消防設備士甲種1類「構造・機能・整備(消火栓)」出題ポイント解説
消防設備士甲種1類の中核である「屋内消火栓・屋外消火栓」の構造・機能・整備を整理。1号/2号/広範囲型2号/易操作性1号の性能値、屋外消火栓の基準、ポンプ・付属設備・非常電源までを、施行令・施行規則の条番号とともに正確に押さえます。
※受験料・試験日程・合格基準・法令の数値は改定される場合があります。最新情報は必ず一般財団法人 消防試験研究センターの公式サイトでご確認ください。
屋内消火栓の種類と性能値(最重要)
屋内消火栓は名称ごとに性能値が異なり、1号/2号/広範囲型2号の数値取り違えが最頻出の罠です。性能値は施行令第11条第3項に直接明記されています。「ホース接続口までの水平距離・放水圧力・放水量・水源係数」をセットで覚えるのがコツです。
| 名称 | 水平距離 | 放水圧力 | 放水量 | 水源=個数(最大2)× | ポンプ吐出量/個 | 立上り管口径 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1号消火栓 | 25m以下 | 0.17MPa以上 | 130L/min以上 | 2.6㎥ | 150L/min | 50mm以上 |
| 2号消火栓(1人操作) | 15m以下 | 0.25MPa以上 | 60L/min以上 | 1.2㎥ | 70L/min | 32mm以上 |
| 広範囲型2号(1人操作) | 25m以下 | 0.17MPa以上 | 80L/min以上 | 1.6㎥ | 90L/min | 40mm以上 |
根拠は、1号=施行令第11条第3項第1号、2号=同項第2号イ、広範囲型2号=同項第2号ロです。
名称の罠を正確に
- 2号(第2号イ)=15m/0.25MPa/60L/min。放水圧力が高く、放水量・水平距離が小さいのが特徴。
- 広範囲型2号(第2号ロ)=25m/0.17MPa/80L/min。水平距離は1号と同じ25mですが、放水量は80L/minで1号(130L/min)とは異なります。「2号イ」と「2号ロ」を混同させる出題が定番です。
- 易操作性1号消火栓=1号と同じ性能(25m/0.17MPa/130L/min/水源2.6㎥)のまま、1人で操作できるホース構造にしたもの。数値は1号と完全に同一で、そこが2号系との違いです。
放水圧力の上限とポンプ全揚程
- ノズル先端の放水圧力が0.7MPaを超えないよう措置します(施行規則第12条第1項第7号ホ)。下限(0.17/0.25MPa)だけでなく上限にも注意。
- ポンプ全揚程の号別加算値は1号=+17m、2号=+25m(施行規則第12条)。放水圧力の水頭換算に対応した数値です。
付属設備(施行規則第12条)
- 開閉弁:床面からの高さ1.5m以下(又は天井付近に設け自動式とする)(第12条第1項第1号)。
- 表示灯:赤色とし、屋内消火栓箱の内部又はその直近に設けます(第2号)。
- 位置の明示:箱表面に「消火栓」と表示し、取付面と15度以上の角度となる方向に沿って10m離れた位置から容易に識別できる赤色の灯火を設けます(第3号)。
- 非常電源:自家発電設備・蓄電池設備等により30分間以上有効に作動できること(第4号ロ)。延べ面積1,000㎡以上の特定防火対象物では専用受電設備によることができません。
- 加圧送水装置:点検に便利で、火災等の被害を受けるおそれが少ない箇所に設けます(施行令第11条第3項各号)。
加圧送水方式(3種)
消火栓・スプリンクラーの加圧送水装置には、次の3方式があります。設置場所・水源との高さ関係で選定します。
- ポンプ方式(加圧送水ポンプ):電動機でポンプを駆動して加圧。最も一般的で、非常電源と組み合わせます。
- 高架水槽方式:建物高所に設けた水槽の落差(位置水頭)で必要圧力を得る方式。ポンプ動力に依存しない反面、十分な高さが必要。
- 圧力水槽方式:密閉水槽に圧縮空気を封入し、その圧力で送水する方式。
屋外消火栓(施行令第19条/施行規則第22条)
屋外消火栓は建物外部から消火するための設備で、屋内消火栓とは数値が大きく異なります。放水量350L/minは屋外と覚え、屋内(130/60/80)と取り違えないことが要点です。
- 水平距離:ホース接続口までの水平距離40m以下(施行令第19条第3項第1号)。
- 放水圧力・放水量:0.25MPa以上/350L/min以上(同項第4号)。
- 水源水量:設置個数(最大2)×7㎥(同項第3号)。
- ホース格納箱までの歩行距離:5m以内(施行規則第22条第2号)。
- 開閉弁:地盤面からの高さ1.5m以下、又は地盤面下0.6m以内(第22条第1号)。
- 表示灯・標識:表示灯は赤色、箱表面に「ホース格納箱」、消火栓には「消火栓」の標識(第3号・第4号)。
- ポンプ吐出量:個数(最大2)×400L/min、放水圧力の上限0.6MPa、全揚程の加算値+25m(第22条第10号)。非常電源を附置します。
数値の整理(混同防止)
| 設備 | 放水圧力 | 放水量 | 水平距離 | 水源係数 |
|---|---|---|---|---|
| 屋内1号 | 0.17MPa | 130L/min | 25m | 2.6㎥ |
| 屋内2号 | 0.25MPa | 60L/min | 15m | 1.2㎥ |
| 屋内 広範囲型2号 | 0.17MPa | 80L/min | 25m | 1.6㎥ |
| 屋外消火栓 | 0.25MPa | 350L/min | 40m | 7㎥ |
水源水量=係数×個数(最大2)で計算します。例:屋内1号を2個設置する建物の最小水源は 2.6㎥×2=5.2㎥、屋外消火栓2個なら 7㎥×2=14㎥となります。
関連情報
全揚程・ポンプ吐出量の計算根拠となる水理は基礎的知識(機械・電気)で、設置義務面積や届出・点検報告は消防関係法令で確認できます。スプリンクラー設備の性能値は構造・機能・整備(スプリンクラー設備)を参照してください。
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