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行政書士「行政法 発展問題」の一問一答

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📖 行政書士「行政法 発展問題」の全75問と解説(一覧)

行政書士の行政法 発展問題に関する一問一答(全75問)の正解と解説の一覧です。上の一問一答で実際に解いてから、ここで復習・確認できます。

  1. 問1.法規命令のうち委任命令は、法律の個別具体的な委任に基づき、国民の権利義務に関する新たな規律を定めることができる。

    正解:○(正しい)

    解説:委任命令は法律の個別具体的委任に基づき国民の権利義務を規律します。一般的・白紙委任は憲法41条(国会単独立法)に反し許されません。猿払事件最大判昭49.11.6参照。

  2. 問2.執行命令は、法律を執行するための細目(書式・手続等)を定めるもので、原則として法律の個別委任は不要である。

    正解:○(正しい)

    解説:執行命令(執行細目命令)は法律を執行するために必要な細目的事項を定めるもので、法律の個別委任は不要です(一般的授権で足る)。委任命令との対比論点。

  3. 問3.通達は行政機関内部の命令だが、国民の権利義務を直接形成する効力を持つため取消訴訟の対象となるのが原則である。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。通達は行政機関内部の命令で、国民・裁判所を直接拘束しません。原則として処分性は認められず取消訴訟の対象とはなりません(最判昭43.12.24墓地埋葬通達事件)。

  4. 問4.不可争力は、出訴期間経過後に行政庁側からの職権取消しまでも妨げる効力であり、私人の側からの争訟提起も当然に遮断する。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。不可争力は私人側からの争訟提起のみを制限する効力で、行政庁の職権取消しを妨げる効力ではありません。職権取消しの制限は不可変更力(裁断行為に限り)の問題です。

  5. 問5.不可変更力は、行政庁の裁断行為(審査請求の裁決等)について、処分庁自身による職権取消し・変更を制限する効力である。

    正解:○(正しい)

    解説:不可変更力は裁決等の争訟裁断的行為に認められ、慎重審理を経た結論の安定性確保のため処分庁の職権取消しを制限します(最判昭29.1.21)。

  6. 問6.自力執行力はすべての行政行為に当然に認められる効力であり、行政庁は裁判所の判決を経ずに義務者の財産に強制執行することができる。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。自力執行力は法律の根拠(行政代執行法・国税徴収法等)がある場合に限り認められます。すべての行政行為に当然認められるものではありません。

  7. 問7.行政行為の付款は、法律の明文がなくとも本体行為に裁量がある限り、行政庁が自由に内容を選択して付加でき、目的との関連性も問われない。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。付款は法律根拠または裁量権の範囲内で認められ、本体行為の目的との関連性(目的拘束原則)と比例原則の制約に服します。無制限ではありません。

  8. 問8.瑕疵ある行政行為の治癒は、事後の事情変動により適法要件を充足するに至り、かつ相手方に重大な不利益が生じない場合に限定的に認められる。

    正解:○(正しい)

    解説:瑕疵の治癒は事後の事情で要件具備となり相手方への重大な不利益がない場合に認められます。判例は限定的運用で、最判昭36.7.14審査請求棄却裁決の理由不備の事案がリーディングケース。

  9. 問9.違法な行政行為の転換は、瑕疵ある行政行為を、要件・目的・効果の類似する別個の適法な行政行為として効力を維持することは認められず、必ず取り消されるべきものとされる。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。違法行為の転換は要件・目的・効果が類似する別行為としての効力を認める理論で判例上も是認されます(最大判昭29.7.19等)。必ず取り消されるわけではありません。

  10. 問10.行政代執行は代替的作為義務に限られるため、土地の明渡しや退去のような非代替的作為義務には行政代執行法による代執行はできない。

    正解:○(正しい)

    解説:土地の明渡し・引渡しは「占有の解除」を伴うため代替性がなく、代執行の対象外(最大判昭41.2.23)。実務上は民事執行や個別法の直接強制によります。

  11. 問11.直接強制は人身・財産への直接実力行使を伴うが、行政上の強制執行手段として一般法による包括的根拠が用意されており、個別法による特別根拠は不要である。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。直接強制は一般法に包括的根拠はなく、成田新法・出入国管理法等の個別法に限定的に規定されます。人権侵害のおそれから慎重に運用される強制執行手段です。

  12. 問12.執行罰は、非代替的作為義務・不作為義務の履行を強制するため過料を予告賦課する手段で、現行法上は砂防法36条にのみ規定が残存している。

    正解:○(正しい)

    解説:執行罰は現行法上ほぼ機能しておらず砂防法36条に限定的に残存。義務違反の都度反復賦課できる点が一回的な秩序罰と異なる強制執行手段です。

    根拠:砂防法 第36条 (出典: e-Gov法令検索)

  13. 問13.行政上の強制徴収は税以外の金銭給付義務にも個別法が「国税滞納処分の例による」と規定すれば、強制徴収手続を行うことができる。

    正解:○(正しい)

    解説:強制徴収は税以外(国民健康保険料・下水道料金等)にも個別法で「国税滞納処分の例による」と規定された場合に行えます。一般法は国税徴収法です。

  14. 問14.行政刑罰と秩序罰(過料)は性質を異にするため、同一の行為に対し両者を併科しても二重処罰禁止(憲法39条)には反しない。

    正解:○(正しい)

    解説:判例(最判昭39.6.5)は、行政刑罰と秩序罰(過料)の併科は二重処罰禁止に反しないとします。両者の目的・性質が異なる点が理由とされています。

  15. 問15.申請に対する処分について、標準処理期間は法令上必ず設定しなければならず、設定しなかった場合は申請を拒否することができない。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。行政手続法6条により標準処理期間の設定は努力義務にとどまり、定めた場合のみ公表が義務化されます。設定しなくとも拒否処分が禁じられるわけではありません。

    根拠:行政手続法 第6条 (出典: e-Gov法令検索)

  16. 問16.申請に対する拒否処分の理由提示は、書面で処分する場合には口頭による告知で足り、書面で理由を示す必要はない。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。行政手続法8条2項により、拒否処分を書面でするときは理由も書面で示す必要があります。一級建築士免許取消事件(最判平23.6.7)は理由提示の程度を判示。

    根拠:行政手続法 第8条 (出典: e-Gov法令検索)

  17. 問17.聴聞手続において、当事者・参加人は処分の原因となる事実を証する資料の閲覧を求めることができ、行政庁は正当な理由がない限り閲覧を拒めない。

    正解:○(正しい)

    解説:行政手続法18条1項により、当事者・参加人は資料閲覧を求めることができ、行政庁は「正当な理由がない限り拒めません」(第三者保護等が正当事由となります)。

    根拠:行政手続法 第18条 (出典: e-Gov法令検索)

  18. 問18.弁明の機会の付与は、口頭審理を原則とし、行政庁が認めれば書面提出による弁明も例外的に許される。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。行政手続法29条1項により、弁明は原則「書面提出」によって行います。口頭弁明が認められるのは行政庁が認めた場合のみで、原則と例外が逆になっています。

    根拠:行政手続法 第29条 (出典: e-Gov法令検索)

  19. 問19.行政指導の中止等の求めは、法令違反是正を求める行政指導を受けた者であれば、いかなる行政指導についても自由に中止を申し出ることができる。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。行政手続法36条の2の中止等の求めは「法令に違反する行為の是正を求める行政指導を、その根拠法律に違反すると思料する場合」に相手方のみが申し出可能です。

    根拠:行政手続法 第36条の2 (出典: e-Gov法令検索)

  20. 問20.処分等の求めは、法令違反事実の是正のための処分等が行われていないと思料する場合、何人も行政庁に対し申し出ることができる制度である。

    正解:○(正しい)

    解説:処分等の求め(行手法36条の3)は2014年改正で新設。「何人も」申し出可能で、法令違反是正のための処分・行政指導を行政庁・行政機関に求める権利です。

  21. 問21.意見公募手続(パブリックコメント)の対象「命令等」は、法律に基づく命令・規則に限定され、審査基準・処分基準・行政指導指針は対象から除外されている。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。行政手続法2条8号により、意見公募手続の対象「命令等」には法律に基づく命令・規則のほか審査基準・処分基準・行政指導指針も含まれます。除外されていません。

    根拠:行政手続法 第2条 (出典: e-Gov法令検索)

  22. 問22.意見公募手続における意見提出期間は、命令等の案の公示日から起算して原則14日以上とされ、これより短縮することは認められていない。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。行政手続法39条3項により、意見提出期間は公示日から起算して「30日以上」が原則です。短縮には特別事情と理由公示が必要で、14日以上ではありません。

    根拠:行政手続法 第39条 (出典: e-Gov法令検索)

  23. 問23.地方公共団体の機関がする処分のうち根拠が条例・規則に置かれているものは行政手続法は適用されず、各団体の行政手続条例で規律される。

    正解:○(正しい)

    解説:行政手続法3条3項により、地方公共団体の機関の処分のうち条例・規則に基づくものは適用除外です。各自治体は行政手続条例で同等の規律を整備しています。

    根拠:行政手続法 第3条 (出典: e-Gov法令検索)

  24. 問24.審査請求の対象となる「処分」には、人の収容、物の留置等の継続的性質を有する事実行為も含まれる。

    正解:○(正しい)

    解説:行政不服審査法1条2項により、処分には「人の収容、物の留置その他継続的性質を有するもの」も含まれます。事実行為の中でも継続性があるものに限定されます。

    根拠:行政不服審査法 第1条 (出典: e-Gov法令検索)

  25. 問25.審理員は、審査庁となる行政庁に所属する職員のうち、当該処分に関与した者から指名するのが原則である。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。行政不服審査法9条2項により処分に関与した者は審理員に指名できません。中立性確保のため処分関与者は明示的に除外されています。

    根拠:行政不服審査法 第9条 (出典: e-Gov法令検索)

  26. 問26.行政不服審査会への諮問は、審査請求人がこれを希望しない旨を申し出た場合や全部認容裁決の場合は不要とされる。

    正解:○(正しい)

    解説:行政不服審査法43条1項各号により、審査請求人が希望しない場合や全部認容の場合等は諮問不要です。第三者機関による客観的審査の保障制度の一環です。

    根拠:行政不服審査法 第43条 (出典: e-Gov法令検索)

  27. 問27.再調査の請求は、処分庁以外に上級行政庁がない場合に限り、処分庁に対して行うことができる制度である。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。再調査の請求は「法律に再調査の請求をすることができる旨の定めがある場合」に限り処分庁に対して行えます。上級庁の有無は要件ではありません。

  28. 問28.再審査請求は法律に明文がある場合に限り、原裁決または当該処分のいずれかを対象として行うことができる。

    正解:○(正しい)

    解説:行政不服審査法6条により、再審査請求は法律に定めがある場合に限り可能で、対象は「原裁決」または「当該処分」のいずれかです(労災保険等で活用されます)。

    根拠:行政不服審査法 第6条 (出典: e-Gov法令検索)

  29. 問29.審査請求における裁決は、却下・棄却・認容の3類型のみで、公益上の支障を理由とする事情裁決の制度は存在しない。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。行政不服審査法45条3項により、処分が違法・不当でも公益上著しい支障があれば棄却できる「事情裁決」が認められています。事情判決と類似の制度です。

    根拠:行政不服審査法 第45条 (出典: e-Gov法令検索)

  30. 問30.取消訴訟の原告適格について、行政事件訴訟法9条2項は処分根拠法令の趣旨目的のみを考慮要素と明文化し、考慮されるべき利益の内容・性質を判断要素から除外した。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。行訴法9条2項は処分根拠法令の趣旨目的に加え、考慮されるべき利益の内容・性質、害される利益の性質・態様等を考慮要素として明文化しています。除外していません。

  31. 問31.取消訴訟の「狭義の訴えの利益」は、処分の効果が期間経過等で消滅すれば、回復すべき利益の有無を問わず当然に消滅する。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。行訴法9条1項括弧書きにより、処分の効果消滅後も「処分取消しによって回復すべき法律上の利益」がある場合は訴えの利益は失われません(運転免許停止処分等)。

  32. 問32.非申請型義務付け訴訟は、処分がされないことにより重大な損害を生ずるおそれがあり、その損害を避けるため他に適当な方法がない場合に提起できる。

    正解:○(正しい)

    解説:行政事件訴訟法37条の2第1項により、非申請型義務付け訴訟の訴訟要件は「重大な損害のおそれ」と「他に適当な方法がない(補充性)」と「法律上の利益」が必要です。

    根拠:行政事件訴訟法 第37条の2 (出典: e-Gov法令検索)

  33. 問33.差止訴訟は処分がされる蓋然性が認められれば直ちに提起できる訴訟であり、重大な損害のおそれや他に適当な方法がないことは要件ではない。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。差止訴訟(行訴法37条の4)の訴訟要件には「処分により重大な損害を生ずるおそれ」と「他に適当な方法がない」補充性が必要で、蓋然性のみでは足りません。

  34. 問34.仮の義務付け・仮の差止めは、本案について理由があるとみえることに加え、償うことのできない損害を避けるため緊急の必要があるときに認められる。

    正解:○(正しい)

    解説:行政事件訴訟法37条の5により、仮の義務付け・仮の差止めの要件は「償うことのできない損害」(執行停止の重大な損害より厳格)・緊急性・本案理由が一応認められること。

    根拠:行政事件訴訟法 第37条の5 (出典: e-Gov法令検索)

  35. 問35.形式的当事者訴訟は実質的には抗告訴訟だが当事者対立構造で扱う訴訟で、土地収用法133条の損失補償額に関する訴え等がその典型例である。

    正解:○(正しい)

    解説:形式的当事者訴訟(行訴法4条前段)は、実質的には抗告訴訟だが当事者対立構造で扱う訴訟。土地収用法133条の損失補償増減請求が代表例として知られています。

    根拠:土地収用法 第133条 (出典: e-Gov法令検索)

  36. 問36.民衆訴訟は、自己の法律上の利益にかかわる資格で提起する主観訴訟であり、住民訴訟・選挙無効訴訟もそうした主観訴訟に分類される。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。民衆訴訟(行訴法5条)は自己の法律上の利益にかかわらない資格で提起する「客観訴訟」です。原告個別利益保護を目的とせず、住民訴訟・選挙無効訴訟が代表例。

  37. 問37.取消判決の拘束力は、当該事件の当事者にのみ及び、処分庁以外の関係行政庁を拘束する効力までは認められない。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。行訴法33条1項により、取消判決の拘束力は「当該事件について処分庁その他の関係行政庁」を拘束します。同一事情下での同一処分繰返しも禁止されます。

  38. 問38.取消判決の第三者効により、処分または裁決を取り消す確定判決は当事者および参加人だけでなく第三者に対しても効力を生じる。

    正解:○(正しい)

    解説:行訴法32条1項により、処分・裁決取消判決は第三者に対しても効力を有します(対世効)。法律関係の画一的処理のため、第三者の訴訟参加・再審制度で手続保障されます。

  39. 問39.国家賠償法1条1項の「公権力の行使」には、純粋な私経済作用と公の営造物の設置管理を除く全公行政作用が含まれるとするのが判例・通説である。

    正解:○(正しい)

    解説:国賠1条の「公権力の行使」は広義説(判例・通説)で、純粋な私経済作用と2条の営造物責任を除く全公行政作用を含みます。学校教育や非権力的行政指導も対象です。

  40. 問40.国家賠償法1条1項の「公務員」には、公権力行使を委ねられた民間人(指定確認検査機関の建築主事等)も判例上含まれる。

    正解:○(正しい)

    解説:国賠法1条の「公務員」は機能的概念で、公権力行使を委ねられた民間人(指定確認検査機関の建築主事等:最判平17.6.24)も含まれます。形式的身分の有無で判断しません。

  41. 問41.国家賠償法1条1項の違法性は、公権力行使の客観的違法のみで足り、職務上通常尽くすべき注意義務違反は要件とならないとするのが判例である。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。判例(最判昭60.11.21奈良税務署事件・在外邦人選挙権訴訟等)は「職務行為基準説」を採用し、職務上通常尽くすべき注意義務違反を違法性判断の中核とします。

  42. 問42.国家賠償法2条1項の「公の営造物」には、不動産(道路・河川等)のみならず動産(公用車・拳銃等)も含まれる。

    正解:○(正しい)

    解説:国賠2条の「公の営造物」は公の用に供される物的施設で、不動産・動産を問いません。警察拳銃の暴発事案や公用車の事故も対象になり得るとされています。

  43. 問43.国家賠償法2条の河川管理瑕疵の判断では、未改修河川であっても、改修済み河川と同一基準で完全な安全性が要求される。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。大東水害訴訟最判昭59.1.26で、未改修河川は予算・技術・社会的制約下での通常有すべき安全性で判断、改修済みは設計水準で判断する相対的瑕疵論が示されました。

  44. 問44.国家賠償法1条2項の求償権は、公務員に故意または重大な過失があった場合に限り行使でき、軽過失にとどまる場合は求償できない。

    正解:○(正しい)

    解説:国賠法1条2項により、公務員に「故意または重大な過失」があった場合のみ国・公共団体は公務員に求償可能。軽過失では求償できず、公務員の萎縮を防ぐ制度設計です。

  45. 問45.国家賠償法6条の相互保証主義によれば、外国人が被害者であっても本国制度の如何にかかわらず、日本国内で常に賠償請求が可能とされている。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。国賠法6条の相互保証主義により、外国人被害者は本国に日本人への同様の保障がある場合に限り賠償請求可能です。本国制度の如何を問わず常に可能ではありません。

  46. 問46.規制権限の不行使も、その不行使が著しく合理性を欠く場合には国家賠償法1条1項上違法となるとするのが判例の立場である。

    正解:○(正しい)

    解説:宅建業法事件最判平元.11.24、筑豊じん肺訴訟最判平16.4.27、関西水俣病訴訟等で、規制権限不行使が著しく合理性を欠く場合は国賠法上違法となる(裁量権消極的濫用論)。

  47. 問47.公の営造物の設置管理瑕疵に関し、財政事情は設置管理者の免責事由として広く認められるとするのが判例である。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。高知落石事件最判昭45.8.20で、財政事情は設置管理者の免責事由として認められないと判示。安全性欠如自体が瑕疵で、予算制約は原則考慮されません。

  48. 問48.議会が長の不信任議決をした場合、長は通知を受けた日から10日以内に議会を解散することができ、解散しないときは10日経過の日に失職する。

    正解:○(正しい)

    解説:地方自治法178条により、不信任議決後10日以内に長は議会解散可。解散しなければ10日経過時に長は失職。解散後初の議会で再不信任議決があれば長は失職します。

    根拠:地方自治法 第178条 (出典: e-Gov法令検索)

  49. 問49.長の専決処分は地方自治法176条にのみ規定があり、議会の委任に基づく専決処分の規定は別途設けられていない。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。専決処分の規定は179条(招集する暇がない・議決すべき事件を議決しないとき)と180条(議会の委任)の2種類です。176条は再議の規定で、専決処分の根拠条文ではありません。

  50. 問50.住民監査請求は直接請求の事務監査請求と同じ制度であり、有権者の50分の1以上の連署を要件として行わなければならない。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。住民監査請求(地自法242条)と事務監査請求(地自法75条)は別制度。住民監査請求は1人でも署名数要件なしで可能ですが、事務監査請求は有権者50分の1以上の連署が必要です。

  51. 問51.住民訴訟は住民監査請求を経た上で監査結果に不服がある場合等に限り提起でき、原告は当該地方公共団体の住民でなければならない。

    正解:○(正しい)

    解説:地方自治法242条の2により住民訴訟は監査請求前置主義。原告適格は住民監査請求をした住民。違法な財務会計上の行為等を対象とする民衆訴訟に位置付けられます。

    根拠:地方自治法 第242条の2 (出典: e-Gov法令検索)

  52. 問52.条例の制定改廃請求は、地方税の賦課徴収・分担金・使用料・手数料の徴収に関するものを除き、有権者の50分の1以上の連署で長に行う。

    正解:○(正しい)

    解説:地方自治法74条により、条例制定改廃請求は有権者の50分の1以上の連署で長に行います。地方税賦課徴収・分担金・使用料・手数料徴収は対象外(住民負担の安定性確保)。

    根拠:地方自治法 第74条 (出典: e-Gov法令検索)

  53. 問53.議会解散請求・議員解職請求・長の解職請求は、有権者の50分の1以上の連署で行うことができる。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。地自法76条・80条・81条により、議会解散・議員解職・長解職は原則「3分の1以上」の連署が必要。50分の1以上は条例制定改廃請求・事務監査請求の要件です。

  54. 問54.長の不信任議決は、議員数の3分の2以上が出席し、その4分の3以上の同意を要する加重要件が定められている。

    正解:○(正しい)

    解説:地方自治法178条3項により、長の不信任議決は議員数の3分の2以上出席・出席議員の4分の3以上の同意が必要。重大な政治的効果のため加重要件が設けられています。

    根拠:地方自治法 第178条 (出典: e-Gov法令検索)

  55. 問55.次のうち、行政行為の効力として通常分類されないものはどれか。

    • ア.形成力
    • イ.不可変更力
    • ウ.公定力
    • エ.不可争力

    正解:ア.形成力

    解説:行政行為の効力は公定力・不可争力・不可変更力・自力執行力(限定)です。「形成力」は判決の効力(行訴法32条)で、行政行為自体の効力としては通常分類されません。

  56. 問56.行政上の強制執行手段に該当しないものはどれか。

    • ア.強制徴収
    • イ.即時強制
    • ウ.代執行
    • エ.執行罰

    正解:イ.即時強制

    解説:行政上の強制執行は代執行・直接強制・執行罰・強制徴収の4種です。即時強制は義務の存在を前提としない別概念(消防の破壊・感染症の強制入院等)で、強制執行とは区別されます。

  57. 問57.行政行為の付款として、一般に分類されないものはどれか。

    • ア.条件
    • イ.負担
    • ウ.教示
    • エ.撤回権の留保

    正解:ウ.教示

    解説:付款の典型は条件・期限・負担・撤回権の留保・法律効果の一部除外です。「教示」は行政行為に付随する手続的義務(行審法82条・行訴法46条等)で付款には含まれません。

  58. 問58.行政手続法上の「不利益処分」に該当しないものはどれか。

    • ア.営業許可の取消し
    • イ.業務改善命令
    • ウ.免許の停止
    • エ.申請に対する許可の拒否

    正解:エ.申請に対する許可の拒否

    解説:行政手続法2条4号ロ・ハにより、申請拒否処分・事実上の行為・名宛人不特定処分は「不利益処分」から除外され、聴聞・弁明手続の対象外です。許可拒否は申請に対する処分のルールが適用。

    根拠:行政手続法 第2条 (出典: e-Gov法令検索)

  59. 問59.聴聞手続に関する記述として、誤っているものはどれか。

    • ア.聴聞は原則として公開で行われる
    • イ.当事者は文書等の閲覧を求めることができる
    • ウ.当事者・参加人は代理人を選任できる
    • エ.主宰者は聴聞調書・報告書を行政庁に提出する

    正解:ア.聴聞は原則として公開で行われる

    解説:行政手続法20条6項により、聴聞は原則「非公開」です。主宰者が公開を相当と認める場合に限り公開されることがあります。調書作成・代理人選任・閲覧権は適切な記述です。

    根拠:行政手続法 第20条 (出典: e-Gov法令検索)

  60. 問60.意見公募手続(パブリックコメント)に関する記述として、正しいものはどれか。

    • ア.意見提出期間は原則14日以上である
    • イ.対象には行政指導指針も含まれる
    • ウ.意見への個別回答が義務付けられている
    • エ.地方公共団体の命令等にも適用される

    正解:イ.対象には行政指導指針も含まれる

    解説:意見公募手続の対象命令等には法律に基づく命令・規則のほか審査基準・処分基準・行政指導指針が含まれます(行手法2条8号)。意見提出期間は原則30日以上で、個別回答義務はなく考慮義務のみ。

  61. 問61.行政不服審査法の審理員制度に関する記述として、誤っているものはどれか。

    • ア.審理員は審査庁の職員のうちから指名される
    • イ.審理員意見書を作成し審査庁に提出する
    • ウ.処分に関与した者でも審理員に指名できる
    • エ.審理員の指名は審査庁が行う

    正解:ウ.処分に関与した者でも審理員に指名できる

    解説:審理員は審査庁所属職員から指名されますが、処分に関与した者は除かれます(行審法9条2項)。中立性確保のため処分関与者は指名不可。意見書作成・指名権限は適切な記述です。

  62. 問62.行政不服審査会への諮問が不要となる場合として、正しいものはどれか。

    • ア.審査請求が一部認容される場合
    • イ.審査請求が棄却される場合
    • ウ.審査請求が却下される場合
    • エ.審査請求人が諮問を希望しない場合

    正解:エ.審査請求人が諮問を希望しない場合

    解説:行政不服審査法43条1項により、審査請求人が諮問を希望しない旨を申し出た場合、全部認容裁決の場合等は諮問不要。一部認容・却下・棄却は原則諮問が必要となります。

    根拠:行政不服審査法 第43条 (出典: e-Gov法令検索)

  63. 問63.取消訴訟の訴訟要件として、判例上「処分性」が肯定されたものはどれか。

    • ア.土地区画整理事業計画の決定
    • イ.公務員の内部命令
    • ウ.純然たる行政指導(原則)
    • エ.通達

    正解:ア.土地区画整理事業計画の決定

    解説:土地区画整理事業計画決定は最大判平20.9.10で処分性肯定(青写真判決を変更)。通達・内部命令・純然たる行政指導は原則処分性なし。

  64. 問64.申請型義務付け訴訟の訴訟要件として、誤っているものはどれか。

    • ア.法令に基づく申請をした者であること
    • イ.申請型は単独でも提起できる
    • ウ.不作為違法確認訴訟等との併合提起が必要
    • エ.申請が拒否された場合の取消事由等の存在

    正解:イ.申請型は単独でも提起できる

    解説:申請型義務付け訴訟は不作為違法確認訴訟または取消・無効等確認訴訟との「併合提起」が必要(行訴法37条の3第3項)。単独提起はできず、本案要件としても処分の違法等が必要。

  65. 問65.執行停止の要件として、行政事件訴訟法25条が定める積極的要件に該当しないものはどれか。

    • ア.取消訴訟が係属していること
    • イ.重大な損害を避けるため緊急の必要があること
    • ウ.本案について理由があるとみえること
    • エ.重大な損害が生じるおそれがあること

    正解:ウ.本案について理由があるとみえること

    解説:行訴法25条2項の積極要件は「処分の取消訴訟係属」「重大な損害を避けるため緊急の必要」。「本案理由があるとみえる」は仮の義務付け等の要件で執行停止の積極要件ではありません。

  66. 問66.国家賠償法に関する判例の立場として、正しいものはどれか。

    • ア.規制権限の不行使は常に違法とならない
    • イ.公務員個人も被害者に直接賠償責任を負う
    • ウ.国賠法2条は過失責任である
    • エ.規制権限不行使も著しく合理性を欠けば違法となりうる

    正解:エ.規制権限不行使も著しく合理性を欠けば違法となりうる

    解説:宅建業法事件最判平元.11.24、筑豊じん肺訴訟最判平16.4.27等で、規制権限不行使も著しく合理性を欠く場合は国賠法上違法となる(裁量権消極的濫用論)と判示されました。

  67. 問67.公の営造物の設置・管理の瑕疵に関する判例として、誤っているものはどれか。

    • ア.高知落石事件で財政事情は免責事由とされた
    • イ.営造物には動産も含まれる
    • ウ.予測不能な異常な利用方法による事故は免責される
    • エ.供用関連瑕疵(騒音等)も含まれる

    正解:ア.高知落石事件で財政事情は免責事由とされた

    解説:高知落石事件最判昭45.8.20で、財政事情は設置管理者の免責事由として認められないと判示。安全性欠如自体が瑕疵で、予算制約は原則考慮されません(未改修河川での相対的瑕疵論は別)。

  68. 問68.地方自治法上、住民の直接請求に関する記述として正しいものはどれか。

    • ア.条例制定改廃請求は地方税賦課徴収も対象に含まれる
    • イ.条例制定改廃請求は有権者50分の1以上で長に行う
    • ウ.事務監査請求は有権者の3分の1以上の連署が必要
    • エ.議会解散請求は議会に直接行う

    正解:イ.条例制定改廃請求は有権者50分の1以上で長に行う

    解説:地方自治法74条により、条例制定改廃請求は有権者の50分の1以上の連署で長に対して行います。地方税賦課徴収・分担金・使用料・手数料徴収に関するものは対象から除外されています。

    根拠:地方自治法 第74条 (出典: e-Gov法令検索)

  69. 問69.地方自治法上の議会と長の関係に関する記述として、誤っているものはどれか。

    • ア.長は議会の議決に異議があれば再議に付せる
    • イ.不信任議決後10日以内に長は議会を解散できる
    • ウ.議会は長の不信任議決を出席議員の過半数で行える
    • エ.長の専決処分は次の議会で承認を求めなければならない

    正解:ウ.議会は長の不信任議決を出席議員の過半数で行える

    解説:長の不信任議決は、議員数の3分の2以上が出席し、その4分の3以上の同意が必要(地自法178条3項)。出席議員の過半数では足りず、加重要件が課されています。

  70. 問70.住民監査請求・住民訴訟に関する記述として、正しいものはどれか。

    • ア.住民監査請求には署名数の要件がある
    • イ.住民訴訟は監査請求前置を要しない
    • ウ.外国人住民は住民監査請求をできない
    • エ.住民訴訟の対象は財務会計上の行為に限られる

    正解:エ.住民訴訟の対象は財務会計上の行為に限られる

    解説:住民訴訟は監査請求前置主義(地自法242条の2第1項)で、監査請求を経ていない者は提起不可。財務会計上の行為に限定され、住民監査請求自体は1人でも署名数要件なしで行えます。

  71. 問71.行政行為の瑕疵に関する記述として、正しいものはどれか。

    • ア.重大かつ明白な瑕疵がある行政行為は無効である
    • イ.違法性が軽微であれば必ず無効である
    • ウ.違法な行政行為は常に当然無効である
    • エ.瑕疵ある行政行為は治癒も転換も一切認められない

    正解:ア.重大かつ明白な瑕疵がある行政行為は無効である

    解説:重大明白説(最判昭36.3.7)により、瑕疵が重大かつ外観上一見明白な場合に行政行為は無効。それ以外は取消可能で、出訴期間徒過後は不可争力により私人側から争えなくなります。

  72. 問72.行政手続法における理由提示に関する判例の立場として、誤っているものはどれか。

    • ア.理由提示は名宛人の不服申立ての便宜のために要請される
    • イ.単に根拠条文を示すだけで具体的事実の摘示は一切不要である
    • ウ.書面処分の場合は理由も書面で示す必要がある
    • エ.理由提示の不備は処分の取消事由となりうる

    正解:イ.単に根拠条文を示すだけで具体的事実の摘示は一切不要である

    解説:一級建築士免許取消事件最判平23.6.7では、処分基準の適用関係を含む具体的根拠の提示が必要とされ、単に法令の条文を引用するだけでは不十分とされました。理由提示の趣旨は名宛人の不服申立て便宜の確保。

  73. 問73.抗告訴訟の類型に含まれないものはどれか。

    • ア.差止訴訟
    • イ.義務付け訴訟
    • ウ.当事者訴訟
    • エ.不作為違法確認訴訟

    正解:ウ.当事者訴訟

    解説:抗告訴訟は取消訴訟・無効等確認訴訟・不作為違法確認訴訟・義務付け訴訟・差止訴訟の5類型(行訴法3条)。当事者訴訟は別カテゴリー(同4条)で、抗告訴訟には含まれません。

  74. 問74.住民訴訟4号請求の認容判決確定後に、地方公共団体が負う措置として正しいものはどれか。

    • ア.議会の議決を経て賠償命令を発する
    • イ.判決後直ちに地方公共団体が職員に代わり弁済する
    • ウ.監査委員が職員から直接徴収する
    • エ.60日以内に当該職員等に損害賠償等の請求訴訟を提起する

    正解:エ.60日以内に当該職員等に損害賠償等の請求訴訟を提起する

    解説:地方自治法242条の3により、4号請求の認容判決確定後、地方公共団体は60日以内に当該職員等に対し損害賠償等の請求訴訟を提起する義務を負います(執行機関による直接賠償ではない)。

    根拠:地方自治法 第242条の3 (出典: e-Gov法令検索)

  75. 問75.国家賠償法1条1項の「公務員」の概念に関する判例の立場として、正しいものはどれか。

    • ア.公権力行使を委ねられた民間人も含まれる
    • イ.国家公務員法・地方公務員法上の身分を持つ者に限られる
    • ウ.非常勤の嘱託員は公務員に含まれない
    • エ.地方公共団体の職員は1条の公務員に含まれない

    正解:ア.公権力行使を委ねられた民間人も含まれる

    解説:国賠1条の「公務員」は機能的概念で、公権力行使を委ねられた民間人(指定確認検査機関の建築主事等:最判平17.6.24)も含まれます。形式的身分の有無で判断せず実質的な権限行使で判断します。