消防設備士甲種1類の過去問の傾向と対策【号別数値・水源水量計算・製図】
消防設備士甲種1類の過去問から見える出題傾向と対策を解説します。筆記45問+実技(鑑別・製図)の構成で、屋内消火栓の号別数値の取り違え、水源水量の計算、製図が合否を分けます。効率的な演習の進め方まで紹介します。
※受験料・試験日程・合格基準・法令の数値は改定される場合があります。最新情報は必ず一般財団法人 消防試験研究センターの公式サイトでご確認ください。
試験構成と合格基準
- 筆記: 消防関係法令・基礎的物理化学・構造機能(電気/規格)で45問
- 実技: 鑑別(機器の写真・名称・用途)+製図(系統図・計算)
- 試験時間: 3時間15分
- 合格基準: 各科目40%以上 かつ 全体60%以上(加えて実技で所定の得点)
甲種1類が扱うのは屋内消火栓設備・スプリンクラー設備・水噴霧消火設備・屋外消火栓設備という水系消火設備です。この4設備の性能値と計算が、筆記・実技を通じた得点源かつ落とし穴になります。
頻出パターンと対策
1. 屋内消火栓 1号/2号/広範囲型2号の数値取り違え(最頻出の罠)
甲種1類で最も狙われるのが、屋内消火栓の号別性能値の混同です。数値と号の対応を正確に暗記しましょう。
| 名称 | 水平距離 | 放水圧力 | 放水量 | 水源=個数(最大2)× |
|---|---|---|---|---|
| 1号消火栓 | 25m以下 | 0.17MPa以上 | 130L/min以上 | 2.6㎥ |
| 2号消火栓 | 15m以下 | 0.25MPa以上 | 60L/min以上 | 1.2㎥ |
| 広範囲型2号 | 25m以下 | 0.17MPa以上 | 80L/min以上 | 1.6㎥ |
特に2号(15m/0.25MPa/60L/min)と広範囲型2号=2号ロ(25m/0.17MPa/80L/min)を入れ替える出題が定番です。放水圧力の上限は0.7MPa(ノズル先端がこれを超えない措置)である点も押さえましょう。なお、易操作性1号消火栓は1号と同性能(25m/0.17MPa/130L/min/2.6㎥)で「1人で操作できる」構造にしたものです。
2. 設備間の数値混同(放水量350L/minは屋外)
屋内と屋外、設備どうしの数値を横断的に混同させる問題も頻出です。次の対応を混ぜないよう整理してください。
- 屋内1号: 0.17MPa/130L/min/水平距離25m
- 屋内2号: 0.25MPa/60L/min/水平距離15m
- 屋外消火栓: 0.25MPa/350L/min/水平距離40m以下・水源=個数(最大2)×7㎥
放水量350L/minは屋外消火栓です。屋内の値と取り違えないようにしましょう。
3. 水源水量の計算
製図・計算で頻出なのが水源水量の算定です。「個数(最大2)×係数」の係数を正確に覚えます。
- 屋内消火栓: 1号=2.6㎥、2号=1.2㎥、広範囲型2号=1.6㎥(いずれも最大2個分)
- スプリンクラー: 標準型・側壁型・開放型=規定ヘッド数×1.6㎥、小区画型=×1㎥
- 屋外消火栓: 個数(最大2)×7㎥
例えば屋内1号消火栓を2個以上設置する場合、水源水量は2.6㎥×2=5.2㎥以上が必要、といった計算がそのまま問われます。ポンプ吐出量(屋内1号=150L/min/個、屋外=400L/min/個 など)や全揚程の加算値(屋内1号=+17m、2号=+25m、屋外=+25m)も併せて演習しましょう。
4. スプリンクラー・水噴霧の細目
スプリンクラーは標準型ヘッドの放水圧力0.1MPa以上・放水量80L/min以上、ヘッド水平距離(耐火2.3m以下/非耐火2.1m以下/舞台部・指定可燃物1.7m以下)、末端試験弁・流水検知装置などが問われます。水噴霧は駐車場の排水設備(勾配2/100以上、区画境界堤10cm以上、集水管は排水溝40m以内ごと、油分離装置付ピット)が定番です。なお冷却・窒息・乳化といった消火原理は条文に数値がない一般技術知識であり、条文の数値問題とは切り分けて理解しましょう(水噴霧は1類、泡は2類で混同注意)。
5. 実技:鑑別と製図
鑑別は機器(消火栓・ポンプ・弁類・送水口など)の写真や図から名称・用途を答えます。製図は系統図の作成・読み取りと、上記の水源水量・ポンプ吐出量・全揚程の計算が中心です。製図対策は甲種1類最大の関門で、ここを手を動かして反復できているかが合否を分けます。
効率的な演習の進め方
- テキストで4設備の性能値を表に整理:屋内消火栓・スプリンクラー・水噴霧・屋外消火栓の数値を一覧化して暗記。
- 一問一答で号別数値を反復:当サイトの甲種1類 一問一答で、取り違えやすい数値を短時間で何度も確認。
- 計算問題を手書きで演習:水源水量・ポンプ吐出量・全揚程を、実際に計算式を書いて解く。
- 製図を過去問形式で仕上げ:系統図の作図・読み取りを繰り返し、実技の得点を安定させる。
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