メンタルヘルス・マネジメント検定II種の重要用語集|ラインケア・職場環境改善の用語を解説
メンタルヘルス・マネジメント検定II種(ラインケアコース/大阪商工会議所主催)の学習でよく出てくる用語を、「ストレス・健康と法律の基礎」「職場環境改善とラインケア」「相談・連携・復職支援」の3カテゴリに分けてまとめました。II種は、管理監督者(管理職)が部下のメンタルヘルス対策を適切に進められるようになることを目的とした級です。ストレスのしくみや関連する法律、職場環境の改善、部下への気づき・相談対応、専門スタッフとの連携や職場復帰支援など、ラインによるケアに直結する用語を正しく押さえておくと、参考書や問題集の解説がぐっと読みやすくなります。
※出題範囲・検定方式は変わる場合があります。最新情報は必ず大阪商工会議所(メンタルヘルス・マネジメント検定)の公式情報でご確認ください。
ストレス・健康と法律の基礎
- ストレッサー
- ストレスの原因となる外部からの刺激や要因のこと。仕事の量・質、人間関係、役割の変化などがあり、これに対するこころと体の反応がストレス反応として現れる。
- ストレス反応(ストレスはんのう)
- ストレッサーを受けて生じる、こころ・体・行動の変化のこと。イライラや不安(心理面)、頭痛や不眠(身体面)、飲酒や欠勤の増加(行動面)などに分けて整理される。
- NIOSH職業性ストレスモデル(ニオッシュしょくぎょうせいストレスモデル)
- アメリカ国立労働安全衛生研究所(NIOSH)が示した、職場のストレスを総合的にとらえる代表的なモデル。仕事のストレッサーに加え、個人要因・仕事外の要因・緩衝要因(サポート等)が反応や健康に影響することを示す。
- デマンドコントロールモデル(仕事の要求度-コントロールモデル)
- カラセックが提唱したモデルで、仕事の要求度(負担)が高くコントロール(裁量)が低いときに健康リスクが高まるとする考え方。これに周囲のサポートを加えた要求度-コントロール-サポートモデルもある。
- 努力報酬不均衡モデル(どりょくほうしゅうふきんこうモデル)
- シーグリストが提唱したモデルで、仕事で費やす努力に対して得られる報酬(賃金・評価・地位など)が見合わない状態が続くと、健康に悪影響を及ぼすとする考え方。
- 自律神経系(じりつしんけいけい)
- 意思とは無関係に、内臓・血管・呼吸・体温などを自動的に調整する神経のしくみ。交感神経と副交感神経のバランスではたらき、ストレスの影響を強く受ける。
- 内分泌系(ないぶんぴつけい)
- ホルモンを分泌して、体のはたらきを調整するしくみ。ストレスを受けるとコルチゾールなどのホルモンが分泌され、心身の反応に影響する。
- コルチゾール
- ストレスを受けたときに副腎から分泌される代表的なホルモン。血糖を上げてエネルギーを動員するなど体を緊張状態にする。慢性的に高い状態が続くと心身に悪影響を及ぼすとされる。
- 免疫系(めんえきけい)
- 細菌やウイルスなどから体を守るしくみ。強いストレスや慢性的なストレスは免疫のはたらきを低下させ、感染症などにかかりやすくなることが知られている。
- 心身症(しんしんしょう)
- 心理的・社会的なストレスが関与して生じる、体の病気のこと。胃潰瘍・過敏性腸症候群・緊張型頭痛などがあり、身体の症状の背景に心理的要因があるものを指す。
- うつ病(うつびょう)
- 気分の落ち込みや興味・喜びの喪失が続き、心身の不調をともなう代表的な精神疾患。眠れない・食欲がない・疲れやすいなどの症状が現れ、早期の気づきと対応が大切とされる。
- 適応障害(てきおうしょうがい)
- はっきりしたストレス要因に対して、その後一定期間内に強い苦痛や生活上の支障が生じる状態。ストレス要因が取り除かれると改善しやすいとされる。
- 不安障害(ふあんしょうがい)
- 不安や恐怖が過度に強く、長く続いて日常生活に支障をきたす状態の総称。パニック障害などが含まれる。
- 睡眠障害(すいみんしょうがい)
- 寝つけない・途中で目が覚める・熟睡感がないなど、睡眠に問題が生じている状態。ストレスやメンタルヘルス不調のサインとして重要で、不眠などがこれにあたる。
- アルコール依存症(アルコールいぞんしょう)
- 飲酒のコントロールができなくなり、心身や生活に支障が出ているにもかかわらず飲酒を続けてしまう状態。ストレス対処として飲酒に頼ることがきっかけになる場合がある。
- 安全配慮義務(あんぜんはいりょぎむ)
- 使用者(会社)が、労働者の生命や健康を危険から守るよう配慮する義務のこと。労働契約法第5条に明文化され、メンタルヘルス面でも過重労働の防止などが求められる根拠とされる。
- 労働安全衛生法(ろうどうあんぜんえいせいほう)
- 職場における労働者の安全と健康の確保、快適な職場環境の形成を目的とする法律。健康診断やストレスチェック制度、衛生管理体制などを定めている。
- 労働契約法(ろうどうけいやくほう)
- 労働契約に関する基本的なルールを定めた法律。第5条で、使用者が労働者の生命・身体等の安全に配慮する義務(安全配慮義務)を明文化している。
- 過重労働(かじゅうろうどう)
- 長時間労働などによって、心身に過度の負担がかかる働き方のこと。健康障害やメンタルヘルス不調の重大なリスク要因とされ、防止のための対策が求められる。
- 長時間労働者の医師面接指導(ちょうじかんろうどうしゃのいしめんせつしどう)
- 労働安全衛生法にもとづき、時間外・休日労働が一定時間を超え疲労の蓄積が認められる労働者に対して、本人の申出により医師が面接して健康状態を確認し助言する制度のこと。
- 自殺対策基本法(じさつたいさくきほんほう)
- 自殺対策を総合的に推進することを目的とした法律。国・自治体・事業者などの責務を定め、職場におけるメンタルヘルス対策の社会的背景のひとつとなっている。
職場環境改善とラインケア
- ラインによるケア(ラインケア)
- 管理監督者(管理職)が、日常的に部下の状況を把握し、職場環境の改善や相談対応を行うメンタルヘルスケアのこと。II種が中心に学ぶテーマで、厚生労働省の指針が示す4つのケアのひとつ。
- 4つのケア(よっつのケア)
- 厚生労働省の指針が示す職場のメンタルヘルスケアの枠組み。セルフケア・ラインによるケア・事業場内産業保健スタッフ等によるケア・事業場外資源によるケアの4つを指す。
- 管理監督者(かんりかんとくしゃ)
- 部下を指揮・監督する立場にある管理職のこと。ラインによるケアの担い手として、職場環境の改善や部下の不調への気づき・対応で中心的な役割を果たす。
- 職場環境改善(しょくばかんきょうかいぜん)
- 仕事の量や進め方、人間関係、物理的環境などを見直し、働きやすい職場にしていく取り組みのこと。ストレスの発生そのものを減らす一次予防として重視される。
- メンタルヘルスアクションチェックリスト(職場環境改善のためのヒント集)
- 職場環境の改善に役立つ具体的な対策の例を一覧にしたツールのこと。現場の視点で良好事例を参考にしながら、改善のアイデアを出し合うために用いられる。
- ストレスチェック制度(ストレスチェックせいど)
- 労働安全衛生法にもとづき、常時50人以上の労働者がいる事業場に実施が義務づけられた制度(2015年12月施行)。質問票で個人のストレス状況を把握し、本人の気づきと職場改善につなげる。
- 職業性ストレス簡易調査票(しょくぎょうせいストレスかんいちょうさひょう)
- 仕事のストレス要因・心身のストレス反応・周囲のサポートなどを57項目で測る質問票。ストレスチェック制度で広く用いられている。
- 集団分析(しゅうだんぶんせき)
- ストレスチェックの結果を、部署や職場の集団単位で集計・分析すること。個人が特定されない形で職場ごとのストレス傾向を把握し、職場環境改善に活かす。
- 高ストレス者(こうストレスしゃ)
- ストレスチェックの結果、ストレスが特に高いと判定された人のこと。本人が希望すれば医師の面接指導を受けられるしくみになっている。
- PDCAサイクル(ピーディーシーエーサイクル)
- Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Act(改善)を繰り返して取り組みを継続的に良くしていく管理手法。職場のメンタルヘルス対策を計画的に進める際の基本とされる。
- いつもと違う(いつもとちがう)
- 部下の不調に気づくための基本的な視点で、欠勤や遅刻の増加、表情・服装・仕事ぶりの変化など、普段との違いに着目すること。ラインケアにおける早期発見の手がかりとなる。
- 一次予防(いちじよぼう)
- 不調が起こる前に、ストレスをためない・職場環境を整えるなどして発生そのものを防ぐ取り組み。メンタルヘルス対策で最も重視される段階とされる。
- 二次予防(にじよぼう)
- 不調を早期に発見し、早めに対応して重症化を防ぐ取り組み。いつもと違う部下への気づきや相談対応などがこれにあたる。
- 三次予防(さんじよぼう)
- 不調になった人の治療や、休職した人の職場復帰支援・再発防止を行う取り組みのこと。回復した人が安心して働き続けられるよう支える段階。
- 積極的傾聴(せっきょくてきけいちょう)
- 相手の話に関心を向け、うなずきや相づち、要約などを通じてじっくり耳を傾ける聴き方のこと。部下の相談を受ける際の基本的な姿勢とされる。
- 受容(じゅよう)
- 相手の考えや気持ちを、評価や否定をせずありのまま受け止めること。ロジャーズが示した援助的なかかわりの基本的な態度のひとつ。
- 共感的理解(きょうかんてきりかい)
- 相手の立場に立って、その人が感じている気持ちをあたかも自分のことのように理解しようとすること。受容とともに傾聴を支える基本的な態度。
- 自己一致(じこいっち)
- 援助する側が自分の感じていることに素直であり、表面的に取りつくろわず誠実にかかわること。ロジャーズが示した援助的態度のひとつで、純粋性とも呼ばれる。
- アサーション
- 相手を尊重しながら、自分の気持ちや意見を率直かつ適切に伝えるコミュニケーションの方法。我慢しすぎず攻撃もしない、自他を大切にした自己表現を指す。
- ワークエンゲイジメント
- 仕事に対して活力・熱意・没頭を感じ、いきいきと取り組めている前向きな心理状態のこと。燃え尽き(バーンアウト)の対極にある概念として注目されている。
- ソーシャルサポート
- 上司・同僚・家族などの周囲から得られる支援のこと。情緒的な支え・情報・手助けなどがあり、ストレスをやわらげる緩衝要因として重要とされる。
相談・連携・復職支援
- 産業医(さんぎょうい)
- 事業場で労働者の健康管理を専門的に行う医師。一定規模以上の事業場では選任が義務づけられ、健康診断や面接指導、職場環境への助言などを担う。
- 産業保健スタッフ(さんぎょうほけんスタッフ)
- 産業医・保健師・看護師・衛生管理者など、職場で働く人の健康を支える専門職の総称。事業場内でメンタルヘルスケアの中心的な役割を担う。
- 衛生管理者(えいせいかんりしゃ)
- 常時50人以上の労働者がいる事業場で選任が義務づけられ、職場の衛生管理を担う担当者。労働者の健康障害の防止や作業環境の管理などを行う。
- 衛生委員会(えいせいいいんかい)
- 一定規模以上の事業場に設置が義務づけられ、労働者の健康障害の防止や健康保持増進などを労使で調査審議する場のこと。メンタルヘルス対策の検討の場ともなる。
- 産業カウンセラー(さんぎょうカウンセラー)
- 働く人の悩みや問題の相談に応じ、解決を支援する専門職。傾聴を通じて本人の自己理解や問題解決を助ける役割を持つ。
- 公認心理師(こうにんしんりし)
- 心理に関する支援を行う国家資格の専門職。相談・心理的支援などを担い、保健医療・福祉・教育・産業などの分野で活動する。
- EAP(イーエーピー)
- Employee Assistance Program(従業員支援プログラム)の略。企業の内外で、働く人のメンタルヘルスや生活上の問題を専門的に支援するしくみのこと。
- 精神保健福祉センター(せいしんほけんふくしセンター)
- 都道府県・指定都市に設置され、こころの健康に関する相談や支援、知識の普及などを行う公的な専門機関のこと。
- 産業保健総合支援センター(さんぎょうほけんそうごうしえんセンター)
- 各都道府県に設置され、事業場の産業保健活動を支援する機関。産業医や事業者などからの相談に応じ、研修や情報提供を行う。
- 職場復帰支援の手引き(しょくばふっきしえんのてびき)
- 厚生労働省が示した、心の健康問題により休業した労働者の職場復帰を支援するための指針。第1〜第5ステップからなる段階的な復帰支援の流れを示している。
- 職場復帰支援プラン(しょくばふっきしえんプラン)
- 休職した人が円滑に復職できるよう、復帰日や就業上の配慮、フォローアップの方法などを具体的に定めた計画のこと。産業保健スタッフや管理監督者が連携して作成する。
- 試し出勤(リハビリ出勤)
- 本格的な復職の前に、模擬的な出勤や短時間勤務などを試みて、職場復帰の可否を見極める取り組みのこと。段階的な復帰を支える方法のひとつ。
- 原職復帰(げんしょくふっき)
- 休職した人が、もとの職場・もとの仕事に復帰すること。職場復帰支援の手引きでは、原則として元の慣れた職場へ復帰させることが望ましいとされている。
- 主治医(しゅじい)
- その人の治療を主に担当している医師のこと。職場復帰の判断などでは、本人の同意を得たうえで主治医と産業医・職場が連携することが重要とされる。
- 個人情報保護法(こじんじょうほうほごほう)
- 個人情報の適正な取扱いを定めた法律。健康情報など特に配慮を要する情報の扱いについても定めており、メンタルヘルス対応では本人の同意や慎重な管理が求められる。
- 健康情報(けんこうじょうほう)
- 健康診断の結果や病歴など、労働者の心身の状態に関する情報のこと。機微な個人情報であり、目的の範囲内で適正に取り扱い、本人の不利益にならないよう慎重な管理が求められる。
- 守秘義務(しゅひぎむ)
- 相談で知り得た個人の秘密を、正当な理由なく外部にもらしてはならないという義務のこと。安心して相談できる環境を支える、専門職に課された重要な原則。
- 不利益取扱いの禁止(ふりえきとりあつかいのきんし)
- ストレスチェックを受けたことや面接指導の申出などを理由に、労働者を解雇・降格など不利益に扱ってはならないという原則のこと。安心して制度を利用できるようにするための定め。
- 精神科(せいしんか)
- うつ病や不安障害など、こころの病気を専門的に診療する医療の科のこと。診断や薬物療法、治療方針の検討などを行う。
- 心療内科(しんりょうないか)
- ストレスなど心理的な要因が関係する身体の症状(心身症など)を中心に診療する医療の科のこと。体の不調を入り口に相談しやすいとされる。
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