日本語検定5級「表記」の出題ポイント
日本語検定5級の「表記」は、言葉を正しく書くきまりをためす領域です。送り仮名、かなづかい(「じ・ぢ」「ず・づ」やのばす音、助詞の「は・へ・を」)、漢字とかなの使い分けなど、ふだん書くときに迷いやすいところが出ます。ルールはそれほど多くないので、一度おぼえれば確実な得点源になります。この章では、まちがえやすい点をやさしく整理します。
※出題範囲は変わる場合があります。最新情報は必ず日本語検定委員会 公式情報でご確認ください。
「表記」で問われること
5級の表記は、おもに次の4つに分けられます。それぞれにかんたんなルールがあります。
- 送り仮名:漢字のあとに付けるひらがなを正しく書きます。
- かなづかい:「じ・ぢ」「ず・づ」、のばす音、助詞の「は・へ・を」などのきまりです。
- 漢字とかなの使い分け:漢字で書くか、ひらがなで書くかを選びます。
- まちがいさがし:書き方のまちがいを見つけて、正しく直します。
送り仮名のきまり
送り仮名は、形が変わるところから送るのが基本です。まちがえやすいものを表で確認しましょう。
| 正しい書き方 | まちがいやすい例 |
|---|---|
| 新しい | ×新らしい |
| 短い | ×短かい |
| 表す | ×表わす |
| 幸せ | ×幸わせ |
| 必ず | ×必らず |
言葉の形が変わるとき(「新しい→新しく」など)に、変わる部分を送り仮名にすると考えると分かりやすくなります。漢字側の練習は漢字の章もあわせてどうぞ。
かなづかいのきまり
「じ・ぢ」「ず・づ」の使い分け
ふつうは「じ」「ず」を使います。「ぢ」「づ」を使うのは、次のようなときだけです。
- 同じ音がかさなるとき:ちぢむ(縮む)、つづく(続く)、つづり。
- 二つの言葉が合わさったとき:はな+ち=はなぢ(鼻血)、み+かづき=みかづき(三日月)。
それ以外は「じ・ず」と書きます。たとえば「ちず(地図)」「きずな」は「じ・ず」が正しい書き方です。
のばす音(長音)
ひらがなでのばす音を書くときは、ふつう次のようにします。
| 音 | 書き方 | 例 |
|---|---|---|
| あ列をのばす | 「あ」を付ける | おかあさん |
| い列をのばす | 「い」を付ける | おにいさん |
| う列をのばす | 「う」を付ける | くうき(空気) |
| え列をのばす | ふつう「い」を付ける | せんせい(先生) |
| お列をのばす | ふつう「う」を付ける | おとうさん |
ただし「おおきい」「とおい」「こおり(氷)」のように、「お」を付ける言葉もあります。これは決まった言葉なので、丸ごとおぼえましょう。
助詞の「は・へ・を」
言葉と言葉をつなぐ「助詞」は、音と書き方がちがうことがあります。次の3つは特に大切です。
- は:「わ」と読んでも「は」と書く。例:わたしは学生です。
- へ:「え」と読んでも「へ」と書く。例:学校へ行く。
- を:「お」と読んでも「を」と書く。例:本を読む。
例題:正しい書き方はどれですか。
- ア こうえんえ いく イ こうえんへ いく
答え:イ 「行き先」を表す助詞は、「え」と読んでも「へ」と書きます。
漢字とかなの使い分け
言葉によっては、漢字で書くものと、ひらがなで書くのがふつうのものがあります。次のような言葉は、ひらがなで書くのが自然です。
- あいさつの言葉や軽い言い方:「こんにちは」「ありがとう」。
- そえる言葉(〜してください など):「読んでください」のうしろの「ください」はひらがな。
- 「こと・もの・とき」など:「楽しいこと」のように、ひらがなで書くと読みやすくなります。
反対に、意味のはっきりした名詞や動詞(「学校」「歩く」など)は漢字で書きます。読みやすさを考えて選ぶのがコツです。漢字の書き方そのものは漢字の章でくわしく練習できます。
まちがいさがしのコツ
表記の問題では、書き方のまちがいを見つけて直すものもよく出ます。次のような点をチェックすると、まちがいに気づきやすくなります。
- 助詞の「は・へ・を」:「わ・え・お」と書いていないか。
- 送り仮名:「新らしい」のように、よけいなひらがなが付いていないか。
- 「じ・ず」と「ぢ・づ」:理由がないのに「ぢ・づ」を使っていないか。
- のばす音:「おとおさん」のように、「う」を「お」とまちがえていないか(正しくは「おとうさん」)。
例題:つぎの文には、書き方のまちがいが一つあります。直しましょう。
「わたしわ 学校え 行きます。」
答え:「わたしは 学校へ 行きます。」 「わ」は助詞なので「は」、「え」も助詞なので「へ」と書きます。このように、声に出して読みながら助詞をさがすと、まちがいを見つけやすくなります。
小さく書く字に気をつける
「きゃ・きゅ・きょ」のように小さく書く字(よう音)や、「っ」(そく音)は、ますの右上に小さく書きます。書く場所をまちがえると別の言葉になってしまうので注意しましょう。
- よう音:「きょう(今日)」「しゃしん(写真)」のように、「ゃ・ゅ・ょ」は小さく書く。
- そく音:「がっこう」「きって(切手)」のように、つまる音は小さい「っ」で書く。
「きよう」と「きょう」、「がこう」と「がっこう」では、まったくちがう言葉になります。小さく書く字も、ふつうの字と同じく一文字としてかぞえるので、ていねいに書きましょう。
まちがいをなくすコツ
- 「は・へ・を」を口で確認:声に出して「これは助詞かな?」と考えると、書きまちがいがへります。
- 「じ・ず」が基本と覚える:「ぢ・づ」を使うのは、かさなる音と言葉が合わさるときだけです。
- のばす音は例外をリストで:「おおきい・とおい・こおり」など、「お」を付ける言葉だけ別におぼえます。
- 送り仮名は形ごと練習:「新しい・新しく」のように変化させて書くと、送る場所が身につきます。
言葉の意味があいまいなときは言葉の意味の章を、学習全体の進め方は勉強法ガイドを参考にしてください。
日本語検定5級(表記)の一問一答 →