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統計検定 2級「仮説検定と回帰分析」の一問一答

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📖 統計検定 2級「仮説検定と回帰分析」の全75問と解説(一覧)

統計検定 2級の仮説検定と回帰分析に関する一問一答(全75問)の正解と解説の一覧です。上の一問一答で実際に解いてから、ここで復習・確認できます。

  1. 問1.仮説検定では帰無仮説 H₀ と対立仮説 H₁ の対立構造で検証する。

    正解:○(正しい)

    解説:Null vs Alternative Hypothesis。H₀を棄却するか否かで判定。

  2. 問2.帰無仮説 H₀ は『差がない・効果がない』等の仮定で、棄却を目指す側になる。

    正解:○(正しい)

    解説:検定は「差がない」という保守的な仮定H₀を置き、それが正しいとすると観測されたデータは極めて起こりにくい、という背理法的な流れで対立仮説H₁を支持する。H₀を棄却できなければ「差があるとは言えない」に留まり、「差がない」と証明したことにはならない。

  3. 問3.p値は帰無仮説が正しいと仮定したときに、観測されたデータ以上に極端な結果が得られる確率である。

    正解:○(正しい)

    解説:H₀が正しいと仮定した世界で、実際に観測された値以上に極端な結果が出る確率。小さいほど「H₀のもとではめったに起きないことが起きた」となりH₀への反証が強くなる。H₀が正しい確率でも対立仮説が正しい確率でもない点に注意。

  4. 問4.有意水準 α 未満の p値で帰無仮説を棄却する。

    正解:○(正しい)

    解説:αは第1種の過誤を許容する上限として事前に決めておく値で、p<αなら「H₀のもとでの珍しさ」が許容範囲を超えたと判断してH₀を棄却する。p≥αのときは棄却しないだけで、H₀が正しいと証明されたわけではない。

  5. 問5.第1種の過誤は帰無仮説が正しいのに棄却してしまうことである。

    正解:○(正しい)

    解説:H₀が正しいのに棄却してしまう誤り(偽陽性)で、その確率の上限が有意水準α。αを小さくすれば第1種の過誤は減るが、その分H₀を棄却しにくくなり第2種の過誤βが増えるというトレードオフがある。

  6. 問6.第2種の過誤は帰無仮説が間違っているのに棄却しないことである。

    正解:○(正しい)

    解説:H₀が誤っているのに棄却できない誤り(偽陰性・見逃し)で、その確率がβ。差が小さい、ばらつきが大きい、標本が小さいほど起こりやすい。1−βが検出力であり、標本サイズを増やせばβを下げられる。

  7. 問7.検出力(power)は対立仮説が正しいときに H₀ を正しく棄却する確率である。

    正解:○(正しい)

    解説:対立仮説が正しいときに正しくH₀を棄却できる確率で 1−β。標本サイズが大きいほど、効果量が大きいほど、ばらつきが小さいほど高くなる。検定を計画する段階で必要な標本サイズを決める根拠になる。

  8. 問8.両側検定は対立仮説が H₁: μ ≠ μ₀ 等のとき、片側検定は H₁: μ > μ₀ 等のときに使う。

    正解:○(正しい)

    解説:Two-tailed vs One-tailed Test。事前の方向仮説の有無で使い分け。

  9. 問9.1標本t検定は1つの標本の平均が特定値と異なるか検定する手法である。

    正解:○(正しい)

    解説:t=(X̄−μ₀)/(s/√n) を計算し、自由度n−1のt分布と比較する。分子が平均のずれ、分母が標準誤差なので、ずれが標準誤差の何個分あるかを測る形。母分散が未知でsを代用するためz分布ではなくt分布を使う。

  10. 問10.2標本t検定は2つの独立群の平均差を検定する手法である。

    正解:○(正しい)

    解説:H₀: μ₁ = μ₂ vs H₁: μ₁ ≠ μ₂。等分散・不等分散で式が異なる(ウェルチ等)。

  11. 問11.対応のあるt検定は同一個体の前後測定等のペアデータの差を検定する手法である。

    正解:○(正しい)

    解説:ペアごとに差を取れば個体差が消え、「差の平均が0か」という1標本t検定に帰着する。同一個体で前後を測る場合は、対応のないt検定より個体差の分ばらつきが小さくなるため検出力が高くなる。

  12. 問12.カイ二乗適合度検定は観測度数が期待度数と一致するか検定する。

    正解:○(正しい)

    解説:Goodness of Fit Test。χ² = Σ(O-E)²/E。自由度はカテゴリ数-1(パラメータ調整あり)。

  13. 問13.カイ二乗独立性検定は分割表の2つのカテゴリ変数が独立か検定する。

    正解:○(正しい)

    解説:Test of Independence。期待度数 = 行合計×列合計/総計。自由度=(行-1)(列-1)。

  14. 問14.分散分析(ANOVA)は3群以上の平均差を一括検定する手法である。

    正解:○(正しい)

    解説:F検定を使用。1元配置(要因1つ)、2元配置(要因2つ)等。多重比較問題を回避。

  15. 問15.重回帰分析では、性別のような2値のカテゴリ変数を0と1の値をとるダミー変数にして説明変数に加えることができる。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。例えば男性=0・女性=1 とすると、その偏回帰係数は他の説明変数を一定にしたときの男女の平均的な差を表す。3つ以上のカテゴリなら「カテゴリ数−1」個のダミー変数を使う(出題範囲表「回帰分析:ダミー変数を用いた回帰」)。

  16. 問16.相関の検定では H₀: ρ = 0(相関なし)を検定する。

    正解:○(正しい)

    解説:ピアソン相関係数 r から t統計量を計算して検定。t = r√(n-2)/√(1-r²)。

  17. 問17.単回帰分析 y = a + bx で回帰係数 b の検定は『b = 0』を帰無仮説とする。

    正解:○(正しい)

    解説:傾きbが0なら、xがどれだけ変わってもyの予測値は動かない、つまりxはyの説明に寄与しないことになる。したがってH₀: b=0を棄却できるかが回帰分析の中心的な検定になる。単回帰ではこれは相関係数ρ=0の検定と数学的に同値。

  18. 問18.決定係数 R² は単回帰では相関係数の2乗に等しい。

    正解:○(正しい)

    解説:単回帰では、回帰で説明できた変動の割合R²が相関係数rの2乗にちょうど一致する。r=0.8ならR²=0.64で、yの変動の64%を説明できたことになる。重回帰では説明変数が複数になるため、単純な2乗の関係ではなくなる。

  19. 問19.残差分析は回帰モデルの妥当性を検証する手法である。

    正解:○(正しい)

    解説:残差プロット・正規Q-Qプロット等で、残差が等分散・正規分布・独立性を満たすか確認。

  20. 問20.残差の正規性は回帰係数の信頼区間・検定の前提条件である。

    正解:○(正しい)

    解説:回帰係数のt検定や信頼区間は、係数の推定量が正規分布に従うことを前提に導かれており、その根拠が誤差項(残差)の正規性。正規性が大きく崩れるとp値や区間の妥当性が失われる。残差プロットやQ-Qプロット、シャピロ・ウィルク検定で確認する。

  21. 問21.回帰モデルの多重共線性は説明変数間の強い相関により推定が不安定になる現象である。

    正解:○(正しい)

    解説:Multicollinearity。VIF (分散拡大係数) > 10 で警戒。重回帰特有の問題。

  22. 問22.重回帰分析は2つ以上の説明変数で目的変数を予測する手法である。

    正解:○(正しい)

    解説:y=β₀+β₁x₁+β₂x₂+…+ε の形で複数の説明変数を同時に扱う。各係数は「他の説明変数を一定に保ったときの効果」を表す偏回帰係数であり、その変数だけで単回帰したときの係数とは意味も値も異なる。

  23. 問23.偏回帰係数は他の説明変数を固定した条件での説明変数1単位変化の効果を表す。

    正解:○(正しい)

    解説:Partial Regression Coefficient。多重共線性があると不安定。

  24. 問24.調整済み決定係数は重回帰で説明変数の数を考慮した R² の補正値である。

    正解:○(正しい)

    解説:Adjusted R²。説明変数を増やすだけでは上がらないため、モデル比較に有用。

  25. 問25.回帰係数の有意性検定では各係数について t検定を実施する。

    正解:○(正しい)

    解説:各説明変数についてH₀: βᵢ=0を立て、推定値を標準誤差で割ったt統計量からp値を求める。「他の変数を統制したうえでこの変数は寄与しているか」を見る検定であり、モデル全体が有意かどうかはF検定で別に判定する。

  26. 問26.95%信頼区間内に0が含まれない係数は5%水準で有意である。

    正解:○(正しい)

    解説:95%信頼区間に0が入らないことと、有意水準5%でH₀: b=0が棄却されることは同値。信頼区間は「棄却されない値の集合」と読めるため、区間推定と仮説検定は表裏の関係にある。0を含むなら係数が0である可能性を否定できない。

  27. 問27.k個の群(総データ数N)の一元配置分散分析では、群間の自由度は k−1、群内(残差)の自由度は N−k である。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。全体の自由度 N−1 が、群間 k−1 と群内 N−k に分かれる。F比は「群間平方和/(k−1)」を「群内平方和/(N−k)」で割った値で、自由度 (k−1, N−k) のF分布と比べる(出題範囲表「線形モデル:一元配置実験、F比」)。

  28. 問28.帰無仮説 H₀ は『差がある・効果がある』等の仮定で棄却を目指す側になる。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。棄却を目指す側がH₀であるという点は正しいが、H₀の中身が逆。H₀は『差がない・効果がない』という保守的な仮定であり、これを棄却することで『差がある』という対立仮説H₁を支持する構造になっている。

  29. 問29.p値は帰無仮説が正しい確率である。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。p値は『H₀ が正しいと仮定したときに観測データ以上の結果が得られる確率』。H₀正しい確率ではない(よくある誤解)。

  30. 問30.有意水準 α より大きい p値で帰無仮説を棄却する。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。p<αのときにH₀を棄却する。pが小さいほど「H₀のもとではめったに起きない結果」を意味するため反証が強い。p≥αなら棄却せず、『差があるとは言えない』に留まる。

  31. 問31.2つの正規母集団の母分散が未知で等しいとは限らない場合の母平均の差の検定では、2群の不偏分散をまとめた併合(プールした)分散を用いるt検定を使う。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。併合分散を用いる2標本t検定は、母分散が未知でも等しいと仮定できる場合の方法。等しいとは限らない場合は、各群の不偏分散をそのまま使い自由度を近似するウェルチの検定を用いる(出題範囲表「仮説検定:母平均の差の検定」)。

  32. 問32.検出力(power)は β に等しい。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。検出力は1−βで、第2種の過誤を犯さない確率。βそのものは「差があるのに見逃す確率」なので、これを検出力とすると意味が正反対になる。

  33. 問33.両側検定と片側検定は同じ意味である。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。両側(H₁: μ ≠ μ₀)と片側(H₁: μ > μ₀)は対立仮説の方向性が異なる。

  34. 問34.1標本t検定では2つの群を比較する。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。1標本t検定は『1つの群』の平均が特定値と異なるか検定。2群比較は2標本t検定。

  35. 問35.対応のあるt検定は独立な2群を比較する。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。対応のあるt検定は『ペアデータ(前後測定等)』。独立2群は独立2標本t検定。

  36. 問36.カイ二乗適合度検定は連続データの分布を検定する。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。カイ二乗適合度検定はカテゴリごとの観測度数と期待度数のずれを2乗和で測る手法なので、対象は度数(カテゴリカル)データ。連続データの分布の当てはまりはコルモゴロフ・スミルノフ検定などで調べる。

  37. 問37.カイ二乗独立性検定の自由度は(行+列-1)である。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。自由度は (行−1)(列−1) の積。行合計・列合計が固定されているため最後の1行と1列は残りから決まってしまい、自由に値を決められるセルの個数がこれになる。2×2表なら自由度は1。

  38. 問38.分散分析(ANOVA)は2群比較に使う。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。2群の平均差の比較はt検定で足りる。ANOVAは3群以上を一括で検定し、総当たりのt検定で第1種の過誤が積み上がる多重比較の問題を避けるために使う手法。

  39. 問39.相関の検定では H₀: ρ = 1 を検定する。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。相関の検定ではH₀: ρ=0(相関がない)を立て、これを棄却できるかを見る。ρ=1は全点が完全に直線上に並ぶという極端な状態で、通常の帰無仮説にはしない。

  40. 問40.単回帰の回帰係数 b = 0 の検定は意味がない。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。b=0はxがyの説明に寄与しないことを意味するので、これを棄却できるかどうかは回帰分析で最も重要な検定にあたる。単回帰ではρ=0(無相関)の検定と同値になる。

  41. 問41.単回帰では決定係数と相関係数は無関係である。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。単回帰ではR²=r²という明確な関係がある。相関係数の2乗が、yの全変動のうち回帰で説明できた割合を表す。

  42. 問42.残差が等分散でない場合でも回帰分析の前提は満たされる。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。等分散性(ホモスケダスティシティ)は回帰分析の重要な前提。違反するとWLS等の対処が必要。

  43. 問43.多重共線性があると重回帰の係数推定が安定する。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。説明変数どうしが強く相関していると、どちらの変数の寄与か切り分けられず、係数の標準誤差が膨らんで推定が不安定になる。符号が理論と逆転することもある。VIFが10を超えたら警戒する。

  44. 問44.重回帰分析は1つの説明変数のみ扱う。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。説明変数が2つ以上なら重回帰、1つなら単回帰。重回帰では各係数が「他の変数を一定に保ったときの効果」を表す偏回帰係数になる点も単回帰と異なる。

  45. 問45.偏回帰係数は他の説明変数を考慮しない係数である。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。偏回帰係数は他の説明変数を一定に保った(統制した)条件でのその変数の効果を表す。そのため同じ変数でも単回帰したときの係数とは値が異なり、他変数との相関が強いほどずれは大きくなる。

  46. 問46.調整済み決定係数は説明変数を増やすと必ず上がる。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。調整済みR²は『説明変数の効果を補正』するため、無関係な変数を加えても上がらない。

  47. 問47.有意な係数の95%信頼区間には0が含まれる。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。有意な係数(5%水準)の95%信頼区間には『0が含まれない』。0を含むと有意でない。

  48. 問48.大標本ほど検出力は低くなる。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。標本サイズが大きいほど標準誤差が小さくなり、同じ大きさの差でも有意と判定しやすくなるため検出力は高くなる。逆に大標本では実質的に意味のない小さな差まで有意になりうるので、効果量の確認が重要。

  49. 問49.α と β は trade-off 関係でない。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。α と β は『trade-off』。αを下げると(厳しい基準)βが上がる傾向。

  50. 問50.カイ二乗検定の期待度数は小さいほど良い。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。期待度数が小さい(特に5未満)と検定の信頼性が低下。Fisher's exact test等の代替手法を検討。

  51. 問51.残差プロットでパターンが見られる場合、モデルは適切である。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。逆。残差にパターン(傾向)があると『モデルが不適切』のサイン。残差はランダムであるべき。

  52. 問52.回帰の外れ値は分析結果に影響しない。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。外れ値は回帰直線・係数を大きく歪める可能性あり。Cook's距離等で検出・対処が必要。

  53. 問53.分散分析後の多重比較は単純なt検定の繰り返しで問題ない。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。多重比較問題(α上昇)が発生。Tukey法・Bonferroni法等の補正が必要。

  54. 問54.仮説検定で『棄却を目指す側』の仮説として正しいのはどれか。

    • ア.帰無仮説 H₀
    • イ.対立仮説 H₁
    • ウ.両側仮説
    • エ.片側仮説

    正解:ア.帰無仮説 H₀

    解説:検定は『差がない』という保守的な帰無仮説H₀を立て、これを棄却することで対立仮説H₁を支持する背理法的な構造を取る。H₁は支持したい側であって棄却の対象ではない。両側・片側は棄却域の取り方の区別であり、仮説の役割の名称ではない。

  55. 問55.p値の正しい定義として最も適切なものはどれか。

    • ア.H₀が正しい確率
    • イ.H₀正しいと仮定したときの極端な結果の確率
    • ウ.H₁が正しい確率
    • エ.検定の精度

    正解:イ.H₀正しいと仮定したときの極端な結果の確率

    解説:p値=H₀下で観測データ以上に極端な結果が得られる確率。H₀正しい確率ではない(よくある誤解)。

  56. 問56.有意水準 α と検定結果の関係として正しいのはどれか.

    • ア.p > α で H₀棄却
    • イ.p = α で H₀棄却
    • ウ.p < α で H₀棄却
    • エ.関係なし

    正解:ウ.p < α で H₀棄却

    解説:pはH₀のもとでの結果の珍しさを表すので、これが事前に決めたα未満なら「偶然では説明しにくい」としてH₀を棄却する。p≥αなら棄却せず、H₀が正しいと証明されたわけではない。p=αちょうどは通常棄却しない扱いとする。

  57. 問57.第1種の過誤の定義として正しいのはどれか。

    • ア.推定値が外れる
    • イ.H₀が間違いなのに棄却しない
    • ウ.H₁が正しいのに棄却
    • エ.H₀が正しいのに棄却

    正解:エ.H₀が正しいのに棄却

    解説:第1種の過誤(αエラー)は、H₀が正しいのに棄却してしまう誤り=偽陽性で、その確率の上限が有意水準α。H₀が間違いなのに棄却しないほうは第2種の過誤であり、取り違えやすいので注意。

  58. 問58.第2種の過誤の定義として正しいのはどれか。

    • ア.H₀が間違いなのに棄却しない
    • イ.H₀が正しいのに棄却
    • ウ.H₁が正しいのに棄却
    • エ.推定値が高すぎ

    正解:ア.H₀が間違いなのに棄却しない

    解説:第2種の過誤(βエラー)は、H₀が間違っているのに棄却できない誤り=見逃し(偽陰性)。差が小さい、ばらつきが大きい、標本が小さいほど起こりやすく、1−βが検出力にあたる。

  59. 問59.検出力(power)の定義として正しいのはどれか。

    • ア.α
    • イ.1 - β
    • ウ.1 - α
    • エ.β

    正解:イ.1 - β

    解説:検出力は対立仮説が正しいときに正しくH₀を棄却できる確率なので、見逃す確率βの余事象1−β。αは第1種の過誤の確率、1−αは信頼度にあたり、いずれも別の概念。

  60. 問60.2群の独立群の平均差を検定する手法として正しいのはどれか。

    • ア.1標本t検定
    • イ.対応のあるt検定
    • ウ.2標本t検定
    • エ.カイ二乗検定

    正解:ウ.2標本t検定

    解説:2標本t検定(Independent t-test)。等分散・不等分散(ウェルチ)で式異なる。

  61. 問61.同一個体の前後測定の差を検定する手法として正しいのはどれか。

    • ア.1標本t検定
    • イ.2標本t検定
    • ウ.ANOVA
    • エ.対応のあるt検定

    正解:エ.対応のあるt検定

    解説:対応のあるt検定(Paired t-test)。差の平均が0かを1標本t検定で検証。

  62. 問62.3群以上の平均差を一括検定する手法として正しいのはどれか。

    • ア.ANOVA(分散分析)
    • イ.t検定
    • ウ.カイ二乗検定
    • エ.回帰分析

    正解:ア.ANOVA(分散分析)

    解説:3群以上をt検定で総当たりすると、検定の回数だけ第1種の過誤が積み上がる(多重比較の問題)。ANOVAは群間分散と群内分散の比Fによって「どこかに差があるか」を一括判定するためこの問題を避けられる。差の所在は事後の多重比較で調べる。

  63. 問63.分割表の2変数の独立性を検定する手法として正しいのはどれか.

    • ア.対応のあるt検定
    • イ.カイ二乗検定
    • ウ.等分散のF検定
    • エ.母比率の検定

    正解:イ.カイ二乗検定

    解説:分割表の2つの属性が独立かどうかは、カイ二乗検定(独立性の検定)で調べる。独立と仮定すると各セルの期待度数は(行の合計×列の合計)÷総数となり、観測度数とのずれ Σ(観測度数-期待度数)²/期待度数 を、自由度(行数-1)×(列数-1)のカイ二乗分布と比べて判定する。対応のあるt検定は対応のある2標本の平均の差、等分散のF検定は2つの母分散の比、母比率の検定は比率が特定の値かどうかを調べる方法で、2変数の独立性は扱わない。

    根拠: 東京医科歯科大学 教養部数学講座 徳永伸一「統計Ⅱ 第6回 独立性の検定」講義資料 独立性の検定その1〜5(分割表・独立の仮定から期待度数を算出・食い違い度・r行c列の自由度は(r−1)×(c−1))、再確認スライド(6.4 対応のある2標本の母平均の差=t分布、6.3 等分散の検定=F分布、6.5 母集団比率に関する推測)

  64. 問64.単回帰分析で回帰係数 b の有意性検定の帰無仮説として正しいのはどれか.

    • ア.b = r
    • イ.b = 1
    • ウ.b = 0
    • エ.b = R²

    正解:ウ.b = 0

    解説:b=0ならxが変化してもyの予測値が変わらない=xはyの説明に寄与しない、という意味になるのでこれを帰無仮説に置く。b=1やb=rを帰無仮説にしても「効果があるか」という問いには対応しない。単回帰ではρ=0の検定と同値。

  65. 問65.単回帰における決定係数 R² と相関係数 r の関係として正しいのはどれか.

    • ア.R² = r
    • イ.R² = √r
    • ウ.R² = |r|
    • エ.R² = r²

    正解:エ.R² = r²

    解説:単回帰では決定係数が相関係数の2乗に一致する。r=0.8ならR²=0.64で、yの変動の64%を回帰で説明できたことになる。rは−1〜1で符号を持つのに対しR²は2乗なので必ず0〜1に収まる点とも整合する。

  66. 問66.重回帰分析の説明変数の数として正しいのはどれか。

    • ア.2つ以上
    • イ.1つ
    • ウ.制限なし(0個も可)
    • エ.負の数

    正解:ア.2つ以上

    解説:説明変数が2つ以上なら重回帰、1つなら単回帰。0個では予測式が定数(平均)になってしまい回帰として意味をなさず、個数が負になることもない。ただし多すぎる変数は過学習や多重共線性を招く。

  67. 問67.多重共線性の問題として正しいのはどれか.

    • ア.係数推定が安定
    • イ.係数推定が不安定(標準誤差増大)
    • ウ.R²が0になる
    • エ.残差が小さくなる

    正解:イ.係数推定が不安定(標準誤差増大)

    解説:説明変数どうしが強く相関していると、どちらの変数の寄与か切り分けられず、係数の標準誤差が膨らんで推定値が標本ごとに大きく振れる。符号が理論と逆転することもある。VIFが10を超えたら警戒し、変数の統合や除外を検討する。モデル全体のR²は高いままのことが多い点が厄介。

  68. 問68.残差プロットの理想的な様子として正しいのはどれか.

    • ア.明確なパターンあり
    • イ.V字型
    • ウ.ランダムに散らばる
    • エ.正弦曲線型

    正解:ウ.ランダムに散らばる

    解説:モデルが適切なら残差は情報を含まない誤差だけになるため、予測値に対してランダムに散らばる。V字型や曲線が見えれば非線形性の見落とし、幅が広がっていく形なら不等分散のサインで、変数変換やモデルの見直しが必要になる。

  69. 問69.95%信頼区間に0が含まれる回帰係数の意味として正しいのはどれか。

    • ア.5%水準で有意
    • イ.必ず負の係数
    • ウ.必ず正の係数
    • エ.5%水準で有意でない

    正解:エ.5%水準で有意でない

    解説:95%信頼区間は「5%水準で棄却されない値の集合」にあたるので、0が含まれることはH₀: b=0を棄却できない=5%水準で有意でないことを意味する。区間が0をまたぐため、係数の符号すら確定できない状態にある。

  70. 問70.両側検定と片側検定の使い分けとして正しいのはどれか.

    • ア.両側:H₁:μ≠μ₀、片側:H₁:μ>μ₀
    • イ.両側:H₁:μ>μ₀、片側:H₁:μ≠μ₀
    • ウ.両者とも同じ
    • エ.常に両側検定

    正解:ア.両側:H₁:μ≠μ₀、片側:H₁:μ>μ₀

    解説:両側 H₁: μ ≠ μ₀(方向問わず差あり)、片側 H₁: μ > μ₀ または μ < μ₀(方向あり)。

  71. 問71.カイ二乗適合度検定の自由度として正しいのはどれか(k カテゴリの場合、パラメータ推定なし)。

    • ア.k
    • イ.k - 1
    • ウ.k + 1
    • エ.k²

    正解:イ.k - 1

    解説:k個のカテゴリの度数は合計が総数に固定されているため、最後の1つは残りから決まってしまう。自由に動けるのはk−1個なので自由度はk−1。分布のパラメータを標本から推定した場合は、その個数分さらに引く。

  72. 問72.多重比較問題への対処法として正しいのはどれか。

    • ア.単純なt検定繰返し
    • イ.ANOVAをスキップ
    • ウ.Bonferroni補正・Tukey法
    • エ.検定をやめる

    正解:ウ.Bonferroni補正・Tukey法

    解説:多重比較ではα上昇問題発生。Bonferroni・Tukey・Holm等の補正法で対処。

  73. 問73.標本サイズと検出力の関係として正しいのはどれか.

    • ア.大標本→検出力低
    • イ.小標本→検出力高
    • ウ.関係なし
    • エ.大標本→検出力高

    正解:エ.大標本→検出力高

    解説:標本サイズが大きいほど標準誤差 σ/√n が小さくなり、同じ大きさの差でも検定統計量が大きくなって有意と判定しやすくなるため検出力は上がる。検定の計画では、検出したい効果量から必要な標本サイズを逆算する。

  74. 問74.α と β の関係として正しいのはどれか。

    • ア.α上→β下(trade-off)
    • イ.α上→β上
    • ウ.α=βで一定
    • エ.関係なし

    正解:ア.α上→β下(trade-off)

    解説:α と β は trade-off。αを下げる(厳しい基準)と β が上がる傾向。両者バランスが重要。

  75. 問75.回帰分析の前提条件として該当しないものはどれか。

    • ア.線形性
    • イ.説明変数が必ず2つ以上
    • ウ.残差の正規性
    • エ.残差の等分散性

    正解:イ.説明変数が必ず2つ以上

    解説:前提=線形性・残差の等分散性・残差の正規性・残差の独立性。説明変数の数は前提ではない。