電験二種「理論」の出題ポイント解説【頻出テーマ総まとめ】
第二種電気主任技術者(電験二種)一次試験「理論」の出題ポイントを総まとめ。電気回路(直流・交流・三相)、電磁気、電子回路、過渡現象、電気計測の5大テーマについて、電験三種から一段深くなる論点(複素数表示・テブナンの定理・対称三相・オペアンプ応用・時定数解析)を体系的に解説します。一次マークシート対策の土台づくりに活用してください。
※受験料・試験日程・合格基準等は改定される場合があります。最新情報は必ず電気技術者試験センターの公式情報でご確認ください。
理論で問われる5大テーマ
- 電気回路: 直流(オームの法則・キルヒホッフ・テブナンの定理)/交流(複素数表示・インピーダンス・共振・力率)/三相(Δ-Y変換・対称三相・電力計算)
- 電磁気: クーロンの法則・電界/電位・コンデンサ・電束密度/磁界・電磁誘導・インダクタンス・磁気回路
- 電子回路: 半導体・ダイオード・トランジスタ・FET・オペアンプ・各種増幅回路
- 過渡現象: RC/RL回路の時間応答・時定数・微分方程式の解
- 電気計測: 測定誤差・電圧計/電流計・ブリッジ回路・電力測定(二電力計法)
一次マークシートはA問題(多肢択一)が中心。電験三種と比べて計算過程の複雑化と複素数・微分方程式の本格運用が特徴で、過渡現象や対称座標法の片鱗が登場します。
電気回路の頻出論点
- 直流回路: オームの法則
V=IR、キルヒホッフの電流則・電圧則。テブナンの定理で複雑回路を等価電圧源+内部抵抗に簡約。ノートンの定理(電流源等価)・重ね合わせの原理も頻出 - 最大電力供給: 内部抵抗R_iに対し負荷R_L=R_iで最大電力。最大電力
P_max=E²/(4R_i) - 交流回路: インピーダンスを複素数で表記
Z=R+jωL+1/(jωC)=R+jX。容量性リアクタンス Xc=1/(ωC)、誘導性リアクタンス XL=ωL - 共振: 直列共振 ω=1/√(LC) でインピーダンス最小(電流最大)、Q値=ωL/R で選択度。並列共振はインピーダンス最大
- 力率: cosθ=R/|Z|=有効電力/皮相電力。進相コンデンサで遅れ力率を改善し皮相電力を低減
- 三相交流: Y結線では線間電圧=相電圧×√3、Δ結線では線電流=相電流×√3。三相電力
P=√3VIcosθ(V・I は線間値) - Δ-Y変換: 不平衡や複雑網の解析で使用。
Z_Y=Z_Δ/3(対称三相の場合)
電磁気の頻出論点
- クーロンの法則:
F=q₁q₂/(4πε₀r²)。真空中の誘電率 ε₀≒8.854×10⁻¹² F/m - 電界・電位:
E=F/q、V=-∫E·dl。ガウスの法則 ∮E·dS=Q/ε で対称な電荷分布の電界を求める - コンデンサ: 平行板
C=εA/d、直列合成 1/C=Σ1/Ci、並列合成 C=ΣCi。蓄積エネルギーW=½CV²=½Q²/C - 電束密度:
D=εE。誘電体境界では D_n(法線成分)が連続 - 磁界: アンペールの周回積分 ∮H·dl=I、ビオ・サバールの法則。無限長直線電流の磁界 H=I/(2πr)
- 電磁誘導: ファラデー
e=-N·dΦ/dt、レンツの法則で誘導電流の向き - インダクタンス: 自己 L=NΦ/I、相互 M=k√(L₁L₂)(kは結合係数)。蓄積エネルギー
W=½LI² - 磁気回路: 起磁力 F=NI、磁気抵抗 R_m=l/(μA)、F=R_m·Φ(電気回路のオームの法則の磁気版)
電子回路の頻出論点
- 半導体: 真性半導体・n型/p型・PN接合のキャリア拡散とドリフト。空乏層と接合容量
- ダイオード: 整流特性・ツェナーダイオード(定電圧)・LED・フォトダイオード。理想ダイオード近似と区分線形モデル
- トランジスタ(BJT): NPN/PNP、エミッタ接地増幅回路の電圧増幅度 Av≒-RC/re、入力抵抗・出力抵抗の小信号等価回路(hパラメータ)
- FET: 接合型(JFET)・MOSFET。ゲート電圧でドレイン電流制御。入力抵抗が高い
- オペアンプ: 理想特性(入力インピーダンス∞、出力0、開ループ利得∞)。仮想短絡・入力電流ゼロの2規則で反転増幅 Av=-Rf/R₁、非反転増幅 Av=1+Rf/R₁、加算・微分・積分回路を解析
- 負帰還: 利得安定化・帯域拡大・歪み低減。正帰還は発振条件(バルクハウゼン)
過渡現象の頻出論点
- RC回路の充電: 直流E印加時
v_C(t)=E(1-e^(-t/τ))、i(t)=(E/R)e^(-t/τ)。時定数τ=RC(秒) - RC回路の放電:
v_C(t)=V₀·e^(-t/τ)。τ後に約36.8%まで減衰 - RL回路:
i(t)=(E/R)(1-e^(-t/τ))、時定数τ=L/R。スイッチ開放時のコイル両端電圧サージに注意 - RLC直列回路の過渡応答: 過制動(R²>4L/C)・臨界制動(R²=4L/C)・減衰振動(R²<4L/C)の3パターン
- 初期条件と最終条件: コンデンサ電圧・コイル電流は瞬時に変化しない(連続性)。直前直後の値が同じ
電気計測の頻出論点
- 測定誤差: 系統誤差(器差・環境誤差)と偶然誤差。相対誤差=(測定値-真値)/真値×100%。有効数字の取り扱い
- 計器の種類: 可動コイル形(直流)・可動鉄片形(交流)・電流力計形(交直両用・電力測定)・整流形(交流)・熱電形(高周波)
- 測定範囲拡大: 電流計には分流器(並列)、電圧計には倍率器(直列)。倍率 m=1+R_m/R_v など
- ブリッジ回路: ホイートストンブリッジ(中抵抗)、ケルビンダブルブリッジ(低抵抗)、マクスウェルブリッジ(インダクタンス)、シェーリングブリッジ(静電容量)。平衡条件で未知量算出
- 電力測定: 単相は電力計1台。三相は二電力計法(線電流2線に電力計挿入、和=三相電力、不平衡負荷でも成立)
- ディジタル計測: A/D変換(逐次比較・二重積分・フラッシュ)の分解能と変換速度のトレードオフ
電験三種との違い・難易度
- 電験三種が「公式適用+四則演算」中心なのに対し、二種は複素数演算・微分方程式・対称座標法が日常的に登場
- 一次は依然マークシートだが、計算過程が長く1問あたりの時間配分がよりシビア
- 電子回路(オペアンプ応用・パワエレ素子)の深さが三種より一段上
- 合格基準は科目別に60%目安。科目合格制度(3年有効)で計画的に攻略可能
学習ステップ
- Step1: 電験三種の理論を完全理解(前提)。未消化なら電験三種 理論の解説を先に復習
- Step2: 二種理論の標準テキストで複素数・過渡応答・対称座標法の章を反復
- Step3: 過去問10年分を周回。誤答ノートで自分のパターン弱点を可視化
- Step4: 当サイトの一問一答で隙間時間に肢別演習(通勤・昼休み)
- Step5: 直前期は時間制限つき模試形式で本番感覚を養う
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