応用情報技術者 全分野の一問一答
📖 応用情報技術者「全分野」の全718問と解説(一覧)
応用情報技術者の全分野に関する一問一答(全718問)の正解と解説の一覧です。上の一問一答で実際に解いてから、ここで復習・確認できます。
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問1.リレーショナルデータベースの外部キー制約を設定しても、親表の削除時の挙動はCASCADE/SET NULL/RESTRICT等から選べる。
正解:○(正しい)
解説:ON DELETE句で参照整合性違反時の挙動を指定できます。
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問2.推移的関数従属はA→B、B→Cが成立するときA→Cが直接成立することを言う。
正解:×(誤り)
解説:誤り。推移的関数従属は「A→C」(A→B→C経由で間接的に成立、第3正規形で排除)。
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問3.SQLのウィンドウ関数(OVER句)は、集計値を元の行に残しながら計算できる機能である。
正解:○(正しい)
解説:ROW_NUMBER()、RANK()、SUM() OVER(PARTITION BY...)などがあります。
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問4.共有ロックは他の共有ロックと両立せず、排他ロックのみと両立する。
正解:×(誤り)
解説:誤り。共有ロック同士は「両立する」(読み取り並行可)、排他ロックは「他の一切と両立しない」(記述が逆)。
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問5.トランザクション分離レベルでファントムリードが発生しないのはREAD UNCOMMITTEDである。
正解:×(誤り)
解説:誤り。ファントムリードを防ぐ最高レベルは「SERIALIZABLE」(READ UNCOMMITTEDが最低、ファントム発生)。
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問6.データベースのB+木インデックスは、葉ノードにデータまたはデータへのポインタを格納し、葉同士をリンクリストで連結した構造である。
正解:○(正しい)
解説:B+木は範囲検索に強く、多くのRDBMSのデフォルトインデックスです。
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問7.NoSQLは水平スケールが困難な代わりに、SQL文との互換性が高い。
正解:×(誤り)
解説:誤り。NoSQLは「水平スケールしやすい」、SQL互換は限定的(水平スケール困難ではない)。
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問8.リレーショナルデータベースの第3正規形の条件として正しいものはどれか。
- ア.繰返し項目がない
- イ.推移的関数従属がない
- ウ.部分関数従属がない
- エ.結合従属がない
正解:イ.推移的関数従属がない
解説:3NFは推移的関数従属の排除が条件です。繰返しなしは1NF、部分関数従属なしは2NFです。
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問9.SQLのトランザクション分離レベルで、ダーティリードが発生しうる最も低い分離レベルはどれか。
- ア.REPEATABLE READ
- イ.READ COMMITTED
- ウ.READ UNCOMMITTED
- エ.SERIALIZABLE
正解:ウ.READ UNCOMMITTED
解説:READ UNCOMMITTEDでは未コミットデータを読めるためダーティリードが発生します。
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問10.B+木インデックスが苦手とする検索パターンはどれか。
- ア.等価検索
- イ.範囲検索
- ウ.前方一致検索
- エ.後方一致(LIKE '%xxx')検索
正解:エ.後方一致(LIKE '%xxx')検索
解説:後方一致はインデックスの順序を活かせず全走査になりがちです。
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問11.CAP定理で、ネットワーク分断時に一貫性を捨てて可用性を優先するシステム分類はどれか。
- ア.APシステム
- イ.CPシステム
- ウ.CAシステム
- エ.ACIDシステム
正解:ア.APシステム
解説:AP(Availability+Partition tolerance)は結果整合性で可用性優先です。
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問12.完全関数従属は第2正規形で求められる条件なので、第3正規形の表では非キー属性が主キーに完全関数従属していなくてもよい。
正解:×(誤り)
解説:誤り。第3正規形は第2正規形を満たしたうえで、非キー属性が主キーに推移的に関数従属しない(非キー属性どうしの関数従属が無い)状態をいう。したがって第2正規形の条件である「非キー属性が主キーに完全関数従属すること」は、第3正規形でも当然に満たされている。
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問13.SQLのトランザクションのACID特性とは、原子性・一貫性・独立性・耐久性の4つの性質である。
正解:○(正しい)
解説:ACID:Atomicity・Consistency・Isolation・Durability。DBMSの信頼性を支える基本特性。
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問14.インデックスは、検索を高速化するためのデータ構造(B木・ハッシュ等)である。
正解:○(正しい)
解説:インデックス:検索高速化の代償として更新・挿入時のオーバーヘッド増。WHEREに頻出する列に作成すると効果的。
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問15.NoSQLデータベースは、リレーショナルモデルではなく、キー-バリュー型・ドキュメント型・グラフ型等の柔軟なデータモデルを持つ。
正解:○(正しい)
解説:NoSQL:Redis(KV)・MongoDB(ドキュメント)・Neo4j(グラフ)等。スケーラビリティ高、ACIDより BASE特性。
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問16.データベースの媒体障害が発生したとき、バックアップファイルを復元した後に、ログファイルの更新後情報を使って障害発生直前の状態まで回復させる処理はどれか。
- ア.ロールバック
- イ.ロールフォワード
- ウ.シャドウページング
- エ.2相コミット
正解:イ.ロールフォワード
解説:媒体障害ではバックアップを復元し、更新後ログでロールフォワード(フォワードリカバリ)する。ロールバックは更新前ログで未完了のトランザクションを取り消す処理、シャドウページングは更新前のページを残して取消しに備える方式、2相コミットは分散トランザクションの確定手順である。
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問17.SQLのINNER JOINは、両テーブルで結合条件に一致する行のみを返す結合方法である。
正解:○(正しい)
解説:INNER JOIN:両テーブル該当のみ。LEFT/RIGHT OUTER JOINは片方の全件+結合相手、FULL OUTER JOINは両方の全件。
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問18.LEFT OUTER JOINは、右テーブルの全行を返し、左テーブルで一致しない行はNULLとなる。
正解:×(誤り)
解説:誤り。LEFT OUTER JOINは「左テーブルの全行返し、右で一致しない行はNULL」(記述が逆)。
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問19.DBの主キー(PRIMARY KEY)制約は、レコードを一意に識別するための制約である。
正解:○(正しい)
解説:主キー:UNIQUE+NOT NULL。各テーブル1つだけ。複数列の組合せ(複合主キー)も可。
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問20.DBの外部キー(FOREIGN KEY)制約は、参照先テーブルに存在しない値を防ぎ、参照整合性を保証する。
正解:○(正しい)
解説:外部キー:参照整合性制約。CASCADE・SET NULL・RESTRICT等の動作指定可。RDBの関係性を保証する重要制約。
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問21.次のJOINのうち、両テーブルの該当行のみ返すものはどれか。
- ア.INNER JOIN
- イ.LEFT OUTER JOIN
- ウ.RIGHT OUTER JOIN
- エ.FULL OUTER JOIN
正解:ア.INNER JOIN
解説:INNER JOIN:両テーブル該当のみ。OUTER JOIN系はNULLを含めて返す。
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問22.BASE 特性を満たし,次の特徴をもつ NoSQL データベースシステムに関する記述のうち,適切なものはどれか。 〔NoSQL データベースシステムの特徴〕 ・ネットワーク上に分散した複数のノードから構成される。 ・一つのノードでデータを更新した後,他の全てのノードにその更新を反映する。
- ア.クライアントからの更新要求を2相コミットによって全てのノードに反映する。
- イ.データの更新結果は,システムに障害がなければ,いつかは全てのノードに反映される。
- ウ.同一の主キーの値による同時の参照要求に対し,全てのノードは同じ結果を返す。
- エ.ノード間のネットワークが分断されると,クライアントからの処理要求を受け付けなくなる。
正解:イ.データの更新結果は,システムに障害がなければ,いつかは全てのノードに反映される。
解説:BASE 特性は Basically Available(基本的に利用できる),Soft state(状態は変化しうる),Eventual consistency(結果整合性)の頭文字で,「今すぐ全ノードが一致していなくてよいが,最終的には一致する」という考え方である。よって答はイ。アの2相コミットは,全ノードの合意を取ってから確定する厳密な方式で,これは ACID 特性を重んじる関係データベース側の考え方であり,BASE とは反対の性質になる。ウは「同時の参照でどのノードも同じ結果を返す」=強い一貫性の説明で,更新がまだ伝わっていないノードは古い値を返すという結果整合性と矛盾する。エは,ネットワークが分断されたら要求を受け付けないという可用性を犠牲にする振る舞いで,「基本的に利用できる」に反する。CAP定理でいえば,この種の NoSQL は一貫性より可用性と分断耐性を優先する側に立つ。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問26
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問23.“売上”表への次の検索処理のうち,B⁺木インデックスよりもハッシュインデックスを設定した方が適切なものはどれか。ここで,インデックスを設定する列を<>内に示す。 売上(伝票番号,売上年月日,商品名,利用者ID,店舗番号,売上金額)
- ア.売上金額が1万円以上の売上を検索する。<売上金額>
- イ.売上年月日が今月の売上を検索する。<売上年月日>
- ウ.商品名が‘DB’で始まる売上を検索する。<商品名>
- エ.利用者IDが‘1001’の売上を検索する。<利用者ID>
正解:エ.利用者IDが‘1001’の売上を検索する。<利用者ID>
解説:ハッシュインデックスは,値をハッシュ関数で位置に変換して1回で目的の行にたどり着く仕組みなので,「=」で1つの値をぴったり指定する等価検索に強い。逆に,ハッシュ値は元の値の大小関係も並び順も保たないため,範囲検索や前方一致には使えない。選択肢のうち等価検索は利用者IDが‘1001’のエだけなので,答はエ。アは1万円以上という範囲検索,イは今月という期間の範囲検索で,どちらも「ある値以上・以下」を並び順にそってたどる必要がある。ウは‘DB’で始まるという前方一致で,これも先頭から並んだ順序を利用する検索である。ア・イ・ウのように順序を使う検索では,キーを大小順に木構造で並べる B⁺木インデックスが適している。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問27
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問24.関係データベースのビューに関する記述のうち,適切なものはどれか。
- ア.ビューの列名は,基の表の列名と異なる名称で定義することができる。
- イ.ビューは,基の表から指定した列を抜き出すように定義するものであり,行を抜き出すように定義することはできない。
- ウ.二つ以上の表の結合によって定義されたビューは,結合の仕方によらず更新操作ができる。
- エ.和両立な二つの表に対し,和集合演算を用いてビューを定義することはできない。
正解:ア.ビューの列名は,基の表の列名と異なる名称で定義することができる。
解説:ビューは SELECT 文に名前を付けて表のように扱えるようにしたものである。定義のときに列に別名を付けられるので,基の表と違う列名にできる。よって答はア。イは誤りで,ビューの定義には WHERE 句を書けるから,条件に合う行だけを抜き出すビューも当然作れる。列だけでなく行も絞り込めるのがビューの基本的な使い道の一つである。ウも誤りで,複数の表を結合したビューは,更新しようとしたときにどの基の表のどの行を直せばよいか一意に決まらないことがあり,そうした場合は更新できない。更新できるビューには条件がある。エも誤りで,和両立(列の数と対応する列のデータ型がそろっていること)ならば UNION を使ったビューを定義できる。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問28
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問25.RDBMS において,同じデータ項目の異なる版を用意することによって,トランザクションの同時実行性を高める仕組みはどれか。
- ア.2相ロッキングプロトコル
- イ.MVCC
- ウ.WAL プロトコル
- エ.共有ロック
正解:イ.MVCC
解説:MVCC(Multi-Version Concurrency Control,多版同時実行制御)は,データを更新するときに古い版を残したまま新しい版を作り,参照するトランザクションには開始時点の版を見せる方式である。読み取り側は更新中のロックを待つ必要がなく,書き込みが読み取りを妨げないので同時実行性が上がる。よって答はイ。アの2相ロッキングプロトコルは,ロックを取る段階と外す段階を分けて直列化可能性を保証する方式で,版を作る仕組みではない。ウの WAL(Write Ahead Log)プロトコルは,データ本体を書く前にログを書いておくことで障害から回復できるようにする方式で,目的は同時実行性ではなく耐障害性である。エの共有ロックは複数の読み取りを同時に許すロックだが,更新のときは排他ロックを待つことになり,版を用意する仕組みではない。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問29
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問26.“部品”表及び“在庫”表に対し,SQL 文を実行して結果を得た。SQL 文の a に入れる字句はどれか。 〔部品〕部品 ID/発注点 P01/100 P02/150 P03/100 〔在庫〕部品 ID/倉庫 ID/在庫数 P01/W01/90 P01/W02/90 P02/W01/150 〔結果〕部品 ID/発注要否 P01/不要 P02/不要 P03/必要 〔SQL 文〕 SELECT 部品.部品ID AS 部品ID, CASE WHEN 部品.発注点 > [ a ] THEN N'必要' ELSE N'不要' END AS 発注要否 FROM 部品 LEFT OUTER JOIN 在庫 ON 部品.部品ID = 在庫.部品ID GROUP BY 部品.部品ID, 部品.発注点
- ア.COALESCE(MIN(在庫.在庫数), 0)
- イ.COALESCE(MIN(在庫.在庫数), NULL)
- ウ.COALESCE(SUM(在庫.在庫数), 0)
- エ.COALESCE(SUM(在庫.在庫数), NULL)
正解:ウ.COALESCE(SUM(在庫.在庫数), 0)
解説:求められているのは,部品ごとの在庫の合計が発注点を下回るときに“必要”と判定することである。まず集約関数を選ぶ。P01 は W01 と W02 に90ずつあり合計180で,発注点100に対して結果は“不要”になっている。MIN を使うと90なので 100>90 が成り立ち“必要”になってしまうため,正しいのは SUM である。次に空値の扱いを見る。P03 は在庫表に行がなく,外結合の結果として在庫数が空値になるので SUM も空値になる。空値との比較は真でも偽でもない不明となり,CASE の ELSE 側に落ちて“不要”になってしまう。結果は“必要”なので,空値を0に置き換える必要があり,COALESCE の第2引数は0でなければならない。したがって SUM と0を組み合わせたウが答え。検算すると,P01 は 100>180 が偽で不要,P02 は 150>150 が偽で不要,P03 は 100>0 が真で必要となり結果の表と一致する。エは第2引数が NULL なので置換の働きをせず P03 が不要になる。アとイは MIN を使っている点で P01 の判定を誤る。
出典:情報処理推進機構「令和6年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問26
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問27.トランザクション T はチェックポイント後にコミットしたが,その後にシステム障害が発生した。トランザクション T の更新内容をその終了直後の状態にするために用いられる復旧技法はどれか。ここで,トランザクションは WAL プロトコルに従い,チェックポイントの他に,トランザクションログを利用する。
- ア.2相ロック
- イ.シャドウページ
- ウ.ロールバック
- エ.ロールフォワード
正解:エ.ロールフォワード
解説:WAL(Write Ahead Log)プロトコルでは,データベースの更新をディスクに書く前にログを先に書き出す。そのためコミット済みのトランザクションの更新内容は,データベース本体にまだ反映されていなくてもログには必ず残っている。障害から復旧するときは,チェックポイント以降のログを読み,コミット済みのトランザクションについては更新後の値を再適用して終了直後の状態に戻す。この操作をロールフォワード(前進復帰)といい,答はエ。一方,コミットしていないトランザクションについては更新前の値に戻す必要があり,こちらはロールバック(後退復帰)と呼ばれる。ウはその名称で,未完了のトランザクションを取り消す場合に用いるものなので,コミット済みの T には当てはまらない。アの2相ロックは,トランザクションが必要なロックをすべて獲得してから解放を始めるという規則で,直列化可能性を保つための同時実行制御の技法であり,障害復旧の技法ではない。イのシャドウページは,更新を別ページに書いてから対応表を切り替える方式で,ログを使わずに一貫性を保つ手法だが,設問はログを利用すると明記しているので該当しない。
出典:情報処理推進機構「令和6年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問27
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問28.データウェアハウスのテーブル構成をスタースキーマとする場合,分析対象のトランザクションデータを格納するテーブルはどれか。
- ア.サマリテーブル
- イ.ディメンジョンテーブル
- ウ.ファクトテーブル
- エ.ルックアップテーブル
正解:ウ.ファクトテーブル
解説:スタースキーマは,分析の中心となる1つの大きな表を真ん中に置き,その周りに分析の切り口となる表を放射状に配置した構成で,星のように見えることからこの名前が付いた。中心に置かれるのがファクトテーブルで,売上や受注のように件数が多く時間とともに積み上がるトランザクションデータと,その数値(売上額,数量などのメジャー)を格納する。したがって答はウ。周りに置かれるのがイのディメンジョンテーブルで,商品,顧客,店舗,日付といった分析の軸となる属性を持ち,件数は比較的少ない。ファクトテーブルは各ディメンジョンテーブルへの外部キーを持ち,これによって「どの商品をどの店舗でいつ売ったか」を多面的に集計できる。アのサマリテーブルは,あらかじめ集計した結果を保持しておいて問合せを速くするための表で,分析対象そのものを格納する表ではない。エのルックアップテーブルは,コードと名称の対応など参照用の値を引くための表を指す一般的な呼び方である。なお,ディメンジョンテーブルを正規化して階層に分けた構成はスノーフレークスキーマと呼ばれる。
出典:情報処理推進機構「令和6年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問28
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問29.ビッグデータの基盤技術として利用される NoSQL に分類されるデータベースはどれか。
- ア.関係データモデルをオブジェクト指向データモデルに拡張し,操作の定義や型の継承関係の定義を可能としたデータベース
- イ.経営者の意思決定を支援するために,ある主題に基づくデータを現在の情報とともに過去の情報も蓄積したデータベース
- ウ.様々な形式のデータを一つのキーに対応付けて管理するキーバリュー型データベース
- エ.データ項目の名称,形式など,データそのものの特性を表すメタ情報を管理するデータベース
正解:ウ.様々な形式のデータを一つのキーに対応付けて管理するキーバリュー型データベース
解説:NoSQL は,関係データベースの表とスキーマという枠組みにとらわれない各種のデータベースの総称で,大量・多様なデータを分散環境で扱うビッグデータの基盤技術として使われる。代表的な分類は,キーと値の組で管理するキーバリュー型,JSON などの入れ子構造の文書を格納するドキュメント型,行ごとに異なる列を持てるワイドカラム型(列指向),節と関係でつながりを表すグラフ型の4つである。ウはこのうちのキーバリュー型に当たるので答はウ。単純な構造ゆえに読み書きが速く,台数を増やして性能を伸ばしやすいのが特徴で,セッション管理やキャッシュに広く使われる。アは,関係データモデルにオブジェクト指向の考え方を取り入れたオブジェクト関係データベースの説明で,SQL を使う関係データベースの延長にある。イはデータウェアハウスの説明で,過去のデータを主題ごとに時系列で蓄積して意思決定に使うものであり,実装は関係データベースが多い。エはデータディクショナリ(データ辞書)やメタデータリポジトリの説明で,データそのものではなくデータの定義を管理する仕組みである。
出典:情報処理推進機構「令和6年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問29
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問30.800×600ピクセル,24ビットカラーで30フレーム/秒の動画像の配信に最小限必要な帯域幅はおよそ幾らか。ここで,通信時にデータ圧縮は行わないものとする。
- ア.350kビット/秒
- イ.3.5Mビット/秒
- ウ.35Mビット/秒
- エ.350Mビット/秒
正解:エ.350Mビット/秒
解説:圧縮しないので,1秒間に送るビット数をそのまま積み上げればよい。1フレームの画素数は 800×600=480,000 で,1画素が24ビットなので 480,000×24=11,520,000 ビット=約11.5Mビットである。これを毎秒30枚送るので 11,520,000×30=345,600,000 ビット/秒となり,およそ350Mビット/秒。したがって答はエ。ウの35Mビット/秒は正しい値の10分の1,イの3.5Mビット/秒は100分の1,アの350kビット/秒は1000分の1に当たり,いずれも桁の取り違えである。とくにフレーム数30を掛け忘れると 11.5Mビット/秒となってウに近い値が出るので注意したい。この計算は,非圧縮の動画がいかに大きいかを示している。一般的な家庭の回線では到底流しきれないため,実際の配信では H.264 や H.265 といった圧縮方式で数Mビット/秒程度まで落とす。連続するフレームの差分だけを送る,人の目に分かりにくい情報を省くといった工夫で,100分の1程度に縮められる。
出典:情報処理推進機構「令和6年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問26
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問31.2相コミットで分散トランザクションの原子性を保証する場合,ネットワーク障害の発生によって参加者のトランザクションが,コミットすべきか又はロールバックすべきかを判断できなくなることがある。このような状況を発生させるネットワーク障害に関する説明として,適切なものはどれか。
- ア.調停者のトランザクションが,コミット又はロールバック可否の問合せを参加者に送る直前に障害になった。
- イ.調停者のトランザクションが,コミット又はロールバックの決定を参加者に送る直前に障害になった。
- ウ.調停者のトランザクションに,コミット又はロールバック可否の応答を参加者が返す直前に障害になった。
- エ.調停者のトランザクションに,コミット又はロールバックの完了を参加者が返す直前に障害になった。
正解:イ.調停者のトランザクションが,コミット又はロールバックの決定を参加者に送る直前に障害になった。
解説:2相コミットは,第1相で調停者が各参加者に「コミットできるか」を問い合わせて可否の応答を集め,第2相でその結果をもとにコミットまたはロールバックの決定を全参加者に通知する方式である。問題になるのは,参加者が「コミット可」と応答した後,決定の通知を受け取る前に連絡が途絶えた場合である。参加者は自分の判断だけではコミットしてよいのか取り消すべきのか決められず,資源をロックしたまま待ち続ける(ブロッキング)状態に陥る。この状況を生むのはイで,これが答え。ほかの場合は参加者が自分で決められる。アは問合せがまだ届いていないので,参加者は何も約束しておらず,そのままロールバックすればよい。ウは参加者が応答を返す前なので,自分がまだ可否を答えていないと分かっており,やはりロールバックできる。エは決定の通知を受け取って処理を終えた後の報告が届かなかっただけなので,参加者側は迷わない(調停者が再度問い合わせれば済む)。この弱点を解消するために,参加者同士で状態を確認し合う3相コミットが考案されている。
出典:情報処理推進機構「令和6年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問27
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問32.化粧品の製造を行っている A 社では,販売代理店を通じて商品販売を行っている。今後の販売戦略に活用するために,次の三つの表を設計した。これらの表を用いるだけでは得ることのできない情報はどれか。 〔表〕 顧客(顧客 ID,氏名,性別,生年月日) 販売代理店別日別販売(販売代理店 ID,日付,商品 ID,販売数量) 商品購入(顧客 ID,販売代理店 ID,商品 ID,購入数量)
- ア.商品ごとの販売数量の日別差異
- イ.性別ごとの売れ筋商品
- ウ.販売代理店ごとの購入者数の日別差異
- エ.販売代理店ごとの売れ筋商品
正解:ウ.販売代理店ごとの購入者数の日別差異
解説:三つの表がどの項目をもっているかを確かめれば分かる。日付をもっているのは「販売代理店別日別販売」だけで,この表には顧客 ID が無い。逆に顧客 ID をもつのは「商品購入」だが,この表には日付が無い。したがって「どの日に何人の顧客が買ったか」は結び付けられず,販売代理店ごとの購入者数を日別に見ることはできない。答はウ。アは,販売代理店別日別販売に日付・商品 ID・販売数量がそろっているので,商品ごとの販売数量を日ごとに集計して比べられる。イは,商品購入(顧客 ID・商品 ID・購入数量)と顧客(顧客 ID・性別)を顧客 ID で結べば,性別ごとにどの商品がよく売れているかを集計できる。エは,販売代理店別日別販売を販売代理店 ID と商品 ID で集計すれば,代理店ごとの売れ筋商品が分かる(商品購入からでも同じことが言える)。この設問は,必要な情報を得るには「結び付けるためのキー」と「集計の軸になる項目」の両方が同じ経路上にそろっていなければならない,という設計上の要点を問うている。商品購入に日付を加えれば,ウも得られるようになる。
出典:情報処理推進機構「令和6年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問28
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問33.次のオブジェクト図(インスタンスを表す図)に対応する概念データモデルはどれか。ここで,オブジェクト図及び概念データモデルの表記には UML を用いる。

- ア.地域 1―1 仕入先 1―* 仕入 *―1 部品
- イ.地域 1―* 仕入先 1―* 仕入 *―1 部品
- ウ.地域 1―* 仕入先 *―1 仕入 1―* 部品
- エ.地域 *―* 仕入先 *―1 仕入 1―* 部品
正解:イ.地域 1―* 仕入先 1―* 仕入 *―1 部品
解説:オブジェクト図に現れているインスタンスの結び付きを数えれば,各クラス間の多重度が決まる。地域と仕入先では,大阪に「25:仕入先」と「37:仕入先」の2つがつながっており,逆にどの仕入先も1つの地域にしか属していないので 地域1対仕入先多である。仕入先と仕入では,「11:仕入先」に #01・#02・#03 の3つの仕入がつながり,どの仕入も1つの仕入先にひも付くので 仕入先1対仕入多。仕入と部品では,どの仕入も部品1つを指しており,逆に「205:部品」には複数の仕入が集まっているので 仕入多対部品1である。この3つをつなぐと 地域1―*仕入先1―*仕入*―1部品 となり,答はイ。アは地域と仕入先を1対1にしており,大阪に2つの仕入先がある事実に反する。ウとエは仕入先と仕入を*対1,仕入と部品を1対*としていて,向きがどちらも逆である。仕入先1つに仕入が複数ある一方,仕入1つに部品は1つしか結び付いていないという読み取りが要点になる。エはさらに地域と仕入先を*対*としており,1つの仕入先が複数の地域に属することになってしまう。
出典:情報処理推進機構「令和6年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問29
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問34.関係を第2正規形から第3正規形に変換する手順はどれか。
- ア.候補キー以外の属性から,候補キーの一部の属性に対して関数従属性がある場合,その関係を分解する。
- イ.候補キー以外の属性間に関数従属性がある場合,その関係を分解する。
- ウ.候補キーの一部の属性から,候補キー以外の属性への関数従属性がある場合,その関係を分解する。
- エ.一つの属性に複数の値が入っている場合,単一の値になるように分解する。
正解:イ.候補キー以外の属性間に関数従属性がある場合,その関係を分解する。
解説:第3正規形は「非キー属性が候補キーに推移的に関数従属していないこと」を求める。推移的関数従属とは,候補キー→属性X→属性Y のように,非キー属性どうしの間に関数従属があるために生じる従属で,これを取り除くには従属している側の属性の組を別の関係に切り出せばよい。たとえば(社員番号,部署コード,部署名)で部署コード→部署名が成り立つ場合,(社員番号,部署コード)と(部署コード,部署名)に分解する。したがって答はイ。エは,一つの属性に複数の値が入った繰返し項目をなくして単一の値にする操作で,これは非正規形から第1正規形への変換である。ウは,候補キーの一部(真部分集合)から非キー属性への関数従属,すなわち部分関数従属を取り除く操作で,これが第1正規形から第2正規形への変換に当たる。アは,候補キー以外の属性から候補キーの一部への関数従属を扱っており,これは第3正規形をさらに厳しくしたボイス・コッド正規形で問題にされる形である。第1→第2が部分関数従属の除去,第2→第3が推移的関数従属の除去,と押さえておくと選び分けられる。
出典:情報処理推進機構「令和7年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問26
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問35.SQL 文に示す参照制約が存在する“商品”表と“受注”表とがある。“商品”表の行を削除したとき,削除した行の商品コードと同じ値の商品コードをもつ“受注”表の行を自動的に削除する SQL 文として,a に入れる字句はどれか。 〔SQL 文〕 CREATE TABLE 商品 ( 商品コード CHAR(4) PRIMARY KEY , 商品名 VARCHAR(64) ) CREATE TABLE 受注 ( 受注番号 INTEGER PRIMARY KEY , 商品コード CHAR(4) , 受注個数 INTEGER , 納品日 CHAR(8) , FOREIGN KEY (商品コード) REFERENCES 商品(商品コード) ON DELETE [ a ] )
- ア.CASCADE
- イ.RESTRICT
- ウ.SET DEFAULT
- エ.SET NULL
正解:ア.CASCADE
解説:外部キー制約の ON DELETE 句は,参照されている側(親表)の行が削除されたときに,参照する側(子表)の行をどう扱うかを指定する。CASCADE を指定すると,親表の行の削除が子表の該当行の削除として連鎖するので,設問の「商品表の行を削除したとき,同じ商品コードをもつ受注表の行を自動的に削除する」という動作になる。したがって答はア。イの RESTRICT は,子表に参照している行が残っている限り親表の行の削除を禁止する指定で,削除しようとするとエラーになる。何も指定しなかった場合の既定の動作もこれに相当し,データの取り違えを防ぐ安全側の設定である。ウの SET DEFAULT は,子表の該当行を削除せず,外部キーの列を列定義の既定値に置き換える指定である。エの SET NULL も行は残し,外部キーの列を空値にする指定で,「受注の記録は残したいが,どの商品だったかは分からなくなる」という結果になる。行そのものを消すのは CASCADE だけである。
出典:情報処理推進機構「令和7年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問27
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問36.和両立である関係 R と S がある。R∩S と等しいものはどれか。ここで,-は差演算,∩は共通演算を表す。
- ア.(R-S)-(S-R)
- イ.R-(R-S)
- ウ.R-(S-R)
- エ.S-(R-S)
正解:イ.R-(R-S)
解説:差演算 R-S は「R に属し S に属さない要素の集まり」である。したがって R から R-S を取り除くと,R のうち「S に属さない要素」が除かれ,残るのは「R に属し,かつ S にも属する要素」,すなわち R∩S になる。よって答はイ。集合の記号で書くと R-(R-S)=R∩(R∩S̄)̄=R∩(R̄∪S)=(R∩R̄)∪(R∩S)=R∩S となり,式の上でも確かめられる。具体例で見ると,R={1,2,3},S={2,3,4} のとき R-S={1} なので R-(R-S)={2,3}=R∩S である。同じ例でアは (R-S)-(S-R)={1}-{4}={1} となり共通部分ではない。ウは S-R={4} なので R-(S-R)={1,2,3}=R そのものになる。もともと S-R は R と重なりがないため,R から引いても何も減らない。エは S-(R-S)={2,3,4}-{1}={2,3,4}=S となり,やはり S そのものである。なお「和両立」とは,両者の属性の数と定義域がそろっていて集合演算ができる状態を指す。
出典:情報処理推進機構「令和7年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問28
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問37.無線 LAN のアクセスポイントや IP 電話機などに,LAN ケーブルを利用して給電も行う仕組みはどれか。
- ア.PLC
- イ.PoE
- ウ.UPS
- エ.USB
正解:イ.PoE
解説:PoE(Power over Ethernet)は,イーサネットの LAN ケーブルでデータ通信と給電を同時に行う仕組みで,IEEE 802.3af / 802.3at / 802.3bt として標準化されている。無線 LAN のアクセスポイント,IP 電話機,ネットワークカメラのように,天井や壁など電源コンセントを取りにくい場所に置く機器へ電源を供給できるため,設置の自由度が高くなり,配線も1本で済む。したがって答はイ。アの PLC(Power Line Communication)は逆に,電力線を通信路として使ってデータを送る技術で,通信線で給電するものではない(同じ略語で産業用の Programmable Logic Controller もあるが,どちらも該当しない)。ウの UPS(Uninterruptible Power Supply)は無停電電源装置で,停電時にバッテリーから電力を供給して機器を安全に停止させるまでの時間を稼ぐもので,LAN ケーブルによる給電とは無関係である。エの USB は周辺機器を接続するためのインタフェース規格で,こちらもデータと電力を1本のケーブルで扱えるが,用途はパソコンと周辺機器の接続であり,LAN ケーブルを使うものではない。
出典:情報処理推進機構「令和7年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問29
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問38.PMBOKガイド第7版は、第6版の延長で軽微な変更のみが加えられた。
正解:×(誤り)
解説:誤り。PMBOK 7版は「プロセス中心→原則・パフォーマンスドメイン中心へ大きく変更」(軽微変更ではない)。
根拠: PMBOK® Guide – Seventh Edition FAQs (PMI, updated 24 March 2021) Q2, Q5, Q7, Q8
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問39.WBSの最下層の作業パッケージは、組織全体で管理する大規模単位である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。作業パッケージは「一人の責任者が見積り・管理できる粒度」(大規模ではない)。
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問40.アローダイアグラムにおいて最早開始日と最遅開始日の差が大きい作業をクリティカルパスという。
正解:×(誤り)
解説:誤り。クリティカルパスは「最早開始日と最遅開始日が等しい作業をつないだ経路」(差が大きいではない、フロート=0)。
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問41.SPI=0.8、CPI=1.1のとき、進捗・コストともに良好である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。SPI=0.8(<1)は「進捗遅れ」、CPI=1.1(>1)はコスト効率良。両方良いとは言えない。
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問42.プロジェクトのリスクマネジメントで、リスク対応戦略のうち「リスクを第三者に移転する」のはリスク軽減である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。移転は保険付保等「リスク転嫁」です。軽減は発生確率や影響度を下げる対応です。
根拠: 【RMリソース】リスクマネジメント Lesson リスクの評価・査定②(日本リスクマネジメント学会系 ARM) リスクへの対応の4分類(回避・低減・移転・保有)、保険の免責と移転の説明
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問43.品質マネジメントのPDCAサイクルは、Plan・Do・Check・Actの繰返しにより継続的改善を行う。
正解:○(正しい)
解説:正しい。PDCAは、Plan(目標を設定し資源を用意する)・Do(計画を実行する)・Check(監視し、該当する場合は測定して、結果を報告する)・Act(必要に応じて改善の処置をとる)の四つで成るサイクルで、あらゆるプロセスと品質マネジメントシステム全体に適用できる。品質マネジメントシステムは、確立・実施・維持に加えて継続的に改善することが求められる(JIS Q 9001)。
根拠: JIS Q 9001:2015 品質マネジメントシステム-要求事項(ISO 9001:2015) 0.3.2 PDCAサイクル、4.4.1 品質マネジメントシステム及びそのプロセス
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問44.ファンクションポイント法は、コード行数(LOC)から開発工数を見積もる方法である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。FPは「ユーザ機能(入出力・照会・ファイル等)から規模を定量化」(LOCはCOCOMO等)。
根拠: エンタプライズ系事業/見積もり手法(IPA ソフトウェア開発の定量的管理) 見積りに必要なデータ(入力情報) / ISO/IEC 20926:2009 Software and systems engineering — Software measurement — IFPUG functional size measurement method 2009 Abstract
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問45.COCOMOⅡは、機能ポイントから営業見積もりを作成するモデルである。
正解:×(誤り)
解説:誤り。COCOMO IIは「ソフトウェア規模(LOC・FP)からコスト・工数・スケジュール」を見積もるモデル。
根拠: デジタル大辞泉「COCOMO」(コトバンク) COCOMO の項(見出し語解説) / 経済調査研究レビュー Vol.14(2014.3)「COCOMO IIによる工数見積り」(一般財団法人経済調査会) 第1章 はじめに/第2章 COCOMO IIにおける工数見積りモデル(pp.88-90)
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問46.結合テストは、システム全体を一括して検証するテストである。
正解:×(誤り)
解説:誤り。結合テストは「モジュール間のインタフェース検証」(全体一括はシステムテスト)。
根拠: デジタル大辞泉「結合テスト」(コトバンク) 結合テスト の項 / IBM Think: What is system testing? 冒頭の定義と、結合テストとの前後関係を述べた段落
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問47.ITILv4のSVSは、システム障害復旧専用の枠組みである。
正解:×(誤り)
解説:誤り。SVSは「組織がサービスを通じて価値創出するための活動全体の枠組み」(障害復旧専用ではない)。
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問48.ITサービスマネジメントにおいて、問題管理の主目的はサービスの早期復旧である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。早期復旧はインシデント管理の目的。問題管理は根本原因特定と再発防止を目的とします。
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問49.変更管理(チェンジマネジメント)では、変更を標準変更・通常の変更・緊急変更などのカテゴリーに分類し、リスクに応じた承認の流れで管理する。
正解:○(正しい)
解説:正しい。変更管理では、変更要求を記録してカテゴリーに分類し、リスクや事業への影響などを考えて承認する。標準変更はリスクが低くよく行われる、手順の決まった事前承認済みの変更で、毎回の審議は要らない。通常の変更は標準変更でも緊急変更でもない計画的な変更で、費用やリスクに応じて決めた変更許可者や変更諮問委員会(CAB)が評価して承認する。緊急変更は重大なインシデントの解決などのために早急に行う変更で、あらかじめ決めた緊急用の手順で迅速に対応する。カテゴリーはこの3つに限らず、プロジェクト変更などを設けることもある。
根拠: IPA 応用情報技術者試験(レベル3)シラバス Ver.7.2 PDF p.92 サービスマネジメント(12)変更管理 ③変更管理の活動(リスク,事業利益,実現可能性及び財務影響を考慮し,変更要求を承認する)、用語例「変更のカテゴリー(標準変更,通常の変更,プロジェクト変更,緊急変更など)」「変更諮問委員会(CAB)」 / JIS Q 20000-2:2013 情報技術-サービスマネジメント-第2部:サービスマネジメントシステムの適用の手引(2013年版) 9.2.2 概念(変更要求の種類の一般的な例:a) 緊急変更=早急に実施することが望ましい変更(重大なインシデントの解決、情報セキュリティパッチの実施など)、b) 通常変更=標準変更でも緊急変更でもないもの、c) 標準変更=リスクが低く比較的よくあり手順に従う事前認可済の変更。通常変更は費用及びリスクに応じて分類し、適切な変更権限をもつ人の特定に用いる) / ITSMS ユーザーズガイド―JIS Q 20000(ISO/IEC 20000)対応―(JIP-ITSMS111-2.0、一般財団法人日本情報経済社会推進協会、平成24年9月20日) PDF p.106〜107 変更管理(通常の変更・緊急変更・標準的な変更でパターンごとに手順が異なる、緊急変更は迅速に対応・手順を文書化、③変更の認可:変更許可委員(変更諮問委員会など)が変更を認可する)
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問50.SLA(サービスレベルアグリーメント)の稼働率目標が99.9%のとき、年間許容停止時間は約8.76時間である。
正解:○(正しい)
解説:365×24×(1-0.999)=8.76時間。いわゆる「スリーナイン」です。
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問51.内閣府の事業継続ガイドラインでは、BCM(事業継続マネジメント)はBCP(事業継続計画)を構成する活動の一部と位置付けられている。
正解:×(誤り)
解説:誤り。逆である。内閣府の事業継続ガイドラインは、不測の事態が発生しても重要な事業を中断させない、または中断しても可能な限り短い期間で復旧させるための方針、体制、手順等を示した計画をBCPと呼んでいる。そのうえで、BCP策定や維持・更新、事業継続を実現するための予算・資源の確保、事前対策の実施、教育・訓練の実施、点検、継続的な改善などを行う平常時からのマネジメント活動をBCMと呼ぶ。つまりBCPはBCMに含まれ、BCMがBCPの一部なのではない。なお、内閣府の防災情報のページのように、BCPの「計画」を計画書に限らずマネジメント全般を含む意味で使い、マネジメントを強調するときにBCMと呼ぶ用法もある。
根拠: 事業継続ガイドライン―あらゆる危機的事象を乗り越えるための戦略と対応―(平成25年8月改定)内閣府 防災担当 序文<本ガイドラインの目的>、1.1 事業継続マネジメント(BCM)の概要(BCPとBCMの説明) / 知る・計画する(事業継続)防災情報のページ 内閣府 「事業継続計画(BCP)を策定する」の説明(計画はマネジメント全般を含むニュアンス・マネジメントを強調する場合は BCM)
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問52.RTO(目標復旧時間)が4時間、RPO(目標復旧時点)が1時間と設定された場合、障害発生後4時間以内に障害発生1時間前までのデータを復旧すればよい。
正解:○(正しい)
解説:正しい。RTO(目標復旧時間)は、どれくらいの時間で復旧させるかの目標である。RPO(目標復旧時点)は、失ったデータを過去のどの時点まで復旧させるかの目標値で、「1日前のデータまで」のように示す。RTOが4時間なら4時間以内に復旧させること、RPOが1時間なら障害発生の1時間前の時点のデータまで復旧させることを表す。覚え方は、RTOは「時間」、RPOは「時点」。時間とデータの戻し先という別々の目標なので、取り違えないこと。(内閣府「事業継続ガイドライン」)
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問53.システム監査基準は、経済産業省が策定する情報システム監査の実施基準である。
正解:○(正しい)
解説:システム監査基準と管理基準は経済産業省が策定・改訂しています。
根拠: システム監査制度について(経済産業省) 「システム監査基準」及び「システム管理基準」について(令和5年4月26日改訂版・旧版の掲載) / システム監査基準・管理基準の改訂について(経済産業省商務情報政策局 サイバーセキュリティ課) 冒頭の概要スライド(策定・公表の主体、昭和60年1月策定、平成30年4月改訂)
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問54.内部統制のフレームワークCOSOでは、内部統制の構成要素が5つ(統制環境・リスク評価・統制活動・情報と伝達・モニタリング)定義される。
正解:○(正しい)
解説:日本版(J-SOX)ではこれに「ITへの対応」を加えた6要素です。
根拠: 財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準のあり方について(企業会計審議会 内部統制部会 2007年2月15日) Ⅰ 内部統制の基本的枠組み 1.内部統制の定義(前文の説明部分) / 財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準(金融庁 2019年12月6日版) I 内部統制の基本的枠組み 1.内部統制の定義、2.内部統制の基本的要素
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問55.スクラムガイド(2020年版)では、スクラムチームに開発者・プロダクトオーナー・スクラムマスターの3つの責任が定義されている。
正解:○(正しい)
解説:スクラムガイド2020年版は、スクラムチームを1人のスクラムマスター、1人のプロダクトオーナー、複数人の開発者で構成し、この3つの責任を定義する。プロダクトオーナーはプロダクトバックログの管理、スクラムマスターはスクラムの確立と支援を担う(2017年版までは「開発チーム」)。
根拠: The 2020 Scrum Guide (Scrum Guides 公式) Scrum Team の節(冒頭)
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問56.スクラムのスプリントレビューは、スプリント成果物をステークホルダに提示しフィードバックを得るイベントである。
正解:○(正しい)
解説:正しい。スクラムガイド(2020年版)では、スプリントレビューの目的はスプリントの成果を検査し、今後の適応を決定することとされる。スクラムチームは主要なステークホルダーに作業の結果を提示し、プロダクトゴールに対する進捗について話し合う。その情報に基づいて、参加者は次にやるべきことに協力して取り組む。これが問題文の「フィードバックを得る」にあたる。スプリントレビューはワーキングセッションであり、プレゼンテーションだけに限定しないようにするとされている。品質と効果を高める方法を計画するのはスプリントレトロスペクティブで、レビューとは目的が異なる。
根拠: スクラムガイド(2020年11月版・日本語版) スクラムイベント:スプリントレビュー/スプリントレトロスペクティブ / The 2020 Scrum Guide Scrum Events - Sprint Review / Sprint Retrospective
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問57.カンバン方式では、WIP(Work In Progress)制限により仕掛中の作業を制限し、フロー効率を高める。
正解:○(正しい)
解説:正しい。カンバンでは、仕掛中の作業項目の数(WIP)に上限を設け、作業の流れ(フロー)をなめらかで予測しやすくする。WIP制限はプル型の仕組みを実現する手段でもあり、WIP制限とプルシステムはセットで押さえる。
根拠: The Official Kanban Guide(Kanban University) WIP の説明(WIP を制限する理由の記述) / The Official Kanban Guide(Kanban University, PDF版) WIP limits と pull に関する記述箇所
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問58.DevOpsのCI/CDパイプラインにおいて、カナリアリリースは新バージョンを一部ユーザに先行公開し問題を早期検知する手法である。
正解:○(正しい)
解説:正しい。カナリアリリースは、更新したバージョンをまず一部のクライアントだけに展開し、新しいサービスの動きを監視してから全体に広げる手法である。段階的に広げながら実際のデータを監視するので、すべての利用者に影響が出る前に問題を見つけられる。最初の少人数のグループで問題がなければ、より大きなグループへ順に広げていく。ブルーグリーンデプロイは、同じ構成の環境を2組用意し、新しい版を入れた側へ利用者の通信を移していく方式である。フィーチャーフラグは、カナリアリリースで対象の利用者だけに新しい版を有効にするのによく使われる。
根拠: Microsoft Learn: Build a CI/CD pipeline for microservices (Azure Architecture Center) Update services > Canary release / Microsoft Learn: Azure Well-Architected Framework, Operational Excellence: Safe deployment practices Gradual rollout (progressive exposure) deployment model
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問59.DevSecOpsは、DevOpsのプロセスにセキュリティ活動(自動テスト・脆弱性検査・IaCセキュリティ等)を組み込む考え方である。
正解:○(正しい)
解説:正しい。DevSecOpsは、アプリケーションとインフラのセキュリティを、DevOpsの工程やツールの中に組み込む考え方である。Shift Leftの考え方により、セキュリティは開発の最初から工程の一部として扱われる。セキュリティを専門部署だけの責任とせず、開発・セキュリティ・運用の各チームで分担する点も特徴である。セキュリティを後付けにせず、工程の左(早い段階)へ寄せると覚える。
根拠: What is DevSecOps? (IBM Think) DevSecOps の概要・Shift left の節
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問60.ソフトウェアライフサイクルプロセスJIS X 0160は、獲得・供給・開発・運用・保守等のプロセスを体系化している。
正解:○(正しい)
解説:正しい。JIS X 0160はソフトウェアライフサイクルプロセスの規格で、現行の2021年版は、2017年に発行されたISO/IEC/IEEE 12207を基に、技術的内容及び構成を変更することなく作成されている(前の2012年版はISO/IEC 12207:2008に対応していた)。2021年版が定めるライフサイクルは、システムを構想する概念段階から廃止段階にまで及び、システムの取得及び供給のためのプロセスも定めている。2012年版の適用範囲にも、ソフトウェア製品及びソフトウェアサービスを取得するとき、並びにソフトウェア製品の供給、開発、運用、保守及び廃棄をするときに適用できるとある。問題文の「獲得」は、JISの用語では「取得」にあたる。
根拠: JIS X 0160:2021 ソフトウェアライフサイクルプロセス(ISO/IEC/IEEE 12207:2017)プレビュー(日本規格協会) 表紙(令和3年2月22日改正)・序文 / JIS X 0160:2012 ソフトウェアライフサイクルプロセス(ISO/IEC 12207:2008)※前の版 序文、1.1 適用範囲
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問61.サービスデスク組織の構造のうち、利用者との距離が近い場所(各拠点など)に設置されるものをローカルサービスデスクという。
正解:○(正しい)
解説:正しい。ローカルサービスデスクは、顧客との距離が近い場所に設置されるサービスデスクで、例えば複数の営業所をもつ会社が、本社ではなく各営業所に設置するものをいう(デジタル大辞泉)。IPAの応用情報技術者試験のシラバスは、サービスデスク組織の構造として、ローカルサービスデスク、バーチャルサービスデスク、中央サービスデスク、フォロー・ザ・サンを挙げている。
根拠: デジタル大辞泉「ローカルサービスデスク」(コトバンク) ローカルサービスデスクの項 / IPA 応用情報技術者試験(レベル3)シラバス Ver.7.2 p.96 大分類「サービスマネジメント」4.サービスの運用 (3)サービスデスク 用語例(サービスデスク組織の構造)
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問62.能力成熟度モデルCMMIの成熟度レベルでは、最も高いレベル5を「最適化している(Optimizing)」とし、組織が継続的な改善に焦点を当てている状態とする。
正解:○(正しい)
解説:正しい。CMMIの成熟度レベルは組織のプロセス改善の段階を表し、上のレベルは下のレベルに機能や厳密さを積み上げる形になっている。レベル1「初期」(場当たり的で遅れや予算超過が多い)、2「管理された」(プロジェクト単位で計画・測定・管理する)、3「定義された」(組織の標準に沿って進める)、4「定量的に管理された」(データに基づく定量的な改善目標を持つ)、5「最適化している」(継続的な改善に焦点を当てる)の順に高くなる。CMMI Institute の現在の説明では、レベル1の下にレベル0「不完全」も置いている。
根拠: CMMI Institute - CMMI Levels of Capability and Performance Maturity Levels(Maturity Level 0: Incomplete 〜 Maturity Level 5: Optimizing「Organization is focused on continuous improvement」。各成熟度レベルは前のレベルに機能や厳密さを積み上げる) / IPA 応用情報技術者試験(レベル3)シラバス Ver.7.2 PDF p.80 プロセス成熟度 用語例「CMMI」
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問63.ITガバナンスの国際規格ISO/IEC 38500は、経営層がITを統治するための原則を定めている。
正解:○(正しい)
解説:正しい。JIS Q 38500:2015は、組織の経営陣(オーナー、取締役会の構成員、経営者など)のため、組織内で効果的、効率的及び受入れ可能なIT利用に関する原則について規定している(2008年に第1版として発行されたISO/IEC 38500を基に作成)。この版は、良好なITガバナンスのための六つの原則として、責任、戦略、取得、パフォーマンス、適合、人間行動を挙げている。なお、JIS Q 38500は2026年2月20日に改正されている。
根拠: JIS Q 38500:2015 情報技術-ITガバナンス(2008年発行の ISO/IEC 38500 第1版を基に作成) 序文、1.1 適用範囲、3.1 原則(3.1.1〜3.1.6) / 日本産業標準調査会(JISC)データベース JIS規格詳細画面 JIS Q 38500 情報技術-組織のITガバナンス 最新改正年月日 2026/02/20(JIS規格番号 Q38500 で検索)
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問64.プロジェクトマネジメントでいう三大制約(トリプルコンストレイント)は、スコープ・時間・コストである。
正解:○(正しい)
解説:正しい。古典的には、プロジェクトマネージャは、競合するプロジェクトの要求をマネジメントするときに、プロジェクトのスコープ・時間・コストからなる「トリプルコンストレイント(三大制約)」をよく話題にするとされてきた。JIS Q 21500(プロジェクトマネジメントの手引)は、制約をスコープ、品質、スケジュール、資源、コストなどと広く挙げ、制約は一般に相互に関係していて、一つの制約の変化がほかの一つ又は複数の制約に影響を及ぼすことがあるとしている。そのため、プロジェクトマネージャは他の制約に照らして特定の制約の釣合いをとることが重要とされる。
根拠: Baratta, A. (2006). The triple constraint: a triple illusion. PMI® Global Congress 2006—North America(PMI Learning Library) Exhibit 1 – Classical Triple Constraint(論文中の (PMI, 2004, p377) の引用) / JIS Q 21500:2018 プロジェクトマネジメントの手引 3.11 プロジェクトの制約
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問65.プロジェクトにおけるステークホルダ分析で、関心度が高く影響度も高いステークホルダは「重点的に管理」する対象である。
正解:○(正しい)
解説:正しい。ステークホルダ分析では、プロジェクトに対する権限(影響度)と、プロジェクトの結果への関心度の2つの軸でステークホルダを分類する権力/関心度グリッドがよく使われる。PMBOKガイドのこのグリッドでは、影響度・関心度がともに高い相手は「重点的に管理する」、影響度が高く関心度が低い相手は「満足な状態を保つ」、影響度が低く関心度が高い相手は「情報を提供し続ける」対象とされる。影響度も関心度も高い相手ほど、密に関わって管理する。
根拠: Trautlein, B. A. (2015). Increase your influence and impact through "change intelligent" stakeholder engagement. PMI® Global Congress 2015—North America(PMI Learning Library) Stakeholder Analysis の節(PMBOK® Guide 第4版の power/interest グリッド:authority=power と concern=interest で分類)/The saboteur(high power・high interest → “manage closely”)・The timebomb(high power・low interest → “keep them satisfied”)・The irritant(low power・high interest → “keep them informed”) / IPA 応用情報技術者試験(レベル3)シラバス Ver.7.2 PDF p.85 プロジェクトのステークホルダ 用語例「ステークホルダ分析」
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問66.ITIL 4のサービスバリューチェーンの6つの活動には、計画・改善・エンゲージ・設計と移行・取得と構築・提供と支援が含まれる。
正解:○(正しい)
解説:正しい。ITIL 4のサービスバリューチェーンは、サービスを生み出し、提供し、改善していくための柔軟な運用モデルで、計画(Plan)、改善(Improve)、エンゲージ(Engage)、設計と移行(Design & Transition)、取得/構築(Obtain/Build)、提供と支援(Deliver & Support)の6つの活動から成る。本文に挙げた6つは、この6活動を日本語で並べたもので、過不足はない。
根拠: Rajwardhan Purohit「Optimizing IT Monitoring with ITIL 4 & PeopleCert’s Accredited Tools」(PeopleCert Accredited Tool Vendors のブログ記事、2026年1月19日更新) Embedding observability in the ITIL 4 Service Value Chain(「ITIL 4’s Service Value Chain provides a flexible operating model for creating, delivering and improving services」、Plan・Improve・Engage・Design & Transition・Obtain/Build・Deliver & Support の6つを列挙) / IPA 応用情報技術者試験(レベル3)シラバス Ver.7.2 中分類15 サービスマネジメント 1.サービスマネジメント(3)ITIL「ITIL の目的,考え方」(PDF p.90)
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問67.システム監査において、監査人は監査対象部門の業務執行から独立した立場である必要がある。
正解:○(正しい)
解説:正しい。経済産業省のシステム監査基準(平成30年改訂版)の【基準4】は、システム監査人は、監査対象の領域又は活動から、独立かつ客観的な立場で監査が実施されているという外観に十分に配慮しなければならないとし、監査の実施に当たり、客観的な視点から公正な判断を行わなければならないとしている。その解釈指針も、システム監査人がその役割と責任を果たすためには、監査対象部門から独立している必要があるとしている。また同基準の前文は、システム監査を、専門性と客観性を備えたシステム監査人が行うものとしており、独立性・客観性に加えて専門性も監査人に求められる。なお、システム監査基準は令和5年4月26日にも改訂されている。
根拠: システム監査基準(経済産業省 平成30年4月20日改訂版)※現行は令和5年4月26日改訂版 前文 [1]システム監査の意義と目的、【基準4】システム監査人としての独立性と客観性の保持(本文・<解釈指針>1) / システム監査制度について(経済産業省) 「システム監査基準(令和5年4月26日改訂)」の掲載(旧版の平成30年4月20日改訂版も掲載)
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問68.ファシリティマネジメント(FM)は、企業・団体等が組織活動のために、施設とその環境を総合的に企画、管理、活用する経営活動である。
正解:○(正しい)
解説:正しい。日本ファシリティマネジメント協会(JFMA)は、FMを「企業・団体等が組織活動のために、施設とその環境を総合的に企画、管理、活用する経営活動」と定義している。ファシリティ(土地、建物、構築物、設備等)のすべてを、経営にとって最適な状態(コスト最小、効果最大)で保有し、賃借し、使用し、運営し、維持するための総合的な経営活動とされる。建物や設備を維持管理するだけでなく、企画から活用までを経営の視点で行う点が要点である。JFMAはFMの対象として情報管理施設も挙げており、データセンタの建物や設備も対象に含まれる。
根拠: FMとはどのようなものか - 公益社団法人 日本ファシリティマネジメント協会(JFMA) 「ファシリティマネジメント(FM)とは」の定義と説明1、対象施設の例(情報管理施設)
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問69.ITサービスの可用性設計で、SPOF(単一障害点)を排除するには冗長化構成が基本である。
正解:○(正しい)
解説:アクティブ-アクティブやアクティブ-スタンバイ構成でSPOFを排除します。
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問70.プロジェクトのコスト見積り技法のうち、類推見積りは過去の類似プロジェクト実績をもとに概算する方法である。
正解:○(正しい)
解説:正しい。類推見積りは、見積る対象とよく似た過去のプロジェクトの実績(工数・期間・コスト)を基に、プロジェクト全体をまとめて概算するトップダウン型の技法である。作業を細かく分解するための情報がまだ少ない初期段階でも素早く見積れるが、過去のプロジェクトと本当に似ていることが前提で、新規性の高いプロジェクトには向かない。WBSの作業パッケージごとに見積って積み上げるボトムアップ見積りは、詳細化が進んだ後に使い、一般に精度が高い。
根拠: Kanabar, V., & Warburton, R. D. H. (2011). Leveraging the new practice standard for project estimating. PMI® Global Congress 2011—North America(PMI Learning Library) The Analogous Estimation Technique の節(top-down technique、分解する情報が少ないときに使う、類似の過去プロジェクトの実績が前提、innovative なプロジェクトには向かない)/Bottom-Up Estimation の節(WBS の作業パッケージで見積り積み上げ、一般に top-down より精度が高い) / IPA 応用情報技術者試験(レベル3)シラバス Ver.7.2 PDF p.87 プロジェクトのコスト(3)ツールと技法 用語例「類推見積り」「ボトムアップ見積り」
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問71.ISO/IEC 25010:2011(JIS X 25010:2013)では、機能適合性・性能効率性・互換性・使用性・信頼性・セキュリティ・保守性・移植性の8つの製品品質特性が定義される。
正解:○(正しい)
解説:正しい。ISO/IEC 25010:2011(JIS X 25010:2013)は、ISO/IEC 9126-1(JIS X 0129-1)を改正した後継の規格で、システムとソフトウェア製品の品質を、機能適合性・性能効率性・互換性・使用性・信頼性・セキュリティ・保守性・移植性の8つの品質特性に整理した製品品質モデルを定めている。2023年の改訂(JIS X 25010:2025)では安全性が品質特性に加わって9特性になり、使用性はインタラクション容易性(対話性)に、移植性は柔軟性に置き換えられた。
根拠: JIS X 25010:2013 システム及びソフトウェア製品の品質要求及び評価(SQuaRE)-システム及びソフトウェア品質モデル 序文(ISO/IEC 25010:2011 を基に技術的内容を変更せず作成)、1 適用範囲 b)(製品品質モデルは八つの特性)、4.2.1〜4.2.8、附属書A(JIS X 0129-1:2003 を改正) / JIS X 25010:2025 システム及びソフトウェア技術-システム及びソフトウェア製品の品質要求及び評価(SQuaRE)-製品品質モデル(JSA プレビュー) PDF p.5 序文・主要な変更点(ISO/IEC 25010:2023 を基に作成。安全性を品質特性として追加。使用性及び移植性は,それぞれ,インタラクション容易性(対話性)及び柔軟性に置き換え)、PDF p.4 まえがき(JIS X 25010:2013 を改正)
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問72.DXレポート(経済産業省)で提起された「2025年の崖」は、既存システムの複雑化・ブラックボックス化への警鐘である。
正解:○(正しい)
解説:正しい。2025年の崖は、既存システムが複雑化・老朽化・ブラックボックス化したまま残った場合の警鐘である。課題を克服できなければ、2025年以降に最大12兆円/年の経済損失が生じる可能性があるとされた。「崖」は古いシステムの問題と損失額をセットで覚える。
根拠: IPA DX動向2024 日本企業が直面するDXの2つの崖壁と課題 脚注3 / DXレポート(経済産業省)の引用を含むIPA掲載資料 4ページ
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問73.アローダイアグラムでクリティカルパスの総所要日数が30日、作業Xの最早開始日10日・最遅開始日15日のとき、作業Xのトータルフロート(余裕日数)はいくつか。
- ア.5日
- イ.0日
- ウ.10日
- エ.15日
正解:ア.5日
解説:トータルフロートは、その作業の開始をどれだけ遅らせても全体の完了日(ここでは30日)が延びないかを表す余裕日数で、最遅開始日から最早開始日を引いて求める。作業Xは15−10=5日となり、5日までの遅れなら全体の工期に影響しない。0日は余裕が無い場合の値で、少しの遅れでも全体が遅れるクリティカルパス上の作業に当たる。10日は最早開始日、15日は最遅開始日そのもので、どちらも余裕日数ではない。
根拠: 工程計画管理基準(案)(建設省東北地方建設局。国土交通省東北地方整備局 H25 仕様書参考資料19) PDF p.7 第4章 日程計算の表示 第2 凡例(イベントの最遅開始日90・最早開始日40に対し〔50〕=トータルフロート) / JIS Q 21500:2018 プロジェクトマネジメントの手引 2.8 クリティカルパス(プロジェクト又はフェーズにとっての最速完了日を決定する一連の活動) / IPA 応用情報技術者試験(レベル3)シラバス Ver.7.2 PDF p.86 プロジェクトのスケジュール(3)ツールと技法 用語例「スケジュールネットワーク分析,PERT,CPM」「アローダイアグラム」
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問74.EVMでPV=1000万円、EV=800万円、AC=900万円のとき、SPIはいくつか。
- ア.0.89
- イ.0.80
- ウ.0.90
- エ.1.13
正解:イ.0.80
解説:SPI(スケジュール効率指数)は、EV(出来高)をPV(計画価値)で割った値で、SPI=800÷1000=0.80となる。1を下回るので、計画した作業の8割しか進んでおらず、進捗が遅れている状態である。0.89はEVをAC(実コスト)で割ったCPI(コスト効率指数)の値(800÷900)、0.90はACをPVで割った値(900÷1000)、1.13はACをEVで割った値(900÷800)で、どれもSPIではない。
根拠: Anbari, F. T. (2012). The earned schedule. PMI® Research and Education Conference(PMI Learning Library) Performance Indices(SPI = EV ÷ PV・CPI = EV ÷ AC、1未満は不良) / IPA 応用情報技術者試験(レベル3)シラバス Ver.7.2 PDF p.86 プロジェクトのスケジュール(3)ツールと技法 用語例「EVM(Earned Value Management)」
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問75.EVMでEV=600、AC=750のとき、CPIとコスト状態の組合せとして正しいものはどれか。
- ア.CPI=0.80、予算内
- イ.CPI=1.25、予算超過
- ウ.CPI=0.80、予算超過
- エ.CPI=1.25、予算内
正解:ウ.CPI=0.80、予算超過
解説:CPI=EV/AC=600/750=0.80。1未満なのでコスト超過です。
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問76.リスク対応戦略のうち、影響が小さく対策コストのほうが大きいため、あえて対策せずリスクを残す戦略はどれか。
- ア.回避
- イ.軽減
- ウ.転嫁
- エ.受容
正解:エ.受容
解説:受容(保有)は、リスクがあることを認識したうえで、発生を減らしたり第三者に移したりする対策をとらず、そのまま受け入れる戦略である。影響が小さく対策の費用のほうが大きいときなど、対策の費用対効果が見合わない場合に選ばれる。回避はリスクの原因となる活動そのものをやめること(例:そのプロジェクトを実施しない)、軽減は発生の可能性や損失の大きさを下げる対策をとること、転嫁は保険や契約によってリスクの損失を第三者に移すことで、いずれもリスクをそのまま残す戦略ではない。
根拠: リスクマネジメント協会 リスクマネジメント Lesson 6.リスクの管理・対策① リスクへの対応の4分類(回避・低減・移転・保有)、回避=損失が発生する根源を断つ(プロジェクトを実施しない例)、保有=リスクを認識しながら低減や移転の対策を講じないこと、保険による移転の例 / リスクマネジメント協会 リスクマネジメント Lesson 6.リスクの管理・対策② 低減策(リスクの顕在化=発生確率の低減と、顕在化した際の損失の低減) / JIS Q 21500:2018 プロジェクトマネジメントの手引 4.3.30 リスクへの対応(リスク対応は費用対効果が高く…が望ましい。リスクの回避,軽減,転嫁又はコンティンジェンシ計画の作成が含まれる) / IPA 応用情報技術者試験(レベル3)シラバス Ver.7.2 PDF p.86〜87 プロジェクトのリスク(1)プロセス「リスクへの対応」(3)用語例「脅威への戦略」
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問77.ソフトウェア見積りのファンクションポイント法の基礎要素として適切でないものはどれか。
- ア.プログラム行数
- イ.外部出力
- ウ.内部論理ファイル
- エ.外部入力
正解:ア.プログラム行数
解説:ファンクションポイント法は、ソフトウェアが利用者に提供する機能の数と複雑さから規模を測る方法で、機能を内部論理ファイル(ILF)・外部インタフェースファイル(EIF)・外部入力(EI)・外部出力(EO)・外部照会(EQ)の5つのファンクション型に分けて数える。選択肢の外部出力・内部論理ファイル・外部入力はこの5つのうちの3つで、FP法の基礎要素に当たる。プログラム行数は、書いたコードの量で規模を測るLOC(Lines of Code)法の尺度で、利用者から見た機能で測るFP法の要素ではない。
根拠: JIS X 0142:2010 ソフトウェア技術-機能規模測定-IFPUG機能規模測定手法(IFPUG4.1版未調整ファンクションポイント)計測マニュアル 2.58 ファンクション型(ILF・EIF・EI・EO・EQ の5種類)、2.17 外部出力、2.19 外部入力、2.53 内部論理ファイル / IPA 応用情報技術者試験(レベル3)シラバス Ver.7.2 PDF p.87 プロジェクトのコスト(3)ツールと技法 用語例「ファンクションポイント法,LOC(Lines of Code)法」
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問78.ある作業の所要期間を、楽観値4日、最可能値7日、悲観値16日と見積もった。PERTの三点見積り(ベータ分布)による期待所要期間は何日か。
- ア.7日
- イ.8日
- ウ.10日
- エ.12日
正解:イ.8日
解説:PERTの三点見積りでは、作業時間がベータ分布に従うと考え、その平均を(楽観値+4×最可能値+悲観値)÷6で近似する。最も起こりやすい最可能値に4倍の重みを置き、楽観値と悲観値は1倍ずつ加える形である。この問題では(4+4×7+16)÷6=48÷6=8日となる。7日は最可能値そのもの、10日は楽観値と悲観値の単純な平均で、いずれも期待値ではない。12日は悲観値と楽観値の差で、ばらつきを見積もるとき(標準偏差の目安は差÷6=2日)に使う値である。
根拠: システム科学入門Ⅱ 第5回資料 PERT(2) 三点見積法(広島修道大学) 補足1「PERTとベータ分布」(E[t]=(a+4m+b)/6、V[t]=((b−a)/6)^2)
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問79.SLA 99.99%の稼働率目標が意味する年間許容停止時間として最も近いものはどれか。
- ア.約87.60分
- イ.約4.32分
- ウ.約52.56分
- エ.約48.00分
正解:ウ.約52.56分
解説:稼働率99.99%(フォーナイン)なら、停止してよい時間は全体の0.01%である。1年を365日×24時間=8,760時間とすると、8,760×0.0001=0.876時間で、1時間は60分なので0.876×60=約52.56分となる。約87.60分は0.876時間を87.6分と読み違えた値、約48.00分は1年を8,000時間と概算した値、約4.32分は30日(1か月)分の許容停止時間で、どれも1年の許容停止時間として正しくない。
根拠: IPA 応用情報技術者試験(レベル3)シラバス Ver.7.2 PDF p.90 サービスマネジメント(4)SLA 用語例「SLA,SLO,SLI,サービス可用性」 / IPA 応用情報技術者試験(レベル3)シラバス Ver.7.2 PDF p.26 システムの信頼性特性と評価 ②信頼性指標と信頼性計算(MTBF,MTTR,稼働率)。年間許容停止時間は本文の数値(8,760時間×0.0001)で検算
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問80.スクラムのイベントのうち、スプリントの最後に行い、プロセスなどの改善点を振り返るものはどれか。
- ア.スプリントプランニング
- イ.デイリースクラム
- ウ.スプリントレビュー
- エ.スプリントレトロスペクティブ
正解:エ.スプリントレトロスペクティブ
解説:正解はスプリントレトロスペクティブ。スクラムガイド(2020年版)では、スプリントレトロスペクティブの目的は品質と効果を高める方法を計画することで、スクラムチームは個人、相互作用、プロセス、ツール、完成の定義に関して、今回のスプリントがどのように進んだかを検査する。スプリントレトロスペクティブをもってスプリントは終了する。スプリントプランニングはスプリントの起点で、スプリントで実行する作業の計画を立てる。デイリースクラムは、スプリントゴールに対する進捗を検査し、必要に応じてスプリントバックログを適応させる15分のイベントである。スプリントレビューは、スプリントの成果を検査し、今後の適応を決定するイベントである。
根拠: スクラムガイド(2020年11月版・日本語版) スクラムイベント:スプリントプランニング/デイリースクラム/スプリントレビュー/スプリントレトロスペクティブ / The 2020 Scrum Guide Scrum Events – Sprint Retrospective
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問81.DevOpsのデプロイ戦略で、新旧2環境を切替える方式はどれか。
- ア.ブルーグリーンデプロイ
- イ.カナリアリリース
- ウ.ローリングデプロイ
- エ.ダークローンチ
正解:ア.ブルーグリーンデプロイ
解説:ブルーグリーンデプロイは、同じ構成の本番環境を2つ(ブルーとグリーン)用意して、片方で現行版を動かしたまま、もう片方に新版を入れて確かめ、利用者からのアクセスを新しい環境へ切り替える方式である。停止時間を短くでき、切り替える前の環境が残るので元に戻すことも容易である。カナリアリリースは新版を一部の利用者にだけ先に出して様子を見ながら広げる方式、ローリングデプロイはサーバを順に少しずつ新版へ入れ替える方式、ダークローンチは新機能を利用者に見えない形で本番に組み込み負荷などを確かめる方式で、いずれも新旧2環境の切替えではない。
根拠: Configure the blue-green deployment strategy for Azure Linux virtual machines Blue-green deployments(two separate and identical environments but only one is live at any time、switching between the blue/green environments で停止時間を減らす) / Configure the canary deployment strategy for Azure Linux Virtual Machines Canary deployments / CI/CD for microservices architectures(Microsoft Learn, Azure Architecture Center) Update services > Rolling updates(新しいインスタンスを順に配置し、準備ができたものから旧インスタンスを取り除く) / Martin Fowler「Dark Launching」(bliki、2020年4月29日) 冒頭(新しい機能を利用者に分からない形で呼び出し、公開前に負荷や性能への影響を確かめる) / IPA 応用情報技術者試験(レベル3)シラバス Ver.7.2 PDF p.74 導入 用語例「カナリアリリース,ブルーグリーンデプロイメント」
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問82.能力成熟度モデルCMMIの最高レベル5の名称はどれか。
- ア.定義された
- イ.最適化している
- ウ.定量的に管理された
- エ.再現可能な
正解:イ.最適化している
解説:CMMIの成熟度レベルで最も高いレベル5は「最適化している(Optimizing)」で、組織が継続的な改善に焦点を当てている状態を表す。「定義された(Defined)」はレベル3で、組織の標準に沿ってプロジェクトを進める段階、「定量的に管理された(Quantitatively Managed)」はレベル4で、データに基づく定量的な改善目標を持つ段階である。CMMIのレベル2は「管理された(Managed)」で、「再現可能な」という名称はCMMIの成熟度レベルには無い。
根拠: CMMI Institute - CMMI Levels of Capability and Performance Maturity Levels(Level 1: Initial、Level 2: Managed、Level 3: Defined、Level 4: Quantitatively Managed、Level 5: Optimizing「Organization is focused on continuous improvement」) / IPA 応用情報技術者試験(レベル3)シラバス Ver.7.2 PDF p.80 プロセス成熟度 用語例「CMMI」
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問83.ソフトウェア要求分析で、外部仕様の有効性や仕様の漏れ、実現可能性などを評価し、後の工程での手戻りを防ぐために作成することがあるものはどれか。
- ア.スタブ
- イ.移行計画書
- ウ.プロトタイプ
- エ.利用者マニュアル
正解:ウ.プロトタイプ
解説:プロトタイプ(試作品)は、要求分析の段階で外部仕様の有効性や仕様の漏れ、実現可能性などを確かめるために作ることがあり、要件の誤りや漏れを早く見つけて後の工程での手戻りを防ぐ。要件の誤りや漏れは、後の工程で見つかるほど修正費用が大きくなるとされるため、早い段階での評価が大切になる。スタブはソフトウェアのテストを実施するときに使うテストツール、移行計画書は新しいシステムへの移行の手順や留意事項を文書化したもの、利用者マニュアルは業務や操作、運用の手順を文書化したもので、どれも仕様を評価して手戻りを防ぐために作るものではない。
根拠: IPA 応用情報技術者試験(レベル3)シラバス Ver.7.2 PDF p.64 ソフトウェア要件定義(8)業務分析や要件定義に用いられる手法 ③モックアップ及びプロトタイプ(外部仕様の有効性,仕様の漏れ,実現可能性などの評価を行い,手戻りを防ぐためにモックアップ及びプロトタイプを作成することがある) / IPA 応用情報技術者試験(レベル3)シラバス Ver.7.2 PDF p.71 (8)ソフトウェアユニットのテスト ③テストの実施と評価(テストで使用されるテストツールの役割)用語例「デバッガ,ドライバ,スタブ」 / IPA 応用情報技術者試験(レベル3)シラバス Ver.7.2 PDF p.77 ⑥移行(システム移行及び/又はソフトウェア移行の手順,移行の際の留意事項)用語例「移行計画の文書化と検証」 / IPA 応用情報技術者試験(レベル3)シラバス Ver.7.2 PDF p.75 ④利用者用文書類(利用者マニュアル)(取得者の業務,コンピュータ操作,システム運用などの手順を文書化。システム設計時又はソフトウェア設計時に暫定版を作成し,開発の進行に従って適宜更新) / NIST Planning Report 02-3: The Economic Impacts of Inadequate Infrastructure for Software Testing Section 1.4.2 Increased Software Development Costs(the longer a defect stays in the program, the more costly it becomes to fix it)、Table 1-5 Relative Costs to Repair Defects(Boehm (1976) Study の列:Requirements 0.2Y、Design 0.5Y、Coding 1.2Y、System Testing 5Y、Installation Testing 15Y)
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問84.ブルックスの法則が述べる、遅れているソフトウェア開発プロジェクトに途中から人員を追加したときの結果として、正しいものはどれか。
- ア.遅れの大きさは変わらない
- イ.人数に比例して遅れが縮まる
- ウ.遅れの一部を取り戻せる
- エ.遅れがさらに大きくなる
正解:エ.遅れがさらに大きくなる
解説:ブルックスの法則は、F.P.ブルックスが示した経験則で、遅れかけているソフトウェア開発プロジェクトに途中から要員を加えると、遅れを取り戻すどころか、遅れがいっそう大きくなるというもの。加わった人の教育が必要になり、作業の割り振り直しも生じ、さらに人数が増えるとコミュニケーションの経路が急に増える(5人なら10本、10人なら45本)ためである。人と月は交換できないので、人数に比例して遅れが縮まることはなく、遅れが変わらずに済むことや、一部を取り戻せることも期待できない。
根拠: 世界大百科事典(旧版)【ソフトウェア工学】の項(平凡社。コトバンク「ブルックス,R.A.」の頁に掲載) Frederick P.Brooks の経験則(遅れかけているプロジェクトに途中から要員を追加しても、遅れを回復するどころかいっそう遅れが増大する。マンとマンスが可換でない) / 山浦恒央「『ブルックスの呪い』から逃れるために:山浦恒央の“くみこみ”な話(8)」MONOist(2009年6月18日) 遅れが拡大する原因(1)コミュニケーション・パスの急激な増加(2)助っ人の教育(3)作業の再配分。パス数 n(n−1)/2:5人で10、10人で45
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問85.システム監査人が備えるべき要件として必須でないものはどれか。
- ア.監査対象部門での業務経験
- イ.監査対象からの独立性
- ウ.客観的な立場での公正な判断
- エ.システム監査に必要な専門的能力
正解:ア.監査対象部門での業務経験
解説:監査対象部門での業務経験は、システム監査人の要件ではない。システム監査基準は監査人に、監査対象の領域や活動から独立し、客観的な立場で公正に判断して監査を行うこと(独立性と客観性)と、教育・研修や実務経験を通じてシステム監査に必要な知識・技能を保ち高めること(専門的能力)を求めている。監査人の所属部門が監査対象と同じ指揮命令系統にあると、独立性が損なわれている外観を呈するとされ、監査対象部門に身を置いたことは要件どころか独立性の面で注意すべき点になる。
根拠: システム監査基準(経済産業省 令和5年4月26日改訂) 【基準2】専門的能力の保持と向上(印刷 p.12・PDF p.14)、【基準4】監査の独立性と客観性の保持 本文・主旨・解釈指針2(所属する部門が監査対象と同一の指揮命令系統に属する場合の外観)(印刷 p.17・PDF p.19) / システム監査基準(経済産業省 平成30年4月20日改訂版。旧版) 【基準2】監査能力の保持と向上(PDF p.8)、【基準4】解釈指針1(3)「以前、監査対象の領域又は業務に従事していた場合、原則として、監査の任から外れることが望ましい」(PDF p.14) / IPA 応用情報技術者試験(レベル3)シラバス Ver.7.2 PDF p.98 システム監査の目的 用語例「専門的能力の保持と向上」「監査の独立性と客観性の保持」
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問86.BCPにおいて、RTO(目標復旧時間)の意味として最も適切なものはどれか。
- ア.障害発生後、どの時点までのデータを復旧するか
- イ.障害発生後、いつまでにサービスを復旧するか
- ウ.システム平均故障間隔
- エ.システム修復平均時間
正解:イ.障害発生後、いつまでにサービスを復旧するか
解説:RTO(目標復旧時間)は、事故の後、業務を復旧させるまでの目標とする期間で、「いつまでにサービスを復旧するか」を表す。「どの時点までのデータを復旧するか」は、事故前のどの時点までデータを戻せるようにするかの目標時点で、RPO(目標復旧時点)の説明である。システム平均故障間隔はMTBF(故障から次の故障までの動作時間の平均)、システム修復平均時間はMTTR(故障を修復するのにかかる時間の平均)で、どちらも設備の信頼性・保全性を表す指標であり、BCPで決める復旧の目標ではない。
根拠: IT サービス継続ガイドライン(経済産業省、平成20年9月。内閣府防災の事業継続ページに掲載) g) 目標復旧時間(RTO)、目標復旧ポイント(RPO)、目標復旧レベル(RLO)(印刷 p.7・PDF p.10) / JIS Z 8115:2019 ディペンダビリティ(総合信頼性)用語(kikakurui掲載版) 平均故障間動作時間(MTBF:故障間動作時間の期待値。信頼性特性値の一つ)、平均修復時間(MTTR:修復時間の期待値。保全性特性値の一つ)
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問87.JIS Q 38500:2015(ITガバナンス)が良好なITガバナンスのために挙げる六つの原則に含まれないものはどれか。
- ア.責任
- イ.戦略
- ウ.収益
- エ.パフォーマンス
正解:ウ.収益
解説:正解は収益。JIS Q 38500:2015は、良好なITガバナンスのための六つの原則として、責任、戦略、取得、パフォーマンス、適合、人間行動を挙げており、収益は含まれない。責任は、組織内の個人及び部門がITの供給及び需要の両面の役割について責任を理解して受け入れること、戦略は、組織の事業戦略がITの現在及び将来の能力を考慮すること、パフォーマンスは、ITが現在及び将来の事業のニーズに合うサービスを提供する点で目的に適合することである。なお、JIS Q 38500は2026年2月20日に改正されており、この六つの原則は2015年版のものである。
根拠: JIS Q 38500:2015 情報技術-ITガバナンス(2008年発行の ISO/IEC 38500 第1版を基に作成) 序文、1.1 適用範囲、3.1 原則(3.1.1〜3.1.6) / 日本産業標準調査会(JISC)データベース JIS規格詳細画面 JIS Q 38500 情報技術-組織のITガバナンス 最新改正年月日 2026/02/20(JIS規格番号 Q38500 で検索)
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問88.PMBOKガイド第6版では、プロジェクトマネジメントを10の知識エリア(統合・スコープ・スケジュール・コスト・品質・資源・コミュニケーション・リスク・調達・ステークホルダー)に分類している。
正解:○(正しい)
解説:正しい。PMBOKガイド第6版は、プロジェクトマネジメントを統合・スコープ・スケジュール・コスト・品質・資源・コミュニケーション・リスク・調達・ステークホルダーの10の知識エリアに分け、プロセス群と組み合わせて整理している。第7版(2021年)からは、12の原則とプロジェクト・パフォーマンス領域を中心とする構成に改められた。さらに第8版(2025年11月発行)は、6つの中核となる原則と7つのパフォーマンス領域に整理し直している。
根拠: PMI: PMBOK Guide – Sixth Edition errata (Figure 3-1 Planning Process Group) Part 2, Figure 3-1 (p.566 付近)。Project Integration Management Knowledge Area などの記載(10の知識エリアを一覧で示す原文ではなく、統合マネジメントなど知識エリアの構成を示す図の正誤表) / PMI: PMBOK® Guide FAQs(Updated: 24 March 2021) p.1 Q5(Process Groups and Knowledge Areas の概念は project performance domains に引き継がれる)、p.2 Q7(The Standard for Project Management presents 12 principles)・Q9(Seventh Edition は 2021年8月1日に発売) / PMI: PMBOK® Guide – Eighth Edition(pmi.org/standards/pmbok) Overview(Six core principles、Seven performance domains、Seventh Edition の principles and performance domains を引き継ぎ簡素化)、Product Specifications(Publication Date November 2025)
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問89.WBS(Work Breakdown Structure)は、プロジェクトの作業を階層的に分解した構造図である。
正解:○(正しい)
解説:WBS:成果物指向の階層分解。工数・コスト見積もり、進捗管理、責任分担の基礎となる。
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問90.クリティカルパスは、プロジェクト全体の最短完了時間を決める作業経路である。
正解:○(正しい)
解説:正しい。クリティカルパスは、作業の順序関係をつないだ経路のうち、所要時間の合計が最も長い経路である。最も長い経路の作業が全部終わらないとプロジェクトは終わらないため、その長さが、プロジェクトを最も早く終えられる時間(最短完了時間)を決める。最長の経路が最短の完了時間を決める、という関係で覚えるとよい。この経路上の作業には余裕が無いので、どれか1つが遅れるとプロジェクト全体が遅れる。
根拠: JIS Q 21500:2018 プロジェクトマネジメントの手引 2.8 クリティカルパス(critical path) / IPA 応用情報技術者試験(レベル3)シラバス Ver.7.2 PDF p.86 プロジェクトのスケジュール(3)ツールと技法 用語例「CPM(Critical Path Method:クリティカルパス法)」
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問91.ガントチャートは、プロジェクトの作業項目を時間軸上で表示するスケジュール管理ツールである。
正解:○(正しい)
解説:正しい。ガントチャートは、横軸に時間、縦軸に工程や担当者ごとの作業をとり、各作業の期間を帯(横棒)で表すスケジュール管理の図表で、米国のH.ガントが考案した。作業の計画と実績を並べて表すことで、どの作業がいつ始まりいつ終わる予定か、予定に対して進んでいるか遅れているかがひと目で分かる。横線工程表、バーチャートとも呼ばれる。
根拠: コトバンク「ガントチャート」(デジタル大辞泉、ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典) デジタル大辞泉:スケジュール管理のための帯状グラフ。横軸に時間、縦軸に工程・人員別の作業期間。ガントが考案。バーチャート/ブリタニカ:横線工程表とも。作業計画と実績が表示される / IPA 応用情報技術者試験(レベル3)シラバス Ver.7.2 PDF p.86 プロジェクトの時間(3)ツールと技法 用語例「ガントチャート」
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問92.EVM(アーンドバリューマネジメント)は、プロジェクトのコスト・スケジュールパフォーマンスを統合的に評価する手法である。
正解:○(正しい)
解説:正しい。EVM(アーンドバリューマネジメント)は、計画した作業の価値(PV)、実際に終えた作業の計画上の価値である出来高(EV)、その作業に実際にかかったコスト(AC)を同じ金額の尺度で比べ、コストとスケジュールの両方の達成状況を評価する手法である。スケジュール効率はSPI=EV÷PVで、1未満なら計画より作業が遅れている。コスト効率はCPI=EV÷ACで、1未満なら出来高の価値よりコストが多くかかっている(予算超過)。
根拠: Integrating scheduling and earned value management (EVM) metrics (PMI Learning Library) 概要・本文冒頭(EVM はコストとスケジュールの両方を評価できる。EV=BCWP、計画=BCWS)/Correlating the SPI with Schedule Data(SPI が1.00未満なら計画より少ない作業)/Correlating the CPI With Resource Information(CPI は ACWP と BCWP の比較。1.00未満なら計画価値よりコストがかかっている) / IPA 応用情報技術者試験(レベル3)シラバス Ver.7.2 PDF p.87 プロジェクトのコスト(3)ツールと技法 用語例「EVM(Earned Value Management)」
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問93.リスクマネジメントのプロセスには、リスク特定・リスク分析・リスク対応計画・リスク監視がある。
正解:○(正しい)
解説:正しい。リスクマネジメントのプロセス(JIS Q 31000)は、コミュニケーション及び協議、適用範囲・状況・基準の確定、リスクアセスメント(リスク特定・リスク分析・リスク評価)、リスク対応(リスク対応計画の準備及び実施を含む)、モニタリング及びレビュー、記録作成及び報告からなる。問題文の特定・分析・対応計画・監視(モニタリング)はどれもこのプロセスに含まれ、「〜がある」という問い方なので、リスク評価などが挙がっていなくても正しい。特定→分析→評価→対応と進め、全体を通じてモニタリングとレビューを続ける、と押さえる。
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問94.マイナスのリスク(脅威)への対応戦略には、回避・転嫁・軽減・受容がある。
正解:○(正しい)
解説:正しい。プロジェクトにマイナスの影響を与えるリスク(脅威)への代表的な対応戦略は回避・転嫁・軽減・受容で、PMBOKガイド第6版ではこれにエスカレーション(脅威がプロジェクトの範囲の外にあるときや、対応策がプロジェクトマネージャの権限を超えるときに、組織で扱う)が加わった。回避は原因を取り除く(スコープの縮小や中止など)、転嫁は保険や外部への委託などで第三者に移す、軽減は発生確率や影響度を下げる、受容は積極的な対応がとれないときにリスクを受け入れ、時間や資金の予備を設けるなどして備える。プラスのリスク(好機)への代表的な戦略は活用・共有・強化・受容。
根拠: IPA 応用情報技術者試験(レベル3)シラバス Ver.7.0 プロジェクトマネジメント 8.プロジェクトのリスク(3)ツールと技法 用語例「脅威への戦略,好機への戦略」(PDF 87ページ) / 日本プロジェクトマネジメント協会(PMAJ)PM研究・研修部会「PMBOKガイド第6版概要解説」(PMシンポジウム2020、2020年9月11日) 27ページ「リスク対応戦略」:脅威へのリスク対応戦略=エスカレーション(脅威がプロジェクト・スコープの外部にあるか、対応策がプロジェクトマネジャーの権限を超えている場合は組織でマネジメント)・回避(原因の除去、スコープの縮小、プロジェクトの中止)・転嫁(第三者に移転。保険、外注委託など)・軽減(発生確率や影響度の軽減)・受容(積極的な対応戦略が不可能な場合。能動的な受容ではコンティンジェンシー予備を設ける) / @IT「6分で読めるPMBOKのリスク・マネジメント」(メンバーに贈るプロマネ基礎講座(9)、2008年8月6日)2ページ プラスの影響を与えるリスクへの戦略:活用・共有・強化・受容(第4版のころの記事)
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問95.ITILは、ITサービスマネジメントのベストプラクティスをまとめたフレームワークである。
正解:○(正しい)
解説:正しい。ITIL(IT Infrastructure Library)は、ITサービスマネジメントのベストプラクティス、つまりIT運用の現場で積み重ねられた知識やノウハウを集めたフレームワークで、もとは英国政府が作成・文書化した。サービスマネジメントの事実上の標準として世界で活用されており、インシデントや問題の管理などの実践を扱う。サービスマネジメントシステムについて組織が満たすべき要求事項を定めたJIS Q 20000(ISO/IEC 20000)の規格群とは別のものである。
根拠: ITIL®(IT インフラストラクチャ・ライブラリ)2011(一般社団法人情報サービス産業協会 JISA) 要約(ITサービスマネジメントのベストプラクティスを集めたフレームワーク。英国商務省が作成・文書化) / IPA 応用情報技術者試験(レベル3)シラバス Ver.7.2 PDF p.90 サービスマネジメント(2)JIS Q 20000(組織に対する要求事項)・(3)ITIL(デファクトスタンダードとして世界で活用) / PeopleCert「ITIL Qualification Scheme | Global Best Practice Framework」 ITIL is the global best practice framework for digital product and service management/Coordinate monitoring, incident, problem, and request fulfilment practices
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問96.システム監査は、専門性と客観性を備えた監査人が、一定の基準に基づいて情報システムを検証・評価し、その適切性等について保証を与える、又は改善のための助言を行う監査である。
正解:○(正しい)
解説:正しい。経済産業省のシステム監査基準(令和5年改訂版)は、システム監査を、専門性と客観性を備えた監査人が、一定の基準に基づいてITシステムの利活用に係る検証・評価を行い、監査結果の利用者にこれらのガバナンス、マネジメント、コントロールの適切性等に対する保証を与える、又は改善のための助言を行う監査としている(平成30年版もほぼ同じ定義)。コントロールが適切に実施されることによって、情報システムの有効性、効率性、信頼性、安全性(機密性、完全性、可用性)、準拠性が維持されるとされる(【基準6】)。また、監査人が監査対象の領域又は活動から、独立かつ客観的な立場で監査が実施されているという外観にも十分に配慮されなければならない(【基準4】)。
根拠: システム監査基準(経済産業省 令和5年4月26日改訂) システム監査の意義と目的(印刷 p.7)、【基準4】監査の独立性と客観性の保持(印刷 p.17)、【基準6】監査計画の策定 <主旨>2 ③(印刷 p.21) / システム監査基準(経済産業省 平成30年4月20日改訂版)※現行は令和5年4月26日改訂版 前文 [1]システム監査の意義と目的、[2]システム監査基準の意義と適用上の留意事項
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問97.システム監査人は、調査・収集し検証・評価した情報を、監査の結論に至った過程が分かるように整理して監査調書として文書化・保管し、監査報告書の基礎資料や監査結果の裏付けとする。
正解:○(正しい)
解説:正しい。監査調書は監査の結論を支える証拠の記録で、監査報告書作成の基礎資料・監査結果の裏付けとなる(シラバス 監査調書の作成と保管)。
根拠: システム監査基準(経済産業省 平成30年4月20日改訂版)※現行は令和5年4月26日改訂版 【基準9】監査調書の作成と保管(主旨・解釈指針)、【基準10】監査の結論の形成
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問98.アジャイル開発は、短いイテレーション(スプリント)で動くソフトウェアを段階的に開発する手法である。
正解:○(正しい)
解説:正しい。アジャイル開発は、動くソフトウェアを短い間隔で繰り返し届けながら開発を進める手法である。アジャイル宣言の背後にある原則は、動くソフトウェアを2〜3週間から2〜3か月というできるだけ短い時間間隔でリリースし、動くソフトウェアこそが進捗の最も重要な尺度であるとする。スクラムではこの繰り返しの単位をスプリントと呼び、1か月以内の決まった長さとする。要求の変更は開発の後期であっても歓迎するとしており、変化への対応を重視する点も特徴である。代表的な手法にスクラムやXPがある。
根拠: アジャイル宣言の背後にある原則(日本語) 原則「動くソフトウェアを、2-3週間から2-3ヶ月というできるだけ短い時間間隔でリリースします」「動くソフトウェアこそが進捗の最も重要な尺度です」「要求の変更はたとえ開発の後期であっても歓迎します」 / スクラムガイド(2020年11月版・日本語版) スクラムイベント:スプリント「スプリントは1か月以内の決まった長さとする」(p.8) / 情報処理推進機構(IPA)「応用情報技術者試験(レベル3)シラバス Ver.7.2」 中分類13 ソフトウェア開発管理技術 1.(1)②アジャイル(a)アジャイルの概要 用語例 アジャイルソフトウェア開発宣言・XP・スクラム(p.74)
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問99.プロジェクト憲章は、プロジェクトを正式に認可し、プロジェクトマネージャを任命してその責任と権限を明確にする文書である。
正解:○(正しい)
解説:正しい。「プロジェクト憲章の作成」は統合の対象群のプロセスで、プロジェクトを正式に認可し、プロジェクトマネージャを特定してその責任と権限を定める(JIS Q 21500 4.3.2)。
根拠: JIS Q 21500:2018 プロジェクトマネジメントの手引(ISO 21500:2012) 4.3.2 プロジェクト憲章の作成
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問100.DevOpsは、開発(Dev)と運用(Ops)の連携を強化し、迅速かつ高頻度なリリースを実現する文化・手法である。
正解:○(正しい)
解説:DevOps:CI/CD・IaC(Infrastructure as Code)・モニタリング・自動化等のプラクティス。アジャイルから派生し継続的デリバリーを実現。
根拠: NIST CSRC Glossary: Development Operations (DevOps)(出典: NIST SP 800-190、SP 800-218) Definitions
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問101.CMMIは、組織のソフトウェア開発プロセス能力を3段階で評価する。
正解:×(誤り)
解説:誤り。CMMIの成熟度レベルは、1 初期、2 管理された、3 定義された、4 定量的に管理された、5 最適化している、の5段階に、取り組みが場当たり的な0 不完全を加えて示される。実践領域ごとの能力レベルも0〜3の4段階で、どちらで見ても3段階ではない。レベル2ではプロジェクト単位で計画・実施・測定・管理が行われ、レベル3では組織全体の標準がプロジェクトを導くというように、上のレベルは下のレベルの実践に新しい実践を積み上げて成り立つ。
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問102.ファンクションポイント法は、ハードウェアの構成数から見積もる方法である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。FPはソフトウェアの「機能数・複雑さ」から(ハードではない)。
根拠: ソフトウェア開発における定量的管理の主な手法(IPA 社会基盤センター) 2.1 用語解説(1) 規模尺度 FP / ISO/IEC 14143-1:2007 Information technology — Software measurement — Functional size measurement — Part 1: Definition of concepts Abstract
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問103.ITサービスマネジメントは、顧客との合意に基づいて、顧客にとって価値のあるITサービスを継続的かつ効率的に提供・管理するための活動である。
正解:○(正しい)
解説:ITサービスマネジメントは、サービスレベルの合意(SLA)に沿ってITサービスを提供し、品質とコスト効率を保ちながら顧客のビジネスに価値をもたらすことを目指す。その実践のベストプラクティス集がITIL、認証の規格がJIS Q 20000(ISO/IEC 20000)である。
根拠: JIS Q 20000-1:2020 情報技術−サービスマネジメント−第1部:サービスマネジメントシステム要求事項(ISO/IEC 20000-1:2018) 序文
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問104.インシデント管理の目的は、根本原因の追究と再発防止のみである。
正解:×(誤り)
解説:誤り。インシデント管理は「サービス中断影響を最小化し早期正常化」(根本原因追究は問題管理)。
根拠: JIS Q 20000-1:2020 情報技術-サービスマネジメント-第1部:サービスマネジメントシステム要求事項 8.6.1 インシデント管理 a)~e)
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問105.変更管理(チェンジマネジメント)は、変更を計画段階のみで管理するプロセスである。
正解:×(誤り)
解説:誤り。ITサービスマネジメントの変更管理は、変更要求を記録・分類し、リスク、事業利益、実現可能性、財務影響を考えて承認と優先度を決め、変更の実施とその後のレビューまでを扱うプロセスである。計画段階だけを管理するものではない。変更の後にはインシデントが起きやすいため、変更の評価、認可、実施、レビューを決められた手順で確実に行い、変更が原因のインシデントを抑える。
根拠: JIP-ITSMS111-3.0 ITSMS(JIS Q 20000-1:2020)解説資料(JIPDEC) 8.5.1.1 変更管理方針(評価、認可、実施、レビュー)、8.5.1.2 変更管理の開始(変更要求を記録し分類)、8.5.1.3 変更管理の活動(承認及び優先度の決定), pp.86-88/153 / 情報処理推進機構(IPA)「応用情報技術者試験(レベル3)シラバス Ver.7.2」 中分類15 サービスマネジメント 2.(12)変更管理(p.88)
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問106.V字モデルでは、要件定義に対しユニットテスト、基本設計に対しシステムテストが対応する。
正解:×(誤り)
解説:誤り。V字モデルは、開発の各工程で決めた内容を、対応するテストで確かめる考え方。ユニット(単体)テストは、ソフトウェア設計で決めた各ソフトウェアユニット(プログラム)の機能仕様を満たしているかを確かめるテストで、詳細設計の側に対応し、要件定義には対応しない。要件定義に対応するのは、システムテスト(システム要件定義で定めた要件に従うシステム検証テスト)や受入れテストなど、範囲の広いテストである。V字の底では詳細設計と単体テストが向かい合い、上へ行くほど要件定義に近い工程と範囲の広いテストが対応する、と押さえる。
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問107.ISO/IEC 25010の品質特性は、機能・性能・互換性の3つのみである。
正解:×(誤り)
解説:誤り。ISO/IEC 25010:2011(JIS X 25010:2013)は、製品品質モデルを機能適合性、性能効率性、互換性、使用性、信頼性、セキュリティ、保守性、移植性の八つの特性で定義している。2023年の改訂(JIS X 25010:2025)では安全性が加わって九つになり、使用性と移植性はそれぞれインタラクション容易性(対話性)と柔軟性に置き換えられた。どの版でも、機能・性能・互換性の3つだけではない。
根拠: JIS X 25010:2013 システム及びソフトウェア製品の品質要求及び評価(SQuaRE)-システム及びソフトウェア品質モデル 1 適用範囲 b)、注記2(ISO/IEC 25010:2011 と IDT)、4.2 製品品質モデル(八つの特性) / JIS X 25010:2025 システム及びソフトウェア技術-システム及びソフトウェア製品の品質要求及び評価(SQuaRE)-製品品質モデル(プレビュー) 序文・主要な変更点(ISO/IEC 25010:2023 対応) / 【Column】ソフトウェア品質はなぜ重要なのか?(一般社団法人ソフトウェア協会 SAJ) 「ソフトウェア品質モデルの進化」の節
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問108.PMBOKガイド第6版の10知識エリアに含まれないものはどれか。
- ア.スコープ管理
- イ.スケジュール管理
- ウ.リスク管理
- エ.法令遵守管理
正解:エ.法令遵守管理
解説:PMBOKガイド第6版の10知識エリアは、統合・スコープ・スケジュール・コスト・品質・資源・コミュニケーション・リスク・調達・ステークホルダーの各マネジメント。「法令遵守管理」は含まれない。第7版以降は原則とパフォーマンス領域の構成になっている。
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問109.EVMで「進捗が予定より遅れている」ことを示すものはどれか。
- ア.SPI < 1
- イ.CPI < 1
- ウ.SPI > 1
- エ.CPI > 1
正解:ア.SPI < 1
解説:EVMでは、PV(計画価値=その時点までに予定していた作業の予算額)、EV(出来高=その時点までに完了した作業の予算上の価値)、AC(実コスト=実際にかかった費用)を金額にそろえて比べる。SPI(スケジュール効率指数)=EV÷PVで、1未満なら予定した作業が終わっておらず進捗遅れ、1を超えれば前倒しを表す。CPI(コスト効率指数)=EV÷ACはコストの効率を表し、1未満はコスト超過、1を超えれば予算より少ない費用で済んでいることを示すもので、進捗の遅れは示さない。
根拠: Project Management, 2nd edition (Cleveland State University): 11.3 Earned Value Management (EVM) Planned Value (PV)・Earned Value (EV)・Actual Cost (AC) の定義、11.3.2 Variance Analysis(CPI = EV / AC:1.0未満はコスト超過・1.0超はコスト内、SPI = EV / PV:1.0未満は進捗遅れ・1.0超は前倒し) / IPA 応用情報技術者試験(レベル3)シラバス Ver.7.2 PDF p.86 時間 用語例「EVM(Earned Value Management)」
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問110.次のリスク対応戦略のうち、外部に責任を移す方法はどれか。
- ア.回避
- イ.転嫁
- ウ.軽減
- エ.受容
正解:イ.転嫁
解説:転嫁:保険加入・外部委託等で第三者にリスクを移転。回避はリスクを排除、軽減は影響を減らす、受容はそのまま受け入れる。
根拠: JIS Q 27000:2019 情報技術-セキュリティ技術-情報セキュリティマネジメントシステム-用語 3.72 リスク対応 注記1 / NIST Glossary: risk response (NIST SP 800-39 / NISTIR 8286 ほか) risk response の定義
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問111.ITILのインシデント管理の目的として正しいものはどれか。
- ア.根本原因の分析と再発防止処置の決定
- イ.サービス改善の機会の評価と改善活動の管理
- ウ.サービス中断の影響最小化と早期復旧
- エ.変更要求の評価・認可と実施の調整
正解:ウ.サービス中断の影響最小化と早期復旧
解説:インシデント管理の目的は、サービスの計画外の中断や品質の低下が起きたときに、業務への影響を抑えて早く通常のサービスに戻すことである。インシデントを記録・分類し、影響と緊急度から優先順位を付け、必要ならエスカレーションして解決・終了する。根本原因を分析して再発を防ぐ処置を決めるのは問題管理、改善の機会を評価して改善活動を管理するのは継続的改善、変更要求を評価・認可して実施を調整するのは変更管理の活動で、いずれもインシデント管理の目的ではない。
根拠: 情報処理推進機構(IPA)「応用情報技術者試験(レベル3)シラバス Ver.7.2」 中分類15 サービスマネジメント 2.(15)インシデント管理 ①インシデントの対応(p.89)、(17)問題管理(p.90)、3.(2)②継続的改善(p.91) / JIP-ITSMS111-3.0 ITSMS(JIS Q 20000-1:2020)解説資料(JIPDEC) 8.5.1.1 変更管理方針(変更の評価、認可、実施、レビュー)、8.5.1.3 変更管理の活動, pp.86-88/153 / What Is Incident Management? (IBM Think) What is incident management?(maintaining normal service and minimizing impact)/Incidents versus problems
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問112.スクラムにおけるタイムボックス(決められた時間枠)として誤っているものはどれか。
- ア.スプリント:1か月以内
- イ.デイリースクラム:15分
- ウ.スプリント計画:8時間(1か月スプリント)
- エ.スプリントレビュー:8時間(1か月スプリント)
正解:エ.スプリントレビュー:8時間(1か月スプリント)
解説:スプリントレビューのタイムボックスは、1か月のスプリントで最大4時間であり、8時間とする記述が誤っている。最大8時間なのはスプリントプランニングで、これも1か月のスプリントの場合の上限である。スプリントは1か月以内の決まった長さとし、前のスプリントが終わり次第、次のスプリントが始まる。デイリースクラムは開発者のための15分のイベントで、毎日同じ時間・場所で開く。スプリントが短ければ、プランニングやレビューの時間も短くすることが多い。
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問113.BSCは、財務視点のみで戦略を評価する手法である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。BSCは「財務・顧客・業務プロセス・学習成長」の4視点(財務のみではない)。
根拠: Oracle Business Intelligence Enterprise Edition ユーザーズ・ガイド「バランス・スコアカードとは」 バランス・スコアカードとは(冒頭2段落)
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問114.KPI(Key Performance Indicator)は、目標の達成に向けた取組の進み具合を定量的に測る重要業績評価指標である。
正解:○(正しい)
解説:正しい。KPI(重要業績評価指標)は、目標を達成するための取組の進み具合を定量的に測る指標。最終目標そのものの達成を測る KGI(重要目標達成指標)に対し、KPI はそこへ向かう途中の状況を日次・月次など短い間隔で点検し、目標達成のかぎとなる要因(CSF)がうまく働いているかを確かめるのに使う。BSC(バランス・スコアカード)では、財務・顧客・業務プロセス・学習と成長の視点ごとに KPI などを設定して繰り返し点検する。
根拠: 内閣府 経済財政諮問会議資料「KPI(重要業績評価指標:Key Performance Indicator)とは」(総務省提出の参考資料) p.1 KPIの定義の項(目標を達成するための取組の進捗状況を定量的に測定するための指標) / 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)「KPI」(コトバンク) KPIの項(KGIが長期の最終目標の指標なのに対しKPIは短期間で結果のわかる数値、CSFが機能しているかをKPIで定期的に測定、BSCの4つの視点とKPI・KGI・CSFの設定)
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問115.PDCAサイクルは、Plan→Do→Check→Actionの一回完結モデルである。
正解:×(誤り)
解説:誤り。PDCAは「継続的改善のための繰返し」(一回完結ではない)。
根拠: JIS Q 45001 : 2018 労働安全衛生マネジメントシステム-要求事項及び利用の手引 序文 0.4 Plan-Do-Check-Actサイクル
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問116.TQM(総合的品質管理)は、組織全体で品質向上に取り組む経営手法である。
正解:○(正しい)
解説:正しい。TQM(総合的品質管理)は、顧客と社会のニーズを満たす製品・サービスの提供と、働く人々の満足を通した組織の長期的な成功を目的に、プロセスとシステムの維持向上・改善・革新を全部門・全階層の参加を得て行う活動である。品質を検査部門や製造現場だけの仕事とせず、経営として組織全体で取り組む点が要点で、方針管理や日常管理、小集団改善活動はTQMの中で使われる仕組みである。
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問117.6シグマは、欠陥率を5%以下に抑えることを目指す手法である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。6シグマは「100万分の3.4以下」(5%は5万ppmで桁違い大、6シグマは3.4ppm)。
根拠: Lean, ISO, and Six Sigma (NIST Baldrige Performance Excellence Program) Six Sigma の節
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問118.BCPは、平常時の業務効率向上のみを目的とした計画である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。BCPは「災害・事故等緊急時の事業継続計画」(平常時効率向上ではない)。
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問119.クラッシングは、本来は順番に行う作業を並行して進めることで、プロジェクトの所要期間を短縮する技法である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。作業を並行して進めるのはファストトラッキング。クラッシングは、クリティカルパス上の作業に資源を追加投入して期間を短縮する技法で、コストが増える(シラバス 時間の対象群)。
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問120.ITサービス継続の目標を決めるときは、費用にかかわらず、RTOとRPOをゼロに、RLOを事故前と同じ水準にすることが望ましいとされる。
正解:×(誤り)
解説:誤り。費用を考えずに目標を決めると、RTOとRPOはゼロ、RLOは事故前と同じ水準という要件になるが、これを満たすには非常に大きな費用がかかる。そのため、対策の費用と、ITサービスが中断・停止したときの損失や業務への影響度との釣り合いを取って目標を決める。RTO(目標復旧時間)は業務を復旧させるまでの目標時間、RPO(目標復旧時点)は事故前のどの時点までデータを戻すかの目標、RLO(目標復旧レベル)は業務をどの水準まで復旧させるか、どの水準で継続させるかの指標である。
根拠: IT サービス継続ガイドライン 平成20年9月 経済産業省(内閣府防災担当サイト掲載) 3. 定義 g) 目標復旧時間(RTO)、目標復旧ポイント(RPO)、目標復旧レベル(RLO)(p.7)/4.2.2(2)要件定義(p.11)/5.2(2)費用対効果の検討(p.29) / 情報処理推進機構(IPA)「応用情報技術者試験(レベル3)シラバス Ver.7.2」 中分類15 サービスマネジメント 2.(19)サービス継続管理 用語例 RTO・RPO・RLO(p.90)
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問121.J-SOXは、すべての企業に適用される内部統制制度である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。J-SOXは「上場企業」の財務報告内部統制(全企業ではない)。
根拠: 内部統制関連資料 参考資料1(総務省。会社法と金融商品取引法の内部統制の比較表と金融商品取引法の参考条文を掲載) p.2(会社法と金商法の内部統制の概要。対象企業の欄)、p.9(金融商品取引法第24条の4の4) / 金融商品取引法第24条の4の4(内部統制報告書) 第24条の4の4 (出典: e-Gov法令検索)
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問122.IT全般統制は、財務報告に関わるIT環境の信頼性を支える共通的な統制活動である。
正解:○(正しい)
解説:正しい。IT全般統制は、業務処理統制が有効に機能する環境を保証するための統制活動で、通常、複数の業務処理統制に共通して関係する方針と手続をいう。具体例は、システムの開発・保守に係る管理、システムの運用・管理、内外からのアクセス管理などシステムの安全性の確保、外部委託に関する契約の管理。業務処理統制(承認された業務が全て正確に処理・記録されるよう業務プロセスに組み込まれた統制)と一体となって機能することが重要で、全般統制が有効に機能しないと、業務処理統制を組み込んでいてもその有効性が保証されなくなるおそれがある。
根拠: 財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準(金融庁 企業会計審議会・2023年4月7日) 実施基準 Ⅰ.2.(6)② 〔ITの統制〕ロ.(冒頭)・a.ITに係る全般統制・b.ITに係る業務処理統制(PDF p.44〜46) / 財務報告に係る内部統制の評価及び監査の実施基準(抄)新旧対照表(金融庁 企業会計審議会 内部統制部会資料) Ⅱ.3(3) IT(情報技術)への対応/ニ.ITを利用した内部統制の整備状況及び運用状況の有効性の評価 a.ITに係る全般統制の評価
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問123.IT業務処理統制は、財務報告に関わるアプリケーション内の入力・処理・出力の正確性を保証する統制である。
正解:○(正しい)
解説:IT業務処理統制:入力チェック・計算ロジック・承認ワークフロー・例外処理等のアプリケーション内統制。
根拠: 財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準(内部統制の基本的枠組み 2.(6)②ロ b.ITに係る業務処理統制)金融庁企業会計審議会 Ⅰ.内部統制の基本的枠組み 2.(6)②ロ b(PDF p.45)
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問124.システム監査基準は、総務省が定めたものである。
正解:×(誤り)
解説:誤り。システム監査基準は、総務省ではなく経済産業省が策定・公表しているもので、システム監査を行う監査人の行為規範と監査手続の規則を定めている。同じく経済産業省が策定・公表するシステム管理基準は、システム監査人が判断に使う尺度を定めたもので、役割が異なる。両基準とも令和5年4月26日に改訂されている。
根拠: システム監査制度について(経済産業省) 「システム監査基準」及び「システム管理基準」について(監査人の行為規範及び監査手続の規則/判断の尺度、令和5年4月26日改訂)
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問125.ファシリティマネジメントにおける施設・設備の維持保全では、水道光熱費や修繕費などを含めたライフサイクル費用の削減を目指して修繕計画を立て、施設・設備の長寿命化を図る。
正解:○(正しい)
解説:正しい。ファシリティマネジメント(FM)は、施設とその環境を経営の視点から総合的に企画、管理、活用する活動で、施設・設備の維持保全もその一部である。維持保全では、施設・設備を適正な状態に保つとともに、水道光熱費、保守・メンテナンス費、修繕費などを含めたライフサイクル費用の削減を目指して修繕計画を立て、長寿命化を図る。壊れたときの修理費だけでなく、施設を使い続ける期間全体の費用で考える点が要点である。
根拠: 情報処理推進機構(IPA)「応用情報技術者試験(レベル3)シラバス Ver.7.2」 中分類15 サービスマネジメント 5.(1)③施設・設備の維持保全(p.93)、①ファシリティマネジメントの目的と考え方(p.92) / FMとはどのようなものか - 公益社団法人 日本ファシリティマネジメント協会(JFMA) ファシリティマネジメント(FM)とは(定義)
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問126.リスクアセスメントは、リスクの特定・分析・評価のプロセスを総称する用語である。
正解:○(正しい)
解説:正しい。リスクアセスメントは、リスク特定・リスク分析・リスク評価のプロセス全体を指す用語である(JIS Q 0073)。このうちリスク分析は、リスクの特質を理解して、リスクレベルを決めるプロセスである。リスク評価は、リスクへの対応を決める際の意思決定を助ける。リスクアセスメント=特定・分析・評価の三つ、と覚えるとよい。
根拠: JIS Q 0073:2010 リスクマネジメント-用語 3.4.1 リスクアセスメント、3.6.1 リスク分析、3.7.1 リスク評価
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問127.ITサービスマネジメントの変更管理で扱う変更のカテゴリは、緊急変更の1種類だけである。
正解:×(誤り)
解説:誤り。JIS Q 20000-1:2020の8.5.1.1は、変更管理の方針として「緊急変更を含む変更のカテゴリ及びそれらの管理方法」を定義することを求めており、緊急変更は変更のカテゴリの一つにすぎない。JIPDECの解説資料の図8-5でも、変更要求を記録・分類する段階で標準・重大・通常・緊急などに分け、標準は標準変更手順、緊急は緊急変更・緊急リリース手順で扱う流れが示されている。
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問128.SLAは、ITサービスのコストのみを規定する合意である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。SLAは「サービス品質基準(可用性・応答時間等)の合意」(コストだけではない)。
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問129.BIツールは、業務システムのリアルタイム制御に用いられる。
正解:×(誤り)
解説:誤り。BIは「業務データの分析・可視化で経営判断支援」(リアルタイム制御ではない)。
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問130.データウェアハウス(DWH)は、企業内の各種データを統合・蓄積した、意思決定支援用のデータベースである。
正解:○(正しい)
解説:DWH:時系列・主題志向のデータ蓄積。ETL(Extract-Transform-Load)でデータ取込み。
根拠: Oracle Database Data Warehousing Guide(データ・ウェアハウスの概念の概要) 1.1 データ・ウェアハウスとは / Oracle Database データウェアハウス・ガイド 11g リリース1 (データ・ウェアハウスの概要) データ・ウェアハウスの概要
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問131.データマート(DM)は、特定の部門・用途向けに特化されたデータウェアハウスのサブセットである。
正解:○(正しい)
解説:データマート:DWHの一部を切り出し、部門別(営業・マーケ・財務等)に最適化。アクセス速度・運用容易性向上。
根拠: Oracle Retail Glossary (data mart の項) Glossary: data mart
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問132.OLAPは、1次元データのみを扱う分析処理である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。OLAPは「多次元データを様々な切り口で分析」(1次元ではない)。
根拠: OLAP(多次元データベース)による医療統計の公表手法開発に関する研究(厚生労働科学研究成果データベース、研究報告書概要版) 研究目的
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問133.プロジェクトマネジメントオフィス(PMO)は、組織内の複数プロジェクトを統括・支援する部門である。
正解:○(正しい)
解説:正しい。PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)は、プロジェクトに関わるガバナンスの手順を標準化し、資源、方法論、ツールや技法の共有を促すマネジメントの仕組みで、さまざまな形でプロジェクトマネージャを支援する。ガバナンス、標準化、プロジェクトマネジメントの教育訓練、プロジェクトの計画と監視など多彩な活動を担うことがある。置かれる範囲は、一つのプロジェクトを支える形から、プログラムの下の複数プロジェクト、組織全体のポートフォリオを担う形まである。
根拠: JIS Q 21500:2018 プロジェクトマネジメントの手引(ISO 21500:2012) 3.8 プロジェクトのステークホルダ及びプロジェクトの組織(プロジェクトマネジメントオフィスの活動) / The PMO: your key to strategy execution and results delivery (PMI Global Congress paper) The Types and Roles of the PMO(PMBOK Guide 第5版の定義の引用、Project/Program/Portfolio Management Office)
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問134.バランススコアカード(BSC)の4つの視点として誤っているものはどれか。
- ア.財務の視点
- イ.顧客の視点
- ウ.業務プロセスの視点
- エ.競合他社の視点
正解:エ.競合他社の視点
解説:BSC 4視点:財務・顧客・業務プロセス・学習成長。「競合他社」は5フォース等の別フレーム。
根拠: BSC(ビーエスシー)とは - 日本大百科全書(ニッポニカ)・デジタル大辞泉(コトバンク) BSC の項 / バランスト・スコアカード(神戸大学大学院経営学研究科 ビジネスキーワード) 本文
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問135.BCPの主要指標RTOとRPOの組合せとして正しいものはどれか。
- ア.RTO=復旧時間目標、RPO=復旧時点目標
- イ.RTO=データ損失目標、RPO=時間目標
- ウ.両者同義
- エ.RTO=コスト、RPO=時間
正解:ア.RTO=復旧時間目標、RPO=復旧時点目標
解説:正解はRTO=復旧時間目標、RPO=復旧時点目標。RTOは、事故後に業務を復旧させるまでの目標時間である。RPOは、事故後に事故前のどの時点までデータを復旧するかの目標時点である。RTOは復旧までの時間の目標、RPOはデータを戻す時点の目標であり、両者の対応を入れ替えた組合せは誤りである。RTOとRPOは別の指標であり、同義ではない。RTOはコストではなく復旧時間の目標であり、RTOやRPOを短くしすぎるとコストが膨大になる可能性がある。RTOは「時間」、RPOは「時点」と覚える。
根拠: IT サービス継続ガイドライン(経済産業省、平成20年9月) 資料の用語説明(7ページ、PDF 10ページ)、5.2(2) 費用対効果の検討(PDF 32ページ)
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問136.次のうち、J-SOX(金融商品取引法の内部統制報告制度)について誤っているものはどれか。
- ア.上場会社などに提出義務がある
- イ.報告書は四半期ごとに提出する
- ウ.経営者が評価し監査人が監査する
- エ.財務報告の信頼性の確保が目的
正解:イ.報告書は四半期ごとに提出する
解説:J-SOX は、上場会社など政令で定める会社に、財務報告の信頼性を確保するために必要な体制(内部統制)を経営者が評価した内部統制報告書を、事業年度ごとに有価証券報告書と併せて提出させる制度(金融商品取引法24条の4の4)。報告書は事業年度ごとに出すもので、四半期ごとに提出するのは誤り。報告書は原則として公認会計士又は監査法人の監査証明を受けるので、経営者が評価し監査人が監査するのは正しい。上場会社などに提出義務があること、財務報告の信頼性の確保が目的であることも制度の内容どおり。
根拠: 金融商品取引法に基づく内部統制報告制度の概要(金融庁 企業会計審議会 内部統制部会 資料1) 1枚目(上場会社は事業年度ごとに財務報告の適正性を確保する体制を評価した内部統制報告書を有価証券報告書と併せて提出、公認会計士又は監査法人の監査証明) / 金融商品取引法 第24条の4の4(財務計算に関する書類その他の情報の適正性を確保するための体制の評価) 第24条の4の4 / 金融商品取引法 第193条の2(公認会計士又は監査法人による監査証明) 第193条の2 / 財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準(金融庁 企業会計審議会・2023年4月7日) 基準 Ⅱ.1 財務報告に係る内部統制の評価の意義(経営者は財務報告の信頼性を確保するため、財務報告に係る内部統制の有効性を自ら評価し外部に報告)(PDF p.11) (出典: e-Gov法令検索)
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問137.6シグマの欠陥率の目標水準として正しいものはどれか。
- ア.1000分の2.7
- イ.1万分の62
- ウ.100万分の3.4
- エ.10億分の2
正解:ウ.100万分の3.4
解説:6シグマは、ばらつき(標準偏差σ)を極めて小さくし、規格限界から外れる割合を100万回の機会あたり3.4回(3.4 DPMO)に抑えることを目標とする。この3.4は、工程の平均が長い期間に1.5σずれることを見込み、規格限界までの余裕を4.5σとして計算した値である。ずれを見込まずに±6σの外側を計算すると約10億分の2になる。1000分の2.7はずれを見込まない±3σの外側の割合、1万分の62は同じずれを見込んだ4σ水準の値で、どちらも6シグマより欠陥がずっと多い。
根拠: リーンシックスシグマの医療BSCへの導入について(鈴田祐介、経済論究 162, pp.1-19, 2018、九州大学学術情報リポジトリ) シックスシグマの説明部分(規格限界から外れる確率が100万分の3.4回) / Coskun A, Ialongo C. Six Sigma revisited: We need evidence to include a 1.5 SD shift in the extraanalytical phase of the total testing process. Biochemia Medica (PMC6999184) Introduction(6 sigma は統計的には 0.002 DPMO、1.5 SD シフトで 4.5 sigma・3.4 DPMO)、本文(SM 4 は 1.5 SD シフト込みで 6210 DPMO) / NIST/SEMATECH e-Handbook of Statistical Methods 1.3.6.7.1 Cumulative Distribution Function of the Standard Normal Distribution Area under the Normal Curve from 0 to X:X=3.00 で 0.49865(±3σの外側 0.0027) / 情報処理推進機構(IPA)「応用情報技術者試験(レベル3)シラバス Ver.7.2」 中分類19 経営戦略マネジメント 3. ビジネス戦略と目標・評価(2)④その他の手法「バリューエンジニアリング,シックスシグマなどの手法の目的,特徴,手順」(p.112)
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問138.次のうち、PDCAサイクルの「Check」段階で行うことはどれか。
- ア.計画の立案
- イ.計画の実行
- ウ.改善策の実施
- エ.実行結果の評価・分析
正解:エ.実行結果の評価・分析
解説:Check:実行結果を評価・分析。Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Act(改善)の順。
根拠: PDCA サイクルを実践して生産性を高めよう(厚生労働省) Check(評価)段階の説明 / ISO 9001:2015 プロセスアプローチ(ISO/TC 176/SC 2/N1290 品質マネジメントシステム規格国内委員会 参考訳) PDCAサイクルの Plan/Do/Check/Act の説明
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問139.プロジェクトマネジメントにおいて,スコープを対象とするプロセスを集めた対象群“スコープ”に含まれるプロセスはどれか。
- ア.WBS の作成
- イ.活動期間の見積り
- ウ.コストの見積り
- エ.予算の作成
正解:ア.WBS の作成
解説:スコープとは,そのプロジェクトで何を作り何をやるのかという作業と成果物の範囲のことである。WBS(作業分解構成図)は,成果物や作業を階層的に細かく分けて範囲を漏れなく洗い出すもので,まさにスコープを定める作業なので答はア。イの活動期間の見積りは,各作業にどれだけ日数がかかるかを見積もるもので,対象群としては「スケジュール」に属する。ウのコストの見積りとエの予算の作成は,いずれも費用を扱うので「コスト」に属する。範囲・時間・費用はプロジェクトの三大制約と呼ばれ,どれか一つを変えると他に影響が出るが,プロセスとしてはそれぞれ別の対象群に整理されている。スコープが決まらないと期間も費用も見積もれないので,順序としても最初に来る。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問51
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問140.チームの発展段階を五つに区分したタックマンモデルによれば,メンバーの異なる考え方や価値観が明確になり,メンバーがそれぞれの意見を主張し合う段階はどれか。
- ア.安定期(Norming)
- イ.遂行期(Performing)
- ウ.成立期(Forming)
- エ.動乱期(Storming)
正解:エ.動乱期(Storming)
解説:タックマンモデルは,チームが成立期→動乱期→安定期→遂行期→解散期の順に育つと説明する。動乱期(Storming)は,メンバーが遠慮なく意見を出すようになり,考え方や価値観の違いが表に出て衝突が起きる段階なので答はエ。この時期は一見うまくいっていないように見えるが,違いを避けずに擦り合わせることで次の段階へ進めるので,避けるべきものではなく通過すべき段階とされる。ウの成立期(Forming)は集まったばかりで互いに様子をうかがい,表面的には穏やかな段階。アの安定期(Norming)は,役割や進め方の共通認識ができて協力が成り立つ段階。イの遂行期(Performing)は,チームとして自律的に成果を出せる段階である。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問52
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問141.あるプロジェクトは4月から9月までの6か月間で開発を進めており,現在のメンバー全員が9月末まで作業すれば完了する見込みである。しかし,他のプロジェクトで発生した緊急の案件に対応するために,8月初めから,4人のメンバーがプロジェクトから外れることになった。9月末に予定どおり開発を完了させるために,7月の半ばからメンバーを増員する。条件に従うとき,人件費は何万円増加するか。 〔条件〕 ・元のメンバーと増員するメンバーの,プロジェクトにおける生産性は等しい。 ・7月の半ばから7月末までの0.5か月間,元のメンバー4人から増員するメンバーに引継ぎを行う。 ・引継ぎの期間中は,元のメンバー4人と増員するメンバーはプロジェクトの開発作業を実施しないが,人件費は全額をこのプロジェクトに計上する。 ・人件費は,1人月当たり100万円とする。
- ア.200
- イ.250
- ウ.450
- エ.700
正解:ウ.450
解説:まず,予定より足りなくなる開発量を数える。外れる4人は8月と9月の2か月分(4×2=8人月)が失われるが,それだけではない。引継ぎを行う7月半ば〜7月末の0.5か月間は,条件により元の4人も開発作業をしないので,ここでも 4×0.5=2人月 が失われる。合わせて10人月の不足になる。増員するメンバーも引継ぎ中は開発しないため,実際に開発できるのは8月と9月の2か月だけである。したがって必要な増員数は 10÷2=5人。次に人件費を数える。増員5人は7月半ばから9月末まで在籍するので 5人×2.5か月=12.5人月,つまり1,250万円が増える。一方,外れる4人の8月・9月分(4×2=8人月=800万円)はこのプロジェクトに計上されなくなるので減る。差し引き 1,250−800=450万円の増加となり,答はウ。落とし穴は,引継ぎ期間の0.5か月分を「元のメンバーの損失」として数え忘れることで,これを見落とすと増員が4人となり増加額は200万円(選択肢ア)になる。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問53
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問142.自動生産システムの増強に関する次のデシジョンツリーにおいて,新規にシステムを開発する場合の期待金額価値(EMV)は何億円か。

- ア.14
- イ.20
- ウ.26
- エ.64
正解:ア.14
解説:期待金額価値は,起こりうる結果の金額に,それぞれの発生確率を掛けて足し合わせた値である。問われているのは「新規にシステムを開発する場合」なので,上側の枝だけを見る。図の分岐の終点に書かれている30億円と−10億円は,収益から投資額50億円を差し引いたあとの値である(需要が大きい: 80−50=30,需要が小さい: 40−50=−10)。したがって EMV=0.6×30+0.4×(−10)=18−4=14億円となり,答はア。イの20は,既存システム改修の枝で需要が大きかった場合の終点の金額(20億円)をそのまま答えた値である。ウの26は,新規開発の14億円に既存システム改修の EMV(0.6×20+0.4×0=12億円)を足してしまった場合の値で,14+12=26 となる。問われているのは新規開発の側だけなので足してはいけない。エの64は,投資額を引かずに収益だけで期待値を取った場合(0.6×80+0.4×40=64)の値である。終点の金額が「収益」なのか「収益−投資額」なのかを取り違えると,投資額を二重に引いたり引き忘れたりする。この図では終点が既に差引後の値である。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問54
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問143.サービスマネジメントのサービス可用性管理において,インシデント又は将来インシデントとなる可能性のある事象について,その発生経路及び発生原因を分析し,発生確率の算出に使用できる技法はどれか。
- ア.故障の木解析(FTA)
- イ.故障モード・影響解析(FMEA)
- ウ.コンポーネント障害インパクト分析(CFIA)
- エ.単一障害点分析(SPOF 分析)
正解:ア.故障の木解析(FTA)
解説:FTA は,起きてほしくない事象(頂上事象)を出発点にして,それが起こるにはどんな下位の事象が組み合わさる必要があるかを AND・OR でつないだ木としてさかのぼる手法である。下位の事象に発生確率を与えれば,木をたどって頂上事象の発生確率を計算できるので,答はア。イの FMEA は逆向きで,部品ごとにどんな壊れ方(故障モード)があり,それが上位にどう影響するかを積み上げる手法であり,確率よりも影響の大きさと検知しやすさを評価する。ウの CFIA は,構成要素とサービスの対応表を作り,ある要素が止まるとどのサービスが影響を受けるかを洗い出す手法である。エの単一障害点分析は,そこが1か所壊れると全体が止まる箇所を見つける分析で,冗長化すべき点の特定に使う。「原因側から結果へ」が FMEA,「結果側から原因へ」が FTA と押さえると区別できる。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問55
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問144.サービスマネジメントにおける問題管理の活動はどれか。
- ア.根本原因の特定
- イ.サービス要求の優先度付け
- ウ.変更要求の記録
- エ.リリースの検証
正解:ア.根本原因の特定
解説:サービスマネジメントでは,利用者への影響を止めることと,二度と起こさないようにすることを別の活動に分けている。インシデント管理は「まずサービスを復旧させる」ことが目的で,暫定的な回避策でも構わない。これに対し問題管理は,インシデントの背後にある根本原因を突き止め,恒久的に取り除くことを目的とする。よって答はア。イのサービス要求の優先度付けは,利用者からの依頼(アカウント発行や情報提供など)を扱う要求実現の活動である。ウの変更要求の記録は変更管理,エのリリースの検証はリリース及び展開管理の活動にあたる。同じ障害が繰り返し起きているとき,復旧を速くするのがインシデント管理,繰り返しを止めるのが問題管理である。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問56
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問145.生成AIの処理などで用いられる,大量に発熱する GPU を搭載したサーバを,空気冷却よりも少ない消費電力で効率良く冷却できる液体冷却の一つに液浸冷却がある。液体冷却の方法の説明のうちで,液浸冷却の方法の説明に該当するものの組みはどれか。 〔液体冷却の方法の説明〕 a 液体を循環させて熱交換器で冷やす単相冷却と,気化熱を利用する二相冷却とがある。 b サーバに取り付けた金属板と熱交換してサーバを冷却する。 c サーバを筐体ごと液体に漬けて冷却する。 d 冷媒となる液体として通常は水を使用する。
- ア.a, b
- イ.a, c
- ウ.b, d
- エ.c, d
正解:イ.a, c
解説:液浸冷却は,サーバを丸ごと冷却液の中に沈めて熱を奪う方式である。したがって c は該当する。また液浸冷却には,液体を循環させて熱交換器で冷やす単相方式と,液体が沸騰するときの気化熱で熱を奪う二相方式があるので a も該当する。よって答はイ。b は,発熱する部品に金属板(コールドプレート)を密着させ,その中に冷却液を通す方式の説明で,こちらは直接液冷(コールドプレート方式)であり,サーバ全体を漬けるわけではない。d は誤りで,液浸冷却の液体には電気を通さない絶縁性のフッ素系や炭化水素系の液が使われる。水は電気を通すので,基板をそのまま漬ければ短絡してしまう。空気より液体の方が熱を運ぶ能力が高く,ファンが不要になるため消費電力も騒音も下げられる点が液体冷却の利点である。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問57
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問146.システム監査基準(令和5年)において,システム監査で使用される用語の説明として,適切なものはどれか。
- ア.所見とは,他の標準的な監査人が監査を実施した場合であっても同じ検証結果を得られることである。
- イ.正当な懐疑心とは,客観性の保持という精神的な態度を堅持できることである。
- ウ.正当な注意とは,監査で発見したことに基づく考えや意見のことである。
- エ.独立性とは,第三者から不当な影響や圧力等を受けていない状態のことである。
正解:エ.独立性とは,第三者から不当な影響や圧力等を受けていない状態のことである。
解説:システム監査基準でいう独立性は,監査人が監査対象から距離を保ち,第三者から不当な影響や圧力を受けずに判断できる状態を指す。組織上の位置づけとしての外形的な独立性と,心構えとしての精神的な独立性の両面がある。よって答はエ。アの説明「他の標準的な監査人でも同じ検証結果が得られる」は,監査の客観性・再現性を述べたもので,所見の定義ではない。所見とは,監査で発見した事実に基づく監査人の考えや意見のことで,これはウに書かれている内容である。つまりアとウは説明が入れ替わっている。イの正当な懐疑心は,提示された資料や説明を鵜呑みにせず,裏付けを取ろうとする姿勢を指す。「客観性の保持という精神的な態度」は独立性のうち精神的独立性の説明に近く,懐疑心の定義とは違う。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問58
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問147.システム監査報告書の改善提案に対し,システム監査人が行うフォローアップとして,適切なものはどれか。
- ア.改善提案に対する改善の実施を監査対象部門の長に指示する。
- イ.改善提案に対する監査対象部門の改善実施プロジェクトの管理を行う。
- ウ.改善提案に対する監査対象部門の改善状況をモニタリングする。
- エ.改善提案の内容を監査対象部門に示した上で改善計画を策定する。
正解:ウ.改善提案に対する監査対象部門の改善状況をモニタリングする。
解説:システム監査人は,監査対象から独立した立場で検証・評価する役割であり,改善そのものを実行する立場にはない。改善を実施する責任は監査対象部門にあり,監査人が行うフォローアップは,改善が計画どおり進んでいるかを見守り,必要に応じて助言することである。よって答はウ。アは改善の実施を「指示する」もので,指示は本来,経営者や部門の責任者が行う。監査人が指示すると,後でその結果を自分で監査することになり独立性が保てない。イはプロジェクトの管理を監査人が引き受ける形で,やはり実施する側に踏み込みすぎている。エは改善計画の策定を監査人が行うもので,これも自分が作った計画を自分で評価することになってしまう。「実施しない・管理しない・計画しない,見て確かめる」が監査人のフォローアップである。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問59
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問148.システム監査基準(令和5年)に従い,監査目的に基づいて,ガバナンス,マネジメント,コントロールの視点から検証・評価を行う。“コントロールの視点”から行う項目はどれか。
- ア.IT 投資の結果が適切なリターンを生んでいるか。
- イ.異常なアクセスを検出した際に適時に対処及び報告がなされているか。
- ウ.情報セキュリティ対策が PDCA サイクルに基づいて適切に管理されているか。
- エ.新技術や技術革新を経営戦略推進のために適時適切に利活用できているか。
正解:イ.異常なアクセスを検出した際に適時に対処及び報告がなされているか。
解説:3つの視点は階層で分かれている。ガバナンスは経営としての方向づけと監督,マネジメントは方針に沿って仕組みを回すこと,コントロールは日々の業務に組み込まれた個々の統制が実際に働いているかを指す。イの「異常なアクセスを検出した際に適時に対処及び報告がなされているか」は,現場に組み込まれた個別の統制が機能しているかを見るものなのでコントロールの視点にあたり,答はイ。ウはPDCAという管理の仕組みが回っているかを問うのでマネジメントの視点。アのIT投資のリターンとエの新技術の利活用は,いずれも経営としての方向づけと成果を問うものでガバナンスの視点である。同じ情報セキュリティを扱っていても,「方針を決め監督しているか」「仕組みを回しているか」「個々の統制が働いているか」で視点が変わる点が要である。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問60
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問149.EVM で管理しているプロジェクトがある。図は,プロジェクトの開始から完了予定までの期間の半分が経過した時点での状況である。コスト効率,スケジュール効率がこのままで推移すると仮定した場合の見通しのうち,適切なものはどれか。

- ア.計画に比べてコストは多くなり,プロジェクトの完了は遅くなる。
- イ.計画に比べてコストは多くなり,プロジェクトの完了は早くなる。
- ウ.計画に比べてコストは少なくなり,プロジェクトの完了は遅くなる。
- エ.計画に比べてコストは少なくなり,プロジェクトの完了は早くなる。
正解:ア.計画に比べてコストは多くなり,プロジェクトの完了は遅くなる。
解説:EVM では3つの累積値を比べる。PV(計画価値)は計画上その時点までに完了しているはずの出来高,EV(出来高)は実際に完了した作業の価値,AC(実コスト)は実際に使った費用である。図の現時点では,上から PV,AC,EV の順に並んでいる。まずコスト効率を見ると,CPI=EV/AC で EV が AC より低いので1を下回っており,投じた費用に見合う出来高が上がっていない。このまま推移すれば,完成までに掛かる費用は計画を上回る。次にスケジュール効率を見ると,SPI=EV/PV で EV が PV より低いので1を下回っており,計画より作業が遅れている。このまま推移すれば完了は予定より遅くなる。したがって「コストは多くなり,完了は遅くなる」というアが答え。図の読み方の要点は,EV が最も下にあるという1点で両方の効率が1未満だと分かることである。イとエは完了が早くなるとしており SPI の読みが逆,ウとエはコストが少なくなるとしており CPI の読みが逆である。なお AC が PV より下にあるのは「まだ予算を使い切っていない」という意味にすぎず,効率の良さを示すものではない。
出典:情報処理推進機構「令和6年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問51
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問150.図のアローダイアグラムで表されるプロジェクトがある。結合点5の最早結合点時刻はプロジェクトの開始から第何日か。ここで,プロジェクトの開始日は0日目とする。

- ア.4
- イ.5
- ウ.6
- エ.7
正解:エ.7
解説:最早結合点時刻は,その結合点に入ってくるすべての経路について「手前の結合点の最早時刻+作業の所要日数」を計算し,その最大値を取る。開始の結合点1を0日目として順に求める。結合点2へは作業 A(3日)だけが入るので3日目。結合点3へは1から作業 B(2日)で 0+2=2日目,2から作業 C(1日)で 3+1=4日目の2通りがあり,大きいほうを取って4日目になる。結合点4へは2から作業 D(4日)で 3+4=7日目。結合点5へ入る経路は3つある。2から作業 E(2日)で 3+2=5日目,3から作業 F(2日)で 4+2=6日目,4からダミー作業(0日)で 7+0=7日目である。最大値は7日目なので答はエ。この問題の要点は,点線で描かれたダミー作業を見落とさないことである。ダミー作業は所要日数0だが,結合点4の完了を待つという前後関係を表しているので,7日目という制約がそのまま結合点5に伝わる。イの5日は作業 E だけを見た場合,ウの6日は作業 F だけを見た場合,アの4日は結合点3の最早時刻をそのまま答えた場合の値であり,いずれも最大値を取るという規則を守っていない。
出典:情報処理推進機構「令和6年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問52
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問151.JIS Q 21500:2018(プロジェクトマネジメントの手引)によれば,プロセス“リスクの管理”の目的はどれか。
- ア.特定したリスクに適切な処置を行うためにリスクを測定して,その優先順位を定める。
- イ.発生した場合に,プロジェクトの目標にプラス又はマイナスの影響を与えることがある潜在的リスク事象及びその特性を決定する。
- ウ.プロジェクトの目標への機会を高めて脅威を軽減するために,選択肢を作成して対策を決定する。
- エ.リスクへの対応を実行するかどうか及びそれが期待する効果を上げられるかどうかを明らかにし,プロジェクトの混乱を最小限にする。
正解:エ.リスクへの対応を実行するかどうか及びそれが期待する効果を上げられるかどうかを明らかにし,プロジェクトの混乱を最小限にする。
解説:JIS Q 21500 のリスクに関するプロセスは,「リスクの特定」「リスクの評価」「リスクへの対応」「リスクの管理」の4つに分かれている。このうち「リスクの管理」は,計画した対応を実際に実行すべきかを見極め,実行した対応が期待した効果を上げているかを監視し,新たなリスクや状況の変化を捉えて計画を見直すプロセスである。目的はプロジェクトの混乱を最小限にすることであり,答はエ。イは「リスクの特定」の目的で,プロジェクトの目標にプラス(好機)またはマイナス(脅威)の影響を与え得る事象とその特性を洗い出す段階である。アは「リスクの評価」の目的で,特定したリスクの発生確率と影響度を測って優先順位を付け,どれに手を打つかを決められるようにする段階である。ウは「リスクへの対応」の目的で,好機を高め脅威を減らすための選択肢(回避・軽減・転嫁・受容など)を作って対策を決める段階である。4つは「洗い出す→測る→手を打つ→追い続ける」という順で並び,「管理」は最後の追い続ける役割にあたる。リスクは一度対応したら終わりではなく,プロジェクトの間ずっと監視するという点がこのプロセスの意味である。
出典:情報処理推進機構「令和6年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問53
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問152.工場の生産能力を増強する方法として,新規システムを開発する案と既存システムを改修する案とを検討している。次の条件で,期待金額価値の高い案を採用するとき,採用すべき案と期待金額価値との組合せのうち,適切なものはどれか。ここで,期待金額価値は,収入と投資額との差で求める。 〔条件〕 ・新規システムを開発する場合の投資額は100億円であって,既存システムを改修する場合の投資額は50億円である。 ・需要が拡大する確率は70%であって,需要が縮小する確率は30%である。 ・新規システムを開発した場合,需要が拡大したときは180億円の収入が見込まれ,需要が縮小したときは50億円の収入が見込まれる。 ・既存システムを改修した場合,需要が拡大したときは120億円の収入が見込まれ,需要が縮小したときは40億円の収入が見込まれる。 ・他の条件は考慮しない。
- ア.採用すべき案:既存システムの改修/期待金額価値 46億円
- イ.採用すべき案:既存システムの改修/期待金額価値 96億円
- ウ.採用すべき案:新規システムの開発/期待金額価値 41億円
- エ.採用すべき案:新規システムの開発/期待金額価値 130億円
正解:ア.採用すべき案:既存システムの改修/期待金額価値 46億円
解説:それぞれの案について,収入の期待値を求めてから投資額を引く。新規システムの開発は,収入の期待値が 0.7×180+0.3×50=126+15=141億円で,投資額100億円を引くと期待金額価値は41億円になる。既存システムの改修は,収入の期待値が 0.7×120+0.3×40=84+12=96億円で,投資額50億円を引くと期待金額価値は46億円になる。46億円>41億円なので採用すべきは既存システムの改修であり,答はア。需要が拡大したときの収入は新規のほうが60億円多いが,投資額の差50億円と,需要が縮小したときの差10億円を合わせると逆転する,という構造になっている。ウの「新規システムの開発 41億円」は,期待金額価値の計算自体は正しいが,値が小さいほうを採用してしまっており,設問の「高い案を採用する」という条件に反する。イの96億円は改修の収入の期待値そのままで,投資額50億円を引き忘れた値である。エの130億円は,どちらの案の収入の期待値(141億円と96億円)でも期待金額価値(41億円と46億円)でもなく,この条件からは導けない値である。
出典:情報処理推進機構「令和6年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問54
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問153.SaaS(Software as a Service)による新規サービスを提供するに当たって,顧客への課金方式を検討している。課金方式①〜④のうち,想定利用状況に基づいて最も高い利益が得られる課金方式を採用したときの,年間利益は何万円か。ここで,新規サービスの課金は月ごとに行い,各月の想定利用状況は同じとする。また,新規サービスの運用に掛かる費用は1,050万円/年とする。 〔課金方式〕 ①月間のサービス利用時間による従量課金 4,000円/時間 ②月間のトランザクション件数による従量課金 700円/件 ③月末時点のディスク割当て量による従量課金 300円/GB ④月末時点の利用者 ID 数による従量課金 1,600円/ID 〔想定利用状況〕 ・サービス利用時間 250時間/月 ・トランザクション件数 1,500件/月 ・月末時点のディスク割当て量 3,300GB ・月末時点の利用者 ID 数 650ID
- ア.150
- イ.198
- ウ.210
- エ.260
正解:ウ.210
解説:4つの課金方式それぞれの月間の収入を求めて比べる。①は 4,000円×250時間=100万円,②は 700円×1,500件=105万円,③は 300円×3,300GB=99万円,④は 1,600円×650ID=104万円である。最も高いのは②の105万円なので,年間の収入は 105×12=1,260万円になる。ここから運用費用1,050万円を引くと,年間利益は 1,260-1,050=210万円となり,答はウ。4つの収入は99万〜105万円と6万円しか違わないが,年間では72万円の差になり,費用を引いた後の利益では最大210万円と最小138万円で1.5倍以上の開きが出る。固定費を差し引いた残りが利益になるため,収入のわずかな違いが利益では大きく響くという構造である。アの150は①を採用した場合の 100×12-1,050=1,200-1,050 に一致する。イの198は④を採用した場合の 104×12-1,050=1,248-1,050 に一致する。なお③を採用すると 99×12-1,050=138万円で,これは選択肢にない。エの260は,どの方式の年間利益にも当たらない値である。
出典:情報処理推進機構「令和6年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問55
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問154.サービスマネジメントにおけるサービスレベル管理の活動はどれか。
- ア.現在の資源の調整と最適化とを行い,将来の資源要件に関する予測を記載した計画を作成する。
- イ.サービスの提供に必要な予算に応じて,適切な資金を確保する。
- ウ.災害や障害などで事業が中断しても,要求されたサービス機能を合意された期間内に確実に復旧できるように,事業影響度の評価や復旧優先順位を明確にする。
- エ.提供するサービス及びサービスレベル目標を決定し,サービス提供者が顧客との間で合意文書を交わす。
正解:エ.提供するサービス及びサービスレベル目標を決定し,サービス提供者が顧客との間で合意文書を交わす。
解説:サービスレベル管理(SLM)は,提供するサービスの内容と,可用性や応答時間などの目標水準(サービスレベル目標)を顧客と取り決め,SLA(サービスレベル合意書)として文書を交わし,実績を測定して報告し,必要に応じて見直していく活動である。したがって答はエ。合意した水準を測れる形で定めることが要点で,測れない約束は管理できない。アは容量・能力管理(キャパシティ管理)の活動で,現在の資源を調整しつつ,将来必要になる資源を予測して計画を立てるものである。イはサービスの予算業務及び会計業務の活動で,必要な予算を見積もって資金を確保し,費用を把握する。ウはサービス継続管理(および事業継続管理)の活動で,事業影響度分析を行って復旧の優先順位や目標復旧時間を定めるものである。いずれも JIS Q 20000-1 が定めるサービスマネジメントのプロセスだが,「顧客と水準を約束して守る」のがサービスレベル管理,「資源を足りるようにする」のが容量・能力管理,「止まっても戻せるようにする」のがサービス継続管理と,担う役割で区別できる。
出典:情報処理推進機構「令和6年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問56
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問155.温室効果ガスの排出量の算定基準である GHG プロトコルでは,事業者の事業活動によって直接的,又は間接的に排出される温室効果ガスについて,スコープを三つに分けている。事業者 X 社がデータセンター事業者であるときの,スコープ1の例として,適切なものはどれか。 〔GHG プロトコルにおけるスコープの説明〕 スコープ1:温室効果ガスの直接排出。事業者が所有している,又は管理している排出源から発生する。 スコープ2:電気の使用に伴う温室効果ガスの間接排出。事業者が消費する購入電力の発電に伴う温室効果ガスの排出量を算定する。 スコープ3:その他の温室効果ガスの間接排出。事業者の活動に関連して生じるが,事業者が所有も管理もしていない排出源から発生する。
- ア.X 社が自社で管理する IT 機器を使用するために購入した電力の,発電に伴う温室効果ガス
- イ.X 社が自社で管理する IT 機器を廃棄処分するときに,産業廃棄物処理事業者が排出する温室効果ガス
- ウ.X 社が自社で管理する発電装置を稼働させることによって発生する温室効果ガス
- エ.X 社が提供するハウジングサービスを利用する企業が自社で管理する IT 機器を使用するために購入した電力の,発電に伴う温室効果ガス
正解:ウ.X 社が自社で管理する発電装置を稼働させることによって発生する温室効果ガス
解説:スコープ1は,事業者が所有または管理している排出源から直接出る温室効果ガスである。自社で管理する発電装置(データセンターの非常用発電機やコージェネレーション設備など)を動かせば,燃料の燃焼によってその場で温室効果ガスが出るので,これはスコープ1に当たる。したがって答はウ。アは購入した電力の発電に伴う排出で,発電しているのは電力会社なので直接排出ではなく,電気の使用に伴う間接排出としてスコープ2に分類される。データセンター事業者の排出量はこのスコープ2が大半を占めるのが実情である。イは自社の IT 機器を廃棄するときに産業廃棄物処理事業者が出す排出で,自社の活動に関連するが排出源を所有も管理もしていないのでスコープ3に当たる。エは,ハウジングサービスの利用企業が自ら購入した電力に伴う排出で,これも X 社が所有・管理しない排出源からの間接排出なのでスコープ3である(利用企業側から見ればスコープ2になる)。判定は「燃やしているのは自分か」「電気を買ったのは自分か」「それ以外か」の順に当てはめると迷わない。
出典:情報処理推進機構「令和6年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問57
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問156.システム監査基準(令和5年)が規定している監査調書の説明として,最も適切なものはどれか。
- ア.監査の結論に至った過程を明らかにし,監査の結論を支える合理的な根拠とするための記録
- イ.監査の目的に応じた適切な形式によって作成し,監査依頼者に提出する,監査の概要と監査の結論を記載した要約版の報告書
- ウ.システム監査対象ごとに,具体的な監査スケジュールを定めた詳細計画
- エ.システム監査の中長期における方針等を明らかにすることを目的として作成する文書
正解:ア.監査の結論に至った過程を明らかにし,監査の結論を支える合理的な根拠とするための記録
解説:監査調書は,システム監査人が監査の過程で実施した手続とその結果,入手した監査証拠,そこから導いた判断を記録した文書である。役割は,どのような根拠でその結論に至ったのかを後から辿れるようにし,結論を支える合理的な裏付けとすることにあるので,答はア。第三者による品質のレビューや,指摘に対する反論への説明にも使われるため,記録の作成と保管は監査人の責務とされている。イは監査報告書の説明で,こちらは監査依頼者に提出して結論と指摘事項を伝えるための文書である。監査調書が内部の作業記録であるのに対し,監査報告書は外部に出す成果物という違いがある。ウは個別監査計画(実施計画)の説明で,監査対象ごとに手続や日程を具体的に定めるものである。エは中長期監査計画の説明で,数年単位でどの領域をいつ監査するかという方針を示す。監査は,中長期計画→個別計画→実施(証拠の収集と監査調書の作成)→報告→フォローアップという流れで進むので,4つの文書がこの流れのどこに位置するかで区別できる。
出典:情報処理推進機構「令和6年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問58
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問157.システム監査基準(令和5年)によれば,システム監査において,監査人が一定の基準に基づいて総合的に点検・評価を行う対象とするものは,情報システムのマネジメント,コントロールと,あと一つはどれか。
- ア.ガバナンス
- イ.コンプライアンス
- ウ.サイバーレジリエンス
- エ.モニタリング
正解:ア.ガバナンス
解説:システム監査基準(令和5年)は,システム監査を「情報システムのガバナンス,マネジメント,コントロールを点検・評価・検証する行為」と位置付けている。したがって残る一つはガバナンスであり,答はア。3つの階層の関係を押さえておくと分かりやすい。ガバナンスは経営者・取締役会の階層で,情報システムに関する方針や体制を定め,マネジメントの活動を方向付け監督する。マネジメントは管理者の階層で,方針に沿って計画を立て資源を配分し実行を管理する。コントロールは業務の階層で,誤りや不正を防ぐ具体的な統制の仕組みである。監査はこの3階層をそろえて見ることで,現場の統制だけでなく経営の関与まで含めて評価できる。イのコンプライアンス(法令等の遵守)は監査で確かめる観点の一つではあるが,点検・評価の対象として並べられている3つには含まれない。ウのサイバーレジリエンスは,攻撃を受けても事業を継続し回復する能力を指す概念である。エのモニタリングは,統制が有効に働いているかを継続的に監視する活動そのもので,コントロールやマネジメントの一部として位置付けられる。
出典:情報処理推進機構「令和6年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問59
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問158.情報システムに対する統制を IT に係る全般統制と IT に係る業務処理統制に分けたとき,IT に係る業務処理統制に該当するものはどれか。
- ア.サーバ室への入退室を制限・記録するための入退室管理システム
- イ.システム開発業務を適切に委託するために定めた選定手続
- ウ.販売管理システムにおける入力データの正当性チェック機能
- エ.不正アクセスを防止するためのファイアウォールの運用管理
正解:ウ.販売管理システムにおける入力データの正当性チェック機能
解説:IT に係る業務処理統制は,個々の業務システムの中に組み込まれ,その業務の処理が正確かつ網羅的に行われることを確かめる仕組みである。入力データの正当性チェック(桁数や範囲,コードの存在の確認など),例外処理の記録,マスタデータの変更の管理,二重入力の防止といったものが該当する。販売管理システムの入力チェック機能はまさにこれなので,答はウ。一方,IT に係る全般統制は,個々のシステムではなく IT 環境の全体に及ぶ統制で,開発と保守の管理,運用の管理,アクセスの管理,外部委託の管理などが含まれる。アのサーバ室の入退室管理は物理的なアクセス管理として全般統制に当たる。イのシステム開発の委託先選定手続は,開発・保守および外部委託の管理として全般統制に当たる。エのファイアウォールの運用管理も,システム全体を守るアクセス管理として全般統制である。全般統制が弱いと,各システムの業務処理統制がいくら整っていても土台が崩れるという関係にあり,監査ではまず全般統制を確かめてから業務処理統制を見るという順序が採られる。
出典:情報処理推進機構「令和6年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問60
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問159.プロジェクトマネジメントにおけるスコープの管理の活動はどれか。
- ア.開発ツールの新機能の教育が不十分と分かったので,開発ツールの教育期間を2日間延長した。
- イ.要件定義が完了した時点で再見積りをしたところ,当初見積もった開発コストを超過することが判明したので,追加予算を確保した。
- ウ.連携する計画であった外部システムのリリースが延期になったので,この外部システムとの連携に関わる作業は別プロジェクトで実施することにした。
- エ.割り当てたテスト担当者が期待した成果を出せなかったので,経験豊富なテスト担当者と交代した。
正解:ウ.連携する計画であった外部システムのリリースが延期になったので,この外部システムとの連携に関わる作業は別プロジェクトで実施することにした。
解説:スコープの管理は「このプロジェクトで何を作り,何を作らないのか」という範囲を定め,変更を統制する活動である。外部システムとの連携作業をこのプロジェクトから外して別プロジェクトに移すのは,作業範囲そのものを変える判断なのでスコープの管理に当たり,答はウ。アは教育期間を2日延ばす判断で,日程を扱っているのでスケジュールの管理である。イは超過が判明した費用に対して追加予算を確保する判断で,コストの管理に当たる。エは担当者を交代させる判断で,人的資源の割当てを扱う資源の管理である。いずれもプロジェクトマネージャが行う判断だが,扱っている対象が「範囲」「日程」「費用」「資源」のどれなのかで区別する。なお範囲を減らすことでスケジュールや費用の問題に対処する場合もあり,実務では複数の領域がつながって動く。スコープを勝手に膨らませてしまうことをスコープクリープといい,これを防ぐために変更は正式な手続で承認する。
出典:情報処理推進機構「令和6年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問51
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問160.PMBOK ガイド 第7版によれば,WBS の最下位のレベルの作業を何と呼ぶか。
- ア.WBS 辞書
- イ.アクティビティ・リスト
- ウ.プロジェクト・スコープ
- エ.ワーク・パッケージ
正解:エ.ワーク・パッケージ
解説:WBS(Work Breakdown Structure=作業分解構成図)は,プロジェクトの成果物と作業を段階的に細かく分けて階層構造で表したものである。その最下位に置かれる単位をワーク・パッケージと呼び,見積り・担当の割当て・進捗の把握を行う基本の単位になる。したがって答はエ。アの WBS 辞書は,WBS の各要素について作業の内容,成果物,前提条件,責任者,見積りなどを記述した補助的な文書で,構成図では表せない詳細を補う。イのアクティビティ・リストは,ワーク・パッケージをさらに実行可能な活動に分解して並べた一覧で,スケジュールを作る材料になる。つまり WBS の外側に位置づけられ,「ワーク・パッケージを分けたもの」がアクティビティである。ウのプロジェクト・スコープは,プロジェクトで提供する成果物と,それを作るために必要な作業の全体を指す言葉で,WBS はそのスコープを分解した表現である。階層としては,プロジェクト→成果物→…→ワーク・パッケージ→アクティビティの順に細かくなると押さえておくとよい。
出典:情報処理推進機構「令和6年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問52
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問161.プロジェクトマネジメントにおいて,プロジェクトチームのパフォーマンスを高めるために,チームメンバーを同じ作業場所に集めることを何というか。
- ア.コロケーション
- イ.ネットワーキング
- ウ.バーチャルチーム
- エ.ファシリテーション
正解:ア.コロケーション
解説:コロケーションは,プロジェクトのメンバーを物理的に同じ場所に集めて作業させることをいう。顔を合わせて話せるので,意思の伝達が速く,暗黙の情報も共有されやすく,一体感が生まれてチームの成果が上がりやすいという効果がある。したがって答はア。とくに立ち上がりの時期や,仕様が固まっていない難しい局面で有効とされ,チーム専用の作業スペースを「タイトルーム(作戦室)」と呼ぶこともある。ウのバーチャルチームはその反対で,離れた場所にいるメンバーが通信手段を使って協働する形態である。移動費が要らず,地理を越えて人材を集められる利点があるが,意思疎通の工夫が求められる。イのネットワーキングは,組織の内外の人と関係を築いて情報や協力を得る活動を指す。エのファシリテーションは,会議や討議の場で議論を促し,参加者の合意形成を助ける技法で,人を集めることそのものではない。集めるのがコロケーション,離れて組むのがバーチャルチーム,という対比で押さえるとよい。
出典:情報処理推進機構「令和6年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問53
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問162.プロジェクトマネジメントにおけるファストトラッキングの例として,適切なものはどれか。
- ア.クリティカルパス上のアクティビティの開始が遅れたので,そのアクティビティに人的資源を追加した。
- イ.コストを削減するために,これまで承認されていた残業を禁止した。
- ウ.仕様の確定が大幅に遅れたので,プロジェクトの完了予定日を延期した。
- エ.設計が終わったモジュールから順にプログラム開発を実施するようにして,スケジュールを短縮した。
正解:エ.設計が終わったモジュールから順にプログラム開発を実施するようにして,スケジュールを短縮した。
解説:ファストトラッキングは,本来は順番に行う作業を重ねて並行させることで工期を縮める手法である。設計がすべて終わるのを待たず,終わったモジュールから順にプログラム開発を始めるのはまさにこれに当たるので,答はエ。費用の増加を伴わない代わりに,先行する設計が後から変わったときに作り直しが生じるという手戻りのリスクを負う。アは,遅れているクリティカルパス上の作業に人を追加して所要期間を縮める手法で,これはクラッシングである。資源を増やす分だけ費用が増える。イは残業の禁止で,費用は減るが作業に充てられる時間は減るので,工期短縮ではなくむしろ長くなる方向である。ウは完了予定日そのものを後ろにずらす判断で,短縮ではなく計画の見直しに当たる。工期短縮の手法はクラッシングとファストトラッキングの2つで,前者は「資源を足す(費用が増える)」,後者は「並行させる(手戻りのリスクが増える)」と対比して覚えるとよい。
出典:情報処理推進機構「令和6年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問54
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問163.サービスマネジメントにおいて,中断したサービスを復旧させるときの目標を定めた指標に,RTO(目標復旧時間),RPO(目標復旧時点)及び RLO(目標復旧レベル)がある。RTO と RLO とを定めた例として,適切なものはどれか。
- ア.サービスが中断する3時間前の時点の状態にデータを復旧し,利用者の50%以上にサービスを提供できるようにする。
- イ.サービスが中断する直前の状態にデータを復旧し,当日のサービス終了時刻を,サービスが中断していた時間だけ延長する。
- ウ.サービスの中断から1時間以内に,中断する1時間前の時点の状態にデータを復旧する。
- エ.サービスの中断から1日以内に,中断したサービスのうちの重要なサービスに限定してサービスを復旧する。
正解:エ.サービスの中断から1日以内に,中断したサービスのうちの重要なサービスに限定してサービスを復旧する。
解説:3つの指標は着眼点が違う。RTO は「いつまでに復旧させるか」という時間の目標,RPO は「どの時点のデータまで戻せればよいか」というデータの目標,RLO は「どの水準まで復旧させれば足りるか」という機能や範囲の目標である。エは「中断から1日以内に」が RTO,「重要なサービスに限定して復旧する」が RLO に当たるので,2つの組合せとして正しく,答はエ。アは「3時間前の時点の状態にデータを復旧」が RPO,「利用者の50%以上に提供」が RLO であり,RTO ではなく RPO と RLO の組合せになっている。ウは「中断から1時間以内に」が RTO,「1時間前の時点の状態にデータを復旧」が RPO で,RTO と RPO の組合せである。イは「直前の状態にデータを復旧」が RPO で,後半の終了時刻の延長は復旧の目標水準を定めたものではなく運用上の措置なので,RTO でも RLO でもない。復旧に関する要求は,時間・データ・水準の3つの軸で整理すると事業継続計画の中で矛盾なく定められる。
出典:情報処理推進機構「令和6年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問55
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問164.JIS Q 20000-1:2020(サービスマネジメントシステム要求事項)によれば,継続的改善に関する記述として,適切なものはどれか。
- ア.改善活動では,品質と費用の両方について改善の目標を設定しなければならない。
- イ.改善活動は,提供するサービスを改善の対象にして,サービスマネジメントシステムを改善の対象にしない。
- ウ.改善の機会に対して適用する評価基準には,改善とサービスマネジメントの目的との整合性が含まれなければならない。
- エ.実施された改善は,設定した目標に照らして測定するのではなく,改善前と比較した改善の効果を測定する。
正解:ウ.改善の機会に対して適用する評価基準には,改善とサービスマネジメントの目的との整合性が含まれなければならない。
解説:JIS Q 20000-1 は,改善の機会を評価して優先順位を付けるための基準をあらかじめ定めることを求めており,その基準には「改善がサービスマネジメントの目的と整合しているか」という観点が含まれなければならないとしている。目的から外れた改善に資源を割かないための歯止めであり,答はウ。イは,この規格の継続的改善はサービスそのものだけでなく,サービスマネジメントシステム(SMS)自体の適切性・妥当性・有効性も改善の対象とすることを明記しているので誤りである。運用の仕組みが古びていれば,どれだけ現場が努力しても成果は上がらないからである。アは,改善の目標として何を設定するかは組織が決めるべきことで,品質と費用の両方を必ず設定しなければならないという要求はない。エも逆で,実施した改善は設定した目標に照らして測定し,達成できたかどうかを確かめることが求められる。改善前との比較だけでは,目標に届いたのかが判断できない。JIS Q 20000-1 は PDCA の考え方を土台にしており,「目標を定めて測る」ことが一貫した要求になっている。
出典:情報処理推進機構「令和6年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問56
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問165.入出力データの管理方針の例として,適切なものはどれか。
- ア.出力帳票の利用状況を定期的に点検し,利用されていないと判断したものは,情報システム部門の判断で出力を停止する。
- イ.出力帳票は授受管理表などを用いて確実に受渡しを行い,情報の重要度によっては業務部門の管理者に手渡しする。
- ウ.チェックによって発見された入力データの誤りは,情報システム部門の判断で迅速に修正する。
- エ.入力原票や EDI 受信ファイルなどの取引情報は,機密性を確保するために,データをシステムに取り込んだ後に速やかに廃棄する。
正解:イ.出力帳票は授受管理表などを用いて確実に受渡しを行い,情報の重要度によっては業務部門の管理者に手渡しする。
解説:出力帳票には個人情報や取引情報など重要な内容が含まれることが多いので,誰にいつ渡したかを授受管理表に記録して確実に受け渡し,重要度が高いものは業務部門の管理者に直接手渡すのが適切な管理方針である。したがって答はイ。放置や誤配による情報漏えいを防ぐ狙いがある。アは,帳票が本当に不要かを判断できるのはそれを使う業務部門であり,情報システム部門が単独で出力を停止すべきではない。点検結果をもとに業務部門と協議して決めるのが筋である。ウも同じ理由で誤りで,入力データの誤りは元の伝票や原票を作成した業務部門が内容を確認して訂正するべきであり,情報システム部門が独断で書き換えると,何が正しい取引だったのかを誰も保証できなくなる。エは,入力原票や EDI 受信ファイルは,後から入力内容と突き合わせて誤りを追跡するための証跡であり,法令上の保存義務がある場合もあるので,取り込んだ直後に廃棄してはならない。定めた期間は安全な方法で保管し,期間経過後に適切な方法で廃棄する。
出典:情報処理推進機構「令和6年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問57
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問166.システム監査において,監査手続の適用に際して用いられる技法のうち,データの生成から入力,処理,出力,活用までのプロセス,及び組み込まれているコントロールを,書面上で,又は実際に追跡するものはどれか。
- ア.ウォークスルー法
- イ.チェックリスト法
- ウ.突合・照合法
- エ.ドキュメントレビュー法
正解:ア.ウォークスルー法
解説:ウォークスルー法は,監査人が特定のデータを取り上げ,それが生成されてから入力・処理・出力を経て利活用されるまでの流れを,書面の上で,または実際の操作でたどりながら,途中に組み込まれた統制(コントロール)が意図どおりに働いているかを確かめる技法である。設問の説明にそのまま当てはまるので答はア。書かれている手順と実際の流れが食い違っていないかを一貫して追える点に強みがある。イのチェックリスト法は,あらかじめ用意した確認項目の一覧に沿って回答を得たり点検したりする技法で,網羅性は確保しやすいが項目の外にある問題は見つけにくい。ウの突合・照合法は,関連する複数の記録や資料を突き合わせて一致しているかを確かめる技法で,たとえば入力伝票の合計と処理結果の合計を照合するといった使い方をする。エのドキュメントレビュー法は,規程・手順書・設計書などの文書を入手して内容を点検する技法である。ほかにインタビュー法,テストデータ法,組込み監査モジュール法などがあり,得られる証拠の性質によって使い分ける。
出典:情報処理推進機構「令和6年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問58
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問167.システム監査基準(令和5年)における予備調査についての記述として,適切なものはどれか。
- ア.監査対象先の事務手続やマニュアルなどを通じて,業務内容,業務分掌,体制などを把握する。
- イ.監査対象の実態を把握するために,必ず現地に赴いて実施する。
- ウ.監査の結論を裏付けるために,十分な監査証拠を入手する。
- エ.調査の範囲は,監査対象先だけに限定する。
正解:ア.監査対象先の事務手続やマニュアルなどを通じて,業務内容,業務分掌,体制などを把握する。
解説:予備調査は,本調査の前に監査対象の全体像をつかむ段階で,規程・事務手続・マニュアル・システムの概要資料などを読み,業務の内容,誰がどの範囲を受け持っているか(業務分掌),組織の体制などを把握する。これによって重点を置くべき箇所を見極め,本調査の計画を具体化できる。したがって答はア。イは,予備調査は資料の閲覧や質問,説明の聴取などでも行えるので,必ず現地に赴く必要はない。現地での観察や実機の確認は本調査で行うことが多い。ウは本調査の目的で,監査の結論を裏付ける十分かつ適切な監査証拠を集めるのは本調査の段階である。エは,予備調査の範囲を監査対象先だけに限る必要はなく,前後の工程を担う部門や関連するシステムの担当,外部の委託先まで含めて把握することが有効な場合がある。監査は,計画(予備調査を含む)→本調査→評価・結論→報告→フォローアップという流れで進み,予備調査は「どこを深く見るかを決めるための下調べ」だと押さえるとよい。
出典:情報処理推進機構「令和6年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問59
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問168.システム監査基準(令和5年)におけるフォローアップの説明として,適切なものはどれか。
- ア.監査対象先が,監査報告書の指摘事項及び改善提案を基に改善計画の策定を行うこと
- イ.監査部門の責任者が,監査報告書を基に監査の実施状況と指摘事項の妥当性を確認すること
- ウ.システム監査人が,監査報告書に記載した改善提案の実施状況に関する情報を収集し,改善状況をモニタリングすること
- エ.システム監査人が,時間の関係で調査が終了しなかった監査項目を追跡調査して報告すること
正解:ウ.システム監査人が,監査報告書に記載した改善提案の実施状況に関する情報を収集し,改善状況をモニタリングすること
解説:フォローアップは,監査報告書を出した後の段階で,システム監査人が改善提案がどこまで実施されたかについて情報を集め,改善の進み具合を継続的に見守る活動である。指摘して終わりにせず,実際に改善されたかを確かめることで監査の実効性が担保されるので,答はウ。ここで注意すべきは,改善そのものを行う責任は監査対象先(経営者や業務部門)にあり,監査人は改善作業を代行したり指示したりする立場ではない点である。監査人が改善に踏み込むと,後にその結果を評価する際に独立性が損なわれる。アは監査対象先が行う改善計画の策定で,フォローアップの対象となる相手側の活動である。イは監査部門の責任者による監査の品質管理・審査に当たる活動で,報告書を出す前後に行う内部の確認である。エは,調査が終わらなかった項目を追って報告することであり,これはフォローアップではなく監査手続そのものの継続であって,本来は監査計画の中で処理すべき事柄である。
出典:情報処理推進機構「令和6年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問60
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問169.プロジェクトマネジメントにおける“プロジェクト憲章”の説明はどれか。
- ア.プロジェクトの実行,監視,管理の方法を規定するために,スケジュール,リスクなどに関するマネジメントの役割や責任などを記した文書
- イ.プロジェクトのスコープを定義するために,プロジェクトの目標,成果物,要求事項及び境界を記した文書
- ウ.プロジェクトの目標を達成し,必要な成果物を作成するために,プロジェクトで実行する作業を階層構造で記した文書
- エ.プロジェクトを正式に認可するために,ビジネスニーズ,目標,成果物,プロジェクトマネージャ,及びプロジェクトマネージャの責任・権限を記した文書
正解:エ.プロジェクトを正式に認可するために,ビジネスニーズ,目標,成果物,プロジェクトマネージャ,及びプロジェクトマネージャの責任・権限を記した文書
解説:プロジェクト憲章は,プロジェクトの立上げにあたって組織がそのプロジェクトを正式に認可するための文書である。実施の背景となるビジネスニーズ,達成すべき目標,主要な成果物,任命するプロジェクトマネージャとその責任・権限などを,発注者側の責任者が承認する形で示す。これによってプロジェクトマネージャは組織の資源を使う正当な根拠を得るので,答はエ。イはプロジェクトスコープ記述書の説明で,何を作り何を作らないのかという境界や要求事項を,憲章より詳しく定義した文書である。ウは WBS(Work Breakdown Structure)の説明で,成果物を作るために必要な作業を段階的に細かく分けて階層構造で表したものであり,見積りや進捗管理の土台になる。アはプロジェクトマネジメント計画書の説明で,スケジュール,コスト,リスクなど各分野のマネジメントをどう進めるかを定めた文書である。順序としては,憲章で認可を受け,スコープを定義し,WBS に分解し,計画書にまとめる,という流れになる。
出典:情報処理推進機構「令和7年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問51
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問170.EVM を使用してマネジメントをしているプロジェクトで,進捗に関する指標値は次のとおりであった。このプロジェクトに対する適切な評価と対策はどれか。 〔進捗に関する指標値〕 CPI(コスト効率指数):0.9 SPI(スケジュール効率指数):1.1 BAC(完成時総予算)に基づく TCPI(残作業効率指数):1.2
- ア.コストが予算を超えているが,スケジュールには余裕があり,残作業のコスト効率を計画よりも上げる必要はないので,CPI に基づいて完成までに必要なコストを予測する。
- イ.コストが予算を超えているので,完成時総予算を超過するおそれがあるが,スケジュールには余裕があるので,残作業のコスト効率を上げる対策を検討するか,コンティンジェンシー予備費の使用を検討する。
- ウ.コストには余裕があるが,スケジュールが予定より遅れており,残作業のコスト効率を計画よりも上げる必要があるので,ファストトラッキングなどを用いたスケジュール短縮を検討するとともに,コンティンジェンシー予備費の使用を検討する。
- エ.コストには余裕があるので,残作業のコスト効率を計画よりも上げる必要はないが,スケジュールが予定より遅れているので,クラッシングなどを用いたスケジュール短縮を検討する。
正解:イ.コストが予算を超えているので,完成時総予算を超過するおそれがあるが,スケジュールには余裕があるので,残作業のコスト効率を上げる対策を検討するか,コンティンジェンシー予備費の使用を検討する。
解説:EVM の指数は1を境に読む。CPI は出来高を実コストで割った値で,0.9 は1を下回るので,同じ出来高を得るのに計画より多くの費用を使っている,すなわちコストが超過している。SPI は出来高を計画価値で割った値で,1.1 は1を上回るので,予定より進んでいる。TCPI は完成時総予算の中に収めるために残作業で必要となる効率で,1.2 は1を上回るので,これまでより高い効率で残りを進めないと予算内に収まらないことを意味する。したがって「コスト超過で完成時総予算を超えるおそれがあるが,スケジュールには余裕がある」という評価になり,対策としては残作業のコスト効率を上げるか,あらかじめ確保しておいたコンティンジェンシー予備費の使用を検討することになる。答はイ。アは TCPI が1.2 である以上「残作業のコスト効率を上げる必要はない」とはいえない。ウは SPI が1.1 なのに「スケジュールが予定より遅れており」としている点が誤り。エは CPI が0.9 なのに「コストには余裕がある」としている点と,スケジュールの読みの両方が誤っている。
出典:情報処理推進機構「令和7年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問52
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問171.プロジェクトの期間を短縮する方法のうち,クラッシングに該当するものはどれか。
- ア.作業の前後関係を組み直し,実施する順番を変える。
- イ.作業を分析し,同時に実施できる部分を複数の作業に分割し,並行して実施する。
- ウ.先行作業の一部の成果物が完成した時点で,後続作業を開始する。
- エ.プロジェクトの外部から要員を調達し,クリティカルパス上の作業に投入する。
正解:エ.プロジェクトの外部から要員を調達し,クリティカルパス上の作業に投入する。
解説:工期を短縮する代表的な手法にクラッシングとファストトラッキングがある。クラッシングは,要員や設備といった資源を追加投入して個々の作業の所要期間を縮める方法で,投入先はプロジェクト全体の期間を決めているクリティカルパス上の作業になる。外部から要員を調達してクリティカルパス上の作業に充てるエがこれに当たる。費用の増加を伴い,増員による教育や調整の手間で期待どおりに縮まらないこともある点が注意点である。イとウはファストトラッキングに当たる。これは本来順番に行う作業を重ねて進める方法で,ウのように先行作業の一部が仕上がった時点で後続を始めたり,イのように同時に実施できる部分を分けて並行させたりする。費用は増えにくい代わりに,先行作業の結果が変わったときの手戻りというリスクを負う。アの作業の前後関係を組み直して順番を変えるのは,論理的順序関係の見直しであり,どちらの手法にも当たらない。
出典:情報処理推進機構「令和7年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問53
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問172.あるシステム開発プロジェクトのシステムテストにおけるテスト密度及び欠陥密度の値は,図に示した領域①〜領域④のうち,領域④の範囲内であった。品質管理基準に照らして評価すると,行うべき活動として最も適切なものはどれか。ここで,このプロジェクトの品質管理基準では,定量評価の基準として,表に従ってテスト密度及び欠陥密度の基準値を設定した上で,テスト密度は基準値の80%以上であること,かつ,欠陥密度は基準値の80%以上120%未満であることと定めている。 〔品質指標と基準値〕 テスト密度:テストケース数(件)÷システムの規模(KLOC)/基準値 20(件/KLOC) 欠陥密度:検出欠陥数(件)÷システムの規模(KLOC)/基準値 0.1(件/KLOC)

- ア.欠陥密度は基準を満たしているが,システムの品質に問題がないか,欠陥の妥当性を確認する。
- イ.システムの欠陥が多いので,検出した欠陥の原因を分析した上で,システムの品質改善に取り組む。
- ウ.システムの欠陥を十分に検出できていない懸念があるので,テストの観点に漏れがないかなど,テストケースの妥当性を確認する。
- エ.テスト密度が不足しているので,システムの規模に見合うテストケース数以上となるように,テストケースを追加する。
正解:ウ.システムの欠陥を十分に検出できていない懸念があるので,テストの観点に漏れがないかなど,テストケースの妥当性を確認する。
解説:基準値からしきい値を求めると,テスト密度は 20×0.8=16 件/KLOC 以上であること,欠陥密度は 0.1×0.8=0.08 以上 0.1×1.2=0.12 未満であることが求められる。図の境界線がこの16,0.08,0.12 に当たる。領域④はテスト密度が16を超えており,欠陥密度は0.08未満の範囲なので,テストの量は十分に確保できている一方で,見つかった欠陥が想定より少なすぎる状態である。テストを十分に行ったのに欠陥が出てこない場合,本当に品質が高い可能性もあるが,テストの観点に漏れがあって欠陥を見つけられていない可能性も同じくらい疑わなければならない。そこでテストケースの妥当性を確認するウが最も適切である。アは,欠陥密度が0.08未満で下限を割っているので「基準を満たしている」という前提が誤り。イの「欠陥が多い」状態は欠陥密度が0.12以上の領域②に当たり,領域④とは逆である。エの「テスト密度が不足している」状態はテスト密度16未満の領域①に当たり,これも領域④には当てはまらない。
出典:情報処理推進機構「令和7年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問54
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問173.あるサービスでは〔サービス可用性の SLA〕に基づき,サービス可用性の目標値の遵守状況を月ごとに測定して評価している。ある月の実績値は 99.3%だった。この月にサービス可用性の目標値を達成するためには,サービス停止時間は,最低,何時間少なければよかったか。 〔サービス可用性の SLA〕 ・サービス可用性の目標値:99.5%以上 ・サービス提供時間帯:7時〜22時 ・サービス提供日数:20日/月
- ア.0.4
- イ.0.6
- ウ.1.3
- エ.1.95
正解:イ.0.6
解説:まず月あたりのサービス提供時間を求める。7時から22時までは15時間で,これが20日分なので 15×20=300時間である。可用性の実績値が99.3%ということは,停止していた割合が0.7%なので,実際の停止時間は 300×0.007=2.1時間だった。一方,目標の99.5%以上を満たすには停止の割合を0.5%以下に抑える必要があり,許される停止時間は 300×0.005=1.5時間である。したがって 2.1-1.5=0.6時間だけ停止時間が短ければ目標を達成できたことになり,答はイ。アの0.4時間では停止時間が1.7時間残り,可用性は 1-1.7÷300=99.43%で目標に届かない。ウの1.3時間では停止時間が0.8時間となって可用性は99.73%,エの1.95時間では停止時間が0.15時間となって可用性は99.95%となり,どちらも目標は満たすが,設問が求めている「最低,何時間少なければよかったか」という最小値ではない。可用性の数値は小さな差に見えても,300時間に対する0.2ポイントが36分に相当する点に注意したい。
出典:情報処理推進機構「令和7年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問55
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問174.A 社は,自社がオンプレミスで運用している業務システムを,クラウドサービスへ段階的に移行する。段階的移行では,初めにネットワークとサーバを IaaS に移行し,次に全てのミドルウェアを PaaS に移行する。A 社が行っているシステム運用作業のうち,この移行によって不要となるシステム運用作業の組合せはどれか。 〔A 社が行っているシステム運用作業〕 ① 業務システムのバッチ処理のジョブ監視 ② 物理サーバの起動,停止のオペレーション ③ ハードウェアの異常を警告する保守ランプの目視監視 ④ ミドルウェアへのパッチ適用
- ア.IaaS への移行によって不要となる作業:①/PaaS への移行によって不要となる作業:②,④
- イ.IaaS への移行によって不要となる作業:①,③/PaaS への移行によって不要となる作業:②
- ウ.IaaS への移行によって不要となる作業:②,③/PaaS への移行によって不要となる作業:④
- エ.IaaS への移行によって不要となる作業:③/PaaS への移行によって不要となる作業:②,④
正解:ウ.IaaS への移行によって不要となる作業:②,③/PaaS への移行によって不要となる作業:④
解説:クラウドサービスの区分は,どこまでを事業者が受け持つかで決まる。IaaS はネットワーク,サーバ,ストレージといった基盤を事業者が提供するので,物理的な機器に関わる作業は利用者の手を離れる。②の物理サーバの起動・停止のオペレーションと,③のハードウェアの保守ランプの目視監視は,そもそも自社に物理サーバがなくなるため不要になる。PaaS はさらに OS やミドルウェアまで事業者が受け持つので,④のミドルウェアへのパッチ適用が不要になる。①の業務システムのバッチ処理のジョブ監視は,自社が作った業務アプリケーションの実行状況を見る作業であり,IaaS でも PaaS でも利用者の責任範囲に残る。したがって IaaS で②③,PaaS で④が不要となり,答はウ。アとイは①を不要としている点が誤りで,アプリケーションの運用まで事業者に任せるには SaaS への移行が必要になる。イとエは②を PaaS 側に置いたり IaaS 側から外したりしており,物理サーバがなくなるのは IaaS への移行の時点であることを取り違えている。
出典:情報処理推進機構「令和7年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問56
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問175.サービスの継続的改善で,改善の達成目標を設定して活動するとき,“サービスの提供やマネジメントの成功に重要な要因”を特定したものを何というか。
- ア.CSF
- イ.KGI
- ウ.KPI
- エ.OKR
正解:ア.CSF
解説:CSF(Critical Success Factor:重要成功要因)は,目標を達成するために特に重要となる要因を特定したものである。「何をうまくやれば成功するのか」を絞り込むもので,たとえばサービスデスクの改善であれば「一次解決率を高めること」「担当者の知識を共有すること」などが CSF になる。したがって答はア。イの KGI(Key Goal Indicator:重要目標達成指標)は,最終的に到達したい状態を数値で表したもので,「顧客満足度4.5以上」のように結果を測る。ウの KPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)は,CSF が達成できているかを測るための中間的な指標で,「一次解決率80%以上」のように過程を測る。この3つは,KGI という到達点を定め,そこに至るために外せない要因を CSF として特定し,その進み具合を KPI で追う,という関係で結び付いている。エの OKR(Objectives and Key Results)は,達成したい目標とその成果指標を組にして掲げ,短い周期で見直す目標管理の手法であり,要因を特定するという設問の説明には当たらない。
出典:情報処理推進機構「令和7年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問57
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問176.システム監査におけるウォークスルー法の説明として,適切なものはどれか。
- ア.機密データの保管状況に関する資料及び文書類を入手し,内容を点検する。
- イ.システムの運用状況について,関係者に口頭で問い合わせ,回答を入手する。
- ウ.データの生成から入力,処理,出力,利活用までのプロセス,及び組み込まれている一連のコントロールを確認する。
- エ.テストデータを監査対象プログラムで処理し,期待した結果が出力されるかどうかを確かめる。
正解:ウ.データの生成から入力,処理,出力,利活用までのプロセス,及び組み込まれている一連のコントロールを確認する。
解説:ウォークスルー法は,監査人が特定のデータを取り上げ,それが生成されてから入力・処理・出力を経て利活用されるまでの流れを実際にたどりながら,その途中に組み込まれている統制(コントロール)が意図どおりに働いているかを確かめる技法である。書類の記述と実際の流れが一致しているかを一貫して追える点に特徴があり,答はウ。アは,資料や文書類を入手して内容を点検するドキュメントレビュー法(書面調査法)の説明である。イは,関係者に口頭で問い合わせて回答を得るインタビュー法の説明で,これは相手の説明が事実かどうかを別の証拠で裏付ける必要がある。エは,あらかじめ用意したテストデータを監査対象のプログラムで処理させ,期待どおりの結果が出るかを確かめるテストデータ法の説明で,プログラムの処理が正しいことを直接確かめる技法である。ほかにも,監査対象プログラムに監査用のモジュールを組み込む組込み監査モジュール法や,実際の処理と並行して監査人の用意した処理を走らせる並行シミュレーション法などがあり,それぞれ得られる証拠の性質が異なる。
出典:情報処理推進機構「令和7年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問58
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問177.システム監査における“監査手続”として,最も適切なものはどれか。
- ア.監査計画の立案や監査業務の進捗管理を行うための手続
- イ.監査結果を受けて,監査報告書に監査人の結論や指摘事項を記述する手続
- ウ.監査項目について,十分かつ適切な証拠を入手するための手続
- エ.監査テーマに合わせて,監査チームを編成する手続
正解:ウ.監査項目について,十分かつ適切な証拠を入手するための手続
解説:監査手続とは,監査人が監査の結論を導くために,監査項目ごとに十分かつ適切な監査証拠を集める手順のことをいう。具体的には,どの資料をどのように確かめるか,誰にどのような質問をするか,どの技法(ドキュメントレビュー法,インタビュー法,ウォークスルー法,テストデータ法など)を用いるかを定め,実施した内容と結果を監査調書に記録する。したがって答はウ。監査は,計画(予備調査を含む),実施(本調査),報告,フォローアップという流れで進み,監査手続はこのうち実施の段階の中心を占める。アの監査計画の立案や進捗管理は計画・管理の活動であり,証拠を集める手順そのものではない。エの監査チームの編成も計画段階で行う体制づくりである。イの監査報告書に結論や指摘事項を記述するのは報告の段階の活動で,監査手続によって集めた証拠に基づいて行われる。証拠が十分でなければ結論を出せないという関係にあり,監査手続はその土台を作る工程だといえる。
出典:情報処理推進機構「令和7年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問59
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問178.システム管理基準(令和5年)における,ユーザ受入テストに関する監査のチェックポイントとして,適切なものはどれか。
- ア.構築された情報システムに,業務要件が適切に反映されていることを確認するために,利用者の立場からテストされていること
- イ.情報システムの稼働後に,IT 戦略における目標を達成しているかどうかを確認するために,客観的な情報に基づいてテストされていること
- ウ.利用者からのシステム要件が適切に反映されていることを確認するために,情報システムの全ての構成要素について,中間成果物も含めてレビューされていること
- エ.利用者が情報システムを利用できるようにするために,情報システムの移行後に,移行結果について,本番環境が利用可能かどうかレビューされていること
正解:ア.構築された情報システムに,業務要件が適切に反映されていることを確認するために,利用者の立場からテストされていること
解説:ユーザ受入テストは,出来上がった情報システムを利用者自身が使い,業務要件がきちんと反映されているかを利用者の立場から確かめる工程である。開発者が行う単体テストや結合テストが「仕様どおりに動くか」を確かめるのに対し,受入テストは「実際の業務が回るか」を確かめる点に意味があり,これを監査で見るチェックポイントに当たるのがア。イは稼働後に IT 戦略上の目標を達成できたかを確認する内容で,これは投資対効果の評価や運用評価の段階で行う。ウは中間成果物も含めた全構成要素のレビューを求めており,開発工程の各段階で行う設計レビューなどに関するチェックポイントである。エは移行後に本番環境が利用可能かを確かめる内容で,移行作業の妥当性を見る移行テストや移行判定に関するものである。いずれも情報システムのライフサイクルの中で必要な確認だが,実施する時期と確認する主体が異なるので,ユーザ受入テストのチェックポイントとしてはアが適切である。
出典:情報処理推進機構「令和7年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問60
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問179.OSI参照モデルの第4層(トランスポート層)の主な役割は、経路制御とパケット転送である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。経路制御は第3層(ネットワーク層)の役割。第4層は端点間通信の信頼性・順序制御等です。
-
問180.サブネットマスク/24のネットワークでは、ホスト数は無制限である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。/24はホスト部8ビット、有効ホスト数「254」(2^8-2、無制限ではない)。
-
問181.NAT(ネットワークアドレス変換)は、プライベートアドレスとグローバルアドレスを変換する技術である。
正解:○(正しい)
解説:正しい。NAT は、プライベートアドレスを使う内部ネットワークと、グローバルアドレスを使う外部ネットワークをつなぐために、アドレスを変換する仕組みである。NAPT はアドレスに加えてポート番号も変換し、複数のアドレスを1つのアドレスにまとめる多対1の変換を行う。
根拠: RFC 3022 Traditional IP Network Address Translator (Traditional NAT) Abstract
-
問182.IPv6アドレスは64ビットで、ドット区切りの10進数で表記される。
正解:×(誤り)
解説:IPv6は「128ビット、コロン区切り16進数」(64ビット・ドット10進数は誤り、それはIPv4)。
-
問183.DHCPサーバはIPアドレス・サブネットマスク・デフォルトゲートウェイ・DNSサーバ等をクライアントに自動配布する。
正解:○(正しい)
解説:DORA(Discover-Offer-Request-Ack)手順で動作します。
-
問184.BGPは、組織内のルーティングに用いられるIGPである。
正解:×(誤り)
解説:誤り。BGPは「AS間(外部)のEGP」(組織内IGPはOSPF・RIP等)。
-
問185.SDN(Software Defined Network)は、制御プレーンとデータプレーンを分離してソフトウェアで柔軟にネットワークを制御する技術である。
正解:○(正しい)
解説:OpenFlow等が代表プロトコルです。
-
問186.TCPの輻輳制御アルゴリズムで、パケット損失ではなく、ボトルネック帯域と最小RTTの推定値に基づいて送信レートを決めるものはどれか。
- ア.スロースタート
- イ.BBR
- ウ.CUBIC
- エ.Reno
正解:イ.BBR
解説:BBRはGoogleが開発した方式で、ボトルネック帯域と往復遅延の最小値を推定して送信量を決める。Reno・CUBICはパケット損失を輻輳の合図にする方式で、スロースタートは送信開始時にウィンドウを急速に広げる手順。
-
問187.IPv4サブネット/26で、1サブネットあたりの有効ホスト数はどれか。
- ア.30
- イ.126
- ウ.62
- エ.254
正解:ウ.62
解説:/26はホスト部6ビット。2⁶-2=62ホスト。
-
問188.TCP/IPの経路制御で、最短経路ベクトル情報を交換するルーティングプロトコルはどれか。
- ア.IS-IS
- イ.OSPF
- ウ.BGP
- エ.RIP
正解:エ.RIP
解説:RIPは距離ベクトル型。OSPFやIS-ISはリンクステート型です。
-
問189.OSI参照モデルは、5層構成のネットワークモデルである。
正解:×(誤り)
解説:誤り。OSI参照モデルは「7層」(物理・データリンク・ネットワーク・トランスポート・セッション・プレゼンテーション・アプリケーション)。
-
問190.TCP/IPモデルは、7階層で構成される。
正解:×(誤り)
解説:誤り。TCP/IPは「4階層」(リンク・インターネット・トランスポート・アプリケーション)。
-
問191.IPv4は128ビット、IPv6は32ビットのアドレスである。
正解:×(誤り)
解説:誤り。IPv4「32ビット」、IPv6「128ビット」(記述が逆)。
-
問192.TCPはコネクションレスで信頼性は低く、UDPはコネクション型で信頼性が高い。
正解:×(誤り)
解説:誤り。TCP「コネクション型・信頼性高」、UDP「コネクションレス・高速・信頼性低」(記述が逆)。
-
問193.DNSは、IPアドレスをドメイン名に変換するサービスである。
正解:×(誤り)
解説:誤り。DNSは「ドメイン名→IPアドレス」変換(逆引きもあるが基本は順方向)。記述が逆。
-
問194.次のうち、TCP/IPモデルとOSI参照モデルの対応として正しいものはどれか。
- ア.TCP→ネットワーク層
- イ.IP→ネットワーク層
- ウ.IP→トランスポート層
- エ.HTTP→セッション層
正解:イ.IP→ネットワーク層
解説:IP(インターネット層)はOSIのネットワーク層相当。TCPはトランスポート層、HTTPはアプリケーション層。
-
問195.次のうち、HTTPSが使用するポート番号として正しいものはどれか。
- ア.80
- イ.22
- ウ.443
- エ.53
正解:ウ.443
解説:HTTPS:443番。HTTP:80、SSH:22、DNS:53。
-
問196.ARPは、通信相手のMACアドレスを基に、そのIPアドレスを求めるためのプロトコルである。
正解:×(誤り)
解説:誤り。ARPはIPアドレスから、同じネットワーク上の通信相手のMACアドレスを求めるプロトコルである(RFC 826)。向きが逆。
-
問197.5Gの3つのユースケースとして誤っているものはどれか。
- ア.eMBB(高速大容量)
- イ.eSIM(仮想SIM)
- ウ.mMTC(多接続)
- エ.URLLC(低遅延高信頼)
正解:イ.eSIM(仮想SIM)
解説:5Gユースケース:eMBB・URLLC・mMTC。eSIMは別概念(プラスチックSIMの代替で物理形態の話)。
-
問198.100M ビット/秒の LAN と1G ビット/秒の LAN がある。ヘッダーを含めて 1,250 バイトのパケットを N 個送信するときに,100M ビット/秒の LAN の送信時間が1G ビット/秒の LAN より9ミリ秒多く掛かった。N は幾らか。ここで,いずれの LAN においても,パケットの送信間隔(パケットの送信が完了してから次のパケットを送信開始するまでの時間)は1ミリ秒であり,パケット送信間隔も送信時間に含める。
- ア.10
- イ.80
- ウ.100
- エ.800
正解:ウ.100
解説:まずパケットの大きさをビットに直すと 1,250バイト×8=10,000ビットである。100M ビット/秒では1パケットの送信に 10,000÷100,000,000=0.0001秒=0.1ミリ秒かかり,送信間隔1ミリ秒を加えて1パケットあたり1.1ミリ秒。1G ビット/秒では 10,000÷1,000,000,000=0.00001秒=0.01ミリ秒で,間隔を加えて1.01ミリ秒である。1パケットあたりの差は 1.1−1.01=0.09ミリ秒なので,N 個での差は 0.09×N ミリ秒。これが9ミリ秒に等しいから N=9÷0.09=100 となり,答はウ。ここで間隔の1ミリ秒は両方に共通なので差では打ち消し合う点が要である。エの800は,1,250をバイトからビットに直さずそのまま扱った場合の値で,1パケットあたりの差が0.01125ミリ秒になり 9÷0.01125=800 となる。アの10は差を0.9ミリ秒と見積もった場合の値,イの80も同様に桁の扱いを誤った場合に出る値である。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問30
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問199.リバースプロキシの説明として,適切なものはどれか。
- ア.インターネットから内部ネットワークの公開 Web サーバへの通信を,中継するために利用される。
- イ.インターネットと内部ネットワークとの通信を監視し,インターネットからの攻撃を検知するための技術である。
- ウ.仮想的な専用ネットワークを確立するための技術である。
- エ.内部ネットワークの PC からインターネットへの通信を,中継するために利用される。
正解:ア.インターネットから内部ネットワークの公開 Web サーバへの通信を,中継するために利用される。
解説:プロキシは通信を中継するサーバだが,どちら向きの通信を代理するかで呼び方が変わる。リバースプロキシは,外部の利用者から見てWebサーバの代わりに要求を受け取り,背後にある本当のサーバへ取り次ぐもので,答はア。Webサーバを直接インターネットにさらさずに済み,複数台への負荷分散や暗号化処理の肩代わり,コンテンツのキャッシュもできる。エは内部のPCから外へ出る通信を中継するもので,こちらが通常のプロキシ(フォワードプロキシ)である。向きが逆なので「リバース」と呼ばれる。イは通信を監視して攻撃を見つける IDS の説明。ウは VPN の説明である。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問31
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問200.IPv4 のアドレス割当てを行う際に,クラスA〜Cといった区分にとらわれずに,ネットワークアドレス部とホストアドレス部を任意のブロック単位に区切り,IP アドレスを無駄なく効率的に割り当てる方式はどれか。
- ア.CIDR
- イ.DHCP
- ウ.DNS
- エ.NAPT
正解:ア.CIDR
解説:CIDR(Classless Inter-Domain Routing)は,クラスA・B・Cという固定の区切りをやめ,ネットワーク部の長さをビット単位で自由に決められるようにした方式である。「192.168.0.0/26」のようにプレフィックス長で表記し,必要な台数に合った大きさのブロックを割り当てられるのでアドレスのむだが減る。よって答はア。イの DHCP は,起動したホストにIPアドレスなどの設定を自動で配る仕組みで,アドレス空間の区切り方の話ではない。ウの DNS はドメイン名とIPアドレスを対応づける仕組み。エの NAPT は,1つのグローバルアドレスを複数の内部ホストでポート番号を使い分けて共有する仕組みで,アドレスの節約という目的は似ているが,割当ての区切り方を変える方式ではない。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問32
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問201.UDP のヘッダーフィールドにはないが,TCP のヘッダーフィールドには含まれる情報はどれか。
- ア.宛先ポート番号
- イ.シーケンス番号
- ウ.送信元ポート番号
- エ.チェックサム
正解:イ.シーケンス番号
解説:UDP のヘッダーは,送信元ポート番号・宛先ポート番号・データ長・チェックサムの4つだけで構成される非常に単純なものである。一方 TCP は,届いたデータを正しい順序に並べ直し,欠けた分を再送するために,各バイトに通し番号を付ける必要がある。これがシーケンス番号で,UDP には存在しない。よって答はイ。ア・ウのポート番号は,どちらのプロトコルもアプリケーションを識別するために必要なので両方にある。エのチェックサムも両方にあり,UDP でも誤り検出だけは行う。ただし UDP は誤りを見つけても再送はせず,そのまま捨てる。TCP にはこのほか確認応答番号やウィンドウサイズもあり,信頼性と流量制御のためにヘッダーが大きくなっている。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問33
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問202.複数台のレイヤー2スイッチで構成されるネットワークが複数の経路をもつ場合に,イーサネットフレームのループが発生することがある。そのループの発生を防ぐための TCP/IP ネットワークインタフェース層のプロトコルはどれか。
- ア.IGMP
- イ.RIP
- ウ.SIP
- エ.スパニングツリープロトコル
正解:エ.スパニングツリープロトコル
解説:レイヤー2スイッチだけで環状の経路ができると,宛先の分からないフレームが延々と回り続けてネットワークを埋め尽くすブロードキャストストームが起きる。スパニングツリープロトコルは,スイッチ同士で情報をやり取りして論理的な木構造を作り,余分な経路のポートを通信させない状態にしてループを断つ。障害時にはそのポートを使い始めるので冗長経路としても機能する。よって答はエ。アの IGMP はマルチキャストのグループ管理を行うプロトコル。イの RIP はルーターが経路情報を交換する経路制御プロトコルで,動く層が違う。ウの SIP は音声通話などのセッションを確立・切断するためのプロトコルである。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問34
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問203.ビット誤り率が0.0001%の回線を使って,1,500バイトのパケットを10,000個送信するとき,誤りが含まれるパケットの個数の期待値はおよそ幾らか。
- ア.10
- イ.15
- ウ.80
- エ.120
正解:エ.120
解説:まず単位をそろえる。ビット誤り率0.0001%は 0.000001=10⁻⁶ である。1パケットは 1,500バイト×8=12,000ビットなので,1パケットの中で誤りが起きるビット数の期待値は 12,000×10⁻⁶=0.012 個。誤り率が十分小さいので,1パケットが誤りを含む確率もおよそ0.012とみてよい(厳密には 1−(1−10⁻⁶)¹²⁰⁰⁰≒0.0119)。これを10,000パケット分にすると 0.012×10,000=120 個となり,答はエ。イの15は,1,500をビットに直さずバイトのまま扱った場合の値で,1,500×10⁻⁶×10,000=15 となる。ウの80は,1パケットを8,000ビットとして計算した場合の値(8,000×10⁻⁶×10,000=80)。アの10は,さらに桁を落とした場合に出る値である。%を小数に直すときに100で割るのを忘れないことが要点になる。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問35
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問204.CSMA/CD 方式の LAN に接続されたノードの送信動作として,適切なものはどれか。
- ア.各ノードに論理的な順位付けを行い,送信権を順次受け渡し,これを受け取ったノードだけが送信を行う。
- イ.各ノードは伝送媒体が使用中かどうかを調べ,使用中でなければ送信を行う。衝突を検出したらランダムな時間の経過後に再度送信を行う。
- ウ.各ノードを環状に接続して,送信権を制御するための特殊なフレームを巡回させ,これを受け取ったノードだけが送信を行う。
- エ.タイムスロットを割り当てられたノードだけが送信を行う。
正解:イ.各ノードは伝送媒体が使用中かどうかを調べ,使用中でなければ送信を行う。衝突を検出したらランダムな時間の経過後に再度送信を行う。
解説:CSMA/CD は Carrier Sense Multiple Access with Collision Detection の略で,名前がそのまま動作を表している。Carrier Sense は伝送媒体が使用中かを調べること,Multiple Access は複数のノードが同じ媒体を共有すること,Collision Detection は衝突の検出である。空いていれば送信し,同時に送信して衝突が起きたら双方が送信を止め,それぞれランダムな時間だけ待ってから再送する。ランダムにするのは,同じ時間だけ待つと再び衝突してしまうためである。したがって答はイ。イーサネットで長く使われた方式だが,スイッチによる全二重通信が一般化した現在は衝突自体が起きなくなり,実質的に使われていない。アはトークンバス方式,ウはトークンリング方式の説明で,どちらも送信権を表すトークンを受け取ったノードだけが送信するため衝突が起きない。エは時分割多重(TDMA)の考え方で,あらかじめ割り当てられた時間帯にだけ送信する方式である。なお無線 LAN では衝突の検出が難しいため,送信前に一定時間待って回避する CSMA/CA が使われる。
出典:情報処理推進機構「令和6年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問30
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問205.IP アドレス 208.77.188.166 は,どのアドレスに該当するか。
- ア.グローバルアドレス
- イ.プライベートアドレス
- ウ.ブロードキャストアドレス
- エ.マルチキャストアドレス
正解:ア.グローバルアドレス
解説:IPv4 で特別な用途に予約されている範囲を順に確かめる。プライベートアドレスは 10.0.0.0〜10.255.255.255,172.16.0.0〜172.31.255.255,192.168.0.0〜192.168.255.255 の3つの範囲で,208.77.188.166 はどれにも入らない。マルチキャストアドレスは先頭が1110で始まるクラス D,すなわち 224.0.0.0〜239.255.255.255 なので,第1オクテットが208 のこのアドレスは該当しない。ブロードキャストアドレスは,あるネットワークのホスト部がすべて1のアドレス(または全体が1の 255.255.255.255)で,第4オクテットが166 では該当しない。いずれの予約範囲にも入らないので,インターネット上で一意に割り当てられるグローバルアドレスであり,答はア。第1オクテットの208はクラス C の範囲(192〜223)にあるが,クラスの区分とグローバル・プライベートの区分は別の話であり,クラス C の中にプライベートの 192.168.0.0/16 が含まれているという関係になっている。判定は「予約されている範囲に入るかどうか」を1つずつ消していくのが確実である。
出典:情報処理推進機構「令和6年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問31
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問206.ルータを冗長化するために用いられるプロトコルはどれか。
- ア.PPP
- イ.RARP
- ウ.SNMP
- エ.VRRP
正解:エ.VRRP
解説:VRRP(Virtual Router Redundancy Protocol)は,複数の物理ルータをまとめて1台の仮想ルータとして見せる仕組みである。仮想の IP アドレスと MAC アドレスを共有し,通常は優先度の高いルータ(マスタ)が転送を担い,マスタが停止すると別のルータ(バックアップ)が仮想アドレスを引き継ぐ。端末側はデフォルトゲートウェイとして仮想 IP アドレスを設定しておけばよく,切替えの際に設定を変える必要がない。したがって答はエ。アの PPP(Point-to-Point Protocol)は,2点間を1対1で接続してデータリンクを確立するプロトコルで,認証やアドレス割当ての機能をもち,かつてのダイヤルアップ接続や PPPoE の土台になっている。イの RARP(Reverse ARP)は,MAC アドレスから自分の IP アドレスを得るためのプロトコルで,ディスクをもたない端末の起動時に使われた。ウの SNMP(Simple Network Management Protocol)は,ネットワーク機器の状態を監視し設定を管理するためのプロトコルである。冗長化の役割をもつのは VRRP だけで,機器の状態を「見る」SNMP と「引き継ぐ」VRRP の違いを押さえておきたい。
出典:情報処理推進機構「令和6年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問32
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問207.OpenFlow を使った SDN(Software-Defined Networking)の説明として,適切なものはどれか。
- ア.単一の物理サーバ内の仮想サーバ同士が,外部のネットワーク機器を経由せずに,物理サーバ内部のソフトウェアで実現された仮想スイッチを経由して,通信する方式
- イ.データを転送するネットワーク機器とは分離したソフトウェアによって,ネットワーク機器を集中的に制御,管理するアーキテクチャ
- ウ.プロトコルの文法を形式言語を使って厳密に定義する,ISO で標準化された通信プロトコルの規格
- エ.ルータやスイッチの機器内部で動作するソフトウェアを,オープンソースソフトウェア(OSS)で実現する方式
正解:イ.データを転送するネットワーク機器とは分離したソフトウェアによって,ネットワーク機器を集中的に制御,管理するアーキテクチャ
解説:SDN は,ネットワーク機器が担っていた役割を,実際にパケットを転送する部分(データプレーン)と,どう転送するかを決める部分(コントロールプレーン)に分け,後者を機器から切り離して外部のソフトウェア(コントローラ)に集約する考え方である。OpenFlow はコントローラとスイッチの間でフローテーブルを操作するための代表的なプロトコルで,これによって機器を1台ずつ設定するのではなく,ネットワーク全体を集中的に制御・管理できる。したがって答はイ。構成の変更を設定ファイルやプログラムで行えるため,仮想化やクラウドの環境で柔軟に経路を組み替えられる。アは仮想スイッチ(vSwitch)の説明で,同じ物理サーバ内の仮想マシン同士の通信をソフトウェアのスイッチで行う方式であり,SDN の構成要素になることはあるがSDN そのものの定義ではない。ウは形式言語によるプロトコル記述の話で,SDN とは関係がない。エは機器内部のソフトウェアを OSS で実現するという内容で,ホワイトボックススイッチの考え方に近いが,制御と転送を分離するという SDN の核心には触れていない。
出典:情報処理推進機構「令和6年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問34
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問208.3D セキュア2.0(EMV 3-D セキュア)は,オンラインショッピングにおけるクレジットカード決済時に,不正取引を防止するための本人認証サービスである。3D セキュア2.0 で利用される本人認証の特徴はどれか。
- ア.利用者がカード会社による本人認証に用いるパスワードを忘れた場合でも,安全にパスワードを再発行することができる。
- イ.利用者の過去の取引履歴や決済に用いているデバイスの情報から不正利用や高リスクと判断される場合に,カード会社が追加の本人認証を行う。
- ウ.利用者の過去の取引履歴や決済に用いているデバイスの情報にかかわらず,カード会社がパスワードと生体認証を併用した本人認証を行う。
- エ.利用者の過去の取引履歴や決済に用いているデバイスの情報に加えて,操作しているのが人間であることを確認した上で,カード会社が追加の本人認証を行う。
正解:イ.利用者の過去の取引履歴や決済に用いているデバイスの情報から不正利用や高リスクと判断される場合に,カード会社が追加の本人認証を行う。
解説:3D セキュア2.0 の特徴はリスクベース認証を採り入れたことである。加盟店から送られる取引の情報(過去の取引履歴,利用している端末や OS,IP アドレス,購入金額など)をカード会社が分析し,普段と変わらない取引と判断すれば追加の認証を求めずにそのまま通し,不正利用の疑いや高リスクと判断した場合にだけワンタイムパスワードや生体認証などの追加認証を求める。利用者の手間を減らしながら安全性を保つ設計であり,答はイ。旧版(3D セキュア1.0)はすべての取引で固定のパスワード入力を求めたため,入力の手間や忘却によって購入を途中でやめてしまう問題があり,これを解消するために改められた。ウは,取引の情報にかかわらず常に認証を行うという内容で,これは旧版に近い考え方であり,リスクに応じて出し分けるという2.0 の特徴とは逆である。アはパスワードの再発行の仕組みの話で,本人認証の方式の特徴ではない。エは追加認証の前に人間であることを確認するという内容だが,これは CAPTCHA などボット対策の話であり,3D セキュア2.0 の仕様に含まれるものではない。
出典:情報処理推進機構「令和6年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問35
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問209.“成績”表に対して,SQL 文1と同一の結果を得るために,SQL 文2の a に入れる字句はどれか。 〔成績〕学生番号/実施回/得点 S01/1/70 S01/7/80 S02/2/85 S02/5/82 S03/3/83 S03/9/78 S03/12/90 S04/6/100 〔SQL 文1〕 SELECT R1.学生番号, R1.実施回, R1.得点 FROM 成績 R1 INNER JOIN (SELECT 学生番号, MIN(実施回) AS 初回 FROM 成績 GROUP BY 学生番号) R2 ON R1.学生番号 = R2.学生番号 AND R1.実施回 = R2.初回 〔SQL 文2〕 SELECT 学生番号, 実施回, 得点 FROM (SELECT 学生番号, 実施回, 得点, ROW_NUMBER() OVER ([ a ]) AS 番号 FROM 成績) R1 WHERE R1.番号 = 1
- ア.ORDER BY 学生番号, 実施回
- イ.PARTITION BY 学生番号 ORDER BY 実施回
- ウ.PARTITION BY 学生番号 ORDER BY 得点 ASC
- エ.PARTITION BY 学生番号 ORDER BY 得点 DESC
正解:イ.PARTITION BY 学生番号 ORDER BY 実施回
解説:SQL 文1は,学生番号ごとに実施回の最小値(初回)を求め,その学生・その実施回に一致する行を取り出している。つまり「各学生の一番早い実施回の行」を選ぶ処理である。SQL 文2はこれを窓関数で書き換えたもので,ROW_NUMBER() が振る番号が1の行だけを残す。同じ結果を得るには,学生番号ごとに区切って(PARTITION BY 学生番号),実施回の昇順で番号を振る(ORDER BY 実施回)必要があるので,答はイ。実際この指定だと S01 は実施回1の行が1番,S02 は実施回2の行,S03 は実施回3の行,S04 は実施回6の行にそれぞれ1が付き,SQL 文1と同じ4行が得られる。アは PARTITION BY が無いため表全体に通し番号が振られ,番号1の行は S01 の1行だけになってしまう。ウは並べ替えの基準が得点の昇順なので,各学生の最低得点の行が選ばれる(S03 なら実施回9の78点)。エは得点の降順なので各学生の最高得点の行が選ばれる(S03 なら実施回12の90点)。区切る基準と並べ替える基準の両方を合わせる必要がある。
出典:情報処理推進機構「令和6年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問30
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問210.DBMS のチェックポイントに関する記述として,適切なものはどれか。
- ア.制約のチェックを行う時点を指し,データ操作ごとに即時にチェックを行うか,トランザクションのコミット時までチェックを遅延させるかの指定ができる。
- イ.データベースバッファの内容を二次記憶に書き出した時点を指し,障害回復処理の際に,その時点までにコミットされたトランザクションの回復作業を不要にできる。
- ウ.一つのトランザクションの途中に任意に設定できる時点を指し,プログラムによってその時点まで明示的にロールバックできる。
- エ.分散トランザクションの調停者が,全参加者からコミット可否を受け取り,コミットかロールバックかの判定を行う時点を指し,その後に全参加者にコミット又はロールバックの実行要求を発行することによって,分散トランザクションの原子性,一貫性が保証できる。
正解:イ.データベースバッファの内容を二次記憶に書き出した時点を指し,障害回復処理の際に,その時点までにコミットされたトランザクションの回復作業を不要にできる。
解説:DBMS は更新をいったんメモリ上のデータベースバッファに溜め,適当な時点でまとめて二次記憶(ディスク)へ書き出す。この書き出しを行った時点をチェックポイントという。障害が起きたときは,チェックポイント以前にコミットされた更新はすでにディスクに反映されているので回復作業が要らず,そこから後の分だけをログで復元(ロールフォワード)すればよい。したがって答はイ。チェックポイントを頻繁に取れば回復は速くなるが,書き出しの負荷で通常処理が遅くなるという釣り合いがある。アは制約検査のタイミングの指定(SQL の SET CONSTRAINTS における IMMEDIATE と DEFERRED)の説明である。ウはセーブポイントの説明で,長いトランザクションの途中に目印を置き,そこまで部分的に取り消せる仕組みである。エは2相コミットにおける調停者の判定(コミット決定)の説明で,複数のデータベースにまたがる更新をまとめて確定または取消しするための手順である。どれもトランザクション処理に関わる用語だが,「バッファをディスクへ書き出した時点」を指すのはチェックポイントだけである。
出典:情報処理推進機構「令和6年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問31
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問211.1Mバイトのデータの送信を5秒以内に行うための,最低速度の回線サービスはどれか。ここで,伝送制御のための情報は考慮しないこととし,回線の伝送効率は60%とする。
- ア.1Mビット/秒の回線サービス
- イ.2Mビット/秒の回線サービス
- ウ.4Mビット/秒の回線サービス
- エ.10Mビット/秒の回線サービス
正解:ウ.4Mビット/秒の回線サービス
解説:まず単位をそろえる。1Mバイトは 1×8=8Mビットである。これを5秒以内に送るには,実際に流れる速度が 8÷5=1.6Mビット/秒以上必要になる。回線の伝送効率が60%なので,回線の公称速度のうち実際にデータに使えるのは0.6倍である。したがって必要な公称速度は 1.6÷0.6=2.67Mビット/秒以上となり,選択肢の中でこれを満たす最低速度は4Mビット/秒である。答はウ。検算すると,4Mビット/秒の回線の実効速度は 4×0.6=2.4Mビット/秒で,8÷2.4=3.33秒となり5秒以内に収まる。イの2Mビット/秒では実効1.2Mビット/秒で 8÷1.2=6.67秒かかり間に合わない。アの1Mビット/秒では実効0.6Mビット/秒で 8÷0.6=13.3秒かかる。エの10Mビット/秒は実効6Mビット/秒で 8÷6=1.33秒となり条件は満たすが,「最低速度」を問われているので選べない。バイトとビットの換算,そして効率で割る(掛けるのではない)という2点が要点になる。
出典:情報処理推進機構「令和6年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問32
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問212.DNS に関する記述のうち,適切なものはどれか。
- ア.DNS サーバのホスト名を登録するレコードを MX レコードという。
- イ.DNS サーバに問い合わせを行うソフトウェアをレゾリューションという。
- ウ.IP アドレスに対応するホスト名を調べることを逆引きという。
- エ.ホスト名に対し別名を登録するレコードを NS レコードという。
正解:ウ.IP アドレスに対応するホスト名を調べることを逆引きという。
解説:DNS では,ホスト名から IP アドレスを求めることを正引き,逆に IP アドレスからホスト名を求めることを逆引きという。逆引きには in-addr.arpa というドメインの下に IP アドレスを逆順に並べた名前を作り,PTR レコードを引く仕組みが使われる。したがって答はウ。逆引きは,アクセスログにホスト名を表示する用途や,メールサーバが送信元の正当性を確かめる用途に使われる。アは,MX レコードはそのドメインのメールを受け取るサーバを指定するレコードで,DNS サーバのホスト名を登録するのは NS レコードである。イは,DNS サーバに問い合わせを行うソフトウェアはリゾルバと呼ぶ。レゾリューション(名前解決)は問い合わせて答えを得るという処理そのものを指す言葉で,ソフトウェアの名前ではない。エは,ホスト名に別名を与えるレコードは CNAME レコードで,NS レコードはそのゾーンを管理する DNS サーバを示すものである。主なレコードは,A(IPv4アドレス),AAAA(IPv6アドレス),CNAME(別名),MX(メールサーバ),NS(ネームサーバ),PTR(逆引き),SOA(ゾーンの管理情報),TXT(任意の文字列)と整理して覚えるとよい。
出典:情報処理推進機構「令和6年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問33
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問213.IPv4 ネットワークにおける ICMP の機能として,適切なものはどれか。
- ア.MAC アドレスだけが分かっているときに IP アドレスの解決を可能にする。
- イ.グローバル IP アドレスとプライベート IP アドレスとを相互に変換する。
- ウ.送信元ホストへ,IP パケットの送信エラー報告などの制御メッセージを通知する。
- エ.ネットワーク内の IP アドレスを一元管理し,クライアントに動的に割り当てる。
正解:ウ.送信元ホストへ,IP パケットの送信エラー報告などの制御メッセージを通知する。
解説:ICMP(Internet Control Message Protocol)は,IP の通信で起きた異常や状態を伝えるための制御用プロトコルである。宛先に到達できない(Destination Unreachable),生存時間が尽きた(Time Exceeded),経路を変えるべき(Redirect)といったメッセージを送信元へ返し,通信の診断や制御に使われる。ping はエコー要求・エコー応答,traceroute は生存時間切れのメッセージを利用して経路をたどる仕組みで,どちらも ICMP を使う。したがって答はウ。アは,MAC アドレスから IP アドレスを求める RARP(逆に IP アドレスから MAC アドレスを求めるのが ARP)の説明である。イは,グローバル IP アドレスとプライベート IP アドレスを相互に変換する NAT(ポート番号まで含めて変換するのは NAPT)の説明である。エは,IP アドレスを一元管理してクライアントに動的に貸し出す DHCP の説明である。なお ICMP は IP と同じネットワーク層で働き,TCP や UDP のようなポート番号をもたない点も特徴である。
出典:情報処理推進機構「令和6年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問34
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問214.クラス D の IPv4 アドレスを使用するのはどの場合か。
- ア.端末数が250台程度までの比較的小規模なネットワークのホストアドレスを割り振る。
- イ.端末数が65,000台程度の中規模なネットワークのホストアドレスを割り振る。
- ウ.プライベートアドレスを割り振り,ユニキャスト通信を行う。
- エ.マルチキャストアドレスを割り振り,マルチキャスト通信を行う。
正解:エ.マルチキャストアドレスを割り振り,マルチキャスト通信を行う。
解説:IPv4 アドレスは先頭のビットの並びでクラスに分けられる。クラス A(先頭0)はネットワーク部8ビットで約1,677万台,クラス B(先頭10)はネットワーク部16ビットで約6万5千台,クラス C(先頭110)はネットワーク部24ビットで254台までを収容する。クラス D(先頭1110・224.0.0.0〜239.255.255.255)はホストに割り当てるためのものではなく,特定のグループへ同時に送るマルチキャスト通信用に予約されている。したがって答はエ。動画配信やルーティングプロトコルの制御メッセージ(OSPF の 224.0.0.5 など)で使われる。なおクラス E(先頭1111・240.0.0.0以降)は実験・将来用に予約されている。アはクラス C,イはクラス B の用途である。ウのプライベートアドレスは 10.0.0.0/8,172.16.0.0/12,192.168.0.0/16 の3つの範囲で,それぞれクラス A・B・C の中に取られているものなので,クラス D とは無関係である。クラス D はグループを表すアドレスであって,個々のホストを指す宛先ではないという点が本質である。
出典:情報処理推進機構「令和6年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問35
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問215.MTU(Maximum Transmission Unit)が1,500バイトに設定された IPv4 ネットワークで,2,000バイトのデータを TCP を用いて送信するときに,二つ目に送信されるパケットに含まれるデータは何バイトか。ここで,TCP ヘッダー長は20バイト,IP ヘッダー長は20バイト,イーサネットのヘッダー長とトレーラー長は,それぞれ14バイトと4バイトとする。また,データを複数パケットに分割して送信するときは,先に送信するパケットに格納できる上限までデータを含めて送信するものとする。
- ア.500
- イ.540
- ウ.580
- エ.598
正解:イ.540
解説:MTU は「1つのフレームで運べる IP パケットの最大長」であり,イーサネットのヘッダーとトレーラーは MTU の外側に付くので数に入れない。したがって1つのパケットに入れられるデータの上限は 1,500-20(IP ヘッダー)-20(TCP ヘッダー)=1,460バイトになる。1つ目のパケットに上限いっぱいの1,460バイトを詰めるので,残りは 2,000-1,460=540バイトとなり,これが二つ目のパケットに含まれるデータである。答はイ。ウの580は 540+20+20 に一致する値で,データ長ではなく二つ目の IP パケット全体の長さを答えた場合に当たる。エの598は,その580にイーサネットのヘッダー14バイトとトレーラー4バイトを加えた 580+18 に一致し,フレーム全体の長さを答えた場合になる。アの500は 2,000-1,500 に一致し,ヘッダーを一切差し引かずに MTU の1,500バイトまでデータを詰められると考えた場合の値である。
出典:情報処理推進機構「令和7年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問30
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問216.次のルーティングテーブルをもつルータが宛先 IP アドレス 192.168.1.1 のパケットを受信したとき,選択されるネクストホップはどれか。ここで,宛先 IP アドレスの条件を満たす宛先ネットワークが複数あるときは,それらのうちで,サブネットマスクが最も長い宛先ネットワークのネクストホップを選択する。 〔ルーティングテーブル〕宛先ネットワーク/ネクストホップ 0.0.0.0/0 / 10.1.0.1 192.168.0.0/16 / 10.1.0.2 192.168.1.0/24 / 10.1.0.3 192.168.1.0/26 / 10.1.0.4
- ア.10.1.0.1
- イ.10.1.0.2
- ウ.10.1.0.3
- エ.10.1.0.4
正解:エ.10.1.0.4
解説:ルータは宛先 IP アドレスに合致する経路のうち,プレフィックス長(サブネットマスクの1が並ぶ長さ)が最も長いものを選ぶ。これをロンゲストマッチという。宛先 192.168.1.1 を4つの経路と照合すると,0.0.0.0/0 はすべてのアドレスに合致するデフォルト経路,192.168.0.0/16 は 192.168.0.0〜192.168.255.255 に合致,192.168.1.0/24 は 192.168.1.0〜192.168.1.255 に合致する。192.168.1.0/26 はマスクが 255.255.255.192 で範囲は 192.168.1.0〜192.168.1.63 であり,192.168.1.1 はこの中に入るので合致する。4つとも条件を満たすが,プレフィックス長は 0,16,24,26 なので最も長い /26 が選ばれ,ネクストホップは 10.1.0.4 となる。したがって答はエ。ウの10.1.0.3(/24)は,仮に宛先が 192.168.1.100 であれば /26 の範囲(0〜63)を外れるので選ばれる。イの10.1.0.2(/16)は 192.168.2.5 のように第3オクテットが異なる場合に,アの10.1.0.1(/0)はどの経路にも当てはまらない宛先の場合に使われる。
出典:情報処理推進機構「令和7年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問31
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問217.あるサブネットでは,ルータやスイッチなどのネットワーク機器に IP アドレスを割り当てる際,割当て可能なアドレスの末尾から降順に使用するルールを採用している。このサブネットのネットワークアドレスを 10.16.32.64/26 とするとき,10番目に割り当てられるネットワーク機器のアドレスはどれか。ここで,ネットワーク機器1台に対して,このサブネット内のアドレス1個を割り当てるものとする。
- ア.10.16.32.54
- イ.10.16.32.55
- ウ.10.16.32.117
- エ.10.16.32.118
正解:ウ.10.16.32.117
解説:/26 はホスト部が6ビットなので,1つのサブネットは 2⁶=64個のアドレスを含む。ネットワークアドレスが 10.16.32.64 だから,このサブネットの範囲は 10.16.32.64〜10.16.32.127 である。このうち先頭の 10.16.32.64 はネットワークアドレス,末尾の 10.16.32.127 はブロードキャストアドレスで機器には割り当てられないので,割当て可能なのは 10.16.32.65〜10.16.32.126 の62個になる。末尾から降順に使うルールなので,1番目が .126,2番目が .125 と1ずつ下がり,10番目は 126-9=117 で 10.16.32.117 となる。答はウ。エの118は 127-9 に一致し,割り当てられないブロードキャストアドレスから数え始めた場合の値である。イの55は 64-9 に一致し,ネットワークアドレスを末尾と取り違えた場合。アの54は 63-9 に一致し,一つ手前のサブネット 10.16.32.0/26 のブロードキャストアドレスから数え始めた場合の値である。
出典:情報処理推進機構「令和7年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問32
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問218.TCP/IP ネットワークで,データ転送用と制御用とに異なるウェルノウンポート番号が割り当てられているプロトコルはどれか。
- ア.FTP
- イ.POP3
- ウ.SMTP
- エ.SNMP
正解:ア.FTP
解説:FTP(File Transfer Protocol)は,コマンドや応答をやり取りする制御用のコネクションと,ファイルの中身を運ぶデータ転送用のコネクションを分けて使う点に特徴があり,ウェルノウンポートとして制御用に21番,データ転送用に20番が割り当てられている。したがって答はア。制御とデータを分けているため,転送中でも制御側で中断の指示を送れる。なおデータ側のポートの使い方には,サーバの20番から接続するアクティブモードと,クライアントから接続するパッシブモードがあり,ファイアウォールの内側から使う場合は後者が用いられる。イの POP3 はメールを受信するプロトコルで110番だけを使う。ウの SMTP はメールを送信・転送するプロトコルで25番(メール投稿用には587番)を使うが,いずれも1つのコネクションでコマンドと本文の両方をやり取りする。エの SNMP はネットワーク機器の監視・管理を行うプロトコルで,管理側からの問合せに161番,機器側からの通知(トラップ)に162番を使う。番号は2つあるが,これは要求と通知という向きの違いによるもので,データ転送用と制御用の分担ではない。
出典:情報処理推進機構「令和7年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問33
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問219.30kバイトの JPEG ファイルを電子メールに添付するとき,実際の転送データはおよそ何kバイトになるか。ここで,添付ファイルは MIME base64 を用いてエンコーディングされるものとする。
- ア.20
- イ.30
- ウ.40
- エ.60
正解:ウ.40
解説:base64 は,任意のバイト列を英数字など64種類の文字だけで表す方式で,元のデータを6ビットずつに区切り,1つの区切りを1文字(1バイト)で表す。8ビットのデータ3バイトが6ビット×4文字に置き換わるので,符号化後の大きさは元の4/3倍になる。30kバイトのファイルであれば 30×4/3=40kバイトとなり,答はウ。base64 が使われるのは,電子メールの本文が本来7ビットの文字しか通せない仕組みであるため,画像のような任意のバイト列をそのまま載せられないからで,MIME の規定に従って文字列に変換してから送る。イの30は,符号化しても大きさが変わらないと考えた場合の値である。エの60は 30×2 に一致し,1バイトを2文字で表す16進数表記(各4ビットを1文字にする方式)と取り違えた場合に当たる。アの20は 30×2/3 に一致し,比率を逆に取って小さくなると考えた場合の値だが,base64 は圧縮ではないのでデータが減ることはない。なお実際には76文字ごとの改行やメールヘッダーが加わるため,転送量は40kバイトよりわずかに多くなる。
出典:情報処理推進機構「令和7年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問34
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問220.デジタル庁,総務省及び経済産業省が策定した“電子政府における調達のために参照すべき暗号のリスト(CRYPTREC 暗号リスト)”を構成する暗号リストの説明のうち,適切なものはどれか。
- ア.推奨候補暗号リストとは,CRYPTREC によって安全性及び実装性能が確認された暗号技術のうち,市場における利用実績が十分であるか今後の普及が見込まれると判断され,当該技術の利用を推奨するもののリストである。
- イ.推奨候補暗号リストとは,候補段階に格下げされ,互換性維持目的で利用する暗号技術のリストである。
- ウ.電子政府推奨暗号リストとは,CRYPTREC によって安全性及び実装性能が確認された暗号技術のうち,市場における利用実績が十分であるか今後の普及が見込まれると判断され,当該技術の利用を推奨するもののリストである。
- エ.電子政府推奨暗号リストとは,推奨段階に格下げされ,互換性維持目的で利用する暗号技術のリストである。
正解:ウ.電子政府推奨暗号リストとは,CRYPTREC によって安全性及び実装性能が確認された暗号技術のうち,市場における利用実績が十分であるか今後の普及が見込まれると判断され,当該技術の利用を推奨するもののリストである。
解説:CRYPTREC 暗号リストは3つのリストで構成されている。第1は電子政府推奨暗号リストで,CRYPTREC が安全性と実装性能を確認した暗号技術のうち,市場での利用実績が十分であるか今後の普及が見込まれると判断されたものを並べ,利用を推奨する。第2は推奨候補暗号リストで,安全性と実装性能は確認されているが利用実績がまだ十分でなく,今後電子政府推奨暗号リストに掲載される可能性があるものを並べる。第3は運用監視暗号リストで,かつて推奨されていたが安全性の低下などにより新規の利用は推奨できなくなった暗号技術を,互換性を保つ目的に限って利用を認めるものである。したがって,設問の説明に当てはまるのは電子政府推奨暗号リストであり,答はウ。アは同じ説明を推奨候補暗号リストに当てており,2つのリストの位置付けを取り違えている。イとエの「格下げされ,互換性維持目的で利用する」という説明は運用監視暗号リストのもので,それぞれ推奨候補暗号リスト,電子政府推奨暗号リストの説明としては誤りである。
出典:情報処理推進機構「令和7年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問35
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問221.CIAトライアドは機密性・完全性・可用性の情報セキュリティ3要素である。
正解:○(正しい)
解説:Confidentiality・Integrity・Availabilityの3要素です。
-
問222.情報セキュリティ7要素は、CIAトライアド(機密性・完全性・可用性)に加え、効率性・拡張性・経済性が含まれる。
正解:×(誤り)
解説:誤り。7要素はCIA+「真正性・責任追跡性・否認防止・信頼性」(効率性等は別概念)。
-
問223.AESは公開鍵暗号方式で、ブロック長は512ビットである。
正解:×(誤り)
解説:AESは「共通鍵暗号」、ブロック長「128ビット」、鍵長128/192/256ビット(公開鍵・512ビットは誤り)。
-
問224.RSA暗号は、共通鍵暗号で素数の生成困難性が安全性の根拠である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。RSAは「公開鍵暗号」(共通鍵ではない)、安全性は「素因数分解の困難性」(生成ではなく分解)。
-
問225.楕円曲線暗号(ECC)はRSAと比べて同等の安全性をより短い鍵長で実現できる。
正解:○(正しい)
解説:ECCは楕円曲線上の離散対数問題の困難性に基づき、RSA 3072ビット相当がECC 256ビットで実現されます。
-
問226.SHA-1は現在も最も推奨されるハッシュ関数である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。SHA-1は「衝突発見攻撃で安全でない」、現在はSHA-256以上が推奨。
-
問227.ディジタル署名は、署名者が公開鍵で署名し検証者が秘密鍵で検証する仕組みである。
正解:×(誤り)
解説:誤り。逆です。署名者が秘密鍵で署名、検証者が公開鍵で検証します。
-
問228.PKIの認証局(CA)は、共通鍵を発行する機関である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。CAは「ディジタル証明書(公開鍵証明書)」を発行・失効管理(共通鍵ではない)。
-
問229.チャレンジレスポンス認証は、毎回異なるランダム値(チャレンジ)を用いることでリプレイ攻撃を防ぐ。
正解:○(正しい)
解説:ワンタイムなチャレンジで過去通信の再送攻撃を防ぎます。
-
問230.パスワードは平文で保存するのが安全な方式である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。パスワードは「ソルト付きハッシュ」で保存(平文は最悪、漏洩時即被害)。
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問231.ゼロトラストは、ネットワーク境界内は完全に信頼するモデルである。
正解:×(誤り)
解説:誤り。ゼロトラストは「内外を問わず信頼しないことが前提」(境界内信頼は従来モデル)。
-
問232.SAMLとOpenID Connectは認証結果を連携してシングルサインオン(SSO)を実現する標準で、OAuth 2.0はアクセス権限を委譲する認可の枠組みである。
正解:○(正しい)
解説:SAMLはXMLのアサーションで、OpenID ConnectはOAuth 2.0の上でIDトークンを使って認証結果を受け渡す。OAuth 2.0自体は、利用者の許可を得てアクセストークンで権限を委譲する認可の仕組み(RFC 6749)で、単独では認証を定めていない。
-
問233.SQLインジェクション対策は、入力をすべて文字列連結することが基本である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。対策は「プレースホルダ(パラメタ化クエリ)」、文字列連結こそ脆弱性の原因。
-
問234.クロスサイトスクリプティング(XSS)対策の基本は、入力時バリデーションと出力時エスケープ(HTMLエンコード)である。
正解:○(正しい)
解説:出力時のエスケープが最も効果的で、CSPも補完策として有効です。
-
問235.CSRFトークンは、ユーザIDで生成する固定値である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。CSRFトークンは「画面遷移毎発行のランダム秘密値」(固定値ではない、毎回異なる)。
-
問236.DoS・DDoS攻撃への対策としてIPS・WAF・CDN利用・レートリミットが有効である。
正解:○(正しい)
解説:多層防御で大規模攻撃のトラフィックを吸収・遮断します。
-
問237.標的型攻撃では、特定組織を狙った巧妙なフィッシングメール等による侵入が行われる。
正解:○(正しい)
解説:APT(Advanced Persistent Threat)と呼ばれ、長期潜伏型攻撃も含みます。
-
問238.CAP定理では、分散システムで一貫性・可用性・分断耐性の3つを同時に保証することは一般に困難とされる。
正解:○(正しい)
解説:ネットワーク分断発生時はCとAのいずれかを選ぶ必要があります。
-
問239.TCPのスリーウェイハンドシェイクは、ACK→SYN→ACKの3段階である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。3-way handshakeは「SYN→SYN/ACK→ACK」(順序が異なる)。
-
問240.IPsecはアプリケーション層、SSL/TLS-VPNはネットワーク層で動作する。
正解:×(誤り)
解説:誤り。IPsec「ネットワーク層」、SSL/TLS「アプリケーション層以下のトンネリング」(記述が逆)。
-
問241.CDN(コンテンツデリバリーネットワーク)はエッジサーバで静的コンテンツをキャッシュし、応答速度と可用性を向上させる。
正解:○(正しい)
解説:Cloudflare、Akamai等が代表例。DDoS対策にも利用されます。
-
問242.SQLインジェクション対策として最も効果的なものはどれか。
- ア.HTMLエスケープ
- イ.プレースホルダ(パラメタ化クエリ)
- ウ.HTTPSの利用
- エ.CSRFトークンの発行
正解:イ.プレースホルダ(パラメタ化クエリ)
解説:SQLの構造と値を分離するプレースホルダが最も根本的な対策です。
-
問243.公開鍵暗号方式で、送信者Aが受信者Bにメッセージを機密に送る際に使用する鍵はどれか。
- ア.Aの秘密鍵
- イ.Aの公開鍵
- ウ.Bの公開鍵
- エ.Bの秘密鍵
正解:ウ.Bの公開鍵
解説:受信者の公開鍵で暗号化、受信者の秘密鍵で復号します。
-
問244.ディジタル署名の検証に用いられる鍵はどれか。
- ア.署名者の秘密鍵
- イ.検証者の公開鍵
- ウ.検証者の秘密鍵
- エ.署名者の公開鍵
正解:エ.署名者の公開鍵
解説:署名は送信者の秘密鍵で付与、検証は送信者の公開鍵で行います。
-
問245.ISMSの国際規格ISO/IEC 27001に準拠した認証制度はどれか。
- ア.ISMS適合性評価制度
- イ.Pマーク
- ウ.TRUSTe
- エ.CMMI
正解:ア.ISMS適合性評価制度
解説:ISMS適合性評価制度(JIS Q 27001)が国内での認証制度です。Pマークは個人情報保護です。
-
問246.クロスサイトリクエストフォージェリ(CSRF)の対策として最も直接的なものはどれか。
- ア.CSRFトークンの検証
- イ.プレースホルダ利用
- ウ.出力時HTMLエスケープ
- エ.WAF導入のみ
正解:ア.CSRFトークンの検証
解説:CSRFトークンにより正規画面から遷移したリクエストであることを検証します。
-
問247.多要素認証で「所有物」要素に該当するものはどれか。
- ア.パスワード
- イ.ワンタイムパスワード用ハードウェアトークン
- ウ.指紋
- エ.秘密の質問
正解:イ.ワンタイムパスワード用ハードウェアトークン
解説:正解はワンタイムパスワード用ハードウェアトークン。多要素認証は、知識(記憶)・所持・生体の三種類の要素から二つ以上を組み合わせて本人を確認する方式である。ワンタイムパスワードを表示する専用の機器は、それを持っていること(所持=所有物)で本人を確かめる要素にあたる。
根拠: 総務省 国民のためのサイバーセキュリティサイト「パスワードの設定・管理」(多要素認証の活用) 職場での対策 > 多要素認証の活用 / NIST SP 800-63B-4 Digital Identity Guidelines: Authentication and Authenticator Management Single-Factor OTP(シングルファクターOTPオーセンティケータの説明)
-
問248.公開鍵証明書の失効情報を問合せるプロトコルはどれか。
- ア.IKE
- イ.LDAP
- ウ.OCSP
- エ.ARP
正解:ウ.OCSP
解説:OCSP=Online Certificate Status Protocolで、CRLより軽量にリアルタイム失効確認ができます。
-
問249.OAuth 2.0の主な目的はどれか。
- ア.利用者本人であることの認証(ID連携)
- イ.トークンの署名形式の規定(JWT)
- ウ.通信路の暗号化による盗聴防止(TLS)
- エ.サービス間のAPIアクセス認可(権限委譲)
正解:エ.サービス間のAPIアクセス認可(権限委譲)
解説:OAuth 2.0は認可のための枠組みで、利用者(リソースオーナー)の承認にもとづき、第三者のアプリケーションにHTTPサービスへの限定的なアクセスを得させる。パスワードを渡す代わりに、範囲と期限を限ったアクセストークンを発行して権限を委譲する。利用者本人であることの認証は、OAuth 2.0の上に本人確認の層を加えたOpenID Connectの役割である。トークンの形式はOAuth 2.0の対象外で、署名付きトークンの形式はJWT(RFC 7519)が定める。通信路の暗号化はTLSの役割で、OAuth 2.0はTLSの利用を求めているが、暗号化そのものが目的ではない。
根拠: RFC 6749 The OAuth 2.0 Authorization Framework Abstract(第三者アプリケーションにHTTPサービスへの限定的なアクセスを得させる)、1.4 Access Token(範囲と期間を表す・形式は本仕様の対象外)、3.1 Authorization Endpoint・3.2 Token Endpoint(The authorization server MUST require the use of TLS) / OpenID Connect Core 1.0 incorporating errata set 2 Abstract(OAuth 2.0 の上の identity layer・認可サーバの認証にもとづき利用者の本人性を確かめる) / RFC 7519 JSON Web Token (JWT) Abstract(クレームを JWS で署名・JWE で暗号化して表すコンパクトな形式)
-
問250.共通鍵暗号方式は、暗号化と復号で異なる鍵を使用する方式である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。共通鍵は「同じ鍵」を使用(異なる鍵は公開鍵暗号)。
-
問251.公開鍵暗号方式では、暗号化に秘密鍵、復号に公開鍵を使用する。
正解:×(誤り)
解説:誤り。通常は「公開鍵で暗号化、秘密鍵で復号」(記述が逆、署名の場合は秘密鍵で署名・公開鍵で検証)。
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問252.ハッシュ関数は、固定長入力から任意長のダイジェストを生成する関数である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。ハッシュは「任意長入力→固定長出力」(記述が逆、一方向性関数)。
-
問253.DNSSECは、DNSの応答を暗号化することで、問合せ内容や応答内容の盗聴を防ぐ技術である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。DNSSECはDNSの応答にデジタル署名を付け、応答の出自と改ざんされていないことを検証できるようにする技術で、機密性(暗号化)は提供しない(RFC 4033)。DNSキャッシュポイズニングの対策になる。
-
問254.PKI(公開鍵基盤)は、認証局(CA)が公開鍵証明書を発行・管理する仕組みである。
正解:○(正しい)
解説:PKI:CAが公開鍵証明書を発行、信頼の連鎖(ルートCA→中間CA→個別証明書)で身元を保証。HTTPS・電子署名の基盤。
-
問255.SQLインジェクション攻撃は、入力値の不適切な処理によりSQLの構造を改変させる攻撃である。
正解:○(正しい)
解説:SQLインジェクション:プリペアドステートメント・パラメータ化クエリで防御。OWASP Top10の常連脅威。
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問256.クロスサイトスクリプティング(XSS)は、Webサイトに悪意のあるスクリプトを埋め込み、訪問者のブラウザで実行させる攻撃である。
正解:○(正しい)
解説:XSS:反射型・蓄積型・DOMベースの3種。出力エスケープ・CSP(Content Security Policy)で防御。
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問257.CSRF(クロスサイトリクエストフォージェリ)は、ユーザの意図しないリクエストを送信させる攻撃である。
正解:○(正しい)
解説:CSRF:トークンチェック・SameSite Cookie・Refererチェック等で防御。送信元の正当性確認が肝。
-
問258.DDoS攻撃は、複数の攻撃者が連携して標的システムに大量のリクエストを送信し、サービス停止に追い込む攻撃である。
正解:○(正しい)
解説:DDoS:分散DoS。ボットネット悪用が一般的。防御:WAF・CDN・トラフィック監視・通信フィルタリング等。
-
問259.ランサムウェアは、感染したPCのファイルを暗号化し、復号と引換に身代金を要求するマルウェアである。
正解:○(正しい)
解説:ランサムウェア(WannaCry等):定期バックアップ・パッチ適用・教育で予防。被害発生時は警察・専門業者へ相談。
-
問260.HTTPS(HTTP over TLS/SSL)は、HTTPの通信内容をTLS/SSLで暗号化したプロトコルである。
正解:○(正しい)
解説:HTTPS:通信暗号化+サーバ認証+改ざん検知。443番ポート使用。Let's Encrypt等で無料証明書も。
-
問261.次のうち、共通鍵暗号方式に該当するものはどれか。
- ア.RSA
- イ.ECC
- ウ.AES
- エ.ElGamal
正解:ウ.AES
解説:AES(Advanced Encryption Standard)は共通鍵暗号。RSA・ECC・ElGamalは公開鍵暗号。
-
問262.送信ドメイン認証のうち、送信側のメールサーバが電子メールにデジタル署名を付与し、受信側がDNSで公開されている送信ドメインの公開鍵を用いてその署名を検証する方式はどれか。
- ア.SPF
- イ.DKIM
- ウ.DMARC
- エ.SMTP-AUTH
正解:イ.DKIM
解説:DKIM(DomainKeys Identified Mail)は署名による送信ドメイン認証(RFC 6376)。SPFは送信元IPアドレスで認証し、DMARCはSPF・DKIMの結果に基づく受信側の処理方針を送信側が宣言する仕組み、SMTP-AUTHはメール送信時の利用者認証である。
-
問263.コンピュータウイルスは、他のプログラムに感染して自己増殖するマルウェアである。
正解:○(正しい)
解説:ウイルス:宿主プログラム必要、感染で増殖。ワームは単独で動作・自己増殖、トロイの木馬は無害装って侵入。
-
問264.ワームは、宿主プログラムに感染してから動作するマルウェアである。
正解:×(誤り)
解説:誤り。ワームは「単独動作」、宿主感染するのは「ウイルス」(記述が混同)。
-
問265.トロイの木馬は、無害なソフトに見せかけてシステムに侵入し、悪意のある動作を行うマルウェアである。
正解:○(正しい)
解説:トロイの木馬:自己増殖しない、ユーザの誤実行で侵入。バックドア設置・データ窃取等が目的。
-
問266.ボット(ボットネット)は、攻撃者の指令で動作するマルウェアで、複数のボットを集めてDDoS攻撃等に悪用される。
正解:○(正しい)
解説:ボットネット:複数感染端末をC&Cサーバから遠隔制御。スパム送信・DDoS・暗号通貨採掘等に悪用。
-
問267.ルートキットは、システム侵入を派手に表示するマルウェアである。
正解:×(誤り)
解説:誤り。ルートキットは「侵入痕跡を隠蔽」(隠匿目的、派手表示の逆)。
-
問268.フィッシングは、信頼できる組織を装ったメール等で、ユーザを偽サイトに誘導し個人情報を窃取する攻撃である。
正解:○(正しい)
解説:フィッシング:メール・SMS(スミッシング)・電話(ビッシング)等の手段。スピアフィッシング(標的型)はより精緻。
-
問269.スピアフィッシングは、特定の個人・組織を狙って巧妙にカスタマイズされたフィッシング攻撃である。
正解:○(正しい)
解説:スピアフィッシング:標的型。事前情報収集(OSINT)で信頼性を高め、エグゼクティブ等を狙う。BEC(ビジネスメール詐欺)も類似。
-
問270.標的型攻撃(APT)は、特定組織を長期間にわたり、高度な手段で継続的に攻撃する手法である。
正解:○(正しい)
解説:APT(Advanced Persistent Threat):国家支援級の高度持続的脅威。多段階・多手法・長期潜伏が特徴。
-
問271.バッファオーバーフロー攻撃は、プログラムのバッファサイズを超えるデータを送信し、メモリ上の他の領域を上書きする攻撃である。
正解:○(正しい)
解説:バッファオーバーフロー:スタック上書きで任意コード実行可。C/C++等のメモリ管理に注意要。Rust等のメモリ安全言語で根本解決。
-
問272.CVE(共通脆弱性識別子)は、世界中の脆弱性に固有のIDを割り振り、識別を統一するための仕組みである。
正解:○(正しい)
解説:CVE:MITRE Corporationが管理する脆弱性のグローバルID。CVE-YYYY-NNNN形式。NVD(米国脆弱性DB)と連携。
-
問273.CVSSは、脆弱性の深刻度を0〜100のスコアで評価する。
正解:×(誤り)
解説:誤り。CVSSスコアは「0.0〜10.0」(100スコアではない)。
-
問274.SIEM(Security Information and Event Management)は、ログを集中管理し、セキュリティイベントを相関分析するシステムである。
正解:○(正しい)
解説:SIEM:Splunk・QRadar・Microsoft Sentinel等。リアルタイム監視・脅威検知・コンプライアンス対応に活用。
-
問275.ペネトレーションテストは、システムへの侵入を試行し、脆弱性を実証的に発見するセキュリティ評価手法である。
正解:○(正しい)
解説:ペネトレーションテスト:「攻撃側」視点で実証的評価。脆弱性スキャナとは異なり、実際の攻撃シナリオを再現。
-
問276.WPA3はWPA2より脆弱で、現在は使用が非推奨である。
正解:×(誤り)
解説:WPA3はWPA2の「後継」で、より強固(SAEプロトコル採用、非推奨は誤り)。
-
問277.VPNは、公衆ネットワーク上で暗号化なしの通信を行う技術である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。VPNは「暗号化されたトンネルで安全通信」(暗号化なしは公衆通信そのもの)。
-
問278.次のうち、自己増殖性を持たないマルウェアはどれか。
- ア.ウイルス
- イ.ワーム
- ウ.トロイの木馬
- エ.ボット
正解:ウ.トロイの木馬
解説:トロイの木馬は自己増殖しない(無害装って侵入し悪意動作)。ウイルス・ワーム・ボットは自己増殖性あり。
-
問279.CVSS v3でスコアが9.0以上の脆弱性の深刻度区分はどれか。
- ア.Low
- イ.Medium
- ウ.High
- エ.Critical
正解:エ.Critical
解説:CVSS v3区分:Low(0.1-3.9)・Medium(4.0-6.9)・High(7.0-8.9)・Critical(9.0-10.0)。
-
問280.次のうち、APT攻撃の特徴として誤っているものはどれか。
- ア.高度な手法
- イ.長期間継続
- ウ.短期間で広範囲
- エ.特定組織を標的
正解:ウ.短期間で広範囲
解説:APTは「Persistent」(持続的)が特徴で長期間継続。「短期間で広範囲」はAPTでなく一般的なマルウェア拡散の特徴。
-
問281.サイバー攻撃の攻撃段階をモデル化したサイバーキルチェーンにおいて,“エクスプロイト”に該当する行為はどれか。
- ア.公開情報の閲覧,顧客を装った電子メールでの問合せなどを行い,標的とする組織を調査する。
- イ.標的とする組織の PC で OS の脆弱性を悪用し,攻撃ツールを実行させる。
- ウ.標的とする組織のサーバから秘密情報を窃取し,攻撃者が用意したサーバに送信する。
- エ.標的とする組織の従業員にマルウェアを添付した電子メールを送りつける。
正解:イ.標的とする組織の PC で OS の脆弱性を悪用し,攻撃ツールを実行させる。
解説:サイバーキルチェーンは攻撃の流れを7段階に分けたモデルで,偵察→武器化→配送→エクスプロイト(攻撃)→インストール→遠隔操作→目的の実行と進む。エクスプロイトは,送り込んだものを実際に動かす段階,すなわち脆弱性を突いてコードを実行させるところを指すので,答はイ。アは最初の偵察の段階で,公開情報や問合せを通じて標的を調べる行為である。エはマルウェアを添付したメールを送る配送の段階で,まだ実行はされていない。ウは最後の目的の実行の段階で,情報を盗み出して外部へ送る行為に当たる。段階の順序が分かっていれば,「送りつける」と「実行させる」と「盗み出す」がそれぞれ別の段階だと区別できる。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問36
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問282.デジタル署名が付与されたソフトウェアをインストールするときに,そのソフトウェアの発行元を確認するために使用する証明書はどれか。
- ア.EV SSL 証明書
- イ.クライアント証明書
- ウ.コードサイニング証明書
- エ.サーバ証明書
正解:ウ.コードサイニング証明書
解説:コードサイニング証明書は,ソフトウェアの開発元が実行ファイルなどに署名するために使う証明書である。利用者はインストール時に署名を検証することで,発行元が本物であることと,配布途中で改ざんされていないことを確かめられる。よって答はウ。アの EV SSL 証明書は,発行時に企業の実在性を厳格に審査するWebサイト向けの証明書で,対象はサイトであってソフトウェアではない。イのクライアント証明書は,サーバに接続してくる利用者や端末の側を認証するためのもの。エのサーバ証明書は,接続先のWebサーバが正しい相手であることを示すためのもので,いずれも通信相手の確認に使うものであり,配布物そのものの発行元を保証する用途ではない。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問37
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問283.サイドチャネル攻撃はどれか。
- ア.暗号化処理時における暗号化装置の消費電力などの測定や統計処理によって,当該装置内部の秘密情報を推定する攻撃
- イ.攻撃者が任意に選択した平文とその平文に対応した暗号文から数学的手法を用いて暗号鍵を推測し,同じ暗号鍵を用いて作成された暗号文を解読する攻撃
- ウ.操作中の人の横から,入力操作の内容を観察することによって,利用者IDとパスワードを盗み取る攻撃
- エ.無線LANのアクセスポイントを不正に設置し,チャネル間の干渉を発生させることによって,通信を妨害する攻撃
正解:ア.暗号化処理時における暗号化装置の消費電力などの測定や統計処理によって,当該装置内部の秘密情報を推定する攻撃
解説:サイドチャネル攻撃は,暗号の数学的な仕組みを破るのではなく,装置が動いているときに外へ漏れ出る物理的な情報から鍵を推定する攻撃である。消費電力の波形,処理にかかった時間,発生する電磁波や音などが手掛かりになる。よって答はア。イは選択平文攻撃で,平文と暗号文の対応を集めて数学的に鍵を割り出す,暗号そのものに対する解読法である。ウはショルダーハッキングで,画面や手元をのぞき見る物理的な行為だが,装置から漏れる副次的な情報を測るわけではない。エは電波干渉による妨害で,秘密情報の推定ではなく可用性への攻撃にあたる。サイドチャネル攻撃への対策は,処理時間や消費電力が扱う値によって変わらないように実装することである。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問38
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問284.CRL に関する記述のうち,適切なものはどれか。
- ア.RFC 5280 では,認証局は,発行したデジタル証明書のうち失効したものについては,シリアル番号を失効後1年間 CRL に記載するよう義務付けている。
- イ.Web サイトの利用者の Web ブラウザは,その Web サイトにサーバ証明書を発行した認証局の公開鍵が Web ブラウザに組み込まれていれば,CRL を参照しなくてもよい。
- ウ.認証局は,発行した全てのデジタル証明書の有効期限を CRL に記載する。
- エ.認証局は,有効期限内のデジタル証明書が失効されたとき,そのシリアル番号を CRL に記載する。
正解:エ.認証局は,有効期限内のデジタル証明書が失効されたとき,そのシリアル番号を CRL に記載する。
解説:CRL(証明書失効リスト)は,有効期限がまだ来ていないのに失効させた証明書のシリアル番号を並べたリストである。秘密鍵が漏れた,記載事項が変わった,といった理由で途中から無効にしたい証明書を知らせるためのものなので,答はエ。アは,RFC 5280 に「失効後1年間」という期間の義務付けはない。有効期限が過ぎた証明書はそもそも検証で弾かれるので,期限切れ後まで載せ続ける必要がない。イは,認証局の公開鍵を持っていれば署名の正しさは確かめられるが,それだけでは「その後に失効させられていないか」は分からないので CRL の確認は省けない。ウは,全ての証明書の有効期限を載せるのではなく,載るのは失効したものだけである。CRL は配布に時間差が出るため,1件ずつ即時に問い合わせる OCSP も併用される。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問39
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問285.ある組織では CSIRT と PSIRT が設置されている。セキュリティインシデントのうち,PSIRT が対応するものはどれか。
- ア.組織が顧客に販売した製品とその利用において発生したセキュリティインシデント
- イ.組織が製品の在庫を管理するシステムにおいて発生したセキュリティインシデント
- ウ.組織が製品の販売を管理するシステムにおいて発生したセキュリティインシデント
- エ.組織の従業員の個人情報を管理するシステムにおいて発生したセキュリティインシデント
正解:ア.組織が顧客に販売した製品とその利用において発生したセキュリティインシデント
解説:PSIRT は Product Security Incident Response Team の略で,自社が世に出した製品やサービスの脆弱性・インシデントに対応する組織である。顧客が使っている製品に脆弱性が見つかったときに,調査・修正版の提供・利用者への告知までを担う。よって答はア。一方 CSIRT(Computer Security Incident Response Team)は,自組織の情報システムや社内ネットワークで起きたインシデントに対応する。イの在庫管理システム,ウの販売管理システム,エの従業員の個人情報を扱うシステムは,いずれも組織が自分で使っている社内システムなので CSIRT の担当である。「外に出した製品が P」「自分たちのシステムが C」と押さえると区別できる。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問40
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問286.JIS Q 27000:2019(情報セキュリティマネジメントシステム−用語)における真正性及び信頼性に対する定義a〜dの組みのうち,適切なものはどれか。 〔定義〕 a 意図する行動と結果とが一貫しているという特性 b エンティティは,それが主張するとおりのものであるという特性 c 認可されたエンティティが要求したときに,アクセス及び使用が可能であるという特性 d 認可されていない個人,エンティティ又はプロセスに対して,情報を使用させず,また,開示しないという特性
- ア.真正性=b / 信頼性=a
- イ.真正性=b / 信頼性=c
- ウ.真正性=d / 信頼性=a
- エ.真正性=d / 信頼性=c
正解:ア.真正性=b / 信頼性=a
解説:JIS Q 27000:2019 の定義では,真正性は「エンティティは,それが主張するとおりのものであるという特性」で b にあたる。名乗っている本人・本物であることを指す。信頼性は「意図する行動と結果とが一貫しているという特性」で a にあたる。期待したとおりに動き,同じ条件なら同じ結果になることを指す。よって答はア。残る c と d は別の特性の定義で,c の「認可されたエンティティが要求したときにアクセス及び使用が可能」は可用性,d の「認可されていない者に情報を使用させず開示しない」は機密性である。機密性・完全性・可用性の3つが情報セキュリティの基本で,真正性・責任追跡性・否認防止・信頼性を加えた7要素として整理されることが多い。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問41
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問287.CSPM(Cloud Security Posture Management)はどれか。
- ア.クラウドサービスにおける情報漏えいなどのリスクを低減するために,設定の監視を行ったり,自動的に不備を修正したりするサービス
- イ.従業員からの情報セキュリティマネジメントシステムに関する問合せに応じ,必要な支援を行うクラウドサービス
- ウ.従業員によるインターネット上の SaaS の利用状況を可視化することによって,ポリシー違反を検出し,接続制限を行うサービス
- エ.ファイアウォール,マルウェア検知などのセキュリティ機能を統合し,パッケージとして提供するクラウドサービス
正解:ア.クラウドサービスにおける情報漏えいなどのリスクを低減するために,設定の監視を行ったり,自動的に不備を修正したりするサービス
解説:クラウドの事故は,製品の欠陥よりも「設定の誤り」で起きることが多い。ストレージが公開状態のままだった,強すぎる権限が付いたままだった,といった不備である。CSPM は,クラウド環境の設定を継続して点検し,基準から外れた箇所を知らせたり自動で直したりする仕組みなので,答はア。ウは CASB の説明で,従業員がどの SaaS をどう使っているかを可視化し,ポリシーに反する利用を制御するものである。監視の対象が「自社が構築したクラウド環境の設定」か「従業員によるサービス利用」かで役割が分かれる。エは複数のセキュリティ機能をまとめて提供するもので,UTM をクラウドで提供する形に近い。イはヘルプデスクの説明で,設定の点検を行うものではない。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問42
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問288.脆弱性検査で,ホストに対してポートスキャンを行う。スキャンしたポートの状態を判定する方法のうち,適切なものはどれか。
- ア.ポートに SYN パケットを送信して“RST/ACK”パケットを受信したとき,接続要求が許可されたと判定する。
- イ.ポートに SYN パケットを送信して“SYN/ACK”パケットを受信したとき,接続要求が中断又は拒否されたと判定する。
- ウ.ポートに UDP パケットを送信してメッセージ“ICMP port unreachable”を受信したとき,対象ポートが閉じていると判定する。
- エ.ポートに UDP パケットを送信してメッセージ“ICMP port unreachable”を受信したとき,対象ポートが開いていると判定する。
正解:ウ.ポートに UDP パケットを送信してメッセージ“ICMP port unreachable”を受信したとき,対象ポートが閉じていると判定する。
解説:UDP は接続の手順を持たないので,開いているポートに送っても普通は何も返ってこない。逆に閉じているポートに送ると,そのポートで待っているプログラムが無いことを知らせる“ICMP port unreachable”が返る。つまり応答が返ってきたら閉,無反応なら開(またはファイアウォールで遮断)と判定する。よって答はウで,エはこれを逆に述べている。TCP の場合は3ウェイハンドシェイクの応答で判断し,SYN を送って“SYN/ACK”が返れば開いている,“RST/ACK”が返れば閉じていると分かる。アとイはこの対応を入れ替えているので誤り。UDP スキャンは「返ってこない=開いているかもしれない」という消極的な判定になるため,TCP スキャンより時間がかかり結果もあいまいになりやすい。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問43
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問289.デジタルフォレンジックスの手順は収集,検査,分析及び報告から成る。このとき,デジタルフォレンジックスの手順に含まれるものはどれか。
- ア.サーバとネットワーク機器のログをログ管理サーバに集約し,リアルタイムに相関分析することによって,不正アクセスを検出する。
- イ.サーバのハードディスクを解析し,削除されたログファイルを復元することによって,不正アクセスの痕跡を発見する。
- ウ.電子メールを外部に送る際に,本文及び添付ファイルを暗号化することによって,情報漏えいを防ぐ。
- エ.プログラムを実行する際に,プログラムファイルのハッシュ値と脅威情報とを突き合わせることによって,プログラムがマルウェアかどうかを検査する。
正解:イ.サーバのハードディスクを解析し,削除されたログファイルを復元することによって,不正アクセスの痕跡を発見する。
解説:デジタルフォレンジックスは,事故が起きた後に,証拠となるデータを原形を保ったまま集めて解析し,何が起きたのかを法的にも通用する形で明らかにする活動である。削除されたファイルを復元して痕跡をたどるのは,まさにその「収集・検査・分析」に当たるので答はイ。アは SIEM による監視で,事故を起こさせない・早く気づくための平常時の仕組みであり,事後の証拠保全ではない。ウはメールの暗号化で情報漏えいを防ぐ予防策。エは実行前にマルウェアかどうかを調べる検知であり,やはり事前の対策である。フォレンジックスでは,証拠が変化しないようにディスクを直接使わず複製して解析し,取り扱いの経緯(証拠保全の連鎖)を記録することが重要になる。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問44
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問290.電子メールの送信時に,送信側メールサーバでデジタル署名を電子メールヘッダーに付与し,受信側メールサーバでそれを検証することで,送信元ドメインのなりすましや電子メールの改ざんを検知できる技術はどれか。
- ア.DKIM
- イ.OP25B
- ウ.S/MIME
- エ.SPF
正解:ア.DKIM
解説:DKIM は,送信側のメールサーバがメールに電子署名を付け,その検証に使う公開鍵を送信元ドメインの DNS に公開しておく仕組みである。受信側は DNS から鍵を取って署名を確かめるので,ドメインのなりすましだけでなく本文やヘッダーの改ざんも見つけられる。よって答はア。エの SPF は,そのドメインのメールを送ってよいサーバのIPアドレスを DNS に列挙しておく方式で,送信元サーバが正しいかは分かるが署名ではないので改ざんは検知できない。ウの S/MIME も署名と暗号化を行うが,署名するのは利用者本人であってメールサーバではなく,検証も受信者の手元で行う。イの OP25B は,自ネットワークから外部への25番ポートの通信を遮断して迷惑メールの直接送信を防ぐ運用で,署名とは関係がない。実務では SPF と DKIM の結果を使って方針を決める DMARC を組み合わせる。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問45
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問291.企業の DMZ 上で1台の DNS サーバを,インターネット公開用と,社内の PC 及びサーバからの名前解決の問合せに対応する社内用とで共用している。この DNS サーバが,DNS キャッシュポイズニング攻撃による被害を受けた結果,直接引き起こされ得る現象はどれか。
- ア.DNS サーバのハードディスク上に定義されている DNS サーバ名が書き換わり,インターネットから DNS サーバに接続できなくなる。
- イ.DNS サーバのメモリ上にワームが常駐し,DNS 参照元に対して不正プログラムを送り込む。
- ウ.社内の利用者が,インターネット上の特定の Web サーバにアクセスしようとすると,本来とは異なる Web サーバに誘導される。
- エ.社内の利用者間の電子メールについて,宛先メールアドレスが書き換えられ,送信ができなくなる。
正解:ウ.社内の利用者が,インターネット上の特定の Web サーバにアクセスしようとすると,本来とは異なる Web サーバに誘導される。
解説:DNS キャッシュポイズニング攻撃は,DNS サーバのキャッシュに偽の名前と IP アドレスの対応を覚え込ませる攻撃である。この DNS サーバは社内からの名前解決も受け持っているので,汚染されたキャッシュを参照した社内の利用者は,正しいドメイン名を入力したつもりでも攻撃者が用意した別の IP アドレスへ導かれる。その結果,偽の Web サーバに誘導され,入力した認証情報を盗まれたりマルウェアを仕込まれたりする。したがって直接引き起こされ得る現象はウで,これが答え。アは,攻撃で書き換わるのはキャッシュ(メモリ上の一時的な対応表)であって,ハードディスク上のサーバの定義ファイルではない。イは,キャッシュに偽の情報を入れる攻撃であって,サーバにワームを常駐させるものではない。ワームの常駐はサーバ自体への侵入を伴う別の攻撃である。エは,メールアドレスそのものが書き換えられるわけではない。ただし,メールの配送先を決める MX レコードの対応が汚染されれば,メールが攻撃者のサーバへ配送されるという被害はあり得る。「送信ができなくなる」という結果の記述が実際の被害の形と合っていない。
出典:情報処理推進機構「令和6年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問36
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問292.DNSSEC で実現できることはどれか。
- ア.DNS キャッシュサーバが得た応答の中のリソースレコードが,権威 DNS サーバで管理されているものであり,改ざんされていないことの検証
- イ.権威 DNS サーバと DNS キャッシュサーバとの通信を暗号化することによる,ゾーン情報の漏えいの防止
- ウ.長音“ー”と漢数字“一”などの似た文字をドメイン名に用いて,正規サイトのように見せかける攻撃の防止
- エ.利用者の URL の入力誤りを悪用して,偽サイトに誘導する攻撃の検知
正解:ア.DNS キャッシュサーバが得た応答の中のリソースレコードが,権威 DNS サーバで管理されているものであり,改ざんされていないことの検証
解説:DNSSEC(DNS Security Extensions)は,リソースレコードに公開鍵暗号によるデジタル署名を付けることで,その応答が正当な権威 DNS サーバから来たものであり,途中で改ざんされていないことを受信側が検証できるようにした拡張仕様である。したがって答はア。上位のゾーンが下位のゾーンの鍵を保証する信頼の連鎖によってルートまでたどれるので,偽の応答をキャッシュに覚え込ませる DNS キャッシュポイズニングへの根本的な対策になる。イは誤りで,DNSSEC は署名によって完全性と出自を保証するだけで,通信内容の暗号化は行わない。DNS の応答は署名付きでも平文で流れるので,内容は第三者に見える。通信を暗号化するのは DNS over TLS(DoT)や DNS over HTTPS(DoH)である。ウは,見た目の似た文字を使うホモグラフ攻撃の話で,これは正当に登録されたドメインを使う攻撃なので,署名の検証では防げない。エは,入力誤りを狙って似た綴りのドメインを取得するタイポスクワッティングの話で,これも別のドメインが正当に応答するため DNSSEC の検証では検知できない。
出典:情報処理推進機構「令和6年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問37
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問293.公開鍵暗号方式を使った暗号通信を n 人が相互に行う場合,全部で何個の異なる鍵が必要になるか。ここで,一組の公開鍵と秘密鍵は2個と数える。
- ア.n+1
- イ.2n
- ウ.n(n-1)/2
- エ.n²
正解:イ.2n
解説:公開鍵暗号方式では,鍵は人ごとに用意する。各人が自分の公開鍵と秘密鍵の組を1つ持ち,公開鍵は誰にでも配ってよいので,相手が何人増えても自分の鍵を作り足す必要はない。したがって n 人なら1人あたり2個で 2n 個となり,答はイ。誰かに送るときは相手の公開鍵で暗号化し,受け取った側は自分の秘密鍵で復号するので,相手ごとに別の鍵を用意する必要がないのがこの方式の大きな利点である。ウの n(n-1)/2 は共通鍵暗号方式で必要な鍵の数である。共通鍵では通信する2人ごとに固有の鍵を共有しなければならないので,鍵の数は組合せの数だけ必要になり,人数が増えると急激に増える(100人なら4,950個)。この鍵管理の負担を解消したのが公開鍵暗号方式で,同じ100人なら200個で済む。アの n+1 とエの n² は,どちらの方式の数え方にも当てはまらない。なお実際の通信では,公開鍵暗号で共通鍵を安全に受け渡し,本文は処理の速い共通鍵暗号で暗号化するハイブリッド方式が使われる。
出典:情報処理推進機構「令和6年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問38
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問294.自社製品の脆弱性に起因するリスクに対応するための社内機能として,最も適切なものはどれか。
- ア.CSIRT
- イ.PSIRT
- ウ.SOC
- エ.WHOIS データベースの技術連絡担当
正解:イ.PSIRT
解説:PSIRT(Product Security Incident Response Team)は,自社が提供する製品やサービスに含まれる脆弱性を扱う組織である。脆弱性の情報を外部の研究者や利用者から受け付け,影響範囲を調べ,修正版や回避策を用意して顧客へ告知し,公表の時期を関係者と調整するという一連の対応を担う。設問は「自社製品の脆弱性に起因するリスク」への対応なので答はイ。アの CSIRT(Computer Security Incident Response Team)は,自組織の情報システムで起きたセキュリティインシデントに対応する組織で,守る対象が社内の環境である点が PSIRT と異なる。ウの SOC(Security Operation Center)は,ネットワークや機器のログを常時監視して攻撃の兆候を検知・分析する機能で,検知した事案を CSIRT へ引き継ぐという関係にある。エの WHOIS データベースの技術連絡担当は,ドメイン名や IP アドレスの登録情報に記載される連絡先で,運用上の問い合わせ窓口にはなるが製品の脆弱性対応を担う組織ではない。守る対象が「社内の環境」なら CSIRT,「自社が世に出した製品」なら PSIRT と押さえると区別できる。
出典:情報処理推進機構「令和6年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問39
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問295.JIS Q 31000:2019(リスクマネジメント-指針)において,リスク特定で考慮することが望ましいとされている事項はどれか。
- ア.結果の性質及び大きさ
- イ.残留リスクが許容可能かどうかの判断
- ウ.資産及び組織の資源の性質及び価値
- エ.事象の起こりやすさ及び結果
正解:ウ.資産及び組織の資源の性質及び価値
解説:JIS Q 31000 のリスクアセスメントは,リスク特定・リスク分析・リスク評価の3段階で構成される。リスク特定はリスクを発見して認識し,記述する段階で,考慮することが望ましい事項として,リスク源,事象とその原因,結果,脆弱性と能力の変化,資産及び組織の資源の性質及び価値,時間に関係する要素などが挙げられている。したがって答はウ。何が守るべき価値をもつのかを把握しないとリスクを洗い出せないため,この段階で資産と資源を確かめることが求められる。アの「結果の性質及び大きさ」とエの「事象の起こりやすさ及び結果」は,特定したリスクの性質を理解して水準を決めるリスク分析の段階で考慮する事項である。イの「残留リスクが許容可能かどうかの判断」は,分析の結果を基準と比べて対応の必要性や優先順位を決めるリスク評価の段階に当たる。3段階は「洗い出す(特定)→ 大きさを見る(分析)→ 受け入れられるか決める(評価)」という流れなので,設問の記述がどの問いに答えているかで見分けられる。
出典:情報処理推進機構「令和6年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問40
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問296.WAF による防御が有効な攻撃として,最も適切なものはどれか。
- ア.DNS サーバに対する DNS キャッシュポイズニング
- イ.REST API サービスに対する API の脆弱性を狙った攻撃
- ウ.SMTP サーバの第三者不正中継の脆弱性を悪用したフィッシングメールの配信
- エ.電子メールサービスに対する大量,かつ,サイズの大きな電子メールの配信
正解:イ.REST API サービスに対する API の脆弱性を狙った攻撃
解説:WAF(Web Application Firewall)は,HTTP・HTTPS の通信内容を解析して,Web アプリケーションを狙った攻撃を検知・遮断する仕組みである。SQL インジェクション,クロスサイドスクリプティング,OS コマンドインジェクションなどのパターンを検出でき,REST API も HTTP の上で動く Web アプリケーションなので防御の対象になる。したがって答はイ。通常のファイアウォールがポート番号や IP アドレスで通す・通さないを判断するのに対し,WAF はその先にある「HTTP の中身」を見る点が違いである。アの DNS キャッシュポイズニングは DNS のプロトコルに対する攻撃で,HTTP の通信ではないので WAF の対象外である。対策は DNSSEC やポート番号のランダム化になる。ウの SMTP の第三者不正中継も,メール送信のプロトコルに関する設定の問題であり,WAF では扱えない。中継を許さない設定にすることが対策である。エの大量・大容量のメール配信はメールサーバへの負荷攻撃で,こちらもメールの経路上の対策(流量制限やサイズ制限)が必要になる。守る対象が「Web アプリケーション」かどうかが判断の分かれ目である。
出典:情報処理推進機構「令和6年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問41
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問297.PC からサーバに対し,IPv6 を利用した通信を行う場合,ネットワーク層で暗号化を行うときに利用するものはどれか。
- ア.IPsec
- イ.PPP
- ウ.SSH
- エ.TLS
正解:ア.IPsec
解説:IPsec は,IP パケットそのものを暗号化・認証するプロトコル群で,OSI 基本参照モデルのネットワーク層(第3層)で働く。暗号化を担う ESP と認証を担う AH,鍵交換を行う IKE から構成され,IPv6 では当初から標準の機能として組み込まれている。したがって答はア。ネットワーク層で処理するため,上位のアプリケーションを変更しなくても通信を保護できる点が特徴で,拠点間 VPN やリモートアクセス VPN に広く使われている。エの TLS は,トランスポート層の TCP の上で動作してアプリケーションに暗号化された通信路を提供するもので,層が異なる。HTTPS や SMTPS のように,アプリケーションごとに対応が必要になる。ウの SSH は,遠隔のコンピュータに安全にログインしてコマンドを実行するためのプロトコルで,アプリケーション層に位置し,ポート転送によってほかの通信を通すこともできるが,ネットワーク層の暗号化ではない。イの PPP は2点間のデータリンクを確立するデータリンク層のプロトコルで,認証やアドレス割当てを担うが暗号化を主目的とはしていない。層ごとに「IPsec は第3層,TLS は第4層より上」と整理して押さえたい。
出典:情報処理推進機構「令和6年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問42
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問298.SPF(Sender Policy Framework)の仕組みはどれか。
- ア.電子メールを受信するサーバが,電子メールに付与されているデジタル署名を使って,送信元ドメインの詐称がないことを確認する。
- イ.電子メールを受信するサーバが,電子メールの送信元のドメイン情報と,電子メールを送信したサーバの IP アドレスから,送信元ドメインの詐称がないことを確認する。
- ウ.電子メールを送信するサーバが,電子メールの宛先のドメインや送信者のメールアドレスを問わず,全ての電子メールをアーカイブする。
- エ.電子メールを送信するサーバが,電子メールの送信者の上司からの承認が得られるまで,一時的に電子メールの送信を保留する。
正解:イ.電子メールを受信するサーバが,電子メールの送信元のドメイン情報と,電子メールを送信したサーバの IP アドレスから,送信元ドメインの詐称がないことを確認する。
解説:SPF は,あるドメインのメールを送信してよいサーバの IP アドレスを,そのドメインの DNS に SPF レコード(TXT レコード)として登録しておく仕組みである。受信側のサーバは,メールの送信元ドメインを見て DNS に問い合わせ,実際に接続してきたサーバの IP アドレスがその一覧に含まれるかを照合することで,送信元ドメインが詐称されていないかを確かめる。したがって答はイ。アは DKIM(DomainKeys Identified Mail)の説明で,送信側が本文とヘッダーにデジタル署名を付け,受信側が DNS で公開された公開鍵を使って検証する方式である。SPF が「どこから送られたか」を見るのに対し,DKIM は「内容が誰の署名で保証されているか」を見るという違いがあり,実務では両方を導入し,その結果に応じた扱いをドメイン所有者が宣言する DMARC を組み合わせるのが標準的な構成になっている。ウは全メールのアーカイブで,これは監査や訴訟対応のための保存の仕組みであり,送信元の検証とは別である。エは上司の承認を待って送信を保留する仕組みで,誤送信を防ぐ運用上の機能である。
出典:情報処理推進機構「令和6年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問43
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問299.IC カードの耐タンパ性を高める対策はどれか。
- ア.IC カードと IC カードリーダーとが非接触の状態で利用者を認証して,利用者の利便性を高めるようにする。
- イ.故障に備えてあらかじめ作成した予備の IC カードを保管し,故障時に直ちに予備カードに交換して利用者が IC カードを使い続けられるようにする。
- ウ.信号の読出し用プローブの取付けを検出すると IC チップ内の保存情報を消去する回路を設けて,IC チップ内の情報を容易には解析できないようにする。
- エ.利用者認証に IC カードを利用している業務システムにおいて,退職者の IC カードは業務システム側で利用を停止して,他の利用者が利用できないようにする。
正解:ウ.信号の読出し用プローブの取付けを検出すると IC チップ内の保存情報を消去する回路を設けて,IC チップ内の情報を容易には解析できないようにする。
解説:耐タンパ性は,機器を分解したり内部の信号を観測したりして秘密情報を取り出そうとする攻撃に対する強さを指す。IC カードでは,チップの表面を削って配線に探針(プローブ)を当てる手口が典型的な物理攻撃であり,その取付けを検出したときにチップ内の保存情報を消去する回路を組み込んでおけば,解析しようとした時点で情報が失われるため取り出せなくなる。したがって答はウ。ほかにも,配線層を目くらましのパターンで覆う,電源電圧や温度の異常を検知して動作を止める,消費電力の変化から鍵を推測させないよう処理時間を一定にするといった対策がある。アの非接触化は利便性を高める工夫であり,むしろ通信を傍受されやすくなる面もあって耐タンパ性とは方向が異なる。イの予備カードの保管は,故障時にも使い続けられるようにする可用性の対策である。エの退職者のカードの利用停止は,権限管理の運用上の対策で,カードそのものの解析への強さとは別の話である。耐タンパ性は「現物を手に入れた攻撃者に中身を渡さない」ための性質だと押さえるとよい。
出典:情報処理推進機構「令和6年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問44
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問300.オブジェクト指向におけるクラス間の関係のうち,適切なものはどれか。
- ア.クラス間の関連は,二つのクラス間でだけ定義できる。
- イ.サブクラスではスーパークラスの操作を再定義することができる。
- ウ.サブクラスのインスタンスが,スーパークラスで定義されている操作を実行するときは,スーパークラスのインスタンスに操作を依頼する。
- エ.二つのクラスに集約の関係があるときには,集約オブジェクトは部分となるオブジェクトと,属性及び操作を共有する。
正解:イ.サブクラスではスーパークラスの操作を再定義することができる。
解説:サブクラス(下位クラス)はスーパークラス(上位クラス)の属性と操作を継承するが,継承した操作を自分に合った処理へ書き換えることができる。これをオーバーライド(再定義)といい,同じ操作名の呼出しに対して実際のクラスに応じた処理が実行される多相性(ポリモーフィズム)の土台になる。したがって答はイ。ウは誤りで,継承によってスーパークラスの操作はサブクラスのインスタンス自身が持つものになるため,別にスーパークラスのインスタンスを作って依頼するわけではない。継承は「機能を受け継ぐ」関係であって,実行時に別のオブジェクトへ委譲する関係(コンポジションによる委譲)とは異なる。アも誤りで,関連は3つ以上のクラスの間でも定義できる(3項関連)。実務では2項関連が大半だが,仕様上は制限されていない。エも誤りで,集約は「全体と部分」の関係を表すだけであり,全体側のオブジェクトが部分側の属性や操作を自分のものとして共有するわけではない。属性や操作を受け継ぐのは継承の関係であり,集約と継承を取り違えないことがこの設問の要点である。
出典:情報処理推進機構「令和6年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問45
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問301.IPv4 の LAN に接続されているプリンターの MAC アドレスを,同一 LAN 上の PC から調べるときに使用するコマンドはどれか。ここで,PC はこのプリンターを直前に使用しており,プリンターの IP アドレスは分かっているものとする。
- ア.arp
- イ.ipconfig 又は ifconfig
- ウ.netstat
- エ.ping
正解:ア.arp
解説:同一 LAN 内で通信するとき,機器は相手の IP アドレスから MAC アドレスを求める ARP を行い,その対応をしばらく ARP キャッシュに保持する。arp コマンドはこのキャッシュの内容を表示するもので,直前にプリンターを使っていれば対応が残っているので,IP アドレスを指定して MAC アドレスを調べられる。したがって答はア。イの ipconfig(Windows)や ifconfig(UNIX 系)は,自分の機器のインタフェースの設定,つまり自分の IP アドレス・サブネットマスク・デフォルトゲートウェイ・自分の MAC アドレスを表示するコマンドで,相手の MAC アドレスは分からない。ウの netstat は,通信中のコネクションの一覧,待ち受けているポート,ルーティングテーブル,通信の統計を表示するコマンドで,MAC アドレスは扱わない。エの ping は,指定した相手に ICMP のエコー要求を送って応答の有無と往復時間を測るコマンドで,到達確認はできるが MAC アドレスは表示しない。ただし ping を打つと ARP が行われるので,キャッシュに対応が残っていないときは ping の後に arp を実行するという使い方になる。
出典:情報処理推進機構「令和6年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問36
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問302.企業内のクライアントからクラウドサービスへのアクセスに SAML 認証を利用したときのシステムの動作に関する記述のうち,適切なものはどれか。ここで,利用者 ID とパスワードは企業内のディレクトリサービスで管理し,利用者認証は企業内の認証サーバで行う。
- ア.クラウドサービスがディレクトリサービスに利用者 ID とパスワードの送信を要求する。
- イ.認証サーバからクラウドサービスに,利用者 ID とパスワードを送信する。
- ウ.認証サーバから認証結果をクライアント経由でクラウドサービスに送信する。
- エ.利用者が入力したパスワードとクラウドサービスから送信された乱数を組み合わせ,さらにハッシュ値に変換した結果をクライアントからクラウドサービスに送信する。
正解:ウ.認証サーバから認証結果をクライアント経由でクラウドサービスに送信する。
解説:SAML(Security Assertion Markup Language)は,認証を行う側(IdP=ここでは企業内の認証サーバ)と,サービスを提供する側(SP=クラウドサービス)の間で,認証結果を安全にやり取りするための仕様である。流れは,クライアントがクラウドサービスにアクセスすると企業内の認証サーバへ転送され,そこで利用者認証を受け,認証サーバが署名付きの認証結果(アサーション)を発行し,クライアントのブラウザがそれをクラウドサービスへ転送(POST)する,というものである。つまり認証結果はクライアントを経由して渡されるので,答はウ。この方式の要点は,パスワードが企業の外に出ないことにある。アとイは利用者 ID とパスワードそのものをクラウドサービス側やその要求に応じて渡す形になっており,SAML が避けようとしていることに反する。エは,パスワードとサーバから受け取った乱数(チャレンジ)を合わせてハッシュ化して送るチャレンジレスポンス認証の説明で,これはクラウドサービス自身が利用者を認証する方式であり,認証を企業内の認証サーバに任せる SAML の考え方とは異なる。
出典:情報処理推進機構「令和6年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問37
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問303.インターネット上の使われていない IP アドレス空間に大量に届くパケットはどれか。
- ア.インターネット上で公開されている Web サイトに対して PC から送信するパケット
- イ.インターネットにつながっており,実在する IoT 機器から実在するサーバに送信されるパケット
- ウ.攻撃者やマルウェアが IoT 機器やサーバなどの攻撃対象を探すために送信するパケット
- エ.有効な電子メールアドレスに対して攻撃者が標的型攻撃メールを送信する SMTP のパケット
正解:ウ.攻撃者やマルウェアが IoT 機器やサーバなどの攻撃対象を探すために送信するパケット
解説:割り当てられているが実際には使われていない IP アドレスの空間をダークネットという。本来そこには正常な通信は届かないはずなので,そこへ届くパケットのほとんどは,攻撃者やマルウェアがアドレスを片端から走査して攻撃できる機器を探している通信(スキャン),送信元を偽装した攻撃の跳ね返り(バックスキャッタ),設定の誤りによるものである。したがって答はウ。この性質を利用して,ダークネットに届くパケットを観測して攻撃の傾向を早期に把握する取組みが行われており,日本では情報通信研究機構の NICTER が代表例である。アは公開された Web サイト,つまり実在する宛先への正常な通信なのでダークネットには届かない。イも実在する機器から実在するサーバへの通信で,宛先は使われているアドレスである。エは有効な電子メールアドレス,すなわち実在するメールサーバ宛ての通信なので,これもダークネットには入らない。「宛先が実在しないのに大量に来る」という点が見分けの鍵になる。
出典:情報処理推進機構「令和6年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問38
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問304.ディープフェイクを悪用した攻撃に該当するものはどれか。
- ア.AI 技術によって加工した CEO の音声を使用して従業員に電話をかけ,指定した銀行口座に送金するよう指示した。
- イ.企業の PC をランサムウェアに感染させ,暗号化したデータを復号するための鍵と引き換えに,指定した方法で暗号資産を送付するよう指示した。
- ウ.企業の秘密情報を含むデータを不正に取得したと誤認させる電子メールを従業員に送付し,不正に取得したデータを公開しないことと引き換えに,指定した方法で暗号資産を送付するよう指示した。
- エ.ディープウェブにて入手した認証情報で CEO の電子メールアカウントに不正にログインして偽りの電子メールを従業員に送付し,指定した銀行口座に送金するよう指示した。
正解:ア.AI 技術によって加工した CEO の音声を使用して従業員に電話をかけ,指定した銀行口座に送金するよう指示した。
解説:ディープフェイクは,深層学習(ディープラーニング)を使って本人そっくりの映像や音声を作り出す技術,およびそれを使った偽の情報を指す。実在する人物が言っていないことを言ったように見せられるため,本人と信じ込ませる詐欺に悪用される。CEO の声を AI で合成して従業員に電話をかけ,送金を指示するアがこれに当たり,答はア。実際に海外でこの手口による多額の被害が報告されている。イはランサムウェア(身代金要求型ウイルス)による攻撃で,データを暗号化して復号鍵と引き換えに支払いを求めるものである。ウは実際にはデータを取っていないのに取ったと思わせて金銭を要求する手口(脅迫詐欺)で,どちらも偽の映像や音声を作る技術は使っていない。エは,ディープウェブ(通常の検索では見つからない領域)で入手した認証情報を使って本人のアカウントに侵入し,本物のアカウントから偽の指示を送るビジネスメール詐欺(BEC)の手口である。「ディープ」という語が共通するが,ディープフェイクとは別物であり,こちらは本人のアカウントを乗っ取っている点が違う。
出典:情報処理推進機構「令和6年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問39
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問305.パスワードリスト攻撃に該当するものはどれか。
- ア.一般的な単語や人名からパスワードのリストを作成し,インターネットバンキングへのログインを試行する。
- イ.想定し得るパスワードとそのハッシュ値との対のリストを用いて,入手したハッシュ値からパスワードを効率的に解析する。
- ウ.どこかの Web サイトから流出した利用者 ID とパスワードのリストを用いて,他の Web サイトに対してログインを試行する。
- エ.ピクチャパスワードの入力を録画してリスト化しておき,それを利用することによってタブレット端末へのログインを試行する。
正解:ウ.どこかの Web サイトから流出した利用者 ID とパスワードのリストを用いて,他の Web サイトに対してログインを試行する。
解説:パスワードリスト攻撃は,どこかのサイトから漏れた利用者 ID とパスワードの組をそのまま別のサイトで試す攻撃である。多くの人が複数のサイトで同じ ID とパスワードを使い回しているため,正しい組を持っている攻撃者は高い確率でログインに成功してしまう。したがって答はウ。防ぐには利用者側がサイトごとに異なるパスワードを使うことが基本で,運営側は多要素認証の導入や,同一 IP からの大量のログイン試行の検知で被害を抑える。アは,辞書に載っている単語や人名を候補にして試す辞書攻撃の説明である。イは,想定されるパスワードとそのハッシュ値の対応表をあらかじめ作っておき,入手したハッシュ値から逆引きするレインボーテーブル攻撃の説明で,これに対してはパスワードごとに異なるソルトを付けて対策する。エは,入力の様子を録画して後で再現する手口で,肩越しにのぞき見るショルダーハックの一種である。「リスト」という語がいくつかの選択肢に出てくるが,パスワードリスト攻撃の本質は「他のサイトから流出した正しい組の使い回し」である点で区別できる。
出典:情報処理推進機構「令和6年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問40
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問306.JVN などの脆弱性情報サイトで採用されている CVE(Common Vulnerabilities and Exposures)識別子の説明はどれか。
- ア.コンピュータで必要なセキュリティ設定項目を識別するための識別子
- イ.脆弱性が悪用されて改ざんされた Web サイトのスクリーンショットを識別するための識別子
- ウ.製品に含まれる脆弱性を識別するための識別子
- エ.セキュリティ製品の種別を識別するための識別子
正解:ウ.製品に含まれる脆弱性を識別するための識別子
解説:CVE 識別子は,公表された個々の脆弱性に世界共通の番号を与える仕組みで,「CVE-2024-12345」のように西暦と連番で表される。同じ脆弱性を各社・各国のサイトが別の名前で呼ぶと対応の議論がかみ合わないため,共通の番号で参照できるようにしたものである。したがって答はウ。日本の JVN や米国の NVD といった脆弱性情報データベースはこの識別子を使って情報を結び付けている。アは,OS やソフトウェアのセキュリティ設定項目に番号を与える CCE(Common Configuration Enumeration)の説明である。エは,ハードウェアや OS,アプリケーションといった製品自体に共通の名前を与える CPE(Common Platform Enumeration)の説明で,「どの製品のどのバージョンが影響を受けるか」を機械的に照合するために使われる。イのようにスクリーンショットに識別子を与える仕組みは存在しない。関連して,脆弱性の深刻度を数値で表す CVSS(Common Vulnerability Scoring System)もあり,CVE が「何の脆弱性か」,CVSS が「どれくらい深刻か」を担うと整理できる。
出典:情報処理推進機構「令和6年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問41
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問307.DNS キャッシュポイズニング攻撃に対して有効な対策はどれか。
- ア.DNS サーバにおいて,侵入したマルウェアをリアルタイムに隔離する。
- イ.DNS 問合せに使用する DNS ヘッダー内の ID を固定せずにランダムに変更する。
- ウ.DNS 問合せに使用する送信元ポート番号を53番に固定する。
- エ.外部からの DNS 問合せに対しては,宛先ポート番号53のものだけに応答する。
正解:イ.DNS 問合せに使用する DNS ヘッダー内の ID を固定せずにランダムに変更する。
解説:DNS キャッシュポイズニングは,キャッシュサーバが権威サーバへ問い合わせている隙に,攻撃者が偽の応答を先に送り込んで誤った対応をキャッシュに覚え込ませる攻撃である。偽の応答が受け入れられるには,問合せに付けたトランザクション ID と送信元ポート番号が一致していなければならないので,これらを推測されにくくするのが基本の対策になる。DNS ヘッダー内の ID を毎回ランダムに変えるイが正しく,これが答え。ウは逆効果で,送信元ポート番号もランダムに変える(ソースポートランダマイゼーション)ことで攻撃者が当てるべき組合せが増え,成功確率が大幅に下がる。53番に固定すると推測すべき値が ID だけになり,かえって攻撃しやすくなる。エは,宛先ポート番号53は DNS の標準の待ち受けポートであり,それだけに応答するのは通常の動作であって攻撃対策にならない。アのマルウェアの隔離はサーバ自体が侵入される事態への対策で,偽の応答を注入されるという本攻撃の筋道とは別である。根本的な対策としては,リソースレコードに署名を付けて改ざんを検出できる DNSSEC の導入がある。
出典:情報処理推進機構「令和6年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問42
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問308.ソフトウェアのセキュリティ管理に使用される SBOM はどれか。
- ア.セキュリティアラートやログを集約,分析し,潜在的な脅威を見つけるシステム
- イ.組織内にあるソフトウェアを含む IT 資産をリスト化したデータベース
- ウ.組織のソフトウェアのセキュリティ脆弱性と設定ミスを特定,評価,処理,報告するためのプロセス,ツール,戦略
- エ.ソフトウェアを構成するコンポーネント,相互の依存関係などをリスト化した一覧
正解:エ.ソフトウェアを構成するコンポーネント,相互の依存関係などをリスト化した一覧
解説:SBOM(Software Bill Of Materials=ソフトウェア部品表)は,一つの製品を構成しているライブラリやモジュールについて,名称・バージョン・提供元・ライセンス,そして互いの依存関係を機械可読な形で並べた一覧である。したがって答はエ。近年のソフトウェアは大量のオープンソース部品を取り込んでおり,ある部品に脆弱性が公表されたときに「自社のどの製品のどのバージョンが影響を受けるか」を短時間で特定するために不可欠になった。Apache Log4j の脆弱性で影響調査に時間が掛かった経験から,各国で整備が求められるようになっている。アは SIEM(Security Information and Event Management)の説明で,機器やソフトウェアのログを集めて相関を分析し,兆候を見つける仕組みである。イは IT 資産管理データベース(構成管理データベース=CMDB)の説明で,対象は組織が保有する資産全体であり,1つの製品の内部構成を表すものではない。ウは脆弱性管理そのものの説明で,SBOM はその活動を支える材料に当たる。「製品の中身の一覧」という点が SBOM の核である。
出典:情報処理推進機構「令和6年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問43
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問309.DNSSEC の仕様はどれか。
- ア.DNS キャッシュサーバで,権威 DNS サーバに名前を問い合わせるときの送信元ポート番号を問合せのたびにランダムに変える。
- イ.権威 DNS サーバで公開鍵を公開し,秘密鍵を使ってリソースレコードにデジタル署名を付与する。DNS キャッシュサーバで,権威 DNS サーバから受信したリソースレコードのデジタル署名を検証する。
- ウ.電子メールを送信するメールサーバの IP アドレスを権威 DNS サーバに登録する。電子メールを受信するメールサーバで,権威 DNS サーバに登録されている情報を用いて,送信元メールサーバの IP アドレスを検証する。
- エ.電子メールを送信するメールサーバの公開鍵を権威 DNS サーバで公開し,秘密鍵を使って電子メールにデジタル署名を付与する。電子メールを受信するメールサーバで,電子メールのデジタル署名を検証する。
正解:イ.権威 DNS サーバで公開鍵を公開し,秘密鍵を使ってリソースレコードにデジタル署名を付与する。DNS キャッシュサーバで,権威 DNS サーバから受信したリソースレコードのデジタル署名を検証する。
解説:DNSSEC(DNS Security Extensions)は,DNS の応答が正しい管理者から来たもので,途中で改ざんされていないことを公開鍵暗号のデジタル署名で確かめられるようにした拡張仕様である。権威 DNS サーバが秘密鍵でリソースレコードに署名を付け(RRSIG レコード),対応する公開鍵を DNSKEY レコードとして公開し,キャッシュサーバが署名を検証する。これによって DNS キャッシュポイズニングで偽の応答を覚え込まされることを防げるので,答はイ。上位のゾーンが下位の鍵を保証する信頼の連鎖(chain of trust)でルートまでたどれる点も特徴である。アは送信元ポート番号のランダム化で,キャッシュポイズニングを当たりにくくする運用上の対策だが,署名による検証ではない。ウは SPF(Sender Policy Framework)の説明で,そのドメインのメールを送ってよいサーバの IP アドレスを DNS に登録して受信側が照合する仕組みである。エは DKIM(DomainKeys Identified Mail)の説明で,メール本文とヘッダーに署名を付け,公開鍵を DNS で配る仕組みである。ウとエはどちらも DNS を使うがメールの送信者を認証する技術であり,DNS 自体の応答を守る DNSSEC とは目的が異なる。
出典:情報処理推進機構「令和6年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問44
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問310.VLAN 機能をもった1台のレイヤー3スイッチに40台の PC を接続している。スイッチのポートをグループ化して複数のセグメントに分けたとき,スイッチのポートをセグメントに分けない場合に比べて得られるセキュリティ上の効果の一つはどれか。
- ア.スイッチが,PC から送出される ICMP パケットを同一セグメント内も含め,全て遮断するので,PC 間のマルウェア感染のリスクを低減できる。
- イ.スイッチが,PC からのブロードキャストパケットの到達範囲を制限するので,アドレス情報の不要な流出のリスクを低減できる。
- ウ.スイッチが,PC の MAC アドレスから接続可否を判別するので,PC の不正接続のリスクを低減できる。
- エ.スイッチが,物理ポートごとに,決まった IP アドレスをもつ PC の接続だけを許可するので,PC の不正接続のリスクを低減できる。
正解:イ.スイッチが,PC からのブロードキャストパケットの到達範囲を制限するので,アドレス情報の不要な流出のリスクを低減できる。
解説:VLAN はスイッチのポートをグループに分け,グループごとに別のブロードキャストドメインを作る機能である。ブロードキャストは同じ VLAN の中だけに届くようになるので,ARP 要求や機器の探索パケットに含まれる IP アドレスや MAC アドレスといった情報が,本来関係のない機器にまで届かなくなる。したがって答はイ。分けた VLAN の間の通信はレイヤー3の転送を経由するため,そこにアクセス制御を掛けて必要な通信だけを通すという設計もできる。アは,VLAN は同一セグメント内の通信をそのまま通すので「同一セグメント内も含め全て遮断する」は誤りである。ICMP を遮断するかどうかはフィルタリングの設定であって VLAN の働きではない。ウは,MAC アドレスで接続の可否を判別するのはポートセキュリティや MAC アドレス認証の機能で,VLAN そのものの効果ではない。エも,物理ポートごとに特定の IP アドレスだけを許可するのはフィルタリングの設定であり,VLAN の分割によって自動的に得られるものではない。VLAN の本質は「届く範囲を区切ること」だと押さえておくとよい。
出典:情報処理推進機構「令和6年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問45
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問311.Web サーバのログを分析したところ,Web サーバへの攻撃と思われる HTTP リクエストヘッダーが記録されていた。次の HTTP リクエストヘッダーから推測できる,攻撃者が悪用しようとしていた可能性が高い脆弱性はどれか。ここで,HTTP リクエストヘッダー中の“%20”は空白を意味する。 〔HTTP リクエストヘッダーの一部〕 GET /cgi-bin/submit.cgi?user=;cat%20/etc/passwd HTTP/1.1 Accept: */* Accept-Language: ja UA-CPU: x86 Accept-Encoding: gzip, deflate User-Agent: (省略) Host: test.example.com Connection: Keep-Alive
- ア.HTTP ヘッダーインジェクション(HTTP Response Splitting)
- イ.OS コマンドインジェクション
- ウ.SQL インジェクション
- エ.クロスサイトスクリプティング
正解:イ.OS コマンドインジェクション
解説:リクエスト行のクエリ文字列が user=;cat%20/etc/passwd となっている。%20 は空白なので,これは user パラメータの値として「;cat /etc/passwd」を送っていることになる。セミコロンは UNIX 系のシェルでコマンドを区切る記号であり,cat /etc/passwd はアカウント情報が記されたファイルの内容を表示するコマンドである。つまり,CGI プログラムが受け取った値をそのままシェルに渡している場合に,本来の処理に続けて任意のコマンドを実行させようとする狙いが読み取れる。これは OS コマンドインジェクションなので答はイ。ウの SQL インジェクションであれば,シングルクォートや OR 1=1,UNION SELECT のように SQL 文の構造を壊す文字列が現れる。エのクロスサイトスクリプティングは,scriptタグや onerror= のようにブラウザ上で実行させるスクリプトを送り込むもので,この例のようなシェルコマンドではない。アの HTTP ヘッダーインジェクションは,レスポンスヘッダーに改行を混入させて偽のヘッダーや本文を作り出す攻撃で,%0d%0a(改行)が含まれるのが特徴だが,この例には現れていない。
出典:情報処理推進機構「令和7年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問36
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問312.暗号機能を実装した IoT 機器における脅威のうち,サイドチャネル攻撃に該当するものはどれか。
- ア.暗号化関数を線形近似する式を導き,その線形近似式から秘密情報の取得を試みる。
- イ.機器が発する電磁波を測定することによって秘密情報の取得を試みる。
- ウ.二つの平文の差とそれぞれの暗号文の差の関係から,秘密情報の取得を試みる。
- エ.理論的にあり得る復号鍵の全てを機器に入力して秘密情報の取得を試みる。
正解:イ.機器が発する電磁波を測定することによって秘密情報の取得を試みる。
解説:サイドチャネル攻撃は,暗号のアルゴリズムそのものを数学的に破るのではなく,暗号処理を行っている機器から漏れ出る物理的な情報を手掛かりに鍵を推測する攻撃である。手掛かりにされるのは,消費電力の変化,処理に要した時間,発する電磁波,動作音,故意に誤動作させたときの出力などで,これらは本来の入出力(正面の経路)ではない「側面の経路」であることからこの名前が付いている。したがって,機器が発する電磁波を測定して秘密情報を得ようとするイが該当する。アは暗号化関数を線形の式で近似し,その偏りから鍵を絞り込む線形解読法で,暗号アルゴリズムを直接解析する手法である。ウは平文の差と暗号文の差の対応関係を統計的に調べる差分解読法で,これもアルゴリズムに対する解析である。エはあり得る鍵をすべて試す総当たり攻撃(ブルートフォース攻撃)で,鍵長を十分に長くすることで防ぐ。いずれも物理的な漏えい情報を使っていないので,サイドチャネル攻撃には当たらない。IoT 機器は攻撃者が現物を手に入れて測定できる場合が多く,この種の攻撃への対策が重視される。
出典:情報処理推進機構「令和7年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問37
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問313.PKI を構成する OCSP を利用する目的はどれか。
- ア.誤って破棄してしまった秘密鍵の再発行処理の進捗状況を問い合わせる。
- イ.デジタル証明書から生成した鍵情報の交換が OCSP クライアントと OCSP レスポンダーの間で失敗した際,認証状態を確認する。
- ウ.デジタル証明書が失効しているかどうかの状態を問い合わせる。
- エ.有効期限が切れたデジタル証明書の更新処理の進捗状況を確認する。
正解:ウ.デジタル証明書が失効しているかどうかの状態を問い合わせる。
解説:OCSP(Online Certificate Status Protocol)は,デジタル証明書が失効していないかをオンラインで問い合わせるためのプロトコルである。利用者側の OCSP クライアントが証明書の識別情報を送ると,OCSP レスポンダーが「有効」「失効」「不明」のいずれかを返す。したがって答はウ。従来は認証局が発行する失効リスト(CRL)を取得して照合していたが,CRL は件数が増えると大きくなり,更新の間隔だけ情報が古くなるという弱点があった。OCSP は必要な1件だけをその場で確認できるため,応答が速く,最新の状態を反映しやすい。アの秘密鍵は本来,利用者が自分で管理して外部に出さないものであり,認証局が再発行するという仕組みではないので該当しない。イは,OCSP は証明書の状態を問い合わせるだけで,鍵交換を行うプロトコルではない。エは,証明書の更新は認証局への申請と再発行の手続で行うものであり,その進捗を確認する用途に OCSP は使われない。なお OCSP には,Web サーバがあらかじめ取得した応答を TLS ハンドシェイク時に添えて渡す OCSP ステープリングという方式もある。
出典:情報処理推進機構「令和7年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問38
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問314.欧米などの企業,組織で行われている“セキュリティクリアランス”の事例はどれか。
- ア.インターネットと重要な秘密情報を取り扱う組織内ネットワークとを,物理的に分離する。
- イ.重要な秘密情報へのアクセス権を付与されたアカウントを定期的に調べ,不要な場合は削除する。
- ウ.重要な秘密情報を取り扱う部署に配属される予定の個人の適性を評価する。
- エ.離席時に机の上の重要な秘密情報を含む書類や媒体を片付ける。
正解:ウ.重要な秘密情報を取り扱う部署に配属される予定の個人の適性を評価する。
解説:セキュリティクリアランス(適性評価)は,重要な秘密情報を取り扱わせてよい人物かどうかを,本人の同意のうえで経歴・信用状態・交友関係などから事前に確認し,資格を与える制度である。人に着目した対策であり,設問の「配属される予定の個人の適性を評価する」がこれに当たるので答はウ。日本でも2022年施行の経済安全保障推進法に続き,2024年に成立した重要経済安保情報保護活用法によって民間人を含む適性評価の制度が整えられた。アはインターネットと重要情報を扱う網を物理的に切り離す対策で,ネットワーク分離(エアギャップ)と呼ばれる技術的な対策である。イはアクセス権の棚卸しで,付与された権限が今も必要かを定期的に見直す運用管理の施策であり,人物の適性を事前に評価するものではない。エは離席時に書類や媒体を片付けるクリアデスクの実践で,のぞき見や持ち去りを防ぐ物理的対策である。いずれも情報を守るための施策ではあるが,「人の適性をあらかじめ評価して資格を与える」というセキュリティクリアランスの考え方とは異なる。
出典:情報処理推進機構「令和7年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問39
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問315.ソフトウェアの情報セキュリティ対策のうち,SBOM(Software Bill Of Materials)管理ツールを用いることができるものはどれか。
- ア.ソフトウェアでの利用者認証に用いるアカウントの一元管理
- イ.ソフトウェアについての脆弱性管理
- ウ.ソフトウェアのソースコードについてのバージョン管理,アクセス制御及び改ざん防止
- エ.ソフトウェアのソースコードのバックアップとマルウェア混入防止
正解:イ.ソフトウェアについての脆弱性管理
解説:SBOM は「ソフトウェア部品表」と訳され,製品を構成するライブラリやコンポーネントの名称・バージョン・提供元・ライセンスなどを機械可読な形で一覧にしたものである。近年のソフトウェアは大量のオープンソース部品を取り込んでおり,ある部品に脆弱性が公表されたとき,自社のどの製品のどのバージョンが影響を受けるかを短時間で特定する必要がある。SBOM 管理ツールは,この一覧を脆弱性情報データベースと突き合わせ,影響範囲の把握と対応の優先順位付けを支える。したがって答はイ。Apache Log4j の脆弱性で影響調査に時間が掛かった経験から,各国で SBOM の整備が求められるようになった。アのアカウントの一元管理は ID 管理システムや統合認証基盤が担う領域である。ウのソースコードのバージョン管理・アクセス制御・改ざん防止は Git などの構成管理ツールとその権限設定が担うもので,部品表とは役割が異なる。エのバックアップとマルウェア混入防止も,バックアップの仕組みやマルウェア対策ソフト,署名の検証などで実現するもので,SBOM が直接扱う対象ではない。
出典:情報処理推進機構「令和7年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問40
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問316.cookie に Secure 属性を設定しなかったときと比較した,設定したときの Web ブラウザの動作として,適切なものはどれか。
- ア.cookie に設定された有効期間を過ぎると,Web ブラウザが cookie を無効であると判断する。
- イ.URL 内のスキームが https のときだけ,Web ブラウザから cookie が送出される。
- ウ.Web ブラウザがアクセスする URL 内のパスと cookie に設定されたパスのプレフィックスが一致するときだけ,Web ブラウザから cookie が送出される。
- エ.Web ブラウザでは JavaScript による cookie の読出しが禁止される。
正解:イ.URL 内のスキームが https のときだけ,Web ブラウザから cookie が送出される。
解説:cookie の Secure 属性は,その cookie を暗号化された通信路でのみ送信させるための指定である。この属性が付いていると,ブラウザは URL のスキームが https のときだけ cookie を送り,http の通信では送らない。したがって答はイ。目的は,セッション ID などの重要な値が平文の通信路に流れて盗聴されるのを防ぐことにある。アの有効期間による無効化は Expires 属性や Max-Age 属性が受け持つもので,Secure 属性とは関係がない。ウのパスによる送信範囲の限定は Path 属性の働きで,指定したパスで始まる URL にアクセスしたときだけ cookie を送るようになる。エの JavaScript からの読出し禁止は HttpOnly 属性の働きで,クロスサイトスクリプティングによって cookie を盗み出されることを防ぐ。名前が似ているため混同しやすいが,Secure は「通信路を限定する」,HttpOnly は「スクリプトからの参照を禁じる」,Path と Domain は「送る相手を限定する」,Expires と Max-Age は「寿命を決める」と,それぞれ役割が分かれている。
出典:情報処理推進機構「令和7年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問41
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問317.Web アプリケーションソフトウェアの開発における OS コマンドインジェクション対策はどれか。
- ア.SQL 文の組立ては全てプレースホルダで実装する。
- イ.シェルを起動できる言語機能を利用した実装を避ける。
- ウ.直接メモリにアクセスできる言語機能を利用した実装を避ける。
- エ.利用者が入力したファイル名にディレクトリが含まれていないかのエラーチェックを実装する。
正解:イ.シェルを起動できる言語機能を利用した実装を避ける。
解説:OS コマンドインジェクションは,利用者から受け取った値をそのままシェルに渡す実装があるときに,セミコロンやパイプなどの区切り記号を混ぜられて任意のコマンドを実行されてしまう脆弱性である。根本的な対策は,シェルを経由してコマンドを起動する言語機能(system 関数やバッククォートによる実行など)を使わず,シェルを介さずにプログラムを直接起動する方法や,専用のライブラリ関数で処理を実現することである。したがって答はイ。やむを得ず使う場合は,値を許可した文字だけに限る検査を併用する。アの SQL 文をプレースホルダで組み立てるのは SQL インジェクションの対策で,値を SQL 文の構造から切り離すことで攻撃を防ぐ。ウの直接メモリにアクセスできる言語機能を避けるのはバッファオーバーフローの対策で,配列の範囲外への書込みを許す言語や関数を使わないという趣旨である。エの入力されたファイル名にディレクトリが含まれていないかを検査するのはディレクトリトラバーサルの対策で,「../」などを使って想定外のファイルを読み書きされることを防ぐ。いずれも重要な対策だが,OS コマンドインジェクションに直接効くのはイである。
出典:情報処理推進機構「令和7年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問42
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問318.VPN で使用されるプロトコルである IPsec,L2TP,TLS の,OSI 基本参照モデルにおける相対的な位置関係はどれか。

- ア.A
- イ.B
- ウ.C
- エ.D
正解:ウ.C
解説:3つのプロトコルが OSI 基本参照モデルのどの層で働くかを整理すると位置関係が決まる。L2TP(Layer 2 Tunneling Protocol)は名前のとおりデータリンク層(第2層)のフレームをトンネル化するプロトコルで,3つの中で最も下位にある。IPsec は IP パケットを暗号化・認証するプロトコルなのでネットワーク層(第3層)に位置し,L2TP より上位になる。TLS はトランスポート層の TCP の上で動き,アプリケーションに暗号化された通信路を提供するので,3つの中で最も上位である。したがって上位から順に TLS,IPsec,L2TP と並び,この並びに一致するのは C なので答はウ。層が違うことは実際の使い方にも表れており,L2TP は暗号化機能をもたないため IPsec と組み合わせた L2TP/IPsec としてリモートアクセス VPN に使われ,TLS は Web ブラウザだけで利用できる SSL-VPN として使われる。A は IPsec を最上位・TLS を最下位にしており上下が逆,B は IPsec を TLS より上位に置いている点が誤り,D は L2TP を IPsec より上位に置いている点が誤りである。
出典:情報処理推進機構「令和7年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問43
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問319.パスワードクラックの対策のうち,ストレッチングに該当するものはどれか。
- ア.あらかじめ利用者だけが知っている質問と答えをシステムに登録しておき,普段と異なるログイン方法の場合に追加で質問を行う。
- イ.一定時間内にパスワードを一定回数誤ったとき,それ以降のログインを試行できないようにする。
- ウ.パスワードの照合のためのハッシュ値を,パスワードに対してハッシュ化を繰り返して,求める。
- エ.パスワードの照合のためのハッシュ値を,パスワードに利用者 ID ごとに異なる文字列を付加してからハッシュ化して,求める。
正解:ウ.パスワードの照合のためのハッシュ値を,パスワードに対してハッシュ化を繰り返して,求める。
解説:ストレッチングは,パスワードのハッシュ値を求めるときにハッシュ化を数千回から数万回繰り返す手法である。1回の計算に掛かる時間を意図的に長くすることで,攻撃者が総当たりや辞書攻撃で大量の候補を試す速度を落とすことがねらいで,利用者から見れば認証1回分の遅れにすぎないが,攻撃側には繰返し回数の分だけ負担が増える。したがって答はウ。エは,利用者ごとに異なる文字列(ソルト)を付けてからハッシュ化する手法で,同じパスワードでも保存される値が変わるため,あらかじめ計算した対応表(レインボーテーブル)による解読を防ぐ。ストレッチングと目的が異なり,実務では両方を併用する。イは,一定回数の失敗でログインを受け付けなくするアカウントロックで,オンラインでの試行を止める対策である。アは,普段と異なる環境からのログイン時に追加の質問を求めるリスクベース認証で,なりすましの検知を目的とする。いずれもパスワードクラックへの対策ではあるが,ハッシュ計算を繰り返すという定義に当てはまるのはウだけである。
出典:情報処理推進機構「令和7年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問44
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問320.デザインレビューの目的はどれか。
- ア.設計工程内で,設計工程の成果物の問題点を発見する。
- イ.品質保証部門が,全成果物の出荷の可否を判定する。
- ウ.品質保証部門によるプログラムのサンプリング検査によって,設計者では気付かない品質上の問題点を発見する。
- エ.プロジェクトマネジメントのプロセス上の問題点を発見する。
正解:ア.設計工程内で,設計工程の成果物の問題点を発見する。
解説:デザインレビューは,設計書などの設計工程の成果物を,その工程の中で関係者が持ち寄って検討し,誤りや漏れを早い段階で見つけ出す活動である。設計の誤りは,後の工程に進むほど修正の影響範囲が広がり費用も膨らむため,工程内で摘み取ることに価値がある。したがって答はア。参加者には設計者本人だけでなく,前後の工程の担当者や有識者を加え,第三者の目で仕様との整合や実現可能性を確かめる。イの出荷の可否を判定するのは,開発の最終段階で行う出荷判定(品質保証部門による最終審査)であり,設計工程の中で行うレビューとは時期も対象も異なる。ウはプログラムを対象としたサンプリング検査で,これは設計ではなくコードや製品の品質を確認する活動である。エのプロジェクトマネジメントのプロセス上の問題点を扱うのは,進捗や課題を点検するプロジェクトレビュー(マネジメントレビュー)であり,成果物そのものの技術的な誤りを探すデザインレビューとは目的が違う。
出典:情報処理推進機構「令和7年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問45
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問321.SWOT分析では、内部環境を機会・脅威、外部環境を強み・弱みとして整理する。
正解:×(誤り)
解説:誤り。内部「強み・弱み」、外部「機会・脅威」(記述が逆)。
-
問322.クロスSWOT(TOWS)分析は、SWOT分析の4要素を掛け合わせ、SO戦略・ST戦略・WO戦略・WT戦略を導出する手法である。
正解:○(正しい)
解説:強みで機会を活かすSO、脅威を回避するST、弱みを機会で補うWO、最悪ケースのWT戦略があります。
根拠: マンガでわかる「SWOT分析」(補助金活用ナビ/中小企業基盤整備機構・原著作物:中小企業庁ミラサポplus) 「クロスSWOT分析」の節
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問323.PPMで市場成長率高・市場占有率高の事業は「金のなる木」と分類される。
正解:×(誤り)
解説:誤り。市場成長高・占有率高は「花形」、市場成長低・占有率高が「金のなる木」。
根拠: ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント」(コトバンク) PPMの4分類の解説
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問324.5フォース分析の5要因は、Political・Economic・Social・Technological・Environmentalである。
正解:×(誤り)
解説:誤り。5フォースは「業界内競合・新規参入・代替品・買い手・売り手」(PESTと混同)。
根拠: 5フォース分析(人材マネジメント用語集(アクティブアンドカンパニー)/コトバンク) 5つの要因 ①新規参入の脅威、②業界内の敵対関係の強さ、③代替品の脅威、④買い手の交渉力、⑤売り手の交渉力
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問325.ポーターの3つの基本戦略は、リーダー・チャレンジャー・ニッチャーである。
正解:×(誤り)
解説:誤り。3基本戦略は「コストリーダーシップ・差別化・集中」(リーダー等はコトラーの競争地位戦略)。
根拠: 2020年版「中小企業白書」第2部第1章第2節 中小企業の競争戦略(中小企業庁) 1 競争戦略の類型(Porter, M. E. (1980)を参照)
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問326.バリューチェーンの主活動は、人事・財務・調達・技術開発・全般管理の5つである。
正解:×(誤り)
解説:誤り。主活動は「購買物流・製造・出荷物流・マーケと販売・サービス」(人事等は支援活動)。
根拠: サプライチェーン経営論(2)サプライチェーンとバリューチェーンを理解する(ビジネス・ブレークスルー大学 大前研一ブログ MBAスイッチ) バリューチェーンの説明部分(本文中ほど)
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問327.ブルーオーシャン戦略は、既存市場でシェア争いをする戦略である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。ブルーオーシャンは「新しい市場空間を創造」(既存市場シェア争いはレッドオーシャン)。
根拠: ブルーオーシャン(デジタル大辞泉)- コトバンク 「ブルーオーシャン」の用語解説 / ブルーオーシャン戦略|グロービス経営大学院 経営用語集 ブルーオーシャン戦略の項
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問328.アンゾフの成長マトリクスで、既存市場に既存製品を深く浸透させる戦略は「市場開拓戦略」である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。それは「市場浸透戦略」。市場開拓は既存製品×新市場の戦略です。
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問329.BSCは、財務視点と顧客視点の2視点から評価する。
正解:×(誤り)
解説:誤り。BSCは「4視点(財務・顧客・業務プロセス・学習成長)」(2視点ではない)。
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問330.KGIが中間指標、KPIが最終目標達成度を表す。
正解:×(誤り)
解説:誤り。KGI「最終目標達成度」、KPI「中間指標」(記述が逆)。
根拠: デジタル大辞泉「KGI」(コトバンク) KGIの用語解説 / デジタル大辞泉「KPI」(コトバンク) KPIの用語解説
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問331.OKRは「目標(Objectives)」と「主要な結果(Key Results)」で構成される目標管理フレームワークである。
正解:○(正しい)
解説:正しい。OKR(Objectives and Key Results)は、目標(Objective)と主要な結果(Key Result)を組にした目標設定の枠組みである。Objective はチームが達成したいことを大まかに示したもの、Key Result はその Objective への進み具合を測るための数値で表せる目標とされる(Microsoft Learn「Get to know OKRs」)。「O=目指す姿」「KR=進み具合を測る数値」と組で覚える。
根拠: Get to know OKRs (Microsoft Viva Goals) 本文冒頭〜objective / key result の定義部分
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問332.マーケティングミックスの4Pは、Product、Price、Place、Promotionである。
正解:○(正しい)
解説:正しい。マーケティングミックスの4Pは、Product(製品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(販売促進)の4つである。これを顧客の視点から捉え直したものが4Cで、Customer Value(顧客価値)がProduct、Cost(顧客にとってのコスト)がPrice、Convenience(利便性)がPlace、Communication(コミュニケーション)がPromotionにそれぞれ対応する(中小企業基盤整備機構「マーケティングの4P」)。4Pと4Cは対応関係ごと覚える。
根拠: マンガでわかる「マーケティングの4P」(補助金活用ナビ/中小企業基盤整備機構、原著作物:中小企業庁 ミラサポplus) 本文冒頭「マーケティングの4P」の節、および「4C」の節
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問333.RFM分析は、顧客を最終購買日(Recency)・購買頻度(Frequency)・購買金額(Monetary)で分類する手法である。
正解:○(正しい)
解説:正しい。RFM分析は、最終購入日・購入の頻度・累計購入金額の3指標で顧客をグループ分けする手法である。顧客の購買データを評価するマーケティングの手法である。R=最近、F=頻度、M=金額の頭文字で覚える。
根拠: 観光庁 観光地域マーケティング戦略の策定ガイドブック(分析手法の一覧) 第6章 CRM(顧客関係管理)の方法 ④顧客データ分析「CRMの代表的な分析手法と概要」表(RFM分析の行) / Set up Recency, Frequency, and Monetary (RFM) analysis - Commerce | Dynamics 365 (Microsoft Learn) 冒頭の説明
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問334.プロダクトライフサイクルは、導入期・成熟期の2段階で表される。
正解:×(誤り)
解説:誤り。PLCは「導入・成長・成熟・衰退」の4段階(2段階ではない)。
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問335.CRMは、新規顧客獲得を主目的とする戦略である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。CRMは「既存顧客との関係性強化+LTV最大化」(新規獲得主目的ではない)。
根拠: コトバンク「CRM」(ブランド用語集〔トライベック・ブランド戦略研究所〕、マーケティング用語集〔マインズ〕、デジタル大辞泉ほか) CRM の項(ブランド用語集・マーケティング用語集) / コトバンク「顧客関係管理」(ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典) 顧客関係管理 の項
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問336.SCM(サプライチェーンマネジメント)は、資材の調達から生産、輸送、販売を経て最終顧客に至るまでの一連の流れを、取引先も含めて統合的に管理し、全体最適を図る手法である。
正解:○(正しい)
解説:正しい。サプライチェーンとは、資材の調達から生産、輸送、販売を通じて最終顧客に至るまでの流れのことである。これを1つの連鎖ととらえ、自社だけでなく取引先や仕入先も含めて統合的に管理し、サプライチェーン全体の経営効率を高めるのがSCMである(中小企業基盤整備機構 J-Net21)。部門や企業ごとの部分最適ではなく、全体最適を目指す点が要点である。
根拠: サプライチェーン・マネジメントを導入するには、どのようにすると良いですか?(J-Net21/中小企業基盤整備機構) 回答本文(SCMの定義・SCの範囲・全体最適)
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問337.ERPパッケージは、生産管理のみを担うシステムである。
正解:×(誤り)
解説:誤り。ERPは「会計・人事・生産・販売等の基幹業務統合管理」(生産のみではない)。
根拠: 統合基幹業務システム(ERP)とは - コトバンク(デジタル大辞泉・日本大百科全書) 統合基幹業務システム 項目の本文冒頭
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問338.ビジネスモデルキャンバスは、5要素で事業を可視化するフレームワークである。
正解:×(誤り)
解説:誤り。ビジネスモデルキャンバスは、ビジネスモデルを図解するためのフレームワークで、9つのブロックに分けたテンプレートの9つの要素で構成される(熊本県よろず支援拠点)。9つの要素は、価値提案・顧客セグメント・チャネル・顧客関係・収益の流れ・主要リソース・主要活動・パートナーシップ・コスト構造である。5要素ではない。
根拠: ビジネスモデルを1枚のシートで見える化(熊本県よろず支援拠点) 本文:ビジネスモデルキャンバスの説明(価値提案〜コスト構造の9要素)
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問339.DXは、紙の業務をデジタル化することのみを意味する。
正解:×(誤り)
解説:誤り。DXは「デジタル技術活用の事業モデル・組織・文化等の変革」(単なるIT化ではない)。
根拠: DX認定制度概要~認定基準改訂及び申請のポイント~(経済産業省 商務情報政策局)。デジタルガバナンス・コード2.0に基づくDXの定義を掲載 「DXの定義」の記載(今回改訂の背景・方針の付近)
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問340.IoTのユースケースとして、工場設備の稼働監視・予防保全・在庫最適化などがある。
正解:○(正しい)
解説:インダストリ4.0やスマート工場の中核技術です。
根拠: 令和2年版 情報通信白書 製造業(総務省) 第2部 第4章 第3節(4)製造業 ア 現状のICT活用に係る取組 / 工場内のモニタリング
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問341.機械学習の深層学習(ディープラーニング)は、多層ニューラルネットワークによって特徴抽出を自動化する手法である。
正解:○(正しい)
解説:正しい。深層学習は、多数の層をもつニューラルネットワークを用いて行う機械学習の手法である。人が着目点(特徴量)を指示しなくても、コンピューターが自ら特徴量を作り出せる点が大きな特徴である(総務省 情報通信白書)。「多層」と「特徴量の自動抽出」をセットで覚える。
根拠: 総務省 令和元年版 情報通信白書「AIに関する基本的な仕組み」 第1部 第3節 ICTの新たな潮流(深層学習の説明部分)
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問342.生成AIのLLMは、CNN(畳み込みニューラルネットワーク)を基盤とする。
正解:×(誤り)
解説:誤り。LLMは「Transformer」を基盤(CNNは画像処理向け)。
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問343.生成AIのハルシネーションは、AIが正確に事実を出力することを指す。
正解:×(誤り)
解説:誤り。ハルシネーションとは、生成AIが事実と異なる内容をもっともらしく回答する現象であり、正確な出力のことではない。ハルシネーションは「もっともらしい誤り」と覚える。
根拠: AI事業者ガイドライン(第1.0版)別添(付属資料)総務省・経済産業省 別添 B. AIによる便益/リスク(ハルシネーションの記述)
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問344.RPAは、機械学習を主目的とした技術である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。RPAは「PC上の定型業務をソフトウェアロボットで自動化」(機械学習ではなくマクロ的)。
根拠: 総務省|情報通信統計データベース|RPA(働き方改革:業務自動化による生産性向上) 本文「RPA(働き方改革:業務自動化による生産性向上)」冒頭の説明部分
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問345.ブロックチェーンは、分散台帳技術に基づく改ざん耐性のあるデータ構造で、ハッシュチェーン・合意形成・P2Pで構成される。
正解:○(正しい)
解説:ビットコインやイーサリアムの基盤技術です。
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問346.GDPRはEU域内のみで適用され、日本企業には全く影響しない。
正解:×(誤り)
解説:GDPRは「EU居住者の個人データを扱う日本企業も適用対象」(EU域内のみは誤り)。
根拠: EU(外国制度)GDPR(一般データ保護規則)|個人情報保護委員会 「EU域外適用に関する影響」の節 / 一般データ保護規則(GDPR)の条文(個人情報保護委員会による仮日本語訳) 第3条 地理的適用範囲 第2項(a)(b)
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問347.改正個人情報保護法(2022年4月施行)では、漏えい等発生時の個人情報保護委員会への報告が義務化された。
正解:○(正しい)
解説:改正個人情報保護法(2022年4月施行): 漏えい等の重大事案発生時、個人情報保護委員会への報告と本人への通知が義務化。1,000人超漏えい等4類型が対象。
根拠: 漏えい等報告・本人への通知の義務化について(個人情報保護委員会) ページ冒頭の説明と「個人の権利利益を害するおそれがあるときに該当する事態」の4類型
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問348.営業秘密の要件は、秘密管理性・公開性・経済性の3つである。
正解:×(誤り)
解説:誤り。営業秘密の要件は「秘密管理性・有用性・非公知性」(公開性・経済性ではない)。
根拠: 経済産業省 営業秘密を守り活用する(営業秘密の概要資料。不正競争防止法第2条第6項を引用) p.4 不正競争行為類型「営業秘密」の概要 / 不正競争防止法 第2条 (出典: e-Gov法令検索)
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問349.著作権法におけるプログラムの著作物は、アルゴリズムそのものも保護対象となる。
正解:×(誤り)
解説:誤り。アルゴリズム・プログラム言語・規約は保護されません。表現(ソースコード)が保護対象です。
根拠: 著作権法 第10条 / 日本法令外国語訳データベースシステム 著作権法(日本語本文) 第10条第3項 (出典: e-Gov法令検索)
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問350.ソフトウェアライセンスのGPLは、派生物もGPLで配布することを要求するコピーレフト型ライセンスである。
正解:○(正しい)
解説:正しい。GPLは、適用されたOSSを改変して派生著作物を作り配布する場合、その全体についてGPLの条件を守る義務があるライセンスである(LPI-Japan)。このように派生物にまで同じライセンスの適用を求めるものをコピーレフト型といい、GPL・AGPLが代表である。LGPLは条件を弱めた準コピーレフト型、MIT・BSDなど派生物に同じライセンスの適用を求めないものは非コピーレフト型(パーミッシブ型)に分けられる。
根拠: LPI-Japan LinuC レベル1 Version10.0 技術解説無料セミナー(OSSライセンスの類型) スライド11「ライセンスの類型」、スライド14「著名なライセンス紹介①」
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問351.労働者派遣法では、派遣労働者への指揮命令権は派遣元にある。
正解:×(誤り)
解説:誤り。派遣の指揮命令は派遣先。雇用関係は派遣元にあります。
根拠: 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律 第2条 (出典: e-Gov法令検索)
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問352.取適法(旧下請法。2026年1月改称)は、中小受託事業者から委託事業者を保護するための法律である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。保護の向きが逆で、取適法は委託事業者の不当な行為から中小受託事業者を保護する法律である(1条)。2026年1月1日施行の改正で下請法は「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律」(略称:中小受託取引適正化法・取適法)に改称され、親事業者は「委託事業者」、下請事業者は「中小受託事業者」、下請代金は「製造委託等代金」になった。
根拠: 取適法(旧:下請法)|ひまわりほっとダイヤル(日本弁護士連合会) Q&A 受注側 Q1、委託事業者側の禁止行為の説明 / 製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律(取適法) 第1条 (出典: e-Gov法令検索)
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問353.電子帳簿保存法では、電子取引データを紙で保存することも認められている。
正解:×(誤り)
解説:誤り。2024年1月以降は「電子データのまま保存が義務」(紙保存は不可)。
根拠: 電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】令和7年6月 国税庁 解説(令和3年度税制改正による電子取引データの書面保存措置の廃止)、法第7条
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問354.ISMAPは、政府が独自開発したクラウドサービスである。
正解:×(誤り)
解説:誤り。ISMAPは「政府向けクラウドサービスのセキュリティ評価制度」(独自開発ではない)。
根拠: 政府情報システムのためのセキュリティ評価制度(ISMAP)(国家サイバー統括室/NISC) ISMAPについて(冒頭の制度説明)
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問355.DX推進指標は、海外政府が公表する企業評価指標である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。DX推進指標は「経済産業省・IPA」が公表(海外政府ではない)。
根拠: 「DX推進指標」を改訂しました(経済産業省) 1.概要 / DX推進指標(IPA 独立行政法人情報処理推進機構) ページ冒頭の説明
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問356.PPMで「市場成長率が高く市場占有率が低い」事業の分類はどれか。
- ア.花形
- イ.金のなる木
- ウ.負け犬
- エ.問題児
正解:エ.問題児
解説:問題児(question mark)は投資判断が必要な事業です。
根拠: 東京大学 OCW 2006年度 経営戦略講義資料 vol.10_1 10-1 製品ポートフォリオ・マネジメント(PPM) p.3-4「各セルの名称と特徴」(問題児・花形・負け犬・金のなる木)
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問357.アンゾフの成長マトリクスで、新市場×新製品の領域の戦略はどれか。
- ア.多角化
- イ.市場開拓
- ウ.新製品開発
- エ.市場浸透
正解:ア.多角化
解説:新市場×新製品は多角化戦略。最もリスクが高い戦略です。
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問358.マーケティングミックスの4Pに対応する顧客視点の4Cとして正しい組合せはどれか。
- ア.Price-Communication
- イ.Product-Customer value
- ウ.Place-Cost
- エ.Promotion-Convenience
正解:イ.Product-Customer value
解説:4P→4C対応:Product→Customer value、Price→Cost、Place→Convenience、Promotion→Communication。
根拠: マンガでわかる「マーケティングの4P」(補助金活用ナビ/J-Net21 中小機構) 「4C」で顧客視点からマーケティングを考える(4P/4C対応表)
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問359.顧客関係管理の指標LTV(顧客生涯価値)を最も高める施策として適切なものはどれか。
- ア.新規顧客獲得キャンペーンの拡大
- イ.広告出稿による認知度の向上
- ウ.既存顧客の維持・リピート促進
- エ.値下げによる市場シェアの拡大
正解:ウ.既存顧客の維持・リピート促進
解説:正解は「既存顧客の維持・リピート促進」。LTV(顧客生涯価値)は、一人の顧客が取引期間全体を通して企業にもたらす利益であり、利益×取引期間×割引率(現在価値係数)で表される。自社の製品やサービスが継続的に顧客に選ばれ続けることが顧客価値を高める原点とされるので、取引を長く続けてもらう既存顧客の維持・リピート促進が最も直接にLTVを高める。新規顧客獲得キャンペーンの拡大は顧客の数を増やす施策で、一人ひとりの顧客との取引期間や利益を伸ばすものではない。広告出稿による認知度の向上も、新しい顧客を呼び込むための施策であり、顧客との取引が続くかどうかには直接働かない。値下げによる市場シェアの拡大は、販売量やシェアを高めても一取引あたりの利益を減らすため、LTVの式の利益の項を小さくする方向に働く。
根拠: コトバンク「LTV」(デジタル大辞泉/マーケティング用語集) デジタル大辞泉「LTV」の項、およびマーケティング用語集「LTV」の項
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問360.データマイニングの手法で、購買データから「AとBを一緒に買う人が多い」ルールを抽出するのはどれか。
- ア.クラスタリング
- イ.決定木分析
- ウ.回帰分析
- エ.アソシエーション分析
正解:エ.アソシエーション分析
解説:アソシエーション分析(相関ルール抽出)。支持度・信頼度・リフト値で評価します。
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問361.機械学習で過学習を防ぐ方法として適切でないものはどれか。
- ア.モデルの複雑度を増やす
- イ.正則化(L1/L2)の適用
- ウ.訓練データを増やす
- エ.ドロップアウトの適用
正解:ア.モデルの複雑度を増やす
解説:正解は「モデルの複雑度を増やす」。過学習とは、学習済みモデルが訓練データに過剰に適合し、訓練データ以外の入力に対して望ましい出力を返せなくなることである。パラメータが非常に多いなど複雑すぎるモデルは、少ない訓練データにたまたま現れたパターンまで学習しやすく、過学習は一般に複雑すぎるモデルを使うことから生じるため、複雑度を増やしても過学習は防げない。正則化(L1/L2)は、重みの大きさに応じた項を損失関数に加えてモデルの複雑さを抑え、過学習を防ぐ技術である。訓練データを増やすと、少ないデータに含まれる偶然のパターンに引きずられにくくなる。ドロップアウトは、訓練中にランダムにニューロンを訓練対象から除外する技術で、複数のモデルを訓練するアンサンブルと同様の効果により過学習を抑える。
根拠: 機械学習品質マネジメントガイドライン 第4版(Rev. 4.2.0)/産業技術総合研究所 2.3 用語の定義「過学習」(p.25)、9.8.2.1 過学習回避技術(p.145) / CS229 Lecture Notes(Tengyu Ma, Andrew Ng/Stanford University) 8.1 The bias-variance tradeoff(p.119〜120、Figure 8.6)、9.1 Regularization(p.137〜139) / Recent Advances and Applications of Deep Learning Methods in Materials Science (NIST 掲載論文) 3.5 Underfitting, overfitting, regularization and early stopping
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問362.データ分析やAIの学習で問題となるバイアスのうち、統計的バイアスの説明として適切なものはどれか。
- ア.組織の手続や慣行により、特定の社会集団が有利または不利に扱われること
- イ.標本が母集団を代表していないことなどから生じる系統的な誤差
- ウ.限られた数の経験則に頼ることで生じる、人の思考の系統的な誤り
- エ.実験のたびに結果が変わる、本質的にランダムな要因によるばらつき
正解:イ.標本が母集団を代表していないことなどから生じる系統的な誤差
解説:正解は「標本が母集団を代表していないことなどから生じる系統的な誤差」。統計的バイアスは、標本が母集団を代表していないことなどから生じる、ランダムな誤差ではない系統的な誤差で、偏見や差別の意図が無くても起こる。標本の選び方の偏りによる選択バイアスのほか、情報バイアスや交絡バイアスもこれに含まれる。限られた数の経験則に頼ることで生じる人の思考の系統的な誤りは、確証バイアスなどを含む認知バイアス(人間のバイアス)の説明である。組織の手続や慣行によって特定の社会集団が有利・不利に扱われることは、制度的・歴史的バイアスとも呼ばれるシステミックバイアスの説明である。実験のたびに結果が変わる本質的にランダムな要因によるばらつきは偶然的不確実性と呼ばれ、系統的な誤差である統計的バイアスとは異なる。
根拠: 応用情報技術者試験(レベル3)シラバス Ver.7.2/情報処理推進機構 大分類9 企業と法務・中分類22 企業活動「2. 業務分析・データ利活用」(2) データ利活用 ③データ分析における統計的手法の用語例(p.126) / NIST SP 1270 Towards a Standard for Identifying and Managing Bias in Artificial Intelligence 2.1.2 Categories of AI bias(p.6〜9、Fig. 2)、5. Glossary「aleatoric uncertainty」(p.49)
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問363.2025年の崖(経済産業省DXレポート)で指摘された問題はどれか。
- ア.量子計算機の実用化による暗号破綻
- イ.半導体供給不足
- ウ.レガシーシステムの老朽化とDX停滞による経済損失
- エ.5G網整備の遅れ
正解:ウ.レガシーシステムの老朽化とDX停滞による経済損失
解説:既存レガシーシステムの刷新が進まない場合、2025年以降最大12兆円/年の経済損失が試算されました。
根拠: DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~(経済産業省 デジタルトランスフォーメーションに向けた研究会、平成30年9月7日) 2.6 2025年の崖
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問364.不正競争防止法による営業秘密の保護要件に含まれないものはどれか。
- ア.秘密管理性
- イ.有用性
- ウ.非公知性
- エ.創作性
正解:エ.創作性
解説:創作性は著作権法の要件。営業秘密は3要件(秘密管理・有用・非公知)です。
根拠: 不正競争防止法(平成五年法律第四十七号) 第2条 (出典: e-Gov法令検索)
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問365.労働者派遣で「雇用関係は派遣元、指揮命令は派遣先」となる契約形態に関する記述として正しいものはどれか。
- ア.派遣元の36協定と労働者派遣契約の範囲内で、派遣先企業が派遣労働者に残業を指示できる
- イ.派遣元企業が指揮命令を行う
- ウ.請負契約と同じ仕組みである
- エ.派遣労働者は派遣先と雇用契約を結ぶ
正解:ア.派遣元の36協定と労働者派遣契約の範囲内で、派遣先企業が派遣労働者に残業を指示できる
解説:派遣では雇用契約は派遣元と結び、業務の指揮命令は派遣先が行う。残業の指示も派遣先が行えるが、時間外労働の根拠となる36協定は派遣元が締結・届出したものであり、その範囲と労働者派遣契約の定めを超えることはできない。
根拠: 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(昭和60年法律第88号) 第2条第1号(労働者派遣の定義) / 厚生労働省 派遣先向けリーフレット(派遣労働者の労働時間・36協定に関する注意点) 「2. 時間外労働・休日労働には、派遣元での36協定が必要です」
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問366.OSSライセンスのうち、コピーレフト型(派生物にも同ライセンス強制)に該当するものはどれか。
- ア.MIT
- イ.GPL
- ウ.Apache 2.0
- エ.BSD
正解:イ.GPL
解説:正解は「GPL」。コピーレフトは、プログラムを改変・拡張した版も含めて、再配布する人に複製・改変の自由を引き継がせる仕組みで、GNU GPL はその代表的なライセンスである。GPLが適用されたOSSを改変して派生物を作り配布する場合は、その全体にGPLの条件が及ぶ。MIT、Apache License(Apache 2.0 はその版の一つ)、BSD はいずれも、派生物に同じライセンスの適用を求めない非コピーレフト型(パーミッシブ型)に分類される。なお、GPL系でもLGPLは、組み合わせた他のソフトウェアにまでは同じライセンスの適用を求めない準コピーレフト型に分けられる。
根拠: What is Copyleft? - GNU Project - Free Software Foundation 本文冒頭(コピーレフトの定義)、GNU GPL・AGPL・LGPL の説明箇所 / LPI-Japan LinuC レベル1 Version10.0 技術解説無料セミナー(OSSライセンスの類型) スライド11「ライセンスの類型」、スライド14「著名なライセンス紹介①」
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問367.GDPR(EU一般データ保護規則)の主な特徴として適切でないものはどれか。
- ア.域外適用がある
- イ.違反時の高額制裁金
- ウ.EU域内事業者のみ適用
- エ.データポータビリティ権の明記
正解:ウ.EU域内事業者のみ適用
解説:GDPRは域外適用があり、EU域内居住者のデータを扱う日本企業も対象です。
根拠: 令和元年版 情報通信白書 EUにおけるデータに関するルールの整備・運用に関する動向(総務省) 第1部第3章第1節 GDPRの厳格化された4点の記述
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問368.SWOT分析は、強み・機会の2要素のみで戦略を立案する手法である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。SWOT分析は「強み・弱み・機会・脅威の4要素」(2要素ではない)。
根拠: マンガでわかる「SWOT分析」(補助金活用ナビ/中小企業基盤整備機構、原著作物:中小企業庁ミラサポplus) 本文冒頭の定義、「クロスSWOT分析」の節
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問369.損益分岐点売上高は、固定費を変動費率で割って求める。
正解:×(誤り)
解説:誤り。損益分岐点売上高=固定費÷(1-変動費率)で、分母は限界利益率(1-変動費率)である。
根拠: J-Net21(中小企業基盤整備機構)起業マニュアル 損益分岐点を使った目標売上高 1.損益分岐点売上高 (2)損益分岐点売上高の算式
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問370.PPMは、絶対市場シェアと絶対成長率の2軸で分類する。
正解:×(誤り)
解説:誤り。PPMは「市場成長率と相対市場シェア」(絶対値ではない)。
根拠: コトバンク「PPM(プロダクトポートフォリオマネジメント)」(マーケティング用語集) 「ppm」の解説 PPM(プロダクトポートフォリオマネジメント) / グロービス経営大学院 用語集「プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント」 用語解説(2軸の説明の段落)
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問371.STP分析は、Sales・Targeting・Promotionの3ステップである。
正解:×(誤り)
解説:誤り。STPは「Segmentation・Targeting・Positioning」(Sales・Promotionではない)。
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問372.4Pは、Product・Process・People・Performanceである。
正解:×(誤り)
解説:誤り。4Pは「Product・Price・Place・Promotion」(Process・People等は7Pの拡張要素)。
根拠: 4P(よんピー) - コトバンク(ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典) 4Pの用語解説 / マッカーシーの4P - コトバンク(マーケティング用語集) マッカーシーの4Pの用語解説
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問373.BPRは、現状業務プロセスを微調整する程度の改善手法である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。BPRは「業務プロセスを抜本的に再設計」(微調整ではなく根本改革)。
根拠: 国税庁レポート2020 U 納税者サービスの充実と行政効率化のための取組(注2 業務改革(BPR)の定義) 注2 / 国土交通省 情報化:デジタルアドバイザーの公募(BPR) 1.募集背景・業務内容(※BPRの説明)
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問374.EAは、ビジネスとテクノロジーの2観点を統合する手法である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。EAは「ビジネス・データ・アプリケーション・テクノロジー」の4観点を統合。
根拠: 総務省 自治体EAに基づく業務分析について(住民視点の行政サービス提供に向けた業務分析手法) 「4.業務分析の必要性」「5.自治体EAの概要」「11.本講義のまとめ」
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問375.SOAは、すべての機能を1つのサービスに統合する設計方針である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。SOAは「業務機能を独立サービスに分割し再利用可能化」(統合ではなく分割)。
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問376.著作権は、特許庁に登録することで発生する権利である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。著作権は「創作と同時に発生(無方式主義)、登録不要」(特許権が登録主義)。
根拠: 知的財産権について(文化庁) 本文:産業財産権等は「申請」「登録」が必要だが、著作権は無方式主義 / 著作権法(昭和四十五年法律第四十八号)第17条第2項 第17条 (出典: e-Gov法令検索)
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問377.特許権は、特許庁への出願・審査・登録によって発生する権利である。
正解:○(正しい)
解説:特許権:先願主義、出願→審査請求→審査→登録で権利発生。出願日から20年間保護。
根拠: 特許法(昭和三十四年法律第百二十一号) 第66条 (出典: e-Gov法令検索)
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問378.営業秘密の要件は、誰でも知ることができる公知情報であることである。
正解:×(誤り)
解説:誤り。営業秘密は「非公知性(誰も知らない)」が要件(公知では秘密にならない)。
根拠: 営業秘密管理指針(経済産業省、最終改訂:令和7年3月31日) 不正競争防止法における営業秘密の定義(法第2条第6項の三要件) / 不正競争防止法 第2条第6項 第2条 (出典: e-Gov法令検索)
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問379.個人データの第三者提供は、本人同意なしでも自由にできる。
正解:×(誤り)
解説:誤り。原則「本人同意必要」(法令例外あり)。自由ではない。
根拠: 個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十七号)第二十七条(第三者提供の制限) 第27条 / 個人情報の保護に関する法律(厚生労働省掲載の条文PDF) 第二十七条 (出典: e-Gov法令検索)
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問380.不正アクセス禁止法では、他人のID・パスワードを不正アクセスに使う目的で取得したり保管したりしただけでは処罰されず、実際に不正アクセス行為を行った場合に限り処罰される。
正解:×(誤り)
解説:誤り。不正アクセス行為の用に供する目的で他人の識別符号を取得する行為(4条)や、不正に取得された識別符号を保管する行為(6条)も禁止され、1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金の対象となる(12条1号・3号)。
根拠: 不正アクセス行為の禁止等に関する法律 第4条 / 不正アクセス行為の禁止等に関する法律 第6条 / 不正アクセス行為の禁止等に関する法律 第12条 (出典: e-Gov法令検索)
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問381.サイバーセキュリティ基本法は、民間企業の責務のみを定めた法律である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。サイバーセキュリティ基本法は、サイバーセキュリティに関する施策の基本理念を定め、国と地方公共団体の責務等を明らかにし、サイバーセキュリティ戦略本部を設置すること等により、サイバーセキュリティに関する施策を総合的かつ効果的に推進することを目的とする法律である。責務を定める相手は民間企業に限られない。国は総合的な施策を策定・実施する責務を、地方公共団体は国との役割分担を踏まえて自主的な施策を策定・実施する責務を負う。重要社会基盤事業者は、そのサービスを安定的かつ適切に提供するためサイバーセキュリティの確保に努め、国や地方公共団体の施策に協力するよう努めるものとされる。サイバー関連事業者その他の事業者、大学その他の教育研究機関の責務や、国民の努力も定められている。
根拠: サイバーセキュリティ基本法(平成26年法律第104号) 第4条 (出典: e-Gov法令検索)
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問382.請負契約では、受注者は仕事過程について責任を負い、完成は不要である。
正解:×(誤り)
解説:請負は「仕事の完成について責任」を負う(完成不要は誤り、完成義務あり)。
根拠: 民法(明治二十九年法律第八十九号)第632条(請負) 第632条 (出典: e-Gov法令検索)
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問383.ROIは、投資額を利益で除した指標である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。ROIは「利益÷投資額」(割る順序が逆)。
根拠: 投資利益率(ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典)コトバンク 投資利益率の用語解説 / ROI(デジタル大辞泉)コトバンク ROIの用語解説
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問384.NPVは、過去の投資収益を集計する指標である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。NPVは「将来キャッシュフローを現在価値に割引いて評価」(過去集計ではない、未来予測)。
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問385.IT投資の評価では、NPVや投資回収期間などの定量的な評価と、定性的な評価の両方を行うことが重要である。
正解:○(正しい)
解説:正しい。IT投資の効果には、金額で測れるものと測りにくいものがある。IPAの調査報告書が紹介する評価項目の例でも、経済価値の評価を、NPV・投資回収期間などの定量評価と、評価結果を箇条書きにする定性評価の両方で行っている(IPA「情報システム導入時の価値評価と合意形成に関する調査 調査報告書」表6-18)。数字にできる効果だけで判断せず、両面から評価する。
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問386.BS(貸借対照表)は、ある時点の企業の資産・負債・純資産の状態を表す財務諸表である。
正解:○(正しい)
解説:BS:資産=負債+純資産。「ストック」(時点)情報。PL・CSと並ぶ財務三表。
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問387.ISO/IEC 27001(ISMS)は、情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格である。
正解:○(正しい)
解説:正しい。ISO/IEC 27001は、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の国際規格として標準化されている。ISMSは、保護すべき情報資産の機密性・完全性・可用性が適切に管理された状態を維持するために、計画・運用・見直し・改善を実施する組織的な取組である。日本では、認証機関を審査・認定する認定機関として、ISMS-ACが認定業務を行っている。ISMSは機密性・完全性・可用性を守るための「計画・運用・見直し・改善」の取組と覚える。
根拠: 国税庁レポート2020 注(ISMS・ISO/IEC27001の定義) U 納税者サービスの充実と行政効率化のための取組 注4・注5 / 一般社団法人情報マネジメントシステム認定センター(ISMS-AC)センター概要 センター概要
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問388.SWOT分析の「強み」と「機会」の組合せから導かれる戦略はどれか。
- ア.積極攻勢戦略
- イ.段階的戦略
- ウ.差別化戦略
- エ.撤退戦略
正解:ア.積極攻勢戦略
解説:クロスSWOT:S×O→積極攻勢、W×O→段階的、S×T→差別化、W×T→専守防衛/撤退。
根拠: 【MBA・ビジネス用語】SWOT分析とは? ビジネスの現場で活用できるポイントを解説!(ビジネス・ブレークスルー大学 大前研一ビジネスアカデミー) 3.クロスSWOT分析とは?
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問389.PPMで「金のなる木」に該当するのはどれか。
- ア.高成長×高シェア
- イ.低成長×高シェア
- ウ.高成長×低シェア
- エ.低成長×低シェア
正解:イ.低成長×高シェア
解説:PPM:花形(高成長×高シェア)・金のなる木(低成長×高シェア)・問題児(高成長×低シェア)・負け犬(低成長×低シェア)。
根拠: ppm(ピーピーエム)とは?(コトバンク) PPMマトリクスの4分類の項 / topic37: 製品ポートフォリオマネジメント(甲南大学 経営学関連トピック) 「金のなる木」の項
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問390.次のうち、知的財産権として正しい組合せはどれか。
- ア.不動産・動産・知識
- イ.株式・債券・特許
- ウ.特許・実用新案・意匠・商標・著作権・営業秘密
- エ.労働法・税法・特許法
正解:ウ.特許・実用新案・意匠・商標・著作権・営業秘密
解説:知的財産権:特許・実用新案・意匠・商標(産業財産権)+著作権+営業秘密等の不正競争防止法上の権利。
根拠: 知的財産基本法 第2条 / INPIT 知的財産総合支援窓口(長崎)「知的財産権とは」(知的財産基本法第2条を引用) 知的財産権とは(参照条文 第2条) / 特許庁「知的財産権について」 (1)知的財産権とは(知的財産基本法の定義を引用) (出典: e-Gov法令検索)
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問391.次のうち、請負契約と準委任契約の主な違いとして正しいものはどれか。
- ア.請負は雇用契約と同義
- イ.請負は時間給、準委任は固定報酬
- ウ.両者同じ
- エ.請負は仕事完成義務、準委任は事務処理遂行義務
正解:エ.請負は仕事完成義務、準委任は事務処理遂行義務
解説:請負(民法632条):仕事完成義務・成果物に対する報酬。準委任(656条):善管注意義務での事務処理遂行・労務に対する報酬。
根拠: 法務省 法制審議会 民法(債権関係)部会資料 17-2 民法(債権関係)の改正に関する検討事項(12) 詳細版(民法632条・643条・644条・656条の条文を引用) 役務提供型契約の典型契約の条文引用部分(民法632条、643条、644条、656条) / 民法 第632条 (出典: e-Gov法令検索)
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問392.次のうち、財務三表に含まれないものはどれか。
- ア.株主名簿
- イ.損益計算書(PL)
- ウ.キャッシュフロー計算書(CS)
- エ.貸借対照表(BS)
正解:ア.株主名簿
解説:財務三表:BS・PL・CS。株主名簿は会社法上の備付書類だが財務諸表ではない。
根拠: 財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則(昭和38年大蔵省令第59号) 第1条 (出典: e-Gov法令検索)
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問393.IaaSは、ソフトウェアアプリケーションをサービスとして提供する形態である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。IaaSは「インフラ(サーバ・ストレージ・ネットワーク)提供」(ソフトはSaaS)。
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問394.PaaSは、サーバ・ストレージのみを提供するクラウドサービスである。
正解:×(誤り)
解説:誤り。PaaSは「アプリケーション開発・実行環境(プラットフォーム)」(インフラのみはIaaS)。
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問395.SaaSは、サーバを物理的に提供する形態である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。SaaSは「ソフトウェアをインターネット経由で提供」(サーバ物理提供ではない)。
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問396.パブリッククラウドは、単一企業のみが利用する専用環境である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。パブリックは「複数利用者で共有」(単一専用はプライベートクラウド)。
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問397.DX(デジタルトランスフォーメーション)は、デジタル技術を活用してビジネスモデル・業務プロセスを変革する取り組みである。
正解:○(正しい)
解説:DX:単なるIT化(業務の電子化)を超え、組織・文化・ビジネスモデルの変革を含む。経産省「DX推進指標」等の評価軸。
根拠: IPA デジタル変革(DX)とは(経済産業省 DX推進ガイドラインの定義を引用) 「経済産業省が示すDXの定義」の節
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問398.ESG投資は、環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)を重視した投資手法である。
正解:○(正しい)
解説:正しい。ESGは、環境・社会・ガバナンスの英語の頭文字を合わせた言葉である。利益率などの財務情報に加え、非財務情報であるESGの要素を考慮する投資がESG投資である。ESG課題とSDGsのゴールやターゲットは共通点が多く、ESG投資はSDGsの達成に貢献するとされる。
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問399.SDGs(持続可能な開発目標)は、2030年までに達成すべき17の目標を国連が定めた国際社会全体の取り組みである。
正解:○(正しい)
解説:SDGs:2015年国連採択、2030年目標。No Poverty・Zero Hunger等17目標・169ターゲット。
根拠: コトバンク「持続可能な開発目標」(共同通信ニュース用語解説、ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典、デジタル大辞泉) 共同通信ニュース用語解説、ブリタニカ国際大百科事典の各項
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問400.MOT(技術経営)は、技術と経営を結びつけ、技術革新で持続的競争優位を獲得する経営手法である。
正解:○(正しい)
解説:MOT(Management of Technology):技術ロードマップ・知財戦略・R&D投資配分等を統合的に管理。
根拠: 中小公庫レポート No.2005-6(中小企業金融公庫)技術経営の意義と重要性 技術経営(MOT)の視点に関する節 / 文部科学省 参考資料2 MOT教育コアカリキュラム(はじめに) 「はじめに――MOT教育コアカリキュラムの作成・改定の背景および考え方――」冒頭
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問401.著作権法では、引用は「公表された著作物」「公正な慣行」「正当な範囲」「主従関係」等の要件を満たせば著作権者の許諾なく利用できる。
正解:○(正しい)
解説:著作権法32条1項:引用要件(公表性・公正な慣行・正当な範囲・主従明確・出所明示)。すべて満たせば許諾不要。
根拠: 著作権法(昭和四十五年法律第四十八号) 第32条 / 文化庁 著作権セミナー資料(2024) 引用(第32条第1項)の条件 引用・転載のスライド(条件①〜④) (出典: e-Gov法令検索)
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問402.著作権法上、私的使用のための複製は、家庭内等の限られた範囲なら許諾なく認められる(一定の例外あり)。
正解:○(正しい)
解説:正しい。著作物は、個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内で使用すること(私的使用)を目的とするときは、その使用する者が複製できる。ただし次の場合は除かれる。公衆の使用に供するために設置された自動複製機器を用いて複製する場合(専ら文書又は図画の複製に供する機器は、当分の間この機器に含まれない)。技術的保護手段の回避により可能となった複製を、その事実を知りながら行う場合。著作権を侵害する自動公衆送信を受信して行うデジタル方式の録音・録画を、そのことを知りながら行う場合。同じく著作権を侵害する自動公衆送信を受信して行うデジタル方式の複製(録音・録画以外。軽微なものなどを除く)を、そのことを知りながら行う場合。後の2つは、重大な過失により知らないで行う場合を含むものと解釈してはならないとされている。
根拠: 著作権法(昭和45年法律第48号) 第30条 (出典: e-Gov法令検索)
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問403.著作隣接権は、実演家・レコード製作者・放送事業者・有線放送事業者の権利を保護する。
正解:○(正しい)
解説:著作隣接権:著作物の伝達者の権利。著作権とは別に存在。実演家には著作者人格権類似の権利もある。
根拠: 著作隣接権(著作権制度の概要)文化庁 「著作隣接権」の表 / 著作権法 第89条 (出典: e-Gov法令検索)
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問404.不正競争防止法は、企業間の不正な競争行為を規制する法律で、営業秘密の保護・原産地等誤認表示の禁止等を定める。
正解:○(正しい)
解説:不正競争防止法:営業秘密侵害・周知表示混同惹起・原産地誤認表示・形態模倣等を不正競争行為として規制。
根拠: 不正競争防止法(平成五年法律第四十七号) 第1条 / 不正競争防止法 日英対照表(日本法令外国語訳データベースシステム) 第1条、第2条第6項 (出典: e-Gov法令検索)
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問405.取適法(旧下請法。2026年1月改称)は、委託事業者による中小受託事業者への代金の支払遅延や減額などを規制し、中小受託事業者の利益を保護する法律である。
正解:○(正しい)
解説:取適法1条は、中小受託事業者に対する代金の支払遅延等を防止して取引を公正にし、中小受託事業者の利益を保護することを目的とする。委託事業者には発注内容の明示(4条)、支払期日を受領から60日以内に定めること(3条)、受領拒否・支払遅延・減額・返品・買いたたきなどの禁止(5条)が課され、公正取引委員会が勧告する。2026年1月1日施行の改正で下請法は「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律」(略称:中小受託取引適正化法・取適法)に改称され、親事業者は「委託事業者」、下請事業者は「中小受託事業者」、下請代金は「製造委託等代金」になった。
根拠: 製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律(取適法・中小受託取引適正化法。旧 下請代金支払遅延等防止法) 第1条 / 製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律(取適法・中小受託取引適正化法。旧 下請代金支払遅延等防止法) 第5条 / 製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律(取適法・中小受託取引適正化法。旧 下請代金支払遅延等防止法) 第3条 (出典: e-Gov法令検索)
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問406.請負の形式による契約であれば、注文主が請負事業主の雇用する労働者に業務の遂行方法を直接指示していても、労働者派遣事業には当たらない。
正解:×(誤り)
解説:誤り。労働者派遣とは、自己の雇用する労働者を、その雇用関係の下に、かつ、他人の指揮命令を受けて、その他人のために労働に従事させることをいう。労働者派遣事業と請負の区分の基準では、請負の形式による契約で自己の雇用する労働者を業務に従事させる事業主であっても、業務の遂行方法の指示その他の管理を自ら行うこと、労働時間や服務規律の管理を自ら行うこと、業務を契約の相手方から独立して処理することなどのすべてに当たる場合を除き(一つでも欠ければ)、労働者派遣事業を行う事業主とされる。注文主が労働者に業務の遂行方法を直接指示する形は、請負事業主が自ら指示・管理を行うという要件を欠く。契約の名称ではなく、労働者に指揮命令するのが誰かが区別の中心になる。
根拠: 労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準(昭和61年労働省告示第37号) 第2条(第1号イ・ロ・ハ、第2号イ・ロ・ハ)、第3条 / 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(昭和60年法律第88号) 第2条 (出典: e-Gov法令検索)
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問407.個人情報保護法上の「要配慮個人情報」には、人種・信条・社会的身分・病歴・犯罪歴等が含まれる。
正解:○(正しい)
解説:正しい。要配慮個人情報とは、本人の人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴、犯罪により害を被った事実その他本人に対する不当な差別、偏見その他の不利益が生じないようにその取扱いに特に配慮を要するものとして政令で定める記述等が含まれる個人情報をいう。個人情報取扱事業者は、法令に基づく場合や、人の生命・身体・財産の保護のために必要で本人の同意を得ることが困難な場合などを除き、あらかじめ本人の同意を得ないで要配慮個人情報を取得してはならない。
根拠: 個人情報の保護に関する法律 第2条 / 個人情報の保護に関する法律 第20条 (出典: e-Gov法令検索)
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問408.個人情報保護法上の「匿名加工情報」は、特定個人を識別できないよう加工した情報で、本人同意なしで第三者提供が可能である。
正解:○(正しい)
解説:匿名加工情報:再識別禁止等の規律のもと、本人同意なし提供可。ビッグデータ活用と個人保護のバランス。
根拠: 個人情報保護法ガイドライン(仮名加工情報・匿名加工情報編)(個人情報保護委員会) 3-1-1(法第2条第6項)、3-2-5(法第43条第4項・第44条)、3-2 義務の概要(3)〜(5) / 個人情報の保護に関する法律 第2条 (出典: e-Gov法令検索)
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問409.マイナンバー法の改正により、個人番号は社会保障・税・災害対策の3分野以外の行政事務(国家資格の免許、自動車の登録など)でも利用できるようになっている。
正解:○(正しい)
解説:令和5年の番号法改正(令和5年法律第48号)で、社会保障・税・災害対策の3分野以外の行政事務(理容師・美容師などの国家資格の免許、自動車の変更登録など)でも個人番号を利用できるようになった(番号法3条2項・別表)。ただし利用できるのは番号法や条例で定められた事務に限られ、本人の同意があってもそれ以外の目的では利用できない。事業者は従業員等の個人番号について安全管理措置を講じる義務を負う。
根拠: Bill to Partially Amend the Act on the Use of Numbers to Identify Specific Individuals in Administrative Procedures(デジタル庁) Overview 1. Expansion of the scope of use of My Number / 行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(番号法) 第9条 (出典: e-Gov法令検索)
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問410.EDI(電子データ交換)は、企業や行政機関などがネットワークを介して伝票や文書を電子データで自動的に交換することで、一般には広く合意された標準的な規約に基づいて行うことが望ましいとされる。
正解:○(正しい)
解説:正しい。EDI(Electronic Data Interchange)は、企業や行政機関などがコンピュータをネットワークでつなぎ、伝票や文書を電子データで自動的に交換することである。交換するのは定型的な書式(フォーマット)の再処理可能なデータで、伝票をスキャンしただけの画像や普通の文章の電子メールはEDIではなく、Web画面に人手で入力する方式も厳密にはEDIとは言えない。企業独自・固有のデータ形式での交換をEDIと呼ぶ場合もあるが、一般には可能な限り広く合意された標準に基づく交換が望ましいとされる。各社の情報システムに固有な形式のデータはトランスレーターで標準形式に変換されるので、送信側も受信側も、取引先ごとではなく社内の形式と標準形式との間の変換だけで済む。
根拠: EDIとは(JIPDEC 標準企業コード・EDIの概要) 【定義】(通商産業省委員会の定義・JIS X 7011 の定義・3つの要件)、EDIのしくみ
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問411.IFRS(国際財務報告基準)は、国際会計基準審議会(IASB)が定める財務報告の国際標準である。
正解:○(正しい)
解説:IFRS:欧州・主要国で採用。日本では任意適用、米国は別基準(US GAAP)。グローバル企業の財務統合に重要。
根拠: 企業会計制度をめぐる動向(経済産業省 経済産業政策局 企業会計室、平成27年10月) 「国際的な会計基準づくりの状況」の項
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問412.ROE(自己資本利益率)は、株主から預かった資本でどれだけの利益を生んだかを示す指標である。
正解:○(正しい)
解説:ROE = 当期純利益/自己資本×100%。株主視点の収益性指標。日本企業のROEはグローバル平均より低めが課題。
根拠: 「持続的成長への競争力とインセンティブ~企業と投資家の望ましい関係構築~」プロジェクト(伊藤レポート)最終報告書 本文:株主の関心とROE(自己資本利益率)に関する段落 / 財務総合政策研究所(財務省)財務省「ファイナンス」関連資料 キーワード解説(自己資本利益率) 自己資本利益率(ROE)の項
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問413.クラウドサービスの形態のうち、利用者がOS以上を管理する責任を持つのはどれか。
- ア.IaaS
- イ.PaaS
- ウ.SaaS
- エ.BPaaS
正解:ア.IaaS
解説:IaaS:利用者がOS以上を管理。PaaSはランタイムまでベンダ管理、SaaSはアプリまでベンダ管理。
根拠: NIST SP 800-145 The NIST Definition of Cloud Computing Service Models (SaaS / PaaS / IaaS の定義)
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問414.次のうち、要配慮個人情報に該当しないものはどれか。
- ア.人種
- イ.電話番号
- ウ.病歴
- エ.信条
正解:イ.電話番号
解説:要配慮個人情報:人種・信条・社会的身分・病歴・犯罪歴等。電話番号は通常の個人情報(要配慮ではない)。
根拠: 個人情報の保護に関する法律 第2条 / 個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編) 2-3 要配慮個人情報(法第2条第3項関係) (出典: e-Gov法令検索)
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問415.取適法(旧下請法。2026年1月改称)で、製造委託等代金の支払期日はいつまでに定めなければならないか。
- ア.受領後30日以内
- イ.受領後90日以内
- ウ.受領後60日以内
- エ.請求後60日以内
正解:ウ.受領後60日以内
解説:取適法3条1項により、製造委託等代金の支払期日は、検査の有無を問わず給付を受領した日から起算して60日の期間内で、できる限り短く定めなければならない。支払期日までに支払わないと遅延利息の対象になり(6条)、改正で手形による支払いも禁止された(5条1項2号)。2026年1月1日施行の改正で下請法は「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律」(略称:中小受託取引適正化法・取適法)に改称され、親事業者は「委託事業者」、下請事業者は「中小受託事業者」、下請代金は「製造委託等代金」になった。
根拠: 製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律(取適法) 第3条 / 製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律(取適法) 第5条 (出典: e-Gov法令検索)
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問416.次のうち、著作隣接権の保護対象として誤っているものはどれか。
- ア.実演家
- イ.レコード製作者
- ウ.放送事業者
- エ.純粋なファン
正解:エ.純粋なファン
解説:著作隣接権の保護対象:実演家・レコード製作者・放送事業者・有線放送事業者。「純粋なファン」は対象外。
根拠: 著作隣接権|用語集|KIDS CRIC(公益社団法人著作権情報センター) 用語集「著作隣接権」 / 「著作隣接権」て何?:著作権の基礎知識5(NPO法人著作権協会) 本文冒頭
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問417.次のうち、SDGsの目標として正しいものはどれか。
- ア.No Poverty(貧困をなくそう)
- イ.Maximum Profit
- ウ.Fastest Growth
- エ.Stock Price Target
正解:ア.No Poverty(貧困をなくそう)
解説:SDGs 17目標の1番目「貧困をなくそう(No Poverty)」。SDGsは持続可能な社会の実現を目指す国際目標。
根拠: Goal 1: No Poverty - ASU SDG Impact(アリゾナ州立大学) ページ見出し「Goal 1: No Poverty」と説明文
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問418.次のうち、DXの本質として最も近いものはどれか。
- ア.業務のIT化
- イ.デジタル技術によるビジネスモデル・組織変革
- ウ.紙ベースの業務継続
- エ.社内システムの最新化のみ
正解:イ.デジタル技術によるビジネスモデル・組織変革
解説:DXの本質:単なるIT化を超えた、デジタル技術によるビジネスモデル・組織・文化の根本的変革。
根拠: 令和3年版 情報通信白書 第1部第2節 2(1) デジタル・トランスフォーメーションの定義 第1部 特集 第2節 2 (1) / IPA「DX推進指標」とそのガイダンス等の公開(2020年6月9日) 本文冒頭の説明
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問419.委託元への著作権の移転に関する条項を含むソフトウェア開発委託契約書に,“委託先は著作者人格権を行使しない”という記載があった。これはどのような問題の発生を防ぐためのものか。
- ア.委託先で当該ソフトウェアを開発した開発者が,技術者倫理に関しての責任を負わなくなることを防ぐ。
- イ.委託先で当該ソフトウェアを開発した開発者を,委託元が後で雇用できなくなることを防ぐ。
- ウ.納品されたソフトウェアに不具合が発見された場合に,委託先が金銭的補償を負わなくなることを防ぐ。
- エ.納品されたソフトウェアを委託先の了解なく委託元で修正できなくなること,又は他の会社に修正を依頼できなくなることを防ぐ。
正解:エ.納品されたソフトウェアを委託先の了解なく委託元で修正できなくなること,又は他の会社に修正を依頼できなくなることを防ぐ。
解説:著作権は契約で他人に譲れるが,著作者人格権は創作した本人に残り続け,譲渡できない。この人格権には,意に反して作品を改変されない同一性保持権が含まれる。したがって著作権を委託元へ移しても,委託先が人格権を持ったままだと,委託元が納品物を勝手に直したり別の会社に改修を頼んだりしたときに「意に反する改変だ」と主張されうる。それを避けるために「行使しない」と約束させる(不行使特約)ので,答はエ。アの技術者倫理上の責任やウの契約不適合に対する補償は,人格権とは別の条項で定めるものである。イの雇用の可否は労働の問題であって著作権とは関係がない。人格権にはこのほか公表権と氏名表示権があり,開発者名の表示を求められる場面にも関わる。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問50
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問420.事業目標達成のためのプログラムマネジメントの考え方として,適切なものはどれか。
- ア.活動全体を複数のプロジェクトの結合体と捉え,複数のプロジェクトの連携,統合,相互作用を通じて価値を高め,組織全体の戦略の実現を図る。
- イ.個々のプロジェクト管理を更に細分化することによって,プロジェクトに必要な技術や確保すべき経営資源の明確化を図る。
- ウ.システムの開発に使用するプログラム言語や開発手法を早期に検討することによって,開発リスクを低減し,投資効果の最大化を図る。
- エ.リスクを最小化するように支援する専門組織を設けることによって,組織全体のプロジェクトマネジメントの能力と品質の向上を図る。
正解:ア.活動全体を複数のプロジェクトの結合体と捉え,複数のプロジェクトの連携,統合,相互作用を通じて価値を高め,組織全体の戦略の実現を図る。
解説:プログラムマネジメントの「プログラム」はプログラム言語のことではなく,共通の事業目標に向けた複数のプロジェクトのまとまりを指す。個々のプロジェクトを別々に成功させるだけでは事業目標に届かないことがあるため,プロジェクト間の連携・統合・相互作用まで含めて全体として価値を最大にすることを狙う。よって答はア。イはプロジェクト管理をさらに細かくする話で,1つのプロジェクトの中の管理にとどまる。ウは「プログラム」をプログラム言語と取り違えさせる選択肢で,開発手法の選定は個別プロジェクトの技術的な検討である。エは PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)の説明で,組織のマネジメント能力を底上げする支援組織のことであり,複数プロジェクトを束ねて事業目標を実現する考え方とは別である。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問61
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問421.SOA の説明はどれか。
- ア.会計,人事,製造,購買,在庫管理,販売などの企業の業務プロセスを一元管理することによって,業務の効率化や経営資源の全体最適を図る手法
- イ.企業の業務プロセス,システム化要求などのニーズと,ソフトウェアパッケージの機能性がどれだけ適合し,どれだけかい離しているかを分析する手法
- ウ.業務プロセスの問題点を洗い出して,目標設定,実行,チェック,修正行動のマネジメントサイクルを適用し,継続的な改善を図る手法
- エ.利用者の視点から業務システムの機能を幾つかの独立した部品に分けることによって,業務プロセスとの対応付けや他ソフトウェアとの連携を容易にする手法
正解:エ.利用者の視点から業務システムの機能を幾つかの独立した部品に分けることによって,業務プロセスとの対応付けや他ソフトウェアとの連携を容易にする手法
解説:SOA(Service Oriented Architecture,サービス指向アーキテクチャ)は,システムの機能を業務上の意味のある単位=サービスとして独立させ,それらを組み合わせてシステムを構成する考え方である。部品が業務の単位と対応しているので,業務が変わったときに必要なサービスだけを差し替えればよく,他システムとの連携もしやすい。よって答はエ。アは ERP の説明で,基幹業務を一つの仕組みで一元管理するもの。イはフィットアンドギャップ分析の説明で,パッケージ製品が自社の要求にどれだけ合うか,足りない部分はどこかを洗い出す作業である。ウは BPM(業務プロセス管理)の説明で,PDCA を回して業務プロセスを継続的に改善する手法である。いずれも「業務とシステムをどうつなぐか」という点で近い分野の用語なので,何を独立の単位とするかで区別する。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問62
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問422.データ分析手法の一つである,アソシエーション分析はどれか。
- ア.結果となる数値(目的変数)と要因となる数値(説明変数)との関係性について,最小二乗法を用いて分析する。気温の変化が売行きにどの程度影響するかなどの事象の予測に用いられる。
- イ.商品を購買するときの関連性や同時性などのルールを購買データに基づいて見いだすなど,データ間の統計的なパターンや,意味のある関連性を抽出する。信頼度,支持度及びリフト値によってルールを評価し,有効性を確認する。
- ウ.多数の変数の情報(観測変数)に存在する共通因子を仮定し,モデル化して分析する。共通因子を設けることによってデータの数が増加しても複雑になることを防ぎ,現象を分かりやすく捉えることができる。
- エ.多数の変数の情報(観測変数)をできるだけ少ない指標や次元(合成変数)で要約する。データのもつ情報をできる限り損なわずに全体の傾向を可視化することができる。
正解:イ.商品を購買するときの関連性や同時性などのルールを購買データに基づいて見いだすなど,データ間の統計的なパターンや,意味のある関連性を抽出する。信頼度,支持度及びリフト値によってルールを評価し,有効性を確認する。
解説:アソシエーション分析は,「Aを買った人はBも買う」といった同時に起こりやすい組合せを大量のデータから見つけ出す手法である。買い物かごの中身を調べることからバスケット分析とも呼ばれる。見つけたルールは,そのルールがどれだけ当てはまるかを表す信頼度,全体の中でどれだけ現れるかを表す支持度,偶然より何倍起こりやすいかを表すリフト値で評価する。この3つの指標が挙がっているイが答である。アは回帰分析で,説明変数から目的変数を予測する。ウは因子分析で,観測された多数の変数の背後に共通因子を想定する。エは主成分分析で,多数の変数を少数の合成変数に要約する。ウとエは似ているが,因子分析は「背後にある原因を仮定する」,主成分分析は「情報を損なわずに要約する」という向きの違いがある。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問63
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問423.投資の意思決定手法の一つである PBP 法に関する記述として,適切なものはどれか。
- ア.キャッシュフローの時間的価値が考慮されている。
- イ.投資回収後のキャッシュフローも考慮されている。
- ウ.投資金額の回収期間の長さによって投資を評価する手法である。
- エ.ほかの意思決定手法である NPV 法や IRR 法と同様に割引率を用いる手法である。
正解:ウ.投資金額の回収期間の長さによって投資を評価する手法である。
解説:PBP法(Pay Back Period,回収期間法)は,投資した金額を何年で回収できるかという期間の短さで投資案を比べる手法である。計算が単純で分かりやすいので答はウ。一方で弱点が2つあり,選択肢のア・イ・エはそこを突いている。アとエについては,PBP法は将来のキャッシュフローをそのまま足し合わせるだけで,割引率を使って現在価値に直す処理を行わない。つまりお金の時間的価値を考慮しない。割引率を用いるのは NPV法(正味現在価値法)や IRR法(内部収益率法)である。イについては,回収が終わった後にどれだけ利益が続くかを見ないので,回収は早いが後が続かない案と,回収は遅いが長く稼ぐ案を正しく比べられない。単純さと引き換えにこの2点を捨てている手法だと理解しておくとよい。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問64
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問424.定性的な評価項目を定量化するために評価点を与える方法がある。表に示す4段階評価を用いた場合,重み及び4段階評価の結果から評価されたシステム全体の目標達成度は,評価項目が全て目標どおりだった場合の評価点に対し,何%となるか。

- ア.27
- イ.36
- ウ.43
- エ.52
正解:イ.36
解説:4段階評価点は,目標どおりが3点,ほぼ目標どおりが2点,部分改善が1点,変わらずが0点である。各項目の重みと評価点を掛けて足すと,省力化効果は 5×3=15,期間の短縮は 8×0=0,情報の統合化は 12×1=12 で,実際の評価点の合計は 15+0+12=27 になる。一方,全て目標どおりだった場合は,どの項目も3点なので (5+8+12)×3=25×3=75 である。したがって目標達成度は 27÷75=0.36,すなわち36%となり,答はイ。アの27は実際の評価点の合計そのもので,%に直す前の値である。エの52は,「部分改善」を1点ではなく2点と取り違えた場合の値で,5×3+8×0+12×2=39,39÷75=52%となる。ウの43は,「変わらず」を0点ではなく2点として 5×3+8×2+12×1=43 と計算し,これをそのまま%と読んだ場合に出る値である。重みが最も大きい「情報の統合化」が部分改善(1点)にとどまり,重み8の「期間の短縮」が0点だったことが,達成度を大きく下げている。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問65
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問425.IoT を活用した工場管理システムの開発を行う。システムを構築し,サービスを運営するA社は,B社にボード開発を定額契約で委託した。B社はボードの納入前のネットワーク試験のため,工場の設備を管理するC社と実費償還契約を締結し,工場の一部区画とネットワークを借用した。C社のネットワーク設備に故障はなく,B社の人的リソース不足が原因でネットワーク試験の作業が遅延し,追加の費用が発生したとき,その費用を負担すべき会社はどれか。ここで,各社は契約を正当に履行するものとする。また,定額契約を交わした時点では,開発のスコープは十分明確で,契約以降の変更はないものとする。
- ア.A社
- イ.A社及びB社
- ウ.B社
- エ.B社及びC社
正解:ウ.B社
解説:契約の型ごとに,誰がコスト超過のリスクを負うかが決まっている。A社とB社の間は定額契約なので,スコープが変わらない限り金額は動かず,B社の都合で費用が増えてもA社に請求できない。したがってA社の負担は増えない。B社とC社の間は実費償還契約なので,実際に掛かった分をB社がC社に支払う約束であり,借用期間が延びればその分の費用はB社が払う。C社は設備に故障もなく契約どおり提供しているので負担は生じない。遅延の原因もB社の人的リソース不足である。よって追加費用を負担するのはB社だけで,答はウ。定額契約は受注側がコスト超過のリスクを負い,実費償還契約は発注側が負う,という対応関係を押さえておくと判断できる。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問66
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問426.売手側でのマーケティング要素4P は,買手側での要素4C に対応するという考え方がある。4P の一つであるプロモーションに対応する4C の構成要素はどれか。
- ア.顧客価値(Customer Value)
- イ.顧客コスト(Cost)
- ウ.コミュニケーション(Communication)
- エ.利便性(Convenience)
正解:ウ.コミュニケーション(Communication)
解説:4P は売り手から見た要素で,製品(Product)・価格(Price)・流通(Place)・販売促進(Promotion)から成る。4C はこれを買い手の側から捉え直したもので,顧客価値(Customer Value)・顧客コスト(Cost)・利便性(Convenience)・コミュニケーション(Communication)が対応する。プロモーションは売り手が一方的に情報を送るという発想だが,買い手から見れば売り手とのやり取りそのものなのでコミュニケーションが対応し,答はウ。アの顧客価値は製品に,イの顧客コストは価格に,エの利便性は流通に対応する。価格が顧客コストになるのは,買い手にとっての負担は本体価格だけでなく手間や時間も含むという捉え方の違いを表している。同様に流通が利便性になるのも,どこで売るかではなく買い手がどれだけ手に入れやすいかという視点への転換である。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問67
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問427.バランススコアカードで使われる戦略マップの説明はどれか。
- ア.切り口となる二つの要素をX軸,Y軸として,市場における自社又は自社製品のポジションを表現したもの
- イ.財務,顧客,内部ビジネスプロセス,学習と成長という四つの視点を基に,課題,施策,目標の因果関係を表現したもの
- ウ.市場の魅力度,自社の優位性という二つの軸から成る四象限に自社の製品や事業を分類して表現したもの
- エ.どのような顧客層に対して,どのような経営資源を使用し,どのような製品・サービスを提供するのかを表現したもの
正解:イ.財務,顧客,内部ビジネスプロセス,学習と成長という四つの視点を基に,課題,施策,目標の因果関係を表現したもの
解説:バランススコアカードは,企業を財務・顧客・内部ビジネスプロセス・学習と成長という4つの視点から見て,短期の業績だけに偏らないように評価する枠組みである。戦略マップは,この4視点に並べた課題・施策・目標を矢印でつなぎ,「人材を育てる→業務の質が上がる→顧客満足が高まる→売上が伸びる」といった因果関係を1枚の図で表したものなので,答はイ。アはポジショニングマップの説明で,2つの軸で自社や製品の位置づけを示す図である。ウは,市場の魅力度と自社の優位性で事業を分類するビジネススクリーン(GEマトリックス)の説明である。エはビジネスモデルの記述に近く,誰に何をどう提供するかを表すもので,因果関係を示す図ではない。4つの視点は下から上へ積み上がる関係にある点が戦略マップの要である。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問68
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問428.フィージビリティスタディの説明はどれか。
- ア.企業が新規事業立ち上げや海外進出する際の検証,公共事業の採算性検証,情報システムの導入手段の検証など,実現性を調査・検証する投資前評価のこと
- イ.技術革新,社会変動などに関する未来予測によく用いられ,専門家グループなどがもつ直観的意見や経験的判断を,反復型アンケートを使って組織的に集約・洗練して収束すること
- ウ.集団(小グループ)によるアイディア発想法の一つで,会議の参加メンバー各自が自由奔放にアイディアを出し合い,互いの発想の異質さを利用して,連想を行うことによって,更に多数のアイディアを生み出そうという集団思考法・発想法のこと
- エ.商品が市場に投入されてから,次第に売れなくなり姿を消すまでのプロセスを,導入期,成長期,成熟(市場飽和)期,衰退期の4段階で表現して,その市場における製品の寿命を検討すること
正解:ア.企業が新規事業立ち上げや海外進出する際の検証,公共事業の採算性検証,情報システムの導入手段の検証など,実現性を調査・検証する投資前評価のこと
解説:フィージビリティスタディは実現可能性調査とも呼ばれ,事業や投資に踏み切る前に「そもそも実現できるのか,採算は取れるのか」を技術面・経済面・法規制面などから調べる作業である。投資を決める前に行う評価なので答はア。イはデルファイ法の説明で,専門家に匿名でアンケートを繰り返し,前回の集計結果を見せながら意見を収束させていく未来予測の手法である。ウはブレーンストーミングの説明で,批判をせず自由に発想を出し合って数を稼ぐ会議法である。エはプロダクトライフサイクルの説明で,製品が導入期から衰退期までたどる過程を4段階で捉え,段階に応じた戦略を考えるものである。いずれも企画段階で使う手法だが,フィージビリティスタディだけが「やるかどうかを決めるための実現性の検証」という位置づけである。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問69
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問429.図のアンゾフの成長マトリクスのうち,市場浸透戦略の例として,適切なものはどれか。

- ア.ある商品が高いシェアを確保したため,最近の技術開発の成果を取り入れた上位機種を,既存のユーザー向けに販売する。
- イ.ある地域において特別価格で販売することで,商品の知名度を上げ,その地域の多くの住民に販売する。
- ウ.ある地方で長年販売してきた商品を,今年から他の地方でも販売する。
- エ.販売実績がないある国の商習慣に合う製品を一から開発し,その国で販売する。
正解:イ.ある地域において特別価格で販売することで,商品の知名度を上げ,その地域の多くの住民に販売する。
解説:アンゾフの成長マトリクスは,市場と製品をそれぞれ既存・新規に分けた4つの升目で成長の方向を整理する。市場浸透戦略は「既存市場×既存製品」,つまり今ある商品を今の市場でもっと売る方向である。イは,すでに扱っている商品を,同じ地域の住民により多く買ってもらうために特別価格で知名度を上げるという話なので,市場も製品も既存であり,答はイ。アは既存のユーザー向けに上位機種という新しい製品を出すので「既存市場×新規製品」=新製品開発戦略。ウは長年販売してきた商品を他の地方へ広げるので「新規市場×既存製品」=新市場開拓戦略。エは販売実績のない国に向けて製品を一から開発するので「新規市場×新規製品」=多角化戦略である。4つの選択肢が4つの升目にちょうど一つずつ対応している。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問70
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問430.生産事業所のシステムを,生産計画などの計画層,各指示や工程管理・製造管理などの実行層,機械・機器の制御を行う制御層の三つの層に大きく分けたとき,MES が運用される層はどれか。
- ア.計画層
- イ.実行層
- ウ.制御層
- エ.計画層・実行層・制御層
正解:イ.実行層
解説:MES は Manufacturing Execution System,日本語で製造実行システムと呼ばれる。その名のとおり,計画層で決まった生産計画を受け取り,現場への作業指示,進捗や実績の収集,品質・在庫の管理といった「実行」を担うので,答はイ。アの計画層には,何をいつどれだけ作るかを決める生産管理システムや,全社の資源計画を扱う ERP が位置する。ウの制御層には,機械や装置を直接動かす PLC やセンサー,SCADA などが位置する。エのように3層すべてにまたがるものではなく,MES は計画層と制御層の間をつなぐ中間の層に置かれる。上位の計画と現場の設備をつなぎ,計画どおりに作れているかを実績で見えるようにするのが役割である。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問71
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問431.PLM(Product Lifecycle Management)の目的はどれか。
- ア.NC 工作機械,自動搬送装置,倉庫などを有機的に結合し,コンピュータで集中管理することで多品種少量生産に対応できる生産の自動化を実現する。
- イ.製品開発,製造,販売,保守,リサイクルに至る製造業のプロセスにおいて,製品に関連する情報を一元管理し,商品力向上やコスト低減を図る。
- ウ.製品の生産計画に基づいてその生産に必要な資材の所要量を展開し,これを基準にして資材の需要とその発注時期を算出する。
- エ.部品の供給から製品の販売までの一連のプロセスの情報をリアルタイムで交換することによって,在庫の削減とリードタイムの短縮を実現する。
正解:イ.製品開発,製造,販売,保守,リサイクルに至る製造業のプロセスにおいて,製品に関連する情報を一元管理し,商品力向上やコスト低減を図る。
解説:PLM は,製品が企画・設計されてから,製造・販売・保守を経て廃棄・リサイクルされるまでの一生涯にわたって,設計図・部品構成・変更履歴・不具合情報といった製品に関する情報を一元的に管理する考え方である。設計変更が保守部品や生産にどう影響するかを追えるようになり,商品力の向上とコスト低減につながる。よって答はイ。アは FMS(フレキシブル生産システム)の説明で,工作機械や搬送装置を結合して多品種少量生産に対応する仕組みである。ウは MRP(資材所要量計画)の説明で,生産計画から必要な資材の量と発注時期を求めるもの。エは SCM(サプライチェーンマネジメント)の説明で,調達から販売までの企業間の情報をつないで在庫とリードタイムを減らすものである。管理する範囲が「製品の一生」なのか「資材」なのか「供給網」なのかで区別する。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問72
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問432.IoT で活用されている LPWA の特徴として,適切なものはどれか。
- ア.GHz 帯を使う近距離無線通信であり,4K,8K の映像などの大容量のデータを高速伝送することに適している。
- イ.電力線を通信に使う有線通信技術であり,スマートメーターの自動検針などに適している。
- ウ.一つの基地局で広範囲をカバーできる低消費電力の無線通信技術であり,複数の機器がつながるネットワークに適している。
- エ.有線のシリアル通信であり,同じ基板上の回路及び LSI 間の通信に適している。
正解:ウ.一つの基地局で広範囲をカバーできる低消費電力の無線通信技術であり,複数の機器がつながるネットワークに適している。
解説:LPWA は Low Power Wide Area の略で,その名のとおり低消費電力で広い範囲をカバーする無線通信技術の総称である。通信速度は数kビット/秒程度と遅いが,1つの基地局で数kmから数十kmを覆え,電池1本で数年動かせるものもあるため,各地に散らばったセンサーを大量につなぐ IoT の用途に向いている。よって答はウ。アは WiGig など GHz 帯の近距離高速無線の説明で,速度は出るが距離が短く消費電力も大きい。イは PLC(電力線搬送通信)の説明で,無線ではなく既設の電力線を使う。エは I²C や SPI のような基板上の配線を使うシリアル通信の説明である。LPWA は「速度を捨てて,距離と電池のもちを取る」という割り切りが特徴で,高速大容量を狙う技術とは設計思想が正反対である。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問73
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問433.ある工場で扱っている部品Aは,使用量(需要)が一定であり,定量発注方式を採用して発注されている。この場合の経済的発注量は,グラフの年間の発注費と,年間の保管費が等しくなったときの値を計算することで求めることができる。表の条件の場合の経済的発注量を求めよ。ここで,部品Aに関する安全在庫は考慮しないものとする。

- ア.10
- イ.200
- ウ.500
- エ.1,000
正解:エ.1,000
解説:1回当たりの発注量を Q 個とする。年間需要が100,000個なので発注回数は 100,000÷Q 回で,1回当たりの発注費用が5,000円だから年間の発注費は 100,000÷Q×5,000=500,000,000÷Q 円になる。一方,在庫は発注直後に Q 個あり,使い切って0個になるまで一定の割合で減るので平均在庫は Q÷2 個。1個当たりの年間保管費が1,000円なので年間の保管費は Q÷2×1,000=500Q 円である。この2つが等しくなる点を求めると 500,000,000÷Q=500Q,すなわち Q²=1,000,000 となり Q=1,000個。答はエ。平均在庫が Q ではなく Q÷2 である点が要で,ここを Q のままにすると 500,000,000÷Q=1,000Q から Q≒707 となって選択肢に合わなくなる。グラフでは,右下がりの発注費と右上がりの保管費が交わる点が年間総費用の最小点と一致しており,これが経済的発注量(EOQ)である。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問74
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問434.製品X,Yを1台製造するのに必要な部品数は,表のとおりである。製品1台当たりの利益がX,Yともに1万円のとき,利益は最大何万円になるか。ここで,部品Aは120個,部品Bは60個まで使えるものとする。

- ア.30
- イ.40
- ウ.45
- エ.60
正解:ウ.45
解説:製品Xの台数を x,Yの台数を y とすると,部品Aは1台当たりXが3個・Yが2個で120個まで使えるので 3x+2y≦120,部品Bは1台当たりXが1個・Yが2個で60個までなので x+2y≦60 という制約になる。利益はどちらも1万円なので x+y を最大にすればよい。候補となるのは制約の境目にある点で,Xだけ作る場合は 3x≦120 から x=40(利益40万円),Yだけ作る場合は 2y≦60 から y=30(利益30万円)である。両方の制約が同時に等号になる点は,3x+2y=120 と x+2y=60 を辺々引いて 2x=60,つまり x=30,これを代入して y=15。このとき利益は 30+15=45万円で最大となり,答はウ。両方の部品を使い切る組合せが,どちらか一方だけを作るより有利になるという線形計画法の典型で,エの60は,部品Bの制約を見落として部品Aだけで判断した場合の値である。2y≦120 から y=60 となるが,このときYに必要な部品Bは120個で,使える60個を超えてしまう。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問75
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問435.A社の貸借対照表の構成は図のとおりであった。A社の自己資本比率は何%か。

- ア.10
- イ.20
- ウ.30
- エ.35
正解:エ.35
解説:自己資本比率は,総資本(=総資産)に対する自己資本の割合である。自己資本は返済の必要がない部分,つまり資本金・資本剰余金・利益剰余金の合計で,2,000+1,000+500=3,500百万円になる。総資本は資産の合計と等しく,流動資産6,000+固定資産4,000=10,000百万円である。したがって 3,500÷10,000=0.35,すなわち35%となり答はエ。負債側の合計で確かめても,流動負債4,500+固定負債2,000+自己資本3,500=10,000となり資産側と一致する。ウの30%は資本金と資本剰余金だけを足して利益剰余金を入れ忘れた場合,イの20%は資本金だけを自己資本とみた場合に出る値である。自己資本比率が高いほど借入への依存が小さく,財務が安定していると判断される。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問76
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問436.表のような製品A,Bを製造,販売する場合,考えられる利益は最大で何円になるか。ここで,機械の年間使用可能時間は延べ15,000時間とし,年間の固定費は製品A,Bに関係なく15,000,000円とする。

- ア.3,750,000
- イ.7,500,000
- ウ.16,250,000
- エ.18,750,000
正解:イ.7,500,000
解説:制約になっているのは機械の時間なので,1時間当たりどれだけ稼げるかで比べる。製品Aは販売単価30,000円から変動費18,000円を引いて1個当たりの限界利益が12,000円,製造に8時間かかるので1時間当たり12,000÷8=1,500円。製品Bは25,000−10,000=15,000円で12時間かかるから15,000÷12=1,250円である。1個当たりの限界利益はBの方が大きいが,時間当たりではAの方が有利なので,15,000時間すべてをAに充てるのが最善になる。作れる数は15,000÷8=1,875個で,限界利益の合計は1,875×12,000=22,500,000円。ここから固定費15,000,000円を引いて利益は7,500,000円となり,答はイ。アの3,750,000は,時間当たりの有利さを取り違えてBだけを作った場合の利益で,15,000÷12=1,250個,1,250×15,000-15,000,000=3,750,000円となる。エの18,750,000は,そのBだけを作った場合の限界利益(1,250×15,000)で,固定費を引き忘れた値である。ウの16,250,000は,Bを1,250個作るとして限界利益ではなく販売単価で売上を出し(1,250×25,000=31,250,000),そこから固定費を引いた値で,変動費を引き忘れている。1個当たりの利益ではなく制約資源1単位当たりの利益で比べる点が要である。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問77
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問437.著作権法において,保護の対象となり得ないものはどれか。
- ア.インターネットで公開されたフリーソフトウェア
- イ.ソフトウェアの操作マニュアル
- ウ.データベース
- エ.プログラム言語や規約(プログラム言語の用法についての特別の約束)
正解:エ.プログラム言語や規約(プログラム言語の用法についての特別の約束)
解説:著作権法は,著作物を「思想又は感情を創作的に表現したもの」と定めており,プログラムも著作物に含まれる。ただし同法は,プログラムを作るための道具にあたるものを保護の対象から明確に外している。具体的には,プログラム言語,規約(プロトコルなどの約束事),解法(アルゴリズム)の3つで,これらを独占させると誰もプログラムを書けなくなってしまうからである。よって答はエ。アのフリーソフトウェアは,無償で公開されていても創作的な表現である以上は著作物であり,著作権は放棄されていない。むしろ利用条件はライセンスで定められている。イの操作マニュアルは文章としての著作物である。ウのデータベースは,情報の選択や体系的な構成に創作性があれば著作物として保護される。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問78
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問438.意匠法において,保護の対象となり得るものはどれか。
- ア.独自のGUI
- イ.独自のアルゴリズム
- ウ.独自の通信プロトコル
- エ.独自のビジネスモデル
正解:ア.独自のGUI
解説:意匠法は,物品などの形状・模様・色彩といった見た目のデザインを保護する法律である。2020年に施行された改正で保護の範囲が広がり,機器の操作に用いる画像や,物品に記録されていない画像そのものも意匠として登録できるようになった。これにより独自のGUIのデザインが対象になるので,答はア。イのアルゴリズムは,技術的な思想として要件を満たせば特許法の対象になり得るが,見た目のデザインではないので意匠法では保護されない。ウの通信プロトコルも約束事であって形ではなく,同様に意匠の対象にならない。エのビジネスモデルも,それ自体は意匠ではなく,情報技術を用いた具体的な仕組みとして特許になり得るかという話になる。「見た目のデザインなら意匠,技術的な発明なら特許」と押さえると区別できる。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問79
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問439.労働施策総合推進法に関する記述として,適切なものはどれか。
- ア.いわゆるパワーハラスメントに関し,労働者の相談に応ずることや適切に対応する体制を整備することなどを事業主に義務付けている。
- イ.大学生や高校生が適職を選択して,適切な就職活動を行うために,教育機関が関与すべきインターンシップの理念・原則を定めている。
- ウ.都道府県ごとに時給という形式で金額が決められている最低賃金を労働施策の基礎として位置付け,それを決定する手順を定めている。
- エ.労働組合と使用者との団体交渉が労働条件改善の基本的な方策であると示し,労働組合活動を総合的に推進することを義務付けている。
正解:ア.いわゆるパワーハラスメントに関し,労働者の相談に応ずることや適切に対応する体制を整備することなどを事業主に義務付けている。
解説:労働施策総合推進法は,2019年の改正でいわゆるパワーハラスメント防止のための措置を事業主に義務付けたことから,パワハラ防止法とも呼ばれる。事業主は,方針を明確にして周知することや,相談に応じて適切に対応するための窓口・体制を整えること,相談したことを理由に不利益な取扱いをしないことなどを求められる。大企業は2020年6月から,中小企業も2022年4月から義務の対象になった。よって答はア。イのインターンシップの理念・原則は,この法律ではなく国の指針などで示されるものである。ウの最低賃金の決定手順を定めているのは最低賃金法である。エの団体交渉や労働組合については労働組合法が定めており,そもそも「労働組合活動を推進することを義務付ける」という法律はない。名称が似た労働関係の法律が並ぶので,何を義務付けている法律かで区別する。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問80
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問440.ドキュメンテーションジェネレーターの説明として,適切なものはどれか。
- ア.HTML,CSS などのリソースを読み込んで,画面などに描画又は表示するソフトウェア
- イ.ソースコード中にある,フォーマットに従って記述されたコメント文などから,プログラムのドキュメントを生成するソフトウェア
- ウ.動的に Web ページを生成するために,文書のテンプレートと埋込み入力データを合成して出力するソフトウェア
- エ.文書構造がマーク付けされたテキストファイルを読み込んで,印刷可能なドキュメントを組版するソフトウェア
正解:イ.ソースコード中にある,フォーマットに従って記述されたコメント文などから,プログラムのドキュメントを生成するソフトウェア
解説:ドキュメンテーションジェネレーターは,ソースコードに決められた書式で書いたコメント(Java の Javadoc,Python の docstring,C++ の Doxygen 形式など)を読み取り,クラスや関数の一覧,引数と戻り値の説明,参照関係といった仕様書を自動生成するソフトウェアである。したがって答はイ。コードと文書が同じ場所にあるので,実装を直したときに説明を直し忘れにくく,文書が古びる問題を抑えられるのが利点である。アは,HTML や CSS を解釈して画面に描くレンダリングエンジン(ブラウザの中核部分)の説明である。ウは,テンプレートに動的なデータを流し込んで出力するテンプレートエンジンの説明で,Web アプリケーションで画面を生成する際に使われる。エは,マーク付けされたテキストを読んで印刷用に体裁を整える組版システム(TeX など)の説明である。いずれも「入力から出力を生成する」道具なので混同しやすいが,入力がソースコードのコメントであり,出力がプログラムの仕様書であるという組合せが,ドキュメンテーションジェネレーターを見分ける手掛かりになる。
出典:情報処理推進機構「令和6年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問50
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問441.エンタープライズアーキテクチャの参照モデルのうち,BRM(Business Reference Model)として提供されるものはどれか。
- ア.アプリケーションサービスを機能的な観点から分類・体系化したサービスコンポーネント
- イ.サービスコンポーネントを実際に活用するためのプラットフォームやテクノロジの標準仕様
- ウ.参照モデルの中で最も業務に近い階層として提供される,業務分類に従った業務体系及びシステム体系と各種業務モデル
- エ.組織間で共有される可能性の高い情報について,名称,定義及び各種属性を総体的に記述したモデル
正解:ウ.参照モデルの中で最も業務に近い階層として提供される,業務分類に従った業務体系及びシステム体系と各種業務モデル
解説:エンタープライズアーキテクチャ(EA)は,組織の構造を業務・データ・アプリケーション・技術の4つの体系で捉える枠組みで,それぞれに対応する参照モデルが用意されている。BRM(Business Reference Model:業務参照モデル)は最も業務に近い階層で,業務をどう分類するかに従って業務体系とシステム体系を整理し,各種の業務モデルを提供する。したがって答はウ。組織が自らの業務を標準の分類に当てはめることで,他組織との比較や重複業務の発見ができるようになる。アは SRM(Service Component Reference Model:サービスコンポーネント参照モデル)の説明で,アプリケーションが提供する機能をサービスの部品として分類・体系化したものである。イは TRM(Technical Reference Model:技術参照モデル)の説明で,サービスコンポーネントを実現するためのプラットフォームや技術の標準仕様を示す。エは DRM(Data Reference Model:データ参照モデル)の説明で,組織間で共有され得る情報について名称・定義・属性を記述する。4つは業務(BRM)→サービス(SRM)→データ(DRM)→技術(TRM)と,業務に近い側から技術に近い側へ並んでいると整理すると覚えやすい。
出典:情報処理推進機構「令和6年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問61
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問442.“デジタルガバナンス・コード2.0”の説明として,適切なものはどれか。
- ア.企業の自主的な DX 推進を促すために,デジタル技術による社会変革を踏まえた経営ビジョン策定など経営者に求められる対応を,経済産業省がまとめたもの
- イ.教育委員会に対して,教育情報セキュリティポリシーの基本理念や情報セキュリティ対策基準の記述例を,文部科学省がまとめたもの
- ウ.全国どこでも誰もが便利で快適に暮らせる社会を目指し,自治体が重点的に取組むべき事項を,総務省がまとめたもの
- エ.デジタル社会形成のために政府が迅速かつ重点的に実施すべき施策などを,デジタル庁がまとめたもの
正解:ア.企業の自主的な DX 推進を促すために,デジタル技術による社会変革を踏まえた経営ビジョン策定など経営者に求められる対応を,経済産業省がまとめたもの
解説:デジタルガバナンス・コードは,企業が自主的に DX を進めることを促すために経済産業省がまとめた指針である。デジタル技術による社会の変化を踏まえて,経営ビジョンとビジネスモデルの方向性を定めること,戦略とそれを支える体制・人材・IT システムを整えること,成果を測る指標を定めて開示すること,取締役会が実効的に監督することなどを,経営者に求められる対応として整理している。したがって答はア。この指針の項目は DX 認定制度の認定基準と対応しており,満たしていることを国が認定する仕組みにつながっている。2.0 は2022年に改訂された版で,その後さらに改訂が重ねられている。イは文部科学省の「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」に当たる内容である。ウは総務省の「自治体 DX 推進計画」などに当たる内容で,対象が自治体である点が異なる。エはデジタル庁が所管する「デジタル社会の実現に向けた重点計画」に当たる内容で,こちらは政府自身が実施する施策をまとめたものである。「企業向け」「経済産業省」という2点でアを見分けられる。
出典:情報処理推進機構「令和6年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問62
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問443.IT 投資案件において,投資効果を PBP(Pay Back Period)で評価する。投資額が500のとき,期待できるキャッシュインの四つのシナリオ a〜d のうち,効果が最も高いものはどれか。 〔シナリオ〕年目 1/2/3/4/5 a キャッシュイン 100/150/200/250/300 b キャッシュイン 100/200/300/200/100 c キャッシュイン 200/150/100/150/200 d キャッシュイン 300/200/100/50/50
- ア.a
- イ.b
- ウ.c
- エ.d
正解:エ.d
解説:PBP(回収期間)は,投資額を累積のキャッシュインで回収し終えるまでの期間で,短いほど投資効果が高いと評価する。各シナリオの累積を計算すると,a は 100,250,450,700 なので4年目で500を超える。b は 100,300,600 なので3年目に到達する。c は 200,350,450,600 なので4年目である。d は 300,500 と2年目でちょうど500に達する。最も短いのは d の2年なので,答はエ。この指標は「早く元が取れるほどよい」という考え方で,回収までの期間が短いほど将来の不確実性にさらされる時間が短く,資金を次の投資に回せる点が評価される。注意したいのは,PBP は回収後のキャッシュインを一切考慮しないという点である。実際に5年間の合計を見ると a が1,000で最も多く,d は700で最も少ない。それでも PBP では d が最良と評価されるので,回収の速さを重視する指標だと理解しておく必要がある。長期の収益性まで見たい場合は,正味現在価値(NPV)や内部収益率(IRR)を併用する。
出典:情報処理推進機構「令和6年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問64
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問444.EMS(Electronics Manufacturing Services)の説明として,適切なものはどれか。
- ア.相手先ブランドで販売する電子機器の設計だけを受託し,製造は相手先で行う。
- イ.外部から調達した電子機器に付加価値を加えて,自社ブランドで販売する。
- ウ.自社ブランドで販売する電子機器のソフトウェア開発だけを外部に委託し,ハードウェアは自社で設計製造する。
- エ.生産設備をもつ企業が,他社からの委託を受けて電子機器を製造する。
正解:エ.生産設備をもつ企業が,他社からの委託を受けて電子機器を製造する。
解説:EMS は,自社の生産設備を使って他社のブランドの電子機器を受託製造する事業である。設計は委託元が行い,EMS 事業者は部品調達から製造,検査,物流までを引き受けることが多い。複数の委託元の製品をまとめて作るため,部品の大量調達や設備の高い稼働率によって単価を下げられる点が強みで,委託元は工場をもたずに製品を世に出せる。したがって答はエ。アは設計だけを受託して製造は相手先が行うという内容で,これは設計の受託(デザインハウス)に当たり,製造を担う EMS とは逆である。イは外部から調達した機器に付加価値を付けて自社ブランドで売るという内容で,これはファブレスの販売やインテグレーションの形態である。ウはソフトウェア開発だけを外部に委託してハードウェアは自社で作るという内容で,これは開発の一部を外注する通常の分担であって EMS の説明ではない。関連して,工場をもたずに設計と販売に特化する形態をファブレス,半導体の製造だけを請け負う形態をファウンドリと呼び,EMS はその電子機器版に相当する。
出典:情報処理推進機構「令和6年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問65
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問445.組込み機器のハードウェアの製造を外部に委託する場合のコンティンジェンシープランの記述として,適切なものはどれか。
- ア.実績のある外注先の利用によって,リスクの発生確率を低減する。
- イ.製造品質が担保されていることを確認できるように委託先と契約する。
- ウ.複数の会社の見積りを比較検討して,委託先を選定する。
- エ.部品調達のリスクが顕在化したときに備えて,対処するための計画を策定する。
正解:エ.部品調達のリスクが顕在化したときに備えて,対処するための計画を策定する。
解説:コンティンジェンシープラン(緊急時対応計画)は,リスクが実際に起きてしまった場合に何をするかをあらかじめ決めておく計画である。誰が判断し,どの代替手段に切り替え,どこへ連絡するかといった手順を用意しておくことで,被害の拡大を抑え早く立ち直れるようにする。部品調達のリスクが顕在化したときに備えて対処の計画を作るというエがこれに当たり,答はエ。具体的には,代替部品の事前承認,第二の調達先の確保,安全在庫の設定などが計画に含まれる。アは実績のある外注先を選ぶことで発生確率そのものを下げる対策で,これは事前のリスク軽減にあたる。イは品質が担保されていることを確認できる契約を結ぶという対策で,これも起きる前の予防と,起きたときの責任の明確化に関わるもので,対処の手順を定める計画とは異なる。ウは複数社の見積りを比べて委託先を選ぶ調達の手続で,適切な相手を選ぶという予防の側にある。3つの誤りはいずれも「起きないようにする」対策であり,コンティンジェンシープランは「起きた後にどう動くか」を定めるものだという違いが見分けの要点になる。
出典:情報処理推進機構「令和6年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問66
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問446.PPM において,投資用の資金源として位置付けられる事業はどれか。
- ア.市場成長率が高く,相対的市場占有率が高い事業
- イ.市場成長率が高く,相対的市場占有率が低い事業
- ウ.市場成長率が低く,相対的市場占有率が高い事業
- エ.市場成長率が低く,相対的市場占有率が低い事業
正解:ウ.市場成長率が低く,相対的市場占有率が高い事業
解説:PPM(プロダクトポートフォリオマネジメント)は,市場成長率と相対的市場占有率の2軸で事業を4つに分ける。市場成長率が低く占有率が高い区分は「金のなる木」で,市場が成熟しているため設備や販促への追加投資が少なくて済み,高い占有率によって安定した収益が入るので,資金を生み出す源になる。ここで得た資金をほかの区分へ振り向けるのが PPM の考え方の中核であり,答はウ。アの成長率が高く占有率も高い区分は「花形」で,収益は大きいが市場の成長に追随するための投資も大きく,資金の出入りが釣り合いやすいので資金源にはなりにくい。イの成長率が高く占有率が低い区分は「問題児」で,占有率を上げるために資金を投入する対象になる。ここで成功すれば花形へ育ち,やがて金のなる木になるという流れを描く。エの成長率も占有率も低い区分は「負け犬」で,撤退や売却を検討する対象である。したがって資金の流れは「金のなる木 → 問題児・花形」となり,どの区分から取り,どの区分へ入れるかを判断するのがこの手法の役割である。
出典:情報処理推進機構「令和6年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問67
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問447.企業が属する業界の競争状態と収益構造を,“新規参入の脅威”,“供給者の支配力”,“買い手の交渉力”,“代替製品・サービスの脅威”,“既存競合者同士の敵対関係”の要素に分類して,分析するフレームワークはどれか。
- ア.PEST 分析
- イ.VRIO 分析
- ウ.バリューチェーン分析
- エ.ファイブフォース分析
正解:エ.ファイブフォース分析
解説:ファイブフォース分析は,マイケル・ポーターが提唱した業界構造の分析手法で,設問に挙げられた5つの力(新規参入の脅威,供給者の支配力,買い手の交渉力,代替製品・サービスの脅威,既存競合者同士の敵対関係)によって業界の競争の激しさと収益性が決まると捉える。したがって答はエ。5つの力が強い業界は収益を上げにくく,弱い業界は収益を上げやすいと読み,どこに手を打てば有利になるかを考える枠組みになる。アの PEST 分析は,政治(Politics),経済(Economy),社会(Society),技術(Technology)の4つの側面から外部のマクロ環境を分析する手法で,業界の内側ではなく業界を取り巻く大きな流れを見る。イの VRIO 分析は,自社の経営資源を,経済価値(Value),希少性(Rarity),模倣困難性(Imitability),組織(Organization)の観点から評価して競争優位の源泉を見極める手法で,対象は自社の内部である。ウのバリューチェーン分析は,購買物流から製造,出荷物流,販売,サービスまでの主活動と,それを支える支援活動に分けて,どの活動が価値を生んでいるかを分析する手法で,こちらも自社内が対象になる。外部のマクロ(PEST)→業界(ファイブフォース)→自社(VRIO・バリューチェーン)と,見る範囲で整理できる。
出典:情報処理推進機構「令和6年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問68
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問448.フィージビリティスタディの説明はどれか。
- ア.企業が新規事業立ち上げや海外進出する際の検証,公共事業の採算性検証,情報システムの導入手段の検証など,実現性を調査・検証する投資前評価のこと
- イ.技術革新,社会変動などに関する未来予測によく用いられ,専門家グループなどがもつ直観的意見や経験的判断を,反復型アンケートを使って組織的に集約・洗練して収束すること
- ウ.集団(小グループ)によるアイディア発想法の一つで,会議の参加メンバー各自が自由奔放にアイディアを出し合い,互いの発想の異質さを利用して,連想を行うことによって,さらに多数のアイディアを生み出そうという集団思考法・発想法のこと
- エ.商品が市場に投入されてから,次第に売れなくなり姿を消すまでのプロセスを,導入期,成長期,成熟(市場飽和)期,衰退期の4段階で表現して,その市場における製品の寿命を検討すること
正解:ア.企業が新規事業立ち上げや海外進出する際の検証,公共事業の採算性検証,情報システムの導入手段の検証など,実現性を調査・検証する投資前評価のこと
解説:フィージビリティスタディ(実現可能性調査)は,事業や投資を実行に移す前に,技術的に実現できるか,採算が合うか,法規制や体制の面で問題がないかを調査・検証して,投資の可否を判断するための評価である。新規事業の立上げ,海外進出,公共事業の採算性,情報システムの導入手段の検討などで行われるので,答はア。投じる前に見極めることで,見込みの薄い案件に資源を注ぎ込む事態を避けられる。イはデルファイ法の説明で,専門家に匿名でアンケートを行い,集計結果を示して再度回答を求めることを繰り返し,意見を収束させて未来予測に用いる手法である。ウはブレーンストーミングの説明で,批判をせずに自由に大量の意見を出し,互いの発想から連想を広げる発散技法である。エはプロダクトライフサイクルの説明で,導入期・成長期・成熟期・衰退期の4段階で製品の寿命を捉え,段階に応じた戦略を立てるための枠組みである。「実行する前に,できるかどうかを確かめる」のがフィージビリティスタディだと押さえると,ほかの3つとは目的が明確に異なることが分かる。
出典:情報処理推進機構「令和6年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問69
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問449.IoT 活用におけるデジタルツインの説明はどれか。
- ア.インターネットを介して遠隔地に設置した 3D プリンターへ設計データを送り,短時間に製品を製作すること
- イ.システムを正副の二重に用意し,災害や故障時にシステムの稼働の継続を保証すること
- ウ.自宅の家電機器とインターネットでつながり,稼働監視や操作を遠隔で行うことができるウェアラブルデバイスのこと
- エ.デジタル空間に現実世界と同等な世界を,様々なセンサーで収集したデータを用いて構築し,現実世界では実施できないようなシミュレーションを行うこと
正解:エ.デジタル空間に現実世界と同等な世界を,様々なセンサーで収集したデータを用いて構築し,現実世界では実施できないようなシミュレーションを行うこと
解説:デジタルツインは,現実の設備や工場,都市などをデジタル空間に写した「双子」を作り,IoT のセンサーから集めた実際のデータを反映させて,現実と同じように振る舞わせる仕組みである。現実では試せない条件でのシミュレーション,故障の予兆の把握,設計変更の事前評価などができるので,答はエ。単なる 3D モデルと違い,実データで常に最新の状態に更新されるところが特徴である。アは遠隔地の 3D プリンターで製作するという内容で,これはデジタル製造やオンデマンド生産の話であり,模型を作って試すという趣旨ではない。イは正副二重の構成で稼働を継続させるという内容で,これは冗長化による可用性の確保(デュプレックスシステムなど)の説明である。「ツイン(双子)」という語が二重化を思わせるが,デジタルツインの双子は現実とデジタルの対応であって,同じ設備を2つ用意することではない。ウは家電と接続して遠隔監視・操作できるウェアラブルデバイスという内容で,IoT の応用例ではあるが,現実を写した仮想の対象を作ることとは別である。
出典:情報処理推進機構「令和6年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問70
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問450.IoT を活用したビジネスモデルの事例のうち,マスカスタマイゼーションの事例はどれか。
- ア.建機メーカーが,建設機械にエンジンの稼働状況が分かるセンサーと GPS を搭載して,機械の稼働場所と稼働状況を可視化する。これによって,盗難された機械にキーを入れても,遠隔操作によってエンジンが掛からないようにする。
- イ.航空機メーカーが,エンジンに組み込まれたセンサーから稼働状況に関するデータを収集し,これを分析して,航空会社にエンジンの予防保守情報を提供する。
- ウ.自動車メーカーが,稼働状況を把握するセンサーと,遠隔地からドアロックを解錠できる装置を自動車に搭載して,カーシェアサービスを提供する。
- エ.眼鏡メーカーが,店内で顧客の顔の形状を 3D スキャナーによってデジタル化し,パターンの組み合わせで顧客に合ったフレーム形状を設計する。その後,工場に設計情報を送信し,パーツを組み合わせてフレームを効率的に製造する。
正解:エ.眼鏡メーカーが,店内で顧客の顔の形状を 3D スキャナーによってデジタル化し,パターンの組み合わせで顧客に合ったフレーム形状を設計する。その後,工場に設計情報を送信し,パーツを組み合わせてフレームを効率的に製造する。
解説:マスカスタマイゼーションは,大量生産(マスプロダクション)の効率を保ちながら,一人ひとりの要望に合わせた製品を提供する考え方である。顧客ごとに一から作るのではなく,あらかじめ用意した部品やパターンの組合せで個別の仕様を実現するところが要点で,エの眼鏡メーカーの例がまさにこれに当たる。顔の形状を計測してパターンの組合せで設計し,工場では共通のパーツを組み合わせて作るので,個別対応と効率的な製造が両立する。したがって答はエ。アは盗難対策で,遠隔から機械を無効化する仕組みであり,個別仕様の製品を作る話ではない。イは予防保守情報の提供で,機器の状態を分析して故障の前に手を打つサービス(プレディクティブメンテナンス)に当たる。製品を売って終わりにせず稼働の保証まで提供する点は新しいが,カスタマイズではない。ウはカーシェアサービスで,所有せずに必要なときだけ使えるようにするシェアリングエコノミーの事例である。いずれも IoT を活かした事業だが,「個別仕様を量産の効率で作る」のはエだけである。
出典:情報処理推進機構「令和6年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問71
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問451.IoT の技術として注目されている,エッジコンピューティングの説明として,最も適切なものはどれか。
- ア.演算処理のリソースをセンサー端末の近傍に置くことによって,アプリケーション処理の低遅延化や通信トラフィックの最適化を行う。
- イ.人体に装着して脈拍センサーなどで人体の状態を計測して解析を行う。
- ウ.ネットワークを介して複数のコンピュータを結ぶことによって,全体として処理能力が高いコンピュータシステムを作る。
- エ.周りの環境から微小なエネルギーを収穫して,電力に変換する。
正解:ア.演算処理のリソースをセンサー端末の近傍に置くことによって,アプリケーション処理の低遅延化や通信トラフィックの最適化を行う。
解説:エッジコンピューティングは,データを生み出すセンサーや機器の近く(ネットワークの周縁=エッジ)に演算する資源を置き,そこで処理を済ませる方式である。クラウドまで往復しないので応答が速く(低遅延),生データを送らずに要約だけを送れるので通信量も抑えられる。したがって答はア。生データを外に出さずに済むため,映像などのプライバシーに関わる情報を扱う場面でも有利になる。イはウェアラブルデバイスの説明で,人体に装着して状態を計測するものである。エッジで処理する機器の一例にはなり得るが,方式そのものの説明ではない。ウは複数のコンピュータをネットワークで結んで全体の処理能力を高めるグリッドコンピューティングやクラスタリングの説明で,資源を「集めて大きくする」方向であり,資源を「現場に配る」エッジコンピューティングとは向きが逆である。エはエナジーハーベスティング(環境発電)の説明で,光・振動・熱・電波などのわずかなエネルギーを電力に変える技術である。電池交換の要らないセンサーを実現する技術としてIoT で注目されているが,演算をどこで行うかという話ではない。
出典:情報処理推進機構「令和6年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問72
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問452.ゲーム理論における“ナッシュ均衡”の説明はどれか。
- ア.一部プレイヤーの受取が,そのまま残りのプレイヤーの支払となるような,各プレイヤーの利得(正負の支払)の総和がゼロとなる状態
- イ.戦略を決定するに当たって,相手側の各戦略(行動)について,相手の結果が最大利得となる場合同士を比較して,その中で相手の利得を最小化する行動を選択している状態
- ウ.戦略を決定するに当たって,自身の各戦略(行動)について,自身の結果が最小利得となる場合同士を比較して,その中で自身の利得を最大化する行動を選択している状態
- エ.非協力ゲームのモデルであり,相手の行動に対して最適な行動をとる行動原理の中で,どのプレイヤーも自分だけが戦略を変更しても利得を増やせない戦略の組合せ状態
正解:エ.非協力ゲームのモデルであり,相手の行動に対して最適な行動をとる行動原理の中で,どのプレイヤーも自分だけが戦略を変更しても利得を増やせない戦略の組合せ状態
解説:ナッシュ均衡は,非協力ゲームにおいて,各プレイヤーが相手の戦略を所与としたときに自分の最善を選んでおり,その結果としてどのプレイヤーも自分だけが戦略を変えても利得を増やせない状態を指す。相手も同時に最善を尽くしているため誰にも動く動機がなく,均衡として安定する。したがって答はエ。よく知られる例が囚人のジレンマで,双方が黙秘したほうが得なのに,相手の出方を所与とすると自白が最善になるため,双方自白がナッシュ均衡になる。全体として最良でない結果に落ち着くことがあるという点が,この概念の含意である。アはゼロサムゲームの説明で,利得の総和が常に0になるゲームの性質を述べたものであり,均衡の概念とは別である。ウはマキシミン戦略の説明で,各戦略について最悪の結果を想定し,その中で最も良いものを選ぶという慎重な考え方である。イはその裏返しにあたるミニマックスの考え方を,相手の利得の側から述べたものである。マキシミンやミニマックスは1人の意思決定の基準であり,複数のプレイヤーの戦略の組合せが安定するかを問うナッシュ均衡とは着眼点が違う。
出典:情報処理推進機構「令和6年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問73
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問453.分析対象としている問題に数多くの要因が関係し,それらが相互に絡み合っているとき,原因と結果,目的と手段といった関係を追求していくことによって,因果関係を明らかにし,解決の糸口をつかむための図はどれか。
- ア.アローダイアグラム
- イ.パレート図
- ウ.マトリックス図
- エ.連関図
正解:エ.連関図
解説:連関図は,多くの要因が複雑に絡み合っている問題について,「原因と結果」「目的と手段」の関係を矢印でつなぎながら全体を描き出し,どの要因が中心にあるのかを見えるようにする図である。新 QC 七つ道具の一つで,矢印の集まり方から根本原因や重要な要因を見つけ出し,解決の糸口をつかむのに使うので,答はエ。特性要因図(魚の骨)が要因を大分類から枝分かれさせる木構造で表すのに対し,連関図は要因同士が互いに影響し合う関係も表せる点が違いである。アのアローダイアグラムは,作業の前後関係と所要日数を矢印で結んで日程を計画する図で,クリティカルパスを求めるのに使う。イのパレート図は,項目を件数の多い順に棒で並べ,累積比率を折れ線で重ねた図で,どの項目に手を打てば効果が大きいかを判断する(重点指向)ために使う。ウのマトリックス図は,2つの要素を行と列に配置し,交点に関係の有無や強さを記して対応関係を整理する図である。いずれも問題解決に使う図だが,「絡み合った因果関係を描く」のは連関図である。
出典:情報処理推進機構「令和6年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問74
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問454.製品 X,Y を1台製造するのに必要な部品数は,表のとおりである。製品1台当たりの利益が X,Y ともに1万円のとき,利益は最大何万円になるか。ここで,部品 A は120個,部品 B は60個まで使えるものとする。 〔表〕単位 個(部品/製品 X/製品 Y) A/3/2 B/1/2
- ア.30
- イ.40
- ウ.45
- エ.60
正解:ウ.45
解説:製品 X を x 台,製品 Y を y 台作るとすると,部品 A の制約は 3x+2y≦120,部品 B の制約は x+2y≦60 で,最大にしたいのは利益 x+y(万円)である。線形計画法の考え方どおり,実行可能な領域の頂点を調べればよい。X だけを作る場合は部品 A の制約から x≦40 で利益は40万円,Y だけを作る場合は部品 B の制約から y≦30 で利益は30万円である。両方の制約が同時に等号になる点は,3x+2y=120 と x+2y=60 を引き算して 2x=60,すなわち x=30,y=15 で,このとき利益は 30+15=45万円になる。したがって最大は45万円で答はウ。検算すると部品 A は 3×30+2×15=120個,部品 B は 30+2×15=60個で,どちらもちょうど上限まで使い切っている。イの40は X だけを40台作った場合,アの30は Y だけを30台作った場合の利益で,どちらか一方に絞ると部品が余ってしまう。エの60は,どちらか一方の制約だけを見て台数を求めた場合に出る値で,たとえば部品 B だけを考えれば x=60 台まで作れるが,部品 A が 3×60=180個必要になり120個の上限を超えてしまう。
出典:情報処理推進機構「令和6年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問75
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問455.今年度の A 社の販売実績と費用(固定費,変動費)を表に示す。来年度,固定費が5%増加し,販売単価が5%低下すると予測されるとき,今年度と同じ営業利益を確保するためには,最低何台を販売する必要があるか。 〔表〕 販売台数 2,500台 販売単価 200千円 固定費 150,000千円 変動費 100千円/台
- ア.2,575
- イ.2,750
- ウ.2,778
- エ.2,862
正解:エ.2,862
解説:まず今年度の営業利益を求める。売上は 2,500×200=500,000千円,変動費は 2,500×100=250,000千円,固定費は150,000千円なので,営業利益は 500,000-250,000-150,000=100,000千円である。来年度は販売単価が5%低下して 200×0.95=190千円,固定費が5%増加して 150,000×1.05=157,500千円になり,変動費は1台当たり100千円のままである。必要な販売台数を n とすると,190n-100n-157,500=100,000 となり,90n=257,500 から n=2,861.1… が得られる。台数は整数なので最低2,862台であり,答はエ。1台当たりの限界利益が 200-100=100千円から 190-100=90千円へ1割下がったうえに,回収すべき固定費が7,500千円増えたため,必要台数が約14%増えるという構造になっている。アの2,575は 257,500÷100 に一致し,単価の低下を反映せず限界利益を100千円のままにした場合の値である。ウの2,778は 250,000÷90=2,777.7… に一致し,固定費の増加を反映しなかった場合の値になる。イの2,750は,どちらの見落としからも導けない値である。
出典:情報処理推進機構「令和6年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問76
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問456.損益計算資料から求められる損益分岐点売上高は,何百万円か。 〔損益計算資料〕単位 百万円 売上高 500 材料費(変動費) 200 外注費(変動費) 100 製造固定費 100 総利益 100 販売固定費 80 利益 20
- ア.225
- イ.300
- ウ.450
- エ.480
正解:ウ.450
解説:損益分岐点売上高は「固定費÷限界利益率」で求める。変動費は材料費200と外注費100を合わせて300百万円,固定費は製造固定費100と販売固定費80を合わせて180百万円である。限界利益は 売上高500-変動費300=200百万円で,限界利益率は 200÷500=0.4 になる。したがって損益分岐点売上高は 180÷0.4=450百万円で,答はウ。検算すると,売上高450のときの変動費は 450×0.6=270,限界利益は180で固定費180とちょうど釣り合い,利益0になる。実際の売上高500との差50百万円が余裕(安全余裕)で,安全余裕率は 50÷500=10%である。アの225は 180÷0.8 に一致し,変動費を外注費100だけとみなして限界利益率を 400÷500=0.8 と取った場合の値である。イの300は 180÷0.6 に一致し,変動費率0.6と限界利益率0.4を取り違えた場合の値になる(変動費の合計300と同じ数値だが偶然である)。エの480は 500-20 に一致し,売上高から利益を引いてしまった場合の値である。表の「製造固定費」と「販売固定費」が離れた行にあるため,固定費を合算し損なわないことが要点になる。
出典:情報処理推進機構「令和6年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問77
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問457.特許法による保護の対象となるものはどれか。
- ア.自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度なもの
- イ.思想又は感情を創作的に表現したもの
- ウ.物品の形状,模様,色彩など,視覚を通じて美感を起こさせるもの
- エ.文字,図形,記号などの標章で,商品や役務について使用するもの
正解:ア.自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度なもの
解説:特許法は第2条第1項で「発明」を「自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のもの」と定義しており,これが保護の対象である。したがって答はア。「自然法則を利用した」という要件があるため,計算の手順そのものや人為的な取決め(ゲームのルールなど)は該当せず,「高度のもの」という要件によって実用新案法の対象となる考案(技術的思想の創作だが高度である必要がない)と区別される。イは著作権法の保護対象で,同法第2条は著作物を「思想又は感情を創作的に表現したものであって,文芸,学術,美術又は音楽の範囲に属するもの」と定義している。表現を守る法律なので,同じ着想を別の表現で書いたものは別の著作物になる。ウは意匠法の保護対象で,物品や建築物,画像の形状・模様・色彩などが視覚を通じて美感を起こさせるデザインを守る。エは商標法の保護対象で,文字・図形・記号などの標章を商品や役務について使うことによって出所を示す目印を守る。4つの法律は「技術(特許)」「表現(著作権)」「デザイン(意匠)」「目印(商標)」を守ると整理すると取り違えにくい。
出典:情報処理推進機構「令和6年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問78
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問458.不正競争防止法の不正競争行為に該当するものはどれか。
- ア.A 社と競争関係になっていない B 社が,偶然に,A 社の社名に類似のドメイン名を取得した。
- イ.ある地方だけで有名な和菓子に類似した商品名の飲料を,その和菓子が有名ではない地方で販売し,利益を取得した。
- ウ.商標権のない商品名を用いたドメイン名を取得し,当該商品のコピー商品を販売し,利益を取得した。
- エ.他社サービスと類似しているが,自社サービスに適しており,正当な利益を得る目的があると認められるドメインを取得し,それを利用した。
正解:ウ.商標権のない商品名を用いたドメイン名を取得し,当該商品のコピー商品を販売し,利益を取得した。
解説:不正競争防止法は,周知または著名な商品等表示と混同を生じさせる行為,商品の形態を模倣する行為,不正の利益を得る目的でのドメイン名の取得・使用などを不正競争行為として禁じている。ウは,他人の商品名をドメイン名に用いたうえでその商品のコピー商品を販売しており,商標権の登録がなくても,需要者に混同を生じさせて不正の利益を得ているので不正競争行為に該当する。したがって答はウ。商標権がないから自由というわけではない点が要点である。アは,競争関係になく偶然に類似のドメイン名を取得したという事情なので,「不正の利益を得る目的」または「他人に損害を加える目的」という要件を満たさず該当しない。イは,その和菓子が有名ではない地方での販売であり,商品等表示に求められる周知性がその地域に及んでいないため混同のおそれがなく,該当しない。逆にいえば,全国的に著名な表示であれば地域を問わず保護される。エは,類似はしているが正当な利益を得る目的があると認められるので,やはり不正の目的の要件を欠く。判断の鍵は「周知性・著名性があるか」と「不正の目的があるか」の2点である。
出典:情報処理推進機構「令和6年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問79
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問459.個人情報のうち,個人情報保護法における要配慮個人情報に該当するものはどれか。
- ア.個人情報の取得時に,本人が取扱いの配慮を申告することによって設定される情報
- イ.個人に割り当てられた,運転免許証,クレジットカードなどの番号
- ウ.生存する個人に関する,個人を特定するために用いられる勤務先や住所などの情報
- エ.本人の病歴,犯罪の経歴など不当な差別や不利益を生じさせるおそれのある情報
正解:エ.本人の病歴,犯罪の経歴など不当な差別や不利益を生じさせるおそれのある情報
解説:個人情報保護法は,本人に対する不当な差別や偏見,その他の不利益が生じないように取扱いにとくに配慮を要する情報を「要配慮個人情報」と定めている。具体的には,人種,信条,社会的身分,病歴,犯罪の経歴,犯罪により害を被った事実,身体・知的・精神の障害,健康診断等の結果,医師等による指導・診療・調剤の内容,被疑者・被告人として刑事手続を受けたこと,少年の保護事件の手続を受けたことが列挙されている。したがって答はエ。要配慮個人情報は,取得に際して原則として本人の同意が必要で,第三者提供におけるオプトアウト(本人の求めがあれば停止する方式)が認められないという厳しい扱いになっている。アは,本人が申告すれば要配慮個人情報になるという内容だが,法が列挙した項目で定まるものであり,本人の申告で設定されるものではない。イは運転免許証やクレジットカードの番号で,これらは個人識別符号(または個人情報)に当たるが,要配慮個人情報ではない。ウは勤務先や住所など個人を特定するための情報で,これは個人情報そのものの定義に関する記述である。「差別や不利益につながり得るか」が要配慮個人情報を見分ける基準になる。
出典:情報処理推進機構「令和6年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問80
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問460.レスポンシブ Web デザインを実現するに当たって,単一の HTML 文書を用いて,Web コンテンツを各種端末のディスプレイの大きさに合わせた形式で表示するために使用する機能はどれか。
- ア.User-Agent
- イ.WebSocket
- ウ.マッシュアップ
- エ.メディアクエリ
正解:エ.メディアクエリ
解説:メディアクエリは CSS の機能で,画面の幅・高さ・向き・解像度などの条件に応じて適用するスタイルを切り替えられる。@media (max-width: 600px) のように書けば,狭い画面のときだけ別のレイアウトを当てられるので,1つの HTML 文書のまま端末ごとに見せ方を変えるレスポンシブ Web デザインが実現できる。したがって答はエ。アの User-Agent は,ブラウザが自分の種類や版を伝える HTTP ヘッダーで,これを見てサーバ側が端末別のページを返す方式もあるが,それは HTML 自体を作り分けるやり方であり「単一の HTML 文書を用いて」という条件から外れる。加えて,未知の端末に対応できないという弱点もある。イの WebSocket は,サーバとブラウザの間に双方向の通信路を保つ仕組みで,チャットや通知のように随時データを送りたい場合に使う。ウのマッシュアップは,複数のサービスが公開する API やデータを組み合わせて新しいサービスを作る手法で,画面の大きさへの対応とは関係がない。あわせて viewport の指定やフレキシブルなグリッド,可変サイズの画像を組み合わせるのが定石である。
出典:情報処理推進機構「令和6年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問50
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問461.経済産業省が取りまとめた“デジタル経営改革のための評価指標(DX 推進指標)”によれば,DX を実現する上で基盤となる IT システムの構築に関する指標において,“IT システムに求められる要素”について経営者が確認すべき事項はどれか。
- ア.IT システムの全体設計や協働できるベンダーの選定などを行える人材を育成・確保できているか。
- イ.環境変化に迅速に対応し,求められるデリバリースピードに対応できる IT システムとなっているか。
- ウ.データ処理において,リアルタイム性よりも,ビッグデータの蓄積と事後の分析が重視されているか。
- エ.データを迅速に活用するために,全体最適よりも,個別最適を志向した IT システムとなっているか。
正解:イ.環境変化に迅速に対応し,求められるデリバリースピードに対応できる IT システムとなっているか。
解説:DX 推進指標では,DX の基盤となる IT システムに求められる要素として「データをリアルタイムなどで使いたい形で使えるか(データ活用)」「環境変化に迅速に対応でき,求められるデリバリースピードに対応できるか(スピード・アジリティ)」「全社最適の視点で無駄なくつながっているか(全社最適)」の3点を挙げている。イはこのうちのスピード・アジリティに当たるので,答はイ。ウは逆で,リアルタイム性が軽んじられてよいわけではなく,必要なときに必要な形でデータを使えることが求められている。エも逆で,部門ごとに個別最適で作られたシステムが乱立すると連携できずデータも分断されるため,全社最適の視点が求められる。日本企業に多いこうした状態を経済産業省は「レガシーシステムの残存」として問題視し,放置した場合の損失を「2025年の崖」と表現した。アは人材の育成・確保に関する事項で,DX 推進指標の中では別の柱(体制・仕組み,とくに人材)に属する。「ITシステムに求められる要素」は,あくまでシステム自体の性質を問う指標である。
出典:情報処理推進機構「令和6年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問61
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問462.官民データ活用推進基本法などに基づいて進められているオープンデータバイデザインに関して,行政機関における取組についての記述として,適切なものはどれか。
- ア.行政機関が保有する個人情報を産業振興などの目的でオープン化する場合は,データ公開に先立ち,個人情報保護委員会への届出が義務化されている。
- イ.行政機関において収集・蓄積された既存のデータが公開される場合,営利目的の利用は許されておらず,非営利の用途に限って利用が認められている。
- ウ.行政機関における情報システムの設計において,情報セキュリティを確保する観点から,公開するデータの用途を行政機関同士の相互利用に限定している。
- エ.対象となる行政データを,二次利用や機械判読に適した形態で無償公開することを前提に,情報システムや業務プロセスの企画,整備及び運用を行っている。
正解:エ.対象となる行政データを,二次利用や機械判読に適した形態で無償公開することを前提に,情報システムや業務プロセスの企画,整備及び運用を行っている。
解説:オープンデータバイデザインは,「後から公開できるようにする」のではなく,最初から公開することを前提に情報システムや業務プロセスを企画・整備・運用するという考え方である。公開の要件は,営利・非営利を問わず誰でも二次利用できること,機械判読に適した形式(CSV や JSON など)であること,無償で利用できることの3点で,設問のエがこれに合うので答はエ。あとから公開用に加工する手戻りをなくし,データの質を保つことがねらいである。アは,オープンデータの対象は個人情報や機密情報を除いたデータであり,個人情報をオープン化するという前提自体が成り立たない。イは,オープンデータの定義に「営利目的も含めて二次利用できる」ことが含まれているので誤りである。企業がデータを使って新しいサービスを生むことこそ期待されている。ウは,用途を行政機関同士の相互利用に限定するのは「公開」ではなく行政内部の情報連携であり,オープンデータの趣旨から外れる。政府の取組としては,データカタログサイト(e-Gov データポータル)で横断的に探せるようにする整備も進められている。
出典:情報処理推進機構「令和6年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問62
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問463.業務改善の4原則としての Eliminate,Combine,Rearrange,Simplify は,業務改善を実現する上での視点を示すものである。次の業務改善例のうち,Rearrange を適用したものはどれか。
- ア.経費精算申請業務において,決裁に不要な人を申請フローから外し,決裁までに要する時間を短縮した。
- イ.商品配送ルートを可視化した結果,移動距離の無駄が発見された。そこで,配送順を入れ替えることで,一日に配送できる件数を向上させた。
- ウ.表計算ソフト上で各項目を手入力していたが,一つの項目を入力すれば他の関連項目が自動計算できるように関数を設定し,作業効率を向上させた。
- エ.複数部門が集まる会議の議事録を,各部門のスタッフが,それぞれ独自に作成していた。各部門での作成をやめ,代表者1名が作成し,部門間で共有した。
正解:イ.商品配送ルートを可視化した結果,移動距離の無駄が発見された。そこで,配送順を入れ替えることで,一日に配送できる件数を向上させた。
解説:業務改善の4原則は ECRS と呼ばれ,Eliminate(なくす),Combine(まとめる),Rearrange(順序や場所を入れ替える),Simplify(簡単にする)の頭文字を並べたものである。この順に検討すると効果が大きいとされる。Rearrange は作業の順序や実施する場所・担当を組み替えて無駄を減らす視点なので,配送順を入れ替えて移動距離の無駄を削り,一日の配送件数を増やしたイが該当する。したがって答はイ。アは決裁に不要な人を申請フローから外しており,工程そのものをなくしているので Eliminate に当たる。ウは手入力していた項目を関数で自動計算させ,作業を単純にしているので Simplify に当たる。エは各部門が別々に作っていた議事録を代表者1名の作成にまとめているので Combine に当たる。4つの視点は「なくせないか→まとめられないか→入れ替えられないか→簡単にできないか」の順で当てはめると考えやすく,まずなくすことを検討するのが効果が大きいという点が ECRS の並び順の意味である。
出典:情報処理推進機構「令和6年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問63
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問464.BPR によって業務を見直した場合,これまで従業員5人で年間計9,000時間掛かっていた業務が7,000時間で実現可能なことと,その7,000時間のうちの2,000時間分の業務は外部委託が可能なことが分かった。この結果を基に BPR を実施した次のシナリオ a から d のうち,当該部門において,年間当たりの金額面の効果が最も高いものはどれか。なお,いずれのシナリオも年初から実施することとし,条件に記載した時間や費用以外は考慮しないものとする。 〔条件〕 (1) 年間計9,000時間の内訳は従業員1人当たり1,800時間とする。 (2) 従業員1人当たりの年間の人件費は600万円とする。 (3) 外部委託が可能な2,000時間分の業務を,外部委託した場合の年間費用は700万円とする。外部委託の契約は1年単位で年間費用の700万円は固定である。 (4) 従業員の空いた時間は別の付加価値業務が行えるようになり,従業員1人につき100時間当たり20万円の利益を得ることができる。 (5) 従業員4人で当該業務を行う場合は,残り1人は他部門に異動する。当該部門では,1人分の人件費の削減効果だけを考慮する。 (6) BPR 実施後,当該業務に関わらない従業員の人件費は金額面の効果とみなす。 〔シナリオ〕シナリオ/当該業務を行う従業員数/外部委託 a/4人/する b/4人/しない c/5人/する d/5人/しない
- ア.シナリオ a
- イ.シナリオ b
- ウ.シナリオ c
- エ.シナリオ d
正解:イ.シナリオ b
解説:効果は「人件費の削減+空いた時間で得る利益-外部委託費用」で求める。従業員1人の年間稼働は1,800時間である。シナリオ a は4人(稼働7,200時間)で,外部委託によって自社が担う業務は 7,000-2,000=5,000時間になるので空き時間は2,200時間,利益は 2,200÷100×20=440万円。1人異動で人件費600万円が減り,委託費700万円が出るので 600+440-700=340万円である。シナリオ b は4人で外部委託せず7,000時間を担うので空きは 7,200-7,000=200時間,利益は40万円。人件費削減600万円を加えて640万円となる。シナリオ c は5人(稼働9,000時間)で外部委託するので空きは 9,000-5,000=4,000時間,利益は800万円だが,人件費の削減が無く委託費700万円が出るので100万円にとどまる。シナリオ d は5人で外部委託せず空きは 9,000-7,000=2,000時間で利益400万円,これが全額となる。したがって最も高いのは640万円のシナリオ b であり,答はイ。委託費700万円に対して,委託で増える空き時間から得られる利益は 2,000÷100×20=400万円にすぎないため,外部委託するとかえって300万円損をするという構造になっている。
出典:情報処理推進機構「令和6年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問64
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問465.システムの要件を検討する際に用いる UX デザインの説明として,適切なものはどれか。
- ア.システム設計時に,システム稼働後の個人情報保護などのセキュリティ対策を組み込む設計思想のこと
- イ.システムの個々のアプリケーションを利用者が享受するサービスとして捉え,その組合せでシステムを構築する設計思想のこと
- ウ.システムを利用する際にシステムの機能が利用者にもたらす有効性,操作性などに加え,快適さ,安心感,楽しさなどの体験価値を重視する設計思想のこと
- エ.接続仕様や仕組みが公開されている他社のアプリケーションを活用してシステムを構築することによって,システム開発の生産性を高める設計思想のこと
正解:ウ.システムを利用する際にシステムの機能が利用者にもたらす有効性,操作性などに加え,快適さ,安心感,楽しさなどの体験価値を重視する設計思想のこと
解説:UX(User Experience=利用者体験)デザインは,機能が使えるかどうか,操作しやすいかどうかという範囲を超えて,利用者が触れる前後を含めた一連の体験の質を設計しようとする考え方である。快適さ,安心感,楽しさ,満足感といった主観的な価値まで対象に含める点が特徴で,答はウ。使いやすさに焦点を当てるユーザビリティ(UI の使い勝手)を包み込む,より広い概念として位置づけられる。アはプライバシーバイデザイン(あるいはセキュリティバイデザイン)の説明で,設計の段階から保護の仕組みを組み込む考え方である。イはサービス指向アーキテクチャ(SOA)の説明で,機能をサービスの単位に切り出し,その組合せでシステムを構成する設計思想である。エは他社が公開している API を活用して開発の生産性を高める考え方で,マッシュアップや API エコノミーと呼ばれる。要件を検討する段階で UX デザインを用いる意義は,「何ができるか」ではなく「利用者がどう感じるか」から要件を導けることにある。
出典:情報処理推進機構「令和6年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問65
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問466.UML の図のうち,業務要件定義において,業務フローを記述する際に使用する,処理の分岐や並行処理,処理の同期などを表現できる図はどれか。
- ア.アクティビティ図
- イ.クラス図
- ウ.状態マシン図
- エ.ユースケース図
正解:ア.アクティビティ図
解説:アクティビティ図は,処理の流れを開始から終了まで順に描く図で,条件によって分かれる分岐(デシジョンノード),複数の流れを同時に進める並行処理(フォーク),それらを合流させる同期(ジョイン)を表現できる。担当者や組織ごとに区切るスイムレーンを併用すれば,誰がどの作業を行うのかまで示せるため,業務要件定義で業務フローを記述するのに適している。したがって答はア。イのクラス図は,クラスの属性・操作と,クラス間の関連・多重度・継承といった静的な構造を表す図で,流れは表せない。ウの状態マシン図は,一つの対象がとる状態と,事象によって状態がどう移り変わるかを表す図で,注文が「受付済→出荷済→完了」と変わる様子などを描く。同じ対象の状態遷移が主題であり,複数の担当者にまたがる作業の流れを描くものではない。エのユースケース図は,利用者(アクター)とシステムが提供する機能(ユースケース)の関係を表す図で,何ができるかの一覧を示すが,処理の順序や分岐は表現しない。
出典:情報処理推進機構「令和6年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問66
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問467.SCM の目的はどれか。
- ア.顧客情報や購買履歴,クレームなどを一元管理し,きめ細かな顧客対応を行うことによって,良好な顧客関係の構築を目的とする。
- イ.顧客情報や商談スケジュール,進捗状況などの商談状況を一元管理することによって,営業活動の効率向上を目的とする。
- ウ.生産,販売,在庫管理,財務会計,人事管理など基幹業務のあらゆる情報を統合管理することによって,経営効率の向上を目的とする。
- エ.複数の企業や組織にまたがる調達から販売までの業務プロセス全ての情報を統合的に管理することによって,コスト低減や納期短縮などを目的とする。
正解:エ.複数の企業や組織にまたがる調達から販売までの業務プロセス全ての情報を統合的に管理することによって,コスト低減や納期短縮などを目的とする。
解説:SCM(Supply Chain Management=供給連鎖管理)は,原材料の調達から生産,物流,販売に至るまでの流れを,自社だけでなく取引先や物流業者を含めた複数の企業・組織にまたがって一体として捉え,情報を共有して全体を最適化する取組みである。狙いは在庫の削減,コストの低減,納期の短縮であり,答はエ。個々の企業が自社だけを最適化すると,需要の情報が上流へ伝わるほど注文の振れが増幅されるブルウィップ効果が生じるため,鎖全体で情報を共有することに意味がある。アは CRM(顧客関係管理)の説明で,顧客との関係を長期に深めることを目的とする。イは SFA(Sales Force Automation=営業支援システム)の説明で,商談の進捗を可視化して営業活動の効率を上げるものである。ウは ERP(Enterprise Resource Planning=統合基幹業務システム)の説明で,こちらは自社内の基幹業務を統合管理する点が SCM と異なる。「企業の枠を越えるのが SCM,自社内をまとめるのが ERP」と対比して押さえるとよい。
出典:情報処理推進機構「令和6年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問67
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問468.アンゾフの成長マトリクスを説明したものはどれか。
- ア.外部環境と内部環境の観点から,強み,弱み,機会,脅威という四つの要因について情報を整理し,企業を取り巻く環境を分析する手法である。
- イ.企業のビジョンと戦略を実現するために,財務,顧客,内部ビジネスプロセス,学習と成長という四つの視点から事業活動を検討し,アクションプランまで具体化していくマネジメント手法である。
- ウ.事業戦略を,市場浸透,市場拡大,製品開発,多角化という四つのタイプに分類し,事業の方向性を検討する際に用いる手法である。
- エ.製品ライフサイクルを,導入期,成長期,成熟期,衰退期という四つの段階に分類し,企業にとって最適な戦略を立案する手法である。
正解:ウ.事業戦略を,市場浸透,市場拡大,製品開発,多角化という四つのタイプに分類し,事業の方向性を検討する際に用いる手法である。
解説:アンゾフの成長マトリクスは,縦軸に市場(既存・新規),横軸に製品(既存・新規)を取った4つのマスで成長の方向を整理する枠組みである。既存市場×既存製品が市場浸透,新規市場×既存製品が市場拡大(新市場開拓),既存市場×新規製品が製品開発,新規市場×新規製品が多角化に当たり,どの方向で成長を目指すかを検討するのに使う。したがって答はウ。右上(多角化)に進むほど未知の要素が増えて危険が高いという見立ても含まれている。アは SWOT 分析の説明で,内部の強み・弱みと外部の機会・脅威を並べて環境を整理する手法である。イは BSC(バランススコアカード)の説明で,財務・顧客・内部ビジネスプロセス・学習と成長の4つの視点から目標と指標を定め,実行計画まで落とし込む。エはプロダクトライフサイクル(PLC)の説明で,製品が置かれた段階に応じて価格・広告・流通の打ち手を変える考え方である。どれも4つに分ける枠組みなので,「何を4つに分けているのか」で見分けるのが確実である。
出典:情報処理推進機構「令和6年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問68
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問469.コ・クリエーション戦略の特徴はどれか。
- ア.企業の営業部門と製造部門が協働し,特定の商品・サービスに限定して,徹底的に自前主義にこだわることによって強みを発揮する。
- イ.顧客が自らのアイデアを商品の仕様に具体的に落とし込み,企業に製品を製造してもらう。
- ウ.顧客や企業ネットワークの力を活用し,商品・サービスだけでなく,顧客の経験までを含めて差別化可能な価値を創造する。
- エ.自社に不足する経営資源を M&A によって強化し,従来にない価値をより素早く創造する。
正解:ウ.顧客や企業ネットワークの力を活用し,商品・サービスだけでなく,顧客の経験までを含めて差別化可能な価値を創造する。
解説:コ・クリエーション(co-creation=共創)は,企業が一方的に価値を作って提供するのではなく,顧客や取引先,他企業など外部の主体と協働して価値を生み出す考え方である。対象は製品そのものにとどまらず,購入前後の体験まで含めて差別化できる価値を作ることに置かれるので,答はウ。顧客コミュニティからの意見を製品改良に取り込む,パートナー企業と共同で新しいサービスを設計するといった形で実践される。アは自前主義にこだわるという内容で,外部との協働を核とするコ・クリエーションとは正反対である。イは顧客が仕様まで決めて企業が作るという形で,これは受注生産やマスカスタマイゼーションに近く,価値を一緒に作り上げるという双方向のやり取りが欠けている。エは M&A による経営資源の獲得で,これは自社に取り込む方法であり,外部と協働したまま価値を生む共創とは異なる。企業の枠を越えて価値を共に作るという点が,コ・クリエーションの核心である。
出典:情報処理推進機構「令和6年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問69
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問470.企業における研究,開発,事業化,そして産業化へとステージが移行する過程の中で,事業化から産業化に移行するときの,競合製品との競争過程にある障壁を何と呼ぶか。
- ア.キャズム
- イ.死の谷
- ウ.ダーウィンの海
- エ.魔の川
正解:ウ.ダーウィンの海
解説:技術が世に出るまでの道筋には,段階ごとに越えにくい壁があるとされ,それぞれに名前が付いている。研究から開発へ移るときの壁が「魔の川」で,研究成果を製品開発のテーマに結び付けられるかが問われる。開発から事業化へ移るときの壁が「死の谷」で,資金や人材を確保して製品として世に出せるかが問われる。そして事業化から産業化へ移るときの壁が「ダーウィンの海」で,市場に出た後に競合製品との生存競争を勝ち抜いて事業として定着できるかが問われる。設問は事業化から産業化への移行を尋ねているので答はウ。名前の由来は,多数の競争者の中で適応したものだけが生き残るという進化論の考え方である。アのキャズムは,ジェフリー・ムーアが唱えた,新技術が初期採用者層から一般の利用者層へ普及する際に生じる需要の溝を指す言葉で,市場の普及過程に関する概念である。3つの壁は「魔の川→死の谷→ダーウィンの海」の順に並ぶと押さえておけば取り違えない。
出典:情報処理推進機構「令和6年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問70
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問471.生成 AI のビジネス活用において,独自のデータを学習させることにより基盤モデルを自社の業務やサービスに特化したモデルへとカスタマイズすることを何と呼ぶか。
- ア.アノテーション
- イ.クラスタリング
- ウ.ファインチューニング
- エ.プロンプトエンジニアリング
正解:ウ.ファインチューニング
解説:ファインチューニングは,大量の一般的なデータで事前学習された基盤モデルに,自社が持つ独自のデータを追加で学習させ,重みを調整して特定の業務や分野に適したモデルに作り変えることをいう。一から学習させるのに比べて必要なデータ量も計算資源もはるかに少なく済むのが利点で,答はウ。アのアノテーションは,学習に使うデータに正解のラベルや注釈を付ける作業のことで,教師あり学習の準備工程に当たる。ファインチューニングのためのデータ整備でも行われるが,作業そのものを指す言葉であってカスタマイズの手法ではない。イのクラスタリングは,データを似たもの同士のグループに分ける教師なし学習の手法である。エのプロンプトエンジニアリングは,モデル自体には手を加えず,与える指示文(プロンプト)の書き方を工夫して望む出力を引き出す技術である。モデルを変えないので手軽だが,扱える情報は指示文に入る範囲に限られる。関連して,外部の文書を検索して回答の材料にする RAG(検索拡張生成)もあり,こちらもモデルの重みは変えない。
出典:情報処理推進機構「令和6年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問71
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問472.製造業の A 社では,NC 工作機械を用いて,四つの仕事 a〜d を行っている。各仕事間の段取り時間は表のとおりである。合計の段取り時間が最小になるように仕事を行った場合の合計段取り時間は何時間か。ここで,仕事はどの順序で行ってもよく,a〜d を一度ずつ行うものとし,FROM から TO への段取り時間で算出する。 〔表〕単位 時間(FROM →TO 仕事a/仕事b/仕事c/仕事d) 仕事a →/2/1/2 仕事b →1//1/2 仕事c →3/2//2 仕事d →4/3/2/
- ア.4
- イ.5
- ウ.6
- エ.7
正解:ア.4
解説:4つの仕事を一度ずつ行うので,段取りは仕事の間の3回だけ発生する。全24通りの並べ方について3回分を足して最小を探す。b→a→c→d の順にすると,b→a が1時間,a→c が1時間,c→d が2時間で合計4時間になり,これが最小である。したがって答はア。ほかの並びを見ると,a→b→c→d は 2+1+2=5時間,c→b→a→d は 2+1+2=5時間,d→c→b→a は 2+2+1=5時間で,5時間止まりの並びは複数ある。表を見ると d を出発点とする段取り(d→a が4,d→b が3)が大きいので,d は最後に回すのが得だと分かる。また a→c が1,b→a が1,b→c が1と小さい値が固まっているので,b と a を早い位置に置き,そこから c を経て d に抜ける流れが有利になる。イの5時間は上に挙げたような二番目に良い並びの値,ウの6時間・エの7時間はさらに条件の悪い並びの値である。この種の問題は,最小の値をもつ辺から組み立て,値の大きい行(ここでは d の行)を出発点に使わないよう並べると素早く見当が付く。
出典:情報処理推進機構「令和6年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問72
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問473.構成表の製品 A を300個出荷しようとするとき,部品 b の正味所要量は何個か。ここで,A,a,b,c の在庫量は在庫表のとおりとする。また,他の仕掛残,注文残,引当残などはないものとする。 〔構成表〕単位 個(品名/構成部品 a/b/c) A/3/2/0 a//1/2 〔在庫表〕単位 個(品名/在庫量) A/100 a/100 b/300 c/400
- ア.200
- イ.600
- ウ.900
- エ.1,500
正解:イ.600
解説:上の階層から順に,総所要量から在庫を引いて正味所要量を求め,それを下の階層に展開していく。製品 A は300個必要だが在庫が100個あるので,新たに作るのは 300-100=200個である。部品 a は A 1個に3個使うので 200×3=600個必要で,在庫100個を引いて500個を作る。部品 b は,A に直接2個使うので 200×2=400個,さらに a 1個につき1個使うので 500×1=500個が必要になり,総所要量は 400+500=900個である。b の在庫は300個なので,正味所要量は 900-300=600個となり,答はイ。ウの900は在庫を引く前の総所要量に一致する値で,「正味」の計算を忘れた場合に当たる。エの1,500は,製品 A の在庫100個も部品 a の在庫100個も引かずに,A を300個そのまま展開した場合の値である(a が900個必要になり,b は 300×2+900×1=1,500個)。アの200は製品 A の正味所要量そのもので,部品 b の数量ではない。上位の在庫を引いてから下位に展開するという順序が要点で,これを守らないと必要量が大きく膨らむ。
出典:情報処理推進機構「令和6年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問73
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問474.企業経営において,経営理念,経営戦略,事業戦略は,経営理念を最上位とするピラミッドを形成している。経営理念,経営戦略,事業戦略の関係性で適切なものはどれか。
- ア.経営理念,経営戦略,事業戦略のピラミッドは上位ほど具体的な内容であるのに対して,下位にいくほど抽象的な内容となっている。
- イ.経営理念,経営戦略,事業戦略のピラミッドは上位ほど短期的な視点であるのに対して,下位にいくほど中長期的な視点となっている。
- ウ.経営理念を達成するために経営戦略を策定し,経営戦略という目標を達成するために事業戦略に分解する。
- エ.経営理念を達成するために事業戦略を策定し,事業戦略という目標を達成するために経営戦略に分解する。
正解:ウ.経営理念を達成するために経営戦略を策定し,経営戦略という目標を達成するために事業戦略に分解する。
解説:経営理念は,その企業が何のために存在し何を大切にするのかを示す最も上位の考え方である。それを実現するために全社としての方向を定めるのが経営戦略で,さらに経営戦略を達成するために事業ごとの具体的な打ち手へ分解したものが事業戦略になる。上位を実現する手段として下位を定めるという関係なので,答はウ。エはこの順序が逆で,全社の方針である経営戦略を,個々の事業戦略の下位に置いてしまっている。アは内容の抽象度が逆である。経営理念は「社会に貢献する」のように抽象的で,下位にいくほど「この製品をこの市場で何%のシェアにする」のように具体的になる。イは時間の視点が逆である。経営理念は企業が存続する限り変わらない長期の視点,経営戦略は数年単位の中期,事業戦略は年度単位の短期と,下位にいくほど期間が短くなる。上位から下位へ「抽象→具体」「長期→短期」「目的→手段」と一貫して降りていくと整理でき,3つの誤りはいずれもこの方向を逆にしたものである。
出典:情報処理推進機構「令和6年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問74
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問475.A 社と B 社がそれぞれ2種類の戦略を採る場合の市場シェアが表のように予想されるとき,ナッシュ均衡,すなわち互いの戦略が相手の戦略に対して最適になっている組合せはどれか。ここで,表の各欄において,左側の数値が A 社のシェア,右側の数値が B 社のシェアとする。 〔表〕単位 %(A 社の戦略/B 社の戦略 b1/戦略 b2) 戦略 a1/40,20/50,30 戦略 a2/30,10/25,25
- ア.A 社が戦略 a1,B 社が戦略 b1 を採る組合せ
- イ.A 社が戦略 a1,B 社が戦略 b2 を採る組合せ
- ウ.A 社が戦略 a2,B 社が戦略 b1 を採る組合せ
- エ.A 社が戦略 a2,B 社が戦略 b2 を採る組合せ
正解:イ.A 社が戦略 a1,B 社が戦略 b2 を採る組合せ
解説:ナッシュ均衡は,相手の戦略を所与としたときに,どちらも自分の戦略を変える動機をもたない組合せである。まず A 社の立場で見ると,B 社が b1 なら A 社のシェアは a1 で40,a2 で30なので a1 が有利,B 社が b2 なら a1 で50,a2 で25なのでやはり a1 が有利である。つまり B 社が何を採っても A 社は a1 を選ぶ。次に B 社の立場で見ると,A 社が a1 なら B 社のシェアは b1 で20,b2 で30なので b2 が有利,A 社が a2 なら b1 で10,b2 で25なのでやはり b2 が有利である。つまり A 社が何を採っても B 社は b2 を選ぶ。よって双方の最適が重なるのは a1 と b2 の組合せで,答はイ。このように相手の出方によらず一方が常に有利な戦略を支配戦略といい,両社に支配戦略があるためこの均衡は1つに定まる。アは B 社が b1 のままだと b2 に変えてシェアを20から30に増やせるので均衡ではない。ウとエは A 社が a2 のままだと a1 に変えてシェアを増やせる(ウでは30→40,エでは25→50)ので,やはり均衡ではない。
出典:情報処理推進機構「令和6年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問75
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問476.ベイズ統計の説明として,適切なものはどれか。
- ア.経済統計に関する国際条約に基づいて,貿易実態を正確に把握し,国の経済政策や企業の経済活動の資料とすることを目的とした指標を作成する統計手法
- イ.事前分布・事後分布といった確率に関する考え方に基づいて体系化されたものであり,機械学習,迷惑メールフィルターなどに利用されている統計理論
- ウ.収集されたデータの代表値である平均値・中央値・最頻値を求めたり,度数分布表やヒストグラムを作成したりすることによって,データの特徴を捉える統計理論
- エ.ビッグデータの収集・分析に当たり,分析結果の検証可能性を確保し,複数の分析結果を比較可能とするために,対象をオープンデータに限定する統計手法
正解:イ.事前分布・事後分布といった確率に関する考え方に基づいて体系化されたものであり,機械学習,迷惑メールフィルターなどに利用されている統計理論
解説:ベイズ統計は,まだ観測していない段階での確からしさを事前分布として置き,データを得るたびにベイズの定理で更新して事後分布を求めるという考え方に基づく統計理論である。データが少なくても既知の知識を前提として織り込める点,新しいデータで逐次的に更新できる点が特徴で,機械学習の分類器や迷惑メールフィルター(ベイジアンフィルター),医療診断の確率評価などに広く使われている。したがって答はイ。ウは,収集済みのデータの特徴を代表値や度数分布,ヒストグラムでまとめる記述統計の説明である。ベイズ統計はデータの背後にある確率を推し量る推測統計の一分野なので区別される。アは貿易統計のような特定分野の統計指標の作成についての説明で,統計理論の名称ではない。エは分析対象をオープンデータに限定するという内容で,そのような統計手法は存在しない。なお推測統計にはベイズ統計と,母数を定数と見て標本から推定する頻度論の立場があり,「確率を確信の度合いとして扱う」のがベイズ統計の立場だと押さえると違いが分かりやすい。
出典:情報処理推進機構「令和6年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問76
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問477.A 社と B 社の比較表から分かる,A 社の特徴はどれか。 〔表〕単位 億円(項目/A 社/B 社) 売上高/1,000/1,000 変動費/500/800 固定費/400/100 営業利益/100/100
- ア.売上高の増加が大きな利益に結び付きやすい。
- イ.限界利益率が低い。
- ウ.損益分岐点が低い。
- エ.不況時にも,売上高の減少が大きな損失に結び付かず不況抵抗力は強い。
正解:ア.売上高の増加が大きな利益に結び付きやすい。
解説:両社は売上高も営業利益も同じだが,費用の構成が対照的である。A 社は限界利益が 1,000-500=500億円で限界利益率50%,固定費は400億円なので損益分岐点売上高は 400÷0.5=800億円である。B 社は限界利益が 1,000-800=200億円で限界利益率20%,固定費は100億円なので損益分岐点売上高は 100÷0.2=500億円になる。限界利益率が高い A 社は,売上が増えたときに増える分の半分が利益に乗るので,売上高の増加が大きな利益に結び付きやすい。したがって答はア。イは,A 社の限界利益率50%は B 社の20%より高いので誤りである。ウは,A 社の損益分岐点800億円は B 社の500億円より高いので誤りである。エも誤りで,固定費が大きく限界利益率が高い A 社は,売上が減ったときの利益の落ち込みも大きい。売上が2割減の800億円になると A 社は利益0(損益分岐点)だが,B 社は 800×0.2-100=60億円の利益が残る。固定費型の A 社は好況時に強く不況時に弱く,変動費型の B 社はその逆という構造で,これを表すのが経営レバレッジである。
出典:情報処理推進機構「令和6年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問77
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問478.著作権法で保護されるものはどれか。
- ア.アルゴリズム
- イ.コンパイラのプログラム
- ウ.プログラム言語
- エ.プロトコル
正解:イ.コンパイラのプログラム
解説:著作権法はプログラムを著作物として保護するが,第10条第3項で「プログラム言語」「規約」「解法」は保護の対象から除くと定めている。プログラム言語は文字や記号とその体系,規約はプロトコルなど約束事,解法はアルゴリズムを指す。これらは表現ではなくアイディアや道具そのものであり,独占されると誰もプログラムを書けなくなってしまうためである。したがってアのアルゴリズム(解法),ウのプログラム言語,エのプロトコル(規約)はいずれも保護されず,具体的に書かれた表現であるイのコンパイラのプログラムが保護される。答はイ。押さえておきたいのは,著作権法が守るのは「どう書いたか」という表現であって「何をどういう手順で実現するか」という着想ではないという点である。アルゴリズムそのものを独占的に使いたい場合は,要件を満たせば特許(ソフトウェア特許)で保護を求めることになる。なお,プログラムの著作物では,同じアルゴリズムを別の書き方で実装したものは別の著作物として扱われ,複製にも当たらない。
出典:情報処理推進機構「令和6年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問78
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問479.大規模なシステム開発を受注した A 社では,不足する開発要員を派遣事業者である B 社からの労働者派遣によって補うことにした。A 社の行為のうち,労働者派遣法に照らして適切なものはどれか。
- ア.システム開発が長期間となることが予想されるので,開発要員の派遣期間を3年とする契約を結ぶ。
- イ.派遣候補者の履歴書及び業務経歴書の提出を B 社に求め,書類選考を行い,面接対象者を絞り込む。
- ウ.派遣された要員が大きな作業負担を負うことが見込まれるので,B 社に20代男性の派遣を求める。
- エ.派遣労働者が A 社の指揮命令に対して申し立てた苦情に自社で対応せず,その処理を B 社に任せる。
正解:ア.システム開発が長期間となることが予想されるので,開発要員の派遣期間を3年とする契約を結ぶ。
解説:労働者派遣法では,同一の事業所で派遣労働者を受け入れられる期間,および同一の派遣労働者を同一の組織単位で受け入れられる期間の上限がいずれも3年と定められている。したがって派遣期間を3年とする契約自体は上限の範囲内であり,適切である。答はア。イは,派遣先が派遣労働者を特定する目的で履歴書の提出を求めたり書類選考や面接を行ったりすることは,特定を目的とする行為として禁じられている(労働者派遣法第26条第6項)。誰を派遣するかを決めるのは派遣元の権限であり,派遣先が選別すると実質的な採用選考になってしまうためである。ウも同じ規定に反するうえ,年齢や性別を条件にすることは雇用における差別に当たり,男女雇用機会均等法や雇用対策法の趣旨にも反する。エは,派遣先も派遣労働者からの苦情を適切かつ迅速に処理する義務を負っており,自社への指揮命令に関する苦情を派遣元に丸投げすることは認められない。派遣先責任者を選任し,苦情の内容と処理状況を派遣先管理台帳に記録することも求められている。
出典:情報処理推進機構「令和6年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問79
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問480.デジタル社会形成基本法において掲げられている10項目の基本理念に含まれているものはどれか。
- ア.インターネット上での権利侵害があった場合のサービスプロバイダなどが負う責任範囲を制限し,同時に被害者が発信者情報の開示を請求できる権利を定めること
- イ.広告宣伝を目的とする電子メールの適正化のための措置を定め,電子メールの利用環境の整備を図ることにより,高度情報通信社会の健全な発展に寄与すること
- ウ.全ての国民が情報通信技術の恵みを享受できる社会の実現を目指し,情報通信技術を用いた情報の活用により信頼性のある情報の自由かつ安全な流通の確保を図ること
- エ.通信販売などの取引を公正にし,購入者等が受ける損害の防止を図り,購入者等の利益を保護することにより,国民経済の健全な発展に寄与すること
正解:ウ.全ての国民が情報通信技術の恵みを享受できる社会の実現を目指し,情報通信技術を用いた情報の活用により信頼性のある情報の自由かつ安全な流通の確保を図ること
解説:デジタル社会形成基本法(2021年施行)は,デジタル社会の形成に関する基本理念と施策の基本方針を定めた法律である。基本理念には,すべての国民が情報通信技術の恵みを享受できる社会の実現,情報の円滑な流通の確保と個人・法人の権利利益の保護,デジタル格差の是正,人材の育成,公正な競争の促進,国民の利便性の向上などが並び,ウはこのうち「全ての国民が恵みを享受できる社会」と「信頼性のある情報の自由かつ安全な流通の確保」に当たるので答はウ。この法律は高度情報通信ネットワーク社会形成基本法(IT 基本法)を廃止して置き換えたもので,デジタル庁の設置根拠とも結び付いている。アはプロバイダ責任制限法(2024年に情報流通プラットフォーム対処法へ改正)の目的で,権利侵害があった場合の責任の範囲と発信者情報開示請求を定めている。イは特定電子メール法(迷惑メール防止法)の目的である。エは特定商取引法の目的で,通信販売や訪問販売などの取引の公正を図るものである。いずれも情報社会に関わる法律だが,基本理念を掲げた基本法はデジタル社会形成基本法である。
出典:情報処理推進機構「令和6年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問80
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問481.スクラムにおいて繰り返し実行するイベントのうち,ステークホルダに作業の結果をプレゼンテーションして,プロダクトゴールに対する進捗について話し合い,必要に応じてスコープを調整するイベントはどれか。
- ア.スプリントプランニング
- イ.スプリントレビュー
- ウ.デイリースクラム
- エ.レトロスペクティブ
正解:イ.スプリントレビュー
解説:スクラムでは,スプリントと呼ぶ短い期間を繰り返し,その中で四つのイベントを行う。スプリントレビューは,スプリントの終わりに開発チームが作り上げた成果(インクリメント)をステークホルダに示し,プロダクトゴールに対してどこまで進んだかを一緒に確認する場である。得られた意見をもとにプロダクトバックログを見直し,必要があれば以後の作業範囲を調整するので,設問の説明に当てはまり答はイ。アのスプリントプランニングは,スプリントの開始時に,そのスプリントで何を達成しどう進めるかを計画する会議である。ウのデイリースクラムは,開発チームが毎日短時間行い,スプリントゴールに向けた進み具合と当日の計画を共有する場で,参加するのは開発者である。エのレトロスペクティブ(スプリントレトロスペクティブ)は,スプリントの最後にチーム自身の進め方を振り返り,次のスプリントでの改善点を決める場である。レビューが「作ったもの」を対象にステークホルダと行うのに対し,レトロスペクティブは「作り方」を対象にチーム内で行う点が異なる。
出典:情報処理推進機構「令和7年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問50
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問482.DX 認定制度における認定基準に含まれている事項はどれか。
- ア.経営ビジョン及び DX 戦略を策定して対外発信を行うことに加えて,ビジネスモデルの革新などデジタル技術活用の成果目標も既に達成していること
- イ.経営ビジョン及びビジネスモデルの方向性を公表するとともに,策定したビジネスモデルを実現するための方策として,DX 戦略を公表していること
- ウ.申請対象が,中小企業基本法で定められた中小企業であること
- エ.デジタルガバナンス・コード3.0の全項目に対応していること
正解:イ.経営ビジョン及びビジネスモデルの方向性を公表するとともに,策定したビジネスモデルを実現するための方策として,DX 戦略を公表していること
解説:DX 認定制度は,情報処理の促進に関する法律に基づき,デジタル技術による変革に向けて準備が整っている事業者を国が認定する制度である。認定基準は,経営ビジョンやビジネスモデルの方向性を定めて公表していること,それを実現する方策として DX 戦略を定めて公表していること,戦略を推進する体制や指標を定めていること,といった「取組みの体制が整い,対外的に示されていること」を求めるもので,イがこれに当たる。したがって答はイ。アは,成果目標を既に達成していることまでは求められていない。DX 認定は成果を出した企業を表彰する制度ではなく,準備段階にある企業を後押しする制度だからである。ウは,申請できる事業者に規模の制限はなく,中小企業に限られてはいない。エは,認定基準がデジタルガバナンス・コードの考え方に沿って作られていることは確かだが,同コードの全項目への対応を求めるものではない。
出典:情報処理推進機構「令和7年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問61
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問483.A 社は,ソリューションプロバイダから,顧客に対するワントゥワンマーケティングを実現する統合的なソリューションの提案を受けた。この提案に該当するソリューションとして,適切なものはどれか。
- ア.CRM ソリューション
- イ.HRM ソリューション
- ウ.SCM ソリューション
- エ.財務管理ソリューション
正解:ア.CRM ソリューション
解説:ワントゥワンマーケティングは,顧客を一律に扱わず,一人ひとりの購買履歴や好みに合わせて個別に働きかける手法である。これを実現するには,顧客の属性・取引履歴・問合せ内容などをまとめて管理し,分析結果をもとに営業やサービスの活動につなげる仕組みが要る。その役割を担うのが CRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)ソリューションであり,答はア。CRM は顧客との関係を長期にわたって深めることで,離反を防ぎ生涯価値を高めることを狙う。イの HRM(Human Resource Management)ソリューションは,採用・配置・評価・育成など人材の管理を支援するもので,対象は従業員である。ウの SCM(Supply Chain Management)ソリューションは,調達から生産,物流,販売までの供給の流れ全体を最適化するもので,在庫の削減や納期の短縮を狙う。エの財務管理ソリューションは,会計処理や資金繰り,予算管理などを支援するものである。いずれも企業活動を支える仕組みだが,顧客一人ひとりへの働きかけを扱うのは CRM である。
出典:情報処理推進機構「令和7年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問62
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問484.クラウドサービスなどの提供を迅速に実現するためのプロビジョニングの説明はどれか。
- ア.企業の情報システムの企画,設計,開発,導入,保守などのサービスを,一貫して又は工程の幾つかを部分的に提供する。
- イ.業種や事業内容などで共通する複数の企業や組織が共同でデータセンターを運用して,それぞれがインターネットを通して各種サービスを利用する。
- ウ.自社でハードウェア,ネットワークなどの環境を用意し,業務パッケージなどを導入して利用する運用形態にする。
- エ.利用者の需要を予想し,ネットワーク設備やシステムリソースなどを計画的に調達して強化し,利用者の要求に応じたサービスを提供できるように備える。
正解:エ.利用者の需要を予想し,ネットワーク設備やシステムリソースなどを計画的に調達して強化し,利用者の要求に応じたサービスを提供できるように備える。
解説:プロビジョニングは,利用者からの要求にすぐ応えられるよう,あらかじめ需要を見込んでネットワーク設備やサーバ,ストレージなどの資源を用意し,割り当てられる状態にしておくことをいう。クラウドサービスでは,申込みから利用開始までの時間を短くすることが価値の源泉になるため,資源を先回りして確保し,要求に応じて自動で割り当てる仕組みが重要になる。したがって答はエ。アは,情報システムの企画から保守までを一貫して,あるいは部分的に請け負うシステムインテグレーションの説明である。イは,業種や事業内容が共通する複数の組織が共同で基盤を運用し,それぞれが利用するコミュニティクラウドの説明である。ウは,自社で機器や回線を用意して業務パッケージを導入するオンプレミスの説明で,クラウドサービスを利用する形態とは対になる考え方である。なお需要が読みにくい場合には,実際の利用量に合わせて資源を自動的に増減させるオートスケーリングを組み合わせるのが一般的である。
出典:情報処理推進機構「令和7年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問63
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問485.製品 X と製品 Y を販売している企業が,見積作成と提案書作成に掛かる業務時間を,それぞれ20%削減できるシステムの構築を検討している。Activity-Based Costing を用いて,次の条件が洗い出された。本システム構築による製品 X の見積作成と製品 X の提案書作成に関する月間総人件費削減効果は幾らか。 〔条件〕 ・製品 X の見積作成に掛かる月間業務時間は,50時間 ・製品 X の提案書作成に掛かる月間業務時間は,50時間 ・製品 Y の見積作成に掛かる月間業務時間は,100時間 ・製品 Y の提案書作成に掛かる月間業務時間は,400時間 ・製品 X と製品 Y の見積作成に掛かる月間総人件費は,60万円 ・製品 X と製品 Y の提案書作成に掛かる月間総人件費は,360万円 ・見積作成と提案書作成は,それぞれ人件費単価が異なる部門が担っている。 ・製品 X と製品 Y の見積作成に掛かる人件費単価は,同じである。 ・製品 X と製品 Y の提案書作成に掛かる人件費単価は,同じである。
- ア.4万円
- イ.8万円
- ウ.12万円
- エ.14万円
正解:ウ.12万円
解説:Activity-Based Costing(活動基準原価計算)は,費用を活動ごとに把握し,その活動をどれだけ使ったかに応じて製品に配賦する考え方である。ここでは見積作成と提案書作成が別々の活動であり,単価も別に求める必要がある。見積作成は製品 X が50時間,製品 Y が100時間で合計150時間,総人件費が60万円なので,単価は 60÷150=0.4万円/時間である。提案書作成は 50+400=450時間に対して360万円なので,単価は 360÷450=0.8万円/時間になる。製品 X の見積作成の人件費は 50×0.4=20万円,提案書作成は 50×0.8=40万円で,それぞれ20%削減できるので効果は 20×0.2=4万円と 40×0.2=8万円,合計12万円となる。答はウ。アの4万円は見積作成の分だけ,イの8万円は提案書作成の分だけを数えた値である。エの14万円は,二つの活動を分けずに全体の平均単価 (60+360)÷(150+450)=0.7万円/時間を用い,製品 X の合計100時間に掛けた70万円の20%として計算した値で,活動ごとに単価が違うという条件を無視した場合に出る。
出典:情報処理推進機構「令和7年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問64
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問486.システム管理基準(令和5年)によれば,企画プロセスにおけるビジネス分析の達成目標の一つとして,適切なものはどれか。
- ア.あるべきビジネスモデル及び業務プロセスによって生じる問題やメリットが明確にされている。
- イ.関連する情報システム及び情報システムの構成要素間のインタフェースが特定されている。
- ウ.重要な情報システムの遂行能力・性能・稼動率などの実績の測定量が明確にされている。
- エ.優先順位付けされた要望が業務要件として明確にされ,利用者及び関係者と合意されている。
正解:ア.あるべきビジネスモデル及び業務プロセスによって生じる問題やメリットが明確にされている。
解説:システム管理基準の企画プロセスは,情報システムに何を求めるのかを固めていく段階で,ビジネス分析はその入口に当たる。ここでは,現状の業務のどこに問題があるのかを調べ,あるべきビジネスモデルと業務プロセスを描き,その姿に移ることで何が解決し何が得られるのかを明らかにする。したがって「あるべきビジネスモデル及び業務プロセスによって生じる問題やメリットが明確にされている」というアが達成目標に当たる。エは,出てきた要望に優先順位を付けて業務要件としてまとめ,利用者や関係者と合意する内容で,これは要件定義の達成目標である。イは,関連する情報システムや構成要素間のインタフェースの特定で,情報システムの実現方式を検討する段階の内容にあたる。ウは,遂行能力・性能・稼動率といった実績の測定量に関するもので,稼働後の運用や評価の段階で扱う。ビジネス分析が「どうあるべきかを描く」,要件定義が「何を作るかを決める」,開発以降が「どう作り,どう測るか」という順に並ぶことを押さえると区別しやすい。
出典:情報処理推進機構「令和7年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問65
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問487.ベンダー X 社に対して,表に示すように要件定義フェーズから運用テストフェーズまでを委託したい。X 社との契約に当たって,“情報システム・モデル取引・契約書<第二版>”に照らし,各フェーズの契約形態を整理した。a〜d の契約形態のうち,準委任型が適切であるとされるものはどれか。 〔表〕フェーズ/契約形態 要件定義:a システム外部設計:準委任型又は請負型 システム内部設計:b ソフトウェア設計,プログラミング,ソフトウェアテスト:請負型 システム結合:c システムテスト:準委任型又は請負型 運用テスト:d
- ア.a,b
- イ.a,d
- ウ.b,c
- エ.b,d
正解:イ.a,d
解説:“情報システム・モデル取引・契約書”は,工程ごとに成果物の内容を確定できるかどうかで契約形態を使い分けることを示している。要件定義(a)は,何を作るのかをこれから決める工程であり,発注者の主体的な関与のもとで検討を重ねるため,成果物を事前に確定できない。したがって仕事の完成ではなく業務の遂行を約束する準委任型が適切とされる。運用テスト(d)も,実際の業務の流れの中で使えるかを発注者側が確かめる工程で,主体は発注者にあり,ベンダーは支援する立場になるので準委任型が適切である。よって a と d の組合せであるイが答え。システム内部設計(b)とシステム結合(c)は,要件と外部設計が固まった後の工程で,作るものが明確に定まっており成果物を確定できるため,仕事の完成を約束する請負型が適切とされる。表で請負型が並んでいるソフトウェア設計・プログラミング・ソフトウェアテストと同じ位置付けになる。なお外部設計とシステムテストが「準委任型又は請負型」とされているのは,発注者の関与の度合いによってどちらもあり得るためである。
出典:情報処理推進機構「令和7年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問66
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問488.市場成長率と相対的市場シェアから,市場と企業との関係を分析し,自社製品や事業についての最適な資源配分方針を求めるための手法はどれか。
- ア.3C
- イ.BSC
- ウ.PPM
- エ.SWOT
正解:ウ.PPM
解説:PPM(Product Portfolio Management)は,縦軸に市場成長率,横軸に相対的市場シェアを取った図に自社の事業や製品を置き,資金をどこに配分するかを判断する手法である。区分は,成長率もシェアも高い「花形」,成長率は低いがシェアが高く資金を生む「金のなる木」,成長率は高いがシェアが低く投資の判断を迫られる「問題児」,どちらも低い「負け犬」の4つで,金のなる木で得た資金を問題児や花形に振り向けるという流れで考える。したがって答はウ。アの3C は,顧客(Customer),競合(Competitor),自社(Company)の三つの視点から事業環境を整理する分析の枠組みである。イの BSC(Balanced Scorecard)は,財務,顧客,業務プロセス,学習と成長の四つの視点から目標と指標を設定し,戦略の実行を管理する手法である。エの SWOT は,強み(Strengths),弱み(Weaknesses),機会(Opportunities),脅威(Threats)を洗い出して戦略の方向を検討する分析手法である。いずれも経営分析の手法だが,二つの軸で資源配分を決めるのは PPM である。
出典:情報処理推進機構「令和7年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問67
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問489.プライスライニング戦略はどれか。
- ア.消費者が選択しやすいように,複数の価格帯に分けて商品を用意する。
- イ.商品の品質の良さやステータスを訴えるために意図的に価格を高く設定する。
- ウ.商品本体の価格を安く設定し,関連消耗品の販売で利益を得る。
- エ.新商品に高い価格を設定して早い段階で利益を回収する。
正解:ア.消費者が選択しやすいように,複数の価格帯に分けて商品を用意する。
解説:プライスライニング戦略は,商品の価格をいくつかの決まった価格帯にそろえて品ぞろえする方法である。松・竹・梅のように段階を設けることで,消費者は数多くの価格を比べる負担から解放され,予算に合った段階を選ぶだけでよくなる。売り手にとっても在庫や値付けの管理が簡単になる利点がある。したがって答はア。イは,高い価格そのものが品質や地位の証だと受け取られることを狙う名声価格(プレステージ価格)戦略で,宝飾品やブランド品などで用いられる。ウは,本体を安く売って後から消耗品や補充品で利益を得るキャプティブ価格戦略で,プリンタとインク,ひげそりと替刃などが典型例である。エは,新商品に高い価格を付けて,価格に敏感でない層から早期に投資を回収するスキミングプライシング(上澄み吸収価格)戦略である。これと対になるのが,最初から低い価格を付けて一気に市場を広げるペネトレーションプライシング(市場浸透価格)戦略である。
出典:情報処理推進機構「令和7年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問68
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問490.カーシェアビジネスをビジネスモデルキャンバスに当てはめた。b に該当するものはどれか。なお,ア〜エは a〜d のいずれかに該当する。 〔カーシェアビジネス〕 ・カーディーラーから車両を調達し,維持・メンテナンスしながら,その車両を提携駐車場に保管・準備する。 ・必要なときだけ車両を使いたい人が登録する会員制度を構築し,会員から月会費を徴収する。 ・会員向けの Web サイトで,会員に使いたい車両や利用時間などを予約してもらい,会員に対して車両の時間貸しを行い,利用料を徴収する。

- ア.月会費,利用料
- イ.車両
- ウ.車両の時間貸し
- エ.必要なときだけ車両を使いたい人
正解:ウ.車両の時間貸し
解説:ビジネスモデルキャンバスは9つの枠でビジネスを俯瞰する道具で,図の b は VP(Value Propositions:価値提案)の枠である。価値提案とは,顧客のどんな困りごとをどう解決するかであり,このビジネスでは「必要なときだけ車を使いたい」という需要に対して車両を時間単位で貸し出すことがそれに当たる。したがって答はウ。ほかの枠も見ておくと,a は KR(Key Resources:主要資源)で,事業に欠かせない資源はイの車両である。KP(主要パートナー)にカーディーラーと提携駐車場,KA(主要活動)に維持・メンテナンスが置かれていることとも整合する。c は CS(Customer Segments:顧客セグメント)で,エの「必要なときだけ車両を使いたい人」が該当する。d は R$(Revenue Streams:収益の流れ)で,アの月会費と利用料が入る。左下の C$(コスト構造)に調達・維持・メンテナンス費用と駐車場代が並んでいるのと対をなす。CR(顧客との関係)が会員制度,CH(チャネル)が Web サイトである。
出典:情報処理推進機構「令和7年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問69
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問491.フリーミアムの特徴はどれか。
- ア.Web サイト内の広告だけを収益源としているので,サービスの維持・拡大が困難である。
- イ.全ての利用者に広く課金するモデルである。
- ウ.有料と無料の境界が明確になっていて,高度な機能や充実した内容など有料のサービスの優位性がはっきりしている。
- エ.利用者ごとに掛かるコストが大きいので,少数の利用者が限定的に使うような場合にだけ,より高い効果が見込める。
正解:ウ.有料と無料の境界が明確になっていて,高度な機能や充実した内容など有料のサービスの優位性がはっきりしている。
解説:フリーミアムは,基本的な機能を無料で提供して利用者を広く集め,その一部に高度な機能や追加の容量などを有料で提供して収益を得る仕組みである。成り立つ条件は,無料でどこまで使えて,有料にすると何が得られるのかという境界がはっきりしていて,しかも有料版に納得できる優位性があることなので,答はウ。境界があいまいだと無料のままでよいと判断され,逆に無料部分が貧弱すぎると利用者が集まらない。アは広告だけを収益源とする広告モデルの説明で,フリーミアムは有料の利用者からの収入を柱にする点が異なる。イは全ての利用者から料金を取るモデルで,無料の層をもつフリーミアムとは正反対である。エは,利用者1人あたりの提供費用が大きい場合の話で,フリーミアムは無料の利用者を大量に抱えることが前提になるため,1人あたりの追加費用がごく小さいデジタルサービスでこそ成立する。実際,ソフトウェアやオンラインサービスで広く採用されている。
出典:情報処理推進機構「令和7年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問70
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問492.クラウドで学習し,エッジデバイスで推論する機械学習ベースのエッジ AI において,エッジデバイスで行われる推論処理として,適切なものはどれか。
- ア.一定の環境の中で試行錯誤を行い,行動に報酬を与えることで学習するプロセス
- イ.学習したモデルに従い,実際にデータの識別などを行うプロセス
- ウ.識別などを行うためのモデルを,正解のラベルを付けたデータによって作成するプロセス
- エ.識別などを行うためのモデルを,正解のラベルを付けないデータによって作成するプロセス
正解:イ.学習したモデルに従い,実際にデータの識別などを行うプロセス
解説:機械学習は,大量のデータからモデルを作る「学習」と,出来上がったモデルに新しいデータを与えて判断させる「推論」の二つに分かれる。学習は計算量が大きく強力な計算資源を必要とするのでクラウド側で行い,推論は比較的軽い処理なので現場のエッジデバイスで行う,という役割分担がエッジ AI である。したがってエッジデバイスで行われる推論処理は,学習済みのモデルに従って実際にデータの識別などを行うイに当たる。現場で推論を完結させれば,通信の遅れを避けて即座に応答でき,映像などの生データを外に出さずに済むので通信量とプライバシーの面でも利点がある。ウは正解のラベルを付けたデータからモデルを作る教師あり学習の説明,エはラベルを付けないデータから構造を見つけ出す教師なし学習の説明で,どちらも学習の側である。アは試行錯誤の結果に報酬を与えて方策を改善していく強化学習の説明で,これも学習の側にあたる。
出典:情報処理推進機構「令和7年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問71
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問493.スマートファクトリーで使用される AI を用いたマシンビジョンの目的として,適切なものはどれか。
- ア.クラウドに蓄積した入出荷データを用いて AI が需要予測し,生産数を最適化する。
- イ.作業者が装着した VR ゴーグルに AI が作業状況に応じたガイドを表示することによって,作業効率を向上させる。
- ウ.設計変更内容を AI によって整理し,製造現場に正確に伝達する。
- エ.人間の目視検査を AI が代替し,検査効率を向上させる。
正解:エ.人間の目視検査を AI が代替し,検査効率を向上させる。
解説:マシンビジョンは,カメラで撮影した画像をコンピュータが解析し,人の目の代わりに対象を判別する技術である。製造現場では,傷や欠け,異物の混入,寸法のずれ,部品の取付け間違いなどを画像から判定する外観検査に用いられ,AI(とくに深層学習)を組み合わせることで,従来は言葉で規則にしにくかった微妙な良否の判断もこなせるようになった。人の目視検査は,速度に限りがあり,疲労や個人差で判定がぶれるうえ,24時間の連続稼働にも向かない。これを機械が代替することで検査の効率と安定性が上がるので,答はエ。アは需要予測による生産計画の最適化で,扱うのは画像ではなく入出荷の数値データである。イは VR ゴーグルへの作業ガイド表示で,作業支援や教育のための拡張現実の応用にあたる。ウは設計変更内容の整理と伝達で,設計情報の管理や文書処理の領域である。いずれもスマートファクトリーで使われる技術ではあるが,「画像を見て判断する」というマシンビジョンの定義に当てはまるのはエだけである。
出典:情報処理推進機構「令和7年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問72
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問494.コンピテンシーモデルの説明はどれか。
- ア.権限行使と命令統制による労務管理を批判し,目標管理制度や経営参加制度などによる動機付けが有効であるとしたもの
- イ.最適なリーダーシップの唯一のスタイルは存在せず,望ましいリーダーシップのスタイルは,状況に応じて異なるとしたもの
- ウ.人材の評価や育成の基準とするために,恒常的に成果に結び付けることができる個人の行動や思考特性を定義したもの
- エ.人間の基本的欲求を低次から,生理的欲求,安全の欲求,所属と愛の欲求,承認の欲求,自己実現の欲求としたもの
正解:ウ.人材の評価や育成の基準とするために,恒常的に成果に結び付けることができる個人の行動や思考特性を定義したもの
解説:コンピテンシーとは,高い成果を安定して上げている人に共通して見られる行動の仕方や考え方の特性をいう。これを職種や階層ごとに整理して記述したものがコンピテンシーモデルで,採用の判断基準,人事評価の物差し,育成計画の目標として使われる。知識や資格の有無ではなく,実際にどう行動しているかで捉える点に特徴があるので,答はウ。アは,命令と統制による管理を批判し,人は本来進んで働くものだとして目標管理や経営参加による動機付けを説いたマグレガーの Y 理論の考え方である。イは,唯一最適なリーダーシップの型はなく,部下の成熟度や課題の性質といった状況によって望ましい型が変わるとする状況適合理論(コンティンジェンシー理論,SL 理論)の説明である。エは,人間の欲求を生理的欲求から自己実現の欲求まで5段階に整理し,低次の欲求が満たされると高次の欲求が現れるとしたマズローの欲求段階説である。いずれも人的資源管理でよく取り上げられる理論だが,行動特性を基準として定義したものはコンピテンシーモデルである。
出典:情報処理推進機構「令和7年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問73
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問495.様々な需要予測モデルのもととなっている時系列モデルに関する記述として,適切なものはどれか。
- ア.移動平均法では,平均する期間を長くするほど,短期的な需要の変化の影響が大きくなる。
- イ.移動平均法は,長期的な需要のトレンドを把握するのには向かないが,直近の需要の変化を把握するのには向いている。
- ウ.指数平滑法では,平滑化定数の値が0%に近いほど直前の実績値を重視し,100%に近いほど過去の実績値を重視する。
- エ.指数平滑法は,過去の実績値よりも直近の実績値を用いるほど予測の精度が向上すると考えられる場合に有効な手法である。
正解:エ.指数平滑法は,過去の実績値よりも直近の実績値を用いるほど予測の精度が向上すると考えられる場合に有効な手法である。
解説:指数平滑法は,次期の予測値を「平滑化定数×直前の実績値+(1-平滑化定数)×直前の予測値」で求める方法である。過去の実績値の重みは古くなるほど指数関数的に小さくなるので,直近の動きほど強く反映される。平滑化定数を大きくするほど直前の実績への追随が速くなり,直近の値が予測に効くと考えられる場合に有効なので,エが正しい。ウは,平滑化定数が100%に近いほど直前の実績値を重視し,0%に近いほど過去の予測値(すなわち過去の実績の蓄積)を重視するので,記述の向きが逆である。アは,移動平均法で平均する期間を長くするほど,1つの値が平均に占める割合が小さくなるため,短期的な変動の影響はかえって小さくなる。したがって記述の向きが逆である。イは,移動平均法は短期的な変動をならして長期的な傾向を見るための手法なので,これも向きが逆で,直近の変化を捉えたい場合は期間を短くするか指数平滑法を用いる。
出典:情報処理推進機構「令和7年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問74
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問496.引き出された多くの事実やアイディアを,類似するものでグルーピングしていく収束技法はどれか。
- ア.NM 法
- イ.ゴードン法
- ウ.親和図法
- エ.ブレーンストーミング
正解:ウ.親和図法
解説:親和図法は,集めた事実や意見を1件ずつカードに書き出し,内容の近いものを寄せ集めて小さな束を作り,束に見出しを付けながら段階的にまとめ上げていく手法である。混沌とした情報を整理して問題の構造を浮かび上がらせる収束技法にあたり,答はウ。新 QC 七つ道具の一つに数えられ,川喜田二郎が考案した KJ 法として知られる手法とほぼ同じものである。エのブレーンストーミングは,批判をせず自由に大量の意見を出し合う発散技法で,親和図法はその後の整理に使われる関係にある。イのゴードン法は,司会者だけが本当のテーマを知り,参加者にはより抽象的な題目だけを示して発想させる方法で,先入観を避けて着想を広げる発散技法である。アの NM 法は,中山正和が考案した発想法で,テーマから類比(アナロジー)となる事象を探し,その背景にある仕組みを取り出して元のテーマに当てはめることで新しい着想を得る発散技法である。三つとも案を生み出す側の技法であり,まとめる側の技法は親和図法である。
出典:情報処理推進機構「令和7年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問75
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問497.表から,卸売業 A 社と小売業 B 社の財務指標を比較したとき,卸売業 A 社について適切な記述はどれか。 〔表〕単位 百万円 売上高:卸売業 A 社 800/小売業 B 社 1,000 営業利益:卸売業 A 社 20/小売業 B 社 90 総資産:卸売業 A 社 100/小売業 B 社 900
- ア.売上高,総資産の額がともに低く,総資産回転率も低い。
- イ.売上高営業利益率が高く,総資産営業利益率も高い。
- ウ.営業利益,総資産の額がともに低く,総資産営業利益率も低い。
- エ.総資産回転率が高く,総資産営業利益率も高い。
正解:エ.総資産回転率が高く,総資産営業利益率も高い。
解説:三つの指標を両社について計算する。総資産回転率は売上高÷総資産で,A 社は 800÷100=8回,B 社は 1,000÷900≒1.11回である。総資産営業利益率は営業利益÷総資産で,A 社は 20÷100=20%,B 社は 90÷900=10%になる。売上高営業利益率は営業利益÷売上高で,A 社は 20÷800=2.5%,B 社は 90÷1,000=9%である。したがって A 社は総資産回転率も総資産営業利益率も B 社より高く,エが正しい。少ない資産を何度も回転させて稼ぐという卸売業の姿がよく表れており,商品を仕入れて短期間で売り渡すため在庫や設備が軽く済む一方,1件あたりの利ざやは薄い。イは売上高営業利益率が 2.5%と B 社の 9%より低いので誤り。ウは営業利益と総資産の額が低いことは正しいが,総資産営業利益率は20%で B 社の10%より高いので誤り。アも売上高と総資産の額が低いことは正しいが,総資産回転率は8回と B 社の約1.11回より大幅に高いので誤りである。
出典:情報処理推進機構「令和7年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問76
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問498.売上高が7,000万円のとき,200万円の損失,売上高が9,000万円のとき,600万円の利益と予想された。売上高が8,000万円のときの変動費は何万円か。ここで,売上高が変わっても変動費率は変わらないものとする。
- ア.3,200
- イ.4,000
- ウ.4,800
- エ.5,600
正解:ウ.4,800
解説:利益は「売上高×(1-変動費率)-固定費」で表せる。固定費は売上高が変わっても一定なので,2点の差を取れば固定費が消える。売上高の差は 9,000-7,000=2,000万円,利益の差は 600-(-200)=800万円だから,2,000×(1-変動費率)=800 となり,1-変動費率=0.4,すなわち変動費率は0.6と求まる。したがって売上高8,000万円のときの変動費は 8,000×0.6=4,800万円で,答はウ。検算のため固定費を求めると,7,000×0.4-固定費=-200 から固定費は3,000万円で,9,000×0.4-3,000=600 と条件に合う。売上高8,000万円のときは限界利益が3,200万円,そこから固定費3,000万円を引いて利益200万円となり,損益分岐点売上高は 3,000÷0.4=7,500万円である。アの3,200は 8,000×0.4 に一致し,限界利益率0.4を変動費率と取り違えた場合の値で,実際にはこれは限界利益の額である。イの4,000は 8,000×0.5,エの5,600は 8,000×0.7 に当たり,2点から求めた変動費率0.6と合わない。
出典:情報処理推進機構「令和7年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問77
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問499.著作権法及び関連法令によれば,生成 AI を利用して画像を生成する行為又はその生成物の利用が著作権侵害にあたるか否かに関して,適切な記述はどれか。
- ア.AI が既存の著作権で保護されている画像をデータセットとして学習している場合は,その AI を利用して画像を生成すると,いかなる場合も著作権侵害になる。
- イ.AI を利用して生成した画像が著作権で保護された既存の画像と類似しており,それを公開した場合,著作権侵害となる可能性がある。
- ウ.AI を利用して生成した画像は,AI が自動的に創作したものであるため,いかなる状況でも著作権の対象外となり,著作権侵害の懸念は生じない。
- エ.AI を利用して生成した画像は,生成した本人の私的使用に限って,利用が認められており,商業利用を行った場合は,いかなる場合も著作権侵害となる。
正解:イ.AI を利用して生成した画像が著作権で保護された既存の画像と類似しており,それを公開した場合,著作権侵害となる可能性がある。
解説:著作権侵害の成否は,生成の道具が何であったかではなく,出来上がったものが既存の著作物と類似しているか(類似性),およびそれに依拠して作られたか(依拠性)で判断される。生成 AI を使った場合も同じで,生成された画像が既存の著作物とよく似ており,それを公開・配布すれば侵害となる可能性がある。したがって答はイ。アは,学習の段階については著作権法30条の4により,著作物に表現された思想又は感情を享受することを目的としない利用として原則許容されている。学習に著作物を使ったこと自体が,生成物を直ちに侵害にするわけではない。ウは,AI を道具として使い,人の創作的な関与があれば生成物が著作物と認められる場合があり,また侵害の判断は生成物と既存著作物との関係で決まるので,一律に対象外とはならない。エは,商業利用が直ちに侵害になるわけではなく,既存の著作物と類似していなければ侵害にはならない。逆に,私的使用の範囲を超えて公開すれば,類似する場合には利用の目的にかかわらず問題になり得る。
出典:情報処理推進機構「令和7年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問78
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問500.資金決済法における暗号資産に関する記述として,適切なものはどれか。
- ア.暗号資産交換業者は,情報の安全管理や広告・勧誘規制などの行為規制は受けるが,資本金額や純資産額などの財務的規制は受けない。
- イ.暗号資産は,不特定の者に対して使用でき,電子的に記録され,移転できるものであり,法定通貨又は法定通貨建ての資産ではないが,法定通貨と相互に交換できる。
- ウ.暗号資産は,ブロックチェーン技術を用いて集中管理されており,法定通貨と同様,銀行などの金融機関で入手・交換できる。
- エ.利用者の保有する暗号資産の残高や取引は,発行者によって利用者ごとに管理されているので,利用者は保有している暗号資産を発行者の指定する加盟店だけで使用できる。
正解:イ.暗号資産は,不特定の者に対して使用でき,電子的に記録され,移転できるものであり,法定通貨又は法定通貨建ての資産ではないが,法定通貨と相互に交換できる。
解説:資金決済法は暗号資産を,不特定の者に対して代金の支払に使用でき,かつ不特定の者との間で購入・売却ができること,電子的に記録され移転できること,法定通貨や法定通貨建ての資産(プリペイドカードなど)ではないこと,という要件で定義している。法定通貨と相互に交換できる点も定義に含まれるので,イが正しい。アは,暗号資産交換業者には登録制が採られ,行為規制だけでなく,資本金の額や純資産額に関する財務的な要件も課されているので誤りである。利用者から預かった金銭や暗号資産を自己の資産と分別して管理する義務もある。ウは,暗号資産はブロックチェーンによって参加者が共同で記録を保持する分散管理が特徴であり,「集中管理」という記述が誤りである。入手や交換は登録を受けた暗号資産交換業者を通じて行うのが基本で,銀行が担うものでもない。エは,発行者が利用者ごとに残高を管理し,指定した加盟店でのみ使えるものは前払式支払手段(プリペイド)の性質であり,不特定の者に対して使用できるという暗号資産の要件を満たさない。
出典:情報処理推進機構「令和7年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問79
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問501.欧州へ電子部品を輸出するには,RoHS 指令への対応が必要である。この RoHS 指令の目的として,適切なものはどれか。
- ア.家電製品から有用な部品や材料をリサイクルし,廃棄物を減量するとともに,資源の有効利用を推進する。
- イ.機器が発生する電磁妨害が,無線通信機器及びその他の機器の正常な動作を妨げるレベルを超えないようにする。
- ウ.大量破壊兵器の開発及び拡散,通常兵器の過剰備蓄に関わるおそれがある場合など,国際社会の平和と安全を脅かす輸出行為を防止する。
- エ.電気電子製品の生産から処分までの全ての段階で,有害物質が環境及び人の健康に及ぼす危険を最小化する。
正解:エ.電気電子製品の生産から処分までの全ての段階で,有害物質が環境及び人の健康に及ぼす危険を最小化する。
解説:RoHS 指令(Restriction of the use of certain Hazardous Substances)は,欧州連合が定めた,電気電子機器における特定有害物質の使用を制限する規則である。鉛,水銀,カドミウム,六価クロム,特定の臭素系難燃剤(PBB,PBDE),および追加された4種類のフタル酸エステル類について含有量の上限を定め,これを超える製品は域内で販売できない。ねらいは,製造から使用,廃棄・処分に至る全ての段階で有害物質が環境と人の健康に及ぼす危険を小さくすることにあり,答はエ。アは,使用済み製品の回収とリサイクルによる資源の有効利用を目的とするもので,欧州の WEEE 指令や日本の家電リサイクル法に当たる。RoHS が「入口で有害物質を減らす」規制であるのに対し,こちらは「出口で資源を回収する」規制で,対になって機能している。イは,機器が発する電磁妨害を一定のレベル以下に抑える EMC 指令の目的である。ウは,大量破壊兵器などにつながるおそれのある貨物や技術の輸出を規制する安全保障輸出管理の考え方で,日本では外国為替及び外国貿易法がこれを担っている。
出典:情報処理推進機構「令和7年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問80
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問502.2の補数表現で8ビットの符号付き整数の範囲は-127〜+128である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。範囲は「-128〜+127」(負側-128, 正側+127、記述が逆)。
根拠: 第四回-02 コンピュータ上の数値の表現 (2) 負の数を含む整数の2進数による表現~2の補数表現(工学院大学 講義資料) 8ビットの整数の表現範囲の説明箇所
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問503.IEEE754倍精度浮動小数点数は、符号1+指数8+仮数23ビットの計32ビットである。
正解:×(誤り)
解説:誤り。倍精度は「1+11+52=64ビット」(32ビットは単精度)。
根拠: f64: Wasm value type - MDN Web Docs Description / JavaScript data types and data structures - MDN Web Docs Number type
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問504.丸め誤差とは、桁数の制限のため表現できない下位の桁を、切り捨てや四捨五入などで処理することにより生じる誤差である。
正解:○(正しい)
解説:正しい。丸め誤差は、計算機の記憶装置が有限の長さであるために生じる誤差で、切り上げや切り下げ、四捨五入など、ある桁数以上の数値を端数として省略することで生じる。例えば10進数の0.6は2進数で割り切れず、8ビットで表すと下位の桁が切り捨てられ、元の値との間に差が生じる。桁数の制限で下位の桁を省く誤差、と押さえておく。
根拠: 講談社 IT用語がわかる辞典「丸め誤差」(コトバンク) 丸め誤差の項 / 平凡社 世界大百科事典(旧版)「数値計算」(コトバンク) 【数値計算】の項(丸め誤差の言及) / 計算と誤差(立命館大学 理工学部) 丸め誤差の説明
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問505.キャッシュメモリのライトスルーは、書込みをキャッシュのみで完了させる方式である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。ライトスルーは「キャッシュと主記憶を同時更新」(キャッシュのみはライトバック)。
根拠: キャッシュメモリシステム(津田塾大学 講義資料) 書き込み操作/ライトスルー方式 / コンピュータハードウェアの構成(4)(京都産業大学 講義資料) キャッシュの書き込み方式(ストアスルー/ストアイン)
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問506.パイプラインの制御ハザードは、データ依存により発生する。
正解:×(誤り)
解説:誤り。パイプラインで命令を適切なサイクルで実行できない状況をハザードという。命令どうしのデータの受け渡し(データ依存)の制約で生じるのはデータハザードで、制御ハザードではない。制御ハザードは分岐命令・ジャンプ命令によって生じる。分岐するかどうかが判明するまで、次にどの命令を実行すべきかが決まらないためである。判明するまで後続の命令を止める方法では分岐命令のたびにストール(待ち)が生じるので、分岐しないと見込んで先に進める方法なども使われる。もう一つの構造ハザードは、資源の不足で生じる。
根拠: IPA 応用情報技術者試験(レベル3)シラバス Ver.7.2 中分類3:コンピュータ構成要素 1.プロセッサ(9)プロセッサの高速化技術 用語例「パイプラインハザード,データハザード,構造ハザード,制御ハザード」(PDF p.19・本文 p.15) / 計算機アーキテクチャ第二(O) 5.パイプライン処理(東京工業大学 吉瀬謙二、2009年後学期) PDF p.1 スライド「ハザード(hazard)」(命令を適切なサイクルで実行できない状況をハザードと呼ぶ。構造ハザード=資源不足により生じる/データ・ハザード=データの受け渡しの制約によって生じる/制御ハザード=分岐命令,ジャンプ命令によって生じる)、PDF p.3〜4 スライド「静的に採用できる制御ハザードの対処」(戦略1:分岐方向が判明するまで分岐命令の後続命令を止める。分岐命令の出現毎に1サイクルのストールが発生する)、PDF p.4 スライド「戦略2:predicted-not-taken方式」(すべての分岐命令をnot taken(不成立)として処理を進める。不成立ならペナルティなし)
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問507.スーパースカラとVLIWは、いずれもコンパイラが命令スケジューリングを行う。
正解:×(誤り)
解説:誤り。スーパースカラ「ハードウェア」、VLIW「コンパイラ」(記述が逆)。
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問508.Amdahlの法則で並列化可能50%の場合、無限並列化で性能は4倍が上限となる。
正解:×(誤り)
解説:誤り。アムダールの法則では、高速化率E=1/((1−r)+r/n)(r:処理のうち並列化できる部分の割合、n:プロセッサの台数)。nを限りなく増やすとr/nは0に近づくので、Eは1/(1−r)より大きくならない。r=0.5なら1/(1−0.5)=2倍が上限で、4倍にはならない。並列化できない残り50%の処理時間はプロセッサを増やしても縮まないため、全体の処理時間は元の半分より短くならない。
根拠: IPA 令和7年度春期 応用情報技術者試験 午前 問題 問11(高速化率 E=1/(1−r+r/n)、n:プロセッサの台数、r:並列化が可能な部分の割合)(問題冊子 p.8) / IPA 令和7年度春期 応用情報技術者試験 解答例(午前) 問11 正解 エ(6台) / IPA 応用情報技術者試験(レベル3)シラバス Ver.7.2 中分類3:コンピュータ構成要素 1.プロセッサ(11)マルチプロセッサシステム 用語例「アムダールの法則」(PDF p.20・本文 p.16)
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問509.GPUはSIMD型の並列演算に適しており、ディープラーニングや画像処理で利用される。
正解:○(正しい)
解説:正しい。SIMD(Single Instruction, Multiple Data)は、1つの命令で複数の演算要素を動かし、多くのデータに同じ演算を同時に行う並列処理の方式である。NVIDIAのGPUは、32本のスレッドをひとまとまり(ワープ)にして共通の命令を1つずつ実行するSIMTという方式をとり、1つの命令が複数の演算要素を制御する点でSIMDに近い。このため、画像処理や、単純だが大量の計算を繰り返すディープラーニングの学習のように、同じ演算を大量のデータに行う処理に向いている。
根拠: NVIDIA CUDA Programming Guide(13.1)3.2.2.1 SIMT Execution Model 3.2.2.1 SIMT Execution Model(32本のスレッドのまとまり=warp が共通の命令を1つずつ実行する。The SIMT architecture is akin to SIMD … a single instruction controls multiple processing elements) / GPUサーバー(ジーピーユーサーバー)とは? 意味や使い方(デジタル大辞泉) GPUサーバーの項(高速で並列処理を行い、高度な画像処理や、単純だが大量の計算を繰り返し行う必要があるディープラーニングなどの学習に向く)
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問510.DMAは、CPUを介さずに周辺装置と主記憶の間で直接データ転送を行う方式である。
正解:○(正しい)
解説:正しい。DMA(Direct Memory Access)は、主記憶装置と周辺装置の間で、処理装置によるデータの処理を必要とせずに、データを直接移動させる技法である(JIS X 0011)。
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問511.割込みのうち、ゼロ除算や不正命令により発生するのは外部割込みである。
正解:×(誤り)
解説:誤り。ゼロ除算や不正命令は内部割込み(例外)です。外部割込みは入出力装置・タイマ等が原因です。
根拠: オペレーティングシステム #2(名古屋工業大学 講義資料) 割込みの種類:内部割込み(プログラムチェック(例外)割込み)
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問512.プロセスとスレッドの違いとして、同一プロセス内のスレッドはアドレス空間を共有する。
正解:○(正しい)
解説:正しい。同じプロセスの中のスレッドは、そのプロセスのアドレス空間(プログラムのコード、静的変数、ヒープ領域など)を共有するので、どのスレッドからも同じ変数を読み書きできる。一方、スレッドID、スケジューリングの優先度、レジスタの内容(プログラムカウンタなど)、スタックはスレッドごとに持つ。プロセスはそれぞれ別のアドレス空間を持つ。共有するのはメモリ、スレッドごとに持つのは実行の流れ(レジスタとスタック)、と押さえる。
根拠: POSIX.1-2024 (The Open Group Base Specifications Issue 8), XBD 3. Definitions 3.5 Address Space(プロセス又はそのスレッドが参照できるメモリ位置)、3.189 Live Process、3.190 Live Thread(スレッドごとにスレッドID・スケジューリング優先度などを持ち、アドレスを求められるものは同じプロセスの全スレッドからアクセスできる) / About Processes and Threads - Win32 apps (Microsoft Learn) 冒頭の段落(All threads of a process share its virtual address space、スレッドごとにスケジューリング優先度・スレッドID・スレッドコンテキスト=マシンレジスタ・カーネルスタック・ユーザースタックを持つ)
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問513.セマフォは、単一プロセス内のメモリ管理機構である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。セマフォは「複数プロセス間の同期機構」(共有資源アクセス制御)。
根拠: The Open Group Base Specifications (IEEE Std 1003.1) – sem_open() sem_open DESCRIPTION
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問514.デッドロックが発生するには、相互排除・保有と待機・横取り不可・循環待機の4条件がすべて成り立つ必要がある。
正解:○(正しい)
解説:正しい。4条件はデッドロック発生の必要条件で、相互排除(資源を同時に1つのプロセスしか使えない)、保有と待機(資源を持ったまま別の資源を待つ)、横取り不可(使用中の資源を強制的に取り上げられない)、循環待機(待ちの関係が輪になる)がすべて成り立たなければ発生しない。どれか1つを成り立たなくすればデッドロックを防げる(防止)。これに対し、必要な資源の最大量を前もって申告させ、危険な状態につながる割当てを断る銀行家アルゴリズムの方法は回避と呼ぶ。
根拠: Operating Systems Course Notes: Deadlocks(University of Illinois Chicago, John T. Bell) 7.2.1 Necessary Conditions(four conditions that are necessary to achieve deadlock)、7.4 Deadlock Prevention(preventing at least one of the four required conditions)、7.5.3 Banker's Algorithm / UC Riverside CS 153 Design of Operating Systems (Fall 2020) Lecture 14: Deadlock(講義スライド) p.6 Conditions for Deadlock(4条件)、p.13 Deadlock Prevention(必要条件の少なくとも1つが起きないようにする)、p.15〜16 Deadlock Avoidance・Banker's Algorithm(最大要求量を前もって申告・危険な状態につながる要求を拒否)
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問515.ページ置換アルゴリズムのLRUは、次回参照までの時間が最も長いページを追い出す理想アルゴリズムである。
正解:×(誤り)
解説:誤り。それはOPT(最適)アルゴリズムです。LRUは「最も長く参照されていない」ページを追い出します。
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問516.外部断片化と内部断片化は同じ意味である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。外部断片化は「未使用領域分散」、内部断片化は「割当てブロック内の余り」(別概念)。
根拠: Ichiro Satoh 記憶管理(OS講義資料 OS2001-memory) 「断片化」「可変区画方式」のスライド
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問517.i-nodeは、ファイルの本体データを格納する領域である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。i-nodeは「メタデータ(パーミッション・所有者・ブロック位置等)」(本体データ別領域)。
根拠: The Second Extended Filesystem — The Linux Kernel documentation Specification > Inodes
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問518.RAID6は1台のディスク故障までしか耐えられない。
正解:×(誤り)
解説:誤り。RAID6は「2台同時故障に耐えられる」(2種類のパリティ)。1台はRAID5。
根拠: RAID(レイド)とは? 意味や使い方 - コトバンク(日本大百科全書(ニッポニカ)「RAID」) (6)RAID6 の項
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問519.M/M/1モデルでρ=0.8のとき、平均待ち人数は0.8人である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。M/M/1の平均待ち人数Lq=ρ²/(1-ρ)=0.64/0.2=3.2人であり、0.8人ではない。なお平均系内人数L=ρ/(1-ρ)=4.0人だが、これは待ち人数Lqとは別概念(L=Lq+ρ)。
根拠: 田村仁研究室(日本工業大学創造システム工学科) コンピュータリテラシー2 第4回「待ち行列のシミュレーション」 「待ち行列のモデル」節、M/M/1モデルの解析解の箇条書き
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問520.稼働率0.9の装置2台を直列に接続すると全体の稼働率は0.99、並列に接続すると0.81となる。
正解:×(誤り)
解説:誤り。直列に接続すると2台とも動いていなければ全体が動かないので、全体の稼働率は各装置の稼働率の積で 0.9×0.9=0.81。並列に接続するとどちらか1台が動いていればよいので、2台とも止まっている確率(1-0.9)×(1-0.9)=0.01 を1から引いて 1-0.01=0.99。問題文は直列と並列の値が逆になっている。並列にすると稼働率は1台のときより上がり、直列にすると下がる、と押さえる。
根拠: workbook and errata(JAIST 講義 i450 ワークブック補足) 補足説明「直列システムと並列システムの稼働率」(直列 A=A1*A2*…*An、並列 A=1-(1-A1)*(1-A2)*…*(1-An)) / IPA 応用情報技術者試験(レベル3)シラバス Ver.7.2 PDF p.26 ② 信頼性指標と信頼性計算(並列システム,直列システムの稼働率の計算方法を理解する)
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問521.コンテナ型仮想化はハイパーバイザ型より起動が遅くリソース消費も大きい。
正解:×(誤り)
解説:誤り。ハイパーバイザ型は仮想マシンごとにカーネルを含む完全なゲストOSを動かすため、CPU・メモリ・ストレージを多く使い、起動にも時間がかかりやすい。コンテナ型はホストOSのカーネルを共有し、アプリと必要な部品だけを持つので軽く、起動が速く資源の消費も少ない。本文は両者の関係が逆になっている。
根拠: Containers vs. virtual machines(Microsoft Learn) Virtual machine architecture/Containers vs. virtual machines の表「Operating system」行(VM は完全なOSを動かし more system resources、コンテナは fewer system resources) / What is a Container?(Docker) Comparing Containers and Virtual Machines(Containers take up less space than VMs/VMs can also be slow to boot) / NIST Special Publication 800-190 Application Container Security Guide 2.2 Containers and the Host Operating System(VM は完全なゲストOSを含み、コンテナはホストOSのカーネルを共有)
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問522.ライブマイグレーションは、仮想マシンを稼働させたまま別の物理サーバへ移動する技術である。
正解:○(正しい)
解説:正しい。ライブマイグレーションは、稼働中の仮想マシンを止めずに、利用者が気づくほどの停止時間なしで別の物理サーバ(ホスト)へ移す技術。仮想マシンが特定の物理サーバに縛られなくなるので、更新や撤去の前にそのサーバ上の仮想マシンを他へ移して保守したり、負荷の高いサーバから仮想マシンを移して負荷を分散したりできる。
根拠: Use live migration without Failover Clustering to move a virtual machine (Microsoft Learn, Windows Server Hyper-V) 冒頭の説明(A live migration moves running virtual machines between Hyper-V hosts without any noticeable downtime) / Live Migration Overview (Microsoft Learn, Windows Server Hyper-V) 冒頭の説明(稼働中の VM を perceived downtime なしに別ホストへ移す/更新・撤去前にホストから VM を移せる) / Containers vs. virtual machines(Microsoft Learn) 表の「Load balancing」行(Virtual machine load balancing moves running VMs to other servers in a failover cluster) / IPA 応用情報技術者試験(レベル3)シラバス Ver.7.2 中分類4:システム構成要素 1.システムの構成(2)システム構成 用語例「マイグレーション(ライブマイグレーションほか)」(PDF p.24・本文 p.20)
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問523.グリッドコンピューティングとクラスタコンピューティングは同義で、地理的に分散した計算資源は扱わない。
正解:×(誤り)
解説:誤り。グリッドは地理的・組織的に分散した資源を統合、クラスタは同一拠点・同構成の資源結合で性質が異なります。
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問524.5Gの特徴は、低速・高遅延・少数同時接続の3つである。
正解:×(誤り)
解説:誤り。5Gは「高速大容量・超低遅延・多数同時接続」(記述が逆、特徴3要素)。
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問525.エッジコンピューティングは、データ発生源近くで処理を行うことで遅延低減や帯域負荷軽減を図るアーキテクチャである。
正解:○(正しい)
解説:正しい。エッジコンピューティングは、データの処理や保存を遠くに集中したデータセンター(クラウド)ではなく、データが発生・利用される場所の近く(工場の中、携帯電話の基地局、機器そのものなど)で行う分散処理の考え方。クラウドまでの往復が無くなるので応答の遅れ(遅延)が小さくなり、データを全部送らずに済むので回線の帯域の消費も抑えられる。クラウドを置き換えるのではなく、組み合わせて使う。
根拠: Edge computing | IEEE Technology Navigator What Is Edge Computing?(reduces latency, conserves network bandwidth)/Relationship to Cloud Computing(complements rather than replaces cloud computing) / IPA 応用情報技術者試験(レベル3)シラバス Ver.7.2 中分類4:システム構成要素 1.システムの構成(2)システム構成 用語例「エッジコンピューティング」(PDF p.24・本文 p.20)
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問526.量子ビットは、0または1のみを表現できる従来のビットと同じである。
正解:×(誤り)
解説:誤り。量子ビットは「0と1の重ね合わせ状態」を表現可能(従来ビットと異なる)。
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問527.プログラム実行時のスタック領域は、関数呼出しのリターンアドレスやローカル変数を格納する。
正解:○(正しい)
解説:スタックフレームには引数・リターンアドレス・ローカル変数が含まれます。
根拠: x64 stack usage (Microsoft Learn, MSVC) Stack allocation 節、および関数 A が B を呼ぶスタックレイアウトの例の説明
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問528.ガーベジコレクションは、プログラムが手動で呼び出さないとメモリ解放しない機能である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。GCは「自動的にメモリ解放」(手動ではない)。
根拠: Java Platform, Standard Edition HotSpot Virtual Machine Garbage Collection Tuning Guide, Release 12 – Introduction What Is a Garbage Collector? / Tuning Java Virtual Machines (JVMs) (Oracle WebLogic Server 8.1 Performance and Tuning) JVM Heap Size and Garbage Collection
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問529.GoFのデザインパターンのFactory Methodパターンは、インスタンス生成をサブクラスに委譲する設計パターンである。
正解:○(正しい)
解説:正しい。Factory Methodパターンでは、スーパークラスにコンポーネントが実行時に必要とするオブジェクトを生成するメソッドを用意し、どのクラスをどのようにインスタンス化するかの決定をサブクラスに委ねる。GoF(Gamma、Helm、Johnson、Vlissides)の『Design Patterns』で示されたパターンの一つで、インスタンス化の過程を抽象化する生成に関するパターン(Creational pattern)に分類される。
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問530.MVCアーキテクチャでは、View層がビジネスロジックを担当する。
正解:×(誤り)
解説:誤り。ビジネスロジックはModel層の役割。Viewは表示、Controllerは入力処理と両者の橋渡しです。
根拠: MVC - Glossary - MDN Web Docs MVC の3要素の説明(Model / View / Controller) / ASP.NET MVC Overview (Microsoft Learn) MVC pattern の各ロジックの置き場所(UI logic / Input logic / Business logic)
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問531.マイクロサービスアーキテクチャは、機能を独立したサービスに分割してAPIで連携させる設計思想である。
正解:○(正しい)
解説:独立デプロイ・スケーリング・言語選択の自由度が高く、DevOpsと相性が良い構成です。
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問532.RESTful APIは、HTTPメソッド(GET/POST/PUT/DELETE)でリソースに対する操作を表現するAPI設計スタイルである。
正解:○(正しい)
解説:正しい。HTTPの上に作るRESTful APIでは、GET・POST・PUT・DELETEなどの標準のHTTPメソッドで、リソースに対する操作を行う。URIにはリソースを名詞で表すのがよいとされる。動作の意味はHTTPメソッドが表すためである。もう一つの特徴はステートレスで、各リクエストは互いに独立している。
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問533.テスト駆動開発(TDD)では、実装コードを先に書いてから対応するテストを書く。
正解:×(誤り)
解説:誤り。TDDは「失敗するテストを先に書き、それを通す実装を書く」サイクル(Red-Green-Refactor)です。
根拠: bliki: Test Driven Development (Martin Fowler) 本文冒頭の3ステップ、および「Writing the test first」の段落
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問534.CI/CDのうち、CIはソースコードを頻繁に統合してテストする仕組み、CDは継続的デリバリーまたはデプロイを指す。
正解:○(正しい)
解説:正しい。CI(継続的インテグレーション)は、開発者が変更したコードを頻繁に共有のリポジトリへ統合し、そのたびに自動でビルドとテストを行う仕組み。CDは継続的デリバリーと継続的デプロイのどちらかを指す。継続的デリバリーは、テスト済みのコードをいつでも本番に出せる状態まで自動で進め、本番への反映は手動(ボタン操作など)で行う。継続的デプロイは、本番への反映まで自動で行う点が違う。
根拠: NIST SP 800-204C, Implementation of DevSecOps for a Microservices-based Application with Service Mesh Abstract(CI/CD=continuous integration, continuous delivery, and continuous deployment)/3.3.1 Concept of Pipelines and the CI/CD Pipeline(PDF p.22〜23:CI の定義、continuous delivery の本番反映は manual、continuous deployment は releases happen automatically) / IPA 応用情報技術者試験(レベル3)シラバス Ver.7.2 中分類13:ソフトウェア開発管理技術 1.開発プロセス・手法(1)③ DevOps 用語例「継続的インテグレーション(CI),継続的デリバリー(CD),継続的デプロイ」(PDF p.79・本文 p.75)
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問535.IaCは、インフラ構成を手動で管理する従来手法である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。IaCは「コードでインフラ定義・管理」(自動化)、手動は従来型。
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問536.バイアス・バリアンスのトレードオフで、過剰適合はバイアスが高い状態である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。過剰適合は「バリアンスが高い」状態(学習データに敏感、新規データで誤差大)。
根拠: What is Bias-Variance Tradeoff? (IBM Think) Tradeoff illustrated(Bias / Variance の項)
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問537.キャッシュメモリのヒット率が0.95、キャッシュアクセスが5ns、主記憶アクセスが80nsのときの平均アクセス時間[ns]はいくらか。ここで、キャッシュに無いデータは主記憶から読み出し、その時間は主記憶のアクセス時間だけとする。
- ア.5.0
- イ.9.0
- ウ.8.75
- エ.80.0
正解:ウ.8.75
解説:正解は8.75。平均アクセス時間は、各記憶階層へのアクセス時間に、その階層にデータを取りに行く確率をかけたものの総和として求める。キャッシュから読む確率が0.95、主記憶から読む確率が1−0.95=0.05なので、0.95×5+0.05×80=4.75+4.0=8.75[ns]となる。キャッシュに無いときにキャッシュを調べる5nsも足して0.95×5+0.05×(5+80)=9.0とするのは、本問の条件と異なる。5.0はキャッシュだけ、80.0は主記憶だけのアクセス時間である。
根拠: 名古屋大学 嶌田研究室 講義資料「3.4 記憶階層のアーキテクチャ」(chap03text2.pdf) p.18-19「(2) メモリの平均アクセス時間」平均アクセス時間の例1
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問538.稼働率0.9のシステム3台を多数決(2/3)で構成したときの全体稼働率として最も近い値はどれか。
- ア.0.81
- イ.0.90
- ウ.0.99
- エ.0.97
正解:エ.0.97
解説:2/3多数決は、3台のうち2台以上が動いていれば全体が動く構成で、全体の稼働率は「ちょうど2台が動く確率」と「3台とも動く確率」の和になる。ちょうど2台が動くのは、止まる1台の選び方が3通りあり、それぞれ 0.9×0.9×0.1=0.081 なので 3×0.081=0.243。3台とも動くのは 0.9×0.9×0.9=0.729。合計 0.243+0.729=0.972 で、最も近いのは0.97。0.81は2台を直列にしたとき(0.9×0.9)、0.90は1台だけのとき、0.99は2台を並列にしたとき(1-0.1×0.1)の値で、多数決構成の値ではない。
根拠: JIS Z 8115:2019 ディペンダビリティ(総合信頼性)用語 192-10 信頼性設計「m-out-of-n冗長」(192-10-12:全体でn個のアイテム中で少なくともm個が機能していなければならない冗長)、「三重多数決冗長」(注記:三つの常用冗長モジュールのうち,少なくとも二つ以上が動作していること)、「多数決冗長」 / IPA 応用情報技術者試験(レベル3)シラバス Ver.7.2 PDF p.26 ② 信頼性指標と信頼性計算(並列システム,直列システムの稼働率の計算方法を理解する)
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問539.並列処理のAmdahl則で、処理の80%が並列化可能・20%が逐次のとき、プロセッサ数を無限に増やしたときの最大高速化倍率はどれか。
- ア.5倍
- イ.3倍
- ウ.4倍
- エ.2倍
正解:ア.5倍
解説:アムダールの法則では、高速化率E=1/((1−r)+r/n)(r:並列化できる部分の割合、n:プロセッサの台数)。1−rは並列化できない逐次部分の時間、r/nは並列部分をn台で分けた後の時間を表す。nを限りなく増やすとr/nは0に近づき、上限は逐次部分の逆数1/(1−r)になる。r=0.8なら1/(1−0.8)=1/0.2=5倍。3倍は6台、4倍は16台のときの値で、2倍はさらに少ない台数で届く。どれも台数を増やせばまだ伸びるので上限ではない。
根拠: IPA 令和7年度春期 応用情報技術者試験 午前 問題 問11(高速化率 E=1/(1−r+r/n)、n:プロセッサの台数、r:並列化が可能な部分の割合)(問題冊子 p.8) / IPA 令和7年度春期 応用情報技術者試験 解答例(午前) 問11 正解 エ(6台) / IPA 応用情報技術者試験(レベル3)シラバス Ver.7.2 中分類3:コンピュータ構成要素 1.プロセッサ(11)マルチプロセッサシステム 用語例「アムダールの法則」(PDF p.20・本文 p.16) / 3.5.1 アムダールの法則 (Sun Studio 12: C ユーザーズガイド) 3.5.1 アムダールの法則(式 1/S = F + (1-F)/P)
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問540.メモリインタリーブの主な目的はどれか。
- ア.主記憶容量の仮想的な拡張
- イ.主記憶アクセスの高速化
- ウ.主記憶のビット誤りの訂正
- エ.キャッシュのヒット率の向上
正解:イ.主記憶アクセスの高速化
解説:メモリインタリーブは、主記憶を独立して動く複数のバンクに分け、連続するアドレスを順に別のバンクへ割り付ける方式である。連続したアクセスを別々のバンクで重ねて進められるので、主記憶の実効的なサイクルタイムが短くなり、時間あたりの転送量が上がる。目的は主記憶アクセスの高速化である。主記憶容量を仮想的に広げるのはハードディスクなどを使う仮想記憶、ビット誤りの訂正は誤り訂正符号を付けるECCメモリーの働きで、キャッシュのヒット率はキャッシュに目的のデータがある割合を表す。どれもアドレスの割り付け方を工夫するインタリーブの目的ではない。
根拠: IPA 応用情報技術者試験(レベル3)シラバス Ver.7.2 中分類3:コンピュータ構成要素 2.メモリ(4)アクセス方式「主記憶装置を高速化するメモリインターリーブ方式を理解する。」用語例「バンク」、(5)メモリの容量と性能「キャッシュメモリのヒット率」(PDF p.21・本文 p.17) / 情報処理学会 コンピュータ博物館「MELCOM 7500/7700」 主記憶の説明(連続して主記憶をアクセスするときに順次異なったメモリ・モジュールをアクセスできるようアドレスを割り付けるインタリーブ方式で、連続したアクセスをオーバーラップさせ実行アクセス時間を短縮。サイクルタイム0.85μs、インタリーブ時は実効0.56μs) / 名古屋大学 講義資料「計算機システム概論」第3章 (3)メモリインタリーブ(主記憶装置をバンクに分け、バンクごとに並列にアクセスできるようにする。アクセス時間は短縮できないが、1秒あたりのデータ転送量はバンクの数倍だけ向上) / Operating Systems: Three Easy Pieces(R. H. Arpaci-Dusseau・A. C. Arpaci-Dusseau) Chapter 21 Beyond Physical Memory: Mechanisms p.1(物理メモリより大きな仮想アドレス空間を、容量の大きい遅い装置=ハードディスクを使って提供する) / デジタル大辞泉・IT用語がわかる辞典「ECCメモリー」(コトバンク) 用語解説(データに誤り訂正符号を付加し、誤りを自動的に検出して訂正する機能をもつメモリー)
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問541.M/M/1待ち行列で利用率ρ=0.5のときの平均系内人数L(待ち人数+サービス中)はいくつか。
- ア.0.25
- イ.0.5
- ウ.1.0
- エ.2.0
正解:ウ.1.0
解説:M/M/1は窓口が1つの待ち行列モデル。利用率ρは平均到着率λを平均サービス率μで割った値(ρ=λ/μ)で、窓口がふさがっている時間の割合を表す。系内(待ち+サービス中)の平均人数はL=ρ/(1−ρ)なので、0.5/(1−0.5)=1.0人。0.5は待っている人だけの平均人数Lq=ρ²/(1−ρ)、0.25はρ²、2.0は1/(1−ρ)で平均応答時間が平均サービス時間の何倍かを表す値で、どれも系内の平均人数ではない。
根拠: MIT OpenCourseWare 2.854 Introduction to Manufacturing Systems (Fall 2016)「M/M/1 Queue」 p.1(Ls=λ/(μ−λ)=ρ/(1−ρ)、ρ=λ/μ、Ws=1/(μ−λ))/p.2(Lq=λ²/(μ(μ−λ))、server is busy with frequency ρ) / IPA 応用情報技術者試験(レベル3)シラバス Ver.7.2 中分類1:基礎理論 2.応用数学(6)待ち行列理論「M/M/1 モデルにおける計算」用語例「平均到着率,平均サービス率」(PDF p.8・本文 p.4)
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問542.OSで、複数のプロセスが1つの資源を同時に使わないようにする排他制御の基本的な仕組みはどれか。
- ア.タイマ割込み
- イ.ページング
- ウ.ラウンドロビン
- エ.セマフォ
正解:エ.セマフォ
解説:セマフォは、資源の空きの数を表す変数(セマフォ変数)で排他制御を行う仕組み。資源を使う前に値を1減らし、使い終わったら1増やし、空きが0のときは待ち状態になる。同時に使える数を初期値までに制限できるので、初期値を1にすると一度に1つのプロセスしか資源を使えず、同時に使うことを防げる。タイマ割込みは一定時間ごとに発生してプロセスの切替えに使う割込み、ページングは仮想記憶の管理方式、ラウンドロビンは順番に短いCPU時間を割り当てるスケジューリング方式で、どれも資源の同時使用を防ぐ仕組みではない。
根拠: オペレーティングシステム #5(名古屋工業大学 松尾啓志 講義資料) 並行プロセス:セマフォ p.2 排他制御(クリティカルセクションに同時に複数プロセスが入らないようにする制御)、p.8 セマフォ変数(リソースの空きを表現する変数)、p.13 まとめ:セマフォ(P命令=空きリソース数をデクリメント・空きがない場合は待ち状態/V命令=インクリメント)、p.17 排他制御(S = 1 で P(S)・クリティカルセクション・V(S)) / Semaphore Objects - Win32 apps (Microsoft Learn) 冒頭の説明(count を wait で1減らし release で1増やす、0 なら待つ、共有資源を使うスレッドの数を指定の最大数までに制限する) / オペレーティングシステム #3(名古屋工業大学 松尾啓志 講義資料) CPUの仮想化:スケジューリング p.28 RR(待ち行列から選択されたプロセスに微少なCPU利用時間(クオンタム)を割り当て) / オペレーティングシステム #2(名古屋工業大学 松尾啓志 講義資料) CPUの仮想化:プロセス p.14 プロセスの切り替え(インターバルタイマーが定期的に割込みを発生)、p.26 外部割込み:タイマ割込み / IPA 応用情報技術者試験(レベル3)シラバス Ver.7.2 中分類5:ソフトウェア 1.オペレーティングシステム(4)タスク管理 ② 多重プログラミングとスケジューリング「同期制御・排他制御の必要性,実現方法」用語例「ラウンドロビン」「排他制御」(PDF p.27)/(7)記憶管理 ② 仮想記憶管理「ページング方式」(PDF p.28)
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問543.デッドロックの発生を回避する手法として、資源要求時に将来も含めた安全性を判定する手法はどれか。
- ア.銀行家アルゴリズム
- イ.ロック順序付け
- ウ.待ちグラフの定期的な閉路検査
- エ.資源獲得のタイムアウト
正解:ア.銀行家アルゴリズム
解説:銀行家アルゴリズム(バンカーズアルゴリズム)は、各プロセスが使う資源の最大量を前もって申告させ、資源の割当て要求のたびに、認めた後も安全状態(空いている資源と、終わったプロセスが返す資源で、全プロセスを順に最後まで動かせる順序がある状態)が保てるかを調べ、保てなければ要求を待たせる。この考え方を回避と呼ぶ。ロック順序付けは資源に番号を付け、小さい番号から順にしか確保させないことで循環待機を崩す防止の手法である。待ちグラフの定期的な閉路検査と資源獲得のタイムアウトは、起きてしまったデッドロックを見つけてプロセスを止めるなどで対処する検出の手法である。
根拠: CS 4410 Lecture 9: Deadlock(Cornell University, Summer 2017 講義ノート) Deadlock prevention(Breaking hold-and-wait/Breaking circular wait: lock ordering=資源に番号を付け小さい番号から確保)、Deadlock detection(資源獲得に時間制限を設ける・resource allocation graph の閉路を調べる)、Deadlock avoidance: Banker's algorithm(各プロセスの最大要求を把握し、要求を認めても safe state が保てなければ待たせる。safe state の定義) / Operating Systems: Three Easy Pieces(R. H. Arpaci-Dusseau・A. C. Arpaci-Dusseau) Chapter 32 Common Concurrency Problems Deadlock Bugs の節:Prevention の Circular Wait(p.7、ロック獲得の順序を決める)・Hold-and-wait(p.8、ロックをまとめて取得)、Avoidance via Scheduling(p.12〜13、Banker's Algorithm に言及)、Detect and Recover(p.13) / Operating System Course Notes Chapter 7 Deadlocks(University of Illinois Chicago, J. Bell) 7.5.3 Banker's Algorithm(開始時に最大要求を申告させ、要求のたびに認めても safe state か調べ、そうでなければ待たせる)、7.6.1 Single Instance of Each Resource Type(wait-for graph を保持し、定期的に閉路を探して検出する)
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問544.プロセスがよく参照するページの集まり(ワーキングセット)に対して主記憶のページ枠が不足し、ページの置換えが頻発して処理能力が急激に低下する現象はどれか。
- ア.ページフォールト
- イ.スラッシング
- ウ.デッドロック
- エ.フラグメンテーション
正解:イ.スラッシング
解説:ページング方式の仮想記憶では、ワーキングセットが主記憶のページ枠に収まらないと、追い出したページがすぐまた必要になり、ページ置換えが頻発する。補助記憶との入替えに時間を取られて処理能力が急激に落ちる現象がスラッシング。ページフォールトは参照したページが主記憶に無いときに起き、OSがそのページを読み込むきっかけになるもので、仮想記憶では普段から起きる。それが頻発した結果がスラッシングである。デッドロックは互いが持つ資源の解放を待って進めなくなる状態、フラグメンテーションは空き領域が細切れになり使えなくなる現象で、どちらもページ枠の不足で起きる現象ではない。
根拠: IPA 令和6年度秋期 応用情報技術者試験 午前 問題 問17(ページング方式の仮想記憶において,ページ置換えの発生頻度が高くなり,システムの処理能力が急激に低下する現象。選択肢:スラッシング/スワップアウト/フラグメンテーション/ページフォールト)(問題冊子 p.10) / IPA 令和6年度秋期 応用情報技術者試験 解答例(午前) 問17 正解 ア(スラッシング) / IPA 応用情報技術者試験(レベル3)シラバス Ver.7.2 中分類5:ソフトウェア 1.オペレーティングシステム(7)記憶管理 ② 仮想記憶管理 用語例「スラッシング」「ページフォールト」「ワーキングセット」/① 実記憶管理「フラグメンテーションとその対策」(PDF p.28・本文 p.24) / Operating Systems: Three Easy Pieces(R. H. Arpaci-Dusseau・A. C. Arpaci-Dusseau) 22 Beyond Physical Memory: Policies 22.12 Thrashing(memory demands exceed physical memory → constantly paging=thrashing、working sets=the pages that they are using actively)(PDF p.14) / Operating Systems: Three Easy Pieces(R. H. Arpaci-Dusseau・A. C. Arpaci-Dusseau) 21 Beyond Physical Memory: Mechanisms 21.3 The Page Fault/21.5 Page Fault Control Flow(ページが主記憶に無いとき OS の page-fault handler がディスクから読み込む)(PDF p.4〜8) / Operating Systems: Three Easy Pieces(R. H. Arpaci-Dusseau・A. C. Arpaci-Dusseau) 32 Common Concurrency Problems 32.3 Deadlock Bugs(互いが持つロックの解放を待つ状態)(PDF p.5〜7) / Operating Systems: Three Easy Pieces(R. H. Arpaci-Dusseau・A. C. Arpaci-Dusseau) 17 Free-Space Management 冒頭(external fragmentation:空き領域が細切れになり、合計は足りても連続した領域を確保できない)(PDF p.1)
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問545.ブロックサイズ4KB、容量8TBのディスクで、ブロック番号を32ビットで表す(1TB=2⁴⁰バイトとする)。32ビットで全ブロックの番号を表せるかを、ブロック数を求めて判断した。計算と結論がともに正しいものはどれか。
- ア.ブロック数は2⁴³÷2¹⁰=2³³で、2³²個の番号に収まらないので不足
- イ.ブロック数は2⁴³のままで、2³²個の番号に収まらないので不足
- ウ.ブロック数は2⁴³÷2¹²=2³¹で、2³²個の番号に収まるので十分
- エ.ブロック数は2⁴⁰÷2¹⁰=2³⁰で、2³²個の番号に収まるので十分
正解:ウ.ブロック数は2⁴³÷2¹²=2³¹で、2³²個の番号に収まるので十分
解説:ブロック番号は1ブロックに1つ必要なので、ブロック数が32ビットで表せる番号の数(2³²個、約43億)以下なら足りる。8TB=2³×2⁴⁰=2⁴³バイト、4KB=2²×2¹⁰=2¹²バイトなので、ブロック数は2⁴³÷2¹²=2³¹(約21億)で、2³²個に収まり十分。2⁴³をそのまま使うのはバイト数とブロック数の取り違え、2⁴³÷2¹⁰は4KBの「4」を落とした誤りで、どちらも不足という結論になる。2⁴⁰÷2¹⁰は8TBの「8」と4KBの「4」を落とし、単位のTとKだけで割った誤りで、結論は十分でも計算が違う。なお8TBを8×10¹²バイトとしても約19.5億ブロックで、結論は変わらない。
根拠: テラバイト(デジタル大辞泉/IT用語がわかる辞典)- コトバンク 「テラバイト」の用語解説(1TB=2^40バイト、または10^12バイト) / IPA 応用情報技術者試験(レベル3)シラバス Ver.7.2 中分類5:ソフトウェア 3.ファイルシステム(3)ファイル編成とアクセス手法 用語例「ブロック,ブロックサイズ」(PDF p.31・本文 p.27)
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問546.SSDで書込み回数の偏りを防ぐ制御機構はどれか。
- ア.トリム
- イ.プリフェッチ
- ウ.ガーベジコレクション
- エ.ウェアレベリング
正解:エ.ウェアレベリング
解説:ウェアレベリングは、SSDのコントローラが書込み先の物理的な位置を分散させ、ブロックごとの書込み・消去の回数を平均化する仕組みである。フラッシュメモリは同じブロックの消去と書込みを繰り返すとそこから先に使えなくなるので、偏りを防いで装置全体の寿命を延ばす。トリムはOSが削除して不要になった領域をSSDに知らせる命令、ガーベジコレクションは古いデータが残るブロックから有効なデータだけを移し、ブロックを消去して空きを作る処理、プリフェッチは使いそうなデータを前もって読み込む先読みで、いずれも書込み回数の平均化を目的とした仕組みではない。
根拠: デジタル大辞泉「ウェアレベリング」(コトバンク) 用語解説(物理的な書き込み位置を分散させ、書き込みの頻度を平均化する) / Operating Systems: Three Easy Pieces(R. H. Arpaci-Dusseau・A. C. Arpaci-Dusseau) Chapter 44 Flash-based SSDs p.7(消去・書込みを繰り返したブロックは使えなくなる・wear leveling)、44.8 Garbage Collection(p.10〜11:有効なページを移してブロックを消去し空きを作る)、Aside: A New Storage API Known As Trim(p.12:削除したブロックをデバイスに知らせる)、44.10 Wear Leveling(p.17) / プログレッシブ英和中辞典(第5版)「prefetch」(コトバンク) 《コンピュ》〈データを〉先読みする/[名] プリフェッチ,先読み
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問547.IEEE754単精度浮動小数点の指数部(バイアス付き)のバイアス値はいくつか。
- ア.127
- イ.128
- ウ.1023
- エ.1024
正解:ア.127
解説:IEEE 754の単精度は符号1ビット・指数部8ビット・仮数部23ビットで、指数部は符号を付けずに格納するため、実際の指数にバイアス127を足した値(格納値=実際の指数+127)を入れる。たとえば格納値150なら実際の指数は150−127=23である。格納値は0〜255で、全ビット0と全ビット1は特別な数に使う。127は2の7乗−1、倍精度は指数部11ビットでバイアスは1023(2の10乗−1)。選択肢の1023は倍精度のバイアス、128と1024はそれぞれ2の7乗・2の10乗そのもので、バイアスはそこから1を引いた値になる。
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問548.符号付き8ビット2の補数で、-1を表すビット列はどれか。
- ア.10000001
- イ.11111111
- ウ.11111110
- エ.00000001
正解:イ.11111111
解説:2の補数表現では、負の数−xを「x−1の各ビットを反転したビット列」で表す。−1なら1−1=0(00000000)を反転して11111111になる。+1(00000001)の各ビットを反転した11111110に1を足しても同じ結果になる。8ビットでは先頭が1のビット列が負の数で、−1から−128(10000000)までを表す。ほかの選択肢を同じ方法で読むと、10000001は反転すると01111110(126)なので−127、11111110は反転すると00000001(1)なので−2、00000001は+1である。
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問549.パイプライン処理における制御ハザードを低減する手法として最も直接的なものはどれか。
- ア.メモリインタリーブ
- イ.キャッシュ階層化
- ウ.分岐予測
- エ.DMA
正解:ウ.分岐予測
解説:正解は分岐予測。制御ハザードは、分岐命令やジャンプ命令によって生じるハザードである。分岐の方向が判明するまで後続の命令を止めるとストールが生じるので、分岐の結果を予測して処理を進める方法がとられる。例えば、すべての分岐を不成立として進める predicted-not-taken 方式では、予測が当たればペナルティは生じない。メモリインタリーブ、キャッシュの階層化、DMA は記憶装置や入出力の性能を上げる技術で、制御ハザードへの直接の対策ではない。
根拠: 計算機アーキテクチャ第二(O) 5.パイプライン処理(東京工業大学 吉瀬謙二) ハザードの分類(制御ハザード)、静的に採用できる制御ハザードの対処(戦略1〜3) / 名古屋大学 嶌田研究室 講義資料「3.4 記憶階層のアーキテクチャ」(chap03text2.pdf) p.18〜20(メモリの平均アクセス時間・メモリインタリーブ)
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問550.実行中のアプリケーションプログラムが、ユーザーモードでは実行できない入出力などの処理をOSに依頼したときに発生する割込みはどれか。
- ア.入出力割込み
- イ.タイマ割込み
- ウ.プログラム割込み
- エ.SVC割込み
正解:エ.SVC割込み
解説:SVC(スーパーバイザーコール)割込みは、アプリケーションが自分では実行を許されていない処理(入出力装置へのアクセスなど)をOSに依頼するときに発生する内部割込みで、CPUはOSを実行するモード(スーパーバイザーモード)に切り替わる。入出力割込みは入出力装置が入力の終了などを知らせる外部割込みで、依頼した処理が終わったときに起きる。タイマ割込みはインターバルタイマが一定時間ごとに起こす外部割込み、プログラム割込みはゼロ除算やオーバーフローなど実行中のプログラムの異常で起きる内部割込みである。
根拠: IPA 応用情報技術者試験(レベル3)シラバス Ver.7.2 中分類3:コンピュータ構成要素 1.プロセッサ(6)プロセッサの動作原理 ③ 割込み 用語例「SVC(SuperVisor Call)割込み,入出力割込み,プログラム割込み」(PDF p.19・本文 p.15)/中分類5:ソフトウェア 1.オペレーティングシステム(2)OS の機能と構成 用語例「カーネルモード(スーパーバイザーモード),ユーザーモード」(PDF p.27・本文 p.23) / オペレーティングシステム #2(名古屋工業大学 講義資料) 割込みの種類(内部割込み:スーパバイザコール割込み・プログラムチェック(例外)割込み/外部割込み:入出力割込み・タイマ割込み ほか)、SVC割込みとユーザモード・スーパバイザモード、入出力割込み(入力の終了を知らせる)、タイマ割込み(PDF p.16〜26)
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問551.組込みシステムのリアルタイム処理要件のうち、期限遵守が絶対要件となるものはどれか。
- ア.ハードリアルタイム
- イ.ソフトリアルタイム
- ウ.ベストエフォート
- エ.ノンリアルタイム
正解:ア.ハードリアルタイム
解説:ハードリアルタイムは、すべての期限を例外なく守らなければならず、1回でも期限に遅れればシステムの失敗とみなす方式で、航空機の飛行制御などが当たる。ソフトリアルタイムは、ときどき期限に遅れても失敗とはせず、性能の低下として許容する。ベストエフォートは、できる限り努力はするが速度や品質を保証しない方式なので、期限を守ることも保証しない。ノンリアルタイムは、処理の速さが結果の正しさの条件にならない通常の処理で、期限という要件そのものを持たない。なお、遅れた結果は捨てるが失敗とはしないファームリアルタイムという区分もある。
根拠: Real-time systems (IEEE Technology Navigator) 冒頭の段落(期限後の結果は誤りとして扱う・通常の処理では速さは性能の問題で正しさの条件ではない)と次の段落(hard/soft/firm real-time の区別) / コトバンク「ベストエフォート型」(小学館 デジタル大辞泉/講談社 IT用語がわかる辞典) 通信速度や品質が保証されないデータ通信サービスの形態。できる限り努力はするが、諸条件によって通信速度の低下などが生じることがある / IPA 応用情報技術者試験 シラバス Ver.7.2 PDF 12ページ(本文 -8-)(2)制御に関する理論 ① 制御の考え方,仕組み 用語例「リアルタイムOS」
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問552.2進数の101101を10進数に変換すると、46である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。32+8+4+1=「45」(46ではない)。
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問553.16進数のFFは、10進数で256である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。FF(16) = 15×16 + 15 = 255(10)。FFは8ビットの最大値。
根拠: MDN Web Docs: Number.prototype.toString() Examples(基数変換の例)
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問554.浮動小数点数の精度を高めるには、仮数部のビット数を増やせばよい。
正解:○(正しい)
解説:IEEE754等の浮動小数点形式:仮数部のビット数が精度を、指数部が範囲を決定する。倍精度(64bit)は仮数部52bit。
根拠: 18.3.3 浮動小数点表現の精度・範囲と特別な値(東京大学 教養教育高度化機構 情報・数理) 「浮動小数点の精度」の節
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問555.O(n log n)はO(n)よりも漸近的に増加が遅い。
正解:×(誤り)
解説:誤り。O(n log n)はO(n)より「漸近的に速い増加」(log n倍だけ大きい)。
根拠: big-O notation, Dictionary of Algorithms and Data Structures (NIST) Definition / Formal Definition / little-o notation, Dictionary of Algorithms and Data Structures (NIST) Definition
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問556.バブルソートの平均計算量はO(n²)である。
正解:○(正しい)
解説:正しい。バブルソートは、隣り合う2つの要素の順序が逆なら交換する操作を繰り返して整列する。n個(nは要素の数)の列では、1回目の走査でn−1回、2回目でn−2回…と比べ、合計(n−1)+(n−2)+…+1=n(n−1)/2回の比較をする。この基本の形では比較の回数が入力の並び方によらないので、平均でも最悪でもO(n²)になる。選択ソート・挿入ソートも平均・最悪ともO(n²)。これに対しクイックソートは平均O(n log n)だが、最悪はO(n²)になる。
根拠: 首都大学東京 内田幸寛「アルゴリズムB 第6回 ソートアルゴリズム」(2021) p.1「バブルソート」(隣接している要素の順序が逆のとき交換する操作を繰り返す。for j = 1 to n−1/for i = 1 to n−j の擬似コード) / 首都大学東京 内田幸寛「アルゴリズムB 第8回 比較によらないソート・中間まとめ」(2021) p.1 の表(最悪計算量・平均計算量:バブルソート・挿入ソート・選択ソートは O(n²)・O(n²)、クイックソートは O(n²)・O(n log n)。平均はすべての順列が一様に現れるとした評価)
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問557.スタックはFIFO(先入れ先出し)、キューはLIFO(先入れ後出し)のデータ構造である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。スタックは最後に入れた要素から取り出す LIFO(後入れ先出し)のデータ構造である。キューは最初に入れた要素から取り出す FIFO(先入れ先出し)のデータ構造である。問題文は両者の対応が逆になっている。スタックは積んだ皿の上から取る、キューは行列の先頭から進むと覚える。
根拠: NIST Dictionary of Algorithms and Data Structures「stack」 Definition / NIST Dictionary of Algorithms and Data Structures「queue」 Definition
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問558.二分探索木では、平均的に探索の計算量はO(log n)である。
正解:○(正しい)
解説:正しい。二分探索木は、どの節でも左の部分木にその節より小さいキー、右の部分木に大きいキーが入るように並べた木で、探索では根から目的のキーと比べて左右どちらかへ1段ずつ下りる。比べる回数は木の高さで決まり、平均的な高さはO(log n)(nはデータの数)なので、探索も平均O(log n)になる。ただし、データの追加の順によっては木が一方に偏って連結リストのような形になり、最悪O(n)かかる。AVL木・赤黒木などの平衡木は木の形の偏りを抑え、最悪の場合もO(log n)で探索できる。
根拠: データ構造とアルゴリズム 第7回: 辞書とその実装: 二分木など(青山学院大学 理工学部情報テクノロジー学科) 「二分探索木」「探索木での探索」(左の部分木のキーが小さく右が大きい、根から比べて左右へ進む)、「単純な探索木の評価」(木全体の高さで計算時間が決まる。平均の高さ O(log n)・最悪の高さ O(n))、「平衡木」(一般の探索木は最悪、連結リストの形を取る) / データ構造とアルゴリズム 第8回: 平衡木(青山学院大学 理工学部情報テクノロジー学科) 「赤黒木」(葉の最大の深さは最小の深さの二倍以内)、「AVL 木」(左右の部分木の高さの差は1以下、高さが 1.44 log₂ n に限定)、「まとめ」(平衡木によって辞書の基本操作は全て O(log n) で可能)
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問559.ハッシュテーブルの平均探索計算量は、O(1)である。
正解:○(正しい)
解説:ハッシュテーブル:平均O(1)、最悪O(n)(全衝突時)。良いハッシュ関数で衝突を最小化。
根拠: NIST Dictionary of Algorithms and Data Structures: hash table hash table の項の Note
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問560.コンパイラは、ソースコードを実行時に逐次解釈するプログラムである。
正解:×(誤り)
解説:誤り。コンパイラは「実行前に機械語変換」(実行時解釈はインタプリタ)。
根拠: JIS X 0007:2001 情報処理用語-プログラミング 07.02 方法,技法及びプログラム構造 付近の「コンパイルする」「コンパイラ」の項
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問561.オブジェクト指向の3要素は、関数・配列・分岐である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。OOP3要素は「カプセル化・継承・ポリモーフィズム」(プログラミング基本要素ではない)。
根拠: Object-oriented programming - inheritance - C# (Microsoft Learn) 冒頭の段落
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問562.プロセスはOSが管理する実行単位、スレッドはプロセス内で並行実行できる軽量な単位である。
正解:○(正しい)
解説:正しい。プロセスは実行中のプログラムで、OSが仮想アドレス空間などの資源を割り当てて管理する単位である。スレッドはプロセスの中で実行される流れで、1つのプロセスに複数作ることができ、OSがプロセッサの時間を割り当てる基本の単位になる。同じプロセスのスレッドは仮想アドレス空間と資源を共有し、自分のレジスタとスタックだけを別に持つ。このためスレッドどうしの切替えではアドレス空間(ページテーブル)を切り替えずに済み、プロセスより軽く扱える。
根拠: Processes and Threads - Win32 apps (Microsoft Learn) 冒頭の概要の段落(A process is an executing program. A thread is the basic unit to which the operating system allocates processor time.) / About Processes and Threads - Win32 apps (Microsoft Learn) 冒頭の段落(プロセスは仮想アドレス空間などの資源を持ち、追加のスレッドを作れる。プロセスの全スレッドは仮想アドレス空間とシステム資源を共有し、各スレッドはレジスタ・カーネルスタック・ユーザースタックなどのスレッドコンテキストを持つ) / Operating Systems: Three Easy Pieces(R. H. Arpaci-Dusseau・A. C. Arpaci-Dusseau) Chapter 26 Concurrency: An Introduction p.1(スレッドは同じアドレス空間を共有し、各スレッドは自分のレジスタを持つ。スレッド間のコンテキストスイッチではアドレス空間はそのままで、ページテーブルを切り替える必要がない)
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問563.デッドロックとは、複数のプロセスが互いに資源解放を待つ状態で進行不能になる現象である。
正解:○(正しい)
解説:正しい。デッドロックは、複数のプロセスがそれぞれ資源を持ったまま、ほかのプロセスが持つ資源の解放を待ち合い、どれも先へ進めなくなる状態をいう。発生するには、相互排除・保有と待機・横取り不可・循環待機の4条件(Coffman条件)がすべて成り立つ必要があり、このうち1つでも成り立たないようにすれば発生を防止できる。これに対し、各プロセスに必要な資源の最大量を前もって申告させ、危険な状態につながる割当て要求を断る銀行家アルゴリズム(バンカーズアルゴリズム)の方法は、回避と呼ぶ。
根拠: 会津大学オンラインジャッジ「デッドロック検出」問題文 問題文冒頭(デッドロックの定義:複数のスレッドがお互いにいくつかの資源を使い終わるのを待っていて先に進めない状況) / デジタル大辞泉「デッドロック」(コトバンク) 語義2(プログラム間で互いの処理終了を待つなどして半永久的な待機状態に陥ること) / UC Riverside CS 153 Design of Operating Systems (Fall 2020) Lecture 14: Deadlock(講義スライド) p.3 Deadlock Definition、p.6 Conditions for Deadlock(4条件が同時に成り立つときに限り発生)、p.13 Deadlock Prevention(必要条件の少なくとも1つが起きないようにする)、p.15〜16 Deadlock Avoidance・Banker's Algorithm(最大要求量を前もって申告・危険な状態につながる要求を拒否)、p.22 まとめ
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問564.スワッピングとは、CPU使用率を上げるために実行可能なプロセスの優先度を変えることである。
正解:×(誤り)
解説:誤り。スワッピング:物理メモリ不足時にプロセスのデータを補助記憶(HDD/SSD)に退避すること。優先度変更ではない。
根拠: IPA 応用情報技術者試験 シラバス Ver.7.2 PDF 28ページ(本文 -24-)(7)記憶管理 ① 実記憶管理「主記憶装置を効率良く使うためのスワッピング」、用語例 ロールイン・ロールアウト・スワップイン・スワップアウト / コトバンク「スワップ」(小学館 デジタル大辞泉/講談社 IT用語がわかる辞典) デジタル大辞泉 語義2(メモリーに収まりきらない情報を一時的に記憶装置に書き出し、必要に応じてメモリー内の情報と交換すること)、IT用語がわかる辞典(メインメモリー上のデータを一時的にハードディスク上に移す。「スワッピング」ともいう)
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問565.仮想記憶は、物理メモリ容量を超えたメモリ空間をプロセスに提供する機能である。
正解:○(正しい)
解説:仮想記憶:ページング・セグメンテーションで実現。プロセスから見た連続的な仮想空間を、物理メモリ+補助記憶にマッピング。
根拠: JIS X 0010:1987 情報処理用語(操作技法及び機能) 10.05 記憶管理 10.05.11 仮想記憶(仮想記憶装置)の定義と注 / 32 ビット バージョンの Windows の仮想メモリ - Windows Server ページファイルの節
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問566.システムの稼働率は、MTBFが短くMTTRが長いほど高くなる。
正解:×(誤り)
解説:誤り。稼働率はMTBF「長く」MTTR「短い」ほど高い(故障少なく修復早い)。
根拠: JAIST i450 workbook and errata(稼働率、MTBF、MTTR の項) 「稼働率、MTBF、MTTR」の段落
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問567.クラスタリングは、複数のサーバを連携させて1つのシステムとして運用する技術である。
正解:○(正しい)
解説:正しい。クラスタリングは、複数のコンピュータを接続し、全体を一つのシステムとして機能させる技術である。独立した複数のシステムを一つとして動かすので、障害が起きても全体を止めずに運用を続けられ、台数を増やせば耐障害性と性能も高められる。「複数台で1台のように動く」と覚える。
根拠: クラスタリング(デジタル大辞泉) - コトバンク(出典:教育ネットワーク情報セキュリティ推進委員会 情報セキュリティ用語辞典) クラスタリング項目
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問568.中置記法の式 (A+B)×C を逆ポーランド表記法で表すと、A B C + × となる。
正解:×(誤り)
解説:誤り。逆ポーランド表記法(後置記法)では演算子を被演算子の後ろに置くので、(A+B)×C は A B + C × となる。A B C + × は A×(B+C) を表す。
根拠: オートマトンと言語 2回目 授業資料(山梨大学) 数式の記法(3):(x+y)*z を後置記法に変換すると xy+z*
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問569.M/M/1モデルでは、利用率ρが1に近づくほど待ち時間は短くなる。
正解:×(誤り)
解説:誤り。利用率ρは窓口が処理に使われている時間の割合で、平均到着率×平均サービス時間(=平均到着率÷平均サービス率)で求める。M/M/1 の平均待ち時間は、平均サービス時間×ρ÷(1−ρ) で表される。ρが1に近づくと分母の (1−ρ) が0に近づくので、待ち時間は短くなるのではなく急激に長くなる。たとえばρが0.9なら平均待ち時間は平均サービス時間の9倍、0.95なら19倍になる。窓口をほとんど休みなく働かせると、混雑して待ちが大きく膨らむということである。
根拠: Dai, J.G. and He, S., Queues in Service Systems: Customer Abandonment and Diffusion Approximations (Tutorials in Operations Research, INFORMS, 2011) p.37〜38 §2(ρ=到着率×平均サービス時間、平均サービス時間 m=1/µ、平均待ち時間 w=m・ρ/(1−ρ)・(1+cs²)/2、M/M/1 は cs²=1、ρ=0.9 で待ち時間係数9・0.95 で19)、Figure 1 / IPA 応用情報技術者試験 シラバス Ver.7.2 PDF 8ページ(本文 -4-)(6)待ち行列理論(M/M/1 モデルにおける計算、用語例 平均到着率・平均サービス率)
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問570.XORは、2入力が同じとき真、異なるとき偽を返す。
正解:×(誤り)
解説:誤り。XOR(排他的論理和)は「異なるとき真、同じとき偽」(記述が逆)。
根拠: ビット排他的論理和 (^) - JavaScript - MDN Web Docs 冒頭の説明・XOR 演算の真理値表
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問571.CPUのキャッシュメモリは、主記憶(RAM)よりも高速だが容量が小さい。
正解:○(正しい)
解説:正しい。キャッシュメモリは CPU と主記憶の間(今は多くが CPU の中)に置く小さな高速のメモリで、主記憶より容量は小さいが速く動く。よく使うデータを置いておき、遅い主記憶へ読みに行く回数を減らして処理を速くする。記憶装置は大容量と高速を両立できないため、速いが容量が小さい順に L1→L2→L3 キャッシュ→主記憶と階層に並べ、CPU は L1 から順に探す。これが効くのは、参照したデータやその近くのデータがすぐにまた参照されやすい性質(時間的・空間的局所性)があるからである。
根拠: デジタル大辞泉「一次キャッシュ」(コトバンク) 一次キャッシュの項(CPU内部に設けられ高速で容量が小さい。無い場合は、より低速で容量が大きい二次キャッシュ、三次キャッシュ、主記憶装置の順に読み取りに行く) / コトバンク「キャッシュメモリー」(小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)) メインメモリーと比べて容量は小さいが高速に作動する/アクセス頻度の高いデータを保管しメインメモリーへのアクセス回数を減らす/現在ではCPUチップに内蔵されることが多い / 東京大学 OCW「コンピュータハードウェア」第6回 キャッシュ(坂井修一)講義資料 PDF 2ページ「メモリの理想と現実」(大容量と高速アクセスは両立しない)・「記憶階層と局所性」(空間局所性・時間局所性の定義、高速小容量メモリが上位)
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問572.次のうち、計算量が最も小さいオーダーはどれか。
- ア.O(n²)
- イ.O(log n)
- ウ.O(n)
- エ.O(n log n)
正解:イ.O(log n)
解説:計算量小→大:O(1)<O(log n)<O(n)<O(n log n)<O(n²)<O(2^n)。
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問573.次のうち、安定(同値の順序保持)なソートアルゴリズムはどれか。
- ア.クイックソート
- イ.ヒープソート
- ウ.マージソート
- エ.選択ソート
正解:ウ.マージソート
解説:マージソート・バブルソート・挿入ソートは安定。クイック・ヒープ・選択は不安定(同値の順序が保持されない場合あり)。
根拠: Sedgewick & Wayne, Algorithms, 4th Edition(Princeton University の教科書サイト)2.5 Sorting Applications Stability の段落(insertion sort and mergesort は安定、selection sort, shellsort, quicksort, heapsort は安定でない) / データ構造とアルゴリズム: クイックソート、平均計算量(青山学院大学 講義資料) 「安定な整列法」の節(定義・ヒープソートとクイックソートは安定でない) / ALDS1_2_C 安定なソート(会津大学 Aizu Online Judge 解説) 安定なソートの定義、選択ソートの不安定な例、バブルソート・挿入ソートは安定なソート
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問574.次のうち、デッドロック発生の必要条件(Coffman条件)に含まれないものはどれか。
- ア.相互排除
- イ.保有と待機
- ウ.横取り不可
- エ.優先度逆転
正解:エ.優先度逆転
解説:デッドロックは、複数のプロセスが互いに相手の持つ資源の解放を待ち合い、どれも進めなくなる状態で、次の4つの条件がすべて同時に成り立つときにだけ起こる:相互排除(資源を共有できない)、保有と待機(資源を持ったまま別の資源を待つ)、横取り不可(使用中の資源を取り上げられない)、循環待機(待ちの関係が輪になる)。優先度逆転は、優先度の低いプロセスが資源を持っているために優先度の高いプロセスが待たされる現象で、リアルタイム処理で締切りに間に合わなくなるおそれがある問題だが、4条件には含まれない。
根拠: UC Davis ECS 150 (Spring 1999) Four Necessary and Sufficient Conditions for Deadlock(講義資料) Deadlock Conditions(mutual exclusion/hold and wait/no pre-emption/circular wait の4条件) / UC Riverside CS 153 Design of Operating Systems (Fall 2020) Lecture 14: Deadlock(講義スライド) p.2〜3 Deadlock Definition(every thread is waiting for an event that can be caused only by another thread in the set)、p.6 Conditions for Deadlock(if and only if the following four conditions hold simultaneously:Mutual exclusion・Hold and wait・No preemption・Circular wait) / Oracle「System Interface Guide」Chapter 9 Realtime Programming and Administration > Priority Inversion Priority Inversion(Priority inversion is a condition that occurs when a higher priority process is blocked by a lower priority process/低い優先度のプロセスが資源を持つと高い優先度のプロセスが待たされる、長引くと deadlines might be missed)
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問575.次のうち、仮想化技術の特徴として正しいものはどれか。
- ア.コンテナはホストOSを共有する
- イ.ハイパーバイザ型はゲストOSが不要
- ウ.コンテナはハードウェアを完全仮想化する
- エ.ホスト型はハードウェア上で直接動く
正解:ア.コンテナはホストOSを共有する
解説:コンテナは、1つのホストOSのカーネルを複数のアプリで共有し、アプリどうしを分けて動かす方式で、ハードウェアを仮想化するわけではない。これに対して仮想マシンは、ハイパーバイザが用意する仮想のハードウェアの上で、仮想マシンごとに完全なゲストOSを動かすので、ハイパーバイザ型でもゲストOSは必要である。ハードウェア上で直接動くのはハイパーバイザ型(ベアメタル型)で、ホスト型はホストOSの上でハイパーバイザを動かす方式である。
根拠: NIST Special Publication 800-190 Application Container Security Guide (2017) 2.2(PDF 17〜18ページ)Figure 2 の説明:VM はハイパーバイザによるハードウェアレベルの分離で、各 VM が完全なゲストOSを持つ/コンテナは同じ OS カーネル(ホストOSの一部)を共有する / NIST Special Publication 800-125 Guide to Security for Full Virtualization Technologies (2011) 2.2 Types of Full Virtualization(bare metal はハイパーバイザがホストOSなしでハードウェア上で直接動く/hosted はハイパーバイザがホストOSの上で動く/どちらも各ゲストOSが自分のハードウェアを持つように見える) / IPA 応用情報技術者試験 シラバス Ver.7.2 PDF 24ページ(本文 -20-)(2)システム構成 用語例「仮想化(ホスト型,ハイパーバイザー型,コンテナ型)」
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問576.システムの稼働率の計算式として正しいものはどれか。
- ア.MTTR / MTBF
- イ.MTBF / (MTBF + MTTR)
- ウ.MTTR / (MTBF + MTTR)
- エ.MTBF / MTTR
正解:イ.MTBF / (MTBF + MTTR)
解説:稼働率は、システムが使える状態にある時間の割合である。MTBF(平均故障間動作時間:故障せずに動いている時間の平均)とMTTR(平均修復時間:故障してから直るまでの時間の平均)を使うと、動いている時間と止まっている時間の合計MTBF+MTTRのうちMTBFが占める割合なので、稼働率=MTBF/(MTBF+MTTR)となる。MTTR/(MTBF+MTTR)は止まっている時間の割合で、1から稼働率を引いた値(アンアベイラビリティ)に当たる。MTBF/MTTRとMTTR/MTBFは動く時間と止まる時間の比で、全体に対する割合ではない。
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問577.クライアントサーバシステムの元々の構成は、プレゼンテーション層とデータ層からなる2層構成である。
正解:○(正しい)
解説:正しい。2層アーキテクチャは元々のクライアントサーバの構成で、プレゼンテーション層とデータ層からなり、業務ロジックはプレゼンテーション層、データ層、又はその両方に置かれる。2層ではプレゼンテーション層(つまり利用者)がデータ層に直接アクセスする。これに対し、最も広く採用されている多層構成は、プレゼンテーション層・アプリケーション層・データ層に分ける3層アーキテクチャである。
根拠: What Is Three-Tier Architecture? (IBM Think) Other multitier architectures > Two-tier architecture
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問578.3層クライアントサーバシステムでは、プレゼンテーション層・アプリケーション層・データ層に機能が分離される。
正解:○(正しい)
解説:3層モデル:保守性・スケーラビリティが向上、Webアプリの標準構成。プレゼン(HTML/CSS/JS)・アプリ(Java/PHP等)・DB(RDB等)。
根拠: N-tier architecture style (Azure Architecture Center) N-tier architecture style 本文(three-tier の説明部分)
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問579.RAID 0は、冗長性が高くデータ保護に優れる。
正解:×(誤り)
解説:誤り。RAID 0は「冗長性なし」(性能向上のみ、ストライピングのみ)。
根拠: Solaris ボリュームマネージャの管理 第8章 RAID-0 ボリュームの概要 RAID-0 ボリュームの概要
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問580.RAID 1は、容量効率が100%である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。RAID 1は「容量効率半分以下」(ミラーリングで2倍ディスク必要)。
根拠: RAID 1 (ミラー) ボリュームの概要 (Solaris ボリュームマネージャの管理) 第9章 RAID 1 (ミラー) ボリューム (概要) の冒頭
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問581.RAID 5は、いかなる故障でもデータ復旧不可能である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。RAID 5は「1台故障時データ復旧可能」(パリティ分散)。
根拠: Linux man-pages md(4)(Linux のソフトウェア RAID ドライバの解説) DESCRIPTION の RAID4(パリティにより1台が故障しても動作を続け、そのデータはパリティと他のブロックから計算できる)・RAID5(RAID4 とほぼ同じでパリティを全デバイスに分散) / コトバンク「RAID」(小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)) (6)RAID6(RAID5 で2台同時に故障すると復元できない弱点を解決・パリティを二つ生成し別々のディスクに分散・4台以上を要する)/(4)RAID5
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問582.RAID 6は、2台のディスクが同時に故障してもデータを保全できる方式である。
正解:○(正しい)
解説:正しい。RAID 6 は、パリティを2つ作ってそれぞれ別のディスクに分散して記録する方式で、2台のディスクが同時に故障しても耐えられ、データを失わない。パリティが1つの RAID 5 は2台が同時に故障すると復元できず、その弱点を補ったのが RAID 6 である。データ用のほかにパリティ2台分の容量が要るので、ディスクは最低4台必要になる。通常時の性能は RAID 5 よりやや低いが、ほぼ同程度である。
根拠: コトバンク「RAID」(小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)) (6)RAID6(RAID5 で2台同時に故障すると復元できない弱点を解決・パリティを二つ生成し別々のディスクに分散・4台以上を要する)/(4)RAID5 / Linux man-pages md(4)(Linux のソフトウェア RAID ドライバの解説) DESCRIPTION の RAID6(RAID5 と似ているが任意の2台の喪失にデータを失わずに耐える・N台分のデータに N+2 台が必要・通常時と1台故障時の性能は RAID5 よりやや低いが同程度)
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問583.バックアップ方式の差分バックアップは、前回フルバックアップ以降に変更されたデータのみをバックアップする。
正解:○(正しい)
解説:差分バックアップ:前回フルバックアップからの変更分。フル+最新差分でリストア。増分(直前との差)よりも復旧シンプル、容量大きめ。
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問584.増分バックアップは、初回フルバックアップ以降の全変更を毎回バックアップする。
正解:×(誤り)
解説:誤り。増分は「前回バックアップ以降の変更のみ」(毎回全変更は差分バックアップ)。
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問585.システムのスループットは、単位時間あたりに処理できるトランザクション数等を表す指標である。
正解:○(正しい)
解説:スループット:単位時間処理量(TPS、tps、QPS等)。レスポンスタイム(個々の応答時間)と並んで性能指標の双璧。
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問586.システムのレスポンスタイムは、ユーザがリクエストしてから応答が返るまでの時間である。
正解:○(正しい)
解説:レスポンスタイム:エンドユーザ視点の応答時間。ターンアラウンドタイム(バッチ処理全体の時間)と区別。
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問587.フェイルセーフは、システム障害時に危険な状態に移行する設計である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。フェイルセーフは「安全な状態に移行」(記述が逆)。
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問588.フェイルソフトは、システムの一部に障害があっても機能を縮退させながら運転を継続する設計である。
正解:○(正しい)
解説:フェイルソフト:縮退運転。クラスタリング・冗長化(HA)の基本思想。フォールバック動作とも。
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問589.フールプルーフは、誤操作があっても重大な事故・損傷に至らない設計である。
正解:○(正しい)
解説:フールプルーフ:誤操作防止設計。電子レンジの扉開閉センサー、車のシフトロック等。ヒューマンエラー対策。
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問590.組込みシステムは、汎用的な機能を実現するシステムである。
正解:×(誤り)
解説:誤り。組込みは「特定機能を機器に組み込む」(汎用ではない)。
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問591.IoT(Internet of Things)は、様々な機器がインターネットに接続され、データ収集・遠隔制御等が可能になる仕組みである。
正解:○(正しい)
解説:IoT:センサー+通信+クラウド。スマート家電・コネクテッドカー・スマートシティ等で展開。
-
問592.AI(人工知能)の機械学習は、大量のデータからパターンを学習し、予測・分類等を行う技術である。
正解:○(正しい)
解説:機械学習:教師あり学習(分類・回帰)・教師なし学習(クラスタリング)・強化学習等。AIの主要技術。
-
問593.ディープラーニング(深層学習)は、多層のニューラルネットワークを用いた機械学習手法である。
正解:○(正しい)
解説:ディープラーニング:CNN(画像)・RNN/LSTM(時系列)・Transformer(自然言語)等。GPU活用で計算量増加に対応。
-
問594.自然言語処理(NLP)は、人間の言語をコンピュータが理解・生成する技術分野である。
正解:○(正しい)
解説:NLP:機械翻訳・文章要約・感情分析・チャットボット等。LLM(大規模言語モデル)の登場で大きく発展。
-
問595.並列処理のパイプライン方式は、複数の命令を流れ作業のように処理する方式である。
正解:○(正しい)
解説:パイプライン処理:CPU命令を「フェッチ→デコード→実行→書込み」等の段階で重ねて処理。スループット向上。
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問596.スーパースカラは、1命令ずつ順次実行する技術である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。スーパースカラは「複数命令を同時並行実行」(順次は通常実行)。
-
問597.ベンチマークは、システムの性能を比較・評価するための標準的な測定手法である。
正解:○(正しい)
解説:ベンチマーク:SPEC・TPC等の標準ベンチマークがある。新システム選定・性能比較で使用。
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問598.次のRAID方式のうち、最低4台のディスクが必要なものはどれか。
- ア.RAID 0
- イ.RAID 6
- ウ.RAID 5
- エ.RAID 1
正解:イ.RAID 6
解説:RAID 6:2重パリティで最低4台必要。RAID 0/1は2台、RAID 5は3台から構成可。
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問599.バックアップ方式のうち、復旧時間が最も短いものはどれか。
- ア.増分バックアップ
- イ.差分バックアップ
- ウ.フルバックアップ
- エ.いずれも同じ
正解:ウ.フルバックアップ
解説:フルバックアップ:単一ファイルから復旧で最速。差分はフル+最新差分、増分はフル+全増分が必要。
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問600.次のうち、フールプルーフの例として正しいものはどれか。
- ア.監視ログ
- イ.冗長化サーバ
- ウ.バックアップ電源
- エ.電子レンジの扉センサー
正解:エ.電子レンジの扉センサー
解説:フールプルーフ:誤操作防止。電子レンジの扉開時動作停止、シュレッダーの安全装置等が代表例。
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問601.機械学習の3類型として誤っているものはどれか。
- ア.逆問題学習
- イ.教師なし学習
- ウ.強化学習
- エ.教師あり学習
正解:ア.逆問題学習
解説:機械学習3類型:教師あり・教師なし・強化学習。「逆問題学習」という分類は一般的でない。
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問602.CPUの並列処理技術として誤っているものはどれか。
- ア.パイプライン処理
- イ.カーネルパニック
- ウ.マルチコア
- エ.スーパースカラ
正解:イ.カーネルパニック
解説:カーネルパニックはOSの致命的エラー、並列処理技術ではない。パイプライン・スーパースカラ・マルチコアは並列処理の代表技術。
-
問603.A,B,C,D を論理変数とするとき,次のカルノー図と等価な論理式はどれか。ここで,・は論理積,+は論理和,X̄ は X の否定を表す。

- ア.A・B・C̄・D+B̄・D̄
- イ.Ā・B̄・C̄・D̄+B・D
- ウ.A・B・D+B̄・D̄
- エ.Ā・B̄・D̄+B・D
正解:エ.Ā・B̄・D̄+B・D
解説:1になっているマスをまとめる。まず AB=00 の行の CD=00 と CD=10 が1で,どちらも A=0,B=0,D=0 であり C だけが変わる。C は結果に影響しないのでこの2マスは Ā・B̄・D̄ にまとまる。次に AB=01 と AB=11 の CD=01 と CD=11 の計4マスが1で,どれも B=1,D=1 であり A と C が変わる。よってこの4マスは B・D にまとまる。両者の和で Ā・B̄・D̄+B・D となり,答はエ。アとイは4変数すべてを含む項を残しており,まとめられるマスをまとめていない。ウは第1項が A・B・D で,実際には A=1 のとき B=1・D=1 のマス(AB=11,CD=01と11)だけでなく AB=01 の行も1なので A を含めてはいけない。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問1
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問604.コンピュータによる伝票処理システムがある。このシステムは,伝票データをためる待ち行列をもち,M/M/1 の待ち行列モデルが適用できるものとする。平均待ち時間が T 秒以上となるのは,システムの利用率が少なくとも何%以上となったときか。ここで,伝票データをためる待ち行列の特徴は次のとおりである。 ・伝票データは,ポアソン分布に従って到着する。 ・伝票データをためる数に制限はない。 ・1件の伝票データの処理時間は,平均 T 秒の指数分布に従う。
- ア.33
- イ.50
- ウ.67
- エ.80
正解:イ.50
解説:M/M/1 の平均待ち時間 Tw は,利用率を ρ,平均処理時間を Ts として Tw=ρ/(1−ρ)×Ts で表される。この問題では平均処理時間そのものが T 秒なので Ts=T であり,Tw≧T すなわち ρ/(1−ρ)×T≧T が条件になる。両辺を T で割ると ρ/(1−ρ)≧1 となり,ρ≧1−ρ から ρ≧0.5,つまり利用率50%以上。答はイ。ρ/(1−ρ) は利用率が50%を超えると急激に増える形で,たとえば ρ=0.8 では待ち時間が処理時間の4倍になる。アの33%は ρ/(1−ρ)=0.5,ウの67%は同2,エの80%は同4に当たり,いずれも「待ち時間が処理時間と等しくなる」点ではない。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問2
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問605.AI における機械学習において,2クラス分類モデルの評価方法の一つである ROC 曲線で用いられる偽陽性率の説明として,最も適切なものはどれか。ここで,分類されるデータには正しいものと間違っているものが含まれるものとする。
- ア.“間違い”と予測したデータのうち,実際は“正しい”データの割合
- イ.実際に“間違い”であるデータに対し,誤って“正しい”と予測したデータの割合
- ウ.実際に“間違い”であるデータに対し,正しく“間違い”と予測したデータの割合
- エ.全データのうち,実際に正しく予測できなかったデータの割合
正解:イ.実際に“間違い”であるデータに対し,誤って“正しい”と予測したデータの割合
解説:偽陽性率(False Positive Rate)は,実際には陰性であるデータのうち,誤って陽性と判定してしまった割合をいう。式では FP/(FP+TN) で,分母は「実際に陰性であるデータ全体」である。この問題では“間違い”が陰性,“正しい”が陽性に当たるので,実際に“間違い”であるデータのうち誤って“正しい”と予測した割合となり,答はイ。ROC曲線はこの偽陽性率を横軸,真陽性率を縦軸に取り,判定のしきい値を動かしたときの軌跡を描いたものである。ウは正しく“間違い”と当てた割合で,これは真陰性率(特異度)であり,偽陽性率とは足して1になる関係にある。アは陰性と予測した中での誤りの割合なので分母が予測側であり,適合率の裏返しに当たる。エは全体に対する誤り全体の割合で,誤り率である。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問3
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問606.誤り検出方式である CRC に関する記述として,適切なものはどれか。
- ア.検査用のデータは,検査対象のデータを生成多項式で処理して得られる1ビットの値である。
- イ.受信側では,付加されてきた検査用のデータで検査対象のデータを割り,余りがなければ送信が正しかったと判断する。
- ウ.送信側では,生成多項式を用いて検査対象のデータから検査用のデータを作り,これを検査対象のデータに付けて送信する。
- エ.送信側と受信側では,異なる生成多項式が用いられる。
正解:ウ.送信側では,生成多項式を用いて検査対象のデータから検査用のデータを作り,これを検査対象のデータに付けて送信する。
解説:CRC(巡回冗長検査)は,送信するビット列を1つの多項式とみなし,あらかじめ決めた生成多項式で割った余りを検査用データ(CRC符号)として末尾に付けて送る方式である。受信側は「データ+CRC符号」を同じ生成多項式で割り,余りが0なら誤りなしと判断する。したがって答はウ。アは,余りのビット数は生成多項式の次数で決まり,CRC-32なら32ビットになるので「1ビット」が誤り。1ビットで表すのはパリティである。イは割る数を取り違えている。割るのは生成多項式であって,付加されてきた検査用データではない。エは,送信側と受信側が同じ生成多項式を使わなければ余りの計算が一致せず検査が成り立たないので誤り。CRCはバースト誤り(連続したビットの誤り)の検出に強く,通信やストレージで広く使われている。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問4
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問607.記憶領域を管理するアルゴリズムのうち,ベストフィット方式の特徴として,適切なものはどれか。
- ア.空きブロック群のうち,アドレスが下位のブロックを高い頻度で使用するので,アドレスが上位の方に大きな空きブロックが残る傾向にある。
- イ.空きブロック群のうち,要求された大きさを満たす最小のものを割り当てるので,最終的には小さな空きブロックが多数残る傾向にある。
- ウ.空きブロックの検索にハッシュ関数を使用しているので,高速に検索することができる。
- エ.空きブロックをアドレスの昇順に管理しているので,隣接する空きブロックを簡単に見つけられ,より大きな空きブロックにまとめることができる。
正解:イ.空きブロック群のうち,要求された大きさを満たす最小のものを割り当てるので,最終的には小さな空きブロックが多数残る傾向にある。
解説:ベストフィット方式は,空きブロックの中から「要求された大きさを満たすもののうち最も小さいもの」を選んで割り当てる方式である。ぴったりに近いブロックを使うので一見むだがないように見えるが,割り当てのたびにわずかな端数が残るため,どの要求にも使えない小さな空きブロックが多数散らばる。これが外部フラグメンテーションで,答はイ。アはファーストフィット方式の説明で,先頭から探して最初に見つかった空きブロックを使うため下位アドレスばかりが使われる。ウは検索の実装方式の話であり,ベストフィットかどうかとは別の観点である。エは空きブロックをアドレス順に並べて管理する目的(隣接ブロックの併合)の説明で,どの方式でも併用できる管理方法である。なお最も大きい空きブロックを割り当てるのはワーストフィット方式で,端数が大きく残るので細かい断片が生じにくい。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問5
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問608.異なる n 個のデータが昇順に整列された表がある。この表を m 個のデータごとのブロックに分割し,各ブロックの最後尾のデータだけを線形探索することによって,目的のデータの存在するブロックを探し出す。次に,当該ブロック内を線形探索して目的のデータを探し出す。このときの平均比較回数を表す式はどれか。ここで,m は十分に大きく,n は m の倍数とし,目的のデータは必ず表の中に存在するものとする。
- ア.m+n/m
- イ.m/2+n/(2m)
- ウ.n/m
- エ.n/(2m)
正解:イ.m/2+n/(2m)
解説:探索は2段階に分かれるので,それぞれの平均比較回数を出して足す。まずブロックの数は n/m 個で,各ブロックの最後尾を先頭から順に見ていくから,目的のブロックに当たるまでの平均比較回数はその半分の n/(2m) 回になる。次に見つけたブロックの中は m 個のデータを線形探索するので,平均は m/2 回である。合計すると m/2+n/(2m) となり,答はイ。アは両方とも半分にせず,しかもブロック内を m 回すべて比較する形で最悪値に近い。ウはブロックを探す段階だけを最悪値で数えており,ブロック内の探索が抜けている。エはブロックを探す段階の平均だけで,やはりブロック内が抜けている。この方式はブロック探索法と呼ばれ,m=√n のときに全体の比較回数が最小の √n 程度になる。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問6
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問609.OSS として公開されているプログラム言語である Scala の特徴はどれか。
- ア.オブジェクト指向プログラミングと関数型プログラミングの両方が可能である。
- イ.クラスの多重継承が可能である。
- ウ.実行前にコンパイルして,ネイティブコードを生成する必要がある。
- エ.変数の型が,参照する実際の値によって実行時に決定される動的型付け言語である。
正解:ア.オブジェクト指向プログラミングと関数型プログラミングの両方が可能である。
解説:Scala は,オブジェクト指向と関数型の両方の書き方を1つの言語で扱えるように設計された言語である。すべての値がオブジェクトである一方,関数も値として扱えて高階関数やパターンマッチが使える。よって答はア。イは誤りで,Scala はクラスの多重継承を許さず,代わりにトレイトという仕組みで複数の性質を混ぜ込む。ウも誤りで,Scala のソースは通常 Java の中間コード(バイトコード)にコンパイルされ,JVM 上で動く。ネイティブコードの生成は必須ではない。エも誤りで,Scala は変数の型がコンパイル時に決まる静的型付け言語である。ただし型推論が強力なので明示的な型宣言を書かなくてよい場面が多く,動的型付けのように見えることがある。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問7
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問610.プロセッサの高速化技法の一つとして,同時に実行可能な複数の動作を,コンパイルの段階でまとめて一つの複合命令とし,高速化を図る方式はどれか。
- ア.CISC
- イ.MIMD
- ウ.RISC
- エ.VLIW
正解:エ.VLIW
解説:VLIW(Very Long Instruction Word)は,同時に実行できる複数の演算をコンパイラがあらかじめ見つけ出し,それらを1つの長い命令語にまとめておく方式である。実行時にどの命令を並列に流せるかを判断する回路が要らないので,ハードウェアを簡単にしたまま並列度を上げられる。よって答はエ。アの CISC は1命令で複雑な処理を行う命令体系の考え方で,並列実行のためのまとめ方ではない。イの MIMD はフリンの分類の一つで,複数のプロセッサがそれぞれ異なる命令で異なるデータを処理する構成を指し,命令のまとめ方の話ではない。ウの RISC は命令を単純・固定長にして1命令あたりの実行を速くする考え方である。なお,実行時にハードウェアが並列実行の可否を判断する方式はスーパースカラと呼ばれ,VLIW と対になる。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問8
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問611.画面表示用フレームバッファがユニファイドメモリ方式であるシステムの特徴はどれか。
- ア.主記憶とは別に専用のフレームバッファをもつ。
- イ.主記憶の一部を表示領域として使用する。
- ウ.シリアル接続した表示デバイスに,描画コマンドを用いて表示する。
- エ.表示リフレッシュが不要である。
正解:イ.主記憶の一部を表示領域として使用する。
解説:ユニファイドメモリ方式は,画面表示に使うフレームバッファを専用に用意せず,主記憶の一部を割り当てて共用する方式である。専用メモリが不要なので低コストにできる反面,CPU のメモリアクセスと表示のための読み出しが同じ主記憶に集中するため,帯域を奪い合って性能が落ちやすい。よって答はイ。アは逆に専用のビデオメモリをもつ方式の説明である。ウは描画コマンドを送って表示側で描かせる方式の説明で,メモリをどこに置くかとは別の観点である。エの表示リフレッシュは,画面を一定周期で書き換え続ける動作のことで,メモリの持ち方に関係なく必要である。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問9
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問612.モーターの軸に装着された回転センサーから出力されるパルスの周期を,1MHz のクロック周波数でカウントアップするタイマーで計測したところ,10,000 カウントであった。モーターの回転数は毎秒何回転か。ここで,回転センサーはモーターの軸が1回転するごとに図のようなパルスを2回出力するものとする。

- ア.50
- イ.100
- ウ.200
- エ.5,000
正解:ア.50
解説:まずカウント値を時間に直す。1MHz のクロックは1カウントが 1/1,000,000 秒=1マイクロ秒なので,10,000 カウントは 10,000×1μs=10ミリ秒である。図から,この 10,000 カウントはパルス1周期分にあたる。回転センサーは軸が1回転するごとにパルスを2回出すので,1回転にかかる時間はパルス2周期分の 10ms×2=20ミリ秒=0.02秒。したがって毎秒の回転数は 1÷0.02=50回転となり,答はア。イの100は,1回転あたり2パルスであることを見落として 1÷0.01 としてしまった値である。ウの200はさらに周期を半分に取り違えた場合の値。エの5,000は,カウント値10,000をそのまま回転周期のマイクロ秒数と誤って扱った場合などに出る値で,桁が2つ違う。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問10
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問613.現状の HPC(High Performance Computing)マシンの構成を,次の条件で更新することにした。更新後の,ノード数と総理論ピーク演算性能はどれか。ここで,総理論ピーク演算性能は,コア数に比例するものとする。 〔現状の構成〕 (1) 一つのコアの理論ピーク演算性能は 10 GFLOPS である。 (2) 一つのノードのコア数は8である。 (3) ノード数は 1,000 である。 〔更新条件〕 (1) 一つのコアの理論ピーク演算性能を現状の2倍にする。 (2) 一つのノードのコア数を現状の2倍にする。 (3) 総コア数を現状の4倍にする。
- ア.ノード数 2,000 / 総理論ピーク演算性能 320 TFLOPS
- イ.ノード数 2,000 / 総理論ピーク演算性能 640 TFLOPS
- ウ.ノード数 4,000 / 総理論ピーク演算性能 320 TFLOPS
- エ.ノード数 4,000 / 総理論ピーク演算性能 640 TFLOPS
正解:イ.ノード数 2,000 / 総理論ピーク演算性能 640 TFLOPS
解説:まず現状を押さえる。総コア数は 8コア×1,000ノード=8,000コアで,総理論ピーク演算性能は 10GFLOPS×8,000=80,000GFLOPS=80TFLOPS である。更新後は総コア数が4倍なので 8,000×4=32,000コア。1ノードのコア数は2倍の16コアになるから,ノード数は 32,000÷16=2,000ノードで,現状と同じ1,000ではなく2倍になる点に注意する。総理論ピーク演算性能は,コア1つの性能が2倍の20GFLOPSになり,コア数が4倍になるので 20GFLOPS×32,000コア=640,000GFLOPS=640TFLOPS。よってノード数2,000・640TFLOPS のイが答。ウとエのノード数4,000は,総コア数の4倍をそのままノード数に当てはめ,1ノードあたりのコア数も2倍になることを見落とした値である。アとウの320TFLOPSは,コア数4倍だけを掛けてコア単体の性能が2倍になることを反映していない値である。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問11
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問614.IaC(Infrastructure as Code)の説明として,適切なものはどれか。
- ア.OS,仮想化ソフトなどが何もインストールされていない,初期状態のサーバである。
- イ.サーバなどの新規利用申請があった場合に,資源の割当て,設定などを手動で行い,利用可能な状態にする。
- ウ.システムの構成,設定などをプログラムとして記述し,専用のソフトウェアがその内容に従って自動的にシステムに適用する。
- エ.利用者は,OS,アプリケーションなどの任意のソフトウェアをインフラストラクチャに手動で実装し,操作することができる。
正解:ウ.システムの構成,設定などをプログラムとして記述し,専用のソフトウェアがその内容に従って自動的にシステムに適用する。
解説:IaC は,サーバやネットワークといったインフラの構成・設定を,手作業ではなくコード(プログラム)として書き,専用のツールがそのコードのとおりに環境を作る考え方である。設定内容がテキストとして残るのでバージョン管理でき,同じコードから何度でも同一の環境を再現できる。よって答はウ。アはベアメタルサーバの説明で,コード化とは関係がない。イとエはどちらも「手動で行う」と書いてあり,自動化を本質とする IaC と正反対である。代表的なツールに Terraform や Ansible があり,構成のずれ(設定ドリフト)を防ぐ効果も大きい。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問12
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問615.コンピュータシステムの信頼性に関する記述のうち,適切なものはどれか。
- ア.MTBF/(MTBF+MTTR) は,システムが稼働している時間の割合を表す。
- イ.MTBF−MTTR は,システムが正常であった時間を表す。
- ウ.MTBF は,正常なシステムが運用を開始してから初めて故障が起きるまでの時間を表す。
- エ.MTTR は,システムの故障が回復した時点から次に故障が起きるまでの平均時間を表す。
正解:ア.MTBF/(MTBF+MTTR) は,システムが稼働している時間の割合を表す。
解説:MTBF は平均故障間隔(故障から次の故障までの平均時間),MTTR は平均修復時間である。全体の時間は「動いていた時間+直していた時間」=MTBF+MTTR なので,そのうち動いていた割合,すなわち稼働率は MTBF/(MTBF+MTTR) で表される。よって答はア。イの MTBF−MTTR は,性質の違う2つの平均時間を引いたもので,意味のある指標にはならない。ウは,運用開始から初めて故障するまでの平均時間を指すのは MTTF(平均故障時間)で,MTBF は修理して使い続ける装置について故障と故障の間隔を表すものなので誤り。エは MTBF の説明になっており,MTTR と取り違えている。MTTR は故障が起きてから復旧するまでにかかる平均時間である。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問13
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問616.キャパシティプランニングの目的の一つに関する記述のうち,最も適切なものはどれか。
- ア.応答時間に最も影響があるボトルネックだけに着目して,適切な変更を行うことによって,そのボトルネックの影響を低減又は排除することである。
- イ.システムの現在の応答時間を調査して,長期的に監視することによって,将来を含めて応答時間を維持することである。
- ウ.ソフトウェアとハードウェアをチューニングして,現状の処理能力を最大限に引き出して,スループットを向上させることである。
- エ.パフォーマンスの問題はリソースの過剰使用によって発生するので,特定のリソースの有効利用を向上させることである。
正解:イ.システムの現在の応答時間を調査して,長期的に監視することによって,将来を含めて応答時間を維持することである。
解説:キャパシティプランニングは,業務量の増加を予測したうえで,将来にわたって必要な性能を保てるように資源の量と増強の時期を計画する活動である。現在の応答時間や資源の使用状況を継続して測り,傾向から将来の不足時期を見積もる点が中心なので,答はイ。アはボトルネックの特定と除去で,これはチューニングの作業である。ウも現状の資源から最大限の性能を引き出す話でチューニングに当たる。エは特定資源の使用効率を上げる話で,やはり現状最適化である。ア・ウ・エはいずれも「今ある資源をどう使い切るか」であるのに対し,キャパシティプランニングは「これからどれだけ資源が要るか」を扱う点が違う。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問14
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問617.五つのジョブA〜Eに対して,ジョブの多重度が1で,処理時間順方式のスケジューリングを適用した場合,ジョブBのターンアラウンドタイムは何秒か。ここで,OS のオーバーヘッドは考慮しないものとする。

- ア.8
- イ.9
- ウ.10
- エ.11
正解:エ.11
解説:処理時間順方式(SPT)は,その時点で待っているジョブのうち処理時間が最も短いものから実行する方式である。多重度1なので1本ずつ順に流す。時刻0はAしか到着していないのでAを実行し,0〜2秒で終わる。時刻2の時点で待っているのはB(4秒)とC(3秒)で,短いCを選び2〜5秒。時刻5ではB(4秒)・D(2秒)・E(1秒)が待っており,最短のEを選んで5〜6秒。時刻6ではB(4秒)とD(2秒)が待つのでDを選び6〜8秒。最後にBが8〜12秒で実行される。ターンアラウンドタイムは到着から完了までなので,Bは到着1秒・完了12秒で 12−1=11秒。答はエ。処理時間の長いジョブは後回しにされ続けるため待ち時間が伸びるという,この方式の性質がそのまま表れている。アの8はBの開始時刻をそのまま答えた場合の値である。イの9とウの10は,完了時刻12から引く到着時刻を表の別の行から取った場合(Dの3なら9,Cの2なら10)に出る値で,Bの到着は1である。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問15
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問618.一つの I²C バスに接続された二つのセンサーがある。それぞれのセンサー値を読み込む二つのタスクを排他的に制御したい。利用するリアルタイム OS の機能として,適切なものはどれか。
- ア.キュー
- イ.セマフォ
- ウ.マルチスレッド
- エ.メモリプール
正解:イ.セマフォ
解説:セマフォは,同時に使える数を数え上げて管理し,資源が空くまでタスクを待たせる仕組みである。使える数を1に設定すれば,同時に1つのタスクしか資源を使えなくなり,排他制御が実現できる。この問題では I²C バスという1本の通信路を2つのタスクが取り合うので,セマフォで守るのが適切であり答はイ。アのキューはタスク間でデータを順番に受け渡すための仕組みで,通信路そのものを守る用途ではない。ウのマルチスレッドは1つのプログラムを複数の流れで動かす方式の名前で,排他制御の機能ではない。エのメモリプールは,あらかじめ確保した領域から固定長のメモリを高速に貸し出す仕組みである。なお I²C は1本のバスを複数のデバイスが共有するので,読み出しの途中で別のタスクが割り込むと通信が壊れる。だからこそ排他制御が要る。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問16
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問619.スレッドセーフの説明として,適切なものはどれか。
- ア.アプリケーションが複数のスレッドから呼び出されないようになっている。
- イ.アプリケーションを複数のスレッドではなく,単一のスレッドで動作させる。
- ウ.アプリケーションを複数のスレッドで並列に実行しても,問題が生じない。
- エ.スレッドの競合が発生したときに,アプリケーションを安全に停止させる。
正解:ウ.アプリケーションを複数のスレッドで並列に実行しても,問題が生じない。
解説:スレッドセーフとは,複数のスレッドから同時に呼び出されても正しく動作する性質をいう。共有するデータへのアクセスを排他制御で守る,あるいはそもそも共有状態を持たない作りにすることで実現する。よって答はウ。アは「複数スレッドから呼ばれない」,イは「単一スレッドで動かす」で,どちらも同時実行そのものを避ける話であり,同時に呼ばれても正しく動くというスレッドセーフの定義とは違う。エは競合が起きたら止めるという話で,止まってしまう時点で正しく動作していない。スレッドセーフでない処理を複数スレッドから呼ぶと,読み書きの順序が交錯して値が壊れる競合状態(レースコンディション)が起きる。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問17
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問620.二つのタスクが共用する二つの資源を排他的に使用するとき,デッドロックが発生するおそれがある。このデッドロックの発生を防ぐ方法はどれか。
- ア.一方のタスクの優先度を高くする。
- イ.資源獲得の順序を両方のタスクで同じにする。
- ウ.資源獲得の順序を両方のタスクで逆にする。
- エ.両方のタスクの優先度を同じにする。
正解:イ.資源獲得の順序を両方のタスクで同じにする。
解説:デッドロックは,タスクAが資源1を持ったまま資源2を待ち,タスクBが資源2を持ったまま資源1を待つ,という循環した待ちができたときに起きる。獲得の順序を両方とも「資源1→資源2」にそろえておけば,先に資源1を取れた側が資源2も取れるので循環が生じない。よって答はイ。ウは順序を逆にする,つまりまさに循環待ちを作る条件そのもので,デッドロックを起こしやすくする。アとエの優先度は,どちらのタスクが先に走るかを変えるだけで,互いに相手の持つ資源を待つ構図は解消しない。優先度を上げても,相手が資源を握って離さない限り待ち続けることになる。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問18
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問621.4ブロックのキャッシュメモリ C0〜C3 が表に示す状態である。ここで,新たに別のブロックの内容をキャッシュメモリにロードする必要が生じたとき,C2 のブロックを置換の対象とするアルゴリズムはどれか。

- ア.FIFO
- イ.LFU
- ウ.LIFO
- エ.LRU
正解:エ.LRU
解説:4つの方式で選ばれるブロックをそれぞれ確かめる。FIFO は最も早くロードされたものを追い出すので,ロード時刻が 0:00 の C0 が対象になる。LFU は参照回数が最も少ないものなので,1回の C1 が対象。LIFO は最後にロードされたものだから,0:05 の C3 が対象。LRU は最後に参照された時刻が最も古いものを追い出す方式で,最終参照時刻は C0 が 0:08,C1 が 0:06,C2 が 0:05,C3 が 0:10 だから,最も古い C2 が対象になる。よって答はエ。表にはロード時刻・最終参照時刻・参照回数の3つが並んでいて,どの列を見るかで答が変わる作りになっている。LRU が見るのは最終参照時刻であって,ロード時刻でも参照回数でもない点が要である。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問19
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問622.図の LED 点灯回路において,LED に10ミリAの電流が流れるように抵抗値を決定したときに,回路全体の消費電力に占める LED の消費電力の割合は何%か。ここで,LED の順方向電圧は2Vとし,電源の消費電力は無視するものとする。

- ア.20
- イ.25
- ウ.80
- エ.100
正解:ア.20
解説:LEDと抵抗は直列なので,どちらにも同じ10ミリAが流れる。LED の消費電力は,順方向電圧2V×10mA=20mW。回路全体では電源電圧10Vがそのまま掛かるので,10V×10mA=100mW である。したがって割合は 20mW÷100mW=20%となり,答はア。抵抗側の電圧は 10−2=8V なので,抵抗の消費電力は 8V×10mA=80mW で,これと LED の20mWを足すと全体の100mWに一致する。ウの80%は,この抵抗側の割合を答えてしまった値である。イの25%は,LEDの2Vを抵抗の8Vと比べて 2÷8 としたときに出る値で,分母が全体になっていない。エの100%は,抵抗での消費を無視した場合の値だが,問題文で無視してよいとされているのは電源の消費電力だけである。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問20
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問623.組込みシステムのプログラムで,放された状態では0になり,押された状態では1になるスイッチの値を読み込んでいる。このプログラムによって,スイッチの値は周期的に適切なタイミングで読み込まれ,チャタリング処理などの適切な処理が行われるものとし,a が今回の値で,b が前回の値とする。このスイッチが放された状態から押された状態に変化したことを検出するための論理式はどれか。ここで,“・”は論理積,“+”は論理和,“ ̄”は論理否定を表す。
- ア.a・b̄
- イ.ā・b
- ウ.a+b̄
- エ.ā+b
正解:ア.a・b̄
解説:「放された状態から押された状態に変化した」とは,前回が放されている(b=0)で,今回が押されている(a=1)ということである。b=0 を式で表すと b̄=1 なので,両方が同時に成り立つ条件は a・b̄ となり,答はア。イの ā・b は逆に「前回は押されていて今回は放された」,つまり離した瞬間を検出する式である。ウとエは論理和なので,どちらか一方が成り立つだけで1になってしまい,押しっぱなしや放しっぱなしの状態でも検出してしまう。この a・b̄ は立ち上がりエッジの検出と呼ばれ,押し続けている間ではなく押した瞬間だけを1回検出したいときの定番の書き方である。前回値を保存しておく変数が要る点も組込みでは重要になる。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問21
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問624.入力が A と B,出力が Y の論理回路を動作させたとき,図のタイミングチャートが得られた。この論理回路として,適切なものはどれか。

- ア.

- イ.

- ウ.

- エ.

正解:ウ.
解説:タイミングチャートから,A と B の組合せごとに Y がどうなるかを読み取る。A=0・B=1 のとき Y=1,A=0・B=0 のとき Y=1,A=1・B=1 のとき Y=0,A=1・B=0 のとき Y=1 である。つまり両方が1のときだけ0になり,それ以外は1になっている。これは論理積を否定した NAND の動作なので,答はウ。アの XOR(排他的論理和)なら A=0・B=0 のとき0になるはずだが,チャートでは1なので合わない。イの XNOR なら A=0・B=1 のとき0になるはずで,これも合わない。エの NOR は A=0・B=0 のときだけ1になる回路なので,A=1・B=0 で1になっている点と矛盾する。図記号では,先端の小さな丸が否定を表し,入力側の線が曲線で二重になっているものが排他的論理和系である。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問22
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 - ア.
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問625.16ビットのダウンカウンターを用い,カウンターの値が0になると割込みを発生するハードウェアタイマーがある。カウンターに初期値として10進数の150をセットしてタイマーをスタートすると,最初の割込みが発生するまでの時間は何マイクロ秒か。ここで,タイマーの入力クロック周波数は16MHz を32分周したものとする。
- ア.0.3
- イ.2
- ウ.150
- エ.300
正解:エ.300
解説:まずタイマーに実際に入るクロックの周波数を求める。16MHz を32分周するので 16,000,000÷32=500,000Hz=500kHz である。1カウントに要する時間はその逆数で 1÷500,000=2マイクロ秒。ダウンカウンターは初期値150から1ずつ減って0になったときに割り込むので,150カウント分の時間がかかる。したがって 2μs×150=300マイクロ秒となり,答はエ。イの2は1カウントあたりの時間そのもので,150倍するのを忘れた値。ウの150はカウント数をそのまま時間と読んだ値である。アの0.3は,分周を掛け算と取り違えて 16MHz×32 として計算した場合などに出る桁違いの値。16ビットのカウンターなので最大65,535までセットでき,この設定では最長約131ミリ秒まで測れる。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問23
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問626.画面サイズの制約によって,レイアウト上,常にメニューを表示しておくことが難しいときに使用する仕組みであって,三本線のアイコンを選択するとメニューが表示されるものはどれか。
- ア.アコーディオンメニュー
- イ.ドロップダウンメニュー
- ウ.ハンバーガーメニュー
- エ.ポップアップメニュー
正解:ウ.ハンバーガーメニュー
解説:三本の横線を重ねたアイコンは,その形がハンバーガーに似ていることからハンバーガーメニューと呼ばれる。ふだんはメニューを隠しておき,このアイコンを押したときだけ表示する仕組みで,画面の狭いスマートフォンで広く使われている。よって答はウ。アのアコーディオンメニューは,見出しを押すとその下の項目が折りたたみ/展開される形式で,楽器のアコーディオンの動きに例えたものである。イのドロップダウンメニューは,項目を選ぶと下方向にリストが垂れ下がる形式。エのポップアップメニューは,操作した位置に重ねて小さなメニューを出す形式で,右クリックで出るメニューが代表例である。いずれもメニューを隠す点は似ているが,三本線のアイコンを目印にするのはハンバーガーメニューだけである。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問24
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問627.0kHz〜20kHz の帯域幅のオーディオ信号をデジタル信号に変換するのに必要な最大のサンプリング周期を標本化定理によって求めると,何マイクロ秒か。
- ア.2.5
- イ.5
- ウ.25
- エ.50
正解:ウ.25
解説:標本化定理は,元の信号に含まれる最も高い周波数の2倍より高い周波数で標本化すれば,元の波形を復元できるというものである。この信号の最高周波数は20kHz なので,必要なサンプリング周波数は 2×20kHz=40kHz。周期はその逆数だから 1÷40,000=0.000025秒=25マイクロ秒となり,これが許される最大のサンプリング周期である。答はウ。エの50は,2倍するのを忘れて 20kHz の逆数をそのまま取った値(1÷20,000=50マイクロ秒)である。イの5とアの2.5は,さらに桁の扱いを誤った値である。サンプリング周期が長すぎる(周波数が低すぎる)と,元になかった低い周波数が現れる折返し雑音(エイリアシング)が生じる。CD の44.1kHz が20kHz 前後の可聴域をカバーできるのも,この定理に沿った設定である。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問25
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問628.ソフトウェアの要件定義における利用者の分析で活用される,ソフトウェアの利用者を役割ごとに典型的な姿として描いた仮想の人物を何と呼ぶか。
- ア.エピック
- イ.ステークホルダ
- ウ.プロダクトオーナー
- エ.ペルソナ
正解:エ.ペルソナ
解説:ペルソナは,想定する利用者を「35歳・営業職・移動中にスマートフォンで確認する」といった具体的な人物像としてまとめたものである。抽象的な「利用者一般」ではなく特定の人物として描くことで,開発するメンバーの間で利用者像がぶれず,機能の優先順位を判断しやすくなる。よって答はエ。アのエピックはアジャイル開発で使う言葉で,大きなまとまりの要求を指し,分割して個々のユーザーストーリーにする。イのステークホルダは利害関係者のことで,利用者だけでなく発注者・運用者・監査部門なども含む実在の関係者である。ウのプロダクトオーナーはスクラムの役割の一つで,何を作るかの優先順位に責任をもつ実在の担当者である。仮想の人物像はペルソナだけである。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問46
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問629.UML のダイアグラムのうち,インスタンス間の関係を表現するものはどれか。
- ア.アクティビティ図
- イ.オブジェクト図
- ウ.コンポーネント図
- エ.ユースケース図
正解:イ.オブジェクト図
解説:オブジェクト図は,ある時点で実際に存在しているオブジェクト(インスタンス)と,その間のつながりを描く図である。クラス図が「型どうしの関係」を表すのに対し,オブジェクト図は「実物どうしの関係」を表し,クラス図だけでは分かりにくい具体的な状態の例を示すのに使う。よって答はイ。アのアクティビティ図は処理の流れや分岐・並行を表す図で,構造ではなく振る舞いを描く。ウのコンポーネント図は,実装上のまとまり(部品)とその依存関係を表す図である。エのユースケース図は,利用者(アクター)とシステムが提供する機能の関係を表し,要件を外から見た形で整理するものである。UML の図は構造を表すものと振る舞いを表すものに大別され,オブジェクト図とコンポーネント図が構造側にあたる。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問47
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問630.エラー埋込み法を用いて残存エラー数を推定する。当初の埋込みエラーは48個である。テスト期間中に発見されたエラーの内訳は,埋込みエラーが36個,真のエラーが42個である。このとき,残存する真のエラーは何個と推定されるか。
- ア.6
- イ.14
- ウ.54
- エ.56
正解:イ.14
解説:エラー埋込み法は,あらかじめ数の分かっている誤りをプログラムに仕込んでおき,テストでそのうち何割を見つけられたかを「テストの発見力」とみなす方法である。埋込みエラーは48個中36個見つかったので発見率は 36÷48=0.75。真のエラーも同じ割合で見つかったと仮定すると,発見した42個が全体の75%にあたるので,真のエラーの総数は 42÷0.75=56個と推定される。残っているのはそこから発見済みを引いた 56−42=14個で,答はイ。エの56は総数そのもので,引き算を忘れた値である。アの6は,発見した真のエラー42個と埋込みエラー36個の差で,比を使わずに引き算しただけの値である。ウの54は,埋込みエラーの残り(48−36=12個)に発見済みの真のエラー42個を足した値で,12+42=54 となる。いずれも「発見率で割り戻す」という手順を踏んでいない。この方法は「埋込みエラーと真のエラーが同じ見つかりやすさである」という仮定の上に成り立つ点に注意する。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問48
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問631.Web アプリケーションソフトウェアの処理方式の説明のうち,“プログレッシブ Web アプリ”の説明として,適切なものはどれか。
- ア.Web サーバ上に実行可能なプログラムを用意し,Web ブラウザからの要求に応じて,Web サーバがそのプログラムを呼び出し,処理結果を Web ブラウザに送信する。
- イ.Web ページの要素にその意味を表すメタデータを付加することによって,コンピュータが自動的に Web ページの情報の収集や加工を行えるようにする。
- ウ.新しい Web サービスを,他のサービスが公開する WebAPI の機能を組み合わせることによって提供する。
- エ.ブラウザが実行するサービスワーカーの機能を用いて,Web アプリケーションをオフラインで起動させたり,バックグラウンドでデータを同期させたりして,ネイティブアプリケーションであるかのように Web アプリケーションを使えるようにする。
正解:エ.ブラウザが実行するサービスワーカーの機能を用いて,Web アプリケーションをオフラインで起動させたり,バックグラウンドでデータを同期させたりして,ネイティブアプリケーションであるかのように Web アプリケーションを使えるようにする。
解説:プログレッシブWebアプリ(PWA)は,ブラウザで動くWebアプリを,端末にインストールしたアプリのように扱えるようにする仕組みである。中心になるのがサービスワーカーで,ページとは別に常駐して通信を横取りし,内容を手元に保存しておくことでオフラインでも起動でき,通信が回復したときにバックグラウンドで同期できる。ホーム画面への追加やプッシュ通知も可能になる。よって答はエ。アはサーバ側でプログラムを動かす従来のサーバサイド処理(CGIなど)の説明。イはセマンティックWebの説明で,機械が意味を解釈できるようメタデータを付ける考え方である。ウはマッシュアップの説明で,複数のWebAPIを組み合わせて新しいサービスを作る方式である。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問49
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問632.複数の袋からそれぞれ白と赤の玉を幾つかずつ取り出すとき,ベイズの定理を利用して事後確率を求める場合はどれか。
- ア.ある袋から取り出した二つの玉の色が同じと推定することができる確率を求める場合
- イ.異なる袋から取り出した玉が同じ色であると推定することができる確率を求める場合
- ウ.玉を一つ取り出すために,ある袋が選ばれると推定することができる確率を求める場合
- エ.取り出した玉の色から,どの袋から取り出されたのかを推定するための確率を求める場合
正解:エ.取り出した玉の色から,どの袋から取り出されたのかを推定するための確率を求める場合
解説:ベイズの定理は,結果を観測したうえで「その結果をもたらした原因が何であったか」の確率を求めるための道具である。式は P(原因|結果)=P(結果|原因)×P(原因)/P(結果) で,あらかじめ分かっている原因の確率(事前確率)を,観測された結果によって更新した値(事後確率)が得られる。この問題では,袋が原因,取り出した玉の色が結果に当たるので,「取り出した玉の色から,どの袋から取り出されたのかを推定するための確率」を求める場合が事後確率の計算になり,答はエ。アは同じ袋から2個取り出したときに色がそろう確率で,袋が分かっている状態から結果の確率を求めているので事前の情報だけで計算できる(原因から結果へ向かう向き)。イも,袋が指定された状態で色が一致する確率を求めるもので,向きは同じである。ウの「玉を一つ取り出すために,ある袋が選ばれる確率」は,結果を観測する前の袋の選ばれやすさそのもので,これが事前確率に当たる。原因から結果へ向かうのが尤度,結果から原因へ遡るのが事後確率という向きの違いが,この設問の要点である。
出典:情報処理推進機構「令和6年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問1
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問633.ATM(現金自動預払機)が1台ずつ設置してある二つの支店を統合し,統合後の支店には ATM を1台設置する。統合後の ATM の平均待ち時間を求める式はどれか。ここで,待ち時間は M/M/1 の待ち行列モデルに従い,平均待ち時間にはサービス時間を含まず,ATM を1台に統合しても十分に処理できるものとする。 〔条件〕 (1) 統合後の平均サービス時間:Ts (2) 統合前の ATM の利用率:両支店とも ρ (3) 統合後の利用者数:統合前の両支店の利用者数の合計
- ア.ρ/(1-ρ)×Ts
- イ.ρ/(1-2ρ)×Ts
- ウ.2ρ/(1-ρ)×Ts
- エ.2ρ/(1-2ρ)×Ts
正解:エ.2ρ/(1-2ρ)×Ts
解説:M/M/1 の平均待ち時間はサービス時間を含めない形で Tw=ρ/(1-ρ)×Ts と表され,ρ は利用率である。したがってこの問題は「統合後の利用率がいくらになるか」を求めれば答えが出る。利用率は「単位時間当たりの到着数×平均サービス時間」で決まる。統合によって利用者数は両支店の合計になるので到着数は2倍になり,平均サービス時間は変わらないので,統合後の利用率は 2ρ になる。これを式に入れると 2ρ/(1-2ρ)×Ts となり,答はエ。ウは分子だけを2倍にして分母の利用率を ρ のままにしたもので,利用率が上がると待ち時間が急に増えるという効果を取り込めていない。アは統合前の1支店の式そのままで,利用者が増えたことを反映していない。イは分母だけを 1-2ρ にして分子を ρ のままにしたものである。なお,この式は分母が正である必要があるので ρ<0.5 が前提で,設問の「1台に統合しても十分に処理できる」という条件がそれを担保している。統合前の利用率が0.4なら統合後は0.8となり,待ち時間はサービス時間の4倍まで伸びる。
出典:情報処理推進機構「令和6年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問2
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問634.AI におけるディープラーニングに関する記述として,最も適切なものはどれか。
- ア.あるデータから結果を求める処理を,人間の脳神経回路のように多層の処理を重ねることによって,複雑な判断をできるようにする。
- イ.大量のデータからまだ知られていない新たな規則や仮説を発見するために,想定値から大きく外れている例外事項を取り除きながら分析を繰り返す手法である。
- ウ.多様なデータや大量のデータに対して,三段論法,統計的手法やパターン認識手法を組み合わせることによって,高度なデータ分析を行う手法である。
- エ.知識がルールに従って表現されており,演繹手法を利用した推論によって有意な結論を導く手法である。
正解:ア.あるデータから結果を求める処理を,人間の脳神経回路のように多層の処理を重ねることによって,複雑な判断をできるようにする。
解説:ディープラーニング(深層学習)は,人間の脳神経回路を模したニューラルネットワークの中間層を多数重ねることで,入力から結果を導く過程を段階的に処理する手法である。層を深くすることで,画素の並びから輪郭,輪郭から部品,部品から物体といったように,人が設計しなくても特徴を段階的に自動で獲得できるようになり,画像認識・音声認識・自然言語処理で飛躍的な精度向上をもたらした。したがって答はア。イは,データから未知の規則や仮説を掘り出すデータマイニングの説明に近く,「例外を取り除きながら分析を繰り返す」という手続きはディープラーニングの本質ではない。ウは,統計的手法やパターン認識を組み合わせた高度なデータ分析全般の説明で,ディープラーニングもその一手法ではあるが,「三段論法」を含むこの記述は特定の手法の定義にはなっていない。エは,あらかじめ人が与えたルールから演繹によって結論を導くエキスパートシステム(ルールベースの推論)の説明で,データから自ら特徴を学ぶディープラーニングとは考え方が逆である。
出典:情報処理推進機構「令和6年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問3
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問635.符号長7ビット,情報ビット数4ビットのハミング符号による誤り訂正の方法を,次のとおりとする。 受信した7ビットの符号語 x₁ x₂ x₃ x₄ x₅ x₆ x₇(xₖ=0 又は 1)に対して c₀ = x₁ +x₃ +x₅ +x₇ c₁ = x₂+x₃ +x₆+x₇ c₂ = x₄+x₅+x₆+x₇ (いずれも mod 2 での計算) を計算し,c₀,c₁,c₂ の中に少なくとも一つは0でないものがある場合には, i = c₀+c₁×2+c₂×4 を求めて,左から i ビット目を反転することによって誤りを訂正する。 受信した符号語が 1000101 であった場合,誤り訂正後の符号語はどれか。
- ア.1000001
- イ.1000101
- ウ.1001101
- エ.1010101
正解:エ.1010101
解説:受信した符号語 1000101 を左から順に当てはめると x₁=1,x₂=0,x₃=0,x₄=0,x₅=1,x₆=0,x₇=1 である。定義に従って計算すると,c₀=x₁+x₃+x₅+x₇=1+0+1+1=3 で mod 2 を取ると1,c₁=x₂+x₃+x₆+x₇=0+0+0+1=1,c₂=x₄+x₅+x₆+x₇=0+1+0+1=2 で mod 2 を取ると0 になる。0でないものがあるので i=c₀+c₁×2+c₂×4=1+2+0=3 を求め,左から3ビット目を反転する。3ビット目は0なので1に変わり,訂正後の符号語は 1010101 となる。答はエ。この方式は,3つの検査式の結果を2進数の各桁とみなすことで誤りの位置をそのまま指し示す仕組みになっており,1ビットの誤りであれば必ず位置を特定して直せる。イの1000101 は受信したままの値で,訂正が不要だった場合の答えである。アの1000001 は5ビット目を反転した場合,ウの1001101 は4ビット目を反転した場合の値で,i の計算で c₁×2 と c₂×4 の重みを取り違えると出てくる。
出典:情報処理推進機構「令和6年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問4
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問636.正の整数 M に対して,次の二つの流れ図に示すアルゴリズムを実行したとき,結果 x の値が等しくなるようにしたい。a に入れる条件として,適切なものはどれか。

- ア.n<M
- イ.n>M-1
- ウ.n>M
- エ.n>M+1
正解:ウ.n>M
解説:左の流れ図は,x を1にしてから,ループ端の指定「n:M,-1,1」に従って n を M から1まで1ずつ減らしながら x←x×n を繰り返す。したがって x=M×(M-1)×…×1=M! になる。右の流れ図は,x←1,n←1 としてから,x←x×n,n←n+1 を実行し,そのあとで条件 a を判定して Yes なら終了,No ならループの先頭へ戻る後判定型の繰返しである。k 回目の繰返しを終えた時点で x=k!,n=k+1 になる。x=M! で終わらせたいので,M 回目を終えた時点(n=M+1)で初めて条件が真になり,それ以前(n≦M)では偽である必要がある。この条件は n>M で,答はウ。イの n>M-1 は n=M の時点,すなわち M-1 回目を終えた時点で真になるので x=(M-1)! で止まってしまう。エの n>M+1 は n=M+2 まで真にならないので1回多く回り x=(M+1)! になる。アの n<M は,M が3以上のとき1回目を終えた時点(n=2)で偽ではなく真であり,判定の向きが逆で意図した回数だけ回らない。後判定型の繰返しでは,判定の時点で n が「次に使う値」まで進んでいることに注意が必要である。
出典:情報処理推進機構「令和6年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問5
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問637.各ノードがもつデータを出力する再帰処理 f(ノード n)を定義した。この処理を,図の2分木の根(最上位のノード)から始めたときの出力はどれか。 〔f(ノード n)の定義〕 1. ノード n の右に子ノード r があれば,f(ノード r)を実行 2. ノード n の左に子ノード l があれば,f(ノード l)を実行 3. 再帰処理 f(ノード r),f(ノード l)を未実行の子ノード,又は子ノードがなければ,ノード自身がもつデータを出力 4. 終了

- ア.+÷-ED×CBA
- イ.ABC×DE-÷+
- ウ.E-D÷C×B+A
- エ.ED-CB×÷A+
正解:エ.ED-CB×÷A+
解説:定義は「右の子を処理→左の子を処理→自分を出力」の順なので,後順走査(帰りがけ順)の左右を入れ替えた形になる。根の+から追う。+の右の子は÷なので f(÷) へ入る。÷の右の子は-なので f(-) へ入り,-の右の子 E は子をもたないので E を出力,次に左の子 D を出力し,最後に-自身を出力する(ここまで E D -)。÷に戻って左の子×へ入り,×の右の子 C を出力,左の子 B を出力,×自身を出力する(C B ×)。÷自身を出力し(÷),+に戻って左の子 A を出力し(A),最後に+自身を出力する(+)。つないで ED-CB×÷A+ となり,答はエ。イの ABC×DE-÷+ は,左の子を先に処理する通常の後順走査(つまり逆ポーランド表記)の結果で,定義の1と2が入れ替わっている。アの+÷-ED×CBA は自分を先に出力する先行順走査で右を先に見た形,ウの E-D÷C×B+A は左右の子を挟んで自分を出力する中間順走査を右から見た形であり,いずれも出力の位置が定義と合わない。3つの走査(先行順・中間順・後順)のうち,自分をいつ出力するかで見分けるのが確実である。
出典:情報処理推進機構「令和6年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問6
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問638.整列方法に関するアルゴリズムの記述のうち,バブルソートの記述はどれか。ここで,整列対象は重複のない1から9の数字がランダムに並んでいる数字列とする。
- ア.数字列の最後の数字から最初の数字に向かって,隣り合う二つの数字を比較して小さい数字が前に来るよう数字を入れ替える操作を繰り返し行う。
- イ.数字列の中からランダムに基準となる数を選び,基準より小さい数と大きい数の二つのグループに分け,それぞれのグループ内も同じ操作を繰り返し行う。
- ウ.数字列をほぼ同じ長さの二つの数字列のグループに分割していき,分割できなくなった時点から,グループ内で数字が小さい順に並べる操作を繰り返し行う。
- エ.未処理の数字列の中から最小値を探索し,未処理の数字列の最初の数字と入れ替える操作を繰り返し行う。
正解:ア.数字列の最後の数字から最初の数字に向かって,隣り合う二つの数字を比較して小さい数字が前に来るよう数字を入れ替える操作を繰り返し行う。
解説:バブルソート(隣接交換法)は,隣り合う要素を比較して順序が逆なら入れ替える操作を,端から端まで繰り返す方法である。この操作を1往復させるごとに最小(または最大)の要素が端まで移動していく様子が泡が浮かぶように見えることから,この名前が付いた。アがこの記述に当たるので答はア。比較の回数は要素数 n に対して n(n-1)/2 程度で,計算量は O(n²) である。イは,基準となる値(ピボット)を選んで小さい組と大きい組に分け,それぞれに同じ操作を再帰的に適用するクイックソートの説明で,平均の計算量は O(n log n) と速いが,偏った分割が続くと O(n²) に落ちる。ウは,ほぼ半分ずつに分割してから小さい単位で並べ直し,整列済みの列を統合していくマージソートの説明で,計算量は常に O(n log n) だが作業用の領域を必要とする。エは,未処理の範囲から最小値を探して先頭と交換する選択ソートの説明で,比較回数はバブルソートと同じ O(n²) だが交換回数が少なくて済む。バブルソートは「隣どうしの交換」,選択ソートは「最小値を探して1回交換」という違いで見分けられる。
出典:情報処理推進機構「令和6年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問7
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問639.同一メモリ空間で,転送元の開始アドレス,転送先の開始アドレス,方向フラグ及び転送語数をパラメータとして指定することによって,データをブロック転送できる機能をもつ CPU がある。図のようにアドレス 1001 から 1004 のデータをアドレス 1003 から 1006 に転送するとき,指定するパラメータとして適切なものはどれか。ここで,転送は開始アドレスから1語ずつ行われ,方向フラグに0を指定するとアドレスの昇順に,1を指定するとアドレスの降順に転送を行うものとする。

- ア.転送元 1001/転送先 1003/方向フラグ 0/転送語数 4
- イ.転送元 1001/転送先 1003/方向フラグ 1/転送語数 4
- ウ.転送元 1004/転送先 1006/方向フラグ 0/転送語数 4
- エ.転送元 1004/転送先 1006/方向フラグ 1/転送語数 4
正解:エ.転送元 1004/転送先 1006/方向フラグ 1/転送語数 4
解説:転送元 1001〜1004 と転送先 1003〜1006 は 1003 と 1004 の2語が重なっている。同じメモリ空間なので,まだ読んでいない語を先に上書きしてしまうと元のデータが失われる。アのように 1001 から昇順に転送すると,1語目で 1001→1003,2語目で 1002→1004 と書き込んだ時点で元の 1003 と 1004 が壊れ,3語目に 1003 を読もうとしたときには先ほど書いた値(元の 1001)が入っているので誤った結果になる。これを避けるには,重なりの向きに合わせて後ろから転送すればよい。転送先が転送元より高いアドレスにあるので,末尾の 1004→1006 から始めて降順に 1003→1005,1002→1004,1001→1003 と進めれば,読む前に上書きされる語は生じない。したがって転送元の開始アドレス 1004,転送先の開始アドレス 1006,方向フラグ1(降順),転送語数4となり答はエ。ウは同じ末尾から始めているが方向フラグが0(昇順)なので,1004→1006 の次に 1005→1007 と範囲の外へ進んでしまう。イは開始アドレスが先頭のまま降順を指定しており,1001→1003 の次に 1000→1002 と手前へ進むので転送すべき範囲を外れる。
出典:情報処理推進機構「令和6年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問8
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問640.量子ゲート方式の量子コンピュータの説明として,適切なものはどれか。
- ア.演算は2進数で行われ,結果も2進数で出力される。
- イ.特定のアルゴリズムによる演算だけができ,加算演算はできない。
- ウ.複数の状態を同時に表現する量子ビットと,その重ね合わせを利用する。
- エ.量子状態を変化させながら観測するので,100℃以上の高温で動作する。
正解:ウ.複数の状態を同時に表現する量子ビットと,その重ね合わせを利用する。
解説:量子ゲート方式の量子コンピュータは,0と1の両方の状態を同時に取り得る量子ビット(キュービット)を用い,重ね合わせと量子もつれを利用して,量子ゲートによる演算を組み合わせて計算を行う。古典的なコンピュータのビットが必ず0か1のどちらかであるのに対し,n 個の量子ビットは 2ⁿ 通りの状態を同時に扱えるため,特定の問題で飛躍的な高速化が期待できる。したがって答はウ。アは,量子ビットは0と1の重ね合わせを取るので演算の途中は2進数として確定しておらず,記述が当てはまらない(観測すると0か1に定まるが,それは計算の途中の状態を表していない)。イは,量子ゲート方式は任意の量子回路を組める汎用型で,加算を含む一般の演算を実現できる。特定の問題(組合せ最適化)に特化しているのは量子アニーリング方式のほうで,こちらは量子ゲート方式と対になるもう一つの方式である。エは向きが逆で,量子状態は熱や電磁波の影響でごく短時間に崩れてしまう(デコヒーレンス)ため,多くの実装では絶対零度に近い極低温に冷やして動作させる。100℃以上の高温という記述は誤りである。
出典:情報処理推進機構「令和6年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問9
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問641.主記憶のアクセス時間が60ナノ秒,キャッシュメモリのアクセス時間が10ナノ秒であるシステムがある。キャッシュメモリを介して主記憶にアクセスする場合の実効アクセス時間が15ナノ秒であるとき,キャッシュメモリのヒット率は幾らか。
- ア.0.1
- イ.0.17
- ウ.0.83
- エ.0.9
正解:エ.0.9
解説:ヒット率を h とすると,実効アクセス時間は「h×キャッシュのアクセス時間+(1-h)×主記憶のアクセス時間」で表せる。数値を入れると 10h+60(1-h)=15 となり,10h+60-60h=15,-50h=-45 から h=0.9 が得られる。したがって答はエ。検算すると 0.9×10+0.1×60=9+6=15 で条件に合う。アの0.1は 1-0.9 で,ヒット率ではなくミス率に当たる。イの0.17は 10÷60=0.167 に一致し,キャッシュと主記憶のアクセス時間の比をそのままヒット率と取り違えた場合の値である。ウの0.83は 50÷60=0.833 に一致し,1-0.167 すなわちイの補数に当たる。この式で押さえておきたいのは,実効アクセス時間の15ナノ秒はキャッシュの10ナノ秒に近い値であり,ヒット率が高いほど実効値はキャッシュ側に寄るという関係である。仮にヒット率が0.5なら 0.5×10+0.5×60=35ナノ秒となり,15ナノ秒を実現するにはかなり高いヒット率が必要だと見当が付く。
出典:情報処理推進機構「令和6年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問10
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問642.15Mバイトのプログラムを圧縮して,フラッシュメモリに格納している。プログラムのサイズは圧縮によって元のサイズの40%になっている。フラッシュメモリから主記憶への転送速度が20Mバイト/秒であり,1Mバイトに圧縮されたデータの展開に主記憶上で0.03秒が掛かるとき,このプログラムが主記憶に展開されるまでの時間は何秒か。ここで,フラッシュメモリから主記憶への転送と圧縮データの展開は同時には行われないものとする。
- ア.0.48
- イ.0.75
- ウ.0.93
- エ.1.20
正解:ア.0.48
解説:まず圧縮後のサイズを求める。15Mバイトの40%なので 15×0.4=6Mバイトである。転送はこの圧縮された6Mバイトを運ぶので 6÷20=0.3秒。展開の所要時間は「1Mバイトに圧縮されたデータあたり0.03秒」なので,圧縮後の6Mバイトに対して 6×0.03=0.18秒である。両者は同時に行われないので合計は 0.3+0.18=0.48秒となり,答はア。イの0.75は 0.3+15×0.03=0.3+0.45 に一致し,展開の時間を圧縮前のサイズ15Mバイトで計算した場合の値である。ウの0.93は 15÷20+6×0.03=0.75+0.18 に一致し,転送するサイズを圧縮前の15Mバイトと取り違えた場合の値になる。エの1.20は 15÷20+15×0.03=0.75+0.45 に一致し,転送も展開もどちらも圧縮前のサイズで計算した場合の値である。要点は,フラッシュメモリに入っているのも転送されるのも圧縮された状態のデータであり,展開の所要時間の基準も「圧縮されたデータ1Mバイト当たり」と書かれている点で,どちらも圧縮後の6Mバイトを使うことである。
出典:情報処理推進機構「令和6年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問11
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問643.システムの信頼性設計に関する記述のうち,適切なものはどれか。
- ア.フェールセーフとは,利用者の誤操作によってシステムが異常終了してしまうことのないように,単純なミスを発生させないようにする設計方法である。
- イ.フェールソフトとは,故障が発生した場合でも機能を縮退させることなく稼働を継続する概念である。
- ウ.フォールトアボイダンスとは,システム構成要素の個々の品質を高めて故障が発生しないようにする概念である。
- エ.フォールトトレランスとは,故障が生じてもシステムに重大な影響が出ないように,あらかじめ定められた安全状態にシステムを固定し,全体として安全が維持されるような設計方法である。
正解:ウ.フォールトアボイダンスとは,システム構成要素の個々の品質を高めて故障が発生しないようにする概念である。
解説:信頼性設計の考え方は,故障を起こさないようにする方向と,故障が起きても被害を抑える方向に大きく分かれる。フォールトアボイダンス(障害回避)は前者で,部品や工程の品質を高め,設計を単純にして,そもそも故障が起きないようにする概念である。ウがこれに当たるので答はウ。後者はフォールトトレランス(耐障害性)で,冗長化などによって故障が起きても機能を保つ考え方であり,その実現方法にフェールセーフとフェールソフトがある。エはフェールセーフの説明を「フォールトトレランス」に当てており誤りである。フェールセーフは,故障したら安全な側で停止させる方法(信号機を赤にする,ガスを止めるなど)である。イは,フェールソフトは機能を落として(縮退させて)でも稼働を続ける方法なので,「縮退させることなく」が誤りである。縮退運転そのものがフェールソフトの中身である。アはフールプルーフの説明で,利用者が誤った操作をしても危険や異常終了に至らないようにする設計方法である。4つの用語は「起こさない(アボイダンス)」「起きても耐える(トレランス=フェールセーフ/フェールソフト)」「人の誤りに備える(フールプルーフ)」と整理すると取り違えにくい。
出典:情報処理推進機構「令和6年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問12
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問644.オブジェクトストレージの記述として,最も適切なものはどれか。
- ア.更新頻度の少ない非構造型データの格納に適しており,大容量で拡張性のあるストレージ空間を仮想的に実現することができる。
- イ.高速のストレージ専用ネットワークを介して,複数のサーバからストレージを共有することによって,高速にデータを格納することができる。
- ウ.サーバごとに割り当てられた専用ストレージであり,容量が不足したときにはストレージを追加することができる。
- エ.複数のストレージを組み合わせることによって,仮想的な1台のストレージとして運用することができる。
正解:ア.更新頻度の少ない非構造型データの格納に適しており,大容量で拡張性のあるストレージ空間を仮想的に実現することができる。
解説:オブジェクトストレージは,データ本体とメタデータを一意の識別子と組にして格納する方式で,名前空間が階層をもたないフラットな構造のため,台数を増やすだけで容量と性能を伸ばせる。一部だけを書き換える上書き更新には向かず,オブジェクト全体を置き換える形になるので,画像・動画・ログ・バックアップのように書いたあとあまり更新しない非構造型データの保管に適している。したがって答はア。イは SAN(ストレージエリアネットワーク)の説明で,ファイバチャネルなどの専用ネットワークを介してブロック単位でストレージを共有する方式である。ウは DAS(Direct Attached Storage)の説明で,サーバに直接つないだ専用のストレージを指す。エはストレージ仮想化(あるいは RAID による束ね)の説明で,複数の装置を1台に見せる技術である。オブジェクトストレージも複数の装置に分散して置かれるが,本質は「識別子でアクセスするフラットな空間」であって,1台に見せることが目的ではない。クラウドの大容量ストレージサービスが代表例で,安価な装置を並べて巨大な空間を作れる点が価値になっている。
出典:情報処理推進機構「令和6年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問13
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問645.1台の CPU の性能を1とするとき,その CPU を n 台用いたマルチプロセッサの性能 P が, P=n/(1+(n-1)a) で表されるとする。ここで,a はオーバーヘッドを表す定数である。例えば,a=0.1,n=4 とすると,P≒3 なので,4台の CPU から成るマルチプロセッサの性能は約3になる。この式で表されるマルチプロセッサの性能には上限があり,n を幾ら大きくしても P はある値以上には大きくならない。a=0.1 の場合,P の上限は幾らか。
- ア.5
- イ.10
- ウ.15
- エ.20
正解:イ.10
解説:式の分母を展開すると 1+(n-1)a=1-a+an となるので P=n/(1-a+an) である。分母と分子を n で割ると P=1/((1-a)/n+a) となり,n を大きくすると (1-a)/n は0に近づくので P は 1/a に近づく。a=0.1 なので上限は 1÷0.1=10 となり,答はイ。具体的に計算すると,n=4 では 4÷(1+3×0.1)=4÷1.3≒3.08 で設問の例(約3)と一致し,n=10 では 10÷1.9≒5.3,n=100 では 100÷10.9≒9.2,n=1,000 では 1,000÷100.9≒9.9 と,確かに10に近づきながら超えない。台数を10倍にしても性能が2倍に届かないという伸び方であり,オーバーヘッドが並列化の効果を頭打ちにすることを示している。アの5は 1/(2a) に当たる値,ウの15とエの20は 1/a を超えた値で,どちらも n をいくら増やしても到達できない。この式はアムダールの法則と同じ形で,1/a が「並列化できない部分の逆数」に相当すると読める。
出典:情報処理推進機構「令和6年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問14
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問646.コンピュータの性能評価には,シミュレーションを用いた方法,解析的な方法などがある。シミュレーションを用いた方法の特徴はどれか。
- ア.解析的な方法よりも計算量が少なく,効率的に解が求まる。
- イ.解析的な方法よりも,乱数を用いることで高精度の解が得られる。
- ウ.解析的に解が求められないモデルに対しても,数値的に解が求まる。
- エ.解析的に解が求められるモデルの検証には使用できない。
正解:ウ.解析的に解が求められないモデルに対しても,数値的に解が求まる。
解説:解析的な方法は,待ち行列理論のように数式を立てて答えを直接導く方法で,条件が理論の前提に合う範囲では速く正確に求まる。しかし現実のシステムは,到着や処理時間の分布が理論の前提から外れたり,複数の資源が絡み合ったりして数式に落とせないことが多い。シミュレーションは対象の動きを計算機上で模擬して統計を取る方法なので,数式では解けないモデルに対しても数値として答えを得られる。これが最大の特徴であり,答はウ。アは逆で,シミュレーションは何度も試行を繰り返して統計を取るため計算量は解析的な方法より多くなる。イも誤りで,乱数を使った試行の平均は誤差を含み,精度は試行回数に応じて(おおむね回数の平方根に反比例して)改善するにすぎない。解析的に解ける問題では,解析解のほうが精度は高い。エも誤りで,解析的に解が求められるモデルにシミュレーションを適用して両者を突き合わせることは,シミュレーションの模型やプログラムが正しいかを確かめる有効な検証手段になる。むしろ実務では,まず解ける問題で結果を照合してから未知の問題に適用するという手順が採られる。
出典:情報処理推進機構「令和6年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問15
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問647.ノンプリエンプティブ方式のタスクの状態遷移に関する記述として,適切なものはどれか。
- ア.OS は実行中のタスクの優先度を他のタスクよりも上げることによって,実行中のタスクが終了するまでタスクが切り替えられるのを防ぐ。
- イ.実行中のタスクが自らの中断を OS に要求することによってだけ,OS は実行中のタスクを中断し,動作可能な他のタスクを実行中に切り替えることができる。
- ウ.実行中のタスクが無限ループに陥っていることを OS が検知した場合,OS は実行中のタスクを終了させ,動作可能な他のタスクを実行中に切り替える。
- エ.実行中のタスクより優先度が高い動作可能なタスクが実行待ち行列に追加された場合,OS は実行中のタスクを中断し,優先度が高い動作可能なタスクを実行中に切り替える。
正解:イ.実行中のタスクが自らの中断を OS に要求することによってだけ,OS は実行中のタスクを中断し,動作可能な他のタスクを実行中に切り替えることができる。
解説:ノンプリエンプティブ方式は,OS が実行中のタスクから強制的に CPU を取り上げない方式である。タスクの切替えは,実行中のタスクが処理を終えるか,入出力待ちに入るか,自ら CPU を手放す要求(システムコール)を出したときにだけ起きる。したがって答はイ。制御の切替え点が限られるため実装が単純で,切替えに伴うオーバーヘッドも小さいが,1つのタスクが CPU を離さないと他のタスクがまったく動けなくなるという弱点がある。エはこれと対になるプリエンプティブ方式の説明で,優先度の高いタスクが実行可能になった時点で OS が実行中のタスクを中断させる。リアルタイム性が要求される場面ではこちらが必要になる。ウは,無限ループを OS が検知して打ち切るという内容だが,ノンプリエンプティブ方式では OS が強制的に介入しないので,まさにこの状態に陥るとシステム全体が止まってしまう。これがこの方式の最大の危険である。アは,優先度を上げて切替えを防ぐという説明だが,ノンプリエンプティブ方式ではそもそも優先度によって強制的に切り替えられることがないので,そのような操作は必要がない。
出典:情報処理推進機構「令和6年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問16
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問648.三つの資源 X〜Z を占有して処理を行う四つのプロセス A〜D がある。各プロセスは処理の進行に伴い,表中の数値の順に資源を占有し,実行終了時に三つの資源を一括して解放する。プロセス A と同時にもう一つプロセスを動かした場合に,デッドロックを起こす可能性があるプロセスはどれか。 〔表〕資源の占有順序(プロセス/資源 X/資源 Y/資源 Z) A/1/2/3 B/1/2/3 C/2/3/1 D/3/2/1
- ア.B,C,D
- イ.C,D
- ウ.C だけ
- エ.D だけ
正解:イ.C,D
解説:表の数値は占有する順番なので,各プロセスが資源を取る順序に置き換えると,A は X→Y→Z,B も X→Y→Z,C は Z→X→Y,D は Z→Y→X となる。デッドロックは,2つのプロセスが資源を互いに逆の順序で要求し合ったときに起こり得る。A と B は取る順序が完全に同じなので,先に X を取れたほうが先に進み,もう一方は X の解放を待つだけで循環は生じない。A と C では,A が X を,C が Z を取った状態から,A は Z の解放を待ち,C は X の解放を待つので互いに待ち合う。A と D でも,A が X を,D が Z を取った状態から,A は Y と Z を,D は Y と X を必要とするため,Y をどちらが取っても最終的に互いの持つ資源を待つ形になる。したがってデッドロックの可能性があるのは C と D で,答はイ。アは B を含めており,同じ順序で取るプロセスの組では循環待ちが生じないという点を見落としている。ウとエはもう一方を見落としている。予防策としては,すべてのプロセスで資源を取る順序をそろえる(この例では X→Y→Z に統一する)ことが有効で,これは A と B の関係が示している。
出典:情報処理推進機構「令和6年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問17
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問649.複数のクライアントから接続されるサーバがある。このサーバのタスクの多重度が2以下の場合,タスク処理時間は常に4秒である。このサーバに1秒間隔で4件の処理要求が到着した場合,全ての処理が終わるまでの時間はタスクの多重度が1のときと2のときとで,何秒の差があるか。
- ア.6
- イ.7
- ウ.8
- エ.9
正解:イ.7
解説:処理要求は0秒,1秒,2秒,3秒の時点に到着し,1件の処理には4秒掛かる。多重度が1のときは同時に1件しか処理できないので,1件目が0〜4秒,2件目が4〜8秒,3件目が8〜12秒,4件目が12〜16秒となり,すべて終わるのは16秒後である。多重度が2のときは同時に2件まで処理できる。1件目は0秒に到着して0〜4秒,2件目は1秒に到着して1〜5秒に処理される。2秒と3秒に到着した3件目・4件目は空きがないので待ち,1件目が終わる4秒に3件目が始まって4〜8秒,2件目が終わる5秒に4件目が始まって5〜9秒となり,すべて終わるのは9秒後である。差は 16-9=7秒で,答はイ。要点は,多重度2でも到着が1秒間隔なので3件目と4件目は待たされるという点と,待ちが解けるのは先の処理が終わる時刻だという点である。アの6秒,ウの8秒,エの9秒は,待ちの開始時刻を到着時刻のままにしたり,多重度1のときの16秒を別の値に取ったりした場合に出る。なお多重度2のときの9秒は「4件目の到着5秒後」ではなく「4件目が5秒に開始して4秒掛かる」ことから決まる。
出典:情報処理推進機構「令和6年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問18
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問650.プログラムを構成するモジュールや関数の実行回数,実行時間など,性能改善のための分析に役立つ情報を収集するツールはどれか。
- ア.エミュレーター
- イ.シミュレーター
- ウ.デバッガ
- エ.プロファイラ
正解:エ.プロファイラ
解説:プロファイラは,プログラムを実行しながら,どの関数が何回呼ばれたか,それぞれにどれだけ時間が掛かったか,メモリをどれだけ使ったかといった情報を集めるツールである。集めた情報から時間を多く消費している箇所(ホットスポット)を特定できるので,性能改善では「まず測る,次に直す」の測る側を担う。したがって答はエ。勘に頼って最適化すると,実際にはほとんど時間を使っていない箇所を作り込んでしまうことがあるため,プロファイラによる実測が重要になる。アのエミュレーターは,別のハードウェアや環境の動作を模擬して,本来その環境向けに作られたプログラムをそのまま動かせるようにするものである。イのシミュレーターは,対象の挙動を模型として計算し,動作や性能を予測するもので,実機がまだない段階の検討などに使う。ウのデバッガは,プログラムを止めながら変数の値や実行の流れを調べ,誤りの原因を突き止めるツールで,対象は「正しく動くか」であって「速く動くか」ではない。目的が性能の分析なのか,誤りの発見なのか,別環境での実行なのかで区別できる。
出典:情報処理推進機構「令和6年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問19
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問651.エアコンや電気自動車でエネルギー効率のよい制御や電力変換をするためにパワー半導体が用いられる。このパワー半導体の活用例の一つであるインバータの説明として,適切なものはどれか。
- ア.直流電圧をより高い直流電圧に変換する。
- イ.直流電圧をより低い直流電圧に変換する。
- ウ.交流電力を直流電力に変換する。
- エ.直流電力を交流電力に変換する。
正解:エ.直流電力を交流電力に変換する。
解説:インバータは直流電力を交流電力に変換する装置で,出力する交流の周波数と電圧を自在に変えられる点が特徴である。エアコンでは,圧縮機のモータの回転数を必要な冷暖房の能力に合わせて連続的に変えられるので,運転を入り切りして温度を保つ方式に比べて無駄が少なく,省エネルギーになる。電気自動車では,バッテリーの直流を交流に変えて走行用モータを駆動し,速度やトルクを制御する。したがって答はエ。ウは交流を直流に変換するコンバータ(整流器)の説明で,インバータと逆の働きをする。太陽光発電の電力を家庭の交流に変える装置はインバータ(パワーコンディショナ),家電のAC アダプタはコンバータに当たる。アは直流を高い直流に変える昇圧チョッパ,イは直流を低い直流に変える降圧チョッパの説明で,どちらも直流から直流への変換なのでインバータではない。いずれの装置もスイッチング素子を高速に入り切りして実現しており,そこで用いられる IGBT や MOSFET,近年では炭化ケイ素(SiC)や窒化ガリウム(GaN)の素子がパワー半導体である。
出典:情報処理推進機構「令和6年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問20
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問652.入力が A と B,出力が Y の論理回路を動作させたとき,図のタイムチャートが得られた。この論理回路として,適切なものはどれか。

- ア.

- イ.

- ウ.

- エ.

正解:ウ.
解説:タイムチャートから A と B の組合せごとに Y がどうなるかを読み取る。A=0・B=1 のとき Y=1,A=0・B=0 のとき Y=1,A=1・B=1 のとき Y=0,A=1・B=0 のとき Y=1 である。つまり両方が1のときだけ0になり,それ以外は1になっているので,これは論理積を否定した NAND の動作である。したがって答はウで,記号は AND の形(入力側が平ら)の出力に否定を表す小さな丸が付いたものになる。アは入力側の線が二重になった XOR(排他的論理和)で,A=0・B=0 のとき0になるはずだがチャートでは1なので合わない。イはその XOR に否定の丸が付いた XNOR で,A=0・B=1 のとき0になるはずだがチャートでは1なので合わない。エは OR の形(入力側が曲線)に否定の丸が付いた NOR で,どちらか一方でも1なら0になるため,A=1・B=0 で1になっているチャートと矛盾する。記号の見分け方は,入力側が平らなら AND 系,曲線なら OR 系,入力側の線が二重(曲線が2本)なら XOR 系,出力に丸が付いていれば否定付きである。
出典:情報処理推進機構「令和6年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問21
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 - ア.
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問653.次の方式で画素にメモリを割り当てる 640×480 のグラフィック LCD モジュールがある。始点(5,4)から終点(9,8)まで直線を描画するとき,直線上の x=7 の画素に割り当てられたメモリのアドレスの先頭は何番地か。ここで,画素の座標は(x,y)で表すものとする。 〔方式〕 ・メモリは0番地から昇順に使用する。 ・1画素は16ビットとする。 ・座標(0,0)から座標(639,479)までメモリを連続して割り当てる。 ・各画素は,x=0から x 軸の方向にメモリを割り当てていく。 ・x=639 の次は x=0 とし,y を1増やす。

- ア.3847
- イ.7680
- ウ.7694
- エ.8978
正解:ウ.7694
解説:図のとおりメモリは1番地が8ビットで,1画素は16ビットなので1画素につき2番地を使う。したがって座標(x,y)の画素の先頭アドレスは (y×640+x)×2 で求められる。次に x=7 のときの y を求める。直線は始点(5,4)から終点(9,8)までで,x が4増える間に y も4増えるので傾きは1であり,x=7 では y=4+(7-5)=6 になる。よって先頭アドレスは (6×640+7)×2=(3840+7)×2=3847×2=7694番地となり,答はウ。アの3847は 6×640+7 に一致し,1画素を1番地として計算して2倍を忘れた場合の値である。イの7680は 6×640×2 に一致し,行の先頭までは正しく計算したが x の分(7画素=14番地)を足し忘れた場合の値になる。エの8978は (7×640+9)×2 に一致し,x=7 を y と取り違え,かつ終点の x 座標9をそのまま使った場合の値である。座標のどちらが行を決めるのかと,1画素が何番地を占めるのかの2点を押さえるのが要点になる。
出典:情報処理推進機構「令和6年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問22
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問654.データセンターなどで採用されているサーバ,ネットワーク機器に対する直流給電の利点として,適切なものはどれか。
- ア.交流から直流への変換,直流から交流への変換で生じる電力損失を低減できる。
- イ.受電設備から CPU などの LSI まで,同じ電圧のまま給電できる。
- ウ.停電の危険がないので,電源バックアップ用のバッテリを不要にできる。
- エ.トランスを用いて容易に昇圧,降圧ができる。
正解:ア.交流から直流への変換,直流から交流への変換で生じる電力損失を低減できる。
解説:サーバやネットワーク機器の内部回路は直流で動くため,交流で給電すると各機器の電源装置で交流から直流へ変換する必要がある。さらに無停電電源装置(UPS)を挟む構成では,交流→直流(バッテリ充電)→交流(機器へ)→直流(機器内部)と何度も変換が入り,そのたびに損失と発熱が生じる。直流給電にすればこの往復の変換を減らせるので電力損失を低減でき,発熱が減る分だけ冷却の負荷も下がる。したがって答はア。イは誤りで,受電した電圧をそのまま LSI に加えることはできない。データセンターの直流給電は380V などで配電し,機器内部で1V 前後まで段階的に降圧するので,電圧変換自体は依然として必要である。ウも誤りで,直流給電にしても商用電源が止まれば停電するので,バッテリによるバックアップは変わらず必要である。むしろ直流ならバッテリを直流母線に直結できるという利点がある。エは交流の性質で,トランス(変圧器)は電磁誘導を使うため交流でなければ働かない。直流の電圧変換にはチョッパなどの半導体回路を用いる。
出典:情報処理推進機構「令和6年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問23
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問655.ビットマップフォントよりも,アウトラインフォントの利用が適している場合はどれか。
- ア.英数字だけでなく,漢字も表示する。
- イ.各文字の幅を一定にして表示する。
- ウ.画面上にできるだけ高速に表示する。
- エ.文字を任意の倍率に拡大して表示する。
正解:エ.文字を任意の倍率に拡大して表示する。
解説:ビットマップフォントは文字の形を点の並び(画素の集まり)として持つ方式で,決まった大きさで表示するぶんには美しいが,拡大すると点が大きくなって輪郭が階段状に荒れる。アウトラインフォントは文字の輪郭を直線や曲線の数式(ベジェ曲線など)で持つ方式なので,どの倍率に拡大・縮小しても輪郭を計算し直して滑らかに描ける。したがって答はエ。アは,漢字を表示できるかどうかは字形データが用意されているかの問題であり,どちらの方式でも漢字を扱える。イの各文字の幅を一定にするのは等幅(固定ピッチ)という書体の性質で,方式の違いとは別の話である。ウは逆で,ビットマップフォントは点の並びをそのまま画面に転送すればよいので描画が速く,アウトラインフォントは輪郭から実際の点を求める計算(ラスタライズ)が必要なため相対的に遅い。処理能力が限られた組込み機器で決まった大きさの文字だけを出す場合には,今もビットマップフォントが使われている。
出典:情報処理推進機構「令和6年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問24
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問656.ストアドプロシージャの利点はどれか。
- ア.アプリケーションプログラムからネットワークを介して DBMS にアクセスする場合,両者間の通信量を減少させる。
- イ.アプリケーションプログラムからの一連の要求を一括して処理することによって,DBMS 内の実行計画の数を減少させる。
- ウ.アプリケーションプログラムからの一連の要求を一括して処理することによって,DBMS 内の必要バッファ数を減少させる。
- エ.データが格納されているディスク装置への I/O 回数を減少させる。
正解:ア.アプリケーションプログラムからネットワークを介して DBMS にアクセスする場合,両者間の通信量を減少させる。
解説:ストアドプロシージャは,一連の SQL 文と手続的な処理をあらかじめ DBMS 側に登録しておき,アプリケーションからは名前と引数を渡して呼び出す仕組みである。個々の SQL 文を1つずつ送って結果を受け取るのに比べ,やり取りが「呼出し1回と結果1回」に減るので,ネットワークを介する構成では通信量と往復の回数が大幅に減る。したがって答はア。ほかにも,構文解析と実行計画の作成が登録時に済んでいるので実行が速い,処理をサーバ側に集約できるので複数のアプリケーションで共通化できる,表への直接のアクセス権を与えずに済むのでセキュリティ上も有利,といった利点がある。イは,実行計画は SQL 文ごとに作られるものであり,まとめて呼び出しても中で実行される SQL 文の数は変わらないので,計画の数が減るわけではない。ウのバッファ数も,実際に読み書きするデータ量で決まるため呼出し方をまとめても減らない。エの I/O 回数も同様で,必要なデータを読む回数はストアドプロシージャにしても変わらない。減るのは「アプリケーションと DBMS の間の通信」だけである。
出典:情報処理推進機構「令和6年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問25
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問657.モジュール結合度に関する記述のうち,適切なものはどれか。
- ア.あるモジュールが CALL 命令を使用せずに JUMP 命令でほかのモジュールを呼び出すとき,このモジュール間の関係は,外部結合である。
- イ.実行する機能や論理を決定するために引数を受け渡すとき,このモジュール間の関係は,内容結合である。
- ウ.大域的な単一のデータ項目を参照するモジュール間の関係は,制御結合である。
- エ.大域的なデータを参照するモジュール間の関係は,共通結合である。
正解:エ.大域的なデータを参照するモジュール間の関係は,共通結合である。
解説:モジュール結合度は,結合が弱いほど独立性が高く良い設計とされ,弱いほうから順にデータ結合,スタンプ結合,制御結合,外部結合,共通結合,内容結合の6段階に分類される。共通結合は,複数のモジュールが共通のデータ領域(大域的なデータの集まり)を参照する関係で,エがこれに当たるので答はエ。共通領域を書き換えると,どのモジュールに影響が及ぶかを追いにくくなるため独立性は低い。ウは,大域的な「単一のデータ項目」を参照する関係を制御結合としているが,これは外部結合の説明である。共通結合との違いは,共有するものがデータの集まり(レコードや構造体)か,単一の項目かという点にある。イは,実行する機能や論理を決めるための引数(制御フラグ)を渡す関係を内容結合としているが,これは制御結合の説明である。呼ばれた側の内部の動きを呼ぶ側が決めてしまうため,データだけを渡すデータ結合より結合が強い。アは,CALL を使わず JUMP で他のモジュールの内部へ飛び込む関係を外部結合としているが,これは最も結合が強い内容結合に当たる。3つの誤りはいずれも段階を1つずらした形になっている。
出典:情報処理推進機構「令和6年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問46
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問658.ソフトウェア信頼度成長モデルの一つであって,テスト工程においてバグが収束したと判定する根拠の一つとして使用するゴンペルツ曲線はどれか。
- ア.

- イ.

- ウ.

- エ.

正解:ウ.
解説:ゴンペルツ曲線は,横軸にテスト項目の消化数,縦軸に累積の誤り検出数を取ったときに現れる S 字型の曲線である。テストの初期は環境の整備や単純な不具合の処理に時間が掛かって検出数の伸びがゆるやかで,中盤に入ると次々に誤りが見つかって急に立ち上がり,後半は残っている誤りが少なくなって伸びが鈍り,やがて水平に近づく。この水平に近づいた状態を「バグが収束した」と判断する根拠の一つに使う。したがって S 字型のウが答え。アは右上がりに際限なく急になっていく形で,検出数がまだ加速している途中を示しており,収束の判定には使えない。イは直線で,テスト項目を消化した分だけ一定の割合で誤りが見つかり続けることを意味するので,こちらも収束していない。エは最初から急に立ち上がって次第に寝ていく形(対数曲線に近い形)で,後半で飽和する点はゴンペルツ曲線と似ているが,初期の立ち上がりがゆるやかでないため S 字にはならない。同じ信頼度成長モデルでも,このように立ち上がりの形が異なるものはロジスティック曲線などとして区別される。判定に使うときは,実測値を当てはめて予測される総誤り数に対し,どこまで検出できたかを見るという使い方をする。
出典:情報処理推進機構「令和6年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問47
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 - ア.
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問659.リーンソフトウェア開発において,ソフトウェア開発のプロセスとプロセスの所要時間とを可視化し,ボトルネックや無駄がないかどうかを確認するのに用いるものはどれか。
- ア.ストーリーカード
- イ.スプリントバックログ
- ウ.バーンダウンチャート
- エ.バリューストリームマップ
正解:エ.バリューストリームマップ
解説:バリューストリームマップは,材料や情報が価値になって顧客に届くまでの流れ(バリューストリーム)を1枚の図に描き,各工程の所要時間と,工程間で待たされている時間を並べて可視化する道具である。もともとトヨタ生産方式に由来し,リーンソフトウェア開発では要求が出てから稼働環境へ届くまでの流れに当てはめて用いる。実際に描くと,作業している時間よりも承認や引継ぎを待っている時間のほうが長いことが見え,どこを直せば全体が速くなるか(ボトルネック)と,価値を生んでいない工程(無駄)が特定できる。したがって答はエ。アのストーリーカードは,利用者の要求をひとまとまりの短い文で書いたカードで,見積りと優先順位付けの単位になる。イのスプリントバックログは,スクラムでそのスプリントに取り組む作業の一覧である。ウのバーンダウンチャートは,残作業量が日を追ってどれだけ減ったかを折れ線で示す図で,進捗の把握には有効だが,工程ごとの所要時間や待ち時間の内訳は表さない。「工程の流れと時間の内訳を見る」のはバリューストリームマップだけである。
出典:情報処理推進機構「令和6年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問48
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問660.JIS X 33002:2017(プロセスアセスメント実施に対する要求事項)の説明として,適切なものはどれか。
- ア.組織のプロセスを継続的に改善して品質を高めるための要求事項を規定している。
- イ.組織プロセスの品質を客観的に診断するための要求事項を規定している。
- ウ.プロジェクトの実施に重要で,かつ,影響を及ぼすプロジェクトマネジメントの概念及びプロセスに関する包括的な手引きを規定している。
- エ.明確に定義された用語を使用し,ソフトウェアライフサイクルプロセスの共通枠組みを規定している。
正解:イ.組織プロセスの品質を客観的に診断するための要求事項を規定している。
解説:JIS X 33002 は,プロセスアセスメント(プロセスの評定)をどのように実施すべきかを定めた規格である。アセスメントとは,組織が実際に行っているプロセスを定められた測定枠組みに照らして客観的に診断し,達成の度合いを判定することをいう。この規格は,アセスメントの計画,証拠の収集,評定,結果の報告といった実施に対する要求事項を規定しているので,答はイ。ISO/IEC 33000 シリーズ(旧 SPICE)の一部で,能力水準を判定する仕組みを共通化することによって,組織や国をまたいで比較できるようにしている。アの「継続的に改善して品質を高めるための要求事項」はプロセス改善そのものの規格の説明で,診断の実施方法を定めたこの規格の説明ではない。診断は改善の出発点になるが,両者は別の規格に分かれている。ウは JIS Q 21500(プロジェクトマネジメントの手引)の説明である。エは JIS X 0160(ISO/IEC 12207 ソフトウェアライフサイクルプロセス)の説明で,企画から開発,運用,保守,廃棄までのプロセスに共通の用語と枠組みを与えるものである。「測る側の決まり」がJIS X 33002 だと押さえると区別できる。
出典:情報処理推進機構「令和6年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問49
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問661.M/M/1 の待ち行列モデルにおいて,窓口の利用率が 25%から 40%に増えると,平均待ち時間は何倍になるか。
- ア.1.25
- イ.1.60
- ウ.2.00
- エ.3.00
正解:ウ.2.00
解説:M/M/1 の平均待ち時間は,利用率を ρ,平均サービス時間を Ts として Tw=ρ/(1-ρ)×Ts で表される。サービス時間は変わらないので,倍率は ρ/(1-ρ) の比だけで決まる。利用率25%では 0.25/0.75=1/3,40%では 0.40/0.60=2/3 なので,倍率は (2/3)÷(1/3)=2.00倍となり,答はウ。ρ/(1-ρ) は利用率が上がるほど急に増える形で,たとえば50%で1倍,80%で4倍,90%で9倍と,混み合ってくると待ち時間が跳ね上がる。利用率が15ポイント増えただけで待ち時間が2倍になるのは,この非線形性のためである。イの1.60は 0.40÷0.25 で,利用率そのものの比を待ち時間の比と取り違えた場合の値である。アの1.25は (1-0.25)÷(1-0.40)=0.75÷0.60 に一致し,これは待ち時間ではなく平均滞在時間(待ち時間+サービス時間)の比に当たる。エの3.00は,利用率の比(1.6倍)でも滞在時間の比(1.25倍)でもなく,この条件からは導けない値である。
出典:情報処理推進機構「令和6年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問1
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問662.AI における教師あり学習での交差検証に関する記述はどれか。
- ア.過学習を防ぐために,回帰モデルに複雑さを表すペナルティ項を加え,訓練データへ過剰に適合しないようにモデルを調整する。
- イ.学習の精度を高めるために,複数の異なるアルゴリズムのモデルで学習し,学習の結果は組み合わせて評価する。
- ウ.学習モデルの汎化性能を高めるために,単一のモデルで関連する複数の課題を学習することによって,課題間に共通する要因を獲得する。
- エ.学習モデルの汎化性能を評価するために,データを複数のグループに分割し,一部を学習に残りを評価に使い,順にグループを入れ替えて学習と評価を繰り返す。
正解:エ.学習モデルの汎化性能を評価するために,データを複数のグループに分割し,一部を学習に残りを評価に使い,順にグループを入れ替えて学習と評価を繰り返す。
解説:交差検証(クロスバリデーション)は,手持ちのデータを k 個のグループに分け,そのうち1つを評価用,残りを学習用として学習と評価を行い,評価用のグループを順に入れ替えて k 回繰り返す方法である。k 回の評価結果を平均することで,どのデータを評価に使ったかという偶然の影響を減らし,未知のデータに対する性能(汎化性能)をより確かに見積もれる。したがって答はエ。データが少なく,学習用と評価用に分けると評価用が心もとない場合にとくに有効である。アは,モデルの複雑さに応じた罰則を目的関数に加えて係数が大きくなりすぎるのを抑える正則化の説明で,過学習を防ぐ手法だが評価の方法ではない。イは,複数のモデルの予測を組み合わせて精度を高めるアンサンブル学習(バギングやブースティングなど)の説明である。ウは,関連する複数の課題を1つのモデルで同時に学習させ,課題に共通する特徴を得るマルチタスク学習の説明である。いずれも機械学習の重要な手法だが,データを分割して学習と評価を入れ替えながら繰り返すのは交差検証である。
出典:情報処理推進機構「令和6年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問2
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問663.式 A+B×C の逆ポーランド表記法による表現として,適切なものはどれか。
- ア.+×CBA
- イ.×+ABC
- ウ.ABC×+
- エ.CBA+×
正解:ウ.ABC×+
解説:逆ポーランド表記法(後置記法)は,演算子を対象となる二つの項の後ろに置く書き方である。A+B×C は乗算が加算より優先されるので,まず B×C を後置記法で書くと BC× となり,これを A に加えるので A(BC×)+,すなわち ABC×+ となる。したがって答はウ。この表記は括弧を使わずに計算の順序を一意に表せるため,スタックを使って左から順に読むだけで計算できる。実際 ABC×+ を処理すると,A・B・C を積み,×で上2つ(B と C)を取り出して掛け,その結果と A を+で足す,という流れになり元の式と一致する。アの+×CBA は演算子を前に置く前置記法(ポーランド表記法)の形だが,正しい前置記法は +A×BC であり,これはその並びを逆にしただけのものである。イの×+ABC も前置記法の形だが,これは (A+B)×C を表す ×+ABC であり演算の優先順位が違う。エの CBA+×は,後置記法として読むと +で C と B を足し,×でその結果と A を掛けることになり,(C+B)×A を表してしまう。
出典:情報処理推進機構「令和6年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問3
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問664.自動車の先進運転支援システムで使用されるセンサーの説明のうち,適切なものはどれか。
- ア.可視光カメラは,天候などの影響を受けやすいが,交通標識の認識に使用できる。
- イ.超音波センサーは,天候などの影響を受けやすいが,測定可能距離が500メートル以上と長い。
- ウ.ミリ波レーダーは,天候などの影響を受けにくく,交通信号機の灯色の判別に使用できる。
- エ.レーザーレーダーは,天候などの影響を受けにくく,建物の後ろにある物体を検知できる。
正解:ア.可視光カメラは,天候などの影響を受けやすいが,交通標識の認識に使用できる。
解説:可視光カメラは人の目と同じ波長の光を捉えるので,色や文字,形を読み取れる。交通標識や車線の白線,信号の色の認識はカメラの得意分野である。一方で,逆光,夜間,濃霧,豪雨といった条件では見え方が大きく変わり,天候の影響を受けやすい。この長所と短所を正しく述べているのはアで,これが答え。イの超音波センサーは,音波の減衰が大きく測定できるのは数メートル程度で,駐車支援のように至近距離の障害物を検知する用途に使われる。500メートル以上という記述が誤りである。ウのミリ波レーダーは,電波を使うので雨や霧に強く,距離と相対速度を精度よく測れるが,色を見分ける仕組みをもたないので信号機の灯色は判別できない。エのレーザーレーダー(LiDAR)は,レーザー光の反射で周囲の形状を細かく測れるが,光は直進するため遮蔽物の裏側は見えない。建物の後ろの物体を検知できるという記述が誤りである。実際の運転支援では,これらを組み合わせて互いの弱点を補う設計(センサーフュージョン)が採られる。
出典:情報処理推進機構「令和6年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問4
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問665.次の2分探索木から要素12を削除したとき,その位置に別の要素を移動するだけで2分探索木を再構成するには,削除された要素の位置にどの要素を移動すればよいか。

- ア.9
- イ.10
- ウ.13
- エ.14
正解:ウ.13
解説:2分探索木で節を削除したあと,1つの要素を動かすだけで木を保てるのは,その節の位置に「左部分木の最大値」または「右部分木の最小値」を持ってくる場合である。どちらもその値より小さい要素・大きい要素を新たにまたがせないので,探索木の条件が崩れない。要素12の左部分木は10を根とする{9,10,11}で最大値は11,右部分木は14を根とする{13,14,15}で最小値は13である。選択肢にあるのは13なので答はウ。13を12の位置へ移すと,左に{9,10,11},右に14(その右に15)が付き,13より小さい要素だけが左,大きい要素だけが右に並ぶので条件を満たす。13はもともと葉なので,動かしても子の付け替えが要らない点も重要である。アの9は,左部分木の最小値であって最大値ではないため,移した先の左側に10と11という9より大きい要素が残ってしまう。イの10とエの14は,どちらも子を二つ持つ節なので,動かすとその子の置き場所を決め直す必要があり「別の要素を移動するだけ」では済まない。
出典:情報処理推進機構「令和6年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問5
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問666.自然数をキーとするデータを,ハッシュ表を用いて管理する。キー x のハッシュ関数 h(x)を h(x)=x mod n とすると,任意のキー a と b が衝突する条件はどれか。ここで,n はハッシュ表の大きさであり,x mod n は x を n で割った余りを表す。
- ア.a+b が n の倍数
- イ.a-b が n の倍数
- ウ.n が a+b の倍数
- エ.n が a-b の倍数
正解:イ.a-b が n の倍数
解説:衝突とは異なるキーが同じハッシュ値になることなので,条件は a mod n=b mod n である。a を n で割った商を q₁・余りを r,b を n で割った商を q₂・余りを r とすると,a=q₁n+r,b=q₂n+r なので a-b=(q₁-q₂)n となり,差が n の倍数になる。逆に a-b が n の倍数なら余りは等しい。したがって答はイ。たとえば n=10 のとき,23 と 43 は差が20で10の倍数なのでどちらも余り3となって衝突する。アの a+b が n の倍数は,n=10 で a=3,b=7 のとき和は10で条件を満たすが,余りは3と7で異なるので衝突しない。ウとエは「n が◯の倍数」と向きが逆で,n はハッシュ表の大きさという固定値なので,キーの和や差の倍数であるという条件は意味をなさない。実際 n=10・a=23・b=43 では a-b=-20 で,n が a-b の倍数にはなっていないのに衝突する。なおハッシュ表の大きさ n は素数にすると,キーの並びに規則性がある場合でも余りが偏りにくく,衝突を減らせる。
出典:情報処理推進機構「令和6年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問6
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問667.次の特徴をもつプログラム言語及び実行環境であって,オープンソースソフトウェアとして提供されているものはどれか。 〔特徴〕 ・統計解析や機械学習に適している。 ・データ分析,グラフ描画などの,多数のソフトウェアパッケージが提供されている。 ・変数自体には型がなく,変数に代入されるオブジェクトの型は実行時に決まる。
- ア.Go
- イ.Kotlin
- ウ.R
- エ.Scala
正解:ウ.R
解説:R は統計解析のために作られた言語と実行環境で,オープンソースソフトウェアとして提供されている。CRAN と呼ばれる公式のリポジトリに,回帰分析・多変量解析・時系列分析・機械学習・グラフ描画(ggplot2 など)といった膨大なパッケージが集まっているのが最大の特徴である。変数の宣言に型を書かず,代入されたオブジェクトの型が実行時に決まる動的型付けの言語でもある。三つの特徴すべてに当てはまるので答はウ。アの Go は Google が開発したコンパイル型の言語で,静的型付けであり,並行処理の書きやすさとビルドの速さが特徴で,サーバやツールの開発に使われる。イの Kotlin は JVM 上で動く静的型付けの言語で,Java と相互運用でき,Android アプリ開発の主要言語になっている。エの Scala も JVM 上の静的型付け言語で,オブジェクト指向と関数型を融合しており,分散処理基盤の Apache Spark で使われることから大規模データ処理と縁があるが,変数に型がないという特徴には当てはまらない。
出典:情報処理推進機構「令和6年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問7
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問668.RISC プロセッサの5段パイプラインの命令実行制御の順序はどれか。ここで,このパイプラインのステージは次の五つとする。 ① 書込み ② 実行とアドレス生成 ③ 命令デコードとレジスタファイル読出し ④ 命令フェッチ ⑤ メモリアクセス
- ア.③,④,②,⑤,①
- イ.③,⑤,②,④,①
- ウ.④,③,②,⑤,①
- エ.④,⑤,③,②,①
正解:ウ.④,③,②,⑤,①
解説:パイプラインは1つの命令の処理を段階に分け,段階をずらして次の命令を流し込むことで処理効率を上げる仕組みである。RISC の代表的な5段構成は,命令フェッチ(IF)→命令デコードとレジスタ読出し(ID)→実行とアドレス生成(EX)→メモリアクセス(MEM)→レジスタへの書込み(WB)の順で,設問の番号に置き換えると ④→③→②→⑤→① となる。したがって答はウ。この順序には理由がある。命令を読み込まなければ何をするか分からないので IF が最初,何をするか分かってからでないとレジスタを読めないので ID が次,読んだ値でなければ演算やアドレス計算ができないので EX が続き,アドレスが決まってからメモリに触るので MEM,最後に結果をレジスタへ書き戻す。アは命令デコードを命令フェッチより前に置いており,まだ読み込んでいない命令を解読することになる。イはメモリアクセスを実行より前に置いたうえで命令フェッチを4番目に回しており,順序が二重に崩れている。エはメモリアクセスをデコードより前に置いており,アクセス先のアドレスが決まる前にメモリに触ることになる。
出典:情報処理推進機構「令和6年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問8
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問669.量子超越性(Quantum Supremacy)の説明として,適切なものはどれか。
- ア.重ね合わせという現象を用いた量子暗号が,現在の暗号化方式よりもはるかに安全であること
- イ.従来のコンピュータが古典物理学に依拠する段階にとどまっているのに比べて,量子コンピュータが量子力学に依拠して作られていること
- ウ.従来のコンピュータでは実用的な時間で処理することができない計算を,量子コンピュータでは高速に実行できること
- エ.同一の性能を実現した従来のコンピュータに比べて,量子コンピュータの物理的な大きさを圧倒的に小さくできること
正解:ウ.従来のコンピュータでは実用的な時間で処理することができない計算を,量子コンピュータでは高速に実行できること
解説:量子超越性は,従来のコンピュータ(古典コンピュータ)では現実的な時間で解ききれない計算を,量子コンピュータが実行してみせることを指す言葉である。2019年に Google が,特定の乱数生成の問題で当時のスーパーコンピュータでは1万年かかると見積もった計算を約200秒で行ったと発表し,量子超越性を達成したと主張した例が知られている。したがって答はウ。あくまで「ある特定の問題で速さが上回る」という主張であって,あらゆる計算で有利になるわけではない点が重要で,実用上の有用性を示す段階には至っていない。アは量子鍵配送などの量子暗号の話で,計算の速さではなく通信の安全性に関する概念である。イは量子コンピュータが量子力学の原理に基づいて作られているという構成上の説明で,これは量子コンピュータそのものの定義に近く,超越性という「性能で上回った」という主張とは別である。エは装置の物理的な大きさの話で,実際の量子コンピュータは極低温に冷やす大型の設備を必要とし,むしろ小型化とは縁遠い。
出典:情報処理推進機構「令和6年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問9
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問670.キャッシュメモリのアクセス時間が主記憶のアクセス時間の 1/30 で,ヒット率が95%のとき,実効メモリアクセス時間は,主記憶のアクセス時間の約何倍になるか。
- ア.0.03
- イ.0.08
- ウ.0.37
- エ.0.95
正解:イ.0.08
解説:実効メモリアクセス時間は「ヒット率×キャッシュのアクセス時間+(1-ヒット率)×主記憶のアクセス時間」で求める。主記憶のアクセス時間を1とすると,キャッシュは 1/30 なので 0.95×(1/30)+0.05×1=0.0317+0.05=0.0817 となり,約0.08倍である。答はイ。この式で分かるのは,キャッシュをいくら速くしても,ミスした残り5%分(0.05)が下限として残るという点である。実際キャッシュのアクセス時間を0と極端に仮定しても0.05倍より小さくはならず,ヒット率を上げることのほうが効きやすい。アの0.03は 0.95×(1/30)=0.0317 に一致し,ミスした場合の項を足し忘れた値である。ウの0.37は 0.95×(1/3)+0.05=0.3667 に一致し,キャッシュのアクセス時間を 1/30 ではなく 1/3 と取り違えた場合の値になる。エの0.95は 0.05×(1/30)+0.95×1=0.9517 に一致し,ヒット率とミス率を逆に当てはめた場合の値である。
出典:情報処理推進機構「令和6年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問10
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問671.ストレージのインタフェースとして用いられる FC(ファイバチャネル)の特徴として,適切なものはどれか。
- ア.TCP/IP の上位層として作られた規格である。
- イ.接続形態は,スイッチを用いた n 対 n 接続に限られる。
- ウ.伝送媒体には電気ケーブル又は光ケーブルを用いることができる。
- エ.物理層としてパラレル SCSI を用いることができる。
正解:ウ.伝送媒体には電気ケーブル又は光ケーブルを用いることができる。
解説:FC(ファイバチャネル)は,サーバとストレージを高速に結ぶための規格で,名前に「ファイバ」と付くが伝送媒体は光ファイバに限られず,短い距離では同軸などの電気ケーブルも使える。したがって答はウ。SAN(ストレージエリアネットワーク)を構成する代表的な技術で,SCSI のコマンドを FC のフレームに載せて運ぶ(FCP)ため,OS からは直接つながったディスクのように見える。アは,FC は独自の階層をもつ規格で TCP/IP の上位層ではない。TCP/IP 上で SCSI を運ぶのは iSCSI,イーサネット上で FC を運ぶのは FCoE である。イは,接続形態には機器を1対1でつなぐポイントツーポイント,リング状につなぐアービトレイテッドループ,スイッチを介してつなぐファブリックの3種類があり,スイッチを使う形に限られない。エは,FC はパラレル SCSI を置き換えるために作られたシリアル伝送の規格で,パラレル SCSI を物理層に使うことはできない。ケーブルが細く長距離を引けることが,パラレル方式に対する利点である。
出典:情報処理推進機構「令和6年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問11
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問672.Web アプリケーションサーバの信頼性に関する記述のうち,適切なものはどれか。
- ア.コールドスタンバイ構成で稼働しているサーバに障害が発生した場合,サービスは中断しないが,トランザクションは継続できない。
- イ.コールドスタンバイ構成で稼働しているサーバに障害が発生した場合,サービスは中断するが,トランザクションは継続できる。
- ウ.セッションを共有しないクラスタ構成で1台のサーバに障害が発生した場合,サービスは継続できないが,トランザクションは継続できる。
- エ.セッションを共有するクラスタ構成で1台のサーバに障害が発生した場合,サービス及びトランザクションは継続できる。
正解:エ.セッションを共有するクラスタ構成で1台のサーバに障害が発生した場合,サービス及びトランザクションは継続できる。
解説:複数台のサーバでクラスタを組み,セッション情報を共有(レプリケーション)しておくと,1台が落ちても他のサーバが同じセッションの状態を持っているので,利用者は入力の途中でもそのまま処理を続けられる。サービスもトランザクションも継続できるので,答はエ。アとイのコールドスタンバイは,待機系のサーバを停止した状態で用意しておき,障害が起きてから起動して引き継ぐ方式である。起動と切替えに時間がかかるためサービスは必ず中断し,稼働系が持っていた処理途中のデータも引き継げないのでトランザクションも継続できない。したがってアの「サービスは中断しない」もイの「トランザクションは継続できる」も誤りである。ウは,セッションを共有しないクラスタでも,残ったサーバが新しい要求を引き受けるのでサービス自体は継続できる。継続できないのは,障害が起きたサーバが保持していたセッションとその上のトランザクションのほうであり,記述が入れ替わっている。段階を整理すると,コールドスタンバイ→ホットスタンバイ→クラスタ(セッション共有なし)→クラスタ(セッション共有あり)の順に,止まらない度合いが上がっていく。
出典:情報処理推進機構「令和6年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問12
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問673.データアクセス方式の一つであるオブジェクトストレージに関する記述のうち,最も適切なものはどれか。
- ア.ストレージにファイルシステムを構成し,ファイル単位でデータにアクセスする。
- イ.ストレージの論理ボリュームを決まったサイズに分割し,その単位でデータにアクセスする。
- ウ.データとメタデータをセットにして保存し,階層構造にすることによってデータにアクセスする。
- エ.データとメタデータをセットにして保存し,固有の識別子でデータにアクセスする。
正解:エ.データとメタデータをセットにして保存し,固有の識別子でデータにアクセスする。
解説:オブジェクトストレージは,データ本体とそれを説明するメタデータを一つの「オブジェクト」としてまとめ,一意の識別子(キー)を指定して読み書きする方式である。ディレクトリをたどる必要がないため,格納場所の物理的な構成に縛られず,台数を増やすだけで容量と性能を伸ばせる。したがって答はエ。クラウドの大容量ストレージや,画像・ログ・バックアップの保管に広く使われている。アはファイルストレージの説明で,ストレージ上にファイルシステムを作り,ディレクトリとファイル名でアクセスする方式である。イはブロックストレージの説明で,論理ボリュームを固定長のブロックに分け,ブロック番号を指定して読み書きする。データベースのように細かい更新を高速に行う用途に向く。ウはメタデータをセットで保存する点まではオブジェクトストレージと同じだが,「階層構造にすることによってアクセスする」が誤りである。オブジェクトストレージの名前空間は階層をもたないフラットな構造で,これが台数を増やしやすい理由になっている。
出典:情報処理推進機構「令和6年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問13
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問674.稼働率が等しい装置 X を直列や並列に組み合わせたとき,システム全体の稼働率を高い順に並べたものはどれか。ここで,装置 X の稼働率は0よりも大きく1未満である。

- ア.A,B,C
- イ.A,C,B
- ウ.C,A,B
- エ.C,B,A
正解:イ.A,C,B
解説:装置1台の稼働率を a として,3つの構成の稼働率を式にする。A は2台の並列だけなので 1-(1-a)²=2a-a²。B は1台の直列に2台の並列が続くので a×(2a-a²)=2a²-a³。C は「2台直列」を2組並列にした形なので 1-(1-a²)²=2a²-a⁴ となる。a=0.5 で確かめると A=0.75,C=0.4375,B=0.375 で A>C>B となり,答はイ。この大小関係は 0<a<1 の全域で成り立つ。C-B=a³-a⁴=a³(1-a) で正,A-C=2a-3a²+a⁴=a(a-1)²(a+2) でこれも正だからである。直感的にも,A は直列部分がまったく無いので最も高く,B は「1台でも壊れたら全体が止まる装置」が単独で1台あるため最も低い。C は直列2台の組を丸ごと2系統に冗長化しているので,その中間になる。アは B と C の順が逆,ウとエは A を C より低く置いており,直列部分をもたない A が最も高いという点を捉えていない。
出典:情報処理推進機構「令和6年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問14
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問675.あるクライアントサーバシステムにおいて,クライアントから要求された1件の検索を処理するために,サーバで平均100万命令が実行される。1件の検索につき,ネットワーク内で転送されるデータは平均 2×10⁵ バイトである。このサーバの性能は 100 MIPS であり,ネットワークの転送速度は 8×10⁷ ビット/秒である。このシステムにおいて,1秒間に処理できる検索要求は何件か。ここで,処理できる件数は,サーバとネットワークの処理能力だけで決まるものとする。また,1バイトは8ビットとする。
- ア.50
- イ.100
- ウ.200
- エ.400
正解:ア.50
解説:サーバ側とネットワーク側のそれぞれで1秒間に処理できる件数を求め,小さいほう(能力の低い側=ボトルネック)が答えになる。サーバは 100 MIPS=1秒間に1億(10⁸)命令を実行でき,1件に100万(10⁶)命令が必要なので 10⁸÷10⁶=100件/秒。ネットワークは 8×10⁷ ビット/秒で,1件のデータは 2×10⁵ バイト=2×10⁵×8=1.6×10⁶ ビットなので,8×10⁷÷(1.6×10⁶)=50件/秒である。両者のうち小さいほうは50件なので答はア。サーバの能力は100件分あるのに,ネットワークが50件分しか運べないため半分が遊ぶ形になり,増強すべきはネットワーク側だと分かる。イの100はサーバ側の能力だけを見た値で,ネットワークの制約を無視している。エの400は 8×10⁷÷(2×10⁵)=400 に一致し,バイトをビットに直さずに割った場合の値である。ウの200は,サーバ側の100件でもネットワーク側の50件でもなく,この条件からは導けない値である。
出典:情報処理推進機構「令和6年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問15
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問676.タスクスケジューリング方式の説明のうち,特定のタスクが CPU 資源の割当てを待ち続ける可能性が最も高いものはどれか。
- ア.各タスクの優先度を決めて,優先度が高い順に実行し,CPU 割当てまでの待ち時間の長さに応じて優先度を徐々に上げていく。
- イ.各タスクを実行可能待ち行列に置かれた順に実行し,一定時間が経過したら実行を中断して実行可能待ち行列の最後尾に加える。
- ウ.処理予定時間が最も短いタスクから順に処理を実行する。現在実行中の処理が終了するか,又は何らかの要因によって中断されたとき,次のタスクを開始する。
- エ.タスクがシステムに到着した順に実行可能待ち行列の最後尾に加え,常に実行可能待ち行列の先頭のタスクに CPU を割り当てる。
正解:ウ.処理予定時間が最も短いタスクから順に処理を実行する。現在実行中の処理が終了するか,又は何らかの要因によって中断されたとき,次のタスクを開始する。
解説:あるタスクがいつまでも CPU をもらえない状態を飢餓(スタベーション)という。ウは処理予定時間の短いタスクを優先する方式(SJF・最短ジョブ優先)で,短いタスクが次々に到着し続けると,処理時間の長いタスクは常に後ろへ回されて実行の順番が来ない。待ち時間が伸びても順位が上がる仕組みが無いので,飢餓が起きる可能性が最も高い。したがって答はウ。アは優先度方式だが,待ち時間に応じて優先度を上げていくエイジングを組み込んでいるので,待たされているタスクはいずれ最上位に到達して実行される。まさに飢餓を防ぐための工夫である。イはラウンドロビンで,一定時間ごとに実行を打ち切って行列の最後尾へ回すため,待ち行列にいるタスクには必ず順番が回ってくる。エは到着順に処理する FCFS(先着順)で,追い越しが起きないので,先に着いたタスクは必ず実行される。ただし長いタスクが先頭にいると後続が待たされる(コンボイ効果)という別の弱点はある。飢餓が起きるのは「順位が固定で,かつ追い越しが起きる」方式だという点が見分け方になる。
出典:情報処理推進機構「令和6年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問16
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問677.ページング方式の仮想記憶において,ページ置換えの発生頻度が高くなり,システムの処理能力が急激に低下することがある。このような現象を何と呼ぶか。
- ア.スラッシング
- イ.スワップアウト
- ウ.フラグメンテーション
- エ.ページフォールト
正解:ア.スラッシング
解説:実行中のプログラムが必要とするページの総量が実記憶の容量を超えると,あるページを追い出した直後にそのページが再び必要になるという状態に陥る。CPU がページの入替え(ページイン・ページアウト)ばかりに時間を費やし,本来の処理がほとんど進まなくなる現象をスラッシングといい,答はア。対策は,同時に動かすプログラムの数(多重度)を下げる,実記憶を増やす,参照の局所性が高くなるようプログラムを見直すなどである。イのスワップアウトは,主記憶上のプログラムやページを補助記憶へ書き出す個々の動作を指す用語で,これ自体は正常な動作である。エのページフォールトは,参照したページが主記憶に無いという例外の発生を指し,これも仮想記憶では日常的に起きる。ウのフラグメンテーションは,記憶領域が細かく分断されて連続した空き領域が確保しにくくなる現象で,ページング方式では固定長のページを使うため外部断片化は起きない。スラッシングは,ページフォールトが頻発した結果として現れる「性能が崩壊した状態」を指す言葉であり,個々の動作や例外と区別して押さえたい。
出典:情報処理推進機構「令和6年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問17
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問678.仮想記憶方式において,セグメンテーション方式と比較した場合のページング方式の長所はどれか。
- ア.記憶領域へのアクセス保護を論理的な単位で行うことができる。
- イ.記憶領域をプログラム間で容易に共用することができる。
- ウ.実行時に記憶領域の大きさを動的に変えることができる。
- エ.主記憶の外部断片化が発生しない。
正解:エ.主記憶の外部断片化が発生しない。
解説:ページング方式は,主記憶と仮想記憶を同じ大きさの固定長のページに区切って管理する。区画の大きさがそろっているので,空いているページ枠はどれでもそのまま使えて,「空きの合計は足りているのに連続した領域が取れない」という外部断片化が起きない。したがって答はエ。一方で,プログラムの論理的な区切りとページの境界は一致しないため,ページの末尾に使われない部分が残る内部断片化は生じる。アからウはいずれもセグメンテーション方式の長所である。セグメンテーションは,プログラムやデータを手続き・配列といった論理的なまとまり(セグメント)単位で可変長に区切るので,アのようにセグメントごとに読取り専用や実行可能といったアクセス保護を意味のある単位で設定でき,イのように共通のライブラリをセグメント単位でプログラム間で共用でき,ウのようにセグメントの大きさを実行時に伸縮させられる。逆に可変長であるために,割当てと解放を繰り返すと主記憶に細かい空きが散らばって外部断片化が起きる。両方式の長所を組み合わせたセグメントページング方式もある。
出典:情報処理推進機構「令和6年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問18
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問679.分散開発環境において,各開発者のローカル環境に全履歴を含んだ中央リポジトリの完全な複製をもつことによって,中央リポジトリにアクセスできないときでも履歴の調査や変更の記録を可能にする,バージョン管理ツールはどれか。
- ア.Apache Subversion
- イ.CVS
- ウ.Git
- エ.RCS
正解:ウ.Git
解説:Git は分散型のバージョン管理ツールで,リポジトリを複製(クローン)すると全履歴が手元に入る。そのため,ネットワークにつながっていなくても過去の変更の調査,差分の確認,コミット(変更の記録),ブランチの作成といった操作をローカルだけで完結でき,つながったときに中央リポジトリと同期(プッシュ・プル)すればよい。したがって答はウ。アの Apache Subversion(SVN)は集中型で,履歴はサーバ側にあり,コミットするにはサーバへの接続が必要である。作業コピーには最新の状態しか持たない。イの CVS も集中型で,SVN の前の世代に広く使われたツールである。ファイル単位でリビジョンを管理するため,複数ファイルにまたがる変更をひとまとめに扱えないという弱点があり,SVN はそれを改良したものである。エの RCS はさらに古く,1つのファイルの改訂履歴を同じディレクトリ内で管理する仕組みで,複数人での共同作業を前提としていない。分散型のもう一つの代表として Mercurial があるが,選択肢には無い。
出典:情報処理推進機構「令和6年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問19
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問680.手続型言語のコンパイラがコード生成までに行う処理のうち,最後に行うものはどれか。
- ア.意味解析
- イ.構文解析
- ウ.最適化
- エ.字句解析
正解:ウ.最適化
解説:コンパイラは,字句解析→構文解析→意味解析→最適化→コード生成の順に処理を進める。字句解析はソースの文字列を字句(トークン)の並びに分ける段階,構文解析はトークンの並びが文法に合っているかを調べて構文木を作る段階,意味解析は型の整合や変数の宣言漏れといった意味の面の検査を行う段階である。最適化は,作られた中間表現に対して,不要な計算の削除,ループ内の不変式の外出し,共通部分式の共有などを施して実行効率を上げる段階で,コード生成の直前に位置する。したがって「コード生成までに行う処理のうち最後」は最適化であり,答はウ。順序に理由があり,トークンに分けなければ文法は調べられず,構文木ができなければ型の検査はできず,意味まで確定しなければ意味を変えずに書き換える最適化は行えない。なお最適化は目的コードを生成した後にも行われることがあり(ピープホール最適化など),実装によっては複数の段階に分かれる。
出典:情報処理推進機構「令和6年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問20
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問681.図はスイッチ A 及び B の状態によって,LED が点灯又は消灯する回路である。スイッチ A がオンの状態を A=1,オフの状態を A=0 とし,スイッチ B も同様にオンの状態を B=1,オフの状態を B=0 とする。また,LED が点灯する状態を Y=1,消灯する状態を Y=0 とする。このとき,図の回路を動作させたときのタイミングチャートとして,適切なものはどれか。

- ア.

- イ.

- ウ.

- エ.

正解:ウ.
解説:図の回路は,電池からスイッチ A,スイッチ B,抵抗,LED が一本の輪になってつながっている。スイッチが直列なので,どちらか一方でもオフなら電流の道が切れて LED は消え,両方がオンのときだけ点灯する。つまり Y=A・B(論理積)の関係であり,A=1 かつ B=1 の区間だけ Y=1 になっているチャートを選べばよい。ウは,A と B がともに1になっている二つの区間だけ Y が1に立ち上がり,A だけが1の区間や B だけが1の区間では Y が0のままで,論理積と完全に一致する。したがって答はウ。エは A と B の波形がウと同じだが Y が反転しており,両方が1のときだけ0になるので論理積の否定(NAND)に当たる。アは,A だけが1の区間でも B だけが1の区間でも Y が1になっており,どちらか一方でも1なら1になる論理和(OR)の形である。イはそのアの Y を反転した形で,両方が0のときだけ1になる論理和の否定(NOR)に当たる。直列は論理積,並列は論理和に対応するという対応関係を押さえておけば,回路図から迷わず選べる。
出典:情報処理推進機構「令和6年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問21
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 - ア.
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問682.SoC の説明として,適切なものはどれか。
- ア.システム LSI に内蔵されたソフトウェア
- イ.複数の MCU を搭載したボード
- ウ.複数のチップで構成していたコンピュータシステムを,一つのチップで実現した LSI
- エ.複数のチップを単一のパッケージに封入してシステム化したデバイス
正解:ウ.複数のチップで構成していたコンピュータシステムを,一つのチップで実現した LSI
解説:SoC(System on a Chip)は,従来は CPU・メモリ・周辺回路・通信機能などを別々のチップに分けて基板上で組み合わせていたコンピュータシステムを,1枚のシリコンチップの上にまとめて作り込んだ LSI である。したがって答はウ。1つのチップに収めることで,配線が短くなって高速に動作し,消費電力も基板の面積も小さくできるので,スマートフォンや家電,車載機器といった組込みシステムで広く使われている。エは,複数のチップ(ダイ)を1つのパッケージに封じ込めた SiP(System in Package)の説明で,チップ自体は複数のままという点が SoC と異なる。すでにあるチップを組み合わせられるので開発期間が短くて済む反面,1チップ化ほどの小型化・低消費電力化は望めない。アは,チップに内蔵されたソフトウェア(ファームウェアや組込みソフトウェア)の説明で,SoC はハードウェアを指す言葉である。イは,MCU(マイクロコントローラユニット)を複数載せた基板の説明で,これは「複数チップを基板上で組み合わせる」という SoC 以前のやり方に当たる。
出典:情報処理推進機構「令和6年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問22
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問683.アクチュエーターの説明として,適切なものはどれか。
- ア.与えられた目標値と,センサーから得られた制御量を比較し,制御量を目標値に一致させるように操作量を出力する。
- イ.位置,角度,速度,加速度,力,温度などを検出し,電気的な情報に変換する。
- ウ.エネルギー源からのパワーを,回転,直進などの動きに変換する。
- エ.マイクロフォン,センサーなどが出力する微小な電気信号を増幅する。
正解:ウ.エネルギー源からのパワーを,回転,直進などの動きに変換する。
解説:アクチュエーターは,電気・油圧・空気圧などのエネルギーを,回転や直進といった機械的な動きに変換して外の世界に働きかける装置である。モータ,シリンダ,ソレノイド,圧電素子などがこれに当たる。したがって答はウ。制御システムを構成する要素は役割で分けられ,イは外界の物理量を電気信号に変える入力側の装置=センサーの説明である。アは,目標値と現在の制御量を比べて操作量を決める頭脳の部分=コントローラ(制御装置)の説明で,比例・積分・微分を組み合わせた PID 制御などがここで働く。エは微小な電気信号を扱える大きさまで増幅する増幅器(アンプ)の説明で,センサーの出力をコントローラが読める信号にするために使われる。全体としては,センサーが測る→アンプが整える→コントローラが判断する→アクチュエーターが動かす→その結果をまたセンサーが測る,という閉じた輪(フィードバックループ)になっており,アクチュエーターはその輪の「出口」に位置する。
出典:情報処理推進機構「令和6年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問23
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問684.マイクロプロセッサの耐タンパ性を向上させる手法として,適切なものはどれか。
- ア.ESD(Electrostatic Discharge)に対する耐性を強化する。
- イ.チップ検査終了後に検査用パッドを残しておく。
- ウ.チップ内部を物理的に解析しようとすると,内部回路が破壊されるようにする。
- エ.内部メモリを物理アドレスに合わせて整然と配置する。
正解:ウ.チップ内部を物理的に解析しようとすると,内部回路が破壊されるようにする。
解説:耐タンパ性(tamper resistance)とは,機器を分解したり内部を解析したりして秘密情報を取り出そうとする攻撃に対する強さのことである。チップを削る,樹脂を溶かす,配線に探針を当てるといった物理的な解析を試みたときに,内部回路が壊れて情報が読み出せなくなる仕組みを組み込むのは代表的な手法で,答はウ。ほかにも,配線層を目くらましのパターンで覆う,電源電圧や温度の異常を検知して動作を止める,暗号鍵を不揮発メモリに平文で置かない,といった対策がある。イは逆効果で,製造時の検査に使ったパッド(端子)を残しておくと,攻撃者がそこから内部の信号を観測したりデバッグ機能を呼び出したりできてしまうため,検査後は切り離すのが原則である。エも逆効果で,メモリの配置に規則性があると,チップの写真から目的の領域を特定しやすくなる。アの ESD(静電気放電)への耐性強化は,静電気による素子の破壊を防ぐ信頼性・品質の対策であり,悪意ある解析への強さとは別の話である。
出典:情報処理推進機構「令和6年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問24
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問685.Web ページの構成要素のうち,図のような固定の表示領域内でマウス操作やタッチ操作を行うことによってスクロールし,複数の画像などが横方向に順次表示されるものを何というか。

- ア.アコーディオン
- イ.カルーセル
- ウ.タブ
- エ.モーダルウィンドウ
正解:イ.カルーセル
解説:カルーセルは,決まった大きさの表示領域の中で複数の画像やパネルを横方向に順送りして見せる部品である。名前は遊園地の回転木馬(carousel)に由来し,左右の矢印やスワイプ操作で送り,下部の丸い印(インジケーター)で今が何枚目かを示すのが定型で,図の見た目と一致する。したがって答はイ。限られた面積で複数の内容を紹介できる反面,最初の1枚以外は見られないことが多いという指摘もあり,重要な情報を2枚目以降に置かない配慮が求められる。アのアコーディオンは,見出しをクリックすると下に内容が開き,別の見出しを開くと前が閉じる縦方向の折り畳み部品で,FAQ などに使われる。ウのタブは,同じ位置に重ねた複数の面を見出しの切替えで表示する部品で,切替えは利用者が明示的に選ぶ形になる。エのモーダルウィンドウは,元の画面の手前に重ねて表示し,閉じるまで背後の操作を受け付けない小窓で,確認や入力を割り込ませたいときに使う。いずれも限られた面積を活かす部品だが,横方向に順次送るのはカルーセルである。
出典:情報処理推進機構「令和6年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問25
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問686.エクスプロイトコードの説明はどれか。
- ア.攻撃コードとも呼ばれ,ソフトウェアの脆弱性を悪用するコードのことであり,使い方によっては脆弱性の検証に役立つこともある。
- イ.マルウェア定義ファイルとも呼ばれ,マルウェアを特定するための特徴的なコードのことであり,マルウェア対策ソフトによるマルウェアの検知に用いられる。
- ウ.メッセージとシークレットデータから計算されるハッシュコードのことであり,メッセージの改ざん検知に用いられる。
- エ.ログインのたびに変化する認証コードのことであり,不正に取得しても再利用できないので不正アクセスを防ぐ。
正解:ア.攻撃コードとも呼ばれ,ソフトウェアの脆弱性を悪用するコードのことであり,使い方によっては脆弱性の検証に役立つこともある。
解説:エクスプロイトコードは,ソフトウェアの脆弱性を突いて意図しない動作を引き起こすプログラムやデータのことで,攻撃コードとも呼ばれる。攻撃に使われる一方で,脆弱性が本当に悪用可能かを確かめる検証(PoC=Proof of Concept)や,修正が正しく効いているかの確認にも使われるため,両面をもつ。したがって答はア。公開のしかたは慎重に扱われ,修正が行き渡る前に詳細を公開すると被害が広がる。イはマルウェアを見分けるための特徴的なパターンを集めたシグネチャ(マルウェア定義ファイル)の説明で,パターンマッチングによる検知に使われる。ウは MAC(Message Authentication Code=メッセージ認証符号)の説明で,メッセージと共有の秘密情報からハッシュ値を計算し,改ざんの検出と送信者の確認を行うものである。エはワンタイムパスワードの説明で,一度使うと無効になるため盗まれても再利用できない。いずれもセキュリティに関わる符号だが,「脆弱性を悪用する側のコード」を指すのはエクスプロイトコードである。
出典:情報処理推進機構「令和6年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問46
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問687.マイクロサービスアーキテクチャを利用するとき,システム構築上の利点はどれか。
- ア.各サービスが使用する,プログラム言語,ライブラリ及びミドルウェアを統一しやすい。
- イ.各サービスが保有するデータの整合性を確保しやすい。
- ウ.各サービスの変更がしやすい。
- エ.各サービスを呼び出す回数が減るので,オーバーヘッドが削減できる。
正解:ウ.各サービスの変更がしやすい。
解説:マイクロサービスアーキテクチャは,システムを業務上の意味で小さく分けた独立したサービスの集まりとして構成し,サービス間は API で連携させる方式である。各サービスが独立して開発・配置・拡張できるので,1つを直すときに影響が他へ波及しにくく,そのサービスだけを作り直して入れ替えられる。したがって答はウ。アは逆で,サービスごとに最適な言語やミドルウェアを選べるのが利点である反面,全体としては技術が多様になって統一しにくくなる。イも逆で,データベースをサービスごとに分けるため,複数のサービスにまたがる更新は分散トランザクションのような難しい問題になり,結果整合性で運用するのが一般的である。整合性の確保は一体構成(モノリシック)のほうが容易である。エも逆で,1つの処理を複数のサービスの呼出しで組み立てるため,ネットワーク越しの通信が増えてオーバーヘッドは大きくなる。マイクロサービスは「変更のしやすさ」と「部分的な拡張のしやすさ」を得る代わりに,運用の複雑さと通信のコストを引き受ける選択だと理解しておくとよい。
出典:情報処理推進機構「令和6年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問47
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問688.ソフトウェアの使用性を評価する指標の目標設定の例として,適切なものはどれか。
- ア.ソフトウェアに障害が発生してから1時間以内に,利用者が使用できること
- イ.ソフトウェアの使用方法を,利用者が1時間以内に習得できること
- ウ.利用者から要望のある機能の改善を,1週間以内に完了できること
- エ.利用者の使用したい機能が,100%提供できていること
正解:イ.ソフトウェアの使用方法を,利用者が1時間以内に習得できること
解説:使用性(ユーザビリティ)は,利用者が目的を達成するためにそのソフトウェアをどれだけ楽に使えるかを表す品質特性で,習得しやすさ,操作しやすさ,分かりやすさ,誤操作からの守りやすさなどが含まれる。「使用方法を1時間以内に習得できること」は習得しやすさを時間で測る指標なので使用性の目標設定に当たり,答はイ。アは障害が起きてから復旧して使えるようになるまでの時間を定めており,これは信頼性(回復性)や可用性の指標である。ウは要望を受けてから改善を完了するまでの時間で,これは保守性の指標に当たる。エは必要な機能がすべてそろっているかという機能適合性(機能完全性)の指標である。JIS X 25010(ISO/IEC 25010)ではソフトウェアの品質を,機能適合性・性能効率性・互換性・使用性・信頼性・セキュリティ・保守性・移植性の8つに分けており,どの特性を測っているのかを言葉から見分ける練習になる。使用性は「使う人が学び,操作する」ことに関わるという点を軸にすると迷いにくい。
出典:情報処理推進機構「令和6年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問48
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問689.アジャイル開発の初期段階において,プロジェクトの目的,スコープなどに対する共通認識を得るために,あらかじめ設定されている設問と課題について関係者が集まって確認し合い,その成果を共有する手法はどれか。
- ア.アジャイルモデリング
- イ.インセプションデッキ
- ウ.プランニングポーカー
- エ.ユーザーストーリーマッピング
正解:イ.インセプションデッキ
解説:インセプションデッキは,プロジェクトを始めるときに関係者が集まり,あらかじめ決められた10個の問い(我々はなぜここにいるのか,エレベーターピッチ,パッケージデザイン,やらないことリスト,「ご近所さん」を探せ,解決策を描く,夜も眠れなくなるような問題は何か,期間を見極める,何を諦めるのか,何がどれだけ必要か)に答えを出し,その結果を1枚ずつのスライドにまとめて共有する手法である。目的やスコープ,前提とリスクについての共通認識を早い段階で作ることが狙いなので,答はイ。アのアジャイルモデリングは,必要な分だけ軽くモデルを描いて意思疎通に使うという考え方や実践の総称である。ウのプランニングポーカーは,開発者がカードを使って作業規模(ストーリーポイント)を同時に提示し,見積りの認識を合わせていく手法で,対象は個々の作業の大きさである。エのユーザーストーリーマッピングは,利用者の行動の流れに沿ってユーザーストーリーを二次元に並べ,リリースの範囲や優先順位を検討する手法である。いずれも初期に使われるが,「決まった設問に答えて全体像の合意を作る」のはインセプションデッキである。
出典:情報処理推進機構「令和6年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問49
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問690.論理式 P,Q がいずれも真であるとき,論理式 R の真偽にかかわらず真になる式はどれか。ここで,“‾”は否定を,“∨”は論理和を,“∧”は論理積を,“→”は含意(“真 → 偽”となるときに限り偽となる演算)を表す。
- ア.

- イ.

- ウ.

- エ.

正解:エ.
解説:含意 X→Y は「X が真で Y が偽のときだけ偽」で,X が偽ならば Y の真偽にかかわらず真になる。P=真,Q=真を各式に入れて前件(→の左)を調べる。アは (P→Q)=真,(Q→P)=真で前件が真,後件は R→Q̄ すなわち R→偽なので R が真のとき偽になり,R によって値が変わる。イは (P→Q)=真,(Q→P̄)=真→偽=偽でその否定が真だから前件は真,後件は Q→R=真→R=R なので R が偽なら偽になる。ウは (P→Q̄)=真→偽=偽だが (Q→P)=真なので論理和の前件は真,後件は R→偽でアと同じく R に左右される。エは (P→Q̄)=偽,(Q→P̄)=偽で論理和が偽となり,前件が偽である以上,後件が何であっても含意は真になる。したがって R の真偽にかかわらず真になるのはエ。ポイントは「前件を偽にできれば含意は無条件に真」という点で,P と Q が真という前提のもとで否定を含む式を並べたアとエのうち,論理積ではなく論理和で前件を作っているエだけが前件を偽にできる。
出典:情報処理推進機構「令和7年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問1
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 - ア.
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問691.0≦x≦1 の範囲で単調に増加する連続関数 f(x) が f(0)<0 ≦ f(1) を満たすときに,区間内で f(x)=0 である x の値を近似的に求めるアルゴリズムにおいて,(2)は何回実行されるか。 〔アルゴリズム〕 (1) x₀←0,x₁←1とする。 (2) x←(x₀+x₁)/2 とする。 (3) x₁-x<0.001 ならば x の値を近似値として終了する。 (4) f(x)≧0 ならば x₁←x として,そうでなければ x₀←x とする。 (5) (2)に戻る。
- ア.10
- イ.20
- ウ.100
- エ.1,000
正解:ア.10
解説:区間 [x₀,x₁] の幅を w とすると,(2)で x は中点になるので x₁-x=w/2 であり,(3)の判定は w/2<0.001 と同じになる。(4)ではどちらに分岐しても新しい区間の幅は w/2 になるので,幅は1回ごとに半分になる。最初の幅は 1-0=1 だから,(2)の k 回目の実行時点の幅は 1/2^(k−1) で,判定式は 1/2^k<0.001,すなわち 2^k>1,000 となる。2⁹=512 では足りず 2¹⁰=1,024 で初めて超えるので k=10 が最初に条件を満たし,(2)は10回実行されて終了する。答はア。この手続きは2分探索法(区間を半分に狭める方法)で,精度を10倍細かくしても回数は約3.3回しか増えない。イの20は必要な精度を 0.001 ではなく 0.000001 と取り違えた場合の回数で,2²⁰=1,048,576>10⁶ より20回になる。エの1,000は区間を毎回0.001ずつ等間隔に狭めると誤解した場合の 1÷0.001 で,ウの100は同じ誤解で刻みを0.01と取った場合の 1÷0.01 である。
出典:情報処理推進機構「令和7年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問2
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問692.AI における機械学習の過程において,過学習と疑われたときの解消方法として,最も適切なものはどれか。
- ア.訓練した時と同じ精度を出すために,訓練データをテストデータとして使用する。
- イ.精度を高めるために,元の訓練データに加工を施し,訓練データの量を増やす。
- ウ.予測した結果に近づけるために,モデルをより複雑にする。
- エ.より多くの未知のデータに対して予測できるように,汎化性能を下げる。
正解:イ.精度を高めるために,元の訓練データに加工を施し,訓練データの量を増やす。
解説:過学習(オーバーフィッティング)は,モデルが訓練データの細部や雑音まで覚え込んでしまい,訓練データに対する精度は高いのに未知のデータに対する精度が落ちる状態をいう。対策の柱は「データを増やす」「モデルを単純にする」「正則化や早期打切りを入れる」の3つで,イの,元の訓練データを回転・反転・ノイズ付加などで加工して量を増やす手法はデータ拡張(データオーグメンテーション)と呼ばれ,データを新たに集められない場合の代表的な対策である。したがって答はイ。アは訓練データをそのままテストに使うので高い精度が出るのは当然で,未知データへの性能を測れなくなる。過学習を隠してしまう最悪の手であり,解消にはならない。ウはモデルを複雑にすると表現力が上がり,かえって訓練データに合わせ込みやすくなるので過学習を悪化させる。エは汎化性能こそが未知データへの当てはまりの良さであり,これを下げるのは過学習そのものである。記述の後半「より多くの未知のデータに対して予測できるように」と前半が矛盾している。
出典:情報処理推進機構「令和7年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問3
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問693.リアルタイム性が求められる組込みシステムにおいて,システムへの入力に対するリアルタイムな応答の方法として,最も適切なものはどれか。
- ア.OS を使用しないで応答する。
- イ.定められた制限時間内に応答する。
- ウ.入力された順序を守って応答する。
- エ.入力時刻を記録して応答する。
正解:イ.定められた制限時間内に応答する。
解説:リアルタイムシステムの「リアルタイム」は「速い」ことではなく,「決められた制限時間(デッドライン)内に必ず処理を終える」ことを指す。応答が正しくてもデッドラインを過ぎれば失敗とみなすのがリアルタイム性の定義であり,答はイ。デッドラインを1度でも破ると致命的になるものをハードリアルタイム(自動車の制動制御,航空機の姿勢制御など),多少の遅れが許されるものをソフトリアルタイム(動画再生など)と呼び分ける。アは,リアルタイム OS(RTOS)を使えば優先度に基づくスケジューリングや割込み応答時間の保証が得られるので,OS を使わないことがリアルタイム性の条件ではない。実際,多くの組込みシステムは RTOS 上で時間制約を満たしている。ウの到着順の処理はむしろリアルタイム性を損なうことがあり,締切の近い処理を先に実行する方式(EDF)や優先度の高い処理を先に実行する方式が使われる。エの入力時刻の記録は事後の分析やタイムスタンプの用途であって,応答が時間内に終わることを保証する仕組みではない。
出典:情報処理推進機構「令和7年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問4
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問694.A,B,C の順序で入力されるデータがある。各データについてスタックへの挿入と取出しを1回ずつ行うことができる場合,データの出力順序は何通りあるか。
- ア.3
- イ.4
- ウ.5
- エ.6
正解:ウ.5
解説:スタックは後入れ先出しなので,出力できる順序は挿入と取出しの組合せで決まる。実際に列挙すると,A挿入→A取出→B挿入→B取出→C挿入→C取出で A B C,A挿入→A取出→B挿入→C挿入→C取出→B取出で A C B,A挿入→B挿入→B取出→A取出→C挿入→C取出で B A C,A挿入→B挿入→B取出→C挿入→C取出→A取出で B C A,A挿入→B挿入→C挿入→C取出→B取出→A取出で C B A の5通りになる。したがって答はウ。C A B だけは作れない。C を最初に出すには A と B が C より下に積まれている必要があり,そのとき A は B より下にあるので,次に出るのは必ず B になるからである。一般に n 個のデータで作れる出力順序の数はカタラン数 (2n)!/(n!(n+1)!) で与えられ,n=3 では 6!/(3!×4!)=720/144=5 となって列挙結果と一致する。エの6は 3!=6,つまり並べ方すべてが可能だと考えた場合の値で,C A B が作れない点を見落としている。
出典:情報処理推進機構「令和7年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問5
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問695.図の2分探索木に1と0の二つの要素を順に追加した AVL 木として,適切なものはどれか。

- ア.

- イ.

- ウ.

- エ.

正解:ウ.
解説:AVL 木は,どの節でも左部分木と右部分木の高さの差が1以下になるように保つ2分探索木である。まず1を追加すると,2分探索木の規則に従って 2 の左の子になる。このとき 2 の左は高さ1・右は無し(高さ0)で差は1,3 の左部分木は高さ2・右部分木(4)は高さ1で差は1,根の 5 も左が高さ3・右(7と6)が高さ2で差は1なので,どこも崩れておらず回転は不要である。続いて0を追加すると 1 の左の子になり,節 2 の左部分木の高さが2,右部分木が0となって差が2になり,左の左に偏った形(LL型)で崩れる。この場合は 2 を右に1回転させ,1 を親,0 を左の子,2 を右の子にする。その結果,根から 5,左の子が 3,3 の左が 1(子は0と2),3 の右が 4,5 の右が 7,7 の左が 6 という形になり,これに一致するのはウである。エは 5 の右部分木が 6 を親として 7 を子とする形になっており,追加した要素は左側だけなので右部分木が変化する理由がない。アは根が 3,イは根が 4 で,どちらも根まで作り替えており,1回の LL 型の回転で済むところを木全体の再構築とみなしている点が誤りである。
出典:情報処理推進機構「令和7年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問6
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 - ア.
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問696.fact(n)は,非負の整数 n に対して n の階乗を返す。fact(n)の再帰的な定義はどれか。
- ア.if n=0 then return 0 else return n×fact(n−1)
- イ.if n=0 then return 0 else return n×fact(n+1)
- ウ.if n=0 then return 1 else return n×fact(n−1)
- エ.if n=0 then return 1 else return n×fact(n+1)
正解:ウ.if n=0 then return 1 else return n×fact(n−1)
解説:再帰的な定義が正しく働くには,再帰を止める基底の値と,引数が確実に基底へ近づく再帰呼出しの二つがそろっている必要がある。階乗は 0!=1 と定義され,n!=n×(n−1)! が成り立つので,n=0 のとき 1 を返し,そうでなければ n×fact(n−1) を返すウが正しい。アとイは基底で 0 を返している。すると n×fact(n−1) の連鎖の末端が0になるため,fact(1)=1×fact(0)=0,fact(2)=2×0=0 のように,どんな n でも結果が0になってしまう。イとエは再帰呼出しが fact(n+1) で引数が増える方向なので基底の n=0 に到達せず,呼出しが止まらないまま再帰が深くなってスタックがあふれる。したがって基底が1で引数が減るウだけが階乗を返す。実際に fact(3) をたどると 3×fact(2)=3×(2×fact(1))=3×2×(1×fact(0))=3×2×1×1=6 となり,3!=6 に一致する。
出典:情報処理推進機構「令和7年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問7
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問697.同じ命令セットをもつコンピュータ A と B とがある。それぞれの CPU クロック周期,及びあるプログラムを実行したときの CPI(Cycles Per Instruction)は,表のとおりである。そのプログラムを実行したとき,コンピュータ A の処理時間は,コンピュータ B の処理時間の何倍になるか。 〔表〕 コンピュータ A:CPU クロック周期 1ナノ秒/CPI 4.0 コンピュータ B:CPU クロック周期 4ナノ秒/CPI 0.5
- ア.1/32
- イ.1/2
- ウ.2
- エ.8
正解:ウ.2
解説:命令セットが同じなので,同じプログラムなら実行する命令数も同じになる。1命令当たりの時間は「CPU クロック周期×CPI」で求められるから,コンピュータ A は 1ナノ秒×4.0=4ナノ秒,コンピュータ B は 4ナノ秒×0.5=2ナノ秒である。処理時間は命令数に比例するので,比は 4÷2=2 となり,A は B の2倍の時間が掛かる。答はウ。クロック周期はコンピュータ A のほうが4分の1と短く一見速そうだが,1命令に4サイクル掛けるため,1命令を0.5サイクルで実行できるコンピュータ B に負けている。クロック周波数だけで性能を比べられないことを示す問題である。エの8は 4.0÷0.5 で CPI の比だけを取り,クロック周期の違いを無視した値。イの 1/2 は正しい比の逆を取ったもので,B が A の何倍かに当たる。アの 1/32 は,掛け合わせる相手を取り違えて (1×0.5)÷(4×4)=0.5÷16 と計算した場合の値である。
出典:情報処理推進機構「令和7年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問8
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問698.DMA コントローラーの説明として,適切なものはどれか。
- ア.MPU では時間が掛かる積和演算を,高速に行う。
- イ.仮想メモリ機能,メモリ保護機能などのメモリ管理機能を提供する。
- ウ.動作クロックに合わせてカウントするカウントレジスタをもち,それによって時間の経過を保持する。
- エ.メモリと入出力装置,又はメモリとメモリとの間のデータ転送を,MPU を介さずに行う。
正解:エ.メモリと入出力装置,又はメモリとメモリとの間のデータ転送を,MPU を介さずに行う。
解説:DMA(Direct Memory Access)は,メモリと入出力装置の間などのデータ転送を CPU(MPU)を通さずに行う仕組みで,これを制御する専用回路が DMA コントローラーである。CPU は転送元アドレス・転送先アドレス・転送量を設定して起動するだけでよく,転送中は別の処理を進められるので,大量のデータを扱うディスクや通信の入出力で処理効率が大きく上がる。したがって答はエ。アの積和演算を高速に行うのは DSP(ディジタルシグナルプロセッサ)や積和演算器の説明で,信号処理や機械学習の演算で使われる。イの仮想メモリやメモリ保護を担うのは MMU(メモリ管理ユニット)で,論理アドレスを物理アドレスへ変換し,許可されていない領域へのアクセスを検出する。ウの動作クロックを数えて時間の経過を保持するのはタイマ(カウンタ)で,一定周期の割込み発生や経過時間の測定に用いる。いずれも DMA コントローラーとは役割が異なる。
出典:情報処理推進機構「令和7年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問9
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問699.オブジェクトストレージの特徴として,適切なものはどれか。
- ア.オブジェクトにはユニークな識別子が割り当てられ,識別子を使ってアクセスする。
- イ.オブジェクトの内容を更新する際,上書き更新をする。
- ウ.広域分散を実現するためには,遠隔地のストレージと静止点を設けて同期を行う必要がある。
- エ.ストレージはディレクトリの概念を使った階層構造である。
正解:ア.オブジェクトにはユニークな識別子が割り当てられ,識別子を使ってアクセスする。
解説:オブジェクトストレージは,データを「オブジェクト」という単位で,データ本体・メタデータ・一意の識別子(オブジェクト ID や キー)の組として格納する方式である。利用者はディレクトリをたどるのではなく,識別子を指定して直接読み書きするので,答はア。この方式は保存先の物理的な位置に縛られず,台数を増やすだけで容量と性能を伸ばせるため,クラウドの大容量ストレージや,画像・ログ・バックアップの保管に広く使われている。イは,オブジェクトストレージは一部だけを書き換える上書き更新を行わず,オブジェクト全体を新しいものに置き換えるのが基本であり(イミュータブル),これがバージョン管理や改ざん検知と相性がよい理由でもある。ウは,広域分散では複数拠点へ非同期に複製し,時間が経てば同じ内容に収束する結果整合性を前提とするのが一般的で,静止点を設けて同期を取る必要はない。エは,オブジェクトストレージの名前空間は階層をもたないフラットな構造で,ディレクトリの階層構造をもつのはファイルストレージである。
出典:情報処理推進機構「令和7年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問10
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問700.マルチプロセッサによる並列処理で得られる高速化率(単一プロセッサのときと比べた倍率)E を,次の式によって評価する。r=0.9 のアプリケーションの高速化率が r=0.3 のものの3倍となるのは,プロセッサが何台のときか。 E=1/(1-r+r/n) ここで, n:プロセッサの台数(1≦n) r:対象とする処理のうち,並列化が可能な部分の割合(0≦r≦1) とし,並列化に伴うオーバーヘッドは考慮しないものとする。
- ア.3
- イ.4
- ウ.5
- エ.6
正解:エ.6
解説:式に値を入れると,r=0.9 のときの高速化率は 1/(0.1+0.9/n),r=0.3 のときは 1/(0.7+0.3/n) である。前者が後者の3倍になる条件は 1/(0.1+0.9/n)=3/(0.7+0.3/n) で,たすきに掛けると 0.7+0.3/n=3×(0.1+0.9/n)=0.3+2.7/n となる。整理して 0.4=2.4/n,すなわち n=6 が得られるので答はエ。検算すると,n=6 のとき r=0.9 では 1/(0.1+0.15)=1/0.25=4倍,r=0.3 では 1/(0.7+0.05)=1/0.75=1.333…倍で,4÷1.333…=3 とちょうど3倍になる。この式はアムダールの法則で,台数 n をいくら増やしても高速化率は 1/(1-r) が上限になる。r=0.9 なら10倍,r=0.3 なら約1.43倍が限界で,並列化できる割合が性能を決めることが分かる。台数を増やすと二つの高速化率の比は 2.0倍(n=3),約2.4倍(n=4),約2.7倍(n=5)と少しずつ増えていくので,アからウはいずれも3倍に届いていない。
出典:情報処理推進機構「令和7年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問11
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問701.二つのシステム A,B の稼働率をそれぞれ α_A(0<α_A<1),α_B(0<α_B<1),MTBF をそれぞれ MTBF_A,MTBF_B,MTTR をそれぞれ MTTR_A,MTTR_B としたとき,これらの関係として,常に成り立つものはどれか。
- ア.α_A=α_B ならば,MTBF_A=MTBF_B であり,かつ MTTR_A=MTTR_B である。
- イ.α_A=α_B ならば,MTTR_A/MTBF_A=MTTR_B/MTBF_B である。
- ウ.α_A>α_B ならば,MTBF_A>MTBF_B であり,かつ MTTR_A>MTTR_B である。
- エ.α_A>α_B ならば,MTTR_A/MTBF_A>MTTR_B/MTBF_B である。
正解:イ.α_A=α_B ならば,MTTR_A/MTBF_A=MTTR_B/MTBF_B である。
解説:稼働率は α=MTBF/(MTBF+MTTR) で定義される。分子と分母を MTBF で割ると α=1/(1+MTTR/MTBF) と書けるので,稼働率は MTTR/MTBF という比だけで決まり,しかもこの比が大きいほど稼働率は小さくなる(単調に減少する)。したがって α_A=α_B であることと MTTR_A/MTBF_A=MTTR_B/MTBF_B であることは同じ意味になり,イは常に成り立つ。アは,たとえば MTBF=100時間・MTTR=1時間のシステムと MTBF=200時間・MTTR=2時間のシステムはどちらも稼働率 100/101=200/202 で等しいが,MTBF も MTTR も等しくないので成り立たない。ウは,稼働率が高いほうが MTBF も MTTR も大きいとは限らない。上の例の MTBF が長いほうを MTTR=3時間にすれば,MTBF は大きいのに稼働率は下がる。エは向きが逆で,α_A>α_B なら比は小さいほうが A なので MTTR_A/MTBF_A<MTTR_B/MTBF_B となる。
出典:情報処理推進機構「令和7年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問12
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問702.図のように3個の装置を並列と直列に組み合わせて構成したシステムがある。装置単体の稼働率と,システムの稼働率の関係を示したグラフはどれか。ここで,3個の装置の稼働率は,全て等しいものとする。

- ア.

- イ.

- ウ.

- エ.

正解:エ.
解説:装置単体の稼働率を a とする。並列部分は2台のどちらかが動いていればよいので,稼働率は 1-(1-a)²=2a-a² になる。システム全体はこの並列部分と残り1台の直列なので,(2a-a²)×a=2a²-a³ となる。この値を単体の稼働率 a と比べると,2a²-a³-a=-a(a-1)² となり,0<a<1 では常に負である。つまりシステムの稼働率は必ず装置単体より低く,グラフは対角線(点線)より下側だけを通り,両端の0と1でだけ対角線に接する。実際 a=0.5 では 2×0.25-0.125=0.375 で,対角線の0.5より下になる。この形に合うのはエ。直列がある以上,並列で冗長にしても単体を上回れないことを示している。アは対角線より上にあり,これは並列2台だけの 2a-a²(a=0.5 で0.75)の形で,直列の1台を考えていない。イは対角線そのもので,装置1台のときの関係。ウは a=0.5 でちょうど0.5となって対角線と交わっており,これは3台の多数決(2 out of 3)の 3a²-2a³(a=0.5 で0.5)の形で,この構成とは異なる。
出典:情報処理推進機構「令和7年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問13
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 - ア.
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問703.リアルタイム OS において,実行中のタスクがプリエンプションによって遷移する状態はどれか。
- ア.休止状態
- イ.実行可能状態
- ウ.終了状態
- エ.待ち状態
正解:イ.実行可能状態
解説:プリエンプションとは,実行中のタスクからOSが強制的にCPUを取り上げ,より優先度の高いタスクに渡すことをいう。取り上げられたタスクは処理を続けられる状態のままなので,CPUさえ割り当てられればすぐ動ける「実行可能状態(レディ)」に移り,順番が来れば実行状態に戻る。したがって答はイ。タスクの状態遷移は,生成されて実行可能状態に入り,OSのディスパッチで実行状態になり,入出力の完了待ちやイベント待ちで自ら待ち状態に移り,待っていた事象が起きると実行可能状態へ戻る,という流れが基本である。アの休止状態は,まだ生成されていない,あるいは終了して資源が残っている段階で,実行中のタスクが割込みだけでここへ移ることはない。ウの終了状態は自らの処理を終えたときに入る状態で,プリエンプションは処理を打ち切らないので該当しない。エの待ち状態は,タスク自身が入出力要求や資源待ちなど「事象が起きるまで動けない」ときに入る状態であり,プリエンプションのようにOSの都合でCPUを譲る場合とは区別される。この違いは,待ち状態のタスクは事象が起きるまで実行可能にならないのに対し,プリエンプションされたタスクはすぐ実行可能である点にある。
出典:情報処理推進機構「令和7年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問14
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問704.仮想記憶管理におけるページ置換えアルゴリズムとして LRU 方式を採用する。主記憶のページ枠が,4000,5000,6000,7000番地(いずれも16進数)の4ページ分で,プログラムが参照するページ番号の順が,1→2→3→4→2→5→3→1→6→5→4のとき,最後の参照ページ4は何番地にページインされているか。ここで,最初の1→2→3→4の参照で,それぞれのページは4000,5000,6000,7000番地にページインされるものとする。
- ア.4000
- イ.5000
- ウ.6000
- エ.7000
正解:ウ.6000
解説:LRU は「最も長い間参照されていないページ」を追い出す方式なので,参照のたびに新しさの順を更新して追う。最初の1→2→3→4で 4000番地=ページ1,5000番地=ページ2,6000番地=ページ3,7000番地=ページ4 となり,古い順は 1,2,3,4 である。次の参照2はヒットで古い順は 1,3,4,2。参照5は不在なので最も古いページ1を追い出し,5が4000番地に入る(古い順は 3,4,2,5)。参照3はヒットで 4,2,5,3。参照1は不在なので最も古いページ4のある7000番地を使い(古い順は 2,5,3,1),参照6は不在なので最も古いページ2のある5000番地を使う(古い順は 5,3,1,6)。参照5はヒットで 3,1,6,5 となり,最後の参照4は不在なので最も古いページ3が置かれている6000番地に入る。したがって答はウ。アの4000番地はこの時点でページ5,イの5000番地はページ6,エの7000番地はページ1が入っており,いずれも4より後に参照されているので追い出されない。
出典:情報処理推進機構「令和7年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問15
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問705.表は,OSS のライセンスごとに,そのライセンスの OSS を利用したプログラムを配布するとき,ソースコードを公開しなければならないかどうかを示す。a〜d に入れるライセンスの適切な組合せはどれか。ここで,表中の“○”は公開しなければならないことを表し,“×”は公開しなくてもよいことを表す。 〔表〕OSS ライセンス a/b/c/d OSS のソースコードを修正して作ったプログラム:○/○/○/× OSS に静的にリンクしたプログラム:○/○/×/× OSS に動的にリンクしたプログラム:○/×/×/×
- ア.a:GPL,b:LGPL,c:MPL,d:BSD
- イ.a:GPL,b:MPL,c:BSD,d:LGPL
- ウ.a:LGPL,b:GPL,c:MPL,d:BSD
- エ.a:LGPL,b:MPL,c:BSD,d:GPL
正解:ア.a:GPL,b:LGPL,c:MPL,d:BSD
解説:表は左から右へ公開義務が緩くなる並びになっているので,コピーレフトの強さの順にライセンスを当てはめればよい。a は修正・静的リンク・動的リンクのすべてで公開が必要な最も強いもので,これは GPL である。GPL は,リンクした部分も含めて全体を派生物とみなし,同じ条件で公開することを求める。b は動的リンクだけ公開が不要で,これはライブラリ向けに GPL を緩めた LGPL に当たる。LGPL は,ライブラリを差し替えられる形(動的リンク)で使う限り,利用側のプログラムを公開しなくてよい。c は修正した場合だけ公開が必要で,これはファイル単位のコピーレフトを採る MPL である。MPL は修正したファイルのソース公開を求めるが,別ファイルとして書いた自分のコードには及ばない。d はどの場合も公開が不要で,これは著作権表示と免責条項の保持だけを条件とする BSD ライセンスである。したがって a=GPL,b=LGPL,c=MPL,d=BSD となり,答はア。
出典:情報処理推進機構「令和7年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問16
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問706.OpenAPI Specification に従った API の定義・開発を支援する機能を提供する OSS はどれか。
- ア.curl
- イ.OpenAM
- ウ.Serverspec
- エ.Swagger
正解:エ.Swagger
解説:OpenAPI Specification は,REST API の入出力やエンドポイントの仕様を YAML や JSON で機械可読に記述するための標準仕様である。この仕様に沿って API を定義し,仕様書の閲覧・テスト実行・クライアントやサーバのひな形コード生成までを支援する OSS が Swagger(Swagger Editor,Swagger UI,Swagger Codegen などの総称)で,答はエ。もともと Swagger という名前で作られた仕様が寄贈されて OpenAPI Specification となった経緯があり,両者は密接に関係している。アの curl は,コマンドラインから HTTP をはじめとする各種プロトコルでデータを送受信するツールで,API の呼出し確認には使えるが,仕様を定義する機能はもたない。イの OpenAM は,シングルサインオンやアクセス管理を提供する認証基盤の OSS である。ウの Serverspec は,サーバに導入されたパッケージやサービスの状態が意図どおりかを RSpec の記法でテストするツールで,インフラの構成管理の検証に使われる。いずれも API 仕様の記述を支援するものではない。
出典:情報処理推進機構「令和7年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問17
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問707.8ビット D/A 変換器を使って負でない電圧を発生させる。使用する D/A 変換器は,最下位の1ビットの変化で出力が10ミリV変化する。データに0を与えたときの出力は0ミリVである。データに16進数で82を与えたときの出力は何ミリVか。
- ア.820
- イ.1,024
- ウ.1,300
- エ.1,312
正解:ウ.1,300
解説:D/A 変換器の出力は「与えたデータの値×1ビット当たりの電圧」で決まる。データ0で0ミリVと決まっているので,オフセットを考える必要はない。16進数の82を10進数に直すと 8×16+2=130 であり,1ビット当たり10ミリVだから 130×10=1,300ミリV になる。したがって答はウ。なお8ビットなので与えられるデータは0〜255(16進数で00〜FF)の256段階,出力の範囲は0〜2,550ミリVであり,1,300ミリVはその範囲に収まっている。アの820は,16進数の82を10進数の82とみなして 82×10 と計算した値で,基数の変換を忘れた場合に当たる。エの1,312は 82×16=1,312 に一致する値で,「16進数」を「16倍する」と取り違えた場合に出る。イの1,024は 2¹⁰ に当たる値で,8ビットという条件から桁数を取り違えたときに選びやすいが,130段階×10ミリVというこの設問の条件からは導けない。
出典:情報処理推進機構「令和7年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問18
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問708.産業機器の制御装置として使われる PLC の説明として,適切なものはどれか。
- ア.自動制御であり,偏差の比例,積分及び微分の3要素で制御する。
- イ.主としてラダー図を用いたシーケンスプログラムによって制御する。
- ウ.電圧及び電流のアナログ信号をデジタル信号に変換する。
- エ.リレーシーケンス回路のハードウェアによって制御する。
正解:イ.主としてラダー図を用いたシーケンスプログラムによって制御する。
解説:PLC(Programmable Logic Controller)は,工場の生産設備などで順序制御を行うための専用コントローラで,入力(センサやスイッチ)の状態に応じて出力(モータやバルブ)を決める手順をプログラムとして書き込み,繰り返し実行する。プログラムの記述には,リレー回路の図面をそのままなぞったラダー図が主に使われるので,答はイ。ラダー図は電気技術者が読み書きしやすく,配線変更なしに制御内容をソフトで書き換えられる点が PLC の利点である。アは偏差の比例・積分・微分で操作量を決める PID 制御の説明で,温度や流量のように連続量を目標値に近づける制御方式であり,順序制御を主とする PLC の定義ではない。ウはアナログ信号をデジタル信号に変換する A/D 変換器の説明で,PLC のアナログ入力ユニットに組み込まれることはあるが,PLC そのものの説明ではない。エはリレーシーケンス回路の説明で,これは PLC が普及する前に使われていた,接点とコイルの配線で論理を組む方式である。配線を組み替えないと動作を変えられない点が,プログラムで変更できる PLC との決定的な違いである。
出典:情報処理推進機構「令和7年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問19
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問709.FPGA などに実装するデジタル回路を記述し,論理合成するために使用される言語はどれか。
- ア.DDL
- イ.HDL
- ウ.UML
- エ.XML
正解:イ.HDL
解説:HDL(Hardware Description Language:ハードウェア記述言語)は,デジタル回路の構造や動作を文章で記述するための言語で,代表的なものに VHDL と Verilog HDL がある。記述した内容を論理合成ツールに掛けると,論理ゲートやフリップフロップの組合せ(ネットリスト)に変換され,FPGA や ASIC に実装できる形になる。したがって答はイ。回路図を引く代わりにプログラムのように書けるため,大規模な回路でも設計・修正・検証がしやすく,シミュレーションによる動作確認も同じ記述で行える。アの DDL(Data Definition Language)は,データベースの表やインデックスの定義に使う SQL の一分類で,CREATE や ALTER などがこれに当たる。ウの UML(Unified Modeling Language)は,クラス図やシーケンス図などでソフトウェアの構造や振る舞いを表す統一モデリング言語である。エの XML(Extensible Markup Language)は,タグで意味を示しながらデータを構造化して記述するための汎用のマークアップ言語で,設定ファイルやデータ交換に広く使われる。いずれも回路を論理合成する用途のものではない。
出典:情報処理推進機構「令和7年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問20
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問710.IoT システムにおいて,センサーの値をゲートウェイに送信するセンサーノードの消費電流を抑えるため,図のような間欠動作を考える。センサーノードの動作時間は10ミリ秒で,その間は平均して 10mA の電流が流れる。待機中は常に 0.1μA の電流が流れる。間欠動作の平均電流を 1μA 以下にするための待機時間として,最も短いものはどれか。ここで,平均電流の値を求める時間は十分に長いものとする。

- ア.1.1秒
- イ.11.1秒
- ウ.111.1秒
- エ.1111.1秒
正解:ウ.111.1秒
解説:平均電流は「1周期に流れた電気量÷周期の長さ」で求める。単位をそろえて,動作時間 0.01秒・電流 10,000μA,待機時間 t 秒・電流 0.1μA とすると,1周期の電気量は 10,000×0.01+0.1×t=100+0.1t(μA・秒),周期は 0.01+t 秒である。平均電流が1μA以下という条件は (100+0.1t)/(0.01+t)≦1 で,分母を払うと 100+0.1t≦0.01+t,整理して 99.99≦0.9t となり t≧111.1秒が得られる。したがって最も短い待機時間は111.1秒でウ。検算すると,t=111.1 のとき電気量は 100+11.11=111.11,周期は 0.01+111.1=111.11 で,平均電流はちょうど 1μA になる。動作中の電流が待機中の10万倍もあるため,10ミリ秒動かすだけで待機約111秒分の電気を使ってしまう,というのがこの計算の意味である。エの1111.1秒は10倍長く,条件は満たすが「最も短いもの」ではない。イの11.1秒では平均電流が (100+1.11)/11.11≒9.1μA,アの1.1秒では (100+0.11)/1.11≒90μA となり,どちらも1μAを大きく超える。
出典:情報処理推進機構「令和7年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問21
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問711.ユーザーインタフェースのユーザビリティを評価する手法には,利用者が参加するものと専門家だけで実施するものとがある。利用者が参加する手法と専門家だけで実施する手法との適切な組合せはどれか。
- ア.利用者が参加する手法:アンケート/専門家だけで実施する手法:回顧法
- イ.利用者が参加する手法:回顧法/専門家だけで実施する手法:思考発話法
- ウ.利用者が参加する手法:思考発話法/専門家だけで実施する手法:ヒューリスティック評価法
- エ.利用者が参加する手法:認知的ウォークスルー法/専門家だけで実施する手法:ヒューリスティック評価法
正解:ウ.利用者が参加する手法:思考発話法/専門家だけで実施する手法:ヒューリスティック評価法
解説:ユーザビリティ評価の手法は,実際の利用者に操作してもらう「ユーザーテスト系」と,専門家が知識に基づいて画面を点検する「専門家評価系」に分かれる。思考発話法は,利用者にタスクを行ってもらいながら考えていることを声に出させ,どこでつまずいたかを把握する方法で,利用者が参加する手法である。ヒューリスティック評価法は,ヤコブ・ニールセンらがまとめた経験則(ヒューリスティックス)に照らして,専門家が画面を点検し問題点を洗い出す方法で,利用者は参加しない。この組合せに合うのはウ。アの回顧法は,利用者に操作してもらった後で「あのときどう考えたか」を振り返って語ってもらう方法なので利用者が参加する手法であり,専門家だけで実施する側に置くのは誤り。イも同じ理由で回顧法の位置は正しいが,思考発話法を専門家側に置いている点が誤りである。エの認知的ウォークスルー法は,専門家が初めての利用者になったつもりで操作手順を1段階ずつたどり,学習しやすさを評価する方法で,専門家だけで実施する手法に当たるため,利用者が参加する側に置くのは誤りである。
出典:情報処理推進機構「令和7年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問22
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問712.W3C で仕様が定義され,矩形や円,直線,文字列などの図形オブジェクトを XML 形式で記述し,Web ページでの図形描画にも使うことができる画像フォーマットはどれか。
- ア.OpenGL
- イ.PNG
- ウ.SVG
- エ.TIFF
正解:ウ.SVG
解説:SVG(Scalable Vector Graphics)は,W3C が仕様を定めたベクター画像のフォーマットで,矩形・円・直線・曲線・文字列といった図形を XML のタグで記述する。座標や大きさを数値でもつため,拡大・縮小しても輪郭がぼやけず,テキストなのでスタイルシートやスクリプトから操作でき,Web ページに直接埋め込んで描画できる。したがって答はウ。アの OpenGL は,2次元・3次元のグラフィックスを描画するための API(関数群)の仕様であって,画像ファイルの形式ではない。イの PNG は可逆圧縮のラスター(点の集まり)画像形式で,透明度を扱えて Web で広く使われるが,図形を XML で記述するものではなく,拡大すると粗くなる。エの TIFF も同じくラスター画像形式で,複数ページや高階調を扱えることから印刷やスキャナの分野で使われるが,XML 記述でも W3C の仕様でもない。ラスターとベクターの違い,そして「XML で書かれている」という点が SVG を見分ける手掛かりになる。
出典:情報処理推進機構「令和7年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問23
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問713.大量の IoT デバイスから送信される大量で,かつ様々な形式のデータを格納可能なデータモデルのうち,行ごとに任意の列数をもち,かつ列ごとに複数の値をもつことによって,柔軟なデータ格納を実現しているデータモデルはどれか。
- ア.グラフ
- イ.ドキュメント
- ウ.リレーショナル
- エ.ワイドカラム
正解:エ.ワイドカラム
解説:ワイドカラム指向(列指向)データモデルは,行ごとに異なる列をもてる構造で,あらかじめ全体の表構造を決めておく必要がない。関連する列をまとめたカラムファミリという単位をもち,1つの列に複数の値(タイムスタンプ付きの複数バージョンなど)を保持できるため,種類の異なるセンサーデータが大量に届く IoT の用途に向く。設問の「行ごとに任意の列数」「列ごとに複数の値」という説明にそのまま当てはまるので答はエで,代表的な製品に Apache Cassandra や HBase がある。アのグラフモデルは,データを節(ノード)と関係(エッジ)で表し,つながりをたどる検索を得意とするもので,人間関係や経路の分析に使われる。イのドキュメントモデルは,JSON や XML のような入れ子構造の文書を1件ずつ格納する方式で,構造の自由度は高いが「行と列」という枠組みでは説明されない。ウのリレーショナルモデルは,あらかじめ定めた列の並び(スキーマ)に従って全ての行が同じ列をもつ表の形であり,行ごとに列数が変わることも1つの列に複数の値を入れることも原則として認められない。
出典:情報処理推進機構「令和7年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問24
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問714.UML を用いて表した図のデータモデルを関係データベース上に実装する際の解釈のうち,適切なものはどれか。

- ア.“指定送付先”を指定する際,“付加情報”表のどの行でも選択できる。
- イ.“付加情報”表と“顧客”表の行数は一致していなければならない。
- ウ.“付加情報”表には“顧客”表に対する参照制約を指定する。
- エ.“付加情報”表には“注文”表に対する参照制約を指定する。
正解:ウ.“付加情報”表には“顧客”表に対する参照制約を指定する。
解説:図では“顧客”と“付加情報”が「1対多(注文主)」で結ばれており,付加情報の側が「どの顧客のものか」を必ずもつ。関係データベースでは,1対多の多側に1側の主キーを外部キーとしてもたせるので,“付加情報”表に“顧客”表の顧客番号を参照する参照制約(外部キー制約)を指定することになる。したがって答はウ。エは向きが逆である。“注文”と“付加情報”は「多対0..1(指定送付先)」なので,多側である“注文”表のほうに“付加情報”表を参照する外部キーをもたせる。0..1 は「指定送付先をもたない注文もある」という意味で,その場合この外部キーは空値になる。アは,図に添えられた制約に「“注文”のインスタンスが指定送付先をもつときは,その“付加情報”の注文主と“注文”の顧客は一致すること」と書かれているので,他人の付加情報を指定送付先にはできない。選べるのはその注文の顧客に結び付いた行だけである。イは,顧客と付加情報の多重度が1対多(多側は0個でもよい)なので,付加情報を1件ももたない顧客も,複数もつ顧客も存在してよく,行数が一致する必然性はない。
出典:情報処理推進機構「令和7年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問25
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問715.システムをバージョンアップするとき,システムの稼働環境を二つ用意しておき,一方の環境で現バージョンのシステムを稼働させた状態のままで他方の環境のシステムをバージョンアップし,ロードバランサーなどを使って稼働環境を切り替える。これによって,切替えに伴うシステムのダウンタイムを短くするとともに,バージョンアップしたシステムで不具合が発生したときには,元のバージョンに切り戻す時間を短くすることができる。この手法を何というか。
- ア.ブルーグリーンデプロイメント
- イ.ホットスタンバイ
- ウ.ホットスワップ
- エ.ローリングアップデート
正解:ア.ブルーグリーンデプロイメント
解説:ブルーグリーンデプロイメントは,同等の稼働環境を2組(慣習的にブルーとグリーンと呼ぶ)用意し,片方で現行版を動かしたまま,もう片方に新版を配置して十分に確認したうえで,ロードバランサーなどで振り向け先を一気に切り替える手法である。切替えは経路の変更だけなので停止時間が短く,不具合が出たときは振り向け先を元に戻すだけで切り戻せる。したがって答はア。イのホットスタンバイは,待機系を常に起動しておき,現用系が故障したら引き継ぐ可用性の確保策で,バージョンアップの手順ではない。ウのホットスワップは,電源を入れたまま機器の部品(ディスクや電源ユニットなど)を交換できる仕組みで,ハードウェアの保守に関する用語である。エのローリングアップデートは,複数のサーバを何台かずつ順番に新版へ入れ替えていく方式で,環境を2組用意する必要はない代わりに,入替えの途中で新旧の版が同時に動く期間が生じる。切戻しも入れ替えた台数分をやり直すことになり,一気に切り替える方式とは性質が異なる。
出典:情報処理推進機構「令和7年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問46
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問716.ソフトウェアの保守性を定量評価するときに使用する指標として,適切なものはどれか。
- ア.(運用期間中に発生した不具合件数)÷(プログラムの規模)
- イ.(適正規模の基準を満たすプログラムの数)÷(プログラムの総数)
- ウ.(テスト実施済みの分岐の数)÷(プログラムの総分岐数)
- エ.(プログラムの推定総エラー数)-(摘出エラー数)
正解:イ.(適正規模の基準を満たすプログラムの数)÷(プログラムの総数)
解説:保守性とは「修正のしやすさ」であり,理解しやすさ・変更しやすさ・試験しやすさに支えられる。1本のプログラムが大きくなるほど,どこを直せばよいかの把握に時間が掛かり,修正の影響も読みにくくなるので,モジュールの大きさを適正な範囲に保っているかどうかは保守性を測る直接の手掛かりになる。適正規模の基準を満たすプログラムの数を全体の数で割ったイが,その割合を示す指標であり,答はイ。アは,運用中に出た不具合の件数を規模で割った不具合密度で,作られたものがどれだけ正しく動くかを表す信頼性の指標である。エの推定総エラー数から摘出済みのエラー数を引いた値は,まだ見つかっていない残存エラーの推定数で,これも信頼性に関する指標にあたる。ウはテスト済みの分岐を総分岐数で割った分岐網羅率で,テストがどこまで行き届いたかを示すテストの十分性の指標である。いずれもソフトウェアの品質を測る指標ではあるが,測っている品質の側面が保守性とは異なる。
出典:情報処理推進機構「令和7年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問47
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問717.XP(Extreme Programming)のプラクティスの一つであるものはどれか。
- ア.構造化プログラミング
- イ.コンポーネント指向プログラミング
- ウ.ビジュアルプログラミング
- エ.ペアプログラミング
正解:エ.ペアプログラミング
解説:XP は,短い反復で開発を進めるアジャイル開発手法の一つで,実践すべき具体的な行動をプラクティスとしてまとめている。代表的なものに,2人1組で1台の端末に向かい一方が書きもう一方が確認するペアプログラミング,先にテストを書いてから実装するテスト駆動開発,動作を変えずに内部構造を整えるリファクタリング,こまめに統合して常に動く状態を保つ継続的インテグレーション,コードを全員の共有物とする共同所有などがある。したがって答はエ。アの構造化プログラミングは,順次・選択・繰返しの3つの制御構造だけでプログラムを構成するという古典的な設計原則で,特定の開発手法のプラクティスではない。イのコンポーネント指向プログラミングは,再利用可能な部品を組み合わせてシステムを作る考え方である。ウのビジュアルプログラミングは,図形要素を画面上で組み合わせて処理を記述する方式で,教育用の環境などで使われる。いずれもプログラミングの様式や手段を指す言葉であって,XP が掲げるプラクティスには含まれない。
出典:情報処理推進機構「令和7年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問48
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。 -
問718.分散システムの脆弱性を実験によって発見する手法であるカオスエンジニアリングには,五つの原則がある。この原則のうちの三つは,“定常状態における振る舞いの仮説を立てる”,“実世界の事象を多様化させる”,“継続的に実行できるよう実験を自動化する”である。あと二つの原則の組みはどれか。
- ア.“開発環境で実験を行う”,“影響範囲を局所化する”
- イ.“開発環境で実験を行う”,“影響範囲を広く捉える”
- ウ.“本番環境で実験を行う”,“影響範囲を局所化する”
- エ.“本番環境で実験を行う”,“影響範囲を広く捉える”
正解:ウ.“本番環境で実験を行う”,“影響範囲を局所化する”
解説:カオスエンジニアリングは,稼働中の分散システムにあえて障害を注入し,どこまで耐えられるかを実験で確かめて弱点を先に見つける手法である。原則は5つあり,設問に挙げられた3つのほかに「本番環境で実験を実行する」と「影響範囲を局所化する(爆発半径を最小限にする)」がある。したがって答はウ。本番環境で行うのは,実際の利用者の負荷や構成の組合せは試験環境では再現しきれず,そこにこそ未知の弱点が潜むからである。ただし本番で行う以上,利用者への被害を最小限に抑えなければならないので,対象をごく一部に絞り,異常を検知したら直ちに実験を中止できる仕組みを備えたうえで進める。この2つは「実際の環境で試す」と「それでも被害は小さく抑える」という一見相反する要求を両立させる組合せになっている。アとイの「開発環境で実験を行う」は,本番でしか現れない条件を扱えないため原則に反する。イとエの「影響範囲を広く捉える」は被害を広げる方向であり,局所化するという原則と逆である。
出典:情報処理推進機構「令和7年度春期 応用情報技術者試験 午前問題」問49
本試験の問題です。出題当時の法令・制度にもとづいているため、その後の改正で現在の扱いと異なる場合があります。