電験三種の合格体験記【独学1年半で4科目合格した勉強法】
第三種電気主任技術者(電験三種)に独学1年半・約1,100時間の学習で全4科目合格した体験記です。設備保守業務の30代社会人が、科目合格制度を活用して合格するまでのリアルな記録をお伝えします。
- 受験時期:30代前半・設備保守職
- 学習期間:約1年半(2カ年計画)
- 総学習時間:約1,100時間
- 1年目下期:理論・電力合格
- 2年目上期:機械・法規合格で最終合格
受験のきっかけ
ビル設備の保守業務に携わる中で、電気主任技術者がいる現場の年収が明確に高いことを知ったのがきっかけ。職場でも「電験三種を取れば待遇が大きく変わる」と言われ、一念発起して挑戦しました。数学は高校以来ほぼ触れていませんでしたが、コツコツ積み上げれば合格できる資格だと聞いて独学を決意。
学習スケジュール(実際にかけた時間)
| 期間 | 内容 | 1日の学習時間 | 累計 |
|---|---|---|---|
| 1〜2ヶ月目 | 数学基礎の復習(三角関数・ベクトル等) | 1.5時間 | 約90時間 |
| 3〜5ヶ月目 | 理論のテキスト+問題集 | 2時間 | 約270時間 |
| 6〜8ヶ月目 | 電力のテキスト+理論過去問並行 | 2時間 | 約450時間 |
| 9ヶ月目 | 理論・電力の過去問10年分+模試 | 3時間 | 約540時間 |
| 10ヶ月目 | 【1年目下期試験】理論・電力合格 | - | - |
| 11〜13ヶ月目 | 機械のテキスト+問題集 | 2時間 | 約720時間 |
| 14〜15ヶ月目 | 機械の過去問+法規テキスト | 2.5時間 | 約900時間 |
| 16〜17ヶ月目 | 法規完成+機械・法規の過去問 | 3時間 | 約1,080時間 |
| 18ヶ月目 | 【2年目上期試験】機械・法規合格→最終合格 | - | 約1,100時間 |
使用した教材
- メインテキスト:『みんなが欲しかった!電験三種 教科書&問題集』(TAC出版)理論・電力・機械・法規の4科目分
- 過去問題集:『電験三種 過去問題集10年版』(電気書院)
- 一問一答:当サイトの電験三種一問一答
- 補強教材:YouTube無料解説動画(苦手論点の理解補助)
- 電卓:カシオ JF-120GT(関数なしのシンプル電卓)
教材費は合計約25,000円+電卓2,000円。4科目すべて揃えるのは必須です。中古品でも最新版の法令改正を反映したものを選びましょう。
学習方法のコツ
1数学の復習に時間を惜しまない
三角関数・ベクトル・複素数を理解していないと理論科目で詰みます。最初の1ヶ月は数学復習に全振りして、基礎を固めました。これが後々の学習速度を大きく加速させました。
2理論はゆっくり、深く
理論は「急がば回れ」。公式丸暗記ではなく導出過程・物理的意味を理解することで、電力・機械の計算問題もスッと解けるようになりました。特に交流回路とベクトル図は時間をかけて理解しましょう。
3過去問は「解く→調べる→理解」
過去問は単に解くだけでなく、間違えた問題・迷った問題はテキストに戻って再学習。同じタイプの問題を3つ解けるまで繰り返しました。これで得点が安定するように。
試験当日の流れ(筆記方式)
- 試験1時間前に会場到着、受験票・電卓・筆記用具を確認
- 午前9:15開始:「理論」90分→昼食前に「電力」90分
- 昼休憩で弁当+エナジードリンクで集中力回復
- 午後「機械」90分→最後「法規」65分
- 各科目マークシート形式で時間との勝負
- 終了後は自己採点で手応え確認(解答は当日夜にセンターが公表)
つまずきポイントと克服法
つまずき1:理論の交流回路とベクトル計算
RLC直列回路のベクトル合成で最初は混乱。インピーダンスZ=√(R²+(X_L-X_C)²)の意味を図で理解してから計算が楽になりました。ベクトル図を手で描く練習が効果的。
つまずき2:機械の範囲の広さ
変圧器・誘導機・同期機・直流機・パワエレ・照明・電熱・自動制御…範囲が広すぎて途方に暮れました。回転機4分野+変圧器に集中して6割確保する戦略で対応。パワエレ・照明・電熱は頻出テーマに絞りました。
つまずき3:法規の数値暗記
接地抵抗値(A種10Ω・B種は計算・C種10Ω・D種100Ω)、電圧区分(低圧・高圧・特別高圧)、主任技術者免状の監督範囲など、数値が混乱。表形式で整理+毎日3分の暗記カードで克服しました。
合格後にできるようになったこと
- 資格手当が月15,000円つき、年収が約18万円アップ
- ビル管理系・プラント系の転職市場で評価される人材に
- 電気主任技術者として選任される道が開けた
- 電験二種への挑戦モチベーションが湧いた(現在勉強中)
- 電気に関する仕事の理解が深まり、現場でも自信がついた
電験三種は独学では相当な根気が必要ですが、合格すれば人生を変えるインパクトがある資格です。科目合格制度を活用した段階的な合格戦略で、働きながらでも十分合格できます。これから挑戦する方、頑張ってください!
合格パターン2:20代電気工事会社員(実務知識フル活用・2カ年計画型)
電気工事会社で配線・盤工事の実務経験3年の20代男性が、10ヶ月・約800時間で科目合格制度を活用して合格したケースです。第二種電気工事士保有で電気の基礎知識はありましたが、計算理論はゼロからのスタートでした。
- 20代後半・電気工事会社(現場施工3年)
- 第二種電気工事士保有・高校普通科卒(数IIBまで履修)
- 総学習時間:約800時間(10ヶ月・2カ年計画)
- 1年目上期:理論・電力合格/2年目上期:機械・法規合格
- 結果:科目合格制度をフル活用して最終合格
学習スケジュール
現場仕事で平日は疲労が大きいため、朝5:30〜7:00の朝活90分+土日各4時間のペースを徹底。1〜4ヶ月目は数学(三角関数・複素数・微分基礎)と理論を集中、5〜6ヶ月目は電力を仕上げ、1年目上期試験で理論・電力を一発合格。残り4ヶ月で機械・法規に着手し、2年目上期で機械・法規も合格。科目合格制度(3年有効)を最大限活用した「無理せず確実」戦略です。
使用した教材・教材費
- メインテキスト:『みんなが欲しかった!電験三種 教科書&問題集』4科目分(TAC出版・合計約15,000円)
- 過去問題集:『電験三種 完全攻略』(オーム社・約3,500円)
- 動画講義:YouTube「電験合格」チャンネル(無料・理論の苦手論点補強)
- 一問一答:当サイトの電験三種一問一答
- 電卓:カシオ JF-120GT(関数なし・約2,000円)
つまずきポイントと対策
最大の壁は理論の交流回路と複素数計算でした。高校数学で複素数を真面目に勉強していなかったため、ベクトル軌跡・インピーダンス計算で完全に止まりました。対策として、YouTube「電験合格」の理論シリーズを2倍速で繰り返し視聴し、紙にベクトル図を100回以上手書き。3ヶ月目でようやく感覚を掴みました。一方、電力の発変電・送配電は現場経験で配線・盤の構造を知っていたため、テキストの図解がすんなり頭に入り、想定の半分の時間で仕上げられました。
合格してよかったこと
- 会社で資格手当が月20,000円(年24万円アップ)
- 電気主任技術者として太陽光発電所の保安管理業務を任されるように
- 独立系電気保安法人からのスカウトで転職オファー複数
- 第一種電気工事士・電験二種への挑戦意欲が湧いた
- 現場の先輩から「数字で語れる職人」として一目置かれるように
これから受験する方へのアドバイス
- 電気工事経験者は電力科目から始めるとモチベが続く:現場知識を活かせる電力で先に合格体験を作るのが効果的
- 朝活90分は社会人にとって最強の学習時間:夜は仕事疲れで集中力が落ちる
- 科目合格制度は積極利用すべき:4科目同時合格を狙わず、2カ年で確実に積み上げる方が合格率が上がる
- 理論の複素数・ベクトルは早期に時間投資:ここを乗り越えられれば残り3科目はずっと楽になる
合格パターン3:40代ビルメン転職組(ユーキャン併用・3回目で合格型)
営業職から40代でビルメンテナンス業界に転職、職場で電験三種取得を推奨され、1年・約1,000時間を投じて3回目の挑戦で合格したケースです。第二種電気工事士は転職前に取得済みで、数学は中学レベルからやり直しました。
- 40代前半・ビルメンテナンス会社(転職2年目)
- 第二種電気工事士保有・元法人営業職(文系卒)
- 総学習時間:約1,000時間(1年・3回受験)
- 使用教材:ユーキャン 電験三種講座+市販過去問
- 結果:1回目(理論のみ合格)→2回目(電力・機械合格)→3回目で法規合格して最終合格
学習スケジュール
夜勤明けの平日午後3時間+週末5時間×2日のペースを基本に設定。1〜3ヶ月目はユーキャンの数学導入講座で中学・高校数学の復習から開始。4〜6ヶ月目で理論を仕上げて1年目上期試験で理論のみ合格。7〜9ヶ月目に電力・機械を学習し1年目下期で2科目同時合格。残り3ヶ月で法規に集中し、2年目上期で法規も突破して最終合格。「3年以内なら3回受けられる」という余裕感がメンタル面で大きく救いになりました。
使用した教材・教材費
- メイン講座:ユーキャン 電験三種講座(約70,000円・添削課題+スマホ動画講義付き)
- 過去問題集:『電験三種 過去問題集10年版』(電気書院・約4,000円)
- 数学復習:『マンガでわかる電験三種数学』(オーム社・約2,500円)
- 一問一答:当サイトの電験三種一問一答(夜勤待機時間に活用)
- 電卓:カシオ JF-200ER(約2,500円)
つまずきポイントと対策
機械科目の出題範囲の広さに圧倒されました。変圧器・誘導機・同期機・直流機・パワエレ・照明・電熱・自動制御と8分野もあり、テキスト1冊が500ページ超。対策として、ユーキャンの講師に質問サービスを使い、「回転機4分野+変圧器+パワエレで7割確保」という割り切り戦略にシフト。照明・電熱・自動制御は頻出テーマだけに絞りました。また、法規の数値暗記も苦戦し、接地抵抗値・電圧区分・離隔距離を1枚のA4にまとめて職場ロッカーに貼り、毎日3分眺める習慣で克服しました。
合格してよかったこと
- ビル管理会社で「電気主任技術者」として選任され、月25,000円の資格手当
- 夜勤専従から日勤管理職へキャリアチェンジが決まった
- 40代未経験転職組でも「電験三種」が肩書として効果絶大と実感
- ビル管理士・冷凍機械責任者などビルメン4点セット制覇に向けてモチベUP
- 家族(妻・高校生の子ども)から「すごい!」と尊敬される存在に
これから受験する方へのアドバイス
- 40代未経験は通信講座への投資を惜しまない:独学では数学導入で挫折しやすい
- 1回目で全科目合格を狙わない:3年で4科目という現実的計画が合格への近道
- 不合格でも科目合格は積み上がる:1回落ちても次に活きる試験設計を信じて続ける
- 機械は完璧を狙わず6〜7割で十分:範囲が広すぎるので頻出4分野に集中
- 転職組はビルメン4点セットを並行設計:電験三種+ビル管+冷凍3+電工2でキャリアの安定感が一気に増す
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