電験三種「理論」の出題ポイント解説
電験三種の理論は、直流回路・交流回路・三相交流・電磁気・電子回路・電気計測から出題される全科目の基礎です。A問題14問+B問題3題で構成され、合格基準60点(通常11〜12問正解)が目安。他3科目の土台となるため、理論攻略が電験合格の第一歩です。
この章の重要度
理論は電験4科目の中で最も基礎かつ最も難関。他科目(電力・機械・法規)の多くが理論の知識を前提とするため、理論を捨てれば全科目合格は困難。2〜3年で段階的合格を目指す場合も、まずは理論から攻略するのが王道です。
頻出トピック一覧
1. 直流回路(オームの法則・キルヒホッフの法則)
V=IR、直列合成R=R1+R2、並列合成1/R=1/R1+1/R2。キルヒホッフの第1法則:接続点の電流の和=0、第2法則:閉路の電圧の和=0。テブナン・ノートンの定理、重ね合わせの定理による複雑回路の解析。
2. 交流回路(RLC・インピーダンス)
コンデンサのリアクタンスXc=1/(ωC)、コイルのリアクタンスXL=ωL。インピーダンスZ=√(R²+(XL−Xc)²)。直列・並列RLC回路の共振条件(XL=Xc、ω=1/√(LC))、力率cosθ=R/Z。フェーザ図での理解も重要。
3. 三相交流
Y結線:線間電圧=相電圧×√3、線電流=相電流。Δ結線:線間電圧=相電圧、線電流=相電流×√3。三相電力P=√3×V×I×cosθ(V:線間電圧、I:線電流)。対称三相回路と不平衡回路の計算、Y-Δ変換の応用。
4. 電磁気(静電・磁気)
クーロンの法則F=kq₁q₂/r²、電界E=F/q、電位V=W/q、平行板コンデンサC=εA/d、エネルギーW=½CV²。磁気では磁界H、磁束密度B=μH、ファラデーの電磁誘導e=-N・dΦ/dt、自己・相互インダクタンス。
5. 過渡現象(RC・RL回路)
スイッチ操作後の電圧・電流の時間変化。RC回路の時定数τ=RC、RL回路の時定数τ=L/R。電圧・電流の変化は指数関数的(1-e^(-t/τ)または e^(-t/τ))。充電・放電・定常値の計算が頻出。
6. 電子回路(半導体素子)
ダイオード:整流作用、PN接合、定電圧ダイオード。トランジスタ:バイポーラ(NPN/PNP)、増幅回路(エミッタ接地・ベース接地・コレクタ接地)。FET(電界効果トランジスタ)、オペアンプ(理想特性:入力抵抗∞・出力抵抗0)。
7. 電気計測
アナログ計器(可動コイル形=直流用、可動鉄片形=交流用、電流力計形=両用)、測定範囲拡大(分流器・倍率器)、誤差(系統誤差・偶然誤差)。ホイートストンブリッジ、オシロスコープの原理も頻出。
8. 電気現象・法則の基礎
クーロン力、ガウスの法則、アンペールの法則、フレミングの左手・右手の法則、ローレンツ力。電気・磁気の相互作用、電磁波の伝搬、電気抵抗の温度係数など、現象の原理理解が問われます。
覚え方のコツ
理論攻略は「公式30個を完全暗記+過去問15年分の反復」が鉄則。合格者の大半が過去問10年以上を周回しています。キー公式:V=IR、P=VI、P=√3VIcosθ、Z=√(R²+X²)、Xc=1/(ωC)、XL=ωL、共振ω=1/√(LC)、τ=RC、τ=L/R、F=kq²/r²、C=εA/d、W=½CV²、B=μH、e=-NdΦ/dt。これらを即書きできるまで反復。三相交流は「Y結線は電圧√3倍、Δ結線は電流√3倍」のシンプル対応で迷わなくなります。電磁気は「電気系・磁気系の対応公式」をペアで覚えると暗記量が半分に。B問題(計算3題)は各題20分かけて解く本格計算問題で、過去問で解法パターンを体に染み込ませる。電子回路は理想オペアンプの2規則(仮想短絡・入力電流ゼロ)が全ての基本です。
よくあるひっかけ
理論のひっかけ。①Y結線の電圧:線間電圧=相電圧×√3で、相電圧=線間電圧×√3と逆転させる選択肢。②三相電力の式:P=√3×V_線×I_線×cosθ、相電圧・相電流で計算するなら√3不要(3倍と結合)。③交流の実効値と最大値:正弦波の実効値=最大値/√2、逆は誤り。④リアクタンスの符号:容量性はXc=-1/(ωC)(虚数-j方向)、誘導性はXL=+jωL、位相差の向きが逆。⑤直列共振:XL=Xcでインピーダンス最小(共振電流最大)、並列共振は逆でインピーダンス最大。⑥時定数の単位:τ=RC(秒)、τ=L/R(秒)で両方とも秒単位。⑦静電エネルギー:W=½CV²で½が重要、CV²は2倍値。⑧自己インダクタンスの起電力:e=-L・di/dt、マイナスは方向を示す(レンツの法則)。⑨分流器:電流計に並列接続、倍率器は電圧計に直列、逆は計器損傷。⑩オペアンプ入力電流:理想オペアンプでは0とみなす、有限値を代入は誤り。
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