📄 本試験 過去問題
応用情報技術者試験 2025年度秋期(令和7年度秋期) 午前
80問 ・ 目安 正答率60% ・ 2025年10月12日実施
応用情報技術者の2025年度秋期(令和7年度秋期) 午前試験で実際に出題された全80問を、1問ずつその場で答え合わせしながら演習できます。2025年10月12日実施・合否の目安は正答率60%(演習の目安)。各問に正解と、なぜその選択肢になるのかの解説を付けています。
本試験の合格基準:科目A(旧午前)・科目B(旧午後)ともに100点満点中60点以上で合格(素点方式)。科目Aが60点未満だと科目Bは採点されない。
この回:当時(午前・午後の時間区分)の基準:午前・午後ともに100点満点中60点以上で合格(素点方式)。収録は午前のみで、午前の基準点60点は合格に必要な条件の一つ(午後も60点以上が必要)。要綱上、難易差が認められた場合は基準点を変更することがある。
出典:IPA 試験要綱 Ver.5.6(2026年10月の試験から適用)4. 採点方式・配点・合格基準。このページの「目安 正答率60%」は演習の目安で、本試験の採点方法とは異なります。
この回は 独立行政法人 情報処理推進機構(IPA) が公開する本試験問題を、当サイトがその場で答え合わせできる一問一答形式に再編し、公式には付いていない「正解の根拠・各選択肢の解き方」の解説を追記したものです。原題の出典は各問に明記しています。
過去問の解答結果は学習記録・段位には反映されません。過去問は出題当時の法令・制度にもとづく問題を含むため、段位は継続して最新化している一問一答・模擬試験だけで判定しています。過去問を解かなくても段位で不利になることはありませんので、実力試しとして気軽にお使いください。
問 1
A,B,C,D を論理変数とするとき,次のカルノー図と等価な論理式はどれか。ここで,・は論理積,+は論理和,X̄ は X の否定を表す。
正解:エ
1になっているマスをまとめる。まず AB=00 の行の CD=00 と CD=10 が1で,どちらも A=0,B=0,D=0 であり C だけが変わる。C は結果に影響しないのでこの2マスは Ā・B̄・D̄ にまとまる。次に AB=01 と AB=11 の CD=01 と CD=11 の計4マスが1で,どれも B=1,D=1 であり A と C が変わる。よってこの4マスは B・D にまとまる。両者の和で Ā・B̄・D̄+B・D となり,答はエ。アとイは4変数すべてを含む項を残しており,まとめられるマスをまとめていない。ウは第1項が A・B・D で,実際には A=1 のとき B=1・D=1 のマス(AB=11,CD=01と11)だけでなく AB=01 の行も1なので A を含めてはいけない。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問1
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問 2
コンピュータによる伝票処理システムがある。このシステムは,伝票データをためる待ち行列をもち,M/M/1 の待ち行列モデルが適用できるものとする。平均待ち時間が T 秒以上となるのは,システムの利用率が少なくとも何%以上となったときか。ここで,伝票データをためる待ち行列の特徴は次のとおりである。
・伝票データは,ポアソン分布に従って到着する。
・伝票データをためる数に制限はない。
・1件の伝票データの処理時間は,平均 T 秒の指数分布に従う。
正解:イ
M/M/1 の平均待ち時間 Tw は,利用率を ρ,平均処理時間を Ts として Tw=ρ/(1−ρ)×Ts で表される。この問題では平均処理時間そのものが T 秒なので Ts=T であり,Tw≧T すなわち ρ/(1−ρ)×T≧T が条件になる。両辺を T で割ると ρ/(1−ρ)≧1 となり,ρ≧1−ρ から ρ≧0.5,つまり利用率50%以上。答はイ。ρ/(1−ρ) は利用率が50%を超えると急激に増える形で,たとえば ρ=0.8 では待ち時間が処理時間の4倍になる。アの33%は ρ/(1−ρ)=0.5,ウの67%は同2,エの80%は同4に当たり,いずれも「待ち時間が処理時間と等しくなる」点ではない。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問2
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問 3
AI における機械学習において,2クラス分類モデルの評価方法の一つである ROC 曲線で用いられる偽陽性率の説明として,最も適切なものはどれか。ここで,分類されるデータには正しいものと間違っているものが含まれるものとする。
正解:イ
偽陽性率(False Positive Rate)は,実際には陰性であるデータのうち,誤って陽性と判定してしまった割合をいう。式では FP/(FP+TN) で,分母は「実際に陰性であるデータ全体」である。この問題では“間違い”が陰性,“正しい”が陽性に当たるので,実際に“間違い”であるデータのうち誤って“正しい”と予測した割合となり,答はイ。ROC曲線はこの偽陽性率を横軸,真陽性率を縦軸に取り,判定のしきい値を動かしたときの軌跡を描いたものである。ウは正しく“間違い”と当てた割合で,これは真陰性率(特異度)であり,偽陽性率とは足して1になる関係にある。アは陰性と予測した中での誤りの割合なので分母が予測側であり,適合率の裏返しに当たる。エは全体に対する誤り全体の割合で,誤り率である。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問3
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問 4
誤り検出方式である CRC に関する記述として,適切なものはどれか。
正解:ウ
CRC(巡回冗長検査)は,送信するビット列を1つの多項式とみなし,あらかじめ決めた生成多項式で割った余りを検査用データ(CRC符号)として末尾に付けて送る方式である。受信側は「データ+CRC符号」を同じ生成多項式で割り,余りが0なら誤りなしと判断する。したがって答はウ。アは,余りのビット数は生成多項式の次数で決まり,CRC-32なら32ビットになるので「1ビット」が誤り。1ビットで表すのはパリティである。イは割る数を取り違えている。割るのは生成多項式であって,付加されてきた検査用データではない。エは,送信側と受信側が同じ生成多項式を使わなければ余りの計算が一致せず検査が成り立たないので誤り。CRCはバースト誤り(連続したビットの誤り)の検出に強く,通信やストレージで広く使われている。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問4
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問 5
記憶領域を管理するアルゴリズムのうち,ベストフィット方式の特徴として,適切なものはどれか。
正解:イ
ベストフィット方式は,空きブロックの中から「要求された大きさを満たすもののうち最も小さいもの」を選んで割り当てる方式である。ぴったりに近いブロックを使うので一見むだがないように見えるが,割り当てのたびにわずかな端数が残るため,どの要求にも使えない小さな空きブロックが多数散らばる。これが外部フラグメンテーションで,答はイ。アはファーストフィット方式の説明で,先頭から探して最初に見つかった空きブロックを使うため下位アドレスばかりが使われる。ウは検索の実装方式の話であり,ベストフィットかどうかとは別の観点である。エは空きブロックをアドレス順に並べて管理する目的(隣接ブロックの併合)の説明で,どの方式でも併用できる管理方法である。なお最も大きい空きブロックを割り当てるのはワーストフィット方式で,端数が大きく残るので細かい断片が生じにくい。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問5
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問 6
異なる n 個のデータが昇順に整列された表がある。この表を m 個のデータごとのブロックに分割し,各ブロックの最後尾のデータだけを線形探索することによって,目的のデータの存在するブロックを探し出す。次に,当該ブロック内を線形探索して目的のデータを探し出す。このときの平均比較回数を表す式はどれか。ここで,m は十分に大きく,n は m の倍数とし,目的のデータは必ず表の中に存在するものとする。
正解:イ
探索は2段階に分かれるので,それぞれの平均比較回数を出して足す。まずブロックの数は n/m 個で,各ブロックの最後尾を先頭から順に見ていくから,目的のブロックに当たるまでの平均比較回数はその半分の n/(2m) 回になる。次に見つけたブロックの中は m 個のデータを線形探索するので,平均は m/2 回である。合計すると m/2+n/(2m) となり,答はイ。アは両方とも半分にせず,しかもブロック内を m 回すべて比較する形で最悪値に近い。ウはブロックを探す段階だけを最悪値で数えており,ブロック内の探索が抜けている。エはブロックを探す段階の平均だけで,やはりブロック内が抜けている。この方式はブロック探索法と呼ばれ,m=√n のときに全体の比較回数が最小の √n 程度になる。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問6
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問 7
OSS として公開されているプログラム言語である Scala の特徴はどれか。
正解:ア
Scala は,オブジェクト指向と関数型の両方の書き方を1つの言語で扱えるように設計された言語である。すべての値がオブジェクトである一方,関数も値として扱えて高階関数やパターンマッチが使える。よって答はア。イは誤りで,Scala はクラスの多重継承を許さず,代わりにトレイトという仕組みで複数の性質を混ぜ込む。ウも誤りで,Scala のソースは通常 Java の中間コード(バイトコード)にコンパイルされ,JVM 上で動く。ネイティブコードの生成は必須ではない。エも誤りで,Scala は変数の型がコンパイル時に決まる静的型付け言語である。ただし型推論が強力なので明示的な型宣言を書かなくてよい場面が多く,動的型付けのように見えることがある。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問7
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問 8
プロセッサの高速化技法の一つとして,同時に実行可能な複数の動作を,コンパイルの段階でまとめて一つの複合命令とし,高速化を図る方式はどれか。
正解:エ
VLIW(Very Long Instruction Word)は,同時に実行できる複数の演算をコンパイラがあらかじめ見つけ出し,それらを1つの長い命令語にまとめておく方式である。実行時にどの命令を並列に流せるかを判断する回路が要らないので,ハードウェアを簡単にしたまま並列度を上げられる。よって答はエ。アの CISC は1命令で複雑な処理を行う命令体系の考え方で,並列実行のためのまとめ方ではない。イの MIMD はフリンの分類の一つで,複数のプロセッサがそれぞれ異なる命令で異なるデータを処理する構成を指し,命令のまとめ方の話ではない。ウの RISC は命令を単純・固定長にして1命令あたりの実行を速くする考え方である。なお,実行時にハードウェアが並列実行の可否を判断する方式はスーパースカラと呼ばれ,VLIW と対になる。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問8
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問 9
画面表示用フレームバッファがユニファイドメモリ方式であるシステムの特徴はどれか。
正解:イ
ユニファイドメモリ方式は,画面表示に使うフレームバッファを専用に用意せず,主記憶の一部を割り当てて共用する方式である。専用メモリが不要なので低コストにできる反面,CPU のメモリアクセスと表示のための読み出しが同じ主記憶に集中するため,帯域を奪い合って性能が落ちやすい。よって答はイ。アは逆に専用のビデオメモリをもつ方式の説明である。ウは描画コマンドを送って表示側で描かせる方式の説明で,メモリをどこに置くかとは別の観点である。エの表示リフレッシュは,画面を一定周期で書き換え続ける動作のことで,メモリの持ち方に関係なく必要である。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問9
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問 10
モーターの軸に装着された回転センサーから出力されるパルスの周期を,1MHz のクロック周波数でカウントアップするタイマーで計測したところ,10,000 カウントであった。モーターの回転数は毎秒何回転か。ここで,回転センサーはモーターの軸が1回転するごとに図のようなパルスを2回出力するものとする。
正解:ア
まずカウント値を時間に直す。1MHz のクロックは1カウントが 1/1,000,000 秒=1マイクロ秒なので,10,000 カウントは 10,000×1μs=10ミリ秒である。図から,この 10,000 カウントはパルス1周期分にあたる。回転センサーは軸が1回転するごとにパルスを2回出すので,1回転にかかる時間はパルス2周期分の 10ms×2=20ミリ秒=0.02秒。したがって毎秒の回転数は 1÷0.02=50回転となり,答はア。イの100は,1回転あたり2パルスであることを見落として 1÷0.01 としてしまった値である。ウの200はさらに周期を半分に取り違えた場合の値。エの5,000は,カウント値10,000をそのまま回転周期のマイクロ秒数と誤って扱った場合などに出る値で,桁が2つ違う。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問10
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問 11
現状の HPC(High Performance Computing)マシンの構成を,次の条件で更新することにした。更新後の,ノード数と総理論ピーク演算性能はどれか。ここで,総理論ピーク演算性能は,コア数に比例するものとする。
〔現状の構成〕
(1) 一つのコアの理論ピーク演算性能は 10 GFLOPS である。
(2) 一つのノードのコア数は8である。
(3) ノード数は 1,000 である。
〔更新条件〕
(1) 一つのコアの理論ピーク演算性能を現状の2倍にする。
(2) 一つのノードのコア数を現状の2倍にする。
(3) 総コア数を現状の4倍にする。
正解:イ
まず現状を押さえる。総コア数は 8コア×1,000ノード=8,000コアで,総理論ピーク演算性能は 10GFLOPS×8,000=80,000GFLOPS=80TFLOPS である。更新後は総コア数が4倍なので 8,000×4=32,000コア。1ノードのコア数は2倍の16コアになるから,ノード数は 32,000÷16=2,000ノードで,現状と同じ1,000ではなく2倍になる点に注意する。総理論ピーク演算性能は,コア1つの性能が2倍の20GFLOPSになり,コア数が4倍になるので 20GFLOPS×32,000コア=640,000GFLOPS=640TFLOPS。よってノード数2,000・640TFLOPS のイが答。ウとエのノード数4,000は,総コア数の4倍をそのままノード数に当てはめ,1ノードあたりのコア数も2倍になることを見落とした値である。アとウの320TFLOPSは,コア数4倍だけを掛けてコア単体の性能が2倍になることを反映していない値である。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問11
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問 12
IaC(Infrastructure as Code)の説明として,適切なものはどれか。
正解:ウ
IaC は,サーバやネットワークといったインフラの構成・設定を,手作業ではなくコード(プログラム)として書き,専用のツールがそのコードのとおりに環境を作る考え方である。設定内容がテキストとして残るのでバージョン管理でき,同じコードから何度でも同一の環境を再現できる。よって答はウ。アはベアメタルサーバの説明で,コード化とは関係がない。イとエはどちらも「手動で行う」と書いてあり,自動化を本質とする IaC と正反対である。代表的なツールに Terraform や Ansible があり,構成のずれ(設定ドリフト)を防ぐ効果も大きい。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問12
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問 13
コンピュータシステムの信頼性に関する記述のうち,適切なものはどれか。
正解:ア
MTBF は平均故障間隔(故障から次の故障までの平均時間),MTTR は平均修復時間である。全体の時間は「動いていた時間+直していた時間」=MTBF+MTTR なので,そのうち動いていた割合,すなわち稼働率は MTBF/(MTBF+MTTR) で表される。よって答はア。イの MTBF−MTTR は,性質の違う2つの平均時間を引いたもので,意味のある指標にはならない。ウは,運用開始から初めて故障するまでの平均時間を指すのは MTTF(平均故障時間)で,MTBF は修理して使い続ける装置について故障と故障の間隔を表すものなので誤り。エは MTBF の説明になっており,MTTR と取り違えている。MTTR は故障が起きてから復旧するまでにかかる平均時間である。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問13
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問 14
キャパシティプランニングの目的の一つに関する記述のうち,最も適切なものはどれか。
正解:イ
キャパシティプランニングは,業務量の増加を予測したうえで,将来にわたって必要な性能を保てるように資源の量と増強の時期を計画する活動である。現在の応答時間や資源の使用状況を継続して測り,傾向から将来の不足時期を見積もる点が中心なので,答はイ。アはボトルネックの特定と除去で,これはチューニングの作業である。ウも現状の資源から最大限の性能を引き出す話でチューニングに当たる。エは特定資源の使用効率を上げる話で,やはり現状最適化である。ア・ウ・エはいずれも「今ある資源をどう使い切るか」であるのに対し,キャパシティプランニングは「これからどれだけ資源が要るか」を扱う点が違う。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問14
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問 15
五つのジョブA〜Eに対して,ジョブの多重度が1で,処理時間順方式のスケジューリングを適用した場合,ジョブBのターンアラウンドタイムは何秒か。ここで,OS のオーバーヘッドは考慮しないものとする。
正解:エ
処理時間順方式(SPT)は,その時点で待っているジョブのうち処理時間が最も短いものから実行する方式である。多重度1なので1本ずつ順に流す。時刻0はAしか到着していないのでAを実行し,0〜2秒で終わる。時刻2の時点で待っているのはB(4秒)とC(3秒)で,短いCを選び2〜5秒。時刻5ではB(4秒)・D(2秒)・E(1秒)が待っており,最短のEを選んで5〜6秒。時刻6ではB(4秒)とD(2秒)が待つのでDを選び6〜8秒。最後にBが8〜12秒で実行される。ターンアラウンドタイムは到着から完了までなので,Bは到着1秒・完了12秒で 12−1=11秒。答はエ。処理時間の長いジョブは後回しにされ続けるため待ち時間が伸びるという,この方式の性質がそのまま表れている。アの8はBの開始時刻をそのまま答えた場合の値である。イの9とウの10は,完了時刻12から引く到着時刻を表の別の行から取った場合(Dの3なら9,Cの2なら10)に出る値で,Bの到着は1である。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問15
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問 16
一つの I²C バスに接続された二つのセンサーがある。それぞれのセンサー値を読み込む二つのタスクを排他的に制御したい。利用するリアルタイム OS の機能として,適切なものはどれか。
正解:イ
セマフォは,同時に使える数を数え上げて管理し,資源が空くまでタスクを待たせる仕組みである。使える数を1に設定すれば,同時に1つのタスクしか資源を使えなくなり,排他制御が実現できる。この問題では I²C バスという1本の通信路を2つのタスクが取り合うので,セマフォで守るのが適切であり答はイ。アのキューはタスク間でデータを順番に受け渡すための仕組みで,通信路そのものを守る用途ではない。ウのマルチスレッドは1つのプログラムを複数の流れで動かす方式の名前で,排他制御の機能ではない。エのメモリプールは,あらかじめ確保した領域から固定長のメモリを高速に貸し出す仕組みである。なお I²C は1本のバスを複数のデバイスが共有するので,読み出しの途中で別のタスクが割り込むと通信が壊れる。だからこそ排他制御が要る。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問16
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問 17
スレッドセーフの説明として,適切なものはどれか。
正解:ウ
スレッドセーフとは,複数のスレッドから同時に呼び出されても正しく動作する性質をいう。共有するデータへのアクセスを排他制御で守る,あるいはそもそも共有状態を持たない作りにすることで実現する。よって答はウ。アは「複数スレッドから呼ばれない」,イは「単一スレッドで動かす」で,どちらも同時実行そのものを避ける話であり,同時に呼ばれても正しく動くというスレッドセーフの定義とは違う。エは競合が起きたら止めるという話で,止まってしまう時点で正しく動作していない。スレッドセーフでない処理を複数スレッドから呼ぶと,読み書きの順序が交錯して値が壊れる競合状態(レースコンディション)が起きる。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問17
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問 18
二つのタスクが共用する二つの資源を排他的に使用するとき,デッドロックが発生するおそれがある。このデッドロックの発生を防ぐ方法はどれか。
正解:イ
デッドロックは,タスクAが資源1を持ったまま資源2を待ち,タスクBが資源2を持ったまま資源1を待つ,という循環した待ちができたときに起きる。獲得の順序を両方とも「資源1→資源2」にそろえておけば,先に資源1を取れた側が資源2も取れるので循環が生じない。よって答はイ。ウは順序を逆にする,つまりまさに循環待ちを作る条件そのもので,デッドロックを起こしやすくする。アとエの優先度は,どちらのタスクが先に走るかを変えるだけで,互いに相手の持つ資源を待つ構図は解消しない。優先度を上げても,相手が資源を握って離さない限り待ち続けることになる。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問18
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問 19
4ブロックのキャッシュメモリ C0〜C3 が表に示す状態である。ここで,新たに別のブロックの内容をキャッシュメモリにロードする必要が生じたとき,C2 のブロックを置換の対象とするアルゴリズムはどれか。
正解:エ
4つの方式で選ばれるブロックをそれぞれ確かめる。FIFO は最も早くロードされたものを追い出すので,ロード時刻が 0:00 の C0 が対象になる。LFU は参照回数が最も少ないものなので,1回の C1 が対象。LIFO は最後にロードされたものだから,0:05 の C3 が対象。LRU は最後に参照された時刻が最も古いものを追い出す方式で,最終参照時刻は C0 が 0:08,C1 が 0:06,C2 が 0:05,C3 が 0:10 だから,最も古い C2 が対象になる。よって答はエ。表にはロード時刻・最終参照時刻・参照回数の3つが並んでいて,どの列を見るかで答が変わる作りになっている。LRU が見るのは最終参照時刻であって,ロード時刻でも参照回数でもない点が要である。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問19
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 20
図の LED 点灯回路において,LED に10ミリAの電流が流れるように抵抗値を決定したときに,回路全体の消費電力に占める LED の消費電力の割合は何%か。ここで,LED の順方向電圧は2Vとし,電源の消費電力は無視するものとする。
正解:ア
LEDと抵抗は直列なので,どちらにも同じ10ミリAが流れる。LED の消費電力は,順方向電圧2V×10mA=20mW。回路全体では電源電圧10Vがそのまま掛かるので,10V×10mA=100mW である。したがって割合は 20mW÷100mW=20%となり,答はア。抵抗側の電圧は 10−2=8V なので,抵抗の消費電力は 8V×10mA=80mW で,これと LED の20mWを足すと全体の100mWに一致する。ウの80%は,この抵抗側の割合を答えてしまった値である。イの25%は,LEDの2Vを抵抗の8Vと比べて 2÷8 としたときに出る値で,分母が全体になっていない。エの100%は,抵抗での消費を無視した場合の値だが,問題文で無視してよいとされているのは電源の消費電力だけである。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問20
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 21
組込みシステムのプログラムで,放された状態では0になり,押された状態では1になるスイッチの値を読み込んでいる。このプログラムによって,スイッチの値は周期的に適切なタイミングで読み込まれ,チャタリング処理などの適切な処理が行われるものとし,a が今回の値で,b が前回の値とする。このスイッチが放された状態から押された状態に変化したことを検出するための論理式はどれか。ここで,“・”は論理積,“+”は論理和,“ ̄”は論理否定を表す。
正解:ア
「放された状態から押された状態に変化した」とは,前回が放されている(b=0)で,今回が押されている(a=1)ということである。b=0 を式で表すと b̄=1 なので,両方が同時に成り立つ条件は a・b̄ となり,答はア。イの ā・b は逆に「前回は押されていて今回は放された」,つまり離した瞬間を検出する式である。ウとエは論理和なので,どちらか一方が成り立つだけで1になってしまい,押しっぱなしや放しっぱなしの状態でも検出してしまう。この a・b̄ は立ち上がりエッジの検出と呼ばれ,押し続けている間ではなく押した瞬間だけを1回検出したいときの定番の書き方である。前回値を保存しておく変数が要る点も組込みでは重要になる。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問21
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 22
入力が A と B,出力が Y の論理回路を動作させたとき,図のタイミングチャートが得られた。この論理回路として,適切なものはどれか。
正解:ウ
タイミングチャートから,A と B の組合せごとに Y がどうなるかを読み取る。A=0・B=1 のとき Y=1,A=0・B=0 のとき Y=1,A=1・B=1 のとき Y=0,A=1・B=0 のとき Y=1 である。つまり両方が1のときだけ0になり,それ以外は1になっている。これは論理積を否定した NAND の動作なので,答はウ。アの XOR(排他的論理和)なら A=0・B=0 のとき0になるはずだが,チャートでは1なので合わない。イの XNOR なら A=0・B=1 のとき0になるはずで,これも合わない。エの NOR は A=0・B=0 のときだけ1になる回路なので,A=1・B=0 で1になっている点と矛盾する。図記号では,先端の小さな丸が否定を表し,入力側の線が曲線で二重になっているものが排他的論理和系である。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問22
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 23
16ビットのダウンカウンターを用い,カウンターの値が0になると割込みを発生するハードウェアタイマーがある。カウンターに初期値として10進数の150をセットしてタイマーをスタートすると,最初の割込みが発生するまでの時間は何マイクロ秒か。ここで,タイマーの入力クロック周波数は16MHz を32分周したものとする。
正解:エ
まずタイマーに実際に入るクロックの周波数を求める。16MHz を32分周するので 16,000,000÷32=500,000Hz=500kHz である。1カウントに要する時間はその逆数で 1÷500,000=2マイクロ秒。ダウンカウンターは初期値150から1ずつ減って0になったときに割り込むので,150カウント分の時間がかかる。したがって 2μs×150=300マイクロ秒となり,答はエ。イの2は1カウントあたりの時間そのもので,150倍するのを忘れた値。ウの150はカウント数をそのまま時間と読んだ値である。アの0.3は,分周を掛け算と取り違えて 16MHz×32 として計算した場合などに出る桁違いの値。16ビットのカウンターなので最大65,535までセットでき,この設定では最長約131ミリ秒まで測れる。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問23
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 24
画面サイズの制約によって,レイアウト上,常にメニューを表示しておくことが難しいときに使用する仕組みであって,三本線のアイコンを選択するとメニューが表示されるものはどれか。
正解:ウ
三本の横線を重ねたアイコンは,その形がハンバーガーに似ていることからハンバーガーメニューと呼ばれる。ふだんはメニューを隠しておき,このアイコンを押したときだけ表示する仕組みで,画面の狭いスマートフォンで広く使われている。よって答はウ。アのアコーディオンメニューは,見出しを押すとその下の項目が折りたたみ/展開される形式で,楽器のアコーディオンの動きに例えたものである。イのドロップダウンメニューは,項目を選ぶと下方向にリストが垂れ下がる形式。エのポップアップメニューは,操作した位置に重ねて小さなメニューを出す形式で,右クリックで出るメニューが代表例である。いずれもメニューを隠す点は似ているが,三本線のアイコンを目印にするのはハンバーガーメニューだけである。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問24
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 25
0kHz〜20kHz の帯域幅のオーディオ信号をデジタル信号に変換するのに必要な最大のサンプリング周期を標本化定理によって求めると,何マイクロ秒か。
正解:ウ
標本化定理は,元の信号に含まれる最も高い周波数の2倍より高い周波数で標本化すれば,元の波形を復元できるというものである。この信号の最高周波数は20kHz なので,必要なサンプリング周波数は 2×20kHz=40kHz。周期はその逆数だから 1÷40,000=0.000025秒=25マイクロ秒となり,これが許される最大のサンプリング周期である。答はウ。エの50は,2倍するのを忘れて 20kHz の逆数をそのまま取った値(1÷20,000=50マイクロ秒)である。イの5とアの2.5は,さらに桁の扱いを誤った値である。サンプリング周期が長すぎる(周波数が低すぎる)と,元になかった低い周波数が現れる折返し雑音(エイリアシング)が生じる。CD の44.1kHz が20kHz 前後の可聴域をカバーできるのも,この定理に沿った設定である。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問25
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問 26
BASE 特性を満たし,次の特徴をもつ NoSQL データベースシステムに関する記述のうち,適切なものはどれか。
〔NoSQL データベースシステムの特徴〕
・ネットワーク上に分散した複数のノードから構成される。
・一つのノードでデータを更新した後,他の全てのノードにその更新を反映する。
正解:イ
BASE 特性は Basically Available(基本的に利用できる),Soft state(状態は変化しうる),Eventual consistency(結果整合性)の頭文字で,「今すぐ全ノードが一致していなくてよいが,最終的には一致する」という考え方である。よって答はイ。アの2相コミットは,全ノードの合意を取ってから確定する厳密な方式で,これは ACID 特性を重んじる関係データベース側の考え方であり,BASE とは反対の性質になる。ウは「同時の参照でどのノードも同じ結果を返す」=強い一貫性の説明で,更新がまだ伝わっていないノードは古い値を返すという結果整合性と矛盾する。エは,ネットワークが分断されたら要求を受け付けないという可用性を犠牲にする振る舞いで,「基本的に利用できる」に反する。CAP定理でいえば,この種の NoSQL は一貫性より可用性と分断耐性を優先する側に立つ。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問26
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問 27
“売上”表への次の検索処理のうち,B⁺木インデックスよりもハッシュインデックスを設定した方が適切なものはどれか。ここで,インデックスを設定する列を<>内に示す。
売上(伝票番号,売上年月日,商品名,利用者ID,店舗番号,売上金額)
正解:エ
ハッシュインデックスは,値をハッシュ関数で位置に変換して1回で目的の行にたどり着く仕組みなので,「=」で1つの値をぴったり指定する等価検索に強い。逆に,ハッシュ値は元の値の大小関係も並び順も保たないため,範囲検索や前方一致には使えない。選択肢のうち等価検索は利用者IDが‘1001’のエだけなので,答はエ。アは1万円以上という範囲検索,イは今月という期間の範囲検索で,どちらも「ある値以上・以下」を並び順にそってたどる必要がある。ウは‘DB’で始まるという前方一致で,これも先頭から並んだ順序を利用する検索である。ア・イ・ウのように順序を使う検索では,キーを大小順に木構造で並べる B⁺木インデックスが適している。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問27
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問 28
関係データベースのビューに関する記述のうち,適切なものはどれか。
正解:ア
ビューは SELECT 文に名前を付けて表のように扱えるようにしたものである。定義のときに列に別名を付けられるので,基の表と違う列名にできる。よって答はア。イは誤りで,ビューの定義には WHERE 句を書けるから,条件に合う行だけを抜き出すビューも当然作れる。列だけでなく行も絞り込めるのがビューの基本的な使い道の一つである。ウも誤りで,複数の表を結合したビューは,更新しようとしたときにどの基の表のどの行を直せばよいか一意に決まらないことがあり,そうした場合は更新できない。更新できるビューには条件がある。エも誤りで,和両立(列の数と対応する列のデータ型がそろっていること)ならば UNION を使ったビューを定義できる。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問28
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問 29
RDBMS において,同じデータ項目の異なる版を用意することによって,トランザクションの同時実行性を高める仕組みはどれか。
正解:イ
MVCC(Multi-Version Concurrency Control,多版同時実行制御)は,データを更新するときに古い版を残したまま新しい版を作り,参照するトランザクションには開始時点の版を見せる方式である。読み取り側は更新中のロックを待つ必要がなく,書き込みが読み取りを妨げないので同時実行性が上がる。よって答はイ。アの2相ロッキングプロトコルは,ロックを取る段階と外す段階を分けて直列化可能性を保証する方式で,版を作る仕組みではない。ウの WAL(Write Ahead Log)プロトコルは,データ本体を書く前にログを書いておくことで障害から回復できるようにする方式で,目的は同時実行性ではなく耐障害性である。エの共有ロックは複数の読み取りを同時に許すロックだが,更新のときは排他ロックを待つことになり,版を用意する仕組みではない。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問29
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問 30
100M ビット/秒の LAN と1G ビット/秒の LAN がある。ヘッダーを含めて 1,250 バイトのパケットを N 個送信するときに,100M ビット/秒の LAN の送信時間が1G ビット/秒の LAN より9ミリ秒多く掛かった。N は幾らか。ここで,いずれの LAN においても,パケットの送信間隔(パケットの送信が完了してから次のパケットを送信開始するまでの時間)は1ミリ秒であり,パケット送信間隔も送信時間に含める。
正解:ウ
まずパケットの大きさをビットに直すと 1,250バイト×8=10,000ビットである。100M ビット/秒では1パケットの送信に 10,000÷100,000,000=0.0001秒=0.1ミリ秒かかり,送信間隔1ミリ秒を加えて1パケットあたり1.1ミリ秒。1G ビット/秒では 10,000÷1,000,000,000=0.00001秒=0.01ミリ秒で,間隔を加えて1.01ミリ秒である。1パケットあたりの差は 1.1−1.01=0.09ミリ秒なので,N 個での差は 0.09×N ミリ秒。これが9ミリ秒に等しいから N=9÷0.09=100 となり,答はウ。ここで間隔の1ミリ秒は両方に共通なので差では打ち消し合う点が要である。エの800は,1,250をバイトからビットに直さずそのまま扱った場合の値で,1パケットあたりの差が0.01125ミリ秒になり 9÷0.01125=800 となる。アの10は差を0.9ミリ秒と見積もった場合の値,イの80も同様に桁の扱いを誤った場合に出る値である。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問30
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問 31
リバースプロキシの説明として,適切なものはどれか。
正解:ア
プロキシは通信を中継するサーバだが,どちら向きの通信を代理するかで呼び方が変わる。リバースプロキシは,外部の利用者から見てWebサーバの代わりに要求を受け取り,背後にある本当のサーバへ取り次ぐもので,答はア。Webサーバを直接インターネットにさらさずに済み,複数台への負荷分散や暗号化処理の肩代わり,コンテンツのキャッシュもできる。エは内部のPCから外へ出る通信を中継するもので,こちらが通常のプロキシ(フォワードプロキシ)である。向きが逆なので「リバース」と呼ばれる。イは通信を監視して攻撃を見つける IDS の説明。ウは VPN の説明である。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問31
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問 32
IPv4 のアドレス割当てを行う際に,クラスA〜Cといった区分にとらわれずに,ネットワークアドレス部とホストアドレス部を任意のブロック単位に区切り,IP アドレスを無駄なく効率的に割り当てる方式はどれか。
正解:ア
CIDR(Classless Inter-Domain Routing)は,クラスA・B・Cという固定の区切りをやめ,ネットワーク部の長さをビット単位で自由に決められるようにした方式である。「192.168.0.0/26」のようにプレフィックス長で表記し,必要な台数に合った大きさのブロックを割り当てられるのでアドレスのむだが減る。よって答はア。イの DHCP は,起動したホストにIPアドレスなどの設定を自動で配る仕組みで,アドレス空間の区切り方の話ではない。ウの DNS はドメイン名とIPアドレスを対応づける仕組み。エの NAPT は,1つのグローバルアドレスを複数の内部ホストでポート番号を使い分けて共有する仕組みで,アドレスの節約という目的は似ているが,割当ての区切り方を変える方式ではない。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問32
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問 33
UDP のヘッダーフィールドにはないが,TCP のヘッダーフィールドには含まれる情報はどれか。
正解:イ
UDP のヘッダーは,送信元ポート番号・宛先ポート番号・データ長・チェックサムの4つだけで構成される非常に単純なものである。一方 TCP は,届いたデータを正しい順序に並べ直し,欠けた分を再送するために,各バイトに通し番号を付ける必要がある。これがシーケンス番号で,UDP には存在しない。よって答はイ。ア・ウのポート番号は,どちらのプロトコルもアプリケーションを識別するために必要なので両方にある。エのチェックサムも両方にあり,UDP でも誤り検出だけは行う。ただし UDP は誤りを見つけても再送はせず,そのまま捨てる。TCP にはこのほか確認応答番号やウィンドウサイズもあり,信頼性と流量制御のためにヘッダーが大きくなっている。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問33
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問 34
複数台のレイヤー2スイッチで構成されるネットワークが複数の経路をもつ場合に,イーサネットフレームのループが発生することがある。そのループの発生を防ぐための TCP/IP ネットワークインタフェース層のプロトコルはどれか。
正解:エ
レイヤー2スイッチだけで環状の経路ができると,宛先の分からないフレームが延々と回り続けてネットワークを埋め尽くすブロードキャストストームが起きる。スパニングツリープロトコルは,スイッチ同士で情報をやり取りして論理的な木構造を作り,余分な経路のポートを通信させない状態にしてループを断つ。障害時にはそのポートを使い始めるので冗長経路としても機能する。よって答はエ。アの IGMP はマルチキャストのグループ管理を行うプロトコル。イの RIP はルーターが経路情報を交換する経路制御プロトコルで,動く層が違う。ウの SIP は音声通話などのセッションを確立・切断するためのプロトコルである。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問34
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問 35
ビット誤り率が0.0001%の回線を使って,1,500バイトのパケットを10,000個送信するとき,誤りが含まれるパケットの個数の期待値はおよそ幾らか。
正解:エ
まず単位をそろえる。ビット誤り率0.0001%は 0.000001=10⁻⁶ である。1パケットは 1,500バイト×8=12,000ビットなので,1パケットの中で誤りが起きるビット数の期待値は 12,000×10⁻⁶=0.012 個。誤り率が十分小さいので,1パケットが誤りを含む確率もおよそ0.012とみてよい(厳密には 1−(1−10⁻⁶)¹²⁰⁰⁰≒0.0119)。これを10,000パケット分にすると 0.012×10,000=120 個となり,答はエ。イの15は,1,500をビットに直さずバイトのまま扱った場合の値で,1,500×10⁻⁶×10,000=15 となる。ウの80は,1パケットを8,000ビットとして計算した場合の値(8,000×10⁻⁶×10,000=80)。アの10は,さらに桁を落とした場合に出る値である。%を小数に直すときに100で割るのを忘れないことが要点になる。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問35
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問 36
サイバー攻撃の攻撃段階をモデル化したサイバーキルチェーンにおいて,“エクスプロイト”に該当する行為はどれか。
正解:イ
サイバーキルチェーンは攻撃の流れを7段階に分けたモデルで,偵察→武器化→配送→エクスプロイト(攻撃)→インストール→遠隔操作→目的の実行と進む。エクスプロイトは,送り込んだものを実際に動かす段階,すなわち脆弱性を突いてコードを実行させるところを指すので,答はイ。アは最初の偵察の段階で,公開情報や問合せを通じて標的を調べる行為である。エはマルウェアを添付したメールを送る配送の段階で,まだ実行はされていない。ウは最後の目的の実行の段階で,情報を盗み出して外部へ送る行為に当たる。段階の順序が分かっていれば,「送りつける」と「実行させる」と「盗み出す」がそれぞれ別の段階だと区別できる。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問36
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問 37
デジタル署名が付与されたソフトウェアをインストールするときに,そのソフトウェアの発行元を確認するために使用する証明書はどれか。
正解:ウ
コードサイニング証明書は,ソフトウェアの開発元が実行ファイルなどに署名するために使う証明書である。利用者はインストール時に署名を検証することで,発行元が本物であることと,配布途中で改ざんされていないことを確かめられる。よって答はウ。アの EV SSL 証明書は,発行時に企業の実在性を厳格に審査するWebサイト向けの証明書で,対象はサイトであってソフトウェアではない。イのクライアント証明書は,サーバに接続してくる利用者や端末の側を認証するためのもの。エのサーバ証明書は,接続先のWebサーバが正しい相手であることを示すためのもので,いずれも通信相手の確認に使うものであり,配布物そのものの発行元を保証する用途ではない。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問37
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問 38
サイドチャネル攻撃はどれか。
正解:ア
サイドチャネル攻撃は,暗号の数学的な仕組みを破るのではなく,装置が動いているときに外へ漏れ出る物理的な情報から鍵を推定する攻撃である。消費電力の波形,処理にかかった時間,発生する電磁波や音などが手掛かりになる。よって答はア。イは選択平文攻撃で,平文と暗号文の対応を集めて数学的に鍵を割り出す,暗号そのものに対する解読法である。ウはショルダーハッキングで,画面や手元をのぞき見る物理的な行為だが,装置から漏れる副次的な情報を測るわけではない。エは電波干渉による妨害で,秘密情報の推定ではなく可用性への攻撃にあたる。サイドチャネル攻撃への対策は,処理時間や消費電力が扱う値によって変わらないように実装することである。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問38
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問 39
CRL に関する記述のうち,適切なものはどれか。
正解:エ
CRL(証明書失効リスト)は,有効期限がまだ来ていないのに失効させた証明書のシリアル番号を並べたリストである。秘密鍵が漏れた,記載事項が変わった,といった理由で途中から無効にしたい証明書を知らせるためのものなので,答はエ。アは,RFC 5280 に「失効後1年間」という期間の義務付けはない。有効期限が過ぎた証明書はそもそも検証で弾かれるので,期限切れ後まで載せ続ける必要がない。イは,認証局の公開鍵を持っていれば署名の正しさは確かめられるが,それだけでは「その後に失効させられていないか」は分からないので CRL の確認は省けない。ウは,全ての証明書の有効期限を載せるのではなく,載るのは失効したものだけである。CRL は配布に時間差が出るため,1件ずつ即時に問い合わせる OCSP も併用される。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問39
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問 40
ある組織では CSIRT と PSIRT が設置されている。セキュリティインシデントのうち,PSIRT が対応するものはどれか。
正解:ア
PSIRT は Product Security Incident Response Team の略で,自社が世に出した製品やサービスの脆弱性・インシデントに対応する組織である。顧客が使っている製品に脆弱性が見つかったときに,調査・修正版の提供・利用者への告知までを担う。よって答はア。一方 CSIRT(Computer Security Incident Response Team)は,自組織の情報システムや社内ネットワークで起きたインシデントに対応する。イの在庫管理システム,ウの販売管理システム,エの従業員の個人情報を扱うシステムは,いずれも組織が自分で使っている社内システムなので CSIRT の担当である。「外に出した製品が P」「自分たちのシステムが C」と押さえると区別できる。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問40
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問 41
JIS Q 27000:2019(情報セキュリティマネジメントシステム−用語)における真正性及び信頼性に対する定義a〜dの組みのうち,適切なものはどれか。
〔定義〕
a 意図する行動と結果とが一貫しているという特性
b エンティティは,それが主張するとおりのものであるという特性
c 認可されたエンティティが要求したときに,アクセス及び使用が可能であるという特性
d 認可されていない個人,エンティティ又はプロセスに対して,情報を使用させず,また,開示しないという特性
正解:ア
JIS Q 27000:2019 の定義では,真正性は「エンティティは,それが主張するとおりのものであるという特性」で b にあたる。名乗っている本人・本物であることを指す。信頼性は「意図する行動と結果とが一貫しているという特性」で a にあたる。期待したとおりに動き,同じ条件なら同じ結果になることを指す。よって答はア。残る c と d は別の特性の定義で,c の「認可されたエンティティが要求したときにアクセス及び使用が可能」は可用性,d の「認可されていない者に情報を使用させず開示しない」は機密性である。機密性・完全性・可用性の3つが情報セキュリティの基本で,真正性・責任追跡性・否認防止・信頼性を加えた7要素として整理されることが多い。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問41
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問 42
CSPM(Cloud Security Posture Management)はどれか。
正解:ア
クラウドの事故は,製品の欠陥よりも「設定の誤り」で起きることが多い。ストレージが公開状態のままだった,強すぎる権限が付いたままだった,といった不備である。CSPM は,クラウド環境の設定を継続して点検し,基準から外れた箇所を知らせたり自動で直したりする仕組みなので,答はア。ウは CASB の説明で,従業員がどの SaaS をどう使っているかを可視化し,ポリシーに反する利用を制御するものである。監視の対象が「自社が構築したクラウド環境の設定」か「従業員によるサービス利用」かで役割が分かれる。エは複数のセキュリティ機能をまとめて提供するもので,UTM をクラウドで提供する形に近い。イはヘルプデスクの説明で,設定の点検を行うものではない。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問42
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問 43
脆弱性検査で,ホストに対してポートスキャンを行う。スキャンしたポートの状態を判定する方法のうち,適切なものはどれか。
正解:ウ
UDP は接続の手順を持たないので,開いているポートに送っても普通は何も返ってこない。逆に閉じているポートに送ると,そのポートで待っているプログラムが無いことを知らせる“ICMP port unreachable”が返る。つまり応答が返ってきたら閉,無反応なら開(またはファイアウォールで遮断)と判定する。よって答はウで,エはこれを逆に述べている。TCP の場合は3ウェイハンドシェイクの応答で判断し,SYN を送って“SYN/ACK”が返れば開いている,“RST/ACK”が返れば閉じていると分かる。アとイはこの対応を入れ替えているので誤り。UDP スキャンは「返ってこない=開いているかもしれない」という消極的な判定になるため,TCP スキャンより時間がかかり結果もあいまいになりやすい。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問43
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問 44
デジタルフォレンジックスの手順は収集,検査,分析及び報告から成る。このとき,デジタルフォレンジックスの手順に含まれるものはどれか。
正解:イ
デジタルフォレンジックスは,事故が起きた後に,証拠となるデータを原形を保ったまま集めて解析し,何が起きたのかを法的にも通用する形で明らかにする活動である。削除されたファイルを復元して痕跡をたどるのは,まさにその「収集・検査・分析」に当たるので答はイ。アは SIEM による監視で,事故を起こさせない・早く気づくための平常時の仕組みであり,事後の証拠保全ではない。ウはメールの暗号化で情報漏えいを防ぐ予防策。エは実行前にマルウェアかどうかを調べる検知であり,やはり事前の対策である。フォレンジックスでは,証拠が変化しないようにディスクを直接使わず複製して解析し,取り扱いの経緯(証拠保全の連鎖)を記録することが重要になる。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問44
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問 45
電子メールの送信時に,送信側メールサーバでデジタル署名を電子メールヘッダーに付与し,受信側メールサーバでそれを検証することで,送信元ドメインのなりすましや電子メールの改ざんを検知できる技術はどれか。
正解:ア
DKIM は,送信側のメールサーバがメールに電子署名を付け,その検証に使う公開鍵を送信元ドメインの DNS に公開しておく仕組みである。受信側は DNS から鍵を取って署名を確かめるので,ドメインのなりすましだけでなく本文やヘッダーの改ざんも見つけられる。よって答はア。エの SPF は,そのドメインのメールを送ってよいサーバのIPアドレスを DNS に列挙しておく方式で,送信元サーバが正しいかは分かるが署名ではないので改ざんは検知できない。ウの S/MIME も署名と暗号化を行うが,署名するのは利用者本人であってメールサーバではなく,検証も受信者の手元で行う。イの OP25B は,自ネットワークから外部への25番ポートの通信を遮断して迷惑メールの直接送信を防ぐ運用で,署名とは関係がない。実務では SPF と DKIM の結果を使って方針を決める DMARC を組み合わせる。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問45
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問 46
ソフトウェアの要件定義における利用者の分析で活用される,ソフトウェアの利用者を役割ごとに典型的な姿として描いた仮想の人物を何と呼ぶか。
正解:エ
ペルソナは,想定する利用者を「35歳・営業職・移動中にスマートフォンで確認する」といった具体的な人物像としてまとめたものである。抽象的な「利用者一般」ではなく特定の人物として描くことで,開発するメンバーの間で利用者像がぶれず,機能の優先順位を判断しやすくなる。よって答はエ。アのエピックはアジャイル開発で使う言葉で,大きなまとまりの要求を指し,分割して個々のユーザーストーリーにする。イのステークホルダは利害関係者のことで,利用者だけでなく発注者・運用者・監査部門なども含む実在の関係者である。ウのプロダクトオーナーはスクラムの役割の一つで,何を作るかの優先順位に責任をもつ実在の担当者である。仮想の人物像はペルソナだけである。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問46
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問 47
UML のダイアグラムのうち,インスタンス間の関係を表現するものはどれか。
正解:イ
オブジェクト図は,ある時点で実際に存在しているオブジェクト(インスタンス)と,その間のつながりを描く図である。クラス図が「型どうしの関係」を表すのに対し,オブジェクト図は「実物どうしの関係」を表し,クラス図だけでは分かりにくい具体的な状態の例を示すのに使う。よって答はイ。アのアクティビティ図は処理の流れや分岐・並行を表す図で,構造ではなく振る舞いを描く。ウのコンポーネント図は,実装上のまとまり(部品)とその依存関係を表す図である。エのユースケース図は,利用者(アクター)とシステムが提供する機能の関係を表し,要件を外から見た形で整理するものである。UML の図は構造を表すものと振る舞いを表すものに大別され,オブジェクト図とコンポーネント図が構造側にあたる。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問47
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 48
エラー埋込み法を用いて残存エラー数を推定する。当初の埋込みエラーは48個である。テスト期間中に発見されたエラーの内訳は,埋込みエラーが36個,真のエラーが42個である。このとき,残存する真のエラーは何個と推定されるか。
正解:イ
エラー埋込み法は,あらかじめ数の分かっている誤りをプログラムに仕込んでおき,テストでそのうち何割を見つけられたかを「テストの発見力」とみなす方法である。埋込みエラーは48個中36個見つかったので発見率は 36÷48=0.75。真のエラーも同じ割合で見つかったと仮定すると,発見した42個が全体の75%にあたるので,真のエラーの総数は 42÷0.75=56個と推定される。残っているのはそこから発見済みを引いた 56−42=14個で,答はイ。エの56は総数そのもので,引き算を忘れた値である。アの6は,発見した真のエラー42個と埋込みエラー36個の差で,比を使わずに引き算しただけの値である。ウの54は,埋込みエラーの残り(48−36=12個)に発見済みの真のエラー42個を足した値で,12+42=54 となる。いずれも「発見率で割り戻す」という手順を踏んでいない。この方法は「埋込みエラーと真のエラーが同じ見つかりやすさである」という仮定の上に成り立つ点に注意する。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問48
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問 49
Web アプリケーションソフトウェアの処理方式の説明のうち,“プログレッシブ Web アプリ”の説明として,適切なものはどれか。
正解:エ
プログレッシブWebアプリ(PWA)は,ブラウザで動くWebアプリを,端末にインストールしたアプリのように扱えるようにする仕組みである。中心になるのがサービスワーカーで,ページとは別に常駐して通信を横取りし,内容を手元に保存しておくことでオフラインでも起動でき,通信が回復したときにバックグラウンドで同期できる。ホーム画面への追加やプッシュ通知も可能になる。よって答はエ。アはサーバ側でプログラムを動かす従来のサーバサイド処理(CGIなど)の説明。イはセマンティックWebの説明で,機械が意味を解釈できるようメタデータを付ける考え方である。ウはマッシュアップの説明で,複数のWebAPIを組み合わせて新しいサービスを作る方式である。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問49
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問 50
委託元への著作権の移転に関する条項を含むソフトウェア開発委託契約書に,“委託先は著作者人格権を行使しない”という記載があった。これはどのような問題の発生を防ぐためのものか。
正解:エ
著作権は契約で他人に譲れるが,著作者人格権は創作した本人に残り続け,譲渡できない。この人格権には,意に反して作品を改変されない同一性保持権が含まれる。したがって著作権を委託元へ移しても,委託先が人格権を持ったままだと,委託元が納品物を勝手に直したり別の会社に改修を頼んだりしたときに「意に反する改変だ」と主張されうる。それを避けるために「行使しない」と約束させる(不行使特約)ので,答はエ。アの技術者倫理上の責任やウの契約不適合に対する補償は,人格権とは別の条項で定めるものである。イの雇用の可否は労働の問題であって著作権とは関係がない。人格権にはこのほか公表権と氏名表示権があり,開発者名の表示を求められる場面にも関わる。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問50
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 51
プロジェクトマネジメントにおいて,スコープを対象とするプロセスを集めた対象群“スコープ”に含まれるプロセスはどれか。
正解:ア
スコープとは,そのプロジェクトで何を作り何をやるのかという作業と成果物の範囲のことである。WBS(作業分解構成図)は,成果物や作業を階層的に細かく分けて範囲を漏れなく洗い出すもので,まさにスコープを定める作業なので答はア。イの活動期間の見積りは,各作業にどれだけ日数がかかるかを見積もるもので,対象群としては「スケジュール」に属する。ウのコストの見積りとエの予算の作成は,いずれも費用を扱うので「コスト」に属する。範囲・時間・費用はプロジェクトの三大制約と呼ばれ,どれか一つを変えると他に影響が出るが,プロセスとしてはそれぞれ別の対象群に整理されている。スコープが決まらないと期間も費用も見積もれないので,順序としても最初に来る。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問51
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問 52
チームの発展段階を五つに区分したタックマンモデルによれば,メンバーの異なる考え方や価値観が明確になり,メンバーがそれぞれの意見を主張し合う段階はどれか。
正解:エ
タックマンモデルは,チームが成立期→動乱期→安定期→遂行期→解散期の順に育つと説明する。動乱期(Storming)は,メンバーが遠慮なく意見を出すようになり,考え方や価値観の違いが表に出て衝突が起きる段階なので答はエ。この時期は一見うまくいっていないように見えるが,違いを避けずに擦り合わせることで次の段階へ進めるので,避けるべきものではなく通過すべき段階とされる。ウの成立期(Forming)は集まったばかりで互いに様子をうかがい,表面的には穏やかな段階。アの安定期(Norming)は,役割や進め方の共通認識ができて協力が成り立つ段階。イの遂行期(Performing)は,チームとして自律的に成果を出せる段階である。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問52
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問 53
あるプロジェクトは4月から9月までの6か月間で開発を進めており,現在のメンバー全員が9月末まで作業すれば完了する見込みである。しかし,他のプロジェクトで発生した緊急の案件に対応するために,8月初めから,4人のメンバーがプロジェクトから外れることになった。9月末に予定どおり開発を完了させるために,7月の半ばからメンバーを増員する。条件に従うとき,人件費は何万円増加するか。
〔条件〕
・元のメンバーと増員するメンバーの,プロジェクトにおける生産性は等しい。
・7月の半ばから7月末までの0.5か月間,元のメンバー4人から増員するメンバーに引継ぎを行う。
・引継ぎの期間中は,元のメンバー4人と増員するメンバーはプロジェクトの開発作業を実施しないが,人件費は全額をこのプロジェクトに計上する。
・人件費は,1人月当たり100万円とする。
正解:ウ
まず,予定より足りなくなる開発量を数える。外れる4人は8月と9月の2か月分(4×2=8人月)が失われるが,それだけではない。引継ぎを行う7月半ば〜7月末の0.5か月間は,条件により元の4人も開発作業をしないので,ここでも 4×0.5=2人月 が失われる。合わせて10人月の不足になる。増員するメンバーも引継ぎ中は開発しないため,実際に開発できるのは8月と9月の2か月だけである。したがって必要な増員数は 10÷2=5人。次に人件費を数える。増員5人は7月半ばから9月末まで在籍するので 5人×2.5か月=12.5人月,つまり1,250万円が増える。一方,外れる4人の8月・9月分(4×2=8人月=800万円)はこのプロジェクトに計上されなくなるので減る。差し引き 1,250−800=450万円の増加となり,答はウ。落とし穴は,引継ぎ期間の0.5か月分を「元のメンバーの損失」として数え忘れることで,これを見落とすと増員が4人となり増加額は200万円(選択肢ア)になる。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問53
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問 54
自動生産システムの増強に関する次のデシジョンツリーにおいて,新規にシステムを開発する場合の期待金額価値(EMV)は何億円か。
正解:ア
期待金額価値は,起こりうる結果の金額に,それぞれの発生確率を掛けて足し合わせた値である。問われているのは「新規にシステムを開発する場合」なので,上側の枝だけを見る。図の分岐の終点に書かれている30億円と−10億円は,収益から投資額50億円を差し引いたあとの値である(需要が大きい: 80−50=30,需要が小さい: 40−50=−10)。したがって EMV=0.6×30+0.4×(−10)=18−4=14億円となり,答はア。イの20は,既存システム改修の枝で需要が大きかった場合の終点の金額(20億円)をそのまま答えた値である。ウの26は,新規開発の14億円に既存システム改修の EMV(0.6×20+0.4×0=12億円)を足してしまった場合の値で,14+12=26 となる。問われているのは新規開発の側だけなので足してはいけない。エの64は,投資額を引かずに収益だけで期待値を取った場合(0.6×80+0.4×40=64)の値である。終点の金額が「収益」なのか「収益−投資額」なのかを取り違えると,投資額を二重に引いたり引き忘れたりする。この図では終点が既に差引後の値である。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問54
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問 55
サービスマネジメントのサービス可用性管理において,インシデント又は将来インシデントとなる可能性のある事象について,その発生経路及び発生原因を分析し,発生確率の算出に使用できる技法はどれか。
正解:ア
FTA は,起きてほしくない事象(頂上事象)を出発点にして,それが起こるにはどんな下位の事象が組み合わさる必要があるかを AND・OR でつないだ木としてさかのぼる手法である。下位の事象に発生確率を与えれば,木をたどって頂上事象の発生確率を計算できるので,答はア。イの FMEA は逆向きで,部品ごとにどんな壊れ方(故障モード)があり,それが上位にどう影響するかを積み上げる手法であり,確率よりも影響の大きさと検知しやすさを評価する。ウの CFIA は,構成要素とサービスの対応表を作り,ある要素が止まるとどのサービスが影響を受けるかを洗い出す手法である。エの単一障害点分析は,そこが1か所壊れると全体が止まる箇所を見つける分析で,冗長化すべき点の特定に使う。「原因側から結果へ」が FMEA,「結果側から原因へ」が FTA と押さえると区別できる。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問55
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問 56
サービスマネジメントにおける問題管理の活動はどれか。
正解:ア
サービスマネジメントでは,利用者への影響を止めることと,二度と起こさないようにすることを別の活動に分けている。インシデント管理は「まずサービスを復旧させる」ことが目的で,暫定的な回避策でも構わない。これに対し問題管理は,インシデントの背後にある根本原因を突き止め,恒久的に取り除くことを目的とする。よって答はア。イのサービス要求の優先度付けは,利用者からの依頼(アカウント発行や情報提供など)を扱う要求実現の活動である。ウの変更要求の記録は変更管理,エのリリースの検証はリリース及び展開管理の活動にあたる。同じ障害が繰り返し起きているとき,復旧を速くするのがインシデント管理,繰り返しを止めるのが問題管理である。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問56
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問 57
生成AIの処理などで用いられる,大量に発熱する GPU を搭載したサーバを,空気冷却よりも少ない消費電力で効率良く冷却できる液体冷却の一つに液浸冷却がある。液体冷却の方法の説明のうちで,液浸冷却の方法の説明に該当するものの組みはどれか。
〔液体冷却の方法の説明〕
a 液体を循環させて熱交換器で冷やす単相冷却と,気化熱を利用する二相冷却とがある。
b サーバに取り付けた金属板と熱交換してサーバを冷却する。
c サーバを筐体ごと液体に漬けて冷却する。
d 冷媒となる液体として通常は水を使用する。
正解:イ
液浸冷却は,サーバを丸ごと冷却液の中に沈めて熱を奪う方式である。したがって c は該当する。また液浸冷却には,液体を循環させて熱交換器で冷やす単相方式と,液体が沸騰するときの気化熱で熱を奪う二相方式があるので a も該当する。よって答はイ。b は,発熱する部品に金属板(コールドプレート)を密着させ,その中に冷却液を通す方式の説明で,こちらは直接液冷(コールドプレート方式)であり,サーバ全体を漬けるわけではない。d は誤りで,液浸冷却の液体には電気を通さない絶縁性のフッ素系や炭化水素系の液が使われる。水は電気を通すので,基板をそのまま漬ければ短絡してしまう。空気より液体の方が熱を運ぶ能力が高く,ファンが不要になるため消費電力も騒音も下げられる点が液体冷却の利点である。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問57
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問 58
システム監査基準(令和5年)において,システム監査で使用される用語の説明として,適切なものはどれか。
正解:エ
システム監査基準でいう独立性は,監査人が監査対象から距離を保ち,第三者から不当な影響や圧力を受けずに判断できる状態を指す。組織上の位置づけとしての外形的な独立性と,心構えとしての精神的な独立性の両面がある。よって答はエ。アの説明「他の標準的な監査人でも同じ検証結果が得られる」は,監査の客観性・再現性を述べたもので,所見の定義ではない。所見とは,監査で発見した事実に基づく監査人の考えや意見のことで,これはウに書かれている内容である。つまりアとウは説明が入れ替わっている。イの正当な懐疑心は,提示された資料や説明を鵜呑みにせず,裏付けを取ろうとする姿勢を指す。「客観性の保持という精神的な態度」は独立性のうち精神的独立性の説明に近く,懐疑心の定義とは違う。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問58
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問 59
システム監査報告書の改善提案に対し,システム監査人が行うフォローアップとして,適切なものはどれか。
正解:ウ
システム監査人は,監査対象から独立した立場で検証・評価する役割であり,改善そのものを実行する立場にはない。改善を実施する責任は監査対象部門にあり,監査人が行うフォローアップは,改善が計画どおり進んでいるかを見守り,必要に応じて助言することである。よって答はウ。アは改善の実施を「指示する」もので,指示は本来,経営者や部門の責任者が行う。監査人が指示すると,後でその結果を自分で監査することになり独立性が保てない。イはプロジェクトの管理を監査人が引き受ける形で,やはり実施する側に踏み込みすぎている。エは改善計画の策定を監査人が行うもので,これも自分が作った計画を自分で評価することになってしまう。「実施しない・管理しない・計画しない,見て確かめる」が監査人のフォローアップである。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問59
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問 60
システム監査基準(令和5年)に従い,監査目的に基づいて,ガバナンス,マネジメント,コントロールの視点から検証・評価を行う。“コントロールの視点”から行う項目はどれか。
正解:イ
3つの視点は階層で分かれている。ガバナンスは経営としての方向づけと監督,マネジメントは方針に沿って仕組みを回すこと,コントロールは日々の業務に組み込まれた個々の統制が実際に働いているかを指す。イの「異常なアクセスを検出した際に適時に対処及び報告がなされているか」は,現場に組み込まれた個別の統制が機能しているかを見るものなのでコントロールの視点にあたり,答はイ。ウはPDCAという管理の仕組みが回っているかを問うのでマネジメントの視点。アのIT投資のリターンとエの新技術の利活用は,いずれも経営としての方向づけと成果を問うものでガバナンスの視点である。同じ情報セキュリティを扱っていても,「方針を決め監督しているか」「仕組みを回しているか」「個々の統制が働いているか」で視点が変わる点が要である。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問60
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問 61
事業目標達成のためのプログラムマネジメントの考え方として,適切なものはどれか。
正解:ア
プログラムマネジメントの「プログラム」はプログラム言語のことではなく,共通の事業目標に向けた複数のプロジェクトのまとまりを指す。個々のプロジェクトを別々に成功させるだけでは事業目標に届かないことがあるため,プロジェクト間の連携・統合・相互作用まで含めて全体として価値を最大にすることを狙う。よって答はア。イはプロジェクト管理をさらに細かくする話で,1つのプロジェクトの中の管理にとどまる。ウは「プログラム」をプログラム言語と取り違えさせる選択肢で,開発手法の選定は個別プロジェクトの技術的な検討である。エは PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)の説明で,組織のマネジメント能力を底上げする支援組織のことであり,複数プロジェクトを束ねて事業目標を実現する考え方とは別である。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問61
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問 62
SOA の説明はどれか。
正解:エ
SOA(Service Oriented Architecture,サービス指向アーキテクチャ)は,システムの機能を業務上の意味のある単位=サービスとして独立させ,それらを組み合わせてシステムを構成する考え方である。部品が業務の単位と対応しているので,業務が変わったときに必要なサービスだけを差し替えればよく,他システムとの連携もしやすい。よって答はエ。アは ERP の説明で,基幹業務を一つの仕組みで一元管理するもの。イはフィットアンドギャップ分析の説明で,パッケージ製品が自社の要求にどれだけ合うか,足りない部分はどこかを洗い出す作業である。ウは BPM(業務プロセス管理)の説明で,PDCA を回して業務プロセスを継続的に改善する手法である。いずれも「業務とシステムをどうつなぐか」という点で近い分野の用語なので,何を独立の単位とするかで区別する。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問62
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問 63
データ分析手法の一つである,アソシエーション分析はどれか。
正解:イ
アソシエーション分析は,「Aを買った人はBも買う」といった同時に起こりやすい組合せを大量のデータから見つけ出す手法である。買い物かごの中身を調べることからバスケット分析とも呼ばれる。見つけたルールは,そのルールがどれだけ当てはまるかを表す信頼度,全体の中でどれだけ現れるかを表す支持度,偶然より何倍起こりやすいかを表すリフト値で評価する。この3つの指標が挙がっているイが答である。アは回帰分析で,説明変数から目的変数を予測する。ウは因子分析で,観測された多数の変数の背後に共通因子を想定する。エは主成分分析で,多数の変数を少数の合成変数に要約する。ウとエは似ているが,因子分析は「背後にある原因を仮定する」,主成分分析は「情報を損なわずに要約する」という向きの違いがある。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問63
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問 64
投資の意思決定手法の一つである PBP 法に関する記述として,適切なものはどれか。
正解:ウ
PBP法(Pay Back Period,回収期間法)は,投資した金額を何年で回収できるかという期間の短さで投資案を比べる手法である。計算が単純で分かりやすいので答はウ。一方で弱点が2つあり,選択肢のア・イ・エはそこを突いている。アとエについては,PBP法は将来のキャッシュフローをそのまま足し合わせるだけで,割引率を使って現在価値に直す処理を行わない。つまりお金の時間的価値を考慮しない。割引率を用いるのは NPV法(正味現在価値法)や IRR法(内部収益率法)である。イについては,回収が終わった後にどれだけ利益が続くかを見ないので,回収は早いが後が続かない案と,回収は遅いが長く稼ぐ案を正しく比べられない。単純さと引き換えにこの2点を捨てている手法だと理解しておくとよい。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問64
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問 65
定性的な評価項目を定量化するために評価点を与える方法がある。表に示す4段階評価を用いた場合,重み及び4段階評価の結果から評価されたシステム全体の目標達成度は,評価項目が全て目標どおりだった場合の評価点に対し,何%となるか。
正解:イ
4段階評価点は,目標どおりが3点,ほぼ目標どおりが2点,部分改善が1点,変わらずが0点である。各項目の重みと評価点を掛けて足すと,省力化効果は 5×3=15,期間の短縮は 8×0=0,情報の統合化は 12×1=12 で,実際の評価点の合計は 15+0+12=27 になる。一方,全て目標どおりだった場合は,どの項目も3点なので (5+8+12)×3=25×3=75 である。したがって目標達成度は 27÷75=0.36,すなわち36%となり,答はイ。アの27は実際の評価点の合計そのもので,%に直す前の値である。エの52は,「部分改善」を1点ではなく2点と取り違えた場合の値で,5×3+8×0+12×2=39,39÷75=52%となる。ウの43は,「変わらず」を0点ではなく2点として 5×3+8×2+12×1=43 と計算し,これをそのまま%と読んだ場合に出る値である。重みが最も大きい「情報の統合化」が部分改善(1点)にとどまり,重み8の「期間の短縮」が0点だったことが,達成度を大きく下げている。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問65
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問 66
IoT を活用した工場管理システムの開発を行う。システムを構築し,サービスを運営するA社は,B社にボード開発を定額契約で委託した。B社はボードの納入前のネットワーク試験のため,工場の設備を管理するC社と実費償還契約を締結し,工場の一部区画とネットワークを借用した。C社のネットワーク設備に故障はなく,B社の人的リソース不足が原因でネットワーク試験の作業が遅延し,追加の費用が発生したとき,その費用を負担すべき会社はどれか。ここで,各社は契約を正当に履行するものとする。また,定額契約を交わした時点では,開発のスコープは十分明確で,契約以降の変更はないものとする。
正解:ウ
契約の型ごとに,誰がコスト超過のリスクを負うかが決まっている。A社とB社の間は定額契約なので,スコープが変わらない限り金額は動かず,B社の都合で費用が増えてもA社に請求できない。したがってA社の負担は増えない。B社とC社の間は実費償還契約なので,実際に掛かった分をB社がC社に支払う約束であり,借用期間が延びればその分の費用はB社が払う。C社は設備に故障もなく契約どおり提供しているので負担は生じない。遅延の原因もB社の人的リソース不足である。よって追加費用を負担するのはB社だけで,答はウ。定額契約は受注側がコスト超過のリスクを負い,実費償還契約は発注側が負う,という対応関係を押さえておくと判断できる。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問66
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問 67
売手側でのマーケティング要素4P は,買手側での要素4C に対応するという考え方がある。4P の一つであるプロモーションに対応する4C の構成要素はどれか。
正解:ウ
4P は売り手から見た要素で,製品(Product)・価格(Price)・流通(Place)・販売促進(Promotion)から成る。4C はこれを買い手の側から捉え直したもので,顧客価値(Customer Value)・顧客コスト(Cost)・利便性(Convenience)・コミュニケーション(Communication)が対応する。プロモーションは売り手が一方的に情報を送るという発想だが,買い手から見れば売り手とのやり取りそのものなのでコミュニケーションが対応し,答はウ。アの顧客価値は製品に,イの顧客コストは価格に,エの利便性は流通に対応する。価格が顧客コストになるのは,買い手にとっての負担は本体価格だけでなく手間や時間も含むという捉え方の違いを表している。同様に流通が利便性になるのも,どこで売るかではなく買い手がどれだけ手に入れやすいかという視点への転換である。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問67
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問 68
バランススコアカードで使われる戦略マップの説明はどれか。
正解:イ
バランススコアカードは,企業を財務・顧客・内部ビジネスプロセス・学習と成長という4つの視点から見て,短期の業績だけに偏らないように評価する枠組みである。戦略マップは,この4視点に並べた課題・施策・目標を矢印でつなぎ,「人材を育てる→業務の質が上がる→顧客満足が高まる→売上が伸びる」といった因果関係を1枚の図で表したものなので,答はイ。アはポジショニングマップの説明で,2つの軸で自社や製品の位置づけを示す図である。ウは,市場の魅力度と自社の優位性で事業を分類するビジネススクリーン(GEマトリックス)の説明である。エはビジネスモデルの記述に近く,誰に何をどう提供するかを表すもので,因果関係を示す図ではない。4つの視点は下から上へ積み上がる関係にある点が戦略マップの要である。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問68
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問 69
フィージビリティスタディの説明はどれか。
正解:ア
フィージビリティスタディは実現可能性調査とも呼ばれ,事業や投資に踏み切る前に「そもそも実現できるのか,採算は取れるのか」を技術面・経済面・法規制面などから調べる作業である。投資を決める前に行う評価なので答はア。イはデルファイ法の説明で,専門家に匿名でアンケートを繰り返し,前回の集計結果を見せながら意見を収束させていく未来予測の手法である。ウはブレーンストーミングの説明で,批判をせず自由に発想を出し合って数を稼ぐ会議法である。エはプロダクトライフサイクルの説明で,製品が導入期から衰退期までたどる過程を4段階で捉え,段階に応じた戦略を考えるものである。いずれも企画段階で使う手法だが,フィージビリティスタディだけが「やるかどうかを決めるための実現性の検証」という位置づけである。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問69
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問 70
図のアンゾフの成長マトリクスのうち,市場浸透戦略の例として,適切なものはどれか。
正解:イ
アンゾフの成長マトリクスは,市場と製品をそれぞれ既存・新規に分けた4つの升目で成長の方向を整理する。市場浸透戦略は「既存市場×既存製品」,つまり今ある商品を今の市場でもっと売る方向である。イは,すでに扱っている商品を,同じ地域の住民により多く買ってもらうために特別価格で知名度を上げるという話なので,市場も製品も既存であり,答はイ。アは既存のユーザー向けに上位機種という新しい製品を出すので「既存市場×新規製品」=新製品開発戦略。ウは長年販売してきた商品を他の地方へ広げるので「新規市場×既存製品」=新市場開拓戦略。エは販売実績のない国に向けて製品を一から開発するので「新規市場×新規製品」=多角化戦略である。4つの選択肢が4つの升目にちょうど一つずつ対応している。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問70
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問 71
生産事業所のシステムを,生産計画などの計画層,各指示や工程管理・製造管理などの実行層,機械・機器の制御を行う制御層の三つの層に大きく分けたとき,MES が運用される層はどれか。
正解:イ
MES は Manufacturing Execution System,日本語で製造実行システムと呼ばれる。その名のとおり,計画層で決まった生産計画を受け取り,現場への作業指示,進捗や実績の収集,品質・在庫の管理といった「実行」を担うので,答はイ。アの計画層には,何をいつどれだけ作るかを決める生産管理システムや,全社の資源計画を扱う ERP が位置する。ウの制御層には,機械や装置を直接動かす PLC やセンサー,SCADA などが位置する。エのように3層すべてにまたがるものではなく,MES は計画層と制御層の間をつなぐ中間の層に置かれる。上位の計画と現場の設備をつなぎ,計画どおりに作れているかを実績で見えるようにするのが役割である。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問71
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 72
PLM(Product Lifecycle Management)の目的はどれか。
正解:イ
PLM は,製品が企画・設計されてから,製造・販売・保守を経て廃棄・リサイクルされるまでの一生涯にわたって,設計図・部品構成・変更履歴・不具合情報といった製品に関する情報を一元的に管理する考え方である。設計変更が保守部品や生産にどう影響するかを追えるようになり,商品力の向上とコスト低減につながる。よって答はイ。アは FMS(フレキシブル生産システム)の説明で,工作機械や搬送装置を結合して多品種少量生産に対応する仕組みである。ウは MRP(資材所要量計画)の説明で,生産計画から必要な資材の量と発注時期を求めるもの。エは SCM(サプライチェーンマネジメント)の説明で,調達から販売までの企業間の情報をつないで在庫とリードタイムを減らすものである。管理する範囲が「製品の一生」なのか「資材」なのか「供給網」なのかで区別する。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問72
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 73
IoT で活用されている LPWA の特徴として,適切なものはどれか。
正解:ウ
LPWA は Low Power Wide Area の略で,その名のとおり低消費電力で広い範囲をカバーする無線通信技術の総称である。通信速度は数kビット/秒程度と遅いが,1つの基地局で数kmから数十kmを覆え,電池1本で数年動かせるものもあるため,各地に散らばったセンサーを大量につなぐ IoT の用途に向いている。よって答はウ。アは WiGig など GHz 帯の近距離高速無線の説明で,速度は出るが距離が短く消費電力も大きい。イは PLC(電力線搬送通信)の説明で,無線ではなく既設の電力線を使う。エは I²C や SPI のような基板上の配線を使うシリアル通信の説明である。LPWA は「速度を捨てて,距離と電池のもちを取る」という割り切りが特徴で,高速大容量を狙う技術とは設計思想が正反対である。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問73
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 74
ある工場で扱っている部品Aは,使用量(需要)が一定であり,定量発注方式を採用して発注されている。この場合の経済的発注量は,グラフの年間の発注費と,年間の保管費が等しくなったときの値を計算することで求めることができる。表の条件の場合の経済的発注量を求めよ。ここで,部品Aに関する安全在庫は考慮しないものとする。
正解:エ
1回当たりの発注量を Q 個とする。年間需要が100,000個なので発注回数は 100,000÷Q 回で,1回当たりの発注費用が5,000円だから年間の発注費は 100,000÷Q×5,000=500,000,000÷Q 円になる。一方,在庫は発注直後に Q 個あり,使い切って0個になるまで一定の割合で減るので平均在庫は Q÷2 個。1個当たりの年間保管費が1,000円なので年間の保管費は Q÷2×1,000=500Q 円である。この2つが等しくなる点を求めると 500,000,000÷Q=500Q,すなわち Q²=1,000,000 となり Q=1,000個。答はエ。平均在庫が Q ではなく Q÷2 である点が要で,ここを Q のままにすると 500,000,000÷Q=1,000Q から Q≒707 となって選択肢に合わなくなる。グラフでは,右下がりの発注費と右上がりの保管費が交わる点が年間総費用の最小点と一致しており,これが経済的発注量(EOQ)である。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問74
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 75
製品X,Yを1台製造するのに必要な部品数は,表のとおりである。製品1台当たりの利益がX,Yともに1万円のとき,利益は最大何万円になるか。ここで,部品Aは120個,部品Bは60個まで使えるものとする。
正解:ウ
製品Xの台数を x,Yの台数を y とすると,部品Aは1台当たりXが3個・Yが2個で120個まで使えるので 3x+2y≦120,部品Bは1台当たりXが1個・Yが2個で60個までなので x+2y≦60 という制約になる。利益はどちらも1万円なので x+y を最大にすればよい。候補となるのは制約の境目にある点で,Xだけ作る場合は 3x≦120 から x=40(利益40万円),Yだけ作る場合は 2y≦60 から y=30(利益30万円)である。両方の制約が同時に等号になる点は,3x+2y=120 と x+2y=60 を辺々引いて 2x=60,つまり x=30,これを代入して y=15。このとき利益は 30+15=45万円で最大となり,答はウ。両方の部品を使い切る組合せが,どちらか一方だけを作るより有利になるという線形計画法の典型で,エの60は,部品Bの制約を見落として部品Aだけで判断した場合の値である。2y≦120 から y=60 となるが,このときYに必要な部品Bは120個で,使える60個を超えてしまう。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問75
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問 76
A社の貸借対照表の構成は図のとおりであった。A社の自己資本比率は何%か。
正解:エ
自己資本比率は,総資本(=総資産)に対する自己資本の割合である。自己資本は返済の必要がない部分,つまり資本金・資本剰余金・利益剰余金の合計で,2,000+1,000+500=3,500百万円になる。総資本は資産の合計と等しく,流動資産6,000+固定資産4,000=10,000百万円である。したがって 3,500÷10,000=0.35,すなわち35%となり答はエ。負債側の合計で確かめても,流動負債4,500+固定負債2,000+自己資本3,500=10,000となり資産側と一致する。ウの30%は資本金と資本剰余金だけを足して利益剰余金を入れ忘れた場合,イの20%は資本金だけを自己資本とみた場合に出る値である。自己資本比率が高いほど借入への依存が小さく,財務が安定していると判断される。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問76
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問 77
表のような製品A,Bを製造,販売する場合,考えられる利益は最大で何円になるか。ここで,機械の年間使用可能時間は延べ15,000時間とし,年間の固定費は製品A,Bに関係なく15,000,000円とする。
正解:イ
制約になっているのは機械の時間なので,1時間当たりどれだけ稼げるかで比べる。製品Aは販売単価30,000円から変動費18,000円を引いて1個当たりの限界利益が12,000円,製造に8時間かかるので1時間当たり12,000÷8=1,500円。製品Bは25,000−10,000=15,000円で12時間かかるから15,000÷12=1,250円である。1個当たりの限界利益はBの方が大きいが,時間当たりではAの方が有利なので,15,000時間すべてをAに充てるのが最善になる。作れる数は15,000÷8=1,875個で,限界利益の合計は1,875×12,000=22,500,000円。ここから固定費15,000,000円を引いて利益は7,500,000円となり,答はイ。アの3,750,000は,時間当たりの有利さを取り違えてBだけを作った場合の利益で,15,000÷12=1,250個,1,250×15,000-15,000,000=3,750,000円となる。エの18,750,000は,そのBだけを作った場合の限界利益(1,250×15,000)で,固定費を引き忘れた値である。ウの16,250,000は,Bを1,250個作るとして限界利益ではなく販売単価で売上を出し(1,250×25,000=31,250,000),そこから固定費を引いた値で,変動費を引き忘れている。1個当たりの利益ではなく制約資源1単位当たりの利益で比べる点が要である。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問77
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問 78
著作権法において,保護の対象となり得ないものはどれか。
正解:エ
著作権法は,著作物を「思想又は感情を創作的に表現したもの」と定めており,プログラムも著作物に含まれる。ただし同法は,プログラムを作るための道具にあたるものを保護の対象から明確に外している。具体的には,プログラム言語,規約(プロトコルなどの約束事),解法(アルゴリズム)の3つで,これらを独占させると誰もプログラムを書けなくなってしまうからである。よって答はエ。アのフリーソフトウェアは,無償で公開されていても創作的な表現である以上は著作物であり,著作権は放棄されていない。むしろ利用条件はライセンスで定められている。イの操作マニュアルは文章としての著作物である。ウのデータベースは,情報の選択や体系的な構成に創作性があれば著作物として保護される。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問78
報告ありがとうございました。内容を確認します。
問 79
意匠法において,保護の対象となり得るものはどれか。
正解:ア
意匠法は,物品などの形状・模様・色彩といった見た目のデザインを保護する法律である。2020年に施行された改正で保護の範囲が広がり,機器の操作に用いる画像や,物品に記録されていない画像そのものも意匠として登録できるようになった。これにより独自のGUIのデザインが対象になるので,答はア。イのアルゴリズムは,技術的な思想として要件を満たせば特許法の対象になり得るが,見た目のデザインではないので意匠法では保護されない。ウの通信プロトコルも約束事であって形ではなく,同様に意匠の対象にならない。エのビジネスモデルも,それ自体は意匠ではなく,情報技術を用いた具体的な仕組みとして特許になり得るかという話になる。「見た目のデザインなら意匠,技術的な発明なら特許」と押さえると区別できる。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問79
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問 80
労働施策総合推進法に関する記述として,適切なものはどれか。
正解:ア
労働施策総合推進法は,2019年の改正でいわゆるパワーハラスメント防止のための措置を事業主に義務付けたことから,パワハラ防止法とも呼ばれる。事業主は,方針を明確にして周知することや,相談に応じて適切に対応するための窓口・体制を整えること,相談したことを理由に不利益な取扱いをしないことなどを求められる。大企業は2020年6月から,中小企業も2022年4月から義務の対象になった。よって答はア。イのインターンシップの理念・原則は,この法律ではなく国の指針などで示されるものである。ウの最低賃金の決定手順を定めているのは最低賃金法である。エの団体交渉や労働組合については労働組合法が定めており,そもそも「労働組合活動を推進することを義務付ける」という法律はない。名称が似た労働関係の法律が並ぶので,何を義務付けている法律かで区別する。
出典:情報処理推進機構「令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午前問題」問80
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