方針管理・日常管理・標準化・QMS【QC検定3級の実践】
QC検定3級の実践分野では、組織として品質を維持・向上させる仕組み=品質経営の要素が問われます。方針管理と日常管理の役割分担、標準化と社内標準化・JIS/ISOの関係、QCサークルなどの小集団活動、人材育成、そして品質マネジメントシステム(ISO9001・品質マネジメントの7原則)まで、定義を正確に押さえて整理します。似た用語の使い分けが失点しやすいポイントです。
※本記事は学習用の解説です。試験範囲・基準は改定される場合があります。最新は日本規格協会(JSA) QC検定公式サイトでご確認ください。
1. 方針管理
方針管理とは、経営基本方針に基づいて定めた中長期・年度の方針(重点課題・目標・方策)を、組織の各部門・各階層へ展開し、その達成に向けてPDCAを回していく活動です。トップの方針を上位から下位へブレイクダウンし、実施状況を確認して次期に反映します。
- 方針の展開:上位方針を受けて、下位部門が自部門の方針・目標・方策に落とし込むこと。上下・部門間で方針をすり合わせるすり合わせ(キャッチボール)が重要です。
- 期末のレビュー:年度末などに達成状況を評価し、未達の要因を分析して次期の方針へ反映します。
方針管理は、通常業務では解決しにくい重点課題を全社的に達成するための管理であり、次に述べる日常管理と役割が異なります。
2. 日常管理
日常管理とは、各部門が担当する業務について、決められた基準・標準どおりに仕事が行われる状態を維持・向上させる管理です。SDCA(標準を守り維持する)を基本に、異常があれば処置します。方針管理が「変える・伸ばす」なら、日常管理は「保つ」活動と対比できます。
管理項目と点検項目の違い(頻出)
| 用語 | 意味 | 見る対象 |
|---|---|---|
| 管理項目 | 仕事の結果が目標どおりかを評価するための項目。結果系の指標。 | 不良率・納期遵守率・クレーム件数 など |
| 点検項目 | 良い結果を生むための原因(要因)が正しく保たれているかを確認する項目。要因系の指標。 | 設備の温度・圧力・作業手順の遵守 など |
「管理項目=結果系、点検項目=要因系」の対応を取り違えないことが得点の鍵です。
異常とその処置・変化点管理
- 異常:工程が通常とは異なる状態(管理された状態から外れた状態)にあること。管理図で管理限界を外れる、といった形で検知します。
- 異常の処置:異常を見つけたら、まず応急処置(当面の流出・被害を止める)を行い、続いて再発防止(原因を除いて二度と起こさない)を進めます。応急処置だけで終わらせないのがポイントです。
- 変化点管理(4M変化点管理):人・機械・材料・方法(4M)が変わるとき(作業者交代・材料ロット切替・設備変更など)は不良が出やすいため、変化点を事前に把握し重点的に管理します。
3. 標準化
標準化とは、繰り返される事柄について「標準」を定めて活用し、ばらつきを抑えて統一を図る活動です。標準化により、品質の安定・効率化・技術やノウハウの共有・継承が進みます。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 社内標準化 | 会社内で通用する標準(社内規格・作業標準・帳票など)を定めて運用すること。 |
| 国家規格(JIS) | 日本産業規格。産業標準化法に基づき制定される国家規格(2019年に工業標準化法から産業標準化法へ、JIS=日本工業規格から日本産業規格へ名称変更)。 |
| 国際規格(ISO・IEC) | ISO(国際標準化機構)や電気分野のIEC(国際電気標準会議)が定める国際規格。 |
「社内→国家(JIS)→国際(ISO/IEC)」と、標準が通用する範囲が広がる階層で押さえると整理しやすいです。
4. 小集団活動(QCサークル)
QCサークルは、同じ職場の第一線の人たちが少人数のグループ(サークル)を作り、自主的に品質・職場の問題を継続的に改善していく小集団改善活動です。特徴は次のとおりです。
- 職場の第一線メンバーが自主的に運営する。
- QC七つ道具などの手法を使い、継続的に改善を進める。
- メンバーの能力向上・自己啓発や、明るく活力ある職場づくりも目的とされる。
5. 人材育成(OJT・Off-JT)
- OJT(On the Job Training):実際の職場・仕事の中で、上司や先輩が指導しながら能力を高める育成。
- Off-JT(Off the Job Training):職場を離れて行う集合研修やセミナーなど、体系的な知識の習得。
QCサークルや小集団活動も、実務を通じた人材育成の場として機能します。
6. 品質マネジメントシステム(QMS・ISO9001)
品質マネジメントシステム(QMS)とは、品質に関して組織を指揮・管理するための仕組みです。その国際規格がISO9001で、顧客要求・法令要求を満たし、顧客満足の向上を目指す仕組みを組織に求めます。第三者による審査で認証を受けられます。
品質マネジメントの7原則
ISO9000シリーズの土台となる考え方が、品質マネジメントの7原則です。
- 顧客重視
- リーダーシップ
- 人々の積極的参加
- プロセスアプローチ
- 改善
- 客観的事実に基づく意思決定
- 関係性管理(関係者との関係管理)
かつては8原則でしたが、2015年改訂のISO9001(ISO9000:2015)で7原則に整理されました。数と項目名を押さえておきましょう。
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