登録販売者「人体の構造と働き」の出題ポイント解説
登録販売者試験の第2章「人体の働きと医薬品」は、解剖生理学と薬物動態学を統合的に問う分野です。全120問中20問出題され、各臓器の構造・機能、医薬品の吸収・分布・代謝・排泄、副作用の発生機序まで幅広い知識が求められます。
この章の重要度
第2章は暗記量が多く理系的背景を要するため多くの受験者がつまずく難所。20問中7問の足切りをクリアしつつ、消化器・循環器・感覚器等の頻出分野で着実に得点することが合格の鍵です。第3章「医薬品」との関連が深く、横断的に学習すると効率的。
頻出トピック一覧
1. 消化器系の構造と働き
口腔(唾液アミラーゼ)→食道→胃(ペプシン・塩酸)→小腸(十二指腸:膵液・胆汁)→回腸で栄養吸収→大腸(水分吸収)→肛門。消化酵素:アミラーゼ(炭水化物)・ペプシン、トリプシン(タンパク質)・リパーゼ(脂質)の対応は必出。
2. 肝臓・胆嚢・膵臓
肝臓:代謝・解毒・胆汁産生・グリコーゲン貯蔵。胆嚢:胆汁を濃縮・貯蔵、食後に十二指腸へ放出。膵臓:膵液(アミラーゼ・リパーゼ・トリプシノーゲン)と血糖調節ホルモン(インスリン・グルカゴン)を分泌する外分泌+内分泌器官。
3. 呼吸器系
鼻腔→咽頭→喉頭→気管→気管支→肺胞でガス交換。肺胞でのO₂取込・CO₂排出。呼吸中枢は延髄。咳中枢の抑制(鎮咳薬)、気管支拡張(β2刺激)などの作用部位と結びつけて覚えます。
4. 循環器系(心臓・血管)
心臓の4つの部屋(右心房・右心室・左心房・左心室)と肺循環・体循環。動脈=心臓から出る血管(酸素豊富=肺動脈以外)、静脈=心臓に戻る血管。血液:赤血球(O₂運搬)・白血球(免疫)・血小板(止血)・血漿。
5. 泌尿器系・生殖器系
腎臓→尿管→膀胱→尿道で尿排泄。腎臓のネフロン(糸球体+尿細管)で濾過・再吸収。医薬品の排泄経路として重要。副腎(腎臓上部)からアドレナリン・コルチゾールを分泌。
6. 感覚器系(目・耳・鼻・皮膚)
目:角膜→水晶体→網膜(視細胞)・毛様体(遠近調節)。耳:外耳(集音)→中耳(耳小骨で増幅)→内耳(蝸牛で音→電気信号、前庭・半規管で平衡感覚)。皮膚:表皮・真皮・皮下組織。
7. 神経系(中枢・末梢・自律)
中枢神経=脳・脊髄、末梢神経=体性神経(運動・感覚)+自律神経。自律神経:交感神経(戦闘モード、アドレナリン・ノルアドレナリン)+副交感神経(休息モード、アセチルコリン)。この対応は第3章の薬理で多用されます。
8. 薬物動態(ADME)
A吸収(Absorption)→D分布(Distribution)→M代謝(Metabolism、主に肝臓CYP酵素)→E排泄(Excretion、主に腎臓)。初回通過効果(経口薬が肝臓で代謝される現象)、血液脳関門、血漿タンパク結合など。
覚え方のコツ
人体分野攻略は「器官ごとに地図+機能+関連薬剤」の3点セットで学ぶのが鉄板。例:「胃→塩酸・ペプシン分泌→H2ブロッカー・PPIで抑制」と紐づけると第3章の薬剤理解が同時進行。自律神経の交感/副交感の二分法は必ず表化して覚える:交感(瞳孔散大・心拍↑・気管支拡張・消化抑制)vs副交感(瞳孔縮小・心拍↓・気管支収縮・消化促進)。この対応を即答できれば、風邪薬の抗コリン成分の副作用(口渇・便秘・排尿困難)も理論から導けます。薬物動態のADMEは頭文字語呂で記憶し、「初回通過効果で経口は肝臓代謝大、注射は代謝回避」という定番比較を押さえます。
よくあるひっかけ
人体分野のひっかけ。①動脈と静脈の定義:心臓から出るのが動脈、戻るのが静脈で、酸素量ではなく「流れる向き」で定義。肺動脈は静脈血を運ぶ例外。②消化酵素の対応:アミラーゼ=炭水化物、ペプシン=タンパク質、リパーゼ=脂質を取違え。③交感神経作用:瞳孔散大が交感(戦闘時は遠くを見る)、縮小は副交感で逆。④呼吸中枢:延髄にあり、大脳ではない。⑤胆嚢の役割:胆汁の貯蔵・濃縮であり、胆汁自体の産生は肝臓。⑥膵臓の外分泌・内分泌:両方の機能を持つ、外分泌のみではない。⑦初回通過効果:経口薬で起こる、注射薬では回避される。⑧血漿タンパク結合:結合型は薬理作用を発揮せず遊離型のみ活性、逆は誤り。⑨腎代謝・肝代謝:代謝は主に肝臓、排泄は主に腎臓。
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