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統計検定 2級「標本分布と推定」の一問一答

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📖 統計検定 2級「標本分布と推定」の全75問と解説(一覧)

統計検定 2級の標本分布と推定に関する一問一答(全75問)の正解と解説の一覧です。上の一問一答で実際に解いてから、ここで復習・確認できます。

  1. 問1.母集団は調査対象の全体集合、標本は母集団から抽出された部分集合である。

    正解:○(正しい)

    解説:Population vs Sample。標本から母集団の性質を推定するのが推測統計学。

  2. 問2.標本統計量は標本から計算される統計量で、母集団の対応する母数の推定に使われる。

    正解:○(正しい)

    解説:母集団全体を調べるのは費用・時間の面で困難なため、抽出した標本から計算した統計量(標本平均・標本分散など)で母数(母平均μ・母分散σ²)を推し量る。標本統計量は抽出のたびに値が変わる確率変数であり、そのばらつきを表す分布を標本分布という。

  3. 問3.標本平均の期待値は母平均に等しい(不偏性)。

    正解:○(正しい)

    解説:E[X̄]=(1/n)ΣE[Xᵢ]=(1/n)(nμ)=μ。期待値の線形性から導ける。個々の標本平均は母平均からずれるが、抽出を繰り返したときの平均としては母平均に一致するため、系統誤差(バイアス)のない不偏推定量といえる。

  4. 問4.標本平均の分散は母分散を標本サイズで割った値である。

    正解:○(正しい)

    解説:各Xᵢは独立で分散σ²だから和の分散はnσ²、これをn²で割って Var[X̄]=σ²/n。標本サイズを増やすほど標本平均のばらつきは小さくなり精度が上がる。ただし標準偏差でみた縮小は1/nではなく1/√nの速さ。

  5. 問5.中心極限定理により、標本サイズが大きいとき標本平均は正規分布に従う。

    正解:○(正しい)

    解説:X̄ ≈ N(μ, σ²/n) for large n。母集団分布によらず近似的に正規分布。

  6. 問6.不偏分散 s² は (n-1) で除する分散で、母分散の不偏推定量である。

    正解:○(正しい)

    解説:s² = Σ(xi-x̄)²/(n-1)。n で除した標本分散は偏りあり(過小評価)。

  7. 問7.正規母集団の母分散σ²の信頼区間は、不偏分散をs²として (n−1)s²/σ² が自由度 n−1 のカイ二乗分布に従うことを利用して求める。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。(n−1)s²/σ² ~ χ²(n−1) なので、カイ二乗分布の上側・下側のパーセント点で挟み、σ²について解くと信頼区間が得られる。カイ二乗分布は左右非対称なので、区間も s² を中心に対称にはならない(出題範囲表「推定:母分散の区間推定」)。

  8. 問8.点推定は母数を1つの値で推定する手法である。

    正解:○(正しい)

    解説:Point Estimation。標本平均X̄→母平均μ等。簡明だが推定の精度情報なし。

  9. 問9.区間推定は母数を信頼区間として推定する手法である。

    正解:○(正しい)

    解説:点推定は1つの値を示すだけで、それがどの程度当てになるかを伝えられない。区間推定は「95%信頼区間」のように幅で示すことで推定の不確実性まで表現する。標本サイズが大きいほど、また信頼度が低いほど区間は狭くなる。

  10. 問10.95%信頼区間とは、同じ手順で何度も標本抽出を繰り返したとき、約95%の区間が母数を含むという意味である。

    正解:○(正しい)

    解説:頻度論では母数は動かない定数で、標本ごとに動くのは区間のほう。したがって「同じ手順を繰り返せば、作られる区間の約95%が母数を覆う」が正しい解釈になる。「この区間に母数が95%の確率で入る」という言い方はベイズ統計の信用区間の解釈。

  11. 問11.母分散既知の場合の母平均の信頼区間は X̄ ± z(α/2) × σ/√n で計算される。

    正解:○(正しい)

    解説:母分散σ²が既知なら X̄ は正規分布 N(μ, σ²/n) に従うので、標準化して標準正規分布の分位点zを使える。95%なら z=1.96 で X̄ ± 1.96×σ/√n。σが既知の状況は実務では多くないが、区間推定の理論的な出発点になる。

  12. 問12.母分散未知の場合の母平均の信頼区間は X̄ ± t(α/2, n-1) × s/√n で計算される。

    正解:○(正しい)

    解説:σが未知のときは標本標準偏差sで代用するが、sにも標本ごとのばらつきがあるためz分布では幅が足りない。その不確実性の分だけ裾を厚くした自由度n−1のt分布を使う。標本が小さいほどzとtの差が大きく、t分布を使う意味が大きくなる。

  13. 問13.t分布は自由度が大きくなるにつれ標準正規分布に近づく。

    正解:○(正しい)

    解説:自由度が大きい=標本が大きいほど、σの代用であるsの推定精度が上がって不確実性が減るため、t分布の裾の厚みが解消され標準正規分布に近づく。実用上はn≥30程度でほぼ一致するとされる。

  14. 問14.母比率 p の信頼区間は p̂ ± z(α/2) × √(p̂(1-p̂)/n) で近似計算される。

    正解:○(正しい)

    解説:二項分布の正規近似を用い、標本比率p̂の標準誤差 √(p̂(1−p̂)/n) にzを掛けて幅を作る。近似が成り立つ目安は np̂≥5 かつ n(1−p̂)≥5 で、比率が0や1に近い場合やnが小さい場合は正確法(クロッパー・ピアソン法など)を使う。

  15. 問15.カイ二乗分布は自由度パラメータを持つ非対称分布で、分散の検定・適合度検定等に使う。

    正解:○(正しい)

    解説:独立な標準正規変数k個の2乗和が従う分布で、自由度kをパラメータに持つ。2乗和なので必ず0以上となり右に裾の長い非対称形になる。分散の推定・検定や、観測度数と期待度数のずれを測る適合度検定・独立性検定に使う。

  16. 問16.F分布は2つのカイ二乗分布の比の分布で、分散比検定・ANOVA等に使う。

    正解:○(正しい)

    解説:2つの独立なカイ二乗変数をそれぞれの自由度で割った比が従う分布で、分子・分母2つの自由度をパラメータに持つ。分散の比を評価する形なので、等分散性の検定や、群間分散と群内分散を比べる分散分析(ANOVA)に使われる。

  17. 問17.最尤推定法は与えられたデータが観測される確率(尤度)を最大化するパラメータを選ぶ手法である。

    正解:○(正しい)

    解説:Maximum Likelihood Estimation。多くの推定問題で使われる基本手法。

  18. 問18.母比率pの母集団から大きさnの標本を無作為抽出したとき、標本比率p̂の分散は p(1−p)/n である。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。成功数XはB(n,p)に従い分散 np(1−p)。p̂=X/n なので分散は np(1−p)/n²=p(1−p)/n。標準誤差はその平方根 √(p(1−p)/n) で、母比率の区間推定や検定の基礎になる(出題範囲表「標本分布:標本比率の分布」)。

  19. 問19.標本サイズが大きいほど信頼区間は狭くなる。

    正解:○(正しい)

    解説:区間幅は標準誤差 σ/√n に比例するため、nを増やせば幅は1/√nの速さで縮む。裏を返すと精度を2倍にするには標本サイズを4倍にする必要があり、収穫逓減の関係にある。

  20. 問20.信頼度を上げると(90%→99%等)信頼区間は広くなる。

    正解:○(正しい)

    解説:区間が母数を覆う確率を高めるには、より広く網を張るしかない。95%ならz=1.96、99%ならz=2.58と分位点が大きくなり、その分だけ幅が広がる。信頼度と精度(区間の狭さ)はトレードオフの関係にある。

  21. 問21.不偏推定量は推定量の期待値が母数と等しい性質を持つ。

    正解:○(正しい)

    解説:E[θ̂]=θ。個々の推定値は真値からずれるが、抽出を繰り返した平均としては真値に一致し、系統的な偏り(バイアス)がない。ばらつきの小ささ(有効性)やn→∞での収束(一致性)とは別の性質。

  22. 問22.有効推定量は不偏推定量の中で分散が最小のものである。

    正解:○(正しい)

    解説:不偏という条件を満たす推定量は複数ありうるため、その中で分散が最小=最も安定して真値の近くに集まるものを有効推定量という。不偏推定量の分散にはクラーメル・ラオの下限という理論的な限界があり、それを達成するものが有効推定量。

  23. 問23.一致推定量は標本サイズを増やすと真の母数に収束する推定量である。

    正解:○(正しい)

    解説:n→∞のとき θ̂ が θ へ確率収束する性質。標本を増やせばいくらでも真値に近づけるという保証で、有限の標本での偏りの有無(不偏性)とは別概念。nで割る標本分散は不偏ではないが一致推定量ではある。

  24. 問24.十分統計量はデータから母数に関する全情報を保持する統計量である。

    正解:○(正しい)

    解説:その統計量の値が分かれば、元データを追加で見ても母数についての情報は増えない、という統計量。正規分布の母平均に対しては標本平均が十分統計量で、データを1つの値へ圧縮しても推定に必要な情報が失われない。

  25. 問25.大数の法則により、標本サイズが大きいほど標本平均は母平均に近づく。

    正解:○(正しい)

    解説:Law of Large Numbers。X̄→μ(n→∞)。中心極限定理と並ぶ統計学の基本定理。

  26. 問26.標準誤差(SE)は標本平均の標準偏差で、σ/√n で計算される。

    正解:○(正しい)

    解説:標本平均という統計量そのもののばらつきを表す量で SE=σ/√n。データ自体のばらつきσと混同しやすいが、SEはnを増やすほど小さくなる。信頼区間の幅は、このSEに信頼係数(zやt)を掛けて作られる。

  27. 問27.大きさNの有限母集団から大きさnの標本を非復元で無作為抽出するとき、標本平均の分散は σ²/n に (N−n)/(N−1) を掛けた値になる。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。(N−n)/(N−1) は有限母集団修正と呼ばれ、標本が母集団に占める割合が大きいほど標本平均の分散は小さくなる。n=N(全数調査)なら0になり、Nがnに比べて十分大きければほぼ1で σ²/n と変わらない(出題範囲表「推定:有限母集団」)。

  28. 問28.標本は母集団より大きい。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。標本は母集団から抽出した部分集合なので、サイズは必ず母集団以下になる。全数調査でちょうど等しくなることはあっても、上回ることはない。

  29. 問29.標本平均の期待値は母分散に等しい。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。E[X̄]=μ で母平均に一致する。母分散σ²に対応する不偏推定量は、n−1で割った不偏分散 s² のほう。

  30. 問30.標本平均の分散は標本サイズによらず一定である。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。Var[X̄]=σ²/n なので標本サイズに反比例して小さくなる。だからこそ標本を増やすと推定精度が上がり、信頼区間も狭くなる。

  31. 問31.多段抽出法では、第1段で無作為に選んだ集団(例:市区町村)について、その構成員を全員調査する。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。選んだ集団の構成員を全員調べるのはクラスター(集落)抽出法。多段抽出法は、第1段で選んだ集団の中からさらに小さな単位(例:世帯・個人)を無作為に選ぶように、段階的に抽出を重ねる方法(JIS Z 8101-2 1.3.9・1.3.10)。

  32. 問32.不偏分散は n で除する分散である。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。不偏分散は『(n-1)』で除する分散。n で除する分散は標本分散(偏りあり)。

  33. 問33.95%信頼区間は『母数が95%確率で区間内に入る』という意味である。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。頻度論的解釈では『同じ手順を繰り返したとき約95%の区間が母数を含む』。母数自体は確率変数ではない。

  34. 問34.母分散既知の場合の信頼区間にはt分布を使う。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。母分散σ²が既知なら標準化した統計量は厳密に標準正規分布に従うのでz分布を使う。t分布は、σを標本標準偏差sで代用することによる不確実性を補うために、母分散未知の場合に使う。

  35. 問35.t分布は自由度に関係なく常に標準正規分布である。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。t分布は自由度により形状変化。自由度小で裾が重い、自由度→∞でZ分布に収束。

  36. 問36.カイ二乗分布は左右対称な分布である。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。カイ二乗分布は2乗和の分布なので0以上の値しか取らず、右に裾の長い非対称な形をしている。自由度が大きくなるにつれ左右対称に近づき、正規分布で近似できるようになる。

  37. 問37.F分布は1つのカイ二乗分布から作られる。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。F分布は『2つ』のカイ二乗分布の比から作られる。F = (χ²₁/n₁)/(χ²₂/n₂)。

  38. 問38.最尤推定法は尤度関数を最小化するパラメータを選ぶ。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。最尤推定は、観測されたデータが得られる確率(尤度)を最大にするパラメータを選ぶ方法。実際の計算では対数尤度を最大化する(=負の対数尤度を最小化する)形で解く。

  39. 問39.標本サイズが大きいほど信頼区間は広くなる。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。区間幅は標準誤差 σ/√n に比例するので、nが大きいほど狭くなる。標本を増やすほど母数の位置を絞り込めるという直感どおりの関係。

  40. 問40.信頼度を上げると信頼区間は狭くなる。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。より高い確率で母数を覆うには網を広げる必要があるため、信頼度を上げると区間は広くなる。95%ならz=1.96、99%ならz=2.58と係数が大きくなる。

  41. 問41.不偏推定量は分散が最小の推定量を意味する。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。不偏性は期待値が母数と一致する性質、分散が最小であることは有効性であり、両者は別概念。不偏推定量は複数存在しうるので、その中で分散最小のものを有効推定量と呼ぶ。

  42. 問42.一致推定量は標本サイズ小でも真値と一致する推定量である。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。一致推定量は『標本サイズ→∞で真値に収束』。有限サイズでは厳密一致しない。

  43. 問43.大数の法則は標本サイズに関係なく標本平均が母平均と一致する法則である。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。大数の法則は n→∞ の極限で標本平均が母平均へ収束するという主張であり、有限の標本で一致することは保証しない。小標本では標本平均が母平均から大きくずれることもある。

  44. 問44.標準誤差は標本サイズに比例する。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。SE=σ/√n なので、標本サイズの平方根に反比例して小さくなる。nを4倍にするとSEは1/2倍になる。

  45. 問45.有意水準 α は第2種の過誤の確率である。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。αは第1種の過誤(帰無仮説が正しいのに棄却してしまう)の確率。第2種の過誤(誤った帰無仮説を棄却できない)の確率はβで、1−βが検出力にあたる。

  46. 問46.点推定は推定の不確実性を区間として表現する。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。点推定は母数を1つの値で示す方法で、不確実性の情報を持たない。幅で不確実性を表すのは区間推定。標本平均を母平均の推定値とするのが点推定の代表例。

  47. 問47.二項分布に従うXについて P(X≤k) を正規分布で近似するとき、連続修正では k を k−0.5 に置き換えて計算する。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。整数kの確率は区間 [k−0.5, k+0.5] の面積で近似するので、P(X≤k) は k+0.5 まで、P(X≥k) は k−0.5 からの面積を求める(出題範囲表「標本分布:連続修正」)。

  48. 問48.母比率の信頼区間にはt分布を使う。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。母比率の信頼区間は二項分布の正規近似に基づくのでz分布を使う。t分布は正規母集団の母平均について母分散を標本から推定する場面で使うもので、比率の推定には対応しない。

  49. 問49.最小二乗法は最尤推定法とは別物で常に異なる結果を出す。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。誤差項が平均0・等分散の正規分布に従うという仮定の下では、尤度を最大化することと残差平方和を最小化することが数学的に同値になり、両者は同じ推定値を与える。

  50. 問50.十分統計量はデータの一部情報のみ保持する。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。十分統計量は母数に関する情報を余すところなく含む統計量で、その値を知ればもとのデータを見ても推定に関する情報は増えない。だからこそデータの圧縮表現として使える。

  51. 問51.標本の選び方に偏りがあっても、標本サイズを十分に大きくすれば推定値の偏りはなくなる。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。標本サイズを大きくして小さくできるのは偶然による標本誤差だけで、特定の人が選ばれやすい・回答しにくい人が抜け落ちるといった選び方の偏りは、いくら標本を増やしても残る。偏りは無作為抽出など調査の設計で防ぐ(出題範囲表「偏りの源」「無作為抽出」)。

  52. 問52.チェビシェフの不等式 P(|X−μ|≥kσ)≤1/k² は、確率変数Xが正規分布に従う場合にしか成り立たない。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。チェビシェフの不等式は平均と分散が存在すれば分布の形によらず成り立つ。例えば k=2 なら、どんな分布でも平均から2σ以上離れる確率は 1/4 以下といえる(出題範囲表「標本分布:チェビシェフの不等式」)。

  53. 問53.有効推定量は不偏でなくてもよい。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。有効推定量は「不偏推定量の中で分散が最小のもの」と定義されるので、不偏性が前提になる。バイアスを許せば分散をさらに小さくできる推定量もあるが、それは有効推定量とは呼ばない。

  54. 問54.標本平均 X̄ の期待値として正しいのはどれか。

    • ア.0
    • イ.σ²(母分散)
    • ウ.μ(母平均)
    • エ.n(標本サイズ)

    正解:ウ.μ(母平均)

    解説:E[X̄]=(1/n)ΣE[Xᵢ]=(1/n)(nμ)=μ。期待値の線形性から母平均に一致するので、標本平均は母平均の不偏推定量になる。σ²はばらつきを表す母分散、nは標本サイズであって、いずれも期待値ではない。

  55. 問55.標本平均 X̄ の分散として正しいのはどれか。

    • ア.σ²
    • イ.n×σ
    • ウ.σ²×n
    • エ.σ²/n

    正解:エ.σ²/n

    解説:独立な n 個の和の分散は nσ²、それを n² で割るので Var[X̄]=σ²/n。標本サイズに反比例して小さくなり、その平方根 σ/√n が標準誤差SE。σ²のままだと n を増やしても精度が上がらないことになり、事実と合わない。

  56. 問56.母分散の不偏推定量 s² の正しい計算式はどれか。

    • ア.Σ(xi-x̄)²/(n-1)
    • イ.Σ(xi-x̄)²/n
    • ウ.Σ(xi-x̄)²/(n+1)
    • エ.Σ(xi-x̄)²/n²

    正解:ア.Σ(xi-x̄)²/(n-1)

    解説:不偏分散は『(n-1)』で除する。自由度補正。n で除する標本分散は過小評価のバイアスあり。

  57. 問57.中心極限定理の主な内容として正しいのはどれか。

    • ア.母集団分布は必ず正規分布
    • イ.標本平均が大標本で正規分布に近づく
    • ウ.データが多いほど分散が増える
    • エ.小標本ほど精度が高い

    正解:イ.標本平均が大標本で正規分布に近づく

    解説:中心極限定理:母集団分布によらず、標本平均X̄は標本サイズ大でN(μ, σ²/n)に近づく。

  58. 問58.母分散既知の母平均の95%信頼区間の臨界値 z(0.025) として最も近いのはどれか。

    • ア.1.282
    • イ.1.645
    • ウ.1.96
    • エ.2.576

    正解:ウ.1.96

    解説:z(0.025) ≈ 1.96。95%信頼区間に対応。90%なら1.645、99%なら2.576。

  59. 問59.母分散未知の場合の母平均の信頼区間に使う分布として正しいのはどれか。

    • ア.標準正規分布(z分布)
    • イ.F分布
    • ウ.カイ二乗分布
    • エ.t分布

    正解:エ.t分布

    解説:母分散が未知でsを代用すると、sのばらつき分だけ不確実性が増すため、裾を厚くした自由度n−1のt分布を使う。σが既知ならz分布。カイ二乗分布は分散、F分布は分散比を扱う分布で、母平均の区間推定には用いない。

  60. 問60.t分布の特徴として正しいのはどれか。

    • ア.自由度大でz分布に収束
    • イ.必ずz分布と同じ形
    • ウ.左右非対称
    • エ.負の値を取らない

    正解:ア.自由度大でz分布に収束

    解説:t分布は自由度→∞でz分布(標準正規分布)に収束する。自由度が小さいうちはsの推定誤差を吸収するため裾が重く、同じ信頼度でも区間が広くなる。形は0を中心とした左右対称で、負の値も取る。

  61. 問61.分散の検定・適合度検定で使う分布として正しいのはどれか。

    • ア.z分布
    • イ.カイ二乗分布
    • ウ.t分布
    • エ.F分布

    正解:イ.カイ二乗分布

    解説:カイ二乗分布は標準正規変数の2乗和の分布なので、分散という2乗の量を扱う検定と相性がよい。母分散の検定・信頼区間のほか、観測度数と期待度数のずれを2乗和で測る適合度検定・独立性検定に使う。

  62. 問62.F分布の用途として正しいのはどれか。

    • ア.母平均の検定
    • イ.比率の検定
    • ウ.分散の比較・ANOVA
    • エ.相関の検定

    正解:ウ.分散の比較・ANOVA

    解説:F分布は分散比検定(F検定)・分散分析(ANOVA)等で使用。2つのカイ二乗分布の比。

  63. 問63.最尤推定法の説明として正しいのはどれか。

    • ア.残差の2乗和を最小化
    • イ.共分散を最大化
    • ウ.データの平均を計算
    • エ.尤度関数を最大化

    正解:エ.尤度関数を最大化

    解説:最尤推定法(MLE)は与えられたデータが観測される確率(尤度)を最大化するパラメータを選ぶ。

  64. 問64.95%信頼区間の正しい解釈はどれか。

    • ア.同手順で繰返すと約95%の区間が母数を含む
    • イ.母数が95%確率で区間内
    • ウ.区間幅が95cm以下
    • エ.推定値の精度が95%

    正解:ア.同手順で繰返すと約95%の区間が母数を含む

    解説:頻度論的解釈:同手順で繰返したとき、約95%の区間が母数を含む。母数自体は固定値(確率変数ではない)。

  65. 問65.信頼区間と標本サイズの関係として正しいのはどれか。

    • ア.標本大→区間広
    • イ.標本大→区間狭
    • ウ.標本大→区間不変
    • エ.関係なし

    正解:イ.標本大→区間狭

    解説:区間幅は標準誤差 σ/√n に比例するため、n が大きいほど狭くなる。ただし縮み方は 1/√n なので、幅を半分にするには標本サイズを4倍にする必要がある。

  66. 問66.信頼度と信頼区間の関係として正しいのはどれか。

    • ア.信頼度大→区間不変
    • イ.信頼度大→区間狭
    • ウ.信頼度大→区間広
    • エ.関係なし

    正解:ウ.信頼度大→区間広

    解説:母数を覆う確率を高めるには網を広く張るしかないため、信頼度を上げると区間は広がる。95%のz=1.96に対し99%はz=2.58で、約1.3倍の幅になる。精度(狭さ)と信頼度はトレードオフの関係にある。

  67. 問67.不偏推定量の定義として正しいのはどれか。

    • ア.推定量の分散が最小になる
    • イ.推定量の値が母平均と一致する
    • ウ.標本サイズを大きくすると推定量が母数に近づく
    • エ.推定量の期待値が母数に一致する

    正解:エ.推定量の期待値が母数に一致する

    解説:不偏性とは、推定量 θ̂ の期待値が推定したい母数 θ に一致する(E[θ̂]=θ)性質で、平均的に過大にも過小にも評価しないことを表す。この性質をもつ推定量が不偏推定量である。分散が最小になるのは効率性(有効性)、標本サイズを大きくすると母数に近づくのは一致性で、別の性質である。また不偏性は、推定量の1回の値が母平均と一致することではなく期待値についての性質で、推定する母数も母平均に限らない。

    根拠: 東北大学大学院経済学研究科 石垣司「統計学入門」講義資料 第15回(推定量とその性質) 不偏性(推定量の期待値がパラメータとなる性質、平均的に過大評価も過小評価もしない)・一致性(サンプルサイズが大きくなると推定量がパラメータに近づく)・効率性(分散のより小さな推定量)

  68. 問68.一致推定量の定義として正しいのはどれか。

    • ア.標本サイズ→∞で真値に確率収束
    • イ.小標本でも真値と一致
    • ウ.分散が最小
    • エ.計算が速い

    正解:ア.標本サイズ→∞で真値に確率収束

    解説:一致性は n→∞ で θ̂ が θ へ確率収束する性質で、標本を増やせばいくらでも真値に近づけるという保証。小標本での一致を意味するものではなく、分散最小(有効性)や計算速度とも無関係。

  69. 問69.標準誤差 SE の計算式として正しいのはどれか。

    • ア.σ × n
    • イ.σ/√n
    • ウ.σ²/n
    • エ.σ × √n

    正解:イ.σ/√n

    解説:SEは標本平均のばらつきを表し、Var[X̄]=σ²/n の平方根なので σ/√n。σ²/n は分散のままで単位が合わず、σ×n や σ×√n は n を増やすほど大きくなってしまい、標本を増やすと精度が上がるという事実と矛盾する。

  70. 問70.大数の法則の内容として正しいのはどれか。

    • ア.分散→0
    • イ.小標本で標本平均→母平均
    • ウ.大標本で標本平均→母平均
    • エ.母分散→無限大

    正解:ウ.大標本で標本平均→母平均

    解説:大数の法則は n→∞ の極限で標本平均が母平均へ収束することを述べたもので、小標本では成り立たない。中心極限定理が「どのような分布の形に近づくか」を述べるのに対し、大数の法則は「どこへ収束するか」を述べる。

  71. 問71.母比率の信頼区間に使う分布として正しいのはどれか。

    • ア.t分布
    • イ.F分布
    • ウ.カイ二乗分布
    • エ.正規近似(z分布)

    正解:エ.正規近似(z分布)

    解説:母比率の推定は二項分布の正規近似に基づくためz分布を使い、標準誤差は √(p̂(1−p̂)/n)。近似の目安は np̂≥5 かつ n(1−p̂)≥5。t分布は母平均、カイ二乗分布は分散、F分布は分散比に対応する分布で、比率には使わない。

  72. 問72.区間推定と点推定の違いとして正しいのはどれか。

    • ア.点推定は1点・区間推定は範囲で推定
    • イ.両者とも1点で推定
    • ウ.区間推定は不確実性を表現せず
    • エ.点推定はより精度高

    正解:ア.点推定は1点・区間推定は範囲で推定

    解説:点推定は1点で母数を推定、区間推定は信頼区間として範囲で推定(不確実性を表現)。

  73. 問73.無作為に選んだ400人のうち80人が「はい」と答えた。母比率の95%信頼区間を p̂±(半幅)の形で表すとき、半幅として最も近いものはどれか。

    • ア.約0.00078
    • イ.約0.039
    • ウ.約0.044
    • エ.約0.78

    正解:イ.約0.039

    解説:p̂=80/400=0.2、標準誤差は √(0.2×0.8/400)=0.02 なので半幅は 1.96×0.02≒0.039(区間は約0.161〜0.239)。0.00078 は平方根を取り忘れた値、0.78 は n で割り忘れた値、0.044 は (1−p̂) を掛け忘れた値(出題範囲表「推定:母比率の区間推定」)。

  74. 問74.標本サイズが4倍になったとき、標準誤差はどうなるか。

    • ア.4倍
    • イ.2倍
    • ウ.1/2倍
    • エ.1/4倍

    正解:ウ.1/2倍

    解説:SE=σ/√n なので n が4倍になると分母は √4=2 倍になり、SE は 1/2 倍に減る。精度を2倍にするには標本サイズを4倍必要とするという、調査設計上の重要な目安。

  75. 問75.自由度 n-1 の t 分布の用途として該当しないものはどれか.

    • ア.母平均の信頼区間(母分散未知)
    • イ.母平均の検定(母分散未知)
    • ウ.2標本の平均差の検定
    • エ.母分散の信頼区間

    正解:エ.母分散の信頼区間

    解説:母分散の信頼区間にはカイ二乗分布を使う。t分布は母分散が未知の状況で母平均を扱うための分布であり、1標本の母平均の信頼区間・検定、2標本の平均差の検定はいずれもt分布の守備範囲にあたる。