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介護福祉士「総合問題・事例問題の発展」の一問一答

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📖 介護福祉士「総合問題・事例問題の発展」の全75問と解説(一覧)

介護福祉士の総合問題・事例問題の発展に関する一問一答(全75問)の正解と解説の一覧です。上の一問一答で実際に解いてから、ここで復習・確認できます。

  1. 問1.脳梗塞後の右片麻痺がある利用者の更衣介助では、健側である左上肢から袖を通すのが原則である。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。正しくは『脱健着患』の原則に従い、着るときは麻痺側(患側)の右腕から袖を通し、脱ぐときは健側の左腕から外す。患側を先に通すことで関節への負担を減らし、無理な動作による脱臼や痛みを防ぐことができる。

  2. 問2.ICF(国際生活機能分類)における『環境因子』には、福祉用具や住宅改修、家族や介護者の支援などが含まれる。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。ICFの環境因子は物的環境(福祉用具・住宅改修・建物)、人的環境(家族・友人・介護者)、制度的環境(社会保障・サービス)を含み、生活機能を促進・阻害する背景因子として個人因子とともに位置づけられる。

  3. 問3.パーキンソン病で『すくみ足』のある利用者には、床に目印の横線を引くなど視覚的合図を用いると一歩目が出やすくなる。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。すくみ足には視覚的・聴覚的な外的キューが有効で、床のテープや横線をまたぐ意識づけ、声かけのリズム『イチ・ニ』などで歩行開始を促せる。本人の残存能力を活かす自立支援的アプローチである。

  4. 問4.介護過程におけるアセスメントとは、立案した介護計画を実際に提供する実施段階のことをいう。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。正しくはアセスメントは情報収集・分析・課題抽出を行う査定段階を指す。介護過程はアセスメント→計画立案→実施→評価のPDCAサイクルで進み、実施は計画を提供する段階で、アセスメントとは別の工程である。

  5. 問5.ヒヤリハットは実際の事故には至らなかったが事故につながりかねなかった出来事であり、報告・分析することで重大事故の予防につながる。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。ハインリッヒの法則では1件の重大事故の背後に29件の軽微な事故と300件のヒヤリハットがあるとされ、ヒヤリハット報告を集積・分析して要因を改善することがリスクマネジメントの基本となる。

  6. 問6.身体拘束は利用者本人や他者の生命・身体を保護するため緊急やむを得ない場合であっても、いかなる理由でも一切認められない。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。正しくは『切迫性・非代替性・一時性』の3要件をすべて満たす緊急やむを得ない場合に限り例外的に認められる。原則は身体拘束廃止だが、要件充足時は記録を残し最小限の範囲で行うことが認められている。

  7. 問7.終末期(ターミナル期)の利用者に対しては、苦痛の緩和とその人らしい生活の継続を支え、本人・家族の意思を尊重した看取りケアが求められる。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。終末期ケアでは延命より苦痛緩和とQOL維持を重視し、本人の意思(事前指示・ACP)と家族の思いを尊重する。介護福祉士は医療職と連携し、安楽な体位や口腔ケア、傾聴を通じて尊厳ある最期を支える。

  8. 問8.認知症の利用者が事実と異なる発言をした場合、その都度誤りを訂正し正しい事実を理解させることが基本的な対応である。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。正しくは本人の世界を否定せず受容し、感情に寄り添うことが基本である。事実の訂正に固執すると不安や混乱、BPSD悪化を招く。バリデーションやユマニチュードなど本人の尊厳を守る関わりが推奨される。

  9. 問9.災害時の避難において、自力歩行が困難な利用者の安全確保は『避難行動要支援者名簿』などを活用した日頃の備えが重要である。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。市町村は避難行動要支援者名簿の作成が義務づけられ、個別避難計画とあわせて誰がどう支援するかを事前に決めておく。施設では避難経路の確認や非常用持出品、夜間想定の訓練が平常時の備えとして重要となる。

  10. 問10.バイステックの7原則の一つである『非審判的態度』とは、利用者の言動を援助者の価値観で一方的に良し悪し判断しないことをいう。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。非審判的態度は利用者を断罪せず、行動の是非を裁く立場をとらない姿勢を指す。受容・個別化・意図的な感情表出などとともに7原則を構成し、信頼関係(ラポール)形成の基盤となる援助原則である。

  11. 問11.糖尿病で食事療法中の利用者が低血糖症状(冷汗・動悸・手のふるえ)を訴えた場合、まず安静にさせて様子を見るのが最優先である。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。正しくは意識があればブドウ糖や砂糖など糖分を速やかに摂取させる対応が最優先である。低血糖は放置すると意識障害に至るため、様子見ではなく早期の糖分補給と、改善しなければ医療職への連絡が必要となる。

  12. 問12.多職種連携において、理学療法士(PT)は主に基本動作能力の回復を、作業療法士(OT)は応用動作や日常生活動作の回復を担う。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。PTは起立・歩行など基本動作の回復、OTは食事や更衣など応用的・日常生活動作の自立支援、ST(言語聴覚士)は言語・嚥下機能を担う。介護福祉士は各職種と情報共有し連携してケアにあたる。

  13. 問13.感染対策における標準予防策(スタンダードプリコーション)は、感染症が判明している利用者にのみ適用すれば十分である。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。正しくは標準予防策はすべての人の血液・体液・分泌物・排泄物などを感染の可能性があるものとみなし、全利用者に対して適用する。感染の有無に関わらず手指衛生や手袋着用を徹底するのが基本である。

  14. 問14.介護計画の評価は一度立てた計画を変更しないために行うものであり、目標が未達成でも計画の修正や再アセスメントは行わない。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。正しくは評価は短期・長期目標の達成度や利用者の状態変化を確認し、未達成や状況変化があれば再アセスメントを行い計画を見直すために行う。計画を固定するためではなく、PDCAサイクルを循環させ支援を改善する工程である。

  15. 問15.誤嚥性肺炎を繰り返す利用者の食事介助では、誤嚥防止のため首を後ろに反らせた仰向けに近い姿勢で介助するのがよい。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。正しくは顎を軽く引いた前傾気味の姿勢(頸部前屈)で、座位を保ち介助するのが基本である。首を後ろに反らすと気道が開いて誤嚥しやすくなるため、安全な嚥下を促す姿勢調整が重要となる。

  16. 問16.利用者本位の支援とは、援助者が最善と判断したことを優先するのではなく、利用者の意思や自己決定を尊重することである。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。利用者本位は本人の意思・希望・価値観を中心に据える理念で、自己決定の尊重を重視する。援助者主導のパターナリズムに陥らず、選択肢を提示し本人が決められるよう支えることが自立支援にもつながる。

  17. 問17.難病であるALS(筋萎縮性側索硬化症)では、病気が進行しても末期まで知的機能や視力・聴力は比較的保たれることが多い。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。ALSは運動神経が選択的に障害され筋力低下や嚥下・呼吸障害が進行するが、知的機能・感覚・視聴覚・眼球運動は末期まで保たれやすい。コミュニケーション手段の確保が支援上きわめて重要となる。

  18. 問18.脱水傾向のある高齢者では、口渇を感じにくく自覚症状が出にくいため、介護者が水分摂取量を把握し計画的に促す必要がある。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。高齢者は口渇中枢の機能低下で喉の渇きを感じにくく、体内水分量も少ないため脱水に陥りやすい。皮膚の乾燥や尿量減少、微熱などの兆候を観察し、こまめな水分補給を計画的に促すことが重要である。

  19. 問19.傾聴とは、利用者の話を聞きながら援助者が積極的に助言や解決策を提示し、話を主導することをいう。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。正しくは傾聴は利用者の話にうなずきや相づちで関心を示し、相手のペースを尊重して受容的に耳を傾ける技法である。援助者が主導して助言を急ぐのではなく、本人が語る過程を支えることに意義がある。

  20. 問20.片麻痺のある利用者の杖歩行では、杖を健側の手に持ち、杖→患側下肢→健側下肢の順で進める三動作歩行が安定する。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。杖は健側の手で持ち、杖を前に出してから患側の足、続いて健側の足を運ぶ三動作歩行は支持基底面が広く安定する。患側を杖と同時に出さないことで転倒リスクを下げ、安全な移動を支援できる。

  21. 問21.認知症の中核症状である見当識障害が進むと、時間・場所・人物の認識が困難になることがある。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。見当識障害は記憶障害などと並ぶ中核症状で、初期は時間、進行とともに場所、さらに人物の認識が障害される。徘徊や混乱の背景となるため、カレンダーや声かけによる見当識への配慮が支援に役立つ。

  22. 問22.緊急時に利用者が意識を失い倒れた場合、介護福祉士の判断のみで投薬や注射などの医療行為を行ってよい。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。正しくは投薬や注射などの医療行為は原則医師・看護師等の医療職が行う。介護福祉士は救命処置や安全確保、医療職への速やかな連絡を行う立場であり、自己判断での医療行為は職務範囲を超え認められない。

  23. 問23.褥瘡(じょくそう)を予防するには、同一体位で長時間安静を保ち、できるだけ身体を動かさないようにするのがよい。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。正しくは褥瘡は持続的な圧迫で血流が阻害されて生じるため、約2時間ごとの体位変換や除圧が予防の柱となる。同一体位の安静はかえって圧迫を続け褥瘡を招くため、清潔保持や栄養改善とあわせ除圧が必要である。

  24. 問24.受容とは、利用者の言動や感情をあるがままに受け止める姿勢であり、援助者が同意・賛成することと同義である。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。正しくは受容は利用者をあるがままに受け止めることで、行動への同意や賛成とは異なる。たとえ援助者が賛同できない言動でも、その背景にある感情やニーズを理解し受け止める姿勢が信頼関係の基盤となる。

  25. 問25.ノロウイルスによる嘔吐物の処理では、次亜塩素酸ナトリウムを用い、使い捨て手袋・マスク・ガウンを着用して行う。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。ノロウイルスはアルコールが効きにくいため、次亜塩素酸ナトリウムでの消毒が有効である。嘔吐物処理では飛沫を防ぐため使い捨ての手袋・マスク・ガウンを着用し、ペーパーで静かに拭き取り密閉廃棄する。

  26. 問26.個別ケアの実現には、利用者全員に同じ内容を提供する画一的な集団処遇が最も効率的で望ましいとされる。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。正しくは個別化はバイステック原則の一つで、利用者を一人ひとり異なる存在として尊重し、生活歴・嗜好・価値観を踏まえた支援を行う。画一的な集団処遇は個別性を損なうため、ユニットケア等の個別ケアが望ましい。

  27. 問27.高齢者の転倒予防では、リスクが高いため日中もできる限り歩行を制限し、車いすやベッド上で安静に過ごしてもらうのがよい。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。正しくは過度な安静は廃用症候群や筋力低下を招き、かえって転倒リスクや寝たきりを助長する。環境整備や運動機能の維持、適切な見守りで安全に活動を続けられるよう支える自立支援が望ましい。

  28. 問28.ケアマネジャー(介護支援専門員)は介護サービス計画(ケアプラン)を作成し、サービス事業者間の調整を担う。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。介護支援専門員は利用者のアセスメントに基づきケアプランを作成し、サービス担当者会議で多職種を調整、給付管理やモニタリングを行う。介護福祉士は現場の情報を提供し連携して支援を進める。

  29. 問29.共感とは、援助者自身の感情に置き換えるのではなく、利用者の立場に立ってその感情を理解しようとする姿勢である。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。共感は利用者の枠組みに沿ってその気持ちを理解する姿勢で、援助者自身の感情に巻き込まれる同情とは区別される。相手の感情を映し返すことで受容され理解されたと感じてもらえ、信頼関係を深める。

  30. 問30.在宅で独居の認知症高齢者の支援では、本人の安全を最優先し、家族や地域、専門職との連携は必要に応じて後から考えればよい。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。正しくは独居の認知症高齢者では当初から家族・地域・多職種が連携し、見守り体制や緊急時対応を整えることが不可欠である。後回しにすると孤立や事故につながるため、早期からのチームアプローチが求められる。

  31. 問31.78歳女性。脳梗塞発症後に右片麻痺と軽度の運動性失語が残った。自宅退院に向けたアセスメントとして最も適切なものはどれか。

    • ア.失語があるため本人の意向は確認せず家族の希望のみで方針を決める
    • イ.右麻痺の筋力低下の程度のみを評価すれば自宅退院の可否は判断できる
    • ウ.ADLや住環境、家族の介護力など環境因子を含めて総合的に評価する
    • エ.退院後の生活は施設職員に任せ在宅は想定しない

    正解:ウ.ADLや住環境、家族の介護力など環境因子を含めて総合的に評価する

    解説:ICFに基づき心身機能だけでなく、活動・参加や住環境・家族支援などの環境因子を含めて総合的に把握することが、自宅での生活再構築に向けた適切なアセスメントとなる。麻痺の程度だけでは生活全体を捉えられない。

  32. 問32.前問の女性は『家に帰って料理がしたい』と希望している。運動性失語への対応として最も適切なものはどれか。

    • ア.失語は回復しないので意思確認は不要と判断する
    • イ.話せないとみなし本人への確認をやめ家族に全て委ねる
    • ウ.急かして早口で何度も同じ質問を繰り返す
    • エ.はい・いいえで答えられる質問や絵カードを用いゆっくり意思を確認する

    正解:エ.はい・いいえで答えられる質問や絵カードを用いゆっくり意思を確認する

    解説:運動性失語は言葉が出にくいが理解は比較的保たれることが多い。閉じられた質問や絵カード・ジェスチャーを併用し、本人が答えやすい工夫をしながら時間をかけて意思を確認するのが適切な対応である。

  33. 問33.ICF(国際生活機能分類)の構成要素として、生活機能に含まれるものの組み合わせとして正しいものはどれか。

    • ア.心身機能・身体構造/活動/参加
    • イ.環境因子/個人因子/健康状態
    • ウ.疾病/障害/ハンディキャップ
    • エ.ADL/IADL/QOLのみ

    正解:ア.心身機能・身体構造/活動/参加

    解説:ICFの生活機能は『心身機能・身体構造』『活動』『参加』の3つから構成される。これらは健康状態と背景因子(環境因子・個人因子)が相互に影響し合う関係で捉えられ、障害を一面的でなく包括的に評価する。

  34. 問34.85歳男性。アルツハイマー型認知症で、夕方になると落ち着かず『家に帰る』と訴え玄関へ向かう。最も適切な対応はどれか。

    • ア.『ここがあなたの家です』と繰り返し強く訂正する
    • イ.訴えを受け止め安心できる声かけや一緒に歩くなど気分転換を図る
    • ウ.なぜ帰りたいのか理由を問い詰める
    • エ.玄関に鍵をかけ部屋から出られないよう制止する

    正解:イ.訴えを受け止め安心できる声かけや一緒に歩くなど気分転換を図る

    解説:夕暮れ症候群とみられる行動には、不安や帰宅願望の背景を受け止め、否定せず安心できる声かけや気分転換を図るのが適切である。理由を問い詰めたり力で制止したりすると不安が高まりBPSDを悪化させる。

  35. 問35.介護過程の展開順序として正しいものはどれか。

    • ア.実施→評価→アセスメント→計画立案
    • イ.計画立案→アセスメント→評価→実施
    • ウ.アセスメント→計画立案→実施→評価
    • エ.評価→実施→計画立案→アセスメント

    正解:ウ.アセスメント→計画立案→実施→評価

    解説:介護過程はアセスメント(情報収集・分析・課題抽出)→介護計画の立案→実施→評価の順に展開し、評価結果を次のアセスメントへ反映するPDCAサイクルを循環させることで、利用者本位の支援を継続的に改善する。

  36. 問36.身体拘束が緊急やむを得ず認められる『3要件』として正しいものはどれか。

    • ア.家族の同意・施設長の許可・本人の希望
    • イ.緊急性・経済性・継続性
    • ウ.安全性・効率性・利便性
    • エ.切迫性・非代替性・一時性

    正解:エ.切迫性・非代替性・一時性

    解説:身体拘束は『切迫性(生命・身体に危険が及ぶ可能性が著しく高い)』『非代替性(拘束以外に方法がない)』『一時性(一時的である)』の3要件をすべて満たす場合に限り例外的に認められる。記録の作成も義務である。

  37. 問37.72歳女性。パーキンソン病で歩行開始時にすくみ足がみられる。歩行支援として最も適切なものはどれか。

    • ア.床に引いた横線をまたぐ意識づけや声かけのリズムで歩行を促す
    • イ.腕を強く引っ張って前進を促す
    • ウ.歩行は危険なので全て車いす移動に切り替える
    • エ.本人のペースを無視して速く歩くよう指示する

    正解:ア.床に引いた横線をまたぐ意識づけや声かけのリズムで歩行を促す

    解説:すくみ足には床の横線をまたぐ視覚的キューや『イチ・ニ』の声かけなど聴覚的キューが有効で、一歩目を引き出しやすくする。残存能力を活かす自立支援的方法であり、引っ張ったり急かしたりするのは転倒リスクを高める。

  38. 問38.ヒヤリハット報告を組織で活用する目的として最も適切なものはどれか。

    • ア.報告した職員を特定して処罰するため
    • イ.要因を分析し再発防止策を講じ重大事故を予防するため
    • ウ.事故の責任を利用者や家族に求めるため
    • エ.報告件数の少なさを評価するため

    正解:イ.要因を分析し再発防止策を講じ重大事故を予防するため

    解説:ヒヤリハットの報告・分析は要因を明らかにして再発防止策を講じ、重大事故を未然に防ぐリスクマネジメントの目的で行う。報告者個人の責任追及や処罰を目的とすると報告が減り、安全文化が損なわれてしまう。

  39. 問39.80歳男性。終末期で食事量が著しく低下し『もう無理に食べたくない』と話している。介護福祉士の対応として最も適切なものはどれか。

    • ア.食べないなら点滴を介護福祉士の判断で開始する
    • イ.栄養確保のため毎食全量摂取するよう強く促す
    • ウ.本人の意思を尊重し苦痛緩和を図りつつ多職種と連携する
    • エ.食事介助は不要と判断し関わりをやめる

    正解:ウ.本人の意思を尊重し苦痛緩和を図りつつ多職種と連携する

    解説:終末期では延命のための無理な摂取より、本人の意思とQOLを尊重し、苦痛緩和や好むものを少量味わえる支援が適切である。多職種と情報共有しながら、安楽と尊厳を優先したケアを行うことが看取りの基本となる。

  40. 問40.感染症対策における標準予防策(スタンダードプリコーション)の考え方として正しいものはどれか。

    • ア.手洗いさえすれば手袋やマスクは一切不要である
    • イ.感染症と診断された利用者だけに適用する
    • ウ.汗を含むすべての体液を感染源として扱う
    • エ.感染の有無に関わらず全ての人の血液・体液等を感染源とみなし対応する

    正解:エ.感染の有無に関わらず全ての人の血液・体液等を感染源とみなし対応する

    解説:標準予防策はすべての人の血液・体液・汗を除く分泌物・排泄物・粘膜・損傷皮膚を感染の可能性があるものとみなし、感染症の有無に関わらず全利用者に手指衛生や個人防護具で対応する基本的な感染対策である。

  41. 問41.75歳女性。糖尿病で経口血糖降下薬を服用中。昼食前に冷汗・手のふるえ・強い空腹感を訴えた。最初に行うべき対応はどれか。

    • ア.意識があれば速やかにブドウ糖や砂糖など糖分を摂取させる
    • イ.症状が治まるまで安静にして経過観察する
    • ウ.血糖が高いと考え水分のみを多量に飲ませる
    • エ.予定通り次の食事まで何もせず待つ

    正解:ア.意識があれば速やかにブドウ糖や砂糖など糖分を摂取させる

    解説:冷汗や手のふるえは低血糖の典型症状である。意識があればブドウ糖や砂糖など糖分を速やかに摂取させるのが最優先で、放置すると意識障害に至る。改善しない場合や意識がない場合は直ちに医療職へ連絡する。

  42. 問42.多職種連携において、嚥下機能や言語・コミュニケーションの評価・訓練を主に担う専門職はどれか。

    • ア.理学療法士(PT)
    • イ.言語聴覚士(ST)
    • ウ.作業療法士(OT)
    • エ.管理栄養士

    正解:イ.言語聴覚士(ST)

    解説:言語聴覚士(ST)は失語・構音障害など言語コミュニケーションと、摂食・嚥下機能の評価および訓練を担う。PTは基本動作、OTは応用・日常生活動作を担当し、各職種が役割分担して利用者を支援する。

  43. 問43.70歳男性。脳卒中後の右片麻痺。ベッドから車いすへ移乗する際、車いすを置く位置として最も適切なものはどれか。

    • ア.患側(右)の真横に直角に置く
    • イ.ベッドの足元側に平行に置く
    • ウ.健側(左)に20〜30度の角度をつけて置く
    • エ.位置はどこでも介助に影響しない

    正解:ウ.健側(左)に20〜30度の角度をつけて置く

    解説:片麻痺の移乗では健側方向に車いすを置き、ベッドに対しおおむね20〜30度の角度をつけて配置する。健側を軸に立ち上がり方向転換できるようにすると、患側に過度な負担をかけず安全に移乗を介助できる。

  44. 問44.バイステックの7原則に含まれないものはどれか。

    • ア.個別化
    • イ.自己決定
    • ウ.秘密保持
    • エ.パターナリズムの徹底

    正解:エ.パターナリズムの徹底

    解説:バイステックの7原則は個別化・意図的な感情表出・統制された情緒的関与・受容・非審判的態度・自己決定・秘密保持である。『パターナリズムの徹底』は本人の自己決定を妨げる援助者主導の姿勢で、原則に反する。

  45. 問45.82歳女性。要介護3、独居で軽度の認知症がある。在宅生活を支える支援として最も適切なものはどれか。

    • ア.ケアマネを中心に多職種・地域資源で見守り体制を整える
    • イ.本人の希望は確認せず直ちに施設入所を進める
    • ウ.家族がいないため支援は週1回の訪問のみで十分とする
    • エ.認知症があるので本人の自己決定は一切考慮しない

    正解:ア.ケアマネを中心に多職種・地域資源で見守り体制を整える

    解説:独居で認知症のある要介護者では、ケアマネジャーを中心に訪問介護・通所・配食・見守りなど多職種と地域資源を組み合わせ、緊急時対応を含めたチームで支えるのが適切である。本人の意思尊重と安全確保を両立させる。

  46. 問46.誤嚥のリスクが高い利用者の食事介助時の姿勢として最も適切なものはどれか。

    • ア.顎を上げて首を後ろに反らせた姿勢
    • イ.座位で顎を軽く引いた頸部前屈の姿勢
    • ウ.仰向けに寝かせたままの姿勢
    • エ.横向きで顔を上に向けた姿勢

    正解:イ.座位で顎を軽く引いた頸部前屈の姿勢

    解説:誤嚥予防には座位を保ち、顎を軽く引いた頸部前屈の姿勢が基本である。顎を引くことで気道が狭まり食道へ送り込みやすくなる。首を後ろに反らせる姿勢は気道が開き誤嚥を招くため避けなければならない。

  47. 問47.ALS(筋萎縮性側索硬化症)が進行した利用者とのコミュニケーション支援として最も適切なものはどれか。

    • ア.知的機能も低下するため意思確認は省略する
    • イ.話せないので家族の判断のみで全て決める
    • ウ.文字盤や視線入力装置など代替手段で意思を汲み取る
    • エ.筆談も不可能なため意思疎通は諦める

    正解:ウ.文字盤や視線入力装置など代替手段で意思を汲み取る

    解説:ALSは末期まで知的機能や視聴覚が保たれやすい一方、発話が困難になる。文字盤や視線入力装置などの意思伝達手段を活用し、本人の意思を丁寧に汲み取ることが、尊厳を守る支援として重要となる。

  48. 問48.褥瘡(じょくそう)の予防的ケアとして最も適切なものはどれか。

    • ア.発赤のある部位を強くマッサージする
    • イ.皮膚を乾燥させるため保湿は一切行わない
    • ウ.同一体位を長時間保ち安静を最優先する
    • エ.定期的な体位変換と皮膚の清潔・栄養改善を行う

    正解:エ.定期的な体位変換と皮膚の清潔・栄養改善を行う

    解説:褥瘡予防には定期的な体位変換による除圧、皮膚の清潔・適度な保湿の保持、栄養状態の改善が有効である。発赤部位を強くマッサージするのは組織を傷つけ悪化させるため不適切で、現在は推奨されていない。

  49. 問49.災害発生時、施設で自力歩行が困難な利用者を避難させる際の備えとして最も適切なものはどれか。

    • ア.個別避難計画や搬送用具を平常時から準備し訓練しておく
    • イ.発災後にその場で避難方法を考えれば十分である
    • ウ.歩けない利用者は最後に回し職員のみ先に避難する
    • エ.避難訓練は日中のみ行い夜間想定は不要とする

    正解:ア.個別避難計画や搬送用具を平常時から準備し訓練しておく

    解説:自力歩行困難者の避難には、平常時から避難経路や担当者を定めた個別避難計画を整え、車いすや搬送用具の準備、夜間想定の訓練を行うことが重要である。発災後に初めて方法を考えるのでは安全確保が遅れる。

  50. 問50.利用者本位の支援を実践するうえで、援助者が陥りやすいパターナリズム(父権主義)の説明として正しいものはどれか。

    • ア.利用者の自己決定を最大限尊重すること
    • イ.本人の意思を確認せず援助者が良かれと判断して支援を決めること
    • ウ.複数の選択肢を提示して本人に選んでもらうこと
    • エ.本人の生活歴を踏まえて個別に支援すること

    正解:イ.本人の意思を確認せず援助者が良かれと判断して支援を決めること

    解説:パターナリズムは援助者が『本人のため』と考え、本人の意思を確認せず良かれと判断して支援を押しつける姿勢を指す。自己決定を妨げ自立を損なうため、選択肢を示し本人が決められるよう支える姿勢が求められる。

  51. 問51.76歳男性。レビー小体型認知症。『部屋に小さな子どもがいる』と繰り返し訴える。最も適切な対応はどれか。

    • ア.『そんな子どもはいない』と強く否定し納得させる
    • イ.幻視は嘘だと叱り見間違いを正そうとする
    • ウ.本人の訴えを受け止め不安に寄り添い環境を調整する
    • エ.幻視があるため一切関わらず放置する

    正解:ウ.本人の訴えを受け止め不安に寄り添い環境を調整する

    解説:レビー小体型認知症では具体的な幻視が特徴的である。本人には現実に見えているため、頭から否定せず不安に寄り添い受け止める。照明を明るくするなど見間違いを減らす環境調整も有効で、強い否定は不信を招く。

  52. 問52.介護記録を作成する際の留意点として最も適切なものはどれか。

    • ア.観察した事実より援助者の推測を中心に記載する
    • イ.都合の悪い事実は記載しない
    • ウ.あいまいな表現でまとめ詳細は省略する
    • エ.事実を客観的・具体的に正確に記載する

    正解:エ.事実を客観的・具体的に正確に記載する

    解説:介護記録は事実を客観的・具体的に、5W1Hを意識して正確に記載するのが基本である。推測や主観で断定せず、観察した事実と本人の言動を区別して書く。多職種連携や評価の根拠となるため改ざんは厳禁である。

  53. 問53.68歳女性。関節リウマチで手指の変形と痛みがある。自助具を用いた自立支援として最も適切なものはどれか。

    • ア.太柄スプーンやボタンエイドなど自助具を用い自分で行える支援をする
    • イ.手指は使わせず安静のみを指示する
    • ウ.痛みがあるため全ての動作を介護者が代行する
    • エ.自助具は不要なので使用させない

    正解:ア.太柄スプーンやボタンエイドなど自助具を用い自分で行える支援をする

    解説:関節リウマチでは関節保護と残存能力の活用が重要で、太柄スプーンやボタンエイドなど握りやすく関節に負担の少ない自助具を用いて自分で行える動作を支える。全介助は自立を妨げ、廃用や意欲低下を招く。

  54. 問54.高齢者の脱水を予防するための観察・支援として最も適切なものはどれか。

    • ア.口渇の訴えがあるまで水分を勧めない
    • イ.口渇を感じにくいためこまめな水分補給を計画的に促す
    • ウ.尿量が減るほど水分を控えさせる
    • エ.発熱時は水分摂取をやめさせる

    正解:イ.口渇を感じにくいためこまめな水分補給を計画的に促す

    解説:高齢者は口渇を感じにくく脱水に陥りやすいため、口渇の訴えを待たずこまめな水分補給を計画的に促すのが適切である。皮膚や口腔の乾燥、尿量減少、微熱などの兆候を観察し、早期に対応することが重要となる。

  55. 問55.65歳男性。脳卒中後の左片麻痺で軽い半側空間無視がある。食事介助時の配慮として最も適切なものはどれか。

    • ア.無視側に食器を集中して置く
    • イ.全量介助し本人に食事の認識を求めない
    • ウ.初期は健側に食器を寄せ徐々に無視側へ注意を促す
    • エ.残すのは食欲不振と判断し無視への配慮はしない

    正解:ウ.初期は健側に食器を寄せ徐々に無視側へ注意を促す

    解説:半側空間無視では麻痺側の空間を認識しにくく、その側の食事を残しやすい。初期は食器を健側に寄せて気づけるようにし、慣れてきたら無視側へ注意を促す声かけで認識を広げる支援が適切な配慮となる。

  56. 問56.意図的な感情表出(バイステックの原則)の説明として正しいものはどれか。

    • ア.援助者が自分の感情を積極的に利用者へ表現すること
    • イ.利用者の感情表現を抑えるよう指導すること
    • ウ.感情を一切表に出さないよう双方が努めること
    • エ.利用者が否定的感情も自由に表現できるよう意図的に促すこと

    正解:エ.利用者が否定的感情も自由に表現できるよう意図的に促すこと

    解説:意図的な感情表出とは、利用者が自分の感情、特に否定的な感情も自由に表現できるよう援助者が意図的に促し、その表出を妨げない原則である。感情の抑圧を強いるのではなく、安心して語れる関係を支える。

  57. 問57.90歳女性。看取り期で意識レベルが低下している。家族が動揺している場面での介護福祉士の対応として最も適切なものはどれか。

    • ア.家族の思いを傾聴し受け止め一緒にケアを行い多職種と連携する
    • イ.『気を強く持って』と励まし不安は語らせない
    • ウ.家族の動揺は迷惑なので面会を制限する
    • エ.本人のケアのみに集中し家族には関わらない

    正解:ア.家族の思いを傾聴し受け止め一緒にケアを行い多職種と連携する

    解説:看取り期は本人だけでなく家族へのグリーフケア(悲嘆への配慮)も重要である。家族の不安や思いを傾聴し受け止め、できるケアを一緒に行い、医療職と連携して支える。動揺を否定したり突き放したりしない。

  58. 問58.認知症のBPSD(行動・心理症状)への基本的な対応として最も適切なものはどれか。

    • ア.症状が出たら直ちに身体拘束で抑える
    • イ.背景要因や本人の気持ちを理解し環境調整など非薬物的対応を優先する
    • ウ.本人を叱責して行動を改めさせる
    • エ.BPSDは治らないため関わらず放置する

    正解:イ.背景要因や本人の気持ちを理解し環境調整など非薬物的対応を優先する

    解説:BPSDは不安・体調不良・環境変化などが背景にあることが多く、症状を抑え込むより原因や本人の気持ちを理解し環境調整や受容的対応で軽減を図るのが基本である。安易な薬物・拘束による抑制は不適切である。

  59. 問59.サービス担当者会議の目的として最も適切なものはどれか。

    • ア.施設の経営方針を職員に伝達するため
    • イ.利用者の問題行動を職員間で批判するため
    • ウ.多職種でケアプランを共有・検討し支援方針を調整するため
    • エ.サービス利用料の請求事務を行うため

    正解:ウ.多職種でケアプランを共有・検討し支援方針を調整するため

    解説:サービス担当者会議はケアマネジャーが主催し、利用者・家族や多職種が集まりケアプランの内容を共有・検討して支援の方向性を調整する場である。各職種が情報を持ち寄り、チームとして一貫した支援を実現する。

  60. 問60.73歳男性。在宅で胃ろうから経管栄養を行っている。介護福祉士が実施できる行為として正しいものはどれか。

    • ア.胃ろうカテーテルの交換や抜去を単独で行う
    • イ.栄養剤の処方を介護福祉士が決定する
    • ウ.医師の指示なく自己判断で栄養剤を変更する
    • エ.研修修了・医師の指示・看護師連携のもとで経管栄養を実施する

    正解:エ.研修修了・医師の指示・看護師連携のもとで経管栄養を実施する

    解説:一定の研修を修了し登録された介護福祉士は、医師の指示と看護師との連携のもとで胃ろう等の経管栄養や喀痰吸引を実施できる。胃ろうの増設・抜去など医行為そのものは医師が行い、介護福祉士の業務範囲外である。

  61. 問61.80歳女性。中等度の難聴がある。コミュニケーション上の配慮として最も適切なものはどれか。

    • ア.正面から口元を見せ低めの声でゆっくり明瞭に話す
    • イ.聞こえないので話しかけるのをやめる
    • ウ.後ろから大声で早口に話しかける
    • エ.高く大きい声を出せば必ず聞き取れる

    正解:ア.正面から口元を見せ低めの声でゆっくり明瞭に話す

    解説:難聴のある人には、正面から顔を見せ口元が見えるようにし、低めの声でゆっくり明瞭に話すのが適切である。大声で早口に話すと歪んで聞き取りにくい。筆談や身振りの併用も有効で、静かな環境調整も役立つ。

  62. 問62.介護過程における『目標設定』に関する説明として最も適切なものはどれか。

    • ア.援助者の都合に合わせ画一的に設定する
    • イ.本人の意向を反映し具体的で評価可能な長期・短期目標を設定する
    • ウ.達成が困難なほど高い理想だけを掲げる
    • エ.目標は曖昧にして評価できないようにする

    正解:イ.本人の意向を反映し具体的で評価可能な長期・短期目標を設定する

    解説:介護過程の目標は利用者本人の意向を反映し、達成可能で具体的・評価可能なものとして、長期目標と短期目標を段階的に設定する。援助者の都合で一方的に決めず、本人が主体的に取り組める内容にすることが重要である。

  63. 問63.77歳男性。要介護2、軽い右片麻痺。トイレでの排泄を希望している。自立支援として最も適切なものはどれか。

    • ア.手間がかかるので終日オムツを使用する
    • イ.排泄は全介助とし本人に行わせない
    • ウ.手すり設置や見守りでトイレでの排泄を支える
    • エ.失敗を防ぐため水分摂取を制限する

    正解:ウ.手すり設置や見守りでトイレでの排泄を支える

    解説:本人がトイレ排泄を希望し残存能力がある場合は、手すりの設置や見守り、適切な誘導など環境を整えて自分でできる部分を活かす支援が自立支援に沿う。安易にオムツへ切り替えるのは尊厳と自立を損なう。

  64. 問64.リスクマネジメントにおける『事故発生時』の対応として最も適切なものはどれか。

    • ア.まず事故を記録に残さず様子を見る
    • イ.家族や上司への報告は後日まとめて行えばよい
    • ウ.原因分析より責任者の特定を最優先する
    • エ.利用者の安全確保と応急対応を行い速やかに報告・記録する

    正解:エ.利用者の安全確保と応急対応を行い速やかに報告・記録する

    解説:事故発生時はまず利用者の安全確保と応急対応を行い、医療職や上司へ速やかに報告・連絡する。その後事実を正確に記録し、原因分析と再発防止につなげる。事故を隠したり報告を遅らせたりするのは不適切である。

  65. 問65.ICFの考え方を活かしたアプローチとして最も適切なものはどれか。

    • ア.残存能力や環境因子を活かし活動・参加を高める
    • イ.本人の強みは支援に関係しないとみなす
    • ウ.環境は変えられないので個人の努力のみを求める
    • エ.できないことだけに着目し問題点を列挙する

    正解:ア.残存能力や環境因子を活かし活動・参加を高める

    解説:ICFでは『できないこと』に着目するマイナス面だけでなく、残存機能や強み(プラス面)、環境因子を活用して活動・参加を高める視点が重視される。障害を固定的に捉えず、環境を変えることで生活機能の向上を図る。

  66. 問66.83歳女性。糖尿病性網膜症で視覚障害がある。歩行誘導(手引き歩行)の方法として最も適切なものはどれか。

    • ア.後ろから背中を押して進ませる
    • イ.介助者の肘を握ってもらい半歩前を歩き段差等を事前に伝える
    • ウ.腕を強く引っ張って速く誘導する
    • エ.利用者を先頭にして介助者は離れて歩く

    正解:イ.介助者の肘を握ってもらい半歩前を歩き段差等を事前に伝える

    解説:視覚障害者の手引き歩行では、介助者が半歩前に立ち、利用者は介助者の肘の少し上を握って後方を歩く。段差や曲がり角は事前に具体的に伝える。介助者が後ろから押す方法は危険で、不安を与えるため不適切である。

  67. 問67.統制された情緒的関与(バイステックの原則)の説明として正しいものはどれか。

    • ア.利用者の感情に巻き込まれ援助者も一緒に取り乱すこと
    • イ.利用者の感情には一切反応しないこと
    • ウ.援助者が感情を自覚し制御しながら適切に反応すること
    • エ.援助者の感情を最優先して関わること

    正解:ウ.援助者が感情を自覚し制御しながら適切に反応すること

    解説:統制された情緒的関与とは、援助者が利用者の感情を敏感に受け止めて理解し、自らの感情を自覚・コントロールしながら適切に反応する原則である。感情に巻き込まれて冷静さを失うことなく専門的に関わる姿勢を指す。

  68. 問68.78歳男性。慢性閉塞性肺疾患(COPD)で在宅酸素療法を行っている。生活支援上の配慮として最も適切なものはどれか。

    • ア.息切れ防止のため酸素流量を介護者の判断で増やす
    • イ.酸素チューブが邪魔なので調理中は外させる
    • ウ.息切れするので一切活動させず寝たきりにする
    • エ.火気を避け動作はゆっくり休みながら行うよう支援する

    正解:エ.火気を避け動作はゆっくり休みながら行うよう支援する

    解説:在宅酸素療法中は火気厳禁で、調理時のコンロや喫煙を避ける必要がある。動作時の息切れに配慮しゆっくり休みながら活動し、口すぼめ呼吸を促す。指示された酸素流量を勝手に変更しないことも安全上重要である。

  69. 問69.認知症の人への『ユマニチュード』の技法に関する説明として最も適切なものはどれか。

    • ア.見る・話す・触れる・立つを柱に尊厳を尊重して関わる技法
    • イ.本人の意思を無視して身体拘束を行う技法
    • ウ.言葉をかけずに無言で介助する技法
    • エ.効率重視で素早く一方的に介助を進める技法

    正解:ア.見る・話す・触れる・立つを柱に尊厳を尊重して関わる技法

    解説:ユマニチュードは『見る・話す・触れる・立つ』を柱に、相手の尊厳を尊重して関わるケア技法である。正面から目線を合わせて優しく語りかけ、ゆっくり触れることで安心を与える。本人を急かす一方的な介助とは異なる。

  70. 問70.在宅介護を担う家族介護者への支援(レスパイトケア)として最も適切なものはどれか。

    • ア.家族は休まず介護に専念すべきと指導する
    • イ.ショートステイ等を活用し家族の休息と負担軽減を図る
    • ウ.サービス利用は本人のためだけと考え家族支援はしない
    • エ.介護者の悩みは個人の問題として関わらない

    正解:イ.ショートステイ等を活用し家族の休息と負担軽減を図る

    解説:レスパイトケアは家族介護者の負担軽減と休息を目的とし、ショートステイやデイサービスなどを活用して一時的に介護から離れられるよう支援する。介護者の疲弊は虐待や共倒れにつながるため、家族支援も重要である。

  71. 問71.81歳女性。便秘がちで下剤を使用している。自然な排便を促す生活支援として最も適切なものはどれか。

    • ア.下剤の量を介護者の判断で増やし続ける
    • イ.便秘予防のため水分摂取を控えさせる
    • ウ.食物繊維・水分摂取や運動など生活面から自然な排便を促す
    • エ.運動は転倒の危険があるため一切させない

    正解:ウ.食物繊維・水分摂取や運動など生活面から自然な排便を促す

    解説:便秘の改善には食物繊維と水分の十分な摂取、適度な運動や腹部マッサージ、規則的な排便習慣の確立が有効である。下剤に頼り切るのではなく生活面からの支援を基本とし、必要に応じ医療職と連携して調整する。

  72. 問72.多職種チームにおける介護福祉士の役割として最も適切なものはどれか。

    • ア.医療職の指示に従うだけで情報提供はしない
    • イ.他職種とは関わらず単独で支援を完結させる
    • ウ.記録や報告は不要で口頭のみで済ませる
    • エ.生活場面で得た情報を多職種に伝えチームのケアに反映させる

    正解:エ.生活場面で得た情報を多職種に伝えチームのケアに反映させる

    解説:介護福祉士は利用者の最も身近で日常生活を支える存在として、生活場面で得た情報や変化を多職種に的確に伝え、チームのケアに反映させる役割を担う。専門性を活かし対等に連携することがチームケアの質を高める。

  73. 問73.75歳男性。脳卒中後の嚥下障害がある。とろみ調整食品(増粘剤)を使用する目的として最も適切なものはどれか。

    • ア.誤嚥を防ぎ安全に水分・食事を摂取できるようにするため
    • イ.食事の量を増やして満腹感を得るため
    • ウ.調理時間を短縮するため
    • エ.食事の見た目を良くするため

    正解:ア.誤嚥を防ぎ安全に水分・食事を摂取できるようにするため

    解説:増粘剤で水分や食事に適度なとろみをつけると、咽頭をゆっくり通過し誤嚥のリスクを減らせる。さらさらの液体は気管へ流れ込みやすいため、嚥下機能に応じた適切なとろみで安全に水分・栄養を摂取できるようにする。

  74. 問74.高齢者虐待を発見・予防する観点から、介護福祉士の対応として最も適切なものはどれか。

    • ア.虐待が疑われても確証がなければ通報しない
    • イ.虐待を受けたと思われる場合は速やかに市町村等へ通報する
    • ウ.本人が訴えない限り何もしなくてよい
    • エ.家庭内の問題なので一切関与しない

    正解:イ.虐待を受けたと思われる場合は速やかに市町村等へ通報する

    解説:高齢者虐待防止法では、虐待を受けたと思われる高齢者を発見した者には市町村等への通報義務があり、特に介護施設従事者には早期の通報・対応が求められる。家族介護者の負担軽減など予防的支援も虐待防止に重要である。

  75. 問75.84歳女性。軽度認知症で薬の飲み忘れが多い。服薬支援として最も適切なものはどれか。

    • ア.飲み忘れた分をまとめて次回に多く飲ませる
    • イ.介護福祉士の判断で薬を中止する
    • ウ.お薬カレンダーや一包化、声かけで確実な服薬を支援する
    • エ.本人に任せきりにして支援しない

    正解:ウ.お薬カレンダーや一包化、声かけで確実な服薬を支援する

    解説:服薬忘れには、お薬カレンダーや一包化、声かけ・見守りなどで確実に服薬できる仕組みを整えるのが適切である。薬の変更や中止は医師・薬剤師の判断によるもので、介護福祉士が自己判断で増減してはならない。