消防設備士甲種3類「粉末消火設備・規格」出題ポイント解説
消防設備士甲種3類で扱う粉末消火設備の頻出論点を整理します。最重要は粉末消火剤4種の物質名・色・適応火災で、なかでも第3種(リン酸アンモニウム・淡紅色・ABC火災)が汎用薬剤として頻出です。あわせて消火原理、加圧式/蓄圧式の構成、定圧作動装置、加圧用ガス、クリーニング装置を、施行令第18条とともに解説します。
※受験料・試験日程・合格基準・法令の数値は改定される場合があります。最新情報は必ず一般財団法人 消防試験研究センターの公式サイトでご確認ください。
粉末消火剤4種(最頻出)
物質名・色・適応火災の3点セットで暗記します。第3種だけがABC火災に対応する点が最大のポイントです。
| 種別 | 主成分 | 色 | 適応火災 |
|---|---|---|---|
| 第1種 | 炭酸水素ナトリウム(NaHCO3) | 白色 | BC火災 |
| 第2種 | 炭酸水素カリウム(KHCO3) | 紫色(淡紫) | BC火災 |
| 第3種 | リン酸アンモニウム(NH4H2PO4) | 淡紅色(ピンク) | ABC火災(A火災にも有効) |
| 第4種 | 炭酸水素カリウム+尿素 | 灰色 | BC火災 |
覚え方の軸は「第3種だけがABC(普通火災Aにも有効)で淡紅色」です。第1・2・4種はいずれもBC火災(油B・電気C)向け。色は「1=白/2=紫/3=淡紅/4=灰」と並べて反復します。A火災(普通火災)に有効なのは第3種のみ、という問いは定番です。
火災の区分の確認
- A火災:木材・紙・繊維などの普通火災。
- B火災:油火災(引火性液体等)。
- C火災:電気火災(通電中の電気設備)。
消火原理
粉末消火設備の消火原理は負触媒(抑制作用)+窒息です。
- 負触媒(抑制):燃焼の連鎖反応(ラジカルの連鎖)を粉末が止める作用。ハロゲン化物と共通の主作用です。
- 窒息:熱分解で生じるガスや粉末の被膜が酸素の供給を妨げる作用。
3設備の原理は「不活性ガス=窒息/ハロゲン化物=負触媒/粉末=負触媒+窒息」とセットで整理します。
加圧式と蓄圧式
粉末を放出するための加圧の仕組みで2方式に分かれます。
| 方式 | 加圧の仕組み | 特徴 |
|---|---|---|
| 加圧式 | 放出時に加圧用ガス容器のガスを送り込んで薬剤を加圧 | 定圧作動装置で規定圧に達してから放出。加圧用ガスは窒素またはCO2。 |
| 蓄圧式 | あらかじめ薬剤とともに加圧ガスを容器内に蓄えておく | 常時圧力がかかっているため圧力計で常時監視。 |
定圧作動装置
定圧作動装置は加圧式に用いられる重要部品です。加圧用ガスで薬剤タンク内が加圧され、規定の圧力に達したことを検知してから放出弁を開く役割を持ちます。圧力不足のまま放出して薬剤が管内に詰まる(不完全放出)ことを防ぎ、確実に必要量を送り出すための装置です。鑑別でも器具名・用途がよく問われます。
加圧用ガスとクリーニング装置
- 加圧用ガス:加圧式で薬剤を押し出すガス。窒素またはCO2が用いられます。
- クリーニング装置:放出後、配管・噴射ヘッド内に残った粉末を加圧ガスで吹き飛ばして除去する装置。残粉の固着による次回放出不良を防ぎます。粉末設備に固有の構成要素として押さえます。
設置基準(施行令第18条)
粉末消火設備の技術基準は施行令第18条に定められ、全域・局所放出方式の噴射ヘッドは第16条(不活性ガス消火設備)の例によるとされます。したがって全域放出方式では、不活性ガスと同様に不燃材料での区画と開口部の自動閉鎖装置が基本になります。移動式のホース接続口の規定も置かれます。
- 全域放出方式:区画+開口部の自動閉鎖装置(16条の例)。
- 局所放出方式:防護対象物に直接放射。
- 移動式:ホースを人が操作。
関連情報
不活性ガス・ハロゲン化物との原理・貯蔵方式の対比は不活性ガス・ハロゲン化物消火設備で、定圧作動装置・加圧用ガス容器などの器具の見分けは鑑別・製図(実技)で確認できます。
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