日本語検定5級「敬語」の出題ポイント
日本語検定5級は小学校卒業くらいの日本語の力をはかる級です。敬語の領域では、むずかしい言いかえよりも「ていねいな言いかた(です・ます)」と、家族や先生など身近な人とのやりとりで使う、やさしい尊敬語・謙譲語が出ます。むずかしく考えず、「だれに言うか」「だれのことを話すか」を意識すれば大丈夫です。この記事ではやさしく整理します。
※出題範囲は変わる場合があります。最新情報は必ず日本語検定委員会 公式情報でご確認ください。
1. ていねいな言いかた(丁寧語)
敬語のいちばん基本は「です・ます」をつけるていねいな言いかたです。これを「丁寧語(ていねいご)」といいます。あいてに気もちよく伝えるための、やさしい敬語です。
| ふつうの言いかた | ていねいな言いかた |
|---|---|
| これは本だ。 | これは本です。 |
| 学校へ行く。 | 学校へ行きます。 |
| 雨がふった。 | 雨がふりました。 |
| むずかしくない。 | むずかしくありません。 |
名前や物の前に「お」や「ご」をつけて、上品に言うこともあります。これを美化語(びかご)といいます。「お茶」「お花」「ご飯(はん)」などです。ただし、なんにでも「お」をつければよいわけではありません。「おビール」「おコーヒー」のように、外国から来た言葉にはふつうつけません。
2. 尊敬語(そんけいご)のごく基本
「尊敬語」は、あいて(目上の人)の動作を高めて、うやまう言いかたです。先生やおじいさん・おばあさんなど、自分よりも上の人のことを話すときに使います。5級では、よく使うやさしいものだけ覚えればよいです。
| ふつうの形 | 尊敬語(あいての動作) |
|---|---|
| 言う | おっしゃる |
| 見る | ご覧(らん)になる |
| 食べる・飲む | めしあがる |
| 来る・行く・いる | いらっしゃる |
| する | なさる |
| くれる | くださる |
かんたんな作り方として、「お+〜になる」の形もあります。「読む」→「お読みになる」、「書く」→「お書きになる」のようにします。先生の動作などに使うと、しぜんなていねいさになります。
例で考えよう
「先生が話す」をていねいに言うとき、先生の動作なので尊敬語を使います。「先生がおっしゃる」「先生がお話しになる」が正しい言いかたです。「先生が話される」もよく使われます。
3. 謙譲語(けんじょうご)のごく基本
「謙譲語」は、自分(や自分の家族)の動作をひくくして、あいてを立てる言いかたです。自分のことをへりくだって言うことで、あいてへの敬意をあらわします。これも5級ではよく使うものだけで十分です。
| ふつうの形 | 謙譲語(自分の動作) |
|---|---|
| 言う | 申(もう)す |
| 見る | 拝見(はいけん)する |
| 食べる・飲む・もらう | いただく |
| 行く・来る | うかがう・まいる |
| する | いたす |
大事なのは、尊敬語はあいての動作、謙譲語は自分の動作に使うということです。自分の動作に尊敬語を使ったり、あいての動作に謙譲語を使ったりするのはまちがいです。たとえば「(自分が)昼ごはんをめしあがる」は×で、「昼ごはんをいただく」が正しい言いかたです。
4. 家族や先生との場面で使い分ける
5級では、家庭や学校の身近な場面が問題によく出ます。「だれの動作か」を見て、尊敬語か謙譲語かを決めましょう。
- 先生が来る → 「先生がいらっしゃる」(あいて=尊敬語)
- 自分が先生のところへ行く → 「先生のところへうかがう」(自分=謙譲語)
- おじいさんが食べる → 「おじいさんがめしあがる」(尊敬語)
- 自分がもらう → 「いただく」(謙譲語)
また、家族のことをよその人に話すときは、自分の家族には尊敬語を使わないのがふつうです。よその人に「お父さんがいらっしゃいます」とは言わず、「父(ちち)がおります」「父が言っておりました」のように言います。むずかしければ、まず「だれに話しているか」を考えるとよいです。
5. ありがちなまちがいに注意
5級でも、つぎのようなまちがいに気をつけましょう。
| まちがい | 正しい言いかた |
|---|---|
| (自分が)資料を拝見されますか | (あいてに)資料をご覧になりますか |
| 先生がいただく | 先生がめしあがる |
| お父さんがおっしゃっていました(よその人に) | 父が申しておりました |
| ご注文の品になります | ご注文の品でございます |
例題で考え方を確認
問 先生が話しているところを、ていねいに言いたい。正しいものはどれ?
- 先生が話していたします。
- 先生がお話しになっています。
- 先生が話しておられて拝見します。
考え方 話しているのは先生なので、あいての動作に使う尊敬語をえらびます。「いたす」「拝見する」は自分に使う謙譲語なので、1と3はまちがい。正しくは「お話しになる」を使った2です。正解は2。まず「だれの動作か」を見るのがコツです。
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