電験三種を活かせる職種と年収【就職・転職ガイド】
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第三種電気主任技術者(電験三種)は電気設備の保安監督ができる法定必置資格で、ビル・工場・商業施設に欠かせない存在。人手不足が深刻で、40代・50代未経験でも採用される希少資格として知られます。この記事では電験三種を活かせる職種・国の統計で見る給与・キャリアパスを解説します。
電験三種を活かせる主な職種
1. 電気主任技術者(選任)
ビル・工場・商業施設に常駐または専任で電気設備の保安監督を行います。選任者手当を別に出す会社もあります。
2. ビルメンテナンス(電気系)
商業ビル・オフィスビル・病院・ホテルなどで電気設備の保守点検を担当します。夜勤・交代勤務がある職場もありますが、ワークライフバランス重視の方にも人気です。
3. 設備管理・プラント管理
工場・プラントでの電気設備保守、受変電設備管理を担当します。製造業の設備課・工務課で需要が高く、メーカー勤務なら福利厚生も安定しています。
4. 電気保安協会・電気管理技術者
各地の電気保安協会に勤務する道と、独立して電気管理技術者として保安管理業務を請け負う道があります(独立には免状交付後の実務経験が要ります。下の「副業・独立は可能か」を参照)。
5. 電気工事会社・施工管理
電気工事業者で施工管理・現場監督として活躍します。第二種電気工事士+電験三種のダブル保有なら、施工から保安まで一貫して対応できます。
国の統計で見る給与
厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(令和7年)の職種別の値です。 電気主任技術者は、統計では「電気・電子・電気通信技術者」に数えられます。電気機器の設計・製造の技術者なども同じ職種に入るため、保安業務だけの平均ではありません。
電気・電子・電気通信技術者(通信ネットワーク技術者を除く)
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 推定年収(※) | 704万円 |
| 毎月の給与(きまって支給する現金給与額) | 448,600円 |
| 年間賞与その他特別給与額 | 1,656,200円 |
| 平均年齢/平均勤続年数 | 42.1歳/15.1年 |
勤め先の規模で差があります(推定年収)。
| 企業規模 | 推定年収 |
|---|---|
| 1,000人以上 | 750万円 |
| 100〜999人 | 676万円 |
| 10〜99人 | 598万円 |
経験年数による違い(所定内給与額×12+年間賞与で計算。残業代は含みません)。
| 経験年数 | 年収の目安 |
|---|---|
| 0年 | 378万円 |
| 1〜4年 | 506万円 |
| 5〜9年 | 591万円 |
| 10〜14年 | 670万円 |
| 15年以上 | 770万円 |
※推定年収=毎月の給与(6月分・残業代などを含む)×12+前年1年間の賞与。当サイトで計算した値で、厚生労働省の公表値そのものではありません。 対象は一般労働者(短時間労働者を除く)・企業規模10人以上の事業所です。その職種で働く人全体の値で、この資格を持っている人だけの平均ではありません。 出典:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」令和7年 (e-Stat 職種別の表)
未経験から目指せるか
電験三種は保有者が慢性的に不足しているため、未経験・年齢不問の求人が多い希少資格です。特に40代〜50代からの転職でも採用される数少ない国家資格で、セカンドキャリア・定年後の再就職にも向いています。未経験でスタートしたときの条件は、応募先の求人票で確かめてください。
キャリアパス例
- 電験三種取得:ビルメン・電気保安協会・設備管理会社に就職
- 1〜3年目:現場で実務経験を積む、第二種電気工事士も取得すると幅が広がる
- 3〜5年目:電気主任技術者として選任される
- 5〜10年目:電験二種取得・管理職・大規模施設の主任技術者へ
- 10年目以降:電気管理技術者として独立、または電験一種・エネルギー管理士へステップアップ
転職市場での需要
電験三種の有資格者は日本全体で大幅に不足しており、特に地方では深刻な人手不足。2030年代にかけて団塊世代の大量引退でさらに需要拡大が見込まれます。再生可能エネルギー施設(太陽光・風力)の拡大も追い風で、電験三種の活躍場は広がり続けています。
資格手当
資格手当の有無や金額は会社ごとに決まり、資格ごとの公的な統計はありません。国の調査では、技能手当・技術(資格)手当を出している企業は全体の48.5%、 支給された人の平均は月21,500円でした(令和6年11月分)。この資格が手当の対象になるか、いくらかは、応募先の求人票や就業規則で確かめてください。
| 企業規模 | 手当がある企業の割合(※) | 支給された人の平均(月額) |
|---|---|---|
| 1,000人以上 | 53.1% | 20,900円 |
| 300〜999人 | 57.5% | 19,100円 |
| 100〜299人 | 56.9% | 20,500円 |
| 30〜99人 | 51.3% | 25,000円 |
※何らかの手当を出している企業のうち、技能手当・技術(資格)手当を出している企業の割合。「技能手当・技術(資格)手当」は特定の技能、検査資格などを有する者に対して支給する賃金(調査の定義)。対象は常用労働者30人以上の民営企業。 出典:厚生労働省「令和7年就労条件総合調査」(概況 第17表(支給企業割合)・第18表(支給された労働者1人平均支給額))
電気主任技術者に選任された人に「選任者手当」を別に出す会社もあります。金額は会社ごとに違うため、求人票や就業規則で確かめてください。
副業・独立は可能か
電験三種は独立開業との相性がよい資格です。免状の交付後に告示で定める実務経験(第三種は5年。「自家用電気工作物の保安管理業務に関する講習」を修了した場合は3年、設備容量300kVA以下などを受託する場合はさらに1年減)を満たすと、電気管理技術者として高圧受電の中小ビル・工場と保安管理契約を結べます。
ここで注意したいのは、「登録」ではなく委託契約ごとの承認だという点です。設置者が保安管理業務を外部に委託するときに、委託契約ごとに産業保安監督部長の承認を受けます(電気事業法施行規則第52条第2項)。受託できるのは電圧7,000V以下で受電する需要設備などに限られます。
出典:平成15年経済産業省告示第249号/中部近畿産業保安監督部近畿支部「保安管理業務に従事したい方」
受託できる件数や報酬は、設備の規模・地域・契約先によって変わります。独立を考える段階で、保安法人や既に独立している方の条件を確かめてください。
よくある質問
Q. 電験三種だけで就職・転職できますか?
電験三種は、ビルや工場などの電気主任技術者として選任を受けられる国家資格で、設備管理やビルメンテナンスの求人で活かせます。未経験から応募する場合は、資格とあわせて設備に関心があることや学んだ内容を具体的に伝えましょう。
Q. 電験三種の想定年収はいくらですか?
資格ごとの年収の公的な統計はありません。この資格の仕事が数えられる職種の値では、「電気・電子・電気通信技術者(通信ネットワーク技術者を除く)」の推定年収は704万円(企業規模1,000人以上で750万円、10〜99人で598万円)です(厚生労働省「賃金構造基本統計調査」令和7年をもとに、毎月の給与×12+年間賞与で当サイトが計算。資格を持っていない人も含む職種全体の値です)。年収は勤務先の業種や規模、地域、担当する設備、実務経験によっても変わります。
Q. 未経験から電験三種で働けますか?
ビルメンテナンス会社などでは、実務未経験でも応募できる求人があります。応募先の求人票で必要な経験や年齢の条件を確かめ、資格とあわせて学習の成果を伝えましょう。
Q. 資格手当はいくらですか?
資格手当の有無や金額は会社ごとに異なります。電気主任技術者に選任されたときの手当がある会社もあるので、求人票や就業規則で確認しましょう。
Q. 副業や独立は可能ですか?
電気主任技術者の免状を受け、告示で定める実務経験(第三種は5年。講習を修了した場合は3年)などの要件を満たすと、電気管理技術者として事業場の保安管理業務を受託できます(登録制ではなく、委託契約ごとに産業保安監督部の承認が必要)。対象は電圧7,000V以下で受電する需要設備などです。
まとめ
電験三種は就職・転職・独立・副業のすべてに対応する実用的な資格です。給与は勤務先の規模で大きく変わるため、上の「国の統計で見る給与」と応募先の求人票を見比べてください。40代・50代の未経験転職でも採用される希少資格で、人手不足が続くかぎり価値が落ちにくい資格です。
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