第三種冷凍機械責任者の難易度と合格率【他の資格と比較】
公開: 更新:
第三種冷凍機械責任者(冷凍3種・冷3)は、ビルメン4点セットの1つとして知られる国家資格です。この記事では、第三種冷凍機械責任者の難易度や合格率の推移を詳しく解説し、ビルメン4点セットの他の資格との比較も行います。
- 第三種冷凍機械責任者の試験概要と難易度
- 過去5年間の合格率の推移
- ビルメン4点セットの他資格との難易度比較
- 合格するための学習ポイント
第三種冷凍機械責任者とは?
第三種冷凍機械責任者は、高圧ガス保安法に基づく国家資格で、1日の冷凍能力が100トン未満の冷凍設備において保安管理を行うことができます。ビルの空調設備や冷蔵・冷凍設備の管理に必要とされ、ビルメンテナンス業界で重宝される資格です。
ビルメン4点セットとは、ビル管理の仕事に就くために取得が推奨される4つの国家資格の総称です。第二種電気工事士・二級ボイラー技士・危険物取扱者乙種4類・第三種冷凍機械責任者の4資格で構成されます。冷凍3種はその中でも最後に挑戦する方が多い資格です。
| 試験名 | 第三種冷凍機械責任者試験 |
|---|---|
| 試験方式 | 五肢択一マークシート(合計35問) |
| 出題科目 | 法令(20問)+保安管理技術(15問) |
| 合格基準 | 各科目満点の60%程度 |
| 受験料 | 9,800円(インターネット申込)/ 10,300円(書面申込) |
| 試験頻度 | 年1回(11月上旬) |
| 受験資格 | なし(誰でも受験可能) |
※受験料・試験日程・合格基準は改定される場合があります。最新情報は必ず高圧ガス保安協会の公式サイトでご確認ください。
多くのビルメン系資格が複数回の受験機会があるのに対し、冷凍3種は年1回(11月)のみの実施です。不合格になると次のチャンスは1年後になるため、計画的な学習が特に重要です。
第三種冷凍機械責任者の合格率の推移
第三種冷凍機械責任者の合格率(全科目受験者)は年度による変動が大きく、令和3〜7年度は22.8〜45.0%でした。以下は高圧ガス保安協会の公表値です。
| 年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 2025年度 | 7,716人 | 3,476人 | 45.0% |
| 2024年度 | 7,605人 | 2,744人 | 36.1% |
| 2023年度 | 7,891人 | 3,146人 | 39.9% |
| 2022年度 | 8,305人 | 1,890人 | 22.8% |
| 2021年度 | 9,858人 | 3,996人 | 40.5% |
| 2020年度 | 7,541人 | 1,383人 | 18.3% |
合格率は年度によって大きく変動し、令和4年度は22.8%、令和7年度は45.0%でした。ビルメン4点セットの中では年度による振れ幅がいちばん大きく、低い年は20%台まで下がります。
上記は全科目受験者の合格率ですが、高圧ガス保安協会の講習を修了して科目免除を受けた受験者(法令のみ受験)の合格率は80〜90%前後と非常に高くなっています。
難易度を他の資格と比較
第三種冷凍機械責任者の難易度を、ビルメン4点セットの他の資格や関連資格と比較してみましょう。
| 資格名 | 合格率 | 難易度 | 勉強時間の目安 |
|---|---|---|---|
| 二級ボイラー技士 | 50〜55% | 普通 | 1〜1.5ヶ月 |
| 危険物取扱者乙種4類 | 30〜40% | やや易〜普通 | 1〜2ヶ月 |
| 第二種電気工事士 | 筆記60%/技能70% | 普通 | 2〜3ヶ月 |
| 第三種冷凍機械責任者 | 約23〜45% | やや難 | 2〜3ヶ月 |
| 消防設備士乙種6類 | 35〜40% | 普通 | 1〜2ヶ月 |
| 第二種冷凍機械責任者 | 28〜38%(令和5〜7年度・全科目受験) | 難 | 3〜5ヶ月 |
ビルメン4点セットの中では、第三種冷凍機械責任者が最も難易度が高いとされています。その理由はいくつかあります。
冷凍3種が難しいとされる理由
- 冷凍サイクルの理解が必要:圧縮・凝縮・膨張・蒸発の各工程を原理から理解する必要があり、単純な暗記では対応しづらい
- p-h線図(モリエル線図):冷凍サイクルを図示するp-h線図の読み方と解釈が独特で、初学者には取り付きにくい
- 年1回の試験:他の資格は複数回受験機会があるのに対し、年1回のみのためプレッシャーが大きい
- 選択肢の判別が難しい:保安管理技術では、似たような記述の正誤を判断する問題が多く、細かい知識が問われる
二級ボイラー技士との比較
二級ボイラー技士は合格率50〜55%で、ビルメン4点セットの中で最も取得しやすい資格です。過去問からの類似出題が多く、暗記で対応しやすい科目が中心です。一方、冷凍3種は原理の理解が必要な問題が多い点が大きな違いです。
危険物乙4との比較
危険物乙4は合格率30〜40%と数字上は冷凍3種と同程度ですが、受験者層が非常に幅広い(高校生なども多い)ため、実質的な難易度は冷凍3種よりも低めです。また、危険物乙4は全国で頻繁に試験が実施されるため、受験のしやすさでも差があります。
第二種電気工事士との比較
第二種電気工事士は筆記試験に加えて技能試験(実技)がある分、総合的な準備期間は長くなります。ただし、筆記・技能ともに合格率は高めで、出題範囲も明確です。冷凍3種は筆記のみですが、保安管理技術の理解の深さが求められる点で難しさがあります。
合格するためのポイント
1. 冷凍サイクルを図で理解する
冷凍3種の学習で最も重要なのが、冷凍サイクルの原理を理解することです。圧縮機・凝縮器・膨張弁・蒸発器がどのように連動して冷凍を行うかを、p-h線図と合わせて理解しましょう。動画教材やイラスト付きのテキストを活用すると効果的です。
2. 過去問を繰り返し解く
冷凍3種の試験も過去問の類似出題が見られます。過去5〜10年分の過去問を3周以上解き、出題パターンと正誤判断のポイントを身につけましょう。特に保安管理技術は、選択肢の微妙な違いを見分ける練習が重要です。
3. 法令科目を得点源にする
法令科目は条文や数値の暗記が中心で、保安管理技術に比べて努力が点数に直結しやすい科目です。高圧ガス保安法・冷凍保安規則の頻出条文をしっかり暗記し、法令で確実に得点することで合格を確実にしましょう。
4. 講習による科目免除も検討する
保安管理技術に不安がある方は、高圧ガス保安協会の講習を受講して科目免除を受けることも有効な戦略です。講習修了者の合格率は80〜90%と非常に高く、確実に合格したい方におすすめです。
第三種冷凍機械責任者 の問題を解く →
ビルメン4点セットの取得順序
ビルメン4点セットをこれから取得する方に向けて、おすすめの取得順序を紹介します。
- 危険物取扱者乙種4類:最も取得しやすく、試験回数も多い。まずはここから
- 二級ボイラー技士:合格率が高く、毎月受験可能。危険物乙4の次におすすめ
- 第二種電気工事士:技能試験の準備が必要だが、需要が最も高い資格
- 第三種冷凍機械責任者:4点セットの仕上げとして。年1回のため計画的に
冷凍3種を最後にするのは、難易度が最も高いことと、年1回の試験に合わせてスケジュールを組む必要があるためです。他の3資格で試験慣れしてから挑むのが効率的です。
よくある質問
Q. 第三種冷凍機械責任者の合格率はどのくらいですか?
第三種冷凍機械責任者の合格率(全科目受験者)は年度による変動が大きく、令和7年度は45.0%(令和3〜7年度は22.8〜45.0%)でした。講習による科目免除も含めて、自分に合う受験方法を選ぶのがおすすめです。
Q. 第三種冷凍機械責任者の難易度はどのくらいですか?
冷凍サイクルの原理やp-h線図の理解が求められるため、暗記だけでは対応しにくい試験です。学習期間は2〜3か月が目安です。
Q. 第三種冷凍機械責任者はビルメン4点セットの中で何番目に難しいですか?
ビルメン4点セット(第二種電気工事士・二級ボイラー技士・危険物乙4・冷凍3種)の中では、冷凍サイクルを原理から理解する必要がある点が冷凍3種の特徴です。試験は年1回(11月)なので、計画的に準備を進めましょう。
Q. 文系でも第三種冷凍機械責任者に合格できますか?
はい、文系の方でも十分に目指せます。冷凍サイクルの仕組みを図で理解し、過去問を繰り返し解いて進めましょう。講習を受けて保安管理技術の免除を受ける方法もあります。
まとめ
第三種冷凍機械責任者は、ビルメン4点セットの中で最も難易度が高いとされる資格ですが、計画的に学習すれば十分合格可能です。
- 合格率は令和3〜7年度で22.8〜45.0%と年度による振れ幅が大きく、低い年は20%台まで下がる
- 冷凍サイクルの原理の理解が求められる点が他の資格との大きな違い
- 年1回(11月)の試験なので、計画的な学習スケジュールが重要
- 過去問の繰り返し演習と、法令科目での確実な得点が合格のカギ
- 保安管理技術に不安がある方は講習による科目免除も有効な戦略
- ビルメン4点セットの最後の仕上げとして挑戦する方が多い
まずは一問一答形式の問題演習から始めて、自分の理解度を確認してみましょう。
第三種冷凍機械責任者 一問一答 →
📊 同カテゴリ資格との難易度比較【ビルメン系】
「第三種冷凍機械責任者(冷凍3種)」を同じビルメン系の資格と難易度・学習時間・コスパで横並び比較しました(難易度が低い順)。自分に合った受験順や次に狙う資格の検討にお使いください。
| 資格 | 難易度 | 学習時間目安 | 国の統計で見る年収 | コスパ |
|---|---|---|---|---|
| 二級ボイラー技士 | Lv1・入門 | 50〜80時間 | 約452万円(その他の定置・建設機械運転従事者) | ○ |
| 一級ボイラー技士 | Lv2・やさしめ | 60〜100時間 | 約452万円(その他の定置・建設機械運転従事者) | ◎ |
| 第三種冷凍機械責任者 ◀ この資格 | Lv2・やさしめ | 80〜120時間 | 約452万円(その他の定置・建設機械運転従事者) | ○ |
| 第二種電気工事士 | Lv2・やさしめ | 100〜150時間 | 約628万円(電気工事従事者) | ◎ |
| 第一種電気工事士 | Lv3・標準 | 150〜250時間 | 約628万円(電気工事従事者) | ◎ |
| 建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) | Lv4・難関 | 500〜800時間 | 約452万円(その他の定置・建設機械運転従事者) | ◎ |
| 電験三種 | Lv4・難関 | 800〜1000時間 | 約704万円(電気・電子・電気通信技術者(通信ネットワーク技術者を除く)) | ◎ |
| 電験二種(第二種電気主任技術者 一次) | Lv5・最難関 | 600〜1000時間 | 約704万円(電気・電子・電気通信技術者(通信ネットワーク技術者を除く)) | ○ |
| 電験一種(第一種電気主任技術者 一次) | Lv5・最難関 | 1000〜1500時間 | 約704万円(電気・電子・電気通信技術者(通信ネットワーク技術者を除く)) | ○ |
※年収は、厚生労働省「賃金構造基本統計調査」令和7年の職種別・産業別の値から、毎月の給与×12+年間賞与で当サイトが計算した推定値です。資格を持っていない人も含む職種(または業種)全体の値で、資格ごとの年収ではありません。「—」は対応する公的な統計が無いものです。 難易度Lv・学習時間・コスパは目安です。資格の組合せ・コスパ全体像は資格コスパ比較ランキングもご覧ください。