日商簿記2級「商業簿記 発展問題」の一問一答
📖 日商簿記2級「商業簿記 発展問題」の全75問と解説(一覧)
日商簿記2級の商業簿記 発展問題に関する一問一答(全75問)の正解と解説の一覧です。上の一問一答で実際に解いてから、ここで復習・確認できます。
-
問1.連結財務諸表上、親会社が子会社の議決権の3分の1以上を所有していれば、原則として支配力基準により連結対象(子会社)と判定される。
正解:×(誤り)
解説:誤り。支配力基準では原則「議決権の過半数(50%超)」の所有が必要です。3分の1以上では子会社にはなりません(関連会社の目安)。
-
問2.親会社が子会社に資金を貸し付けている場合、連結上は貸付金と借入金を相殺消去するが、受取利息と支払利息は相殺消去しない。
正解:×(誤り)
解説:誤り。連結会社間の債権・債務(貸付金と借入金)だけでなく、それに伴う取引高(受取利息と支払利息)も相殺消去します。未収・未払の利息があれば同様に消去します。
-
問3.連結会計におけるのれんは、日本基準では原則30年以内のその効果の及ぶ期間にわたって規則的に償却する。
正解:×(誤り)
解説:誤り。日本基準ののれんの償却期間は「20年以内」です(30年ではありません)。販売費及び一般管理費に計上します。
-
問4.親会社の投資と子会社の資本との相殺消去によって生じる借方差額は「負ののれん」として処理する。
正解:×(誤り)
解説:誤り。投資が子会社資本(時価評価後)を上回る借方差額は「のれん」です。逆に下回る貸方差額が「負ののれん」で発生時に特別利益として一括計上します。
-
問5.連結会社間の売掛金と買掛金を相殺消去したときは、消去した売掛金に対して設定していた貸倒引当金も減額修正する。
正解:○(正しい)
解説:正しい。連結会社相互間の債権債務は相殺消去する(連結会計基準31項)。消去した売掛金に対応する貸倒引当金は不要となるため、(借)貸倒引当金(貸)貸倒引当金繰入で減額修正する。
-
問6.連結会社間の売上・仕入は相殺消去するが、債権・債務(売掛金・買掛金など)は相殺消去しなくてよい。
正解:×(誤り)
解説:誤り。連結会社間の債権・債務(売掛金・買掛金、貸付金・借入金、受取手形・支払手形等)も「相殺消去」する必要があります。
-
問7.親会社が子会社に商品を販売し、期末に子会社が外部に未販売の場合、当該商品に含まれる未実現利益はダウンストリームとして全額消去する。
正解:○(正しい)
解説:ダウンストリーム(親→子)の未実現利益は親会社が利益計上者なので全額消去し、全額を親会社負担とします。
-
問8.アップストリーム(子→親)の未実現利益は、全額消去のうえ親会社のみが負担する。
正解:×(誤り)
解説:誤り。アップストリームでは未実現利益を全額消去しますが、消去額は持株比率に応じて「親会社と非支配株主」で按分負担します。
-
問9.本支店会計において、本店が支店に商品や現金を送付した場合、本店側は「支店」勘定の借方、支店側は「本店」勘定の貸方に記入する。
正解:○(正しい)
解説:本支店間の取引は照合勘定(本店勘定・支店勘定)で記録し、本店が支店に送付すれば本店帳簿で支店勘定借方、支店帳簿で本店勘定貸方となります。
-
問10.本店勘定と支店勘定は、通常の決算において必ず一致しなければならないため、未達取引があってもそのまま合算する。
正解:×(誤り)
解説:誤り。未達取引(送付したが相手未到着等)がある場合、決算整理で未達取引を加減算してから合算します。一致しないまま合算してはいけません。
-
問11.本支店合併財務諸表を作成するときは、本店の「支店」勘定と支店の「本店」勘定の残高を相殺消去し、合併貸借対照表には表示しない。
正解:○(正しい)
解説:正しい。支店勘定と本店勘定は企業内部の貸借を表す照合勘定なので、未達取引を整理して残高を一致させたうえで相殺消去します。
-
問12.本支店合併損益計算書を作成する際、本店から支店への商品売上は外部売上高として計上する。
正解:×(誤り)
解説:誤り。本支店間の内部取引(本店売上・支店仕入等)は内部取引であり、合併財務諸表上は「相殺消去」します。外部売上には計上しません。
-
問13.税効果会計の対象となる一時差異は、将来の課税所得の計算上、加算または減算される差異である。
正解:○(正しい)
解説:一時差異は会計上の利益と税務上の所得との差異のうち、将来解消するもので、税効果会計(繰延税金資産・負債)の対象となります。
-
問14.永久差異(受取配当金の益金不算入や交際費の損金不算入など)は、税効果会計の対象となる。
正解:×(誤り)
解説:誤り。永久差異は将来も解消しないため、税効果会計の対象外です。対象となるのは「一時差異」のみです。
-
問15.将来減算一時差異が発生した場合、原則として「繰延税金負債」を計上し、解消時に取り崩す。
正解:×(誤り)
解説:誤り。正しくは将来減算一時差異は「繰延税金資産」を計上します。繰延税金負債を計上するのは将来加算一時差異の場合です。
-
問16.その他有価証券の評価差額に税効果会計を適用するときは、相手勘定として「法人税等調整額」を用いる。
正解:×(誤り)
解説:誤り。その他有価証券の評価差額は損益計算書を通さず純資産に直接計上するため、税効果の相手勘定は「その他有価証券評価差額金」です(評価益なら借方:その他有価証券/貸方:繰延税金負債・その他有価証券評価差額金)。
-
問17.繰延税金資産と繰延税金負債は、納税主体が異なっていても、同一企業内であれば貸借対照表上必ず相殺して純額表示する。
正解:×(誤り)
解説:誤り。正しくは「同一の納税主体」に係る繰延税金資産・負債のみ相殺します。異なる納税主体間(連結子会社別など)は相殺できません。
-
問18.株主資本等変動計算書(S/S)は、貸借対照表の純資産の部の各項目について期首残高から期末残高への変動を表示する財務諸表であり、株式会社では会社法上の計算書類として作成が義務付けられている。
正解:○(正しい)
解説:正しい。株式会社の計算書類は貸借対照表・損益計算書・株主資本等変動計算書・個別注記表(会社法435条2項、会社計算規則59条1項)。持分会社は社員資本等変動計算書で、合名会社・合資会社では作成は任意(会社計算規則71条1項)。
-
問19.剰余金の配当を行った場合、利益準備金の積立は不要であり、配当額の全額を繰越利益剰余金から減額する。
正解:×(誤り)
解説:誤り。配当時には、資本準備金と利益準備金の合計が資本金の4分の1に達するまで、配当額の10分の1を利益準備金として積み立てる必要があります。
-
問20.親会社が子会社に土地(帳簿価額5,000,000円)を6,000,000円で売却し、子会社が期末に保有している。連結上は、土地売却益1,000,000円を消去し、土地を同額減額する。
正解:○(正しい)
解説:正しい。親会社から子会社への売却(ダウンストリーム)で生じた土地の未実現利益は全額消去します(借方:土地売却益1,000,000/貸方:土地1,000,000)。
-
問21.所有していた約束手形が不渡りとなり、振出人に支払を請求した。この請求に要した費用は「支払手数料」として費用処理する。
正解:×(誤り)
解説:誤り。不渡りとなった手形の金額と、償還請求に要した費用はあわせて「不渡手形」勘定(資産)で処理します。
-
問22.固定資産の改良により耐用年数が延長したり価値が増加したりする支出(資本的支出)は、修繕費とせず、その固定資産の取得原価に加算する。
正解:○(正しい)
解説:正しい。耐用年数の延長や価値の増加をもたらす資本的支出は固定資産の帳簿価額に加算し、現状を維持するための支出(収益的支出)は修繕費として費用処理する(法人税法施行令132条参照)。
-
問23.売買目的有価証券の期末評価で発生する評価差額は、その他有価証券評価差額金として純資産の部に直接計上する。
正解:×(誤り)
解説:誤り。売買目的有価証券の評価差額は「有価証券評価損益」として営業外損益(P/L)に計上します。純資産直入はその他有価証券です。
-
問24.その他有価証券の評価差額について、全部純資産直入法を採用する場合、評価差額は税効果を考慮したうえで「その他有価証券評価差額金」として純資産の部に計上する。
正解:○(正しい)
解説:その他有価証券は税効果(繰延税金資産・負債)を控除した後の純額をその他有価証券評価差額金として純資産の部に直接計上します。
-
問25.企業年金制度を採用している会社が、外部の年金基金に掛金を拠出したときは、退職給付引当金を減少させる。
正解:○(正しい)
解説:正しい。年金基金への掛金の拠出は将来の退職給付の支払に充てるものなので、(借方)退職給付引当金/(貸方)現金など と処理します。
-
問26.従業員の退職にあたり退職一時金を当座預金から支払ったときは、支払額の全額を退職給付費用として計上する。
正解:×(誤り)
解説:誤り。退職一時金の支払は、これまでに設定した退職給付引当金を取り崩して処理します(借方:退職給付引当金/貸方:当座預金)。費用は毎期の引当金の設定時(退職給付費用)に計上済みです。
-
問27.ファイナンス・リース取引のうち所有権移転外ファイナンス・リースは、リース期間を耐用年数、残存価額をゼロとして定額法等で減価償却する。
正解:○(正しい)
解説:所有権移転外ファイナンス・リースは、リース期間を耐用年数、残存価額をゼロとして減価償却します(所有権移転は自社固定資産と同様)。
-
問28.外貨建売掛金は、決算時に取得時の為替レート(HR)で換算するため、為替差損益は発生しない。
正解:×(誤り)
解説:誤り。外貨建金銭債権債務は決算時に「決算時レート(CR)」で換算替えし、その差額を為替差損益として計上します。
-
問29.収益認識に関する会計基準のもとでは、商品の販売時に売上割戻しを行うと見込まれる場合、割戻しの見込額は収益に含めず、返金負債として計上する。
正解:○(正しい)
解説:正しい。売上割戻しは変動対価にあたり、顧客に返金すると見込む額は収益として認識せず返金負債を計上する(収益認識基準50項・53項)。販売時は(借)売掛金(貸)売上・返金負債と処理する。
-
問30.本店が支店の損益計算結果(純利益)を本店帳簿に振り替える際、支店が利益を計上していれば本店側で「支店」勘定の貸方、「損益」勘定の借方に記入する。
正解:×(誤り)
解説:誤り。支店利益の振替は、本店側で「支店」勘定の借方(資産増)、「損益(総合損益)」勘定の貸方(利益受入)に記入します。
-
問31.連結会計上、子会社が利益剰余金を原資に親会社へ支払った配当金は、連結損益計算書上「受取配当金」として計上される。
正解:×(誤り)
解説:誤り。親子会社間の配当金は連結グループ内取引のため相殺消去します。連結P/Lの受取配当金には計上されません(剰余金処分の振替)。
-
問32.棚卸資産について、収益性の低下による簿価切下げを行った場合、原則として売上原価の内訳科目(または特別損失)として処理する。
正解:○(正しい)
解説:棚卸資産の収益性低下による評価損は、原則として売上原価に算入します。臨時かつ多額のものは特別損失とすることもあります。
-
問33.自社利用のソフトウェアは、無形固定資産に計上し、利用可能期間(原則として5年以内)にわたり残存価額ゼロの定額法で償却する。
正解:○(正しい)
解説:正しい。2級で扱うソフトウェアは自社利用の場合に限られ、定額法で償却します(研究開発費及びソフトウェアの会計処理に関する実務指針)。完成前の支出はソフトウェア仮勘定で処理します。
-
問34.研究開発費は、将来の収益との対応関係を重視し、すべて無形固定資産として計上後、規則的に償却する。
正解:×(誤り)
解説:誤り。研究開発費はその発生時点で将来の収益獲得が不確実なため、原則として「発生時に費用処理」します(資産計上不可)。
-
問35.研究開発目的で購入し、ほかの目的に転用できない機械装置の取得原価は、取得時に研究開発費として費用処理する。
正解:○(正しい)
解説:正しい。特定の研究開発目的にのみ使用され、ほかに転用できない機械装置などの取得原価は、取得時の研究開発費とします(研究開発費等に係る会計基準 注解1)。
-
問36.連結貸借対照表における「のれん」は、有形固定資産として表示し、連結損益計算書では「のれん償却額」を営業外費用として計上する。
正解:×(誤り)
解説:誤り。正しくはのれんは「無形固定資産」として表示し、のれん償却額は「販売費及び一般管理費」に計上します(営業外費用ではありません)。
-
問37.本店集中計算制度を採用している場合、A支店がB支店へ現金を送付したとき、A支店は(借)本店(貸)現金 と仕訳する。
正解:○(正しい)
解説:正しい。本店集中計算制度では、A支店は本店へ現金を送ったものとみなし、借方に「本店」勘定を記入します。受け取ったB支店は(借)現金(貸)本店 とします。
-
問38.税効果会計を適用した結果、損益計算書上の「法人税等」と「法人税等調整額」の合計は、税引前当期純利益に対する適正な税負担額を示すことになる。
正解:○(正しい)
解説:税効果会計の目的はP/Lの法人税等を適正な税負担額(≒税引前当期純利益×実効税率)にすることで、税引前利益と法人税等の対応関係を改善します。
-
問39.前期に設定した商品保証引当金のうち、保証期間が終了した分は「商品保証引当金戻入」として収益に計上する。
正解:○(正しい)
解説:正しい。保証期間が過ぎて使われなかった商品保証引当金は取り崩し、商品保証引当金戻入(収益)とします(借方:商品保証引当金/貸方:商品保証引当金戻入)。
-
問40.外貨建の買掛金に、取引発生後に為替予約を付した。振当処理では、買掛金は取引時のレートのまま換算しておき、決済時に予約レートとの差額を為替差損益とする。
正解:×(誤り)
解説:誤り。振当処理では、予約を付した時点で買掛金を予約レートで換算し直し、その差額を為替差損益とします。2級では為替予約差額の期間配分は行いません。
-
問41.リース取引において、リース料総額の現在価値が見積現金購入価額のおおむね90%以上である場合、ファイナンス・リース取引と判定される基準の1つを満たす。
正解:○(正しい)
解説:現在価値基準(90%以上)または経済的耐用年数基準(リース期間が経済的耐用年数の75%以上)のいずれかを満たせばファイナンス・リースです。
-
問42.オペレーティング・リース取引の借手は、リース資産・リース債務を計上し、リース料総額を期間配分する。
正解:×(誤り)
解説:誤り。オペレーティング・リースは「賃貸借処理」で、リース資産・債務は計上せず、支払時に支払リース料(費用)として処理します。
-
問43.株主総会の決議により、繰越利益剰余金を財源として別途積立金を積み立てた。別途積立金は貸借対照表上、資本剰余金に区分される。
正解:×(誤り)
解説:誤り。別途積立金は任意積立金で、利益剰余金のうち「その他利益剰余金」に区分されます(借方:繰越利益剰余金/貸方:別途積立金)。
-
問44.連結会計上、子会社が支配獲得後に獲得した利益剰余金のうち、非支配株主に帰属する部分は非支配株主持分に振り替える。
正解:○(正しい)
解説:支配獲得後の子会社利益のうち非支配株主持分相当額は、毎期「非支配株主に帰属する当期純利益」として計上し非支配株主持分を増加させます。
-
問45.株主資本等変動計算書では、資本金や繰越利益剰余金などの株主資本の各項目は当期変動額を変動事由ごとに記載し、その他有価証券評価差額金は当期変動額を原則として純額で記載する。
正解:○(正しい)
解説:正しい。企業会計基準第6号「株主資本等変動計算書に関する会計基準」第6項により、株主資本の各項目(資本金・資本剰余金・利益剰余金・自己株式)は当期変動額を変動事由(新株の発行、剰余金の配当、当期純利益など)ごとに表示する(会社計算規則96条7項も同旨)。一方、その他有価証券評価差額金など株主資本以外の項目は、同基準第8項により当期変動額を純額で表示し、主な変動事由ごとの金額の表示(注記による開示を含む)は任意である(会社計算規則96条8項)。
-
問46.売買目的有価証券について、洗替方式と切放方式のいずれかを選択適用できる。
正解:○(正しい)
解説:売買目的有価証券の期末評価差額の処理は、翌期首に振り戻す「洗替方式」と振り戻さない「切放方式」のいずれかを継続適用できます。
-
問47.利払日と利払日の間に公社債を購入したときは、直前の利払日の翌日から購入日までの利息(端数利息)を売主に支払い、「有価証券利息」勘定の借方に記入する。
正解:○(正しい)
解説:正しい。次の利払日には買主が半年分の利息を全額受け取るため、売主が持っていた期間の端数利息を購入時に支払い、有価証券利息の借方(収益の減少)とします。
-
問48.本支店合併損益計算書の作成にあたり、本店仕入勘定と支店売上勘定は通常同額となり、合併に際してこれらを相殺消去する。
正解:○(正しい)
解説:本店から支店への商品送付に係る「支店売上(本店側)」と「本店仕入(支店側)」は内部取引であり、合併財務諸表で相殺消去します。
-
問49.買掛金の支払いのため、保有する電子記録債権の譲渡記録を行った。このとき借方に「電子記録債務」を計上する。
正解:×(誤り)
解説:誤り。電子記録債権の譲渡は、手持ちの債権を手放して買掛金を減らす取引なので、(借方)買掛金/(貸方)電子記録債権 と処理します。電子記録債務は自社が債務者となる場合の勘定です。
-
問50.国庫補助金で取得した固定資産について直接控除方式の圧縮記帳を行うときは、補助金相当額を固定資産圧縮損(費用)に計上し、同額だけ固定資産の帳簿価額を減らす。
正解:○(正しい)
解説:正しい。受け取った補助金は国庫補助金受贈益(収益)とし、取得した固定資産は(借方)固定資産圧縮損 /(貸方)機械装置など として補助金相当額を取得原価から直接減らす。以後の減価償却は圧縮後の帳簿価額をもとに行う。
-
問51.サービス業で、役務の提供前に発生した給料などの費用を役務原価に対応させるため一時的に集計しておく勘定は「前払費用」である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。役務の提供前に発生した費用は「仕掛品」勘定に集計し、役務収益を計上したときに「役務原価」へ振り替えます。
-
問52.外貨建取引で輸出を行い、後日代金を外貨で受領した場合、取引時レートと決済時レートの差額は「為替差損益」として営業外損益に計上する。
正解:○(正しい)
解説:決済時に発生する取引時レートと決済時レートの差額は為替差損益(営業外損益)として処理します。
-
問53.連結財務諸表は毎期、親会社と子会社の個別財務諸表をもとに作成するため、前期までに行った連結修正仕訳は、当期に「開始仕訳」として改めて行う必要がある。
正解:○(正しい)
解説:正しい。連結修正仕訳は個別の帳簿には記入されないため、前期までの修正を開始仕訳として再度行います。このとき利益剰余金は「利益剰余金当期首残高」として処理します。
-
問54.連結会計において、親会社が子会社株式の100%を所有している完全子会社の場合でも、非支配株主持分は最低限の金額(資本金の10%)として計上される。
正解:×(誤り)
解説:誤り。正しくは完全子会社(100%所有)では非支配株主が存在しないため、非支配株主持分は「発生しません(0円)」。最低額の計上ルールは存在しません。
-
問55.P社はS社の発行済株式の80%を200,000円で取得し支配を獲得した。取得日のS社純資産は時価評価後で230,000円であった。生じる「のれん」の金額はいくらか。
- ア.A:16,000円
- イ.B:20,000円
- ウ.C:24,000円
- エ.D:30,000円
正解:ア.A:16,000円
解説:親会社持分=230,000×80%=184,000円。投資200,000円との差額200,000−184,000=16,000円が「のれん」となります。
-
問56.P社はS社株式の70%を所有している。S社の当期純利益が100,000円であった場合、連結損益計算書上の「非支配株主に帰属する当期純利益」はいくらか。
- ア.A:20,000円
- イ.B:30,000円
- ウ.C:50,000円
- エ.D:70,000円
正解:イ.B:30,000円
解説:非支配株主持分比率=1−0.70=30%。100,000×30%=30,000円が非支配株主に帰属する当期純利益となります。
-
問57.親会社が子会社に商品100,000円(原価80,000円)を販売し、子会社は期末に外部未販売のまま全額在庫として保有している(ダウンストリーム)。連結修正で消去すべき未実現利益はいくらか。
- ア.A:10,000円
- イ.B:15,000円
- ウ.C:20,000円
- エ.D:25,000円
正解:ウ.C:20,000円
解説:未実現利益=売上100,000−原価80,000=20,000円。ダウンストリームのため全額消去し全額を親会社負担とします。
-
問58.のれん40,000円を当期首に計上し、効果の及ぶ期間を20年と見積もり定額法で償却する場合、当期の「のれん償却額」はいくらか。
- ア.A:1,000円
- イ.B:1,500円
- ウ.C:1,800円
- エ.D:2,000円
正解:エ.D:2,000円
解説:のれん40,000円÷20年=2,000円。販売費及び一般管理費に「のれん償却額」として計上します。
-
問59.S社(P社が80%所有)は当期にP社へ商品を販売し、当期末にP社が保有する商品(期末棚卸資産)に未実現利益25,000円が含まれている(アップストリーム取引)。この未実現利益のうち、非支配株主に負担させる金額はいくらか。
- ア.A:5,000円
- イ.B:7,500円
- ウ.C:10,000円
- エ.D:20,000円
正解:ア.A:5,000円
解説:アップストリームの未実現利益は持分比率で按分。非支配株主持分20%。25,000×20%=5,000円を非支配株主負担とします。
-
問60.本店集中計算制度を採用している。A支店はB支店に現金50,000円を送付し、B支店はこれを受け取った。本店の仕訳として正しいものはどれか。
- ア.(借)A支店50,000(貸)B支店50,000
- イ.(借)B支店50,000(貸)A支店50,000
- ウ.(借)A支店50,000(貸)現金50,000
- エ.(借)現金50,000(貸)B支店50,000
正解:イ.(借)B支店50,000(貸)A支店50,000
解説:A支店は(借)本店(貸)現金、B支店は(借)現金(貸)本店 と記帳します。本店集中計算制度では、支店間の取引を、本店と各支店との取引とみなして本店でも記帳します。本店から見ると、B支店に対する債権が増え、A支店に対する債権が減る(A支店が債権者の立場になる)ので、(借)B支店50,000(貸)A支店50,000 と仕訳します。貸借を逆にした仕訳は誤りです。現金は支店間で動いただけで本店の現金は増減しないので、本店の仕訳に現金勘定は出てきません。
根拠: 日本商工会議所「第137回簿記検定試験 2級 出題の意図・講評」 第1問 1.(本店集中計算制度:本店から見ていずれの支店が債権者・債務者となるか、貸借逆の誤り) / 日本商工会議所「商工会議所簿記検定試験 出題区分表」(商業簿記) 第五 本支店会計 2.本支店間取引の処理(PDF 4枚目)
-
問61.本店から支店へ現金150,000円を送付したが、決算日現在、支店未達である。支店側で行うべき未達取引整理仕訳として正しいものはどれか。
- ア.A:(借)本店 150,000 / (貸)現金 150,000
- イ.B:(借)支店 150,000 / (貸)本店 150,000
- ウ.C:(借)現金 150,000 / (貸)本店 150,000
- エ.D:(借)現金 150,000 / (貸)支店 150,000
正解:ウ.C:(借)現金 150,000 / (貸)本店 150,000
解説:支店未達のため、支店側で現金到着・本店勘定計上を整理。(借)現金150,000/(貸)本店150,000が正解です。
-
問62.将来減算一時差異が30,000円発生した。法定実効税率30%の場合、計上すべき繰延税金資産と法人税等調整額の組合せとして正しいものはどれか。
- ア.A:繰延税金資産9,000円・法人税等調整額(借方)9,000円
- イ.D:繰延税金負債9,000円・法人税等調整額(貸方)9,000円
- ウ.C:繰延税金負債9,000円・法人税等調整額(借方)9,000円
- エ.B:繰延税金資産9,000円・法人税等調整額(貸方)9,000円
正解:エ.B:繰延税金資産9,000円・法人税等調整額(貸方)9,000円
解説:将来減算一時差異は繰延税金資産(借方)を計上し、相手勘定は「法人税等調整額」貸方(費用減)。30,000×30%=9,000円。
-
問63.前期発生の将来減算一時差異20,000円が当期に解消した。法定実効税率30%の場合、当期に行うべき税効果会計の仕訳として正しいものはどれか。
- ア.B:(借)法人税等調整額 6,000 / (貸)繰延税金資産 6,000
- イ.A:(借)繰延税金資産 6,000 / (貸)法人税等調整額 6,000
- ウ.C:(借)繰延税金負債 6,000 / (貸)法人税等調整額 6,000
- エ.D:(借)法人税等調整額 6,000 / (貸)繰延税金負債 6,000
正解:ア.B:(借)法人税等調整額 6,000 / (貸)繰延税金資産 6,000
解説:将来減算一時差異の解消時は繰延税金資産(貸方)を取り崩し、相手勘定は法人税等調整額(借方)。20,000×30%=6,000円。
-
問64.資本金10,000,000円、資本準備金1,500,000円、利益準備金500,000円の会社が、繰越利益剰余金を原資に現金配当2,000,000円を行う。積み立てるべき利益準備金の額はいくらか。
- ア.A:100,000円
- イ.D:200,000円
- ウ.C:500,000円
- エ.B:300,000円
正解:イ.D:200,000円
解説:資本金1/4=2,500,000円、既存準備金合計2,000,000円のため積立上限枠は500,000円。「配当額×1/10=200,000円」と「準備金不足額500,000円」のいずれか小さい額200,000円を利益準備金として積み立てます。
-
問65.株主総会の決議により、その他資本剰余金300,000円を資本金に組み入れた。仕訳として正しいものはどれか。
- ア.(借)資本金300,000(貸)その他資本剰余金300,000
- イ.(借)その他資本剰余金300,000(貸)資本準備金300,000
- ウ.(借)その他資本剰余金300,000(貸)資本金300,000
- エ.(借)繰越利益剰余金300,000(貸)資本金300,000
正解:ウ.(借)その他資本剰余金300,000(貸)資本金300,000
解説:株主資本の計数の変動です。その他資本剰余金を減らして資本金を増やすので、借方その他資本剰余金・貸方資本金となります。会社の外部との取引ではないため、現金などは動きません。
-
問66.当期首に国庫補助金300,000円を受け取り、機械1,000,000円を取得して直ちに使用を開始した。補助金相当額について直接減額方式による圧縮記帳を行う。耐用年数5年・残存価額ゼロ・定額法の場合、当期の減価償却費はいくらか。
- ア.A:60,000円
- イ.B:140,000円
- ウ.C:200,000円
- エ.D:260,000円
正解:イ.B:140,000円
解説:直接減額方式では、補助金相当額300,000円を固定資産圧縮損として機械の取得原価から直接減額する。減価償却は圧縮後の700,000円(=1,000,000-300,000)を基礎とするので、700,000÷5年=140,000円。
-
問67.その他有価証券(取得原価300,000円、期末時価340,000円)について、全部純資産直入法で評価する。法定実効税率30%の場合、計上すべき「その他有価証券評価差額金」はいくらか。
- ア.C:28,000円
- イ.B:24,000円
- ウ.A:12,000円
- エ.D:40,000円
正解:ア.C:28,000円
解説:評価差額40,000円。税効果分(繰延税金負債)40,000×30%=12,000円を控除。40,000−12,000=28,000円が評価差額金です。
-
問68.商品売買を「販売のつど売上原価勘定に振り替える方法」で記帳している。原価60,000円の商品を80,000円で掛けで販売した。仕訳として正しいものはどれか。
- ア.(借)売掛金80,000(貸)商品60,000・商品売買益20,000
- イ.(借)売掛金80,000(貸)売上80,000/(借)売上原価60,000(貸)商品60,000
- ウ.(借)売掛金80,000(貸)売上80,000/(借)仕入60,000(貸)繰越商品60,000
- エ.(借)売掛金80,000(貸)売上80,000/(借)商品60,000(貸)売上原価60,000
正解:イ.(借)売掛金80,000(貸)売上80,000/(借)売上原価60,000(貸)商品60,000
解説:この方法では、販売時に売上を計上するとともに、販売した商品の原価を商品勘定から売上原価勘定へ振り替えます(借方:売掛金80,000/貸方:売上80,000、借方:売上原価60,000/貸方:商品60,000)。
-
問69.X1年4月1日にファイナンス・リース契約(所有権移転外)を締結。リース料総額600,000円(年額120,000円×5年)、見積現金購入価額550,000円、リース料総額の現在価値570,000円。借手のリース資産計上額はいくらか。
- ア.A:500,000円
- イ.C:570,000円
- ウ.B:550,000円
- エ.D:600,000円
正解:ウ.B:550,000円
解説:所有権移転外ファイナンス・リースは「現在価値570,000円」と「見積現金購入価額550,000円」のいずれか低い額。よって550,000円。
-
問70.外貨建売掛金10,000ドル(取引時レート1ドル140円)が決算日現在未決済である。決算時レート1ドル145円の場合、計上すべき為替差損益はいくらか。
- ア.D:為替差損5,000円
- イ.B:為替差損50,000円
- ウ.C:為替差益5,000円
- エ.A:為替差益50,000円
正解:エ.A:為替差益50,000円
解説:売掛金(資産)の決算時換算額10,000×145=1,450,000円、帳簿価額10,000×140=1,400,000円。差額50,000円は資産増加のため「為替差益」。
-
問71.P社はS社の発行済株式の60%を取得し支配を獲得した。取得日のS社の資本金は300,000円、利益剰余金は200,000円であった。連結上、計上する非支配株主持分はいくらか。
- ア.120,000円
- イ.200,000円
- ウ.300,000円
- エ.80,000円
正解:イ.200,000円
解説:子会社の資本合計(300,000+200,000=500,000円)のうち、親会社以外の株主の持分40%が非支配株主持分です。500,000×40%=200,000円。
-
問72.X1年10月1日に自社利用目的のソフトウェア600,000円を取得し、ただちに利用を開始した。利用可能期間5年、残存価額ゼロの定額法で償却する。X2年3月31日(決算日)の償却額はいくらか。
- ア.60,000円
- イ.120,000円
- ウ.30,000円
- エ.50,000円
正解:ア.60,000円
解説:年間の償却額は600,000÷5年=120,000円。当期の利用期間は10月〜3月の6か月なので、120,000×6/12=60,000円です。
-
問73.新株を発行し1株200円で5,000株を発行、払込金額の全額を当座預金とした。会社法の最低資本組入額に従う場合、資本準備金の最大計上額はいくらか。
- ア.A:0円
- イ.B:250,000円
- ウ.D:500,000円
- エ.C:1,000,000円
正解:ウ.D:500,000円
解説:払込金額1,000,000円のうち、会社法上資本金組入は最低1/2=500,000円。残額500,000円までを資本準備金として計上可能(最大)。
-
問74.P社(S社株式80%所有)はS社に対して売掛金80,000円、買掛金50,000円を有している(S社側も同額の逆債権債務を計上)。連結修正仕訳として正しいものはどれか。
- ア.(借)売掛金 80,000・売掛金 50,000 / (貸)買掛金 80,000・買掛金 50,000
- イ.(借)買掛金 80,000・売掛金 50,000 / (貸)売掛金 80,000・買掛金 50,000
- ウ.(借)売掛金 80,000・買掛金 50,000 / (貸)買掛金 80,000・売掛金 50,000
- エ.(借)買掛金 80,000・買掛金 50,000 / (貸)売掛金 80,000・売掛金 50,000
正解:エ.(借)買掛金 80,000・買掛金 50,000 / (貸)売掛金 80,000・売掛金 50,000
解説:連結会社相互間の債権と債務は相殺消去する。P社の売掛金80,000円とS社の買掛金80,000円、S社の売掛金50,000円とP社の買掛金50,000円がそれぞれ対応するので、負債の買掛金を借方、資産の売掛金を貸方に記入して両方を消す。仕訳は (借)買掛金80,000・買掛金50,000/(貸)売掛金80,000・売掛金50,000 で、まとめれば (借)買掛金130,000/(貸)売掛金130,000 となる。売掛金を借方・買掛金を貸方にすると、債権・債務を消すどころか増やしてしまう。1組だけ貸借を逆にした仕訳も、その組の債権・債務がかえって増えるので誤り。S社株式の所有割合(80%)にかかわらず、連結会社間の債権・債務は全額を消去する。
-
問75.本店は支店に商品80,000円(原価)を発送し、支店はこれを受け取った。支店側の仕訳として正しいものはどれか(「本店より仕入」「支店へ売上」の勘定は用いない)。
- ア.(借)本店80,000(貸)仕入80,000
- イ.(借)仕入80,000(貸)支店80,000
- ウ.(借)仕入80,000(貸)本店80,000
- エ.(借)商品80,000(貸)買掛金80,000
正解:ウ.(借)仕入80,000(貸)本店80,000
解説:支店は商品を受け入れたので借方に「仕入」を、本店から受け入れた分だけ本店勘定を増やすため貸方に「本店」を記入します。本店側の仕訳は(借)支店(貸)仕入 です。