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電験三種(第三種電気主任技術者)「電力」の一問一答

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📖 電験三種(第三種電気主任技術者)「電力」の全340問と解説(一覧)

電験三種(第三種電気主任技術者)の電力に関する一問一答(全340問)の正解と解説の一覧です。上の一問一答で実際に解いてから、ここで復習・確認できます。

  1. 問1.水力発電所の理論水力Pは、流量Q×有効落差Hで求められる(係数なし)。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。P=「9.8×Q×H[kW]」(係数9.8が必要、重力加速度由来)。

  2. 問2.水力発電所の効率は、(発電機出力)÷(理論水力)で表される総合効率が用いられる。

    正解:○(正しい)

    解説:総合効率=水車効率×発電機効率で表されます。

  3. 問3.火力発電所のランキンサイクルは、空気を作業流体とする熱サイクルである。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。ランキンサイクルは「蒸気(水)」を作業流体(空気はブレイトンサイクル等)。

  4. 問4.火力発電所の熱効率は、再熱・再生サイクルの採用により向上する。

    正解:○(正しい)

    解説:再熱・再生サイクルは熱効率を向上させる代表的な方法です。

  5. 問5.コンバインドサイクル発電は、ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせた発電方式で、単独の火力発電より熱効率が低い。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。コンバインドサイクルは従来型火力より熱効率が高く、60%近くを達成します。

  6. 問6.原子力発電では、ウラン238が中性子放出により核分裂を起こす。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。原子炉では「ウラン235」が中性子吸収で核分裂(ウラン238は核分裂連鎖を起こさない)。

  7. 問7.太陽光発電は、太陽電池のpn接合部分で光起電力効果を利用して発電する。

    正解:○(正しい)

    解説:太陽光発電の原理: 太陽電池のpn接合部分で光起電力効果により光エネルギーを電気エネルギーに変換。出力は直流のためパワーコンディショナで交流変換が必要。

  8. 問8.風力発電の理論出力は風速の2乗に比例する。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。風力発電の出力は風速の3乗に比例します(P=(1/2)ρAv³)。

  9. 問9.硬銅より線(HDCC)は、軟銅線より引張強度が低い。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。硬銅は「軟銅より引張強度が高い」(送電線用は強度重視)。

  10. 問10.鋼心アルミより線(ACSR)は、軽量で強度が高いため、長径間の送電線に用いられる。

    正解:○(正しい)

    解説:ACSRは中心に鋼線、周囲にアルミ線で、軽量かつ高強度です。

  11. 問11.送電電圧を高くすると、必要な電流が増加し送電損失が増える。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。送電電圧高で「電流減少→損失減少」(記述が逆)。

  12. 問12.電力損失は送電電流に比例する(1次比例)。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。電力損失は「電流の2乗に比例」(P=I²R、1次比例ではない)。

  13. 問13.架空送電線の電線表面における電位傾度が空気の絶縁破壊強度を超えると、コロナ放電が発生する。

    正解:○(正しい)

    解説:コロナ放電は電位傾度が臨界値(空気では約30kV/cm)を超えたときに発生します。

  14. 問14.コロナ放電が発生すると、電力損失・雑音・オゾンの発生などの問題が起こる。

    正解:○(正しい)

    解説:コロナ損失、ラジオ雑音、オゾン、亜酸化窒素の発生などが問題となります。

  15. 問15.多導体方式は、コロナ放電を増加させる効果がある。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。多導体方式は「コロナ放電抑制」効果(導体表面の電界強度低下)。

  16. 問16.架空送電線路のがいしは、電線と鉄塔を絶縁するために用いられる。

    正解:○(正しい)

    解説:がいしの役割は電線を支持しつつ絶縁することです。

  17. 問17.架空地線(GW)は、落雷から送電線を保護する目的で電線の下部に張られる。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。架空地線は送電線の上部に張られ、雷を誘引して送電線を保護します。

  18. 問18.変圧器は電磁誘導の原理により交流電圧を変成する機器である。

    正解:○(正しい)

    解説:変圧器は電磁誘導の原理(ファラデーの法則)で交流電圧を変換。一次・二次の電圧比は巻数比 V1/V2=N1/N2 に等しい。直流では電磁誘導が起きないため動作しない。

  19. 問19.単相3線式は、100Vのみを供給できる方式である。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。単相3線式は「100Vと200V両方供給可」(中性線がある)。

  20. 問20.三相4線式と三相3線式を比べると、三相3線式は中性線があり単相負荷も供給できる。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。中性線があるのは「三相4線式」(記述が逆)。

  21. 問21.配電線路の電圧降下は、線路の抵抗と電流の積(抵抗降下)と、リアクタンスと電流の積(リアクタンス降下)の和で近似される。

    正解:○(正しい)

    解説:ΔV≒I(Rcosφ+Xsinφ)の近似式です。

  22. 問22.力率改善には、負荷と直列にコンデンサを設置する。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。力率改善コンデンサは「負荷と並列」接続(直列ではない)。

  23. 問23.地中電線路はケーブルを用いるため、架空電線路に比べてコロナ放電が発生しやすい。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。地中電線路(ケーブル)ではコロナ放電は発生しません。架空送電線特有の現象です。

  24. 問24.CVケーブル(架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル)は、耐熱性と絶縁性能に優れ、地中配電によく使われる。

    正解:○(正しい)

    解説:CVケーブルは現在の地中送配電の主流です。

  25. 問25.遮断器は平常時の負荷電流のみを開閉する装置である。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。遮断器は「平常時電流+短絡等の故障電流も遮断」可能。

  26. 問26.断路器は、負荷電流や故障電流を遮断する能力を持つ。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。断路器は無電流時に回路を開閉する機器で、電流遮断能力はありません。

  27. 問27.避雷器は、雷などによる異常電圧から電力機器を保護するために設置される。

    正解:○(正しい)

    解説:避雷器は雷サージ・開閉サージから機器を保護します。

  28. 問28.計器用変圧器(VT)は、低電圧を高電圧に変換する。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。VTは「高電圧→低電圧」(計器用、降圧変換)。

  29. 問29.変流器(CT)は、小電流を大電流に変換する装置である。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。CTは「大電流→小電流」(5Aや1A)に変換(昇電流ではない)。

  30. 問30.直接接地方式は、地絡電流が小さく健全相の電位上昇が大きい。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。直接接地は「地絡電流大・電位上昇小」(記述が逆)。

  31. 問31.パーセントインピーダンス(%Z)は、基準容量における定格電圧に対する電圧降下の割合で表される。

    正解:○(正しい)

    解説:%Zは短絡容量計算などで広く使用される無次元量です。

  32. 問32.短絡容量は、基準容量にパーセントインピーダンスを乗じて求められる。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。短絡容量は「基準容量÷パーセントインピーダンス」(乗じるではなく割る)。

  33. 問33.揚水式水力発電は、電力需要の少ない夜間に水をくみ上げ、昼間のピーク時に発電する方式である。

    正解:○(正しい)

    解説:揚水発電はピーク電源・負荷平準化に使われます。

  34. 問34.ペルトン水車は、低落差・大水量の発電に適している。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。ペルトン水車は「高落差・小水量」用(衝動水車)。低落差はカプラン等。

  35. 問35.負荷率は、最大電力÷平均電力で計算する。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。負荷率は「平均電力÷最大電力」(記述が逆)。

  36. 問36.有効落差100m、流量10m³/sの水力発電所の理論水力[kW]はいくらか。

    • ア.9800
    • イ.1000
    • ウ.980
    • エ.10000

    正解:ア.9800

    解説:P=9.8QH=9.8×10×100=9800[kW]。

  37. 問37.理論水力10000kWの水力発電所で、水車効率85%・発電機効率95%のときの発電所出力[kW]として最も近いものはどれか。

    • ア.7500
    • イ.8075
    • ウ.9000
    • エ.9500

    正解:イ.8075

    解説:P=10000×0.85×0.95=8075[kW]。

  38. 問38.水力発電所の水車の種類と用途の組み合わせとして誤っているものはどれか。

    • ア.ペルトン水車―高落差・小水量
    • イ.フランシス水車―中落差・中水量
    • ウ.クロスフロー水車―超高落差・超大水量
    • エ.カプラン水車―低落差・大水量

    正解:ウ.クロスフロー水車―超高落差・超大水量

    解説:クロスフロー水車は小型・中低落差向けであり、超高落差・超大水量用ではありません。

  39. 問39.火力発電所の熱効率を向上させる方法として不適切なものはどれか。

    • ア.蒸気温度・蒸気圧を高くする
    • イ.再熱サイクルを採用する
    • ウ.再生サイクルを採用する
    • エ.復水器真空度を低くする

    正解:エ.復水器真空度を低くする

    解説:復水器は真空度を高くすることで熱効率が上がります。

  40. 問40.同じ電力を送電するとき、電圧を2倍にすると送電線の電力損失は何倍になるか。

    • ア.1/4倍
    • イ.1/2倍
    • ウ.2倍
    • エ.4倍

    正解:ア.1/4倍

    解説:P=VIより電圧2倍で電流1/2倍、損失I²Rは1/4倍。

  41. 問41.コロナ放電の防止対策として、不適切なものはどれか。

    • ア.多導体化
    • イ.がいし数を減らす
    • ウ.電線の太径化
    • エ.電線表面の平滑化

    正解:イ.がいし数を減らす

    解説:がいし数はコロナ放電防止とは関係ありません(絶縁設計)。

  42. 問42.単相3線式配電で、電圧線―中性線間の電圧が100V、電圧線―電圧線間の電圧は通常何Vか。

    • ア.100
    • イ.141
    • ウ.200
    • エ.173

    正解:ウ.200

    解説:単相3線式は中性線を挟んで±100V、電圧線間は200Vです。

  43. 問43.力率0.8(遅れ)、100kWの負荷を力率1に改善するために必要な進相コンデンサの容量[kvar]として最も近いものはどれか。

    • ア.25
    • イ.50
    • ウ.100
    • エ.75

    正解:エ.75

    解説:Q=Ptanφ=100×(√(1-0.64)/0.8)=100×(0.6/0.8)=75[kvar]。

  44. 問44.基準容量10MVA、%Z=5%のときの短絡容量[MVA]はいくらか。

    • ア.200
    • イ.20
    • ウ.50
    • エ.2

    正解:ア.200

    解説:P_s=基準容量/(%Z/100)=10/0.05=200[MVA]。

  45. 問45.送電電圧の高圧化による利点として、誤っているものはどれか。

    • ア.電力損失の減少
    • イ.絶縁設計が容易になる
    • ウ.送電容量が増大する
    • エ.同じ電力を送るための電流が小さくなる

    正解:イ.絶縁設計が容易になる

    解説:電圧が高くなるほど絶縁設計は厳しくなります。

  46. 問46.架空送電線の中性点接地方式のうち、1線地絡時の地絡電流が最も小さくなるものはどれか。

    • ア.直接接地方式
    • イ.抵抗接地方式
    • ウ.消弧リアクトル接地方式
    • エ.非接地方式のうち直接接地方式

    正解:ウ.消弧リアクトル接地方式

    解説:消弧リアクトル接地は対地静電容量と共振させ地絡電流を最小化します。

  47. 問47.変電所の保護装置の組み合わせとして、誤っているものはどれか。

    • ア.過電流継電器―短絡・過負荷保護
    • イ.地絡継電器―地絡事故の保護
    • ウ.比率差動継電器―変圧器の内部故障保護
    • エ.距離継電器―機器過熱保護

    正解:エ.距離継電器―機器過熱保護

    解説:距離継電器は送電線故障の方向・距離判定に用います。機器過熱は熱継電器等です。

  48. 問48.水力発電所で、流量5m³/s、有効落差80m、総合効率85%の発電所出力[kW]として最も近いものはどれか。

    • ア.3332
    • イ.3000
    • ウ.2800
    • エ.3920

    正解:ア.3332

    解説:P=9.8×5×80×0.85=3332[kW]。

  49. 問49.24時間の電力需要で、最大電力6000kW、平均電力3600kWの需要家の負荷率[%]はいくらか。

    • ア.40
    • イ.60
    • ウ.50
    • エ.75

    正解:イ.60

    解説:負荷率=平均/最大=3600/6000=0.6=60%。

  50. 問50.電力系統の需給バランスが崩れたとき、系統周波数はどのように変化するか。

    • ア.需要>供給で上昇
    • イ.常に一定
    • ウ.需要>供給で低下
    • エ.需要<供給で低下

    正解:ウ.需要>供給で低下

    解説:需要が供給を上回ると発電機が減速し周波数は低下します。

  51. 問51.火力発電は、化石燃料(石炭・石油・天然ガス)を燃やして得られる熱で蒸気を作り、タービンを回して発電する方式である。

    正解:○(正しい)

    解説:火力発電:日本の主力電源、ベースロード〜ミドル運用。CO2排出が課題で再エネ・原子力との組合せ重視。

  52. 問52.水力発電は、水の位置エネルギーを利用して発電する方式で、再生可能エネルギーに分類される。

    正解:○(正しい)

    解説:水力発電:CO2排出ゼロ、長寿命・安定供給。日本の電源構成で約7-8%。揚水式は需給調整用。

  53. 問53.原子力発電は、核分裂反応の熱でタービンを回す方式で、CO2排出が少ないが安全管理が極めて重要である。

    正解:○(正しい)

    解説:原子力発電:高出力・低CO2だが、放射性廃棄物・事故リスクが課題。日本は2011年福島事故後、再稼働進行中。

  54. 問54.ガス絶縁開閉装置(GIS)は、遮断器・断路器・母線などを接地した金属容器に収め、SF6ガスで絶縁したもので、変電所の縮小化に用いられる。

    正解:○(正しい)

    解説:SF6ガスの高い絶縁耐力により充電部間の距離を縮められ、気中絶縁の開閉設備より大幅に小型化できる。充電部が接地した金属容器に収まるため、塩害やじんあいの影響も受けにくい。

  55. 問55.風力発電は、風の運動エネルギーを電力に変換する発電方式で、洋上風力が大規模化のトレンドである。

    正解:○(正しい)

    解説:風力発電:陸上・洋上の2タイプ。洋上は大型化・効率向上。風況に依存し出力変動大、系統安定化が課題。

  56. 問56.変圧器は、電磁誘導により直流電圧の大きさを変換する装置である。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。変圧器は「交流電圧」を変換(直流では電磁誘導が起きないため動作しない)。

  57. 問57.送電損失低減のため、遠距離送電は低電圧で送電するのが一般的である。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。遠距離送電は「高電圧」が一般的(電流減少で損失低下)。

  58. 問58.配電方式の三相3線式は、3本の電線で三相交流を送電する方式で、商業・工業向けが主である。

    正解:○(正しい)

    解説:三相3線式:動力用(モーター駆動)。三相4線式:商用+単相両用、住宅でも使用。

  59. 問59.フェランチ現象は、重負荷時に線路のリアクタンスによる電圧降下で、受電端電圧が送電端電圧より低くなる現象である。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。フェランチ現象は、軽負荷時や無負荷時に線路の静電容量による進み電流が流れ、受電端電圧が送電端電圧より高くなる現象である。対策として受電端に分路リアクトルを設ける。

  60. 問60.高圧(600V超〜7,000V以下)の電気設備は、特別な技術基準と保安管理が必要である。

    正解:○(正しい)

    解説:電気事業法:低圧(600V以下)・高圧(600V超7,000V以下)・特別高圧(7,000V超)。電圧区分で技術基準・保安体制が異なる。

  61. 問61.地中送電は架空送電より建設コストが安い。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。地中送電は「建設コストが高い」(架空より高価、メンテも難)。

  62. 問62.保護継電器は、電力系統の事故(短絡・地絡)を検出し、遮断器に動作命令を送る装置である。

    正解:○(正しい)

    解説:保護継電器:過電流・差動・距離・地絡等の種類。事故拡大防止、人身保護、設備保護の役割。

  63. 問63.日本の系統周波数は、東日本が60Hz、西日本が50Hzである。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。東日本(おおむね静岡県富士川・新潟県糸魚川以東)が50Hz、西日本が60Hzで、両者は周波数変換所で連系している。

  64. 問64.スマートグリッドは、従来型の電力網のことをいう。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。スマートグリッドは「ICT活用の次世代電力網」(従来型ではない)。

  65. 問65.蓄電池(リチウムイオン電池等)は、再エネの出力変動を吸収する電力系統の安定化に活用されている。

    正解:○(正しい)

    解説:系統用蓄電池:需給調整・周波数調整・再エネ平準化。Tesla・テスラ Powerwall等の家庭用も普及。

  66. 問66.500kVや275kVの送電電圧は、電技省令の電圧区分ではいずれも特別高圧にあたる。

    正解:○(正しい)

    解説:電技省令2条は電圧を低圧・高圧・特別高圧の3種に区分し、7,000Vを超えるものはすべて特別高圧とする。500kV・275kVなどを「超高圧」と呼ぶのは慣用的な呼び方で、法令上は特別高圧に含まれる。

  67. 問67.原子力発電所の運転で発生する放射性廃棄物の最終処分(高レベル廃棄物)は、地層処分が国際的に主流とされる。

    正解:○(正しい)

    解説:高レベル放射性廃棄物:地下300m以深に地層処分。日本ではNUMO(原子力発電環境整備機構)が処分地選定中。

  68. 問68.再エネを大量導入しても、電力系統への運用上の影響はない。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。再エネ大量導入は「出力変動・慣性低下」等の運用課題が生じる。

  69. 問69.直流送電(HVDC)は、すべての場面で交流送電より不利である。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。HVDCは「長距離送電・系統間連系で交流より有利な場合あり」(不利ではない)。

  70. 問70.コージェネレーションは、発電と同時に発生する排熱を有効利用するシステムで、総合効率が高い。

    正解:○(正しい)

    解説:コージェネ:発電+熱利用で総合効率70-90%。ガスタービン・燃料電池・エンジン等。エネファーム(家庭用燃料電池)も該当。

  71. 問71.送電損失を低減する基本原理として正しいものはどれか。

    • ア.低電圧で送電
    • イ.高電流で送電
    • ウ.高電圧で送電(電流を減らす)
    • エ.電圧と電流を同時に上げる

    正解:ウ.高電圧で送電(電流を減らす)

    解説:送電損失=I²R。電圧を上げて電流を減らすと損失大幅減。超高圧500kV送電が長距離送電の標準。

  72. 問72.次の発電方式のうち、CO2排出量が最も少ないものはどれか。

    • ア.石炭火力
    • イ.LNG火力
    • ウ.石油火力
    • エ.水力

    正解:エ.水力

    解説:水力(再生可能エネルギー)はCO2をほとんど排出しない。火力は石炭>石油>LNGの順に排出量が多い。

  73. 問73.日本の電力系統の周波数として正しい組合せはどれか。

    • ア.東日本50Hz・西日本60Hz
    • イ.東日本60Hz・西日本50Hz
    • ウ.全国60Hz統一
    • エ.全国50Hz統一

    正解:ア.東日本50Hz・西日本60Hz

    解説:東日本50Hz・西日本60Hz。明治期に異なる規格を採用、現在も継続。境界(静岡・新潟付近)に周波数変換所あり。

  74. 問74.次のうち、力率改善のための装置として正しいものはどれか。

    • ア.抵抗器
    • イ.コンデンサ(進相用)
    • ウ.インダクタ
    • エ.ヒューズ

    正解:イ.コンデンサ(進相用)

    解説:進相コンデンサ:誘導性負荷(モーター等)の遅れ無効電力を打ち消し、力率を1に近づける。

  75. 問75.次のうち、電圧階級の関係として正しいものはどれか。

    • ア.特別高圧 < 低圧
    • イ.高圧 < 低圧
    • ウ.低圧 < 高圧 < 特別高圧
    • エ.すべて同じ

    正解:ウ.低圧 < 高圧 < 特別高圧

    解説:電技省令2条の電圧区分:低圧(交流600V以下・直流750V以下)<高圧(それを超え7,000V以下)<特別高圧(7,000V超)。「超高圧」は特別高圧の中の慣用的な呼び方で、法令上の区分ではない。

  76. 問76.送電線路定数には、抵抗・インダクタンスの2要素のみがある。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。線路定数は「抵抗R・インダクタンスL・静電容量C・漏れコンダクタンスG」の4要素。

  77. 問77.送電線の電圧降下は、線路の抵抗とリアクタンスの両方の影響を受ける。

    正解:○(正しい)

    解説:電圧降下:ΔV ≈ √3 I (R cosφ + X sinφ)(三相)。力率により抵抗・リアクタンスの寄与が異なる。

  78. 問78.電力系統の短絡電流計算は、相座標のみで行われる。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。短絡計算は「対称座標法(正相・逆相・零相)」が用いられる。

  79. 問79.系統の周波数上昇は、需要が供給を上回る場合に発生する。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。周波数「低下」が需要超過時(上昇は供給超過時)。記述が逆。

  80. 問80.系統の電圧低下は、送電線路の通過電力増加・無効電力不足等で発生する。

    正解:○(正しい)

    解説:電圧低下:ΔV ∝ 通過電力。進相コンデンサ・SVR等で電圧調整。重負荷時の電圧降下対策が必要。

  81. 問81.系統安定度(同期安定度)は、外乱発生時に同期発電機が同期を維持できる能力で、定態安定度と過渡安定度がある。

    正解:○(正しい)

    解説:系統安定度:定態安定度(定常運転継続)・過渡安定度(事故時の脱調回避)。系統設計の重要指標。

  82. 問82.電力系統の中性点接地方式には、直接接地・抵抗接地・消弧リアクトル接地・非接地等がある。

    正解:○(正しい)

    解説:中性点接地:地絡電流の制限・地絡検出の容易性等で方式選定。日本の高圧配電は基本的に非接地(または高抵抗接地)。

  83. 問83.揚水発電は、昼間の余剰電力で水を汲み上げ夜間に発電する。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。揚水は「夜間(余剰)に汲み上げ、昼間ピーク時に発電」(昼夜が逆)。

  84. 問84.架空送電線のねん架は、各相の電線の位置を一定区間ごとに入れ替えて、各相のインダクタンスや静電容量を平衡させるために行う。

    正解:○(正しい)

    解説:各相と大地・他相との距離の違いで生じる線路定数の不平衡を防ぎ、中性点の残留電圧や近くの通信線への誘導障害を減らす。

  85. 問85.スマートメーターは、電力使用量を遠隔検針・時間帯別計量できる電子式計器である。

    正解:○(正しい)

    解説:スマートメーター:双方向通信・30分値計測。電力自由化・需給最適化(DR)・新電力対応の基盤。

  86. 問86.デマンドレスポンス(DR)は、需要側で電力使用を調整して電力需給バランスに貢献する仕組みである。

    正解:○(正しい)

    解説:DR:ピーク時の節電要請(ネガワット)・需要シフト等。蓄電池・空調制御・EVなどを活用。

  87. 問87.VPP(仮想発電所)は、分散型エネルギー資源(太陽光・蓄電池・需要家設備等)をICTで集約制御し、仮想的な発電所として機能させる仕組みである。

    正解:○(正しい)

    解説:VPP(Virtual Power Plant):分散エネルギーリソースの集約活用。アグリゲーター(束ねる事業者)が市場取引等を実施。

  88. 問88.架空電線のたるみは、径間の2乗に比例し、電線の水平張力に反比例する。

    正解:○(正しい)

    解説:たるみは D=WS²/(8T)(W:電線1mあたりの荷重、S:径間、T:水平張力)。径間が2倍になるとたるみは4倍になる。

  89. 問89.架空配電線の活線作業は、いかなる場合も認められない。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。活線作業は「特殊な保護具使用で実施可能」(無電圧が原則だが)。

  90. 問90.電力の周波数調整は、一段階のみで行われる。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。周波数調整は「3階層(一次・二次・三次)」(ガバナ・LFC・EDC)。

  91. 問91.P-Q平面(有効電力P-無効電力Q)は、発電機の運転特性を可視化するためのグラフである。

    正解:○(正しい)

    解説:P-Q曲線:発電機容量制限・電機子電流制限・界磁電流制限・原動機出力制限・安定度限界等で運転可能領域が決まる。

  92. 問92.送電線の自然インピーダンス負荷(SIL)は、線路の特性インピーダンスと一致する負荷で、無効電力収支がゼロとなる。

    正解:○(正しい)

    解説:SIL(Surge Impedance Loading):容量性Q生成と誘導性Q消費がバランスする状態。電圧プロファイルが平坦になる理想的な負荷。

  93. 問93.フリッカは、長期的な電圧変動による現象である。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。フリッカは「急激な電圧変動」による照明等への影響(短期的)。

  94. 問94.保護リレーは、事故発生後に手動で起動する装置である。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。保護リレーは「事故を自動検出し遮断器に動作命令」を送る(手動ではない)。

  95. 問95.電力系統での連系線は、隣接する電力系統間を接続して相互融通を可能にする送電設備である。

    正解:○(正しい)

    解説:連系線:日本では北海道-東北・東北-東京・東京-中部(FC、周波数変換)等。相互融通で経済性・信頼性を向上。

  96. 問96.次のうち、電力系統の周波数調整の最も短い時間スケール(数秒〜数分)の調整方式はどれか。

    • ア.EDC
    • イ.LFC
    • ウ.ガバナフリー
    • エ.揚水発電起動

    正解:ウ.ガバナフリー

    解説:ガバナフリー(一次調整):数秒〜数分の最速応動。LFC(二次)・EDC(三次)と階層化。

  97. 問97.次のうち、電力品質指標として正しいものはどれか。

    • ア.発電所数
    • イ.発電量・送電量・配電量
    • ウ.電気料金・契約電力
    • エ.停電時間・電圧変動・周波数変動・高調波

    正解:エ.停電時間・電圧変動・周波数変動・高調波

    解説:電力品質指標:停電時間・電圧変動率・周波数変動・高調波・フリッカ等。日本は世界最高水準の品質。

  98. 問98.次のうち、揚水発電所の往復効率(投入電力に対する発電電力)に近い値はどれか。

    • ア.70〜80%
    • イ.50〜60%
    • ウ.30〜40%
    • エ.95%以上

    正解:ア.70〜80%

    解説:揚水発電:往復効率約70〜80%。蓄電池より大容量・低コストで電力貯蔵可能。

  99. 問99.次のうち、デマンドレスポンス(DR)の例として正しいものはどれか。

    • ア.発電所を増設する
    • イ.ピーク時に空調を弱める
    • ウ.送電電圧を下げる
    • エ.需要家の契約を解除する

    正解:イ.ピーク時に空調を弱める

    解説:DR:ピーク時の需要家側調整(節電・シフト)。需給逼迫時に効果的、ネガワット取引で報酬も。

  100. 問100.VPP(仮想発電所)の説明として正しいものはどれか。

    • ア.送電線や変電所を増強せずに、送電できる容量を仮想的に増やす仕組み
    • イ.複数の発電事業者が出資して、大型の発電所を共同で建設・運営する仕組み
    • ウ.分散型のエネルギーリソースを束ねて制御し、発電所と同等の機能を提供する仕組み
    • エ.発電所の運転を計算機上で模擬し、運転員の訓練に用いる仕組み

    正解:ウ.分散型のエネルギーリソースを束ねて制御し、発電所と同等の機能を提供する仕組み

    解説:VPP(バーチャルパワープラント、仮想発電所)は、分散型エネルギーリソースの保有者や第三者が、それらを制御することで発電所と同等の機能を提供することをいう。分散型エネルギーリソースには、需要家の受電点より内側にある太陽光などの発電設備・蓄電池などの蓄電設備・需要設備と、系統に直接つながる発電設備・蓄電設備が含まれ、これらを束ねて制御する事業者をアグリゲーターという。送電できる容量を増やす仕組み、大型発電所の共同運営、運転訓練用の模擬装置は、どれもVPPではない。

    根拠: 資源エネルギー庁「VPP・DRに関する用語一覧」 バーチャルパワープラント(VPP)、需要家側エネルギーリソース(DSR)、分散型エネルギーリソース(DER)、アグリゲーターの定義

  101. 問101.次の文章は,水力発電所の種類に関する記述である。 水力発電所は (ア) を得る方法により分類すると,水路式,ダム式,ダム水路式があり,(イ) の利用方法により分類すると,(ウ) ,調整池式,貯水池式,揚水式がある。 一般的に,水路式はダム式,ダム水路式に比べ (エ) 。また,貯水ができないので発生電力の調整には適さない。ダム式,ダム水路式発電では,ダムに水を蓄えることで (イ) の調整ができるので,電力需要が大きいときにあわせて運転することができる。 河川の自然の流れをそのまま利用して発電する方式を (ウ) 発電という。貯水池などを持たない水路式発電所がこれに相当する。 1 日又は数日程度の河川流量を調整できる大きさの池を持ち,電力需要が小さいときにその池に蓄え,電力需要が大きいときに放流して発電する方式を (オ) 発電という。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,最も適切なものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.(ア)落差 (イ)流速 (ウ)自然放流式 (エ)建設期間が長い (オ)ダム式
    • 2.(ア)流速 (イ)落差 (ウ)自然放流式 (エ)建設期間が短い (オ)ダム式
    • 3.(ア)落差 (イ)流量 (ウ)流込み式 (エ)高落差を得にくい (オ)調整池式
    • 4.(ア)流量 (イ)落差 (ウ)流込み式 (エ)高落差を得やすい (オ)調整池式
    • 5.(ア)落差 (イ)流量 (ウ)流込み式 (エ)建設費が安い (オ)貯水池式

    正解:3.(ア)落差 (イ)流量 (ウ)流込み式 (エ)高落差を得にくい (オ)調整池式

    解説:落差を得る方法で分類するので(ア)は落差、流量の利用方法で分類するので(イ)は流量となり、この段階で「流速」や「落差」を(イ)に入れる(1)(2)(4)は消去できる。河川の自然の流れをそのまま使うのが流込み式(ウ)、1日〜数日分の河川流量を調整できる池を持つのが調整池式(オ)なので、残る(3)(5)のうち(オ)が調整池式の(3)が正解。(5)の貯水池式は季節単位の大容量調整用で「1日又は数日」という記述に合わない。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 電力 問1
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  102. 問102.水力発電所の水圧管内における単位体積当たりの水が保有している運動エネルギー[J/m³]を表す式として,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 ただし,水の速度は水圧管の同一断面において管路方向に均一とする。また,ρは水の密度[kg/m³],v は水の速度[m/s]を表す。

    • 1.1/2 ρv²
    • 2.1/2 ρ²v
    • 3.2ρv
    • 4.√(2ρv)
    • 5.1/2 ρ²v²

    正解:1.1/2 ρv²

    解説:運動エネルギーは(1/2)mv²で表され、単位体積当たりにするには質量m[kg]を密度ρ[kg/m³]に置き換えればよく、(1/2)ρv²となる。単位も kg/m³ ×(m/s)² = J/m³ と一致し、次元的にもこの式だけが J/m³ になる((1/2)ρ²v²などはρやvの次数が過剰で J/m³ にならない)。よって正解は(1)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 電力 問2
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  103. 問103.次のa)〜e)の文章は,汽力発電所の保護装置に関する記述である。 これらの文章の内容について,適切なものと不適切なものの組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 a) 蒸気タービンの回転速度が定格を超える一定値以上に上昇すると,自動的に蒸気止弁を閉じて,タービンを停止する非常調速機が設置されている。 b) ボイラ水の循環が円滑に行われないとき,水管の焼損事故を防止するため,燃料を遮断してバーナを消火させる燃料遮断弁が設置されている。 c) 負荷の緊急遮断等によって,ボイラ内の蒸気圧力が一定限度を超えたとき,蒸気を放出させて機器の破損を防ぐため,蒸気加減弁が設置されている。 d) 蒸気タービンの軸受油圧が異常低下したとき,タービンを停止させるトリップ装置が設置されている。 e) 発電機固定子巻線の内部短絡を検出・保護するために,比率差動継電器が設置されている。

    • 1.(a)適切 (b)適切 (c)不適切 (d)適切 (e)不適切
    • 2.(a)不適切 (b)不適切 (c)適切 (d)適切 (e)不適切
    • 3.(a)不適切 (b)不適切 (c)不適切 (d)不適切 (e)適切
    • 4.(a)適切 (b)適切 (c)不適切 (d)適切 (e)適切
    • 5.(a)不適切 (b)適切 (c)適切 (d)不適切 (e)適切

    正解:4.(a)適切 (b)適切 (c)不適切 (d)適切 (e)適切

    解説:a)は過速度時に蒸気止弁を閉じる非常調速機、b)は循環不良時の燃料遮断弁、d)は軸受油圧低下時のトリップ装置、e)は固定子巻線内部短絡を検出する比率差動継電器で、いずれも適切な記述。c)はボイラ蒸気圧力が上昇したとき蒸気を放出して機器を守るのは「安全弁」であり、「蒸気加減弁」はタービンへの蒸気量を調整して出力を制御する弁なので不適切。したがって a適切・b適切・c不適切・d適切・e適切 の(4)が正解。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 電力 問3
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  104. 問104.日本において将来に向けた検討がなされている新型炉に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.高速増殖炉では,ウラン 238 が速度の遅い熱中性子を吸収して核分裂を起こし,プルトニウム 239 に転換される。
    • 2.高速増殖炉では,燃料の核分裂により消費したプルトニウム 239 の量より多くのプルトニウム 239 が生成される。
    • 3.高温ガス炉では,不活性なヘリウムガスを冷却材,黒鉛を減速材として使用する。
    • 4.核融合炉では,ウランなどの核分裂物質ではなく,軽い原子である水素やヘリウムの核融合反応を利用する。
    • 5.核融合炉では,プラズマ状態にした重水素の原子核をきわめて高速で衝突させて,核融合反応を利用する。

    正解:1.高速増殖炉では,ウラン 238 が速度の遅い熱中性子を吸収して核分裂を起こし,プルトニウム 239 に転換される。

    解説:(1)は誤りで、高速増殖炉は速度の速い高速中性子を利用し、ウラン238は中性子を「吸収(捕獲)」してプルトニウム239に転換される(核分裂を起こすのではない)ため、「遅い熱中性子を吸収して核分裂を起こし」という点が二重に誤っている。(2)の増殖比が1を超える点、(3)のヘリウム冷却・黒鉛減速の高温ガス炉、(4)(5)の重水素などによる核融合はいずれも正しい記述。よって誤っているものは(1)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 電力 問4
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  105. 問105.中小水力や風力発電に使用されている誘導発電機の特徴について,同期発電機と比較した記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.構造が簡単で,励磁装置が不要である。
    • 2.始動,系統への並列などの運転操作が簡単である。
    • 3.回転磁界と回転子の速度に差がある。
    • 4.単独で発電することができず,電力系統に並列して運転する必要がある。
    • 5.系統への並列時の突入電流が小さい。

    正解:5.系統への並列時の突入電流が小さい。

    解説:誘導発電機は同期発電機と違い励磁装置が不要で構造が簡単、同期化操作もいらず運転操作が容易で、すべりにより回転磁界と回転子に速度差があり、励磁電流を系統から得るため単独発電はできない((1)〜(4)は正しい特徴)。誤りは(5)で、誘導発電機は誘導電動機と同様に系統への投入(並列)時に大きな突入電流が流れる(同期発電機は同期投入するため突入はほぼない)ので「突入電流が小さい」は逆。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 電力 問5
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  106. 問106.次の文章は,避雷器に関する記述である。 避雷器は,雷又は回路の開閉などに起因する過電圧の (ア) がある値を超えた場合,放電により過電圧を抑制して,電気施設の絶縁を保護する装置である。特性要素としては (イ) が広く用いられ,その (ウ) の抵抗特性により,過電圧に伴う電流のみを大地に放電させ,放電後は (エ) を遮断することができる。発変電所用避雷器では, (イ) の優れた電圧-電流特性を利用し,放電耐量が大きく,放電遅れのない (オ) 避雷器が主に使用されている。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.(ア)波高値 (イ)ZnO (ウ)非線形 (エ)続流 (オ)ギャップレス
    • 2.(ア)波頭長 (イ)ZnO (ウ)非線形 (エ)制限電圧 (オ)ギャップレス
    • 3.(ア)波高値 (イ)SF₆ (ウ)線形 (エ)制限電圧 (オ)直列ギャップ付き
    • 4.(ア)波高値 (イ)ZnO (ウ)線形 (エ)続流 (オ)直列ギャップ付き
    • 5.(ア)波頭長 (イ)SF₆ (ウ)非線形 (エ)続流 (オ)直列ギャップ付き

    正解:1.(ア)波高値 (イ)ZnO (ウ)非線形 (エ)続流 (オ)ギャップレス

    解説:避雷器は過電圧の波高値(ア)が放電開始電圧を超えると放電して過電圧を抑制し、特性要素には酸化亜鉛ZnO(イ)が広く使われ、その非線形(ウ)の抵抗特性で異常電圧時のみ電流を大地へ流し放電後の続流(エ)を遮断する。ZnOの優れた電圧-電流特性を利用し放電耐量が大きく放電遅れのないギャップレス(オ)避雷器が発変電所で主流なので、正しい組合せは(1)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 電力 問6
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  107. 問107.6.6 kV 非接地方式配電線及び高圧受電設備の保護に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.高圧受電設備における地絡保護装置は,零相変流器により零相電流を検出して動作させる地絡過電流継電器や,接地用変圧器により零相電圧を検出して零相電流と零相電圧を組み合わせて動作させる地絡方向継電器が用いられる。
    • 2.配電線の保護方式として,故障遮断による供給支障を極力少なくする目的で,故障遮断後に電源側から健全な区間を選別して再送電する時限順送式故障区間分離方式がある。
    • 3.高圧受電設備における地絡保護装置において,地絡過電流継電器は無方向性のため,構内の高圧ケーブルのこう長が短い場合は外部事故時に大きな零相電流が流れて不要動作することがある。
    • 4.地絡事故の保護のため,配電用変電所において各配電線に地絡方向継電器と地絡過電圧継電器を組み合わせて設置される。
    • 5.短絡事故の保護のため,配電用変電所において各配電線に過電流継電器が設置される。

    正解:3.高圧受電設備における地絡保護装置において,地絡過電流継電器は無方向性のため,構内の高圧ケーブルのこう長が短い場合は外部事故時に大きな零相電流が流れて不要動作することがある。

    解説:非接地系のもらい事故(構外地絡)では対地静電容量に流れる充電電流が零相電流となり、その大きさはケーブルこう長が長い(対地静電容量が大きい)ほど大きくなる。したがって無方向性の地絡過電流継電器が外部事故で不要動作しやすいのはこう長が長い場合で、(3)の「こう長が短い場合は大きな零相電流が流れて不要動作」は逆で誤り。ZCT/接地用変圧器による地絡検出、時限順送式区間分離、DGRとOVGRの組合せ、OCRによる短絡保護を述べた他肢はいずれも正しい。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 電力 問7
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  108. 問108.架空送電線路に関連する設備に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.架空送電線を鉄塔などに固定する絶縁体としてがいしが用いられている。アークホーンをがいしと併設することで,雷撃等をきっかけに発生するアーク放電からがいしを保護することができる。
    • 2.架空送電線への雷撃を防止するために架空地線が設けられており,遮へい角が小さいほど雷撃防止の効果が大きい。
    • 3.超高圧の架空送電線では,スペーサを用いた多導体化により,コロナ放電の抑制が図られている。スペーサはギャロッピングの防止にも効果的である。
    • 4.電線に一様な微風が吹くと,電線の背後に空気の渦が生じて電線が上下に振動するサブスパン振動が発生する。振動エネルギーを吸収するダンパを電線に取り付けることで,この振動による電線の断線防止が図られている。
    • 5.鉄塔又は架空地線に直撃雷があると,鉄塔から送電線へ逆フラッシオーバが起こることがある。埋設地線等により鉄塔の接地抵抗を小さくすることで,逆フラッシオーバの抑制が図られている。

    正解:4.電線に一様な微風が吹くと,電線の背後に空気の渦が生じて電線が上下に振動するサブスパン振動が発生する。振動エネルギーを吸収するダンパを電線に取り付けることで,この振動による電線の断線防止が図られている。

    解説:一様な微風で電線の背後にカルマン渦が生じて電線が上下に振動する現象は「微風振動」で、ダンパで振動エネルギーを吸収して断線を防ぐ。(4)はこれを「サブスパン振動」と誤って呼んでおり誤り(サブスパン振動は多導体のスペーサ間で生じる別現象)。アークホーンによるがいし保護、遮へい角が小さいほど雷遮へい効果が大、多導体スペーサによるコロナ抑制・ギャロッピング防止、埋設地線で接地抵抗を下げ逆フラッシオーバ抑制、を述べた他肢は正しい。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 電力 問8
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  109. 問109.架空送電線路の雷害対策に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.二回線送電線路で,両回線の絶縁に格差を設け,二回線にまたがる事故を抑制する方法を不平衡絶縁方式という。
    • 2.架空地線を多条化することで,架空地線と電力線間の結合率が増加し,鉄塔雷撃時に発生するアークホーン間電圧が抑制できるので,逆フラッシオーバの発生が抑制できる。
    • 3.鉄塔塔脚の接地抵抗を低減させることで,電力線への雷撃に伴う逆フラッシオーバの発生を抑制できる。
    • 4.送電用避雷装置は雷撃時に発生するアークホーン間電圧を抑制できるので,雷による事故を抑制できる。
    • 5.直撃雷から架空送電線を遮へいする効果を大きくするためには,架空地線の遮へい角を小さくする。

    正解:3.鉄塔塔脚の接地抵抗を低減させることで,電力線への雷撃に伴う逆フラッシオーバの発生を抑制できる。

    解説:誤りは(3)。鉄塔塔脚の接地抵抗を低減して抑えられるのは「鉄塔(頂部)や架空地線への雷撃」で鉄塔電位が上昇して起こる逆フラッシオーバであり、記述のように「電力線への雷撃」に伴うものではない。電力線への直撃雷は遮へい失敗による通常のフラッシオーバであって逆フラッシオーバではないため、対象を取り違えた(3)が誤り。(1)不平衡絶縁、(2)架空地線の多条化による結合率増加、(4)送電用避雷装置、(5)遮へい角を小さくする、はいずれも正しい雷害対策である。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 電力 問9
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  110. 問110.地中ケーブルの布設方法には,大別して直接埋設式,管路式,暗きょ式などがある。これらに関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.工事費が安く,工事期間が短い布設方法は,一般に直接埋設式,管路式,暗きょ式の順である。
    • 2.直接埋設式では,管路あるいは暗きょといった構造物を伴わないが,地中送電線路内での事故発生に対する事故復旧は一般に管路式,暗きょ式と比較して時間を要する。
    • 3.直接埋設式での電力ケーブルの外傷被害等を受けるリスクは,一般に管路式や暗きょ式と比べて高い。
    • 4.暗きょ式,管路式は,直接埋設式と比べると,将来の電力ケーブル増設が容易である。
    • 5.管路式では,一般に直接埋設式,暗きょ式と比較して熱放散が良いため,電力ケーブルの多条数布設に対して送電容量の制約を受けにくい。

    正解:5.管路式では,一般に直接埋設式,暗きょ式と比較して熱放散が良いため,電力ケーブルの多条数布設に対して送電容量の制約を受けにくい。

    解説:誤りは(5)。管路式は管内に空気層があって熱がこもりやすく、直接埋設式や暗きょ式に比べてむしろ熱放散が悪いため、多条布設では送電容量(許容電流)の制約を受けやすい。よって「熱放散が良く制約を受けにくい」とする(5)は事実と逆で誤り。(1)工事費・工期は直接埋設<管路<暗きょ、(2)直接埋設は事故復旧に時間を要する、(3)外傷リスクが高い、(4)暗きょ・管路は増設が容易、はいずれも正しい。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 電力 問10
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  111. 問111.直流送電に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.非同期連系ができ,異周波数間の系統連系が可能である。
    • 2.送電線のリアクタンスの影響がなく交流の安定度による制約が無いため,電線の許容電流限度まで送電できることから大電力の長距離送電が可能である。
    • 3.直流は零点を通過しないため,故障時に生じる大電流を遮断できる直流遮断器の開発に課題がある。
    • 4.直流電圧の最大値は同じ実効値の交流電圧より高くなるため,絶縁レベルを増加させる必要がある。
    • 5.送受電端に交直変換装置が必要となり,他励式の場合は変換装置から発生する高調波対策が必要となる。

    正解:4.直流電圧の最大値は同じ実効値の交流電圧より高くなるため,絶縁レベルを増加させる必要がある。

    解説:誤りは(4)。同じ実効値なら交流電圧の最大値(波高値)は√2倍(約1.41倍)となり、一定値である直流電圧の最大値のほうがむしろ低い。したがって直流は同じ絶縁レベルでより高い実効値を送れる(絶縁を低減できる)のが利点であり、「直流の最大値が高く絶縁レベルを増加させる必要がある」とする(4)は逆で誤り。(1)非同期・異周波数連系、(2)安定度制約がなく許容電流まで送電可、(3)零点がなく直流遮断器に課題、(5)交直変換装置と他励式の高調波対策、はいずれも正しい。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 電力 問11
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  112. 問112.定格容量 20 MV·A,一次側定格電圧 77 kV,二次側定格電圧 6.6 kV,百分率インピーダンス 10.6 %(基準容量 20 MV·A)の三相変圧器がある。三相変圧器の一次側は 77 kV の電源に接続され,二次側は負荷のみが接続されている。三相変圧器の一次側から見た電源の百分率インピーダンスは,1.1 %(基準容量 20 MV·A)である。抵抗分及びその他の定数は無視する。三相変圧器の二次側に設置する遮断器の定格遮断電流の値[kA]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.260.0
    • 2.6.0
    • 3.20.0
    • 4.2.6
    • 5.1.5

    正解:3.20.0

    解説:電源と変圧器を直列に合成した二次側から見た百分率インピーダンスは 1.1%+10.6%=11.7%(基準容量20 MV·A)。二次側の定格電流は Iₙ=20×10⁶ ÷(√3×6.6×10³)≒1750 A なので、二次側三相短絡電流は Iₛ=Iₙ ÷(11.7÷100)=1750 ÷ 0.117 ≒ 1.50×10⁴ A =約15 kA となる。遮断器の定格遮断電流はこの短絡電流以上をカバーする標準値から選ぶため、15 kA を上回る20 kA が適切となり、正解は(3)である。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 電力 問12
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  113. 問113.定格容量 200 kV·A の変圧器に,出力 P が 120 kW,遅れ力率 cosθ が 0.6 の負荷が接続されている。変圧器の定格容量の範囲内で,この負荷と並列に遅れ力率 cosθ が 0.6 の負荷を増設すると共に,進相コンデンサを接続して遅れ力率 cosθ を 0.8 に改善したい。増設できる負荷(力率 cosθ が 0.6)の皮相電力 S′[kV·A]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.93.3
    • 2.120
    • 3.66.7
    • 4.160
    • 5.40

    正解:3.66.7

    解説:進相コンデンサは有効電力を消費しないので、改善後の力率0.8で変圧器を定格200 kV·Aいっぱいまで使えば有効電力はP=200×0.8=160 kW。増設できる負荷の有効電力は160−120=40 kWで、この負荷は力率0.6だから皮相電力S′=40÷0.6≒66.7 kV·A、よって(3)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 電力 問13
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  114. 問114.磁性材料に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.鉄,ニッケル,コバルト及びこれらの合金は強磁性体である。
    • 2.強磁性体に交番磁界を加えると,ヒステリシス損と渦電流損とを含む鉄損が生じて発熱する。
    • 3.交番磁界に対して,強磁性体中の磁束の周りに起電力が生じることでヒステリシス損が発生する。
    • 4.ヒステリシス損は,交番磁界の大きさと強磁性体中の磁束密度の大きさとの関係を示す軌跡曲線の囲む面積と交番磁界の周波数に比例する。
    • 5.渦電流損は,厚さが薄く,表面を電気絶縁処理した強磁性体を,磁束方向に対して平行に積層する構造とすることで低減することができる。

    正解:3.交番磁界に対して,強磁性体中の磁束の周りに起電力が生じることでヒステリシス損が発生する。

    解説:ヒステリシス損はB-H曲線(磁化の軌跡)が囲む面積と交番磁界の周波数に比例する損失であり、(3)がいう「磁束の周りに起電力が生じて電流が流れることによる損失」は渦電流損の発生機構である。したがって発生原因を取り違えた(3)が誤り((1)(2)(4)(5)は正しい)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 電力 問14
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  115. 問115.最大出力 600 MW の重油専焼火力発電所がある。重油の発熱量は 44 000 kJ/kg で,潜熱は無視するものとして,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 45 000 MW·h の電力量を発生するために使用された重油消費量が 9.1×10³ t であるときの発電端効率の値[%]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.37.8
    • 2.38.7
    • 3.39.6
    • 4.40.5
    • 5.41.4

    正解:4.40.5

    解説:発生電力量45 000 MW·hをkJに換算すると45 000×3.6×10⁶=1.62×10¹¹ kJ(1 MW·h=3.6×10⁶ kJ)、投入熱量は重油9.1×10³ t=9.1×10⁶ kgより9.1×10⁶×44 000=4.004×10¹¹ kJ。発電端効率η=発生電力量÷投入熱量×100=1.62×10¹¹÷4.004×10¹¹×100≒40.5 %、よって(4)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 電力 問15(a)
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  116. 問116.最大出力 600 MW の重油専焼火力発電所がある。重油の発熱量は 44 000 kJ/kg で,潜熱は無視するものとして,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(b)〕 最大出力で 24 時間運転した場合の発電端効率が 45.0 % であるとき,発生する二酸化炭素量の値[t]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。  なお,重油の化学成分は重量比で炭素 85.0 %,水素 15.0 %,原子量は炭素 12,酸素 16 とする。炭素の酸化反応は次のとおりである。 C+O₂→CO₂

    • 1.6.83×10²
    • 2.6.83×10³
    • 3.8.16×10³
    • 4.9.18×10³
    • 5.1.08×10⁴

    正解:3.8.16×10³

    解説:24時間の発生電力量=600 MW×24 h=14 400 MW·h=5.184×10¹⁰ kJ、効率45.0 %より投入熱量=5.184×10¹⁰÷0.45=1.152×10¹¹ kJ、重油量=1.152×10¹¹÷44 000≒2.618×10⁶ kg。炭素は重量比85.0 %で炭素量=0.85×2.618×10⁶≒2.225×10⁶ kg、C+O₂→CO₂より生成CO₂=炭素量×(44÷12)=2.225×10⁶×3.667≒8.16×10⁶ kg=8.16×10³ t、よって(3)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 電力 問15(b)
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  117. 問117.三相3線式1回線の専用配電線がある。変電所の送り出し電圧が6 600 V,末端にある負荷の端子電圧が6 450 V,力率が遅れの70 %であるとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 ただし,電線1線当たりの抵抗は0.5 Ω/km,リアクタンスは0.4 Ω/km,線路のこう長は5 kmとする。また,送電端電圧と受電端電圧との相差角は小さいものとする。 〔小問(a)〕 この負荷に供給される電力 W₁ の値[kW]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.369
    • 2.180
    • 3.123
    • 4.213
    • 5.240

    正解:4.213

    解説:線路の全抵抗R=0.5×5=2.5 Ω、全リアクタンスX=0.4×5=2.0 Ω。三相の電圧降下は近似式 v≒√3·I(Rcosθ+Xsinθ) で表せ、これが Vs−Vr=6600−6450=150 V に等しい。cosθ=0.7、sinθ=√(1−0.7²)=0.714 なので Rcosθ+Xsinθ=2.5×0.7+2.0×0.714=3.178 となり、負荷電流 I=150/(√3×3.178)≒27.25 A。供給電力は W₁=√3·Vr·I·cosθ=√3×6450×27.25×0.7≒213 kW で、答えは(4)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 電力 問16(a)
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  118. 問118.三相3線式1回線の専用配電線がある。変電所の送り出し電圧が6 600 V,末端にある負荷の端子電圧が6 450 V,力率が遅れの70 %であるとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 ただし,電線1線当たりの抵抗は0.5 Ω/km,リアクタンスは0.4 Ω/km,線路のこう長は5 kmとする。また,送電端電圧と受電端電圧との相差角は小さいものとする。 〔小問(b)〕 負荷が遅れ力率80 %,W₂[kW]に変化したが線路損失は変わらなかった。W₂ の値[kW]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.141
    • 2.243
    • 3.274
    • 4.415
    • 5.334

    正解:2.243

    解説:線路損失 3I²R が変わらない条件から、負荷電流 I は27.25 Aのまま不変であることがポイント。力率が遅れ0.8になると Rcosθ+Xsinθ=2.5×0.8+2.0×0.6=3.2 となり、電圧降下 v'=√3×27.25×3.2≒151 V で(a)とほぼ同じ、受電端電圧も Vr'≒6600−151≒6450 V に保たれる。したがって W₂=√3·Vr'·I·cosθ'=√3×6450×27.25×0.8≒243 kW(=W₁の0.8/0.7倍)となり、答えは(2)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 電力 問16(b)
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  119. 問119.図のような,A点及びB点に負荷を有する三相3線式高圧配電線がある。電源側S点の線間電圧を6 600 Vとするとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 ただし,配電線1線当たりの抵抗及びリアクタンスはそれぞれ0.3 Ω/kmとする。 〔小問(a)〕 S−A間に流れる電流の有効成分の値[A]として,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。問119の図

    • 1.160
    • 2.240
    • 3.220
    • 4.200
    • 5.140

    正解:3.220

    解説:各負荷電流を有効分(I·cosθ)と無効分(I·sinθ)に分解して合成する。A点は有効=200×0.8=160 A・無効=200×0.6=120 A、B点は有効=100×0.6=60 A・無効=100×0.8=80 A。S−A間にはA・B両負荷の電流の和が流れるので、有効成分=160+60=220 A(無効成分は120+80=200 A)となり、答えは(3)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 電力 問17(a)
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  120. 問120.図のような,A点及びB点に負荷を有する三相3線式高圧配電線がある。電源側S点の線間電圧を6 600 Vとするとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 ただし,配電線1線当たりの抵抗及びリアクタンスはそれぞれ0.3 Ω/kmとする。 〔小問(b)〕 B点における線間電圧の値[V]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。問120の図

    • 1.6 020
    • 2.5 770
    • 3.6 460
    • 4.6 130
    • 5.6 260

    正解:1.6 020

    解説:電圧降下を区間ごとに v=√3(R·I有効+X·I無効) で求めて合算する。各区間の抵抗・リアクタンスは R=X=0.3×2=0.6 Ω。S−A間は合成電流(有効220 A・無効200 A)で v₁=√3×(0.6×220+0.6×200)=√3×252≒436 V、A−B間はB負荷のみ(有効60 A・無効80 A)で v₂=√3×(0.6×60+0.6×80)=√3×84≒145 V。合計降下 436+145=581 V をS点電圧から差し引き、Vb=6600−581≒6020 V となって、答えは(1)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度下期 電力 問17(b)
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  121. 問121.次の文章は,水車の比速度に関する記述である。 比速度とは,任意の水車の形(幾何学的形状)と運転状態(水車内の流れの状態)とを (ア) 変えたとき, (イ) で単位出力(1 kW)を発生させる仮想水車の回転速度のことである。 水車では,ランナの形や特性を表すものとしてこの比速度が用いられ,水車の (ウ) ごとに適切な比速度の範囲が存在する。 水車の回転速度を n[min⁻¹],有効落差を H[m],ランナ1 個当たり又はノズル1 個当たりの出力を P[kW]とすれば,この水車の比速度 n_s は,次の式で表される。 通常,ペルトン水車の比速度は,フランシス水車の比速度より (エ) 。 比速度の大きな水車を大きな落差で使用し,吸出し管を用いると,放水速度が大きくなって, (オ) やすくなる。そのため,各水車には,その比速度に適した有効落差が決められている。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。問121の図

    • 1.(ア)一定に保って有効落差を (イ)単位流量(1 m³/s) (ウ)出力 (エ)大きい (オ)高い効率を得
    • 2.(ア)一定に保って有効落差を (イ)単位落差(1 m) (ウ)種類 (エ)大きい (オ)キャビテーションが生じ
    • 3.(ア)相似に保って大きさを (イ)単位流量(1 m³/s) (ウ)出力 (エ)大きい (オ)高い効率を得
    • 4.(ア)相似に保って大きさを (イ)単位落差(1 m) (ウ)種類 (エ)小さい (オ)キャビテーションが生じ
    • 5.(ア)相似に保って大きさを (イ)単位流量(1 m³/s) (ウ)出力 (エ)小さい (オ)高い効率を得

    正解:4.(ア)相似に保って大きさを (イ)単位落差(1 m) (ウ)種類 (エ)小さい (オ)キャビテーションが生じ

    解説:比速度は,ある水車を形は変えずに大きさだけ縮小し,落差1 m で出力1 kW を出すようにしたときの回転速度である。したがって(ア)は「相似に保って大きさを」,(イ)は「単位落差(1 m)」となる。 (ウ)比速度はランナの形状を表す指標なので,ペルトン・フランシス・斜流・プロペラといった水車の種類ごとに適した範囲がある。 (エ)比速度の順はペルトン<フランシス<斜流<プロペラである。ペルトンは高落差・小流量向きで比速度が小さい。 (オ)比速度の大きな水車を高落差で使うと放水速度が上がり,吸出し管の入口付近で圧力が下がって水が局所的に沸騰し,キャビテーションが生じやすくなる。これがランナを壊食するので,比速度ごとに適した落差の上限が決められている。よって(4)。答(4)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 電力 問1
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  122. 問122.排熱回収形コンバインドサイクル発電方式と同一出力の汽力発電方式とを比較した記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.コンバインドサイクル発電方式の方が,熱効率が高い。
    • 2.汽力発電方式の方が,単位出力当たりの排ガス量が少ない。
    • 3.コンバインドサイクル発電方式の方が,単位出力当たりの復水器の冷却水量が多い。
    • 4.汽力発電方式の方が大形所内補機が多く,所内率が大きい。
    • 5.コンバインドサイクル発電方式の方が,最大出力が外気温度の影響を受けやすい。

    正解:3.コンバインドサイクル発電方式の方が,単位出力当たりの復水器の冷却水量が多い。

    解説:誤りは(3)である。排熱回収形コンバインドサイクルでは,出力の大部分をガスタービンが受け持ち,蒸気タービンは排熱ボイラで回収した分だけを担う。復水器で捨てる熱は蒸気タービン側だけなので,同じ出力で比べると単位出力当たりの復水器冷却水量は汽力発電より少ない。「多い」は逆である。 他は正しい。(1)熱効率はコンバインドサイクルの方が高い。(2)ガスタービンは大量の空気を吸い込むので排ガス量は多くなり,汽力の方が少ない。(4)汽力はボイラ給水ポンプや通風機など大形の所内補機が多く所内率が大きい。(5)ガスタービンは吸い込む空気の密度で出力が変わるため,外気温が高いと出力が下がる。答(3)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 電力 問2
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  123. 問123.次の文章は,火力発電所に関する記述である。 火力発電所において,ボイラから煙道に出ていく燃焼ガスの余熱を回収するために,煙道に多数の管を配置し,これにボイラへの (ア) を通過させて加熱する装置が (イ) である。同じく煙道に出ていく燃焼ガスの余熱をボイラへの (ウ) 空気に回収する装置が, (エ) である。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.(ア)給水 (イ)再熱器 (ウ)燃焼用 (エ)過熱器
    • 2.(ア)蒸気 (イ)節炭器 (ウ)加熱用 (エ)過熱器
    • 3.(ア)給水 (イ)節炭器 (ウ)加熱用 (エ)過熱器
    • 4.(ア)蒸気 (イ)再熱器 (ウ)燃焼用 (エ)空気予熱器
    • 5.(ア)給水 (イ)節炭器 (ウ)燃焼用 (エ)空気予熱器

    正解:5.(ア)給水 (イ)節炭器 (ウ)燃焼用 (エ)空気予熱器

    解説:煙道の余熱を回収する装置は二つあり,何を温めるかで区別する。 節炭器(エコノマイザ)はボイラへ送る給水を温める装置で,燃料(石炭)の節約になることからこの名がある。したがって(ア)給水,(イ)節炭器。 空気予熱器はボイラへ送る燃焼用空気を温める装置である。したがって(ウ)燃焼用,(エ)空気予熱器。 紛らわしいのが過熱器と再熱器で,どちらも蒸気を温めるものである。過熱器は飽和蒸気を過熱蒸気にする装置,再熱器は高圧タービンで仕事を終えた蒸気をもう一度温めて中圧タービンへ送る装置で,いずれも「煙道の余熱回収」という文脈の装置ではない。よって(5)。答(5)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 電力 問3
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  124. 問124.1 kg のウラン燃料に3.5 %含まれるウラン235 が核分裂し,0.09 %の質量欠損が生じたときに発生するエネルギーと同量のエネルギーを,重油の燃焼で得る場合に必要な重油の量[kL]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 ただし,計算上の熱効率を100 %,使用する重油の発熱量は40 000 kJ/L とする。

    • 1.13
    • 2.17
    • 3.70
    • 4.1.3×10³
    • 5.7.8×10⁴

    正解:3.70

    解説:核分裂したウラン235 の質量は  1 kg×0.035=0.035 kg で,このうち0.09 %が質量欠損になるから  Δm=0.035×0.0009=3.15×10⁻⁵ kg である。アインシュタインの式 E=Δmc² に c=3×10⁸ m/s を入れると  E=3.15×10⁻⁵×(3×10⁸)²=2.835×10¹² J=2.835×10⁹ kJ となる。重油の発熱量が40 000 kJ/L だから  V=2.835×10⁹/40 000=7.09×10⁴ L=70.9 kL で,最も近いのは70 kL である。 ウラン燃料1 kg のうち実際に核分裂するのは35 g,さらにそのうち質量に変わるのはわずか0.03 g ほどだが,それでも重油70 kL 分のエネルギーになる。3.5 %と0.09 %を掛け忘れると桁が大きく外れる。答(3)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 電力 問4
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  125. 問125.風力発電に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.風力発電は,風の力で風力発電機を回転させて電気を発生させる発電方式である。風が得られれば燃焼によらずパワーを得ることができるため,発電するときにCO₂を排出しない再生可能エネルギーである。
    • 2.風車で取り出せるパワーは風速に比例するため,発電量は風速に左右される。このため,安定して強い風が吹く場所が好ましい。
    • 3.離島においては,風力発電に適した地域が多く存在する。離島の電力供給にディーゼル発電機を使用している場合,風力発電を導入すれば,そのディーゼル発電機の重油の使用量を減らす可能性がある。
    • 4.一般的に,風力発電では同期発電機,永久磁石式発電機,誘導発電機が用いられる。
    • 5.風力発電では,翼が風を切るため騒音を発生する。風力発電を設置する場所によっては,この騒音が問題となる場合がある。この騒音対策として,翼の形を工夫して騒音を低減している。

    正解:2.風車で取り出せるパワーは風速に比例するため,発電量は風速に左右される。このため,安定して強い風が吹く場所が好ましい。

    解説:誤りは(2)である。風車で取り出せるパワーは  P=(1/2)ρAv³×C_p で表され,風速 v の3 乗に比例する。「風速に比例する」は誤りである。風のもつ運動エネルギーが (1/2)mv² で,単位時間に風車を通過する空気の質量 m がさらに v に比例するため,掛け合わせて3 乗になる。 この3 乗という依存性は実務上とても重要で,風速が2 倍になれば取り出せるパワーは8 倍になる。風力発電の立地で風速が重視されるのはこのためで,「安定して強い風が吹く場所が好ましい」という後半の記述自体は正しい。 他の選択肢はいずれも正しい記述である。答(2)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 電力 問5
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  126. 問126.配電線路の開閉器類に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.配電線路用の開閉器は,主に配電線路の事故時又は作業時に,その部分だけを切り離すために使用される。
    • 2.柱上開閉器には気中形,真空形,ガス形がある。操作方法は,手動操作による手動式と制御器による自動式がある。
    • 3.高圧配電方式には,放射状方式(樹枝状方式),ループ方式(環状方式)などがある。ループ方式は結合開閉器を設置して線路を構成するので,放射状方式よりも建設費は高くなるものの,高い信頼度が得られるため負荷密度の高い地域に用いられる。
    • 4.高圧カットアウトは,柱上変圧器の一次側の開閉器として使用される。その内蔵の高圧ヒューズは変圧器の過負荷時や内部短絡故障時,雷サージなどの短時間大電流の通過時に直ちに溶断する。
    • 5.地中配電系統で使用するパッドマウント変圧器には,変圧器と共に開閉器などの機器が収納されている。

    正解:4.高圧カットアウトは,柱上変圧器の一次側の開閉器として使用される。その内蔵の高圧ヒューズは変圧器の過負荷時や内部短絡故障時,雷サージなどの短時間大電流の通過時に直ちに溶断する。

    解説:誤りは(4)である。高圧カットアウトに内蔵する高圧ヒューズは,雷サージのような短時間の大電流では溶断しない特性(タイムラグヒューズ)にしてある。雷サージのたびに溶断していては,健全な変圧器まで頻繁に停電してしまうからである。一方で,変圧器の過負荷や内部短絡のように電流が続く故障では確実に溶断して変圧器を切り離す。 つまり「溶断すべき故障」と「耐えるべき一過性の大電流」を時間で区別しているのがこのヒューズの要点で,雷サージで「直ちに溶断する」という記述はその設計思想と正反対である。 他は正しい。(3)ループ方式は両方向から電力を供給できるので事故時の停電範囲を小さくでき,負荷密度の高い都市部で使われる。答(4)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 電力 問6
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  127. 問127.次の文章は,変電所の計器用変成器に関する記述である。 計器用変成器は, (ア) と変流器とに分けられ,高電圧あるいは大電流の回路から計器や (イ) に必要な適切な電圧や電流を取り出すために設置される。変流器の二次端子には,常に (ウ) インピーダンスの負荷を接続しておく必要がある。また,一次端子のある変流器は,その端子を被測定線路に (エ) に接続する。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.(ア)主変圧器 (イ)避雷器 (ウ)高 (エ)縦続
    • 2.(ア)CT (イ)保護継電器 (ウ)低 (エ)直列
    • 3.(ア)計器用変圧器 (イ)遮断器 (ウ)中 (エ)並列
    • 4.(ア)CT (イ)遮断器 (ウ)高 (エ)縦続
    • 5.(ア)計器用変圧器 (イ)保護継電器 (ウ)低 (エ)直列

    正解:5.(ア)計器用変圧器 (イ)保護継電器 (ウ)低 (エ)直列

    解説:計器用変成器は,電圧を変換する計器用変圧器(VT・PT)と電流を変換する変流器(CT)の総称である。設問が「(ア)と変流器とに分けられ」と書いているので,(ア)には計器用変圧器が入る。CT は変流器そのものなので(ア)には入らない。 (イ)取り出した電圧・電流を使うのは計器と保護継電器である。遮断器や避雷器は測定値を受け取る機器ではない。 (ウ)変流器の二次側を開放すると,一次電流のすべてが励磁電流として働いて鉄心が飽和し,二次側に高電圧が現れて絶縁破壊や感電の危険がある。これを避けるため,二次端子には常に低インピーダンスの負荷(電流計や継電器,または短絡)をつないでおく。 (エ)変流器は測定したい電流をそのまま通す必要があるので,被測定線路に直列に接続する。並列につなぐのは電圧を測る計器用変圧器である。よって(5)。答(5)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 電力 問7
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  128. 問128.次に示す配電用機材(ア)~(エ)とそれに関係の深い語句(a)~(e)とを組み合わせたものとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。問128の図

    • 1.(ア)−(c) (イ)−(d) (ウ)−(e) (エ)−(a)
    • 2.(ア)−(c) (イ)−(d) (ウ)−(a) (エ)−(e)
    • 3.(ア)−(c) (イ)−(d) (ウ)−(a) (エ)−(b)
    • 4.(ア)−(d) (イ)−(c) (ウ)−(a) (エ)−(b)
    • 5.(ア)−(d) (イ)−(c) (ウ)−(e) (エ)−(a)

    正解:3.(ア)−(c) (イ)−(d) (ウ)−(a) (エ)−(b)

    解説:一つずつ結び付けていけばよい。 (ア)ギャップレス避雷器 −(c)酸化亜鉛(ZnO)。酸化亜鉛素子は電圧が低いとほとんど電流を流さない非直線抵抗特性をもつため,直列ギャップなしで避雷器を構成できる。 (イ)ガス開閉器 −(d)六ふっ化硫黄(SF₆)。消弧能力と絶縁耐力に優れるSF₆ ガスを封入している。 (ウ)CV ケーブル −(a)水トリー。架橋ポリエチレン絶縁体に水分と電界が作用すると樹枝状の劣化(水トリー)が進行する。CV ケーブル特有の絶縁劣化現象である。 (エ)柱上変圧器 −(b)鉄損。柱上変圧器は負荷の有無にかかわらず常時励磁されているので,年間を通じた損失では鉄損(無負荷損)の占める割合が大きい。アモルファス鉄心が使われるのもこの鉄損を減らすためである。 残る(e)ギャロッピングは架空電線が着氷雪と風で大きく振動する現象で,配電用機材ではなく架空送電線の話題である。よって(3)。答(3)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 電力 問8
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  129. 問129.次の文章は,コロナ損に関する記述である。 送電線に高電圧が印加され, (ア) がある程度以上になると,電線からコロナ放電が発生する。コロナ放電が発生するとコロナ損と呼ばれる電力損失が生じる。コロナ放電の発生を抑えるには,電線の実効的な直径を (イ) するために (ウ) する,線間距離を (エ) する,などの対策がとられている。コロナ放電は,気圧が (オ) なるほど起こりやすくなる。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.(ア)電流密度 (イ)大きく (ウ)単導体化 (エ)大きく (オ)低く
    • 2.(ア)電線表面の電界強度 (イ)大きく (ウ)多導体化 (エ)大きく (オ)低く
    • 3.(ア)電流密度 (イ)小さく (ウ)単導体化 (エ)小さく (オ)高く
    • 4.(ア)電線表面の電界強度 (イ)小さく (ウ)単導体化 (エ)大きく (オ)低く
    • 5.(ア)電線表面の電界強度 (イ)大きく (ウ)多導体化 (エ)小さく (オ)高く

    正解:2.(ア)電線表面の電界強度 (イ)大きく (ウ)多導体化 (エ)大きく (オ)低く

    解説:コロナ放電は電線のまわりの空気が絶縁破壊する現象なので,引き金になるのは(ア)電線表面の電界強度である。電流密度は関係しない。 電界強度は電線が細いほど強くなる(曲率が大きいほど電界が集中する)ので,対策は実効的な直径を(イ)大きくすること。そのために1 相を複数の電線で構成する(ウ)多導体化を行う。単導体化では逆効果である。 線間距離を(エ)大きくすると,同じ電圧でも導体間の静電容量が小さくなって電線表面の電界強度が下がるので,これもコロナ対策になる。 (オ)空気の絶縁耐力は密度に比例するので,気圧が低い(=空気が薄い)ほどコロナは起こりやすい。高地の送電線でコロナが問題になりやすいのはこのためである。よって(2)。答(2)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 電力 問9
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  130. 問130.地中送電線路の線路定数に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.架空送電線路の場合と同様,一般に,導体抵抗,インダクタンス,静電容量を考える。
    • 2.交流の場合の導体の実効抵抗は,表皮効果及び近接効果のため直流に比べて小さくなる。
    • 3.導体抵抗は,温度上昇とともに大きくなる。
    • 4.インダクタンスは,架空送電線路に比べて小さい。
    • 5.静電容量は,架空送電線路に比べてかなり大きい。

    正解:2.交流の場合の導体の実効抵抗は,表皮効果及び近接効果のため直流に比べて小さくなる。

    解説:誤りは(2)である。表皮効果は交流電流が導体の表面近くに集中する現象,近接効果は隣り合う導体の磁界によって電流分布が偏る現象で,どちらも電流の通る断面を実質的に狭めるので,交流の実効抵抗は直流より大きくなる。「小さくなる」は逆である。 他は正しい。(3)銅の抵抗は温度に比例して増える。(4)(5)地中ケーブルは導体と金属シースの間隔が数mm と極めて近いのに対し,架空送電線は数m 離れている。この距離の違いから,インダクタンスは地中の方が小さく,静電容量は地中の方がはるかに大きくなる。静電容量が大きいことが,地中送電で充電電流や誘電体損が問題になる理由である。答(2)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 電力 問10
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  131. 問131.22(33)kV 配電系統に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.6.6 kV の配電線に比べ電圧対策や供給力増強対策として有効なので,長距離配電の必要となる地域や新規開発地域への供給に利用されることがある。
    • 2.電気方式は,地絡電流抑制の観点から中性点を直接接地した三相3 線方式が一般的である。
    • 3.各種需要家への電力供給は,特別高圧需要家へは直接に,高圧需要家へは途中に設けた配電塔で6.6 kV に降圧して高圧架空配電線路を用いて,低圧需要家へはさらに柱上変圧器で200~100 V に降圧して,行われる。
    • 4.6.6 kV の配電線に比べ33 kV の場合は,負荷が同じで配電線の線路定数も同じなら,電流は 1/5 となり電力損失は 1/25 となる。電流が同じであれば,送電容量は5 倍となる。
    • 5.架空配電系統では保安上の観点から,特別高圧絶縁電線や架空ケーブルを使用する場合がある。

    正解:2.電気方式は,地絡電流抑制の観点から中性点を直接接地した三相3 線方式が一般的である。

    解説:誤りは(2)である。中性点を直接接地すると1 線地絡時に非常に大きな地絡電流が流れるので,「地絡電流抑制の観点から」という理由と結び付かない。22(33)kV 配電系統では,地絡電流を抑えるために中性点を抵抗接地とするか非接地とするのが一般的である。 直接接地方式は,地絡時の健全相の電圧上昇を抑えて機器の絶縁を軽減できる利点があるため187 kV 以上の超高圧系統で使われる方式で,目的が正反対である。 他は正しい。(4)は電圧が5 倍(6.6→33)になれば同じ電力を送るのに電流は 1/5 でよく,損失は電流の2 乗に比例するので 1/25 になる,という関係を述べたもので計算どおりである。答(2)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 電力 問11
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  132. 問132.こう長2 km の三相3 線式配電線路が,遅れ力率85 %の平衡三相負荷に電力を供給している。負荷の端子電圧を6.6 kV に保ったまま,線路の電圧降下率が5.0 %を超えないようにするための負荷電力[kW]の最大値として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 ただし,1 km1 線当たりの抵抗は0.45 Ω,リアクタンスは0.25 Ω とし,その他の条件は無いものとする。なお,本問では送電端電圧と受電端電圧との相差角が小さいとして得られる近似式を用いて解答すること。

    • 1.1 023
    • 2.1 799
    • 3.2 117
    • 4.3 117
    • 5.3 600

    正解:2.1 799

    解説:こう長2 km なので1 線当たりの抵抗とリアクタンスは  R=0.45×2=0.9 Ω,X=0.25×2=0.5 Ω である。力率85 %より cosθ=0.85,sinθ=√(1−0.85²)=0.5268。 許される電圧降下は  ΔV=6 600×0.05=330 V で,三相の近似式 ΔV=√3 I(R cosθ+X sinθ) から  330=√3×I×(0.9×0.85+0.5×0.5268)=√3×I×1.0284  I=330/(√3×1.0284)=185.3 A となる。このときの負荷電力は  P=√3×6 600×185.3×0.85=1.80×10⁶ W≒1 800 kW で,最も近いのは1 799 kW である。 最後に力率を掛け忘れると √3×6 600×185.3=2 118 kV·A となり,皮相電力の値である(3)を選ぶことになる。問われているのは有効電力[kW]である。答(2)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 電力 問12
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  133. 問133.一次側定格電圧と二次側定格電圧がそれぞれ等しい変圧器A と変圧器B がある。変圧器A は,定格容量 S_A=5 000 kV·A,パーセントインピーダンス%Z_A=9.0 %(自己容量ベース),変圧器B は,定格容量 S_B=1 500 kV·A,パーセントインピーダンス%Z_B=7.5 %(自己容量ベース)である。この変圧器2 台を並行運転し,6 000 kV·A の負荷に供給する場合,過負荷となる変圧器とその変圧器の過負荷運転状態[%](当該変圧器が負担する負荷の大きさをその定格容量に対する百分率で表した値)の組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.過負荷となる変圧器:変圧器A 過負荷運転状態[%]:101.5
    • 2.過負荷となる変圧器:変圧器B 過負荷運転状態[%]:105.9
    • 3.過負荷となる変圧器:変圧器A 過負荷運転状態[%]:118.2
    • 4.過負荷となる変圧器:変圧器B 過負荷運転状態[%]:137.5
    • 5.過負荷となる変圧器:変圧器A 過負荷運転状態[%]:173.5

    正解:2.過負荷となる変圧器:変圧器B 過負荷運転状態[%]:105.9

    解説:並行運転の負荷分担は,同じ基準容量に換算した百分率インピーダンスの逆比になる。基準を6 000 kV·A にそろえると  %Z_A=9.0×6 000/5 000=10.8 %  %Z_B=7.5×6 000/1 500=30.0 % となる。分担は逆比だから  P_A:P_B=1/10.8:1/30.0=30.0:10.8  P_A=6 000×30.0/40.8=4 412 kV·A,P_B=6 000×10.8/40.8=1 588 kV·A である。それぞれの定格容量に対する比を出すと  変圧器A:4 412/5 000=88.2 %  変圧器B:1 588/1 500=105.9 % となり,過負荷になるのは変圧器B である。よって(2)。 自己容量ベースの%Z が小さい変圧器ほど「よく電流を流す」ので負担が重くなりやすい。容量の大きいA が過負荷になると思い込まないよう,必ず共通ベースに換算してから比べたい。答(2)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 電力 問13
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  134. 問134.アモルファス鉄心材料を使用した柱上変圧器の特徴に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.けい素鋼帯を使用した同容量の変圧器に比べて,鉄損が大幅に少ない。
    • 2.アモルファス鉄心材料は結晶構造である。
    • 3.アモルファス鉄心材料は高硬度で,加工性があまり良くない。
    • 4.アモルファス鉄心材料は比較的高価である。
    • 5.けい素鋼帯を使用した同容量の変圧器に比べて,磁束密度が高くできないので,大形になる。

    正解:2.アモルファス鉄心材料は結晶構造である。

    解説:誤りは(2)である。アモルファス(amorphous)とは「非晶質」という意味で,原子が規則正しく並んでいない構造をいう。溶けた金属を急速に冷やして結晶化させずに固めることで得られる。「結晶構造である」は語の意味と正反対である。 この不規則な構造のおかげで磁化の向きを変えるときの抵抗が小さく,ヒステリシス損が減る。さらに板厚が数十μm と非常に薄いので渦電流損も小さく,結果として(1)のとおり鉄損がけい素鋼帯の1/3 程度になる。 一方で(3)硬くてもろく加工しにくい,(4)高価である,(5)飽和磁束密度がけい素鋼帯より低いため同じ容量なら鉄心断面を大きくとる必要があり変圧器が大形になる,という短所がある。答(2)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 電力 問14
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  135. 問135.石炭火力発電所が1 日を通して定格出力600 MW で運転されるとき,燃料として使用される石炭消費量が150 t/h,石炭発熱量が34 300 kJ/kg で一定の場合,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 ただし,石炭の化学成分は重量比で炭素が70 %,水素が5 %,残りの灰分等は燃焼に影響しないものと仮定し,原子量は炭素12,酸素16,水素1 とする。燃焼反応は次のとおりである。  C+O₂ → CO₂  2H₂+O₂ → 2H₂O 〔小問(a)〕 発電端効率の値[%]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.41.0
    • 2.41.5
    • 3.42.0
    • 4.42.5
    • 5.43.0

    正解:3.42.0

    解説:燃料が1 時間に持ち込む熱量を求める。石炭150 t/h=150 000 kg/h だから  Q=150 000×34 300=5.145×10⁹ kJ/h である。これを1 秒当たりに直すと  5.145×10⁹/3 600=1.429×10⁶ kJ/s=1 429 MW となる。発電端出力が600 MW なので,発電端効率は  η=600/1 429=0.420=42.0 % である。 要点は kJ/h を kJ/s(=kW)に直すために3 600 で割ることで,ここを飛ばすと桁が合わない。答(3)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 電力 問15(a)
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  136. 問136.石炭火力発電所が1 日を通して定格出力600 MW で運転されるとき,燃料として使用される石炭消費量が150 t/h,石炭発熱量が34 300 kJ/kg で一定の場合,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 ただし,石炭の化学成分は重量比で炭素が70 %,水素が5 %,残りの灰分等は燃焼に影響しないものと仮定し,原子量は炭素12,酸素16,水素1 とする。燃焼反応は次のとおりである。  C+O₂ → CO₂  2H₂+O₂ → 2H₂O 〔小問(b)〕 1 日に発生する二酸化炭素の重量の値[t]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.3.8×10²
    • 2.2.5×10³
    • 3.3.8×10³
    • 4.9.2×10³
    • 5.1.3×10⁴

    正解:4.9.2×10³

    解説:1 日の石炭消費量は  150 t/h×24 h=3 600 t で,このうち炭素は重量比70 %だから  3 600×0.70=2 520 t である。燃焼反応 C+O₂ → CO₂ より,炭素1 mol(12 g)から二酸化炭素1 mol(44 g)ができる。重量比は 44/12 になるので  W=2 520×44/12=9 240 t≒9.2×10³ t となる。 水素の燃焼(2H₂+O₂ → 2H₂O)で生じるのは水であって二酸化炭素ではないので,水素5 %は今回の計算に入れない。炭素の重量をそのまま答えると2 520 t となり(2)に近い値になってしまうので,44/12 倍を忘れないようにしたい。答(4)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 電力 問15(b)
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  137. 問137.図のように,定格電圧66 kV の電源から三相変圧器を介して二次側に遮断器が接続された系統がある。この三相変圧器は定格容量10 MV·A,変圧比66/6.6 kV,百分率インピーダンスが自己容量基準で7.5 %である。変圧器一次側から電源側をみた百分率インピーダンスを基準容量100 MV·A で5 %とするとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 基準容量を10 MV·A として,変圧器二次側から電源側をみた百分率インピーダンスの値[%]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。問137の図

    • 1.2.5
    • 2.5.0
    • 3.7.0
    • 4.8.0
    • 5.12.5

    正解:4.8.0

    解説:百分率インピーダンスは基準容量に比例するので,基準を10 MV·A にそろえる。 電源側は100 MV·A 基準で5 %だから  %Z_S=5×10/100=0.5 % 変圧器は自己容量10 MV·A 基準で7.5 %なので,そのまま  %Z_T=7.5 % である。二次側から電源側をみると両者が直列になるから  %Z=0.5+7.5=8.0 % となる。 基準容量をそろえずに 5+7.5=12.5 とすると(5)を選ぶことになる。基準容量が10 倍違えば%Z も10 倍違うので,必ず換算してから足す。答(4)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 電力 問16(a)
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  138. 問138.図のように,定格電圧66 kV の電源から三相変圧器を介して二次側に遮断器が接続された系統がある。この三相変圧器は定格容量10 MV·A,変圧比66/6.6 kV,百分率インピーダンスが自己容量基準で7.5 %である。変圧器一次側から電源側をみた百分率インピーダンスを基準容量100 MV·A で5 %とするとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(b)〕 図のA 点で三相短絡事故が発生したとき,事故電流を遮断できる遮断器の定格遮断電流の最小値[kA]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし,変圧器二次側からA 点までのインピーダンスは無視するものとする。問138の図

    • 1.8
    • 2.12.5
    • 3.16
    • 4.20
    • 5.25

    正解:2.12.5

    解説:まず基準容量10 MV·A・6.6 kV での基準電流を求める。  I_n=10×10⁶/(√3×6 600)=874.8 A 三相短絡電流は基準電流を百分率インピーダンス(小問(a)の8.0 %)で割って  I_s=874.8/0.08=10 935 A≒10.9 kA である。 遮断器はこの電流を遮断できなければならないので,定格遮断電流は10.9 kA 以上であることが必要になる。選択肢のうちこれを満たす最小のものは12.5 kA である。よって(2)。 10.9 kA に最も近いのは(1)の8 kA ではなく,「遮断できる最小値」を問われている点が要点である。8 kA では短絡電流を切れない。答(2)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 電力 問16(b)
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  139. 問139.三相3 線式高圧配電線の電圧降下について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 図のように,送電端S 点から三相3 線式高圧配電線でA 点,B 点及びC 点の負荷に電力を供給している。S 点の線間電圧は6 600 V であり,配電線1 線当たりの抵抗及びリアクタンスはそれぞれ0.3 Ω/km とする。 〔小問(a)〕 S-A 間を流れる電流の値[A]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。問139の図

    • 1.405
    • 2.420
    • 3.435
    • 4.450
    • 5.465

    正解:5.465

    解説:S-A 間には,A 点・B 点・C 点すべての負荷電流が流れる。力率が異なるのでベクトル(有効分と無効分に分けて)合成する。  A 点:200 A,力率0.8(遅れ)→ 有効分 200×0.8=160 A,無効分 200×0.6=120 A  B 点:100 A,力率0.6(遅れ)→ 有効分 100×0.6=60 A,無効分 100×0.8=80 A  C 点:200 A,力率1.0 → 有効分 200 A,無効分 0 A 有効分と無効分をそれぞれ足すと  有効分の合計=160+60+200=420 A  無効分の合計=120+80+0=200 A したがって  I=√(420²+200²)=√216 400=465.2 A となる。 力率を無視して 200+100+200=500 A としたり,有効分だけを足して420 A としたりすると誤る。(2)の420 はちょうど有効分の合計なので,そこで止めないよう注意したい。答(5)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 電力 問17(a)
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  140. 問140.三相3 線式高圧配電線の電圧降下について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 図のように,送電端S 点から三相3 線式高圧配電線でA 点,B 点及びC 点の負荷に電力を供給している。S 点の線間電圧は6 600 V であり,配電線1 線当たりの抵抗及びリアクタンスはそれぞれ0.3 Ω/km とする。 〔小問(b)〕 A-B における電圧降下率の値[%]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。問140の図

    • 1.4.9
    • 2.5.1
    • 3.5.3
    • 4.5.5
    • 5.5.7

    正解:2.5.1

    解説:電圧降下率は「その区間の電圧降下÷受電端電圧」なので,A 点とB 点の電圧を順に求める必要がある。 ① S-A 間(2 km,R=X=0.6 Ω)を流れるのは小問(a)の電流で,有効分420 A・無効分200 A。  ΔV_SA=√3(R×420+X×200)=√3×(0.6×420+0.6×200)=√3×372=644 V  V_A=6 600−644=5 956 V ② A-B 間(4 km,R=X=1.2 Ω)を流れるのはB 点の負荷だけで,100 A・力率0.6(有効分60 A・無効分80 A)。  ΔV_AB=√3(1.2×60+1.2×80)=√3×168=291 V  V_B=5 956−291=5 665 V ③ 電圧降下率は受電端であるB 点の電圧を分母にとって  ΔV_AB/V_B×100=291/5 665×100=5.1 % となる。 分母を送電端の6 600 V にすると 291/6 600=4.4 %,A 点電圧にすると 291/5 956=4.9 %となって(1)を選んでしまう。電圧降下率の分母は受電端電圧である点が本問の要点である。答(2)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度上期 電力 問17(b)
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  141. 問141.次の文章は,水力発電の理論式に関する記述である。 図に示すように,放水地点の水面を基準面とすれば,基準面から貯水池の静水面までの高さ H_g[m]を一般に (ア) という。また,水路や水圧管の壁と水との摩擦によるエネルギー損失に相当する高さ h₁[m]を (イ) という。さらに,H_g と h₁ の差 H=H_g−h₁ を一般に (ウ) という。 今,Q[m³/s]の水が水車に流れ込み,水車の効率を η_w とすれば,水車出力 P_w は (エ) になる。さらに,発電機の効率を η_g とすれば,発電機出力 P は (オ) になる。ただし,重力加速度は9.8 m/s² とする。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。問141の図

    • 1.(ア)総落差 (イ)損失水頭 (ウ)実効落差 (エ)9.8QHη_w×10³[W] (オ)9.8QHη_wη_g×10³[W]
    • 2.(ア)自然落差 (イ)位置水頭 (ウ)有効落差 (エ)(9.8QH/η_w)×10⁻³[kW] (オ)(9.8QHη_g/η_w)×10⁻³[kW]
    • 3.(ア)総落差 (イ)損失水頭 (ウ)有効落差 (エ)9.8QHη_w×10³[W] (オ)9.8QHη_wη_g×10³[W]
    • 4.(ア)基準落差 (イ)圧力水頭 (ウ)実効落差 (エ)9.8QHη_w[kW] (オ)9.8QHη_wη_g[kW]
    • 5.(ア)基準落差 (イ)速度水頭 (ウ)有効落差 (エ)9.8QHη_w[kW] (オ)9.8QHη_wη_g[kW]

    正解:3.(ア)総落差 (イ)損失水頭 (ウ)有効落差 (エ)9.8QHη_w×10³[W] (オ)9.8QHη_wη_g×10³[W]

    解説:放水地点の水面(基準面)から貯水池の静水面までの高さが総落差 H_g,水路や水圧管の摩擦で失われるエネルギーを高さに換算したものが損失水頭 h₁,実際に水車が使える落差 H=H_g−h₁ が有効落差である。水車出力は P_w=9.8QHη_w[kW],発電機出力は P=9.8QHη_wη_g[kW]で,[kW]を10³倍すれば[W]になる。この問題は(エ)(オ)では答が決まらないことに注意したい。9.8QHη_w[kW]と9.8QHη_w×10³[W]は同じ値なので,(1)(3)(4)(5)の(エ)(オ)はすべて同じことを述べている。したがって(ア)(イ)(ウ)の用語だけで判断することになり,「実効落差」「自然落差」「基準落差」「位置水頭」「圧力水頭」「速度水頭」はいずれもここでの正式な呼び名ではない。答(3)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 電力 問1
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  142. 問142.定格出力1 000 MW,速度調定率5 %のタービン発電機と,定格出力300 MW,速度調定率3 %の水車発電機が電力系統に接続され,前者は80 %出力,後者は60 %出力にて定格周波数(50 Hz)でガバナフリー運転を行っている。 負荷が急変して,系統周波数が0.2 Hz 低下したとき,タービン発電機と水車発電機の出力[MW]の組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 ただし,このガバナフリー運転におけるガバナ特性は直線とし,次式で表される速度調定率に従うものとする。また,この系統内で周波数調整を行っている発電機はこの2 台のみとする。 速度調定率={(n₂−n₁)/nₙ}÷{(P₁−P₂)/Pₙ}×100 [%] P₁:初期出力[MW],P₂:変化後の出力[MW],Pₙ:定格出力[MW] n₁:出力 P₁ における回転速度[min⁻¹],n₂:変化後の出力 P₂ における回転速度[min⁻¹],nₙ:定格回転速度[min⁻¹]

    • 1.タービン発電機:720 MW 水車発電機:140 MW
    • 2.タービン発電機:733 MW 水車発電機:147 MW
    • 3.タービン発電機:867 MW 水車発電機:213 MW
    • 4.タービン発電機:880 MW 水車発電機:220 MW
    • 5.タービン発電機:933 MW 水車発電機:204 MW

    正解:4.タービン発電機:880 MW 水車発電機:220 MW

    解説:速度調定率の式を出力について解くと (P₁−P₂)/Pₙ={(n₂−n₁)/nₙ}×100÷(速度調定率)となる。回転速度の変化率は周波数の変化率に等しいので (n₂−n₁)/nₙ=−0.2/50=−0.004 である。 タービン発電機:(P₁−P₂)/1 000=−0.004×100/5=−0.08 より P₁−P₂=−80 MW。初期出力は1 000×0.8=800 MW だからP₂=800+80=880 MW。 水車発電機:(P₁−P₂)/300=−0.004×100/3=−0.1333 より P₁−P₂=−40 MW。初期出力は300×0.6=180 MW だからP₂=180+40=220 MW。 周波数が下がれば発電機は出力を増やす(負荷を分担しに行く)ので,出力が初期値より小さくなる(1)は符号を取り違えた値である(実際 800−80=720,180−40=140 と一致する)。(3)の867・213は定格周波数を60 Hz として計算した値,(5)の933・204は2台の速度調定率を入れ替えて計算した値で,いずれも本問の条件とは合わない。答(4)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 電力 問2
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  143. 問143.次の文章は,汽力発電所の復水器に関する記述である。 汽力発電所の復水器は,タービンの (ア) を冷却し水に戻して復水を回収する装置である。内部の (イ) を保持することで,タービンの入口蒸気と出口蒸気の (ウ) を大きくし,タービンの (エ) を高めている。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.(ア)抽気蒸気 (イ)真空度 (ウ)圧力差 (エ)回転速度
    • 2.(ア)排気蒸気 (イ)温度 (ウ)温度差 (エ)効率
    • 3.(ア)排気蒸気 (イ)真空度 (ウ)圧力差 (エ)効率
    • 4.(ア)抽気蒸気 (イ)真空度 (ウ)温度差 (エ)回転速度
    • 5.(ア)排気蒸気 (イ)温度 (ウ)温度差 (エ)回転速度

    正解:3.(ア)排気蒸気 (イ)真空度 (ウ)圧力差 (エ)効率

    解説:復水器が受け取るのはタービンを出た後の排気蒸気である。抽気蒸気はタービンの途中段から取り出して給水加熱器へ送る蒸気で,復水器の対象ではない。復水器は蒸気を冷却して体積の小さい水に戻すことで内部を高真空に保ち,タービン出口の圧力を大気圧よりはるかに低く下げる。こうして入口蒸気と出口蒸気の圧力差(熱落差)を大きくすることで,同じ蒸気からより多くの仕事を取り出せるので熱効率が高くなる。タービンの回転速度は系統周波数と極数で決まるもので,復水器の真空度で変えるものではない。答(3)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 電力 問3
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  144. 問144.軽水炉で使用されている原子燃料に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.中性子を吸収して核分裂を起こすことのできる核分裂性物質には,ウラン235 やプルトニウム239 がある。
    • 2.ウラン燃料は,二酸化ウランの粉末を焼き固め,ペレット状にして使用される。
    • 3.ウラン燃料には,濃縮度90 %程度の高濃縮ウランが使用される。
    • 4.ウラン238 は中性子を吸収してプルトニウム239 に変わるので,親物質と呼ばれる。
    • 5.天然ウランは約0.7 %のウラン235 を含み,残りはほとんどウラン238 である。

    正解:3.ウラン燃料には,濃縮度90 %程度の高濃縮ウランが使用される。

    解説:誤りは(3)である。軽水炉は減速材と冷却材に軽水(普通の水)を使う。軽水は中性子を吸収しやすいため天然ウラン(ウラン235 が約0.7 %)のままでは連鎖反応を維持できず濃縮が必要になるが,必要な濃縮度は3~5 %程度の低濃縮ウランである。濃縮度90 %程度の高濃縮ウランは研究炉や核兵器で扱う領域であり,商用の軽水炉では使わない。他の記述は正しい。(1)核分裂性物質はウラン235・プルトニウム239,(2)二酸化ウランの粉末を焼き固めたペレットを被覆管に詰めて使う,(4)ウラン238 は中性子を吸収してプルトニウム239 に変わるので親物質(親核種)と呼ばれる,(5)天然ウランの組成はウラン235 が約0.7 %で残りはほぼウラン238 である。答(3)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 電力 問4
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  145. 問145.分散型電源に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.太陽電池で発生した直流の電力を交流系統に接続する場合は,インバータにより直流を交流に変換する。連系保護装置を用いると,系統の停電時などに電力の供給を止めることができる。
    • 2.分散型電源からの逆潮流による系統電圧上昇を抑制する手段として,分散型電源の出力抑制や,電圧調整器を用いた電圧の制御などが行われる。
    • 3.小水力発電では,河川や用水路などでの流込み式発電が用いられる場合が多い。
    • 4.洋上の風力発電所と陸上の系統の接続では,海底ケーブルによる直流送電が用いられることがある。直流送電では,ケーブルを用いて送電する場合でも,定常的な充電電流が流れないため,その補償が不要である。
    • 5.一般的な燃料電池発電は,水素と酸素との吸熱反応を利用して電気エネルギーを作る発電方式であり,負荷変動に対する応答が早い。

    正解:5.一般的な燃料電池発電は,水素と酸素との吸熱反応を利用して電気エネルギーを作る発電方式であり,負荷変動に対する応答が早い。

    解説:誤りは(5)である。燃料電池は水素と酸素が結合して水になる反応(酸化反応)を利用するが,これは熱を出す発熱反応であり,吸熱反応ではない。燃料電池はこの化学反応のエネルギーを燃焼させずに直接電気エネルギーとして取り出す装置で,回転部分がないため負荷変動への応答が早いという記述自体は正しい。他は正しい。(4)については,交流でケーブル送電すると線路の静電容量に常時充電電流が流れて調相設備による補償が要るが,直流では定常状態で静電容量に電流が流れないためその補償が不要になる。答(5)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 電力 問5
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  146. 問146.次の文章は,変圧器のY-Y 結線方式の特徴に関する記述である。 一般に,変圧器のY-Y 結線は,一次,二次側の中性点を接地でき,1 線地絡などの故障に伴い発生する (ア) の抑制,電線路及び機器の絶縁レベルの低減,地絡故障時の (イ) の確実な動作による電線路や機器の保護等,多くの利点がある。 一方,相電圧は (ウ) を含むひずみ波形となるため,中性点を接地すると, (ウ) 電流が線路の静電容量を介して大地に流れることから,通信線への (エ) 障害の原因となる等の欠点がある。このため, (オ) による三次巻線を設けて,これらの欠点を解消する必要がある。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.(ア)異常電流 (イ)避雷器 (ウ)第二調波 (エ)静電誘導 (オ)Δ結線
    • 2.(ア)異常電圧 (イ)保護リレー (ウ)第三調波 (エ)電磁誘導 (オ)Y結線
    • 3.(ア)異常電圧 (イ)保護リレー (ウ)第三調波 (エ)電磁誘導 (オ)Δ結線
    • 4.(ア)異常電圧 (イ)避雷器 (ウ)第三調波 (エ)電磁誘導 (オ)Δ結線
    • 5.(ア)異常電流 (イ)保護リレー (ウ)第二調波 (エ)静電誘導 (オ)Y結線

    正解:3.(ア)異常電圧 (イ)保護リレー (ウ)第三調波 (エ)電磁誘導 (オ)Δ結線

    解説:中性点を接地する主な目的は,1 線地絡時に健全相の対地電圧が跳ね上がるのを防ぐこと(異常電圧の抑制)と,地絡電流を確実に流して地絡保護リレーを動作させることである。避雷器は雷サージを大地に逃がす機器で,中性点接地によって動作が確実になるものではないから(イ)は保護リレーになる。 Y-Y 結線の欠点は励磁電流に含まれる第三調波の行き場がないことにある。第三調波は各相同相(零相)で,Δ結線があれば結線内を循環できるが,Y-Y にはその経路がないため相電圧が第三調波を含むひずみ波形になる。中性点を接地すると第三調波電流が線路の静電容量を通って大地に流れ,並行する通信線に電磁誘導障害を与える。これを避けるため,第三調波を循環させる経路としてΔ結線の三次巻線(安定巻線)を設ける。したがってY-Y-Δ結線として使うのが一般的である。答(3)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 電力 問6
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  147. 問147.次の文章は,配電線路の電圧調整に関する記述である。誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.太陽電池発電設備を系統連系させたときの逆潮流による配電線路の電圧上昇を抑制するため,パワーコンディショナには,電圧調整機能を持たせているものがある。
    • 2.配電用変電所においては,高圧配電線路の電圧調整のため,負荷時電圧調整器(LRA)や負荷時タップ切換装置付変圧器(LRT)などが用いられる。
    • 3.低圧配電線路の力率改善をより効果的に実施するためには,低圧配電線路ごとに電力用コンデンサを接続することに比べて,より上流である高圧配電線路に電力用コンデンサを接続した方がよい。
    • 4.高負荷により配電線路の電圧降下が大きい場合,電線を太くすることで電圧降下を抑えることができる。
    • 5.電圧調整には,高圧自動電圧調整器(SVR)のように電圧を直接調整するもののほか,電力用コンデンサや分路リアクトル,静止形無効電力補償装置(SVC)などのように線路の無効電力潮流を変化させて行うものもある。

    正解:3.低圧配電線路の力率改善をより効果的に実施するためには,低圧配電線路ごとに電力用コンデンサを接続することに比べて,より上流である高圧配電線路に電力用コンデンサを接続した方がよい。

    解説:誤りは(3)である。電力用コンデンサは,それを接続した点から電源側の区間に流れる無効電流を打ち消す。したがって負荷にできるだけ近いところ,つまり低圧配電線路ごとに接続した方が,無効電流の流れる区間が短くなり,線路損失と電圧降下の低減効果が大きい。上流の高圧配電線路にまとめて接続すると,低圧配電線路を流れる無効電流はそのまま残るので効果が小さくなる。他は正しい。(4)は電線を太くすると1 線当たりの抵抗が下がるため電圧降下が小さくなること,(5)は電圧を直接変える方式と無効電力潮流を変える方式の2 通りがあることを述べている。答(3)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 電力 問7
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  148. 問148.架空送電線路の構成要素に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.アークホーン : がいしの両端に設けられた金属電極をいい,雷サージによるフラッシオーバの際生じるアークを電極間に生じさせ,がいし破損を防止するものである。
    • 2.トーショナルダンパ : 着雪防止が目的で電線に取り付ける。風による振動エネルギーで着雪を防止し,ギャロッピングによる電線間の短絡事故などを防止するものである。
    • 3.アーマロッド : 電線の振動疲労防止や,アークによる電線損傷,溶断防止のため,クランプ付近の電線に同一材質の金属を巻き付けるものである。
    • 4.相間スペーサ : 強風による電線相互の接近及び衝突を防止するため,電線相互の間隔を保持する器具として取り付けるものである。
    • 5.埋設地線 : 塔脚の地下に放射状に埋設された接地線,あるいは,いくつかの鉄塔を地下で連結する接地線をいい,鉄塔の塔脚接地抵抗を小さくし,逆フラッシオーバを抑止する目的等のため取り付けるものである。

    正解:2.トーショナルダンパ : 着雪防止が目的で電線に取り付ける。風による振動エネルギーで着雪を防止し,ギャロッピングによる電線間の短絡事故などを防止するものである。

    解説:誤りは(2)である。トーショナルダンパは,電線に生じた上下方向の振動を減衰しやすいねじり振動に変換して振動エネルギーを吸収する器具で,目的は微風振動の抑制である。着雪防止を狙った器具ではない。難着雪対策には難着雪リングやねじれ防止ダンパが,ギャロッピングによる短絡防止には(4)の相間スペーサが用いられるので,この選択肢は他の器具の役割を混ぜた記述になっている。他は正しい。(1)アークホーンはアークをがいし本体から離れた電極間に飛ばしてがいしの破損を防ぐもの,(3)アーマロッドはクランプ付近の電線に同材質の補強線を巻いて素線切れやアークによる溶断を防ぐもの,(5)埋設地線は塔脚接地抵抗を下げて,鉄塔電位の上昇による逆フラッシオーバを抑えるものである。答(2)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 電力 問8
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  149. 問149.次の文章は,送電線路における架空地線に関する記述である。 送電線路の鉄塔の上部に十分な強さをもった (ア) を張り,鉄塔を通じて接地したものを架空地線といい,送電線への直撃雷を防止するために設置される。 図において,架空地線と送電線とを結ぶ直線と,架空地線から下ろした鉛直線との間の角度 θ を (イ) と呼んでいる。この角度が (ウ) ほど直撃雷を防止する効果が大きい。 架空地線や鉄塔に直撃雷があった場合,鉄塔から送電線に (エ) を生じることがある。これを防止するために,鉄塔の接地抵抗を小さくするような対策が講じられている。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。問149の図

    • 1.(ア)裸線 (イ)遮へい角 (ウ)小さい (エ)逆フラッシオーバ
    • 2.(ア)絶縁電線 (イ)遮へい角 (ウ)大きい (エ)進行波
    • 3.(ア)裸線 (イ)進入角 (ウ)小さい (エ)進行波
    • 4.(ア)絶縁電線 (イ)進入角 (ウ)大きい (エ)進行波
    • 5.(ア)裸線 (イ)進入角 (ウ)大きい (エ)逆フラッシオーバ

    正解:1.(ア)裸線 (イ)遮へい角 (ウ)小さい (エ)逆フラッシオーバ

    解説:架空地線は雷電流を鉄塔経由で大地へ流すためのものなので,導電性が必要であり裸線を張る(絶縁電線では役に立たない)。架空地線と送電線を結ぶ直線と鉛直線のなす角 θ を遮へい角といい,これが小さいほど送電線が架空地線の傘の内側に深く入るので,直撃雷を防ぐ効果(遮へい効果)が大きい。 架空地線や鉄塔に落雷すると雷電流が塔脚接地抵抗を流れて鉄塔の電位が急上昇し,鉄塔側から送電線側へ向かって絶縁が破れることがある。通常と向きが逆になるのでこれを逆フラッシオーバという。塔脚接地抵抗を小さくすれば鉄塔の電位上昇が抑えられるので,埋設地線などで接地抵抗を下げる対策が採られる。答(1)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 電力 問9
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  150. 問150.我が国の地中送電線路に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.地中送電線路は,電力ケーブルを地中に埋設して送電する方式である。同じ送電容量の架空送電線路と比較して建設費が高いが,都市部においては用地の制約や,保安,景観などの点から地中送電線路が採用される傾向にある。
    • 2.主な電力ケーブルには,架橋ポリエチレンを絶縁体としたCV ケーブルと,絶縁紙と絶縁油を組み合わせた油浸紙を絶縁体としたOF ケーブルがある。OF ケーブルには油通路が設けられており,絶縁油の加圧によりボイドの発生を抑制して絶縁強度を確保するための給油設備が必要である。
    • 3.電力ケーブルの電力損失において,抵抗損とシース損はケーブルの導体に流れる電流に起因した損失であり,誘電体損は電圧に対して絶縁体に流れる同位相の電流成分に起因した損失である。CV ケーブルとOF ケーブルの誘電体損では,一般にOF ケーブルの方が小さい。
    • 4.電力ケーブルの布設方法において,直接埋設式は最も工事費が安く,工期が短いが,ケーブル外傷等の被害のリスクが高く,ケーブル布設後の増設も難しい。一方で,管路式と暗きょ式(洞道式)は,ケーブル外傷等のリスク低減やケーブル布設後の増設にも優れた布設方式である。中でも暗きょ方式は,電力ケーブルの熱放散と保守の面で最も優れた布設方式である。
    • 5.地中送電線路で地絡事故や断線事故が発生した際には,故障点位置標定が行われる。故障点位置標定法としては,地絡事故にはパルスレーダ法とマーレーループ法が適用でき,断線事故にはパルスレーダ法と静電容量測定法が適用できる。

    正解:3.電力ケーブルの電力損失において,抵抗損とシース損はケーブルの導体に流れる電流に起因した損失であり,誘電体損は電圧に対して絶縁体に流れる同位相の電流成分に起因した損失である。CV ケーブルとOF ケーブルの誘電体損では,一般にOF ケーブルの方が小さい。

    解説:誤りは(3)の最後の一文である。誘電体損は絶縁体の誘電正接 tanδ に比例するが,架橋ポリエチレン(CV ケーブル)の tanδ は油浸紙(OF ケーブル)より1 桁小さい。したがって誘電体損は一般にCV ケーブルの方が小さく,OF ケーブルの方が大きい。記述は逆である。同じ(3)の前半,すなわち抵抗損とシース損が導体電流に起因する損失であること(シース損は導体電流がつくる磁束によってシースに生じる),誘電体損が電圧と同位相の電流成分に起因する損失であることは正しい。他の選択肢はいずれも正しい記述である。答(3)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 電力 問10
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  151. 問151.直流送電に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.系統連系のための直流送電では,交直変換所の設置が必要となる。
    • 2.交流送電のような同期安定度の問題がないので,長距離送電に適している。
    • 3.直流の高電圧大電流の遮断は,交流の場合より容易である。
    • 4.直流は,変圧器で簡単に昇圧や降圧ができない。
    • 5.交直変換器からは高調波が発生するので,フィルタ設置等の対策が必要である。

    正解:3.直流の高電圧大電流の遮断は,交流の場合より容易である。

    解説:誤りは(3)である。交流は1 周期に2 回,電流が零になる瞬間(電流零点)があるので,その瞬間をねらえばアークを消して遮断できる。ところが直流には電流零点がないため,アークがいつまでも続いて消えにくく,高電圧大電流の遮断は交流よりはるかに難しい。このため直流遮断器は,強制的に電流零点をつくる回路を組み込むなど構造が複雑で高価になる。他は正しい。(2)は直流には位相の概念がなく同期安定度の制約を受けないこと,(4)は変圧器が電磁誘導を利用するため直流ではそのまま電圧を変えられないこと,(5)は交直変換器のスイッチング動作で高調波が発生し,交流側にフィルタが必要になることを述べている。答(3)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 電力 問11
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  152. 問152.両端の高さが同じで径間距離250 m の架空電線路があり,電線1 m 当たりの重量は20.0 N で,風圧荷重はないものとする。 今,水平引張荷重が40.0 kN の状態で架線されているとき,たるみ D の値[m]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.2.1
    • 2.3.9
    • 3.6.3
    • 4.8.5
    • 5.10.4

    正解:2.3.9

    解説:たるみ D は D=WS²/(8T) で求められる。W は電線1 m 当たりの荷重[N/m],S は径間距離[m],T は水平引張荷重[N]である。 W=20.0 N/m,S=250 m,T=40.0 kN=40 000 N を代入すると D=20.0×250²/(8×40 000)=1 250 000/320 000=3.90 m となる。単位の取り違えに注意したい。引張荷重が kN で与えられているので,N に直さずに計算すると答が1 000 倍ずれる。答(2)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 電力 問12
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  153. 問153.単相2 線式及び単相3 線式の線路での電力損失について,次の問に答えよ。 下図のように,単相100 V の抵抗負荷に単相2 線式及び単相3 線式の低圧配電方式で送電する。負荷の総容量は同一であり,3 線式の場合,負荷は図のように線間に均等分割されるものとする。単相2 線式での線路の抵抗損を1 とすると,単相3 線式の線路の抵抗損は 1/5 であった。このとき,単相2 線式での線路の1 線当たりの抵抗に対して,単相3 線式での線路の1 線当たりの抵抗はどのような大きさとなるか。最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。問153の図

    • 1.0.27 倍
    • 2.0.4 倍
    • 3.0.53 倍
    • 4.0.8 倍
    • 5.1.25 倍

    正解:4.0.8 倍

    解説:単相2 線式の1 線当たりの抵抗を r₂,単相3 線式の1 線当たりの抵抗を r₃ とする。負荷の総容量を P_L,電圧を100 V とすると,単相2 線式の線電流は I=P_L/100 で,往復2 線に流れるので抵抗損は 2I²r₂ である。 単相3 線式では負荷が線間に P_L/2 ずつ均等分割されるので,各線間の電圧も100 V であり電流は I/2 になる。上下が平衡しているため中性線には電流が流れず,外側2 線だけに I/2 が流れる。したがって抵抗損は 2×(I/2)²×r₃=(1/2)I²r₃ である。 両者の比が 1/5 だから {(1/2)I²r₃}÷(2I²r₂)=r₃/(4r₂)=1/5 r₃/r₂=4/5=0.8 となる。中性線に電流が流れないことを見落として3 線分の損失を数えると答が変わってしまうので注意したい。答(4)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 電力 問13
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  154. 問154.電線の導体に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.地中ケーブルの銅導体には,伸びや可とう性に優れる軟銅線が用いられる。
    • 2.電線の導電材料としての金属には,資源量の多さや導電率の高さが求められる。
    • 3.鋼心アルミより線は,鋼より線の周囲にアルミ線をより合わせたもので,軽量で大きな外径や高い引張強度を得ることができる。
    • 4.電気用アルミニウムの導電率は銅よりも低いが,電気抵抗と長さが同じ電線の場合,アルミニウム線の方が銅線より軽い。
    • 5.硬銅線は軟銅線と比較して曲げにくく,電線の導体として使われることはない。

    正解:5.硬銅線は軟銅線と比較して曲げにくく,電線の導体として使われることはない。

    解説:誤りは(5)である。硬銅線は軟銅線より引張強度が大きいので,自らの重みと張力に耐える必要がある架空送電線・架空配電線の導体として実際に広く使われてきた。曲げにくいという性質は事実だが,それは「使われることはない」理由にはならない。 他は正しい。(1)地中ケーブルは管路の中を引き入れたり曲げたりするので,伸びと可とう性に優れる軟銅線を使う。(3)鋼心アルミより線(ACSR)は,引張強度を鋼心が,導電を周囲のアルミが受け持つ構造で,同じ抵抗の銅線より軽くて外径が大きく,コロナ対策にも有利になる。(4)アルミの導電率は銅の約6 割だが密度は約3 割なので,同じ抵抗・同じ長さで比べると断面積を大きくしてもなおアルミの方が軽い。答(5)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 電力 問14
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  155. 問155.ある需要端の負荷に対し,水力発電所1 か所と重油専焼汽力発電所1 か所によって電力を供給する場合において,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 水力発電所の最大使用水量20 m³/s,総落差200 m,損失水頭7 m,水車と発電機の総合効率85 %,年間の設備利用率60 %としたとき,この発電所の年間発電電力量[GW·h]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.15
    • 2.30
    • 3.170
    • 4.175
    • 5.200

    正解:3.170

    解説:有効落差は総落差から損失水頭を引いて H=200−7=193 m である。最大使用水量で運転したときの出力は P=9.8×Q×H×η=9.8×20×193×0.85=32 154 kW≒32.2 MW となる。年間の設備利用率60 %とは,最大出力で1 年間運転した場合の電力量の60 %を実際に発電したという意味なので,年間発電電力量は W=32 154×8 760×0.60=1.69×10⁸ kW·h=169 GW·h である。最も近いのは170 GW·h。損失水頭を引かずに総落差200 m のまま計算すると175 GW·h になり,(4)を選んでしまうので,有効落差を使うことを忘れないようにしたい。答(3)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 電力 問15(a)
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  156. 問156.ある需要端の負荷に対し,水力発電所1 か所と重油専焼汽力発電所1 か所によって電力を供給する場合において,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(b)〕 需要端の負荷に供給する最大電力が100 MW,年負荷率60 %の場合,汽力発電所における重油の年間の消費量[kL]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 ただし,この汽力発電所の発電端熱効率は40 %で運転出力に関わらず一定とする。使用する重油の発熱量は39 100 kJ/L とし,発電所から需要端までの送電損失,発電所内損失は無視するものとする。

    • 1.13 000
    • 2.33 000
    • 3.82 000
    • 4.114 000
    • 5.120 000

    正解:3.82 000

    解説:需要端が1 年間に必要とする電力量は,最大電力に年負荷率と年間時間を掛けて W=100 000 kW×8 760 h×0.60=5.256×10⁸ kW·h=525.6 GW·h である。このうち小問(a)で求めた169 GW·h を水力が分担するので,汽力発電所の分担は 525.6−169.0=356.6 GW·h=3.566×10⁸ kW·h となる。1 kW·h=3 600 kJ なので,発電端熱効率40 %で必要な燃料の熱量は Q=3.566×10⁸×3 600÷0.40=3.21×10¹² kJ である。重油の発熱量が39 100 kJ/L だから消費量は V=3.21×10¹²÷39 100=8.21×10⁷ L=82 100 kL となり,最も近いのは82 000 kL である。水力の分担を差し引かずに需要端の全量を汽力で発電したとして計算すると約121 000 kL になり(5)を選ぶことになるので,小問(a)の結果を使う点に注意したい。答(3)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 電力 問15(b)
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  157. 問157.図のような系統において,昇圧用変圧器の容量は30 MV·A,変圧比は11 kV/33 kV,百分率インピーダンスは自己容量基準で7.8 %,計器用変流器(CT)の変流比は400 A/5 A である。系統の点F において,三相短絡事故が発生し,1 800 A の短絡電流が流れたとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 ただし,CT の磁気飽和は考慮しないものとする。 〔小問(a)〕 系統の基準容量を10 MV·A としたとき,事故点F から電源側をみた百分率インピーダンスの値[%]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。問157の図

    • 1.5.6
    • 2.9.7
    • 3.12.3
    • 4.29.2
    • 5.37.0

    正解:2.9.7

    解説:百分率インピーダンスは,基準電流を短絡電流で割って求めることができる。基準容量10 MV·A,33 kV 系統の基準電流は I_n=10×10⁶÷(√3×33×10³)=175 A である。短絡電流が1 800 A なので,事故点から電源側をみた百分率インピーダンスは %Z=(I_n/I_s)×100=(175/1 800)×100=9.7 % となる。 なお変圧器の7.8 %は自己容量30 MV·A 基準なので,10 MV·A 基準に換算すると7.8×(10/30)=2.6 %である。全体の9.7 %からこれを引いた約7.1 %が電源側の内部インピーダンスに相当する。変圧器の値を換算せずにそのまま足したり,短絡電流から求める手順を飛ばしたりすると答が合わないので注意したい。答(2)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 電力 問16(a)
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  158. 問158.図のような系統において,昇圧用変圧器の容量は30 MV·A,変圧比は11 kV/33 kV,百分率インピーダンスは自己容量基準で7.8 %,計器用変流器(CT)の変流比は400 A/5 A である。系統の点F において,三相短絡事故が発生し,1 800 A の短絡電流が流れたとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 ただし,CT の磁気飽和は考慮しないものとする。 〔小問(b)〕 過電流継電器(OCR)を0.09 s で動作させるには,OCR の電流タップ値を何アンペアの位置に整定すればよいか,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 ただし,OCR のタイムレバー位置は3 に整定されており,タイムレバー位置10 における限時特性は図示のとおりである。問158の図

    • 1.3.0 A
    • 2.3.5 A
    • 3.4.0 A
    • 4.4.5 A
    • 5.5.0 A

    正解:4.4.5 A

    解説:順序は「CT 二次電流を求める → タイムレバーを換算する → 限時特性図で倍数を読む → タップ値を求める」となる。 ① 短絡電流1 800 A は変流比400 A/5 A のCT を通ると,二次側では  1 800×5/400=22.5 A になる。 ② OCR の動作時間はタイムレバー位置に比例する。タイムレバー位置3 で0.09 s ということは,図が描かれているタイムレバー位置10 では  0.09×10/3=0.30 s に相当する。 ③ 限時特性図で動作時間0.30 s を読み取ると,タップ整定電流の倍数は5 倍である。 ④ 二次電流22.5 A がタップ値の5 倍になればよいので,タップ値は  22.5÷5=4.5 A となる。②のタイムレバー換算を忘れて0.09 s のまま図を読もうとすると,図の範囲外になって解けない。答(4)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 電力 問16(b)
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  159. 問159.図のような単相3 線式配電線路がある。系統の中間点に図のとおり負荷が接続されており,末端のAC 間に太陽光発電設備が逆変換装置を介して接続されている。各部の電圧及び電流が図に示された値であるとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 ただし,図示していないインピーダンスは無視するとともに,線路のインピーダンスは抵抗であり,負荷の力率は1,太陽光発電設備は発電出力電流(交流側)15 A,力率1 で一定とする。 〔小問(a)〕 図中の回路の空白箇所(ア)~(ウ)に流れる電流の値[A]の組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。問159の図

    • 1.(ア)5 (イ)0 (ウ)15
    • 2.(ア)5 (イ)5 (ウ)0
    • 3.(ア)15 (イ)0 (ウ)15
    • 4.(ア)20 (イ)5 (ウ)0
    • 5.(ア)20 (イ)5 (ウ)15

    正解:2.(ア)5 (イ)5 (ウ)0

    解説:太陽光発電設備はA-C 間に接続され,交流側15 A を送り出している。すなわちA 点へ15 A が流れ込み,同じ15 A がC 点から流れ出す。これを踏まえて各節点で電流の出入りを合わせればよい。 上側外線の中間点:この点からA 点側へ向かう区間には,A 点から中間点へ向かって15 A が流れている。一方この点では上側負荷が20 A を消費する。したがって電源側から流れ込む(ア)は  (ア)=20−15=5 A となる。太陽光発電が負荷の一部を肩代わりしている形である。 下側外線の中間点:C 点へ15 A が流れ出し,この点で下側負荷が15 A を消費する。下側負荷の15 A は中性線から供給されるので,電源側から流れる(ウ)は  (ウ)=15−15=0 A となる。 中性線:上側負荷20 A と下側負荷15 A の差が流れるので  (イ)=20−15=5 A である。答(2)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 電力 問17(a)
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  160. 問160.図のような単相3 線式配電線路がある。系統の中間点に図のとおり負荷が接続されており,末端のAC 間に太陽光発電設備が逆変換装置を介して接続されている。各部の電圧及び電流が図に示された値であるとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 ただし,図示していないインピーダンスは無視するとともに,線路のインピーダンスは抵抗であり,負荷の力率は1,太陽光発電設備は発電出力電流(交流側)15 A,力率1 で一定とする。 〔小問(b)〕 図中AB 間の端子電圧 V_AB の値[V]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。問160の図

    • 1.104.0
    • 2.104.5
    • 3.105.0
    • 4.105.5
    • 5.106.0

    正解:4.105.5

    解説:電源の中性点を電位の基準(0 V)にとると,電源の上側端子は+105 V である。ここからA 点,B 点の電位を順にたどる。 上側外線:電源から中間点までの区間には小問(a)の(ア)=5 A が負荷へ向かって流れるので,中間点の電位は 105−5×0.1=104.5 V。中間点からA 点までの区間には15 A がA 点から中間点へ向かって流れる(向きが逆)ので,A 点の電位はさらに 15×0.1=1.5 V 高くなり  V_A=104.5+1.5=106.0 V となる。 中性線:電源から中間点までの区間には(イ)=5 A が電源へ向かって流れるので,中間点の電位は 5×0.1=0.5 V だけ高く+0.5 V。中間点からB 点までの区間には電流が流れない(B 点には何も接続されていない)ので  V_B=0.5 V である。 したがって  V_AB=106.0−0.5=105.5 V となる。太陽光発電の逆潮流によって末端A 点の電位が電源電圧105 V より高くなっている点がこの問題の要点である。答(4)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和5年度下期 電力 問17(b)
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  161. 問161.水力発電所に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.衝動水車にはペルトン水車などがある。
    • 2.ペルトン水車の水圧管の先端ノズル内にはニードル弁があり,通常運転時は出力変化に応じて流量調整を行う。
    • 3.故障発生時などでペルトン水車を急停止させるときは,ニードル弁でノズルから出る噴流を急速に止めると同時にデフレクタを停止位置にして噴流を完全に遮断する。
    • 4.小水力発電は,主に流れ込み式,水路式が多く,比較的小規模な発電設備で発電を行う。一般河川の水のエネルギーの利用だけでなく,農業用水,上下水道など低落差あるいは少流量の水のエネルギーも活用している。
    • 5.クロスフロー水車は小水力発電で多く用いられ,円筒状のランナの軸に直角方向から流水が流入しランナ内を貫通して流出する水車である。ガイドベーンを有し低流量時でも効率低下が小さい。

    正解:3.故障発生時などでペルトン水車を急停止させるときは,ニードル弁でノズルから出る噴流を急速に止めると同時にデフレクタを停止位置にして噴流を完全に遮断する。

    解説:誤りは(3)である。ペルトン水車を急停止させるときは,まずデフレクタ(そらせ板)を噴流の前に出してバケットから水をそらし,そのあとニードル弁を時間をかけてゆっくり閉じる。ニードル弁を急速に閉じると,水圧管内を流れていた水の運動量が行き場を失って圧力が跳ね上がり,水撃作用(ウォータハンマ)で水圧管を破損するおそれがあるからである。デフレクタは,弁をゆっくり閉じている間の水を逃がすために設けられた装置であり,「ニードル弁で急速に止める」という記述はこの役割分担と正反対になっている。他は正しい。(1)は衝動水車の代表がペルトン水車であること,(2)は通常運転時の流量調整をニードル弁が担うこと,(4)は小水力発電が農業用水や上下水道の低落差・少流量も利用すること,(5)はクロスフロー水車の構造と,低流量時でも効率低下が小さいという特徴を述べたもので,いずれも正しい。答(3)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 電力 問1
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  162. 問162.総落差200 m,ポンプ水車・発電電動機1 台よりなる揚水発電所がある。揚水時・発電時共に流量は100 m³/s,損失水頭は揚水・発電共に総落差の2.5 %,ポンプ効率・水車効率共に85 %,発電効率・電動機効率共に98 %とし,損失水頭及び上記4 種の効率は,揚程,落差,出力,入力の変化によらず一定とする。 揚水時の電動機入力[MW]と,発電時の発電機出力[MW]の組合せとして,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.電動機入力[MW]:235 発電機出力[MW]:163
    • 2.電動機入力[MW]:235 発電機出力[MW]:159
    • 3.電動機入力[MW]:241 発電機出力[MW]:163
    • 4.電動機入力[MW]:241 発電機出力[MW]:159
    • 5.電動機入力[MW]:229 発電機出力[MW]:167

    正解:4.電動機入力[MW]:241 発電機出力[MW]:159

    解説:損失水頭は総落差の2.5 %なので 200×0.025=5 m である。ここで揚水と発電で符号が逆になる点が要点になる。揚水時は総落差に損失を「足した」全揚程 200+5=205 m まで水を持ち上げなければならず,しかも効率で割ることになるので P=9.8×100×205/(0.85×0.98)≒200 900/0.833≒241 000 kW=241 MW。発電時は総落差から損失を「引いた」有効落差 200−5=195 m しか使えず,効率を掛けるので P=9.8×100×195×0.85×0.98≒191 100×0.833≒159 000 kW=159 MW。答(4)。損失の符号を両方とも同じ向きにすると235 MW と163 MW の組((1))に寄ってしまう。揚水は「余分に持ち上げる」,発電は「目減りする」と覚えておけば向きを間違えない。なお 241 MW を入れて159 MW しか戻らないので,この設備の総合効率は159/241≒66 %で,実際の揚水発電所の70 %前後という値とも整合する。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 電力 問2
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  163. 問163.一般的な排熱回収方式のガスタービンコンバインドサイクル発電を,同一出力の汽力発電と比較した記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.コンバインドサイクル発電の方が,始動・停止時間が短い。
    • 2.コンバインドサイクル発電の方が,負荷変化に対する追従性が高い。
    • 3.コンバインドサイクル発電の方が,熱効率が高い。
    • 4.コンバインドサイクル発電の方が,外気温の最大出力に与える影響が小さい。
    • 5.コンバインドサイクル発電の方が,温排水量が少ない。

    正解:4.コンバインドサイクル発電の方が,外気温の最大出力に与える影響が小さい。

    解説:誤りは(4)で,外気温の影響はコンバインドサイクルのほうが「大きい」。ガスタービンは空気を吸い込んで圧縮するため,吸気の密度が出力を左右する。夏場に外気温が上がると空気が膨張して密度が下がり,同じ体積を吸い込んでも質量流量が減るので最大出力が低下する。汽力発電はボイラで燃料を燃やして蒸気を作る方式で,吸気密度に出力が直結しないため影響は小さい。他は正しい。(1)(2)は,ガスタービンが小さな熱容量で素早く起動・負荷変化できるためで,(3)は高温のガスタービンで発電したうえに排熱で蒸気タービンも回すため熱効率が高くなること,(5)は発電量に占める蒸気タービンの割合が小さいぶん復水器で捨てる熱が減り,温排水量が少なくなることを述べている。答(4)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 電力 問3
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  164. 問164.1 g のウラン235 が核分裂し,0.09 %の質量欠損が生じたとき,発生するエネルギーを石炭に換算した値[kg]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし,石炭の発熱量を25 000 kJ/kg とする。

    • 1.32
    • 2.320
    • 3.1 600
    • 4.3 200
    • 5.6 400

    正解:4.3 200

    解説:質量欠損は 1 g の0.09 %だから Δm=1×0.0009=9×10⁻⁴ g=9×10⁻⁷ kg。アインシュタインの質量とエネルギーの関係 E=Δmc² に光速 c=3×10⁸ m/s を入れると,E=9×10⁻⁷×(3×10⁸)²=9×10⁻⁷×9×10¹⁶=8.1×10¹⁰ J=8.1×10⁷ kJ。これを石炭の発熱量25 000 kJ/kg で割って 8.1×10⁷/2.5×10⁴=3 240 kg。最も近いのは3 200 kg で答(4)。注意点は二つある。一つは質量を kg に直すことで,g のまま入れると10³倍ずれる。もう一つは c を2 乗することで,掛け忘れると桁が大きく変わる。得られた結果は「わずか1 g のウランが石炭3 t 分に相当する」という意味で,核燃料のエネルギー密度が化石燃料と比べて桁違いに大きいことを端的に示している。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 電力 問4
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  165. 問165.燃料電池の原理と特徴に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.燃料は外部から供給され,直接,交流電力を発生する。
    • 2.電解質により,りん酸形,溶融炭酸塩形,固体高分子形などに分類される。
    • 3.水の電気分解と逆の化学反応を利用した発電方式である。
    • 4.発電時の排熱を空調や給湯に活用できる。
    • 5.天然ガスやメタノールを改質して発生させた水素を燃料として利用できる。

    正解:1.燃料は外部から供給され,直接,交流電力を発生する。

    解説:誤りは(1)で,燃料電池が直接発生するのは「直流」電力である。水素と酸素の化学反応で電子が一方向に流れるので,そこに交流が生じる余地はない。系統に連系したり家庭で使ったりするには,インバータで直流を交流に変換する必要がある。他は正しい。(2)は電解質の種類による分類で,りん酸形・溶融炭酸塩形・固体高分子形のほか固体酸化物形がある。(3)は原理そのもので,水の電気分解が「電気を加えて水を水素と酸素に分ける」のに対し,燃料電池は「水素と酸素から水を作って電気を取り出す」逆反応である。(4)は反応熱を回収して給湯や空調に使うコージェネレーションの考え方で,家庭用燃料電池はこれによって総合効率を高めている。(5)は水素をそのまま貯蔵するのが難しいため,都市ガスやLPガスを改質器で水素に変えて使う方式が実用化されていることを述べている。答(1)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 電力 問5
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  166. 問166.次の文章は,ガス絶縁開閉装置(GIS)に関する記述である。 ガス絶縁開閉装置(GIS)は,金属容器に遮断器,断路器,母線などを収納し,絶縁耐力及び消弧能力の優れた (ア) を充填したもので,充電部を支持するスペーサなどの絶縁物には,主に (イ) が用いられる。また,気中絶縁の設備に比べて GIS には次のような特徴がある。 ① コンパクトである。 ② 充電部が密閉されており,安全性が高い。 ③ 大気中の汚染物等の影響を受けないため,信頼性が (ウ) 。 ④ 内部事故時の復旧時間が (エ) 。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.(ア)SF₆ガス (イ)エポキシ樹脂 (ウ)低い (エ)短い
    • 2.(ア)SF₆ガス (イ)エポキシ樹脂 (ウ)高い (エ)長い
    • 3.(ア)窒素ガス (イ)磁器がいし (ウ)低い (エ)長い
    • 4.(ア)窒素ガス (イ)エポキシ樹脂 (ウ)高い (エ)短い
    • 5.(ア)SF₆ガス (イ)磁器がいし (ウ)高い (エ)短い

    正解:2.(ア)SF₆ガス (イ)エポキシ樹脂 (ウ)高い (エ)長い

    解説:GIS に充填するのは六ふっ化硫黄(SF₆)ガスである。空気の2〜3倍の絶縁耐力を持ち,しかもアークを消す能力(消弧能力)に優れているため,遮断器を小型にできる。窒素ガスにはこの消弧能力がないので(3)(4)が落ちる。充電部を金属容器の中で支えるスペーサには,金型で複雑な形に成形でき機械的強度と絶縁性を両立できるエポキシ樹脂が使われる。磁器がいしは気中絶縁の設備で使うもので,容器内部の支持には向かないため(5)も消える。残る(1)と(2)の差は(ウ)(エ)で,大気中の塩分や塵埃の影響を受けないぶん信頼性は「高い」。ここで(1)が落ちて(2)が残る。ただし内部で事故が起きると,ガスを回収して容器を開け,点検・修理してから再びガスを充填し直す必要があるため,復旧時間は気中絶縁より「長い」。これがGISのほぼ唯一の弱点で,本問はそこを問うている。答(2)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 電力 問6
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  167. 問167.配電線路の電圧維持に有効な対策として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.負荷時タップ切換変圧器や負荷時電圧調整器で変電所の送り出し電圧を調整する。
    • 2.力率改善用コンデンサを設置する。
    • 3.太い配電線に張り替える。
    • 4.配電線のこう長を延長する。
    • 5.柱上変圧器を負荷の中心に設置する。

    正解:4.配電線のこう長を延長する。

    解説:誤りは(4)である。三相3 線式の電圧降下は ΔV=√3 I(R cosθ+X sinθ) で表され,抵抗 R もリアクタンス X も線路の長さに比例する。こう長を延長すれば R も X も増えるので電圧降下は大きくなり,電圧維持にとってはむしろ逆効果になる。他は正しい対策である。(1)は変電所の送り出し電圧そのものを負荷に応じて上下させる方法で,最も基本的な手段。(2)の力率改善用コンデンサは遅れ無効電流を減らし,上式の sinθ に掛かる X の寄与を小さくすることで電圧降下を抑える。(3)は電線を太くして単位長さ当たりの抵抗を下げる方法。(5)は柱上変圧器を負荷の重心に置くことで,高圧側・低圧側それぞれの亘長を短くし,結果として電圧降下を小さくする方法である。答(4)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 電力 問7
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  168. 問168.架空送電線の振動の特徴と対策に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.送電線の上下配列にオフセットを設けて,電線どうしが接触しないようにする方法がある。
    • 2.電線に当たる一様な微風により,電線の背後に空気の渦が生じ,電線が上下に振動する現象を微風振動といい,これを抑制する方法としてダンパの取付けがある。
    • 3.電線に付着した氷雪の断面が非対称になり,これに風が当たることで発生する揚力の影響で,電線が振動する現象をギャロッピングといい,多導体では発生しにくい。
    • 4.多導体の送電線に風速10 m/s を超える風が当たることで,多導体の素導体が不安定になり電線が振動する現象をサブスパン振動という。
    • 5.電線に付着した氷雪が脱落し,その反動で電線がはね上がる現象をスリートジャンプという。

    正解:3.電線に付着した氷雪の断面が非対称になり,これに風が当たることで発生する揚力の影響で,電線が振動する現象をギャロッピングといい,多導体では発生しにくい。

    解説:誤りは(3)の後半で,ギャロッピングは多導体のほうが「発生しやすい」。多導体はスペーサで束ねられているため,付着した氷雪を含めた断面全体が一体となってねじれに対して安定な形をとりにくく,単導体のように電線が自由に回転して着雪を落とすことができない。その結果,非対称な断面のまま風を受けて揚力が働き,大振幅の低周波振動が起こりやすくなる。ギャロッピングの原理を述べた前半(氷雪の非対称断面と揚力)自体は正しいので,「多導体では発生しにくい」という一節だけが誤りである点に注意したい。他は正しい。(1)のオフセットは,スリートジャンプやギャロッピングで電線が上下に動いても上下相が接触しないよう,あらかじめ水平方向にずらして配列する方法。(2)の微風振動はカルマン渦による小振幅・高周波の振動で,ダンパやアーマロッドで抑える。(4)のサブスパン振動は多導体特有の現象,(5)のスリートジャンプは着雪の脱落による跳ね上がりである。答(3)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 電力 問8
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  169. 問169.電力系統に現れる過電圧(異常電圧)はその発生原因により,外部過電圧と内部過電圧とに分類される。前者は,雷放電現象に起因するもので雷サージ電圧ともいわれる。後者は,電線路の開閉操作等に伴う開閉サージ電圧と地絡事故時等に発生する短時間交流過電圧とがある。 各種過電圧に対する電力系統の絶縁設計の考え方に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.絶縁協調とは,送電線路や発変電所に設置される電力設備等の絶縁について,安全性と経済性のとれた絶縁設計を行うために,外部過電圧そのものの大きさを低減することである。
    • 2.避雷器は,過電圧の波高値がある値を超えた場合,特性要素に電流が流れることにより過電圧値を制限して電力設備の絶縁を保護し,かつ,続流を短時間のうちに遮断して原状に自復する機能を持った装置である。
    • 3.架空送電線路の絶縁は,外部過電圧に対しては,必ずしも十分に耐えるように設計されるとは限らない。
    • 4.送電線路の絶縁及び発変電所に設置される電力設備等の絶縁は,いずれも原則として,内部過電圧に対しては十分に耐えるように設計される。
    • 5.発変電所に設置される電力設備等の絶縁は,外部過電圧に対しては,避雷器によって保護されることを前提に設計される。その保護レベルは,避雷器の制限電圧に基づいて決まる。

    正解:1.絶縁協調とは,送電線路や発変電所に設置される電力設備等の絶縁について,安全性と経済性のとれた絶縁設計を行うために,外部過電圧そのものの大きさを低減することである。

    解説:誤りは(1)である。絶縁協調とは,過電圧そのものを小さくすることではなく,系統を構成する各機器の絶縁強度を,避雷器の保護レベルを基準として合理的に「協調」させることをいう。つまり,避雷器がどの電圧で動作して過電圧を抑えるかを決め,それより高い絶縁強度を各機器に持たせ,しかも過剰に高くしすぎないことで安全性と経済性を両立させる設計思想である。雷そのものの大きさを人間が減らすことはできないので,「外部過電圧そのものの大きさを低減する」という記述は成り立たない。他は正しい。(2)は避雷器の動作原理と,続流を切って自復する機能を述べたもの。(3)は,雷は非常に大きな過電圧をもたらすため送電線の絶縁で完全に耐えさせるのは不経済で,架空地線や避雷器で守る前提とすること。(4)は開閉サージなど内部過電圧は系統電圧の数倍程度に収まるので,これには十分耐える設計とすること。(5)は保護レベルが避雷器の制限電圧で決まることを述べており,(1)が誤りである理由の裏返しになっている。答(1)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 電力 問9
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  170. 問170.次の文章は,マーレーループ法に関する記述である。 マーレーループ法はケーブル線路の故障点位置を標定するための方法である。この基本原理は (ア) ブリッジに基づいている。図に示すように,ケーブル A の一箇所においてその導体と遮へい層の間に地絡故障を生じているとする。この場合に故障点の位置標定を行うためには,マーレーループ装置を接続する箇所の逆側端部において,絶縁破壊を起こしたケーブル A と,これに並行する絶縁破壊を起こしていないケーブル B の (イ) どうしを接続して,ブリッジの平衡条件を求める。ケーブル線路長を L,マーレーループ装置を接続した端部側から故障点までの距離を x,ブリッジの全目盛を1 000,ブリッジが平衡したときのケーブル A に接続されたブリッジ端子までの目盛の読みを a としたときに,故障点までの距離 x は (ウ) で示される。 なお,この原理上,故障点の地絡抵抗が (エ) ことがよい位置標定精度を得るうえで必要である。 ただし,ケーブル A,B は同一仕様,かつ,同一長とし,また,マーレーループ装置とケーブルの接続線,及びケーブルどうしの接続線のインピーダンスは無視するものとする。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。問170の図

    • 1.(ア)ホイートストン (イ)遮へい層 (ウ)aL/500 (エ)十分低い
    • 2.(ア)シェーリング (イ)導体 (ウ)2L−aL/500 (エ)十分高い
    • 3.(ア)シェーリング (イ)遮へい層 (ウ)2L−aL/500 (エ)十分高い
    • 4.(ア)ホイートストン (イ)導体 (ウ)aL/500 (エ)十分低い
    • 5.(ア)ホイートストン (イ)導体 (ウ)aL/500 (エ)十分高い

    正解:4.(ア)ホイートストン (イ)導体 (ウ)aL/500 (エ)十分低い

    解説:マーレーループ法は,故障ケーブルと健全ケーブルの導体抵抗を二辺,装置内のすべり抵抗を残り二辺とするホイートストンブリッジそのものである。シェーリングブリッジは誘電正接(tanδ)を測るための交流ブリッジで用途が違うので(2)(3)が落ちる。反対側の端部で接続するのは電流を流す経路となる「導体」どうしで,遮へい層ではないため(1)も消える。平衡条件は,装置側から故障点までの導体抵抗が距離 x に比例し,故障点から遠端を回って健全ケーブルを戻ってくる経路が (L−x)+L=2L−x に比例することから,a:(1 000−a)=x:(2L−x)。これを解くと x=2La/1 000=aL/500 となる。残る(4)と(5)の差は(エ)だけで,地絡抵抗が高いとブリッジに流れる電流が小さくなって平衡点の検出が鈍り,測定精度が落ちる。したがって地絡抵抗は「十分低い」ことが必要である。答(4)。実務では抵抗の高い故障点をあらかじめ焼き切って低抵抗化してから測定することがあり,これも同じ理由による。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 電力 問10
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  171. 問171.送配電方式として広く採用されている交流三相方式に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.電源側をY結線としたうえで,中性線を施設して三相4 線式とすると,線間電圧と相電圧の両方を容易に取り出して利用できるようになる。
    • 2.同一材料の電線を使用して,同じ線間電圧で同じ電力を同じ距離に,同じ損失で送電する場合に必要な電線の総重量は,三相3 線式でも単相2 線式と同等である。
    • 3.回転磁界が容易に得られるため,動力源として三相誘導電動機の活用に便利である。
    • 4.三相回路が平衡している場合,三相交流全体の瞬時電力は時間に無関係な一定値となり,単相交流の場合のように脈動しないという利点がある。
    • 5.発電機では,同じ出力ならば,単相の場合に比べるとより小形に設計できて効率がよい。

    正解:2.同一材料の電線を使用して,同じ線間電圧で同じ電力を同じ距離に,同じ損失で送電する場合に必要な電線の総重量は,三相3 線式でも単相2 線式と同等である。

    解説:誤りは(2)で,三相3 線式に必要な電線の総重量は単相2 線式の3/4 で済む。これは三相方式が採用されている最大の経済的理由である。確かめてみると,送電電力 P,線間電圧 V が同じとき,単相2 線式の電流は I₁=P/V,三相3 線式は I₃=P/(√3V)。同じ損失にするという条件から 2I₁²R₁=3I₃²R₃ となり,これに電流を代入すると R₃=(2/3)×(I₁/I₃)²R₁=(2/3)×3R₁=2R₁。抵抗が2 倍でよいということは断面積が半分でよく,本数は2 本から3 本に増えるので,総重量の比は (3×0.5)/(2×1)=3/4 になる。他は正しい。(1)は三相4 線式で200 V と100 V を同時に取り出せること,(3)は三相電流が自然に回転磁界を作るので誘導電動機が始動装置なしで回ること,(4)は平衡三相の瞬時電力の和が一定になり,脈動によるトルク変動が生じないこと,(5)は同じ体積の発電機で三相のほうが大きな出力を取り出せることを述べている。答(2)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 電力 問11
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  172. 問172.図のように高低差のない支持点 A,B で,径間長 S の架空送電線において,架線の水平張力 T を調整してたるみ D を10 %小さくし,電線地上高を高くしたい。この場合の水平張力の値として,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし,両側の鉄塔は十分な強度があるものとする。問172の図

    • 1.0.9²T
    • 2.0.9T
    • 3.T/√0.9
    • 4.T/0.9
    • 5.T/0.9²

    正解:4.T/0.9

    解説:たるみは D=WS²/(8T) で表される。W は電線の単位長さ当たりの荷重,S は径間長で,どちらもこの問題では変わらない。したがって D と T は反比例の関係にあり,たるみを0.9 倍にするには張力を 1/0.9 倍にすればよい。すなわち新しい水平張力は T/0.9 である。答(4)。2 乗が付く(1)(5)や,平方根が付く(3)を選んでしまうのは,D の式で S が2 乗されていることに引きずられた誤りで,T は分母に1 乗で入っているだけである。また 0.9T とする(2)は比例と反比例を取り違えたもので,張力を緩めればたるみは大きくなるから向きが逆になる。実務的には,たるみを1 割減らすために張力を約1 割増やすことになり,そのぶん電線と支持物にかかる力が増える。問題文が「両側の鉄塔は十分な強度があるものとする」とわざわざ断っているのは,この張力増加を鉄塔が受け止められる前提を置いているからである。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 電力 問12
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  173. 問173.こう長20 km の三相3 線式2 回線の送電線路がある。受電端で33 kV,6 600 kW,力率0.9 の三相負荷に供給する場合,受電端電力に対する送電損失を5 %以下にするための電線の最小断面積の値[mm²]として,計算値が最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 ただし,使用電線は,断面積1 mm²,長さ1 m 当たりの抵抗を 1/35 Ωとし,その他の条件は無視する。

    • 1.14.3
    • 2.23.4
    • 3.24.7
    • 4.42.8
    • 5.171

    正解:4.42.8

    解説:まず負荷全体の線電流を求める。I=6 600×10³/(√3×33 000×0.9)≒128.3 A。2 回線が並列に負荷を分担するので,1 回線1 線当たりの電流はその半分の 64.15 A になる。許される損失は受電端電力の5 %で 6 600×0.05=330 kW。損失は2 回線×3 線=6 本ぶんだから,6I²R≤330×10³ より R≤330 000/(6×64.15²)≒330 000/24 690≒13.37 Ω。次に断面積に直す。1 mm²・1 m 当たり 1/35 Ωだから,長さ20 km=20 000 m,断面積 A[mm²]の電線の抵抗は R=(1/35)×20 000/A=571.4/A。これが13.37 Ω以下であればよいので A≥571.4/13.37≒42.7 mm²。最も近いのは42.8 で答(4)。落とし穴は「2 回線」の扱いで,電流を半分にすることと,損失の本数を6 本とすることの両方を忘れずに反映させる必要がある。1 回線として計算すると171 mm²((5))になり,ちょうど4 倍ずれる。電流が半分になれば損失は1/4 になるので,同じ損失なら抵抗を4 倍まで許せる,という関係がこの差になっている。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 電力 問13
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  174. 問174.電気絶縁材料に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.気体絶縁材料は,液体,固体絶縁材料と比較して,一般に電気抵抗率及び誘電率が低いため,固体絶縁材料内部にボイド(空隙,空洞)が含まれると,ボイド部での電界強度が高められやすい。
    • 2.気体絶縁材料は,液体,固体絶縁材料と比較して,一般に絶縁破壊強度が低いが,気圧を高めるか,真空状態とすることで絶縁破壊強度を高めることができる性質がある。
    • 3.内部にボイドを含んだ固体絶縁材料では,固体絶縁材料の絶縁破壊が生じなくても,ボイド内の気体が絶縁破壊することで部分放電が発生する場合がある。
    • 4.固体絶縁材料は,熱や電界,機械的応力などが長時間加えられることによって,固体絶縁材料内部に微小なボイドが形成されて,部分放電が発生する場合がある。
    • 5.固体絶縁材料内部で部分放電が発生すると,短時間に固体絶縁材料の絶縁破壊が生じることはなくても,長時間にわたって部分放電が継続的又は断続的に発生することで,固体絶縁材料の絶縁破壊に至る場合がある。

    正解:1.気体絶縁材料は,液体,固体絶縁材料と比較して,一般に電気抵抗率及び誘電率が低いため,固体絶縁材料内部にボイド(空隙,空洞)が含まれると,ボイド部での電界強度が高められやすい。

    解説:誤りは(1)で,「電気抵抗率が低い」という部分が事実に反する。気体の体積抵抗率は液体や固体の絶縁材料よりむしろ高く,空気はほぼ絶縁体として扱える。低いのは誘電率のほうで,空気の比誘電率はほぼ1,固体絶縁材料は2〜6 程度ある。ボイド部の電界が高くなる理由もこの誘電率の差にあり,境界面で電束密度 D が共通になるため E=D/ε より誘電率の小さいボイド側の電界が強くなる。結論(ボイド部での電界強度が高められやすい)は正しいのに,その理由づけに誤った性質が混ぜてあるという構成なので,肢全体をまとめて正誤判定せず語ごとに見る必要がある。他は正しい。(2)は気体の絶縁破壊強度が低いこと,および加圧か真空化のどちらでも強度を高められること(GISは前者,真空遮断器は後者を利用)を述べている。(3)(4)(5)はボイドから始まる劣化の道筋で,微小なボイドの内部で部分放電が起き,それが長期間続くことでトリーが進展し,やがて固体全体の絶縁破壊に至るという実際の劣化過程を順に説明したものである。答(1)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 電力 問14
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  175. 問175.水車の種類,回転速度と比速度の関係について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 ある水車を有効落差200 m,水車出力85 000 kW で運転するときの水車の比速度が100 m·kW であった。このときの水車の回転速度とこの水車に対し一般に用いられる水車の種類との組合せとして,最も適切なものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.水車の種類:フランシス水車 回転速度[min⁻¹]:217
    • 2.水車の種類:カプラン水車 回転速度[min⁻¹]:217
    • 3.水車の種類:カプラン水車 回転速度[min⁻¹]:258
    • 4.水車の種類:フランシス水車 回転速度[min⁻¹]:258
    • 5.水車の種類:ペルトン水車 回転速度[min⁻¹]:258

    正解:4.水車の種類:フランシス水車 回転速度[min⁻¹]:258

    解説:比速度の定義式は n_s=n P^(1/2)/H^(5/4) である。n を求めるために変形すると n=n_s H^(5/4)/P^(1/2)。数値を入れると P^(1/2)=85 000^(1/2)≒291.6,H^(5/4)=200^(1.25)=200×200^(0.25)≒200×3.761≒752.1。よって n=100×752.1/291.6≒258 min⁻¹。水車の種類は有効落差200 m と比速度100 m·kW から判断する。ペルトン水車は比速度がおよそ10〜25 と低く,カプラン水車は200 前後と高い。フランシス水車はその中間でおよそ50〜350,落差も数十〜300 m 程度を受け持つので,落差200 m・比速度100 という条件はフランシス水車に当てはまる。答(4)。計算では H の指数が5/4 である点を落としやすく,1 乗のままにすると n≒69 となって選択肢から外れる。落差が高いほど,また出力が大きいほど比速度は小さくなるので,高落差ではペルトン,低落差大流量ではカプラン,という対応もあわせて押さえておきたい。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 電力 問15(a)
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  176. 問176.※ この問題は本試験ではB問題の小問(b)として出題されたものです。解答に必要な条件が小問(a)にあるため,小問(a)を併せて示します(答えるのは小問(b)です)。 水車の種類,回転速度と比速度の関係について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 ある水車を有効落差200 m,水車出力85 000 kW で運転するときの水車の比速度が100 m·kW であった。 〔小問(b)〕 この水車を同期発電機と直結し,50 Hz の電力系統に接続して,同様に有効落差200 m,水車出力85 000 kW で運転する場合,小問(a)の回転速度に最も近い回転速度で運転できる同期発電機の磁極数とそのときの回転速度による比速度の組合せとして,最も適切なものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.磁極数:28 比速度[m·kW]:83
    • 2.磁極数:28 比速度[m·kW]:97
    • 3.磁極数:26 比速度[m·kW]:89
    • 4.磁極数:24 比速度[m·kW]:83
    • 5.磁極数:24 比速度[m·kW]:97

    正解:5.磁極数:24 比速度[m·kW]:97

    解説:同期発電機を系統に直結する以上,回転速度は同期速度 N=120f/p に限られる。50 Hz では N=6 000/p となり,磁極数は偶数だから取り得る値は飛び飛びになる。小問(a)の258 min⁻¹ に近いものを探すと,p=24 で250 min⁻¹(差8),p=26 で230.8 min⁻¹(差27),p=22 で272.7 min⁻¹(差15)となり,最も近いのは p=24 の250 min⁻¹ である。この回転速度で比速度を計算し直すと n_s=250×291.6/752.1≒96.9,すなわち約97 m·kW。答(5)。磁極数を26 や28 とした肢は,同期速度が258 から遠ざかるので条件に合わない。要点は,水車側の計算で出た258 min⁻¹ をそのまま使えるわけではなく,発電機の磁極数という整数の制約で実現できる回転速度が決まり,それに合わせて比速度も変わるという点である。回転速度が258 から250 へ約3 %下がったぶん,比速度も100 から97 へ同じ割合で下がっている(比速度は n に比例するため)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 電力 問15(b)
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  177. 問177.定格容量80 MV·A,一次側定格電圧33 kV,二次側定格電圧11 kV,百分率インピーダンス18.3 %(定格容量ベース)の三相変圧器 T_A がある。三相変圧器 T_A の一次側は33 kV の電源に接続され,二次側は負荷のみが接続されている。電源の百分率内部インピーダンスは,1.5 %(系統基準容量ベース)とする。ただし,系統基準容量は80 MV·A である。なお,抵抗分及びその他の定数は無視する。次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 将来の負荷変動等は考えないものとすると,変圧器 T_A の二次側に設置する遮断器の定格遮断電流の値[kA]として,最も適切なものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.5
    • 2.8
    • 3.12.5
    • 4.20
    • 5.25

    正解:5.25

    解説:基準容量が両方とも80 MV·A で揃っているので,百分率インピーダンスはそのまま足せる。電源1.5 %+変圧器18.3 %=19.8 %。二次側の定格電流は I_n=80×10⁶/(√3×11 000)≒4 199 A。三相短絡電流は I_s=I_n×100/%Z=4 199×100/19.8≒21 200 A=21.2 kA となる。遮断器はこの短絡電流を確実に切れなければならないので,定格遮断電流は21.2 kA 以上の標準値を選ぶ。選択肢の中で21.2 kA を上回るのは25 kA だけであり,20 kA では足りない。答(5)。ここでの要点は二つある。一つは百分率インピーダンスを足す前に基準容量が揃っているか確認することで,本問は問題文がわざわざ「系統基準容量は80 MV·A」と断ってそのまま足せるようにしている。もう一つは,計算値そのものではなく,それを上回る標準定格を選ぶという遮断器選定の考え方で,21.2 kA に最も近い20 kA を選ぶと能力不足になる。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 電力 問16(a)
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  178. 問178.定格容量80 MV·A,一次側定格電圧33 kV,二次側定格電圧11 kV,百分率インピーダンス18.3 %(定格容量ベース)の三相変圧器 T_A がある。三相変圧器 T_A の一次側は33 kV の電源に接続され,二次側は負荷のみが接続されている。電源の百分率内部インピーダンスは,1.5 %(系統基準容量ベース)とする。ただし,系統基準容量は80 MV·A である。なお,抵抗分及びその他の定数は無視する。次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(b)〕 定格容量50 MV·A,百分率インピーダンスが12.0 %(定格容量ベース)の三相変圧器 T_B を三相変圧器 T_A と並列に接続した。40 MW の負荷をかけて運転した場合,三相変圧器 T_A の負荷分担の値[MW]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし,三相変圧器群 T_A と T_B にはこの負荷のみが接続されているものとし,抵抗分及びその他の定数は無視する。

    • 1.15.8
    • 2.19.5
    • 3.20.5
    • 4.24.2
    • 5.24.6

    正解:3.20.5

    解説:並列運転する変圧器の負荷分担は,共通の基準容量に換算した百分率インピーダンスの逆比になる。まず基準を80 MV·A に揃える。T_A は定格容量が80 MV·A なのでそのまま18.3 %。T_B は定格容量50 MV·A ベースで12.0 %だから,80 MV·A ベースに直すと 12.0×80/50=19.2 %になる。分担の比は 1/18.3 : 1/19.2 で,共通の分母を払うと 19.2 : 18.3 となる。合計は37.5 なので,T_A の分担は 40×19.2/37.5=20.48≒20.5 MW。答(3)。落とし穴は換算を忘れることで,18.3 %と12.0 %をそのまま逆比にすると 12.0:18.3 から T_A の分担が 40×12.0/30.3≒15.8 MW となり,(1)を選んでしまう。この場合,容量の小さい T_B のほうが多く負担するという不自然な結果になるので気付ける。換算後の値で見ると T_A と T_B のインピーダンスがほぼ等しく,容量比とは無関係にほぼ半分ずつ分担していることが分かる。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 電力 問16(b)
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  179. 問179.図のような系統構成の三相3 線式配電線路があり,開閉器 S は開いた状態にある。各配電線の B 点,C 点,D 点には図のとおり負荷が接続されており,各点の負荷電流は B 点40 A,C 点30 A,D 点60 A 一定とし,各負荷の力率は100 %とする。 各区間のこう長はA−B間1.5 km,B−S(開閉器)間1.0 km,S(開閉器)−C間0.5 km,C−D間1.5 km,D−A間2.0 km である。 ただし,電線1 線当たりの抵抗は0.2 Ω/km とし,リアクタンスは無視するものとして,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 電源 A 点から見た C 点の電圧降下の値[V]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし,電圧は線間電圧とする。問179の図

    • 1.41.6
    • 2.45.0
    • 3.57.2
    • 4.77.9
    • 5.90.0

    正解:4.77.9

    解説:開閉器 S が開いているので,C 点へは A→D→C の経路だけで電気が流れる。区間ごとに流れる電流を数えると,A−D 間には D 点の60 A と C 点の30 A を合わせた90 A,D−C 間には C 点の30 A だけが流れる。抵抗は 0.2 Ω/km なので A−D 間(2.0 km)が0.4 Ω,D−C 間(1.5 km)が0.3 Ω。三相3 線式で力率100 %のときの線間電圧の降下は ΔV=√3 Σ(IR) で求まるから,ΔV=√3×(90×0.4+30×0.3)=√3×(36+9)=1.732×45≒77.9 V。答(4)。よくある誤りは √3 を掛け忘れて45.0 V とするもので,これが(2)に用意されている。また区間電流を取り違えて A−D 間にも30 A しか流さないと ΔV=√3×(30×0.4+30×0.3)≒36.4 V となり値が大きくずれる。分岐のある配電線では,電源に近い区間ほど下流のすべての負荷電流が重なって流れる,という数え方が要点になる。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 電力 問17(a)
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  180. 問180.図のような系統構成の三相3 線式配電線路があり,開閉器 S は開いた状態にある。各配電線の B 点,C 点,D 点には図のとおり負荷が接続されており,各点の負荷電流は B 点40 A,C 点30 A,D 点60 A 一定とし,各負荷の力率は100 %とする。 各区間のこう長はA−B間1.5 km,B−S(開閉器)間1.0 km,S(開閉器)−C間0.5 km,C−D間1.5 km,D−A間2.0 km である。 ただし,電線1 線当たりの抵抗は0.2 Ω/km とし,リアクタンスは無視するものとして,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(b)〕 開閉器 S を投入した場合,開閉器 S を流れる電流 i の値[A]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。問180の図

    • 1.20.0
    • 2.25.4
    • 3.27.5
    • 4.43.8
    • 5.65.4

    正解:2.25.4

    解説:開閉器を投入すると A を起点にした環状(ループ)配電線路になる。A から B 側へ流れ出す電流を x,D 側へ流れ出す電流を y とすると,負荷の合計から x+y=40+30+60=130 A。B 点で40 A が分かれるので B→S→C 間には x−40 が流れ,これが求める i である。D 点で60 A が分かれるので D→C 間には y−60 が流れる。ループのどちらを回っても A から C までの電圧降下は等しいから,1.5x+(1.0+0.5)(x−40)=2.0y+1.5(y−60)(抵抗率0.2 Ω/km は両辺で共通なので約せる)。整理すると 3x−60=3.5y−90。ここに x=130−y を代入して 390−3y=3.5y−30,6.5y=420,y≒64.6 A。よって x≒65.4 A となり,i=x−40≒25.4 A。答(2)。ループ配電では「どちらの経路を通っても両端間の電位差は同じ」という条件が方程式の要になる。なお x≒65.4 という値そのものは(5)に用意されており,A から流れ出す電流と開閉器を流れる電流を混同すると引っかかる。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度上期 電力 問17(b)
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  181. 問181.水力発電に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.電圧の大きさや周波数は,自動電圧調整器と調速機を用いて制御される。
    • 2.カプラン水車は,プロペラ水車の一種で,流量に応じて羽根の角度を調整することができるため,部分負荷での効率の低下が少ない。
    • 3.発電所で発電された電力は,発電電圧を主変圧器で昇圧した後,送電される。この主変圧器には発電機側にY結線,系統側にΔ結線のものが多く用いられる。
    • 4.ペルトン水車は,水の衝撃力で回転する衝動水車の一つである。
    • 5.水車発電機の回転速度は,汽力発電と比べて小さいため,発電機の磁極数は多くなる。

    正解:3.発電所で発電された電力は,発電電圧を主変圧器で昇圧した後,送電される。この主変圧器には発電機側にY結線,系統側にΔ結線のものが多く用いられる。

    解説:誤りは(3)で,主変圧器の結線が逆である。発電所の主変圧器は一般に発電機側をΔ結線,系統側をY結線とする。系統側をYにするのは中性点を引き出して接地でき,地絡保護と異常電圧の抑制ができるからで,発電機側をΔにするのは第3調波の励磁電流をΔ内で循環させて系統に流出させないためである。他の肢は正しい。(1)は発電機の端子電圧を自動電圧調整器(AVR),回転速度=周波数を調速機(ガバナ)で制御するという基本どおり。(2)のカプラン水車は可動羽根プロペラ水車で,流量に応じて羽根角度を変えられるので部分負荷でも効率が落ちにくい。(4)のペルトン水車はノズルから噴出する水の衝撃力でバケットを回す衝動水車である。(5)は N=120f/p の関係で,回転速度が小さいほど磁極数 p が多くなるという意味で正しい。答(3)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 電力 問1
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  182. 問182.汽力発電において,熱効率の向上を図る方法として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.高温高圧の蒸気を使用する。
    • 2.復水器の真空度を高める。
    • 3.再熱サイクルを利用する。
    • 4.給水加熱器で抽気温度を上げる。
    • 5.節炭器で排ガス温度を下げる。

    正解:4.給水加熱器で抽気温度を上げる。

    解説:誤りは(4)。給水加熱器はタービンの途中から抽気した蒸気で「給水」を温める装置であり,上げるのは給水温度であって抽気温度ではない。抽気温度はタービンのどの段から抜くかで決まる量で,給水加熱器で操作するものではない。給水温度が上がればボイラで加える熱量が減り,これが再生サイクルによる効率向上の中身である。他は正しい。(1)(2)はランキンサイクルの効率が入口蒸気の温度・圧力と復水器の真空度(=排気圧力)で決まることから,(3)の再熱サイクルは膨張途中の蒸気を再びボイラで加熱して湿り度を下げつつ平均受熱温度を上げるもの,(5)の節炭器(エコノマイザ)は煙道の排ガス余熱で給水を予熱し,結果として排ガス温度を下げて損失を減らす装置である。答(4)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 電力 問2
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  183. 問183.次の文章は,汽力発電所における蒸気タービンの分類に関する記述である。 衝動タービンは,高温・高圧の蒸気が羽根に衝突するときに生ずる衝動力によってランナを回転させるもので,タービンのノズルを通る間に蒸気の圧力が (ア) し,高速度となってノズルから噴出する。この噴出した蒸気を前面の羽根に衝突させることにより,ランナを回転させる。羽根を通過する蒸気の通路の断面積が一様であり,羽根の出入口の蒸気の圧力は (イ) 。衝動タービンは蒸気の圧力が (ウ) のものに適する。 反動タービンは,衝動力と蒸気が回転羽根を離れるときの反動力を利用するもので,固定羽根で膨張させた蒸気を羽根に衝突させてランナを回転させるとともに,ランナの内部で蒸気を (エ) させ,排気するときの反動力を利用してランナを回転させる。反動タービンは,蒸気の圧力が (オ) のものに適する。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.(ア)上昇 (イ)等しい (ウ)高圧 (エ)膨張 (オ)中低圧
    • 2.(ア)上昇 (イ)異なる (ウ)中低圧 (エ)凝縮 (オ)高圧
    • 3.(ア)上昇 (イ)等しい (ウ)中低圧 (エ)膨張 (オ)高圧
    • 4.(ア)降下 (イ)異なる (ウ)中低圧 (エ)凝縮 (オ)高圧
    • 5.(ア)降下 (イ)等しい (ウ)高圧 (エ)膨張 (オ)中低圧

    正解:5.(ア)降下 (イ)等しい (ウ)高圧 (エ)膨張 (オ)中低圧

    解説:ノズルは蒸気の圧力エネルギーを速度エネルギーに変える部品なので,通過する間に圧力は「降下」して流速が上がる。よって(ア)=降下で,(1)~(3)は同時に落ちる。衝動タービンは羽根の中で膨張させないので,羽根の出入口で圧力は「等しい」=(イ)。ここで(4)の「異なる」も消え(5)が残る。用途は,衝動タービンが1段で大きな熱落差を扱えるため高圧部に,反動タービンは膨張を段階的に行い低圧の大容量蒸気を効率よく扱えるため中低圧部に適するので(ウ)=高圧,(オ)=中低圧。反動タービンはランナ内部でも蒸気を「膨張」させ,噴き出す反動力を使うので(エ)=膨張である。実機ではこの性質から高圧段に衝動段,低圧段に反動段を配した組合せが多い。答(5)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 電力 問3
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  184. 問184.原子力発電に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.原子力発電所では,ウラン235 を2~4 %まで濃縮した高濃縮ウランを使い,エネルギーを取り出している。
    • 2.放射線にはα線,β線,γ線などがあり,放射線を出す能力を放射能といい,放射能を有する物質を放射性物質と呼ぶ。
    • 3.原子燃料の原子核に,エネルギー値が低く速度の遅い中性子を衝突させると,核分裂を起こす。
    • 4.原子燃料の核分裂により発生した1 個以上の熱中性子が,別の原子核を分裂させる反応が連続的に持続する現象を連鎖反応という。
    • 5.減速材は,核分裂によって新たに生じたエネルギー値が高い高速中性子のエネルギーの一部を吸収させて,低速の熱中性子を得るために用いる。

    正解:1.原子力発電所では,ウラン235 を2~4 %まで濃縮した高濃縮ウランを使い,エネルギーを取り出している。

    解説:誤りは(1)で,濃縮度の呼び方が逆である。天然ウラン中のウラン235 は約0.7 %しかなく,軽水炉ではこれを2~4 %程度に高めて使うが,この程度のものは「低濃縮ウラン」と呼ぶ。高濃縮ウランは一般に20 %以上を指し,商業用の軽水炉では使わない。数値そのもの(2~4 %)は正しいので,「2~4 %」と「高濃縮」が結び付かない点だけが誤りである。他は正しい。(2)は放射線・放射能・放射性物質の定義そのもの。(3)と(5)は対になっており,核分裂で飛び出すのは高速中性子だが,そのままでは次の核分裂を起こしにくいので,減速材(軽水・重水・黒鉛)との衝突でエネルギーを失わせて熱中性子にし,低速の中性子として次の核分裂を起こさせる。(4)はその連鎖反応の定義である。答(1)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 電力 問4
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  185. 問185.次の文章は,地熱発電及びバイオマス発電に関する記述である。 地熱発電は,地下から取り出した (ア) によってタービンを回して発電する方式であり,発電に適した地熱資源は (イ) に多く存在する。 バイオマス発電は,植物や動物が生成・排出する (ウ) から得られる燃料を利用する発電方式である。燃料の代表的なものには,木くずから作られる固形化燃料や,家畜の糞から作られる (エ) がある。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.(ア)蒸気 (イ)火山地域 (ウ)有機物 (エ)液体燃料
    • 2.(ア)熱水の流れ (イ)平野部 (ウ)無機物 (エ)気体燃料
    • 3.(ア)蒸気 (イ)火山地域 (ウ)有機物 (エ)気体燃料
    • 4.(ア)蒸気 (イ)平野部 (ウ)有機物 (エ)気体燃料
    • 5.(ア)熱水の流れ (イ)火山地域 (ウ)無機物 (エ)液体燃料

    正解:3.(ア)蒸気 (イ)火山地域 (ウ)有機物 (エ)気体燃料

    解説:地熱発電は生産井から噴出した熱水と蒸気を気水分離器で分け,「蒸気」でタービンを回す。熱水は流れそのものでタービンを回すのではなく還元井へ戻すか,バイナリー発電の熱源にするので(ア)=蒸気となり,(2)(5)が落ちる。地熱資源はマグマ由来の熱を必要とするため「火山地域」に偏在し,日本の地熱発電所も東北・九州の火山帯に集中する。(イ)=火山地域で(4)も消える。バイオマスは生物由来の「有機物」資源を指す語であり,(ウ)=有機物。残る(1)と(3)の差は(エ)だけで,家畜の糞をメタン発酵させて得られるのはメタンを主成分とするバイオガス=「気体燃料」である。液体燃料はサトウキビ等から作るバイオエタノールや廃食用油由来のバイオディーゼルが該当し,糞からは作らない。答(3)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 電力 問5
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  186. 問186.次の文章は,調相設備に関する記述である。 一般に電力系統では,受電端電圧を一定に保つため,調相設備を負荷と (ア) に接続して無効電力の調整を行っている。 電力用コンデンサは力率を (イ) ために用いられ,分路リアクトルは力率を (ウ) ために用いられる。 同期調相機は,その (エ) を加減することによって,進み又は遅れの無効電力を連続的に調整することができる。 静止形無効電力補償装置は, (オ) でリアクトルに流れる電流を調整することにより,無効電力を高速に制御することができる。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.(ア)並列 (イ)進める (ウ)遅らせる (エ)界磁電流 (オ)半導体スイッチ
    • 2.(ア)直列 (イ)遅らせる (ウ)進める (エ)電機子電流 (オ)半導体整流装置
    • 3.(ア)並列 (イ)遅らせる (ウ)進める (エ)電機子電流 (オ)半導体スイッチ
    • 4.(ア)直列 (イ)進める (ウ)遅らせる (エ)電機子電流 (オ)半導体整流装置
    • 5.(ア)並列 (イ)遅らせる (ウ)進める (エ)界磁電流 (オ)半導体スイッチ

    正解:1.(ア)並列 (イ)進める (ウ)遅らせる (エ)界磁電流 (オ)半導体スイッチ

    解説:調相設備は母線と大地の間,すなわち負荷と「並列」に入れて無効電力だけをやりとりする。直列に入れるのは直列コンデンサなど別の目的の機器なので(ア)=並列で(2)(4)が落ちる。負荷は普通は誘導性で力率が遅れているから,電力用コンデンサはこれを打ち消して力率を「進める」向きに働く。逆に軽負荷時にケーブルや長距離線路の充電電流で力率が進みすぎるときは,分路リアクトルを入れて「遅らせる」。よって(イ)=進める,(ウ)=遅らせるとなり,これが逆の(3)(5)も消えて(1)が残る。同期調相機は無負荷運転の同期電動機で,「界磁電流」を過励磁にすると進み,不足励磁にすると遅れの無効電力を出すので(エ)=界磁電流。静止形無効電力補償装置(SVC)はサイリスタなどの「半導体スイッチ」の点弧角でリアクトル電流を連続的に変え,機械的な開閉なしに高速制御する。答(1)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 電力 問6
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  187. 問187.次の文章は,計器用変成器に関する記述である。 計器用変成器において,変流器の二次端子は,常に (ア) 負荷を接続しておかねばならない。特に,一次電流(負荷電流)が流れている状態では,絶対に二次回路を (イ) してはならない。これを誤ると,二次側に大きな (ウ) が発生し (エ) が過大となり,変流器を損傷する恐れがある。また,一次端子のある変流器は,その端子を被測定線路に (オ) に接続する。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.(ア)高インピーダンス (イ)短絡 (ウ)電圧 (エ)鉄損 (オ)直列
    • 2.(ア)低インピーダンス (イ)短絡 (ウ)誘導電流 (エ)銅損 (オ)並列
    • 3.(ア)高インピーダンス (イ)短絡 (ウ)誘導電流 (エ)銅損 (オ)直列
    • 4.(ア)低インピーダンス (イ)開放 (ウ)電圧 (エ)鉄損 (オ)直列
    • 5.(ア)高インピーダンス (イ)開放 (ウ)電圧 (エ)銅損 (オ)並列

    正解:4.(ア)低インピーダンス (イ)開放 (ウ)電圧 (エ)鉄損 (オ)直列

    解説:変流器(CT)は電流源として働き,二次側には電流計など「低インピーダンス」の負荷をつなぐ。電圧計のような高インピーダンス負荷をつなぐのは変圧器形の計器用変圧器(VT)で,CTでは逆である。よって(ア)=低インピーダンスとなり(1)(3)(5)が落ちる。一次電流が流れたまま二次回路を「開放」すると,一次電流の全部が励磁電流として働いて鉄心が深く飽和し,二次巻線に高い「電圧」(尖頭値で数kVに達することもある)が現れる。同時に鉄心の磁束変化が大きくなって「鉄損」が過大となり,発熱で焼損する。ここで(イ)=開放が決まり(2)も消える。CTは線路電流をそのまま測る機器なので,一次端子は被測定線路に「直列」に入れる。並列に入れるのはVTである。なお二次側で作業するときは短絡してから外すのがCT取扱いの鉄則で,「短絡はよいが開放は厳禁」という点がVTと正反対である。答(4)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 電力 問7
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  188. 問188.送配電線路や変電所におけるがいしの塩害とその対策に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.がいしの塩害に対する基本的な対策は,がいしの沿面距離を伸ばすことや,がいし連の直列連結個数を増やすことである。
    • 2.がいしの塩害発生は,海塩等の水溶性電解質物質の付着密度だけでなく,塵埃などの不溶性物質の付着密度にも影響される。
    • 3.がいしの塩害は,フラッシオーバ事故に至らなくても可聴雑音や電波障害の原因にもなる。
    • 4.がいしの塩害対策として,絶縁電線の採用やがいしの洗浄,がいし表面へのはっ水性物質の塗布等がある。
    • 5.がいしの塩害による地絡事故は,雷害による地絡事故と比べて再閉路に失敗する場合の割合が多い。

    正解:4.がいしの塩害対策として,絶縁電線の採用やがいしの洗浄,がいし表面へのはっ水性物質の塗布等がある。

    解説:誤りは(4)で,「絶縁電線の採用」はがいしの塩害対策ではない。塩害はがいし表面に付いた塩分が湿気を含んで導電性の皮膜となり,沿面で放電が進展して起こる現象なので,対策はがいし側で行う。電線を絶縁電線にしても,がいし表面の汚損はまったく減らない(絶縁電線は樹木接触や鳥獣害・混触対策として採用されるものである)。同じ肢に並ぶ「がいしの洗浄」「はっ水性物質(シリコーンコンパウンド等)の塗布」はいずれも正しい塩害対策なので,肢全体をまとめて正誤判定せず,語ごとに見ることが必要になる。他は正しい。(1)の沿面距離の延長・連結個数の増加(過絶縁)や耐霧がいし・長幹がいしの採用は基本対策である。(2)は塩分だけでなく塵埃など不溶性物質が水分を保持して汚損を助長するため。(3)は汚損部分の部分放電が可聴雑音・電波障害を生む。(5)は塩分の付着が事故後も残るため再閉路しても再びフラッシオーバしやすく,一過性の雷害に比べ再閉路成功率が低い。答(4)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 電力 問8
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  189. 問189.次の文章は,我が国の高低圧配電系統における保護について述べた文章である。 6.6 kV 高圧配電線路は,60 kV 以上の送電線路や送電用変圧器に比べ,電線路や変圧器の絶縁が容易であるため,故障時に健全相の電圧上昇が大きくなっても特に問題にならない。また,1 線地絡電流を (ア) するため (イ) 方式が採用されている。 一般に,多回線配電線路では地絡保護に地絡方向継電器が用いられる。これは,故障時に故障線路と健全線路における地絡電流が (ウ) となることを利用し,故障回線を選択するためである。 低圧配電線路で短絡故障が生じた際の保護装置として (エ) が挙げられるが,これは,通常,柱上変圧器の (オ) 側に取り付けられる。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.(ア)小さく (イ)非接地 (ウ)同位相 (エ)高圧カットアウト (オ)二次
    • 2.(ア)大きく (イ)接地 (ウ)逆位相 (エ)ケッチヒューズ (オ)一次
    • 3.(ア)大きく (イ)非接地 (ウ)逆位相 (エ)高圧カットアウト (オ)二次
    • 4.(ア)小さく (イ)非接地 (ウ)逆位相 (エ)高圧カットアウト (オ)一次
    • 5.(ア)小さく (イ)接地 (ウ)同位相 (エ)ケッチヒューズ (オ)一次

    正解:4.(ア)小さく (イ)非接地 (ウ)逆位相 (エ)高圧カットアウト (オ)一次

    解説:6.6 kV配電線路は絶縁が容易なので健全相の電圧上昇を許容でき,そのかわり1線地絡電流を「小さく」抑えて通信線への誘導障害や人体・機器への影響を減らす「非接地」方式を採る。ここで(ア)=小さく,(イ)=非接地が決まり,(2)(3)が落ちる。地絡方向継電器は零相電圧と零相電流の位相関係で故障回線を選ぶ装置で,故障回線では大地から電源へ向かう向き,健全回線では線路の対地静電容量を充電する向きに零相電流が流れるため,両者の位相は「逆位相」になる。同位相では区別できないので(ウ)=逆位相となり(1)(5)も消えて(4)が残る。(エ)(オ)は肢の組合せで決まるが,中身も確認しておくと,柱上変圧器には一次側に高圧カットアウト(PC)が取り付けられ,そのヒューズが変圧器の過負荷・内部故障だけでなく低圧側の短絡故障も遮断する。ケッチヒューズは低圧引込線に取り付ける保護具で,柱上変圧器に付くものではない。答(4)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 電力 問9
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  190. 問190.電圧6.6 kV,周波数60 Hz,こう長2 km の交流三相3 線式地中電線路がある。ケーブルの心線1 線当たりの静電容量を0.5 μF/km とするとき,このケーブルの心線3 線を充電するために必要な三相無負荷充電容量の値[kV·A]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.5.5
    • 2.8.2
    • 3.16.4
    • 4.28.4
    • 5.49.3

    正解:3.16.4

    解説:こう長2 km なので心線1 線当たりの静電容量は C=0.5×2=1.0 μF。三相の無負荷充電容量は,1 相分の容量を3 倍して Q=3×2πf C(V/√3)² と書けるが,(V/√3)²の3 倍で√3 の2 乗が約分され,結局 Q=2πf C V² と,線間電圧をそのまま使う簡単な形になる。数値を入れると Q=2π×60×1.0×10⁻⁶×(6 600)²=376.99×10⁻⁶×4.356×10⁷≒1.64×10⁴ V·A=16.4 kV·A。答(3)。よくある取り違えは,相電圧 6 600/√3≒3 810 V を使って Q=2πfCV²=5.5 kV·A としてしまう形で,これは選択肢(1)に用意されている。「三相充電容量=2πfCV²(V は線間電圧)」と,線間電圧のまま代入できる形で覚えておくと,√3 の扱いで迷わない。またこう長を掛け忘れて C=0.5 μF とすると答が半分の8.2 kV·A になり,これも(2)として用意されている。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 電力 問10
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  191. 問191.高圧受電設備を構成する機器に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.避雷器(LA)は受電設備の引込口などに設置され,雷及び開閉などによる異常電圧が回路に侵入したとき,大地に放電させるものであり,A 種接地工事が施されている。
    • 2.高圧交流負荷開閉器(LBS)は負荷電流,変圧器の励磁電流,線路電流など負荷開閉器の定格電流以下の開閉に使用する。
    • 3.遮断器(CB)は機器の点検・修理の際,その部分を電源から開放し,あるいは回路の接続を変更する目的で用いる。
    • 4.計器用変成器(VCT)は受電設備において,需要家の受電電圧と使用電流を扱いやすい低電圧・小電流に変換する装置である。電力量計と組み合わせて,取引電力量を計量する。
    • 5.高圧進相コンデンサ(SC)は進み力率の無効電力を消費(すなわち,遅れ無効電力を供給)し,力率を改善する働きをもつ。

    正解:3.遮断器(CB)は機器の点検・修理の際,その部分を電源から開放し,あるいは回路の接続を変更する目的で用いる。

    解説:誤りは(3)で,これは遮断器ではなく断路器(DS)の説明である。「点検・修理の際に電源から切り離す」「回路の接続を変更する」という目的で使うのは断路器で,断路器は電流を遮断する能力をもたないため必ず無負荷にしてから操作する。遮断器(CB)は負荷電流はもちろん短絡電流のような事故電流も遮断できる機器で,保護継電器と組み合わせて事故回路を切り離す役割を負う。他は正しい。(1)の避雷器は引込口近くに設置し,A 種接地工事(接地抵抗10 Ω以下)を施して異常電圧を大地へ逃がす。(2)のLBSは定格電流以下の負荷電流の開閉ができる開閉器で,限流ヒューズと組み合わせて短絡保護を分担させる使い方が一般的である。(4)のVCTはVT(計器用変圧器)とCT(変流器)を一つの箱に収めたもので,電力量計と組んで取引用計量に用いる。(5)は表現がやや込み入っているが,コンデンサは遅れ力率の負荷が必要とする遅れ無効電力を肩代わりして供給する(=進み無効電力を消費する)機器であり,記述どおりで正しい。答(3)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 電力 問11
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  192. 問192.三相3 線式交流送電線があり,電線1 線当たりの抵抗が R[Ω],受電端の線間電圧が V_r[V]である。今,受電端から力率 cosθ の負荷に三相電力 P[W]を供給しているものとする。 この送電線での3 線の電力損失を P_L とすると,電力損失率 P_L/P を表す式として,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 ただし,線路のインダクタンス,静電容量及びコンダクタンスは無視できるものとする。

    • 1.RP/(3(V_r cosθ)²)
    • 2.RP/(V_r cosθ)²
    • 3.RP²/(V_r cosθ)²
    • 4.3RP/(V_r cosθ)²
    • 5.3RP²/(V_r cosθ)²

    正解:2.RP/(V_r cosθ)²

    解説:三相電力の式 P=√3 V_r I cosθ から線電流は I=P/(√3 V_r cosθ)。3 線分の電力損失は P_L=3I²R であるから,P_L=3R×P²/(3(V_r cosθ)²)=RP²/(V_r cosθ)² となる。ここで3 と(√3)²=3 がちょうど約分される点が要点で,これを忘れると(5)の 3RP²/(V_r cosθ)² を選ぶことになる。求めるのは損失そのものではなく損失「率」なので,さらに P で割って P_L/P=RP/(V_r cosθ)²。答(2)。P が2 乗のまま残っている(3)(5)は損失率ではなく損失の式であり,次元を見るだけでも除外できる。この結果は「損失率は送電電力に比例し,電圧と力率の2 乗に反比例する」という送電の基本則そのもので,送電電圧を高くするほど損失が急速に減ることを表している。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 電力 問12
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  193. 問193.図のように高低差のない支持点A,B で支持されている径間 S が100 m の架空電線路において,導体の温度が30 ℃のとき,たるみ D は2 m であった。 導体の温度が60 ℃になったとき,たるみ D の値[m]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 ただし,電線の線膨張係数は1 ℃につき1.5×10⁻⁵ とし,張力による電線の伸びは無視するものとする。問193の図

    • 1.2.05
    • 2.2.14
    • 3.2.39
    • 4.2.66
    • 5.2.89

    正解:3.2.39

    解説:電線の実長 L はたるみ D と径間 S から L=S+8D²/(3S) で近似できる。30 ℃のときは L=100+8×2²/(3×100)=100+0.106 667=100.106 667 m。温度が30 ℃上がると線膨張により L′=L(1+αΔt)=100.106 667×(1+1.5×10⁻⁵×30)=100.106 667×1.000 45≒100.151 715 m となる。この伸びをすべてたるみに置き換えて L′=S+8D′²/(3S) を D′ について解くと,8D′²/300=0.151 715 より D′²=5.689 3,D′≒2.39 m。答(3)。要点は,伸びるのは電線の実長であって径間ではないこと,そして伸び量そのものは45 mm程度とごく小さいのに,たるみは2 m から2.39 m へ約0.39 m も増えることである。L−S=8D²/(3S) が D の2 乗に比例するため,実長がわずかに伸びるだけでたるみは大きく変化する。たるみが線膨張と同じ0.045 %しか増えないと考えて 2×1.000 45≒2.00 m とすると(1)に,実長の伸びをそのままたるみに足して 2.045 m としても(1)付近となり誤答する。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 電力 問13
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  194. 問194.送電線路及び配電線路で導電材料として利用される銅に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.銅は,20 ℃では銀に次いで最も導電率の高い金属である。
    • 2.導体の導電率は,20 ℃での標準軟銅の導電率を100 %として比較した百分率で表される。
    • 3.電線やケーブルの導体材料に使用される銅は,一般に電気銅を精製したものが用いられる。
    • 4.軟銅線は,硬銅線を焼きなますことで製造され,硬銅線と比較して可とう性はよくなり,導電率は低くなる。
    • 5.一般にCV ケーブルの銅導体には軟銅線が用いられ,架空送電線の銅導体には硬銅線が用いられる。

    正解:4.軟銅線は,硬銅線を焼きなますことで製造され,硬銅線と比較して可とう性はよくなり,導電率は低くなる。

    解説:誤りは(4)で,導電率の大小が逆である。硬銅線を焼きなまして軟銅線にすると,加工でひずんだ結晶が回復して電子が散乱されにくくなるため,導電率は「高く」なる。実際,導電率の基準である標準軟銅を100 %とすると硬銅線は97 %程度で,軟銅線のほうが上である。同じ肢の前半にある「可とう性はよくなる」は正しく,焼きなましで軟らかくなり曲げやすくなる一方,引張強さは下がる。他は正しい。(1)は20 ℃での導電率が銀>銅>金>アルミニウムの順であること。(2)は導電率を標準軟銅比の百分率(%IACS)で表すという定義そのもの。(3)は電解精錬で得た電気銅(純度99.99 %級)を素材にすること。(5)は,曲げて敷設するCV ケーブルには可とう性の高い軟銅線を,張力がかかり続ける架空送電線には引張強さの大きい硬銅線を使うという用途の違いで,(4)で述べた「軟らかいが強度は低い」という性質の裏返しになっている。答(4)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 電力 問14
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  195. 問195.重油専焼火力発電所が出力1 000 MW で運転しており,発電端効率が41 %,重油発熱量が44 000 kJ/kg であるとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 ただし,重油の化学成分(重量比)は炭素85 %,水素15 %,炭素の原子量は12,酸素の原子量は16 とする。 〔小問(a)〕 重油消費量の値[t/h]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.50
    • 2.80
    • 3.120
    • 4.200
    • 5.250

    正解:4.200

    解説:発電端効率は「発電機出力÷燃料の発熱量」なので,必要な入熱は 1 000 MW÷0.41≒2 439 MW=2.439×10⁶ kJ/s。重油1 kg で44 000 kJ が得られるから,毎秒の消費量は 2.439×10⁶÷44 000≒55.4 kg/s。時間当たりに直すと 55.4×3 600≒1.995×10⁵ kg/h=約200 t/h。答(4)。ここでの要点は,効率で「割る」ことと,kJ/s=kW という単位の対応である。効率を掛けてしまうと 1 000×0.41÷44 000×3 600≒33.5 t/h となり選択肢に無く,誤りに気付ける。また秒→時の3 600 倍を忘れると55 kg となって桁が3 つずれる。答が約200 t/h=1 日約4 800 t という値は,100 万kW級の重油専焼火力の実績とも矛盾しない大きさである。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 電力 問15(a)
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  196. 問196.重油専焼火力発電所が出力1 000 MW で運転しており,発電端効率が41 %,重油発熱量が44 000 kJ/kg であるとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 ただし,重油の化学成分(重量比)は炭素85 %,水素15 %,炭素の原子量は12,酸素の原子量は16 とする。 〔小問(b)〕 1 日に発生する二酸化炭素の重量の値[t]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.9.5×10³
    • 2.12.8×10³
    • 3.15.0×10³
    • 4.17.6×10³
    • 5.28.0×10³

    正解:3.15.0×10³

    解説:小問(a)の200 t/h から,1 日の重油消費量は 200×24=4 800 t。このうち炭素は重量比85 %なので 4 800×0.85=4 080 t。炭素はすべて完全燃焼して二酸化炭素になるとすると,C+O₂→CO₂ の反応で炭素1 mol(12)からCO₂ 1 mol(12+16×2=44)が生じるから,重量は44/12≒3.67 倍になる。したがって二酸化炭素の発生量は 4 080×44/12≒1.50×10⁴ t=15.0×10³ t。答(3)。落とし穴は二つある。一つは水素15 %分で,水素が燃えて生じるのは水であって二酸化炭素ではないから,4 800 t 全量を炭素として計算してはいけない(そうすると4 800×44/12=17.6×10³ tとなり,これが誤答(4)として用意されている)。もう一つは44/12 の分子・分母の向きで,逆にすると 4 080×12/44≒1 113 t と桁違いになる。水素15 %分を差し引くこと,炭素をCO₂に換算するとき44/12 を掛けること,この二つを両方通して初めて15.0×10³ t にたどり着く。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 電力 問15(b)
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  197. 問197.図1 のようなT 形回路(1 相分)があり,抵抗 r=20 Ω,リアクタンス x=80 Ω,アドミタンス Y=0.000 7 S である。V_r1=150 kV,I_r=400 A,負荷の力率(遅れ)cosθ_r=√3/2 のとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 V_c[kV]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。問197の図

    • 1.134.2
    • 2.152.3
    • 3.161.9
    • 4.172.0
    • 5.180.4

    正解:3.161.9

    解説:図1 は1 相分の等価回路なので,V_r1=150 kV も求める V_c も1 相分の電圧として扱う。受電端電圧を基準にとると V̇_r1=150 000∠0° V,負荷力率は cosθ_r=√3/2 すなわち位相30°の遅れだから İ_r=400∠−30°=346.41−j200 A である。中央のアドミタンスまでの直列インピーダンスは Ż/2=(20+j80)/2=10+j40 Ω。よって V̇_c=V̇_r1+İ_rׯ/2 で,İ_rׯ/2=(346.41−j200)(10+j40)=(3 464.1+8 000)+j(13 856.4−2 000)=11 464+j11 856 V。したがって V̇_c=161 464+j11 856 V となり,大きさは √(161 464²+11 856²)≒161 900 V=161.9 kV。答(3)。この問題で最も間違えやすいのは,150 kV を線間電圧と読んで √3 で割ったり掛けたりすることで,そうすると171 kV や93 kV といった値になり,(4)などを選ぶことになる。「(1 相分)」と明記された等価回路では,図中の電圧はすべてその1 相の電圧である。また İ_r を実数のまま扱い,大きさどうしを足して V_c=150 000+400×|Ż/2|=150 000+400×41.23≒166 kV としてしまうと,どの選択肢とも合わない。力率が遅れているぶん電圧降下の向きが V̇_r1 と揃わないので,必ず複素数で加える。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 電力 問16(a)
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  198. 問198.図1 のようなT 形回路(1 相分)があり,抵抗 r=20 Ω,リアクタンス x=80 Ω,アドミタンス Y=0.000 7 S である。V_r1=150 kV,I_r=400 A,負荷の力率(遅れ)cosθ_r=√3/2 のとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(b)〕 V_s1[kV]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。問198の図

    • 1.145.9
    • 2.155.4
    • 3.160.6
    • 4.170.1
    • 5.180.7

    正解:4.170.1

    解説:小問(a)で求めた V̇_c=161 464+j11 856 V を使う。中央の枝に流れる電流は İ_c=Ẏ V̇_c=j0.000 7×(161 464+j11 856)=−8.3+j113.0 A(アドミタンスは容量性なので進み電流になる)。送電端電流はこれと負荷電流の和で İ_s=İ_r+İ_c=(346.41−j200)+(−8.3+j113.0)=338.1−j87.0 A。送電端電圧は V̇_s1=V̇_c+İ_sׯ/2 で,İ_sׯ/2=(338.1−j87.0)(10+j40)=(3 381+3 479)+j(13 524−870)=6 860+j12 655 V。よって V̇_s1=168 324+j24 511 V,大きさは √(168 324²+24 511²)≒170 100 V=170.1 kV。答(4)。要点は,中央のアドミタンスを通る電流の分だけ送電端側の電流が受電端側と異なることである。これを無視して İ_s=İ_r のまま計算すると V_s1≒174.5 kV となり,正解から4 kV以上ずれる。İ_c は V̇_c より90°進んだ電流で,30°遅れている負荷電流 İ_r とは向きが大きく異なるため,大きさの単純な足し算ではなく複素数で合成しなければならない。合成後の İ_s は大きさ349 A で İ_r の400 A より小さくなっており,容量分が遅れ電流を打ち消していることが読み取れる。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 電力 問16(b)
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  199. 問199.送電線のフェランチ現象に関する問である。三相3 線式1 回線送電線の一相が図のπ形等価回路で表され,送電線路のインピーダンス jX=j200 Ω,アドミタンス jB=j0.800 mS とし,送電端の線間電圧が66.0 kV であり,受電端が無負荷のとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 受電端の線間電圧の値[kV]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。問199の図

    • 1.66.0
    • 2.71.7
    • 3.78.6
    • 4.114
    • 5.132

    正解:2.71.7

    解説:受電端が無負荷なので,直列リアクタンス jX を流れる電流は受電端側の並列アドミタンス jB/2 を充電する電流だけであり,İ=j(B/2)V̇_r となる。1 相分で立式すると V̇_r=V̇_s−jX·İ=V̇_s−jX·j(B/2)V̇_r=V̇_s+(XB/2)V̇_r。ここで XB/2=200×0.800×10⁻³/2=0.08 だから V̇_r(1−0.08)=V̇_s,すなわち V_r=V_s/0.92 となる。送電端の相電圧は 66.0/√3≒38.105 kV なので受電端の相電圧は 38.105/0.92≒41.418 kV,線間電圧に直すと 41.418×√3≒71.7 kV。答(2)。線間どうしの比も同じ1/0.92 倍なので,66.0/0.92≒71.7 kV と線間電圧のまま計算しても同じ結果になる。受電端電圧が送電端より高くなるこの現象がフェランチ現象で,長距離送電線や地中ケーブル系統の軽負荷時に生じ,対策として分路リアクトルを投入する。符号を誤って V_r=V_s/(1+0.08) とすると61.1 kV と送電端より低くなり,フェランチ現象の定義そのものと矛盾するので,計算結果が送電端電圧を上回っているかで検算できる。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 電力 問17(a)
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  200. 問200.送電線のフェランチ現象に関する問である。三相3 線式1 回線送電線の一相が図のπ形等価回路で表され,送電線路のインピーダンス jX=j200 Ω,アドミタンス jB=j0.800 mS とし,送電端の線間電圧が66.0 kV であり,受電端が無負荷のとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(b)〕 1 線当たりの送電端電流の値[A]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。問200の図

    • 1.15.2
    • 2.16.6
    • 3.28.7
    • 4.31.8
    • 5.55.1

    正解:4.31.8

    解説:π形回路の送電端電流は,直列枝を流れる電流と送電端側の並列アドミタンス jB/2 を流れる電流の和である。直列枝の電流は受電端側のアドミタンスを充電する電流に等しく,小問(a)で求めた受電端の相電圧41.418 kV を使って 41 418×0.400×10⁻³≒16.57 A。送電端側の並列枝には送電端の相電圧38.105 kV が掛かるので 38 105×0.400×10⁻³≒15.24 A。両者はどちらも電圧より90°進んだ電流で向きが同じなので単純に足せて,İ_s≒16.57+15.24=31.8 A。答(4)。B/2=0.400 mS を B のまま0.800 mS として使うと2 倍の値になり,また送電端側の並列枝を忘れると16.6 A となって(2)を選ぶことになる。受電端側の枝の電流のほうが大きいのは,フェランチ現象で受電端電圧のほうが高いためで,(a)の結果と整合している。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和6年度下期 電力 問17(b)
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  201. 問201.水力発電所の理論水力 P は位置エネルギーの式から P=ρgQH と表される。ここで H[m]は有効落差,Q[m³/s]は流量,g は重力加速度=9.8 m/s²,ρは水の密度=1 000 kg/m³ である。以下に理論水力 P の単位を検証することとする。なお,Pa は「パスカル」,N は「ニュートン」,W は「ワット」,J は「ジュール」である。 P=ρgQH の単位はρ,g,Q,H の単位の積であるから,kg/m³·m/s²·m³/s·m となる。これを変形すると,(ア)·m/s となるが,(ア) は力の単位 (イ) と等しい。すなわち P=ρgQH の単位は (イ)·m/s となる。ここで (イ)·m は仕事(エネルギー)の単位である (ウ) と等しいことから P=ρgQH の単位は (ウ)/s と表せ,これは仕事率(動力)の単位である (エ) と等しい。ゆえに,理論水力 P=ρgQH の単位は (エ) となるが,重力加速度 g=9.8 m/s² と水の密度ρ=1 000 kg/m³ の数値 9.8 と 1 000 を考慮すると P=9.8 QH[ (オ) ]と表せる。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.(ア)kg·m (イ)Pa (ウ)W (エ)J (オ)kJ
    • 2.(ア)kg·m/s² (イ)N (ウ)J (エ)W (オ)kW
    • 3.(ア)kg·m/s² (イ)Pa (ウ)J (エ)W (オ)kW
    • 4.(ア)kg·m (イ)N (ウ)J (エ)W (オ)kW
    • 5.(ア)kg·m/s² (イ)N (ウ)W (エ)J (オ)kJ

    正解:2.(ア)kg·m/s² (イ)N (ウ)J (エ)W (オ)kW

    解説:単位を素直に約せば決まる。ρgQH の単位は kg/m³·m/s²·m³/s·m=kg·m²/s³ であり、これを問題文の形「(ア)·m/s」に合わせて m/s で割ると (ア)=kg·m/s² になる。(ア)を kg·m とする(1)(4)は s² が消え次元が合わない。運動方程式 F=ma より力の単位は N=kg·m/s² だから (イ)=N であり、Pa は N/m²=圧力の単位なので(3)は不可。力×距離の N·m=J が仕事、J/s=W が仕事率だから (ウ)=J、(エ)=W となり、この二つが逆の(1)(5)も消える。最後にρ=1 000、g=9.8 を代入すると P=9 800QH[W]=9.8QH[kW] で (オ)=kW。よって(2)である。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 電力 問1
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  202. 問202.汽力発電設備において,タービン出力が 175 MW,蒸気タービンの効率が 92 %で,タービン入口における蒸気のエンタルピーが 32 500 kJ/kg,復水器入口における蒸気のエンタルピーが 30 800 kJ/kg であるとき,このタービンの使用蒸気量の値[t/h]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.86
    • 2.112
    • 3.248
    • 4.341
    • 5.403

    正解:5.403

    解説:タービン出力は「熱落差×蒸気量×タービン効率」で決まる。蒸気量を Z[kg/s]とすると P=Z(i₁-i₂)η_T だから Z=P/{(i₁-i₂)η_T}。熱落差は i₁-i₂=32 500-30 800=1 700 kJ/kg、出力は 175 MW=175 000 kW、η_T=0.92 だから Z=175 000/(1 700×0.92)=175 000/1 564≒111.9 kg/s。問われている[t/h]へは 3 600 を掛け 1 000 で割ればよく、111.9×3.6≒403 t/h。よって(5)。(2)の112は kg/s のまま換算し忘れた値、(4)の341は効率で除さず乗じた 175 000×0.92÷1 700×3.6≒341 に一致する。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 電力 問2
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  203. 問203.汽力発電設備において,水,蒸気,燃焼ガスが,ボイラ及びタービンを構成する主要設備を通過する一般的な順序の記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.水:給水ポンプ → 節炭器 → 蒸気ドラム
    • 2.蒸気:蒸気ドラム → 過熱器 → 高圧タービン
    • 3.蒸気:再熱器 → 低圧タービン → 復水器
    • 4.燃焼ガス:火炉 → 過熱器 → 節炭器
    • 5.燃焼ガス:節炭器 → 電気集じん装置 → 空気予熱器

    正解:5.燃焼ガス:節炭器 → 電気集じん装置 → 空気予熱器

    解説:燃焼ガスは温度の高い伝熱面から順に熱を渡し、最後に空気予熱器で残る熱を燃焼用空気へ回収してから、除じん・脱硫を経て煙突へ抜ける。すなわち火炉→過熱器・再熱器→節炭器→空気予熱器→電気集じん装置→煙突が一般的な順序で、(5)は空気予熱器と電気集じん装置が入れ替わっているため誤り。予熱器を集じんより手前に置くのは、熱回収で効率を上げると同時にガス温度を集じん装置が耐えられる程度まで下げる意味がある。他は正しく、(1)給水は給水ポンプで昇圧後に節炭器で予熱してドラムへ、(2)ドラムの飽和蒸気は過熱器を経て高圧タービンへ、(3)高圧タービン排気は再熱器で再加熱して低圧タービン→復水器へ向かう。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 電力 問3
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  204. 問204.次の文章は,原子力発電における原子燃料サイクルに関する記述である。 天然ウランには主に質量数235と238の同位体があるが,原子力発電所の燃料として有用な核分裂性物質のウラン235の割合は,全体の0.7%程度にすぎない。そこで,採鉱されたウラン鉱石は製錬,転換されたのち,遠心分離法などによって,ウラン235の濃度が軽水炉での利用に適した値になるように濃縮される。その濃度は (ア) %程度である。さらに,その後,再転換,加工され,原子力発電所の燃料となる。 原子力発電所から取り出された使用済燃料からは, (イ) によってウラン,プルトニウムが分離抽出され,これらは再び燃料として使用することができる。プルトニウムはウラン238から派生する核分裂性物質であり,ウランとプルトニウムとを混合した (ウ) を軽水炉の燃料として用いることをプルサーマルという。 また,軽水炉の転換比は0.6程度であるが,高速中性子によるウラン238のプルトニウムへの変換を利用した (エ) では,消費される核分裂性物質よりも多くの量の新たな核分裂性物質を得ることができる。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.(ア)3~5 (イ)再処理 (ウ)MOX燃料 (エ)高速増殖炉
    • 2.(ア)3~5 (イ)再処理 (ウ)イエローケーキ (エ)高速増殖炉
    • 3.(ア)3~5 (イ)再加工 (ウ)イエローケーキ (エ)新型転換炉
    • 4.(ア)10~20 (イ)再処理 (ウ)イエローケーキ (エ)高速増殖炉
    • 5.(ア)10~20 (イ)再加工 (ウ)MOX燃料 (エ)新型転換炉

    正解:1.(ア)3~5 (イ)再処理 (ウ)MOX燃料 (エ)高速増殖炉

    解説:空欄ごとに決め手がある。(ア)天然ウラン中のウラン235は0.7%で、軽水炉ではこれを3~5%程度まで高めて使う。10~20%は研究炉や高速炉が扱う高濃縮側で軽水炉用ではないから(4)(5)は消える。(イ)使用済燃料を溶解してウランとプルトニウムを分離抽出する工程の名称は「再処理」であり、「再加工」という工程は存在しないので(3)(5)も落ちる。(ウ)ウランとプルトニウムの混合酸化物燃料がMOX燃料。イエローケーキは製錬段階で得る粗製ウラン酸化物(U₃O₈)でプルトニウムを含まず混合燃料ではないから(2)は不可。(エ)高速中性子でウラン238をプルトニウムへ変え増殖比1超を狙うのが高速増殖炉で、新型転換炉は転換比1未満。残る(1)が正解である。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 電力 問4
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  205. 問205.次の文章は,バイオマス発電に関する記述である。 バイオマス発電は,植物等の (ア) 物から得られる燃料を利用した発電と定義することができ,燃料の代表的なものには,木くずから得られる (イ) やさとうきびから得られるエタノールがある。植物から燃料を得る場合,その植物に吸収される (ウ) 量と発電時の (ウ) 発生量を同じとすることができれば,環境に負担をかけないエネルギー源となる。バイオマス発電の設備は,一般的に (エ) である。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.(ア)無機 (イ)固形化燃料 (ウ)二酸化炭素 (エ)小規模分散型
    • 2.(ア)無機 (イ)メタン (ウ)窒素化合物 (エ)小規模分散型
    • 3.(ア)有機 (イ)メタン (ウ)窒素化合物 (エ)大規模集中型
    • 4.(ア)有機 (イ)メタン (ウ)二酸化炭素 (エ)大規模集中型
    • 5.(ア)有機 (イ)固形化燃料 (ウ)二酸化炭素 (エ)小規模分散型

    正解:5.(ア)有機 (イ)固形化燃料 (ウ)二酸化炭素 (エ)小規模分散型

    解説:正解は(5)。空欄ごとに消去法が効く。(ア)バイオマスは動植物に由来する生物資源を指すので『有機』物であり、無機物とする(1)(2)はここで脱落する。(イ)木くずから得られる代表的燃料は木質ペレットやチップなどの固形化燃料である。メタンは家畜ふん尿や生ごみのメタン発酵で生じるバイオガスの主成分であって木くずの代表例ではないから、(3)(4)も誤りとなる。(ウ)植物が成長中の光合成で吸収した二酸化炭素と燃焼時に放出する二酸化炭素が同量なら大気中の量は増えない、というカーボンニュートラルの考え方を述べた箇所であり、窒素化合物では吸収と発生の対応が成り立たない。(エ)燃料の収集半径や輸送コストの制約から大規模集中化しにくく、一般に小規模分散型の設備となる。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 電力 問5
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  206. 問206.ガス絶縁開閉装置に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.絶縁性能の高いガスを用いることで装置を小形化でき,気中絶縁の装置を用いた変電所と比較して,変電所の体積と面積を大幅に縮小できる。
    • 2.我が国では,ガス絶縁開閉装置の保守や廃棄の際,絶縁ガスの大部分は回収されている。
    • 3.ガス絶縁開閉装置の絶縁ガスは,大気圧以下のSF₆ガスである。
    • 4.ガス絶縁開閉装置の金属容器内部に,金属異物が混入すると,絶縁性能が低下することがあるため,製造時や据え付け時には,金属異物が混入しないよう,細心の注意が払われる。
    • 5.ガス絶縁開閉装置の充電部を支持するスペーサにはエポキシ等の樹脂が用いられる。

    正解:3.ガス絶縁開閉装置の絶縁ガスは,大気圧以下のSF₆ガスである。

    解説:誤りは(3)。絶縁媒体がSF₆ガスである点は正しいが、封入圧力は大気圧以下ではなく、正しくは大気圧より高い0.3~0.5 MPa程度に加圧されている。SF₆の絶縁耐力は圧力にほぼ比例して高まるため、加圧して初めて小形化に必要な絶縁性能が得られるからである。他は正しい。(1)絶縁距離を大幅に詰められるので、気中絶縁の変電所に比べ体積・面積を大きく縮小でき、これがガス絶縁開閉装置採用の主目的である。(2)SF₆は温室効果が二酸化炭素の約2万3千倍と大きく、我が国では保守・廃棄時に回収・再利用する運用が定着している。(4)容器内に金属異物が入ると電界が集中して部分放電を生じ絶縁性能が低下する。(5)充電部を支持する絶縁スペーサにはエポキシ樹脂が用いられる。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 電力 問6
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  207. 問207.分散型電源の配電系統連系に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.大規模太陽光発電等の分散型電源が連系した場合,配電用変電所に設置されている変圧器に逆向きの潮流が増加し,配電線の電圧が上昇する場合がある。
    • 2.太陽光発電や燃料電池発電等の電源は,電力変換装置を用いて電力系統に連系されるため,高調波電流の流出を抑制するフィルタ等の設置が必要になることがある。
    • 3.分散型電源からの逆潮流による系統電圧の上昇を抑制するために,受電点の力率は系統側から見て進み力率とする。
    • 4.比較的大容量の分散型電源を連系する場合は,専用線による連系や負荷分割等配電系統側の増強が必要になることがある。
    • 5.分散型電源からの逆潮流等により他の低圧需要家の電圧が適正値を維持できない場合は,ステップ式自動電圧調整器(SVR)を設置する等の対策が必要になることがある。

    正解:3.分散型電源からの逆潮流による系統電圧の上昇を抑制するために,受電点の力率は系統側から見て進み力率とする。

    解説:誤りは(3)。逆潮流時は配電線を系統側へ向かって有効電力が流れ、線路抵抗による電圧降下の向きが反転して受電点の電圧が上昇する。これを抑えるには分散型電源側で無効電力を吸収する必要があり、正しくは受電点の力率を系統側から見て遅れ力率(系統連系規程では原則85%以上)とする。進み力率にすると無効電力が系統へ流出して電圧上昇をかえって助長するので、記述は向きが逆である。他は正しい。(1)大量連系では配電用変電所の変圧器を逆向きに潮流が流れ配電線電圧が上がり得る。(2)太陽光や燃料電池はインバータ連系のため高調波電流を生じフィルタ等を要する。(4)大容量連系では専用線連系や負荷分割等の系統増強が要る。(5)電圧の逸脱にはSVR設置等で対処する。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 電力 問7
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  208. 問208.架空送電線路の構成部品に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.鋼心アルミより線は,アルミ線を使用することで質量を小さくし,これによる強度の不足を,鋼心を用いることで補ったものである。
    • 2.がいしは,電線と鉄塔などの支持物との間を絶縁するために使用する。雷撃などの異常電圧による絶縁破壊は,がいし内部で起こるように設計されている。
    • 3.架空送電線におけるねん架とは,送電線各相の作用インダクタンスと作用静電容量を平衡させるために行われるもので,ジャンパ線を用いて電線の配置を入れ替えることができる。
    • 4.電線の微風振動やギャロッピングを抑制するために,電線にダンパを取り付け,振動エネルギーを吸収する方法がとられる。
    • 5.送電線やがいしを雷撃などの異常電圧から保護するための設備に架空地線がある。架空地線には,光ファイバを内蔵し電力用通信線として使用されるものもある。

    正解:2.がいしは,電線と鉄塔などの支持物との間を絶縁するために使用する。雷撃などの異常電圧による絶縁破壊は,がいし内部で起こるように設計されている。

    解説:誤りは(2)。がいしが電線と支持物を絶縁するという前段は正しいが、絶縁破壊の設計思想が逆である。磁器の内部で貫通破壊を起こすとがいしは再使用できない永久故障となり停電が長引くため、正しくは内部の絶縁耐力を沿面フラッシオーバ電圧より高くしておき、異常電圧時には表面の空気中で先に閃絡が起こるよう設計する。他は正しい。(1)鋼心アルミより線は軽量なアルミを導体に使い、不足する引張強度を中心の鋼より線で補う。(3)ねん架は各相の作用インダクタンスと作用静電容量を平衡させる目的で行い、ねん架鉄塔のジャンパ線により電線の配置を入れ替える。(4)ダンパは微風振動やギャロッピングの振動エネルギーを吸収する。(5)光ファイバ複合架空地線は通信線を兼ねる。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 電力 問8
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  209. 問209.次の文章は,架空送電線路に関する記述である。 架空送電線路が通信線路に接近していると,通信線路に電圧が誘導されて設備やその取扱者に危害を及ぼす等の障害が生じるおそれがある。この障害を誘導障害といい,次の2種類がある。 ① 架空送電線路の電圧により通信線路に誘導電圧を発生させる (ア) 障害。 ② 架空送電線路の電流が,架空送電線路と通信線路間の (イ) を介して通信線路に誘導電圧を発生させる (ウ) 障害。 三相架空送電線路が十分にねん架されていれば,平常時は,電圧や電流によって通信線路に現れる誘導電圧は (エ) となるので0 Vとなる。三相架空送電線路に (オ) 事故が生じると,電圧や電流は不平衡になり,通信線路に誘導電圧が現れ,誘導障害が生じる。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.(ア)磁気誘導 (イ)誘導リアクタンス (ウ)ファラデー (エ)大きさの差 (オ)三相短絡
    • 2.(ア)静電誘導 (イ)自己インダクタンス (ウ)電磁誘導 (エ)大きさの和 (オ)1線地絡
    • 3.(ア)静電誘導 (イ)相互インダクタンス (ウ)電磁誘導 (エ)ベクトルの和 (オ)1線地絡
    • 4.(ア)磁気誘導 (イ)相互インダクタンス (ウ)電荷誘導 (エ)ベクトルの和 (オ)三相短絡
    • 5.(ア)磁気誘導 (イ)誘導リアクタンス (ウ)ファラデー (エ)ベクトルの差 (オ)2線地絡

    正解:3.(ア)静電誘導 (イ)相互インダクタンス (ウ)電磁誘導 (エ)ベクトルの和 (オ)1線地絡

    解説:(エ)を軸に消去するのが速い。ねん架された平衡三相では各相の電圧・電流の大きさは等しいので、零になるのは位相を含めたベクトルの和である。大きさの差とする(1)、大きさの和とする(2)、ベクトルの差とする(5)はいずれも零にならないので落ち、残る(3)と(4)は(ア)で決まる。①は電圧が原因、すなわち送電線と通信線の間の静電容量を通じた分圧で誘導電圧が生じるので静電誘導であり、磁界によるとする磁気誘導は誤りで(3)が正しい。(イ)は電流が両線路間の相互インダクタンスを介して起電力を生む意味であり、自己インダクタンスでは通信線側に電圧は現れない。(ウ)はその電磁誘導、(オ)は零相分が生じて不平衡になる1線地絡で、三相短絡は平衡故障のため零相分が出ない。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 電力 問9
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  210. 問210.地中送電線路に使用される各種電力ケーブルに関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.OFケーブルは,絶縁体として絶縁紙と絶縁油を組み合わせた油浸紙絶縁ケーブルである。OFケーブルには油通路が設けられており,絶縁油の加圧によりボイドの発生を抑制して絶縁強度を確保するための給油設備が必要である。
    • 2.CVケーブルは,絶縁体として架橋ポリエチレンを使用したケーブルである。架橋ポリエチレンは,ポリエチレンの分子構造を架橋反応により立体網目状分子構造とすることで,熱可塑性を大幅に向上させた絶縁材料である。
    • 3.CVケーブルは,OFケーブルと比較して給油設備が不要であり,保守性に優れている。一方で,水トリーの発生による絶縁劣化があるため,CVケーブルには金属シースや遮水層を設ける場合がある。
    • 4.CVTケーブルは,単心CVケーブル3条をより合わせたトリプレックス形CVケーブルであり,3心共通シース形CVケーブルと比較してケーブルの熱抵抗が小さいため電流容量を大きくできるとともに,ケーブルの接続作業性がよい。
    • 5.OFケーブルは,油圧の常時監視によって金属シースや鋼管の欠陥,外傷などに起因する漏油を検知することで,油圧の異常低下による絶縁破壊事故の未然防止を図ることができる。

    正解:2.CVケーブルは,絶縁体として架橋ポリエチレンを使用したケーブルである。架橋ポリエチレンは,ポリエチレンの分子構造を架橋反応により立体網目状分子構造とすることで,熱可塑性を大幅に向上させた絶縁材料である。

    解説:誤りは(2)。架橋反応で直鎖のポリエチレンを立体網目状につなぐと、加熱しても軟化・流動しなくなる。つまり熱可塑性は失われて熱硬化性に変わり、その結果として常時許容温度が90℃まで高められるのであって、「熱可塑性を大幅に向上させた」は効果が逆で誤りである。他は正しい。(1)OFケーブルは油浸紙絶縁で、油通路から絶縁油を加圧してボイド(空隙)の発生を抑えるため給油設備を要する。(3)CVは給油設備が不要な反面、水分侵入による水トリーで劣化するので金属シースや遮水層を設ける。(4)CVTは単心3条をより合わせた形で心線が分離し放熱しやすく、熱抵抗が小さいので電流容量を大きくできる。(5)油圧の常時監視は漏油検知の手段である。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 電力 問10
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  211. 問211.100/200 V 単相3線式配電方式に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.単相200 V 負荷の使用が可能である。
    • 2.配電容量が等しい場合,100 V 単相2線式配電方式より電線の銅量が少なくてすむ。
    • 3.バランサは,電源の近くに設ける方が効果が大きい。
    • 4.負荷の分布によっては,負荷電圧が不平衡になることがある。
    • 5.中性線が断線すると,異常電圧を発生することがある。

    正解:3.バランサは,電源の近くに設ける方が効果が大きい。

    解説:誤りは(3)。バランサは巻数比1:1の単巻変圧器を両電圧線間に接続し、不平衡分を上下の回路で分担させて負荷電圧の不平衡と中性線電流を抑えるものである。正しくは不平衡の生じている負荷端、すなわち電源から遠い末端に設けるほど効果が大きい。電源の近くに置いても、そこから負荷までの線路には不平衡電流が流れたままで、電圧降下の差を是正できない。他は正しい。(1)外線間に200 Vが得られる。(2)同一電力・同一損失なら単3の外線電流は単2の半分ですみ、銅量は単2の約37.5%となる。(4)上下の負荷が偏れば両電圧は不平衡になる。(5)中性線が断線すると両側の負荷が直列になり、インピーダンスの大きい側に異常な高電圧が現れる。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 電力 問11
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  212. 問212.ある架空電線路の支持点間は200 m,たるみは3.0 m である。この架空電線路の電線と単位長さあたりの重量が同じ電線を用い,この架空電線路と同じ水平方向の引張強さで支持点間240 m を架線する。このときの電線の実長L[m]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし,いずれの架空電線路においても二つの支持点の高さは同一とする。

    • 1.240.04
    • 2.240.05
    • 3.240.14
    • 4.240.21
    • 5.240.25

    正解:4.240.21

    解説:支持点が等高のときのたるみは D=wS²/(8T) で表され、単位長さあたりの重量 w と水平張力 T が等しい本問では、たるみ D は径間 S の2乗に比例する。よって径間240 m のたるみは D=3.0×(240/200)²=4.32 m となる。実長は L=S+8D²/(3S) で求められるので、L=240+8×4.32²/(3×240)=240+149.2992/720=240.207 m となり、最も近い240.21 が正解である。たるみを径間に比例させ D=3.0×1.2=3.6 m としてしまうと L=240+8×3.6²/720=240.144 m となって240.14 に落ちる。たるみが S ではなく S² に比例することが本問の要点である。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 電力 問12
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  213. 問213.三相3線式配電線により遅れ力率70 %,W₁[kW]の負荷に電力を供給している。負荷が遅れ力率91 %,W₂[kW]に変化したが線路損失は変わらなかった。W₂はW₁の何倍か。最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし,負荷の端子電圧は変わらないものとする。

    • 1.0.77
    • 2.1.3
    • 3.2.3
    • 4.1.1
    • 5.1.7

    正解:2.1.3

    解説:三相3線式の線路損失は P=3I²r で表される。線路抵抗 r は変わらないから、損失が変化しないということは線電流 I が変化しないということである。一方、負荷の電力は W=√3VIcosθ で表され、端子電圧 V も線電流 I も不変であるから、送れる電力は力率 cosθ にのみ比例する。よって W₂/W₁=cosθ₂/cosθ₁=0.91/0.70=1.30 となり、約1.3倍が正解である。力率の比を逆にとって 0.70/0.91=0.77 とする誤りが多いが、電流が同じであれば力率が改善したほうが大きな電力を送れるのだから、答えは必ず1より大きい側になると押さえておきたい。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 電力 問13
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  214. 問214.六ふっ化硫黄(SF₆)ガスに関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.アーク放電の消弧能力は,空気よりも優れている。
    • 2.比重は空気よりも大きく,化学的に安定した不燃性のガスであるが,特有の臭いがある。
    • 3.オゾン層への影響は無視できるが,地球温暖化への影響が大きいガスである。
    • 4.ガス遮断器やガス絶縁変圧器の絶縁媒体として利用される。
    • 5.絶縁破壊電圧は,同じ圧力の空気と比較すると高い。

    正解:2.比重は空気よりも大きく,化学的に安定した不燃性のガスであるが,特有の臭いがある。

    解説:六ふっ化硫黄は無色・無臭・無毒のガスである。(2)は比重が空気の約5倍で化学的に安定な不燃性という前半は正しいが、「特有の臭いがある」が誤りで、正しくは臭いがない。漏えいしても臭気では気付けず、空気より重いため低所やピットに滞留する点が保安上の注意点である。他の記述は正しい。(1)電子を捕獲して負イオンをつくる性質によりアークの消弧能力は空気の約100倍あり、(5)絶縁破壊電圧も同じ圧力の空気の2~3倍である。この性質から(4)ガス遮断器やガス絶縁変圧器の絶縁媒体に使われる。(3)塩素を含まないためオゾン層は破壊しないが、GWP が約23900 と大きく排出抑制の対象である。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 電力 問14
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  215. 問215.図の流況曲線を持つ河川の全流量を使用できる調整池式水力発電所において,発電所の使用流量[m³/s]と調整池の有効貯水容量[m³]について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 1 日単位の調整運転を行う場合,上記流況曲線の渇水量8 m³/s において,1 日に6 時間の運転を可能とする最大の使用流量[m³/s]と,当該時間外に調整池に流入する貯水量[m³]の組合せとして,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 ここで,当該6 時間の最大使用流量での運転以外の時間は,水車・発電機を停止して調整池に河川の全流量を貯水するものとする。問215の図

    • 1.最大使用流量[m³/s]:22.8,貯水量[m³]:410 400
    • 2.最大使用流量[m³/s]:28.8,貯水量[m³]:518 400
    • 3.最大使用流量[m³/s]:34.8,貯水量[m³]:518 400
    • 4.最大使用流量[m³/s]:28.8,貯水量[m³]:410 400
    • 5.最大使用流量[m³/s]:32.0,貯水量[m³]:518 400

    正解:5.最大使用流量[m³/s]:32.0,貯水量[m³]:518 400

    解説:渇水量8 m³/sは1日中流入し続けるので、1日の総流入量は8×86 400=691 200 m³になる。運転しない18時間分がそのまま池にたまり、これが問われている貯水量で、8×18×3600=8×64 800=518 400 m³である。注意すべきは運転中の6時間も8 m³/sの流入が続く点で、使える水量は518 400+8×21 600=691 200 m³、つまり1日分の全流入量に等しい。これを6時間=21 600 sで使い切るときが最大の使用流量だから、691 200÷21 600=32.0 m³/sである。貯留分だけを6時間で割ると518 400÷21 600=24.0 m³/sとなり選択肢に無い。よって組合せは(32.0, 518 400)の(5)となる。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 電力 問15(a)
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  216. 問216.※ この問題は本試験ではB問題の小問(b)として出題されたものです。解答に必要な条件が小問(a)にあるため,小問(a)を併せて示します(答えるのは小問(b)です)。 図の流況曲線を持つ河川の全流量を使用できる調整池式水力発電所において,発電所の使用流量[m³/s]と調整池の有効貯水容量[m³]について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 1 日単位の調整運転を行う場合,上記流況曲線の渇水量8 m³/s において,1 日に6 時間の運転を可能とする最大の使用流量[m³/s]と,当該時間外に調整池に流入する貯水量[m³]を求めた。 ここで,当該6 時間の最大使用流量での運転以外の時間は,水車・発電機を停止して調整池に河川の全流量を貯水するものとする。 〔小問(b)〕 上記流況曲線で200 日以上発生する流量において,小問(a)の最大使用流量で1 日8 時間の運転を可能とするための有効貯水容量[m³]として,最も小さいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。問216の図

    • 1.420 000
    • 2.500 000
    • 3.440 000
    • 4.460 000
    • 5.520 000

    正解:5.520 000

    解説:流況曲線は1年の流量を大きい順に並べた曲線で、横軸200日の位置で読む流量が、年間200日以上発生する流量である。図では200日の破線が流量14 m³/sの破線と曲線上で交わるから、対象の流量は14 m³/sとなる。(a)で求めた最大使用流量32.0 m³/sで1日8時間運転すると流入だけでは足りず、不足分を池から取り崩す。取崩し量は(32.0−14)×8×3600=18×28 800=518 400 m³。残る16時間の流入は14×16×3600=806 400 m³あり518 400 m³を上回るので、翌日までに貯め直せる。必要な有効貯水容量は518 400 m³以上で、これを満たす最小の選択肢は520 000 m³。500 000では足りず(5)が正答である。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 電力 問15(b)
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  217. 問217.変電所に設置された一次電圧66 kV,二次電圧22 kV,容量50 MV·A の三相変圧器に,22 kV の無負荷の線路が接続されている。その線路が,変電所から負荷側500 m の地点で三相短絡を生じた。 三相変圧器の結線は,一次側と二次側がY-Y 結線となっている。 ただし,一次側からみた変圧器の1 相当たりの抵抗は0.05 Ω,リアクタンスは7 Ω,故障が発生した線路の1 線当たりのインピーダンスは(0.20+j0.45) Ω/km とし,変圧器一次電圧側の線路インピーダンス及びその他の値は無視するものとする。次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 短絡電流の値[kA]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.21.8
    • 2.10.5
    • 3.12.6
    • 4.6.5
    • 5.17.3

    正解:3.12.6

    解説:変圧器のインピーダンスは一次側からみた値なので、二次側で計算するには巻数比a=66/22=3の2乗、すなわち9で割って換算する。R=0.05/9=0.00556 Ω、X=7/9=0.778 Ωとなる。この÷9を忘れると答えは合わない。線路は500 m=0.5 kmだから(0.20+j0.45)×0.5=0.10+j0.225 Ω。合計はZ=0.106+j1.003 Ωで、|Z|=√(0.106²+1.003²)≒1.008 Ω。三相短絡電流は相電圧で計算し、E=22 000/√3=12 702 Vだから、Is=12 702/1.008≒12 600 A=12.6 kAとなり(3)が正答。線間電圧のまま22 000/1.008とすると21.8 kAとなり(1)に落ちる。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 電力 問16(a)
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  218. 問218.変電所に設置された一次電圧66 kV,二次電圧22 kV,容量50 MV·A の三相変圧器に,22 kV の無負荷の線路が接続されている。その線路が,変電所から負荷側500 m の地点で三相短絡を生じた。 三相変圧器の結線は,一次側と二次側がY-Y 結線となっている。 ただし,一次側からみた変圧器の1 相当たりの抵抗は0.05 Ω,リアクタンスは7 Ω,故障が発生した線路の1 線当たりのインピーダンスは(0.20+j0.45) Ω/km とし,変圧器一次電圧側の線路インピーダンス及びその他の値は無視するものとする。次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(b)〕 短絡前に,22 kV に保たれていた三相変圧器の母線の線間電圧は,三相短絡故障したとき,何kV に低下するか。電圧の値[kV]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.8.70
    • 2.2.72
    • 3.5.37
    • 4.1.34
    • 5.4.71

    正解:3.5.37

    解説:母線は変圧器の二次側にあり、故障点はそこから500 m先である。したがって短絡中の母線電圧は、短絡電流が線路インピーダンスに生じさせる電圧降下に等しい。線路は0.5 km分で0.10+j0.225 Ω、大きさは|Z_line|=√(0.10²+0.225²)≒0.2462 Ω。(a)で求めた短絡電流12.6 kA(12 597 A)を掛けると相電圧は12 597×0.2462≒3 102 V、線間電圧はその√3倍で3 102×√3≒5 372 V=5.37 kVとなり(3)が正答。全インピーダンス|Z|≒1.008 Ωとの分圧比で22×0.2462/1.008≒5.37 kVとしても同じ値になる。500 mを1 kmと取り違えると8.70 kVとなり(1)に落ちる。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 電力 問16(b)
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  219. 問219.定格容量750 kV·A の三相変圧器に遅れ力率0.9 の三相負荷500 kW が接続されている。 この三相変圧器に新たに遅れ力率0.8 の三相負荷200 kW を接続する場合,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 負荷を追加した後の無効電力の値[kvar]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.472
    • 2.525
    • 3.339
    • 4.392
    • 5.610

    正解:4.392

    解説:力率が異なる負荷は皮相電力どうしを足せないので、有効電力ごとに無効電力Q=P tanθを求めて加算する。遅れ力率0.9の500 kWでは、cosθ=0.9からsinθ=√(1−0.9²)=0.436、tanθ=0.436/0.9=0.4843となり、Q₁=500×0.4843=242 kvar。遅れ力率0.8の200 kWはtanθ=0.6/0.8=0.75でQ₂=200×0.75=150 kvar。どちらも遅れで向きが同じだから単純加算でき、Q=242+150=392 kvarで(4)が正答である。合成後の700 kWを一つの力率で扱うのは誤りで、0.9とみれば700×0.4843=339 kvarで(3)、0.8なら700×0.75=525 kvarで(2)になる。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 電力 問17(a)
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  220. 問220.定格容量750 kV·A の三相変圧器に遅れ力率0.9 の三相負荷500 kW が接続されている。 この三相変圧器に新たに遅れ力率0.8 の三相負荷200 kW を接続する場合,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(b)〕 この変圧器の過負荷運転を回避するために,変圧器の二次側に設置が必要な最小の電力用コンデンサ容量の値[kvar]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.70
    • 2.256
    • 3.203
    • 4.123
    • 5.50

    正解:4.123

    解説:コンデンサは無効電力だけを打ち消し有効電力は変えないので、P=700 kWのままである。皮相電力を定格750 kV·A以下に収める条件は√(700²+Q′²)≦750で、Q′≦√(750²−700²)=√72 500=269.3 kvarとなる。(a)で求めた現状の無効電力は392.2 kvarだから、必要な最小容量はQc=392.2−269.3=122.9≒123 kvarとなり(4)が正答。補償後の力率は700/750=0.933である。なお現状の皮相電力S=√(700²+392.2²)=802.4 kV·Aから定格を引き802.4−750=52.4 kvarとするのは誤りで、これは(5)の50を選ぶ形になる。無効分は有効分と直角に合成されるためである。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 電力 問17(b)
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  221. 問221.水力発電所に用いられるダムの種別と特徴に関する記述として,最も不適切なものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.重力ダムとは,コンクリートの重力によって水圧などの外力に耐えられるようにしたダムであって,体積は大きくなるが,構造が簡単で安定性が良い。我が国では,最も多く用いられている。
    • 2.アーチダムとは,水圧などの外力を両岸の岩盤で支えるようにアーチ型にしたダムであって,両岸の幅が広く,岩盤が丈夫なところに作られ,コンクリートの量を節減できる。
    • 3.ロックフィルダムとは,岩石を積み上げて作るダムであって,内側には,砂利,アスファルト,粘土などが用いられている。ダムは大きくなるが,資材の運搬が困難で建設地付近に岩石や砂利が多い場所に適している。
    • 4.アースダムとは,土壌を主材料としたダムであって,灌漑用の池などを作るのに適している。軟弱な地盤でも作れるという利点がある。ダムの高さは50 mを超えるものもある。
    • 5.取水ダムとは,水路式発電所の水路に水を導入するため河川に設けられるダムであって,ダムの高さは低く,越流形コンクリートダムなどが用いられている。

    正解:2.アーチダムとは,水圧などの外力を両岸の岩盤で支えるようにアーチ型にしたダムであって,両岸の幅が広く,岩盤が丈夫なところに作られ,コンクリートの量を節減できる。

    解説:アーチダムは、水圧をアーチの形で両岸の岩盤へ伝えて支える構造である。したがって適するのは河谷の幅が狭く、両岸の岩盤が堅固な場所で、「両岸の幅が広く」は逆である。幅が広いとアーチが成立せず、外力を岩盤に逃がせない。ほかの4つは正しい記述で、とくに(3)のロックフィルダムは現地で得られる岩石や砂利を主材料にできるため、資材の運搬が難しい山間部に向く。答(2)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 電力 問1
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  222. 問222.ある地域の面積が6 500 km²,平均海抜750 mで,この地域の年間降水量を1 100 mmとしたとき,この地域全体での理論的包蔵水力(電力量換算値[TW·h])として最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし,包蔵水力の計算において,その地域の水の流出係数を1とする。

    • 1.1.7
    • 2.6.0
    • 3.30
    • 4.150
    • 5.15

    正解:5.15

    解説:まず年間の水量を出す。面積 6 500 km²=6.5×10⁹ m² に降水量 1 100 mm=1.1 m を掛けて、流出係数が1なので V=7.15×10⁹ m³。この水が平均海抜750 mの高さにあるとみなして位置エネルギーを求めると、W=ρgVH=1 000×9.8×7.15×10⁹×750=5.26×10¹⁶ J。電力量に直すには 1 W·h=3 600 J で割って 5.26×10¹⁶/3 600=1.46×10¹³ W·h=14.6 TW·h。よって最も近いのは15。単位の換算(km²→m²、mm→m、J→W·h)を1つでも取り違えると桁がずれるので、順に確かめながら計算するとよい。答(5)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 電力 問2
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  223. 問223.次の文章は,火力発電所の復水器に関する記述である。 火力発電所の復水器は,蒸気タービンの排気を冷却水で冷やし,排気を (ア) させて水に戻し,復水を回収する装置である。内部の (イ) を保持することで,タービンの入口蒸気と出口蒸気の (ウ) を大きくし,蒸気タービンの (エ) を高めている。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 選択肢は「(ア) / (イ) / (ウ) / (エ)」の順に示す。

    • 1.凝縮 / 真空度 / 圧力差 / 効率
    • 2.凝縮 / 真空度 / 圧力差 / 回転速度
    • 3.膨張 / 温度 / 温度差 / 回転速度
    • 4.凝縮 / 温度 / 温度差 / 効率
    • 5.膨張 / 真空度 / 温度差 / 回転速度

    正解:1.凝縮 / 真空度 / 圧力差 / 効率

    解説:復水器はタービンの排気を冷却水で冷やして凝縮させ、水に戻して回収する装置である。蒸気が水になると体積が急激に小さくなるため、内部は高い真空になる。この真空度を保つとタービン出口の圧力が下がり、入口蒸気との圧力差(=熱落差)が大きくなるので、取り出せる仕事が増えて蒸気タービンの効率が高まる。回転速度は系統の周波数と極数で決まるものなので(エ)には当てはまらない。答(1)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 電力 問3
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  224. 問224.次の文章は,原子核に関する記述である。 原子核は,正の電荷をもつ (ア) と電荷をもたない中性子とが結合したものである。原子核の質量は, (ア) と中性子の個々の質量の合計より (イ) 。この差を (ウ) といい,結合時にはこれに相当する結合エネルギーが放出される。この質量の差をm[kg],真空中の光の速度をc[m/s]とすると,放出されるエネルギーE[J]は (エ) に等しい。 原子力発電は,ウラン等原子燃料の (オ) の前後における原子核の結合エネルギーの差を利用したものである。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 選択肢は「(ア) / (イ) / (ウ) / (エ) / (オ)」の順に示す。

    • 1.陽子 / 大きい / 質量増加 / mc² / 核融合
    • 2.陽子 / 小さい / 質量欠損 / mc² / 核分裂
    • 3.電子 / 大きい / 質量増加 / mc / 核融合
    • 4.陽子 / 小さい / 質量欠損 / mc / 核分裂
    • 5.電子 / 小さい / 質量欠損 / mc / 核分裂

    正解:2.陽子 / 小さい / 質量欠損 / mc² / 核分裂

    解説:原子核をつくるのは正の電荷をもつ陽子と、電荷をもたない中性子である(電子は原子核の外を回っている)。原子核の質量は、ばらばらの陽子と中性子の質量の合計より小さく、その差を質量欠損という。結合するときにこの差の分がエネルギーとして放出され、その大きさはアインシュタインの関係式 E=mc² で表される。原子力発電はウランなどの核分裂の前後で結合エネルギーが変わることを利用している。答(2)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 電力 問4
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  225. 問225.次の文章は,電池及びその関連技術に関する記述である。 電池には,充電することによって繰り返し利用できる (ア) がある。その代表的なものに (イ) が挙げられ,携帯電子機器,電気自動車,電力貯蔵設備などのさまざまな用途で活用されている。蓄電能力の高い (ア) やその他の蓄電機器を,電力貯蔵設備として風力発電や太陽光発電と併せて用いることで,出力の (ウ) ができる。 (エ) は大電力貯蔵用の機器として用いられている。 (エ) の (オ) は,鉛蓄電池に比べて3倍程度高い。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 選択肢は「(ア) / (イ) / (ウ) / (エ) / (オ)」の順に示す。

    • 1.二次電池 / リチウムイオン電池 / 平滑化 / 空気亜鉛電池 / 単位質量あたりのエネルギー密度
    • 2.一次電池 / リチウムイオン電池 / 短絡抑制 / 空気亜鉛電池 / 単位質量あたりのエネルギー密度
    • 3.二次電池 / 酸化銀電池 / 短絡抑制 / 空気亜鉛電池 / 起電力
    • 4.二次電池 / リチウムイオン電池 / 平滑化 / ナトリウム・硫黄電池 / 単位質量あたりのエネルギー密度
    • 5.一次電池 / 酸化銀電池 / 平滑化 / ナトリウム・硫黄電池 / 起電力

    正解:4.二次電池 / リチウムイオン電池 / 平滑化 / ナトリウム・硫黄電池 / 単位質量あたりのエネルギー密度

    解説:充電して繰り返し使えるのが二次電池(蓄電池)で、その代表がリチウムイオン電池である。風力や太陽光は天候で出力が変動するので、蓄電池と組み合わせると出力の平滑化ができる。大電力の貯蔵にはナトリウム・硫黄電池(NAS電池)が使われ、その単位質量あたりのエネルギー密度は鉛蓄電池のおよそ3倍である。一次電池は使い切りで充電できないので(ア)には当てはまらない。答(4)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 電力 問5
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  226. 問226.変圧器のV結線方式に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.同一の単相変圧器2台を使用して三相平衡負荷に供給している場合,変圧器の利用率は √3/3 となる。
    • 2.電灯動力共用方式の場合,共用変圧器には電灯と動力の電流が加わって流れるため,一般に動力専用変圧器の容量と比較して共用変圧器の容量の方が大きい。
    • 3.単相変圧器2台で三相が得られる。
    • 4.同一の単相変圧器3台をΔ結線とした場合と比較すると,供給することのできる電力は √3/3 倍となる。
    • 5.単相変圧器を用いたΔ結線方式と比較して,変圧器の電柱への設置が簡素化できる。

    正解:1.同一の単相変圧器2台を使用して三相平衡負荷に供給している場合,変圧器の利用率は √3/3 となる。

    解説:V結線の利用率は、出力 √3VI を変圧器2台の合計容量 2VI で割って √3/2≒0.866 である。したがって(1)の √3/3≒0.577 は誤り。ここで紛らわしいのが(4)で、Δ結線3台の出力 3VI に対するV結線の出力 √3VI の比は √3/3≒0.577 となり、こちらは正しい。同じ √3/3 という値が「Δとの出力比」としては正しく「利用率」としては誤り、という点がこの問題の分かれ目である。答(1)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 電力 問6
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  227. 問227.配電用変電所における6.6 kV配電線の一般的な保護に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.配電線の事故時には,配電線引出口遮断器は,事故遮断して一定時間の後に再閉路継電器により自動再閉路される。
    • 2.地絡事故の検出のため,配電線引出口には地絡過電圧継電器が設置される。
    • 3.主要変圧器の二次側を遮断させる過電流継電器の動作時限は,各配電線を遮断させる過電流継電器の動作時限より長く設定される。
    • 4.地絡事故の保護のため,各配電線に地絡方向継電器が設置される。
    • 5.短絡事故の保護のため,各配電線に過電流継電器が設置される。

    正解:2.地絡事故の検出のため,配電線引出口には地絡過電圧継電器が設置される。

    解説:地絡過電圧継電器(OVGR)は零相電圧を検出するもので、母線に接地形計器用変圧器(EVT)と組で置かれる。零相電圧は系統全体に現れるため、これだけでは事故がどの配電線で起きたか分からない。そこで各配電線の引出口には零相変流器と組になった地絡方向継電器(DGR)を置き、事故回線を選択して遮断する。これは(4)に正しく書かれている。したがって(2)の「配電線引出口には地絡過電圧継電器」が誤り。なお(3)は上位の保護ほど動作を遅らせる保護協調の考え方で正しい。答(2)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 電力 問7
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  228. 問228.架空送電線路で用いられる電線の太さを決定する際に考慮すべき項目として,特に関係のない事項はどれか。次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.機械的強度
    • 2.コロナ放電の抑制
    • 3.電圧降下
    • 4.線路損失
    • 5.雷・開閉サージの波高

    正解:5.雷・開閉サージの波高

    解説:電線を太くすると、断面積が増えて機械的強度が上がり、表面の電位の傾きが下がってコロナ放電が起きにくくなり、抵抗が下がって電圧降下と線路損失が小さくなる。いずれも電線の太さで決まる事柄である。一方、雷サージや開閉サージの波高値は、雷の大きさや遮断器の動作で決まるもので、電線を太くしても小さくならない。これは絶縁設計(がいし個数・避雷器の設置など)で扱う。答(5)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 電力 問8
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  229. 問229.非接地方式の電線路に1線地絡が発生した場合の現象として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.地絡電流は直接接地方式に比べて大きい。
    • 2.健全相の電位が上昇する。
    • 3.電線路のこう長が長いほど地絡電流は大きい。
    • 4.間欠アークが発生し,異常電圧を発生するおそれがある。
    • 5.通信線の誘導障害は,抵抗接地方式に比べて小さい。

    正解:1.地絡電流は直接接地方式に比べて大きい。

    解説:非接地方式では中性点が大地とつながっていないので、1線地絡が起きても電流の通り道は電線路の対地静電容量しかない。流れるのは小さな充電電流だけである。これに対し直接接地方式は大地を通る低インピーダンスの回路ができて大きな短絡電流が流れる。したがって(1)の「大きい」は逆で誤り。地絡電流が小さいことが、(5)の誘導障害が小さいことの理由にもなっている。(3)はこう長が長いほど対地静電容量が増えるため正しい。答(1)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 電力 問9
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  230. 問230.地中送電線路の電力ケーブルで発生する損失に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.電力ケーブルの抵抗損は,導体自身を流れる交流電流によって生じる交番磁界の影響で,導体を流れる電流密度分布に偏りが発生するという表皮効果によって大きくなる。導体の断面積が大きいほど表皮効果の影響が大きいため,分割導体や素線絶縁導体を採用することで抵抗損を低減することができる。
    • 2.電力ケーブルの抵抗損は,近接して配置されるケーブル導体を流れる交流電流によって生じる交番磁界の影響で,導体を流れる電流密度分布に偏りが発生するという近接効果によって大きくなる。電力ケーブルの相間距離が短いほど近接効果の影響が大きいため,電力ケーブルの相間距離を離すことで抵抗損を低減することができる。
    • 3.電力ケーブルの誘電損は,印加される交流電圧と同位相の電流成分が絶縁体にわずかに流れることで生じる。この誘電損は,絶縁体の誘電率及び誘電正接に比例し,印加電圧の2乗に比例するため,印加電圧が同じ場合には誘電率及び誘電正接の小さい絶縁体を使用することで誘電損を低減することができる。
    • 4.電力ケーブルのシース回路損は,導体を流れる交流電流によって生じる交番磁界の影響で,金属シースの長手方向に電流が誘導されることで生じる。クロスボンド接地方式の採用によって,3相の各電力ケーブルの金属シースに流れる誘導電流どうしが打ち消し合う効果が得られるため,シース回路損を低減することができる。
    • 5.電力ケーブルの渦電流損は,導体を流れる交流電流によって生じる交番磁界の影響で,金属シース内に渦電流が誘導されることで生じる。厚さの薄い金属シースの採用によって交番磁界の影響を小さくすることや,導電率の高い金属シースの採用によって渦電流による発熱を小さくすることで,渦電流損を低減することができる。

    正解:5.電力ケーブルの渦電流損は,導体を流れる交流電流によって生じる交番磁界の影響で,金属シース内に渦電流が誘導されることで生じる。厚さの薄い金属シースの採用によって交番磁界の影響を小さくすることや,導電率の高い金属シースの採用によって渦電流による発熱を小さくすることで,渦電流損を低減することができる。

    解説:渦電流損を減らすには、シースを薄くして渦電流の流れる断面を狭めるという(5)前半の考え方は正しい。しかし材料は導電率の低い(抵抗率の高い)ものを選ぶ。導電率が高いほど同じ誘導起電力に対して渦電流が大きく流れ、損失は増えてしまう。したがって「導電率の高い金属シースの採用によって渦電流による発熱を小さくする」は誤り。ほかの4つはケーブルの損失(抵抗損の表皮効果と近接効果、誘電損、シース回路損)の説明として正しい。答(5)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 電力 問10
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  231. 問231.スポットネットワーク方式及び低圧ネットワーク方式(レギュラーネットワーク方式ともいう)の特徴に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.一般的に複数回線の配電線により電力を供給するので,1回線が停電しても電力供給を継続することができる配電方式である。
    • 2.低圧ネットワーク方式では,供給信頼度を高めるために低圧配電線を格子状に連系している。
    • 3.スポットネットワーク方式は,負荷密度が極めて高い大都市中心部の高層ビルなど大口需要家への供給に適している。
    • 4.一般的にネットワーク変圧器の一次側には保護装置としてネットワークプロテクタが設置され,二次側には断路器が設置される。
    • 5.スポットネットワーク方式において,ネットワーク変圧器一次側で単一故障が発生したときでも停電は発生しない。

    正解:4.一般的にネットワーク変圧器の一次側には保護装置としてネットワークプロテクタが設置され,二次側には断路器が設置される。

    解説:ネットワークプロテクタ(プロテクタヒューズとプロテクタ遮断器の組)は、ネットワーク変圧器の二次側に置かれる。配電線側で事故が起きたときに、健全な回線からネットワーク母線を通って事故回線へ電力が逆流するのを検出して切り離すためで、二次側でないとその役目を果たせない。一次側に置かれるのは断路器である。したがって(4)は一次側と二次側が入れ替わっていて誤り。答(4)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 電力 問11
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  232. 問232.1バンクの定格容量20 MV·Aの三相変圧器を3バンク有する配電用変電所がある。変圧器1バンクが故障した時に長時間の停電なしに故障発生前と同じ電力を供給したい。 この検討に当たっては,変圧器故障時には,他の変電所に故障発生前の負荷の7 %を直ちに切り換えることができるとともに,残りの健全な変圧器は,定格容量の120 %まで過負荷で運用できるものとする。 力率は常に95 %(遅れ)で変化しないものとしたとき,故障発生前の変電所の最大総負荷の値[MW]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.24.5
    • 2.42.4
    • 3.49.0
    • 4.63.6
    • 5.73.5

    正解:3.49.0

    解説:1バンクが故障すると残りは2バンクで、120 %まで過負荷運用できるので、担える容量は 20×2×1.20=48 MV·A である。一方、故障前の総負荷のうち7 %は他の変電所へ移せるので、この変電所が持つのは残りの93 %。故障前の総負荷を S[MV·A] とすると 0.93S≤48 より S≤51.6 MV·A。力率95 %なので電力に直すと P=51.6×0.95=49.0 MW。単位が MV·A と MW で異なる点、7 %を引くのであって足すのではない点に注意する。答(3)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 電力 問12
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  233. 問233.一次電圧6 600 V,二次電圧210 V/105 Vの柱上変圧器がある。図のような単相3線式配電線路において三つの抵抗負荷が接続されている。負荷1の電流は55 A,負荷2の電流は60 A,負荷3の電流は45 Aである。L₁とN間の電圧Va[V],L₂とN間の電圧Vb[V],及び変圧器の一次電流I₁[A]の値の組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 ただし,変圧器から低圧負荷までの電線1線当たりの抵抗を0.06 Ωとし,変圧器の励磁電流とインピーダンス,低圧配電線のリアクタンス,及びC点から負荷側線路のインピーダンスは考えないものとする。 選択肢は「Va[V] / Vb[V] / I₁[A]」の順に示す。問233の図

    • 1.98.6 / 96.2 / 3.12
    • 2.99.3 / 98.4 / 3.26
    • 3.98.6 / 96.2 / 3.26
    • 4.99.3 / 99.0 / 3.26
    • 5.99.3 / 98.4 / 3.12

    正解:2.99.3 / 98.4 / 3.26

    解説:図から、負荷1はL₁-N間(55 A)、負荷2はL₂-N間(60 A)、負荷3はL₁-L₂間(45 A)に接続されている。各電線を流れる電流は、L₁が 55+45=100 A、L₂が 60+45=105 A、中性線が 55-60 の差で 5 A である。変圧器の中性点を電位0とすると、C点では L₁側が 105-100×0.06=99.0 V、L₂側が -105+105×0.06=-98.7 V、中性線が -5×0.06=-0.3 V。したがって Va=99.0-(-0.3)=99.3 V、Vb=-0.3-(-98.7)=98.4 V。一次電流は電力の釣り合いから求める。負荷の消費電力は 55×99.3+60×98.4+45×(99.3+98.4)=20 262 W、線路損失は 100²×0.06+105²×0.06+5²×0.06=1 263 W なので、二次側の入力は 21 525 W。一次電流は 21 525/6 600=3.26 A。中性線の電流が2つの負荷電流の差になること、負荷3が線間200 V側であることがこの問題の要点。答(2)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 電力 問13
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  234. 問234.電気設備に使用される電気絶縁材料に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.ガス遮断器などに使用されるSF₆ガスは,大気圧よりも高い圧力で使用され,同じ圧力の空気と比較して絶縁破壊強度が高く,アーク放電が発生した際の消弧能力にも優れる。SF₆ガスは,反応性が非常に小さく安定した不燃性のガスであるが,大気中に排出されると,地球温暖化への影響が大きいガスである。
    • 2.変圧器の絶縁油は,鉱油系絶縁油,合成絶縁油,植物性絶縁油の3種類があり,鉱油系絶縁油が主流である。絶縁油は,変圧器内部を絶縁する役割のほかに,変圧器内部で発生する熱を対流等によって放散冷却する役割があるため,粘度が高い方がよい。
    • 3.CVケーブルに使用される架橋ポリエチレン絶縁体は,ポリエチレンの分子構造を架橋反応により立体網目状分子構造とした絶縁体であり,絶縁特性と耐熱変形性の双方に優れている。
    • 4.OFケーブルに使用される油浸紙絶縁体は,多層に巻き上げた絶縁紙の積層体に絶縁油を含浸させた絶縁体であり,大気圧よりも高い油圧を加えることで絶縁破壊強度を高めている。
    • 5.がいしに使用される絶縁体は,一般に磁器,ガラス,ポリマの3種類があり,我が国では磁器がいしが主流である。最近では,軽量性や耐衝撃性などの観点から,内側に高い機械強度と絶縁強度を有するガラス繊維強化プラスチック製のコア材を配置し,その外側にポリマ製の笠付き外被で覆ったポリマがいしの利用が進んでいる。

    正解:2.変圧器の絶縁油は,鉱油系絶縁油,合成絶縁油,植物性絶縁油の3種類があり,鉱油系絶縁油が主流である。絶縁油は,変圧器内部を絶縁する役割のほかに,変圧器内部で発生する熱を対流等によって放散冷却する役割があるため,粘度が高い方がよい。

    解説:絶縁油には絶縁と冷却の2つの役割がある。冷却は油の対流によって熱を運ぶ働きなので、粘度は低い方がよく循環して熱をよく運ぶ。粘度が高いと対流が鈍って冷却の役に立たない。したがって(2)の「粘度が高い方がよい」は誤り。ほかの4つはSF₆ガス、架橋ポリエチレン、油浸紙、がいしの説明として正しい。答(2)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 電力 問14
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  235. 問235.下記の条件で運転する揚水発電所について答えよ。 ただし,水の密度を1 000 kg/m³,重力加速度を9.8 m/s²とする。また,簡単のため,運転中の総落差,損失水頭,流量,効率は変わらないものとする。 総落差:H₀=450 m/発電時使用水量:Qg=50 m³/s/揚水量:Qp=40 m³/s/発電損失水頭:H₀の3 %/揚水損失水頭:H₀の3 %/発電運転時の発電機及び水車の効率合計(掛け算):ηgηt=90 %/揚水運転時の電動機及びポンプの効率合計(掛け算):ηmηp=85 %/発電運転時間:Tg=8時間 〔小問(a)〕 この揚水発電所について,発電出力[kW]と揚水入力[kW]の組合せとして,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 選択肢は「発電出力[kW] / 揚水入力[kW]」の順に示す。

    • 1.192 500 / 201 300
    • 2.198 500 / 207 500
    • 3.204 400 / 201 300
    • 4.198 500 / 213 750
    • 5.192 500 / 213 750

    正解:5.192 500 / 213 750

    解説:発電のときは損失水頭のぶん有効落差が減るので H=450×(1-0.03)=436.5 m。出力は Pg=ρgQgH×ηgηt=1 000×9.8×50×436.5×0.90=1.925×10⁸ W=192 500 kW。揚水のときは逆に損失水頭のぶん余計に汲み上げる必要があるので H=450×(1+0.03)=463.5 m。入力は Pp=ρgQpH÷(ηmηp)=1 000×9.8×40×463.5÷0.85=2.1375×10⁸ W=213 750 kW。損失水頭を発電では引き、揚水では足すこと、効率を発電では掛け、揚水では割ることが要点である。答(5)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 電力 問15(a)
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  236. 問236.下記の条件で運転する揚水発電所について答えよ。 ただし,水の密度を1 000 kg/m³,重力加速度を9.8 m/s²とする。また,簡単のため,運転中の総落差,損失水頭,流量,効率は変わらないものとする。 総落差:H₀=450 m/発電時使用水量:Qg=50 m³/s/揚水量:Qp=40 m³/s/発電損失水頭:H₀の3 %/揚水損失水頭:H₀の3 %/発電運転時の発電機及び水車の効率合計(掛け算):ηgηt=90 %/揚水運転時の電動機及びポンプの効率合計(掛け算):ηmηp=85 %/発電運転時間:Tg=8時間 なお,この揚水発電所の発電出力は192 500 kW,揚水入力は213 750 kWである。 〔小問(b)〕 この揚水発電所について,発電運転8時間を行う場合の揚水所要時間[時間]と,揚水に使用した電力量を発電電力量に変換する変換効率[%]の組合せとして,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 選択肢は「揚水所要時間[時間] / 変換効率[%]」の順に示す。

    • 1.8 / 72.0
    • 2.8 / 76.5
    • 3.10 / 72.0
    • 4.10 / 74.2
    • 5.10 / 76.5

    正解:3.10 / 72.0

    解説:まず水の量で考える。発電運転8時間で使う水は 50×8=400 m³/s·h に相当し、これを揚水量40 m³/s で汲み上げ戻すので、所要時間は 50×8÷40=10時間。次に電力量を比べる。発電電力量は 192 500×8=1 540 000 kW·h、揚水電力量は 213 750×10=2 137 500 kW·h。変換効率は 1 540 000÷2 137 500=0.720=72.0 %。揚水は発電より時間がかかるので、単純に出力の比を取ると誤る。答(3)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 電力 問15(b)
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  237. 問237.架空電線路の径間,電線の長さ及びたるみに関して答えよ。 〔小問(a)〕 径間をS[m],電線のたるみをD[m]とするとき,電線の長さL[m]を示す式として,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.S + 8D²/(3S)
    • 2.S + 8D/(3S)
    • 3.S + 3D²/(8S)
    • 4.S + 3D/(8S)
    • 5.S + D²/(3S)

    正解:1.S + 8D²/(3S)

    解説:たるんだ電線の実長は、径間 S より少しだけ長くなり、その増分はたるみ D の2乗に比例する。式は L=S+8D²/(3S) である。D が長さの単位をもつので、増分の項も長さの単位でなければならず、D²/S の形になっていないと単位が合わない。この点で(2)と(4)は式の形からして誤りと分かる。答(1)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 電力 問16(a)
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  238. 問238.架空電線路の径間,電線の長さ及びたるみに関して答えよ。なお,径間をS[m],たるみをD[m]とするとき電線の長さは L=S+8D²/(3S) [m] で表される。 〔小問(b)〕 電線の単位長当たりの重量を10 N/m,実長を50.01 mとする。この電線を径間50.00 mで設置したときの電線の水平引張強さ[kN]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.2.34
    • 2.2.55
    • 3.2.77
    • 4.7.22
    • 5.16.7

    正解:4.7.22

    解説:まず実長と径間の差からたるみを出す。L-S=8D²/(3S) より 50.01-50.00=0.01=8D²/(3×50)。これを解くと D²=0.01×150/8=0.187 5、D=0.433 m。次にたるみの式 D=WS²/(8T) を水平引張強さ T について解くと T=WS²/(8D)=10×50²/(8×0.433)=25 000/3.464=7 218 N≒7.22 kN。(a)の式でDを求めてから、たるみと張力の式に入れる二段構えになっている。答(4)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 電力 問16(b)
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  239. 問239.図のように,電圧線及び中性線の抵抗がそれぞれ0.15 Ω及び0.20 Ωの100/200 V単相3線式配電線路に,力率が100 %で電流がそれぞれ75 A及び50 Aの二つの負荷が接続されている。この配電線路にバランサを接続した場合について答えよ。 ただし,負荷電流は一定とし,線路抵抗以外のインピーダンスは無視するものとする。 〔小問(a)〕 バランサに流れる電流の値[A]として,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。問239の図

    • 1.8.3
    • 2.10.0
    • 3.12.5
    • 4.15.0
    • 5.25.0

    正解:3.12.5

    解説:バランサは巻数比1対1の単巻変圧器で、これを負荷端に入れると2つの電圧線の電流が等しくならされる。ならされたあとの電圧線電流は2つの負荷電流の平均で (75+50)/2=62.5 A。バランサ自身に流れるのは、もとの電流と平均との差なので (75-50)/2=12.5 A である。この結果、中性線の電流は0になる。答(3)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 電力 問17(a)
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  240. 問240.図のように,電圧線及び中性線の抵抗がそれぞれ0.15 Ω及び0.20 Ωの100/200 V単相3線式配電線路に,力率が100 %で電流がそれぞれ75 A及び50 Aの二つの負荷が接続されている。この配電線路にバランサを接続した場合について答えよ。 ただし,負荷電流は一定とし,線路抵抗以外のインピーダンスは無視するものとする。なお,バランサに流れる電流は12.5 Aである。 〔小問(b)〕 バランサを接続したことによる線路損失の減少量の値[W]として,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。問240の図

    • 1.57
    • 2.69
    • 3.86
    • 4.103
    • 5.172

    正解:5.172

    解説:接続前の線路損失は、上側の電圧線が 75²×0.15=843.75 W、下側の電圧線が 50²×0.15=375 W、中性線が差の 25 A で 25²×0.20=125 W、合計 1 343.75 W。接続後は両方の電圧線が 62.5 A に等しくなるので 62.5²×0.15×2=1 171.875 W、中性線は電流が0なので0 W、合計 1 171.875 W。減少量は 1 343.75-1 171.875=171.9≒172 W。中性線の損失が丸ごと無くなることが効果の大きい理由である。答(5)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和8年度上期 電力 問17(b)
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  241. 問241.水力発電に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.水管を流れる水の物理的性質を示す式として知られるベルヌーイの定理は,エネルギー保存の法則に基づく定理である。
    • 2.水力発電所には,一般的に短時間で起動・停止ができる,耐用年数が長い,エネルギー変換効率が高いなどの特徴がある。
    • 3.水力発電は昭和30年代前半まで我が国の発電の主力であったが,現在ではエネルギーの安定供給と経済性及び地球環境への貢献の観点から多様な発電方式が運用されており,我が国における水力発電の近年の発電電力量の比率は20 %程度である。
    • 4.河川の1日の流量を,年間を通して流量の多いものから順番に配列して描いた流況曲線は,発電電力量の計画において重要な情報となる。
    • 5.総落差から損失水頭を差し引いたものを一般に有効落差という。有効落差に相当する位置エネルギーが水車に動力として供給される。

    正解:3.水力発電は昭和30年代前半まで我が国の発電の主力であったが,現在ではエネルギーの安定供給と経済性及び地球環境への貢献の観点から多様な発電方式が運用されており,我が国における水力発電の近年の発電電力量の比率は20 %程度である。

    解説:(3)が誤り。我が国の水力発電が発電電力量に占める比率は近年おおむね1割弱で,20 %もない。昭和30年代前半までは水力が主力(水主火従)だったという前半の記述は正しいが,比率の数値が実態と合わない。 (1) ベルヌーイの定理は,位置・圧力・速度の各エネルギーの和が一定という式で,エネルギー保存の法則そのものである。正しい。 (2) 水力発電所は起動・停止が数分で済み,設備の耐用年数が長く,水のエネルギーを電気に変える効率も8割以上と高い。正しい。 (4) 流況曲線は1年365日の流量を大きい順に並べたもので,どれだけの期間どれだけの流量が使えるかが読めるので発電計画に使う。正しい。 (5) 総落差から水路や水圧管での損失水頭を引いたものが有効落差で,これが水車に働く。正しい。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 電力 問1
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  242. 問242.次の文章は,水車に関する記述である。 水圧管の先端がノズルになっていると,有効落差は全て(ア)エネルギーとなり,水は噴流となって噴出し,ランナのバケットにあたってランナを回転させる。このような水の力で回転する水車を(イ)水車という。 代表的なものとして(ウ)水車があり,(エ)で,流量の比較的少ない場所に用いられ,比速度は(オ)。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 選択肢は「(ア) / (イ) / (ウ) / (エ) / (オ)」の順に示す。

    • 1.運動 / 衝動 / ペルトン / 高落差 / 大きい
    • 2.圧力 / 反動 / フランシス / 低落差 / 大きい
    • 3.位置 / 反動 / カプラン / 高落差 / 大きい
    • 4.圧力 / 衝動 / フランシス / 低落差 / 小さい
    • 5.運動 / 衝動 / ペルトン / 高落差 / 小さい

    正解:5.運動 / 衝動 / ペルトン / 高落差 / 小さい

    解説:ノズルから噴出させるということは,落差の持つ位置エネルギーをすべて噴流の速度,すなわち運動エネルギーに変えるということ。(ア)は運動。 その噴流をバケットに当てて,水の勢い(衝撃)だけで回すのが衝動水車である。(イ)は衝動。反動水車は羽根の前後の圧力差も使うので,水が羽根を満たしている必要がある。 衝動水車の代表がペルトン水車。(ウ)はペルトン。 ペルトン水車は高落差・小流量の地点に向く。(エ)は高落差。 比速度は「同じ形の水車を落差1 m・出力1 kWになるように縮めたときの回転速度」で,高落差の水車ほど小さくなる。ペルトン水車の比速度は12〜23 m・kW程度で,水車の中で最も小さい部類である。(オ)は小さい。 答(5)。 比速度の大小はおおよそ ペルトン<フランシス<斜流<カプラン の順で,落差の高い順と逆になる。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 電力 問2
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  243. 問243.ガスタービン発電と汽力発電を組み合わせたコンバインドサイクル発電方式を,同一出力の汽力発電方式と比較した記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.熱効率が高い。
    • 2.起動・停止時間が短い。
    • 3.蒸気タービンの出力分担が小さいので,復水器の冷却水量が少ない。
    • 4.最大出力が外気温度の影響を受けやすい。
    • 5.大型所内補機が多いので,所内率が大きい。

    正解:5.大型所内補機が多いので,所内率が大きい。

    解説:(5)が誤り。コンバインドサイクルでは蒸気タービン側の分担が小さくなるぶん,ボイラ給水ポンプや通風機といった大型の所内補機が小さくて済む。したがって所内率はむしろ小さくなる。 (1) ガスタービンの排熱で蒸気を作って二段階に使うので,同じ出力の汽力より熱効率が高い。正しい。 (2) 大きなボイラを暖める必要がないので起動・停止が速く,需給変動への追従に向く。正しい。 (3) 蒸気タービンの出力分担が小さければ復水器で捨てる熱も少なくなるので,冷却水量が少なくて済む。正しい。 (4) ガスタービンは空気を吸い込んで圧縮するので,外気温度が上がると空気密度が下がって出力が落ちる。汽力より外気温度の影響を受けやすい。正しい。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 電力 問3
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  244. 問244.次の文章は,原子炉の型と特性に関する記述である。 軽水炉は,(ア)を原子燃料とし,冷却材と(イ)に軽水を用いた原子炉であり,我が国の商用原子力発電所に広く用いられている。この軽水炉には,蒸気を原子炉の中で直接発生する(ウ)原子炉と蒸気発生器を介して蒸気を作る(エ)原子炉とがある。 軽水炉では,何らかの原因により原子炉の核分裂反応による熱出力が増加して,炉内温度が上昇した場合でも,燃料の温度上昇にともなってウラン238による中性子の吸収が増加する(オ)により,出力が抑制される。このような働きを原子炉の固有の安全性という。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 選択肢は「(ア) / (イ) / (ウ) / (エ) / (オ)」の順に示す。

    • 1.低濃縮ウラン / 減速材 / 沸騰水型 / 加圧水型 / ドップラー効果
    • 2.高濃縮ウラン / 減速材 / 沸騰水型 / 加圧水型 / ボイド効果
    • 3.プルトニウム / 加速材 / 加圧水型 / 沸騰水型 / ボイド効果
    • 4.低濃縮ウラン / 減速材 / 加圧水型 / 沸騰水型 / ボイド効果
    • 5.高濃縮ウラン / 加速材 / 沸騰水型 / 加圧水型 / ドップラー効果

    正解:1.低濃縮ウラン / 減速材 / 沸騰水型 / 加圧水型 / ドップラー効果

    解説:(ア) 商用の軽水炉が使うのはウラン235を3〜5 %程度に濃縮した低濃縮ウランである。高濃縮ウランは研究炉や軍事用のもの。 (イ) 軽水は冷却材であると同時に,中性子の速度を落として核分裂を起こしやすくする減速材でもある。核分裂には速い中性子ではなく遅い(熱)中性子が要るので,「加速材」という語自体が原子炉には出てこない。 (ウ)(エ) 原子炉の中で直接蒸気を作るのが沸騰水型(BWR),一次冷却水を加圧して沸騰させず,蒸気発生器を介して二次側で蒸気を作るのが加圧水型(PWR)である。 (オ) 燃料の温度が上がるとウラン238の中性子吸収の共鳴ピークが温度で広がり,中性子をよけいに吸うようになって反応が抑えられる。これをドップラー効果という。ボイド効果は冷却材が沸騰して泡(ボイド)ができることで減速材が減り反応が抑えられる別の働きで,燃料温度の話ではない。 答(1)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 電力 問4
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  245. 問245.各種発電に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.太陽光発電は,太陽電池によって直流の電力を発生させる。需要地点で発電が可能,発生電力の変動が大きい,などの特徴がある。
    • 2.地熱発電は,地下から取り出した蒸気又は熱水の気化で発生させた蒸気によってタービンを回転させる発電方式である。発電に適した地熱資源を見つけるために,適地調査に多額の費用と長い期間がかかる。
    • 3.バイオマス発電は,植物などの有機物から得られる燃料を利用した発電方式である。さとうきびから得られるエタノールや,家畜の糞から得られるメタンガスなどが燃料として用いられている。
    • 4.風力発電は,風のエネルギーによって風車で発電機を駆動し発電を行う。プロペラ型風車は羽根の角度により回転速度の制御が可能である。設定値を超える強風時には羽根の面を風向きに平行になるように制御し,ブレーキ装置によって風車を停止させる。
    • 5.燃料電池発電は,水素と酸素との化学反応を利用して直流の電力を発生させる。発電に伴って発生する熱を給湯などに利用できるが,発電時の振動や騒音が大きい。

    正解:5.燃料電池発電は,水素と酸素との化学反応を利用して直流の電力を発生させる。発電に伴って発生する熱を給湯などに利用できるが,発電時の振動や騒音が大きい。

    解説:(5)が誤り。燃料電池はタービンや発電機のような回転する部分を持たず,水素と酸素の化学反応で直接発電するので,振動や騒音は小さい。住宅に置けるのはこの静かさがあってこそである。 (1) 太陽電池が出すのは直流で,屋根の上など需要地点にそのまま置ける。日射に左右されるので出力の変動は大きい。正しい。 (2) 地熱発電は蒸気でタービンを回す。どこに使える地熱資源があるかは掘ってみないと分からず,調査に費用も年月もかかる。正しい。 (3) さとうきび由来のエタノール,家畜の糞尿から得るメタンガスは,いずれも代表的なバイオマス燃料である。正しい。 (4) プロペラ型はピッチ角(羽根の角度)で回転速度を調整でき,強風時には羽根を風と平行に向けて風を受け流し(フェザリング),ブレーキで止める。正しい。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 電力 問5
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  246. 問246.定格値が一次電圧66 kV,二次電圧6.6 kV,容量30 MV・Aの三相変圧器がある。一次側に換算した漏れリアクタンスの値が14.5 Ωのとき,百分率リアクタンスの値[%]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.3.3
    • 2.5.8
    • 3.10.0
    • 4.17.2
    • 5.30.0

    正解:3.10.0

    解説:百分率リアクタンスは,定格電流を流したときのリアクタンスによる電圧降下が定格電圧の何 %になるかを表す。三相で線間電圧V[V],容量P[V・A]を使うと %X = P X / V² × 100 と書ける(%X=√3 I X/(V/√3)×100 に I=P/(√3V) を入れると同じ式になる)。 数値を入れると %X = 30×10⁶ × 14.5 / (66×10³)² × 100 = 4.35×10⁸/(4.356×10⁹) × 100 = 9.99 ≒ 10.0 %。答(3)。 一次側に換算した値と一次側の定格電圧・容量を組で使うことが要点。二次側の6.6 kVを混ぜて計算してはいけない(百分率で表すと一次側で計算しても二次側で計算しても同じ値になる)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 電力 問6
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  247. 問247.次の文章は,変圧器の結線方式に関する記述である。 変圧器の一次側,二次側の結線にY結線及びΔ結線を用いる方式は,結線の組合せにより四つのパターンがある。このうち,(ア)結線はひずみ波の原因となる励磁電流の第3高調波が環流し,吸収される効果が得られるが,一方で中性点の接地が必要となる場合は適さない。(イ)結線は一次側,二次側とも中性点接地が可能という特徴を有する。(ウ)結線及び(エ)結線は第3高調波の環流回路があり,一次側若しくは二次側の中性点接地が可能である。(ウ)結線は昇圧用に,(エ)結線は降圧用に用いられることが多い。 特別高圧系統では変圧器中性点を各種の方法で接地することから,(イ)結線の変圧器が用いられるが,第3高調波の環流の効果を得る狙いから(オ)結線を用いた三次巻線を採用していることが多い。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし,(ア)〜(エ)の左側は一次側,右側は二次側の結線を表す。 選択肢は「(ア) / (イ) / (ウ) / (エ) / (オ)」の順に示す。

    • 1.Y−Y / Δ−Δ / Y−Δ / Δ−Y / Δ
    • 2.Δ−Δ / Y−Y / Δ−Y / Y−Δ / Δ
    • 3.Δ−Δ / Y−Y / Y−Δ / Δ−Y / Δ
    • 4.Y−Δ / Δ−Y / Δ−Δ / Y−Y / Y
    • 5.Δ−Δ / Y−Y / Δ−Y / Y−Δ / Y

    正解:2.Δ−Δ / Y−Y / Δ−Y / Y−Δ / Δ

    解説:第3高調波が環流できるのはΔ結線の閉じた回路の中だけで,中性点を出せるのはY結線だけ,という2点で整理する。 (ア) 第3高調波が環流して吸収されるが中性点が出せない=両側ともΔの Δ−Δ 結線。 (イ) 一次側・二次側とも中性点接地ができる=両側ともYの Y−Y 結線。ただしΔが無いので第3高調波の逃げ場がなく,そのままでは電圧波形がひずむ。 (ウ)(エ) 片側がΔで片側がYなら,Δ側で環流でき,Y側で中性点接地ができる。昇圧用は発電機側(低圧側)をΔにして送電側(高圧側)をYにするので Δ−Y,降圧用はその逆で Y−Δ。 (オ) Y−Y結線の弱点を補うために,第3高調波を環流させる目的でΔ結線の三次巻線を足す。これがY−Y−Δ結線である。 答(2)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 電力 問7
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  248. 問248.架空送電線路の構成要素に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 選択肢は「名称 : 説明」の形で示す。

    • 1.アークホーン : がいしの両端に設けられた金属電極をいい,雷サージによるフラッシオーバの際生じるアークを電極間に生じさせ,がいし破損を防止するものである。
    • 2.トーショナルダンパ : 着雪防止が目的で電線に取り付ける。風による振動エネルギーで着雪を防止し,ギャロッピングによる電線間の短絡事故などを防止するものである。
    • 3.アーマロッド : 電線の振動疲労防止やアークスポットによる電線溶断防止のため,クランプ付近の電線に同一材質の金属を巻き付けるものである。
    • 4.相間スペーサ : 強風などによる電線相互の接近及び衝突を防止するため,電線相互の間隔を保持する器具として取り付けるものである。
    • 5.埋設地線 : 塔脚の地下に放射状に埋設された接地線,あるいは,いくつかの鉄塔を地下で連結する接地線をいい,鉄塔の塔脚接地抵抗を小さくし,逆フラッシオーバを抑止する目的等のため取り付けるものである。

    正解:2.トーショナルダンパ : 着雪防止が目的で電線に取り付ける。風による振動エネルギーで着雪を防止し,ギャロッピングによる電線間の短絡事故などを防止するものである。

    解説:(2)が誤り。ダンパは名前のとおり電線の振動を抑える器具で,着雪防止を目的とするものではない。トーショナルダンパは,電線の上下方向の振動を,減衰させやすいねじれ方向の振動に変えてエネルギーを吸収するものである。 着雪対策に使うのは難着雪リングやスパイラルロッドといった別の器具で,ギャロッピングによる相間の短絡を防ぐのは(4)の相間スペーサである。なお名前のよく似た「ねじれ防止ダンパ」は着雪対策の器具なので,紛らわしい。 (1) アークホーンはがいし連の上下に付けた角状の電極で,フラッシオーバのアークをがいし本体から離れた電極間で起こさせ,がいしの熱破損を防ぐ。正しい。 (3) アーマロッドはクランプ付近の電線に同じ材質の金属を巻き付け,振動による疲労断線とアークによる溶断を防ぐ。正しい。 (5) 埋設地線(カウンターポイズ)は塔脚接地抵抗を下げ,鉄塔電位の上昇による逆フラッシオーバを防ぐ。正しい。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 電力 問8
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  249. 問249.交流三相3線式1回線の送電線路があり,受電端に遅れ力率角θ[rad]の負荷が接続されている。送電端の線間電圧をV_s[V],受電端の線間電圧をV_r[V],その間の相差角はδ[rad]である。 受電端の負荷に供給されている三相有効電力[W]を表す式として,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 ただし,送電端と受電端の間における電線1線当たりの誘導性リアクタンスはX[Ω]とし,線路の抵抗,静電容量は無視するものとする。

    • 1.(V_s V_r/X) sin δ
    • 2.(√3 V_s V_r/X) cos θ
    • 3.(√3 V_s V_r/X) sin δ
    • 4.(V_s V_r/X) cos δ
    • 5.V_s V_r/(X sin δ) × cos θ

    正解:1.(V_s V_r/X) sin δ

    解説:1相分で考える。相電圧は線間電圧の1/√3 なので E_s=V_s/√3,E_r=V_r/√3。抵抗を無視したリアクタンスだけの線路では,1相の有効電力は P₁=(E_s E_r/X) sin δ で表される(送電端と受電端の相電圧のなす角がδ)。 三相合計はこれを3倍して P=3×(V_s/√3)(V_r/√3)/X × sin δ=3×V_s V_r/(3X) × sin δ=(V_s V_r/X) sin δ。 答(1)。 √3 が消えるのがこの式の特徴で,線間電圧をそのまま入れて係数を付けない形になる。また電力を決めるのは相差角δであって負荷の力率角θではないので,θを含む(2)や(5)は形からして違う。δ=0のとき電力が0になる必要があるため,cos δ の(4)も除ける。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 電力 問9
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  250. 問250.地中送配電線の主な布設方式である直接埋設式,管路式及び暗きょ式について,各方式の特徴に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.直接埋設式は,他の方式と比較して工事費が少なく,工事期間が短い。
    • 2.管路式は,直接埋設式と比較してケーブル外傷事故の危険性が少なく,ケーブルの増設や撤去に便利である。
    • 3.管路式は,他の方式と比較して熱放散が良く,ケーブル条数が増加しても送電容量の制限を受けにくい。
    • 4.暗きょ式は,他の方式と比較して工事費が多大であり,工事期間が長い。
    • 5.暗きょ式は,他の方式と比較してケーブルの保守点検作業が容易であり,多条数の布設に適している。

    正解:3.管路式は,他の方式と比較して熱放散が良く,ケーブル条数が増加しても送電容量の制限を受けにくい。

    解説:(3)が誤り。管路式はケーブルと土壌の間に管と空気の層が入るため熱が逃げにくく,3方式の中で熱放散は最も悪い。条数が増えるとお互いの発熱で温度が上がり,送電容量の制限を受けやすくなる。 (1) 直接埋設式はケーブルを直接土中に埋めるだけなので,工事費も工事期間も最も小さい。正しい。 (2) 管路式は管の中を通すのでケーブルが外から傷つけられにくく,掘り返さずに引き入れ・引き抜きができるので増設や撤去に便利である。正しい。 (4)(5) 暗きょ式は人が入れるトンネルや洞道を作るので工事費も期間もかかるが,そのぶん保守点検がしやすく,多条数を通せる。正しい。 熱放散が最も良いのは暗きょ式(換気ができる),次いで直接埋設式(土に直接触れる)で,管路式が最も悪いという順で覚えるとよい。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 電力 問10
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  251. 問251.次の文章は,電力の需要と供給に関する記述である。 電力の需要は1日の間で大きく変動し,一般に日中に需要が最大となる。一方で,(ア)の大量導入に伴って,日中の発電量が需要を上回る事例も報告されている。需要電力の平準化や,電力の需給バランスの確保のために,(イ)発電が用いられている。また近年では,(ウ)電池などの電力貯蔵装置の技術が向上している。 天候の急変時や発電所の故障発生時にも周波数を標準周波数へと回復させるために,(エ)が確保されている。部分負荷運転中の水力発電機や(オ)発電機などが(エ)の対象となる。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 選択肢は「(ア) / (イ) / (ウ) / (エ) / (オ)」の順に示す。

    • 1.ベース供給力 / 流込み式 / 燃料 / 運転予備力 / 原子力
    • 2.ベース供給力 / 揚水式 / 蓄 / 運転予備力 / 原子力
    • 3.ベース供給力 / 流込み式 / 燃料 / ミドル供給力 / 火力
    • 4.太陽光発電 / 揚水式 / 燃料 / ミドル供給力 / 火力
    • 5.太陽光発電 / 揚水式 / 蓄 / 運転予備力 / 火力

    正解:5.太陽光発電 / 揚水式 / 蓄 / 運転予備力 / 火力

    解説:(ア) 日中の発電量が需要を上回る(出力制御が必要になる)事例を起こしているのは太陽光発電の大量導入である。日中に発電が集中するという性質がそのまま理由になっている。 (イ) 余った電力で水をくみ上げ,必要なときに落として発電することで需要を平準化するのは揚水式である。流込み式は川の流量そのままに発電するので調整には使えない。 (ウ) 電力貯蔵装置は蓄電池。「燃料電池」は貯蔵装置ではなく発電装置である。 (エ) 天候の急変や発電所の故障に対し,10分程度以内に出力を上げて周波数を回復させるために確保しておく余力が運転予備力である。ミドル供給力は日中の需要増を担う電源の区分の名前で,予備力のことではない。 (オ) 運転予備力の対象になるのは,部分負荷で運転していてすぐ出力を上げられる水力発電機や火力発電機である。原子力は一定出力での運転が基本で,出力の上げ下げによる調整には使わない。 答(5)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 電力 問11
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  252. 問252.次の文章は,配電線路の電圧調整に関する記述である。 配電線路より電力供給している需要家への供給電圧を適正範囲に維持するため,配電用変電所では,(ア)などによって,負荷変動に応じて変電所二次側母線電圧を調整している。高圧配電線路においては,柱上変圧器の(イ)によって低圧配電線路の電圧調整を行っていることが多い。また,高圧配電線路のこう長が長い場合や分散型電源が多く接続されている場合など,電圧変動が大きく,配電用変電所の(ア)や柱上変圧器の(イ)によっても供給電圧を許容範囲に抑えることが難しい場合は,(ウ)や,開閉器付電力用コンデンサなどを高圧配電線路に施設することがある。さらに,電線の(エ)によって電圧降下を軽減する対策をとることもある。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 選択肢は「(ア) / (イ) / (ウ) / (エ)」の順に示す。

    • 1.負荷時電圧調整器 / タップ調整 / バランサ / 細線化
    • 2.計器用変成器 / 取替 / ステップ式自動電圧調整器 / 細線化
    • 3.負荷時電圧調整器 / タップ調整 / ステップ式自動電圧調整器 / 太線化
    • 4.計器用変成器 / タップ調整 / ステップ式自動電圧調整器 / 細線化
    • 5.負荷時電圧調整器 / 取替 / バランサ / 太線化

    正解:3.負荷時電圧調整器 / タップ調整 / ステップ式自動電圧調整器 / 太線化

    解説:(ア) 変電所で負荷変動に応じて二次側母線電圧を自動で変えるのは負荷時電圧調整器(LRA)や負荷時タップ切換変圧器である。計器用変成器は電圧・電流を計器用に小さくする測定用の機器で,調整はしない。 (イ) 柱上変圧器の電圧調整は,一次側の巻線に出したタップを選び直すタップ調整で行う。柱上変圧器そのものを取り替えるわけではない。 (ウ) 線路の途中に置いて電圧を段階的に持ち上げるのがステップ式自動電圧調整器(SVR)である。バランサは単相3線式の電圧不平衡を直す機器で,こう長が長いことによる電圧降下の対策ではない。 (エ) 電圧降下は電線の抵抗に比例するので,電線を太くする太線化で軽減する。細線化では抵抗が増えて逆効果になる。 答(3)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 電力 問12
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  253. 問253.低圧ネットワーク方式(レギュラーネットワーク方式ともいう)では,給電線である複数の特別高圧配電線路から,ネットワーク変圧器を経て,低圧配電線路に電力が供給される。低圧ネットワーク方式に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.一般的に,ネットワーク変圧器二次側に,保護装置としてネットワークプロテクタが設置されており,ネットワーク変圧器一次側の遮断器やヒューズを省略することができる。
    • 2.低圧配電線路を格子状に接続したネットワークから,各需要家に供給する。
    • 3.給電線のうちの一つに事故が発生すると,他の健全な給電線に供給系統を切り替える間,低圧配電線路が停電する。
    • 4.樹枝状配電線路と比較して電圧変動や電力損失を小さくすることができる。
    • 5.建設費が高くなるので,大都市のような需要家の多い地域で用いられる。

    正解:3.給電線のうちの一つに事故が発生すると,他の健全な給電線に供給系統を切り替える間,低圧配電線路が停電する。

    解説:(3)が誤り。低圧ネットワーク方式は,複数の給電線から常時同時に供給しておく方式である。1回線が事故になっても,その回線のネットワークプロテクタが自動で切り離すだけで,残りの健全な回線から供給が続く。切替えの待ち時間も停電も生じない(無停電供給)というのが,この方式を採る最大の理由である。 (1) 二次側のネットワークプロテクタが逆電力を検出して自動遮断・自動投入を行うので,一次側の遮断器やヒューズを省ける。正しい。 (2) 低圧側を格子(ネットワーク)状につないで各需要家に供給する。正しい。 (4) 複数方向から供給されるので,1本の線に流れる電流が減り,電圧変動も電力損失も小さくなる。正しい。 (5) 変圧器も保護装置も回線数だけ必要で建設費が高いため,需要密度の高い大都市の中心部に限って使われる。正しい。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 電力 問13
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  254. 問254.次の文章は,絶縁油の性質に関する記述である。 絶縁油は変圧器やOFケーブルなどに使用されており,一般に絶縁破壊電圧は同じ圧力の空気と比べて高く,誘電正接が(ア)絶縁油を用いることで絶縁油中の(イ)を抑えることができる。電力用機器の絶縁油として古くから(ウ)が一般的に用いられてきたが,より優れた低損失性や信頼性が求められる場合には(エ)が採用されている。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 選択肢は「(ア) / (イ) / (ウ) / (エ)」の順に示す。

    • 1.大きい / 部分放電 / 植物油 / 鉱油
    • 2.小さい / 発熱 / 鉱油 / 合成油
    • 3.大きい / 発熱 / 植物油 / 鉱油
    • 4.小さい / 部分放電 / 鉱油 / 合成油
    • 5.小さい / 発熱 / 植物油 / 合成油

    正解:2.小さい / 発熱 / 鉱油 / 合成油

    解説:(ア)(イ) 誘電正接 tanδ は絶縁物に交流電圧をかけたときにどれだけ損失(誘電損)が生じるかを表す量で,値が小さいほど損失が小さい。誘電損はそのまま熱になるので,tanδ の小さい油を使えば絶縁油中の発熱を抑えられる。部分放電はボイド(気泡)や異物が原因で起きるもので,tanδ の大小で決まるものではない。 (ウ)(エ) 電力用機器の絶縁油として古くから使われてきたのは石油から精製した鉱油である。より低損失で信頼性の高い性能が要る場合には,アルキルベンゼンなどの合成油が使われる。植物油は環境負荷の小ささから近年使われ始めたもので,「古くから一般的」ではない。 答(2)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 電力 問14
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  255. 問255.復水器での冷却に海水を使用する汽力発電所が出力600 MWで運転しており,復水器冷却水量が24 m³/s,冷却水の温度上昇が7 ℃であるとき,次の問に答えよ。 ただし,海水の比熱を4.02 kJ/(kg・K),密度を1.02×10³ kg/m³,発電機効率を98 %とする。 〔小問(a)〕 復水器で海水へ放出される熱量の値[kJ/s]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.4.25×10⁴
    • 2.1.71×10⁵
    • 3.6.62×10⁵
    • 4.6.89×10⁵
    • 5.8.61×10⁵

    正解:4.6.89×10⁵

    解説:冷却水が持ち去る熱量は「質量流量×比熱×温度上昇」で求める。 まず体積流量を質量流量に直す。24 m³/s×1.02×10³ kg/m³=24 480 kg/s。 したがって Q=24 480×4.02×7=24 480×28.14≒6.89×10⁵ kJ/s。答(4)。 体積流量のまま比熱を掛けると 24×4.02×7=675 となり桁が合わない。密度を掛けて質量に直す手順が要る。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 電力 問15(a)
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  256. 問256.復水器での冷却に海水を使用する汽力発電所が出力600 MWで運転しており,復水器冷却水量が24 m³/s,冷却水の温度上昇が7 ℃であるとき,次の問に答えよ。 ただし,海水の比熱を4.02 kJ/(kg・K),密度を1.02×10³ kg/m³,発電機効率を98 %とする。 〔小問(b)〕 タービン室効率の値[%]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 ただし,条件を示していない損失は無視できるものとする。 (小問(a)より,復水器で海水へ放出される熱量は約6.89×10⁵ kJ/sである。)

    • 1.41.5
    • 2.46.5
    • 3.47.0
    • 4.47.5
    • 5.48.0

    正解:3.47.0

    解説:タービン室効率は,タービンが取り出した機械出力を,タービン室に入った蒸気の熱量で割った値である。 まずタービンの出力を出す。発電機出力600 MWは発電機効率98 %を通ったあとの値なので,タービンの出力は 600×10³/0.98≒612 245 kW(=kJ/s)。 次に入った熱量を出す。示されていない損失は無視してよいので,タービン室に入った熱はタービンの出力と復水器で捨てた熱に分かれたと考える。 612 245+688 867≒1 301 112 kJ/s。 したがって タービン室効率=612 245/1 301 112≒0.4706=47.1 %。最も近いのは47.0で答(3)。 発電機効率で割る(掛けるのではない)向きに注意する。600 MWをそのまま分子にすると 600 000/1 288 867≒46.6 %となり(2)を選んでしまう。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 電力 問15(b)
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  257. 問257.電線1線の抵抗が6 Ω,誘導性リアクタンスが4 Ωである三相3線式送電線について,次の問に答えよ。 〔小問(a)〕 受電端電圧を60 kV,送電線での電圧降下率を受電端電圧基準で10 %に保つものとする。この受電端に,力率80 %(遅れ)の負荷を接続する。この場合,受電可能な三相皮相電力の値[MV・A]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.28.9
    • 2.42.9
    • 3.50.0
    • 4.60.5
    • 5.86.6

    正解:3.50.0

    解説:受電端電圧基準の電圧降下率10 %なので,許される電圧降下は v=0.10×60×10³=6 000 V。 三相3線式の電圧降下の近似式は v=√3 I(R cosθ+X sinθ) で,力率80 %(遅れ)だから cosθ=0.8,sinθ=0.6。 6 000=√3×I×(6×0.8+4×0.6)=√3×I×7.2 I=6 000/(1.732×7.2)≒481.1 A。 三相皮相電力は S=√3 V_r I=1.732×60×10³×481.1≒50.0×10⁶ V・A=50.0 MV・A。答(3)。 電圧降下の式に力率が入る点が要点で,cosθだけで計算して sinθ の項を落とすと 6×0.8=4.8 となり I が大きく出てしまう。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 電力 問16(a)
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  258. 問258.電線1線の抵抗が6 Ω,誘導性リアクタンスが4 Ωである三相3線式送電線について,次の問に答えよ。 〔小問(b)〕 受電端に接続する負荷の条件を,遅れ力率60 %,三相皮相電力65 MV・Aに変更することになった。この場合でも,受電端電圧を60 kV,送電線での電圧降下率を受電端電圧基準で10 %に保ちたい。受電端に設置された調相設備から系統に供給すべき無効電力の値[Mvar]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.12.0
    • 2.20.5
    • 3.27.0
    • 4.31.5
    • 5.47.1

    正解:2.20.5

    解説:電圧降下は,有効電力と無効電力を使うと v=(P R+Q X)/V_r と書ける(P,Qは三相分,V_rは線間電圧)。ここでQは送電線を流れる無効電力である。 許される電圧降下は(a)と同じ 6 000 V なので,送電線に流してよい無効電力Qは 6 000=(P×6+Q×4)/(60×10³) P=65×0.6=39 MWだから 6 000×60×10³=39×10⁶×6+4Q 3.6×10⁸=2.34×10⁸+4Q → Q=3.15×10⁷=31.5 Mvar。 一方,負荷が消費する無効電力は Q_L=65×√(1−0.6²)=65×0.8=52 Mvar。 差の 52−31.5=20.5 Mvar を受電端の調相設備(電力用コンデンサ)から出せば,送電線を流れる無効電力が31.5 Mvarに収まる。答(2)。 (4)の31.5は「送電線に流してよい無効電力」そのもので,調相設備が出す量ではない。求めるのは負荷の52 Mvarとの差である。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 電力 問16(b)
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  259. 問259.図のように配電用変圧器二次側の単相3線式低圧配電線路に負荷A及び負荷Bが接続されている場合について,次の問に答えよ。ただし,変圧器は,励磁電流,内部電圧降下及び内部損失などを無視できる理想変圧器で,一次電圧は6 600 V,二次電圧は110/220 Vで一定であるものとする。また,低圧配電線路及び中性線の電線1線当たりの抵抗は0.06 Ω,負荷A及び負荷Bは純抵抗負荷とし,これら以外のインピーダンスは考慮しないものとする。 〔小問(a)〕 変圧器の電流を測定したところ,一次電流が5 A,二次電流I_aとI_bの比が2:3であった。二次側低圧配電線路及び中性線における損失の合計値[kW]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。問259の図

    • 1.2.59
    • 2.2.81
    • 3.3.02
    • 4.5.83
    • 5.8.21

    正解:3.3.02

    解説:まず二次側の電流を出す。理想変圧器なので一次側の電力がそのまま二次側へ渡る。 一次側の電力=6 600×5=33 000 W。 二次側は110 Vの巻線が2つで,それぞれI_a,I_bが流れるので 110(I_a+I_b)=33 000 → I_a+I_b=300 A。 I_a:I_b=2:3なので I_a=120 A,I_b=180 A。 中性線には両者の差が流れる。I_n=180−120=60 A。 損失は3本の電線それぞれの I²R の合計だから P=0.06×(120²+180²+60²)=0.06×(14 400+32 400+3 600)=0.06×50 400=3 024 W≒3.02 kW。答(3)。 中性線の分(0.06×60²=216 W)を忘れると 2 808 W=2.81 kWとなり(2)を選んでしまう。単相3線式では負荷が不平衡なぶんが中性線に流れる。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 電力 問17(a)
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  260. 問260.図のように配電用変圧器二次側の単相3線式低圧配電線路に負荷A及び負荷Bが接続されている場合について,次の問に答えよ。ただし,変圧器は,励磁電流,内部電圧降下及び内部損失などを無視できる理想変圧器で,一次電圧は6 600 V,二次電圧は110/220 Vで一定であるものとする。また,低圧配電線路及び中性線の電線1線当たりの抵抗は0.06 Ω,負荷A及び負荷Bは純抵抗負荷とし,これら以外のインピーダンスは考慮しないものとする。 〔小問(b)〕 低圧配電線路の中性線が点Fで断線した場合に負荷Aにかかる電圧の値[V]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 (小問(a)より,断線前の電流は I_a=120 A,I_b=180 A,中性線の電流は60 Aである。)問260の図

    • 1.88
    • 2.106
    • 3.123
    • 4.127
    • 5.138

    正解:4.127

    解説:断線前の状態から,まず負荷A・Bの抵抗値を出す。 中性線には,負荷B側へ余分に流れる60 Aが変圧器側から負荷側へ向かって流れているので,負荷側の中性点は変圧器の中性点より 60×0.06=3.6 V 低い。 負荷Aにかかる電圧は 110−120×0.06+3.6=110−7.2+3.6=106.4 V。よって R_A=106.4/120≒0.8867 Ω。 負荷Bにかかる電圧は 110−180×0.06−3.6=110−10.8−3.6=95.6 V。よって R_B=95.6/180≒0.5311 Ω。 中性線が断線すると,負荷Aと負荷Bは220 Vに対して直列につながる形になる。回路全体の抵抗は 0.06+0.8867+0.5311+0.06≒1.5378 Ω 流れる電流は I=220/1.5378≒143.1 A。 負荷Aにかかる電圧は V_A=143.1×0.8867≒126.8 V。最も近いのは127で答(4)。 断線すると,抵抗の大きい側(軽い負荷側)に高い電圧がかかる。負荷Aは断線前の106 Vから127 Vへ上がっており,機器が過電圧で壊れうる。これが単相3線式で中性線の断線を特に警戒する理由である。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 電力 問17(b)
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  261. 問261.水力発電に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.水車発電機の回転速度は,汽力発電と比べて小さいため,発電機の磁極数は多くなる。
    • 2.水車発電機の電圧の大きさや周波数は,自動電圧調整器や調速機を用いて制御される。
    • 3.フランシス水車やペルトン水車などで用いられる吸出し管は,水車ランナと放水面までの落差を有効に利用し,水車の出力を増加する効果がある。
    • 4.我が国の大部分の水力発電所において,水車や発電機の始動・運転・停止などの操作は遠隔監視制御方式で行われ,発電所は無人化されている。
    • 5.カプラン水車は,プロペラ水車の一種で,流量に応じて羽根の角度を調整することができるため部分負荷での効率の低下が少ない。

    正解:3.フランシス水車やペルトン水車などで用いられる吸出し管は,水車ランナと放水面までの落差を有効に利用し,水車の出力を増加する効果がある。

    解説:吸出し管は,ランナを出た水の速度エネルギーを回収し,ランナから放水面までの落差も利用するための管である。使えるのは水がランナを満たして流れる反動水車,すなわちフランシス水車・プロペラ水車・カプラン水車に限られる。 ペルトン水車は,ノズルから噴射した水をバケットに当てて回す衝動水車である。ランナは空気中にあって水に浸っていないので,吸出し管を付けることができない。したがって「フランシス水車やペルトン水車などで用いられる」とする(3)が誤りで,これが答になる。 他の記述を確かめる。(1)水車は汽力のタービンより回転が遅いので,同じ周波数を出すには磁極数を増やす(N=120f/p)。(2)電圧は自動電圧調整器,周波数は回転速度なので調速機で制御する。(4)遠隔監視制御による無人化は我が国の水力発電所で一般的である。(5)カプラン水車は羽根の角度を変えられるので,流量が減っても効率が落ちにくい。 衝動水車か反動水車かで吸出し管の有無が決まる,というのがこの問題の要点である。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 電力 問1
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  262. 問262.次の文章は,火力発電所のタービン発電機に関する記述である。 火力発電所のタービン発電機は,2極の回転界磁形三相 (ア) 発電機が広く用いられている。 (イ) 強度の関係から,回転子の構造は (ウ) で直径が (エ) 。発電機の大容量化に伴い冷却方式も工夫され,大容量タービン発電機の場合には密封形 (オ) 冷却方式が使われている。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.同期 / 熱的 / 突極形 / 小さい / 窒素
    • 2.誘導 / 熱的 / 円筒形 / 大きい / 水素
    • 3.同期 / 機械的 / 円筒形 / 小さい / 水素
    • 4.誘導 / 機械的 / 突極形 / 大きい / 窒素
    • 5.同期 / 機械的 / 突極形 / 小さい / 窒素

    正解:3.同期 / 機械的 / 円筒形 / 小さい / 水素

    解説:(ア) 発電所で系統に電気を送る発電機は同期発電機である。誘導発電機は風力などで使うが,大容量の火力には用いない。 (イ)(ウ)(エ) 2極機は50 Hzで3 000 min⁻¹,60 Hzで3 600 min⁻¹という高速で回る。突極形は磁極が飛び出しているため遠心力に耐えられない。そこで機械的強度を確保するために,表面がなめらかで風損も小さい円筒形(非突極形)とし,遠心力は半径に比例するので直径を小さくして軸方向に長くする。水力の水車発電機が低速で直径の大きい突極形になるのと,ちょうど逆になる。 (オ) 大容量機の冷却には,空気より熱伝導率が高く密度が小さい(風損が小さい)水素が使われる。水素は漏れると危険なので密封形にする。 同期/機械的/円筒形/小さい/水素となり答(3)。 (イ)を熱的強度と読むと(2)を選んでしまうが,回転子の形を決めているのは高速回転による遠心力,すなわち機械的強度である。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 電力 問2
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  263. 問263.ある汽力発電設備が,発電機出力19 MWで運転している。このとき,蒸気タービン入口における蒸気の比エンタルピーが3 550 kJ/kg,復水器入口における蒸気の比エンタルピーが2 500 kJ/kg,使用蒸気量が80 t/hであった。発電機効率が95 %であるとすると,タービン効率の値[%]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.71
    • 2.77
    • 3.81
    • 4.86
    • 5.90

    正解:4.86

    解説:タービン効率は「タービンが取り出した仕事」÷「蒸気がタービンに持ち込んだ熱量」である。分母と分子をそれぞれ作る。 分母。使用蒸気量は 80 t/h=80 000 kg/h=80 000/3 600≒22.22 kg/s。タービン入口と復水器入口の比エンタルピーの差は 3 550−2 500=1 050 kJ/kg だから 22.22×1 050≒23 333 kW=23.33 MW。 分子。発電機出力19 MWは発電機の効率95 %を通ったあとの値なので,タービンの出力は 19/0.95=20 MW。 よってタービン効率は 20/23.33≒0.857=86 %。答(4)。 発電機効率で割り戻すのを忘れると 19/23.33≒0.814 で(3)の81を選ぶ。19 MWは発電機の出口の値であって,タービンの出口の値ではない。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 電力 問3
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  264. 問264.沸騰水型原子炉(BWR)に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.燃料には低濃縮ウランを,冷却材及び減速材には軽水を使用する。
    • 2.加圧水型原子炉(PWR)に比べて原子炉圧力が低く,蒸気発生器が無いので構成が簡単である。
    • 3.出力調整は,制御棒の抜き差しと再循環ポンプの流量調節により行う。
    • 4.制御棒は,炉心上部から燃料集合体内を上下することができる構造となっている。
    • 5.タービン系統に放射性物質が持ち込まれるため,タービン等に遮へい対策が必要である。

    正解:4.制御棒は,炉心上部から燃料集合体内を上下することができる構造となっている。

    解説:BWRは炉心で直接蒸気を作る。炉心の上部には気水分離器と蒸気乾燥器が置かれていて,制御棒を上から入れる場所がない。そのためBWRの制御棒は炉心の下部から上へ押し込む構造になっている。「炉心上部から」とする(4)が誤りで,これが答になる。 上から挿入するのはPWRである。PWRは炉心で沸騰させないので上部に気水分離器が要らず,制御棒を重力で落として止めることもできる。 他の記述を確かめる。(1)軽水炉なので燃料は低濃縮ウラン,冷却材と減速材はどちらも軽水。(2)BWRは沸騰させるぶん圧力が低く(約7 MPa。PWRは約15 MPa),蒸気発生器が要らない。(3)制御棒に加えて再循環流量でボイド量を変えて出力を調整できるのがBWRの特徴。(5)炉心の蒸気がそのままタービンへ行くので,タービン側にも遮へいが要る。 上から入れるか下から入れるかは,炉心の上に何があるかで決まる。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 電力 問4
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  265. 問265.次の文章は,風力発電に関する記述である。 風力発電は,風のエネルギーによって風車で発電機を駆動し発電を行う。風車は回転軸の方向により水平軸風車と垂直軸風車に分けられ,大電力用には主に (ア) 軸風車が用いられる。 風がもつ運動エネルギーは風速の (イ) 乗に比例する。また,プロペラ型風車を用いた風力発電で取り出せる電力は,損失を無視すると風速の (ウ) 乗に比例する。風が得られれば電力を発生できるため,発電するときに二酸化炭素を排出しない再生可能エネルギーであり,また,出力変動の (エ) 電源とされる。 発電機には誘導発電機や同期発電機が用いられる。同期発電機を用いてロータの回転速度を可変とした場合には,発生した電力は (オ) を介して電力系統へ送電される。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.水平 / 2 / 2 / 小さい / 増速機
    • 2.水平 / 2 / 3 / 大きい / 電力変換装置
    • 3.水平 / 3 / 3 / 大きい / 電力変換装置
    • 4.垂直 / 3 / 2 / 小さい / 増速機
    • 5.垂直 / 2 / 3 / 大きい / 電力変換装置

    正解:2.水平 / 2 / 3 / 大きい / 電力変換装置

    解説:(ア) 大型の風力発電機はほとんどがプロペラ型で,回転軸が地面と平行な水平軸風車である。垂直軸風車は風向きを選ばない利点があるが,大電力用には普及していない。 (イ) 運動エネルギーは ½mv² なので風速の2乗に比例する。 (ウ) 電力は単位時間当たりのエネルギーで,1秒間に風車を通り抜ける空気の質量そのものが風速に比例する。したがって 2乗×1乗 で風速の3乗に比例する。(イ)と(ウ)が違う数字になるのがこの問題の要点である。 (エ) 風は人が制御できないので出力の変動は大きい。 (オ) 可変速運転では発電される電力の周波数が系統と合わない。いったん直流に変換してから系統の周波数の交流に戻す電力変換装置(コンバータとインバータ)を介して連系する。 水平/2/3/大きい/電力変換装置となり答(2)。 増速機は風車の遅い回転を発電機の回転に上げる機械部品で,電力を系統へ送る装置ではない。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 電力 問5
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  266. 問266.電力系統の電圧調整に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.線路リアクタンスが大きい送電線路では,受電端において進相コンデンサを負荷に並列することで,受電端での進み無効電流を増加させ,受電端電圧を上げることができる。
    • 2.送電線路において送電端電圧と受電端電圧が一定であるとすると,負荷の力率が変化すれば受電端電力が変化する。このため,負荷が変動しても力率を調整することによって受電端電圧を一定に保つことができる。
    • 3.送電線路での有効電力の損失は電圧に反比例するため,電圧調整により電圧を高めに運用することが損失を減らすために有効である。
    • 4.進相コンデンサは無効電力を段階的にしか調整できないが,静止型無効電力補償装置は無効電力の連続的な調整が可能である。
    • 5.電力系統の電圧調整には調相設備と共に,発電機の励磁調整による電圧調整が有効である。

    正解:3.送電線路での有効電力の損失は電圧に反比例するため,電圧調整により電圧を高めに運用することが損失を減らすために有効である。

    解説:送電線路の損失は 3I²R で,線電流は I=P/(√3V cosθ) だから電圧に反比例する。これを2乗した形で損失に効くので,損失は電圧の2乗に反比例する。「電圧に反比例する」とする(3)が誤りで,これが答になる。 電圧を高めに運用すると損失が減る,という結論そのものは正しい。誤っているのは効き方の書き方で,電圧を2倍にすれば損失は1/2ではなく1/4になる。 他の記述を確かめる。(1)進相コンデンサを入れると進み電流が流れ,リアクタンスによる電圧降下を打ち消す向きに働くので受電端電圧が上がる。(2)電圧降下は有効分だけでなく無効分にもよるので,力率を調整すれば受電端電圧を保てる。(4)コンデンサは入切なので段階的,静止型無効電力補償装置(SVC)は連続的に調整できる。(5)発電機の励磁を強めれば無効電力を出し,弱めれば吸収するので電圧調整に使える。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 電力 問6
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  267. 問267.図に示す過電流継電器の各種限時特性(ア)〜(エ)に対する名称の組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。問267の図

    • 1.反限時特性 / 反限時定限時特性 / 定限時特性 / 瞬時特性
    • 2.反限時定限時特性 / 反限時特性 / 定限時特性 / 瞬時特性
    • 3.反限時特性 / 定限時特性 / 瞬時特性 / 反限時定限時特性
    • 4.定限時特性 / 反限時定限時特性 / 反限時特性 / 瞬時特性
    • 5.反限時定限時特性 / 反限時特性 / 瞬時特性 / 定限時特性

    正解:1.反限時特性 / 反限時定限時特性 / 定限時特性 / 瞬時特性

    解説:まず4つの名称の意味を押さえる。定限時特性は電流の大きさによらず動作時間が一定,反限時特性は電流が大きいほど動作時間が短くなる,反限時定限時特性はその両方で,小さい電流では反限時,大きい電流では一定値に落ち着く。瞬時特性は動作時間がほぼ零である。 図の水平な2本のうち,上の約2 sの線が(ウ),0付近の線が(エ)である。動作時間が一定なので(ウ)が定限時特性,値がほぼ零の(エ)が瞬時特性。ここまでは(1)と(2)で同じで,分かれ目は曲線2本の対応である。 ここで注意が要る。2本の曲線は動作電流倍数が4に近いところで交差している。左端だけを見て対応づけると取り違えるので,矢印が指した曲線を右端まで目でたどること。(ア)が指しているのは左端で高いほうの曲線で,これは交差したあと下側へ抜けて右端で約0.8 sまで下がり続ける。電流が大きいほど動作時間が短くなる一方なので反限時特性である。(イ)が指しているのは左端で低いほうの曲線で,交差したあと上側になり,右端では約2.6 sで平らになる。大電流側で一定値になるので反限時定限時特性である。 反限時特性/反限時定限時特性/定限時特性/瞬時特性となり答(1)。 反限時定限時特性は,事故電流が非常に大きくても遮断器の動作時間より短くならないよう下限を設けたもので,実際の系統でよく使われる。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 電力 問7
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  268. 問268.受電端電圧が20 kVの三相3線式の送電線路において,受電端での電力が2 000 kW,力率が0.9(遅れ)である場合,この送電線路での抵抗による全電力損失の値[kW]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 ただし,送電線1線当たりの抵抗値は9 Ωとし,線路のインダクタンスは無視するものとする。

    • 1.12.3
    • 2.37.0
    • 3.64.2
    • 4.90.0
    • 5.111

    正解:5.111

    解説:まず線電流を出す。三相の電力は P=√3VI cosθ なので I=P/(√3V cosθ)=2 000×10³/(√3×20×10³×0.9)≒64.2 A。 損失は3線ぶんなので 3I²R=3×64.2²×9≒111×10³ W=111 kW。答(5)。 (3)の64.2は線電流の値[A]であって損失ではない。ここで止めると単位が違うまま答えてしまう。(2)の37.0は1線当たりの損失 I²R≒37 kW で,3を掛け忘れた値である。 なお三相の損失は 3I²R で,1線分を3倍する。√3 を掛けるのは電力の式であって損失の式ではない。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 電力 問8
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  269. 問269.送電線路のフェランチ効果に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.受電端電圧の方が送電端電圧よりも高くなる現象である。
    • 2.短距離送電線路よりも,長距離送電線路の方が発生しやすい。
    • 3.無負荷や軽負荷の場合よりも,負荷が重い場合に発生しやすい。
    • 4.フェランチ効果発生時の線路電流の位相は,電圧に対して進んでいる。
    • 5.分路リアクトルの運転により防止している。

    正解:3.無負荷や軽負荷の場合よりも,負荷が重い場合に発生しやすい。

    解説:フェランチ効果は,送電線路の対地静電容量に流れる進み電流が線路のリアクタンスに作用して,受電端の電圧を押し上げる現象である。この進み電流を打ち消すのが負荷の遅れ電流なので,負荷が軽いほど進み電流が目立ち,フェランチ効果が起きやすい。「負荷が重い場合に発生しやすい」とする(3)が誤りで,これが答になる。 実際に起きるのは,深夜など需要が少ない時間帯や,長距離のケーブル系統を無負荷で充電したときである。 他の記述を確かめる。(1)受電端が送電端より高くなる,というのが現象の定義そのもの。(2)線路が長いほど対地静電容量が大きく,進み電流も大きくなるので起きやすい。(4)静電容量に流れる電流なので位相は電圧より進む。(5)分路リアクトル(遅れ無効電力を吸わせる)を入れて進み電流を打ち消すのが対策である。 進相コンデンサは逆に進み電流を増やすので,フェランチ効果の対策にはならない。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 電力 問9
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  270. 問270.次の文章は,架空送電線の振動に関する記述である。 架空送電線が電線と直角方向に毎秒数メートル程度の風を受けると,電線の後方に渦を生じて電線が上下に振動することがある。これを微風振動といい, (ア) 電線で,径間が (イ) ほど,また,張力が (ウ) ほど発生しやすい。 多導体の架空送電線において,風速が数〜20 m/sで発生し,10 m/sを超えると激しくなる振動を (エ) 振動という。 また,その他の架空送電線の振動には,送電線に氷雪が付着した状態で強い風を受けたときに発生する (オ) や,送電線に付着した氷雪が落下したときにその反動で電線が跳ね上がる現象などがある。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.重い / 長い / 小さい / サブスパン / ギャロッピング
    • 2.軽い / 長い / 大きい / サブスパン / ギャロッピング
    • 3.重い / 短い / 小さい / コロナ / ギャロッピング
    • 4.軽い / 短い / 大きい / サブスパン / スリートジャンプ
    • 5.重い / 長い / 大きい / コロナ / スリートジャンプ

    正解:2.軽い / 長い / 大きい / サブスパン / ギャロッピング

    解説:(ア)(イ)(ウ) 微風振動は,電線の後方にできるカルマン渦が電線を上下に揺らす現象である。揺れやすいのは,軽くて動きやすい電線,径間が長くて支点が遠い場合,張力が大きくて張り詰めている場合である。ギターの弦を思い浮かべると,細くて長くて強く張った弦ほど振動しやすいのと同じ関係になる。 (エ) 多導体では,風上側の素導体の後方にできた渦が風下側の素導体を揺らす。スペーサとスペーサの間(サブスパン)を単位として起きるのでサブスパン振動という。コロナは振動ではなく放電現象なので当てはまらない。 (オ) 氷雪が付いて断面が翼のような形になった電線が強風を受け,揚力で大きく上下に踊る現象がギャロッピングである。設問の最後にある「付着した氷雪が落下したときに跳ね上がる現象」はスリートジャンプで,これは(オ)とは別の現象として並べて書かれている。 軽い/長い/大きい/サブスパン/ギャロッピングとなり答(2)。 (オ)にスリートジャンプを入れてしまうと,そのすぐ後ろの説明と同じ内容が二度出てくることになる。文のつながりからも消せる。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 電力 問10
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  271. 問271.地中送電線路の故障点位置標定に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.故障点位置標定は,地中送電線路で地絡事故や断線事故が発生した際に,事故点の位置を標定して地中送電線路を迅速に復旧させるために必要となる。
    • 2.パルスレーダ法は,健全相のケーブルと故障点でのサージインピーダンスの違いを利用して,故障相のケーブルの一端からパルス電圧を入力してから故障点でパルス電圧が反射して戻ってくるまでの時間を計測し,ケーブル中のパルス電圧の伝搬速度を用いて故障点を標定する方法である。
    • 3.静電容量測定法は,ケーブルの静電容量と長さが比例することを利用し,健全相と故障相のそれぞれのケーブルの静電容量の測定結果とケーブルのこう長から故障点を標定する方法である。
    • 4.マーレーループ法は,並行する健全相と故障相の2本のケーブルに対して電気抵抗計測に使われるブリッジ回路を構成し,ブリッジ回路の平衡条件とケーブルのこう長から故障点を標定する方法である。
    • 5.測定原理から,地絡事故にはパルスレーダ法とマーレーループ法が適用でき,断線事故には静電容量測定法とマーレーループ法が適用できる。

    正解:5.測定原理から,地絡事故にはパルスレーダ法とマーレーループ法が適用でき,断線事故には静電容量測定法とマーレーループ法が適用できる。

    解説:マーレーループ法はホイートストンブリッジの応用で,故障相と健全相を先端で短絡してループを作り,導体の抵抗が長さに比例することを使って故障点までの距離を出す。したがって導体がつながっていることが前提になり,導体が切れている断線事故には使えない。「断線事故には静電容量測定法とマーレーループ法が適用できる」とする(5)が誤りで,これが答になる。断線事故に使えるのは静電容量測定法とパルスレーダ法である。 他の記述を確かめる。(1)地中線は目で見て故障点を探せないので,位置標定が復旧時間を左右する。(2)パルスレーダ法は反射までの往復時間と伝搬速度から距離を出す。(3)静電容量はケーブルの長さに比例するので,健全相と比べれば断線点までの長さが分かる。(4)ブリッジの平衡条件とこう長から故障点までの距離を求める,というのがマーレーループ法の説明そのものである。 どの方法が使えるかは,測るのに何がつながっている必要があるかで決まる。抵抗を測る方法は導体が切れていたら使えない。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 電力 問11
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  272. 問272.次の文章は,配電線路に用いられる柱上変圧器に関する記述である。 柱上に設置される変圧器としては,容量 (ア) のものが多く使用されている。 鉄心には,けい素鋼板が多く使用されているが, (イ) のために鉄心にアモルファス金属材料を用いた変圧器も使用されている。 また,変圧器保護のために, (ウ) を柱上変圧器に内蔵したものも使用されている。 三相3線式200 Vに供給するときの結線には,Δ結線とV結線がある。V結線は単相変圧器2台によって構成できるため,Δ結線よりも変圧器の電柱への設置が簡素化できるが,同一容量の単相変圧器2台を使用して三相平衡負荷に供給している場合,同一容量の単相変圧器3台を使用したΔ結線と比較して,出力は (エ) 倍となる。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.10〜100 kV·A / 小型化 / 漏電遮断器 / 1/√3
    • 2.10〜30 MV·A / 低損失化 / 漏電遮断器 / √3/2
    • 3.10〜30 MV·A / 低損失化 / 避雷器 / √3/2
    • 4.10〜100 kV·A / 低損失化 / 避雷器 / 1/√3
    • 5.10〜100 kV·A / 小型化 / 避雷器 / √3/2

    正解:4.10〜100 kV·A / 低損失化 / 避雷器 / 1/√3

    解説:(ア) 柱上変圧器は数軒から数十軒に供給するもので,容量は10〜100 kV·A程度である。MV·A級は変電所に置く変圧器の大きさで,電柱には載らない。 (イ) アモルファス金属は無方向性で磁区の動きが良く,けい素鋼板より鉄損(とくに無負荷損)が大幅に小さい。柱上変圧器は負荷が軽い時間帯も含めて年中通電しているので,無負荷損の削減が効く。目的は低損失化である。 (ウ) 柱上変圧器を雷サージから守るため,避雷器を内蔵したものが使われる。漏電遮断器は低圧の需要家側で人身と漏電を守る器具で,柱上変圧器に内蔵するものではない。 (エ) V結線は単相変圧器2台で √3×(1台の容量)の三相出力が得られる。Δ結線は3台で 3×(1台の容量)。同じ容量の変圧器で比べると √3/3=1/√3≒0.577倍。 10〜100 kV·A/低損失化/避雷器/1/√3 となり答(4)。 選択肢の√3/2≒0.866は,V結線の「利用率」=出力÷変圧器2台ぶんの容量の値である。ここで問われているのは台数の違う2つの結線の出力の比なので,利用率とは別の数字になる。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 電力 問12
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  273. 問273.高圧架空配電線路又は高圧地中配電線路を構成する機材として,使用されることのないものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.柱上開閉器
    • 2.CVケーブル
    • 3.中実がいし
    • 4.DV線
    • 5.避雷器

    正解:4.DV線

    解説:DV線は「引込用ビニル絶縁電線」(Drop wire, Vinyl)の略で,電柱から家屋へ引き込む低圧の架空引込線に使う電線である。高圧の配電線路には使わない。答(4)。 他の4つを確かめる。(1)柱上開閉器は高圧配電線を区分・開閉するために電柱に取り付ける。(2)CVケーブル(架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル)は高圧地中配電線路の主力である。(3)中実がいしは中身の詰まった磁器のがいしで,高圧架空配電線の支持に使われる。(5)避雷器は雷サージから機器を守るため高圧配電線路に設置する。 名前に付いた記号で用途が分かる電線がある。DVは引込用(低圧),OWは屋外用(低圧),OCは屋外用架橋ポリエチレン絶縁電線(高圧)である。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 電力 問13
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  274. 問274.我が国の電力用設備に使用されるSF₆ガスに関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.SF₆ガスは,大気中に排出されると,オゾン層への影響は無視できるガスであるが,地球温暖化に及ぼす影響が大きいガスである。
    • 2.SF₆ガスは,圧力を高めることで絶縁破壊強度を高めることができ,同じ圧力の空気と比較して絶縁破壊強度が高い。
    • 3.SF₆ガスは,液体,固体の絶縁媒体と比較して誘電率及び誘電正接が小さいため,誘電損が小さい。
    • 4.SF₆ガスは,遮断器による電流遮断の際に,電極間でアーク放電を発生させないため,消弧能力に優れ,ガス遮断器の消弧媒体として使用されている。
    • 5.SF₆ガスは,ガス絶縁開閉装置やガス絶縁変圧器の絶縁媒体として使用され,変電所の小型化の実現に貢献している。

    正解:4.SF₆ガスは,遮断器による電流遮断の際に,電極間でアーク放電を発生させないため,消弧能力に優れ,ガス遮断器の消弧媒体として使用されている。

    解説:電流を流している電極を引き離せば,どんな媒体の中でも必ずアーク放電が生じる。SF₆ガスの長所はアークを起こさないことではなく,電子を捕まえる性質(電子付着性)が強くアークを速やかに消せることである。「アーク放電を発生させないため」とする(4)が誤りで,これが答になる。 他の記述を確かめる。(1)SF₆は塩素を含まないのでオゾン層は壊さないが,地球温暖化係数が二酸化炭素の約2万倍と大きく,京都議定書の対象ガスである。(2)気体の絶縁耐力は圧力とともに高くなり,SF₆は同じ圧力の空気の2〜3倍の絶縁破壊強度がある。(3)気体なので誘電率も誘電正接も小さく,誘電損は無視できる。(5)絶縁距離を短くできるのでガス絶縁開閉装置(GIS)にでき,変電所を大幅に小型化できる。 「〜しないため優れている」という書き方が出てきたら,本当に起きないのか,それとも起きたあとの処理が上手いのかを分けて考えるとよい。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 電力 問14
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  275. 問275.揚水発電所について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 ただし,水の密度を1 000 kg/m³,重力加速度を9.8 m/s²とする。 〔小問(a)〕 揚程450 m,ポンプ効率90 %,電動機効率98 %の揚水発電所がある。揚水により揚程及び効率は変わらないものとして,下池から1 800 000 m³の水を揚水するのに電動機が要する電力量の値[MW·h]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.1 500
    • 2.1 750
    • 3.2 000
    • 4.2 250
    • 5.2 500

    正解:5.2 500

    解説:まず水を持ち上げるのに必要な仕事を出す。水の質量は 1 800 000 m³×1 000 kg/m³=1.8×10⁹ kg。 位置エネルギーの増加は mgH=1.8×10⁹×9.8×450=7.938×10¹² J。 これはポンプと電動機を通ったあとに水が得たエネルギーなので,電動機が受け取る電力量は両方の効率で割り戻す。 7.938×10¹²/(0.90×0.98)=7.938×10¹²/0.882=9.0×10¹² J。 1 MW·h=3.6×10⁹ J だから 9.0×10¹²/(3.6×10⁹)=2 500 MW·h。答(5)。 揚水では効率で「割る」。発電では効率を「掛ける」。向きを取り違えると 7.938×10¹²×0.882 となって約1 945 MW·hになり,(3)や(4)の付近に落ちてしまう。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 電力 問15(a)
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  276. 問276.揚水発電所について,次の問に答えよ。 ただし,水の密度を1 000 kg/m³,重力加速度を9.8 m/s²とする。揚程は450 m,ポンプ効率は90 %,電動機効率は98 %である。 〔小問(b)〕 この揚水発電所において,発電電動機が電動機入力300 MWで揚水運転しているときの流量の値[m³/s]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.50.0
    • 2.55.0
    • 3.60.0
    • 4.65.0
    • 5.70.0

    正解:3.60.0

    解説:電動機が受け取った300 MWのうち,実際に水を持ち上げるのに使われるのは両方の効率を掛けたぶんである。 300×0.98×0.90=264.6 MW。 流量Q[m³/s]の水を揚程H[m]だけ持ち上げるのに要る動力は ρgQH なので 264.6×10⁶=1 000×9.8×Q×450=4.41×10⁶×Q Q=264.6×10⁶/(4.41×10⁶)=60.0 m³/s。答(3)。 小問(a)では効率で割り,ここでは効率を掛ける。どちらも「電動機の入力側」と「水が得るエネルギー」のどちらが分かっているかで向きが決まる。ここは入力300 MWが分かっているので掛ける側になる。 効率を掛け忘れて 300×10⁶/4.41×10⁶≒68.0 とすると(5)の70.0に近づく。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 電力 問15(b)
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  277. 問277.定格容量80 MV·A,一次側定格電圧33 kV,二次側定格電圧11 kV,百分率インピーダンス18.3 %(定格容量ベース)の三相変圧器T_Aがある。三相変圧器T_Aの一次側は33 kVの電源に接続され,二次側は負荷のみが接続されている。電源の百分率内部インピーダンスは,1.5 %(系統基準容量ベース)とする。ただし,系統基準容量は80 MV·Aである。なお,抵抗分及びその他の定数は無視する。次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 将来の負荷変動等は考えないものとすると,変圧器T_Aの二次側に設置する遮断器の定格遮断電流の値[kA]として,最も適切なものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.5
    • 2.8
    • 3.12.5
    • 4.20
    • 5.25

    正解:5.25

    解説:二次側から見た電源までの百分率インピーダンスは,どちらも80 MV·A基準なのでそのまま足せる。 %Z=1.5+18.3=19.8 %。 三相短絡容量は P_s=80/0.198≒404 MV·A。 二次側は11 kVなので,三相短絡電流は I_s=404×10⁶/(√3×11×10³)≒21.2 kA。 遮断器はこの短絡電流を切れなければならないので,定格遮断電流は21.2 kA以上の標準値を選ぶ。選択肢のうち21.2 kAを上回る最小の値は25 kAである。答(5)。 (4)の20 kAは21.2 kAを下回るので,短絡したときに遮断できない。「最も適切なもの」とあっても,計算値に最も近い値ではなく,計算値以上でいちばん小さい標準値を選ぶ。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 電力 問16(a)
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  278. 問278.定格容量80 MV·A,一次側定格電圧33 kV,二次側定格電圧11 kV,百分率インピーダンス18.3 %(定格容量ベース)の三相変圧器T_Aがある。三相変圧器T_Aの一次側は33 kVの電源に接続され,二次側は負荷のみが接続されている。電源の百分率内部インピーダンスは,1.5 %(系統基準容量ベース)とする。ただし,系統基準容量は80 MV·Aである。なお,抵抗分及びその他の定数は無視する。次の問に答えよ。 〔小問(b)〕 定格容量50 MV·A,百分率インピーダンスが12.0 %(定格容量ベース)の三相変圧器T_Bを三相変圧器T_Aと並列に接続した。40 MWの負荷をかけて運転した場合,三相変圧器T_Aの負荷分担の値[MW]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし,三相変圧器群T_AとT_Bにはこの負荷のみが接続されているものとし,抵抗分及びその他の定数は無視する。

    • 1.15.8
    • 2.19.5
    • 3.20.5
    • 4.24.2
    • 5.24.6

    正解:3.20.5

    解説:並列に接続した変圧器の負荷分担は,百分率インピーダンスの逆比になる。ただし比べる前に基準容量をそろえなければならない。 T_Bの12.0 %は自分の定格容量50 MV·A基準の値なので,80 MV·A基準に直すと 12.0×80/50=19.2 %。 T_Aは18.3 %のままでよい。したがって P_A=40×(1/18.3)/{(1/18.3)+(1/19.2)}=40×19.2/(18.3+19.2)=40×19.2/37.5≒20.5 MW。答(3)。 電源の内部インピーダンス1.5 %は2台に分かれる前の共通部分なので,分担の比には効かない。 基準容量をそろえずに 40×12/(18.3+12)≒15.8 とすると(1)を選ぶ。百分率インピーダンスは「自分の定格容量に対する値」なので,容量の違う機器どうしをそのまま比べてはいけない。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 電力 問16(b)
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  279. 問279.三相3線式1回線の専用配電線がある。変電所の送り出し電圧が6 600 V,末端にある負荷の端子電圧が6 450 V,力率が遅れの70 %であるとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 ただし,電線1線当たりの抵抗は0.45 Ω/km,リアクタンスは0.35 Ω/km,線路のこう長は5 kmとする。 〔小問(a)〕 この負荷に供給される電力P₁の値[kW]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.180
    • 2.200
    • 3.220
    • 4.240
    • 5.260

    正解:4.240

    解説:線路定数はこう長5 kmを掛けて R=0.45×5=2.25 Ω,X=0.35×5=1.75 Ω(1線当たり)。 三相3線式の電圧降下の近似式は V_s−V_r=√3 I(R cosθ+X sinθ)。 cosθ=0.7 なので sinθ=√(1−0.7²)≒0.714。電圧降下は 6 600−6 450=150 V だから 150=√3×I×(2.25×0.7+1.75×0.714)=√3×I×2.825 I=150/(1.732×2.825)≒30.7 A。 負荷に供給される電力は,負荷の端子電圧で計算する。 P₁=√3×6 450×30.7×0.7≒240×10³ W=240 kW。答(4)。 電圧降下の式に使うRとXは「1線当たりの値」で,√3を掛けるのは三相のためである。ここに3を掛けたり,送り出し電圧6 600 Vで電力を計算したりすると値がずれる。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 電力 問17(a)
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  280. 問280.三相3線式1回線の専用配電線がある。変電所の送り出し電圧が6 600 V,末端にある負荷の端子電圧が6 450 V,力率が遅れの70 %であるとき,次の問に答えよ。 ただし,電線1線当たりの抵抗は0.45 Ω/km,リアクタンスは0.35 Ω/km,線路のこう長は5 kmとする。 〔小問(b)〕 負荷が遅れ力率80 %,P₂[kW]に変化したが線路損失は変わらなかった。P₂の値[kW]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 (小問(a)より,変化前の線電流は約30.7 A,供給電力P₁は240 kWである。)

    • 1.254
    • 2.274
    • 3.294
    • 4.314
    • 5.334

    正解:2.274

    解説:線路損失は 3I²R で,Rは変わらない。損失が変わらないということは,線電流の大きさも変わらないということである。したがって I₂=I₁≒30.7 A。 つぎに新しい端子電圧を出す。cosθ=0.8 なら sinθ=0.6 なので,電圧降下は √3×30.7×(2.25×0.8+1.75×0.6)=√3×30.7×2.85≒151 V。 V_r2=6 600−151≒6 449 V。変化前の6 450 Vとほとんど変わらない。 よって P₂=√3×6 449×30.7×0.8≒274×10³ W=274 kW。答(2)。 端子電圧がほぼ同じで電流も同じなら,電力の比は力率の比そのままになる。240×(0.8/0.7)≒274 kW と暗算しても同じ値になる。 「線路損失が変わらない」を「電力が変わらない」と読み違えないこと。損失を決めているのは電流であって,電力ではない。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和4年度上期 電力 問17(b)
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  281. 問281.次の文章は,水力発電所の種類に関する記述である。 水力発電所は (ア) を得る方法により分類すると,水路式,ダム式,ダム水路式があり, (イ) の利用方法により分類すると,流込み式,調整池式,貯水池式,揚水式がある。 一般的に,水路式はダム式,ダム水路式に比べ (ウ) 。貯水ができないので発生電力の調整には適さない。ダム式発電では,ダムに水を蓄えることで (イ) の調整ができるので,電力需要が大きいときにあわせて運転することができる。 河川の自然の流れをそのまま利用して発電する方式を (エ) 発電という。貯水池などを持たない水路式発電所がこれに相当する。 1日又は数日程度の河川流量を調整できる大きさを持つ池を持ち,電力需要が小さいときにその池に蓄え,電力需要が大きいときに放流して発電する方式を (オ) 発電という。自然の湖や人工の湖などを用いてもっと長期間の需要変動に応じて河川流量を調整・使用する方式を貯水池式発電という。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.落差 / 流速 / 建設期間が長い / 調整池式 / ダム式
    • 2.流速 / 落差 / 建設期間が短い / 調整池式 / ダム式
    • 3.落差 / 流量 / 高落差を得にくい / 流込み式 / 揚水式
    • 4.流量 / 落差 / 建設費が高い / 流込み式 / 調整池式
    • 5.落差 / 流量 / 建設費が安い / 流込み式 / 調整池式

    正解:5.落差 / 流量 / 建設費が安い / 流込み式 / 調整池式

    解説:(ア)(イ) 水力発電所の分類には二つの軸がある。水路式・ダム式・ダム水路式は,どうやって落差を作るかによる分類。流込み式・調整池式・貯水池式・揚水式は,流れてくる水(流量)をどう使うかによる分類である。 (ウ) 水路式は,川の上流から長い水路で水を導いて落差を得る方式で,大きなダムを造らないので建設費は安い。そのかわり水を貯めておけないので出力の調整には向かない。設問の次の文が「貯水ができないので発生電力の調整には適さない」と続いているので,ここには短所ではなく長所が入る流れである。 (エ) 河川の自然の流れをそのまま使うのが流込み式(自流式)。 (オ) 1日から数日ぶんの水を貯められる池を持つのが調整池式。もっと長い期間を賄えるのが貯水池式で,設問の最後にそう書かれている。 落差/流量/建設費が安い/流込み式/調整池式となり答(5)。 (3)の「高落差を得にくい」は事実として逆である。水路式はむしろ長い水路で高い落差を稼ぐ方式で,ダム式のほうが落差はダムの高さに制限される。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 電力 問1
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  282. 問282.図で,水圧管内を水が充満して流れている。断面Aでは,内径2.2 m,流速3 m/s,圧力24 kPaである。このとき,断面Aとの落差が30 m,内径2 mの断面Bにおける流速[m/s]と水圧[kPa]の最も近い値の組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 ただし,重力加速度は9.8 m/s²,水の密度は1 000 kg/m³,円周率は3.14とする。 (選択肢は「流速[m/s] / 水圧[kPa]」の順に示す。)問282の図

    • 1.3.0 / 318
    • 2.3.0 / 316
    • 3.3.6 / 316
    • 4.3.6 / 310
    • 5.4.0 / 300

    正解:3.3.6 / 316

    解説:流速は連続の式(同じ時間に通り抜ける水の量は等しい)から求める。断面積は内径の2乗に比例するので v_B=v_A×(2.2/2)²=3×1.21=3.63 m/s。 水圧はベルヌーイの定理から求める。圧力・速度・位置の三つのエネルギーの合計が保存されるので p_B=p_A+ρg(z_A−z_B)+ρ(v_A²−v_B²)/2。 各項を計算する。 位置による分: 1 000×9.8×30=294 000 Pa=294 kPa 速度による分: 1 000×(3²−3.63²)/2=1 000×(9−13.18)/2≒−2 090 Pa≒−2.1 kPa したがって p_B=24+294−2.1≒316 kPa。答(3)。 流速が上がったぶん圧力はわずかに下がるが,落差30 mによる294 kPaのほうが桁違いに大きい。この問題では速度の項を忘れても318 kPaとなり,(1)を選んでしまう。 断面積は内径の2乗で効くので,内径が2.2 mから2 mへ約9 %小さくなると流速は21 %増える。(1)(2)のように流速が変わらないことはない。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 電力 問2
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  283. 問283.汽力発電におけるボイラ設備に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.ボイラを水の循環方式によって分けると,自然循環ボイラ,強制循環ボイラ,貫流ボイラがある。
    • 2.蒸気ドラム内には汽水分離器が設置されており,蒸発管から送られてくる飽和蒸気と水を分離する。
    • 3.空気予熱器は,煙道ガスの余熱を燃焼用空気に回収することによって,ボイラ効率を高めるための熱交換器である。
    • 4.節炭器は,煙道ガスの余熱を利用してボイラ給水を加熱することによって,ボイラ効率を高めるためのものである。
    • 5.再熱器は,高圧タービンで仕事をした蒸気をボイラに戻して再加熱し,再び高圧タービンで仕事をさせるためのもので,熱効率の向上とタービン翼の腐食防止のために用いられている。

    正解:5.再熱器は,高圧タービンで仕事をした蒸気をボイラに戻して再加熱し,再び高圧タービンで仕事をさせるためのもので,熱効率の向上とタービン翼の腐食防止のために用いられている。

    解説:再熱器は,高圧タービンで仕事をして温度が下がった蒸気をボイラへ戻して温め直し,つぎに低圧タービンへ送るためのものである。戻す先は低圧タービンであって,同じ高圧タービンではない。したがって「再び高圧タービンで仕事をさせる」とする(5)が誤りで,これが答になる。 蒸気を温め直す目的は二つある。一つは熱効率の向上。もう一つは,低圧タービンの出口で蒸気が湿りすぎて水滴が翼を傷めるのを防ぐことで,設問にある「タービン翼の腐食防止」がこれにあたる。この二つの目的は正しく書かれていて,戻す先だけが違う。 他の記述を確かめる。(1)水の循環のさせ方で自然循環・強制循環・貫流の三つに分かれる。(2)蒸気ドラム内の汽水分離器が蒸気と水を分ける。(3)空気予熱器は煙道ガスの余熱を燃焼用空気に移す。(4)節炭器(エコノマイザ)は同じ余熱を給水に移す。(3)と(4)は,余熱を空気に回すか給水に回すかの違いで,どちらもボイラ効率を上げるためのものである。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 電力 問3
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  284. 問284.次の文章は,電気集じん装置に関する記述である。 火力発電所で発生する灰じんなどの微粒子は,電気集じん装置により除去される。典型的な電気集じん装置は,集じん電極である (ア) の間に放電電極である (イ) を置いた構造である。電極間の (ウ) によって発生した (エ) 放電により生じたイオンで微粒子を帯電させ,クーロン力によって集じん電極で捕集する。集じん電極に付着した微粒子は一般的に,集じん電極 (オ) 取り除く。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.線電極 / 平板電極 / 高電圧 / コロナ / に風を吹きつけて
    • 2.線電極 / 平板電極 / 大電流 / アーク / を槌でたたいて
    • 3.平板電極 / 線電極 / 大電流 / アーク / に風を吹きつけて
    • 4.平板電極 / 線電極 / 高電圧 / コロナ / を槌でたたいて
    • 5.平板電極 / 線電極 / 大電流 / コロナ / を槌でたたいて

    正解:4.平板電極 / 線電極 / 高電圧 / コロナ / を槌でたたいて

    解説:(ア)(イ) 微粒子を受け止める集じん電極は,広い面積が要るので平板電極。放電させる側は,先端に電界を集中させたいので細い線電極にする。この組合せは逆にできない。 (ウ)(エ) 線電極のまわりに強い電界を作るために高電圧を加え,コロナ放電を起こす。アーク放電は電極間が短絡状態になる激しい放電で,集じん装置では避けるべきものである。また電気集じん装置に流れる電流はごく小さく,「大電流」ではない。 (オ) 平板に積もった灰は,槌でたたいて(槌打ち)振り落とし,下のホッパに集める。風を吹きつけると,せっかく捕らえた灰がまた飛散してしまう。 平板電極/線電極/高電圧/コロナ/を槌でたたいて となり答(4)。 電気集じん装置は「高い電圧はかけるが電流はほとんど流さない」機器である。(ウ)を大電流とする選択肢はこの点で消せる。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 電力 問4
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  285. 問285.原子力発電に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.原子力発電は,原子燃料の核分裂により発生する熱エネルギーで水を蒸気に変え,その蒸気で蒸気タービンを回し,タービンに連結された発電機で発電する。
    • 2.軽水炉は,減速材に黒鉛,冷却材に軽水を使用する原子炉であり,原子炉圧力容器の中で直接蒸気を発生させる沸騰水型と,別置の蒸気発生器で蒸気を発生させる加圧水型がある。
    • 3.軽水炉は,天然ウラン中のウラン235の濃度を3〜5 %程度に濃縮した低濃縮ウランを原子燃料として用いる。
    • 4.核分裂反応を起こさせるために熱中性子を用いる原子炉を熱中性子炉といい,軽水炉は熱中性子炉である。
    • 5.沸騰水型原子炉の出力調整は,再循環ポンプによる冷却材再循環流量の調節と制御棒の挿入及び引き抜き操作により行われ,加圧水型原子炉の出力調整は,一次冷却材中のほう素濃度の調節と制御棒の挿入及び引き抜き操作により行われる。

    正解:2.軽水炉は,減速材に黒鉛,冷却材に軽水を使用する原子炉であり,原子炉圧力容器の中で直接蒸気を発生させる沸騰水型と,別置の蒸気発生器で蒸気を発生させる加圧水型がある。

    解説:軽水炉という名前は,減速材にも冷却材にも軽水(普通の水)を使うことから来ている。したがって「減速材に黒鉛」とする(2)が誤りで,これが答になる。 黒鉛を減速材に使うのは黒鉛減速炉で,イギリスのガス冷却炉やチェルノブイリで知られるRBMKなどが該当する。日本の商用炉はすべて軽水炉である。 他の記述を確かめる。(1)核分裂の熱で蒸気を作りタービンを回す,という基本の流れ。(3)天然ウランのウラン235は0.7 %しかないので,3〜5 %まで濃縮して使う。(4)水で減速して遅くなった中性子(熱中性子)で核分裂を起こすので熱中性子炉である。(5)沸騰水型は再循環流量でボイド(泡)の量を変えて出力を調整でき,加圧水型は沸騰させないのでこの手が使えず,ほう素濃度で調整する。 沸騰水型と加圧水型の違いは,蒸気を炉心で直接作るか,別置の蒸気発生器で作るかである。この点は(2)の後半に正しく書かれていて,誤っているのは減速材の一語だけになっている。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 電力 問5
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  286. 問286.分散型電源に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.太陽電池で発生した直流の電力を交流系統に接続する場合は,インバータにより直流を交流に変換する。連系保護装置を用いると,系統の停電時などに電力の供給を止めることができる。
    • 2.分散型電源からの逆潮流による系統電圧上昇を抑制する手段として,分散型電源の出力抑制や,電圧調整器を用いた電圧の制御などが行われる。
    • 3.小水力発電では,河川や用水路などでの流込み式発電が用いられる場合が多い。
    • 4.洋上の風力発電所と陸上の系統の接続では,海底ケーブルによる直流送電が用いられることがある。ケーブルでの直流送電のメリットとして,誘電損を考慮しなくてよいことなどが挙げられる。
    • 5.一般的な燃料電池発電は,水素と酸素との吸熱反応を利用して電気エネルギーを作る発電方式であり,負荷変動に対する応答が早い。

    正解:5.一般的な燃料電池発電は,水素と酸素との吸熱反応を利用して電気エネルギーを作る発電方式であり,負荷変動に対する応答が早い。

    解説:燃料電池は水素と酸素から水ができる反応を使う。これは水の生成熱を放出する発熱反応であり,そのエネルギーの一部を電気として取り出している。「吸熱反応」とする(5)が誤りで,これが答になる。吸熱反応なら外から熱を与え続けなければ進まず,発電にはならない。 後半の「負荷変動に対する応答が早い」は正しい。回転する機械を持たない化学反応なので,出力の追従は速い。 他の記述を確かめる。(1)太陽電池は直流を出すのでインバータで交流に変換し,系統が停電したときは連系保護装置で切り離す(単独運転の防止)。(2)逆潮流が増えると系統の電圧が上がるので,出力抑制や電圧調整器で抑える。(3)小水力は貯める設備を持たない流込み式が多い。(4)直流には周波数が無いので,交流のように絶縁体の中で誘電損が生じない。長い海底ケーブルでは充電電流も問題になるため,直流送電が選ばれる。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 電力 問6
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  287. 問287.次の文章は,変電所の計器用変成器に関する記述である。 計器用変成器は, (ア) と変流器とに分けられ,高電圧あるいは大電流の回路から計器や (イ) に必要な適切な電圧や電流を取り出すために設置される。変流器の二次端子には,常に (ウ) インピーダンスの負荷を接続しておく必要がある。また,一次端子のある変流器は,その端子を被測定線路に (エ) に接続する。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.主変圧器 / 避雷器 / 高 / 縦続
    • 2.CT / 保護継電器 / 低 / 直列
    • 3.計器用変圧器 / 遮断器 / 中 / 並列
    • 4.CT / 遮断器 / 高 / 縦続
    • 5.計器用変圧器 / 保護継電器 / 低 / 直列

    正解:5.計器用変圧器 / 保護継電器 / 低 / 直列

    解説:(ア) 計器用変成器は,電圧を落とす計器用変圧器(VT)と,電流を小さくする変流器(CT)の二つに分けられる。設問が「(ア)と変流器とに分けられ」と書いているのだから,ここに入るのは計器用変圧器である。CTは変流器そのものなので同じものを並べることになり,当てはまらない。 (イ) 取り出した電圧や電流を使うのは,計器と保護継電器である。避雷器や遮断器は電気を測る機器ではない。 (ウ) 変流器の二次側は開放してはならない。開放すると鉄心が飽和して二次端子に高電圧が現れ危険なので,常に低インピーダンスの負荷(電流計など)か短絡状態にしておく。 (エ) 変流器は流れている電流を測るのだから,被測定線路に直列に入れる。並列に入れるのは電圧を測る計器用変圧器のほうである。 計器用変圧器/保護継電器/低/直列 となり答(5)。 (ウ)と(エ)は,電流計の使い方(直列につなぐ・端子を開放しない)と同じ考え方で決まる。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 電力 問7
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  288. 問288.変電所の断路器に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.断路器は消弧装置をもたないため,負荷電流の遮断を行うことはできない。
    • 2.断路器は機器の点検や修理の際,回路を切り離すのに使用する。断路器で回路を開く前に,まず遮断器で故障電流や負荷電流を切る必要がある。
    • 3.断路器を誤って開くと,接触子間にアークが発生し,焼損や短絡事故を生じることがある。
    • 4.断路器の種類によっては,短い線路や母線の地絡電流の遮断が可能な場合がある。
    • 5.断路器の誤操作防止のため,一般にインタロック装置が設けられている。

    正解:4.断路器の種類によっては,短い線路や母線の地絡電流の遮断が可能な場合がある。

    解説:断路器は消弧装置を持たないので,電流を切る能力はほとんどない。種類によって開閉できるのは,無負荷の短い線路や母線の充電電流,変圧器の励磁電流といった,ごく小さい電流に限られる。地絡電流は事故時に流れる大きな電流なので,断路器では切れない。したがって(4)が誤りで,これが答になる。 他の記述を確かめる。(1)消弧装置が無いので負荷電流は遮断できない。これが断路器と遮断器のいちばんの違いである。(2)断路器は「電流が流れていない状態で回路を切り離す」ための機器なので,先に遮断器で電流を切ってから開く。(3)電流が流れているのに開くとアークが継続し,焼損や短絡に至る。(5)この誤操作を防ぐため,遮断器が開いていないと断路器を操作できないインタロックが設けられている。 (2)(3)(5)はいずれも「電流が流れているうちに断路器を開いてはならない」という一つのことを別の面から述べたもので,そこから外れているのは(4)だけである。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 電力 問8
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  289. 問289.1台の定格容量が20 MV·Aの三相変圧器を3台有する配電用変電所があり,その総負荷が55 MWである。変圧器1台が故障したときに,残りの変圧器の過負荷運転を行い,不足分を他の変電所に切り換えることにより,故障発生前と同じ電力を供給したい。この場合,他の変電所に故障発生前の負荷の何%を直ちに切り換える必要があるか,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし,残りの健全な変圧器は,変圧器故障時に定格容量の120 %の過負荷運転をすることとし,力率は常に95 %(遅れ)で変化しないものとする。

    • 1.6.2
    • 2.10.0
    • 3.12.1
    • 4.17.1
    • 5.24.2

    正解:4.17.1

    解説:変圧器の容量は皮相電力で表されるので,負荷も皮相電力に直してから比べる。 総負荷の皮相電力は 55/0.95≒57.9 MV·A。 1台故障すると残りは2台で,それぞれ定格の120 %まで運転できるので 2×20×1.2=48 MV·A。 不足分は 57.9−48=9.9 MV·A。 切り換える割合は,故障発生前の負荷に対する比なので 9.9/57.9≒0.171=17.1 %。答(4)。 力率は変わらないので,皮相電力の比はそのまま有効電力の比に等しい。したがって MW のまま計算しても同じ答になる(48×0.95=45.6 MW,(55−45.6)/55≒17.1 %)。 力率で割るのを忘れて 55 と 48 をそのまま比べると (55−48)/55≒12.7 % となり(3)に近づく。変圧器の容量と負荷の電力は単位が違うので,どちらかにそろえてから引き算する。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 電力 問9
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  290. 問290.次の文章は,がいしの塩害とその対策に関する記述である。 風雨などによってがいし表面に塩分が付着すると, (ア) が発生することがあり,可聴雑音や電波障害,フラッシオーバの原因となる。これをがいしの塩害という。がいしの塩害対策は,塩害の少ない送電ルートの選定,がいしの絶縁強化,がいしの洗浄,がいし表面への (イ) 性物質の塗布が挙げられる。 懸垂がいしにおいて,絶縁強化を図るには,がいしを (ウ) に連結する個数を増やす方法や,がいしの表面漏れ距離を (エ) する方法が用いられる。 また,懸垂がいしと異なり,棒状磁器の両端に連結用金具を取り付けた形状の (オ) がいしは,雨洗効果が高く,塩害に対し絶縁性が高い。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.漏れ電流 / はっ水 / 直列 / 長く / 長幹
    • 2.過電圧 / 吸湿 / 直列 / 短く / ピン
    • 3.漏れ電流 / 吸湿 / 並列 / 短く / 長幹
    • 4.過電圧 / はっ水 / 並列 / 長く / 長幹
    • 5.漏れ電流 / はっ水 / 直列 / 短く / ピン

    正解:1.漏れ電流 / はっ水 / 直列 / 長く / 長幹

    解説:(ア) 塩分が湿気を含むとがいし表面が導電性を帯び,表面を伝う漏れ電流が流れる。この電流が部分的な放電を起こして雑音や電波障害を生み,やがてフラッシオーバに至る。過電圧は外から加わるもので,塩分の付着によって発生するものではない。 (イ) がいし表面にシリコーンコンパウンドなどのはっ水性物質を塗ると,水が玉になって連続した水膜ができず,漏れ電流の道が切れる。吸湿性の物質を塗ったら逆効果である。 (ウ) 懸垂がいしは1個ずつ数珠つなぎにして使うので,個数を増やすのは直列である。 (エ) 表面を伝う距離が長いほど漏れ電流が流れにくくなるので,漏れ距離は長くする。 (オ) 棒状磁器の両端に金具を付けた形は長幹がいし。ひだが外に張り出していて雨で洗われやすく,塩害地域に向く。ピンがいしは配電用の小さいがいしで,形が違う。 漏れ電流/はっ水/直列/長く/長幹 となり答(1)。 (エ)は絶縁を強くしたいのだから距離は長くする,と考えれば迷わない。「短く」としている選択肢は,設問の「絶縁強化を図るには」と噛み合わない。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 電力 問10
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  291. 問291.地中送電線路に使用される電力ケーブルの許容電流に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.電力ケーブルの絶縁体やシースの熱抵抗,電力ケーブル周囲の熱抵抗といった各部の熱抵抗を小さくすることにより,ケーブル導体の発熱に対する導体温度上昇量を低減することができるため,許容電流を大きくすることができる。
    • 2.表皮効果が大きいケーブル導体を採用することにより,導体表面側での電流を流れやすくして導体全体での電気抵抗を低減することができるため,許容電流を大きくすることができる。
    • 3.誘電率,誘電正接の小さい絶縁体を採用することにより,絶縁体での発熱の影響を抑制することができるため,許容電流を大きくすることができる。
    • 4.電気抵抗率の高い金属シース材を採用することにより,金属シースに流れる電流による発熱の影響を低減することができるため,許容電流を大きくすることができる。
    • 5.電力ケーブルの布設条数(回線数)を少なくすることにより,電力ケーブル相互間の発熱の影響を低減することができるため,1条当たりの許容電流を大きくすることができる。

    正解:2.表皮効果が大きいケーブル導体を採用することにより,導体表面側での電流を流れやすくして導体全体での電気抵抗を低減することができるため,許容電流を大きくすることができる。

    解説:表皮効果とは,交流では電流が導体の表面付近に偏って流れる現象である。中心部が使われなくなるぶん実効的な断面積が減るので,交流での電気抵抗はむしろ大きくなる。「電気抵抗を低減できる」とする(2)が誤りで,これが答になる。 対策はその逆で,導体を細い素線に分けて絶縁したり,中空にしたりして表皮効果を小さくする。 他の記述を確かめる。許容電流は,導体の温度が許容値を超えない範囲で決まる。だから「発熱を減らす」か「熱を逃げやすくする」ことが,そのまま許容電流を増やす手になる。(1)は熱の逃げ道の抵抗を下げる話,(3)は絶縁体そのものの誘電損による発熱を減らす話,(4)は金属シースに流れる電流(シース回路電流)による発熱を減らす話,(5)は隣のケーブルからもらう熱を減らす話で,いずれも正しい。 (2)だけが「熱を減らす」ではなく「抵抗が下がる」という主張になっていて,しかもその主張自体が逆である。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 電力 問11
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  292. 問292.単相3線式配電方式は,1線の中性線と,中性線から見て互いに逆位相の電圧である2線の電圧線との3線で供給する方式であり,主に低圧配電線路に用いられる。100/200 V単相3線式配電方式に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.電線1線当たりの抵抗が等しい場合,中性線と各電圧線の間に負荷を分散させることにより,単相2線式と比べて配電線の電圧降下を小さくすることができる。
    • 2.中性線と各電圧線の間に接続する各負荷の容量が不平衡な状態で中性線が切断されると,容量が大きい側の負荷にかかる電圧は低下し,反対に容量が小さい側の負荷にかかる電圧は高くなる。
    • 3.中性線と各電圧線の間に接続する各負荷の容量が不平衡であると,平衡している場合に比べて電力損失が増加する。
    • 4.単相100 V及び単相200 Vの2種類の負荷に同時に供給することができる。
    • 5.許容電流の大きさが等しい電線を使用した場合,電線1線当たりの供給可能な電力は,単相2線式よりも小さい。

    正解:5.許容電流の大きさが等しい電線を使用した場合,電線1線当たりの供給可能な電力は,単相2線式よりも小さい。

    解説:電線1線当たりの供給電力を比べる。許容電流をIとすると, 単相2線式(100 V)は 100I の電力を2本で送るので1線当たり 50I。 単相3線式(100/200 V)は,平衡していれば中性線に電流が流れず,200I の電力を3本で送るので1線当たり 200I/3≒66.7I。 約1.33倍で単相3線式のほうが大きい。「単相2線式よりも小さい」とする(5)が誤りで,これが答になる。電線を節約できることが単相3線式を使う理由の一つである。 他の記述を確かめる。(1)平衡していれば中性線に電流が流れないので,往復2本ぶんの電圧降下が片道1本ぶんで済む。(2)中性線が切れると二つの負荷が200 Vに直列につながる形になり,抵抗の大きい側(容量の小さい側)に高い電圧がかかる。これが単相3線式で中性線にヒューズを入れてはいけない理由である。(3)不平衡だと中性線にも電流が流れ,そのぶん損失が増える。(4)電圧線どうしで200 V,電圧線と中性線で100 Vが取れる。 (2)の「容量が大きい」は「消費電力が大きい=抵抗が小さい」ということで,直列にしたとき電圧が低く分配される側にあたる。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 電力 問12
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  293. 問293.次の文章は,我が国の高低圧配電系統における保護に関する記述である。 6.6 kV高圧配電線に短絡や地絡などの事故が生じたとき,直ちに事故の発生した高圧配電線を切り離すために, (ア) と保護継電器が配電用変電所の高圧配電線引出口に設置されている。 樹枝状方式の高圧配電線で事故が生じた場合,事故が発生した箇所の変電所側直近及び変電所から離れた側の (イ) 開閉器を開放することにより,事故が発生した箇所を高圧配電線系統から切り離す。 柱上変圧器には,変圧器内部及び低圧配電系統内での短絡事故による過電流保護のために高圧カットアウトが設けられているほか,落雷などによる外部異常電圧から保護するために,避雷器を変圧器に対して (ウ) に設置する。 (エ) は低圧配電線から低圧引込線への接続点などに設けられ,低圧引込線で生じた短絡事故などを保護している。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.高圧ヒューズ / 区分 / 直列 / 配線用遮断器
    • 2.遮断器 / 区分 / 並列 / ケッチヒューズ(電線ヒューズ)
    • 3.遮断器 / 区分 / 直列 / 配線用遮断器
    • 4.高圧ヒューズ / 連系 / 並列 / ケッチヒューズ(電線ヒューズ)
    • 5.遮断器 / 連系 / 直列 / ケッチヒューズ(電線ヒューズ)

    正解:2.遮断器 / 区分 / 並列 / ケッチヒューズ(電線ヒューズ)

    解説:(ア) 事故を検出するのが保護継電器で,実際に電流を切るのが遮断器である。設問が「(ア)と保護継電器が」と並べているので,ここには遮断器が入る。高圧ヒューズは継電器と組み合わせて使うものではない。 (イ) 樹枝状の高圧配電線を区切って事故区間を切り離すために付けるのは区分開閉器である。連系開閉器は,常時は開いていて別の配電線とつなぎ替えるためのもので,役割が違う。 (ウ) 避雷器は,異常電圧が来たときにそれを大地へ逃がす機器なので,守る対象と並列(対地間に)に入れる。直列に入れたら常時の電流が通れない。 (エ) 低圧引込線の保護に使うのはケッチヒューズ(電線ヒューズ)である。配線用遮断器は需要家の屋内側に置くもので,引込線の接続点に設けるものではない。 遮断器/区分/並列/ケッチヒューズ となり答(2)。 (ウ)は,避雷器が「ふだんは電流を流さず,異常時だけ流す」機器だと考えれば並列と決まる。直列に入れる機器は常時電流が通るものに限られる。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 電力 問13
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  294. 問294.送電線路に用いられる導体に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.導体の導電率は,温度が高くなるほど小さくなる傾向があり,20 ℃での標準軟銅の導電率を100 %として比較した百分率で表される。
    • 2.導体の材料特性としては,導電率や引張強さが大きく,質量や線熱膨張率が小さいことが求められる。
    • 3.導体の導電率は,不純物成分が少ないほど大きくなる。また,単金属と比較して,同じ金属元素を主成分とする合金の方が,一般に導電率は小さくなるが,引張強さは大きくなる。
    • 4.地中送電ケーブルの銅導体には,伸びや可とう性に優れる軟銅より線が用いられ,架空送電線の銅導体には引張強さや耐食性の優れる硬銅より線が用いられている。一般に導電率は,軟銅よりも硬銅の方が大きい。
    • 5.鋼心アルミより線は,中心に亜鉛めっき鋼より線を配置し,その周囲に硬アルミより線を配置した構造を有している。この構造は,必要な導体の電気抵抗に対して,アルミ導体を使用する方が,銅導体を使用するよりも断面積が大きくなるものの軽量にできる利点と,必要な引張強さを鋼心で補強して得ることができる利点を活用している。

    正解:4.地中送電ケーブルの銅導体には,伸びや可とう性に優れる軟銅より線が用いられ,架空送電線の銅導体には引張強さや耐食性の優れる硬銅より線が用いられている。一般に導電率は,軟銅よりも硬銅の方が大きい。

    解説:硬銅は,銅を冷間加工して硬くしたものである。加工によって結晶の並びが乱れ,そこで電子が散乱されるため,導電率は軟銅より小さくなる。標準軟銅を100 %としたとき硬銅はおよそ97 %である。したがって「軟銅よりも硬銅の方が大きい」とする(4)の最後の一文が誤りで,これが答になる。 (4)の前半,地中ケーブルには曲げやすい軟銅より線を,架空送電線には強い硬銅より線を使う,という使い分けは正しい。誤っているのは最後の一文だけである。 他の記述を確かめる。(1)温度が上がると格子振動が激しくなって電子が散乱され,導電率は下がる。導電率は標準軟銅を100 %とした百分率で表す。(2)電気をよく通し,強く,軽く,伸び縮みしにくいことが求められる。(3)不純物も結晶の乱れも電子を散乱させるので,純度が高いほど導電率は高く,合金にすると導電率は下がるが強度は上がる。(5)鋼心アルミより線(ACSR)は,導電率の低いアルミを太くして使うかわりに軽くし,足りない引張強さを中心の鋼心で補う構造である。 (3)と(4)は同じ原理を述べている。合金化も加工硬化も「結晶を乱して強くする」代わりに「導電率を下げる」という取引になっていて,強さと導電率は両立しにくい。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 電力 問14
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  295. 問295.ある火力発電所にて,定格出力350 MWの発電機が下表に示すような運転を行ったとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。ただし,所内率は2 %とする。 〔小問(a)〕 0時から24時の間の送電端電力量の値[MW·h]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。問295の図

    • 1.4 660
    • 2.5 710
    • 3.5 830
    • 4.5 950
    • 5.8 230

    正解:2.5 710

    解説:まず表から発電端の電力量を積み上げる。出力と時間の積を足していけばよい。 0〜7時 130×7=910 7〜12時 350×5=1 750 12〜13時 200×1=200 13〜20時 350×7=2 450 20〜24時 130×4=520 合計 5 830 MW·h。 これは発電機の端子で測った電力量なので,発電所の中で使う電力(所内電力)を差し引くと送電端の電力量になる。所内率が2 %だから 5 830×(1−0.02)=5 830×0.98≒5 710 MW·h。答(2)。 (3)の5 830は発電端の電力量そのもので,所内率を引く前の値である。所内率は「発電端に対する割合」なので,掛けるのは0.98であって,1.02で割るのではない。 (5)の8 230は,時間の重みを付けずに出力を単純に足すなどした場合に出てくる値。表の各段の時間の長さが違うので,かならず時間を掛けてから足す。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 電力 問15(a)
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  296. 問296.ある火力発電所にて,定格出力350 MWの発電機が下表に示すような運転を行ったとき,次の問に答えよ。ただし,所内率は2 %とする。 〔小問(b)〕 0時から24時の間に発熱量54.70 MJ/kgのLNG(液化天然ガス)を770 t消費したとすると,この間の発電端熱効率の値[%]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 (小問(a)より,この間の発電端電力量は5 830 MW·hである。)問296の図

    • 1.44
    • 2.46
    • 3.48
    • 4.50
    • 5.52

    正解:4.50

    解説:熱効率は「取り出した電気エネルギー」÷「投入した燃料の熱エネルギー」である。問われているのは発電端熱効率なので,分子には送電端ではなく発電端の電力量を使う。 分子。1 MW·h=3 600 MJ なので 5 830×3 600=2.099×10⁷ MJ。 分母。770 t=770 000 kg だから 54.70×770 000≒4.212×10⁷ MJ。 したがって 2.099×10⁷/4.212×10⁷≒0.498=49.8 %。最も近いのは50で答(4)。 分子に送電端の5 710 MW·hを使うと 48.8 % となり(3)の48に近づいてしまう。発電端熱効率と送電端熱効率は分子が違うだけなので,どちらを問われているかを最初に確かめる。 単位をそろえるところが山になる。MW·h は電力量,MJ/kg は単位質量当たりの熱量なので,1 MW·h=3 600 MJ と t=1 000 kg の二つの換算を通してから割る。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 電力 問15(b)
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  297. 問297.支持点の高さが同じで径間距離150 mの架空電線路がある。電線の質量による荷重が20 N/m,線膨張係数は1 ℃につき0.000 018である。電線の導体温度が−10 ℃のとき,たるみは3.5 mであった。次の(a)及び(b)の問に答えよ。ただし,張力による電線の伸縮はないものとし,その他の条件は無視するものとする。 〔小問(a)〕 電線の導体温度が35 ℃のとき,電線の支持点間の実長の値[m]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.150.18
    • 2.150.23
    • 3.150.29
    • 4.150.34
    • 5.151.43

    正解:4.150.34

    解説:まず−10 ℃のときの実長を求める。径間S,たるみDのときの実長は L=S+8D²/(3S) で近似できるので L=150+8×3.5²/(3×150)=150+98/450≒150.218 m。 つぎに温度が−10 ℃から35 ℃へ45 ℃上がったぶん,電線が熱で伸びる。 L'=L(1+αΔT)=150.218×(1+0.000 018×45)=150.218×1.000 81。 伸びは 150.218×0.000 81≒0.122 m なので L'≒150.218+0.122=150.34 m。答(4)。 伸びる量はわずか12 cmほどだが,これがたるみでは大きな差になる(小問(b)で使う)。実長の変化は小さくても,たるみは平方根で効くので敏感に変わる。 (5)の151.43は,線膨張係数を10倍にするなど桁を誤った場合の値。0.000 018×45=0.000 81 は1 %にも満たない伸びである。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 電力 問16(a)
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  298. 問298.支持点の高さが同じで径間距離150 mの架空電線路がある。電線の質量による荷重が20 N/m,線膨張係数は1 ℃につき0.000 018である。電線の導体温度が−10 ℃のとき,たるみは3.5 mであった。次の問に答えよ。ただし,張力による電線の伸縮はないものとし,その他の条件は無視するものとする。 〔小問(b)〕 (a)と同じ条件のとき,電線の支持点間の最低点における水平張力の値[N]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 (小問(a)より,35 ℃のときの実長は約150.34 mである。)

    • 1.6 272
    • 2.12 863
    • 3.13 927
    • 4.15 638
    • 5.17 678

    正解:2.12 863

    解説:実長からたるみを逆に求め,そこから水平張力を出す。 実長の式 L=S+8D²/(3S) をDについて解くと D=√(3S(L−S)/8)。 35 ℃のときの実長は150.339 mなので L−S=0.339 m, D=√(3×150×0.339/8)=√19.09≒4.37 m。 水平張力は,たるみの式 D=wS²/(8T) を T について解いて T=wS²/(8D)=20×150²/(8×4.37)=450 000/34.96≒12 870 N。 最も近いのは12 863で答(2)。 たるみが3.5 mから4.37 mへ約25 %増えたことで,張力はほぼその逆比だけ下がっている。−10 ℃のときの張力は 20×150²/(8×3.5)≒16 070 N なので,暖まると張力が緩むという実感どおりの結果になる。 (5)の17 678付近は,たるみを35 ℃のものに更新せず3.5 mのまま使った場合に近い値。温度が変わればたるみも変わるので,(a)で求めた実長からたるみを求め直す一手間が要る。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 電力 問16(b)
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  299. 問299.図のように,高圧配電線路と低圧単相2線式配電線路が平行に施設された設備において,1次側が高圧配電線路に接続された変圧器の2次側を低圧単相2線式配電線路のS点に接続して,A点及びB点の負荷に電力を供給している。S点における線間電圧を107 V,電線1線当たりの抵抗及びリアクタンスをそれぞれ0.3 Ω/km及び0.4 Ω/kmとしたとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。なお,計算においては各点における電圧の位相差が十分に小さいものとして適切な近似を用いること。 〔小問(a)〕 B点におけるS点に対する電圧降下率の値[%]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし,電圧降下率はB点受電端電圧基準によるものとする。問299の図

    • 1.1.57
    • 2.3.18
    • 3.3.30
    • 4.7.75
    • 5.16.30

    正解:2.3.18

    解説:A点とB点の負荷はどちらも力率1.0なので,リアクタンスによる電圧降下は効かず,抵抗分だけを見ればよい。単相2線式なので電流は行きと帰りの2本を流れ,電圧降下は2倍になる。 S→A間は 15+5=20 Aが流れ,距離0.2 kmだから ΔV₁=2×20×(0.3×0.2)=2.4 V。 A→B間は 5 Aが流れ,距離0.3 kmだから ΔV₂=2×5×(0.3×0.3)=0.9 V。 合計の電圧降下は 2.4+0.9=3.3 V で,B点の電圧は 107−3.3=103.7 V。 電圧降下率はB点の受電端電圧を基準にすると指定されているので 3.3/103.7×100≒3.18 %。答(2)。 (3)の3.30は電圧降下の値[V]そのもの,あるいは基準を100 Vにした場合の値。基準をS点の107 Vにすると 3.3/107≒3.08 % となり,どちらとも違う。何を基準にするかで答が変わるので,設問の但し書きを読み落とさないこと。 単相2線式で2を掛け忘れると1.65 Vとなり,率は約1.59 %で(1)に近づく。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 電力 問17(a)
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  300. 問300.図のように,高圧配電線路と低圧単相2線式配電線路が平行に施設された設備において,1次側が高圧配電線路に接続された変圧器の2次側を低圧単相2線式配電線路のS点に接続して,A点及びB点の負荷に電力を供給している。S点における線間電圧を107 V,電線1線当たりの抵抗及びリアクタンスをそれぞれ0.3 Ω/km及び0.4 Ω/kmとしたとき,次の問に答えよ。なお,計算においては各点における電圧の位相差が十分に小さいものとして適切な近似を用いること。 〔小問(b)〕 C点に電流20 A,力率0.8(遅れ)の負荷が新設されるとき,変圧器を移動して単相2線式配電線路への接続点をS点からS'点に変更することにより,B点及びC点における線間電圧の値が等しくなるようにしたい。このときのS点からS'点への移動距離の値[km]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。問300の図

    • 1.0.213
    • 2.0.296
    • 3.0.325
    • 4.0.334
    • 5.0.528

    正解:3.0.325

    解説:移動距離をx[km]とする。図のとおりC点からS点までは0.7 kmなので,S'点から見るとC点までが 0.7−x,A点までが 0.2+x,B点までが 0.5+x になる。 C点側の電圧降下を出す。C点の負荷は20 A,力率0.8(遅れ)なので sinθ=0.6 であり,抵抗とリアクタンスの両方が効く。 ΔV_C=2×20×{0.3(0.7−x)×0.8+0.4(0.7−x)×0.6} =2×20×(0.7−x)×(0.24+0.24)=19.2(0.7−x)。 B点側の電圧降下を出す。こちらは力率1.0なので抵抗だけ。 S'→A間は20 Aで距離 0.2+x,A→B間は5 Aで距離0.3だから ΔV_B=2×20×0.3(0.2+x)+2×5×0.3×0.3=12(0.2+x)+0.9=12x+3.3。 両点の電圧が等しくなるのは電圧降下が等しいときなので 19.2(0.7−x)=12x+3.3 13.44−19.2x=12x+3.3 10.14=31.2x x≒0.325 km。答(3)。 C点側だけ力率が0.8で,リアクタンス分が効いてくるのがこの問題の要点である。0.3×0.8+0.4×0.6=0.48 と,1 km当たりの実質的な抵抗が0.3ではなく0.48に増えていることになる。ここを力率1.0のまま計算すると,係数が19.2ではなく12となり x≒0.408 km になって選択肢から外れる。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和3年度 電力 問17(b)
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  301. 問301.ダム水路式発電所における水撃作用とサージタンクに関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.発電機の負荷を急激に遮断又は急激に増やした場合は,それに応動して水車の使用水量が急激に変化し,流速が減少又は増加するため,水圧管内の圧力の急上昇又は急降下が起こる。このような圧力の変動を水撃作用という。
    • 2.水撃作用は,水圧管の長さが長いほど,水車案内羽根あるいは入口弁の閉鎖時間が短いほど,いずれも大きくなる。
    • 3.水撃作用の発生による影響を緩和する目的で設置される水圧調整用水槽をサージタンクという。サージタンクにはその構造・動作によって,差動式,小孔式,水室式などがあり,いずれも密閉構造である。
    • 4.圧力水路と水圧管との接続箇所に,サージタンクを設けることにより,水槽内部の水位の昇降によって,水撃作用を軽減することができる。
    • 5.差動式サージタンクは,負荷遮断時の圧力増加エネルギーをライザ(上昇管)内の水面上昇によってすばやく吸収し,そのあとで小穴を通してタンク内の水位をゆっくり通常のタンク内水位に戻す作用がある。

    正解:3.水撃作用の発生による影響を緩和する目的で設置される水圧調整用水槽をサージタンクという。サージタンクにはその構造・動作によって,差動式,小孔式,水室式などがあり,いずれも密閉構造である。

    解説:サージタンクは、水撃作用による圧力の変動を水面の上下で吸収する水槽である。水面が自由に上下できなければ役に立たないので、差動式・小孔式・水室式はいずれも上部が大気に開放された構造である。「いずれも密閉構造である」とする(3)が誤りで、これが答になる。 密閉構造をとるのは空気室式(エアチャンバ)で、閉じ込めた空気の圧縮性を使って圧力変動を吸収する。設問が挙げた三つの中には入っていない。 他の記述を確かめる。(1)負荷が急に変わると水車の使用水量が急変し、水圧管の中の流速が変わって圧力の急上昇・急降下が起きる。これが水撃作用である。(2)水撃作用の大きさは、動かす水の量(水圧管が長いほど多い)と、流速を変える速さ(弁の閉鎖時間が短いほど急)で決まるので、どちらも大きくなる向きに働く。(4)圧力水路と水圧管の接続箇所にサージタンクを置くと、圧力の変動が水面の昇降に逃げるので、上流の圧力水路まで衝撃が伝わらない。(5)差動式はライザ(上昇管)で急な圧力をまず受け止め、そのあと小穴を通してゆっくり水位を戻す。応答が速く、しかも水面の振動が長引かない。 水撃作用を抑えるには「弁をゆっくり閉じる」か「圧力の逃げ道を作る」かで、後者がサージタンクである。上部が開いているのは、その逃げ道が大気につながっている、ということにほかならない。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 電力 問1
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  302. 問302.次の文章は,汽力発電所の復水器の機能に関する記述である。 汽力発電所の復水器は蒸気タービン内で仕事を取り出した後の (ア) 蒸気を冷却して凝縮させる装置である。復水器内部の真空度を (イ) 保持してタービンの (ア) 圧力を (ウ) させることにより, (エ) の向上を図ることができる。なお,復水器によるエネルギー損失は熱サイクルの中で最も (オ) 。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.抽気 / 低く / 上昇 / 熱効率 / 大きい
    • 2.排気 / 高く / 上昇 / 利用率 / 小さい
    • 3.排気 / 高く / 低下 / 熱効率 / 大きい
    • 4.抽気 / 高く / 低下 / 熱効率 / 小さい
    • 5.排気 / 低く / 停止 / 利用率 / 大きい

    正解:3.排気 / 高く / 低下 / 熱効率 / 大きい

    解説:(ア) タービンで仕事をし終えて出てくる蒸気は排気である。抽気は、途中の段から給水加熱などのために一部を取り出す蒸気のことで、別のものである。 (イ)(ウ) 復水器の真空度を高く保つほど、タービンの排気圧力は低くなる。タービンが取り出せる仕事は入口と出口の熱落差で決まるので、出口の圧力が低いほど熱落差が大きくなる。 (エ) それによって上がるのは熱効率である。利用率は設備をどれだけ使ったかを表す別の指標で、真空度とは関係しない。 (オ) 復水器では、蒸気の凝縮熱が冷却水に捨てられる。この量は投入した熱の半分ほどにもなり、熱サイクルの中で最も大きい損失である。 排気/高く/低下/熱効率/大きいとなり答(3)。 (イ)と(ウ)は必ず逆向きに動く。「真空度が高い=圧力が低い」という言い換えなので、両方とも同じ向きに書いてある選択肢は外せる。 復水器の損失が最も大きいというのは、裏を返せば、ここを改善すれば効率が上がるということでもある。冷却水の温度が低い冬のほうが真空度を高くとれて効率が上がる、という季節変動もここから出てくる。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 電力 問2
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  303. 問303.次のa)〜e)の文章は,汽力発電所の保護装置に関する記述である。 これらの文章の内容について,適切なものと不適切なものの組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 a) 蒸気タービンの回転速度が定格を超える一定値以上に上昇すると,自動的に蒸気止弁を閉じて,タービンを停止する非常調速機が設置されている。 b) ボイラ水の循環が円滑に行われないとき,水管の焼損事故を防止するため,燃料を遮断してバーナを消火させる燃料遮断装置が設置されている。 c) 負荷の緊急遮断等によって,ボイラ内の蒸気圧力が一定限度を超えたとき,蒸気を放出させて機器の破損を防ぐため,蒸気加減弁が設置されている。 d) 蒸気タービンの軸受油圧が異常低下したとき,タービンを停止させるトリップ装置が設置されている。 e) 発電機固定子巻線の内部短絡を検出・保護するために,比率差動継電器が設置されている。

    • 1.a 適切 / b 適切 / c 不適切 / d 適切 / e 適切
    • 2.a 不適切 / b 不適切 / c 不適切 / d 不適切 / e 適切
    • 3.a 適切 / b 適切 / c 不適切 / d 適切 / e 不適切
    • 4.a 不適切 / b 適切 / c 適切 / d 不適切 / e 適切
    • 5.a 不適切 / b 不適切 / c 適切 / d 適切 / e 不適切

    正解:1.a 適切 / b 適切 / c 不適切 / d 適切 / e 適切

    解説:c)だけが不適切である。蒸気圧力が一定限度を超えたときに蒸気を放出して機器を守るのは安全弁であって、蒸気加減弁ではない。蒸気加減弁はタービンに送る蒸気の量を加減して出力を調整する弁で、圧力を逃がす働きは持たない。 他の記述を確かめる。 a) 適切。非常調速機(非常用ガバナ)は、定格速度を1割ほど超えると蒸気止弁を閉じてタービンを止める。負荷を急に失うとタービンは一気に加速するので、この保護が要る。 b) 適切。ボイラ水の循環が滞ると、水管が空焚きに近い状態になって焼損する。燃料遮断装置で燃料を止め、バーナを消火する。 d) 適切。軸受の油圧が下がると潤滑が切れて焼き付くので、トリップ装置でタービンを止める。 e) 適切。比率差動継電器は、巻線に入る電流と出る電流の差を見て内部故障を検出する。外部故障では入りと出が等しいので動作せず、内部短絡のときだけ動作する。 a適切・b適切・c不適切・d適切・e適切となり答(1)。 弁の名前を取り違えさせる出題である。安全弁は「限度を超えたら逃がす」、加減弁は「出力に合わせて絞る」と、目的で覚え分ける。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 電力 問3
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  304. 問304.次の文章は,原子燃料に関する記述である。 核分裂は様々な原子核で起こるが,ウラン235などのように核分裂を起こし,連鎖反応を持続できる物質を (ア) といい,ウラン238のように中性子を吸収して (ア) になる物質を (イ) という。天然ウラン中に含まれるウラン235は約 (ウ) %で,残りは核分裂を起こしにくいウラン238である。ここで,ウラン235の濃度が天然ウランの濃度を超えるものは,濃縮ウランと呼ばれており,濃縮度3 %から5 %程度の (エ) は原子炉の核燃料として使用される。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.核分裂性物質 / 親物質 / 1.5 / 低濃縮ウラン
    • 2.核分裂性物質 / 親物質 / 0.7 / 低濃縮ウラン
    • 3.核分裂生成物 / 親物質 / 0.7 / 高濃縮ウラン
    • 4.核分裂生成物 / 中間物質 / 0.7 / 低濃縮ウラン
    • 5.放射性物質 / 中間物質 / 1.5 / 高濃縮ウラン

    正解:2.核分裂性物質 / 親物質 / 0.7 / 低濃縮ウラン

    解説:(ア) 核分裂を起こして連鎖反応を続けられる物質を核分裂性物質という。ウラン235のほか、プルトニウム239、ウラン233がこれにあたる。核分裂生成物は分裂したあとにできる破片のことで、別のものである。 (イ) それ自身は核分裂しにくいが、中性子を吸収して核分裂性物質に変わる物質を親物質という。ウラン238は中性子を吸収してプルトニウム239になるので親物質である。トリウム232も親物質で、ウラン233に変わる。 (ウ) 天然ウランに含まれるウラン235は約0.7 %で、残りの99.3 %はウラン238である。 (エ) 濃縮度3〜5 %程度のものを低濃縮ウランといい、軽水炉の燃料になる。高濃縮ウランは20 %以上のものを指し、原子炉の一般的な燃料には使われない。 核分裂性物質/親物質/0.7/低濃縮ウランとなり答(2)。 0.7 %という値は覚えておく。天然ウランのままでは軽水炉で連鎖反応を保てないので濃縮が要る、という話の前提になる数字である。 「親物質」という呼び方は、そこから核分裂性物質が生まれるという関係を表している。この変換を積極的に行うのが高速増殖炉である。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 電力 問4
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  305. 問305.次の文章は,太陽光発電に関する記述である。 太陽光発電は,太陽電池の光電効果を利用して太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換する。地球に降り注ぐ太陽光エネルギーは,1 m²当たり1秒間に約 (ア) kJに相当する。太陽電池の基本単位はセルと呼ばれ, (イ) V程度の直流電圧が発生するため,これを直列に接続して電圧を高めている。太陽電池を系統に接続する際は, (ウ) により交流の電力に変換する。 一部の地域では太陽光発電の普及によって (エ) に電力の余剰が発生しており,余剰電力は揚水発電の揚水に使われているほか,大容量蓄電池への電力貯蔵に活用されている。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.10 / 1 / 逆流防止ダイオード / 日中
    • 2.10 / 10 / パワーコンディショナ / 夜間
    • 3.1 / 1 / パワーコンディショナ / 日中
    • 4.10 / 1 / パワーコンディショナ / 日中
    • 5.1 / 10 / 逆流防止ダイオード / 夜間

    正解:3.1 / 1 / パワーコンディショナ / 日中

    解説:(ア) 地表に降り注ぐ太陽光は、晴天時でおよそ1 kW/m²である。1 kW=1 kJ/s なので、1 m²あたり1秒間に約1 kJ になる。太陽電池の性能を表すときの基準(1 kW/m²)としてもよく出てくる値である。 (イ) 結晶シリコン太陽電池のセル1枚の電圧は0.5〜0.6 V程度で、選択肢の中では1 Vが近い。10 Vものセルは存在しない。だから何十枚も直列にして使える電圧まで上げる。 (ウ) 直流を交流に変え、系統に合わせて出力するのはパワーコンディショナ(インバータと保護・制御をまとめたもの)である。逆流防止ダイオードは、太陽電池のストリング間で電流が逆流しないようにする部品で、交流には変えられない。 (エ) 太陽光が発電するのは日中なので、余剰が出るのも日中である。その余りを揚水発電の揚水や蓄電池に回して、夕方以降に使う。 1/1/パワーコンディショナ/日中となり答(3)。 (ア)と(イ)は桁を1桁ずらした値が選択肢に並んでいる。1 kW/m²と、セル1枚が約0.5 V——この二つを覚えていれば迷わない。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 電力 問5
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  306. 問306.架空送電線路に関連する設備に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.電線に一様な微風が吹くと,電線の背後に空気の渦が生じて電線が上下に振動するサブスパン振動が発生する。振動エネルギーを吸収するダンパを電線に取り付けることで,この振動による電線の断線防止が図られている。
    • 2.超高圧の架空送電線では,スペーサを用いた多導体化により,コロナ放電の抑制が図られている。スペーサはギャロッピングの防止にも効果的である。
    • 3.架空送電線を鉄塔などに固定する絶縁体としてがいしが用いられている。アークホーンをがいしと併設することで,雷撃等をきっかけに発生するアーク放電からがいしを保護することができる。
    • 4.架空送電線への雷撃を防止するために架空地線が設けられており,遮へい角が小さいほど雷撃防止の効果が大きい。
    • 5.鉄塔又は架空地線に直撃雷があると,鉄塔から送電線へ逆フラッシオーバが起こることがある。埋設地線等により鉄塔の接地抵抗を小さくすることで,逆フラッシオーバの抑制が図られている。

    正解:1.電線に一様な微風が吹くと,電線の背後に空気の渦が生じて電線が上下に振動するサブスパン振動が発生する。振動エネルギーを吸収するダンパを電線に取り付けることで,この振動による電線の断線防止が図られている。

    解説:一様な微風で電線の背後にカルマン渦ができ、電線が上下に振動する現象は微風振動である。サブスパン振動は別のもので、多導体の風下側の電線が風上側の電線の後流(うず)を受けて、スペーサとスペーサのあいだ(サブスパン)で振動する現象を指す。したがって(1)が誤りで、これが答になる。 名前は違うが、対策としてダンパで振動エネルギーを吸収する、という後半の記述自体は微風振動について正しい。現象の名前だけが差し替えられている。 他の記述を確かめる。(2)多導体にすると見かけの電線半径が大きくなって電線表面の電界が下がり、コロナ放電が抑えられる。スペーサは素導体の間隔を保つとともに、ギャロッピング(着氷雪した電線が風で大きく揺れる現象)の抑制にも役立つ。(3)アークホーンはがいし連の両端に付ける金具で、アークをがいしから離れた位置に飛ばしてがいしの破損を防ぐ。(4)架空地線の遮へい角は小さいほど電線が架空地線の陰に入るので、雷撃を受けにくい。(5)鉄塔に雷が落ちると鉄塔の電位が上がり、電線との間で逆向きに絶縁破壊が起きる。これが逆フラッシオーバで、鉄塔の接地抵抗を下げれば電位の上昇が抑えられる。 微風振動・サブスパン振動・ギャロッピングは、いずれも風による電線の振動だが、起こる条件が違う。微風振動は弱い風、サブスパン振動は多導体、ギャロッピングは着氷雪と、区別して覚える。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 電力 問6
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  307. 問307.真空遮断器に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.真空遮断器は,高真空状態のバルブの中で接点を開閉し,真空の優れた絶縁耐力を利用して消弧するものである。
    • 2.真空遮断器の開閉サージが高いことが懸念される場合,避雷器等を用いて,真空遮断器に接続される機器を保護することがある。
    • 3.真空遮断器は,小形軽量で電極の寿命が長く,保守も容易である。
    • 4.真空遮断器は,消弧媒体としてSF₆ガスや油を使わない機器であり,多頻度動作にも適している。
    • 5.真空遮断器は経済性に優れるが,空気遮断器に比べて動作時の騒音が大きい。

    正解:5.真空遮断器は経済性に優れるが,空気遮断器に比べて動作時の騒音が大きい。

    解説:真空遮断器は密閉された真空バルブの中で接点を開閉するので、動作音はごく小さい。一方、空気遮断器は圧縮空気を大気へ吹き出してアークを消すため、破裂音のような大きな騒音を出す。したがって「空気遮断器に比べて動作時の騒音が大きい」とする(5)が誤りで、これが答になる。むしろ逆で、騒音が小さいことが真空遮断器の利点の一つである。 他の記述を確かめる。(1)真空は絶縁耐力が高く、電流が零になった瞬間に電極間の絶縁が急速に回復する。この性質で消弧している。(2)真空遮断器は電流を強制的に切る力が強いぶん、電流が零になる前に切ってしまう(電流裁断)ことがあり、そのとき高い開閉サージが出る。誘導性の機器(電動機や変圧器)を守るために避雷器やサージアブソーバを付けることがある。(3)構造が単純で小形軽量、電極の消耗も少なく保守が容易である。(4)消弧媒体としてSF₆ガスも油も使わないので、ガスの管理や油の交換が要らず、多頻度の開閉にも耐える。 SF₆ガスは温室効果が非常に大きい気体なので、使わずに済むことは環境面の利点でもある。この点でも真空遮断器は高圧の分野で標準的な機器になっている。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 電力 問7
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  308. 問308.定格容量20 MV·A,一次側定格電圧77 kV,二次側定格電圧6.6 kV,百分率インピーダンス10.6 %(基準容量20 MV·A)の三相変圧器がある。三相変圧器の一次側は77 kVの電源に接続され,二次側は負荷のみが接続されている。三相変圧器の一次側から見た電源の百分率インピーダンスは,1.1 %(基準容量20 MV·A)である。抵抗分及びその他の定数は無視する。三相変圧器の二次側に設置する遮断器の定格遮断電流の値[kA]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.1.5
    • 2.2.6
    • 3.6.0
    • 4.20.0
    • 5.260.0

    正解:4.20.0

    解説:基準容量がどちらも20 MV·Aにそろえてあるので、百分率インピーダンスはそのまま足せる。 %Z=10.6+1.1=11.7 %。 二次側の基準電流(定格電流)は I_n=20×10⁶/(√3×6 600)≒1 750 A。 三相短絡電流は基準電流を百分率インピーダンスで割って I_s=1 750/0.117≒14 950 A≒15 kA。 遮断器の定格遮断電流は、この短絡電流以上でなければならない。選択肢のうち15 kA以上で最も小さいのは20.0 kAなので答(4)。 計算値が選択肢にそのまま無いのは、定格遮断電流が標準値(8・12.5・16・20・25・31.5・40 kAなど)から選ばれるためである。「計算した短絡電流を上回る標準値を選ぶ」という手順まで含めて問われている。 基準電流をどちら側で出すかで答はまったく変わる。一次側の定格電流は 20×10⁶/(√3×77 000)≒150 A で、これを使うと短絡電流は 150/0.117≒1 300 A=1.3 kA にしかならない。遮断器を置くのは二次側なので、6.6 kVで基準電流を出す。 電源側の1.1 %を足し忘れると 1 750/0.106≒16.5 kA となるが、これでも20 kAを選ぶことになる。ただし足し忘れは他の問題では答が変わるので、基準容量がそろっているかを確かめてから足す習慣をつける。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 電力 問8
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  309. 問309.次の文章は,避雷器に関する記述である。 避雷器は,雷又は回路の開閉などに起因する過電圧の (ア) がある値を超えた場合,放電により過電圧を抑制して,電気施設の絶縁を保護する装置である。特性要素としては (イ) が広く用いられ,その (ウ) の抵抗特性により,過電圧に伴う電流のみを大地に放電させ,放電後は (エ) を遮断することができる。発変電所用避雷器では, (イ) の優れた電圧−電流特性を利用し,放電耐量が大きく,放電遅れのない (オ) 避雷器が主に使用されている。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.波頭長 / SF₆ / 非線形 / 続流 / 直列ギャップ付き
    • 2.波高値 / ZnO / 非線形 / 続流 / ギャップレス
    • 3.波高値 / SF₆ / 線形 / 制限電圧 / 直列ギャップ付き
    • 4.波高値 / ZnO / 線形 / 続流 / 直列ギャップ付き
    • 5.波頭長 / ZnO / 非線形 / 制限電圧 / ギャップレス

    正解:2.波高値 / ZnO / 非線形 / 続流 / ギャップレス

    解説:(ア) 避雷器が動作するかどうかを決めるのは過電圧の波高値(ピーク値)である。波頭長は波形が立ち上がるまでの時間で、大きさを表す量ではない。 (イ) 特性要素には酸化亜鉛(ZnO)素子が広く使われる。SF₆は遮断器の消弧媒体や絶縁ガスで、避雷器の特性要素ではない。 (ウ) ZnO素子は、電圧が低いうちはほとんど電流を流さず、ある電圧を超えると急に電流を流すという非線形の抵抗特性を持つ。この鋭い折れ曲がりがあるからこそ、常時の電圧では動作せず、過電圧のときだけ放電できる。 (エ) 放電したあとも系統の電圧が加わり続けるので、そのまま電流が流れ続けると事故になる。この電流を続流といい、避雷器はこれを遮断できなければならない。ZnOは非線形性が強いので、常時電圧に戻れば電流はほぼ零になり、続流を自然に断てる。 (オ) その性質のおかげで直列ギャップが不要になり、ギャップレス避雷器が主流になっている。ギャップが無いので放電の遅れも生じない。 波高値/ZnO/非線形/続流/ギャップレスとなり答(2)。 (ウ)と(オ)はつながっている。非線形性が優れているから続流を自力で切れ、だからギャップが要らない、という筋道である。「線形」としている(4)は、この筋道と食い違う。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 電力 問9
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  310. 問310.次の文章は,架空送電線路に関する記述である。 架空送電線路の線路定数には,抵抗,作用インダクタンス,作用静電容量, (ア) コンダクタンスがある。線路定数のうち,抵抗値は,表皮効果により (イ) のほうが増加する。また,作用インダクタンスと作用静電容量は,線間距離Dと電線半径rの比D/rに影響される。D/rの値が大きくなれば,作用静電容量の値は (ウ) なる。 作用静電容量を無視できない中距離送電線路では,作用静電容量によるアドミタンスを1か所又は2か所にまとめる (エ) 定数回路が近似計算に用いられる。このとき,送電端側と受電端側の2か所にアドミタンスをまとめる回路を (オ) 形回路という。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.漏れ / 交流 / 小さく / 集中 / π
    • 2.漏れ / 交流 / 大きく / 集中 / π
    • 3.伝達 / 直流 / 小さく / 集中 / T
    • 4.漏れ / 直流 / 大きく / 分布 / T
    • 5.伝達 / 直流 / 小さく / 分布 / π

    正解:1.漏れ / 交流 / 小さく / 集中 / π

    解説:(ア) 線路定数は、抵抗・作用インダクタンス・作用静電容量・漏れコンダクタンスの四つである。がいし表面などを通って漏れる電流を表すのが漏れコンダクタンスで、架空送電線ではふつう無視できるほど小さい。 (イ) 表皮効果は交流で起きる。周波数が高いほど電流が導体の表面に片寄り、電流の通る断面が実質的に狭くなって抵抗が増える。直流では起きない。 (ウ) 作用静電容量は C=2πε/ln(D/r) の形で表され、D/rが大きくなると分母のln(D/r)が大きくなるので、静電容量は小さくなる。電線どうしが離れるほど互いの静電結合が弱くなる、と考えても同じである。なお作用インダクタンスは L=0.4605 log₁₀(D/r)+0.05 の形で、こちらはD/rが大きくなると増える。二つは逆向きに動く。 (エ) アドミタンスを1か所または2か所にまとめてしまう扱いを集中定数回路という。分布定数回路は、線路に沿って連続的に分布しているものとして扱うやり方で、長距離送電線に使う。 (オ) 2か所にまとめる回路がπ形、1か所にまとめる回路がT形である。文字の形が回路図の形をそのまま表している。πは縦棒が2本、Tは縦棒が1本である。 漏れ/交流/小さく/集中/πとなり答(1)。 (オ)は「πは足が2本」と覚えると取り違えない。設問は「2か所にまとめる回路」と言っているので、π形になる。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 電力 問10
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  311. 問311.我が国における架空送電線路と比較した地中送電線路の特徴に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.地中送電線路は,同じ送電容量の架空送電線路と比較して建設費が高いが,都市部においては保安や景観などの点から地中送電線路が採用される傾向にある。
    • 2.地中送電線路は,架空送電線路と比較して気象現象に起因した事故が少なく,近傍の通信線に与える静電誘導,電磁誘導の影響も少ない。
    • 3.地中送電線路は,同じ送電電圧の架空送電線路と比較して,作用インダクタンスは小さく,作用静電容量が大きいため,充電電流が大きくなる。
    • 4.地中送電線路の電力損失では,誘電体損とシース損を考慮するが,コロナ損は考慮しない。一方,架空送電線路の電力損失では,コロナ損を考慮するが,誘電体損とシース損は考慮しない。
    • 5.絶縁破壊事故が発生した場合,架空送電線路では自然に絶縁回復することは稀であるが,地中送電線路では自然に絶縁回復して再送電できる場合が多い。

    正解:5.絶縁破壊事故が発生した場合,架空送電線路では自然に絶縁回復することは稀であるが,地中送電線路では自然に絶縁回復して再送電できる場合が多い。

    解説:(5)は架空と地中が入れ替わっている。架空送電線路の絶縁は空気なので、アークが消えれば絶縁は自然に回復する。だから再閉路(いったん切ってすぐ入れ直す)が成り立つ。一方、地中送電線路のケーブルは固体絶縁体なので、いったん絶縁破壊すると穴が残り、自然に回復することはない。復旧には事故点を探して切り継ぐ工事が要り、時間もかかる。したがって(5)が誤りで、これが答になる。 他の記述を確かめる。(1)ケーブルと管路の工事が要るので建設費は架空よりずっと高いが、都市部では用地や景観、保安の面から地中化が進んでいる。(2)風雨・雷・着氷雪といった気象の影響を受けず、地面の中を通るので通信線への静電誘導・電磁誘導も小さい。(3)ケーブルは導体と金属シースが薄い絶縁体をはさんで近接しているので、作用静電容量が架空線よりはるかに大きく、そのぶん充電電流も大きい。導体どうしが近いので作用インダクタンスは小さい。(4)ケーブルは絶縁体の中で誘電体損が、金属シースに流れる電流でシース損が生じる。架空線は空気中なのでコロナ損が生じるが、誘電体損もシースも無い。 (3)の「充電電流が大きい」ことは、地中送電線路の送電距離が制限される理由でもある。長くすると充電電流だけで導体の許容電流を食ってしまう。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 電力 問11
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  312. 問312.高圧架空配電線路を構成する機材とその特徴に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.支持物は,遠心成形でコンクリートを締め固めた鉄筋コンクリート柱が一般的に使用されている。
    • 2.電線に使用される導体は,硬銅線が用いられる場合もあるが,鋼心アルミ線なども使用されている。
    • 3.柱上変圧器は,単相変圧器2台をV結線とし,200 Vの三相電源として用い,同時に変圧器から中性線を取り出した単相3線式による100/200 V電源として使用するものもある。
    • 4.柱上開閉器は,気中形,真空形などがあり,手動操作による手動式と制御器による自動式がある。
    • 5.高圧カットアウトは,柱上変圧器の一次側に設けられ,形状は箱形の一種類のみである。

    正解:5.高圧カットアウトは,柱上変圧器の一次側に設けられ,形状は箱形の一種類のみである。

    解説:高圧カットアウトには箱形と円筒形の二種類がある。「箱形の一種類のみ」とする(5)が誤りで、これが答になる。箱形は磁器製の箱の中にヒューズ筒を収めたもの、円筒形は円筒状の磁器の中にヒューズを納めたもので、どちらも柱上変圧器の一次側に取り付けて、過負荷や短絡から変圧器と配電線路を守る。 他の記述を確かめる。(1)配電用の支持物は、遠心成形でコンクリートを締め固めた鉄筋コンクリート柱(コン柱)が主流である。回しながら成形するので中が空洞になり、軽くて強い。(2)導体は硬銅線のほか、軽くて張力に強い鋼心アルミより線(ACSR)も使われる。(3)単相変圧器2台のV結線で三相200 Vをつくり、そのうち1台から中性線を出して単相3線式100/200 Vも同時に供給する、という使い方は配電でよく見られる。(4)柱上開閉器には気中開閉器(PAS)や真空開閉器があり、手動式と、地絡や過電流を検出して自動で動く自動式がある。 配電線路の機材は名前と形が結びつきにくいが、「二種類あるものを一種類と言い切る」形の誤りは典型なので、断定した記述に出会ったら数を思い出す。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 電力 問12
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  313. 問313.次の文章は,スポットネットワーク方式に関する記述である。 スポットネットワーク方式は,22 kV又は33 kVの特別高圧地中配電系統から2回線以上で受電する方式の一つであり,負荷密度が極めて高い都心部の高層ビルや大規模工場などの大口需要家の受電設備に適用される信頼度の高い方式である。 スポットネットワーク方式の一般的な受電系統構成を特別高圧地中配電系統側から順に並べると, (ア) ・ (イ) ・ (ウ) ・ (エ) ・ (オ) となる。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.断路器 / ネットワーク母線 / プロテクタ遮断器 / プロテクタヒューズ / ネットワーク変圧器
    • 2.ネットワーク母線 / ネットワーク変圧器 / プロテクタヒューズ / プロテクタ遮断器 / 断路器
    • 3.プロテクタ遮断器 / プロテクタヒューズ / ネットワーク変圧器 / ネットワーク母線 / 断路器
    • 4.断路器 / プロテクタ遮断器 / プロテクタヒューズ / ネットワーク変圧器 / ネットワーク母線
    • 5.断路器 / ネットワーク変圧器 / プロテクタヒューズ / プロテクタ遮断器 / ネットワーク母線

    正解:5.断路器 / ネットワーク変圧器 / プロテクタヒューズ / プロテクタ遮断器 / ネットワーク母線

    解説:系統側から順に、断路器 → ネットワーク変圧器 → プロテクタヒューズ → プロテクタ遮断器 → ネットワーク母線 の順に並ぶ。答(5)。 順序は役割から決まる。まず入口で回線を切り離すのが断路器。つぎに特別高圧を負荷が使える電圧まで下げるのがネットワーク変圧器。その二次側に、変圧器の内部故障などに備えるプロテクタヒューズを置く。さらにネットワーク母線側との間にプロテクタ遮断器を置き、逆電力が流れたとき(=その回線が停電したとき)に自動で切り離す。最後に、複数回線の出力を並列につなぐのがネットワーク母線である。 最後がネットワーク母線になる、という点が決め手になる。母線は各回線を束ねる場所なので、必ずいちばん負荷側にある。母線を先頭に置く(2)や、途中に挟む(1)(3)は、この時点で外れる。 この方式は、2回線以上で受電して母線で並列に運転するので、1回線が停電しても無停電で供給を続けられる。都心部の高層ビルなどで使われるのはそのためである。プロテクタ遮断器は、停電した回線へ他の回線から電力が逆流するのを検出して切り離す働きを受け持つ。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 電力 問13
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  314. 問314.我が国のコンデンサ,電力ケーブル,変圧器などの電力用設備に使用される絶縁油に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.絶縁油の誘電正接は,変圧器,電力ケーブルに使用する場合には小さいものが,コンデンサに使用する場合には大きいものが適している。
    • 2.絶縁油には,一般に熱膨張率,粘度が小さく,比熱,熱伝導率が大きいものが適している。
    • 3.電力用設備の絶縁油には,一般に古くから鉱油系絶縁油が使用されているが,難燃性や低損失性など,より優れた特性が要求される場合には合成絶縁油が採用されている。また,環境への配慮から植物性絶縁油の採用も進められている。
    • 4.絶縁油は,電力用設備内を絶縁するために使用される以外に,絶縁油の流動性を利用して電力用設備内で生じた熱を外部へ放散するために使用される場合がある。
    • 5.絶縁油では,不純物や水分などが含まれることにより絶縁性能が大きく影響を受け,部分放電の発生によって分解ガスが生じる場合がある。このため,電力用設備から採油した絶縁油の水分量測定やガス分析等を行うことにより,絶縁油の劣化状態や電力用設備の異常を検知することができる。

    正解:1.絶縁油の誘電正接は,変圧器,電力ケーブルに使用する場合には小さいものが,コンデンサに使用する場合には大きいものが適している。

    解説:誘電正接(tanδ)は絶縁体の中で熱になってしまう割合を表す量で、大きいほど誘電体損が増える。変圧器でもケーブルでもコンデンサでも、損失は小さいほうがよいので、誘電正接は小さいものが適している。「コンデンサに使用する場合には大きいものが適している」とする(1)が誤りで、これが答になる。 他の記述を確かめる。(2)熱膨張率が小さいほど温度変化による油量の増減が少なくて済み、粘度が小さいほど油がよく流れて熱を運ぶ。比熱と熱伝導率が大きいほど熱をよく受け取ってよく伝える。いずれも冷却と安定運転に有利な性質である。(3)古くから鉱油系が使われてきたが、難燃性や低損失性が求められる用途では合成絶縁油が使われる。近年は生分解性の高い植物性絶縁油の採用も進んでいる。(4)変圧器の油は絶縁だけでなく冷却も担う。油が対流して熱を放熱器へ運ぶ。(5)水分や不純物が入ると絶縁性能が落ち、部分放電が起きると油が分解して水素やメタンなどのガスが出る。油中ガス分析は変圧器の内部異常を早期に見つける代表的な診断方法である。 (5)にあるとおり、絶縁油は「調べれば設備の中の状態が分かる」材料でもある。誘電正接も、油そのものの劣化を測る指標として使われる。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 電力 問14
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  315. 問315.ある河川のある地点に貯水池を有する水力発電所を設ける場合の発電計画について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 流域面積を15 000 km²,年間降水量750 mm,流出係数0.7とし,年間の平均流量の値[m³/s]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.25
    • 2.100
    • 3.175
    • 4.250
    • 5.325

    正解:4.250

    解説:降った雨のうち、蒸発や地下浸透で失われずに川へ出てくる割合が流出係数である。まず1年間に川へ流れ出る水の体積を出す。 流域面積は 15 000 km²=15 000×10⁶ m²=1.5×10¹⁰ m²。 年間降水量は 750 mm=0.75 m。 年間の流出量は 1.5×10¹⁰×0.75×0.7=7.875×10⁹ m³。 これを1年の秒数で割れば平均流量になる。1年は 365×24×60×60=31 536 000 s≒3.15×10⁷ s。 したがって Q=7.875×10⁹/3.15×10⁷≒250 m³/s。答(4)。 単位をそろえるところが山になる。km²は10⁶ m²、mmは10⁻³ mであり、この二つを掛けるので、桁を1つでも間違えると10倍・100倍ずれる。面積は10⁶を掛ける、降水量は1000で割る、と手順を固定するとよい。 1年の秒数 3.15×10⁷ s は、この分野でくり返し使うので覚えてしまってよい。「1年は約3 000万秒」と押さえておけば、桁の確認にも使える。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 電力 問15(a)
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  316. 問316.ある河川のある地点に貯水池を有する水力発電所を設ける場合の発電計画について,次の問に答えよ。 〔小問(b)〕 この水力発電所の最大使用水量を小問(a)で求めた流量とし,有効落差100 m,水車と発電機の総合効率を80 %,発電所の年間の設備利用率を60 %としたとき,この発電所の年間発電電力量の値[kW·h]に最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 (小問(a)より,年間の平均流量は約250 m³/sである。)

    • 1.100 000 000
    • 2.400 000 000
    • 3.700 000 000
    • 4.1 000 000 000
    • 5.1 300 000 000

    正解:4.1 000 000 000

    解説:まず最大出力を求める。水力発電の出力は P=9.8QHη[kW] で、Qは流量[m³/s]、Hは有効落差[m]、ηは総合効率である。 P=9.8×250×100×0.8=196 000 kW。 つぎに年間発電電力量を求める。設備利用率60 %とは、この最大出力で1年間ずっと運転したと仮定した電力量の60 %を実際に発電する、という意味である。1年は8 760時間なので W=196 000×8 760×0.6≒1.03×10⁹ kW·h。 最も近いのは1 000 000 000で答(4)。 (5)の1 300 000 000は、総合効率80 %を掛け忘れた場合の値である。効率を入れずに 9.8×250×100=245 000 kW としてしまうと、245 000×8 760×0.6≒1.29×10⁹ kW·h となって(5)になる。効率は出力を減らす向きに効くので、掛け忘れると必ず大きく出る。 9.8という係数は重力加速度で、水の密度1 000 kg/m³と合わせて「1 m³/sの水が1 m落ちると9.8 kW」という関係を表している。単位を追うと 1 000[kg/m³]×9.8[m/s²]×Q[m³/s]×H[m]=9 800QH[W]=9.8QH[kW] となる。 8 760時間(=365×24)も、この分野で毎回使う数字である。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 電力 問15(b)
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  317. 問317.こう長25 kmの三相3線式2回線送電線路に,受電端電圧が22 kV,遅れ力率0.9の三相平衡負荷5 000 kWが接続されている。次の(a)及び(b)の問に答えよ。ただし,送電線は2回線運用しており,与えられた条件以外は無視するものとする。 〔小問(a)〕 送電線1線当たりの電流の値[A]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし,送電線は単導体方式とする。

    • 1.42.1
    • 2.65.6
    • 3.72.9
    • 4.126.3
    • 5.145.8

    正解:3.72.9

    解説:まず負荷が要求する電流の合計を出す。三相の電力は P=√3VI cosθ なので I=P/(√3V cosθ)=5 000×10³/(√3×22×10³×0.9)≒145.8 A。 これは受電端に流れ込む電流の合計である。送電線は2回線で運用しているので、この電流が2回線に等しく分かれる。したがって1線当たりは 145.8/2≒72.9 A。答(3)。 (5)の145.8は2回線に分ける前の値である。設問が「送電線1線当たり」と断っているので、必ず回線数で割る。 「1線当たり」という言い方に注意する。三相3線式では1回線が3本の電線でできているが、その3本には同じ大きさの電流が流れるので、3で割る必要は無い。割るのは回線数の2だけである。 (1)の42.1は、さらに√3で割ってしまった場合に近い値(145.8/(2×√3)≒42.1)である。線電流と相電流の関係は、Y結線かΔ結線かという負荷側の話であって、ここでは出てこない。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 電力 問16(a)
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  318. 問318.こう長25 kmの三相3線式2回線送電線路に,受電端電圧が22 kV,遅れ力率0.9の三相平衡負荷5 000 kWが接続されている。次の問に答えよ。ただし,送電線は2回線運用しており,与えられた条件以外は無視するものとする。 〔小問(b)〕 送電損失を三相平衡負荷に対し5 %以下にするための送電線1線の最小断面積の値[mm²]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし,使用電線は,断面積1 mm²,長さ1 m当たりの抵抗を1/35 Ωとする。 (小問(a)より,送電線1線当たりの電流は約72.9 Aである。)

    • 1.31
    • 2.46
    • 3.74
    • 4.92
    • 5.183

    正解:4.92

    解説:許される送電損失は 5 000×0.05=250 kW=250 000 W。 損失が生じるのは電線1本ごとで、三相3線式が2回線なので合計6本ある。1線の抵抗をR[Ω]、1線の電流を72.9 Aとすると 損失=6×72.9²×R≦250 000。 72.9²≒5 314 なので 6×5 314×R=31 886R≦250 000 → R≦7.84 Ω。 つぎに断面積を出す。1 mm²・1 m当たりの抵抗が 1/35 Ω なので、こう長25 km=25 000 mの1線の抵抗は R=(1/35)×25 000/A=714.3/A [Ω]。 これが7.84 Ω以下でなければならないから 714.3/A≦7.84 → A≧91.1 mm²。 最も近いのは92で答(4)。 電線の本数を数え違えると答が変わる。三相3線式1回線で3本、それが2回線なので6本である。3本と数えると R≦15.7 Ω となって A≧45.6 → (2)の46に落ちる。 断面積は「大きいほど抵抗が小さい」ので、求めた下限より大きい値を選ぶ。91.1 mm²に対して92 mm²は上回っており、74 mm²では足りない。「最小断面積」と問われているので、条件を満たす中で最も小さいものを選ぶ。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 電力 問16(b)
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  319. 問319.図のような系統構成の三相3線式配電線路があり,開閉器Sは開いた状態にある。各配電線のB点,C点,D点には図のとおり負荷が接続されており,各点の負荷電流はB点40 A,C点30 A,D点60 A一定とし,各負荷の力率は100 %とする。 各区間のこう長はA−B間1.5 km,B−S(開閉器)間1.0 km,S(開閉器)−C間0.5 km,C−D間1.5 km,D−A間2.0 kmである。 ただし,電線1線当たりの抵抗は0.2 Ω/kmとし,リアクタンスは無視するものとして,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 電源A点から見たC点の電圧降下の値[V]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし,電圧は相間電圧とする。問319の図

    • 1.41.6
    • 2.45.0
    • 3.57.2
    • 4.77.9
    • 5.90.0

    正解:4.77.9

    解説:開閉器Sが開いているので、ループは切れていて二つの行き止まりの線路になっている。C点へ電力が届く経路は A→D→C の一つだけである。 各区間に流れる電流を、末端から数えて求める。 D−C間:C点の負荷30 Aだけが流れる。 A−D間:D点の負荷60 AとC点の負荷30 Aの合計90 Aが流れる。 三相3線式の電圧降下(相間電圧=線間電圧で見た値)は v=√3×Σ(I×R) で求める。区間ごとの抵抗は 0.2 Ω/km×こう長 なので A−D間:90×0.2×2.0=36 V相当 D−C間:30×0.2×1.5=9 V相当 合計45を√3倍して v=√3×45≒77.9 V。答(4)。 (2)の45.0は√3を掛け忘れた値である。三相3線式で線間電圧の降下を求めるときは√3を掛ける、と決めておく。 (5)の90.0は、三相3線式の√3ではなく単相2線式の係数2を使ってしまった場合の値である(2×45=90)。行きと帰りの2本ぶんを数える単相2線式と、√3倍になる三相3線式とを取り違えないこと。 開閉器Sが開いているという条件が、この小問のすべてである。閉じていればB側からも電流が回り込み、電流の分け方が変わる。それを問うのが小問(b)である。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 電力 問17(a)
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  320. 問320.図のような系統構成の三相3線式配電線路があり,開閉器Sは開いた状態にある。各配電線のB点,C点,D点には図のとおり負荷が接続されており,各点の負荷電流はB点40 A,C点30 A,D点60 A一定とし,各負荷の力率は100 %とする。 各区間のこう長はA−B間1.5 km,B−S(開閉器)間1.0 km,S(開閉器)−C間0.5 km,C−D間1.5 km,D−A間2.0 kmである。 ただし,電線1線当たりの抵抗は0.2 Ω/kmとし,リアクタンスは無視するものとして,次の問に答えよ。 〔小問(b)〕 開閉器Sを投入した場合,開閉器Sを流れる電流iの値[A]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。問320の図

    • 1.20.0
    • 2.25.4
    • 3.27.5
    • 4.43.8
    • 5.65.4

    正解:2.25.4

    解説:開閉器Sを投入するとA点を電源とするループになる。ループの中を一周したときの電圧降下の合計は零になる、という条件から電流の分かれ方が決まる。 A点からB側へ流れ出る電流をx[A]とおき、A→B→S→C→D→Aの向きに電流を追う。 A−B間:x B−S間:x−40(B点で40 A取られる) S−C間:x−40 C−D間:x−40−30=x−70 D−A間:x−70−60=x−130 抵抗はどの区間も 0.2 Ω/km なので、電圧降下の和を零とおくと、共通の0.2は消えて「電流×こう長」の和が零になる。 1.5x+1.0(x−40)+0.5(x−40)+1.5(x−70)+2.0(x−130)=0 こう長の合計は 1.5+1.0+0.5+1.5+2.0=6.5 km、定数項は 40+20+105+260=425 なので 6.5x=425 → x≒65.4 A。 開閉器Sを流れるのはB−S間と同じ電流なので i=x−40=65.4−40≒25.4 A。答(2)。 (5)の65.4はxそのもの、すなわちA点からB側へ出る電流である。問われているのはSを流れる電流なので、B点の負荷40 Aを引く。 この解き方は「ループの一周の電圧降下は零」というキルヒホッフの第二法則そのものである。抵抗率が全区間で同じなら、抵抗の代わりにこう長を使ってよいので計算が軽くなる。 答が正であることは、電流が図に描かれた向き(BからSを通ってCへ)に流れることを意味する。負になったら向きが逆だったということになる。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和2年度 電力 問17(b)
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  321. 問321.我が国の水力発電所(又は揚水発電所)に用いられる水車(又はポンプ水車)及び発電機(又は発電電動機)に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.ガイドベーン(案内羽根)は,その開度によってランナに流入する水の流量を変え,水車の出力を調整することができる水車部品である。
    • 2.同一出力のフランシス水車を比較すると,一般に落差が高い地点に適用する水車の方が低い地点に適用するものより比速度が小さく,ランナの形状が扁平になる。
    • 3.揚水発電所には,別置式,タンデム式,ポンプ水車式がある。発電機と電動機を共用し,同一軸に水車とポンプをそれぞれ直結した方式がポンプ水車式であり,水車の性能,ポンプの性能をそれぞれ最適に設計できるため,国内で建設される揚水発電所はほとんどこの方式である。
    • 4.水車発電機には突極形で回転界磁形の三相同期発電機が主に用いられている。落差を有効に利用するために,水車を発電機の下方に直結した立軸形にすることも多い。
    • 5.調速機は水車の回転速度を一定に保持する機能を有する装置である。また,自動電圧調整器は出力電圧の大きさを一定に保持する機能を有する装置である。

    正解:3.揚水発電所には,別置式,タンデム式,ポンプ水車式がある。発電機と電動機を共用し,同一軸に水車とポンプをそれぞれ直結した方式がポンプ水車式であり,水車の性能,ポンプの性能をそれぞれ最適に設計できるため,国内で建設される揚水発電所はほとんどこの方式である。

    解説:揚水発電所の三つの方式を並べると次のようになる。 別置式:発電機と電動機を別々に持ち、水車とポンプも別々に持つ。 タンデム式:発電機と電動機を共用し、同一軸に水車とポンプをそれぞれ直結する。水車とポンプを別々の機械にできるので、それぞれの性能を最適に設計できる。 ポンプ水車式:1台の機械(ポンプ水車)が水車とポンプを兼ねる。機器が1台で済むので小形・安価になり、国内で建設される揚水発電所はほとんどこの方式である。 (3)は「同一軸に水車とポンプをそれぞれ直結した方式」というタンデム式の説明に、ポンプ水車式という名前を付けてしまっている。「水車の性能、ポンプの性能をそれぞれ最適に設計できる」のもタンデム式の特徴で、ポンプ水車式は1台で兼ねるぶんそれぞれの最適化はできない。したがって(3)が誤りで、これが答になる。 他の記述を確かめる。(1)ガイドベーンは開度で流量を変え、出力を調整する。(2)比速度が小さいほど高落差向きで、ランナは扁平(径が大きく幅が狭い形)になる。(4)水車発電機は低速で回るので極数が多く、突極形の回転界磁形が使われる。落差を使い切るため水車を下に置く立軸形が多い。(5)調速機は回転速度=周波数を、自動電圧調整器は電圧を一定に保つ。 設問の後半「国内で建設される揚水発電所はほとんどこの方式である」はポンプ水車式について正しい。名前と説明の対応だけが入れ替えられている。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 電力 問1
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  322. 問322.次の文章は,水車の構造と特徴についての記述である。 (ア) を持つ流水がランナに流入し,ここから出るときの反動力により回転する水車を反動水車という。 (イ) は,ケーシング(渦形室)からランナに流入した水がランナを出るときに軸方向に向きを変えるように水の流れをつくる水車である。一般に,落差40 m〜500 mの中高落差用に用いられている。 プロペラ水車ではランナを通過する流水が軸方向である。ランナには扇風機のような羽根がついている。流量が多く低落差の発電所で使用される。 (ウ) はプロペラ水車の羽根を可動にしたもので,流量の変化に応じて羽根の角度を変えて効率がよい運転ができる。 一方,水の落差による (ア) を (エ) に変えてその流水をランナに作用させる構造のものが衝動水車である。 (オ) は,水圧管路に導かれた流水が,ノズルから噴射されてランナバケットに当たり,このときの衝動力でランナが回転する水車である。高落差で流量の比較的少ない地点に用いられる。 上記の記述中の空白箇所(ア),(イ),(ウ),(エ)及び(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.圧力水頭 / フランシス水車 / カプラン水車 / 速度水頭 / ペルトン水車
    • 2.速度水頭 / ペルトン水車 / フランシス水車 / 圧力水頭 / カプラン水車
    • 3.圧力水頭 / カプラン水車 / ペルトン水車 / 速度水頭 / フランシス水車
    • 4.速度水頭 / フランシス水車 / カプラン水車 / 圧力水頭 / ペルトン水車
    • 5.圧力水頭 / ペルトン水車 / フランシス水車 / 速度水頭 / カプラン水車

    正解:1.圧力水頭 / フランシス水車 / カプラン水車 / 速度水頭 / ペルトン水車

    解説:反動水車と衝動水車の違いは、ランナに入る水が何を持っているかで決まる。 (ア) 反動水車ではランナが水で満たされており、水は圧力水頭を持ったままランナに入る。ここから出るときの反動力で回る。 (イ) ケーシング(渦形室)から半径方向に入った水が、ランナを出るときに軸方向へ向きを変える——これはフランシス水車の説明である。落差40〜500 mの中高落差用で、国内で最も多く使われている。 (ウ) プロペラ水車の羽根を可動にして、流量の変化に応じて角度を変えられるようにしたものがカプラン水車である。 (エ) 衝動水車では、圧力水頭をノズルで速度水頭に変えてから、その噴流をランナに当てる。 (オ) ノズルから噴射された流水がランナバケットに当たる水車がペルトン水車で、高落差・小流量の地点に用いられる。 圧力水頭/フランシス水車/カプラン水車/速度水頭/ペルトン水車となり答(1)。 (ア)と(エ)は「圧力水頭を速度水頭に変える」という一つの文の中で対になっているので、片方が決まればもう片方も決まる。反動水車は圧力を持ったまま、衝動水車は速度に変えてから——これが二つの水車の分かれ目である。 落差の順にペルトン(高)→フランシス(中高)→カプラン・プロペラ(低)と並ぶ。設問が示す落差40〜500 mが(イ)の手がかりになる。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 電力 問2
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  323. 問323.汽力発電所における熱効率向上方法として,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.タービン入口蒸気として,極力,温度が低く,圧力が低いものを採用する。
    • 2.復水器の真空度を高くすることで蒸気はタービン内で十分に膨張して,タービンの羽根車に大きな回転力を与える。
    • 3.節炭器を設置し,排ガス温度を上昇させる。
    • 4.高圧タービンから出た湿り飽和蒸気をボイラで再熱させないようにする。
    • 5.高圧及び低圧のタービンから蒸気を一部取り出し,給水加熱器に導いて給水を加熱させ,復水器に捨てる熱量を増加させる。

    正解:2.復水器の真空度を高くすることで蒸気はタービン内で十分に膨張して,タービンの羽根車に大きな回転力を与える。

    解説:熱効率は、入口と出口の熱落差をどれだけ大きくできるかで決まる。 (2)は正しい。復水器の真空度を高くすると出口の圧力が下がり、蒸気がタービンの中で十分に膨張できる。熱落差が大きくなるので効率が上がる。 他の記述はいずれも向きが逆である。 (1)タービン入口の蒸気は、温度も圧力も高いほど熱落差が大きくなって効率が上がる。低くするのは逆。 (3)節炭器(エコノマイザ)は、煙道の排ガスの余熱で給水を加熱する装置である。熱を回収するのだから排ガス温度は下がる。上昇させるのでは熱を捨てていることになる。 (4)高圧タービンから出た蒸気をボイラへ戻して再び加熱するのが再熱サイクルで、これによって効率が上がり、低圧タービンでの湿り度も下げられる。再熱させないようにするのは逆。 (5)抽気して給水を加熱するのが再生サイクルである。給水があらかじめ温まっているぶんボイラで加える熱が減り、復水器に捨てる熱量は減少する。増加させるのでは効率が下がる。 汽力発電の効率向上策は「入口を高温高圧に」「出口を低圧に」「捨てる熱を回収する」の三つに整理できる。(3)(5)は三つ目の回収、(1)は一つ目、(2)は二つ目、(4)は再熱にあたり、正しい向きに書かれているのは(2)だけである。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 電力 問3
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  324. 問324.1 gのウラン235が核分裂し,0.09 %の質量欠損が生じたとき,これにより発生するエネルギーと同じだけの熱量を得るのに必要な石炭の質量の値[kg]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 ただし,石炭の発熱量は2.51×10⁴ kJ/kgとし,光速は3.0×10⁸ m/sとする。

    • 1.16
    • 2.80
    • 3.160
    • 4.3 200
    • 5.48 000

    正解:4.3 200

    解説:まず質量欠損を求める。1 gの0.09 %なので Δm=1×10⁻³×0.09×10⁻²=9×10⁻⁷ kg。 つぎにアインシュタインの関係式でエネルギーに直す。 E=Δm c²=9×10⁻⁷×(3.0×10⁸)² =9×10⁻⁷×9×10¹⁶ =8.1×10¹⁰ J=8.1×10⁷ kJ。 最後に石炭の発熱量で割る。 8.1×10⁷/(2.51×10⁴)≒3 227 kg。 最も近いのは3 200で答(4)。 単位の直しを二度行うところが山になる。1 gは10⁻³ kg、0.09 %は0.09×10⁻²=9×10⁻⁴。掛けると9×10⁻⁷ kgである。またJをkJに直すために1 000で割る必要がある。 (5)の48 000は質量欠損を1 g(10⁻³ kg)のままにして計算した場合の桁に近い。0.09 %を掛け忘れると1 000倍以上ずれる。 ウラン1 gが石炭3トン分に相当する、という結果は原子力の特徴をよく表している。化学反応と核反応ではエネルギーの桁が百万倍ほど違う。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 電力 問4
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  325. 問325.ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせたコンバインドサイクル発電に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.燃焼用空気は,空気圧縮機,燃焼器,ガスタービン,排熱回収ボイラ,蒸気タービンを経て,排ガスとして煙突から排出される。
    • 2.ガスタービンを用いない同容量の汽力発電に比べて,起動停止時間が短く,負荷追従性が高い。
    • 3.ガスタービンを用いない同容量の汽力発電に比べて,復水器の冷却水量が少ない。
    • 4.ガスタービン入口温度が高いほど熱効率が高い。
    • 5.部分負荷に対応するための,単位ユニットの運転台数の増減が可能なため,部分負荷時の熱効率の低下が小さい。

    正解:1.燃焼用空気は,空気圧縮機,燃焼器,ガスタービン,排熱回収ボイラ,蒸気タービンを経て,排ガスとして煙突から排出される。

    解説:コンバインドサイクル発電では、燃焼ガスの流れと蒸気の流れが分かれている。 燃焼用空気(燃焼ガス)は、空気圧縮機 → 燃焼器 → ガスタービン → 排熱回収ボイラ → 煙突 と流れる。排熱回収ボイラでは、燃焼ガスの熱で別系統の水を蒸気に変えるだけで、燃焼ガス自体は蒸気タービンへは入らない。蒸気タービンを回すのは、その蒸気のほうである。 したがって「蒸気タービンを経て」とする(1)が誤りで、これが答になる。 他の記述を確かめる。(2)ガスタービンは起動が速いので、汽力発電に比べて起動停止時間が短く、負荷の変化にも追従しやすい。(3)出力の一部をガスタービンが受け持つぶん蒸気タービンが小さくなるので、復水器で捨てる熱も少なく、冷却水量が少なくて済む。(4)ガスタービンの熱効率は入口温度が高いほど高い。材料の耐熱温度が上がるにつれて効率も上がってきた。(5)小容量のユニットを複数並べる構成が多く、部分負荷では台数を減らして残りを定格近くで運転できる。そのため部分負荷でも効率が落ちにくい。 (3)と(5)はどちらもコンバインドサイクルの利点だが、理由が違う。(3)は熱の分担、(5)は運転台数の自由度による。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 電力 問5
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  326. 問326.ガス絶縁開閉装置に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.ガス絶縁開閉装置の充電部を支持するスペーサにはエポキシ等の樹脂が用いられる。
    • 2.ガス絶縁開閉装置の絶縁ガスは,大気圧以下のSF₆ガスである。
    • 3.ガス絶縁開閉装置の金属容器内部に,金属異物が混入すると,絶縁性能が低下することがあるため,製造時や据え付け時には,金属異物が混入しないよう,細心の注意が払われる。
    • 4.我が国では,ガス絶縁開閉装置の保守や廃棄の際,絶縁ガスの大部分は回収されている。
    • 5.絶縁性能の高いガスを用いることで装置を小形化でき,気中絶縁の装置を用いた変電所と比較して,変電所の体積と面積を大幅に縮小できる。

    正解:2.ガス絶縁開閉装置の絶縁ガスは,大気圧以下のSF₆ガスである。

    解説:ガス絶縁開閉装置(GIS)のSF₆ガスは、大気圧より高い圧力(0.4〜0.5 MPa程度)で封入される。気体の絶縁耐力は圧力が高いほど大きくなるので、加圧することで初めて装置を小さくできる。「大気圧以下」とする(2)が誤りで、これが答になる。 他の記述を確かめる。(1)充電部を金属容器の中心に保持するスペーサには、エポキシ樹脂などの固体絶縁物が使われる。(3)容器の中に金属の粉や切りくずが残っていると、電界で動いて絶縁を壊すきっかけになる。製造・据付けのときに異物が入らないよう細心の注意が払われる。(4)SF₆は温室効果が二酸化炭素の2万倍以上と非常に大きいため、保守や廃棄のときは大気へ放出せず回収する。(5)絶縁距離を短くできるので、気中絶縁の変電所に比べて体積も面積も大幅に小さくなる。都市部の変電所で使われる理由である。 (2)と(5)はつながっている。加圧して絶縁耐力を高めているからこそ小形化できるのであって、大気圧以下では気中絶縁より不利になってしまう。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 電力 問6
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  327. 問327.次の文章は,変電所の主な役割と用途上の分類に関する記述である。 変電所は,主に送電効率向上のための昇圧や需要家が必要とする電圧への降圧を行うが,進相コンデンサや (ア) などの調相設備や,変圧器のタップ切り換えなどを用い,需要地における負荷の変化に対応するための (イ) 調整の役割も担っている。また,送変電設備の局所的な過負荷運転を避けるためなどの目的で,開閉装置により系統切り換えを行って (ウ) を調整する。さらに,送電線において,短絡又は地絡事故が生じた場合,事故回線を切り離すことで事故の波及を防ぐ系統保護の役割も担っている。 変電所は,用途の面から,送電用変電所,配電用変電所などに分類されるが,東日本と西日本の間の連系に用いられる (エ) や北海道と本州の間の連系に用いられる (オ) も変電所の一種として分類されることがある。 上記の記述中の空白箇所(ア),(イ),(ウ),(エ)及び(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.分路リアクトル / 電圧 / 電力潮流 / 周波数変換所 / 電気鉄道用変電所
    • 2.負荷開閉器 / 周波数 / 無効電力 / 自家用変電所 / 中間開閉所
    • 3.分路リアクトル / 電圧 / 電力潮流 / 周波数変換所 / 交直変換所
    • 4.負荷時電圧調整器 / 周波数 / 無効電力 / 自家用変電所 / 電気鉄道用変電所
    • 5.負荷時電圧調整器 / 周波数 / 有効電力 / 中間開閉所 / 交直変換所

    正解:3.分路リアクトル / 電圧 / 電力潮流 / 周波数変換所 / 交直変換所

    解説:(ア) 調相設備として進相コンデンサと並べられるのは分路リアクトルである。軽負荷時に線路の静電容量で電圧が上がりすぎるのを、遅れ無効電力を吸って抑える。負荷時電圧調整器は変圧器のタップを動かす機器で、調相設備ではない。 (イ) 調相設備や変圧器のタップで調整するのは電圧である。周波数は発電機の出力で調整するもので、変電所の設備では変えられない。 (ウ) 開閉装置で系統を切り換えて調整するのは電力潮流(どの経路にどれだけ電力を流すか)である。局所的な過負荷を避けるために経路を変える、という文脈にも合う。 (エ) 東日本(50 Hz)と西日本(60 Hz)の連系には周波数変換所が使われる。佐久間・新信濃・東清水の三か所がこれにあたる。 (オ) 北海道と本州は海底ケーブルで結ばれており、直流で送electricityしているため両端に交直変換所が要る。北本連系設備である。 分路リアクトル/電圧/電力潮流/周波数変換所/交直変換所となり答(3)。 (エ)と(オ)は「周波数が違うのか、海を渡るのか」で見分ける。周波数が違えば周波数変換所、長距離の海底ケーブルなら直流送電で交直変換所である。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 電力 問7
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  328. 問328.図1のように,定格電圧66 kVの電源から三相変圧器を介して二次側に遮断器が接続された三相平衡系統がある。三相変圧器は定格容量7.5 MV·A,変圧比66 kV/6.6 kV,百分率インピーダンスが自己容量基準で9.5 %である。また,三相変圧器一次側から電源側をみた百分率インピーダンスは基準容量10 MV·Aで1.9 %である。過電流継電器(OCR)は変流比1 000 A/5 Aの計器用変流器(CT)の二次側に接続されており,整定タップ電流値5 A,タイムレバー位置1に整定されている。図1のF点で三相短絡事故が発生したとき,過電流継電器の動作時間[s]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 ただし,三相変圧器二次側からF点までのインピーダンス及び負荷は無視する。また,過電流継電器の動作時間は図2の限時特性に従い,計器用変流器の磁気飽和は考慮しないものとする。問328の図

    • 1.0.29
    • 2.0.34
    • 3.0.38
    • 4.0.46
    • 5.0.56

    正解:3.0.38

    解説:百分率インピーダンスを足すには基準容量をそろえる必要がある。電源側が10 MV·A基準なので、変圧器の値もそこへ換算する。 %Z_T=9.5×10/7.5≒12.67 %。 合計は %Z=12.67+1.9=14.57 %。 6.6 kV側の基準電流(10 MV·Aに対する電流)は I_n=10×10⁶/(√3×6 600)≒874.8 A。 三相短絡電流は I_s=874.8/0.1457≒6 005 A。 CTの変流比が1 000 A/5 Aなので、二次側に流れる電流は 6 005×5/1 000≒30.0 A。 整定タップ電流値が5 Aなので、動作電流の倍数は 30.0/5=6.0 倍。 図2の限時特性で倍数6.0のときの動作時間を読むと約3.8 sである。ただし図2はタイムレバー位置10の特性で、この継電器はタイムレバー位置1に整定されている。動作時間はタイムレバー位置に比例するので 3.8×1/10=0.38 s。答(3)。 最後のタイムレバーの換算が要点である。図のキャプションに「タイムレバー位置10」と書いてあることを見落として3.8 sと答えると、選択肢のどれにも当たらない。 基準容量の換算も落としやすい。自己容量基準の%Zは「その機器の定格容量を基準にした値」なので、他の値と足す前に共通の基準へ直す。基準容量を大きくすると%Zも大きくなる(容量に比例する)。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 電力 問8
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  329. 問329.架空送電線路の構成部品に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.鋼心アルミより線は,アルミ線を使用することで質量を小さくし,これによる強度の不足を,鋼心を用いることで補ったものである。
    • 2.電線の微風振動やギャロッピングを抑制するために,電線にダンパを取り付け,振動エネルギーを吸収する方法がとられる。
    • 3.がいしは,電線と鉄塔などの支持物との間を絶縁するために使用する。雷撃などの異常電圧による絶縁破壊は,がいし内部で起こるように設計されている。
    • 4.送電線やがいしを雷撃などの異常電圧から保護するための設備に架空地線がある。架空地線には,光ファイバを内蔵し電力用通信線として使用されるものもある。
    • 5.架空送電線におけるねん架とは,送電線各相の作用インダクタンスと作用静電容量を平衡させるために行われるもので,ジャンパ線を用いて電線の配置を入れ替えることができる。

    正解:3.がいしは,電線と鉄塔などの支持物との間を絶縁するために使用する。雷撃などの異常電圧による絶縁破壊は,がいし内部で起こるように設計されている。

    解説:がいしは、異常電圧が加わったときに表面(沿面)でフラッシオーバが起こるように設計されている。内部で絶縁破壊が起きると、がいしそのものが壊れて交換が必要になるうえ、破片が落下する危険もある。表面での放電なら、アークが消えれば絶縁が回復して使い続けられる。したがって「がいし内部で起こるように設計されている」とする(3)が誤りで、これが答になる。 さらに、がいし連の両端にアークホーンを取り付けて、アークをがいしから離れた位置に飛ばす工夫もされている。 他の記述を確かめる。(1)鋼心アルミより線(ACSR)は、軽くて導電率のよいアルミを外側に、強度を受け持つ鋼線を中心に置いた複合構造である。(2)ダンパは電線に取り付けて振動エネルギーを吸収し、微風振動などによる断線を防ぐ。(4)架空地線は電線の上に張って雷を受け止める。近年は光ファイバを内蔵したもの(OPGW)が通信線を兼ねる。(5)ねん架は各相の位置を入れ替えて、三相のインダクタンスと静電容量を平衡させる。実際にはジャンパ線で電線の配置を入れ替える。 がいしは「表面で放電させて本体を守る」、架空地線とアークホーンも「守りたいものから離れたところで放電させる」という同じ考え方でできている。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 電力 問9
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  330. 問330.次の文章は,コロナ損に関する記述である。 送電線に高電圧が印加され, (ア) がある程度以上になると,電線からコロナ放電が発生する。コロナ放電が発生するとコロナ損と呼ばれる電力損失が生じる。そこで,コロナ放電の発生を抑えるために,電線の実効的な直径を (イ) するために (ウ) する,線間距離を (エ) する,などの対策がとられている。コロナ放電は,気圧が (オ) なるほど起こりやすくなる。 上記の記述中の空白箇所(ア),(イ),(ウ),(エ)及び(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.電流密度 / 大きく / 単導体化 / 大きく / 低く
    • 2.電線表面の電界強度 / 大きく / 多導体化 / 大きく / 低く
    • 3.電流密度 / 小さく / 単導体化 / 小さく / 高く
    • 4.電線表面の電界強度 / 小さく / 単導体化 / 大きく / 低く
    • 5.電線表面の電界強度 / 大きく / 多導体化 / 小さく / 高く

    正解:2.電線表面の電界強度 / 大きく / 多導体化 / 大きく / 低く

    解説:(ア) コロナ放電は、電線のまわりの空気が絶縁破壊して起きる。きっかけになるのは電線表面の電界強度であって、電流密度ではない。コロナは電流ではなく電圧の現象である。 (イ)(ウ) 電線が太いほど表面の電界はゆるやかになるので、実効的な直径を大きくすればコロナは起きにくい。それを実現するのが多導体化で、数本の電線をスペーサで束ねて1本の太い電線のように見せる。単導体化は逆に細くする方向で、対策にならない。 (エ) 線間距離を大きくすると、電線どうしの間の電界がゆるやかになり、コロナ開始電圧が上がる。 (オ) 気圧が低いほど空気の分子が少なく絶縁耐力が下がるので、コロナは起こりやすくなる。標高の高い山間部の送電線でコロナが問題になるのはこのためである。 電線表面の電界強度/大きく/多導体化/大きく/低くとなり答(2)。 (イ)(ウ)(エ)はすべて「電界をゆるやかにする」という一つの目的でつながっている。太くする・離す、のどちらも電界を下げる方向である。 コロナが起きると電力損失のほかに、電波障害や騒音も生じる。超高圧の送電線で多導体が標準になっているのは、コロナ対策としての意味が大きい。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 電力 問10
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  331. 問331.我が国の電力ケーブルの布設方式に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.直接埋設式には,掘削した地面の溝に,コンクリート製トラフなどの防護物を敷き並べて,防護物内に電力ケーブルを引き入れてから埋設する方式がある。
    • 2.管路式には,あらかじめ管路及びマンホールを埋設しておき,電力ケーブルをマンホールから管路に引き入れ,マンホール内で電力ケーブルを接続して布設する方式がある。
    • 3.暗きょ式には,地中に洞道を構築し,床上や棚上あるいはトラフ内に電力ケーブルを引き入れて布設する方式がある。電力,電話,ガス,上下水道などの地下埋設物を共同で収容するための共同溝に電力ケーブルを布設する方式も暗きょ式に含まれる。
    • 4.直接埋設式は,管路式,暗きょ式と比較して,工事期間が短く,工事費が安い。そのため,将来的な電力ケーブルの増設を計画しやすく,ケーブル線路内での事故発生に対して復旧が容易である。
    • 5.管路式,暗きょ式は,直接埋設式と比較して,電力ケーブル条数が多い場合に適している。一方,管路式では,電力ケーブルを多条数布設すると送電容量が著しく低下する場合があり,その場合には電力ケーブルの熱放散が良好な暗きょ式が採用される。

    正解:4.直接埋設式は,管路式,暗きょ式と比較して,工事期間が短く,工事費が安い。そのため,将来的な電力ケーブルの増設を計画しやすく,ケーブル線路内での事故発生に対して復旧が容易である。

    解説:直接埋設式は、掘った溝にケーブルを埋めてしまう方式なので、工事期間が短く工事費が安いのは正しい。しかしそのぶん、あとから増設したり事故点を直したりするには、そのつど地面を掘り返さなければならない。したがって「将来的な増設を計画しやすく、事故発生に対して復旧が容易である」は逆で、(4)が誤りとなる。 増設や復旧が容易なのは、あらかじめ管路とマンホールを用意しておく管路式や、人が入れる洞道を持つ暗きょ式である。 他の記述を確かめる。(1)直接埋設式では、コンクリート製トラフなどの防護物にケーブルを収めてから埋めるやり方がある。(2)管路式は管路とマンホールを先に埋設し、ケーブルはマンホールから引き入れて、マンホール内で接続する。(3)暗きょ式には洞道を掘る方式のほか、電力・電話・ガス・上下水道をまとめて収容する共同溝も含まれる。(5)条数が多いときは管路式・暗きょ式が向く。ただし管路式で多条数にすると互いの発熱で温度が上がり、送電容量が落ちる。熱がこもりにくい暗きょ式が選ばれるのはそのためである。 三方式は「工事の手間」と「あとの使いやすさ」の取引になっている。安く早く済むのが直接埋設式、あとが楽なのが暗きょ式、その中間が管路式である。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 電力 問11
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  332. 問332.配電線路に用いられる電気方式に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.単相2線式は,一般住宅や商店などに配電するのに用いられ,低圧側の1線を接地する。
    • 2.単相3線式は,変圧器の低圧巻線の両端と中点から合計3本の線を引き出して低圧巻線の両端から引き出した線の一方を接地する。
    • 3.単相3線式は,変圧器の低圧巻線の両端と中点から3本の線で2種類の電圧を供給する。
    • 4.三相3線式は,高圧配電線路と低圧配電線路のいずれにも用いられる方式で,電源用変圧器の結線には一般的にΔ結線とV結線のいずれかが用いられる。
    • 5.三相4線式は,電圧線の3線と接地した中性線の4本の線を用いる方式である。

    正解:2.単相3線式は,変圧器の低圧巻線の両端と中点から合計3本の線を引き出して低圧巻線の両端から引き出した線の一方を接地する。

    解説:単相3線式で接地するのは、低圧巻線の中点から引き出した中性線である。両端から引き出した線(電圧線)を接地してしまうと、100 Vと200 Vを取り出すという方式の意味が壊れ、対地電圧も200 Vになって危険になる。したがって(2)が誤りで、これが答になる。 中性線を接地すると、両端の電圧線の対地電圧はどちらも100 Vに収まり、電圧線どうしの間からは200 Vが取り出せる。これが(3)の「3本の線で2種類の電圧を供給する」ということである。 他の記述を確かめる。(1)単相2線式は一般住宅や商店向けで、低圧側の1線を接地する。(3)上のとおり正しい。(4)三相3線式は高圧・低圧のどちらにも使われ、変圧器の結線はΔ結線かV結線が一般的である。V結線は単相変圧器2台で三相を作るやり方で、柱上でよく見られる。(5)三相4線式は3本の電圧線と接地した中性線からなる。 (2)と(3)は同じ単相3線式の説明で、(3)が正しいことを認めれば、両端を接地しては2種類の電圧が成り立たないと気づける。二つの選択肢を突き合わせて読むと矛盾が見える。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 電力 問12
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  333. 問333.図に示すように,電線A,Bの張力を,支持物を介して支線で受けている。電線A,Bの張力の大きさは等しく,その値をTとする。支線に加わる張力T₁は電線張力Tの何倍か。最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 なお,支持物は地面に垂直に立てられており,各電線は支線の取付け高さと同じ高さに取付けられている。また,電線A,Bは地面に水平に張られているものとし,電線A,B及び支線の自重は無視する。問333の図

    • 1.1/2
    • 2.√2/2
    • 3.√2
    • 4.2
    • 5.2√2

    正解:5.2√2

    解説:二段階に分けて考える。まず平面図(上から見た図)で電線の張力を合成し、つぎに立体図で支線の傾きを考える。 平面図では、電線Aの張力Tが左向き、電線Bの張力Tが下向きで、互いに直角である。二つの合力は左下向きで、大きさは √(T²+T²)=√2 T。 支持物を引き倒そうとするのがこの力なので、支線はこれと逆向き(右上45°)に同じ大きさ√2 Tで引き返さなければならない。ただしこれは水平方向の成分である。図に45°と書かれているのも、合力が二つの電線のちょうど中間の向きになることを示している。 つぎに立体図を見る。支線は支持物(鉛直)と30°の角をなしているので、支線の張力T₁のうち水平方向の成分は T₁ sin30°=T₁/2。 これが√2 Tに等しいから T₁/2=√2 T → T₁=2√2 T。答(5)。 (3)の√2は平面図での合成だけで止めた場合の値である。支線は斜めに張られているので、水平成分を出すためにさらにsin30°で割る必要がある。 角度が支持物(鉛直)から測って30°である点に注意する。水平から測ったのだと勘違いしてcos30°を使うと、T₁=2√2/√3 T となって選択肢に合わない。図の30°がどことどこの間の角かを必ず確かめる。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 電力 問13
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  334. 問334.電気絶縁材料に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.気体絶縁材料は,液体,固体絶縁材料と比較して,一般に電気抵抗率及び誘電率が低いため,固体絶縁材料内部にボイド(空隙,空洞)が含まれると,ボイド部での電界強度が高められやすい。
    • 2.気体絶縁材料は,液体,固体絶縁材料と比較して,一般に絶縁破壊強度が低いが,気圧を高めるか,真空状態とすることで絶縁破壊強度を高めることができる性質がある。
    • 3.内部にボイドを含んだ固体絶縁材料では,固体絶縁材料の絶縁破壊が生じなくても,ボイド内の気体が絶縁破壊することで部分放電が発生する場合がある。
    • 4.固体絶縁材料は,熱や電界,機械的応力などが長時間加えられることによって,固体絶縁材料内部に微小なボイドが形成されて,部分放電が発生する場合がある。
    • 5.固体絶縁材料内部で部分放電が発生すると,短時間に固体絶縁材料の絶縁破壊が生じることはなくても,長時間にわたって部分放電が継続的又は断続的に発生することで,固体絶縁材料の絶縁破壊に至る場合がある。

    正解:1.気体絶縁材料は,液体,固体絶縁材料と比較して,一般に電気抵抗率及び誘電率が低いため,固体絶縁材料内部にボイド(空隙,空洞)が含まれると,ボイド部での電界強度が高められやすい。

    解説:気体は絶縁材料の中でも電気抵抗率が非常に高い部類で、液体や固体と比べて低いということはない。「電気抵抗率及び誘電率が低い」とする(1)が誤りで、これが答になる。 誘電率が低いことのほうは正しく、また「ボイド部での電界強度が高められやすい」という結論も正しい。直列に並んだ誘電体では、誘電率の低いほうに電界が集中するためである。誤りは電気抵抗率についての部分だけである。 他の記述を確かめる。(2)気体の絶縁破壊強度は液体や固体より低いが、気圧を高めれば分子の密度が上がって電子が加速しにくくなり、逆に真空にすれば衝突する相手がいなくなるので、どちらの向きでも絶縁破壊強度を高められる。GISが加圧SF₆を、真空遮断器が真空を使うのはこの性質による。(3)ボイドの中の気体は誘電率が低いので電界が集中し、まず気体が破壊して部分放電になる。固体そのものはまだ壊れていない。(4)熱・電界・機械的応力が長く加わると、固体の中に微小なボイドができて部分放電のもとになる。(5)部分放電がすぐに全体の絶縁破壊につながるわけではないが、長く続くと固体が徐々に侵食され、最後には絶縁破壊に至る。 (3)(4)(5)は「ボイドができる → 部分放電が起きる → 長い時間をかけて絶縁破壊に至る」という一つの筋道になっている。(1)の後半もその入口を説明しており、誤っているのは前半の物性の記述だけである。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 電力 問14
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  335. 問335.復水器の冷却に海水を使用し,運転している汽力発電所がある。このときの復水器冷却水流量は30 m³/s,復水器冷却水が持ち去る毎時熱量は3.1×10⁹ kJ/h,海水の比熱容量は4.0 kJ/(kg·K),海水の密度は1.1×10³ kg/m³,タービンの熱消費率は8 000 kJ/(kW·h)である。 この運転状態について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 ただし,復水器冷却水が持ち去る熱以外の損失は無視するものとする。 〔小問(a)〕 タービン出力の値[MW]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.350
    • 2.500
    • 3.700
    • 4.800
    • 5.1 000

    正解:3.700

    解説:熱消費率8 000 kJ/(kW·h)とは、1 kWの出力を1時間得るのに8 000 kJの熱を使うという意味である。一方、1 kW·hは3 600 kJに等しい。 タービン出力をP[kW]とすると、1時間あたりに 入る熱:8 000P[kJ/h] 出力になる分:3 600P[kJ/h] である。復水器冷却水が持ち去る熱以外の損失は無視できるので、差がそのまま復水器で捨てられる。 8 000P−3 600P=4 400P=3.1×10⁹ P=3.1×10⁹/4 400≒7.05×10⁵ kW=705 MW。 最も近いのは700で答(3)。 1 kW·h=3 600 kJ という換算が要点である。ここを落として「8 000Pがそのまま捨てられる」としたり、逆に「3 600Pが捨てられる」としたりすると答が大きくずれる。 熱効率で確かめると η=3 600/8 000=0.45=45 % となり、汽力発電所として無理のない値である。捨てられる熱の割合は55 %で、投入した熱の半分以上が復水器から海へ出ていくことになる。 海水の流量・比熱・密度はこの小問では使わない。小問(b)で温度上昇を求めるときに使う。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 電力 問15(a)
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  336. 問336.復水器の冷却に海水を使用し,運転している汽力発電所がある。このときの復水器冷却水流量は30 m³/s,復水器冷却水が持ち去る毎時熱量は3.1×10⁹ kJ/h,海水の比熱容量は4.0 kJ/(kg·K),海水の密度は1.1×10³ kg/m³,タービンの熱消費率は8 000 kJ/(kW·h)である。次の問に答えよ。 ただし,復水器冷却水が持ち去る熱以外の損失は無視するものとする。 〔小問(b)〕 復水器冷却水の温度上昇の値[K]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.3.3
    • 2.4.7
    • 3.5.3
    • 4.6.5
    • 5.7.9

    正解:4.6.5

    解説:熱量・質量・比熱・温度差の関係は Q=m c ΔT である。時間の単位が毎時で与えられているので、質量流量も1時間あたりに直す。 体積流量は30 m³/sなので、1時間では 30×3 600=1.08×10⁵ m³/h。 密度1.1×10³ kg/m³を掛けて質量流量は 1.08×10⁵×1.1×10³=1.188×10⁸ kg/h。 温度上昇は ΔT=Q/(m c)=3.1×10⁹/(1.188×10⁸×4.0) =3.1×10⁹/(4.752×10⁸)≒6.5 K。答(4)。 秒と時間の取り違えが唯一の落とし穴である。流量は毎秒、熱量は毎時で与えられているので、どちらかにそろえなければならない。秒にそろえるなら 3.1×10⁹/3 600≒8.61×10⁵ kJ/s、質量流量は 30×1.1×10³=3.3×10⁴ kg/s で、ΔT=8.61×10⁵/(3.3×10⁴×4.0)≒6.5 K と同じ値になる。 発電所の温排水は取水口と放水口で7 K程度の温度差、という実務上の目安ともよく合う。求めた値が桁違いに大きければ、時間の換算をどこかで落としている。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 電力 問15(b)
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  337. 問337.送電線のフェランチ現象に関する問である。三相3線式1回線送電線の一相が図のπ形等価回路で表され,送電線路のインピーダンスjX=j200 Ω,アドミタンスjB=j0.800 mSとし,送電端の線間電圧が66.0 kVであり,受電端が無負荷のとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 〔小問(a)〕 受電端の線間電圧の値[kV]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。問337の図

    • 1.66.0
    • 2.71.7
    • 3.78.6
    • 4.114
    • 5.132

    正解:2.71.7

    解説:受電端が無負荷なので、受電端に流れ込む電流は受電端側のアドミタンスjB/2に流れるものだけである。1相分で考える。 送電端の相電圧は E_s=66.0/√3≒38.11 kV。 受電端の相電圧をE_rとすると、jXを流れる電流は İ=j(B/2)E_r=j0.400×10⁻³ E_r。 したがって E_s=E_r+jX·İ=E_r+j200×j0.400×10⁻³ E_r =E_r(1+j²×0.08)=E_r(1−0.08)=0.92 E_r。 これを解いて E_r=38.11/0.92≒41.42 kV。 線間電圧に直すと 41.42×√3≒71.7 kV。答(2)。 受電端の電圧が送電端より高くなっている。これがフェランチ現象で、線路の静電容量に流れる進み電流が線路のリアクタンスを通るとき、電圧を押し上げる向きに働くために起きる。 (1)の66.0は電圧が変わらないとした場合。無負荷でも充電電流が流れるので、必ず受電端のほうが高くなる。 j²=−1 の扱いが要点である。j200×j0.400×10⁻³=−0.08 と符号が負になり、1から引くことになる。ここを+にしてしまうと 38.11/1.08≒35.3 kV と、逆に下がる結果になってしまう。 係数0.92はちょうど 1−XB/2 である。XとBが大きいほど、つまり線路が長いほどフェランチ現象は強く現れる。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 電力 問16(a)
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  338. 問338.送電線のフェランチ現象に関する問である。三相3線式1回線送電線の一相が図のπ形等価回路で表され,送電線路のインピーダンスjX=j200 Ω,アドミタンスjB=j0.800 mSとし,送電端の線間電圧が66.0 kVであり,受電端が無負荷のとき,次の問に答えよ。 〔小問(b)〕 1線当たりの送電端電流の値[A]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 (小問(a)より,受電端の線間電圧は約71.7 kVである。)問338の図

    • 1.15.2
    • 2.16.6
    • 3.28.7
    • 4.31.8
    • 5.55.1

    正解:4.31.8

    解説:π形等価回路では、アドミタンスが送電端側と受電端側に半分ずつ置かれている。送電端電流は、この二つに流れる電流の合計になる。受電端は無負荷なので、それ以外に電流の行き先はない。 相電圧はそれぞれ E_s=66.0/√3≒38.11 kV,E_r=71.7/√3≒41.42 kV。 受電端側のアドミタンスに流れる電流は I₁=(B/2)E_r=0.400×10⁻³×41 420≒16.57 A。 送電端側のアドミタンスに流れる電流は I₂=(B/2)E_s=0.400×10⁻³×38 110≒15.24 A。 どちらも同じ向き(進み90°)なので、そのまま足して I_s=16.57+15.24≒31.8 A。答(4)。 (2)の16.6は受電端側のぶんだけ、(1)の15.2は送電端側のぶんだけの値である。π形等価回路では両端にアドミタンスがあるので、送電端電流は両方の和になる。 二つの電流を単純に足してよいのは、どちらもコンデンサに流れる電流で位相がそろっているからである。位相の違う成分どうしなら二乗して足す必要がある。 B/2=0.400 mS を使うこと。設問で与えられたjB=j0.800 mSは線路全体の値で、片側には半分ずつ置かれる。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 電力 問16(b)
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  339. 問339.三相3線式配電線路の受電端に遅れ力率0.8の三相平衡負荷60 kW(一定)が接続されている。次の(a)及び(b)の問に答えよ。 ただし,三相負荷の受電端電圧は6.6 kV一定とし,配電線路のこう長は2.5 km,電線1線当たりの抵抗は0.5 Ω/km,リアクタンスは0.2 Ω/kmとする。なお,送電端電圧と受電端電圧の位相角は十分小さいものとして得られる近似式を用いて解答すること。また,配電線路こう長が短いことから,静電容量は無視できるものとする。 〔小問(a)〕 この配電線路での抵抗による電力損失の値[W]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

    • 1.22
    • 2.54
    • 3.65
    • 4.161
    • 5.220

    正解:4.161

    解説:まず線電流を求める。三相の電力は P=√3 V I cosθ なので I=P/(√3 V cosθ)=60×10³/(√3×6 600×0.8)≒6.56 A。 つぎに1線当たりの抵抗を出す。 R=0.5×2.5=1.25 Ω。 三相3線式なので電線は3本あり、電力損失は P_loss=3I²R=3×6.56²×1.25 =3×43.0×1.25≒161 W。答(4)。 3を掛けるのを忘れると 43.0×1.25≒54 W となって(2)に落ちる。三相3線式では3本の電線それぞれで損失が生じるので、必ず3倍する。 (5)の220は抵抗を 0.5×2.5 ではなく別の取り方をした場合などに出る。こう長2.5 kmに1 kmあたりの抵抗0.5 Ωを掛けて1.25 Ωとする、という手順を固定する。 リアクタンス0.2 Ω/kmはこの小問では使わない。電力損失を生むのは抵抗だけで、リアクタンスは電圧降下には効くが電力は消費しない。リアクタンスは小問(b)で使う。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 電力 問17(a)
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。

  340. 問340.三相3線式配電線路の受電端に遅れ力率0.8の三相平衡負荷60 kW(一定)が接続されている。次の問に答えよ。 ただし,三相負荷の受電端電圧は6.6 kV一定とし,配電線路のこう長は2.5 km,電線1線当たりの抵抗は0.5 Ω/km,リアクタンスは0.2 Ω/kmとする。なお,送電端電圧と受電端電圧の位相角は十分小さいものとして得られる近似式を用いて解答すること。また,配電線路こう長が短いことから,静電容量は無視できるものとする。 〔小問(b)〕 受電端の電圧降下率を2.0 %以内にする場合,受電端でさらに増設できる負荷電力(最大)の値[kW]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし,負荷の力率(遅れ)は変わらないものとする。

    • 1.476
    • 2.536
    • 3.546
    • 4.1 280
    • 5.1 340

    正解:1.476

    解説:電圧降下率2.0 %以内なので、許される電圧降下は 6 600×0.02=132 V。 三相3線式の電圧降下の近似式は v=√3 I(R cosθ+X sinθ) である。1線当たりの値は R=0.5×2.5=1.25 Ω,X=0.2×2.5=0.5 Ω。 力率0.8(遅れ)なので cosθ=0.8、sinθ=0.6 だから R cosθ+X sinθ=1.25×0.8+0.5×0.6=1.0+0.3=1.3 Ω。 したがって √3 I×1.3≦132 → I≦132/(√3×1.3)≒58.6 A。 この電流のときに送れる三相電力は P=√3×6 600×58.6×0.8≒536×10³ W=536 kW。 すでに60 kWが接続されているので、さらに増設できるのは 536−60=476 kW。答(1)。 (2)の536は増設分ではなく、電圧降下率2.0 %のときに送れる全電力である。設問は「さらに増設できる負荷電力」を問うているので、既設の60 kWを引く。ここを引き忘れると(2)を選ぶことになる。 電圧降下の近似式で、リアクタンスの項 X sinθ を落とすと 1.25×0.8=1.0 となり、I≦60.9 A、P≒557 kW、増設分497 kW と少し大きく出る。遅れ力率の負荷ではリアクタンスも電圧降下に効くので、両方の項を入れる。 電圧降下率は受電端電圧を基準にした割合である。6 600 Vの2.0 %で132 Vという値をまず出しておくと、あとは電流の上限を求めるだけになる。

    出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験 令和元年度 電力 問17(b)
    本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。