第三種冷凍機械責任者「冷凍の原理」の一問一答
📖 第三種冷凍機械責任者「冷凍の原理」の全79問と解説(一覧)
第三種冷凍機械責任者の冷凍の原理に関する一問一答(全79問)の正解と解説の一覧です。上の一問一答で実際に解いてから、ここで復習・確認できます。
-
問1.蒸気圧縮式冷凍サイクルは、圧縮・膨張・冷却・加熱の4過程で構成される。
正解:×(誤り)
解説:誤り。蒸気圧縮式は「圧縮・凝縮・膨張・蒸発」の4過程(冷却・加熱はそれぞれ凝縮・蒸発の現象)。
-
問2.p-h線図(モリエル線図)の縦軸は比エンタルピー、横軸は圧力である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。p-h線図は「縦軸=圧力(p)、横軸=比エンタルピー(h)」(記述が逆)。
-
問3.成績係数(COP)は、圧縮機の仕事量を冷凍能力で割った値である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。COPは「冷凍能力÷圧縮機仕事量」(記述が逆、効率の指標)。
-
問4.冷媒が蒸発器で液体から気体に変化するとき、周囲に熱を放出する。
正解:×(誤り)
解説:誤り。蒸発時は周囲から「熱を吸収」(蒸発潜熱)。放出は凝縮過程。
-
問5.凝縮器では冷媒が気体から液体に変化し、周囲に熱を放出する。
正解:○(正しい)
解説:凝縮器では高温高圧の冷媒蒸気が冷却されて液化する際に凝縮潜熱を放出します。この放熱により冷媒は液体になります。
-
問6.冷凍サイクルの膨張弁での膨張過程は、等エントロピー変化である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。膨張弁は「等エンタルピー変化(絞り膨張)」(等エントロピーは断熱圧縮)。
-
問7.圧縮機での圧縮過程は、理想的には等エンタルピー変化である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。圧縮過程は「等エントロピー変化(断熱圧縮)」が理想(等エンタルピーは膨張弁の絞り膨張)。
-
問8.p-h線図上の飽和液線と飽和蒸気線で囲まれた領域は湿り蒸気の領域である。
正解:○(正しい)
解説:飽和液線の左側は過冷却液の領域、飽和液線と飽和蒸気線の間は湿り蒸気(液と蒸気の混合)の領域、飽和蒸気線の右側は過熱蒸気の領域です。
-
問9.冷媒R-410Aは、R-32とR-22の混合冷媒である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。R-410Aは「R-32とR-125」の混合冷媒(R-22ではない、R-22はHCFC旧冷媒)。
-
問10.フルオロカーボン冷媒のうち、HFC冷媒はオゾン層を破壊しない。
正解:○(正しい)
解説:HFC(ハイドロフルオロカーボン)は塩素を含まないためオゾン破壊係数(ODP)はゼロです。ただし温室効果係数(GWP)が高いものがあり、地球温暖化への影響は課題です。
-
問11.冷凍能力は、蒸発器において冷媒が単位時間あたりに吸収する熱量で表される。
正解:○(正しい)
解説:冷凍能力とは蒸発器で冷媒が吸収する熱量(kW)であり、冷媒循環量(kg/s)×冷凍効果(kJ/kg)で計算されます。
-
問12.冷凍効果とは、蒸発器入口と出口の比エンタルピーの差である。
正解:○(正しい)
解説:冷凍効果は蒸発器出口の比エンタルピーから蒸発器入口の比エンタルピーを引いた値(kJ/kg)で、冷媒1kgあたりが蒸発器で吸収する熱量を表します。
-
問13.凝縮温度が上昇すると、成績係数(COP)は上昇する。
正解:×(誤り)
解説:誤り。凝縮温度上昇で「COPは低下」(圧縮仕事増大のため、上昇ではない)。
-
問14.蒸発温度が低下すると、冷媒の比体積が小さくなり冷媒循環量が増加する。
正解:×(誤り)
解説:誤り。蒸発温度低下で「比体積が大きくなり循環量は減少」(記述が逆)。
-
問15.R-32は、R-410Aに比べてGWP(地球温暖化係数)が低い冷媒である。
正解:○(正しい)
解説:R-32のGWPは675、R-410AのGWPは2088であり、R-32はR-410Aの約1/3のGWPです。環境負荷が低い冷媒として置き換えが進んでいます。
-
問16.冷媒R-404Aは、低温用冷凍装置に使用されることが多い。
正解:○(正しい)
解説:R-404Aは蒸発温度が低い用途に適した冷媒で、冷凍倉庫やショーケースなどの低温用冷凍装置に多く使用されています。
-
問17.アンモニア(R-717)は毒性と可燃性があるが、自然冷媒として環境負荷が小さい。
正解:○(正しい)
解説:アンモニアはODP=0、GWP=0の自然冷媒ですが、毒性(許容濃度25ppm)と可燃性があるため、漏えい対策が特に重要です。産業用冷凍装置で使用されます。
-
問18.p-h線図上の圧縮過程は、凝縮圧力から蒸発圧力への低下として表される。
正解:×(誤り)
解説:誤り。圧縮過程は「蒸発圧力から凝縮圧力への上昇」(低下ではない)。
-
問19.理論冷凍サイクルでは、圧縮機の入口で冷媒は飽和蒸気の状態にある。
正解:○(正しい)
解説:理論冷凍サイクルでは、蒸発器出口・圧縮機入口の冷媒は飽和蒸気(乾き度1)の状態として計算します。実際のサイクルでは過熱蒸気になっています。
-
問20.断熱圧縮の仕事量は、p-h線図上で圧縮機入口と出口の圧力差で表される。
正解:×(誤り)
解説:誤り。断熱圧縮仕事は「比エンタルピー差」で表される(圧力差ではない)。
-
問21.次のうち、冷凍サイクルの成績係数(COP)の式として正しいものはどれか。
- ア.COP=圧縮仕事量÷冷凍能力
- イ.COP=冷凍能力÷凝縮負荷
- ウ.COP=凝縮負荷÷冷凍能力
- エ.COP=冷凍能力÷圧縮仕事量
正解:エ.COP=冷凍能力÷圧縮仕事量
解説:冷凍サイクルの成績係数COP=冷凍能力(蒸発器の吸熱量)÷圧縮仕事量(圧縮機の所要動力)です。値が大きいほど効率的です。
-
問22.次のうち、蒸発温度を下げたときの影響として正しいものはどれか。
- ア.圧縮機の所要動力が増加する
- イ.圧縮比が小さくなる
- ウ.冷媒循環量が増加する
- エ.成績係数が向上する
正解:ア.圧縮機の所要動力が増加する
解説:蒸発温度が下がると蒸発圧力が低下して圧縮比が大きくなり、圧縮仕事量が増加します。同時に冷媒循環量が減少し、COPは低下します。
-
問23.凝縮負荷は、冷凍能力と圧縮機軸動力の差にほぼ等しい。
正解:×(誤り)
解説:誤り。凝縮負荷=冷凍能力+圧縮機軸動力(熱とエネルギーの和)。差ではない。
-
問24.次のうち、p-h線図の等温線に関する説明として正しいものはどれか。
- ア.過冷却液域では等温線は垂直になる
- イ.湿り蒸気域では等温線は水平になる
- ウ.過熱蒸気域では等温線は水平になる
- エ.全ての領域で等温線は右上がりになる
正解:イ.湿り蒸気域では等温線は水平になる
解説:湿り蒸気域では温度と圧力が対応関係にあるため、等温線は等圧線と一致して水平になります。過熱蒸気域では右下がりの曲線になります。
-
問25.1日本冷凍トンは約10kWに相当する。
正解:×(誤り)
解説:誤り。1日本冷凍トン=「約3.86kW」(10kWは大きすぎ)。
-
問26.次のうち、冷媒に求められる性質として正しいものはどれか。
- ア.蒸発潜熱が小さいこと
- イ.凝固点が使用温度より高いこと
- ウ.蒸発圧力が大気圧より高いこと
- エ.臨界温度が使用温度範囲より低いこと
正解:ウ.蒸発圧力が大気圧より高いこと
解説:蒸発圧力が大気圧より高いことで、装置内が負圧にならず外気(空気や水分)の侵入を防げます。蒸発潜熱は大きい方が少ない循環量で冷凍できます。
-
問27.過冷却度が大きいほど、冷凍効果は減少する。
正解:×(誤り)
解説:誤り。過冷却度大で「冷凍効果は増大」(凝縮器出口エンタルピー低下→蒸発時エンタルピー差増)。
-
問28.フルオロカーボン冷媒のうち、HCFC冷媒はオゾン破壊係数がゼロである。
正解:×(誤り)
解説:誤り。HCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)は水素を含むものの塩素も含んでいるため、オゾン破壊係数はゼロではありません(CFC より小さいが影響あり)。2020年に生産全廃されています。
-
問29.次のうち、二段圧縮冷凍サイクルを採用する主な目的として正しいものはどれか。
- ア.凝縮温度を上げるため
- イ.冷媒の充填量を減らすため
- ウ.蒸発温度を上げるため
- エ.圧縮比が大きい場合に圧縮機の効率低下を抑えるため
正解:エ.圧縮比が大きい場合に圧縮機の効率低下を抑えるため
解説:蒸発温度が非常に低い場合は圧縮比が大きくなり、一段圧縮では体積効率や圧縮効率が著しく低下するため、二段圧縮にして各段の圧縮比を下げ効率を向上させます。
-
問30.膨張弁を通過する前後で、冷媒の温度は上昇する。
正解:×(誤り)
解説:誤り。膨張弁通過で冷媒温度は「低下」(圧力降下+一部蒸発による吸熱、ジュール・トムソン効果)。
-
問31.ヒートポンプの暖房COPは、冷凍COPに2を加えた値にほぼ等しい。
正解:×(誤り)
解説:誤り。暖房COP≒冷凍COP「+1」(凝縮器の放熱=蒸発吸熱+圧縮仕事のため)。+2ではない。
-
問32.次のうち、冷凍サイクルの効率を向上させる方法として正しいものはどれか。
- ア.過冷却度を大きくとる
- イ.蒸発温度を下げる
- ウ.凝縮温度を上げる
- エ.圧縮比を大きくする
正解:ア.過冷却度を大きくとる
解説:過冷却度を大きくとると冷凍効果が増大し、圧縮仕事量はほぼ変わらないためCOPが向上します。凝縮温度の上昇や蒸発温度の低下はCOPを下げます。
-
問33.比エンタルピーとは、冷媒1kgあたりのエンタルピー(熱含量)のことである。
正解:○(正しい)
解説:比エンタルピー(kJ/kg)は単位質量あたりのエンタルピーで、冷媒の熱的状態を表す重要な物性値です。p-h線図の横軸に用いられます。
-
問34.飽和温度とは、液体のみが存在する温度のことである。
正解:×(誤り)
解説:誤り。飽和温度は「液体と蒸気が共存する温度」(その圧力で)。液体のみではない。
-
問35.冷媒の蒸発圧力が一定の場合、蒸発器出口の過熱度が大きいほど圧縮機の吸入ガス温度は高くなる。
正解:○(正しい)
解説:過熱度は蒸発温度からの温度上昇分なので、過熱度が大きいほど圧縮機の吸入ガス温度が高くなり、比体積も大きくなります。
-
問36.次のうち、冷凍サイクルでの凝縮過程を正しく説明しているものはどれか。
- ア.冷媒が低圧で蒸発する過程
- イ.冷媒が高圧で液化し熱を放出する過程
- ウ.冷媒が減圧される過程
- エ.冷媒が断熱圧縮される過程
正解:イ.冷媒が高圧で液化し熱を放出する過程
解説:凝縮過程では高温高圧の冷媒蒸気が冷却されて液化し、凝縮潜熱を外部(空気や冷却水)に放出します。p-h線図では高圧側の等圧線上を左方向に進む過程です。
-
問37.冷媒が膨張弁を通過するとき、一部がフラッシュガス(蒸気)になる。
正解:○(正しい)
解説:高圧液冷媒が膨張弁で急激に減圧されると圧力が飽和圧力以下になり、一部が蒸発してフラッシュガスとなります。このフラッシュガスは冷凍効果に寄与しません。
-
問38.次のうち、冷媒の種類と分類の組み合わせとして正しいものはどれか。
- ア.R-22はHFC冷媒である
- イ.R-410AはHCFC冷媒である
- ウ.R-32はHFC冷媒である
- エ.R-134aはCFC冷媒である
正解:ウ.R-32はHFC冷媒である
解説:R-32(ジフルオロメタン)はHFC冷媒です。R-22はHCFC冷媒、R-410AはHFC混合冷媒、R-134aはHFC冷媒です。
-
問39.実際の冷凍サイクルでは、理論サイクルよりも成績係数が高くなる。
正解:×(誤り)
解説:誤り。実際は理論より「COPが低くなる」(圧力損失・熱の出入り・断熱効率<1等のため)。
-
問40.エントロピーは、熱力学における不可逆性の尺度であり、自然界では増大する方向に変化する。
正解:○(正しい)
解説:エントロピーは系の乱雑さ・不可逆性の尺度で、熱力学第二法則により孤立系のエントロピーは増大します。可逆断熱変化では一定です。
-
問41.次のうち、凝縮温度と蒸発温度の温度差が小さいほどCOPが高くなる理由として正しいものはどれか。
- ア.冷媒循環量が増えるため
- イ.冷媒の比体積が大きくなるため
- ウ.凝縮負荷が増えるため
- エ.圧縮比が小さくなり圧縮仕事が減るため
正解:エ.圧縮比が小さくなり圧縮仕事が減るため
解説:凝縮温度と蒸発温度の差が小さいと圧縮比(凝縮圧力÷蒸発圧力)が小さくなり、圧縮に必要な仕事量が減少するため、COPが向上します。
-
問42.凝縮過程は、p-h線図上で低圧側の等圧線に沿って左から右へ進む。
正解:×(誤り)
解説:誤り。凝縮過程は「高圧側の等圧線に沿って右→左」(高エンタルピー→低エンタルピー)。
-
問43.次のうち、冷媒R-32の特徴として正しいものはどれか。
- ア.微燃性(A2L)がある
- イ.GWPがR-410Aより大きい
- ウ.オゾン破壊係数が大きい
- エ.毒性が極めて強い
正解:ア.微燃性(A2L)がある
解説:R-32は微燃性(ASHRAE分類A2L)がありますが、GWPがR-410Aの約1/3と低く、冷凍能力が高いため次世代冷媒として普及が進んでいます。オゾン破壊係数はゼロです。
-
問44.冷凍能力=冷媒循環量×冷凍効果 の関係式が成り立つ。
正解:○(正しい)
解説:冷凍能力Φ0(kW)=冷媒循環量qmr(kg/s)×冷凍効果Δh(kJ/kg)です。冷凍効果は蒸発器入口と出口のエンタルピー差です。
-
問45.圧縮機の理論ピストン押しのけ量は、冷媒循環量を蒸発器出口の比体積で割った値である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。理論ピストン押しのけ量=「冷媒循環量×比体積」(割るではなく掛ける)。
-
問46.次のうち、フルオロカーボン冷媒の特徴として正しいものはどれか。
- ア.すべて毒性が強い
- イ.一般に不燃性または微燃性で安定性が高い
- ウ.すべてオゾン層を破壊する
- エ.水によく溶ける
正解:イ.一般に不燃性または微燃性で安定性が高い
解説:フルオロカーボン冷媒は一般に不燃性または微燃性で化学的に安定し、毒性が低いのが特徴です。CFC・HCFCはオゾン層を破壊しますが、HFCはオゾン破壊係数がゼロです。
-
問47.体積効率とは、理論ピストン押しのけ量に対する実際の吸込み蒸気量の比である。
正解:○(正しい)
解説:体積効率ηv=実際の吸込み蒸気量÷理論ピストン押しのけ量で、圧縮比が大きくなるほど隙間容積の影響で低下します。
-
問48.次のうち、非共沸混合冷媒の特徴として正しいものはどれか。
- ア.蒸発・凝縮時に温度が一定である
- イ.単一成分のみで構成される
- ウ.蒸発・凝縮時に温度が変化する(温度すべりがある)
- エ.漏えいしても組成が変化しない
正解:ウ.蒸発・凝縮時に温度が変化する(温度すべりがある)
解説:非共沸混合冷媒は蒸発・凝縮時に温度が一定でなく変化する(温度すべり)特性があります。漏えい時に組成が変化するため、液相で充填する必要があります。
-
問49.次のうち、冷媒の蒸発潜熱に関する説明として正しいものはどれか。
- ア.蒸発潜熱が大きいほど冷媒循環量が多くなる
- イ.蒸発潜熱が小さい冷媒ほど効率が良い
- ウ.蒸発潜熱は圧力に関係なく一定である
- エ.蒸発潜熱が大きいほど少ない循環量で大きな冷凍効果が得られる
正解:エ.蒸発潜熱が大きいほど少ない循環量で大きな冷凍効果が得られる
解説:蒸発潜熱が大きい冷媒は1kgあたりの吸熱量が多いため、少ない冷媒循環量で大きな冷凍効果が得られ、配管径や圧縮機を小型化できます。
-
問50.臨界温度とは、それ以上の温度ではいくら圧力を加えても液化できない温度のことである。
正解:○(正しい)
解説:臨界温度を超えると気体と液体の区別がなくなり(超臨界状態)、圧力をいくら高くしても凝縮(液化)させることができません。冷媒の臨界温度は凝縮温度より十分高い必要があります。
-
問51.ヒートポンプサイクルは、冷凍サイクルと同じ構成であるが、凝縮器で放出する熱を暖房に利用する。
正解:○(正しい)
解説:ヒートポンプは冷凍サイクルと同じ圧縮→凝縮→膨張→蒸発の構成ですが、凝縮器での放熱を暖房目的に利用します。冷房時は蒸発器の吸熱を、暖房時は凝縮器の放熱を利用します。
-
問52.ヒートポンプの暖房COPは、蒸発器の吸熱量を圧縮機入力動力で割った値である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。暖房COPは「凝縮器の放熱量÷圧縮機入力動力」(蒸発器吸熱量は冷房COP)。
-
問53.逆カルノーサイクルは、等温膨張・断熱膨張・等温圧縮・断熱圧縮の4過程からなる理想的な冷凍サイクルである。
正解:○(正しい)
解説:逆カルノーサイクルは2つの等温過程と2つの断熱過程で構成される理想的な冷凍サイクルであり、同じ温度条件で最大の成績係数を実現する理論的な上限を示します。
-
問54.逆カルノーサイクルの成績係数は、蒸発温度と凝縮温度の温度差が大きいほど大きくなる。
正解:×(誤り)
解説:誤り。逆カルノーサイクルのCOP=T_L/(T_H−T_L)であり、蒸発温度T_Lと凝縮温度T_Hの差が大きいほどCOPは小さくなります。温度差が小さいほどCOPは大きくなります。
-
問55.冷凍効果とは、凝縮器で冷媒1kgが放出する熱量である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。冷凍効果は「蒸発器で冷媒1kgが吸収する熱量」(凝縮器は放熱量)。
-
問56.体積効率とは、圧縮機のピストン押しのけ量に対する実際の吸入ガス量の割合である。
正解:○(正しい)
解説:体積効率ηv=実際の吸入ガス量/ピストン押しのけ量であり、隙間容積での再膨張、弁やピストンリングの漏れ、吸入ガスの加熱などにより1より小さくなります。
-
問57.圧縮比が大きくなると、体積効率は低下し、成績係数も低下する。
正解:○(正しい)
解説:圧縮比の増大は隙間容積での再膨張量を増やすため体積効率が低下します。また圧縮仕事が増えるため、冷凍効果に対する入力動力の割合が大きくなりCOPも低下します。
-
問58.湿り蒸気とは、液と蒸気が共存している状態の冷媒をいう。
正解:○(正しい)
解説:湿り蒸気は飽和液と飽和蒸気が混合して共存している状態です。膨張弁から蒸発器に入る冷媒や、蒸発器内の冷媒の多くは湿り蒸気の状態にあります。
-
問59.乾き度とは、湿り蒸気中の蒸気の質量割合を示し、0から1の値をとる。
正解:○(正しい)
解説:乾き度xは湿り蒸気全体の質量に対する蒸気質量の割合で、x=0が飽和液、x=1が飽和蒸気です。乾き度が大きいほど蒸気の割合が多い状態です。
-
問60.乾き度0.3の湿り蒸気は、全質量の70%が蒸気、30%が液の状態である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。乾き度0.3は「30%が蒸気・70%が液」(記述が逆)。
-
問61.p-h線図上で、膨張弁での膨張過程は等エンタルピー変化として表される。
正解:○(正しい)
解説:膨張弁での膨張は絞り膨張(不可逆過程)であり、外部に仕事をしないためエンタルピーは変化しません。p-h線図上では垂直な下向きの線で表されます。
-
問62.冷凍サイクルにおいて過冷却度を大きくとると、冷凍効果が増加する。
正解:○(正しい)
解説:過冷却により膨張弁入口の液冷媒のエンタルピーが小さくなるため、蒸発器入口と出口のエンタルピー差(冷凍効果)が大きくなり、同じ冷媒循環量でより大きな冷凍能力が得られます。
-
問63.冷凍サイクルの圧縮過程において、実際の圧縮は理論上の断熱圧縮よりも吐出しガスのエンタルピーが大きくなる。
正解:○(正しい)
解説:実際の圧縮では摩擦や渦による不可逆損失があるため、断熱効率は1より小さくなり、理論的な断熱圧縮よりも多くの仕事が必要となり吐出しガスのエンタルピーが大きくなります。
-
問64.蒸発温度が一定のとき、凝縮温度を上げると成績係数は向上する。
正解:×(誤り)
解説:誤り。凝縮温度を「下げる」とCOP向上(上げると圧縮仕事増・COP低下)。
-
問65.冷凍サイクルにおいて、圧縮機の吸入蒸気の比体積が大きいほど、同じ冷凍能力を得るために必要なピストン押しのけ量は大きくなる。
正解:○(正しい)
解説:吸入蒸気の比体積が大きいと単位体積あたりの冷媒質量が小さくなるため、同じ冷媒循環量を得るにはより大きなピストン押しのけ量が必要です。
-
問66.アンモニア冷媒はフルオロカーボン冷媒に比べて蒸発潜熱が大きい。
正解:○(正しい)
解説:アンモニア(R717)の蒸発潜熱は約1370kJ/kg(−15℃)とフルオロカーボン冷媒(150〜200kJ/kg程度)に比べて非常に大きく、少ない冷媒循環量で大きな冷凍効果が得られます。
-
問67.圧縮機の断熱効率とは、理論断熱圧縮仕事と実際の圧縮仕事の比である。
正解:○(正しい)
解説:断熱効率ηad=理論断熱圧縮仕事/実際の圧縮仕事であり、圧縮過程における不可逆損失の度合いを表します。断熱効率が高いほど効率のよい圧縮です。
-
問68.冷媒の蒸発圧力が低いほど、冷媒の蒸発温度は低くなる。
正解:○(正しい)
解説:飽和温度と飽和圧力は対応関係にあり、蒸発圧力が低いほど蒸発温度(飽和温度)も低くなります。低温冷凍ほど蒸発圧力が低くなります。
-
問69.実際の冷凍サイクルでは、配管の圧力損失や熱の出入りにより理論サイクルよりもCOPが低下する。
正解:○(正しい)
解説:実際のサイクルでは吸入配管や吐出し配管の圧力損失、外部からの熱の侵入、圧縮機の機械損失などにより、理論サイクルの成績係数よりも低い値となります。
-
問70.二段圧縮一段膨張サイクルでは、中間圧力で低段圧縮機の吐出しガスを冷却して高段圧縮機に送る。
正解:○(正しい)
解説:二段圧縮サイクルでは低段圧縮機で中間圧力まで圧縮し、中間冷却器で吐出しガスを冷却してから高段圧縮機でさらに凝縮圧力まで圧縮します。これにより吐出しガス温度の上昇を抑えCOPを改善します。
-
問71.ヒートポンプの暖房COPと冷凍COPの関係として、正しいものはどれか。
- ア.暖房COP=冷凍COP−1
- イ.暖房COP=冷凍COP
- ウ.暖房COP=冷凍COP×2
- エ.暖房COP=冷凍COP+1
正解:エ.暖房COP=冷凍COP+1
解説:暖房COP=凝縮器放熱量/圧縮仕事=(冷凍能力+圧縮仕事)/圧縮仕事=冷凍COP+1となります。暖房COPは常に冷凍COPより1だけ大きくなります。
-
問72.逆カルノーサイクルの成績係数に関する記述として、正しいものはどれか。
- ア.蒸発温度と凝縮温度の差が小さいほど大きい
- イ.蒸発温度に関係なく一定である
- ウ.凝縮温度が高いほど大きい
- エ.蒸発温度が低いほど大きい
正解:ア.蒸発温度と凝縮温度の差が小さいほど大きい
解説:逆カルノーサイクルのCOP=T_L/(T_H−T_L)であり、蒸発温度T_Lと凝縮温度T_Hの差が小さいほどCOPは大きくなります。温度差が大きくなると圧縮仕事が増えCOPは低下します。
-
問73.体積効率が低下する原因として、該当しないものはどれか。
- ア.圧縮比の増大
- イ.凝縮温度の低下
- ウ.吸入ガスの過熱による密度低下
- エ.吸入弁・吐出し弁の漏れ
正解:イ.凝縮温度の低下
解説:凝縮温度が低下すると圧縮比が小さくなり、隙間容積での再膨張量が減少するため体積効率はむしろ向上します。圧縮比の増大、弁の漏れ、吸入ガスの過熱は体積効率を低下させます。
-
問74.湿り蒸気の比エンタルピーに関する記述として、正しいものはどれか。
- ア.乾き度に関係なく一定である
- イ.飽和蒸気の比エンタルピーより常に大きい
- ウ.h=hf+x(hg−hf)で求められる
- エ.飽和液の比エンタルピーと等しい
正解:ウ.h=hf+x(hg−hf)で求められる
解説:湿り蒸気の比エンタルピーはh=hf+x(hg−hf)で計算されます。hfは飽和液の比エンタルピー、hgは飽和蒸気の比エンタルピー、xは乾き度です。
-
問75.凝縮負荷に関する記述として、正しいものはどれか。
- ア.凝縮負荷は冷凍能力より常に小さい
- イ.凝縮負荷=冷凍能力−圧縮機動力
- ウ.凝縮負荷は圧縮機動力に等しい
- エ.凝縮負荷≒冷凍能力+圧縮機動力
正解:エ.凝縮負荷≒冷凍能力+圧縮機動力
解説:凝縮器で放出される熱量(凝縮負荷)は蒸発器で吸収した熱量(冷凍能力)と圧縮機の軸動力の和です。エネルギー保存則よりΦk≒Φo+Pとなります。
-
問76.圧縮比を小さくする効果として、正しいものはどれか。
- ア.成績係数が向上する
- イ.吐出しガス温度が上昇する
- ウ.体積効率が低下する
- エ.圧縮機の軸動力が増加する
正解:ア.成績係数が向上する
解説:圧縮比を小さくすると圧縮仕事が減少し、体積効率が向上し、吐出しガス温度が低下し、成績係数(COP)が向上します。二段圧縮も圧縮比低減の手法の一つです。
-
問77.冷凍サイクルのp-h線図において、蒸発過程を表す線はどれか。
- ア.等エンタルピーの垂直線で、下に向かう
- イ.等圧の水平線で、右に向かってエンタルピーが増加する
- ウ.等エントロピーの曲線で、右上に向かう
- エ.等圧の水平線で、左に向かってエンタルピーが減少する
正解:イ.等圧の水平線で、右に向かってエンタルピーが増加する
解説:蒸発過程は低圧一定の下で冷媒が熱を吸収して蒸発するため、p-h線図上では等圧の水平線として表され、右に向かってエンタルピーが増加します。
-
問78.アンモニア冷媒とフルオロカーボン冷媒の比較として、誤っているものはどれか。
- ア.アンモニアは蒸発潜熱が大きい
- イ.アンモニアは銅および銅合金を腐食する
- ウ.アンモニアはフルオロカーボンより地球温暖化係数が高い
- エ.アンモニアは毒性があり刺激臭がある
正解:ウ.アンモニアはフルオロカーボンより地球温暖化係数が高い
解説:アンモニアのGWPは0であり、フルオロカーボン冷媒(GWP数百〜数千)より圧倒的に低いです。アンモニアは蒸発潜熱が大きく、銅を腐食し、毒性と刺激臭がある冷媒です。
-
問79.冷凍効果に関する記述として、正しいものはどれか。
- ア.凝縮器出口と蒸発器出口のエンタルピー差である
- イ.凝縮器入口と出口のエンタルピー差である
- ウ.圧縮機入口と出口のエンタルピー差である
- エ.蒸発器入口と蒸発器出口のエンタルピー差である
正解:エ.蒸発器入口と蒸発器出口のエンタルピー差である
解説:冷凍効果は蒸発器入口と出口の冷媒の比エンタルピーの差(h1−h4)で表されます。これは冷媒1kgが蒸発器で被冷却物から吸収する熱量に相当します。