基本情報技術者「コンピュータシステム」の出題ポイント解説
基本情報技術者試験(FE)のコンピュータシステムは科目Aのテクノロジ系の土台となる分野。基礎理論・ハードウェア・ソフトウェア・システム構成技術の4領域から幅広く出題されます。本記事ではコンピュータシステムの頻出論点を整理します。
この章の重要度
科目A(60問・90分)のうち約20〜25問が本章関連。特に基数変換・論理演算・稼働率計算は計算問題として確実に出題されます。パターンが決まっているため、過去問演習で得点源化が可能です。
頻出トピック一覧
1. 基礎理論(基数変換・論理演算)
2進数・10進数・16進数の相互変換。補数表現(2の補数:全ビット反転+1)で負数を表現。浮動小数点数:符号・指数部・仮数部(IEEE754形式)。論理演算:AND・OR・NOT・XOR・NAND・NOR、真理値表と論理式。ド・モルガンの法則。
2. 情報理論・データ構造
文字コード:ASCII・Unicode(UTF-8・UTF-16)。圧縮:可逆圧縮(LZH・ZIP)/非可逆圧縮(JPEG・MP3)。誤り検出・訂正:パリティ・CRC・ハミング符号。データ構造は科目Bで詳細。
3. CPU・プロセッサアーキテクチャ
命令実行サイクル:フェッチ→デコード→実行→書き込み。パイプライン(複数命令を段階的並列実行)、スーパースカラ(同時複数命令実行)、VLIW、CISCとRISCの違い。クロック周波数・CPI・MIPSの計算。
4. メモリ階層・キャッシュ
メモリ階層:レジスタ→キャッシュ(L1/L2/L3)→主記憶→補助記憶の速度と容量のトレードオフ。キャッシュ方式:ダイレクトマップ・セットアソシアティブ・フルアソシアティブ。ライトスルー/ライトバック。平均アクセス時間=ヒット率×キャッシュ時間+(1−ヒット率)×主記憶時間。
5. 補助記憶・RAID
HDD・SSD・光ディスク。RAID:RAID 0(ストライピング・高速)・RAID 1(ミラーリング・冗長)・RAID 5(分散パリティ)・RAID 6(2重パリティ)・RAID 10(ミラー+ストライプ)。信頼性と性能のトレードオフ。
6. 入出力インタフェース
シリアル:USB・SATA・PCI Express。パラレル(旧IDE)。無線:Wi-Fi・Bluetooth・NFC。入出力制御方式:プログラム制御・割込み制御・DMA・チャネル制御(メインフレーム)。
7. オペレーティングシステム
プロセス管理:プロセス状態(実行・待機・準備)、スケジューリング(ラウンドロビン・優先度・多段フィードバック)。メモリ管理:仮想記憶・ページング(デマンドページング)、ページ置換アルゴリズム(FIFO・LRU・LFU)、スラッシング。ファイルシステム:ディレクトリ構造・パス・アクセス権。
8. システム構成・信頼性
システム構成:デュアル(並列・両系稼働)・デュプレックス(主系と待機系)・ホットスタンバイ・コールドスタンバイ・クラスタ・ロードバランサ。信頼性指標:MTBF(平均故障間隔)・MTTR(平均修復時間)・稼働率=MTBF/(MTBF+MTTR)。直列=A×B、並列=1−(1−A)(1−B)。フォールトトレラント・フェールセーフ・フェールソフト・フールプルーフ。
覚え方のコツ
コンピュータシステムは「基礎理論→ハードウェア→ソフトウェア→システム構成」の階層構造で理解すると体系的に把握できます。基数変換は手を動かして変換練習を繰り返すのが最短ルート。2進数⇔16進数は「2進4桁=16進1桁」のグループ化で瞬時に変換。論理演算は真理値表を書く習慣をつけ、ド・モルガン(NOT(A AND B)=NOT A OR NOT B)を体得。キャッシュ・メモリ階層は「速度×容量×コスト」のトレードオフを軸に、各階層の役割を整理。RAIDはRAID 0/1/5/10の4種をイメージ図で押さえ、RAID 5のパリティ計算を理解。稼働率計算は直列(積)/並列(1−全停止確率)の公式を反復練習。OSの仮想記憶(ページング・LRU)は「ページフォールト→ページ置換→ディスクI/O」の流れを暗記しましょう。
よくあるひっかけ
コンピュータシステムの頻出ひっかけ。①2の補数:nビットで表現できる範囲は -2^(n-1) 〜 2^(n-1)-1(8ビットなら-128〜127)。②浮動小数点の精度:仮数部のビット数で精度決定、指数部で範囲決定。③パイプラインのハザード:データハザード(前命令の結果待ち)・制御ハザード(分岐)・構造ハザード(資源競合)で性能低下。④CISCとRISC:CISC=複雑命令・少ない命令数、RISC=単純命令・パイプライン向き、現代のCPUは両者のハイブリッド。⑤キャッシュのヒット率:ヒット率が上がるとアクセス時間が短くなる、計算で100%と0%の両極端を確認。⑥RAID 1とRAID 5:RAID 1はミラーで容量半減・高信頼、RAID 5は分散パリティで容量効率良く1台故障まで復旧可。⑦ページ置換LRU:最も長く使われていないページを置換、ページ参照列から置換対象を追う問題が頻出。⑧MTBFとMTTR:MTBFは故障しない平均時間、MTTRは修理平均時間、稼働率=MTBF/(MTBF+MTTR)であってMTBF/MTTRではない。⑨直列・並列の計算:直列はAND(両方稼働)=積、並列はOR(いずれか稼働)=1−(1−A)(1−B)。
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