の文章は,「電気事業法」における事業用電気工作物の技術基準への適合に関する記述の一部である。 a)事業用電気工作物を設置する者は,事業用電気工作物を主務省令で定める技術基準に適合するように (ア) しなければならない。 b)上記a)の主務省令で定める技術基準では,次に掲げるところによらなければならない。 ① 事業用電気工作物は,人体に危害を及ぼし,又は物件に損傷を与えないようにすること。 ② 事業用電気工作物は,他の電気的設備その他の物件の機能に電気的又は (イ) 的な障害を与えないようにすること。 ③ 事業用電気工作物の損壊により一般送配電事業者又は配電事業者の電気の供給に著しい支障を及ぼさないようにすること。 ④ 事業用電気工作物が一般送配電事業又は配電事業の用に供される場合にあつては,その事業用電気工作物の損壊によりその一般送配電事業又は配電事業に係る電気の供給に著しい支障を生じないようにすること。 c)主務大臣は,事業用電気工作物が上記a)の主務省令で定める技術基準に適合していないと認めるときは,事業用電気工作物を設置する者に対し,その技術基準に適合するように事業用電気工作物を修理し,改造し,若しくは移転し,若しくはその使用を (ウ) すべきことを命じ,又はその使用を制限することができる。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア)設置 (イ)磁気 (ウ)一時停止
- 2.(ア)維持 (イ)磁気 (ウ)一時停止
- 3.(ア)設置 (イ)熱 (ウ)禁止
- 4.(ア)維持 (イ)熱 (ウ)禁止
- 5.(ア)設置 (イ)熱 (ウ)一時停止
正解:2.(ア)維持 (イ)磁気 (ウ)一時停止
解説:電気事業法第39条第1項は「事業用電気工作物を設置する者は、事業用電気工作物を主務省令で定める技術基準に適合するように維持しなければならない」と定める。設置したあと使い続ける間ずっと基準に適合させ続ける義務なので(ア)は「維持」であり、「設置」とした(1)(3)(5)はここで落ちる。②の障害は電磁誘導などによるものを想定しており、条文は「電気的又は磁気的な障害」である。熱的な障害ではないので(イ)=磁気となり(4)も消えて(2)が残る。c)は同法第40条(技術基準適合命令)で、主務大臣は修理・改造・移転のほか「その使用を一時停止すべきことを命じ、又はその使用を制限することができる」とある。「禁止」ではなく期間を区切った「一時停止」である点が要点で、恒久的に使用を禁じるのではなく基準に適合させるまでの措置という位置づけになっている。答(2)。
根拠: 電気事業法 第39条 (出典: e-Gov法令検索)
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 法規 問1
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問496.「電気関係報告規則」に基づく,事故報告に関して,受電電圧 6 600 V の自家用電気工作物を設置する事業場における事故事例のうち,事故報告に該当しないものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.自家用電気工作物の破損事故に伴う構内 1 号柱の倒壊により,第三者の家屋に損傷を与えた。
- 2.保修作業員が,作業中誤って分電盤内の低圧 200 V の端子に触れて感電負傷し,病院に入院した。
- 3.電圧 100 V の屋内配線の漏電により火災が発生し,建屋が半焼した。
- 4.従業員が,操作を誤って高圧の誘導電動機を損壊させた。
- 5.落雷により高圧負荷開閉器が破損し,一般送配電事業者に供給支障を発生させたが,電気火災は発生せず,また,感電死傷者は出なかった。
正解:4.従業員が,操作を誤って高圧の誘導電動機を損壊させた。
解説:該当しないのは(4)である。電気関係報告規則が求める報告は、感電などによる死傷事故、電気火災事故、他の物件への損傷事故、主要電気工作物の破損事故、供給支障事故などに限られる。需要設備の誘導電動機は主要電気工作物には当たらず、しかもこの事例では人が死傷しておらず、火災も供給支障も起きていない。単に自分の設備を壊しただけでは報告対象にならない。他は該当する。(1)は電気工作物の破損に伴って第三者の物件に損傷を与えた事故、(2)は感電により死傷(入院を要する負傷)した事故で、電圧の高低や作業者本人かどうかを問わない。(3)は電気工作物が原因の電気火災事故。(5)は一般送配電事業者への供給支障事故であり、火災や死傷者がなくても報告が要る。答(4)。「自分の設備が壊れただけか、それとも人・他人の物件・供給に影響したか」で切り分けるのがこの分野の要点になる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 法規 問2
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問497.「電気設備技術基準」では,「光ファイバケーブル」及び「光ファイバケーブル線路」の定義を次のように規定している。 a)「光ファイバケーブル」とは,光信号の伝送に使用する伝送媒体であって,保護 (ア) で保護したものをいう。 b)「光ファイバケーブル線路」とは,光ファイバケーブル及びこれを (イ) し,又は保蔵する工作物(造営物の屋内又は (ウ) に施設するものを除く。)をいう。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(ウ)に記入する字句として,正しいものを組み合わせたのは次のうちどれか。
- 1.(ア)装置 (イ)収納 (ウ)屋外
- 2.(ア)装置 (イ)収納 (ウ)屋上
- 3.(ア)被覆 (イ)支持 (ウ)屋側
- 4.(ア)被覆 (イ)保護 (ウ)屋上
- 5.(ア)器具 (イ)支持 (ウ)屋側
正解:3.(ア)被覆 (イ)支持 (ウ)屋側
解説:電気設備技術基準(省令)第1条の定義そのままである。光ファイバケーブルは光ファイバ素線を「保護被覆」で覆ったものを指すので(ア)=被覆。装置や器具ではないから(1)(2)(5)が落ちる。線路のほうは、ケーブル本体に加えて、それを「支持し、又は保蔵する工作物」(電柱・管路・とう道など)まで含めた概念である。(イ)=支持となり、「保護」とした(4)も消えて(3)が残る。括弧書きの除外は「造営物の屋内又は屋側に施設するもの」で、建物の中や壁面に沿わせた部分は線路に含めないという趣旨である。(ウ)=屋側。屋外や屋上ではない点に注意したい。答(3)。光ファイバケーブル線路が電気設備技術基準の対象になるのは、電線路と同じ支持物に共架されるなど電気工作物と近接して施設されることがあるためで、感電や漏電の危険とは別の観点から規定が置かれている。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 法規 問3
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問498.「電気設備技術基準の解釈」に基づく,高圧の機械器具(これに附属する高圧電線であってケーブル以外のものを含む。以下同じ。)の施設について,発電所,蓄電所又は変電所,開閉所若しくはこれらに準ずる場所以外の場所において,高圧の機械器具を施設することができる場合として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.人が触れるおそれがないように,機械器具の周囲に適当なさく,へい等を設け,当該さく,へい等の高さと,当該さく,へい等から機械器具の充電部分までの距離との和を 5 m 以上とし,かつ,危険である旨の表示をする場合
- 2.屋内であって,取扱者以外の者が出入りできないように措置した場所に施設する場合
- 3.工場等の構内において,機械器具の周囲に高圧用機械器具である旨の表示をする場合
- 4.機械器具をコンクリート製の箱又は D 種接地工事を施した金属製の箱に収め,かつ,充電部分が露出しないように施設する場合
- 5.充電部分が露出しない機械器具を人が接近又は接触しないよう,さく,へい等を設けて施設する場合
正解:3.工場等の構内において,機械器具の周囲に高圧用機械器具である旨の表示をする場合
解説:誤りは(3)である。工場等の構内に施設する場合であっても、認められるのは機械器具の周囲に適当なさく・へい等を設けたうえで危険である旨の表示をする方法であり、「高圧用機械器具である旨の表示」をするだけでは足りない。表示は人に注意を促すにすぎず、物理的に充電部分へ近づけない措置がなければ感電を防げないからである。他は正しい。(1)はさく・へい等の高さと、そこから充電部分までの距離の和を5 m以上とし危険表示をする方法で、条文どおり。(2)は屋内で取扱者以外が出入りできないよう措置した場所。(4)はコンクリート製の箱又はD種接地工事を施した金属製の箱に収めて充電部分を露出させない方法。(5)は充電部分が露出しない機械器具について、さく・へい等で人が接近・接触しないようにする方法である。答(3)。「表示だけで済む選択肢は疑ってかかる」というのがこの手の問題の見分け方になる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 法規 問4
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問499.次の文章は,「発電用風力設備に関する技術基準を定める省令」に基づく風車の安全な状態の確保に関する記述である。 a)風車は,次の場合に安全かつ自動的に停止するような措置を講じなければならない。 ① (ア) が著しく上昇した場合 ② 風車の (イ) の機能が著しく低下した場合 b)発電用風力設備が一般用電気工作物又は小規模事業用電気工作物である場合には,上記a)の記述は,同記述中「安全かつ自動的に停止するような措置」とあるのは「安全な状態を確保するような措置」と読み替えて適用するものとする。 c)最高部の (ウ) からの高さが 20 m を超える発電用風力設備には, (エ) から風車を保護するような措置を講じなければならない。ただし,周囲の状況によって (エ) が風車を損傷するおそれがない場合においては,この限りでない。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア)回転速度 (イ)制御装置 (ウ)ロータ最低部 (エ)雷撃
- 2.(ア)発電電圧 (イ)圧油装置 (ウ)地表 (エ)雷撃
- 3.(ア)回転速度 (イ)制御装置 (ウ)地表 (エ)雷撃
- 4.(ア)発電電圧 (イ)制御装置 (ウ)ロータ最低部 (エ)強風
- 5.(ア)回転速度 (イ)圧油装置 (ウ)ロータ最低部 (エ)強風
正解:3.(ア)回転速度 (イ)制御装置 (ウ)地表 (エ)雷撃
解説:風車を自動停止させなければならないのは、まず「回転速度が著しく上昇した場合」である。強風で回転数が上がりすぎると遠心力でブレードが破壊されるため、機械の安全に直結する量として回転速度が挙げられている。発電電圧ではないので(2)(4)が落ちる。もう一つは「風車の制御装置の機能が著しく低下した場合」で、ピッチ角制御などが効かなくなれば回転速度を抑えられなくなるからである。圧油装置ではないので(5)も消える。残る(1)と(3)の差は(ウ)だけで、高さの起点は「地表」である。ロータ最低部を起点にすると風車ごとに基準がばらついてしまう。最高部の地表からの高さが20 mを超える設備には「雷撃」から風車を保護する措置(受雷部やダウンコンダクタ)が要る。風車は高所に突き出た構造物で落雷を受けやすく、ブレードは複合材で導電性が低いため直撃すると破損しやすい。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 法規 問5
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問500.次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」に基づく高圧架空引込線の施設に関する記述の一部である。 a)電線は,次のいずれかのものであること。 ① 引張強さ 8.01 kN 以上のもの又は直径 (ア) mm 以上の硬銅線を使用する,高圧絶縁電線又は特別高圧絶縁電線 ② (イ) 用高圧絶縁電線 ③ ケーブル b)電線が絶縁電線である場合は,がいし引き工事により施設すること。 c)電線の高さは,「低高圧架空電線の高さ」の規定に準じること。ただし,次に適合する場合は,地表上 (ウ) m 以上とすることができる。 ① 次の場合以外であること。 ・道路を横断する場合 ・鉄道又は軌道を横断する場合 ・横断歩道橋の上に施設する場合 ② 電線がケーブル以外のものであるときは,その電線の (エ) に危険である旨の表示をすること。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア)5 (イ)引下げ (ウ)2.5 (エ)下方
- 2.(ア)4 (イ)引下げ (ウ)3.5 (エ)近傍
- 3.(ア)4 (イ)引上げ (ウ)2.5 (エ)近傍
- 4.(ア)5 (イ)引下げ (ウ)3.5 (エ)下方
- 5.(ア)5 (イ)引上げ (ウ)5 (エ)下方
正解:4.(ア)5 (イ)引下げ (ウ)3.5 (エ)下方
解説:高圧架空電線に使う硬銅線の太さは直径5 mm以上で、これは引張強さ8.01 kN以上という条件と対になっている。低圧の直径4 mm以上(引張強さ5.26 kN以上)と混同しやすいので、電圧区分ごとに覚えておきたい。(ア)=5となり(2)(3)が落ちる。②は電柱から需要家へ引き下ろす区間に使う「引下げ用高圧絶縁電線」で、引上げ用という電線は無い。(イ)=引下げで(5)も消える。残る(1)と(4)の差は高さで、原則は低高圧架空電線の高さの規定(道路横断6 m以上など)に従うが、道路・鉄道・横断歩道橋を避けたうえで危険表示をすれば地表上3.5 m以上まで下げられる。2.5 mでは人が触れるおそれがあり認められない。(エ)は表示を付ける位置で、地上から見上げて気付けるよう電線の「下方」に付ける。答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 法規 問6
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問501.次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」に基づく高圧連系時の系統連系用保護装置に関する記述である。 「逆変換装置を用いて連系する場合」において,「逆潮流有りの場合」の保護リレー等は,次によること。表に規定する保護リレー等を受電点その他異常の検出が可能な場所に設置すること。 〔表 高圧連系時の保護リレー〕検出する異常/種類/補足事項の順に, ・ (ア) 異常上昇 / 過電圧リレー / ※1 ・ (ア) 異常低下 / 不足電圧リレー / ※1 ・ (イ) 短絡事故 / 不足電圧リレー / ※2 ・ (イ) 地絡事故 / (ウ) リレー / ※3 ・ (エ) / 周波数上昇リレー / ※4 ・ (エ) / 周波数低下リレー ・ (エ) / 転送遮断装置又は (エ) 検出装置 / ※5 ※6 ※1:分散型電源自体の保護用に設置するリレーにより検出し,保護できる場合は省略できる。 ※2: (ア) 異常低下検出用の不足電圧リレーにより検出し,保護できる場合は省略できる。 ※3:構内低圧線に連系する場合であって,分散型電源の出力が受電電力に比べて極めて小さく, (エ) 検出装置等により高速に (エ) を検出し,分散型電源を停止又は解列する場合又は地絡方向継電装置付き高圧交流負荷開閉器から,零相電圧を (ウ) リレーに取り込む場合は,省略できる。 ※4:専用線と連系する場合は,省略できる。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア)発電電圧 (イ)系統側 (ウ)電流差動 (エ)単独運転
- 2.(ア)発電電圧 (イ)系統側 (ウ)地絡過電圧 (エ)逆充電
- 3.(ア)系統電圧 (イ)発電側 (ウ)電流差動 (エ)逆充電
- 4.(ア)系統電圧 (イ)発電側 (ウ)地絡過電圧 (エ)単独運転
- 5.(ア)発電電圧 (イ)系統側 (ウ)地絡過電圧 (エ)単独運転
正解:5.(ア)発電電圧 (イ)系統側 (ウ)地絡過電圧 (エ)単独運転
解説:過電圧リレーと不足電圧リレーが検出するのは自分側、すなわち「発電電圧」の異常上昇・異常低下である。※1に「分散型電源自体の保護用に設置するリレーにより検出し、保護できる場合は省略できる」とあることが決め手で、自分の発電設備の保護と重なるからこそ省略できる。(ア)=発電電圧となり(3)(4)が落ちる。一方、不足電圧リレーで検出するもう一つの異常は「系統側短絡事故」で、系統側の事故で電圧が落ちたことを捉えて解列する。(イ)=系統側。系統側の地絡事故は、非接地系では零相電圧が現れることを利用して「地絡過電圧リレー」で検出する。電流差動リレーは送電線の主保護などに使うもので高圧連系の標準構成には入らないので(1)も消える。残る(2)と(5)の差は(エ)で、周波数リレーや転送遮断装置と並んで検出するのは「単独運転」である。逆充電は逆潮流の無い場合に問題となる別の現象で、ここでは当たらない。答(5)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 法規 問7
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問502.次の文章は,「電気設備技術基準」における低圧の電路の絶縁性能に関する記述である。 電気使用場所における使用電圧が低圧の電路の電線相互間及び (ア) と大地との間の絶縁抵抗は,開閉器又は (イ) で区切ることのできる電路ごとに,次の表の左欄に掲げる電路の使用電圧の区分に応じ,それぞれ同表の右欄に掲げる値以上でなければならない。 〔表〕電路の使用電圧の区分/絶縁抵抗値 ・ (ウ) V以下 / (エ) (接地式電路においては電線と大地との間の電圧,非接地式電路においては電線間の電圧をいう。以下同じ。)が 150 V以下の場合 / 0.1 MΩ ・ (ウ) V以下 / その他の場合 / 0.2 MΩ ・ (ウ) V を超えるもの / (オ) MΩ 上記の記述中の空白箇所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア)電線 (イ)配線用遮断器 (ウ)400 (エ)公称電圧 (オ)0.3
- 2.(ア)電線路 (イ)漏電遮断器 (ウ)400 (エ)公称電圧 (オ)0.3
- 3.(ア)電路 (イ)過電流遮断器 (ウ)300 (エ)対地電圧 (オ)0.4
- 4.(ア)電線 (イ)過電流遮断器 (ウ)300 (エ)最大使用電圧 (オ)0.4
- 5.(ア)電路 (イ)配線用遮断器 (ウ)400 (エ)対地電圧 (オ)0.4
正解:3.(ア)電路 (イ)過電流遮断器 (ウ)300 (エ)対地電圧 (オ)0.4
解説:電気設備技術基準(省令)第58条の表そのままである。測るのは電線どうしの間と「電路」と大地との間で、区切りの単位は「開閉器又は過電流遮断器で区切ることのできる電路ごと」。配線用遮断器や漏電遮断器と限定していないので(1)(2)(5)が落ちる。電圧の区分は300 Vが境で、300 V以下はさらに対地電圧150 V以下かどうかで0.1 MΩと0.2 MΩに分かれ、300 Vを超えるものは0.4 MΩである。400 Vを境にしている選択肢は誤り。括弧書きの定義が「接地式電路においては電線と大地との間の電圧」とあることから(エ)は「対地電圧」で、公称電圧や最大使用電圧ではない。ここで(4)も消えて(3)が残る。答(3)。0.1/0.2/0.4という三つの値と、150 V・300 Vという二つの境目はそのまま実務の絶縁抵抗測定の判定基準になるので、数値ごと覚えておきたい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 法規 問8
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問503.次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」における配線器具の施設に関する記述の一部である。 低圧用の配線器具は,次により施設すること。 a) (ア) ように施設すること。ただし,取扱者以外の者が出入りできないように措置した場所に施設する場合は,この限りでない。 b)湿気の多い場所又は水気のある場所に施設する場合は,防湿装置を施すこと。 c)配線器具に電線を接続する場合は,ねじ止めその他これと同等以上の効力のある方法により,堅ろうに,かつ,電気的に完全に接続するとともに,接続点に (イ) が加わらないようにすること。 d)屋外において電気機械器具に施設する開閉器,接続器,点滅器その他の器具は, (ウ) おそれがある場合には,これに堅ろうな防護装置を施すこと。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア)充電部分が露出しない (イ)張力 (ウ)感電の
- 2.(ア)取扱者以外の者が容易に開けることができない (イ)異常電圧 (ウ)損傷を受ける
- 3.(ア)取扱者以外の者が容易に開けることができない (イ)張力 (ウ)感電の
- 4.(ア)充電部分が露出しない (イ)張力 (ウ)損傷を受ける
- 5.(ア)取扱者以外の者が容易に開けることができない (イ)異常電圧 (ウ)感電の
正解:4.(ア)充電部分が露出しない (イ)張力 (ウ)損傷を受ける
解説:a)の原則は「充電部分が露出しないように施設すること」である。ただし書が「取扱者以外の者が出入りできないように措置した場所」を例外にしていることから、本則が感電防止のための露出禁止だと読み取れる。(ア)=充電部分が露出しないとなり(2)(3)(5)が落ちる。c)の接続点に加わってはいけないのは「張力」で、電線を引っ張る力が接続点にかかると緩みや外れが生じ、接触抵抗の増大から発熱・発火につながる。異常電圧ではない。d)は屋外の器具についてで、雨がかりや飛来物、車両の接触などで「損傷を受ける」おそれがある場合に堅ろうな防護装置を施すという趣旨である。感電のおそれならa)で既に手当てされているので重複する。ここで(1)も消えて(4)が残る。答(4)。a)~d)はそれぞれ感電・湿気・機械的な力・外傷という別々のリスクに対応しており、どの条件がどのリスクに対応するかで整理すると迷いにくい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 法規 問9
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問504.図はある配電用変電所の送り出し遮断器 A から需要家構内の主遮断器までの電路を表したものである。図中に✕印で示した地点で短絡事故が発生した場合の遮断器 A と,区分開閉器 B(SOG 機能付 PAS)の動作の記述として,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 ただし,遮断器 A の配電系統及びこれに接続する全ての需要家構内に分散型電源は無いものとする。 なお,本問で SOG 機能付 PAS とは,過電流蓄勢トリップ付地絡トリップ形トリップ装置付過電流ロック形高圧気中負荷開閉器をいう。

- 1.A が開路したのち,B が開路し,その後 A が閉路する。
- 2.B が開路したのち,A が開路し,その後 A が閉路する。
- 3.A と B が同時に開路し,その後 A が閉路する。
- 4.A が開路する。(B は開路しない。)
- 5.B が開路する。(A は開路しない。)
正解:1.A が開路したのち,B が開路し,その後 A が閉路する。
解説:SOG機能付PASの「過電流ロック形」という名称が答を決める。区分開閉器Bは負荷開閉器であって短絡電流を遮断する能力を持たないので、短絡電流を検知しても自らは開かず、逆に開かないようロックする。まず配電用変電所の送り出し遮断器Aが短絡電流を遮断して線路を停電させ、無電圧になったところでBが開路して事故点を切り離す。その後Aが再閉路すると、事故を起こした需要家だけが切り離された状態で他の需要家への送電が復旧する。したがって「Aが開路→Bが開路→Aが閉路」の順で(1)が正しい。答(1)。Bが先に開くとした(2)、同時に開くとした(3)は、負荷開閉器に短絡遮断能力がないという前提と矛盾する。(4)ではBが開かないため再閉路したときに再び短絡してしまい、(5)はそもそも短絡電流をBが遮断できないので成り立たない。なお地絡事故の場合は事情が異なり、Bは地絡を検出して自ら開路する(Gの動作)ので、短絡(S・O)と地絡(G)で挙動が違う点も押さえておきたい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 法規 問10
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問505.変電所から三相 3 線式 1 回線の専用配電線で受電している需要家がある。この配電線路の電線 1 条当たりの抵抗及びリアクタンスの値は,それぞれ 3 Ω及び 5 Ωである。この需要家の使用電力が 8 000 kW,負荷の力率が 0.8(遅れ)であるとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 需要家の受電電圧が 20 kV のとき,変電所引出口の電圧[kV]の値として,最も近いのは次のうちどれか。
- 1.21.6
- 2.22.2
- 3.22.7
- 4.22.9
- 5.23.1
正解:3.22.7
解説:まず線電流を求める。三相電力の式 P=√3 V I cosθ より I=8 000×10³/(√3×20 000×0.8)≒288.7 A。次に三相3 線式の電圧降下の近似式 ΔV=√3 I(R cosθ+X sinθ) を使う。力率0.8 遅れなので sinθ=0.6 であり、R cosθ+X sinθ=3×0.8+5×0.6=2.4+3.0=5.4 Ω。よって ΔV=√3×288.7×5.4≒2 700 V=2.7 kV。送電端である変電所引出口の電圧は 20+2.7=22.7 kV。答(3)。落とし穴は二つある。一つはリアクタンス分を忘れて ΔV=√3 IR cosθ=1 200 V とすること、もう一つは sinθ を掛けずに R+X=8 Ωとしてしまうことで、いずれも選択肢の別の値に近づく。遅れ力率ではリアクタンス分の寄与が抵抗分より大きくなることも多く、本問でも3.0 Ωと2.4 Ωで逆転している。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 法規 問11(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問506.変電所から三相 3 線式 1 回線の専用配電線で受電している需要家がある。この配電線路の電線 1 条当たりの抵抗及びリアクタンスの値は,それぞれ 3 Ω及び 5 Ωである。この需要家の使用電力が 8 000 kW,負荷の力率が 0.8(遅れ)であるとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(b)〕 需要家にコンデンサを設置して,負荷の力率を 0.95(遅れ)に改善するとき,この配電線の電圧降下の値[V]の,コンデンサ設置前の電圧降下の値[V]に対する比率[%]の値として,最も近いのは次のうちどれか。 ただし,この需要家の受電電圧[kV]は,コンデンサ設置前と同一の 20 kV とする。
- 1.66.6
- 2.68.8
- 3.75.5
- 4.81.7
- 5.97.0
正解:2.68.8
解説:使用電力8 000 kWと受電電圧20 kVは変わらず、力率だけが0.8 から0.95 に上がる。線電流は I′=8 000×10³/(√3×20 000×0.95)≒243.1 A と小さくなる。力率0.95 に対する sinθ′は √(1−0.95²)=√0.097 5≒0.312 4。よって R cosθ′+X sinθ′=3×0.95+5×0.312 4≒2.85+1.562=4.412 Ω。電圧降下は ΔV′=√3×243.1×4.412≒1 858 V。小問(a)の2 700 V と比べて 1 858/2 700≒0.688、すなわち68.8 %。答(2)。ここで大切なのは、力率改善で減るのが電流だけではないという点である。電流は0.8/0.95≒84.2 %にしか下がらないが、リアクタンス分に掛かる sinθ が0.6 から0.312 へ半分近くまで落ちるため、両方の効果が重なって電圧降下は約69 %まで下がる。電流比だけで見積もると(4)の81.7 に近い値になってしまうので、sinθ の変化を必ず織り込むこと。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 法規 問11(b)
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問507.三相 3 線式の高圧電路に 300 kW,遅れ力率 0.6 の三相負荷が接続されている。この負荷と並列に進相コンデンサ設備を接続して力率改善を行うものとする。進相コンデンサ設備は図に示すように直列リアクトル付三相コンデンサとし,直列リアクトル SR のリアクタンス X_L[Ω]は,三相コンデンサ SC のリアクタンス X_C[Ω]の 6 %とするとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 ただし,高圧電路の線間電圧は 6 600 V とし,無効電力によって電圧は変動しないものとする。 〔小問(a)〕 進相コンデンサ設備を高圧電路に接続したときに三相コンデンサ SC の端子電圧の値[V]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.6 410
- 2.6 795
- 3.6 807
- 4.6 995
- 5.7 021
正解:5.7 021
解説:直列リアクトルSRと三相コンデンサSCは直列につながっているので、同じ電流が流れる。設備全体のリアクタンスは、誘導性のX_Lと容量性のX_Cが打ち消し合って X_C−X_L=X_C−0.06X_C=0.94X_C(容量性)になる。電源電圧6 600 Vがこの0.94X_Cに掛かって電流が決まり、そのうちSCの端子には X_C 分の電圧が現れるから、V_SC=6 600×X_C/(0.94X_C)=6 600/0.94≒7 021 V。答(5)。ポイントは、直列リアクトルを入れるとコンデンサの端子電圧が電源電圧より高くなるという点で、約6 %高い電圧に耐えられる定格のコンデンサを選ぶ必要がある。分母と分子を取り違えて 6 600×0.94=6 204 V としたり、6 600×1.06=6 996 V と単純に6 %増しにすると(4)に近づいてしまう。直列リアクトルを6 %入れるのは、第5 調波に対して回路全体を誘導性にして高調波の拡大を防ぐためで、この端子電圧上昇はその代償である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 法規 問12(a)
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問508.三相 3 線式の高圧電路に 300 kW,遅れ力率 0.6 の三相負荷が接続されている。この負荷と並列に進相コンデンサ設備を接続して力率改善を行うものとする。進相コンデンサ設備は図に示すように直列リアクトル付三相コンデンサとし,直列リアクトル SR のリアクタンス X_L[Ω]は,三相コンデンサ SC のリアクタンス X_C[Ω]の 6 %とするとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 ただし,高圧電路の線間電圧は 6 600 V とし,無効電力によって電圧は変動しないものとする。 〔小問(b)〕 進相コンデンサ設備を負荷と並列に接続し,力率を遅れ 0.6 から遅れ 0.8 に改善した。このとき,この設備の三相コンデンサ SC の容量の値[kvar]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.170
- 2.180
- 3.186
- 4.192
- 5.208
正解:3.186
解説:まず設備全体で打ち消すべき無効電力を求める。有効電力は300 kWで変わらず、力率0.6 のときの遅れ無効電力は Q₁=P tanθ₁=300×(0.8/0.6)=400 kvar、力率0.8 に改善した後は Q₂=300×(0.6/0.8)=225 kvar。差の 400−225=175 kvar が進相コンデンサ設備が供給すべき無効電力である。ここで注意したいのは、これは直列リアクトルSRを含めた設備全体の値だという点である。SRとSCには同じ電流Iが流れるので、設備全体は I²(X_C−X_L)=175 kvar、SC単体は I²X_C である。X_C−X_L=0.94X_C だから、SC単体の容量は 175/0.94≒186 kvar となる。答(3)。直列リアクトルが誘導性の無効電力を消費するぶん、SCはそれより大きい容量を持たせなければ目標の175 kvarを確保できない、と考えると分かりやすい。175 をそのまま答にすると(1)の170 に、6 %増しの 175×1.06≒186 でも同じ値になるが、正しくは 0.94 で割る形である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 法規 問12(b)
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問509.変圧器によって高圧電路に結合されている低圧電路に施設された使用電圧 100 V の金属製外箱を有する空調機がある。この変圧器の B 種接地抵抗値及びその低圧電路に施設された空調機の金属製外箱の D 種接地抵抗値に関して,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 ただし,次の条件によるものとする。 (ア) 変圧器の高圧側の電路の 1 線地絡電流は 5 A で,B 種接地工事の接地抵抗値は「電気設備技術基準の解釈」で許容されている最高限度の 1/3 に維持されている。 (イ) 変圧器の高圧側の電路と低圧側の電路との混触時に低圧電路の対地電圧が 150 V を超えた場合に,0.8 秒で高圧電路を自動的に遮断する装置が設けられている。 〔小問(a)〕 変圧器の低圧側に施された B 種接地工事の接地抵抗値[Ω]の値として,最も近いのは次のうちどれか。
- 1.10
- 2.20
- 3.30
- 4.40
- 5.50
正解:4.40
解説:B 種接地工事の接地抵抗値の上限は、高圧側の1 線地絡電流 I₁ を用いて三段階に定められている。原則は150/I₁ Ω、混触時に低圧電路の対地電圧が150 V を超えた場合に「1 秒を超え2 秒以内」に自動遮断できれば300/I₁ Ω、「1 秒以内」に遮断できれば600/I₁ Ωである。本問の遮断時間は0.8 秒なので1 秒以内に当たり、最高限度は600/5=120 Ω。実際にはその1/3 に維持されているという条件なので 120/3=40 Ω。答(4)。二段階の計算を求められている点が要点で、遮断時間の区分を1 秒超と読み違えると300/5=60、その1/3 で20 Ωとなって(2)に落ちる。また最高限度をそのまま答にすると120 Ωで選択肢に無く、1/3 を掛け忘れたことに気付ける。この40 Ωという値は小問(b)でそのまま使う。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 法規 問13(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問510.変圧器によって高圧電路に結合されている低圧電路に施設された使用電圧 100 V の金属製外箱を有する空調機がある。この変圧器の B 種接地抵抗値及びその低圧電路に施設された空調機の金属製外箱の D 種接地抵抗値に関して,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 ただし,次の条件によるものとする。 (ア) 変圧器の高圧側の電路の 1 線地絡電流は 5 A で,B 種接地工事の接地抵抗値は「電気設備技術基準の解釈」で許容されている最高限度の 1/3 に維持されている。 (イ) 変圧器の高圧側の電路と低圧側の電路との混触時に低圧電路の対地電圧が 150 V を超えた場合に,0.8 秒で高圧電路を自動的に遮断する装置が設けられている。 〔小問(b)〕 空調機に地絡事故が発生した場合,空調機の金属製外箱に触れた人体に流れる電流を 10 mA 以下としたい。このための空調機の金属製外箱に施す D 種接地工事の接地抵抗値[Ω]の上限値として,最も近いのは次のうちどれか。 ただし,人体の電気抵抗値は 6 000 Ωとする。
- 1.10
- 2.15
- 3.20
- 4.30
- 5.60
正解:5.60
解説:空調機の内部で地絡が起きると、電源→D 種接地抵抗 R_D→大地→B 種接地抵抗 R_B→変圧器という経路で地絡電流が流れる。二つの接地抵抗の直列回路に対地電圧100 V が掛かるので、外箱の対地電位は分圧で V_D=100×R_D/(R_D+R_B) となる。この電位に人体(6 000 Ω)が触れるから、人体電流は I=V_D/6 000。これを10 mA以下にするには V_D≦0.01×6 000=60 V であればよい。小問(a)より R_B=40 Ωなので、100R_D/(R_D+40)≦60 を解いて 100R_D≦60R_D+2 400、40R_D≦2 400、R_D≦60 Ω。答(5)。要点は、危険を決めるのが地絡電流そのものではなく外箱の対地電位だという点である。R_D を小さくするほど分圧で外箱の電位が下がり、人体に掛かる電圧が下がって安全になる。なお人体抵抗6 000 Ωは R_D に比べてはるかに大きいので、人体が並列に入っても分圧の関係はほとんど変わらず、上の近似で差し支えない。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 法規 問13(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問511.「電気事業法」に基づく,一般用電気工作物に該当するものは次のうちどれか。 なお,(1)~(5)の電気工作物は,その受電のための電線路以外の電線路により,その構内以外の場所にある電気工作物と電気的に接続されていないものとする。
- 1.受電電圧 6.6 kV,受電電力 60 kW の店舗の電気工作物
- 2.受電電圧 200 V,受電電力 30 kW で,別に発電電圧 200 V,出力 15 kW の内燃力による非常用予備発電装置を有する病院の電気工作物
- 3.受電電圧 6.6 kV,受電電力 45 kW の事務所の電気工作物
- 4.受電電圧 200 V,受電電力 30 kW で,別に発電電圧 100 V,出力 7 kW の太陽電池発電設備と,発電電圧 100 V,出力 15 kW の風力発電設備を有する公民館の電気工作物
- 5.受電電圧 200 V,受電電力 35 kW で,別に発電電圧 100 V,出力 5 kW の太陽電池発電設備を有する事務所の電気工作物
正解:5.受電電圧 200 V,受電電力 35 kW で,別に発電電圧 100 V,出力 5 kW の太陽電池発電設備を有する事務所の電気工作物
解説:一般用電気工作物の条件は二つある。低圧(600 V以下)で受電していること,そして同じ構内に置く発電設備が「小規模発電設備」だけであり,しかもそれが小規模事業用電気工作物に当たらないことである。この観点で順に見る。(1)と(3)は受電電圧が6.6 kV=高圧なので,受電電力の大小にかかわらず自家用電気工作物になる。(2)は低圧受電だが,内燃力発電設備が小規模発電設備といえるのは10 kW未満のときで,15 kWはこれを超えるため自家用になる。(4)も低圧受電で,太陽電池7 kW・風力15 kWはどちらも小規模発電設備の範囲(太陽電池50 kW未満・風力20 kW未満)に入るものの,風力発電設備は出力にかかわらず小規模事業用電気工作物に区分されるため,一般用電気工作物にはならない。残る(5)は低圧受電で,太陽電池5 kWは10 kW未満なので小規模事業用電気工作物にも当たらず,一般用電気工作物である。答(5)。令和5年3月の改正で太陽電池10 kW以上50 kW未満と風力20 kW未満が「小規模事業用電気工作物」という区分に切り出された点が,この問題の分かれ目になっている。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 法規 問1
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問512.「電気工事士法」においては,電気工事の作業内容に応じて必要な資格を定めているが,作業者の資格とその電気工事の作業に関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。
- 1.第一種電気工事士は,自家用電気工作物であって最大電力 250 kW の需要設備の電気工事の作業に従事できる。
- 2.第二種電気工事士は,一般用電気工作物に設置される出力 3 kW の太陽電池発電設備の設置のための電気工事の作業に従事できる。
- 3.第一種電気工事士は,最大電力 250 kW の自家用電気工作物に設置される出力 50 kW の非常用予備発電装置の発電機に係る電気工事の作業に従事できる。
- 4.第二種電気工事士は,一般用電気工作物に設置されるネオン用分電盤の電気工事の作業に従事できる。
- 5.認定電気工事従事者は,自家用電気工作物であって最大電力 250 kW の需要設備のうち 200 V の電動機の接地工事の作業に従事できる。
正解:3.第一種電気工事士は,最大電力 250 kW の自家用電気工作物に設置される出力 50 kW の非常用予備発電装置の発電機に係る電気工事の作業に従事できる。
解説:不適切なのは(3)である。自家用電気工作物に係る「非常用予備発電装置工事」とネオン工事は特種電気工事に指定されており,これらに従事するには第一種電気工事士免状ではなく,経済産業大臣の認定を受けた特種電気工事資格者認定証が必要になる。第一種電気工事士だからといって自動的に従事できるわけではない。他は適切である。(1)の第一種電気工事士は最大電力500 kW未満の自家用電気工作物の電気工事に従事でき,250 kWはその範囲内である。(2)は一般用電気工作物なので第二種電気工事士の担当範囲。(4)は「ネオン工事」という語に引かれやすいが,特種電気工事になるのは自家用電気工作物に係るネオン工事であり,一般用電気工作物のネオン用分電盤は第二種電気工事士で差し支えない。(5)の認定電気工事従事者は,自家用電気工作物のうち600 V以下で使用する設備の電気工事(簡易電気工事)に従事できるので,200 Vの電動機の接地工事は範囲内である。答(3)。「自家用か一般用か」「低圧部分か否か」「特種か簡易か」の三つの軸で切り分けるのがこの分野の要点になる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 法規 問2
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問513.次の文章は,「電気設備技術基準」に関する記述である。 電路は,大地から (ア) しなければならない。ただし,構造上やむを得ない場合であって通常予見される使用形態を考慮し危険のおそれがない場合,又は (イ) による高電圧の侵入等の異常が発生した際の危険を回避するための (ウ) その他の保安上必要な措置を講ずる場合は,この限りでない。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア)離隔 (イ)事故 (ウ)遮断
- 2.(ア)離隔 (イ)短絡 (ウ)遮断
- 3.(ア)絶縁 (イ)混触 (ウ)接地
- 4.(ア)絶縁 (イ)短絡 (ウ)離隔
- 5.(ア)遮断 (イ)混触 (ウ)接地
正解:3.(ア)絶縁 (イ)混触 (ウ)接地
解説:これは電気設備技術基準(省令)第5条第1項の条文で,「電路は、大地から絶縁しなければならない。ただし、構造上やむを得ない場合であって通常予見される使用形態を考慮し危険のおそれがない場合、又は混触による高電圧の侵入等の異常が発生した際の危険を回避するための接地その他の保安上必要な措置を講ずる場合は、この限りでない。」とある。電路と大地の関係を定める大原則なので(ア)は「絶縁」であり,「離隔」や「遮断」ではない。ここで(1)(2)(5)が落ちる。ただし書の後半は,高圧側と低圧側が触れ合う「混触」で高電圧が低圧側に侵入する事故を想定し,その危険を逃がすために「接地」を施す場合を例外にしたものである。B種接地工事がまさにこれに当たり,接地は絶縁の原則の例外として位置づけられている。よって(イ)=混触,(ウ)=接地となり(4)も消えて(3)が残る。答(3)。「絶縁が原則,接地は例外」という条文の骨格を押さえておくと確実に選べる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 法規 問3
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問514.公称電圧 6 600 V の三相 3 線式中性点非接地方式の架空配電線路(電線はケーブル以外を使用)があり,そのこう長は 20 km である。この配電線路に接続される柱上変圧器の低圧電路側に施設される B 種接地工事の接地抵抗値[Ω]の上限として,「電気設備技術基準の解釈」に基づき,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 ただし,高圧電路と低圧電路の混触により低圧電路の対地電圧が 150 V を超えた場合に,1 秒以内に自動的に高圧電路を遮断する装置を施設しているものとする。 なお,高圧配電線路の 1 線地絡電流 I₁[A]は,次式によって求めるものとする。 I₁ = 1 + (V/3 × L − 100)/150 [A] V は,配電線路の公称電圧を 1.1 で除した電圧[kV] L は,同一母線に接続される架空配電線路の電線延長[km]
- 1.75
- 2.150
- 3.225
- 4.300
- 5.600
正解:4.300
解説:順に代入していく。V は公称電圧を1.1 で割った値なので V=6.6/1.1=6 kV。L は「電線延長」であり,こう長そのものではなく電線の総延長を指すから,三相3 線式のこう長20 km では L=20×3=60 km となる。これを式に入れて I₁=1+(6/3×60−100)/150=1+(120−100)/150=1.13 A。1 線地絡電流は小数点以下を切り上げるので I₁=2 A である。B 種接地工事の接地抵抗値の上限は,原則が150/I₁ Ωで,混触時に低圧電路の対地電圧が150 V を超えた場合の自動遮断が「1 秒を超え2 秒以内」なら300/I₁ Ω,「1 秒以内」なら600/I₁ Ωまで緩和される。本問は1 秒以内なので上限は600/2=300 Ω。答(4)。誤りやすい点は二つで,一つは L にこう長20 km をそのまま入れてしまうこと(この場合 I₁=1 A となり600 Ωで(5)を選ぶ),もう一つは緩和の段階を取り違えて300/I₁=150 Ωとし(2)を選ぶことである。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 法規 問4
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問515.次の文章は,「電気設備技術基準」における,電気機械器具等からの電磁誘導作用による影響の防止に関する記述の一部である。 変電所又は開閉所は,通常の使用状態において,当該施設からの電磁誘導作用により (ア) の (イ) に影響を及ぼすおそれがないよう,当該施設の付近において, (ア) によって占められる空間に相当する空間の (ウ) の平均値が,商用周波数において (エ) 以下になるように施設しなければならない。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア)通信設備 (イ)機能 (ウ)磁界の強さ (エ)200 A/m
- 2.(ア)人 (イ)健康 (ウ)磁界の強さ (エ)100 A/m
- 3.(ア)無線設備 (イ)機能 (ウ)磁界の強さ (エ)100 A/m
- 4.(ア)通信設備 (イ)機能 (ウ)磁束密度 (エ)200 μT
- 5.(ア)人 (イ)健康 (ウ)磁束密度 (エ)200 μT
正解:5.(ア)人 (イ)健康 (ウ)磁束密度 (エ)200 μT
解説:電気設備技術基準(省令)第27条の2第2項の条文で,「変電所又は開閉所は、通常の使用状態において、当該施設からの電磁誘導作用により人の健康に影響を及ぼすおそれがないよう、当該施設の付近において、人によって占められる空間に相当する空間の磁束密度の平均値が、商用周波数において二百マイクロテスラ以下になるように施設しなければならない。」とある。この条は通信設備への障害ではなく,人体の健康を守るために設けられた規定である点が要で,(ア)=人,(イ)=健康となり(1)(3)(4)が落ちる。残る(2)と(5)の差は評価量と数値で,条文が採っているのは「磁束密度」で単位はテスラ,限度は200 μTである。ICNIRP(国際非電離放射線防護委員会)のガイドラインを踏まえた値で,商用周波数の磁界に対する一般公衆の参考レベルに相当する。よって(5)。答(5)。同じ第27条の2の第1項は変圧器や開閉器などの電気機械器具について同じ200 μTの制限を定めており,電界ではなく磁界の話であること,単位がA/mではなくμTであることをまとめて押さえておくとよい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 法規 問5
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問516.次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」に基づく地中電線と他の地中電線等との接近又は交差に関する記述である。 高圧地中電線と特別高圧地中電線とが接近又は交差する場合において,次に該当する場合,地中電線相互の離隔距離を 0 m 以上で施設することができるとされているが,その条件として不適切なものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.それぞれの地中電線が自消性のある難燃性の被覆を有する場合
- 2.それぞれの地中電線が堅ろうな自消性のある難燃性の管に収められる場合
- 3.いずれかの地中電線が不燃性の被覆を有する場合
- 4.地中電線相互の間に危険を表示する埋設標識を設ける場合
- 5.いずれかの地中電線が堅ろうな不燃性の管に収められる場合
正解:4.地中電線相互の間に危険を表示する埋設標識を設ける場合
解説:不適切なのは(4)である。地中電線どうしを接触させてよいのは,一方の事故による火災や損傷がもう一方に及ばないことが構造的に担保される場合に限られる。解釈が認めているのは,(ア)それぞれの地中電線が不燃性の被覆を有するか堅ろうな不燃性の管に収められている場合,(イ)いずれかの地中電線が不燃性の被覆を有するか堅ろうな不燃性の管に収められている場合,(ウ)それぞれの地中電線が自消性のある難燃性の被覆を有するか堅ろうな自消性のある難燃性の管に収められている場合,そして(エ)地中電線相互の間に堅ろうな耐火性の隔壁を設ける場合である。埋設標識は掘削工事による損傷を防ぐための表示であって,電線相互の延焼や損傷の波及を防ぐ機能はまったく持たないため,離隔距離を0 mにする根拠にはならない。他の(1)(2)は上記(ウ)に,(3)(5)は上記(イ)に該当し,いずれも適切である。答(4)。「不燃性なら片方だけでよいが,自消性のある難燃性ならそれぞれに必要」という要求水準の差も併せて覚えておきたい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 法規 問6
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問517.次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」における再閉路時の事故防止に関する記述である。 高圧又は特別高圧の電力系統に分散型電源を連系する場合(スポットネットワーク受電方式で連系する場合を除く。)は,再閉路時の事故防止のために,分散型電源を連系する変電所の引出口に (ア) を施設すること。ただし,次のいずれかに該当する場合は,この限りでない。 a)逆潮流がない場合であって,電力系統との連系に係る保護リレー,計器用変流器,計器用変圧器,遮断器及び制御用電源配線が,相互予備となるように2 系列化されているとき。ただし,次のいずれかにより簡素化を図ることができる。 ① 2 系列の保護リレーのうちの1 系列は, (イ) (2 相に設置するものに限る。)のみとすることができる。 ② 計器用変流器は, (イ) を計器用変流器の末端に配置する場合,1 系列目と2 系列目を兼用できる。 ③ 計器用変圧器は,不足電圧リレーを計器用変圧器の末端に配置する場合,1 系列目と2 系列目を兼用できる。 b)高圧の電力系統に分散型電源を連系する場合であって,次のいずれかに適合するとき ① 分散型電源を連系している配電用変電所の遮断器が発する遮断信号を,電力保安通信線又は電気通信事業者の専用回線で伝送し,分散型電源を解列することのできる転送遮断装置及び能動的方式の (ウ) を設置し,かつ,それぞれが別の遮断器により連系を遮断できること。 ② 2 方式以上の (ウ) (能動的方式を1 方式以上含むもの。)を設置し,かつ,それぞれが別の遮断器により連系を遮断できること。 ③ 能動的方式の (ウ) 及び整定値が分散型電源の運転中における配電線の最低負荷より小さい (エ) を設置し,かつ,それぞれが別の遮断器により連系を遮断できること。 ④ 分散型電源設置者が専用線で連系する場合であって,連系している系統の自動再閉路を実施しないとき 上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア)不足電圧リレー (イ)周波数低下リレー (ウ)単独運転検出装置 (エ)不足電力リレー
- 2.(ア)不足電圧リレー (イ)不足電力リレー (ウ)線路無電圧確認装置 (エ)逆電力リレー
- 3.(ア)線路無電圧確認装置 (イ)不足電力リレー (ウ)単独運転検出装置 (エ)逆電力リレー
- 4.(ア)線路無電圧確認装置 (イ)周波数低下リレー (ウ)単独運転検出装置 (エ)不足電力リレー
- 5.(ア)不足電圧リレー (イ)周波数低下リレー (ウ)線路無電圧確認装置 (エ)逆電力リレー
正解:3.(ア)線路無電圧確認装置 (イ)不足電力リレー (ウ)単独運転検出装置 (エ)逆電力リレー
解説:(ア)は,再閉路の直前に線路が本当に無電圧になっていることを変電所の引出口で確かめる装置なので「線路無電圧確認装置」である。分散型電源が系統から切り離されずに残っていると,再閉路の瞬間に位相の合わない電圧どうしがぶつかって機器を壊すため,この確認が要る。ここで(1)(2)(5)が落ちる。残る(3)と(4)の差は(イ)と(エ)にある。(イ)は,逆潮流がない場合に2 系列のうち1 系列を簡素化できる保護リレーで,逆潮流がない運用では「電力が逆向きに流れていない=供給が続いている」ことを電力の不足で捉えるため「不足電力リレー」が使われる。周波数低下リレーではない。(ウ)は,能動的方式・受動的方式といった言い方をすることから「単独運転検出装置」と決まる。(エ)は,配電線の最低負荷より小さい整定値を持たせる点から,逆方向の電力を検出する「逆電力リレー」である。よって(3)。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 法規 問7
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問518.次の文章は,「電気設備技術基準」及び「電気設備技術基準の解釈」に基づく移動電線の施設に関する記述である。 a)移動電線を電気機械器具と接続する場合は,接続不良による感電又は (ア) のおそれがないように施設しなければならない。 b)高圧の移動電線に電気を供給する電路には, (イ) が生じた場合に,当該高圧の移動電線を保護できるよう, (イ) 遮断器を施設しなければならない。 c)高圧の移動電線と電気機械器具とは (ウ) その他の方法により堅ろうに接続すること。 d)特別高圧の移動電線は,充電部分に人が触れた場合に人に危険を及ぼすおそれがない電気集じん応用装置に附属するものを (エ) に施設する場合を除き,施設しないこと。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア)火災 (イ)地絡 (ウ)差込み接続器使用 (エ)屋内
- 2.(ア)断線 (イ)過電流 (ウ)ボルト締め (エ)屋外
- 3.(ア)断線 (イ)地絡 (ウ)差込み接続器使用 (エ)屋外
- 4.(ア)火災 (イ)過電流 (ウ)ボルト締め (エ)屋内
- 5.(ア)断線 (イ)過電流 (ウ)差込み接続器使用 (エ)屋外
正解:4.(ア)火災 (イ)過電流 (ウ)ボルト締め (エ)屋内
解説:a)は電気設備技術基準(省令)第56条第2項で,「接続不良による感電又は火災のおそれがないように施設しなければならない」とある。接続不良で怖いのは接触抵抗の増大による発熱・発火なので(ア)=火災であり,(2)(3)(5)が落ちる。b)は同省令第66条第1項で,「高圧の移動電線又は接触電線に電気を供給する電路には、過電流が生じた場合に、当該高圧の移動電線又は接触電線を保護できるよう、過電流遮断器を施設しなければならない」とある。空白が「が生じた場合」と「遮断器」の両方に入るので(イ)=過電流となり,ここで(1)も消えて(4)が残る。c)の高圧の移動電線と電気機械器具の接続は,抜け落ちや接触不良を許さないため「ボルト締め」その他の方法で堅ろうに行う。差込み接続器は低圧の移動電線用である。d)の特別高圧の移動電線は原則として施設できず,例外は電気集じん応用装置に附属するものを「屋内」に施設する場合に限られる。答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 法規 問8
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問519.次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」における電動機の過負荷保護装置の施設に関する記述である。 屋内に施設する電動機には,電動機が焼損するおそれがある過電流を生じた場合に (ア) これを阻止し,又はこれを警報する装置を設けること。ただし,次のいずれかに該当する場合はこの限りでない。 a)電動機を運転中,常時, (イ) が監視できる位置に施設する場合 b)電動機の構造上又は負荷の性質上,その電動機の巻線に当該電動機を焼損する過電流を生じるおそれがない場合 c)電動機が単相のものであって,その電源側電路に施設する (ウ) 遮断器の定格電流が 15 A( (エ) 遮断器にあっては,20 A)以下の場合 d)電動機の出力が (オ) kW 以下の場合 上記の記述中の空白箇所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア)自動的に (イ)取扱者 (ウ)配線用 (エ)過電流 (オ)0.2
- 2.(ア)遅滞なく (イ)取扱者 (ウ)配線用 (エ)過電流 (オ)2
- 3.(ア)自動的に (イ)取扱者 (ウ)過電流 (エ)配線用 (オ)0.2
- 4.(ア)遅滞なく (イ)管理者 (ウ)配線用 (エ)過電流 (オ)2
- 5.(ア)自動的に (イ)管理者 (ウ)過電流 (エ)配線用 (オ)2
正解:3.(ア)自動的に (イ)取扱者 (ウ)過電流 (エ)配線用 (オ)0.2
解説:保護装置は人の操作を待たずに働かなければ意味がないので(ア)=「自動的に」であり,(2)(4)が落ちる。ただし書a)は,装置がなくても人が見ていれば異常に気付けるという趣旨なので,主語は現場でその電動機を扱う「取扱者」である。「管理者」ではないので(5)も消える。残る(1)と(3)の差は(ウ)(エ)(オ)にある。c)は,遮断器一般の定格電流の上限を15 Aとしたうえで,配線用遮断器の場合だけ20 Aまで認めるという書き方になっているので,前が「過電流」遮断器,括弧内が「配線用」遮断器の順になる。(1)はこれが逆で,「配線用遮断器の定格電流が15 A(過電流遮断器にあっては20 A)」と読めてしまい,一般と例外の関係が崩れる。(オ)は0.2 kWで,これは家庭用の小型電動機程度の出力である。よって(3)。答(3)。2 kWとする(2)(4)(5)は,適用除外の範囲が広くなりすぎる点からも見当が付く。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 法規 問9
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問520.次の文章は,計器用変成器の変流器に関する記述である。その記述内容として誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.変流器は,一次電流から生じる磁束によって二次電流を発生させる計器用変成器である。
- 2.変流器は,二次側に開閉器やヒューズを設置してはいけない。
- 3.変流器は,通電中に二次側が開放されると変流器に異常電圧が発生し,絶縁が破壊される危険性がある。
- 4.変流器の通電中に,電流計をやむを得ず交換する場合は,二次側端子を短絡して交換し,その後に短絡を外す。
- 5.変流器は,一次電流が一定でも二次側の抵抗値により変流比は変化するので,電流計の選択には注意が必要になる。
正解:5.変流器は,一次電流が一定でも二次側の抵抗値により変流比は変化するので,電流計の選択には注意が必要になる。
解説:誤りは(5)である。変流器は定格負担の範囲内で使う限り,二次側につながる機器の抵抗(負担)が多少変わっても変流比はほぼ一定に保たれるよう設計されている。だからこそ電流計や保護リレーを取り替えても指示値が変わらず,計測器として使える。負担が定格を大きく超えると鉄心が飽和して誤差が増すが,それは「変流比が負担で変化するから電流計の選択に注意が必要」という一般論とは別の話であり,記述としては誤りである。他は正しい。(1)は変流器の原理そのもの。(2)(3)(4)は互いに関係していて,通電中に二次側が開放されると一次電流のすべてが励磁電流として働いて鉄心が深く飽和し,二次巻線に高い尖頭電圧が現れて絶縁が破壊されるおそれがある。だから二次回路には開放につながる開閉器やヒューズを入れてはならず,電流計をやむを得ず交換するときは先に二次側端子を短絡し,交換後に短絡を外すという手順を踏む。答(5)。「短絡は可,開放は厳禁」が変流器の鉄則で,計器用変圧器とは正反対である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 法規 問10
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問521.最大使用水量 15 m³/s,有効落差 20 m の流込式水力発電所がある。 この発電所が利用している河川の流量 Q が図のような年間流況曲線(日数 d が 100 日以上の部分は,Q=−0.05d+25[m³/s]で表される。)であるとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。ただし,水車及び発電機の効率はそれぞれ 90 %及び 95 %で,流量によって変化しないものとする。 〔小問(a)〕 この発電所で年間に溢水が発生する日数の合計として,最も近いのは次のうちどれか。 ただし,溢水とは河川流量を発電に利用しないで無効に放流することをいう。

- 1.180
- 2.190
- 3.200
- 4.210
- 5.220
正解:3.200
解説:溢水は,河川の流量が発電所の最大使用水量を上回り,使い切れない分を無効に放流するときに起こる。したがって Q が15 m³/s を超えている日数を数えればよい。日数100 日以上の範囲では Q=−0.05d+25 なので,Q>15 となる条件は −0.05d+25>15,すなわち 0.05d<10 より d<200 である。日数100 日未満の範囲は流況曲線がさらに上にあり,流量はいずれも20 m³/s を超えているので当然15 m³/s を上回っている。よって d=0 から200 までのすべての日で溢水が発生し,合計は200 日となる。答(3)。境界の d=200 では Q=15 m³/s とちょうど最大使用水量に等しく,全量を発電に使えるので溢水しない。流況曲線は「その流量以上の日が何日あるか」を横軸に取ったグラフなので,Q=15 と交わる日数がそのまま溢水日数になる,と読み替えると速い。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 法規 問11(a)
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問522.最大使用水量 15 m³/s,有効落差 20 m の流込式水力発電所がある。 この発電所が利用している河川の流量 Q が図のような年間流況曲線(日数 d が 100 日以上の部分は,Q=−0.05d+25[m³/s]で表される。)であるとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。ただし,水車及び発電機の効率はそれぞれ 90 %及び 95 %で,流量によって変化しないものとする。 〔小問(b)〕 この発電所の年間可能発電電力量[GW·h]の値として,最も近いのは次のうちどれか。

- 1.19.3
- 2.20.3
- 3.21.4
- 4.22.0
- 5.22.5
正解:1.19.3
解説:出力は P=9.8QHη_tη_g で,H=20 m,η_t=0.90,η_g=0.95 だから P=9.8×20×0.90×0.95×Q≒167.6Q[kW]となる。年間を二つに分けて計算する。小問(a)より d=0〜200 日は流量が最大使用水量を上回っているので使用水量は15 m³/s に張り付き,出力は167.6×15≒2 514 kW で一定。この期間の電力量は 2 514×200×24≒1.207×10⁷ kW·h である。d=200〜365 日は河川流量をそのまま使うので Q=−0.05d+25 に従って直線的に減り,d=200 で15 m³/s,d=365 で6.75 m³/s。直線なので平均は(15+6.75)/2=10.875 m³/s であり,平均出力は167.6×10.875≒1 823 kW,日数は165 日だから電力量は 1 823×165×24≒7.22×10⁶ kW·h。両者を足して 1.207×10⁷+0.722×10⁷=1.929×10⁷ kW·h=19.3 GW·h。答(1)。落とし穴は,前半でも河川流量をそのまま積分してしまうことで,使えるのは最大使用水量までである点を忘れると値が大きくなり(3)〜(5)に寄ってしまう。また9.8 の係数や効率の掛け忘れ,日数から時間への24 倍も確認したい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 法規 問11(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問523.図は三相 3 線式高圧電路に変圧器で結合された変圧器低圧側電路を示したものである。低圧側電路の一端子には B 種接地工事が施されている。この電路の一相当たりの対地静電容量を C とし接地抵抗を R_B とする。 低圧側電路の線間電圧 200 V,周波数 50 Hz,対地静電容量 C は 0.1 μF として,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 ただし, (ア) 変圧器の高圧電路の 1 線地絡電流は 5 A とする。 (イ) 高圧側電路と低圧側電路との混触時に低圧電路の対地電圧が 150 V を超えた場合は 1.3 秒で自動的に高圧電路を遮断する装置が設けられているものとする。 〔小問(a)〕 変圧器に施された,接地抵抗 R_B の抵抗値について「電気設備技術基準の解釈」で許容されている上限の抵抗値[Ω]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.20
- 2.30
- 3.40
- 4.60
- 5.100
正解:4.60
解説:B 種接地工事の接地抵抗値の上限は,高圧側の1 線地絡電流 I₁ を用いて三段階に定められている。原則は150/I₁ Ω,混触時に低圧電路の対地電圧が150 V を超えた場合に「1 秒を超え2 秒以内」に自動的に高圧電路を遮断する装置があれば300/I₁ Ω,「1 秒以内」に遮断できれば600/I₁ Ωである。本問の遮断時間は1.3 秒なので,1 秒は超えるが2 秒以内であり,適用されるのは300/I₁ Ωの区分になる。I₁=5 A だから上限は300/5=60 Ω。答(4)。1.3 秒を「1 秒以内」と読み違えると600/5=120 Ωとなり選択肢に無いので気付けるが,原則の150/5=30 Ωを選んで(2)に落ちる誤りは起こりやすい。遮断装置が速いほど混触時に低圧側が高電圧にさらされる時間が短くなるため,接地抵抗を大きくしてよい,という緩和の向きを押さえておくとよい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 法規 問12(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問524.図は三相 3 線式高圧電路に変圧器で結合された変圧器低圧側電路を示したものである。低圧側電路の一端子には B 種接地工事が施されている。この電路の一相当たりの対地静電容量を C とし接地抵抗を R_B とする。 低圧側電路の線間電圧 200 V,周波数 50 Hz,対地静電容量 C は 0.1 μF として,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 ただし, (ア) 変圧器の高圧電路の 1 線地絡電流は 5 A とする。 (イ) 高圧側電路と低圧側電路との混触時に低圧電路の対地電圧が 150 V を超えた場合は 1.3 秒で自動的に高圧電路を遮断する装置が設けられているものとする。 〔小問(b)〕 接地抵抗 R_B の抵抗値を 10 Ωとしたときに,R_B に常時流れる電流 I_B の値[mA]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 ただし,記載以外のインピーダンスは無視するものとする。

- 1.11
- 2.19
- 3.33
- 4.65
- 5.192
正解:1.11
解説:B 種接地を施した線は大地とほぼ同電位になるので,その線につながる対地静電容量には電圧が掛からず電流は流れない。電流を流すのは残り2 線の対地静電容量で,どちらも接地点に対して線間電圧200 V が掛かっている。1 線分の充電電流の大きさは I=2πfCV=2π×50×0.1×10⁻⁶×200≒6.28×10⁻³ A=6.28 mA。ここで大切なのは2 本のベクトル合成である。図の低圧側は変圧器の巻線が三角形に描かれており,その1 頂点を接地しているので,残り2 線の対地電圧は大きさが等しく位相差は120°ではなく60°になる。よって合成電流は I_B=2×6.28×cos(60°/2)=2×6.28×0.866≒10.9 mA。答(1)。位相差を120°と思い込むと合成が6.28 mA となって答が半分近くになり,逆に単純に2 倍して12.6 mA としても値がずれる。なお R_B=10 Ωでの電圧降下は10×0.0109≒0.11 V と無視できる大きさで,接地点をほぼ大地電位とみなした前提と矛盾しない。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 法規 問12(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問525.受電電圧 6 kV,契約電力 500 kW の自家用電気工作物の受電設備がある。「電気設備の技術基準の解釈」に基づき,周波数 50 Hz の交流電源を使用して受電設備の高圧電路の絶縁耐力試験を行うとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 ただし,高圧電路の最大使用電圧は 6 900 V とし,3 線一括した高圧電路と大地との間の静電容量は 0.2 μF とする。 〔小問(a)〕 絶縁耐力試験における対地充電電流[A]の値として,最も近いのは次のうちどれか。
- 1.0.32
- 2.0.43
- 3.0.54
- 4.0.65
- 5.0.71
正解:4.0.65
解説:まず試験電圧を決める。最大使用電圧が7 000 V 以下の交流電路では,絶縁耐力試験の試験電圧は最大使用電圧の1.5 倍と定められているので,6 900×1.5=10 350 V である。次にこの電圧を静電容量に加えたときの充電電流を求める。I=2πfCV=2π×50×0.2×10⁻⁶×10 350=6.283×10⁻⁵×10 350≒0.65 A。答(4)。最大使用電圧6 900 V をそのまま使うと0.43 A となり(2)を選ぶことになるので,試験電圧に換算する手順を必ず入れること。1.5 倍という倍率は最大使用電圧7 000 V 以下の場合の値で,7 000 V を超え15 000 V 以下の中性点接地式電路では0.92 倍,7 000 V を超えるその他の電路では1.25 倍(最低10 500 V)と変わるので,電圧区分とセットで覚える必要がある。なお試験電圧は連続10 分間加えることとされている。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 法規 問13(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問526.受電電圧 6 kV,契約電力 500 kW の自家用電気工作物の受電設備がある。「電気設備の技術基準の解釈」に基づき,周波数 50 Hz の交流電源を使用して受電設備の高圧電路の絶縁耐力試験を行うとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 ただし,高圧電路の最大使用電圧は 6 900 V とし,3 線一括した高圧電路と大地との間の静電容量は 0.2 μF とする。 〔小問(b)〕 この試験に使用する試験装置に必要な容量[kV·A]の値として,最も近いのは次のうちどれか。
- 1.3
- 2.5
- 3.7
- 4.9
- 5.11
正解:3.7
解説:試験装置に必要な容量は,試験電圧と充電電流の積で求まる皮相電力である。小問(a)より試験電圧は10 350 V,充電電流は0.65 A だから,P=10 350×0.65≒6.73×10³ V·A=6.7 kV·A となり,最も近いのは7 kV·A。答(3)。ここで注意したいのは,負荷が純粋な静電容量なので有効電力はほとんど発生せず,装置に求められるのは無効電力を供給できるだけの容量だという点である。したがって力率を掛けて小さく見積もってはならない。式をまとめると P=2πfCV² と書けるので,試験電圧の2 乗に比例して容量が急に増えることも読み取れる。実務では容量を抑えるために,試験回路と並列に補償リアクトルを入れて充電電流を打ち消す方法が使われる。最大使用電圧6 900 V をそのまま使うと6 900×0.43≒3.0 kV·A となって(1)に落ちるので,(a)と同じく試験電圧への換算を忘れないこと。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 法規 問13(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問527.次の文章は,電気の需給状況が悪化した場合における電気事業法に基づく対応に関する記述である。 電力広域的運営推進機関(OCCTO)は,会員である小売電気事業者,一般送配電事業者,配電事業者又は特定送配電事業者の電気の需給の状況が悪化し,又は悪化するおそれがある場合において,必要と認めるときは,当該電気の需給の状況を改善するために,電力広域的運営推進機関の (ア) で定めるところにより, (イ) に対し,相互に電気の供給をすることや電気工作物を共用することなどの措置を取るように指示することができる。 また,経済産業大臣は,災害等により電気の安定供給の確保に支障が生じたり,生じるおそれがある場合において,公共の利益を確保するために特に必要があり,かつ適切であると認めるときは (ウ) に対し,電気の供給を他のエリアに行うことなど電気の安定供給の確保を図るために必要な措置をとることを命ずることができる。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(ウ)に当てはまる組合せとして,適切なものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア)保安規程 (イ)会員 (ウ)電気事業者
- 2.(ア)保安規程 (イ)事業者 (ウ)一般送配電事業者
- 3.(ア)送配電等業務指針 (イ)特定事業者 (ウ)特定自家用電気工作物設置者
- 4.(ア)業務規程 (イ)事業者 (ウ)特定自家用電気工作物設置者
- 5.(ア)業務規程 (イ)会員 (ウ)電気事業者
正解:5.(ア)業務規程 (イ)会員 (ウ)電気事業者
解説:(ア)(イ)は電気事業法第28条の44第1項で、推進機関は会員の需給状況が悪化するおそれがある場合に、業務規程で定めるところにより会員に対し相互に電気を供給することや電気工作物を共用することを指示できる。(1)(2)の「保安規程」は第42条の保安のための規程で別制度、(3)の「送配電等業務指針」は第28条の40第1項第3号の別概念。(イ)は条文どおり「会員」で、(2)(4)の「事業者」、(3)の「特定事業者」は当たらない。(ウ)は第31条第1項の供給命令で相手方は「電気事業者」。紛らわしいのは同条第2項で、こちらは特定自家用電気工作物設置者に対する「勧告」であり命令ではないから(3)(4)は落ちる。(2)の「一般送配電事業者」も条文と異なる。よって(5)。
根拠: 電気事業法 第28条の44 (出典: e-Gov法令検索)
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 法規 問1
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問528.受電電圧6.6 kV の自家用電気工作物を設置する事業場における次の事例のうち,電気関係報告規則に基づいて,設置者が所轄産業保安監督部長に対し報告すべき事故に該当しないものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.電圧100 V の屋内配線が過負荷により高熱となり,電気火災が発生して建物が半焼した。
- 2.落雷により高圧負荷開閉器が焼損し,一般送配電事業者に供給支障事故を発生させた。
- 3.高圧の断路器を誤って操作した電気工事作業者が,発生したアーク熱により火傷を負い,病院に入院した。
- 4.高圧の受電用真空遮断器が誤操作により損傷し,操作不能になった。
- 5.構内第1 号柱が折損して構外に隣接する需要家の建物を損傷させた。
正解:4.高圧の受電用真空遮断器が誤操作により損傷し,操作不能になった。
解説:電気関係報告規則第3条第1項の表に順に当てはめる。(1)は屋内配線の過熱による電気火災で建物が半焼しており、第2号の電気火災事故(工作物は半焼以上に限る)に該当し報告を要する。(2)は6.6kVが3千V以上なので第12号の供給支障事故に当たる。(3)は誤操作によるアーク熱で入院しており、第1号の死傷事故(死亡又は入院に限る)に当たる。(5)は第1号柱の折損で他の物件に損傷を与えた第3号の事故である。(4)は真空遮断器の損傷だけで人身も火災も他物件損傷も供給支障もなく、主要電気工作物の破損事故を定める第4号ヌが「電圧一万ボルト以上の需要設備」を要件とするところ、受電6.6kVは1万V未満で外れる。設問が受電電圧を明示するのはこの基準の弁別のためである。
根拠: 電気関係報告規則 第3条 (出典: e-Gov法令検索)
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 法規 問2
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問529.「電気設備技術基準」では,電気の供給のための低圧電線路の絶縁性能について,次のように規定している。 低圧電線路中絶縁部分の電線と大地との間及び電線の線心相互間の絶縁抵抗は, (ア) に対する漏えい電流が (イ) の (ウ) 分の1 を超えないようにしなければならない。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア)使用電圧 (イ)最大供給電流 (ウ)2 000
- 2.(ア)最大使用電圧 (イ)供給電流 (ウ)2 000
- 3.(ア)使用電圧 (イ)使用電流 (ウ)1 000
- 4.(ア)対地電圧 (イ)最大供給電流 (ウ)1 000
- 5.(ア)対地電圧 (イ)使用電流 (ウ)2 000
正解:1.(ア)使用電圧 (イ)最大供給電流 (ウ)2 000
解説:電気設備に関する技術基準を定める省令第22条(低圧電線路の絶縁性能)は、低圧電線路中絶縁部分の電線と大地との間及び電線の線心相互間の絶縁抵抗は、使用電圧に対する漏えい電流が最大供給電流の二千分の一を超えないようにしなければならないと定める。よって(ア)は使用電圧で、(4)(5)の「対地電圧」、(2)の「最大使用電圧」ではない。(イ)は最大供給電流で、(2)の「供給電流」、(3)(5)の「使用電流」ではない。(ウ)は二千分の一だから2 000で、(3)(4)の1 000は誤り。一致するのは(1)のみ。紛らわしいのは同省令第58条の低圧電路の絶縁性能で、こちらは0.1/0.2/0.4MΩ以上という絶縁抵抗値そのものの規定であり、漏えい電流の比で定める第22条とは別条。
根拠: 電気設備に関する技術基準を定める省令 第22条 (出典: e-Gov法令検索)
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 法規 問3
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問530.次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」における,アークを生じる器具の施設に関する記述である。 高圧用又は特別高圧用の開閉器,遮断器又は避雷器その他これらに類する器具(以下「開閉器等」という。)であって,動作時にアークを生じるものは,次のいずれかにより施設すること。 a) 耐火性のものでアークを生じる部分を囲むことにより,木製の壁又は天井その他の (ア) から隔離すること。 b) 木製の壁又は天井その他の (ア) との離隔距離を,下表に規定する値以上とすること。 〔開閉器等の使用電圧の区分と離隔距離〕 高圧:離隔距離 (イ) m 特別高圧 35 000 V以下:離隔距離 (ウ) m(動作時に生じるアークの方向及び長さを火災が発生するおそれがないように制限した場合にあっては,(イ) m) 特別高圧 35 000 V超過:離隔距離 (ウ) m 上記の記述中の空白箇所(ア)~(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ
- 1.(ア)可燃性のもの (イ)0.5 (ウ)1
- 2.(ア)造営物 (イ)0.5 (ウ)1
- 3.(ア)可燃性のもの (イ)1 (ウ)2
- 4.(ア)造営物 (イ)1 (ウ)2
- 5.(ア)造営物 (イ)2 (ウ)3
正解:3.(ア)可燃性のもの (イ)1 (ウ)2
解説:根拠は電気設備の技術基準の解釈 第23条(アークを生じる器具の施設)である。同条第一号は耐火性のもので囲む方法として「木製の壁又は天井その他の可燃性のものから隔離すること」と定めるから、(ア)は可燃性のもの。(2)(4)(5)はここに造営物と入れており、条文の文言と異なるので落ちる。第二号が引く23-1表の離隔距離は、高圧が1 m、特別高圧35 000 V以下が2 m(アークの方向及び長さを火災のおそれがないよう制限した場合は1 m)、35 000 V超過が2 mであり、(イ)は1、(ウ)は2となる。残る(1)は(イ)0.5、(ウ)1で、高圧を0.5 mとし、条件付きの1 mを本則と取り違えている。よって(3)が正しい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 法規 問4
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問531.次の文章は,「発電用風力設備に関する技術基準を定める省令」における,風車を支持する工作物に関する記述である。 a) 風車を支持する工作物は,自重,積載荷重, (ア) 及び風圧並びに地震その他の振動及び (イ) に対して構造上安全でなければならない。 b) 発電用風力設備が小規模発電設備である場合には,風車を支持する工作物に取扱者以外の者が容易に (ウ) ことができないように適切な措置を講じること。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア)飛来物 (イ)衝撃 (ウ)登る
- 2.(ア)積雪 (イ)腐食 (ウ)接近する
- 3.(ア)飛来物 (イ)衝撃 (ウ)接近する
- 4.(ア)積雪 (イ)衝撃 (ウ)登る
- 5.(ア)飛来物 (イ)腐食 (ウ)接近する
正解:4.(ア)積雪 (イ)衝撃 (ウ)登る
解説:根拠は発電用風力設備に関する技術基準を定める省令 第7条(風車を支持する工作物)である。第1項は「自重、積載荷重、積雪及び風圧並びに地震その他の振動及び衝撃に対して構造上安全でなければならない」と定めるので、(ア)は積雪、(イ)は衝撃。(1)(3)(5)は(ア)に飛来物と入れるが同条にない語である。(2)(5)は(イ)に腐食と入れるが、条文は衝撃であり誤り。第2項は小規模発電設備の場合に「取扱者以外の者が容易に登ることができないように適切な措置を講じること」と定めるので(ウ)は登る。(2)(3)(5)の接近するは同省令第3条(取扱者以外の者に対する危険防止措置)の語で、条の取り違えを誘う。よって(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 法規 問5
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問532.次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」に基づく低圧架空引込線等の施設に関する記述である。 低圧架空引込線は,電線にケーブルを使用する場合を除き,引張強さ2.30 kN以上のもの又は直径 (ア) mm 以上の硬銅線を使用すること。ただし,径間が (イ) m 以下の場合に限り,引張強さ1.38 kN 以上のもの又は直径 (ウ) mm 以上の硬銅線を使用することができる。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(ウ)に記入する数値として,正しいものを組み合わせたのは次のうちどれか。
- 1.(ア)2.6 (イ)15 (ウ)1.6
- 2.(ア)2.6 (イ)15 (ウ)2.0
- 3.(ア)3.2 (イ)20 (ウ)2.6
- 4.(ア)4.0 (イ)50 (ウ)3.2
- 5.(ア)5.0 (イ)50 (ウ)4.0
正解:2.(ア)2.6 (イ)15 (ウ)2.0
解説:根拠は電気設備の技術基準の解釈 第116条(低圧架空引込線等の施設)第1項第二号である。ケーブル以外の電線は、原則が引張強さ2.30 kN以上または直径2.6 mm以上の硬銅線、径間15 m以下に限る緩和が引張強さ1.38 kN以上または直径2 mm以上の硬銅線、という二段の対応で押さえる。よって(ア)は2.6、(イ)は15、(ウ)は2.0。(1)は(ア)(イ)こそ合うが(ウ)を1.6とし、緩和時でも必要な2 mmに届かない。(3)は(ア)3.2、(イ)20、(4)は(ア)4.0、(イ)50、(5)は(ア)5.0、(イ)50で、いずれも原則の2.6 mmと径間15 mから外れる。したがって(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 法規 問6
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問533.次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」における分散型電源の高圧連系時の系統連系用保護装置に関する記述の一部である。 高圧の電力系統に分散型電源を連系する場合は,次のa)~c)により,異常時に分散型電源を自動的に解列するための装置を設置すること。 a) 次に掲げる異常を保護リレー等により検出し,分散型電源を自動的に解列すること。 ① 分散型電源の異常又は故障 ② 連系している電力系統の短絡事故又は地絡事故 ③ 分散型電源の (ア) b) 一般送配電事業者又は配電事業者が運用する電力系統において (イ) が行われる場合は,当該 (イ) 時に,分散型電源が当該電力系統から解列されていること。 c) 分散型電源の解列は,次によること。 ① 次のいずれかで解列すること。 ・受電用遮断器 ・分散型電源の出力端に設置する遮断器又はこれと同等の機能を有する装置 ・分散型電源の (ウ) 用遮断器 ・母線連絡用遮断器 ② 複数の相に保護リレーを設置する場合は,いずれかの相で異常を検出した場合に解列すること。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア)単独運転 (イ)系統切り替え (ウ)連絡
- 2.(ア)過出力 (イ)再閉路 (ウ)保護
- 3.(ア)単独運転 (イ)系統切り替え (ウ)保護
- 4.(ア)過出力 (イ)系統切り替え (ウ)連絡
- 5.(ア)単独運転 (イ)再閉路 (ウ)連絡
正解:5.(ア)単独運転 (イ)再閉路 (ウ)連絡
解説:根拠は電気設備の技術基準の解釈 第229条(高圧連系時の系統連系用保護装置)である。(ア)は検出すべき異常の三つ目で、条文は分散型電源の単独運転。(2)(4)は過出力と入れるが同条にない語である。低圧連系の第227条が「単独運転又は逆充電」なのに対し、高圧では逆充電を含まない点が要点になる。(イ)は電力系統において再閉路が行われる場合に、当該再閉路時に分散型電源が解列されていることを求める規定だから再閉路で、(1)(3)(4)の系統切り替えは条文にない。(ウ)は解列箇所の列挙の三つ目、分散型電源の連絡用遮断器である。(2)(3)の保護は誤り。よって(5)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 法規 問7
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問534.次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」に基づく低圧配線及び高圧配線の施設に関する記述である。 a) ケーブル工事により施設する低圧配線が,弱電流電線又は水管,ガス管若しくはこれらに類するもの(以下,「水管等」という。)と接近し又は交差する場合は,低圧配線が弱電流電線又は水管等と (ア) 施設すること。 b) 高圧屋内配線工事は,がいし引き工事(乾燥した場所であって (イ) した場所に限る。)又は (ウ) により施設すること。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア)接触しないように (イ)隠ぺい (ウ)ケーブル工事
- 2.(ア)の離隔距離を10 cm 以上となるように (イ)展開 (ウ)金属管工事
- 3.(ア)の離隔距離を10 cm 以上となるように (イ)隠ぺい (ウ)ケーブル工事
- 4.(ア)接触しないように (イ)展開 (ウ)ケーブル工事
- 5.(ア)接触しないように (イ)隠ぺい (ウ)金属管工事
正解:4.(ア)接触しないように (イ)展開 (ウ)ケーブル工事
解説:(ア)は電気設備の技術基準の解釈第167条第2項で、ケーブル工事等により施設する低圧配線が弱電流電線又は水管等と接近し又は交差する場合は、これらと接触しないように施設することと定める。離隔距離0.1m(裸電線は0.3m)以上を求める同条第1項第一号はがいし引き工事についての規定でケーブル工事には掛からないから、(ア)を「の離隔距離を10 cm 以上となるように」とする(2)と(3)は誤り。(イ)(ウ)は同解釈第168条第1項第一号で、高圧屋内配線は「がいし引き工事(乾燥した場所であって展開した場所に限る。)」又は「ケーブル工事」に限られる。よって(イ)を「隠ぺい」とする(1)(3)(5)、(ウ)を「金属管工事」とする(2)(5)が落ち、(4)が正解となる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 法規 問8
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問535.次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」に基づく低圧屋内配線の金属ダクト工事に関する記述である。 a) ダクトに収める絶縁電線の断面積(絶縁被覆の断面積を含む。)の総和は,ダクトの内部断面積の (ア) %以下であること。ただし,電光サイン装置,出退表示灯その他これらに類する装置又は制御回路等(自動制御回路,遠方操作回路,遠方監視装置の信号回路その他これらに類する電気回路をいう。)の配線のみを収める場合は, (イ) %以下とすることができる。 b) ダクト相互は,堅ろうに,かつ, (ウ) に完全に接続すること。 c) ダクトを造営材に取り付ける場合は,ダクトの支持点間の距離を3 m(取扱者以外の者が出入りできないように措置した場所において,垂直に取り付ける場合は,6 m)以下とし,堅ろうに取り付けること。 d) 低圧屋内配線の (エ) 電圧が300 V 以下の場合は,ダクトには,D 種接地工事を施すこと。 e) 低圧屋内配線の (エ) 電圧が300 V を超える場合は,ダクトには,C 種接地工事を施すこと。ただし, (オ) 防護措置(金属製のものであって,防護措置を施すダクトと (ウ) に接続するおそれがあるもので防護する方法を除く。)を施す場合は,D 種接地工事によることができる。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア)20 (イ)50 (ウ)電気的 (エ)使用 (オ)接触
- 2.(ア)32 (イ)48 (ウ)電気的 (エ)対地 (オ)簡易接触
- 3.(ア)32 (イ)48 (ウ)機械的 (エ)使用 (オ)接触
- 4.(ア)32 (イ)48 (ウ)機械的 (エ)使用 (オ)簡易接触
- 5.(ア)20 (イ)50 (ウ)電気的 (エ)対地 (オ)簡易接触
正解:1.(ア)20 (イ)50 (ウ)電気的 (エ)使用 (オ)接触
解説:根拠は電気設備の技術基準の解釈第162条(金属ダクト工事)である。(ア)(イ)は第1項第二号で、収める電線の断面積の総和はダクトの内部断面積の20%以下、制御回路等の配線のみを収める場合は50%以下とできる。32%・48%は電線管の占積率に由来する錯乱肢であり、(ア)を32とする(2)(3)(4)は誤り。(ウ)は第3項第一号「ダクト相互は、堅ろうに、かつ、電気的に完全に接続すること」で、「機械的」とする(3)(4)は誤り。(エ)は第3項第七号・第八号がいずれも「使用電圧」と規定するので「対地」とする(2)(5)は誤り。(オ)は同第八号ただし書の「接触防護措置」で、「簡易接触」とする(2)(4)(5)も落ちる。残る(1)が正解。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 法規 問9
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問536.次の文章は,地絡継電装置付き高圧交流負荷開閉器(区分開閉器)の SOG 機能のうち SO 動作に関する記述である。 GR 付 PAS は負荷電流を遮断することができるが, (ア) 電流のような大きな電流は遮断できないため,GR 付 PAS の (イ) 側から受電用遮断器の間で (ア) 事故が起きた場合は,PAS の (ウ) 命令を一時的に保存して待機状態となる。 一般送配電事業者の配電用変電所の遮断器が動作することによって,配電線の停電を検出し,無電圧になった状態を確認してから (ウ) 動作を行う。したがって,配電用変電所の遮断器が再投入された場合でも,既に PAS が (ウ) されているため,配電線の再閉路が成功することとなり, (エ) 事故として取り扱われない。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア)短絡 (イ)負荷 (ウ)開放 (エ)配電線
- 2.(ア)短絡 (イ)電源 (ウ)遮断 (エ)波及
- 3.(ア)地絡 (イ)電源 (ウ)遮断 (エ)波及
- 4.(ア)地絡 (イ)電源 (ウ)遮断 (エ)配電線
- 5.(ア)短絡 (イ)負荷 (ウ)開放 (エ)波及
正解:5.(ア)短絡 (イ)負荷 (ウ)開放 (エ)波及
解説:SOG機能は法令の規定ではなく、高圧受電設備規程やメーカ資料で説明されるGR付PAS(地絡継電装置付高圧交流負荷開閉器)の動作である。PASは負荷開閉器なので負荷電流は開閉できるが(ア)短絡電流は遮断できない。PASと受電用遮断器の間は責任分界点より構内側、すなわちPASの(イ)負荷側である。設問自身が遮断できないと述べる以上(ウ)を「遮断」とする(2)(3)(4)は成り立たず、SO動作は開放命令を保存して待機し、配電用変電所の遮断器が動作して無電圧になってから開放する。遮断能力のない開閉器に事故電流を切らせないためである。結果として再閉路が成功し、他需要家を停電させる(エ)波及事故にならないので、「配電線」とする(1)(4)は誤りで(5)が正解。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 法規 問10
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問537.有効落差90 m,最大使用水量が渇水量(1 年のうち355 日は確保できる水量)の2 倍,水車及び発電機の総合効率80 %の流込式水力発電所がある。この発電所が利用している河川の流量 Q[ m³/s]が図のような年間流量曲線(日数 d が90 日以上の部分は,Q=−0.05 d+25.5 で表される。)であるとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。ただし,水の密度を1 000 kg/m³,重力加速度を9.8 m/s² とする。 〔小問(a)〕 この発電所の年間可能発電電力量の値[GW·h]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.47.9
- 2.72.8
- 3.84.3
- 4.94.5
- 5.97.4
正解:3.84.3
解説:渇水量は1年のうち355日は確保できる水量なので、d=355を代入しQ=−0.05×355+25.5=7.75 m³/sとなる。最大使用水量はその2倍の15.5 m³/sで、Q=15.5となるのはd=(25.5−15.5)/0.05=200日。0〜200日は15.5 m³/sで頭打ち、200〜365日は曲線に沿い7.25 m³/sまで減る。年積算流量は15.5×200+(15.5+7.25)/2×165=4 976.875 m³/s·日、出力は9.8×0.8×90×Q=705.6Q[kW]なので、日を時間に直す24を掛けE=705.6×4 976.875×24≒8.43×10⁷ kW·h=84.3 GW·hで(3)が正答。2倍を忘れると47.9 GW·hで(1)になる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 法規 問11(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問538.有効落差90 m,最大使用水量が渇水量(1 年のうち355 日は確保できる水量)の2 倍,水車及び発電機の総合効率80 %の流込式水力発電所がある。この発電所が利用している河川の流量 Q[ m³/s]が図のような年間流量曲線(日数 d が90 日以上の部分は,Q=−0.05 d+25.5 で表される。)であるとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。ただし,水の密度を1 000 kg/m³,重力加速度を9.8 m/s² とする。 〔小問(b)〕 この発電所の設備利用率[%]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.50.0
- 2.63.0
- 3.69.5
- 4.75.9
- 5.88.0
正解:5.88.0
解説:設備利用率は年間発電電力量を、最大出力で1年間連続運転したときの電力量で割った値である。最大出力は最大使用水量15.5 m³/s(渇水量7.75 m³/sの2倍)のときの出力で、P=9.8×0.8×90×15.5=10 936.8 kW。1年は8 760 hだから分母は10 936.8×8 760=9.58×10⁷ kW·hとなる。(a)で求めた年間可能発電電力量84.3 GW·h=8.43×10⁷ kW·hを割って0.880、すなわち88.0 %で(5)が正答。年間電力量を(a)の誤答47.9 GW·hとすると50.0 %、72.8 GW·hとすると76.0 %になり、それぞれ最も近い(1)(4)に落ちる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 法規 問11(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問539.三相3 線式配電線路から6 600 V で受電している三相負荷設備がある。この負荷設備から配電系統へ流出する第5 調波電流を算出するにあたり,次の(a)及び(b)に答えよ。 ただし,負荷設備は定格容量500 kV·A で,力率改善用として6 %直列リアクトル付きコンデンサ設備が設置されており,この負荷設備から発生する第5 調波電流は,負荷設備の定格電流に対し15 %とする。 また,受電点よりみた配電線路側の第n 調波に対するインピーダンスは10 MV·A 基準でj6×n[%],コンデンサ設備のインピーダンスは10 MV·A 基準でj50×(6×n−100/n)[%]で表され,発生高調波は定電流源と見なせるものとし,次のような等価回路で表すことができる。 〔小問(a)〕 高調波発生機器から発生する第5 調波電流の受電点電圧に換算した電流[A]の値として,最も近いのは次のうちどれか。

- 1.1.3
- 2.6.6
- 3.11.4
- 4.32.8
- 5.43.7
正解:2.6.6
解説:まず負荷設備の定格電流を求める。三相の容量は√3×線間電圧×線電流なので、I=500×10³÷(√3×6 600)=43.7 Aとなる。発生する第5調波電流はこの15 %だから、I₅=43.7×0.15=6.56 Aとなり(2)6.6が正答である。設問は受電点電圧に換算した電流と断っているが、負荷設備も6 600 Vで受電していて受電点と同電圧なので換算比は1であり、値はそのまま6.56 Aでよい。43.7 Aは15 %を掛け忘れた定格電流そのもの、11.4 Aは√3を落として500×10³÷6 600=75.8 Aとした場合、32.8 Aは15 %にさらに5を掛けた場合の値である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 法規 問12(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問540.三相3 線式配電線路から6 600 V で受電している三相負荷設備がある。この負荷設備から配電系統へ流出する第5 調波電流を算出するにあたり,次の(a)及び(b)に答えよ。 ただし,負荷設備は定格容量500 kV·A で,力率改善用として6 %直列リアクトル付きコンデンサ設備が設置されており,この負荷設備から発生する第5 調波電流は,負荷設備の定格電流に対し15 %とする。 また,受電点よりみた配電線路側の第n 調波に対するインピーダンスは10 MV·A 基準でj6×n[%],コンデンサ設備のインピーダンスは10 MV·A 基準でj50×(6×n−100/n)[%]で表され,発生高調波は定電流源と見なせるものとし,次のような等価回路で表すことができる。 〔小問(b)〕 受電点から配電系統に流出する第5 調波電流[A]の値として,最も近いのは次のうちどれか。

- 1.1.2
- 2.6.2
- 3.10.8
- 4.30.9
- 5.41.2
正解:2.6.2
解説:第5調波なのでn=5を代入する。配電線路側はj6×n=j6×5=j30 %、コンデンサ設備はj50×(6×5−100/5)=j50×(30−20)=j500 %で、いずれも10 MV·A基準で誘導性である。高調波電流源から見ると両者は受電点で並列なので、系統へ流れる電流は相手側すなわちコンデンサ設備のインピーダンスに比例する。(a)で求めた第5調波電流6.56 Aに500/(500+30)=0.943を掛けて、I=6.56×0.943=6.19 Aとなり(2)6.2が正答である。比を逆に取ると6.56×30/530=0.37 Aとなり選択肢に無い。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 法規 問12(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問541.出力600 kW の太陽電池発電所を設置したショッピングセンターがある。ある日の太陽電池発電所の発電の状況とこのショッピングセンターにおける電力消費は図に示すとおりであった。すなわち,発電所の出力は朝の6 時から12 時まで直線的に増大し,その後は夕方18 時まで直線的に下降した。また,消費電力は深夜0 時から朝の10 時までは100 kW,10 時から17 時までは300 kW,17 時から21 時までは400 kW,21 時から24 時は100 kW であった。 このショッピングセンターは自然エネルギーの活用を推進しており太陽電池発電所の発電電力は自家消費しているが,その発電電力が消費電力を上回って余剰を生じたときは電力系統に送電している。次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 この日,太陽電池発電所から電力系統に送電した電力量の値[kW·h]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.900
- 2.1 300
- 3.1 500
- 4.2 200
- 5.3 600
正解:2.1 300
解説:発電は6時に0、12時に600 kWの三角形で、6〜12時はP=100(t−6) kW、12〜18時はP=100(18−t) kWである。送電は発電が消費を上回る区間だけなので、図上で区間を切り差の面積を数える。交点は100(t−6)=100よりt=7時、100(18−t)=300よりt=15時で、送電は7〜15時に限る。7〜10時は底辺3 h高さ300 kWの三角形で1/2×3×300=450 kW·h、10〜12時は差が100→300 kWの台形で(100+300)/2×2=400 kW·h、12〜15時も同じく450 kW·hになる。合計1 300 kW·hで(2)が正答である。消費を終日300 kWとみて9〜15時だけ数えると900 kW·hとなり(1)に落ちる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 法規 問13(a)
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問542.出力600 kW の太陽電池発電所を設置したショッピングセンターがある。ある日の太陽電池発電所の発電の状況とこのショッピングセンターにおける電力消費は図に示すとおりであった。すなわち,発電所の出力は朝の6 時から12 時まで直線的に増大し,その後は夕方18 時まで直線的に下降した。また,消費電力は深夜0 時から朝の10 時までは100 kW,10 時から17 時までは300 kW,17 時から21 時までは400 kW,21 時から24 時は100 kW であった。 このショッピングセンターは自然エネルギーの活用を推進しており太陽電池発電所の発電電力は自家消費しているが,その発電電力が消費電力を上回って余剰を生じたときは電力系統に送電している。次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(b)〕 この日,ショッピングセンターで消費した電力量に対して太陽電池発電所が発電した電力量により自給した比率[%]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.35
- 2.38
- 3.46
- 4.52
- 5.58
正解:3.46
解説:自給した比率は発電電力量そのものの割合ではなく、発電のうち構内で使われた自家消費分を消費電力量で割った値である。消費電力量は100×10+300×7+400×4+100×3=5 000 kW·h、発電電力量は底辺12 h高さ600 kWの三角形で1/2×12×600=3 600 kW·hになる。このうち(a)で求めた系統への送電1 300 kW·hは構内で消費していないので、自家消費分は3 600−1 300=2 300 kW·hであり、2 300/5 000=0.46で(3)46 %が正答になる。発電量÷消費電力量として3 600/5 000=72 %とすると選択肢に無く、取り違えに気づける。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 法規 問13(b)
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問543.「電気事業法」及び「電気事業法施行規則」に基づき,小規模事業用電気工作物を設置する者は,当該小規模事業用電気工作物の使用の開始前に,その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。次の小規模発電設備の設置のうち,小規模事業用電気工作物の使用の開始前に届け出るべきものとして正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 なお,いずれの設備も低圧受電電線路に接続されており,それ以外の電線路によりその構内以外の場所にある電気工作物と電気的に接続されていないものとする。
- 1.出力5 kWの太陽電池発電設備の設置
- 2.出力15 kWの水力発電設備(最大使用水量が毎秒1 m³未満であってダムを伴わないもの)の設置
- 3.出力5 kWの風力発電設備の設置
- 4.出力5 kWの内燃力発電設備の設置
- 5.出力8 kWの燃料電池発電設備(固体高分子型のものであって燃料・改質系統設備の最高使用圧力が0.1 MPa未満のもの)の設置
正解:3.出力5 kWの風力発電設備の設置
解説:小規模事業用電気工作物とは、小規模発電設備のうち出力が電気事業法38条1項2号イの経済産業省令で定める出力以上のものをいう。その出力は電気事業法施行規則48条4項に表で示されていて、太陽電池発電設備は10 kW、風力発電設備は零kW、水力発電設備は20 kW、内燃力を原動力とする火力発電設備は10 kW、燃料電池発電設備は10 kWである。風力だけが零kWなので、小規模発電設備にあたる20 kW未満の風力発電設備は出力の大小にかかわらずすべて小規模事業用電気工作物となり、電気事業法46条により使用の開始前の届出が要る。(1)の太陽電池5 kWは10 kW未満、(2)の水力15 kWは20 kW未満、(4)の内燃力5 kWと(5)の燃料電池8 kWは10 kW未満で、いずれも一般用電気工作物なので届出は不要。出力の数字だけを見比べるのではなく、設備の種類ごとにしきい値が違うことを押さえておきたい。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 法規 問1
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問544.次の文章は,「電気関係報告規則」に基づく,自家用電気工作物(注)を設置する者が当該自家用電気工作物の事故が発生したときに行う報告に関する記述である。 a) 電圧 (ア) V以上の需要設備に属する主要電気工作物の破損事故が発生したときは,報告をしなければならない。 b) 一般送配電事業,配電事業又は特定送配電事業の用に供する電気工作物と電気的に接続されている電圧 (イ) V以上の自家用電気工作物の破損又は自家用電気工作物の誤操作若しくは自家用電気工作物を操作しないことにより一般送配電事業者,配電事業者又は特定送配電事業者に供給支障を発生させた事故のときは,報告をしなければならない。 c) 上記a)又はb)に係る報告は,電気工作物の設置の場所を管轄する産業保安監督部長に,事故の発生を知った時から24時間以内可能な限り速やかに電話等の方法により行うとともに,事故の発生を知った日から起算して30日以内に報告書を提出して行わなければならない。ただし,b)の事故の原因が (ウ) であるものについては,報告書の提出を要しない。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 (注) 本問においては,当該自家用電気工作物は,鉄道営業法,軌道法又は鉄道事業法が適用され又は準用される自家用電気工作物であって,発電所,蓄電所,変電所又は送電線路(電気鉄道の専用敷地内に設置されるものを除く。)に属するもの(変電所の直流き電側設備又は交流き電側設備を除く。)以外のもの,原子力発電工作物及び小規模事業用電気工作物を含まないものとする。 選択肢は「(ア) / (イ) / (ウ)」の順に示す。
- 1.6 000 / 3 000 / 自然現象
- 2.6 000 / 6 000 / 経年劣化
- 3.10 000 / 3 000 / 自然現象
- 4.10 000 / 6 000 / 経年劣化
- 5.10 000 / 6 000 / 自然現象
正解:3.10 000 / 3 000 / 自然現象
解説:電気関係報告規則3条1項の表を引く。需要設備の主要電気工作物の破損事故は第四号ヌ「電圧一万ボルト以上の需要設備(自家用電気工作物を設置する者に限る。)」なので(ア)は10 000 V。系統につながった自家用電気工作物が供給支障を起こした事故は第十二号「…電圧三千ボルト以上の自家用電気工作物の破損又は…供給支障を発生させた事故」なので(イ)は3 000 V。同条2項ただし書は「前項の表第四号ハに掲げるもの又は同表第八号から第十三号までに掲げるもののうち当該事故の原因が自然現象であるものについては、同様式の報告書の提出を要しない」と定めるので(ウ)は自然現象。報告が24時間以内の速報と30日以内の報告書の二段構えである点は変わらず、自然現象が免除するのは後段の報告書だけで、速報は原因を問わず要る。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 法規 問2
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問545.次の文章は,「電気設備技術基準」におけるサイバーセキュリティの確保に関する記述である。 事業用電気工作物( (ア) を除く。)の運転を管理する (イ) は,当該電気工作物が人体に危害を及ぼし,又は物件に損傷を与えるおそれ及び (ウ) 又は配電事業に係る電気の供給に著しい支障を及ぼすおそれがないよう,サイバーセキュリティ(サイバーセキュリティ基本法(平成26年法律第104号)第2条に規定するサイバーセキュリティをいう。)を確保しなければならない。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 選択肢は「(ア) / (イ) / (ウ)」の順に示す。
- 1.小規模事業用電気工作物 / 制御装置 / 電気使用場所
- 2.小規模事業用電気工作物 / 電子計算機 / 一般送配電事業
- 3.自家用電気工作物 / 制御装置 / 電気使用場所
- 4.自家用電気工作物 / 電子計算機 / 一般送配電事業
- 5.小規模事業用電気工作物 / 電子計算機 / 電気使用場所
正解:2.小規模事業用電気工作物 / 電子計算機 / 一般送配電事業
解説:電気設備に関する技術基準を定める省令15条の2(サイバーセキュリティの確保)そのものである。条文は「事業用電気工作物(小規模事業用電気工作物を除く。)の運転を管理する電子計算機は、当該電気工作物が人体に危害を及ぼし、又は物件に損傷を与えるおそれ及び一般送配電事業又は配電事業に係る電気の供給に著しい支障を及ぼすおそれがないよう、サイバーセキュリティ(…)を確保しなければならない」。除かれるのは自家用電気工作物ではなく小規模事業用電気工作物である点、守る対象が漠然とした制御装置ではなく電子計算機と書かれている点、末尾が「一般送配電事業又は配電事業」と対になっている点の3か所が分かれ目になる。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 法規 問3
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問546.「電気設備技術基準の解釈」に基づいて,最大使用電圧23 kVの電線路に接続する受電用変圧器の絶縁耐力試験を,最大使用電圧に所定の係数を乗じた試験電圧を印加する方法により行う場合,試験電圧と試験時間に関する記述として,適切なのは次のうちどれか。
- 1.最大使用電圧の1.1倍である25 300 Vの電圧を連続して1分間加える。
- 2.最大使用電圧の1.25倍である28 750 Vの電圧を連続して1分間加える。
- 3.最大使用電圧の1.25倍である28 750 Vの電圧を連続して10分間加える。
- 4.最大使用電圧の1.5倍である34 500 Vの電圧を連続して1分間加える。
- 5.最大使用電圧の1.5倍である34 500 Vの電圧を連続して10分間加える。
正解:3.最大使用電圧の1.25倍である28 750 Vの電圧を連続して10分間加える。
解説:変圧器の電路の絶縁耐力試験は解釈16条による。表16-1で、最大使用電圧が7 000 Vを超え60 000 V以下の変圧器の試験電圧は最大使用電圧の1.25倍(10 500 V未満となる場合は10 500 V)で、試験時間は条文本文の「連続して10分間」である。23 000×1.25=28 750 Vとなる。倍率は電圧の区分で変わり、7 000 V以下なら1.5倍(最低500 V)、60 000 Vを超えると中性点の接地方式によって1.1倍や0.72倍にもなるので、まず区分を確かめてから倍率を選ぶ。1分間は電気機器の一般的な耐圧試験でよく使われる時間だが、電技解釈が求めるのは10分間である。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 法規 問4
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問547.次の文章は,「発電用風力設備に関する技術基準を定める省令」の風車に関する記述の一部である。 a) 負荷を遮断したときの最大速度に対し, (ア) であること。 b) 風圧に対して (ア) であること。 c) 運転中に風車に損傷を与えるような (イ) がないように施設すること。 d) 通常想定される最大風速においても取扱者の意図に反して風車が起動することのないように施設すること。 e) 運転中に他の工作物,植物等に (ウ) しないように施設すること。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(ウ)に当てはまる語句として,正しいものを組み合わせたのは次のうちどれか。 選択肢は「(ア) / (イ) / (ウ)」の順に示す。
- 1.安定 / 変形 / 影響
- 2.構造上安全 / 変形 / 接触
- 3.安定 / 振動 / 影響
- 4.構造上安全 / 振動 / 接触
- 5.安定 / 変形 / 接触
正解:4.構造上安全 / 振動 / 接触
解説:発電用風力設備に関する技術基準を定める省令4条(風車)の一号から五号がそのまま並んでいる。一号「負荷を遮断したときの最大速度に対し、構造上安全であること」、二号「風圧に対して構造上安全であること」、三号「運転中に風車に損傷を与えるような振動がないように施設すること」、五号「運転中に他の工作物、植物等に接触しないように施設すること」。(ア)は「安定」ではなく「構造上安全」、(イ)は「変形」ではなく「振動」、(ウ)は「影響」ではなく「接触」で、いずれも意味の近い語との差し替えで作られている。(ア)はa)とb)の2か所に同じ語が入るので、どちらの文にも収まる語かどうかで絞れる。答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 法規 問5
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問548.次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」に基づく,地中電線路の施設に関する記述である。 a) 地中電線路を暗きょ式により施設する場合は,暗きょにはこれに加わる車両その他の重量物の圧力に耐えるものを使用し,かつ,地中電線に (ア) を施し,又は暗きょ内に (イ) を施設すること。 b) 地中電線路を直接埋設式により施設する場合は,一般用電気工作物又は小規模事業用電気工作物が設置された需要場所及び私道以外に施設する地中電線路を日本電気技術規格委員会規格 JESC E6007(2021)「直接埋設式(砂巻き)による低圧地中電線の施設」の「3. 技術的規定」により施設する場合を除き,地中電線は,車両その他の重量物の圧力を受けるおそれがある場所においては (ウ) m以上,その他の場所においては (エ) m以上の埋設深さで施設すること。ただし,使用するケーブルの種類,施設条件等を考慮し,これに加わる圧力に耐えるように施設する場合はこの限りでない。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる語句又は数値として,正しいものを組み合わせたのは次のうちどれか。 選択肢は「(ア) / (イ) / (ウ) / (エ)」の順に示す。
- 1.堅ろうな覆い / 換気装置 / 0.6 / 0.3
- 2.耐燃措置 / 自動消火設備 / 1.2 / 0.6
- 3.耐熱措置 / 換気装置 / 1.2 / 0.3
- 4.耐燃措置 / 換気装置 / 1.2 / 0.6
- 5.堅ろうな覆い / 自動消火設備 / 0.6 / 0.3
正解:2.耐燃措置 / 自動消火設備 / 1.2 / 0.6
解説:解釈120条の暗きょ式の規定は、暗きょ本体に重量物の圧力に耐えるものを使わせたうえで、防火措置として「地中電線に耐燃措置を施す」か「暗きょ内に自動消火設備を施設する」かのいずれかを求めている。耐熱措置ではなく耐燃措置である。換気装置は解釈が暗きょ式の防火措置として挙げているものではない。直接埋設式の埋設深さは、車両その他の重量物の圧力を受けるおそれがある場所で1.2 m以上、その他の場所で0.6 m以上。深さは1.2と0.6という2倍の関係で覚えると、0.6と0.3の組合せと取り違えにくい。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 法規 問6
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問549.次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」に基づく分散型電源の系統連系設備に関する記述である。 a) 逆変換装置を用いて分散型電源を電力系統に連系する場合は,逆変換装置から直流が電力系統へ流出することを防止するために,受電点と逆変換装置との間に変圧器(単巻変圧器を除く)を施設すること。ただし,次の①及び②に適合する場合は,この限りでない。 ① 逆変換装置の交流出力側で直流を検出し,かつ,直流検出時に交流出力を (ア) する機能を有すること。 ② 次のいずれかに適合すること。 ・逆変換装置の直流側電路が (イ) であること。 ・逆変換装置に (ウ) を用いていること。 b) 分散型電源の連系により,一般送配電事業者又は配電事業者が運用する電力系統の短絡容量が,当該分散型電源設置者以外の者が設置する遮断器の遮断容量又は電線の瞬時許容電流等を上回るおそれがあるときは,分散型電源設置者において,限流リアクトルその他の短絡電流を制限する装置を施設すること。ただし, (エ) の電力系統に逆変換装置を用いて分散型電源を連系する場合は,この限りでない。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 選択肢は「(ア) / (イ) / (ウ) / (エ)」の順に示す。
- 1.停止 / 中性点接地式電路 / 高周波変圧器 / 低圧
- 2.抑制 / 中性点接地式電路 / 高周波チョッパ / 高圧
- 3.停止 / 非接地式電路 / 高周波変圧器 / 高圧
- 4.停止 / 非接地式電路 / 高周波変圧器 / 低圧
- 5.抑制 / 非接地式電路 / 高周波チョッパ / 低圧
正解:4.停止 / 非接地式電路 / 高周波変圧器 / 低圧
解説:a)は解釈222条(直流流出防止変圧器の施設)。直流を検出したときは交流出力を「抑制」ではなく「停止」する機能が要る。変圧器を省ける代わりの条件は「逆変換装置の直流側電路が非接地であること」または「逆変換装置に高周波変圧器を用いていること」で、どちらも直流が系統へ抜ける経路を断つための絶縁の手当てである。高周波チョッパは直流を直流のまま変換する回路で絶縁を与えない。b)は解釈223条(限流リアクトル等の施設)で、除外されるのは低圧の電力系統に逆変換装置を用いて連系する場合。高圧・特別高圧の系統では短絡電流を制限する装置が要る。答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 法規 問7
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問550.「電気設備技術基準」では,電気使用場所の配線による他の配線等又は工作物への危険の防止について,次のように規定している。 1. 配線は,他の配線,弱電流電線等と接近し,又は交さする場合は, (ア) による感電又は火災のおそれがないように施設しなければならない。 2. 配線は,水道管,ガス管又はこれらに類するものと接近し,又は交さする場合は, (イ) によりこれらの工作物を損傷するおそれがなく,かつ, (ウ) 又は (イ) によりこれらの工作物を介して感電又は火災のおそれがないように施設しなければならない。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(ウ)に記入する語句として,正しいものを組み合わせたのは次のうちどれか。 選択肢は「(ア) / (イ) / (ウ)」の順に示す。
- 1.混触 / 誘導 / 短絡
- 2.混触 / 放電 / 漏電
- 3.放電 / 混触 / 短絡
- 4.誘導 / 放電 / 漏電
- 5.誘導 / 混触 / 地絡
正解:2.混触 / 放電 / 漏電
解説:電気設備に関する技術基準を定める省令62条(配線による他の配線等又は工作物への危険の防止)そのものである。1項は相手が電線なので触れ合う「混触」、2項は相手が水道管・ガス管なのでまず「放電」でこれらの管を傷め、そこを介して「漏電」や放電により感電・火災に至る、という筋道になっている。相手が何かで危険の形が変わるのが読みどころで、電線どうしなら混触、金属管なら放電と漏電と対応づけられる。(イ)は2か所に同じ語が入るので、「管を損傷する」と「管を介して感電する」の両方に通る語を選ぶと絞り込める。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 法規 問8
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問551.次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」に基づく低圧屋内配線の施設場所による工事の種類に関する記述である。 低圧屋内配線は,次の表に規定する工事のいずれかにより施設すること。ただし,ショウウィンドー又はショウケース内,粉じんの多い場所,可燃性ガス等の存在する場所,危険物等の存在する場所及び火薬庫内に低圧屋内配線を施設する場合を除く。 上記の表の空白箇所(ア)〜(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 選択肢は「(ア) / (イ) / (ウ)」の順に示す。

- 1.金属線ぴ / バスダクト / 金属ダクト
- 2.金属線ぴ / 金属ダクト / バスダクト
- 3.金属ダクト / 金属線ぴ / バスダクト
- 4.金属ダクト / バスダクト / 金属線ぴ
- 5.バスダクト / 金属ダクト / 金属線ぴ
正解:2.金属線ぴ / 金属ダクト / バスダクト
解説:解釈156条の表156-1である。工事の種類は左から「がいし引き・合成樹脂管・金属管・金属可とう電線管・金属線ぴ・金属ダクト・バスダクト・ケーブル・フロアダクト・セルラダクト・ライティングダクト・平形保護層」の順に並ぶので、空白の位置だけでも(ア)金属線ぴ、(イ)金属ダクト、(ウ)バスダクトと決まる。表の○の付き方でも確かめられる。(ア)は「展開した場所の乾燥した場所300 V以下」と「点検できる隠ぺい場所の乾燥した場所300 V以下」の2か所だけに○があり、これは使える範囲が最も狭い金属線ぴ工事。(イ)はそれに300 V超過の2か所が加わった4か所で金属ダクト工事。(ウ)は(イ)の4か所に加えて「展開した場所の湿気の多い場所又は水気のある場所300 V以下」にも○があり、屋外用が用意されているバスダクト工事だけがここに該当する。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 法規 問9
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問552.高圧受電設備の保守,点検に関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。(高圧受電設備規程による。)
- 1.日常巡視は,日常随時構内を巡視して,運転中の電気設備を目視等により異常の有無を確認するものである。
- 2.定期点検は,短期間(1週間から1ヶ月)の周期で,主として運転中の電気設備を目視により点検を行うものである。
- 3.精密点検は,長期間(2年から5年程度)の周期で,電気設備を必要に応じて分解するなど,点検,測定及び試験を行うものである。
- 4.臨時点検は,電気事故その他異常が発生したとき,又は異常が発生するおそれがあると判断したときに点検,測定及び試験を行うものである。
- 5.保守は,各種点検において異常があった場合や修理・改修の必要を認めた場合等には内容に応じた措置を講じるものである。
正解:2.定期点検は,短期間(1週間から1ヶ月)の周期で,主として運転中の電気設備を目視により点検を行うものである。
解説:定期点検は、高圧受電設備規程では一定期間ごと(おおむね1年に1回)に、原則として停電させたうえで点検・測定・試験を行うものである。(2)の「短期間(1週間から1ヶ月)の周期で、主として運転中の電気設備を目視により点検する」は日常点検の説明であって、定期点検の説明としては不適切。(1)の日常巡視、(3)の精密点検、(4)の臨時点検、(5)の保守はいずれも規程どおりである。点検の種類は「周期がどれくらいか」と「停電させるかどうか」の2つの軸で整理すると取り違えにくい。日常巡視と日常点検は運転中に目視で行い、定期点検は年1回程度の停電点検、精密点検は数年に一度の分解を伴う点検、臨時点検は異常が起きたとき、という並びになる。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 法規 問10
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問553.定格容量500 kV·A,無負荷損500 W,負荷損(定格電流通電時)6 700 Wの変圧器を更新する。更新後の変圧器はトップランナー制度に適合した変圧器で,変圧器の容量,電圧及び周波数仕様は従来器と同じであるが,無負荷損は150 W,省エネ基準達成率は140 %である。 ただし,省エネ基準達成率は次式で与えられるものとする。 省エネ基準達成率[%]=基準エネルギー消費効率÷(W_i+W_C40)×100 ここで,基準エネルギー消費効率(注)は1 080 Wとし,W_iは無負荷損[W],W_C40は負荷率40 %時の負荷損[W]とする。 (注) 基準エネルギー消費効率とは判断の基準となる全損失をいう。 〔小問(a)〕 更新後の変圧器の負荷損(定格電流通電時)の値[W]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.1 920
- 2.2 510
- 3.3 140
- 4.3 880
- 5.4 700
正解:4.3 880
解説:まず式に数値を入れて負荷率40 %時の負荷損を出す。140=1 080÷(150+W_C40)×100 より 150+W_C40=1 080÷1.40=771.4 W、W_C40=621.4 W。負荷損は負荷電流の2乗、すなわち負荷率の2乗に比例するので、負荷率40 %のときの負荷損は定格電流通電時の0.4²=0.16倍にあたる。したがって定格電流通電時の負荷損は 621.4÷0.16=3 884≒3 880 Wとなる。0.16で割るところを0.4で割ると約1 554 W、0.16を掛けてしまうと約99 Wで、どちらも選択肢に無いので比例の次数を取り違えていないか確かめられる。なお無負荷損は負荷に関係なく一定なので、この計算では150 Wのまま動かない。答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 法規 問11(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問554.定格容量500 kV·A,無負荷損500 W,負荷損(定格電流通電時)6 700 Wの変圧器を更新する。更新後の変圧器はトップランナー制度に適合した変圧器で,変圧器の容量,電圧及び周波数仕様は従来器と同じであるが,無負荷損は150 W,省エネ基準達成率は140 %である。 ただし,省エネ基準達成率は次式で与えられるものとする。 省エネ基準達成率[%]=基準エネルギー消費効率÷(W_i+W_C40)×100 ここで,基準エネルギー消費効率(注)は1 080 Wとし,W_iは無負荷損[W],W_C40は負荷率40 %時の負荷損[W]とする。 (注) 基準エネルギー消費効率とは判断の基準となる全損失をいう。 小問(a)より,更新後の変圧器の負荷損(定格電流通電時)は3 880 Wである。 〔小問(b)〕 変圧器の出力電圧が定格状態で,300 kW遅れ力率0.8の負荷が接続されているときの更新前後の変圧器の損失を考えてみる。この状態での更新前の変圧器の全損失をW₁,更新後の変圧器の全損失をW₂とすると,W₂のW₁に対する比率[%]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし,電圧変動による無負荷損への影響は無視できるものとする。
- 1.46
- 2.55
- 3.66
- 4.79
- 5.86
正解:2.55
解説:負荷は300 kWで遅れ力率0.8なので、皮相電力は S=300÷0.8=375 kV·A。定格容量500 kV·Aに対する負荷率は 375÷500=0.75 である。全損失は「無負荷損+負荷損」で、負荷損は負荷率の2乗に比例するから、更新前は W₁=500+6 700×0.75²=500+3 769=4 269 W、更新後は W₂=150+3 880×0.75²=150+2 183=2 333 W。比率は 2 333÷4 269=0.546 で約55 %となる。有効電力300 kWをそのまま容量500 kV·Aで割って負荷率を0.6とせず、力率で割って皮相電力に直してから比べるのが要点。また小問(a)を4 700 Wと誤ると W₂=150+4 700×0.5625=2 794 Wとなり約65 %で(3)に行き着くので、(a)の答が効いてくる問題でもある。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 法規 問11(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問555.図に示すような,相電圧E[V],周波数f[Hz]の対称三相3線式低圧電路があり,変圧器の中性点にB種接地工事が施されている。B種接地工事の接地抵抗値をR_B[Ω],電路の一相当たりの対地静電容量をC[F]とする。 この電路の絶縁抵抗が劣化により,電路の一相のみが絶縁抵抗値R_G[Ω]に低下した。 ただし,上記以外のインピーダンスは無視するものとする。 〔小問(a)〕 劣化により一相のみが絶縁抵抗値R_G[Ω]に低下したとき,B種接地工事の接地線に流れる電流の大きさをI_B[A]とする。このI_Bを表す式として,正しいのは次のうちどれか。 ただし,他の相の対地コンダクタンスは無視するものとする。

- 1.

- 2.

- 3.

- 4.

- 5.

正解:5.
解説:大地を基準にして中性点の電位をV_nとおく。各相の対地電圧は「その相の相電圧+V_n」で、対称三相なので3つの相電圧の和は零になる。したがって3相の対地静電容量に流れる電流の合計には j3ωC·V_n だけが残る。劣化した相の絶縁抵抗を流れる電流は (E+V_n)/R_G、接地線を流れる電流は V_n/R_B である。大地の節点で電流則を立てると j3ωC·V_n+(E+V_n)/R_G+V_n/R_B=0 となり、V_n=−(E/R_G)÷(1/R_G+1/R_B+j3ωC)。I_B=V_n/R_B の大きさは、分母と分子に R_G·R_B を掛けて整理すると I_B=E÷√((R_G+R_B)²+(3ωCR_BR_G)²) となる。ω=2πf を入れると (3ωCR_BR_G)²=9×4π²f²C²R_B²R_G²=36π²f²C²R_B²R_G² なので、(5)が正しい。3相ぶんの対地静電容量が並列に効くので係数が3倍になり、それが2乗されて9倍(36π²)になるところが分かれ目で、1相ぶんのままにすると4π²の形になり(3)を選んでしまう。答(5)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 法規 問12(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 - 1.
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問556.図に示すような,相電圧E[V],周波数f[Hz]の対称三相3線式低圧電路があり,変圧器の中性点にB種接地工事が施されている。B種接地工事の接地抵抗値をR_B[Ω],電路の一相当たりの対地静電容量をC[F]とする。 この電路の絶縁抵抗が劣化により,電路の一相のみが絶縁抵抗値R_G[Ω]に低下した。 ただし,上記以外のインピーダンスは無視するものとする。 また,他の相の対地コンダクタンスは無視するものとする。このとき,小問(a)より,B種接地工事の接地線に流れる電流の大きさI_B[A]は I_B=E÷√((R_G+R_B)²+36π²f²C²R_B²R_G²) で表される。 〔小問(b)〕 相電圧Eを100 V,周波数fを50 Hz,対地静電容量Cを0.1 μF,絶縁抵抗値R_Gを100 Ω,接地抵抗値R_Bを15 Ωとするとき,上記のI_Bの値[A]として,最も近いのは次のうちどれか。

- 1.0.87
- 2.0.99
- 3.1.74
- 4.2.61
- 5.6.67
正解:1.0.87
解説:式に数値を入れる。(R_G+R_B)²=(100+15)²=13 225。もう一方の項は 36π²f²C²R_B²R_G²=36×9.87×50²×(1×10⁻⁷)²×15²×100²=約0.02 で、13 225に比べて無視できるほど小さい。よって √(13 225+0.02)≒115.0 となり、I_B=100÷115.0=0.870 Aである。対地静電容量が0.1 μFと小さいと、そのリアクタンスは 1/(2πfC)=約32 kΩにもなり、100 Ωの絶縁抵抗と15 Ωの接地抵抗に比べてけた違いに大きいので、ほとんど電流を通さない。つまりこの条件では実質的に E/(R_G+R_B) という直列回路の計算になっている。R_Gを忘れて E/R_B=100÷15=6.67 とすると(5)、R_Bを忘れて E/R_G=1.00 とすると(2)に行き着くので、2つの抵抗が直列に足し合わされることを押さえておきたい。答(1)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 法規 問12(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問557.高圧進相コンデンサの劣化診断について,次の問に答えよ。 三相3線式50 Hz,使用電圧6.6 kVの高圧電路に接続された定格電圧6.6 kV,定格容量50 kvar(Y結線,一相2素子)の高圧進相コンデンサがある。その内部素子の劣化度合い点検のため,運転電流を高圧クランプメータで定期的に測定していた。 〔小問(a)〕 ある日の測定において,測定電流[A]の定格電流[A]に対する比は,図1のとおりであった。測定電流[A]に最も近い数値の組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 ただし,直列リアクトルはないものとして計算せよ。 選択肢は「R相 / S相 / T相」の順に示す。

- 1.6.6 / 5.0 / 5.0
- 2.7.5 / 5.7 / 5.7
- 3.3.8 / 2.9 / 2.9
- 4.11.3 / 8.6 / 8.6
- 5.7.2 / 5.5 / 5.5
正解:1.6.6 / 5.0 / 5.0
解説:三相のコンデンサの定格電流は I=Q÷(√3×V) で求める。Q=50 kvar、V=6.6 kVだから I=50×10³÷(1.732×6.6×10³)=4.374 A。図1の比を掛けると、R相は 4.374×1.50=6.56≒6.6 A、S相とT相は 4.374×1.15=5.03≒5.0 Aとなる。ここで√3で割り忘れて I=Q÷V=50×10³÷(6.6×10³)=7.58 Aとすると、R相が7.58×1.50=11.4 Aとなって(4)に行き着く。三相の無効電力と線間電圧の関係に√3が入ることを押さえておきたい。なおR相だけ比が1.50と大きいのは、R相のアームで素子が短絡して静電容量が増え、電流が増えているためで、小問(b)につながる。答(1)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 法規 問13(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問558.高圧進相コンデンサの劣化診断について,次の問に答えよ。 三相3線式50 Hz,使用電圧6.6 kVの高圧電路に接続された定格電圧6.6 kV,定格容量50 kvar(Y結線,一相2素子)の高圧進相コンデンサがある。 小問(a)の測定により,劣化による内部素子の破壊(短絡)が発生していると判断し,機器停止のうえ各相間の静電容量を2端子測定法(1端子開放で測定)で測定した。 〔小問(b)〕 図2のとおりの内部結線における素子破壊(素子極間短絡)が発生しているとすれば,静電容量測定結果の記述として,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし,図中×印は,破壊素子を表す。

- 1.R-S相間の測定値は,最も小さい。
- 2.S-T相間の測定値は,最も小さい。
- 3.T-R相間は,測定不能である。
- 4.R-S相間の測定値は,S-T相間の測定値の約75 %である。
- 5.R-S相間とS-T相間の測定値は,等しい。
正解:2.S-T相間の測定値は,最も小さい。
解説:素子1個の静電容量をC₀とする。健全な相のアームは素子2個の直列なので C₀/2。R相は2個のうち1個が極間短絡しているため、残る1個だけが効いて C₀ となり、健全相の2倍になる。2端子測定法は第3の端子を開放して測るので、測定値は2つの相のアームが中性点を介して直列につながった値になる。R-S相間は C₀ と C₀/2 の直列で C₀/3、T-R相間も同じく C₀/3、S-T相間は C₀/2 どうしの直列で C₀/4 である。したがって最も小さいのはS-T相間で(2)が正しい。(1)は逆、(3)はT-R相間も普通に測れるので誤り、(4)は S-T相間がR-S相間の (1/4)÷(1/3)=75 %であって向きが逆、(5)は等しくない。素子が短絡すると、その相の静電容量は減るのではなく増える、という向きを取り違えないことが要点。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 法規 問13(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問559.次の文章は,電気事業法に基づく保安規程に関する記述である。 保安規程は,電気設備規模等によって記載内容が異なり,特定発電用電気工作物の小売電気事業等用接続最大電力の合計が(ア)万kW(沖縄電力株式会社の供給域内にあっては10万kW)を超える大規模な事業者の場合には保安規程に記載すべき事項が多くなっている。 空欄(ア)と上記の大規模な事業者のみが保安規程に記載すべき事項の組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 選択肢は「(ア) / 大規模な事業者のみが保安規程に記載すべき事項」の順に示す。
- 1.100 / 発電所の運転を相当期間停止する場合における保全の方法に関すること。
- 2.200 / 保安規程の定期的な点検及びその必要な改善に関すること。
- 3.100 / 事業用電気工作物の工事,維持又は運用に関する業務を管理する者の職務及び組織に関すること。
- 4.60 / 発電所の運転を相当期間停止する場合における保全の方法に関すること。
- 5.200 / 事業用電気工作物の工事,維持又は運用に関する業務を管理する者の職務及び組織に関すること。
正解:2.200 / 保安規程の定期的な点検及びその必要な改善に関すること。
解説:保安規程に記載すべき事項は電気事業法施行規則50条に定められている。基本の記載事項はすべての事業者に共通で,一定規模を超える事業者にはさらに追加の事項が求められる,という二段構えになっている。 その境目が,特定発電用電気工作物の小売電気事業等用接続最大電力の合計200万kW(沖縄電力の供給区域内では10万kW)である。したがって(ア)は200。 追加される事項として問われているのは「保安規程の定期的な点検及びその必要な改善に関すること」である。 他の選択肢に挙がっている「事業用電気工作物の工事,維持又は運用に関する業務を管理する者の職務及び組織に関すること」と「発電所の運転を相当期間停止する場合における保全の方法に関すること」は,どちらも規模によらずすべての事業者が記載すべき基本の事項なので,「大規模な事業者のみが」という条件に当てはまらない。 答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 法規 問1
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問560.電気設備の安全を確保するためには,「電気設備技術基準」への適合を確認する必要がある。「電気設備技術基準」に規定されているものとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.船舶の客室屋内配線
- 2.乾電池使用のEMS(電気的筋肉刺激器)
- 3.航空機に搭載される発電機
- 4.電気浴器
- 5.自動車の24 Vオルタネータ(交流発電機)
正解:4.電気浴器
解説:電気設備技術基準が適用されるのは電気工作物である。電気事業法38条と施行令1条により,次のものは電気工作物から除かれる。 ・船舶,車両又は航空機に設置されるもの ・鉱山保安法などの適用を受けるもの ・電圧30 V未満の電気的設備であって,30 V以上の電気的設備と電気的に接続されていないもの これに当てはめると,(1)船舶の客室屋内配線と(3)航空機に搭載される発電機は,設置される場所によって除外される。(2)乾電池使用のEMSと(5)自動車の24 Vオルタネータは電圧が30 V未満で,しかも(5)は車両に設置されるものなので二重に除外される。 残る(4)電気浴器は建物に設置される普通の電気工作物で,電気設備技術基準の解釈にも「電気浴器等の施設」として規定がある。答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 法規 問2
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問561.次の文章は,「電気設備技術基準」における高圧又は特別高圧の電気機械器具の危険の防止に関する記述である。 a)高圧又は特別高圧の電気機械器具は,(ア)以外の者が容易に触れるおそれがないように施設しなければならない。ただし,接触による危険のおそれがない場合は,この限りでない。 b)高圧又は特別高圧の開閉器,遮断器,避雷器その他これらに類する器具であって,動作時に(イ)を生ずるものは,火災のおそれがないよう,木製の壁又は天井その他の(ウ)の物から離して施設しなければならない。ただし,(エ)の物で両者の間を隔離した場合は,この限りでない。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 選択肢は「(ア) / (イ) / (ウ) / (エ)」の順に示す。
- 1.取扱者 / 過電圧 / 可燃性 / 難燃性
- 2.技術者 / アーク / 可燃性 / 耐火性
- 3.取扱者 / 過電圧 / 耐火性 / 難燃性
- 4.技術者 / アーク / 耐火性 / 難燃性
- 5.取扱者 / アーク / 可燃性 / 耐火性
正解:5.取扱者 / アーク / 可燃性 / 耐火性
解説:電気設備技術基準9条(高圧又は特別高圧の電気機械器具の危険の防止)の条文がそのまま問われている。 (ア) 感電を防ぐ規定なので,触れてよいのは「取扱者」である。「技術者」という語は電技のこの条文では使われていない。 (イ) 開閉器・遮断器・避雷器が動作したときに生じ,火災の原因になるのはアークである。過電圧は火災の話ではない。 (ウ) 離して施設しなければならないのは,燃えるおそれのある物=可燃性の物(木製の壁や天井)である。 (エ) その間を隔てるのは,燃えない物=耐火性の物である。難燃性は燃えにくいというだけで,隔離材として条文が求めるのは耐火性である。 答(5)。 (ウ)と(エ)は「可燃性の物から離す/耐火性の物で隔てる」という対になっており,どちらも「耐火性」や「難燃性」にすると意味が通らなくなる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 法規 問3
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問562.次の文章は,「電気設備技術基準」及び「電気設備技術基準の解釈」に基づく電気供給のための電気設備の施設に関する記述である。 架空電線,架空電力保安通信線及び架空電車線は,(ア)又は(イ)による感電のおそれがなく,かつ,交通に支障を及ぼすおそれがない高さに施設しなければならない。 低圧架空電線又は高圧架空電線の高さは,道路(車両の往来がまれであるもの及び歩行の用にのみ供される部分を除く。)を横断する場合,路面上(ウ) m以上にしなければならない。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 選択肢は「(ア) / (イ) / (ウ)」の順に示す。
- 1.通電 / アーク / 6
- 2.接触 / 誘導作用 / 6
- 3.通電 / 誘導作用 / 5
- 4.接触 / 誘導作用 / 5
- 5.通電 / アーク / 5
正解:2.接触 / 誘導作用 / 6
解説:前半は電気設備技術基準25条1項で,「架空電線,架空電力保安通信線及び架空電車線は,接触又は誘導作用による感電のおそれがなく,かつ,交通に支障を及ぼすおそれがない高さに施設しなければならない」と定めている。よって(ア)は接触,(イ)は誘導作用。電線に直接触れる場合だけでなく,近づいただけで静電誘導・電磁誘導により感電するおそれも防ぐ趣旨である。 後半は電気設備技術基準の解釈68条で,低圧・高圧架空電線が道路を横断する場合の高さは路面上6 m以上と定められている。よって(ウ)は6。 答(2)。 5 mは横断歩道橋の上に施設する低圧架空電線の高さ(路面上3 m)などと混同しやすい数値だが,道路横断は6 mである。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 法規 問4
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問563.次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」に基づく低高圧架空電線等の併架に関する記述の一部である。 低圧架空電線と高圧架空電線とを同一支持物に施設する場合は,次のいずれかによること。 a)次により施設すること。 ① 低圧架空電線を高圧架空電線の(ア)に施設すること。 ② 低圧架空電線と高圧架空電線は,別個の(イ)に施設すること。 ③ 低圧架空電線と高圧架空電線との離隔距離は,(ウ) m以上であること。ただし,かど柱,分岐柱等で混触のおそれがないように施設する場合は,この限りでない。 b)高圧架空電線にケーブルを使用するとともに,高圧架空電線と低圧架空電線との離隔距離を(エ) m以上とすること。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 選択肢は「(ア) / (イ) / (ウ) / (エ)」の順に示す。
- 1.上 / 支持物 / 0.5 / 0.5
- 2.上 / 支持物 / 0.5 / 0.3
- 3.下 / 支持物 / 0.5 / 0.5
- 4.下 / 腕金類 / 0.5 / 0.3
- 5.下 / 腕金類 / 0.3 / 0.5
正解:4.下 / 腕金類 / 0.5 / 0.3
解説:電気設備技術基準の解釈80条(低高圧架空電線等の併架)の規定である。 (ア) 電圧の高い電線を上に,低い電線を下に置くのが原則である。万一切れて落ちたときに高圧が低圧に触れる(混触)ことを避けるため,低圧架空電線は高圧架空電線の下に施設する。 (イ) 同じ支持物に施設するのだから「別個の支持物」ではありえない。分けるのは腕金類(うでがね)である。 (ウ) 併架するときの離隔距離は0.5 m以上。 (エ) 高圧側にケーブルを使えば混触のおそれが小さくなるので,離隔距離は0.3 m以上まで縮められる。 答(4)。 0.5 mと0.3 mは「裸電線どうしは0.5 m,ケーブルを使えば0.3 m」という関係で覚えると取り違えにくい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 法規 問5
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問564.次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」に基づく高圧屋内配線に関する記述である。 高圧屋内配線は,(ア)工事(乾燥した場所であって展開した場所に限る。)又はケーブル工事により施設すること。 ケーブル工事による高圧屋内配線で,防護装置としての金属管にケーブルを収めて施設する場合には,その管に(イ)接地工事を施すこと。ただし,接触防護措置(金属製のものであって,防護措置を施す設備と電気的に接続するおそれがあるもので防護する方法を除く。)を施す場合は,D種接地工事によることができる。 高圧屋内配線が,他の高圧屋内配線,低圧屋内配線,管灯回路の配線,弱電流電線等又は水管,ガス管若しくはこれらに類するもの(以下この問において「他の屋内電線等」という。)と接近又は交差する場合は,次のa),b)のいずれかによること。 a)高圧屋内配線と他の屋内電線等との離隔距離は,(ウ)((ア)工事により施設する低圧屋内電線が裸電線である場合は,30 cm)以上であること。 b)高圧屋内配線をケーブル工事により施設する場合においては,次のいずれかによること。 ① ケーブルと他の屋内電線等との間に(エ)のある堅ろうな隔壁を設けること。 ② ケーブルを(エ)のある堅ろうな管に収めること。 ③ 他の高圧屋内配線の電線がケーブルであること。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 選択肢は「(ア) / (イ) / (ウ) / (エ)」の順に示す。
- 1.がいし引き / A種 / 15 cm / 耐火性
- 2.合成樹脂管 / C種 / 25 cm / 耐火性
- 3.がいし引き / C種 / 15 cm / 難燃性
- 4.合成樹脂管 / A種 / 25 cm / 難燃性
- 5.がいし引き / A種 / 15 cm / 難燃性
正解:1.がいし引き / A種 / 15 cm / 耐火性
解説:電気設備技術基準の解釈168条(高圧配線の施設)の規定である。 (ア) 高圧屋内配線に使えるのは,がいし引き工事(乾燥した場所であって展開した場所に限る)とケーブル工事の2つだけである。合成樹脂管工事は低圧用で高圧には使えない。 (イ) 高圧の設備を収める金属管なので,接地工事はA種である。C種・D種は低圧用で,A種は高圧・特別高圧の機械器具の鉄台や金属製外箱に施す。 (ウ) 他の屋内電線等との離隔距離は15 cm以上。ただし相手ががいし引きの裸電線なら30 cm以上とより厳しくなる,という括弧書きの対比が本文中にある。 (エ) 隔壁や管に求められるのは耐火性である。難燃性は燃えにくいだけで,火をさえぎる性能とは別である。 答(1)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 法規 問6
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問565.次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」に基づく低圧屋内配線の金属ダクト工事に関する記述である。 a)ダクトに収める絶縁電線の断面積(絶縁被覆の断面積を含む。)の総和は,ダクトの内部断面積の(ア) %以下であること。ただし,電光サイン装置,出退表示灯その他これらに類する装置又は制御回路等(自動制御回路,遠方操作回路,遠方監視装置の信号回路その他これらに類する電気回路をいう。)の配線のみを収める場合は,(イ) %以下とすることができる。 b)ダクト相互は,堅ろうに,かつ,(ウ)に完全に接続すること。 c)ダクトを造営材に取り付ける場合は,ダクトの支持点間の距離を3 m(取扱者以外の者が出入りできないように措置した場所において,垂直に取り付ける場合は,6 m)以下とし,堅ろうに取り付けること。 d)低圧屋内配線の(エ)電圧が300 V以下の場合は,ダクトには,D種接地工事を施すこと。 e)低圧屋内配線の(エ)電圧が300 Vを超える場合は,ダクトには,C種接地工事を施すこと。ただし,(オ)防護措置(金属製のものであって,防護措置を施すダクトと(ウ)に接続するおそれがあるもので防護する方法を除く。)を施す場合は,D種接地工事によることができる。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 選択肢は「(ア) / (イ) / (ウ) / (エ) / (オ)」の順に示す。
- 1.20 / 50 / 電気的 / 使用 / 接触
- 2.32 / 48 / 電気的 / 対地 / 簡易接触
- 3.32 / 48 / 機械的 / 使用 / 接触
- 4.32 / 48 / 機械的 / 使用 / 簡易接触
- 5.20 / 50 / 電気的 / 対地 / 簡易接触
正解:1.20 / 50 / 電気的 / 使用 / 接触
解説:電気設備技術基準の解釈162条(金属ダクト工事)の規定である。 (ア)(イ) ダクトに収める電線の断面積の総和は,内部断面積の20 %以下。ただし電光サイン装置や制御回路等の配線だけなら電流が小さく発熱が問題になりにくいので50 %以下まで許される。32 %・48 %という数字はこの条文には出てこない。 (ウ) ダクト相互の接続に求められるのは,堅ろうであることに加えて電気的に完全であること。接地の効き目を通すために,ダクト全体が電気的に一体でなければならない。e)の括弧書きで「ダクトと(ウ)に接続するおそれがある」と使われていることからも,電気的が入ると分かる。 (エ) 接地工事の種別を分けるのは使用電圧300 Vの境目である。対地電圧が基準になるのは屋内電路の対地電圧の制限(解釈143条)などで,ここではない。 (オ) 300 Vを超える場合にD種で済ませられる緩和条件は,接触防護措置を施すことである。簡易接触防護措置はこれより緩い措置なので,この緩和には使えない。 答(1)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 法規 問7
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問566.次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」に基づく分散型電源の系統連系設備に関する記述である。 a)逆変換装置を用いて分散型電源を電力系統に連系する場合は,逆変換装置から直流が電力系統へ流出することを防止するために,受電点と逆変換装置との間に変圧器(単巻変圧器を除く)を施設すること。ただし,次の①及び②に適合する場合は,この限りでない。 ①逆変換装置の交流出力側で直流を検出し,かつ,直流検出時に交流出力を(ア)する機能を有すること。 ②次のいずれかに適合すること。 ・逆変換装置の直流側電路が(イ)であること。 ・逆変換装置に(ウ)を用いていること。 b)分散型電源の連系により,一般送配電事業者が運用する電力系統の短絡容量が,当該分散型電源設置者以外の者が設置する遮断器の遮断容量又は電線の瞬時許容電流等を上回るおそれがあるときは,分散型電源設置者において,限流リアクトルその他の短絡電流を制限する装置を施設すること。ただし,(エ)の電力系統に逆変換装置を用いて分散型電源を連系する場合は,この限りでない。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 選択肢は「(ア) / (イ) / (ウ) / (エ)」の順に示す。
- 1.停止 / 中性点接地式電路 / 高周波変圧器 / 低圧
- 2.抑制 / 中性点接地式電路 / 高周波チョッパ / 高圧
- 3.停止 / 非接地式電路 / 高周波変圧器 / 高圧
- 4.停止 / 非接地式電路 / 高周波変圧器 / 低圧
- 5.抑制 / 非接地式電路 / 高周波チョッパ / 低圧
正解:4.停止 / 非接地式電路 / 高周波変圧器 / 低圧
解説:電気設備技術基準の解釈220条以降の分散型電源の系統連系設備に関する規定である。 (ア) 直流が系統へ流れ出すのは変圧器の偏磁などを招くので,検出したら交流出力を停止させる。抑制では流出が続いてしまう。 (イ)(ウ) 変圧器を省くための条件は,直流側電路が非接地式であること,または逆変換装置に高周波変圧器を用いていることのいずれかである。どちらも直流が系統側へ流れる経路を断つ/絶縁するという意味を持つ。中性点接地式では直流の流出経路ができてしまうので条件にならない。高周波チョッパは絶縁しないので同様である。 (エ) 短絡電流を制限する装置の免除は,低圧の電力系統に逆変換装置を用いて連系する場合である。逆変換装置は短絡時にも定格程度の電流しか流さないうえ,低圧の系統では影響が限られるためである。 答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 法規 問8
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問567.次の文章は,図に示す高圧受電設備において全停電作業を実施するときの操作手順の一例について,その一部を述べたものである。 a)(ア)を全て開放する。 b)(イ)を開放する。 c)地絡方向継電装置付高圧交流負荷開閉器(DGR付PAS)を開放する。 d)(ウ)を開放する。 e)断路器(DS)の電源側及び負荷側を検電して無電圧を確認する。 f)高圧電路に接地金具等を接続して残留電荷を放電させた後,誤通電,他の電路との混触又は他の電路からの誘導による感電の危険を防止するため,断路器(DS)の(エ)に短絡接地器具を取り付けて接地する。 g)断路器(DS),開閉器等にはそれぞれ操作後速やかに,操作禁止,投入禁止,通電禁止等の通電を禁止する表示をする。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 選択肢は「(ア) / (イ) / (ウ) / (エ)」の順に示す。

- 1.負荷開閉器(LBS) / 断路器(DS) / 真空遮断器(VCB) / 負荷側
- 2.配線用遮断器(MCCB) / 断路器(DS) / 真空遮断器(VCB) / 負荷側
- 3.配線用遮断器(MCCB) / 真空遮断器(VCB) / 断路器(DS) / 電源側
- 4.負荷開閉器(LBS) / 断路器(DS) / 真空遮断器(VCB) / 電源側
- 5.負荷開閉器(LBS) / 真空遮断器(VCB) / 断路器(DS) / 負荷側
正解:3.配線用遮断器(MCCB) / 真空遮断器(VCB) / 断路器(DS) / 電源側
解説:停電操作は負荷側から電源側へ向かって順に切っていく。図の結線をたどると,電源側から DGR付PAS → DS → VCB → 母線 → LBS1〜3 → 変圧器等 → MCCB1・MCCB2 の順に並んでいる。 a)まず低圧側の負荷を切るので,配線用遮断器(MCCB)を全て開放する。図にMCCB1とMCCB2の2つがあり,「全て」という言い方に合う。 b)次に高圧の遮断器である真空遮断器(VCB)を開放する。 c)続いて受電点のDGR付PASを開放する。 d)最後に断路器(DS)を開放する。断路器は電流を遮断する能力を持たないので,必ず無負荷・無電圧にしてから開くという原則がここに表れている。逆に(1)(2)(4)のようにPASより前にDSを開くと,電流が流れている状態で断路器を開くことになり危険である。 f)短絡接地器具は,誤ってPASが投入されたり,並行する配電線からの誘導で電圧が現れたりしても作業者が感電しないよう,作業箇所に対して電源側にあたる断路器(DS)の電源側に取り付ける。 答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 法規 問9
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問568.次の文章は,電気事業法及び電気事業法施行規則に基づく広域的運営に関する記述である。 電気事業者は,毎年度,電気の供給並びに電気工作物の設置及び運用についての(ア)を作成し,電力広域的運営推進機関(OCCTO)を経由して経済産業大臣に届け出なければならない。 具体的には,直近年における(イ)見通し,発電,受電(融通を含む。)等の短期的な内容に関するものと,長期(イ)見通し,電気工作物の(ウ)及びその概要,あるいは他者の電源からの長期安定的な調達等長期的な内容に関するものとがある。 また,電気事業者は,電源開発の実施,電気の供給等その事業の遂行に当たり,広域的運営による電気の(エ)のために,相互に協調しなければならないことが定められている。 広域的運営による相互協調の具体的な例として,A地方に太陽電池発電や風力発電などの発電量を調整できない再生可能エネルギーが大量に導入された場合において,A地方における電圧,周波数を維持する観点から,A地方で消費しきれない電気を隣接するB地方に融通するといった(オ)事業者間の広域運営による相互協調がある。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 選択肢は「(ア) / (イ) / (ウ) / (エ) / (オ)」の順に示す。
- 1.供給計画 / 経営 / 新増設 / コスト低減 / 一般送配電
- 2.需要計画 / 需要 / 新増設 / コスト低減 / 発電
- 3.供給計画 / 需要 / 新増設 / 安定供給 / 一般送配電
- 4.需要計画 / 経営 / 補修計画 / コスト低減 / 発電
- 5.供給計画 / 需要 / 補修計画 / 安定供給 / 発電
正解:3.供給計画 / 需要 / 新増設 / 安定供給 / 一般送配電
解説:(ア) 電気事業法29条により,電気事業者が毎年度作成して届け出るのは供給計画である。「需要計画」という制度はない。 (イ) 短期・長期のいずれについても立てるのは需要見通しである。需要をどう見込むかが計画の出発点になる。 (ウ) 長期的な内容として挙がるのは電気工作物の新増設とその概要である。補修計画は日々の保安の話で,長期の供給力を示す供給計画の中身としてはそぐわない。 (エ) 電気事業法28条は「広域的運営による電気の安定供給を確保するため」に相互に協調しなければならないと定めている。コスト低減ではない。 (オ) 電圧・周波数を維持しながら地方をまたいで電気を融通するのは,送配電網を運用する一般送配電事業者どうしの協調である。発電事業者は電気を作るだけで系統の運用はしない。 答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 法規 問10
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問569.高圧架空電線において,電線に硬銅線を使用して架設する場合,電線の設計に伴う許容引張荷重と弛度について,次の問に答えよ。 ただし,径間S[m],電線の引張強さT[kN],電線の重量による垂直荷重と風圧による水平荷重の合成荷重がW[kN/m]とする。 〔小問(a)〕 「電気設備技術基準の解釈」によれば,規定する荷重が加わる場合における電線の引張強さに対する安全率が,R以上となるような弛度に施設しなければならない。この場合Rの値として,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.1.5
- 2.1.8
- 3.2.0
- 4.2.2
- 5.2.5
正解:4.2.2
解説:電気設備技術基準の解釈66条(低高圧架空電線の引張強さに対する安全率)は,架空電線の安全率を電線の種類で分けて定めている。 ・硬銅線又は耐熱銅合金線 … 2.2以上 ・その他の電線(アルミ電線,鋼心アルミより線など) … 2.5以上 この問題は硬銅線を使用する場合なので,R=2.2。答(4)。 硬銅線は伸びにくく切れやすい性質があるが,それでも2.2という比較的小さい安全率でよいのは,強度のばらつきが小さく管理しやすいためである。数字は「硬銅・耐熱銅合金は2.2,それ以外は2.5」と対で覚える。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 法規 問11(a)
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問570.高圧架空電線において,電線に硬銅線を使用して架設する場合,電線の設計に伴う許容引張荷重と弛度について,次の問に答えよ。 ただし,径間S[m],電線の引張強さT[kN],電線の重量による垂直荷重と風圧による水平荷重の合成荷重がW[kN/m]とする。 〔小問(b)〕 弛度の計算において,最小の弛度を求める場合の許容引張荷重[kN]として,正しい式を次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 (小問(a)より,硬銅線の安全率Rは2.2である。)
- 1.T/R
- 2.T×R
- 3.S×W/R
- 4.S×W×R
- 5.(T+S×W)/R
正解:1.T/R
解説:安全率Rは「電線の引張強さTを,実際にかけてよい荷重の何倍に取るか」を表す。したがって許容引張荷重は引張強さを安全率で割った 許容引張荷重=T/R [kN] である。 弛度(たるみ)は D=WS²/(8×許容引張荷重) で表され,分母の許容引張荷重が大きいほど弛度は小さくなる。安全率の範囲内で使える最大の張力がT/Rなので,これを使ったときに弛度が最小になる。答(1)。 T×R((2))では引張強さより大きな荷重を許すことになり,安全率の意味と逆になる。(3)(4)のS×WはS[m]×W[kN/m]で単位はkNになるが,これは径間全体にかかる荷重であって許容できる引張荷重ではない。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 法規 問11(b)
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問571.定格容量500 kV・A,無負荷損500 W,負荷損(定格電流通電時)6 700 Wの変圧器を更新する。更新後の変圧器はトップランナー制度に適合した変圧器で,変圧器の容量,電圧及び周波数仕様は従来器と同じであるが,無負荷損は150 W,省エネ基準達成率は140 %である。次の問に答えよ。 ただし,省エネ基準達成率は次式で与えられるものとする。 省エネ基準達成率[%]=基準エネルギー消費効率/(W_i+W_C40)×100 ここで,基準エネルギー消費効率(判断の基準となる全損失)は1 250 Wとし,W_iは無負荷損[W],W_C40は負荷率40 %時の負荷損[W]とする。 〔小問(a)〕 更新後の変圧器の負荷損(定格電流通電時)の値[W]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.1 860
- 2.2 450
- 3.3 080
- 4.3 820
- 5.4 640
正解:5.4 640
解説:与えられた式に数値を入れて,まず負荷率40 %時の負荷損W_C40を求める。 140=1 250/(150+W_C40)×100 150+W_C40=1 250/1.40=892.9 W_C40=742.9 W。 負荷損は電流の2乗,すなわち負荷率の2乗に比例するので,定格電流通電時の負荷損は W_C40/0.4²=742.9/0.16≒4 643≒4 640 W。答(5)。 0.16で割るところを0.4で割ると1 857となり(1)の1 860に近い値が出てしまう。負荷損は負荷率の2乗に比例するという点がこの問題の要点である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 法規 問12(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問572.定格容量500 kV・A,無負荷損500 W,負荷損(定格電流通電時)6 700 Wの変圧器を更新する。更新後の変圧器はトップランナー制度に適合した変圧器で,変圧器の容量,電圧及び周波数仕様は従来器と同じであるが,無負荷損は150 W,省エネ基準達成率は140 %である。次の問に答えよ。 ただし,省エネ基準達成率は次式で与えられるものとする。 省エネ基準達成率[%]=基準エネルギー消費効率/(W_i+W_C40)×100 ここで,基準エネルギー消費効率(判断の基準となる全損失)は1 250 Wとし,W_iは無負荷損[W],W_C40は負荷率40 %時の負荷損[W]とする。 〔小問(b)〕 変圧器の出力電圧が定格状態で,300 kW遅れ力率0.8の負荷が接続されているときの更新前後の変圧器の損失を考えてみる。この状態での更新前の変圧器の全損失をW₁,更新後の変圧器の全損失をW₂とすると,W₂のW₁に対する比率[%]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし,電圧変動による無負荷損への影響は無視できるものとする。 (小問(a)より,更新後の変圧器の定格電流通電時の負荷損は約4 640 Wである。)
- 1.45
- 2.54
- 3.65
- 4.78
- 5.85
正解:3.65
解説:まず負荷率を出す。負荷損は電流(皮相電力)で決まるので,有効電力300 kWを力率で割って皮相電力に直す。 S=300/0.8=375 kV・A 負荷率=375/500=0.75。 全損失は無負荷損(負荷によらず一定)と負荷損(負荷率の2乗に比例)の和なので 更新前 W₁=500+6 700×0.75²=500+3 769=4 269 W 更新後 W₂=150+4 643×0.75²=150+2 612=2 762 W 比率は W₂/W₁=2 762/4 269≒0.647=64.7 %。最も近いのは65で答(3)。 300 kWをそのまま500 kV・Aで割って負荷率0.6としてしまうと値がずれる。負荷損に効くのは電流であり,力率で割って皮相電力に直してから比を取る。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 法規 問12(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問573.図に示すような,相電圧Ė_R[V],Ė_S[V],Ė_T[V],角周波数ω[rad/s]の対称三相3線式高圧電路があり,変圧器の中性点は非接地方式とする。電路の一相当たりの対地静電容量をC[F]とする。 この電路のR相のみが絶縁抵抗値R_G[Ω]に低下した。このとき,次の問に答えよ。 ただし,上記以外のインピーダンスは無視するものとする。 〔小問(a)〕 次の文章は,絶縁抵抗R_G[Ω]を流れる電流İ_G[A]を求める記述である。 R_Gを取り除いた場合 a−b間の電圧V̇_ab=(ア) a−b間より見たインピーダンスŻ_abは,変圧器の内部インピーダンスを無視すれば,Ż_ab=(イ)となる。 ゆえに,R_Gを接続したとき,R_Gに流れる電流İ_Gは,次式となる。 İ_G=V̇_ab/(Ż_ab+R_G)=(ウ) 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 選択肢は「(ア) / (イ) / (ウ)」の順に示す。

- 1.Ė_R / 1/(j3ωC) / j3ωCĖ_R/(1+j3ωCR_G)
- 2.√3Ė_R / −j3ωC / −j3ωCĖ_R/(1−j3ωCR_G)
- 3.Ė_R / 3/(jωC) / jωCĖ_R/(3+jωCR_G)
- 4.√3Ė_R / 1/(j3ωC) / Ė_R/(1−j3ωCR_G)
- 5.Ė_R / j3ωC / Ė_R/(1+j3ωCR_G)
正解:1.Ė_R / 1/(j3ωC) / j3ωCĖ_R/(1+j3ωCR_G)
解説:テブナンの定理で解く問題である。 (ア) R_Gを取り除いた健全な状態では,対称三相で対地静電容量も三相とも等しいから,変圧器の中性点Oは大地と同電位になる。したがってa点(R相)とb点(大地)の間の電圧は,R相の相電圧そのもの,すなわちĖ_Rである。線間電圧ではないので√3は付かない。 (イ) a−b間から見たインピーダンスは,電源を短絡して求める。すると三相の対地静電容量C[F]が3つ並列に見えるので,合成静電容量は3C[F],インピーダンスは Ż_ab=1/(j3ωC)[Ω]。 容量性リアクタンスは 1/(jωC) の形であって jωC ではないので,(5)は形からして違う。 (ウ) これらをテブナンの式に入れると İ_G=Ė_R/{1/(j3ωC)+R_G} 分子・分母に j3ωC を掛けて İ_G=j3ωCĖ_R/(1+j3ωCR_G)。 答(1)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 法規 問13(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問574.図に示すような,相電圧Ė_R[V],Ė_S[V],Ė_T[V],角周波数ω[rad/s]の対称三相3線式高圧電路があり,変圧器の中性点は非接地方式とする。電路の一相当たりの対地静電容量をC[F]とする。 この電路のR相のみが絶縁抵抗値R_G[Ω]に低下した。このとき,次の問に答えよ。 ただし,上記以外のインピーダンスは無視するものとする。 〔小問(b)〕 次の文章は,変圧器の中性点O点に現れる電圧V̇_O[V]を求める記述である。 V̇_O=(エ)+R_Gİ_G ゆえにV̇_O=(オ) 上記の記述中の空白箇所(エ)及び(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 (小問(a)より,İ_G=j3ωCĖ_R/(1+j3ωCR_G) である。) 選択肢は「(エ) / (オ)」の順に示す。

- 1.−Ė_R / −Ė_R/(1+j3ωCR_G)
- 2.Ė_R / Ė_R/(1−j3ωCR_G)
- 3.−Ė_R / −Ė_R/(1−j3ωCR_G)
- 4.Ė_R / Ė_R/(1+j3ωCR_G)
- 5.Ė_R / −Ė_R/(1−j3ωCR_G)
正解:1.−Ė_R / −Ė_R/(1+j3ωCR_G)
解説:(エ) 大地(b点)を基準にして,中性点Oまでたどる。大地からR_Gを通ってa点(R相)へ上がると電位はR_Gİ_Gだけ上がり,そこからR相の巻線を逆にたどって中性点Oへ戻ると相電圧Ė_Rだけ下がる。したがって V̇_O=−Ė_R+R_Gİ_G となり,(エ)は−Ė_Rである。 (オ) ここに(a)で求めたİ_Gを代入する。 V̇_O=−Ė_R+R_G×j3ωCĖ_R/(1+j3ωCR_G) =Ė_R×{−(1+j3ωCR_G)+j3ωCR_G}/(1+j3ωCR_G) =−Ė_R/(1+j3ωCR_G) 分子でj3ωCR_Gどうしが打ち消し合って−1だけが残るのがこの計算の要点である。答(1)。 R_Gが非常に大きい(完全絶縁に近い)とV̇_O→0,R_Gが0(完全地絡)とV̇_O→−Ė_Rとなり,R相が大地電位まで引き下げられて中性点が相電圧ぶんずれる,という物理的に妥当な極限になっている。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 法規 問13(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問575.次の図は,「電気事業法」に基づく一般用電気工作物及び自家用電気工作物のうち受電電圧7 000 V以下の需要設備の保安体系に関する記述を表したものである。ただし,除外事項,限度事項等の記述は省略している。 なお,この問において,技術基準とは電気設備技術基準のことをいう。 図中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.所有者又は占有者 / 登録調査機関 / 検査要領書 / 提出
- 2.電線路維持運用者 / 電気主任技術者 / 検査要領書 / 作成
- 3.所有者又は占有者 / 電気主任技術者 / 保安規程 / 作成
- 4.電線路維持運用者 / 登録調査機関 / 保安規程 / 提出
- 5.電線路維持運用者 / 登録調査機関 / 検査要領書 / 作成
正解:4.電線路維持運用者 / 登録調査機関 / 保安規程 / 提出
解説:図の右端に条番号が振られているので,そこを手がかりに1つずつ当てる。 (ア) 第57条は「一般用電気工作物の調査の義務」で,義務を負うのは一般用電気工作物と電気的に接続する電線路を維持し,及び運用する者,すなわち電線路維持運用者である。実務では電力会社がこれにあたる。所有者や占有者ではない。 (イ) 第57条の2は「調査業務の委託」で,委託先は登録調査機関である。 (ウ) 第42条は「保安規程」で,事業用電気工作物を設置する者は保安規程を定め,使用の開始前に経済産業大臣に届け出なければならない。検査要領書ではない。 (エ) 第106条は「報告の徴収」で,経済産業大臣は電気工作物を設置する者に対し,その業務の状況に関し報告又は資料の提出をさせることができる。 電線路維持運用者/登録調査機関/保安規程/提出となり答(4)。 (ウ)を「保安規程」と当てられても,(エ)を「作成」と読むと(5)などに引っかかる。(エ)が入っているのは第106条の報告徴収の条文で,保安規程の話ではない。条番号を見れば取り違えずに済む。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 法規 問1
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問576.次の文章は,「電気設備技術基準」におけるサイバーセキュリティの確保に関する記述である。 電気工作物(一般送配電事業,送電事業,配電事業,特定送配電事業又は (ア) の用に供するものに限る。)の運転を管理する (イ) は,当該電気工作物が人体に危害を及ぼし,又は物件に損傷を与えるおそれ及び (ウ) 又は配電事業に係る電気の供給に著しい支障を及ぼすおそれがないよう,サイバーセキュリティ(サイバーセキュリティ基本法(平成26年法律第104号)第2条に規定するサイバーセキュリティをいう。)を確保しなければならない。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.発電事業 / 電子計算機 / 一般送配電事業
- 2.小売電気事業 / 制御装置 / 電気使用場所
- 3.小売電気事業 / 電子計算機 / 一般送配電事業
- 4.発電事業 / 制御装置 / 電気使用場所
- 5.小売電気事業 / 電子計算機 / 電気使用場所
正解:1.発電事業 / 電子計算機 / 一般送配電事業
解説:電気設備技術基準第15条の2(サイバーセキュリティの確保)の条文そのままを問う設問である。 (ア) 括弧の中は電気工作物を持つ事業の列挙である。小売電気事業は電気を売る事業であって,自ら電気工作物を持って運転するわけではないので,ここには発電事業が入る。 (イ) サイバーセキュリティが問題になるのは,通信につながって外部から侵入されうるものである。条文では電子計算機と書かれている。制御装置ではない。 (ウ) 直後に「又は配電事業に係る電気の供給」と続くので,並ぶのは事業の名称でなければならない。電気使用場所は事業名ではないので当てはまらず,一般送配電事業が入る。 発電事業/電子計算機/一般送配電事業となり答(1)。 (ウ)は,空欄の前後の言葉のつながりだけで絞り込める。「◯◯又は配電事業に係る」という形なので,◯◯にも事業が来る。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 法規 問2
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問577.高圧架空電線路に施設された機械器具等の接地工事の事例として,「電気設備技術基準の解釈」の規定上,不適切なものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.高圧架空電線路に施設した避雷器(以下「LA」という。)の接地工事を14 mm²の軟銅線を用いて施設した。
- 2.高圧架空電線路に施設された柱上気中開閉器(以下「PAS」という。)の制御装置(定格制御電圧AC100 V)の金属製外箱の接地端子に5.5 mm²の軟銅線を接続し,D種接地工事を施した。
- 3.高圧架空電線路にPAS(VT・LA内蔵形)が施設されている。この内蔵されているLAの接地線及び高圧計器用変成器(零相変流器)の2次側電路は,PASの金属製外箱の接地端子に接続されている。この接地端子にD種接地工事(接地抵抗値70 Ω)を施した。なお,VTとは計器用変圧器である。
- 4.高圧架空電線路から電気の供給を受ける受電電力が750 kWの需要場所の引込口に施設したLAにA種接地工事を施した。
- 5.木柱の上であって人が触れるおそれがない高さの高圧架空電線路に施設されたPASの金属製外箱の接地端子にA種接地工事を施した。なお,このPASにLAは内蔵されていない。
正解:3.高圧架空電線路にPAS(VT・LA内蔵形)が施設されている。この内蔵されているLAの接地線及び高圧計器用変成器(零相変流器)の2次側電路は,PASの金属製外箱の接地端子に接続されている。この接地端子にD種接地工事(接地抵抗値70 Ω)を施した。なお,VTとは計器用変圧器である。
解説:接地工事の種類は,そこにつながっている機器のうち最も厳しいものに合わせて決まる。 (3)では,一つの接地端子に「高圧計器用変成器の2次側電路」と「避雷器(LA)の接地線」の両方がつながっている。前者だけならD種でよいが,避雷器の接地はA種接地工事でなければならない。A種の接地抵抗値は10 Ω以下なので,D種として70 Ωにしたのは不適切である。答(3)。 他の記述を確かめる。(1)A種接地工事の接地線は直径2.6 mm以上の軟銅線とされており,14 mm²(直径約4.2 mm相当)はこれを満たす。(2)制御装置は定格制御電圧AC100 Vの低圧機器なのでD種接地工事でよく,D種の接地線は直径1.6 mm以上なので5.5 mm²で足りる。(4)受電電力500 kW以上の需要場所の引込口には避雷器を施設し,A種接地工事を施す。750 kWはこれにあたる。(5)木柱の上で人が触れるおそれのない高さなら接地工事を省略できるが,省略できるというだけで,A種を施すこと自体は差し支えない。 一つの端子に複数の機器がつながっている,という書き方が出てきたら,そのうち最も厳しい接地工事が要る,と考えるとよい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 法規 問3
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問578.「電気設備技術基準の解釈」に基づく高圧屋側電線路(高圧引込線の屋側部分を除く。)の施設に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.展開した場所に施設した。
- 2.電線はケーブルとした。
- 3.屋外であることから,ケーブルを地表上2.3 mの高さに,かつ,人が通る場所から手を伸ばしても触れることのない範囲に施設した。
- 4.ケーブルを造営材の側面に沿って被覆を損傷しないよう垂直に取付け,その支持点間の距離を6 m以下とした。
- 5.ケーブルを収める防護装置の金属製部分にA種接地工事を施した。
正解:3.屋外であることから,ケーブルを地表上2.3 mの高さに,かつ,人が通る場所から手を伸ばしても触れることのない範囲に施設した。
解説:高圧屋側電線路にはケーブルへの接触防護措置が求められる。接触防護措置の高さは,解釈第1条の定義で屋内は床上2.3 m以上,屋外は地表上2.5 m以上と定められている。「屋外であることから2.3 m」としているのは屋内の値を屋外に当てているので誤りで,これが答になる。答(3)。 他の記述を確かめる。(1)高圧屋側電線路は展開した場所に施設する。(2)電線はケーブルであること。(4)造営材に沿って取り付ける場合の支持点間の距離は2 m以下,垂直に取り付ける場合は6 m以下でよい。(5)ケーブルを収める防護装置の金属製部分にはA種接地工事を施す。 2.3 mと2.5 mは数字が近いので取り違えやすいが,「屋内は低く,屋外は高い」と覚えておけばよい。屋外のほうが不特定の人が通るので厳しくしてある。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 法規 問4
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問579.次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」に基づく電線路の接近状態に関する記述である。 a) 第1次接近状態とは,架空電線が他の工作物と接近する場合において,当該架空電線が他の工作物の (ア) において,水平距離で (イ) 以上,かつ,架空電線路の支持物の地表上の高さに相当する距離以内に施設されることにより,架空電線路の電線の (ウ) ,支持物の (エ) 等の際に,当該電線が他の工作物に (オ) おそれがある状態をいう。 b) 第2次接近状態とは,架空電線が他の工作物と接近する場合において,当該架空電線が他の工作物の (ア) において水平距離で (イ) 未満に施設される状態をいう。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.上方,下方又は側方 / 3 m / 振動 / 傾斜 / 損害を与える
- 2.上方又は側方 / 3 m / 切断 / 倒壊 / 接触する
- 3.上方又は側方 / 3 m / 切断 / 傾斜 / 接触する
- 4.上方,下方又は側方 / 2 m / 切断 / 倒壊 / 接触する
- 5.上方,下方又は側方 / 2 m / 振動 / 傾斜 / 損害を与える
正解:2.上方又は側方 / 3 m / 切断 / 倒壊 / 接触する
解説:解釈第1条の用語の定義で,第1次接近状態・第2次接近状態はいずれも「上方又は側方」で規定されている。下方は含まれない。架空電線が切れたり支持物が倒れたりして他の工作物に触れるおそれを想定した規定なので,電線が他の工作物の下にある場合は想定していない。 水平距離は3 m。この3 mを境に,3 m以上で支持物の高さ以内なら第1次接近状態,3 m未満なら第2次接近状態である。 危険が起きる原因として条文が挙げているのは,電線の切断と支持物の倒壊。その結果として当該電線が他の工作物に接触するおそれがある状態,と続く。 上方又は側方/3 m/切断/倒壊/接触するとなり答(2)。 (3)との違いは(エ)だけで,支持物は傾くのではなく倒壊すると書かれている。傾斜という語は解釈の別の条(支持物の基礎の安全率など)に出てくるが,接近状態の定義には使われていない。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 法規 問5
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問580.次の文章は,「電気設備技術基準」における無線設備への障害の防止に関する記述である。 電気使用場所に施設する電気機械器具又は (ア) は, (イ) ,高周波電流等が発生することにより,無線設備の機能に (ウ) かつ重大な障害を及ぼすおそれがないように施設しなければならない。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.接触電線 / 高調波 / 継続的
- 2.屋内配線 / 電波 / 一時的
- 3.接触電線 / 高調波 / 一時的
- 4.屋内配線 / 高調波 / 継続的
- 5.接触電線 / 電波 / 継続的
正解:5.接触電線 / 電波 / 継続的
解説:電気設備技術基準第67条(電気機械器具又は接触電線による無線設備への障害の防止)の条文をそのまま問う設問である。 (ア) 条の見出しに「電気機械器具又は接触電線による」とあるとおり,接触電線が入る。接触電線はクレーンなどの移動する機器へ電気を送るためにむき出しで張った電線で,集電子がこすれて火花を出すため無線に障害を与えやすい。 (イ) 無線設備の機能を妨げるのは電波である。高調波は電源の波形のひずみのことで,同じ電路につながる機器へ影響を与えるが,無線設備への障害の直接の原因としては条文に書かれていない。 (ウ) 一時的なものまで禁じると実務上成り立たないので,条文は「継続的かつ重大な障害」と限定している。 接触電線/電波/継続的となり答(5)。 (ウ)は「かつ重大な」という言葉と釣り合う語を選ぶと考えるとよい。一時的で重大というのは条件として噛み合わない。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 法規 問6
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問581.次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」に基づく水中照明の施設に関する記述である。 水中又はこれに準ずる場所であって,人が触れるおそれのある場所に施設する照明灯は,次によること。 a) 照明灯に電気を供給する電路には,次に適合する絶縁変圧器を施設すること。 ① 1次側の (ア) 電圧は300 V以下,2次側の (ア) 電圧は150 V以下であること。 ② 絶縁変圧器は,その2次側電路の (ア) 電圧が30 V以下の場合は,1次巻線と2次巻線との間に金属製の混触防止板を設け,これに (イ) 種接地工事を施すこと。 b) a)の規定により施設する絶縁変圧器の2次側電路は,次によること。 ① 電路は, (ウ) であること。 ② 開閉器及び過電流遮断器を各極に施設すること。ただし,過電流遮断器が開閉機能を有するものである場合は,過電流遮断器のみとすることができる。 ③ (ア) 電圧が30 Vを超える場合は,その電路に地絡を生じたときに自動的に電路を遮断する装置を施設すること。 ④ b)②の規定により施設する開閉器及び過電流遮断器並びにb)③の規定により施設する地絡を生じたときに自動的に電路を遮断する装置は,堅ろうな金属製の外箱に収めること。 ⑤ 配線は, (エ) 工事によること。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.使用 / D / 非接地式電路 / 合成樹脂管
- 2.対地 / A / 接地式電路 / 金属管
- 3.使用 / D / 接地式電路 / 合成樹脂管
- 4.対地 / A / 非接地式電路 / 合成樹脂管
- 5.使用 / A / 非接地式電路 / 金属管
正解:5.使用 / A / 非接地式電路 / 金属管
解説:解釈第187条(水中照明灯)の規定である。水中で人が触れる可能性のある場所なので,条文は感電を防ぐ方向に徹底して厳しくなっている,という見方で当てていける。 (ア) 条文は使用電圧で規定している。対地電圧は接地式の電路で定義される値なので,非接地式を求めているこの条文とはそもそも噛み合わない。 (イ) 混触防止板に施すのはA種接地工事である。高圧側が混触したときに確実に地絡させるための板なので,最も厳しいA種になる。 (ウ) 2次側電路は非接地式電路とする。接地していなければ,人が1線に触れても回路が閉じず感電しにくい。 (エ) 配線は金属管工事による。水中や水気のある場所で外傷から確実に守るためで,合成樹脂管では足りない。 使用/A/非接地式電路/金属管となり答(5)。 (ア)を対地電圧と読むと(2)(4)に流れるが,(ウ)で非接地式と決まる以上,対地電圧という言い方は使えない。空欄どうしの整合でも絞り込める。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 法規 問7
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問582.次の文章は,「発電用風力設備に関する技術基準を定める省令」に基づく風車に関する記述である。 風車は,次により施設しなければならない。 a) 負荷を (ア) したときの最大速度に対し,構造上安全であること。 b) 風圧に対して構造上安全であること。 c) 運転中に風車に損傷を与えるような (イ) がないように施設すること。 d) 通常想定される最大風速においても取扱者の意図に反して風車が (ウ) することのないように施設すること。 e) 運転中に他の工作物,植物等に接触しないように施設すること。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.遮断 / 振動 / 停止
- 2.連系 / 振動 / 停止
- 3.遮断 / 雷撃 / 停止
- 4.連系 / 雷撃 / 起動
- 5.遮断 / 振動 / 起動
正解:5.遮断 / 振動 / 起動
解説:発電用風力設備に関する技術基準を定める省令第4条(風車)の規定である。 (ア) 発電機の負荷が急に無くなると,風のエネルギーを消費するものが無くなって風車は一気に速度を上げる。この無負荷暴走のときの速度に耐える構造でなければならない,という趣旨なので,入るのは遮断である。連系したときにいちばん速く回ることはない。 (イ) 「運転中に風車に損傷を与えるような」に続くのは振動である。雷撃は別の条(第5条 風車の安全な状態の確保など)で扱われ,運転中に限った話でもない。 (ウ) 停止しているはずの風車が強風で勝手に回り出すと危険なので,取扱者の意図に反して起動しないように施設する。停止することのないように,では意味が逆になる。 遮断/振動/起動となり答(5)。 (ウ)は,(a)ですでに「負荷を遮断したときの最大速度に耐えること」を求めていることと合わせて読むと分かりやすい。この省令が心配しているのは,風車が回りすぎることであって止まることではない。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 法規 問8
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問583.次の文章は,電気の需給状況が悪化した場合における電気事業法に基づく対応に関する記述である。 電力広域的運営推進機関(OCCTO)は,会員である小売電気事業者,一般送配電事業者,配電事業者又は特定送配電事業者の電気の需給の状況が悪化し,又は悪化するおそれがある場合において,必要と認めるときは,当該電気の需給の状況を改善するために,電力広域的運営推進機関の (ア) で定めるところにより, (イ) に対し,相互に電気の供給をすることや電気工作物を共有することなどの措置を取るように指示することができる。 また,経済産業大臣は,災害等により電気の安定供給の確保に支障が生じたり,生じるおそれがある場合において,公共の利益を確保するために特に必要があり,かつ適切であると認めるときは (ウ) に対し,電気の供給を他のエリアに行うことなど電気の安定供給の確保を図るために必要な措置をとることを命ずることができる。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(ウ)に当てはまる組合せとして,適切なものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.保安規程 / 会員 / 電気事業者
- 2.保安規程 / 事業者 / 一般送配電事業者
- 3.送配電等業務指針 / 特定事業者 / 特定自家用電気工作物設置者
- 4.業務規程 / 事業者 / 特定自家用電気工作物設置者
- 5.業務規程 / 会員 / 電気事業者
正解:5.業務規程 / 会員 / 電気事業者
解説:(ア) 保安規程は,事業用電気工作物を設置する者が保安の確保のために定めるもので,需給の調整を指示する根拠にはならない。電力広域的運営推進機関が自らの業務の進め方を定めるのは業務規程である。 (イ) 問題文の冒頭に「会員である小売電気事業者,一般送配電事業者…」と書かれている。推進機関が指示できる相手は自らの会員なので,会員が入る。 (ウ) 経済産業大臣が電気の安定供給のために措置を命じる相手は電気事業者である。特定自家用電気工作物設置者は自家用の設備を持つ者で,他のエリアへ電気を供給する立場にはない。 業務規程/会員/電気事業者となり答(5)。 (イ)は問題文の中にすでに「会員である」と書かれているので,本文を読むだけで決まる。空欄の周りだけでなく段落の頭から読むと拾える形になっている。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 法規 問9
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問584.過電流継電器(以下「OCR」という。)と真空遮断器(以下「VCB」という。)との連動動作試験を行う。保護継電器試験機からOCRに動作電流整定タップ3 Aの300 %(9 A)を入力した時点から,VCBが連動して動作するまでの時間を計測する。保護継電器試験機からの電流は,試験機→OCR→試験機へと流れ,OCRが動作すると,試験機→OCR→VCB(トリップコイルの誘導性リアクタンスは10 Ω)→試験機へと流れる(図)。保護継電器試験機において可変抵抗R[Ω]をタップを切り換えて調整し,可変単巻変圧器を操作して試験電圧V[V]を調整して,電流計が必要な電流値(9 A)を示すように設定する(この設定中は,OCRが動作しないようにOCRの動作ロックボタンを押しておく)。図のOCR内の※で示した接点は,OCRが動作した時に開き,それによりトリップコイルに電流が流れる(VCBは変流器二次電流による引外し方式)。図のVCBは,コイルに3.0 A以上の電流(定格開路制御電流)が流れないと正常に動作しないので,保護継電器試験機の可変抵抗R[Ω]の抵抗値を適正に選択しなければならない。選択可能な抵抗値[Ω]の中で,VCBが正常に動作することができる最小の抵抗値R[Ω]を次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。なお,OCRの内部抵抗,トリップコイルの抵抗及びその他記載のないインピーダンスは無視するものとする。

- 1.2
- 2.5
- 3.10
- 4.15
- 5.20
正解:2.5
解説:この問題の要は,OCRが動作する前と後で回路が変わることである。 まず動作前。※の接点が閉じているのでトリップコイルは短絡されており,回路にあるのは可変抵抗Rだけである。ここに9 Aを流すように電圧を合わせるので V=9R[V]。 つぎに動作後。※が開いてトリップコイル(誘導性リアクタンス10 Ω)が直列に入る。電圧Vは変わらないので,流れる電流は I=V/√(R²+10²)=9R/√(R²+100)。 これが3.0 A以上であればよいので 9R/√(R²+100)≧3 両辺を3で割って 3R≧√(R²+100),二乗して 9R²≧R²+100,8R²≧100 R≧√12.5≒3.54 Ω。 選択可能な値のうち3.54以上でいちばん小さいのは5 Ωである。答(2)。 確かめておく。R=5なら V=45 V,I=45/√125≒4.02 A で3.0 Aを超える。R=2なら V=18 V,I=18/√104≒1.77 A で足りない。 Rを大きくすると電圧Vも比例して大きくなるので,動作後の電流はリアクタンス10 Ωの影響が相対的に薄まって増える。Rを小さくするほど良いように見えるが逆である,というのがこの問題の面白いところである。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 法規 問10
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問585.定格容量50 kV·A,一次電圧6 600 V,二次電圧210/105 Vの単相変圧器の二次側に接続した単相3線式架空電線路がある。この低圧電線路に最大供給電流が流れたときの絶縁性能が「電気設備技術基準」に適合することを確認するため,低圧電線の3線を一括して大地との間に使用電圧(105 V)を加える絶縁性能試験を実施した。 次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 この試験で許容される漏えい電流の最大値[A]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.0.119
- 2.0.238
- 3.0.357
- 4.0.460
- 5.0.714
正解:3.0.357
解説:電気設備技術基準第22条は,低圧電線路の漏えい電流を最大供給電流の1/2 000以下と定めている。 まず最大供給電流を出す。単相3線式なので,外側の2線には二次電圧210 Vで変圧器の容量いっぱいの電流が流れる。 I=50×10³/210≒238 A。 1線当たりの許容漏えい電流は 238/2 000≒0.119 A。 ここが分かれ目である。この試験は3線を一括して大地との間に電圧を加えているので,測っているのは3線ぶんの漏えい電流の合計になる。したがって許容される値も3倍で 0.119×3≒0.357 A。答(3)。 (1)の0.119は1線当たりの値である。一括して測っているのに1線分で判定すると,本来合格のものを不合格にしてしまう。何線ぶんをまとめて測っているのかを問題文から読み取ること。 (2)の0.238は 50×10³/105/2 000 で,二次電圧を105 Vとして最大供給電流を出した場合の値である。単相3線式で容量いっぱいの電流が流れるのは外側の2線の間,すなわち210 Vのほうである。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 法規 問11(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問586.定格容量50 kV·A,一次電圧6 600 V,二次電圧210/105 Vの単相変圧器の二次側に接続した単相3線式架空電線路がある。この低圧電線路に最大供給電流が流れたときの絶縁性能が「電気設備技術基準」に適合することを確認するため,低圧電線の3線を一括して大地との間に使用電圧(105 V)を加える絶縁性能試験を実施した。 次の問に答えよ。 〔小問(b)〕 二次側電線路と大地との間で許容される絶縁抵抗値は,1線当たりの最小値[Ω]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 (小問(a)より,最大供給電流は約238 A,1線当たりの許容漏えい電流は約0.119 Aである。)
- 1.295
- 2.442
- 3.883
- 4.1 765
- 5.3 530
正解:3.883
解説:問われているのは1線当たりの絶縁抵抗なので,1線に加わる電圧と1線に流れる漏えい電流で割ればよい。 試験では3線それぞれと大地との間に使用電圧105 Vが加わっている。1線当たりの許容漏えい電流は小問(a)で出した0.119 Aである。したがって R=105/0.119≒883 Ω。答(3)。 小問(a)の答である3線合計の0.357 Aで割ると 105/0.357≒294 Ω となり(1)になる。これは3線を1本とみなしたときの値,言い換えれば3本の絶縁抵抗を並列に見た値であって,1線当たりの値ではない。3本を並列にすれば抵抗は1/3になる,という関係がそのまま 883/3≒294 に現れている。 (a)は合計で答え,(b)は1線当たりで答える。同じ問題の中で問われている単位が切り替わっているので,どちらを聞かれているかを毎回確かめること。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 法規 問11(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問587.負荷設備の容量が800 kW,需要率が70 %,総合力率が90 %である高圧受電需要家について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。ただし,この需要家の負荷は低圧のみであるとし,変圧器の損失は無視するものとする。 〔小問(a)〕 この需要負荷設備に対し100 kV·Aの変圧器,複数台で電力を供給する。この場合,変圧器の必要最小限の台数として,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.5
- 2.6
- 3.7
- 4.8
- 5.9
正解:3.7
解説:需要率は,設備容量のうち実際に同時に使われる割合である。最大需要電力は 800×0.70=560 kW。 変圧器の容量は皮相電力[kV·A]で表されるので,力率で割って皮相電力に直す。 560/0.90≒622 kV·A。 100 kV·Aの変圧器で賄うので 622/100=6.22 → 7台。答(3)。 台数は切り上げる。6台では600 kV·Aしかなく622 kV·Aを賄えない。「必要最小限の台数」とあっても,足りない台数を選んではいけない。 力率で割るのを忘れると 560/100=5.6 → 6台となって(2)を選ぶ。変圧器の容量は有効電力ではなく皮相電力で決まる,というのがこの問題の要点である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 法規 問12(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問588.負荷設備の容量が800 kW,需要率が70 %,総合力率が90 %である高圧受電需要家について,次の問に答えよ。ただし,この需要家の負荷は低圧のみであるとし,変圧器の損失は無視するものとする。 〔小問(b)〕 この負荷の月負荷率を60 %とするとき,負荷の月間総消費電力量の値[MW·h]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし,1カ月の日数は30日とする。 (小問(a)より,最大需要電力は560 kWである。)
- 1.218
- 2.242
- 3.265
- 4.270
- 5.284
正解:2.242
解説:負荷率は,期間中の平均需要電力を最大需要電力で割った値である。したがって平均需要電力は 560×0.60=336 kW。 電力量は平均電力に時間を掛ければよい。30日は 24×30=720 時間なので 336×720=241 920 kW·h≒242 MW·h。答(2)。 力率90 %はここでは使わない。消費電力量は有効電力の積算なので,皮相電力に直す必要はない。小問(a)で使った数字をそのまま持ち込むと 622×0.6×720≒269 MW·h となって(4)に近づいてしまう。 需要率・負荷率・力率は名前が似ているが役割が違う。需要率は設備容量から最大需要電力を出すため,負荷率は最大需要電力から平均需要電力を出すため,力率は有効電力を皮相電力に直すために使う。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 法規 問12(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問589.有効落差80 mの調整池式水力発電所がある。調整池に取水する自然流量は10 m³/s一定であるとし,図のように1日のうち12時間は発電せずに自然流量の全量を貯水する。残り12時間のうち2時間は自然流量と同じ10 m³/sの使用水量で発電を行い,他の10時間は自然流量より多いQ_p[m³/s]の使用水量で発電して貯水分全量を使い切るものとする。このとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 運用に最低限必要な有効貯水量の値[m³]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.220×10³
- 2.240×10³
- 3.432×10³
- 4.792×10³
- 5.864×10³
正解:3.432×10³
解説:貯水量は「ためた量」を数えれば出る。発電しない12時間は,入ってきた自然流量がそのまま池にたまる。 10 m³/s×12時間×3 600 s/h=432 000 m³=432×10³ m³。答(3)。 残り12時間のうち2時間は自然流量と同じ10 m³/sで発電するので,入ってくる量と使う量が釣り合い,池の水位は変わらない。ここは貯水量に関係しない。 残る10時間でQ_pを使って貯水分を使い切る,という条件から使用水量も出せる。この10時間に入ってくる水は 10×10×3 600=360 000 m³,使う水は Q_p×10×3 600。差が貯水分432 000 m³に等しいので (Q_p−10)×10×3 600=432 000 より Q_p−10=12,Q_p=22 m³/s。この値は小問(b)で使う。 (5)の864×10³は,24時間ぶんの自然流量 10×24×3 600 の値である。ためているのは発電しない12時間ぶんだけなので,その半分になる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 法規 問13(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問590.有効落差80 mの調整池式水力発電所がある。調整池に取水する自然流量は10 m³/s一定であるとし,図のように1日のうち12時間は発電せずに自然流量の全量を貯水する。残り12時間のうち2時間は自然流量と同じ10 m³/sの使用水量で発電を行い,他の10時間は自然流量より多いQ_p[m³/s]の使用水量で発電して貯水分全量を使い切るものとする。このとき,次の問に答えよ。 〔小問(b)〕 使用水量Q_p[m³/s]で運転しているときの発電機出力の値[kW]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし,運転中の有効落差は変わらず,水車効率,発電機効率はそれぞれ90 %,95 %で一定とし,溢水はないものとする。 (小問(a)より,有効貯水量は432×10³ m³で,このときQ_p=22 m³/sである。)

- 1.12 400
- 2.14 700
- 3.16 600
- 4.18 800
- 5.20 400
正解:2.14 700
解説:まず使用水量Q_pを確定させる。10時間で貯水分432 000 m³を使い切るので,自然流量を上回る分が 432 000/(10×3 600)=12 m³/s。 したがって Q_p=10+12=22 m³/s。 水力発電の出力は P=9.8QHη_tη_g で求まる。値を入れると P=9.8×22×80×0.90×0.95≒14 700 kW。答(2)。 順に計算すると 9.8×22=215.6,215.6×80=17 248,17 248×0.90=15 523,15 523×0.95≒14 747 となる。 効率を掛け忘れて 9.8×22×80≒17 248 とすると(3)の16 600に近づく。発電機出力を問われているので,水車効率と発電機効率の両方を掛ける。 なお自然流量の10 m³/sで運転しているときの出力は 9.8×10×80×0.90×0.95≒6 700 kWで,Q_pのときはその2.2倍になる。出力は使用水量に比例する。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 法規 問13(b)
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問591.次の文章は,「電気事業法」に基づく調査の義務及びこれに関連する「電気設備技術基準の解釈」に関する記述である。 a) 一般用電気工作物と直接に電気的に接続する電線路を維持し,及び運用する者(以下,「 (ア) 」という。)は,その一般用電気工作物が経済産業省令で定める技術基準に適合しているかどうかを調査しなければならない。ただし,その一般用電気工作物の設置の場所に立ち入ることにつき,その所有者又は (イ) の承諾を得ることができないときは,この限りでない。 b) (ア) 又はその (ア) から委託を受けた登録調査機関は,上記a)の規定による調査の結果,電気工作物が技術基準に適合していないと認めるときは,遅滞なく,その技術基準に適合するようにするためとるべき (ウ) 及びその (ウ) をとらなかった場合に生ずべき結果をその所有者又は (イ) に通知しなければならない。 c) 低圧屋内電路の絶縁性能は,開閉器又は過電流遮断器で区切ることができる電路ごとに,絶縁抵抗測定が困難な場合においては,当該電路の使用電圧が加わった状態における漏えい電流が (エ) mA以下であること。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.一般送配電事業者等 / 占有者 / 措置 / 2
- 2.電線路維持運用者 / 使用者 / 工事方法 / 1
- 3.一般送配電事業者等 / 使用者 / 措置 / 1
- 4.電線路維持運用者 / 占有者 / 措置 / 1
- 5.電線路維持運用者 / 使用者 / 工事方法 / 2
正解:4.電線路維持運用者 / 占有者 / 措置 / 1
解説:(ア) 電気事業法57条1項が「一般用電気工作物と直接に電気的に接続する電線路を維持し、及び運用する者」を電線路維持運用者と定義している。設問の定義文がそのまま条文の言い回しなので、ここは一般送配電事業者等ではない。 (イ) 同項ただし書は「その所有者又は占有者の承諾を得ることができないとき」としている。土地や建物に立ち入る話なので、現に占めている人=占有者の承諾が要る。使用者ではない。 (ウ) 同条2項は「技術基準に適合するようにするためとるべき措置及びその措置をとらなかった場合に生ずべき結果」を通知させている。工事方法まで指定させるものではない。 (エ) 電気設備技術基準の解釈14条は、絶縁抵抗測定が困難な場合の低圧屋内電路について、漏えい電流1 mA以下であることを求めている。 電線路維持運用者/占有者/措置/1となり答(4)。 漏えい電流の1 mAは、絶縁抵抗を測る代わりの判定値として決められている。100 Vの電路なら 100/0.001=100 kΩ にあたり、電技58条が定める絶縁抵抗値(対地電圧150 V以下で0.1 MΩ)と同じ水準になる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 法規 問1
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問592.「電気工事業の業務の適正化に関する法律」に基づく記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.電気工事業とは,電気事業法に規定する電気工事を行う事業であって,その事業を営もうとする者は,経済産業大臣の事業許可を受けなければならない。
- 2.登録電気工事業者の登録には有効期間がある。
- 3.電気工事業者は,その営業所ごとに,絶縁抵抗計その他の経済産業省令で定める器具を備えなければならない。
- 4.電気工事業者は,その営業所及び電気工事の施工場所ごとに,その見やすい場所に,氏名又は名称,登録番号その他の経済産業省令で定める事項を記載した標識を掲げなければならない。
- 5.電気工事業者は,その営業所ごとに帳簿を備え,その業務に関し経済産業省令で定める事項を記載し,これを保存しなければならない。
正解:1.電気工事業とは,電気事業法に規定する電気工事を行う事業であって,その事業を営もうとする者は,経済産業大臣の事業許可を受けなければならない。
解説:電気工事業を営もうとする者は、経済産業大臣又は都道府県知事の登録を受けなければならない(電気工事業法3条1項)。許可ではなく登録であり、また大臣だけでなく、営業所が一つの都道府県にしかなければ知事の登録になる。したがって(1)が誤りで、これが答になる。 もう一つ、(1)は「電気事業法に規定する電気工事」としているが、電気工事業法でいう電気工事は電気工事士法に規定するものである。この点でも誤っている。 他の記述を確かめる。(2)登録の有効期間は5年で、続けるには更新の登録を受ける(3条3項)。(3)営業所ごとに絶縁抵抗計、接地抵抗計、回路計などを備える(10条)。(4)営業所と施工場所ごとに標識を掲げる(25条)。(5)営業所ごとに帳簿を備えて記載・保存する(26条)。 許可・認可・登録・届出の区別は電気の法令でくり返し問われる。電気工事業は登録、電気事業のうち小売は登録、一般送配電事業は許可、というように制度ごとに違うので、名前で覚えるより制度ごとに押さえる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 法規 問2
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問593.次の文章は,「電気設備技術基準」の電気機械器具等からの電磁誘導作用による人の健康影響の防止における記述の一部である。 変圧器,開閉器その他これらに類するもの又は電線路を発電所,変電所,開閉所及び需要場所以外の場所に施設する場合に当たっては,通常の使用状態において,当該電気機械器具等からの電磁誘導作用により人の健康に影響を及ぼすおそれがないよう,当該電気機械器具等のそれぞれの付近において,人によって占められる空間に相当する空間の (ア) の平均値が, (イ) において (ウ) 以下になるように施設しなければならない。ただし,田畑,山林その他の人の (エ) 場所において,人体に危害を及ぼすおそれがないように施設する場合は,この限りでない。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.磁束密度 / 全周波数 / 200 μT / 居住しない
- 2.磁界の強さ / 商用周波数 / 100 A/m / 往来が少ない
- 3.磁束密度 / 商用周波数 / 100 μT / 居住しない
- 4.磁束密度 / 商用周波数 / 200 μT / 往来が少ない
- 5.磁界の強さ / 全周波数 / 200 A/m / 往来が少ない
正解:4.磁束密度 / 商用周波数 / 200 μT / 往来が少ない
解説:電気設備技術基準27条の2(電気機械器具等からの電磁誘導作用による人の健康影響の防止)の条文である。 (ア)(イ)(ウ) 規制されるのは磁束密度の平均値で、商用周波数において200 μT以下と定められている。この200 μTは、国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)が示す一般の人に対する50/60 Hzの参考レベルに合わせたものである。 (エ) ただし書は「田畑、山林その他の人の往来が少ない場所」としている。「居住しない場所」ではない。人が住んでいなくても行き来があれば規制の対象になる、という書き方である。 磁束密度/商用周波数/200 μT/往来が少ないとなり答(4)。 単位からも絞り込める。(ウ)の候補のうちA/mは磁界の強さの単位で、Tは磁束密度の単位である。(ア)と(ウ)は必ず対になるので、この二つが食い違っている組合せは選べない。 「商用周波数において」という限定にも意味がある。人体への影響は周波数によって大きく変わるので、全周波数に一律の値を当てはめることはしない。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 法規 問3
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問594.「電気設備技術基準の解釈」に基づく高圧及び特別高圧の電路に施設する避雷器に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし,いずれの場合も掲げる箇所に直接接続する電線は短くないものとする。
- 1.発電所又は変電所若しくはこれに準ずる場所では,架空電線の引込口(需要場所の引込口を除く。)又はこれに近接する箇所には避雷器を施設しなければならない。
- 2.発電所又は変電所若しくはこれに準ずる場所では,架空電線の引出口又はこれに近接する箇所には避雷器を施設することを要しない。
- 3.高圧架空電線路から電気の供給を受ける受電電力が50 kWの需要場所の引込口又はこれに近接する箇所には避雷器を施設することを要しない。
- 4.高圧架空電線路から電気の供給を受ける受電電力が500 kWの需要場所の引込口又はこれに近接する箇所には避雷器を施設しなければならない。
- 5.使用電圧が60 000 V以下の特別高圧架空電線路から電気の供給を受ける需要場所の引込口又はこれに近接する箇所には避雷器を施設しなければならない。
正解:2.発電所又は変電所若しくはこれに準ずる場所では,架空電線の引出口又はこれに近接する箇所には避雷器を施設することを要しない。
解説:電気設備技術基準の解釈37条1項が、避雷器を施設しなければならない箇所を四つ挙げている。 一 発電所又は変電所若しくはこれに準ずる場所の架空電線引込口(需要場所の引込口を除く。)及び引出口 二 架空電線路に接続する配電用変圧器の高圧側及び特別高圧側 三 高圧架空電線路から電気の供給を受ける受電電力が500 kW以上の需要場所の引込口 四 特別高圧架空電線路から電気の供給を受ける需要場所の引込口 第一号は引込口と引出口の両方を挙げている。したがって引出口を「施設することを要しない」とする(2)が誤りで、これが答になる。 他の記述を確かめる。(1)引込口は第一号にあたる。(3)受電電力50 kWは第三号の500 kW以上に届かないので、施設は要らない。(4)500 kWは第三号にちょうど当たる(「以上」なので500 kWを含む)。(5)特別高圧架空電線路からの受電は第四号にあたり、電圧の上限は付いていないので60 000 V以下も含まれる。 雷は線路を伝わって入ってくるので、線路が設備に入る所(引込口)と出る所(引出口)の両方で受け止める必要がある。第一号が二つ並べているのはそのためで、片方だけと覚えていると(2)を正しいと読んでしまう。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 法規 問4
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問595.次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」における発電機の保護装置に関する記述である。 発電機には,次に掲げる場合に,発電機を自動的に電路から遮断する装置を施設すること。 a) 発電機に (ア) を生じた場合 b) 容量が500 kV·A以上の発電機を駆動する (イ) の圧油装置の油圧又は電動式ガイドベーン制御装置,電動式ニードル制御装置若しくは電動式デフレクタ制御装置の電源電圧が著しく (ウ) した場合 c) 容量が100 kV·A以上の発電機を駆動する (エ) の圧油装置の油圧,圧縮空気装置の空気圧又は電動式ブレード制御装置の電源電圧が著しく (ウ) した場合 d) 容量が2 000 kV·A以上の (イ) 発電機のスラスト軸受の温度が著しく上昇した場合 e) 容量が10 000 kV·A以上の発電機の (オ) に故障を生じた場合 f) 定格出力が10 000 kWを超える蒸気タービンにあっては,そのスラスト軸受が著しく摩耗し,又はその温度が著しく上昇した場合 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.過電圧 / 水車 / 上昇 / 風車 / 外部
- 2.過電圧 / 風車 / 上昇 / 水車 / 内部
- 3.過電流 / 水車 / 低下 / 風車 / 内部
- 4.過電流 / 風車 / 低下 / 水車 / 外部
- 5.過電流 / 水車 / 低下 / 風車 / 外部
正解:3.過電流 / 水車 / 低下 / 風車 / 内部
解説:電気設備技術基準の解釈42条1項(発電機の保護装置)の条文である。 (ア) 発電機に過電流を生じた場合。発電機の巻線を焼かないための最も基本的な保護である。 (イ) 圧油装置とガイドベーン・ニードル・デフレクタは、いずれも水車の水量や噴流を制御する装置の名前である。したがって水車。 (ウ) 制御に使う油圧や電源電圧は、下がると制御ができなくなる。だから「著しく低下した場合」に遮断する。上昇ではない。 (エ) 圧縮空気装置とブレード制御装置は風車のものである。ブレード(羽根)の角度を変えて回転を抑えるのは風車の制御である。 (オ) 容量10 000 kV·A以上では、発電機の内部に故障(層間短絡や地絡)を生じた場合に遮断する。外部の故障は他の保護装置が受け持つ。 過電流/水車/低下/風車/内部となり答(3)。 数値は 500 kV·A(水車)→100 kV·A(風車)→2 000 kV·A(水車発電機のスラスト軸受)→10 000 kV·A(内部故障)→10 000 kW(蒸気タービン)の順に並んでいる。最後だけ単位がkWであることに注意する。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 法規 問5
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問596.次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」に基づく高圧架空電線に適用される高圧保安工事及び連鎖倒壊防止に関する記述である。 a) 電線はケーブルである場合を除き,引張強さ (ア) kN以上のもの又は直径 (イ) mm以上の硬銅線であること。 b) 木柱の風圧荷重に対する安全率は,2.0以上であること。 c) 支持物に木柱,A種鉄筋コンクリート柱又はA種鉄柱を使用する場合の径間は (ウ) m以下であること。また,支持物にB種鉄筋コンクリート柱又はB種鉄柱を使用する場合の径間は (エ) m以下であること(電線に引張強さ14.51 kN以上のもの又は断面積38 mm²以上の硬銅より線を使用する場合を除く。)。 d) 支持物で直線路が連続している箇所において,連鎖的に倒壊するおそれがある場合は,技術上困難であるときを除き,必要に応じ,16基以下ごとに,支線を電線路に平行な方向にその両側に設け,また,5基以下ごとに支線を電線路と直角の方向にその両側に設けること。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.8.01 / 4 / 100 / 150
- 2.8.01 / 5 / 100 / 150
- 3.8.01 / 4 / 150 / 250
- 4.5.26 / 4 / 150 / 250
- 5.5.26 / 5 / 100 / 150
正解:2.8.01 / 5 / 100 / 150
解説:電気設備技術基準の解釈70条(高圧保安工事)の条文である。 (ア)(イ) 高圧保安工事の電線は、ケーブルを除き、引張強さ8.01 kN以上のもの又は直径5 mm以上の硬銅線とされている。この二つは同じ太さの電線を強さで言うか直径で言うかの違いで、対になっている。5.26 kNと直径4 mmが対で、こちらは高圧架空電線の一般の規定(65条・66条ほか)に出てくる値である。保安工事はそれより一段強い電線を求める、と押さえる。 (ウ)(エ) 径間は、木柱・A種鉄筋コンクリート柱・A種鉄柱が100 m以下、B種鉄筋コンクリート柱・B種鉄柱が150 m以下、鉄塔が400 m以下である。A種は根入れだけで支える柱、B種は基礎で支える柱で、丈夫なぶんB種のほうが長い径間を許される。 8.01/5/100/150となり答(2)。 (エ)の括弧書きは、引張強さ14.51 kN以上又は断面積38 mm²以上の硬銅より線を使えばこの制限を外せる、という意味である。電線が丈夫なら径間を長くできる、という同じ考え方が繰り返し出てくる。 d)の連鎖倒壊防止は、平行な方向が16基以下ごと、直角の方向が5基以下ごとである。数字が逆にならないよう、倒れる向きを想像して覚える。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 法規 問6
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問597.次の文章は,「電気設備技術基準」における,特殊場所における施設制限に関する記述である。 a) 粉じんの多い場所に施設する電気設備は,粉じんによる当該電気設備の絶縁性能又は導電性能が劣化することに伴う (ア) 又は火災のおそれがないように施設しなければならない。 b) 次に掲げる場所に施設する電気設備は,通常の使用状態において,当該電気設備が点火源となる爆発又は火災のおそれがないように施設しなければならない。 ① 可燃性のガス又は (イ) が存在し,点火源の存在により爆発するおそれがある場所 ② 粉じんが存在し,点火源の存在により爆発するおそれがある場所 ③ 火薬類が存在する場所 ④ セルロイド,マッチ,石油類その他の燃えやすい危険な物質を (ウ) し,又は貯蔵する場所 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.短絡 / 腐食性のガス / 保存
- 2.短絡 / 引火性物質の蒸気 / 保存
- 3.感電 / 腐食性のガス / 製造
- 4.感電 / 引火性物質の蒸気 / 保存
- 5.感電 / 引火性物質の蒸気 / 製造
正解:5.感電 / 引火性物質の蒸気 / 製造
解説:a)は電気設備技術基準68条、b)は69条の条文である。 (ア) 68条は「粉じんによる当該電気設備の絶縁性能又は導電性能が劣化することに伴う感電又は火災のおそれがないように」としている。絶縁が劣化して起きるのは、まず人が触れたときの感電である。短絡ではない。 (イ) 69条一号は「可燃性のガス又は引火性物質の蒸気」である。腐食性のガスは設備を傷めるが、点火源で爆発する話ではないので、この条の対象ではない。 (ウ) 四号は「セルロイド、マッチ、石油類その他の燃えやすい危険な物質を製造し、又は貯蔵する場所」である。作る場所と置いておく場所の両方を挙げている。 感電/引火性物質の蒸気/製造となり答(5)。 68条と69条は狙いが違う。68条は粉じんで絶縁が劣化することによる感電・火災、69条は電気設備そのものが点火源になる爆発・火災である。同じ「粉じん」でも、68条は絶縁の劣化、69条二号は爆発のおそれ、と別々に規定されている。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 法規 問7
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問598.「電気設備技術基準の解釈」に基づく住宅及び住宅以外の場所の屋内電路(電気機械器具内の電路を除く。以下同じ)の対地電圧の制限に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.住宅の屋内電路の対地電圧を150 V以下とすること。
- 2.住宅と店舗,事務所,工場等が同一建造物内にある場合であって,当該住宅以外の場所に電気を供給するための屋内配線を人が触れるおそれがない隠ぺい場所に金属管工事により施設し,その対地電圧を400 V以下とすること。
- 3.住宅に設置する太陽電池モジュールに接続する負荷側の屋内配線を次により施設し,その対地電圧を直流450 V以下とすること。・電路に地絡が生じたときに自動的に電路を遮断する装置を施設する。・ケーブル工事により施設し,電線に接触防護措置を施す。
- 4.住宅に常用電源として用いる蓄電池に接続する負荷側の屋内配線を次により施設し,その対地電圧を直流450 V以下とすること。・直流電路に接続される個々の蓄電池の出力がそれぞれ10 kW未満である。・電路に地絡が生じたときに自動的に電路を遮断する装置を施設する。・人が触れるおそれのない隠ぺい場所に合成樹脂管工事により施設する。
- 5.住宅以外の場所の屋内に施設する家庭用電気機械器具に電気を供給する屋内電路の対地電圧を,家庭用電気機械器具並びにこれに電気を供給する屋内配線及びこれに施設する配線器具に簡易接触防護措置を施す場合(取扱者以外の者が立ち入らない場所を除く。),300 V以下とすること。
正解:2.住宅と店舗,事務所,工場等が同一建造物内にある場合であって,当該住宅以外の場所に電気を供給するための屋内配線を人が触れるおそれがない隠ぺい場所に金属管工事により施設し,その対地電圧を400 V以下とすること。
解説:電気設備技術基準の解釈143条(電路の対地電圧の制限)の問題である。 (2)が扱っているのは、住宅と店舗・事務所・工場等が同一の建造物内にある場合に、住宅以外の場所へ電気を送るための屋内配線である。この場合に認められる対地電圧は300 V以下であって、400 V以下ではない。したがって(2)が誤りで、これが答になる。施設方法(人が触れるおそれのない隠ぺい場所に合成樹脂管工事、金属管工事又はケーブル工事)のほうは正しく書かれており、電圧の数値だけが差し替えられている。 他の記述を確かめる。(1)住宅の屋内電路は対地電圧150 V以下が原則である。(3)住宅の太陽電池モジュールに接続する負荷側の屋内配線は、地絡遮断装置を施設し、ケーブル工事で接触防護措置を施すなどの条件のもとで直流450 V以下まで認められる。(4)常用電源として用いる蓄電池も同じく直流450 V以下で、個々の蓄電池の出力が10 kW未満であること、地絡遮断装置を施設すること、人が触れるおそれのない隠ぺい場所に合成樹脂管工事等で施設することが条件になる。(5)住宅以外の場所の屋内に施設する家庭用電気機械器具に電気を供給する屋内電路は300 V以下である。 数値だけを差し替える出題なので、150 V(住宅)/300 V(住宅以外・同一建造物の住宅以外の部分)/直流450 V(太陽電池・蓄電池)という三段を先に押さえておくと、(2)の400 Vがどの段にも無いことにすぐ気づける。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 法規 問8
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問599.次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」における分散型電源の低圧連系時及び高圧連系時の施設要件に関する記述である。 a) 単相3線式の低圧の電力系統に分散型電源を連系する場合において, (ア) の不平衡により中性線に最大電流が生じるおそれがあるときは,分散型電源を施設した構内の電路であって,負荷及び分散型電源の並列点よりも (イ) に,3極に過電流引き外し素子を有する遮断器を施設すること。 b) 低圧の電力系統に逆変換装置を用いずに分散型電源を連系する場合は, (ウ) を生じさせないこと。 c) 高圧の電力系統に分散型電源を連系する場合は,分散型電源を連系する配電用変電所の (エ) において,逆向きの潮流を生じさせないこと。ただし,当該配電用変電所に保護装置を施設する等の方法により分散型電源と電力系統との協調をとることができる場合は,この限りではない。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.負荷 / 系統側 / 逆潮流 / 配電用変圧器
- 2.負荷 / 負荷側 / 逆潮流 / 引出口
- 3.負荷 / 系統側 / 逆充電 / 配電用変圧器
- 4.電源 / 負荷側 / 逆充電 / 引出口
- 5.電源 / 系統側 / 逆潮流 / 配電用変圧器
正解:1.負荷 / 系統側 / 逆潮流 / 配電用変圧器
解説:a)b)は電気設備技術基準の解釈226条(低圧連系時の施設要件)、c)は228条(高圧連系時の施設要件)の条文である。 (ア) 単相3線式で中性線に電流が流れるのは、両側の負荷が釣り合っていないときである。したがって負荷の不平衡。 (イ) 遮断器を置くのは、負荷と分散型電源の並列点よりも系統側である。系統側に置いてはじめて、中性線が断線したときに構内全体を切り離せる。負荷側では分散型電源が残ってしまう。 (ウ) 逆変換装置(インバータ)を使わない発電設備は、系統に合わせた細かい制御ができないので、逆潮流を生じさせないことが条件になる。逆充電は、系統が停電しているのに分散型電源が線路を充電してしまう別の現象で、ここで禁じているものではない。 (エ) 高圧連系では、配電用変電所の配電用変圧器において逆向きの潮流を生じさせないこととされている。引出口ではなく変圧器を基準にするのは、変圧器を逆方向に電力が抜けると系統側の保護と協調が取れなくなるためである。 負荷/系統側/逆潮流/配電用変圧器となり答(1)。 c)にはただし書があり、配電用変電所に保護装置を施設するなどして協調が取れれば逆潮流を認める。太陽光発電の高圧連系が広がった今は、この例外のほうが実務では普通になっている。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 法規 問9
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問600.次のa)〜e)の文章は,図の高圧受電設備における保護協調に関する記述である。 これらの文章の内容について,適切なものと不適切なものの組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 a) 受電設備内(図中A点)において短絡事故が発生した場合,VCB(真空遮断器)が,一般送配電事業者の配電用変電所の送り出し遮断器よりも早く動作するようにOCR(過電流継電器)の整定値を決定した。 b) TR2(変圧器)の低圧側で,かつMCCB2(配線用遮断器)の電源側(図中B点)で短絡事故が発生した場合,VCB(真空遮断器)が動作するよりも早くLBS2(負荷開閉器)のPF2(電力ヒューズ)が溶断するように設計した。 c) 低圧のMCCB2(配線用遮断器)の負荷側(図中C点)で短絡事故が発生した場合,MCCB2(配線用遮断器)が動作するよりも先にLBS2(負荷開閉器)のPF2(電力ヒューズ)が溶断しないように設計した。 d) SC(高圧コンデンサ)の端子間(図中D点)で短絡事故が発生した場合,VCB(真空遮断器)が動作するよりも早くLBS3(負荷開閉器)のPF3(電力ヒューズ)が溶断するように設計した。 e) GR付PAS(地絡継電装置付高圧交流負荷開閉器)は,高圧引込ケーブルで1線地絡事故が発生した場合であっても動作しないように設計した。

- 1.a 適切 / b 適切 / c 適切 / d 適切 / e 不適切
- 2.a 不適切 / b 不適切 / c 適切 / d 不適切 / e 適切
- 3.a 適切 / b 適切 / c 不適切 / d 不適切 / e 不適切
- 4.a 適切 / b 不適切 / c 適切 / d 適切 / e 適切
- 5.a 不適切 / b 適切 / c 不適切 / d 不適切 / e 不適切
正解:1.a 適切 / b 適切 / c 適切 / d 適切 / e 不適切
解説:保護協調の考え方は一つだけで、事故が起きた場所にいちばん近い保護装置だけが動き、その上位は動かない、というものである。停電の範囲を事故のあった部分に閉じ込めるためである。 a) 適切。受電設備内(A点)の事故は需要家の中の事故なので、需要家のVCBが先に動くべきである。配電用変電所の遮断器が先に動くと、同じ線路につながる他の需要家まで停電してしまう。 b) 適切。B点はTR2の低圧側でMCCB2の電源側だから、この区間を切り離せるのはPF2である。VCBが先に動くとTR1側やSC側まで止まる。 c) 適切。C点はMCCB2の負荷側なので、MCCB2が動けば足りる。PF2が先に溶断すると、その回路だけでなくTR2の系統全体が止まってしまう。「溶断しないように設計した」で正しい。 d) 適切。D点はSCの端子間なので、SCの分岐を切り離すPF3が先に溶断すべきである。 e) 不適切。GR付PASは、その負荷側(需要家側)で地絡が起きたときに動作して需要家を系統から切り離すための装置である。高圧引込ケーブルはGR付PASの負荷側にあるので、そこで1線地絡が起きたら動作しなければならない。動作しないように設計するのは誤りである。 a〜d適切、e不適切となり答(1)。 eだけが地絡の話で、他は短絡の話である。短絡の保護は「下位が先に動く」で通せるが、地絡の保護は「自分の受け持ち範囲で起きたら必ず動く」で考える。GR付PASが動かなければ、需要家の地絡で配電用変電所の地絡継電器が動作し、同じ線路の他の需要家まで停電することになる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 法規 問10
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問601.図のように既設の高圧架空電線路から,高圧架空電線を高低差なく径間30 m延長することにした。 新設支持物にA種鉄筋コンクリート柱を使用し,引留支持物とするため支線を電線路の延長方向4 mの地点に図のように設ける。電線と支線の支持物への取付け高さはともに8 mであるとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 電線の水平張力が15 kNであり,その張力を支線で全て支えるものとしたとき,支線に生じる引張荷重の値[kN]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.7
- 2.15
- 3.30
- 4.34
- 5.67
正解:4.34
解説:支線は、支持物の高さ8 mの点から地面の4 mの地点へ斜めに張られている。したがって支線の長さは √(8²+4²)=√80≒8.944 m。 支線に生じる引張荷重をT[kN]とすると、そのうち水平方向の成分だけが電線の水平張力と釣り合う。水平成分は、支線の長さに対する水平距離の比を掛けたものだから T×4/√80=15。 これを解いて T=15×√80/4=15×8.944/4≒33.5 kN。 最も近いのは34で答(4)。 支線は斜めに張るので、電線を引く力より大きな力を負担することになる。この問題では 8.944/4≒2.24 倍で、15 kNに対して33.5 kNである。 (2)の15は、支線の張力が電線の張力と同じだと考えた場合。斜めであるぶん必ず大きくなるので、15より小さい(1)や15そのものは候補から外れる。 (3)の30は、支線の長さではなく高さを使って 8/4=2 を掛けてしまった場合の値である(15×2=30)。使うのは「支線の長さ÷根開き」=√80/4≒2.24 のほうである。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 法規 問11(a)
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問602.図のように既設の高圧架空電線路から,高圧架空電線を高低差なく径間30 m延長することにした。 新設支持物にA種鉄筋コンクリート柱を使用し,引留支持物とするため支線を電線路の延長方向4 mの地点に図のように設ける。電線と支線の支持物への取付け高さはともに8 mであるとき,次の問に答えよ。 〔小問(b)〕 支線の安全率を1.5とした場合,支線の最少素線条数として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 ただし,支線の素線には,直径2.9 mmの亜鉛めっき鋼より線(引張強さ1.23 kN/mm²)を使用し,素線のより合わせによる引張荷重の減少係数は無視するものとする。 (小問(a)より,電線の水平張力15 kNを支えるとき支線に生じる引張荷重は約33.5 kNである。)

- 1.3
- 2.5
- 3.7
- 4.9
- 5.19
正解:3.7
解説:安全率1.5とは、実際に掛かる荷重の1.5倍まで耐えられるようにする、ということである。したがって支線に必要な引張強さは 33.5×1.5≒50.3 kN。 つぎに素線1本が受け持てる力を出す。直径2.9 mmの断面積は π×(2.9/2)²=π×1.45²≒6.61 mm²。 引張強さが1.23 kN/mm²なので、1本あたり 1.23×6.61≒8.13 kN。 必要な条数nは n≧50.3/8.13≒6.19。 素線は本数なので切り上げて7条。答(3)。 (2)の5は安全率を掛け忘れた場合に近い(33.5/8.13≒4.12→5)。安全率は必要強度を増やす側に効くので、掛けるのであって割るのではない。 断面積を出すときに半径ではなく直径を使うと π×2.9²≒26.4 mm² となり、1本で26.4×1.23≒32.5 kNとなって2条で足りることになってしまう。円の面積は半径の2乗である。 電気設備技術基準の解釈61条は、架空電線路の支線について安全率2.5以上(引留支持物に使うものは1.5以上)、素線を3条以上より合わせたものであることなどを定めている。この問題の1.5と、答が3条以上であることは、その規定に沿っている。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 法規 問11(b)
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問603.「電気設備技術基準の解釈」に基づいて,使用電圧6 600 V,周波数50 Hzの電路に使用する高圧ケーブルの絶縁耐力試験を実施する。次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 高圧ケーブルの絶縁耐力試験を行う場合の記述として,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.直流10 350 Vの試験電圧を電路と大地との間に1分間加える。
- 2.直流10 350 Vの試験電圧を電路と大地との間に連続して10分間加える。
- 3.直流20 700 Vの試験電圧を電路と大地との間に1分間加える。
- 4.直流20 700 Vの試験電圧を電路と大地との間に連続して10分間加える。
- 5.高圧ケーブルの絶縁耐力試験を直流で行うことは認められていない。
正解:4.直流20 700 Vの試験電圧を電路と大地との間に連続して10分間加える。
解説:電気設備技術基準の解釈15条により、最大使用電圧7 000 V以下の電路は、最大使用電圧の1.5倍の交流電圧を電路と大地との間に連続して10分間加えて耐えることが求められる。ケーブルを使う電路では、交流に代えてその2倍の直流電圧で試験してよいとされている。 まず最大使用電圧を出す。公称電圧6 600 Vは1 000 Vを超え500 kV未満なので 6 600×1.15/1.1=6 900 V。 交流の試験電圧は 6 900×1.5=10 350 V。 直流で行うならこの2倍で 10 350×2=20 700 V。 加える時間は交流と同じく連続して10分間である。したがって答(4)。 (2)は直流なのに交流の値10 350 Vのままにした場合、(3)は電圧は正しいが時間を1分としてしまった場合である。10分間という時間は交流でも直流でも変わらない。 (5)は誤り。ケーブルは静電容量が大きく、交流だと大きな充電電流を流すために大きな試験装置が要る。直流ならその電流が流れないので、現場ではむしろ直流試験が使われる。この問題の(b)は、あえて交流で行った場合にどれだけの容量が要るかを計算させている。 1.15/1.1という係数は、公称電圧に対する最大使用電圧の比として解釈1条に定められている。6 600 Vなら6 900 V、というのは覚えてしまってよい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 法規 問12(a)
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問604.「電気設備技術基準の解釈」に基づいて,使用電圧6 600 V,周波数50 Hzの電路に使用する高圧ケーブルの絶縁耐力試験を実施する。次の問に答えよ。 〔小問(b)〕 高圧ケーブルの絶縁耐力試験を,図のような試験回路で行う。ただし,高圧ケーブルは3線一括で試験電圧を印加するものとし,各試験機器の損失は無視する。また,被試験体の高圧ケーブルと試験用変圧器の仕様は次のとおりとする。 【高圧ケーブルの仕様】 ケーブルの種類:6 600 Vトリプレックス形架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル(CVT) 公称断面積:100 mm²,ケーブルのこう長:220 m 1線の対地静電容量:0.45 μF/km 【試験用変圧器の仕様】 定格入力電圧:AC 0-120 V,定格出力電圧:AC 0-12 000 V 入力電源周波数:50 Hz この絶縁耐力試験に必要な皮相電力の値[kV·A]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 (小問(a)より,交流で行う場合の試験電圧は10 350 Vである。)

- 1.4
- 2.6
- 3.9
- 4.10
- 5.17
正解:4.10
解説:絶縁耐力試験で流れるのは、ケーブルの対地静電容量を充電する電流である。抵抗分は無視できるので、皮相電力はそのまま試験電圧と充電電流の積になる。 まず静電容量を出す。1線あたりは 0.45 μF/km×0.22 km=0.099 μF。 3線一括で試験電圧を加えるので、3線が並列になり C=0.099×3=0.297 μF。 交流の試験電圧は小問(a)より10 350 Vである。充電電流は I=2πfCV=2π×50×0.297×10⁻⁶×10 350≒0.966 A。 皮相電力は P=VI=10 350×0.966≒9 995 V·A≒10 kV·A。答(4)。 3線一括という条件を読み落として1線分だけで計算すると 10 kV·A の1/3の約3.3 kV·Aとなり、どの選択肢にも合わない。並列にした容量はそのまま足し合わせる。 こう長220 mを0.22 kmに直すところも落としやすい。静電容量の単位がμF/kmなので、長さはkmに揃える。 なお試験用変圧器の定格出力は12 000 Vなので、10 350 Vを出すことはできる。この仕様は、試験電圧が出せるかどうかを確かめさせるために書かれている。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 法規 問12(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問605.需要家A〜Cにのみ電力を供給している変電所がある。 各需要家の設備容量と,ある1日(0〜24時)の需要率,負荷率及び需要家A〜Cの不等率を次に示す値とする。この記載に基づき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 ・需要家A:設備容量800 kW,需要率55 %,負荷率50 % ・需要家B:設備容量500 kW,需要率60 %,負荷率70 % ・需要家C:設備容量600 kW,需要率70 %,負荷率60 % ・需要家A〜Cの不等率:1.25 〔小問(a)〕 3需要家A〜Cの1日の需要電力量を合計した総需要電力量の値[kW·h]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.10 480
- 2.16 370
- 3.20 460
- 4.26 650
- 5.27 840
正解:2.16 370
解説:需要率は「最大需要電力÷設備容量」なので、まず各需要家の最大需要電力を出す。 A:800×0.55=440 kW B:500×0.60=300 kW C:600×0.70=420 kW つぎに負荷率は「平均需要電力÷最大需要電力」なので、1日の需要電力量は 最大需要電力×負荷率×24 h で求まる。 A:440×0.50×24=5 280 kW·h B:300×0.70×24=5 040 kW·h C:420×0.60×24=6 048 kW·h 合計すると 5 280+5 040+6 048=16 368 kW·h。 最も近いのは16 370で答(2)。 (5)の27 840は、負荷率を掛け忘れて最大需要電力1 160 kWが24時間続いたとした場合の値である(1 160×24=27 840)。 (3)の20 460は、正しく求めた16 368にさらに不等率1.25を掛けてしまった場合の値である(16 368×1.25=20 460)。 不等率1.25はこの小問では使わない。不等率は3需要家の最大需要が同時には起きないことを表す値で、変電所側から見た合成最大需要電力を出すときに使う。電力量の合計には関係しない。 需要率・負荷率・不等率はどれも比だが、掛ける相手が違う。需要率は設備容量に、負荷率は最大需要電力に掛け、不等率は各最大需要の和を割る。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 法規 問13(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問606.需要家A〜Cにのみ電力を供給している変電所がある。 各需要家の設備容量と,ある1日(0〜24時)の需要率,負荷率及び需要家A〜Cの不等率を次に示す値とする。この記載に基づき,次の問に答えよ。 ・需要家A:設備容量800 kW,需要率55 %,負荷率50 % ・需要家B:設備容量500 kW,需要率60 %,負荷率70 % ・需要家C:設備容量600 kW,需要率70 %,負荷率60 % ・需要家A〜Cの不等率:1.25 〔小問(b)〕 変電所から見た総合負荷率の値[%]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし,送電損失,需要家受電設備損失は無視するものとする。 (小問(a)より,3需要家の1日の総需要電力量は約16 368 kW·hである。)
- 1.42
- 2.59
- 3.62
- 4.73
- 5.80
正解:4.73
解説:総合負荷率は、変電所から見た平均需要電力を、変電所から見た合成最大需要電力で割った値である。 まず各需要家の最大需要電力を出す。 A:800×0.55=440 kW,B:500×0.60=300 kW,C:600×0.70=420 kW 和は 440+300+420=1 160 kW。 不等率は「各最大需要電力の和÷合成最大需要電力」なので、合成最大需要電力は 1 160/1.25=928 kW。 一方、変電所から見た1日の電力量は総需要電力量に等しい(送電損失を無視するため)。したがって 総合負荷率=16 368/(928×24)×100=16 368/22 272×100≒73.5 %。 最も近いのは73で答(4)。 不等率で割るのを忘れて1 160 kWのまま計算すると 16 368/(1 160×24)×100≒58.8 % となり(2)の59に落ちる。不等率は1より大きいので、割ることで合成最大需要電力は各最大需要の和より小さくなる。3軒の最大需要が同時刻に重ならないぶん、変電所が備えるべき容量は小さくてよい、という意味である。 負荷率は分母が最大需要電力で分子が平均需要電力なので、必ず100 %以下になる。求めた値が100 %を超えたら、どこかで分母と分子を取り違えている。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 法規 問13(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問607.次の文章は,「電気事業法」及び「電気事業法施行規則」に基づく主任技術者に関する記述である。 a) 主任技術者は,事業用電気工作物の工事,維持及び運用に関する保安の (ア) の職務を誠実に行わなければならない。 b) 事業用電気工作物の工事,維持及び運用に (イ) する者は,主任技術者がその保安のためにする指示に従わなければならない。 c) 第3種電気主任技術者免状の交付を受けている者が保安について (ア) をすることができる事業用電気工作物の工事,維持及び運用の範囲は,一部の水力設備,火力設備等を除き,電圧 (ウ) 万V未満の事業用電気工作物(出力 (エ) kW以上の発電所を除く。)とする。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.作業,検査等 / 従事 / 5 / 5 000
- 2.監督 / 関係 / 3 / 2 000
- 3.作業,検査等 / 関係 / 3 / 2 000
- 4.監督 / 従事 / 5 / 5 000
- 5.作業,検査等 / 従事 / 3 / 2 000
正解:4.監督 / 従事 / 5 / 5 000
解説:(ア) 電気事業法43条は主任技術者に「保安の監督」の職務を課している。主任技術者は自ら作業や検査を行う人ではなく、保安を監督する立場である。この一語で(1)(3)(5)が外れる。 (イ) 同条は「事業用電気工作物の工事、維持又は運用に従事する者は、主任技術者がその保安のためにする指示に従わなければならない」としている。「関係する者」ではなく、実際に手を動かす「従事する者」が対象である。 (ウ)(エ) 電気事業法施行規則56条の表により、第3種電気主任技術者免状で監督できるのは、一部の水力設備・火力設備等を除き、電圧5万V未満の事業用電気工作物(出力5 000 kW以上の発電所を除く)である。 監督/従事/5/5 000となり答(4)。 第1種は制限なし、第2種は電圧17万V未満、第3種は5万V未満(出力5 000 kW以上の発電所を除く)という三段構えになっている。第3種だけは電圧のほかに発電所の出力という条件も付く点が特徴である。 (イ)を「関係」としてしまうと、範囲が広すぎて条文と合わない。指示に従う義務を負うのは、その工事や運用に実際に従事している人である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 法規 問1
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問608.自家用電気工作物の事故が発生したとき,その自家用電気工作物を設置する者は,「電気関係報告規則」に基づき,自家用電気工作物の設置の場所を管轄する産業保安監督部長に報告しなければならない。次の文章は,かかる事故報告に関する記述である。 a) 感電又は電気工作物の破損若しくは電気工作物の誤操作若しくは電気工作物を操作しないことにより人が死傷した事故(死亡又は病院若しくは診療所 (ア) した場合に限る。)が発生したときは,報告をしなければならない。 b) 電気工作物の破損又は電気工作物の誤操作若しくは電気工作物を操作しないことにより, (イ) に損傷を与え,又はその機能の全部又は一部を損なわせた事故が発生したときは,報告をしなければならない。 c) 上記a)又はb)の報告は,事故の発生を知ったときから (ウ) 時間以内可能な限り速やかに電話等の方法により行うとともに,事故の発生を知った日から起算して30日以内に報告書を提出して行わなければならない。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.に入院 / 公共の財産 / 24
- 2.で治療 / 他の物件 / 48
- 3.に入院 / 公共の財産 / 48
- 4.に入院 / 他の物件 / 24
- 5.で治療 / 公共の財産 / 48
正解:4.に入院 / 他の物件 / 24
解説:(ア) 電気関係報告規則3条1項一号は「死亡又は病院若しくは診療所に入院した場合に限る」としている。通院して治療を受けただけでは報告の対象にならない。線引きを「入院したかどうか」に置いているところが要点である。 (イ) 同項の号は「他の物件に損傷を与え、又はその機能の全部又は一部を損なわせた事故」としている。公共の財産に限られてはおらず、他人の物件であれば対象になる。 (ウ) 報告は二段構えで、まず事故の発生を知ったときから24時間以内に電話等で速報し、そのうえで知った日から起算して30日以内に報告書を提出する。48時間ではない。 に入院/他の物件/24となり答(4)。 「24時間以内に速報、30日以内に報告書」はこの規則の代表的な数字で、そのまま覚えてしまってよい。速報は電話等でよく、書面は後から出す、という順序も押さえておく。 なお報告先は、自家用電気工作物の設置の場所を管轄する産業保安監督部長である。設置者の本社の所在地ではない点にも注意する。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 法規 問2
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問609.次の文章は,「電気設備技術基準」及び「電気設備技術基準の解釈」に基づく使用電圧が6 600 Vの交流電路の絶縁性能に関する記述である。 a) 電路は,大地から絶縁しなければならない。ただし,構造上やむを得ない場合であって通常予見される使用形態を考慮し危険のおそれがない場合,又は混触による高電圧の侵入等の異常が発生した際の危険を回避するための接地その他の保安上必要な措置を講ずる場合は,この限りでない。 電路と大地との間の絶縁性能は,事故時に想定される異常電圧を考慮し, (ア) による危険のおそれがないものでなければならない。 b) 電路は,絶縁できないことがやむを得ない部分及び機械器具等の電路を除き,次の①及び②のいずれかに適合する絶縁性能を有すること。 ① (イ) Vの交流試験電圧を電路と大地(多心ケーブルにあっては,心線相互間及び心線と大地との間)との間に連続して10分間加えたとき,これに耐える性能を有すること。 ② 電線にケーブルを使用する電路においては, (イ) Vの交流試験電圧の (ウ) 倍の直流電圧を電路と大地(多心ケーブルにあっては,心線相互間及び心線と大地との間)との間に連続して10分間加えたとき,これに耐える性能を有すること。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.絶縁破壊 / 9 900 / 1.5
- 2.漏えい電流 / 10 350 / 1.5
- 3.漏えい電流 / 8 250 / 2
- 4.漏えい電流 / 9 900 / 1.25
- 5.絶縁破壊 / 10 350 / 2
正解:5.絶縁破壊 / 10 350 / 2
解説:(ア) 電気設備技術基準5条2項は「電路と大地との間及び電線相互間の絶縁性能は、事故時に想定される異常電圧を考慮し、絶縁破壊による危険のおそれがないものでなければならない」としている。異常電圧を考慮するのだから、問題になるのは絶縁破壊であって漏えい電流ではない。漏えい電流が出てくるのは、低圧電路で絶縁抵抗の測定が困難な場合の代替判定(1 mA以下)である。 (イ) 電気設備技術基準の解釈15条により、最大使用電圧7 000 V以下の電路の交流試験電圧は最大使用電圧の1.5倍である。公称電圧6 600 Vの最大使用電圧は 6 600×1.15/1.1=6 900 V なので 6 900×1.5=10 350 V。 (ウ) 電線にケーブルを使う電路では、交流の試験電圧に代えてその2倍の直流電圧で試験してよい。1.5倍でも1.25倍でもない。 絶縁破壊/10 350/2となり答(5)。 (イ)の9 900は 6 600×1.5 と、公称電圧をそのまま1.5倍した値である。試験電圧は公称電圧ではなく最大使用電圧を基準にするので、まず1.15/1.1を掛けて6 900 Vにしてから1.5倍する。 ケーブルで直流を認めているのは、静電容量が大きく交流だと大きな充電電流を流す装置が要るためである。直流ならその電流が流れないので、現場では直流試験がよく使われる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 法規 問3
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問610.次の文章は,「電気設備技術基準」に基づく架空電線路からの静電誘導作用又は電磁誘導作用による感電の防止に関する記述である。 a) 特別高圧の架空電線路は, (ア) 誘導作用により弱電流電線路(電力保安通信設備を除く。)を通じて (イ) に危害を及ぼすおそれがないように施設しなければならない。 b) 特別高圧の架空電線路は,通常の使用状態において, (ウ) 誘導作用により人による感知のおそれがないよう,地表上1 mにおける電界強度が (エ) kV/m以下になるように施設しなければならない。ただし,田畑,山林その他の人の往来が少ない場所において, (イ) に危害を及ぼすおそれがないように施設する場合は,この限りでない。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.電磁 / 人体 / 静電 / 3
- 2.静電 / 人体 / 電磁 / 3
- 3.静電 / 人体 / 電磁 / 5
- 4.静電 / 取扱者 / 電磁 / 5
- 5.電磁 / 取扱者 / 静電 / 3
正解:1.電磁 / 人体 / 静電 / 3
解説:電気設備技術基準27条の条文である。二つの誘導作用がどちらの場面で出てくるかを分けて覚える。 (ア) 弱電流電線路を通じて危害が及ぶのは、電線に流れる電流がつくる磁界による電磁誘導作用である。通信線に誘導電圧が生じ、それに触れた人が感電する経路である。 (イ) 対象は「人体」である。取扱者に限らず、通信線に触れる一般の人が想定されている。 (ウ) 電線の高い電圧がつくる電界によって、その下にいる人が電気を感じるのは静電誘導作用である。地表上1 mの電界強度で規制しているのも、電界そのものを問題にしているからである。 (エ) 電界強度の上限は3 kV/mである。5 kV/mではない。 電磁/人体/静電/3となり答(1)。 (ア)と(ウ)は必ず入れ替わりの関係になる。「電流→磁界→電磁誘導→通信線」「電圧→電界→静電誘導→地表の人」と、原因から順にたどると取り違えない。 ただし書が「田畑、山林その他の人の往来が少ない場所」となっているのは、27条の2(電磁誘導作用による人の健康影響の防止)のただし書と同じ言い回しである。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 法規 問4
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問611.「電気設備技術基準の解釈」に基づく地中電線路の施設に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.地中電線路を管路式により施設する際,電線を収める管は,これに加わる車両その他の重量物の圧力に耐えるものとした。
- 2.高圧地中電線路を公道の下に管路式により施設する際,地中電線路の物件の名称,管理者名及び許容電流を2 mの間隔で表示した。
- 3.地中電線路を暗きょ式により施設する際,暗きょは,車両その他の重量物の圧力に耐えるものとした。
- 4.地中電線路を暗きょ式により施設する際,地中電線に耐燃措置を施した。
- 5.地中電線路を直接埋設式により施設する際,車両の圧力を受けるおそれがある場所であるため,地中電線の埋設深さを1.5 mとし,堅ろうなトラフに収めた。
正解:2.高圧地中電線路を公道の下に管路式により施設する際,地中電線路の物件の名称,管理者名及び許容電流を2 mの間隔で表示した。
解説:電気設備技術基準の解釈120条は、高圧又は特別高圧の地中電線路を管路式により施設する場合、需要場所に施設するものを除き「おおむね2 mの間隔で地中電線路の物件の名称、管理者名及び電圧を表示すること」と定めている。表示するのは電圧であって許容電流ではない。したがって(2)が誤りで、これが答になる。 表示の目的は、他の工事で掘り返したときに何の線かが分かるようにすることである。危険の度合いを知るには電圧が要り、許容電流を知っても掘る側の役には立たない、と考えれば筋が通る。 他の記述を確かめる。(1)管路式では、電線を収める管は車両その他の重量物の圧力に耐えるものであることが求められる。(3)暗きょ式でも同じく、暗きょが重量物の圧力に耐えることが求められる。(4)暗きょ式では、火災のときに被害が広がらないよう、地中電線に耐燃措置を施すか、暗きょに自動消火設備を施設する。(5)直接埋設式の埋設深さは、車両その他の重量物の圧力を受けるおそれがある場所では1.2 m以上、その他では0.6 m以上である。1.5 mはこれを満たしており、さらに堅ろうなトラフに収めているので適合する。 数字は「管路式の表示は2 m間隔」「直接埋設式の深さは1.2 m/0.6 m」と、施設方式ごとに整理して覚える。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 法規 問5
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問612.次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」に基づく低圧屋内配線の施設場所による工事の種類に関する記述である。 低圧屋内配線は,次の表に規定する工事のいずれかにより施設すること。ただし,ショウウィンドー又はショウケース内,粉じんの多い場所,可燃性ガス等の存在する場所,危険物等の存在する場所及び火薬庫内に低圧屋内配線を施設する場合を除く。 上記の表の空白箇所(ア)〜(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.金属線ぴ / 金属ダクト / バスダクト
- 2.金属線ぴ / バスダクト / 金属ダクト
- 3.金属ダクト / 金属線ぴ / バスダクト
- 4.金属ダクト / バスダクト / 金属線ぴ
- 5.バスダクト / 金属線ぴ / 金属ダクト
正解:1.金属線ぴ / 金属ダクト / バスダクト
解説:電気設備技術基準の解釈156条の表である。表の列は左から、がいし引き・合成樹脂管・金属管・金属可とう電線管・金属線ぴ・金属ダクト・バスダクト・ケーブル・フロアダクト・セルラダクト・ライティングダクト・平形保護層の順に並んでいる。空欄の(ア)(イ)(ウ)は5番目から7番目にあたるので、金属線ぴ・金属ダクト・バスダクトである。答(1)。 表の○印からも確かめられる。 (ア)は「展開した場所の乾燥した場所で300 V以下」と「点検できる隠ぺい場所の乾燥した場所で300 V以下」にしか○が付いていない。使える場所がいちばん狭い。金属線ぴは細い樋に電線を納めるもので、300 Vを超える電路や湿気の多い場所には使えない。 (イ)は(ア)の二つに加えて300 V超過にも○が付く。金属ダクトは金属線ぴより丈夫なので、300 Vを超えても使える。 (ウ)は(イ)の場所に加えて「展開した場所の湿気の多い場所又は水気のある場所で300 V以下」にも○が付いている。バスダクトは屋外用の形のものがあり、湿気のある展開した場所でも使える。 三つとも金属の樋やダクトに電線や導体を納める工事で、使える範囲が「金属線ぴ<金属ダクト<バスダクト」の順に広がっている。○の数を数えるだけで順序が決まる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 法規 問6
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問613.次の文章は,「電気設備技術基準」及び「電気設備技術基準の解釈」に基づく引込線に関する記述である。 a) 引込線とは, (ア) 及び需要場所の造営物の側面等に施設する電線であって,当該需要場所の (イ) に至るもの b) (ア) とは,架空電線路の支持物から (ウ) を経ずに需要場所の (エ) に至る架空電線 c) (オ) とは,引込線のうち一需要場所の引込線から分岐して,支持物を経ないで他の需要場所の (イ) に至る部分の電線 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.架空引込線 / 引込口 / 他の需要場所 / 取付け点 / 連接引込線
- 2.連接引込線 / 引込口 / 他の需要場所 / 取付け点 / 架空引込線
- 3.架空引込線 / 引込口 / 他の支持物 / 取付け点 / 連接引込線
- 4.連接引込線 / 取付け点 / 他の需要場所 / 引込口 / 架空引込線
- 5.架空引込線 / 取付け点 / 他の支持物 / 引込口 / 連接引込線
正解:3.架空引込線 / 引込口 / 他の支持物 / 取付け点 / 連接引込線
解説:三つの用語の関係を、電線がたどる順に並べて考える。 (ア) a)は引込線の定義で、その一部として空を渡ってくる部分を挙げている。これが架空引込線である。cの(オ)に連接引込線が入るので、(ア)は架空引込線に決まる。 (イ) 引込線の終点は、需要場所の引込口である。引込口は電線が建物の中へ入る場所を指す。 (ウ) 架空引込線は「架空電線路の支持物から他の支持物を経ずに」需要場所へ至る。途中に別の電柱が立っていれば、そこから先は別の区間になる。「他の需要場所」ではない。 (エ) 架空引込線の終点は取付け点である。取付け点は電線を造営物に留める場所で、そこから引込口までは造営物の側面等を伝う。この違いがa)とb)で書き分けられている。 (オ) 一つの需要場所の引込線から分岐して、支持物を経ないで隣の需要場所へ渡す電線が連接引込線である。 架空引込線/引込口/他の支持物/取付け点/連接引込線となり答(3)。 (イ)と(エ)は取り違えやすい。空を渡ってきて建物に留まるのが取付け点、そこから壁を伝って中へ入るのが引込口、と電線の道順で覚える。 連接引込線は低圧に限って認められており、幅5 mを超える道路を横断しないこと、屋内を通過しないことなどの条件がある(解釈116条)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 法規 問7
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問614.次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」に基づく特殊機器等の施設に関する記述である。 a) 遊戯用電車(遊園地の構内等において遊戯用のために施設するものであって,人や物を別の場所へ運送することを主な目的としないものをいう。)に電気を供給するために使用する変圧器は,絶縁変圧器であるとともに,その1次側の使用電圧は (ア) V以下であること。 b) 電気浴器の電源は,電気用品安全法の適用を受ける電気浴器用電源装置(内蔵されている電源変圧器の2次側電路の使用電圧が (イ) V以下のものに限る。)であること。 c) 電気自動車等(カタピラ及びそりを有する軽自動車,大型特殊自動車,小型特殊自動車並びに被牽引自動車を除く。)から供給設備(電力変換装置,保護装置等の電気自動車等から電気を供給する際に必要な設備を収めた筐体等をいう。)を介して,一般用電気工作物に電気を供給する場合,当該電気自動車等の出力は, (ウ) kW未満であること。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.300 / 10 / 10
- 2.150 / 5 / 10
- 3.300 / 5 / 20
- 4.150 / 10 / 10
- 5.300 / 10 / 20
正解:1.300 / 10 / 10
解説:(ア) 電気設備技術基準の解釈189条は、遊戯用電車に電気を供給する変圧器について、絶縁変圧器であることと1次側の使用電圧が300 V以下であることを求めている。150 Vではない。 (イ) 同解釈198条は、電気浴器用電源装置の2次側電路の使用電圧を10 V以下としている。人が湯に浸かった状態で電気を通すので、他の規定よりずっと低い値になっている。 (ウ) 同解釈199条の2は、電気自動車等から供給設備を介して一般用電気工作物に電気を供給する場合、電気自動車等の出力を10 kW未満としている。10 kW以上になると一般用電気工作物の枠を超えるためである。 300/10/10となり答(1)。 三つの数字はいずれも「人が触れる危険の度合い」と「制度の区分」から決まっている。遊戯用電車は屋外の設備なので300 V、電気浴器は人が水中で触れるので10 V、電気自動車は一般用電気工作物の上限に合わせて10 kW未満、と結びつけて覚える。 (ウ)の10 kWは、太陽電池発電設備が一般用電気工作物として扱われる出力の区切りとも同じ考え方である(小規模事業用電気工作物の区分が設けられた現在は10 kW以上50 kW未満の扱いが変わっているが、この問題は令和2年4月1日現在の法令に基づく)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 法規 問8
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問615.次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」における配線器具の施設に関する記述の一部である。 低圧用の配線器具は,次により施設すること。 a) (ア) ように施設すること。ただし,取扱者以外の者が出入りできないように措置した場所に施設する場合は,この限りでない。 b) 湿気の多い場所又は水気のある場所に施設する場合は,防湿装置を施すこと。 c) 配線器具に電線を接続する場合は,ねじ止めその他これと同等以上の効力のある方法により,堅ろうに,かつ,電気的に完全に接続するとともに,接続点に (イ) が加わらないようにすること。 d) 屋外において電気機械器具に施設する開閉器,接続器,点滅器その他の器具は, (ウ) おそれがある場合には,これに堅ろうな防護装置を施すこと。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.充電部分が露出しない / 張力 / 感電の
- 2.取扱者以外の者が容易に開けることができない / 異常電圧 / 損傷を受ける
- 3.取扱者以外の者が容易に開けることができない / 張力 / 感電の
- 4.取扱者以外の者が容易に開けることができない / 異常電圧 / 感電の
- 5.充電部分が露出しない / 張力 / 損傷を受ける
正解:5.充電部分が露出しない / 張力 / 損傷を受ける
解説:電気設備技術基準の解釈150条(配線器具の施設)の条文である。 (ア) 「充電部分が露出しないように施設すること」である。ただし書が「取扱者以外の者が出入りできないように措置した場所」を除外していることからも分かる。取扱者しか入れない場所なら露出していても構わない、という趣旨なので、本文は露出そのものを禁じているはずである。「取扱者以外の者が容易に開けることができない」を(ア)に入れると、ただし書と意味が重なってしまう。 (イ) 接続点に加わってはいけないのは張力である。電線を引っ張る力が接続点にかかると、時間とともに接触が緩んで発熱や断線につながる。異常電圧は接続の仕方で防げるものではない。 (ウ) 屋外の器具に防護装置を施すのは、損傷を受けるおそれがある場合である。感電を防ぐための規定は(ア)がすでに受け持っている。 充電部分が露出しない/張力/損傷を受けるとなり答(5)。 (ア)とただし書の関係を読むのが決め手になる。ただし書は本文の例外なので、本文はただし書より広い禁止でなければならない。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 法規 問9
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問616.次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」に基づく分散型電源の高圧連系時の系統連系用保護装置に関する記述である。 高圧の電力系統に分散型電源を連系する場合は,次により,異常時に分散型電源を自動的に解列するための装置を施設すること。 a) 次に掲げる異常を保護リレー等により検出し,分散型電源を自動的に解列すること。 ① 分散型電源の異常又は故障 ② 連系している電力系統の (ア) ③ 分散型電源の単独運転 b) (イ) が運用する電力系統において再閉路が行われる場合は,当該再閉路時に,分散型電源が当該電力系統から解列されていること。 c) 「逆変換装置を用いて連系する場合」において,「逆潮流有りの場合」の保護リレー等は,次によること。 次の表に規定する保護リレー等を受電点その他故障の検出が可能な場所に設置すること。 【表】検出する異常 → 保護リレー等の種類 ・発電電圧異常上昇 → 過電圧リレー ・発電電圧異常低下 → 不足電圧リレー ・系統側短絡事故 → 不足電圧リレー ・系統側地絡事故 → (ウ) リレー ・単独運転 → 周波数上昇リレー/周波数低下リレー/転送遮断装置又は単独運転検出装置 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.短絡事故又は地絡事故 / 一般送配電事業者 / 欠相
- 2.短絡事故又は地絡事故 / 発電事業者 / 地絡過電圧
- 3.高低圧混触事故 / 一般送配電事業者 / 地絡過電圧
- 4.高低圧混触事故 / 発電事業者 / 欠相
- 5.短絡事故又は地絡事故 / 一般送配電事業者 / 地絡過電圧
正解:5.短絡事故又は地絡事故 / 一般送配電事業者 / 地絡過電圧
解説:電気設備技術基準の解釈229条(高圧連系時の系統連系用保護装置)の条文である。 (ア) 検出すべき異常は「連系している電力系統の短絡事故又は地絡事故」である。高低圧混触事故は柱上変圧器で高圧と低圧が触れる事故で、ここで挙げられている系統側の事故の型ではない。 (イ) 電力系統を運用して再閉路を行うのは一般送配電事業者である。発電事業者は発電所を運転する立場で、配電線の再閉路を行う主体ではない。再閉路の瞬間に分散型電源が残っていると、位相の合わないまま投入されて機器を壊すので、それまでに解列しておくことが求められる。 (ウ) 系統側の地絡事故を検出するのは地絡過電圧リレー(OVGR)である。地絡が起きると系統の零相電圧が上がるので、それを見て検出する。欠相リレーは相が欠けたことを見るもので、地絡の検出には使わない。 短絡事故又は地絡事故/一般送配電事業者/地絡過電圧となり答(5)。 表の並びにも意味がある。系統側短絡事故を不足電圧リレーで見るのは、短絡すると電圧が下がるからである。系統側地絡事故は電圧が下がるとは限らず、零相電圧が現れるので、別のリレーが要る。この対比を押さえると(ウ)は迷わない。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 法規 問10
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問617.電気工作物に起因する供給支障事故について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 次の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 ① 電気事業法第39条(事業用電気工作物の維持)において,事業用電気工作物の損壊により (ア) 者の電気の供給に著しい支障を及ぼさないようにすることが規定されている。 ② 「電気関係報告規則」において, (イ) を設置する者は, (ア) の用に供する電気工作物と電気的に接続されている電圧 (ウ) V以上の (イ) の破損又は (イ) の誤操作若しくは (イ) を操作しないことにより (ア) 者に供給支障を発生させた場合,電気工作物の設置の場所を管轄する産業保安監督部長に事故報告をしなければならないことが規定されている。 ③ 図1に示す高圧配電系統により高圧需要家が受電している。事故点1,事故点2又は事故点3のいずれかで短絡等により高圧配電系統に供給支障が発した場合,②の報告対象となるのは (エ) である。

- 1.一般送配電事業 / 自家用電気工作物 / 6 000 / 事故点1又は事故点2
- 2.送電事業 / 事業用電気工作物 / 3 000 / 事故点1又は事故点3
- 3.一般送配電事業 / 事業用電気工作物 / 6 000 / 事故点2又は事故点3
- 4.送電事業 / 事業用電気工作物 / 6 000 / 事故点1又は事故点2
- 5.一般送配電事業 / 自家用電気工作物 / 3 000 / 事故点2又は事故点3
正解:5.一般送配電事業 / 自家用電気工作物 / 3 000 / 事故点2又は事故点3
解説:(ア) 電気事業法39条は、事業用電気工作物の損壊により一般送配電事業者の電気の供給に著しい支障を及ぼさないようにすることを求めている。送電事業ではない。配電線を通じて他の需要家へ電気を送っているのは一般送配電事業者だからである。 (イ) 電気関係報告規則3条は「自家用電気工作物を設置する者は…」と書き起こしている。事業用電気工作物という広い言い方ではなく、自家用電気工作物に限っている。 (ウ) 対象は電圧3 000 V以上の自家用電気工作物である。6 600 Vの高圧受電はもちろん含まれる。6 000 Vではない。 (エ) 図1で保安上の責任分界点は事故点1のすぐ先にあり、事故点1は一般送配電事業者側、事故点2と事故点3は高圧需要家の自家用電気工作物の側にある。②の報告は「自家用電気工作物が原因で一般送配電事業者に供給支障を発生させた場合」なので、報告対象になるのは事故点2又は事故点3である。事故点1は一般送配電事業者自身の設備の事故なので、需要家が報告する話ではない。 一般送配電事業/自家用電気工作物/3 000/事故点2又は事故点3となり答(5)。 3 000 Vという数字は、高圧の下限6 600 Vより低く設定されている。高圧受電の需要家はすべて対象になる、という押さえ方でよい。 責任分界点がどこにあるかを図で確かめることが(エ)の決め手になる。分界点より需要家側で起きた事故だけが、需要家の報告対象になる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 法規 問11(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問618.電気工作物に起因する供給支障事故について,次の問に答えよ。図1は高圧配電系統図,図2は過電流継電器の連動遮断特性,図3は地絡継電器の連動遮断特性である。 〔小問(b)〕 次の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 ① 受電設備を含む配電系統において,過負荷又は短絡あるいは地絡が生じたとき,供給支障の拡大を防ぐため,事故点直近上位の遮断器のみが動作し,他の遮断器は動作しないとき,これらの遮断器の間では (ア) がとられているという。 ② 図2は,図1の高圧需要家の事故点2又は事故点3で短絡が発生した場合の過電流と遮断器(遮断器A及び遮断器B)の継電器動作時間の関係を示したものである。 (ア) がとられている場合,遮断器Bの継電器動作特性曲線は, (イ) である。 ③ 図3は,図1の高圧需要家の事故点2で地絡が発生した場合の零相電流と遮断器(遮断器A及び遮断器B)の継電器動作時間の関係を示したものである。 (ア) がとられている場合,遮断器Bの継電器動作特性曲線は, (ウ) である。また,地絡の発生箇所が零相変流器より負荷側か電源側かを判別するため (エ) の使用が推奨されている。

- 1.同期協調 / 曲線2 / 曲線3 / 地絡距離継電器
- 2.同期協調 / 曲線1 / 曲線3 / 地絡方向継電器
- 3.保護協調 / 曲線1 / 曲線4 / 地絡距離継電器
- 4.保護協調 / 曲線2 / 曲線4 / 地絡方向継電器
- 5.保護協調 / 曲線2 / 曲線3 / 地絡距離継電器
正解:4.保護協調 / 曲線2 / 曲線4 / 地絡方向継電器
解説:(ア) 事故点にいちばん近い上位の遮断器だけが動作し、それより上位は動作しない、という関係を保護協調という。同期協調という用語は無い。 (イ)(ウ) 遮断器Bは需要家の受電点にあり、遮断器Aは配電用変電所にある。事故点2・事故点3はどちらも遮断器Bより負荷側なので、Bが先に動かなければならない。同じ電流に対して動作時間が短いほう、すなわちグラフで下側にある曲線が遮断器Bの特性である。 図2では曲線2が曲線1より下にあるので、遮断器Bは曲線2。 図3では曲線4が曲線3より下にあるので、遮断器Bは曲線4。 どちらも「下が下位の遮断器」と読めばよい。 (エ) 零相変流器を通る零相電流は、地絡が自分の負荷側で起きても電源側(他の需要家側)で起きても流れる。どちらで起きたかを見分けるには、零相電圧との位相関係を見る必要があり、それを行うのが地絡方向継電器(DGR)である。地絡距離継電器という機器はこの用途では出てこない。 保護協調/曲線2/曲線4/地絡方向継電器となり答(4)。 (エ)がなぜ要るかを押さえておく。地絡方向継電器を使わないと、同じ配電線につながる他の需要家で起きた地絡(もらい事故)でも自分の遮断器が動いてしまい、無用の停電を招く。高圧受電設備でDGR付きの地絡保護が推奨されるのはこのためである。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 法規 問11(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問619.次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」に基づく変圧器の電路の絶縁耐力試験に関する記述である。 変圧器(放電灯用変圧器,エックス線管用変圧器等の変圧器,及び特殊用途のものを除く。)の電路は,次のいずれかに適合する絶縁性能を有すること。 ① 表の中欄に規定する試験電圧を,同表の右欄で規定する試験方法で加えたとき,これに耐える性能を有すること。 ② 日本電気技術規格委員会規格 JESC E7001(2018)「電路の絶縁耐力の確認方法」の「3.2 変圧器の電路の絶縁耐力の確認方法」により絶縁耐力を確認したものであること。 上記の記述に関して,次の問に答えよ。 〔小問(a)〕 表中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.(ア) 6 900 / (イ) 1.1 / (ウ) 500 / (エ) 1.25
- 2.(ア) 6 950 / (イ) 1.25 / (ウ) 600 / (エ) 1.5
- 3.(ア) 7 000 / (イ) 1.5 / (ウ) 600 / (エ) 1.25
- 4.(ア) 7 000 / (イ) 1.5 / (ウ) 500 / (エ) 1.25
- 5.(ア) 7 200 / (イ) 1.75 / (ウ) 500 / (エ) 1.75
正解:4.(ア) 7 000 / (イ) 1.5 / (ウ) 500 / (エ) 1.25
解説:電気設備技術基準の解釈16条の表である。 (ア) 表の区分の境目は7 000 Vである。これは電気設備技術基準が定める高圧と特別高圧の境目(交流7 000 V)と同じで、絶縁耐力の規定もここで段が変わる。6 900 Vは公称電圧6 600 Vの最大使用電圧であって、区分の境目ではない。 (イ) 最大使用電圧7 000 V以下の試験電圧は、最大使用電圧の1.5倍である。 (ウ) その値が500 V未満となる場合は500 Vとする、という下限が付いている。低い電圧の変圧器でも最低500 Vはかける、という趣旨である。 (エ) 7 000 Vを超え60 000 V以下で、中性点接地式電路に接続する15 000 V以下のもの以外は、最大使用電圧の1.25倍である。こちらには10 500 Vという下限が付いている。 7 000/1.5/500/1.25となり答(4)。 倍率は「7 000 V以下が1.5倍、それを超えると1.25倍」と、電圧が高いほど倍率が下がる。高い電圧の設備にそのまま1.5倍をかけると過酷になりすぎるためである。中性点接地式で15 000 V以下のものが0.92倍とさらに低いのも同じ考え方で、中性点が接地されていて対地電圧が上がりにくいことを見込んでいる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 法規 問12(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問620.次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」に基づく変圧器の電路の絶縁耐力試験に関する記述である。 変圧器(放電灯用変圧器,エックス線管用変圧器等の変圧器,及び特殊用途のものを除く。)の電路は,次のいずれかに適合する絶縁性能を有すること。 ① 表の中欄に規定する試験電圧を,同表の右欄で規定する試験方法で加えたとき,これに耐える性能を有すること。 ② 日本電気技術規格委員会規格 JESC E7001(2018)「電路の絶縁耐力の確認方法」の「3.2 変圧器の電路の絶縁耐力の確認方法」により絶縁耐力を確認したものであること。 上記の記述に関して,次の問に答えよ。 〔小問(b)〕 公称電圧22 000 Vの電線路に接続して使用される受電用変圧器の絶縁耐力試験を,表の記載に基づき実施する場合の試験電圧の値[V]として,最も近いものを次の(1)〜(5)から一つ選べ。 (小問(a)より,表の空欄は(ア)7 000,(イ)1.5,(ウ)500,(エ)1.25である。)

- 1.28 750
- 2.30 250
- 3.34 500
- 4.36 300
- 5.38 500
正解:1.28 750
解説:まず公称電圧から最大使用電圧を求める。1 000 Vを超え500 kV未満の電路では 最大使用電圧=公称電圧×1.15/1.1 なので 22 000×1.15/1.1=23 000 V。 つぎに表のどの区分に当たるかを見る。23 000 Vは7 000 Vを超え60 000 V以下である。この区分のうち0.92倍が適用されるのは「最大使用電圧が15 000 V以下であって、中性線に多重接地する中性点接地式電路に接続するもの」に限られる。23 000 Vは15 000 Vを超えているので当てはまらず、「上記以外のもの」として1.25倍になる。 試験電圧は 23 000×1.25=28 750 V。 10 500 V未満という下限には引っかからない。答(1)。 (2)の30 250は、最大使用電圧に直さず 22 000×1.25×1.1 のように係数を取り違えた場合などに出る値である。まず1.15/1.1を掛けて23 000 Vにする、という一手を飛ばさないこと。 (3)の34 500は 23 000×1.5 で、7 000 V以下の区分の倍率を当てはめてしまった場合の値である。区分を先に決めてから倍率を選ぶ。 1.15/1.1という係数は覚えてしまってよい。6 600 V→6 900 V、22 000 V→23 000 V、66 000 V→69 000 Vと、公称電圧に対する最大使用電圧はよく出てくる組合せである。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 法規 問12(b)
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問621.図に示すように,高調波発生機器と高圧進相コンデンサ設備を設置した高圧需要家が配電線インピーダンスZ_Sを介して6.6 kV配電系統から受電しているとする。 コンデンサ設備は直列リアクトルSR及びコンデンサSCで構成されているとし,高調波発生機器からは第5次高調波電流I₅が発生するものとして,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 ただし,Z_S,SR,SCの基本波周波数に対するそれぞれのインピーダンス Ż_S1,Ż_SR1,Ż_SC1 の値は次のとおりとする。 Ż_S1=j4.4 Ω,Ż_SR1=j33 Ω,Ż_SC1=−j545 Ω 〔小問(a)〕 系統に流出する高調波電流は高調波に対するコンデンサ設備インピーダンスと配電線インピーダンスの値により決まる。 Z_S,SR,SCの第5次高調波に対するそれぞれのインピーダンス Ż_S5,Ż_SR5,Ż_SC5 の値[Ω]の組合せとして,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.Ż_S5=j22 / Ż_SR5=j165 / Ż_SC5=−j2 725
- 2.Ż_S5=j9.8 / Ż_SR5=j73.8 / Ż_SC5=−j1 218.7
- 3.Ż_S5=j9.8 / Ż_SR5=j73.8 / Ż_SC5=−j243.7
- 4.Ż_S5=j110 / Ż_SR5=j825 / Ż_SC5=−j21.8
- 5.Ż_S5=j22 / Ż_SR5=j165 / Ż_SC5=−j109
正解:5.Ż_S5=j22 / Ż_SR5=j165 / Ż_SC5=−j109
解説:周波数がn倍になると、誘導性リアクタンスはn倍、容量性リアクタンスは1/nになる。 誘導性は X_L=ωL=2πfL なので周波数に比例する。 容量性は X_C=1/(ωC)=1/(2πfC) なので周波数に反比例する。 第5次高調波なのでn=5とすると Ż_S5=j4.4×5=j22 Ω(配電線は誘導性) Ż_SR5=j33×5=j165 Ω(直列リアクトルは誘導性) Ż_SC5=−j545/5=−j109 Ω(コンデンサは容量性) となり答(5)。 (1)は容量性も5倍してしまった場合(545×5=2 725)である。誘導性と容量性で向きが逆になることがこの小問の要点で、片方だけ1/5にする。 (2)(3)は √5≒2.24 で割ったり掛けたりした場合の値に近い。リアクタンスは周波数に比例(または反比例)するのであって、平方根は出てこない。 第5次でのコンデンサ設備全体(SRとSCの直列)のインピーダンスは j165−j109=j56 Ω となり、誘導性になる。直列リアクトルを入れておくと、第5次高調波に対してコンデンサ設備が誘導性になり、系統と共振しない。これが直列リアクトルを付ける理由で、小問(b)の計算にもこの j56 Ω を使う。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 法規 問13(a)
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問622.図に示すように,高調波発生機器と高圧進相コンデンサ設備を設置した高圧需要家が配電線インピーダンスZ_Sを介して6.6 kV配電系統から受電しているとする。 コンデンサ設備は直列リアクトルSR及びコンデンサSCで構成されているとし,高調波発生機器からは第5次高調波電流I₅が発生するものとして,次の問に答えよ。 ただし,Z_S,SR,SCの基本波周波数に対するそれぞれのインピーダンス Ż_S1,Ż_SR1,Ż_SC1 の値は次のとおりとする。 Ż_S1=j4.4 Ω,Ż_SR1=j33 Ω,Ż_SC1=−j545 Ω 〔小問(b)〕 「高圧又は特別高圧で受電する需要家の高調波抑制対策ガイドライン」では需要家から系統に流出する高調波電流の上限値が示されており,6.6 kV系統への第5次高調波の流出電流上限値は契約電力1 kW当たり3.5 mAとなっている。 今,需要家の契約電力が250 kWとし,上記ガイドラインに従うものとする。 このとき,高調波発生機器から発生する第5次高調波電流I₅の上限値(6.6 kV配電系統換算値)の値[A]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 ただし,高調波発生機器からの高調波は第5次高調波電流のみとし,その他の高調波及び記載以外のインピーダンスは無視するものとする。 なお,上記ガイドラインの実際の適用に当たっては,需要形態による適用緩和措置,高調波発生機器の種類,稼働率などを考慮する必要があるが,ここではこれらは考慮せず流出電流上限値のみを適用するものとする。 (小問(a)より,第5次高調波に対して Ż_S5=j22 Ω,Ż_SR5=j165 Ω,Ż_SC5=−j109 Ω である。)

- 1.0.6
- 2.0.8
- 3.1.0
- 4.1.2
- 5.2.2
正解:4.1.2
解説:まずガイドラインから、系統へ流してよい第5次高調波電流の上限を求める。 250 kW×3.5 mA/kW=875 mA=0.875 A。 つぎに、高調波発生機器から出た電流I₅がどう分かれるかを見る。I₅は受電点で二手に分かれ、一方はコンデンサ設備(SRとSCの直列)へ、他方は配電線インピーダンスを通って系統へ流れる。並列に分かれるので、電流は相手のインピーダンスに比例して分配される。 コンデンサ設備の第5次インピーダンスは j165−j109=j56 Ω 配電線側は j22 Ω したがって系統へ流れる分は I_系統=I₅×56/(56+22)=I₅×56/78≒0.718 I₅。 これが0.875 A以下でなければならないから I₅≦0.875/0.718≒1.22 A。 最も近いのは1.2で答(4)。 分流の比を逆に取ると I₅×22/78≒0.282 I₅ となり、上限は 0.875/0.282≒3.1 A になってしまう。並列回路では「電流は相手側のインピーダンスに比例して分かれる」——自分の側のインピーダンスが小さいほど多く流れる、という向きを確かめる。 コンデンサ設備のインピーダンスが j56 Ω と系統側の j22 Ω より大きいので、高調波の7割強は系統へ出ていくことになる。直列リアクトルを入れて誘導性にしてあるおかげで共振は避けられているが、高調波を吸い込む働きまでは期待できない、ということでもある。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 法規 問13(b)
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問623.次の文章は,「電気事業法」に基づく電気事業に関する記述である。 a 小売供給とは, (ア) の需要に応じ電気を供給することをいい,小売電気事業を営もうとする者は,経済産業大臣の (イ) を受けなければならない。小売電気事業者は,正当な理由がある場合を除き,その小売供給の相手方の電気の需要に応ずるために必要な (ウ) 能力を確保しなければならない。 b 一般送配電事業とは,自らの送配電設備により,その供給区域において, (エ) 供給及び電力量調整供給を行う事業をいい,その供給区域における最終保障供給及び離島の需要家への離島供給を含む。一般送配電事業を営もうとする者は,経済産業大臣の (オ) を受けなければならない。 上記の記述中の空白箇所(ア),(イ),(ウ),(エ)及び(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.一般 / 登録 / 供給 / 託送 / 許可
- 2.特定 / 許可 / 発電 / 特定卸 / 認可
- 3.一般 / 登録 / 発電 / 特定卸 / 許可
- 4.一般 / 許可 / 供給 / 特定卸 / 認可
- 5.特定 / 登録 / 供給 / 託送 / 認可
正解:1.一般 / 登録 / 供給 / 託送 / 許可
解説:(ア) 小売供給は「一般の需要に応じ電気を供給すること」である。相手を限らず広く需要に応じる、という意味で「一般」が入る。特定の需要に応じるのは特定卸供給など別の類型である。 (イ) 小売電気事業を営むには経済産業大臣の登録を受ける。小売は2016年の全面自由化で参入が自由になった分野で、参入の枠は登録である。許可より緩い。 (ウ) 小売電気事業者に求められるのは供給能力の確保である。自分で発電する必要はなく、市場や他社から調達してもよい。 (エ) 一般送配電事業は、自らの送配電設備により託送供給及び電力量調整供給を行う事業である。託送供給とは、他社の電気を自分の送配電網で運ぶことをいう。 (オ) 一般送配電事業を営むには経済産業大臣の許可を受ける。送配電網は地域に一つしかない設備なので、参入は厳しく管理される。 一般/登録/供給/託送/許可となり答(1)。 (イ)と(オ)の対比がこの問題の要である。小売は登録、一般送配電は許可。自由化された分野は登録、独占的な設備を持つ分野は許可、と覚える。発電事業は届出である。 参入規制の強さは 許可>登録>届出 の順になっている。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 法規 問1
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問624.次の文章は,「電気事業法」及び「電気事業法施行規則」に基づき,事業用電気工作物を設置する者が行う検査に関しての記述である。 a (ア) 以上の需要設備を設置する者は,主務省令で定めるところにより,その使用の開始前に,当該事業用電気工作物について自主検査を行い,その結果を記録し,これを保存しなければならない。(以下,この検査を使用前自主検査という。) b 使用前自主検査においては,その事業用電気工作物が次の①及び②のいずれにも適合していることを確認しなければならない。 ① その工事が電気事業法の規定による (イ) をした工事の計画に従って行われたものであること。 ② 電気設備技術基準に適合するものであること。 c 使用前自主検査を行う事業用電気工作物を設置する者は,使用前自主検査に係る体制について, (ウ) が行う審査を受けなければならない。この審査は,事業用電気工作物の (エ) を旨として,使用前自主検査の実施に係る組織,検査の方法,工程管理その他主務省令で定める事項について行う。 上記の記述中の空白箇所(ア),(イ),(ウ)及び(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.受電電圧1万V / 申請 / 電気主任技術者 / 安全管理
- 2.容量2 000 kW / 届出 / 主務大臣 / 自己確認
- 3.受電電圧1万V / 届出 / 主務大臣 / 安全管理
- 4.容量2 000 kW / 申請 / 電気主任技術者 / 自己確認
- 5.容量2 000 kW / 申請 / 主務大臣 / 安全管理
正解:3.受電電圧1万V / 届出 / 主務大臣 / 安全管理
解説:(ア) 使用前自主検査の対象となる需要設備は、受電電圧1万V以上のものである。電気事業法施行規則の別表で工事計画の届出が必要な需要設備として定められている区分と同じで、容量ではなく受電電圧で線を引いている。 (イ) 電気事業法48条は、一定の工事について工事計画の届出を求めている。申請ではなく届出である。届出は「あらかじめ知らせる」もので、認めてもらう必要はない。 (ウ) 使用前自主検査に係る体制の審査を行うのは主務大臣である。実務では登録安全管理審査機関が代行するが、条文上の主体は主務大臣である。電気主任技術者は事業者側の人なので、自分の体制を自分で審査することにはならない。 (エ) 審査は「事業用電気工作物の安全管理を旨として」行われる。自己確認は、電気事業法51条の2に定める別の制度(太陽電池発電設備などについて技術基準への適合を自ら確認する)で、ここでの語ではない。 受電電圧1万V/届出/主務大臣/安全管理となり答(3)。 使用前自主検査は「工事計画を届け出た設備について、使えるようになる前に自分で検査し、その体制を国が審査する」という三段構えになっている。届出・自主検査・体制審査の三つの言葉の関係を押さえると迷わない。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 法規 問2
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問625.「電気設備技術基準」の総則における記述の一部として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.電気設備は,感電,火災その他人体に危害を及ぼし,又は物件に損傷を与えるおそれがないように施設しなければならない。
- 2.電路は,大地から絶縁しなければならない。ただし,構造上やむを得ない場合であって通常予見される使用形態を考慮し危険のおそれがない場合,又は落雷による高電圧の侵入等の異常が発生した際の危険を回避するための接地その他の便宜上必要な措置を講ずる場合は,この限りでない。
- 3.電路に施設する電気機械器具は,通常の使用状態においてその電気機械器具に発生する熱に耐えるものでなければならない。
- 4.電気設備は,他の電気設備その他の物件の機能に電気的又は磁気的な障害を与えないように施設しなければならない。
- 5.高圧又は特別高圧の電気設備は,その損壊により一般送配電事業者の電気の供給に著しい支障を及ぼさないように施設しなければならない。
正解:2.電路は,大地から絶縁しなければならない。ただし,構造上やむを得ない場合であって通常予見される使用形態を考慮し危険のおそれがない場合,又は落雷による高電圧の侵入等の異常が発生した際の危険を回避するための接地その他の便宜上必要な措置を講ずる場合は,この限りでない。
解説:電気設備技術基準5条1項のただし書は「異常が発生した際の危険を回避するための接地その他の保安上必要な措置を講ずる場合は、この限りでない」である。設問は「便宜上必要な措置」としており、ここが誤っている。したがって(2)が答になる。 一文字違いだが意味は大きく変わる。接地を認めるのは安全のためであって、都合がよいからではない。中性点接地や避雷器の接地は、異常電圧が入ったときに人と設備を守るために行うもので、あくまで保安上の措置である。 他の記述を確かめる。(1)4条(電気設備における感電、火災等の防止)。(3)8条(電気機械器具の熱的強度)で、通常の使用状態で発生する熱に耐えることを求めている。(4)16条(電気設備の電気的、磁気的障害の防止)。(5)18条(電気設備による供給支障の防止)で、需要家の設備が壊れて一般送配電事業者の供給に支障を与えないようにする、という趣旨である。 電技の総則は条文が短く、言葉が一つ差し替えられる形で出題されやすい。「保安上」「技術上」「便宜上」のような似た言い回しに注意する。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 法規 問3
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問626.次の文章は,「電気設備技術基準」に基づく支持物の倒壊の防止に関する記述の一部である。 架空電線路又は架空電車線路の支持物の材料及び構造(支線を施設する場合は,当該支線に係るものを含む。)は,その支持物が支持する電線等による (ア) ,風速 (イ) m/s の風圧荷重及び当該設置場所において通常想定される (ウ) の変化,振動,衝撃その他の外部環境の影響を考慮し,倒壊のおそれがないよう,安全なものでなければならない。ただし,人家が多く連なっている場所に施設する架空電線路にあっては,その施設場所を考慮して施設する場合は,風速 (イ) m/s の風圧荷重の (エ) の風圧荷重を考慮して施設することができる。 上記の記述中の空白箇所(ア),(イ),(ウ)及び(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.引張荷重 / 60 / 温度 / 3分の2
- 2.重量荷重 / 60 / 気象 / 3分の2
- 3.引張荷重 / 40 / 気象 / 2分の1
- 4.重量荷重 / 60 / 温度 / 2分の1
- 5.重量荷重 / 40 / 気象 / 2分の1
正解:3.引張荷重 / 40 / 気象 / 2分の1
解説:電気設備技術基準32条(支持物の倒壊の防止)の条文である。 (ア) 支持物を倒そうとするのは、電線が横に引っ張る力である。したがって引張荷重。重量荷重は電線の重さで下向きに押す力で、倒壊とは結びつかない。 (イ) 風速40 m/sである。これは日本で通常想定される最大級の風速として定められた値で、電技の各所で共通して使われる。60 m/sではない。 (ウ) 通常想定されるのは気象の変化である。温度だけでなく、風・雪・氷など気象全般を指す。 (エ) 人家が多く連なっている場所では、風が建物にさえぎられて弱まるので、40 m/sの風圧荷重の2分の1を考慮すればよいとされている。 引張荷重/40/気象/2分の1となり答(3)。 40 m/sという数値は覚えてしまってよい。電気設備技術基準の解釈58条が定める甲種風圧荷重も、この風速40 m/sを前提に「電線1 m²あたり980 Pa」などと決められている。 人家が多く連なっている場所での2分の1は、解釈58条2項でも同じ扱いになっている。省令と解釈で数字がそろっていることを確かめておくと記憶が固まる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 法規 問4
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問627.次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」に基づく低圧配線及び高圧配線の施設に関する記述である。 a ケーブル工事により施設する低圧配線が,弱電流電線又は水管,ガス管若しくはこれらに類するもの(以下,「水管等」という。)と接近し又は交差する場合は,低圧配線が弱電流電線又は水管等と (ア) 施設すること。 b 高圧屋内配線工事は,がいし引き工事(乾燥した場所であって (イ) した場所に限る。)又は (ウ) により施設すること。 上記の記述中の空白箇所(ア),(イ)及び(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.接触しないように / 隠ぺい / ケーブル工事
- 2.の離隔距離を10 cm以上となるように / 展開 / 金属管工事
- 3.の離隔距離を10 cm以上となるように / 隠ぺい / ケーブル工事
- 4.接触しないように / 展開 / ケーブル工事
- 5.接触しないように / 隠ぺい / 金属管工事
正解:4.接触しないように / 展開 / ケーブル工事
解説:(ア) ケーブルは絶縁物とシースで覆われているので、弱電流電線や水管等と触れなければよい。求められるのは「接触しないように施設すること」で、離隔距離の数値までは定められていない。離隔距離が定められるのは、がいし引き工事のように電線がむき出しになる工事のほうである。 (イ)(ウ) 高圧屋内配線は、原則としてケーブル工事による。がいし引き工事も使えるが、乾燥した場所であって展開した場所に限られる。高圧の電線がむき出しになる工事なので、目の届く場所でしか認めない、という趣旨である。隠ぺい場所では点検できないので使えない。 金属管工事は低圧屋内配線の工事方法で、高圧屋内配線には使えない。 接触しないように/展開/ケーブル工事となり答(4)。 「展開した場所」とは、点検できるかどうかではなく、電線が露出して見える場所という意味である。天井裏や壁の中は隠ぺい場所で、点検できる隠ぺい場所であってもがいし引きの高圧配線は認められない。 高圧はケーブル工事が原則、と押さえておけば(2)(5)は外せる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 法規 問5
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問628.次の文章は,接地工事に関する工事例である。「電気設備技術基準の解釈」に基づき正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.C種接地工事を施す金属体と大地との間の電気抵抗値が80 Ωであったので,C種接地工事を省略した。
- 2.D種接地工事の接地抵抗値を測定したところ1 200 Ωであったので,低圧電路において地絡を生じた場合に0.5秒以内に当該電路を自動的に遮断する装置を施設することとした。
- 3.D種接地工事に使用する接地線に直径1.2 mmの軟銅線を使用した。
- 4.鉄骨造の建物において,当該建物の鉄骨を,D種接地工事の接地極に使用するため,建物の鉄骨の一部を地中に埋設するとともに,等電位ボンディングを施した。
- 5.地中に埋設され,かつ,大地との間の電気抵抗値が5 Ω以下の値を保っている金属製水道管路を,C種接地工事の接地極に使用した。
正解:4.鉄骨造の建物において,当該建物の鉄骨を,D種接地工事の接地極に使用するため,建物の鉄骨の一部を地中に埋設するとともに,等電位ボンディングを施した。
解説:電気設備技術基準の解釈17条・18条の数値を一つずつ当てる問題である。 (4)が正しい。解釈18条は、鉄骨造・鉄骨鉄筋コンクリート造の建物について、鉄骨等の一部を地中に埋設するとともに等電位ボンディングを施すなどの条件を満たせば、その鉄骨等をA種・B種・C種・D種の接地極に使用できるとしている。 他の記述の誤りを確かめる。 (1) C種接地工事を省略できるのは、接地する金属体と大地との間の電気抵抗値が10 Ω以下の場合である。80 Ωでは省略できない。(D種なら100 Ω以下で省略できる。) (2) D種接地工事の接地抵抗値は100 Ω以下。地絡時に0.5秒以内に自動遮断する装置を施設する場合でも500 Ω以下までしか緩和されない。1 200 Ωは超えている。 (3) D種接地工事の接地線は直径1.6 mm以上の軟銅線でなければならない。1.2 mmでは細すぎる。 (5) 金属製水道管路を接地極に使用できるのは、大地との間の電気抵抗値が3 Ω以下の場合である。5 Ωでは使えない。 数値は「10(C種省略)」「100(D種の値・D種省略)」「500(0.5秒遮断時のC種・D種の緩和)」「1.6 mm(接地線)」「3 Ω(水道管路)」と並べて覚える。どれも一段ずらした値が選択肢に置かれている。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 法規 問6
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問629.「電気設備技術基準の解釈」に基づく常時監視をしない発電所の施設に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.随時巡回方式の技術員は,適当な間隔において発電所を巡回し,運転状態の監視を行う。
- 2.遠隔常時監視制御方式の技術員は,制御所に常時駐在し,発電所の運転状態の監視及び制御を遠隔で行う。
- 3.水力発電所に随時巡回方式を採用する場合に,発電所の出力を3 000 kWとした。
- 4.風力発電所に随時巡回方式を採用する場合に,発電所の出力に制限はない。
- 5.太陽電池発電所に遠隔常時監視制御方式を採用する場合に,発電所の出力に制限はない。
正解:3.水力発電所に随時巡回方式を採用する場合に,発電所の出力を3 000 kWとした。
解説:電気設備技術基準の解釈47条は、水力発電所に随時巡回方式を採用できるのは出力2 000 kW未満の場合に限る、としている。3 000 kWでは採用できないので(3)が誤りで、これが答になる。 水力発電所については、随時巡回方式が2 000 kW未満、随時監視制御方式が5 000 kW未満、遠隔常時監視制御方式は制限なし、と出力によって段階が分かれている。人がその場にいる度合いが低い方式ほど、扱える出力が小さくなる。 他の記述を確かめる。(1)随時巡回方式は、技術員が適当な間隔をおいて発電所を巡回し、運転状態を監視する。(2)遠隔常時監視制御方式は、技術員が制御所に常時駐在して、遠隔で監視と制御を行う。常時人がいるので最も手厚い。(4)風力発電所は、方式にかかわらず出力の制限が設けられていない。(5)太陽電池発電所も出力の制限はない。 水力だけに出力の制限があるのは、ダムや水路といった設備を持ち、異常時の影響が大きいためである。風力や太陽光は発電機そのものが止まれば済むので、制限が置かれていない。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 法規 問7
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問630.次のa〜fの文章は低高圧架空電線の施設に関する記述である。 これらの文章の内容について,「電気設備技術基準の解釈」に基づき,適切なものと不適切なものの組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 a 車両の往来が頻繁な道路を横断する低圧架空電線の高さは,路面上6 m以上の高さを保持するよう施設しなければならない。 b 車両の往来が頻繁な道路を横断する高圧架空電線の高さは,路面上6 m以上の高さを保持するよう施設しなければならない。 c 横断歩道橋の上に低圧架空電線を施設する場合,電線の高さは当該歩道橋の路面上3 m以上の高さを保持するよう施設しなければならない。 d 横断歩道橋の上に高圧架空電線を施設する場合,電線の高さは当該歩道橋の路面上3 m以上の高さを保持するよう施設しなければならない。 e 高圧架空電線をケーブルで施設するとき,他の低圧架空電線と接近又は交差する場合,相互の離隔距離は0.3 m以上を保持するよう施設しなければならない。 f 高圧架空電線をケーブルで施設するとき,他の高圧架空電線と接近又は交差する場合,相互の離隔距離は0.3 m以上を保持するよう施設しなければならない。
- 1.a 不適切 / b 不適切 / c 適切 / d 不適切 / e 適切 / f 適切
- 2.a 不適切 / b 不適切 / c 適切 / d 適切 / e 適切 / f 不適切
- 3.a 適切 / b 適切 / c 不適切 / d 不適切 / e 適切 / f 不適切
- 4.a 適切 / b 不適切 / c 適切 / d 適切 / e 不適切 / f 不適切
- 5.a 適切 / b 適切 / c 適切 / d 不適切 / e 不適切 / f 不適切
正解:5.a 適切 / b 適切 / c 適切 / d 不適切 / e 不適切 / f 不適切
解説:前半は解釈68条(低高圧架空電線の高さ)、後半は解釈74条(低高圧架空電線と他の低高圧架空電線路との接近又は交差)の数値である。 a・b 適切。道路を横断する場合の高さは、低圧も高圧も路面上6 m以上で同じである。 c 適切。横断歩道橋の上に低圧架空電線を施設する場合は、歩道橋の路面上3 m以上である。 d 不適切。高圧の場合は歩道橋の路面上3.5 m以上が必要である。低圧より0.5 m高い。 e・f 不適切。高圧架空電線がケーブルであっても、他の低圧架空電線・高圧架空電線との離隔距離は0.4 m以上が必要である。0.3 mでは足りない。ケーブルでない場合は0.8 m以上なので、ケーブルにすることで半分に緩和されるが、零にはならない。 a適切・b適切・c適切・d不適切・e不適切・f不適切となり答(5)。 高さの数値は「道路横断は低圧も高圧も6 m」「横断歩道橋の上は低圧3 m・高圧3.5 m」と対にして覚える。低圧と高圧で同じところと違うところが混ざっているのがこの問題の狙いである。 離隔距離は「0.8 m、ケーブルなら0.4 m」を押さえる。0.3 mは低圧架空電線どうしがケーブルの場合の値で、別の組合せの数字である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 法規 問8
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問631.「電気設備技術基準の解釈」に基づく分散型電源の系統連系設備に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.逆潮流とは,分散型電源設置者の構内から,一般送配電事業者が運用する電力系統側へ向かう有効電力の流れをいう。
- 2.単独運転とは,分散型電源が,連系している電力系統から解列された状態において,当該分散型電源設置者の構内負荷にのみ電力を供給している状態のことをいう。
- 3.単相3線式の低圧の電力系統に分散型電源を連系する際,負荷の不平衡により中性線に最大電流が生じるおそれがあるため,分散型電源を施設した構内の電路において,負荷及び分散型電源の並列点よりも系統側の3極に過電流引き外し素子を有する遮断器を施設した。
- 4.低圧の電力系統に分散型電源を連系する際,異常時に分散型電源を自動的に解列するための装置を施設した。
- 5.高圧の電力系統に分散型電源を連系する際,分散型電源設置者の技術員駐在箇所と電力系統を運用する一般送配電事業者の事業所との間に,停電時においても通話可能なものであること等の一定の要件を満たした電話設備を施設した。
正解:2.単独運転とは,分散型電源が,連系している電力系統から解列された状態において,当該分散型電源設置者の構内負荷にのみ電力を供給している状態のことをいう。
解説:(2)は自立運転の説明になっている。単独運転とは、分散型電源を連系している電力系統が事故等で系統電源から切り離された状態において、当該分散型電源が発電を続け、その電力系統の線路負荷にも電力を供給している状態をいう(解釈220条)。自分の構内負荷にだけ供給しているのは自立運転で、系統から切り離されて安全な状態である。したがって(2)が誤りで、これが答になる。 二つの違いは「系統の線路に電気を送り出しているかどうか」である。単独運転が危険なのは、一般送配電事業者が停電させたはずの線路に電気が残り、復旧作業をする人が感電するおそれがあるためである。だから単独運転は検出して直ちに解列しなければならない。 他の記述を確かめる。(1)逆潮流は構内から系統側へ向かう有効電力の流れである。(3)単相3線式で中性線に大きな電流が生じるおそれがあるときは、並列点よりも系統側に3極に過電流引き外し素子を有する遮断器を施設する(226条)。(4)低圧連系では異常時に自動的に解列する装置を施設する(227条)。(5)高圧連系では技術員駐在箇所と一般送配電事業者の事業所との間に、停電時でも通話できる電話設備を施設する(225条)。 用語の定義を入れ替える出題なので、「単独運転=系統の線路にも送っている」「自立運転=自分の構内だけ」と、送り先で覚え分ける。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 法規 問9
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問632.次の文章は,電力の需給に関する記述である。 電気は (ア) とが同時的であるため,不断の供給を使命とする電気事業においては,常に変動する需要に対処しうる供給力を準備しなければならない。 しかし,発電設備は事故発生の可能性があり,また,水力発電所の供給力は河川流量の豊渇水による影響で変化する。一方,太陽光発電,風力発電などの供給力は天候により変化する。さらに,原子力発電所や火力発電所も定期検査などの補修作業のため一定期間の停止を必要とする。このように供給力は変動する要因が多い。他方,需要も予想と異なるおそれもある。 したがって,不断の供給を維持するためには,想定される (イ) に見合う供給力を保有することに加え,常に適量の (ウ) を保持しなければならない。 電気事業法に基づき設立された電力広域的運営推進機関は毎年,各供給区域(エリア)及び全国の供給力について需給バランス評価を行い,この評価を踏まえてその後の需給の状況を監視し,対策の実施状況を確認する役割を担っている。 上記の記述中の空白箇所(ア),(イ)及び(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.発生と消費 / 最大電力 / 送電容量
- 2.発電と蓄電 / 使用電力量 / 送電容量
- 3.発生と消費 / 最大電力 / 供給予備力
- 4.発電と蓄電 / 使用電力量 / 供給予備力
- 5.発生と消費 / 使用電力量 / 供給予備力
正解:3.発生と消費 / 最大電力 / 供給予備力
解説:(ア) 電気は大量に貯めておけないので、発生と消費が同時に行われる。これが電気の最大の特徴で、常に需要と供給を一致させ続けなければならない理由である。発電と蓄電では「貯める」ことになり、同時的という説明と食い違う。 (イ) 供給力は、その時々の需要の山に応えられなければならない。したがって見合わせる相手は最大電力である。使用電力量は一定期間に使った量の合計で、瞬間の山を表さない。1日の電力量が同じでも、山が高ければより大きな供給力が要る。 (ウ) 発電設備の事故や渇水、天候の変化に備えて余分に持っておく供給力を供給予備力という。送電容量は送電線が運べる電力の上限で、需給バランスの余裕とは別の話である。 発生と消費/最大電力/供給予備力となり答(3)。 供給予備力は一般に最大電力の8〜10 %程度を目安とする。設問が挙げている「発電設備の事故」「河川流量の豊渇水」「天候による変化」「定期検査」は、いずれも予備力が要る理由の具体例である。 電力広域的運営推進機関(広域機関)は2015年に設立され、全国の需給バランスの評価と監視を担っている。この段落は空欄になっていないが、制度の名前として押さえておく。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 法規 問10
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問633.電気使用場所の低圧幹線の施設について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 次の表は,一つの低圧幹線によって電気を供給される電動機又はこれに類する起動電流が大きい電気機械器具(以下この問において「電動機等」という。)の定格電流の合計値I_M[A]と,他の電気使用機械器具の定格電流の合計値I_H[A]を示したものである。また,「電気設備技術基準の解釈」に基づき,当該低圧幹線に用いる電線に必要な許容電流は,同表に示すI_Cの値[A]以上でなければならない。ただし,需要率,力率等による修正はしないものとする。 【表】I_M[A] / I_H[A] / I_M+I_H[A] / I_C[A] ・47 / 49 / 96 / 96 ・48 / 48 / 96 / (ア) ・49 / 47 / 96 / (イ) ・50 / 46 / 96 / (ウ) ・51 / 45 / 96 / 102 上記の表中の空白箇所(ア),(イ)及び(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア) 96 / (イ) 109 / (ウ) 101
- 2.(ア) 96 / (イ) 108 / (ウ) 109
- 3.(ア) 96 / (イ) 109 / (ウ) 109
- 4.(ア) 108 / (イ) 108 / (ウ) 109
- 5.(ア) 108 / (イ) 109 / (ウ) 101
正解:3.(ア) 96 / (イ) 109 / (ウ) 109
解説:電気設備技術基準の解釈148条は、低圧幹線に必要な許容電流I_Cを三つの場合に分けて定めている。 ① I_M≦I_H のとき:I_C≧I_M+I_H ② I_M>I_H かつ I_M≦50 A のとき:I_C≧1.25 I_M+I_H ③ I_M>I_H かつ I_M>50 A のとき:I_C≧1.1 I_M+I_H 電動機は始動時に定格の何倍もの電流が流れるので、電動機の割合が大きいときだけ割り増しをする、という考え方である。 表の各行に当てはめる。 1行目 I_M=47,I_H=49:①なので 47+49=96。表の96と一致し、規則の当てはめ方が正しいことが確かめられる。 (ア) I_M=48,I_H=48:等しいので①にあたる。48+48=96。 (イ) I_M=49,I_H=47:I_M>I_H で I_M≦50 なので②。1.25×49+47=61.25+47=108.25 → 109。 (ウ) I_M=50,I_H=46:同じく②。1.25×50+46=62.5+46=108.5 → 109。 5行目 I_M=51,I_H=45:I_M>50 なので③。1.1×51+45=56.1+45=101.1 → 102。表の102と一致する。 (ア)96/(イ)109/(ウ)109となり答(3)。 端数の扱いは5行目が教えてくれている。101.1に対して表が102となっているので、必要な許容電流はその値以上、すなわち切り上げて整数にする。108.25も108.5も、切り上げれば109である。 50 Aという境目にも注意する。(ウ)のI_Mはちょうど50 Aで、「50 A以下」に含まれるので1.25倍のほうを使う。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 法規 問11(a)
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問634.電気使用場所の低圧幹線の施設について,次の問に答えよ。 〔小問(b)〕 次の表は,「電気設備技術基準の解釈」に基づき,低圧幹線に電動機等が接続される場合における電動機等の定格電流の合計値I_M[A]と,他の電気使用機械器具の定格電流の合計値I_H[A]と,これらに電気を供給する一つの低圧幹線に用いる電線の許容電流I_C′[A]と,当該低圧幹線を保護する過電流遮断器の定格電流の最大値I_B[A]を示したものである。ただし,需要率,力率等による修正はしないものとする。 【表】I_M[A] / I_H[A] / I_C′[A] / I_B[A] ・60 / 20 / 88 / (エ) ・70 / 10 / 88 / (オ) ・80 / 0 / 88 / (カ) 上記の表中の空白箇所(エ),(オ)及び(カ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(エ) 200 / (オ) 200 / (カ) 220
- 2.(エ) 200 / (オ) 220 / (カ) 220
- 3.(エ) 200 / (オ) 220 / (カ) 240
- 4.(エ) 220 / (オ) 220 / (カ) 240
- 5.(エ) 220 / (オ) 200 / (カ) 240
正解:2.(エ) 200 / (オ) 220 / (カ) 220
解説:電気設備技術基準の解釈148条は、低圧幹線を保護する過電流遮断器の定格電流I_Bについて次のように定めている。 I_B≦3 I_M+I_H ただし、この値が電線の許容電流I_C′の2.5倍を超える場合は、2.5 I_C′とする。 電動機の始動電流で遮断器が動作しないよう3倍まで認める一方、電線を守るために2.5倍で頭打ちにする、という二段構えである。 まず頭打ちの値を出しておく。 2.5×88=220 A。 各行に当てはめる。 (エ) 3×60+20=200。220以下なので、そのまま200。 (オ) 3×70+10=220。ちょうど220で、超えていないので220。 (カ) 3×80+0=240。220を超えるので、220に抑える。 (エ)200/(オ)220/(カ)220となり答(2)。 (カ)がこの問題の要点である。計算値240をそのまま答にすると(3)や(4)を選ぶことになるが、電線の許容電流88 Aに対して240 Aの遮断器では、電線が焼けても遮断されないおそれがある。だから2.5倍という上限が置かれている。 (オ)はちょうど境目の値になっている。「超える場合」に抑えるのだから、等しいときはそのまま使える。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 法規 問11(b)
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問635.三相3線式の高圧電路に300 kW,遅れ力率0.6の三相負荷が接続されている。この負荷と並列に進相コンデンサ設備を接続して力率改善を行うものとする。進相コンデンサ設備は図に示すように直列リアクトル付三相コンデンサとし,直列リアクトルSRのリアクタンスX_L[Ω]は,三相コンデンサSCのリアクタンスX_C[Ω]の6 %とするとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 ただし,高圧電路の線間電圧は6 600 Vとし,無効電力によって電圧は変動しないものとする。 〔小問(a)〕 進相コンデンサ設備を高圧電路に接続したときに三相コンデンサSCの端子電圧の値[V]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.6 410
- 2.6 795
- 3.6 807
- 4.6 995
- 5.7 021
正解:5.7 021
解説:直列リアクトルSRと三相コンデンサSCは直列につながっており、その両端に線間電圧6 600 Vがかかる。 直列回路全体のリアクタンスは、誘導性と容量性が打ち消し合うので X_C−X_L=X_C−0.06X_C=0.94X_C。 電圧は各素子のリアクタンスに比例して分かれるから、SCの端子電圧は V_C=6 600×X_C/(0.94X_C)=6 600/0.94≒7 021 V。答(5)。 コンデンサの端子電圧が電源電圧より高くなるところが要点である。直列リアクトルが逆向きの電圧を分担するため、その分だけコンデンサに余分な電圧がかかる。だから直列リアクトル付のコンデンサは、電路の電圧より高い定格電圧のものを選ぶ必要がある。 (1)の6 410は 6 600×0.94×… のように、6 %を引く向きに掛けた場合に近い値である(6 600×0.94=6 204)。分母に0.94が来るのであって、掛けるのではない。 リアクトルを6 %にする理由は第5次高調波にある。第5次では誘導性リアクタンスが5倍、容量性リアクタンスが1/5になるので、5X_L=5×0.06X_C=0.3X_C に対して X_C/5=0.2X_C となり、設備全体が誘導性になって系統と共振しない。6 %は「5 %を超えていれば誘導性になる」という条件に余裕を見た値である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 法規 問12(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問636.三相3線式の高圧電路に300 kW,遅れ力率0.6の三相負荷が接続されている。この負荷と並列に進相コンデンサ設備を接続して力率改善を行うものとする。進相コンデンサ設備は図に示すように直列リアクトル付三相コンデンサとし,直列リアクトルSRのリアクタンスX_L[Ω]は,三相コンデンサSCのリアクタンスX_C[Ω]の6 %とする。 ただし,高圧電路の線間電圧は6 600 Vとし,無効電力によって電圧は変動しないものとする。次の問に答えよ。 〔小問(b)〕 進相コンデンサ設備を負荷と並列に接続し,力率を遅れ0.6から遅れ0.8に改善した。このとき,この設備の三相コンデンサSCの容量の値[kvar]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 (小問(a)より,三相コンデンサSCの端子電圧は約7 021 Vである。)

- 1.170
- 2.180
- 3.186
- 4.192
- 5.208
正解:3.186
解説:まず力率改善に必要な無効電力を求める。有効電力は300 kWで変わらない。 力率0.6のとき:tanθ₁=0.8/0.6 なので Q₁=300×0.8/0.6=400 kvar 力率0.8のとき:tanθ₂=0.6/0.8 なので Q₂=300×0.6/0.8=225 kvar 進相コンデンサ設備が供給すべき無効電力は Q=400−225=175 kvar。 ここで問われているのは設備全体ではなくコンデンサSC単体の容量である。設備全体は直列リアクトルを含むので、両者は一致しない。 設備全体の無効電力は、線間電圧6 600 Vが直列合成リアクタンス0.94X_Cにかかると考えて Q=6 600²/(0.94X_C)=175×10³。 一方コンデンサSCの容量は、その端子電圧7 021 VがX_Cにかかるものとして Q_SC=7 021²/X_C。 二式の比を取ると Q_SC/Q=(7 021²/X_C)÷(6 600²/(0.94X_C))=(7 021/6 600)²×0.94。 7 021/6 600=1/0.94 なので Q_SC/Q=(1/0.94)²×0.94=1/0.94。 したがって Q_SC=175/0.94≒186 kvar。答(3)。 (1)の170や(2)の180は、設備全体の175 kvarをそのまま答としたり、逆に0.94を掛けたりした場合に近い値である。コンデンサの容量は端子電圧で決まるので、電圧が高くなるぶん設備全体より大きくなる。 直列リアクトル付のコンデンサでは、必要な設備容量を0.94で割ったものがコンデンサの定格容量になる、と覚えておくと早い。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 法規 問12(b)
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問637.図は三相3線式高圧電路に変圧器で結合された変圧器低圧側電路を示したものである。低圧側電路の一端子にはB種接地工事が施されている。この電路の一相当たりの対地静電容量をCとし接地抵抗をR_Bとする。 低圧側電路の線間電圧200 V,周波数50 Hz,対地静電容量Cは0.1 μFとして,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 ただし, (ア) 変圧器の高圧電路の1線地絡電流は5 Aとする。 (イ) 高圧側電路と低圧側電路との混触時に低圧電路の対地電圧が150 Vを超えた場合は1.3秒で自動的に高圧電路を遮断する装置が設けられているものとする。 〔小問(a)〕 変圧器に施された,接地抵抗R_Bの抵抗値について「電気設備技術基準の解釈」で許容されている上限の抵抗値[Ω]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.20
- 2.30
- 3.40
- 4.60
- 5.100
正解:4.60
解説:電気設備技術基準の解釈17条2項は、B種接地工事の接地抵抗値を高圧電路の1線地絡電流I_g[A]から次のように定めている。 ・原則:150/I_g [Ω] ・混触時に低圧電路の対地電圧が150 Vを超えた場合、1秒を超え2秒以内に自動的に高圧電路を遮断する装置があるとき:300/I_g [Ω] ・同じく1秒以内に遮断する装置があるとき:600/I_g [Ω] 遮断が速いほど危険な状態が続く時間が短いので、接地抵抗を大きくしてよい、という考え方である。 設問の遮断時間は1.3秒で、「1秒を超え2秒以内」に当たる。1線地絡電流は5 Aなので R_B=300/5=60 Ω。答(4)。 (1)の20や(2)の30は、分子を150や…と取り違えた場合に近い(150/5=30)。1.3秒という数字を見て「1秒以内ではないから原則の150」としてしまうと(2)の30になる。1秒を超え2秒以内という中間の区分があることを見落とさない。 (5)の100は 600/5×…ではなく別の取り違えで出る値だが、600/5=120 は選択肢に無いので、1秒以内の区分でないことは選択肢からも確かめられる。 150・300・600という三段は、遮断時間が短くなるごとに倍になっている。この並びで覚えると取り出しやすい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 法規 問13(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問638.図は三相3線式高圧電路に変圧器で結合された変圧器低圧側電路を示したものである。低圧側電路の一端子にはB種接地工事が施されている。この電路の一相当たりの対地静電容量をCとし接地抵抗をR_Bとする。 低圧側電路の線間電圧200 V,周波数50 Hz,対地静電容量Cは0.1 μFとして,次の問に答えよ。 ただし, (ア) 変圧器の高圧電路の1線地絡電流は5 Aとする。 (イ) 高圧側電路と低圧側電路との混触時に低圧電路の対地電圧が150 Vを超えた場合は1.3秒で自動的に高圧電路を遮断する装置が設けられているものとする。 〔小問(b)〕 接地抵抗R_Bの抵抗値を10 Ωとしたときに,R_Bに常時流れる電流I_Bの値[mA]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 ただし,記載以外のインピーダンスは無視するものとする。

- 1.11
- 2.19
- 3.33
- 4.65
- 5.192
正解:1.11
解説:接地抵抗R_Bは10 Ωと小さいので、接地された相の対地電圧はほぼ零とみなせる。残る二つの相は、接地された相との間に線間電圧200 Vがかかるので、それぞれ対地電圧200 Vになる。 この二つの相の対地静電容量を通って充電電流が流れ、それが接地線を通って戻ってくる。これがR_Bに常時流れる電流I_Bの正体である。 1相あたりの充電電流は I=2πfCV=2π×50×0.1×10⁻⁶×200 =3.1416×10⁻⁵×200≒6.28×10⁻³ A=6.28 mA。 二つの相の電流はベクトルで、互いに60°の角をなす(共通の接地相から見た二つの線間電圧の位相差が60°になるため)。したがって合成すると I_B=2×6.28×cos30°=2×6.28×0.866≒10.9 mA。 最も近いのは11で答(1)。 √3を使って I_B=√3×6.28≒10.9 mA と書いても同じである。 (2)の19は 3×6.28≒18.8 で、三つの相をそのまま足した場合の値である。接地された相の対地電圧はほぼ零なので、その相の静電容量には電流が流れない。流れるのは残り二つだけである。 (3)の33は二つの電流を単純に足して…ではなく別の取り違えだが、位相を考えずに 2×6.28=12.6 とするよりさらに大きい。ベクトルで合成すると2倍より小さくなる(√3倍=1.73倍)ことを押さえる。 この電流は事故時ではなく常時流れている。低圧電路が長くなるほど対地静電容量が増え、この電流も増える。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 法規 問13(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問639.抵抗R=10Ωに電圧V=100Vを加えたとき、流れる電流はI=10Aである。
正解:○(正しい)
解説:オームの法則I=V/Rより、I=100÷10=10A。電圧100Vを抵抗10Ωで割れば電流は10Aとなり記述は正しい。これは電気回路計算の最も基本となる関係式であり、電圧・電流・抵抗のいずれか2つが分かれば残りが求められる。
-
問640.抵抗20Ωに2Aの電流が流れているとき、この抵抗で消費される電力はP=80Wである。
正解:○(正しい)
解説:消費電力P=I^2×Rより、P=2^2×20=4×20=80W。電流の2乗に抵抗を掛ければ消費電力が求まり記述は正しい。P=VI=(IR)×I=I^2Rの関係であり、電流が2倍になれば消費電力は4倍になることに注意する。
-
問641.6Ωと3Ωの抵抗を並列接続したときの合成抵抗は2Ωである。
正解:○(正しい)
解説:並列合成抵抗はR=(6×3)÷(6+3)=18÷9=2Ω。積を和で割る公式により2Ωとなり記述は正しい。並列接続では合成抵抗は最小の抵抗値(この場合3Ω)より必ず小さくなるという性質も覚えておくとよい。
-
問642.三相平衡負荷の電力はP=√3VIcosφで表され、線間電圧V、線電流I、力率cosφを用いる。
正解:○(正しい)
解説:三相交流電力の式はP=√3VIcosφで、Vは線間電圧、Iは線電流、cosφは力率である。√3が掛かるのが三相計算の最大の特徴であり記述は正しい。スター・デルタいずれの結線でもこの式で計算できる。計算手順を丁寧に追えば確実に解ける標準的な問題である。
-
問643.静電容量C=10μFのコンデンサに100Vを加えたとき蓄えられる電荷はQ=1mCである。
正解:○(正しい)
解説:Q=CVより、Q=10×10^-6×100=10^-3C=1mC。静電容量に電圧を掛けると電荷が求まり記述は正しい。1mC=1×10^-3クーロンであり、マイクロ(10^-6)とミリ(10^-3)の単位換算に注意する。
-
問644.三相3線式で線間電圧200V、線電流10A、力率0.8のとき、三相電力は約2.77kWである。
正解:○(正しい)
解説:P=√3VIcosφ=1.732×200×10×0.8=1.732×1600≒2771W≒2.77kW。√3を掛けた三相電力の計算で記述は正しい。√3≒1.732を用いる。電圧・電流の値に力率と√3を順に掛けて求める。
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問645.テブナンの定理を用いると、複雑な回路を等価電圧源と等価内部抵抗の直列回路に置き換えられる。
正解:○(正しい)
解説:テブナンの定理は線形回路の任意の2端子間を等価電圧源(開放端電圧)と等価内部抵抗(端子から見た抵抗)の直列回路に簡単化する定理であり記述は正しい。負荷電流をI=Vth÷(Rth+RL)で容易に計算できる。
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問646.起電力10V・内部抵抗2Ωの電池に8Ωの負荷を接続すると、負荷電流は1Aである。
正解:○(正しい)
解説:回路全体の抵抗は2+8=10Ω、電流I=E÷(r+R)=10÷10=1A。内部抵抗と負荷抵抗の和で起電力を割れば電流が求まり記述は正しい。内部抵抗での電圧降下は2V、負荷端電圧は8Vとなる。計算手順を丁寧に追えば確実に解ける標準的な問題である。
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問647.内部抵抗rの電源から負荷へ最大電力を供給するには、負荷抵抗をRL=rに等しくする必要がある。
正解:○(正しい)
解説:最大電力供給(最大電力伝達)の条件はRL=rであり、負荷抵抗を電源内部抵抗に等しくしたとき負荷への供給電力が最大となり記述は正しい。このとき電源効率は50%となり、伝送効率重視の電力系統とは設計思想が異なる。
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問648.%インピーダンス(%Z)は、基準容量における短絡電流の計算に用いられる無次元量である。
正解:○(正しい)
解説:%インピーダンスは定格容量を基準とした相対値で、短絡電流Is=定格電流×100÷%Zの計算に用いる無次元量であり記述は正しい。系統の短絡計算を電圧階級によらず統一的に扱えるため実務で多用される。計算手順を丁寧に追えば確実に解ける標準的な問題である。
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問649.力率改善のために負荷に並列にコンデンサを接続すると、無効電力(遅れ)を補償できる。
正解:○(正しい)
解説:進相コンデンサを負荷に並列接続すると進み無効電力を供給し、誘導性負荷の遅れ無効電力を打ち消して力率を改善できるため記述は正しい。これにより線路電流が減少し、配電損失や電圧降下の低減につながる。計算手順を丁寧に追えば確実に解ける標準的な問題である。
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問650.変圧器の電圧変動率は、無負荷時と全負荷時の二次電圧の差を全負荷電圧で割った値で表す。
正解:○(正しい)
解説:電圧変動率ε={(V20-V2n)÷V2n}×100[%]で、V20は無負荷二次電圧、V2nは定格(全負荷)二次電圧である。負荷による電圧低下の割合を示し記述は正しい。値が小さいほど電圧の安定した良い変圧器といえる。
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問651.変圧器の効率は出力と入力の比で表され、入力=出力+損失である。
正解:○(正しい)
解説:変圧器効率η=出力÷入力=出力÷(出力+損失)で表す。入力は出力に鉄損・銅損などの損失を加えたものであり記述は正しい。最大効率は鉄損=銅損(可変損)が等しくなる負荷で得られることも重要である。計算手順を丁寧に追えば確実に解ける標準的な問題である。
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問652.極数4・周波数50Hzの誘導電動機の同期速度は1500min^-1である。
正解:○(正しい)
解説:同期速度Ns=120f÷p=120×50÷4=1500min^-1。周波数に120を掛け極数で割れば同期速度が求まり記述は正しい。p=4、f=50Hzで毎分1500回転となる。極数が多いほど同期速度は低くなる関係である。
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問653.同期機の短絡比は、無負荷で定格電圧を発生する界磁電流と、三相短絡で定格電流を流す界磁電流の比である。
正解:○(正しい)
解説:短絡比Ks=If1÷If2で、If1は無負荷で定格電圧を出す界磁電流、If2は短絡時に定格電流を流す界磁電流である。短絡比が大きいほど同期インピーダンスが小さく安定度が良いため記述は正しい。計算手順を丁寧に追えば確実に解ける標準的な問題である。
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問654.5Ωと10Ωの抵抗を直列接続したときの合成抵抗は約3.3Ωである。
正解:×(誤り)
解説:誤り。直列接続の合成抵抗は単純な和でR=5+10=15Ωである。約3.3Ωとなるのは並列接続(5×10÷(5+10)=50÷15≒3.33Ω)の場合であり、直列と並列を取り違えている。直列では抵抗値は加算され必ず大きくなる。
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問655.インダクタンスL=0.1Hのコイルに角周波数ω=100rad/sの交流を加えると、誘導性リアクタンスはXL=20Ωである。
正解:×(誤り)
解説:誤り。誘導性リアクタンスXL=ωL=100×0.1=10Ωである。正しくは10Ωであり20Ωではない。XL=ωL=2πfLで計算し、角周波数とインダクタンスの積で求まる。周波数が高いほどリアクタンスは大きくなる。
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問656.キルヒホッフの第1法則(電流則)は、回路の任意の閉路の電圧降下の総和がゼロであることを示す。
正解:×(誤り)
解説:誤り。第1法則(電流則)は接続点に流入する電流と流出する電流の和が等しいことを示す。閉路の電圧降下の総和がゼロとなるのは第2法則(電圧則)であり、記述は両者を取り違えている。第1は電流、第2は電圧に関する法則である。
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問657.送電線の電圧降下は負荷電流が小さいほど大きくなる。
正解:×(誤り)
解説:誤り。電圧降下v=I(Rcosθ+Xsinθ)などで表され、負荷電流Iが大きいほど電圧降下は大きくなる。負荷電流が小さいほど電圧降下は小さくなるため記述は逆である。電流に比例して電圧降下が増大すると理解する。
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問658.ホイートストンブリッジで、R1=100ΩとR3=300Ωが向かい合う辺、R2=200Ωと未知抵抗Xが向かい合う辺にあり、検流計の振れが零(平衡)のとき、X=600Ωである。
正解:×(誤り)
解説:誤り。平衡条件は向かい合う辺の抵抗の積が等しいことで、R1×R3=R2×X。X=100×300÷200=150Ω。600Ωは組み合わせを取り違えた値である。
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問659.誘導電動機の同期速度がNs、回転速度がNのとき、すべりはs=(N-Ns)/Nsで表される。
正解:×(誤り)
解説:誤り。すべりはs=(Ns-N)÷Nsで定義される。分子は同期速度から回転速度を引いた差であり、(N-Ns)では符号が逆になる。正しくはs=(Ns-N)÷Nsであり、回転速度は同期速度よりわずかに低い。
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問660.降圧チョッパでは出力電圧は入力電圧より高くなる。
正解:×(誤り)
解説:誤り。降圧チョッパ(バックコンバータ)の出力電圧Vo=D×Viであり、通流率Dは0〜1なので出力電圧は入力電圧以下になる。出力が入力より高くなるのは昇圧チョッパであり記述は誤り。降圧は文字どおり電圧を下げる回路である。
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問661.消費電力1kWの電熱器を2時間使用したときの電力量は2kWhで、これを熱量に換算すると3,600kJである。
正解:×(誤り)
解説:誤り。1kWh=1,000W×3,600s=3,600kJなので、2kWhは7,200kJである。3,600kJは1kWh分にあたる。
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問662.抵抗R=1kΩとコンデンサC=100μFの直列回路に直流電圧を加えたときの時定数は10秒である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。時定数は τ=CR=100×10⁻⁶×1×10³=0.1秒。時定数の時間でコンデンサ電圧は最終値の約63.2%に達する。
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問663.純インダクタンス回路では、電流は電圧より位相が90度進む。
正解:×(誤り)
解説:誤り。純インダクタンス回路では電流は電圧より位相が90度遅れる。正しくは遅れであり、進むのはコンデンサ(純容量)の場合である。コイルは電流変化を妨げる性質があるため電流が電圧に遅れて立ち上がる。計算手順を丁寧に追えば確実に解ける標準的な問題である。
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問664.発電機の出力が一定のとき、力率を改善すると線路電流は増加する。
正解:×(誤り)
解説:誤り。同じ有効電力でも力率を改善(cosφを大きく)すると、I=P÷(√3Vcosφ)より分母が大きくなり線路電流は減少する。力率改善で電流は減るため増加という記述は逆で誤り。電流減少により損失も低減する。
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問665.電圧100V・電流5Aで力率0.6の単相負荷の有効電力は500Wである。
正解:×(誤り)
解説:誤り。有効電力P=VIcosφ=100×5×0.6=300W。力率0.6を掛けるため300Wであり、500W(=VI、皮相電力)ではない。皮相電力と有効電力を取り違えており記述は誤り。力率を掛け忘れない点が要注意である。
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問666.断面積S、長さL、抵抗率ρの導体の抵抗はR=ρS/Lで表される。
正解:×(誤り)
解説:誤り。導体の抵抗はR=ρL÷S(抵抗率×長さ÷断面積)であり、記述のR=ρS÷Lは分子分母が逆である。抵抗は長さに比例し断面積に反比例するため、太く短い電線ほど抵抗は小さくなる。記述は誤り。計算手順を丁寧に追えば確実に解ける標準的な問題である。
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問667.三相電力P=√3VIcosφのVは相電圧を、Iは相電流を用いる。
正解:×(誤り)
解説:誤り。三相電力P=√3VIcosφのVは線間電圧、Iは線電流を用いる。相電圧・相電流ではなく線間量を使う点が重要であり記述は誤り。線間電圧と相電圧、線電流と相電流の区別を取り違えると√3の扱いを誤る原因となる。
-
問668.力率は1を超える値をとることがある。
正解:×(誤り)
解説:誤り。力率cosφは0以上1以下の値をとり、1を超えることはない。力率は有効電力を皮相電力で割った比であり、有効電力が皮相電力を超えることは原理上ありえないため記述は誤り。最大でも1(100%)である。
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問669.各辺の抵抗が30Ωの平衡Δ結線負荷を、等価なY結線負荷に変換したときの1相の抵抗[Ω]はいくらか。
- ア.10
- イ.15
- ウ.17.3
- エ.30
正解:ア.10
解説:平衡負荷をΔ結線からY結線に変換すると、1相の抵抗は RY=RΔ/3=30/3=10Ω になる。√3 で割るのは電圧・電流の換算で、抵抗の換算は3分の1である。
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問670.起電力12V・内部抵抗1Ωの電池に5Ωの負荷を接続したときの負荷電流は何Aか。
- ア.1.5A
- イ.2A
- ウ.2.4A
- エ.12A
正解:イ.2A
解説:電流I=E÷(r+R)=12÷(1+5)=12÷6=2A。内部抵抗1Ωと負荷抵抗5Ωの和6Ωで起電力12Vを割れば2Aが得られる。内部抵抗での電圧降下は1×2=2Vとなり、負荷端電圧は10Vである。よって正解は2Aである。
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問671.10Ωの抵抗3本を並列接続したときの合成抵抗はいくらか。
- ア.30Ω
- イ.10Ω
- ウ.約3.33Ω
- エ.約0.33Ω
正解:ウ.約3.33Ω
解説:同じ抵抗n本の並列はR÷nなので、10÷3≒3.33Ω。あるいは1÷R=1/10+1/10+1/10=3/10よりR=10÷3=3.33Ω。並列接続では合成抵抗が元の抵抗より小さくなる性質と一致する。よって正解は約3.33Ωである。
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問672.静電容量4μFと6μFのコンデンサを直列接続したときの合成容量はいくらか。
- ア.24μF
- イ.10μF
- ウ.5μF
- エ.2.4μF
正解:エ.2.4μF
解説:直列合成容量C=(C1×C2)÷(C1+C2)=(4×6)÷(4+6)=24÷10=2.4μF。コンデンサの直列は積を和で割る計算(抵抗の並列と同じ形)になる。直列では合成容量が最小の容量より小さくなる。よって正解は2.4μFである。
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問673.極数6・周波数60Hzの誘導電動機の同期速度はいくらか。
- ア.1200min^-1
- イ.1800min^-1
- ウ.3600min^-1
- エ.900min^-1
正解:ア.1200min^-1
解説:同期速度Ns=120f÷p=120×60÷6=7200÷6=1200min^-1。周波数60Hzに120を掛け極数6で割れば毎分1200回転が得られる。極数が多いほど同期速度は低くなる関係がある。よって正解は1200min^-1である。
-
問674.同期速度1500min^-1の誘導電動機がすべり0.04で運転中の回転速度はいくらか。
- ア.1460min^-1
- イ.1440min^-1
- ウ.1560min^-1
- エ.60min^-1
正解:イ.1440min^-1
解説:回転速度N=Ns×(1-s)=1500×(1-0.04)=1500×0.96=1440min^-1。同期速度にすべりの補数(1-s)を掛ければ実回転速度が得られる。すべりの分だけ同期速度より低く回転する。よって正解は1440min^-1である。
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問675.三相3線式、線間電圧200V、線電流20A、力率0.8の三相負荷の有効電力に最も近い値はどれか。
- ア.約6.9kW
- イ.約3.2kW
- ウ.約5.5kW
- エ.約11.1kW
正解:ウ.約5.5kW
解説:P=√3VIcosφ=1.732×200×20×0.8=1.732×3200≒5542W≒5.5kW。√3≒1.732を用い、電圧・電流・力率を順に掛けて求める。√3を掛け忘れると単相と混同するので注意する。よって正解は約5.5kWである。
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問676.%インピーダンス4%の変圧器(定格容量基準)で、定格電流が50Aのとき三相短絡電流はいくらか。
- ア.500A
- イ.200A
- ウ.2000A
- エ.1250A
正解:エ.1250A
解説:短絡電流Is=定格電流×100÷%Z=50×100÷4=5000÷4=1250A。%Zの逆数に100を掛け定格電流に乗じれば短絡電流が求まる。%Zが小さいほど短絡電流は大きくなる関係である。よって正解は1250Aである。
-
問677.送電線でR=2Ω、X=4Ωの1相分インピーダンス、負荷電流100A、力率0.8(遅れ・sinθ=0.6)のときの1相分の電圧降下v=I(Rcosθ+Xsinθ)はいくらか。
- ア.400V
- イ.240V
- ウ.160V
- エ.600V
正解:ア.400V
解説:v=I(Rcosθ+Xsinθ)=100×(2×0.8+4×0.6)=100×(1.6+2.4)=100×4.0=400V。抵抗分とリアクタンス分の寄与を合計し電流を掛ける近似式を用いる。よって正解は400Vである。
-
問678.設備容量100kW、需要率60%のときの最大需要電力はいくらか。
- ア.40kW
- イ.60kW
- ウ.166kW
- エ.166W
正解:イ.60kW
解説:最大需要電力=設備容量×需要率=100×0.6=60kW。設備容量に需要率を掛ければ最大需要電力が求まる。すべての設備が同時に使われるわけではないため設備容量より小さくなる。よって正解は60kWである。
-
問679.最大需要電力80kW、平均需要電力48kWのときの負荷率はいくらか。
- ア.40%
- イ.167%
- ウ.60%
- エ.48%
正解:ウ.60%
解説:負荷率=平均需要電力÷最大需要電力×100=48÷80×100=60%。平均を最大で割り百分率にする。負荷率が高いほど設備が平準的に使われ効率が良いことを示す。最大電力以下で運用されるため100%以下となる。よって正解は60%である。
-
問680.各負荷の最大需要電力の総和が150kW、合成最大需要電力が120kWのときの不等率はいくらか。
- ア.0.8
- イ.30
- ウ.1.0
- エ.1.25
正解:エ.1.25
解説:不等率=各負荷の最大需要電力の総和÷合成最大需要電力=150÷120=1.25。各負荷の最大が同時刻に起こらないため分子が大きく、不等率は常に1以上となる。1を超えるほど負荷の分散効果が大きい。よって正解は1.25である。
-
問681.1線地絡電流が3AのときのB種接地抵抗値(原則150/Ig)はいくら以下とすべきか。
- ア.50Ω以下
- イ.150Ω以下
- ウ.450Ω以下
- エ.10Ω以下
正解:ア.50Ω以下
解説:B種接地抵抗値は原則150÷Ig=150÷3=50Ω以下とする。地絡電流3Aで基準値150を割れば50Ωが得られる。高低圧混触時の低圧側電位上昇を抑える目的で設けられる接地である。よって正解は50Ω以下である。
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問682.内部抵抗5Ωの電源に負荷抵抗を接続して最大電力を取り出すとき、負荷抵抗をいくらにすればよいか。
- ア.2.5Ω
- イ.5Ω
- ウ.10Ω
- エ.0Ω
正解:イ.5Ω
解説:最大電力供給(最大電力伝達)の条件は負荷抵抗=内部抵抗、すなわちRL=r=5Ωである。負荷を内部抵抗に等しくしたとき負荷への供給電力が最大になる。このとき電源効率は50%となる。よって正解は5Ωである。
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問683.皮相電力10kVA、有効電力8kWの負荷の力率はいくらか。
- ア.0.6
- イ.1.25
- ウ.0.8
- エ.0.5
正解:ウ.0.8
解説:力率cosφ=有効電力÷皮相電力=P÷S=8÷10=0.8。有効電力を皮相電力で割れば力率が求まる。力率は皮相電力のうち実際に仕事をする有効電力の割合を表す。よって正解は0.8(80%)である。計算手順を丁寧に追えば確実に解ける標準的な問題である。
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問684.有効電力6kW、無効電力8kvarの負荷の皮相電力はいくらか。
- ア.14kVA
- イ.48kVA
- ウ.2kVA
- エ.10kVA
正解:エ.10kVA
解説:皮相電力S=√(P^2+Q^2)=√(6^2+8^2)=√(36+64)=√100=10kVA。電力の三角形(3-4-5比の2倍)で計算する。有効電力と無効電力を直角二辺とする斜辺が皮相電力である。よって正解は10kVAである。
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問685.インダクタンスL=0.2H、周波数f=50Hzのコイルの誘導性リアクタンスに最も近い値はどれか。
- ア.約62.8Ω
- イ.約10Ω
- ウ.約31.4Ω
- エ.約100Ω
正解:ア.約62.8Ω
解説:XL=2πfL=2×3.14×50×0.2=62.8Ω。2πにfとLを順に掛ける。π≒3.14として計算すると約62.8Ωとなる。周波数やインダクタンスが大きいほどリアクタンスは大きくなる。よって正解は約62.8Ωである。
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問686.静電容量C=20μF、周波数f=50Hzのコンデンサの容量性リアクタンスに最も近い値はどれか。
- ア.約62.8Ω
- イ.約159Ω
- ウ.約20Ω
- エ.約318Ω
正解:イ.約159Ω
解説:XC=1÷(2πfC)=1÷(2×3.14×50×20×10^-6)=1÷(6.28×10^-3)≒159Ω。2πfCの逆数で求める。容量が大きく周波数が高いほどリアクタンスは小さくなる関係がある。よって正解は約159Ωである。
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問687.100Vを加えると2Aの電流が流れる白熱電球の抵抗はいくらか。
- ア.200Ω
- イ.0.02Ω
- ウ.50Ω
- エ.100Ω
正解:ウ.50Ω
解説:オームの法則R=V÷I=100÷2=50Ω。電圧を電流で割れば抵抗が求まる。このときの消費電力はP=VI=100×2=200Wとなる。電圧と電流から抵抗・電力をともに計算できる基本問題である。よって正解は50Ωである。
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問688.変圧器の無負荷二次電圧105V、全負荷二次電圧100Vのときの電圧変動率はいくらか。
- ア.4.76%
- イ.0.5%
- ウ.10%
- エ.5%
正解:エ.5%
解説:電圧変動率ε=(V20-V2n)÷V2n×100=(105-100)÷100×100=5÷100×100=5%。無負荷と全負荷の電圧差を定格電圧で割り百分率にする。分母は定格(全負荷)電圧である点に注意する。よって正解は5%である。
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問689.出力9kW、損失1kWの変圧器の効率はいくらか。
- ア.90%
- イ.88.9%
- ウ.111%
- エ.10%
正解:ア.90%
解説:効率η=出力÷(出力+損失)=9÷(9+1)=9÷10=0.9=90%。入力は出力に損失を加えた10kWであり、出力をこの入力で割れば効率が得られる。損失が小さいほど効率は高くなる。よって正解は90%である。
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問690.降圧チョッパで入力電圧100V、通流率(デューティ比)0.6のときの出力電圧はいくらか。
- ア.166V
- イ.60V
- ウ.40V
- エ.100V
正解:イ.60V
解説:降圧チョッパの出力電圧Vo=D×Vi=0.6×100=60V。入力電圧に通流率Dを掛ければ出力電圧が求まり、Dは0〜1なので出力は入力以下になる。降圧チョッパは入力より低い直流電圧を得る回路である。よって正解は60Vである。
-
問691.10Ωと15Ωの抵抗を直列にし、合計に100Vを加えたとき10Ωにかかる電圧はいくらか。
- ア.100V
- イ.60V
- ウ.40V
- エ.10V
正解:ウ.40V
解説:合成抵抗は10+15=25Ω、電流I=100÷25=4A。10Ωの電圧V=IR=4×10=40V。分圧の関係V1=V×R1÷(R1+R2)=100×10÷25=40Vでも同じ結果が得られる。直列では抵抗比に応じて電圧が分配される。よって正解は40Vである。
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問692.電流2Aが10分間流れたときに移動した電荷はいくらか。
- ア.20C
- イ.120C
- ウ.12C
- エ.1200C
正解:エ.1200C
解説:電荷Q=I×t=2×(10×60)=2×600=1200C。電流に時間(秒単位)を掛けて求める。10分=600秒に換算する点が重要である。電荷は電流と通電時間の積で表されるクーロン量である。よって正解は1200Cである。
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問693.三相負荷で線間電圧400V、三相電力20kW、力率0.8のときの線電流に最も近い値はどれか。
- ア.約36A
- イ.約29A
- ウ.約50A
- エ.約62A
正解:ア.約36A
解説:I=P÷(√3Vcosφ)=20000÷(1.732×400×0.8)=20000÷554≒36A。三相電力を√3×電圧×力率で割れば線電流が求まる。√3を分母に入れ忘れないことが計算のポイントである。よって正解は約36Aである。
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問694.断面積2mm^2、長さ100m、抵抗率ρ=1.7×10^-8Ω・mの銅線の抵抗に最も近い値はどれか。
- ア.約0.17Ω
- イ.約0.85Ω
- ウ.約8.5Ω
- エ.約1.7Ω
正解:イ.約0.85Ω
解説:R=ρL÷S=1.7×10^-8×100÷(2×10^-6)=1.7×10^-6÷(2×10^-6)=0.85Ω。断面積はmm^2をm^2に換算する(2mm^2=2×10^-6m^2)点が要注意である。よって正解は約0.85Ωである。
-
問695.100kvarの遅れ無効電力を、80kvarの進相コンデンサで補償した後の無効電力はいくらか。
- ア.180kvar
- イ.100kvar
- ウ.20kvar
- エ.0kvar
正解:ウ.20kvar
解説:残りの無効電力=負荷の遅れ無効電力-コンデンサの進み無効電力=100-80=20kvar(遅れ)。コンデンサ容量分だけ遅れ無効電力が打ち消される。完全補償(0kvar)には100kvarのコンデンサが必要となる。よって正解は20kvarである。
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問696.有効電力40kW、力率0.8(遅れ)の負荷を力率1.0に改善するために必要な進相コンデンサ容量に最も近い値はどれか。
- ア.約40kvar
- イ.約32kvar
- ウ.約24kvar
- エ.約30kvar
正解:エ.約30kvar
解説:cosφ=0.8よりsinφ=0.6、tanφ=0.6÷0.8=0.75。無効電力Q=P×tanφ=40×0.75=30kvar。力率1.0にするにはこの遅れ無効電力を全て打ち消す必要があり、必要容量は約30kvarである。よって正解は約30kvarである。
-
問697.起電力1.5Vの電池4個を直列接続したときの合成起電力はいくらか。
- ア.6V
- イ.0.375V
- ウ.1.5V
- エ.0.6V
正解:ア.6V
解説:直列接続では各電池の起電力が加算され、1.5×4=6.0V。電池を直列にすると電圧が足し合わされる。一方、並列接続では電圧は変わらず取り出せる電流容量が増す。両者の違いを区別する。よって正解は6Vである。
-
問698.抵抗3Ωとリアクタンス4Ωの直列回路に100Vを加えたときに流れる電流はいくらか。
- ア.33.3A
- イ.20A
- ウ.14.3A
- エ.25A
正解:イ.20A
解説:インピーダンスZ=√(3^2+4^2)=√(9+16)=√25=5Ω。電流I=V÷Z=100÷5=20A。まずインピーダンスを求めてから電圧をそれで割る。抵抗の和ではなくベクトル合成する点が交流回路の要点である。よって正解は20Aである。
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問699.100V用1kWの電熱器を90Vで使用したとき、消費電力に最も近い値はどれか。
- ア.約1000W
- イ.約900W
- ウ.約810W
- エ.約1235W
正解:ウ.約810W
解説:抵抗R=V^2÷P=100^2÷1000=10Ω。90VでのP'=V'^2÷R=90^2÷10=8100÷10=810W。電力は電圧の2乗に比例するため(90÷100)^2×1000=0.81×1000=810Wとも計算できる。よって正解は約810Wである。
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問700.テブナンの定理で、端子から見た等価内部抵抗が4Ω、開放端電圧が20Vの回路に負荷6Ωを接続したときの負荷電流はいくらか。
- ア.3.3A
- イ.5A
- ウ.1.25A
- エ.2A
正解:エ.2A
解説:テブナン等価回路では負荷電流I=Vth÷(Rth+RL)=20÷(4+6)=20÷10=2A。開放端電圧を等価内部抵抗と負荷抵抗の和で割れば負荷電流が求まる。複雑な回路を単純な等価回路に置き換えて計算する。よって正解は2Aである。
-
問701.全負荷銅損400W、無負荷鉄損400Wの変圧器が最大効率となる負荷率はいくらか。
- ア.100%
- イ.70.7%
- ウ.50%
- エ.25%
正解:ア.100%
解説:最大効率は鉄損=銅損のときに得られる。銅損は負荷率の2乗に比例しPc=(負荷率)^2×全負荷銅損。鉄損400W=(負荷率)^2×400より(負荷率)^2=1、負荷率=1.0(100%)となる。よって正解は100%である。
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問702.100kVAの変圧器を力率0.8の負荷で全負荷運転したときの有効電力(出力)はいくらか。
- ア.64kW
- イ.80kW
- ウ.125kW
- エ.100kW
正解:イ.80kW
解説:有効電力P=S×cosφ=100×0.8=80kW。皮相電力(定格容量kVA)に力率を掛ければ有効電力kWが得られる。変圧器の定格は皮相電力で表示され、実際の有効出力は力率に依存する点が重要である。よって正解は80kWである。
-
問703.光度400cdの点光源の直下2mにある水平面の照度[lx]はいくらか。
- ア.200
- イ.400
- ウ.100
- エ.1600
正解:ウ.100
解説:点光源の直下の水平面照度は逆2乗の法則により E=I/r²=400/2²=100lx。距離が2倍になると照度は4分の1になる。
-
問704.単相インバータで直流入力100V、出力(基本波実効値)が約90Vのとき、出力を直流入力で割った電圧利用率に最も近い値はどれか。
- ア.約1.8
- イ.約1.1
- ウ.約0.45
- エ.約0.9
正解:エ.約0.9
解説:電圧利用率=出力電圧÷直流入力電圧=90÷100=0.9(90%)。出力を入力で割れば利用率が求まる。インバータは直流を交流に変換する電力変換装置で、利用率は変換性能の指標の一つである。よって正解は約0.9である。
-
問705.200V三相電動機が線電流10A、力率0.85、効率0.9で運転中のときの機械的出力に最も近い値はどれか。
- ア.約2.65kW
- イ.約2.94kW
- ウ.約3.27kW
- エ.約1.7kW
正解:ア.約2.65kW
解説:入力P=√3VIcosφ=1.732×200×10×0.85≒2944W。機械的出力=入力×効率=2944×0.9≒2650W≒2.65kW。三相入力を求めてから効率を掛ける二段階の計算となる。電動機は入力から損失を引いた分が出力になる。よって正解は約2.65kWである。
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問706.短絡比1.25の同期機の同期インピーダンス(単位法・百分率法での近似)に最も近い値はどれか。
- ア.約1.0(100%)
- イ.約0.8(80%)
- ウ.約0.5(50%)
- エ.約1.25(125%)
正解:イ.約0.8(80%)
解説:同期インピーダンス(単位法)は短絡比の逆数で近似でき、Zs≒1÷Ks=1÷1.25=0.8(80%)。短絡比が大きいほど同期インピーダンスは小さく安定度が良い。短絡比とインピーダンスは逆数の関係にある。よって正解は約0.8(80%)である。
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問707.電線の許容電流計算で、消費電力2kW・電圧100V・力率1.0の単相負荷に流れる電流はいくらか。
- ア.200A
- イ.10A
- ウ.20A
- エ.2A
正解:ウ.20A
解説:I=P÷(Vcosφ)=2000÷(100×1.0)=20A。力率1.0なので電力を電圧で割るだけで電流が求まる。電線はこの負荷電流以上の許容電流を持つものを選定する必要がある。よって正解は20Aである。
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問708.ある需要家の1か月の使用電力量が7200kWh、その月を720時間とするときの平均需要電力はいくらか。
- ア.72kW
- イ.100kW
- ウ.1kW
- エ.10kW
正解:エ.10kW
解説:平均需要電力=使用電力量÷時間=7200÷720=10kW。電力量[kWh]を時間[h]で割れば平均電力[kW]が求まる。負荷率の計算などで平均需要電力を求める際に用いる基本計算である。よって正解は10kWである。
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問709.公称電圧6,600Vの高圧電路の絶縁耐力試験で、電路と大地との間に連続して10分間加える交流の試験電圧[V]はいくらか(最大使用電圧は公称電圧の1.15/1.1倍とする)。
- ア.6,900
- イ.9,900
- ウ.10,350
- エ.13,800
正解:ウ.10,350
解説:最大使用電圧は 6,600×1.15/1.1=6,900V(電技解釈1条・1-1表)。最大使用電圧7,000V以下の交流電路の試験電圧は最大使用電圧の1.5倍で、6,900×1.5=10,350V(同15条・15-1表)。
-
問710.三相短絡電流が定格電流の20倍のとき、その機器の%インピーダンスはいくらか。
- ア.50%
- イ.5%
- ウ.2%
- エ.20%
正解:イ.5%
解説:短絡電流Is=定格電流×100÷%Zより、Is÷定格電流=20=100÷%Z。これを解くと%Z=100÷20=5%となる。短絡電流が定格の何倍かは%Zの逆数に100を掛けた値に等しい関係である。よって正解は5%である。
-
問711.誘導電動機の二次入力(回転子入力)P2が10kW、すべりs=0.05のときの二次銅損P2cはいくらか。
- ア.0.05kW
- イ.9.5kW
- ウ.0.5kW
- エ.2kW
正解:ウ.0.5kW
解説:二次銅損P2c=s×P2=0.05×10=0.5kW。二次入力にすべりを掛ければ二次銅損が求まる。機械的出力はP2(1-s)=10×0.95=9.5kWとなり、二次入力が出力と銅損に分配される関係である。よって正解は0.5kWである。
-
問712.直列接続した抵抗R1=2Ω、R2=3Ω、R3=5Ωの合成抵抗に12Vを加えたときの電流はいくらか。
- ア.0.83A
- イ.2.4A
- ウ.6A
- エ.1.2A
正解:エ.1.2A
解説:直列の合成抵抗R=2+3+5=10Ω。電流I=V÷R=12÷10=1.2A。直列の合成抵抗は各抵抗の和で求め、それで電圧を割れば回路電流が得られる。直列回路では各抵抗に同じ電流が流れる。よって正解は1.2Aである。
-
問713.コイルのインダクタンスL=0.5H、流れる電流が0.1秒間に2A変化したときに発生する誘導起電力の大きさはいくらか。
- ア.10V
- イ.1V
- ウ.100V
- エ.4V
正解:ア.10V
解説:誘導起電力e=L×(di÷dt)=0.5×(2÷0.1)=0.5×20=10V。インダクタンスに電流変化率を掛けて求める。電流変化2Aを時間0.1秒で割ると20A/sとなる。電流変化が急なほど起電力は大きくなる。よって正解は10Vである。
-
問714.直流発電機は、整流子なしで直接直流を発電する仕組みである。
正解:×(誤り)
解説:誤り。直流発電機は「整流子とブラシで交流を直流に変換」(整流子なしで直接直流は不可)。
-
問715.直流他励発電機は、電機子と直接接続して励磁する方式である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。他励は「別電源で励磁」(直接接続は分巻・直巻)。
-
問716.直流分巻発電機は、界磁巻線が電機子と直列に接続された方式である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。分巻は「並列接続」(直列は直巻発電機)。
-
問717.直流直巻電動機は、起動トルクが小さく軽負荷向きである。
正解:×(誤り)
解説:誤り。直巻は「起動トルク大」、電気機関車等の重負荷向き。
-
問718.直流電動機の回転速度は、ほぼ電機子電圧に反比例する。
正解:×(誤り)
解説:誤り。直流電動機の回転速度は電機子電圧にほぼ比例します(E≒V=kΦNより)。
-
問719.同期発電機の同期速度Nsは、Ns=120p/fで表される。
正解:×(誤り)
解説:誤り。同期速度は「Ns=120f/p」(fは周波数、pは極数、記述が逆)。
-
問720.同期電動機は、同期速度より遅い回転で運転される。
正解:×(誤り)
解説:誤り。同期電動機は同期速度で回転します。同期速度より遅いのは誘導電動機です。
-
問721.同期発電機の短絡比は、1より小さいほど安定度が高い。
正解:×(誤り)
解説:誤り。短絡比は「1より大きいほど」電圧変動率が小さく安定度高い(記述が逆)。
-
問722.誘導電動機の滑りsは、s=N/Nsで定義される。
正解:×(誤り)
解説:誤り。滑りは「s=(Ns-N)/Ns」(差分の比、N/Nsではない)。
-
問723.Y-Δ始動法は、始動電流を全電圧始動の3倍に増加させる。
正解:×(誤り)
解説:誤り。Y-Δ始動は「始動電流を1/3に低減」(増加ではない)。
-
問724.誘導電動機の回転速度は、同期速度より常に速い。
正解:×(誤り)
解説:誤り。誘導電動機は「同期速度より常に遅い」(滑りがあるため)。
-
問725.誘導電動機の速度制御では、滑り抑制制御のみが使用される。
正解:×(誤り)
解説:誤り。速度制御は「周波数制御(VVVF)・極数変換・二次抵抗制御」等多様。
-
問726.変圧器の巻数比は、電圧比と異なる値となる。
正解:×(誤り)
解説:誤り。理想変圧器では「巻数比=電圧比」(一致)。
-
問727.変圧器の鉄損は、負荷電流の2乗に比例する。
正解:×(誤り)
解説:誤り。鉄損は「無負荷損で負荷によらずほぼ一定」(負荷の2乗比例は銅損)。
-
問728.変圧器の銅損は負荷電流の2乗に比例する。
正解:○(正しい)
解説:銅損Pc=I²Rで負荷電流の2乗に比例します。
-
問729.変圧器の効率が最大となるのは、鉄損と銅損が等しくなるときである。
正解:○(正しい)
解説:変圧器の最大効率の条件は『鉄損=銅損』。鉄損(無負荷損)と銅損(負荷損 I²R)が一致する負荷率で効率が最大となる。設計時の重要パラメータ。
-
問730.変圧器の結線のうち、Δ-Y結線は昇圧用変圧器として適している。
正解:○(正しい)
解説:Δ-Y結線は二次側がY結線で線間電圧が√3倍になるため昇圧に適します。
-
問731.V結線は単相変圧器2台で三相を得る方式で、Δ結線3台に比べて利用率が低い。
正解:○(正しい)
解説:正しい。V結線は単相変圧器2台で三相を供給する方式で、Δ結線3台より総容量が小さくなります。利用率(設置2台の容量に対する出力)は√3/2≒86.6%、Δ結線3台との出力比は1/√3≒57.7%です。
-
問732.パワーエレクトロニクスにおいて、サイリスタはオン・オフともにゲート信号で自由に制御できる半導体スイッチである。
正解:×(誤り)
解説:誤り。通常のサイリスタはゲートでターンオン可能ですが、ターンオフは自己転流できません。GTOやIGBTは自己消弧形です。
-
問733.IGBTは、MOSFETの電圧駆動(小さな駆動電力)とバイポーラトランジスタの低いオン電圧(大電流)を両立したパワー半導体デバイスである。
正解:○(正しい)
解説:IGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)は入力部がMOS構造で電圧駆動、出力部がバイポーラ動作で伝導度変調によりオン電圧が低く大電流を扱える。インバータや電源装置で広く使われる。
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問734.インバータは直流を交流に変換する装置である。
正解:○(正しい)
解説:インバータ=DC→AC変換、コンバータ=AC→DC変換です。
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問735.チョッパ回路は直流電圧の大きさを変換する回路である。
正解:○(正しい)
解説:DCチョッパは直流電圧を可変する回路です(降圧・昇圧・昇降圧)。
-
問736.PWM制御とは、パルス幅変調により出力電圧の実効値を制御する方式である。
正解:○(正しい)
解説:PWM(Pulse Width Modulation)の正しい説明です。
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問737.照明の光束の単位はルーメン[lm]であり、光度の単位はカンデラ[cd]である。
正解:○(正しい)
解説:光束[lm]、光度[cd]、照度[lx]、輝度[cd/m²]です。
-
問738.照度[lx]は、被照面の単位面積当たりに入射する光束[lm/m²]である。
正解:○(正しい)
解説:照度E=光束Φ/面積Aで、lx=lm/m²です。
-
問739.LED照明は、従来の白熱電球に比べて発光効率が高く、寿命も長い。
正解:○(正しい)
解説:LEDは発光効率100lm/W以上、寿命約4万時間で、白熱電球より圧倒的に優れます。
-
問740.電熱において、ジュール熱はP=I²Rで表される。
正解:○(正しい)
解説:ジュール熱(電熱)の基本式: P=I²R。電流の2乗に比例し抵抗に比例する。発熱量Q=I²Rt[J]。電熱器・電線の発熱計算で使う。
-
問741.誘導加熱は、導電性の被加熱物に渦電流を誘導してジュール熱で加熱する方式である。
正解:○(正しい)
解説:IHクッキングヒータや誘導炉の原理です。
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問742.電気化学における電気分解では、電気量Q=Itと電気化学当量により析出量が決まる(ファラデーの法則)。
正解:○(正しい)
解説:ファラデーの電気分解の法則の正しい説明です。
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問743.鉛蓄電池は一次電池で、充電して繰り返し使用することはできない。
正解:×(誤り)
解説:誤り。鉛蓄電池は二次電池(充電可能)です。自動車バッテリー等に使われます。
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問744.自動制御においてフィードバック制御は、制御量を目標値と比較して偏差を減らすように制御する方式である。
正解:○(正しい)
解説:フィードバック制御は出力を入力にフィードバックして目標値との偏差で制御する方式。PID制御等が代表例。エアコン温度制御等で広く使用。
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問745.PID制御は、比例・積分・微分の3つの動作を組み合わせた制御方式である。
正解:○(正しい)
解説:PID=Proportional-Integral-Derivativeの3動作制御です。
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問746.2進数の1011は10進数の11に等しい。
正解:○(正しい)
解説:2進数1011 → 各桁に重み 8/4/2/1 を掛けて加算: 1×8+0×4+1×2+1×1=11。2進→10進変換の基本。
-
問747.論理積(AND)は、入力がすべて1のとき出力が1となる。
正解:○(正しい)
解説:AND(論理積)は入力がすべて1のときだけ出力1。例: A=1,B=1→1、それ以外は0。OR(論理和)は1つでも1なら1で逆。
-
問748.ド・モルガンの定理により、NOT(A AND B)はNOT(A) OR NOT(B)に等しい。
正解:○(正しい)
解説:ド・モルガンの定理: NOT(A AND B) = NOT(A) OR NOT(B)、NOT(A OR B) = NOT(A) AND NOT(B)。論理回路の簡略化で頻用される基本定理。
-
問749.周波数50Hz、極数4の同期発電機の同期速度[min⁻¹]はいくらか。
- ア.750
- イ.3000
- ウ.1800
- エ.1500
正解:エ.1500
解説:Ns=120f/p=120×50/4=1500[min⁻¹]。
-
問750.周波数60Hz、極数6の三相誘導電動機が滑り3%で運転しているときの回転速度[min⁻¹]として最も近いものはどれか。
- ア.1164
- イ.1200
- ウ.1236
- エ.1800
正解:ア.1164
解説:Ns=120×60/6=1200、N=Ns(1-s)=1200×0.97=1164[min⁻¹]。
-
問751.変圧器の巻数比が20のとき、一次電圧6600Vに対する二次電圧[V]はいくらか。
- ア.132
- イ.330
- ウ.660
- エ.3300
正解:イ.330
解説:V2=V1/a=6600/20=330[V]。
-
問752.変圧器の鉄損100W、全負荷時の銅損400Wのとき、効率が最大となる負荷率[%]として最も近いものはどれか。
- ア.25
- イ.70
- ウ.50
- エ.100
正解:ウ.50
解説:最大効率条件:鉄損=銅損。負荷率αで銅損=α²×400。α²×400=100→α=0.5=50%。
-
問753.定格容量100kVAの単相変圧器2台をV結線したときの三相出力容量[kVA]として最も近いものはどれか。
- ア.100
- イ.141
- ウ.200
- エ.173
正解:エ.173
解説:V結線容量=√3×単相容量=√3×100≒173[kVA]。
-
問754.直流分巻電動機が電機子電圧200V、電機子電流20A、電機子抵抗0.5Ωで運転しているときの逆起電力[V]はいくらか。
- ア.190
- イ.180
- ウ.195
- エ.210
正解:ア.190
解説:E=V-Ra×Ia=200-0.5×20=190[V]。
-
問755.誘導電動機のY-Δ始動法で、全電圧始動に比べて始動電流は何分の1になるか。
- ア.1/√3
- イ.1/3
- ウ.1/2
- エ.1/√3×1/3
正解:イ.1/3
解説:Y-Δ始動で始動電流は1/3になります(始動トルクも1/3)。
-
問756.インバータ回路で最も一般的に用いられる制御方式はどれか。
- ア.PAM制御
- イ.PFC制御
- ウ.PWM制御
- エ.PLC制御
正解:ウ.PWM制御
解説:インバータは通常PWM(パルス幅変調)制御が用いられます。
-
問757.パワー半導体デバイスのうち、自己消弧形でないものはどれか。
- ア.IGBT
- イ.GTO
- ウ.MOSFET
- エ.サイリスタ(逆阻止3端子)
正解:エ.サイリスタ(逆阻止3端子)
解説:一般のサイリスタは自己消弧できず、電流零点を待つ必要があります。
-
問758.100Wの白熱電球から放射される全光束が1200lmのときの総合発光効率[lm/W]はいくらか。
- ア.12
- イ.8
- ウ.80
- エ.120
正解:ア.12
解説:発光効率=1200/100=12[lm/W]。
-
問759.2進数の1101を10進数で表したものはどれか。
- ア.11
- イ.13
- ウ.14
- エ.15
正解:イ.13
解説:2進数1101 → 各桁に重み 8/4/2/1 を掛けて加算: 1×8+1×4+0×2+1×1=13。1101=13の対応関係を覚える。
-
問760.論理式A+AB(論理和と論理積)を簡単化するとどうなるか。
- ア.A+B
- イ.AB
- ウ.A
- エ.B
正解:ウ.A
解説:吸収律: A+AB = A(1+B) = A×1 = A。論理式の簡単化で多用される基本則。1+任意 = 1 を活用する。
-
問761.電圧200V・電流50A・力率0.8の三相誘導電動機の入力[kW]として最も近いものはどれか。
- ア.8.0
- イ.10.0
- ウ.17.3
- エ.13.86
正解:エ.13.86
解説:P=√3VIcosφ=1.732×200×50×0.8≒13856[W]≒13.86[kW]。
-
問762.抵抗1000Ωの電熱器に電圧100Vを加えたとき、1時間あたりの消費電力量[kWh]はいくらか。
- ア.0.01
- イ.0.1
- ウ.1
- エ.10
正解:ア.0.01
解説:P=V²/R=10000/1000=10[W]、W=10×1=10[Wh]=0.01[kWh]。
-
問763.三相誘導電動機の滑りが大きくなると、一般的にどうなるか。
- ア.回転速度が同期速度に近づく
- イ.二次銅損が増加する
- ウ.二次側周波数が小さくなる
- エ.効率が向上する
正解:イ.二次銅損が増加する
解説:滑り増→回転数低下→二次側周波数sf増・二次銅損sP2増で効率も低下します。
-
問764.直流電動機は、ブラシと整流子を介して電機子に直流電流を流し、界磁の磁束と電機子電流との間に働く電磁力で回転する。
正解:○(正しい)
解説:直流電動機は、界磁(固定子)がつくる静止磁界の中で電機子導体に電流を流し、その電磁力で回転する。整流子とブラシが電機子電流の向きを切り換えてトルクの向きを一定に保つ。回転磁界を利用するのは誘導電動機や同期電動機である。
-
問765.三相誘導電動機は、固定子に三相交流を流し、回転磁界を発生させて回転子を回す方式である。
正解:○(正しい)
解説:三相誘導電動機:かご形・巻線形。最も普及した産業用モーター。シンプル・堅牢・安価が特徴。
-
問766.誘導電動機の回転速度は、電源の周波数と極数で決まる同期速度より、すべりの分だけ遅い。
正解:○(正しい)
解説:すべり s = (Ns-N)/Ns。Ns=120f/P[rpm](同期速度)。誘導機は常にすべりがあり同期速度より遅い回転。
-
問767.同期電動機は、電源周波数と完全に同期した一定速度で回転する電動機である。
正解:○(正しい)
解説:同期電動機:時計用・精密制御用。すべりなし、定速回転。インバータ制御で電気自動車にも応用(永久磁石同期電動機)。
-
問768.変圧器の理想変圧比は、1次/2次の巻数比に等しい。
正解:○(正しい)
解説:変圧比 a = N1/N2 = V1/V2 = I2/I1。電圧は巻数比に比例、電流は反比例。
-
問769.変圧器の損失には、無負荷損(鉄損)と負荷損(銅損)がある。
正解:○(正しい)
解説:変圧器損失:鉄損(コア励磁・無負荷でも常時発生)、銅損(巻線抵抗・負荷電流の二乗で増加)。最大効率は両者が等しい時。
-
問770.インバータは、直流を任意の周波数の交流に変換する装置で、可変速電動機制御に必須である。
正解:○(正しい)
解説:インバータ:DC→AC変換。VVVF(可変電圧可変周波数)でモーター速度制御、エアコン・電車・EVに応用。
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問771.コンバータ(整流器)は、交流を直流に変換する装置で、ダイオードやサイリスタを用いる。
正解:○(正しい)
解説:コンバータ:AC→DC変換。整流回路(半波・全波・三相全波)。スイッチング電源・直流送電・モーター駆動の前段で使用。
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問772.パワー半導体素子のIGBTは、電圧駆動でゲート制御が容易、大電力スイッチングに広く使用される。
正解:○(正しい)
解説:IGBT:MOSFET(電圧駆動)とBJT(大電流容量)の長所を統合。インバータ・モーター制御の主役。
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問773.誘電加熱は、絶縁物(誘電体)に高周波の電界を加え、誘電体損によって被加熱物の内部から発熱させる方式で、電子レンジはその応用である。
正解:○(正しい)
解説:誘電体損による発熱は周波数と比誘電率×誘電正接に比例し、木材の乾燥やプラスチックの溶着、電子レンジ(2.45GHz)に用いられる。導体に渦電流を流して加熱するのは誘導加熱である。
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問774.パワーエレクトロニクスは、電力の変換・制御に半導体電子回路を応用する技術分野である。
正解:○(正しい)
解説:パワエレ:インバータ・コンバータ・チョッパ・サイクロコンバータ等。電気自動車・再エネ・産業機器の中核技術。
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問775.電動機の効率は、出力電力を入力電力で割った値で、IE(International Efficiency)規格で分類される。
正解:○(正しい)
解説:電動機効率:IE1(標準)→IE2(高効率)→IE3(プレミアム)→IE4(スーパープレミアム)→IE5(ウルトラプレミアム)。IE は International Efficiency(国際効率)の略で、IEC 60034-30-1 が定める効率クラスです。省エネ規制でIE3以上が義務化進行中。
-
問776.巻線形三相誘導電動機の二次抵抗を大きくすると、最大トルクの値は変わらず、最大トルクを生じるすべりが大きくなる。
正解:○(正しい)
解説:トルクは二次抵抗とすべりの比 r2/s が同じなら同じ値になる(比例推移)。二次抵抗を m 倍にすると同じトルクを生じるすべりも m 倍になり、最大トルクの値は変わらずに始動トルクを大きくできる。
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問777.フィードバック制御は、出力を測定せずに目標値を直接設定する制御方式である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。FB制御は「出力を測定し目標と比較して誤差を修正」(測定せずは制御不可)。
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問778.シーケンス制御は、ランダムな順序で動作する制御方式である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。シーケンス制御は「決められた順序で逐次実行」(ランダムではない)。
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問779.電動機の始動電流は、定常電流と同程度で特に対策は不要である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。始動電流は「定常電流の数倍」、始動補償器(リアクトル・Y-Δ等)が必要。
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問780.PWMは、パルスの周波数を変化させて出力制御する技術である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。PWMは「パルス幅(duty)を変える」(周波数ではない)。
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問781.電気自動車のモーターは、現在主にブラシ付き直流モーターが使われる。
正解:×(誤り)
解説:誤り。EVは「永久磁石同期電動機(PMSM)または誘導電動機」が主流(ブラシ付きDC不採用)。
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問782.同期発電機は、原動機を非同期速度で回転させて発電する。
正解:×(誤り)
解説:誤り。同期発電機は「同期速度」で回転して発電(非同期は誘導発電機)。
-
問783.変圧器の三相結線方式(Y-Y、Y-Δ、Δ-Y、Δ-Δ)の選択は、変圧比・中性点接地・高調波の観点で決まる。
正解:○(正しい)
解説:三相変圧器結線:Y-Δは降圧用、Δ-Y は昇圧用、Y-Y は通信送電に多い。中性点接地・高調波抑制などの考慮が必要。
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問784.誘導電動機の同期速度Nsを求める式として正しいものはどれか(f:周波数、P:極数)。
- ア.Ns = 60f/P [rpm]
- イ.Ns = fP/120 [rpm]
- ウ.Ns = f/P [rpm]
- エ.Ns = 120f/P [rpm]
正解:エ.Ns = 120f/P [rpm]
解説:同期速度 Ns = 120f/P [rpm]。50Hz・4極の場合 1500rpm。
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問785.次のうち、電力変換装置の組合せとして正しいものはどれか。
- ア.インバータ:DC→AC
- イ.コンバータ:DC→AC
- ウ.インバータ:AC→DC
- エ.チョッパ:AC→AC
正解:ア.インバータ:DC→AC
解説:インバータ:DC→AC。コンバータ:AC→DC。チョッパ:DC→DC。サイクロコンバータ:AC→AC。
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問786.IE規格でプレミアム効率に該当するクラスはどれか。
- ア.IE1
- イ.IE3
- ウ.IE2
- エ.IE4
正解:イ.IE3
解説:IE1(標準)・IE2(高効率)・IE3(プレミアム)・IE4(スーパープレミアム)・IE5(ウルトラプレミアム)。
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問787.次のパワー半導体素子のうち、電圧駆動・大電力スイッチングに適したものはどれか。
- ア.BJT
- イ.GTO
- ウ.IGBT
- エ.TRIAC
正解:ウ.IGBT
解説:IGBT:電圧駆動(MOS)・大電流(BJT)の長所合成。インバータの主役。
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問788.次の制御方式のうち、PID制御に含まれない要素はどれか。
- ア.比例(Proportional)
- イ.積分(Integral)
- ウ.微分(Differential)
- エ.指数(Exponential)
正解:エ.指数(Exponential)
解説:PID制御:P(比例)・I(積分)・D(微分)。指数はPIDに含まれない。
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問789.VVVF制御は、誘導電動機の固定速度運転を実現する技術である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。VVVFは「可変速運転」を実現(固定速度ではない)。
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問790.ベクトル制御は、誘導電動機の精密制御には不向きである。
正解:×(誤り)
解説:誤り。ベクトル制御は「直流機並みの高速・高精度制御」が可能(不向きではない)。
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問791.ステッピングモータは、連続的に滑らかに回転するモータである。
正解:×(誤り)
解説:誤り。ステッピングは「パルス信号で決まった角度ずつ」回転(連続滑らかではない)。
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問792.サーボモータは、フィードバック制御を使用しないモータである。
正解:×(誤り)
解説:誤り。サーボは「FB制御」を併用して位置・速度・トルクを高精度制御。
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問793.ブラシレスDCモータは、ブラシが必要で頻繁な交換が必要である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。ブラシレスは「ブラシ不要」(メンテナンスフリー)。
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問794.電熱機器の効率は、入力÷出力×100%で計算される。
正解:×(誤り)
解説:誤り。効率は「出力÷入力×100%」(記述が逆)。
-
問795.誘導加熱(IH)は、燃焼で金属を加熱する方式である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。IHは「電磁誘導の渦電流」で金属直接加熱(燃焼ではない)。
-
問796.電気炉は、抵抗式(ヒーター加熱)・誘導式・アーク式・電子ビーム式等の種類がある。
正解:○(正しい)
解説:電気炉:抵抗炉(汎用)・誘導炉(金属溶解)・アーク炉(製鋼)・電子ビーム炉(高純度金属)等。
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問797.ヒートポンプ給湯機は、電気ヒーターのみで水を温める仕組みである。
正解:×(誤り)
解説:誤り。ヒートポンプは「空気の熱を汲み上げて」水を温める(高効率)。電気ヒーター単独はEcoCute以前のタイプ。
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問798.電動機の制動方式には、機械制動(ブレーキ)・電気制動(発電制動・回生制動)・直流制動等がある。
正解:○(正しい)
解説:制動方式:機械(摩擦)・発電制動(運動エネ→熱)・回生制動(運動エネ→電力に回収)・直流制動(直流注入)。
-
問799.回生制動は、運動エネルギーを熱として消散させる制動方式である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。回生制動は「運動エネルギーを電力に変換」して系統や蓄電池に戻す(熱消散は発電制動)。
-
問800.自動制御におけるブロック線図は、システムを伝達関数のブロックで表現した図である。
正解:○(正しい)
解説:ブロック線図:制御系を伝達関数(s関数)のブロックで表現。直列・並列・フィードバック結合で構成。
-
問801.自動制御の伝達関数は、ラプラス変換した出力と入力の比で、システムの動特性を表す。
正解:○(正しい)
解説:伝達関数:G(s) = Y(s)/X(s)。ラプラス変換でs領域に変換し、極・零点で安定性・応答特性を評価。
-
問802.制御系の安定性判別に、ナイキスト線図・ボード線図・ニコルス線図等が用いられる。
正解:○(正しい)
解説:安定性判別:ナイキスト線図(極座標)・ボード線図(ゲイン位相)・ニコルス線図。位相余裕・ゲイン余裕で安定性評価。
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問803.PLCは、家庭用パソコンと同じ汎用コンピュータである。
正解:×(誤り)
解説:誤り。PLCは「産業機械の自動制御専用コンピュータ」(汎用PCとは異なる)。
-
問804.パワーエレクトロニクスのスイッチング動作では、電力損失が生じるため、スイッチング周波数の最適化が重要である。
正解:○(正しい)
解説:スイッチング損失:スイッチング過渡時の電圧×電流の積分。周波数を上げるほど損失増。ZVS/ZCS(ソフトスイッチング)で低減。
-
問805.SiC・GaNデバイスは、Siより低耐圧・低効率である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。SiC・GaNは「Siより高耐圧・高効率・高周波動作」が可能(記述が逆)。
-
問806.力率1で運転している同期電動機の励磁を弱める(不足励磁にする)と、電源から進み電流をとる。
正解:×(誤り)
解説:誤り。V曲線(位相特性曲線)では、力率1の点から界磁電流を減らす(不足励磁)と遅れ電流となり(リアクトルとして働く)、増やす(過励磁)と進み電流となる(コンデンサとして働く)。この性質を利用して無負荷の同期電動機で無効電力を調整するのが同期調相機である。
-
問807.誘導電動機の始動方式には、全電圧始動(直入れ始動)・スター・デルタ始動・リアクトル始動等がある。
正解:○(正しい)
解説:始動方式:直入れ(小型)・スターデルタ(中容量)・リアクトル(電圧降下抑制)・始動補償器等。突入電流抑制が目的。
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問808.電動機のトルク・速度特性は、すべての用途で同一の選定で済む。
正解:×(誤り)
解説:誤り。用途に応じて「定トルク負荷・二乗トルク負荷」等で選定(同一ではない)。
-
問809.誘導電動機の可変速制御として、最も一般的に使われている方式はどれか。
- ア.電圧制御
- イ.巻線型誘導電動機の二次抵抗制御
- ウ.極数切替
- エ.周波数制御(VVVF)
正解:エ.周波数制御(VVVF)
解説:VVVFインバータ:可変電圧可変周波数制御で広範囲・高効率の可変速運転。エアコン・電車等で標準化。
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問810.次のモータのうち、ブラシ・整流子を持たないものはどれか。
- ア.ブラシレスDCモータ
- イ.直流モータ(ブラシ付)
- ウ.直流発電機(ブラシ付)
- エ.いずれもブラシ付
正解:ア.ブラシレスDCモータ
解説:ブラシレスDCモータ:電子整流回路で整流。長寿命・低騒音。メンテナンスフリー。
-
問811.次のうち、エコキュートの仕組みとして正しいものはどれか。
- ア.電気ヒーターの抵抗加熱で水を加熱する
- イ.大気の熱をヒートポンプで汲み上げて水を加熱する
- ウ.ガスエンジンの排熱を回収して水を加熱する
- エ.集熱器で集めた太陽熱で水を加熱する
正解:イ.大気の熱をヒートポンプで汲み上げて水を加熱する
解説:エコキュートは家庭用ヒートポンプ給湯機で、再生可能エネルギーである空気の熱を利用する。電気のエネルギーで空気の熱を汲み上げて給湯のエネルギーを得るので、省エネになる。電気ヒーターの抵抗加熱で水を加熱する方式、ガスエンジンの排熱を回収して水を加熱する方式、集熱器で集めた太陽熱で水を加熱する方式は、いずれも空気の熱をヒートポンプで汲み上げる仕組みではない。「大気の熱をヒートポンプで汲み上げる」点がエコキュートの特徴である。
-
問812.次のうち、回生制動について正しいものはどれか。
- ア.ブレーキパッドで摩擦
- イ.抵抗で熱に変換
- ウ.電動機を発電機として運動エネを電気に変換
- エ.機械的な減速のみ
正解:ウ.電動機を発電機として運動エネを電気に変換
解説:回生制動:電動機を発電機動作させ、運動エネを電気エネに変換して回収。EV・電車で省エネ。
-
問813.次のパワー半導体のうち、ワイドバンドギャップ半導体に分類されるものはどれか。
- ア.Siダイオード
- イ.バリスタ
- ウ.Geトランジスタ
- エ.SiC(炭化ケイ素)
正解:エ.SiC(炭化ケイ素)
解説:SiC・GaNがワイドバンドギャップ半導体。Siよりバンドギャップ約3倍で高耐圧・高効率・高周波動作可能。
-
問814.直流電動機などの原動機では,負荷の増減によって,回転速度やトルクが変化する。直流分巻電動機の速度特性とトルク特性を示す正しい図に最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 ただし,図の負荷電流は電機子電流と界磁電流の和であり,I₀は無負荷電流の値である。端子電圧と界磁調整器の抵抗値は一定であるとする。
- 1.

- 2.

- 3.

- 4.

- 5.

正解:5.
解説:直流分巻電動機は端子電圧と界磁調整器の抵抗が一定なので界磁電流すなわち磁束Φがほぼ一定である。回転速度 n=(V−Iₐ Rₐ)/(kΦ) は負荷電流(電機子電流)が増えても電機子抵抗降下 Iₐ Rₐ がわずかに増すだけなので、ほぼ一定でごく緩やかに垂下する。トルク T=kΦ Iₐ は磁束一定のため電機子電流にほぼ比例し、無負荷電流 I₀ の点から直線的に増加する。したがって上側の n がほぼ水平で緩やかに下降し、下側の T が I₀ 付近から直線的に立ち上がる(5)が正しく、n と T のラベルが入れ替わった(4)は誤りである。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 機械 問1
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 - 1.
-
問815.界磁に永久磁石を用いた小形直流電動機がある。この電動機の電機子に12 Vの電圧を加えたところ,無負荷の状態で3 000 min⁻¹で回転した。この電圧を維持したまま負荷を与えて,2 Aの電機子電流を流したところ,損失が3 W発生した。このときの回転数[min⁻¹]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 ただし,ブラシによる電圧降下及び電機子反作用は無視できるものとし,損失は電機子巻線の銅損しか存在しないものとする。
- 1.3 429
- 2.3 000
- 3.2 813
- 4.2 625
- 5.2 250
正解:4.2 625
解説:界磁が永久磁石で磁束が一定なので逆起電力 E は回転数に比例する。無負荷時は電機子電流がほぼ0で電機子抵抗降下がなく、E₀=12 V が 3000 min⁻¹ に対応する。負荷時は銅損 Iₐ²Rₐ=2²×Rₐ=3 W より Rₐ=0.75 Ω、電機子抵抗降下は 2×0.75=1.5 V、逆起電力は E=12−1.5=10.5 V となる。E∝n より n=3000×(10.5/12)=2625 min⁻¹ となり、正解は(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 機械 問2
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問816.次の文章は,誘導電動機の始動に関する記述である。 a.三相巻線形誘導電動機は,二次回路を調整して始動する。トルクの比例推移特性を利用して,トルクが最大値となる滑りを (ア) 付近になるようにする。具体的には,二次回路を (イ) で引き出して抵抗を接続し,二次抵抗値を定格運転時よりも大きな値に調整する。 b.三相かご形誘導電動機は,一次回路を調整して始動する。具体的には,始動時はY結線,通常運転時はΔ結線にコイルの接続を切り替えてコイルに加わる電圧を下げて始動する方法,(ウ) を電源と電動機の間に挿入して始動時の端子電圧を下げる方法,及び (エ) を用いて電圧と周波数の両者を下げる方法がある。 c.三相誘導電動機では,三相コイルが作る磁界は回転磁界である。一方,単相誘導電動機では,単相コイルが作る磁界は交番磁界であり,主コイルだけでは始動しない。そこで,主コイルとは (オ) が異なる電流が流れる補助コイルやくま取りコイルを固定子に設けて,回転磁界や移動磁界を作って始動する。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア)1 (イ)スリップリング (ウ)始動抵抗器 (エ)始動コンデンサ (オ)周波数
- 2.(ア)0 (イ)整流子 (ウ)始動抵抗器 (エ)始動コンデンサ (オ)位相
- 3.(ア)0 (イ)スリップリング (ウ)始動補償器 (エ)インバータ (オ)周波数
- 4.(ア)1 (イ)スリップリング (ウ)始動補償器 (エ)インバータ (オ)位相
- 5.(ア)1 (イ)整流子 (ウ)始動抵抗器 (エ)インバータ (オ)位相
正解:4.(ア)1 (イ)スリップリング (ウ)始動補償器 (エ)インバータ (オ)位相
解説:巻線形誘導電動機は二次抵抗を大きくし比例推移で最大トルクの滑りを始動時の(ア)1付近へ移すため、二次回路を(イ)スリップリングで引き出して抵抗を接続する。かご形の一次側電圧調整には、(ウ)始動補償器(単巻変圧器)で端子電圧を下げる方法と、(エ)インバータで電圧と周波数の両方を下げる方法がある。単相機は主コイルと(オ)位相の異なる電流を流す補助コイルやくま取りコイルで回転磁界を作って始動する。以上より組合せは(4)が正しい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 機械 問3
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問817.あるかご形三相誘導電動機を定格電圧でY-Δ始動したところ,始動トルクは49.0 N·mであった。また,Δ結線での全電圧始動時(定格電圧)の始動トルクは定格運転時の210 %である。この電動機の定格運転時のトルクの値[N·m]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.16.3
- 2.23.3
- 3.28.3
- 4.40.4
- 5.70.0
正解:5.70.0
解説:Y−Δ始動ではY結線の相電圧が線間電圧の1/√3となり、トルクは電圧の2乗に比例するので、始動トルクはΔ結線全電圧始動時の1/3になる。よってΔ全電圧始動時の始動トルクは 3×49.0=147 N·m である。これが定格運転時トルクの210 %に当たるので、定格トルク=147/2.10=70.0 N·m となり、正解は(5)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 機械 問4
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問818.回転界磁形同期電動機が停止している状態で,固定子巻線に対称三相交流電圧を印加すると回転磁界が生じる。しかし,励磁された回転子磁極が受けるトルクは,同じ大きさで向きが交互に変わるので,その平均トルクは零になり電動機は起動しない。これを改善するために,回転子の磁極面に (ア) を施す。これは, (イ) と同じ起動原理を利用したもので,誘導トルクによって電動機を起動させる。 起動時には,回転磁束によって誘導される高電圧によって絶縁が破壊するおそれがあるので, (ウ) を抵抗で短絡して起動する。回転子の回転速度が同期速度に近づくと,この短絡を切り放し (エ) で励磁すると,回転子は同期速度に引き込まれる。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア)補償巻線 (イ)巻線形誘導電動機 (ウ)界磁巻線 (エ)交流
- 2.(ア)制動巻線 (イ)巻線形誘導電動機 (ウ)界磁巻線 (エ)交流
- 3.(ア)制動巻線 (イ)かご形誘導電動機 (ウ)界磁巻線 (エ)直流
- 4.(ア)制動巻線 (イ)かご形誘導電動機 (ウ)固定子巻線 (エ)直流
- 5.(ア)補償巻線 (イ)かご形誘導電動機 (ウ)固定子巻線 (エ)直流
正解:3.(ア)制動巻線 (イ)かご形誘導電動機 (ウ)界磁巻線 (エ)直流
解説:停止状態の同期電動機は平均トルクが零で自己起動できないため、回転子磁極面に制動巻線(ア)を施す。これはかご形誘導電動機(イ)と同じ起動原理で、二次導体に誘導電流が流れて生じる誘導トルクにより回転子を回す。起動時に界磁巻線(ウ)へ誘起する高電圧で絶縁が破壊しないよう、界磁巻線を抵抗で短絡して起動し、同期速度に近づいたら短絡を切り放して直流(エ)で励磁すると同期速度に引き込まれる。よって組合せは(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 機械 問5
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問819.三相同期発電機があり,無負荷で端子電圧(線間)15.2 kV を発生させるのに必要な界磁電流は 500 A である。この界磁電流を 100 A にして短絡試験を行ったとき,短絡電流 860 A が流れた。界磁電流が 500 A のとき,この発電機の同期インピーダンス[Ω]の値として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.10.2
- 2.6.86
- 3.3.53
- 4.2.04
- 5.0.55
正解:4.2.04
解説:短絡特性は原点を通る直線なので、界磁電流を100 Aから500 Aへ5倍にすると短絡電流も比例して増え、Is=860×(500/100)=4300 Aとなる。同期インピーダンスは同一界磁電流のときの1相分の起電力を短絡電流で割った値で、界磁電流500 Aでの相電圧は無負荷試験値から E=15.2×10³/√3≒8776 V。したがって Zs=E/Is=8776/4300≒2.04 Ωとなり、答えは(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 機械 問6
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問820.次の文章は,ステッピングモータに関する記述である。 ステッピングモータはパルスモータとも呼ばれ,駆動回路に与えられた (ア) に比例する (イ) だけ回転するものである。したがって,このモータはパルスを周期的に与えたとき,そのパルスの (ウ) に比例する回転速度で回転し,入力パルスを停止すれば回転子も停止する。 ステッピングモータはパルスが送られるたびに定められた角度θ[°]を 1 ステップとして回転する。この 1 パルス当たりの回転角度を (エ) という。 ステッピングモータには,永久磁石形,可変リラクタンス形,ハイブリッド形などがあり,永久磁石形ステッピングモータでは,無通電状態でも回転子位置を (オ) が働く特徴がある。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア)パルス数 (イ)回転速度 (ウ)周波数 (エ)移動角 (オ)保持する力
- 2.(ア)パルス数 (イ)回転角度 (ウ)幅 (エ)ステップ角 (オ)追従する力
- 3.(ア)パルス数 (イ)回転角度 (ウ)周波数 (エ)ステップ角 (オ)保持する力
- 4.(ア)周波数 (イ)回転角度 (ウ)幅 (エ)ステップ角 (オ)追従する力
- 5.(ア)周波数 (イ)回転速度 (ウ)幅 (エ)移動角 (オ)追従する力
正解:3.(ア)パルス数 (イ)回転角度 (ウ)周波数 (エ)ステップ角 (オ)保持する力
解説:ステッピングモータは駆動回路に与えられたパルス数(ア)に比例する回転角度(イ)だけ回転し、パルスを周期的に与えるとその周波数(ウ)に比例する回転速度で回る。1パルス当たりの回転角度をステップ角(エ)という。永久磁石形は永久磁石の磁束により、無通電状態でも回転子位置を保持する力(オ)(ディテントトルク)が働く点が特徴である。よって組合せは(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 機械 問7
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問821.次の文章は,電力用コンデンサに関する記述である。 電力用コンデンサには,進相コンデンサ,調相コンデンサ及び直列コンデンサがあり,さらにフィルタ用コンデンサやサージ吸収用コンデンサなどを含めることがある。電力用コンデンサは,一般的に複数枚の薄葉誘電体を金属はく電極とともに巻き込み,リード線を引き出した単位コンデンサの集合で構成し,容器などに収納したものである。また,電極として蒸着金属が用いられることがある。誘電体には,広い面積にわたり厚さが均一であること,適当な機械的強度を有すること,誘電率が (ア) その温度変化が少ないこと,誘電正接が (イ) 絶縁抵抗及び絶縁耐力が (ウ) こと,耐熱性に優れ長期安定性に優れていることなどが求められる。 電力用コンデンサの (エ) 点検としては,油漏れ,発錆,がいしの汚損,容器の変形,端子部の過熱及び機器の異常加熱などの有無について確認を行う。また,数年ごとあるいは異常発生時に行う (オ) 点検として, (エ) 点検項目のほかにコンデンサの静電容量・損失の測定,端子-外箱間の絶縁抵抗測定,耐電圧試験などを実施する。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア)高く (イ)大きく (ウ)高い (エ)日常 (オ)特別
- 2.(ア)高く (イ)小さく (ウ)高い (エ)日常 (オ)特別
- 3.(ア)高く (イ)小さく (ウ)低い (エ)特別 (オ)日常
- 4.(ア)低く (イ)大きく (ウ)高い (エ)特別 (オ)日常
- 5.(ア)低く (イ)大きく (ウ)低い (エ)特別 (オ)日常
正解:2.(ア)高く (イ)小さく (ウ)高い (エ)日常 (オ)特別
解説:コンデンサの誘電体には、静電容量を大きくとれるよう誘電率が高く(ア)、誘電損を抑えるため誘電正接が小さく(イ)、絶縁抵抗及び絶縁耐力が高い(ウ)ことが求められる。点検は、油漏れやがいし汚損など外観を目視確認する日常(エ)点検と、数年ごとに静電容量・損失測定や耐電圧試験まで行う特別(オ)点検に分けられる。よって組合せは(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 機械 問8
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問822.単相変圧器の一次側に電流計,電圧計及び電力計を接続して,短絡試験を行う。二次側を短絡し,一次側に定格周波数の電圧を供給し,電流計が 30 A を示すように一次側の電圧を調整したところ,電圧計は 150 V,電力計は 1 350 W を示した。この変圧器の一次側からみた漏れリアクタンスの値[Ω]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 ただし,変圧器の励磁回路のインピーダンスは無視し,電流計,電圧計及び電力計は理想的な計器であるものとする。
- 1.1.50
- 2.3.50
- 3.4.77
- 4.5.00
- 5.5.22
正解:3.4.77
解説:短絡試験は二次側を短絡し一次に低い電圧を加えて定格付近の電流を流す試験で、このとき電力計の指示 1350 W は励磁回路を無視すれば変圧器巻線の抵抗損(銅損)に等しい。一次側からみた等価回路は抵抗 R と漏れリアクタンス X の直列とみなせるので、まずインピーダンス Z=V/I=150/30=5.00 Ω。抵抗は電力から R=P/I²=1350/30²=1350/900=1.50 Ω。漏れリアクタンスは直角三角形の関係 X=√(Z²−R²)=√(5.00²−1.50²)=√(25−2.25)=√22.75≒4.77 Ω となる。よって最も近い値は(3)の 4.77 Ω である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 機械 問9
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問823.電力変換装置では,各種のパワー半導体デバイスが使用されている。パワー半導体デバイスの定常的な動作に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.IGBT と逆並列ダイオードを組み合わせたパワー半導体デバイスは,IGBT にとって順方向の電流を流すことができる期間を IGBT のオンのゲート電圧を与えることで決めることができる。IGBT にとって逆方向の電圧が印加されると,IGBT のゲート状態にかかわらず IGBT にとって逆方向の電流が逆並列ダイオードに流れる。
- 2.ダイオードの導通,非導通は,そのダイオードに印加される電圧の極性で決まり,導通時は回路電圧と負荷などで決まる順電流が流れる。
- 3.サイリスタは,オンのゲート電流が与えられて順方向の電流が流れている状態であれば,その後にゲート電流を取り去っても,順方向の電流に続く逆方向の電流を流すことができる。
- 4.オフしているパワーMOSFET は,ボディーダイオードを内蔵しているのでオンのゲート電圧が与えられなくても逆電圧が印加されれば逆方向の電流が流れる。
- 5.オフしている IGBT は,順電圧が印加されていてオンのゲート電圧を与えると順電流を流すことができ,その状態からゲート電圧を取り去ると非導通となる。
正解:3.サイリスタは,オンのゲート電流が与えられて順方向の電流が流れている状態であれば,その後にゲート電流を取り去っても,順方向の電流に続く逆方向の電流を流すことができる。
解説:誤りは(3)。サイリスタはオンのゲート電流を与えて順方向に導通させると、その後ゲート電流を取り去っても順方向電流が自己保持(ラッチ)して流れ続けるが、サイリスタは逆方向電圧を阻止する逆阻止デバイスであり逆方向の電流を流すことはできない。順方向電流がゼロに近づくとターンオフし、以後は逆電圧が加わっても(わずかな逆回復電流を除き)逆方向電流は流れない。したがって「順方向の電流に続く逆方向の電流を流すことができる」という記述が誤りである。なお(1)のIGBTと逆並列ダイオードの動作、(2)のダイオードの導通・非導通、(4)のパワーMOSFETのボディダイオードによる逆導通、(5)のIGBTのゲート制御による導通・非導通はいずれも正しい記述である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 機械 問10
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問824.図に示すように,電動機が減速機と組み合わされて負荷を駆動している。このときの電動機の回転速度 nₘ が 1 200 min⁻¹,トルク Tₘ が 100 N·m であった。減速機の減速比が 6,効率が 0.96 のとき,負荷の回転速度 n_L[min⁻¹],軸トルク T_L[N·m]及び軸入力 P_L[kW]の値として,最も近いものを組み合わせたのは次のうちどれか。

- 1.n_L 7 200 min⁻¹, T_L 576 N·m, P_L 4 147 kW
- 2.n_L 7 200 min⁻¹, T_L 16.0 N·m, P_L 12.1 kW
- 3.n_L 7 200 min⁻¹, T_L 16.0 N·m, P_L 4 147 kW
- 4.n_L 200 min⁻¹, T_L 16.0 N·m, P_L 12.1 kW
- 5.n_L 200 min⁻¹, T_L 576 N·m, P_L 12.1 kW
正解:5.n_L 200 min⁻¹, T_L 576 N·m, P_L 12.1 kW
解説:減速比6の減速機なので負荷側の回転速度は電動機の1/6となり n_L=n_m/6=1200/6=200 min⁻¹。電動機の機械出力は P_m=ω_m·T_m=2π×(1200/60)×100=2π×20×100≒12566 W≒12.57 kW。減速機の効率0.96より負荷へ伝わる軸入力は P_L=P_m×0.96≒12566×0.96≒12063 W≒12.1 kW。軸トルクはトルクが減速比倍・効率倍になることから T_L=T_m×減速比×効率=100×6×0.96=576 N·m(検算:T_L=P_L/ω_L=12063/(2π×200/60)≒12063/20.9≒577 N·m で一致)。したがって n_L=200 min⁻¹、T_L=576 N·m、P_L=12.1 kW の組合せである(5)が正しい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 機械 問11
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問825.電気炉の壁の外面に垂直に小穴をあけ,温度計を挿入して壁の外面から 10 cm と 30 cm の箇所で壁の内部温度を測定したところ,それぞれ 72 ℃と 142 ℃の値が得られた。炉壁の熱伝導率を 0.94 W/(m·K)とすれば,この炉壁からの単位面積当たりの熱損失[W/m²]の値として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 ただし,壁面に垂直な方向の温度こう配は一定とする。
- 1.1 490
- 2.329
- 3.165
- 4.14.9
- 5.3.29
正解:2.329
解説:温度こう配が一定な平板の熱伝導なので、単位面積当たりの熱損失はフーリエの法則 q=λ×(ΔT/Δx) で求まる。測定した2点は外面から10 cmと30 cmの位置なので両点間の距離は Δx=30−10=20 cm=0.20 m、温度差は ΔT=142−72=70 K。よって q=0.94×(70/0.20)=0.94×350=329 W/m² となり、最も近い値は(2)の 329 W/m² である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 機械 問12
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問826.図のブロック線図で示す制御系において,R(jω) と C(jω) 間の合成周波数伝達関数 C(jω)/R(jω) を示す式として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.G₁G₃/(1+G₁G₂G₃)
- 2.G₁G₂/(1+G₁G₂G₃)
- 3.(G₁−G₂)/(1+G₁G₃−G₂G₃)
- 4.(G₁+G₂+G₁G₂)/(1+G₂+G₁G₂G₃)
- 5.G₁/(1+G₁G₂+G₁G₃)
正解:3.(G₁−G₂)/(1+G₁G₃−G₂G₃)
解説:第1加算点の出力をXとおくと、この点にはRが+、帰還G₃Cが−で入るのでX=R−G₃C。G₁とG₂は共に入力Xを受け、第2加算点でG₁X(+)とG₂X(−)が合成されるのでC=(G₁−G₂)X。これにX=R−G₃Cを代入するとC=(G₁−G₂)(R−G₃C)となり、整理してC{1+(G₁−G₂)G₃}=(G₁−G₂)R。よって合成伝達関数はC/R=(G₁−G₂)/(1+G₁G₃−G₂G₃)となり、正解は(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 機械 問13
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問827.次のフローチャートに従って作成したプログラムを実行したとき,印字される A,B の値として,正しい組合せを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.A=43, B=26
- 2.A=51, B=47
- 3.A=51, B=23
- 4.A=98, B=47
- 5.A=98, B=95
正解:3.A=51, B=23
解説:初期値A=10・B=2から、A←A+Bを計算し、A≦40ならB←2B+1として先頭へ戻り、A>40でA,Bを印字する。1周目はA=10+2=12(≦40)でB=5、2周目はA=12+5=17(≦40)でB=11、3周目はA=17+11=28(≦40)でB=23、4周目はA=28+23=51(>40)となりループを抜ける。このときBは3周目に更新された23のまま次の更新をされずに印字されるので、印字値はA=51・B=23となり正解は(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 機械 問14
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問828.定格容量 50 kV·A の単相変圧器がある。この変圧器を定格電圧,力率 100 %,全負荷の 3/4 の負荷で運転したとき,鉄損と銅損が等しくなり,そのときの効率は 98.2 % であった。この変圧器について,次の(a)及び(b)に答えよ。 ただし,鉄損と銅損以外の損失は無視できるものとする。 〔小問(a)〕 この変圧器の鉄損[W]の値として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.536
- 2.472
- 3.425
- 4.382
- 5.344
正解:5.344
解説:鉄損Piは負荷に依存せず一定、銅損は負荷率の2乗に比例する。全負荷の3/4・力率100%では出力P=(3/4)×50000=37500W、条件より鉄損=銅損なので全損失は2Piとなる。効率式0.982=37500/(37500+2Pi)を解くとPi=(37500/0.982−37500)/2≒344Wとなり、正解は(5)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 機械 問15(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問829.定格容量 50 kV·A の単相変圧器がある。この変圧器を定格電圧,力率 100 %,全負荷の 3/4 の負荷で運転したとき,鉄損と銅損が等しくなり,そのときの効率は 98.2 % であった。この変圧器について,次の(a)及び(b)に答えよ。 ただし,鉄損と銅損以外の損失は無視できるものとする。 〔小問(b)〕 この変圧器を全負荷,力率 100 % で運転したときの銅損[W]の値として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.712
- 2.611
- 3.579
- 4.453
- 5.325
正解:2.611
解説:全負荷時の銅損をPcとすると、3/4負荷の銅損は(3/4)²Pc=(9/16)Pcで表され、(a)よりこれが鉄損344Wに等しい。したがってPc=(16/9)×344≒611Wとなり、正解は(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 機械 問15(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問830.次の図は,パワー半導体デバイスとしてダイオードを用いた三相整流装置の回路を示す。 平滑リアクトルのインダクタンス L_d [H]は十分に大きく,直流電流 I_d [A]は一定になっているものとする。 交流側にリアクタンス X_L [Ω]のリアクトルがあると転流時に重なり角が生じ,直流電圧が降下する。また,ダイオードの順電圧降下 V_F [V]によっても直流電圧が降下する。これら以外の電圧降下は無視する。入力交流電圧が V_L [V]のときのこの整流装置の出力電圧 V_d [V]は次式で求められる。 V_d = (3√2/π)V_L − (3/π)X_L·I_d − 2V_F この整流装置の入力交流電圧は V_L = 200 V,周波数は f = 50 Hz で,直流電流は I_d = 36 A である。交流側のリアクトルのインダクタンスは L_L = 5.56×10⁻⁴ H で,その抵抗値は平滑リアクトルの抵抗値とともに無視できるものとする。また,各ダイオードの順電圧降下は V_F = 1.0 V で一定とする。次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 ダイオードでは,電流の通電によって損失が発生する。一つのダイオードの損失の平均値は,通電する期間が 1 サイクルの 1/3 であるとして計算できる。 一つのダイオードで発生する損失[W]の平均値に最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.72
- 2.36
- 3.24
- 4.18
- 5.12
正解:5.12
解説:一つのダイオードは1サイクルのうち1/3の期間だけ通電し、その間は直流電流 I_d = 36 A が流れて順電圧降下 V_F = 1.0 V が生じる。通電中の瞬時損失は V_F·I_d = 1.0×36 = 36 W であり、これを1サイクル全体で平均するには通電比 1/3 を掛ければよい。したがって平均損失は 36×(1/3) = 12 W となり、最も近いのは(5)の12[W]である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 機械 問16(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問831.次の図は,パワー半導体デバイスとしてダイオードを用いた三相整流装置の回路を示す。 平滑リアクトルのインダクタンス L_d [H]は十分に大きく,直流電流 I_d [A]は一定になっているものとする。 交流側にリアクタンス X_L [Ω]のリアクトルがあると転流時に重なり角が生じ,直流電圧が降下する。また,ダイオードの順電圧降下 V_F [V]によっても直流電圧が降下する。これら以外の電圧降下は無視する。入力交流電圧が V_L [V]のときのこの整流装置の出力電圧 V_d [V]は次式で求められる。 V_d = (3√2/π)V_L − (3/π)X_L·I_d − 2V_F この整流装置の入力交流電圧は V_L = 200 V,周波数は f = 50 Hz で,直流電流は I_d = 36 A である。交流側のリアクトルのインダクタンスは L_L = 5.56×10⁻⁴ H で,その抵抗値は平滑リアクトルの抵抗値とともに無視できるものとする。また,各ダイオードの順電圧降下は V_F = 1.0 V で一定とする。次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(b)〕 出力電圧 V_d の値[V]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.270
- 2.264
- 3.263
- 4.262
- 5.251
正解:4.262
解説:まず交流側リアクタンスを求めると X_L = 2πf·L_L = 2π×50×5.56×10⁻⁴ ≒ 0.1747 Ω。これを与式 V_d = (3√2/π)V_L −(3/π)X_L·I_d −2V_F に代入すると、第1項 (3√2/π)×200 ≒ 270.1 V、第2項 (3/π)×0.1747×36 ≒ 6.0 V、第3項 2V_F = 2.0 V。よって V_d = 270.1 −6.0 −2.0 ≒ 262 V となり、最も近いのは(4)の262[V]である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 機械 問16(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問832.管径 36 mm の完全拡散性無限長直線光源を床面上 3 m の高さに床面と平行に配置した。光源からは単位長当たり 3 000 lm/m の光束を一様に発散しているものとして,次の(a)及び(b)に答えよ。 〔小問(a)〕 直線光源の光束発散度 M[lm/m²]の値として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.83.3×10³
- 2.4.2×10³
- 3.8.4×10³
- 4.26.5×10³
- 5.74.7×10³
正解:4.26.5×10³
解説:光束発散度 M は「発散する光束 ÷ 発散面の表面積」で定義される。管径36 mm の円筒側面の単位長当たり表面積は π×直径 = π×0.036 = 0.1131 m²/m なので、単位長当たり光束 3 000 lm/m をこれで割ると M = 3000/(π×0.036) ≒ 2.65×10⁴ lm/m²。したがって最も近いのは(4)の26.5×10³[lm/m²]である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 機械 問17(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問833.管径 36 mm の完全拡散性無限長直線光源を床面上 3 m の高さに床面と平行に配置した。光源からは単位長当たり 3 000 lm/m の光束を一様に発散しているものとして,次の(a)及び(b)に答えよ。 〔小問(b)〕 光源直下の床面の水平面照度 E_h [lx]の値として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.333
- 2.318
- 3.239
- 4.159
- 5.80
正解:4.159
解説:完全拡散性なので輝度は L = M/π = 26 526/π ≒ 8.44×10³ cd/m² となり、直下(軸に垂直)方向の単位長当たり光度は I₀ = L×直径 = 8443×0.036 ≒ 304 cd/m。無限長線光源の直下水平面照度は各微小部分を積分すると E_h = πI₀/(2h) = π×304/(2×3) ≒ 159 lx(等価的に光束/長さを用いて E_h = 3000/(2πh) = 3000/(2π×3) とも書ける)。したがって最も近いのは(4)の159[lx]である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 機械 問17(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問834.図に示すように,フィードバック接続を含んだブロック線図がある。このブロック線図において,T=0.2 s,K=10 としたとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 ただし,ωは角周波数[rad/s]を表す。 〔小問(a)〕 入力を R(jω),出力を C(jω)とする全体の周波数伝達関数 W(jω)として,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.1/(1+j0.2ω)
- 2.10/(1+j0.2ω)
- 3.1/(1+j5ω)
- 4.50ω/(1+j5ω)
- 5.j2ω/(1+j0.2ω)
正解:2.10/(1+j0.2ω)
解説:加算点では帰還信号を負で引き、その帰還は 1/(jωT) の出力(分岐点、Kの手前)から取り出される。1/(jωT) の出力を X とおくと X = (R −X)/(jωT) すなわち X(1 + jωT) = R、また出力は C = K·X だから W(jω) = C/R = K/(1 + jωT)。ここに T = 0.2、K = 10 を代入すると W(jω) = 10/(1 + j0.2ω) となり、正しいのは(2)である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 機械 問18(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問835.図に示すように,フィードバック接続を含んだブロック線図がある。このブロック線図において,T=0.2 s,K=10 としたとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 ただし,ωは角周波数[rad/s]を表す。 〔小問(b)〕 次のボード線図には,正確なゲイン特性を実線で,その折線近似ゲイン特性を破線で示し,横軸には特に折れ点角周波数の数値を示している。上記(a)の周波数伝達関数 W(jω)のボード線図のゲイン特性として,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし,横軸は角周波数 ω の対数軸であり,−20[dB/dec]とは,ω が 10 倍大きくなるに従って|W(jω)|が −20 dB 変化する傾きを表している。

- 1.

- 2.

- 3.

- 4.

- 5.

正解:2.
解説:W(jω) = 10/(1 + j0.2ω) のゲインは、低周波(ω→0)では |W| = 10 すなわち 20log₁₀10 = 20 dB で一定となる。折れ点角周波数は分母の虚部が1になる条件 0.2ω = 1、つまり ω = 1/0.2 = 5 rad/s で、それより高周波側は −20 dB/dec の傾きで減少する。よって「初期20 dB・折れ点5 rad/s・以降−20dB/dec」を示す(2)が正しい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 機械 問18(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 - 1.
-
問836.次の文章は,直流機の構造に関する記述である。 直流機の構造は,固定子と回転子とからなる。固定子は, (ア) ,継鉄などによって,また,回転子は, (イ) ,整流子などによって構成されている。 電機子鉄心は, (ウ) 磁束が通るため, (エ) が用いられている。また,電機子巻線を収めるための多数のスロットが設けられている。 六角形(亀甲形)の形状の電機子巻線は,そのコイル辺を電機子鉄心のスロットに挿入する。各コイル相互のつなぎ方には, (オ) と波巻とがある。直流機では,同じスロットにコイル辺を上下に重ねて2 個ずつ入れた二層巻としている。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア)界磁 (イ)電機子 (ウ)交番 (エ)積層鉄心 (オ)重ね巻
- 2.(ア)界磁 (イ)電機子 (ウ)交番 (エ)鋳鉄 (オ)直列巻
- 3.(ア)界磁 (イ)電機子 (ウ)一定の (エ)積層鉄心 (オ)直列巻
- 4.(ア)電機子 (イ)界磁 (ウ)交番 (エ)鋳鉄 (オ)重ね巻
- 5.(ア)電機子 (イ)界磁 (ウ)一定の (エ)積層鉄心 (オ)直列巻
正解:1.(ア)界磁 (イ)電機子 (ウ)交番 (エ)積層鉄心 (オ)重ね巻
解説:直流機では磁界をつくる界磁が固定子側,導体が回転する電機子が回転子側にある。整流子が回転子側に挙げられていることからも,(イ)が電機子だと分かる。したがって(ア)界磁,(イ)電機子。 (ウ)(エ)電機子は回転しているので,鉄心から見れば磁束の向きが次々に入れ替わる交番磁束になる。交番磁束が通ると渦電流が流れて損失になるので,薄い電磁鋼板を絶縁して重ねた積層鉄心を使って渦電流の経路を断つ。鋳鉄は塊なので渦電流を止められない。 (オ)電機子巻線のつなぎ方は重ね巻と波巻の2 種類である。「直列巻」という語はここでは使わない。よって(1)。答(1)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 機械 問1
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問837.界磁に永久磁石を用いた小形直流電動機があり,電源電圧は定格の12 V,回転を始める前の静止状態における始動電流は4 A,定格回転数における定格電流は1 A である。定格運転時の効率の値[%]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 ただし,ブラシの接触による電圧降下及び電機子反作用は無視できるものとし,損失は電機子巻線による銅損しか存在しないものとする。
- 1.60
- 2.65
- 3.70
- 4.75
- 5.80
正解:4.75
解説:静止しているときは逆起電力が0 なので,電源電圧がそのまま電機子抵抗に加わる。したがって始動電流から電機子抵抗が求まり R_a=12/4=3 Ω である。 定格運転時は電機子電流が1 A だから,損失(銅損)は P_c=1²×3=3 W 入力は P_in=12×1=12 W であり,損失が銅損だけなので出力は P_out=12−3=9 W となる。よって効率は η=9/12=0.75=75 % である。 「始動電流は逆起電力が0 のときの電流」という一点で電機子抵抗が出せるのがこの問題の要点である。答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 機械 問2
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問838.次の文章は,三相誘導電動機の誘導起電力に関する記述である。 三相誘導電動機で固定子巻線に電流が流れると (ア) が生じ,これが回転子巻線を切るので回転子巻線に起電力が誘導され,この起電力によって回転子巻線に電流が流れることでトルクが生じる。この回転子巻線の電流によって生じる起磁力を (イ) ように固定子巻線に電流が流れる。 回転子が停止しているときは,固定子巻線に流れる電流によって生じる (ア) は,固定子巻線を切るのと同じ速さで回転子巻線を切る。このことは原理的に変圧器と同じであり,固定子巻線は変圧器の (ウ) 巻線に相当し,回転子巻線は (エ) 巻線に相当する。回転子巻線の各相には変圧器と同様に (エ) 誘導起電力を生じる。 回転子が回転しているときは,電動機の滑りを s とすると, (エ) 誘導起電力の大きさは,回転子が停止しているときの (オ) 倍となる。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア)交番磁界 (イ)打ち消す (ウ)二次 (エ)一次 (オ)1−s
- 2.(ア)回転磁界 (イ)打ち消す (ウ)一次 (エ)二次 (オ)1/s
- 3.(ア)回転磁界 (イ)増加させる (ウ)二次 (エ)一次 (オ)s
- 4.(ア)交番磁界 (イ)増加させる (ウ)二次 (エ)一次 (オ)1/s
- 5.(ア)回転磁界 (イ)打ち消す (ウ)一次 (エ)二次 (オ)s
正解:5.(ア)回転磁界 (イ)打ち消す (ウ)一次 (エ)二次 (オ)s
解説:(ア)三相巻線に三相電流を流すと回転磁界ができる。これが誘導電動機の出発点で,単相の交番磁界ではない。 (イ)回転子電流がつくる起磁力は,レンツの法則により回転磁界を弱める向きに働く。これを打ち消すように固定子側に電流が流れて磁束を保つ(変圧器の一次電流と同じ働き)。 (ウ)(エ)電源につながる固定子巻線が変圧器の一次,誘導される回転子巻線が二次にあたる。 (オ)回転子が回ると,回転磁界と回転子の相対速度が滑り s の分だけになるので,二次誘導起電力は停止時の s 倍になる。同時に二次周波数も sf₁ になる。 よって(5)。1−s は回転速度の同期速度に対する比であって起電力の比ではない。答(5)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 機械 問3
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問839.定格出力36 kW,定格周波数60 Hz,8 極のかご形三相誘導電動機があり,滑り4 %で定格運転している。このとき,電動機のトルク[N·m]の値として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし,機械損は無視できるものとする。
- 1.382
- 2.398
- 3.428
- 4.458
- 5.478
正解:2.398
解説:まず同期速度を求める。 N_s=120f/p=120×60/8=900 min⁻¹ 滑り4 %なので実際の回転速度は N=900×(1−0.04)=864 min⁻¹ である。角速度に直すと ω=2πN/60=2π×864/60=90.5 rad/s トルクは出力を角速度で割って T=P/ω=36 000/90.5=398 N·m となる。 同期速度900 min⁻¹ のまま計算すると 36 000/(2π×900/60)=382 N·m となり(1)を選ぶことになる。軸に現れるトルクは実際の回転速度で割る点に注意したい。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 機械 問4
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問840.三相同期発電機の短絡比に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.短絡比を小さくすると,発電機の外形寸法が小さくなる。
- 2.短絡比を小さくすると,発電機の安定度が悪くなる。
- 3.短絡比を小さくすると,電圧変動率が小さくなる。
- 4.短絡比が小さい発電機は,銅機械と呼ばれる。
- 5.短絡比が小さい発電機は,同期インピーダンスが大きい。
正解:3.短絡比を小さくすると,電圧変動率が小さくなる。
解説:短絡比 K_s と同期インピーダンス%Z の間には K_s≒1/%Z(単位法)の関係があるので,短絡比が小さい機械は同期インピーダンスが大きい((5)は正しい)。 誤りは(3)である。同期インピーダンスが大きいほど負荷電流による内部の電圧降下が大きくなるので,電圧変動率は大きくなる。「小さくなる」は逆である。 他は正しい。短絡比の小さい機械は,界磁を弱くして巻線(銅)を多く使う設計になるため(4)銅機械と呼ばれ,鉄心が小さくてすむので(1)外形寸法が小さく安価になる。ただし同期インピーダンスが大きいぶん(2)安定度は悪く,短絡電流は小さい。逆に短絡比の大きい鉄機械は,寸法も価格も大きいが安定度に優れる。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 機械 問5
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問841.次のような三相同期発電機がある。 1 極当たりの磁束 0.10 Wb 極数 12 1 分間の回転速度 600 min⁻¹ 1 相の直列巻数 250 巻線係数 0.95 結線 Y(1 相のコイルは全部直列) この発電機の無負荷誘導起電力(線間値)の値[kV]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし,エアギャップにおける磁束分布は正弦波であるものとする。
- 1.2.09
- 2.3.65
- 3.6.33
- 4.11.0
- 5.19.0
正解:4.11.0
解説:まず周波数を求める。 f=pN/120=12×600/120=60 Hz 1 相当たりの誘導起電力は,変圧器と同じ形の式に巻線係数を掛けて E=4.44 k_w f N Φ=4.44×0.95×60×250×0.10=6 327 V となる。 Y 結線なので線間値は相電圧の√3 倍だから V=√3×6 327=10 959 V≒11.0 kV である。 √3 倍を忘れると6 327 V となって(3)の6.33 kV を選ぶことになる。「線間値」と明記されている点を見落とさないようにしたい。答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 機械 問6
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問842.電動機と負荷の特性を,回転速度を横軸,トルクを縦軸に描く,トルク対速度曲線で考える。電動機と負荷の二つの曲線がどのように交わるかを見ると,その回転数における運転が安定か不安定かを判定することができる。誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.負荷トルクよりも電動機トルクが大きいと回転は加速し,反対に電動機トルクよりも負荷トルクが大きいと回転は減速する。回転速度一定の運転を続けるには,負荷と電動機のトルクが一致する安定な動作点が必要である。
- 2.巻線形誘導電動機では,回転速度の上昇とともにトルクが減少するように,二次抵抗を大きくし,大きな始動トルクを発生させることができる。この電動機に回転速度の上昇とともにトルクが増える負荷を接続すると,両曲線の交点が安定な動作点となる。
- 3.電源電圧を一定に保った直流分巻電動機は,回転速度の上昇とともにトルクが減少する。一方,送風機のトルクは,回転速度の上昇とともにトルクが増大する。したがって,直流分巻電動機は,安定に送風機を駆動することができる。
- 4.かご形誘導電動機は,回転トルクが小さい時点から回転速度を上昇させるとともにトルクが増大,最大トルクを超えるとトルクが減少する。この電動機に回転速度でトルクが変化しない定トルク負荷を接続すると,電動機と負荷のトルク曲線が2 点で交わる場合がある。この場合,加速時と減速時によって安定な動作点が変わる。
- 5.かご形誘導電動機は,最大トルクの速度より高速な領域では回転速度の上昇とともにトルクが減少する。一方,送風機のトルクは,回転速度の上昇とともにトルクが増大する。したがって,かご形誘導電動機は,安定に送風機を駆動することができる。
正解:4.かご形誘導電動機は,回転トルクが小さい時点から回転速度を上昇させるとともにトルクが増大,最大トルクを超えるとトルクが減少する。この電動機に回転速度でトルクが変化しない定トルク負荷を接続すると,電動機と負荷のトルク曲線が2 点で交わる場合がある。この場合,加速時と減速時によって安定な動作点が変わる。
解説:安定か不安定かは,動作点から少しずれたときに元へ戻るかどうかで決まる。速度が上がったときに電動機トルクが負荷トルクより小さくなれば減速して戻るので安定,逆なら加速し続けて戻らないので不安定である。 誤りは(4)である。かご形誘導電動機に定トルク負荷をつなぐと確かに2 点で交わりうるが,安定なのは最大トルクより高速側の交点だけで,低速側の交点は不安定である。不安定な点では運転を続けられないので,「加速時と減速時によって安定な動作点が変わる」ということはない。低速側の交点は,起動時に通過するだけの点である。 他は正しい。(2)(3)(5)はいずれも「電動機は右下がり・負荷は右上がり」で交わる組合せで,この形は必ず安定になる。答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 機械 問7
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問843.三相変圧器の並行運転に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.各変圧器の極性が一致していないと,大きな循環電流が流れて巻線の焼損を引き起こす。
- 2.各変圧器の変圧比が一致していないと,負荷の有無にかかわらず循環電流が流れて巻線の過熱を引き起こす。
- 3.一次側と二次側との誘導起電力の位相変位(角変位)が各変圧器で等しくないと,その程度によっては,大きな循環電流が流れて巻線の焼損を引き起こす。したがって,Δ-Y と Y-Y との並行運転はできるが,Δ-Δ と Δ-Y との並行運転はできない。
- 4.各変圧器の巻線抵抗と漏れリアクタンスとの比が等しくないと,各変圧器の二次側に流れる電流に位相差が生じ取り出せる電力は各変圧器の出力の和より小さくなり,出力に対する銅損の割合が大きくなって利用率が悪くなる。
- 5.各変圧器の百分率インピーダンス降下が等しくないと,各変圧器が定格容量に応じた負荷を分担することができない。
正解:3.一次側と二次側との誘導起電力の位相変位(角変位)が各変圧器で等しくないと,その程度によっては,大きな循環電流が流れて巻線の焼損を引き起こす。したがって,Δ-Y と Y-Y との並行運転はできるが,Δ-Δ と Δ-Y との並行運転はできない。
解説:誤りは(3)の後半である。角変位は Y-Y と Δ-Δ が0°,Δ-Y と Y-Δ が30°になる。並行運転できるのは角変位が等しい組合せどうしなので ・Δ-Y と Y-Y … 30°と0° → 並行運転できない ・Δ-Δ と Δ-Y … 0°と30° → 並行運転できない となり,設問の記述はできる/できないが入れ替わっている。正しく並行運転できるのは Y-Y と Δ-Δ,あるいは Δ-Y と Y-Δ の組合せである。 (3)の前半(角変位が違うと循環電流が流れる)と,他の選択肢はいずれも正しい。並行運転の条件は「極性が同じ」「変圧比が等しい」「角変位が等しい」「%インピーダンスが等しい」「抵抗とリアクタンスの比が等しい」の5 つで,この設問はそれを1 つずつ確認する構成になっている。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 機械 問8
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問844.定格容量50 kV·A の単相変圧器において,力率1 の負荷で全負荷運転したときに,銅損が1 000 W,鉄損が250 W となった。力率1 を維持したまま負荷を調整し,最大効率となる条件で運転した。銅損と鉄損以外の損失は無視できるものとし,この最大効率となる条件での効率の値[%]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.95.2
- 2.96.0
- 3.97.6
- 4.98.0
- 5.99.0
正解:4.98.0
解説:変圧器の効率が最大になるのは「銅損=鉄損」のときである。鉄損は負荷によらず一定,銅損は負荷率 a の2 乗に比例するから a²×1 000=250 → a²=0.25 → a=0.5 すなわち半分の負荷のときに最大効率になる。 このときの出力は力率1 なので P=50 000×0.5×1=25 000 W 損失は銅損250 W と鉄損250 W の合計500 W だから η=25 000/(25 000+500)=0.980=98.0 % である。 全負荷のままで計算すると 50 000/(50 000+1 250)=97.6 % となり(3)を選ぶことになるが,問われているのは最大効率となる条件での値である。答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 機械 問9
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問845.パワー半導体スイッチングデバイスとしては近年,主にIGBT とパワーMOSFET が用いられている。通常動作における両者の特性を比較した記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.IGBT は,オンのゲート電圧が与えられなくても逆電圧が印加されれば逆方向の電流が流れる。
- 2.パワーMOSFET は電圧駆動形であり,ゲート・ソース間に正の電圧をかけることによりターンオンする。
- 3.パワーMOSFET はユニポーラデバイスであり,一般的にバイポーラ形のIGBT と比べてターンオン時間が短い一方,流せる電流は小さい。
- 4.IGBT はキャリアの蓄積作用のためターンオフ時にテイル電流が流れ,パワーMOSFET と比べてオフ時間が長くなる。
- 5.パワーMOSFET ではシリコンのかわりにSiC を用いることで,高耐圧化と高耐熱化が可能になる。
正解:1.IGBT は,オンのゲート電圧が与えられなくても逆電圧が印加されれば逆方向の電流が流れる。
解説:誤りは(1)である。逆方向に電流が流れるのはパワーMOSFET の方で,構造上ボディーダイオードが内蔵されているためゲートがオフでも逆方向には流れる。IGBT にはこのような内蔵ダイオードがなく,逆方向には電流を流せない。そのためインバータなどで還流経路が必要な場合は,IGBT に逆並列ダイオードを外付けする。 他は正しい。(2)パワーMOSFET は電圧駆動形でゲート電圧でオンする。(3)ユニポーラ(多数キャリアだけ)なので少数キャリアの蓄積がなく高速だが,オン抵抗の関係で大電流には向かない。(4)IGBT はバイポーラなので蓄積キャリアが抜けきるまでテイル電流が流れ,オフに時間がかかる。(5)SiC はシリコンより絶縁破壊電界とバンドギャップが大きく,高耐圧・高耐熱にできる。答(1)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 機械 問10
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問846.図に示すように,電動機が減速機と組み合わされて負荷を駆動している。このときの電動機の回転速度 n_m が1 150 min⁻¹,トルク T_m が100 N·m であった。減速機の減速比が8,効率が0.95 のとき,負荷の回転速度 n_L[min⁻¹],軸トルク T_L[N·m]及び軸入力 P_L[kW]の値として,最も近いものを組み合わせたのは次のうちどれか。

- 1.n_L:136.6 T_L:11.9 P_L:11.4
- 2.n_L:143.8 T_L:760 P_L:11.4
- 3.n_L:9 200 T_L:760 P_L:6 992
- 4.n_L:143.8 T_L:11.9 P_L:11.4
- 5.n_L:9 200 T_L:11.9 P_L:6 992
正解:2.n_L:143.8 T_L:760 P_L:11.4
解説:減速機は回転速度を下げてトルクを上げる装置なので,まず向きを押さえる。 n_L=n_m/8=1 150/8=143.8 min⁻¹(減速するので割る) 9 200 は逆に8 を掛けた値で,減速機の役割と逆になる。 電動機の出力は P_m=T_m ω_m=100×2π×1 150/60=12 043 W 減速機の効率が0.95 だから負荷の軸入力は P_L=12 043×0.95=11 441 W≒11.4 kW である。軸トルクは T_L=P_L/ω_L=11 441/(2π×143.8/60)=760 N·m となる。 減速比8・効率0.95 なので,トルクはおよそ8×0.95=7.6 倍の760 N·m になる。11.9 という値は逆に8 で割ったもので,減速機がトルクを増やす向きと合わない。よって(2)。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 機械 問11
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問847.次の文章は,光の基本量に関する記述である。 光源の放射束のうち人の目に光として感じるエネルギーを光束といい単位には (ア) を用いる。 照度は,光を受ける面の明るさの程度を示し,1 (イ) とは被照射面積1 m² に光束1 (ア) が入射しているときの,その面の照度である。 光源の各方向に出ている光の強さを示すものが光度である。光度 I (ウ) は,立体角 ω[sr]から出る光束を F (ア) とすると I=F/ω で示される。 物体の単位面積から発散する光束の大きさを光束発散度 M (エ) といい,ある面から発散する光束を F,その面積を A[m²]とすると M=F/A で示される。 光源の発光面及び反射面の輝きの程度を示すのが輝度であり,単位には (オ) を用いる。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア)[lx] (イ)[lm] (ウ)[cd] (エ)[lx/m²] (オ)[lx/sr]
- 2.(ア)[lm] (イ)[lx] (ウ)[lm/sr] (エ)[lm/m²] (オ)[cd]
- 3.(ア)[lm] (イ)[lx] (ウ)[cd] (エ)[lm/m²] (オ)[cd/m²]
- 4.(ア)[cd] (イ)[lx] (ウ)[lm] (エ)[cd/m²] (オ)[lm/m²]
- 5.(ア)[cd] (イ)[lm] (ウ)[cd/sr] (エ)[cd/m²] (オ)[lx]
正解:3.(ア)[lm] (イ)[lx] (ウ)[cd] (エ)[lm/m²] (オ)[cd/m²]
解説:光の4 つの基本量を単位で区別する問題である。 (ア)光束はルーメン[lm]。 (イ)照度は1 m² に1 lm が入射したときの明るさで,ルクス[lx](=lm/m²)。 (ウ)光度は I=F/ω なので[lm/sr]だが,これに固有の名称としてカンデラ[cd]が与えられている。選択肢に[lm/sr]と[cd]の両方があるが,光度の単位として問われれば固有の名称である[cd]を答えるのが正しい。 (エ)光束発散度は M=F/A なので[lm/m²]。照度と次元は同じだが,入射する光束か発散する光束かで区別され,記号も[rlx](ラドルクス)が使われることがある。 (オ)輝度は単位投影面積当たりの光度なので[cd/m²]。 よって(3)。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 機械 問12
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問848.図1 に示すR-L 回路において,端子a,a′間に単位階段状のステップ電圧 v(t)[V]を加えたとき,抵抗 R[Ω]に流れる電流を i(t)[A]とすると,i(t)は図2 のようになった。この回路の R[Ω],L[H]の値及び入力を a,a′間の電圧とし,出力を R[Ω]に流れる電流としたときの周波数伝達関数 G(jω)の式として,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.R:10 L:0.1 G(jω)=0.1/(1+j0.01ω)
- 2.R:10 L:1 G(jω)=0.1/(1+j0.1ω)
- 3.R:100 L:0.01 G(jω)=1/(10+j0.01ω)
- 4.R:10 L:0.1 G(jω)=1/(10+j0.01ω)
- 5.R:100 L:0.01 G(jω)=1/(100+j0.01ω)
正解:1.R:10 L:0.1 G(jω)=0.1/(1+j0.01ω)
解説:図2 から2 つの量を読み取る。 ① 十分に時間が経ったときの電流(最終値)は0.1 A。このときコイルは短絡と同じなので,入力1 V に対して R=1/0.1=10 Ω ② 最終値の63 %にあたる0.063 A に達する時刻が時定数である。図2 では t=0.01 s なので τ=L/R=0.01 → L=0.01×10=0.1 H となる。 周波数伝達関数は,入力電圧に対する電流なのでインピーダンスの逆数で G(jω)=1/(R+jωL)=1/(10+j0.1ω) である。分母から10 をくくり出すと G(jω)=0.1/(1+j0.01ω) となり,(1)と一致する。 (4)は分母が 10+j0.01ω で,jω の係数が L=0.1 でなく0.01 になっており誤り。同じ式でも書き方が変わるので,くくり出した形まで確かめる必要がある。答(1)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 機械 問13
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問849.次のフローチャートに従って作成したプログラムを実行したとき,印字されるA,B の値として,正しい組合せを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.A:43 B:288
- 2.A:43 B:677
- 3.A:43 B:26
- 4.A:720 B:26
- 5.A:720 B:677
正解:3.A:43 B:26
解説:初期値は A=10,B=2 である。ループは「A←A+B」→「A≦40 か判定」→YES なら「B←B²+1」してループの先頭へ戻る,という順序になっている。判定が A の更新の直後にある点に注意して1 周ずつ追う。 1 周目:A=10+2=12。12≦40 なので YES → B=2²+1=5 2 周目:A=12+5=17。17≦40 なので YES → B=5²+1=26 3 周目:A=17+26=43。43≦40 は成り立たないので NO → 印字へ このとき A=43,B=26 である。よって(3)。 判定が NO になった時点で B の更新は行われないので,B=26²+1=677 まで進めてしまうと(2)を選ぶことになる。ループを抜ける回の B は更新されない点が要点である。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 機械 問14
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問850.定格一次電圧3 000 V,定格二次電圧が3 300 V の単相単巻変圧器について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。なお,巻線のインピーダンス,鉄損は無視できるものとする。 〔小問(a)〕 この単相単巻変圧器の二次側に負荷を接続したところ,一次電圧は3 000 V,一次電流は100 A であった。この変圧器の直列巻線に流れる電流値[A]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.9.09
- 2.10.0
- 3.30.9
- 4.90.9
- 5.110
正解:4.90.9
解説:単巻変圧器は,一次と二次で共通に使う分路巻線と,二次側にだけ足される直列巻線からできている。直列巻線に流れるのは二次電流である。 巻線のインピーダンスと鉄損を無視するので入力と出力の皮相電力は等しく 3 000×100=3 300×I₂ I₂=3 000×100/3 300=90.9 A となる。 これが直列巻線に流れる電流である。 なお分路巻線に流れるのは一次電流と二次電流の差 100−90.9=9.1 A で,(1)の9.09 はその値である。どちらの巻線を問われているかを取り違えないようにしたい。昇圧の単巻変圧器では,直列巻線に大きい方(二次側)の電流が流れる。答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 機械 問15(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問851.※ この問題は本試験ではB問題の小問(b)として出題されたものです。解答に必要な条件が小問(a)にあるため,小問(a)を併せて示します(答えるのは小問(b)です)。 定格一次電圧3 000 V,定格二次電圧が3 300 V の単相単巻変圧器について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。なお,巻線のインピーダンス,鉄損は無視できるものとする。 〔小問(a)〕 この単相単巻変圧器の二次側に負荷を接続したところ,一次電圧は3 000 V,一次電流は100 A であった。 〔小問(b)〕 この変圧器の自己容量[kV·A]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.15.8
- 2.27.3
- 3.30.0
- 4.47.3
- 5.81.9
正解:2.27.3
解説:単巻変圧器の自己容量(固有容量)は,直列巻線が受け持つ容量のことで,「直列巻線の電圧×直列巻線の電流」で求める。 直列巻線に加わる電圧は二次電圧と一次電圧の差だから 3 300−3 000=300 V 流れる電流は小問(a)の90.9 A なので 自己容量=300×90.9=27 270 V·A≒27.3 kV·A である。 負荷に供給される線路容量は 3 300×90.9=300 kV·A で,自己容量はその1/11 しかない。このように単巻変圧器は,一次と二次の電圧差が小さいほど小形・軽量にできるのが特長である。線路容量の方を答えてしまわないよう,何の容量を問われているかを確かめたい。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 機械 問15(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問852.図1 は,単相インバータで誘導性負荷に給電する基本回路を示す。負荷電流 i_o と直流電流 i_d は図示する矢印の向きを正の方向として,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 出力交流電圧の1 周期に各パワートランジスタが1 回オンオフする運転において,図2 に示すように,パワートランジスタ S₁~S₄ のオンオフ信号波形に対して,負荷電流 i_o の正しい波形が(ア)~(ウ),直流電流 i_d の正しい波形が(エ),(オ)のいずれかに示されている。その正しい波形の組合せを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.(ア)と(エ)
- 2.(イ)と(エ)
- 3.(ウ)と(オ)
- 4.(ア)と(オ)
- 5.(イ)と(オ)
正解:1.(ア)と(エ)
解説:誘導性負荷なので,電圧の向きが変わっても電流はすぐには追随せず,指数関数的に変化する。 S₁,S₄ がオンになる半周期の初めでは,前の半周期から続く電流がまだ負の向きに流れている。その後ゼロを横切って正に転じ,半周期の終わりで正の最大になる。この形を描いているのは(ア)である。(イ)は位相が半周期ずれており,(ウ)は半周期の初めで既に正の最大になっていていずれも誘導性負荷の応答になっていない。 直流電流 i_d は,負荷電流が負の期間は還流ダイオードを通って電源へ戻るので負の値をとり,電流が正に転じるとトランジスタを通って電源から流れ出すので正になる。つまり各半周期の初めに負,そこから増加して半周期の終わりに正の最大となる形で,これは(エ)である。(オ)は正の最大から始まって減っていく形で向きが逆である。 よって(ア)と(エ)の組合せ,(1)が正しい。i_d が負になる期間があること自体が,インバータが負荷から電源へエネルギーを返している(回生している)ことを表している。答(1)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 機械 問16(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問853.図1 は,単相インバータで誘導性負荷に給電する基本回路を示す。負荷電流 i_o と直流電流 i_d は図示する矢印の向きを正の方向として,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(b)〕 単相インバータの特徴に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.図1 は電圧形インバータであり,直流電源 E の高周波インピーダンスが低いことが要求される。
- 2.交流出力の調整は,S₁~S₄ に与えるオンオフ信号の幅 T/2 を短くすることによって交流周波数を高くすることができる。又は,E の直流電圧を高くすることによって交流電圧を高くすることができる。
- 3.図1 に示されたパワートランジスタを,IGBT 又はパワーMOSFET に置換えてもインバータを実現できる。
- 4.ダイオードが接続されているのは負荷のインダクタンスに蓄えられたエネルギーを直流電源に戻すためであり,さらにダイオードが導通することによって得られる逆電圧でパワートランジスタを転流させている。
- 5.インダクタンスを含む負荷としては誘導電動機も駆動できる。運転中に負荷の力率が低くなると,電流がダイオードに流れる時間が長くなる。
正解:4.ダイオードが接続されているのは負荷のインダクタンスに蓄えられたエネルギーを直流電源に戻すためであり,さらにダイオードが導通することによって得られる逆電圧でパワートランジスタを転流させている。
解説:誤りは(4)の後半である。ダイオードを逆並列に接続する目的は,負荷のインダクタンスに蓄えられたエネルギーを直流電源へ戻す経路(還流経路)をつくることで,ここまでは正しい。 しかし,パワートランジスタやIGBT は自己消弧形のデバイスで,ゲート信号を切れば自分でオフできる。ダイオードが導通して得られる逆電圧でオフさせているわけではない。逆電圧を外から加えて消弧させる「強制転流」が必要なのはサイリスタの話であって,自己消弧形デバイスを使う本問の回路には当てはまらない。 他は正しい。(1)電圧形インバータでは直流側を定電圧源として扱うので高周波インピーダンスが低いこと(=平滑コンデンサがあること)が要求される。(5)力率が低いほど電流の位相が電圧より遅れ,電圧と電流の向きが逆になる期間が長くなるのでダイオードの導通時間が長くなる。答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 機械 問16(b)
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問854.【選択問題】問17及び問18は選択問題であり,どちらか一方を選んで解答する(本サイトでは学習用に両方を収録しています)。 熱伝導について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 断面積が2 m²,厚さが30 cm,熱伝導率が1.6 W/(m·K)の両表面間に温度差がある壁がある。ただし,熱流は厚さ方向のみの一次元とする。 〔小問(a)〕 この壁の厚さ方向の熱抵抗 R の値[K/W]に最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.0.041 7
- 2.0.093 8
- 3.0.267
- 4.2.67
- 5.4.17
正解:2.0.093 8
解説:熱抵抗は電気抵抗と同じ形の式で表される。電気抵抗が R=ρl/A=l/(σA) であるのに対し,熱抵抗は R=L/(λA) である(L は厚さ,λ は熱伝導率,A は断面積)。 厚さ30 cm=0.30 m,λ=1.6 W/(m·K),A=2 m² を代入して R=0.30/(1.6×2)=0.30/3.2=0.093 8 K/W となる。 厚さを30 cm のまま代入すると 30/3.2=9.4 となって桁が合わない。また熱伝導率と断面積のどちらかを掛け忘れると(3)や(5)の値になる。電気回路との対応(起電力↔温度差,電流↔熱流,電気抵抗↔熱抵抗)を覚えておくと式を忘れても組み立てられる。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 機械 問17(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問855.【選択問題】問17及び問18は選択問題であり,どちらか一方を選んで解答する(本サイトでは学習用に両方を収録しています)。 熱伝導について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 断面積が2 m²,厚さが30 cm,熱伝導率が1.6 W/(m·K)の両表面間に温度差がある壁がある。ただし,熱流は厚さ方向のみの一次元とする。 〔小問(b)〕 この壁の低温側の温度 t₂ が20 ℃ のとき,この壁の熱流 Φ が100 W であった。このとき,この壁の高温側の温度 t₁ の値[℃]に最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.21.0
- 2.22.1
- 3.24.2
- 4.29.4
- 5.46.7
正解:4.29.4
解説:熱回路のオームの法則は「温度差=熱流×熱抵抗」である。小問(a)の R=0.093 8 K/W を使って t₁−t₂=Φ×R=100×0.093 8=9.38 K したがって高温側の温度は t₁=20+9.38=29.4 ℃ となる。 温度差はケルビンでもセルシウス度でも同じ値なので,9.38 K をそのまま20 ℃ に足してよい。 熱抵抗を掛けずに 100/R のように割ってしまうと桁がまったく変わってしまう。熱流が電流,温度差が電圧に対応することを確かめてから代入したい。答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 機械 問17(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問856.【選択問題】問17及び問18は選択問題であり,どちらか一方を選んで解答する(本サイトでは学習用に両方を収録しています)。 図は,マイクロプロセッサの動作クロックを示す。マイクロプロセッサは動作クロックと呼ばれるパルス信号に同期して処理を行う。また,マイクロプロセッサが1 命令当たりに使用する平均クロック数を CPI と呼ぶ。1 クロックの周期 T[s]をサイクルタイム,1 秒当たりの動作クロック数 f を動作周波数と呼ぶ。 次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 2.5 GHz の動作クロックを使用するマイクロプロセッサのサイクルタイムの値[ns]として,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.0.000 4
- 2.0.25
- 3.0.4
- 4.250
- 5.400
正解:3.0.4
解説:サイクルタイムは動作周波数の逆数である。 T=1/f=1/(2.5×10⁹)=4×10⁻¹⁰ s ナノ秒に直すと1 ns=10⁻⁹ s だから T=4×10⁻¹⁰/10⁻⁹=0.4 ns となる。 2.5 GHz は1 秒間に25 億回のクロックということなので,1 回あたりは1 ns より短い。この感覚があれば(4)の250 ns や(5)の400 ns は桁が大きすぎると分かる。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 機械 問18(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問857.【選択問題】問17及び問18は選択問題であり,どちらか一方を選んで解答する(本サイトでは学習用に両方を収録しています)。 図は,マイクロプロセッサの動作クロックを示す。マイクロプロセッサは動作クロックと呼ばれるパルス信号に同期して処理を行う。また,マイクロプロセッサが1 命令当たりに使用する平均クロック数を CPI と呼ぶ。1 クロックの周期 T[s]をサイクルタイム,1 秒当たりの動作クロック数 f を動作周波数と呼ぶ。 次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(b)〕 CPI=4 のマイクロプロセッサにおいて,1 命令当たりの平均実行時間が0.02 μs であった。このマイクロプロセッサの動作周波数の値[MHz]として,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.0.012 5
- 2.0.2
- 3.12.5
- 4.200
- 5.12 500
正解:4.200
解説:CPI は1 命令に何クロックかかるかを表すので,1 命令当たりの実行時間はサイクルタイムのCPI 倍になる。 0.02 μs=2×10⁻⁸ s=4×T T=2×10⁻⁸/4=5×10⁻⁹ s 動作周波数はその逆数だから f=1/(5×10⁻⁹)=2×10⁸ Hz=200 MHz である。 CPI で割るのを忘れて 1/(2×10⁻⁸)=50 MHz としたり,逆に4 を掛けてしまったりしやすい。「1 命令=4 クロック」なので1 クロックは実行時間の1/4,と押さえれば迷わない。答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 機械 問18(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問858.直流機の電機子反作用に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.直流発電機や直流電動機では,電機子巻線に電流を流すと,電機子電流によって電機子周辺に磁束が生じ,電機子電圧を誘導する磁束すなわち界磁磁束が,電機子電流の影響で変化する。これを電機子反作用という。
- 2.界磁電流による磁束のベクトルに対し,電機子電流による電機子反作用磁束のベクトルは,同じ向きとなるため,電動機として運転した場合に増磁作用,発電機として運転した場合に減磁作用となる。
- 3.直流機の界磁磁極片に補償巻線を設け,そこに電機子電流を流すことにより,電機子反作用を緩和できる。
- 4.直流機の界磁磁極のN極とS極の間に補極を設け,そこに設けたコイルに電機子電流を流すことにより,電機子反作用を緩和できる。
- 5.ブラシの位置を適切に移動させることで,電機子反作用を緩和できる。
正解:2.界磁電流による磁束のベクトルに対し,電機子電流による電機子反作用磁束のベクトルは,同じ向きとなるため,電動機として運転した場合に増磁作用,発電機として運転した場合に減磁作用となる。
解説:誤りは(2)である。電機子巻線は界磁磁極の間を回るので,電機子電流がつくる磁束は界磁磁束と同じ向きではなく直交する。これを交差磁化作用という。向きが直交しているため,界磁磁束は片側で強められ反対側で弱められて分布が偏り,電気的中性軸が発電機では回転方向へ,電動機では回転方向と逆へずれる。「同じ向きになるので増磁・減磁になる」という説明は成り立たない。 他は正しい。(3)補償巻線は磁極片に溝を切って設け,電機子電流と逆向きの起磁力で反作用磁束を打ち消す。(4)補極は主磁極の間に置いて電機子と直列に電流を流し,整流を助けるとともにブラシ位置での反作用の影響を打ち消す。(5)中性軸のずれに合わせてブラシを移動させれば整流時の火花を減らせる。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 機械 問1
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問859.界磁に永久磁石を用いた小形直流電動機がある。この電動機の電機子に12 V の電圧を加えたところ,無負荷の状態で3 000 min⁻¹ で回転した。この電圧を維持したまま負荷を与えて,2 A の電機子電流を流したところ,損失が3 W 発生した。この時の回転数[min⁻¹]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 ただし,ブラシの接触による電圧降下及び電機子反作用は無視できるものとし,損失は電機子巻線の銅損しか存在しないものとする。
- 1.2 250
- 2.2 625
- 3.2 813
- 4.3 000
- 5.3 429
正解:2.2 625
解説:無負荷では電機子電流がほぼ流れないので,そのときの逆起電力は端子電圧に等しく12 V である。 負荷時の損失3 W はすべて電機子巻線の銅損だから,電機子抵抗は R_a=3/2²=0.75 Ω である。したがって負荷時の逆起電力は E=12−2×0.75=10.5 V となる。界磁が永久磁石なので磁束は一定で,回転速度は逆起電力に比例する。よって n=3 000×10.5/12=2 625 min⁻¹ である。 損失3 W を電圧降下3 V と取り違えると 3 000×(12−3)/12=2 250 となり(1)を,電機子抵抗0.75 Ω をそのまま電圧降下とみなすと 3 000×(12−0.75)/12=2 813 となり(3)を選ぶことになる。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 機械 問2
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問860.次の文章は,誘導機の速度制御に関する記述である。 誘導機の回転速度 n[min⁻¹]は,滑り s,電源周波数 f[Hz],極数 p を用いて n=120· (ア) と表される。したがって,誘導機の速度は電源周波数によって制御することができ,特にかご形誘導電動機において (イ) 電源装置を用いた制御が広く利用されている。 かご形誘導機ではこの他に,運転中に固定子巻線の接続を変更して (ウ) を切り換える制御法や, (エ) の大きさを変更する制御法がある。前者は,効率はよいが,速度の変化が段階的となる。後者は,速度の安定な制御範囲を広くするために (オ) の値を大きくとり,銅損が大きくなる。 巻線形誘導機では, (オ) の値を調整することにより,トルクの比例推移を利用して速度を変える制御法がある。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア)sf/p (イ)CVCF (ウ)相数 (エ)一次電圧 (オ)一次抵抗
- 2.(ア)(1−s)f/p (イ)CVCF (ウ)極数 (エ)二次電圧 (オ)二次抵抗
- 3.(ア)sf/p (イ)VVVF (ウ)極数 (エ)一次電圧 (オ)一次抵抗
- 4.(ア)(1−s)f/p (イ)VVVF (ウ)相数 (エ)二次電圧 (オ)一次抵抗
- 5.(ア)(1−s)f/p (イ)VVVF (ウ)極数 (エ)一次電圧 (オ)二次抵抗
正解:5.(ア)(1−s)f/p (イ)VVVF (ウ)極数 (エ)一次電圧 (オ)二次抵抗
解説:同期速度は N_s=120f/p で,回転子はこれより滑り s だけ遅れて回るから n=N_s(1−s)=120(1−s)f/p である。したがって(ア)は (1−s)f/p となる。 (イ)かご形の周波数制御にはVVVF(可変電圧可変周波数)インバータを使う。CVCFは定電圧定周波数の電源装置で,周波数を変えないので速度制御にはならない。 (ウ)固定子巻線の接続を運転中に変更して切り換えるのは極数である。極数を変えれば同期速度が段階的に変わるので,速度は飛び飛びになる。 (エ)(オ)もう一つの制御法は一次電圧制御である。トルクは電圧の2 乗に比例するので電圧を下げれば滑りが増えて速度が下がるが,滑りの大きい領域まで安定に運転するには二次抵抗を大きくとる必要があり,そのぶん二次銅損が増える。 最後の一文は巻線形誘導機の比例推移で,調整するのはやはり二次抵抗である。(オ)は前後どちらも同じ語が入るので,一次抵抗としている選択肢は成り立たない。答(5)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 機械 問3
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問861.あるかご形三相誘導電動機を定格電圧でY-Δ始動したところ,始動トルクは60 N·m であった。また,Δ結線での全電圧始動時(定格電圧)の始動トルクは定格運転時の240 %である。この電動機の定格運転時のトルクの値[N·m]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.20
- 2.25
- 3.35
- 4.43
- 5.75
正解:5.75
解説:Y-Δ始動では,始動時にY結線にすることで各相に掛かる電圧が線間電圧の 1/√3 になる。トルクは電圧の2 乗に比例するので,Y結線での始動トルクはΔ結線で全電圧始動したときの (1/√3)²=1/3 になる。したがってΔ結線で全電圧始動したときの始動トルクは 60×3=180 N·m である。これが定格運転時のトルクの240 %にあたるから,定格トルクは 180/2.4=75 N·m となる。 Y-Δ始動の1/3 を掛け戻すのを忘れて 60/2.4=25 とすると(2)を選ぶことになる。問題文の60 N·m が「Y-Δ始動したときの値」であることに注意したい。答(5)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 機械 問4
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問862.円筒形三相同期電動機において,電動機の励磁電流を調整して,遅れ力率 θ で運転しているものとする。このとき,供給電圧 V̇[V],電機子電流 İ_M[A]としたとき,誘導起電力 Ė[V],並びに同期リアクタンスによる電圧降下 jx_sİ_M[V]の関係を示すベクトル図として,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 なお,同期リアクタンスの大きさに対して巻線抵抗は十分小さいとみなせるものとする。
- 1.

- 2.

- 3.

- 4.

- 5.

正解:3.
解説:巻線抵抗を無視すると,同期電動機の1 相分の関係式は V̇=Ė+jx_sİ_M である。ここから次の三つを満たす図を探せばよい。 ① jx_sİ_M は İ_M を90°進めた向きなので,İ_M と直角に交わる。 ② Ė と jx_sİ_M を足すと V̇ になる(V̇ の先端に jx_sİ_M の先端が重なる)。 ③ 遅れ力率なので İ_M は V̇ より θ だけ遅れる。 この三つをすべて満たすのは(3)である。 (1)は Ė が V̇ より大きく,しかも V̇ より進んでいる。これは Ė=V̇+jx_sİ_M という同期発電機の関係を描いたもので,電動機のベクトル図ではない。同期電動機では,遅れ力率で運転しているとき誘導起電力は供給電圧より小さくなる(不足励磁)。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 機械 問5
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 - 1.
-
問863.回転速度600 min⁻¹ で運転している極数10 の同期発電機がある。この発電機に極数8 の同期発電機を並行運転させる場合,極数8 の発電機の回転速度[min⁻¹]の値として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.400
- 2.550
- 3.750
- 4.950
- 5.1 200
正解:3.750
解説:同期発電機を並行運転するには,まず周波数が等しくなければならない。回転速度と極数と周波数の関係は n=120f/p なので,極数10 の機が600 min⁻¹ で回っているときの周波数は f=pn/120=10×600/120=50 Hz である。極数8 の機もこの50 Hz に合わせる必要があるから,その回転速度は n=120×50/8=750 min⁻¹ となる。 並行運転で「そろえる」のは回転速度ではなく周波数である。極数が違えば同じ周波数でも回転速度は違うことに注意したい。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 機械 問6
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問864.次の文章は,電気機器の損失に関する記述である。 a コイルの電流とコイルの抵抗によるジュール熱が (ア) であり,この損失を低減するため,コイルを構成する電線の断面積を大きくする。 交流電流が並列コイルに分かれて流れると,並列コイル間の電流不平衡からこの損失が増加する。この損失を低減するため,並列回路を構成する各コイルの鎖交磁束と抵抗値,すなわち,各コイルのインピーダンスを等しくする。 b 鉄心に交流磁束が通ると損失が発生する。その成分は (イ) と (ウ) の二つに分類される。前者は,交流磁束によって誘導された電流が鉄心を流れてジュール熱として発生する。そこで,電気抵抗が高い強磁性材料や,表面を絶縁膜で覆った薄い鉄板を積層した積層鉄心を磁気回路に用いて,電流の経路を断つことで損失を低減する。後者は,鉄心の磁束が磁界の履歴に依存するために発生する。この (ウ) を低減するために電磁鋼板が磁気回路に広く用いられている。 c 上記の電磁気要因の損失のほか,電動機や発電機では,回転子の運動による軸受け摩擦損や冷却ファンの空気抵抗による損失などの (エ) がある。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア)銅損 (イ)渦電流損 (ウ)ヒステリシス損 (エ)機械損
- 2.(ア)鉄損 (イ)抵抗損 (ウ)ヒステリシス損 (エ)銅損
- 3.(ア)銅損 (イ)渦電流損 (ウ)インダクタンス損 (エ)機械損
- 4.(ア)鉄損 (イ)機械損 (ウ)ヒステリシス損 (エ)銅損
- 5.(ア)銅損 (イ)抵抗損 (ウ)インダクタンス損 (エ)機械損
正解:1.(ア)銅損 (イ)渦電流損 (ウ)ヒステリシス損 (エ)機械損
解説:(ア)コイルの抵抗によるジュール熱は銅損である。断面積を大きくすれば抵抗が下がるという対策の説明とも合う。 (イ)(ウ)鉄心に交流磁束が通って生じる鉄損は,渦電流損とヒステリシス損の二つに分かれる。前者は磁束の変化が鉄心内に起電力を誘導し,その電流がジュール熱になるもので,薄い鉄板を絶縁して積層し電流の経路を断てば小さくできる。後者は磁化の履歴(B-H 曲線が描くループの面積)に対応する損失で,ヒステリシス損の小さい電磁鋼板を使えば減らせる。「磁界の履歴に依存する」という記述がそのままヒステリシスの定義になっている。 (エ)軸受け摩擦損や風損は電磁気に由来しない損失で,まとめて機械損という。 よって(1)。答(1)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 機械 問7
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問865.変圧器の一次側(巻数 N₁)の諸量を二次側(巻数 N₂)に換算した場合の簡易等価回路の換算係数に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし,この変圧器の巻数比(N₁/N₂)を a とする。
- 1.一次側の電圧は 1/a 倍
- 2.一次側の電流は a 倍
- 3.励磁電流は a 倍
- 4.一次側のインピーダンスは 1/a² 倍
- 5.励磁アドミタンスは 1/a² 倍
正解:5.励磁アドミタンスは 1/a² 倍
解説:一次側の量を二次側へ換算するときの係数は,電圧が 1/a 倍,電流が a 倍,インピーダンスが (1/a)/a=1/a² 倍である。励磁電流も電流の一種なので a 倍でよい。 誤りは(5)である。アドミタンスはインピーダンスの逆数だから,インピーダンスが 1/a² 倍になるなら励磁アドミタンスは a² 倍になる。「1/a² 倍」は逆である。 換算係数を覚えていなくても,二次側から見た電圧が 1/a になり電流が a になることからZ=V/I が 1/a² に,Y=I/V が a² になると導ける。答(5)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 機械 問8
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問866.変圧器の規約効率を計算する場合,巻線の抵抗値を75 ℃の基準温度の値に補正する。 ある変圧器の巻線の温度と抵抗値を測ったら,20 ℃のとき1.0 Ω であった。この変圧器の75 ℃における巻線抵抗値[Ω]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 ただし,巻線は銅導体であるものとし,T[℃]と t[℃]の抵抗値の比は,(235+T):(235+t) である。
- 1.0.27
- 2.0.82
- 3.1.22
- 4.3.75
- 5.55.0
正解:3.1.22
解説:銅導体の抵抗は(235+温度)に比例するので,75 ℃と20 ℃の抵抗の比は R₇₅/R₂₀=(235+75)/(235+20)=310/255=1.2157 である。20 ℃で1.0 Ω だったから R₇₅=1.0×1.2157≒1.22 Ω となる。 温度が上がれば金属の抵抗は増えるので,1 Ω より大きくなるはずである。比を逆にとって 255/310=0.82 とすると(2)を選ぶことになるが,それでは温度上昇で抵抗が下がることになり物理的におかしい。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 機械 問9
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問867.電力変換装置では,各種のパワー半導体デバイスが使用されている。パワー半導体デバイスの定常的な動作に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.ダイオードの導通,非導通は,そのダイオードに印加される電圧の極性で決まり,導通時は回路電圧と負荷などで決まる順電流が流れる。
- 2.サイリスタは,オンのゲート電流が与えられて順方向の電流が流れている状態であれば,その後にゲート電流を取り去っても,順方向の電流に続く逆方向の電流を流すことができる。
- 3.オフしているパワーMOSFET は,ボディーダイオードを内蔵しているのでオンのゲート電圧が与えられなくても逆電圧が印加されれば逆方向の電流が流れる。
- 4.オフしているIGBT は,順電圧が印加されていてオンのゲート電圧を与えると順電流を流すことができ,その状態からゲート電圧を取り去ると非導通となる。
- 5.IGBT と逆並列ダイオードを組み合わせたパワー半導体デバイスは,IGBT にとって順方向の電流を流すことができる期間をIGBT のオンのゲート電圧を与えることで決めることができる。IGBT にとって逆方向の電圧が印加されると,IGBT のゲート状態にかかわらずIGBT にとって逆方向の電流が逆並列ダイオードに流れる。
正解:2.サイリスタは,オンのゲート電流が与えられて順方向の電流が流れている状態であれば,その後にゲート電流を取り去っても,順方向の電流に続く逆方向の電流を流すことができる。
解説:誤りは(2)である。サイリスタはいったん点弧すればゲート電流を取り去っても順方向の電流は流れ続けるが,逆方向には電流を流せない(逆阻止形)。逆方向の電圧が加わると電流は零になって消弧し,次に点弧するにはあらためてゲート電流が要る。「順方向の電流に続いて逆方向の電流を流せる」というのはトライアックなど双方向デバイスの性質である。 他は正しい。(1)ダイオードは自分では制御できず,印加電圧の極性だけで導通・非導通が決まる。(3)パワーMOSFET は構造上ボディーダイオードを内蔵するので,ゲートがオフでも逆方向には流れる。(4)IGBT はゲート電圧でオンもオフも制御できる。(5)逆並列ダイオードを付けると,IGBT にとって逆向きの電流はそのダイオードが受け持つ。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 機械 問10
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問868.電動機ではずみ車を加速して,運動エネルギーを蓄えることを考える。 まず,加速するための電動機のトルクを考える。加速途中の電動機の回転速度を N[min⁻¹]とすると,そのときの毎秒の回転速度 n[s⁻¹]は①式で表される。 (ア) ……① この回転速度 n[s⁻¹]から②式で角速度 ω[rad/s]を求めることができる。 (イ) ……② このときの電動機が1 秒間にする仕事,すなわち出力を P[W]とすると,トルク T[N·m]は③式となる。 (ウ) ……③ ③式のトルクによってはずみ車を加速する。電動機が出力し続けて加速している間,この分のエネルギーがはずみ車に注入される。電動機に直結するはずみ車の慣性モーメントを I[kg·m²]として,加速が完了したときの電動機の角速度を ω₀[rad/s]とすると,このはずみ車に蓄えられている運動エネルギー E[J]は④式となる。 (エ) ……④ 上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア)n=N/60 (イ)ω=2π×n (ウ)T=P/ω (エ)E=(1/2)I²ω₀
- 2.(ア)n=60N (イ)ω=n/(2π) (ウ)T=Pω (エ)E=(1/2)I²ω₀
- 3.(ア)n=N/60 (イ)ω=2π×n (ウ)T=Pω (エ)E=(1/2)Iω₀²
- 4.(ア)n=60N (イ)ω=n/(2π) (ウ)T=P/ω (エ)E=(1/2)I²ω₀
- 5.(ア)n=N/60 (イ)ω=2π×n (ウ)T=P/ω (エ)E=(1/2)Iω₀²
正解:5.(ア)n=N/60 (イ)ω=2π×n (ウ)T=P/ω (エ)E=(1/2)Iω₀²
解説:(ア)N は1 分あたりの回転数なので,毎秒に直すには60 で割って n=N/60 とする。 (イ)1 回転が2π rad だから,毎秒の回転数に2π を掛けて ω=2π×n。 (ウ)回転の仕事率は P=Tω なので,トルクは T=P/ω。出力が同じならトルクは角速度に反比例するので,T=Pω では速く回るほどトルクが大きいことになり,おかしい。 (エ)回転体の運動エネルギーは,並進運動の (1/2)mv² の質量 m を慣性モーメント I に,速度 v を角速度 ω に置き換えた (1/2)Iω₀² である。 (エ)で I と ω₀ のどちらを2 乗するかを取り違えると,単位が[kg²·m⁴·rad/s]となって[J]にならない。答(5)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 機械 問11
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問869.誘導加熱に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.産業用では金属の溶解や金属部品の熱処理などに用いられ,民生用では調理加熱に用いられている。
- 2.金属製の被加熱物を交番磁界内に置くことで発生するジュール熱によって被加熱物自体が発熱する。
- 3.被加熱物の透磁率が高いものほど加熱されやすい。
- 4.被加熱物に印加する交番磁界の周波数が高いほど,被加熱物の内部が加熱されやすい。
- 5.被加熱物として,銅,アルミよりも,鉄の方が加熱されやすい。
正解:4.被加熱物に印加する交番磁界の周波数が高いほど,被加熱物の内部が加熱されやすい。
解説:誤りは(4)である。誘導加熱で被加熱物に流れる渦電流は表皮効果を受け,周波数が高いほど表面近くに集中する。電流の浸透深さは周波数の平方根に反比例するので,高い周波数ほど加熱されるのは内部ではなく表面である。表面焼入れのように表面だけを加熱したいときは高い周波数を,内部まで加熱したいときは低い周波数を選ぶ。 他は正しい。(2)被加熱物自体に渦電流が流れてジュール熱になるのが誘導加熱の原理で,外から熱を伝えるのではない。(3)(5)浸透深さは透磁率が高く抵抗率が低いほど小さくなり,同じ電流でも狭い断面に集中して発熱しやすい。強磁性体の鉄は透磁率が非常に高いので,非磁性で導電率の高い銅やアルミより加熱されやすい。IH 調理器で鉄鍋が使えてアルミ鍋が使いにくいのはこのためである。答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 機械 問12
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問870.図に示すようなフィードバック制御系がある。閉ループ周波数伝達関数 W(jω)=C(jω)/R(jω) のボード線図の折線近似ゲイン特性として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし,ω は角周波数[rad/s]を表す。

- 1.

- 2.

- 3.

- 4.

- 5.

正解:4.
解説:前向き要素は K と 1/(jωT) の直列だから K/(jωT),フィードバックは直結(1)である。したがって閉ループ伝達関数は W(jω)={K/(jωT)}/{1+K/(jωT)}=K/(K+jωT)=1/(1+jωT/K) となる。これは折点角周波数が ω=K/T の一次遅れ要素で,ω が小さいところでは W≒1,すなわち0 dB である。 よって折線近似は,0 dB の水平線が ω=K/T まで続き,そこから −20 dB/dec で下がる形になる。これを表すのは(4)である。 注意したいのは,低域のゲインが 20log₁₀K ではなく0 dB になる点である。開ループのゲインは K だが,閉ループにすると分子と分母の K が打ち消し合って直流ゲインが1 になる。20log₁₀K の水平部を描いた図はいずれも開ループの形である。答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 機械 問13
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 - 1.
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問871.入力信号がA,B 及びC,出力信号がX の論理回路が次の真理値表を満たしているとき,X の論理式として,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.

- 2.

- 3.

- 4.

- 5.

正解:5.
解説:真理値表で X=1 になるのは (A,B,C)=(0,0,0),(0,0,1),(0,1,0),(1,0,0) の4 通りで,残りの4 通りは X=0 である。並べ替えると「1 の個数が0 個または1 個のとき X=1,2 個以上のとき X=0」という規則になっている。 正解は(5)の X=Ā·B̄+B̄·C̄+C̄·Ā である。8 通りすべてで確かめると 000→1,001→1,010→1,100→1(いずれかの項が1 になる) 011→0,101→0,110→0,111→0(どの項も0 になる) となり真理値表と完全に一致する。 この式は,多数決を表す A·B+B·C+C·A(1 が2 個以上で1)のちょうど否定になっている。 (3)の X=Ā·B+B̄·C+C̄·A は (0,0,0) を入れるとすべての項が0 になって X=0 となり,真理値表の1 行目から外れる。選択肢は否定の位置が少しずつ違うだけなので,1 行だけでも合わない行を見つければ消去できる。答(5)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 機械 問14
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 - 1.
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問872.定格出力15 kW,定格周波数60 Hz,4 極の三相誘導電動機があり,トルク一定の負荷を負って運転している。この電動機について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 定格回転速度1 746 min⁻¹ で運転しているときの滑り周波数の値[Hz]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.1.50
- 2.1.80
- 3.1.86
- 4.2.10
- 5.2.17
正解:2.1.80
解説:4 極・60 Hz の同期速度は N_s=120×60/4=1 800 min⁻¹ である。定格回転速度が1 746 min⁻¹ だから滑りは s=(1 800−1 746)/1 800=54/1 800=0.03 となる。滑り周波数は二次側に誘導される電流の周波数で,一次周波数に滑りを掛けたものだから f₂=s·f₁=0.03×60=1.80 Hz である。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 機械 問15(a)
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問873.定格出力15 kW,定格周波数60 Hz,4 極の三相誘導電動機があり,トルク一定の負荷を負って運転している。この電動機について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(b)〕 インバータにより一次周波数制御を行って,一次周波数を40 Hz としたときの回転速度[min⁻¹]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 ただし,滑り周波数は一次周波数にかかわらず常に一定とする。
- 1.1 146
- 2.1 164
- 3.1 433
- 4.1 455
- 5.1 719
正解:1.1 146
解説:小問(a)で求めたとおり滑り周波数は1.8 Hz で,これが一次周波数によらず一定である。一次周波数を40 Hz にしたときの同期速度は N_s=120×40/4=1 200 min⁻¹ で,このときの滑りは s=f₂/f₁=1.8/40=0.045 となる。したがって回転速度は n=1 200×(1−0.045)=1 146 min⁻¹ である。 一定なのは滑り「周波数」であって滑り s ではない点が要点である。s=0.03 のまま計算すると 1 200×0.97=1 164 となり(2)を選ぶことになる。同期速度が下がると同じ滑り周波数でも滑りの割合は大きくなる。答(1)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 機械 問15(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問874.図1 に示す降圧チョッパの回路は,電圧 E の直流電源,スイッチングする半導体デバイスS,ダイオードD,リアクトルL,及び抵抗 R の負荷から構成されている。また,図2 には,図1 の回路に示すダイオードD の電圧 v_D と負荷の電流 i_R の波形を示す。次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 降圧チョッパの回路動作に関し,図3 ~図5 に,実線で示した回路に流れる電流のループと方向を示した三つの電流経路を考える。図2 の時刻 t₁ 及び時刻 t₂ において,それぞれどの電流経路となるか。正しい組合せを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.時刻 t₁:電流経路(A) 時刻 t₂:電流経路(B)
- 2.時刻 t₁:電流経路(A) 時刻 t₂:電流経路(C)
- 3.時刻 t₁:電流経路(B) 時刻 t₂:電流経路(A)
- 4.時刻 t₁:電流経路(B) 時刻 t₂:電流経路(C)
- 5.時刻 t₁:電流経路(C) 時刻 t₂:電流経路(B)
正解:1.時刻 t₁:電流経路(A) 時刻 t₂:電流経路(B)
解説:ダイオードD の電圧 v_D を手がかりにする。 S がオンの間はD が逆バイアスされて非導通になり,D の両端には電源電圧がそのまま現れて v_D=E となる。このとき電流は E→S→L→R→E と流れるので,電流経路は図3 の(A)である。 S がオフになると,リアクトルL が電流を流し続けようとしてD が導通する(還流)。D が導通しているあいだ v_D はほぼ0 V で,電流は L→R→D→L のループを回るから,電流経路は図4 の(B)である。 図2 で時刻 t₁ は v_D=E の期間,時刻 t₂ は v_D=0 V の期間にあるので,t₁ が(A),t₂ が(B)となる。よって(1)。 図5 の(C)は電源をS とD で短絡してしまう経路で,正常な動作では現れない。答(1)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 機械 問16(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問875.図1 に示す降圧チョッパの回路は,電圧 E の直流電源,スイッチングする半導体デバイスS,ダイオードD,リアクトルL,及び抵抗 R の負荷から構成されている。また,図2 には,図1 の回路に示すダイオードD の電圧 v_D と負荷の電流 i_R の波形を示す。次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(b)〕 電圧 E が100 V,降圧チョッパの通流率が50 %,負荷抵抗 R が2 Ω とする。デバイスS は周期 T の高周波でスイッチングし,リアクトルL の平滑作用により,図2 に示す電流 i_R のリプル成分は十分小さいとする。電流 i_R の平均値 I_R[A]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.17.7
- 2.25.0
- 3.35.4
- 4.50.1
- 5.70.7
正解:2.25.0
解説:リアクトルは定常状態で直流電圧を消費しないので,負荷抵抗に掛かる電圧の平均値はv_D の平均値に等しい。v_D は通流率 d の期間だけ E になる方形波だから V_R=dE=0.5×100=50 V である。リプルが十分小さいので電流の平均値は I_R=V_R/R=50/2=25.0 A となる。 方形波を実効値で扱って E√0.5=70.7 V とすると 70.7/2=35.4 A になり(3)を選ぶことになるが,問われているのは平均値である。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 機械 問16(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問876.【選択問題】問17及び問18は選択問題であり,どちらか一方を選んで解答する(本サイトでは学習用に両方を収録しています)。 どの方向にも光度が等しい均等放射の点光源がある。この点光源の全光束は15 000 lm である。この点光源二つ(A 及びB)を屋外で図のように配置した。地面から点光源までの高さはいずれも4 m であり,A とB との距離は6 m である。次の(a)及び(b)の問に答えよ。ただし,考える空間には,A 及びB 以外に光源はなく,地面や周囲などからの反射光の影響もないものとする。 〔小問(a)〕 図において,点光源A のみを点灯した。A の直下の地面A′点における水平面照度の値[lx]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.56
- 2.75
- 3.100
- 4.149
- 5.299
正解:2.75
解説:均等放射なのでどの方向にも同じ光度をもつ。全光束を全立体角4π[sr]で割れば光度が求まるから I=F/(4π)=15 000/(4π)=1 193.7 cd である。A′点は光源A の真下にあり,距離は高さそのものの4 m,光は真上から垂直に当たるので入射角の補正は要らない。したがって E=I/r²=1 193.7/4²=74.6 lx となり,最も近いのは75 lx である。 全光束を4π で割らずに 15 000/4²=937 のように扱うと桁が合わない。光度[cd]と光束[lm]の違いに注意したい。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 機械 問17(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問877.【選択問題】問17及び問18は選択問題であり,どちらか一方を選んで解答する(本サイトでは学習用に両方を収録しています)。 どの方向にも光度が等しい均等放射の点光源がある。この点光源の全光束は15 000 lm である。この点光源二つ(A 及びB)を屋外で図のように配置した。地面から点光源までの高さはいずれも4 m であり,A とB との距離は6 m である。次の(a)及び(b)の問に答えよ。ただし,考える空間には,A 及びB 以外に光源はなく,地面や周囲などからの反射光の影響もないものとする。 〔小問(b)〕 図において,点光源A を点灯させたまま,点光源B も点灯した。このとき,地面C 点における水平面照度の値[lx]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.46
- 2.57
- 3.76
- 4.96
- 5.153
正解:3.76
解説:C 点はA とB のちょうど中間なので,A の直下A′からは水平に3 m,高さは4 m である。したがって光源A からC 点までの距離は r=√(3²+4²)=5 m となる。水平面照度は入射角 θ の余弦を掛けるので,cosθ=4/5=0.8 として E_A=(I/r²)cosθ=(1 193.7/5²)×0.8=47.75×0.8=38.2 lx である。B からC 点までも高さ4 m・水平3 m でまったく同じ条件だから,二つの光源による照度を足して E=38.2×2=76.4 lx となり,最も近いのは76 lx である。 cosθ を掛け忘れると 47.75×2=95.5 となり(4)を選ぶことになる。水平面照度は光が斜めに当たるほど小さくなる。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 機械 問17(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問878.【選択問題】問17及び問18は選択問題であり,どちらか一方を選んで解答する(本サイトでは学習用に両方を収録しています)。 図1 は,調節計の演算回路などによく用いられるブロック線図を示す。次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 図2 は,図1 のブロック G₁(jω) の詳細を示し,静電容量 C[F]と抵抗 R[Ω]からなる回路を示す。この回路の入力量 V₁(jω) に対する出力量 V₂(jω) の周波数伝達関数G₁(jω)=V₂(jω)/V₁(jω) を表す式として,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.1/(CR+jω)
- 2.1/(1+jωCR)
- 3.CR/(CR+jω)
- 4.CR/(1+jωCR)
- 5.jωCR/(1+jωCR)
正解:5.jωCR/(1+jωCR)
解説:図2 はコンデンサ C が直列に,抵抗 R が並列(出力端に並ぶ側)に入った回路なので,出力は分圧で決まる。C のインピーダンスは 1/(jωC) だから G₁(jω)=R/{R+1/(jωC)} である。分母と分子に jωC を掛けて整理すると G₁(jω)=jωCR/(1+jωCR) となる。よって(5)。 確かめとして,ω→0(直流)では分子が0 になって G₁→0,ω が十分大きいと G₁→1 に近づく。直流を通さず高い周波数を通す高域通過特性で,コンデンサが直列に入った回路の振る舞いと一致する。C と R を入れ替えた低域通過回路なら 1/(1+jωCR) になるので,(2)はその形である。答(5)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 機械 問18(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問879.【選択問題】問17及び問18は選択問題であり,どちらか一方を選んで解答する(本サイトでは学習用に両方を収録しています)。 図1 は,調節計の演算回路などによく用いられるブロック線図を示す。次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(b)〕 図1 のブロック線図において,閉ループ周波数伝達関数 G(jω)=X(jω)/Y(jω) で,ゲイン K が非常に大きな場合の近似式として,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 なお,この近似式が成立する場合,この演算回路は比例プラス積分要素と呼ばれる。

- 1.1+jωCR
- 2.1+CR/(jω)
- 3.1+1/(jωCR)
- 4.1/(1+jωCR)
- 5.(1+CR)/(jωCR)
正解:3.1+1/(jωCR)
解説:図1 は前向き要素が K,フィードバック要素が G₁(jω) の閉ループなので G(jω)=K/{1+K·G₁(jω)} である。K が非常に大きいとき分母の1 は K·G₁ に比べて無視できるから G(jω)≒K/{K·G₁(jω)}=1/G₁(jω) となる。すなわちフィードバック要素の逆数だけで決まり,K の値によらなくなる。 小問(a)の G₁(jω)=jωCR/(1+jωCR) を代入すると 1/G₁(jω)=(1+jωCR)/(jωCR)=1+1/(jωCR) である。よって(3)。 第1 項の1 が比例要素,第2 項の 1/(jωCR) が積分要素にあたる(jω で割ることが時間領域の積分に対応する)。これが問題文にある「比例プラス積分要素」の意味である。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 機械 問18(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問880.次の文章は,直流機に関する記述である。 直流機では固定子と回転子の間で直流電力と機械動力の変換が行われる。この変換を担う機構の一種にブラシと整流子とがあり,これらを用いた直流機では通常,界磁巻線に直流の界磁電流を流し, (ア) を回転子とする。 このブラシと整流子を用いる直流機では,電機子反作用への対策として補償巻線や補極が設けられる。ブラシと整流子を用いる場合には,補極や補償巻線を設けないと,電機子反作用によって,固定子から見た (イ) 中性軸の位置が変化するために,これに合わせてブラシを移動しない限りブラシと整流子片との間に (ウ) が生じて整流子片を損傷するおそれがある。なお,小形機では,補償巻線と補極のうち (エ) が一般的に用いられる。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア)界磁 (イ)電気的 (ウ)火花 (エ)補償巻線
- 2.(ア)界磁 (イ)幾何学的 (ウ)応力 (エ)補極
- 3.(ア)電機子 (イ)幾何学的 (ウ)応力 (エ)補償巻線
- 4.(ア)電機子 (イ)電気的 (ウ)火花 (エ)補償巻線
- 5.(ア)電機子 (イ)電気的 (ウ)火花 (エ)補極
正解:5.(ア)電機子 (イ)電気的 (ウ)火花 (エ)補極
解説:問題文が「界磁巻線に直流の界磁電流を流し」と述べているので,界磁は固定子側である。したがって回転子になるのは残る「電機子」で,(ア)=電機子。これで(1)(2)が落ちる。次に(イ)は,電機子反作用によって位置が変わる中性軸である。幾何学的中性軸は磁極の形状で機械的に決まってしまうので動きようがなく,電機子電流のつくる磁束によって主磁束が偏った結果ずれるのは「電気的」中性軸のほうである。よって(イ)=電気的となり,「幾何学的」の(3)も消える。電気的中性軸がずれたままブラシを動かさないと,短絡されるコイルに起電力が残って整流が不良になり,ブラシと整流子片の間に「火花」が生じて整流子片を焼損する。ここで(ウ)=火花であり,「応力」は電気的な現象ではないので誤りである。残る(4)と(5)の違いは(エ)だけで,これは補償巻線と補極のどちらが小形機向きかという知識である。補償巻線は磁極片にスロットを切って導体を埋め込む必要があり,構造が複雑で高価なので大形機・急変負荷の機械に使われる。小形機では,主磁極の間に小さな補極を置くだけで整流を改善できるため「補極」が一般的である。答(5)。なお補極は整流時の短絡コイルに逆向きの起電力を与えて火花を消す働き,補償巻線は電機子反作用そのものを打ち消す働きと,狙いが異なる点も整理しておきたい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 機械 問1
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問881.電機子回路の抵抗が 0.20 Ωの直流他励電動機がある。励磁電流,電機子電流とも一定になるように制御されており,電機子電流は 50 A である。回転速度が 1 200 min⁻¹のとき,電機子回路への入力電圧は 110 V であった。励磁電流,電機子電流を一定に保ったまま電動機の負荷を変化させたところ,入力電圧が 80 V となった。このときの回転速度[min⁻¹]の値として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 ただし,電機子反作用はなく,ブラシの抵抗は無視できるものとする。
- 1.764
- 2.840
- 3.873
- 4.900
- 5.960
正解:2.840
解説:直流電動機の回転速度は端子電圧そのものではなく,逆起電力 E に比例する。E は端子電圧から電機子抵抗による電圧降下を差し引いた値なので,まず両方の運転状態で E を求める。はじめの状態は E₁=110−50×0.20=110−10=100 V で,このとき 1 200 min⁻¹。入力電圧が 80 V になった状態は,電機子電流が 50 A のまま保たれているので電圧降下も 10 V のままで,E₂=80−10=70 V である。励磁電流が一定だから磁束Φも一定で,E=KΦN より N∝E が成り立つ。よって N₂=1 200×70/100=840 min⁻¹。答(2)。ここでの落とし穴は,電圧降下を無視して端子電圧の比だけで N₂=1 200×80/110≒873 としてしまうことで,これはそのまま(3)に用意されている。また電圧降下を 2 回引いたり,逆に E₁ を 110 V のままにして 1 200×70/110≒764 とすると(1)になる。「回転速度に比例するのは逆起電力であり,端子電圧ではない」という一点を外さないことが要点である。なお負荷を変えても電機子電流が一定に保たれているということは,トルクT=KΦI_a も一定ということであり,出力は回転速度に比例して 100→70 の割合で減っていることになる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 機械 問2
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問882.次の文章は,三相の誘導機に関する記述である。 固定子の励磁電流による同期速度の (ア) と回転子との速度の差(相対速度)によって回転子に電圧が発生し,その電圧によって回転子に電流が流れる。トルクは回転子の電流と磁束とで発生するので,トルク特性を制御するため,巻線形誘導機では回転子巻線の回路をブラシと (イ) で外部に引き出して二次抵抗値を調整する方式が用いられる。回転子の回転速度が停止(滑り s=1)から同期速度(滑り s=0)の間,すなわち,1>s>0 の運転状態では,磁束を介して回転子の回転方向にトルクが発生するので誘導機は (ウ) となる。回転子の速度が同期速度より高速の場合,磁束を介して回転子の回転方向とは逆の方向にトルクが発生し,誘導機は (エ) となる。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア)交番磁界 (イ)スリップリング (ウ)電動機 (エ)発電機
- 2.(ア)交番磁界 (イ)整流子 (ウ)発電機 (エ)電動機
- 3.(ア)回転磁界 (イ)スリップリング (ウ)電動機 (エ)発電機
- 4.(ア)回転磁界 (イ)スリップリング (ウ)発電機 (エ)電動機
- 5.(ア)交番磁界 (イ)整流子 (ウ)電動機 (エ)発電機
正解:3.(ア)回転磁界 (イ)スリップリング (ウ)電動機 (エ)発電機
解説:三相巻線に三相交流を流すと,大きさが一定のまま同期速度で回る「回転磁界」ができる。交番磁界は単相で生じる,向きだけが入れ替わって回転しない磁界であり,同期速度という速度をもつのは回転磁界のほうである。よって(ア)=回転磁界となり,(1)(2)(5)がここで落ちる。(イ)は巻線形誘導機で回転子巻線を外部へ取り出す部品である。整流子は交流を直流に機械的に変換するためのもので直流機に使われる。回転子の三相巻線をそのまま交流のまま外へ出すには連続した輪であるスリップリングを用いる。残る(3)と(4)の違いは(ウ)(エ)の入れ替わりだけである。1>s>0 は回転子が同期速度より遅い通常の運転で,回転方向と同じ向きのトルクが出て軸から機械動力を取り出せる,すなわち「電動機」である。回転子を同期速度より速く外部から回すと滑りが負になり,トルクは回転方向と逆向き=制動する向きに働き,機械動力を電力に変えて電源へ送り返す「発電機」になる。答(3)。誘導機は同じ機械のまま滑りの符号だけで電動機と発電機が切り替わり,風力発電機で誘導機が使えるのはこの性質による。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 機械 問3
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問883.V/f 一定制御インバータで駆動されている 6 極の誘導電動機がある。この電動機は,端子電圧を V[V],周波数を f[Hz]として,V/f 比=4 一定制御インバータによって 66 Hz で駆動されている。 このときの滑りは 5 %であった。この誘導電動機の回転速度[min⁻¹]の値として,正しいのは次のうちどれか。
- 1.1 140
- 2.1 200
- 3.1 254
- 4.1 320
- 5.1 710
正解:3.1 254
解説:まず同期速度を求める。N_s=120f/p に f=66 Hz,p=6 を入れて N_s=120×66/6=1 320 min⁻¹。次に滑り 5 %を反映させると,回転速度は N=N_s(1−s)=1 320×(1−0.05)=1 320×0.95=1 254 min⁻¹。答(3)。この問題で紛らわしいのは,V/f 比=4 という数値と端子電圧 V が回転速度の計算にはまったく関係しないことである。V/f 一定制御は磁束を一定に保って低速でもトルクを確保するための制御方式であり,回転速度を決めるのはあくまで周波数と極数と滑りである。誤答の作られ方も分かりやすい。滑りを引き忘れて同期速度そのままにすると 1 320 で(4),商用の 60 Hz で計算してしまうと N_s=1 200 となりこれが(2),さらに 60 Hz で滑りも引くと 1 140 で(1)になる。極数を 4 と取り違えると 120×66/4=1 980,滑りを引いて 1 881 とやはり合わない。なお(5)の 1 710 は 4 極・60 Hz(同期速度1 800)で滑り 5 %とした値で,別の設定の答えである。極数と周波数を式に入れる前に必ず問題文で確認したい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 機械 問4
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問884.回転界磁形同期電動機が停止している状態で,固定子巻線に対称三相交流電圧を印加すると回転磁界が生じる。しかし,励磁された回転子磁極が受けるトルクは,同じ大きさで向きが交互に変わるので,その平均トルクは零になり電動機は起動しない。これを改善するために,回転子の磁極面に (ア) を施す。これは, (イ) と同じ起動原理を利用したもので,誘導トルクによって電動機を起動させる。 起動時には,回転磁束によって誘導される高電圧によって絶縁が破壊するおそれがあるので, (ウ) を抵抗で短絡して起動する。回転子の回転速度が同期速度に近づくと,この短絡を切り放し (エ) で励磁すると,回転子は同期速度に引き込まれる。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア)補償巻線 (イ)巻線形誘導電動機 (ウ)界磁巻線 (エ)交流
- 2.(ア)制動巻線 (イ)かご形誘導電動機 (ウ)界磁巻線 (エ)直流
- 3.(ア)制動巻線 (イ)巻線形誘導電動機 (ウ)界磁巻線 (エ)交流
- 4.(ア)制動巻線 (イ)かご形誘導電動機 (ウ)固定子巻線 (エ)直流
- 5.(ア)補償巻線 (イ)かご形誘導電動機 (ウ)固定子巻線 (エ)直流
正解:2.(ア)制動巻線 (イ)かご形誘導電動機 (ウ)界磁巻線 (エ)直流
解説:同期電動機の自己始動法を順に追う問題である。回転子の磁極面に太い導体を軸方向に埋め込んで両端を短絡環でつないだものが「制動巻線」で,これが(ア)。補償巻線は直流機で電機子反作用を打ち消すための巻線であり,同期電動機の磁極面に施すものではないので(1)(5)が落ちる。制動巻線は短絡された導体の集まりであって,構造も原理も「かご形誘導電動機」の回転子そのものである。誘導トルクで引きずり上げるのだから,二次抵抗を外部に取り出す巻線形ではない。ここで(3)も消える。(ウ)は起動時に抵抗で短絡しておく巻線である。起動中は回転磁界が界磁巻線を高速で切るため,巻数の多い界磁巻線に高電圧が誘導されて絶縁が破壊されるおそれがある。これを防ぐために短絡するのは「界磁巻線」で,固定子巻線ではない。固定子巻線は電源につながって回転磁界をつくっている側なので短絡できない。これで(4)も外れる。同期速度付近まで加速したら短絡を切り放し,界磁巻線を「直流」で励磁して回転子を磁石にすると,回転磁界に同期して引き込まれる(同期引入れ)。交流で励磁したのでは磁極が固定されず同期しない。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 機械 問5
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問885.線間電圧 V が 360 V,電機子電流 I が 20 A,力率 cosθ が 1.0 で運転されている三相同期電動機がある。この電動機の電機子巻線は Y 結線,一相の同期リアクタンス x_s は 6 Ωである。巻線抵抗の電圧降下は無視するものとし,この運転状態における一相の誘導起電力 E[V]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.130
- 2.220
- 3.240
- 4.370
- 5.380
正解:3.240
解説:求めるのは「一相の」誘導起電力なので,まず線間電圧を相電圧に直す。Y 結線だから V_p=360/√3≒207.8 V。ここを線間のまま計算すると答えが √3 倍ずれるので,最初に必ず割っておきたい。巻線抵抗を無視すると,一相分の関係は Ė=V̇_p−j x_s İ と書ける。力率 1.0 なので電流は相電圧と同相であり,j x_s İ は相電圧と直角を向く。したがって大きさは直角三角形の斜辺として E=√(V_p²+(x_s I)²)で求まる。V_p²=360²/3=43 200,x_s I=6×20=120 V だから 120²=14 400 で,E=√(43 200+14 400)=√57 600=240 V とちょうど割り切れる。答(3)。落とし穴は 2 つある。1 つは線間電圧のまま √(360²+120²)=√144 000≒379.5 とすることで,これがそのまま(5)の 380 に用意されている。もう 1 つはリアクタンス降下を直交する量として扱わず,単純に足し引きしてしまうことである。リアクタンス降下を忘れて相電圧をそのまま答えると 207.8 となり,最も近い選択肢は(2)の 220 になる。いずれもベクトル図を描いて,端子相電圧と直角に電圧降下を継ぎ足す形を確認すれば防げる。なお本問は数値がきれいに揃うよう作られており,√57 600=240 と整数で出る。計算途中で半端な値になったら,相電圧への換算か二乗のどこかを間違えていると気づける。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 機械 問6
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問886.次の文章は,一般的な電気機器(変圧器,直流機,誘導機,同期機)の共通点に関する記述である。 a (ア) と (イ) は,磁束の大きさ一定,電源電圧(交流機では周波数も)一定のとき回転速度の変化でトルクが変化する。 b 一次巻線に負荷電流と励磁電流を重畳して流す (イ) と (ウ) は,特性計算に用いる等価回路がよく似ている。 c 負荷電流が電機子巻線を流れる (ア) と (エ) は,界磁磁束と電機子反作用磁束のベクトル和の磁束に比例する誘導起電力が発生する。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア)誘導機 (イ)直流機 (ウ)変圧器 (エ)同期機
- 2.(ア)同期機 (イ)直流機 (ウ)変圧器 (エ)誘導機
- 3.(ア)直流機 (イ)誘導機 (ウ)同期機 (エ)変圧器
- 4.(ア)同期機 (イ)直流機 (ウ)誘導機 (エ)変圧器
- 5.(ア)直流機 (イ)誘導機 (ウ)変圧器 (エ)同期機
正解:5.(ア)直流機 (イ)誘導機 (ウ)変圧器 (エ)同期機
解説:手掛かりが一番はっきりしているのは b である。「一次巻線に負荷電流と励磁電流を重畳して流す」「等価回路がよく似ている」の 2 つを同時に満たす組合せは誘導機と変圧器しかない。誘導機は静止した変圧器の二次側を回転させたものと見なせ,一次側に励磁電流と負荷電流が重なって流れる点まで同じで,T 形等価回路の形も共通である。よって(イ)(ウ)は誘導機と変圧器の組で,(イ)=誘導機,(ウ)=変圧器と決まる。つづいて c の「電機子巻線」「界磁磁束と電機子反作用磁束のベクトル和」という言葉は,界磁と電機子をもつ機械,すなわち直流機と同期機を指す。したがって(ア)(エ)がこの 2 つで,b で(イ)=誘導機と決まっているから a の「(ア)と(イ)」は直流機と誘導機の組になり,(ア)=直流機,(エ)=同期機。答(5)。a の内容もこれと矛盾しない。直流機も誘導機も,磁束と電源電圧が一定なら回転速度が変わると逆起電力や滑りが変わってトルクが変化する。一方,同期機は回転速度が電源周波数で固定されていてトルクは負荷角で決まるため,a の記述には当てはまらない。(3)は(ウ)に同期機を置いており,同期機の等価回路は変圧器や誘導機のような励磁回路を主役にした形ではないので誤りである。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 機械 問7
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問887.次の文章は,単相変圧器の簡易等価回路に関する記述である。 変圧器の電気的な特性を考える場合,等価回路を利用すると都合がよい。また,等価回路は負荷も含めた電気回路として考えると便利であり,特に二次側の諸量を一次側に置き換え,一次側の回路はそのままとした「一次側に換算した簡易等価回路」は広く利用されている。 一次巻線の巻数を N₁,二次巻線の巻数を N₂ とすると,巻数比 a は a=N₁/N₂ で表され,この a を使用すると二次側諸量の一次側への換算は以下のように表される。 ・V̇₂′:二次電圧 V̇₂ を一次側に換算したもの V̇₂′= (ア) ·V̇₂ ・İ₂′:二次電流 İ₂ を一次側に換算したもの İ₂′= (イ) ·İ₂ ・r₂′:二次抵抗 r₂ を一次側に換算したもの r₂′= (ウ) ·r₂ ・x₂′:二次漏れリアクタンス x₂ を一次側に換算したもの x₂′= (エ) ·x₂ ・Ż_L′:負荷インピーダンス Ż_L を一次側に換算したもの Ż_L′= (オ) ·Ż_L ただし,′(ダッシュ)の付いた記号は,二次側諸量を一次側に換算したものとし,′(ダッシュ)のない記号は二次側諸量とする。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア)1/a (イ)a (ウ)1/a² (エ)1/a² (オ)a²
- 2.(ア)1/a (イ)a (ウ)a² (エ)a² (オ)a
- 3.(ア)a (イ)1/a (ウ)1/a² (エ)1/a² (オ)1/a²
- 4.(ア)a (イ)1/a (ウ)a² (エ)a² (オ)a²
- 5.(ア)1/a (イ)a (ウ)1/a² (エ)1/a² (オ)1/a²
正解:4.(ア)a (イ)1/a (ウ)a² (エ)a² (オ)a²
解説:巻数比 a=N₁/N₂ で一次側の巻数が多い(昇圧して二次から見ると降圧)と考えると,一次換算とは「二次側の量を,同じ巻数の一次巻線に置き換えたらいくつになるか」を求める操作である。電圧は巻数に比例するので,二次電圧を一次側の巻数に直すと a 倍になり(ア)=a。電流は起磁力 NI が保存されるので巻数に反比例し,(イ)=1/a。ここで(1)(2)(5)が落ちる。インピーダンスは電圧÷電流だから,a 倍÷(1/a)倍=a² 倍になる。抵抗も漏れリアクタンスも負荷インピーダンスもすべてインピーダンスの仲間なので,(ウ)(エ)(オ)はいずれも a²。答(4)。(3)は電圧・電流は正しいがインピーダンスを 1/a² としており,向きが逆である。換算の向きに迷ったら,「一次側から見た合成インピーダンスが a² 倍になるから,一次巻線に同じ電圧を掛けたときの電流が 1/a² になる」と,消費電力が一致することで検算できる。実際 (a·V₂)×(I₂/a)=V₂I₂ となって皮相電力は換算の前後で変わらず,これが a² という指数が正しいことの裏づけになる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 機械 問8
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問888.単相変圧器の一次側に電流計,電圧計及び電力計を接続して,二次側を短絡し,一次側に定格周波数の電圧を供給し,電流計が 40 A を示すよう一次側の電圧を調整したところ,電圧計は 80 V,電力計は 1 200 W を示した。この変圧器の一次側からみた漏れリアクタンス[Ω]の値として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 ただし,電流計,電圧計及び電力計は理想的な計器であるものとする。
- 1.1.28
- 2.1.85
- 3.2.00
- 4.2.36
- 5.2.57
正解:2.1.85
解説:短絡試験の結果から等価回路の直列成分を求める問題である。二次側を短絡しているので励磁回路には電流がほとんど流れず,測定値はすべて一次側から見た直列インピーダンスの値と考えてよい。まずインピーダンスの大きさは Z=V/I=80/40=2.00 Ω。次に抵抗分は電力計の指示から求める。短絡試験で消費される電力はほぼ銅損なので P=I²r より r=1 200/40²=1 200/1 600=0.75 Ω。リアクタンスは,Z²=r²+x² の関係を使って x=√(Z²−r²)=√(2.00²−0.75²)=√(4.00−0.5625)=√3.4375≒1.85 Ω。答(2)。誤答の作り方が明快な問題で,Z をそのままリアクタンスとして答えると 2.00 で(3),r と x を単純に引いて 2.00−0.75=1.25 とすると(1)の 1.28 に近い値になる。逆に足して 2.75 としたり,√(Z²+r²)=√4.5625≒2.14 としても選択肢に近い値が並ぶ。「Z・r・x は直角三角形をなす」という関係を式で書いてから当てはめるのが安全である。ちなみに力率は cosθ=P/(VI)=1 200/(80×40)=0.375 で,これを使って x=Z sinθ=2.00×√(1−0.375²)≒1.85 としても同じ値が得られる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 機械 問9
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問889.次の文章は,単相半波ダイオード整流回路に関する記述である。 抵抗とリアクトルとを直列接続した負荷に電力を供給する単相半波ダイオード整流回路を図1 に示す。スイッチ S を開いて運転したときに,負荷力率に応じて負荷電圧 e_d の波形は図2 の (ア) となり,負荷電流 i_d の波形は図2 の (イ) となった。次にスイッチ S を閉じ,環流ダイオードを接続して運転したときには,負荷電圧 e_d の波形は図2 の (ウ) となり,負荷電流の流れる期間は,スイッチ S を開いて運転したときよりも (エ) 。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.(ア)波形2 (イ)波形4 (ウ)波形3 (エ)長くなる
- 2.(ア)波形1 (イ)波形5 (ウ)波形3 (エ)短くなる
- 3.(ア)波形1 (イ)波形5 (ウ)波形2 (エ)長くなる
- 4.(ア)波形1 (イ)波形4 (ウ)波形2 (エ)長くなる
- 5.(ア)波形2 (イ)波形5 (ウ)波形3 (エ)短くなる
正解:3.(ア)波形1 (イ)波形5 (ウ)波形2 (エ)長くなる
解説:スイッチ S を開いた状態は環流ダイオードのない単相半波整流で,負荷が RL なのでリアクトルが電流を流し続けようとする。そのため電源電圧が負に転じてもダイオードは導通したままで,負荷電圧は電源電圧に沿って負の領域まで続き,電流が零になった瞬間に垂直に立ち上がって零へ戻る。この特徴をもつのは負の部分をもち途中で急に切れている波形1 で,(ア)=波形1。負の部分がまったくない波形2 は環流ダイオードがある場合の形なので,ここで(1)(5)が落ちる。電流の波形は,リアクトルのため電源電圧より遅れて立ち上がり,電圧が負になってからも流れ続けて π を過ぎたところで零になる。波形4 は電圧と同時に流れ始めて π で終わる抵抗負荷の形であり,遅れと引き延ばしをもつのは波形5 のほうである。よって(イ)=波形5 で(4)も消える。スイッチ S を閉じて環流ダイオードを付けると,電源電圧が負になった瞬間に環流ダイオードが導通して負荷を短絡するので,負荷電圧は負にならず零に固定される。これが波形2 で(ウ)=波形2。波形3 は全波整流の形なので単相半波では現れない。そして環流ダイオードがあると,リアクトルに蓄えられたエネルギーが負荷内の閉ループを回り続けるため,電流は次の周期まで流れ続けやすくなり通流期間は「長くなる」。答(3)。環流ダイオードの効果を「出力電圧の負の部分を切り取り,電流を連続化する」と一言でまとめておくと,(ウ)と(エ)が同時に決まる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 機械 問10
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問890.巻上機によって質量 1 200 kg の物体を 0.3 m/s の一定速度で巻き上げているときの電動機出力[kW]の値として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし,機械効率は 98 %,重力加速度は 9.8 m/s²,ロープの質量及び加速に要する動力については考慮しないものとする。
- 1.3.4
- 2.3.5
- 3.3.6
- 4.3.7
- 5.3.8
正解:3.3.6
解説:一定速度で巻き上げているので加速に要する動力は不要で,必要なのは重力に逆らって持ち上げるぶんの動力だけである。物体側で必要な機械動力は P=mgv=1 200×9.8×0.3=3 528 W。この動力を機械効率 98 %の巻上機を介して伝えるので,電動機が出さなければならない出力はこれを効率で割った値になり,P_M=3 528/0.98=3 600 W=3.6 kW。答(3)。選択肢が 0.1 kW 刻みで並んでいるため,効率の扱いを間違えるとすぐ隣の値になる。効率を掛けてしまうと 3 528×0.98≒3 458 W=3.5 kW となり(2)に落ちる。効率を無視すればそのまま 3 528 W≒3.5 kW でやはり(2)である。「損失があるぶん,電動機は必要な動力より多く出さなければならない」ので,効率で割って値が大きくなる向きが正しい。単位の確認もしておくと,kg×m/s²×m/s=N·m/s=W となって,質量に重力加速度を掛けた時点で力[N],それに速度を掛けて動力[W]になっている。なお仮に加速も考えるなら ma のぶんの力が上乗せされるが,本問は一定速度なので a=0 であり,ただし書きどおり考慮しなくてよい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 機械 問11
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問891.熱の伝導は電気の伝導によく似ている。下記は,電気系の量と熱系の量の対応表である。 〔電気系と熱系の対応表〕 ・電圧 V[V] ―― (ア) [K] ・電気量 Q[C] ―― 熱量 Q[J] ・電流 I[A] ―― (イ) [W] ・導電率 σ[S/m] ―― 熱伝導率 λ[W/(m·K)] ・電気抵抗 R[Ω] ―― 熱抵抗 R_T (ウ) ・静電容量 C[F] ―― 熱容量 C (エ) 上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア)温度差θ (イ)熱流Φ (ウ)[K/W] (エ)[J/K]
- 2.(ア)熱流Φ (イ)温度差θ (ウ)[J/K] (エ)[K/W]
- 3.(ア)温度差θ (イ)熱流Φ (ウ)[K/J] (エ)[J/K]
- 4.(ア)熱流Φ (イ)温度差θ (ウ)[J/K] (エ)[J/W]
- 5.(ア)温度差θ (イ)熱流Φ (ウ)[K/W] (エ)[J/W]
正解:1.(ア)温度差θ (イ)熱流Φ (ウ)[K/W] (エ)[J/K]
解説:電気系と熱系の対応は,電圧↔温度差,電流↔熱流,電気抵抗↔熱抵抗,電気量↔熱量,静電容量↔熱容量と覚えるのが基本である。単位からも決められる。(ア)の単位は[K]と示されているので温度差θ,(イ)の単位は[W]なので単位時間当たりのエネルギー,すなわち熱流Φである。ここで(2)(4)が落ちる。(ウ)の熱抵抗は,オームの法則の対応 θ=R_T·Φ から R_T=θ/Φ となり,単位は[K]÷[W]=[K/W]。K/J としている(3)は,分母をエネルギーにしてしまっており誤りである。(エ)の熱容量は,静電容量が Q=CV であることに対応して熱量 Q=C·θ となるので C=Q/θ で単位は[J]÷[K]=[J/K]。J/W では時間の単位になってしまう。よって(ア)温度差θ,(イ)熱流Φ,(ウ)[K/W],(エ)[J/K]で答(1)。この対応が成り立つおかげで,多層壁を伝わる熱の計算を直列抵抗の合成として,熱容量を含む過渡的な温度上昇を RC 回路の過渡現象として解くことができる。電動機や変圧器の温度上昇曲線が指数関数になるのも,この熱回路のアナロジーによる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 機械 問12
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問892.次の文章は,自動制御に関する記述である。 機械,装置及び製造ラインの運転や調整などを制御装置によって行うことを自動制御という。自動制御は,シーケンス制御と (ア) 制御とに大別される。 シーケンス制御は,あらかじめ定められた手順や判断によって制御の各段階を順に進めていく制御である。この制御を行うための機器として電磁リレーがある。電磁リレーを用いた (イ) シーケンス制御をリレーシーケンスという。 リレーシーケンスにおいて,2 個の電磁リレーのそれぞれのコイルに,相手の b 接点を直列に接続して,両者が決して同時に働かないようにすることを (ウ) という。 シーケンス制御の動作内容の確認や,制御回路設計の手助けのために,横軸に時間を表し,縦軸にコイルや接点の動作状態を表したものを (エ) という。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア)フィードフォワード (イ)無接点 (ウ)ブロック (エ)フローチャート
- 2.(ア)フィードバック (イ)有接点 (ウ)インタロック (エ)タイムチャート
- 3.(ア)フィードバック (イ)有接点 (ウ)ブロック (エ)フローチャート
- 4.(ア)フィードフォワード (イ)有接点 (ウ)インタロック (エ)タイムチャート
- 5.(ア)フィードバック (イ)無接点 (ウ)ブロック (エ)タイムチャート
正解:2.(ア)フィードバック (イ)有接点 (ウ)インタロック (エ)タイムチャート
解説:自動制御はシーケンス制御と「フィードバック制御」に大別される,というのが定番の分類である。フィードフォワード制御は外乱を先読みして補正する方式で,フィードバック制御の一形態あるいは補助として位置づけられ,二大分類の片方には置かれない。よって(ア)=フィードバックで(1)(4)が落ちる。電磁リレーは金属の接点を機械的に開閉する部品なので「有接点」である。無接点シーケンス制御は,トランジスタや論理 IC など可動接点をもたない素子で組むものを指す。ここで(5)も消える。(ウ)は,2 個のリレーのコイル回路にそれぞれ相手の b 接点(ブレーク接点)を直列に入れる回路で,一方が動作すると相手の回路が切れて絶対に同時には働かない。これが「インタロック」である。正逆転回路で正転用と逆転用の電磁接触器が同時に入って短絡することを防ぐ,安全上の基本回路にあたる。残る(エ)は,横軸に時間,縦軸に各コイル・接点の動作状態を並べて描いた図なので「タイムチャート」。フローチャートは処理の順序を分岐記号で表す流れ図であり,時間軸をもたない。答(2)。(3)は(ウ)にブロックを入れているが,ブロック線図は伝達要素を四角で表すフィードバック制御側の図で,リレー回路の同時動作防止を指す語ではない。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 機械 問13
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問893.二つのビットパターン 1101 と 1011 のビットごとの論理演算を行う。排他的論理和(ExOR)は (ア) ,否定論理和(NOR)は (イ) であり, (ア) と (イ) との論理和(OR)は (ウ) である。1011 と (ウ) との排他的論理和(ExOR)の結果を 2 進数と考え,その数値を 16 進数で表すと (エ) である。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア)1001 (イ)0110 (ウ)1001 (エ)9
- 2.(ア)0110 (イ)0000 (ウ)1111 (エ)D
- 3.(ア)1001 (イ)1111 (ウ)1001 (エ)F
- 4.(ア)0110 (イ)1111 (ウ)1001 (エ)9
- 5.(ア)0110 (イ)0000 (ウ)0110 (エ)D
正解:5.(ア)0110 (イ)0000 (ウ)0110 (エ)D
解説:ビットごとに順に計算する。まず排他的論理和は「異なれば 1」なので,1101 と 1011 を桁ごとに比べると,最上位から 1と1→0,1と0→1,0と1→1,1と1→0 で(ア)=0110。異なれば 0 と取り違えると 1001 になり,これが(1)(3)に用意されている。次に否定論理和は,論理和をとってから反転する。1101 OR 1011=1111 なので,その否定は(イ)=0000。ここで NOR を「両方 1 のとき 0」などと誤ると 1111 のままになり(3)(4)に落ちる。(ウ)は(ア)と(イ)の論理和で,0110 OR 0000=0110。相手が 0000 なのだから結果は 0110 のままであり,1111 とする(2)は誤りである。この段階で(5)以外が残らない。最後に 1011 と(ウ)=0110 の排他的論理和をとると,1と0→1,0と1→1,1と1→0,1と0→1 で 1101。これを 2 進数と見ると 8+4+0+1=13 であり,16 進数では(エ)=D となる。答(5)。誤答の(2)は(ア)(イ)が正解と同じで(ウ)だけが 1111 に差し替えられており,しかも(エ)は正解と同じ D のまま置かれている。実際に(ウ)=1111 で最後まで計算すると 1011 と 1111 の排他的論理和は 0100=4 となり D にはならないので,(2)は内部で辻褄が合っていない。(エ)の 16 進数だけを見て選ぶと取り違えるため,(ア)から(エ)まで各段階を紙に書き並べて確かめたい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 機械 問14
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問894.定格周波数 60 Hz,6 極の三相巻線形誘導電動機があり,二次巻線を短絡して定格負荷で運転したときの回転速度は 1 170 min⁻¹である。この電動機について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 ただし,電動機の二次抵抗値が一定のとき,滑りとトルクは比例関係にあるものとする。 〔小問(a)〕 この電動機を定格負荷の 80 %のトルクで運転する場合,二次巻線が短絡してあるときの滑りの値として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.0.015
- 2.0.02
- 3.0.025
- 4.0.03
- 5.0.04
正解:2.0.02
解説:まず定格運転時の滑りを求める。同期速度は N_s=120f/p=120×60/6=1 200 min⁻¹で,定格負荷での回転速度が 1 170 min⁻¹だから,s=(1 200−1 170)/1 200=30/1 200=0.025 である。ただし書きに「二次抵抗値が一定のとき,滑りとトルクは比例関係にある」とあるので,二次巻線を短絡したまま(=二次抵抗が定格時と同じまま)トルクだけを 80 %に落とすと,滑りもそのまま 80 %になる。したがって s′=0.025×0.80=0.02。答(2)。このとき回転速度は 1 200×(1−0.02)=1 176 min⁻¹で,軽負荷になったぶん定格時より少し速く回ることになり,直感とも合う。落とし穴は,0.025 という定格滑りをそのまま答えてしまうことで,これが(3)に置かれている。逆に 0.025/0.8=0.031 と割り算をしてしまうと(4)の 0.03 に近づく。トルクが減れば滑りも減る,という向きを間違えないことが要点である。なお滑りとトルクが比例するのは滑りが小さい領域での近似で,実際のトルク曲線は最大トルクを越えると逆に減少する。本問はただし書きでこの近似を明示しているので,安心して比例計算してよい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 機械 問15(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問895.定格周波数 60 Hz,6 極の三相巻線形誘導電動機があり,二次巻線を短絡して定格負荷で運転したときの回転速度は 1 170 min⁻¹である。この電動機について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 ただし,電動機の二次抵抗値が一定のとき,滑りとトルクは比例関係にあるものとする。 〔小問(b)〕 この電動機を定格負荷の 80 %のトルクで運転する場合,二次巻線端子に三相抵抗器を接続し,二次巻線回路の 1 相当たりの抵抗値を短絡時の 2.5 倍にしたときの回転速度[min⁻¹]の値として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.980
- 2.1 110
- 3.1 140
- 4.1 170
- 5.1 200
正解:3.1 140
解説:巻線形誘導電動機の比例推移を使う問題である。同じトルクを出しているとき,滑りは二次抵抗に比例して変化する(s/r₂ が一定)。小問(a)より,トルクが定格の 80 %で二次巻線を短絡している状態の滑りは 0.02 であった。ここから二次抵抗を 2.5 倍にしても,トルクは 80 %のまま変わらないので,滑りだけが 2.5 倍になって s=0.02×2.5=0.05 となる。同期速度は 1 200 min⁻¹だから,回転速度は N=1 200×(1−0.05)=1 200×0.95=1 140 min⁻¹。答(3)。ここで注意したいのは,二次抵抗を増しても発生トルクそのものは変わらないという点である。二次抵抗の挿入は最大トルクの大きさを変えず,トルク曲線を滑りの大きい側へずらすだけなので,同じ負荷トルクに対して回転が遅くなる。これが巻線形誘導電動機の速度制御と始動トルク改善の原理である。誤答としては,定格滑り 0.025 に 2.5 を掛けて s=0.0625 とし 1 200×0.9375=1 125 とする経路があり,これは(2)の 1 110 に近い値になる。(a)で求めた 80 %トルク時の滑りから出発することを忘れないようにしたい。また 2.5 倍を掛け忘れれば(a)のまま 1 176 となって(4)の 1 170 に吸い寄せられる。二次抵抗を増やしたのに回転速度が変わらない,ということはあり得ない。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 機械 問15(b)
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問896.図1 は,IGBT を用いた単相ブリッジ接続の電圧形インバータを示す。直流電圧 E_d[V]は,一定値と見なせる。出力端子には,インダクタンス L[H]で抵抗値 R[Ω]の誘導性負荷が接続されている。この電圧形インバータの出力電圧 v₀,出力電流 i₀ が図2 のようになった。インバータの動作モードを図2 に示す①~④として本モードは周期 T[s]で繰り返されるものとする。なお,上下スイッチの短絡を防ぐデッドタイムは考慮しない。 次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 図2 に示した区間①~④において電流が流れているデバイスの組合せとして正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.①D₂−D₃ ②Q₂−Q₃ ③D₁−D₄ ④Q₁−Q₄
- 2.①Q₂−Q₃ ②Q₂−Q₃ ③Q₁−Q₄ ④Q₁−Q₄
- 3.①Q₁−Q₄ ②Q₁−Q₄ ③Q₂−Q₃ ④Q₂−Q₃
- 4.①Q₁−D₃ ②Q₁−Q₄ ③Q₂−D₄ ④Q₂−Q₃
- 5.①D₁−D₄ ②Q₁−Q₄ ③D₂−D₃ ④Q₂−Q₃
正解:5.①D₁−D₄ ②Q₁−Q₄ ③D₂−D₃ ④Q₂−Q₃
解説:図2 の v₀ と i₀ の符号の組合せを区間ごとに読み取れば決まる。判断の基準は 2 つで,出力電圧の極性がどちらの対角スイッチにゲート信号が出ているかを示し,電流の向きがトランジスタ(IGBT)を流れるのか逆並列ダイオードを流れるのかを決める。区間①は v₀=+E_d だが i₀ はまだ負である。ゲートは Q₁・Q₄ に出ているものの,電流の向きが逆なので IGBT は導通できず,電流は D₁・D₄ を通って直流電源側へ戻る。誘導性負荷に蓄えられたエネルギーが電源に回生される区間で,(ア)=D₁−D₄。区間②は v₀=+E_d で i₀ も正になり,ここで初めて Q₁・Q₄ が導通して電源から負荷へ電力が供給される。区間③は v₀=−E_d に切り替わった直後で,i₀ はまだ正のまま残っている。ゲートは Q₂・Q₃ 側に移っているが電流の向きが合わないので,D₂・D₃ を通る回生区間になる。区間④で i₀ が負に転じ,Q₂・Q₃ が導通して逆向きに電力を供給する。したがって ①D₁−D₄,②Q₁−Q₄,③D₂−D₃,④Q₂−Q₃ で答(5)。誘導性負荷では電流が電圧より遅れるため,電圧が切り替わった直後には必ずダイオードを通る回生区間が現れる。この「電圧の極性で対角ペアが決まり,電流の符号がトランジスタかダイオードかを決める」という二段構えが本問の骨格である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 機械 問16(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問897.図1 は,IGBT を用いた単相ブリッジ接続の電圧形インバータを示す。直流電圧 E_d[V]は,一定値と見なせる。出力端子には,インダクタンス L[H]で抵抗値 R[Ω]の誘導性負荷が接続されている。この電圧形インバータの出力電圧 v₀,出力電流 i₀ が図2 のようになった。インバータの動作モードを図2 に示す①~④として本モードは周期 T[s]で繰り返されるものとする。なお,上下スイッチの短絡を防ぐデッドタイムは考慮しない。 次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(b)〕 電源電圧 E_d が 100 V,インダクタンス L を 2 mH とし,抵抗 R を 1 Ωとすると,区間①②の電流は −I_p[A]から I_p[A]まで時定数 τ[s]で増加する。τ に最も近い値を次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.0.001
- 2.0.002
- 3.0.003 2
- 4.0.006 3
- 5.0.02
正解:2.0.002
解説:区間①②は,出力電圧が+E_d で一定の間に RL 直列回路の電流が指数関数的に変化する区間である。この過渡現象の時定数は回路の L と R だけで決まり,τ=L/R で与えられる。値を入れると τ=2×10⁻³/1=2×10⁻³ s=0.002 s。答(2)。ここで電源電圧 E_d=100 V は時定数には一切効かない。電圧が効くのは電流の到達値(定常値 E_d/R=100 A)であって,立ち上がりの速さではない。この区別がつかないと 100 という数字を式に入れたくなり,答えが選択肢のどれかに合ってしまう。(5)の 0.02 は 0.002 の桁を 1 つ間違えた値で,L を 2 mH ではなく 20 mH と読んだ場合や 10 倍の換算ミスで出てくる。(3)(4)も 0.002 に係数を掛けた形の値であり,いずれも「τ=L/R」という定義から素直に計算すれば選ばれない。なお L/R=0.002 s に対し,図2 の i₀ が −I_p から I_p まで滑らかに立ち上がっていることから,スイッチング周期 T は時定数の数倍程度であると読める。時定数が周期に比べて十分小さければ電流は方形波に近づき,逆に十分大きければ三角波に近づく。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 機械 問16(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問898.【選択問題】問17及び問18は選択問題であり,どちらか一方を選んで解答する(本サイトでは学習用に両方を収録しています)。 均等放射の球形光源(球の直径は 30 cm)がある。床からこの球形光源の中心までの高さは 3 m である。また,球形光源から放射される全光束は 12 000 lm である。次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 球形光源直下の床の水平面照度の値[lx]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし,天井や壁など,周囲からの反射光の影響はないものとする。
- 1.35
- 2.106
- 3.142
- 4.212
- 5.425
正解:2.106
解説:均等放射なので,全光束を全立体角 4π[sr]で割れば光度が求まる。I=F/(4π)=12 000/(4π)=12 000/12.566≒954.9 cd。つづいて直下の床面の照度は,距離の逆二乗の法則による。光源中心から床までの距離は 3 m で,直下なので入射角は 0°=cos0°=1 である。したがって E=I/h²=954.9/3²=954.9/9≒106 lx。答(2)。球の直径 30 cm は(a)では使わない。光源の大きさは(b)の輝度を求めるためのもので,照度の計算では中心までの距離 3 m だけを使う。ここで半径 0.15 m を差し引いて 2.85 m としたり足したりすると値がずれる。誤答の作られ方も典型的で,全立体角の 4π を 2π と取り違えると I≒1 910 cd となり照度は 212 lx で(4),割らずに F/h² としたり距離を二乗し忘れると 12 000/(4π×3)≒318 や 954.9/3≒318 といった値になる。(5)の 425 は 4π を π とした場合の値に近い。「全光束 lm を 4π で割れば光度 cd」「光度を距離の二乗で割れば照度 lx」という 2 段階を,単位とともに確認しながら進めるのが確実である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 機械 問17(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問899.【選択問題】問17及び問18は選択問題であり,どちらか一方を選んで解答する(本サイトでは学習用に両方を収録しています)。 均等放射の球形光源(球の直径は 30 cm)がある。床からこの球形光源の中心までの高さは 3 m である。また,球形光源から放射される全光束は 12 000 lm である。次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(b)〕 球形光源の光度の値[cd]と輝度の値[cd/m²]との組合せとして,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.光度 955 輝度 13 500
- 2.光度 955 輝度 3 380
- 3.光度 1 910 輝度 1 010
- 4.光度 1 910 輝度 27 000
- 5.光度 3 820 輝度 13 500
正解:1.光度 955 輝度 13 500
解説:光度は小問(a)と同じく I=F/(4π)=12 000/(4π)≒955 cd である。この時点で 1 910(4π を 2π とした値)や 3 820(π とした値)を挙げる(3)(4)(5)は落ちる。輝度は「見かけの面積当たりの光度」で,L=I/S と定義される。ここで使う S は表面積ではなく,光源を見る方向に投影した面積である。球を横から見れば,どの方向から見ても大円の円板に見えるので,投影面積は S=πr²。直径 30 cm より r=0.15 m なので,S=π×0.15²=π×0.0225≒0.070 69 m²。したがって L=955/0.070 69≒13 500 cd/m²。答(1)。最大の落とし穴は,投影面積の代わりに球の表面積 4πr²=0.2827 m² を使ってしまうことで,このとき L=955/0.2827≒3 380 cd/m² となり,そのまま(2)に用意されている。表面積を使うのは光束発散度を扱う場面であり,輝度の分母は必ず投影面積である。また半径と直径を取り違えて r=0.3 m とすると S=0.2827 m² となってやはり 3 380 になり,同じ誤答へ吸い寄せられる。輝度はまぶしさに直結する量で,同じ光度でも発光面が小さいほど大きくなる。本問の球形光源をそのまま点光源に近づけると輝度は際限なく大きくなり,グローブや乳白カバーで発光面積を広げることがまぶしさ対策になる理由もここにある。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 機械 問17(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問900.【選択問題】問17及び問18は選択問題であり,どちらか一方を選んで解答する(本サイトでは学習用に両方を収録しています)。 数の表現法について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 10 進法で表される正の整数 N は,10 進法の 2 以上の整数 r を用いて,次式のように表すことができる。 N=a_n rⁿ+a_(n−1) rⁿ⁻¹+…+a₁ r+a₀ ただし,a_i は整数であり,0≦a_i<r(i=0,1,…,n)である。 このとき,N を r 進法で次のように表現することとする。 (a_n a_(n−1) … a₂ a₁ a₀)_r この表現方法によって次の計算が成り立つとき,r の値として,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 (122)_r −(42)_r =(40)_r
- 1.5
- 2.6
- 3.7
- 4.8
- 5.9
正解:2.6
解説:各数を r を使った 10 進法の式に書き直してから方程式を解く。(122)_r=1×r²+2×r+2=r²+2r+2,(42)_r=4r+2,(40)_r=4r である。これを与えられた等式に入れると,r²+2r+2−(4r+2)=4r。左辺を整理して r²+2r+2−4r−2=r²−2r となるので,r²−2r=4r,すなわち r²=6r。r は 2 以上の整数だから r で割ることができて r=6。答(2)。得られた値が問題の条件を満たすかも確かめておきたい。各桁の数字は 0≦a_i<r でなければならないので,現れている最大の数字 4 が r=6 未満であることを満たしており矛盾はない。逆にこの条件を使えば選択肢を絞ることもできる。もし r=5 なら 4 は使えるが,検算すると(122)₅=37,(42)₅=22,差は 15 で(40)₅=20 と一致しない。r=6 で確かめると(122)₆=1×36+2×6+2=50,(42)₆=4×6+2=26,差は 24 で(40)₆=4×6=24 となってぴたりと合う。r 進法の問題は,10 進法に直してから普通の方程式にするのが最も確実で,桁上がりを r 進法のまま扱おうとすると混乱しやすい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 機械 問18(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問901.【選択問題】問17及び問18は選択問題であり,どちらか一方を選んで解答する(本サイトでは学習用に両方を収録しています)。 数の表現法について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(b)〕 8 ビットの固定長で,正負のある 2 進法の数値を表現する場合,次のような①及び②で示す方式がある。また,D-A コンバータにおいては次の③で示す方式が用いられる。 ① 最上位ビット(左端のビット,以下 MSB という)を符号ビットとして,残りのビットでその数の絶対値を表す方式は,絶対値表示方式と呼ばれる。この場合,MSB=0 が正(+),MSB=1 が負(−)と約束すると,10 進数の−8 は (ア) となる。 ② 7 ビット長で表された正の数 n に対して,−n を 8 ビット長の n の 2 の補数で表す方式がある。この方式による場合,10 進数の−8 は (イ) となる。この方式においても,MSB=1 は負の整数,MSB=0 は正の整数を示すことになる。この方式は,2 進数の減算に適している。 ③ D-A コンバータでは,ディジタル入力量とアナログ出力量が比例の関係にある。8 ビットの D-A コンバータではディジタル入力量として,(1000 0000)₂ を与えた場合に,0.0000 V が出力されるようにしたオフセット・バイナリ・コードを用いることが多い。この場合,出力電圧が正のときは,MSB=1 となり,負のときは,MSB=0 となる。 ディジタル入力値が(0000 0000)₂ のときのアナログ出力値が −5.0000 V であるオフセット・バイナリ・コードの D-A コンバータでは,ディジタル入力値が(0111 1000)₂ のときの出力電圧値は (ウ) V となる。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア)(1000 1000)₂ (イ)(1000 0111)₂ (ウ)−0.2734
- 2.(ア)(1111 1000)₂ (イ)(1000 1000)₂ (ウ)−0.3125
- 3.(ア)(1111 1000)₂ (イ)(1000 0111)₂ (ウ)−0.3125
- 4.(ア)(1000 1000)₂ (イ)(1111 1000)₂ (ウ)−0.3125
- 5.(ア)(1000 1000)₂ (イ)(1111 1000)₂ (ウ)−0.2734
正解:4.(ア)(1000 1000)₂ (イ)(1111 1000)₂ (ウ)−0.3125
解説:(ア)は絶対値表示方式である。符号ビットは負なので MSB=1,残り 7 ビットには絶対値 8 をそのまま 2 進数で置くので 000 1000。合わせて(1000 1000)₂ となる。(1111 1000)₂ としている(2)(3)は,2 の補数と取り違えたものである。(イ)は 2 の補数である。まず 8 を 8 ビットで表すと(0000 1000)₂。全ビットを反転して(1111 0111)₂,これに 1 を加えて(1111 1000)₂ が −8 の 2 の補数表現になる。反転だけで止めた(1000 0111)₂ は 1 の補数で,これが(1)(3)の誤答である。ここまでで(4)と(5)が残る。(ウ)はオフセット・バイナリ・コードの D-A 変換である。入力(0000 0000)₂ が −5.0000 V,そして問題文より(1000 0000)₂=128 が 0.0000 V なので,128 ステップで 5.0000 V ぶん動くことになり,1 LSB 当たり 5.0000/128=0.039 062 5 V である。入力(0111 1000)₂ は 10 進で 64+32+16+8=120。よって出力は −5.0000+120×0.039 062 5=−5.0000+4.6875=−0.3125 V。答(4)。別の見方をすると,120 は基準の 128 より 8 だけ小さいので,0 V から 8 LSB ぶん下がった −8×0.039 062 5=−0.3125 V と直ちに求められる。誤答の(5)にある −0.2734 は −7×(5/128)=−0.273 437 5 に等しく,基準の(1000 0000)₂ からのずれを 8 ステップではなく 7 ステップと数えてしまった場合の値である。128−120=8 という引き算を 128−121 や 127−120 と取り違えると,ちょうどこの値になる。オフセット・バイナリでは 0 V の位置が中央の(1000 0000)₂ であることを起点に,そこから何 LSB 離れているかを数えるのが確実である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 機械 問18(b)
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問902.長さ l[m]の導体を磁束密度 B[T]の磁束の方向と直角に置き,速度 v[m/s]で導体及び磁束に直角な方向に移動すると,導体にはフレミングの (ア) の法則により,e= (イ) [V]の誘導起電力が発生する。 1 極当たりの磁束が Φ[Wb],磁極数が p,電機子総導体数が Z,巻線の並列回路数が a,電機子の直径が D[m]なる直流機が回転速度 n[min⁻¹]で回転しているとき,周辺速度は v=πDn/60[m/s]となり,直流機の正負のブラシ間には (ウ) 本の導体が (エ) に接続されるので,電機子の誘導起電力 E は,E= (オ) [V]となる。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア)左手 (イ)Bv/l (ウ)Z/a (エ)直列 (オ)ZΦn/(60pa)
- 2.(ア)左手 (イ)Blv (ウ)Za (エ)直列 (オ)pZaΦn/60
- 3.(ア)右手 (イ)Bv/l (ウ)Za (エ)並列 (オ)pZaΦn/60
- 4.(ア)右手 (イ)Blv (ウ)a/Z (エ)並列 (オ)pZΦn/(60a)
- 5.(ア)右手 (イ)Blv (ウ)Z/a (エ)直列 (オ)pZΦn/(60a)
正解:5.(ア)右手 (イ)Blv (ウ)Z/a (エ)直列 (オ)pZΦn/(60a)
解説:導体を磁界中で動かして起電力が生じる現象=発電機の側なので,使うのはフレミングの「右手」の法則である。左手は電磁力(電動機)の側で,これで(1)(2)が落ちる。起電力の大きさは磁束密度・導体長・速度の積で e=Blv[V]。Bv/l は次元が合わないので(3)も消える。残る(4)と(5)の違いは(ウ)(オ)にある。直流機の電機子巻線は並列回路数が a なので,全導体 Z 本が a 本の並列回路に分かれ,ブラシ間の1回路には Z/a 本の導体が直列に接続される。したがって(ウ)=Z/a,(エ)=直列。誘導起電力は,1 本当たりの起電力 Blv を Z/a 本ぶん足したものとして E=(Z/a)Blv と書け,磁束と回転速度で表し直すと E=pZΦn/(60a)[V]となる。答(5)。この式は「E=KΦn」の形で暗記されることが多いが,K=pZ/(60a) の中身が本問で問われている。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 機械 問1
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問903.界磁磁束を一定に保った直流電動機が,電機子電圧 24 V,電機子電流 3.0 A で一定速で駆動されている。このときの直流電動機の回転数は 1 500 min⁻¹,出力トルクは 0.4 N·m であった。この直流電動機の電機子巻線の抵抗値[Ω]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 ただし,ブラシによる電圧降下,及び電機子反作用は無視できるものとし,考慮すべき損失は電機子巻線の銅損のみとする。
- 1.1.0
- 2.2.3
- 3.3.1
- 4.4.5
- 5.6.9
正解:1.1.0
解説:損失が電機子銅損だけなので「入力=出力+銅損」で解ける。入力は電機子電圧×電機子電流で 24×3.0=72 W。出力は角速度×トルクで,角速度が ω=2π×1 500/60=157.1 rad/s だから P=157.1×0.4≒62.8 W。差し引き 72−62.8=9.2 W が銅損 I²R に等しく,R=9.2/3.0²=9.2/9≒1.02 Ω。答(1)。よくある誤りは回転数を rad/s に直さずに使うことで,1 500×0.4=600 W としてしまうと入力を超えてしまい,明らかに破綻する。別解として,逆起電力から解くこともできる。E=P/I=62.8/3.0≒20.9 V なので,電機子回路の電圧方程式 V=E+IR より R=(24−20.9)/3.0≒1.0 Ω となり同じ値が得られる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 機械 問2
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問904.巻線形誘導電動機のトルク−回転速度曲線は,電源電圧及び (ア) が一定のとき,発生するトルクと回転速度との関係を表したものである。 この曲線は,ある滑りの値でトルクが最大となる特性を示す。このトルクを最大トルク又は (イ) トルクと呼んでいる。この最大トルクは (ウ) 回路の抵抗には無関係である。 巻線形誘導電動機のトルクは (ウ) 回路の抵抗と滑りの比に関係するので, (ウ) 回路の抵抗が k 倍になると,前と同じトルクが前の滑りの k 倍の点で起こる。このような現象は (エ) と呼ばれ,巻線形誘導電動機の始動特性の改善及び速度制御に広く用いられている。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア)電源周波数 (イ)停動 (ウ)二次 (エ)比例推移
- 2.(ア)電源周波数 (イ)停動 (ウ)一次 (エ)二次励磁
- 3.(ア)負荷 (イ)臨界 (ウ)一次 (エ)比例推移
- 4.(ア)電源周波数 (イ)臨界 (ウ)二次 (エ)二次励磁
- 5.(ア)負荷 (イ)臨界 (ウ)二次 (エ)比例推移
正解:1.(ア)電源周波数 (イ)停動 (ウ)二次 (エ)比例推移
解説:トルク−回転速度曲線は電源電圧と「電源周波数」を一定に保って描くものである。同期速度が周波数で決まる以上,周波数が動けば曲線そのものが横にずれてしまうからで,(ア)=電源周波数となり(3)(5)が落ちる。最大トルクの別名は「停動トルク」で,これを超える負荷をかけると電動機が止まってしまうことに由来する。「臨界トルク」という呼び方は一般的でないので(4)も消える。滑り s におけるトルクは二次抵抗 r₂ と滑りの比 r₂/s の関数で決まり,最大トルクの大きさ自体は r₂ に依存しない(最大となる滑りの位置だけが変わる)。よって(ウ)=二次で(2)も落ち(1)が残る。r₂ を k 倍すると同じ r₂/s を与える滑りも k 倍になる,というこの性質が「比例推移」で,巻線形では二次側に外部抵抗を入れて始動トルクを大きくしたり速度を変えたりできる。答(1)。かご形では二次抵抗を外から変えられないので比例推移は使えない。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 機械 問3
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問905.電源に接続された三相誘導電動機が駆動されている。電源の線間電圧 V_n は 400 V,電源から供給される線電流 I_l は 25.8 A,力率は 0.8 である。この場合の滑り s が 4 %であり,鉄損 P_i 及び一次銅損 P_c1 の値は,共に,二次銅損 P_c2 の値の 1/2 である。この場合の二次銅損 P_c2 の値[W]として最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 ただし,その他の損失は無視できるものとする。
- 1.318
- 2.344
- 3.550
- 4.571
- 5.596
正解:3.550
解説:まず電源からの入力を求める。P₁=√3 V_n I_l cosθ=√3×400×25.8×0.8≒14 300 W。一次側で失われるのは鉄損と一次銅損で,どちらも P_c2 の半分だから合わせて P_c2 である。したがって二次入力は P₂=P₁−(P_i+P_c1)=P₁−P_c2 と書ける。一方,二次銅損は二次入力に滑りを掛けたもので P_c2=sP₂=0.04P₂ という関係がある。この2 式から P₂=P₁−0.04P₂ すなわち 1.04P₂=14 300 となり,P₂≒13 750 W。よって P_c2=0.04×13 750=550 W。答(3)。うっかり P_c2=sP₁=0.04×14 300≒571 W とすると(4)を選んでしまうが,滑りを掛ける相手は電源入力 P₁ ではなく二次入力 P₂ である。この差が(3)と(4)の間に用意されている。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 機械 問4
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問906.次の文章は,三相同期発電機に関する記述である。 三相同期発電機は,水車を原動機とする水車発電機や,蒸気タービンを原動機とするタービン発電機などに用いられている。水車発電機では,水車の回転速度が比較的 (ア) ため,発電機の極数を (イ) しなければならない。また,水車発電機の回転子は,軸方向に比べて直径が (ウ) なっている。 タービン発電機の回転子は,水車発電機に比べて回転速度が (エ) ので,回転子の機械的強度の関係から,回転子の直径は軸方向の長さに比べて (オ) した設計になっている。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア)小さい (イ)小さく (ウ)大きく (エ)大きい (オ)大きく
- 2.(ア)小さい (イ)大きく (ウ)大きく (エ)大きい (オ)小さく
- 3.(ア)小さい (イ)大きく (ウ)大きく (エ)小さい (オ)大きく
- 4.(ア)大きい (イ)大きく (ウ)小さく (エ)大きい (オ)小さく
- 5.(ア)大きい (イ)小さく (ウ)小さく (エ)小さい (オ)大きく
正解:2.(ア)小さい (イ)大きく (ウ)大きく (エ)大きい (オ)小さく
解説:同期速度は N=120f/p で,周波数が決まっている以上,回転速度と極数は反比例する。水車の回転速度は毎分数百回転程度と「小さい」ので,同じ50 Hz・60 Hz を出すには極数を「大きく」しなければならない。ここで(ア)=小さい,(イ)=大きくとなり(1)(4)(5)が落ちる。極数が多いと磁極を円周上に並べる場所が要るため,水車発電機の回転子は直径が大きく軸方向に短い「突極機」の形になり,(ウ)=大きく。タービン発電機はこの逆で,蒸気タービンの回転速度が3 000〜3 600 min⁻¹ と「大きい」ため極数は2 極か4 極でよく,しかも高速回転による遠心力に耐える必要から直径を「小さく」して軸方向に長い円筒形(非突極機)にする。(エ)=大きい,(オ)=小さくとなり(3)も消えて(2)が残る。答(2)。水車発電機は縦軸の平たい形,タービン発電機は横軸の細長い形,と外観で覚えておくと迷いにくい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 機械 問5
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問907.定格出力 11 000 kV·A,定格電圧 6 600 V の三相同期発電機がある。三相短絡電流 750 A を流すのに必要な界磁電流が 54 A である場合,この発電機の定格電流に等しい三相短絡電流を流すのに必要な界磁電流[A]の値として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.69
- 2.96
- 3.120
- 4.208
- 5.289
正解:1.69
解説:短絡状態では電機子反作用が強い減磁作用として働き,鉄心が飽和しないため,短絡電流は界磁電流にほぼ比例する(三相短絡曲線が直線になる)。したがって界磁電流は短絡電流に比例させて求めればよい。定格電流は I_n=11 000×10³/(√3×6 600)≒962 A。求める界磁電流は 54×962/750≒69.3 A。答(1)。ここで注意したいのは,定格出力を定格電圧で単純に割って 11 000×10³/6 600≒1 667 A としてしまう誤りで,三相なので √3 が要る。また比を逆にして 54×750/962≒42 A としても選択肢に無いので気付ける。なお,このとき求まる界磁電流は短絡比の計算にも使う量で,無負荷で定格電圧を出す界磁電流との比が短絡比になる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 機械 問6
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問908.次の文章は,交流機における電機子巻線法に関する記述である。 電機子巻線法には,1 相のコイルをいくつかのスロットに分けて配置する (ア) と,集中巻がある。 (ア) の場合,各極各相のスロット数は (イ) となる。 (ア) において,コイルピッチを極ピッチよりも短くした巻線法を (ウ) と呼ぶ。この巻線法を採用すると, (エ) は小さくなるが,コイル端を短くできることや, (オ) が改善できるなどの利点があるため,一般的によく用いられている。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア)分布巻 (イ)2 未満 (ウ)短節巻 (エ)励磁電流 (オ)電圧波形
- 2.(ア)分散巻 (イ)2 未満 (ウ)全節巻 (エ)励磁電流 (オ)力率
- 3.(ア)分布巻 (イ)2 未満 (ウ)短節巻 (エ)励磁電流 (オ)力率
- 4.(ア)分布巻 (イ)2 以上 (ウ)短節巻 (エ)誘導起電力 (オ)電圧波形
- 5.(ア)分散巻 (イ)2 以上 (ウ)全節巻 (エ)誘導起電力 (オ)力率
正解:4.(ア)分布巻 (イ)2 以上 (ウ)短節巻 (エ)誘導起電力 (オ)電圧波形
解説:1 相のコイルを複数のスロットに分けて置く巻き方は「分布巻」で,「分散巻」という語は使わないので(2)(5)が落ちる。分布巻である以上,各極各相のスロット数は必ず2 以上になる(1 なら集中巻である)。よって(イ)=2 以上となり,「2 未満」の(1)(3)も消えて(4)が残る。コイルピッチを極ピッチより短くする巻き方が「短節巻」で,全節巻はピッチが等しいものだから(ウ)=短節巻。短節巻にすると,コイルの2 辺に生じる起電力の位相が完全には揃わなくなるため合成した「誘導起電力」は短節係数のぶんだけ小さくなる。しかしその代わり高調波成分が打ち消され「電圧波形」が正弦波に近づき,さらにコイル端(コイルエンド)が短くなって銅量と抵抗が減る。この損得の関係が(エ)(オ)である。答(4)。分布巻も同様に,起電力は分布係数のぶん減るが波形は改善するという同じ構図になっている。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 機械 問7
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問909.次の文章は,単相単巻変圧器に関する記述である。 巻線の一部が一次と二次との回路に共通になっている変圧器を単巻変圧器という。巻線の共通部分を (ア) ,共通でない部分を (イ) という。 単巻変圧器では, (ア) の端子を一次側に接続し, (イ) の端子を二次側に接続して使用すると通常の変圧器と同じように動作する。単巻変圧器の (ウ) は,二次端子電圧と二次電流との積である。 単巻変圧器は,巻線の一部が共通であるため,漏れ磁束が (エ) ,電圧変動率が (オ) 。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア)分路巻線 (イ)直列巻線 (ウ)負荷容量 (エ)多く (オ)小さい
- 2.(ア)直列巻線 (イ)分路巻線 (ウ)自己容量 (エ)少なく (オ)小さい
- 3.(ア)分路巻線 (イ)直列巻線 (ウ)負荷容量 (エ)少なく (オ)小さい
- 4.(ア)分路巻線 (イ)直列巻線 (ウ)定格容量 (エ)多く (オ)大きい
- 5.(ア)直列巻線 (イ)分路巻線 (ウ)定格容量 (エ)多く (オ)大きい
正解:3.(ア)分路巻線 (イ)直列巻線 (ウ)負荷容量 (エ)少なく (オ)小さい
解説:単巻変圧器で一次と二次に共通な部分を「分路巻線」,共通でない部分を「直列巻線」と呼ぶ。名前は回路上の置かれ方から来ており,分路巻線は電源に並列に,直列巻線は線路に直列に入る。(ア)=分路巻線で(2)(5)が落ちる。二次端子電圧と二次電流の積は,その変圧器が実際に負荷へ送っている見かけの電力なので「負荷容量」であり,(ウ)=負荷容量で(4)も消える。単巻変圧器で重要なのは,これと「自己容量(=直列巻線が受け持つ分で,負荷容量より小さい)」が別物だという点である。残る(1)と(3)の差は(エ)だけで,巻線の一部を共用しているぶん巻線どうしの結合が強く,漏れ磁束は「少なく」なる。その結果インピーダンス電圧が小さく,電圧変動率も小さいという利点が得られる。答(3)。なお漏れインピーダンスが小さいことは短絡電流が大きくなるという欠点にもつながる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 機械 問8
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問910.定格容量 100 kV·A,定格一次電圧 6.3 kV で特性の等しい単相変圧器が 2 台あり,各変圧器の定格負荷時の負荷損は 1 600 W である。この変圧器 2 台を V-V 結線し,一次電圧 6.3 kV にて 90 kW の三相平衡負荷をかけたとき,2 台の変圧器の負荷損の合計値[W]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 ただし,負荷の力率は 1 とする。
- 1.324
- 2.432
- 3.648
- 4.864
- 5.1 440
正解:4.864
解説:負荷損(銅損)は電流の2 乗に比例するので,まず各変圧器の負荷率を求める。V-V 結線では各変圧器の巻線電流が線電流と等しくなる点が要点で,線電流は I=90×10³/(√3×6 300)≒8.25 A。一方,各変圧器の定格電流は 100×10³/6 300≒15.87 A である。よって負荷率は 8.25/15.87≒0.520。負荷損は2 台合わせて 2×1 600×0.520²≒864 W。答(4)。落とし穴は二つある。一つは V-V 結線の出力容量が √3×100≒173 kV·A であることを使って負荷率を 90/173≒0.52 と求める道筋で,これは結果的に同じ値になるので正しい。もう一つは,V-V の出力容量を 2 台ぶんの 200 kV·A と誤り,負荷率を 90/200=0.45 として 2×1 600×0.45²=648 W とする誤りで,これが(3)に用意されている。V-V 結線の利用率が 2/√3 でなく √3/2≒0.866 である点を押さえておきたい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 機械 問9
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問911.図に示す太陽光発電用パワーコンディショナに関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.パワーコンディショナは降圧チョッパとインバータを組み合わせて太陽電池の直流電圧を交流電圧に変換制御する機器である。
- 2.太陽電池の出力は,日射や温度などの環境からの影響を大きく受けるため,その時々の条件で最大電力を出力できるように最大電力点追従制御(MPPT)が行われる。
- 3.チョッパの出力電圧はチョッパとインバータ間に設置されたキャパシタによって平滑され,キャパシタ容量が大きいほどチョッパの出力電圧リプルは小さくなる。
- 4.パワーコンディショナのインバータでは,高調波抑制用のフィルタが接続され,PWM 制御により電力系統への高調波流出を少なくする。
- 5.パワーコンディショナの出力を電力系統と接続するためには系統連系保護装置が必要で,系統側やパワーコンディショナ内に異常が起きた際に,パワーコンディショナの出力を遮断する。
正解:1.パワーコンディショナは降圧チョッパとインバータを組み合わせて太陽電池の直流電圧を交流電圧に変換制御する機器である。
解説:誤りは(1)で,組み合わせるのは降圧チョッパではなく「昇圧チョッパ」である。太陽電池アレイの直流電圧をそのままインバータに入れても系統電圧(単相200 V なら波高値で約283 V)を作れないため,いったん直流電圧を高めてからインバータで交流に変換する。図を見ても,太陽電池側にリアクトルが直列に入り,その先の中間キャパシタに向かってスイッチングする昇圧チョッパの構成になっている。他は正しい。(2)の最大電力点追従制御(MPPT)は,日射や温度で動く最大電力点を追いかけてチョッパの通流率を調整する制御である。(3)の中間キャパシタは直流リンクの平滑用で,容量が大きいほどリプルは小さくなる。(4)はPWM 制御とフィルタで高調波流出を抑えるという一般的な構成。(5)の系統連系保護装置は,系統事故時に単独運転を防ぐために必要な装置である。答(1)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 機械 問10
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問912.図に示すように,電動機が減速機と組み合わされて負荷を駆動している。このときの電動機の回転速度 n_m が 1 200 min⁻¹,トルク T_m が 100 N·m であった。減速機の減速比が 6,効率が 0.96 のとき,負荷の回転速度 n_L[min⁻¹],軸トルク T_L[N·m]及び軸入力 P_L[kW]の値として,最も近いものを組み合わせたのは次のうちどれか。

- 1.n_L[min⁻¹]:200 T_L[N·m]:16.0 P_L[kW]:12.1
- 2.n_L[min⁻¹]:200 T_L[N·m]:576 P_L[kW]:12.1
- 3.n_L[min⁻¹]:7 200 T_L[N·m]:576 P_L[kW]:4 147
- 4.n_L[min⁻¹]:7 200 T_L[N·m]:16.0 P_L[kW]:12.1
- 5.n_L[min⁻¹]:7 200 T_L[N·m]:16.0 P_L[kW]:4 147
正解:2.n_L[min⁻¹]:200 T_L[N·m]:576 P_L[kW]:12.1
解説:減速機なので回転速度は下がる。n_L=1 200/6=200 min⁻¹ であり,掛けて7 200 とした(3)(4)(5)はここで落ちる。次に電動機の出力は P_m=2π(n_m/60)T_m=2π×20×100≒12 566 W。減速機の効率が0.96 だから負荷に届く軸入力は P_L=12 566×0.96≒12 060 W=12.1 kW。最後にトルクは,負荷側の角速度が ω_L=2π×200/60≒20.94 rad/s なので T_L=12 060/20.94≒576 N·m。答(2)。残った(1)との違いはトルクだけで,16.0 N·m は 100/6 に近い値だが,減速機はトルクを「増やす」方向に働くので明らかに向きが逆である。減速比 6 で効率0.96 なら T_L≒100×6×0.96=576 N·m と,掛け算で直接求めることもできる。回転速度は1/6,トルクは約6 倍,という関係を押さえておけば選択肢はすぐ絞れる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 機械 問11
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問913.面積 25 m²,厚さ 10 cm,熱伝導率 0.4 W/(m·K)の壁がある。この壁の内外面の温度差が 4 K に保たれているとき,熱伝導によってこの壁を伝わる熱流[W]の値として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.16
- 2.40
- 3.250
- 4.400
- 5.2 500
正解:4.400
解説:平板を伝わる熱流はフーリエの法則から Φ=λAΔT/d で求まる。ここでλは熱伝導率,A は面積,ΔT は内外面の温度差,d は厚さである。単位をそろえて厚さを 10 cm=0.1 m とし,Φ=0.4×25×4/0.1=40/0.1=400 W。答(4)。厚さを cm のまま入れると 0.4×25×4/10=4 W となって選択肢に無く,逆に厚さを掛けてしまうと 0.4×25×4×0.1=4 W とやはり合わない。電気回路との対応で覚えると速い。温度差が電圧,熱流が電流に当たり,熱抵抗 R=d/(λA)=0.1/(0.4×25)=0.01 K/W が抵抗に相当するので,Φ=ΔT/R=4/0.01=400 W と,オームの法則そのものの形で計算できる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 機械 問12
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問914.次の文章は,プロセス制御に関する記述である。 プロセス制御には PID 制御が非常によく用いられている。その中で積分動作は主として (ア) 特性の改善に,微分動作は (イ) 特性の改善に有効であり,また, (ウ) 動作は両方の特性を,ともにある程度改善することができる。これらの動作をディジタル処理を介して行う方法が最近よく用いられている。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア)定常 (イ)過渡 (ウ)加算
- 2.(ア)定常 (イ)過渡 (ウ)比例
- 3.(ア)過渡 (イ)定常 (ウ)比例
- 4.(ア)過渡 (イ)定常 (ウ)加算
- 5.(ア)定常 (イ)過渡 (ウ)減算
正解:2.(ア)定常 (イ)過渡 (ウ)比例
解説:積分動作(I)は偏差を時間で積み上げて操作量に反映するので,わずかな偏差でも残っている限り操作量を増やし続け,最終的に定常偏差(オフセット)をゼロにする。したがって改善するのは「定常」特性である。微分動作(D)は偏差の変化率に反応して先回りするため,行き過ぎ(オーバーシュート)や整定時間といった「過渡」特性を改善する。この時点で(ア)=定常,(イ)=過渡が決まり,逆になっている(3)(4)が落ちる。残る(1)(2)(5)の差は(ウ)だけで,PID の三要素のうち残っているのは「比例」動作である。比例動作はゲインを上げれば定常偏差を小さくでき応答も速くなるので両方の特性をある程度は改善するが,上げすぎると振動的になるため「ある程度」という限定が付く。「加算」「減算」は制御動作の名称ではない。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 機械 問13
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問915.図の論理回路に,図に示す入力 A,B 及び C を加えたとき,出力 X として正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.

- 2.

- 3.

- 4.

- 5.

正解:3.
解説:まず回路の式を立てる。C の線には分岐点(黒丸)があり,そこから上へ伸びた縦線が上側 AND ゲートの第2 入力につながっている。B の線はこの縦線と交差しているだけで黒丸が無いので接続されていない。したがって上側 AND は A·C,下側 AND は B と C の反転との積で B·C̄ となり,出力は X=A·C+B·C̄ である。これは C が1 のとき A を,C が0 のとき B を通す2 入力の切換回路(マルチプレクサ)にほかならない。あとは図の波形を C の値で区切って読めばよい。C=0 の最初の区間と中ほどの区間では X は B と同じ波形になり,C=1 の区間では X は A と同じ波形になる。この規則で合成した波形と一致するのは(3)だけである。答(3)。もし黒丸を見落として上側 AND を A·B と読むと X=A·B+B·C̄ となり,C=1 の区間で A と B が同時に1 のときしか出力が立たなくなるため,パルスの数が足りない別の波形になってしまう。論理回路の問題では,交差しているだけの線と黒丸で接続されている線の区別が答を決める。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 機械 問14
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 - 1.
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問916.定格電圧 6 600 V,定格出力 8 MV·A の三相同期発電機がある。この三相同期発電機において,界磁電流が 200 A における無負荷端子電圧は 6 600 V であり,この界磁電流での三相短絡電流は 800 A であった。この三相同期発電機について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。なお,この三相同期発電機の突極性は無視し,電機子巻線抵抗及び鉄損と機械損は十分小さく,計算上は無視できるものとする。 〔小問(a)〕 この三相同期発電機における一相分の同期インピーダンス[Ω]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.2.75
- 2.4.76
- 3.8.25
- 4.19.1
- 5.33.0
正解:2.4.76
解説:同期インピーダンスは「同じ界磁電流のときの無負荷相電圧を三相短絡電流で割った値」として定義される。ここで使うのは相電圧であることが要点で,端子電圧6 600 V は線間電圧だから √3 で割って 6 600/√3≒3 810 V。これを短絡電流800 A で割ると Z_s=3 810/800≒4.76 Ω。答(2)。線間電圧のまま 6 600/800=8.25 Ω としてしまうと(3)を選ぶことになり,これがそのまま √3 倍の誤答として用意されている。逆に √3 を掛けて 11 431/800≒14.3,あるいは相電圧をさらに √3 で割るなどの操作でも選択肢の他の値に近づくので,「無負荷相電圧÷三相短絡電流」という定義を正確に当てはめること。なお本問の条件では定格出力8 MV·A に対する定格電流が 8×10⁶/(√3×6 600)≒700 A なので,短絡比は 800/700≒1.14 となり,発電機として妥当な値であることも確認できる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 機械 問15(a)
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問917.定格電圧 6 600 V,定格出力 8 MV·A の三相同期発電機がある。この三相同期発電機において,界磁電流が 200 A における無負荷端子電圧は 6 600 V であり,この界磁電流での三相短絡電流は 800 A であった。この三相同期発電機について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。なお,この三相同期発電機の突極性は無視し,電機子巻線抵抗及び鉄損と機械損は十分小さく,計算上は無視できるものとする。 〔小問(b)〕 この三相同期発電機を端子電圧 6 600 V,力率 1.0 で運転したところ,負荷角は 30°であった。このときの発電機の出力[MW]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.1.76
- 2.3.05
- 3.5.28
- 4.6.08
- 5.15.9
正解:3.5.28
解説:電機子抵抗を無視できるので,1 相分のベクトル図は端子相電圧 V̇ と,それに直交する電圧降下 jZ_s İ の和が誘導起電力 Ė になる直角三角形になる。力率1.0 なら İ は V̇ と同相だから,jZ_s İ は V̇ と直角を向く。したがって負荷角δは tanδ=Z_s I/V の関係を満たす。V=6 600/√3≒3 810 V,Z_s=4.76 Ω((a)の結果),δ=30°を入れると I=V tanδ/Z_s=3 810×0.5774/4.76≒462 A。出力は力率1.0 なので P=3VI=3×3 810×462≒5.28×10⁶ W=5.28 MW。答(3)。線間電圧で書けば P=√3×6 600×462 でも同じ値になる。ここでの落とし穴は,力率1.0 だと負荷角も0 になると思い込むことで,実際には内部のリアクタンス降下があるため誘導起電力は端子電圧より進んだ位相を持つ。また Ė の大きさは V/cos30°=4 400 V となり,同期発電機の出力式 P=3(EV/Z_s)sinδ=3×4 400×3 810×0.5/4.76≒5.28 MW としても一致する。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 機械 問15(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問918.図1 に示す降圧チョッパの回路は,電圧 E の直流電源,スイッチングするパワー半導体デバイス S,ダイオード D,リアクトル L,及び抵抗 R の負荷から構成されている。また,図2 には,図1 の回路に示すダイオード D の電圧 v_D と負荷の電流 i_R の波形を示す。次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 降圧チョッパの回路動作に関し,図3~図5 に,実線で示した回路に流れる電流のループと方向を示した三つの電流経路を考える。図2 の時刻 t₁ 及び時刻 t₂ において,それぞれどの電流経路となるか。正しい組合せを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.時刻 t₁:電流経路(C) 時刻 t₂:電流経路(B)
- 2.時刻 t₁:電流経路(A) 時刻 t₂:電流経路(C)
- 3.時刻 t₁:電流経路(B) 時刻 t₂:電流経路(A)
- 4.時刻 t₁:電流経路(B) 時刻 t₂:電流経路(C)
- 5.時刻 t₁:電流経路(A) 時刻 t₂:電流経路(B)
正解:5.時刻 t₁:電流経路(A) 時刻 t₂:電流経路(B)
解説:手掛かりはダイオード電圧 v_D である。図2 で時刻 t₁ は v_D=E の区間,時刻 t₂ は v_D=0 の区間にある。v_D=E ということはダイオードに電源電圧がそのまま逆方向に掛かっている状態で,S が導通して電源から L・R へ電流が流れている。これが図3 の電流経路(A)で,D は破線=非導通として描かれている。一方 v_D=0 は,ダイオードが順方向に導通して両端がほぼ短絡している状態である。S が遮断されてもリアクトル L は電流を流し続けようとするため,D を通って L と R だけの閉ループで電流が還流する。これが図4 の電流経路(B)で,電源と S が破線になっている。よって t₁→(A),t₂→(B) となり答(5)。図5 の電流経路(C)は電源から S と D を通って戻る短絡ループで,S と D が同時に導通しなければ生じないため正常動作では現れない。降圧チョッパの動作は「S オンで電源から供給(v_D=E),S オフで D を通じて還流(v_D=0)」の2 状態だけだと押さえておけば,(C)を含む(1)(2)(4)は読まずに外せる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 機械 問16(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問919.図1 に示す降圧チョッパの回路は,電圧 E の直流電源,スイッチングするパワー半導体デバイス S,ダイオード D,リアクトル L,及び抵抗 R の負荷から構成されている。また,図2 には,図1 の回路に示すダイオード D の電圧 v_D と負荷の電流 i_R の波形を示す。次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(b)〕 電圧 E が 100 V,降圧チョッパの通流率が 50 %,負荷抵抗 R が 2 Ωとする。パワー半導体デバイス S は周期 T の高周波でスイッチングし,リアクトル L の平滑作用により,図2 に示す電流 i_R のリプル成分は十分小さいとする。電流 i_R の平均値 I_R[A]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.17.7
- 2.25.0
- 3.35.4
- 4.50.1
- 5.70.7
正解:2.25.0
解説:降圧チョッパの出力電圧の平均値は,電源電圧に通流率(オン時間の割合)を掛けたもので V_out=αE=0.5×100=50 V である。リアクトルの平滑作用でリプルが十分小さいので,負荷電流の平均値は単純にオームの法則から I_R=V_out/R=50/2=25.0 A。答(2)。ここで注意したいのは,交流回路の感覚で実効値や 1/√2 を持ち込まないことである。実際 100/2×(1/√2)≒35.4 A が(3)に,50×√2/2≒35.4 や 100/√2/2≒35.4 のような値が用意されており,√2 を掛けたり割ったりすると引っかかる。降圧チョッパは直流を断続しているだけなので,扱うのは平均値である。また通流率を掛け忘れて 100/2=50 A とすると(4)に落ちる。「出力電圧=通流率×入力電圧」という降圧チョッパの基本式を経由することが要点になる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 機械 問16(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問920.【選択問題】問17及び問18は選択問題であり,どちらか一方を選んで解答する(本サイトでは学習用に両方を収録しています)。 どの方向にも光度が等しい均等放射の点光源がある。この点光源の全光束は 3 000 lm である。この点光源を図のように配置した。水平面から点光源までの高さは 2 m であり,点光源の直下の点 A と B との距離は 1.5 m である。次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 この点光源の平均光度[cd]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.191
- 2.239
- 3.318
- 4.477
- 5.955
正解:2.239
解説:光度[cd]は単位立体角当たりの光束[lm/sr]である。均等放射の点光源は全方向に一様に光を出すので,全光束を全立体角で割ればよい。球の全立体角は4π sr だから I=F/(4π)=3 000/(4×3.1416)=3 000/12.566≒238.7 cd。答(2)。間違えやすいのは 4π を 2π や π と取り違えることで,2π で割ると 477 cd となり(4)に,π で割ると 955 cd となって(5)に落ちる。半球に放射する場合は 2π で割るが,本問は「どの方向にも光度が等しい」=全球に放射しているので 4π が正しい。また 3 000/(4π²) のように π を2 乗すると約76 cd と選択肢から外れるので気付ける。全光束・光度・立体角の関係 F=Iω は照明計算の出発点で,(b)の照度計算でもこの光度をそのまま使う。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 機械 問17(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問921.【選択問題】問17及び問18は選択問題であり,どちらか一方を選んで解答する(本サイトでは学習用に両方を収録しています)。 どの方向にも光度が等しい均等放射の点光源がある。この点光源の全光束は 3 000 lm である。この点光源を図のように配置した。水平面から点光源までの高さは 2 m であり,点光源の直下の点 A と B との距離は 1.5 m である。次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(b)〕 水平面 B 点における水平面照度の値[lx]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.10
- 2.24
- 3.31
- 4.61
- 5.122
正解:3.31
解説:点光源から B 点までの距離は,高さ2 m と水平距離1.5 m の直角三角形の斜辺だから r=√(2²+1.5²)=2.5 m(3:4:5 の形になるよう数値が作られている)。距離の逆2 乗の法則から,光線に垂直な面の照度は I/r²=238.7/6.25≒38.2 lx。求めるのは水平面照度なので,これに入射角の余弦を掛ける。入射角は鉛直方向からの傾きで cosθ=2/2.5=0.8 だから E=38.2×0.8≒30.6≒31 lx。答(3)。よくある誤りが二つある。一つは cosθ を掛け忘れて38 lx とするもの,もう一つは距離に高さ2 m をそのまま使って 238.7/4≒60 lx としてしまうもので,後者は(4)に用意されている。もう一つ,水平距離1.5 m を距離として 238.7/2.25≒106 lx とすると(5)に近づく。「距離は光源から測った斜距離」「水平面照度は cosθ 倍」の二段構えを守ることが要点である。なお cosθ=高さ/斜距離 なので,E=Ih/r³ と一つの式にまとめても計算できる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 機械 問17(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問922.【選択問題】問17及び問18は選択問題であり,どちらか一方を選んで解答する(本サイトでは学習用に両方を収録しています)。 次の論理回路について,(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 図1 に示す論理回路の真理値表として,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.

- 2.

- 3.

- 4.

- 5.

正解:3.
解説:図1 では,A と B が OR ゲートと AND ゲートの両方に入っている。AND の出力はそのまま T₁ になり,同時に NOT を通って上側の最終 AND の一方の入力になる。もう一方の入力は OR の出力である。式にすると T₁=A·B,S₁=(A+B)·¬(A·B) となる。後者は「どちらかは1 だが,両方が1 ではない」という条件そのもので,排他的論理和 A⊕B に等しい。真理値表を書き下すと,A=B=0 では S₁=0,T₁=0。A と B の一方だけが1 のとき S₁=1,T₁=0。両方1 のとき S₁=0,T₁=1 となる。この4 行と一致するのは(3)である。答(3)。この回路は1 桁の2 進加算を行う半加算器で,S₁ が和,T₁ が桁上げに当たる。(1)は S₁ が常に0 で加算になっておらず,(2)(5)は A=B=0 のとき T₁=1 という,桁上げが出るはずのない入力で1 を出しており誤り。(4)は A=1,B=0 のとき S₁=0 となっていて,一方だけが1 のときに和が立たない点で誤りである。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 機械 問18(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 - 1.
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問923.【選択問題】問17及び問18は選択問題であり,どちらか一方を選んで解答する(本サイトでは学習用に両方を収録しています)。 次の論理回路について,(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(b)〕 図1 に示す論理回路を 2 組用いて図2 に示すように接続して構成したとき,A,B 及び C の入力に対する出力 S₂ 及び T₂ の記述として,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.A=0,B=0,C=0 を入力したときの出力は,S₂=0,T₂=1 である。
- 2.A=0,B=1,C=0 を入力したときの出力は,S₂=1,T₂=0 である。
- 3.A=0,B=0,C=1 を入力したときの出力は,S₂=0,T₂=1 である。
- 4.A=1,B=0,C=1 を入力したときの出力は,S₂=1,T₂=0 である。
- 5.A=1,B=1,C=0 を入力したときの出力は,S₂=1,T₂=1 である。
正解:2.A=0,B=1,C=0 を入力したときの出力は,S₂=1,T₂=0 である。
解説:図2 は(a)の半加算器を2 段つないだうえ,両段の桁上げ出力を OR でまとめた構成で,全体としては3 入力の全加算器になっている。1 段目で A と B を足して和 S₁=A⊕B と桁上げ T₁=A·B を作り,2 段目で S₁ と C を足して S₂=S₁⊕C=A⊕B⊕C を得る。桁上げは,2 段目で生じたものと1 段目の T₁ の少なくとも一方が立てば1 になるので T₂=(S₁·C)+(A·B) である。要するに S₂ は A・B・C の1 の個数が奇数なら1,T₂ は1 が2 個以上なら1 になる。この規則で各肢を検算する。(1)は1 が0 個なので S₂=0,T₂=0 のはずだが T₂=1 としており誤り。(2)は1 が1 個(B のみ)なので S₂=1,T₂=0 で記述どおり正しい。(3)は1 が1 個(C のみ)なので S₂=1,T₂=0 のはずで誤り。(4)は1 が2 個なので S₂=0,T₂=1 のはずで誤り。(5)も1 が2 個なので S₂=0,T₂=1 のはずで誤り。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 機械 問18(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問924.直流電動機に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.直巻電動機は,負荷電流の増減によって回転速度が大きく変わる。トルクは,回転速度が小さいときに大きくなるので,始動時のトルクが大きいという特徴があり,クレーン,巻上機などの電動機として適している。
- 2.分巻電動機の速度制御の方法の一つとして界磁制御法がある。これは,界磁巻線に直列に接続した界磁抵抗器によって界磁電流を調整して界磁磁束の大きさを変え,速度を制御する方法である。
- 3.分巻電動機は,端子電圧を一定として機械的な負荷を増加したとき,電機子電流が増加し,回転速度は,わずかに減少するがほぼ一定である。このため,定速度電動機と呼ばれる。
- 4.複巻電動機には,直巻界磁巻線及び分巻界磁巻線が施され,合成界磁磁束が直巻界磁磁束と分巻界磁磁束との和になっている構造の和動複巻電動機と,差になっている構造の差動複巻電動機とがある。
- 5.直巻電動機は,界磁電流が負荷電流(電動機に流れる電流)と同じである。このため,未飽和領域では界磁磁束が負荷電流に比例し,トルクも負荷電流に比例する。
正解:5.直巻電動機は,界磁電流が負荷電流(電動機に流れる電流)と同じである。このため,未飽和領域では界磁磁束が負荷電流に比例し,トルクも負荷電流に比例する。
解説:直流機のトルクはT=kΦIaで表される。直巻電動機は界磁巻線が電機子と直列で界磁電流が負荷電流Iaに等しく、未飽和領域では界磁磁束ΦがIaに比例する。したがってT=kΦIa∝Ia²となり、トルクは負荷電流の2乗に比例する。磁束が負荷電流に比例するとした前半は正しいが、「トルクも負荷電流に比例する」と続けた(5)が誤りで、これが正解。この2乗特性ゆえに低速時に大トルクを出しクレーンや巻上機に適するという(1)は正しい。ほかは(2)分巻界磁巻線に直列の界磁抵抗器で界磁電流と磁束を加減する界磁制御法、(3)負荷増加でIaが増えRaIaぶん逆起電力が下がり速度がわずかに落ちる定速度電動機、(4)直巻界磁磁束と分巻界磁磁束の和が和動・差が差動という複巻機の定義で、いずれも正しい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 機械 問1
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問925.界磁に永久磁石を用いた小形直流電動機があり,電源電圧は定格の12 V,回転を始める前の静止状態における始動電流は4 A,定格回転数における定格電流は1 A である。定格運転時の効率の値[%]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 ただし,ブラシによる電圧降下及び電機子反作用は無視できるものとし,損失は電機子巻線による銅損しか存在しないものとする。
- 1.80
- 2.75
- 3.70
- 4.65
- 5.60
正解:2.75
解説:界磁が永久磁石なので界磁回路の損失はなく、損失は電機子銅損だけとみなせる。静止状態では逆起電力E=0だから始動電流Is=V/Raであり、電機子抵抗はRa=12/4=3Ωと求まる。定格運転では入力Pin=VI=12×1=12W、銅損Pc=I²Ra=1²×3=3Wであり、残りが機械的出力となってPout=12-3=9W。よって効率はη=Pout/Pin=9/12=0.75、すなわち75%で(2)が正解である。同じ計算はη=(V-RaI)/V=1-RaI/V=1-I/Isとも整理でき、定格電流と始動電流の比1/4を1から引くだけで0.75が得られる。銅損を始動電流4 Aで4²×3=48 Wとすると入力12 Wを超えてしまうので、損失は必ず定格運転時の電流1 Aで計算する。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 機械 問2
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問926.三相かご形誘導機に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.同じ容量の三相巻線形誘導機よりも構造が簡単で,安価である。
- 2.発電機として,一部の水力発電や風力発電に採用されている。
- 3.発電運転中の滑りは負となる。
- 4.大容量の電動機にはアルミダイカスト回転子が広く用いられている。
- 5.回転子に棒状の導体を用いている三相かご形誘導機は,同じ容量の三相巻線形誘導機よりも機械的に過酷な使用に耐えられる。
正解:4.大容量の電動機にはアルミダイカスト回転子が広く用いられている。
解説:かご形回転子の製法には、溶融アルミを鉄心の溝と端絡環に一体で鋳込むアルミダイカスト形と、銅などの棒状導体を溝に納めて端絡環にろう付け・溶接する組立形がある。一体鋳込みができるのは中小容量までで、大容量機では大きな二次電流に見合う導電率と機械的強度が要るため、銅バーを用いた組立形が広く使われる。したがって「大容量の電動機にはアルミダイカスト回転子が広く用いられている」とした(4)が誤りで、これが正解。ほかは、(1)二次巻線・スリップリング・ブラシが不要で構造が簡単・安価、(2)小水力や風力で誘導発電機が実用されている、(3)回転速度が同期速度を超える発電運転ではs=(Ns-n)/Nsが負、(5)棒状導体の回転子は堅牢で過酷な使用に耐える、といずれも正しい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 機械 問3
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問927.一般的な三相かご形誘導電動機がある。 出力が大きい定格運転条件では,誘導機の等価回路の電流は,「二次電流≫励磁電流」であるから,励磁回路を省略しても特性をほぼ表現できる。さらに,「二次抵抗による電圧降下≫その他の電圧降下」となるので,一次抵抗と漏れリアクタンスを省略しても,おおよその特性を検討できる。 このような電動機でトルク一定負荷の場合に,電流80 A の定格運転から電源電圧と周波数を共に5 %下げて回転速度を少し下げた。このときの電動機の電流の値[A]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.72
- 2.76
- 3.80
- 4.84
- 5.88
正解:3.80
解説:励磁回路と一次抵抗・漏れリアクタンスを省いた簡易等価回路の二次電流はI=V/(r₂′/s)=sV/r₂′。二次入力はP₂=I²(r₂′/s)=sV²/r₂′、同期角速度はω_s∝fだから、トルクT=P₂/ω_s∝sV²/fとなる。電圧と周波数を共に0.95倍してトルクを元と等しく保つ条件は、s′(0.95V)²/(0.95f)=sV²/fより0.95s′=s、すなわちs′=s/0.95。このとき電流はI′=s′×0.95V/r₂′=(s/0.95)×0.95V/r₂′=sV/r₂′=Iとなり、80Aのまま変わらない。よって(3)。V/f一定でトルクが同じなら磁束も滑り角周波数も不変、と見ても同じである。電流も電圧に比例すると誤れば80×0.95=76Aで(2)に落ちる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 機械 問4
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問928.2 台の同期発電機を並列運転するためには,両発電機の(ア)に加えて,電圧の大きさ及び(イ)が一致していなければならない。発電機の並列に際し,これらの条件が一つでも満足されていなければ,並列と同時にじょう乱が発生するので,(ウ)を用いてこれらの3 条件が一致した同期状態にあることを確認したうえで並列する必要がある。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア)回転速度 (イ)位相 (ウ)電流計
- 2.(ア)力率 (イ)方向 (ウ)同期検定器
- 3.(ア)周波数 (イ)位相 (ウ)同期検定器
- 4.(ア)回転速度 (イ)方向 (ウ)電圧計
- 5.(ア)周波数 (イ)位相 (ウ)周波数計
正解:3.(ア)周波数 (イ)位相 (ウ)同期検定器
解説:同期発電機を並列運転する条件は、起電力の大きさ・位相・周波数が一致することである。本文は電圧の大きさと(イ)を別に挙げているので、(ア)には周波数が入る。(1)と(4)の回転速度は、極数が異なれば速度が違っても周波数は一致しうるため条件にならず、(2)の力率は並列後の無効電力分担にかかわる量で投入時の条件ではない。(イ)は電圧の大きさと並べて一致を問う文脈だから、(2)と(4)の方向ではなく位相である。(ウ)は三条件がそろった同期状態を一括して確かめる計器なので同期検定器(シンクロスコープ)であり、(1)の電流計、(4)の電圧計、(5)の周波数計はいずれも単一の量しか示せず、三条件の同時確認には使えない。よって(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 機械 問5
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問929.定格出力7 500 kV·A,定格電圧(線間電圧)3 300 V の星形結線三相同期発電機がある。また,定格電流に等しい持続短絡電流を流すのに必要な界磁電流は200 A,無負荷で定格電圧を発生するのに必要な界磁電流は240 A であった。発電機の出力端で三相短絡事故が発生したときに発電機の巻線に流れる持続短絡電流の実効値[A]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.1 100
- 2.1 600
- 3.1 900
- 4.2 700
- 5.3 400
正解:2.1 600
解説:短絡比は Ks=(無負荷で定格電圧を発生する界磁電流)/(定格電流に等しい持続短絡電流を流す界磁電流)=240/200=1.2 である。定格電流は In=S/(√3・V)=7 500×10³/(√3×3 300)=1 312 A。定格電圧を発生する励磁のまま出力端で三相短絡したときの持続短絡電流は Is=Ks×In=1.2×1 312=1 575 A となり、最も近い1 600の(2)が正解である。同期リアクタンスの単位法値 xs=1/Ks=0.833 を用いて Is=In/xs としても同じ値になる。なお短絡比を逆向きに 200/240=0.833 と置くと 0.833×1 312=1 093 A となり(1)の1 100に落ちるので、比の分母と分子に注意する。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 機械 問6
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問930.次の文章は,スイッチトリラクタンスモータ(SRM)に関する記述である。 一般に,SRM の構造は,固定子の巻線が(ア),回転子の形状が(イ)となっている。固定子の巻線に流す電流をスイッチで切り替えると,(イ)の回転子が,固定子の磁極に引き付けられて回転する。 このモータは,回転子の構造が簡単で強固であるため,(ウ)に適している。また,ネオジムなどの(エ)を使用せず,鉄心と巻線のみで磁気回路を構成できる特長を有する。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア)集中巻 (イ)円筒形 (ウ)低速回転 (エ)軟磁性体
- 2.(ア)分布巻 (イ)突極形 (ウ)低速回転 (エ)希土類磁石
- 3.(ア)集中巻 (イ)突極形 (ウ)高速回転 (エ)希土類磁石
- 4.(ア)分布巻 (イ)円筒形 (ウ)高速回転 (エ)希土類磁石
- 5.(ア)集中巻 (イ)突極形 (ウ)低速回転 (エ)軟磁性体
正解:3.(ア)集中巻 (イ)突極形 (ウ)高速回転 (エ)希土類磁石
解説:SRMは固定子も回転子も突極の鉄心だけででき、回転子には巻線も永久磁石もない。励磁された固定子磁極が回転子の突極を引き付けるリラクタンストルクで回るので(イ)は突極形であり、(1)と(4)の円筒形では突極性がなくトルクが生じない。固定子は各突極に直接巻線を巻くから(ア)は集中巻で、(2)の分布巻は誤りである。回転子が単純で強固なため遠心力に耐え、磁石の飛散や減磁も心配がないので(ウ)は高速回転に適し、(2)と(5)の低速回転はこの特長の説明にならない。ネオジムは(エ)希土類磁石であり、(1)と(5)の軟磁性体は鉄心そのものだから「使用せず」が成り立たない。よって(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 機械 問7
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問931.次の文章は,太陽光発電設備におけるパワーコンディショナに関する記述である。 近年,住宅に太陽光発電設備が設置され,低圧配電線に連系されることが増えてきた。連系のためには,太陽電池と配電線との間にパワーコンディショナが設置される。パワーコンディショナは(ア)と系統連系用保護装置とが一体になった装置である。パワーコンディショナは,連系中の配電線で事故が生じた場合に,太陽光発電設備が(イ)状態を継続しないように,これを検出して太陽光発電設備を系統から切り離す機能をもっている。パワーコンディショナには,(イ)の検出のために,電圧位相や(ウ)の急変などを常時監視する機能が組み込まれている。ただし,配電線側で発生する(エ)に対しては,系統からの不要な切り離しをしないよう対策がとられている。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア)逆変換装置 (イ)自立運転 (ウ)発電電力 (エ)停電
- 2.(ア)逆変換装置 (イ)単独運転 (ウ)発電電力 (エ)瞬時電圧低下
- 3.(ア)逆変換装置 (イ)単独運転 (ウ)周波数 (エ)瞬時電圧低下
- 4.(ア)整流装置 (イ)自立運転 (ウ)発電電力 (エ)停電
- 5.(ア)整流装置 (イ)単独運転 (ウ)周波数 (エ)停電
正解:3.(ア)逆変換装置 (イ)単独運転 (ウ)周波数 (エ)瞬時電圧低下
解説:太陽電池の直流を交流に変えて系統へ送り出すのは逆変換装置(インバータ)であり、(4)と(5)の整流装置は交流を直流に変える逆向きの装置なので(ア)は逆変換装置である。系統側の事故で配電線が停止したのに発電設備だけが局所負荷へ給電し続ける状態が単独運転で、(1)と(4)の自立運転は解列したうえで自家用負荷へ意図的に給電する正常な機能だから、検出して切り離す対象ではない。単独運転の受動的検出は電圧位相跳躍や周波数変化率をみるので(ウ)は周波数であり、(2)の発電電力は常時監視する量ではない。(エ)は配電線事故に伴う瞬時電圧低下で、(1)(4)(5)の停電は本来解列すべき事象である。よって(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 機械 問8
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問932.ある変圧器の負荷力率100 %における全負荷効率は98 %である。この変圧器の負荷力率80 %における全負荷効率[%]の値として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.78.4
- 2.81.6
- 3.97.5
- 4.98.4
- 5.99.6
正解:3.97.5
解説:全負荷すなわち定格電圧・定格電流での運転であれば、鉄損も銅損も力率には関係しないので、全損失は力率が変わっても同じである。定格容量をS、全負荷時の全損失をWとすると、力率100 %では出力がSだから η=S/(S+W)=0.98 となり、W=S(1/0.98−1)=0.0204S。力率80 %では出力が0.8Sに減るのに損失はWのままなので、η=0.8S/(0.8S+0.0204S)=0.8/0.8204=0.975、すなわち97.5 %の(3)が正解である。効率が力率に比例すると考えて0.98×0.8=0.784とすると(1)、逆に0.8/0.98=0.816とすると(2)に落ちる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 機械 問9
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問933.図のような直流チョッパがある。 直流電源電圧E=400 V,平滑リアクトルL=1 mH,負荷抵抗R=10 Ω,スイッチS の動作周波数f=10 kHz,通流率d=0.6 で回路が定常状態になっている。D はダイオードである。このとき負荷抵抗に流れる電流の平均値[A]として最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.40.0
- 2.24.0
- 3.16.0
- 4.3.8
- 5.2.5
正解:2.24.0
解説:図はスイッチSが上辺にあり、還流ダイオードDが縦に並列、その先にリアクトルLと負荷Rが続く典型的な降圧チョッパである。定常状態ではLの1周期平均電圧が0になるため、負荷側の平均電圧はDの両端に現れる方形波の平均値に等しく、Vo=dE=0.6×400=240 Vとなる。よって負荷電流の平均値はI=Vo/R=240/10=24.0 Aで、正解は(2)である。L=1 mHとf=10 kHzは平均値には効かず、リプルΔI=(E-Vo)dT/L=9.6 Aの半分4.8 Aが平均24 Aより小さいこと、つまり電流連続を確かめるための数値である。通流率を掛け忘れると400/10=40.0で(1)、オフ期間の比(1-d)を使うと0.4×400/10=16.0で(3)に落ちる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 機械 問10
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問934.巻上機によって電動機出力4 kW で質量900 kg の物体を一定速度で巻き上げているときの巻上速度の値[m/s]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし,機械効率は90 %,ロープの質量及び加速に要する動力については考慮しないものとする。なお,重力加速度は9.8 m/s² とする。
- 1.0.37
- 2.0.41
- 3.0.45
- 4.0.59
- 5.0.87
正解:2.0.41
解説:一定速度での巻上げなので加速に要する動力は不要で、荷を吊り上げる仕事率だけを考えればよい。荷に加える力はF=mg=900×9.8=8820 Nである。電動機出力4 kWのうち機械効率90 %の分だけが荷に伝わるから、荷に届く動力はPη=4000×0.9=3600 W。一定速度vではPη=Fvが成り立つので、v=Pη/(mg)=3600/8820=0.408 m/sとなり、最も近い0.41すなわち(2)が正解である。効率を掛け忘れて4000/8820とすると0.4535で(3)の0.45、効率を二重に掛けて3600×0.9/8820とすると0.367で(1)の0.37になる。ηは荷に届く動力が電動機出力より小さくなる向きに使う、と確かめれば取り違えを防げる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 機械 問11
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問935.図に示すような幅6 m,奥行き8 m の長方形の駐車場の四隅に柱を立て,各柱の地上から5 m の頂点に全光束5 000 lm のランプを設置した。駐車場の中心O の水平面照度[lx]の値として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 ただし,各ランプは均等光源とする。

- 1.283
- 2.141
- 3.31.8
- 4.22.5
- 5.5.6
正解:4.22.5
解説:均等光源なので光度はI=F/(4π)=5000/(4π)=398 cdである。図では対角線の交点がOだから、各柱からOまでの水平距離は対角線の半分、すなわち√(6²+8²)/2=10/2=5.0 mとなる。ランプの取付高さはh=5 mなので、ランプからOまでの距離はr=√(5²+5²)=7.07 m、入射角の余弦はcosθ=h/r=5/7.07=0.707である。1灯あたりの水平面照度はE₁=I·cosθ/r²=398×0.707/50=5.63 lxで、四隅の4灯を重ね合わせてE=4×5.63=22.5 lxとなり正解は(4)。cosθを掛け忘れると4×398/50=31.8で(3)、1灯分で止めると5.6で(5)になるので、傾きの補正と灯数の二点を必ず確認したい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 機械 問12
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問936.一般のフィードバック制御系においては,制御系の安定性が要求され,制御系の特性を評価するものとして,(ア)特性と過渡特性がある。 サーボ制御系では,目標値の変化に対する追従性が重要であり,過渡特性を評価するものとして,(イ)応答の遅れ時間,立上り時間,(ウ)などが用いられる。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア)定常 (イ)ステップ (ウ)定常偏差
- 2.(ア)追従 (イ)ステップ (ウ)定常偏差
- 3.(ア)定常 (イ)ステップ (ウ)行過ぎ量
- 4.(ア)追従 (イ)インパルス (ウ)行過ぎ量
- 5.(ア)定常 (イ)インパルス (ウ)定常偏差
正解:3.(ア)定常 (イ)ステップ (ウ)行過ぎ量
解説:(ア)は「制御系の特性を評価するもの」として過渡特性と並べられているので、その対概念である定常特性が入る。追従性は次の文でサーボ制御系の性質として別に述べられており、(ア)に「追従」と書く(2)と(4)はここで落ちる。(イ)は続く遅れ時間・立上り時間がいずれも単位ステップ入力に対する応答で定義される量なので、ステップである。「インパルス」と書く(4)と(5)は不適で、インパルス応答は伝達関数の同定などに使う。(ウ)も同じくステップ応答から読む過渡特性の指標だから行過ぎ量(オーバーシュート)となる。「定常偏差」と書く(1)と(5)は、十分時間が経った後に残る誤差=定常特性の指標なので過渡特性には該当しない。残るのは(3)である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 機械 問13
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問937.図の論理回路に,図に示す入力A,B 及びC を加えたとき,出力X として正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.

- 2.

- 3.

- 4.

- 5.

正解:3.
解説:回路は上側のANDにAとCが、下側のANDにBとCをNOTで反転したものが入り、両出力をORしているのでX=A·C+B·(Cを反転したもの)となる。つまりCが1の区間はAがそのままXに現れ、Cが0の区間はBがそのまま現れる。入力図の縦破線3本がCの変化点で、Cは0→1→0→1と変わるから区間は四つに切れる。第1区間(C=0)はBのパルスが1個出る。第2区間(C=1)はAのパルスが2個出て、この間にあるBのパルスは出ない。第3区間(C=0)はBのパルスが1個で、ここにあるAのパルスは出ない。第4区間(C=1)はAのパルスが2個で、Bだけが立つパルスは出ない。合計6個になる波形は(3)だけであり、(1)と(5)は5個、(2)と(4)は4個しかない。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 機械 問14
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 - 1.
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問938.三相誘導電動機について,次の(a)及び(b)に答えよ。 〔小問(a)〕 一次側に換算した二次巻線の抵抗r₂′と滑りsの比 r₂′/s が,他の定数(一次巻線の抵抗r₁,一次巻線のリアクタンスx₁,一次側に換算した二次巻線のリアクタンスx₂′)に比べて十分に大きくなるように設計された誘導電動機がある。この電動機を電圧Vの電源に接続して運転したとき,この電動機のトルクTと滑りs,電圧Vの関係を表す近似式として,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 ただし,kは定数である。
- 1.T = k/(Vs)
- 2.T = k/(V²s)
- 3.T = kV²/s
- 4.T = kV²s
- 5.T = kVs
正解:4.T = kV²s
解説:L形等価回路のトルクは T = (3/ω_s)·V²(r₂′/s)/{(r₁+r₂′/s)²+(x₁+x₂′)²} である。r₂′/s が r₁, x₁, x₂′ に比べて十分大きいと、分母は (r₂′/s)² が支配的になり (r₁+r₂′/s)²+(x₁+x₂′)² ≒ (r₂′/s)² と近似できる。代入すると T ≒ (3/ω_s)·V²(r₂′/s)/(r₂′/s)² = 3V²s/(ω_s·r₂′) となり、r₂′ と同期角速度 ω_s は定数だから T = kV²s。トルクは電圧の2乗と滑りの積に比例し、比例推移の直線部に対応する。よって正解は (4)。分母を定数扱いして分子の r₂′/s だけを残すと T = kV²/s となり (3) を選ぶ誤りになる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 機械 問15(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問939.※ この問題は本試験ではB問題の小問(b)として出題されたものです。解答に必要な条件が小問(a)にあるため,小問(a)を併せて示します(答えるのは小問(b)です)。 三相誘導電動機について,次の(a)及び(b)に答えよ。 〔小問(a)〕 一次側に換算した二次巻線の抵抗r₂′と滑りsの比 r₂′/s が,他の定数(一次巻線の抵抗r₁,一次巻線のリアクタンスx₁,一次側に換算した二次巻線のリアクタンスx₂′)に比べて十分に大きくなるように設計された誘導電動機がある。 〔小問(b)〕 上記(a)で示された条件で設計された定格電圧220 V,同期速度1 200 min⁻¹の三相誘導電動機がある。この電動機を電圧220 V の電源に接続して,一定トルクの負荷で運転すると,1 140 min⁻¹の回転速度で回転する。この電動機に供給する電源電圧を200 V に下げたときの電動機の回転速度[min⁻¹]の値として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 ただし,電源電圧を下げたとき,負荷トルクと二次抵抗は変化しないものとする。
- 1.1 150
- 2.1 127
- 3.1 113
- 4.1 091
- 5.1 000
正解:2.1 127
解説:(a)で求めたとおり、この電動機のトルクは T = kV²s と近似できる。定格220 V での滑りは、同期速度1 200 min⁻¹ と回転速度1 140 min⁻¹ から s₁ = (1 200−1 140)/1 200 = 0.05。負荷トルクも二次抵抗も不変だから V²s が一定になる。よって 220²×0.05 = 200²×s₂ より s₂ = 0.05×(220/200)² = 0.0605。回転速度は N = 1 200×(1−0.0605) = 1 127.4 min⁻¹ となり、(2) 1 127 が最も近い。電圧比を逆に取り 0.05×(200/220)² = 0.0413 とすると 1 150 min⁻¹ となって (1) を選ぶので注意する。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 機械 問15(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問940.図のように他励直流機を直流チョッパで駆動する。電源電圧はE = 200 V で一定とし,直流機の電機子電圧をVとする。IGBT Q₁及びQ₂をオンオフ動作させるときのスイッチング周波数は500 Hz であるとする。なお,本問では直流機の定常状態だけを扱うものとする。次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 この直流機を電動機として駆動する場合,Q₂をオフとし,Q₁をオンオフ制御することで,Vを調整することができる。電圧V₁の平均値が150 V のとき,1 周期の中でQ₁がオンになっている時間の値[ms]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.1.75
- 2.1.50
- 3.1.25
- 4.1.00
- 5.0.7
正解:2.1.50
解説:図でQ₁は上アーム、Q₂は下アームであり、V₁はレグ中点と負母線間の電圧である。Q₂をオフにしてQ₁だけをオンオフする力行運転は降圧チョッパ動作で、Q₁オン時は電源が直結され V₁ = E = 200 V、Q₁オフ時は電機子電流が下アームの還流ダイオードを環流するので V₁ = 0 V となる。したがって通流率をDとすれば V₁ の平均値は V₁av = ED である。スイッチング周波数が500 Hz なので1周期は T = 1/500 = 2×10⁻³ s = 2 ms。V₁av = 150 V より D = 150/200 = 0.75 だから、Q₁のオン時間は t_on = DT = 0.75×2 = 1.50 ms となり正解は (2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 機械 問16(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問941.図のように他励直流機を直流チョッパで駆動する。電源電圧はE = 200 V で一定とし,直流機の電機子電圧をVとする。IGBT Q₁及びQ₂をオンオフ動作させるときのスイッチング周波数は500 Hz であるとする。なお,本問では直流機の定常状態だけを扱うものとする。次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(b)〕 Q₁をオフしてQ₂をオンオフ制御することで,電機子電流の向きを(a)の場合と反対にし,直流機に発電動作(回生制動)をさせることができる。この制御において,スイッチングの1 周期の間でQ₂がオンになっている時間が0.4 ms のとき,この直流機の電機子電圧Vの値[V]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.1 000
- 2.250
- 3.200
- 4.160
- 5.40
正解:4.160
解説:回生制動ではQ₁をオフしQ₂をオンオフする。電機子電流は(a)と逆向きに直流機から中点へ流れ、Q₂オン時は電流がQ₂を通って負母線へ流れ V₁ = 0 V、Q₂オフ時は上アームの還流ダイオードを通って電源へ回生され V₁ = E = 200 V となる。これは昇圧チョッパ動作で、通流率D₂に対し V₁av = E(1−D₂)。周期は 1/500 = 2 ms、Q₂のオン時間0.4 ms より D₂ = 0.4/2 = 0.2 なので V₁av = 200×(1−0.2) = 160 V。定常状態では平滑リアクトルの平均電圧が0だから、電機子電圧は V = V₁av = 160 V で (4) が正解。E/(1−D₂) = 250 V と逆に取ると (2) になる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 機械 問16(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問942.熱効率が70 %で一定の電熱装置について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 0 ℃の氷5 kg を加熱したところ30 min ですべて0 ℃の水になった。融解熱が334 kJ/kg のとき電熱装置の消費電力の値[kW]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.0.9
- 2.1.4
- 3.1.9
- 4.2.4
- 5.2.9
正解:2.1.4
解説:0 ℃の氷を0 ℃の水に変えるのに要する熱量は、温度が変わらないので融解潜熱だけであり、Q = m·L = 5 kg × 334 kJ/kg = 1 670 kJ である。これを30 min = 1 800 sで与えるので、水が実際に受け取る有効熱出力は P_out = 1 670 kJ ÷ 1 800 s = 0.928 kW になる。熱効率70 %は消費電力のうち70 %が有効熱になるという意味だから、消費電力は P_in = P_out ÷ 0.7 = 0.928 ÷ 0.7 = 1.33 kW となり、最も近い(2) 1.4 kWが正解である。0.7で割るのを忘れると0.928 kWのままとなり(1) 0.9 を選んでしまうので注意したい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 機械 問17(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問943.熱効率が70 %で一定の電熱装置について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(b)〕 電熱装置の消費電力が1.7 kW のとき,0 ℃の水5 kg が50 ℃になるのに要する時間[min]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし,水の比熱は4.2 kJ/(kg·K)とする。
- 1.11
- 2.15
- 3.19
- 4.25
- 5.30
正解:2.15
解説:0 ℃の水5 kgを50 ℃まで上げるのは温度変化を伴う顕熱なので、Q = m·c·ΔT = 5 kg × 4.2 kJ/(kg·K) × 50 K = 1 050 kJ である。熱効率70 %より、消費電力1.7 kWのうち水に伝わる有効熱出力は P_out = 1.7 kW × 0.7 = 1.19 kW となる。よって所要時間は t = Q ÷ P_out = 1 050 kJ ÷ 1.19 kW = 882 s、分に直すと882 ÷ 60 = 14.7 min であり、最も近い(2) 15 minが正解である。効率を掛け忘れて1 050 ÷ 1.7 = 618 s = 10.3 min とすると(1) 11 に落ちる。ここでは融解熱は使わない。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 機械 問17(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問944.図は,出力信号y を入力信号x に一致させるように動作するフィードバック制御系のブロック線図である。次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 図において,K = 2,T = 0.5として,入力信号からフィードバック信号までの一巡伝達関数(開ループ伝達関数)を表す式を計算し,正しいものを次の(1)~(5)から一つ選べ。

- 1.2/(1 − jω0.5)
- 2.2/(1 + jω0.5)
- 3.1/(1 + jω0.5)
- 4.2/(3 − jω0.5)
- 5.2/(3 + jω0.5)
正解:2.2/(1 + jω0.5)
解説:一巡伝達関数(開ループ伝達関数)は主フィードバックを切り、入力から帰還信号まで一巡する経路の伝達関数である。求める手順は、内側のマイナループを先にまとめることである。制御対象1/(jωT)はその出力を直前の加え合わせ点へ負帰還しているから、この内側閉ループは {1/(jωT)} ÷ {1 + 1/(jωT)} = 1/(1 + jωT) にまとまる。これに制御器のKを直列に掛けて G = K/(1 + jωT) となり、K = 2、T = 0.5を代入すると G = 2/(1 + jω0.5)。よって(2)が正解である。Kを掛け忘れると(3)、主フィードバックまで閉じてy/xを求めると2/(3 + jω0.5)すなわち(5)になる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 機械 問18(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問945.※ この問題は本試験ではB問題の小問(b)として出題されたものです。解答に必要な条件が小問(a)にあるため,小問(a)を併せて示します(答えるのは小問(b)です)。 図は,出力信号y を入力信号x に一致させるように動作するフィードバック制御系のブロック線図である。次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 図において,K = 2,T = 0.5 として,入力信号からフィードバック信号までの一巡伝達関数(開ループ伝達関数)を求めた。 〔小問(b)〕 (a)で求めた一巡伝達関数において,ω を変化させることで得られるベクトル軌跡はどのような曲線を描くか,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.

- 2.

- 3.

- 4.

- 5.

正解:3.
解説:(a)より一巡伝達関数は G(jω) = 2/(1 + jω0.5) である。分母を有理化すると G = 2(1 − jω0.5)/(1 + 0.25ω²)となり、虚部は常に負だから軌跡は下半平面にある。これで上半平面に描かれた(1)(2)が消える。次にω = 0を代入すると G = 2/1 = 2.0で、実軸との交点は2.0である。交点を0.67(= 2/3)としている(4)(5)も消え、(3)だけが残る。仕上げに位相を確かめると、偏角 −arctan(0.5ω)が−45°になるのは0.5ω = 1すなわちω = 2 rad/sで、このとき G = 1 − j1。(3)の−45°方向の点の表示ω = 2 rad/sと一致する。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 機械 問18(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 - 1.
-
問946.いろいろな直流機に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.電機子と界磁巻線が並列に接続された分巻発電機は,回転を始めた電機子巻線と磁極の残留磁束によって,まず低い電圧で発電が開始される。その結果,界磁巻線に電流が流れ始め,磁極の磁束が強まれば,発電する電圧が上昇し,必要な励磁が確立する。
- 2.電機子と界磁巻線が直列に接続された直巻発電機は,出力電流が大きく界磁磁極が磁気飽和する場合よりも,出力電流が小さく界磁磁極が磁気飽和しない場合のほうが,出力電圧が安定する。
- 3.電源電圧一定の条件下で運転される分巻電動機は,負荷が変動した場合でも,ほぼ一定の回転速度を保つので,定速度電動機とよばれる。
- 4.直巻電動機は,始動時の大きな電機子電流が大きな界磁電流となる。直流電動機のトルクは界磁磁束と電機子電流から発生するので,大きな始動トルクが必要な用途に利用されてきた。
- 5.ブラシレスDCモータでは,直流機におけるブラシと整流子の機械的接触による整流の働きを半導体スイッチで電子的に実現する。
正解:2.電機子と界磁巻線が直列に接続された直巻発電機は,出力電流が大きく界磁磁極が磁気飽和する場合よりも,出力電流が小さく界磁磁極が磁気飽和しない場合のほうが,出力電圧が安定する。
解説:直巻発電機では負荷電流がそのまま界磁電流になる。磁気飽和していない領域では、電流が増えると磁束も増えて起電力がさらに上がり、電流がまた増えるという関係になるので電圧は不安定である。逆に磁極が磁気飽和している領域では、電流が増えても磁束はほとんど増えないので出力電圧が安定する。したがって(2)は飽和する場合と飽和しない場合が入れ替わっていて誤り。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 機械 問1
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問947.図は,磁極数が2の直流発電機を模式的に表したものである。電機子巻線については,1巻き分のコイルを示している。電機子の直径Dは0.5 m,電機子導体の有効長lは0.5 m,ギャップの磁束密度Bは,図の状態のように電機子導体が磁極の中心付近にあるとき一定で0.4 T,回転速度nは1 500 min⁻¹である。図の状態におけるこの1巻きのコイルに誘導される起電力eの値[V]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.2.50
- 2.5.00
- 3.7.85
- 4.15.7
- 5.942
正解:4.15.7
解説:まず導体の周速を求める。v=πDn/60=π×0.5×1 500/60=39.27 m/s。導体1本に誘導される起電力は e₁=Blv=0.4×0.5×39.27=7.854 V。ここで1巻きのコイルには往きと帰りの2本の導体があり、それぞれが逆向きの磁界の中を動くので起電力は打ち消し合わず足し合わされる。したがって e=2×7.854=15.71≒15.7 V。導体1本ぶんで止めると(3)の7.85を選んでしまう。答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 機械 問2
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問948.次の文章は,誘導電動機の速度制御に関する記述である。 電源周波数fを変えて速度を制御する方式の一つに (ア) 一定制御がある。これは,fを変化させたときに (イ) の強さを一定に保つように入力電圧Vも変化させる方式であり,二次抵抗制御方式と比べて効率が高いので小容量機から大容量機まで広く用いられてきた。周波数の可変装置には (ウ) 電源装置やサイクロコンバータなどがある。 (ア) 一定制御には低速回転時に回転速度や負荷トルクが急変した直後の速度を正確に制御できないという課題があり,この点を改善した速度制御法として (エ) 制御がある。 (エ) 制御は,速度とトルクを精密に制御でき,始動トルクが (オ) ,負荷変動の大きなクレーンや工作機械などに用いられる。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,最も適切なものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 選択肢は「(ア) / (イ) / (ウ) / (エ) / (オ)」の順に示す。
- 1.V/f / 回転磁界 / VVVF / ベクトル / 大きく
- 2.V/f / 回転電界 / CVCF / ベクトル / 小さく
- 3.V·f / 回転磁界 / VVVF / ベクトル / 小さく
- 4.V·f / 回転電界 / CVCF / スカラー / 大きく
- 5.V/f / 回転磁界 / CVCF / スカラー / 小さく
正解:1.V/f / 回転磁界 / VVVF / ベクトル / 大きく
解説:誘導電動機の磁束は電圧を周波数で割った量に比例するので、周波数を変えても磁束を一定に保つには電圧も比例して変える。これが V/f 一定制御で、保たれるのは回転磁界の強さである。周波数を自由に変えられる装置は可変電圧可変周波数、すなわち VVVF インバータである(CVCFは定電圧定周波数で無停電電源装置などに使う)。V/f 一定制御の弱点を改めたのがベクトル制御で、電流を磁束分とトルク分に分けて制御するため始動トルクが大きく取れ、クレーンや工作機械に向く。答(1)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 機械 問3
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問949.定格周波数50 Hz,6極のかご形三相誘導電動機があり,トルク200 N·m,機械出力20 kWで定格運転している。このときの二次入力(同期ワット)の値[kW]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし,機械損は無視するものとする。
- 1.19
- 2.20
- 3.21
- 4.25
- 5.27
正解:3.21
解説:二次入力(同期ワット)は、トルクに同期角速度を掛けた量である。同期速度は Ns=120f/p=120×50/6=1 000 min⁻¹、同期角速度は ωs=2πNs/60=2π×1 000/60=104.7 rad/s。したがって P₂=T·ωs=200×104.7=20 944 W≒21 kW。実際の回転速度ではなく同期速度を使うのがこの量の定義である。なお機械出力20 kWとの差 約0.94 kW が二次銅損で、滑りは s=0.94/20.94≒0.045 と求まる。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 機械 問4
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問950.次の文章は,三相同期発電機に関する記述である。 三相同期発電機は,水車を原動機とする水車発電機や,蒸気タービンを原動機とするタービン発電機などに用いられている。水車発電機では,水車の回転速度が比較的 (ア) ため,発電機の極数を (イ) しなければならない。また,水車発電機の回転子は,軸方向に比べて直径が (ウ) なっている。 タービン発電機の回転子は,水車発電機に比べて回転速度が (エ) ので,回転子の機械的強度の関係から,回転子の直径は軸方向の長さに比べて (オ) した設計になっている。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 選択肢は「(ア) / (イ) / (ウ) / (エ) / (オ)」の順に示す。
- 1.小さい / 小さく / 大きく / 大きい / 大きく
- 2.小さい / 大きく / 大きく / 大きい / 小さく
- 3.小さい / 大きく / 大きく / 大きい / 大きく
- 4.大きい / 大きく / 小さく / 小さい / 小さく
- 5.大きい / 小さく / 小さく / 小さい / 大きく
正解:2.小さい / 大きく / 大きく / 大きい / 小さく
解説:同期速度は Ns=120f/p なので、同じ周波数なら回転速度と極数は反比例する。水車は回転速度が小さいため、極数を大きくしないと所定の周波数が得られない。極数が多いと磁極を円周上に並べる必要があるので、回転子は直径が大きく軸方向に短い円盤状(突極形)になる。逆にタービン発電機は回転速度が大きいので、遠心力に耐える機械的強度の関係から直径を小さくし軸方向に長い細長い円筒形(非突極形)にする。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 機械 問5
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問951.二つの同期発電機AとBを図に示すように平衡した三相交流の母線に接続し並行運転するとき,両発電機の起電力Ė₁とĖ₂が等しくなるように発電機の速度および界磁電流が調整される。起電力Ė₁とĖ₂に差がある場合,両発電機間には横流と呼ばれる循環電流が流れ,損失増加の一要因となる。発電機AとBは同一仕様で同一特性を持ち,同一速度で回転している。定格電圧Vnは6 000 V,定格容量Pは4 500 kV·A,短絡比Sは1.25である。Ė₁とĖ₂の差が|Ė₁−Ė₂|=400 Vであるとき,横流の実効値[A]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.18.0
- 2.31.3
- 3.54.1
- 4.62.5
- 5.108
正解:2.31.3
解説:まず定格電流を求める。In=P/(√3·Vn)=4 500×10³/(√3×6 000)=433 A。短絡比と百分率同期インピーダンスは逆数の関係にあるので、%Zs=100/S=100/1.25=80 %。これをオームに直すと Zs=0.80×(Vn/√3)/In=0.80×3 464/433=6.4 Ω。横流は起電力の差を2台ぶんの同期インピーダンスで割った値なので Ic=|Ė₁−Ė₂|/(2Zs)=400/(2×6.4)=31.25≒31.3 A。分母が2Zsになる(発電機2台が直列の閉回路をつくる)ことがこの問題の要点で、1台ぶんで割ると(4)の62.5になる。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 機械 問6
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問952.次の文章は,交流整流子モータに関する記述である。 交流整流子モータは,直流直巻電動機に類似した構造となっている。直流直巻電動機では,加える直流電圧の極性を逆にしても,磁束と電機子電流の向きが共に (ア) ので,トルクの向きは変わらない。交流整流子モータは,この原理に基づき回転力を得ている。 構造上の特徴として,交流整流子モータでは,磁気回路の磁束が交番するので,界磁鉄心および継鉄を (イ) としていることが挙げられる。 交流整流子モータは,一般に始動トルクが大きく,回転速度が (ウ) なので,電気ドリル,電気掃除機,小型ミキサなどのモータとして用いられている。なお,小容量のものでは,交流と直流の両方に使用できるものもあり, (エ) と呼ばれる。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 選択肢は「(ア) / (イ) / (ウ) / (エ)」の順に示す。
- 1.逆になる / 塊状鉄心 / 高速 / ユニバーサルモータ
- 2.逆になる / 積層鉄心 / 高速 / ユニバーサルモータ
- 3.変わらない / 積層鉄心 / 低速 / ブラシレスDCモータ
- 4.変わらない / 塊状鉄心 / 低速 / ユニバーサルモータ
- 5.変わらない / 積層鉄心 / 高速 / ブラシレスDCモータ
正解:2.逆になる / 積層鉄心 / 高速 / ユニバーサルモータ
解説:直巻電動機は界磁巻線と電機子が直列なので、電圧の極性を反転すると磁束と電機子電流の向きが同時に逆になる。トルクは両者の積で決まるため、符号が2回反転して結局向きは変わらない。だから交流をそのまま加えても一方向に回る。交流では磁束が交番するため鉄心に渦電流損が生じるので、界磁鉄心と継鉄は薄い鋼板を重ねた積層鉄心にする(塊状では損失が大きい)。回転速度が高くとれるので電気ドリルや掃除機に使われ、交流でも直流でも動くものをユニバーサルモータという。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 機械 問7
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問953.電力用大形変圧器の温度上昇試験の一つに返還負荷法がある。この試験法では,外部電源から鉄損と銅損に相当する電力のみを供給すればよいので試験電源が比較的小規模なものですむ。単相変圧器におけるこの試験の結線方法及び図中に示す鉄損,銅損の供給方法として,次の(1)〜(5)のうちから正しいものを一つ選べ。ただし,T₁,T₂は試験対象となる同じ仕様の変圧器,T₃は補助変圧器であり,鉄損を供給する電源Eの電圧は定格電圧とする。
- 1.

- 2.

- 3.

- 4.

- 5.

正解:4.
解説:返還負荷法(ゾンプナ試験)は、同じ仕様の変圧器2台を向かい合わせにつなぎ、外部からは損失分の電力だけを入れて定格の電圧と電流を流す方法である。組み立て方は次の2つが要になる。第一に、T₁とT₂の一次巻線を並列にして定格電圧の電源Eにつなぐ。これで両器の鉄心に定格の磁束が立ち、鉄損が供給される。第二に、T₁とT₂の二次巻線を直列に、しかも起電力が互いに打ち消し合う向きにつないで閉ループにする。打ち消し合うので、そのままでは電流が流れない。このループに補助変圧器T₃で小さな電圧を注入すると定格の電流が循環し、銅損が供給される。T₃が負担するのは巻線のインピーダンス降下だけなので、小さな容量ですむ。この条件をすべて満たしているのが(4)である。答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 機械 問8
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 - 1.
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問954.定格容量100 kV·Aの単相変圧器3台をΔ−Δ結線した1組の三相変圧器として使用可能な容量をPΔ[kV·A]とする。これに対して,同一仕様の単相変圧器1台を追加し,V−V結線の三相変圧器を2組並列運転で使用する場合の合計容量をP[kV·A]とする。このとき,PΔに対するPの比である P/PΔ の値について,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.0.577
- 2.0.943
- 3.1.15
- 4.1.33
- 5.1.73
正解:3.1.15
解説:Δ−Δ結線は3台の容量をそのまま使えるので PΔ=3×100=300 kV·A。一方 V−V結線は単相変圧器2台で三相をつくり、出力は √3×100=173.2 kV·A になる(2台の合計200 kV·Aより小さく、利用率が √3/2 であることに対応する)。単相変圧器を1台足して合計4台にすると、V−V結線が2組できるので P=2×173.2=346.4 kV·A。したがって P/PΔ=346.4/300=1.155≒1.15。台数を1台増やしただけで容量が約15 %増えるが、1台あたりで見ると Δ−Δ結線より効率が悪い。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 機械 問9
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問955.入力交流電圧波形vsに対し,図のような入力電流波形isとなる電力変換回路として,正しいのは次のうちどれか。 ただし,交流電源のインピーダンスは無視できるものとし,電力変換回路における平滑リアクトルは十分に大きなインダクタンスを持っているものとする。

- 1.

- 2.

- 3.

- 4.

- 5.

正解:5.
解説:入力電流の波形から2つのことが読み取れる。第一に、電流が正負に切り替わる方形波になっている。これは平滑リアクトルによって直流側の電流がほぼ一定に保たれ、それが交流側で向きだけ切り替わって現れる形で、全波整流であることを示す(半波整流なら片側にしか電流が流れない)。第二に、電流が切り替わる時点が電圧の零点よりも遅れている。これは点弧角を遅らせる位相制御を行っている証拠で、素子はダイオードではなくサイリスタでなければならない。全波かつ位相制御ができるのはサイリスタブリッジで、これは(5)である。(4)はダイオードブリッジなので全波だが遅れがなく、(3)は半波の位相制御である。答(5)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 機械 問10
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 - 1.
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問956.巻上機によって質量1 000 kgの物体を毎秒0.5 mの一定速度で巻き上げているときの電動機出力の値[kW]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし,機械効率は90 %,ロープの質量及び加速に要する動力については考慮しないものとする。
- 1.0.6
- 2.4.4
- 3.4.9
- 4.5.5
- 5.6.0
正解:4.5.5
解説:物体を持ち上げるのに必要な仕事率は、重力に逆らって動かす力に速度を掛けた値で P=mgv=1 000×9.8×0.5=4 900 W。機械効率が90 %なので、電動機はこれを0.9で割った分だけ出さなければならない。P=4 900/0.9=5 444 W≒5.5 kW。効率を掛けてしまうと 4 900×0.9=4.4 kW となり(2)を選ぶことになるが、損失があるぶん電動機の出力は必要仕事率より大きくなければならない。答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 機械 問11
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問957.リチウムイオン二次電池と比較した電気二重層キャパシタの特徴に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.エネルギー密度[J/kg]が小さい。
- 2.出力密度[W/kg]が大きい。
- 3.充放電の繰り返しによる劣化のため,寿命が短い。
- 4.自己放電による電圧の低下が速い。
- 5.急速充電が可能である。
正解:3.充放電の繰り返しによる劣化のため,寿命が短い。
解説:電気二重層キャパシタは、電極と電解液の界面にイオンが物理的に吸着することで電荷をためる。化学反応を伴わないので電極の劣化がほとんど起きず、充放電を数十万回繰り返せる。寿命が長いことがこの素子の大きな利点なので、(3)の「寿命が短い」は誤り。ほかは正しく、ためられるエネルギーは電池より小さいが、短時間に大きな電流を出し入れできるため出力密度が高く急速充電もできる。一方で自己放電は速い。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 機械 問12
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問958.図のようなブロック線図で示す制御系がある。出力信号C(jω)の入力信号R(jω)に対する比,すなわち C(jω)/R(jω) を示す式として,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.(T₁ + jω)/(T₂ + jω)
- 2.(T₂ + jω)/(T₁ + jω)
- 3.jωT₁/(1 + jωT₂)
- 4.(1 + jωT₁)/(1 + jωT₂)
- 5.(1 + jω·T₁/T₂)/(1 + jωT₂)
正解:4.(1 + jωT₁)/(1 + jωT₂)
解説:加え合わせ点の出口の信号をX、積分要素 1/(jωT₂) の出口の信号をYとおく。フィードバックはYが加え合わせ点へ負で戻るので X=R−Y。また Y=X/(jωT₂)。この2式から X を消すと X=R·jωT₂/(1+jωT₂)、Y=R/(1+jωT₂)。出力はT₁/T₂の経路とYを足したものなので C=(T₁/T₂)·X+Y=R·{jωT₁+1}/(1+jωT₂)。したがって C/R=(1+jωT₁)/(1+jωT₂)。分子と分母の形が対称になるのが特徴で、これは位相を進めたり遅らせたりする補償要素の伝達関数である。答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 機械 問13
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問959.2進数,10進数,16進数に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.16進数の(6)₁₆を16倍すると(60)₁₆になる。
- 2.2進数の(1010101)₂と16進数の(57)₁₆を比較すると(57)₁₆の方が大きい。
- 3.2進数の(1011)₂を10進数に変換すると(11)₁₀になる。
- 4.10進数の(12)₁₀を16進数に変換すると(C)₁₆になる。
- 5.16進数の(3D)₁₆を2進数に変換すると(111011)₂になる。
正解:5.16進数の(3D)₁₆を2進数に変換すると(111011)₂になる。
解説:(3D)₁₆ は 3×16+13=61。61を2進数にすると 111101 である。選択肢の (111011)₂ は 32+16+8+2+1=59 で一致しないので(5)が誤り。16進の1桁は2進の4桁に対応するので、3→0011、D→1101 と分けて並べ 111101 と求めるのが速い。ほかは正しく、(1)は16倍すれば16進で1桁ずれるだけ、(2)は (1010101)₂=85、(57)₁₆=87 で後者が大きい、(3)は 8+2+1=11、(4)は 12=C である。答(5)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 機械 問14
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問960.周波数が60 Hzの電源で駆動されている4極の三相同期電動機(星形結線)があり,端子の相電圧Vは400/√3 V,電機子電流IMは200 A,力率1で運転している。1相の同期リアクタンスxs[Ω]は1.00 Ωであり,電機子の巻線抵抗,及び機械損などの損失は無視できるものとする。 〔小問(a)〕 上記の同期電動機のトルクの値[N·m]として最も近いものを,次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.12.3
- 2.368
- 3.735
- 4.1 270
- 5.1 470
正解:3.735
解説:損失を無視するので、電動機の出力は入力電力に等しい。三相の入力は P=3·V·IM·cosθ=3×(400/√3)×200×1=138 564 W(線間400 Vとみて √3×400×200 としても同じ)。次に同期角速度を求める。Ns=120f/p=120×60/4=1 800 min⁻¹、ωs=2πNs/60=188.5 rad/s。同期電動機は同期速度で回るので、トルクは T=P/ωs=138 564/188.5=735 N·m。相電圧が 400/√3 と与えられている点に注意し、3倍するのか √3 倍するのかを取り違えないこと。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 機械 問15(a)
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問961.周波数が60 Hzの電源で駆動されている4極の三相同期電動機(星形結線)があり,端子の相電圧Vは400/√3 V,電機子電流IMは200 A,力率1で運転している。1相の同期リアクタンスxs[Ω]は1.00 Ωであり,電機子の巻線抵抗,及び機械損などの損失は無視できるものとする。 〔小問(b)〕 上記の同期電動機の端子電圧及び出力を一定にしたまま界磁電流を増やしたところ,電機子電流がIM1[A]に変化し,力率cosθが √3/2 (θ=30°)の進みとなった。出力が一定なので入力電力は変わらない。図はこのときの状態を説明するための1相の概略のベクトル図である。このときの1相の誘導起電力Eの値[V]として最も近いものを,次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.374
- 2.387
- 3.400
- 4.446
- 5.475
正解:3.400
解説:入力電力が変わらないので 3·V·IM1·cos30°=3·V·IM·1 が成り立ち、IM1=200/(√3/2)=400/√3=230.9 A。V=400/√3=230.9 V を基準(角度0)にとると、電流は30°進みなので İM1=230.9∠30°=200+j115.5。同期電動機の1相の関係は Ė=V̇−jxs·İM1 なので、jxs·İM1=j(200+j115.5)=−115.5+j200。よって Ė=230.9−(−115.5+j200)=346.4−j200。大きさは √(346.4²+200²)=√160 000=400 V。界磁電流を増やすと誘導起電力が大きくなり力率が進みになる(V曲線の右側)という同期電動機の性質が背景にある。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 機械 問15(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問962.図1は三相ダイオード全波整流器を示している。入力電圧va,vb,vcは①式のとおりであるとき,出力電圧vdは図2の太線に示すように線間電圧の絶対値のうち最も高いものが出力される。 ①式: va=√2·Vs·sinθ / vb=√2·Vs·sin(θ−2π/3) / vc=√2·Vs·sin(θ−4π/3) 〔小問(a)〕 入力電圧va,vb,vcの実効値をVs=100 Vとするとき,線間電圧vabの実効値Vab[V]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.144
- 2.173
- 3.200
- 4.288
- 5.300
正解:2.173
解説:①式のva,vb,vcは互いに120°ずつずれた相電圧である。線間電圧は2つの相電圧の差なので、大きさは相電圧の √3 倍になる。したがって Vab=√3×100=173.2≒173 V。位相のずれが120°あるため単純な2倍にはならず、ベクトルの差をとって √3 倍になることがこの関係の意味である。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 機械 問16(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問963.図1は三相ダイオード全波整流器を示している。入力電圧va,vb,vcは互いに120°ずつずれた実効値Vsの相電圧であり,出力電圧vdは図2の太線に示すように線間電圧の絶対値のうち最も高いものが出力される。 〔小問(b)〕 出力電圧vdは出力に平滑回路を用いない場合,図2の太線のように脈動した波形となる。いま,脈動率δdを次式で定義する。 δd={(vdの最大値)−(vdの最小値)}÷(vdの平均値) 脈動率δdとして,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし,必要に応じて次の関係を用いてよい。∫[α→β] sinθ dθ = −cosβ + cosα

- 1.0.07
- 2.0.14
- 3.0.28
- 4.0.60
- 5.1.57
正解:2.0.14
解説:線間電圧の最大値を Vm とおく。図2のとおり出力は π/3 ごとに山の頂上付近だけを切り取った波形になる。最大値は山の頂点そのもので Vm、最小値は隣り合う山が交わる点で、頂点から30°ずれた位置なので Vm·cos(π/6)=0.866Vm。平均値は1周期(π/3)ぶんを積分して割ると Vd=(3/π)·Vm=0.955Vm。したがって δd=(Vm−0.866Vm)/(0.955Vm)=0.134/0.955=0.140≒0.14。Vm が約分で消えるので、実効値の具体的な数値は要らない。三相全波整流の脈動が単相に比べて小さいことがこの値から分かる。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 機械 問16(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問964.【問17と問18は選択問題です。どちらか一方を選んで解答します(本試験では両方解答すると採点されません)。】 20 ℃において含水量70 kgを含んだ木材100 kgがある。これを100 ℃に設定した乾燥器によって,100 ℃まで温めて乾燥させ,含水量を5 kgとしたい。 ただし,木材の完全乾燥状態での比熱を1.25 kJ/(kg·K),水の比熱と蒸発潜熱をそれぞれ4.19 kJ/(kg·K),2.26×10³ kJ/kgとする。 〔小問(a)〕 この乾燥に要する全熱量の値[kJ]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.14.3×10³
- 2.23.0×10³
- 3.147×10³
- 4.161×10³
- 5.173×10³
正解:5.173×10³
解説:熱量は「温める分」と「蒸発させる分」の合計になる。木材100 kgのうち水が70 kgなので、完全乾燥状態の木材は30 kgである。まず20 ℃から100 ℃まで、80 K だけ温める熱量は、木材が 30×1.25×80=3 000 kJ、水が 70×4.19×80=23 464 kJ で、合わせて26 464 kJ。次に含水量を70 kgから5 kgにするので、蒸発させる水は65 kg。その潜熱は 65×2.26×10³=146 900 kJ。合計 26 464+146 900=173 364 kJ≒173×10³ kJ。潜熱だけを計算すると(3)の147×10³になるので、温める分を忘れないこと。答(5)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 機械 問17(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問965.【問17と問18は選択問題です。どちらか一方を選んで解答します(本試験では両方解答すると採点されません)。】 20 ℃において含水量70 kgを含んだ木材100 kgがある。これを100 ℃に設定した乾燥器によって,100 ℃まで温めて乾燥させ,含水量を5 kgとしたい。木材の完全乾燥状態での比熱は1.25 kJ/(kg·K),水の比熱と蒸発潜熱はそれぞれ4.19 kJ/(kg·K),2.26×10³ kJ/kgであり,この乾燥に要する全熱量は173×10³ kJである。 〔小問(b)〕 乾燥器の容量(消費電力)を22 kW,総合効率を55 %とするとき,乾燥に要する時間の値[h]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.1.2
- 2.4.0
- 3.5.0
- 4.14.0
- 5.17.0
正解:2.4.0
解説:乾燥器が消費する22 kWのうち、実際に乾燥に使われるのは総合効率をかけた分だけなので、有効な熱の出力は 22×0.55=12.1 kW=12.1 kJ/s である。必要な熱量は173 364 kJ なので、時間は 173 364/12.1=14 328 s。これを時間に直すと 14 328/3 600=3.98≒4.0 h。効率を掛けずに 173 364/22 000=7 880 s=2.2 h としたり、逆に割ってしまうと合わないので、消費電力に効率を掛けて有効出力を出す順序を守る。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 機械 問17(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問966.【問17と問18は選択問題です。どちらか一方を選んで解答します(本試験では両方解答すると採点されません)。】 論理関数に関して答えよ。 〔小問(a)〕 論理式 X·Y·Z̄ + X·Y·Z + X̄·Y·Z + X̄·Ȳ·Z を積和形式で簡単化したものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.X·Y + X·Z
- 2.X·Ȳ + Y·Z
- 3.X̄·Y + X·Z
- 4.X·Y + Ȳ·Z
- 5.X·Y + X̄·Z
正解:5.X·Y + X̄·Z
解説:隣り合う項をまとめていく。前の2項は X·Y·Z̄+X·Y·Z=X·Y·(Z̄+Z)=X·Y。後ろの2項は X̄·Y·Z+X̄·Ȳ·Z=X̄·Z·(Y+Ȳ)=X̄·Z。したがって X·Y+X̄·Z となる。真理値表で確かめると、もとの式が1になるのは (X,Y,Z)=(1,1,0),(1,1,1),(0,1,1),(0,0,1) の4通りで、X·Y は前の2つを、X̄·Z は後ろの2つをちょうど覆っている。答(5)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 機械 問18(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問967.【問17と問18は選択問題です。どちらか一方を選んで解答します(本試験では両方解答すると採点されません)。】 論理関数に関して答えよ。 〔小問(b)〕 論理式 (X+Y+Z)·(X+Ȳ+Z)·(X̄+Y+Z) を和積形式で簡単化したものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(X+Z)·(Ȳ+Z)
- 2.(X̄+Y)·(X+Z)
- 3.(X+Y)·(Y+Z)
- 4.(X+Z)·(Y+Z)
- 5.(X+Y)·(X̄+Z)
正解:4.(X+Z)·(Y+Z)
解説:積和形式のときと同じ考え方を、和と積を入れ替えて使う。第1項と第2項は Y だけが違うので (X+Y+Z)·(X+Ȳ+Z)=X+Z にまとまる。第1項と第3項は X だけが違うので (X+Y+Z)·(X̄+Y+Z)=Y+Z にまとまる。第1項は2度使ってよい(同じものを何度掛けても値は変わらない)。したがって全体は (X+Z)·(Y+Z) となる。式が0になるのは (0,0,0),(0,1,0),(1,0,0) の3通りで、まとめた式でも同じ3通りだけが0になることを確かめられる。答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 機械 問18(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問968.直流機の構造に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.直流機は固定子と回転子からなる。界磁は固定子にあり,電機子及び整流子は回転子にある。
- 2.電機子鉄心には,交番磁束による渦電流損を少なくするため,電磁鋼板を層状に重ねた積層鉄心が用いられる。
- 3.直流発電機には他励式と自励式がある。他励式には,分巻発電機,直巻発電機などがある。
- 4.電機子電流による起磁力がエアギャップの磁束分布に影響を与える作用を電機子反作用といい,この影響を防ぐために補償巻線や補極が用いられる。
- 5.直流電動機に生じる電機子反作用の向きは発電機の場合とは反対であるが,電機子電流の向きが反対であるので補償巻線や補極の接続方法は発電機の場合と同じでよい。
正解:3.直流発電機には他励式と自励式がある。他励式には,分巻発電機,直巻発電機などがある。
解説:(3)が誤り。分巻発電機も直巻発電機も,界磁巻線を電機子と同じ回路につないで自分の発生電圧で界磁電流をまかなう自励式である。他励式は界磁巻線に別の電源から電流を流すもので,分巻・直巻・複巻はすべて自励式に分類される。 (1) 界磁が固定子側,電機子巻線と整流子が回転子側にある。これが直流機の基本の構成である。正しい。 (2) 電機子は回転して磁界を横切るので鉄心の中の磁束が交番し,渦電流損が生じる。これを減らすため薄い電磁鋼板を積み重ねた積層鉄心にする。正しい。 (4) 電機子電流の作る起磁力が主磁束の分布をゆがめるのが電機子反作用で,補償巻線(磁極片の溝に入れ電機子電流と逆向きの起磁力を作る)と補極(中性軸上の小磁極)で打ち消す。正しい。 (5) 電動機と発電機では電機子反作用の向きも電機子電流の向きも同時に逆になるので,両方を打ち消し合って接続方法は変えなくてよい。正しい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 機械 問1
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問969.三相誘導電動機が滑り2.5 %で運転している。このとき,電動機の二次銅損が188 Wであるとすると,電動機の軸出力[kW]の値として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし,機械損は0.2 kWとし,負荷に無関係に一定とする。
- 1.7.1
- 2.7.3
- 3.7.5
- 4.8.0
- 5.8.5
正解:1.7.1
解説:誘導電動機では,二次入力P₂・二次銅損P_c2・機械出力P_mの間に P₂ : P_c2 : P_m = 1 : s : (1−s) の関係がある。 まず二次入力を出す。P_c2=sP₂ より P₂=188/0.025=7 520 W。 機械出力は P_m=(1−s)P₂=0.975×7 520=7 332 W。 軸出力は機械出力から機械損を引いたものなので 7 332−200=7 132 W≒7.1 kW。答(1)。 機械損0.2 kWを引き忘れると7.3 kWとなり(2)を選んでしまう。二次入力→機械出力→軸出力と,どの段階の量かを追うことが要点である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 機械 問2
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問970.次の文章は,三相誘導電動機の構造に関する記述である。 三相誘導電動機は,(ア)磁界を作る固定子及び回転する回転子からなる。 回転子は,(イ)回転子と(ウ)回転子との2種類に分類される。 (イ)回転子では,回転子溝に導体を納めてその両端が(エ)で接続される。 (ウ)回転子では,二次電流を(オ),ブラシを通じて外部回路に流すことができる。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 選択肢は「(ア) / (イ) / (ウ) / (エ) / (オ)」の順に示す。
- 1.回転 / かご形 / 巻線形 / スリップリング / 整流子
- 2.交番 / かご形 / 巻線形 / 端絡環 / スリップリング
- 3.回転 / 巻線形 / かご形 / スリップリング / 整流子
- 4.回転 / かご形 / 巻線形 / 端絡環 / スリップリング
- 5.交番 / 巻線形 / かご形 / スリップリング / 整流子
正解:4.回転 / かご形 / 巻線形 / 端絡環 / スリップリング
解説:(ア) 三相巻線に三相交流を流すと,大きさが一定で向きが回る回転磁界ができる。これが誘導電動機の原理の出発点で,単相の交番磁界ではそのままでは始動できない。 (イ)(ウ) 回転子はかご形と巻線形の2種類。溝に導体(バー)を納めて両端をリングでつなぐのがかご形で,構造が簡単で丈夫なため広く使われる。 (エ) かご形のバーの両端をつなぐリングを端絡環という。スリップリングは巻線形で外部回路につなぐための部品なので,ここには入らない。 (オ) 巻線形は回転子に三相巻線を持ち,その端子をスリップリングとブラシを介して外へ引き出す。外部に抵抗をつないで始動特性や速度を調整できる。整流子は直流機の部品である。 答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 機械 問3
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問971.次の文章は,三相同期電動機の位相特性に関する記述である。 図は三相同期電動機の位相特性曲線(V曲線)の一例である。同期電動機は,界磁電流を変えると,電機子電流の端子電圧に対する位相が変わり,さらに,電機子電流の大きさも変わる。図の曲線の最低点は力率が1となる点で,図の破線より右側は(ア)電流,左側は(イ)電流の範囲となる。また,電動機の出力を大きくするにつれて,曲線は(ウ) → B → (エ) の順に変化する。 この位相特性を利用して,三相同期電動機を需要家機器と並列に接続して無負荷運転し,需要家機器の端子電圧を調整することができる。このような目的で用いる三相同期電動機を(オ)という。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 選択肢は「(ア) / (イ) / (ウ) / (エ) / (オ)」の順に示す。

- 1.遅れ / 進み / A / C / 静止形無効電力補償装置
- 2.遅れ / 進み / C / A / 静止形無効電力補償装置
- 3.遅れ / 進み / A / C / 同期調相機
- 4.進み / 遅れ / C / A / 同期調相機
- 5.進み / 遅れ / A / C / 同期調相機
正解:4.進み / 遅れ / C / A / 同期調相機
解説:(ア)(イ) 破線は力率1の点をつないだ線で,その右側は界磁電流を増やした過励磁の領域である。過励磁では電機子電流が端子電圧より進み,コンデンサのようにふるまう。左側は不足励磁で遅れ電流となる。したがって右側が進み,左側が遅れ。 (ウ)(エ) 出力が大きいほど必要な電機子電流も大きくなるので,曲線は上へ移動する。図でいちばん下がC,中央がB,いちばん上がAなので,出力を大きくすると C → B → A の順に変化する。 (オ) 無負荷で運転して励磁の加減により進み・遅れの無効電力を自在に出し入れし,系統の電圧を調整する同期電動機を同期調相機という。静止形無効電力補償装置(SVC)は半導体を使った別の装置で,回転機ではない。 答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 機械 問4
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問972.定格出力8 000 kV・A,定格電圧6 600 Vの三相同期発電機がある。この発電機の同期インピーダンスが4.73 Ωのとき,短絡比の値として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.0.384
- 2.0.665
- 3.1.15
- 4.1.50
- 5.2.61
正解:3.1.15
解説:短絡比は百分率同期インピーダンス(単位法の同期インピーダンス)の逆数である。 まず百分率同期インピーダンスを出す。三相で容量P[V・A],線間電圧V[V]を使うと %Z = P Z / V² なので %Z = 8 000×10³×4.73/(6 600)² = 3.784×10⁷/4.356×10⁷ = 0.869(=86.9 %)。 短絡比は K = 1/0.869 ≒ 1.15。答(3)。 %Zをそのまま答えにすると0.869で,選択肢にある0.665や0.384とは違うが,逆数を取るのを忘れる誤りに注意する。短絡比が1を超える機械は同期インピーダンスが小さく,電圧変動が小さい代わりに鉄機械として大きくなる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 機械 問5
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問973.次の文章は,小形交流モータに関する記述である。 モータの固定子がつくる回転磁界中に,永久磁石を付けた回転子を入れると,回転子は回転磁界(ア)で回転する。これが永久磁石同期モータの回転原理である。 永久磁石形同期モータは,回転子の構造により,(イ)磁石形同期モータと(ウ)磁石形同期モータに分類される。(イ)磁石形同期モータは,構造的に小型化・高速化に適しており,さらに(エ)トルクが利用できる特徴がある。 (エ)トルクは,固定子と回転子の鉄心(電磁鋼板)との間に働く回転力のことである。この回転力のみを利用したモータは,永久磁石形同期モータに比べて,材料コストが(オ)という特徴がある。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 選択肢は「(ア) / (イ) / (ウ) / (エ) / (オ)」の順に示す。
- 1.より低い速度 / 表面 / 埋込 / リラクタンス / 低い
- 2.より低い速度 / 埋込 / 表面 / コギング / 低い
- 3.と同じ速度 / 埋込 / 表面 / リラクタンス / 高い
- 4.と同じ速度 / 埋込 / 表面 / リラクタンス / 低い
- 5.と同じ速度 / 表面 / 埋込 / コギング / 高い
正解:4.と同じ速度 / 埋込 / 表面 / リラクタンス / 低い
解説:(ア) 永久磁石の回転子は回転磁界に引かれて同じ速度(同期速度)で回る。回転磁界より遅れて回るのは誘導モータで,同期モータは滑らない。 (イ)(ウ) 回転子の表面に磁石を貼るのが表面磁石形(SPM),鉄心の中に埋め込むのが埋込磁石形(IPM)である。埋め込むと遠心力で磁石が飛ばないので高速化でき,鉄心の形も自由になるので小型化に向く。 (エ) 鉄心の磁気抵抗(リラクタンス)が回転位置で変わることで生じる回転力をリラクタンストルクという。埋込磁石形は磁石のトルクに加えてこれも使える。コギングトルクは無通電でも生じる回転むらのことで,むしろ抑えたい量である。 (オ) リラクタンストルクだけを使うシンクロナスリラクタンスモータは永久磁石を使わないので,希土類磁石が要らず材料コストが低い。 答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 機械 問6
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問974.次の文章は,交流機における電機子巻線法に関する記述である。 電機子巻線法には,1相のコイルをいくつかのスロットに分けて配置する(ア)と,集中巻がある。(ア)の場合,各極各相のスロット数は(イ)となる。 (ア)において,コイルピッチを極ピッチよりも短くした巻線法を(ウ)と呼ぶ。この巻線法を採用すると,(エ)は低くなるが,コイル端を短くできることや,(オ)が改善できるなどの利点があるため,一般的によく用いられている。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 選択肢は「(ア) / (イ) / (ウ) / (エ) / (オ)」の順に示す。
- 1.分布巻 / 2以上 / 短節巻 / 誘導起電力 / 電圧波形
- 2.分散巻 / 2未満 / 全節巻 / 励磁電流 / 力率
- 3.分布巻 / 2未満 / 短節巻 / 励磁電流 / 力率
- 4.分布巻 / 2未満 / 短節巻 / 励磁電流 / 電圧波形
- 5.分散巻 / 2以上 / 全節巻 / 誘導起電力 / 力率
正解:1.分布巻 / 2以上 / 短節巻 / 誘導起電力 / 電圧波形
解説:(ア)(イ) 1相のコイルを複数のスロットに分けて置くのが分布巻で,各極各相のスロット数q(毎極毎相スロット数)が2以上になる。q=1になるのが集中巻である。「分散巻」という語は使わない。 (ウ) コイルピッチを極ピッチより短くするのが短節巻,等しくするのが全節巻である。 (エ)(オ) 短節巻にすると,コイルの両辺の起電力の位相がずれるぶんベクトル和が小さくなるので,誘導起電力は基本波でわずかに低くなる。その代わり,高調波の成分が大きく減って電圧波形が正弦波に近づき,コイル端(コイルエンド)も短くできて銅量と抵抗が減る。したがって(エ)が誘導起電力,(オ)が電圧波形。 答(1)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 機械 問7
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問975.単相変圧器がある。定格二次電圧200 Vにおいて,二次電流が250 Aのときの全損失が1 525 Wであり,同様に二次電圧200 Vにおいて,二次電流が150 Aのときの全損失が1 125 Wであった。この変圧器の無負荷損の値[W]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.400
- 2.525
- 3.576
- 4.900
- 5.1 000
正解:4.900
解説:変圧器の全損失は,負荷によらず一定の無負荷損(鉄損)P_iと,電流の2乗に比例する負荷損(銅損)の和である。負荷損の比例定数をkとすると 1 525 = P_i + k×250² 1 125 = P_i + k×150² 2式の差をとると 400 = k(62 500−22 500) = 40 000k → k = 0.01 これを2式目に入れて P_i = 1 125 − 0.01×22 500 = 1 125 − 225 = 900 W。答(4)。 電圧が同じ200 Vに保たれているので鉄損が両方で等しい,という点が連立できる理由である。2式目の銅損225 Wを引くところを1式目の銅損625 Wと取り違えると1 525−625=900 Wと偶然同じ値になるが,計算の筋道としては両式が同じP_iを与えることを確かめておくとよい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 機械 問8
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問976.変圧器に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.無負荷の変圧器の一次巻線に正弦波交流電圧を加えると,鉄心には磁気飽和現象やヒステリシス現象が生じるので電流は非正弦波電流となる。この電流を励磁電流といい,第3次をはじめとする多くの次数の高調波を含む。
- 2.変圧器の励磁電流のうち,一次電圧と同相成分を鉄損電流,π/2[rad]遅れた成分を磁化電流という。
- 3.変圧器の鉄損には主にヒステリシス損と渦電流損がある。電源の周波数をf,鉄心に用いる電磁鋼板の厚さをtとすると,ヒステリシス損はfに比例し,渦電流損は(f×t)の2乗に比例する。ただし,鉄心の磁束密度を同一とする。
- 4.変圧器の損失には主に鉄損と銅損があり,両者が等しくなったときに最大効率となる。無負荷損の主なものは鉄損で,電圧と周波数が一定であれば負荷に関係なく一定である。また,負荷損の主なものは銅損で,負荷電流の2乗に比例する。
- 5.変圧器の等価回路において,励磁回路は励磁コンダクタンスと励磁サセプタンスで構成される。両者を合わせて励磁アドミタンスという。励磁コンダクタンスに流れる電流は磁化電流に対応し,励磁サセプタンスで発生する損失は鉄損に対応している。
正解:5.変圧器の等価回路において,励磁回路は励磁コンダクタンスと励磁サセプタンスで構成される。両者を合わせて励磁アドミタンスという。励磁コンダクタンスに流れる電流は磁化電流に対応し,励磁サセプタンスで発生する損失は鉄損に対応している。
解説:(5)が誤り。対応が逆になっている。励磁コンダクタンス(実部)に流れるのは電圧と同相の鉄損電流で,ここで消費される電力が鉄損に対応する。励磁サセプタンス(虚部)に流れるのが90°遅れの磁化電流で,こちらは磁束を作るための無効分だから電力を消費しない。サセプタンスで損失が発生するという記述自体が成り立たない。 (1) 鉄心の磁気飽和とヒステリシスにより,正弦波電圧を加えても励磁電流はひずみ,第3次を中心とする奇数次の高調波を含む。正しい。 (2) 励磁電流は,鉄損電流(電圧と同相)と磁化電流(電圧よりπ/2遅れ)に分けられる。正しい。 (3) ヒステリシス損は周波数に比例し,渦電流損は周波数と板厚それぞれの2乗に比例する(=(f×t)の2乗に比例)。だから鉄心を薄い板の積層にする。正しい。 (4) 鉄損と銅損が等しいとき効率が最大になる。鉄損は電圧・周波数一定なら負荷によらず一定,銅損は負荷電流の2乗に比例する。正しい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 機械 問9
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問977.図に示す出力電圧波形v_Rを得ることができる電力変換回路として,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし,回路中の交流電源は正弦波交流電圧源とする。 選択肢は原本から切り出した回路図で示す(下の説明は補助)。

- 1.交流電源とダイオード1個と抵抗負荷を直列につないだ回路

- 2.交流電源とサイリスタ1個と抵抗負荷を直列につないだ回路

- 3.交流電源と,逆並列に接続した2個のサイリスタと抵抗負荷を直列につないだ回路

- 4.交流電源にダイオード4個のブリッジをつなぎ,その直流側に抵抗負荷をつないだ回路

- 5.交流電源にサイリスタ4個のブリッジをつなぎ,その直流側に抵抗負荷をつないだ回路

正解:3.交流電源と,逆並列に接続した2個のサイリスタと抵抗負荷を直列につないだ回路
解説:波形の読み取りが要点になる。正の半サイクルにも負の半サイクルにも出力があり,しかもどちらも波の途中から立ち上がっている。つまり ・出力は交流のまま(整流されていない) ・点弧角を持つ位相制御がかかっている の2つが同時に成り立つ回路を選ぶ。 これができるのは,サイリスタを逆並列に接続して負荷と直列に入れた交流電力調整回路で,(3)がこれにあたる。正の半サイクルは一方のサイリスタ,負の半サイクルはもう一方が受け持ち,それぞれ点弧角を遅らせることで実効値を調整する。答(3)。 (1)のダイオード1個は単相半波整流で,正の半サイクルだけが位相制御なしに出る。(2)のサイリスタ1個は正の半サイクルだけが位相制御される。(4)のダイオードブリッジは全波整流で出力は正だけ,(5)のサイリスタブリッジも位相制御された全波整流で出力は正だけになる。負の出力がある時点で(1)(2)(4)(5)は消える。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 機械 問10
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 - 1.交流電源とダイオード1個と抵抗負荷を直列につないだ回路
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問978.電動機で駆動するポンプを用いて,毎時80 m³の水をパイプへ通して揚程40 mの高さに持ち上げる。ポンプの効率は72 %,電動機の効率は93 %で,パイプの損失水頭は0.4 mであり,他の損失水頭は無視できるものとする。このとき必要な電動機入力[kW]の値として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし,水の密度は1.00×10³ kg/m³,重力加速度は9.8 m/s²とする。
- 1.0.013
- 2.0.787
- 3.4.83
- 4.13.1
- 5.80.4
正解:4.13.1
解説:まず単位をそろえる。毎時80 m³は Q=80/3 600≒0.022 22 m³/s。 全揚程は,実際に持ち上げる高さに損失水頭を足したものだから H=40+0.4=40.4 m。 水に与える動力(水動力)は P_w=ρgQH=1 000×9.8×0.022 22×40.4≒8 798 W。 これをポンプ効率と電動機効率で割り戻すと電動機入力になる。 P=8 798/(0.72×0.93)=8 798/0.669 6≒13 139 W≒13.1 kW。答(4)。 毎時を毎秒に直さないと3 600倍ずれる。また損失水頭0.4 mを足すこと,効率で割る(掛けない)ことの3点が落としやすい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 機械 問11
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問979.電気加熱に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.抵抗加熱は,電流によるジュール熱を利用して加熱するものである。
- 2.アーク加熱は,アーク放電によって生じる熱を利用するもので,直接加熱方式と間接加熱方式がある。
- 3.赤外加熱において,遠赤外ヒータの最大放射束の波長は,赤外電球の最大放射束の波長より長い。
- 4.誘電加熱は,交番電界中におかれた誘電体中に生じる誘電損により加熱するものである。
- 5.誘導加熱は,印加磁界中におかれた強磁性体中の渦電流によって生じるジュール熱(渦電流損)により加熱するものである。
正解:5.誘導加熱は,印加磁界中におかれた強磁性体中の渦電流によって生じるジュール熱(渦電流損)により加熱するものである。
解説:(5)が誤り。誘導加熱で渦電流が流れるのは「導電性の物体」であって,強磁性体に限らない。アルミニウムや銅のような非磁性の金属も誘導加熱できる。強磁性体の場合は渦電流損に加えてヒステリシス損も生じるので発熱しやすい,というだけである。対象を強磁性体に限定している点が誤り。 (1) 抵抗加熱はジュール熱I²Rを使う。電熱線がこれにあたる。正しい。 (2) アーク加熱には,被加熱物自体を電極の一方にする直接式と,アークの熱を放射で伝える間接式がある。正しい。 (3) 波長が長いほど「遠」赤外である。遠赤外ヒータの最大放射束の波長(数μm)は,赤外電球(1μm前後)より長い。正しい。 (4) 誘電加熱は交番電界の中で誘電体の分子が振られることによる誘電損で発熱させる。電子レンジがこれである。正しい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 機械 問12
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問980.次の文章は,電気通信に関する記述である。 電気通信において,信号に変換された情報を伝える媒体を伝送路と呼ぶ。伝送路などから混入し,送りたい信号を変化させてしまうことがある不要な成分を(ア)という。 身近な通信手段の一つとして電話がある。地域間をまたがる電話網において多数の通話を効率的に中継するために,1本の伝送路を用いて同時に多数の通話を伝送する技術を(イ)という。 無線通信では,送りたい情報を信号波と呼ばれる電気信号に変換した後,送信機によって,周波数のより高い搬送波と呼ばれる信号と合成し,(ウ)を作る。(ウ)を作り出したり,受信機において(ウ)から信号波を取り出す方式はいくつかある。 アナログ信号をディジタル信号に変換するA-D変換においては,アナログ信号の最高周波数に対して,その2倍以上の周波数で(エ)を行えば,(エ)された信号から元のアナログ信号を再現できる。これを(エ)定理という。 画像や音声,ビデオなどの情報をそのまま記録・伝送しようとすると,データのサイズが大きくなるために,データの(オ)が行われる。静止画像の代表的な(オ)方法としてJPEGという国際標準規格がある。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 選択肢は「(ア) / (イ) / (ウ) / (エ) / (オ)」の順に示す。
- 1.雑音(ノイズ) / 輻輳 / 正弦波 / 標本化 / 圧縮
- 2.側波帯 / 多重化 / 変調波 / 標本化 / 伸長
- 3.雑音(ノイズ) / 多重化 / 変調波 / 標本化 / 圧縮
- 4.雑音(ノイズ) / 多重化 / 変調波 / 量子化 / 伸長
- 5.側波帯 / 輻輳 / 正弦波 / 量子化 / 圧縮
正解:3.雑音(ノイズ) / 多重化 / 変調波 / 標本化 / 圧縮
解説:(ア) 伝送路から混入して信号を乱す不要な成分は雑音(ノイズ)である。側波帯は変調によって搬送波の上下にできる周波数帯のことで,不要成分ではない。 (イ) 1本の伝送路で多数の通話を同時に運ぶ技術が多重化である。輻輳は回線が混み合って通じにくくなる状態を指す言葉で,技術の名前ではない。 (ウ) 信号波と搬送波を合成してできる波が変調波である。 (エ) 標本化定理(サンプリング定理)は,最高周波数の2倍を超える周波数で標本化すれば元の波形を復元できるというもの。量子化は標本化した値を段階に丸める次の処理で,2倍という条件が出てくるのは標本化のほうである。 (オ) データのサイズを小さくするのが圧縮で,JPEGは静止画の代表的な圧縮方式。伸長は圧縮したものを元に戻す逆の処理である。 答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 機械 問13
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問981.次の文章は,メカトロニクスの概要と構成要素に関する記述である。 メカトロニクスは(ア)技術,(イ)技術,情報技術を統合した技術である。これにより,メカニズム(機構)によってつくられた従来の(ア)に,マイクロコンピュータなどの(イ)部品を組み込んで,高性能で多機能な機械装置が実現できる。 メカトロニクス製品の構成要素には,(ウ),(エ),(オ)及びインタフェースがある。(ウ)は,機械の圧力,力,速度,加速度,温度などの物理量を計測する。(エ)は,電気,油圧,空気圧などのエネルギーを機械的な動きに変換する。(オ)は,(ウ)で計測した情報を処理して(エ)への指令を生成する制御装置としての役割を果たす。インタフェースは,(ウ)や(エ)の扱う電気信号と(オ)が処理できるディジタル信号との変換を担当する。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 選択肢は「(ア) / (イ) / (ウ) / (エ) / (オ)」の順に示す。
- 1.機械 / 電子 / アクチュエータ / ネットワーク / センサ
- 2.電子 / 機械 / センサ / アクチュエータ / コンピュータ
- 3.電子 / 機械 / コンピュータ / センサ / アクチュエータ
- 4.機械 / 電子 / センサ / アクチュエータ / コンピュータ
- 5.機械 / 電子 / センサ / ネットワーク / アクチュエータ
正解:4.機械 / 電子 / センサ / アクチュエータ / コンピュータ
解説:メカトロニクス(mechatronics)という語自体が mechanics(機械)と electronics(電子)を合わせたものである。本文も「メカニズム(機構)によってつくられた従来の(ア)に,マイクロコンピュータなどの(イ)部品を組み込んで」と書いているので,(ア)が機械,(イ)が電子と決まる。 (ウ) 圧力・力・速度・加速度・温度といった物理量を計測するのはセンサ。 (エ) 電気・油圧・空気圧のエネルギーを機械的な動きに変えるのはアクチュエータ。 (オ) センサの情報を処理してアクチュエータへ指令を出す制御装置はコンピュータ。 答(4)。 センサ→コンピュータ→アクチュエータという情報の流れと,その間をつなぐインタフェース(A-D/D-A変換)という構成で覚えるとよい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 機械 問14
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問982.図は,抵抗,インダクタンス,キャパシタンスで構成されたRLC回路である。入力電圧V̇_iに対し,抵抗RとインダクタンスLを直列に通したあと,キャパシタンスCの両端から出力電圧V̇_oを取り出す。次の問に答えよ。 〔小問(a)〕 図において,入力電圧V̇_iに対する出力電圧V̇_oの伝達関数G(jω)(=V̇_o/V̇_i)を求め,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.1/(1+ω²LC+jωCR)
- 2.1/(1−ω²LC+jωCR)
- 3.√(LC)/(1+ω²LC+jωCR)
- 4.√(LC)/(1−ω²LC+jωCR)
- 5.ω²LC/(ω²LC−1−jωCR)
正解:2.1/(1−ω²LC+jωCR)
解説:出力はCの両端から取り出すので,R・L・Cの直列回路の分圧と同じ形になる。 G(jω)=Z_C/(R+jωL+Z_C),ただし Z_C=1/(jωC)。 分母・分子に jωC を掛けると G(jω)=1/(jωCR+(jω)²LC+1)=1/(1−ω²LC+jωCR)。 (jω)²=−ω² なので符号が負になる点が要点である。答(2)。 伝達関数は無次元でなければならないので,√(LC)が分子にある(3)(4)は次元が合わずその時点で消える。また ω→0 で G→1(直流ではCが開放でRとLに電圧降下が無い)にならない式も違うので,(5)も消える。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 機械 問15(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問983.図は,抵抗,インダクタンス,キャパシタンスで構成されたRLC回路である。入力電圧V̇_iに対し,抵抗RとインダクタンスLを直列に通したあと,キャパシタンスCの両端から出力電圧V̇_oを取り出す。次の問に答えよ。 〔小問(b)〕 図において,R=1 Ω,L=0.01 H,C=100 μFとした場合,(a)で求めた伝達関数を表すボード線図(ゲイン特性図)として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 (小問(a)より,伝達関数は G(jω)=1/(1−ω²LC+jωCR) である。) 選択肢は原本から切り出したゲイン特性図で示す(下の説明は補助)。

- 1.低い周波数で−20 dB程度から始まり,1 000 rad/sで約20 dBに山を作る図

- 2.低い周波数で−20 dB程度から始まり,1 000 rad/sで40 dBの鋭い山を作る図

- 3.低い周波数で−20 dB程度から始まり,300 rad/s付近(100と1 000 rad/sの中間)に約20 dBの山があって以後下がる図

- 4.低い周波数で0 dBの平らな線が続き,1 000 rad/sで約20 dBの山を作ってから急に下がる図

- 5.低い周波数で0 dBの平らな線が続き,1 000 rad/sから山を作らずに下がる図

正解:4.低い周波数で0 dBの平らな線が続き,1 000 rad/sで約20 dBの山を作ってから急に下がる図
解説:3つの点を確かめれば1つに絞れる。 【低い周波数】ω→0で G→1/1=1 なので 0 dB。低域が0 dBで平らになるのは(4)と(5)だけで,−20 dBから始まる(1)(2)(3)はここで消える。 【山の位置】分母の実部が0になるのは 1−ω²LC=0 のときで ω=1/√(LC)=1/√(0.01×100×10⁻⁶)=1/√(10⁻⁶)=1 000 rad/s。 【山の高さ】そのとき G=1/(jωCR) だから |G|=1/(1 000×100×10⁻⁶×1)=1/0.1=10 → 20 log₁₀10=20 dB。 1 000 rad/sに約20 dBの山ができるので(4)。(5)は山が無く,これは共振しない場合の形である。答(4)。 R=1 Ωが小さいために共振が鋭く出る。Rを大きくすると山は低くなり(5)の形に近づく。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 機械 問15(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 - 1.低い周波数で−20 dB程度から始まり,1 000 rad/sで約20 dBに山を作る図
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問984.図1は,IGBTを用いた単相ブリッジ接続の電圧形インバータを示す。直流電圧E_d[V]は,一定値と見なせる。出力端子には,インダクタンスL[H]で抵抗値R[Ω]の誘導性負荷が接続されている。この電圧形インバータの出力電圧v_0,出力電流i_0が図2のようになった。インバータの動作モードを図2に示す①〜④として本モードは周期T[s]で繰り返されるものとする。なお,上下スイッチの短絡を防ぐデッドタイムは考慮しない。次の問に答えよ。 〔小問(a)〕 図2に示した区間①〜④において電流が流れているデバイスの組合せとして正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 選択肢は「① / ② / ③ / ④」の順に示す。

- 1.D₂−D₃ / Q₂−Q₃ / D₁−D₄ / Q₁−Q₄
- 2.D₁−D₄ / Q₁−Q₄ / D₂−D₃ / Q₂−Q₃
- 3.Q₁−Q₄ / Q₁−Q₄ / Q₂−Q₃ / Q₂−Q₃
- 4.Q₁−D₃ / Q₁−Q₄ / Q₂−D₄ / Q₂−Q₃
- 5.Q₂−Q₃ / Q₂−Q₃ / Q₁−Q₄ / Q₁−Q₄
正解:2.D₁−D₄ / Q₁−Q₄ / D₂−D₃ / Q₂−Q₃
解説:出力電圧v_0の符号と出力電流i_0の符号を組にして読む。誘導性負荷なので電圧が切り替わっても電流はすぐには向きを変えず,その間はダイオードが電流を受け持つ。 【区間①】v_0=+E_d,i_0<0。電圧と電流の向きが逆なので,電流は負荷から電源へ戻っている。この向きに流せるのは還流ダイオードのD₁とD₄。 【区間②】v_0=+E_d,i_0>0。電圧と電流が同じ向きで電源から負荷へ電力が流れるので,Q₁とQ₄が導通する。 【区間③】v_0=−E_d,i_0>0。また向きが逆なのでD₂とD₃が受け持つ。 【区間④】v_0=−E_d,i_0<0。同じ向きなのでQ₂とQ₃が導通する。 答(2)。 「電圧と電流の符号が同じならトランジスタ,違えばダイオード」と押さえると,(3)や(5)のようにダイオードが1つも出てこない組合せは誘導性負荷ではありえないと分かる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 機械 問16(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問985.図1は,IGBTを用いた単相ブリッジ接続の電圧形インバータを示す。直流電圧E_d[V]は,一定値と見なせる。出力端子には,インダクタンスL[H]で抵抗値R[Ω]の誘導性負荷が接続されている。この電圧形インバータの出力電圧v_0,出力電流i_0が図2のようになった。インバータの動作モードを図2に示す①〜④として本モードは周期T[s]で繰り返されるものとする。なお,上下スイッチの短絡を防ぐデッドタイムは考慮しない。次の問に答えよ。 〔小問(b)〕 電源電圧E_dが100 V,インダクタンスLを2 mHとし,抵抗Rを1 Ωとすると,区間①②の電流は−I_p[A]からI_p[A]まで時定数τ[s]で増加する。τに最も近い値を次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.0.001
- 2.0.002
- 3.0.003 2
- 4.0.006 3
- 5.0.02
正解:2.0.002
解説:抵抗とインダクタンスが直列につながった回路の電流は,時定数 τ=L/R で指数関数的に変化する。数値を入れると τ=2×10⁻³/1=0.002 s。答(2)。 電源電圧E_d=100 Vは時定数には関係しない。時定数を決めるのはLとRだけで,E_dは最終的に落ち着く電流の大きさ(E_d/R)のほうに効く。 なお時定数はτ=L/RであってR/Lではない。逆にすると1/0.002=500となり選択肢に無いので気づける。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 機械 問16(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問986.【問17と問18は選択問題です。どちらか一方を選んで解答します(本試験では両方解答すると採点されません)。】 どの方向にも光度が等しい均等放射の点光源がある。この点光源の全光束は3 000 lmである。この点光源を図のように配置した。水平面から点光源までの高さは2 mであり,点光源の直下の点AとBとの距離は1.5 mである。次の問に答えよ。 〔小問(a)〕 この点光源の平均光度[cd]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.191
- 2.239
- 3.318
- 4.477
- 5.955
正解:2.239
解説:光度は,単位立体角当たりに出る光束のことである。どの方向にも光度が等しい均等放射の点光源なら,全光束Fは全立体角4π[sr]に均等に配られるので I=F/(4π)=3 000/(4×3.141 6)=3 000/12.566≒238.7≒239 cd。答(2)。 全立体角は4πであって2πでも1でもない。2πで割ると477 cd((4)),πで割ると955 cd((5))になるので,どの立体角で割るかがこの問題の分かれ目である。半球にしか光が出ない場合は2πで割るが,この問題は「どの方向にも」なので全球の4πを使う。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 機械 問17(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問987.【問17と問18は選択問題です。どちらか一方を選んで解答します(本試験では両方解答すると採点されません)。】 どの方向にも光度が等しい均等放射の点光源がある。この点光源の全光束は3 000 lmである。この点光源を図のように配置した。水平面から点光源までの高さは2 mであり,点光源の直下の点AとBとの距離は1.5 mである。次の問に答えよ。 〔小問(b)〕 水平面B点における水平面照度の値[lx]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 (小問(a)より,この点光源の平均光度は約239 cdである。)

- 1.10
- 2.24
- 3.31
- 4.61
- 5.122
正解:3.31
解説:水平面照度は,距離の逆2乗の法則に入射角の余弦を掛けた E=(I/r²)cosθ で求める(θは水平面の法線=鉛直方向と,光の入射方向とのなす角)。 点光源からB点までの距離は,高さ2 mと水平距離1.5 mの直角三角形の斜辺だから r=√(2²+1.5²)=√6.25=2.5 m。 入射角の余弦は,鉛直方向の成分を斜辺で割って cosθ=2/2.5=0.8。 したがって E=(238.7/2.5²)×0.8=(238.7/6.25)×0.8=38.19×0.8≒30.6≒31 lx。答(3)。 cosθを掛け忘れると38 lx,rを2 mや1.5 mと取り違えると別の値になる。3-4-5の直角三角形の相似(1.5:2:2.5)になっているので,cosθ=0.8,sinθ=0.6と暗算できる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 機械 問17(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問988.【問17と問18は選択問題です。どちらか一方を選んで解答します(本試験では両方解答すると採点されません)。】 30件分の使用電力量のデータ処理について,次の問に答えよ。 〔小問(a)〕 図1は,30件分の使用電力量の中から最大値と30件分の平均値を出力する一つのプログラムの流れ図を示す。図1中の(ア)〜(エ)に当てはまる処理として,正しいものを組み合わせたのは次のうちどれか。 選択肢は「(ア) / (イ) / (ウ) / (エ)」の順に示す。

- 1.t←d[1] / 0 / d[i]<s / s←d[i]
- 2.t←0 / 2 / d[i]>s / s←d[i]
- 3.t←d[1] / 2 / d[i]<s / d[i]←s
- 4.t←d[1] / 2 / d[i]>s / s←d[i]
- 5.t←0 / 0 / d[i]<s / d[i]←s
正解:4.t←d[1] / 2 / d[i]>s / s←d[i]
解説:(ア)(イ) 初期化とループの開始値は組で考える。直前に s←d[1] として最大値の候補に1件目を入れているので,合計tも1件目を入れて t←d[1] とし,ループは2件目から回すのが筋が通る。逆に t←0 とするなら i は1から回さなければならない。選択肢のうち組として矛盾がないのは (t←d[1], 2) の(3)(4)だけで,(2)は t←0 なのに i を2から回すのでd[1]が合計に入らず,(1)(5)は i の開始値が0で配列d[1]〜d[30]の範囲から外れる。 (ウ)(エ) 求めているのは最大値なので,「今の候補sより大きい値が来たら候補を入れ替える」=条件は d[i]>s,処理は s←d[i]。(3)は条件が d[i]<s(最小値を探す形)で,しかも処理が d[i]←s と配列のほうを書き換えてしまうので誤り。 答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 機械 問18(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問989.【問17と問18は選択問題です。どちらか一方を選んで解答します(本試験では両方解答すると採点されません)。】 30件分の使用電力量のデータ処理について,次の問に答えよ。 〔小問(b)〕 図2は,30件の使用電力量を大きい順(降順)に並べ替える一つのプログラムの流れ図を示す。図2中の(オ)〜(キ)に当てはまる処理として,正しいものを組み合わせたのは次のうちどれか。ただし,wは一時的な退避用の変数と考えよ。 選択肢は「(オ) / (カ) / (キ)」の順に示す。

- 1.d[i]<d[j] / d[j]←d[i] / d[j]←w
- 2.d[i]<d[j] / d[i]←d[j] / d[j]←w
- 3.d[i]<d[j] / d[j]←d[i] / d[i]←w
- 4.d[i]>d[j] / d[i]←d[j] / d[j]←w
- 5.d[i]>d[j] / d[j]←d[i] / d[i]←w
正解:2.d[i]<d[j] / d[i]←d[j] / d[j]←w
解説:(オ) 大きい順(降順)に並べるので,前のほう(添字の小さいほう)に大きい値が来ていなければならない。i<j の関係で d[i] が d[j] より小さければ順序が逆なので入れ替える。条件は d[i]<d[j]。 (カ)(キ) 2つの値の入れ替えは,退避用の変数を使って次の3段階で行う。 1. w←d[i](図2に書かれている) 2. d[i]←d[j]((カ)) 3. d[j]←w((キ)) (1)や(3)のように2段階目で d[j]←d[i] としてしまうと,d[i]の値がd[j]に上書きされて両方が同じ値になり,元のd[j]の値が失われる。退避したwを最後にどちらへ戻すかも含め,順序が決まっている。 答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 機械 問18(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問990.次の文章は,直流電動機の運転に関する記述である。 分巻電動機では始動時の過電流を防止するために始動抵抗が (ア) 回路に直列に接続されている。 直流電動機の速度制御法には界磁制御法・抵抗制御法・電圧制御法がある。静止レオナード方式は (イ) 制御法の一種であり,主に他励電動機に用いられ,広範囲の速度制御ができるという利点がある。 直流電動機の回転の向きを変えることを逆転といい,一般的には,応答が速い (ウ) 電流の向きを変える方法が用いられている。 電車が勾配を下るような場合に,電動機を発電機として運転し,電車のもつ運動エネルギーを電源に送り返す方法を (エ) 制動という。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.界磁 / 抵抗 / 界磁 / 発電
- 2.界磁 / 抵抗 / 電機子 / 発電
- 3.界磁 / 電圧 / 界磁 / 回生
- 4.電機子 / 電圧 / 電機子 / 回生
- 5.電機子 / 電圧 / 界磁 / 回生
正解:4.電機子 / 電圧 / 電機子 / 回生
解説:(ア) 始動の瞬間は回転していないので逆起電力が零で,電機子には定格の何倍もの電流が流れる。これを抑えるために始動抵抗は電機子回路に直列に入れる。界磁回路に入れても電機子電流は抑えられない。 (イ) 静止レオナード方式は,サイリスタなどの静止形の変換器で電機子に加える直流電圧を変えるもの。したがって電圧制御法の一種である。 (ウ) 逆転させるには電機子電流か界磁電流のどちらかの向きを反転させればよいが,界磁回路はインダクタンスが大きく電流の向きがすぐには変わらない。応答が速いのは電機子電流のほうである。 (エ) 電動機を発電機として働かせ,得た電力を電源へ返す制動が回生制動である。発電制動は同じく発電機として働かせるが,電力を抵抗で熱に捨てる方式で,電源に送り返さない。 電機子/電圧/電機子/回生となり答(4)。 (ウ)を界磁とすると(5)を選ぶ。界磁を反転させても逆転はできるが,時間がかかるうえ界磁を弱める過程で無励磁に近づき電機子電流が過大になる危険がある。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 機械 問1
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問991.Δ結線された三相誘導電動機がある。この電動機に対し,Δ結線の状態で拘束試験を実施したところ,下表の結果が得られた。この電動機をY結線に切り替え,220 Vの三相交流電源に接続して始動するときの始動電流の値[A]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし,磁気飽和による漏れリアクタンスの低下は無視できるものとする。

- 1.15.3
- 2.26.6
- 3.46.0
- 4.79.8
- 5.138
正解:1.15.3
解説:まず拘束試験の結果から巻線1相分のインピーダンスを出す。Δ結線では,1相分にかかる電圧は線間電圧そのままの43.0 V,1相分に流れる電流は線電流の1/√3 で 9.00/√3≒5.196 A。 したがって1相分のインピーダンスは 43.0/5.196≒8.28 Ω。 つぎにY結線で220 Vにつなぐ。Y結線では1相分にかかるのは相電圧なので 220/√3≒127.0 V, Y結線では線電流=相電流だから 127.0/8.28≒15.3 A。答(1)。 Δ結線のまま220 Vにつないだときの線電流は 9.00×(220/43.0)≒46.0 A で,これが(3)である。Y結線にするとその 1/3 になる(15.3≒46.0/3)というのが,Y-Δ始動で始動電流を1/3に抑えられる理由そのものである。(2)の26.6は46.0を√3で割った値で,1/3ではなく1/√3にしてしまった場合。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 機械 問2
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問992.次の文章は,三相巻線形誘導電動機の構造に関する記述である。 三相巻線形誘導電動機は, (ア) を作る固定子と回転する部分の巻線形回転子で構成される。 固定子は, (イ) を円形又は扇形にスロットとともに打ち抜いて,必要な枚数積み重ねて積層鉄心を構成し,その内側に設けられたスロットに巻線を納め,結線して三相巻線とすることにより作られる。 一方,巻線形回転子は,積層鉄心を構成し,その外側に設けられたスロットに巻線を納め,結線して三相巻線とすることにより作られる。始動時には高い電圧にさらされることや,大きな電流が流れることがあるので,回転子の巻線には,耐熱性や絶縁性に優れた絶縁電線が用いられる。一般的に,小出力用では,ホルマール線や (ウ) などの丸線が,大出力用では, (エ) の平角銅線が用いられる。三相巻線は,軸上に絶縁して設けた3個のスリップリングに接続し,ブラシを通して外部(静止部)の端子に接続されている。この端子に可変抵抗器を接続することにより, (オ) を改善したり,速度制御をすることができる。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.回転磁界 / 高張力鋼板 / ビニル線 / エナメル線 / 効率
- 2.回転磁界 / 電磁鋼板 / ビニル線 / エナメル線 / 始動特性
- 3.電磁力 / 電磁鋼板 / ビニル線 / エナメル線 / 効率
- 4.電磁力 / 高張力鋼板 / ポリエステル線 / ガラス巻線 / 効率
- 5.回転磁界 / 電磁鋼板 / ポリエステル線 / ガラス巻線 / 始動特性
正解:5.回転磁界 / 電磁鋼板 / ポリエステル線 / ガラス巻線 / 始動特性
解説:(ア) 三相巻線に三相交流を流すと回転磁界ができ,これが回転子に電流を誘導して回す。誘導電動機の原理そのものである。 (イ) 鉄心は渦電流損を抑えるため薄い電磁鋼板(けい素鋼板)を積み重ねて作る。高張力鋼板は構造材で磁気回路には使わない。 (ウ)(エ) 回転子巻線には耐熱性・絶縁性の高い電線が要る。小出力の丸線ではホルマール線やポリエステル線,大出力の平角銅線ではガラス巻線が使われる。ビニル線やエナメル線は耐熱性が足りない。 (オ) スリップリングを通して二次側に可変抵抗器を入れられるのが巻線形の特長で,二次抵抗を大きくすると比例推移により最大トルクの生じる滑りが大きいほうへ移る。その結果,始動時のトルクが大きくなり始動電流も抑えられる=始動特性が改善する。抵抗で熱を捨てるので効率はむしろ悪くなる。 回転磁界/電磁鋼板/ポリエステル線/ガラス巻線/始動特性となり答(5)。 (オ)を効率とするのは,二次抵抗を入れる目的を取り違えている。抵抗を挿入して良くなるのは始動特性であって効率ではない。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 機械 問3
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問993.次の文章は,三相同期発電機の並行運転に関する記述である。 ある母線に同期発電機Aを接続して運転しているとき,同じ母線に同期発電機Bを並列に接続するには,同期発電機A,Bの (ア) の大きさが等しくそれらの位相が一致していることが必要である。 (ア) の大きさを等しくするにはBの (イ) 電流を,位相を一致させるにはBの原動機の (ウ) を調整する。位相が一致しているかどうかの確認には (エ) が用いられる。 並行運転中に両発電機間で (ア) の位相が等しく大きさが異なるとき,両発電機間を (オ) 横流が循環する。これは電機子巻線の抵抗損を増加させ,巻線を加熱させる原因となる。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.起電力 / 界磁 / 極数 / 位相検定器 / 有効
- 2.起電力 / 界磁 / 回転速度 / 同期検定器 / 無効
- 3.起電力 / 電機子 / 極数 / 位相検定器 / 無効
- 4.有効電力 / 界磁 / 回転速度 / 位相検定器 / 有効
- 5.有効電力 / 電機子 / 極数 / 同期検定器 / 無効
正解:2.起電力 / 界磁 / 回転速度 / 同期検定器 / 無効
解説:(ア) 並行運転の条件は,起電力の大きさ・位相・周波数・波形が一致していること。「大きさが等しく位相が一致」と書かれているので入るのは起電力である。有効電力は並列にしたあとに分担が決まる量で,つなぐ前の条件ではない。 (イ) 起電力の大きさは磁束で決まるので,界磁電流で調整する。 (ウ) 位相(と周波数)は回転速度で決まるので,原動機の回転速度を調整する。極数は機械の構造で決まっていて運転中に変えられない。 (エ) 位相が合った瞬間を知らせる計器が同期検定器(シンクロスコープ)である。 (オ) 起電力の位相が同じで大きさだけ違うと,その差の電圧が2台の内部インピーダンス(ほぼリアクタンス)に加わる。リアクタンスに流れる電流は電圧より90°遅れるので,起電力に対しては無効分となり,無効横流が循環する。 起電力/界磁/回転速度/同期検定器/無効となり答(2)。 位相が違って大きさが同じときに流れるのは有効横流(同期化電流)で,遅れている機を進ませ進んでいる機を遅らせるように働く。どちらがずれているかで横流の種類が変わる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 機械 問4
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問994.定格出力1 500 kV·A,定格電圧3 300 Vの三相同期発電機がある。無負荷時に定格電圧となる界磁電流に対する三相短絡電流(持続短絡電流)は,310 Aであった。この同期発電機の短絡比の値として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.0.488
- 2.0.847
- 3.1.18
- 4.1.47
- 5.2.05
正解:3.1.18
解説:短絡比は「無負荷で定格電圧を出す界磁電流のときの三相短絡電流」を「定格電流」で割った値である。したがって先に定格電流を出す。 I_n=1 500×10³/(√3×3 300)≒262 A。 よって K_s=310/262≒1.18。答(3)。 三相の皮相電力は S=√3VI なので,定格電流は √3 で割って求める。ここで √3 を掛けてしまうと 1 500×10³×√3/3 300≒787 A となり,短絡比が0.39付近になって選択肢から外れる。 短絡比は同期インピーダンス(単位法)の逆数でもある。水車発電機は0.9〜1.2程度,タービン発電機は0.5〜0.7程度で,短絡比が大きいほど電機子反作用が小さく電圧変動率も小さい代わりに機械が大きくなる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 機械 問5
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問995.ステッピングモータに関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.ステッピングモータは,パルスが送られるたびに定められた角度を1ステップとして回転する。
- 2.ステッピングモータは,送られてきたパルスの周波数に比例する回転速度で回転し,入力パルスを停止すれば回転子も停止する。
- 3.ステッピングモータは,負荷に対して始動トルクが大きく,つねに入力パルスと同期して始動できるが,過大な負荷が加わると脱調・停止してしまう場合がある。
- 4.ステッピングモータには,永久磁石形,可変リラクタンス形,ハイブリッド形などがある。永久磁石を用いない可変リラクタンス形ステッピングモータでは,無通電状態でも回転子位置を保持する力が働く特徴がある。
- 5.ステッピングモータは,回転角度センサを用いなくても,1ステップごとの位置制御ができる特徴がある。プリンタやスキャナなどのコンピュータ周辺装置や,各種検査装置,製造装置など,様々な用途に利用されている。
正解:4.ステッピングモータには,永久磁石形,可変リラクタンス形,ハイブリッド形などがある。永久磁石を用いない可変リラクタンス形ステッピングモータでは,無通電状態でも回転子位置を保持する力が働く特徴がある。
解説:無通電のまま回転子の位置を保つ力(ディテントトルク)は,永久磁石と固定子の鉄心の間の磁気吸引力で生じる。可変リラクタンス形は名前のとおり永久磁石を持たず,鉄心のリラクタンス(磁気抵抗)の変化だけでトルクを出す形式なので,通電をやめると保持する力が働かない。したがって(4)が誤りで,これが答になる。 無通電でも保持力があるのは永久磁石形とハイブリッド形である。 他の記述を確かめる。(1)1パルスで決められたステップ角だけ回るのがこのモータの定義。(2)回転速度はパルス周波数に比例し,パルスを止めれば止まる。(3)始動トルクは大きいが,負荷が大きすぎるとパルスに追随できなくなり脱調する。(5)入力パルス数がそのまま回転角になるので,角度センサなしの開ループで位置決めができる。これがプリンタなどで使われる理由である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 機械 問6
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問996.電源電圧一定の下,トルク一定の負荷を負って回転している各種電動機の性質に関する記述として,正しいものと誤りのものの組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 (ア) 巻線形誘導電動機の二次抵抗を大きくすると,滑りは増加する。 (イ) 力率1.0で運転している同期電動機の界磁電流を小さくすると,電機子電流の位相は電源電圧に対し,進みとなる。 (ウ) 他励直流電動機の界磁電流を大きくすると,回転速度は上昇する。 (エ) かご形誘導電動機の電源周波数を高くすると励磁電流は増加する。
- 1.誤り / 誤り / 正しい / 正しい
- 2.正しい / 正しい / 誤り / 誤り
- 3.誤り / 正しい / 正しい / 正しい
- 4.正しい / 誤り / 誤り / 正しい
- 5.正しい / 誤り / 誤り / 誤り
正解:5.正しい / 誤り / 誤り / 誤り
解説:(ア) 正しい。巻線形誘導電動機では,トルクが同じなら二次抵抗と滑りの比 r₂/s が一定に保たれる(比例推移)。二次抵抗を大きくすれば滑りも同じ割合で大きくなる。 (イ) 誤り。同期電動機の位相特性(V曲線)では,力率1.0の点から界磁電流を増やす(過励磁)と電機子電流は進み,減らす(不足励磁)と遅れになる。小さくしたのだから遅れである。 (ウ) 誤り。他励直流電動機の回転速度は N=(V−I_a R_a)/(kΦ) で,磁束Φに反比例する。界磁電流を大きくすればΦが増えるので回転速度は低下する。界磁を弱めて速度を上げるのが弱め界磁制御である。 (エ) 誤り。電圧を一定にしたまま周波数を高くすると,磁束は Φ∝V/f で減る。励磁電流はこの磁束を作る電流なので減少する。励磁回路のインピーダンスが ωL で大きくなる,と考えても同じ結論になる。 正しい/誤り/誤り/誤りとなり答(5)。 (ア)だけが正しい,という形である。(イ)(ウ)は「増やしたらどうなるか」の向きを取り違えやすいので,それぞれ V曲線と N=(V−I_aR_a)/(kΦ) を思い出して確かめるとよい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 機械 問7
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問997.単相変圧器の一次側に電流計,電圧計及び電力計を接続して,短絡試験を行う。二次側を短絡し,一次側に定格周波数の電圧を供給し,電流計が40 Aを示すように一次側の電圧を調整したところ,電圧計は80 V,電力計は1 000 Wを示した。この変圧器の一次側からみた漏れリアクタンスの値[Ω]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 ただし,変圧器の励磁回路のインピーダンスは無視し,電流計,電圧計及び電力計は理想的な計器であるものとする。
- 1.0.63
- 2.1.38
- 3.1.90
- 4.2.00
- 5.2.10
正解:3.1.90
解説:短絡試験では二次側を短絡しているので,測っているのは巻線のインピーダンス(抵抗と漏れリアクタンスの直列)だけになる。 インピーダンスの大きさは電圧計と電流計から Z=80/40=2.00 Ω。 抵抗分は電力計から r=P/I²=1 000/40²=0.625 Ω。 漏れリアクタンスは直角三角形の残りの辺なので x=√(Z²−r²)=√(2.00²−0.625²)=√3.609≒1.90 Ω。答(3)。 (4)の2.00はインピーダンスの大きさそのもの,(1)の0.63は抵抗分である。求めるのはリアクタンスなので,二乗して引いて平方根を取る一手間が要る。 なお電力計が示す1 000 Wは巻線の銅損に相当する。無負荷試験の電力計が鉄損を示すのと対になっている。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 機械 問8
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問998.いろいろな変圧器に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.単巻変圧器は,一つの巻線の一部から端子が出ており,巻線の共通部分を分路巻線,共通でない部分を直列巻線という。三相結線にして電力系統の電圧変成などに用いられる。
- 2.単相変圧器3台をΔ−Δ結線として三相給電しているとき,故障等により1台を取り除いて残りの2台で同じ電圧のまま給電する方式をV結線方式という。V結線にすると変圧器の利用率はおよそ0.866倍に減少する。
- 3.スコット結線変圧器は,M変圧器,T変圧器と呼ばれる単相変圧器2台を用いる。M変圧器の中央タップに片端子を接続したT変圧器の途中の端子とM変圧器の両端の端子を三相電源の一次側入力端子とする。二次側端子からは位相差180度の二つの単相電源が得られる。この変圧器は,電気鉄道の給電などに用いられる。
- 4.計器用変成器は,送配電系統等の高電圧・大電流を低電圧・小電流に変成して指示計器にて計測するためなどに用いられる。このうち,計器用変圧器は,変圧比が1より大きく,定格二次電圧は一般に,110 V又は110/√3 Vに統一されている。
- 5.計器用変成器のうち,変流器は,一次巻線の巻数が少なく,1本の導体を鉄心に貫通させた貫通形と呼ばれるものがある。二次側を開放したままで一次電流を流すと一次電流が全て励磁電流となり,二次端子には高電圧が発生するので,電流計を接続するなど短絡状態で使用する必要がある。
正解:3.スコット結線変圧器は,M変圧器,T変圧器と呼ばれる単相変圧器2台を用いる。M変圧器の中央タップに片端子を接続したT変圧器の途中の端子とM変圧器の両端の端子を三相電源の一次側入力端子とする。二次側端子からは位相差180度の二つの単相電源が得られる。この変圧器は,電気鉄道の給電などに用いられる。
解説:スコット結線変圧器は,三相を二つの単相に変換する変圧器である。T変圧器はM変圧器の中央タップから立ち上げて巻数比を √3/2 にしてあり,これによって二次側に得られる二つの単相電源の位相差は90度になる。「位相差180度」とする(3)が誤りで,これが答になる。 位相差が90度だからこそ,二つの単相負荷(電気鉄道のき電区間)に振り分けたときに三相側の不平衡を小さくできる。180度では単に逆位相の同じ相であり,二相にはならない。 他の記述を確かめる。(1)単巻変圧器の分路巻線と直列巻線の説明のとおり。(2)V結線の利用率は √3/2≒0.866。(3以外の)(4)計器用変圧器(VT)の定格二次電圧は110 Vまたは110/√3 Vに統一されている。(5)変流器(CT)の二次側を開放すると鉄心が飽和して二次に高電圧が現れ危険なので,使用中は必ず短絡か計器を接続しておく。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 機械 問9
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問999.図1は直流チョッパ回路の基本構成図を示している。降圧チョッパを構成するデバイスを図2より選んで回路を構成したい。(ア)〜(ウ)に入るデバイスの組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 ただし,図2に示す図記号の向きは任意に変更できるものとする。

- 1.B / A / C
- 2.B / C / A
- 3.C / A / B
- 4.C / B / A
- 5.A / B / C
正解:4.C / B / A
解説:図2のデバイスは,Aがダイオード,Bがインダクタ(コイル),Cがトランジスタ(スイッチ)である。 降圧チョッパは,電源とインダクタの間にスイッチを置き,スイッチがオフの間もインダクタの電流を流し続けるための還流ダイオードを,スイッチとインダクタの接続点から入力側の負極へ向けて入れる構成をとる。 図1に当てはめると,電源側からいちばん近い(ア)がスイッチ=C,そこから出力コンデンサへ向かう直列の(イ)がインダクタ=B,接続点から下へ降りている(ウ)が還流ダイオード=Aとなる。 C/B/Aで答(4)。 (ア)にインダクタを置いた(1)(2)では,電源が常にコンデンサとつながったままでスイッチが無く,出力電圧を下げられない。(ア)にダイオードを置いた(5)も同じで,チョッパとして動作しない。 なお昇圧チョッパは,電源に直列なのがインダクタで,スイッチを接続点から下へ入れる。並びが入れ替わるだけなので,どちらが電源に直列かで見分けられる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 機械 問10
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問1000.かごの質量が250 kg,定格積載質量が1 500 kgのロープ式エレベータにおいて,釣合いおもりの質量は,かごの質量に定格積載質量の40 %を加えた値とした。このエレベータで,定格積載質量を搭載したかごを一定速度100 m/minで上昇させるときに用いる電動機の出力の値[kW]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし,機械効率は75 %,加減速に要する動力及びロープの質量は無視するものとする。
- 1.2.00
- 2.14.7
- 3.19.6
- 4.120
- 5.1 180
正解:3.19.6
解説:ロープ式エレベータでは,かごと釣合いおもりが滑車を挟んで綱引きをしている。電動機が持ち上げるのは両者の差だけである。 釣合いおもりの質量は 250+1 500×0.4=250+600=850 kg。 定格積載時のかご側は 250+1 500=1 750 kg。 差は 1 750−850=900 kg。 速度は 100 m/min=100/60≒1.667 m/s。 必要な機械動力は 900×9.8×1.667≒14 700 W。 機械効率75 %で割って電動機の出力は 14 700/0.75=19 600 W=19.6 kW。答(3)。 (2)の14.7は効率で割る前の値である。電動機が出す側なので,損失のぶんだけ大きくなる=効率で割る。 釣合いおもりを積載質量の40 %ぶん重くしてあるのは,満載と空かごのどちらでも差が小さくなるようにするためで,これがロープ式が省エネな理由である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 機械 問11
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問1001.次の文章は,ナトリウム−硫黄電池に関する記述である。 大規模な電力貯蔵用の二次電池として,ナトリウム−硫黄電池がある。この電池は (ア) 状態で使用されることが一般的である。 (イ) 極活性物質にナトリウム, (ウ) 極活性物質に硫黄を使用し,仕切りとなる固体電解物質には,ナトリウムイオンだけを透過する特性がある (エ) を用いている。 セル当たりの起電力は (オ) Vと低く,容量も小さいため,実際の電池では,多数のセルを直並列に接続して集合化し,モジュール電池としている。この電池は,鉛蓄電池に比べて単位質量当たりのエネルギー密度が3倍と高く,長寿命な二次電池である。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.高温 / 正 / 負 / 多孔質ポリマー / 1.2〜1.5
- 2.常温 / 正 / 負 / ベータアルミナ / 1.2〜1.5
- 3.低温 / 正 / 負 / 多孔質ポリマー / 1.2〜1.5
- 4.高温 / 負 / 正 / ベータアルミナ / 1.7〜2.1
- 5.低温 / 負 / 正 / 多孔質ポリマー / 1.7〜2.1
正解:4.高温 / 負 / 正 / ベータアルミナ / 1.7〜2.1
解説:(ア) ナトリウム−硫黄電池(NAS電池)は,ナトリウムと硫黄をどちらも溶融させて使うため,約300 ℃の高温に保って運転する。 (イ)(ウ) イオン化傾向の大きいナトリウムが電子を出す側なので負極,硫黄が電子を受け取る側なので正極である。 (エ) 仕切りにはナトリウムイオンだけを通すセラミックスであるベータアルミナを使う。多孔質ポリマーは高温に耐えられないうえ,イオンを選ぶ性質もない。 (オ) セル当たりの起電力は約2 Vで,選択肢では1.7〜2.1 Vが当てはまる。1.2〜1.5 Vはニッケル水素電池やニカド電池の値である。 高温/負/正/ベータアルミナ/1.7〜2.1となり答(4)。 (イ)(ウ)は「活性物質」という言い方に惑わされやすいが,イオン化しやすい金属のほうが負極という原則で決まる。鉛蓄電池で鉛が負極,二酸化鉛が正極なのと同じ見方でよい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 機械 問12
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問1002.文字や音声,画像などの情報を電気信号や光信号に変換してやりとりすることを電気通信といい,様々な用途や場所で利用されている。電気通信に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.通信には,通信ケーブルを伝送路として用いる有線通信と,空間を伝送路として用いる無線通信がある。通信の用途に応じて適切な方式が選択される。
- 2.電気信号に変換した情報を扱う方式として,アナログ方式とディジタル方式がある。アナログ方式は古くから使用されてきたが,ディジタル方式は,雑音(ノイズ)の影響を受けにくいことや,小型化しやすいこと,コンピュータで処理しやすいことなどから,近年では採用されることが多くなっている。
- 3.光通信の伝送路として主に用いられる光ファイバケーブルでは,入射した光信号は屈折率の異なるコアとクラッドの間で全反射しながら進んでいく。光ファイバケーブルは伝送損失が非常に少なく,無誘導のため漏話しにくいことから,長距離の伝送に適している。
- 4.無線通信に用いられる電波の伝わり方は,周波数や波長によって異なるために,通信の用途にあったものが用いられる。周波数の低い,すなわち波長の長い電波は直進性が強いために,特定の方向に向けて発信するのに適している。
- 5.データ通信における誤りの検出方法としてよく使用されるパリティチェック方式は,伝送データのビット列に対して,状態が「1」のビットの個数が奇数または偶数になるように,検査のためのビットを付け加えて送ることで,受信側で誤りを検出する方式である。
正解:4.無線通信に用いられる電波の伝わり方は,周波数や波長によって異なるために,通信の用途にあったものが用いられる。周波数の低い,すなわち波長の長い電波は直進性が強いために,特定の方向に向けて発信するのに適している。
解説:電波は波長が長いほど障害物の陰へ回り込みやすく(回折しやすく),広い範囲に届く代わりに直進性が弱い。逆に周波数が高く波長が短い電波ほど直進性が強く,パラボラアンテナなどで特定の方向へ絞って飛ばせる。「周波数の低い,すなわち波長の長い電波は直進性が強い」とする(4)は逆であり,これが答になる。 実際,長波や中波は建物の陰にも届いて遠くまで放送できるのに対し,衛星通信やレーダのように方向を絞りたい用途にはマイクロ波(周波数の高い電波)を使う。 他の記述を確かめる。(1)有線と無線の区別のとおり。(2)ディジタル方式が雑音に強いのは,波形が多少崩れても0か1かを判定し直せるため。(3)光ファイバはコア(屈折率が高い)とクラッド(低い)の境界で全反射させて光を閉じ込める。電磁誘導を受けないので漏話に強い。(5)パリティチェックの説明のとおりで,1の個数を奇数(奇数パリティ)または偶数(偶数パリティ)にそろえる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 機械 問13
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問1003.次の文章は,電子機械の構成と基礎技術に関する記述である。 ディジタルカメラや自動洗濯機など我々が日常で使う機器,ロボット,生産工場の工作機械など,多くの電子機械はメカトロニクス技術によって設計・製造され,運用されている。機械にマイクロコンピュータを取り入れるようになり,メカトロニクス技術は発展してきた。 電子機械では,外界の情報や機械内部の運動状態を各種センサにより取得する。大部分のセンサ出力は電圧または電流の信号であり時間的に連続に変化する (ア) 信号である。電気,油圧,空気圧などのエネルギーを機械的な動きに変換するアクチュエータも (ア) 信号で動作するものが多い。これらの信号はコンピュータで構成される制御装置で (イ) 信号として処理するため,信号の変換器が必要となる。 (ア) 信号から (イ) 信号への変換器を (ウ) 変換器,その逆の変換器を (エ) 変換器という。センサの出力信号は (ウ) 変換器を介してコンピュータに取り込まれ,コンピュータで生成されたアクチュエータへの指令は (エ) 変換器を介してアクチュエータに送られる。その間必要に応じて信号レベルを変換する。このような,センサやアクチュエータとコンピュータとの橋渡しの機能をもつものを (オ) という。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.ディジタル / アナログ / D-A / A-D / インタフェース
- 2.アナログ / ディジタル / A-D / D-A / インタフェース
- 3.アナログ / ディジタル / A-D / D-A / ネットワーク
- 4.ディジタル / アナログ / D-A / A-D / ネットワーク
- 5.アナログ / ディジタル / D-A / A-D / インタフェース
正解:2.アナログ / ディジタル / A-D / D-A / インタフェース
解説:(ア) 「時間的に連続に変化する」と書かれているのでアナログ信号である。 (イ) コンピュータが扱えるのは離散的な値なのでディジタル信号。 (ウ) アナログからディジタルへ変換するのだから A-D変換器。 (エ) その逆なので D-A変換器。 (オ) センサやアクチュエータとコンピュータの間をつなぐ部分をインタフェースという。ネットワークは機器どうしを結ぶ通信路のことで,橋渡しの機能そのものを指す語ではない。 アナログ/ディジタル/A-D/D-A/インタフェースとなり答(2)。 (3)との違いは(オ)だけ,(5)との違いは(ウ)(エ)の向きだけである。センサ側は「取り込む」のでA-D,アクチュエータ側は「送り出す」のでD-Aと,信号の流れる向きで決まる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 機械 問14
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1004.図は,出力信号yを入力信号xに一致させるように動作するフィードバック制御系のブロック線図である。次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 図において,K=5,T=0.1として,入力信号からフィードバック信号までの一巡伝達関数(開ループ伝達関数)を表す式を計算し,正しいものを次の(1)〜(5)から一つ選べ。

- 1.5/(1−jω0.1)
- 2.5/(1+jω0.1)
- 3.1/(6+jω0.1)
- 4.5/(6−jω0.1)
- 5.5/(6+jω0.1)
正解:2.5/(1+jω0.1)
解説:この系はループが二重になっている。まず内側から片付ける。 制御対象は 1/(jωT) に単位帰還(負)がかかっているので,内側の閉ループ伝達関数は (1/(jωT))/(1+1/(jωT))=1/(1+jωT)。 一巡伝達関数は,外側のループを1周する経路の伝達関数を掛け合わせたものである。経路は「制御器K → 内側の閉ループ → 帰還(係数1)」なので K×1/(1+jωT)=5/(1+jω×0.1)。答(2)。 内側の帰還を忘れて K×1/(jωT) としてしまうと,分母に定数項が出ず選択肢に無い形になる。逆に内側の帰還を外側と混ぜて K/(1+K/(jωT)) のように扱うと分母に6が出て(3)(4)(5)のような形になるが,これは外側の閉ループを作ってしまっている。問われているのは閉ループではなく一巡伝達関数である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 機械 問15(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1005.図は,出力信号yを入力信号xに一致させるように動作するフィードバック制御系のブロック線図である。次の問に答えよ。 〔小問(b)〕 (a)で求めた一巡伝達関数において,ωを変化させることで得られるベクトル軌跡はどのような曲線を描くか,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 (小問(a)より,一巡伝達関数は 5/(1+jω0.1) である。選択肢は原本から切り出した図で示す。)

- 1.実軸上5.0から始まり上半分(虚軸が正)の半円を描き,ω=10 rad/sで45°の位置を通る軌跡

- 2.実軸上0.83から始まり上半分の半円を描き,ω=60 rad/sで45°の位置を通る軌跡

- 3.実軸上5.0から始まり下半分(虚軸が負)の半円を描き,ω=10 rad/sで−45°の位置を通る軌跡

- 4.実軸上0.83から始まり下半分の半円を描き,ω=10 rad/sで−45°の位置を通る軌跡

- 5.実軸上0.83から始まり下半分の半円を描き,ω=60 rad/sで−45°の位置を通る軌跡

正解:3.実軸上5.0から始まり下半分(虚軸が負)の半円を描き,ω=10 rad/sで−45°の位置を通る軌跡
解説:一巡伝達関数 G=5/(1+j0.1ω) について,ωを0から∞まで動かしたときの値を3点だけ押さえれば形が決まる。 ω=0 のとき G=5/1=5。実軸上の5.0が出発点である。 ω=∞ のとき 分母が無限大になるので G→0。原点に収束する。 ω=10 のとき 分母は 1+j1 で,大きさ√2,偏角+45°。分母の偏角は分数では符号が反転するので G の偏角は −45°,大きさは 5/√2≒3.54。 分母が「1+虚数」の形なので,ωがどんな値でも偏角は必ず0°から−90°の間にある。したがって軌跡は実軸より下(虚軸が負)の半円になる。 出発点が5.0,下半分,ω=10で−45°を通る——この3つを満たすのは(3)である。答(3)。 上半分に描いた(1)(2)は,分母の虚数の符号を分子へ移すときに符号を反転させ忘れた場合。0.83から始まる(2)(4)(5)は,(a)で分母に6が出る形(5/6≒0.83)を選んでしまった場合に対応している。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 機械 問15(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 - 1.実軸上5.0から始まり上半分(虚軸が正)の半円を描き,ω=10 rad/sで45°の位置を通る軌跡
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問1006.図1は,IGBTを用いた単相ブリッジ接続の電圧形インバータを示す。直流電圧E_d[V]は,一定値と見なせる。出力端子には,インダクタンスL[H]の誘導性負荷が接続されている。 図2は,このインバータの動作波形である。時刻t=0 sでIGBT Q₃及びQ₄のゲート信号をオフにするとともにQ₁及びQ₂のゲート信号をオンにすると,出力電圧v_aはE_d[V]となる。t=T/2[s]でQ₁及びQ₂のゲート信号をオフにするとともにQ₃及びQ₄のゲート信号をオンにすると,出力電圧v_aは−E_d[V]となる。これを周期T[s]で繰り返して方形波電圧を出力する。 このとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 ただし,デバイス(IGBT及びダイオード)での電圧降下は無視するものとする。 〔小問(a)〕 t=0 sにおいてi_a=−I_p[A]とする。時刻t=T/2[s]の直前ではQ₁及びQ₂がオンしており,出力電流は直流電源からQ₁→負荷→Q₂の経路で流れている。t=T/2[s]でIGBT Q₁及びQ₂のゲート信号をオフにするとともにQ₃及びQ₄のゲート信号をオンにした。その直後(図2で,t=T/2[s]から,出力電流が0 Aになるt=t_r[s]までの期間),出力電流が流れるデバイスとして,正しい組合せを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.Q₁,Q₂
- 2.Q₃,Q₄
- 3.D₁,D₂
- 4.D₃,D₄
- 5.Q₃,Q₄,D₁,D₂
正解:4.D₃,D₄
解説:負荷はインダクタンスなので,電流の向きは瞬時には変えられない。t=T/2 の直前に流れていた向き(Q₁→負荷→Q₂の向き)が,直後もそのまま続く。 一方で電圧のほうは瞬時に反転して −E_d になる。つまり,電流の向きは前のまま,電圧は逆向き——この状態で電流が通れるのは,Q₃・Q₄と逆並列に付けられたダイオードだけである。 実際に経路を追う。電流は負荷を出て,直流電源の正極側へ戻らなければならない。Q₄と逆並列のD₄がその向きを通す。負荷へ入る側は,直流電源の負極側から供給される必要があり,Q₃と逆並列のD₃がその向きを通す。 したがって流れるのはD₃とD₄である。答(4)。 この期間,電流は電源へ向かって流れているので,インダクタンスに蓄えられていたエネルギーが電源へ返されている(回生)。電流が零になるt=t_rを過ぎると向きが反転し,そこから先はQ₃とQ₄が電流を受け持つ。 ゲート信号をオンにしたQ₃・Q₄がすぐに電流を流すと考えて(2)を選びやすいが,スイッチは向きの合った電流しか流せない。誘導性負荷のインバータで還流ダイオードが必ず付いているのはこのためである。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 機械 問16(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1007.図1は,IGBTを用いた単相ブリッジ接続の電圧形インバータを示す。直流電圧E_d[V]は,一定値と見なせる。出力端子には,インダクタンスL[H]の誘導性負荷が接続されている。 図2は,このインバータの動作波形である。時刻t=0 sでIGBT Q₃及びQ₄のゲート信号をオフにするとともにQ₁及びQ₂のゲート信号をオンにすると,出力電圧v_aはE_d[V]となる。t=T/2[s]でQ₁及びQ₂のゲート信号をオフにするとともにQ₃及びQ₄のゲート信号をオンにすると,出力電圧v_aは−E_d[V]となる。これを周期T[s]で繰り返して方形波電圧を出力する。次の問に答えよ。 ただし,デバイス(IGBT及びダイオード)での電圧降下は無視するものとする。 〔小問(b)〕 図1の回路においてE_d=100 V,L=10 mH,T=0.02 sとする。t=0 sにおける電流値を−I_pとして,t=T/2[s]における電流値をI_pとしたとき,I_pの値[A]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.33
- 2.40
- 3.50
- 4.66
- 5.100
正解:3.50
解説:0 sから T/2 までの間,負荷にかかる電圧は一定のE_d=100 Vである。負荷はインダクタンスだけなので v=L(di/dt) より di/dt=E_d/L=100/(10×10⁻³)=10 000 A/s。 電流は一定の傾きで増えていく。これが図2の電流波形が三角波になっている理由である。 経過時間は T/2=0.02/2=0.01 s なので,電流の増加量は 10 000×0.01=100 A。 この間に電流は −I_p から +I_p へ変わるので,増加量は 2I_p にあたる。 2I_p=100 より I_p=50 A。答(3)。 増加量の100 Aをそのまま答えると(5)になる。−I_pから+I_pへの変化なので,振れ幅はI_pの2倍であることに注意する。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 機械 問16(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1008.消費電力1.00 kWのヒートポンプ式電気給湯器を6時間運転して,温度20.0 ℃,体積0.370 m³の水を加熱した。ここで用いられているヒートポンプユニットの成績係数(COP)は4.5である。次の(a)及び(b)の問に答えよ。 ただし,水の比熱容量と密度は,それぞれ,4.18×10³ J/(kg·K)と1.00×10³ kg/m³とし,水の温度に関係なく一定とする。ヒートポンプ式電気給湯器の貯湯タンク,ヒートポンプユニット,配管などの加熱に必要な熱エネルギーは無視し,それらからの熱損失もないものとする。また,ヒートポンプユニットの消費電力及びCOPは,いずれも加熱の開始から終了まで一定とする。 〔小問(a)〕 このときの水の加熱に用いた熱エネルギーの値[MJ]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.21.6
- 2.48.6
- 3.72.9
- 4.81.0
- 5.97.2
正解:5.97.2
解説:まず給湯器が消費した電力量を求める。 1.00 kW×6 h=6.00 kW·h。 1 kW·h=3.6 MJ なので 6.00×3.6=21.6 MJ。 成績係数(COP)は「取り出せた熱エネルギー」÷「投入した電気エネルギー」なので,水に与えた熱は 21.6×4.5=97.2 MJ。答(5)。 (1)の21.6は投入した電気エネルギーのほうである。ヒートポンプは電気を熱に変えるのではなく,外気の熱を汲み上げて運ぶ機械なので,取り出せる熱は投入した電気よりCOP倍だけ大きくなる。ここでCOPを掛けるか割るかを取り違えると 21.6/4.5=4.8 となり,選択肢から外れる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 機械 問17(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1009.消費電力1.00 kWのヒートポンプ式電気給湯器を6時間運転して,温度20.0 ℃,体積0.370 m³の水を加熱した。ここで用いられているヒートポンプユニットの成績係数(COP)は4.5である。次の問に答えよ。 ただし,水の比熱容量と密度は,それぞれ,4.18×10³ J/(kg·K)と1.00×10³ kg/m³とし,水の温度に関係なく一定とする。ヒートポンプ式電気給湯器の貯湯タンク,ヒートポンプユニット,配管などの加熱に必要な熱エネルギーは無視し,それらからの熱損失もないものとする。また,ヒートポンプユニットの消費電力及びCOPは,いずれも加熱の開始から終了まで一定とする。 〔小問(b)〕 加熱後の水の温度[℃]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 (小問(a)より,水の加熱に用いた熱エネルギーは97.2 MJである。)
- 1.34.0
- 2.51.4
- 3.67.1
- 4.72.4
- 5.82.8
正解:5.82.8
解説:水の質量は体積と密度から 0.370×1.00×10³=370 kg。 熱量と温度上昇の関係は Q=mcΔT なので ΔT=Q/(mc)=97.2×10⁶/(370×4.18×10³)=97.2×10⁶/(1.5466×10⁶)≒62.8 K。 加熱前が20.0 ℃だったので,加熱後は 20.0+62.8=82.8 ℃。答(5)。 最後に初めの温度を足し忘れると62.8となり,どの選択肢にも一致しない。求められているのは上昇分ではなく加熱後の温度である。 なお比熱容量の単位が J/(kg·K) なので,質量は kg,熱量は J にそろえてから割る。MJ のまま割ると10⁶倍ずれる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 機械 問17(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1010.以下の論理回路について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 図1に示す論理回路の真理値表として,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 (選択肢は原本から切り出した真理値表で示す。)

- 1.A=0,B=0でS₁=0,C₁=0/A=0,B=1でS₁=0,C₁=0/A=1,B=0でS₁=0,C₁=0/A=1,B=1でS₁=0,C₁=1

- 2.A=0,B=0でS₁=0,C₁=1/A=0,B=1でS₁=0,C₁=0/A=1,B=0でS₁=0,C₁=0/A=1,B=1でS₁=0,C₁=1

- 3.A=0,B=0でS₁=0,C₁=0/A=0,B=1でS₁=1,C₁=0/A=1,B=0でS₁=0,C₁=0/A=1,B=1でS₁=0,C₁=1

- 4.A=0,B=0でS₁=0,C₁=1/A=0,B=1でS₁=0,C₁=0/A=1,B=0でS₁=1,C₁=0/A=1,B=1でS₁=0,C₁=1

- 5.A=0,B=0でS₁=0,C₁=0/A=0,B=1でS₁=1,C₁=0/A=1,B=0でS₁=1,C₁=0/A=1,B=1でS₁=0,C₁=1

正解:5.A=0,B=0でS₁=0,C₁=0/A=0,B=1でS₁=1,C₁=0/A=1,B=0でS₁=1,C₁=0/A=1,B=1でS₁=0,C₁=1
解説:図1はNANDだけで組んだ回路である。順にたどる。 まず入力AとBを受けるNANDの出力を P とすると P=NAND(A,B)。 つぎの2つのNANDは,それぞれ NAND(A,P) と NAND(B,P) を出す。この2つをさらにNANDで受けたものがS₁で,整理すると S₁=A⊕B(排他的論理和)になる。 一方C₁は,Pを入力を短絡したNAND(すなわちインバータ)に通したもので C₁=NOT(P)=A·B(論理積)である。 したがって真理値表は A=0,B=0 → S₁=0,C₁=0 A=0,B=1 → S₁=1,C₁=0 A=1,B=0 → S₁=1,C₁=0 A=1,B=1 → S₁=0,C₁=1 となり答(5)。 これは1桁の2進加算を行う半加算器で,S₁が和,C₁が桁上げにあたる。0+1=1,1+1=10 という結果と一致していることを確かめられる。 S₁の列がすべて0の(1)(2)や,どちらか一方だけ1の(3)(4)は,排他的論理和になっていないので消せる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 機械 問18(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 - 1.A=0,B=0でS₁=0,C₁=0/A=0,B=1でS₁=0,C₁=0/A=1,B=0でS₁=0,C₁=0/A=1,B=1でS₁=0,C₁=1
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問1011.以下の論理回路について,次の問に答えよ。 〔小問(b)〕 図1に示す論理回路を2組用いて図2に示すように接続して構成したとき,A,B及びC₀の入力に対する出力S₂及びC₂の記述として,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 (小問(a)より,図1の回路は半加算器で,S₁=A⊕B,C₁=A·B である。)

- 1.A=0,B=0,C₀=0を入力したときの出力は,S₂=0,C₂=1である。
- 2.A=0,B=1,C₀=0を入力したときの出力は,S₂=1,C₂=0である。
- 3.A=1,B=0,C₀=0を入力したときの出力は,S₂=0,C₂=1である。
- 4.A=1,B=0,C₀=1を入力したときの出力は,S₂=1,C₂=0である。
- 5.A=1,B=1,C₀=1を入力したときの出力は,S₂=0,C₂=1である。
正解:2.A=0,B=1,C₀=0を入力したときの出力は,S₂=1,C₂=0である。
解説:図2は半加算器を2組つなぎ,最後に2つの桁上げをまとめた全加算器である。1組目でAとBを足してS₁とC₁を作り,2組目でS₁とC₀を足してS₂と2つ目の桁上げを作る。最後のNAND2段は論理和として働き,2つの桁上げのどちらかが1ならC₂=1になる。 したがって出力は S₂=A⊕B⊕C₀,C₂=A,B,C₀のうち1が2個以上あれば1, すなわち A+B+C₀ を2桁の2進数で表したものになる。 各選択肢を確かめる。 (1) 0+0+0=0 なのでS₂=0,C₂=0。C₂=1としているので誤り。 (2) 0+1+0=1 なのでS₂=1,C₂=0。記述と一致するので正しい。 (3) 1+0+0=1 なのでS₂=1,C₂=0。記述と逆で誤り。 (4) 1+0+1=2=2進数で10 なのでS₂=0,C₂=1。記述と逆で誤り。 (5) 1+1+1=3=2進数で11 なのでS₂=1,C₂=1。S₂を0としているので誤り。 答(2)。 全加算器は「入力3つの1の個数を数え,その個数を2進2桁で出す回路」と見ると速い。1の個数が奇数ならS₂=1,2個以上ならC₂=1である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 機械 問18(b)
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問1012.次の文章は,直流電動機に関する記述である。ただし,鉄心の磁気飽和,電機子反作用,電機子抵抗やブラシの接触による電圧降下は無視できるものとする。 分巻電動機と直巻電動機はいずれも界磁電流を電機子と同一の電源から供給できる電動機である。分巻電動機において端子電圧と界磁抵抗を一定にすれば,負荷電流が増加したとき界磁磁束は (ア) ,トルクは負荷電流に (イ) する。直巻電動機においては負荷電流が増加したとき界磁磁束は (ウ) ,トルクは負荷電流の (エ) に比例する。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.一定で / 比例 / 増加し / 2乗
- 2.一定で / 反比例 / 一定で / 1乗
- 3.一定で / 比例 / 一定で / 2乗
- 4.増加し / 反比例 / 減少し / 1乗
- 5.増加し / 反比例 / 増加し / 2乗
正解:1.一定で / 比例 / 増加し / 2乗
解説:直流電動機のトルクは T=kΦI_a で,磁束Φと電機子電流I_aの積に比例する。分巻と直巻で違うのは,磁束が負荷電流とどう結びついているかだけである。 分巻電動機では界磁巻線が電機子と並列につながっている。端子電圧と界磁抵抗が一定なら界磁電流も一定なので,界磁磁束は負荷電流によらず一定である(ア)。したがって T=kΦI_a のΦが定数となり,トルクは負荷電流に比例する(イ)。 直巻電動機では界磁巻線が電機子と直列につながっているので,界磁電流はそのまま負荷電流に等しい。磁気飽和を無視するという条件があるので,磁束は負荷電流に比例して増加する(ウ)。したがって T=kΦI_a のΦもI_aに比例し,トルクは負荷電流の2乗に比例する(エ)。 一定で/比例/増加し/2乗となり答(1)。 直巻電動機の始動トルクが大きく,電車やクレーンに使われてきたのは,このトルクが電流の2乗で効くという性質による。ただし無負荷になると磁束が小さくなって回転速度が跳ね上がる(無負荷では危険なので直結する)という裏返しの性質も同じ式から出てくる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 機械 問1
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問1013.ある直流分巻電動機を端子電圧220 V,電機子電流100 Aで運転したときの出力が18.5 kWであった。 この電動機の端子電圧と界磁抵抗とを調節して,端子電圧200 V,電機子電流110 A,回転速度720 min⁻¹で運転する。このときの電動機の発生トルクの値[N·m]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 ただし,ブラシの接触による電圧降下及び電機子反作用は無視でき,電機子抵抗の値は上記の二つの運転において等しく,一定であるものとする。
- 1.212
- 2.236
- 3.245
- 4.260
- 5.270
正解:2.236
解説:まず1回目の運転から電機子抵抗を割り出す。出力18.5 kWは電機子が発生する機械的動力 E I_a に等しいので,逆起電力は E₁=18 500/100=185 V。 端子電圧との差が電機子抵抗での電圧降下だから 220−185=35 V=100×R_a より R_a=0.35 Ω。 つぎに2回目の運転を見る。 E₂=200−110×0.35=200−38.5=161.5 V。 発生する機械的動力は P=E₂I_a=161.5×110≒17 765 W。 回転速度720 min⁻¹ を角速度に直すと ω=2π×720/60=75.4 rad/s。 トルクは動力を角速度で割って T=17 765/75.4≒236 N·m。答(2)。 1回目の運転は電機子抵抗を求めるためだけに使う。回転速度も磁束も違うので,1回目のトルクを比で持ち込むことはできない。 回転速度を rad/s に直さずに 17 765/720≒24.7 としてしまうと,単位が合わないまま小さすぎる値になる。min⁻¹ は1分あたりの回転数なので,60で割って2πを掛ける。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 機械 問2
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問1014.一定電圧,一定周波数の電源で運転される三相誘導電動機の特性に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.かご形誘導電動機では,回転子の導体に用いる棒の材料を銅から銅合金に変更すれば,等価回路の二次抵抗の値が増大するので,定格負荷時の効率が低下する。
- 2.巻線形誘導電動機では,トルクの比例推移により,二次抵抗の値を大きくすると,最大トルク(停動トルク)を発生する滑りが小さくなり,始動特性が良くなる。
- 3.巻線形誘導電動機では,外部の可変抵抗器で二次抵抗値を変化させ,大きな始動トルクと定格負荷時高効率の両方を実現することができる。
- 4.二重かご形誘導電動機では,始動時に回転子スロット入口に近い断面積が小さい高抵抗の導体に,定格負荷時には回転子内部の断面積が大きい低抵抗の導体に主要な二次電流を流し,大きな始動トルクと定格負荷時高効率の両方を実現することができる。
- 5.深溝かご形誘導電動機では,幅が狭い平たい二次導体の表皮効果による抵抗値の変化を利用し,大きな始動トルクと定格負荷時高効率の両方を実現することができる。
正解:2.巻線形誘導電動機では,トルクの比例推移により,二次抵抗の値を大きくすると,最大トルク(停動トルク)を発生する滑りが小さくなり,始動特性が良くなる。
解説:比例推移は,二次抵抗r₂と滑りsの比 r₂/s が同じならトルクも同じになる,という性質である。したがって二次抵抗を大きくすると,最大トルクを生じる滑りは同じ割合だけ大きくなる。「小さくなり」とする(2)が誤りで,これが答になる。 始動特性が良くなる,という結論のほうは正しい。滑りが1(停止状態)に近いところへ最大トルクが移ってくるので,始動時に大きなトルクが出せるようになる。誤っているのは滑りが動く向きだけである。 他の記述を確かめる。(1)銅合金は銅より抵抗率が高いので二次抵抗が増え,定格負荷時の二次銅損が増えて効率は下がる。(3)巻線形なら外部抵抗を始動時だけ大きくし,運転時に小さくできるので,始動トルクと効率を両立できる。(4)(5)かご形では外から抵抗を変えられないので,導体の形で「始動時は高抵抗・運転時は低抵抗」を自動的に実現する。二重かご形は断面積の違う二層の導体で,深溝かご形は深い溝に入れた平たい導体の表皮効果で,どちらも同じ狙いである。 (1)と(3)〜(5)はいずれも「二次抵抗をどう扱うか」という一つの話でつながっている。二次抵抗は大きいほど始動に有利で,小さいほど運転時の効率に有利,という取引がこの問題の背景にある。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 機械 問3
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1015.次の文章は,誘導電動機の分類における,固定子と回転子に関する事項に関する記述である。 a. 固定子の分類 三相交流を三相巻線に流すと (ア) 磁界が発生する。この磁界で運転される誘導電動機を三相誘導電動機という。一方,単相交流では (イ) 磁界が発生する。この (イ) 磁界は,正逆両方向の (ア) 磁界が合成されたものと説明される。したがって,コンデンサ始動形単相誘導電動機では,コンデンサで位相を進めた電流を始動巻線に短時間流すことによって始動トルクの発生と回転方向の決定が行われる。 b. 回転子の分類 巻線形誘導電動機では,回転子溝に巻線を納め,その巻線を (ウ) とブラシを介して外部抵抗回路に接続し, (エ) 電流を変化させて特性制御を行う。かご形誘導電動機では,回転子溝に導体棒を納め, (オ) に導体棒を接続する。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.回転 / 交番 / スリップリング / 二次 / 端絡環
- 2.交番 / 回転 / 整流子 / 二次 / 継鉄
- 3.交番 / 回転 / スリップリング / 一次 / 継鉄
- 4.回転 / 交番 / 整流子 / 一次 / 端絡環
- 5.交番 / 固定 / スリップリング / 二次 / 継鉄
正解:1.回転 / 交番 / スリップリング / 二次 / 端絡環
解説:(ア)(イ) 三相巻線に三相交流を流すと,大きさが一定で向きだけが回る回転磁界ができる。単相では向きが変わらず大きさだけが増減する交番磁界になる。交番磁界は,逆向きに回る二つの回転磁界の和として書けるので,設問の「正逆両方向の(ア)磁界が合成されたもの」という説明ともつながる。 (ウ) 巻線形の回転子巻線を外へ引き出すのはスリップリングである。整流子は直流機で電流の向きを切り替えるためのもので,役割が違う。 (エ) 外部抵抗で変えるのは回転子側の電流,すなわち二次電流である。 (オ) かご形の導体棒は,両端で端絡環(エンドリング)につながれて閉回路になる。継鉄は磁路をつくる鉄の部分で,導体をつなぐものではない。 回転/交番/スリップリング/二次/端絡環となり答(1)。 交番磁界だけでは始動トルクが出ない(正逆のトルクが釣り合う)ため,単相機ではコンデンサで位相をずらした電流を別の巻線に流して回る向きを決める。設問のコンデンサ始動形の説明はそのための仕掛けである。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 機械 問4
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1016.次の文章は,三相同期電動機に関する記述である。 三相同期電動機が負荷を担って回転しているとき,回転子磁極の位置と,固定子の三相巻線によって生じる回転磁界の位置との間には,トルクに応じた角度δ[rad]が発生する。この角度δを (ア) という。 回転子が円筒形で2極の三相同期電動機の場合,トルクT[N·m]はδが (イ) [rad]のときに最大値になる。さらにδが大きくなると,トルクは減少して電動機は停止する。同期電動機が停止しない最大トルクを (ウ) という。 また,同期電動機の負荷が急変すると,δが変化し,新たなδ'に落ち着こうとするが,回転子の慣性のために,δ'を中心として周期的に変動する。これを (エ) といい,電源の電圧や周波数が変動した場合にも生じる。 (エ) を抑制するには,始動巻線も兼ねる (オ) を設けたり,はずみ車を取り付けたりする。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.負荷角 / π / 脱出トルク / 乱調 / 界磁巻線
- 2.力率角 / π / 制動トルク / 同期外れ / 界磁巻線
- 3.負荷角 / π/2 / 脱出トルク / 乱調 / 界磁巻線
- 4.力率角 / π/2 / 制動トルク / 同期外れ / 制動巻線
- 5.負荷角 / π/2 / 脱出トルク / 乱調 / 制動巻線
正解:5.負荷角 / π/2 / 脱出トルク / 乱調 / 制動巻線
解説:(ア) 回転子磁極と回転磁界のずれの角度は負荷角(δ)と呼ばれる。力率角は電圧と電流の位相差のことで,別の角度である。 (イ) 円筒形の同期機のトルクは T∝sinδ で表される。sinδ が最大になるのは δ=π/2 のときで,このとき最大トルクとなる。π ではトルクは零に戻ってしまう。 (ウ) この最大トルクを超えると同期を保てなくなるので,脱出トルク(脱出トルク=停動トルク)という。 (エ) 負荷角がδ'のまわりで振動する現象が乱調(ハンチング)である。同期外れは振動ではなく,同期を失って止まってしまう状態を指す。 (オ) 乱調を抑えるのは制動巻線である。回転子の表面に入れた棒で,回転磁界に対して回転子がずれると誘導電流が流れて制動力を生む。かご形と同じ働きをするので,始動巻線も兼ねられる。 負荷角/π/2/脱出トルク/乱調/制動巻線となり答(5)。 (オ)を界磁巻線とすると(3)を選ぶが,界磁巻線は磁極を作るためのもので,振動を抑える働きはない。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 機械 問5
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1017.定格出力3 000 kV·A,定格電圧6 000 Vの星形結線三相同期発電機の同期インピーダンスが6.90 Ωのとき,百分率同期インピーダンス[%]はいくらか,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.19.2
- 2.28.8
- 3.33.2
- 4.57.5
- 5.99.6
正解:4.57.5
解説:百分率同期インピーダンスは,定格電流を流したときの同期インピーダンスでの電圧降下が,1相分の定格電圧(相電圧)に対して何%かという値である。 定格電流は I_n=3 000×10³/(√3×6 000)≒288.7 A。 星形結線なので1相分の電圧は相電圧で E_n=6 000/√3≒3 464 V。 したがって %Z=Z I_n/E_n×100=6.90×288.7/3 464×100≒57.5 %。答(4)。 三相ならまとめて %Z=PZ/V²×100 と書ける。実際 3 000×10³×6.90/6 000²×100=57.5 % で同じ値になる。√3 が二度出てきて打ち消し合うので,こちらのほうが計算間違いが少ない。 相電圧ではなく線間電圧6 000 Vで割ると 6.90×288.7/6 000×100≒33.2 % となり(3)を選ぶ。星形結線では1相にかかるのは線間電圧の 1/√3 である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 機械 問6
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1018.電源の電圧や周波数が一定の条件下,各種電動機では,始動電流を抑制するための種々の工夫がされている。 a. 直流分巻電動機 電機子回路に (ア) 抵抗を接続して電源電圧を加え始動電流を制限する。回転速度が上昇するに従って抵抗値を減少させる。 b. 三相かご形誘導電動機 (イ) 結線の一次巻線を (ウ) 結線に接続を変えて電源電圧を加え始動電流を制限する。回転速度が上昇すると (イ) 結線に戻す。 c. 三相巻線形誘導電動機 (エ) 回路に抵抗を接続して電源電圧を加え始動電流を制限する。回転速度が上昇するに従って抵抗値を減少させる。 d. 三相同期電動機 無負荷で始動電動機(誘導電動機や直流電動機)を用いて同期速度付近まで加速する。次に,界磁を励磁して (オ) 発電機として,三相電源との並列運転状態を実現する。そののち,始動用電動機の電源を遮断して同期電動機として運転する。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.直列 / Δ / Y / 二次 / 同期
- 2.並列 / Y / Δ / 一次 / 誘導
- 3.直列 / Y / Δ / 二次 / 誘導
- 4.並列 / Y / Δ / 一次 / 同期
- 5.直列 / Δ / Y / 二次 / 誘導
正解:1.直列 / Δ / Y / 二次 / 同期
解説:(ア) 電流を制限したいのだから,抵抗は電機子と直列に入れる。並列に入れても電機子に流れる電流は減らない。 (イ)(ウ) Y-Δ始動である。運転時はΔ結線の電動機を,始動のあいだだけY結線につなぎ替える。Y結線にすると1相にかかる電圧が線間電圧の1/√3になり,始動電流はΔのときの1/3に下がる。速度が上がったらΔに戻して本来の性能で運転する。 (エ) 巻線形はスリップリングを通して二次回路(回転子側)に抵抗を入れられる。ここが巻線形の特長で,一次側に入れるのでは電圧まで下がってトルクも落ちてしまう。 (オ) 界磁を励磁して電源と並列運転にする状態は,同期発電機の並行運転そのものである。誘導発電機では界磁を励磁するという操作が出てこない。 直列/Δ/Y/二次/同期となり答(1)。 (イ)(ウ)は「Δで運転する機械をYで始動する」と覚える。設問の最後に「回転速度が上昇すると(イ)結線に戻す」とあるので,(イ)が運転時の結線=Δだと文からも決まる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 機械 問7
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1019.ブラシレスDCモータに関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.ブラシレスDCモータは,固定子巻線に流れる電流と,回転子に取り付けられた永久磁石によってトルクを発生させる構造となっている。
- 2.ブラシレスDCモータは,回転子の位置により通電する巻線を切り換える必要があるため,ホール素子などのセンサによって回転子の位置を検出している。
- 3.ブラシ付きの直流モータに比べ,ブラシと整流子による機械的接触部分がないため,火花による電気雑音は低減し,モータの寿命は長くなる。
- 4.ブラシ付きの直流モータに比べ,位置センサの信号処理や,駆動用の制御回路が必要となり,モータの駆動に必要な周辺回路が複雑になる。
- 5.ブラシレスDCモータは効率がよくないため,エアコンや冷蔵庫のような省エネ性能が求められる大型の家電製品には利用されていない。
正解:5.ブラシレスDCモータは効率がよくないため,エアコンや冷蔵庫のような省エネ性能が求められる大型の家電製品には利用されていない。
解説:ブラシレスDCモータは,ブラシと整流子での摩擦損や接触抵抗による損失が無く,回転子に永久磁石を使うので二次側で電流を流す必要もない。したがって効率は高い。実際にエアコンのコンプレッサや送風機,冷蔵庫,洗濯機など,省エネ性能が求められる家電に広く使われている。「効率がよくないため利用されていない」とする(5)が誤りで,これが答になる。 他の記述を確かめる。(1)固定子の巻線電流と回転子の永久磁石でトルクを作る,というのが基本構造。(2)ブラシと整流子の代わりに,ホール素子などで回転子の位置を検出して通電する巻線を電子的に切り替える。(3)機械的な接触部分が無いので火花が出ず,電気雑音が少なく寿命も長い。(4)そのかわり位置検出とインバータ制御の回路が要るので,周辺回路は複雑になる。 (3)(4)は表と裏の関係にある。ブラシを無くしたぶんの利点と,それを電子回路で肩代わりする代償が,そのまま並べて書かれている。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 機械 問8
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1020.定格容量500 kV·Aの三相変圧器がある。負荷力率が1.0のときの全負荷銅損が6 kWであった。このときの電圧変動率の値[%]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし,鉄損及び励磁電流は小さく無視できるものとし,簡単のために用いられる電圧変動率の近似式を利用して解答すること。
- 1.0.7
- 2.1.0
- 3.1.2
- 4.2.5
- 5.3.6
正解:3.1.2
解説:電圧変動率の近似式は ε≒p cosθ+q sinθ で,pは百分率抵抗降下,qは百分率リアクタンス降下である。 負荷力率が1.0なので cosθ=1,sinθ=0 となり,リアクタンス分は効かない。したがって ε≒p。 百分率抵抗降下は,定格電流を流したときの巻線抵抗での損失(=全負荷銅損)が定格容量の何%かという値なので p=6/500×100=1.2 %。 したがって ε≒1.2 %。答(3)。 力率が1.0のときだけこの単純な形になる。たとえば力率0.8(遅れ)なら sinθ=0.6 なので q の値も要り,qが分からなければ答は出せない。この問題が「力率1.0」と断っているのは,qを与えずに解けるようにするためである。 全負荷銅損の6 kWをそのまま百分率にすればよく,√3や相数を持ち込む必要はない。定格容量も銅損も三相ぶんの値どうしなので,比を取る時点で打ち消し合う。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 機械 問9
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1021.図は昇降圧チョッパを示している。スイッチQ,ダイオードD,リアクトルL,コンデンサCを用いて,図のような向きに定めた負荷抵抗Rの電圧v₀を制御するためのものである。これらの回路で,直流電源Eの電圧は一定とする。また,回路の時定数は,スイッチQの動作周期に対して十分に大きいものとする。回路のスイッチQの通流率γとした場合,回路の定常状態での動作に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.Qがオンのときは,電源EからのエネルギーがLに蓄えられる。
- 2.Qがオフのときは,Lに蓄えられたエネルギーが負荷抵抗RとコンデンサCにDを通して放出される。
- 3.出力電圧v₀の平均値は,γが0.5より小さいときは昇圧チョッパ,0.5より大きいときは降圧チョッパとして動作する。
- 4.出力電圧v₀の平均値は,図のv₀の向きを考慮すると正になる。
- 5.Lの電圧v_Lの平均電圧は,Qのスイッチング一周期で0となる。
正解:3.出力電圧v₀の平均値は,γが0.5より小さいときは昇圧チョッパ,0.5より大きいときは降圧チョッパとして動作する。
解説:昇降圧チョッパの出力電圧の大きさは,通流率γを使って |v₀|=E×γ/(1−γ) と表される。この比 γ/(1−γ) が1になるのが γ=0.5 のときで, γ<0.5 なら γ/(1−γ)<1 で降圧, γ>0.5 なら γ/(1−γ)>1 で昇圧 となる。(3)はこれが逆になっているので誤りで,これが答になる。 他の記述を確かめる。(1)Qがオンの間は電源からLへ電流が流れ,磁気エネルギーが蓄えられる。このときDは逆バイアスで導通しない。(2)Qがオフになるとその電流の行き場がDを通る経路しかなくなり,Lに蓄えられたエネルギーがCとRへ放出される。(4)昇降圧チョッパは入力と逆極性の電圧が出るのが特徴で,図のv₀は最初からその向きに定めてあるので平均値は正になる。(5)定常状態ではLの電流が一周期で元に戻るので,v_L=L(di/dt) を一周期積分した値は零,すなわち平均電圧は零である。 γ=0.5 が昇圧と降圧の境目になる,というのが昇降圧チョッパの唯一の目印である。降圧チョッパなら |v₀|=γE で常に降圧,昇圧チョッパなら |v₀|=E/(1−γ) で常に昇圧なので,この境目は出てこない。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 機械 問11
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問1022.次の文章は,鉛蓄電池に関する記述である。 鉛蓄電池は,正極と負極の両極に (ア) を用いる。希硫酸を電解液として初充電すると,正極に (イ) ,負極に (ウ) ができる。これを放電すると,両極とももとの (ア) に戻る。 放電すると水ができ,電解液の濃度が下がり,両極間の電圧が低下する。そこで,充電により電圧を回復させる。過充電を行うと電解液中の水が電気分解して,正極から (エ) ,負極から (オ) が発生する。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.鉛 / 硫酸鉛 / 二酸化鉛 / 水素ガス / 酸素ガス
- 2.鉛 / 二酸化鉛 / 硫酸鉛 / 水素ガス / 酸素ガス
- 3.硫酸鉛 / 鉛 / 二酸化鉛 / 水素ガス / 酸素ガス
- 4.硫酸鉛 / 二酸化鉛 / 鉛 / 酸素ガス / 水素ガス
- 5.二酸化鉛 / 硫酸鉛 / 鉛 / 酸素ガス / 水素ガス
正解:4.硫酸鉛 / 二酸化鉛 / 鉛 / 酸素ガス / 水素ガス
解説:(ア)(イ)(ウ) 鉛蓄電池は,放電しきった状態では正極も負極も硫酸鉛になっている。ここから充電すると,正極が二酸化鉛に,負極が鉛に変わる。設問は「両極に(ア)を用い,初充電すると正極に(イ),負極に(ウ)ができる」「放電すると両極とももとの(ア)に戻る」と書いているので,(ア)が放電状態の硫酸鉛,(イ)(ウ)が充電状態の二酸化鉛と鉛である。 (エ)(オ) 過充電になると,電極の反応が終わったあとの電流が水の電気分解に使われる。電気分解では陽極(正極)に酸素,陰極(負極)に水素が出る。したがって正極から酸素ガス,負極から水素ガスである。 硫酸鉛/二酸化鉛/鉛/酸素ガス/水素ガスとなり答(4)。 (エ)(オ)を逆にしている選択肢が多いが,水の電気分解で水素が2倍出るのは陰極側,と中学理科で習う関係がそのまま使える。鉛蓄電池では陰極が負極にあたる。 なお放電すると水ができて電解液(希硫酸)の濃度が下がるので,比重を測れば充電状態が分かる。これが鉛蓄電池で比重計を使う理由である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 機械 問12
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問1023.次の文章は,図に示す抵抗R,並びにキャパシタCで構成された一次遅れ要素に関する記述である。 図の回路において,入力電圧に対する出力電圧を,一次遅れ要素の周波数伝達関数として表したとき,折れ点角周波数ω_cは (ア) rad/s である。ゲイン特性は,ω_cよりも十分低い角周波数ではほぼ一定の (イ) dB であり,ω_cよりも十分高い角周波数では,角周波数が10倍になるごとに (ウ) dB 減少する直線となる。また,位相特性は,ω_cよりも十分高い角周波数でほぼ一定の (エ) °の遅れとなる。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.100 / 20 / 10 / 45
- 2.100 / 0 / 20 / 90
- 3.100 / 0 / 20 / 45
- 4.0.01 / 0 / 10 / 90
- 5.0.01 / 20 / 20 / 45
正解:2.100 / 0 / 20 / 90
解説:この回路の周波数伝達関数は G(jω)=1/(1+jωCR) で,時定数は T=CR=0.001×10=0.01 s である。 (ア) 折れ点角周波数は時定数の逆数なので ω_c=1/(CR)=1/0.01=100 rad/s。 (イ) ω_cより十分低いところでは分母がほぼ1,すなわち |G|≒1 である。デシベルでは 20log₁₀1=0 dB。 (ウ) ω_cより十分高いところでは |G|≒1/(ωCR) となり,ωに反比例する。角周波数が10倍になると大きさは1/10になるので,20log₁₀(1/10)=−20 dB。すなわち10倍ごとに20 dB減少する。 (エ) 位相は −tan⁻¹(ωCR) で,ωが十分大きいと −90°に近づく。したがって90°の遅れ。 100/0/20/90となり答(2)。 (エ)を45としている選択肢があるが,45°の遅れになるのは ω=ω_c のちょうど折れ点のところである。設問は「十分高い角周波数で」と断っているので90°になる。 ゲインが0 dB というのは倍率1のことである。20 dBと書いている選択肢は倍率10を意味し,抵抗とコンデンサだけの回路で入力より大きな出力が出ることになってしまう。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 機械 問13
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問1024.定格容量が10 kV·Aで,全負荷における銅損と鉄損の比が2:1の単相変圧器がある。力率1.0の全負荷における効率が97 %であるとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。ただし,定格容量とは出力側で見る値であり,鉄損と銅損以外の損失は全て無視するものとする。 〔小問(a)〕 全負荷における銅損は何[W]になるか,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.357
- 2.206
- 3.200
- 4.119
- 5.115
正解:2.206
解説:力率1.0の全負荷なので,出力は P=10 kV·A×1.0=10 000 W。 効率は 出力/(出力+損失) なので,損失を W とおくと 0.97=10 000/(10 000+W)。 これを解いて 10 000+W=10 000/0.97≒10 309 W, W≒309 W。 銅損と鉄損の比が2:1なので,銅損は損失全体の2/3である。 309×2/3≒206 W。答(2)。 (3)の200は 10 000×0.03×2/3 のように,損失を「出力の3 %」として計算した場合の値である。効率は 出力/入力 なので,損失は出力の3 %ではなく入力の3 %にあたる。分母が10 000ではなく10 309になる,というわずかな違いがここに出る。 残りの1/3が鉄損で 309×1/3≒103 Wである。小問(b)はこの鉄損を使うので,ここで銅損と鉄損の両方を出しておくとよい。 手順は「まず損失の合計を出し,そのあと2:1に分ける」の順で固定する。先に比を使って分けようとすると,何を分けているのかが分からなくなる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 機械 問15(a)
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問1025.定格容量が10 kV·Aで,全負荷における銅損と鉄損の比が2:1の単相変圧器がある。力率1.0の全負荷における効率が97 %である。次の問に答えよ。ただし,定格容量とは出力側で見る値であり,鉄損と銅損以外の損失は全て無視するものとする。 〔小問(b)〕 負荷の電圧と力率が一定のまま負荷を変化させた。このとき,変圧器の効率が最大となる負荷は全負荷の何[%]か,最も近いものを(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 (小問(a)より,全負荷における銅損は約206 W,鉄損は約103 Wである。)
- 1.25.0
- 2.50.0
- 3.70.7
- 4.100
- 5.141
正解:3.70.7
解説:変圧器の効率が最大になるのは,負荷によって変わる銅損と,負荷によらず一定の鉄損が等しくなるときである。 銅損は電流の2乗,すなわち負荷率αの2乗に比例するので,負荷率αのときの銅損は 206α²[W]。 鉄損は103 Wで一定。等しいとおくと 206α²=103 α²=0.5 α=√0.5≒0.707=70.7 %。答(3)。 全負荷での銅損が鉄損の2倍あるので,負荷を下げて銅損を半分にしたところで釣り合う。その負荷率が √(1/2) になる,という関係である。 (2)の50.0は α²=0.5 のα²のほうを答にしてしまった場合。求めているのは負荷率そのものなので平方根を取る。 (4)の100は「全負荷が最も効率が良い」と考えた場合だが,変圧器は一般に全負荷よりやや軽い負荷で効率が最大になるよう設計される。この問題の70.7 %という値はその典型である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 機械 問15(b)
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問1026.抵抗RとリアクトルLとを直列接続した負荷に電力を供給する単相半波ダイオード整流回路を図1に示す。また図1に示した回路の交流電源の電圧波形v(t)を破線で,抵抗Rの電圧波形v_R(t)を実線で図2に示す。ただし,ダイオードDの電圧降下及びリアクトルLの抵抗は無視する。次の(a)及び(b)の問に答えよ。 ただし,必要であれば次の計算結果を利用してよい。 ∫₀^α sinθ dθ=1−cos α, ∫₀^α cos θ dθ=sin α 〔小問(a)〕 以下の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 図1の電源電圧v(t)>0の期間においてダイオードDは順方向バイアスとなり導通する。v(t)とv_R(t)が等しくなる電源電圧v(t)の位相をωt=θ_mとすると,出力電流i_d(t)が増加する電源電圧の位相ωtが0<ωt<θ_mの期間においては (ア) ,ωt=θ_m以降については (イ) となる。出力電流i_d(t)は電源電圧v(t)が負となってもv(t)=0の点よりもωt=βに相当する時間だけ長く流れ続ける。すなわち,Lの磁気エネルギーが (ウ) となるωt=π+βで出力電流i_d(t)が0となる。出力電圧v_d(t)の平均値V_dは電源電圧v(t)を0〜 (エ) の区間で積分して一周期である2πで除して計算でき,このときLの電圧v_L(t)を同区間で積分すれば0となるので,V_dは抵抗Rの電圧v_R(t)の平均値V_Rに等しくなる。

- 1.v_L(t)>0 / v_L(t)<0 / 0 / π+β
- 2.v_L(t)<0 / v_L(t)>0 / 0 / π+β
- 3.v_L(t)>0 / v_L(t)<0 / 最大 / π+β
- 4.v_L(t)<0 / v_L(t)>0 / 最大 / β
- 5.v_L(t)>0 / v_L(t)<0 / 0 / β
正解:1.v_L(t)>0 / v_L(t)<0 / 0 / π+β
解説:電源電圧は抵抗とリアクトルで分け合うので v(t)=v_L(t)+v_R(t) である。またリアクトルの電圧は v_L=L(di_d/dt) なので,v_L の符号がそのまま電流が増えているか減っているかを表す。 (ア) 0<ωt<θ_m の期間は,図2で破線のv(t)が実線のv_R(t)より上にある。したがって v_L=v−v_R>0 で,電流は増加している。 (イ) ωt=θ_m を過ぎると v(t) が v_R(t) を下回るので v_L<0 となり,電流は減少に転じる。図2でv_R(t)が最大になるのがちょうどθ_mであることとも合う。 (ウ) リアクトルに蓄えられた磁気エネルギーは ½Li_d² なので,電流が0になるのはエネルギーが0になったときである。「最大」ではない。 (エ) 電流が流れているのは 0 から π+β までの区間なので,積分区間はそこになる。 v_L(t)>0/v_L(t)<0/0/π+β となり答(1)。 電源電圧が負になっても電流が流れ続けるのは,リアクトルが蓄えたエネルギーを吐き出しているからである。そのぶんだけ導通期間が半周期より長くなり,βという角度で表されている。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 機械 問16(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1027.抵抗RとリアクトルLとを直列接続した負荷に電力を供給する単相半波ダイオード整流回路を図1に示す。また図1に示した回路の交流電源の電圧波形v(t)を破線で,抵抗Rの電圧波形v_R(t)を実線で図2に示す。ただし,ダイオードDの電圧降下及びリアクトルLの抵抗は無視する。次の問に答えよ。 ただし,必要であれば次の計算結果を利用してよい。 ∫₀^α sinθ dθ=1−cos α, ∫₀^α cos θ dθ=sin α 〔小問(b)〕 小問(a)において,電源電圧の実効値100 V,β=π/6のときの出力電圧v_d(t)の平均値V_d[V]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 (小問(a)より,積分区間は0〜π+βである。)

- 1.3
- 2.20
- 3.42
- 4.45
- 5.90
正解:3.42
解説:電源電圧の瞬時値は v=√2×100×sinθ である。電流が流れているのは 0 から π+β までなので,その区間で積分して一周期の2πで割る。 V_d=(1/2π)∫₀^(π+β) √2×100×sinθ dθ。 設問で与えられた ∫₀^α sinθ dθ=1−cos α を使うと V_d=(√2×100/2π)×{1−cos(π+β)}。 ここで cos(π+β)=−cos β なので V_d=(√2×100/2π)×(1+cos β)。 β=π/6 だから cos β=√3/2≒0.866。 √2×100/(2π)=141.4/6.283≒22.51 なので V_d≒22.51×1.866≒42 V。答(3)。 (4)の45は β=0 としたとき,すなわち抵抗だけの単相半波整流の平均値 √2×100/π≒45 V である。リアクトルがあるぶん導通期間が延び,そのあいだ電源電圧が負になるので,平均値は45 Vより下がる。この大小関係を先に押さえておくと,(5)の90(全波整流の値に近い)が候補から外れる。 cos(π+β)=−cos β の符号を落として (1−cos β) としてしまうと 22.51×0.134≒3 となり(1)になる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 機械 問16(b)
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問1028.熱の伝わり方について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 (ア) は,熱媒体を必要とせず,真空中でも熱を伝達する。高温側で温度T₂[K]の面S₂[m²]と,低温側で温度T₁[K]の面S₁[m²]が向かい合う場合の熱流Φ[W]は,S₂F₂₁σ( (イ) )で与えられる。 ただし,F₂₁は, (ウ) である。また,σ[W/(m²·K⁴)]は, (エ) 定数である。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.熱伝導 / T₂²−T₁² / 形状係数 / プランク
- 2.熱放射 / T₂²−T₁² / 形態係数 / ステファン・ボルツマン
- 3.熱放射 / T₂⁴−T₁⁴ / 形態係数 / ステファン・ボルツマン
- 4.熱伝導 / T₂⁴−T₁⁴ / 形状係数 / プランク
- 5.熱伝導 / T₂⁴−T₁⁴ / 形状係数 / ステファン・ボルツマン
正解:3.熱放射 / T₂⁴−T₁⁴ / 形態係数 / ステファン・ボルツマン
解説:(ア) 熱の伝わり方には伝導・対流・放射の三つがある。このうち媒体を必要とせず真空中でも伝わるのは電磁波として伝わる熱放射だけである。熱伝導は物質の中を伝わるので真空では起こらない。太陽の熱が宇宙空間を越えて届くのがこの熱放射である。 (イ) 放射で出る熱量は絶対温度の4乗に比例する(ステファン・ボルツマンの法則)。二つの面のあいだの正味の熱流は,それぞれが出す量の差なので T₂⁴−T₁⁴ となる。 (ウ) F₂₁ は,面S₂から出た放射のうち面S₁に到達する割合を表す係数で,形態係数(形状因子)と呼ぶ。二つの面の向き合い方だけで決まる幾何学的な量である。 (エ) σ はステファン・ボルツマン定数(約5.67×10⁻⁸ W/(m²·K⁴))である。プランク定数は量子論に出てくる別の定数で,単位も違う。 熱放射/T₂⁴−T₁⁴/形態係数/ステファン・ボルツマンとなり答(3)。 σの単位が W/(m²·K⁴) と設問に書かれているので,これに面積[m²]と温度の4乗[K⁴]を掛けて[W]になる,と単位からも(イ)が4乗だと確かめられる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 機械 問17(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1029.熱の伝わり方について,次の問に答えよ。 〔小問(b)〕 下面温度が350 K,上面温度が270 Kに保たれている直径1 m,高さ0.1 mの円柱がある。伝導によって円柱の高さ方向に流れる熱流Φの値[W]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 ただし,円柱の熱伝導率は0.26 W/(m·K)とする。また,円柱側面からのその他の熱の伝達及び損失はないものとする。
- 1.3
- 2.39
- 3.163
- 4.653
- 5.2 420
正解:3.163
解説:熱伝導による熱流は Φ=λ A (T₂−T₁)/L で求まる。λは熱伝導率,Aは熱が通る断面積,Lは熱が通る距離である。 断面積は直径1 mの円なので A=π×(0.5)²≒0.785 m²。 温度差は 350−270=80 K,距離は高さの0.1 m。したがって Φ=0.26×0.785×80/0.1=0.26×0.785×800≒163 W。答(3)。 (4)の653は,半径ではなく直径を使って A=π×1²≒3.14 m² としてしまった場合の値である(0.26×3.14×80/0.1≒653)。円の面積は半径の2乗なので,直径1 mなら半径は0.5 mで,面積はちょうど1/4になる。 距離0.1 mは分母である。掛けてしまうと桁が二つ小さくなる。薄い板ほど熱がよく流れる,という向きで確かめられる。 小問(a)の熱放射が温度の4乗で効くのに対し,熱伝導は温度の差そのものに比例する。同じ「熱の伝わり方」でも式の形が違うので,どちらを問われているかを最初に確かめる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 機械 問17(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1030.情報の一時的な記憶回路として用いられるフリップフロップ(FF)回路について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 FF回路に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし,(1)〜(4)における出力とは,反転しないQのことである。
- 1.RS-FFにおいては,クロックパルスの動作タイミングで入力RとSがそれぞれ1と0の場合に0を,入力RとSがそれぞれ0と1の場合に1を出力する。入力RとSを共に1とすることは禁止されている。
- 2.JK-FFにおいては,クロックパルスの動作タイミングで入力JとKがそれぞれ1と0の場合に1を,入力JとKがそれぞれ0と1の場合に0を出力し,入力JとKが共に1の場合には出力を保持する。
- 3.T-FFは,クロックパルスの動作タイミングにおいて,出力を反転する。
- 4.D-FFは,クロックパルスの動作タイミングにおいて,入力Dと一致した出力を行う。
- 5.FFの用途として,カウンタ回路やレジスタ回路などがある。
正解:2.JK-FFにおいては,クロックパルスの動作タイミングで入力JとKがそれぞれ1と0の場合に1を,入力JとKがそれぞれ0と1の場合に0を出力し,入力JとKが共に1の場合には出力を保持する。
解説:JK-FFは,RS-FFで禁止されていた「両方の入力が1」の状態に意味を持たせたものである。J=K=1のときは出力を保持するのではなく,クロックのたびに出力を反転する(トグル動作)。したがって「出力を保持する」とする(2)が誤りで,これが答になる。 J=K=0のときが保持である。JK-FFの動作をまとめると,(0,0)で保持,(1,0)でセット(1を出力),(0,1)でリセット(0を出力),(1,1)で反転となる。 他の記述を確かめる。(1)RS-FFはR=1・S=0でリセットして0を,R=0・S=1でセットして1を出力する。両方1にすると出力が定まらないので禁止されている。(3)T-FFはクロックごとに出力を反転する。JK-FFのJとKを両方1に固定したものと同じ動作である。(4)D-FFはクロックのタイミングで入力Dの値をそのまま取り込んで出力する。(5)T-FFを数珠つなぎにすればカウンタに,D-FFを並べればレジスタになる。 (2)が誤りである一方,(3)のT-FFが「反転する」と正しく書かれている。JK-FFのJ=K=1がまさにT-FFと同じ動作だと気づけば,(2)と(3)が食い違っていることから答にたどり着ける。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 機械 問18(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1031.情報の一時的な記憶回路として用いられるフリップフロップ(FF)回路について,次の問に答えよ。 〔小問(b)〕 クロックパルスの立ち下がりで動作する二つのT-FFを用いた図の回路を考える。この回路において,クロックパルスCに対する回路の出力Q₁及びQ₂のタイムチャートとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 (選択肢は原本から切り出したタイムチャートで示す。下の説明は補助。)

- 1.Q₂の変化がQ₁より先に起きているタイムチャート

- 2.Q₁は1・3・4回目の立ち下がりで,Q₂は2・3・5回目の立ち下がりで変化しており,どちらも規則的に反転していないタイムチャート

- 3.Q₁の周期がクロックの4倍になっているタイムチャート

- 4.Q₁・Q₂ともクロックの立ち下がりごとに反転している(Q₂はQ₁より1クロック遅れて同じ周期)タイムチャート

- 5.Q₁がクロックの立ち下がりごとに反転し,Q₂がQ₁の立ち下がりごとに反転しているタイムチャート

正解:5.Q₁がクロックの立ち下がりごとに反転し,Q₂がQ₁の立ち下がりごとに反転しているタイムチャート
解説:T-FFはクロックが入るたびに出力を反転する。図の回路では,1段目のクロック端子C₁に外部のクロックパルスCが,2段目のクロック端子C₂に1段目の出力Q₁が入っている。どちらも立ち下がりで動作する。 1段目を追う。Q₁はCが1から0へ落ちるたびに反転するので,Q₁の周期はCの2倍になる。 2段目を追う。Q₂はQ₁が1から0へ落ちるたびに反転する。Q₁が立ち下がるのはCの立ち下がり2回に1回なので,Q₂の周期はQ₁のさらに2倍,すなわちCの4倍になる。 Q₁=0,Q₂=0 から始めると, 1回目の立ち下がり: Q₁が0→1(Q₁は上がるのでQ₂は変わらない) 2回目: Q₁が1→0,これを受けてQ₂が0→1 3回目: Q₁が0→1,Q₂は変わらない 4回目: Q₁が1→0,Q₂が1→0 となる。 この動きに合っているのは,Q₁がクロックの立ち下がりごとに反転し,Q₂がQ₁の立ち下がりごとに反転している(5)である。答(5)。 これは2ビットの非同期カウンタ(リプルカウンタ)で,Q₂Q₁を2桁の2進数として読むと 00→01→10→11→00 と数え上がっていく。周波数で見れば1段ごとに半分になる分周回路でもある。 選択肢を絞るときは,まずQ₁の周期がクロックの2倍になっているかを見て,つぎにQ₂の周期がQ₁の2倍になっているかを見る。この二つだけで一つに決まる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 機械 問18(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 - 1.Q₂の変化がQ₁より先に起きているタイムチャート
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問1032.次の文章は,直流他励電動機の制御に関する記述である。ただし,鉄心の磁気飽和と電機子反作用は無視でき,また,電機子抵抗による電圧降下は小さいものとする。 a 他励電動機は, (ア) と (イ) を独立した電源で制御できる。磁束は (ア) に比例する。 b 磁束一定の条件で (イ) を増減すれば, (イ) に比例するトルクを制御できる。 c 磁束一定の条件で (ウ) を増減すれば, (ウ) に比例する回転数を制御できる。 d (ウ) 一定の条件で磁束を増減すれば,ほぼ磁束に反比例する回転数を制御できる。回転数の (エ) のために (ア) を弱める制御がある。 このように広い速度範囲で速度とトルクを制御できるので,直流他励電動機は圧延機の駆動などに広く使われてきた。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.界磁電流 / 電機子電流 / 電機子電圧 / 上昇
- 2.電機子電流 / 界磁電流 / 電機子電圧 / 上昇
- 3.電機子電圧 / 電機子電流 / 界磁電流 / 低下
- 4.界磁電流 / 電機子電圧 / 電機子電流 / 低下
- 5.電機子電圧 / 電機子電流 / 界磁電流 / 上昇
正解:1.界磁電流 / 電機子電流 / 電機子電圧 / 上昇
解説:他励電動機の基本の式は二つだけである。 トルク T=kΦI_a(磁束と電機子電流の積) 回転数 N≒V_a/(kΦ)(電機子電圧を磁束で割る。電機子抵抗の降下は小さいので無視) (ア) 磁束Φを作るのは界磁電流である。磁気飽和を無視するので、磁束は界磁電流に比例する。 (イ) 磁束が一定なら T=kΦI_a より、トルクは電機子電流に比例する。したがってトルクを操作するのは電機子電流である。 (ウ) 磁束が一定なら N≒V_a/(kΦ) より、回転数は電機子電圧に比例する。したがって速度を操作するのは電機子電圧である。 (エ) 同じ式で電機子電圧を一定にしたまま磁束を減らすと、回転数は上がる。これが弱め界磁制御で、定格を超える高速域を得るために使う。 界磁電流/電機子電流/電機子電圧/上昇となり答(1)。 他励電動機は界磁と電機子を別々の電源でまかなえるので、トルクと速度をそれぞれ独立に操作できる。これが圧延機のように広い速度範囲と大きなトルクが要る用途で使われてきた理由である。 「弱め界磁で回転数が上がる」ことは N≒V_a/(kΦ) の分母が小さくなる、と式で確かめられる。感覚で「磁束を弱めたら遅くなりそう」と思い込むと(エ)を低下にしてしまう。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 機械 問1
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1033.界磁に永久磁石を用いた小形直流発電機がある。回転軸が回らないよう固定し,電機子に3 Vの電圧を加えると,定格電流と同じ1 Aの電機子電流が流れた。次に,電機子回路を開放した状態で,回転子を定格回転数で駆動すると,電機子に15 Vの電圧が発生した。この小形直流発電機の定格運転時の効率の値[%]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 ただし,ブラシの接触による電圧降下及び電機子反作用は無視できるものとし,損失は電機子巻線の銅損しか存在しないものとする。
- 1.70
- 2.75
- 3.80
- 4.85
- 5.90
正解:3.80
解説:二つの試験から、電機子抵抗と誘導起電力をそれぞれ取り出す。 回転軸を固定してあるので誘導起電力は生じない。加えた3 Vはすべて電機子抵抗での降下になるから R_a=3/1=3 Ω。 電機子回路を開放して定格回転数で回すと電流が流れないので、測った15 Vがそのまま誘導起電力である。 E=15 V。 定格運転(発電機として1 Aを流す)では、端子電圧は誘導起電力から電機子抵抗の降下を引いて V=E−I R_a=15−1×3=12 V。 出力は P_out=V I=12×1=12 W。 入力(軸から受け取る機械動力)は、損失が銅損だけなので P_in=E I=15×1=15 W。 したがって η=12/15=0.80=80 %。答(3)。 銅損は I²R_a=1²×3=3 W で、15−12=3 W と一致する。この確かめをしておくと計算の取り違えに気づける。 発電機なので、誘導起電力から抵抗降下を引いたものが出口の電圧になる。電動機ならば逆に、端子電圧から抵抗降下を引いたものが誘導起電力になる。どちらの機械かで引き算の向きが変わる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 機械 問2
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問1034.三相かご形誘導電動機の等価回路定数の測定に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 ただし,等価回路としては一次換算した一相分の簡易等価回路(L形等価回路)を対象とする。
- 1.一次巻線の抵抗測定は静止状態において直流で行う。巻線抵抗値を換算するための基準巻線温度は絶縁材料の耐熱クラスによって定められており,75 ℃や115 ℃などの値が用いられる。
- 2.一次巻線の抵抗測定では,電動機の一次巻線の各端子間で測定した抵抗値の平均値から,基準巻線温度における一次巻線の抵抗値を決められた数式を用いて計算する。
- 3.無負荷試験では,電動機の一次巻線に定格周波数の定格一次電圧を印加して無負荷運転し,一次側において電圧[V],電流[A]及び電力[W]を測定する。
- 4.拘束試験では,電動機の回転子を回転しないように拘束して,一次巻線に定格周波数の定格一次電圧を印加して通電し,一次側において電圧[V],電流[A]及び電力[W]を測定する。
- 5.励磁回路のサセプタンスは無負荷試験により,一次二次の合成漏れリアクタンスと二次抵抗は拘束試験により求められる。
正解:4.拘束試験では,電動機の回転子を回転しないように拘束して,一次巻線に定格周波数の定格一次電圧を印加して通電し,一次側において電圧[V],電流[A]及び電力[W]を測定する。
解説:拘束試験(短絡試験)では、回転子を回らないように固定するので滑りが1になり、二次側はほとんど短絡した状態になる。ここに定格電圧を加えると始動時と同じ大きな電流(定格の数倍)が流れて巻線を焼いてしまう。そのため実際には、定格電流程度が流れるように電圧を下げて印加する。「定格一次電圧を印加して」とする(4)が誤りで、これが答になる。 他の記述を確かめる。(1)巻線抵抗は静止状態で直流で測る。交流だとリアクタンスが混ざる。測った値は、絶縁材料の耐熱クラスで決められた基準巻線温度(75 ℃・115 ℃など)へ換算する。抵抗は温度で変わるので、そろえないと比較できない。(2)三相なので端子間の測定値は3通りあり、その平均から1相分を求める。(3)無負荷試験は定格周波数の定格電圧をかけて無負荷で回す。ここは定格電圧でよい。(5)無負荷試験では二次側にほとんど電流が流れないので励磁回路の定数(サセプタンス・コンダクタンス)が、拘束試験では励磁電流が相対的に小さくなるので漏れリアクタンスと二次抵抗が求まる。 無負荷試験は「定格電圧・無負荷」、拘束試験は「低電圧・定格電流」と対にして覚える。変圧器の無負荷試験・短絡試験とまったく同じ考え方である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 機械 問3
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問1035.次の文章は,回転界磁形三相同期発電機の無負荷誘導起電力に関する記述である。 回転磁束を担う回転子磁極の周速をv[m/s],磁束密度の瞬時値をb[T],磁束と直交する導体の長さをl[m]とすると,1本の導体に生じる誘導起電力e[V]は次式で表される。 e=vbl 極数をp,固定子内側の直径をD[m]とすると,極ピッチτ[m]は τ=πD/p であるから,f[Hz]の起電力を生じる場合の周速vは v=2τf である。したがって,角周波数ω[rad/s]を ω=2πf として,上述の磁束密度瞬時値b[T]を b(t)=B_m sin ωt と表した場合,導体1本あたりの誘導起電力の瞬時値e(t)は, e(t)=E_m sin ωt E_m= (ア) B_m l となる。 また,回転磁束の空間分布が正弦波でその最大値がB_mのとき,1極の磁束密度の (イ) B[T]は B=(2/π)B_m であるから,1極の磁束Φ[Wb]は Φ=(2/π)B_m τ l である。したがって,1本の導体に生じる起電力の実効値は次のように表すことができる。 E_m/√2=(π/√2)fΦ=2.22fΦ よって,三相同期発電機の1相あたりの直列に接続された電機子巻線の巻数をNとすると,回転磁束の空間分布が正弦波の場合,1相あたりの誘導起電力(実効値)E[V]は, E= (ウ) fΦN となる。 さらに,電機子巻線には一般に短節巻と分布巻が採用されるので,これらを考慮した場合,1相あたりの誘導起電力Eは次のように表される。 E= (ウ) k_w fΦN ここでk_wを (エ) という。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.2τf / 平均値 / 2.22 / 巻線係数
- 2.2πf / 最大値 / 4.44 / 分布係数
- 3.2τf / 平均値 / 4.44 / 巻線係数
- 4.2πf / 最大値 / 2.22 / 短節係数
- 5.2τf / 実効値 / 2.22 / 巻線係数
正解:3.2τf / 平均値 / 4.44 / 巻線係数
解説:(ア) 設問の途中に v=2τf と書いてあるので、e=vbl に代入すればよい。 e(t)=2τf×B_m sin ωt×l となり、最大値は E_m=2τf B_m l。したがって(ア)は2τfである。2πfは角周波数ωであって周速ではない。 (イ) B=(2/π)B_m は、正弦波の半周期(1極ぶん)にわたる平均値である。正弦波の平均値は最大値の2/π(約0.637)倍という、よく出てくる関係そのものである。最大値ならB_m自身、実効値なら B_m/√2 で、どちらも(2/π)B_mにはならない。 (ウ) 直前に「1本の導体に生じる起電力の実効値」が 2.22fΦ と示されている。1回の巻き(1ターン)は導体2本ぶんなので、N巻では導体が2N本になり E=2×2.22fΦN=4.44fΦN。 したがって(ウ)は4.44である。ここが2.22のままだと導体1本ぶんのままになってしまう。 (エ) 短節巻による短節係数と分布巻による分布係数を掛け合わせたものを巻線係数という。k_wは両方を含むので、片方だけの名前では足りない。 2τf/平均値/4.44/巻線係数となり答(3)。 4.44という数は π√2 に等しく(π×1.414≒4.44)、変圧器の起電力の式 E=4.44fΦN とまったく同じ形である。同期発電機でも変圧器でも、巻数と磁束と周波数から起電力を出す式は同じ係数になる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 機械 問4
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1036.図はある三相同期電動機の1相分の等価回路である。ただし,電機子巻線抵抗は無視している。相電圧V̇の大きさはV=200 V,同期リアクタンスは x_s=8 Ωである。この電動機を運転して力率が1になるように界磁電流を調整したところ,電機子電流İの大きさIが10 Aになった。このときの誘導起電力Eの値[V]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.120
- 2.140
- 3.183
- 4.215
- 5.280
正解:4.215
解説:電機子巻線抵抗を無視しているので、1相分の関係は V̇=Ė+j x_s İ すなわち Ė=V̇−j x_s İ である。 力率が1なので、電機子電流İは相電圧V̇と同相である。したがって j x_s İ はV̇に対して90°進んだ向きになり、V̇とは直角である。 直角な二つのベクトルの差なので、大きさは三平方の定理で求まる。 E=√(V²+(x_s I)²)=√(200²+(8×10)²)=√(40 000+6 400)=√46 400≒215 V。答(4)。 (1)の120は 200−80 と引き算してしまった場合の値である。V̇と j x_s İ は直角なので、そのまま引くことはできない。 (5)の280は 200+80 と足してしまった場合に近い。ベクトルが同じ向きのときだけ足し引きできる。 力率1に調整すると誘導起電力が端子電圧より大きくなる、というのは同期電動機の位相特性(V曲線)で「過励磁側」にあたる状態である。界磁電流をさらに増やせば進み力率、減らせば遅れ力率になる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 機械 問5
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1037.次の文章は,交流整流子モータの特徴に関する記述である。 交流整流子モータは,直流直巻電動機に類似した構造となっている。直流直巻電動機では,加える直流電圧の極性を逆にしても,磁束と電機子電流の向きが共に (ア) ので,トルクの向きは変わらない。交流整流子モータは,この原理に基づき回転力を得ている。 交流整流子モータは,一般に始動トルクが (イ) ,回転速度が (ウ) なので,電気ドリル,電気掃除機,小型ミキサなどのモータとして用いられている。なお,小容量のものでは,交流と直流の両方に使用できるものもあり, (エ) と呼ばれる。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.逆になる / 大きく / 低速 / ユニバーサルモータ
- 2.変わらない / 小さく / 低速 / ユニバーサルモータ
- 3.変わらない / 大きく / 高速 / ブラシレスDCモータ
- 4.逆になる / 小さく / 低速 / ブラシレスDCモータ
- 5.逆になる / 大きく / 高速 / ユニバーサルモータ
正解:5.逆になる / 大きく / 高速 / ユニバーサルモータ
解説:(ア) 直巻電動機は界磁巻線と電機子巻線が直列につながっている。電源の極性を逆にすると、界磁電流も電機子電流も同時に逆向きになるので、磁束と電機子電流の向きが「共に逆になる」。トルクは両者の積で決まるので、二つとも符号が変われば積の符号は変わらず、トルクの向きは同じままである。交流を加えても回り続けるのはこのためである。 (イ) 直巻の特性なので、トルクは電流の2乗に比例する。始動時は電流が大きいので始動トルクは大きい。 (ウ) 直巻電動機は負荷が軽いほど回転が上がる性質があり、交流整流子モータは1万min⁻¹を超えるような高速で使われる。電気掃除機や電気ドリルが高い音を立てて回るのはこのためである。 (エ) 交流でも直流でも使えるものをユニバーサルモータという。ブラシレスDCモータは整流子もブラシも持たない別の機械で、交流をそのまま加えて回るものではない。 逆になる/大きく/高速/ユニバーサルモータとなり答(5)。 (ア)を「変わらない」としてしまうと、そもそも交流で回る理屈が立たない。極性が変わっても積が変わらない、という点がこのモータの原理である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 機械 問6
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1038.電動機と負荷の特性を,回転速度を横軸,トルクを縦軸に描く,トルク対速度曲線で考える。電動機と負荷の二つの曲線が,どのように交わるかを見ると,その回転数における運転が,安定か不安定かを判定することができる。誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.負荷トルクよりも電動機トルクが大きいと回転は加速し,反対に電動機トルクよりも負荷トルクが大きいと回転は減速する。回転速度一定の運転を続けるには,負荷と電動機のトルクが一致する安定な動作点が必要である。
- 2.巻線形誘導電動機では,回転速度の上昇とともにトルクが減少するように,二次抵抗を大きくし,大きな始動トルクを発生させることができる。この電動機に回転速度の上昇とともにトルクが増える負荷を接続すると,両曲線の交点が安定な動作点となる。
- 3.電源電圧を一定に保った直流分巻電動機は,回転速度の上昇とともにトルクが減少する。一方,送風機のトルクは,回転速度の上昇とともにトルクが増大する。したがって,直流分巻電動機は,安定に送風機を駆動することができる。
- 4.かご形誘導電動機は,回転トルクが小さい時点から回転速度を上昇させるとともにトルクが増大,最大トルクを超えるとトルクが減少する。この電動機に回転速度でトルクが変化しない定トルク負荷を接続すると,電動機と負荷のトルク曲線が2点で交わる場合がある。この場合,加速時と減速時によって安定な動作点が変わる。
- 5.かご形誘導電動機は,最大トルクの速度より高速な領域では回転速度の上昇とともにトルクが減少する。一方,送風機のトルクは,回転速度の上昇とともにトルクが増大する。したがって,かご形誘導電動機は,安定に送風機を駆動することができる。
正解:4.かご形誘導電動機は,回転トルクが小さい時点から回転速度を上昇させるとともにトルクが増大,最大トルクを超えるとトルクが減少する。この電動機に回転速度でトルクが変化しない定トルク負荷を接続すると,電動機と負荷のトルク曲線が2点で交わる場合がある。この場合,加速時と減速時によって安定な動作点が変わる。
解説:安定かどうかは、交点から速度が少しずれたときに元へ戻る向きの力が働くかどうかで決まる。速度が上がったときに「電動機トルク<負荷トルク」になれば減速して戻るので安定、逆なら不安定である。 (4)の状況を見る。かご形誘導電動機のトルク曲線と定トルク負荷が2点で交わるとき、低速側の交点は電動機の曲線が右上がりの部分にある。ここで速度が少し上がると電動機トルクが増えてさらに加速するので、戻らない=不安定である。高速側の交点は右下がりの部分にあり、速度が上がると電動機トルクが減るので戻る=安定である。つまり安定な動作点は高速側の1点だけで、加速時と減速時で変わるものではない。したがって(4)が誤りで、これが答になる。 他の記述を確かめる。(1)トルクの大小で加減速が決まり、一致する点で速度が定まる、という判定の前提そのもの。(2)巻線形で二次抵抗を大きくすると、最大トルクが低速側へ移り、運転域が右下がりになる。そこへ右上がりの負荷が交われば安定である。(3)直流分巻電動機は速度が上がるとトルクが下がり、送風機は速度が上がるとトルクが上がるので、交点は安定。(5)かご形も最大トルクより高速の領域は右下がりなので、送風機を安定に駆動できる。 (2)(3)(5)はいずれも「電動機は右下がり・負荷は右上がり」で安定という同じ形をしている。(4)だけが右上がりの領域を含んでおり、そこが不安定になる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 機械 問7
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1039.変圧器の構造に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.変圧器の巻線には軟銅線が用いられる。巻線の方法としては,鉄心に絶縁を施し,その上に巻線を直接巻きつける方法,円筒巻線や板状巻線としてこれを鉄心にはめ込む方法などがある。
- 2.変圧器の鉄心には,飽和磁束密度と比透磁率が大きい電磁鋼板が用いられる。この鋼板は,渦電流損を低減するためケイ素が数%含有され,さらにヒステリシス損を低減するために表面が絶縁皮膜で覆われている。
- 3.変圧器の冷却方式には用いる冷媒によって,絶縁油を使用する油入式と空気を使用する乾式,さらにガス冷却式などがある。
- 4.変圧器油は,変圧器本体を浸し,巻線の絶縁耐力を高めるとともに,冷却によって本体の温度上昇を防ぐために用いられる。また,化学的に安定で,引火点が高く,流動性に富み比熱が大きくて冷却効果が大きいなどの性質を備えることが必要となる。
- 5.大型の油入変圧器では,負荷変動に伴い油の温度が変動し,油が膨張・収縮を繰り返すため,外気が変圧器内部に出入りを繰り返す。これを変圧器の呼吸作用といい,油の劣化の原因となる。この劣化を防止するため,本体の外にコンサベータやブリーザを設ける。
正解:2.変圧器の鉄心には,飽和磁束密度と比透磁率が大きい電磁鋼板が用いられる。この鋼板は,渦電流損を低減するためケイ素が数%含有され,さらにヒステリシス損を低減するために表面が絶縁皮膜で覆われている。
解説:(2)は、ケイ素と絶縁皮膜がそれぞれ減らす損失が入れ替わっている。 ケイ素を数%加えるのは、鉄心の保磁力を下げてヒステリシス損を減らすためである(同時に抵抗率も上がるので渦電流損にも効くが、狙いはヒステリシス損)。 表面を絶縁皮膜で覆って薄い鋼板を重ねる(成層する)のは、鋼板をまたぐ渦電流の通り道を断って渦電流損を減らすためである。 設問はこの二つを逆に書いているので(2)が誤りで、これが答になる。 他の記述を確かめる。(1)巻線は電気抵抗の小さい軟銅線を使い、鉄心に直接巻く方法と、あらかじめ円筒状・板状に巻いておいてはめ込む方法がある。(3)冷媒による分類は油入式・乾式・ガス冷却式である。(4)変圧器油は絶縁と冷却の両方を担うので、絶縁耐力が高く、化学的に安定で、引火点が高く、流動性がよく比熱が大きいことが求められる。(5)温度変化で油が膨張・収縮すると外気が出入りし、湿気と酸素が油を劣化させる。これを防ぐため、油面の変動を受け持つコンサベータと、吸い込む空気の水分を取るブリーザ(吸湿呼吸器)を設ける。 渦電流損は「薄く成層して絶縁する」、ヒステリシス損は「材料を変える(ケイ素鋼・アモルファス)」と、対策の種類で覚え分けると取り違えない。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 機械 問8
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1040.一次線間電圧が66 kV,二次線間電圧が6.6 kV,三次線間電圧が3.3 kVの三相三巻線変圧器がある。一次巻線には線間電圧66 kVの三相交流電源が接続されている。二次巻線に力率0.8,8 000 kV·Aの三相誘導性負荷を接続し,三次巻線に4 800 kV·Aの三相コンデンサを接続した。一次電流の値[A]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし,変圧器の漏れインピーダンス,励磁電流及び損失は無視できるほど小さいものとする。
- 1.42.0
- 2.56.0
- 3.70.0
- 4.700.0
- 5.840.0
正解:2.56.0
解説:損失も励磁電流も無視できるので、一次側の電力は二次側と三次側の電力の合計に等しい。有効分と無効分に分けて足す。 二次の誘導性負荷(8 000 kV·A、力率0.8遅れ)は 有効分 P=8 000×0.8=6 400 kW 無効分 Q=8 000×0.6=4 800 kvar(遅れ) 三次のコンデンサ4 800 kV·Aは進みの無効分だけなので P=0,Q=−4 800 kvar 合計すると P=6 400 kW,Q=4 800−4 800=0 kvar。 無効分がちょうど打ち消し合うので、一次側から見た皮相電力は S=√(6 400²+0²)=6 400 kV·A(力率1)。 したがって一次電流は I=6 400×10³/(√3×66×10³)≒56.0 A。答(2)。 (3)の70.0は、無効分の打消しを考えずに 8 000 kV·A のまま計算した場合の値に近い(8 000×10³/(√3×66×10³)≒70.0)。三次のコンデンサを入れた意味がそこにある。 (4)(5)は電圧を6.6 kVで割った場合の桁である。一次電流を問われているので、割るのは66 kVである。 有効分と無効分に分けてから足す、という手順を崩さないこと。皮相電力どうしを 8 000−4 800 と引くと3 200 kV·Aとなって別の値になる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 機械 問9
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1041.パワー半導体スイッチングデバイスとしては近年,主にIGBTとパワーMOSFETが用いられている。両者を比較した記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.IGBTは電圧駆動形であり,ゲート・エミッタ間の電圧によってオン・オフを制御する。
- 2.パワーMOSFETは電流駆動形であり,キャリア蓄積効果があることからスイッチング損失が大きい。
- 3.パワーMOSFETはユニポーラデバイスであり,バイポーラ形のデバイスと比べてオン状態の抵抗が高い。
- 4.IGBTはバイポーラトランジスタにパワーMOSFETの特徴を組み合わせることにより,スイッチング特性を改善している。
- 5.パワーMOSFETではシリコンのかわりにSiCを用いることで,高耐圧化をしつつオン状態の抵抗を低くすることが可能になる。
正解:2.パワーMOSFETは電流駆動形であり,キャリア蓄積効果があることからスイッチング損失が大きい。
解説:パワーMOSFETは、ゲートの電圧で電流の通り道を作る電圧駆動形である。またユニポーラ(多数キャリアだけで動く)なので、少数キャリアが溜まって消えるまで待つキャリア蓄積効果が無く、スイッチングが速くて損失も小さい。設問はこの三つをすべて逆に書いているので(2)が誤りで、これが答になる。 電流駆動形でキャリア蓄積効果があるのはバイポーラトランジスタのほうである。 他の記述を確かめる。(1)IGBTもゲート・エミッタ間の電圧で制御する電圧駆動形である。(3)ユニポーラのMOSFETは、高耐圧にすると通り道の抵抗(オン抵抗)が急に大きくなる。少数キャリアの注入で導電率が上がるバイポーラ形に比べると、高耐圧域ではオン状態の抵抗が高い。(4)IGBTは、入口をMOSFETにして駆動を楽にし、出口をバイポーラにして低いオン電圧を得た組合せである。(5)SiC(炭化ケイ素)は絶縁破壊電界がシリコンより1桁高いので、同じ耐圧なら層を薄くでき、オン抵抗を大幅に下げられる。 (3)と(5)はつながっている。ユニポーラの弱点である高耐圧でのオン抵抗を、材料を変えて克服したのがSiCデバイスである。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 機械 問10
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1042.慣性モーメント50 kg·m²のはずみ車が,回転数1 500 min⁻¹で回転している。このはずみ車に負荷が加わり,2秒間で回転数が1 000 min⁻¹まで減速した。この間にはずみ車が放出した平均出力の値[kW]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし,軸受の摩擦や空気の抵抗は無視できるものとする。
- 1.34
- 2.137
- 3.171
- 4.308
- 5.343
正解:3.171
解説:はずみ車が蓄えている回転の運動エネルギーは W=(1/2)Jω² である。減った分がそのまま外へ放出されたエネルギーになる。 まず回転数を角速度に直す。 ω₁=2π×1 500/60≒157.1 rad/s ω₂=2π×1 000/60≒104.7 rad/s エネルギーの差は ΔW=(1/2)×50×(157.1²−104.7²) =25×(24 680−10 962) ≒25×13 718≒342 900 J。 これを2秒で放出したので、平均出力は P=342 900/2≒171 000 W≒171 kW。答(3)。 (5)の343は、2秒で割るのを忘れてエネルギー342 900 J(≒343 kJ)をそのまま答にした場合の値である。問われているのは出力なので、必ず時間で割る。 エネルギーは角速度の2乗に比例するので、回転数が1 500から1 000へ(2/3倍に)下がると、残るエネルギーは(2/3)²=4/9になる。差は5/9で、全体の半分より多い。回転数が1/3しか下がっていないのにエネルギーは半分以上出る、というのがはずみ車の効きどころである。 min⁻¹をrad/sに直すときは60で割って2πを掛ける。ここを飛ばすと桁がまるごとずれる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 機械 問11
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1043.教室の平均照度を500 lx以上にしたい。ただし,その時の光源一つの光束は2 400 lm,この教室の床面積は15 m×10 mであり,照明率は60 %,保守率は70 %とする。必要最小限の光源数として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.30
- 2.40
- 3.75
- 4.115
- 5.150
正解:3.75
解説:光束法の式は E=F N U M/A で、Eは平均照度[lx]、Fは光源1つの光束[lm]、Nは光源数、Uは照明率、Mは保守率、Aは面積[m²]である。 これをNについて解くと N=E A/(F U M)。 数値を入れる。面積は 15×10=150 m² なので N=500×150/(2 400×0.6×0.7) =75 000/1 008≒74.4。 光源は個数なので切り上げて75個。答(3)。 「以上にしたい」「必要最小限」と書かれているので、74個では500 lxに届かない。必ず切り上げる。 照明率と保守率はどちらも1未満なので、掛け忘れると必要な光源数を少なく見積もることになる。両方とも落として 75 000/2 400≒31 とすると、(1)の30に落ちる。 照明率Uは、光源から出た光のうち作業面に届く割合。保守率Mは、汚れや光源の劣化で落ちるぶんをあらかじめ見込む係数である。どちらも「実際にはこれだけしか使えない」という割引なので、必要数を求めるときは分母に入る。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 機械 問12
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問1044.熱の伝導は電気の伝導によく似ている。下記は,電気系の量と熱系の量の対応表である。 【電気系と熱系の対応表】 ・電圧 V[V] ←→ (ア) [K] ・電気量 Q[C] ←→ 熱量 Q[J] ・電流 I[A] ←→ (イ) [W] ・導電率 σ[S/m] ←→ 熱伝導率 λ[W/(m·K)] ・電気抵抗 R[Ω] ←→ 熱抵抗 R_T (ウ) ・静電容量 C[F] ←→ 熱容量 C (エ) 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.熱流Φ / 温度差θ / [J/K] / [K/W]
- 2.温度差θ / 熱流Φ / [K/W] / [J/K]
- 3.温度差θ / 熱流Φ / [K/J] / [J/K]
- 4.熱流Φ / 温度差θ / [J/K] / [J/W]
- 5.温度差θ / 熱流Φ / [K/W] / [J/W]
正解:2.温度差θ / 熱流Φ / [K/W] / [J/K]
解説:電気と熱の対応は「何が流れ、何が押しているか」で決まる。電気では電圧が押して電流が流れる。熱では温度差が押して熱流が流れる。 (ア) 電圧に対応するのは温度差θで、単位は表のとおり[K]。 (イ) 電流に対応するのは熱流Φで、単位は[W]。熱流は1秒あたりに流れる熱量なので、J/s=Wになる。 (ウ) 熱抵抗は、オームの法則 R=V/I と同じ形で R_T=θ/Φ と定義される。単位は[K]÷[W]=[K/W]。 (エ) 熱容量は、静電容量 C=Q/V と同じ形で C=Q/θ と定義される。単位は[J]÷[K]=[J/K]。 温度差θ/熱流Φ/[K/W]/[J/K]となり答(2)。 単位は定義式から作れるので、覚えていなくてもその場で出せる。熱抵抗は「温度差を熱流で割る」、熱容量は「熱量を温度差で割る」と、対応する電気の式に当てはめればよい。 この対応があるので、熱の問題を電気回路として解くことができる。直列につながった二つの層の熱抵抗は足し算になり、放熱器の設計などで実際にこの考え方が使われる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 機械 問13
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問1045.入力信号A,B及びC,出力信号Xの論理回路の真理値表が次のように示されたとき,Xの論理式として,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 【真理値表】A,B,C,X の順に示す。 ・0,0,0,0 ・0,0,1,1 ・0,1,0,0 ・0,1,1,1 ・1,0,0,0 ・1,0,1,1 ・1,1,0,1 ・1,1,1,1
- 1.A·B+A·C̄+B·C
- 2.A·B̄+A·C̄+B̄·C̄
- 3.A·B̄+C+Ā·B
- 4.B·C̄+Ā·B+B̄·C
- 5.A·B+C
正解:5.A·B+C
解説:真理値表でX=1になる行を並べると 001・011・101・111・110 の5行である。 このうち 001・011・101・111 はどれもC=1の行で、Cが1ならAとBが何であってもX=1になっている。したがってCの項がそのまま含まれる。 残る 110 はC=0でA=1・B=1の行なので、A·Bの項が要る。 したがって X=A·B+C。答(5)。 確かめとして8通りすべてを代入する。 000→0+0=0,001→0+1=1,010→0+0=0,011→0+1=1, 100→0+0=0,101→0+1=1,110→1+0=1,111→1+1=1。 真理値表と完全に一致する。 選択肢の中でCが単独の項として現れているのは(3)と(5)だけである。(3)は A·B̄+C+Ā·B で、000を入れると 0+0+0=0 と合うが、100を入れると A·B̄=1 となってX=1になり、真理値表の0と食い違う。 C=1の行がすべて1になっていることに最初に気づけば、残りは110の1行だけを説明すればよくなり、式は一気に短くなる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 機械 問14
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問1046.定格出力45 kW,定格周波数60 Hz,極数4,定格運転時の滑りが0.02である三相誘導電動機について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 この誘導電動機の定格運転時の二次入力(同期ワット)の値[kW]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.43
- 2.44
- 3.45
- 4.46
- 5.47
正解:4.46
解説:誘導電動機では、二次入力P₂・二次銅損P_c2・機械的出力P_oのあいだに P₂:P_c2:P_o=1:s:(1−s) という関係がある。したがって P_o=(1−s)P₂ すなわち P₂=P_o/(1−s)。 定格出力45 kW、滑り0.02なので P₂=45/(1−0.02)=45/0.98≒45.9 kW。 最も近いのは46で答(4)。 二次入力は同期ワットとも呼ばれ、同期速度で回ったと仮定したときの出力にあたる。実際には滑りのぶんだけ二次銅損として失われるので、機械的出力は必ずそれより小さい。したがって答は45 kWより大きくなるはずで、(1)〜(3)は候補から外れる。 二次銅損は P₂−P_o=45.9−45=0.9 kW で、P₂の2 %=滑りそのものの割合になっている。 なお定格周波数60 Hzと極数4は、この小問では使わない。同期速度 N_s=120×60/4=1 800 min⁻¹ は小問(b)で使う。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 機械 問15(a)
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問1047.定格出力45 kW,定格周波数60 Hz,極数4,定格運転時の滑りが0.02である三相誘導電動機について,次の問に答えよ。 〔小問(b)〕 この誘導電動機を,電源周波数50 Hzにおいて,60 Hz運転時の定格出力トルクと同じ出力トルクで連続して運転する。この50 Hzでの運転において,滑りが50 Hzを基準として0.05であるときの誘導電動機の出力の値[kW]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.36
- 2.38
- 3.45
- 4.54
- 5.56
正解:1.36
解説:出力は「トルク×角速度」なので、トルクが同じなら出力は回転速度に比例する。二つの運転での回転速度を出して比を取ればよい。 60 Hz運転の同期速度は N_s=120×60/4=1 800 min⁻¹ 滑り0.02なので回転速度は N=1 800×(1−0.02)=1 764 min⁻¹。 50 Hz運転の同期速度は N_s'=120×50/4=1 500 min⁻¹ 滑り0.05なので N'=1 500×(1−0.05)=1 425 min⁻¹。 トルクが同じだから P'=45×1 425/1 764≒36.4 kW。 最も近いのは36で答(1)。 トルクで確かめてもよい。60 Hz運転のトルクは T=45 000/(2π×1 764/60)≒244 N·m。 50 Hz運転では P'=244×2π×1 425/60≒36 400 W となり同じ値になる。 (3)の45は出力が変わらないとした場合。周波数を下げると同期速度が下がるので、同じトルクでは出力も下がる。 (5)の56は回転速度の比を逆に取った場合の値である(45×1 764/1 425≒55.7)。 (4)の54は、滑りを考えずに同期速度の比だけを逆に取った場合の値である(45×1 800/1 500=54)。 いずれも「速度が下がるのだから出力も下がる」という向きを先に押さえておけば外せる。 「滑りが50 Hzを基準として0.05」という断り書きは、滑りを1 500 min⁻¹に対して測る、という意味である。1 800 min⁻¹に対して測るのではない。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 機械 問15(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1048.図1は,直流電圧源から単相インバータで誘導性負荷に交流を給電する基本回路を示す。負荷電流i_o(t)と直流側電流i_d(t)は図示する矢印の向きを正の方向として,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 各パワートランジスタが出力交流電圧の1周期Tに1回オンオフする運転を行っている際のある時刻t₀から1周期の波形を図2に示す。直流電圧がE[V]のとき,交流側の方形波出力電圧の実効値として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.0.5E
- 2.0.61E
- 3.0.86E
- 4.E
- 5.1.15E
正解:4.E
解説:図2のとおり、S₁とS₄がオンの前半(t₀からt₀+T/2)は出力に+Eが、S₂とS₃がオンの後半(t₀+T/2からt₀+T)は−Eが加わる。したがって出力電圧は+Eと−Eを半周期ずつ繰り返す方形波である。 実効値は瞬時値の2乗の平均の平方根なので、2乗すると+Eの区間も−Eの区間も E² になり、平均もE²である。 √(E²)=E。 つまり実効値はEそのもので答(4)。 方形波は、大きさが常にEで符号だけが変わる波である。2乗すれば符号が消えて一定値になるので、実効値は最大値と等しくなる。正弦波のように 1/√2 が付くことはない。 正弦波なら実効値は最大値の 1/√2≒0.707 倍になるが、それは大きさが時間とともに変わるからである。方形波は大きさが変わらないので、その割引が入らない。 1周期の平均値のほうは、+Eの半周期と−Eの半周期が打ち消し合って零になる。実効値と平均値を取り違えないこと。 設問が「方形波出力電圧の実効値」と書いていることも手がかりになる。この方形波を正弦波に分解したときの基本波の実効値は 2√2E/π≒0.90E で別の値であり、ここで問われているのは波形全体の実効値である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 機械 問16(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1049.図1は,直流電圧源から単相インバータで誘導性負荷に交流を給電する基本回路を示す。負荷電流i_o(t)と直流側電流i_d(t)は図示する矢印の向きを正の方向とする。各パワートランジスタが出力交流電圧の1周期Tに1回オンオフする運転を行っている際のある時刻t₀から1周期の波形を図2に示す。次の問に答えよ。 〔小問(b)〕 負荷電流i_o(t)の波形が図3の(ア)〜(ウ),直流側電流i_d(t)の波形が図3の(エ),(オ)のいずれかに示されている。それらの波形の適切な組合せを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.(ア)と(エ)
- 2.(イ)と(エ)
- 3.(ウ)と(オ)
- 4.(ア)と(オ)
- 5.(イ)と(オ)
正解:1.(ア)と(エ)
解説:まず負荷電流i_o(t)を決める。負荷は抵抗とインダクタンスの直列なので、電圧が+Eに切り替わっても電流はすぐには変われず、指数関数的に増えていく。t₀で+Eが加わるので、i_oはそこから増加し、半周期の終わり(t₀+T/2)で最大になる。後半は−Eが加わるので減少に転じ、t₀+Tで最小(負の最大)になる。 つまり「t₀で最小、t₀+T/2で最大」という形である。図3で(ア)がこの形をしている。(イ)は上下が逆、(ウ)は最大・最小の位置が半周期ずれている。 つぎに直流側電流i_d(t)を決める。前半はS₁とS₄が導通しているので、直流電源から見た電流は負荷電流そのもので i_d=i_o。後半はS₂とS₃が導通し、電源から見ると負荷電流が逆向きに見えるので i_d=−i_o である。 前半は、i_oが負から正へ増えるので、i_dも負から始まって正へ増える。後半は、i_oが正の最大から減っていくので、i_d=−i_o は負の最大から始まって正へ増える。したがってi_dは半周期ごとに「負から始まって正へ増える」を繰り返す、周期T/2の波形になる。 図3で(エ)がこの形である。(オ)は各半周期が正から始まって負へ減っており、逆になっている。 したがって(ア)と(エ)の組合せで答(1)。 i_dが負になる区間があるのは、負荷のインダクタンスに蓄えられたエネルギーが電源へ返っている時間である。そのときは還流ダイオードが導通している。誘導性負荷のインバータでダイオードを逆並列に付けるのは、この戻る電流の通り道を用意するためである。 i_dの周期が出力の半分になることも手がかりになる。(エ)(オ)はどちらも周期T/2で描かれており、そこは共通なので、向きだけを比べればよい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 機械 問16(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1050.図は,ある周波数伝達関数W(jω)のボード線図の一部であり,折れ線近似でゲイン特性を示している。次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 図のゲイン特性を示す周波数伝達関数として,最も適切なものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.40/(1+jω)
- 2.40/(1+j0.005ω)
- 3.100/(1+jω)
- 4.100/(1+j0.005ω)
- 5.100/(1+j0.5ω)
正解:5.100/(1+j0.5ω)
解説:一次遅れ要素 K/(1+jωT) のボード線図は、低い周波数で 20log₁₀K の一定値、折れ点角周波数 ω=1/T から −20 dB/dec で下がる直線、という形になる。図から二つの値を読み取ればよい。 低周波での値は40 dBである。20log₁₀K=40 より K=100。したがって分子は100で、40ではない。 折れ点はω=2である。ω=1/T より T=1/2=0.5。したがって分母は 1+j0.5ω である。 よって W(jω)=100/(1+j0.5ω)。答(5)。 確かめとして、0 dBと交わる角周波数を計算する。折れ点ω=2から−20 dB/decで下がるので、40 dB下がるには2デケード(100倍)進む必要があり、ω=2×100=200 である。図でも直線がω=200で0 dBを横切っており、一致する。 (3)の 100/(1+jω) は分子は合っているが折れ点がω=1になり、図の2と合わない。 (4)の 100/(1+j0.005ω) は折れ点が ω=1/0.005=200 になってしまう。図の200は0 dBと交わる点であって、折れ点ではない。この二つの点を取り違えると(4)を選ぶことになる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 機械 問17(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1051.図は,ある周波数伝達関数W(jω)のボード線図の一部であり,折れ線近似でゲイン特性を示している。次の問に答えよ。 〔小問(b)〕 図のゲイン特性を示すブロック線図として,最も適切なものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし,入力をR(jω),出力をC(jω)として,図のゲイン特性を示しているものとする。 (小問(a)より,図のゲイン特性を示す周波数伝達関数は W(jω)=100/(1+j0.5ω) である。)

- 1.前向きに 1/(jω),帰還は直結(ゲイン1)で,そのあとに 40 を掛ける

- 2.前向きに 1/(jω),帰還は直結(ゲイン1)で,そのあとに 100 を掛ける

- 3.前向きに 1/(j0.005ω),帰還は直結(ゲイン1)で,そのあとに 100 を掛ける

- 4.前向きに 1/(jω),帰還のゲインが 2 で,そのあとに 200 を掛ける

- 5.前向きに 1/(jω),帰還のゲインが 0.5 で,そのあとに 200 を掛ける

正解:4.前向きに 1/(jω),帰還のゲインが 2 で,そのあとに 200 を掛ける
解説:負帰還のループは、前向きの伝達関数をG、帰還の伝達関数をHとすると G/(1+GH) になる。それぞれの選択肢でこれを計算し、最後の定数倍を掛けて 100/(1+j0.5ω) と一致するものを探す。 (4)を計算する。前向きが 1/(jω)、帰還が2なので G/(1+GH)=(1/(jω))/(1+2/(jω))=1/(jω+2)。 分母を2でくくると 1/{2(1+j0.5ω)}=0.5/(1+j0.5ω)。 これに200を掛けて 200×0.5/(1+j0.5ω)=100/(1+j0.5ω)。 求める伝達関数と一致する。答(4)。 他の選択肢も同じ手順で確かめる。 (1):1/(jω+1)×40=40/(1+jω)。分子も折れ点も違う。 (2):1/(jω+1)×100=100/(1+jω)。分子は合うが折れ点がω=1。 (3):1/(j0.005ω+1)×100=100/(1+j0.005ω)。折れ点がω=200。 (5):1/(jω+0.5)×200=400/(1+j2ω)。分子も折れ点も違う。 積分要素 1/(jω) に定数の負帰還を掛けると一次遅れになる、というのがこの問題の型である。帰還のゲインHが分母の定数項になるので、H=2 で 1/(jω+2)、すなわち時定数0.5の一次遅れが得られる。折れ点を2にしたければ帰還ゲインを2にする、と覚えるとよい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 機械 問17(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 - 1.前向きに 1/(jω),帰還は直結(ゲイン1)で,そのあとに 40 を掛ける
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問1052.図は,n個の配列の数値を大きい順(降順)に並べ替えるプログラムのフローチャートである。次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 図中の(ア)〜(ウ)に当てはまる処理の組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.(ア) a[i]>a[j] / (イ) a[j]←a[i] / (ウ) a[i]←m
- 2.(ア) a[i]>a[j] / (イ) a[i]←a[j] / (ウ) a[j]←m
- 3.(ア) a[i]<a[j] / (イ) a[j]←a[i] / (ウ) a[i]←m
- 4.(ア) a[i]<a[j] / (イ) a[j]←a[i] / (ウ) a[j]←m
- 5.(ア) a[i]<a[j] / (イ) a[i]←a[j] / (ウ) a[j]←m
正解:5.(ア) a[i]<a[j] / (イ) a[i]←a[j] / (ウ) a[j]←m
解説:このフローチャートは、iを1からn−1まで、jをi+1からnまで動かし、条件を満たしたときにa[i]とa[j]を入れ替える、という形をしている。 (ア) 大きい順(降順)に並べたいので、前にあるa[i]が後ろのa[j]より小さければ入れ替える。したがって条件は a[i]<a[j] である。a[i]>a[j] にすると小さい順(昇順)になってしまう。この時点で(1)(2)は外れる。 (イ)(ウ) 入れ替えの直前に m←a[i] があるので、mにはa[i]の値が退避されている。つぎにやるべきことは、a[i]にa[j]を入れ、そのあとa[j]にmを入れることである。 (イ) a[i]←a[j] (ウ) a[j]←m この順でなければならない。(イ)を a[j]←a[i] にすると、a[j]がa[i]で上書きされてa[j]の元の値が消え、そのあと(ウ)で a[i]←m としてもa[i]は元の値に戻るだけで、何も入れ替わらない。 a[i]<a[j]/a[i]←a[j]/a[j]←m となり答(5)。 変数を1つ使う入れ替えは「退避→片方を上書き→退避した値を反対側へ」の3手順で、順番を変えると値が消える。m←a[i] があらかじめ書かれているので、残り2手順の向きは一通りに決まる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 機械 問18(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1053.図は,n個の配列の数値を大きい順(降順)に並べ替えるプログラムのフローチャートである。次の問に答えよ。 〔小問(b)〕 このプログラム実行時の読込み処理において,n=5とし,a[1]=3,a[2]=1,a[3]=2,a[4]=5,a[5]=4とする。フローチャート中のXで示される部分の処理は何回行われるか,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 (小問(a)より,判定は a[i]<a[j] のとき Xの3行 m←a[i],a[i]←a[j],a[j]←m を実行して入れ替える。)

- 1.3
- 2.5
- 3.7
- 4.8
- 5.10
正解:3.7
解説:Xは入れ替えの3行なので、a[i]<a[j]が成り立った回数を数えればよい。配列は初め [3, 1, 2, 5, 4] である。 i=1(a[1]と後ろを順に比べる) j=2:3<1 か → 偽。 j=3:3<2 か → 偽。 j=4:3<5 か → 真。入れ替えて [5, 1, 2, 3, 4]。(1回目) j=5:5<4 か → 偽。 i=2 j=3:1<2 か → 真。[5, 2, 1, 3, 4]。(2回目) j=4:2<3 か → 真。[5, 3, 1, 2, 4]。(3回目) j=5:3<4 か → 真。[5, 4, 1, 2, 3]。(4回目) i=3 j=4:1<2 か → 真。[5, 4, 2, 1, 3]。(5回目) j=5:2<3 か → 真。[5, 4, 3, 1, 2]。(6回目) i=4 j=5:1<2 か → 真。[5, 4, 3, 2, 1]。(7回目) 合計7回。答(3)。最後の配列は [5, 4, 3, 2, 1] で、確かに降順に並んでいる。 (5)の10は比較そのものの回数である。n=5のとき比較は 4+3+2+1=10 回行われるが、そのうち入れ替えが起きたのは7回だけである。Xは入れ替えの処理なので、条件が真になった回数を数える。 入れ替えるたびにa[i]の値が変わるので、次の比較では新しい値を使うことになる。i=1のときにa[1]が3から5に変わった結果、j=5の比較が偽になっている。表を書いて1行ずつ追うのが確実である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 機械 問18(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1054.直流電源に接続された永久磁石界磁の直流電動機に一定トルクの負荷がつながっている。電機子抵抗が1.00 Ωである。回転速度が1 000 min⁻¹のとき,電源電圧は120 V,電流は20 Aであった。 この電源電圧を100 Vに変化させたときの回転速度の値[min⁻¹]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 ただし,電機子反作用及びブラシ,整流子における電圧降下は無視できるものとする。
- 1.200
- 2.400
- 3.600
- 4.800
- 5.1 000
正解:4.800
解説:永久磁石界磁なので磁束Φは一定である。トルクは T=kΦI_a なので、負荷トルクが一定なら電機子電流も一定に保たれる。つまり電圧を変えても電流は20 Aのままである。ここが出発点になる。 1回目の運転での誘導起電力は E₁=120−20×1.00=100 V。 電源電圧を100 Vにしたときは、電流が同じ20 Aなので E₂=100−20×1.00=80 V。 磁束が一定のとき回転速度は誘導起電力に比例する(E=kΦN)から N₂=1 000×80/100=800 min⁻¹。答(4)。 (5)の1 000は電圧を下げても回転速度が変わらないとした場合。(1)の200のように大きく下がるのは、電流まで比例して変わると考えた場合に出る。 「一定トルクの負荷」という条件がこの問題の要である。負荷トルクが一定→電機子電流が一定→抵抗降下も一定、という順に決まるので、誘導起電力は電源電圧と同じだけ(20 V)下がる。100 Vから80 Vへ、つまり20 %の低下なので、回転速度も20 %下がって800 min⁻¹になる。 電源電圧の低下率(120→100で16.7 %)と回転速度の低下率(20 %)が違うことに注意する。抵抗降下20 Vは電圧によらず一定なので、誘導起電力のほうが割合として大きく下がる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 機械 問1
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問1055.直流機の電機子反作用に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.直流発電機や直流電動機では,電機子巻線に電流を流すと,電機子電流によって電機子周辺に磁束が生じ,電機子電圧を誘導する磁束すなわち励磁磁束が,電機子電流の影響で変化する。これを電機子反作用という。
- 2.界磁電流による磁束のベクトルに対し,電機子電流による電機子反作用磁束のベクトルは,同じ向きとなるため,電動機として運転した場合に増磁作用,発電機として運転した場合に減磁作用となる。
- 3.直流機の界磁磁極片に補償巻線を設け,そこに電機子電流を流すことにより,電機子反作用を緩和できる。
- 4.直流機の界磁磁極のN極とS極の間に補極を設け,そこに設けたコイルに電機子電流を流すことにより,電機子反作用を緩和できる。
- 5.ブラシの位置を適切に移動させることで,電機子反作用を緩和できる。
正解:2.界磁電流による磁束のベクトルに対し,電機子電流による電機子反作用磁束のベクトルは,同じ向きとなるため,電動機として運転した場合に増磁作用,発電機として運転した場合に減磁作用となる。
解説:電機子電流がつくる磁束のベクトルは、界磁電流がつくる磁束のベクトルと同じ向きではなく直角(90°ずれた向き)になる。電機子巻線はブラシを境に電流の向きが変わるので、その磁束は磁極と磁極の中間の向き、すなわち界磁磁束と直交する向きに現れる。これを交差磁化作用という。したがって「同じ向きとなる」とする(2)が誤りで、これが答になる。 直交するので、単純な増磁や減磁ではなく、磁極の片側で磁束が増え反対側で減る「偏り」が生じる。鉄心の磁気飽和があるため、増える側の増加分より減る側の減少分のほうが大きくなり、全体としては減磁の傾向になる。この点でも(2)の説明は当たらない。 他の記述を確かめる。(1)電機子電流がつくる磁束によって励磁磁束が変化する現象が電機子反作用である。(3)補償巻線は界磁磁極片に設け、電機子電流を逆向きに流して電機子反作用磁束を打ち消す。(4)補極は磁極と磁極の中間に置き、電機子電流を流して整流を助けるとともに反作用を緩和する。(5)ブラシを中性軸のずれに合わせて移動させれば、整流時の火花を減らせる。 (3)と(4)はどちらも「電機子電流を流す」点が共通している。電機子反作用は電機子電流に比例して変わるので、同じ電流で打ち消せば負荷が変わっても効き目が保たれる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 機械 問2
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問1056.4極の三相誘導電動機が60 Hzの電源に接続され,出力5.75 kW,回転速度1 656 min⁻¹で運転されている。このとき,一次銅損,二次銅損及び鉄損の三つの損失の値が等しかった。このときの誘導電動機の効率の値[%]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 ただし,その他の損失は無視できるものとする。
- 1.76.0
- 2.77.8
- 3.79.3
- 4.80.6
- 5.88.5
正解:3.79.3
解説:まず滑りを求める。同期速度は N_s=120×60/4=1 800 min⁻¹ なので s=(1 800−1 656)/1 800=144/1 800=0.08。 つぎに二次銅損を求める。誘導電動機では 出力:二次銅損=(1−s):s の関係があるので P_c2=P_o×s/(1−s)=5 750×0.08/0.92=500 W。 設問より一次銅損も鉄損もこれと等しいので、損失の合計は 500×3=1 500 W。 入力は P_i=5 750+1 500=7 250 W となり、効率は η=5 750/7 250≒0.793=79.3 %。答(3)。 二次銅損だけを損失として計算すると η=5 750/6 250=92 % となって選択肢に無い。三つの損失が等しい、という条件を使って3倍する。 (5)の88.5は損失を2つぶんだけ数えた場合に近い(5 750/(5 750+1 000)≒85.2 %)ほどではないが、損失の数え落としは効率を高く見積もる向きにずれる。 滑りから二次銅損を出す関係は、二次入力P₂を1としたとき 出力=1−s、二次銅損=s と分けられることによる。s=0.08 なら二次銅損は出力の 0.08/0.92≒8.7 % で、5 750 Wの8.7 %が500 Wである。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 機械 問3
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問1057.次の文章は,誘導機の速度制御に関する記述である。 誘導機の回転速度n[min⁻¹]は,滑りs,電源周波数f[Hz],極数pを用いて n=120· (ア) と表される。したがって,誘導機の速度は電源周波数によって制御することができ,特にかご形誘導電動機において (イ) 電源装置を用いた制御が広く利用されている。 かご形誘導機ではこの他に,運転中に固定子巻線の接続を変更して (ウ) を切り換える制御法や, (エ) の大きさを変更する制御法がある。前者は,効率はよいが,速度の変化が段階的となる。後者は,速度の安定な制御範囲を広くするために (オ) の値を大きくとり,銅損が大きくなる。 巻線形誘導機では, (オ) の値を調整することにより,トルクの比例推移を利用して速度を変える制御法がある。 上記の記述中の空白箇所(ア),(イ),(ウ),(エ)及び(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.sf/p / CVCF / 極数 / 一次電圧 / 一次抵抗
- 2.(1−s)f/p / CVCF / 相数 / 二次電圧 / 二次抵抗
- 3.sf/p / VVVF / 相数 / 二次電圧 / 一次抵抗
- 4.(1−s)f/p / VVVF / 相数 / 一次電圧 / 一次抵抗
- 5.(1−s)f/p / VVVF / 極数 / 一次電圧 / 二次抵抗
正解:5.(1−s)f/p / VVVF / 極数 / 一次電圧 / 二次抵抗
解説:(ア) 同期速度は N_s=120f/p で、実際の回転速度は滑りのぶんだけ遅い n=(1−s)N_s である。まとめると n=120(1−s)f/p となる。sf/p では滑り分の速度になってしまい、s=0(無負荷)で回転が止まることになって成り立たない。 (イ) 周波数を変える制御では、周波数だけでなく電圧も一緒に変えないと磁束が過大になる。可変電圧可変周波数、すなわちVVVF電源装置を使う。CVCFは定電圧定周波数で、無停電電源装置などに使う別のものである。 (ウ) 固定子巻線の接続を変更して切り換えるのは極数である。極数を2倍にすれば同期速度は半分になる。相数は三相のまま変えられない。極数は整数なので速度は段階的にしか変わらず、設問の「速度の変化が段階的となる」と合う。 (エ) 大きさを変更する制御法として挙がるのは一次電圧である。かご形では二次側に外から手を出せないので、二次電圧を変えることはできない。 (オ) 一次電圧制御で安定に速度を変えられる範囲を広げるには、二次抵抗を大きめに設計して、トルク曲線を右下がりの領域が広い形にする。そのぶん二次銅損が増える。また巻線形では二次抵抗を外から調整でき、比例推移を使って速度を変えられる。 (1−s)f/p/VVVF/極数/一次電圧/二次抵抗となり答(5)。 (オ)は最後の段落「巻線形誘導機では、(オ)の値を調整することにより、トルクの比例推移を利用して」から決まる。比例推移は二次抵抗と滑りの比で決まる性質なので、ここは二次抵抗以外にない。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 機械 問4
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問1058.次の文章は,星形結線の円筒形三相同期電動機の入力,出力,トルクに関する記述である。 この三相同期電動機の1相分の誘導起電力E[V],電圧V[V],電流I[A],VとIの位相差をθ[rad]としたときの1相分の入力P_i[W]は次式で表される。 P_i=VI cosθ また,EとVの位相差をδ[rad]とすると,1相分の出力P_o[W]は次式で表される。EとVの位相差δは (ア) といわれる。 P_o=EI cos(δ−θ)=(VE/x)· (イ) ここでx[Ω]は同期リアクタンスであり,電機子巻線抵抗は無視できるものとする。 この三相同期電動機の全出力をP[W],同期速度をn_s[min⁻¹]とすると,トルクT[N·m]とPの関係は次式で表される。 P=3P_o=2π(n_s/60)T これから,Tは次式のようになる。 T=(60/2πn_s)·3P_o=(60/2πn_s)·(3VE/x)· (イ) 以上のことから,0≦δ≦π/2の範囲においてδが (ウ) なるに従ってTは (エ) なり,理論上π/2[rad]のとき (オ) となる。 上記の記述中の空白箇所(ア),(イ),(ウ),(エ)及び(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.負荷角 / cosδ / 大きく / 大きく / 最大値
- 2.力率角 / cosδ / 大きく / 小さく / 最小値
- 3.力率角 / sinδ / 小さく / 小さく / 最小値
- 4.負荷角 / sinδ / 大きく / 大きく / 最大値
- 5.負荷角 / cosδ / 小さく / 小さく / 最大値
正解:4.負荷角 / sinδ / 大きく / 大きく / 最大値
解説:(ア) 誘導起電力Eと端子電圧Vの位相差δは負荷角と呼ばれる。負荷が重くなるほどδが大きくなるので、この名がついている。力率角は電圧Vと電流Iの位相差θのことで、設問の中でθとして別に定義されている。 (イ) 電機子巻線抵抗を無視した円筒形同期機の1相分の出力は P_o=(VE/x)sinδ である。δ=0(無負荷)で出力が零になることからも sinδ が正しいと分かる。cosδ ではδ=0で最大になってしまい、無負荷なのに出力があることになる。 (ウ)(エ) 0≦δ≦π/2 の範囲で sinδ は単調に増える。したがってδが大きくなるに従ってトルクも大きくなる。 (オ) δ=π/2 で sinδ=1 となり、トルクは最大値をとる。これが脱出トルク(停動トルク)で、これを超える負荷をかけると同期を保てなくなる。 負荷角/sinδ/大きく/大きく/最大値となり答(4)。 (イ)が決まれば(ウ)(エ)(オ)は sinδ のグラフを思い浮かべるだけで決まる。0からπ/2までは増え続け、π/2で1になる。 δがπ/2を超えるとsinδは減り始めるので、トルクも減る。負荷が増えているのにトルクが減るため加速度的に同期を失う——これが脱出(脱調)である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 機械 問5
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問1059.次の文章は,一般的なブラシレスDCモータに関する記述である。 ブラシレスDCモータは, (ア) が回転子側に, (イ) が固定子側に取り付けられた構造となっており, (イ) が回転しないため, (ウ) が必要な一般の直流電動機と異なる。しかし,何らかの方法で回転子の (エ) を検出して, (イ) への電流を切り換える必要がある。この電流の切り換えを, (オ) で構成された駆動回路を用いて実現している。ブラシレスDCモータは, (オ) の発達とともに発展してきたモータであり,上記の駆動回路が重要な役割を果たすモータである。 上記の記述中の空白箇所(ア),(イ),(ウ),(エ)及び(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.電機子巻線 / 永久磁石 / ブラシと整流子 / 回転速度 / 半導体スイッチ
- 2.電機子巻線 / 永久磁石 / ブラシとスリップリング / 回転速度 / 機械スイッチ
- 3.永久磁石 / 電機子巻線 / ブラシと整流子 / 回転速度 / 半導体スイッチ
- 4.永久磁石 / 電機子巻線 / ブラシとスリップリング / 回転位置 / 機械スイッチ
- 5.永久磁石 / 電機子巻線 / ブラシと整流子 / 回転位置 / 半導体スイッチ
正解:5.永久磁石 / 電機子巻線 / ブラシと整流子 / 回転位置 / 半導体スイッチ
解説:(ア)(イ) ブラシレスDCモータは、回転子側に永久磁石、固定子側に電機子巻線を置く。一般の直流電動機とはちょうど逆の配置である。電機子巻線が回らないので、電流を送り込むためのブラシが要らない——これがブラシレスと呼ばれる理由である。 (ウ) 一般の直流電動機では、回る電機子巻線に電流を送り、かつ電流の向きを切り替えるためにブラシと整流子が要る。スリップリングは巻線形誘導機や同期機で回転子へ電流を出し入れするもので、向きを切り替える働きは持たない。 (エ) ブラシと整流子の代わりに電流を切り換えるには、回転子の磁石が今どこを向いているかを知る必要がある。したがって検出するのは回転位置である。回転速度だけ分かっても、どの巻線に流すかは決められない。ホール素子やエンコーダ、あるいは巻線に生じる誘起電圧から位置を求める。 (オ) 切り換えは半導体スイッチ(トランジスタやMOSFET)で構成した駆動回路が行う。機械スイッチでは高速な切り換えに耐えられない。 永久磁石/電機子巻線/ブラシと整流子/回転位置/半導体スイッチとなり答(5)。 「ブラシと整流子の仕事を、位置検出+半導体スイッチで置き換えた直流電動機」と押さえると、五つの空欄がひとつながりに決まる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 機械 問6
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1060.次の文章は,電気機器の損失に関する記述である。 a コイルの電流とコイルの抵抗によるジュール熱が (ア) であり,この損失を低減するため,コイルを構成する電線の断面積を大きくする。 交流電流が並列コイルに分かれて流れると,並列コイル間の電流不平衡からこの損失が増加する。この損失を低減するため,並列回路を構成する各コイルの鎖交磁束と抵抗値,すなわち,各コイルのインピーダンスを等しくする。 b 鉄心に交流磁束が通ると損失が発生する。その成分は (イ) と (ウ) の二つに分類される。前者は,交流磁束によって誘導された電流が鉄心を流れてジュール熱として発生する。そこで,電気抵抗が高い強磁性材料や,表面を絶縁膜で覆った薄い鉄板を積層した積層鉄心を磁気回路に用いて,電流の経路を断つことで損失を低減する。後者は,鉄心の磁束が磁界の履歴に依存するために発生する。この (ウ) を低減するために電磁鋼板が磁気回路に広く用いられている。 c 上記の電磁気要因の損失のほか,電動機や発電機では,回転子の運動による軸受け摩擦損や冷却ファンの空気抵抗による損失などの (エ) がある。 上記の記述中の空白箇所(ア),(イ),(ウ)及び(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.銅損 / 渦電流損 / ヒステリシス損 / 機械損
- 2.鉄損 / 抵抗損 / ヒステリシス損 / 銅損
- 3.銅損 / 渦電流損 / インダクタンス損 / 機械損
- 4.鉄損 / 機械損 / ヒステリシス損 / 銅損
- 5.銅損 / 抵抗損 / インダクタンス損 / 機械損
正解:1.銅損 / 渦電流損 / ヒステリシス損 / 機械損
解説:(ア) コイルの電流と抵抗によるジュール熱は銅損である。電線の断面積を大きくすれば抵抗が下がり、銅損が減る。鉄損は鉄心に生じる損失で、コイルの抵抗とは関係しない。 (イ) 交流磁束によって鉄心の中に誘導された電流(渦電流)が流れて生じるのが渦電流損である。設問が「薄い鉄板を積層して電流の経路を断つ」と書いているとおり、成層することで渦電流の回る道を細かく分断して減らす。 (ウ) 磁束が磁界の履歴に依存すること、すなわちヒステリシスによって生じるのがヒステリシス損である。電磁鋼板(ケイ素鋼板)はヒステリシスループの面積が小さく、この損失を減らせる。 (エ) 軸受けの摩擦や冷却ファンの空気抵抗による損失は機械損である。電磁気とは無関係に、回っていること自体から生じる。 銅損/渦電流損/ヒステリシス損/機械損となり答(1)。 鉄損は(イ)と(ウ)の合計であって、その内訳を問うているのが b の文である。「鉄損=渦電流損+ヒステリシス損」と押さえておけば、(イ)や(ウ)に鉄損が入らないことが分かる。 対策も分けて覚える。渦電流損は「薄く積層して絶縁する」、ヒステリシス損は「材料を変える(電磁鋼板)」である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 機械 問7
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1061.2台の単相変圧器があり,それぞれ,巻数比(一次巻数/二次巻数)が30.1,30.0,二次側に換算した巻線抵抗及び漏れリアクタンスからなるインピーダンスが(0.013+j0.022) Ω,(0.010+j0.020) Ωである。この2台の変圧器を並列接続し二次側を無負荷として,一次側に6 600 Vを加えた。この2台の変圧器の二次巻線間を循環して流れる電流の値[A]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし,励磁回路のアドミタンスの影響は無視するものとする。
- 1.4.1
- 2.11.2
- 3.15.3
- 4.30.6
- 5.61.3
正解:3.15.3
解説:巻数比がわずかに違うため、二次側の起電力に差が生じる。その差が二つの変圧器のインピーダンスを通して循環電流を流す。 二次側の起電力は 巻数比30.1の変圧器:6 600/30.1≒219.27 V 巻数比30.0の変圧器:6 600/30.0=220.00 V で、その差は 220.00−219.27=0.73 V。 循環電流はこの差の電圧が、二つの変圧器のインピーダンスの直列和にかかって流れる。 Ż=(0.013+j0.022)+(0.010+j0.020)=0.023+j0.042 Ω |Ż|=√(0.023²+0.042²)=√0.002293≒0.0479 Ω。 したがって I=0.73/0.0479≒15.3 A。答(3)。 二次側は無負荷なので、負荷電流は流れず、この循環電流だけが二つの二次巻線のあいだをぐるぐる回る。負荷に何も出していないのに巻線には電流が流れ、銅損だけが増えることになる。 インピーダンスを直列に足すところが要点である。循環電流から見ると、二つの変圧器が輪になってつながっているので、両方のインピーダンスを通ることになる。片方だけで割ると 0.73/0.0255≒28.6 A となって(4)に近い値が出る。 巻数比の差はわずか0.33 %だが、インピーダンスが小さいため15 Aもの電流が流れる。並行運転で巻数比(変圧比)をそろえることが求められる理由がここにある。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 機械 問8
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1062.変圧器の試験方法の一つに温度上昇試験がある。小形変圧器の場合には実負荷法を用いるが,電力用等の大形変圧器では返還負荷法を用いる。返還負荷法では,外部電源から鉄損と銅損に相当する電力のみを供給すればよいので試験電源が比較的小規模なものですむ。単相変圧器におけるこの試験の結線方法及び図中に示す鉄損,銅損の供給方法として,次の(1)〜(5)のうちから正しいものを一つ選べ。ただし,T₁,T₂は試験対象となる同じ仕様の変圧器,T₃は補助変圧器である。 (選択肢は原本から切り出した結線図で示す。)
- 1.

- 2.

- 3.

- 4.

- 5.

正解:2.
解説:返還負荷法(back-to-back法)は、同じ仕様の変圧器2台を向かい合わせにして、負荷をつながずに定格の磁束と定格の電流を同時に流す試験である。満たすべき条件は二つだけである。 ① 鉄損を出すため、2台の一次巻線を並列にして定格電圧を加える。両方の鉄心に定格の磁束が通り、それぞれに定格の鉄損が生じる。 ② 銅損を出すため、2台の二次巻線を直列にして閉ループを作り、そのループに補助変圧器T₃で小さな電圧を注入する。2台の二次起電力が打ち消し合う向きにつなげば、ループに残る起電力は零なので、T₃で加えた電圧とループのインピーダンスだけで電流が決まる。この電流を定格値に合わせれば、定格の銅損が生じる。 (2)はこの二つを両方満たしている。一次側は、電源の一方の端子が2台の一次巻線の同じ側(極性を表す黒丸の側)に、もう一方の端子が反対側にそれぞれつながっており、確かに並列である。二次側は、T₁の二次からT₃を経てT₂の二次へ戻る一つの輪になっており、輪をたどるとT₁は黒丸側から、T₂は黒丸と反対側から入るので、二つの起電力は互いに打ち消し合う。答(2)。 他の図は、①②の少なくとも一方を満たしていない。 (1) 一次側は(2)と同じく並列。二次側は、T₃の両端からT₁とT₂の二次巻線へそれぞれ分かれてつながる並列で、2台を通る一つの輪になっていない。 (3) 一次側は、T₁の黒丸の無い側とT₂の黒丸の無い側がつながり、電源から見て2台が直列。二次側は一つの輪だが、輪をたどるとT₁もT₂も黒丸側から入るので、二つの起電力は加わり合う向きになる。 (4) 一次側は(3)と同じく直列。二次側は(1)と同じく並列。 (5) 一次側は(2)と同じく並列。二次側は(3)と同じく、起電力が加わり合う向きの輪になっている。 一次巻線が直列だと、2台それぞれに定格電圧がかからず、定格の鉄損にならない。二次巻線がT₃に並列だと、T₃の電圧が2台の二次巻線に同じようにかかるだけで、2台を通って回る定格電流を流せない。二次の起電力が加わり合う向きだと、2台ぶんの起電力がそのまま輪に残って過大な電流が流れてしまう。 この方法の利点は、外部電源が鉄損と銅損の合計だけを負担すれば足りることである。定格容量が何万kV·Aあっても、試験電源は損失ぶん(数%)で済む。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 機械 問9
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 - 1.
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問1063.次の文章は,単相サイリスタ整流回路に関する記述である。 図1には純抵抗負荷に接続された単相サイリスタ整流回路を示し,T₁〜T₄のサイリスタはオン電圧降下を無視できるものとする。また,図1中の矢印の方向を正とした交流電源の電圧 v=V sin ωt [V]及び直流側電圧v_dの波形をそれぞれ破線及び実線で図2に示す。 図2に示した交流電圧の位相において,π<ωt<2πの位相で同時にオン信号を与えるサイリスタは (ア) である。 交流電圧1サイクルの中で,例えばサイリスタT₄からT₂へ導通するサイリスタが換わる動作を考える。T₄がオンしている状態から位相πで電流が零になると,T₄はオフ状態となる。その後,制御遅れ角αを経てT₂にオン信号を与えると,電流がT₂に流れる。このとき既に電流が零になったT₄には,交流電圧vが (イ) として印加される。すなわち, (ウ) であるサイリスタは,極性が変わる交流電圧を利用してターンオフすることができる。 次に交流電圧と直流側電圧の関係について考える。サイリスタT₂とT₃がオンしている期間は交流電源の (エ) と直流回路のN母線が同じ電位になるので,このときの直流側電圧v_dは (オ) と等しくなる。 上記の記述中の空白箇所(ア),(イ),(ウ),(エ)及び(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.T₂とT₃ / 順電圧 / オン制御デバイス / A端子 / 交流電圧の逆方向電圧 −v
- 2.T₁とT₄ / 逆電圧 / オン制御デバイス / B端子 / 交流電圧 v
- 3.T₂とT₃ / 逆電圧 / オン制御デバイス / A端子 / 交流電圧の逆方向電圧 −v
- 4.T₁とT₄ / 順電圧 / オンオフ制御デバイス / B端子 / 交流電圧の逆方向電圧 −v
- 5.T₂とT₃ / 逆電圧 / オンオフ制御デバイス / B端子 / 交流電圧 v
正解:3.T₂とT₃ / 逆電圧 / オン制御デバイス / A端子 / 交流電圧の逆方向電圧 −v
解説:(ア) 単相ブリッジでは、電源電圧が正の半サイクルでT₁とT₄、負の半サイクルでT₂とT₃が組になって導通する。π<ωt<2πは負の半サイクルなのでT₂とT₃である。設問の後半に「サイリスタT₂とT₃がオンしている期間は」とあることからも確かめられる。 (イ) T₂とT₃がオンすると、A端子がN母線に、B端子がP母線につながる。T₄はN母線とB端子の間にあるので、その両端にかかるのは v_N−v_B=v_A−v_B=v である。この期間のvは負なので、T₄には逆電圧が加わっていることになる。逆電圧が加わればサイリスタは確実にオフを保てる。 (ウ) サイリスタはゲート信号でオンにはできるが、自分でオフにすることはできない。すなわちオン制御デバイスである。だから外部から極性が変わる交流電圧をもらってターンオフする(他励式・自然転流)。オンオフ制御デバイスはGTOやIGBTのことで、それらならゲートでオフにできる。 (エ) T₂はN母線とA端子をつなぐので、A端子とN母線が同じ電位になる。 (オ) 同時にT₃がB端子とP母線をつなぐので v_d=v_P−v_N=v_B−v_A=−v となる。すなわち交流電圧の逆方向電圧−vである。 T₂とT₃/逆電圧/オン制御デバイス/A端子/交流電圧の逆方向電圧−vとなり答(3)。 負の半サイクルでv_dが正になるのは、v_d=−v と符号が反転しているためである。図2の実線が正の山を二つ描いているのはこの働きによる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 機械 問10
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1064.かごの質量が250 kg,定格積載質量が1 500 kgのロープ式エレベータにおいて,釣合いおもりの質量は,かごの質量に定格積載質量の50 %を加えた値とした。このエレベータの電動機出力を22 kWとした場合,一定速度でかごが上昇しているときの速度の値[m/min]はいくらになるか,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし,エレベータの機械効率は70 %,積載量は定格積載質量とし,ロープの質量は無視するものとする。
- 1.54
- 2.94
- 3.126
- 4.180
- 5.377
正解:3.126
解説:ロープ式エレベータでは、かご側と釣合いおもり側の質量の差だけを電動機が持ち上げればよい。 かご側の質量は 250+1 500=1 750 kg。 釣合いおもりの質量は 250+1 500×0.5=1 000 kg。 差は 1 750−1 000=750 kg。 速度をv[m/s]とすると、巻上げに要る動力は 750×9.8×v[W] で、これを機械効率0.7で割ったものが電動機出力22 kWに等しい。 750×9.8×v/0.7=22 000 v=22 000×0.7/(750×9.8)=15 400/7 350≒2.10 m/s。 設問は[m/min]を問うているので60を掛けて 2.10×60≒126 m/min。答(3)。 (2)の94は、機械効率を掛けてしまった場合の値に近い(22 000×0.7 ではなく 22 000/0.7 …ではなく、逆に0.7を分母から分子へ移す取り違え)。電動機のほうが出す側なので、必要な動力を効率で割るのではなく、電動機出力に効率を掛けたものが有効な動力になる。式で書けば 22 000×0.7=15 400 W が実際に持ち上げに使える動力である。 (5)の377は m/s のまま60を掛けずに…ではなく、釣合いおもりを考えずに1 750 kg で計算した場合などに出る。釣合いおもりの効果が、この問題の中心である。 釣合いおもりを「かご+積載の50 %」にするのは、無負荷のときと満載のときの電動機の負担をならすためである。満載時は750 kg分、無負荷時は逆向きに750 kg分となり、どちらも同じ大きさになる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 機械 問11
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問1065.次の文章は,太陽光発電システムに関する記述である。 太陽光発電システムは,太陽電池アレイ,パワーコンディショナ,これらを接続する接続箱,交流側に設置する交流開閉器などで構成される。 太陽電池アレイは,複数の太陽電池 (ア) を通常は直列に接続して構成される太陽電池 (イ) をさらに直並列に接続したものである。パワーコンディショナは,直流を交流に変換する (ウ) と,連系保護機能を実現する系統連系用保護装置などで構成されている。 太陽電池アレイの出力は,日射強度や太陽電池の温度によって変動する。これらの変動に対し,太陽電池アレイから常に (エ) の電力を取り出す制御は,MPPT(Maximum Power Point Tracking)制御と呼ばれている。 上記の記述中の空白箇所(ア),(イ),(ウ)及び(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.モジュール / セル / 整流器 / 最小
- 2.ユニット / セル / インバータ / 最大
- 3.ユニット / モジュール / インバータ / 最小
- 4.セル / ユニット / 整流器 / 最小
- 5.セル / モジュール / インバータ / 最大
正解:5.セル / モジュール / インバータ / 最大
解説:(ア)(イ) 太陽電池の単位は小さいほうからセル→モジュール→ストリング→アレイである。セルは1枚のpn接合で、これを何十枚も直列にして板状にまとめたものがモジュール(パネル)。モジュールをさらに直並列に組んだものがアレイである。したがって(ア)がセル、(イ)がモジュールになる。 (ウ) パワーコンディショナの中で直流を交流に変えるのはインバータである。整流器は交流を直流に変える逆の装置で、ここでは働きが合わない。 (エ) MPPTのMaximum Power Pointは「最大電力点」で、日射強度や温度が変わっても常に最大の電力を取り出せる動作点を追いかける制御である。「最小」では発電する意味がない。 セル/モジュール/インバータ/最大となり答(5)。 (エ)は英語の名前そのものが答になっている。Maximum Power Point Tracking=最大電力点を追いかける、と読める。 太陽電池の出力は電圧と電流の積で、電圧を上げすぎても下げすぎても電力は小さくなる。その山の頂上を探し続けるのがMPPT制御である。日射が変われば山の位置も動くので、追いかけ続ける必要がある。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 機械 問12
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問1066.図1に示すR-L回路において,端子a-a′間に5 Vの階段状のステップ電圧v₁(t)[V]を加えたとき,抵抗R₂[Ω]に発生する電圧をv₂(t)[V]とすると,v₂(t)は図2のようになった。この回路のR₁[Ω],R₂[Ω]及びL[H]の値と,入力をv₁(t),出力をv₂(t)としたときの周波数伝達関数G(jω)の式として,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.R₁=80 / R₂=20 / L=0.2 / G(jω)=0.5/(1+j0.2ω)
- 2.R₁=40 / R₂=10 / L=1.0 / G(jω)=0.5/(1+j0.02ω)
- 3.R₁=8 / R₂=2 / L=0.1 / G(jω)=0.2/(1+j0.2ω)
- 4.R₁=4 / R₂=1 / L=0.1 / G(jω)=0.2/(1+j0.02ω)
- 5.R₁=0.8 / R₂=0.2 / L=1.0 / G(jω)=0.2/(1+j0.2ω)
正解:4.R₁=4 / R₂=1 / L=0.1 / G(jω)=0.2/(1+j0.02ω)
解説:図2から二つの値を読み取る。 最終値:v₂は1.00 Vに落ち着いている。入力は5 Vなので、抵抗の分圧比は R₂/(R₁+R₂)=1.00/5=0.2。 時定数:一次遅れの応答は時定数のところで最終値の63 %に達する。図2は0.63 Vになる時刻が0.02 sなので τ=L/(R₁+R₂)=0.02 s。 この二つを満たす組合せを探す。 (4)は R₂/(R₁+R₂)=1/(4+1)=0.2 ✓、τ=0.1/5=0.02 s ✓。 (3)は分圧比 2/10=0.2 で合うが、τ=0.1/10=0.01 s となって図2と合わない。 (1)(2)は分圧比が 20/100=0.2、10/50=0.2 で合うものの、それぞれ τ=0.2/100=0.002 s、τ=1.0/50=0.02 s。(2)は時定数も合うが分圧比が…と見えるが、Gの分子が0.5になっており分圧比0.2と食い違う。 伝達関数も確かめる。 G(jω)=v₂/v₁=R₂/(R₁+R₂+jωL)={R₂/(R₁+R₂)}/{1+jωL/(R₁+R₂)}=0.2/(1+j0.02ω)。 (4)のGと一致する。答(4)。 Gの分子が定常ゲイン(=分圧比0.2)、分母のωの係数が時定数(=0.02)である。図2から読んだ二つの値がそのままGの二つの数字になる、という対応を押さえておくと、選択肢を一つずつ計算しなくても絞れる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 機械 問13
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問1067.2進数AとBがある。それらの和がA+B=(101010)₂,差がA−B=(1100)₂であるとき,Bの値として,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(1110)₂
- 2.(1111)₂
- 3.(10011)₂
- 4.(10101)₂
- 5.(11110)₂
正解:2.(1111)₂
解説:2進数のまま計算してもよいが、いったん10進数に直すほうが確実である。 A+B=(101010)₂=32+8+2=42 A−B=(1100)₂=8+4=12 和と差が分かっているので B={(A+B)−(A−B)}/2=(42−12)/2=15。 15を2進数に直すと 15=8+4+2+1=(1111)₂。答(2)。 ついでにAも求まる。A=(42+12)/2=27=(11011)₂ である。確かめると 27+15=42 ✓、27−15=12 ✓ で、どちらも設問と合う。 2進数のまま解くこともできる。(101010)₂−(1100)₂=(11110)₂ で、これを1桁右へずらす(2で割る)と (1111)₂ になる。2進数では右シフトが2で割ることにあたるので、この解き方も短い。 (5)の(11110)₂は、2で割る前の (A+B)−(A−B) の値そのものである。最後に2で割る手順を忘れるとここに落ちる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 機械 問14
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問1068.並行運転しているA及びBの2台の三相同期発電機がある。それぞれの発電機の負荷分担が同じ7 300 kWであり,端子電圧が6 600 Vのとき,三相同期発電機Aの負荷電流I_Aが1 000 A,三相同期発電機Bの負荷電流I_Bが800 Aであった。損失は無視できるものとして,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 三相同期発電機Aの力率の値[%]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.48
- 2.64
- 3.67
- 4.77
- 5.80
正解:2.64
解説:三相の有効電力は P=√3 V I cosθ なので、力率について解くと cosθ=P/(√3 V I)。 発電機Aの値を入れる。 cosθ_A=7 300×10³/(√3×6 600×1 000) =7.30×10⁶/(1.1432×10⁷)≒0.639=63.9 %。 最も近いのは64で答(2)。 分母の √3×6 600=11 431.5 をまず出しておくと、この問題全体を通して使い回せる。発電機Bの力率も同じ式で cosθ_B=7.30×10⁶/(11 431.5×800)≒0.798=79.8 % となり、小問(b)で使う。 2台とも同じ7 300 kWを分担しているのに電流が違うのは、力率が違うからである。電流の大きい発電機Aのほうが力率が低く、無効電力を多く受け持っていることになる。並行運転では、有効電力の分担は原動機の出力で、無効電力の分担は界磁の強さ(励磁)で決まる。 (5)の80は発電機Bの力率の値である。どちらを問われているかを取り違えないこと。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 機械 問15(a)
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問1069.並行運転しているA及びBの2台の三相同期発電機がある。それぞれの発電機の負荷分担が同じ7 300 kWであり,端子電圧が6 600 Vのとき,三相同期発電機Aの負荷電流I_Aが1 000 A,三相同期発電機Bの負荷電流I_Bが800 Aであった。損失は無視できるものとする。次の問に答えよ。 〔小問(b)〕 2台の発電機の合計の負荷が調整の前後で変わらずに一定に保たれているものとして,この状態から三相同期発電機A及びBの励磁及び駆動機の出力を調整し,三相同期発電機Aの負荷電流は調整前と同じ1 000 Aとし,力率は100 %とした。このときの三相同期発電機Bの力率の値[%]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 ただし,端子電圧は変わらないものとする。 (小問(a)より,調整前の力率は発電機Aが約63.9 %,発電機Bが約79.8 %である。)
- 1.22
- 2.50
- 3.71
- 4.87
- 5.100
正解:1.22
解説:合計の負荷が変わらないので、有効電力の合計と無効電力の合計がそれぞれ調整の前後で等しい。この二つを保存量として追う。 まず調整前の値を出す。√3×6 600=11 431.5 として 発電機A:cosθ_A=0.639、sinθ_A=√(1−0.639²)≒0.770 Q_A=11 431.5×1 000×0.770≒8 797 kvar 発電機B:cosθ_B=0.798、sinθ_B≒0.602 Q_B=11 431.5×800×0.602≒5 508 kvar 合計は P=7 300×2=14 600 kW,Q=8 797+5 508≒14 306 kvar。 つぎに調整後を考える。発電機Aは1 000 Aで力率100 %なので P_A=11 431.5×1 000×1.0≒11 432 kW,Q_A=0。 合計が変わらないから P_B=14 600−11 432=3 168 kW,Q_B=14 306−0=14 306 kvar。 したがって発電機Bの力率は cosθ_B=P_B/√(P_B²+Q_B²)=3 168/√(3 168²+14 306²) =3 168/14 652≒0.216=21.6 %。 最も近いのは22で答(1)。 発電機Aが無効電力を出さなくなったぶん、無効電力の全部を発電機Bが引き受けることになる。しかも有効電力の分担は3 168 kWまで減るので、力率が極端に悪くなる。 並行運転では、励磁を強めた発電機が無効電力を多く受け持つ。この問題は、発電機Aの励磁を弱めて力率1にした結果、発電機Bにしわ寄せが行く様子を数字で追っている。 有効電力と無効電力を別々に保存する、という手順を崩さないこと。皮相電力どうしを足し引きしても答は出ない。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 機械 問15(b)
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問1070.図は直流昇圧チョッパ回路であり,スイッチングの周期をT[s]とし,その中での動作を考える。ただし,直流電源Eの電圧をE₀[V]とし,コンデンサCの容量は十分に大きく出力電圧E₁[V]は一定とみなせるものとする。 半導体スイッチSがオンの期間T_on[s]では,E−リアクトルL−S−Eの経路とC−負荷R−Cの経路の二つで電流が流れ,このときにLに蓄えられるエネルギーが増加する。Sがオフの期間T_off[s]では,E−L−ダイオードD−(CとRの並列回路)−Eの経路で電流が流れ,Lに蓄えられたエネルギーが出力側に放出される。次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 この動作において,Lの磁束を増加させる電圧時間積は (ア) であり,磁束を減少させる電圧時間積は (イ) である。定常状態では,増加する磁束と減少する磁束が等しいとおけるので,入力電圧と出力電圧の関係を求めることができる。 上記の記述中の空白箇所(ア)及び(イ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.(ア) E₀·T_on / (イ) (E₁−E₀)·T_off
- 2.(ア) E₀·T_on / (イ) E₁·T_off
- 3.(ア) E₀·T / (イ) E₁·T_off
- 4.(ア) (E₀−E₁)·T_on / (イ) (E₁−E₀)·T_off
- 5.(ア) (E₀−E₁)·T_on / (イ) (E₁−E₀)·T
正解:1.(ア) E₀·T_on / (イ) (E₁−E₀)·T_off
解説:リアクトルの磁束の変化は「かかる電圧×その時間」で決まる。これを電圧時間積という。したがって、オンの期間とオフの期間でLの両端に何ボルトかかるかを見ればよい。 Sがオンの期間:Lの一方の端は電源E₀に、もう一方はSを通して電源の負側につながる。したがってLには電源電圧E₀がそのままかかり、電流が増えて磁束が増加する。電圧時間積は E₀·T_on。 Sがオフの期間:電流はダイオードDを通って出力側へ流れる。Lの入口側は電源E₀、出口側は出力電圧E₁なので、Lにかかる電圧は E₀−E₁ である。昇圧チョッパでは E₁>E₀ なのでこれは負、すなわち磁束を減らす向きである。減少させる大きさは (E₁−E₀)·T_off。 したがって答(1)。 定常状態では増加分と減少分が等しいので E₀T_on=(E₁−E₀)T_off。 これを整理すると E₀T=E₁T_off、すなわち E₁=E₀·T/T_off=E₀/(1−α) となり、昇圧チョッパのよく知られた式が出てくる(αは通流率 T_on/T)。この式が小問(b)で使う関係である。 (2)のようにオフ期間の電圧をE₁とすると、Lの入口にある電源E₀を無視したことになる。Lの両端の電位差を、入口と出口の両方を見て決める。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 機械 問16(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1071.図は直流昇圧チョッパ回路であり,スイッチングの周期をT[s]とし,その中での動作を考える。ただし,直流電源Eの電圧をE₀[V]とし,コンデンサCの容量は十分に大きく出力電圧E₁[V]は一定とみなせるものとする。 半導体スイッチSがオンの期間T_on[s]では,E−リアクトルL−S−Eの経路とC−負荷R−Cの経路の二つで電流が流れ,このときにLに蓄えられるエネルギーが増加する。Sがオフの期間T_off[s]では,E−L−ダイオードD−(CとRの並列回路)−Eの経路で電流が流れ,Lに蓄えられたエネルギーが出力側に放出される。次の問に答えよ。 〔小問(b)〕 入力電圧E₀=100 V,通流率α=0.2のときに,出力電圧E₁の値[V]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 (小問(a)より,定常状態では E₀·T_on=(E₁−E₀)·T_off が成り立つ。)

- 1.80
- 2.125
- 3.200
- 4.400
- 5.500
正解:2.125
解説:小問(a)で得た関係 E₀T_on=(E₁−E₀)T_off を整理する。両辺にE₀T_offを足すと E₀(T_on+T_off)=E₁T_off すなわち E₀T=E₁T_off。 通流率は α=T_on/T なので T_off=(1−α)T であり E₁=E₀/(1−α)。 数値を入れると E₁=100/(1−0.2)=100/0.8=125 V。答(2)。 (1)の80は E₀×(1−α)=100×0.8 とした場合で、降圧チョッパの式(E₁=αE₀)とも違う別の値である。昇圧チョッパなので出力は必ず入力より高くなる。100 Vより低い(1)は、この時点で外れる。 (5)の500は E₀/α=100/0.2 とした場合の値である。分母は α ではなく 1−α で、オフの期間の割合にあたる。 通流率が大きいほど 1−α が小さくなり、出力電圧は高くなる。α=0.2 では1.25倍、α=0.5 なら2倍、α=0.8 なら5倍である。ただし実際には損失があるため、通流率を上げ続けても際限なく昇圧できるわけではない。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 機械 問16(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1072.電気給湯器を用いて,貯湯タンクに入っている温度20 ℃,体積0.37 m³の水を85 ℃に加熱したい。水の比熱容量は4.18×10³ J/(kg·K),水の密度は1.00×10³ kg/m³であり,いずれも水の温度に関係なく一定とする。次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 貯湯タンク内の水の加熱に必要な熱エネルギーQの値[MJ]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.51
- 2.101
- 3.152
- 4.202
- 5.253
正解:2.101
解説:熱量は Q=m c ΔT で求める。まず体積から質量を出す。 m=0.37 m³×1.00×10³ kg/m³=370 kg。 温度差は ΔT=85−20=65 K。 したがって Q=370×4.18×10³×65 =370×271 700 ≒1.005×10⁸ J=100.5 MJ。 最も近いのは101で答(2)。 単位の直しが二か所ある。体積[m³]に密度を掛けて質量[kg]にすること、そして最後にJをMJへ(10⁶で割る)直すことである。 温度差は摂氏でもケルビンでも同じ値になる。85 ℃−20 ℃=65 ℃差=65 Kであって、絶対温度に直してから引く必要はない。比熱容量の単位が J/(kg·K) なので、そのまま65を掛けてよい。 (1)の51は温度差を約32(=65の半分)とした場合などに出る値である。ΔTは引き算であって、絶対温度どうしの比ではない。 水を1 kg、1 K上げるのに約4.2 kJ、という値は覚えておくと桁の確認に使える。370 kgを65 K上げるなら 370×65=24 050 kg·K ぶんで、これに4.2 kJを掛けると約101 MJ になる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 機械 問17(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1073.電気給湯器を用いて,貯湯タンクに入っている温度20 ℃,体積0.37 m³の水を85 ℃に加熱したい。水の比熱容量は4.18×10³ J/(kg·K),水の密度は1.00×10³ kg/m³であり,いずれも水の温度に関係なく一定とする。次の問に答えよ。 〔小問(b)〕 電気給湯器としてCOP(成績係数)が4.0のヒートポンプユニットを用いた。この加熱に要した時間は6時間であった。ヒートポンプユニットの消費電力Pの値[kW]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし,ヒートポンプ式電気給湯器の貯湯タンク,ヒートポンプユニット,配管などの加熱に必要な熱エネルギーは無視し,それらからの熱損失もないものとする。また,ヒートポンプユニットの消費電力及びCOPは,いずれも加熱の開始から終了まで一定とする。 (小問(a)より,加熱に必要な熱エネルギーは約101 MJである。)
- 1.0.96
- 2.1.06
- 3.1.16
- 4.1.26
- 5.1.36
正解:3.1.16
解説:COP(成績係数)は「取り出した熱エネルギー÷投入した電気エネルギー」である。したがって必要な電気エネルギーは W=Q/COP=100.5×10⁶/4.0≒25.1×10⁶ J=25.1 MJ。 これを6時間で消費したので、消費電力は P=W/t=25.1×10⁶/(6×3 600) =25.1×10⁶/21 600≒1 163 W≒1.16 kW。答(3)。 6時間を秒に直すところが要点である。6×3 600=21 600 s とする。時間のまま割ると 25.1×10⁶/6≒4.19×10⁶ となり、単位がJ/hになってしまう(これをさらに3 600で割ればWになる)。 COPが4.0とは、電気1に対して熱を4取り出せるという意味である。ヒートポンプは熱をつくるのではなく、外気の熱を汲み上げて運ぶので、投入した電気より多くの熱が得られる。電気ヒータ(COP=1相当)に比べて1/4の電力で済む。 (4)の1.26は、COPで割らずに…ではなく別の取り違えで出る値だが、COPを掛けてしまうと 100.5×4/21 600≒18.6 kW と桁が変わるので、その誤りにはすぐ気づける。COPは電気を減らす側に効く、と向きを押さえておく。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 機械 問17(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1074.論理関数について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 論理式 X·Y·Z+X·Ȳ·Z̄+X̄·Y·Z+X·Ȳ·Z を積和形式で簡単化したものとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.X·Y+X·Z
- 2.X·Ȳ+Y·Z
- 3.X̄·Y+X·Z
- 4.X·Y+Ȳ·Z
- 5.X·Y+X̄·Z
正解:2.X·Ȳ+Y·Z
解説:与えられた四つの項が1になる組合せ(X, Y, Z)を書き出す。 X·Y·Z → (1,1,1) X·Ȳ·Z̄ → (1,0,0) X̄·Y·Z → (0,1,1) X·Ȳ·Z → (1,0,1) この四つをまとめる。 (1,1,1)と(0,1,1)はXだけが違うので、Xを消して Y·Z にまとめられる。 (1,0,0)と(1,0,1)はZだけが違うので、Zを消して X·Ȳ にまとめられる。 したがって F=X·Ȳ+Y·Z。答(2)。 8通りすべてで確かめる。 000→0,001→0,010→0,011→1,100→1,101→1,110→0,111→1。 元の式でも 011(X̄YZ)、100(XȲZ̄)、101(XȲZ)、111(XYZ)の四つだけが1なので、完全に一致する。 (1)の X·Y+X·Z は 110 で1になってしまうが、元の式は110で0なので当たらない。1になる組合せを書き出してから照合すると、こうした食い違いがすぐ見つかる。 変数が1つだけ違う項どうしをまとめる、というのが簡単化の基本である。カルノー図を書けば、隣り合う1のマスを2つずつ囲む操作にあたる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 機械 問18(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1075.論理関数について,次の問に答えよ。 〔小問(b)〕 論理式 (X+Y+Z)·(X+Y+Z̄)·(X+Ȳ+Z) を和積形式で簡単化したものとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(X+Y)·(X+Z)
- 2.(X+Ȳ)·(X+Z)
- 3.(X+Y)·(Y+Z̄)
- 4.(X+Ȳ)·(Y+Z)
- 5.(X+Z)·(Y+Z̄)
正解:1.(X+Y)·(X+Z)
解説:最初の二つの因数をまとめる。A=X+Y とおくと (A+Z)(A+Z̄)=A+Z·Z̄=A+0=A なので (X+Y+Z)(X+Y+Z̄)=X+Y。 残りと合わせて F=(X+Y)(X+Ȳ+Z)。 さらに整理する。B=X とおいて分配法則を使うと (X+Y)(X+Ȳ+Z)=X+Y(Ȳ+Z)=X+(Y·Ȳ+Y·Z)=X+Y·Z。 これを和積形式に戻すと X+Y·Z=(X+Y)(X+Z)。答(1)。 0になる組合せで確かめてもよい。各因数が0になるのは (X+Y+Z)=0 → (0,0,0) (X+Y+Z̄)=0 → (0,0,1) (X+Ȳ+Z)=0 → (0,1,0) の三つだけで、それ以外は1である。 一方 (X+Y)(X+Z) が0になるのは、X=0 かつ(Y=0 または Z=0)のときで、(0,0,0)・(0,0,1)・(0,1,0) の三つ。完全に一致する。 和積形式の簡単化は、積和形式の裏返しである。「Zだけが違う二つの和項はZを消してまとめられる」という関係が、積和のときの「Zだけが違う二つの積項はZを消してまとめられる」に対応している。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 機械 問18(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1076.オームの法則によれば、I=R/Vで電流が表される。
正解:×(誤り)
解説:誤り。オームの法則は「I=V/R」(V÷Rで電流、R÷Vではない)。
-
問1077.抵抗率が大きいほど、同じ形状の導体の電気抵抗は小さくなる。
正解:×(誤り)
解説:誤り。抵抗R=ρl/A(ρ:抵抗率、l:長さ、A:断面積)。抵抗率が大きいほど抵抗は大きくなります。
-
問1078.直列接続のR1、R2の合成抵抗は1/(1/R1+1/R2)で表される。
正解:×(誤り)
解説:誤り。直列の合成抵抗は「R1+R2」(並列の合成は1/(1/R1+1/R2))。
-
問1079.並列に接続された抵抗R1、R2の合成抵抗はR1+R2で表される。
正解:×(誤り)
解説:誤り。並列接続では1/R=1/R1+1/R2であり、合成抵抗はR=R1R2/(R1+R2)となります。
-
問1080.キルヒホッフの第一法則(電流則)は、「回路の任意の節点に流入する電流の総和は、流出する電流の総和に等しい」ことを述べている。
正解:○(正しい)
解説:キルヒホッフの電流則(KCL)の正しい記述です。
-
問1081.キルヒホッフの第二法則(電圧則)は、「任意の閉回路において起電力の総和と電圧降下の総和は等しい」ことを述べている。
正解:○(正しい)
解説:キルヒホッフの電圧則(KVL)の正しい記述です。
-
問1082.電力P[W]は、電圧V[V]と電流I[A]の積で表される(直流の場合)。
正解:○(正しい)
解説:直流回路における電力はP=VIで表されます。
-
問1083.抵抗Rに電流Iが流れるときの消費電力はP=I/Rで表される。
正解:×(誤り)
解説:誤り。抵抗の消費電力は「P=I²R」(I/Rではない)。
-
問1084.静電容量Cのコンデンサに電圧Vを加えたときに蓄えられる電荷QはQ=CVで表される。
正解:○(正しい)
解説:コンデンサの基本式 Q=CV(電荷=容量×電圧)。Cの単位F(ファラド)、Qは[C]クーロン、Vはボルト。電荷量はキャパシタンスと電圧の積で決まる電気回路の基本式。
-
問1085.平行平板コンデンサの静電容量は、極板面積に反比例し、極板間距離に比例する。
正解:×(誤り)
解説:誤り。C=εA/d。面積Aに比例し、距離dに反比例します。
-
問1086.コンデンサを直列接続した場合、合成静電容量は各静電容量の和になる。
正解:×(誤り)
解説:誤り。コンデンサの直列接続は1/C=1/C1+1/C2で、並列接続がC=C1+C2です。
-
問1087.磁界中で電流が受ける力の向きは、フレミングの左手の法則で求められる。
正解:○(正しい)
解説:フレミングの左手の法則:親指=力F、人差し指=磁束B、中指=電流Iです。
-
問1088.磁界中で導体が動くときの起電力の向きは、フレミングの左手の法則で求める。
正解:×(誤り)
解説:誤り。動く導体の起電力は「右手の法則」(左手は電流が受ける力)。
-
問1089.ファラデーの電磁誘導の法則により、誘導起電力はコイルを貫く磁束の時間変化率に比例する。
正解:○(正しい)
解説:e=-N(dΦ/dt)でファラデーの法則の正しい記述です。
-
問1090.レンツの法則では、誘導電流は磁束の変化を妨げる向きに流れる。
正解:○(正しい)
解説:レンツの法則: 誘導電流は磁束の変化を妨げる方向に流れる。エネルギー保存則の電磁誘導版。誘導起電力eはe=-dΦ/dtで表され、負号がレンツの法則を表す。
-
問1091.正弦波交流の実効値は、最大値のルート2倍である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。正弦波の実効値=最大値/√2です。最大値=実効値×√2なので逆になっています。
-
問1092.RLC直列回路で共振したとき、回路のインピーダンスは無限大となる。
正解:×(誤り)
解説:誤り。直列共振でインピーダンスは「抵抗Rのみ(最小)」(無限大は並列共振)。
-
問1093.インダクタンスLのコイルの誘導リアクタンスはL/ωである。
正解:×(誤り)
解説:誤り。誘導リアクタンスは「ωL」(L/ωではない)。
-
問1094.静電容量Cのコンデンサに角周波数ωの交流を加えたとき、容量リアクタンスはωCである。
正解:×(誤り)
解説:誤り。容量リアクタンスX_C=1/(ωC)=1/(2πfC)です。ωCではなくその逆数です。
-
問1095.交流回路において、電圧と電流の位相差の余弦値を力率という。
正解:○(正しい)
解説:力率cosφで、φは電圧と電流の位相差です。
-
問1096.有効電力Pは、皮相電力Sに力率cosφを掛けたものである。
正解:○(正しい)
解説:P=Scosφ、Q=Ssinφ、S=√(P²+Q²)です。
-
問1097.Y結線(星形結線)の線間電圧は相電圧の2倍である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。Y結線の線間電圧は「相電圧の√3倍」(2倍ではない)。
-
問1098.Δ結線(三角結線)の線電流は相電流と等しい。
正解:×(誤り)
解説:誤り。Δ結線の線電流は「相電流の√3倍」(等しくはない、Yの場合は等しい)。
-
問1099.平衡三相交流の有効電力は、P=線間電圧×線電流×cosφで表される。
正解:×(誤り)
解説:誤り。三相有効電力は「P=√3×線間電圧×線電流×cosφ」(√3係数必要)。
-
問1100.トランジスタは、ベース・エミッタ・コレクタの3つの電極を持つ半導体素子である。
正解:○(正しい)
解説:バイポーラトランジスタはB・E・Cの3電極を持ちます。
-
問1101.ダイオードは電流を一方向にしか流さない整流作用を持つ半導体素子である。
正解:○(正しい)
解説:ダイオードはpn接合の整流素子で電流を一方向(順方向)にしか流さない。順方向電圧降下は約0.6〜0.7V(Si)。整流回路・スイッチング回路の基本素子。
-
問1102.クーロンの法則によれば、点電荷間の力は距離に反比例する。
正解:×(誤り)
解説:誤り。クーロン力は「距離の2乗に反比例」(単純反比例ではない)。
-
問1103.電界の強さEと電位Vの関係は、E=dV/dxで表される(一次元)。
正解:×(誤り)
解説:誤り。E=「-dV/dx」(マイナス、電位高→低の向きに電界)。
-
問1104.アンペアの周回積分の法則によれば、閉曲線に沿った磁界の積分値は、その閉曲線を貫く電流の総和に等しい。
正解:○(正しい)
解説:アンペールの法則の正しい記述です(∮H・dl=I)。
-
問1105.インダクタンスLのコイルに蓄えられるエネルギーはW=LI²で表される。
正解:×(誤り)
解説:誤り。W=(1/2)LI²です。1/2が必要です。
-
問1106.コンデンサに蓄えられるエネルギーはW=(1/2)LI²で表される。
正解:×(誤り)
解説:誤り。コンデンサのエネルギーは「W=(1/2)CV²」(LI²はインダクタ)。
-
問1107.電気力線は負電荷から出て正電荷に入る向きを持つ。
正解:×(誤り)
解説:誤り。電気力線は「正電荷から出て負電荷に入る」(記述が逆)。
-
問1108.磁力線は、磁石内部でN極からS極に向かう。
正解:×(誤り)
解説:誤り。磁石内部では「S極からN極」へ向かう(外部はN→S、閉曲線)。
-
問1109.テブナンの定理は、任意の2端子を持つ線形回路を等価な電流源と並列抵抗の回路に置き換える定理である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。テブナンの定理は電圧源と直列抵抗への等価変換です。電流源と並列抵抗への変換はノートンの定理です。
-
問1110.重ね合わせの理は、非線形回路でも成立する。
正解:×(誤り)
解説:誤り。重ね合わせの理は「線形回路でのみ」成立(非線形では不成立)。
-
問1111.抵抗10Ωに電圧20Vを加えたとき、流れる電流[A]はいくらか。
- ア.0.5
- イ.2
- ウ.1
- エ.5
正解:イ.2
解説:オームの法則I=V/R=20/10=2[A]。
-
問1112.抵抗20Ωに電流3Aが流れたときの消費電力[W]はいくらか。
- ア.30
- イ.60
- ウ.180
- エ.120
正解:ウ.180
解説:P=I²R=3²×20=9×20=180[W]。
-
問1113.抵抗10Ωと15Ωを並列接続したときの合成抵抗[Ω]はいくらか。
- ア.25
- イ.8
- ウ.12.5
- エ.6
正解:エ.6
解説:R=(10×15)/(10+15)=150/25=6[Ω]。
-
問1114.静電容量6μFと3μFのコンデンサを直列接続したときの合成静電容量[μF]はいくらか。
- ア.2
- イ.1
- ウ.4.5
- エ.9
正解:ア.2
解説:1/C=1/6+1/3=1/6+2/6=3/6=1/2。C=2[μF]。
-
問1115.周波数50Hzの交流で、インダクタンス0.1Hのコイルの誘導リアクタンス[Ω]として最も近い値はどれか。
- ア.15.7
- イ.31.4
- ウ.62.8
- エ.100
正解:イ.31.4
解説:X_L=2πfL=2π×50×0.1=10π≒31.4[Ω]。
-
問1116.正弦波交流の最大値が141Vのとき、実効値[V]として最も近い値はどれか。
- ア.50
- イ.141
- ウ.100
- エ.200
正解:ウ.100
解説:実効値=最大値/√2=141/1.414≒100[V]。
-
問1117.R=4Ω、X_L=3Ωの直列回路のインピーダンス[Ω]はいくらか。
- ア.1
- イ.25
- ウ.7
- エ.5
正解:エ.5
解説:Z=√(R²+X_L²)=√(16+9)=√25=5[Ω]。
-
問1118.皮相電力100kVA、力率0.8の負荷の有効電力[kW]はいくらか。
- ア.80
- イ.60
- ウ.100
- エ.125
正解:ア.80
解説:P=Scosφ=100×0.8=80[kW]。
-
問1119.平衡三相Y結線において、相電圧が200Vのときの線間電圧[V]として最も近い値はどれか。
- ア.115
- イ.346
- ウ.200
- エ.400
正解:イ.346
解説:線間電圧=√3×相電圧=1.732×200≒346[V]。
-
問1120.線間電圧200V、線電流10A、力率0.8の平衡三相負荷の有効電力[kW]として最も近い値はどれか。
- ア.1.6
- イ.2.0
- ウ.2.77
- エ.3.46
正解:ウ.2.77
解説:P=√3VIcosφ=1.732×200×10×0.8≒2771[W]≒2.77[kW]。
-
問1121.静電容量10μFのコンデンサに100Vの電圧を加えたとき、蓄えられる電荷[μC]はいくらか。
- ア.100
- イ.500
- ウ.10000
- エ.1000
正解:エ.1000
解説:Q=CV=10×100=1000[μC]。
-
問1122.インダクタンス0.5H、電流2Aのコイルに蓄えられる磁気エネルギー[J]はいくらか。
- ア.1
- イ.0.5
- ウ.2
- エ.4
正解:ア.1
解説:W=(1/2)LI²=0.5×0.5×4=1[J]。
-
問1123.起電力100V、内部抵抗2Ωの電源に抵抗8Ωの負荷を接続したとき、負荷を流れる電流[A]はいくらか。
- ア.5
- イ.10
- ウ.12.5
- エ.50
正解:イ.10
解説:I=E/(r+R)=100/(2+8)=10[A]。
-
問1124.RLC直列回路でR=10Ω、X_L=20Ω、X_C=14Ωのとき、インピーダンス[Ω]として最も近い値はどれか。
- ア.6
- イ.10
- ウ.11.66
- エ.24
正解:ウ.11.66
解説:X=X_L-X_C=6、Z=√(10²+6²)=√136≒11.66[Ω]。
-
問1125.電界の強さが500V/mの一様電界中で、距離0.2mの2点間の電位差[V]はいくらか。
- ア.25
- イ.50
- ウ.2500
- エ.100
正解:エ.100
解説:V=Ed=500×0.2=100[V]。
-
問1126.オームの法則は、抵抗R[Ω]に電圧V[V]を加えると電流I=V/R[A]が流れることを表す。
正解:○(正しい)
解説:オームの法則:V=IR、I=V/R、R=V/I。電気回路の最も基本的な法則。
-
問1127.可動コイル形計器は直流専用の計器で、測定量の平均値を指示する。
正解:○(正しい)
解説:可動コイル形計器は永久磁石の磁界中に置いた可動コイルに働く電磁力で振れ、駆動トルクが電流の瞬時値に比例するため平均値を指示する(正弦波交流では0を指す)。そのため直流専用で、交流の測定には整流器を組み合わせた整流形計器を用いる。
-
問1128.二電力計法では、三相3線式回路の三相電力を、2台の単相電力計の指示の代数和として求めることができる。
正解:○(正しい)
解説:正しい。2台の電力計の指示をW1・W2とすると、三相3線式では3本の線電流の和が0になるため、W1+W2が三相電力に等しくなる(ブロンデルの定理)。この関係は負荷が平衡でも不平衡でも成り立つ。平衡負荷で負荷の力率角をφとすると、一方の指示は線間電圧×線電流×cos(30°−φ)、他方は線間電圧×線電流×cos(30°+φ)となり、φが60°を超える(力率が0.5未満の)とき後者は負になる。そのときは負の値のまま加える、つまり代数和をとる。
根拠: Virtual Labs(IIT Roorkee)Basic Electrical Science「Power consumed by three phase resistive load by two wattmeter method」Theory W1+W2 が各相の電力の和に等しいことの導出(星形・三角形結線)、Advantages:balanced でも unbalanced でも適用できる / Virtual Labs(IIT Roorkee)「Three phase power measurement」Theory 平衡負荷で P1=√3VI cos(30°−φ)、P2=√3VI cos(30°+φ)(V13・V23 は線間電圧)。φ>60° で cos(30°+φ)<0 となるのは式からの計算
-
問1129.抵抗R1とR2を直列接続すると、合成抵抗はR1+R2となる。
正解:○(正しい)
解説:直列合成:R = R1 + R2 + ... 同じ電流が流れ、電圧は分圧される。
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問1130.可動鉄片形計器は、交流の平均値を指示する計器である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。可動鉄片形計器は固定コイルの磁界で鉄片を動かす計器で、駆動トルクが電流の2乗に比例するため実効値を指示し、商用周波数の交流電流計・電圧計に広く使われる。平均値を指示するのは可動コイル形計器である。
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問1131.電圧計の測定範囲を拡大するには、倍率器を電圧計と並列に接続する。
正解:×(誤り)
解説:誤り。倍率器は電圧計と直列に接続して電圧を分担させ、測定範囲を広げる。内部抵抗 rv の電圧計の範囲を m 倍にする倍率器の抵抗は (m−1)rv。並列に接続して電流を分けるのは電流計の分流器である。
-
問1132.交流のインピーダンスは、抵抗とリアクタンスのベクトル和で表される複素数である。
正解:○(正しい)
解説:インピーダンス Z = R + jX(R:抵抗、X:リアクタンス)。位相差が生じる。
-
問1133.Y(スター)結線では、線間電圧は相電圧と等しい。
正解:×(誤り)
解説:誤り。Y結線の線間電圧は「相電圧の√3倍」(等しいのはΔ結線)。
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問1134.平行に置いた2本の導体に同じ向きの電流を流すと、導体間には反発力が働く。
正解:×(誤り)
解説:誤り。一方の電流がつくる磁界と他方の電流との間にフレミングの左手の法則による力が働き、同じ向きの電流では吸引力、逆向きでは反発力となる。単位長さあたりの力は F=μ0I1I2/(2πr)[N/m]。
-
問1135.電磁誘導は、コイルを貫く磁束が変化したときに、コイルに起電力が誘導される現象である。
正解:○(正しい)
解説:ファラデーの電磁誘導法則:e = -N×dΦ/dt。発電機・変圧器の動作原理。
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問1136.コイルの自己インダクタンスは、コイルを流れる電流の変化に対する起電力の比例定数である。
正解:○(正しい)
解説:自己インダクタンス L[H]:e = -L×di/dt。コイルの電流変化を妨げる性質を表す。
-
問1137.磁気回路の磁気抵抗は、磁路の長さに比例し、透磁率と磁路の断面積に反比例する。
正解:○(正しい)
解説:磁気抵抗は Rm=l/(μS)[A/Wb](l:磁路の長さ、μ:透磁率、S:断面積)。起磁力 NI=Rm×Φ(磁気回路のオームの法則)で、電気抵抗 R=ρl/S と同じ形になる。
-
問1138.半導体のp型のキャリアは電子、n型のキャリアは正孔である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。p型「正孔(ホール)」、n型「電子」(記述が逆)。
-
問1139.ダイオードは、両方向(順・逆)に電流を流す素子である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。ダイオードは「順方向のみ電流を流す」(整流作用)。
-
問1140.バイポーラトランジスタはnpn型のみで、pnpは存在しない。
正解:×(誤り)
解説:誤り。BJTは「npnとpnp」の両方が存在(電子と正孔のキャリア)。
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問1141.FETは、ゲート電流でドレイン電流を制御する電流駆動素子である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。FETは「ゲート電圧」で制御(電圧駆動素子)。電流駆動はBJT。
-
問1142.論理回路のAND・OR・NOT・NAND・NORゲートは、デジタル回路の基本構成要素である。
正解:○(正しい)
解説:基本論理ゲート:AND・OR・NOT・XORと派生のNAND・NOR・XNOR。CMOSでは NAND・NORが基本セル。
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問1143.カルノー図は、論理関数を視覚的に簡略化するための表である。
正解:○(正しい)
解説:カルノー図:4入力までは見やすい。隣接1セルでまとめてゲート数最小化。論理回路設計の基本ツール。
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問1144.D-A変換器(デジタル-アナログ変換器)は、デジタル信号をアナログ信号に変換する回路である。
正解:○(正しい)
解説:D-A変換:抵抗ラダー型・R-2R型等。CDプレイヤーやオーディオ機器のアナログ出力に使用。
-
問1145.A-D変換器は、デジタル信号をアナログ信号に変換する。
正解:×(誤り)
解説:誤り。A-D変換は「アナログ→デジタル」(D-A変換が逆)。
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問1146.電子部品の電力消費は、P=VI(直流回路)またはP=VIcosθ(交流回路、cosθは力率)で計算される。
正解:○(正しい)
解説:電力:直流P=VI、交流P=VIcosθ(有効電力)。皮相電力S=VI、無効電力Q=VIsinθ。
-
問1147.抵抗5Ωと10Ωを並列接続したときの合成抵抗はいくらか。
- ア.15Ω
- イ.3.33Ω
- ウ.7.5Ω
- エ.0.5Ω
正解:イ.3.33Ω
解説:並列:5×10/(5+10) = 50/15 ≈ 3.33Ω。並列は元の最小抵抗より小さい。
-
問1148.自己インダクタンス3mHと5mHの2つのコイルを、相互インダクタンス2mHで磁束が強め合うように直列に接続したときの合成インダクタンス[mH]はいくらか。
- ア.8
- イ.10
- ウ.12
- エ.16
正解:ウ.12
解説:磁束が強め合う和動接続の合成インダクタンスは L=L1+L2+2M=3+5+2×2=12mH。相互インダクタンスは両方のコイルに生じるため 2M を加える。
-
問1149.次のうち、電圧駆動素子はどれか。
- ア.バイポーラトランジスタ(BJT)
- イ.コンデンサ
- ウ.抵抗器
- エ.FET(電界効果トランジスタ)
正解:エ.FET(電界効果トランジスタ)
解説:FET:電圧駆動(ゲート電圧で制御)。BJT:電流駆動(ベース電流で制御)。
-
問1150.次の論理ゲートで、入力AとBが共に1のとき出力が0となるのはどれか。
- ア.NAND
- イ.OR
- ウ.AND
- エ.NOR
正解:ア.NAND
解説:NAND(AND否定):A=1,B=1で出力0、それ以外1。AND:両方1で1、OR:いずれか1で1、NOR:両方0で1。
-
問1151.A-D変換のサンプリング定理(ナイキスト)に従うと、最高周波数fの信号を完全に再現するためのサンプリング周波数の最低値はどれか。
- ア.f/2
- イ.2f
- ウ.f
- エ.4f
正解:イ.2f
解説:ナイキスト周波数:信号最高周波数の2倍以上のサンプリング周波数で完全再現。CDは22.05kHzまで→44.1kHzサンプリング。
-
問1152.RLC直列回路の共振周波数は、誘導リアクタンスXLと容量リアクタンスXCが等しくなる周波数である。
正解:○(正しい)
解説:共振条件:XL=XC、すなわち2πfL=1/(2πfC)。共振周波数 f = 1/(2π√LC)。インピーダンスは抵抗Rのみとなり最小。
-
問1153.直列共振では、共振周波数でインピーダンスが最大となり電流が最小になる。
正解:×(誤り)
解説:誤り。直列共振は「インピーダンス最小・電流最大」(最大・最小は並列共振)。
-
問1154.並列共振では、共振周波数でインピーダンスが最小となり電流が最大になる。
正解:×(誤り)
解説:誤り。並列共振は「インピーダンス最大・電流最小」(最小・最大は直列共振)。
-
問1155.Q値(共振の鋭さ)は、共振周波数を3dB帯域幅で除した値で、大きいほど共振が鋭い。
正解:○(正しい)
解説:Q値:Quality Factor。Q=f0/Δf(共振周波数/3dB帯域幅)。フィルタの選択度・受信機の同調精度に影響。
-
問1156.電界の強さE[V/m]は、単位電荷に作用する力で、点電荷からの距離rの2乗に反比例する。
正解:○(正しい)
解説:電界:E=F/q=kQ/r²。クーロン力との関係。電気力線・等電位線で可視化。
-
問1157.ホール効果とは、半導体に電流を流し、電流と同じ向きに磁界を加えると、電流と磁界の両方に垂直な方向に起電力が生じる現象である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。ホール効果は電流と垂直な向きに磁界を加えたとき、キャリアがローレンツ力で曲げられて、電流と磁界の両方に垂直な方向に電圧(ホール電圧)が生じる現象である。磁界が電流と同じ向きではキャリアに力が働かず、ホール電圧は生じない。
-
問1158.異なる2種類の金属を接続して閉回路をつくり、2つの接合点に温度差を与えると起電力が生じる現象を、ペルチェ効果という。
正解:×(誤り)
解説:誤り。この現象はゼーベック効果で、熱電対による温度測定に利用される。ペルチェ効果は逆に、異種金属の接合部に電流を流すと接合部で熱の吸収・発生が起こる現象で、電子冷却に利用される。
-
問1159.インダクタのエネルギーWは、W=(1/2)CV²で表される。
正解:×(誤り)
解説:誤り。インダクタのエネルギーは「W=(1/2)LI²」(CV²はコンデンサ)。
-
問1160.電磁波の伝搬速度は真空中で約1×10⁵ m/sである。
正解:×(誤り)
解説:誤り。電磁波速度は真空中で「約3×10⁸ m/s(光速)」(10⁵は遅すぎ)。
-
問1161.電磁波の波長λと周波数fの関係は、λ=cf(c:光速)である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。λ=「c/f」(cf掛け算ではない)。
-
問1162.半導体ダイオードの順方向降下電圧は、シリコン製で約2V、ゲルマニウム製で約1Vである。
正解:×(誤り)
解説:誤り。順方向電圧はSi「約0.6〜0.7V」、Ge「約0.2〜0.3V」(2V・1Vは過大)。
-
問1163.ツェナーダイオードは、逆方向の降伏電圧(ツェナー電圧)を利用して、定電圧源として用いられる。
正解:○(正しい)
解説:ツェナーダイオード:逆バイアスで一定電圧(ツェナー電圧)を維持。基準電圧源・過電圧保護等に使用。
-
問1164.バイポーラトランジスタ(BJT)は、ベース電流でコレクタ電流を制御する電流制御型の素子である。
正解:○(正しい)
解説:BJT(NPN・PNP):電流制御。直流電流増幅率 hFE = Ic/Ib。電流制御の限界はFETに比べて遅い・損失大。
-
問1165.MOSFET(電界効果トランジスタ)は、ゲート電圧でドレイン電流を制御する電圧制御型の素子である。
正解:○(正しい)
解説:MOSFET:絶縁ゲート構造。電圧制御で高速・高入力インピーダンス。BJTに比べて駆動電力小・スイッチング高速。
-
問1166.オペアンプ(演算増幅器)は、差動入力・高利得を持つ汎用的なアナログ増幅回路素子である。
正解:○(正しい)
解説:オペアンプ:負帰還で増幅率・周波数特性を制御。バーチャルショート(仮想短絡)で回路解析。LM741・OPA・LMV等の品種。
-
問1167.A/D変換器は、アナログ信号をデジタル信号に変換する素子で、サンプリング周波数と分解能(ビット数)が性能を決める。
正解:○(正しい)
解説:ADC:ナイキスト定理(サンプリング周波数は信号最高周波数の2倍以上)。8〜24bit分解能。逐次比較型・Δ-Σ型等。
-
問1168.論理ゲートのAND・OR・NOTを組み合わせれば、任意の論理回路を構成できる。
正解:○(正しい)
解説:論理ゲート:AND・OR・NOT・NAND・NOR・XOR等。NANDだけ、または NORだけでも完備(ユニバーサルゲート)。
-
問1169.フリップフロップは、1ビットの記憶を保持する基本的なシーケンシャル回路である。
正解:○(正しい)
解説:フリップフロップ:RS・JK・D・T型がある。レジスタ・カウンタ・メモリの基本構成要素。
-
問1170.正弦波交流の平均値は、最大値の√2倍である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。正弦波平均値は「最大値の2/π倍(≒0.637)」(√2倍は実効値→最大値)。
-
問1171.波高率は最大値/実効値、波形率は実効値/平均値で、正弦波ではそれぞれ√2、π/(2√2)である。
正解:○(正しい)
解説:正弦波:波高率Vmax/Vrms=√2≈1.414、波形率Vrms/Vavg=π/(2√2)≈1.111。波形種別の判別に使用。
-
問1172.L=10mH、C=10μFの直列共振回路の共振周波数はおよそ何Hzか。
- ア.約160Hz
- イ.約500Hz
- ウ.約1.6kHz
- エ.約16kHz
正解:イ.約500Hz
解説:f=1/(2π√LC)=1/(2π√(0.01×0.00001))=1/(2π×0.000316)=1/0.001986≈503Hz。
-
問1173.次の電磁波のうち、波長が最も短いものはどれか。
- ア.電波(FM放送)
- イ.可視光
- ウ.X線
- エ.マイクロ波
正解:ウ.X線
解説:電磁波スペクトル:電波→マイクロ波→赤外線→可視光→紫外線→X線→γ線(短波長へ)。X線は約0.01〜10nm。
-
問1174.内部抵抗0.9Ω、最大目盛1Aの電流計で最大10Aまで測定できるようにしたい。電流計に並列に接続する分流器の抵抗[Ω]はいくらか。
- ア.0.09
- イ.0.1
- ウ.8.1
- エ.9
正解:イ.0.1
解説:倍率 m=10 の分流器の抵抗は Rs=r/(m−1)=0.9/9=0.1Ω。電流計に1A、分流器に9Aが流れ、両者の両端電圧(0.9V)が等しいことからも確かめられる。
-
問1175.正弦波交流の最大値が10V、実効値はいくらか。
- ア.約7.07V
- イ.約6.37V
- ウ.10V
- エ.約14.1V
正解:ア.約7.07V
解説:Vrms=Vmax/√2=10/1.414≈7.07V。
-
問1176.ナイキスト定理によれば、最高周波数20kHzのアナログ信号をデジタル化するには、最低何kHzのサンプリング周波数が必要か。
- ア.10kHz
- イ.40kHz
- ウ.20kHz
- エ.100kHz
正解:イ.40kHz
解説:ナイキスト定理:fs > 2fmax。20kHz×2=40kHz以上。CD音質44.1kHzはこれを若干上回る設定。
-
問1177.真空中において,一辺 l [m]の正方形電極を間隔 d [m]で配置した平行板コンデンサがある。図1はこのコンデンサの電極板間に比誘電率 εᵣ=5 の誘電体を挿入した状態,図2は図1の誘電体を電極面積の1/2だけ引き出した状態を示している。図1及び図2の二つのコンデンサの静電容量 C₁ [F]及び C₂ [F]の比(C₁:C₂)として,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 ただし,l ≫ d であり,コンデンサの端効果は無視できるものとする。

- 1.2:1
- 2.3:2
- 3.5:2
- 4.5:3
- 5.5:4
正解:4.5:3
解説:静電容量は C=εᵣε₀S/d。図1は誘電体を全面挿入した状態なので C₁=εᵣε₀l²/d=5ε₀l²/d。図2は電極面積の1/2が誘電体、残り1/2が真空で、この二つは並列接続とみなせる。よって C₂=5ε₀(l²/2)/d+1×ε₀(l²/2)/d=(5+1)×ε₀(l²/2)/d=3ε₀l²/d。したがって C₁:C₂=5:3。答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 理論 問1
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1178.図のように,真空中の3m離れた2点A,Bにそれぞれ3×10⁻⁷ C の正の点電荷がある。A点とB点とを結ぶ線分上のA点から1m離れたP点に Q [C]の正の点電荷を置いたとき,その点電荷にB点の方向に5×10⁻³ N の力が働いた。この点電荷 Q の値[C]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 ただし,真空中の誘電率を ε₀=8.85×10⁻¹² F/m とする。

- 1.1.2×10⁻⁹
- 2.1.8×10⁻⁸
- 3.2.5×10⁻⁶
- 4.4.4×10⁻⁵
- 5.7.3×10⁻⁵
正解:3.2.5×10⁻⁶
解説:二つの点電荷Qの間に働くクーロン力は F=Q₁Q₂/(4πε₀r²)、比例定数 1/(4πε₀)=8.99×10⁹ [N·m²/C²]。P点はAから1m、Bから2m。A側電荷はQをB方向へ、B側電荷はQをA方向へ押す(いずれも斥力)ので、B方向の合力は F=(1/4πε₀)·Q·(3×10⁻⁷)·(1/1²−1/2²)=8.99×10⁹·Q·3×10⁻⁷·(3/4)。これが5×10⁻³ Nに等しいので Q=5×10⁻³/(8.99×10⁹×3×10⁻⁷×0.75)≒2.5×10⁻⁶ [C]。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 理論 問2
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1179.巻数1000のコイルに直流電流0.2A を流したとき,6×10⁻⁴ Wb の磁束を発生した。この場合,コイルの自己インダクタンス[H]の値として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし,コイルの漏れ磁束は無視できるものとする。
- 1.1
- 2.2
- 3.3
- 4.4
- 5.5
正解:3.3
解説:漏れ磁束を無視すると鎖交磁束は NΦ で、自己インダクタンスは L=NΦ/I。数値を代入して L=(1000×6×10⁻⁴)/0.2=0.6/0.2=3 [H]。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 理論 問3
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1180.図のように,点Oを中心とするそれぞれ半径0.5m と半径1m の円形導線の1/4と,それらを連結する直線状の導線からなる扇形導線がある。この導線に,図に示す向きに直流電流 I=16A を流した場合,点Oにおける磁界の大きさ H の値[A/m]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 ただし,扇形導線は同一平面上にあり,その巻数は一巻きである。また,導線の太さは無視できるものとする。

- 1.0.25
- 2.0.5
- 3.0.75
- 4.1.0
- 5.2.0
正解:5.2.0
解説:半径rの円形電流が中心につくる磁界は H=I/(2r)、その四半円(1/4)は H=I/(8r)。半径方向の直線導線は電流がO点を通る直線上にあるためO点に磁界を生じない。内側弧(r=0.5m)は I/(8×0.5)=4 [A/m]、外側弧(r=1m)は I/(8×1)=2 [A/m]。一巻きループでは内側弧と外側弧を互いに逆回りにたどるため両磁界は逆向きとなり、差をとって H=4−2=2 [A/m]。答(5)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 理論 問4
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1181.図のように,三つの抵抗 R₁=5Ω,R₂=4Ω,R₃=8Ωと電圧 V [V]の直流電源からなる回路がある。抵抗 R₁,R₂,R₃の消費電力をそれぞれ P₁ [W],P₂ [W],P₃ [W]とするとき,その大きさの大きい順として,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.P₁>P₂>P₃
- 2.P₁>P₃>P₂
- 3.P₂>P₁>P₃
- 4.P₂>P₃>P₁
- 5.P₃>P₁>P₂
正解:1.P₁>P₂>P₃
解説:R₁は直列、R₂とR₃は並列。R₁には全電流Iが流れるので P₁=I²R₁=5I²。並列部の端子電圧をV_pとすると R₂∥R₃=(4×8)/(4+8)≒2.67Ω、V_p=I×2.67なので P₂=V_p²/R₂=I²×2.67²/4≒1.78I²、P₃=V_p²/R₃≒0.89I²(同じV_pでは抵抗が小さいR₂ほど電力大)。よって P₁>P₂>P₃。答(1)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 理論 問5
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1182.図のように,内部抵抗r[Ω],起電力E[V]の電池に抵抗値R[Ω]の可変抵抗器を接続した回路がある。R=2.25Ωにしたとき,回路を流れる電流はI=3Aであった。次に,R=3.45Ωにしたとき,回路を流れる電流はI=2Aとなった。この電池の起電力E[V]の値として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.9.30
- 2.7.20
- 3.7.05
- 4.6.90
- 5.6.75
正解:2.7.20
解説:回路方程式は E=I(R+r)。R=2.25Ω・I=3Aで E=3(2.25+r)=6.75+3r、R=3.45Ω・I=2Aで E=2(3.45+r)=6.90+2r。二式を等置すると 6.75+3r=6.90+2r より r=0.15 [Ω]。よって E=6.75+3×0.15=7.20 [V]。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 理論 問6
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1183.図のように,可変抵抗R₁[Ω],R₂[Ω],抵抗Rₓ[Ω],電源E[V]からなる直流回路がある。次に示す条件1のときのRₓ[Ω]に流れる電流Iの値[A]と条件2のときの電流Iの値[A]は等しくなった。このとき,Rₓの値[Ω]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 条件1:R₁=90Ω,R₂=6Ω 条件2:R₁=70Ω,R₂=3Ω

- 1.1.5
- 2.2.4
- 3.4.0
- 4.8.5
- 5.11.6
正解:2.2.4
解説:R₁が直列、R₂とRₓが並列で、Rₓに流れる電流は分流則より I=E·R₂/(R₁R₂+R₁Rₓ+R₂Rₓ)。条件1(R₁=90,R₂=6)は I=6E/(540+96Rₓ)、条件2(R₁=70,R₂=3)は I=3E/(210+73Rₓ)。両者が等しいので 6(210+73Rₓ)=3(540+96Rₓ)、すなわち 1260+438Rₓ=1620+288Rₓ、150Rₓ=360 より Rₓ=2.4 [Ω]。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 理論 問7
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1184.図のように,R₁=20ΩとR₂=30Ωの抵抗,静電容量C=1/(100π)[F]のコンデンサ,インダクタンスL=1/(4π)[H]のコイルからなる回路に周波数f[Hz]で実効値V[V]が一定の交流電圧を加えた。f=10HzのときにR₁を流れる電流の大きさをI₁₀Hz[A],f=10MHzのときにR₁を流れる電流の大きさをI₁₀MHz[A]とする。このとき,電流比I₁₀Hz/I₁₀MHzの値として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.2.5
- 2.1.7
- 3.1.0
- 4.0.6
- 5.0.4
正解:5.0.4
解説:R₁は電源と「C・L・R₂の並列部」との直列で、R₁を流れる電流は電源電流I=V/|R₁+Z並列|に等しい。f=10Hzでは角周波数ω=2π×10=20π rad/sより、X_C=1/(ωC)=1/(20π×1/(100π))=5Ω、X_L=ωL=20π×1/(4π)=5Ω。X_L=X_CなのでLとCの並列部は並列共振となりインピーダンスが無限大(開放)となり、残るのはR₂=30Ωだけ。よってZ=20+30=50Ωで、I₁₀Hz=V/50。f=10MHzではX_C≈5×10⁻⁶Ω(ほぼ短絡)、X_L≈5×10⁶Ω(ほぼ開放)となり並列部はほぼ0Ω、Z≈R₁=20Ω、I₁₀MHz=V/20。したがって電流比=(V/50)÷(V/20)=20/50=0.4となり、(5)が正しい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 理論 問8
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1185.図1のような抵抗R[Ω]と誘導性リアクタンスX[Ω]との直列回路がある。この回路に正弦波交流電圧E=100Vを加えたとき,回路に流れる電流は10Aであった。この回路に図2のように,更に抵抗11Ωを直列接続したところ,回路に流れる電流は5Aになった。抵抗R[Ω]の値として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.16.7
- 2.5.5
- 3.11.4
- 4.8.6
- 5.8.1
正解:5.8.1
解説:直列RL回路のインピーダンスはZ=√(R²+X²)。図1ではZ₁=E/I=100/10=10Ωなので、R²+X²=10²=100。図2で11Ωを直列に加えるとZ₂=100/5=20Ωとなり、(R+11)²+X²=20²=400(Xは不変)。2式の差をとると(R+11)²−R²=400−100=300、すなわち22R+121=300、R=179/22≒8.1Ω。よって(5)が正しい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 理論 問9
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1186.開放電圧がV[V]で出力抵抗が十分に低い直流電圧源と,インダクタンスがL[H]のコイルが与えられ,抵抗R[Ω]が図1のようにスイッチSを介して接続されている。時刻t=0でスイッチSを閉じ,コイルの電流iₗ[A]の時間に対する変化を計測して,波形として表す。R=1Ωとしたところ,波形が図2であったとする。R=2Ωであればどのような波形となるか,波形の変化を最も適切に表すものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 ただし,選択肢の図中の点線は図2と同じ波形を表し,実線はR=2Ωのときの波形を表している。

- 1.

- 2.

- 3.

- 4.

- 5.

正解:4.
解説:RL回路のコイル電流はi_L(t)=(V/R)(1−e^(−t/τ))で、時定数τ=L/R、定常値はV/R。R=1Ωの図2は定常値が3A(=V/R)なのでV=3V、立ち上がりの様子からτ=1sなのでL=1H。R=2Ωにすると定常値はV/R=3/2=1.5Aに下がり、時定数もτ=L/R=1/2=0.5sと短くなって立ち上がりが速くなる。したがって実線が点線より速く立ち上がり1.5Aで一定になる(4)が正しい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 理論 問10
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 - 1.
-
問1187.次の文章は,それぞれのダイオードについて述べたものである。 a.可変容量ダイオードは,通信機器の同調回路などに用いられる。このダイオードは,pn 接合に (ア) 電圧を加えて使用するものである。 b.pn 接合に (イ) 電圧を加え,その値を大きくしていくと,降伏現象が起きる。この降伏電圧付近では,流れる電流が変化しても接合両端の電圧はほぼ一定に保たれる。定電圧ダイオードは,この性質を利用して所定の定電圧を得るようにつくられたダイオードである。 c.レーザダイオードは光通信や光情報機器の光源として利用され,pn 接合に (ウ) 電圧を加えて使用するものである。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(ウ)に当てはまる語句として,正しいものを組み合わせたのは次のうちどれか。
- 1.(ア)順方向 (イ)順方向 (ウ)逆方向
- 2.(ア)逆方向 (イ)逆方向 (ウ)順方向
- 3.(ア)逆方向 (イ)順方向 (ウ)逆方向
- 4.(ア)順方向 (イ)逆方向 (ウ)順方向
- 5.(ア)逆方向 (イ)逆方向 (ウ)逆方向
正解:2.(ア)逆方向 (イ)逆方向 (ウ)順方向
解説:可変容量ダイオード(バリキャップ)は逆方向電圧を加え、空乏層幅を変化させて静電容量を可変にするので(ア)は逆方向。定電圧(ツェナー)ダイオードは逆方向電圧を大きくしていったときの降伏現象を利用するので(イ)は逆方向。レーザダイオードは発光素子で順方向電圧を加えて使うので(ウ)は順方向。よって(2)が正しい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 理論 問11
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1188.図のように,真空中に電極間隔 d[m]の平行板電極があり,陰極板上に電子を置いた。陽極板に電圧 V[V]を加えたとき,この電子に加わる力 F[N]の式として,正しいのは次のうちどれか。 ただし,電子の質量を m[kg],電気素量を e[C]とする。また,電極板の端効果は無視できるものとする。

- 1.(V/d)e
- 2.(V/d²)e
- 3.(V/d²)(m/e)
- 4.(V/d²)em
- 5.(V²/d)e
正解:1.(V/d)e
解説:平行平板電極間の電界は一様でE=V/d [V/m]。電気素量eをもつ電子に働く力の大きさはF=eE=e×(V/d)=(V/d)e [N]。よって(1)が正しい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 理論 問12
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1189.水晶振動子と水晶発振回路に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.水晶振動子は,水晶片を二つの電極で挟んだ素子である。
- 2.水晶振動子の電気的な等価回路には,直列共振周波数と並列共振周波数の差が非常に小さいという特徴がある。
- 3.水晶発振回路は,LC 発振回路のコンデンサを水晶振動子に置き換えたものである。
- 4.水晶発振回路は,LC 発振回路と比較して周波数変動が非常に小さい。
- 5.水晶発振回路を用いた周波数シンセサイザは,無線送信機の周波数源として利用されている。
正解:3.水晶発振回路は,LC 発振回路のコンデンサを水晶振動子に置き換えたものである。
解説:(3)が誤り。水晶発振回路は、LC発振回路のコイル(インダクタンス)を水晶振動子に置き換えたものである(水晶振動子は共振周波数付近で高いQの誘導性素子として働く)。(3)は「コンデンサを置き換えた」としている点が誤りで、正しくはコイルを置き換える。なお(2)の直列共振周波数と並列共振周波数の差が小さいこと、(4)の周波数安定度が高いこと、(1)(5)の記述はいずれも正しい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 理論 問13
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1190.目盛が正弦波交流に対する実効値になる整流形の電圧計(全波整流形)がある。この電圧計で図のような周期 20 ms の繰り返し波形電圧を測定した。 このとき,電圧計の指示の値 [V]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.5.66
- 2.5.14
- 3.4.62
- 4.4.44
- 5.4.00
正解:4.4.44
解説:整流形電圧計(全波整流形)は可動部が整流後の平均値に応答するが、目盛は正弦波の実効値を示すよう波形率1.11(=正弦波の実効値÷平均値=(V_m/√2)÷(2V_m/π)=π/(2√2)≒1.11)を掛けて校正されている。図の波形は8Vが10ms、0Vが10msを繰り返す(周期20ms)ので、|v|の平均値は(8×10+0×10)/20=4V。指示値=1.11×平均値=1.11×4=4.44Vとなり、(4)が正しい。なおこの波形の真の実効値は8×√(1/2)≒5.66Vで、(1)はこれを狙った引っ掛けである。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 理論 問14
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1191.図のように線間電圧200V,周波数50Hzの対称三相交流電源にRLC負荷が接続されている。R=10Ω,電源角周波数をω[rad/s]として,ωL=20Ω,1/(ωC)=20Ωである。次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 電源電流Iの値[A]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.5.77
- 2.7.00
- 3.11.5
- 4.14.0
- 5.22.5
正解:3.11.5
解説:各相のRLC並列負荷は、ωL=1/(ωC)=20Ω なのでコイルのサセプタンスとコンデンサのサセプタンスが相殺(並列共振)し、1相のアドミタンスは Y=1/R=1/10=0.1S、すなわち10Ωの純抵抗と等価になる。負荷はY(星形)結線なので相電圧は 200/√3≒115.5V、電源電流(=相電流)は I=115.5/10≒11.5A。よって(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 理論 問15(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1192.図のように線間電圧200V,周波数50Hzの対称三相交流電源にRLC負荷が接続されている。R=10Ω,電源角周波数をω[rad/s]として,ωL=20Ω,1/(ωC)=20Ωである。次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(b)〕 三相負荷の有効電力Pの値[kW]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.2.6
- 2.1.3
- 3.4.0
- 4.3.5
- 5.12
正解:3.4.0
解説:各相が純抵抗10Ω(LとCが相殺)なので力率は1。三相有効電力は P=3I²R=3×11.55²×10≒4.0×10³W=4.0kW(P=√3·V·I·cosφ=√3×200×11.5×1≒4.0kW でも同じ)。よって(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 理論 問15(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1193.図の直流回路において,次の(a)及び(b)に答えよ。ただし,電源電圧E[V]の値は一定で変化しないものとする。 〔小問(a)〕 図1のように抵抗R[Ω]を端子a,d間に接続したとき,I₁=4.5A,I₂=0.5Aの電流が流れた。抵抗Rの値[Ω]として,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.180
- 2.160
- 3.80
- 4.40
- 5.20
正解:3.80
解説:電源電圧Eは端子a-d間に加わり、上枝路(16+4=20Ω)、中央のR、下枝路(4+16=20Ω)の3枝路が並列。中央のRには I₂=0.5A が流れるので端子間電圧は V_ad=0.5R。上・下枝路の電流はそれぞれ V_ad/20。全電流は I₁=V_ad/20+0.5+V_ad/20=V_ad/10+0.5=4.5 より V_ad=40V。ゆえに R=V_ad/I₂=40/0.5=80Ω。よって(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 理論 問16(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1194.※ この問題は本試験ではB問題の小問(b)として出題されたものです。解答に必要な条件が小問(a)にあるため,小問(a)を併せて示します(答えるのは小問(b)です)。 図の直流回路において,次の(a)及び(b)に答えよ。ただし,電源電圧E[V]の値は一定で変化しないものとする。 〔小問(a)〕 図1のように抵抗R[Ω]を端子a,d間に接続したとき,I₁=4.5A,I₂=0.5Aの電流が流れた。 〔小問(b)〕 図1の抵抗R[Ω]を図2のように端子b,c間に接続し直したとき,回路に流れる電流I₃の値[A]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.5.5
- 2.4.8
- 3.4.5
- 4.4.2
- 5.4.0
正解:4.4.2
解説:(a)より E=V_ad=40V、R=80Ω。図2は a-b間16Ω・b-d間4Ω・a-c間4Ω・c-d間16Ω に、b-c間へ R=80Ω を渡したブリッジ回路。V_a=40V, V_d=0V として節点b, cで節点方程式を立てると 26V_b−V_c=200、26V_c−V_b=800。解いて V_b≒8.89V, V_c≒31.1V。電源電流は I₃=(40−V_b)/16+(40−V_c)/4≒1.94+2.22≒4.2A(Δ-Y変換で合成抵抗9.6Ωを求め I₃=40/9.6≒4.2A としても同じ)。よって(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 理論 問16(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1195.図のように,極板間の厚さd[m],表面積S[m²]の平行板コンデンサAとBがある。コンデンサAの内部は,比誘電率と厚さが異なる3種類の誘電体で構成され,極板と各誘電体の水平方向の断面積は同一である。コンデンサBの内部は,比誘電率と水平方向の断面積が異なる3種類の誘電体で構成されている。コンデンサAの各誘電体内部の電界の強さをそれぞれEA₁,EA₂,EA₃,コンデンサBの各誘電体内部の電界の強さをそれぞれEB₁,EB₂,EB₃とし,端効果,初期電荷及び漏れ電流は無視できるものとする。また,真空の誘電率をε₀[F/m]とする。両コンデンサの上側の極板に電圧V[V]の直流電源を接続し,下側の極板を接地した。次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 コンデンサAにおける各誘電体内部の電界の強さの大小関係とその中の最大値の組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.EA₁ < EA₂ < EA₃,3V/5d
- 2.EA₁ > EA₂ > EA₃,3V/5d
- 3.EA₁ = EA₂ = EA₃,V/d
- 4.EA₁ < EA₂ < EA₃,9V/5d
- 5.EA₁ > EA₂ > EA₃,9V/5d
正解:5.EA₁ > EA₂ > EA₃,9V/5d
解説:コンデンサAは断面積の等しい3層の直列で、各層を貫く電束密度D(=電荷密度σ)は共通。E=D/(εᵣε₀) より電界は比誘電率εᵣに反比例し、EA₁:EA₂:EA₃=(1/2):(1/3):(1/6)=3:2:1、すなわち EA₁>EA₂>EA₃。EA₃=x とおくと V=3x·(d/6)+2x·(d/3)+x·(d/2)=(5/3)xd より x=3V/(5d)。最大値は EA₁=3x=9V/(5d)。よって(5)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 理論 問17(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1196.図のように,極板間の厚さd[m],表面積S[m²]の平行板コンデンサAとBがある。コンデンサAの内部は,比誘電率と厚さが異なる3種類の誘電体で構成され,極板と各誘電体の水平方向の断面積は同一である。コンデンサBの内部は,比誘電率と水平方向の断面積が異なる3種類の誘電体で構成されている。コンデンサAの各誘電体内部の電界の強さをそれぞれEA₁,EA₂,EA₃,コンデンサBの各誘電体内部の電界の強さをそれぞれEB₁,EB₂,EB₃とし,端効果,初期電荷及び漏れ電流は無視できるものとする。また,真空の誘電率をε₀[F/m]とする。両コンデンサの上側の極板に電圧V[V]の直流電源を接続し,下側の極板を接地した。次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(b)〕 コンデンサB全体の蓄積エネルギーは,コンデンサA全体の蓄積エネルギーの何倍か,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.0.72
- 2.0.83
- 3.1.00
- 4.1.20
- 5.1.38
正解:4.1.20
解説:両コンデンサとも同じ電圧Vなので、蓄積エネルギー比は静電容量比に等しい(W=½CV²)。Aは直列で C=εᵣε₀S/d_i より C_A1=12ε₀S/d, C_A2=9ε₀S/d, C_A3=12ε₀S/d、直列合成 C_A=(18/5)ε₀S/d=3.6ε₀S/d。Bは並列で C=εᵣε₀S_i/d より C_B1=(1/3)ε₀S/d, C_B2=1·ε₀S/d, C_B3=3·ε₀S/d、和 C_B=(13/3)ε₀S/d≒4.33ε₀S/d。ゆえに W_B/W_A=C_B/C_A=(13/3)/(18/5)=65/54≒1.20。よって(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 理論 問17(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1197.NAND ICを用いたパルス回路について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。ただし,高電位を「1」,低電位を「0」と表すことにする。 〔小問(a)〕 pチャネル及びnチャネルMOS FETを用いて構成された図1の回路と真理値表が同一となるものを,図2のNAND回路の接続(イ),(ロ),(ハ)から選び,全て列挙したものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.(イ)
- 2.(ロ)
- 3.(ハ)
- 4.(イ),(ロ)
- 5.(イ),(ハ)
正解:5.(イ),(ハ)
解説:図1はpMOS(上・電源側)とnMOS(下・接地側)のゲートを共通入力・ドレインを共通出力としたCMOSインバータで、真理値表は入力0→出力1、入力1→出力0(NOT)。図2各接続の出力は、(イ)両入力を入力に接続→NOT(A·A)=Ā(インバータ)、(ロ)片方を「0」固定→NOT(A·0)=1(常時1)、(ハ)片方を「1」固定→NOT(A·1)=Ā(インバータ)。図1と真理値表が一致するのは(イ)と(ハ)。よって(5)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 理論 問18(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1198.NAND ICを用いたパルス回路について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。ただし,高電位を「1」,低電位を「0」と表すことにする。 〔小問(b)〕 図3の三つの回路はいずれもマルチバイブレータの一種であり,これらの回路図においてNAND ICの電源及び接地端子は省略している。同図(ニ),(ホ),(ヘ)の入力の数がそれぞれ0,1,2であることに注意して,これら三つの回路と次の二つの性質を正しく対応づけたものの組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。性質I:出力端子からパルスが連続的に発生し,ディジタル回路の中で発振器として用いることができる。性質II:「0」や「1」を記憶する機能をもち,フリップフロップの構成にも用いられる。

- 1.性質I:(ニ),性質II:(ホ)
- 2.性質I:(ニ),性質II:(ヘ)
- 3.性質I:(ホ),性質II:(ニ)
- 4.性質I:(ホ),性質II:(ヘ)
- 5.性質I:(ヘ),性質II:(ホ)
正解:2.性質I:(ニ),性質II:(ヘ)
解説:3回路はいずれもマルチバイブレータ。性質I(出力パルスが連続発生する発振器)は安定状態を持たない無安定(非安定)マルチバイブレータで、外部入力が不要な入力数0の(ニ)。性質II(「0」「1」を記憶しフリップフロップを構成)は二つの安定状態を持つ双安定マルチバイブレータで、セット・リセットの入力数2の(ヘ)。入力数1の(ホ)はトリガで1パルスを出す単安定マルチバイブレータで対象外。ゆえに 性質I:(ニ)、性質II:(ヘ)。よって(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 理論 問18(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1199.電極板面積と電極板間隔が共に S[m²]と d[m]で,一方は比誘電率が ε_r1 の誘電体からなる平行平板コンデンサ C₁ と,他方は比誘電率が ε_r2 の誘電体からなる平行平板コンデンサ C₂ がある。今,これらを図のように並列に接続し,端子A,B 間に直流電圧 V₀[V]を加えた。このとき,コンデンサ C₁ の電極板間の電界の強さを E₁[V/m],電束密度を D₁[C/m²],また,コンデンサ C₂ の電極板間の電界の強さを E₂[V/m],電束密度を D₂[C/m²]とする。両コンデンサの電界の強さ E₁[V/m]と E₂[V/m]はそれぞれ (ア) であり,電束密度 D₁[C/m²]と D₂[C/m²]はそれぞれ (イ) である。したがって,コンデンサ C₁ に蓄えられる電荷を Q₁[C],コンデンサ C₂ に蓄えられる電荷を Q₂[C]とすると,それらはそれぞれ (ウ) となる。 ただし,電極板の厚さ及びコンデンサの端効果は,無視できるものとする。また,真空の誘電率を ε₀[F/m]とする。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(ウ)に当てはまる式の組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.

- 2.

- 3.

- 4.

- 5.

正解:4.
解説:二つのコンデンサは並列なので,どちらにも同じ電圧 V₀ が加わる。平行平板の電界は電圧を間隔で割ったものだから E₁=E₂=V₀/d であり,誘電体の種類にはよらない。ここが最初の分かれ目で,(ア)に ε_r を含む式を置いた選択肢はこの時点で消える。 電束密度は D=εE=ε₀ε_r E なので D₁=(ε₀ε_r1/d)V₀,D₂=(ε₀ε_r2/d)V₀ となる。電荷は電束密度に面積を掛けて Q₁=D₁S=(ε₀ε_r1/d)SV₀,Q₂=D₂S=(ε₀ε_r2/d)SV₀ である。これらをすべて満たすのは(4)。 要点は「電圧が共通なら電界は誘電体によらず,比誘電率の違いは電束密度と電荷に効く」ことである。逆に電荷を一定に保つ場合は電束密度が共通になり,電界の方が比誘電率で変わる。答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 理論 問1
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 - 1.
-
問1200.静電界に関する次の記述のうち,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.媒質中に置かれた正電荷から出る電気力線の本数は,その電荷の大きさに比例し,媒質の誘電率に反比例する。
- 2.電界中における電気力線は,相互に交差しない。
- 3.電界中における電気力線は,等電位面と直交する。
- 4.電界中のある点の電気力線の密度は,その点における電界の強さ(大きさ)を表す。
- 5.電界中に置かれた導体内部の電界の強さ(大きさ)は,その導体表面の電界の強さ(大きさ)に等しい。
正解:5.電界中に置かれた導体内部の電界の強さ(大きさ)は,その導体表面の電界の強さ(大きさ)に等しい。
解説:誤りは(5)である。導体内部に電界があると自由電子が力を受けて動き続けることになり,静電界(電荷の動きが止まった状態)ではありえない。電荷は表面に移動して内部の電界を打ち消すので,静電界では導体内部の電界は常に零である。一方,導体表面のすぐ外側には表面電荷による電界があり,表面に垂直な向きをもつ。したがって両者が等しくなることはない(これが静電遮へいの原理でもある)。 他は正しい。(1)電荷 Q から出る電気力線の総本数は Q/ε で,誘電率に反比例する。(2)交差すると1 点で電界の向きが2 通りになってしまうので交差しない。(3)等電位面に沿って動かしても仕事が0 になるには電界が面に垂直でなければならない。(4)電気力線の本数密度が電界の強さを表すというのが電気力線の定義である。答(5)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 理論 問2
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1201.磁気回路における磁気抵抗に関する次の記述のうち,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.磁気抵抗は,次の式で表される。磁気抵抗=起磁力/磁束
- 2.磁気抵抗は,磁路の断面積に比例する。
- 3.磁気抵抗は,比透磁率に反比例する。
- 4.磁気抵抗は,磁路の長さに比例する。
- 5.磁気抵抗の単位は,[H⁻¹]である。
正解:2.磁気抵抗は,磁路の断面積に比例する。
解説:誤りは(2)である。磁気抵抗は R_m=l/(μS)=l/(μ₀μ_r S) で表される。断面積 S は分母にあるので,磁気抵抗は断面積に反比例する。「比例する」は逆である。断面積が大きいほど磁束の通り道が広くなり通しやすくなる,と考えれば反比例であることは直感的にも分かる。 他は正しい。(1)は電気回路のオームの法則に対応する関係(起磁力=磁気抵抗×磁束)を変形したもの,(3)は上式の μ_r が分母にあること,(4)は磁路長 l が分子にあることによる。(5)は起磁力[A]を磁束[Wb]で割った単位が[A/Wb]=[H⁻¹]になることによる(1 H=1 Wb/A なので逆数が[H⁻¹])。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 理論 問3
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1202.磁界及び磁束に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.1 m 当たりの巻数が N の無限に長いソレノイドに電流 I[A]を流すと,ソレノイドの内部には磁界 H=NI[A/m]が生じる。磁界の大きさは,ソレノイドの寸法や内部に存在する物質の種類に影響されない。
- 2.均一磁界中において,磁界の方向と直角に置かれた直線状導体に直流電流を流すと,導体には電流の大きさに比例した力が働く。
- 3.2 本の平行な直線状導体に反対向きの電流を流すと,導体には導体間距離の2 乗に反比例した反発力が働く。
- 4.フレミングの左手の法則では,親指の向きが導体に働く力の向きを示す。
- 5.磁気回路において,透磁率は電気回路の導電率に,磁束は電気回路の電流にそれぞれ対応する。
正解:3.2 本の平行な直線状導体に反対向きの電流を流すと,導体には導体間距離の2 乗に反比例した反発力が働く。
解説:誤りは(3)である。平行な2 本の直線電流の間に働く力は,導体1 m 当たり F=μ₀I₁I₂/(2πr) で表され,距離 r の1 乗に反比例する。2 乗に反比例するのは点電荷間のクーロン力である。力の向きについては,同じ向きの電流なら吸引力,反対向きなら反発力なので,「反発力」という部分は正しい。誤っているのは距離の依存性だけである。 他は正しい。(1)無限長ソレノイド内部の磁界 H は単位長さ当たりの巻数と電流だけで決まる(内部の物質で変わるのは磁束密度 B=μH であって磁界 H ではない)。(2)F=BIl sinθ より電流に比例する。(4)フレミングの左手の法則は中指=電流,人差し指=磁界,親指=力。(5)磁気回路と電気回路の対応は 起磁力↔起電力,磁束↔電流,磁気抵抗↔電気抵抗,透磁率↔導電率。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 理論 問4
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1203.図の直流回路において,抵抗 R=10 Ω で消費される電力の値[W]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.0.28
- 2.1.89
- 3.3.79
- 4.5.36
- 5.7.62
正解:1.0.28
解説:節点電圧法で解く。下側の導線を基準(0 V)とし,R の左端の節点を V₁,右端の節点を V₂ とする。 V₁ には60 V 電源から40 Ω を通して電流が入り,40 Ω が接地され,R を通って V₂ へ流れる。V₂ には80 V 電源から60 Ω を通して電流が入り,60 Ω が接地されている。 節点V₁:(60−V₁)/40=V₁/40+(V₁−V₂)/10 節点V₂:(80−V₂)/60+(V₁−V₂)/10=V₂/60 第1 式を40 倍すると 60=6V₁−4V₂,第2 式を60 倍すると 6V₁=8V₂−80 となる。これを解いて V₂=35 V,V₁=100/3≒33.33 V。 R の両端の電位差は |V₁−V₂|=|33.33−35|=1.667 V なので,消費電力は P=(1.667)²/10=0.278 W となり,最も近いのは0.28 W である。 二つの電源の電圧が近いため R の両端の電位差は小さく,消費電力は1 W にも満たない。電源電圧の大きさに引きずられて大きな値を選ばないよう注意したい。答(1)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 理論 問5
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1204.図のような直流回路において,3 Ω の抵抗を流れる電流の値[A]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.0.35
- 2.0.45
- 3.0.55
- 4.0.65
- 5.0.75
正解:5.0.75
解説:電流源が入っているので節点電圧法が早い。下側の導線を0 V とし,3 Ω と5 Ω と電流源が集まる節点の電位を V とする。左側は4 V 電源から3 Ω を通して,右側は5 Ω を通して接地へ,そして電流源が2 A をこの節点へ流し込んでいる。 (4−V)/3+2=V/5 両辺を15 倍して 5(4−V)+30=3V → 20−5V+30=3V → 8V=50 → V=6.25 V したがって3 Ω を流れる電流は I=(4−6.25)/3=−0.75 A で,大きさは0.75 A である。 符号が負なのは,電流源が押し上げた電位のほうが電源電圧4 V より高くなり,電流が3 Ω を通って電源へ向かって逆流しているためである。問われているのは大きさなので0.75 A を選ぶ。答(5)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 理論 問6
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1205.図の回路において,スイッチS を閉じ,直流電源から金属製の抵抗に電流を流したとき,発熱により抵抗の温度が120 ℃ になった。スイッチS を閉じた直後に回路を流れる電流に比べ,抵抗の温度が120 ℃ になったときに回路を流れる電流は,どのように変化するか。最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 ただし,スイッチS を閉じた直後の抵抗の温度は20 ℃ とし,抵抗の温度係数は一定で0.005 ℃⁻¹ とする。また,直流電源の起電力の大きさは温度によらず一定とし,直流電源の内部抵抗は無視できるものとする。

- 1.変化しない
- 2.50 %増加
- 3.33 %減少
- 4.50 %減少
- 5.33 %増加
正解:3.33 %減少
解説:温度が t₁ から t₂ に上がったときの抵抗は R₂=R₁{1+α(t₂−t₁)} で表される。20 ℃ から120 ℃ への上昇なので R₁₂₀=R₂₀{1+0.005×(120−20)}=R₂₀×1.5 となり,抵抗は1.5 倍になる。 電源の起電力は一定で内部抵抗も無視できるから,電流は抵抗に反比例して I₁₂₀/I₂₀=1/1.5=0.667 すなわち約33 %の減少である。 「抵抗が50 %増える」と「電流が50 %減る」を混同しやすい。1.5 倍の逆数は0.5 ではなく0.667 なので,減少率は33 %であって50 %ではない。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 理論 問7
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1206.次の文章は,RLC 直列共振回路に関する記述である。 R[Ω]の抵抗,インダクタンス L[H]のコイル,静電容量 C[F]のコンデンサを直列に接続した回路がある。 この回路に交流電圧を加え,その周波数を変化させると,特定の周波数 f_r[Hz]のときに誘導性リアクタンス=2πf_r L[Ω]と容量性リアクタンス=1/(2πf_r C)[Ω]の大きさが等しくなり,その作用が互いに打ち消し合って回路のインピーダンスが (ア) なり, (イ) 電流が流れるようになる。この現象を直列共振といい,このときの周波数 f_r[Hz]をその回路の共振周波数という。 回路のリアクタンスは共振周波数 f_r[Hz]より低い周波数では (ウ) となり,電圧より位相が (エ) 電流が流れる。また,共振周波数 f_r[Hz]より高い周波数では (オ) となり,電圧より位相が (カ) 電流が流れる。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(カ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア)大きく (イ)小さな (ウ)容量性 (エ)進んだ (オ)誘導性 (カ)遅れた
- 2.(ア)小さく (イ)大きな (ウ)誘導性 (エ)遅れた (オ)容量性 (カ)進んだ
- 3.(ア)小さく (イ)大きな (ウ)容量性 (エ)進んだ (オ)誘導性 (カ)遅れた
- 4.(ア)大きく (イ)小さな (ウ)誘導性 (エ)遅れた (オ)容量性 (カ)進んだ
- 5.(ア)小さく (イ)大きな (ウ)容量性 (エ)遅れた (オ)誘導性 (カ)進んだ
正解:3.(ア)小さく (イ)大きな (ウ)容量性 (エ)進んだ (オ)誘導性 (カ)遅れた
解説:直列共振では二つのリアクタンスが打ち消し合ってインピーダンスが R だけになる。直列回路ではリアクタンスが消えるほどインピーダンスは小さくなるので,(ア)は「小さく」,(イ)は「大きな」電流である(並列共振ならインピーダンスが最大になり電流は最小になる。混同しやすい)。 周波数が共振周波数より低いと,2πfL は小さく 1/(2πfC) は大きくなるので容量性リアクタンスが勝ち,回路は(ウ)容量性になる。コンデンサに流れる電流は電圧より位相が進むので(エ)は「進んだ」。 逆に共振周波数より高いと 2πfL が勝って(オ)誘導性になり,コイルの電流は電圧より遅れるので(カ)は「遅れた」。よって(3)。 「低い周波数=容量性=進み位相」「高い周波数=誘導性=遅れ位相」を一組で覚えておくと迷わない。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 理論 問8
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1207.図のように,抵抗 R[Ω]と誘導性リアクタンス X_L[Ω]が直列に接続された交流回路がある。R/X_L=1/√2 の関係があるとき,この回路の力率 cosφ の値として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.0.43
- 2.0.50
- 3.0.58
- 4.0.71
- 5.0.87
正解:3.0.58
解説:RL 直列回路の力率は cosφ=R/Z=R/√(R²+X_L²) である。R/X_L=1/√2 なので,R=1,X_L=√2 とおくと Z=√(1²+(√2)²)=√3 cosφ=1/√3=0.577 となり,最も近いのは0.58 である。 R/X_L=1/√2=0.707 という数値をそのまま力率としてしまうと(4)を選ぶことになるが,力率は「抵抗÷インピーダンス」であって「抵抗÷リアクタンス」ではない。なお cosφ=1/√3 のとき位相角は約54.7°である。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 理論 問9
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1208.図1 のように,インダクタンス L=5 H のコイルに直流電流源 J が電流 i[mA]を供給している回路がある。電流 i[mA]は図2 のような時間変化をしている。このとき,コイルの端子間に現れる電圧の大きさ|v|の最大値[V]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.0.25
- 2.0.5
- 3.1
- 4.1.25
- 5.1.5
正解:4.1.25
解説:コイルの電圧は v=L(di/dt) なので,電流の傾きが最も急なところを探せばよい。図2 を区間ごとに見ると 0〜5 ms:0→1.0 mA 傾き=1.0×10⁻³/5×10⁻³=0.2 A/s 5〜10 ms:1.0 mA で一定 傾き=0 10〜15 ms:1.0→0.5 mA 傾き=−0.5×10⁻³/5×10⁻³=−0.1 A/s 15〜20 ms:0.5 mA で一定 傾き=0 20〜22 ms:0.5→0 mA 傾き=−0.5×10⁻³/2×10⁻³=−0.25 A/s となり,最も急なのは最後の2 ms の区間である。したがって |v|=L×0.25=5×0.25=1.25 V が最大値になる。 電流の変化幅が最も大きい最初の区間(1.0 mA の立ち上がり)に目が行きがちだが,傾きを決めるのは変化幅と時間の比である。最後の区間は変化幅こそ半分だが時間が2 ms しかないので傾きが最大になる。答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 理論 問10
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1209.次の文章は,図1 及び図2 に示す原理図を用いてホール素子の動作原理について述べたものである。 図1 に示すように,p 形半導体に直流電流 I[A]を流し,半導体の表面に対して垂直に下から上向きに磁束密度 B[T]の平等磁界を半導体にかけると,半導体内の正孔は進路を曲げられ,電極①には (ア) 電荷,電極②には (イ) 電荷が分布し,半導体の内部に電界が生じる。また,図2 の n 形半導体の場合は,電界の方向は p 形半導体の方向と (ウ) である。この電界により,電極①-②間にホール電圧 V_H=R_H× (エ) [V]が発生する。 ただし,d[m]は半導体の厚さを示し,R_H は比例定数[m³/C]である。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.(ア)負 (イ)正 (ウ)同じ (エ)B/(Id)
- 2.(ア)負 (イ)正 (ウ)同じ (エ)Id/B
- 3.(ア)正 (イ)負 (ウ)同じ (エ)d/(BI)
- 4.(ア)負 (イ)正 (ウ)反対 (エ)BI/d
- 5.(ア)正 (イ)負 (ウ)反対 (エ)BI/d
正解:5.(ア)正 (イ)負 (ウ)反対 (エ)BI/d
解説:p 形半導体ではキャリヤが正孔(正の電荷)である。正孔は電流と同じ向きに動き,磁界からローレンツ力を受けて片側へ寄せられる。図1 の配置では正孔が電極①側に集まるので,(ア)は正,(イ)は負となる。 n 形半導体ではキャリヤが電子(負の電荷)で,しかも電流と逆向きに動く。速度の向きと電荷の符号が両方とも反転するため,ローレンツ力の向きは p 形と同じになり,電子が同じ側(電極①側)に集まる。ところが集まる電荷の符号が逆なので,生じる電界の向きは p 形と反対になる。よって(ウ)は反対。 (エ)は次元で確かめられる。R_H の単位が[m³/C]なので,これに掛けて[V]になるのは [m³/C]×[T]×[A]/[m]=[m³/C]×[V·s/m²]×[C/s]/[m]=[V] となる BI/d である。したがって(5)。ホール電圧が厚さ d に反比例するのは,薄いほどキャリヤの偏りが同じでも電界が強くなるためである。答(5)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 理論 問11
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1210.図のように,異なる2 種類の金属A,B で一つの閉回路を作り,その二つの接合点を異なる温度に保てば, (ア) 。この現象を (イ) 効果という。 上記の記述中の空白箇所(ア)及び(イ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.(ア)電流が流れる (イ)ホール
- 2.(ア)抵抗が変化する (イ)ホール
- 3.(ア)金属の長さが変化する (イ)ゼーベック
- 4.(ア)電位差が生じる (イ)ペルチエ
- 5.(ア)起電力が生じる (イ)ゼーベック
正解:5.(ア)起電力が生じる (イ)ゼーベック
解説:異なる2 種類の金属で閉回路を作り,二つの接合点に温度差をつけると起電力が生じる。これがゼーベック効果で,熱電対による温度測定の原理である。よって(5)。 (1)の「電流が流れる」は,閉回路である以上結果としては正しいが,現象の本質は温度差が起電力を生むことにある。そもそも(1)は(イ)がホールになっており,ホール効果は磁界中の導体に電流を流したときに電流と磁界の両方に直交する向きに電圧が現れる別の現象なので成り立たない。 (4)のペルチエ効果はゼーベック効果の逆で,接合点に電流を流すと一方で吸熱・他方で発熱が起こる現象である(電子冷却素子に使われる)。「温度差→起電力」がゼーベック,「電流→温度差」がペルチエ,と向きで区別する。答(5)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 理論 問12
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1211.図のコレクタ接地増幅回路に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.電圧増幅度は約1 である。
- 2.入力インピーダンスが大きい。
- 3.出力インピーダンスが小さい。
- 4.緩衝増幅器として使用されることがある。
- 5.増幅回路内部で発生するひずみが大きい。
正解:5.増幅回路内部で発生するひずみが大きい。
解説:誤りは(5)である。コレクタ接地増幅回路(エミッタホロワ)は,出力電圧がそのまま入力側に戻る形になっており,実質的に100 %の負帰還がかかっている。負帰還は増幅回路内部で発生するひずみを減らす働きをするので,この回路のひずみはむしろ小さい。 他は正しく,いずれも100 %負帰還から導かれる性質である。(1)出力はベース電圧からベース-エミッタ間電圧を引いたものにほぼ等しく追従するので電圧増幅度は約1。(2)ベース電流はエミッタ電流の 1/(1+h_fe) しかないので入力インピーダンスは大きい。(3)出力インピーダンスは小さい。(4)この「入力を軽く受けて,出力は強く駆動できる」という性質から,前段と後段を切り離すための緩衝増幅器(バッファ)として使われる。答(5)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 理論 問13
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1212.図のように,線間電圧200 V の対称三相交流電源から三相平衡負荷に供給する電力を二電力計法で測定する。2 台の電力計 W₁ 及び W₂ を正しく接続したところ,電力計 W₂ の指針が逆振れを起こした。電力計 W₂ の電圧端子の極性を反転して接続した後,2 台の電力計の指示値は,電力計 W₁ が490 W,電力計 W₂ が25 W であった。このときの対称三相交流電源が三相平衡負荷に供給する電力の値[W]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 ただし,三相交流電源の相回転は a,b,c の順とし,電力計の電力損失は無視できるものとする。

- 1.25
- 2.258
- 3.465
- 4.490
- 5.515
正解:3.465
解説:二電力計法では,三相電力は2 台の電力計の指示値の代数和で求める。 P=W₁+W₂ ここで注意すべきは,W₂ がもともと逆振れを起こしていたという点である。逆振れは指示値が負であることを意味し,極性を反転して読み取った25 W は本来の値の符号を変えたものだから,W₂ の真の値は−25 W である。したがって P=490+(−25)=465 W となる。 極性を反転したことを忘れて 490+25=515 とすると(5)を選ぶことになる。なお二電力計法で一方が負を示すのは力率が0.5 を下回るときで,この場合の力率は cosφ≒0.42 とかなり低い。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 理論 問14
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1213.図の平衡三相回路について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 端子a,c に100 V の単相交流電源を接続したところ,回路の消費電力は200 W であった。抵抗 R の値[Ω]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.0.30
- 2.30
- 3.33
- 4.50
- 5.83
正解:2.30
解説:端子a,c だけに電源をつなぐので,端子b につながる線には電流が流れない。Δ結線の3 辺のうち,a 側の頂点と c 側の頂点を直接結ぶ辺(R)と,b 側の頂点を経由する2 辺(R+R=2R)が並列になるから,Δ部分の抵抗は R×2R/(R+2R)=2R/3 である。これに a 側と c 側の線路抵抗 R/2 が2 つ直列に加わるので,端子間から見た抵抗は R/2+2R/3+R/2=5R/3 となる。消費電力の式から P=V²/(5R/3)=100²/(5R/3)=200 5R/3=10000/200=50 → R=30 Ω である。 線路抵抗 R/2 を2 本分(往復)数え忘れると値が合わない。単相で使うときは行きと帰りの2 本を通る点に注意したい。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 理論 問15(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1214.※ この問題は本試験ではB問題の小問(b)として出題されたものです。解答に必要な条件が小問(a)にあるため,小問(a)を併せて示します(答えるのは小問(b)です)。 図の平衡三相回路について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 端子a,c に100 V の単相交流電源を接続したところ,回路の消費電力は200 W であった。 〔小問(b)〕 端子a,b,c に線間電圧200 V の対称三相交流電源を接続したときの全消費電力の値[kW]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.0.48
- 2.0.80
- 3.1.2
- 4.1.6
- 5.4.0
正解:4.1.6
解説:三相はY 換算して1 相分で考えるのが早い。Δ結線の R をY に変換すると1 相当たり R/3 になるので,1 相分の抵抗は R/2+R/3=5R/6=5×30/6=25 Ω である。相電圧は線間電圧を√3 で割って 200/√3=115.5 V だから,1 相に流れる電流は I=115.5/25=4.619 A となる。全消費電力は3 相分なので P=3I²×25=3×(4.619)²×25=1 600 W=1.6 kW である。 Δ→Y 変換で抵抗が 1/3 になることと,線間電圧を相電圧に直すことの二つを踏むのが要点である。どちらか一方を忘れると3 倍または1/3 倍ずれた選択肢に着地してしまう。答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 理論 問15(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1215.内部抵抗が15 kΩ の150 V 測定端子と内部抵抗が10 kΩ の100 V 測定端子をもつ永久磁石可動コイル形直流電圧計がある。この直流電圧計を使用して,図のように,電流 I[A]の定電流源で電流を流して抵抗R の両端の電圧を測定した。 測定Ⅰ:150 V の測定端子で測定したところ,直流電圧計の指示値は101.0 V であった。 測定Ⅱ:100 V の測定端子で測定したところ,直流電圧計の指示値は99.00 V であった。 次の(a)及び(b)の問に答えよ。 ただし,測定に用いた機器の指示値に誤差はないものとする。 〔小問(a)〕 抵抗R の抵抗値[Ω]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.241
- 2.303
- 3.362
- 4.486
- 5.632
正解:5.632
解説:電圧計をつなぐと,その内部抵抗が R と並列に入る。定電流源なので電流 I は一定で,指示値は「I×(R と内部抵抗の並列合成)」になる。内部抵抗を r とすると V=I·Rr/(R+r) である。二つの測定について 101.0=I·R×15 000/(R+15 000) ……① 99.00=I·R×10 000/(R+10 000) ……② が成り立つ。①÷②で未知の I と R の積を消すと 101.0/99.00={15 000/(R+15 000)}÷{10 000/(R+10 000)}=1.5(R+10 000)/(R+15 000) となる。分母を払って 101.0(R+15 000)=148.5(R+10 000) 101.0R+1 515 000=148.5R+1 485 000 47.5R=30 000 → R=632 Ω である。 内部抵抗の大きい150 V 端子のほうが指示値が高いのは,並列にぶら下がる抵抗が大きいほど回路への影響(分流)が小さく,真の値に近い値を示すからである。答(5)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 理論 問16(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1216.内部抵抗が15 kΩ の150 V 測定端子と内部抵抗が10 kΩ の100 V 測定端子をもつ永久磁石可動コイル形直流電圧計がある。この直流電圧計を使用して,図のように,電流 I[A]の定電流源で電流を流して抵抗R の両端の電圧を測定した。 測定Ⅰ:150 V の測定端子で測定したところ,直流電圧計の指示値は101.0 V であった。 測定Ⅱ:100 V の測定端子で測定したところ,直流電圧計の指示値は99.00 V であった。 次の(a)及び(b)の問に答えよ。 ただし,測定に用いた機器の指示値に誤差はないものとする。 〔小問(b)〕 電流 I の値[A]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.0.08
- 2.0.17
- 3.0.25
- 4.0.36
- 5.0.49
正解:2.0.17
解説:小問(a)で R=632 Ω が求まったので,測定Ⅰの式に戻して I を求める。 101.0=I×632×15 000/(632+15 000) 並列合成抵抗は 632×15 000/15 632=606.4 Ω だから I=101.0/606.4=0.167 A となり,最も近いのは0.17 A である。 測定Ⅱの式で確かめても 632×10 000/10 632=594.4 Ω,I=99.00/594.4=0.167 A と同じ値になり,(a)の結果が正しいことが裏づけられる。なお電圧計をつながなければ R の両端には I×632=105.4 V が現れるはずで,電圧計自身が回路を乱していることが分かる。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 理論 問16(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1217.【選択問題】問17及び問18は選択問題であり,どちらか一方を選んで解答する(本サイトでは学習用に両方を収録しています)。 図のように,極板間の厚さ d[m],表面積 S[m²]の平行板コンデンサA とB がある。コンデンサA の内部は,比誘電率と厚さが異なる3 種類の誘電体で構成され,極板と各誘電体の水平方向の断面積は同一である。コンデンサB の内部は,比誘電率と水平方向の断面積が異なる3 種類の誘電体で構成されている。コンデンサA の各誘電体内部の電界の強さをそれぞれ E_A1,E_A2,E_A3,コンデンサB の各誘電体内部の電界の強さをそれぞれ E_B1,E_B2,E_B3 とし,端効果,初期電荷及び漏れ電流は無視できるものとする。また,真空の誘電率を ε₀[F/m]とする。両コンデンサの上側の極板に電圧 V[V]の直流電源を接続し,下側の極板を接地した。次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 コンデンサA における各誘電体内部の電界の強さの大小関係とその中の最大値の組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.E_A1>E_A2>E_A3, 3V/(5d)
- 2.E_A1<E_A2<E_A3, 3V/(5d)
- 3.E_A1=E_A2=E_A3, V/d
- 4.E_A1>E_A2>E_A3, 9V/(5d)
- 5.E_A1<E_A2<E_A3, 9V/(5d)
正解:4.E_A1>E_A2>E_A3, 9V/(5d)
解説:コンデンサA は3 種類の誘電体が積み重なった直列構造なので,どの層も同じ電束密度 D が貫く。E=D/ε だから E_A1:E_A2:E_A3=1/(2ε₀):1/(3ε₀):1/(6ε₀)=3:2:1 となり,比誘電率が最も小さい層の電界が最も大きい。よって E_A1>E_A2>E_A3 である。 次に大きさを求める。E_A1=3k,E_A2=2k,E_A3=k とおくと,各層の電圧の和が V に等しいから V=3k(d/6)+2k(d/3)+k(d/2)=kd(1/2+2/3+1/2)=(5/3)kd k=3V/(5d) したがって最大値は E_A1=3k=9V/(5d) である。よって(4)。 k=3V/(5d) は E_A3 の値であって最大値ではない。ここで止めてしまうと(1)を選ぶことになるので,「最大値を問われている」ことを最後に確認したい。答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 理論 問17(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1218.【選択問題】問17及び問18は選択問題であり,どちらか一方を選んで解答する(本サイトでは学習用に両方を収録しています)。 図のように,極板間の厚さ d[m],表面積 S[m²]の平行板コンデンサA とB がある。コンデンサA の内部は,比誘電率と厚さが異なる3 種類の誘電体で構成され,極板と各誘電体の水平方向の断面積は同一である。コンデンサB の内部は,比誘電率と水平方向の断面積が異なる3 種類の誘電体で構成されている。コンデンサA の各誘電体内部の電界の強さをそれぞれ E_A1,E_A2,E_A3,コンデンサB の各誘電体内部の電界の強さをそれぞれ E_B1,E_B2,E_B3 とし,端効果,初期電荷及び漏れ電流は無視できるものとする。また,真空の誘電率を ε₀[F/m]とする。両コンデンサの上側の極板に電圧 V[V]の直流電源を接続し,下側の極板を接地した。次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(b)〕 コンデンサA 全体の蓄積エネルギーは,コンデンサB 全体の蓄積エネルギーの何倍か,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.0.72
- 2.0.83
- 3.1.00
- 4.1.20
- 5.1.38
正解:2.0.83
解説:両コンデンサには同じ電圧 V が加わるので,蓄積エネルギー W=½CV² の比は静電容量の比に等しい。 コンデンサA は直列なので,逆数の和をとる。 1/C_A=(d/6)/(2ε₀S)+(d/3)/(3ε₀S)+(d/2)/(6ε₀S) =d/(ε₀S)×(1/12+1/9+1/12)=d/(ε₀S)×10/36 C_A=3.6 ε₀S/d コンデンサB は並列なので,そのまま和をとる。 C_B={2ε₀(S/6)+3ε₀(S/3)+6ε₀(S/2)}/d=ε₀S/d×(1/3+1+3)=4.333 ε₀S/d したがって W_A/W_B=C_A/C_B=3.6/4.333=0.83 となる。よって(2)。 同じ誘電体を同じ量だけ使っていても,積み重ねる(直列)か横に並べる(並列)かで静電容量が変わる。直列は最も容量の小さい層に引きずられて全体が小さくなるため,A のほうが B より小さくなる。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 理論 問17(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1219.【選択問題】問17及び問18は選択問題であり,どちらか一方を選んで解答する(本サイトでは学習用に両方を収録しています)。 振幅変調について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 図1 の波形は,正弦波である信号波によって搬送波の振幅を変化させて得られた変調波を表している。この変調波の変調度の値として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.0.33
- 2.0.5
- 3.1.0
- 4.2.0
- 5.3.0
正解:2.0.5
解説:変調度は,変調波の包絡線の最大値 A_max と最小値 A_min から m=(A_max−A_min)/(A_max+A_min) で求める。図1 を読み取ると,包絡線は最大 (3/2)a,最小 a/2 の間を振れているので m={(3/2)a−(1/2)a}/{(3/2)a+(1/2)a}=a/(2a)=0.5 となる。 この式は「信号波の振幅÷搬送波の振幅」に等しい。実際,搬送波の振幅は (A_max+A_min)/2=a,信号波の振幅は (A_max−A_min)/2=a/2 なので(a/2)/a=0.5 と一致する。 包絡線の最大値と最小値の比 (3/2)a÷(1/2)a=3 をそのまま答えると(5)を選ぶことになるが,変調度は比ではなく上の定義式で求める。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 理論 問18(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1220.【選択問題】問17及び問18は選択問題であり,どちらか一方を選んで解答する(本サイトでは学習用に両方を収録しています)。 振幅変調について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(b)〕 次の文章は,直線検波回路に関する記述である。 振幅変調した変調波の電圧を,図2 の復調回路に入力して復調したい。コンデンサ C[F]と抵抗 R[Ω]を並列接続した合成インピーダンスの両端電圧に求められることは,信号波の成分が (ア) ことと,搬送波の成分が (イ) ことである。そこで,合成インピーダンスの大きさは,信号波の周波数に対してほぼ抵抗 R[Ω]となり,搬送波の周波数に対して十分に (ウ) なくてはならない。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.(ア)ある (イ)なくなる (ウ)大きく
- 2.(ア)ある (イ)なくなる (ウ)小さく
- 3.(ア)なくなる (イ)ある (ウ)小さく
- 4.(ア)なくなる (イ)なくなる (ウ)小さく
- 5.(ア)なくなる (イ)ある (ウ)大きく
正解:2.(ア)ある (イ)なくなる (ウ)小さく
解説:復調とは,変調波から元の信号波を取り出すことである。したがって出力に残したいのは信号波の成分であり,取り除きたいのは搬送波の成分だから,(ア)は「ある」,(イ)は「なくなる」となる。ここを逆にした(3)(4)(5)はこの時点で消える。 (ウ)を決めるのは CR 並列回路の周波数特性である。コンデンサのインピーダンス 1/(2πfC) は周波数が高いほど小さくなるので,周波数の低い信号波に対しては C がほとんど効かず合成インピーダンスは R に近くなり,周波数の高い搬送波に対しては C が短絡に近く働いて合成インピーダンスは十分に小さくなる。小さければ搬送波の成分は電圧として現れない。よって(2)。 C を大きくしすぎると信号波まで短絡してしまい,小さすぎると搬送波が残るので,時定数 CR の選び方が復調の要になる。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 理論 問18(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1221.極板間が比誘電率 ε_r の誘電体で満たされている平行平板コンデンサに一定の直流電圧が加えられている。このコンデンサに関する記述 a〜e として,誤っているものの組合せを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 ただし,コンデンサの端効果は無視できるものとする。 a.極板間の電界分布は ε_r に依存する。 b.極板間の電位分布は ε_r に依存する。 c.極板間の静電容量は ε_r に依存する。 d.極板間に蓄えられる静電エネルギーは ε_r に依存する。 e.極板上の電荷(電気量)は ε_r に依存する。
- 1.a,b
- 2.a,e
- 3.b,c
- 4.a,b,d
- 5.c,d,e
正解:1.a,b
解説:本問の要は「一定の直流電圧が加えられている」という条件である。電圧を固定したまま誘電体を入れ替える設定なので、決まっている量から順に追う。極板間隔を d、電圧を V とすると、誘電体が一様に満たされているとき極板間の電界は E=V/d で一定になる。ここに ε_r は現れない。電位分布も極板からの距離に比例して V を分け合うだけなので、やはり ε_r に無関係である。したがって a と b が誤りで、答(1)。残る c・d・e はいずれも ε_r に依存する。静電容量は C=ε₀ε_r A/d で ε_r に比例し、静電エネルギーは W=½CV² なので C を通じて依存し、極板上の電荷も Q=CV なので同じく依存する。取り違えやすいのは、「電荷一定」の設定に読み替えてしまうことである。極板に電荷 Q を与えて電源を切り離した場合は、E=Q/(ε₀ε_r A) となって電界も電位差も ε_r に依存し、答えが正反対になる。「電圧一定なら電界が決まり、電荷が変わる」「電荷一定なら電界が変わる」という対比で整理しておくと、この種の問題を安定して解ける。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 理論 問1
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1222.次の文章は,帯電した導体球に関する記述である。 真空中で導体球 A 及び B が軽い絶縁体の糸で固定点 O からつり下げられている。真空の誘電率を ε₀[F/m],重力加速度を g[m/s²]とする。A 及び B は同じ大きさと質量 m[kg]をもつ。糸の長さは各導体球の中心点が点 O から距離 l[m]となる長さである。 まず,導体球 A 及び B にそれぞれ電荷 Q[C],3Q[C]を与えて帯電させたところ,静電力による (ア) が生じ,図のように A 及び B の中心点間が d[m]離れた状態で釣り合った。ただし,導体球の直径は d に比べて十分に小さいとする。このとき,個々の導体球において,静電力 F= (イ) [N],重力 mg[N],糸の張力 T[N],の三つの力が釣り合っている。三平方の定理より F²+(mg)²=T² が成り立ち,張力の方向を考えると F/T は d/(2l) に等しい。これらより T を消去し整理すると,d が満たす式として, k(d/(2l))³=√(1−(d/(2l))²) が導かれる。ただし,係数 k= (ウ) である。 次に,A と B とを一旦接触させたところ AB 間で電荷が移動し,同電位となった。そして A と B とが力の釣合いの位置に戻った。接触前に比べ,距離 d は (エ) した。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.(ア)反発力 (イ)3Q²/(4πε₀d²) (ウ)16πε₀l²mg/(3Q²) (エ)増加
- 2.(ア)吸引力 (イ)Q²/(4πε₀d²) (ウ)4πε₀l²mg/Q² (エ)増加
- 3.(ア)反発力 (イ)3Q²/(4πε₀d²) (ウ)4πε₀l²mg/Q² (エ)増加
- 4.(ア)反発力 (イ)Q²/(4πε₀d²) (ウ)16πε₀l²mg/(3Q²) (エ)減少
- 5.(ア)吸引力 (イ)Q²/(4πε₀d²) (ウ)4πε₀l²mg/Q² (エ)減少
正解:1.(ア)反発力 (イ)3Q²/(4πε₀d²) (ウ)16πε₀l²mg/(3Q²) (エ)増加
解説:(ア)は電荷の符号で決まる。Q と 3Q はどちらも同符号なので働くのは反発力であり、これで(2)(5)が落ちる。図でも2球が左右に開いた状態で釣り合っており、引き合っていれば近づくはずである。(イ)はクーロンの法則そのもので、F=Q·3Q/(4πε₀d²)=3Q²/(4πε₀d²)。電荷が Q と 3Q なので積は 3Q² であり、Q² としている(4)はここで消える。(ウ)は与えられた関係から T を消す。F/T=d/(2l) より T=2lF/d、これを F²+(mg)²=T² に入れると (mg)²=F²(4l²−d²)/d²、すなわち mg=F√(4l²−d²)/d となる。一方、問題の式は k(d/2l)³=√(1−(d/2l)²)=√(4l²−d²)/(2l) と書き直せるので、k=4l²√(4l²−d²)/d³。ここへ √(4l²−d²)/d³=4πε₀mg/(3Q²) を代入すると k=16πε₀l²mg/(3Q²) が得られる。答(1)。(エ)は接触後の電荷を考える。同じ大きさの導体球どうしを接触させると電荷は等分され、各球 (Q+3Q)/2=2Q になる。積は 4Q² で接触前の 3Q² より大きいので、同じ距離なら反発力は強くなり、釣り合う位置は外側へ移って d は増加する。「等分される」のは2球が同じ大きさだからで、大きさが違えば電位が等しくなるように分配される点も押さえておきたい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 理論 問2
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1223.次の文章は,強磁性体の応用に関する記述である。 磁界中に強磁性体を置くと,周囲の磁束は,磁束が (ア) 強磁性体の (イ) を通るようになる。このとき,強磁性体を中空にしておくと,中空の部分には外部の磁界の影響がほとんど及ばない。このように,強磁性体でまわりを囲んで,磁界の影響が及ばないようにすることを (ウ) という。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア)通りにくい (イ)内部 (ウ)磁気遮へい
- 2.(ア)通りにくい (イ)外部 (ウ)磁気遮へい
- 3.(ア)通りにくい (イ)外部 (ウ)静電遮へい
- 4.(ア)通りやすい (イ)内部 (ウ)磁気遮へい
- 5.(ア)通りやすい (イ)内部 (ウ)静電遮へい
正解:4.(ア)通りやすい (イ)内部 (ウ)磁気遮へい
解説:強磁性体は透磁率 μ が真空の数百〜数万倍あり、磁気回路でいえば磁気抵抗が極端に小さい。電流が抵抗の小さい経路に集まるのと同じで、磁束は強磁性体を通りやすいため、その内部に吸い寄せられるように集中する。よって(ア)=通りやすい、(イ)=内部で、(1)(2)(3)が落ちる。残る(4)と(5)の違いは(ウ)だけである。磁束が壁の中を回り込んで通ってしまうため中空部にはほとんど磁束が入らず、これを利用して外部磁界の影響を遮る手法を磁気遮へいという。答(4)。静電遮へいは導体で囲んで内部の電界を零にするもの(静電シールド・ファラデーケージ)で、扱う量が電界であり原理も異なる。導体は電荷が表面に移動して内部の電界を打ち消すのに対し、磁気遮へいは磁束を打ち消すのではなく迂回させている点が本質的に違う。そのため磁気遮へいは完全ではなく、強い磁界や低周波では透磁率の高い材料(パーマロイなど)を多層にするなどの工夫が要る。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 理論 問3
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1224.図のように,透磁率 μ₀[H/m]の真空中に,無限に長い直線状導体 A と 1 辺 a[m]の正方形のループ状導体 B が距離 d[m]を隔てて置かれている。A と B は xz 平面上にあり,A は z 軸と平行,B の各辺は x 軸又は z 軸と平行である。A,B には直流電流 I_A[A],I_B[A]が,それぞれ図示する方向に流れている。このとき,B に加わる電磁力として,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 なお,xyz 座標の定義は,破線の枠内の図で示したとおりとする。

- 1.0 N つまり電磁力は生じない
- 2.μ₀I_AI_Ba²/(2πd(a+d))[N]の+x 方向の力
- 3.μ₀I_AI_Ba²/(2πd(a+d))[N]の−x 方向の力
- 4.μ₀I_AI_Ba(a+2d)/(2πd(a+d))[N]の+x 方向の力
- 5.μ₀I_AI_Ba(a+2d)/(2πd(a+d))[N]の−x 方向の力
正解:2.μ₀I_AI_Ba²/(2πd(a+d))[N]の+x 方向の力
解説:ループの4辺を1本ずつ見ていく。直線導体 A がつくる磁界の大きさは距離 r で B=μ₀I_A/(2πr) であり、B の左辺と右辺では距離が違うので力が打ち消し合わずに残る。まず向きを押さえる。図で A の電流は下向き(−z)、B の A に近い左辺は上向き(+z)で互いに逆向きである。平行電流は同じ向きなら引き合い、逆向きなら反発するので、左辺には A から離れる向き、すなわち+x 方向の力が働く。大きさは F=I_B a B=μ₀I_AI_Ba/(2πd)。右辺は電流が下向き(−z)で A と同じ向きになるため引き合い、−x 方向に μ₀I_AI_Ba/(2π(a+d)) の力を受ける。距離が遠いぶんこちらは小さい。上辺と下辺は x 軸に平行で、磁界も電流も対称なので大きさが等しく向きが逆になり、互いに打ち消し合って残らない。したがって合力は左辺と右辺の差で、μ₀I_AI_Ba/(2π)×{1/d−1/(a+d)}=μ₀I_AI_Ba²/(2πd(a+d)) の+x 方向。答(2)。誤答の作られ方が明快で、向きだけを逆にしたのが(3)、1/d−1/(a+d) を 1/d+1/(a+d) と足してしまうと分子が a(a+2d) になり(4)(5)になる。「近いほうが強い」ので合力は必ず A から遠ざかる向き(反発)になる、と先に決めてしまえば符号で迷わない。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 理論 問4
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1225.図に示す直流回路は,100 V の直流電圧源に直流電流計を介して 10 Ωの抵抗が接続され,50 Ωの抵抗と抵抗 R[Ω]が接続されている。電流計は 5 A を示している。抵抗 R[Ω]で消費される電力の値[W]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。なお,電流計の内部抵抗は無視できるものとする。

- 1.2
- 2.10
- 3.20
- 4.100
- 5.200
正解:5.200
解説:R の値を求めなくても、R に掛かる電圧と流れる電流だけで電力が出せる。電流計の 5 A は回路全体を流れる電流なので、直列の 10 Ωでの電圧降下は 5×10=50 V。したがって並列部(R と 50 Ω)に掛かる電圧は 100−50=50 V である。50 Ωの抵抗に流れる電流は 50/50=1 A なので、残りが R に流れる電流で 5−1=4 A。よって P=50×4=200 W。答(5)。念のため R を求めると R=50/4=12.5 Ωで、P=I²R=4²×12.5=200 W と一致する。落とし穴は、電源電圧 100 V がそのまま R に掛かると考えてしまうことで、この場合 100×4=400 W となって選択肢にない。10 Ωでの降下を引く手順を飛ばさないこと。また 5 A を R の電流と早合点して 50 Ω側の 1 A を引き忘れると P=50×5=250 W となり、これも選択肢にないので気づける。電流計の内部抵抗を無視してよいのは、電流計が直列に入るため内部抵抗があるとそのぶん電圧降下が増えてしまうからで、ただし書きはその配慮である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 理論 問5
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1226.図のような直流回路において,抵抗 6 Ωの端子間電圧の大きさ V の値[V]として,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.2
- 2.5
- 3.7
- 4.12
- 5.15
正解:4.12
解説:電源が2つあるので、6 Ωの上側の節点を未知数 V とする節点方程式(ミルマンの定理)を立てるのが速い。下側の導線を基準(0 V)にとる。6 Ωを下向きに流れる電流は V/6、21 V 側の枝から流れ込む電流は (21−V)/5、14 V 側の枝から流れ込む電流は (14−V)/10 である。節点で流入と流出が等しいので V/6=(21−V)/5+(14−V)/10。 両辺を 30 倍すると 5V=6(21−V)+3(14−V)=126−6V+42−3V=168−9V。したがって 14V=168、V=12 V。答(4)。検算しておくと、21 V 側の枝は (21−12)/5=1.8 A、14 V 側の枝は (14−12)/10=0.2 A、合計 2.0 A が 6 Ωに流れて 6×2.0=12 V となり、ぴたりと合う。重ね合わせの理で解くこともできるが、電源が2つでも節点が1つしかないこの形では節点方程式が最短である。誤りやすいのは、2つの電源を単純に足したり引いたりして 21−14=7 V としてしまうことで、これが(3)に用意されている。電源はそれぞれ別の抵抗を介して同じ節点につながっているので、抵抗の重みを付けた平均になる、と捉えるとよい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 理論 問6
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1227.図のように,抵抗,切換スイッチ S 及び電流計を接続した回路がある。この回路に直流電圧 100 V を加えた状態で,図のようにスイッチ S を開いたとき電流計の指示値は 2.0 A であった。また,スイッチ S を①側に閉じたとき電流計の指示値は 2.5 A,スイッチ S を②側に閉じたとき電流計の指示値は 5.0 A であった。このとき,抵抗 r の値[Ω]として,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 ただし,電流計の内部抵抗は無視できるものとし,測定誤差はないものとする。

- 1.20
- 2.30
- 3.40
- 4.50
- 5.60
正解:5.60
解説:3つの測定値を、回路の状態が単純なものから順に使うのがこつである。まず S を開いたときは R₁ と R₂ の直列だけなので、100/(R₁+R₂)=2.0 より R₁+R₂=50 Ω。次に S を②側に閉じると、②は R₂ の両端を導線で結ぶ位置にあるので R₂ が短絡され、回路は R₁ だけになる。100/R₁=5.0 より R₁=20 Ω、したがって R₂=30 Ω と個別の値が確定する。最後に S を①側に閉じると r が R₂ と並列になるので、100/(R₁+R₂r/(R₂+r))=2.5。合成抵抗は 100/2.5=40 Ωだから R₂r/(R₂+r)=40−20=20。30r/(30+r)=20 を解いて 30r=600+20r、10r=600、r=60 Ω。答(5)。この問題の分かれ目は、図の①と②のどちらが短絡側かである。②が R₂ を飛び越して下の導線に戻る配線、①が r を経由する配線であり、これを逆に読むと R₁ と R₂ が入れ替わって r=20 Ωなどの別の値になる。指示値が 2.0→2.5→5.0 と増えていることからも、②のほうが抵抗が最も小さい状態(=短絡)だと確かめられる。検算すると①側では合成 20+20=40 Ω、電流 100/40=2.5 A で条件に一致する。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 理論 問7
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1228.図のような交流回路において,電源の周波数を変化させたところ,共振時のインダクタンス L の端子電圧 V_L は 314 V であった。共振周波数の値[kHz]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.2.0
- 2.2.5
- 3.3.0
- 4.3.5
- 5.4.0
正解:2.2.5
解説:RLC 直列回路の共振では、コイルとコンデンサのリアクタンスが打ち消し合って回路のインピーダンスが抵抗 R だけになる。したがって流れる電流は I=V/R=1/0.5=2 A である。このとき L の端子電圧は V_L=ωLI なので、314=ωL×2 より ωL=157。L=10 mH=0.01 H だから ω=157/0.01=15 700 rad/s。周波数に直すと f=ω/(2π)=15 700/6.283≒2 499 Hz≒2.5 kHz。答(2)。C の値が与えられていないのに解けるのは、共振条件 ωL=1/(ωC) によって C が消えるからである。「C が無いから解けない」と止まらないこと。また、電源電圧が 1 V しかないのに L の端子電圧が 314 V もあるのは誤植ではない。直列共振では L と C にそれぞれ電源電圧の Q 倍(ここでは Q=ωL/R=157/0.5=314 倍)の電圧が現れ、両者が逆位相で打ち消し合っているためである。この共振による電圧の増大が直列共振回路の重要な性質で、実務では絶縁破壊の原因にもなる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 理論 問8
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1229.次式に示す電圧 e[V]及び電流 i[A]による電力の値[kW]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 e=100 sin ωt+50 sin(3ωt−π/6)[V] i=20 sin(ωt−π/6)+10√3 sin(3ωt+π/6)[A]
- 1.0.95
- 2.1.08
- 3.1.16
- 4.1.29
- 5.1.34
正解:2.1.08
解説:ひずみ波の電力は、同じ次数の成分どうしだけが有効電力を生み、次数の違う成分の積は1周期で平均すると零になる。したがって基本波の電力と第3調波の電力を別々に求めて足せばよい。基本波は、実効値が電圧 100/√2、電流 20/√2 で、位相差は 0−(−π/6)=π/6 なので cos(π/6)=0.866。P₁=(100/√2)×(20/√2)×0.866=1 000×0.866=866 W。第3調波は、実効値が 50/√2 と 10√3/√2 で、位相差は (−π/6)−(+π/6)=−π/3 なので cos(−π/3)=0.5。P₃=(50/√2)×(10√3/√2)×0.5=(500√3/2)×0.5=125√3≒217 W。合計 866+217=1 083 W≒1.08 kW。答(2)。よくある誤りは、振幅のまま掛けて 1/2 を忘れることと、位相差の符号を取り違えることである。位相差は電圧の位相から電流の位相を引いた値で、第3調波は −π/6−π/6=−π/3 であって 0 ではない。また基本波だけで止めると 866 W≒0.87 kW となり(1)の 0.95 に引き寄せられる。なお力率を求めたい場合は、電圧・電流それぞれの実効値を各次数の二乗和平方根で出してから P/(VI) とする必要があり、単純に cos の平均ではない点も注意したい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 理論 問9
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1230.図のように,電圧 E[V]の直流電源,スイッチ S,R[Ω]の抵抗及び静電容量 C[F]のコンデンサからなる回路がある。この回路において,スイッチ S を 1 側に接続してコンデンサを十分に充電した後,時刻 t=0 s でスイッチ S を 1 側から 2 側に切り換えた。2 側に切り換えた以降の記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 ただし,自然対数の底は,2.718 とする。

- 1.回路の時定数は,C の値[F]に比例する。
- 2.コンデンサの端子電圧 v_C[V]は,R の値[Ω]が大きいほど緩やかに減少する。
- 3.時刻 t=0 s から回路の時定数だけ時間が経過すると,コンデンサの端子電圧 v_C[V]は直流電源の電圧 E[V]の 0.368 倍に減少する。
- 4.抵抗の端子電圧 v_R[V]の値は負である。
- 5.時刻 t=0 s における回路の電流 i[A]は,C の値[F]に関係する。
正解:5.時刻 t=0 s における回路の電流 i[A]は,C の値[F]に関係する。
解説:2 側に切り換えた後は電源から切り離され、充電済みのコンデンサが抵抗を通して放電する RC 回路になる。端子電圧は v_C=E·e^(−t/(RC))、電流は図の向きを正として i=−(E/R)·e^(−t/(RC)) と表せる。(1)は時定数 τ=RC なので C に比例し、正しい。(2)も τ=RC が大きいほど指数関数の減衰が緩やかになるので正しい。(3)は t=τ のとき e^(−1)=1/2.718=0.368 だから v_C=0.368E となり、正しい。(4)は電流の向きの問題である。充電時(1 側)は電源から図の i の向きに電流が流れるが、放電時は逆向きになるので i は負となり、v_R=Ri も負になる。よって正しい。残る(5)が誤りである。t=0 ではコンデンサの端子電圧が E のままなので、抵抗に掛かる電圧も E で i=−E/R。ここに C は現れず、初期電流は C に関係しない。答(5)。C が効くのは「どれだけ長く流れ続けるか」であって「最初にどれだけ流れるか」ではない、という区別が本問の核心である。同じ理由で、放電で失われる全エネルギー ½CE² は C に比例するが、初期電流は C によらない。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 理論 問10
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1231.FET は,半導体の中を移動する多数キャリアを (ア) 電圧により生じる電界によって制御する素子であり,接合形と (イ) 形がある。次の図記号は接合形の (ウ) チャネル FET を示す。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.(ア)ゲート (イ)MOS (ウ)n
- 2.(ア)ドレイン (イ)MSI (ウ)p
- 3.(ア)ソース (イ)DIP (ウ)n
- 4.(ア)ドレイン (イ)MOS (ウ)p
- 5.(ア)ゲート (イ)DIP (ウ)n
正解:1.(ア)ゲート (イ)MOS (ウ)n
解説:FET(電界効果トランジスタ)は、3つの電極のうちゲートに加えた電圧がつくる電界でチャネルの幅を変え、ドレイン-ソース間に流れる多数キャリアの量を制御する素子である。ドレインとソースは電流の出入口であって制御端子ではないので、(ア)=ゲートで(2)(3)(4)が落ちる。(イ)は FET の分類で、pn 接合の逆バイアスで空乏層を広げる接合形(JFET)と、酸化膜を挟んでゲートを絶縁した MOS 形の2つに大別される。MSI は集積度の区分(中規模集積回路)、DIP はパッケージの形状を指す用語で、いずれも FET の種類ではない。これで(5)も消えて(1)が残る。(ウ)は図記号のゲートに付いた矢印の向きで決まる。矢印が内側(チャネルに向かう向き)なら n チャネル、外側に向いていれば p チャネルである。掲載の図記号は矢印がチャネル側を向いているので n チャネルであり、答(1)。矢印の向きは「ゲートの p 形領域からチャネルの n 形領域へ向かう pn 接合の順方向」を表していると覚えると、向きと形名が結び付けやすい。バイポーラトランジスタが電流(ベース電流)で制御するのに対し、FET は電圧で制御し入力インピーダンスが非常に高い、という違いも押さえておきたい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 理論 問11
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1232.次の文章は,真空中における電子の運動に関する記述である。 図のように,x 軸上の負の向きに大きさが一定の電界 E[V/m]が存在しているとき,x 軸上に電荷が −e[C](e は電荷の絶対値),質量 m₀[kg]の 1 個の電子を置いた場合を考える。x 軸の正方向の電子の加速度を a[m/s²]とし,また,この電子に加わる力の正方向を x 軸の正方向にとったとき,電子の運動方程式は m₀a= (ア) ……① となる。①式から電子は等加速度運動をすることがわかる。したがって,電子の初速度を零としたとき,x 軸の正方向に向かう電子の速度 v[m/s]は時間 t[s]の (イ) 関数となる。また,電子の走行距離 x_dis[m]は時間 t[s]の (ウ) 関数で表される。さらに,電子の運動エネルギーは時間 t[s]の (エ) で増加することがわかる。 ただし,電子の速度 v[m/s]はその質量の変化が無視できる範囲とする。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.(ア)eE (イ)一次 (ウ)二次 (エ)1 乗
- 2.(ア)½eE (イ)二次 (ウ)一次 (エ)1 乗
- 3.(ア)eE² (イ)一次 (ウ)二次 (エ)2 乗
- 4.(ア)½eE (イ)二次 (ウ)一次 (エ)2 乗
- 5.(ア)eE (イ)一次 (ウ)二次 (エ)2 乗
正解:5.(ア)eE (イ)一次 (ウ)二次 (エ)2 乗
解説:(ア)は符号の処理が肝である。電界は x 軸の負の向き、電子の電荷も負(−e)なので、電子が受ける力 F=qE は負×負で正の向きになり、大きさは eE。よって m₀a=eE で、(2)(4)の ½eE や(3)の eE² は次元も合わない。①式の右辺が定数なので加速度 a=eE/m₀ は一定、すなわち等加速度運動である。初速度が零なら v=at なので速度は時間の一次関数、走行距離は x=½at² なので二次関数となる。運動エネルギーは ½m₀v²=½m₀(at)²=½m₀a²t² だから、時間の2 乗に比例して増加する。したがって(ア)eE、(イ)一次、(ウ)二次、(エ)2 乗で答(5)。(1)と(5)の違いは(エ)だけである。速度が一次だからといってエネルギーも一次と早合点すると(1)に落ちる。エネルギーは速度の2乗に比例するので、v∝t なら E_k∝t² になる。別の見方をすると、電子が距離 x 進む間に電界がした仕事は eEx であり、x∝t² なのでやはりエネルギーは t² に比例する、と確かめられる。なお「質量の変化が無視できる範囲」というただし書きは、速度が光速に近づくと相対論的効果で質量が増し等加速度でなくなるためである。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 理論 問12
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問1233.図に示すように二つの増幅器を縦続接続した回路があり,増幅器 1 の電圧増幅度は 10 である。今,入力電圧 v_i の値として 0.4 mV の信号を加えたとき,出力電圧 v_o の値は 0.4 V であった。増幅器 2 の電圧利得の値[dB]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.10
- 2.20
- 3.40
- 4.50
- 5.60
正解:3.40
解説:まず全体の電圧増幅度を求める。0.4 V/0.4 mV=0.4/0.0004=1 000 倍である。縦続接続では増幅度が掛け算になるので、増幅器1が 10 倍なら増幅器2の増幅度は 1 000÷10=100 倍。電圧の利得を dB で表すときは 20 log₁₀ を使うので、G=20 log₁₀100=20×2=40 dB。答(3)。最大の落とし穴は、電力の 10 log₁₀ と混同することである。10 log₁₀100=20 dB となって(2)に落ちる。電圧・電流は 20 log、電力は 10 log と覚える。もう一つは、全体の 1 000 倍をそのまま dB にして 20 log₁₀1 000=60 dB としてしまうことで、これが(5)に置かれている。問われているのは増幅器2だけの利得である。利得を dB で扱う利点は、縦続接続の掛け算が足し算になることで、実際 増幅器1の 20 log₁₀10=20 dB と増幅器2の 40 dB を足すと全体の 60 dB になり、検算になる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 理論 問13
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問1234.固有の名称をもつ SI 組立単位の記号と,これと同じ内容を表す他の表し方の組合せとして,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.F ―― C/V
- 2.W ―― J/s
- 3.S ―― A/V
- 4.T ―― Wb/m²
- 5.Wb ―― V/s
正解:5.Wb ―― V/s
解説:それぞれ定義式に戻して確かめる。(1)ファラド F は静電容量の単位で、Q=CV より C=Q/V だから C/V で正しい。(2)ワット W は仕事率の単位で、単位時間当たりのエネルギーだから J/s で正しい。(3)ジーメンス S はコンダクタンスの単位で、抵抗の逆数すなわち I/V だから A/V で正しい。(4)テスラ T は磁束密度の単位で、単位面積当たりの磁束だから Wb/m² で正しい。(5)ウェーバ Wb は磁束の単位である。ファラデーの電磁誘導の法則 e=−dΦ/dt を変形すると Φ=∫e dt となり、Wb=V·s(ボルト秒)であって V/s ではない。したがって(5)が誤りで、答(5)。掛けるか割るかを迷ったら、「1 Wb の磁束が 1 秒で消えると 1 V の起電力が生じる」と具体的に考えるとよい。V=Wb/s なので、両辺に s を掛けて Wb=V·s となる。同じ要領で他の単位も確認でき、例えばヘンリー H は Φ=LI から Wb/A=V·s/A と表せる。単位の組立を暗記するのではなく、必ず定義式から導く習慣をつけておけば、この種の問題は落とさない。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 理論 問14
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問1235.抵抗 R[Ω],誘導性リアクタンス X[Ω]からなる平衡三相負荷(力率 80 %)に対称三相交流電源を接続した交流回路がある。次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 図1 のように,Y 結線した平衡三相負荷に線間電圧 210 V の三相電圧を加えたとき,回路を流れる線電流 I は 14/√3 A であった。負荷の誘導性リアクタンス X の値[Ω]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.4
- 2.5
- 3.9
- 4.12
- 5.15
正解:3.9
解説:Y 結線では、1 相分に掛かるのは線間電圧ではなく相電圧で 210/√3 V、そして相電流は線電流と等しく 14/√3 A である。1 相分のインピーダンスはこの比なので Z=(210/√3)÷(14/√3)=210/14=15 Ω。分母分子の √3 が約分で消えるため、値がきれいに求まる。力率が 80 %=cosθ=0.8 だから sinθ=0.6 で、誘導性リアクタンスは X=Z sinθ=15×0.6=9 Ω。答(3)。ついでに R=Z cosθ=15×0.8=12 Ωも求まり、これは(b)で使う。R²+X²=12²+9²=225=15² と確かめられる。間違いやすいのは、線間電圧 210 V をそのまま相電圧として Z=210/(14/√3)=25.98 Ωとしてしまうことで、このとき X=15.6 となり(5)の 15 に引き寄せられる。Y 結線は電圧が 1/√3、Δ 結線は電流が 1/√3、と対で覚えておくと取り違えにくい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 理論 問15(a)
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問1236.抵抗 R[Ω],誘導性リアクタンス X[Ω]からなる平衡三相負荷(力率 80 %)に対称三相交流電源を接続した交流回路がある。次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(b)〕 図1 の各相の負荷を使ってΔ結線し,図2 のように相電圧 200 V の対称三相電源に接続した。この平衡三相負荷の全消費電力の値[kW]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.8
- 2.11.1
- 3.13.9
- 4.19.2
- 5.33.3
正解:4.19.2
解説:手順は「電源の相電圧→線間電圧→Δ 負荷の相電圧→相電流→電力」の順に進める。電源は Y 結線で相電圧が 200 V と与えられているので、線間電圧は 200√3 V である。Δ 結線した負荷の各相には線間電圧がそのまま掛かるので、負荷1相分の電圧は 200√3≒346.4 V。1 相分のインピーダンスは(a)と同じ Z=15 Ω、抵抗分は R=Z cosθ=15×0.8=12 Ωである。相電流は I_p=200√3/15≒23.09 A。全消費電力は 3 相分の抵抗損の合計だから P=3I_p²R=3×(200√3/15)²×12。(200√3/15)²=120 000/225=533.3 なので P=3×533.3×12=19 200 W=19.2 kW。答(4)。力率を使う式でも同じで、P=3×V_p×I_p×cosθ=3×346.4×23.09×0.8≒19 200 W となる。最大の落とし穴は、電源の相電圧 200 V をΔ 負荷の相電圧として使うことである。この場合 P=3×(200/15)²×12=6 400 W=6.4 kW となり、選択肢の(1)8 に近い値になってしまう。「Δ 負荷に掛かるのは線間電圧」という対応を、図で電源とΔ 負荷の結線をたどって確認してから計算に入りたい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 理論 問15(b)
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問1237.図のように,電源 E[V],負荷抵抗 R[Ω],内部抵抗 R_v[kΩ]の電圧計及び内部抵抗 R_a[Ω]の電流計を接続した回路がある。この回路において,電圧計及び電流計の指示値がそれぞれ V₁[V],I₁[A]であるとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。ただし,電圧計と電流計の指示値の積を負荷抵抗 R[Ω]の消費電力の測定値とする。 〔小問(a)〕 電流計の電力損失の値[W]を表す式として,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.V₁²/R_a
- 2.V₁²/R_a−I₁²R_a
- 3.V₁²/R_v+I₁²R_a
- 4.I₁²R_a
- 5.I₁²R_a−I₁²R_v
正解:4.I₁²R_a
解説:電流計で失われる電力は、電流計の内部抵抗 R_a で消費される分だけである。電流計には指示値 I₁ がそのまま流れているので、損失は素直に P=I₁²R_a。答(4)。他の選択肢がなぜ誤りかを見ておく。(1)の V₁²/R_a は、電圧計の指示値 V₁ が電流計の両端の電圧であるかのように扱っているが、V₁ は電流計と負荷抵抗を直列にした部分に掛かる電圧なので、これを R_a で割っても意味のある量にならない。(2)はそこからさらに正しい項を引いており、二重に誤っている。(3)の V₁²/R_v は電圧計の電力損失であって電流計のものではなく、両者を足すのは「計器全体の損失」であり問いに合わない。(5)は電流計の内部抵抗と電圧計の内部抵抗を同じ電流で扱っており、そもそも電圧計には I₁ は流れない。本問の接続では、電圧計が電源側に、電流計が負荷と直列に入っている。この配置では電流計の内部抵抗による電圧降下が測定値に上乗せされるので、測定値は真値より大きく出る。この性質が(b)につながる。計器の損失は「電流計は I²R_a、電圧計は V²/R_v」と、流れる量・掛かる量に対応させて覚えるとよい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 理論 問16(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1238.図のように,電源 E[V],負荷抵抗 R[Ω],内部抵抗 R_v[kΩ]の電圧計及び内部抵抗 R_a[Ω]の電流計を接続した回路がある。この回路において,電圧計及び電流計の指示値がそれぞれ V₁[V],I₁[A]であるとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。ただし,電圧計と電流計の指示値の積を負荷抵抗 R[Ω]の消費電力の測定値とする。 〔小問(b)〕 今,負荷抵抗 R=320 Ω,電流計の内部抵抗 R_a=4 Ωが分かっている。この回路で得られた負荷抵抗 R[Ω]の消費電力の測定値 V₁I₁[W]に対して,R[Ω]の消費電力を真値とするとき,誤差率の値[%]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.0.3
- 2.0.8
- 3.0.9
- 4.1.0
- 5.1.2
正解:5.1.2
解説:測定値と真値をそれぞれ式にしてから比を取る。電圧計の指示値 V₁ は電流計と負荷抵抗の直列部に掛かる電圧なので V₁=I₁(R+R_a)、したがって測定値は V₁I₁=I₁²(R+R_a) である。一方、求めたい真値は負荷抵抗だけの消費電力 I₁²R である。誤差は測定値−真値=I₁²R_a、すなわち電流計の内部抵抗で消費される分がそのまま上乗せされている。誤差率は真値に対する割合なので 誤差率=I₁²R_a/(I₁²R)=R_a/R=4/320=0.0125=1.25 %≒1.2 %。答(5)。分母を測定値にとる流儀でも R_a/(R+R_a)=4/324=1.23 %となり、いずれにせよ選択肢は(5)になる。この結果が示すのは、誤差率が電流の大きさによらず抵抗の比だけで決まるということである。I₁ が約分で消えるため、負荷が軽くても重くても誤差率は同じ 1.25 %になる。実務では、負荷抵抗が電流計の内部抵抗に比べて十分大きいときはこの接続(電流計を負荷側に入れる)が有利で、逆に負荷が小さいときは電圧計を負荷と並列にする接続に替える。どちらの接続でも計器の内部抵抗ぶんの誤差は避けられないので、接続の選択は負荷抵抗との大小関係で決めるというのが要点である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 理論 問16(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1239.【選択問題】問17及び問18は選択問題であり,どちらか一方を選んで解答する(本サイトでは学習用に両方を収録しています)。 図1 の端子 a–d 間の合成静電容量について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 端子 b–c–d 間は図2 のようにΔ結線で接続されている。これを図3 のように Y 結線に変換したとき,電気的に等価となるコンデンサ C の値[μF]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.1.0
- 2.2.0
- 3.4.5
- 4.6.0
- 5.9.0
正解:5.9.0
解説:Δ–Y 変換はインピーダンスの関係として Z_Y=Z_Δ/3 が成り立つ(3つとも等しい場合)。ここで扱うのがコンデンサであることに注意する。容量 C のコンデンサのインピーダンスは Z=1/(jωC) なので、Z が 1/3 になるということは C が 3 倍になるということである。すなわち C_Y=3C_Δ。Δ 側が 3 μF なので、Y 側は 3×3=9.0 μF。答(5)。ここが本問最大の落とし穴で、抵抗の Δ–Y 変換の感覚のまま 3 μF÷3=1.0 μF としてしまうと(1)に落ちる。抵抗は 1/3、コンデンサは 3 倍と向きが逆になるのは、容量がインピーダンスの分母に入るためである。確かめ方として、端子間から見た合成容量で検証できる。Δ では b–c 間から見ると 3 μF と、直列の 3+3 μF(=1.5 μF)が並列で 4.5 μF。Y では b と c の 9 μF が直列で 4.5 μF となり一致する。この「2端子間の合成容量が両者で等しい」という確認を1組でも行えば、3 倍か 1/3 かで迷わずに済む。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 理論 問17(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1240.【選択問題】問17及び問18は選択問題であり,どちらか一方を選んで解答する(本サイトでは学習用に両方を収録しています)。 図1 の端子 a–d 間の合成静電容量について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(b)〕 図3 を用いて,図1 の端子 b–c–d 間を Y 結線回路に変換したとき,図1 の端子 a–d 間の合成静電容量 C₀ の値[μF]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.3.0
- 2.4.5
- 3.4.8
- 4.6.0
- 5.9.0
正解:3.4.8
解説:(a)の結果を使って、b–c–d のΔ(各 3 μF)を中性点 n をもつ Y(各 9 μF)に置き換える。すると回路は次のように整理できる。端子 a から出る経路は2つで、上側は 9 μF を通って b へ、下側は 18 μF を通って c へ向かう。b と c はそれぞれ 9 μF で中性点 n につながり、n からさらに 9 μF で d に至る。まず a→b→n の経路は 9 μF と 9 μF の直列なので 9×9/(9+9)=4.5 μF。a→c→n の経路は 18 μF と 9 μF の直列で 18×9/(18+9)=162/27=6.0 μF。この2つは a と n の間で並列なので合わせて 4.5+6.0=10.5 μF。最後に n–d 間の 9 μF と直列になるので、C₀=10.5×9/(10.5+9)=94.5/19.5≒4.85 μF≒4.8 μF。答(3)。誤答の(2)4.5 と(4)6.0 は、途中で求まる 2 つの枝の値がそのまま置かれている。並列にまとめる段階や最後の直列を忘れると、これらを選んでしまう。コンデンサは直列が積÷和、並列が和で抵抗と逆になるため、どちらの計算をしているかを常に意識すること。Δ のままでは b–c 間の 3 μF が橋絡していて直並列に分解できないが、Y に直すと中性点を経由する素直な直並列回路になる。これが Δ–Y 変換を使う意味である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 理論 問17(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1241.【選択問題】問17及び問18は選択問題であり,どちらか一方を選んで解答する(本サイトでは学習用に両方を収録しています)。 図1 は,飽和領域で動作する接合形 FET を用いた増幅回路を示し,図中の v_i 並びに v_o はそれぞれ,入力と出力の小信号交流電圧[V]を表す。また,図2 は,その増幅回路で使用する FET のゲート-ソース間電圧 V_gs[V]に対するドレーン電流 I_d[mA]の特性を示している。抵抗 R_G=1 MΩ,R_D=5 kΩ,R_L=2.5 kΩ,直流電源電圧 V_DD=20 V とするとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 FET の動作点が図2 の点 P となる抵抗 R_S の値[kΩ]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.0.1
- 2.0.3
- 3.0.5
- 4.1
- 5.3
正解:4.1
解説:この回路は自己バイアス(ソースバイアス)方式である。ゲートは R_G を通して接地されており、接合形 FET のゲート電流はほぼ零なので R_G には電圧降下が生じず、ゲートの電位は 0 V になる。一方、ソースにはドレーン電流 I_d が R_S を通って流れるので、ソースの電位は I_d R_S だけ持ち上がる。したがってゲート-ソース間電圧は V_gs=(ゲート電位)−(ソース電位)=0−I_d R_S=−I_d R_S となり、負のバイアスが自動的に得られる。これが「自己バイアス」と呼ばれる理由である。図2 の動作点 P は V_gs=−1.8 V、I_d=1.8 mA だから、1.8=1.8×10⁻³×R_S より R_S=1 000 Ω=1 kΩ。答(4)。n チャネル接合形 FET は V_gs が負の領域で使うため、わざわざ負電源を用意しなくてもソース抵抗だけでバイアスできる点が利点である。なお R_S には交流的には C_S が並列に入っており、信号周波数ではソースが接地されたのと同じになる。直流のバイアスだけを R_S で決め、交流の負帰還は C_S で打ち消すという役割分担になっている。この C_S を外すと利得が下がる(電流帰還バイアスの負帰還が効く)ので、(b)の等価回路に R_S が現れないのはこのためである。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 理論 問18(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1242.【選択問題】問17及び問18は選択問題であり,どちらか一方を選んで解答する(本サイトでは学習用に両方を収録しています)。 図1 は,飽和領域で動作する接合形 FET を用いた増幅回路を示し,図中の v_i 並びに v_o はそれぞれ,入力と出力の小信号交流電圧[V]を表す。また,図2 は,その増幅回路で使用する FET のゲート-ソース間電圧 V_gs[V]に対するドレーン電流 I_d[mA]の特性を示している。抵抗 R_G=1 MΩ,R_D=5 kΩ,R_L=2.5 kΩ,直流電源電圧 V_DD=20 V とするとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(b)〕 図2 の特性曲線の点 P における接線の傾きを読むことで,FET の相互コンダクタンスが g_m=6 mS であるとわかる。この値を用いて,増幅回路の小信号交流等価回路をかくと図3 となる。ここで,コンデンサ C₁,C₂,C_S のインピーダンスが使用する周波数で十分に小さいときを考えており,FET の出力インピーダンスが R_D[kΩ]や R_L[kΩ]より十分大きいとしている。 この増幅回路の電圧増幅度 A_v=|v_o/v_i| の値として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.10
- 2.30
- 3.50
- 4.100
- 5.300
正解:1.10
解説:図3 の等価回路では、FET は大きさ g_m v_i の電流源で表され、その電流が R_D と R_L に分かれて流れる。FET の出力インピーダンスは十分大きいとしているので、電流源から見た負荷は R_D と R_L の並列である。並列合成は R_D∥R_L=5×2.5/(5+2.5)=12.5/7.5≒1.667 kΩ。出力電圧はこの合成抵抗に電流 g_m v_i が流れて生じるので v_o=g_m v_i×(R_D∥R_L)。したがって A_v=|v_o/v_i|=g_m×(R_D∥R_L)=6×10⁻³×1 667≒10。答(1)。誤りやすいのは、R_D と R_L を直列とみて 6×10⁻³×7 500=45 としたり、R_D だけで 6×10⁻³×5 000=30 として(2)を選ぶことである。図3 で R_D と R_L が電流源の両端に並んでいることを確認すれば、並列だとすぐ分かる。なお、i_d の向きから分かるとおり出力電圧の位相は入力に対して反転する(ソース接地増幅回路の特徴)が、設問は絶対値を問うているので符号は答えに影響しない。また相互コンダクタンス g_m は I_d–V_gs 特性の接線の傾き ΔI_d/ΔV_gs であり、動作点をずらすと値が変わる。動作点を(a)で決めてから g_m を読む、という順序に意味がある。原本には「※ 下線部訂正 I_d → i_d」という公式の訂正注記があり、図3 の電流記号は小信号を表す小文字の i_d が正しい。本サイトでは訂正後の表記で収録している。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 理論 問18(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1243.図1に示すような,空気を含む二つの誘電体からなる平行平板電極がある。この下部電極を接地し,上部電極に電圧を加えたときの電極間の等電位線の分布を示す断面図として,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 ただし,誘電体の導電性及び電極と誘電体の端効果は無視できるものとする。 参考までに固体誘電体を取り除いた,空気中平行平板電極の場合の等電位線の分布を図2に示す。

- 1.

- 2.

- 3.

- 4.

- 5.

正解:5.
解説:境界面に垂直な電界では電束密度 D が空気側と固体側で共通になる。E=D/ε だから,比誘電率が1の空気と6の固体では電界の比が E_空気:E_固体=6:1 となり,空気側のほうが6倍強い。等電位線は電界が強いところほど密になる(同じ電位差を短い距離で稼ぐため)から,上側の空気層で線が密に,下側の固体層では疎になる。この見え方をしているのは(5)だけである。答(5)。図2は誘電体が空気だけの場合で,電界が一様なので等電位線も等間隔に並んでいる。これと見比べると,固体を入れたことで空気層の間隔が狭まり固体層で広がる,という変化が(5)に表れていることが確認できる。上下が逆になっている(3)は比誘電率の大きいほうが電界が強いと誤解した場合の図,全体が等間隔の(1)は誘電体の違いを無視した場合の図であり,どちらも E=D/ε の関係と矛盾する。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 理論 問1
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 - 1.
-
問1244.空気中に孤立した半径 a[m]の導体球に帯電できる最大の電荷の値[C]として,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし,空気の絶縁耐力及び誘電率はそれぞれ E_m[V/m]及び ε₀[F/m]とする。
- 1.E_m/(4πε₀a²)
- 2.E_m/(4πε₀a)
- 3.4πε₀aE_m
- 4.4πε₀a²E_m
- 5.4πε₀a³E_m
正解:4.4πε₀a²E_m
解説:電荷 Q を帯びた半径 a の導体球がつくる電界は,球の外側では点電荷と同じで E=Q/(4πε₀r²) と表せる。もっとも強いのは球の表面 r=a のときで E=Q/(4πε₀a²)。この値が空気の絶縁耐力 E_m を超えると空気が絶縁破壊してコロナ放電が起こり,それ以上は電荷を保持できない。したがって限界は Q/(4πε₀a²)=E_m すなわち Q=4πε₀a²E_m[C]となる。答(4)。次元でも確かめられる。ε₀[F/m]×a²[m²]×E_m[V/m]=F·V=C となり電荷の単位に一致するのは(4)だけで,(3)は F·V·m⁻¹×m²…と合わず,(5)は m が一つ余る。分母に E_m が来る(1)(2)は,絶縁耐力が大きいほど帯電できる電荷が小さくなるという物理的にあり得ない関係になっている。半径が大きいほど表面の電界が緩むので蓄えられる電荷が a² に比例して増える,という結論も直感と合う。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 理論 問2
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1245.磁気に関する量とその単位記号(SI 基本単位及び組立単位による表し方)の組合せとして,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.量:インダクタンス 単位記号:Wb/A
- 2.量:磁束 単位記号:V/s
- 3.量:磁界の強さ 単位記号:A/m
- 4.量:磁気抵抗 単位記号:H⁻¹
- 5.量:透磁率 単位記号:H/m
正解:2.量:磁束 単位記号:V/s
解説:誤りは(2)で,磁束の単位は V/s ではなく V·s である。ファラデーの法則 e=−dΦ/dt は「磁束を時間で微分すると電圧になる」という関係なので,逆に磁束は電圧に時間を掛けた量であり,Wb=V·s となる。割り算と掛け算が入れ替わっている点だけの誤りで,見落としやすい。他は正しい。(1)はインダクタンスの定義 L=NΦ/I から Wb/A で,これがそのまま H の定義でもある。(3)は磁界の強さがアンペアの周回積分則 H=I/(2πr) などで電流÷長さとして出てくるので A/m。(4)の磁気抵抗は磁気回路のオームの法則 R_m=F/Φ=(AT)/Wb で,Wb/A=H の逆数だから H⁻¹ と書ける。(5)の透磁率は B=μH より μ=B/H=(Wb/m²)/(A/m)=Wb/(A·m)=H/m。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 理論 問3
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1246.図のように,A,B 2本の平行な直線導体があり,導体 A には 1.2 A の,導体 B にはそれと反対方向に 3 A の電流が流れている。導体 A と B の間隔が l[m]のとき,導体 A より 0.3 m 離れた点 P における合成磁界が零になった。l の値[m]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 ただし,導体 A,B は無限長とし,点 P は導体 A,B を含む平面上にあるものとする。

- 1.0.24
- 2.0.45
- 3.0.54
- 4.0.75
- 5.1.05
正解:2.0.45
解説:無限長直線電流が距離 r につくる磁界の強さは H=I/(2πr) である。点 P は導体 A から見て B とは反対側にあるので,P から B までの距離は 0.3+l[m]になる。二つの電流は互いに逆向きだから,P では A による磁界と B による磁界が逆向きになり,大きさが等しければ打ち消し合って零になる。よって 1.2/(2π×0.3)=3/(2π×(0.3+l)),すなわち 1.2/0.3=3/(0.3+l)。左辺は4 だから 0.3+l=3/4=0.75 となり l=0.45 m。答(2)。注意したいのは,P が A と B の間ではなく外側にあることで,同じ向きの電流なら外側では打ち消し合わないから成立しない。「電流が逆向き」という条件が,外側の点で合成磁界が零になり得る前提になっている。また B までの距離を l と取り違えると 1.2/0.3=3/l から l=0.75 となり(4)を選んでしまう。0.3 m を足し忘れないこと。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 理論 問4
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1247.図の直流回路において,抵抗 R=10 Ωで消費される電力の値[W]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.0.28
- 2.1.89
- 3.3.79
- 4.5.36
- 5.7.62
正解:1.0.28
解説:下側の共通線を0 V とし,R の左端を V_x,右端を V_y として節点方程式を立てる。左の節点では (60−V_x)/40=V_x/40+(V_x−V_y)/10,右の節点では (80−V_y)/60+(V_x−V_y)/10=V_y/60。それぞれ分母を払うと 3V_x−2V_y=30 と 3V_x−4V_y=−40 になり,辺々引いて 2V_y=70 から V_y=35 V,これを戻して V_x=100/3≒33.3 V。R に流れる電流は I=(V_x−V_y)/10=(33.3−35)/10≒−0.167 A で,向きは右から左である。消費電力は向きによらず P=I²R=0.167²×10≒0.28 W。答(1)。二つの電源の電圧が60 V と80 V と大きいのに R の電力が1 W にも満たないのは,両側の分圧がほぼ釣り合って R の両端に約1.7 V しか掛からないためである。60 V と80 V の差20 V がそのまま R に掛かると考えて 20²/10=40 W などとすると桁から外れる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 理論 問5
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1248.図の回路において,抵抗 R[Ω]には電流 0.3 A が流れている。抵抗 R の値[Ω]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.2.0
- 2.2.8
- 3.3.7
- 4.4.9
- 5.25
正解:1.2.0
解説:6 Ωの右側の節点を M,右端の節点を N(下の共通線を0 V とすると N も0 V)とし,M からNへ向かう二つの枝を考える。上の枝は3 V の電池と R で電流0.3 A,下の枝は4 V の電池と1 Ωで電流 I₁ とする。それぞれの枝で M から N までの電位差を書くと V_M+3−0.3R=0 と V_M+4−I₁=0 になる。二式から 3−0.3R=4−I₁,すなわち I₁=1+0.3R。一方,9 V の電源から流れ出る電流は二つの枝の和 0.3+I₁ で,これが6 Ωを通るので V_M=9−6(0.3+I₁)。これを上の枝の式に代入すると 9−1.8−6I₁=0.3R−3 から I₁=1.7−0.05R。二つの I₁ を等しいと置いて 1+0.3R=1.7−0.05R,0.35R=0.7 より R=2.0 Ω。答(1)。このとき I₁=1.6 A,全電流1.9 A,V_M=−2.4 V となり,各枝の式がすべて成り立つことも確かめられる。電池が枝の途中に入っているので,単純な合成抵抗ではなくキルヒホッフの法則で解く必要がある。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 理論 問6
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1249.起電力が E[V]で内部抵抗が r[Ω]の電池がある。この電池に抵抗 R₁[Ω]と可変抵抗 R₂[Ω]を並列につないだとき,抵抗 R₂[Ω]から発生するジュール熱が最大となるときの抵抗 R₂ の値[Ω]を表す式として,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.R₂=r
- 2.R₂=R₁
- 3.R₂=rR₁/(r+R₁)
- 4.R₂=rR₁/(R₁−r)
- 5.R₂=rR₁/(r−R₁)
正解:3.R₂=rR₁/(r+R₁)
解説:R₂ の側から回路を見ると,電池と内部抵抗 r,それに並列な R₁ をまとめて一つの等価電源とみなせる。テブナンの定理でその内部抵抗を求めると,起電力を短絡して r と R₁ の並列,すなわち rR₁/(r+R₁) になる。最大電力の整合条件は「負荷抵抗=電源側の内部抵抗」だから,R₂=rR₁/(r+R₁) のときに R₂ で消費される電力(=ジュール熱)が最大になる。答(3)。式で確かめてもよい。R₂ の電力は P₂=E²R₁²R₂/(rR₁+rR₂+R₁R₂)² と書けるので,R₂ で微分して零と置くと rR₁=R₂(r+R₁) が得られ,同じ結果になる。R₁ が無いとき(R₁→∞)は R₂=r となって単純な整合条件に一致することも確認できる。(4)(5)は分母が負になり得て抵抗として意味をなさない場合があり,物理的にあり得ない形である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 理論 問7
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1250.図のように,二つの LC 直列共振回路 A,B があり,それぞれの共振周波数が f_A[Hz],f_B[Hz]である。これら A,B をさらに直列に接続した場合,全体としての共振周波数が f_AB[Hz]になった。f_A,f_B 及び f_AB の大小関係として,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.f_A < f_B < f_AB
- 2.f_A < f_AB < f_B
- 3.f_B < f_AB < f_A
- 4.f_AB < f_A < f_B
- 5.f_AB < f_B < f_A
正解:3.f_B < f_AB < f_A
解説:直列共振周波数は f=1/(2π√(LC)) である。回路AはL とC なので f_A=1/(2π√(LC)),回路Bは2L とC なので f_B=1/(2π√(2LC))=f_A/√2 となり f_B < f_A。AとBを直列にすると,インダクタンスは足し算で L+2L=3L,静電容量は直列なので逆数の和から C×C/(C+C)=C/2 になる。したがって f_AB=1/(2π√(3L×C/2))=1/(2π√(1.5LC))=f_A/√1.5。√1.5≒1.22 は √2≒1.41 より小さいので f_A/√1.5 > f_A/√2,すなわち f_B < f_AB < f_A。答(3)。要点は,直列接続でインダクタンスは3倍になる一方,静電容量は半分になるので LC 積は3×0.5=1.5倍にとどまり,Bの2倍ほどには増えないことである。コンデンサの直列は容量が減る(合成が小さくなる)という点を,抵抗やコイルの直列と混同しないこと。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 理論 問8
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1251.次式に示す電圧 e[V]及び電流 i[A]による電力の値[kW]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 e=100 sin ωt+50 sin(3ωt−π/6) [V] i=20 sin(ωt−π/6)+10√3 sin(3ωt+π/6) [A]
- 1.0.95
- 2.1.08
- 3.1.16
- 4.1.29
- 5.1.34
正解:2.1.08
解説:ひずみ波の電力は,周波数の等しい成分どうしの積の和で求まる。周波数が違う成分どうしは1周期で平均すると零になるので,基本波は基本波と,第3調波は第3調波とだけ組み合わせればよい。各成分の電力は(電圧の振幅×電流の振幅÷2)×cos(位相差)である。基本波は位相差が 0−(−π/6)=π/6 なので (100×20/2)cos30°=1 000×0.866=866 W。第3調波は位相差が (−π/6)−(+π/6)=−π/3 なので (50×10√3/2)cos60°=433×0.5≒216.5 W。合計すると 866+216.5≒1 082.5 W=1.08 kW。答(2)。落とし穴は二つある。一つは実効値に直さずに振幅のまま掛けてしまうことで,÷2(実効値に直せば÷√2 が二つ)を忘れると倍の値になる。もう一つは基本波の電圧と第3調波の電流のような異なる周波数どうしを掛けてしまうことで,これらは平均電力に寄与しない。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 理論 問9
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1252.図の回路のスイッチ S を t=0 s で閉じる。電流 i_S[A]の波形として最も適切に表すものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 ただし,スイッチ S を閉じる直前に,回路は定常状態にあったとする。

- 1.

- 2.

- 3.

- 4.

- 5.

正解:3.
解説:まずスイッチを閉じる直前の状態を押さえる。S が開いていると電流の通り道はコンデンサを含む枝だけで,直流の定常状態ではコンデンサに電流が流れないから回路電流は零,コイルの電流も零である。抵抗にも電圧降下がないので,コンデンサには電源電圧1 V が掛かったままになっている。次に S を閉じると,S の左側の節点が下の共通線と同電位になる。左側の枝はコイルの過渡現象で i_L=1−e^(−t)[A]となり,時定数 L/R=1 s で0 A から1 A へ向かって立ち上がる。一方,コンデンサ側は充電されていた1 V が放電する向きに電流を流し,時定数 CR=2 s で −e^(−t/2)[A]と減衰する。S を流れる電流は節点で分けると i_S=i_L−i_cap=1−e^(−t)+e^(−t/2) になる。t=0 では 1−1+1=1 A,t→∞ では1 A,途中の t=2ln2≒1.39 s で最大の1.25 A をとる。つまり「1 A から始まり,いったん1 A を超えて山を作り,また1 A に戻る」波形で,これに当たるのは(3)である。答(3)。零から立ち上がる(2)(4)はコイル電流だけを見てコンデンサの放電を忘れた形,下に凹む(1)は放電電流の向きを逆に取った形になる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 理論 問10
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 - 1.
-
問1253.バイポーラトランジスタと電界効果トランジスタ(FET)に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.バイポーラトランジスタは,消費電力が FET より大きい。
- 2.バイポーラトランジスタは,静電気に対して FET より破壊されにくい。
- 3.バイポーラトランジスタの入力インピーダンスは,FET のそれよりも低い。
- 4.バイポーラトランジスタは電圧制御素子,FET は電流制御素子といわれる。
- 5.バイポーラトランジスタのコレクタ電流は自由電子及び正孔の両方が関与し,FET のドレーン電流は自由電子又は正孔のどちらかが関与する。
正解:4.バイポーラトランジスタは電圧制御素子,FET は電流制御素子といわれる。
解説:誤りは(4)で,制御方式が逆である。バイポーラトランジスタはベース電流でコレクタ電流を制御する「電流制御素子」,FET はゲート電圧でドレーン電流を制御する「電圧制御素子」である。他はこの違いから導かれる性質で,いずれも正しい。(3)はバイポーラがベース電流を必要とするため入力インピーダンスが低く,FET はゲートが絶縁またはpn接合の逆バイアスで電流をほとんど流さないため高いこと。(1)はベース電流を流し続けるぶんバイポーラのほうが消費電力が大きくなること。(2)はFET のゲート絶縁膜が非常に薄く静電気で絶縁破壊しやすいのに対し,バイポーラは電流駆動で入力側の耐圧に余裕があること。(5)は名前の由来そのもので,バイポーラ(bipolar=両極性)は自由電子と正孔の両方がキャリヤとして働き,FET はユニポーラ(unipolar=単極性)でどちらか一方しか使わない。答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 理論 問11
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1254.真空中に置かれた平行電極板間に,直流電圧 V[V]を加えて平等電界 E[V/m]を作り,この陰極板に電子を置いた場合,初速零で出発した電子が陽極板に到達したときの速さは,v[m/s]となった。このときの電子の運動エネルギーは,電子が陽極板に到達するまでに得るエネルギーに等しいと考えられ,次の式が成立する。 (1/2)mv² = (ア) ただし,電子の電気素量を e[C],電子の質量を m[kg]とする。 したがって,この式から電子の速さ v[m/s]は, (イ) で表される。 上記の記述中の空白箇所(ア)及び(イ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア)eV (イ)√(4eV/m)
- 2.(ア)eV (イ)√(2eV/m)
- 3.(ア)2eV (イ)√(4eV/m)
- 4.(ア)eE (イ)√(2eE/m)
- 5.(ア)eE (イ)√(4eE/m)
正解:2.(ア)eV (イ)√(2eV/m)
解説:電荷 q が電位差 V の間を移動するときに得るエネルギーは qV である。電子の電荷の大きさは電気素量 e だから,陰極板から陽極板まで加速された電子が得るエネルギーは eV[J]。これが運動エネルギーに変わるので (1/2)mv²=eV となり(ア)=eV。eE は電子が受ける「力」[N]であってエネルギーではなく,力にさらに極板間距離を掛けて初めてエネルギーになるので(4)(5)は次元が合わない。2eV とする(3)は係数が余分である。あとは (1/2)mv²=eV を v について解くだけで,v²=2eV/m より v=√(2eV/m)[m/s]。答(2)。√(4eV/m) としてしまうのは (1/2) を移項するときに2 で割ってしまう典型的な誤りである。なお E と V は E=V/d の関係にあるので,極板間距離 d が与えられていれば eEd と書いても同じことになるが,本問では d が与えられていないため eV の形でなければ表せない。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 理論 問12
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1255.図1は,静電容量 C[F]のコンデンサとコイルからなる共振回路の等価回路である。このようにコイルに内部抵抗 r[Ω]が存在する場合は,インダクタンス L[H]と抵抗 r[Ω]の直列回路として表すことができる。この直列回路は,コイルの抵抗 r[Ω]が,誘導性リアクタンス ωL[Ω]に比べて十分小さいものとすると,図2のように,等価抵抗 R_p[Ω]とインダクタンス L[H]の並列回路に変換することができる。このときの等価抵抗 R_p[Ω]の値を表す式として,正しいのは次のうちどれか。 ただし,I_c[A]は電流源の電流を表す。

- 1.ωL/r
- 2.r/(ωL)²
- 3.(ωL)²/r
- 4.r²/(ωL)
- 5.r(ωL)²
正解:3.(ωL)²/r
解説:直列回路 r+jωL のアドミタンスをとると Y=1/(r+jωL)=(r−jωL)/(r²+(ωL)²) である。並列回路のアドミタンスは 1/R_p+1/(jωL_p) だから,実部どうしを等しいと置いて 1/R_p=r/(r²+(ωL)²),すなわち R_p=(r²+(ωL)²)/r。ここで題意より r ≪ ωL なので分子の r² は無視でき,R_p≒(ωL)²/r となる。答(3)。単位でも確かめられる。(ωL)² はΩ²で,これをΩで割るとΩになり抵抗の単位に合う。(1)は無次元,(2)(4)(5)はΩにならないので式の形だけで除外できる。この変換で大切なのは,r が小さいほど R_p は「大きく」なるという向きである。損失の小さいコイルほど並列に置いた等価抵抗は大きくなり,共振の鋭さ(Q値)が高くなる。実際 Q=ωL/r=R_p/(ωL) の関係があり,(1)の ωL/r はその Q そのものなので抵抗の式としては誤りである。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 理論 問13
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1256.電気計器に関する記述として,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.クランプメータは,電線に流れる電流による磁界をはかることで電流が測定できるため,磁界が打ち消し合うように電線1本のみをクランプする。
- 2.電子電圧計は,増幅器と可動コイル形計器を組み合わせたもので,内部抵抗が小さく,電圧の測定範囲が数 μV から 100 V 程度である。
- 3.ホイートストンブリッジは抵抗を精密に測定できる。
- 4.接地抵抗計は,屋内配線や機器などの絶縁抵抗を測定する。
- 5.絶縁抵抗計は,接地電極と大地との間の抵抗を測定する。
正解:3.ホイートストンブリッジは抵抗を精密に測定できる。
解説:正しいのは(3)である。ホイートストンブリッジは既知の抵抗と可変抵抗で橋絡回路を組み,検流計の振れが零になる平衡条件から未知抵抗を求める方式で,指示計器の目盛の読み取り誤差が入らないため中抵抗を精密に測定できる。他は誤り。(1)は理由づけが逆で,1本だけをクランプするのは往復の電流が打ち消し合わないようにするためである。2本まとめてクランプすると行きと帰りの磁界が相殺して指示が零になってしまう。(2)は電子電圧計の特徴が逆で,増幅器を前置するため入力(内部)抵抗は「大きく」,被測定回路への影響が小さいことが利点である。(4)と(5)は説明が入れ替わっている。接地抵抗計は接地電極と大地との間の抵抗を,絶縁抵抗計(メガー)は屋内配線や機器の絶縁抵抗を測る計器である。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 理論 問14
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1257.図の交流回路において,回路素子は,インダクタンス L のコイル又は静電容量 C のコンデンサである。この回路に正弦波交流電圧 v=500 sin(1 000t)[V]を加えたとき,回路に流れる電流は,i=−50 cos(1 000t)[A]であった。このとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 回路素子の値として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.C=10 nF
- 2.C=100 nF
- 3.C=10 μF
- 4.L=10 mH
- 5.L=100 mH
正解:4.L=10 mH
解説:まず素子の種類を電流の位相から見分ける。−cos(1 000t)=sin(1 000t−π/2) と書き換えられるので,電流は電圧より90°遅れている。電流が電圧より遅れるのはインダクタンスの性質なので,素子はコイルであり(1)(2)(3)は落ちる。次に大きさを求める。リアクタンスは電圧と電流の振幅の比で ωL=500/50=10 Ω。角周波数は式から ω=1 000 rad/s なので L=10/1 000=0.01 H=10 mH。答(4)。要点は,位相のずれの向きを符号だけで判断せず sin の形に直して確かめることである。もし i=+50 cos(1 000t)=50 sin(1 000t+π/2) なら電流が90°進むのでコンデンサになり,1/(ωC)=10 から C=100 μF となって別の答になる。100 mH とする(5)は ω=1 000 を100 と読み違えた場合の値である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 理論 問15(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1258.図の交流回路において,回路素子は,インダクタンス L のコイル又は静電容量 C のコンデンサである。この回路に正弦波交流電圧 v=500 sin(1 000t)[V]を加えたとき,回路に流れる電流は,i=−50 cos(1 000t)[A]であった。このとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(b)〕 この回路素子に蓄えられるエネルギーの最大値 W_max の値[J]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 ただし,インダクタンスの場合には (1/2)Li² の,静電容量の場合には (1/2)Cv² のエネルギーが蓄えられるものとする。

- 1.2.5
- 2.6.25
- 3.12.5
- 4.25
- 5.125
正解:3.12.5
解説:小問(a)より素子はインダクタンスで L=10 mH=0.01 H である。コイルに蓄えられるエネルギーは W=(1/2)Li² だから,電流が最大になる瞬間に最大となる。電流の式 i=−50 cos(1 000t) の振幅は50 A なので,W_max=(1/2)×0.01×50²=(1/2)×0.01×2 500=12.5 J。答(3)。ここで使うのは電流の「振幅(最大値)」であって実効値ではない点が要点である。実効値 50/√2≒35.4 A を使うと (1/2)×0.01×35.4²≒6.25 J となり(2)を選んでしまうが,問われているのは瞬時値の最大なので振幅をそのまま入れる。実効値を使った値がちょうど半分になるのは,実効値の2乗が振幅の2乗の半分だからで,(2)と(3)はこの取り違えを見分けるために並べられている。なお蓄積エネルギーは電流が零になる瞬間には零で,1周期の間に0 Jと12.5 Jの間を往復する。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 理論 問15(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1259.直流電流の測定範囲の拡大について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 直流電流計 I の最大目盛は 100 A,直流電流計 II の最大目盛は 50 A,直流電流計 III の最大目盛は 50 A である。この3台の直流電流計を並列に接続し,ある回路に接続したところ,直流電流計 I の指示値は 90 A,直流電流計 II の指示値は 40 A,直流電流計 III の指示値は 35 A であった。この接続において計測できる最大電流の値[A]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.100
- 2.144
- 3.165
- 4.183
- 5.200
正解:4.183
解説:3台を並列にすると,回路の全電流は各計器の内部抵抗の逆比で分流する。内部抵抗は変わらないので,全電流を何倍にしても各計器の指示値は同じ比のまま大きくなる。いまの状態では全電流が 90+40+35=165 A で,各計器の目盛に対する余裕は I が90/100=90 %,II が40/50=80 %,III が35/50=70 %である。全電流を増やしていくと,いちばん余裕のない I が最初に振り切れる。I が100 A に達するのは全体を 100/90 倍にしたときだから,そのときの全電流は 165×100/90≒183 A。これがこの接続で測れる最大電流である。答(4)。単純に3台の最大目盛を足して 100+50+50=200 A とすると(5)を選ぶことになるが,分流の比は内部抵抗で決まっていて目盛どおりには分かれないので,全部が同時に振り切れることはない。現状の165 A をそのまま答とする(3)も,まだ余裕があるのに上限としてしまう誤りである。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 理論 問16(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1260.※ この問題は本試験ではB問題の小問(b)として出題されたものです。解答に必要な条件が小問(a)にあるため,小問(a)を併せて示します(答えるのは小問(b)です)。 直流電流の測定範囲の拡大について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 直流電流計 I の最大目盛は 100 A,直流電流計 II の最大目盛は 50 A,直流電流計 III の最大目盛は 50 A である。この3台の直流電流計を並列に接続し,ある回路に接続したところ,直流電流計 I の指示値は 90 A,直流電流計 II の指示値は 40 A,直流電流計 III の指示値は 35 A であった。 〔小問(b)〕 次に,直流電流計 I,直流電流計 II,直流電流計 III の3台を並列に接続した状態で,別の回路に接続した。この回路を流れる電流の値は 150 A であった。このとき,各電流計が指示した値は,直流電流計 I = (ア) A,直流電流計 II = (イ) A,直流電流計 III = (ウ) A であった。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(ウ)に当てはまる最も近い数値の組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア)31.8 (イ)36.4 (ウ)81.8
- 2.(ア)31.8 (イ)81.8 (ウ)36.4
- 3.(ア)36.4 (イ)31.8 (ウ)81.8
- 4.(ア)81.8 (イ)31.8 (ウ)36.4
- 5.(ア)81.8 (イ)36.4 (ウ)31.8
正解:5.(ア)81.8 (イ)36.4 (ウ)31.8
解説:並列接続のまま別の回路につないでも,各計器の内部抵抗は変わらないので分流の比は小問(a)のときと同じ 90:40:35 のままである。この比は簡単にすると 18:8:7 で,和は33。全電流150 A をこの比で分けると,直流電流計 I が 150×18/33≒81.8 A,II が 150×8/33≒36.4 A,III が 150×7/33≒31.8 A となる。答(5)。三つの値を足すと 81.8+36.4+31.8=150.0 A と全電流に一致することで検算できる。選択肢はすべて同じ三つの数値の並べ替えなので,計算そのものより「どの計器がいちばん多く流れるか」を取り違えないことが要点である。内部抵抗がもっとも小さい(最大目盛が100 A と大きい)I にいちばん多く流れる,と考えれば(ア)が最大値になるのは自然で,(1)~(3)のように I がいちばん小さくなることはない。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 理論 問16(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1261.【選択問題】問17及び問18は選択問題であり,どちらか一方を選んで解答する(本サイトでは学習用に両方を収録しています)。 図1の端子 a−d 間の合成静電容量について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 端子 b−c−d 間は図2のようにΔ結線で接続されている。これを図3のようにY結線に変換したとき,電気的に等価となるコンデンサ C の値[μF]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.1.0
- 2.2.0
- 3.4.5
- 4.6.0
- 5.9.0
正解:5.9.0
解説:Δ-Y 変換はインピーダンスで考えるのが確実である。三つとも等しい場合,Y結線1相のインピーダンスはΔ結線1辺の1/3になる(Z_Y=Z_Δ/3)。コンデンサのインピーダンスは 1/(jωC) なので,1/(jωC_Y)=(1/3)×1/(jωC_Δ) を解くと C_Y=3C_Δ となる。つまり静電容量は3分の1ではなく「3倍」になる。C_Δ=3 μF だから C=3×3=9.0 μF。答(5)。抵抗のΔ-Y 変換で 1/3 倍になる感覚のまま 3/3=1.0 μF としてしまうのが最大の落とし穴で,これが(1)に用意されている。静電容量はインピーダンスの逆数に比例する量なので,インピーダンスが小さくなる向き=容量が大きくなる向き,と覚えておくとよい。別の確かめ方として,端子間から見た容量で比較してもよい。図2で b−c 間から見ると 3 μF と(3 μF と3 μF の直列=1.5 μF)の並列で4.5 μF,図3では 9 μF と9 μF の直列で4.5 μF となり,たしかに一致する。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 理論 問17(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1262.【選択問題】問17及び問18は選択問題であり,どちらか一方を選んで解答する(本サイトでは学習用に両方を収録しています)。 図1の端子 a−d 間の合成静電容量について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(b)〕 図3を用いて,図1の端子 b−c−d 間をY結線回路に変換したとき,図1の端子 a−d 間の合成静電容量 C₀ の値[μF]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.3.0
- 2.4.5
- 3.4.8
- 4.6.0
- 5.9.0
正解:3.4.8
解説:小問(a)より,b−c−d のΔ結線は各9 μF のY結線に置き換えられる。中性点を N とすると,回路は「a から9 μF で b へ,b から9 μF で N へ」という経路と,「a から18 μF で c へ,c から9 μF で N へ」という経路が並列になり,その先に N から d への9 μF が直列につながる形になる。上の経路は 9 と9 の直列で 9×9/(9+9)=4.5 μF,下の経路は 18 と9 の直列で 18×9/(18+9)=6 μF。二つは並列なので足して 4.5+6=10.5 μF。最後に N−d 間の9 μF と直列だから C₀=10.5×9/(10.5+9)=94.5/19.5≒4.8 μF。答(3)。直列は積÷和,並列は和,という順序を間違えないことと,Y変換で現れる中性点 N が d とは別の点であることを見落とさないのが要点である。N と d を同一視して 10.5 μF をそのまま答にしたり,最後の直列を忘れると値が倍近くずれる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 理論 問17(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1263.【選択問題】問17及び問18は選択問題であり,どちらか一方を選んで解答する(本サイトでは学習用に両方を収録しています)。 無線通信で行われるアナログ変調・復調に関する記述について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 無線通信で音声や画像などの情報を送る場合,送信側においては,情報を電気信号(信号波)に変換する。次に信号波より (ア) 周波数の搬送波に信号波を含ませて得られる信号を送信する。受信側では,搬送波と信号波の二つの成分を含むこの信号から (イ) の成分だけを取り出すことによって,音声や画像などの情報を得る。 搬送波に信号波を含ませる操作を変調という。 (ウ) の搬送波を用いる基本的な変調方式として,振幅変調(AM),周波数変調(FM),位相変調(PM)がある。 搬送波を変調して得られる信号からもとの信号波を取り出す操作を復調又は (エ) という。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア)高い (イ)信号波 (ウ)三角波 (エ)検波
- 2.(ア)高い (イ)信号波 (ウ)正弦波 (エ)検波
- 3.(ア)高い (イ)搬送波 (ウ)三角波 (エ)増幅
- 4.(ア)低い (イ)信号波 (ウ)三角波 (エ)増幅
- 5.(ア)低い (イ)搬送波 (ウ)正弦波 (エ)検波
正解:2.(ア)高い (イ)信号波 (ウ)正弦波 (エ)検波
解説:搬送波は信号波を遠くまで運ぶための「乗り物」で,音声帯域よりはるかに高い周波数を使う。アンテナの寸法が波長で決まり,低い周波数のままでは実用的な大きさで放射できないからである。(ア)=高いとなり(4)(5)が落ちる。受信側が最終的に取り出したいのは中身の情報,すなわち「信号波」の成分なので(イ)=信号波で(3)も消える。残る(1)と(2)の差は(ウ)で,AM・FM・PM はいずれも正弦波の搬送波について,その振幅・周波数・位相のどれを変化させるかで分類したものである。正弦波は振幅・周波数・位相の三つの要素だけで決まるので,変調できる要素もこの三つに尽きる。三角波ではこの分類が成り立たないので(1)も消えて(2)が残る。(エ)は復調の別名で「検波」。増幅は信号を大きくするだけで中身を取り出す操作ではない。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 理論 問18(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1264.【選択問題】問17及び問18は選択問題であり,どちらか一方を選んで解答する(本サイトでは学習用に両方を収録しています)。 無線通信で行われるアナログ変調・復調に関する記述について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(b)〕 図1は,トランジスタの (ア) に信号波の電圧を加えて振幅変調を行う回路の原理図である。電圧 v₁,v₂,v₃ の波形を同時に計測したところ図2のいずれかであった。このとき,電圧 v₁ の波形は (イ) ,v₂ の波形は (ウ) ,v₃ の波形は (エ) である。図2のグラフより振幅変調の変調率を計算すると約 (オ) %となる。 ただし,図2のそれぞれの電圧波形間の位相関係は無視するものとする。

- 1.(ア)コレクタ (イ)図2(c) (ウ)図2(a) (エ)図2(b) (オ)33
- 2.(ア)コレクタ (イ)図2(c) (ウ)図2(b) (エ)図2(a) (オ)67
- 3.(ア)ベース (イ)図2(b) (ウ)図2(a) (エ)図2(c) (オ)50
- 4.(ア)エミッタ (イ)図2(b) (ウ)図2(c) (エ)図2(a) (オ)67
- 5.(ア)ベース (イ)図2(c) (ウ)図2(a) (エ)図2(b) (オ)33
正解:5.(ア)ベース (イ)図2(c) (ウ)図2(a) (エ)図2(b) (オ)33
解説:図1では二つの電圧源がトランジスタのベース側の回路に入っており,ベースに加える電圧を変化させてコレクタ電流の振幅を変える構成になっている。したがって(ア)=ベースで,(1)(2)(4)が落ちる。波形は周波数と形で見分ける。図2(a)は周期の長いなめらかな正弦波で,これが低い周波数の信号波,図2(c)は細かく詰まった一定振幅の正弦波で高い周波数の搬送波,図2(b)は搬送波の振幅が信号波に合わせて膨らんだり縮んだりしている変調波(AM波)である。出力 v₃ が変調波でなければならないので(エ)=図2(b)となり,(3)も消えて(5)が残る。残る二つは v₁=図2(c)=搬送波,v₂=図2(a)=信号波である。変調率は包絡線の最大値 A_max と最小値 A_min から m=(A_max−A_min)/(A_max+A_min) で求める。図2(b)には包絡線の振れ幅が8 V と4 V と示されているので m=(8−4)/(8+4)=4/12≒0.33,すなわち約33 %。答(5)。差だけを見て(8−4)/8=50 %としたり,比 4/8 の逆をとって67 %とする誤りが(3)(2)(4)に用意されている。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 理論 問18(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1265.図のように,電極面積 0.1 m²,電極間隔 6 mm の平行平板コンデンサに,比誘電率 ε₁=2,厚さ 2 mm 及び比誘電率 ε₂=4,厚さ 4 mm の 2 種類の誘電体が電極と平行に挿入されている。このコンデンサに 12 V の直流電圧を印加したとき,蓄えられる電荷の値[C]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし,真空の誘電率 ε₀=8.85×10⁻¹² F/m とし,コンデンサの端効果は無視するものとする。

- 1.5.3×10⁻⁹
- 2.7.8×10⁻⁹
- 3.9.4×10⁻⁹
- 4.2.1×10⁻⁸
- 5.4.5×10⁻⁸
正解:1.5.3×10⁻⁹
解説:誘電体が2層に重なっているので,2つのコンデンサの直列接続とみなす。各層の静電容量は C=ε₀ε_r S/d で求める。C₁=8.85×10⁻¹²×2×0.1/0.002=8.85×10⁻¹⁰ F,C₂=8.85×10⁻¹²×4×0.1/0.004=8.85×10⁻¹⁰ F。比誘電率が2倍でも厚さが2倍なので,偶然どちらも同じ値になる。直列合成は C=C₁C₂/(C₁+C₂)=8.85×10⁻¹⁰/2=4.425×10⁻¹⁰ F。よって Q=CV=4.425×10⁻¹⁰×12≒5.3×10⁻⁹ C。直列を並列と取り違えて C₁+C₂=1.77×10⁻⁹ F としてしまうと Q=2.1×10⁻⁸ C となり(4)を選ぶことになる。誘電体が「電極と平行に」挿入=電界の向きに対して直列,と読み取るのがこの問題の要点。答(1)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 理論 問1
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1266.地球を,真空中にある半径 6.37×10⁶ m の導体球と見なしたとき,地球の静電容量の値[F]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし,真空の誘電率を ε₀=8.85×10⁻¹² F/m とする。
- 1.7.08×10⁻⁴
- 2.4.45×10⁻³
- 3.4.51×10³
- 4.5.67×10⁴
- 5.1.78×10⁵
正解:1.7.08×10⁻⁴
解説:孤立した導体球の静電容量は C=4πε₀a(a は半径)。これは球の電位 V=Q/(4πε₀a) を C=Q/V に代入すれば導ける。値を入れると C=4π×8.85×10⁻¹²×6.37×10⁶=1.112×10⁻¹⁰×6.37×10⁶≒7.08×10⁻⁴ F。地球ほど巨大な導体でも静電容量は 1 mF に満たない,という感覚をつかむ問題。4π を掛け忘れて ε₀a とすると 5.64×10⁻⁵ F,逆に 4πε₀ で割ってしまうと桁が正側に振れて(3)~(5)のような大きな値になる。単位系から C の桁は必ず負のべきになると分かるので,(3)(4)(5)はその時点で除外できる。答(1)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 理論 問2
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1267.巻数 30 のコイルを貫通している磁束が 0.1 秒間に 1 Wb の割合で直線的に変化するとき,コイルに発生する起電力の大きさ[V]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.250
- 2.300
- 3.350
- 4.400
- 5.450
正解:2.300
解説:ファラデーの電磁誘導の法則より e=N·(dΦ/dt)。磁束の変化率は 1 Wb / 0.1 s=10 Wb/s なので,e=30×10=300 V。「直線的に変化する」とあるので変化率は一定で,微分ではなく単純な割り算でよい。巻数を掛け忘れると 10 V,磁束の変化率を 1 Wb/s と読み違えると 30 V にしかならず選択肢に現れないため,どこかで取り違えるとそもそも選べなくなる作りになっている。なお法則の符号(レンツの法則)は誘導起電力が磁束の変化を妨げる向きに生じることを表すが,本問は「大きさ」を問うているので絶対値でよい。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 理論 問3
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1268.図に示すように,直線導体 A 及び B が y 方向に平行に配置され,両導体に同じ大きさの電流 I が共に +y 方向に流れているとする。このとき,各導体に加わる力の方向について,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 なお,xyz 座標の定義は,破線の枠内の図で示したとおりとする。

- 1.導体A:+x 方向/導体B:+x 方向
- 2.導体A:+x 方向/導体B:−x 方向
- 3.導体A:−x 方向/導体B:+x 方向
- 4.導体A:−x 方向/導体B:−x 方向
- 5.どちらの導体にも力は働かない。
正解:2.導体A:+x 方向/導体B:−x 方向
解説:平行な2本の導体に同じ向きの電流が流れると互いに引き合い,逆向きなら反発する。本問は両方とも +y 方向(図では紙面の奥へ向かう ⊗)なので引力である。あとは「どちらへ引かれるか」を座標に当てはめるだけで,導体Aは右にある導体Bの側=+x 方向,導体Bは左にある導体Aの側=−x 方向となる。したがって答は(2)。フレミングの左手の法則で確かめると,導体Bが導体Aの位置につくる磁界は +z 方向で,F=I L×B より (+y)×(+z)=+x となりAは +x 方向,Bについては磁界が −z 方向なので −x 方向で,同じ結論になる。(1)と(4)は両方が同じ向きに動くことになり,2本が並んだまま平行移動してしまうので物理的におかしいと気づきたい。(3)は引力と斥力を取り違えた場合。(5)は電流が同方向だと力が打ち消されると誤解した場合で,実際には打ち消されない。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 理論 問4
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1269.R₁=20 Ω,R₂=30 Ω の抵抗,インダクタンス L₁=20 mH,L₂=40 mH のコイル及び静電容量 C₁=400 μF,C₂=600 μF のコンデンサからなる図のような直並列回路がある。直流電圧 E=100 V を加えたとき,定常状態において L₁,L₂,C₁ 及び C₂ に蓄えられるエネルギーの総和の値[J]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.0.12
- 2.1.20
- 3.1.32
- 4.1.40
- 5.1.52
正解:5.1.52
解説:直流の定常状態では,コンデンサは電流を流さない(開放)/コイルは電圧降下を生じない(短絡)とみなせる。するとC₁とC₂は電流経路から外れ,残る閉路は E→L₁→R₁→L₂→R₂ の一つだけになるので,回路電流は I=E/(R₁+R₂)=100/50=2 A。 コイルは電流でエネルギーを蓄える:W_L1=½L₁I²=½×0.020×2²=0.04 J,W_L2=½L₂I²=½×0.040×2²=0.08 J。 コンデンサは端子電圧で蓄える。C₁はL₁とR₁の直列部分に並列なので,その端子電圧はコイルの電圧降下0+R₁の降下=20×2=40 V。W_C1=½C₁V²=½×400×10⁻⁶×40²=0.32 J。同様にC₂はR₂の降下=30×2=60 V を受け,W_C2=½×600×10⁻⁶×60²=1.08 J。 総和は 0.04+0.08+0.32+1.08=1.52 J。答(5)。コンデンサ分を忘れてコイルだけ足すと0.12 Jで(1)を選んでしまう。この問題は「直流定常ではCは開放・Lは短絡」を電流計算に使いつつ,エネルギーの計算ではC・Lの両方を数えるという二段構えになっている点が要点。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 理論 問5
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1270.図のように,二つの直流電源と三つの抵抗からなる回路がある。各抵抗に流れる電流を図に示す向きに定義するとき,電流 I₁, I₂, I₃ の値[A]の組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.I₁=−1,I₂=−1,I₃=0
- 2.I₁=−1,I₂=1,I₃=−2
- 3.I₁=2,I₂=1,I₃=1
- 4.I₁=1,I₂=1,I₃=0
- 5.I₁=1,I₂=−1,I₃=2
正解:4.I₁=1,I₂=1,I₃=0
解説:キルヒホッフの法則で解く。中央上の節点に I₁ が流れ込み,I₂ と I₃ が流れ出すので,電流則は I₁=I₂+I₃。 電圧則は,中央の5Ωの両端電圧を基準に2通りで表す。左側の閉路では 4 V の電源から4Ωで降下するので 5I₃=4−4I₁。右側の閉路では2Ωでの降下と2 Vの電源を通るので 5I₃=2I₂−2(2 V電源は電流を押し出す向きに入っている)。 この3式を解くと I₁=1,I₂=1,I₃=0。 検算すると,I₃=0 なら5Ωの両端電圧は0なので,左枝は 4−4×1=0,右枝は 2×1−2=0 でどちらも0になり,確かに整合する。 この問題の要点は「5Ωに電流が流れない場合がある」と気づけるかどうか。二つの電源が中央の抵抗から見て釣り合っているため,5Ωは電流経路として働かない。I₃を必ず正の値だと思い込むと(3)や(5)を選んでしまう。答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 理論 問6
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1271.図の抵抗回路において,端子 a, b 間の合成抵抗 R_ab の値[Ω]は 1.8R[Ω]であった。このとき,抵抗 R_x の値[Ω]として,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.R
- 2.2R
- 3.3R
- 4.4R
- 5.5R
正解:4.4R
解説:回路は「Rの直列」+「RとR_xの並列」という構成なので,R_ab=R+R·R_x/(R+R_x)。これが1.8Rに等しいとおくと,並列部分は 1.8R−R=0.8R でなければならない。 R·R_x/(R+R_x)=0.8R の両辺をRで割ると R_x/(R+R_x)=0.8。分母を払って R_x=0.8R+0.8R_x,整理して 0.2R_x=0.8R,よって R_x=4R。 並列合成は必ず「小さい方の抵抗より小さく」なるので,並列部分が0.8Rということは片方がRなら他方はRより大きいはずで,(1)のRや(2)の2Rでは0.8Rまで下がらない(Rと2Rの並列は0.67R)。この見積もりだけでも選択肢を絞れる。直列のRを忘れて並列部分だけで1.8Rとしてしまうと,そもそも解が存在しない(並列合成はRを超えられない)ことに気づけば計算ミスを検出できる。答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 理論 問7
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1272.図のように,二つの正弦波交流電圧源 e₁[V],e₂[V]が直列に接続されている回路において,合成電圧 v[V]の最大値は e₁ の最大値の (ア) 倍となり,その位相は e₁ を基準として (イ) [rad]の (ウ) となる。 e₁=E sin(ωt+θ)[V],e₂=√3 E sin(ωt+θ+π/2)[V] 上記の記述中の空白箇所(ア)~(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.(ア) 1/2 (イ) π/3 (ウ) 進み
- 2.(ア) 1+√3 (イ) π/6 (ウ) 遅れ
- 3.(ア) 2 (イ) π/3 (ウ) 進み
- 4.(ア) √3 (イ) π/6 (ウ) 遅れ
- 5.(ア) 2 (イ) 2π/3 (ウ) 進み
正解:3.(ア) 2 (イ) π/3 (ウ) 進み
解説:二つの正弦波は周波数が同じなのでフェーザ(複素数)で足せる。e₁ を基準にとると e₁=E∠0,e₂ は π/2 進んでいるので e₂=√3E∠(π/2)=j√3E。 合成すると v=E+j√3E=E(1+j√3)。大きさは E√(1²+(√3)²)=2E なので,e₁ の最大値の2倍=(ア)は2。偏角は arctan(√3/1)=π/3 で正の値なので e₁ より進んでおり,(イ)はπ/3,(ウ)は進み。したがって(3)。 よくある誤りは,位相が90°ずれた二つを単純に足して 1+√3 倍としてしまうもので,これが(2)。振幅は直角三角形の斜辺として合成する必要がある。また 1 と √3 の比を取り違えると偏角が π/6 になり(4)を選ぶことになる。tan の分子が e₂側(√3),分母が e₁側(1)である点に注意する。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 理論 問8
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1273.4 Ω の抵抗と静電容量が C[F]のコンデンサを直列に接続した RC 回路がある。この RC 回路に,周波数 50 Hz の交流電圧 100 V の電源を接続したところ,20 A の電流が流れた。では,この RC 回路に,周波数 60 Hz の交流電圧 100 V の電源を接続したとき,RC 回路に流れる電流の値[A]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.16.7
- 2.18.6
- 3.21.2
- 4.24.0
- 5.25.6
正解:3.21.2
解説:まず50 Hz のときのインピーダンスを求める。Z=V/I=100/20=5 Ω。RC直列では Z=√(R²+X_C²) なので 5²=4²+X_C²,よって X_C=3 Ω(50 Hz のとき)。 容量性リアクタンスは X_C=1/(2πfC) で周波数に反比例するから,60 Hz では X_C′=3×(50/60)=2.5 Ω。 このとき Z′=√(4²+2.5²)=√22.25≒4.717 Ω となり,I′=100/4.717≒21.2 A。 周波数が上がると容量性リアクタンスは下がり,インピーダンスが小さくなるので電流は増える。したがって20 Aより小さい(1)(2)は選択の時点で除外できる。逆に「周波数比をそのまま電流比にする」と 20×(60/50)=24 Aで(4)を選んでしまうが,抵抗分4 Ωがあるため電流は周波数に比例はしない。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 理論 問9
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1274.図に示す回路において,スイッチ S を閉じた瞬間(時刻 t=0)に点 A を流れる電流を I₀[A]とし,十分に時間が経ち,定常状態に達したのちに点 A を流れる電流を I[A]とする。電流比 I₀/I の値として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 ただし,コンデンサの初期電荷は零とする。

- 1.0.5
- 2.1.0
- 3.1.5
- 4.2.0
- 5.2.5
正解:4.2.0
解説:コンデンサは「電荷が零の瞬間は電圧も零=短絡」「充電が終われば電流が流れない=開放」と極端な2状態で考えるのがこの種の問題の定石。 t=0:初期電荷が零なのでCは短絡とみなせる。上の枝は 4 Ω,下の枝は 12 Ω で,並列合成は 4×12/(4+12)=3 Ω。6 Ω と直列で全体は 9 Ω となり,I₀=E/9。 定常状態:Cは開放なので上の枝に電流は流れず,下の 12 Ω だけが残る。全体は 6+12=18 Ω で,I=E/18。 よって I₀/I=(E/9)/(E/18)=2.0。電源電圧Eが与えられていなくても比を問うているので約分で消える。 初期状態でCを開放と取り違えると I₀=I となり(2)を,逆に定常状態でCを短絡のままにすると比が1になり同じく(2)を選んでしまう。二つの状態で「どちらが短絡でどちらが開放か」を取り違えないことが要点。答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 理論 問10
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1275.電界効果トランジスタ(FET)に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.接合形と MOS 形に分類することができる。
- 2.ドレーンとソースとの間の電流の通路には,n 形と p 形がある。
- 3.MOS 形はデプレション形とエンハンスメント形に分類できる。
- 4.ゲート電圧で自由電子又は正孔の移動を制御できる。
- 5.エンハンスメント形はゲート電圧に関係なくチャネルができる。
正解:5.エンハンスメント形はゲート電圧に関係なくチャネルができる。
解説:誤りは(5)。エンハンスメント形は,ゲート電圧を加えて初めてチャネルが形成される(ゲート電圧が零では電流が流れない=ノーマリオフ)。「ゲート電圧に関係なくチャネルができる」のは,あらかじめチャネルが作り込まれているデプレション形(ノーマリオン)の性質であり,両者を入れ替えた記述になっている。 他の記述は正しい。(1) FETは接合形(JFET)とMOS形に大別される。(2) キャリアの通り道であるチャネルにはnチャネルとpチャネルがあり,前者は自由電子,後者は正孔が電流を担う。(3) MOS形はさらにデプレション形とエンハンスメント形に分かれる。(4) FETはゲートに加えた電圧がつくる電界でチャネルの幅(キャリアの通りやすさ)を変える素子であり,電流で制御するバイポーラトランジスタとはこの点が異なる。「電界効果」という名称そのものが(4)を表している。答(5)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 理論 問11
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1276.次の文章は,電子レンジに内蔵されてマイクロ波を発生する,マグネトロン内の電子の軌跡を簡略化して説明した記述である。 図に示すように,真空中の平行平板電極間に直流電圧を加えて平等電界 E[V/m]を作り,平等電界と直交する方向に磁束密度 B[T]の平等磁界を加えた。図中の ⊙ は z 軸の正の向きで,紙面に垂直かつ手前の向きを表す。 陰極上の点 P に初速零で電荷 −e[C]の電子を置いて静かに離すと,y 軸の (ア) の向きの電界により電子は陽極に向かって動き始める。同時に電子は磁束密度に (イ) した大きさの (ウ) 力を受ける。磁界は z 軸の (エ) の向きのため,電子は電界と磁界の作用で x 軸の正の向きに移動する。このとき磁束密度が一定値以上では電子は陽極に到達せずに,図のように (オ) といわれる軌跡を描く。ただし,電子は紙面と平行な平面上を移動し,重力の影響は無視できるものとする。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.(ア) 正 (イ) 比例 (ウ) ローレンツ (エ) 正 (オ) サイクロイド
- 2.(ア) 正 (イ) 反比例 (ウ) アンペール (エ) 正 (オ) ヒステリシス
- 3.(ア) 負 (イ) 比例 (ウ) アンペール (エ) 負 (オ) リサジュー
- 4.(ア) 負 (イ) 比例 (ウ) ローレンツ (エ) 負 (オ) サイクロイド
- 5.(ア) 負 (イ) 反比例 (ウ) ローレンツ (エ) 負 (オ) リサジュー
正解:4.(ア) 負 (イ) 比例 (ウ) ローレンツ (エ) 負 (オ) サイクロイド
解説:(ア) 陽極が上(+y側),陰極が下なので電界は上から下=y軸の負の向き。電子は電荷が −e と負なので電界と逆向きの力を受け,上(陽極)へ動き出す。よって「負」。 (イ)(ウ) 磁界中を運動する電荷が受ける力はローレンツ力 F=qv×B で,大きさは |q|vB=磁束密度に比例する。よって「比例」「ローレンツ」。アンペール力は電流が磁界から受ける力の呼び方で,単独の電子の運動を説明する語としては不適切。 (エ) 電子の速度が +y のとき,力が +x になる向きを求める。B=B ẑ(正の向き)とすると v×B=v ŷ×B ẑ=vB x̂ となり,q=−e を掛けると力は −x 方向になってしまう。x軸の正の向きに動くためには B が −z でなければならず,「負」。図の ⊙ は磁界の向きではなく z 軸の正の向きを示す座標の定義である点に注意(ここを磁界の向きと読むと(エ)を正と誤る)。 (オ) 電界による等加速度運動と磁界による円運動が重なった結果,図のようなアーチを繰り返す曲線=サイクロイドになる。リサジューは直交する二つの振動の合成図形,ヒステリシスは磁性体のB-H特性の用語で,いずれも軌跡の名称としては誤り。 以上より(4)。答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 理論 問12
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1277.図1は,固定バイアス回路を用いた,R_B の値が未知のエミッタ接地トランジスタ増幅回路である。図2は,この増幅回路で用いているトランジスタのコレクターエミッタ間電圧 V_CE とコレクタ電流 I_C との関係を予め調べ示した静特性である。ただし,五つのベース電流の値 I_B[μA]のみに対する曲線であり,増幅回路の負荷抵抗 R_L の負荷線も重ねて示している。今,増幅回路の動作点を測定したところ V_CE=3.0 V であった。抵抗 R_B の値[MΩ]として最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 ただし,ベース-エミッタ間電圧 V_BE を 0.7 V としてよい。なお,C₁,C₂ は結合コンデンサであり,V_CC は直流電圧源である。

- 1.0.5
- 2.0.9
- 3.1.5
- 4.3.0
- 5.6.0
正解:2.0.9
解説:図2の直流負荷線から回路の条件を読み取るのが出発点。負荷線は V_CE 軸を 5 V で切っているので V_CC=5 V,I_C 軸を 3 mA で切っているので R_L=5/3 mA≒1.67 kΩ とわかる。 次に動作点。V_CE=3.0 V を負荷線に当てはめると I_C=3×(5−3)/5=1.2 mA。 さらに静特性からベース電流を求める。曲線は I_B=2 μA で I_C≒0.5 mA,4 μA で 1.0 mA,…と等間隔に並んでおり,電流増幅率は h_FE=1.0 mA/4 μA=250。したがって I_C=1.2 mA に対応するのは I_B=1.2 mA/250=4.8 μA。 最後に固定バイアス回路の入力側で,R_B には V_CC から V_BE を引いた電圧が掛かる。R_B=(V_CC−V_BE)/I_B=(5−0.7)/(4.8×10⁻⁶)≒8.96×10⁵ Ω≒0.9 MΩ。答(2)。 V_BE を引き忘れて 5/4.8 μA とすると約1.0 MΩ となりやはり(2)に近いが,たとえば V_CE=3.0 V をそのまま R_B の計算に使ってしまうと桁がずれる。また I_C を負荷線ではなく静特性の平坦部から読もうとすると 1.0 mA や 1.5 mA になってしまい,(3)や(1)を選ぶことになる。動作点は「負荷線と静特性の交点」であり,与えられた V_CE から負荷線をたどって I_C を決めるのが正しい順序である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 理論 問13
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1278.固有の名称をもつ SI 組立単位の記号と,これと同じ内容を表す他の表し方の組合せとして,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.F ― C/V
- 2.Wb ― V/s
- 3.S ― A/V
- 4.T ― Wb/m²
- 5.W ― J/s
正解:2.Wb ― V/s
解説:誤りは(2)。磁束の単位 Wb(ウェーバ)は V·s(ボルト秒)であって V/s ではない。ファラデーの電磁誘導の法則 e=−dΦ/dt を変形すると Φ=∫e dt であり,電圧に時間を掛けた次元になることから確かめられる。割り算と掛け算を入れ替えた,単位問題で頻出のひっかけ。 他は正しい。(1) 静電容量は C=Q/V なので F=C/V。(3) コンダクタンスは抵抗の逆数で S=1/Ω=A/V。(4) 磁束密度は単位面積あたりの磁束なので T=Wb/m²。(5) 電力は単位時間あたりのエネルギーなので W=J/s。 覚え方としては,(4)の T=Wb/m² が正しいことを認めるなら,Wb=T·m² であり磁束は「時間で割った量」ではないと分かる。単位の関係式を一つ確定させると,他の選択肢の妥当性も芋づる式に判定できる。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 理論 問14
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1279.図1のように,相電圧 200 V,周波数 50 Hz の対称三相交流電源に,抵抗とインダクタンスからなる三相平衡負荷を接続した交流回路がある。負荷は R=3 Ω と L=12.75 mH の直列がY結線されている。次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 図1の回路において,負荷電流 I の値[A]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.22.2
- 2.23.1
- 3.40
- 4.66.6
- 5.69.2
正解:2.23.1
解説:電源はΔ結線で相電圧が200 Vなので,線間電圧も200 V(Δ結線では相電圧=線間電圧)。負荷はY結線なので,負荷1相に掛かる電圧は線間電圧の1/√3 で 200/√3≒115.5 V。 負荷1相のインピーダンスは,まず誘導性リアクタンスが X_L=2πfL=2π×50×12.75×10⁻³≒4.005 Ω。抵抗3 Ωと直列なので Z=√(3²+4.005²)≒5.00 Ω。3:4:5 の直角三角形になるよう数値が作られている。 よって I=115.5/5.00≒23.1 A。答(2)。 電源のΔとY,負荷のΔとYを取り違えると答が√3倍または1/√3倍ずれる。線間電圧200 Vをそのまま負荷相電圧として 200/5=40 A とすると(3)を選んでしまうので,「Y結線負荷の相電圧は線間電圧÷√3」を必ず経由すること。またリアクタンスを無視して 115.5/3≒38.5 A としても(3)に近い値になるため,Zを正しく合成することも必要。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 理論 問15(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1280.図1のように,相電圧 200 V,周波数 50 Hz の対称三相交流電源に,抵抗(R=3 Ω)とインダクタンス(L=12.75 mH)からなる三相平衡負荷をY結線で接続した交流回路がある。次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(b)〕 図2のように,静電容量 C[F]のコンデンサをΔ結線して,その端子 a′,b′ 及び c′ をそれぞれ図1の端子 a, b 及び c に接続した。その結果,三相交流電源から見た負荷の力率は1になったという。静電容量 C の値[F]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.1.9×10⁻⁶
- 2.1.7×10⁻⁴
- 3.2.1×10⁻⁴
- 4.7.4×10⁻⁴
- 5.5.9×10⁻²
正解:2.1.7×10⁻⁴
解説:力率が1になるのは,誘導性負荷が消費する遅れ無効電力を,コンデンサの進み無効電力がちょうど打ち消したとき。両者の無効電力を等しいとおけばよい。 負荷側(Y結線)の三相無効電力は Q_L=3I²X_L。(a)より I≒23.1 A,X_L≒4.005 Ω なので Q_L≒3×23.1²×4.005≒6.40×10³ var。 コンデンサ側はΔ結線なので,各相のコンデンサには線間電圧200 Vがそのまま掛かる。三相の進み無効電力は Q_C=3×V²/X_C=3V²ωC=3×200²×(2π×50)×C≒3.77×10⁷×C。 Q_C=Q_L とおいて C=6.40×10³/3.77×10⁷≒1.7×10⁻⁴ F。答(2)。 ここで最も多い誤りは,コンデンサがΔ結線であることを見落として相電圧を 200/√3 として計算すること。その場合 C は3倍の約5.1×10⁻⁴ Fとなり(4)寄りの値になる。Δ結線のコンデンサはY結線に比べて同じ容量で3倍の無効電力を出せる,という関係を押さえておくと検算になる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 理論 問15(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1281.図のブリッジ回路を用いて,未知抵抗 R_x を測定したい。抵抗 R₁=3 kΩ,R₂=2 kΩ,R₄=3 kΩ とし,R₃=6 kΩ の滑り抵抗器の接触子の接点 C をちょうど中央に調整したとき(R_ac=R_bc=3 kΩ)ブリッジが平衡したという。次の(a)及び(b)の問に答えよ。 ただし,直流電圧源は 6 V とし,電流計の内部抵抗は無視できるものとする。 〔小問(a)〕 未知抵抗 R_x の値[kΩ]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.0.1
- 2.0.5
- 3.1.0
- 4.1.5
- 5.2.0
正解:3.1.0
解説:ブリッジの平衡条件は「向かい合う辺の積が等しい」。ここで注意したいのは,滑り抵抗器 R₃ が接点Cで二つに分かれ,R_ac は R₄ 側の辺に,R_bc は R_x 側の辺に含まれることである。つまり4辺は R₁,R₄+R_ac,R₂,R_x+R_bc となる。 平衡条件 R₁(R_x+R_bc)=R₂(R₄+R_ac) に数値を入れると 3×(R_x+3)=2×(3+3)=12。よって R_x+3=4,R_x=1.0 kΩ。答(3)。 滑り抵抗器を単に6 kΩの一つの抵抗として扱ったり,R_ac と R_bc をどちらの辺に足すか取り違えたりすると値が合わなくなる。滑り抵抗器の詳細図で,接点Cから見て a 側が R_ac,b 側が R_bc であり,a は R₄ に,b は R_x につながっていることを図で確認するのがこの問題の要点。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 理論 問16(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1282.図のブリッジ回路を用いて,未知抵抗 R_x を測定したい。抵抗 R₁=3 kΩ,R₂=2 kΩ,R₄=3 kΩ とし,R₃=6 kΩ の滑り抵抗器の接触子の接点 C をちょうど中央に調整したとき(R_ac=R_bc=3 kΩ)ブリッジが平衡したという。次の(a)及び(b)の問に答えよ。 ただし,直流電圧源は 6 V とし,電流計の内部抵抗は無視できるものとする。 〔小問(b)〕 平衡時の電流計の指示値[mA]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.0
- 2.0.4
- 3.1.5
- 4.1.7
- 5.2.0
正解:4.1.7
解説:平衡しているので検流計には電流が流れない。したがって検流計の枝は無いものとして扱え,回路は二つの直列経路が電源に対して並列になっただけの形に単純化できる。 経路1:R₁+R₄+R_ac=3+3+3=9 kΩ。経路2:R₂+R_x+R_bc=2+1+3=6 kΩ(R_x は(a)より1 kΩ)。 並列合成は 9×6/(9+6)=54/15=3.6 kΩ。電流計は電源から流れる全電流を測るので I=6/3.6 k=1.67 mA≒1.7 mA。答(4)。 ここで(1)の0 mA を選ぶ誤りが多い。電流が零になるのは「検流計」であって「電流計」ではない。電流計は電源電流を測る位置にあり,平衡していても回路には電流が流れ続けている。二つの計器の役割を図で読み分けることが問われている。また経路を一つだけ数えて 6/9=0.67 mA や 6/6=1.0 mA としないよう,両経路の並列であることに注意する。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 理論 問16(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1283.【選択問題】問17及び問18は選択問題であり,どちらか一方を選んで解答する(本サイトでは学習用に両方を収録しています)。 図のように,十分大きい平らな金属板で覆われた床と平板電極とで作られる空気コンデンサが二つ並列接続されている。二つの電極は床と平行であり,それらの面積は左側が A₁=10⁻³ m²,右側が A₂=10⁻² m² である。床と各電極の間隔は左側が d=10⁻³ m で固定,右側が x[m]で可変,直流電源電圧は V₀=1000 V である。次の(a)及び(b)の問に答えよ。 ただし,空気の誘電率を ε=8.85×10⁻¹² F/m とし,静電容量を考える際にコンデンサの端効果は無視できるものとする。 〔小問(a)〕 まず,右側の x[m]を d[m]と設定し,スイッチ S を一旦閉じてから開いた。このとき,二枚の電極に蓄えられる合計電荷 Q の値[C]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.8.0×10⁻⁹
- 2.1.6×10⁻⁸
- 3.9.7×10⁻⁸
- 4.1.9×10⁻⁷
- 5.1.6×10⁻⁶
正解:3.9.7×10⁻⁸
解説:床は共通の金属板なので,左右の電極と床がそれぞれ独立したコンデンサをつくり,それらが電源に対して並列に接続されている。 x=d=10⁻³ m と設定したときの各静電容量は,C=εA/d より C₁=8.85×10⁻¹²×10⁻³/10⁻³=8.85×10⁻¹² F C₂=8.85×10⁻¹²×10⁻²/10⁻³=8.85×10⁻¹¹ F 並列なので単純に足して C=C₁+C₂=9.735×10⁻¹¹ F。 スイッチを閉じているあいだは両端に V₀=1000 V が掛かるので,Q=CV₀=9.735×10⁻¹¹×1000≒9.7×10⁻⁸ C。答(3)。 面積が10倍違うので C₂ が支配的になり,C₁ だけで計算すると 8.85×10⁻⁹ C で(1)を,C₂ だけだと 8.85×10⁻⁸ C で(3)に近い値になる。両方を足すことと,並列(足し算)であって直列(逆数の和)ではないことを取り違えないこと。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 理論 問17(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1284.※ この問題は本試験ではB問題の小問(b)として出題されたものです。解答に必要な条件が小問(a)にあるため,小問(a)を併せて示します(答えるのは小問(b)です)。 【選択問題】問17及び問18は選択問題であり,どちらか一方を選んで解答する(本サイトでは学習用に両方を収録しています)。 図のように,十分大きい平らな金属板で覆われた床と平板電極とで作られる空気コンデンサが二つ並列接続されている。二つの電極は床と平行であり,それらの面積は左側が A₁=10⁻³ m²,右側が A₂=10⁻² m² である。床と各電極の間隔は左側が d=10⁻³ m で固定,右側が x[m]で可変,直流電源電圧は V₀=1000 V である。次の問に答えよ。 ただし,空気の誘電率を ε=8.85×10⁻¹² F/m とし,静電容量を考える際にコンデンサの端効果は無視できるものとする。 〔小問(a)〕 まず,右側の x[m]を d[m]と設定し,スイッチ S を一旦閉じてから開いた。 〔小問(b)〕 上記(a)の操作の後,徐々に x を増していったところ,x=3.0×10⁻³ m のときに左側の電極と床との間に火花放電が生じた。左側のコンデンサの空隙の絶縁破壊電圧 V の値[V]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.3.3×10²
- 2.2.5×10³
- 3.3.0×10³
- 4.5.1×10³
- 5.3.0×10⁴
正解:2.2.5×10³
解説:この問題の要点は「スイッチSを開いてある」こと。電源から切り離されているので電荷 Q は変化せず一定に保たれ,代わりに端子電圧が変わる。 (a)より Q=9.735×10⁻⁸ C。x を 3.0×10⁻³ m まで広げると右側の静電容量は C₂′=εA₂/x=8.85×10⁻¹²×10⁻²/(3.0×10⁻³)=2.95×10⁻¹¹ F に減る。左側は固定なので C₁=8.85×10⁻¹² F のまま。合計は C′=8.85×10⁻¹²+2.95×10⁻¹¹=3.835×10⁻¹¹ F。 電荷一定なので端子電圧は V=Q/C′=9.735×10⁻⁸/3.835×10⁻¹¹≒2.54×10³ V。左側のコンデンサにもこの電圧が掛かっており,ちょうどこの値で放電したのだから絶縁破壊電圧は約2.5×10³ V。答(2)。 スイッチが閉じたままだと思い込むと電圧は1000 Vのままとなり,放電が起こる説明がつかなくなる。「Sを開く→電荷一定→容量を減らすと電圧が上がる」という一連の流れが本問の主題である。V₀ の1000 Vをそのまま答えたり,x/d=3倍を単純に掛けて3.0×10³ Vとして(3)を選ぶ誤りに注意(実際は左側の容量が残るため3倍にはならない)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 理論 問17(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1285.【選択問題】問17及び問18は選択問題であり,どちらか一方を選んで解答する(本サイトでは学習用に両方を収録しています)。 演算増幅器(オペアンプ)について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 演算増幅器の特徴に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.アナログ IC の一種である。
- 2.入力インピーダンスが小さくて出力インピーダンスが大きい。
- 3.反転並びに非反転の二つの入力端子と一つの出力端子がある。
- 4.入力端子間の電圧のみを増幅して出力する。
- 5.増幅度が非常に大きい。
正解:2.入力インピーダンスが小さくて出力インピーダンスが大きい。
解説:誤りは(2)。理想的な演算増幅器は「入力インピーダンスが無限大,出力インピーダンスが零」とされ,記述はこれを正反対に述べている。入力インピーダンスが大きいほど前段から電流を引かず信号源に影響を与えず,出力インピーダンスが小さいほど負荷をつないでも出力電圧が下がらない。増幅器として望ましい性質を考えれば,どちらが大きくどちらが小さいかは論理的に判断できる。 他は正しい。(1) 演算増幅器はアナログICの代表例。(3) 反転入力(−)と非反転入力(+)の2入力,出力1端子という構成。(4) 二つの入力端子間の電位差だけを増幅する差動増幅器であり,両入力に共通して乗る雑音(同相成分)は増幅しない。(5) 開ループ利得は10万倍以上と非常に大きく,これに負帰還をかけて実用的な増幅度に落として使う。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 理論 問18(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1286.【選択問題】問17及び問18は選択問題であり,どちらか一方を選んで解答する(本サイトでは学習用に両方を収録しています)。 演算増幅器(オペアンプ)について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(b)〕 図1及び図2のような直流増幅回路がある。それぞれの出力電圧 V_o1,V_o2 の値[V]の組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 ただし,演算増幅器は理想的なものとし,V_i1=0.6 V 及び V_i2=0.45 V は直流の入力電圧である。

- 1.V_o1=6.6,V_o2=−3.0
- 2.V_o1=6.6,V_o2=3.0
- 3.V_o1=−6.6,V_o2=3.0
- 4.V_o1=−4.5,V_o2=9.0
- 5.V_o1=4.5,V_o2=−9.0
正解:1.V_o1=6.6,V_o2=−3.0
解説:入力が直流なので,帰還部の 1 μF のコンデンサは開放とみなせる(直流では電流を流さない)。したがって帰還抵抗だけで利得が決まる。 図1:入力 V_i1 が非反転入力(+)に加わり,反転入力(−)は 10 kΩ を介して接地,100 kΩ で出力から帰還している。これは非反転増幅回路で,利得は 1+R_f/R₁=1+100/10=11。よって V_o1=0.6×11=6.6 V(入力と同符号)。 図2:入力 V_i2 が 30 kΩ を介して反転入力(−)に加わり,非反転入力(+)は接地,200 kΩ で帰還している。これは反転増幅回路で,利得は −R_f/R₁=−200/30≒−6.67。よって V_o2=0.45×(−6.67)=−3.0 V(入力と逆符号)。 組合せは V_o1=6.6,V_o2=−3.0 で(1)。 二つの回路の違いは「入力をどちらの端子に入れたか」だけで,反転か非反転かが決まり符号が変わる。非反転増幅の利得を R_f/R₁=10 と誤ると V_o1=6.0 V,反転増幅で「1+」を付けてしまうと V_o2=−3.45 V となり,いずれも選択肢に無い。非反転は「1+比」,反転は「−比」と区別して覚えることが要点。答(1)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 理論 問18(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1287.電圧 V[V]に充電された静電容量 C[F]のコンデンサと全く充電されていない静電容量2C[F]のコンデンサとがある。これら二つのコンデンサを並列に接続したとき,これらのコンデンサに蓄えられる全静電エネルギー[J]の値として,正しいものは次のうちどれか。
- 1.(1/9)CV²
- 2.(1/6)CV²
- 3.(2/9)CV²
- 4.(1/3)CV²
- 5.(3/8)CV²
正解:2.(1/6)CV²
解説:並列接続では電荷が保存される。初期電荷は Q=CV、接続後の合成容量は C+2C=3C なので、共通の端子電圧は V′=Q/(3C)=V/3。全静電エネルギーは W=(1/2)(3C)V′²=(1/2)(3C)(V/3)²=(1/6)CV²。初期値 (1/2)CV² の 1/3 に減り、差の (1/3)CV² は接続時に配線抵抗などでジュール熱として失われる。この「失われた分」をそのまま答としてしまうのが (4) の引っかけ。合成容量を 2C と誤ったまま電圧を V/3 とすると (1/2)(2C)(V/3)²=(1/9)CV² で (1)、共通電圧を V/2 と誤ると (1/2)(3C)(V/2)²=(3/8)CV² で (5) になる。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 理論 問1
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1288.真空中にQ[C]の電荷をもつ半径r[m]の球状導体がある。ここで,真空の空間を比誘電率2の絶縁体の液体で満たしたとすると,静電気に関する記述として,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし,無限遠点の電位を零電位とする。
- 1.球状導体表面の電位は,液体を満たす前の2倍になった。
- 2.球状導体表面の電界の強さは,液体を満たす前の2倍になった。
- 3.球状導体表面の電束密度は,液体を満たす前の2倍になった。
- 4.球状導体から出る電気力線の本数は,液体を満たす前の2倍になった。
- 5.球状導体の静電容量は,液体を満たす前の2倍になった。
正解:5.球状導体の静電容量は,液体を満たす前の2倍になった。
解説:導体上の電荷 Q は液体を満たしても変わらない。ガウスの法則より電束密度 D=Q/(4πr²) は誘電率に依存せず不変。電界は E=D/(ε₀εᵣ)=Q/(4πε₀εᵣr²)、表面電位は V=Q/(4πε₀εᵣr) で、εᵣ=2 だからどちらも 1/2 倍。孤立球の静電容量は C=Q/V=4πε₀εᵣr となり 2 倍になる。よって (1)(2) は 1/2 倍、(3) は不変で誤り。(4) の電気力線の本数は N=Q/ε で 1/2 倍であり、不変なのは電束線の本数 Q の方。電束と電気力線の混同が最大の引っかけ。答(5)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 理論 問2
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1289.図のように,環状鉄心に二つのコイルが巻かれている。コイル1の巻数はNであり,その自己インダクタンスはL[H]である。コイル2の巻数はnであり,その自己インダクタンスは9L[H]である。巻数nの値を表す式として,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 ただし,鉄心は均一で一定断面積をもち,コイル及び鉄心の漏れ磁束はなく,鉄心の磁気飽和もないものとする。

- 1.N/9
- 2.N/3
- 3.3N
- 4.9N
- 5.81N
正解:3.3N
解説:二つのコイルは同一の環状鉄心に巻かれ、漏れ磁束も磁気飽和もないので磁気抵抗 R_m は両者で共通。自己インダクタンスは L=N²/R_m、9L=n²/R_m と表せる。両式の比をとると 9L/L=n²/N² より n²=9N²、したがって n=3N。インダクタンスは巻数の2乗に比例するので、9倍にするのに必要な巻数は √9=3 倍にすぎない。巻数の1乗に比例と誤ると (4) 9N、さらに 9 を2乗すると (5) 81N になる。(1)(2) は比例関係を反比例に取り違えた誤り。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 理論 問3
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1290.図1のように,無限に長い直線状導体Aに直流電流I₁[A]が流れているとき,この導体からa[m]離れた点Pでの磁界の大きさはH₁[A/m]であった。一方,図2のように半径a[m]の一巻きの円形コイルBに直流電流I₂[A]が流れているとき,この円の中心点Oでの磁界の大きさはH₂[A/m]であった。H₁ = H₂であるときのI₁とI₂の関係を表す式として正しいものを,次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.I₁ = π²I₂
- 2.I₁ = (2/π)I₂
- 3.I₁ = I₂/π²
- 4.I₁ = I₂/π
- 5.I₁ = πI₂
正解:5.I₁ = πI₂
解説:無限長直線電流の磁界はアンペールの周回積分 H·2πa=I₁ より H₁=I₁/(2πa)。半径 a の円形コイル1巻の中心の磁界はビオ・サバールの法則から H₂=I₂/(2a)。分母が 2πa と 2a で π の有無が違う点が要点。H₁=H₂ とおくと I₁/(2πa)=I₂/(2a)、両辺に 2a を掛けて I₁/π=I₂、すなわち I₁=πI₂。同じ磁界を作るには直線導体側に π 倍の電流が必要である。これを I₂ について解いた I₂=I₁/π をそのまま答としてしまうのが (4) の引っかけ。π² を含む (1)(3) は、二つの式の分母の違いが π の1乗であることを見落とした撹乱肢。答(5)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 理論 問4
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1291.図に示すRLC 回路において,静電容量C[F]のコンデンサが電圧V[V]に充電されている。この状態でスイッチS を閉じて,それから時間が十分に経過してコンデンサの端子電圧が最終的に零となった。この間に抵抗R[Ω]で消費された電気エネルギーW[J]を表す式として,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.(1/2)C²V
- 2.(1/2)LV²
- 3.(1/2)L²V
- 4.(1/2)V²/R
- 5.(1/2)CV²
正解:5.(1/2)CV²
解説:エネルギー保存則で解く。S を閉じる直前、コンデンサは (1/2)CV²[J] を蓄え、電流は零なのでコイルの蓄積 (1/2)Li² は 0。十分時間が経過すると端子電圧が 0 で電源もないため電流も 0 となり、C と L の蓄積はともに 0。L と C は無損失で、消費する素子は R だけだから W=(1/2)CV²。過渡が振動性でも L・C 間をエネルギーが往復するだけで最終的に全量が R で熱になり、答は R や L の値によらない。(2) は (1/2)LI² の電流を電圧に取り違えたもの、(4) は単位が[W]で電力である。答(5)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 理論 問5
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1292.図1 の直流回路において,端子a-c 間に直流電圧100 V を加えたところ,端子b-c 間の電圧は10 V であった。また,図2 のように端子b-c 間に15 Ωの抵抗を並列に追加したとき,端子b-c 間の電圧は4 V であった。今,図3 のように端子b-c 間を短絡したとき,電流I の値[A]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.0.0
- 2.0.44
- 3.0.32
- 4.0.40
- 5.0.10
正解:2.0.44
解説:a-b間をR₁、b-c間をR₂とし分圧則で解く。図1(b-c開放)は 100·R₂/(R₁+R₂)=10 より R₁=9R₂。図2は b-c 間が R₂と15 Ωの並列 P=15R₂/(15+R₂) で、100·P/(R₁+P)=4 より R₁=24P。両式から R₂=25 Ω、R₁=225 Ω。図3で b-c 間を短絡すると R₂ は0 Ωの短絡線で無効化され、回路の抵抗は R₁ だけ。I=100/225≒0.44 A。(4)0.40 は短絡を無視して全抵抗を250 Ωとした誤り、(1)0.0 は「b-c間の電圧が0だから電流も0」という誤解で、電圧0でも短絡電流は流れる。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 理論 問6
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1293.図のような直流回路において,スイッチS を閉じているとき,2 Ωの抵抗を流れる電流は,スイッチS を開いたときの電流の3 倍であった。R の値[Ω]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.2.5
- 2.3.5
- 3.0.5
- 4.1.5
- 5.4.5
正解:1.2.5
解説:2 Ωには全電流が流れるので、電流比は全抵抗の逆比になる。S開では R の枝が切れて全抵抗 2+10=12 Ω、I_open=E/12。S閉では 10 Ω と R の並列 10R/(10+R) が2 Ωと直列。電流が3倍とは全抵抗が1/3の4 Ωになることだから 2+10R/(10+R)=4 → 10R/(10+R)=2 → 8R=20 → R=2.5 Ω。10 Ωと2.5 Ωの並列は2 Ωで全抵抗4 Ω、E によらず比は3倍。並列合成を過小に見積もると (4)1.5 を選びやすいが、このとき全抵抗3.30 Ωで比は約3.6倍となり条件を満たさない。答(1)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 理論 問7
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1294.ある回路に,i = 4√2 sin120πt [A]の電流が流れている。この電流の瞬時値が,時刻t = 0 s 以降に初めて4 A となるのは,時刻t = t₁[s]である。t₁[s]の値として,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.1/120
- 2.1/160
- 3.1/240
- 4.1/360
- 5.1/480
正解:5.1/480
解説:i=4√2 sin(120πt) は振幅 I_m=4√2 A(実効値4 A)、ω=120π rad/s すなわち f=60 Hz・周期 T=1/60 s。i=4 A の条件は sin(120πt)=1/√2。位相 θ=120πt が0から増える過程で最初にこれを満たすのは θ=π/4 なので、120πt₁=π/4 → t₁=1/480 s(周期の1/8=位相45°)。引っかけは実効値4 A と振幅4√2 A の混同で、(3)1/240 は θ=π/2 で波高値4√2≒5.66 A に達する時刻。(2)1/160 は θ=3π/4 で下降側の2回目であり「初めて」ではない。答(5)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 理論 問8
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1295.図の交流回路において,電源電圧をE = 140 V とする。この電源に抵抗R₀[Ω]と誘導性リアクタンスX_L[Ω]とからなる力率0.8 の誘導性負荷を接続したところ,電源から流れ出る電流の大きさは30 A であった。次に,スイッチS を閉じ,誘導性負荷と並列に抵抗R [Ω]を接続すると,電源から流れ出る電流の大きさが82 A となった。このとき,抵抗R [Ω]の大きさとして,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.1.5
- 2.2.3
- 3.2.5
- 4.2.9
- 5.3.0
正解:3.2.5
解説:並列なので電圧 E=140 V が共通、電流はベクトル合成する。負荷の30 A は力率0.8遅れで有効分 30×0.8=24 A、無効分 30×0.6=18 A。S を閉じて加わる R の電流 140/R は E と同相で無効分をもたない。合成電流82 A より (24+140/R)²+18²=82²=6724 → (24+140/R)²=6400 → 24+140/R=80 → R=140/56=2.5 Ω。電流をスカラーのまま 82−30=52 A と引く誤りが典型。無効分18 A は同相の R では打ち消せない。(4)2.9 Ω では合成電流が約74.5 A、(5)3.0 Ω では約72.9 A となり、いずれも設問の82 A には届かない。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 理論 問9
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1296.図の回路のスイッチS をt = 0 s で閉じる。電流i_S[A]の波形として最も適切に表すものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 ただし,スイッチS を閉じる直前に,回路は定常状態にあったとする。

- 1.

- 2.

- 3.

- 4.

- 5.

正解:3.
解説:S開の定常状態ではコンデンサが直流を阻止して電流0、よって i_L(0)=0、抵抗降下も0で v_C(0)=1 V。S を閉じるとノードAが電位0に固定され、L枝とC枝は独立な一次回路になる(振動しない)。コイル枝は i_L=1−e^(−t) A(τ=L/R=1 s)、コンデンサ枝は初期電圧1 Vによる放電電流 i_C=e^(−t/2) A(τ=RC=2 s)がAへ流入。KCLより i_S=1−e^(−t)+e^(−t/2)、初期値も最終値も1 A、t=2ln2≒1.4 s で最大約1.25 A。すなわち1 Aから始まり上に膨らんで1 Aへ収束する波形。0から立ち上がる(2)(4)はコンデンサの初期電荷を無視した誤り。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 理論 問10
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 - 1.
-
問1297.次の文章は,図1 及び図2 に示す原理図を用いてホール素子の動作原理について述べたものである。 図1 に示すように,p 形半導体に直流電流I [A]を流し,半導体の表面に対して垂直に下から上向きに磁束密度B [T]の平等磁界を半導体に加えると,半導体内の正孔は進路を曲げられ,電極①には (ア) 電荷,電極②には (イ) 電荷が分布し,半導体の内部に電界が生じる。また,図2 のn 形半導体の場合は,電界の向きはp 形半導体の場合と (ウ) である。この電界により,電極①-②間にホール電圧V_H[V]が発生し,それは直流電流I [A]にほぼ (エ) する。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.負 / 正 / 同じ / 反比例
- 2.正 / 負 / 同じ / 反比例
- 3.負 / 正 / 同じ / 比例
- 4.正 / 負 / 反対 / 比例
- 5.負 / 正 / 反対 / 比例
正解:4.正 / 負 / 反対 / 比例
解説:ホール効果の問題で、キャリアに働くローレンツ力 F=qv×B で偏る向きを決める。図1のp形では電流が奥から手前へ流れ、磁束密度Bは板を下から上へ貫くので、正孔(電荷+e)は電極①側へ押しやられる。よって(ア)は正、(イ)は負で、内部電界は①→②の向き。図2のn形は多数キャリアが電子で、同じ電流に対し速度が逆向きになるため力の向きはやはり①側だが、たまる電荷が負なので電界の向きは(ウ)反対になる。ホール電圧は V_H=IB/(nqd) だから(エ)はIに比例。(1)(2)の「反比例」はこの式に反し、(3)の「同じ」はキャリアの偏る側だけを見て電荷の符号を忘れた典型的な誤り。答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 理論 問11
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1298.真空中において,図のように電極板の間隔が6 mm,電極板の面積が十分広い平行平板電極があり,電極K,P 間には2 000 V の直流電圧が加えられている。このとき,電極K,P 間の電界の強さは約 (ア) V/m である。電極K をヒータで加熱すると表面から (イ) が放出される。ある1 個の電子に着目してその初速度を零とすれば,電子が電極P に達したときの運動エネルギーW は (ウ) J となる。 ただし,電極K,P 間の電界は一様とし,電気素量e = 1.6×10⁻¹⁹ C とする。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(ウ)に当てはまる語句又は数値の組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.3.3×10² / 光電子 / 1.6×10⁻¹⁶
- 2.3.3×10⁵ / 熱電子 / 1.6×10⁻¹⁶
- 3.3.3×10² / 光電子 / 3.2×10⁻¹⁶
- 4.3.3×10² / 熱電子 / 1.6×10⁻¹⁶
- 5.3.3×10⁵ / 熱電子 / 3.2×10⁻¹⁶
正解:5.3.3×10⁵ / 熱電子 / 3.2×10⁻¹⁶
解説:平行平板の一様電界は E=V/d。d=6 mm=6×10⁻³ m、V=2000 V より E=2000/(6×10⁻³)≒3.3×10⁵ V/m で(ア)が決まる。3.3×10² とする(1)(3)(4)は mm を m のまま代入した3桁の換算ミス。(イ)は電極Kをヒータで加熱するので熱電子放出であり、光を当てて取り出す光電子ではない。(ウ)は初速度零の電子が電位差2000 Vで加速されるから、エネルギー保存より W=eV=1.6×10⁻¹⁹×2000=3.2×10⁻¹⁶ J。1.6×10⁻¹⁶ J の(2)(4)は電圧を1000 Vと取り違えた形の誤り。答(5)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 理論 問12
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1299.図はあるエミッタ接地トランジスタの静特性を示す。この特性より,ベース電流 I_B = 40 μA,コレクタ・エミッタ間の電圧 V_CE = 6 V における電流増幅率 h_fe(又はβ)の値及び出力インピーダンス 1/h_oe(又は r₀)の値[Ω]の組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.80/30 000
- 2.100/10 000
- 3.100/20 000
- 4.200/10 000
- 5.200/20 000
正解:2.100/10 000
解説:h_fe は V_CE 一定での ΔI_C/ΔI_B。V_CE=6 V に縦線を引き交点を読むと、I_B=20 μA→2.0 mA、40 μA→4.0 mA、60 μA→6.0 mA。よって h_fe=(6.0−2.0)mA/(60−20)μA=4 mA/40 μA=100。1/h_oe は I_B 一定の曲線の傾きの逆数。I_B=40 μA の線で V_CE=2 V→3.6 mA、8 V→4.2 mA を読めば h_oe=0.6 mA/6 V=1.0×10⁻⁴ S、1/h_oe=10 000 Ω。h_fe=200 は ΔI_C の倍読み、20 000 Ω は傾きを半分に見た誤答。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 理論 問13
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1300.電気及び磁気に関する量とその単位記号(これと同じ内容を表す単位記号を含む。)の組み合わせとして,誤っているのは次のうちどれか。
- 1.電流/C/s
- 2.磁気抵抗/H⁻¹
- 3.電力量/W・s
- 4.磁束/T
- 5.電界の強さ/V/m
正解:4.磁束/T
解説:誤っている組合せを選ぶ問題。誤りは(4)で、磁束Φの単位は Wb(=V・s) であり、T(テスラ)は Wb/m² すなわち磁束密度Bの単位。磁束と磁束密度を取り違えさせるのがこの設問の引っかけで、(4)を正しい組合せと思い込むと誤答する。他の四つはいずれも正しく、(1)は I=dQ/dt より A=C/s、(2)は磁気抵抗 R_m=起磁力/磁束=A/Wb で、H=Wb/A だから H⁻¹=A/Wb と一致する。(3)は電力量 W=Pt より W・s=J、(5)は E=V/d より V/m。答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 理論 問14
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1301.図のように,相電圧 200 V の対称三相交流電源に,複素インピーダンス Ż = 5√3 + j5 [Ω]の負荷が Y 結線された平衡三相負荷を接続した回路がある。次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 電流 İ₁ の値[A]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.20.00∠−π/3
- 2.11.55∠−π/3
- 3.16.51∠−π/6
- 4.20.00∠−π/6
- 5.11.55∠−π/6
正解:2.11.55∠−π/3
解説:電源はΔ結線だから相電圧=線間電圧で V_ab = 200∠0 V。負荷は |Ż| = √(75+25) = 10 Ω、偏角 arctan(1/√3) = π/6 より Ż = 10∠(π/6) Ω。Y負荷の相電圧は線間電圧の 1/√3 倍かつ 30° 遅れで V_a'n = (200/√3)∠(−π/6) = 115.5∠(−π/6) V。İ₁ = 115.5∠(−π/6)/10∠(π/6) = 11.55∠(−π/3) A。20.00 は相電圧200 VをY負荷の相電圧と誤読し 200/10 とした値、11.55∠(−π/6) はΔ→Yの位相遅れ 30° を落とした値。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 理論 問15(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1302.図のように,相電圧 200 V の対称三相交流電源に,複素インピーダンス Ż = 5√3 + j5 [Ω]の負荷が Y 結線された平衡三相負荷を接続した回路がある。次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(b)〕 電流 İ_ab の値[A]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.20.00∠−π/6
- 2.6.67∠−π/6
- 3.11.55∠−π/6
- 4.6.67∠−π/3
- 5.11.55∠−π/3
正解:2.6.67∠−π/6
解説:(a)より Ż = 10∠(π/6) Ω、線電流 İ₁ = 11.55∠(−π/3) A。İ_ab は電源Δの辺 a-b の相電流。Y負荷を等価Δに変換するのが早い。Y→Δは3倍だから Ż_Δ = 3×10∠(π/6) = 30∠(π/6) Ω。この辺に V_ab = 200∠0 V が直接かかるので İ_ab = 200∠0/30∠(π/6) = 6.67∠(−π/6) A。大きさは線電流の 1/√3(11.55/√3 = 6.67)。11.55∠… は 1/√3 倍を忘れた線電流そのまま、6.67∠(−π/3) は İ₁ の位相(−60°)を相電流に流用した誤り。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 理論 問15(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1303.次に示す条件Ⅰ~Ⅲを満たす永久磁石可動コイル形電流電圧計を製作したい。永久磁石可動コイル形電流電圧計内部の接続の一部が図に示すようであるとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。ただし,コイルは内部抵抗 r = 5 Ω であり,最大 4 mA まで直流電流を流すことができるものとする。 条件Ⅰ:切り替えスイッチを A にしたときは,最大 1 A の直流電流を測定できるものとする。 条件Ⅱ:切り替えスイッチを B にしたときは,最大 100 mA の直流電流を測定できるものとする。 条件Ⅲ:切り替えスイッチを C にしたときは,最大 1.2 V の直流電圧を測定できるものとする。 〔小問(a)〕 抵抗 R₁ の値[Ω]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.0.1
- 2.0.9
- 3.4
- 4.9.6
- 5.9.96
正解:1.0.1
解説:スイッチBでは接点A・Cが開き、分流器 R₁+R₂ と計器枝 r+R₀ = 5+19 = 24 Ω の並列となる。両端電圧が等しいので 4 mA×24 = (100−4) mA×(R₁+R₂)、R₁+R₂ = 1 Ω。スイッチAでは共通極が R₁ と R₂ の間につながり、分流器は R₁ だけ、R₂ はコイル側に入るので計器枝は 24+R₂ Ω。4(24+R₂) = (1000−4)R₁ に R₂ = 1−R₁ を代入して 1000R₁ = 100、R₁ = 0.1 Ω(R₂ = 0.9 Ω)。0.9 は R₂ の値で、スイッチ位置で分流器に入る抵抗が変わる点を見落とすと取り違える。答(1)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 理論 問16(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1304.次に示す条件Ⅰ~Ⅲを満たす永久磁石可動コイル形電流電圧計を製作したい。永久磁石可動コイル形電流電圧計内部の接続の一部が図に示すようであるとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。ただし,コイルは内部抵抗 r = 5 Ω であり,最大 4 mA まで直流電流を流すことができるものとする。 条件Ⅰ:切り替えスイッチを A にしたときは,最大 1 A の直流電流を測定できるものとする。 条件Ⅱ:切り替えスイッチを B にしたときは,最大 100 mA の直流電流を測定できるものとする。 条件Ⅲ:切り替えスイッチを C にしたときは,最大 1.2 V の直流電圧を測定できるものとする。 〔小問(b)〕 抵抗 R₃ の値[Ω]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 1.2.36
- 2.23.6
- 3.25
- 4.236
- 5.2360
正解:4.236
解説:スイッチCでは接点A・Bが開き、+端子からコイル r = 5 Ω と R₁+R₂+R₀ の直列枝が並列、その後 R₃ を通って−端子へ至る回路になる。(a)の R₁+R₂ = 1 Ω より下側枝は 1+19 = 20 Ω。フルスケールはコイル 4 mA だから並列部の電圧は 4 mA×5 Ω = 20 mV、20 Ω 枝には 1 mA が流れ、R₃ には 5 mA。R₃ = (1.2−0.02)/0.005 = 236 Ω(並列合成 5∥20 = 4 Ω を使えば 1.2/0.005−4 = 236 Ω)。25 は r+R₀+(R₁+R₂) = 5+19+1 を単純に足しただけの値で、R₃ を求めていない。2.36 や 2360 は桁違い。答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 理論 問16(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1305.大きさが等しい二つの導体球A,B がある。両導体球に電荷が蓄えられている場合,両導体球の間に働く力は,導体球に蓄えられている電荷の積に比例し,導体球の中心間距離の2 乗に反比例する。次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 この場合の比例定数を求める目的で,導体球A に+4×10⁻⁸ C,導体球B に+6×10⁻⁸ Cの電荷を与えて,導体球の中心間距離で0.3 m 隔てて両導体球を置いたところ,両導体球間に2.4×10⁻⁴ N の反発力が働いた。この結果から求められる比例定数[N・m²/C²]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 ただし,導体球A,B の初期電荷は零とする。また,両導体球の大きさは0.3 m に比べて極めて小さいものとする。
- 1.3×10⁹
- 2.4×10⁹
- 3.9×10⁹
- 4.12×10⁹
- 5.15×10⁹
正解:3.9×10⁹
解説:クーロンの法則 F = k·Q_A·Q_B/r² を比例定数 k について解くと k = F·r²/(Q_A·Q_B)。数値を代入して k = (2.4×10⁻⁴ × 0.3²)/(4×10⁻⁸ × 6×10⁻⁸) = 2.16×10⁻⁵/(2.4×10⁻¹⁵) = 9×10⁹ N·m²/C²。真空中の 1/(4πε₀) ≒ 8.99×10⁹ とほぼ一致する値である。引っかけは距離の二乗と電荷の積の扱いで、r を二乗し忘れれば 3×10¹⁰、分母を電荷の和 1×10⁻⁷ とすれば 2.2×10² となり、いずれも選択肢と桁が合わない。指数計算を丁寧に行うこと。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 理論 問17(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1306.※ この問題は本試験ではB問題の小問(b)として出題されたものです。解答に必要な条件が小問(a)にあるため,小問(a)を併せて示します(答えるのは小問(b)です)。 大きさが等しい二つの導体球A,B がある。両導体球に電荷が蓄えられている場合,両導体球の間に働く力は,導体球に蓄えられている電荷の積に比例し,導体球の中心間距離の2 乗に反比例する。次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 この場合の比例定数を求める目的で,導体球A に+4×10⁻⁸ C,導体球B に+6×10⁻⁸ Cの電荷を与えて,導体球の中心間距離で0.3 m 隔てて両導体球を置いたところ,両導体球間に2.4×10⁻⁴ N の反発力が働いた。 ただし,導体球A,B の初期電荷は零とする。また,両導体球の大きさは0.3 m に比べて極めて小さいものとする。 〔小問(b)〕 上記(a)の導体球A,B を,電荷を保持したままで0.3 m の中心間距離を隔てて固定した。ここで,導体球A,B と大きさが等しく電荷を持たない導体球C を用意し,導体球C をまず導体球A に接触させ,次に導体球B に接触させた。この導体球C を導体球A と導体球B の間の直線上に置くとき,導体球C が受ける力が釣り合う位置を導体球A との中心間距離で表したとき,その距離の値[m]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.0.062
- 2.0.095
- 3.0.105
- 4.0.115
- 5.0.124
正解:5.0.124
解説:大きさの等しい導体球を接触させると電荷は等分される。C を A に接触させると (4×10⁻⁸+0)/2 より Q_A = Q_C = 2×10⁻⁸ C、次に B へ接触させると (6×10⁻⁸+2×10⁻⁸)/2 より Q_B = Q_C = 4×10⁻⁸ C。3球とも正電荷で C は両側から反発され、A から x の釣合条件は k·Q_A·Q_C/x² = k·Q_B·Q_C/(0.3-x)²。k と Q_C が消え ((0.3-x)/x)² = Q_B/Q_A = 2、(0.3-x)/x = √2 より x = 0.3/(1+√2) ≒ 0.124 m。等分を忘れ 4×10⁻⁸ と 6×10⁻⁸ のまま解くと 0.135 m で選択肢に無い。答(5)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 理論 問17(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1307.エミッタホロワ回路について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 図1 の回路でV_CC = 9 V,R₁ = 3 kΩ,R₂ = 6 kΩとする。動作点におけるエミッタ電流を2 mA としたい。抵抗R_E の値[kΩ]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし,動作点において,ベース電流はR₂ を流れる直流電流より十分小さく無視できるものとし,ベース-エミッタ間電圧は0.7 V とする。

- 1.0.36
- 2.1.5
- 3.2.7
- 4.4.7
- 5.7.5
正解:3.2.7
解説:ベース電流は R₂ を流れる電流より十分小さく無視できるので、R₁ と R₂ は単純な分圧器として働く。ベース電位は V_B = V_CC·R₂/(R₁+R₂) = 9×6/(3+6) = 6.0 V、エミッタ電位はこれより V_BE だけ低く V_E = 6.0-0.7 = 5.3 V。R_E には動作点のエミッタ電流 2 mA が流れるので R_E = V_E/I_E = 5.3/(2×10⁻³) = 2.65 kΩ となり、最も近いのは 2.7 kΩ。分圧比を R₁/(R₁+R₂) = 1/3 と取り違えて V_B = 3 V とし、さらに V_BE を引き忘れると R_E = 1.5 kΩ となって(2)に落ちる。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 理論 問18(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1308.※ この問題は本試験ではB問題の小問(b)として出題されたものです。解答に必要な条件が小問(a)にあるため,小問(a)を併せて示します(答えるのは小問(b)です)。 エミッタホロワ回路について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 図1 の回路でV_CC = 9 V,R₁ = 3 kΩ,R₂ = 6 kΩとする。動作点におけるエミッタ電流を2 mA としたい。ただし,動作点において,ベース電流はR₂ を流れる直流電流より十分小さく無視できるものとし,ベース-エミッタ間電圧は0.7 V とする。 〔小問(b)〕 図2 は,エミッタホロワ回路の交流等価回路である。ただし,使用する周波数において図1 の二つのコンデンサのインピーダンスが十分に小さい場合を考えている。ここで,h_ie = 2.5 kΩ,h_fe = 300 であり,R_E は小問(a)で求めた値とする。入力インピーダンス v_i/i_i の値[kΩ]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし,v_i とi_i はそれぞれ図2 に示す入力電圧と入力電流である。

- 1.2.0
- 2.15
- 3.80
- 4.300
- 5.750
正解:1.2.0
解説:R_E は(a)で求めた 2.65 kΩ(選択肢の 2.7 kΩ を使っても結果は変わらない)。図2 では入力端子から、バイアス抵抗の並列合成 R₁R₂/(R₁+R₂) = 3×6/9 = 2.0 kΩ と、ベースへ入る枝とが並列に見える。ベース枝は i_b が h_ie を流れ、R_E には (1+h_fe)i_b が流れるので Z_b = h_ie+(1+h_fe)R_E = 2.5+301×2.65 ≒ 800 kΩ。両者の並列合成で v_i/i_i = (2.0×800)/(2.0+800) ≒ 2.0 kΩ。バイアス抵抗との並列を数え落とすと Z_b ≒ 800 kΩ となり選択肢に無い。(5)750 は h_fe·h_ie = 300×2.5 = 750 kΩ を答としてしまう誤り。答(1)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 理論 問18(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1309.直流電圧1 000 Vの電源で充電された静電容量8 μFの平行板コンデンサがある。コンデンサを電源から外した後に電荷を保持したままコンデンサの電極間距離を元の距離の2倍にしたとき,静電容量[μF]と静電エネルギー[J]の値の組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 選択肢は「静電容量[μF] / 静電エネルギー[J]」の順に示す。
- 1.4 / 4
- 2.4 / 8
- 3.16 / 2
- 4.16 / 4
- 5.16 / 8
正解:2.4 / 8
解説:平行板コンデンサの静電容量は C=εS/d なので、電極間距離 d を2倍にすると静電容量は半分になり 8 μF→4 μF。電源から外してあるので電荷が保たれる点がこの問題の要。Q=CV=8×10⁻⁶×1 000=8×10⁻³ C。静電エネルギーは W=Q²/(2C) と書けるので、距離を変えたあとは W=(8×10⁻³)²/(2×4×10⁻⁶)=64×10⁻⁶/(8×10⁻⁶)=8 J。もとの W=½CV²=½×8×10⁻⁶×1 000²=4 J なので、エネルギーは2倍になっている(電極を引き離す仕事が加わったため)。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 理論 問1
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1310.図のように,真空中に点P,点A,点Bが直線上に配置されている。点PはQ[C]の点電荷を置いた点とし,A-B間に生じる電位差の絶対値を|V_AB|[V]とする。次の(a)〜(d)の四つの実験を個別に行ったとき,|V_AB|[V]の値が最小となるものと最大となるものの組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 [実験内容] (a) P-A間の距離を2 m,A-B間の距離を1 mとした。 (b) P-A間の距離を1 m,A-B間の距離を2 mとした。 (c) P-A間の距離を0.5 m,A-B間の距離を1 mとした。 (d) P-A間の距離を1 m,A-B間の距離を0.5 mとした。

- 1.(a)と(b)
- 2.(b)と(c)
- 3.(c)と(d)
- 4.(a)と(c)
- 5.(b)と(d)
正解:4.(a)と(c)
解説:点電荷から距離 r の点の電位は V=Q/(4πε₀r)。したがって |V_AB|=Q/(4πε₀)×|1/r_PA−1/r_PB| で、k=Q/(4πε₀) とおくと差 |1/r_PA−1/r_PB| の大小だけを比べればよい。(a) r_PA=2, r_PB=2+1=3 → 1/2−1/3=0.167。(b) r_PA=1, r_PB=1+2=3 → 1−1/3=0.667。(c) r_PA=0.5, r_PB=0.5+1=1.5 → 2−0.667=1.333。(d) r_PA=1, r_PB=1+0.5=1.5 → 1−0.667=0.333。最小は(a)、最大は(c)。r_PB は「P-A間+A-B間」であって A-B間そのものではない点に注意。答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 理論 問2
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1311.次の文章は,コイルの磁束鎖交数とコイルに蓄えられる磁気エネルギーについて述べたものである。インダクタンス1 mHのコイルに直流電流10 Aが流れているとき,このコイルの磁束鎖交数Ψ₁[Wb]は (ア) Wbである。また,コイルに蓄えられている磁気エネルギーW₁[J]は (イ) Jである。 次に,このコイルに流れる直流電流を30 Aとすると,磁束鎖交数Ψ₂[Wb]と蓄えられる磁気エネルギーW₂[J]はそれぞれ (ウ) となる。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 選択肢は「(ア) / (イ) / (ウ)」の順に示す。
- 1.1×10⁻² / 5×10⁻² / Ψ₂はΨ₁の3倍,W₂はW₁の9倍
- 2.5×10⁻³ / 5×10⁻² / Ψ₂はΨ₁の3倍,W₂はW₁の9倍
- 3.1×10⁻² / 1×10⁻² / Ψ₂はΨ₁の9倍,W₂はW₁の3倍
- 4.1×10⁻² / 5×10⁻¹ / Ψ₂はΨ₁の3倍,W₂はW₁の9倍
- 5.5×10⁻² / 5×10⁻¹ / Ψ₂はΨ₁の9倍,W₂はW₁の27倍
正解:1.1×10⁻² / 5×10⁻² / Ψ₂はΨ₁の3倍,W₂はW₁の9倍
解説:磁束鎖交数は Ψ=LI なので Ψ₁=1×10⁻³×10=1×10⁻² Wb(ア)。磁気エネルギーは W=½LI² なので W₁=½×1×10⁻³×10²=5×10⁻² J(イ)。電流を10 A→30 Aと3倍にすると、Ψ は I に比例するので3倍、W は I² に比例するので3²=9倍になる(ウ)。答(1)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 理論 問3
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1312.太さを無視できる非常に長い二つの棒磁石が真空中に図のように固定されている。棒磁石の両端の磁極は点磁荷とみなすことができ,図に現れている磁極の強さは,N極が1×10⁻⁴ Wb,S極が−1×10⁻⁴ Wbである。このとき,点Aの磁界の大きさの値[A/m]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 ただし,点A,B,Cは,一直線上に位置しているものとする。真空の透磁率はμ₀=4π×10⁻⁷ H/mとする。また,図のN極,S極の各点磁荷以外の部分から点Aへの影響はないものとし,各棒磁石の,図に現れていない他端の磁極の影響も無視できるものとする。

- 1.3.52
- 2.1.76
- 3.7.04
- 4.5.28
- 5.10.6
正解:3.7.04
解説:点磁荷 m から距離 r の点の磁界は H=m/(4πμ₀r²)。4πμ₀=4π×4π×10⁻⁷=1.579×10⁻⁵ を先に計算しておくと楽。B(N極)は点Aから3 m離れているので H_B=1×10⁻⁴/(1.579×10⁻⁵×3²)=0.704 A/m。C(S極)は点Aから1 mなので H_C=1×10⁻⁴/(1.579×10⁻⁵×1²)=6.33 A/m。向きが要点で、N極がつくる磁界はN極から遠ざかる向き(A→C)、S極がつくる磁界はS極に向かう向き(A→C)なので、二つは同じ向き。したがって和をとって H=0.704+6.33=7.04 A/m。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 理論 問4
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1313.図のように,内部抵抗r=0.1 Ω,起電力E=9 Vの電池4個を並列に接続した電源に抵抗R=0.5 Ωの負荷を接続した回路がある。この回路において,抵抗R=0.5 Ωで消費される電力の値[W]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.820
- 2.4 050
- 3.253
- 4.50
- 5.147
正解:5.147
解説:同じ電池を並列にしても起電力は9 Vのままで、内部抵抗だけが 1/4 になる。合成内部抵抗 r′=0.1/4=0.025 Ω。回路を流れる電流は I=E/(r′+R)=9/(0.025+0.5)=9/0.525=17.14 A。抵抗Rで消費される電力は P=I²R=17.14²×0.5=147 W。直列と取り違えて起電力を4倍(36 V)にすると (2)4 050 W になる。答(5)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 理論 問5
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1314.図1に示すように,静電容量C₁=4 μFとC₂=2 μFの二つのコンデンサが直列に接続され,直流電圧6 Vで充電されている。次に電荷が蓄積されたこの二つのコンデンサを直流電源から切り離し,電荷を保持したまま同じ極性の端子同士を図2に示すように並列に接続する。並列に接続後のコンデンサの端子間電圧の大きさV[V]の値として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.32/3
- 2.4/3
- 3.16/3
- 4.8/3
- 5.2/3
正解:4.8/3
解説:直列接続では両方のコンデンサに同じ電荷が蓄えられる。合成容量は C=C₁C₂/(C₁+C₂)=4×2/6=4/3 μF なので、蓄えられる電荷は Q=CV=(4/3)×6=8 μC。これが C₁ にも C₂ にも 8 μC ずつ乗っている。電源から切り離して同じ極性どうしを並列にすると、電荷の合計は 8+8=16 μC、容量の合計は 4+2=6 μF。したがって V=Q/C=16/6=8/3 V。答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 理論 問6
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1315.図のように,抵抗R[Ω]と抵抗Rx[Ω]を並列に接続した回路がある。この回路に直流電圧V[V]を加えたところ,電流I[A]が流れた。Rxの値[Ω]を表す式として,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.V/I + R
- 2.V/I − R
- 3.R ÷ ((IR/V) − V)
- 4.VR/(IR − V)
- 5.(V/I) ÷ (V − R)
正解:4.VR/(IR − V)
解説:並列なので両方の抵抗に同じ電圧Vがかかり、全電流は各枝の電流の和になる。I=V/R+V/Rx。Rx について解くと V/Rx=I−V/R=(IR−V)/R。両辺の逆数をとって Rx/V=R/(IR−V)、したがって Rx=VR/(IR−V)。直列とまちがえると (2)V/I−R になる。答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 理論 問7
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1316.図のようなRC交流回路がある。この回路に正弦波交流電圧E[V]を加えたとき,容量性リアクタンス6 Ωのコンデンサの端子間電圧の大きさは12 Vであった。このとき,E[V]と図の破線で囲んだ回路で消費される電力P[W]の値として,正しいものを組み合わせたのは次のうちどれか。 選択肢は「E[V] / P[W]」の順に示す。

- 1.20 / 96
- 2.20 / 32
- 3.28 / 168
- 4.28 / 120
- 5.40 / 309
正解:1.20 / 96
解説:破線の中は「8 Ωと6 Ω(容量性)の直列」と「4 Ωと3 Ω(容量性)の直列」の2枝が並列になっている。6 Ωのコンデンサの端子電圧が12 Vなので、その枝を流れる電流は I₁=12/6=2 A。枝1のインピーダンスの大きさは √(8²+6²)=10 Ω なので、両端の電圧すなわち電源電圧は E=2×10=20 V。枝2のインピーダンスは √(4²+3²)=5 Ω なので I₂=20/5=4 A。電力を消費するのは抵抗だけで、コンデンサは消費しない。P=I₁²×8+I₂²×4=4×8+16×4=32+64=96 W。答(1)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 理論 問8
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1317.図のように抵抗,コイル,コンデンサからなる負荷がある。この負荷に線間電圧V̇ab=100∠0°[V],V̇bc=100∠0°[V],V̇ac=200∠0°[V]の単相3線式交流電源を接続したところ,端子a,端子b,端子cを流れる線電流はそれぞれİa[A],İb[A]及びİc[A]であった。İa[A],İb[A],İc[A]の大きさをそれぞれIa[A],Ib[A],Ic[A]としたとき,これらの大小関係を表す式として,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.Ic > Ia > Ib
- 2.Ib > Ic > Ia
- 3.Ia = Ic > Ib
- 4.Ib > Ia > Ic
- 5.Ia > Ic > Ib
正解:5.Ia > Ic > Ib
解説:まず各負荷の電流を複素数で出す。a-b間は 3+j4 Ω(大きさ5 Ω)なので İab=100/5=20 A、位相は −53.1° で İab=12−j16。b-c間は 4−j3 Ω(大きさ5 Ω)なので İbc=20 A、位相は +36.9° で İbc=16+j12。a-c間は 8+j6 Ω(大きさ10 Ω)なので İac=200/10=20 A、位相は −36.9° で İac=16−j12。次にキルヒホッフの電流則で線電流を出す。İa=İab+İac=28−j28 なので Ia=28√2≒39.6 A。İb=İbc−İab=4+j28 なので Ib=√(4²+28²)=√800≒28.3 A。İc=−(İbc+İac)=−32 なので Ic=32 A。3本の負荷電流はどれも20 Aで同じだが、位相が違うため合成した線電流には差が出る。Ia>Ic>Ib。答(5)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 理論 問9
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1318.図のように,電圧E[V]の直流電源,開いた状態のスイッチS,抵抗値R[Ω]の抵抗及びインダクタンスL[H]のコイルからなる回路がある。この回路において,スイッチSを時刻t=0 sで閉じた場合に流れる電流i[A],各素子の端子間電圧vR[V],vL[V]に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 ただし,自然対数の底を2.718とする。

- 1.この回路の時定数は,Rの値[Ω]に反比例する。
- 2.コイルの端子間電圧vL[V]は,Lの値[H]が大きいほど緩やかに変化する。
- 3.時刻t=0 sから回路の時定数の2倍だけ時間が経過すると,抵抗の端子間電圧vR[V]は電源電圧E[V]の0.865倍に等しい。
- 4.時刻t=0 sから回路の時定数だけ時間が経過すると,コイルの端子間電圧vL[V]は電源電圧E[V]の0.632倍に等しい。
- 5.時刻t=0 sから回路の時定数だけ時間が経過すると,電流i[A]はE/Rの0.632倍に等しい。
正解:4.時刻t=0 sから回路の時定数だけ時間が経過すると,コイルの端子間電圧vL[V]は電源電圧E[V]の0.632倍に等しい。
解説:RL直列回路の過渡現象で、時定数は τ=L/R、電流は i=(E/R)(1−e^(−t/τ))、抵抗の電圧は vR=Ri=E(1−e^(−t/τ))、コイルの電圧は vL=E−vR=E·e^(−t/τ)。(1) τ=L/R なのでRに反比例=正しい。(2) Lが大きいほどτが大きく変化は緩やか=正しい。(3) t=2τ では e⁻²=0.135 なので vR=E(1−0.135)=0.865E=正しい。(4) t=τ では vL=E·e⁻¹=0.368E であって0.632倍ではない=誤り。(5) t=τ では i=(E/R)(1−e⁻¹)=0.632(E/R)=正しい。0.632倍になるのは「0から立ち上がる量」(電流や抵抗の電圧)で、コイルの電圧は逆に E から減っていく量なので 0.368倍。答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 理論 問10
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問1319.次の文章は,不純物半導体に関する記述である。 価電子が (ア) 個のシリコン(Si)をきわめて高い純度に精製した真性半導体に,価電子が (イ) 個のホウ素(B)などを不純物としてわずかに加えることによって (ウ) 形半導体がつくられる。このとき加えた不純物を (エ) という。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 選択肢は「(ア) / (イ) / (ウ) / (エ)」の順に示す。
- 1.4 / 5 / n / ドナー
- 2.4 / 3 / p / アクセプタ
- 3.5 / 4 / n / アクセプタ
- 4.4 / 3 / p / ドナー
- 5.5 / 4 / p / アクセプタ
正解:2.4 / 3 / p / アクセプタ
解説:シリコンは周期表の14族で価電子は4個(ア)。ホウ素は13族で価電子は3個(イ)。価電子が1個少ない不純物を混ぜると結合に空きができ、そこが正孔(ホール)として働くので p形半導体になる(ウ)。この不純物は電子を受け取る側なのでアクセプタという(エ)。逆に価電子5個のリン(P)やヒ素(As)を混ぜると余った電子が生じてn形になり、この不純物をドナーという。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 理論 問11
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1320.次の文章は,二つの重陽子による核反応について述べている。 重陽子 ²₁H は重水素の原子核で,陽子と中性子が1個ずつ結合したものである。 ²₁H + ²₁H → ³₂He + ¹₀n ……① ①式に示す核反応式では質量数の大きい原子核が生ずるので,これは (ア) 反応である。反応後の総質量はΔm[kg]だけ (イ) し, (ウ) [J]で表される核エネルギー:5.4×10⁻¹³ Jが放出される。また①式の核反応を起こすには,二つの重陽子を4.0×10⁻¹⁵ m程度の距離に近づける必要がある。その距離における重陽子間の静電気力による位置エネルギーは (エ) Jである。 ただし,真空中の光の速さはc=3.0×10⁸ m/s,静電気に関するクーロンの法則の比例定数はk=9.0×10⁹ N·m²/C²,電気素量はe=1.6×10⁻¹⁹ Cとする。また二つの点電荷q₁[C],q₂[C]が距離r[m]離れて存在するときに各点電荷が持つ位置エネルギーはU=k·q₁q₂/r [J](無限遠点を基準とする)で与えられる。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 選択肢は「(ア) / (イ) / (ウ) / (エ)」の順に示す。
- 1.核分裂 / 増加 / Δm·c² / 3.6×10⁻¹⁴
- 2.核融合 / 減少 / Δm·c² / 5.8×10⁻¹⁴
- 3.核融合 / 減少 / Δm·c² / 3.6×10⁻¹⁴
- 4.核融合 / 増加 / ½Δm·c² / 5.8×10⁻¹⁴
- 5.核分裂 / 減少 / ½Δm·c² / 3.6×10⁻¹⁴
正解:2.核融合 / 減少 / Δm·c² / 5.8×10⁻¹⁴
解説:軽い原子核どうしが結合してより重い原子核ができる反応なので核融合(ア)。放出されたエネルギーの分だけ質量が失われる(質量欠損)ので、反応後の総質量は減少する(イ)。放出エネルギーはアインシュタインの関係式で Δm·c²(ウ)。位置エネルギーは重陽子の電荷がどちらも e なので U=k·e²/r=9.0×10⁹×(1.6×10⁻¹⁹)²/(4.0×10⁻¹⁵)=9.0×10⁹×2.56×10⁻³⁸/(4.0×10⁻¹⁵)=5.76×10⁻¹⁴≒5.8×10⁻¹⁴ J(エ)。½を付ける選択肢があるが、U=k·q₁q₂/r は2つの電荷が持つ位置エネルギーそのもので½は要らない。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 理論 問12
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1321.図は,電界効果トランジスタ(FET)を用いたソース接地増幅回路の簡易小信号交流等価回路である。この回路の電圧増幅度Av=|vo/vi|を近似する式として,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 ただし,図中のS,G,Dはそれぞれソース,ゲート,ドレインであり,vi[V],vo[V],vgs[V]は各部の電圧,gm[S]はFETの相互コンダクタンスである。また,抵抗rd[Ω]は抵抗RL[Ω]に比べて十分大きいものとする。

- 1.gm·rd
- 2.gm·RL
- 3.gm(RL + rd)
- 4.gm·rd/RL
- 5.gm·RL/(RL + rd)
正解:2.gm·RL
解説:入力側はゲートに直接 vi が加わるので vgs=vi。出力側は電流源 gm·vgs が rd と RL の並列合成抵抗に流れ込むので vo=gm·vgs×rd·RL/(rd+RL)。したがって Av=|vo/vi|=gm×rd·RL/(rd+RL)。ここで rd≫RL という条件から rd·RL/(rd+RL)≒rd·RL/rd=RL と近似できる。よって Av≒gm·RL。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 理論 問13
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1322.図のように,線間電圧200 Vの対称三相交流電源から三相平衡負荷に供給する電力を二電力計法で測定する。2台の電力計W₁及びW₂を正しく接続したところ,電力計W₂の指針が逆振れを起こした。電力計W₂の電圧端子の極性を反転して接続した後,2台の電力計の指示値は,電力計W₁が490 W,電力計W₂が25 Wであった。このときの対称三相交流電源が三相平衡負荷に供給する電力の値[W]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 ただし,三相交流電源の相回転はa,b,cの順とし,電力計の電力損失は無視できるものとする。

- 1.490
- 2.25
- 3.515
- 4.465
- 5.258
正解:4.465
解説:二電力計法では三相電力は2台の指示値の代数和 P=W₁+W₂ で求める。力率が0.5より低いと片方の電力計は負の値を示し、指針が逆に振れる。極性を反転すると読めるようになるが、その読み値は本来の指示の符号を変えたものなので、W₂の真の値は −25 W である。したがって P=490+(−25)=465 W。反転したのだから単純に足す、と考えると (3)515 W になる。逆振れは「負の指示」の合図。答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 理論 問14
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1323.図のような平衡三相回路の負荷において,誘導性リアクタンスXL[Ω]に流れる電流の大きさをIL[A],容量性リアクタンスXC[Ω]に流れる電流の大きさをIC[A]とするとき,次の(a)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 XLによるΔ結線の負荷をこれと等価なY結線の負荷に変換したとき,変換後の1相の誘導性リアクタンスXL′[Ω]に流れる電流IL′[A]の大きさとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.(1/√3)IL
- 2.(1/√2)IL
- 3.IL
- 4.√2 IL
- 5.√3 IL
正解:5.√3 IL
解説:Δ結線をこれと等価なY結線に直しても、電源から流れ込む線電流は変わらない。Δ結線では線電流は相電流の√3倍なので、線電流は √3·IL。Y結線では相電流がそのまま線電流になるので、変換後の1相に流れる電流 IL′ はこの線電流と等しく IL′=√3·IL。等価変換で1相のリアクタンスは XL′=XL/3 になるが、聞かれているのは電流なので混同しないこと。答(5)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 理論 問15(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1324.図のような平衡三相回路の負荷において,誘導性リアクタンスXL[Ω]に流れる電流の大きさをIL[A],容量性リアクタンスXC[Ω]に流れる電流の大きさをIC[A]とする。図のXCは3相ともXC=10 Ωである。 〔小問(b)〕 図の回路において,電流ILと電流ICがIL=(2/√3)ICの関係にあるとき,XL[Ω]の値として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.25
- 2.20
- 3.15
- 4.10
- 5.5
正解:3.15
解説:線間電圧を V とおく。XL はΔ結線なので1相にかかるのは線間電圧そのもので IL=V/XL。XC はY結線なので1相にかかるのは相電圧 V/√3 で IC=(V/√3)/10=V/(10√3)。与えられた関係 IL=(2/√3)IC に代入すると V/XL=(2/√3)×V/(10√3)=2V/(10×3)=V/15。両辺の V を消して XL=15 Ω。Δは線間電圧、Yは相電圧(線間電圧の1/√3)という違いがこの問題の要。答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 理論 問15(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1325.最大目盛150 V,内部抵抗18 kΩの直流電圧計V₁と最大目盛300 V,内部抵抗30 kΩの直流電圧計V₂の二つの直流電圧計がある。 ただし,二つの直流電圧計は直動式指示電気計器を使用し,固有誤差はないものとする。 〔小問(a)〕 二つの直流電圧計を直列に接続して使用したとき,測定できる電圧の最大の値[V]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.450
- 2.400
- 3.300
- 4.225
- 5.150
正解:2.400
解説:直動式の電圧計は内部を流れる電流で指針が振れるので、まず最大目盛に対応する電流を出す。V₁は 150/18 kΩ=8.33 mA、V₂は 300/30 kΩ=10 mA。直列にすると両方に同じ電流が流れるので、電流の小さいV₁のほうが先に振り切れる。そのとき電流は8.33 mAで、V₁は150 V、V₂は 8.33 mA×30 kΩ=250 V を示す。測定できる最大は 150+250=400 V。単純に最大目盛どうしを足して 150+300=450 V とすると誤り。V₂は最大目盛まで振れない。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 理論 問16(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1326.最大目盛150 V,内部抵抗18 kΩの直流電圧計V₁と最大目盛300 V,内部抵抗30 kΩの直流電圧計V₂の二つの直流電圧計がある。 ただし,二つの直流電圧計は直動式指示電気計器を使用し,固有誤差はないものとする。 〔小問(b)〕 次に,直流電圧450 Vの電圧を測定するために,二つの直流電圧計の指示を最大目盛にして測定したい。そのためには,直流電圧計 (ア) に,抵抗 (イ) kΩを (ウ) に接続し,これに直流電圧計 (エ) を直列に接続する。このように接続して測定することで,各直流電圧計の指示を最大目盛にして測定をすることができる。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 選択肢は「(ア) / (イ) / (ウ) / (エ)」の順に示す。
- 1.V₁ / 90 / 並列 / V₂
- 2.V₁ / 90 / 直列 / V₂
- 3.V₂ / 90 / 並列 / V₁
- 4.V₁ / 18 / 並列 / V₂
- 5.V₂ / 18 / 直列 / V₁
正解:1.V₁ / 90 / 並列 / V₂
解説:両方を最大目盛にすれば電圧は 150+300=450 V でちょうど測りたい値になる。問題は電流で、V₂には10 mA、V₁には8.33 mAしか流せない。差の 10−8.33=1.67 mA をV₁の脇に逃がす必要があるので、抵抗はV₁と並列に入れる(ア・ウ)。その抵抗にはV₁と同じ150 Vがかかり1.67 mAが流れるので R=150 V/1.67 mA=90 kΩ(イ)。この並列の組にV₂を直列につなぐ(エ)。分流器はいつも「電流を流しすぎたくない計器と並列」に入れる。答(1)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 理論 問16(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1327.【問17と問18は選択問題です。どちらか一方を選んで解答します(本試験では両方解答すると採点されません)。】 図のような環状コイルがある。正弦波交流電源の電圧実効値をE[V],周波数をf[Hz]としたとき,鉄心中の最大磁束はΦm[Wb]であった。 ただし,鉄心の漏れ磁束はなく,鉄心の飽和やヒステリシスもないものとする。したがって,初期状態での残留磁気は0とする。 〔小問(a)〕 電源の周波数f[Hz]が一定で,電圧を3E[V]にしたとき,最大磁束[Wb]は,Φm[Wb]の何倍になるか。その倍率として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.1.0
- 2.0.11
- 3.0.33
- 4.3.0
- 5.9.0
正解:4.3.0
解説:コイルに生じる誘導起電力の実効値は E=4.44·f·N·Φm(Nは巻数)。これを最大磁束について解くと Φm=E/(4.44·f·N) となり、Φm は E に比例し f に反比例する。周波数 f を変えずに電圧を3倍にすると、最大磁束も3倍になる。答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 理論 問17(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1328.【問17と問18は選択問題です。どちらか一方を選んで解答します(本試験では両方解答すると採点されません)。】 図のような環状コイルがある。正弦波交流電源の電圧実効値をE[V],周波数をf[Hz]としたとき,鉄心中の最大磁束はΦm[Wb]であった。 ただし,鉄心の漏れ磁束はなく,鉄心の飽和やヒステリシスもないものとする。したがって,初期状態での残留磁気は0とする。 〔小問(b)〕 電源の電圧を3E[V]のまま,周波数を2f[Hz]にしたとき,最大磁束[Wb]は,Φm[Wb]の何倍になるか。その倍率として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.0.67
- 2.0.17
- 3.3.0
- 4.1.5
- 5.0.50
正解:4.1.5
解説:Φm=E/(4.44·f·N) なので Φm∝E/f。電圧が3倍、周波数が2倍になったので、最大磁束は 3/2=1.5倍。変圧器で電圧を上げたまま周波数を下げると磁束が増えて鉄心が飽和する、という実務上の注意もこの関係から出てくる。答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 理論 問17(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1329.【問17と問18は選択問題です。どちらか一方を選んで解答します(本試験では両方解答すると採点されません)。】 図1のトランジスタによる小信号増幅回路について答えよ。 ただし,各抵抗は,RA=100 kΩ,RB=600 kΩ,RC=5 kΩ,RD=1 kΩ,Ro=200 kΩである。C₁,C₂は結合コンデンサで,C₃はバイパスコンデンサである。また,VCC=12 Vは直流電源電圧,Vbe=0.6 Vはベース-エミッタ間の直流電圧とし,vi[V]は入力小信号電圧,vo[V]は出力小信号電圧とする。 〔小問(a)〕 小信号増幅回路の直流ベース電流Ib[A]が抵抗RA,RCの直流電流IA[A]やIC[A]に比べて十分に小さいものとしたとき,コレクタ-エミッタ間の直流電圧Vce[V]の値として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.6.4
- 2.5.3
- 3.4.5
- 4.1.7
- 5.1.1
正解:2.5.3
解説:ベース電流が無視できるので、RB と RA は単純な分圧回路とみなせる。ベース電位は Vb=VCC×RA/(RA+RB)=12×100/(100+600)=1.714 V。エミッタ電位は Ve=Vb−Vbe=1.714−0.6=1.114 V。エミッタ抵抗 RD=1 kΩ に流れる電流は IE=1.114/1 000=1.114 mA で、コレクタ電流もほぼ同じ IC≒1.114 mA。したがって Vce=VCC−IC·RC−IE·RD=12−1.114×5−1.114×1=12−5.57−1.11=5.31≒5.3 V。RD の電圧降下を忘れると 12−5.57=6.4 V となり (1) を選んでしまう。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 理論 問18(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1330.【問17と問18は選択問題です。どちらか一方を選んで解答します(本試験では両方解答すると採点されません)。】 図1のトランジスタによる小信号増幅回路について答えよ。 ただし,各抵抗は,RA=100 kΩ,RB=600 kΩ,RC=5 kΩ,RD=1 kΩ,Ro=200 kΩである。C₁,C₂は結合コンデンサで,C₃はバイパスコンデンサである。また,VCC=12 Vは直流電源電圧,Vbe=0.6 Vはベース-エミッタ間の直流電圧とし,vi[V]は入力小信号電圧,vo[V]は出力小信号電圧とする。 〔小問(b)〕 小信号増幅回路の交流等価回路は,結合コンデンサ及びバイパスコンデンサのインピーダンスを無視することができる周波数において,一般に,図2の簡易等価回路で表される。ここで,ib[A]はベースの信号電流,ic[A]はコレクタの信号電流で,この回路の電圧増幅度Av0は Av0=|vo/vi|=(hfe/hie)×RC·Ro/(RC+Ro) ……① となる。 また,コンデンサC₁のインピーダンスの影響を考慮するための等価回路は,RA,RB ≫ hie と考えられるとき,図3である。 このとき,入力小信号電圧のある周波数において,図3を用いて得られた電圧増幅度が①式で示す電圧増幅度の1/√2となった。この周波数[Hz]の大きさとして,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 ただし,エミッタ接地の小信号電流増幅率hfe=120,入力インピーダンスhie=3×10³ Ω,コンデンサC₁の静電容量C₁=10 μFとする。

- 1.7.9
- 2.5.3
- 3.2.1
- 4.1.6
- 5.1.2
正解:2.5.3
解説:図3では入力側が C₁ と hie の直列になり、高域通過フィルタを作る。増幅度が最大値の1/√2(−3 dB)になるのは、コンデンサのリアクタンスの大きさが hie と等しくなる遮断周波数のときで、1/(2πf·C₁)=hie が成り立つ。これを f について解くと f=1/(2π·hie·C₁)=1/(2π×3×10³×10×10⁻⁶)=1/(2π×0.03)=1/0.1885=5.31≒5.3 Hz。hfe=120 は①式の増幅度に使う値で、この遮断周波数の計算には使わない。答(2)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 理論 問18(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1331.図に示すように,誘電率ε₀[F/m]の真空中に置かれた二つの静止導体球A及びBがある。電気量はそれぞれQ_A[C]及びQ_B[C]とし,図中にその周囲の電気力線が描かれている。 電気量Q_A=16ε₀[C]であるとき,電気量Q_B[C]の値として,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.16ε₀
- 2.8ε₀
- 3.−4ε₀
- 4.−8ε₀
- 5.−16ε₀
正解:4.−8ε₀
解説:電気力線は電気量に比例した本数で描かれ,真空中では電気量Q[C]の電荷から Q/ε₀ 本が出る。Q_A=16ε₀[C]なので,Aから出る電気力線は 16ε₀/ε₀=16本。図を見ると,そのうち8本は外側へ広がり,残りの8本がBに入っている。 Bには8本が入るだけで,Bから出ている線は1本も無い。入る向きということはBの電荷は負で,本数が8本だから大きさは 8ε₀[C]。したがって Q_B=−8ε₀[C]。答(4)。 数えるのは「Aから出る全部の本数」と「Bに入る本数」の2つ。符号は線の向き(入る=負)で決まる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 理論 問1
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1332.図のように,平行板コンデンサの上下極板に挟まれた空間の中心に,電荷Q[C]を帯びた導体球を保持し,上側極板の電位がE[V],下側極板の電位が−E[V]となるように電圧源をつないだ。ただし,E>0とする。同図に,二つの極板と導体球の間の電気力線の様子を示している。 このとき,電荷Q[C]の符号と導体球の電位U[V]について,正しい記述のものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.Q>0であり,0<U<Eである。
- 2.Q>0であり,U=Eである。
- 3.Q>0であり,0<E<Uである。
- 4.Q<0であり,U<−Eである。
- 5.Q<0であり,−E<U<0である。
正解:1.Q>0であり,0<U<Eである。
解説:まず符号を読む。導体球には上側極板から入る電気力線が少しあるだけで,球からは下側極板へ向かって多くの電気力線が出ている。出る本数のほうが多いので,球は正味で正に帯電している=Q>0。 次に電位を読む。電位は電気力線をたどる向きに下がっていく。上側極板→球の線があるので E>U,球→下側極板の線があるので U>−E。つまり −E<U<E。 さらに範囲を絞れる。球が無ければ上下対称なので中心の電位は0だが,球が正電荷を持つぶん中心の電位は0より高くなる。よって 0<U<E。答(1)。 U=E だと上側極板と球の間に電位差が無く,そこに電気力線は描けない。図に上から球へ入る線がある時点で(2)は消える。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 理論 問2
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1333.無限に長い直線状導体に直流電流を流すと,導体の周りに磁界が生じる。この磁界中に小磁針を置くと,小磁針の(ア)は磁界の向きを指して静止する。そこで,小磁針を磁界の向きに沿って少しずつ動かしていくと,導体を中心とした(イ)の線が得られる。この線に沿って磁界の向きに矢印をつけたものを(ウ)という。 また,磁界の強さを調べてみると,電流の大きさに比例し,導体からの(エ)に反比例している。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 選択肢は「(ア)/(イ)/(ウ)/(エ)」の順に示す。
- 1.N極 / 放射状 / 電気力線 / 距離の2乗
- 2.N極 / 同心円状 / 電気力線 / 距離の2乗
- 3.S極 / 放射状 / 磁力線 / 距離
- 4.N極 / 同心円状 / 磁力線 / 距離
- 5.S極 / 同心円状 / 磁力線 / 距離の2乗
正解:4.N極 / 同心円状 / 磁力線 / 距離
解説:(ア)磁界の向きは,その点に置いた小磁針のN極が指す向きと決められている。 (イ)無限に長い直線電流が作る磁界は,導体を中心とする同心円状になる。向きは右ねじの法則(電流の向きに右ねじを進めたときのねじの回る向き)で決まる。放射状になるのは点電荷が作る電界のほうである。 (ウ)磁界の向きに矢印をつけた線が磁力線。電気力線は電荷が作る電界の線で,ここでは無関係。 (エ)直線電流から距離r[m]の点の磁界の強さは H=I/(2πr)[A/m] で,電流に比例し距離に反比例する。距離の2乗に反比例するのは点電荷の電界や点磁極の磁界であって,直線電流ではない。 答(4)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 理論 問3
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1334.図のように,無限に長い3本の直線状導体が真空中に10 cmの間隔で正三角形の頂点の位置に置かれている。3本の導体にそれぞれ7 Aの直流電流を同一方向に流したとき,各導体1 m当たりに働く力の大きさF₀の値[N/m]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 ただし,無限に長い2本の直線状導体をr[m]離して平行に置き,2本の導体にそれぞれI[A]の直流電流を同一方向に流した場合,各導体1 m当たりに働く力の大きさFの値[N/m]は,次式で与えられるものとする。 F = (2I²/r)×10⁻⁷

- 1.0
- 2.9.80×10⁻⁵
- 3.1.70×10⁻⁴
- 4.1.96×10⁻⁴
- 5.2.94×10⁻⁴
正解:3.1.70×10⁻⁴
解説:まず2本の間に働く力を与式で求める。r=10 cm=0.1 m,I=7 Aだから F=(2×7²/0.1)×10⁻⁷=(98/0.1)×10⁻⁷=980×10⁻⁷=9.80×10⁻⁵[N/m]。 1本の導体は,残り2本のそれぞれからこの大きさの力を受ける。電流の向きが同じなのでどちらも引力で,正三角形の頂点にあるから2つの力のなす角は60°である。 合力の大きさは F₀=2F cos30°=√3 F=1.732×9.80×10⁻⁵≒1.70×10⁻⁴[N/m]。答(3)。 誤答の値を確かめておくと,(2)の9.80×10⁻⁵は1組分の力そのもの,(4)の1.96×10⁻⁴は2つの力を向きを考えずに単純に足した2F,(5)の2.94×10⁻⁴は3本分を足した3Fである。ベクトルとして合成することがこの問題の要点になる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 理論 問4
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1335.図のような直流回路において,抵抗3 Ωの端子間の電圧が1.8 Vであった。このとき,電源電圧E[V]の値として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.1.8
- 2.3.6
- 3.5.4
- 4.7.2
- 5.10.4
正解:3.5.4
解説:中央の12 Ωを含む部分はブリッジ回路になっている。向かい合う腕の比を見ると 4 Ω:8 Ω=1:2,5 Ω:10 Ω=1:2 で等しいので,このブリッジは平衡している。平衡したブリッジの中央の抵抗には電流が流れないので,12 Ωは無いものとして扱ってよい。 残るのは 4+5=9 Ω と 8+10=18 Ω の並列だから,9×18/(9+18)=162/27=6 Ω。これに3 Ωが直列につながるので,回路全体の抵抗は 6+3=9 Ω。 3 Ωの端子電圧が1.8 Vなので,そこを流れる電流=回路全体を流れる電流は I=1.8/3=0.6 A。よって E=0.6×9=5.4 V。答(3)。 12 Ωを普通の抵抗として直並列を組もうとすると計算が合わなくなる。まず R₁/R₃=R₂/R₄ の平衡条件を確かめるのが早い。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 理論 問5
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1336.電圧E[V]の直流電源と静電容量C[F]の二つのコンデンサを接続した図1,図2のような二つの回路に関して,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 図1は二つのコンデンサを並列に接続した回路,図2は二つのコンデンサを直列に接続した回路である。

- 1.図1の回路のコンデンサの合成静電容量は,図2の回路の4倍である。
- 2.コンデンサ全体に蓄えられる電界のエネルギーは,図1の回路の方が図2の回路より大きい。
- 3.図2の回路に,さらに静電容量C[F]のコンデンサを直列に二つ追加して,四つのコンデンサが直列になるようにすると,コンデンサ全体に蓄えられる電界のエネルギーが図1と等しくなる。
- 4.図2の回路の電源電圧を2倍にすると,コンデンサ全体に蓄えられる電界のエネルギーが図1の回路と等しくなる。
- 5.図1のコンデンサ一つ当たりに蓄えられる電荷は,図2のコンデンサ一つ当たりに蓄えられる電荷の2倍である。
正解:3.図2の回路に,さらに静電容量C[F]のコンデンサを直列に二つ追加して,四つのコンデンサが直列になるようにすると,コンデンサ全体に蓄えられる電界のエネルギーが図1と等しくなる。
解説:合成静電容量は,図1(並列)が2C[F],図2(直列)がC/2[F]。蓄えられるエネルギーは W=½CV² で計算する。 (1) 2C÷(C/2)=4 で4倍。正しい。 (2) 図1は ½(2C)E²=CE²[J],図2は ½(C/2)E²=CE²/4[J]。図1のほうが大きい。正しい。 (3) C4個を直列にすると合成はC/4[F]で,エネルギーは ½(C/4)E²=CE²/8[J]。図1のCE²[J]の8分の1にしかならず,等しくならない。これが誤りで答となる。直列を増やすほど容量は減り,エネルギーも減る。 (4) 図2の電源を2Eにすると ½(C/2)(2E)²=½(C/2)(4E²)=CE²[J]で,図1と等しい。正しい。 (5) 図1は各コンデンサに電源電圧Eがそのままかかるので Q=CE[C]。図2は直列なので各コンデンサには E/2 しかかからず Q=CE/2[C]。2倍である。正しい。 答(3)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 理論 問6
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1337.20 ℃における抵抗値がR₁[Ω],抵抗温度係数がα₁[℃⁻¹]の抵抗器Aと,20 ℃における抵抗値がR₂[Ω],抵抗温度係数がα₂=0 ℃⁻¹の抵抗器Bが並列に接続されている。その20 ℃と21 ℃における並列抵抗値をそれぞれr₂₀[Ω],r₂₁[Ω]とし,(r₂₁−r₂₀)/r₂₀ を変化率とする。この変化率として,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.α₁R₁R₂/(R₁+R₂+α₁²R₁)
- 2.α₁R₂/(R₁+R₂+α₁R₁)
- 3.α₁R₁/(R₁+R₂+α₁R₁)
- 4.α₁R₂/(R₁+R₂+α₁R₂)
- 5.α₁R₁/(R₁+R₂+α₁R₂)
正解:2.α₁R₂/(R₁+R₂+α₁R₁)
解説:20 ℃での並列抵抗は r₂₀=R₁R₂/(R₁+R₂)。 21 ℃では温度が1 ℃上がるので,抵抗器Aは R₁(1+α₁)[Ω]になる。抵抗器Bは α₂=0 なので R₂[Ω]のまま変わらない。よって r₂₁=R₁(1+α₁)R₂/{R₁(1+α₁)+R₂}。 変化率は (r₂₁−r₂₀)/r₂₀=r₂₁/r₂₀−1 と書けるので,まず比をとる。 r₂₁/r₂₀={R₁(1+α₁)R₂/(R₁+α₁R₁+R₂)}×{(R₁+R₂)/(R₁R₂)}=(1+α₁)(R₁+R₂)/(R₁+R₂+α₁R₁)。 したがって変化率は {(1+α₁)(R₁+R₂)−(R₁+R₂+α₁R₁)}/(R₁+R₂+α₁R₁) ={α₁R₁+α₁R₂−α₁R₁}/(R₁+R₂+α₁R₁) =α₁R₂/(R₁+R₂+α₁R₁)。答(2)。 変わったのはAの側なので分子にもR₁が残りそうに見えるが,展開するとα₁R₁どうしが打ち消し合って,残るのはα₁R₂のほうになる。分母のα₁R₁は残る点と合わせて,(3)との違いがここに出る。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 理論 問7
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1338.次の文章は,交流における波形率,波高率に関する記述である。 波形率とは,実効値の(ア)に対する比(波形率=実効値/(ア))をいう。波形率の値は波形によって異なり,正弦波と比較して,三角波のようにとがっていれば,波形率の値は(イ)なり,方形波のように平らであれば,波形率の値は(ウ)なる。 波高率とは,(エ)の実効値に対する比(波高率=(エ)/実効値)をいう。波高率の値は波形によって異なり,正弦波と比較して,三角波のようにとがっていれば,波高率の値は(オ)なり,方形波のように平らであれば,波高率の値は(カ)なる。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(カ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 選択肢は「(ア)/(イ)/(ウ)/(エ)/(オ)/(カ)」の順に示す。
- 1.平均値 / 大きく / 小さく / 最大値 / 大きく / 小さく
- 2.最大値 / 大きく / 小さく / 平均値 / 大きく / 小さく
- 3.平均値 / 小さく / 大きく / 最大値 / 小さく / 大きく
- 4.最大値 / 小さく / 大きく / 平均値 / 小さく / 大きく
- 5.最大値 / 大きく / 大きく / 平均値 / 小さく / 小さく
正解:1.平均値 / 大きく / 小さく / 最大値 / 大きく / 小さく
解説:定義は,波形率=実効値/平均値,波高率=最大値/実効値。したがって(ア)が平均値,(エ)が最大値。 最大値をVₘとして,代表的な3つの波形を並べると次のようになる。 ・正弦波: 実効値 Vₘ/√2,平均値 2Vₘ/π。波形率=π/(2√2)≒1.11,波高率=√2≒1.41。 ・三角波: 実効値 Vₘ/√3,平均値 Vₘ/2。波形率=2/√3≒1.15,波高率=√3≒1.73。 ・方形波: 実効値も平均値も最大値もVₘ。波形率=1,波高率=1。 正弦波と比べると,三角波はどちらも大きく(イ・オが「大きく」),方形波はどちらも小さい(ウ・カが「小さく」)。答(1)。 とがった波形ほど平均値が実効値より小さくなり,最大値が実効値より大きくなるので,波形率も波高率も大きくなる。平らな波形ほど3つの値が近づき,どちらも1に近づく。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 理論 問8
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1339.図のようなRC交流回路がある。この回路に正弦波交流電圧E[V]を加えたとき,容量性リアクタンス6 Ωのコンデンサの端子間電圧の大きさは12 Vであった。このとき,E[V]と図の破線で囲んだ回路で消費される電力P[W]の値の組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 選択肢は「E[V] / P[W]」の順に示す。

- 1.20 / 32
- 2.20 / 96
- 3.28 / 120
- 4.28 / 168
- 5.40 / 309
正解:2.20 / 96
解説:破線の中は,「8 Ωと容量性リアクタンス6 Ωの直列」と「4 Ωと容量性リアクタンス3 Ωの直列」という二つの枝が並列になった回路である。 まず左の枝から電源電圧を出す。6 Ωのコンデンサの端子電圧が12 Vなので,この枝を流れる電流は I₁=12/6=2 A。枝のインピーダンスの大きさは |Z₁|=√(8²+6²)=√100=10 Ωだから,枝の端子電圧=電源電圧は E=I₁|Z₁|=2×10=20 V。 次に右の枝。|Z₂|=√(4²+3²)=√25=5 Ωなので I₂=E/|Z₂|=20/5=4 A。 電力を消費するのは抵抗だけで,コンデンサは消費しない。したがって P=I₁²×8+I₂²×4=2²×8+4²×4=32+64=96 W。答(2)。 左の枝の32 Wで止めると(1)になる。並列のもう一方の枝の64 Wを足し忘れないこと。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 理論 問9
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1340.図の回路のスイッチSをt=0 sで閉じる。電流i_S[A]の波形として最も適切に表すものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 ただし,スイッチSを閉じる直前に,回路は定常状態にあったとする。 選択肢は原本から切り出した波形のグラフで示す(下の説明は補助)。

- 1.1 Aから始まり,いったん1 Aより下がってから,1 Aに戻っていく波形

- 2.0 Aから始まり,1 Aに向かって増えていく波形

- 3.1 Aから始まり,いったん1 Aより上がってから,1 Aに戻っていく波形

- 4.0 Aから始まり,いったん1 Aを超えてから,1 Aに戻っていく波形

- 5.最初から最後まで1 Aで一定の波形

正解:5.最初から最後まで1 Aで一定の波形
解説:スイッチを閉じる前は直流の定常状態である。コンデンサは直流を通さないので回路に電流は流れていない。したがってコイルの電流は i_L(0)=0 A,また電流が0で抵抗にもコイルにも電圧降下が無いので,コンデンサには電源の1 Vがそのままかかっている。 t=0でSを閉じると,Sの上下の節点が短絡される。 ・左側(1 V・1 Ω・1 H)はコイルの過渡現象で i_L=1−e^(−t)[A]。時定数は L/R=1/1=1 s。 ・右側(1 F・1 Ω)はコンデンサが1 Vから0 Vへ放電し,電流の大きさは e^(−t)[A]。時定数は CR=1×1=1 s。向きは節点へ流れ込む向きになる。 スイッチの上の節点でキルヒホッフの電流則を立てると i_S=i_L−i_C=(1−e^(−t))−(−e^(−t))=1[A]。 指数の項がちょうど打ち消し合い,i_Sは最初から最後まで1 Aで一定になる。答(5)。 コイルの電流は0から1へ増え,コンデンサの電流は1から0へ減る。時定数がどちらも1 sでそろっているので和が一定になる,という作りの問題である。片方だけを見ると(2)や(1)を選んでしまう。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 理論 問10
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 - 1.1 Aから始まり,いったん1 Aより下がってから,1 Aに戻っていく波形
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問1341.次の文章は,それぞれのダイオードについて述べたものである。 a.可変容量ダイオードは,通信機器の同調回路などに用いられる。このダイオードは,pn接合に(ア)電圧を加えて使用するものである。 b.pn接合に(イ)電圧を加え,その値を大きくしていくと,降伏現象が起きる。この降伏電圧付近では,流れる電流が変化しても接合両端の電圧はほぼ一定に保たれる。定電圧ダイオードは,この性質を利用して所定の定電圧を得るようにつくられたダイオードである。 c.レーザダイオードは光通信や光情報機器の光源として利用され,pn接合に(ウ)電圧を加えて使用するものである。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 選択肢は「(ア)/(イ)/(ウ)」の順に示す。
- 1.逆方向 / 順方向 / 逆方向
- 2.順方向 / 逆方向 / 順方向
- 3.逆方向 / 逆方向 / 逆方向
- 4.順方向 / 順方向 / 逆方向
- 5.逆方向 / 逆方向 / 順方向
正解:5.逆方向 / 逆方向 / 順方向
解説:(ア)可変容量ダイオード(バラクタダイオード)は,逆方向電圧を加えたときにできる空乏層を誘電体とみなしてコンデンサとして使う素子である。逆方向電圧を大きくすると空乏層が広がって静電容量が小さくなるので,電圧で同調周波数を動かせる。よって逆方向。 (イ)降伏現象(ツェナー降伏・なだれ降伏)は逆方向電圧を大きくしていったときに起きる。定電圧ダイオード(ツェナーダイオード)はこの領域で使う。よって逆方向。 (ウ)レーザダイオードや発光ダイオードは順方向電圧を加え,電子と正孔を再結合させてそのエネルギーを光として取り出す。よって順方向。 答(5)。 「光るものは順方向,容量と降伏は逆方向」と押さえておくと迷わない。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 理論 問11
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1342.図のように,z軸の正の向きに磁束密度B=1.0×10⁻³ Tの平等磁界が存在する真空の空間において,電気量e=−4.0×10⁻⁶ Cの荷電粒子がyz平面上をy軸から60°の角度で①又は②の向きに速さv[m/s]で発射された。この瞬間,荷電粒子に働くローレンツ力Fの大きさは1.0×10⁻⁸ N,その向きはx軸の正の向きであった。荷電粒子の速さvに最も近い値[m/s]とその向きの組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 ただし,重力の影響は無視できるものとする。図中の ⊙ は,紙面に対して垂直かつ手前の向きを表す。 選択肢は「速さv / 向き」の順に示す。

- 1.2.5 / ①
- 2.2.9 / ①
- 3.5.0 / ①
- 4.2.9 / ②
- 5.5.0 / ②
正解:5.5.0 / ②
解説:ローレンツ力の大きさは F=|e|vB sinθ(θは速度と磁束密度のなす角)で表される。 速度はyz平面内でy軸から60°の向きなので,磁界の向き(z軸)とのなす角は 90°−60°=30° となり sin30°=0.5。 1.0×10⁻⁸=4.0×10⁻⁶×v×1.0×10⁻³×0.5=2.0×10⁻⁹×v よって v=1.0×10⁻⁸/(2.0×10⁻⁹)=5.0 m/s。 次に向きを決める。仮に電荷が正なら F=qv×B なので,速度のy成分が正(①の向き)のとき力はx軸の正の向きになる。ところがこの粒子の電気量は負なので,力はその逆のx軸の負の向きになってしまう。x軸の正の向きに力が働くのは速度のy成分が負のとき,すなわち②の向きである。答(5)。 sin60°=0.866を使うと 2.9 m/s((2)(4))になる。角度をy軸から測っているのに対し,ローレンツ力の式で要るのは磁界(z軸)との角なので,90°から引いてから使う。また負電荷なので,フレミング左手の法則で出した向きを最後に反転させる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 理論 問12
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1343.図1は,正弦波を出力しているある発振回路の構造を示している。この発振回路の帰還回路の出力端子と増幅回路の入力端子との接続を切り離し,図2のように適当な周波数の正弦波V_iを増幅回路に入力すると,次の二つの条件が同時に満たされている。 1.増幅回路の入力電圧V_iと帰還回路の出力電圧V_fが(ア)である。 2.増幅回路の増幅度|V_o/V_i|をA,帰還回路の帰還率|V_f/V_o|をβと表すとき,(イ)である。 図1で示される発振回路は,条件1より(ウ)回路である。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 選択肢は「(ア)/(イ)/(ウ)」の順に示す。

- 1.同相 / Aβ≧1 / 正帰還
- 2.逆相 / Aβ≦1 / 負帰還
- 3.同相 / Aβ<1 / 負帰還
- 4.逆相 / Aβ≧1 / 正帰還
- 5.同相 / Aβ<1 / 正帰還
正解:1.同相 / Aβ≧1 / 正帰還
解説:発振が持続するための条件(バルクハウゼンの条件)は二つある。位相の条件と振幅の条件である。 位相の条件は,帰還されて戻ってきた電圧が増幅回路の入力と同相であること。同相の信号を足し合わせる帰還なので,これは正帰還である。よって(ア)は同相,(ウ)は正帰還。 振幅の条件は,一周したときの利得が1以上であること,すなわち Aβ≧1。一周して戻ってきた信号が元より小さいと振動はしだいに小さくなって止まってしまう。よって(イ)は Aβ≧1。 答(1)。 負帰還は逆相で戻して利得を犠牲に安定度やひずみを改善する使い方で,発振はしない。Aβ<1 も同じ理由で発振が続かないので,(3)(5)は消える。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 理論 問13
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問1344.データ変換に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.アナログ量を忠実に再現するために必要な標本化の周期の上限は,再現したいアナログ量の最高周波数により決まる。
- 2.量子化において,一般には数値に誤差が生じる。
- 3.符号化では,量子化された数値が2進符号などのディジタル信号に変換される。
- 4.ディジタル量は,伝送路の環境変化や伝送路で混入する雑音に強い。
- 5.ディジタルオシロスコープで変化する電圧の波形を表示するには,その電圧をアナログ−ディジタル変換してからコンピュータでFFT演算を行い,その結果を出力する。
正解:5.ディジタルオシロスコープで変化する電圧の波形を表示するには,その電圧をアナログ−ディジタル変換してからコンピュータでFFT演算を行い,その結果を出力する。
解説:(1) 標本化定理より,元のアナログ量を復元するには最高周波数の2倍を超える周波数で標本化する必要がある。裏を返せば,標本化周期の上限は再現したい最高周波数で決まる。正しい。 (2) 量子化は連続した値を有限の段階に丸める処理なので,一般に量子化誤差(量子化雑音)が生じる。正しい。 (3) 符号化は,量子化して得た数値を2進符号などのディジタル信号に置き換える処理である。正しい。 (4) ディジタル量は0か1かを判別できればよいので,雑音が乗ってもしきい値を超えなければ元の値に戻せる。アナログ量より雑音に強い。正しい。 (5) 誤り。ディジタルオシロスコープが電圧の時間波形を画面に表示するのに,FFT演算は必要ない。A−D変換して得た値を時間の順に並べて描けばそれが波形になる。FFTは波形に含まれる周波数成分(スペクトル)を見たいときに使う付加的な機能で,波形表示そのものとは別である。答(5)。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 理論 問14
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問1345.図のように,抵抗6 Ωと誘導性リアクタンス8 ΩをY結線し,抵抗r[Ω]をΔ結線した平衡三相負荷に,200 Vの対称三相交流電源を接続した回路がある。抵抗6 Ωと誘導性リアクタンス8 Ωに流れる電流の大きさをI₁[A],抵抗r[Ω]に流れる電流の大きさをI₂[A]とする。電流I₁[A]とI₂[A]の大きさが等しいとき,次の問に答えよ。 〔小問(a)〕 抵抗rの値[Ω]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.6.0
- 2.10.0
- 3.11.5
- 4.17.3
- 5.19.2
正解:4.17.3
解説:Y結線側から見る。相電圧は線間電圧の1/√3なので 200/√3 V。1相分のインピーダンスの大きさは |6+j8|=√(6²+8²)=10 Ωだから I₁=(200/√3)/10=20/√3≒11.55 A。 Δ結線側は,各抵抗rに線間電圧200 Vがそのままかかるので I₂=200/r。 I₁=I₂ とおくと 200/r=20/√3 より r=200√3/20=10√3≒17.3 Ω。答(4)。 Y結線には相電圧(線間電圧÷√3),Δ結線には線間電圧がかかる。この違いを取り違えると,Δ側にも200/√3を使って(2)の10.0 Ωを選んでしまう。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 理論 問15(a)
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問1346.図のように,抵抗6 Ωと誘導性リアクタンス8 ΩをY結線し,抵抗r[Ω]をΔ結線した平衡三相負荷に,200 Vの対称三相交流電源を接続した回路がある。抵抗6 Ωと誘導性リアクタンス8 Ωに流れる電流の大きさをI₁[A],抵抗r[Ω]に流れる電流の大きさをI₂[A]とする。電流I₁[A]とI₂[A]の大きさが等しいとき,次の問に答えよ。 〔小問(b)〕 図中の回路が消費する電力の値[kW]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 (小問(a)より,抵抗rの値は10√3≒17.3 Ωである。)

- 1.2.4
- 2.3.1
- 3.4.0
- 4.9.3
- 5.10.9
正解:4.9.3
解説:電力を消費するのは抵抗だけで,誘導性リアクタンスは消費しない。Y結線側とΔ結線側を別々に出して足す。 I₁=I₂=20/√3 A((a)より)なので I₁²=I₂²=(20/√3)²=400/3。 ・Y結線側(6 Ωが3相分): 3×(400/3)×6=400×6=2 400 W ・Δ結線側(r=10√3 Ωが3相分): 3×(400/3)×10√3=400×17.32≒6 928 W 合計 2 400+6 928=9 328 W≒9.3 kW。答(4)。 誘導性リアクタンス8 Ωを電力の計算に入れないこと。また三相であることを忘れて3倍しないと 9 328/3≒3 109 W=3.1 kWとなり,(2)を選んでしまう。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 理論 問15(b)
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問1347.最大目盛50 A,内部抵抗0.8×10⁻³ Ωの直流電流計A₁と,最大目盛100 A,内部抵抗0.32×10⁻³ Ωの直流電流計A₂の二つの直流電流計がある。 ただし,二つの直流電流計は直読式指示電気計器であるとし,固有誤差はないものとする。 〔小問(a)〕 二つの直流電流計を並列に接続して使用したとき,測定できる電流の最大の値[A]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.40
- 2.50
- 3.100
- 4.132
- 5.140
正解:5.140
解説:並列につなぐと二つの電流計には同じ電圧がかかるので,流れる電流は内部抵抗に反比例して分かれる。 I₁:I₂=(1/0.8×10⁻³):(1/0.32×10⁻³)=0.32:0.8=2:5 つまり I₂=2.5×I₁ の関係になる。 ここで,どちらの電流計も最大目盛を超えてはいけない。 ・A₁を最大の50 Aまで使うと I₂=2.5×50=125 Aとなり,A₂の最大目盛100 Aを超えてしまう。これは不可。 ・A₂を最大の100 Aまで使うと I₁=100/2.5=40 Aで,A₁の最大目盛50 A以内に収まる。これなら成立する。 したがって測定できる最大は I₁+I₂=40+100=140 A。答(5)。 単純に 50+100=150 Aとしてはいけない。先に上限に達するのは内部抵抗の小さいA₂のほうで,そちらが律速になる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 理論 問16(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1348.最大目盛50 A,内部抵抗0.8×10⁻³ Ωの直流電流計A₁と,最大目盛100 A,内部抵抗0.32×10⁻³ Ωの直流電流計A₂の二つの直流電流計がある。 ただし,二つの直流電流計は直読式指示電気計器であるとし,固有誤差はないものとする。 〔小問(b)〕 小問(a)での接続(二つの直流電流計を並列に接続する)を基にして,直流電流150 Aの電流を測定するために,二つの直流電流計の指示を最大目盛にして測定したい。そのためには,直流電流計A₂に抵抗R[Ω]を直列に接続することで,各直流電流計の指示を最大目盛にして測定することができる。抵抗Rの値[Ω]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.3.2×10⁻⁵
- 2.5.6×10⁻⁵
- 3.8×10⁻⁵
- 4.11.2×10⁻⁵
- 5.13.6×10⁻⁵
正解:3.8×10⁻⁵
解説:二つの電流計をどちらも最大目盛にするということは,A₁に50 A,A₂に100 Aを流すということ。合計はちょうど 50+100=150 Aで題意に合う。 並列なので,両方の枝の端子電圧が等しくなければならない。A₂の枝には抵抗Rが直列に入るので 50×0.8×10⁻³=100×(0.32×10⁻³+R) 0.04=0.032+100R 100R=0.008 R=8×10⁻⁵ Ω。答(3)。 (a)で見たとおり,抵抗を足さないままだと分流比が 2:5 でA₂に流れすぎる。A₂側の抵抗を増やしてA₂に流れる分を減らし,分流比を 1:2 に直すのがこの抵抗の役目である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 理論 問16(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1349.【問17と問18は選択問題です。どちらか一方を選んで解答します(本試験では両方解答すると採点されません)。】 大きさが等しい二つの導体球A,Bがある。両導体球に電荷が蓄えられている場合,両導体球の間に働く力は,導体球に蓄えられている電荷の積に比例し,導体球間の距離の2乗に反比例する。 ただし,両導体球の大きさは0.3 mに比べて極めて小さいものとする。 〔小問(a)〕 この場合の比例定数を求める目的で,導体球Aに+2×10⁻⁸ C,導体球Bに+3×10⁻⁸ Cの電荷を与えて,導体球の中心間距離で0.3 m隔てて両導体球を置いたところ,両導体球間に6×10⁻⁵ Nの反発力が働いた。この結果から求められる比例定数[N・m²/C²]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 ただし,導体球A,Bの初期電荷は零とする。
- 1.3×10⁹
- 2.6×10⁹
- 3.8×10⁹
- 4.9×10⁹
- 5.15×10⁹
正解:4.9×10⁹
解説:クーロンの法則 F=k Q_A Q_B/r² に数値を入れて,比例定数kについて解く。 6×10⁻⁵=k×(2×10⁻⁸)×(3×10⁻⁸)/0.3² 6×10⁻⁵=k×6×10⁻¹⁶/0.09 k=6×10⁻⁵×0.09/(6×10⁻¹⁶)=5.4×10⁻⁶/(6×10⁻¹⁶)=9×10⁹[N・m²/C²]。答(4)。 r²の0.09を掛け忘れると桁違いの値になる。得られた9×10⁹は真空中のクーロンの比例定数 1/(4πε₀) の値と一致しており,そのまま検算になる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 理論 問17(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1350.【問17と問18は選択問題です。どちらか一方を選んで解答します(本試験では両方解答すると採点されません)。】 大きさが等しい二つの導体球A,Bがある。両導体球に電荷が蓄えられている場合,両導体球の間に働く力は,導体球に蓄えられている電荷の積に比例し,導体球間の距離の2乗に反比例する。 ただし,両導体球の大きさは0.3 mに比べて極めて小さいものとする。 〔小問(b)〕 小問(a)の導体球A(+2×10⁻⁸ C),B(+3×10⁻⁸ C)を,電荷を保持したままで0.3 mの距離を隔てて固定した。ここで,導体球A,Bと大きさが等しく電荷を持たない導体球Cを用意し,導体球Cをまず導体球Aに接触させ,次に導体球Bに接触させた。この導体球Cを図のように導体球Aと導体球Bの間の直線上に置くとき,導体球Cが受ける力が釣り合う位置を導体球Aとの中心間距離[m]で表したとき,その距離に最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.0.095
- 2.0.105
- 3.0.115
- 4.0.124
- 5.0.135
正解:4.0.124
解説:まず接触で電荷がどう変わるかを追う。大きさの等しい導体球どうしを接触させると,電荷は合計を等分して分かれる。 ・CをAに接触: A(2×10⁻⁸)とC(0)の合計2×10⁻⁸を等分 → A=1×10⁻⁸ C,C=1×10⁻⁸ C ・次にCをBに接触: B(3×10⁻⁸)とC(1×10⁻⁸)の合計4×10⁻⁸を等分 → B=2×10⁻⁸ C,C=2×10⁻⁸ C 最終的にA=1×10⁻⁸ C,B=2×10⁻⁸ C(Cの電荷は釣り合いの式で両辺から消えるので値は要らない)。 Aからの距離をx[m]とすると,Bからの距離は0.3−x[m]。CはA・Bの両方から反発されるので,力が釣り合う条件は k×(1×10⁻⁸)×Q_C/x²=k×(2×10⁻⁸)×Q_C/(0.3−x)² (0.3−x)²/x²=2 → (0.3−x)/x=√2 0.3=x(1+√2) → x=0.3/2.414≒0.124 m。答(4)。 Aの電荷が接触で 2×10⁻⁸ から 1×10⁻⁸ に減っている点を見落とすと,比が 2:3 のままになる。そのときは (0.3−x)/x=√(3/2)=1.225 から x=0.3/2.225≒0.135 となり,(5)を選んでしまう。接触は必ず両方の球の電荷を書き換える。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 理論 問17(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1351.【問17と問18は選択問題です。どちらか一方を選んで解答します(本試験では両方解答すると採点されません)。】 図1の回路は,電流帰還バイアス回路に結合容量を介して,微小な振幅の交流電圧を加えている。この入力電圧の振幅がA_i=100 mV,角周波数がω=10 000 rad/sで,時刻t[s]に対してv_i(t)[mV]がv_i(t)=A_i sin ωt と表される。 〔小問(a)〕 次の文章は,電圧v_B(t)に関する記述である。 トランジスタのベース端子に流れ込む電流i_B(t)が十分に小さいとき,ベース端子を切り離しても2 kΩの抵抗の電圧は変化しない。そこで,図2の回路で考え,さらに重ね合わせの理を用いることで,電圧v_B(t)を求める。まず,v_i(t)=0 Vとすることで,直流電圧V_B=(ア)Vが求められる。次に,直流電圧源の値を0 Vとし,コンデンサのインピーダンスが2 kΩより十分に小さいと考えると,交流電圧v_B(t)の振幅A_B=(イ)mVと初期位相θ_B=(ウ)radが求められる。以上より,v_B(t)=V_B+A_B sin(ωt+θ_B) と表すことができる。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(ウ)に当てはまる組合せとして,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 選択肢は「(ア)/(イ)/(ウ)」の順に示す。

- 1.0.8 / 71 / 0
- 2.0.8 / 100 / π/4
- 3.1.5 / 71 / π/4
- 4.1.5 / 100 / 0
- 5.1.5 / 71 / 0
正解:4.1.5 / 100 / 0
解説:重ね合わせの理で,直流分と交流分を別々に出す。 【直流分】v_i(t)=0とすると,コンデンサは直流を通さないので入力側は切り離される。残るのは12 Vを14 kΩと2 kΩで分圧する回路だから V_B=12×2/(14+2)=12×2/16=1.5 V。(ア)は1.5。 【交流分】直流電圧源を0 V(=短絡)とすると,14 kΩの上端も2 kΩの下端も接地されたことになる。コンデンサのインピーダンスは 1/(ωC)=1/(10 000×10×10⁻⁶)=10 Ωで,2 kΩに比べて十分小さく短絡とみなせる。すると入力の交流電圧源がそのままベース側の節点につながるので,v_B(t)の交流分は v_i(t) と同じになる。したがって振幅は A_B=100 mV,位相のずれは無く θ_B=0 rad。(イ)は100,(ウ)は0。 答(4)。 (イ)の71は 100/√2≒70.7 で,振幅と実効値を取り違えた値。問題文は「振幅」と書いているので変換しない。(ウ)のπ/4は,コンデンサのインピーダンスが抵抗と同程度なら生じる位相差だが,ここでは10 Ω対2 kΩで無視できるので0になる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 理論 問18(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1352.【問17と問18は選択問題です。どちらか一方を選んで解答します(本試験では両方解答すると採点されません)。】 図1の回路は,電流帰還バイアス回路に結合容量を介して,微小な振幅の交流電圧を加えている。この入力電圧の振幅がA_i=100 mV,角周波数がω=10 000 rad/sで,時刻t[s]に対してv_i(t)[mV]がv_i(t)=A_i sin ωt と表される。 〔小問(b)〕 図1の回路の電圧v_C(t)を求め,適当な定数V_C,A_C,θ_Cを用いて v_C(t)=V_C+A_C sin(ωt+θ_C) と表す。V_C,A_C,θ_Cに最も近い値の組合せを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 ただし,ベース・エミッタ間電圧は常に0.7 Vであると近似して考えてよい。 (小問(a)より,ベースの電圧は v_B(t)=1.5+0.1 sin ωt [V]=直流分1.5 V,振幅100 mV,初期位相0 である。) 選択肢は「V_C[V] / A_C[V] / θ_C[rad]」の順に示す。

- 1.5 / 0.6 / 0
- 2.5 / 6 / 0
- 3.5 / 6 / π
- 4.7 / 0.6 / π
- 5.7 / 6 / π
正解:4.7 / 0.6 / π
解説:エミッタの電圧は v_E=v_B−0.7 で,エミッタ電流は v_E/0.8 kΩ。ベース電流が十分小さいのでコレクタ電流はエミッタ電流と等しいとみなせる。したがって v_C=12−5 kΩ×(v_B−0.7)/0.8 kΩ=12−6.25(v_B−0.7)。 【直流分】v_B=1.5 Vを入れると V_C=12−6.25×(1.5−0.7)=12−6.25×0.8=12−5=7 V。 【交流分】上の式は v_B の変化を −6.25倍して v_C に伝える。よって振幅は A_C=6.25×0.1=0.625≒0.6 V。係数が負なので入力と逆位相になり θ_C=π rad。 答(4)。 増幅度 −R_C/R_E=−5/0.8=−6.25 の負の符号が位相πの正体である。(5)の6 Vは,入力の振幅が100 mVであることを見落として1 Vとしたときの値(6.25×1=6.25≒6)。単位がmVである点に注意する。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 理論 問18(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1353.面積がともにS[m²]で円形の二枚の電極板(導体平板)を,互いの中心が一致するように間隔d[m]で平行に向かい合わせて置いた平行板コンデンサがある。電極板間は誘電率ε[F/m]の誘電体で一様に満たされ,電極板間の電位差は電圧V[V]の直流電源によって一定に保たれている。この平行板コンデンサに関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 ただし,コンデンサの端効果は無視できるものとする。
- 1.誘電体内の等電位面は,電極板と誘電体の境界面に対して平行である。
- 2.コンデンサに蓄えられる電荷量は,誘電率が大きいほど大きくなる。
- 3.誘電体内の電界の大きさは,誘電率が大きいほど小さくなる。
- 4.誘電体内の電束密度の大きさは,電極板の単位面積当たりの電荷量の大きさに等しい。
- 5.静電エネルギーは誘電体内に蓄えられ,電極板の面積を大きくすると静電エネルギーは増大する。
正解:3.誘電体内の電界の大きさは,誘電率が大きいほど小さくなる。
解説:電圧Vが直流電源によって一定に保たれている,というのがこの問題の要である。極板間の電界の大きさは E=V/d であり,Vもdも決まっているのだから,誘電率εをいくら変えてもEは変わらない。「誘電率が大きいほど小さくなる」とする(3)が誤りで,これが答になる。 他の記述も確かめておく。(1)導体である電極板の表面は等電位面で,電界は極板に垂直だから,等電位面は極板と平行になる。(2)Q=CV=(εS/d)Vなので,εが大きいほど電荷量は大きい。(4)電束密度Dは D=Q/S ,つまり単位面積当たりの電荷量そのものである。(5)W=½CV²=½(εS/d)V² なので面積Sを大きくすればエネルギーは増え,蓄えられる場所は電界のある誘電体内である。 誘電体を入れて電界が下がるのは「電荷を一定に保ったまま」電源から切り離した場合の話である。電源をつないだままなら電圧が固定されて電界は変わらず,代わりに電荷が増える。どちらを一定にしているかを問題文から読み取ること。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 理論 問1
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1354.真空中において,図に示すように一辺の長さが1 mの正三角形の各頂点に1 C又は−1 Cの点電荷がある。この場合,正の点電荷に働く力の大きさF₁[N]と,負の点電荷に働く力の大きさF₂[N]の比F₂/F₁の値として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.√2
- 2.1.5
- 3.√3
- 4.2
- 5.√5
正解:3.√3
解説:三つの頂点はどの2点間も1 mで,電荷の大きさもすべて1 Cである。したがってクーロン力の大きさは組合せによらず同じで,これをFとおける。あとは向きを足し合わせるだけの問題になる。 負の点電荷(頂点の−1 C)には,下の二つの正電荷が引き付ける力が働く。二つの力の大きさはどちらもFで,なす角は60°。同じ大きさの二力を合成すると 2F·cos30°=√3F になる。 正の点電荷(例えば左下の1 C)には,右下の1 Cから遠ざける向きにFが,上の−1 Cへ引き寄せる向きにFが働く。この二つのなす角は120°なので,合成すると 2F·cos60°=F である。 よって F₂/F₁=√3F/F=√3 。答(3)。 同じ大きさの二力の合成は,なす角60°なら√3倍,120°ならちょうど1倍になる。どの二力がどの角度で交わるかを図で確かめてから足すこと。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 理論 問2
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1355.図のような環状鉄心に巻かれたコイルがある。 図の環状コイルについて, ・端子1−2間の自己インダクタンスを測定したところ,40 mHであった。 ・端子3−4間の自己インダクタンスを測定したところ,10 mHであった。 ・端子2と3を接続した状態で端子1−4間のインダクタンスを測定したところ,86 mHであった。 このとき,端子1−2間のコイルと端子3−4間のコイルとの間の結合係数kの値として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.0.81
- 2.0.90
- 3.0.95
- 4.0.98
- 5.1.8
正解:2.0.90
解説:二つのコイルを直列につないだときの合成インダクタンスは L=L₁+L₂±2M で,磁束が助け合う和動接続なら+,打ち消し合う差動接続なら−になる。 L₁=40 mH,L₂=10 mHだから L₁+L₂=50 mH。測定値の86 mHは50 mHより大きいので和動接続だと分かり 86=50+2M より M=18 mH。 結合係数は相互インダクタンスを自己インダクタンスの相乗平均で割ったもので k=M/√(L₁L₂)=18/√(40×10)=18/20=0.90 。答(2)。 差動接続だと思って 86=50−2M とするとMが負になり,そこで誤りに気づける。50 mHより大きいか小さいかが和動・差動の判別になる。なお(5)の1.8は√(L₁L₂)ではなくL₂の10 mHで割った値だが,結合係数は1を超えられないのでその時点で除外できる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 理論 問3
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1356.図1のように,磁束密度B=0.02 Tの一様な磁界の中に長さ0.5 mの直線状導体が磁界の方向と直角に置かれている。図2のようにこの導体が磁界と直角を維持しつつ磁界に対して60°の角度で,二重線の矢印の方向に0.5 m/sの速さで移動しているとき,導体に生じる誘導起電力eの値[mV]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 ただし,静止した座標系から見て,ローレンツ力による起電力が発生しているものとする。

- 1.2.5
- 2.3.0
- 3.4.3
- 4.5.0
- 5.8.6
正解:3.4.3
解説:導体が磁界を横切るときの起電力は e=Blv sinθ で,θは速度の向きと磁束密度の向きのなす角である。導体自身は磁界と直角のままなので,角度で効いてくるのは動く向きだけになる。 図2よりθ=60°だから e=0.02×0.5×0.5×sin60°=0.005×0.866=4.33×10⁻³ V=4.3 mV 。答(3)。 sinを掛け忘れると 0.02×0.5×0.5=5.0 mV で(4)を選ぶ。角度を30°と読み違えると 5.0×0.5=2.5 mV で(1)になる。図2の60°が速度と磁界のどちらとどちらの角なのかを確かめてから代入すること。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 理論 問4
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1357.図1のように,二つの抵抗R₁=1 Ω,R₂[Ω]と電圧V[V]の直流電源からなる回路がある。この回路において,抵抗R₂[Ω]の両端の電圧値が100 V,流れる電流I₂の値が5 Aであった。この回路に図2のように抵抗R₃=5 Ωを接続したとき,抵抗R₃[Ω]に流れる電流I₃の値[A]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.4.2
- 2.16.8
- 3.20
- 4.21
- 5.26.3
正解:2.16.8
解説:まず図1から回路の値を確定させる。R₂=100/5=20 Ω,R₁での電圧降下が 1×5=5 V だから,電源電圧は V=100+5=105 V である。 図2ではR₂とR₃が並列になる。並列部分は 20×5/(20+5)=4 Ω で,回路全体は 1+4=5 Ω。電源から出る電流は 105/5=21 A。 並列部分の両端の電圧は 21×4=84 V なので I₃=84/5=16.8 A 。答(2)。 21 Aは電源から出る全電流であって,R₃に流れる電流ではない。ここで止めると(4)を選ぶ。同じ84 VをR₂に使うと 84/20=4.2 A となりこれが(1),(3)の20はR₂の抵抗値そのものである。並列部分の電圧を出してから,どちらの抵抗で割るのかを取り違えないこと。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 理論 問5
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1358.図1に示すように,静電容量C₁=4 μFとC₂=2 μFの二つのコンデンサが直列に接続され,直流電圧6 Vで充電されている。次に電荷が蓄積されたこの二つのコンデンサを直流電源から切り離し,電荷を保持したまま同じ極性の端子同士を図2に示すように並列に接続する。並列に接続後のコンデンサの端子間電圧の大きさV[V]の値として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.2/3
- 2.4/3
- 3.8/3
- 4.16/3
- 5.32/3
正解:3.8/3
解説:直列につないだコンデンサには同じ電荷が蓄えられる。合成容量は 4×2/(4+2)=4/3 μF なので Q=(4/3)×6=8 μC 。C₁にもC₂にも8 μCずつ入っている。 つぎに電源から切り離し,同じ極性同士を並列につなぐ。行き場のない電荷は合計 8+8=16 μC のまま,容量は 4+2=6 μF になるので V=16/6=8/3 V 。答(3)。 電荷を8 μCのままだと思って 8/6 とすると 4/3 となり,直列合成容量の値[μF]と同じ数字にたどり着いてしまう。同じ極性同士をつなぐのだから電荷は二つ分足し合わされる,というのがこの問題の要点である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 理論 問6
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問1359.図のように,抵抗6個を接続した回路がある。この回路において,ab端子間の合成抵抗の値が0.6 Ωであった。このとき,抵抗Rₓの値[Ω]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.1.0
- 2.1.2
- 3.1.5
- 4.1.8
- 5.2.0
正解:1.1.0
解説:図の中央では,2 Ωを含む横の線が縦の線をまたいでいるだけで両者はつながっていない。したがって回路は,aから左右2本の経路(どちらも1 Ωと2 Ωの直列)でbへ至るブリッジに,左右の節点をつなぐ2 Ωと,ab間を直接つなぐRₓが加わった形になる。 左右の経路はどちらも1 Ωと2 Ωで等しいので,左の節点と右の節点は同じ電位になる。電位差がなければ中央の2 Ωには電流が流れないから,取り除いて考えてよい(平衡ブリッジ)。 残るのは (1+2) と (1+2) の並列で 3×3/(3+3)=1.5 Ω。これとRₓの並列が0.6 Ωだから 1/0.6=1/1.5+1/Rₓ → 1.667−0.667=1/Rₓ → Rₓ=1.0 Ω 。答(1)。 中央の2 Ωを計算に入れようとすると手が止まる。左右が同じ抵抗値だと気づけるかがすべてで,(3)の1.5はブリッジ側だけの合成抵抗であってRₓではない。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 理論 問7
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1360.図のように,周波数f[Hz]の正弦波交流電圧E[V]の電源に,R[Ω]の抵抗,インダクタンスL[H]のコイルとスイッチSを接続した回路がある。スイッチSが開いているときに回路が消費する電力[W]は,スイッチSが閉じているときに回路が消費する電力[W]の1/2になった。このとき,L[H]の値を表す式として,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.2πfR
- 2.R/(2πf)
- 3.2πf/R
- 4.(2πf)²/R
- 5.R/(πf)
正解:2.R/(2πf)
解説:スイッチSはコイルと並列に入っている。Sを閉じるとコイルは短絡されて回路はRだけになり,消費電力は P₁=E²/R である。 Sを開くとRとコイルの直列になる。誘導性リアクタンスを X=2πfL とすると,電力を消費するのは抵抗だけなので P₂=I²R=E²R/(R²+X²) 。 題意より P₂=P₁/2 だから E²R/(R²+X²)=E²/(2R) → 2R²=R²+X² → X=R 。 2πfL=R より L=R/(2πf) 。答(2)。 電力が半分になるのは電流が1/√2になるとき,つまりインピーダンスが√2倍になるときである。√(R²+X²)=√2R からもX=Rが得られる。ここを「電流が半分」と読み違えると X=√3R となり,選択肢に無い値になる。単位の面からも,Lは抵抗を角周波数で割った形でなければならない。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 理論 問8
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1361.図のように,5 Ωの抵抗,200 mHのインダクタンスをもつコイル,20 μFの静電容量をもつコンデンサを直列に接続した回路に周波数f[Hz]の正弦波交流電圧E[V]を加えた。周波数fを回路に流れる電流が最大となるように変化させたとき,コイルの両端の電圧の大きさは抵抗の両端の電圧の大きさの何倍か。最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.5
- 2.10
- 3.15
- 4.20
- 5.25
正解:4.20
解説:電流が最大になるのは直列共振のときで,誘導性リアクタンスと容量性リアクタンスが打ち消し合ってインピーダンスが抵抗Rだけになる。 共振角周波数は ω₀=1/√(LC)=1/√(0.2×20×10⁻⁶)=1/√(4×10⁻⁶)=500 rad/s 。 このときのコイルのリアクタンスは ω₀L=500×0.2=100 Ω 。 直列なので電流は共通であり,電圧の比はそのままリアクタンスと抵抗の比になるから 100/5=20倍 。答(4)。 この値は直列共振回路の尖鋭度Qそのもので,Q=(1/R)√(L/C)=(1/5)×√(0.2/(20×10⁻⁶))=(1/5)×100=20 と一息で求めてもよい。共振時にはコイルとコンデンサに電源電圧のQ倍の電圧が現れるので,Qが大きい回路では素子の耐圧に注意が要る。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 理論 問9
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1362.図の回路において,スイッチSが開いているとき,静電容量C₁=4 mFのコンデンサには電荷Q₁=0.3 Cが蓄積されており,静電容量C₂=2 mFのコンデンサの電荷はQ₂=0 Cである。この状態でスイッチSを閉じて,それから時間が十分に経過して過渡現象が終了した。この間に抵抗R[Ω]で消費された電気エネルギー[J]の値として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.1.25
- 2.2.50
- 3.3.75
- 4.5.63
- 5.7.50
正解:3.3.75
解説:コンデンサに蓄えられるエネルギーは電荷で表すと W=Q²/(2C) である。抵抗で消費された分は,前後のエネルギーの差として求める。 スイッチを閉じる前はC₁だけが電荷を持っているので W₁=0.3²/(2×4×10⁻³)=0.09/0.008=11.25 J 。 十分に時間がたつと二つのコンデンサの電圧は等しくなる。電荷の合計は0.3 Cのままで,容量は並列とみて 4+2=6 mF だから W₂=0.3²/(2×6×10⁻³)=0.09/0.012=7.5 J 。 差が熱になった分で 11.25−7.5=3.75 J 。答(3)。 この損失は抵抗Rの値によらない。Rが小さければ大きな電流が短く流れ,大きければ小さな電流が長く流れるだけで,失われるエネルギーは同じになる。(5)の7.50は過渡現象が終わったあとに残っているエネルギーであって,消費された分ではない。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 理論 問10
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1363.次の文章は,電界効果トランジスタ(FET)に関する記述である。 図は,nチャネル接合形FETの断面を示した模式図である。ドレーン(D)電極に電圧V_DSを加え,ソース(S)電極を接地すると,nチャネルの (ア) キャリヤが移動してドレーン電流I_Dが流れる。ゲート(G)電極に逆方向電圧V_GSを加えると,pn接合付近に空乏層が形成されてnチャネルの幅が (イ) し,ドレーン電流I_Dが (ウ) する。このことからFETは (エ) 制御形の素子である。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.少数 / 減少 / 増加 / 電流
- 2.少数 / 増加 / 増加 / 電流
- 3.多数 / 増加 / 減少 / 電圧
- 4.多数 / 減少 / 減少 / 電流
- 5.多数 / 減少 / 減少 / 電圧
正解:5.多数 / 減少 / 減少 / 電圧
解説:(ア) nチャネルはn形半導体でできた電流の通り道なので,そこを流れるのはn形の多数キャリヤである電子。少数キャリヤの拡散で動くバイポーラトランジスタと違い,FETは多数キャリヤだけで動くユニポーラ素子である。 (イ)(ウ) ゲートに逆方向電圧を加えるとpn接合の空乏層が広がる。空乏層にはキャリヤがいないので,通り道であるnチャネルはその分だけ狭くなり,狭くなればドレーン電流は減少する。 (エ) ゲートには逆方向電圧がかかっているのでゲート電流はほとんど流れない。電流ではなく電圧でドレーン電流を加減しているから,FETは電圧制御形である。 多数/減少/減少/電圧となり答(5)。 (エ)を電流制御形とするのはバイポーラトランジスタの性質で,これが(4)との唯一の違いになっている。ベース電流で加減するバイポーラと,ゲート電圧で加減するFETという対比をそのまま問うている。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 理論 問11
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1364.真空中において,電子の運動エネルギーが400 eVのときの速さが1.19×10⁷ m/sであった。電子の運動エネルギーが100 eVのときの速さ[m/s]の値として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 ただし,電子の相対性理論効果は無視するものとする。
- 1.2.98×10⁶
- 2.5.95×10⁶
- 3.2.38×10⁷
- 4.2.98×10⁹
- 5.5.95×10⁹
正解:2.5.95×10⁶
解説:運動エネルギーは W=½mv² だから v=√(2W/m) となり,速さは運動エネルギーの平方根に比例する。電子の質量や電気素量の値を覚えていなくても,比だけで解ける問題である。 エネルギーが400 eVから100 eVへ1/4になるので,速さは √(1/4)=1/2 倍になる。 v=1.19×10⁷×(1/2)=5.95×10⁶ m/s 。答(2)。 速さがエネルギーに比例すると考えると 1.19×10⁷×(1/4)=2.98×10⁶ となって(1)を選ぶ。二乗で効いているのは速さのほうなので,エネルギーが1/4なら速さは1/2である。桁だけを見ても,光速3×10⁸ m/sを超える(4)(5)は物理的にあり得ないと分かる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 理論 問12
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1365.次の文章は,図1の回路の動作について述べたものである。 図1は,演算増幅器(オペアンプ)を用いたシュミットトリガ回路である。この演算増幅器には+5 Vの単電源が供給されており,0 Vから5 Vまでの範囲の電圧を出力できるものとする。 ・出力電圧v_outは0〜5 Vの間にあるため,演算増幅器の非反転入力の電圧v⁺[V]は (ア) の間にある。 ・入力電圧v_inを0 Vから徐々に増加させると,v_inが (イ) Vを上回った瞬間,v_outは5 Vから0 Vに変化する。 ・入力電圧v_inを5 Vから徐々に減少させると,v_inが (ウ) Vを下回った瞬間,v_outは0 Vから5 Vに変化する。 ・入力v_inに対する出力v_outの変化を描くと,図2のような (エ) を示す特性となる。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.1.25〜3.75 / 3.75 / 1.25 / 位相遅れ
- 2.1.25〜3.75 / 1.25 / 3.75 / ヒステリシス
- 3.2〜3 / 2 / 3 / ヒステリシス
- 4.2〜3 / 2.75 / 2.25 / 位相遅れ
- 5.2〜3 / 3 / 2 / ヒステリシス
正解:5.2〜3 / 3 / 2 / ヒステリシス
解説:非反転入力の節点v⁺には,5 Vの電源から10 kΩ,接地へ10 kΩ,出力から20 kΩの三方向がつながっている。この節点に流れ込む電流の和が零だとして (5−v⁺)/10+(0−v⁺)/10+(v_out−v⁺)/20=0 両辺を20倍して整理すると 5v⁺=10+v_out ,すなわち v⁺=2+v_out/5 となる。v_out=0 Vのとき v⁺=2 V,v_out=5 Vのとき v⁺=3 V。よって(ア)は2〜3 Vである。 v_inは反転入力に入っている。v_out=5 V(このときv⁺=3 V)の状態からv_inを上げると,3 Vを超えた瞬間に反転入力のほうが高くなって出力は0 Vへ反転する。よって(イ)は3。 反転するとv⁺は2 Vへ下がる。ここからv_inを下げると,2 Vを下回った瞬間に出力は5 Vへ戻る。よって(ウ)は2。 上りと下りでしきい値が違い,同じ入力でも直前の状態で出力が変わるので(エ)はヒステリシスである。答(5)。 この回路の要は,出力が非反転入力へ戻る正帰還になっている点で,そのためにしきい値自体が出力に応じて動く。負帰還の比較器と読み違えるとしきい値が1つしか出てこず,どの選択肢にも当てはまらなくなる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 理論 問13
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1366.次の文章は,電気計測に関する記述である。 電気に関する物理量の測定に用いる方法には各種あるが,指示計器のように測定量を指針の振れの大きさに変えて,その指示から測定量を知る方法を (ア) 法という。これに比較して精密な測定を行う場合に用いられている (イ) 法は,測定量と同種類で大きさを調整できる既知量を別に用意し,既知量を測定量に平衡させて,そのときの既知量の大きさから測定量を知る方法である。 (イ) 法を用いた測定器の例としては, (ウ) がある。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.偏位 / 零位 / ホイートストンブリッジ
- 2.間接 / 差動 / 誘導形電力量計
- 3.間接 / 零位 / ホイートストンブリッジ
- 4.偏位 / 差動 / 誘導形電力量計
- 5.偏位 / 零位 / 誘導形電力量計
正解:1.偏位 / 零位 / ホイートストンブリッジ
解説:指針の振れ,すなわち偏位の大きさをそのまま読み取る方法を偏位法という。電流計や電圧計がこれで,測定量からエネルギーをもらって指針を動かす仕組みのため,測定対象の回路に多少の影響を与える。 一方,大きさを調整できる既知量を測定量とつり合わせ,検出器の指示が零になったところで既知量を読む方法を零位法という。つり合ったときは検出器に電流が流れないので,測定回路への影響が小さく精度を高くできる。問題文の「既知量を測定量に平衡させて」がまさにこの説明である。 零位法の代表がホイートストンブリッジで,検流計の振れが零になるまで可変抵抗を調整し,そのときの抵抗値から未知抵抗を求める。偏位/零位/ホイートストンブリッジとなり答(1)。 誘導形電力量計は円板の回転を積算する偏位法の計器であって零位法ではない。ここを取り違えると(5)を選ぶ。なお間接測定とは,長さと時間から速さを出すように別の量から計算で求めることをいい,指針を読む話ではない。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 理論 問14
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1367.図のように,線間電圧200 Vの対称三相交流電源に,三相負荷として誘導性リアクタンスX=9 Ωの3個のコイルとR[Ω],20 Ω,20 Ω,60 Ωの4個の抵抗を接続した回路がある。端子a,b,cから流入する線電流の大きさは等しいものとする。この回路について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 線電流の大きさが7.7 A,三相負荷の無効電力が1.6 kvarであるとき,三相負荷の力率の値として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.0.5
- 2.0.6
- 3.0.7
- 4.0.8
- 5.1.0
正解:4.0.8
解説:三相の皮相電力は S=√3×(線間電圧)×(線電流) で求まる。 S=√3×200×7.7≒2.667 kV·A 。 皮相電力・有効電力・無効電力は直角三角形をなすので,有効電力は P=√(S²−Q²)=√(2.667²−1.6²)=√(7.113−2.560)=√4.553≒2.134 kW 。 力率は有効電力を皮相電力で割ればよく 2.134/2.667≒0.80 。答(4)。 無効電力を作っているのはコイルだけである。実際に 3×7.7²×9=1601 var と計算すると題意の1.6 kvarに一致し,線電流の読み方が正しいことを裏から確かめられる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 理論 問15(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1368.図のように,線間電圧200 Vの対称三相交流電源に,三相負荷として誘導性リアクタンスX=9 Ωの3個のコイルとR[Ω],20 Ω,20 Ω,60 Ωの4個の抵抗を接続した回路がある。端子a,b,cから流入する線電流の大きさは等しいものとする。この回路について,次の問に答えよ。 〔小問(b)〕 a相に接続されたRの値[Ω]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.4
- 2.8
- 3.12
- 4.40
- 5.80
正解:2.8
解説:Δ結線されている3個の抵抗(20 Ω,20 Ω,60 Ω)をY結線に変換する。3辺の和は 20+20+60=100 Ω なので a相側=20×20/100=4 Ω,b相側=20×60/100=12 Ω,c相側=20×60/100=12 Ω 。 これで各相はコイルのj9 Ωと直列になり,a相は R+4+j9 ,b相とc相は 12+j9 という形になる。 線電流の大きさが3相とも等しいという条件から,3相のインピーダンスが等しくなければならないので R+4=12 → R=8 Ω 。答(2)。 確かめておく。1相分のインピーダンスの大きさは |12+j9|=15 Ω,相電圧は 200/√3≒115.5 V だから線電流は 115.5/15=7.70 A となり,小問(a)の7.7 Aと一致する。力率も 12/15=0.8 で(a)の答と合う。 Δ結線をそのまま扱おうとすると手が止まる。Δ→Y変換で「1相分」の形に直してから比べるのが定石である。(3)の12はb相・c相側のY換算値であって,Rそのものではない。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 理論 問15(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1369.図は,抵抗R_ab[kΩ]のすべり抵抗器,抵抗R_d[kΩ],抵抗R_e[kΩ]と直流電圧E_s=12 Vの電源を用いて,端子H,G間に接続した未知の直流電圧[V]を測るための回路である。次の(a)及び(b)の問に答えよ。 ただし,端子Gを電位の基準(0 V)とする。 〔小問(a)〕 抵抗R_d=5 kΩ,抵抗R_e=5 kΩとして,直流電圧3 Vの電源の正極を端子Hに,負極を端子Gに接続した。すべり抵抗器の接触子Cの位置を調整して検流計の電流を零にしたところ,すべり抵抗器の端子Bと接触子C間の抵抗R_bc=18 kΩとなった。すべり抵抗器の抵抗R_ab[kΩ]の値として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.18
- 2.24
- 3.36
- 4.42
- 5.50
正解:2.24
解説:検流計の電流が零ということは,接触子Cの電位と端子Hの電位が等しいということである。端子Gを0 Vとして,両方の電位を電源E_sから作っていく。 まず基準点Gの位置を押さえる。R_dとR_eは12 Vを分け合う直列で,Gはその接続点にある。R_d=R_e=5 kΩだからGは電源のちょうど中央の電位で,これを0 Vとすると,電源の負極側(すべり抵抗器の端子B)は −12×5/(5+5)=−6 V となる。 接触子Cの電位は,端子Bから R_bc/R_ab の割合だけ上がった点だから V_C=−6+12×(18/R_ab) 。 端子Hは3 Vなので V_C=3 とおいて −6+216/R_ab=3 → 216/R_ab=9 → R_ab=24 kΩ 。答(2)。 R_bcの18 kΩをそのまま答えると(1)になる。問われているのはすべり抵抗器全体の抵抗であって,BC間の抵抗ではない。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 理論 問16(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1370.図は,抵抗R_ab[kΩ]のすべり抵抗器,抵抗R_d[kΩ],抵抗R_e[kΩ]と直流電圧E_s=12 Vの電源を用いて,端子H,G間に接続した未知の直流電圧[V]を測るための回路である。次の問に答えよ。 ただし,端子Gを電位の基準(0 V)とする。 〔小問(b)〕 直流電圧3 Vの電源を取り外し,未知の直流電圧E_x[V]の電源を端子H,G間に接続した。ただし,端子Gから見た端子Hの電圧をE_x[V]とする。 抵抗R_d=2 kΩ,抵抗R_e=22 kΩとしてすべり抵抗器の接触子Cの位置を調整し,すべり抵抗器の端子Bと接触子C間の抵抗R_bc=12 kΩとしたときに,検流計の電流が零となった。このときのE_x[V]の値として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 (小問(a)より,すべり抵抗器の抵抗R_abの値は24 kΩである。)

- 1.−5
- 2.−3
- 3.0
- 4.3
- 5.5
正解:1.−5
解説:小問(a)と同じ順序で,端子Bの電位,接触子Cの電位と順に出していく。 R_d=2 kΩ,R_e=22 kΩなので,端子Gから見た端子B(電源の負極側)の電位は −12×22/(2+22)=−11 V 。 接触子Cはそこから R_bc/R_ab の割合だけ上がるので V_C=−11+12×(12/24)=−11+6=−5 V 。 検流計が零ならV_CとE_xは等しいから E_x=−5 V 。答(1)。 R_eをR_dより大きくしたことで基準点Gが電源の正極側へ寄り,測れる範囲が負の側へ移っている。符号を落として5 Vとすると(5)を選ぶことになる。「端子Gから見た端子Hの電圧」という向きの定義を最後まで保つこと。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 理論 問16(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1371.図のように直列に接続された二つの平行平板コンデンサに120 Vの電圧が加わっている。コンデンサC₁の金属板間は真空であり,コンデンサC₂の金属板間には比誘電率ε_rの誘電体が挿入されている。コンデンサC₁,C₂の金属板間の距離は等しく,C₁の金属板の面積はC₂の2倍である。このとき,コンデンサC₁の両端の電圧が80 Vであった。次の(a)及び(b)の問に答えよ。 ただし,コンデンサの端効果は無視できるものとする。 〔小問(a)〕 コンデンサC₂の誘電体の比誘電率ε_rの値として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.1
- 2.2
- 3.3
- 4.4
- 5.5
正解:4.4
解説:直列につないだコンデンサには同じ電荷が蓄えられるので C₁V₁=C₂V₂ が成り立ち,容量は電圧の逆比になる。 V₁=80 V,V₂=120−80=40 V だから C₂/C₁=V₁/V₂=80/40=2 ,つまりC₂はC₁の2倍の容量である。 つぎに構造から容量を書く。極板間距離をd,C₂の極板面積をSとすると,C₁は面積が2倍で間が真空だから C₁=ε₀×2S/d ,C₂は面積Sで比誘電率ε_rの誘電体が入っているから C₂=ε_rε₀×S/d 。 比をとると C₂/C₁=ε_r/2 。これが2に等しいので ε_r=4 。答(4)。 面積が2倍という条件を落として C₂/C₁=ε_r としてしまうと ε_r=2 となり(2)を選ぶ。電圧の比から分かるのは容量の比までで,そこから誘電率を取り出すには面積と距離の条件を戻す必要がある。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 理論 問17(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1372.図のように直列に接続された二つの平行平板コンデンサに120 Vの電圧が加わっている。コンデンサC₁の金属板間は真空であり,コンデンサC₂の金属板間には比誘電率ε_rの誘電体が挿入されている。コンデンサC₁,C₂の金属板間の距離は等しく,C₁の金属板の面積はC₂の2倍である。このとき,コンデンサC₁の両端の電圧が80 Vであった。次の問に答えよ。 ただし,コンデンサの端効果は無視できるものとする。 〔小問(b)〕 C₁の静電容量が30 μFのとき,C₁とC₂の合成容量の値[μF]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 (小問(a)より,C₂の静電容量はC₁の2倍である。)

- 1.10
- 2.20
- 3.30
- 4.40
- 5.50
正解:2.20
解説:小問(a)で分かったとおり C₂=2C₁ なので,C₁=30 μF なら C₂=60 μF である。 図のとおり二つは直列なので,合成容量は C=C₁C₂/(C₁+C₂)=30×60/(30+60)=1800/90=20 μF 。答(2)。 直列の合成容量は必ずいちばん小さいコンデンサの容量より小さくなる。30 μFと60 μFなら答は30 μF未満に決まるので,(3)以上はこの時点で消せる。足し算をして90 μFとするのは並列につないだ場合である。 なお電圧の比から C₂=2C₁ であることは(a)を解かなくても分かる。C₁の両端が80 Vでこちらの容量が小さい,という関係がそのまま使える。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 理論 問17(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1373.図1,図2及び図3は,トランジスタ増幅器のバイアス回路を示す。次の(a)及び(b)の問に答えよ。 ただし,V_CCは電源電圧,V_Bはベース電圧,I_Bはベース電流,I_Cはコレクタ電流,I_Eはエミッタ電流,R,R_B,R_C及びR_Eは抵抗を示す。 〔小問(a)〕 次の①式,②式及び③式は,図1,図2及び図3のいずれかの回路のベース・エミッタ間の電圧V_BEを示す。 V_BE=V_B−I_E·R_E ……①式 V_BE=V_CC−I_B·R ……②式 V_BE=V_CC−I_B·R−I_E·R_C ……③式 上記の式と図の組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 (選択肢は①式,②式,③式に当てはまる図の順に示す。)

- 1.図1 / 図2 / 図3
- 2.図2 / 図3 / 図1
- 3.図3 / 図1 / 図2
- 4.図1 / 図3 / 図2
- 5.図3 / 図2 / 図1
正解:3.図3 / 図1 / 図2
解説:式に出てくる抵抗の名前から,その抵抗を持つ回路を探すのが早い。 ①式にはR_Eがある。エミッタ側に抵抗R_Eが入っているのは図3だけである。図3はRとR_Bの分圧でベース電圧V_Bを作り,エミッタにR_Eを置く電流帰還バイアス回路で,ベース・エミッタ間にかかるのはV_Bからエミッタ抵抗の電圧降下I_E·R_Eを引いた残りになる。よって①は図3。 ②式はV_CCからI_B·Rを引くだけの形。ベースが抵抗Rを通して電源へ直接つながっている図1,すなわち固定バイアス回路がこれにあたる。 ③式はV_CCからI_B·RとI_E·R_Cの両方を引く形。ベース用の抵抗Rがコレクタ側の節点につながっている図2(コレクタ帰還バイアス回路)では,電源からまずR_Cで電圧が下がり,そこからさらにRで下がってベースへ届く。R_Cを流れるのはI_CとI_Bの和,すなわちI_Eである。よって③は図2。 図3/図1/図2の順なので答(3)。 どの抵抗に何の電流が流れるかを追うと,R_Cを通るのがI_CではなくI_Eであることが見えてくる。これが③式を図2と決める手がかりになる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 理論 問18(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1374.図1,図2及び図3は,トランジスタ増幅器のバイアス回路を示す。次の問に答えよ。 ただし,V_CCは電源電圧,V_Bはベース電圧,I_Bはベース電流,I_Cはコレクタ電流,I_Eはエミッタ電流,R,R_B,R_C及びR_Eは抵抗を示す。 〔小問(b)〕 次の文章a,b及びcは,それぞれのバイアス回路における周囲温度の変化と電流I_Cとの関係について述べたものである。 ただし,h_FEは直流電流増幅率を表す。 a 温度上昇によりh_FEが増加するとI_Cが増加し,バイアス安定度が悪いバイアス回路の図は (ア) である。 b h_FEの変化によりI_Cが増加しようとすると,V_Bはほぼ一定であるからV_BEが減少するので,I_CやI_Eの増加を妨げるように働く。I_Cの変化の割合が比較的低く,バイアス安定度が良いものの,電力損失が大きいバイアス回路の図は (イ) である。 c h_FEの変化によりI_Cが増加しようとすると,R_Cの電圧降下も増加することでコレクタ・エミッタ間の電圧V_CEが低下する。これによりRの電圧が減少してI_Bが減少するので,I_Cの増加が抑えられるバイアス回路の図は (ウ) である。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.図1 / 図2 / 図3
- 2.図2 / 図3 / 図1
- 3.図3 / 図1 / 図2
- 4.図1 / 図3 / 図2
- 5.図2 / 図1 / 図3
正解:4.図1 / 図3 / 図2
解説:a 図1の固定バイアス回路ではベース電流が I_B=(V_CC−V_BE)/R でほぼ固定される。温度が上がってh_FEが増えると I_C=h_FE·I_B がそのまま増えてしまい,それを抑える仕組みがない。三つの中で最も安定度が悪いので(ア)は図1。 b 文中の「V_Bはほぼ一定」が手がかりになる。ベース電圧を二つの抵抗の分圧で決めているのは図3である。I_Cが増えるとエミッタ抵抗R_Eの電圧降下が増え,V_Bが一定なら V_BE=V_B−I_E·R_E が減るので,増加を打ち消す向きに働く。安定度は良いが,分圧の抵抗に常に電流を流し続けるうえエミッタ抵抗でも電力を消費するので損失が大きい。(イ)は図3。 c 文中の「R_Cの電圧降下」「Rの電圧が減少してI_Bが減少」は,ベース用の抵抗Rがコレクタ側につながっている回路の説明である。これは図2のコレクタ帰還バイアス回路にほかならない。(ウ)は図2。 図1/図3/図2となり答(4)。 (イ)と(ウ)はどちらも負帰還で安定させる回路だが,帰還を返す場所が違う。エミッタ抵抗の電圧降下で返すのが図3,コレクタ側の電圧の変化で返すのが図2である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 理論 問18(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1375.次の文章は,平行板コンデンサに関する記述である。 図のように,同じ寸法の直方体で誘電率の異なる二つの誘電体(比誘電率ε_r1の誘電体1と比誘電率ε_r2の誘電体2)が平行板コンデンサに充填されている。極板間は一定の電圧V[V]に保たれ,極板Aと極板Bにはそれぞれ+Q[C]と−Q[C](Q>0)の電荷が蓄えられている。誘電体1と誘電体2は平面で接しており,その境界面は極板に対して垂直である。ただし,端効果は無視できるものとする。 この平行板コンデンサにおいて,極板A,Bに平行な誘電体1,誘電体2の断面をそれぞれ面S₁,面S₂(面S₁と面S₂の断面積は等しい)とすると,面S₁を貫く電気力線の総数(任意の点の電気力線の密度は,その点での電界の大きさを表す)は,面S₂を貫く電気力線の総数の (ア) 倍である。面S₁を貫く電束の総数は面S₂を貫く電束の総数の (イ) 倍であり,面S₁と面S₂を貫く電束の数の総和は (ウ) である。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.1 / ε_r1/ε_r2 / Q
- 2.1 / ε_r1/ε_r2 / Q/ε_r1+Q/ε_r2
- 3.1 / ε_r2/ε_r1 / Q/ε_r1+Q/ε_r2
- 4.ε_r2/ε_r1 / 1 / Q/ε_r1+Q/ε_r2
- 5.ε_r2/ε_r1 / 1 / Q
正解:1.1 / ε_r1/ε_r2 / Q
解説:二つの誘電体は横に並んでいて,どちらも同じ極板に挟まれている。つまり同じ電圧Vが同じ距離dにかかっているので,電界の大きさは E=V/d で両方とも同じである。 (ア) 電気力線の密度はその点の電界の大きさを表す,と問題文が断っている。電界が同じで断面積も等しいのだから,貫く電気力線の総数も等しい。よって1倍。 (イ) 電束密度は D=εE で,電界が同じなら誘電率に比例する。断面積も等しいので,貫く電束の総数の比は誘電率の比そのもの,すなわち ε_r1/ε_r2 倍。 (ウ) 電束についてのガウスの法則から,閉曲面を貫く電束の総数はその中の電荷に等しい。極板Aが持つ電荷は+Qなので,そこから出る電束の総数はQである。誘電率で割ったりはしない。 1/ε_r1/ε_r2/Q となり答(1)。 電気力線と電束を混同しないことがこの問題のすべてである。電気力線は電界(E)を,電束は電束密度(D)を表すもので,誘電体が横に並ぶ配置ではEが共通・Dが誘電率に比例する。誘電体が縦に重なる配置なら逆にDが共通・Eが誘電率に反比例する。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 理論 問1
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1376.二つの導体小球がそれぞれ電荷を帯びており,真空中で十分な距離を隔てて保持されている。ここで,真空の空間を,比誘電率2の絶縁体の液体で満たしたとき,小球の間に作用する静電力に関する記述として,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.液体で満たすことで静電力の向きも大きさも変わらない。
- 2.液体で満たすことで静電力の向きは変わらず,大きさは2倍になる。
- 3.液体で満たすことで静電力の向きは変わらず,大きさは1/2倍になる。
- 4.液体で満たすことで静電力の向きは変わらず,大きさは1/4倍になる。
- 5.液体で満たすことで静電力の向きは逆になり,大きさは変わらない。
正解:3.液体で満たすことで静電力の向きは変わらず,大きさは1/2倍になる。
解説:二つの点電荷の間に働く静電力は F=Q₁Q₂/(4πεr²) で,誘電率εに反比例する。真空を比誘電率2の液体で満たすと ε=2ε₀ になるので,力の大きさは1/2倍になる。 向きは電荷の符号で決まるものであり,まわりの媒質を変えても変わらない。同符号なら反発,異符号なら引き合うままである。よって答(3)。 (4)の1/4倍は,誘電率が距離のように二乗で効くと考えた場合の値。クーロンの法則で二乗になっているのは距離だけで,誘電率は一乗である。 なお導体小球の電荷は保持されたままなので,電荷Q₁・Q₂は変わらない。液体に浸すと表面に分極電荷が現れて電界を弱め,その結果として力が1/2になる,と考えてもよい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 理論 問2
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1377.次の文章は,強磁性体の応用に関する記述である。 磁界中に強磁性体を置くと,周囲の磁束は,磁束が (ア) 強磁性体の (イ) を通るようになる。このとき,強磁性体を中空にしておくと,中空の部分には外部の磁界の影響がほとんど及ばない。このように,強磁性体でまわりを囲んで,磁界の影響が及ばないようにすることを (ウ) という。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.通りにくい / 内部 / 磁気遮へい
- 2.通りにくい / 外部 / 磁気遮へい
- 3.通りにくい / 外部 / 静電遮へい
- 4.通りやすい / 内部 / 磁気遮へい
- 5.通りやすい / 内部 / 静電遮へい
正解:4.通りやすい / 内部 / 磁気遮へい
解説:(ア)(イ) 強磁性体は透磁率が空気の数百倍から数万倍あるので,磁束にとって通りやすい道になる。磁束は通りやすいほうへ集まるので,強磁性体の内部を通るようになる。 (ウ) 強磁性体で囲むと磁束がその壁の中を回って流れ,内側の空間には入ってこない。これを磁気遮へいという。 通りやすい/内部/磁気遮へいとなり答(4)。 静電遮へいは導体で囲んで電界を遮ることで,中の電位を一定にする(金属の箱の中では静電気の影響を受けない)ものである。磁界を遮るには導体ではなく透磁率の高い強磁性体が要る,という違いがこの問題の要点である。 なお磁気遮へいは静電遮へいほど完全ではない。磁束を「通さない」のではなく「壁のほうへ迂回させている」だけなので,強い磁界の中では壁が飽和して漏れてくる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 理論 問3
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1378.次の文章は,電磁誘導に関する記述である。 図のように,コイルと磁石を配置し,磁石の磁束がコイルを貫いている。 1. スイッチSを閉じた状態で磁石をコイルに近づけると,コイルには (ア) の向きに電流が流れる。 2. コイルの巻数が200であるとする。スイッチSを開いた状態でコイルの断面を貫く磁束を0.5 sの間に10 mWbだけ直線的に増加させると,磁束鎖交数は (イ) Wbだけ変化する。また,この0.5 sの間にコイルに発生する誘導起電力の大きさは (ウ) Vとなる。ただし,コイル断面の位置によらずコイルの磁束は一定とする。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.① / 2 / 2
- 2.① / 2 / 4
- 3.① / 0.01 / 2
- 4.② / 2 / 4
- 5.② / 0.01 / 2
正解:4.② / 2 / 4
解説:(イ) 磁束鎖交数は巻数と磁束の積 NΦ である。ΔΦ=10 mWb=0.01 Wb なので Δ(NΦ)=200×0.01=2 Wb。 (ウ) 誘導起電力の大きさはファラデーの法則から |e|=Δ(NΦ)/Δt=2/0.5=4 V。 (ア) レンツの法則で向きを決める。図の磁束の矢印は左を向いており,磁石のN極がコイル側にある。磁石が近づくと,この左向きの磁束が増える。コイルはそれを打ち消そうとするので,コイルの内部に右向き(磁石のほうへ向かう向き)の磁束を作る電流を流す。 右手の親指を右向きに合わせると,指はコイルの上側で手前へ回る。図の巻き方を見ると,導線は上を越えて手前へ回り,そこから右下へ降りていく。この向きにたどると電流は右端まで進み,右側のリード線を下向きに出ていく。これが②である。 ②/2/4 となり答(4)。 (イ)を0.01としているのは磁束そのものの変化で,巻数を掛け忘れた値。磁束鎖交数は巻数倍であることに注意する。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 理論 問4
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1379.次の文章は,熱電対に関する記述である。 熱電対の二つの接合点に温度差を与えると,起電力が発生する。この現象を (ア) 効果といい,このとき発生する起電力を (イ) 起電力という。熱電対の接合点の温度の高いほうを (ウ) 接点,低いほうを (エ) 接点という。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.ゼーベック / 熱 / 温 / 冷
- 2.ゼーベック / 熱 / 高 / 低
- 3.ペルチェ / 誘導 / 高 / 低
- 4.ペルチェ / 熱 / 温 / 冷
- 5.ペルチェ / 誘導 / 温 / 冷
正解:1.ゼーベック / 熱 / 温 / 冷
解説:(ア) 二種類の金属をつないだ回路の二つの接合点に温度差を与えると起電力が生じる現象をゼーベック効果という。ペルチェ効果はその逆で,電流を流すと接合点で熱の吸収・発生が起こる現象である。効果の名前は,温度差から電気が出るのがゼーベック,電気から温度差が出るのがペルチェ,と向きで覚えるとよい。 (イ) このとき生じる起電力は熱起電力と呼ぶ。誘導起電力は磁束の変化で生じるもので,別の現象である。 (ウ)(エ) 温度の高いほうの接合点を温接点,低いほうを冷接点という。「高接点」「低接点」という言い方はしない。 ゼーベック/熱/温/冷 となり答(1)。 熱電対は温接点を測りたい場所に置き,冷接点の温度を基準にして温度を測る。冷接点の温度が分からないと測定値が定まらないので,実際の計器では冷接点補償という仕組みが入っている。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 理論 問5
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1380.直流の出力電流又は出力電圧が常に一定の値になるように制御された電源を直流安定化電源と呼ぶ。直流安定化電源の出力電流や出力電圧にはそれぞれ上限値があり,一定電流(定電流モード)又は一定電圧(定電圧モード)で制御されている際に負荷の変化によってどちらかの上限値を超えると,定電流モードと定電圧モードとの間で切り替わる。 図のように,直流安定化電源(上限値: 100 A, 20 V),三つの抵抗(R₁=R₂=0.1 Ω,R₃=0.8 Ω),二つのスイッチ(SW₁, SW₂)で構成されている回路がある。両スイッチを閉じ,回路を流れる電流I=100 Aの定電流モードを維持している状態において,時刻t=t₁[s]でSW₁を開き,時刻t=t₂[s]でSW₂を開くとき,I[A]の波形として,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 (選択肢は原本から切り出した波形のグラフで示す。下の説明は補助。)

- 1.はじめから終わりまで100 Aで一定

- 2.t₂まで100 Aで,t₂で20 Aに下がる

- 3.t₁で50 Aに下がり,t₂で20 Aに下がる

- 4.t₁で20 Aに下がり,そのまま一定

- 5.t₁からt₂にかけて100 Aから20 Aへ直線的に下がる

正解:2.t₂まで100 Aで,t₂で20 Aに下がる
解説:SW₁はR₂と,SW₂はR₃と並列に入っている。スイッチを閉じている間はその抵抗が短絡され,回路から消える。各段階で回路の抵抗と,そのとき100 Aを流すのに要る電圧を出していけばよい。 両方閉じているとき: 回路にあるのはR₁だけで0.1 Ω。100 Aを流すのに要る電圧は 100×0.1=10 V で上限の20 V以内だから,定電流モードのまま100 A。 t₁でSW₁を開くと: R₁+R₂=0.2 Ω。100 Aを流すのに要る電圧は 100×0.2=20 V。ちょうど上限だが超えてはいないので,まだ定電流モードで100 Aを維持できる。 t₂でSW₂を開くと: R₁+R₂+R₃=1.0 Ω。100 Aを流すには100 V要ることになり,上限の20 Vを大きく超える。ここで定電圧モードに切り替わり,出力は20 Vに固定される。電流は 20/1.0=20 A。 したがって波形は「t₂まで100 A,t₂以降20 A」となり答(2)。 t₁でちょうど20 Vになるところがこの問題の仕掛けである。「超えると切り替わる」と書かれているので,等しいだけでは切り替わらない。ここを超えたと読むとt₁で下がる(4)を選んでしまう。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 理論 問6
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 - 1.はじめから終わりまで100 Aで一定
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問1381.図のように,起電力E[V],内部抵抗r[Ω]の電池n個と可変抵抗R[Ω]を直列に接続した回路がある。この回路において,可変抵抗R[Ω]で消費される電力が最大になるようにその値[Ω]を調整した。このとき,回路に流れる電流Iの値[A]を表す式として,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.E/r
- 2.nE/((1/n+n)r)
- 3.nE/((1+n)r)
- 4.E/(2r)
- 5.nE/r
正解:4.E/(2r)
解説:電池n個を直列にすると,起電力は nE,内部抵抗は nr になる。 可変抵抗Rで消費される電力が最大になるのは,Rが電源側から見た内部抵抗に等しいとき(最大電力の定理)なので R=nr。 このときの電流は I=nE/(nr+nr)=nE/(2nr)=E/(2r)。答(4)。 nが約分されて消えるのがこの問題の要点である。電池を何個直列にしても,最大電力を取り出しているときの電流はE/(2r)で変わらない。増えるのは電圧のほうで,その結果として取り出せる電力はn倍になる。 最大電力の定理を使わずに R=nr を代入し忘れると(5)のようにRを0とみなした形になり,Rでの消費電力は零になってしまう。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 理論 問7
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1382.図1の回路において,図2のような波形の正弦波交流電圧v[V]を抵抗5 Ωに加えたとき,回路を流れる電流の瞬時値i[A]を表す式として,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし,電源の周波数を50 Hz,角周波数をω[rad/s],時間をt[s]とする。

- 1.20√2 sin(50πt−π/4)
- 2.20 sin(50πt+π/4)
- 3.20 sin(100πt−π/4)
- 4.20√2 sin(100πt+π/4)
- 5.20√2 sin(100πt−π/4)
正解:5.20√2 sin(100πt−π/4)
解説:図2から電圧の式を読み取る。振幅は100√2 V。零を横切って上がっていくのが ωt=π/4 のところなので,位相はπ/4だけ遅れている。したがって v=100√2 sin(ωt−π/4)。 角周波数は周波数から ω=2πf=2π×50=100π rad/s。 回路は抵抗だけなので電流は電圧と同位相で,オームの法則をそのまま瞬時値に当てはめられる。 i=v/R=(100√2/5) sin(100πt−π/4)=20√2 sin(100πt−π/4)。答(5)。 50πとしている(1)(2)は ω=2πf の2を落とした場合。振幅を20としている(2)(3)は,100√2を実効値と取り違えて√2で割ってしまった場合である。図2の縦軸に書かれている100√2は波形の頂点の値,すなわち最大値なので,そのまま5で割ればよい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 理論 問8
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1383.実効値V[V],角周波数ω[rad/s]の交流電圧源,R[Ω]の抵抗R,インダクタンスL[H]のコイルL,静電容量C[F]のコンデンサCからなる共振回路に関する記述として,正しいものと誤りのものの組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 (a) RLC直列回路の共振状態において,LとCの端子間電圧の大きさはともに0である。 (b) RLC並列回路の共振状態において,LとCに電流は流れない。 (c) RLC直列回路の共振状態において交流電圧源を流れる電流は,RLC並列回路の共振状態において交流電圧源を流れる電流と等しい。
- 1.誤り / 誤り / 正しい
- 2.誤り / 正しい / 誤り
- 3.正しい / 誤り / 誤り
- 4.誤り / 誤り / 誤り
- 5.正しい / 正しい / 正しい
正解:1.誤り / 誤り / 正しい
解説:(a) 誤り。直列共振で零になるのは,コイルとコンデンサの端子電圧の「和」である。互いに180°位相が違うので打ち消し合って零に見えるだけで,一つずつ測ればどちらにも電源電圧のQ倍という大きな電圧が現れている。Qが大きい回路では電源電圧の何十倍にもなり,素子の耐圧が問題になるほどである。 (b) 誤り。並列共振で零に近づくのは電源から流れ込む電流である。コイルとコンデンサの枝の間では,互いに逆向きの電流が行き来する循環電流が流れ続けている。 (c) 正しい。直列共振ではリアクタンスが打ち消し合ってインピーダンスがRだけになるので,電源電流は V/R。並列共振ではコイルとコンデンサの合成インピーダンスが無限大になり,電流はRの枝だけを流れるのでやはり V/R。どちらも同じ値になる。 誤り/誤り/正しい となり答(1)。 直列共振は「電圧が拡大される」,並列共振は「電流が拡大される」と対にして覚えると,(a)と(b)の誤りが同じ型であることが見える。どちらも「打ち消し合って合計が零になる」だけで,個々の素子の電圧や電流が零になるわけではない。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 理論 問9
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1384.開放電圧がV[V]で出力抵抗が十分に低い直流電圧源と,インダクタンスがL[H]のコイルが与えられ,抵抗R[Ω]が図1のようにスイッチSを介して接続されている。時刻t=0でスイッチSを閉じ,コイルの電流i_L[A]の時間に対する変化を計測して,波形として表す。R=1 Ωとしたところ,波形が図2であったとする。R=2 Ωであればどのような波形となるか,波形の変化を最も適切に表すものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 ただし,選択肢の図中の点線は図2と同じ波形を表し,実線はR=2 Ωのときの波形を表している。 (選択肢は原本から切り出したグラフで示す。下の説明は補助。)

- 1.最終値は3 Aのままで,立ち上がりだけが速くなる

- 2.最終値は図2と同じ3 Aへ向かうが,立ち上がりが遅くなる(t=1 sで約1.2 A・図の範囲では3 Aに届かない)

- 3.最終値は3 Aのままで,t=1 sまで直線的に上がり(約2.6 A),そこで折れ曲がって3 Aに近づく

- 4.最終値が1.5 Aに半減し,立ち上がりは速くなる

- 5.最終値が1.5 Aに半減し,立ち上がりは遅くなる

正解:4.最終値が1.5 Aに半減し,立ち上がりは速くなる
解説:RL直列回路にスイッチを入れたときの電流は i_L=(V/R)(1−e^(−t/τ)),時定数は τ=L/R である。押さえるのは最終値 V/R と時定数 L/R の二つだけでよい。 まず図2から回路の値を読む。R=1 Ωで最終値が3 Aなので V=3 V。3 Aの63.2 %である約1.9 Aに達するのが約1 sなので τ≒1 s,したがって L≒1 H。 R=2 Ωにすると,最終値は V/R=3/2=1.5 A。 時定数は L/R=1/2=0.5 s。 最終値は半分になり,時定数も半分になるので立ち上がりは速くなる。答(4)。 (5)は最終値だけ正しく,立ち上がりを遅くしている。抵抗を大きくすると時定数 L/R は小さくなるので,むしろ速くなる。RC回路の時定数 CR が抵抗を大きくすると長くなるのと逆向きなので,混同しやすいところである。 (1)(3)は最終値が変わらないとしているが,最終値はコイルが短絡と同じになった状態の値で V/R そのものだから,Rを2倍にすれば必ず半分になる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 理論 問10
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 - 1.最終値は3 Aのままで,立ち上がりだけが速くなる
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問1385.半導体に関する記述として,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.ゲルマニウム(Ge)やインジウムリン(InP)は単元素の半導体であり,シリコン(Si)やガリウムヒ素(GaAs)は化合物半導体である。
- 2.半導体内でキャリヤの濃度が一様でない場合,拡散電流の大きさはそのキャリヤの濃度勾配にほぼ比例する。
- 3.真性半導体に不純物を加えるとキャリヤの濃度は変わるが,抵抗率は変化しない。
- 4.真性半導体に光を当てたり熱を加えたりしても電子や正孔は発生しない。
- 5.半導体に電界を加えると流れる電流はドリフト電流と呼ばれ,その大きさは電界の大きさに反比例する。
正解:2.半導体内でキャリヤの濃度が一様でない場合,拡散電流の大きさはそのキャリヤの濃度勾配にほぼ比例する。
解説:(2) 正しい。キャリヤの濃度に偏りがあると,濃いほうから薄いほうへ拡散して電流が流れる。その大きさは濃度の傾き(濃度勾配)に比例する。 (1) 誤り。単元素の半導体はゲルマニウム(Ge)とシリコン(Si)で,インジウムリン(InP)とガリウムヒ素(GaAs)が化合物半導体である。組合せが入れ替わっている。 (3) 誤り。不純物を加えるとキャリヤが増えるのだから,電流が流れやすくなり抵抗率は大きく下がる。これがドーピングの目的そのものである。 (4) 誤り。真性半導体でも,光や熱でエネルギーをもらうと共有結合が切れて電子と正孔が対で発生する。この性質を使ったのが光導電セルやサーミスタである。 (5) 誤り。ドリフト電流の大きさは電界に比例する。反比例では,電界を強くするほど電流が減ることになり,オームの法則と噛み合わない。 答(2)。 半導体を流れる電流には,電界で運ばれるドリフト電流と,濃度差で広がる拡散電流の二種類がある。(2)と(5)はその二つの比例関係を問うていて,どちらも「比例」が正しい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 理論 問11
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1386.図のように,x方向の平等電界E[V/m],y方向の平等磁界H[A/m]が存在する真空の空間において,電荷−e[C],質量m[kg]をもつ電子がz方向の初速度v[m/s]で放出された。この電子が等速直線運動をするとき,vを表す式として,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし,真空の誘電率をε₀[F/m],真空の透磁率をμ₀[H/m]とし,重力の影響を無視する。 また,電子の質量は変化しないものとする。図中の◉は紙面に垂直かつ手前の向きを表す。

- 1.ε₀E/(μ₀H)
- 2.E/H
- 3.E/(μ₀H)
- 4.H/(ε₀E)
- 5.μ₀H/E
正解:3.E/(μ₀H)
解説:等速直線運動をするということは,電子に働く力の合計が零だということである。働く力は二つだけなので,それらがつり合う条件を書けばよい。 電界による力は F_E=qE で,電荷が−eだから大きさ eE,向きは電界と逆すなわち−x方向。 磁界による力(ローレンツ力)は F_B=qv×B である。磁束密度は B=μ₀H で+y方向,速度は+z方向だから,v×B の向きは ẑ×ŷ=−x̂。電荷が負なのでさらに反転して+x方向。大きさは evμ₀H。 つり合いの式は eE=evμ₀H となり,両辺をeで割って v=E/(μ₀H)。答(3)。 単位で確かめてもよい。E[V/m] を μ₀H[T] で割ると (V/m)/(V·s/m²)=m/s となり,速度の単位になる。(2)のE/Hは m/s にならないので,計算するまでもなく除外できる。 この構成は速度選別器と呼ばれ,決まった速さの荷電粒子だけをまっすぐ通す装置として使われる。速さが違う粒子は力がつり合わず曲げられる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 理論 問12
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1387.図は,電界効果トランジスタ(FET)を用いたソース接地増幅回路の簡易小信号交流等価回路である。この回路の電圧増幅度A_v=|v_o/v_i|を近似する式として,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし,図中のS,G,Dはそれぞれソース,ゲート,ドレインであり,v_i[V],v_o[V],v_gs[V]は各部の電圧,g_m[S]はFETの相互コンダクタンスである。また,抵抗r_d[Ω]は抵抗R_L[Ω]に比べて十分大きいものとする。

- 1.g_m R_L
- 2.g_m r_d
- 3.g_m(R_L+r_d)
- 4.g_m r_d/R_L
- 5.g_m R_L/(R_L+r_d)
正解:1.g_m R_L
解説:入力側はゲートとソースの間だけなので v_gs=v_i である。 出力側は,大きさ g_m v_gs の電流源に r_d と R_L が並列につながった形になっている。電流源が流す電流はこの二つの並列合成抵抗を通るので v_o=g_m v_gs×(r_d R_L)/(r_d+R_L)。 したがって A_v=|v_o/v_i|=g_m×(r_d R_L)/(r_d+R_L)。 ここで r_d≫R_L という条件を使う。分母の r_d+R_L は r_d とみなせるので A_v≒g_m×(r_d R_L)/r_d=g_m R_L。答(1)。 並列合成抵抗は「小さいほうに近づく」ので,r_d が十分大きければ R_L だけが残る,と考えても同じ結論になる。 (2)のg_m r_d は逆に R_L のほうが十分大きい場合の形で,条件が逆である。(3)は並列を直列と取り違えた形。並列合成が和になることはない。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 理論 問13
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1388.図のブリッジ回路を用いて,未知の抵抗の値R_x[Ω]を推定したい。可変抵抗R₃を調整して,検流計に電流が流れない状態を探し,平衡条件を満足するR_x[Ω]の値を求める。求めた値が真値と異なる原因が,R_k(k=1, 2, 3)の真値からの誤差ΔR_kのみである場合を考え,それらの誤差率 ε_k=ΔR_k/R_k が次の値であったとき,R_xの誤差率として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 ε₁=0.01, ε₂=−0.01, ε₃=0.02

- 1.0.000 1
- 2.0.01
- 3.0.02
- 4.0.03
- 5.0.04
正解:5.0.04
解説:まず平衡条件を書く。図の左の枝は上からR₁・R₂,右の枝は上からR_x・R₃で,検流計は両枝の中点をつないでいる。検流計に電流が流れない条件は R₁/R₂=R_x/R₃ すなわち R_x=R₁R₃/R₂。 掛け算と割り算だけでできた式なので,誤差率は足し引きで伝わる。分子にあるものは足し,分母にあるものは引く。 ε_x=ε₁+ε₃−ε₂=0.01+0.02−(−0.01)=0.04。答(5)。 符号に注意する。ε₂が−0.01であることと,R₂が分母にあることの二つの「マイナス」が重なって,結果は足す向きに効く。R₂が実際より小さいと,R₂で割って求めるR_xは大きく出る,と考えても同じである。 単純に3つを足すと 0.01−0.01+0.02=0.02 で(3)になる。分母のものは引く,という点だけが分かれ目になっている。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 理論 問14
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1389.図のように,線間電圧400 Vの対称三相交流電源に抵抗R[Ω]と誘導性リアクタンスX[Ω]からなる平衡三相負荷が接続されている。平衡三相負荷の全消費電力は6 kWであり,これに線電流I=10 Aが流れている。電源と負荷との間には,変流比20:5の変流器がa相及びc相に挿入され,これらの二次側が交流電流計Ⓐを通して並列に接続されている。この回路について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 交流電流計Ⓐの指示値[A]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.0
- 2.2.50
- 3.4.33
- 4.5.00
- 5.40.0
正解:2.2.50
解説:変流器の変流比は 20:5=4:1 なので,一次側の10 Aに対して二次側には 10×5/20=2.5 A が流れる。これがa相・c相それぞれの二次電流である。 つぎに電流計を流れるのがどちらの向きの和かを図で確かめる。a相の変流器の二次側はk端子が左の線に,l端子が右の線につながっており,c相の変流器も同じくk端子が左,l端子が右につながっている。同じ極性で並列にしてあるので,電流計にはa相とc相の二次電流のベクトル和が流れる。 対称三相では İ_a+İ_b+İ_c=0 なので İ_a+İ_c=−İ_b となり,その大きさは1相分と同じである。したがって電流計の指示は2.5 Aとなる。答(2)。 単純に2.5+2.5=5.0とすると(4)を選ぶが,二つの電流は120°ずれているので算術和にはならない。逆に極性を逆にして接続すると İ_a−İ_c となり,大きさは√3倍の4.33 Aで(3)になる。図のk・lの向きを読むことがこの問題の要点である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 理論 問15(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1390.図のように,線間電圧400 Vの対称三相交流電源に抵抗R[Ω]と誘導性リアクタンスX[Ω]からなる平衡三相負荷が接続されている。平衡三相負荷の全消費電力は6 kWであり,これに線電流I=10 Aが流れている。電源と負荷との間には,変流比20:5の変流器がa相及びc相に挿入され,これらの二次側が交流電流計Ⓐを通して並列に接続されている。この回路について,次の問に答えよ。 〔小問(b)〕 誘導性リアクタンスXの値[Ω]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.11.5
- 2.20.0
- 3.23.1
- 4.34.6
- 5.60.0
正解:1.11.5
解説:抵抗とリアクタンスがY結線されているので,1相分に分けて考える。 まず抵抗を出す。三相の消費電力は3相分の合計なので P=3I²R より R=6 000/(3×10²)=20 Ω。 つぎに1相分のインピーダンスの大きさを出す。Y結線なので1相にかかるのは相電圧で 400/√3≒230.9 V, これを線電流で割って Z=230.9/10≒23.1 Ω。 リアクタンスは直角三角形の残りの辺なので X=√(Z²−R²)=√(23.1²−20²)=√(533.3−400)=√133.3≒11.5 Ω。答(1)。 (2)の20.0は抵抗R,(3)の23.1はインピーダンスZの値で,どちらも途中で出てくる数字である。求めるのはリアクタンスなので,二乗して引いて平方根を取る一手間が残っている。 (4)の34.6は 400/√3 を √3 倍した値,(5)の60.0は 6 000/(10²) で3相分を1相分に直し忘れた値である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 理論 問15(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1391.図のように,電源E[V],負荷抵抗R[Ω],内部抵抗R_v[kΩ]の電圧計及び内部抵抗R_a[Ω]の電流計を接続した回路がある。この回路において,電圧計及び電流計の指示値がそれぞれV₁[V],I₁[A]であるとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。ただし,電圧計と電流計の指示値の積を負荷抵抗R[Ω]の消費電力の測定値とする。 〔小問(a)〕 電流計の電力損失の値[W]を表す式として,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.V₁²/R_a
- 2.V₁²/R_a−I₁²R_a
- 3.V₁²/R_v+I₁²R_a
- 4.I₁²R_a
- 5.I₁²R_a−I₁²R_v
正解:4.I₁²R_a
解説:電流計は内部抵抗R_aを持ち,そこに指示値I₁がそのまま流れている。抵抗に電流が流れれば熱になるので,電力損失は P=I₁²R_a。答(4)。 電流計の両端の電圧が分かっていないのだから,V₁を使う形にはならない。V₁は電圧計が測っている値で,電流計と負荷抵抗の直列部分にかかる電圧である。電流計だけにかかる電圧ではない。 (1)や(2)のようにV₁をR_aで割ると,電流計に流れていない大きな電流を仮定したことになる。(3)の第1項 V₁²/R_v は電圧計のほうの電力損失で,これは電流計の損失ではない。 計器の内部抵抗による損失は,電流計なら I²R_a,電圧計なら V²/R_v と,測っている量から素直に決まる。どちらの計器の話かを取り違えないこと。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 理論 問16(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1392.図のように,電源E[V],負荷抵抗R[Ω],内部抵抗R_v[kΩ]の電圧計及び内部抵抗R_a[Ω]の電流計を接続した回路がある。この回路において,電圧計及び電流計の指示値がそれぞれV₁[V],I₁[A]であるとき,次の問に答えよ。ただし,電圧計と電流計の指示値の積を負荷抵抗R[Ω]の消費電力の測定値とする。 〔小問(b)〕 今,負荷抵抗R=320 Ω,電流計の内部抵抗R_a=4 Ωが分かっている。この回路で得られた負荷抵抗R[Ω]の消費電力の測定値V₁I₁[W]に対して,R[Ω]の消費電力を真値とするとき,誤差率の値[%]として最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.0.3
- 2.0.8
- 3.0.9
- 4.1.0
- 5.1.2
正解:5.1.2
解説:図の接続を確かめる。電圧計は電源と並列で,電流計と負荷抵抗の直列部分にかかる電圧を測っている。電流計は負荷抵抗と直列なので,そこを流れる電流I₁は負荷抵抗を流れる電流そのものである。電圧計に流れる電流は電流計を通らないので,I₁には影響しない。 したがって測定値は V₁I₁=I₁(I₁R_a+I₁R)=I₁²(R+R_a), 真値は I₁²R。 誤差率は (測定値−真値)/真値=I₁²R_a/(I₁²R)=R_a/R=4/320=0.012 5=1.25 %。 最も近いのは1.2で答(5)。 誤差の正体は,電流計の内部抵抗での電圧降下まで負荷の電圧として数えてしまっていることである。したがって誤差率は R_a/R という単純な比になり,電圧計の内部抵抗R_vも電源電圧も関係しない。 この接続では負荷抵抗が小さいほど誤差が大きくなる。逆に電圧計を負荷と並列にする接続では,負荷抵抗が大きいほど誤差が大きくなる。測る抵抗の大きさで接続を選ぶ理由がここにある。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 理論 問16(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1393.図のように,極板間の厚さd[m],表面積S[m²]の平行板コンデンサAとBがある。コンデンサAの内部は,比誘電率と厚さが異なる3種類の誘電体で構成され,極板と各誘電体の水平方向の断面積は同一である。コンデンサBの内部は,比誘電率と水平方向の断面積が異なる3種類の誘電体で構成されている。コンデンサAの各誘電体内部の電界の強さをそれぞれE_A1,E_A2,E_A3,コンデンサBの各誘電体内部の電界の強さをそれぞれE_B1,E_B2,E_B3とし,端効果,初期電荷及び漏れ電流は無視できるものとする。また,真空の誘電率をε₀[F/m]とする。両コンデンサの上側の極板に電圧V[V]の直流電源を接続し,下側の極板を接地した。次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 コンデンサAにおける各誘電体内部の電界の強さの大小関係とその中の最大値の組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.E_A1>E_A2>E_A3, 3V/(5d)
- 2.E_A1<E_A2<E_A3, 3V/(5d)
- 3.E_A1=E_A2=E_A3, V/d
- 4.E_A1>E_A2>E_A3, 9V/(5d)
- 5.E_A1<E_A2<E_A3, 9V/(5d)
正解:4.E_A1>E_A2>E_A3, 9V/(5d)
解説:コンデンサAは3種類の誘電体が縦に重なっていて,同じ電束が3層を順に貫いている。断面積も同じなので電束密度Dはどの層でも共通で,電界は E=D/ε となり誘電率に反比例する。 比誘電率は上から2,3,6なので E_A1>E_A2>E_A3。 つぎに最大値E_A1を出す。各層の電界は E_A1=D/(2ε₀),E_A2=D/(3ε₀),E_A3=D/(6ε₀)。 電圧は各層の電界と厚さの積の合計だから V=D/(2ε₀)×(d/6)+D/(3ε₀)×(d/3)+D/(6ε₀)×(d/2) =Dd/ε₀×(1/12+1/9+1/12)=Dd/ε₀×10/36=5Dd/(18ε₀)。 よって D=18ε₀V/(5d) となり E_A1=D/(2ε₀)=9V/(5d)。答(4)。 直列につないだコンデンサで,容量の小さい素子ほど大きな電圧が分担されるのと同じ話である。誘電率が小さい層ほど電界が強くなるので,絶縁破壊はいちばん誘電率の低い層から起きる。 (3)のようにどの層も V/d になるのは,誘電体が横に並んでいるコンデンサBのほうである。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 理論 問17(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1394.図のように,極板間の厚さd[m],表面積S[m²]の平行板コンデンサAとBがある。コンデンサAの内部は,比誘電率と厚さが異なる3種類の誘電体で構成され,極板と各誘電体の水平方向の断面積は同一である。コンデンサBの内部は,比誘電率と水平方向の断面積が異なる3種類の誘電体で構成されている。コンデンサAの各誘電体内部の電界の強さをそれぞれE_A1,E_A2,E_A3,コンデンサBの各誘電体内部の電界の強さをそれぞれE_B1,E_B2,E_B3とし,端効果,初期電荷及び漏れ電流は無視できるものとする。また,真空の誘電率をε₀[F/m]とする。両コンデンサの上側の極板に電圧V[V]の直流電源を接続し,下側の極板を接地した。次の問に答えよ。 〔小問(b)〕 コンデンサA全体の蓄積エネルギーは,コンデンサB全体の蓄積エネルギーの何倍か,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.0.72
- 2.0.83
- 3.1.00
- 4.1.20
- 5.1.38
正解:2.0.83
解説:どちらのコンデンサにも同じ電圧Vがかかっているので,蓄積エネルギー ½CV² の比は静電容量の比そのものになる。それぞれの合成容量を出せばよい。 コンデンサAは3層が縦に重なっているので直列である。各層は C_A1=2ε₀S/(d/6)=12ε₀S/d,C_A2=3ε₀S/(d/3)=9ε₀S/d,C_A3=6ε₀S/(d/2)=12ε₀S/d。 逆数の和をとって 1/C_A=(d/(ε₀S))(1/12+1/9+1/12)=(d/(ε₀S))×10/36 C_A=18ε₀S/(5d)=3.6ε₀S/d。 コンデンサBは3区画が横に並んでいるので並列である。 C_B1=2ε₀(S/6)/d=(1/3)ε₀S/d,C_B2=3ε₀(S/3)/d=ε₀S/d,C_B3=6ε₀(S/2)/d=3ε₀S/d。 和をとって C_B=(1/3+1+3)ε₀S/d=(13/3)ε₀S/d≒4.333ε₀S/d。 したがって C_A/C_B=3.6/4.333≒0.83。答(2)。 同じ誘電体を同じ量だけ使っていても,縦に重ねるか横に並べるかで容量が変わる。直列は容量が小さくなる向きに効くので,Aのほうが小さくなるのは計算する前から見当がつく。1を超える(4)(5)はその時点で除外できる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 理論 問17(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1395.発振回路について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 図1は,ある発振回路のコンデンサを開放し,同時にコイルを短絡した,直流分を求めるための回路図である。図中の電圧V_C[V]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 ただし,図中のV_BE並びにエミッタ接地トランジスタの直流電流増幅率h_FEをそれぞれV_BE=0.6 V,h_FE=100とする。

- 1.3
- 2.4
- 3.5
- 4.6
- 5.7
正解:4.6
解説:電流帰還バイアス回路の直流動作点を,上から順に求めていく。 ベース電圧は6.8 kΩと3.0 kΩの分圧で決まる。ベース電流は小さいので無視できるとして V_B=9×3.0/(6.8+3.0)=9×3.0/9.8≒2.76 V。 エミッタ電圧はここからV_BEを引いて V_E=2.76−0.6=2.16 V。 エミッタ電流は1.4 kΩにかかる電圧から I_E=2.16/1 400≒1.54 mA。 コレクタ電流はエミッタ電流のうちベース電流を除いた分で I_C=I_E×h_FE/(h_FE+1)=1.54×100/101≒1.52 mA。 コレクタ電圧は電源から2.1 kΩでの電圧降下を引いて V_C=9−1.52×10⁻³×2 100≒9−3.20=5.8 V。 最も近いのは6で答(4)。 h_FE=100は十分大きいので I_C≒I_E としても 9−1.54×2.1≒5.77 V となり,答は変わらない。この種の問題ではベース電流を無視してよいかどうかを最初に見積もっておくと速い。 なお発振回路のコンデンサを開放しコイルを短絡するのは,交流分を取り除いて直流分だけを残す常套手段である。ここで求めた動作点の上に,小問(b)の交流の振る舞いが乗ることになる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 理論 問18(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1396.発振回路について,次の問に答えよ。 〔小問(b)〕 図2は,ある発振回路のトランジスタに接続されている,電極間のリアクタンスを示している。ただし,バイアス回路は省略している。この回路が発振するとき,発振周波数f₀[kHz]はどの程度の大きさになるか,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 ただし,発振周波数は,図に示されている素子の値のみにより定まるとしてよい。

- 1.0.1
- 2.1
- 3.10
- 4.100
- 5.1 000
正解:4.100
解説:図2は,コイル1個とコンデンサ2個をトランジスタの電極間に配したコルピッツ発振回路である。発振周波数を決めているのは,コイルと,直列につながった2個のコンデンサの合成容量である。 2個のコンデンサはどちらも1 μFで,直列だから C=1×1/(1+1)=0.5 μF。 発振周波数は共振周波数に等しく f₀=1/(2π√(LC))=1/(2π√(5×10⁻⁶×0.5×10⁻⁶))。 根号の中は 2.5×10⁻¹² で,平方根は 1.58×10⁻⁶。したがって f₀=1/(2π×1.58×10⁻⁶)≒1.0×10⁵ Hz=100 kHz。答(4)。 2個のコンデンサを直列とみて合成するところが要点である。並列と取り違えて2 μFとすると,√の中が4倍になって周波数は半分の約50 kHzになり,やはり(4)に近いが,考え方としては誤りである。 桁だけで答えられる問題でもある。5 μHと0.5 μFの組合せは √(LC)≒1.6×10⁻⁶ s で,周波数は10⁵ Hz台。選択肢は10倍刻みなので,桁が合うのは100 kHzだけである。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 理論 問18(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1397.図のように,紙面に平行な平面内の平等電界E[V/m]中で2 Cの点電荷を点Aから点Bまで移動させ,さらに点Bから点Cまで移動させた。この移動に,外力による仕事W=14 Jを要した。点Aの電位に対する点Bの電位V_BA[V]の値として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 ただし,点電荷の移動はゆっくりであり,点電荷の移動によってこの平等電界は乱れないものとする。

- 1.5
- 2.7
- 3.10
- 4.14
- 5.20
正解:3.10
解説:平等電界の中では、電位は電界の向きに測った距離だけで決まる。電界に垂直な向きへどれだけ動いても電位は変わらない。この一点を押さえると計算はごく短くなる。 まず外力の仕事から点Cと点Aの電位差を出す。ゆっくり動かしているので、外力の仕事はそのまま位置エネルギーの増加になり W=q(V_C−V_A)。 したがって V_C−V_A=14/2=7 V。 つぎに図の寸法を電界の向き(右向き)に沿った成分だけで読む。点Aから点Bへは電界と逆向きに1.0 m、点Bから点Cへは電界の向きに0.3 m進んでいる。0.4 mは電界に垂直な向きなので電位には効かない。したがって点Aから見た点Cは、電界と逆向きに正味 1.0−0.3=0.7 m の位置にある。 電界と逆向きに距離dだけ進むと電位はEdだけ上がるので V_C−V_A=E×0.7=7 → E=10 V/m。 求める V_BA は点Aから電界と逆向きに1.0 m進んだ点なので V_BA=E×1.0=10 V。答(3)。 (4)の14は、仕事14 Jを電荷2 Cで割り忘れた値である。電位は「1 Cあたりの位置エネルギー」なので必ず電荷で割る。 (2)の7は V_C−V_A の値そのもので、問われている V_BA ではない。BとCでは電界方向の位置が0.3 mずれているぶんだけ電位が違う。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 理論 問1
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1398.四本の十分に長い導体円柱①〜④が互いに平行に保持されている。①〜④は等しい直径を持ち,図の紙面を貫く方向に単位長さあたりの電気量+Q[C/m]又は−Q[C/m]で均一に帯電している。ただし,Q>0とし,①の帯電電荷は正電荷とする。円柱の中心軸と垂直な面内の電気力線の様子を図に示す。ただし,電気力線の向きは示していない。このとき,①〜④が帯びている単位長さあたりの電気量の組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.① +Q / ② +Q / ③ +Q / ④ +Q
- 2.① +Q / ② +Q / ③ −Q / ④ −Q
- 3.① +Q / ② −Q / ③ +Q / ④ +Q
- 4.① +Q / ② −Q / ③ −Q / ④ −Q
- 5.① +Q / ② +Q / ③ +Q / ④ −Q
正解:2.① +Q / ② +Q / ③ −Q / ④ −Q
解説:電気力線は正電荷から出て負電荷に入る。したがって2本の円柱が電気力線で直接つながっていれば、その2本は必ず逆の符号である。向きが描かれていなくても、つながっているかどうかだけで符号の関係が決まる。 図を見ると、①と③のあいだに何本もの電気力線が束になって渡っている。したがって③は①と逆で−Qである。 同じように②と③のあいだにも束がある。③が−Qなので②は+Qである。 ④は①との間に、上を大きく回り込む電気力線でつながっている。したがって④は①と逆で−Qである。 ①+Q/②+Q/③−Q/④−Qとなり答(2)。 確かめとして電荷の総和を見ると +Q+Q−Q−Q=0 で釣り合っている。総和が零なら遠方に電界が残らず、すべての電気力線が四本の円柱のあいだで閉じる。図で外へ広がっている線も、描かれていない外側で戻ってきていることになる。 (1)のようにすべて同符号だと、電気力線どうしは反発するだけで円柱と円柱をつなぐ束はできない。図に束が描かれている時点で、同符号だけの組合せは外れる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 理論 問2
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1399.平等な磁束密度B₀[T]のもとで,一辺の長さがh[m]の正方形ループABCDに直流電流I[A]が流れている。B₀の向きは辺ABと平行である。B₀がループに及ぼす電磁力として,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.大きさ2IhB₀[N]の力
- 2.大きさ4IhB₀[N]の力
- 3.大きさIh²B₀[N·m]の偶力のモーメント
- 4.大きさ2Ih²B₀[N·m]の偶力のモーメント
- 5.力も偶力のモーメントも働かない
正解:3.大きさIh²B₀[N·m]の偶力のモーメント
解説:四つの辺を一つずつ見る。導体に働く力はF=IlB sinθで、電流と磁界が平行な辺には力が働かない。 辺ABと辺CDはB₀と平行(一方は逆向き)なので、どちらも力は零である。 辺BCと辺DAはB₀と直角なので、それぞれ大きさ F=IhB₀[N] の力を受ける。この二つの辺では電流の向きが互いに逆なので、力の向きも逆になる。フレミングの左手の法則で確かめると、一方は紙面から手前へ、もう一方は紙面の奥へ向く。 大きさが等しく向きが逆で、作用線がずれている二つの力は偶力である。合力は零なので、ループが平行移動することはない。 偶力のモーメントは「力×二つの作用線の間隔」で、間隔は辺ABの長さhだから M=IhB₀×h=Ih²B₀[N·m]。答(3)。 合力が零になることが先に分かるので、(1)(2)のように「力」を答とする選択肢はこの時点で外れる。 これはそのまま直流電動機の原理である。コイルは磁界の中で回そうとするトルクを受け、平行移動はしない。単位も、力なら[N]、偶力のモーメントなら[N·m]と選択肢に書き分けられているので、そこからも確かめられる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 理論 問3
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1400.磁力線は,磁極の働きを理解するのに考えた仮想的な線である。この磁力線に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.磁力線は,磁石のN極から出てS極に入る。
- 2.磁極周囲の物質の透磁率をμ[H/m]とすると,m[Wb]の磁極から m/μ 本の磁力線が出入りする。
- 3.磁力線の接線の向きは,その点の磁界の向きを表す。
- 4.磁力線の密度は,その点の磁束密度を表す。
- 5.磁力線同士は,互いに反発し合い,交わらない。
正解:4.磁力線の密度は,その点の磁束密度を表す。
解説:磁力線と磁束線は別のもので、この問題はその区別を問うている。 磁力線の密度が表すのは磁界の強さH[A/m]であって、磁束密度B[T]ではない。磁束密度を表すのは磁束線の密度である。したがって(4)が誤りで、これが答になる。両者は B=μH で結ばれており、透磁率μの違いを含むかどうかが違う。 他の記述を確かめる。(1)磁力線はN極から出てS極に入る、と決められている。(2)m[Wb]の磁極からは m/μ 本の磁力線が出入りする。磁束線なら m 本である。この二つの本数の違いが、そのまま密度の違い=HとBの違いになる。(3)磁力線の接線の向きがその点の磁界の向きを表す。(5)磁力線は同じ向きどうしが並ぶと横に押し合い、途中で交わることはない。交われば、その点で磁界の向きが二つあることになってしまう。 (2)が正しいことと(4)が誤りであることは同じ話の裏表である。1本あたりの重みが 1/μ になっているのだから、密度に μ を掛けなければ磁束密度にならない。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 理論 問4
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1401.次に示す,A,B,C,Dの四種類の電線がある。いずれの電線もその長さは1 kmである。この四つの電線の直流抵抗値をそれぞれR_A[Ω],R_B[Ω],R_C[Ω],R_D[Ω]とする。R_A〜R_Dの大きさを比較したとき,その大きさの大きい順として,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし,ρは各導体の抵抗率とし,また,各電線は等断面,等質であるとする。 A:断面積が9×10⁻⁵ m²の鉄(ρ=8.90×10⁻⁸ Ω·m)でできた電線 B:断面積が5×10⁻⁵ m²のアルミニウム(ρ=2.50×10⁻⁸ Ω·m)でできた電線 C:断面積が1×10⁻⁵ m²の銀(ρ=1.47×10⁻⁸ Ω·m)でできた電線 D:断面積が2×10⁻⁵ m²の銅(ρ=1.55×10⁻⁸ Ω·m)でできた電線
- 1.R_A > R_C > R_D > R_B
- 2.R_A > R_D > R_C > R_B
- 3.R_B > R_D > R_C > R_A
- 4.R_C > R_A > R_D > R_B
- 5.R_D > R_C > R_A > R_B
正解:4.R_C > R_A > R_D > R_B
解説:抵抗は R=ρL/A で求める。長さはどれも1 km=1 000 mで共通なので、ρ/A の大小だけを比べればよい。 A:8.90×10⁻⁸×1 000/(9×10⁻⁵)=8.90×10⁻⁵/(9×10⁻⁵)≒0.989 Ω B:2.50×10⁻⁸×1 000/(5×10⁻⁵)=2.50×10⁻⁵/(5×10⁻⁵)=0.500 Ω C:1.47×10⁻⁸×1 000/(1×10⁻⁵)=1.47×10⁻⁵/(1×10⁻⁵)=1.47 Ω D:1.55×10⁻⁸×1 000/(2×10⁻⁵)=1.55×10⁻⁵/(2×10⁻⁵)=0.775 Ω 大きい順に C(1.47)>A(0.989)>D(0.775)>B(0.500) となり答(4)。 銀は抵抗率が最も小さいのに抵抗は最も大きい。断面積が他の1/2〜1/9しかないためである。「抵抗率が小さい=抵抗が小さい」と早合点すると、Cを最後に置いてしまう。抵抗率と断面積を必ずセットで見る。 計算は 10⁻⁸×1 000=10⁻⁵ とまとめてしまうと、どの行も 10⁻⁵ どうしの割り算になって指数が消える。桁を書き並べるより間違えにくい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 理論 問5
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1402.図のように,三つの抵抗R₁=3 Ω,R₂=6 Ω,R₃=2 Ωと電圧V[V]の直流電源からなる回路がある。抵抗R₁,R₂,R₃の消費電力をそれぞれP₁[W],P₂[W],P₃[W]とするとき,その大きさの大きい順として,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.P₁ > P₂ > P₃
- 2.P₁ > P₃ > P₂
- 3.P₂ > P₁ > P₃
- 4.P₂ > P₃ > P₁
- 5.P₃ > P₁ > P₂
正解:2.P₁ > P₃ > P₂
解説:R₂とR₃は並列で、その組がR₁と直列になっている。並列部分の合成抵抗は 6×2/(6+2)=1.5 Ω なので、回路全体は 3+1.5=4.5 Ω である。 Vは与えられていないが、大小を比べるだけなので都合のよい値でよい。V=4.5 Vとすると全電流は1 Aになる。 R₁には全電流1 Aが流れるので P₁=1²×3=3 W。 並列部分にかかる電圧は 1×1.5=1.5 V なので P₂=1.5²/6=0.375 W,P₃=1.5²/2=1.125 W。 大きい順に P₁(3)>P₃(1.125)>P₂(0.375) となり答(2)。 数を入れずに考えることもできる。並列の2本には同じ電圧がかかるので、P=V²/R より抵抗の小さいR₃のほうが大きい。したがって必ず P₃>P₂ である。またR₁は全電流を受け持ち、しかも抵抗が並列合成の1.5 Ωより大きいので P₁ が最大になる。この二つでP₁>P₃>P₂と決まる。 直列に並ぶ素子は電流が同じなので P=I²R で抵抗の大きいほうが大きく、並列に並ぶ素子は電圧が同じなので P=V²/R で抵抗の小さいほうが大きい。使い分けを間違えると順序が逆になる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 理論 問6
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1403.図のように,直流電源にスイッチS,抵抗5個を接続したブリッジ回路がある。この回路において,スイッチSを開いたとき,Sの両端間の電圧は1 Vであった。スイッチSを閉じたときに8 Ωの抵抗に流れる電流Iの値[A]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.0.10
- 2.0.75
- 3.1.0
- 4.1.4
- 5.2.0
正解:1.0.10
解説:ブリッジの平衡していない枝に流れる電流を求める問題なので、テブナンの定理を使う。Sと8 Ωの直列枝を外し、その両端から見た等価電源を作る。 開放電圧は、設問が「Sを開いたときSの両端間の電圧は1 V」と与えてくれているので E₀=1 V である。 内部抵抗は、電源を短絡して枝の両端から見た抵抗になる。電源を短絡すると、上側の節点から見て 1 Ωと4 Ωが並列、下側の節点から見て 2 Ωと3 Ωが並列になり、それが直列につながる。 R₀=1×4/(1+4)+2×3/(2+3)=0.8+1.2=2.0 Ω。 したがってSを閉じたときの電流は I=1/(2.0+8)=0.10 A。答(1)。 (3)の1.0は、内部抵抗を無視して 1 V を 1 Ω 相当で割ったような扱いをした場合に出る。8 Ωだけで割っても 0.125 で、これも選択肢には無い。内部抵抗2 Ωを足すかどうかで答が変わるので、必ず求める。 開放電圧が与えられているので、電源電圧5 Vや各抵抗の分圧を追いかける必要はない。実際に確かめると、Sを開いたときは上の枝が1+4=5 Ω、下の枝が2+3=5 Ωで、どちらにも1 Aが流れ、Sの両端の電位差は 1×1−1×2 の大きさで1 Vとなり、設問の条件と合う。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 理論 問7
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1404.図のように,静電容量2 μFのコンデンサ,R[Ω]の抵抗を直列に接続した。この回路に,正弦波交流電圧10 V,周波数1 000 Hzを加えたところ,電流0.1 Aが流れた。抵抗Rの値[Ω]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.4.50
- 2.20.4
- 3.30.3
- 4.60.5
- 5.79.6
正解:4.60.5
解説:まず回路全体のインピーダンスを電圧と電流から出す。 Z=V/I=10/0.1=100 Ω。 つぎに容量性リアクタンスを求める。 X_C=1/(2πfC)=1/(2π×1 000×2×10⁻⁶)≒79.6 Ω。 抵抗とコンデンサの直列なので Z=√(R²+X_C²) が成り立ち R=√(Z²−X_C²)=√(100²−79.6²)=√(10 000−6 336)=√3 664≒60.5 Ω。答(4)。 (5)の79.6はX_Cそのもので、抵抗ではない。求めるのはRなので、Zから直角三角形の残りの辺として取り出す。 直列回路では R と X_C を単純に足し引きしてはいけない。100−79.6=20.4 とすると(2)になるが、抵抗とリアクタンスは位相が90°違うので、大きさは二乗して足す。この「引いてしまう」誤りをそのまま選択肢にしてあるので注意する。 確かめとして力率を見ると cosθ=R/Z=60.5/100=0.605 で、抵抗とリアクタンスが同じくらいの回路として無理のない値になっている。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 理論 問8
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1405.図のように,R[Ω]の抵抗,インダクタンスL[H]のコイル,静電容量C[F]のコンデンサと電圧V̇[V],角周波数ω[rad/s]の交流電源からなる二つの回路AとBがある。両回路においてそれぞれω²LC=1が成り立つとき,各回路における図中の電圧ベクトルと電流ベクトルの位相の関係として,正しいものの組合せを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし,ベクトル図における進み方向は反時計回りとする。 (選択肢は原本から切り出したベクトル図で示す。各図とも左が回路A,右が回路Bである。)

- 1.回路A=上 V̇_L / 右 V̇_R(V̇と同方向) / 下 V̇_C 回路B=上 İ_L / 右 İ_R(V̇と同方向) / 下 İ_C

- 2.回路A=上 V̇_L / 右 V̇_R(V̇と同方向) / 下 V̇_C 回路B=上 İ_C / 右 İ_R(V̇と同方向) / 下 İ_L

- 3.回路A=上 V̇_C / 右 V̇_R(V̇と同方向) / 下 V̇_L 回路B=上 İ_L / 右 İ_R(V̇と同方向) / 下 İ_C

- 4.回路A=上 V̇_C / 右 V̇_L(V̇と同方向) / 下 V̇_R 回路B=上 İ_C / 右 İ_R(V̇と同方向) / 下 İ_L

- 5.回路A=上 V̇_C / 右 V̇_R(V̇と同方向) / 下 V̇_L 回路B=上 İ_C / 右 İ_L(V̇と同方向) / 下 İ_R

正解:2.回路A=上 V̇_L / 右 V̇_R(V̇と同方向) / 下 V̇_C 回路B=上 İ_C / 右 İ_R(V̇と同方向) / 下 İ_L
解説:ω²LC=1 は ωL=1/(ωC) と同じで、コイルとコンデンサのリアクタンスの大きさが等しい共振の条件である。 回路A(直列)を見る。直列共振ではリアクタンスが打ち消し合ってインピーダンスはRだけになり、電流İは電源電圧V̇と同相になる。この電流を基準にすると、V̇_R=Rİ は電流と同相だからV̇とも同相で右向き。V̇_L=jωLİ は電流より90°進むので上向き。V̇_C=−j(1/ωC)İ は90°遅れるので下向き。大きさは V̇_L と V̇_C が等しく、足すと零になる。 回路B(並列)を見る。並列では電圧V̇が共通なのでV̇を基準にする。İ_R=V̇/R は同相で右向き。İ_L=V̇/(jωL) は電圧より90°遅れるので下向き。İ_C=jωCV̇ は90°進むので上向き。 したがって回路Aは「上がV̇_L・下がV̇_C」、回路Bは「上がİ_C・下がİ_L」となる。この組合せは(2)だけである。答(2)。 (1)は回路Aは合っているが回路BでİとCの上下が逆になっている。コイルは電流が遅れ、コンデンサは電流が進む、という向きを取り違えたものである。 直列と並列で上下が入れ替わることが、この問題のすべてである。直列は電流が共通なので「コイルの電圧が進む」、並列は電圧が共通なので「コンデンサの電流が進む」と、何を基準にしているかをそのつど確かめる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 理論 問9
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 - 1.回路A=上 V̇_L / 右 V̇_R(V̇と同方向) / 下 V̇_C 回路B=上 İ_L / 右 İ_R(V̇と同方向) / 下 İ_C
-
問1406.図の回路のスイッチを閉じたあとの電圧v(t)の波形を考える。破線から左側にテブナンの定理を適用することで,回路の時定数[s]とv(t)の最終値[V]の組合せとして,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 ただし,初めスイッチは開いており,回路は定常状態にあったとする。

- 1.時定数 0.75 s / 最終値 10 V
- 2.時定数 0.75 s / 最終値 2.5 V
- 3.時定数 4 s / 最終値 2.5 V
- 4.時定数 1 s / 最終値 10 V
- 5.時定数 1 s / 最終値 0 V
正解:2.時定数 0.75 s / 最終値 2.5 V
解説:設問の指示どおり、破線から左側をテブナンの等価回路に置き換える。 開放電圧は、コンデンサを外した状態で1 Ωにかかる電圧である。10 Vが3 Ωと1 Ωで分圧されるので E₀=10×1/(3+1)=2.5 V。 内部抵抗は、電源を短絡して破線の位置から見た抵抗なので、3 Ωと1 Ωの並列で R₀=3×1/(3+1)=0.75 Ω。 したがって、スイッチを閉じたあとの回路は「2.5 Vの電源+0.75 Ωの抵抗+1 Fのコンデンサ」と同じである。 時定数は τ=R₀C=0.75×1=0.75 s。 最終値は、十分時間がたつと充電電流が零になり抵抗での電圧降下も零になるので、開放電圧そのままで v(∞)=2.5 V。答(2)。 (1)の10 Vは電源電圧をそのまま最終値としたもの。3 Ωがあるので、コンデンサの電圧が電源電圧まで上がることはない。 (3)の4 sは、内部抵抗を3+1=4 Ωと直列に足してしまった場合の値である。テブナンの内部抵抗は電源を短絡して求めるので、3 Ωと1 Ωは並列になる。 なお「初めスイッチは開いており定常状態」という条件から、スイッチを閉じる直前のコンデンサの電圧は0 Vである。0 Vから2.5 Vへ、時定数0.75 sで近づいていく。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 理論 問10
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問1407.次の文章は,可変容量ダイオード(バリキャップやバラクタダイオードともいう)に関する記述である。 可変容量ダイオードとは,図に示す原理図のように (ア) 電圧V[V]を加えると静電容量が変化するダイオードである。p形半導体とn形半導体を接合すると,p形半導体のキャリヤ(図中の●印)とn形半導体のキャリヤ(図中の○印)がpn接合面付近で拡散し,互いに結合すると消滅して (イ) と呼ばれるキャリヤがほとんど存在しない領域が生じる。可変容量ダイオードに (ア) 電圧を印加し,その大きさを大きくすると, (イ) の領域の幅dが (ウ) なり,静電容量の値は (エ) なる。この特性を利用して可変容量ダイオードは (オ) などに用いられている。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.逆方向 / 空乏層 / 広く / 小さく / 無線通信の同調回路
- 2.順方向 / 空乏層 / 狭く / 小さく / 光通信の受光回路
- 3.逆方向 / 空乏層 / 広く / 大きく / 光通信の受光回路
- 4.順方向 / 反転層 / 狭く / 大きく / 無線通信の変調回路
- 5.逆方向 / 反転層 / 広く / 小さく / 無線通信の同調回路
正解:1.逆方向 / 空乏層 / 広く / 小さく / 無線通信の同調回路
解説:(ア) 可変容量ダイオードは逆方向電圧を加えて使う。順方向にすると電流が流れてしまい、コンデンサとして働かない。 (イ) pn接合面付近でキャリヤが打ち消し合ってできる、キャリヤのほとんど無い領域を空乏層という。反転層はMOSトランジスタのゲート下にできる別の領域で、ここでは出てこない。 (ウ) 逆方向電圧を大きくすると、キャリヤがさらに接合面から引き離されるので、空乏層の幅dは広くなる。 (エ) 空乏層は平行板コンデンサの誘電体にあたる。C=εS/d なので、dが広くなれば静電容量は小さくなる。ここが「電圧で容量を変える」という働きの中心である。 (オ) 電圧で容量が変わるので、共振周波数を電圧で選べる。無線通信の同調回路(受信機の選局)に使われる。光通信の受光回路に使うのはフォトダイオードで、別のダイオードである。 逆方向/空乏層/広く/小さく/無線通信の同調回路となり答(1)。 (ウ)と(エ)は C=εS/d で必ず逆向きに動く。「広く」なのに「大きく」としている(3)は、この式と食い違うので、式を書けばその場で外せる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 理論 問11
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問1408.次のような実験を真空の中で行った。 まず,箔検電器の上部アルミニウム電極に電荷Q[C]を与えたところ,箔が開いた状態になった。次に,箔検電器の上部電極に赤外光,可視光,紫外光の順に光を照射したところ,紫外光を照射したときに箔が閉じた。ただし,赤外光,可視光,紫外光の強度はいずれも上部電極の温度をほとんど上昇させない程度であった。 この実験から分かることとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.電荷Qは正電荷であった可能性も負電荷であった可能性もある。
- 2.紫外光が特定の強度よりも弱いとき箔はまったく閉じなくなる。
- 3.赤外光を照射したとき上部電極に熱電子が吸収された。
- 4.可視光を照射したとき上部電極の電気抵抗が大幅に低下した。
- 5.紫外光を照射したとき上部電極から光電子が放出された。
正解:5.紫外光を照射したとき上部電極から光電子が放出された。
解説:紫外光のときだけ箔が閉じた、という一点から光電効果だと分かる。光電効果は、金属に当たる光の振動数がある値(限界振動数)を超えたときにだけ電子が飛び出す現象で、赤外光・可視光では起きず紫外光で起きた、という結果と合う。電子が飛び出せば電荷が減り、箔を開かせていた反発力が無くなって閉じる。したがって(5)が正しい。 他の記述を確かめる。 (1) 電子が飛び出して電荷が減ったのだから、もとの電荷は負でなければならない。正に帯電していたら、飛び出そうとする電子は引き戻されるうえ、電子が出れば正電荷はさらに増えて箔は開いたままになる。したがって「正であった可能性もある」は誤り。 (2) 光電効果が起きるかどうかを決めるのは光の振動数であって強度ではない。紫外光を弱くすると飛び出す電子の数が減って閉じるまでの時間は延びるが、まったく閉じなくなることはない。 (3) 熱電子は金属を高温にしたときに出るもので、しかも「吸収された」では箔が閉じる説明にならない。設問は温度がほとんど上がらない強度だと断っている。 (4) 電極の電気抵抗が下がっても、真空中では電荷の逃げ道が無いので箔は閉じない。 光電効果は「強度ではなく振動数で決まる」という点が要である。(2)はまさにそこを取り違えさせるために置かれている。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 理論 問12
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問1409.演算増幅器及びそれを用いた回路に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.演算増幅器には電源が必要である。
- 2.演算増幅器の入力インピーダンスは,非常に大きい。
- 3.演算増幅器は比較器として用いられることがある。
- 4.図1の回路は正相増幅回路,図2の回路は逆相増幅回路である。
- 5.図1の回路は,抵抗R_Sを0 Ωに(短絡)し,抵抗R_Fを∞ Ωに(開放)すると,ボルテージホロワである。
正解:5.図1の回路は,抵抗R_Sを0 Ωに(短絡)し,抵抗R_Fを∞ Ωに(開放)すると,ボルテージホロワである。
解説:図1は入力を非反転入力(+端子)に加えているので正相増幅回路で、その電圧増幅度は A=1+R_F/R_S である。 ここでR_S=0 Ω(短絡)、R_F=∞ Ω(開放)とすると R_F/R_S は無限大になり、増幅度は1にならない。ボルテージホロワ(増幅度1)にするには、逆にR_Fを0 Ω(短絡)にするか、R_Sを∞ Ω(開放)にする。したがって(5)が誤りで、これが答になる。 他の記述を確かめる。(1)演算増幅器は内部にトランジスタを持つ能動素子なので、正負の電源が要る。(2)入力インピーダンスは非常に大きく、理想的には無限大として扱う。だから+端子や−端子には電流が流れ込まないとみなせる。(3)帰還をかけずに使えば、二つの入力の大小で出力が飽和まで振れる比較器になる。(4)図1は入力が+端子で正相増幅回路、図2は入力がR_Sを通って−端子に入り+端子が接地されているので逆相増幅回路である。 (4)が正しいことを確かめておくと、(5)が図1=正相増幅回路についての記述だとはっきりする。増幅度の式 1+R_F/R_S を書いてから0と∞を代入すれば、迷わずに判定できる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 理論 問13
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問1410.物理現象と,その計測・検出のための代表的なセンサの原理との組合せとして,不適切なものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.光 / 電磁誘導に関するファラデーの法則
- 2.超音波 / 圧電現象
- 3.温度 / ゼーベック効果
- 4.圧力 / ピエゾ抵抗効果
- 5.磁気 / ホール効果
正解:1.光 / 電磁誘導に関するファラデーの法則
解説:電磁誘導に関するファラデーの法則は、磁束の変化が起電力を生むという法則で、光を検出する原理にはならない。光を検出するのは、光電効果を使う光電管や、半導体のpn接合で光起電力を生じる太陽電池・フォトダイオード、光で抵抗が変わる光導電効果を使うCdSセルなどである。したがって(1)が不適切で、これが答になる。 他の組合せを確かめる。 (2)超音波と圧電現象。圧電素子は力を加えると電圧を生じ、逆に電圧を加えると変形する。この両方向の性質で超音波の送信と受信ができる。超音波センサや魚群探知機の原理である。 (3)温度とゼーベック効果。二種類の金属をつないで両端に温度差をつけると起電力が生じる。熱電対の原理で、温度計として広く使われる。 (4)圧力とピエゾ抵抗効果。半導体にひずみを与えると抵抗率が変わる。ダイヤフラムの変形を抵抗変化として読む半導体圧力センサの原理である。 (5)磁気とホール効果。電流を流した導体や半導体に磁界を加えると、電流と磁界の両方に垂直な向きに電圧が生じる。ホール素子として磁界の測定や回転位置の検出に使われる。 なお電磁誘導そのものは、回転速度の検出(発電機式のタコジェネレータ)や電流の検出(変流器)には使える。使えない相手が「光」だという点がこの問題の要である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 理論 問14
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問1411.図のように,線間電圧(実効値)200 Vの対称三相交流電源に,1台の単相電力計W₁,X=4 Ωの誘導性リアクタンス3個,R=9 Ωの抵抗3個を接続した回路がある。単相電力計W₁の電流コイルはa相に接続し,電圧コイルはb−c相間に接続され,指示は正の値を示していた。この回路について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 ただし,対称三相交流電源の相順は,a,b,cとし,単相電力計W₁の損失は無視できるものとする。 〔小問(a)〕 R=9 Ωの抵抗に流れる電流I_abの実効値[A]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.6.77
- 2.13.3
- 3.17.3
- 4.23.1
- 5.40.0
正解:2.13.3
解説:抵抗はΔ結線なので、そのままでは線電流と枝の電流が違って扱いにくい。Δ結線をY結線に直してから解く。 ΔをYに直すと抵抗は1/3になるので R_Y=9/3=3 Ω。 1相分のインピーダンスは、線路の誘導性リアクタンスと直列になって Ż=3+j4,|Ż|=√(3²+4²)=5 Ω。 1相分の電圧(相電圧)は E=200/√3≒115.5 V なので、線電流は I=115.5/5≒23.1 A。 Δ結線の枝に流れる電流は線電流の1/√3だから I_ab=23.1/√3≒13.3 A。答(2)。 (4)の23.1は線電流そのもので、Δの枝の電流ではない。Δ結線では線電流のほうが√3倍大きいので、最後に必ず√3で割る。 (3)の17.3は 200/(√3×…) のように相電圧と線間電圧を取り違えた場合などに近い値である。Y換算したあとの1相分にかかるのは相電圧115.5 Vであって、線間電圧200 Vではない。 Δ-Y変換で抵抗を1/3にすると同時に、最後に電流を√3で割る——この二つは対になっている。片方だけ忘れると3倍または1/3倍ずれる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 理論 問15(a)
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問1412.図のように,線間電圧(実効値)200 Vの対称三相交流電源に,1台の単相電力計W₁,X=4 Ωの誘導性リアクタンス3個,R=9 Ωの抵抗3個を接続した回路がある。単相電力計W₁の電流コイルはa相に接続し,電圧コイルはb−c相間に接続され,指示は正の値を示していた。この回路について,次の問に答えよ。 ただし,対称三相交流電源の相順は,a,b,cとし,単相電力計W₁の損失は無視できるものとする。 〔小問(b)〕 単相電力計W₁の指示値[kW]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 (小問(a)より,1相分のインピーダンスはŻ=3+j4で線電流は約23.1 Aである。)

- 1.0
- 2.2.77
- 3.3.70
- 4.4.80
- 5.6.40
正解:3.3.70
解説:単相電力計の指示は「電圧コイルにかかる電圧」×「電流コイルを流れる電流」×「その二つの位相差の余弦」である。電圧コイルはb−c相間、電流コイルはa相なので、V̇_bc と İ_a の関係を求める。 相電圧を V̇_a=E∠0°,V̇_b=E∠−120°,V̇_c=E∠120°(E≒115.5 V)とすると V̇_bc=V̇_b−V̇_c=E(∠−120°−∠120°)=200∠−90° V。 線間電圧の大きさは200 Vで、位相はV̇_aより90°遅れている。 一方、a相の電流は İ_a=V̇_a/Ż=115.5∠0°/(5∠53.13°)=23.1∠−53.13° A。 インピーダンス角は tan⁻¹(4/3)=53.13°である。 二つの位相差は −90°−(−53.13°)=−36.87° なので W₁=200×23.1×cos(−36.87°)=200×23.1×0.8≒3 700 W=3.70 kW。答(3)。 位相差が 36.87° になるのは、電圧コイルの V̇_bc がもともと90°遅れていて、そこから電流の遅れ53.13°を差し引くからである。つまりこの接続の指示は 200×23.1×cos(90°−53.13°) で、cos(90°−θ)=sinθ を使えば「線間電圧×線電流×sin(インピーダンス角)」とも書ける。無効電力を1台の電力計で測る接続として知られている形である。 (1)の0は、電圧コイルと電流コイルが直交して指示が零になる場合の値で、負荷が純抵抗(θ=0)のときにそうなる。この回路は誘導性なので零にはならない。 設問が「指示は正の値を示していた」と断っているのは、位相差が90°を超えて負にならないことを教えるためである。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 理論 問15(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1413.最大目盛150 V,内部抵抗18 kΩの直流電圧計V₁と最大目盛300 V,内部抵抗30 kΩの直流電圧計V₂の二つの直流電圧計がある。ただし,二つの直流電圧計は直動式指示電気計器を使用し,固有誤差はないものとする。次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 二つの直流電圧計を直列に接続して使用したとき,測定できる電圧の最大の値[V]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.150
- 2.225
- 3.300
- 4.400
- 5.450
正解:4.400
解説:直動式の電圧計は、内部に流れる電流で針が振れる。最大目盛は「内部抵抗にその電流が流れたときの電圧」なので、まず各計器が満目盛になるときの電流を出す。 V₁:150/18 000≒8.33 mA V₂:300/30 000=10 mA 直列につなぐと両方に同じ電流が流れる。したがって流せる電流は小さいほうの8.33 mAが上限で、これを超えるとV₁が振り切れてしまう。 8.33 mAのとき、それぞれの読みは V₁:150 V(満目盛) V₂:8.33×10⁻³×30 000=250 V となり、測定できる最大の電圧は 150+250=400 V。答(4)。 (5)の450は、両方が同時に満目盛になると考えて 150+300 とした値である。直列では電流が共通なので、満目盛電流の違う二つが同時に振り切れることはない。 (2)の225は、二つの内部抵抗の比から分圧だけを考えた場合などに出る値である。決め手は電圧の比ではなく、許される電流の小さいほうである。 感度(満目盛電流)が違う計器を直列にするときは、必ず感度の低いほう=満目盛電流の小さいほうが上限を決める、と覚える。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 理論 問16(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1414.最大目盛150 V,内部抵抗18 kΩの直流電圧計V₁と最大目盛300 V,内部抵抗30 kΩの直流電圧計V₂の二つの直流電圧計がある。ただし,二つの直流電圧計は直動式指示電気計器を使用し,固有誤差はないものとする。次の問に答えよ。 〔小問(b)〕 次に,直流電圧450 Vの電圧を測定するために,二つの直流電圧計の指示を最大目盛にして測定したい。そのためには,直流電圧計 (ア) に,抵抗 (イ) kΩを (ウ) に接続し,これに直流電圧計 (エ) を直列に接続する。このように接続して測定することで,各直流電圧計の指示を最大目盛にして測定をすることができる。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.(ア) V₁ / (イ) 90 / (ウ) 直列 / (エ) V₂
- 2.(ア) V₁ / (イ) 90 / (ウ) 並列 / (エ) V₂
- 3.(ア) V₂ / (イ) 90 / (ウ) 並列 / (エ) V₁
- 4.(ア) V₁ / (イ) 18 / (ウ) 並列 / (エ) V₂
- 5.(ア) V₂ / (イ) 18 / (ウ) 直列 / (エ) V₁
正解:2.(ア) V₁ / (イ) 90 / (ウ) 並列 / (エ) V₂
解説:二つの計器を直列にして両方を満目盛にできれば、測れる電圧は 150+300=450 V になり、ちょうど目的に合う。問題は、満目盛電流がV₁は8.33 mA、V₂は10 mAと違うことである。 そこで、電流の多いほうを主線に置き、少ないほうには余った電流を横へ逃がしてやる。すなわちV₁に抵抗を並列に接続し、その抵抗に差の電流を流す。 逃がすべき電流は 10−8.33≒1.667 mA。 この抵抗にはV₁と同じ150 Vがかかるので R=150/(1.667×10⁻³)≒90 000 Ω=90 kΩ。 したがって(ア)V₁、(イ)90、(ウ)並列、(エ)V₂となり答(2)。 (1)のように直列に入れると、その抵抗ぶんだけ電圧を食うだけで電流は分けられず、V₁を満目盛にできない。分流させたいのだから並列である。 (4)の18 kΩは、V₁の内部抵抗と同じ値を並列にした場合で、そのときは電流がちょうど半分ずつに分かれて逃がす電流が8.33 mAになってしまう。必要なのは1.667 mAなので、内部抵抗の5倍にあたる90 kΩになる。 検算をすると、90 kΩと18 kΩの並列は15 kΩ。ここに10 mAを流すと 150 V となり、V₁は確かに満目盛である。合計の電圧は 150+10×10⁻³×30 000=150+300=450 V で条件に合う。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 理論 問16(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1415.図のように,誘電体の種類,比誘電率,絶縁破壊電界,厚さがそれぞれ異なる三つの平行板コンデンサ①〜③がある。極板の形状と大きさは同一で,コンデンサの端効果,初期電荷及び漏れ電流は無視できるものとする。上側の極板に電圧V₀[V]の直流電源を接続し,下側の極板を接地した。次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 各平行板コンデンサへの印加電圧の大きさが同一のとき,極板間の電界の強さの大きい順として,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.① > ② > ③
- 2.① > ③ > ②
- 3.② > ① > ③
- 4.③ > ① > ②
- 5.③ > ② > ①
正解:5.③ > ② > ①
解説:平行板コンデンサの内部は平等電界なので、電界の強さは E=V/d で決まる。印加電圧Vが同じなら、厚さdが薄いほど電界は強い。比誘電率も絶縁破壊電界も、この小問には関係しない。 図から厚さを読むと ①4.0 mm、②1.0 mm、③0.5 mm である。同じ電圧Vを加えたときの電界は ①:V/4.0,②:V/1.0,③:V/0.5=2V となり、大きい順に ③>②>① である。答(5)。 厚さの順序をそのまま裏返しただけなので、比誘電率1・2・4という並びに引きずられて①>②>③としないこと。比誘電率が効くのは静電容量 C=ε₀ε_r S/d のほうで、電界の強さには現れない。 誘電体の中の電界が V/d で決まる、というのは「電圧は電界を距離で積分したもの」という関係そのものである。誘電体を入れると同じ電圧でも蓄えられる電荷は増えるが、電界の強さは変わらない。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 理論 問17(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1416.図のように,誘電体の種類,比誘電率,絶縁破壊電界,厚さがそれぞれ異なる三つの平行板コンデンサ①〜③がある。極板の形状と大きさは同一で,コンデンサの端効果,初期電荷及び漏れ電流は無視できるものとする。上側の極板に電圧V₀[V]の直流電源を接続し,下側の極板を接地した。次の問に答えよ。 〔小問(b)〕 各平行板コンデンサへの印加電圧をそれぞれ徐々に上昇し,極板間の電界の強さが絶縁破壊電界に達したときの印加電圧(絶縁破壊電圧)の大きさの大きい順として,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.① > ② > ③
- 2.① > ③ > ②
- 3.② > ① > ③
- 4.③ > ① > ②
- 5.③ > ② > ①
正解:2.① > ③ > ②
解説:電界の強さは E=V/d なので、これを逆に解くと絶縁破壊が起きる電圧は V=(絶縁破壊電界)×(厚さ) である。図の値をそのまま掛ける。 ①:10 kV/mm×4.0 mm=40 kV ②:20 kV/mm×1.0 mm=20 kV ③:50 kV/mm×0.5 mm=25 kV 大きい順に ①(40)>③(25)>②(20) となり答(2)。 小問(a)では厚さの薄い③が最も電界が強かったが、絶縁破壊電圧では①が最大になる。同じ図から逆の順序が出てくるところがこの問題の狙いである。電界の強さは薄いほど有利に見えるが、耐えられる電圧は「絶縁破壊電界×厚さ」なので、厚さが効いてくる。 ②と③の順序が入れ替わる点にも注意する。③は絶縁破壊電界が②の2.5倍あるが、厚さが半分なので、積は 25 kV と 20 kV でわずかに③が上になる。どちらか一方の値だけ見て決めると取り違える。 (5)は小問(a)の答をそのまま持ってきた場合の並びである。同じ①〜③でも問われているものが違うので、必ず掛け算をやり直す。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 理論 問17(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1417.図1に示すエミッタ接地トランジスタ増幅回路について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 ただし,I_B[μA],I_C[mA]はそれぞれベースとコレクタの直流電流であり,i_b[μA],i_c[mA]はそれぞれの信号分である。また,V_BE[V],V_CE[V]はそれぞれベース−エミッタ間とコレクタ−エミッタ間の直流電圧であり,v_be[V],v_ce[V]はそれぞれの信号分である。さらに,v_i[V],v_o[V]はそれぞれ信号の入力電圧と出力電圧,V_CC[V]はバイアス電源の直流電圧,R₁[kΩ]とR₂[kΩ]は抵抗,C₁[F],C₂[F]はコンデンサである。なお,R₂=1 kΩであり,使用する信号周波数においてC₁,C₂のインピーダンスは無視できるほど十分小さいものとする。 〔小問(a)〕 図2はトランジスタの出力特性である。トランジスタの動作点をV_CE=(1/2)V_CC=6 Vに選ぶとき,動作点でのベース電流I_Bの値[μA]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.20
- 2.25
- 3.30
- 4.35
- 5.40
正解:3.30
解説:図1の回路で、コレクタ側はV_CC=12 VからR₂=1 kΩを通ってコレクタにつながっている。したがって直流について V_CC=I_C R₂+V_CE が成り立ち、これを電流について書くと I_C=(V_CC−V_CE)/R₂=(12−V_CE)/1 [mA] となる。これが図2に引くべき直流負荷線である。 動作点は V_CE=6 V と指定されているので I_C=(12−6)/1=6 mA。 図2の出力特性で (V_CE, I_C)=(6 V, 6 mA) を通る曲線を読むと I_B=30 μA の曲線である。答(3)。 図2は曲線が10 μAごとに描かれ、I_Cはおよそ 10 μAあたり2 mA の間隔で並んでいる(10 μA→2 mA、20 μA→4 mA、…)。6 mAはちょうど30 μAの高さである。 電流増幅率でいえば h_FE=I_C/I_B=6 mA/30 μA=200 にあたる。この値が図2全体で保たれていることも、読み取りが正しいことの確かめになる。 V_CE を V_CC の半分に選ぶのは、出力電圧が上にも下にも同じだけ振れるようにするためである。小問(b)はその振れ幅を求める問題になっている。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 理論 問18(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1418.図1に示すエミッタ接地トランジスタ増幅回路について,次の問に答えよ。 ただし,I_B[μA],I_C[mA]はそれぞれベースとコレクタの直流電流であり,i_b[μA],i_c[mA]はそれぞれの信号分である。また,V_BE[V],V_CE[V]はそれぞれベース−エミッタ間とコレクタ−エミッタ間の直流電圧であり,v_be[V],v_ce[V]はそれぞれの信号分である。さらに,v_i[V],v_o[V]はそれぞれ信号の入力電圧と出力電圧,V_CC[V]はバイアス電源の直流電圧,R₁[kΩ]とR₂[kΩ]は抵抗,C₁[F],C₂[F]はコンデンサである。なお,R₂=1 kΩであり,使用する信号周波数においてC₁,C₂のインピーダンスは無視できるほど十分小さいものとする。 〔小問(b)〕 小問(a)の動作点において,図1の回路に交流信号電圧v_iを入力すると,最大値10 μAの交流信号電流i_bと小問(a)の直流電流I_Bの和がベース(B)に流れた。このとき,図2の出力特性を使って求められる出力交流信号電圧v_o(=v_ce)の最大値[V]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 ただし,動作点付近においてトランジスタの出力特性は直線で近似でき,信号波形はひずまないものとする。 (小問(a)より,動作点のベース電流はI_B=30 μA,V_CE=6 Vである。)

- 1.1.0
- 2.1.5
- 3.2.0
- 4.2.5
- 5.3.0
正解:3.2.0
解説:ベース電流は動作点の30 μAを中心に、最大値10 μAの信号が重なるので 20 μA 〜 40 μA のあいだを振れる。この両端で動作点がどこまで動くかを、直流負荷線 I_C=(12−V_CE)/1 [mA] の上で追う。 I_B=40 μAのとき、図2から I_C=8 mA。負荷線より V_CE=12−8×1=4 V。 I_B=20 μAのとき、図2から I_C=4 mA。負荷線より V_CE=12−4×1=8 V。 したがって V_CE は 6 V を中心に 4 V〜8 V を振れる。振幅(最大値)は v_o=8−6=6−4=2.0 V。答(3)。 (5)の3.0は、振れ幅そのもの(8−4=4 V)の半分ではなく別の取り方をした場合に出る値である。求められているのは最大値=振幅なので、全振幅4 Vの半分の2 Vになる。 入力の10 μAに対して出力が2 Vなので、増幅の様子も確かめられる。I_Bが10 μA増えるとI_Cは2 mA増え、それがR₂=1 kΩで2 Vの電圧になる、という筋道である。 ベース電流が増えるとコレクタ電流が増え、R₂での電圧降下が増えるので V_CE は下がる。入力と出力の位相が逆になるのがエミッタ接地増幅回路の特徴で、この計算にもそれが表れている。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 理論 問18(b)
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問1419.図のように,真空中に点P,点A,点Bが直線上に配置されている。点PはQ[C]の点電荷を置いた点とし,A−B間に生じる電位差の絶対値を|V_AB|[V]とする。次の(a)〜(d)の四つの実験を個別に行ったとき,|V_AB|[V]の値が最小となるものと最大となるものの実験の組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 [実験内容] (a) P−A間の距離を2 m,A−B間の距離を1 mとした。 (b) P−A間の距離を1 m,A−B間の距離を2 mとした。 (c) P−A間の距離を0.5 m,A−B間の距離を1 mとした。 (d) P−A間の距離を1 m,A−B間の距離を0.5 mとした。

- 1.(a)と(b)
- 2.(a)と(c)
- 3.(a)と(d)
- 4.(b)と(c)
- 5.(c)と(d)
正解:2.(a)と(c)
解説:点電荷から距離r[m]離れた点の電位は V=Q/(4πε₀r) で、rに反比例する。したがってA−B間の電位差は |V_AB|=Q/(4πε₀)×|1/r_A−1/r_B| となり、比例定数を除いた |1/r_A−1/r_B| の大小を比べればよい。r_Aは点Pから点Aまで、r_Bは点Pから点Bまでの距離である。 (a) r_A=2,r_B=2+1=3 → |1/2−1/3|=1/6≒0.167 (b) r_A=1,r_B=1+2=3 → |1−1/3|=2/3≒0.667 (c) r_A=0.5,r_B=0.5+1=1.5 → |2−0.667|=1.333 (d) r_A=1,r_B=1+0.5=1.5 → |1−0.667|=0.333 最小は(a)、最大は(c)となり答(2)。 注意すべきは、r_Bが「A−B間の距離」そのものではなく「P−A間+A−B間」だという点である。電位はあくまで点Pからの距離で決まるので、点Bまでの距離は足し算になる。ここを取り違えると別の順序になる。 電位は距離の逆数なので、点Pに近いほど1点の変化が大きく効く。(c)は点Aが0.5 mと最も近いため、わずかな距離の違いで電位が大きく変わり、電位差が最大になる。逆に(a)は点Aも点Bも遠く、電位の変化がゆるやかなので電位差が最小になる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 理論 問1
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問1420.図のように,極板間距離d[mm]と比誘電率ε_rが異なる平行板コンデンサが接続されている。極板の形状と大きさは全て同一であり,コンデンサの端効果,初期電荷及び漏れ電流は無視できるものとする。印加電圧を10 kVとするとき,図中の二つのコンデンサ内部の電界の強さE_A及びE_Bの値[kV/mm]の組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.E_A=0.25 / E_B=0.67
- 2.E_A=0.25 / E_B=1.5
- 3.E_A=1.0 / E_B=1.0
- 4.E_A=4.0 / E_B=0.67
- 5.E_A=4.0 / E_B=1.5
正解:3.E_A=1.0 / E_B=1.0
解説:直列につないだコンデンサには同じ電荷が蓄えられる。極板の面積が同一なので電束密度Dも同じになり、各コンデンサの内部の電界は E=D/(ε₀ε_r) で、比誘電率ε_rだけで決まる。 E_Aを含む左の枝は、d=2 mm・3 mm・5 mmの三つが直列だが、比誘電率はどれもε_r=3で同じである。したがって三つとも電界の強さが等しく、その枝にかかる10 kVを厚さの合計で割ればよい。 E_A=10/(2+3+5)=10/10=1.0 kV/mm。 E_Bを含む中央の枝も、d=4 mm・6 mmの二つが直列で比誘電率はどちらもε_r=2である。同じように E_B=10/(4+6)=1.0 kV/mm。 したがって答(3)。 比誘電率が同じ枝では、電界は厚さによらず一様になり、枝全体を1枚の誘電体とみなして「電圧÷全厚さ」で求められる。厚さの違うコンデンサが直列でも、比誘電率が同じなら電界は変わらない、という点がこの問題の要である。 (1)や(4)は、自分の厚さだけで割った値(10/2=5、10/4=2.5…)や、電圧を厚さで分け合うと考えた場合に出る。枝の中で電界が一定なのだから、電圧は厚さに比例して分かれる。2 mmの部分にかかるのは 1.0×2=2 kV である。 右の枝(d=10 mm,ε_r=1)はE_A・E_Bとは無関係で、三つの枝が並列に10 kVを受けているだけである。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 理論 問2
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問1421.図は積層した電磁鋼板の鉄心の磁化特性(ヒステリシスループ)を示す。図中のB[T]及びH[A/m]はそれぞれ磁束密度及び磁界の強さを表す。この鉄心にコイルを巻きリアクトルを製作し,商用交流電源に接続した。実効値がV[V]の電源電圧を印加すると図中に矢印で示す軌跡が確認された。コイル電流が最大のときの点は (ア) である。次に,電源電圧実効値が一定に保たれたまま,周波数がやや低下したとき,ヒステリシスループの面積は (イ) 。一方,周波数が一定で,電源電圧実効値が低下したとき,ヒステリシスループの面積は (ウ) 。最後に,コイル電流実効値が一定で,周波数がやや低下したとき,ヒステリシスループの面積は (エ) 。 上記の記述中の空白箇所(ア),(イ),(ウ)及び(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.(ア) 1 / (イ) 大きくなる / (ウ) 小さくなる / (エ) 大きくなる
- 2.(ア) 2 / (イ) 大きくなる / (ウ) 小さくなる / (エ) あまり変わらない
- 3.(ア) 3 / (イ) あまり変わらない / (ウ) あまり変わらない / (エ) 小さくなる
- 4.(ア) 2 / (イ) 小さくなる / (ウ) 大きくなる / (エ) あまり変わらない
- 5.(ア) 1 / (イ) 小さくなる / (ウ) 大きくなる / (エ) あまり変わらない
正解:2.(ア) 2 / (イ) 大きくなる / (ウ) 小さくなる / (エ) あまり変わらない
解説:ヒステリシスループの横軸は磁界の強さHで、H=NI/l よりコイル電流に比例する。したがってコイル電流が最大になるのは、Hが最も大きい点である。 (ア) 図の点2はループの右上の頂点で、Hが最大の点である。点1は原点(H=0,B=0)、点3はH=0でBが残っている残留磁束密度の点なので、どちらも電流最大ではない。 (イ) コイルに加わる電圧は V=4.44fΦN なので、Vが一定のまま周波数fが下がると磁束Φすなわち磁束密度Bが増える。ループは縦に大きく広がり、面積は大きくなる。 (ウ) 同じ式で、周波数が一定のまま電圧Vが下がると磁束密度Bが減る。ループは縦に縮み、面積は小さくなる。 (エ) ヒステリシスループはBとHの関係を表す材料そのものの性質で、周波数にはほとんどよらない。コイル電流実効値が一定ならHの振れ幅が同じなので、周波数が変わってもループの形はあまり変わらない。 点2/大きくなる/小さくなる/あまり変わらないとなり答(2)。 (イ)と(ウ)は V=4.44fΦN の同じ式から、fとVのどちらを動かすかで逆向きに出てくる。 (エ)は「ヒステリシス損はループの面積×周波数」であって、面積そのものは周波数によらない、という区別が問われている。損失が周波数に比例するのは、1秒あたりにループを回る回数が増えるからである。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 理論 問3
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問1422.図のように,磁路の長さl=0.2 m,断面積S=1×10⁻⁴ m²の環状鉄心に巻数N=8 000の銅線を巻いたコイルがある。このコイルに直流電流I=0.1 Aを流したとき,鉄心中の磁束密度はB=1.28 Tであった。このときの鉄心の透磁率μの値[H/m]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 ただし,コイルによって作られる磁束は,鉄心中を一様に通り,鉄心の外部に漏れないものとする。

- 1.1.6×10⁻⁴
- 2.2.0×10⁻⁴
- 3.2.4×10⁻⁴
- 4.2.8×10⁻⁴
- 5.3.2×10⁻⁴
正解:5.3.2×10⁻⁴
解説:まずアンペアの周回路の法則から磁界の強さを求める。環状鉄心では磁路の長さlに沿って H l=N I が成り立つので H=N I/l=8 000×0.1/0.2=4 000 A/m。 つぎに B=μH の関係から透磁率を出す。 μ=B/H=1.28/4 000=3.2×10⁻⁴ H/m。答(5)。 断面積S=1×10⁻⁴ m²はこの小問では使わない。磁束Φ=BSを求めるときに要る値で、透磁率を出すだけなら不要である。与えられた数値をすべて使わなければならない、と考えないこと。 真空の透磁率は μ₀=4π×10⁻⁷≒1.26×10⁻⁶ H/m なので、比透磁率は μ_r=3.2×10⁻⁴/1.26×10⁻⁶≒254 となり、鉄心の材料として無理のない値である。この確かめをしておくと桁の取り違えに気づける。 NI=8 000×0.1=800 A(起磁力)を磁路の長さ0.2 mで割る、という手順を固定する。巻数と電流を掛けてから長さで割る、の順である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 理論 問4
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問1423.図のように,七つの抵抗及び電圧E=100 Vの直流電源からなる回路がある。この回路において,A−D間,B−C間の各電位差を測定した。このとき,A−D間の電位差の大きさ[V]及びB−C間の電位差の大きさ[V]の組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.A−D間 28 / B−C間 60
- 2.A−D間 40 / B−C間 72
- 3.A−D間 60 / B−C間 28
- 4.A−D間 68 / B−C間 80
- 5.A−D間 72 / B−C間 40
正解:5.A−D間 72 / B−C間 40
解説:回路の形をほどく。電源の+側の節点をP、−側の節点をNとすると、Pから右側の節点Qまでのあいだに「60 Ωの枝」と「20+20+20=60 Ωの枝(A・Bはその途中の点)」が並列に入り、QからNまでは「4+6+10=20 Ωの枝(D・Cはその途中の点)」がつながっている。 並列部分は 60∥60=30 Ω なので、回路全体は 30+20=50 Ω。電源電流は I=100/50=2 A。 この2 Aは下の枝をそのまま流れ、並列部分では1 Aずつに分かれる。 各点の電位を、Nを0 Vとして求める。P=100 Vである。 並列部分の電圧降下は 2×30=60 V なので Q=100−60=40 V。 中段の枝(1 A):A=100−1×20=80 V,B=100−1×40=60 V。 下段の枝(2 A、QからNへ流れる):Nから逆にたどると D=0+2×4=8 V,C=8+2×6=20 V,そしてQ=20+2×10=40 V となり、上で求めたQと一致する。 したがって |V_AD|=|80−8|=72 V,|V_BC|=|60−20|=40 V。答(5)。 下段の枝には全電流2 Aが流れ、中段の枝には半分の1 Aしか流れない。この違いを見落として両方を同じ電流で計算すると値が合わなくなる。 最後にQを二通りで求めて一致することを確かめておくと、電位の追い方が正しいことの検算になる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 理論 問5
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1424.図に示す直流回路は,100 Vの直流電圧源に直流電流計を介して10 Ωの抵抗が接続され,50 Ωの抵抗と抵抗R[Ω]が接続されている。電流計は5 Aを示している。抵抗R[Ω]で消費される電力の値[W]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。なお,電流計の内部抵抗は無視できるものとする。

- 1.2
- 2.10
- 3.20
- 4.100
- 5.200
正解:5.200
解説:電流計が示す5 Aは、10 Ωの抵抗を流れる全電流である。まずこの抵抗での電圧降下を出す。 5×10=50 V。 電源電圧は100 Vなので、並列部分(Rと50 Ω)にかかる電圧は 100−50=50 V。 50 Ωの抵抗を流れる電流は 50/50=1 A。 したがってRを流れる電流は 5−1=4 A。 Rで消費される電力は「電圧×電流」で P=50×4=200 W。答(5)。 Rの値そのものを出すなら R=50/4=12.5 Ω だが、電力を求めるだけなら電圧と電流の積で足りる。 (4)の100は、50 Ωを流れる電流1 Aと全電圧100 Vを掛けるなど、対応しない電圧と電流を掛けた場合に出る。電力を求めるときは、必ず同じ素子の電圧と電流を組にする。 検算として全体の電力収支を見る。電源が出す電力は 100×5=500 W、10 Ωで 5²×10=250 W、50 Ωで 50×1=50 W、Rで200 W。合計 250+50+200=500 W で一致する。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 理論 問6
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1425.図のように,三つの抵抗R₁[Ω],R₂[Ω],R₃[Ω]とインダクタンスL[H]のコイルと静電容量C[F]のコンデンサが接続されている回路にV[V]の直流電源が接続されている。定常状態において直流電源を流れる電流の大きさを表す式として,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.V/R₃
- 2.V÷{1/(1/R₁+1/R₂)}
- 3.V÷{1/(1/R₁+1/R₃)}
- 4.V÷{1/(1/R₂+1/R₃)}
- 5.V÷{1/(1/R₁+1/R₂+1/R₃)}
正解:4.V÷{1/(1/R₂+1/R₃)}
解説:定常状態の直流回路では、コンデンサは電流を流さない(開放と同じ)、コイルは電圧降下を生じない(短絡と同じ)と扱える。 CとR₁が直列になっている枝は、Cが開放なので電流がまったく流れない。したがってR₁は回路から消える。 LとR₂が直列になっている枝は、Lが短絡なのでR₂だけが残る。 R₃の枝はそのままR₃である。 残るのはR₂とR₃の並列だけなので、合成抵抗は 1/(1/R₂+1/R₃) となり、電源を流れる電流の大きさは I=V÷{1/(1/R₂+1/R₃)}=V(1/R₂+1/R₃)。答(4)。 選択肢は「V÷合成抵抗」の形で書かれているので、どの抵抗が残るかだけを判断すればよい。 (5)は三つとも残るとした場合で、コンデンサが直流を流さないことを見落としている。(1)はコイルの枝まで消してしまった場合である。 「コンデンサは直流を通さない・コイルは直流に対してただの導線」という二つを、枝ごとに当てはめる。定常状態と断ってあるのは、過渡状態を考えなくてよいという指示である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 理論 問7
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1426.図の回路において,正弦波交流電源と直流電源を流れる電流Iの実効値[A]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし,E_aは交流電圧の実効値[V],E_dは直流電圧の大きさ[V],X_cは正弦波交流電源に対するコンデンサの容量性リアクタンスの値[Ω],Rは抵抗値[Ω]とする。

- 1.10.0
- 2.14.1
- 3.17.3
- 4.20.0
- 5.40.0
正解:3.17.3
解説:交流電源と直流電源が直列に入っているので、重ね合わせの理で直流分と交流分に分けて求め、最後に実効値として合成する。 直流分:コンデンサは直流を通さないので、R=10 Ωだけに流れる。 I_d=E_d/R=100/10=10 A。 交流分:RとX_cが並列になっているので、アドミタンスで足す。抵抗のアドミタンスは 1/10=0.1 S、コンデンサのアドミタンスの大きさは 1/10=0.1 Sで、両者は直角なので |Y|=√(0.1²+0.1²)≒0.141 S。 I_a=E_a|Y|=100×0.141=14.1 A。 実効値の合成:直流分と交流分は周波数が違うので、二乗して足してから平方根をとる。 I=√(I_d²+I_a²)=√(10²+14.1²)=√(100+200)=√300≒17.3 A。答(3)。 (1)の10.0は直流分だけ、(2)の14.1は交流分だけの値である。どちらか一方で止めないこと。 (4)の20.0は 10+14.1 …ではなく、単純に足し合わせようとした場合に近い値である。周波数の違う成分どうしは足せない。実効値は「二乗平均の平方根」なので、二乗して足す。 直流分ではコンデンサが開放、交流分では並列に効く——同じ素子でも成分ごとに扱いが変わる、というのがこの問題の要である。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 理論 問8
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1427.図は,実効値が1 Vで角周波数ω[krad/s]が変化する正弦波交流電源を含む回路である。いま,ωの値がω₁=5 krad/s,ω₂=10 krad/s,ω₃=30 krad/sと3通りの場合を考え,ω=ω_k(k=1, 2, 3)のときの電流i[A]の実効値をI_kと表すとき,I₁, I₂, I₃の大小関係として,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.I₁ < I₂ < I₃
- 2.I₁ = I₂ < I₃
- 3.I₂ < I₁ < I₃
- 4.I₂ < I₁ = I₃
- 5.I₃ < I₂ < I₁
正解:3.I₂ < I₁ < I₃
解説:R・C・Lが並列なので、アドミタンスで考える。 Y=1/R+j(ωC−1/(ωL)) で、電源電圧は1 Vだから電流の大きさはそのまま|Y|に等しい。 R=100 kΩ のコンダクタンスは 1/100 000=1×10⁻⁵ S で、他に比べて桁違いに小さく、ほとんど効かない。 サセプタンス B=ωC−1/(ωL) を3通りで計算する。ωは krad/s=10³ rad/s であることに注意する。 ω₁=5×10³:ωC=5×10³×10×10⁻⁶=0.05 S,1/(ωL)=1/(5×10³×1×10⁻³)=0.2 S → B=−0.15 S ω₂=10×10³:ωC=0.1 S,1/(ωL)=0.1 S → B=0 S ω₃=30×10³:ωC=0.3 S,1/(ωL)≒0.033 S → B=0.267 S 電流の大きさは |Y|≒|B| なので I₁≒0.15 A,I₂≒1×10⁻⁵ A,I₃≒0.267 A。 したがって I₂ < I₁ < I₃ となり答(3)。 ω₂=10 krad/s は並列共振の角周波数である。ωC=1/(ωL) となってコイルとコンデンサの電流が打ち消し合い、電源から見ると抵抗だけが残る。並列共振ではインピーダンスが最大=電流が最小になるので、I₂が飛び抜けて小さい。 共振角周波数は ω₀=1/√(LC)=1/√(1×10⁻³×10×10⁻⁶)=1/√(10⁻⁸)=10⁴ rad/s=10 krad/s で、ω₂と一致する。この一致に気づけば、I₂が最小であることは計算せずに分かる。 krad/s を rad/s に直し忘れると、ωC も 1/(ωL) も桁が3つずれる。単位の接頭辞は最初に外しておく。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 理論 問9
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1428.図のように,電圧1 kVに充電された静電容量100 μFのコンデンサ,抵抗1 kΩ,スイッチからなる回路がある。スイッチを閉じた直後に過渡的に流れる電流の時定数τの値[s]と,スイッチを閉じてから十分に時間が経過するまでに抵抗で消費されるエネルギーWの値[J]の組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.τ=0.1 / W=0.1
- 2.τ=0.1 / W=50
- 3.τ=0.1 / W=1 000
- 4.τ=10 / W=0.1
- 5.τ=10 / W=50
正解:2.τ=0.1 / W=50
解説:時定数はRとCの積である。 τ=RC=1×10³×100×10⁻⁶=0.1 s。 消費されるエネルギーは、コンデンサに蓄えられていた静電エネルギーがすべて抵抗で熱になる、と考えればよい。放電しきったあとコンデンサの電圧は0 Vになるので、蓄えられていたエネルギーの全部が抵抗で消費される。 W=(1/2)CV²=0.5×100×10⁻⁶×(1×10³)²=0.5×100×10⁻⁶×10⁶=50 J。答(2)。 (3)の1 000は (1/2) を掛け忘れた場合の値の…ではなく、CV²=100×10⁻⁶×10⁶=100 J でもない。1 000は電圧の値そのもので、エネルギーとは単位が違う。 積分を使わなくてよいところがこの問題の要点である。時間の経過を追って i(t)=(V/R)e^(−t/τ) を二乗して積分しても同じ50 Jになるが、エネルギー保存で考えれば一行で済む。 単位の接頭辞をそろえるところだけ気をつける。1 kΩ=10³ Ω、100 μF=10⁻⁴ F、1 kV=10³ V である。τ=10³×10⁻⁴=10⁻¹ s と、指数の足し算で確かめられる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 理論 問10
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1429.次の文章は,太陽電池に関する記述である。 太陽光のエネルギーを電気エネルギーに直接変換するものとして,半導体を用いた太陽電池がある。p形半導体とn形半導体によるpn接合を用いているため,構造としては (ア) と同じである。太陽電池に太陽光を照射すると,半導体の中で負の電気をもつ電子と正の電気をもつ (イ) が対になって生成され,電子はn形半導体の側に, (イ) はp形半導体の側に,それぞれ引き寄せられる。その結果,p形半導体に付けられた電極がプラス極,n形半導体に付けられた電極がマイナス極となるように起電力が生じる。両電極間に負荷抵抗を接続すると太陽電池から取り出された電力が負荷抵抗で消費される。その結果,負荷抵抗を接続する前に比べて太陽電池の温度は (ウ) 。 上記の記述中の空白箇所(ア),(イ)及び(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 1.ダイオード / 正孔 / 低くなる
- 2.ダイオード / 正孔 / 高くなる
- 3.トランジスタ / 陽イオン / 低くなる
- 4.トランジスタ / 正孔 / 高くなる
- 5.トランジスタ / 陽イオン / 高くなる
正解:1.ダイオード / 正孔 / 低くなる
解説:(ア) 太陽電池はp形半導体とn形半導体を接合したpn接合が一つだけの素子で、構造としてはダイオードと同じである。トランジスタはpn接合を二つ持ち、端子も三つあるので当てはまらない。 (イ) 半導体の中で電子と対になって生成される正の電気の担い手は正孔(ホール)である。陽イオンは原子核ごと動く別のもので、半導体の中を自由に移動できない。 (ウ) 負荷抵抗をつなぐと、太陽電池が受け取った光のエネルギーの一部が電力として外へ取り出される。開放のままだと取り出せる先がなく、吸収したエネルギーはすべて熱になる。外へ持ち出されるぶんだけ内部で熱になる量が減るので、温度は低くなる。 ダイオード/正孔/低くなるとなり答(1)。 (ウ)は直感に反するかもしれないが、エネルギーの行き先を数えれば分かる。太陽電池が受ける光の量は負荷の有無で変わらないので、電力として出ていくぶんは熱にならない。 太陽電池の温度が上がると変換効率は下がる。だから実際の設置でも、パネルの裏面に風が通るようにして温度を下げる工夫がされる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 理論 問11
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問1430.図のように,極板間の距離d[m]の平行板導体が真空中に置かれ,極板間に強さE[V/m]の一様な電界が生じている。質量m[kg],電荷量q(>0)[C]の点電荷が正極から放出されてから,極板間の中心d/2[m]に達するまでの時間t[s]を表す式として,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 ただし,点電荷の速度は光速より十分小さく,初速度は0 m/sとする。また,重力の影響は無視できるものとし,平行板導体は十分大きいものとする。

- 1.√(md/(qE))
- 2.√(2md/(qE))
- 3.√(qEd/m)
- 4.√(qE/(md))
- 5.√(2qE/(md))
正解:1.√(md/(qE))
解説:点電荷が受ける力は F=qE で一定なので、加速度も一定である。 a=F/m=qE/m。 初速度0の等加速度運動なので、時間tのあいだに進む距離は x=(1/2)at²。 進む距離は極板間の中心までの d/2 だから d/2=(1/2)×(qE/m)×t²。 両辺の1/2が消えて d=(qE/m)t² → t²=md/(qE) → t=√(md/(qE))。答(1)。 両辺に1/2があって打ち消し合うところが、この問題の仕掛けである。d/2 の 1/2 と (1/2)at² の 1/2 を片方だけ処理すると、(2)の √(2md/(qE)) になる。式を立ててから約分する、という順序を守れば間違えない。 単位で確かめることもできる。md/(qE) の単位は [kg]×[m]÷([C]×[V/m])。分母は [C·V/m]=[J/m]=[N] なので、全体は [kg·m/N]=[kg·m/(kg·m/s²)]=[s²] となり、平方根をとって[s]になる。(3)(4)(5)は同じ確かめをすると時間の単位にならない。 初速度0・力が一定という二つの条件が、等加速度運動の公式をそのまま使える根拠である。設問が「初速度は0 m/s」「重力の影響は無視」と断っているのはそのためである。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 理論 問12
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問1431.図のように電圧増幅度A_v(>0)の増幅回路と帰還率β(0<β≦1)の帰還回路からなる負帰還増幅回路がある。この負帰還増幅回路に関する記述として,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし,帰還率βは周波数によらず一定であるものとする。

- 1.負帰還増幅回路の帯域幅は,負帰還をかけない増幅回路の帯域幅よりも狭くなる。
- 2.電源電圧の変動に対して負帰還増幅回路の利得は,負帰還をかけない増幅回路よりも不安定である。
- 3.負帰還をかけることによって,増幅回路の内部で発生するひずみや雑音が増加する。
- 4.負帰還をかけない増幅回路の電圧増幅度A_vと帰還回路の帰還率βの積が1より十分小さいとき,負帰還増幅回路全体の電圧増幅度は帰還率βの逆数で近似できる。
- 5.負帰還増幅回路全体の利得は,負帰還をかけない増幅回路の利得よりも低下する。
正解:5.負帰還増幅回路全体の利得は,負帰還をかけない増幅回路の利得よりも低下する。
解説:負帰還増幅回路全体の電圧増幅度は A_f=A_v/(1+A_vβ) である。A_v>0、β>0なので分母は必ず1より大きく、A_f<A_v になる。したがって利得は必ず低下する。(5)が正しく、これが答になる。 他の記述を確かめる。 (1)負帰還をかけると利得は下がるが、そのぶん帯域幅は広がる。利得と帯域幅の積がほぼ一定に保たれるためで、帯域幅は狭くならない。 (2)負帰還の最大の利点は利得が安定することである。A_vβが1より十分大きければ A_f≒1/β となり、増幅回路自体の特性(電源電圧の変動や素子のばらつき)にほとんど左右されなくなる。不安定になるのではなく安定になる。 (3)増幅回路の内部で発生したひずみや雑音も帰還によって打ち消される向きに働くので、減少する。 (4)A_f≒1/β という近似が成り立つのは A_vβ が1より十分大きいときである。「小さいとき」としているので誤り。A_vβが1より十分小さければ分母がほぼ1になり、A_f≒A_v となって帰還の効果がほとんど出ない。 (2)(3)(4)はいずれも A_f=A_v/(1+A_vβ) の式から出てくる。利得を犠牲にして、安定性・帯域幅・ひずみの少なさを買う——これが負帰還の考え方である。(5)の「利得の低下」はその代償にあたる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 理論 問13
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問1432.直動式指示電気計器の種類,JISで示される記号及び使用回路の組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 (選択肢は原本から切り出した表の行で示す。記号はJISの図記号である。)
- 1.永久磁石可動コイル形 / 直流専用

- 2.空心電流力計形 / 交流・直流両用

- 3.整流形 / 交流・直流両用

- 4.誘導形 / 交流専用

- 5.熱電対形(非絶縁) / 直流専用

正解:2.空心電流力計形 / 交流・直流両用
解説:種類・記号・使用回路の三つがすべて正しく対応しているものを選ぶ。 (2)空心電流力計形は、固定コイルと可動コイルの両方に測定電流を流してその間に働く力で指示する計器である。電流の向きが変わると力の向きも両方同時に変わるので、交流でも直流でも同じ向きに振れる。したがって交流・直流両用で正しく、記号も電流力計形のものである。答(2)。 他の選択肢を確かめる。 (1)永久磁石可動コイル形は直流専用で、そこは正しい。しかし記号が違う。永久磁石可動コイル形の記号は、選択肢(5)に描かれている「馬蹄形の磁石と長方形のコイル」の形である。(1)に描かれているのは円盤を表す誘導形の記号である。 (3)整流形は、交流を整流してから可動コイル形で測る計器なので交流専用である。記号(ダイオードと可動コイル形の組合せ)は正しいが、使用回路が誤っている。 (4)誘導形は交流専用でそこは正しいが、記号が違う。描かれているのは熱電対と可動コイル形を組み合わせた熱電対形の記号である。 (5)熱電対形は、熱電対で発生した直流を可動コイル形で測るので交流・直流両用である。使用回路が誤っており、記号も熱電対の部分が抜けている。 記号の中に「馬蹄形の磁石+長方形のコイル」が現れたら可動コイル形が入っている、と読む。その前にダイオードが付けば整流形、熱電対(斜めの2本線)が付けば熱電対形である。この読み方ができれば、記号だけで(1)(4)(5)の食い違いに気づける。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 理論 問14
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 - 1.永久磁石可動コイル形 / 直流専用
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問1433.図のように,平らで十分大きい導体でできた床から高さh[m]の位置に正の電気量Q[C]をもつ点電荷がある。次の(a)及び(b)の問に答えよ。ただし,点電荷から床に下ろした垂線の足を点O,床より上側の空間は真空とし,床の導体は接地されている。真空の誘電率をε₀[F/m]とする。 〔小問(a)〕 床より上側の電界は,点電荷のつくる電界と,床の表面に静電誘導によって現れた面電荷のつくる電界との和になる。床より上側の電気力線の様子として,適切なものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 (選択肢は原本から切り出した電気力線図で示す。)

- 1.点電荷から出た電気力線が床の手前で向きを変え,床に沿って水平に走っている図

- 2.点電荷から下へ出た電気力線が外へふくらんでから内側へ回り込み,床に斜めに入っている図(中央の2本は床の1点に集まる)

- 3.電気力線がすべて直線のまま放射状に伸び,床に斜めに突き当たっている図

- 4.上方から一様に降りてくる電気力線が加わっている図

- 5.点電荷から出た電気力線が曲がって床に垂直に入っている図

正解:5.点電荷から出た電気力線が曲がって床に垂直に入っている図
解説:接地された導体面の上に正の点電荷を置いたときの電気力線は、次の三つの決まりを同時に満たさなければならない。 ① 電気力線は導体の表面に垂直に入る。導体の表面は等電位面であり、電気力線は等電位面と直交するためである。 ② 電気力線は途中で閉じた輪をつくらない。輪ができると同じ点に二つの電位が生じてしまう。 ③ 電気力線は正電荷から出て負電荷に入る。床には静電誘導で負の面電荷が現れるので、点電荷から出た線はすべて床に入る。 この三つを満たしているのは(5)だけである。答(5)。 他の図がどこで反しているかを見る。 (1)は電気力線が床に入らずに床に沿って水平に走っており、①に反する。 (2)は点電荷から下へ出た電気力線がふくらんで回り込み、床に斜めに入っており、①に反する。 (3)は直線のまま床に斜めに突き当たっており、①に反する。実際には床に近づくにつれて曲がり、垂直に入る。 (4)は上方から一様な電気力線が降りてきており、外から別の電界が加わっていることになる。この問題では点電荷と床の面電荷しかないので当てはまらない。 この状況は、床を取り去って点Oの下に距離hのところへ −Q[C] の点電荷(影像電荷)を置いた場合とまったく同じ電界になる。二つの等量異符号の電荷がつくる電界を思い浮かべれば、床の位置での対称面に電気力線が垂直に交わることが見てとれる。小問(b)はこの影像電荷の考え方をそのまま使う。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 理論 問15(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 - 1.点電荷から出た電気力線が床の手前で向きを変え,床に沿って水平に走っている図
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問1434.図のように,平らで十分大きい導体でできた床から高さh[m]の位置に正の電気量Q[C]をもつ点電荷がある。次の問に答えよ。ただし,点電荷から床に下ろした垂線の足を点O,床より上側の空間は真空とし,床の導体は接地されている。真空の誘電率をε₀[F/m]とする。 〔小問(b)〕 点電荷は床表面に現れた面電荷から鉛直方向の静電吸引力F[N]を受ける。その力は床のない状態で点Oに固定した電気量−Q/4[C]の点電荷から受ける静電力に等しい。F[N]に逆らって,点電荷を高さh[m]からz[m](ただしh<z)まで鉛直方向に引き上げるのに必要な仕事W[J]を表す式として,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.Q²/(4πε₀z²)
- 2.(Q²/(4πε₀))(1/h−1/z)
- 3.(Q²/(16πε₀))(1/h−1/z)
- 4.Q²/(16πε₀z²)
- 5.(Q²/(πε₀))(1/h²−1/z²)
正解:3.(Q²/(16πε₀))(1/h−1/z)
解説:設問が「点Oに固定した電気量−Q/4[C]の点電荷から受ける静電力に等しい」と教えてくれているので、その二つの電荷の間に働くクーロン力を書けばよい。点電荷の高さをx[m]とすると、点Oからの距離もx[m]なので F(x)=(1/4πε₀)×Q×(Q/4)/x²=Q²/(16πε₀x²)[N] で、向きは下向き(引力)である。 この力に逆らってhからzまで引き上げるのに必要な仕事は、Fを距離で積分して W=∫_h^z Q²/(16πε₀x²)dx =Q²/(16πε₀)×[−1/x]_h^z =Q²/(16πε₀)(1/h−1/z)[J]。答(3)。 h<z なので 1/h−1/z>0 となり、仕事が正になることも確かめられる。引き上げるのだから正の仕事が要る。 (2)は分母が4πε₀のままで、電荷が−Q/4であることを反映していない。Q×(Q/4)=Q²/4 なので、4πε₀ の4と合わせて16πε₀になる。 (1)や(4)は積分せずに「力×距離」で済ませようとした場合の形である。力が距離とともに変わるので、単純な掛け算では求まらない。 (5)は 1/x² を積分して 1/x³ …ではなく、力の式をそのまま積分せずに二乗の形を残してしまった場合である。∫x⁻²dx=−x⁻¹ なので、答には1乗の逆数が現れる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 理論 問15(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1435.図のように線間電圧200 V,周波数50 Hzの対称三相交流電源にRLC負荷が接続されている。R=10 Ω,電源角周波数をω[rad/s]として,ωL=10 Ω,1/(ωC)=20 Ωである。次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 電源電流Iの値[A]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.7
- 2.10
- 3.13
- 4.17
- 5.22
正解:3.13
解説:負荷はY結線で、各相はR・L・Cの並列である。並列なのでアドミタンスで足すのが早い。 1相分のアドミタンスは Y=1/R+1/(jωL)+jωC =1/10−j/10+j/20 =0.1−j0.1+j0.05 =0.1−j0.05 S。 大きさは |Y|=√(0.1²+0.05²)=√0.0125≒0.112 S。 Y結線なので1相にかかるのは相電圧で E=200/√3≒115.5 V。 したがって電源電流(線電流)は I=E|Y|=115.5×0.112≒12.9 A。 最も近いのは13で答(3)。 コイルのアドミタンスは 1/(jωL)=−j/10=−j0.1 S、コンデンサのアドミタンスは jωC=j/20=j0.05 S である。1/(ωC)=20 Ω と与えられているので、ωC=1/20=0.05 S と読み替える。ここを逆に取ると答が変わる。 (5)の22は、相電圧ではなく線間電圧200 Vをそのまま掛けた場合に近い(200×0.112≒22.4)。Y結線では1相にかかるのは線間電圧の1/√3である。 並列回路をインピーダンスのまま足そうとすると計算が長くなる。R・L・Cが並列ならアドミタンスで足す、と決めておくと迷わない。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 理論 問16(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1436.図のように線間電圧200 V,周波数50 Hzの対称三相交流電源にRLC負荷が接続されている。R=10 Ω,電源角周波数をω[rad/s]として,ωL=10 Ω,1/(ωC)=20 Ωである。次の問に答えよ。 〔小問(b)〕 三相負荷の有効電力の値[kW]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.1.3
- 2.2.6
- 3.3.6
- 4.4.0
- 5.12
正解:4.4.0
解説:有効電力を消費するのは抵抗Rだけである。コイルとコンデンサは無効電力をやりとりするだけで、平均の消費電力は零になる。したがってRにかかる電圧だけが分かればよい。 R・L・Cは並列なので、Rにかかる電圧は相電圧そのもので E=200/√3≒115.5 V。 1相あたりの有効電力は P₁=E²/R=115.5²/10≒1 333 W。 三相ぶんではその3倍で P=3×1 333≒4 000 W=4.0 kW。答(4)。 1相分は E²/R=(200/√3)²/10=(200²/3)/10=40 000/30≒1 333 W と、√3を二乗して3にしてしまうと計算が軽くなる。三相ぶんに3を掛けると 3×40 000/30=4 000 W となり、√3も3もきれいに消える。 電流から求めることもできるが、そのときはRを流れる電流だけを使う。小問(a)で求めた電源電流12.9 Aは、Rの電流とLCの電流を合成した値なので、これを二乗してRに掛けると大きすぎる値になる。 並列回路では「電圧が共通」なので、有効電力は P=V²/R で出すのが確実である。直列回路のように P=I²R を使うと、どの電流かを取り違えやすい。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 理論 問16(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1437.NAND ICを用いたパルス回路について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。ただし,高電位を「1」,低電位を「0」と表すことにする。 〔小問(a)〕 pチャネル及びnチャネルMOSFETを用いて構成された図1の回路と真理値表が同一となるものを,図2のNAND回路の接続(イ),(ロ),(ハ)から選び,全て列挙したものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.(イ)
- 2.(ロ)
- 3.(ハ)
- 4.(イ),(ロ)
- 5.(イ),(ハ)
正解:5.(イ),(ハ)
解説:図1はpチャネルMOSFETとnチャネルMOSFETを縦に積んだCMOSインバータで、入力が「1」なら出力は「0」、入力が「0」なら出力は「1」になる。すなわちNOT回路である。 図2の三つの接続について、NANDの出力 ¬(A·B) に当てはめて確かめる。入力をAとする。 (イ) 二つの入力端子を短絡して両方にAを入れる。 ¬(A·A)=¬A となり、NOT回路と同じになる。 (ロ) 一方を「0」に固定する。 ¬(A·0)=¬0=1 となり、入力によらず出力は常に「1」である。NOT回路ではない。 (ハ) 一方を「1」に固定する。 ¬(A·1)=¬A となり、NOT回路と同じになる。 したがって(イ)と(ハ)の二つで、答(5)。 (ロ)が使えない理由は、AND部分が「片方が0なら結果は0」だからである。0を掛けたのと同じで、もう一方の入力が何であっても結果は変わらない。逆に「1」は掛け算の1と同じで相手をそのまま残すので、(ハ)が成り立つ。 NANDだけでNOT・AND・ORのすべてを作れることは、論理回路の設計でよく使う性質である。NOTを作る二通りの方法が、ここで問われている(イ)と(ハ)にあたる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 理論 問17(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1438.NAND ICを用いたパルス回路について,次の問に答えよ。ただし,高電位を「1」,低電位を「0」と表すことにする。 〔小問(b)〕 図3の三つの回路はいずれもマルチバイブレータの一種であり,これらの回路図においてNAND ICの電源及び接地端子は省略している。同図(ニ),(ホ),(ヘ)の入力の数がそれぞれ0,1,2であることに注意して,これら三つの回路と次の二つの性質を正しく対応づけたものの組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 性質I:出力端子からパルスが連続的に発生し,ディジタル回路の中で発振器として用いることができる。 性質II:「0」や「1」を記憶する機能をもち,フリップフロップの構成にも用いられる。

- 1.性質I=(ニ) / 性質II=(ホ)
- 2.性質I=(ニ) / 性質II=(ヘ)
- 3.性質I=(ホ) / 性質II=(ニ)
- 4.性質I=(ホ) / 性質II=(ヘ)
- 5.性質I=(ヘ) / 性質II=(ホ)
正解:2.性質I=(ニ) / 性質II=(ヘ)
解説:マルチバイブレータは、外部からの入力をいくつ必要とするかで三つに分けられる。設問が「入力の数がそれぞれ0,1,2」と教えてくれているので、そこから対応づけられる。 (ニ) 入力の数が0。外から何も与えなくても自分で動き続けるので無安定(非安定)マルチバイブレータである。二つの安定な状態を持たず、コンデンサの充放電で状態が交互に入れ替わり続けるため、出力からパルスが連続的に出る。これが性質I(発振器)にあたる。 (ホ) 入力の数が1。安定な状態が一つだけで、引き金となる入力を1回与えると一定時間だけもう一方の状態になり、自分で元へ戻る。単安定マルチバイブレータで、一定幅のパルスを1つ作るのに使う。 (ヘ) 入力の数が2。安定な状態が二つあり、どちらの状態にも留まっていられる。二つの入力でどちらの状態にするかを指定するので、「0」や「1」を記憶できる。双安定マルチバイブレータで、これがフリップフロップである。これが性質IIにあたる。 性質I=(ニ)、性質II=(ヘ)となり答(2)。 入力の数と安定状態の数が対応している、と覚えると分かりやすい。入力0=安定状態0(無安定)、入力1=安定状態1(単安定)、入力2=安定状態2(双安定)である。 回路図からも読み取れる。(ニ)と(ホ)にはコンデンサがあり、その充放電で時間を作っている。(ヘ)にはコンデンサがなく、二つのNANDが互いの出力を入力に戻し合うだけの構成で、これが記憶を生む。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 理論 問17(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1439.図1は,二重積分形A-D変換器を用いたディジタル直流電圧計の原理図である。次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 図1のように,負の基準電圧−V_r(V_r>0)[V]と切換スイッチが接続された回路があり,その回路を用いて正の未知電圧V_x(>0)[V]を測定する。まず,制御回路によってスイッチがS₁側へ切り換わると,時刻t=0 sで測定電圧V_x[V]が積分器へ入力される。その入力電圧V_i[V]の時間変化が図2(a)であり,積分器からの出力電圧V_o[V]の時間変化が図2(b)である。ただし,t=0 sでの出力電圧をV_o=0 Vとする。時刻t₁におけるV_o[V]は,入力電圧V_i[V]の期間0〜t₁[s]で囲われる面積Sに比例する。積分器の特性で決まる比例定数をk(>0)とすると,時刻t=T₁[s]のときの出力電圧は,V_m= (ア) [V]となる。 定められた時刻t=T₁[s]に達すると,制御回路によってスイッチがS₂側に切り換わり,積分器には基準電圧−V_r[V]が入力される。よって,スイッチS₂の期間中の時刻t[s]における積分器の出力電圧の大きさは,V_o=V_m− (イ) [V]と表される。 積分器の出力電圧V_oが0 Vになると,電圧比較器がそれを検出する。V_o=0 Vのときの時刻をt=T₁+T₂[s]とすると,測定電圧はV_x= (ウ) [V]と表される。さらに,図2(c)のようにスイッチS₁,S₂の各期間T₁[s],T₂[s]中にクロックパルス発振器から出力されるクロックパルス数をそれぞれN₁,N₂とすると,N₁は既知なのでN₂をカウントすれば,測定電圧V_xがディジタル信号に変換される。ここで,クロックパルスの周期T_sは,クロックパルス発振器の動作周波数に (エ) する。 上記の記述中の空白箇所(ア),(イ),(ウ)及び(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

- 1.(ア) kV_xT₁ / (イ) kV_r(t−T₁) / (ウ) (T₂/T₁)V_r / (エ) 反比例
- 2.(ア) kV_xT₁ / (イ) kV_rT₂ / (ウ) (T₂/T₁)V_r / (エ) 反比例
- 3.(ア) k(V_x/T₁) / (イ) k(V_r/T₂) / (ウ) (T₁/T₂)V_r / (エ) 比例
- 4.(ア) k(V_x/T₁) / (イ) k(V_r/T₂) / (ウ) (T₁/T₂)V_r / (エ) 反比例
- 5.(ア) kV_xT₁ / (イ) kV_r(t−T₁) / (ウ) T₁T₂V_r / (エ) 比例
正解:1.(ア) kV_xT₁ / (イ) kV_r(t−T₁) / (ウ) (T₂/T₁)V_r / (エ) 反比例
解説:(ア) 設問が「時刻t₁におけるV_oは、入力電圧V_iの期間0〜t₁で囲われる面積Sに比例する」と定義している。S₁の期間は入力が一定のV_xなので、時刻T₁までの面積は長方形の面積 V_x×T₁ である。比例定数kを掛けて V_m=kV_xT₁。 (イ) S₂に切り換わると入力が−V_rになるので、出力は同じ割合で下がっていく。切り換わってからの経過時間は t−T₁ なので、下がった量は kV_r(t−T₁) である。したがって V_o=V_m−kV_r(t−T₁)。 T₂は最後に0 Vになる時刻までの長さで、途中の時刻tにおける式には使えない。(2)のようにkV_rT₂とすると、時刻によらない定数になってしまう。 (ウ) V_o=0 になるのは t=T₁+T₂ のときだから kV_xT₁=kV_rT₂ → V_x=(T₂/T₁)V_r。 kが両辺で消えるところがこの方式の要点である。積分器の特性がばらついても測定値に影響しない。 (エ) 周期と周波数は互いに逆数なので、周期T_sは動作周波数に反比例する。 kV_xT₁/kV_r(t−T₁)/(T₂/T₁)V_r/反比例となり答(1)。 kが消えるだけでなく、T₁とT₂を同じクロックで数えれば T₂/T₁=N₂/N₁ となってクロック周波数も消える。二重積分形が高い精度を出せるのは、この二重の打ち消しによる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 理論 問18(a)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問1440.図1は,二重積分形A-D変換器を用いたディジタル直流電圧計の原理図であり,図2はその各部の波形である。次の問に答えよ。 〔小問(b)〕 基準電圧がV_r=2.0 V,スイッチS₁の期間T₁[s]中のクロックパルス数がN₁=1.0×10³のディジタル直流電圧計がある。この電圧計を用いて未知の電圧V_x[V]を測定したとき,スイッチS₂の期間T₂[s]中のクロックパルス数がN₂=2.0×10³であった。測定された電圧V_xの値[V]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 (小問(a)より,測定電圧は V_x=(T₂/T₁)V_r と表される。)

- 1.0.5
- 2.1.0
- 3.2.0
- 4.4.0
- 5.8.0
正解:4.4.0
解説:小問(a)で得た式は V_x=(T₂/T₁)V_r である。T₁とT₂は同じクロックパルスで数えているので、周期T_sを使うと T₁=N₁T_s、T₂=N₂T_s と書ける。比を取ればT_sが消えて T₂/T₁=N₂/N₁。 したがって V_x=(N₂/N₁)V_r=(2.0×10³/1.0×10³)×2.0=2×2.0=4.0 V。答(4)。 クロックパルスの周期T_sそのものは分からないが、比を取るので必要ない。これが二重積分形A-D変換器の利点で、クロックの精度が多少ずれても測定値には影響しない。 (2)の1.0は N₁/N₂ と比を逆に取った場合の値の…ではなく、V_r/2 にあたる。比の向きを確かめるには、T₂が長いほど(つまりN₂が大きいほど)測定電圧が高い、という関係を思い出すとよい。V_xが大きいほど積分器の出力V_mが高くなり、それを基準電圧で戻すのに時間がかかるからである。 (3)の2.0は基準電圧V_rそのもので、N₂=N₁のときの値である。この問題ではN₂がN₁の2倍なので、測定電圧も基準電圧の2倍になる。
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 理論 問18(b)
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。