潜水士「潜水業務」の出題ポイント解説
潜水士試験の潜水業務は、潜水方式・器材・潜水計画・緊急時対応など、水中作業の実務知識を問う分野です。全40問中10問が出題され、器材の名称や作業手順が細かく問われます。本記事では頻出トピックを整理し、効率的な学習ポイントを解説します。
この章の重要度
試験は4科目×10問=40問の構成で、潜水業務は各科目40%(4問)の足切りを必ずクリアする必要があります。器材の仕組みや潜水方式の分類は暗記中心なので、きちんと対策すれば得点源にできる分野です。
頻出トピック一覧
1. 潜水方式の分類
潜水方式は大きく送気式潜水と自給気式潜水(スクーバ)に分類。送気式はさらにヘルメット式(定量送気式)・全面マスク式(デマンド式)・フーカー式に細分化されます。それぞれの構造・利点・適用作業範囲の違いが頻出です。
2. 水深と水圧の関係
水深10mごとに水圧が1気圧(約0.1MPa)増加。水深20mでの絶対圧=大気圧1+水圧2=3気圧。ボイルの法則により気体体積は圧力に反比例するため、水深30m(絶対圧4気圧)では体積が水面の1/4になる計算が頻出。
3. ヘルメット式潜水の構造
銅製のヘルメット、しころ、潜水服(ドライスーツ)、鉛錘(腰バンド40kg+足ブーツ各11kg)、送気ホース、排気弁で構成。定量送気式で送気量60L/分以上が必要。排気弁操作で浮力調整します。
4. 全面マスク式潜水の構造
軽量で機動性が高く現在主流。デマンド式(呼吸に応じて送気)で送気量40L/分以上。ヘルメット式より省エネで会話装置も装備可能。作業深度制限と浮力管理の違いが頻出。
5. 自給気式潜水(スクーバ)の構造
ボンベ・レギュレーター(第1段・第2段)・BCジャケット・残圧計で構成。作業時間は携行空気量で制限され、長時間作業には不向き。独立した器材のため救命艇からの送気遮断事故リスクがないのが利点。
6. 空気消費量と呼吸量の計算
水面呼吸量約20L/分×圧力倍率(水深10m=2倍、20m=3倍)で消費量算出。スクーバの使用可能時間=ボンベ容量÷消費量の計算問題が頻出。重労働時は呼吸量2〜3倍で見積ります。
7. 送気設備(コンプレッサー・空気槽)
送気用コンプレッサーは潜水者の予想送気量+予備量を確保。空気槽(予備空気槽含む)で脈動を抑え油分除去。CO濃度10ppm以下、CO₂1000ppm以下など送気の清浄度基準が重要。
8. 緊急時対応と救急蘇生法
意識喪失・呼吸停止への人工呼吸(胸骨圧迫100〜120回/分)、AED使用、現場での二次災害防止。減圧症発症時の再圧治療タンクへの迅速搬送、酸素投与の実施判断なども頻出です。
覚え方のコツ
潜水業務攻略の基本は「水深→絶対圧→体積変化」の換算を反射的にできるようにすることです。水深10m=2気圧(絶対圧)・20m=3気圧・30m=4気圧・40m=5気圧を即答できるまで反復。ボイルの法則PV=一定を使えば、「水面1Lの空気は水深30mで1/4L、水深40mで1/5L」と瞬時に計算できます。潜水方式は「送気式(ヘルメット=定量60・全面マスク=デマンド40)」「自給気式(スクーバ)」の系統図を自作し、各方式の送気量・長所・短所・適用深度を表で整理。送気の清浄度基準「CO10・CO₂1000・粉塵・油分なし」はキー数値として必ず押さえましょう。
よくあるひっかけ
潜水業務で頻出のひっかけ。①水圧と絶対圧の混同:水深10mで「水圧1気圧」は正しいが「絶対圧1気圧」は誤り(絶対圧2気圧)。②送気量:ヘルメット式60L/分、全面マスク式40L/分を逆に書く。③ボイルの法則:体積は圧力に「反比例」であり、比例ではない。④呼吸量の圧力補正:水面20L/分のまま水深計算して時間を過大評価させる問題。⑤CO濃度基準:10ppm以下で、100ppmは誤り(高すぎる)。⑥定量送気とデマンド:ヘルメットは常時一定送気、全面マスクは呼吸時のみ送気の区別。⑦BCジャケット:浮力調整装置でありスクーバの必須装備(ヘルメット式では不要)。⑧空気槽の役割:送気脈動吸収と油分・水分除去、送気量そのものを増やす装置ではない。
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